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平成30年第356回定例会(第7号 3月 6日)

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  1. 愛媛県議会 2018-03-06
    平成30年第356回定例会(第7号 3月 6日)


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    平成30年第356回定例会(第7号 3月 6日) 第356回愛媛県議会定例会会議録  第7号 平成30年3月6日(火曜日)   〇出席議員 44名   1番  武 井 多佳子   2番  高 橋 英 行   3番  田 中 克 彦   4番  松 井 宏 治   5番  塩 出   崇   6番  松 下 行 吉   7番  川 本 健 太   8番  帽 子 大 輔   9番  大 石   豪   10番  宇 高 英 治   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  菊 池 伸 英   14番  福 田   剛   15番  中   政 勝   16番  逢 坂 節 子
      17番  古 川 拓 哉   18番  兵 頭   竜   19番  大 西   誠   20番  松 尾 和 久   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  欠     番   24番  木 村   誉   25番  石 川   稔   26番  梶 谷 大 治   27番  西 田 洋 一   28番  中 田   廣   29番  大 西   渡   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  笹 岡 博 之   37番  鈴 木 俊 広   38番  黒 川 洋 介   39番  徳 永 繁 樹   40番  高 山 康 人   41番  戒 能 潤之介   42番  渡 部   浩   43番  毛 利 修 三   44番  欠     番   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   48番  赤 松 泰 伸   49番  本 宮   勇   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 1名   50番  寺 井   修   ―――――――――― 〇欠  員 2名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         上 甲 俊 史  副知事         原   昌 史  公営企業管理者     俊 野 健 治  総務部長        門 田 泰 広  企画振興部長      西 本 牧 史  防災安全統括部長    高 橋 正 浩  県民環境部長      大 森 尚 子  保健福祉部長      山 口 真 司  経済労働部長      菅   豊 正  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        樋 口 志 朗  えひめ国体推進局長   土 居 忠 博  会計管理者出納局長   中久保 憲 彦  教育長         井 上   正  副教育長        大 島 修 一  人事委員会委員     池 田 公 英  公安委員会委員長    渡 部 智磨子  警察本部長       林     学  監査委員        岡 田 清 隆  監査事務局長      藤 井 晃 一   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        内 田 万 美  事務局次長       土 井 一 成  参事総務課長      北 川 謙 二  参事議事調査課長    松 本 賢 固  参事政務調査室長    八 塚   洋  議事調査課主幹     井 原 重 喜   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第6号議案ないし定第67号議案      午前10時 開議 ○(渡部浩副議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者大西渡議員逢坂節子議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(渡部浩副議長) これから、定第6号議案平成30年度愛媛県一般会計予算ないし定第67号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(松尾和久議員) 議長 ○(渡部浩副議長) 松尾和久議員   〔松尾和久議員登壇〕 ○(松尾和久議員) (拍手)おはようございます。  自由民主党の松尾和久でございます。  昨年開催されましたえひめ国体えひめ大会は、知事を初め多くの関係者の皆様が長年御尽力されてきた結果として、数年前なら天皇杯・皇后杯ともに獲得できる点数をとっての全国第2位という立派な成績で終えることができました。奮闘努力されてきた選手はもとより、関係者の皆様には心からの敬意を表したいと思います。大会期間中は、連日報道される本県選手の活躍に、県民の皆様も、これまで積み上げてこられたであろう努力とそのひたむきな姿に感動し、勇気をいただいたことと思います。  私の地元の中学生も開会式のオープニングセレモニーに参加してさまざまな感想を持ったようで、練習のときには自分には向いていないと不安でしたが、開会式を終えてあきらめないでよかったと心から感じましたとか、国体開会式で踊るという経験はもうできないので、えひめ大会でも一人一人が気を入れて頑張りたいと思いますや、他の学校の人とも協力して、自分らしく伸び伸びと演技ができてよかったですとの声が私のところに届いております。一生に一度しか経験できないかもしれない貴重な体験であったと思います。  県民の皆さんがそれぞれの立場で国体にかかわりを持ち、そのことを通じて感じたこと、経験したことを今後の人生に役立てていただき、また、国体を立派に開催できたことを郷土の誇りとして活躍してくれることを期待するところであります。  そこで、まず、本県におけるボランティアの育成等についてお尋ねいたします。  今回のえひめ国体えひめ大会は、多くのボランティアに支えられて運営されました。運営ボランティア情報支援ボランティア選手団サポートボランティアの皆さんが、それぞれ役割の異なるところで活躍してくださいました。実人数では、運営ボランティアが7,524人、情報支援ボランティアが711人、選手団サポートボランティアが1,648人と計9,883人、延べ人数で1万8,409人に上るボランティアが携わってくださいました。その中には、ボランティア活動に初めてかかわったという方もおられ、要支援者の笑顔にやりがいを感じた、国体がなければできなかった体験ができて、充実した時間だったなどの感想を聞いたところであります。  我々がふだん生活を営む地域に目を向けてみると、地域コミュニティも多くのボランティアによって成り立っていることに気づかされます。町内会や公民館の活動でも、運動会や成人式、文化祭などの設営や片づけ、駐車場整理などに多くのボランティアが携わっておられますし、自主防災組織や消防団の活動など、いざというときの備えにもボランティアの力添えなしでは成り立っていきません。  しかしながら、現在の風潮としては、地域活動のかなめとなる町内会長や公民館長などへの就任を敬遠する方が多くなっており、後任ができるまでやらんといかぬのよといった声も聞こえてきます。1人が何役もこなしている地域も珍しくないとの話も聞くところであり、地域コミュニティが希薄化し、少子高齢化の進行に伴って町内会自体が縮小していく中で、地域のことを真剣に考え、地域活動に貢献するボランティアの存在は、ますます重要になっています。  ボランティア意識の醸成には、若い時期にボランティアに携わり、やりがいを感じていただくことが大切だと考えますが、自分たち地域コミュニティが支え合いで成り立っていることをお互いに理解し合うことも重要だと思います。  また、ボランティア活動の推進においては、NPO法人の存在が大きくなっています。  本県には、本年1月時点で県認証のNPO法人が465法人あり、その活動分野は子育て、福祉、医療、教育、環境、まちづくりにスポーツ、文化などと広がり、地域社会の担い手として活躍されておられます。NPOは、今や行政のよきパートナーとなっており、共通の課題解決や目的実現のために、それぞれの特性を生かして対等な立場で相互に補完し合う協働の取り組みも定着してきたところであります。  そこで、お伺いいたします。
     県では、これまでもボランティア活動の促進に取り組んでこられたところでありますが、国体ボランティア参加者の活用を含め、ボランティアの育成に今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  また、最近では、企業の力添えをいただき活動する子ども食堂や大学生が支援する貧困家庭の子供向け学習塾など、さまざまな活動主体の力を結集し、地域に生かす取り組みが行われています。このような取り組みを推進していくためには、行政によるマッチングの果たす役割が重要であると考えますが、県の取り組みについて、その現状をお聞かせください。  次に、防災・減災対策についてお尋ねいたします。  日本にとって未曽有の大災害となった東日本大震災の発生から、今月11日で7年がたとうとしています。震災の当日は、県議会議員選挙初挑戦の真っ最中で挨拶回りをしているときに、東北が大変なことになっとるぞと言われ、テレビを通して目にした光景に愕然としたことを覚えています。  当選後に、支援物資をトラックに載せて訪れた仙台市や南三陸町などで聞いた被災者のお話には胸を打たれました。  壊滅的な被害を受けた山元町の町長さんは、崩壊した堤防や津波に押し流された消波ブロックが散乱する現場に立ち、津波に備えるために何十億円もつぎ込んできたが、何の役にも立ちませんでした。人間の力なんてむなしいものですね。何よりも町民の命を守れなかったことが悔しいとつぶやかれていたことを今でも鮮明に覚えています。それは、自然災害のすさまじさを目の当たりにした人の偽らざる言葉だったと思います。  政府の地震調査委員会は、南海トラフで10年以内にマグニチュード8から9の巨大地震が発生する確率をこれまでの20から30%程度から、本年1月時点で30%程度に引き上げました。また、30年以内の発生確率も70%程度から70から80%に引き上げられたところであり、大自然の脅威が目前に迫る本県にとって、その備えをしないわけにはいかないと感じています。  東日本大震災の発災時に、市長として現場を指揮した戸羽陸前高田市長の講演を昨年お聞きする機会がありました。戸羽市長は、平成23年2月に市長に初当選し、その翌月に東日本大震災に遭遇したとのことでありました。  講演の内容を少し御紹介しますと、陸前高田市は、10年以内の地震発生確率を99%、津波の高さを3mと想定した避難計画を立て準備しておられましたが、15mという想定外の津波に襲われたため、避難所に逃げながら被害に遭われた方もいるなど、多くの死者と甚大な被害が出たとのことでありました。そして、市長自身も奥様を亡くされた経験を踏まえ、防潮堤が必要ないなどと言えるのは、家族を、仲間を失ったことのない方の言葉。完全に災害を防ぐことはできないが、減災することはでき、全国の皆さんには後悔しないような備えをしてもらいたいと締めくくられておられました。  