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平成29年第352回定例会(第4号 6月22日)

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  1. 愛媛県議会 2017-06-22
    平成29年第352回定例会(第4号 6月22日)


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    平成29年第352回定例会(第4号 6月22日) 第352回愛媛県議会定例会会議録  第4号 平成29年6月22日(木曜日)   〇出席議員 44名   1番  高 橋 英 行   2番  渡 部 伸 二   3番  田 中 克 彦   4番  松 井 宏 治   5番  塩 出   崇   6番  松 下 行 吉   7番  帽 子 大 輔   8番  大 石   豪   9番  宇 高 英 治   10番  欠     番   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  菊 池 伸 英   14番  福 田   剛   15番  中   政 勝   16番  逢 坂 節 子
      17番  古 川 拓 哉   18番  兵 頭   竜   19番  大 西   誠   20番  松 尾 和 久   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  欠     番   24番  木 村   誉   25番  石 川   稔   26番  梶 谷 大 治   27番  西 田 洋 一   28番  中 田   廣   29番  大 西   渡   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  笹 岡 博 之   37番  鈴 木 俊 広   38番  黒 川 洋 介   39番  徳 永 繁 樹   40番  高 山 康 人   41番  戒 能 潤之介   42番  渡 部   浩   43番  毛 利 修 三   44番  欠     番   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   48番  赤 松 泰 伸   49番  本 宮   勇   50番  寺 井   修   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 3名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事        中 村 時 広  副知事       上 甲 俊 史  副知事       原   昌 史  公営企業管理者   俊 野 健 治  総務部長      門 田 泰 広  企画振興部長    西 本 牧 史  防災安全統括部長  高 橋 正 浩  県民環境部長    大 森 尚 子  保健福祉部長    山 口 真 司  営業本部長     八十島 一 幸  経済労働部長    菅   豊 正  農林水産部長    田 所 竜 二  土木部長      樋 口 志 朗  えひめ国体推進局長 土 居 忠 博  会計管理者出納局長 中久保 憲 彦  教育長       井 上   正  副教育長      大 島 修 一  人事委員会委員   大 内 由 美  公安委員会委員   渡 部 智磨子  警察本部長     林     学  監査委員      岡 田 清 隆  監査事務局長    藤 井 晃 一   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長      内 田 万 美  事務局次長     土 井 一 成  参事総務課長    北 川 謙 二  参事議事調査課長  松 本 賢 固  参事政務調査室長  八 塚   洋  議事調査課主幹   井 原 重 喜   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第59号議案ないし定第75号議案      午前10時 開議 ○(毛利修三議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者三宅浩正議員、木村誉議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(毛利修三議長) これから、定第59号議案平成29年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第75号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(宇高英治議員) 議長 ○(毛利修三議長) 宇高英治議員   〔宇高英治議員登壇〕 ○(宇高英治議員) (拍手)皆さんおはようございます。  こうやって壇上から皆さんを見ますと、いつもと空気が違う雰囲気が伝わってまいります。いよいよ本日で、えひめ国体まで100日となります。そんな節目の愛媛県議会、この議場でいつもの背広やワイシャツ姿と違うこの空気の中で、皆さんが統一して国体ポロシャツを着る。これはある意味、国体に対しての大きな大きな準備の一つではないかと思います。  国体は、熱烈な応援と同等に、地元が一丸となって盛り上げて空気をつくる、これも大切なことではないかと思います。残り100日、県民の皆さんが力を合わせて盛り上げていくことが最高のおもてなしにつながるのではないでしょうか。  それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  まず、ドクターヘリに関する質問のうち、効率的、効果的な運航体制の構築についてを伺います。  昨年9月定例議会においても、ドクターヘリにかかわる質問をさせていただきました。主に運航までのスケジュールや運営上の基本指針、目標稼働数を伺ったわけですが、そのとき兵頭前保健福祉部長より御答弁をいただいた内容の根幹は、出動、運送にかかわる基準には、救命率の向上や後遺症の軽減につながる出動要請が可能になるよう、重症度や緊急度を高目に評価するオーバートリアージを容認する方法で検討しているという内容でした。ドクターヘリの救急搬送を受けるかもしれない私たち県民にとっては、よい意味でのドクターヘリに乗りやすい、間口を広げていただいた寛大なお答えと心強く感じました。  さて、本年の2月の運航開始から5カ月近くがたちましたが、報道によりますと、ドクターヘリの初出動は、2月7日に西予市内の高速道路上で乗用車とワゴン車が正面衝突し3人が重軽症を負った事故で、ドクターヘリ愛南町消防本部との訓練を終え、宇和島市上空を飛行していたところに出動要請が入ったとのことでした。ランデブーポイントになった西予市営宇和球場で速やかなる初期治療を開始し、県立中央病院まで患者さんを搬送したそうですが、車なら1時間ほどかかる約60キロの距離をわずか15分程度で到着したということであり、まさに一刻を争う場面でドクターヘリの強みが発揮された事例と言えるのではないかと思われます。  平成23年3月に四国で初めてドクターヘリを導入した高知県では、年々出動件数が増加し、昨年度の出動件数は806回を数え、高知県にとって欠かせない緊急医療インフラとなっています。  現在、県内の救急医療体制は、医師不足や救急搬送患者の増加により厳しい状態に直面しています。特に、救急医療を受けられるまでに長時間を要する地域に住む方々にとっては、救急患者の救命率の向上や後遺症の軽減に高い効果を発揮するドクターヘリの存在は大きく、重要と考えられます。  そこで、お伺いします。  本県のドクターヘリにおける先月までの出動件数は83回と伺っておりますが、県は、ドクターヘリの効果的、効率的な運航体制の構築に向けてどう取り組んでおられるか、お答えいただけたらと思います。  次に、今後、ドクターヘリの離着陸する頻度がふえると予測される県立中央病院周辺地域の騒音や安全対策についてを伺います。  ドクターヘリの運航状況をお聞きしたところ、2月は運航開始月ということもあり、出動要請件数は10回、実質の出動件数は5回にとどまったということです。しかし、3月以降は出動要請件数出動件数ともに月に30回前後で推移し、運航開始から先月までの出動件数の合計は、出動後キャンセルされたものを除いても79回を数えます。患者さんの初期診療活動を行うとともに、そのうち42人を県立中央病院へ、11人を愛媛大学医学部附属病院に、6人を市立宇和島病院に、2人を県立新居浜病院に搬送したということでありました。つまり県立中央病院には、搬送された患者のうち半数以上が、また、約3日に1回のペースで県立中央病院ドクターヘリでの搬送が行われたということになります。
     それに加え、本県のドクターヘリは、県立中央病院出動方式松山空港出動方式の2つの方法を併用する方法がとられています。このため、出動要請がない場合でも、週3日は県立中央病院ドクターヘリが待機するための離発着が行われるところです。  ドクターヘリの導入先進県では、出動件数が年間1,000回を超えるところもあり、出動件数がふえることでさらに離発着が増加するということになるわけですが、そうなりますと、県立中央病院で診療を受ける患者さんのストレス、住宅密集地や高層ビルへの離着陸などのリスクも懸念されるところです。  県では、県立中央病院を基地病院に決定する際に、騒音や安全面について導入検討委員会などで十分に議論し、円滑な導入、運航に向けて対応してこられたと思っておりますが、千葉県の千葉北総病院や兵庫県の豊岡病院では、病院の隣接地などに地上ヘリポートを設置し、格納庫や給油施設を併設することで、病院や周辺地域への騒音や安全対策を徹底しているとお聞きしています。本県の基地病院の立地条件や運航体制を踏まえた上で、騒音や安全対策に十分配慮していただきたいと思います。  なお、ドクターヘリではありませんが、ことし3月に長野県で消防防災ヘリが訓練中に墜落し、搭乗員全員が犠牲となる大変痛ましい事故が発生しました。事故原因は調査中であり、現時点では明らかでありませんが、命を救うドクターヘリに事故があってはならず、安全運航には限りなく100%に近い万全の対策をとっていただきたいと思います。  そこで、県は、これまでドクターヘリの騒音や安全対策にどう取り組んでこられたかをお伺いいたします。  次に、本県の国際交流についてを2つ伺います。  まず、日本にとって最も信頼のおけるパートナーである台湾との関係について伺います。  近年、日本政府がインバウンド増加促進の旗を大きく振っております。昨年、訪日外国人観光客数は約2,400万人と過去最高を記録しました。東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成32年までに、目標とする4,000万人を超えることも可能ではないかと思える昨今です。  日本を訪問する外国人観光客の目的は、数年間続いた爆買い一辺倒から、近年は、癒やしや体験、食文化を楽しむことなどに変化し、訪問先も東京や大阪などの大都市の一辺倒から地方都市へと多様化してきております。きめ細かなサービスを求めて、日本の病院と美容院に行くツアーもあるとのことです。日本人にとって普通に感じられるサービスの中にも、外国人にとっては特別ぜいたくに感じるものも多く、きめ細かなサービスや心配りなどのおもてなし自体が、日本独自の強力な観光セールスポイントになっているとのことです。  さて、昨年台湾の宜蘭県で開催された日台観光サミットが、先月31日から今月4日にかけて四国で開催されました。主会場となった愛媛県と香川県の両県で開催されたサミットには、台湾交通部や旅行会社、航空会社など日本と台湾の観光関係事業者のトップが集い、日台鉄道観光フォーラムや視察ツアーなど交流イベントが行われました。  また、今回、新たに台中市と友好交流覚書を締結したところであり、今後の交流の深まりが期待されるところです。  台湾は、本県の外国人延べ宿泊者数の約30%を占めており、最大の市場でもありますが、台湾における本県の認知度はまだまだ低いのが現状であり、今回来県された方々が台湾で本県愛媛の魅力を伝えていただくことで、台湾からのさらなる観光客の増加につながればと思います。  本県と台湾とは、しまなみ海道サイクリングコース日月潭サイクリングコース姉妹自転車道協定を締結するなど、これまでサイクリングを切り口とした交流などの強みがあります。現在、本県と台湾を直接結ぶ交通手段は航空路線のチャーター便しかありませんが、今後、交流人口がさらに拡大し、チャーター便が増加していく中で、その搭乗率の動向次第では、定期便化への期待がますます高まるものと思っています。  そこで、お伺いいたしますが、今回のサミットでは、日本と台湾との交流人口を平成32年までに700万人規模に拡大するということを目標に挙げられておりました。日台観光サミットの結果を踏まえ、親日度の高い台湾との交流拡大や航空路線の定期便化に、今後どう取り組んでいかれるかをお伺いいたします。  次に、同じく海外のお話になりますが、本県と姉妹提携をしているハワイ州との取り組みについてを伺います。  本年2月7日から12日までの日程で行われましたえひめ丸事故17回忌慰霊式典を含んだハワイ州への訪問に、私も参加してまいりました。えひめ丸がアメリカの原子力潜水艦に衝突されて沈没するという、こういうショッキングな事件は、今なお、愛媛とハワイ双方の方々の心の中に深く刻まれており、事件の犠牲者の御冥福をお祈りするとともに、今後も風化させてはならない大切な教訓であると改めて強く感じました。  さて、ハワイ州の訪問では、自動車が乗り物文化の中心であるアメリカの社会において、自転車が観光客の足として利用されている現状を目の当たりにしました。愛媛にはない自転車専用レーンを備えた道路や、自転車の修理や空気充填ができる町なかのサイクルパドックなどを視察したところであり、自転車を観光や地域経済活性化のツールとして活用している本県としては、大いに参考になるのではないかと感じました。  視察に同行していただいた地元自転車NPO団体のハンナさんの話では、ハワイ自転車愛好家の中でも、しまなみ海道サイクリングコースは、日本を代表する有名なコースとして知られているということで、新たにサイクリングを通じた交流の可能性を感じたところです。  また、近年、ハワイ州では観光のもう一つの足として脚光を浴びているのが、一般的にセグウェイとして知られる電動立ち乗り二輪車です。アメリカでは一般公道の走行が認められているということもあり、ホノルル市ワイキキを中心に、立ったまま重心移動のみで移動できる乗り物として観光の足としての認知度が向上し、利用が広がっているとのことでした。今後、県内の島嶼部や海沿いの観光地での利用可能性を大きく感じたところです。  今回の訪問では、ハワイ州議会を視察するとともに、訪問の目玉として、ハワイにある日系スーパーマルカイも視察しました。マルカイでは、充実した日本製品の品ぞろえを行うとともに、会員制のこのスーパーでは、会員に対して丁寧な説明の入ったカラーの小冊子を送付するシステムがあることなど、日本的なきめ細かなサービスに大いに改めて驚かされたところです。  県は、これまでマルカイにおいて定期的に愛媛フェアを開催し、県産品の販路拡大や本県の認知度向上に取り組むなど経済交流の促進を図ってきたとのことであり、引き続き経済面からの取り組みも進めていただきたいと思います。  続いて、お伺いしますが、県は、東南アジアを中心に海外に対して積極的に愛媛を売り込んでおられますが、アメリカの中でも日本に最も近く、親日度の高いハワイ州との観光と経済の両面からの交流に、今後、どのように取り組んでいかれるかを伺います。  私は、通勤中の車内で車のラジオを聞くことが多くあります。そんな中で、南海放送ラジオの平日の朝8時30分にある県警の放送枠では、曜日がわりで喫緊発生の特殊詐欺や交通事故の情報が電波に乗って流されています。高齢者をターゲットにしたひきょうな詐欺事件や、高齢者が被害者や加害者となってしまった交通事故、死亡事故などについて、高齢者に関連した事件や事故の情報を連日のように耳にしています。  そこで、次に、高齢者を取り巻く環境についてお伺いしたいと思いますが、まず、特殊詐欺の抑止対策についてを伺います。  治安水準の目安となる県内の刑法犯の認知件数は、昨年初めて1万件を下回りました。県警や関係機関、防犯ボランティア団体などが連携し、県民総ぐるみ各種防犯対策に取り組んだ結果、確実に犯罪の発生件数は減少傾向にあります。  一方で、高齢者が被害に遭いやすい振り込め詐欺などの特殊詐欺は逆に多発しており、先月末現在、県内における認知件数は48件で、過去2番目に多い被害を認知した昨年同期に比べ11%減少したものの、被害額は約1億5,300万円と、昨年同期に比べ41%ほど増加しています。深刻な状況が続いているほか、全被害者に占める65歳以上の高齢者の割合は5割以上と、依然として高い水準にあります。  