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  1. 愛媛県議会 2018-08-02
    平成30年行政改革・地方分権特別委員会( 8月 2日)


    取得元: 愛媛県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-05
    平成30年行政改革地方分権特別委員会( 8月 2日) 行政改革地方分権特別委員会会議録   〇開催年月日  平成30年8月2日(木) 〇開会時刻   午前  9時59分 〇閉会時刻   午前  11時37分 〇場所     農林水産・建設委員会室 〇審査・調査事項等  〇 自治体におけるAI活用について 〇出席委員[11人]  委員長    森高  康行  副委員長   徳永  繁樹  委員     赤松  泰伸  委員     越智   忍  委員     中   政勝  委員     中田   廣  委員     帽子  大輔  委員     松井  宏治
     委員     松下  行吉  委員     村上   要  委員     渡部   浩 〇欠席委員[0人] 〇その他の出席者[2人]  参考人  青木  芳和  参考人  佐渡友 裕之 〇出席理事者[4人] (総務部)  行財政改革局長     仙波  純子  行革分権課長      目見田 貴彦 (企画振興部)  情報政策課長      井上  敬之 (経済労働部)  産業政策課長      赤坂  克洋               午前9時59分 開会 ○(森高康行委員長) ただいまから、行政改革地方分権特別委員会を開会いたします。  関口産業支援局長は欠席する旨の連絡がありましたので、お知らせします。  皆さん、携帯電話等が鳴らない配慮を、いま一度確認をお願いします。  本日、参考人としてお招きいたしました株式会社三菱総合研究所社会ICTイノベーション本部地域公共ICTグループ青木芳和グループリーダー及び営業本部佐渡友裕之本部長並びに今年度初めてこの委員会に御出席いただきました理事者を紹介いたします。  青木グループリーダーから順次、自己紹介をお願いいたします。 ○(青木参考人) 三菱総合研究所の青木と申します。よろしくお願いいたします。 ○(佐渡友参考人) 同じく三菱総合研究所営業本部の佐渡友と申します。きょうはよろしくお願いいたします。 ○(情報政策課長) 情報政策課長の井上でございます。よろしくお願いいたします。 ○(産業政策課長) 経済労働部産業政策課長の赤坂と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○(森高康行委員長) 以上で、参考人及び理事者の紹介を終わります。  それでは、これより議事に入ります。  本日の会議録署名者赤松泰伸委員松井宏治委員を指名いたします。  本日の議題は、自治体におけるAI活用についてであります。  それでは、参考人の青木グループリーダー及び佐渡友副本部長から取り組み状況等について御説明をお願いしたいと思います。  いろいろ資料を使いますから、委員の皆さんは見やすいところに移動いただいて結構でございますので、御協力をお願いします。  それでは、参考人、よろしくお願いいたします。 ○(青木参考人) それでは、まず、私から、自治体AI活用の動向について御説明させていただいた後、佐渡友の方からロボットによる事務処理の効率化ということで、RPAについてお話しさせていただきます。説明時間としては、合わせて40分程度を考えております。資料はお手元にも配られていると思いますので、そちらも適宜御参照いただければと思っております。  まず、自治体AI活用の動向でございますが、一般論といたしまして、AI活用のトレンドをまず御説明させていただきます。  今、AI、人工知能はかなりブームになっているということで、皆さん御認識されているかと思いますが、実は、今のAIブームは第3次AIブームと呼ばれております。過去に、1960年代、80年代にもAIブームはありましたが、昨今、コンピュータ技術の進化といたしまして、クラウドサービスといった安価にコンピュータリソース、メモリやハードディスクなどを利用でき、また、いろいろなセンサーでデータをとってAIで学習させるデータ自体もふえてきて、ほかにも機械学習の技術の進化ももちろんございますが、そういうことを踏まえまして、今、第3次AIブームになっております。今後の市場の予測でございますが、3年前の2015年には1,500億円だったのが、その5年後、今から2年後では1兆円を超えまして、さらに2030年には2兆円を超えるであろうということが国内市場規模として言われているように、かなりAI自体はいろいろなところで使われていく予測となっております。  また、国内の主要120社程度にアンケートした結果として報道されている内容を見ますと、AIの導入予定がある、またはもう既にあるなど、そういうAIを具体的に導入する企業が7割になっているところで、こちらも市場規模の増大も踏まえまして、AI活用は今後、進んでいくだろうという見通しでございます。  AI、人工知能によって何が変わるかと、AIに何ができるかというところで簡単に整理させていただきましたのが、この図でございます。AI、人工知能を使うと、やはり最適化ということで、例えば需要の予測や、無駄を省いて人等の稼働率を最大化するようにできる役割も持っておりますし、また、自動化というところで、後ほど御説明いたしますRPAもその自動化に資するところでもありますが、そういう人が今までやっていた業務を一部代替できる、または完全に代替できるところもございます。  さらにはノウハウ再現で、いろいろな専門の知識といいますか、熟練の暗黙知等を持っているものに関しまして、データを集めて再現させるノウハウの再現もAIの役割としてございますので、こういった点が上に書いてあります効率化や、いろいろなリスクの低減、さらには新たな価値の創出につながるであろうと考えております。  ここで一つ事例を御紹介いたしますが、京都府警、また、今検討中ではございますが、神奈川県警等犯罪予測にAIを活用するという報道記事も出ております。こちらの仕組みを簡単に御説明いたしますと、過去10年間に、何時どこでどういう犯罪が起こったかという統計データや、また、大学の先生等が研究されている犯罪理論を組み合わせて分析することで、新たにいつどこで事件が起きるかを予測し、そういう場所に警察官をたくさん配置するなどということで、犯人の早期検挙や防犯活動に活用しようという取り組みでございます。  また、民間企業におけるAI導入事例でございますが、こちらは大量のデータ等を扱う保険会社や銀行が先行しているところでございまして、東京海上日動火災保険株式会社の事例では、手書きの申請書等の資料の文字認識にAIを活用して、読みづらい文字なども連想することで、1件当たりの処理時間を50%削減した事例も報告されています。また、三重銀行では、生命保険の証券の分析に60分かかっていたものを、いろいろなノウハウをAIに覚え込ませて、時間を短縮して、お客様の待ち時間自体を最大90%以上短縮させた事例も出てきているところでございます。  ほかにも、例えば、弊社の方でやらせていただいている、新卒や企業に入る前に学生さん等が企業に提出するエントリーシートの選考をAIで一部分析することによって、エントリーシートの選考時間を40%削減した事例なども出てきているところでございます。  