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平成30年第359回定例会(第2号 9月18日)

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  1. 愛媛県議会 2018-09-18
    平成30年第359回定例会(第2号 9月18日)


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    平成30年第359回定例会(第2号 9月18日) 第359回愛媛県議会定例会会議録  第2号 平成30年9月18日(火曜日)   〇出席議員 44名   1番  武 井 多佳子   2番  田 中 克 彦   3番  松 井 宏 治   4番  塩 出   崇   5番  高 橋 英 行   6番  松 下 行 吉   7番  川 本 健 太   8番  帽 子 大 輔   9番  大 石   豪   10番  宇 高 英 治   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  菊 池 伸 英   14番  福 田   剛   15番  中   政 勝   16番  逢 坂 節 子
      17番  古 川 拓 哉   18番  兵 頭   竜   19番  大 西   誠   20番  松 尾 和 久   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  木 村   誉   24番  石 川   稔   25番  梶 谷 大 治   26番  西 田 洋 一   27番  中 田   廣   28番  大 西   渡   29番  福 羅 浩 一   30番  三 宅 浩 正   31番  欠     番   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  笹 岡 博 之   37番  黒 川 洋 介   38番  毛 利 修 三   39番  徳 永 繁 樹   40番  高 山 康 人   41番  渡 部   浩   42番  戒 能 潤之介   43番  鈴 木 俊 広   44番  欠     番   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   48番  赤 松 泰 伸   49番  本 宮   勇   50番  欠     番   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 3名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         神 野 一 仁  副知事         原   昌 史  公営企業管理者     兵 頭 昭 洋  総務部長        菅   豊 正  企画振興部長      西 本 牧 史  スポーツ・文化部長   土 居 忠 博  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      金 子 浩 一  保健福祉部長      山 口 真 司  営業本部長       八十島 一 幸  経済労働部長      田 中 英 樹  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        杉 本   寧  会計管理者出納局長   岸 本 憲 彦  教育長         三 好 伊佐夫  副教育長        武 智 俊 和  人事委員会委員     池 田 公 英  公安委員会委員     曽我部 謙 一  警察本部長       松 下   整  監査委員        本 田 和 良  監査事務局長      山 本 亜紀子   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        内 田 万 美  事務局次長       山 田 裕 章  参事総務課長      北 川 謙 二  参事議事調査課長    松 本 賢 固  参事政務調査室長    西 田 洋 一  議事調査課主幹     井 原 重 喜   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第100号議案ないし定第126号議案      午前10時30分 開議 ○(鈴木俊広議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者徳永繁樹議員石川稔議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) これから、定第100号議案平成30年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第126号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(三宅浩正議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 三宅浩正議員   〔三宅浩正議員登壇〕 ○(三宅浩正議員) (拍手)おはようございます。  自由民主党の三宅浩正でございます。  質問に先立ちまして、7月豪雨災害によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。また、被災者への支援活動や被災地の復旧・復興のために尽力されている方々に対しましても、深く敬意を表する次第であります。  そして、豪雨災害後に発生をいたしました台風21号、北海道胆振東部地震でお亡くなりになられた方々に対しまして御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと存じます。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず初めに、7月豪雨災害関係についてお伺いをいたします。  このたびの豪雨災害では、7月5日から8日にかけて、県内全域で長時間にわたり多量の雨が降り続き、広範囲にわたり甚大な被害が発生をいたしました。この災害により、県下各地で27名の方がお亡くなりになられ、災害関連死と認定された方1名を加え、28名もの犠牲者が発生したほか、大洲市、西予市、宇和島市を中心に土砂災害や河川の氾濫による多数の住家被害が発生し、最大で4,300名の方々が避難所での生活を余儀なくされる事態となりました。  このような中、県におかれましては、災害発生直後、自衛隊や緊急消防援助隊災害派遣要請を行い、市町、県警、消防、海上保安庁、自衛隊など関係機関と一体となって人命救助に取り組むとともに、避難所への緊急物資の搬送、断水地域への給水活動、被災地への災害派遣医療チームDMATの派遣、道路啓開作業を行うなど、中村知事を先頭に県、市町、関係機関の連携のもと、スピード感を持って全力で災害応急対応に取り組まれました。  災害による直接の死者が27名にも及んだのはまことに残念に思いますが、新聞報道によりますと、西予市野村町では、地元消防団が手分けをして約910軒を回り、避難を呼びかけ、また、大洲市では冠水した市街地の中から、警察署員が30人を救い出すなど、防災関係機関により多くの命が救われており、これら必死の救出活動がなければ、さらに大きな人的被害が生じていたものと思われます。  さらに被災3日目には、知事みずから首相官邸に足を運び、安倍総理に直接、自衛隊の継続派遣や激甚災害の早期指定など5項目の緊急要望を行われました。被災後の間もない時期に愛媛を離れることには、知事自身、悩み抜かれたことと拝察いたします。私は、知事のこの決断によって、各種支援の充実や激甚災害の指定など、国の素早い支援の実現に結びついたと考えております。  また、今回の災害では、最大で12市町、約6万4,000名に及ぶ広範囲な断水が発生し、水のありがたさを身にしみて感じたところであります。各市町の懸命な復旧作業により断水が順次解消され、最後まで残っていた宇和島市三間、吉田両地区についても、知事の強力なリーダーシップで、関係省庁や東京都、自衛隊など関係機関の支援を得て断水が解消されたことを高く評価したいと思います。  一方で、今回の災害では、住民への災害情報の提供について、大雨の中、防災行政無線が聞こえなかったとか、避難勧告等の発令時期や方法が適当だったのかなどの課題が浮かび上がっております。また、住民の側にも、自分は大丈夫だろうとの思い込みが実際の避難行動につながらなかったのではないかという指摘がなされてもおります。  このほかにも、避難所の運営、災害廃棄物の処理、ボランティアの活動、さらには、これまで県や市町が民間団体や企業と締結してきた協定の活用など、今回の県、市町、防災関係機関などが行った災害初動・応急対応は多岐に及んでおりますが、これらについて十分に効果が上がった点や反省点などをしっかりと検証し、課題を抽出することにより、多くの教訓が得られ、市町を含めた本県の防災・減災対策の充実、強化につながるのではないか、このように思うのであります。
     私ども自由民主党愛媛県連におきましても、発災直後に災害対策本部を設置し、国、県、そして被災自治体の動向を注視しながら情報収集を行うとともに、7月12日には自民党本部等に対しまして、自衛隊、緊急消防援助隊等のさらなる派遣や被災者の生活再建に対する支援など、急を要する課題について4項目の緊急要望を実施するなど、必要な政策の検討と関係先への要望活動に取り組んでまいりました。  また、今月13日には、大量発生した漂流ごみ等の回収、処理費用に対する支援、災害復旧を担う建設業界の対応能力の維持、個人所有地に流入した土砂や災害廃棄物の撤去、大雨特別警報の発令基準など、現行の制度では対応しがたい項目等につきまして要望をさせていただいたところでありまして、引き続き復旧・復興に向けて、被災地の方々が必要としている政策の実現に力を尽くしてまいる所存であります。  そこで、お伺いします。  このたびの豪雨災害への初動・応急対応についてさまざまな課題が浮かび上がってきたと思われますが、これらをどのように検証し、今後の防災・減災対策の充実強化につなげていくのか、お聞かせください。  次に、公共土木施設被害状況と今後の対応についてお伺いいたします。  今回の豪雨は、北海道の広範囲において7月2日から5日にかけ、多量の降雨とともに甚大な被害を生じさせた前線があり、その前線が南下して西日本と東日本にかけて東西に横たわる形で停滞し、そこに直前に通過した台風7号による湿った空気が流れ込んで前線が活発化したため生じたとのことであります。  この活発化した前線により、本県では7月5日から8日にかけて大きな被害を伴う豪雨が生じました。この豪雨では、県下で初めてとなる大雨特別警報が宇和島市と愛南町で発令され、気象庁の雨量データによると、今治、松山、大洲、宇和、宇和島などにおいて、7月における1カ月間の過去平均雨量を大幅に上回る降雨が7月5日から8日の4日間で記録をされており、今回の豪雨の激しさがうかがえる結果となっております。この記録的な豪雨により、人的被害、家屋の倒壊や浸水、各種ライフラインの被災など、さまざまな分野で甚大な被害が生じたところであります。  公共土木施設においても、まだ降雨の続いていた7日の午後には、松山から宇和島方面への交通アクセスが完全に分断されたほか、各地で土砂崩れなどによる道路の通行どめ箇所の多発や記録的豪雨による河川の氾濫、堤防、護岸の崩壊、また、住宅地での人的被害を伴う大規模な土砂崩れなどが生じており、過去最大級の甚大な被害となりました。  被災地に足を運んでみますと、県内外から応援に来ていただいている多くのボランティアの方々が活動する様子や被災した店舗が少しずつ営業を再開している様子、また、道路、河川の被災箇所における応急対策工事の実施や応急仮設住宅の建設などが見られ、復旧・復興に向けた着実な動きを感じることができましたが、もとの生活を取り戻すためには、もう少し時間が必要な部分も多くあると感じました。  被災者がいち早くふだんの生活を取り戻し、また、被害の大きい農林水産業や、風評被害が懸念されている観光産業を初めとした各種産業がもとの姿を取り戻すためには、生活基盤としての機能や地域の交流・連携機能、防災機能などを有する公共土木施設が担う役割は非常に重要であり、早期復旧が必要不可欠であると考えております。  そこで、お伺いいたします。  今回の7月豪雨において、これまでに確認された公共土木施設被害状況はどのようになっているのか。また、復旧・復興に不可欠な道路や河川を初めとした公共土木施設の復旧については、どのような方針で取り組まれているのか、お聞かせください。  次に、農林水産業の復旧・復興についてお伺いいたします。  今回の豪雨災害においては、産業への被害も深刻で、県内の経済活動に大きな影響を与えています。とりわけ農林水産業につきましては、農作物はもとより、農地、農道やため池などの農業用施設農業用ハウス共同利用施設、林道、林産施設、漁港施設など、これまで長年にわたり営々と築き上げてきた生産基盤が大きなダメージを受け、その被害額は先月末時点で約563億円にも達する、まさに未曽有の大災害となってしまったのであります。  今、被災した生産者の皆様は、収入が激減する上に、早急な経営再建への投資や資金繰りにも迫られる厳しい状況にあります。例えば、今回大きな被害を受けた柑橘農家では、園地の一部が崩壊し、樹体が流されるとともに、スプリンクラー、モノレールなどの施設に加え、農業用機械や軽トラックまでも失うなど壊滅的なダメージを受け、もとの姿に戻るまでに何年かかるか見通せない深刻なケースもあると聞いております。ただでさえ本県の農業就業人口は、ここ20年間でおおむね半減するとともに、平均年齢が平成27年で67.8歳に達するなど、担い手の不足や高齢化が深刻化する中で、今回の災害により生産者が次々と営農意欲を失う事態となれば、本県の基幹産業である農林水産業への影響は大きく、地域の活力を低下させることは必定であります。  こうした事態を避けるためにも、早期の復旧・復興に向け、全力で取り組む必要がありますが、そのためには国のしっかりとした後押しが必要不可欠であります。  