特に最近は、警察が金融機関を初めとする関係機関、団体などと連携を強化して講じた各種対策をかいくぐるために、大手百貨店員銀行協会職員、警察官などのさまざまな職業を装い、犯人が被害者宅まで来て現金やキャッシュカードをだましとるという手口や、電子マネーカードなどを購入させ、そのカードの裏面にある番号を聞き出すことで設定額をだましとるという手口が急増しているという記事もありました。  こうした犯行で、直接現金やキャッシュカードを受け取りに来る犯人は、職員証を模倣したものを示して被害者を信用させるなど、その犯行の手口は組織的かつ計画的で年々巧妙化しており、高齢者の資産を標的とする悪質きわまりない犯行は、全国的にも大きな社会問題となっています。  一方で、一般の方々が特殊詐欺の被害を阻止するケースが、3年で4倍以上にも増加しているという記事も掲載されていましたことは、これは、警察を初めとする関係機関や団体の啓発活動が一般の方々にまで浸透してきた成果であると考えています。  このような中、県警では県内の金融機関と連携し、一定の条件に該当するATMからの振り込みを自動的に阻止するシステムの運用を全国に先駆けて開始しており、本年度からは被害の特徴を捉えた対策を講じていくため、新たにコールセンター委託事業無人ATM対策を行うなど、先進的かつ積極的な特殊詐欺抑止対策に取り組まれているものと承知しています。  今後も特殊詐欺の手口は、社会情勢の変化に便乗しながら、対策のすき間を縫って悪質・巧妙化することが予想されるところであり、引き続き県警が中核となって、官民を挙げたさらなる抑止対策に取り組み、県民の一人一人の防犯意識を向上させていく必要があります。  とりわけ被害に遭いやすい高齢者への対策として、最新の詐欺の手口や対応策を一人でも多くの高齢者に知ってもらうため、高齢者にもわかりやすい啓発活動を行っていくべきだと考えています。  そこで、お伺いしますが、年々巧妙化する特殊詐欺の抑止対策にどう取り組んでいくのか、お考えをお聞かせいただけたらと思います。  次に、高齢者の交通事故の防止についてですが、交通事故の発生件数は、自動車の安全性能の向上や道路環境の改善、飲酒運転への罰則強化などの影響により、昭和の時代と比べると全国的に大幅に減少していますが、高齢者が交通事故の被害者や加害者となる、高齢者に関するものの割合は、逆に増加しています。団塊の世代が後期高齢者となる約10年後には、高齢者に対する交通安全対策が交通事故の発生件数を減少させる核になると言っても過言ではないと考えております。  高齢者が関係する交通事故原因の分析や高齢者交通事故対応計画の策定、交通環境の整備、高齢者安全運転の指導など、高齢者が一挙にふえる前の事前準備が、今重要であると感じています。  県警では、中村知事を本部長とする交通安全県民総ぐるみ運動を通して、悲惨な交通事故の防止に取り組んでこられたと承知しています。官民が一体となった取り組みを行ってきた結果、交通事故の発生件数や負傷者数は10年以上連続して減少し続けていますが、本県において、全国的な傾向と同様に、高齢者が関係する交通事故の割合は増加しています。  県警では、現在、高齢者の安全教育強化免許返納促進などを柱とするシニア・セーフティ・プロジェクトに取り組まれていると認識しており、交通事故原因に応じた対策に取り組むことで大きな成果を上げてきたと思っています。  そこで、伺いますが、高齢者が関係する交通事故原因をどのように分析し、交通事故の発生件数の減少にどう取り組んでおられるか、お聞かせください。  次に、高齢者の足となる地域公共交通の維持についてですが、本年3月に改正道路交通法が施行され、75歳以上の高齢運転者はこれまでの運転免許の更新時に加え、一定の交通違反行為をした場合にも、認知機能検査が義務づけられています。  この検査は、加齢によって認知機能が低下することを本人に自覚してもらい、安全運転の意識を高めることを目的としたものです。視力や体力に始まり、記憶力、判断力、予測力の低下がじわじわ迫ってくるのが老いです。私自身も視力や体力の低下を実感するきょうこのごろですが、車の運転をいつやめるかと問われますと、迷惑にならない範囲で続けたいというのが本音です。なぜはっきり断言できないかといえば、車にかわる交通手段がないという現実があります。公共交通機関の空白地帯となっている地域にお住まいの方や、かわりに運転してくれる家族がいない方の場合は、生活の手段としてみずから運転せざるを得ないということになります。  今後、地域公共交通を維持し、公共交通機関の空白地帯を拡大させないためには、県や市町、交通事業者、住民がそれぞれの役割を自覚し、一体的な交通政策に取り組むとともに、詳細な現状分析を行い、まちづくりや観光・福祉分野とも連携した地域公共交通ネットワークの再構築に取り組んでいく必要があると思っています。  そこでお伺いしますが、県内の地域公共交通の維持、活性化にどのように取り組んでいるかをお答えいただければと思います。  最後に、少子化対策、子育て支援についてを伺います。  昨年の本県の合計特殊出生率は、前年度に比べ0.01ポイント上昇しています。全国平均の1.44を上回る1.54となった一方、出生数は9,911人と戦後初めて1万人を下回っており、少子化に歯どめがかかっていない厳しい現状が続いています。  また、昨年の婚姻数も5,861組と前年度に比べて241組減少して、初婚年齢も男性が30.3歳、女性が28.9歳と、前年度に比べて上昇しています。  県では、これまでえひめ結婚支援センターの運営により、1万1,000組を超えるカップルの誕生と800組を超える成婚を後押ししてこられました。本年度は、新たに市町や県内紙おむつメーカーと協働した子育て支援策として、第2子以降の出生世帯に1年分のおむつが購入できるクーポン券を交付する愛顔の子育て応援事業を創設されたところであり、紙製品おむつ無料支給先進地四国中央市民としては大変喜ばしく思っています。  少子化は日本全体の共通した悩みでありますが、悩みの種は自治体ごとにそれぞれ微妙に違いがあります。長期プランや対策の中身もそれぞれです。  一部のマスコミや政党が東京都の待機児童問題を連日取り上げることで、待機児童問題が日本全体の共通した最優先の子育て問題と誤解されているようですが、全国1,800の地方自治体における施策の優先順位はそれぞれであり、本県には本県の、そして県内20の市町には20とおりの優先順位があります。  今回、県が新たに創設された事業は、本県の実情に合わせた独自の子育て支援策であり、本県のすぐれた地場産業のPRにもつながっていくということで、少子化の流れを食いとめる結果につながってほしいと思っております。  県内市町の中にも地域の子育てを支援する拠点を設け、育児に対する子育て悩み相談・指導を行ったり、子育て関連情報を提供する取り組みを行ったりしているところがあります。企業でも短時間勤務制度や始業・終業時間の繰り上げ、繰り下げ制度を独自に設けるなど、これまでも官民それぞれが取り組んできたところです。  国は、今月9日、閣議決定したいわゆる骨太方針において、子育て安心プランに基づいて安定的な財源を確保しながら、待機児童解消や子供の貧困対策を含めた少子化対策、子育て支援の充実を進めることとしたところであり、国には責任ある対応を求めていきたいと思います。  そこで、伺いますが、愛顔の子育て応援事業の取り組み状況はどうか。また、県は、子育て支援を行う企業や地域の取り組みをどのように支援していくのかをお聞かせください。  最後になりますが、先ほどもお話しいたしましたが、私は、紙のまち四国中央市の出身です。昨年年末からことしの春先、そして梅雨に入った今もまとまった雨がありません。おとといの集中豪雨の天気予報に少々期待はしていましたが、まとまった雨になりませんでした。  現在、市は渇水対策本部を立ち上げていますが、第3次取水制限中です。工業用水30%、上水道5%のカットです。3つのダムの貯水量も平年の半分以下しかなく、心細いところです。来週以降の梅雨前線に期待すると同時に、最後の最後は、紙のまちですので、おてんとうさんに神頼みするしかないか、そのように考えております。どうか適切な量のまとまった雨が降ることをお祈りしながら、質問の時間を閉じさせていただきます。  自由民主党、宇高英治でした。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(毛利修三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(毛利修三議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) まず、本日、県議会から御提案をいただきまして、国体100日というこの段階で、本議会では理事者も国体ポロシャツを着てやったらどうかということになりました。  本当に多くの方々が、新聞やテレビでの報道を見ても、受け入れの準備に東奔西走され、また、多くのボランティアの方々も参加していただくことになりました。さらには、県民の皆さんに感動をということで、日々日々練習に頑張っている選手たちにも大きなメッセージとして伝わるんではなかろうかと思いますので、心から感謝を申し上げたいと思います。  宇高議員に、まず、ドクターヘリについての御質問にお答えをさせていただきます。  ことし2月に運航を開始したドクターヘリは、365日体制で救急医療専門の医師、看護師が搭乗し出動する態勢を整え、救急現場での初期治療や患者搬送等に当たっており、県民の命を守る重要な使命を担っているところでございます。  これまで出動したケースの中には、ドクターヘリでなければ命が助からなかった症例もあるなど、その有用性を改めて認識しているところであり、県では、ドクターヘリの機能を最大限発揮するため、出動要請を行う消防との合同訓練や症例検討会を重ね、関係者が緊密に連携する体制づくりに取り組んでいるところでございます。  今後も、ドクターヘリの効果的、効率的な運航体制の構築に向け、関係機関との一層の連携強化やランデブーポイントの拡充などを図るとともに、県境の救急搬送等に有効な近隣県との相互応援に係る協議を、今進めておりますが、本来、国が負担すべき運航経費が依然として地方に転嫁されている状況にあります。ルールどおり国の責任において確保されるよう、今後とも強く求めていきたいというふうに思います。  次に、愛顔の子育て応援事業の取り組み状況についてお答えをさせていただきます。  愛顔の子育て応援事業については、現在、県内の市町において準備作業を進めており、8月には一斉に事業をスタートする予定としておりますが、西予市、久万高原町など8つの市町では、さらに独自に交付対象の拡充を目指しておりまして、また、子育て用品券の配布を行うなど心強い取り組みも広がっております。市町や県内の3社、ゆかりのある紙おむつメーカーと連携して構築した本県ならではの子育て支援策として、県内外に積極的にアピールをしていきたいと考えています。  また、企業の子育て支援の取り組みを促進するため、えひめ子育て応援企業認証制度や優良企業の表彰、ひめボスの普及、定着等により、仕事と家庭生活の両立に向けた機運醸成を図っているほか、昨年末に組織した子育て中の男性社員やサポーター役となる先輩社員等のネットワークの拡充を図るなど、企業の垣根を超えて男性の育児参加を推進する体制の強化にも取り組んでいるところでございます。  さらに、地域における子育て支援として、市町が地域のニーズを踏まえて実施するファミリー・サポート・センターや放課後児童クラブ等に財政支援を行うとともに、地域で子育てを支える人材の育成にも努めているところであり、今後とも、企業や地域の主体的な取り組みを積極的に後押しすることにより、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。  その他の質問については、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(毛利修三議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 高齢者を取り巻く環境に関する御質問のうち、地域公共交通の維持・活性化の取り組みについてお答えいたします。  人口減少や自家用車の普及に伴い、路線バスや鉄道などの存続が厳しさを増す中、運転免許を返納する高齢者の増加が予想されておりまして、買い物や通院など高齢者の生活の足として欠かすことのできない地域公共交通の維持・確保は喫緊の課題となっております。  このため、県では、国、市町と協調し、生活バス路線の運行費などを補助するとともに、人材不足となっている運転手などの確保や市町におけるコミュニティバスやデマンドタクシーの運行を支援しまして、移動手段の確保に努めております。  また、運転免許を自主返納した高齢者の交通費の負担軽減を図るため、既に8市町でタクシーやバスの利用券を贈呈するなどの支援を実施しておりますことから、この取り組みが県内全域に広がるよう市町へ働きかけているところでございます。  加えて、今年度、県が策定する地域公共交通網形成計画において、高齢者はもとより地域住民にとって望ましい公共交通の姿を示すとともに、将来の路線再編も視野に、運行ルートやダイヤの見直しなど利便性の向上に資する方策を検討することとしておりまして、今後ともオール愛媛の体制で地域公共交通の維持・活性化に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(毛利修三議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) ドクターヘリについての御質問のうち、騒音や安全対策についてお答えをいたします。  ドクターヘリを円滑に運航するためには、騒音への配慮が欠かせないことから、基地病院である県立中央病院の立地条件を踏まえまして、離着陸回数を低減させるため、週4日松山空港出動方式を取り入れるとともに、ヘリが進入、出発する際には、住宅地を避けるルートを飛行しているほか、着陸時には速やかにエンジンを停止するなど最大限の軽減策を講じているところであります。  また、運航の安全性を確保するため、県立中央病院屋上ヘリポートの気象状況をリアルタイムで確認できる風向風速計や監視モニターを整備するとともに、ヘリの飛行管理を行う通信センターを県立中央病院と松山空港の双方に設置をいたしまして、運航委託事業者と連携して、安全運航には万全を期しているところであります。  ドクターヘリの騒音や安全運航につきましては、運航開始前から、特に、県立中央病院周辺住民の皆様に対しましては、住民説明会や広報チラシ等により御理解を求めてきたところでありますが、今後もあらゆる機会を捉え、ドクターヘリの安全性、有用性に関する普及啓発に取り組み、県民の皆様の一層の理解促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(菅豊正経済労働部長) 議長 ○(毛利修三議長) 菅経済労働部長   〔菅豊正経済労働部長登壇〕 ○(菅豊正経済労働部長) 国際交流についての御質問のうち、まず、台湾との交流についてお答えいたします。  台湾とは、これまで松山-松山空港チャーター便の運航を初め、道後温泉と台北市北投温泉との交流や高校の姉妹校提携、JR松山駅と台北の松山駅との姉妹駅締結、しまなみ海道と日月潭との姉妹自転車道提携など、官民の枠を超えた幅広い分野での交流を進めてきたところでございます。  こうした交流の積み重ねをもとに、今回のサミットでは、本県の知名度を向上させ誘客拡大を図るため、関係市やJR四国等と連携し、歓迎晩さん会や鉄道観光フォーラム、視察ツアー等の周到な準備を進め、本番では最高のホスピタリティーを示すことができたと考えており、台湾の旅行業界や交通業界のトップらからは、本県の企画や催しを大絶賛いただくとともに、心を尽くしたおもてなしへの感謝や本県への送客に意欲的な声が寄せられるなど大きな手応えを感じております。  今後は、サミットの成果を踏まえ、サイクリングの交流や観光プロモーション等の一層の強化を図るとともに、友好交流覚書を締結している台北市や台中市との交流を深化させるほか、県産品の販路拡大やものづくり技術の提携など実需の創出に向けた経済交流も加速させるなど、双方向の交流と誘客の拡大を図り、チャーター便の運航実績を積み重ねながら、一日も早い定期便化につなげてまいりたいと考えております。  次に、ハワイとの交流についてお答えいたします。  ハワイとの交流は、えひめ丸事故を風化させず、未来志向の関係につなげていくために始まりましたが、ハワイの地元高校生によるえひめ丸慰霊碑のボランティア清掃や民間団体による少年野球大会の相互開催など草の根レベルの交流が定着しており、県でも民間交流窓口として愛媛ハワイ会を立ち上げるとともに、県国際交流協会と連携したサマーインターン生受け入れや県内高校生の派遣などにより、交流を担う人づくりに取り組んでまいりました。  さらに、平成25年度からは、現地日系スーパーで愛媛フェアを毎年開催しておりますが、毎回、県内企業が10社以上参加するなど関心が高く、売り上げも好調で、定番化した県産品も多数あり、海外販路として定着しつつありますことから、品ぞろえ等を拡充しながら継続開催に努めますとともに、現地での新たな販路開拓に取り組むなど、さらなる経済交流の促進を目指しているところでございます。  また、昨年のサイクリングしまなみにハワイ州から11名参加いただいたことをきっかけに、サイクリングを軸とした観光交流の拡大にも努めており、今後も、州政府やハワイ愛媛県人会とも連携し、これまで積み上げてきた交流の拡大、深化に努めるほか、双方の地域経済活性化につながる観光や経済の交流についても積極的に促進してまいりたいと考えております。  以上でございます。