本県は、全国第5位の長い海岸線を有し、人口や産業基盤が沿岸部に集積するなど、津波に対して大きなリスクを抱えています。このため、県では、災害時には人命を守ることを最優先に、減災の考え方を基本とした防災対策に取り組むこととされています。また、南海トラフ地震被害想定を踏まえた防災・減災対策には、東日本大震災を契機として、予算では防災・減災強化枠を設けるなど、これまでも積極的に取り組んでこられたと認識しています。  最近は、地震に加えて、平成26年の広島土砂災害や27年の関東・東北豪雨災害、昨年7月の九州北部豪雨など、豪雨による河川の氾濫や土砂災害が全国各地で発生しております。この豪雨をもたらした主な原因とされているのが線状降水帯であり、本県でもどの場所で起こっても不思議ではなく、県民の生命、財産を守るためには、河川や砂防施設の整備を進めていくことが重要であると思います。  県としては、あらゆる事態を想定し、ソフト・ハード両面からの備えを充実させていく必要がありますが、特にハード対策については、その全てを短期間で実施することは不可能であり、優先順位をつけて取り組んでいかなければなりません。  そこで、お伺いいたします。  公共土木施設の防災・減災対策において、重点的に進めてこられた内容と今後の取り組みについてお考えをお聞かせください。  次に、自主防災組織の充実等についてお尋ねいたします。  平成23年の東日本大震災や平成28年4月に発生し、昨年4月時点で死者228人、約20万戸の住家被害をもたらした熊本地震などの大規模災害は、巨大地震から住民の命と生活を守るためには、自分たちの命は自分たちで守る自主防災地域防災が不可欠であることを我々に教えてくれました。  自主防災組織は、これら防災の中心的な役割を担うことを目的に、自治体ごと公民館単位などで組織されており、本県の組織率は、昨年4月時点で93.4%と全国平均の82.7%を超えており、県を初め、県内市町がこれまで地域防災の充実に取り組んでこられた成果が出ているものと思います。  自主防災組織は、地域の皆さんで組織され、地域をよく知っているからこそできる細やかな対応や現場での迅速な対応ができるというメリットがあります。地域の防災を担っていただいている皆さんは、ふだんから地区防災計画の策定や避難訓練、いざというときの連絡体制の整備など、打ち合わせを重ねながら組織の充実と円滑な運営体制の構築に向け、努力をしていただいております。  私の住む松山市では、平成24年8月に自主防災組織の組織率が100%になりました。一方で、自主防災リーダーの皆さんからは、松山は災害が少ないけんとか、自分の住むところへは津波も来んけん大丈夫よなどと地域住民の防災に対する意識がなかなか高まってこないとの悩みも聞くところであります。しかしながら、先ほどの防災・減災対策の中でも触れましたが、全国各地豪雨災害が発生するなど災害の発生リスクは高まっていると言われています。  昨年9月に本県を襲った台風18号では、県内全域で大荒れの天候となり、各地で浸水や土砂崩れ、停電などの被害がありました。また、豪雨の影響で、松山市や松前町などを流れる重信川では、水位が上昇して氾濫危険水位を超えたほか、今治市の蒼社川でも氾濫危険水位を超え、県内12市町の26万4,870人に避難勧告が出されました。  私の地元でも、大雨が降り出した9月17日午後から消防団が出て、越水のおそれがある箇所へ土のうを積んだり、見回りを強化したりと警戒を強めました。河川や農業用水路からの越水により道路や田んぼが水につかるなど、被害への対応に追われていた夕方には、避難準備、高齢者等避難開始の情報が出され、自主防災組織が中心となって小学校の体育館に避難所を開設し、数人の方が避難してこられました。  このときの対応を後日検証した結果、さまざまな課題が見えてきたところであり、避難勧告が出され、避難所を開設する必要があった地域の中には、自主防災組織の活動が低調で、市職員が体育館の鍵をあけただけで避難所が開設されなかったところもあったとのことでありました。  また、避難勧告の情報を入手した時点で既に避難の困難な地域があったとか、避難所は開設されていたが自主防災組織には何の連絡もなかった、公民館への連絡と自主防災組織への連絡を統一して行うなどの改善が必要などの声も聞いており、単なる訓練ではなく、実際に大きな災害につながりかねないという状況の中で得た今回の教訓を今後に生かしていかなければならないと思います。  そこで、お伺いいたします。  南海トラフ地震の発生が目前に迫る中、災害に即応し、地域の自助・共助の核として、みずから考え、活動できる自主防災組織育成支援に県はどう取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  また、地域住民防災意識向上への取り組みについてもお聞かせください。  次に、医療的ケア児に対する支援策についてお尋ねいたします。  医療的ケア児とは、生活する中で医療的ケアを必要とする子供のことを言います。  近年、新生児医療が発達し、都市部を中心に新生児集中治療室NICUが増設された結果、超未熟児や先天的な疾病のある子供が命をつなぐことができるようになってきました。一方で、医療的ケア児が増加しているのが現実であります。  御案内のとおり、医療的ケアとは、病院以外の場所でたんの吸引や経管栄養など、生きていく上で必要な医療的援助のことであり、家族や看護師のほか、研修を受けることで行えるものもあります。  文部科学省特別支援学校等医療的ケアに関する調査によりますと、医療的ケアが必要な児童生徒は、特別支援学校では、平成18年度の5,901人から平成27年度には8,143人となり、小中学校の通常学級や特別支援学級では、平成24年度の838人から平成27年度には839人と、ともに増加傾向にあります。  県内でも、医療的ケア児増加傾向にあるとお聞きしており、県は、これまでも県立子ども療育センター特別支援学校などの充実を図り、障がいのある子供への支援に取り組んでいただいております。しかしながら、保護者の働き方や生活環境が変化し、子供を取り巻く環境が多様化する中で、公的機関だけでは全てのニーズをカバーするのはなかなか困難な状況となっています。  松山市には、感染が心配で幼稚園、学校や遊びの場に行けないという子供に学びの場や遊びの場をつくってあげたい、保護者の負担軽減を図りたいとの思いを持って、児童発達支援事業所放課後等デイサービス事業所を立ち上げた方がおられます。利用者家族の皆さんからは、仕事の時間がとれるようになり、感謝しているとの声が上がっていると聞いています。このような事業所がふえてくれば、医療的ケア児やその家族が地域とのかかわり合いを持ちながら、地域で生きていくという共生社会の実現に近づくのではないかと思うところであります。  しかしながら、小規模な事業所であるため、運営面ではさまざまな御苦労があるようで、看護師や機能訓練担当職員児童指導員などの確保が難しく、資金面の問題から十分な施設を整備できないなど、県内の小規模事業所には閉鎖していくところもあるとお聞きしています。  鳥取県は、今年度、重症心身障がい児等の受け入れに向けて、事業所が新たに看護師を配置する経費に補助しており、来年度からは、補助対象を医療的ケア児等の全般に拡大するほか、事業所で働く人材の確保や家族等をサポートする人材の養成にも力を入れることとしており、所要の経費が来年度当初予算に盛り込まれているとお聞きしております。  今後、医療的ケア児が地域で生活できる環境整備と、それを地域で支える体制づくりの推進が重要となっています。また、支援チーム体制づくりも進めていくべきと考えますが、その際には、市町によって取り組みに温度差があるとの声も聞きますので、医療的ケア児やその家族の意見と思いを酌み取る仕組みを構築していただきたいと思います。  昨年度、改正児童福祉法が施行され、医療的ケア児が必要な支援を円滑に受けることができるよう、保健・医療・福祉等の連携に努めることは、地方自治体の責務とされたところであります。県には、この課題において、中心的な役割を果たすとともに、積極的な取り組みに期待したいと思います。  そこで、お伺いいたします。  県は、来年度当初予算で医療的ケア児支援体制構築事業費を計上されておられますが、今後、医療的ケア児に対する支援にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  また、本県には、医療的ケア児を対象とする事業所が少ないとの声もありますが、県内の事業所数や市町の取り組み状況についてもお聞かせください。  最後に、サイバー犯罪の現状等についてお伺いいたします。  インターネットは、今や我々の日常生活や経済活動において必要不可欠な社会基盤となっており、サイバー空間社会生活の場となる一方、これまでの社会にはなかった新たな脅威も指摘されているところであります。  昨年5月には、コンピュータウイルスの一種であるランサムウエアの感染が世界規模で発生し、国内の企業や官公庁でも感染被害が確認されたほか、昨年10月に神奈川県座間市のアパートで9人もの遺体が発見された事件は、被疑者がSNSを利用して自殺を誘う書き込みをするなど、インターネットを通して、未成年者を含む多くの被害者が犯罪に巻き込まれる痛ましい事件であったと報道されております。  また、被害者の低年齢化も深刻で、昨年上半期にSNSなどのコミュニティサイトを通じて、児童ポルノ児童買春などの被害に遭った児童数は、全国で919人と過去最多となっております。増加傾向が続いているとのことであります。  県内においても、インターネットを利用したストーカー犯罪児童買春あるいは市役所を対象とした威力業務妨害事件などが繰り返し報道されており、サイバー犯罪の脅威は、ますます深刻化していると感じています。  このような中、内閣府が昨年11月に発表した治安に関する世論調査によりますと、日本は安心・安全な国なのかとの質問に対して、そう思うまたはどちらかというとそう思うという肯定的な回答は80.2%に上り、5年前に比べると20ポイント以上増加しました。  その一方で、不安を感じる犯罪や警察に取り締まってほしい犯罪は何かとの質問に対しては、インターネットを利用した犯罪という回答が最も多く、国民の体感治安は改善されつつあるものの、サイバー犯罪に巻き込まれることに不安を抱き、警察の取り締まりに期待を寄せる国民は、増加していると感じています。  特に、これからスマホデビューする子供を持つ親の立場としては、サイバー犯罪の被害者にも加害者にもしないようにするにはどうすればいいのかということは、非常に関心の高いところであります。実際、子供にスマホを持たせたほうが連絡をとる場合など便利なのになと感じる一方で、持たせてしまって親として管理ができるのだろうかとも思い、悩んでいるのが現状であります。  県警におかれましては、インターネットを利用した全国規模の著作権法違反事件を検挙に結びつけられるなど、取り締まりを強化されるとともに、被害の未然防止や拡大防止に向けて、関係機関と連携したさまざまな対策を推進されていると承知しておりますが、サイバー犯罪の手口は、技術の進歩や社会情勢の変化により日進月歩で悪質、巧妙化しており、その脅威がさらに深刻化するのではないかと懸念しています。引き続き、県警を中心に、官民を挙げた取り組みを推進し、県民が安心・安全に利用できるサイバー空間の構築に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、お伺いいたします。  県内におけるサイバー犯罪の現状とサイバー空間の脅威に対する取り組みについてお聞かせください。  先週の土曜日の午後、自宅に帰り着がえたところで、突然消防団招集のサイレンが鳴り響きました。近所の消防団員の仲間と急いで連絡をとり、はっぴを着て、長靴を履いて出動いたしました。ポンプ車を置いてある蔵置所から現場までは2キロほどの距離がありましたが、そこから見えた煙の上がりぐあいにただごとではないと感じながら、急いで現場へ向かいました。  