こうした中、中村知事におかれては、産地の早期復旧・復興に向けたきめ細やかな支援について、安倍総理や農林水産大臣を初め政府に対し、迅速かつ強力な要請を繰り返し行ってこられました。こうした姿勢は、被災地の生産者に再建への勇気と希望を与えるとともに、国による手厚い支援を得ることで、早期復旧への道筋につながるものと確信をしており、産地復興に向けた関係者の今後の取り組みに大いに期待を寄せるものであります。  そこで、お伺いいたします。  産地の復旧・復興に向けた県の強力な支援要請を受け、今回、国においてどのような支援措置が講じられたのか、お聞かせください。  次に、被災者に対する見守りや生活相談等の支援についてお伺いします。  今回の豪雨災害により、家屋を土砂に流された多くの被災者は、厳しい猛暑の中、住みなれた家から離れ、長期にわたる過酷な避難所生活を余儀なくされることとなりました。また、在宅での避難を選択された多くの方々も、生活環境に大きなダメージを受けながら、長期にわたり不便な生活をせざるを得ない状況となっております。  このような中、県では、国や被災市町との連携のもと、発災直後から被災者の命と健康を守るための支援活動に取り組み、災害派遣医療チームDMAT日赤救護班などの医療チームを初め、災害派遣精神医療チームDPATや他県からの応援も得て編成された保健師チーム、今回初出動となった災害時要配慮者支援チームなど、医療、保健、福祉の専門スタッフが現地で支援活動を展開したほか、被災市町においても社協や民生委員、NPO、ボランティア団体等と連携し、避難所及び在宅の避難者へのさまざまな支援活動を行うなど、県内外から多くのマンパワーを得て、重層的に被災者に対する寄り添い支援が進められております。  発災から2カ月余りが経過しましたが、今なお避難所生活を続けざるを得ない被災者がおられます。また、仮設住宅や民間借り上げ住宅等への入居も進みましたが、被災者にとっては、これまでの長期にわたる避難生活での精神的、身体的ストレスに加え、地域コミュニティから離れることで新しい生活環境への不安を抱えており、引き続き手厚い支援が欠かせないと考えております。  過去には東日本大震災や熊本地震など大規模災害の発生県において、高齢者等の孤立の増加やそれに伴う孤独死の発生、要介護度の上昇や生活困窮者の増加など、さまざまな問題が生じたと聞いております。被災者が日常生活においてできる限り不安を抱え込まないように、これまで以上に見守りや生活上の相談支援等の体制を整えていく必要があります。本県においても、ぜひともこれまでの被災県の課題等を踏まえながら、被災者にとって真に有効な見守り、支援体制を構築していただきたいと考えております。  そこで、お伺いします。  被災者に対する見守りや生活相談等の支援について、今後、どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、観光における風評被害への対応についてお伺いします。  今回の豪雨の様子は、被災直後から繰り返し全国で報道され、愛媛の被害の大きさが伝わったことから、全国から救援物資や災害復旧ボランティア、義援金等が多数集まる一方、愛媛全体が被災地になっているとのイメージを抱いた方も多く、それが7月、8月の観光客の大幅な減少につながったとの指摘もあります。確かに南予地域の一部の観光施設や旅館では、災害により営業休止を余儀なくされたところもありますが、ほとんど被害のなかった道後温泉周辺のホテル、旅館でも、豪雨災害以降はキャンセルが相次ぎ、県の発表では、7月6日から20日までの15日間に、県全体で約7万人泊の宿泊キャンセルが生じ、その影響額は約17億円と推計されております。  道後のあるホテルの経営者からは、8月に入ってからもまだ夏休み中の宿泊予約が十分にとれる状態で、ここ数年経験したことがないとの声を聞きましたし、また、別の経営者は、道後は大丈夫だとわかってはいても、迷惑になるなと思い旅行を自粛する人も多かったのではと話されていました。  一方、南予地域はさらに深刻で、報道によれば、夏の風物詩である大洲のウ飼いは、豪雨による深刻な被害で約1カ月間の営業休止となり、関係者の努力で8月7日にようやく再開したものの、お盆の書き入れどきでも、観覧客は、前年同期比で半分に満たない状況であったほか、内子町でも、観光資源の目玉である内子座、木蝋資料館上芳我邸の7月の来場者数が前年の半分以下となっており、町の担当者は、道後の宿泊客減少が大きく影響していると分析しているとのことであります。  このような中、国では予備費を活用した生活・生業再建支援パッケージを取りまとめ、観光復興のための予算措置を行ったところであり、県ではこれを財源として、1人1泊当たり6,000円の補助が出る優遇措置を先月末から実施していると聞いております。  今回被害の大きかった南予地域交通インフラ観光施設も、急ピッチでもとの姿に戻りつつあり、観光客の受け入れ体制も整ってきております。本県を訪れる観光客は、道後温泉に泊まって、そこを拠点に県内を周遊するパターンが圧倒的に多いことから、県においては、この観光復興予算を十分に活用していただいて、まずは道後温泉に元気を取り戻していただき、道後の宿泊客が南予地域を周遊しやすいような仕掛けづくりをしていただきたいのであります。  そこで、お伺いします。  豪雨による風評被害を払拭し、観光需要を早期に回復するため、どのように取り組んでいるのか、お聞かせください。  次に、豪雨災害における警察の活動についてお伺いします。  今回の豪雨災害では、発災直後から警察、消防、自衛隊等が連携、協力して迅速な救出・救助活動を行い、県警におかれましては、被災者の救出・救助、捜索及び被災者の安全・安心の確保に全力で当たっていただいたものと承知をしております。その旺盛な士気と高い使命感を持って職務を全うされたことは、被災者の方々の大きな支えとなったと聞いているところであり、県民の一人としても頼もしく感じているところであります。特に、大洲市の水没地域では、警察官が重油や車の浮かぶ中を進み、時には泥水の中に潜ったりしながら、手こぎボートなどで高齢者や乳幼児ら数多くの方々を救出し、広見川や肱川での行方不明者捜索では、数日間にわたって県警アクアラング部隊等による捜索なども行ったと聞いております。  しかしながら、7月豪雨災害後も台風が相次いで発生するなど、二次災害が発生する可能性は依然高く、今後も予断を許さない状況にありますことから、引き続き災害への警戒や対策が重要であるとともに、県警による迅速な対応も求められていると思われます。  また、今回のような災害で心配されるのが、住民が避難したことによる留守宅や無人の店舗、壊れたATMから金品が盗まれたり、義援金の募集等を名目に現金をだまし取られるなど、災害に便乗した窃盗、詐欺等の犯罪の発生であります。残念ながら、過去の東日本大震災を初め、大規模災害時にはこうした犯罪が必ず発生しています。  このような被災者の窮状、被災地の混乱、そして、住民の不安につけ込んだ窃盗や詐欺は悪質極まりない犯罪でありまして、被災地の安全・安心を確保するためにも迅速な検挙措置や防犯対策により発生を抑止していく必要があります。7月豪雨災害では、このような犯罪を未然に防ぐため、県警が発災直後から大洲市、西予市、宇和島市等の被災地に入り、パトカーなどによる警戒、警ら活動や避難者の生活支援活動等の防犯対策に取り組んだと聞いております。  そこで、お伺いします。  7月豪雨災害において、被災者の救出・救助活動や発災後の防犯活動など、県警としてどのように取り組んできたのか、お聞かせください。  さて、ここからは、災害関連以外の質問を申し上げたいと思います。  まず、デジタルマーケティングについてお伺いします。  御案内のとおり、平成2年のウインドウズ3.0の発売以降、私たちの生活の中でインターネットは加速度的に普及、浸透してきました。特に、ここ数年はスマートフォンの台頭に伴い、手のひらの中で24時間いつでもどこでも、通信環境さえ整っておればインターネットにつながることができるようになっています。例えば旅行先を調べるとか、飛行機を予約するとか、本を購入する、写真を共有するなどといった日常生活のさまざまな行動が、今や時間や場所を選ぶことなく、インターネットを介し可能となっておりますことは、一昔前には想像もできなかったことだと思います。  このように、住民の大半がスマートフォン等デジタル機器を生活の一部として活用するようになった現在、行政もインターネットを十分意識した施策展開を考える必要があると思うのであります。もちろん各自治体におかれては、これまでもホームページやSNSの活用など、インターネットを使って各種の施策を実施してきてはおりますが、どちらかといえば、行政が一方的に伝えたい情報を流しており、伝えたい情報を必要な人々に伝えられているかといえば、疑問が残るところもあります。  デジタル機器と生活のかかわりが加速度的に密接になってきた現状を踏まえますと、行政分野でもデジタルで得られるデータ等を使って情報を伝達するなど、より効果的に施策を展開することができると考えるものであります。  近年、その可能性に気づいた自治体等が、デジタルマーケティングの導入、検討を始めております。デジタルマーケティングを使えば、広報やプロモーションといった、人々に認知を拡大させていきたい事業では、これまでのアナログな手法とは異なり、デジタルで得たデータをもとに確実に届けたい相手に情報を伝えることが可能となります。特に外国人誘客などに効果的とされておりまして、政府観光局においては、今年度予算よりインバウンド事業へのデジタルマーケティングの活用が明記されたほか、福島県など一部の自治体においても、観光や国際交流の分野で徐々にデジタルマーケティングの導入が始まっていると聞いております。  人々のインターネットの依存比率の高まりに比例して、ネット上にはさまざまなデータが膨大に蓄積されていきます。せっかくのこの資源を眠らせたままにしておくのではなく、生きたものとして活用するのがデジタルマーケティングであり、本県でもぜひ施策向上を図るため、その手法を効果的に活用してほしいと思うのであります。  そこで、お伺いします。  本年4月より、本県でも専担部署を設置し、検討を進めていると聞いておりますが、今後、各種施策へのデジタルマーケティングの導入にどのように取り組んでいくのかお聞かせください。  次に、愛媛国際映画祭プレイベントについてお伺いします。  現在も国内各地の映画館での上映が続けられております「カメラを止めるな!」。昨年、新人の映画監督が低予算で制作し、期間限定で公開されていた映画ながら、その後、国内の著名な映画祭で高い評価を受けたことやSNS等で徐々に評判が広まったことから、ことしの6月に東京都内の2カ所の映画館で公開されるや、たちまち人気に拍車がかかって全国約200カ所もの映画館で上映されるまでに至り、制作費を大幅に上回る興行収入を上げていることが話題となっております。  また、海外に目を向けますと、毎年5月にフランスで開催されておりますカンヌ国際映画祭のコンペティション部門において、今回、日本の作品が最高賞となるパルムドールを受賞したという報道も記憶に新しいところでございまして、このところ、海外の映画祭で日本の映像作品が高い評価を受けたという話を耳にすることが多くなっているように感じます。  これらの映画に関する話題は、テレビや新聞などのメディアで大きく取り上げられており、映画というものの注目度や話題性の高さを改めて認識するとともに、仮に本県出身の映画監督が撮影した作品であったり、県内をロケ地として撮影された作品であったとすれば、本県の認知度向上やイメージアップにも大きく貢献したものであろうと、浅からぬ期待を抱いたところでございます。それと同時に、華やかなレッドカーペットの印象が強い映画祭ではありますが、映像作品が一般に広く認知されるきっかけとして、非常に重要な役割を担っていることに気づかされた次第であります。  現在、国内においては東京国際映画祭やゆうばり国際ファンタスティック映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭など有名な映画祭を初め、大小含めますと年間で100件以上の映画祭が開催されていると聞き及んでおりますが、このたび愛媛県として新たに映画をテーマとした国際的な文化事業に取り組まれることに対しまして、本県のPRはもとより、地域の活性化や交流人口の拡大など、好影響が多方面へと波及する可能性を強く感じております。  そこで、お伺いいたします。  愛媛国際映画祭プレイベントではどういった事業を実施するのか。また、来年度の本格開催後にどういった展開を目指すのか、お聞かせください。  最後に、任期満了に伴う次期知事選挙についてお伺いします。  中村知事におかれては、この4年間、「みんなでつくろう、愛顔あふれる愛媛県-第2ステージ」のスローガンのもと、地方分権時代を見据え、自主・自立の組織体制の構築を進められながら、中村県政第1期目の成果をさらに拡大、深化させるとともに、南海トラフ巨大地震等に備えたハード・ソフト両面にわたる防災・減災対策、県内への移住促進や子育て支援などを通じた人口減少対策、さらなる実需の追求による地域経済の活性化を3本柱に、営業活動の強化、医療・福祉の充実、そして本県の基幹産業である農林水産業の振興やえひめ国体の成功に向けた取り組みなど、本県にとりまして極めて重要な数々の課題に積極果敢に挑まれ、成果を上げてこられたものと存じております。  また、7月豪雨災害に際しましては、力強いリーダーシップと行動力で先頭に立たれ、当面の課題であった人命救助、水の確保、住まいの確保に迅速な対応でめどをつけられた後、引き続き精力的に復旧・復興に向けた取り組みを進められておりますことは、まことに心強く感じているところであります。  そのような中、中村知事は、9月5日の定例記者会見の中で、次期知事選挙への出馬について、前向きに考えたいと表明をされました。私どもといたしましては、中村知事が県民と約束をした公約を果たそうと懸命に取り組んでこられた第2ステージの挑戦を後戻りさせてはならない、さらに進展させていただきたいとの思いから、中村知事には3期目を担っていただきたく、去る3月31日、私ども自民党愛媛県連大会において出馬要請をさせていただいた次第であります。  そこで、お伺いします。  中村県政第2ステージを振り返り、所感はどうか。また、第3ステージへの挑戦についてのお考えはどうか、お聞かせをください。