    ○(林学警察本部長) 議長 ○(毛利修三議長) 林警察本部長   〔林学警察本部長登壇〕 ○(林学警察本部長) 高齢者を取り巻く環境についての御質問のうち、まず、特殊詐欺の抑止対策についてお答えをいたします。  県内では、高齢者を対象とした還付金等詐欺に加えて、本年に入り、高齢者を県外の駅付近まで誘い出し、手渡しで現金等をだましとるおれおれ詐欺も発生している状況にあります。  また、電子マネーを購入させる架空請求詐欺は、5月末現在で13件の被害を認知しており、前年同期と比べ9件増加するなど、年齢や性別を問わず被害が増加しています。  県警では、関係機関や事業者等と連携して、被害者の約6割を占める高齢者を重点とした被害防止対策と水際阻止対策のさらなる強化に取り組んでおります。県内に本店を置く銀行のほか、本年4月から愛媛信用金庫においても、一定の条件に該当する振り込みを制限する措置を開始したほか、各警察署では、コンビニエンスストアにおける声かけ訓練を継続的に実施しており、これらの取り組みにより、本年5月末現在、45件約6,800万円の被害を水際で阻止しているところであります。  今後、県警においては、電話により高齢者に注意喚起するコールセンター委託事業等に取り組むなど、官民を挙げて被害防止対策を推進するとともに、さらなる取り締まりの強化により特殊詐欺を抑止してまいる所存であります。  次に、高齢者の交通事故原因の分析等についてお答えいたします。  本年5月末現在の県内における交通事故は、発生件数、死傷者数ともに昨年同期と比べて減少しているものの、全事故に占める高齢者事故の割合及び死者に占める高齢者の割合はともに全国平均を上回っており、高齢者の関係する交通事故の抑止が課題となっております。  県警の交通事故分析・抑止対策室において、さまざまなデータから高齢者が関与する事故の綿密な分析を行った結果、高齢ドライバーの身体機能、認知機能の低下による運転ミスや集中力不足が事故原因となっていることや、高齢歩行者が道路横断時に付近の横断歩道を利用しないなど、交通ルールの遵守に対する意識が低いことが推測をされました。  県警では、高齢者を被害者にも加害者にもしない取り組みとして、全ての年代のドライバーや歩行者等に働きかけるシニア・セーフティ・プロジェクトを展開しているところであり、今後も、関係機関、団体等と連携しながら、事故分析結果を反映した効果的な交通安全教育、指導取り締まり、交通規制等に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(毛利修三議長) 暫時休憩いたします。      午前10時45分 休憩   ―――――――――――――――――      午前11時 再開 ○(毛利修三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(石川稔議員) 議長 ○(毛利修三議長) 石川稔議員   〔石川稔議員登壇〕 ○(石川稔議員) (拍手)おはようございます。  社民党の石川でございます。  去る2月議会で、私は農林水産委員長の任に当たることになり、その任を今日まで経験し、私自身農家の出身ではありますが、その都度が学びと発見で、本県の農・林・水産業の奥の深さを痛感している次第であります。  そこで、まず本県農業に関してお尋ねをいたします。  本県農業の現状と課題を見ると、現在、愛媛の農業を支えているのは、基幹的農業従事者の52%を占める70歳以上の方々でありますが、今後、70歳以上のリタイアが本格化する一方、若い新規就農者は毎年130人必要であるにもかかわらず、過去5年間の平均で102人にとどまっています。このままいけば、10年後には農業従事者は半減するのではないかと危惧されるほか、耕作放棄地もふえ、荒廃農地は約1万2,300haと全国でワースト7位となっています。  県では、これらを打開するために、えひめ次世代ファーマーサポート事業を今後4年間継続し、JA等による新規就農者確保育成支援や就農準備研修支援、また、就農定着支援などを行うようであります。この中には農作業を通じた婚活を促進する事業もあると伺っており、大いにその施策に期待するものであります。  そこで、お尋ねをいたします。  県内総生産に占める本県農業の割合は決して多いとは言えませんが、県土を考えると、本県の基幹産業であるという地位は疑う余地がありません。そのような中、県は、今後、本県農業の担い手の確保、育成に対し、どのように取り組もうとしているのか、お聞かせください。  さて、本県農業の中で積極的な施策展開が求められる一つに、鳥獣害への対策があります。私は昨年の9月議会でも質問をさせていただきましたが、やはり県民の方から切実な声を幾度となく聞き、改めて質問をさせていただきます。  鳥獣被害は、全国的には過去10年を見ると、農作物の被害額は年間176億円から239億円で推移し、本県の被害額は約3億1,000万円から約4億4,000万円で推移しています。  県内の昨年度の被害面積は360ha、被害額はこの10年で最多の約4億4,000万円となっており、主にイノシシやカラス、ヒヨドリ、猿による被害が多く、被害金額の鳥獣別では、イノシシが約2億7,000万円で全体の61%、次いでカラスが約5,100万円で全体の12%などとなっています。作物別では、果樹が3億3,000万円で75%、前年比が119%と約5,000万円の増、次いで米麦が約5,000万円となっており、地域別では南予が約2億6,000万円、中予が約8,900万円、東予が約8,400万円で、南予が全体の60%を占める状況にあります。  また、ニホンジカによる森林被害も約4,700万円に上っていますが、実際の被害額、面積は、農作物、森林ともにこの数字を上回ると推察するのであります。  この鳥獣害は金額の多寡も問題でありますが、農家など生産者の士気に大いに影響し、生産意欲そして耕作放棄地の増加という問題とも大いにかかわりがあると思うのであります。  これまでも県は、愛媛県鳥獣害防止対策推進会議を立ち上げるなどして、攻め、守り、そして地域の体制づくりなどに取り組んでこられ、一定の成果を上げつつもまだまだ十分とは言えないと思うのであります。  そこで、お尋ねをいたします。  本県の農林業における鳥獣害の状況をどう認識し、今後鳥獣害防止対策にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、赤字路線バスに対する補助金についてお尋ねいたします。  国土交通省は、一定の運行回数や輸送実績があり、複数の市町村を走る路線を支援する地域間幹線系統確保維持費について、現在、運行経費の45%を上限に、国と地元自治体が2分の1ずつ支援しているものを、ことし10月から来年9月までを対象として算定する2018年度から、この上限を40%に引き下げる案を検討していました。そして、収益性の高い路線運営や補助金依存からの脱却を促すため、上限引き下げで確保した財源を、増収させれば補助をふやすなど、利用促進に取り組んだ事業者を支援する仕組みに回すとも言われていました。  しかし、人口減少で利用者が減る中、増収や収益改善は言うべくして簡単ではないことは言をまちません。結果として、その路線を維持しようとすれば、当然のことながら、国の補助が減れば事業者や市町村の負担がふえることになります。補助の割合が大きい事業者にとって大きな影響が出ることは必至であり、国と同じく財政状況が厳しい自治体も肩がわりの地元負担の増加を懸念しています。  かかる路線は、乗客が少なく赤字路線であったとしても、利用する高齢者や学生らを初め、いわゆる交通弱者にとってなくてはならない生活の足であります。  地方バスへの補助は住民の生活を守ることが最大の目的で、2002年に乗り合いバスの規制緩和が行われてからも、一定程度の路線が維持されてきたのは、この補助制度の存在が大きいと考えます。安易な補助の引き下げによって、路線の縮小や撤退が進むならば、地方の公共交通の維持確保に重大な影響が生じることは、火を見るよりも明らかであります。  そのような中、国土交通省は去る5月31日に、業界や自治体からの反発が強かったこともあって、赤字路線バスに対する補助金の上限引き下げを当面見送ったとの報道がありました。もしも補助額が減額されたり、その路線が廃止されたりする事態になれば、日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保や、特に高齢者、障がい者、妊産婦等の円滑な移動にも支障を来すおそれがあり、交通政策基本法の趣旨の達成も困難になりかねないと考えるのであります。そのこととあわせて、地方の疲弊を助長し、地方創生にも逆行すると思うのであります。  そこで、お尋ねをいたします。  国は、過疎化が進行する地方の状況を鑑み、交通弱者の生活の足を奪い、地域の切り捨てにつながりかねない地方バス補助の上限引き下げを行うべきではなく、交通政策基本法第13条の財政上の措置、とりわけ地方バス路線の維持確保のための予算を充実すべきと考えますが、県の御所見をお聞かせください。  次に、少子化対策についてお尋ねします。  こいのぼりの産地として有名な埼玉県加須市の市民平和祭では、毎年5月3日に利根川河川敷で、クレーンにつり上げられた全長100mで世界一、重さが330キロ、目玉の直径は10mもあるジャンボこいのぼりが大空を泳ぐ姿を見るイベントが大人気で、ことしも県内外から12万人余が訪れ、子供たちの健やかな成長を願う大盛況の祭典となったそうであります。  そんな子供たちに将来つきたい職業を聞いた2013年の内閣府の調査によると、男子で最も多かったのはスポーツ選手で24.4%、次いで医者など医療関係者が5.4%と続く一方で、公務員が4.2%となっており、安定志向もかいま見ることができます。  また、女子の第1希望は保育士が12.3%で、2位が看護師、介護福祉士の8.6%となり、ともに今の社会に重要な仕事であり、頼もしい限りであります。そのほか、芸能人や芸術家などのユニークな仕事が同率で4位の4.9%で並び、将来が楽しみであります。  子供たちがそれぞれ希望を持ち、努力し、みずからの能力を思い切り発揮して、未来という大空を自由に舞い泳げるチャンスを獲得できるように心から願うものであります。  しかし、少子高齢化が進む我が国では、残念ながら子供の数は減少の一途をたどり、昨年の出生数がついに100万人の大台を割り込み、統計をとり始めた1899年以降初めてで、明治以来の約120年間で最少となりました。  4月1日現在の総務省統計局の推計によれば、15歳未満の数は1,571万人と、1982年から36年連続の減少となるなど過去最低を記録し、総人口に占める割合も1950年には全人口の3分の1を超えていたものが、65年には4分の1に減少し、75年以降は43年連続で低下を続け、今ではわずかに12.4%となって、65歳以上の人口の半分以下に減少しました。  都道府県別では、沖縄県が17.2%と最も高く、次いで滋賀県の14.3%、佐賀県の13.8%と続き、秋田県は最も低くて10.3%、次いで北海道及び青森県の11.2%となっています。  ちなみに、諸外国との比較でも日本の子供の割合は低く、アメリカは19%、フランスが18.3%、イギリスが17.7%となるなど、国全体の平均と比べても、沖縄県以上に高いのであります。  さて、愛媛においても、少子高齢化は全国的な傾向と同じように進行し、第二次ベビーブームの1973年には2万4,648人の出生数がありましたが、その後は徐々に減少し、2016年には9,911人と戦後最低を更新し、合計特殊出生率では2004年に1.33まで低下していたものが、2016年には1.54になりはしましたが、少子化傾向は進行しているのであります。  少子化は未婚率の上昇、晩婚化、晩産化、子育てや教育への経済的な負担のみならず、精神的、身体的な負担感など、さまざまな要因があると言われています。やはり次の世代を担う若者を数多く育てるためには、国や自治体の政策として出産や子育てがしやすい環境づくり、支援システムが不可欠と考えます。  そこで、お尋ねをいたします。  本県においても、少子化対策は喫緊の課題と思いますが、現状を踏まえ、今後どのような対策を講じようとしているのか、お聞かせください。  関連して、自殺の防止対策についてお尋ねいたします。  警察庁の統計によると、我が国の自殺者の数は、2003年の3万4,427人をピークに、2010年からは7年連続で減少し、2016年には2万1,897人となり、1994年以来22年ぶりに2万2,000人を下回ったということであります。これは、2006年施行の自殺対策基本法に基づく各自治体の相談窓口の整備などが背景にあると推察されます。  しかし、2017年版自殺対策白書によれば、世界各国の10万人当たりの自殺者数を比較すると、日本は19.5人でワースト6位、特に女性が3位と高いのであります。フランスの15.1人、アメリカの13.4人という数字を見れば、その多さは明らかだと思います。  このようなことから、政府はこの夏に新たな自殺総合対策大綱を発表し、自殺死亡率を2015年と比べて3割以上減少させる目標を明記するとのことであります。  さて、この白書の中で衝撃的なことは、2015年の5歳ごとの年齢階層別死因によると、男性は10歳から44歳の7階級で自殺が1位、女性は15歳から29歳の3階級で1位ということであります。  つまり、極めて残念な話ではありますが、本来は無限の可能性を秘めた子供たちが、みずからの命を絶つ悲劇が繰り返されているということであります。  警察庁の統計によると、小中高生の自殺は、全国でこの10年間、年間300人前後で推移し、350人を超えた年もあり、昨年は小学生12人、中学生93人、高校生215人だったそうであります。その小中高生の自殺の原因は、学業不振など学校問題が36.3%で最も多く、親子関係の不和など家庭問題が23.4%、鬱病など健康問題が19.7%と多岐にわたるようで、いじめが原因とされたのは6件、1.9%だったそうであります。  自殺予防に詳しい専門家は、子供の自殺はいじめや友人関係といった学校にかかわる要因のほか、家庭や精神疾患など複数の要因からリスクが高い状態となり、その上で何らかのことが引き金になって起きる。いじめは深刻な問題だが、いじめ予防だけでは不十分だと語っています。いじめが疑われるケースでは、いじめ防止対策推進法に基づき、真相解明と再発防止のための調査が学校や教育委員会に義務づけられてはいますが、これまでの大津市、仙台市、取手市の例を見ても、調査結果が十分に共有されているとは言いがたく、いじめを苦にした自殺が後を絶たないのが現状であります。  そこで、お尋ねをいたします。  本県における自殺の現状と、今後、どのような対策を講じていくのか、お聞かせください。  また、学校現場での児童生徒の自殺防止に資する取り組みについてお聞かせください。  次に、今治市への獣医学部誘致についてお尋ねいたします。  今治市が長年にわたって高等教育機関の誘致、開学を熱望し、2007年以降、構造改革特区として15回にわたり粘り強く要望してきたことは、一極集中を排し地方の均衡ある発展といった視点から評価したいし、今治市へ高等教育機関が開設されることへの期待は高いと思われます。  とはいえ、来年4月の開学に向かって事業が進捗している中、今日いろいろと問題が指摘されているため、改めて問題点を整理すべきと考えます。  1つは、この間の地元今治市及び愛媛県における粘り強い要望にもかかわらず、当時の情勢や環境の中において進展、進化していたとは考えられなかったものが、昨年の11月から急展開しており、唐突感は拭えません。  政府は1984年以降、獣医師の需要は満たされているとして、既存の16大学以外の新設は認めてきませんでした。その背景には、人材の過剰供給に対する獣医師会の意向もあったと言われています。  一方、文科省の前川前事務次官の発言やさまざまな文書の存在をして、国家戦略特区の中で決定した過程で、総理の意向も含め、行政の公平性がどのように担保されているのか、不透明さは拭えないのであります。この点が、安倍内閣の支持率の急落につながっているようであります。  2つに、文科省の資料によれば、過去10年間に、全国で大学等の設置時に地方自治体が助成をした事例が27件あります。