現場に到着すると大きな火柱が上がっていて、消防隊が既に活動中でしたが、消防隊だけでは間に合わないことは一目瞭然でありました。そこで、先着していた他の地区の消防団員とともにポンプを出し、ホースをつなぎ放水活動を開始いたしました。隣家への延焼を食いとめるために家の中へも放水しましたが、水の勢いでガラスが割れ、内心怖い思いを抱きましたが、風が吹いていなかったことも幸いして、延焼を食いとめることができました。  質問の中でも触れましたが、この火事の現場でも、多くの人が自分の仕事を投げ出して消防団員として出動してくれていました。地域の一大事に素早く駆けつけ、活動してくれる人の姿を見て、人のために、地域のためにとの思いを持っている人のおかげで社会が成り立っていることを改めて感じさせられました。  今回の質問は、地域とのつながりの中で、今後、取り組んでいくべきだと感じたものを中心に書かせていただきました。  県議会議員に初当選させていただいて7年がたとうとしております。議会活動の中でさまざまな経験を積んでまいりますと、つい初心を忘れがちになりますが、今後とも、地域の人とともに地域の発展に尽くしていきたいとの思いを持ちながら取り組んでまいりたいと思いますので、先輩諸氏の御指導をお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(渡部浩副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(渡部浩副議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 松尾議員に、私の方からは、ボランティアの御質問についてお答えをさせていただきます。  えひめ国体えひめ大会においては、2万人近い県民の皆さんにボランティアとして活躍をいただき、両大会成功の大きな力となったところであり、県では、貴重なレガシーである県民のボランティア活動への意欲、関心の高まりを機を逸することなく今後の活動継続、拡大につなげていきたいと考えています。  このため、来年度、新たに、国体ボランティア参加者を含め、意欲のある県民を対象に、スポーツボランティアを初め、社会貢献活動全般で役立つ専門知識を習得する研修会を実施することとしており、さらにステップアップ研修として、一般ボランティアのまとめ役となるリーダーの民間資格が取得できるコースも用意し、社会貢献活動で活躍するリーダー人材の育成に取り組むこととしています。  また、これらの研修の修了者には、実践への足がかりとして、新設をする愛媛ボランティア人材バンクに登録していただき、イベント情報等さまざまなボランティア関連情報を提供するとともに、交流会によるネットワーク化を促進することにより、社会貢献活動への参加の輪を一層広げていくこととしています。  次に、公共土木施設の防災・減災対策についての御質問にお答えをさせていただきます。  県では、発生が懸念される南海トラフ地震や頻発、激甚化する集中豪雨などの大規模災害から県民の安全・安心を確保するため、防災・減災対策を県政の最重要課題と位置づけ、ハード・ソフト両面から取り組んできたところであります。  公共土木施設につきましては、東日本大震災など全国の被災事例を踏まえまして、岸壁や水門・樋門の耐震化、原発30㎞圏内の避難路の整備や緊急輸送道路の危険箇所の解消、津波に備えた護岸のかさ上げや避難階段の設置、河川の決壊を防ぐ堤防の補強などのハード対策を重点的に行っているところでございます。  さらに、県民の命を守ることを最優先に、災害の危険性を周知する洪水浸水想定区域図の公表や土砂災害警戒区域等の指定を進めるとともに、早期の復旧・復興につなげる道路啓開計画や港湾の事業継続計画を策定するなど、ソフト対策も積極的に進めているところでございます。  今後とも、防災・減災対策に終わりはないとの姿勢で、ハード対策とソフト対策を効果的に組み合わせ、県民の生命を守り、被害の最小化が図れるよう、備えの充実・強化に取り組むこととしております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(高橋正浩防災安全統括部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 高橋防災安全統括部長   〔高橋正浩防災安全統括部長登壇〕 ○(高橋正浩防災安全統括部長) 自主防災組織育成支援等についてお答えをいたします。  大規模災害発生時に被害を最小限に抑えるためには、自助・共助を促進することが重要であり、平常時から県民の防災意識を醸成するとともに、自主防災組織の活性化やその核となる防災士の養成等が大切であると認識をしております。  このため、県では、市町との密接な連携のもと、防災士の養成や自主防災組織育成支援に積極的に取り組んでおりまして、現在、防災士数が全国第2位、自主防災組織の組織率が全国10位となっております。  さらに、自主防災組織の活性化を図るため、自主防災組織・防災士連絡調整会などを開催し、組織の連携強化や最新の防災知識等の習得促進に努めますとともに、今年度から新たに、県消防学校を活用した防災士等のスキルアップ研修にも取り組んでいるところでございます。  また、防災意識啓発講演や減災キャンペーン、シェイクアウトえひめの実施など、県民の防災意識の向上にも積極的に取り組んでおり、今後とも、市町や防災関係機関と緊密に連携しながら、自助・共助意識のさらなる醸成に努め、地域防災力の向上を図ることとしております。  以上でございます。 ○(大森尚子県民環境部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 大森県民環境部長   〔大森尚子県民環境部長登壇〕 ○(大森尚子県民環境部長) ボランティアの育成等についてのうち、さまざまな活動主体の力を地域に生かす取り組みについてお答えをさせていただきます。  県では、さまざまな活動主体が協働しながら展開する地域づくりを支援するため、ボランティアの育成を初め、あったか愛媛NPO応援基金を活用したNPO法人への活動助成やセミナー等による育成支援、行政、民間団体、企業等との協働事業への助成のほか、産学官民が参画する地域社会未来づくり協働会議を通じたNPOの自立へのアドバイス等により、担い手の育成と多様な主体による協働の推進に取り組んでおります。  また、ボランティア活動をしたい人と募集をしたい人のマッチングを支援するため、県庁内で相談員が対応に当たるとともに、愛媛ボランティアネットで関連情報を集積、発信しております。登録会員は、本年2月末現在、個人2,640名、団体は1,468団体となっており、来年度はトップページに人材バンク専用窓口を設けるとともに、スマートフォンにも対応した画面への改修を進めるなど、利便性向上に努めることとしております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 医療的ケア児に対する支援についてお答えをいたします。  県内には、看護師等の配置により、医療的ケア児の療育に対応が可能な通所事業所が東・中・南予の8市町に13カ所ございますほか、松山市、今治市など一部の市町では、看護師の派遣費用助成や日中の一時預かり、移動支援など独自の支援を行っております。  県では、医療的ケア児への地域の支援体制を強化するため、来年度から新たに、当事者団体や保健、福祉、医療等の関係者による協議の場を設けまして、医療的ケア児や家族の実情も踏まえた支援体制のあり方を検討するとともに、支援事業所等で医療的ケア児の支援を行う人材や、市町で各種支援の総合調整を行うコーディネーターを養成する研修などを実施することとしております。  また、平成30年度から、医療的ケア児に対する支援サービスの報酬も拡充をされますことから、県としても、人材育成等を通じて事業所を支援するとともに、市町へのコーディネーターの配置を促進し、医療的ケア児に対する県内の支援体制の整備を図ることとしているところでございます。  以上でございます。 ○(林学警察本部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 林警察本部長   〔林学警察本部長登壇〕 ○(林学警察本部長) サイバー犯罪についての御質問にお答えいたします。  平成29年中のサイバー犯罪の検挙数は83件60人で、このうち児童が被害者となる児童買春児童ポルノ法違反等が全体の約3割を占めております。また、サイバー犯罪に関する相談件数は1,179件で、平成26年以降は毎年1,000件以上で推移している状況にあります。
     こうしたサイバー空間の脅威に的確に対処するため、県警察では、専門的知識、技能を有する者の特別採用やIT企業や大学から講師を招いて教養を実施するなど、警察全体のサイバー犯罪への対処能力の向上を図っております。  また、スマートフォン等の利用による少年の非行や犯罪被害の防止に向けた情報モラル教室や民間企業を対象としたセキュリティー講話などを開催し、県民のサイバー犯罪被害の防止に取り組んでいるところであります。  今後も、サイバー犯罪に対しては、迅速かつ的確な捜査を行うとともに、産学官の連携のもと効果的な広報啓発活動等に引き続き取り組みサイバー空間における安全・安心の確保に努めることとしております。  以上でございます。 ○(渡部浩副議長) 暫時休憩いたします。      午前10時42分 休憩   ―――――――――――――――――      午前11時1分 再開 ○(渡部浩副議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(西田洋一議員) 議長 ○(渡部浩副議長) 西田洋一議員   〔西田洋一議員登壇〕 ○(西田洋一議員) (拍手)おはようございます。  自民党志士の会の西田洋一でございます。  どうぞよろしくお願いいたします。  国では、現在、平成30年度予算案が審議されているところでありますが、政府は昨年12月、デフレ脱却に向けた政策を総動員し、人づくり革命と生産性革命を断行するとの新たな方針を打ち出しました。また、昨年の衆議院選挙において、安倍首相は、アベノミクスの経済効果を全国に波及させるべく、地方の活性化を目指していくと訴えました。地方の元気なくして日本の再生はあり得ないとして、地方創生、一億総活躍社会などの実現を目標に掲げ、積極的に取り組む姿勢を打ち出しています。  新たな年度がスタートをする中で、国民が希望を持ち、目標に向かって汗をかくことができる活力のある年となることを期待したいと思っています。  しかしながら、国が地方の活性化を方針に掲げているとはいえ、国に頼っていただけでは、元気な地方を取り戻せないことはしっかりと認識しなければなりません。地方みずからが持てる力を発揮し、その力を生かし、目まぐるしく変化する環境にも果敢にチャレンジして新たな可能性を見出し、生産性を向上していく努力が必要であると思います。ますます地域間の競争が激しくなっていくことが予想されますが、ここが踏ん張りどころとの思いを理事者の皆様とともに共有させていただきながら、質問に入らせていただきたいと思います。  さて、地方の力が試される状況下にあって、どうしても気になることは、地方が独自で頑張れるような財源を今後も確保していけるかどうかということであります。大変重要なポイントであろうと思います。  そこで、昨年末、国において議論されてきた平成30年度以降の地方財政の課題について紹介しながら、今後、地方がとるべき姿勢についてお伺いしたいと思います。  まず、国の経済財政諮問会議では、民間議員から、プライマリーバランスは地方が黒字で国は赤字であるや地方自治体の基金残高が年々増加しているとして、地方は財政上余裕があると指摘されました。さらに、麻生財務大臣は、地方は、臨時財政対策債を発行し借金しながら貯金しており、常識的には考えられないといった発言をされるなど、地方財政余裕論を後押ししています。  