さて、行政分野で、どういったAI活用が考えられるかを御説明いたします。まず、現状といたしまして、住民自体どうなっているかというと、やはり住民のライフスタイルが多様化していると考えておりまして、もちろんスマホを持つなどもそうですし、また、働く時間帯も今までのように、日中の時間帯ではなくて夜働くなど、そういう生活時間帯も変わっているところもございます。  一方で自治体になりますと、今、もう人口減少社会になっておりますので、職員数自体も恐らく減らさざるを得ないだろうというところや、また、社会保障費が増加している状況の中、財政状況も厳しくなるというところで、やはり解決の方向性といたしましては、それぞれ幅広い世代に対応する柔軟なサービスの提供が住民に対しては求められます。また、自治体といたしましては、生産性の向上や財政の悪化に関しましては、実施する施策や事業をどう選択集中させるかといった取り組みも必要になると考えておりまして、こういったことを実現するためには、やはり今の最新の技術であります人工知能ソリューションを積極的に活用することで、限られた人やお金といったリソース住民サービスを維持・向上させることが重要と弊社としては考えているところでございます。  こちらはライフスタイルの多様化の参考で、この事例自体はAIを活用しているわけではないですが、LINEというスマホのアプリがございまして、皆さん使っている方も多いかと思います。LINEを使ったいじめ相談を受け付けたところ、今までは電話相談の受け付けだけでしたが、この成果のところで書いてありますように、2週間の実証期間の中で電話相談1年分を受け付けたというように、かなりの相談が来たこともございました。こういったことからも、やはり今の特に若い世代は、電話をかけることよりもLINEでいろいろ相談することの方がやりやすく、そういうライフスタイルに変わってきているのだろうなということが、この事例からも見てとれるわけでございます。  具体的な行政分野におけるAI活用のアイデアで、今、いろいろな事例が出てきておりまして、例えば、この上の表の2点目で、政策立案で、各種の統計データや過去の実績等をもとに新たな政策をAIで考えることも考えられているところでございますし、先ほどの犯罪予測のように、多種多様なAIの活用の例が出てきているわけでございます。  具体的には、まずこの事例の(1)は、弊社の方で実証実験させていただいたものでございまして、詳しくは後ほど御説明しますが、基本的には住民の方からの問い合わせをこういったLINE的な画面、スマホでやりとりすることで、知りたい情報をわかりやすく提供する機能となっております。グーグル等の検索機能がありますが、その場合、自治体の事業の名前、児童扶養手当など、そういう言葉、事業の名前や制度の名前を知っていれば、もちろん検索で対応はできますが、例えば、今、子育てしているけれども、ちょっとお金に困っているなど、そういう抽象的な表現で相談したいときに、やはりそういう表現では検索などにひっかからない場合が多いので、そういうことをサポートして、その方が受けられる住民サービスにひもづける役割として、このような自治体総合窓口応答サービスを考えているところでございます。  事例の2点目といたしましては、住民の意見聞き取りサービスで、こちらも弊社の方で実証実験を行いましたが、例えば、公共施設を統廃合するといったときに、住民の方の意見を聞くプロセスがございます。その場合、今まではどこかの公民館で、住民の方に来ていただいて、そこで御説明した上でいろんな御意見を聞く流れになっていましたが、その場合、働いている方などがその時間帯に来られなかったなど、恐らく夕方などになってしまうので、子育てしている方などは子供の面倒を見るということで、その会場に来られなかったところが多いと思われます。そういうことは24時間365日使える、AIチャットボットといわれますが、こういうLINE的なインターフェースでいろいろ御意見を聞き、この御意見も、単にこういう計画ですがどうですかと聞くだけではなくて、通常の会場でやる場合のファシリテータの役割の方が行うように、その人が本当に困っていることや言いたいことをうまく、その人の本心といいますか、真の原因をきちんと聞き出す形でプログラムが組まれているところもございますので、そういう形でいろいろな住民の方の意見を聞き取りやすくする役割も考えられるところでございます。  こちらの事例の3点目といたしましては、同じ四国の徳島県で、定例記者会見の議事をAIで要約する機能を提供しております。事例としては、またちょっと毛色は違いますが、千葉市では、道路のどこかが傷ついていて、穴ができていて直さなければならないときに、今までは人間の目で確認していたと思いますが、公用車を使ってスマホで撮影した画像を分析して、ここの道路が傷んでいるということを判別する機能をAIの技術を使ってサービスしている事例も出てきているところでございます。  先ほどの事例の1点目にありましたAIチャットボットでの住民からの相談対応という実証実験を弊社の方で行わせていただきましたので、そちらの結果を簡単に御紹介いたします。昨年度になりますが、ことしの2月から3月にかけまして、都道府県も含めて計35の自治体に参加いただき実証実験を行いました。こちらの方で注目すべきところは、やはり利用者のアンケート結果で、こういったサービスを今後も使いたいですかという質問に対しまして、住民の方に関しましては93%の方がこういったサービスを利用したいということでした。電話や窓口に来て対面というのは、やはり言い出しにくい部分があって、こういうスマホなどで自動的に答えてくれたらうれしいことが見てとれます。また、利用者アンケートの結果として、よい点としては、やはり24時間365日使えるところや、電話、窓口より気軽という回答もいただいております。  ほかにも細かい点などありますが、そこは割愛させていただきまして、AIなので、どんどん賢くなっていくということで、回答の精度が上がっていくところをお示ししたのが、28ページの事例となります。  こういったことによりまして、このサービスを導入することでの期待できる効果といたしましては、やはり住民の方が求めているように24時間365日のお問い合わせが可能になることや、気軽に問い合わせできる点。一方で、自治体目線からいたしますと、問い合わせ対応をAIが勝手にやってくれることで、そういう問い合わせの負担が幾分か軽減されるだろうというところもございます。やはり、住民の方にとって行政への親近感がアップする効果にもつながるだろうと考えております。  さらに言いますと、この資料上は反映できていませんが、住民がどのような問い合わせをしたかというものがログというデータでどんどん蓄積されていきますので、どういうことを住民が聞いてきたか、どういうことに関心があるかという蓄積されたデータを分析することで、新たな施策、県にとって今後何をすべきといった、住民のニーズを把握した上での施策立案につながるかと思いますので、そういう効果もあると考えております。  ここからは少し細かい話になりますので、AIの御説明としては以上とさせていただきます。  では、RPAの説明の方に移らせていただきます。 ○(佐渡友参考人) 続きまして、私の方からRPAの説明をさせていただければと思います。  