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 三宅議員に、まず、豪雨災害初動・応急体制等々についての御質問にお答えをさせていただきます。  今回の豪雨災害では、被害規模に鑑みまして財源を確保するためにも、総理にいち早く直接、地域の状況や要請を伝える必要があると判断し、また、地元では可能な限り被災地をくまなく視察し、そして状況の把握に努め、その上で地域を守るということは、人、生活、産業を守ることで初めて成り立つという方向性を示させていただき、関係者に共有していただいた上で、人命救助を最優先に、生活に必需な水と住居の確保を第1段階の目標として、全力で対応に当たってきたところでございます。  27名もの方々が命を失われたことは大変残念でありました。しかし、その一方で、懸命の救助活動により県災害本部に報告があっただけでも133名もの方々が救出されたほか、自主防災組織や防災士を中心とした共助により、早期避難につながった実例も報告されています。  また、水や住居につきましては、8月初旬の断水解消や8月末の応急仮設住宅への入居開始など、第1段階の目標達成に一定のめどが立ったため、復興本部を設置し、オール愛媛で復興に向けた取り組みを進めているところでございます。  一方で、住民への災害関連情報の伝達とその効果、災害廃棄物仮置き場や仮設住宅用地の適地の事前確保などの課題もありましたことから、防災の専門家や県・市町、防災関係機関などで構成する検証委員会を設置し、効果を上げた取り組みや課題等を抽出、整理して検証作業を行って、その結果は県地域防災計画等の見直しや本県の防災体制の改善に反映させ、今回の豪雨災害の教訓を生かし、防災・減災対策の一層の充実、強化に取り組んでまいりたいと思います。  次に、公共土木施設被害状況等に関する御質問ですが、今回の豪雨による公共土木施設被害状況は、8月末時点で、県・市町合わせて2,514カ所、約426億円となっており、これは統計の残る昭和28年以降で最大の被害となっています。そのため、県では、まずは人を守ることを最優先に、7月補正、8月専決補正において応急対策や二次災害防止、さらには復旧に合わせて施設の機能向上を図る、再度災害防止に必要な予算を計上し、9月補正予算案においては、市町の要請を受けまして、被災した橋梁や道路の一部を県が受託して復旧するために必要な経費を計上するなど、迅速な災害復旧等に取り組んでいるところでございます。  また、災害査定を年内に確実に終わらせ、地方自治体では全国初の取り組みとして策定した災害復旧における入札契約方式の適用ガイドラインに基づきまして、指名競争入札の範囲拡大等により、早期発注に努めることとしています。さらに、工事の集中により被災地域で不足が懸念される技術者や作業員、資機材等を確保するため、被災地域とその他地域の県内業者による愛媛県版復旧・復興建設工事共同企業体の導入や、技術者の兼任要件の緩和を検討するなど、スピード感を持って、ここが最優先だと思いますので、早期復旧に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、産地の復興・復旧体制に向けて、本県の支援について国はどんな措置を講じたのかということでありますが、今回の豪雨は、本県がこれまでに経験したことのない甚大な被害をもたらし、その復旧・復興には財政面からいっても国の全面的な支援が不可欠であるとの思いから、先ほど申し上げましたように、発災3日目に東京に行きまして、安倍総理へ緊急要望を行ったことを皮切りに、あらゆる機会を捉え、被災状況や被災地ニーズを国に発信し、生産者への迅速な支援を要請してきたところでございます。  この結果、8月2日には、国の再建支援パッケージが打ち出され、農業用ハウスや機械等の再建修繕への補助率のかさ上げ、共同利用施設の再建等に対する補助要件の大幅な緩和、被災生産者への運転資金貸付限度額の引き上げなど、熊本地震対策に匹敵する支援策が措置されたところでございます。  また、本県の被害状況に合わせまして、被災園地における樹体保護のための剪定作業やモノレール復旧までの間の運搬労務経費、軽トラックのレンタル経費などへの助成が今回初めて認められており、本県からの要請を受けとめ、被災地ニーズに対応した柔軟で温かい国の支援姿勢には、心から感謝をしているところであります。  県では、こうした国の支援策にあわせまして、農林水産関係だけで約146億円の補正予算を措置するなど、復旧活動への即応体制を整えるとともに、県内6カ所に設置しました営農再建支援相談窓口や南予地域柑橘農業復興対策チームの活動などを通じまして、被災した全ての生産者等に寄り添いながら、一日も早い復旧・復興を目指し、県の総力を挙げて支援に取り組んでまいりたいと思います。  次に、観光関係の御質問ですけれども、今回の豪雨災害では被害のなかった地域でも宿泊キャンセルが相次ぎ、その後の宿泊予約も大きく落ち込むなどの風評被害が発生しましたことから、県では、同じく被害の大きかった広島、岡山両県に呼びかけまして、共同で国に対策を強く要望した結果、1人1泊当たり最大6,000円を補助する制度が創設されたため、関係11府県、3県以外は4,000円となっておりますけれども、ここと連携しながら8月末からふっこう周遊割を開始しているところであります。  県では、この制度の活用推進のため、首都圏や関西圏の空港や駅等へのチラシを配置するとともに、主要な旅行会社へ企画旅行の造成、販売を強く要請しているところであります。  また、道後のみならず、南予への誘客促進を図るため、道後関係者には私の方から直接その取り組みの依頼をするとともに、また、旅行会社が南予への旅行商品を新規造成した場合のパンフレット製作費等を愛媛DMO事業により助成しているほか、旅行会社、交通事業者とコラボして、道後から内子、大洲、宇和島を周遊する500円のワンコインバスを行楽シーズンの10から11月の土曜、日曜に運行することとしております。  さらに、新たな観光需要の創設につなげるため、高知県に連絡しまして、高知県と共同で台湾、香港の旅行会社に対し、ふっこう周遊割を活用して両県を連泊する旅行商品の造成も働きかけているところであり、今後とも風評被害の払拭と観光需要の回復、拡大に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、デジタルマーケティングについての御質問ですが、このデジタルマーケティングについては、本年の初めのことでしたが、私自身、世界的なIT企業2社を訪問した際、この分野の進化のスピードに大きな驚きを覚えました。その時点でどのような成果に結びつくかは、正直なところやってみないとわからないながらも、時代の趨勢、世界の流れを見て、直ちに取り組まなければおくれていくとの強い危機感を持ちまして、まず体制づくりから着手させていただきました。  そこで、本年4月に、全国初のデジタルマーケティングの専担部署を設置し、本県でのデジタル施策の構築と手法の早期習得に向け検討を進めてきた結果、外国人旅行者の誘客促進を切り口とした活用モデルを確立するため、韓国を初め、台湾やオーストラリアなど5カ国をターゲットに、本県の魅力を集約した動画広告を配信し、視聴結果等を分析検証することとし、今回の9月補正予算案に所要の経費を計上させていただいたところでございます。  今後とも、新たに設置するアドバイザーの助言を得ながら、全庁的にデジタルに関するノウハウの共有や知識の向上に取り組むとともに、県産品の販路拡大や移住促進等の分野において、デジタルマーケティング手法の導入による新たな可能性を追求しながら、時代の流れに的確に対応した施策を推進し、実需のさらなる創出につなげてまいりたいと思っております。  次に、県政それぞれのステージについての御質問にお答えをさせていただきます。  私の今任期は、1期目の4年間に種をまき、芽出しした政策をベースに、4年間の現場経験と地域の方々の生の声などを大事にして練り上げた防災・減災対策、人口減少対策、地域経済の活性化を3本柱とする公約の実現が県民の皆さんとの約束であると肝に銘じ、先頭に立って駆け抜けてきたところでございます。  2期目を振り返れば、最大イベントであったえひめ国体・えひめ大会の成功を初め、県立学校の耐震化完了、ドクターヘリコプターの導入、全国2位となりました防災士の育成、県内企業とタイアップした紙おむつ無料支給事業、中学生に対する職場体験、いわゆるジョブチャレンジU-15事業の導入、愛媛あかね和牛や伊予の媛貴海などの開発による愛媛ブランド力の底上げ、全国に先駆けて設置した営業本部による県関与成約額100億円の突破、自転車新文化の象徴であるサイクリングしまなみの開催など、公約に掲げさせていただいたものは全て着手し、着実に成果を積み重ねることができているのではないかと認識しており、残された任期の最後まで成果を徹底的に追求し、全力で取り組んでいく所存でございます。  このような状況の中、2期目の取り組みについて、自民党県連の皆さんを初め、多くの組織、団体の皆さん方から御評価をいただき、次なる県政のかじ取り役を担うようにとの激励の声をいただいていることは大変ありがたく、また、非常に重く受けとめております。  ただ任期中に取り組みをお約束する公約なくして、土俵に上がる資格なし、昨今の政治不信の根本原因は、公約の空手形にありとの思いから、公約にこだわることが政治への信頼回復の早道ではないかということに、自分自身、政治家としてこだわり続けてまいりましたので、この姿勢は貫いていきたいと思っております。  ただ、今現在、豪雨災害の応急対策に一定のめどがたった今、県民の幸せと地域の発展のために自分に何ができるのか、前向きにしっかりと見きわめていきたいというふうに思っております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○(土居忠博スポーツ・文化部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 土居スポーツ・文化部長   〔土居忠博スポーツ・文化部長登壇〕 ○(土居忠博スポーツ・文化部長) 愛媛国際映画祭に関する御質問にお答えをいたします。  映画は、演劇や文学、映像や音楽などさまざまな文化的要素で構成される総合芸術であり、また、その舞台となった地域や人が大いにクローズアップされるという側面も持っております。  愛媛国際映画祭は、多くの県民の方々にこうした映画文化に接していただく機会を提供するとともに、大勢の映画関係者や映画ファンの来県による交流人口の拡大、映画を通じた愛媛の情報発信等によりまして、愛媛ファンの獲得や地域の活性化につなげることを目的としております。
     今年度は、プレ映画祭という位置づけで開催する予定でありまして、華やかなレッドカーペットや開会式の開催、最新映画の先行上映や関係者による舞台挨拶、海外映画祭ノミネート作品の上映、さらには愛媛ゆかりの映画の紹介や映画音楽コンサートの開催など、国際映画祭にふさわしい内容を盛り込んで、来年の2月か3月に実施したいと考えております。  また、来年度は、プレ映画祭の結果を検証しつつ、県内各地での上映会、映画イベントの開催を目指しますとともに、世界中から新作の作品を募集するコンペティションの実施や映画関係者とファンとの交流会開催など、国際映画祭としての内容を一層充実させることで、県民の皆様はもとより、国内外の映画関係者や映画ファンからも高く評価されるような日本有数の国際映画祭に育てていきたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 7月豪雨災害に関する御質問のうち、被災者に対する見守りや生活相談等の支援についてお答えをいたします。  長期の避難生活を余儀なくされております被災者の心身の負担を軽減し、安心して日常生活を送れるようにするためには、健康管理の支援に加え、個々の被災者の状況に応じた見守りや生活相談等の支援、仮設住宅等避難生活の場におけるコミュニティづくりの促進など、地域全体で支え合う体制を整備することが重要であります。  このため、県では、8月29日に市町及び市町社協の職員を対象に、東日本大震災の被災地等で実践をされました孤独死の未然防止のための訪問活動や被災者の集いの場づくりの実例を学ぶ研修会を開催するとともに、9月12日には、愛媛県地域支え合いセンターを県社協に設置いたしまして、被災市町における見守りや相談、交流活動を支援する体制を整備したところであります。  現在、被災市町では、市町地域支え合いセンターの開設準備を行うなど支援体制の強化を進めておりまして、県といたしましては、今後とも市町において、地域の社協やボランティア、NPO団体等との連携を図りながら、地域の実情に応じた効果的な被災者の見守り、相談支援体制が構築されるよう取り組むこととしているところでございます。  以上でございます。 ○(松下整警察本部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 松下警察本部長   〔松下整警察本部長登壇〕 ○(松下整警察本部長) 豪雨災害についての御質問のうち、県警の取り組みについてお答えいたします。  今回の豪雨災害において、県警では、発災当初から自衛隊や消防等関係機関と連携して、県内各地の土砂災害現場や浸水した地域において救出救助活動に当たるとともに、被災家屋等を個別に訪問しての住民の安否確認や安否不明者の捜索活動を行ったところであります。  また、交通対策として、救出救助活動の要員や救助物資等の搬送を円滑に行うための交通路を確保したほか、浄水用大型ろ過装置の輸送に際しては、道路管理者と連携し、車列の誘導等による安全対策を実施しました。  さらに防犯対策として、パトカー等による被災地域の警戒・警ら活動を24時間体制で実施したほか、女性警察官等による避難所支援班を編成して、避難者からの相談受理や防犯指導等を実施しました。また、SNS等の各種広報媒体を活用し、災害に便乗した犯罪を未然に防止するための積極的な情報発信を実施したところであります。  今後も引き続き、復興活動が円滑に進むよう、被災地の安全・安心の確保に努めてまいる所存であります。