松山市からは今年度、聖カタリナ大学看護学科設置に際し500万円の助成があるなど、22の事例が10億円以下で、5件のみが10億円以上であります。一番多いのが、国際医療福祉大学医学部に対し、千葉県と成田市が80億円、次いで東北薬科大学医学部に対し、宮城県が30億円、次いで鳥取看護大学に、鳥取県や倉吉市などが15億8,700万円などとなっています。  今回の今治市による約37億円の土地の無償譲渡、施設整備費として、総事業費192億円のうちの96億円の債務負担行為の設定と、愛媛県が今後、検討することとしている支援額については、今治市、愛媛県の財政状況、能力、そして全国的な実例から見て妥当なものでなければなりません。私は全国の実例から見て、突出感は否めないのであります。また、今治市では、事業費が増大した場合においても、これ以上の支出はしないとの論議がなされています。  一方、愛媛県の支援額について数値は明らかにされてはいませんが、今治市の理事者からは、市議会で確実に支援いただけるものと考えるとの答弁がなされており、今治市民はもとより、県民にとっても関心が高く、重要な案件でありながら、いまだ説明がなされていません。  3つに、全国16の獣医学部・学科の定員は930人。これまでの最大は日本大学などの120人で、今回はそれを上回る160人ということで全国最大となり、全体では定員が約17%もふえるのであります。  それらも含め、何ゆえに加計学園となったのか、何ゆえに獣医学部となったのか、誰がいつ提案したのかなど、県政、今治市政とのかかわりの中での決定過程など、県民に対して説明することが必要ではないかと考えるのであります。  そこで、お尋ねをいたします。  今回の今治市への獣医学部の誘致については唐突との感は否めませんが、愛媛県として国の動きをどのように認識されているのか。また、愛媛県の支援について、どのような議論がなされているのか、その経過及び支援額も含めた県の基本姿勢と今後の対応についてお聞かせください。  次に、原発の放射性廃棄物についてお尋ねいたします。  私は、去る5月14日から21日まで県議会の海外派遣の一員として、世界トップレベルのフィンランドの教育、スウェーデンでのバイオガス活用、デンマークでの高福祉の現状について視察してきました。  そして、私が大いに興味を抱いていたのは、フィンランド、オルキルオトにある放射性廃棄物最終処分場であります。  我が国はエネルギー自給が乏しいということで、1960年代から安全、安価、安定的に電気を供給することができるとして核の平和利用を掲げ、安全神話のもとで6年前まで実に54基の原発を稼働させていました。  しかし、1979年のスリーマイルアイランド、1986年のチェルノブイリで原子炉を損傷する大きな事故が発生し、そして2011年3月11日の福島第一原発での事故を目の当たりにし、日本でも原発の危険性が多くの国民の共通の認識となりました。原子炉が損傷する確率は100万年に1回どころか、わずか32年の間に実に5基の原発で炉心損傷を伴う過酷事故が発生し、安全神話はまさに音を立てて崩れ去りました。  しかし、これらの事故の発生のいかんを問わず、常に存在していたのが放射性廃棄物の処理の問題であります。  そのような中、フィンランドで安定した地盤の岩を掘削し、そこに低・中レベルの放射性廃棄物を埋設し、さらに高レベルの放射性廃棄物を埋設するオンカロを建設中であるということで、私たちは首都ヘルシンキから北西に約240キロ離れたオルキルオトにある原発とオンカロギャラリーを視察しました。  豊富な森林資源と19万個近い湖に囲まれ、自然豊かなフィンランドではありますが、電力源は意外にも水力発電の割合が低く、2016年の資料では、一番多いのはこれまた意外で原発が約26%、次いで輸入電力が22%、水力が18%、バイオマス発電が12%などとなっています。  私たちが訪れたオルキルオトも、人里離れたのどかな田舎という印象で、日本が嫌というほど経験してきた津波についてはその心配はないとのことで、原発自体は海抜1mにあるということを聞くと、いささかの驚きを禁じ得ませんでした。  フィンランドでは原子力法を1994年に改正し、国内の原子力発電で発生する放射性廃棄物を全て国内で処理するということを明示し、最終処分場の建設をこの地に決定したとのことであります。この地を含むスカンジナビア半島の地盤はヨーロッパで最も古く、氷河期を何度も経験し、およそ180万年前から安定した状態にあると言われ、既に低レベル、中レベルの放射性廃棄物は岩を掘削した場所に埋設され、その現場を私たちもすぐそばで見ることができました。  フィンランド語で洞窟を意味する最終処分場のオンカロは、オルキルオト原発から約1キロの場所に建設され、地下455mに通じる全長5㎞のトンネルは、既に掘削作業も完了しているとのことであります。そして、2020年から使用済み燃料のカプセル化と埋設を開始し、処分場は100年程度かけて放射性廃棄物を受け入れ、満杯になった後は、最終的にトンネルごと埋め立て密封するとのことであります。埋設するのは黒鉛鋳鉄でできた蜂の巣状の筒、純銅製のカプセル、さらに耐水性のあるベントナイト粘土でカプセルの回りを覆い、堅牢で安定した花崗岩盤内に設けた立て坑内に埋設し、幾重のバリア構造によって、少なくとも10万年もの間放射性物質を生物圏から隔離するそうであります。  私たちは、日本で見ることができない頑丈そうな岩盤が掘削されたトンネルと、低レベル、中レベルの放射性廃棄物が埋設されている現場を見てきました。しかし、何カ所かにはクラックや地下水がしみ出ているところも見ましたし、また、予測できない将来の地殻変動、地下水の流入を思うとき、幾ら地盤の安定したフィンランドとはいえ、人類の歴史をはるかにしのぐこれから10万年先のこの処分場を安全、安定であるとの保証を誰もすることなどできず、将来いかなる想定外の事態が起きないなどと誰が言い切れるのでしょうか。否、起きると考えるほうが妥当ではないかと思うのであります。このフィンランドにおいても、残念ながら放射能に対する楽観性と自然に対する過信を感じずにはおれなかったのであります。  一方で、我が国に目を転じると、既に使用済み燃料は全国の原発の敷地内などに約1万8,000tが保管されており、私は新たな放射性廃棄物を生み出すべきではないという立場からも、再稼働に反対してきたものであります。伊方原発3号機においても、再稼働により必ず使用済み燃料が出続けることとなり、昨年末、四国電力では、使用済み燃料を保管する乾式貯蔵施設を伊方原発敷地内に新設する方向で検討することを表明しています。  そこで、お尋ねをいたします。  私どもは、これまで本会議においても、原発から生み出される放射性廃棄物の処理について質問をしてきましたが、その都度県は国が責任を持つべきものとして、事の重大さを鑑みず、一貫して他人事のような考え方を示してきました。フィンランドでは安定した地盤を持つとしてオンカロの建設を行ってはきましたが、我が国には2,000の活断層があり、昨年の熊本地震では未知の活断層も明らかになっている中、全国で安全に処理できるところなどどこにもあり得ないと考えます。  改めて原発から不可避的に生み出される放射性廃棄物の処理について、県の考え方をお示しください。  以上で私の質問を終わります。
     御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(毛利修三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(毛利修三議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 石川議員に、まず、農業の担い手確保・育成についての御質問にお答えをさせていただきます。  近年の農業従事者の大幅な減少は、生産量の減少や優良農地の荒廃、産地の弱体化など、本県農業の存立基盤そのものを揺るがしかねない事態を招いており、将来に向けて関係者が強い危機意識を共有して、総力を挙げて担い手の確保・育成に取り組まなければならないものと認識します。  このため、県では、地域農業の屋台骨であるJAに対策強化を強く働きかけるとともに、地域の総合農協等を対象とした支援事業を創設し、新規就農者の募集・相談、就農準備のための研修や機械・設備の整備、就農後のフォローアップなど、就農定着までの一貫した支援体制の構築や出資法人の設立等によるJAみずからの農業参入など、JAが主体的かつ前向きに行う担い手確保対策を強力に支援することとしており、今年度から5つの総合農協と2つの農業公社で取り組みが始まっているところであります。  また、地域で頑張る青年・女性農業者等の紹介や就業促進CM動画、農業所得や労働時間が瞬時に計算できる農業経営シミュレーションなど、愛媛農業の魅力と就業情報を満載した就業支援ウエブサイトの開設やワーキングホリデーの実施等を通じ、本県農業のイメージアップや情報発信にも努めており、今後とも、市町や関係団体との連携を強化しながら各般の施策を展開し、多様な担い手の確保・育成に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、獣医学部についての御質問にお答えをさせていただきます。  獣医学部の誘致は、地元今治市の長年の悲願であり、先般、国の主導による国家戦略特区で岩盤規制に穴があき、開学に大きな期待を寄せていたところでありますが、事業主体決定の経緯が不透明であるとして、さきの国会で集中的な審議が行われたものの混乱が収束しておらず、スムーズな開学に向け、学生の募集に影響が出ないか心配しているところであります。  国家戦略特区の認定に関する過程については、これは国での決定事項でありますから、どのような議論があったのか県では承知はしておりませんが、全てをオープンにする姿勢が信頼をつくっていく大事なプロセスだと考えており、政府には、情報を開示し経緯や必要性等を丁寧に説明していただき、国民の疑念が払拭され、無事に開学が迎えられることを願っているということでございます。  県の支援については、現時点では未定でありますが、議論の経過をたどっていきますと、そもそもこの地域につきましては、今治新都市開発の一環として進めてきたものであり、これ随分古い話なんですが、平成12年の都市再生機構、そして愛媛県、今治市の3者の取り決めがございまして、その中で中核施設の整備を県が担うとしていることを踏まえまして、それを受けてこれまで繊維産業技術センターを県として建設した経緯がございます。  そして、獣医学部新設についても、今治市の悲願というものもありましたので一緒になって進めてまいりましたが、獣医学部新設については見通しが立たない状況が続いておりましたので、その過程の中で、代替案として愛媛県としてはサッカースタジアムをかわりの施設としていかがなものかということを今治市に打診をさせていただきました。このことにつきましては、今治市の方で、それはなかなか難しいという結論を出されたところでありますが、何らかの形で具体化できないかということの努力を払ってきたところでございます。  今の県の基本姿勢としては、慢性的に不足している公務員獣医師の確保、また、若者の地元定着による地域活性化等につなげるため、平成19年から今治市と共同で構造改革特区提案を行ってきた経緯も踏まえまして、国による学部の設置認可後に、今治市からの正式な要請を受けて本格的な議論を開始することとしており、今後、今治市に対しての支援額も含めた具体的な対応策を検討していきたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(毛利修三議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 地方バス路線への国の補助に関する御質問にお答えをいたします。  国では、地域間を結ぶ広域的な基幹バス路線を維持するため、県や市町と協調し、運行経費の45%を補助対象経費の上限として、一定の補助要件を満たす路線の運行欠損額の2分の1を補助しているところでございます。  本年3月、国では、対象路線の運行経費について、全国平均で見ると運賃収入により60%は賄えているとして、補助対象経費の上限額を45%から40%に引き下げる案を提示しましたが、この案は、バス路線を懸命に維持し住民生活の足を守っている事業者や地方自治体に対し、一律に負担を押しつけるものであることから、県では、上限額を引き下げないよう国への重要施策要望に盛り込み働きかけたところでありまして、全国各地からも同様の声があったと聞いております。  今回、こうした動きを受けて、上限額の引き下げは見送られましたが、バス事業者の経営は厳しさを増していることから、県といたしましては、これまでの補助水準の維持に加え、地域の実情に応じた要件の緩和によって補助対象路線をふやすなど、国の責任において必要な財源を確保し、将来にわたり地域公共交通ネットワークを存続させるよう、引き続き国に強く要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(高橋正浩防災安全統括部長) 議長 ○(毛利修三議長) 高橋防災安全統括部長   〔高橋正浩防災安全統括部長登壇〕 ○(高橋正浩防災安全統括部長) 放射性廃棄物の処理に関するお尋ねにお答えをいたします。  原子力発電に伴う放射性廃棄物の処理については、エネルギー基本計画にも明示されておりますように、廃棄物を発生させた現世代の責任として、将来世代に負担を先送りしないよう、エネルギー政策をつかさどる国が前面に立って取り組み、国民全体で問題を共有しながら、解決を図っていくべき重大な課題であると認識をしております。  このため、これまでも機会あるごとに国に対して使用済み燃料の中間貯蔵及び最終処分に係る対策を着実に進めていくよう要請してきたところであります。  このような中、国では、平成27年に使用済燃料対策アクションプランを策定し、乾式貯蔵施設の活用・検討などの取り組みを進めるとともに、今後、高レベル放射性廃棄物の最終処分に係る地下環境等の科学的特性マップを提示するとしており、現在マップの位置づけや提示後の取り組み等について理解を促進するため、全国で一般向けのシンポジウムや自治体向け説明会を開催しているところであります。  県としては、徐々にではありますが、国の取り組みが進み始めていると感じており、電気事業者や関係行政機関はもとより国会においても真剣な議論を行い、国民全体の理解を促進しながら、国が責任を持って着実に取り組みを進めていただきたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(毛利修三議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 本県の少子化の現状と今後の対策についてお答えをいたします。  国全体で少子化が進行する中、本県の合計特殊出生率は全国平均を上回り、ここ数年は上昇傾向にございますが、出生数自体は、昨年戦後初めて1万人を割り込むなど、依然厳しい状況が続いております。  本県では、これまで市町と連携した保育所等の整備や乳幼児医療費助成などに加えまして、えひめ結婚支援センターにおける出会いの場の創出やスマートフォンアプリきらきらナビによる子育て情報の提供など、本県独自の支援策を展開しておりまして、さらに今年度からは、市町や県内紙おむつメーカーと協働した愛顔の子育て応援事業を開始するほか、企業等の若手職員に対し職域を超えた出会いの場を提供する大規模交流会を開催するなど、若い世代への支援を拡充し、少子化対策の強化を図ることとしております。  今後とも、オール愛媛の体制のもとで、若者の地元定着や雇用創出、子育て世帯の県内移住の促進のほか、仕事と育児の両立に向けた労働環境の整備など、社会全体で子育てを支援する体制づくりを進め、地域の実情に即した実効性のある少子化対策に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、自殺防止対策についての御質問のうち、本県における自殺の現状と今後の対策についてお答えをいたします。  本県における自殺者数は、平成19年以降減少傾向にございまして、平成18年の440人から昨年は268人まで減少をいたしましたが、人口10万人当たりの自殺者数は全国第12位の19.4人と高く、依然として多くの方が自殺で亡くなっており、自殺対策は本県にとって重要な課題と認識をしております。  このため、県では、自殺対策基本法に基づきまして、本年3月に愛媛県自殺対策計画を策定いたしまして、若年層を初め、中高年層、高齢者といったライフステージに沿った自殺予防の支援、自殺未遂者等への支援、自死遺族等への支援、この3つを重点項目に位置づけまして、自殺対策に取り組んでおります。  