資料はお手元のRPA概論と書いてある資料でございます。  RPAという言葉、昨年、2017年初頭からそろそろ聞かれ始めました。新聞の朝刊や日経ビジネスや東洋経済などの一般ビジネス誌でもRPAの特集が組まれるようになったのが去年の初頭からだと思いますので、それからきょう現在まで、皆様もRPAという言葉を一度は聞かれたのではないかと思います。  RPAとは何かということで、ロボティック・プロセス・オートメーションの略でRPAです。ロボットによる業務(プロセス)の自動化と訳されますけれども、ここでいうロボットは、ホンダのASIMOやソフトバンクのPepperのような物理的なロボットではなくて、RPAでいうロボットソフトウエアロボットですので、このようにパソコンの中に入れて使うソフトウエアのことでございます。パソコン上の作業、コンピュータで今、人が行っている作業を自動化するものがRPAでございます。  イギリスのオックスフォード大学にオズボーン准教授という人がいて、この人が「THE FUTURE OF EMPLOYMENT」、雇用の未来という論文の中で、今後10年、20年程度で47%の雇用が自動化、機械化される可能性が高いと言いました。それから、これは世界的なコンサルティング会社であるマッキンゼーのレポートですけれども、2013年のレポートなのでかなり古いレポートですが、そのときに既に2025年までに全世界で1億人以上の知的労働者、もしくは3分の1の仕事がRPAによって置きかわると予言していて、それが現実に起こりつつあるのが現在の状況です。  済みません、このページと次のページはお手元の資料にありませんので、スクリーンの方を御覧いただければと思いますけれども、民間においては、2015年の11月に、三菱東京UFJ銀行、これは当時の名前で、今は三菱UFJ銀行ですが、8,000時間の事務処理をRPAによって削減したというニュースがありました。  それから、自治体においては、皆様もお聞きになったかもしれませんけれども、RPA活用では先行的な事例として、つくば市が有名です。実はつくば市は、今、実証実験中でございまして、ただかなり早い時期からやっておりますので、働き方改革の一環としてRPAを導入した業務で大体約8割の削減効果が出るという結論が出つつあります。つくば市は、市役所の業務には単純で定型的な作業ではあるけれども、量が多いため多くの労働時間を費やしているものがあると言っています。やはり季節波動があって、確定申告時期などの税務処理は、特に多くの時間外労働をしている状況です。このような課題の解決のためにRPAを導入して、作業時間の短縮及びミスの少ない正確で的確な処理を行うことをやっております。  次のページはRPAの市場規模予測です。  国内と海外と両方あって、いずれも2016年を起点として将来どうなるかという話ですけれども、まず、国内では2016年8億円の市場規模だったものが2021年には82億円、約10倍強になると言っております。それから、グローバルでは1.7億USドルだったものが51億USドル、これは2025年になっていますけれども、51億USドルですから約5,800億円ぐらいです。ただこれは、RPAのソリューションを扱っている側の数字ですので、使う側等々を入れるとこの3倍から4倍の市場規模になると弊社では予測しております。  RPA導入の目的ですけれども、端的に言うと5つ言えるかと思います。業務時間の短縮、業務生産性の向上、コスト削減、労働力不足の解消、業務品質の向上。今までこういうことを工場における生産現場でやってきたわけで、日本は特に生産性が高いという評判を得ましたけれども、翻ってオフィスワークに関して見ると物すごく生産性が低いと言われています。日本は先進国24カ国の中でも一番低いところです。これらを解消するためにRPAを使って、今の段階では定形作業を自動化することによって達成しましょうということがRPAの導入の目的でございます。  コスト削減は、日本企業はもう長年取り組んでおりますが、大体業務を標準化したり、人件費を削減したりすることによってやってきたわけですけれども、それによる効果は大体15%から30%が限界と言われていますが、一説によるとRPAを使ったコスト削減効果は45%から75%まで可能と言われております。  先ほど、青木から説明のあったAIの話ですけれども、今のところAIとRPAは別物と認識してください。正確に言うと、RPAの中にAIが組み込まれつつありますが、きょう時点では完全に融合しているわけではないです。ただし、近い将来、これは5年後などの話ではなくて、1年後や2年後などそういう近い将来ですけれども、完全にAIとRPAは融合して、判断が必要な作業や非定形作業をRPAで自動処理することが可能となります。  RPAのメリットです。  まず、RPAはパソコン上で行う作業であればどんなものであっても自動化できます。それから、扱うRPAソフトウエアによるところもありますけれども、作業スピードは人の数倍から200倍程度出ます。それから、やはりここが一番RPAの特徴だと思いますけれども、ロボットですから24時間365日働けますし、ミスをしません。それから、文句も言いませんというところが特徴かなと思います。また、ソフトウエアなので、もちろん自治体や民間企業、中央官庁においてでもありますけれども、従来のシステム開発に比べて低コストで導入が可能だというところが特徴です。  RPA導入によって、定形・反復作業から解放された人は、自治体においては、窓口サービスにもう少しリソースを投入するなどの作業にシフトができるようになります。  人とRPAの違いをもう少し簡単に表にまとめてみたのが次のページでございます。  まず、作業の品質ですけれども、人はやはり間違えますよね。疲れてくると余計間違いが出てきたりすることがありますので、これはRPAが勝ちかなと。カバーする範囲は、先ほど申しましたように、今のところRPAは定形作業しかできないので、これは人の勝ちです。コンプライアンス面では、人は時々魔が差しますが、RPAはそういうことはないのでRPAの勝ち。スケーラビリティ、拡張性はもう完全にRPAが勝っているところで、繁忙になったからといって人をふやすのは、なかなか大変な事務手続が発生しますけれども、RPAの場合ソフトウエアをふやしていけばいいだけですので、簡単に大量投入できると。それから、人件費は高いので、当然ソフトウエア導入費用の方が安いということで、コスト面でもRPAが有利でございます。  次に、働き方改革との関係をちょっとだけ述べますと、御存じの政府が示している働き方改革、9つの指針のうち、3つ目の長時間労働の是正のところに直接資するソリューションがRPAだということでございます。法案はもう通りましたけれども、最初に政府が働き方改革実現会議を発足されて取り組みが始まったときは、ワークスタイル変革テレワークモバイルワーク、この辺を取り組みとしては始めましたが、働く場所に柔軟性を与えてすき間時間を活用するという面では有効でしたけれども、これだけですと、ホワイトカラーといいますか、オフィスワーカーの生産性に真に寄与したかどうかは少し疑問なところがあります。これに対して、これまで工場でロボットを使ってやっていた生産性の向上をオフィスでもやろうというのがRPAでございます。  12ページ。RPAに向く業務は定期的に発生する業務、ルール化できるもの、それから、PCだけで作業が完結するものでございます。  