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時24分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(毛利修三議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 毛利修三議員   〔毛利修三議員登壇〕 ○(毛利修三議員) (拍手)自民党志士の会・無所属の会、毛利修三でございます。  会派を代表して質問をいたします。  7月の豪雨災害では、多くのとうとい命が失われ、南予地域を中心に県内全域で甚大な被害が発生いたしました。改めてこの壇上から、お亡くなりになられた28名の方々の御冥福をお祈りし、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  災害の発生から2カ月が経過しました。今も被災地では、失われた平穏な日々を取り戻すために、かけがえのない地域の再生のために日夜懸命に頑張っておりますが、被災地に身を置く者の一人として、復旧支援のために応援職員を送っていただいた全国各地の自治体の皆さん、温かい支援の手を差し伸べていただいた県内外からのボランティアの皆さん、昼夜を分かたず献身的な救助活動支援活動をいただいた自衛隊の皆さんに深く深く感謝を申し上げます。  また、中村知事におかれては、発災直後からいち早く被災地に足を運び、被災者の声に耳を傾けながら、強力なリーダーシップのもと、人命救助や水の確保、住居の確保はもとより、農林水産業や商工業など産業の復旧・復興に向けたさまざまな対策を講じていただいておりますことに対し敬意を表し、感謝を申し上げます。被災地の本格的な復興は今からであります。引き続きお力添えをいただきますことを願いながら、質問に入ります。  まず、7月豪雨災害により被災した樹園地の復旧及び柑橘の生産復興に向けた取り組みについてお伺いをいたします。  7月5日から8日にかけて県内全域で長時間続いた豪雨は、宇和島市吉田町、西予市明浜町など南予地域を初め、松山市や今治市の島嶼部など、県内各地のミカン産地において優良園地を大規模に崩落させ、農道やスプリンクラー、モノレール等の施設を流出させるなど甚大な被害をもたらしました。幸い無事であった園地においても、摘果や防除など、この時期に欠かせない作業に大きな支障を与えることとなり、果実の品質低下や収量減少が懸念されるなど、柑橘王国愛媛の屋台骨を揺るがしかねない深刻な事態を招いております。これだけの大きな爪跡を前にして、どうすればミカンづくりが再開できるのか、どうすれば柑橘農業を再建できるのかという悲痛な声が聞こえてまいります。  しかし、一方で、特に多くの若い後継者が、ミカンを絶対に諦めない、産地を守るために立ち上がると、猛暑の続く中、泥だらけになって農道に落ちた土砂を取り除き、破損したパイプラインやモノレールの補修などに懸命に取り組んでいる姿を目の当たりにして、一緒に頑張ろう、仲間がいる、一人ではないと声をかけたい気持ちが湧き上がってまいりました。  このような未曽有の被害を受けても、日本一のミカン産地のプライドを胸に前を向いて産地を立て直そうとしているこうした若い力を支援するためにも、また、いまだ失意の中にある生産者に希望を持ってともに立ち上がっていただくためにも、厳しく険しい道のりではありますが、緊急的、短期的な支援の迅速な実施による当面の生産量の確保はもちろん、柑橘産地の再建に向けた園地の復旧など、夢のある中長期的な支援策を着実に展開し、本県柑橘農業を何としても守り抜かなければならないと思っております。  そこで、お伺いをいたします。  今回の豪雨災害により被災した本県柑橘産地の復旧・復興に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。  次に、豪雨災害により被災した事業者に対する支援についてお伺いいたします。  豪雨災害発生から2カ月余りが経過し、被災地の生活環境は徐々に改善してきておりますが、被災地域の復興に向けては、住民の生活再建とあわせて、地域の産業、雇用を担う被災事業者の早急な再建が重要であります。  県の発表によりますと、今回の災害による県内中小企業等の被災額推計は、南予地域を中心に約494億円にも上るとのことであり、取引先企業の被災や風評被害による観光客の減少等の間接的な要因も含めますと、本県経済への影響は極めて深刻であります。被災された事業者の方々と話をさせていただいておりますが、新たに設備を導入したやさきに浸水被害に遭い、借金だけが残っている。施設が全壊して事業再開のめどが立たず、このままでは廃業するしかないなど、切実な声が聞こえてまいります。  このような中、中村知事は、広島県、岡山県と合同でいち早く国への要望活動を実施され、これを受けて国では、先月2日には予備費を活用して生活・生業再建支援パッケージを取りまとめ、被災者のなりわいの再建や観光産業の復旧に向けた緊急に対応すべき施策を講じたところであります。  県では、国の動きに即座に対応し、8月専決補正予算において、被災事業者等に対する施設、設備の復旧に必要な経費を補助する、いわゆるグループ補助金を中核とした各種補助事業や、風評被害を払拭し観光客の減少を食いとめるための宿泊料割引、県産品の販売促進に向けた支援事業を創設するとともに、今月1日には、経営支援課内に産業復興支援室や産業復興推進係を新たに設け、災害の大きかった大洲市、宇和島市吉田町、西予市野村町において現地オフィスを開所するなど、グループ補助金等の申請の支援体制の強化を図られており、被災された事業者にとって非常に心強い対応であると感じております。今後は、被災事業者の実態に応じた迅速できめ細やかな支援に努めていただきたいと願うものであります。  そこで、お伺いをいたします。  今回の豪雨災害により甚大な被害を受けた中小企業等が大きな関心を示しているグループ補助金について、県では、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。  次に、肱川の治水対策についてお伺いいたします。  本県最大の河川である1級河川肱川では、上流域の西予市宇和で7月5日から8日までの4日間に、7月の平年降水量の2倍を超える540ミリの降雨があり、国道56号の肱川橋では、平成16年の6m85㎝を上回る過去最高の水位8m11㎝を観測する洪水となり、8名のとうとい命が失われたほか、8月末現在の被害報告で家屋や事務所の浸水、損壊が西予市で約700棟、大洲市で約3,100棟に達するなど、きわめて深刻な被害となっております。  肱川は、河口付近が狭まっており、洪水がはけにくいことや河床勾配が非常に緩いことなど、地形的特徴から治水が非常に難しく、大洲市においては、これまでも平成7年を初め、16年、17年、23年とたびたび甚大な浸水被害が発生していることから、国と県では、流域住民の安全・安心を確保するため、肱川水系河川整備計画に基づき、堤防整備、山鳥坂ダム建設、鹿野川ダムの改造を柱として、鋭意治水対策を進めているところであります。  しかしながら、私は、今回が記録的な豪雨であったとはいえ、肱川の治水安全性の向上を前提に、商業施設や企業誘致などのまちづくりに取り組んでいる大洲市にとって、このような大規模な浸水被害の発生は、今後の地域の発展に大きな影響を及ぼしかねない懸念材料になったのではないかと危惧しております。市民の不安を取り除くためには、安全で安心して暮らせる地域をつくること、今後も企業が継続して活動できることが重要であり、住民生活や経済活動の根幹となる肱川の治水対策に最優先に取り組む必要があると考えております。  そこで、お伺いいたします。  今回の記録的な豪雨災害を受け、肱川の治水対策に今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。  次に、災害廃棄物の処理についてお伺いいたします。  今回の豪雨により発生した土砂崩れによる家屋の損壊や河川の氾濫による大規模な浸水によって、南予地域を中心に県内各地で大量の災害廃棄物が発生いたしました。  県の発表によりますと、災害廃棄物は県内17市町で発生し、その量は約53万tと推計されております。最も多かったのは、宇和島市の約18万tで、大洲市の約9万t、西予市の約8万tを加えると、全体の約65%となっております。また、内訳を見ると、家財等のごみと損壊家屋を解体したごみとを合わせると約17万t、廃棄物が混入した土砂が約36万tとなっております。  このような災害廃棄物は一般廃棄物とされており、市町が処理することとなっておりますが、今回の豪雨では、日常の処理量を大きく超える災害廃棄物が発生したことに加え、各市町で大規模災害に備えた災害廃棄物処理計画が策定されていなかったことなどから、初動対応において一部混乱を生じた市町もあり、また、市町単独での対応を行うことにもともと困難な面もあったと伺っております。  発災当初、一部の地域では、被災者への配慮から、被災家屋から持ち出された家財ごみが住宅前や道路脇などにうずたかく積まれたり、地区の集積場に分別されないまま持ち込まれたことから悪臭など衛生環境の悪化が懸念されていましたが、県内の関係団体や県内外の自治体、数多くのボランティア等の御協力を得て、市指定の仮置き場への運搬が進み、発災後1カ月を経過した先月上旬には、町なかの災害廃棄物は全て撤去されたと聞いております。  被災地における災害廃棄物の処理のおくれは、復旧・復興に向けた歩みの大きな妨げとなります。その円滑な処理は、まさに復旧・復興に向けた一丁目一番地の取り組みであります。このような中、県においては、発災から1年後の来年6月を目標として、災害廃棄物の処理を完了させると聞いております。  そこで、お伺いをいたします。  今回の豪雨により大量に発生した災害廃棄物の処理の現状はどうか。また、県では、今後市町が行う処理に対し、どのように支援していくのか、お聞かせ願います。  次に、被災児童生徒への支援についてお伺いをいたします。  本来であれば、子供たちの楽しそうな笑い声が響いているはずの学校施設も、被災地域においては流入した土砂にまみれたり、床や壁が剥がれ落ちたりと、教育活動に大きな支障を来す状態となっておりました。学校全体では、小学校21校、中学校13校、高等学校15校、特別支援学校3校が学校運営に影響をこうむり、臨時休業となった学校も多く、小学校6校、中学校5校、県立学校4校は夏季休業を前倒ししたと聞いております。夏季休業後は、全ての学校で授業が再開しており、一安心しているところではございますが、従前どおりの平穏な学校生活を送れるようになるまでには、まだまださまざまな支援の手が必要であります。  発災から1週間後には、500人を超える児童生徒が避難所や親戚の家など自宅以外に避難しており、心の休まらない、物心ともに不自由な生活を余儀なくされたのではないかと思っております。子供たちが抱える不安の大きさは想像にかたくありません。  また、自宅で生活はしているものの、学用品等が流されたり、使用できない状態となったりして学習に支障を来している児童生徒もいるほか、JR等の公共交通機関が運休していた期間に通学手段の変更を余儀なくされたり、避難所等から通学せざるを得なかった児童生徒がいたと聞いております。夏季休業と重なったとはいえ、特に高校生は部活動や補習等のために登校する機会も多く、そういった家庭では通学費がふえ、経済的な負担があったと思います。  被災から約2カ月がたち、徐々に生活面での復旧・復興がなされる中、児童生徒が支障なく学校生活を送ることができ、少しずつでも今回の災害を乗り越え、自分たちの未来に向かって力強く歩んでいくことができるように、私たち周りの大人がしっかりと支えていかなければならないと考えております。  そこで、お伺いをいたします。  今回の災害により被災した地域の復旧・復興に当たり、県では、被災児童生徒等の心のケアを行うため、スクールカウンセラー等の派遣を行っておりますが、これまでの派遣実績とその成果はどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。  また、国の生活・生業再建支援パッケージなどの支援方策を踏まえ、被災児童生徒への学習や通学等への支援にどのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。  次に、核燃料税についてお伺いいたします。  ことし7月に閣議決定された国の第5次エネルギー基本計画では、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取り組みの推進が新たに追加されましたが、原子力を長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源とする位置づけは、第4次計画と変わっておりません。  将来的に原発依存度を可能な限り低減させ、再生可能エネルギーの主力電源化を進め、脱原発社会を目指していくとしても、県民生活や経済活動を維持するためには、少なくともコスト、出力、安定供給などの条件を満たす代替エネルギーが見つかるまでの間は、現実的な対応として、原子力の安全性の確保を徹底しながら、一定規模の原子力を利用せざるを得ないと考えるものであります。  これまで、本県では、伊方原発の立地に伴い、放射線監視や避難路の整備などの安全・防災対策等の財源として、昭和54年に核燃料の挿入に対し課税する税として核燃料税を創設し、その後も福島第一原発の事故を受けて安全防災対策が必要な区域が拡大したことなどから、課税方式の追加や税率の引き上げなどにより税収の確保に努めてきたところでありますが、伊方原発2号機がことし5月に運転を終了し、運転可能な3号機も広島高裁の仮処分の決定により、核燃料の挿入に対して課税する価格割の納付が見込めず、安全・防災対策等に充てる財源が十分に確保できない状況が続いております。  しかし、原発が立地する限り、原子炉の稼働の有無にかかわらず、安全・防災対策は同様に必要であり、県民の安全・安心を確保して、さらには、本県が四国の唯一の原発立地県としての責任を果たしていくためには、伊方原発に係る十分な安全・防災対策を着実に実行していくことが極めて重要であります。  そのためには、来年1月に期限切れとなる核燃料税条例を更新し、他の原発立地県である福井県や佐賀県の仕組みも参考に、本県においても新しい核燃料税制度を導入し必要な財源確保に努めるべきであり、また、四国電力においては、経営環境が厳しい状態にあるとは察しますが、応分の負担をお願いするのはやむを得ないと思うのであります。  そこで、お伺いをいたします。  