これら地方財政は余裕があるとする主張に対しては、地方行政に携わっている者からすると、大変大きな違和感を覚えてなりません。  地方のプライマリーバランスが黒字となっているのは、まさに地方の努力の成果であり、行革を断行し、健全財政を維持しながら、限られた財源の中で優先順位を決め、行政運営を行ってきた結果であることや、そもそも個々の地方自治体には、国のように赤字国債を発行して財源不足を補う機能がないという構造的な要因があることも主張していかなければならないと思います。  また、地方の基金残高が増加しているとの指摘も実態を正確に反映しているとは言えません。基金が大きく増加した要因としては、2兆円を超える基金残高を持つ東京都などの影響が大きいことが明らかとなっています。また、その背景には、都市と地方間の税の偏在性など税制の根本的な問題があるのではないかと思っています。  本県の例を挙げれば、職員の定数削減や給与カット、公共事業の抑制など、国を大きく上回る行革を行っており、増加した基金は、将来の災害時の対応や公共施設の老朽化対策などに備えるためのものであること、市町においても、その多くで人口減少、高齢化の進行に伴い大変難しい財政運営を迫られており、地方交付税の合併算定がえ終了や合併特例債の発行期限を迎えた後の財政運営を考えた上で基金を充実しているところがあるということを申し上げたいと思います。  時々、国会議員の中には、地方の財源不足を国が地方交付税で穴埋めしているとか、地方交付税を国からの仕送りと表現されるなど、地方交付税が地方固有の財源であり、いわば国が地方にかわって徴収する地方税であるという制度の趣旨を理解されていない方がおられることを非常に残念に思います。また、臨時財政対策債は、本来、配分すべき地方交付税の不足を補うための臨時的かつ特例的な代替措置であり、交付税と一体のものであります。したがって、さきに紹介した麻生財務大臣の借金と貯金との例えは適切ではありません。  この際申し上げておきたいのは、地方は、三位一体改革に対する国への不信感を持っており、少しでも財源確保をしなければとの思いが少なからずあることもつけ加えさせていただきたいと思います。  一連の地方財政に対する発言は、要は地方の財源を削減したいとの本音が見え見えでありまして、地方の立場を明確に強く主張しなければ、地方交付税等が大幅に削減された三位一体改革の二の舞となることを大変心配するところであります。  平成30年度の地方財政計画においては、総務省や地方6団体等の御努力により、前年度を若干上回る一般財源総額を確保できたことに安心をしていますが、地方への風当たりは、今後、ますます強くなると予想され、地方はさらに声を上げていかなければならないと考えます。  そこで、お伺いします。  基金残高の増加をもって地方財政に余裕があるかのような国の主張に対し、地方の実情を把握されている知事としてどのように考えておられるか、お聞かせください。  次に、県職員の採用数の確保についてお伺いします。  現在の景気は回復傾向にあって、一時の就職氷河期と呼ばれるような時期と比べると、就職戦線もその様相に変化が見られるようであります。昨年の平均有効求人倍率が1.50倍と高い水準にあること、また、民間企業では人手不足の状態が続いていることから、就職活動を行っている若者にとっては、幅広い選択肢があると言えます。  一方、雇用する側にある企業や団体などは、人手不足の中で優秀な人材を確保するためにさまざまな工夫を凝らして対処しているところであり、人材争奪戦は激しさを増しています。  就職先については、不景気のときは公務員、景気がよいときは民間企業といった傾向があり、景気回復で民間企業の人気が高まるとともに、民間企業の採用意欲が旺盛である状況にあっては、自治体の採用環境は大変厳しいと言わざるを得ません。  多くの自治体では、これまで行政改革を進める中で、職員数の削減や採用の抑制に取り組んだことにより年齢構成のゆがみが生じるとともに、職員の大量退職時代を迎える中、必要な人員の確保に苦慮しているのではないかと思います。このような状況の中で、自治体に求められる使命を果たすためには、担い手となる優秀な人材の確保と組織体制の充実が必要であり、これからの自治体運営において、採用による職員の確保は重要な課題として捉えなければならないと思います。  報道によると、総務省の調査において、平成28年度に全国の都道府県及び市区町村が実施した職員採用試験の競争倍率は平均6.5倍で、記録のある6年度以降で最低であったとのことであります。19年度の平均倍率は7.2倍、20年度は7.5倍、21年度は8.6倍、22年度は9.2倍に上昇していましたが、23年度以降は年々低下しています。少子化や民間企業との競合による受験者の減少に加えて、自治体の採用試験に合格したにもかかわらず辞退する者がふえてきているとのことであります。北海道庁では、今年度において内定辞退率が6割に達する見通しとのことで、採用担当者は人材確保に危機感を強く持っており、さまざまな工夫をしながらその対応を迫られているようであります。  また、総務省は、人材確保に苦慮している自治体は多い、人口減少が進み、採用環境は一段と悪化する可能性もあると指摘しているとのことであり、必要な人員の確保は自治体の生き残りをかけたものであることを認識すべきと考えます。  そこで、お伺いします。  本県における職員採用辞退の状況はどのようになっているのか、お示し願います。  また、採用環境が厳しくなっている状況にあって、県では、職員の採用数を確保するためどのような取り組みを行っているのか、お聞かせ願います。  次に、肱川の河川整備の状況についてお伺いします。  肱川は、豊かな川の流れにより、経済や文化の発展をもたらしてきましたが、その一方で、幾度となく洪水を引き起こしており、近年でも平成7年、16年、17年に甚大な浸水被害が発生したことなどから、治水対策の推進は流域住民の悲願となっております。また、従来より動植物を育て、自然に親しむ場所となってきた流域住民にとって、母なる川の肱川も流域の市街化に伴う河川の水質悪化や流量減少など河川環境も大きく変わってきております。それらを改善し、我々の子や孫に清流肱川をふるさとの宝として引き継いでいくことも重要な課題であります。  現在、肱川においては、平成16年5月に国・県が共同で作成した肱川水系河川整備計画に基づき、堤防整備、山鳥坂ダム建設、鹿野川ダム改造を柱として、戦後最大規模の洪水を安全に流下させるための治水対策、また、かつての豊かな自然な流れを回復させるための環境対策を国・県・地元大洲市が協力しながら進めていただいているところであります。  肱川の整備状況に目を向けますと、昨年開催されたえひめ国体において、カヌー競技の会場となった鹿野川ダムの改造事業が完了間近となっております。この改造工事は、既存ダムを運用しながら本体横に洪水吐きトンネルを掘るという全国でもこれまでに例を見ない難工事と聞いておりますが、現場においては、トンネル本体が完成するなど、目に見えてその全容が明らかになってきております。洪水被害の軽減を望む流域住民にとっては、待ちに待った完成であり、河川整備計画の主要な柱の一つであるダム改造の効果に大いに期待をするものであります。  そこで、お伺いします。  鹿野川ダム改造事業について、その進捗状況と完了後の治水効果はどうか。鹿野川ダムにおける肱川の清流復活に向けた取り組みの状況についてもあわせてお聞かせください。  また、河川整備計画は、流域の社会情勢の変化や地域の意向等を適切に反映できるよう、適宜その内容について点検を行い、必要に応じて見直しを行うものとされております。おおむね30年間の計画で策定されている肱川の整備計画は、今年で14年目を迎え、計画期間の折り返しに差しかかっており、その見直しについて考える潮どきではないかと思うのであります。  そこで、お伺いします。  肱川の河川整備計画の見直しについて、国や県における検討状況をお聞かせください。  次に、林業の成長産業化についてお伺いします。  私の出身地である旧長浜町は、大正の初期には和歌山紀ノ川の新宮、秋田雄物川の能代とともに伊予肱川の長浜として、全国三大木材集散地の一つでありました。当時の繁栄ぶりは、長浜町誌を初め各種の文献にも記されており、西日本の木材価格は長浜の木材市場が決めたと言われるほどでありました。  こうした背景から、本県では、川上の木材生産から川下の製材加工業まで各種の関連産業がバランスよく発達し、林業・木材産業の先進県としての地位を早くから築き上げてまいりましたが、現在は、木材の輸入自由化による価格低迷や、長引く不況に伴う木材需要の減少に加え、担い手の高齢化や後継者不足などさまざまな課題を抱え、大変厳しい状況を迎えていると感じております。  いよぎん地域経済研究センターが、昨年公表した林業・木材産業に関する調査レポートでも、愛媛県は、ヒノキの生産量が全国2位と全国有数の産地だが、九州や愛媛を除く四国などが近年生産量を伸ばしているのに対し、愛媛は伸び悩んでいるとされ、我が国の木材生産量が底を打った平成14年と直近の平成27年を比較すると、九州は153%、愛媛を除く四国は141%の伸び率に対し、愛媛は117%にとどまるなど、森林資源を十分に生かし切れていないとの指摘がなされております。  しかしながら、一方で、製材業者など需要者の8割近くが県内の木材需要についてミスマッチがあると回答しながらも、全体の約半数が輸送コストが安いことなどから県産材の調達をふやしていきたいという意向を持っているとの調査結果も報告されています。木材価格が低迷し、森林所有者の意欲も減退している厳しい現状を打破するためには、こうした製材業者の意向にしっかり対応するための方策を講じる必要があるのではないかと思います。  加えて、レポートでは、森林資源はかつてないほどに充実しており、林業は、もうかる産業としてのモデルが構築できさえすれば、未来永劫繁栄し得る可能性を秘めているともしており、豊富な森林資源と需要をうまく結びつけることができれば、林業はかつての輝きを取り戻し、山間地域の活性化につながっていくものと確信しております。  そこで、お伺いします。  県産材の需要が見込まれる中、豊富な森林資源を有する本県林業の成長産業化に向け、どのように取り組まれているのか、お聞かせください。  また、先日、平成22年から協議が続けられてきた日本の建築基準法に当たる中国の木構造設計規範が改正され、ことし8月から施行されるとの新聞報道がありました。これは、経済発展が目覚ましい中国で日本の杉、ヒノキが住宅の構造材として使用可能になるというものですが、国内のみならず海外を見据えた取り組みは大変重要で、今回の改正も県産材の輸出に弾みがつくのではないかと考えております。  そこで、お伺いします。  これらの状況を踏まえ、中国を初めとする海外への県産材輸出にどう取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  最後に、スマートフォンの普及等、青少年を取り巻く環境の変化への対応についてお伺いします。  近年の情報通信技術は目覚ましく発展し、特に、平成19年のスマートフォンの登場以来、私たちの生活にインターネットの利用は欠かせないものとなっております。  内閣府が本年度に実施しました青少年のインターネット利用環境実態調査によりますと、10歳から17歳までの青少年の82.5%がスマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機などでインターネットを利用しており、また、高校生のスマートフォンの利用率は95.9%に達しております。  スマートフォンは、これまでの携帯電話と違い、インターネットを通じて多くの情報が得られるもので、ショッピングやネットバンキング、SNSによる情報発信や交流などが手軽に行われるようになったほか、災害時における情報収集のツールとして公共的な役割も果たすなど、その機能は日々拡大しております。  