次の13、14ページに作業の具体例として細かく書いてあります。部署別、例えば、人事系だったらこう、経理系だったらこうなど、後でお読みになっていただければと思います。  15ページ、RPAの歴史を少しお話しさせていただきます。  もともとRPAは2012年ごろ、2012年はどういう時期かというとリーマンショックのときですが、当時というか今もそうですけれども、欧米の企業が、中国やインドに持っていったBPO、業務のアウトソーシングセンター、コストの安いところで事務処理などの業務を代行していたコストを、リーマンショックのあおりを受けて、よりコスト削減に取り組まなければいけなくなり、インド人や中国人などの安い人件費をさらにコストカットするために、彼らをロボットに置きかえた。これがRPAの始まりです。  これまでのRPAの目的は、人員削減と定義づけられるかなと思います。冒頭申しましたように、2015年ごろから日本において先進的な一部企業で検討、導入が開始されて、2017年初頭からブームになったわけですけれども、日本におけるRPAの導入の仕方は、決して人員削減が目的ではなくて、やはり働き方改革のためにRPAを入れているのが日本の現状でございます。  それで、今世界的にどうなったかというと、実は日本はRPA先進国です。つまり、発祥は欧米でしたけれども、日本のような働き方改革、オフィスワーカー生産性向上のためにRPAを使うのは、日本発祥です。これがグローバルでも主流になってきて、結果、日本のRPAのやり方が世界的にリードしているといいますか、日本がRPAの先進的な国になっております。  RPAは、すぐに導入、すぐに効果が出ることで人気が出ております。RPAツールとこれまでのシステム開発との対比ですけれども、もう断然短い時間で導入が可能で、最長でも3カ月ぐらいのスパンでやることができます。費用面でも安いですし、もう一つの特徴は、いわゆる我々のようなIT業者、もしくはシステム部の方のような、システム関係者ではなくても、いわゆる人事部や経理部、総務部の方、一般の人たちがみずからロボットを組めて、みずからの日々の業務の中に定型的な単純作業があるなと思えば、それをロボット化できるのがRPAの最大の特徴でございます。  ちょっと技術的な話なので簡単に済ませますけれども、RPAの3大機能は、ロボットをつくる機能、ロボットを実行させる機能、ロボットを管理する機能がございます。  次の認識技術は少し専門的になりますので飛ばします。  19ページ、RPA導入のポイントですけれども、ちょっとこれまで申しました話のおさらいにもなりますけれども、やはりRPAツールはノンプログラミングでできるものを選ぶべきです。先ほど誰でもできるというお話をしましたけれども、選ぶツールによってはそうでもないところも実はあるので、その辺の見きわめが大事です。  それから、RPA導入を、例えば、全庁、全社でやったりするわけですけれども、そういう場合は、RPA導入チームをつくってやるのが一般的だと思いますが、このチームに選ぶメンバーは、システムの知識よりも、やはり業務知識がある人を選んだほうがいいということ、RPAのロボットは業者に頼まないで、自分たちでつくるということ、それから、パソコンの作業を自動化するものでありますから、例えば、マウスでポインタを動かしてダブルクリックするなど、そういうタスクレベルで細かく業務を明確にすることが必要です。  また、これまでのシステム開発のようにいろいろつくり込まないことが大事です。RPAは、やはり現場の業務を直接伝える技術であって、あくまで現場の担当者が開発の主役というところが重要です。  また、企業や自治体において重要な業務ではなくて、現場の人たちがすぐに効果を実感できる業務、今苦痛を感じている業務からロボット化していくのが効果の上がるやり方です。  また、野良ロボットという言葉が結構聞かれます。いろいろな現場でそれぞれが勝手にロボットをつくってしまっています。そのロボットが意外と県、市、企業の重要なシステムにアクセスするものですから、統制がきかなくなってしまうのではないかという心配はありますが、先ほど申しました3大機能のうちの管理機能というものがありますので、そこをきっちり使っていくことが大事かなと思います。  では、肝心のRPAのツールにはどういうものがあるかといいますと、端的に言うと2種類、サーバー型とデスクトップ型があります。  サーバー型は、システムのプログラムが入っているサーバー、いわゆるサーバー室といわれるところに置いてある大型のコンピュータ、これに入れて使うものと、デスクトップ型という、皆さんのPCに入れて使うものがあって、今までの私の話から御推測可能かと思いますけれども、デスクトップ型が自治体においては有用ではないかと思っております。  ちょっと25ページまで飛ばします。  具体的にどういう製品があるのかというと、やはりRPAは新しい技術なので、そんなに無数に製品があるわけではなくて、サーバー型で何種類、デスクトップ型で何種類しかないですが、おもしろいことに、RPAの歴史も関係しているのでしょうけれども、サーバー型は全部欧米の製品です。BizRobo!、blueprism、UiPath、AutomationAnywhereなどが今出回っている製品でございます。メガバンク、生命保険会社、損害保険会社など、そういう大企業はサーバー型を使うこともあるかと思います。次のデスクトップ型は、これは2つとも日本の製品ですけれども、ipaSとWinActorがございます。  終盤ですけれども、28ページ、RPA導入の流れです。  まずは効果が見込まれる業務を選定しましょう。実際に今、いろいろな自治体でRPAの実証実験が始まっていますけれども、実証実験でもいいので、まずは最初に実際に使ってみて評価をする、効果を測定して改善していく形かと思います。  29ページ、RPA導入のステップで言いたいことは、RPA導入の期間は短く、4週間から8週間ぐらい。最長でも3カ月ぐらいかかると思います。  働き方改革の進化で、日本はこれまで工場の中で1秒1分を削ってものづくりを向上させてきたわけですので、同じことをオフィスの中でもできるはずです。RPAといういいツールが出てきましたので、これを使って日本の民間企業、それから市町村、中央官庁の中の業務を効率化して、競争力を上げていくお手伝いをしたいなと、常々我々は思っております。  以上、RPAについてでした。ありがとうございました。 ○(森高康行委員長) 以上で参考人の説明が終わりました。