今回提案されている核燃料税条例の更新に当たり、使用済み核燃料に対し新たに課税される考え方はどうか。また、新たな課税の仕組みの具体的な内容はどうか、お聞かせ願います。  次に、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合についてお伺いいたします。  第9回G20労働雇用大臣会合が、今月、アルゼンチンで開催されました。経済のグローバル化と社会のデジタル化が一層進展する一方で、労働雇用については、各国、各地域によって抱える事情が異なり、さまざまな課題が山積している分野でもあり、会合では世界の雇用情勢や労働問題などについて幅広く意見が交わされたとのことでありました。日本政府代表からは、引き続き世界各国で議論を続けていくため、来年9月に愛媛松山で開催される次回会合に向けた力強い抱負が述べられたところであり、愛媛で初の大規模でハイレベルな国際会議が開催されることに大いに期待しております。  一方、国内においては、少子高齢化と人口減少の進行により労働力人口の減少は避けられない状況にある中、国では、人手不足対策、生産性向上にもつながる先端技術の導入支援や働き方改革を推し進めるとともに、外国人労働者の受け入れ拡大にも動き出しております。  こうした中、愛媛松山での労働雇用大臣会合開催まで1年を切り、いよいよ受け入れ準備が本格化していくことと思います。  会合では、G20各国のほか、招待国や関係国際機関の代表者、海外メディアなど国内外から多数の方が来県されると聞いており、国や松山市とも連携をしながら万全の受け入れ体制を整え、会合を成功に導くことはもとより、この機会を捉えて県内企業における働き方改革や、さらなる増加が見込まれる外国人労働者との共生を含めた国際交流の推進、さらには食、自然、文化といった多彩な愛媛の魅力の発信などにより、地域経済発展につなげていくことが重要であると考えます。  そこで、お伺いいたします。  来年のG20愛媛・松山労働雇用大臣会合の開催を本県経済の活性化にどう生かしていくのか、お聞かせ願います。  最後に、次期知事選挙に向けた思いについてお伺いいたします。  知事は、就任以来、県内市町の首長と上下関係ではなく、対等の立場に立ってスクラムを組み、チーム愛媛として県全体の活力創出を牽引してこられました。さらに、市町に加え、企業や大学、関係団体との連携によるオール愛媛体制の構築は、地域の医療・福祉や教育、サイクリングによる地域活性化など、実に幅広い分野に広がっております。この愛媛の底力を発揮した集大成が、昨年、天皇皇后両陛下をお迎えして開催されたえひめ国体・えひめ大会でありました。また、この底力が今回の災害への迅速な復旧・復興につながっていると確信しているところであります。  実需の創出を目指した経済対策では、商社出身の知事は、全国的にも珍しい官製の営業本部を立ち上げるとともに、地元企業の技術や製品、特産品などをブランド化し、販路開拓につなげる発信力と行動力には目をみはるものがあります。特に南予の皆さんは、知事の南予への強い思い入れを肌身で感じております。  知事は、東・中・南予の均衡のとれた発展を目指す中、産業力の弱い南予の振興に力を入れてこられました。特産品のブランド化や高付加価値化、販路開拓を強力に支援する一方、いやしの南予の基盤を整え、南予博なども実施してきたのであります。  知事の3期目の出馬に向け、県内の首長や南予の幾つもの自民党支部がいち早く推薦を打ち出したのも、こうした知事の思いをありがたく思っている証左であると思っております。  中村知事は、さきの記者会見で、豪雨災害の復旧・復興に尽力する中で、公約は固まっていないが3期目の出馬を前向きに考えたい旨の発言をされたとお聞きしております。豪雨災害からの復興は息の長い取り組みが必要になりますが、今回の発言は、知事がみずからの手でその責任と覚悟を持って被災地を復興させるとの強い意志のあらわれと感じており、私も甚大な被害を受けた南予選出の県会議員として、心から感謝するとともに大いに期待するものであります。  そこで、お伺いをいたします。  知事は、これまでの任期をどう総括されるのか。また、次期知事選挙における思いはどうか、お聞かせ願います。  以上で質問を終わりますが、最後に一言申し上げます。  弱者と強者があるならば、弱者に光を当てるのが政治。恵まれない地域があるならば、その地域にこそ力を注ぐのが政治。大災害に見舞われながらその悲しみに耐え、苦難を乗り越えてあすに向かって立ち上がろうとしているふるさとを前にして、私は、ふるさと再生のためにあらん限りの力を尽くしたいとの思いを強くしております。  県議会としても、この厳しい状況に当たって、この際、党利党略を捨てて連携、協調し、中村知事とともに被災地の復興に全力を傾ける責務がある、県民に対する重い責任があると思っております。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事
      〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 毛利議員に、まず、柑橘関係の復興に向けての御質問にお答えをさせていただきます。  今回の豪雨災害に当たり、被災状況をみずからの目で確かめ、被災者の皆さんに寄り添っていかなければという思いから、発災直後からできる限り多くの被災地を回らせていただきましたが、宇和島市吉田町を初めとする南予地域や松山市周辺、あるいは今治市も含む島嶼部などで大きく崩落した柑橘園地を前に、農家の皆さんが受けた被害の深刻さに愕然とした思いは、今も忘れることができません。しかし、同時に、その傍らで汗まみれで黙々と復旧作業に取り組む若い生産者の姿を大変心強く感じ、柑橘王国愛媛の威信にかけて全力で復興を支援するとの思いを強くしているところでございます。  このため、まずは本年度、柑橘をできる限り多く収穫し出荷することを最優先課題として、損壊したスプリンクラーや農道、モノレール、選果施設等の復旧に全力を傾注するとともに、軽トラック無料レンタル制度の導入や摘果作業等へのボランティア支援などの対策にも努めており、今後は、これから本番を迎える収穫期に向け、モノレール等の復旧が間に合わない園地での収穫、運搬に必要な人員の確保や、傷物や小玉等のわけあり柑橘の特別販売支援にも取り組むこととしています。  また、被災した園地の復旧に向けましては、被害の程度等に応じまして、原形復旧や改良復旧に加えまして、大規模な区画整理と若い担い手等への集積を図ることで大幅な生産性向上を目指す再編復旧という3つの手法を関係者に提案し、集落の合意形成を図っていくとともに、園地が再生されるまでの未収益期間は、農作業の受託や新たな柑橘生産モデルの実証などに従事していただくことで、被災農家の当面の収入確保と産地のレベルアップを図る事業の創設も検討していきたいと考えております。  傷ついた産地の復興には長い年月が必要となりますが、若手後継者など復興への強い意志と情熱を持つ産地の皆さんと気持ちを一つにしながら、被災前よりも進化した柑橘王国愛媛の再興を必ずなし遂げるという気概を持って復興支援に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、グループ補助金についての御質問でございます。  今回の豪雨災害からの迅速な復旧・復興を図るためには、これまで東北や熊本の震災時のみ認められたグループ補助金の創設が不可欠との考えのもと、早い段階で被害の大きかった岡山、広島両県に働きかけ、共同で安倍総理等に強く訴えてまいりました。その結果、豪雨災害では初めてとなりますグループ補助金の適用が、本県、広島、岡山の3県のみに認められたものでございます。  被災事業者の方々は、グループ補助金に期待を寄せている反面、補助金申請等に大きな不安を抱えておられますことから、被災3市に現地オフィスを設置しまして、補助金申請に係る説明会の適宜開催や丁寧できめ細かな相談対応をそれぞれの市も巻き込んで行っているところでございます。  補助金活用の第一段階となるグループづくりにつきましては、どのグループに加入するか未定の事業者も見られますが、現時点で、被災地域の商工業や運輸、農業、医療機関など幅広い分野で20を超えるグループを組成する動きがあるため、地元の商工団体や市町、金融機関等と情報共有、協議を密にしながら、まずは第1回目の申請期限となる9月末までに、一つでも多くのグループ申請がなされるよう支援をしているところでございます。  また、10月からはグループ認定を受けた事業者による個々の補助金申請を順次受け付けることとしており、商工団体や金融機関、行政書士会等の協力も得ながら、サポートを必要としている各事業者が迅速に申請書を作成、提出できるよう支援していきたいと思っております。事業者の被災の規模、内容にもよりますが、早い申請事業者は年内に、また、多くの事業者が年度末までに補助金の交付が受けられるよう、今後とも被災事業者に寄り添いながら、早期復旧・復興に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、肱川の治水対策についての御質問でございます。  肱川の治水対策は、平成16年に国と県が共同で策定した肱川水系河川整備計画に基づき、堤防整備、鹿野川ダム改造、山鳥坂ダム建設を計画的に進めてきたところでございます。  県では、今回の豪雨により甚大な浸水被害が発生したことから、国と連携して、再度、災害防止に向けた肱川緊急治水対策を策定しまして、まずは緊急的対応として河床掘削を実施するとともに、おおむね5年間で堤防整備に集中的に取り組み、整備計画に掲げた完成目標を10年前倒しするほか、国においては、鹿野川ダムの改造は今年度末、山鳥坂ダムの建設は平成38年度の完成を目標に取り組むなど、治水対策をより一層推進することとしています。  そのほか、県のソフト対策として、次期出水期までに、今回浸水被害のあった野村地区や菅田地区等について新たに水位計の設置を進めるとともに、避難判断の目安となる水位や洪水浸水想定区域を設定し、住民の避難行動を支援していきたいと思います。  県としては、今後とも国や関係自治体と連携しながら堤防整備を積極的に進めるとともに、山鳥坂ダム等の着実な整備を国に強く働きかけるなど、肱川の治水対策に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、核燃料税条例についての御質問でございます。  本県の核燃料税は、伊方原発の立地に伴う安全・防災対策や地域振興等の財源として重要な役割を果たしており、福島第一原発の事故を受けて財政需要が増大する中、原子炉の熱出力に応じて課税する出力割の導入や伊方1号機の廃炉を機に、原子炉の廃止事業を出力割の対象に追加するなど、安定した税源の確保に努めてきたところであります。  しかしながら、ことし5月には2号機も運転を終了し、原子炉に挿入された核燃料に課税する価額割の対象が3号機のみとなるほか、2号機の廃止措置計画認可後は、出力割も廃止事業分の低い税率が適用され大幅な減収となる一方で、廃炉後も原子炉や使用済み燃料が存在する間は安全・防災対策の財政需要が継続していきますことから、条例の更新に当たり、電気料金への影響や他県の動向等も考慮した上で、原発の稼働状況による影響を受けない税源として、発電所内に貯蔵する使用済み燃料に課税する核燃料物質重量割を新たに導入することといたしました。  税率につきましては、使用前の核燃料物質の重量1㎏当たり500円とし、4月1日を賦課期日として課税することとしており、これにより、3号機が通常稼働する場合の5年間の税収は、核燃料物質重量割が18億円、総額で80億円を見込んでおり、県としては、その税収を財源に地域住民の安全・安心を確保するため、引き続き原子力防災対策等の充実に努めていきたいと思っております。  次に、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合についての御質問でございます。  本県の国際的な知名度向上を図るため開催を誘致しましたG20労働雇用大臣会合は、さらなる国際会議の誘致や外国人誘客に向けた大きな一歩になると確信しており、来月19日には、実施先の受け入れ地の松山市と連携し、経済界や大学のほか、労働雇用や国際交流の関係団体など官民による協議会を立ち上げ、会合成功に向けた準備をスタートさせたいと考えております。  協議会では、本県が誇る食材や県産品、観光資源などの多彩な魅力を発信、PRできるよう、大臣会合前日の歓迎レセプションなどの実施計画を作成するとともに、大使館や海外メディアを対象にした事前ツアーを実施するほか、地元の機運醸成を図るため4回程度のサイドイベントを開催することとしています。  特に、サイドイベントにつきましては、県民と在住外国人との交流促進を図るほか、来年1月に、働きやすく暮らしやすい本県の魅力を県内外に周知するキックオフイベントを開催するとともに、大臣会合開催時には、働き方を変革するAIやIoT等の先進技術を集めた仕事の未来を体感できるフェアを実施し、各国代表団や県民に見学いただくことも計画しています。  こうした取り組みを通じて、国内外での愛媛ファンの拡大による観光振興のみならず、若者の地元定着やUIJターンの促進、県内企業による働き方改革の推進、国際感覚豊かな人材の育成など、本県経済の活性化に生かしてまいりたいと思います。  次に、知事の任期、これをどう総括するのかとの御質問でございますけれども、知事に就任させていただいて以来、県民の切実な声に真摯に向き合いながら、県民の幸せと郷土の発展を最優先に考え、決めたことに対してはぶれずに責任を持って突き進むことを基本理念に、2期目においても県民の負託に応えるべく、お約束した公約の実現に徹底的にこだわりながら県政運営に取り組んできたつもりでございます。  また、厳しい時代の中で地方が生き残っていくために、職員の意識改革や財政改革、政策立案型組織への転換など、分権時代に即応した自主・自立の組織体制づくりを進めてまいりました。特に基礎自治体重視は中村県政の重要な基本的姿勢であり、国、都道府県、基礎自治体を上下関係で捉える古臭い考え方を変えていくことにこだわり続けてまいりました。  もとより、行政機関であれ、政治であれ、それぞれのステージは上下関係ではなく、役割分担に応じた水平関係で捉えるべきものであり、民主国家は行政機関の上に行政機関をつくらず、行政機関の下に行政機関をつくらずをモットーに、市町や企業、団体等とも連携しながら、オール愛媛体制で公約に掲げた各分野の施策を展開してきたところでございます。  