しかしながら、利便性が高まったがゆえに、長時間利用による生活習慣の乱れや不適切な利用による個人情報の流出のほか、判断能力が未熟な青少年がインターネット上の有害情報を通じて犯罪被害やトラブルに巻き込まれるなど深刻な問題も発生しております。  警察庁が発表した子供の性被害の状況によると、平成28年度の全国の児童ポルノ事件の被害者数は1,313人で、そのうち児童がインターネットで知り合った面識のない者におどされたり、言葉巧みにだまされたりして自分の裸の写真をメールなどで送らせる、いわゆる自画撮り被害者数は480人で全体の4割弱を占め最も多く、4年連続の増加と報告されており、また、県内においても年に数件程度自画撮り被害が発生していると聞いております。  自画撮り被害の7割強がスマートフォンを使用し、コミュニティサイトにアクセスしたことに起因するものとの報告もあり、子供のインターネットトラブルに詳しい専門家は、幼いうちからスマートフォンを持ち、リスクを理解しないまま軽い気持ちで画像を送る子供も多いと指摘し、警鐘を鳴らしております。  このような被害に遭い苦しんでいる青少年が少しでも減るようしっかりと子供たちを守っていくことが、私たち大人の責務と考えます。これまで以上に子供たちにインターネットの適切な利用を理解させ、判断能力の育成を図る必要があり、また、インターネット上にあふれる有害情報から青少年を守っていく仕組みをより強固にしていくことが必要であると考えます。  そこで、お伺いします。  スマートフォンの普及等に伴って生じている自画撮り被害などの新たなトラブルや犯罪から青少年を守っていくため、県はどのように取り組むのか、お聞かせください。  いわゆるネット社会においては、利便性や安易さ、また、情報を求めてその利用価値がますます増大すると思います。一方、相手の見えない世界の中で、そこにつけ込んでくる社会悪が蔓延するリスクもあります。  私は、子供やいわゆる弱者を狙った犯罪とも言うべきものに対して、これらの対策は急務であり、厳しく対応すべきと考えます。ぜひともよろしくお願いします。  終わりになりますが、西部邁氏が本年1月にみずからの命を絶ちました。社会経済学者として、また、保守の評論家として活躍された方であります。彼が亡くなる10日前に取材に応じたときの記事が載っていましたので紹介したいと思います。テーマは、彼自身の文明論と人間論であります。  氏によれば、近代は物事を形式と数量に還元して把握する技術の文明だ。価値の尺度は利便性だけとなり、人間精神の繊細さ、つまり文化は圧倒されている。近代主義では、歴史や伝統から離れるほど自由、平等、友愛に近づくとみなしてきた。資本主義は何もかも商品にして費用対効果に還元する。このような近代の毒に抗するために大切なのが、慣習の奥底からその都度発見される歴史の知恵、つまり伝統である。歴史を大切にして、大まかな国民社会の結束を確認する。歴史を大切にして、資本主義の暴走にたがをはめ、民主主義の腐敗に防腐剤をまく、というものであります。  目まぐるしく変化する世の中にあって、このままでいいのだろうかと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。保守の真髄とも言うべき西部邁氏のこれらの言葉は、そのような方々に参考になるのではないかと思った次第であります。御冥福をお祈りする次第であります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(渡部浩副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(渡部浩副議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 西田議員に、まず、基金残高等々の御質問についてお答えをさせていただきます。  今回の議論の背景には、赤字国債の発行に歯どめをかけられず、遅々として進まない国の財政健全化を図るため、地方の歳出を抑制し、地方固有の財源である地方交付税の削減につなげようという思惑があるものと認識します。  その根拠としている基金の増加は、地方の行財政改革努力と将来不安への対応によるものであり、地方では、1、投資的経費の大幅削減に加え、2、バブル崩壊後、3%にすぎない国の職員削減に対しまして、地方は実に21%の削減を行い、さらに独自の給与カットというもので比較しますと、国は6,000億円に対し、地方は2兆7,000億円まで実施するなど、国とは比較にならない改革を行ってまいりました。これら努力により捻出した財源を増加の続く社会保障関係経費に充てるとともに、公共施設の老朽化、耐震化対策などの将来の財政需要を見据えて基金に計画的に積み立て、年度間の負担の平準化や財政健全化に努めてきたところであります。  また、東京都と特別区を除く現在の基金残高は、平成元年度以降の平均水準にとどまっているにもかかわらず、三位一体改革により基金が枯渇した時期と比較して、増加局面を強調することで地方財政に余裕があるかのようなプロパガンダを展開することは断じて容認できません。  地方にとっては、国の後年度負担を前提に、一時的な措置として交付税の不足を補填する臨時財政対策債が累増し恒久制度化しつつあること、また、地方消費税の精算基準の見直しにより、大都市から地方へ税収が移ったものの、これにより交付税総額が抑制されたこと、さらには、ドクターヘリコプター事業運航支援のように、国が本来負担すべき経費を依然として交付金を活用して地方へ負担転嫁していることなど、今後の財政運営における懸念材料が山積する中で、財政基盤の強化を図ることは当然ではないかと思います。  今後は、国において、地方財政の新たなフレームを検討する中で、法定率の引き上げにより交付税原資を確保し、臨時財政対策債を抑制するほか、毎年5,000億円ずつ増加している社会保障制度の抜本改革や地方分権改革、正念場となる東京オリンピック以降の経済政策の道筋を示し、地方の将来不安を払拭するよう求めるとともに、国の行財政改革の努力不足のツケを地方に回すことのないよう、県議会の皆さんとともに強く声を上げたいと考えております。  次に、県産材の問題について、林業の御質問についてお答えをさせていただきます。  本県の林業は、早くから発達した木材産業の県内集積を礎として、木材生産量は従前から高い水準で推移し、単位面積当たりの生産量も全国平均を大きく上回るなど、全国上位の生産量と生産効率を維持しており、急峻な地形が多い不利な条件の中で、中四国随一の林業県として森林資源の育成と効率的な木材生産に取り組んでまいりました。  こうした中、近年、経済発展に伴う世界的な木材需要の増加や外材価格の高どまり等により、国産材回帰の動きが強まり、県産材ニーズも回復してきたことを受け、県では、森林資源の成熟化を背景とした主伐の本格導入へとかじを切り、県産材を増産させる林業躍進プロジェクトを立ち上げ、森林所有者や森林組合等の事業体への支援を積極的に展開し、素材生産量を順調に伸ばしてきたところでございます。  今後、CLT生産工場の稼働等により、県産材のさらなる需要拡大が見込まれる中、条件不利地の主伐経費助成や高性能林業機械の導入支援等により主伐促進を一層加速させるとともに、森林データや市場動向を踏まえ、最適の原木生産と収益をタイムリーに予測できるAIシステムの構築など、豊富な資源と拡大する需要を効果的に連結させる新しい施策にも積極的に取り組みながら、もうかる林業への転換を着実に進め、林業の成長産業化につなげてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(門田泰広総務部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 門田総務部長   〔門田泰広総務部長登壇〕 ○(門田泰広総務部長) 県職員の採用に関する御質問にお答えをさせていただきます。  民間企業の採用意欲が旺盛であることに加えまして、国家公務員や他の自治体等との併願者が多くなっており、本県における採用環境は厳しい状況にありますことから、インターンシップの積極的な受け入れや県内外の大学主催による就職説明会へ参加するなどの受験者確保対策を講じているところでございます。  また、合格者を対象に説明会を開催いたしまして、採用に対する不安の解消を図るとともに、知事から直接激励を行うなど採用辞退対策にも取り組んでいるところでございまして、お尋ねのありました採用辞退の状況につきましては、上級職採用試験合格者のうち、知事部局で採用している職種全体の辞退率は、近年10%前後で推移をしておりまして、今年度につきましても、現時点で11%程度にとどまっておりますことから、おおむね必要数を確保できる見込みでございます。  しかしながら、職員の大量退職が続く中で、防災・減災対策や地域経済の活性化など、県政の運営に必要な人材の確保は、重要な課題であると認識をいたしており、今後、採用情報の発信や広報活動に当たり、若手職員のアイデアや学生等のニーズを踏まえて採用セミナーの充実を図るなど、採用者の確保に向けた取り組みを積極的に展開してまいりたいと考えております。
     以上でございます。 ○(大森尚子県民環境部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 大森県民環境部長   〔大森尚子県民環境部長登壇〕 ○(大森尚子県民環境部長) 自画撮り被害などから青少年を守る取り組みについての御質問にお答えをさせていただきます。  ネット社会における新たなトラブルや犯罪から青少年を守るためには、インターネットを適切に利用できる能力を向上させる必要があることから、市町や関係団体等と連携して、青少年や保護者向けの啓発資料や学校における情報モラル教育等により、インターネット上に潜む危険性や家庭でのルールづくりの大切さなどを啓発し、スマートフォン等の安全・安心な利用の呼びかけを強化しているところでございます。  さらに、自画撮り被害の防止に関しましては、現行の児童ポルノ禁止法では、画像が相手に届いた後でないと取り締まれず、画像流出による二次被害のおそれがあるため、県では、先月開催した愛媛県青少年保護審議会において、インターネット上の有害情報への対応の強化や自画撮り要求行為の規制の必要性などを説明し、条例による規制の強化について検討を始めているところでございます。  今後は、自画撮り被害を初めとする青少年の新たな課題に幅広く対応できるよう、条例改正に向けた具体的な検討を進め、普及啓発と規制強化の両輪により、青少年をトラブルや犯罪から守る取り組みを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 林業の成長産業化についての御質問のうち、県産材輸出の取り組みについてお答えをいたします。  県では、県産材の海外販路拡大に向け、主要な製材企業などで組織いたします県産材製品市場開拓協議会と連携し、内装用の高品質な板材を中心としたトップセールスや商談会などを実施するとともに、構造材の売り込みに向け、韓国でモデルハウスを建設し木造軸組工法をPRするなど精力的な営業活動を展開しておりまして、今年度の県関与海外成約額は、昨年末時点で約2億7,000万円に達し、既に昨年度実績の1.6倍を超える大幅な伸びを見せております。  こうした中、製材品の大口輸出先であります中国においては、木構造設計規範の改正により、ことし8月から日本の杉、ヒノキが構造材として使用可能となり、木造軸組工法によります建築も認められますことから、これを輸出拡大の絶好のチャンスと捉え、中国向けの施工マニュアルを作成いたしますとともに、有力企業への営業を強力に進めることといたしております。  