     大変な情報量と最先端の動きの提示だったので、消化が十分できていないかもわかりませんが、ここでまず休憩をとって後の質問に備えたいと思いますので、休憩をいたします。5分程度休憩をしてください。               午前10時44分 休憩            ――――――――――――――               午前10時49分 再開 ○(森高康行委員長) 委員の皆さん、それでは、頭をリフレッシュしてもらったと思いますので、ただいまの参考人の説明をお聞きした上での、この議題に関する質疑を受け付けたいと思いますが、いかがでございましょうか。 ○(松井宏治委員) 御説明、本当にありがとうございました。  最初の方の資料の20ページに、住民の問い合わせ対応をAIでされた実証の概要があろうかと思いますけれども、もし、これらを商品化して、各自治体にこの問い合わせ対応をできるように販売するとしたら、これは幾らぐらいのものになるのでしょうか。 ○(青木参考人) 商品化自体は、ことしの10月から商用化したいと考えております。今、弊社内で調整中ではありますが、金額といたしましても、やはり多くの自治体に使っていただきたいということで、100万円から二、三百万円というところを年額としては考えております。 ○(松井宏治委員) では、もう既にことしには発売の予定で、実証データでいろいろ使うたびに、AIがデータを蓄積していくというお話があったと思いますけれども、一般的な対応の問い合わせなどで、どこの自治体でも問い合わせが似通っているとすれば、それらはもう使えるようになるということでしょうか。 ○(青木参考人) ちょっと詳しく説明していない部分ではあります。基本的には、ほとんどの自治体が住民向けに提供しているホームページに記載している内容は網羅している形で、初期のデータをつくり込んでおりますので、そういう意味で幅広い範囲でお使いいただけると考えております。 ○(松井宏治委員) 最後に、例えばどこかの都道府県なり市で導入した後、そこで1年使えば、そのAIはさらに2年目は進化する回答ができるようになるのでしょうか。 ○(青木参考人) 実は、回答自体を勝手につくることは機能的には行っていないのが実態でございます。このサービスを検討するときに、職員の方にヒアリングしたところ、AIが勝手に答えをつくって、間違えた答えを住民の方に提供してしまうと、やはり問題が大きいということで、ホームページに載っている情報は、職員の方が確認された正確な情報でございますので、最終的にはこちらの画面のように各自治体のホームページに誘導する形のつくりとなっております。  ただ、答えられない問い合わせなど、そういうものは出てくると思いますので、それをきちんと誘導する誘導率をアップさせて、また、こういう問い合わせが多いけれども、愛媛県のホームページにこういった情報は載っていないですねということは情報提供させていただきまして、新しくホームページにそういう情報を載せていただいた上でリンクさせるという改善を考えております。  以上です。 ○(帽子大輔委員) 同じくAIスタッフの点ですけれども、これをつくるのにベースになっているデータは、さっき言われた各自治体のホームページということですが、ということは、対応をした後の結果は、当然、反映はされていないということですか。入り口を案内するだけの機能ということですよね。  自治体の対応窓口はやはり癖があるので、さっき両方にまたがるところは、なかなか回答ができないということでしたけれども、そういう問い合わせを蓄積して、それをさらに細分化して、また、バージョンをアップすることをやっていけば、その精度は高まるということですか。 ○(青木参考人) 御質問いただいた件でございますが、例えば、窓口などに来て、込み入った御相談をいただく場面もあるかと思います。そういうことはこういうAIのチャットボットではなくて、やりとりの情報をデジタル化、データ化した上で、県として、自治体としてデータを蓄積していく。例えばですが、児童相談のような業務があったとして、各ケースワーカーがいろいろな相談に乗っているのが現状だと思いますが、そういう相談の内容を情報として提示することで、経験の少ないケースワーカーであっても、手元にタブレットなどを置いて、住民の方が言っている内容を聞き取った上で、こういったことを聞いたほうがいいですよというガイダンス機能をAIで実現できる可能性も弊社としては検討しようとしております。  また、そういうデータがたまってきて、その後の状況もデータとして残していくことで、こういう相談がある場合に、もっと注意してケアしなければならないところを、そのケースワーカーにもアラートを上げますし、また、その上司の方、組織の中でもアラートを上げることで、個人のケースワーカーの属人的な対応ではなくて、組織的な対応にもつながると考えております。そこはかなり複雑な仕組みになるので、この10月ではなくて、さらに時間はかかるかなと考えております。 ○(帽子大輔委員) すごいなと思います。実は、我々も市民の皆さんに、例えば、川のごみがたまっているのだけれども、それを自分たちでのけるのには、費用が掛かるから、これをどこに相談したらいいのだろうという問い合わせがあって、ああ、では、そういうのは河川課なのかなと、いろいろなことが思い浮かぶけれども、一般市民にとっては、そういう窓口に案内をしてくれるということですよね。それがすばらしいなと、感心しながら今聞いておりました。  それから、もう一つ、RPAの方ですけれども、こういうものが実現していくと、非常に日常の業務で確かに短縮されることが多いなと思っています。導入するところはまだまだ少ないでしょうけれども、こういうのは現時点で各企業に対するIT補助金のような制度は、利用段階ではありますか。それとも、開発段階でそういうのが国の方で支援策のようなものがあって、例えば、三菱総合研究所も利用されて開発をされているのでしょうか。 ○(佐渡友参考人) 今のところは国のレベルではRPAという特定のソリューションにおける助成金は出ていないと思います。ただし、働き方改革という意味で、これは国のレベルではありますけれども、その枠の中でRPAに使うということは考えられるかもしれませんけれども、具体的に三菱総合研究所が受注した仕事で助成金を使った例は、今のところはございません。 ○(帽子大輔委員) もう一つ、デスクトップ型のRPAが普及されるということは、いろんな競争がそこに起こり得ると思いますけれども、参入企業というか、そういうRPAをつくられる会社に競争が起こると思いますが、そこに何かプラットホームの取り合いのようなことは起こらないという考え方ですか。 ○(佐渡友参考人) 実は、デスクトップ型RPAにはプラットホームはないと認識しておりまして、説明の中でも申しましたように、デスクトップ型RPAの導入の仕方は、ソフトウエアを買う必要はありますけれども、余り導入業者は使わないで、みずから企業ないし自治体の皆さんがやっていく取り組みが正しいと思っています。  実際に、私どもは民間企業に対しては約2年前から、それから、自治体の皆さんに対してもことしぐらいから御支援を始めています。今までのシステム開発のように、いわゆるSIerやITベンダーといわれる人たちを使わないで、みずから入れてくださいということで、そのための御支援、それはシステム開発の膨大なコストに比べたら本当に御支援ですけれども、みずから入れてくださいという啓発活動をしております。幸い、日本においてはそのような流れになっているかと思いますので、業者側が取り合いになるなどという状況には今なっていないと思います。  けれども、御質問の観点で一点、やはりすごくいいところを突いているなというものは、売る側にしてみれば、これは今後、多分10年ぐらいの商売の目玉ですので、どうにかこうにかプラットホームにして、大規模にして、お金を稼ごうとしている傾向が見られることは事実でございます。ただし、少なくとも弊社では、現実的にはそうしないほうがいいと思っています。 ○(帽子大輔委員) ということは、例えば企業が導入したときに、基本的にはランニングコストは余りかかっていかない状態になるのですか。 ○(佐渡友参考人) そうですね。