県計画では、人口10万人当たりの自殺者数を18.4人以下に減少させるなどの数値目標を掲げまして、家庭、学校、地域、職域などとの連携・協力体制を強化して取り組むこととしておりまして、相談・支援体制の強化や実務担当者の研修等による人材育成、さらには身近な人の変調に気づき、支援につなげる命の門番、いわゆるゲートキーパーの拡充等を図りますとともに、心と体の健康センターや保健所等における心のケアの充実に努めるなど、本県の実態や各世代の特性に応じた効果的な自殺対策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(毛利修三議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 鳥獣害防止対策への取り組みについてお答えをいたします。  有害鳥獣による本県の農作物被害額は、関係者の懸命な努力で捕獲頭数を伸ばす中、平成27年度までの3年間は3億8,000万円前後で推移をしておりましたが、平成28年度は前年度を5,000万円上回る約4億4,000万円となり、被害面積も前年度を11%上回ったほか、森林の被害も拡大をしております。  中でも、被害額の過半を占める果樹被害の伸びが大きく、価格上昇が続く温州ミカンに加え、甘平やせとかなど高単価の中晩柑類の被害がふえたことによりまして、果樹被害だけで約5,000万円の増加となるなど、愛媛農業の代名詞ともなっている柑橘の被害が拡大しましたことは、生産者のダメージも大きく、大変厳しい状況と受けとめております。  県では、捕獲を強化する攻め、被害を防除する守り、集落ぐるみで防ぐ地域体制づくりの3本柱で防止対策を推進しておりますが、今年度からは、年間捕獲目標頭数をイノシシで2割増、ニホンジカは3倍以上に引き上げるなど、攻めの対策を強化いたしますほか、若い狩猟者等の育成や狩猟名人のわざの伝承、獣肉処理技術の普及と流通支援、ICTを活用した大量捕獲技術の実用化に向けた実証・研究など各般の対策を総合的に展開しながら、被害の軽減、防止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(井上正教育長) 議長 ○(毛利修三議長) 井上教育長   〔井上正教育長登壇〕 ○(井上正教育長) 自殺防止対策のうち、学校現場での児童生徒の自殺防止に資する取り組みについて、お答えをさせていただきます。  学校現場におきましては、児童生徒がかけがえのない命をみずから絶つことのないよう、道徳教育はもとより、小学校では動植物の飼育や栽培、中学校や高校では乳幼児との触れ合いや高齢者との交流などの体験活動を通じて、命のとうとさに対する意識や自己肯定感を醸成し、他者を思いやる心情や態度を養っているところでございます。  また、児童生徒が抱える悩みや問題に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの配置、いじめ相談ダイヤル24を初めとする電話、面談等による相談体制の充実を図りますとともに、全国的に自殺の増加が指摘される長期休業明けの前後には、保護者や地域住民等と連携しまして、学校内外における児童生徒の見守り活動の強化に努めております。  県教育委員会といたしましては、引き続き家庭や地域、関係機関と緊密に連携し、子供が発する救いの声に的確に応えるとともに、各人が互いに生命や人格を尊重し合いながら生きていく意識の涵養を図ることにより、効果的な自殺防止に努め、未来に向かってたくましく生き抜く児童生徒を育成してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(毛利修三議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時49分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(毛利修三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(菊池伸英議員) 議長 ○(毛利修三議長) 菊池伸英議員   〔菊池伸英議員登壇〕 ○(菊池伸英議員) (拍手)菊池伸英です。  質問に入ります。  第六次愛媛県長期計画「愛媛の未来づくりプラン」第2期アクションプログラム編には、活力ある産業づくり、農林水産業の振興、観光・交流の拡大や交通ネットワークの整備、支え合う福祉社会づくり、安全・安心な暮らしづくり、地域で取り組む子育て・子育ち支援、自然と共生する社会の実現など、政策が多岐にわたり記されています。  また、その中で、県民ニーズの把握については、県政モニター約250名を活用することとされています。平成24年度当初、県民ニーズ調査のためのモニターは259名でしたが、平成28年4月時点のモニター数は163名まで減少しています。そのうち回答があった人数がわずか91名で、その内訳は、一般72名、学生19名と、サンプル数としては少ないように思いますが、この数字について、県民ニーズを把握する上で十分とお考えでしょうか。であるならば、その根拠をお示しください。  次に、具体的な政策について、産業を担う人づくりについて伺います。  県民ニーズ調査から見て優先度が高い割に県民満足度の低い施策は何か。県政モニター91名の回答によりますと、若年者等の就職支援と産業人材力の強化という結果が見えてきます。景気が少し上向いたかと思うと、たちまちドライバー確保に苦労する運送会社や、人手不足から営業時間を短縮もしくは苛酷な労働を強いる飲食店などブラックバイトに関するニュースもよく耳にします。需要に対し、労働供給が追いついていないという現状は、経済成長にとって足かせともなりかねないゆゆしき状況で、大企業より中小企業、製造業より非製造業、とりわけ飲食業や運輸関係、建設業でより深刻化しています。  若年者の就職と産業人材力について、2年に1回実施されています愛媛県政に関する県民意識調査の若年者雇用対策の項目を調べ読み解いた結果、平成26年度よりも28年度に関心が増加しているものに、インターンの実施のプラス1.7ポイント、就業の定着のプラス2.8ポイントと、いずれも就職前のイメージと就職後のミスマッチという部分がフォーカスされていることがわかりました。  そこで、平成26年度から愛媛県で実施されています若年者地域雇用マッチング事業において、OFF-JTとOJTを組み合わせた研修の機会を設け、若年者と企業とのマッチングを図ることは、就職活動中の若年者にとっても受け入れる企業にとっても、非常によい取り組みかと思いますが、実習先企業の業種は製造業のみでありました。今後、加速する高齢化社会においては、物よりもサービスに対する需要が高まると思うのです。  若年者地域雇用マッチング事業では、何名の研修生が実習を受け、実際に何名が就職につながったのか。また、その実績を踏まえて、製造業に限らず、サービス業を含む各種分野で雇用創出、人材確保・育成に取り組む考えはないのか、御所見をお聞かせください。  関連して、地域外就職についてお尋ねします。  現在、愛媛県内の高校、大学を卒業する学生の就職内定率は高い数値で推移しています。愛媛未来づくりプランにおける若年者等の就職支援と産業人材力の強化を見ましても、県内高校新規卒業者の就職決定率は98.9%、県内大学新規卒業者の就職決定率も93.1%と高いのですが、県内の就職率に着目しますと、その割合は49.2%であり、大学を卒業して県内に就職する若者は半数しかおらず、残りの半数は愛媛県以外で就職しているのです。内閣府が提供しています就職者流出の推移を見ても、平成24年以降、流出は増加の一途をたどっています。  こうした状況の中、よい会社を求める学生とよい学生を求める企業をマッチングすること、それは安心して働ける企業で意欲と能力を備えた若者が働くことであり、それには地域の政策力と教育力が問われると思いますが、愛媛県で学んだ学生が愛媛県で就職し定住するための施策など、県が企業と若者のかけ橋となり、県内就職率向上に一役買うおつもりはないか、お尋ねをいたします。  愛媛県版まち・ひと・しごと創生総合戦略の概要に、目指すべき将来の方向性と具体的な施策という一覧表が掲載されています。総合戦略本文には、重要業績評価指標KPIが示され、現状値と目指すべき数値目標の双方が掲げられています。現状値と目標値がどれだけかけ離れているか、どれほど実績を積めば目標が達成できるかを調べてみましたが、こうした数値等を一覧表のような形で俯瞰して見られる状態で県民に公表すれば、これら取り組みがより一層県民に理解していただけるのではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  各重要業績評価指標を県民にわかりやすい一覧表などの形式で公表するおつもりはないか。また、昨年度までの取り組み状況を実績及び進捗率という形でお示しください。  次に、四国4県の共同の地域政策研究機関についてお伺いします。  公益財団法人えひめ地域政策研究センターの発刊する調査研究情報誌「ECPR」の財団設立40周年記念号は、いわゆる地方創生について、しっかりと研究されている専門家の提言がまとめられています。  その中で、これからの地域課題に対する政策提言では、中国地方5県共同の研究センターとして、島根県中山間地域研究センターが紹介されています。このセンターは、島根県だけではなく、中山間地域の活性化という面で、広域的に研究活動を発信されています。全国どこにでも中山間地域はあるわけですから、抱える問題は共通しています。とすれば、当然に、課題解決の方法も他の地域事例に倣うことが可能であると考えます。  5県共同の研究機関の取り組みが中国地方の中山間地域全体で共有され、移住や定住、空き家対策が先進的に進み、成果も上がっているのではないかと思うのですが、四国地方の地理条件も中国地方とほぼ同じと考えますと、4県共同で四国のこれからについて研究し政策提言をしていくような機関をつくる必要があるのではないでしょうか。  愛媛県には中山間地域もあれば、島嶼部、松山市のような中核市もあるなど、四国の地理特性の全てがあるわけですから、4県共同の研究・政策提言機関を、愛媛県がリーダーシップをとって設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。  島根県中山間地域研究センターの藤山浩さんは、地域に1%の人口と所得を取り戻すこと、それによって地域の自立した活動を促し、マス・ローカリズムの手法と情報の横展開を訴えておられます。  愛媛県では、県と市町が総合力を発揮し、新たな課題に即応する新規施策を創出、実行することで、チーム愛媛のさらなる拡大、深化を目指しているところです。  近い将来において、積極的に市町と連携し、地域課題についての情報の横展開を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。  新聞で、人材こそ地方創生の原動力という文字を目にしました。本当にそのとおりだと思います。愛媛県版まち・ひと・しごと創生総合戦略にも、学校、教育、子育てという人材についての項目が多いことに気づきました。  このことから、愛媛県内に意欲のある優秀な人材を育む環境の整備を強化すべきと考えますが、地方創生に寄与する愛媛県の高等教育行政についてどのようにお考えか、お聞かせください。  観光庁のデータによりますと、平成28年の1年間に愛媛県を訪れた外国人宿泊旅行者は14万6,390人で、平成29年に日本を訪れた外国人旅行者は、5カ月が経過した5月13日時点で、既に1,000万人を超えたそうです。  観光庁は、平成32年には訪日外国人旅行者4,000万人を目指していますが、愛媛県は将来到達目標として、平成32年の外国人宿泊客を29万7,000人としています。この数字を単純に比べますと、愛媛県の目標数値は、日本全体の1%以下となります。県は平成28年12月、前向きに目標値を見直しましたが、国の目標値を踏まえ、再度見直すつもりはないか、お聞かせください。  冒頭に申し上げましたが、日本への外国人旅行者の急速な増加の背景には、航空路線の拡充や大型クルーズ船の寄港によりアジアからの訪日客が増加したことがあると思われます。バスからおりた団体旅行者が、高額商品を大量に買う爆買いという言葉も一時はやりましたが、今ではそれも落ちつき、花見や登山などの体験型ツアーや個人旅行者がふえているようです。  愛媛県におきましては、松山-上海便が週2便あり、中国からの観光客は見込めそうですが、韓国、台湾、香港、マレーシア、シンガポール、ベトナム、タイ、インドネシアなどのアジア圏、さらにはアメリカやヨーロッパなどからの外国人観光客は、広島県や香川県経由で愛媛県に足を運んでいる現状です。
     報道によりますと、平成28年のクルーズ船の四国寄港は計56回で、そのうち外国船の寄港が36回です。56回の内訳は、高知港で23回、宇和島港9回、高松港8回、徳島小松島港8回、松山港は1回などとなっており、近隣の神戸港104回、広島港47回、別府港19回に比べ、大きく引き離されている状況で、先日、国土交通省四国地方整備局によって、クルーズ船の寄港回数が少ない高松港と坂出港、松山港について誘致策を考える検討会が開催された次第です。観光客の増加による交流人口がもたらす観光消費が、地域に新たな需要を生み出すことは御案内のとおりです。  そこで、お伺いしますが、昨年、宇和島港の9回に対し、松山港には外国船が1回しか寄港していません。松山港の整備や受け入れ態勢は、現在どのような状況にあるのでしょうか。  県庁所在地である松山港への寄港による経済波及効果は大きいと思いますが、クルーズ船の寄港には、松山港の三津浜港内港地区や高浜港高浜地区といった既存の施設を有効に活用しつつ、旅客船ターミナルの整備やクルーズ客の円滑な周遊を後押しする環境整備、さらには県のみならず、観光協会のサポートなど受け入れ態勢の充実、強化が不可欠です。クルーズ船の誘致のためには、港や駐車場といったハード面の整備が必要となりますが、今後、どのように進めていかれるのかお尋ねします。  また、通訳や地域のアピールを行う人材育成といったソフト面の対策も必要と考えますが、これらについて、県の御所見をお聞かせください。  クルーズ船の寄港回数を増加させている隣の高知港におきましては、県が海外でPRするなど積極的な取り組みをされており、ほぼ毎月巨大クルーズ船が入港していると仄聞しています。香川県もクルーズ船の運航会社に地域のイベント情報を発信するなど、営業努力をされているようですが、愛媛県では、クルーズ船寄港の積極的な受け入れについて、どのような誘致活動を今までされてきたのか。また、これからどのように取り組むのか、前向きな対応策についてお聞かせください。  ちなみに、クルーズ船の寄港地における経済効果は、1人当たり3万円から4万円と試算されています。一度に多くの観光客が訪れ、飲食やショッピングによる経済効果のみならず、全世界に地域の魅力を発信するきっかけとなり、外国人観光客との交流が進展するなど、地方創生に大きく寄与するものと思います。  つい先日、大型石炭船が松山港外港地区に初入港いたしました。愛媛県の国際、国内の海上物流・交流の拠点である松山港外港地区国際物流ターミナルは、水深13mの岸壁とガントリークレーンを新たに整備することで、大型船舶の入港や2隻同時着岸が可能となることで、物流による経済効果が増長し、地域経済の成長力向上に寄与するものと期待をしています。  今回の整備によって、例えば、豪州から新居浜港に到着した貨物が、トラックによって松山港まで輸送されていた手間は省かれます。ネット通販等の拡大からドライバー不足に悩んでいた運輸業界への過度の負担が減り、その負荷は他産業に分散されます。  鉄道貨物が見直されてきた今、港に着いたコンテナをトラックのみだけで運ぶのではなく、将来的には、松山港外港地区までJR路線を引き込むことで、貨物鉄道を利用して四国全域に流通させるシステムを整備することが、長い目で見ると必要ではないでしょうか。これらの発想により、愛媛県は四国の貨物運搬の玄関口ともなり得ると思いますが、御所見をお聞かせください。  また、先日、兵庫県尼崎市のコンテナに続き、神戸市のポートアイランドのコンテナヤードでも、強い毒を持つ外来種のアリ、ヒアリが見つかったとの報道がありました。松山港外港地区国際物流ターミナルを初め、県内には海外からコンテナが入ってくる港がありますが、愛媛県におけるヒアリほか外来生物への対策はどのようになっているのか、お聞かせをください。  既に、デモンストレーションスポーツ競技は、県内各地で開催されていますが、いよいよ9月30日に天皇、皇后をお迎えし、えひめ国体が開会いたします。国体に向けて愛媛県が一丸となり、ハード・ソフト面ともに環境を整えてきたわけですが、一つ気になることがございます。それは松山市の繁華街での客引きが後を絶たないことです。  愛媛県におきましては、国体を見据え、既に平成26年には、路上での客引き行為の禁止対象を大幅に広げ、厳罰化し、新たに路上でのキャバクラ、ホストクラブへの客引きやスカウトなどを禁止する愛媛県迷惑防止条例を改正したのは御案内のとおりです。さらに、平成27年2月1日から、名称も新たに愛媛県迷惑行為防止条例として、不当な客引き行為等が禁止されています。にもかかわらず、松山市の週末の繁華街の交差点などでは、他人の進路に立ち塞がるなど通行を妨げて飲食店への客引きをする人たちが多く、1人で歩くのが怖いといった声や、何度も声をかけられ、うっとうしいといった訴え、また、たばこの吸い殻やガムを捨てるといった行為などに対する苦情を耳にします。  