さらに、来年度は、韓国の大手建設会社と連携した展示商談会の開催、台湾、ベトナムでのCLTや邸別プレカット材の輸出可能性調査などに加えまして、住宅用フェンス材やツーバイフォー材などで大きな需要が見込まれますアメリカの市場調査も実施することといたしておりまして、多方面への営業活動を展開しながら、輸出拡大を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(樋口志朗土木部長) 議長 ○(渡部浩副議長) 樋口土木部長   〔樋口志朗土木部長登壇〕 ○(樋口志朗土木部長) 肱川の河川整備に関する御質問のうち、鹿野川ダム改造事業についてお答えをさせていただきます。  鹿野川ダム改造事業につきましては、トンネル洪水吐きののみ口部及びはけ口部の工事を残すのみとなっておりまして、計画どおり来年度の完了に向け、着実に事業が進められております。  ダム改造後は、洪水調節容量が1.4倍に増強され、下流全域で浸水被害が大幅に軽減されることとなり、特に、東大洲など7地区では、来年度整備予定の段階的な堤防のかさ上げと相まって、平成17年と同規模の洪水が起こっても被害が防止できるようになります。  また、肱川の清流復活に向け、ダム湖のアオコ発生の抑制や選択取水設備による環境に適した水の放流など水質の改善に取り組むとともに、今回のダム改造によりまして、新たに確保される容量を活用し、渇水時の流量不足を補う放流を行い、川の流れの回復を図ることとしております。  県といたしましては、今後とも、鹿野川ダム改造の一日も早い事業完了を国に要望するとともに、改造後の機能が最大限発揮されるよう、具体的なダムの運用方法について、大洲市とも連携して国と協議を進めたいと考えております。  次に、河川整備計画の見直しについてお答えをさせていただきます。  肱川の河川整備は、平成16年に国と県が共同で策定した肱川水系河川整備計画に基づき、平成45年度の完成を目標に、下流の洪水被害を助長しないよう、上下流のバランスをとりながら計画的に整備を進めているところであります。  一方、計画策定以降、東大洲地区に公共施設や商業施設が集中するなど流域の土地利用に変化があったこと等を踏まえまして、今般、整備計画の内容の点検に着手したところであります。  点検に当たりましては、流域の社会情勢の変化や地域の意向、事業の進捗状況及び効果等を整理した上で、整備計画で定めている整備水準や計画期間、整備手順など全ての項目につきまして、河川工学や環境など各分野に精通した学識経験者の意見を伺いながら、検討することとしております。  今後、県といたしましては、点検を進める中で、整備計画の見直しの必要性につきましても、国と連携して関係機関と議論を進めてまいりたいと考えております。  以上でございますが、昨日の松下議員への県管理河川の堤防点検等の御質問に対するお答えの中で、国直轄の重信川堤防の漏水対策につきまして、完成時期を今年度中と申し上げましたが、正しくは来年度中でございましたので、訂正をさせていただきます。  以上でございます。 ○(渡部浩副議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時44分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(毛利修三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(塩出崇議員) 議長 ○(毛利修三議長) 塩出崇議員   〔塩出崇議員登壇〕 ○(塩出崇議員) (拍手)愛媛維新の会の塩出崇です。  通告に従いまして質問をさせていただきます。  まず最初に、愛媛の魅力発信についてお伺いいたします。  先般訪問いたしました西安市の愛媛県アンテナショップには、中国語表記で、自転車愛好家の理想国、日本の愛媛県を駆ける、全長70キロ、日本トップの海上横断自転車道、しまなみ海道のパネルがありました。  昨年11月に県関係者の方々も、西安市の愛好家たちとともに西安市内をサイクリングし、PRされたとの話を西安交通大学の先生からお伺いいたしました。愛媛県が推進する自転車新文化の波、愛媛県が世界に誇るしまなみ海道の魅力はかの地まで届いていることは誇らしくもあり、感動いたしました。  帰途の西安-上海便の機内で、隣の席の中国人がタブレットでアニメを見ていました。何か見覚えのある画像でしたのでついつい尋ねてみると、やはりそれは日本のアニメであり、しかも日本語で返事が返ってきたのです。日本語習得の事情を尋ねますと、教育機関で日本語を学んだことはなく、小学校高学年のころから日本のアニメが大好きで、いつのまにか日本語の簡単な会話ができるようになったとのことであり、まさに好きこそ物の上手なれであります。学校で学んでも実用に至る人が少ない中で、恐るべしアニメの力と思いました。  一般社団法人アニメツーリズム協会は、2018年版訪れてみたい日本のアニメ聖地88を発表して、聖地巡礼という一つの流れを生み出しています。もちろん過度なビジネス化は不適切だとは思いますが、尾道市や呉市はその意味での成功例と言えるでしょう。昨年は、アニメこの世界の片隅にのヒットで一層観光客がふえたと聞いております。国内への発信はもちろんのこと、世界に目を向けた発信力を持つアニメは、子供から大人まで幅の広い年齢層に、かつ幼少期から成人期まで長時間強力な影響力を持つツールです。  当県も昨年10月2日より、愛媛の暮らしやすさをPRするウエブ漫画ヒメのいるまち~A Place of My Own~を発信されております。私も、第7話まで読ませていただいており、最終話で主人公が出す結論が気になるところです。このヒメのいるまちの主たる目的は、若者の県外流出に歯どめをかけようとするものでありますが、愛媛県の真の魅力を知ってもらうことが根本にあり、魅力発信そのものと思います。全8話全てが発信された現在、反響はいかなるものでしょうか。  そこで、お伺いいたします。  アニメや漫画の強い影響力も踏まえて、愛媛県の魅力を全国に、また、全世界に発信していくために、どのような戦略を描き、具体的にどう進めていかれるのかをお示しください。  次に、発達障がい者等の自立支援についてお伺いいたします。  県と県教育委員会におかれましては、障がい者教育に積極的に取り組んでいただいておりますことに深く感謝申し上げます。  さて、県と県教育委員会は、昨年4月に障がいがある生徒を対象として、県立特別支援学校4校で合同就職説明会を行っており、本年も1月29日の県立みなら特別支援学校での実施を皮切りに、他の地区でも同様の説明会を実施されております。  説明会に参加された保護者からこのような話を伺いました。  その場にいたある団体の担当者に、精神障がい者も雇用の対象とされているのですかと尋ねたところ、いえ、うちは身体障がい者のみを対象としていますという回答であったとのことです。本年4月から、民間企業、国、地方公共団体に課される障がい者雇用義務の対象に精神障がい者が加えられることとなっており、精神障がい者の雇用についての積極的な取り組みを期待していただけに大きなショックを受けたと、その保護者は語っておりました。  この本年4月からの障害者雇用率制度の改正については、人材サービス会社エン・ジャパンの調査によると、48%の企業が知らないと回答しており、改正の内容がまだまだ周知、徹底されていないことがうかがい知れます。  さて、発達障がい者の支援については、県の発達障がい支援ネットワーク事業が、平成21年度の東予地区を皮切りに、26年度から南予地区、29年度からは中予地区においても実施され、県全域で支援ネットワーク構築を進める枠組みができております。その成果として、多くの市町に発達障がいの専門的な相談窓口が整備されました。しかし、未整備の市町もあり、ネットワーク事業をより効果的に進めるためには、全ての市町に発達障がいの専門的な相談窓口の整備が急がれるべきであると思います。そして、その整備によって、知的障がいのない発達障がい児も見逃すことなく、早期に適切な支援につながればと考えております。  県立高校では、来年度より新居浜商業高校において、通級による指導が開始されます。この通級の有効性、必要性は既に小中学校で実証されているもので、このたびの県立学校での取り組みは大いに期待されており、今後、中・南予への設置も検討していただきたいと考えます。  通級による指導は、卒業後の社会的自立を目指すため、もとより有効、重要であります。その上、ぜひとも御配慮願いたいのは、卒業後の進路、就職先の確保であります。この点については、さきの障害者雇用率制度の改正を踏まえて、まだまだ周知されていない企業等に対して適切な働きかけが必要であろうと考えます。  そこで、お伺いいたします。  今後、精神・発達障がい者を初めとした障がい者の自立支援の施策をどのように進めていかれるのか、御答弁ください。  次に、中国、台湾、韓国との経済交流についてお伺いいたします。  韓国ソウルとの定期便は、昨年11月の路線再開後、約90%の搭乗率を維持して好調と聞きます。そのうち70%以上が韓国人旅行者であり、インバウンドに偏っている感はありますが、観光庁推計では、現在、全国的に韓国からの訪日旅行者が大幅に増加しており、その流れに乗ったものと見えます。  もう一路線の国際定期便である松山-上海便、1月22日の上海よりの便には52名の搭乗しかなく心配しましたが、これは季節的なものであり、年間通じては約60%の搭乗率で堅調に推移していると伺い、安心いたしました。  また、昨年の6月に行われた日台観光サミットの成果として、11月以降、台湾からのチャーター便が多数訪れることとなり、将来の定期便就航に向けて大きな弾みがついたと期待しております。  さて、心配されていた中国経済の減速もさほどではなく、昨年の実質GDP速報値は前年比6.9%の増で、また、この1月の新車販売台数がSUV車、新エネルギー車を中心に前年同月比11.6%増との報道がありました。  現在、中国は、国策として広域経済圏構想一帯一路の政策を進めており、開放型の世界経済を発展させる、公正透明な国際経済ルールを構築すると言明していますが、衣の下によろいが透けて見えている状態で、過去のノルウェー産サーモンの通関規制、フィリピンの果物の検疫強化、台湾、韓国への中国人団体旅行の規制といった制裁の実例から見ても、今後、巨大な資金力と制裁を武器にどのような経済圏を構築しようとするのかは、注視していく必要があります。  以前は、覇権主義を断固否定していた中国ですが、今は覇権主義そのもの、トランプアメリカにもまさる自国第一主義を貫いています。  しかし、昨年5月には2年ぶりに日中財務対話が開かれ、年末に政府は一帯一路に協力することとしました。さらに、ことしの日中平和友好条約40周年に合わせての安倍首相の訪中など、日中関係は政治主導のもとに加速度的に進展するものと思われます。  ジェトロ愛媛と県産業貿易振興協会がまとめた2016年県内企業の貿易投資等実態調査結果では、地域別輸出先は中国がトップで11.9%、以下、台湾、米国、韓国と続いており、県内企業の海外拠点先についても、中国が36.1%で第1位となっています。やはり貿易、投資相手として中国が大切なお得意さんであることは揺るがないばかりか、この割合は確実に増大するでしょう。  東アジア情勢を見ると、中台間には中国が一方的に運用を進めている台湾海峡北上ルートの問題が起こっているほか、台湾独立志向の強い蔡英文政権に対する大陸からの圧力も目立っています。また、韓国については、北朝鮮との間に冬季オリンピックを政治利用した理解しがたい二国間関係が生じております。  東アジアの情勢は、不安定さを増しており、政治的にはまことに微妙なバランス感覚が求められる状況にありますが、ともに一衣帯水の隣国であり巨大な市場でもあることから、国内市場が縮小する中、経済的には互いに協力して発展を遂げていかなければならないと考えます。  そこで、お伺いいたします。  今後、県はどのように中国、台湾、韓国との経済交流を進めていかれるのか、お示しください。  