これもサーバー型とデスクトップ型でちょっと違いますけれども、デスクトップ型の場合は、人件費とソフトウエアのランニングコストはありますので、その2つがメーンで、プラスアルファの運用支援のようなことを考えればいいのかなと思っています。ただし、サーバー型のRPAはちょっと事情が違って、サーバー型のRPAは、やはりこれまでのシステムのようなお金がかかっていくかと思います。  ただし、大量のデータを短い時間で自動処理しなきゃいけない業務は、やはりサーバー型のRPAが適しますけれども、では、果たしてそういう業務はどんなところにあるのといった場合に、私どもの経験では銀行、特にメガバンクにはあります。私どもは地方銀行もお客様に持っていますけれども、地方銀行は余りないです。それから、製造業やサービス業も、これは大企業であっても余りないです。クレジットカード会社や生損保にはもしかしたらあるかもしれないというくらいです。  ですから、今、実はサーバー型を導入する企業や自治体もあるにはありますけれども、ちょっとそれは、私から言わせれば売り側の論理に乗っかっている部分もあって、本当に突き詰めればデスクトップ型でいいのではないかなとは思っております。ここは私見です。 ○(帽子大輔委員) ありがとうございました。  本当に導入しやすかったら、非常に行政の中にも取り込めるのだろうなと思います。我々もこの行政改革地方分権特別委員会で東京の某航空会社に行ったときに、その航空会社が朝必ずやる業務が、自社ではない他社の株価をエクセルで落としてという単純作業をこのRPAで解決したというお話がありました。そういうことは行政の中でもいっぱいあるのだろうなというところで、早く実現できたらいいなと思ってございます。  以上です。 ○(渡部浩委員) こういうIT関連は、ちょっと私はよくわからない部分がありますけれども、11ページにも自治体環境だけではなく、世界中でも日本は人口減少社会です。いろいろ予測されているのが50年後には8,800万人、100年後には5,000万人を切るといったように、「未来の年表」という河合さんの本を読んだりすると、当然ながらこれは来るだろうなと思っている中で、こういったことが今後、必要になってくると思います。  これを、先ほど松井委員も聞きました20ページで、行政分野でいろいろな分類をされて、全て商品化されるのだろうとは思いますけれども、約2,000弱の自治体がありますよね、現状で各自治体のニーズは、ある程度把握もされているだろうと思いますが、1番、2番、3番と、どういう分野で今一番多いのか。そういう予測もされた中で、こういう商品開発をされているのだろうと思いますけれども、そのあたりどんな状況になっていますでしょうか。 ○(青木参考人) 今現在、実用化されているものといたしまして、まず、横浜市の方でごみの収集、AIのチャットボットでこれが粗大ごみかどうかなどを回答する仕組みが導入されております。恐らくですが、実用化されているものとしては、それが現時点では唯一なのかなと考えております。  先ほどどのような分野でというお話がございましたが、お手元の資料の26ページにもありますが、利用者アンケートでどういう分野をさらに充実してほしいかをお伺いしたところ、住民側の立場からいうと、税、高齢者支援・介護、健康・医療、子育て支援などの、やはり生活に身近なところが多いので、我々としてもそこを充実しつつも、やはり幅広い範囲にターゲットを絞らないと、余り使っていただけないサービスになるかなと考えております。  ちょっと御質問の内容と少し外れますが、例えば、県であれば、県に対して住民が問い合わせする業務は意外と少なくて、県税やパスポートの業務があります。やはり住民からすると、それが松山市なのか、愛媛県に聞けばいいのかなど、そういう判断も余り住民の方でしなくてもいいサービスとして、松山市と愛媛県にこのサービスを両方使っていただければ、例えば、住民の方の自動車税などのような問い合わせであれば、県のホームページに最終的にリンクさせるサービスができると思います。  さらに言えば、まだサービス自体の実現はできていないのですが、例えば、どこか公園に子供を遊びに連れていきたいときに、市や町の境界のところであれば、当然、松山市だったら、松山市の公園の情報はホームページに充実していると思いますが、その隣の市などにある近いところの公園についての情報はないと思いますので、やはりそういう住民の方が、県や市、また、どこの市など、そういうものの垣根を余り住民として考えない形のサービスは実現できると思います。そういう意味で、ちょっとバーチャルにはなりますが広域化にもつながるかなと考えております。 ○(渡部浩委員) ありがとうございます。  自治体もいろいろと財政の状況は違います。そして、2017年の経済産業省の中小企業白書の中に、過去10年間で大企業、中小企業の生産向上度合いという数字が出ていました。大企業のあたりは10年間で32%の生産性が向上しておりますが、日本は中小企業が99%あるわけで、中小企業の生産性は15%ぐらいしか向上されていないのは、やはり資本力など、そういうコストの問題だろうと思います。  そういう中で私は思いますけれども、今から価格を設定していかれると言っていましたけれども、愛媛県や基礎自治体もいろいろな形の中で考えられるのだろうと思いますけれども、やはり自治体が今後、そういうコスト面で導入しやすいようにしてもらいたい。そして、国は今ソサエティー5.0という一つの政策の中で、生産革命などいろいろなことを新しく変えていこうとしておるわけです。三菱総合研究所ですから情報をたくさん持っていると思いますけれども、そういう制度の中に、導入というか、RPAやAIのシステムなどの補助制度は、企業や自治体からの要望などで、今後、国が動く方向性はないのでしょうか。 ○(青木参考人) ちょっと我々の方も確かな情報を得ているわけではないのですが、自治体向け等にAIを活用するための補助金という話は出てきているとは聞いております。弊社としても十分働きかけは行っていきたいと思っております。 ○(森高康行委員長) よろしいですか。  ほかにいかがですか。 ○(松下行吉委員) 御説明ありがとうございます。  RPAという言葉を初めて聞きまして、ちょっとはっきり言いまして、どんなものか概念が私にはわからないですが、資料の13ページに作業の具体例が出ておりまして、その右側のところを見ると、例えば、上から2段目に勤怠管理システムから長時間残業者を検索などがありますけれども、そもそも給与システムか何かの中で、この人の残業時間が多いのは何かぱっと出てきそうな気がしますが、それプラスアルファ、例えば、この人はよく休んでいるといいますか、休みをたくさんとっていて超過勤務の多い人というか、それだったらエクセルか何かのクロス集計のような感じで出したらいいように思いますが、それをRPAという、これも多分システムだと思いますが、具体的にはどういうふうにつながるのかなと。  先ほどもBizRobo!というシステムが売られているということでしたけれども、ここにある作業をそのBizRobo!とつなぐものは、やはり人間の手でするのだったら、時間短縮などになるのかなと思いましたが、ちょっと御説明いただけませんか。 ○(佐渡友参考人) 今、言われた中で、エクセルなどで集計をするとおっしゃっていましたが、その集計をする人、その部分も自動化してしまうのがRPAです。エクセルに数字を入力したり、計算させたり、もしくはその表からグラフをつくったり表をつくったりというのは、人がやっていますが、この作業を自動化するのがRPAです。  