特に南予地域の振興策では、九島架橋の供用開始を初め、いやしの南予博開催を通じた観光ブランドの確立、食品関連企業の誘致、柑橘や養殖魚種のブランド力向上にも取り組むなど、多くの公約は順調に具現化できたんではないかと認識しています。  しかしながら、さきの豪雨災害での甚大な被害を受けて、被災者の皆さんの生活再建を進めるとともに、事業継続に向けた意欲が失われないよう、息の長い取り組みが必要であると認識しており、被災地の再建は、県知事である私に課せられた重い使命と捉えているところでございます。  ことし2月には、自民党志士の会として、さらには、先ほど議員からも会派を代表し、次の4年間への期待の声を寄せていただいたことは身に余る光栄であり、心から感謝を申し上げたいと思います。  私は、一人の政治家として、選挙に当たり公約にこだわってやっていくことを大切にしてきたつもりでございます。現時点では、豪雨災害からの復旧・復興に全力を傾けているさなかであり、次へのビジョンはまだ描き切れておりませんが、さらなる県政発展に向けた挑戦を前向きに考え、本県の未来像に思いをめぐらせているところでございます。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(金子浩一県民環境部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 金子県民環境部長   〔金子浩一県民環境部長登壇〕 ○(金子浩一県民環境部長) 災害廃棄物の処理の現状と市町への支援についての御質問にお答えさせていただきます。  今回の豪雨災害では、県内17市町で、本県の年間の一般廃棄物量47万tを上回る約53万tもの膨大な災害廃棄物の発生が見込まれており、被災地の衛生環境の保全はもとより、早期の復旧・復興を図る観点からも、その適正かつ迅速な処理が強く求められているところであります。  このため、県では、これまで各市町に対し廃棄物の分別の徹底や搬出・処理体制の構築等に関する助言、小規模自治体の廃棄物の広域処理、廃棄物監視業務への県職員の派遣等の支援を行うほか、国へも処理事業の補助率のかさ上げや半壊家屋の解体費用への補助拡大について緊急要望を行い実現に結びつけるなど、被災市町の取り組みの円滑化や負担軽減に取り組んできたところであります。  被災地の懸命な努力により、災害廃棄物の処理は既に9市町で完了し、残る8市町でもおおむね順調に進んでおりますが、秋以降本格化する損壊家屋の解体に伴い発生する廃棄物の処理をバックアップするため、市町間の広域処理の促進を図る新たな補助に要する経費を今議会に予算計上しているところでございまして、今後、災害廃棄物の来年6月の処理完了を目標として取り組みを加速化することで、被災地の一日も早い復旧・復興につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) 被災児童生徒等への支援について、2点お尋ねがございました。  まず、スクールカウンセラー等の派遣についてお答えいたします。  被災した児童生徒等が平穏な日常生活を取り戻し、活力ある学校生活を送るためには、心のケアに適切に対応することが極めて重要でありまして、県教育委員会では、発災直後から学校の要請に応じて臨床心理士等による心のレスキュー隊や養護教諭等を派遣してきたところでございます。  また、7月専決補正予算におきまして、スクールカウンセラー等の派遣体制を強化し、7月下旬から9月末までは学校からの要請を待つことなく、プッシュ型の支援により被災地域の学校に派遣しております。  8月末までに小中学校50校、県立学校30校に延べ415名を派遣し、児童生徒はもとより保護者や教職員からの相談にも対応しておりまして、児童生徒等への積極的な声かけや生活環境の変化に関する不安や悩みなどへの親身なカウンセリングを行い、2学期からの円滑な授業再開につなげることができたと考えております。  10月以降については、学校からの要請に応じて派遣し、ストレスを抱えた児童生徒などから発せられるSOSを見過ごすことがないよう努めることとしておりまして、今後とも児童生徒等が笑顔あふれる生活を送れるよう、きめ細かな支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、国の支援方策を踏まえた支援についてお答えいたします。  被災児童生徒への学習や通学等の支援につきましては、学校生活に支障を生じさせないよう、被災後、速やかに取り組んでいく必要がありますことから、8月専決補正予算で必要な措置を講じたところでございます。  まず、学習面の支援として、被災に伴う臨時休業や夏季休業の前倒しにより児童生徒の学習や進路対策におくれを生じさせないため、学習等をサポートする教育活動支援員を小中学校に30名、県立学校に13名配置することとし、今月上旬から順次配置しているところでございます。  また、経済的な理由により就学困難となった小中学校等の児童生徒に対して学用品費や給食費等の支援を行うこととしており、市町や学校からの申請を踏まえ、速やかに支給する予定としております。  さらに、被災により通学手段の変更を余儀なくされた県立高校の生徒に対し、通学費の増額相当分を変更が生じた時点までさかのぼって補助するなど県独自の支援をいたしますほか、修学困難となった高校生等に対しては、既存の奨学金制度に、卒業すれば返還を免除する特例枠を創設し、年内に貸与を開始することとしておりまして、今後とも被災した児童生徒が不安なく学校生活を送れるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 暫時休憩いたします。      午後1時58分 休憩   ―――――――――――――――――      午後2時15分 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(越智忍議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 越智忍議員   〔越智忍議員登壇〕 ○(越智忍議員) (拍手)愛媛維新の会の越智忍です。  会派を代表して県政の諸課題について質問させていただきます。  質問に先立ちまして、本県を含め岡山、広島両県を襲いました西日本の集中豪雨が発生し、続いて台風21号によります関西地方の甚大な被害が発生し、さらには、北海道で地震の揺れの強さをあらわす数値としては最大値であります震度7という地震が発生し、大変多くの方々が犠牲になられました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、被災された方たちにお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を願いながら、質問に入らせていただきます。  まず初めに、今回の豪雨災害を踏まえた防災・減災対策についてお伺いします。  本年7月に本県を襲った集中豪雨によって、県内各所においてとうとい命が奪われるなど甚大な被害が発生しました。我が愛媛維新の会の同僚でもある兵頭県議におきましても、間一髪のところで着のみ着のままで避難をし、命こそ助かったものの家屋は水没をし、現在、仮設住宅での生活は始まっているものの、今なお、その復旧・復興の道筋はなかなか見通せない状況にあります。詳しくは、一般質問で登壇をする兵頭議員に実体験に基づく質問をしていただくこととし、私からは総論的な質問をさせていただきます。  防災・減災対策に完全という言葉はなく、そういった意味では終わりはないと言えます。これまでの対策においては、さまざまな過去の経緯や事例などを参考に、ある程度の予測を立てて計画を立案し、実行に移してまいりました。例えば河川や堰堤の改修、ダムなどの建設においても、50年とか100年に一度起こるかもしれない事態を想定した上で整備をされています。しかしながら、当然にそれで十分というわけではなく、今回の豪雨により土砂災害、浸水被害などが発生し、道路、河川を初めとする多くの公共土木施設自体も被害を受けています。  また、今回特に多くの被害が発生した西予市、大洲市は、国管理の野村ダム、鹿野川ダムの下流域に当たり、ダムからの放流により多くの被害が発生しております。ダムにおける貯水や放流などの操作においても、過去の経緯に基づいた操作規則が設けられていますが、今回はそれらの基準を大幅に上回る降水量となり、ダムの決壊による甚大な被害の発生を防ぐためのやむを得ない放流であったと国は説明をしています。  これらのダムにおいては、本県の基幹産業である柑橘栽培にとって命綱である南予用水への供給という役割がありはしますが、ダムの持つ一番大切な役割は、下流域住民の安全を守ることにあることは言をまたないのであります。そういった意味では、今回の災害は、地域住民にとって、放流情報の伝達についての不信感が募るとともに、ダムに寄せていた安全・安心といった気持ちを覆させられる結果となっており、操作規則は変更されるとのことでありますが、国にはしっかりとした検証を求めたいと思います。  今回の災害は、異常とも言える気象条件のもとに発生をしたとはいえ、想定した基準を超えた事案が発生した以上、これまでの基準の持つ意味が失われたことになったと考えます。近年、想定を超えたと言われる災害が頻発をしており、これからは想定外のことが起こり得ると認識した上での各種取り組みが必要です。  また、災害への備えとしては、河川の護岸整備や砂防ダムの整備といったハード対策のみでは限界もあるため、ハザードマップや水位計等を活用した情報提供など、ソフト対策もあわせた総合的な取り組みが効果的であることは言うまでもありません。  そこで、お伺いをします。  今回の災害を踏まえた今後のハード・ソフト両面からの防災・減災対策にどのように取り組まれるのか、そのお考えをお聞かせください。  次に、今回の災害対応に関連して、本県の財源対策用基金の状況に関して質問いたします。  平成13年に誕生した当時の内閣による聖域なき構造改革により、地方にできることは地方に、民間にできることは民間にという小さな政府論のもと、国庫補助負担金改革、税源移譲による地方分権と、地方交付税の削減による財政再建をセットで行う、いわゆる三位一体の改革が行われました。  その結果、地方交付税や臨時財政対策債などが大幅に削減され続け、平成16年から平成18年の3年間で、約4.7兆円の国庫補助負担金改革、約3兆円の地方への税源移譲が行われる一方で、地方交付税改革として約5.1兆円が削減され、地方にとっては大きな衝撃となったことは御案内のとおりであります。  本県でも、最も影響の大きかった平成16年度には、地方交付税等が前年度に比べ251億円削減されるなど、財政的な危機を迎えることとなりました。これにより、県の公共事業も減少し、今年度当初予算の普通建設事業費は807億円と、ピーク時から70%以上も落ち込むなど県内の景気対策も厳しい状況が続いています。  三位一体改革による収入の減を受け、県では、非常時に備えるため、財政運営の大幅な見直しによる歳出の削減や、知事を初めとする特別職はもちろん、一般職に至るまで給与のカットを行うなど行財政改革に徹底して取り組まれた結果、一時は75億円にまで減少していた財源対策用基金の残高も、昨年度末段階では456億円にまで回復が図られてまいりました。  しかし、国においては、財務省が全国の自治体における基金残高の回復を理由にさらなる交付税の減額を探る気配を見せるなど、地方の実情を顧みない議論も行われています。財源対策用基金は、地方にとっていざというときの命綱であり、特に今回のような災害時には緊急に必要な資金を確保するために大変重要なものであります。7月の全国知事会議において中村知事が言いあらわされたとおり、この蓄積がなければ手が打てなかったということを想像すると、財政面においても事前の備えが必要であることが理解できます。  県では、今回の災害に対して、知事を先頭に素早い対応をとっていただき、専決処分などにより国の補助に県独自の上乗せを行ったり、復興本部の立ち上げを行うなど、日夜奮闘をしていただいていることに大変心強く思っております。しかしながら、さきの質問でも述べたように、復旧・復興に終わりはなく、被災された方たちにとってはさらなるスピード感を持った、かつ息の長い支援が必要であります。  そこで、お尋ねします。  県では、今回の災害に対応するため、財源対策用基金を活用されていますが、県財政への影響と今後の財政運営についてお考えをお聞かせください。  次に、県の消防防災ヘリコプターの安全運航についてお伺いします。  8月10日に群馬県の防災ヘリコプターはるなが長野県境に墜落をし、搭乗していた9名全員が死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。原因は現在究明中ですが、いまだに解明をされておりません。当時は、低い雲が垂れ込め視界が悪い状況であったとされており、飛行条件としては大変厳しいものであったようであります。  防災ヘリコプターの墜落事故は、昨年長野県でも発生し、国は、長野県の事故を踏まえ、ことし3月に消防防災ヘリコプターの安全性向上・充実強化に関する検討会報告書を公表しており、安全性向上への取り組み強化を進めている最中での事故となってしまいました。  一般的に、飛行機に比べヘリコプターの操縦は大変難しいとされておりますが、とりわけ防災や救命にかかわるヘリコプターは、特殊な条件下での運航も求められることから、操縦者には大変高いスキルが必要となっています。  また、最近は深刻なパイロット不足が顕著になってまいりました。原因は、航空市場の緩和にも起因しているようであります。御案内のように、LCCの台頭などにより航空市場の競争は大変厳しくなってきており、既存の航空会社においても、空席率を下げるために乗客定員数の少ない機体への変更を進め、そのかわりに運航回数をふやすなどの措置をとってきています。結果として、運航に必要なパイロットの数は増加をし、パイロットの定年を70歳まで延長するなどの対策を講じてもなお不足傾向にあり、年収で3,000万、4,000万といった高額での引き抜き合戦にまで発展してきています。  今申し上げたのは、航空機のパイロットに関してでありますけれども、その余波はヘリコプターパイロットにも及びつつあります。