こういった行為に、地元の人はある程度なれておりますが、他県の方は驚き、迷惑をしている状況です。国体を控え、来県者が増加するに当たり、多くの県民がお接待の心でおもてなしをする中、繁華街がこのような状況では、まちのイメージ、さらには愛媛県全体の評価が悪くなることは否めません。愛顔つなぐえひめ国体の成功を祈る一県民として、何とか措置を講じていただきたいと願うものです。  大阪では、指定区域でのあらゆる客引き行為を禁じ、悪質な違反者には過料を科すという厳しい条例により、客引きがいなくなったと仄聞しています。そこまでとは申しませんが、せめて国体終了までの期間は、ある程度厳しく取り締まっていただきたいと思うのです。  県警は、松山市の繁華街での客引き等の現状をどう認識され、今後、どのように対処されるおつもりか、お聞かせください。  次に、発達障がいへの支援についてお伺いします。  2歳の男の子A君は、1歳半健診で言葉のおくれを指摘されました。また、4歳の双子の女の子は、いずれも集団行動ができず、いつもおうちの中で2人で遊んでいます。3年生になったばかりのB君は、勉強についていけず、担任の先生に特別支援学級への編入を勧められました。特別支援学校高等部3年のC君は、それまで自己肯定感が持てず、みずからの主張をすることも余りありませんでしたが、就労支援の事業所を体験利用し、支援員の先生の後押しによってこれまでより明るく積極的になったそうです。また、どこか落ちつきのない50歳の男性Dさんは、職場の産業医の助言で精神科を受診し、生まれて初めてアスペルガー症候群と診断され驚きました。  皆さんもこうした話を近年よく耳にされ始めたのではないでしょうか。そもそも精神障がい自体が、身体障がいや知的障がいと同等に取り扱われ始めた歴史はいまだ浅い中、精神障がいの中でもとりわけ発達障がいに関し、近年になってやっと正しい理解と支援の方向性が徐々にではありますが示され始めたのです。このことは、本人はもとより、御家族の皆様にとってよりよい生活環境が生み出される前兆であり、今後さらに共生社会が深まりを見せることを願ってやみません。  そこで、まず1点、発達障がいの定義と発現規模についてお伺いします。  平成17年4月に施行された発達障害者支援法は、11年後の平成28年6月に初めて改正されました。次に、発達障害者支援法の改正ポイントについてお伺いいたします。  発達障がいについては、発見時期の早さとその後の支援のあり方が大切だと聞きますが、発達障がい児の早期発見と個別の発達支援の具体策についてお聞かせください。  発達障がいの問題点として、親御さんの受容ぐあいがよく取り沙汰されますが、発達障がい児の家族等への支援についてお伺いします。  発達障がいが認められた児童に対しては、支援者による長期の支援計画が必須であると思いますが、発達障がい児への段階的支援のあり方について御教示ください。  発達障がい者支援における県の重要な役割の一つとして就労支援があります。その後の地域支援及び権利擁護、司法手続での配慮などとあわせ、発達障がい者への将来的支援についてもお聞かせください。  最後に、発達障がい者支援センターについてお伺いします。  発達障害者支援法の施行からわずか12年の今日、発達障がいという精神障がいへの理解がまだまだ進んでいない状況下、当事者家族がとにかく誰かに相談したいと思う気持ちはおもんぱかって余りあるものがあります。こうしたとき、当事者家族のさまざまな痛みを受けとめ、あらゆるつらさを共有し、確かなアドバイスをくれる支援センターは、何物にもかえがたい存在ではないかと思います。  そこで、本県の発達障がい者支援センターの取り組み状況についてお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○(毛利修三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(毛利修三議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 菊池議員に、私の方から発達障がい者支援センターについての御質問にお答えをさせていただきます。  県発達障がい者支援センターは、発達障がい者や家族等からの年間約4,000件の相談に対応し、支援方法の助言や就労関連情報の提供、関係機関の紹介等の支援活動を行うほか、支援関係者に対する専門的な研修を実施するなど、県内の発達障がい者に関する総合的支援拠点としての役割を果たしているところであります。  県では、発達障がいに関する支援のニーズの高まりを踏まえ、今年度から新たに当事者団体や医療、福祉、教育関係機関等で構成する発達障がい者支援協議会を設置するとともに、東・中・南予圏域に地域支援マネージャーを配置し連携強化を図っているところであり、今後とも県発達障がい者支援センターを核とする支援体制の充実に努め、県内のどの地域であっても、発達障がい者や家族等がきめ細かな支援を切れ目なく受けられるような環境整備に取り組むこととしております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(門田泰広総務部長) 議長 ○(毛利修三議長) 門田総務部長   〔門田泰広総務部長登壇〕 ○(門田泰広総務部長) 県版まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する御質問のうち、市町との連携のもとに、地域課題についての情報の横展開を進めてはどうかというお尋ねにお答えをさせていただきます。  県におきましては、県・市町連携推進本部を中心に、市町と連携して、人口問題や防災・減災対策などさまざまな地域課題に取り組んできたところであり、これまで151の連携施策を創出、実行し、具体の成果もあらわれてきております。  さらに、各市町が共通して直面する行政改革や地域課題に対して先進的な取り組み事例を互いに共有し、みずからの施策に活用するため、行革甲子園や先進事例研究会を実施してきたところでございまして、今後ともこれらの取り組みを通じて、地域課題の解決に向けた市町のさまざまな施策の横展開を進め、チーム愛媛のさらなる拡大、深化を図ることとしております。  以上でございます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(毛利修三議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) まず、県長期計画に関する御質問のうち、県民ニーズ調査についてお答えをいたします。  県長期計画の推進に当たっては、県政モニターに対する県民ニーズ調査に加えまして、愛媛の未来づくりプラン推進懇話会において、外部有識者からも幅広く意見をいただいております。また、県民世論調査や知事への提言メール、知事とみんなの愛顔でトークなどを通じまして、直接県民の皆さんからも御意見をいただいておりまして、県民ニーズの把握は十分にできていると認識をしております。  なお、県政モニターの人数につきましては、平成27年度に県内大学生等の学生モニター枠を新設するなど増員に努めておりまして、今年度は218名を対象にニーズ調査を実施したところでございます。  続きまして、県版まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する御質問のうち、まず重要業績評価指標についてお答えをいたします。  県版総合戦略に設定している重要業績評価指標KPIの達成状況の一覧表は、県ホームページにおきまして、まち・ひと・しごと創生の中の人口問題総合戦略専門委員会のページで既に公開をしております。  また、昨年度までの取り組み状況については、7月下旬ごろに取りまとめる予定ですが、27年度までの実績及び進捗状況は、目標値を達成したものが21指標、現状値から上昇または横ばいが55指標、下降したものが7指標となっております。  次に、四国4県共同の研究・提言機関の設置についてお答えをいたします。  四国4県の共通課題については、これまでも「四国はひとつ」4県連携施策を活用しまして、危機発生時の広域応援のあり方や地球温暖化防止活動などの研究を実施するとともに、文化や観光、産業振興など幅広い分野で4県一体となった施策を展開しているところでございます。  また、今年度は、四国4県と四国経済連合会では、地元銀行系のシンクタンクに委託しまして、新幹線導入の波及効果等について調査を行うなど、必要に応じて4県が連携して取り組みを進めていることから、現時点で共同の研究・政策提言機関を設置することは考えておりません。  最後に、高等教育行政に関する所見についてお答えをいたします。  地方創生の推進に当たっては、地域産業の発展に貢献するすぐれた人材の育成や産学官連携による研究開発が重要でありまして、これらの機能をあわせ持つ大学などの高等教育機関の果たす役割は大きいことから、県版総合戦略においても地元大学を重要なパートナーと位置づけまして、さまざまな施策を積極的に展開しているところでございます。  以上でございます。 ○(大森尚子県民環境部長) 議長 ○(毛利修三議長) 大森県民環境部長   〔大森尚子県民環境部長登壇〕 ○(大森尚子県民環境部長) クルーズ船の寄港に関する御質問のうち、ヒアリほか外来生物への対策についてお答えをさせていただきます。  人体や生態系等への被害が懸念される特定外来生物については、侵入や拡散を防止する必要があるため、速やかに特定外来生物であることを確定できるよう、国や専門家等と連携した初動体制を整備するとともに、確定した際には市町と協力して、迅速な捕獲、防除等を行っているところでございます。  ヒアリについては、国からの緊急要請に基づき、港湾の調査を行っているところであり、個体が発見された場合には、国及び関係機関と連携して防除等の対応を行うこととしております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(毛利修三議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 発達障がい者への支援についての御質問のうち、まず発達障がいの定義と発現規模についてお答えをいたします。  発達障がいとは、発達障害者支援法によりまして「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義をされております。  発現規模につきましては、厚生労働省によると、おおむね広汎性発達障害は1から2%、学習障害は2から10%存在し、就学前後までに発現する注意欠陥多動性障害については、学童期の子供に3から7%存在すると言われているところでございます。  次に、発達障害者支援法の改正ポイントについてでございますが、改正発達障害者支援法では、ライフステージを通じた切れ目のない支援、家族なども含めたきめ細かな支援、地域の身近な場所で受けられる支援、この3つが主な改正ポイントと位置づけられておりまして、発達障がい者一人一人の日常生活や社会生活の支援に取り組むこととされているところでございます。  次に、発達障がい児の早期発見と個別の発達支援についてでございます。  県では、かかりつけ医等を対象といたしまして、発達障がい対応力向上研修等を実施いたしますとともに、市町では乳幼児健診等において、発達障がい児の早期発見に努めております。  また、個別の発達支援につきましては、市町事業として、専門的な職員を配置した障がい児通所サービス提供事業者によりまして、児童発達支援や保育所等訪問支援など、発達障がい児の個々の障がいの特性に応じた療育や支援が行われているところでございます。  次に、発達障がい児の家族等への支援についてでございます。  県発達障がい者支援センターでは、家族等への支援を図るため、平成25年度に「発達障害者支援ハンドブック」を作成いたしまして、発達障がいへの対応や支援機関等の情報提供を行いますとともに、同センターや市町の相談窓口におきましては、発達障がい児の御家族の不安な心情を酌み取りながら、さまざまな相談に対してきめ細かな対応に努めているところでございます。  次に、発達障がい児への段階的支援についてでございます。  発達障がい児に対しては、就学前、学齢期など各ステージに応じた支援が必要となりますことから、各市町では保健センター等による相談支援、就学前の児童発達支援、学齢期における放課後等デイサービスなど、各段階に応じた支援を行っているところでありまして、県では、東・中・南予に地域支援マネージャーを配置いたしまして、長期的な支援に向けた関係機関の連携強化に取り組んでいるところでございます。  次に、地域支援、権利擁護など、発達障がい者への将来的支援についてでございます。  県では、障がい者就業・生活支援センターを県内6カ所に設置をいたしまして、就業と生活の一体的な相談支援を行っておりますほか、県障がい者権利擁護センター等における虐待、差別に関する相談支援や、市町による成年後見制度の利用促進等を図りまして、発達障がい者の将来にわたる支援に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 ○(菅豊正経済労働部長) 議長 ○(毛利修三議長) 菅経済労働部長   〔菅豊正経済労働部長登壇〕 ○(菅豊正経済労働部長) まず、県長期計画についての御質問のうち、若年者地域雇用マッチング事業の実績等についてお答えいたします。  この事業では、平成26年度からの3年間で94名が研修に参加し、うち10名が研修派遣先の食品製造業等に就職をいたしました。この実績を検証いたしまして、今回の補正予算案にものづくり企業が実施する新規雇用者への人材育成研修を支援する事業を計上いたしましたが、このほかにも県では、ジョブカフェ愛workを核に、幅広い分野で若年人材の確保、育成に努めており、情報サービス業や宿泊、飲食サービス業における職業訓練にも取り組んでいるところでございます。  次に、若者の県内就職率向上のための取り組みについてお答えをいたします。  県では、県内企業の魅力発信を初め、職場見学や交流会等による若者と企業とのマッチングに努めますとともに、中高生向けスゴ技企業の紹介冊子の作成、配布や、中学生による職場体験学習の拡充などにより、地域企業の周知や地域理解の促進を図りますほか、本県出身学生に対しましては、合同会社説明会等の開催に加え、今年度から新たにインターンシップ受け入れ体制を整備し地元就職を支援するなど、これまでも若者の県内就職の促進に努力しているところでございます。  次に、クルーズ船の御質問のうち、外国人宿泊者の目標値の見直しについてお答えをいたします。  県では、国の明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、2020年の地方における延べ宿泊者数の目標が約3倍に設定されましたことから、昨年12月、第2期県観光振興基本計画における外国人宿泊者数の2020年到達目標を、国と歩調を合わせて、2015年の約3倍となる29万7,000人泊に上方修正したものでございまして、現時点で目標値を再度見直す考えはございません。  次に、人材育成などソフト面の対策についてお答えいたします。  県では、県観光物産協会等の関係機関と連携し、宿泊施設などの観光関係者を対象とした英語・中国語・韓国語の接遇研修や、外国語ボランティア通訳ガイドのスキルアップ研修などを通じまして人材育成に努めており、今後も愛媛版DMOとも連携しながら、外国人観光客に対するおもてなし度を高め、クルーズ客を含め、本県を訪れる外国人観光客の受け入れ態勢の充実に取り組むことといたしております。  次に、クルーズ船の誘致活動についてお答えいたします。  県では、全国クルーズ活性化会議のホームページ等を活用いたしまして、県内の港湾情報を発信いたしますとともに、海外のクルーズ船社との商談会に参加するほか、地元市などと連携をいたしまして、寄港時の歓迎、おもてなしイベントの実施等に取り組んでおります。  また、県観光振興基本計画にクルーズをインバウンドに生かす取り組みの検討を盛り込んでおりまして、本年5月から国主宰の検討会に参画をしておりますほか、先週も県内関係市町との勉強会を開催するなど、市町や地元観光事業者等の意見も聞きながら、誘致活動のあり方や寄港促進に向けた方策を検討しているところでございます。  次に、松山港外港地区までJR路線を引き込み、四国全体の流通システムを整備してはとの御質問にお答えをいたします。  コンテナ港湾とJRの直結による輸送方式は、首都圏の港湾で検討が進められておりますが、鉄道整備に係る費用負担やコンテナ規格への対応、荷主需要の創出など、課題も多いと聞いております。一方、松山港のコンテナ貨物の大部分は、松山港周辺立地企業の原材料及び製品でございまして、トラック輸送により円滑に物流されており、当面は支障がないと見込まれますため、現時点ではJR路線の必要性は低いと考えております。  以上でございます。