ですから、最初に、ある一連の作業を覚え込ませる必要があります。それをロボットがつくるという表現をしていますけれども、1体あれば、数字は毎回違うかもしれないですが、作業ステップは同じですよね。まず、エクセルを開いて、どこのセルに何という数字を入れて、それを集計して表にしてという一連の作業。もしかしたら経理部の方は毎日やっているかもしれないですし、毎月1回ある作業かもしれないし、この単純反復作業が、やはり自治体、中央官庁、一般民間企業、日本全体を見渡すと膨大な数があると。これを人がやる必要がありますかという問いかけ。ここを自動化するのがRPAです。  もし、3分ぐらいお時間があれば、実際に動いている画面をお見せすることができますけれども、どうですか。 ○(松下行吉委員) よかったら見てみたいですが、よろしいか。 ○(森高康行委員長) では、見せていただきましょう。 ○(佐渡友参考人) 今からお見せするビデオは、これもどこの会社でもあると思いますけれども、毎日の交通費の精算は毎月やりますよね。申請した乗車地、降車地、経路、電車やバスなど、申請金額が合っているか合っていないかを、経理部の人が、月に一度必ず全社員分、全件分チェックして、間違っていればバツをつけて返すわけですけれども、データはそれぞれ違いますが、この作業は常に同じですよね。これは日本中で経理部の人が膨大な時間をかけてやっています。こんなのはRPAで自動化してしまえということで、経費チェックをRPAにやらせている例でございます。  これはある会社の、実際のエクセルでつくられている経費精算書で、これは御存じの方はいらっしゃると思いますけれども、ヤフーの乗りかえ案内で金額が調べられるわけです。今、これはRPAが動いているところですけれども、社員から申請されたエクセルの精算書を見て、今、乗車地と降車地と申請金額をコピーしました。このヤフーの乗りかえ案内を自動的に開いて、コピーした出発地、到着地を入れて検索します。検索した結果から金額を今、拾ってきて、もう一回経費精算書に戻って調べた金額を入れて、申請金額と合っているので丸をつけました。2行目、同じことをします。2行目は間違っているのでバツをつけます。  3行目、実はマウスと書いてあって、これは交通費精算なのにマウスと間違って申請していますけれども、これは自動的にスキップすることもロボットがやっております。ある会社で実際に導入されているところでございまして、この会社はこれをRPA化したことによって、経理部の人の作業が7割方時間が削減されたと言っておりました。  これはRPAを使う例のほんの一部ですけれども、そのほかに先ほど御質問のありました、例えば、毎日自分の会社でつくっている製品の競合の会社のウエブページに行って値段の推移を見ている、そういう情報を毎日収集している、そういうところもRPAで自動的にやらせて、エクセルか何かに情報を落として表にして、プリンターで出力させるところまでやらせると、そういうところが典型的なRPAの導入業務でございます。 ○(松下行吉委員) 大分イメージがわかってきましたが、もうちょっと聞きたいのは、先ほどの市販されているBizRobo!などのソフトがありますよね、それでは、これを入れることによって、先ほどのエクセルでこのBizRobo!がヤフーなどのホームページにつないでできますよというイメージでよろしいのでしょうか。 ○(佐渡友参考人) おっしゃるとおりでございます。 ○(松下行吉委員) そのBizRobo!を入れて、そこをこういうソフト的なものにつないでいく、その仕事を三菱総合研究所がやって、利益を出したいというところがあるのでしょうか。 ○(佐渡友参考人) 三菱総合研究所の商売の話をしますと、このRPA関係では、まずはソフトウエアを売っているというのが一つあります。ただそこは本業のところではなくて、我々は自治体や企業の人事、経理、総務、販売、いろいろありますけれども全ての業務の中で、どの部分が自動化の対象になるかも選定して、その自動化対象部分に対して実際にこのRPAのソリューションを適用して、その結果の業務生産性の向上やコスト削減などを算定するコンサルティングを主に行っております。 ○(松下行吉委員) どうもありがとうございました。半分ぐらいわかりました。 ○(森高康行委員長) ほかに質問はいかがですか。 ○(帽子大輔委員) さっきAIスタッフの話の中で聞こうと思っていましたけれども、行政の中にも、住民向けサービスにも多種多様なAIの活用アイデアがある中で、それを進めるためには、やはり行政のデジタル化が大事ですよということをこのパワーポイントに書いていただいていますが、それをすればするほど、セキュリティー上流出やデータ保存の容量なども含めてかなり見えないコスト、行政側は行政側で、導入するのとはまた別のコストがやはりかかってくると思います。  そういうものをうまく軽減させるために、現状で、どういうものはデジタル化をしていけばAIで活用していけるのか、どういうものは余りデータ化しても活用される可能性がないと考えられるのか。 ○(青木参考人) 確かに御質問のとおり、データを蓄えていくことでハードディスクといいますか、データを蓄積する場所も必要ですし、また、セキュリティーへの対策も必要だと思います。まず一点、情報セキュリティー面に関しましては、データとして蓄積する際に匿名化するなり、やはりそういうところでサービスとしては考慮すべきところであると考えております。  一方で、データとして残すことでのコスト向上で言うと、やはりデータで残す分、例えば、紙を保管しなくてもいい、または縮小されるなど、紙をいろいろ置いておくスペースをその分なくせばいい、そういう効果もあります。また、データを蓄積するディスクに関しても最近はもうかなり安くなっているところでございますので、そういう点では、基本的には、データに関しましてはできるだけデジタル化していくのが必要だと考えております。  ここでの話ではなかったのですけれども、例えば建築の図面など、そういうものもデータ化していこうという動きもございますので、そういう意味で、弊社の今のところの検討状況としては、これはデータ化しなくてもいいというものは、特にそこまで考えが及んでいないところでございます。 ○(帽子大輔委員) ありがとうございます。  この委員会のある一定の議論として、ああ、やはり行政のデジタル化はもうちょっと進めていかなければならないという結論になるのがいいのかなと思いながら聞いておりました。ありがとうございました。 ○(森高康行委員長) 議長経験者も質問はないですか。いかがですか。 ○(越智忍委員) ちょっと好きな分野ですけれども、SFが好きなので、いよいよブレードランナーの世界が近づいたなという気がしないでもないですが、AIに関して、考えがあれば一つお聞かせ願いたい。やはりAIは、もう膨大な量のデータの蓄積が鍵になってくると思うので、例えば、AIの御説明の中に、京都府警が2016年に犯罪予測に活用という部分がありました。これは私もニュースで見て思ったのが、実はアメリカあたりはかなり前から、特に市警、州警ではなく市警のあたりで、地域住民の収入の度合いだったり、あるいは移民などの人種のリストなどをつくって犯罪に即応していたりして、これが実はAI化されていったのかなというところもあります。  