次に、AIについてお伺いいたします。  質問のたびにAIについて発言をしており恐縮しておりますが、そのことをよくよく考えてみますと、実は、時代の急激な変化、わけのわからないものへの不安感が心の奥底に存在しているのではないかと思います。この不安感は、個人的なものというわけではありません。日本世論調査会の調べによると、例えばネット社会に対して期待感を持っている人、どちらかというと持っている人を合わせると44%に対して、不安感を持っている人、どちらかというと持っている人を合わせると53%という数字があり、半数以上の人々が不安感を持ち、踏み込めないでいる状態であることが理解されます。  しかしながら、日々の新聞紙面には、AIの文字を見ない日がないのが現実であり、人手不足解消のためには避けては通れないAI革命、IoT革命、第4次産業革命は既に始まっていると言っても過言ではありません。ただAIは今に始まったものではなく、漫画の世界では鉄腕アトム、ドラえもん、ベイマックスなどがいて、現実社会が空想漫画の世界にやっと追いついたと考えると、少し気持ちが楽になります。  AI、IoTの用途、可能性を挙げれば切りがありませんが、例えばスマートスピーカーは、実用してみましたが、なかなかにすぐれものです。ニュース、天気予報、音楽、語彙検索など、音声だけの操作で簡単に多量の情報を手に入れることができます。ほかにも自動車自動運転、投資信託、養豚にIoT、人生100年時代ヘルスケアにAI、在宅リハビリにAI、介護にIoT、国民医療費の削減等々、今までの社会システムを根底から変えてしまうことになりそうです。  中でも留意すべきはAIに対する取り組み方でしょう。孫正義氏の巨大な投資についてはさきに述べましたが、今注目すべきは中国の動きです。昨年11月に次世代AI発展計画推進弁公室を設立し、AI開発の中国トップ4企業をまとめ、オール中国体制で取り組もうとしております。一体、国を挙げての取り組みとなると、どのようなものが生み出されるのか、考えも及びません。  中国の大手ネット通販会社は、昨年末に開店した顔認証などを使う無人スーパーを500店舗までに年末までにふやす。また、買い物カートが客の後を自動的に追尾し、商品代金も自動計算する高級スーパーもオープンした等の報道も先日ありましたが、これらの動きに一層の拍車がかかります。ただしかし、それらのデータは全て把握され、どこかで誰かによって管理、利用されていると考えるべきです。ちなみに中国国内では、WeChatはつながりましたが、グーグル、LINEはつながりませんでした。  さて、県におかれましては、昨年7月にAI政策ワーキングチームを設置し、庁内事務へのAIの活用、AIを活用した産業振興、AIを活用した住みよいまちづくりをテーマとして検討を開始されました。そして、9月定例会では、経済労働部長がその検討状況を答弁され、活用案として、ドローン活用によるインフラ老朽化対策、ウエアラブルセンサー活用によるメンタルヘルス管理、熟練技術のデータ化と伝承を挙げ、次いで11月にはその検討結果が公表されました。また、余談ですが、12月にはワーキングチームの出前講座を受けた西条高校生が県内初のAI同好会をつくったとの話も聞きます。  今回の当初予算では、AI推進の予算が計上されております。えひめAI・IoT推進コンソーシアム設置事業、AI活用会議録作成支援事業、木材増産AI構築モデル事業、AI活用災害分析システム検討費等が計上されております。積極的な取り組みを期待しております。  日本企業は、AI時代の競争に既に敗れたとの話もありますが、日本の持つ応用力や創意工夫、ものづくり技術を持ってすれば十分に間に合うことを確信しており、AI、IoTを制する者は次代を制します。  そこで、お伺いいたします。  当初予算には多くの事業を上げられておりますが、AI政策を今後どのように政策として推進されるのか、お聞かせください。  次に、AI、IoT時代の教育について質問をさせていただきます。  いにしえより、歴代天皇が御進講を受けられ、明治天皇も元田永孚氏より御進講を受けられた書物、戦争のなかった時代の礎を築いた徳川家康も愛読した書物に貞観政要があります。これは、唐王朝の太宗、李世民の言行録ですが、その太宗の言葉として、「夫れ銅を以て鏡と為せば、以て衣冠を正す可し。古を以て鏡と為せば、以て興替を知る可し。人を以て鏡と為せば、以て得失を明らかにす可し。朕常に此の三鏡を保ち、以て己が過ちを防ぐ。」があります。  ここで述べたいのは、「古を以て鏡と為せば、以て興替を知る可し。」、つまり歴史の事実を見て今に生かすことの大切さです。しかし、実は色づけされた歴史が多く、素の歴史、歴史の事実にたどり着くことは困難なのです。  例えば、中国は社会の安定を第一義として、天安門事件の真相に迫る動きを抑制しています。また、中国の最大の動乱と災難とも言うべき文化大革命を中学校で使用される教科書、改訂版中国歴史の単独項目から除こうとしています。さらに、抗日戦争の起点を盧溝橋事件から6年前の満州柳条湖事件に移す作業もしています。時の政権の意図によって、歴史が、事実が、曲げられることがあってはなりません。いわんや日本の歴史においてをや。やはり事実は事実として認知されなければなりません。それが善であるのか悪であるのかの判断は、個人に委ねられるべきものです。  過去の教訓を現代に生かすには、過去を正しく知る必要があります。同様に、テレビ、ラジオに加えインターネットにより膨大な情報があふれている現在、その情報をうのみにすることなく、主体的に読み解いて真偽を見抜き、先人の知恵と経験を生かすことが求められています。  そこで、お伺いいたします。  インターネットなどにより玉石混交の情報が氾濫する中、事実を事実として峻別する力をつけるメディアリテラシー教育を積極的に推進すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  メディアリテラシー教育とともにAI時代に大切にしなければならないものがあります。それは、物を感じる心であります。AIは情報処理やマニュアル化された業務が得意であり、そのような仕事は今後、AIに奪われると思いますが、現在のところ、AIは心を持つことができないと言われており、人間らしい創造力を生かしたり感性が求められたりする仕事は困難と考えられます。これからの時代に求められるものの一つは、豊かな感性を磨くことであると考えます。  しかし、学校教育においては、絵画や彫刻を見て感動したり、音楽を聞いて涙したりするという感受性を養う教育など、全般的に芸術科目の時間数が以前よりも減っているのではないでしょうか。土曜日の4時間はなくなり、小学校に外国語活動が入ってきました。学ばねばならないことはふえる中で、感受性を養う教育はどのように位置づけられているのでしょうか。  ここで、お伺いいたします。  来るべきAI時代を人間として生き抜いていくためには、物を感じる力の育成が重要であると考えますが、学校教育における感受性を養う教育のあり方について、御所見をお聞かせください。  次に、働き方改革、人材確保の面で、まず県版イクボス、ひめボスの取り組みについてお伺いいたします。  少子高齢化・人口問題調査特別委員会で福岡県の拓新産業株式会社を視察いたしました。
     この会社は、建築工事現場での作業用の足場材のレンタルを行っており、約80名の従業員のうち、ほぼ3分の1が女性とのことであります。人口減少、高齢化社会における会社経営についてというタイトルで、テーマは働きやすい職場環境を目指して、我が社の働き方改革30年という熱のこもった講義を聞かせていただき感銘を受けましたが、何か釈然とせず、鬱々としておりました。  30年前から働きやすい職場、環境づくりの取り組みとして完全週休2日制への移行、有給休暇の完全消化、残業ゼロ、休日出勤ゼロ、育児休業100%をうたっており、ほぼ達成している。それでいて企業としての実績も上げているとのことでした。しかもリクルートをしなくても、中途採用なしの求人に何十倍という応募があるとのことです。確かに社長を初め、会社全体としての努力あってなし得たものなのでしょうが、レジュメを読んでお話を聞いても、そのときは素直にはのみ込めなかったのです。お客様は神様ですではなく、顧客よりも社員第一主義なのです。しかし、それは人材の確保、定着と育成は企業の最重要課題であるとの信念を30年前から持ち続け、実践してきた成果でした。  先日、平成29年度トップランナーミーティングにおけるひめボスグランプリ公開事例発表において5件の発表があり、アビリティーセンター松山オフィスリーダー西野氏がグランプリをとりました。職場の清掃等を率先して実施、徹底することで作業効率が上がり、残業時間が減ったにもかかわらず売り上げが上がったとの発表でしたが、この取り組みもさきの拓新産業と同様に、社員第一主義に基づくものであると気がつきました。愛媛県のように中小企業の多い地方圏では、事業維持のため特に人材確保が問題となると考えます。  そこで、お伺いいたします。  部下の仕事と家庭の両立に配慮するとともに、組織の業績向上や地域活性化の視点を加えた県版イクボス、ひめボスの取り組みは、社員を確保し、その能力を最大限に発揮してもらうために非常に有効な手段と考えますが、この取り組みを今後どのように進展させていくのか、お聞かせください。  続いて、働き手の確保に関連して、外国人の雇用についてお伺いいたします。  昨年、全国の平均有効求人倍率は1.50倍と近年上昇傾向にあり、多くの企業で人手不足感が強まっています。日本には、終身雇用という日本古来の働き方があると思いますが、それもグローバル化の波にのみ込まれた現在、それだけでは対処が困難になってきているのではないでしょうか。ならば、労働力不足という現実を直視して、世界の流れに積極的に乗るべきではと考えます。その一つの方法として進められているものが外国人の活用であろうと思われます。  本県にとっても、人口減少が進む中、労働力不足対策は喫緊の課題であるということは言うまでもなく、さまざまな施策が講じられています。移住、定住による確保も有効な手段であり効果を上げていますが、国内での移住定住合戦には限界がありそうです。広く目を海外に向けて、外国人技能実習制度を発展させ、特区を設け、必要とする市町に外国人を呼び込むことが有効であると考えます。  我が国は、移民政策をとらないとしていますが、労働力不足の現状を見ると人材を世界に求めるべきであり、取り組むのであれば、進歩的、積極的な行動をとるべきだと考えます。安倍首相も経済財政諮問会議において、専門的な技能を持つ外国人労働者の受け入れ拡大に向け、検討を進めるように指示したとのことであります。  そこで、お伺いいたします。  幅広い分野で技能実習生を初めとする外国人の受け入れ拡大に向けて環境を整える必要があると考えますが、御所見をお聞かせください。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(毛利修三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(毛利修三議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 塩出議員に、まず、魅力発信についての戦略の御質問にお答えをさせていただきます。  アニメや漫画は、国が進めるクールジャパン戦略の重要なコンテンツとして海外でも広く人気を博しており、多くのファンが作品の舞台となった場所を訪れる聖地巡礼がブームになるなど、地域の魅力を発信する有力なツールの一つであると認識しています。  このため、県では、定住・移住の促進に向けた新たな取り組みとして、若者を対象に愛媛の暮らしやすさをテーマとした漫画ヒメのいるまちを制作しまして、昨年10月から順次公開したところ、5カ月ですけれども、アクセス数で3万件を超えるとともに、楽しく愛媛のことを知ることができた、愛媛への移住を具体化させる後押しになったなどの好意的な感想が寄せられ、確かな手応えを感じているところであります。  