    ○(樋口志朗土木部長) 議長 ○(毛利修三議長) 樋口土木部長   〔樋口志朗土木部長登壇〕 ○(樋口志朗土木部長) クルーズ船の寄港に関する御質問のうち、まず、松山港の整備や受け入れ態勢についてお答えいたします。  松山港は、数多くの定期旅客船や貨物船等に利用されており、岸壁やその背後地では、人や車の乗降や貨物の積みおろし等の作業が恒常的に行われておりますことから、クルーズ船を受け入れるためには、既存の港湾利用者との調整が必要であります。松山港におきまして、現在、このような調整が可能で十分な水深や延長を有する施設は外港地区第1埠頭であり、出入国管理等のための保安設備も有しておりますことから、松山港では、過去5年間で13回クルーズ船の寄港実績がございます。  次に、港や駐車場といったハード整備についてお答えをいたします。  松山港外港地区第1埠頭は、背後に大型観光バスの駐車場等として使用できる十分な用地を備えておりまして、これまで松山港に寄港しましたクルーズ船は、全てこの施設を利用しております。現在のところ、クルーズ船の寄港はこの施設で対応できておりますが、今後、船会社等から具体的な整備の要望があった場合には、改めて対応を検討することとしております。  以上でございます。 ○(林学警察本部長) 議長 ○(毛利修三議長) 林警察本部長   〔林学警察本部長登壇〕 ○(林学警察本部長) 松山市の繁華街の対策等についての御質問にお答えいたします。  県警としては、松山市の繁華街における悪質な客引き等の違法行為は、県民や来県者の安全・安心を損なうものと認識をしており、昨年中10件14人を検挙しているところであります。これらに対しては、引き続き必要な指導取り締まりを行うとともに、地元商店街等と連携した官民協働による各種対策を推進することとしております。  以上でございます。 ○(毛利修三議長) 暫時休憩いたします。      午後1時47分 休憩   ―――――――――――――――――      午後2時5分 再開 ○(毛利修三議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(西原進平議員) 議長 ○(毛利修三議長) 西原進平議員   〔西原進平議員登壇〕 ○(西原進平議員) (拍手)自民党志士の会の西原進平です。  質問もトリとなりましたが、松井議員のお気持ちやお話も理解できます。また、ことしはフレッシュな委員長さんも御活躍されるんだなとそんな思いもしておりますし、それなりに物事は進んでいくのかなとそんな思いもいたしながら、登壇をさせていただきました。  質問に入ります。  初めに、四国の新幹線実現に向けた取り組みについてであります。  昭和62年に行われた国鉄の分割、民営化から、ことしの4月で30年が経過いたしました。過去30年を振り返った報道で、自主独立経営へと転換をしたJR7社の経営格差や各社各様の姿が浮き彫りとなりました。中でも東海道新幹線に特化したJR東海は、売上高、営業利益率が約30%と、JR7社の中でもずば抜けた収益率を持つなど、新幹線がもたらす効果の大きさが顕著であります。  新幹線は、九州新幹線から北陸新幹線、長野-金沢に続き、昨年3月には北海道新幹線が函館まで開業、これで北海道から鹿児島までが、新幹線という高速交通の大動脈で結ばれました。新幹線が開業した地域では、ビジネスや観光での来訪者がふえており、新幹線による交流人口の拡大が地域経済の活性化に大きな役割を果たしていることは明らかです。  建設中のものを含めると、31都道府県で既に新幹線が行き渡り、新幹線はもはや特別なものではなく、高速道路と同じような基礎的な交通インフラとなっていると言っても決して過言ではないと思っております。  四国では、昭和48年に2路線が基本計画路線として決定をされ、その後、国が豊予海峡の地質調査を行ったものの、平成20年に調査が中断したままであり、依然として、唯一の新幹線空白地帯として取り残されております。多くの住民の皆さん方が、危機感や焦燥感を抱いているものとも思っております。  平成26年4月に、四国4県や四国経済連合会などが公表した四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査においては、瀬戸大橋を活用して4県都を結ぶルートの費用対効果が1を超えるなど、四国におけるフル規格新幹線整備の妥当性は明確であり、ことし4月の衆議院決算行政監視委員会の質疑の中で、安倍総理大臣は、四国新幹線など基本計画路線を含め、幹線鉄道ネットワークのあり方の検討に必要な課題について、国土交通省は調査を行うと答弁をされております。国の関心を四国の新幹線に向けさせるためには、このような機会を逃がすことなく、スピード感を持って、さらに強く働きかけていくことが肝要であると考えております。また、そのために必要なのは、何よりも地元の強い熱意であり、思いであります。行政、住民、経済界などが一丸となった機運の盛り上がりこそが、国を動かす大きな力となると思っているのであります。  このような中で先般、新幹線の導入に向けた活動組織が、知事を会長とした新組織に大きく生まれ変わり始動していることは頼もしく心強く感じております。これを契機として、一層強力に全国に向けた情報発信や国への要望を行うとともに、地元での機運の醸成にも取り組んでいただきたいと強く願うものであります。愛媛の明るい未来を託せる四国新幹線の実現に大きな期待をいたしております。  このJR松山駅、これを新幹線の松山駅にという発言もございましたが、JR松山駅は昭和2年4月3日に開業しましたから、ことしの4月で開業90周年を迎えました。ことしは国体の年でもあり、開業イベントも期待をしておったのにという声もありましたが、10年先の100周年には盛大なイベントが行われるものと楽しみにいたしてもおります。そのときには、四国新幹線、松山駅の決定などがあれば、より楽しいなとこんなふうにも思ってございます。  そこで、お伺いをいたします。  四国への新幹線導入に向けて、県では、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせをください。  次に、愛のくにえひめ営業本部の活動状況についてであります。  実需による県内経済の活性化を目的に設置された営業本部は、ことしで6年目を迎えました。4月に知事はシンガポールに出向きトップセールスを行うなど、みずから先頭に立って営業活動に取り組む積極的な姿勢をありがたく、頼もしくも感じております。  先般発表された平成28年度の営業実績では、年間成約額が約103億7,000万円となり、28年度の目標であった90億円をはるかに超えて、中期計画で掲げていた30年度の目標である100億円を達成されています。知事は、27年4月に、30年度までに県関与年間成約額100億円を達成し、一人でも多くの生産者や事業者の愛顔を生み出したいと意気込みを語っておられましたが、それを2年前倒しで達成したということになります。  これは、商社出身の知事が、県庁組織に民間の概念を取り入れ、職員一人一人に総合商社株式会社愛媛の営業マンとしての意識を醸成されたことはもちろん、国内外を問わずトップセールスを展開するなど、みずから営業を率先されてきたリーダーシップによるところが大きいと高く評価をし敬意を表します。  私の地元の事業者からも、県が実施した商談会がきっかけで新たなビジネスにつながった、県や関係団体が一体となった営業活動に後押しされたという声を聞いており、知事が言われる営業力や情報発信力が弱い県内事業者の補助エンジンとしての営業本部の役割がしっかりと果たされていると認識もいたしております。  しかしながら、現場からは景気回復の実感に乏しいといった声がまだまだ多いことも事実であります。各種経済指標で示されている景気回復を肌感覚で感じている事業者は、限定的ではないかとも思うのであります。こうした不透明な経済情勢だからこそ、国に先んじて、創意工夫を凝らした、地方ならではの独自施策を強力に推進することが不可欠であると考えるのです。  営業本部は、年間100億円の目標を達成されましたが、地域経済の活性化に向け、今後の営業活動へのさらなる尽力を期待するものでもあります。  そこで、お伺いをいたします。  愛のくにえひめ営業本部の昨年度の活動実績はどうか。また、100億円達成後、中期計画の最終年度である30年度に向け、今後、どのように営業活動を展開されるのか、お聞かせをください。  次に、雇用対策についてであります。  先般、愛媛労働局が発表した本年4月の有効求人倍率が1.49倍となっており、過去最高値を記録し、バブル期を上回る水準となり、労働局は20カ月ぶりに、着実に改善が進んでいると情勢判断を上方修正しています。  しかしながら、こうした雇用情勢の改善は、少子高齢化、人口減少が進行し、生産年齢人口が減少している状況においては人手不足の裏返しでもあり、医療、福祉、建設、運輸、製造業など、幅広い分野で深刻な問題となっております。  県内のシンクタンクのアンケート調査によりますと、4割を超える県内企業が人手不足と感じているとのことです。また、正社員の有効求人倍率を見ますと0.94倍と、依然として1倍を下回っており、パートなどの非正規雇用労働者の数が増加し続けている実態とも相まって、人手不足対策とともに雇用の質の確保が喫緊の課題であり、正社員の雇用を確保するなど雇用の質の改善、創出に、さらに取り組む必要があると考えております。  国においては、産業政策と一体となった安定的で良質な雇用創出を目指した地域活性化雇用創造プロジェクトを創設し、各都道府県が取り組む安定的な正社員雇用の創造効果が高い事業を支援することとしており、本県でも、このプロジェクトを積極的に活用した施策展開に取り組み、地域における生産性の向上や経済的な基盤の強化を図っていくことが重要な課題と考えてもおります。  そこで、お伺いをいたします。  県では、これまでジョブカフェ愛workを核とした若年者の就職支援や職場定着について、きめ細かな支援を行うとともに、合同会社説明会の開催や県外学生に対する地元就職支援などの取り組みにより、県内中小企業の人材の確保、育成に努めていますが、今後、正社員雇用の促進など安定的で良質な雇用機会の創出にどのように取り組むのか、お聞かせをください。  次に、台湾との交流促進についてであります。  政府が2020年に4,000万人、2030年に6,000万人との目標を掲げ、外国人観光客の誘致を推進する中で、昨年、2016年でありますが、訪日客は全国で2,403万9,000人と過去最高を記録しましたが、このうち台湾からの来訪者は約417万人で、全体の13.3%を占めております。  日本台湾交流協会が2016年3月に公表した対日世論調査結果によると、最も好きな国として日本を挙げた台湾の人は56%と過去最高を記録しました。これは2位の中国、3位のアメリカに圧倒的な差をつけての1位であり、親日家が多い台湾は、誘客拡大を図る上で、最も重要な市場の一つであると思っております。  本県においても、2016年の外国人延べ宿泊数の約3割を台湾からの来訪者が占めており、これは知事が積極的に行ったトップセールスを初め、これまで官民挙げて取り組んできた本県と台湾との多面的で重層的な交流の成果が着実にあらわれているものと高く評価するものでもあります。  されど他県でも台湾からの誘客を強化するなど、地域間競争が激化する中で、今後本県への誘客を一層促進するためには、これまでの取り組みに加え、台湾と本県におけるさらなる交流機会の創出が必要ではないかと考えてもおります。  知事の公約でもある日台観光サミットが、5月31日から6月4日にかけて、本県と香川県を主会場に展開され成功裏に終了したことは、今後の台湾との交流拡大の大きな弾みともなっています。内容は、日台双方の観光関係事業者のトップが集い、相互交流人口の拡大を目標として、日台観光の現況報告や今後の方策のほか、西条市での日台鉄道観光フォーラムでは、鉄道資源を生かした観光交流のさらなる拡大に向け意見交換が行われ、本県へのツアー造成につなげるために、県内各地で趣向を凝らした視察ツアーが実施されたとも聞いております。今後、このサミットの成果を一過性のものに終わらせることなく、本県と台湾とのさらなる交流促進、誘客拡大につなげ、ひいては本県経済の活性化に結びつけていただきたいものと期待をいたしております。  そこで、お伺いします。  今回の日台観光サミットではどのような成果があったのか。また、このサミットを契機として、今後、台湾とのさらなる交流促進に向け、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせをください。  次に、鳥獣害対策とジビエの振興についてであります。  ここ数年、野生鳥獣による農作物被害はさらに広範囲となり、深刻な問題となっています。被害の深刻化の要因としては、生息域の拡大や狩猟者の減少に伴う捕獲数の低下や人間活動の低下などが挙げられます。全国の中山間地域での野生鳥獣による農作物の被害額は、年間200億円とも言われています。  本県では、これまで市町等関係機関と連携のもと、野生鳥獣の捕獲に努められ、捕獲頭数は年々増加し、成果を上げてもおります。しかしながら、先日開催された愛媛県鳥獣害防止対策推進会議での公表では、平成28年度の農作物被害額は、前年比13%増の約4億4,000万円と拡大している状況ともなっております。イノシシ、ニホンジカによる被害が全体の65%を占めるとともに、作物別では果樹への被害が最も多く、その割合は全体の75%ともなっております。また、同推進会議では、28年度に被害額が増加した主な理由として、イノシシによる果樹への被害が前年に比べ約4,000万円増加したと分析もしております。まさに、果樹王国愛媛にとっては、重大な脅威となっているのであります。  捕獲頭数が増加しているにもかかわらず、被害額がさらに増加しているのは、野生鳥獣の数がふえているためだと推測はされますが、この状況に対応するためには、これまでの捕獲対策に加え、捕獲する側の人材確保や、より効率的に捕獲するための技術の習得などといった人材育成が重要とも考えます。  総合的な鳥獣害対策が実施される契機となったのは、平成19年に鳥獣被害防止特措法が成立されたことに端を発します。この法律は、鳥獣被害の深刻化、広域化を踏まえ、市町村の被害防止の取り組みに対して支援するということでありました。それが、平成24年には、同法に捕獲鳥獣の食肉処理施設の整備充実、技術の普及、加工品の流通の円滑化を国が講ずることが明記をされ、野生鳥獣の活用の流れが始まったのです。これまでは捕獲した鳥獣は専ら埋設や焼却処分によって処理されており、食肉としての活用は一部地域にとどまる状況でありましたが、今後は食肉として有効利用を図り、ビジネスとして循環させていくことが鳥獣害対策の流れとなりつつあります。それは捕獲の後始末という考え方から、食や観光資源としての食肉、いわゆるジビエの振興に大きく考え方を変えるべきときがまさに来ているのだと、そのように考えております。  昨年、自民党北条支部の研修で、ぼたん鍋発祥の地として知られる兵庫県の篠山市を視察いたしましたが、年間100万人の観光客が押し寄せると伺い、食あっての観光と実感もした次第です。  野生鳥獣の利活用では、篠山市のように獣肉を中心とした観光自体も大きな産業ですが、捕獲後の解体や精肉製造場から缶詰や薫製などの食品加工場、ペットフードなどの飼料製造場に皮革加工、そして、エキスの抽出や土壌改良剤など利活用方策でさまざまな産業が興る可能性を秘めています。これらを総括したジビエ産業が形成されれば、この経済効果が期待されるとともに、ジビエ産業が軌道に乗るに従い、際限のない捕獲奨励金や各種補助金の増加にも歯どめをかけることができるのではと、このように思っております。  県内にあっても、ジビエ産業の創出を目指してメニュー開発や流通などの活動を行っている四国ジビエ株式会社やジビエ料理を観光資源に生かすことを目的とした北条ジビエの会や東温ジビエの会などの民間の組織が発足されたほか、南予地方局においては、ニホンジカの被害軽減と鹿肉の高品質化を目指して、南予地域シカ肉品質向上推進事業を実施するなど、ジビエ振興に向けた取り組みが進みつつあります。  このような中、県としても野生鳥獣による被害を新たな視点で軽減させるために、より一層ジビエの振興に取り組んでいただきたいと思うのであります。そのために、ジビエの普及に向けた安全性の確保や安定供給、販路の確保などが重要であることから、県には民間との連携のもと、農林水産部のみならず、営業本部や関係部局を巻き込んだ部局横断的な取り組みを期待いたしております。  そこで、お伺いします。  野生鳥獣による被害防止を図るため、どのように捕獲対策を強化するのか、お聞かせをください。また、鳥獣害対策の新たな視点であるジビエの活用推進に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、お聞かせをください。  次に、えひめ国体及びえひめ大会の準備状況についてであります。  