そういうデータ収集という面でいきますと、今、日本は結構、建前と本音のところで難しいところがありますけれども、アメリカといえば、これはまた、2000年ぐらいの話ですが、映画でよく出てくるエシュロンという情報通信衛星などの、アナログの特に通信系をすべからく網羅して受信して、はじき出して、犯罪に関する予測をするなどしていた。アメリカはこれを認めていないですけれども、その後、今度はデジタルデータなどを、PRISMでグーグルやマイクロソフトなどの画像、音声、映像などのデータも全部収集している。今度はアメリカもこれは認めていますけれども、そういうことが今後のAIの進展には欠かせなくなってくると思います。  日本の場合は、今後、これが進展していく中でネックになってくる法改正など、そういうものが起きてくるのではないかなと思いますが、その辺はどうお考えですか。 ○(青木参考人) 御指摘のとおり、いろいろなデータを使っていくというところで、法改正や住民の方の理解、自分たちのデータを行政がどう使うかをやはり理解してもらう必要があると思っております。そういうときに行政側としては、こういう効果があるから匿名化した上でデータを蓄積しますと住民にきちんと情報公開をして、理解をいただいた上で実施しないと、やはりちょっと反発も起きてくるとは思います。そのレベルだと具体的な法改正にはならないとは思いますが、住民の方への丁寧な御説明はやはり必要になってくるかと思っております。 ○(越智忍委員) ありがとうございました。まさしくそのとおりなのかなと思いました。  例えば、日本もじわじわと、出入国管理なども顔認証で、今どんどん変わってきているし、それの進化版ではないけれども、スーパーで万引きをしそうな人の動きなども監視カメラでチェックしていってマークができるなど、いろいろなものがあります。日本でも個人情報保護条例ができましたけれども、あれがよかったのか悪かったのか。例えば、僕らも県職員の名簿などをもらいますけれども、昔は職員の住所が全部載っていたのが、今はもう全くない、単に名前の羅列だけになっている。これが果たしていいのか悪いのか、判断に悩むところではありますけれども、まさしく地域住民というか、国民の理解が得られないとこういうことは進んでいかないのだろうなと思います。その辺のところは、今度は参考人の方じゃなくて我々の中で議論をしながら、いい形でこういったデータが活用できる仕組みをつくっていくことを、この委員会でも検討をしたらいいのではないかなと思いました。  以上です。 ○(森高康行委員長) 高い知見からの御意見、ありがとうございました。  理事者も答弁等は予定してくれておると思いますから、委員の皆さん、ほか御質問ありませんか。 ○(徳永繁樹委員) 参考人のお二人、きょうは御説明をいただきありがとうございます。よくではありませんけれども理解はできました。  きょうは自治体向けということで、さまざまなサービスについてお話をいただき、また、冒頭の青木さんの方では、京都府警、あるいは県警の取り組みについてもお話をいただきましたけれども、我々は自治体の中で、県警もありますが、もう一つ大きな組織として病院というものもあるわけです。私は見ておりまして、もっともと言うと失礼ですけれども、割とアナログな世界だなと思うところがございます。  お二人の参考人から見て、AIやさまざまな最新のツールを使って、医療界にどういう化学反応を起こすことができるのかというあたりを、既に問い合わせや相談があった事例も踏まえて御説明をいただいたらなと思います。 ○(森高康行委員長) では、お二人に意見を求めたいと思います。 ○(青木参考人) 医療機関という意味では、診断のときにAIの画像分析が使われているところは、結構進んできつつありますが、やはり事務の効率化的なところにはまだ踏み込んでいないところが実態だと思います。また、私としても、病院の事務の効率化でのAI活用は、ちょっと観点が抜けていたなと思っておりますので、今後の検討課題になるかと思っております。 ○(佐渡友参考人) 私の専門のところのRPAに関しては、RPAはすごく一般的なものを対象にしています。病院の事務の中にはたくさんの手作業が今でも残っていますので、特に病院などというふうに限らなくても、RPA導入対象という意味では、本当に病院、学校もそうですけれども、並んでこれからどんどんRPAが入っていく現場だと思っております。 ○(森高康行委員長) ほかに皆さん質問はありませんか。             〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○(森高康行委員長) それでは、大変最先端のAIとRPAの現状についての情報提供をいただきましたが、この議論を踏まえて、仙波行財政改革局長から意見を求めたいと思います。 ○(行財政改革局長) AI、RPAですけれども、労働人口が減少し、働き方改革を進めなければならない、生産性向上という非常に大事な命題の中で、今後、力を入れて取り組むべき分野ということで、既に産業分野への導入については、経済労働部、農林水産部等で取り組みを進めているところでございます。  きょうは行政事務の分野への導入ということで、青木様、佐渡友様からお話をいただきまして、県庁は定型的な事務が少なく、デジタル化の問題やデータ蓄積の問題、また、既にいろいろなシステムが動いていますけれども、既存のシステムとどのようにつなげていくのか、それから、何よりも費用対効果の問題など、いろいろ思い浮かべながら、実際、県でやるとすれば、どこだったらできるかなということを私どもも考えながらお話を伺っておりました。  まだ緒についたところだなという感じはしますけれども、恐らくこのAIやRPAもパソコンが急速に広まったのと同様に、使い勝手がもう格段に進歩しているものだろうと思っております。きょうはAIスタッフ、情報提供、県民の皆様へのサービス向上という観点のお話がありましたけれども、私どもも行政事務の効率化でおくれをとらないように、最新情報を収集、導入の可能性についてずっと研究を続けたいと思っております。  そういう観点から、私どもも三菱総合研究所が事務局をしていただいております研究会に参加をしておりまして、他県や民間の情報を収集しているところでございます。実際導入していくには、民間の最新の技術と、できましたら自治体間の連携をすれば、費用対効果という面でも大分違ってくるかと思っております。こういう研究会を通じて、ぜひ前向きに進めたいと思っておりますので、引き続き御指導よろしくお願い申し上げます。  きょうはありがとうございます。 ○(森高康行委員長) 御苦労さまでした。  以上で質疑を終了いたします。  次に、次回の議題及び出席理事者等についてでありますが、私の方に一任願うことで御異議ございませんか。            〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○(森高康行委員長) 御異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。  以上をもちまして、行政改革地方分権特別委員会を閉会いたしますが、2人の参考人におかれては、きのうから松山に入って、お泊まりの上、きょう参加いただいたようでありまして、大変な御協力に重ねて感謝を申し上げたいと思います。  それでは、以上で閉会いたします。
                  午前11時37分 閉会...