技能のすぐれたパイロットを確保するためには、それ相応の報酬が必要になってまいります。そういった意味で、運航会社においても大変苦慮しているようであります。  国の報告書においても、技量と経験を有するパイロットの確保が喫緊の課題であり、消防防災ヘリコプター運航の安全確保とパイロットの養成を図るため、自治体における2人操縦体制の導入と、そのための国の財政措置の検討の必要性が指摘をされておりますが、現状として、自治体が運航している防災ヘリは1人体制で運航している場合が多く、群馬県の場合もパイロットは1人体制であったとのことであります。  国では、今回の事故を受け、自治体が保有する防災ヘリの安全対策を強化することとしており、パイロットの確保策も検討していると報道をされております。もちろん、安全運航はパイロットだけの問題ではなく、機体の整備を初め飛行計画や連絡体制など、運航にかかわるあらゆる面での安全管理の徹底が必要であります。  現在、本県の消防防災ヘリコプターの運航は民間に委託をしている状況にありますが、県民の安全を守るための消防防災ヘリコプターに事故があってはならず、災害時にその能力を最大限に発揮してもらうためにも、運航の安全確保には万全を期してほしいと思います。  そこで、お伺いします。  今後、県消防防災ヘリコプターの安全運航にどのように取り組むのか、お聞かせください。  次に、県内における労働力確保についてお尋ねをいたします。  先日、愛媛労働局が発表した本年7月の県内の有効求人倍率は1.63倍となりまして、昭和38年からの統計調査開始以来、過去最高の数字となりました。特に製造業、小売業、建設業、サービス業などの新規求人倍率は非常に高い水準で推移をしています。従来、有効求人倍率が1.0を超えていても職を求める失業者が存在をしており、雇用のミスマッチの解消が求められてきましたが、今回の1.63倍という数値が意味するのは、雇用のミスマッチだけではなく、深刻な働き手の不足であります。  私たち議員も、平素の活動においてさまざまな業界や業種の方たちと接する機会がたくさんありますけれども、皆さん、どこかに働いてくれる人がいたら紹介してくれませんかという言葉が挨拶がわりに出てくるほどであります。
     私が住む地域においては、古来よりタオル製造、染色業、縫製業などの繊維産業、そして、海運、造船といった海事産業が盛んであり、地域の経済を支えてきました。これらの産業はいずれも労働集約型の産業であり、以前から働き手の確保についてはどの業界も苦心してきた経緯があります。  繊維関係においては、機械化の進展により操業に必要な人数については減少傾向にありますが、それでもなお、働き手不足は深刻な状況にあり、労働力を海外に求め、生産拠点を外国に移す企業も多くあります。また、県内での生産を続ける企業においても、さまざまな手段により外国人労働力の確保に取り組んでいます。  労働集約型産業の最たるものである造船業に至っては、工場の門を出入りする労働者のうち、驚くべき割合で外国人の方たちの姿が目につくようになってまいりました。  また、高齢化の進行により増加する介護事業においては、マンパワーの絶対的な不足が顕著にあらわれており、国は、経済活動の連携強化の観点からと説明をしていますが、EPA協定による外国人労働者の受け入れが進められています。さらに、昨年度、国は国際貢献の観点から、外国人技能実習生の在留期間について、技能実習生の待遇改善などの条件をつけた上で、これまでの最長3年から5年へと延長しました。  しかし、なお労働力の不足する傾向が続いており、骨太の方針2018では、技能実習制度に基づかない外国人労働者の受け入れとして新たな在留資格を創設し、一定の条件を満たせば在留期間に上限を設けない取り扱いを検討することが明らかにされています。  そこで、お伺いします。  外国人労働者の受け入れ拡大が国において検討されている状況も踏まえた上で、県内の労働力不足の解消に向けた取り組みについてお聞かせください。  次に、創業支援の新たな取り組みについてお伺いいたします。  国の中小企業白書によりますと、我が国は、国際的に見て開業率が低く、起業に無関心な人の割合も高くなっておりますが、その反面、起業を目指す人が起業に至る確実さは高いとされており、いかに起業に向けた一歩を踏み出す環境を整え、創業希望者をふやしていくかが課題と言われております。  また、民間コンサルティング会社が実施をした起業・創業に対する意識、経験に関するアンケート調査の結果を見てみますと、起業された方は、皆さんそれぞれ事業化に至るまでに幾度となく大きな壁に直面をし、何度も挫折しそうになったようで、何とか創業を実現できたのは、実行しようという強い意志とともに信頼できる相談相手がいたことや、先輩起業家や経営者からの的確なアドバイスがあったからという声が多かったように思います。  私も、近年改善しつつあるものの、開業率が全国平均を下回る本県におきまして、そして創業の担い手自体が減少する人口減少時代の中で、新たな創業者を生み出していくためには、これまで以上に金融機関や経済団体、市町や大学等が協力して支援していくことが不可欠と感じたところであります。  こうした中、県におかれては、本年4月からグーグル合同会社や三浦工業株式会社、愛媛新聞社の協力を得て公益財団法人えひめ産業振興財団とともに新たに愛媛グローカル・フロンティア・プログラム、略してEGFプログラムをスタートされました。EGFプログラムでは、これまでの創業支援策に加え、県外から創業意欲のある人を呼び込み、新ビジネスの創業、定着、成長を実現することが目玉となっておりますが、5月に行われた発表会の席上で、知事から、地方で進む人口減少を食いとめるためには、時代にマッチした魅力ある仕事の創出が求められる。そのためには、県外から県内へのUIJターンによる創業や、それと連携した県内企業による新たな事業の活性化が欠かせない。愛媛で新しいチャレンジをしてもらい、世界で活躍する企業が出ることを夢見たいとの力強い発言があったと伺っております。  県では、既に4月から首都圏に創業クリエーターを配置するとともに、5月から創業希望者を支援する創業サポーターを募集し、6月から9月にかけてEGFアワード2018と銘打ち、全国に向けてビジネスプランを募集するなどさまざまな取り組みを進めておられます。その具体的な成果として、既に起業につながった例もあると伺っていますが、こうした取り組みとその成果が持続することによって地方の活力が一層高まり、地方経済が活性化するのではないかと今後の展開に大いに期待をしているところであります。  そこで、お伺いします。  愛媛グローカル・フロンティア・プログラムの現在の取り組み状況と今後の見通しはどうか、お聞かせ願いたいのであります。  次に、直交集成板、いわゆるCLTについてお伺いします。  本県の森林は、これまでの先人の努力などによりまして、戦後植栽されました杉やヒノキなどの人工林を中心に本格的な利用期を迎えてきており、この豊富な森林資源の循環利用、いわゆる切って使って植えて育てるというサイクルを促進し、いかに林業や木材産業を活性化させるかが重要な課題となってきています。  このため、県では主伐の本格導入へとかじを切り、県産材を増産させる林業躍進プロジェクトを立ち上げ、素材生産量の拡大に取り組まれており、平成29年のヒノキの素材生産量が6年ぶりに全国1位を奪還するなど成果を上げておられます。  加えて、多くの県民が利用する公共施設の木造化、また、内装の木質化にいち早く取り組むとともに、愛媛ブランド材媛すぎ・媛ひのきを核とする国内外への販路拡大、林地残材の木質バイオマス利用など、県産材の需要拡大に向けても積極的に取り組まれており、非常に頼もしく感じているところであります。  中でも、強度や断熱性にすぐれ、コンクリートにかわる新たな素材として注目をされているCLTについては、愛媛県CLT普及協議会等関係団体と連携をした多方面へのPR活動や、CLTを活用した県立内子高校の部室建設など、全国に先駆けた取り組みを精力的に展開されており、その認知度は確実に向上していると実感しております。  折しもCLTについては、需要の拡大に向け、設計法や材料強度などの建築基準の整備も進んできており、ことし3月には宮城県におきまして、CLTを床材に使用した10階建てのマンションの建設が始まったほか、本県ゆかりの住友林業が、2041年に高さ350mを誇る日本最大級のビルを木造で建設するというまさに夢のような構想を打ち出すなど、CLTを活用した建設意欲も全国的に高まりつつあります。  こうした中、本県においては、ことし3月、西条市に全国初となる原木加工からCLT製造までの一貫生産を行う工場が完成し、4月から本格稼働しているところであり、全国に誇る製造拠点として、今後に大いに期待を寄せるものであります。  しかしながら、期待が膨らむ一方で、現段階では建築コストが割高となっている上、設計ノウハウの不足など、需要の拡大に向けてはクリアすべき課題も多いことから、今後は、CLT建築物が容易に建設できるよう、一層の普及促進や販路開拓に向けた取り組みを加速させていくことが求められてきていると思うのであります。  そこで、お伺いします。  全国におけるCLTの需給動向はどうか。また、CLTの普及に向けて、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせを願いたいのであります。  次に、しまなみ海道の通行料金についてお伺いします。  いよいよ来月に迫りましたサイクリングしまなみも、本大会としては今回が3回目の開催となりまして、認知度も向上し、多くの国と地域からの参加者を迎える一大イベントに成長をしてきています。  コースとなりますしまなみ海道は、本県選出の故越智伊平建設大臣の肝いりによりまして、当初の建設計画にはなかった自転車歩行者道が設計変更により設置されることになった経緯があります。このことによりまして、世界でも珍しい歩いて海峡を渡ることができるルートとなりましたが、この背景には、四国にかかる3つのルートの架橋のうち、ほかのルートと大きく異なる、ルートの途中に多くの住民が居住しているという地理的な要因があります。  中村知事は、知事就任後、しまなみ海道の魅力に着目をされ、この特性を生かしたイベントや宣伝により、今ではサイクリングの聖地として広く認知をされ、地域の活性化が図られており、知事を初め関係各位のこれまでの取り組みに敬意を表したいと思います。  その一方で、橋がかかることによりその利便性を享受できると考えていたルート内の住民にとっては、今なお、生活に利用するには高額な通行料金が重くのしかかっているという現実があります。これらの地域では、もとより離島性による過疎化、人口流出に悩んでいましたが、橋の開通により歯どめではなく拍車がかかってきています。  その例として、大島高校は分校化を経て廃校となり、大三島高校も分校化し、募集停止に王手がかかってきています。今治市島嶼部に唯一本校として残っている伯方高校も、残念ながら来年度からの分校化に向けた条例改正案が本議会に提出されています。島嶼部から陸地部の高校に通う生徒を持つ家庭には、通学に要する費用の高額さにより、陸地部に転出する傾向も見受けられます。  しまなみ海道の正式名称は一般国道317号となっていまして、地域住民が生活のために国道を利用するのに高額な通行料金の負担を強いられることに釈然としないものも感じます。建設費の償還を通行料金の収入で賄うことについては理解できますし、通行料金の低減に向けて、これまでも愛媛県において高額の負担をいただいていることには感謝をいたしておりますが、このままでは地域の消滅にもつながりかねないと考えます。  そこで、お伺いします。  居住する地域住民にとって、これからも架橋の恩恵により安心して住み続けることができる料金制度の創設が不可欠であると思いますが、そのお考えをお聞かせください。  最後に、今任期の公約実現状況と次期知事選挙についてお伺いします。  中村知事におかれましては、8年前の就任以来、商社マンとしての経験や人脈、国会議員、また基礎自治体の長として国政や地域の諸課題の解決に当たった経験などを十分に生かし、愛媛県のますますの発展のため日々邁進されており、その活躍ぶりに敬意を表します。  中村知事は、政治家として何よりも公約の実現に徹底的にこだわり、1期目には県政の政策立案型組織への転換、基礎自治体重視によるチーム愛媛の充実、営業本部等の取り組みによる民間企業を巻き込んだ実需の創出など、みずから示した公約を中心に達成された政策は枚挙にいとまがありません。  今任期も残りわずかとなりましたが、前回の知事選挙においては、1期目の実績を土台に、知事自身の目で見た地域の実情や多くの県民の生の声を踏まえ、愛顔あふれる愛媛県の実現に向けた第2ステージでの公約を示されました。また、県政運営では、その公約の実現を図るため、挑戦、実行、現場主義、オール愛媛の4つを基本理念として、さまざまな政策課題への挑戦に全力で取り組まれてきました。公約には、営業活動の強化やドクターヘリの導入など順調に進んでいる施策のほか、四国遍路の世界遺産登録など見果てぬ夢への挑戦も含まれており、その進捗状況はさまざまではないかと思料しております。  また、知事は、先日の記者会見で、次なる公約の準備はこれからになるとのことですが、3期目への出馬に前向きな考えである旨を述べられました。  豪雨災害への対応、復旧はまだまだ緒についたばかりであり、今後は復興に向けた取り組みを強力に推進しなければなりません。このような継続性が何より求められる現状を鑑みますと、知事には引き続き県政のかじをとっていただく必要があると考えます。地域第一、政策中心、国政自由を掲げる我が愛媛維新の会としましても、志を同じくする中村知事の続投を強く念願するものであります。  そこで、お伺いします。  この4年間を振り返り、今任期の公約の実現状況をどう評価しているのか、お聞かせください。また、次の知事選挙に向けた思いについてもお聞かせください。  以上で私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 越智議員に、まず、災害についての御質問、ハード・ソフト両面からどのように防災・減災対策に取り組むのかという質問にお答えをさせていただきます。  