全国の自治体がさまざまなPR活動を展開する中、本県のよさをしっかりアピールするためには、ターゲットの嗜好や関心に応じて最適な内容や方法で情報発信することが重要であることから、来年度、本県を強く印象づける統一コンセプトを設定し、全国プロモーションにより本県の認知度を高める、新たなPR戦略を展開したいと考えており、アニメや漫画と同様に、若者や外国人に訴求力のあるPR動画の発信にも積極的に取り組みながら、愛媛発の情報をしっかり届けることで販路拡大や交流人口の増加による実需の創出につなげてまいりたいと思います。  次に、今後のAI政策についての御質問についてお答えをさせていただきます。  世界中で熾烈な開発競争が繰り広げられるAIを初めとした新技術は、さまざまな社会的課題を解決するツールとして期待されており、これらを積極的に活用する視点が欠かせないと認識します。  このため、県では、AI政策の推進に向け、昨年設置いたしました若手職員ワーキングチームの政策提案や民間の先進事例も参考に、全庁を挙げて施策化に取り組み、来年度当初予算案にAI・IoT等新技術関連施策として12事業、約1億円に上る事業費を計上させていただきました。  主な施策としては、県内企業のAI・IoT等新技術の導入や活用を促進するため、産学金官が連携してコンソーシアムを設置し、情報共有や連携協力できるネットワークを整えるとともに、事業化、製品化に向けた企業と大学との共同研究を後押しするほか、国内最先端のロボット企業と県内スゴ技企業をマッチングし、ロボット関連ビジネス分野における販路拡大を支援するとともに、不足しているIT技術者の育成を図るなど、県内企業の導入支援や関連産業の創出に向けた取り組みを進める予定としています。  さらに、ICTを活用した木材増産に向けた収益予測システムの開発や災害発生時に被災状況を早期把握する災害分析システムの導入検討、ビッグデータを活用した県民の健康づくりなどの事業を計画しているほか、庁内事務の効率化を目指した会議録自動作成システムやウエアラブル端末による職員健康管理システムの導入にも取り組むこととしており、今後、部局横断体制で情報共有や課題検証を行いながら、新技術の導入・活用を推進することにより、地域経済の活性化にもつなげてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきます。 ○(大森尚子県民環境部長) 議長 ○(毛利修三議長) 大森県民環境部長   〔大森尚子県民環境部長登壇〕 ○(大森尚子県民環境部長) ひめボスの取り組みについての御質問にお答えをさせていただきます。  人口減少社会において、地域や経済が持続的に成長するためには、組織トップが意思表明をし、経営戦略として働き方改革や女性活躍推進に取り組むことが重要であると考えひめボスを推進しており、組織トップの共感を得て、ひめボス宣言事業所は、2月末現在、493に拡大しております。  2月1日に開催しました県内の優良事例を発掘、表彰するひめボスグランプリでは、顧客優先から従業員優先に転換することで従業員のモチベーションが上がり、売り上げ向上につながった事例や、制度づくり、風土づくりに努め、離職率が大幅に低下した事例等が生き生きと公開発表され、ひめボスの取り組みは企業の人材育成や人材確保に資するものであると実感いたしました。  来年度は、個々の事業所の具体的な取り組みを促進するため、宣言事業所の新規拡大とフォローアップのほか、意欲ある事業所を公募し、コンサルティングによる取り組みの深化を図るとともに、中小企業における女性の人材育成を支援するため、組織の枠を超えた県独自のメンター制度を展開することとしておりまして、成功事例を事業所間で共有し積み上げていくことで、男女とも力を発揮できる環境整備を促進し、働く人が笑顔で充実した生活を送れる魅力ある愛媛づくりを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(毛利修三議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 障がい者の自立支援の施策についてお答えをいたします。  精神・発達障がいを初め障がいを持つ方々が自立した生活を送るためには、保健、福祉、医療、教育などのきめ細かな支援とともに、就労による経済的基盤の確保が重要であり、県では、福祉施設の工賃向上の支援とともに、障がい者就業、生活支援センターによる就業相談や就労先企業の開拓、職業訓練等のほか、来年度当初予算案に障がい者雇用の現場見学会の開催など、企業の法定雇用率の向上を促す新規事業を計上し、取り組みを強化しているところであります。  また、発達障がい者への早期の支援により社会的自立が図られるよう、本年度、県が設置をいたしました発達障がい者支援協議会や、東・中・南予の地域支援マネージャー等を活用し、市町の相談支援体制の整備促進や関係機関との連携強化を図りますとともに、新たに発達障がい児の子育て経験者を対象としたペアレントメンターの養成や保護者の子育てスキル習得のための支援にも取り組むこととしております。  障害者総合支援法の改正によりまして、本年4月から新たに自立生活援助や就労定着支援サービスも開始をされますことから、これらの積極的な活用も図りながら、行政や障がい者団体、支援従事者等で構成する県、市町の自立支援協議会を核といたしまして、精神障がいや発達障がいなどの障がい特性に応じた自立支援体制の整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(菅豊正経済労働部長) 議長 ○(毛利修三議長) 菅経済労働部長   〔菅豊正経済労働部長登壇〕 ○(菅豊正経済労働部長) 初めに、中国、台湾、韓国との経済交流についてお答えいたします。  中国、台湾、韓国につきましては、それぞれ長年にわたり幅広い分野で交流を積み重ね、営業戦略上も重要ターゲットに位置づけ、定期路線やチャーター便など交流の基盤づくりや県内企業の技術や製品、県産品等の販路拡大、観光客誘致等を目指し、さまざまな取り組みを進めているところでございます。  中国では、経済交流協定を締結している大連市、遼寧省へのトップセールスやミッション団の相互派遣、陝西省との友好交流協定締結や西安市でのアンテナショップ開設のほか、上海や四川省成都での水産物や加工食品の販路開拓などにも取り組んでおります。  また、台湾では、経済交流ミッションによるトップセールスや商談会の実施、現地経済団体との覚書締結による県内企業の販路開拓サポートのほか、台北市及び台中市との交流促進覚書による観光・産業交流の促進に取り組みますとともに、韓国では、モデルハウスを活用した媛すぎ・媛ひのきの普及にも努めているところでございます。  本県においては、既にこれら3つの国や地域を合わせて、輸出額では県全体の4割強、外国人延べ宿泊者で6割近くを占めていますが、今後も、県産品や県内企業の製品、技術等の販路拡大や、サイクリング等による観光振興に努めるほか、台湾との定期路線開設を目指した取り組みや韓国LCC就航を契機とした若年層等のインバウンド需要の拡大等に取り組むなど、さらなる経済交流の拡大を図ってまいりたいと考えております。  次に、外国人の受け入れ拡大に向けた取り組みについてお答えをいたします。  本県における外国人労働者は、昨年10月末現在で7,812人、前年比7.8%増の過去最多となっております。このうち技能実習生が5,247人、全体の67.2%を占め、この数字は全国で最も高い割合になるなど、本県産業にとって技能実習生を含む外国人労働者の安定確保は重要になってきていると認識をいたしております。  このため、県では、技能実習生の適正かつ円滑な受け入れ環境の整備を図るため、国に対し、地域ニーズに合った実効性ある施策を拡充するよう要望するとともに、技能実習生受け入れセミナー開催への支援や、県外国人技能実習生受入組合協議会によるベトナム、ミャンマー、カンボジアの政府機関等との受け入れ協定締結を後押ししてきたほか、今年度からは、高度な技術や能力を有する外国人留学生について、愛媛大学や地元経済団体等と連携をいたしまして、県内企業への就職促進に取り組んでいるところでございます。  深刻な人手不足の状況にあります地方においては、生産性の向上や女性、高齢者等の就労参加とともに、外国人の活用が重要課題になっており、今後、国で検討が進められます技能や専門性を有する外国人の受け入れ拡大を目指す動きや、他県での国家戦略特区を活用した外国人活用の状況等も注視いたしまして、外国人労働者の受け入れ環境の整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(井上正教育長) 議長 ○(毛利修三議長) 井上教育長   〔井上正教育長登壇〕 ○(井上正教育長) AI・IoT時代の教育につきましては2点お尋ねがございました。  まず、メディアリテラシー教育についてお答えさせていただきます。  児童生徒を取り巻くメディア環境の変化に伴い、社会にあふれるさまざまな情報に振り回されることなく、それらを正しく理解し、再構成する力が強く求められる中、学習の基盤としても重要となります情報活用能力を育成するためには、教科横断的かつ系統的な学習を充実する必要があると認識をしております。  このため、小中学校では、社会科において記事として取り扱われる見出しや解説、統計資料等を複数の新聞で比較し、技術・家庭科におきましては、多くのメディアから情報を収集して取捨選択のあり方を話し合うなどメディアリテラシーの素地を養い、高等学校では、情報の授業等でインターネット情報の発信源や更新日を確認したり、客観的事実か個人的意見かを見きわめたりするなど、複数の情報を比較検討しながら、その信頼性や信憑性を評価する手法を身につけているところでございます。  また、各学校では、インターネットへの書き込みに起因する問題やセキュリティーの確保などの学習にも取り組んでおりまして、引き続き情報を適切に評価、識別するメディアリテラシー教育を積極的に推進し、情報と情報ツールを主体的に選択、活用できる児童生徒の能力を育成してまいりたいと考えております。  次に、感受性を養う教育についてお答えさせていただきます。  AI、ロボットなどの技術革新が進む中、学校教育におきましては、鑑賞及び表現に関する幅広い活動を通じて芸術を愛する心や感受性を育み、多様な価値を認める柔軟な発想や、他者と協働して自己を形成していく力を身につけていくことが今まで以上に求められていると認識をしております。  このため、県教育委員会では、芸術科目の授業に加えまして、小中学校に音楽の専門家を派遣し、童謡や唱歌、器楽演奏のすばらしさを児童生徒に体感させ、みずからが歌い、演奏を行う体験的な活動を実施していますほか、えひめ愛顔の子ども芸術祭への積極的な参加を初め、県内全ての小中学生を対象としたえひめこども美術展、4,000名を超える高校生が参加し、演劇や郷土芸能、書道などの幅広い分野で成果や作品を発表、展示する県高校総合文化祭の開催など、児童生徒が芸術等に親しむ機会を広く提供しているところでございます。  今後とも、芸術科目はもとより、伝統、文化等に係る教科学習や学校内外の体験的な学習活動の充実等にも積極的に取り組むなど、児童生徒の豊かな感受性を育み、人生や社会のあり方を創造的に考えることができるよう、情操教育の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(毛利修三議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明7日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時47分 散会...