今回の豪雨では、野村ダムの上流域である西予市宇和で、7月5日から8日までの4日間の雨量が平年の7月1カ月間の2倍となります540ミリを観測するなど、想像をはるかに超える大雨が広範囲で長時間継続したことにより、県内各地で土砂崩れが相次いだほか、肱川が氾濫し、多くの方が犠牲になられるなど甚大な被害が生じたところでございます。  県では、限られた財源の中で洪水を防ぐ河川改修や土石流の被害を防止する砂防堰堤の整備、道路ののり面対策などハード対策を積極的に実施しているところであり、これまでの整備により想定を超える災害に対しても被災規模の軽減など一定の減災効果があったとは考えております。ハード整備の必要性を改めて認識したところでございます。  また、想定を超える災害に対しましては、迅速、円滑な避難で命を守るソフト対策の重要性が再認識されたところであり、県・市町の関係機関が連携して避難対策に取り組む大規模氾濫に関する減災対策協議会を県下全10圏域で設立するとともに、土砂災害警戒区域等の指定を加速させているほか、水位周知河川の指定拡大、想定し得る最大洪水規模に対応した洪水浸水想定区域図の作成などに取り組むこととしています。  今後とも防災・減災対策に終わりはないとの認識のもと、土砂災害の警戒避難体制などの検証を行うとともに、より実効性の高いソフト対策を充実・強化し、ハード対策とソフト対策を効果的に組み合わせて、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと思います。  次に、財源対策用基金の活用による県財政への影響についての御質問でございます。  今回の豪雨災害につきましては、発災後3日目に現場を離れることについて葛藤はありましたが、地方のみで対応できるレベルを超えた甚大な被害からの復旧、そしてまた、国にいてはその実態というのは肌感覚に伝わっていかないという現状、こうしたことを踏まえまして、国に財政的な担保を求めることが不可欠であると考え、官邸で直接、被害の実情を伝え支援を要請した結果、激甚災害の早期指定、生活・生業再建支援パッケージや予備費使用などの決定につながったのではないかなと感謝をしています。  県では、これに即応し、補助率の高い国家補助金や交付税措置の手厚い県債を最大限活用するほか、これまで計画的に積み増ししてきた財源対策用基金のうち130億円を思い切って投入し、県議会の御理解もいただきまして、過去最大規模となる833億円の災害対策予算を編成し、対策を講じてまいりました。その結果、知事就任前の平成21年度末の基金残高は92億円でありましたが、昨年度末には456億円と積み増しができていました基金残高は、既に当初予算等で取り崩しを行っていることもあり、今年度末には285億円にまで再び減少する見込みとなっています。  国では、国会議員の一部に、基金残高の増加をもって地方財政に余裕があるかのようなとんでもない乱暴な主張をされる方がいましたが、知事就任時の基金の状況では、今回のような災害対応は到底できなかったということであり、改めて万一の場合に備えて必要な財源をキャッシュで蓄えておくことの重要性を痛感したところであります。  国に対しましては、引き続き災害対策へのきめ細かな支援を求めるとともに、全国知事会議でもお話のように発言をさせていただきましたが、基金残高の増加を問題視するのではなく、地方の実情に目を向けて、地方財源の充実・強化を図るよう強く要請してまいりたいと思います。  また、今後の財政運営につきましては、基金の大幅な減少に加え、被災地域の企業活動の停滞や、個人消費の低下などによる県税の減収が懸念されるなど厳しい状況ではありますが、今後とも行財政改革の飽くなき追求とスクラップ・アンド・ビルドを徹底した予算編成により財政健全化を図りながら、本格化する復旧・復興対策はもとより、将来に向けた防災・減災対策や喫緊の課題である人口減少対策、地域経済の活性化などの重要施策の推進にも果断に取り組んでまいりたいと思います。  次に、愛媛グローカル・フロンティア・プログラムの現在の取り組み状況についてでありますが、少子高齢化による人口減少と若者の県外流出等により、地域産業を支える人材不足が慢性化しつつある中、本県経済の活力を維持するため、今年度からUIJターンにより県内で起業や事業承継などを目指す人材の首都圏等からの誘致、育成に力を入れて取り組んでいるところであります。  首都圏等での認知度を高めるため、本県の取り組みを愛媛グローカル・フロンティア・プログラムと名づけブランド化を図るとともに、全国初の試みとして、4月から東京に創業クリエーターを配置し、サポートを開始させていただきました。その結果、これまでに約40名から具体的な相談があり、6月に大洲市で芸術家の創作活動と民泊を組み合わせたビジネスに取り組む県外起業家が生まれるなどの成果も出始めています。  また、本県の地域資源で地域課題を解決する有望なビジネスプランを県内外から募集するEGFアワード2018を6月から実施しており、現時点で、サイクリングや空き家を活用したビジネスプランなど、県外7件を含む21件の応募があったところであります。  今後、事業プランの磨き上げ支援を行った上で内容を発表するとともに、民間サポーター企業31社の協力も得ながら事業化及び成長を支援していくこととしています。引き続き、豪雨災害で一旦中止した東京でのPRイベントを改めて実施し、首都圏での知名度向上と新たな創業人材の掘り起こしにつなげるなど、本県経済の活性化に努めてまいりたいと思います。  次に、今任期の公約実現状況に関する御質問についてであります。  公約の実現に向けて全身全霊を注ぐことは、私が政治家として一貫して持ち続けてきた信念であり、挑戦、実行、現場主義、オール愛媛を基本姿勢に、防災・減災対策、人口減少対策、地域経済の活性化を2期目の公約の柱に掲げ、その実現に徹底的にこだわって全力で取り組んできたつもりでございます。  これをなし遂げていくためには、県行政そのものがメニュー選択型行政から政策立案型行政体へと脱皮を図る必要があり、構成員たる県職員の意識改革は必須条件と考えてまいりました。もとより、個々には高いポテンシャルを有する県職員でありますが、仕事を通しましてその成長ぶりを実感することも多くなってきたことは間違いありません。  また、国・県・市を上下関係でなく水平関係で捉えることも地方分権の時代には重要な視点であり、県の立場としては、国に対してこちらが下だと卑屈にはならず、基礎自治体に対してはこちらが上だと傲慢にはならずという姿勢が、徐々に共有できてきているんではないかというふうにも感じています。  その成果として、愛媛のチーム力を結集した今任期の最大イベントであったえひめ国体・えひめ大会の成功を初め、県立学校の耐震化完了、ドクターヘリの導入、子育てサポートスマホアプリの開設、全国に先駆けて設置した営業本部による県関与成約額の100億円突破、サイクリングしまなみ世界大会の開催など、公約に掲げたものはおおむね順調に実績を積み重ねてきたのではなかろうかと認識しています。  一方、公約の具現化を図りつつも、今回の豪雨災害からの復興や急速に進む人口減少など中長期的な取り組みが必要な課題もあり、正面から諸課題に向き合い、一つずつ克服していくことが、県政を担う政治家に課せられた使命と改めて強く感じているところであります。  このような中、ことし2月には、いち早く愛媛維新の会を初めとした議員の皆様から出馬要請をいただき、ありがたく感じております。私自身、新たなステージの県政運営に対しまして前向きな思いを抱いており、限られた時間の中で次の4年間の愛媛が進むべき道筋を県民の皆さんに示すことができたときに初めてその資格が生まれると思っておりますので、さらに熟慮を重ねていくつもりでございます。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 消防防災ヘリの安全運航につきましてお答えをいたします。  本県の消防防災ヘリコプターは、山岳地帯等で救助活動を行うことも多い状況でございますが、機体の万全な点検整備や操縦士、航空隊員の健康管理の徹底、飛行危険箇所の把握と情報共有、飛行中の周囲の安全確認などを確実に行っておりまして、平成8年度の導入以来、大きなトラブルもなく安全運航を続けております。  先日の群馬県防災ヘリの事故を受けまして、航空隊員及び運航委託会社に対し安全運航を再徹底するとともに、運航時の留意事項など安全管理体制を総点検したところでございます。  これに加え、運航状況を職員が常時監視して確認しておりますヘリ動態管理システムについて、新たに運用マニュアルを定め、運航状況を記録することとしたほか、運航委託会社が航空隊と事前協議し作成している飛行計画についても、航空局提出前に県が再確認するなど、安全運航対策をさらに強化したところでございます。  現在、国において事故原因の調査中でございますが、その結果が判明し、本県においてもさらなる安全対策が必要となりましたら、適切に対応していくこととしております。  なお、本県の消防防災ヘリへの常時2人操縦体制の導入については、多額の費用や操縦士の確保に加えまして、積載重量の関係で救助活動を行う隊員の搭乗人数が制限されるなど課題も多く、直ちに実施することは困難でありますが、今後とも国の動向を注視しつつ検討を続けてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田中英樹経済労働部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田中経済労働部長   〔田中英樹経済労働部長登壇〕 ○(田中英樹経済労働部長) 県内の労働力不足解消に向けた取り組みについてお答えいたします。  生産年齢人口の減少や進学、就職による若者の県外流出等によりまして、県内産業の人手不足が深刻化する中、県では、機械化やICT導入による県内企業の生産性向上策とあわせて、産業人材の確保に全力で取り組んでいるところであります。  これまで、平成27年から3年間で愛work等の支援により県内企業へ約6,000名の就職が決定するとともに、県立高等技術専門校において、繊維や造船を初め、ものづくり産業の人材育成を行い、同じく3年間で約1,900名の人材を県内企業に送り出しておりますほか、えひめ産業振興財団に高度な経営人材を確保する拠点を設置し、これまでに約90名の実績を上げているところであります。  また、ことし1月からUIJターン就職支援窓口を東京、大阪にも開設したほか、県内の登録企業に就職する大学生等を対象に、奨学金の返還を支援する制度を今年度創設するなど、さまざまな手だてを講じているところでございます。  このような中で、今般、閣議決定された骨太の方針におきまして示された新たな外国人材の受け入れは、地域経済の活力維持のために避けて通れない課題であり、全国知事会を通じ、地方の実情を踏まえた受け入れ業種の拡大等を要請したところでございます。今後は、国の検討状況等を注視し、県内の労働力不足解消につなげてまいりたいと考えております。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) CLTの需給動向及び今後の取り組み方針についてお答えいたします。  CLTは、中高層建築物や大型施設等の木造化を可能にし、木材の飛躍的な需要拡大につながると期待されている新たな建材であり、その需要量は、平成27年度の2,000立方メートルから、今年度には3万立方メートルへと大幅な増加が見込まれておりますが、一方で、全国の8工場で年間約6万立方メートルの供給体制が整う現状から見ますと、需要の確保はいまだ道半ばにあるものと認識をいたしております。  この要因といたしまして、単価の高どまりやCLT建築に携わる技術者の不足、実績やPR不足による認知度の低さなどの課題が指摘されております中、全国有数の素材生産量とCLT生産能力を有する本県にとりましては、成熟期を迎える森林資源の循環利用と林業の成長産業化を図る上からも、CLTの需要拡大は必要欠くべからざるものと考えておりまして、一層の普及に向けた取り組みを強化していく必要があると考えております。  このため、県では、林業研究センターに整備中のCLT研究拠点において、木材構造体の強度データを収集、公開し、設計の簡素化を促進することとしておりますほか、今年度から公共施設に加え民間建築物への活用支援、設計マニュアルの作成やセミナー開催による技術者育成、大手建築関係者への営業活動の強化など、新たな施策も積極的に展開しているところであり、国内最大の製造拠点が立地するCLT先導県として、需要拡大につながる取り組みを強力に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(杉本寧土木部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 杉本土木部長   〔杉本寧土木部長登壇〕
    ○(杉本寧土木部長) しまなみ海道の料金制度に関する御質問にお答えをさせていただきます。  しまなみ海道の通行料金については、有料道路として債務返済が進められる中、本県を含む出資関係府県市で利用者の負担軽減を国に強く働きかけた結果、平成26年4月から当面の間、全国共通料金が導入され、料金水準がNEXCO区間と同等まで引き下げられたことは一定の成果があったものと考えております。  この料金制度では、本四高速がNEXCO3社から支援を受ける形で建設債務を返済するものであり、国から求められている料金収入を増加させる取り組みとして、県では、しまなみ海道がサイクリストの聖地となった効果を最大限活用して、ブルーライン等の利用環境の向上や自転車道の通行料金の無料化、サイクリングを核としたイベントにより交流人口の拡大に努めた結果、本線交通量は着実に増加しているところでございます。  特定の地域に限定した料金制度の創設については、本四高速が他の高速道路会社から支援を受ける現状では、全国の利用者の理解が得られないのではないかと考えているところでございます。  なお、地域住民への料金助成については、まずは地元今治市が主体的に取り組むべき課題であると考えており、県といたしましては、その状況を見きわめて対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明19日は、午前10時30分から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後3時9分 散会...