ついこの間まで、国体開催はまだまだ先の話だと思っていたのですが、本日の愛媛新聞、国体カウントダウンで100日目の方はどなたかなと楽しみにしておりましたが、セーリングの小嶺恵美さんが、あと100日ですと新聞に載っております。私もきょう、ちょうど100日となる質問をさせていただくことから、何となく勝手に親近感を抱いているのが今のところであります。(笑声)  いずれにいたしましても、本日でちょうど100日となり、64年ぶりの国体開催が目前に迫っています。平成12年2月議会での国体早期誘致の決議に始まり、16年の内々定、24年の内定、26年の決定を経て、開催年を迎えるに至りました。改めて関係者の皆様に感謝を申し上げます。  県内各所では、PRの横断幕やのぼり旗、ポスターなどが目につき、開催機運の高まりを強く感じるとともに、国体・大会の話題を新聞やテレビ報道で目にする機会もふえてまいりました。  このような中、各種団体による応援宣言や県産品によるおもてなしの取り組みなどが紹介され、企業、各種団体、ボランティアの皆さんの御協力のもと、県民総参加の国体・大会の実現に近づいていることを実感いたしております。ボランティアも多くの応募があったと聞いており、私の周りでも大勢応募をされています。県では、そのボランティアの皆さんに、ボランティアを通じた愛媛らしさあふれるおもてなしとともに、愛媛のいいところを情報発信していただけるように研修を実施していると伺っており、皆さんの活躍を期待いたしております。  また、地元選手の応援はもとより、他県選手も含めて、市町と連携した都道府県応援団結成に取り組むとともに、学校等の協力もいただきながら、競技会場、主要な駅や空港での歓迎装飾の準備も進められていると聞いてもおります。ぜひともこれを機に、愛媛の知名度アップが図られ、再び愛媛に訪れていただくように、一人でも多くの愛媛ファンが獲得できることを期待いたしております。  しかしながら、約80万人の参加者が見込まれている両大会期間中の宿泊先の確保や会場への移動手段といった県内外からの参加者の受け入れ態勢、愛媛らしさあふれる式典の内容など、その準備の進捗状況について少々気がかりな部分もありはします。また、5月から6月にかけて、県外で開催するクレー射撃、馬術、カヌー競技や障がい者スポーツ大会リハーサル大会が実施されたとお伺いもしております。  そこで、お伺いをいたします。  国体・大会開催に向けた準備は、最後の仕上げ段階に入っていきますが、現時点での準備の進捗状況とリハーサル大会の実施結果を踏まえての今後の改善点などについてお聞かせをください。  さて、最後の質問となりますが、私どもは本年3月に自民党志士の会という名称で新しく会派を結成いたしました。  我が国では、本格的な少子高齢化、人口減少社会の到来などの深刻な問題に直面をいたしております。高齢化は、敗戦後の荒廃した焦土から、先輩方の粉骨砕身の御尽力により、文明の進化で長寿化がなされた結果と承知もいたしております。翻って、少子化は、家族のきずなや社会の連帯が希薄となったことも大きな要因ではないでしょうか。このことは本県においても同様でありまして、問題解決に向けて、種々の努力がなされています。  されど、本県ではその地域性から東・中・南予に大きく分かれ、地域課題も異なります。ゆえに、本県全体を活性化し自立の道を歩むために、地域に見合った政策を着実に積み上げていくことが重要であり、そのためには県内市町や関係団体としっかりと互いに信頼のきずなで連携することが不可欠です。  知事は、チーム愛媛として県内市町と連携するとともに、地域経済の活性化や防災・減災などをベースに、関係団体や企業とも連携され、信頼でつながったオール愛媛という強固な一体感を築いています。このことは、時々の利害に左右されるような結びつきではなく、お互いの信頼という太い綱でしっかりと結び合った連携であろうと高く評価をしており、私どももその一員としてともに歩みたいと考えてもいます。  そのために私ども12名は、天下国家のためなどという青臭い物言いですが、正しいと信じたことを命をかけて貫く志士仁人の精神を持って、愛媛の地域に根差した県民の声に真摯に耳を傾け、県民一人一人が自信と誇りを持てる県政の実現に向けて、会派結成の志を肝に銘じ、県議会の活性化と県勢の発展に邁進する覚悟です。  そこで、お伺いします。  知事は、県政において、車の両輪となるべき県議会について、そのあり方や理事者との関係をどのように考え、今後の県政運営に臨まれるのか、お考えをお聞かせください。  以上で質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○(毛利修三議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(毛利修三議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 西原議員に、まず、四国の新幹線導入についての御質問にお答えをさせていただきます。  新幹線は、地域間のアクセスを格段に向上させ、交流人口の拡大や地域経済の活性化など地域の振興、発展はもとより、JR四国の経営基盤強化による鉄道ネットワークの維持にも大きく寄与するものと考えますが、全国で新幹線の整備が進む中、四国は唯一の空白地帯として取り残されており、地域間競争で大きなハンデを背負っているものと認識します。  このため、新幹線導入に向けた活動組織を、私をトップに経済団体等も含めた官民一体の愛媛県新幹線導入促進期成同盟会に拡大改組するとともに、乗り継ぎ利便性の確保により県内全域に新幹線の整備効果が及ぶよう、JR松山駅への新幹線駅併設を求める決議を行うなど、地元の熱意をアピールしたほか、5月には、国土交通大臣に対して、基本計画から整備計画への格上げなどを強く要望したところでございます。  また、四国においても、7月には官民一体の四国新幹線整備促進期成会、仮称でありますが、これを設立しまして、4県の知事や県議会、経済界等の関係者が結集して東京で決起大会を開催するほか、四国選出の国会議員とともに関係省庁に対して要望活動を実施し、四国の新幹線の必要性を強く訴えたいと考えています。  さらに、新幹線実現に向けては、より多くの県民の盛り上がりが必要であるため、新幹線を生かした四国の将来イメージを描き、整備効果を県民の皆さんにわかりやすく説明するほか、青年会議所による署名活動など民間の取り組みとも連携して、一層の機運醸成に努めていきたいと考えています。  新幹線の導入には長い年月が必要となりますが、我々の手で将来への道筋をつけるという強い思いを持って、オール愛媛、オール四国体制で早期実現に向けた取り組みを進めてまいりたいと思います。  次に、営業本部にかかわる御質問でございますが、平成28年度の活動実績は、成果指標である商談会、フェア開催件数は670件、参加企業数が4,351社と、ともに前年度を大きく上回りました。特に水産物、林産物、ものづくりや加工食品の分野で大規模展示会出展や効果的な商談会、フェア開催等に粘り強く取り組んだ結果、成約額は対前年度比16%増の103億7,000万円と、お話のとおり、30年度の目標である100億円を2年前倒しで達成したところでございます。
     一方、国内外の経済情勢が見通せない中で、今後、営業実績を伸展させるには、営業先の新規開拓だけではなく既存顧客のフォローなど、より成約重視の取り組みが必要となります。国内では首都圏、関西圏に加え、名古屋や札幌、仙台など他地域も強化するほか、海外ではアジア地域を基軸に営業活動を加速し、欧米など成熟市場にもピンポイントで取り組み、底上げを図ってまいりたいと思います。  また、営業本部の強みである横串機能を発揮し、六次産業化や農商工連携支援、試験研究機関の技術開発はもとより、マーケットインの発想による売れる商品づくりやトップブランド産品の安定供給体制の構築に取り組むほか、ECサイトの活用等効率的な営業の推進、さらには包括協定企業との連携強化等にも努め、30年度の目標額を今後、年10%増の120億円に設定をさせていただきました。  今後とも、さらなる実需の創出に向け、オール愛媛体制のもと、メーンエンジンたる県内生産者、事業者の元気創造につながるよう営業活動を積極的に展開し、持続的な県内の経済活性化を図ってまいりたいと思います。  次に、えひめ国体・えひめ大会についての御質問でございますが、えひめ国体・えひめ大会まで残り100日。本番に向けた各種準備も大詰めの段階を迎えています。  現段階で、懸案となっていた1日最大2万人分の宿泊先の確保、ピーク時700台以上のバスの手配、延べ1万4,000人のボランティアの確保、養成等も順調に進んでいるほか、水泳特設プールを初め、県内の各競技施設の整備もおおむね完了したところでございます。  一方で、開・閉会式当日の会場周辺の渋滞対策、天皇皇后両陛下を初め、多くの皇室の皆様が御来県される場合の対応、式典準備や演技の練習、多くの県民が競技の応援に参加する仕組みづくり、天皇杯・皇后杯獲得に向けた競技力強化などは、今後、さらにペースを上げて取り組む必要があると考えています。  先般、県外開催競技となりました馬術、クレー射撃、カヌーそれぞれのリハーサル大会を視察してまいりました。どの地域もおおむね円滑に運営されており、御協力いただいている地元市町村やボランティアの方々には、私からも直接お礼を申し上げてまいりました。また、5月末には、えひめ大会のリハーサル大会を本番の約7割の規模で実施したところであります。  今後は、これらリハーサル大会により明らかになりました競技時間の管理、関係団体との連携、動線の確保や駐車場運用などの問題点を十分に検証して、業務別研修等によって大会運営の熟度を高めていくこととしております。  国体・大会にかける県民の熱い思いが実を結び、両大会が大成功をおさめ、愛媛のすばらしさを全国にアピールできるよう、残された期間、全力を尽くしてまいりたいと思いますので、議員各位を初め、県民の皆様方の御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。  次に、県議会について、そのあり方や理事者との関係をという御質問についてでございますが、二元代表制である地方政治においては、議院内閣制の国政とは異なり、政党色が前面に出るのではなく、地方分権型社会の実現に向けて、時には国と県の役割分担の中で国と正面から議論を闘わせながら、地域第一、政策中心の立場で、住民の幸せと地域の発展を最優先に考え行動することが、本来あるべき姿ではないかと思っております。  このような中、今回、志士仁人という志を掲げられ、西原議員を代表とする自民党志士の会を結成されましたが、愛媛の未来を切り開くため、先ほどともに歩む決意を表明いただいたことを心強く思うとともに、互いの信頼のもとで政策議論がより一層深まり、県議会のさらなる活性化が図られることを期待しております。  今後とも地方自治の車の両輪である議会と首長が、みずからが時代を切り開く気概と志を持ち、お互い県民の負託を受けた者として、適度な緊張感を保ちつつ、活発で真剣な議論を重ね、互いに切磋琢磨していくことでよりよき県政が推進できるものと考えており、3カ月後に迫ったえひめ国体・えひめ大会の成功はもとより、防災・減災対策、人口減少対策、地域経済の活性化を初め、愛媛の未来を左右する県政の重要課題に積極果敢に取り組む所存でございますので、議員各位のさらなるお力添えをどうぞよろしくお願い申し上げます。  その他の御質問については、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(菅豊正経済労働部長) 議長 ○(毛利修三議長) 菅経済労働部長   〔菅豊正経済労働部長登壇〕 ○(菅豊正経済労働部長) まず、良質な雇用機会創出の取り組みについてお答えをいたします。  有効求人倍率が過去最高を記録するなど、県内の雇用情勢は総体的には改善いたしておりますものの、若年者の雇用環境は、非正規雇用比率や早期離職率が依然として高水準で推移するなど、厳しい状況が続いていると認識をいたしております。  このため、県ではジョブカフェ愛workにおいて、非正規雇用の若者のための正社員チャレンジ相談やセミナーの実施などを通じ、正規雇用への転換を支援しておりますほか、管理職と若手社員を対象にした職場定着セミナーの開催などにより、雇用のミスマッチの防止や職場定着の促進に努めているところでございます。  さらに今回、質の高い安定的な雇用創出を図るため、正社員雇用創出効果が大きいものづくり関連産業を対象に、えひめ地域活性化雇用創造プロジェクトを推進することとし、産学官金労が連携した雇用創造協議会を立ち上げますとともに、魅力ある資源を活用した商品開発やブラッシュアップ、国内外や専門分野での営業力強化と販路開拓、正社員雇用促進セミナーの開催や新規雇用者の人材育成研修への支援など10の事業を展開し、今後3年間で合計258人の正社員の雇用創出を目指すこととしており、オール愛媛体制で、産業政策と雇用政策を一体的に展開し、地域雇用の創出と地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、日台観光サミットの成果と今後の交流促進についてお答えをいたします。  台湾は、長年にわたる交流の積み重ねにより、本県にとって海外最大の交流先となっており、この交流を次のステップに進めるため、県ではサミットの誘致活動と準備に取り組んできたもので、今回参加された台湾観光局や観光業界のトップの方々に、鉄道観光フォーラムやしまなみサイクリング等の視察ツアーを通じ、本県の魅力や台湾との歴史と強いきずなを余すことなくお伝えできたと考えております。  特に、歓迎晩さん会では、台湾で大ヒットした映画「KANO」で近藤兵太郎監督役を演じられた永瀬正敏氏をお招きし、伊予観光大使にも御就任いただいたことで、「KANO」のふるさとを強く印象づけたほか、道後温泉駅前で披露したみこしの鉢合わせでは、特別にみこしに触れて乗ってもらうなど、本県の伝統文化の魅力を満喫いただけたものと考えております。  さらに、次回サミット開催地、台中市との間で友好交流覚書を締結するなど、今回のサミット開催は、台湾との交流を推進していく上で大きな弾みになったと考えており、今後はこの成果を生かし、さまざまな分野での交流のさらなる深化に努めながら、相互の誘客を増大させ、定期航空路線の開設につなげるとともに、県産品の販路拡大等により経済交流を発展させるなど、本県と台湾との新たなステージに向けて、取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(毛利修三議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 鳥獣害対策とジビエの振興について、2点お尋ねがございました。  まず、捕獲対策の強化についてですが、有害鳥獣の被害に対しては、攻め、守り、地域体制づくりの3本柱で対策を進めてきており、中でも攻めの捕獲事業につきましては、平成27年度の捕獲頭数が、イノシシとニホンジカの合計で2万9,000頭を超え、10年前の3.6倍に伸びるなど一定の成果を上げておりますものの、一方で、昨年度は中晩柑など高級柑橘を中心に果樹被害が急伸し、全体の被害額もこの10年で最悪となるなど、現場の努力がなかなか報われない厳しい戦いが続いております。  こうした状況を踏まえ、県では、本年3月に特定鳥獣管理計画を改訂し、今後5年間の年間捕獲目標頭数を、イノシシで3万頭、ニホンジカで1万1,000頭に引き上げますとともに、捕獲奨励金予算も1.6倍に大幅増額するなど捕獲圧の強化を図ったところでございます。  また、人材育成面では、狩猟名人のたくみのわざや遠隔監視装置を利用した大量捕獲技術の実証成果、有害獣の習性や捕獲の様子などを動画で解説した実践的な捕獲マニュアルを制作いたしまして、ウエブサイトでの公開や有害鳥獣ハンター養成講座などの各種研修会で活用いたしますほか、狩猟免許取得経費の助成など、若い狩猟者等のスキルアップと負担軽減に取り組むこととしており、市町や関係団体との緊密な連携のもと、オール愛媛の体制で被害の軽減・防止に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ジビエの活用推進についてお答えいたします。  獣肉の食肉利用は、有害鳥獣の捕獲促進や新たな地域資源の創出等につながる有効な出口戦略として期待できますため、県では、利用拡大のための安全性や安定供給確保の観点から、地域での獣肉処理施設の整備を支援しており、これまでに5つの施設が整備されております。  これらの施設では、地域で捕獲されたイノシシや鹿の肉を処理、加工し、高級レストランへの提供や道の駅での販売を行っているほか、イノシシの骨の食材利用や革製品の製造、販売など獣肉以外の部位を有効活用した特産品づくりにも取り組んでおり、今後、ジビエ産業としての発展につながることが期待されているところでございます。  県では、こうした取り組みを後押しするため、県内の料理人等を対象としたジビエ料理教室の開催や獣肉加工品の開発を進めますとともに、今年度からは販路の確保に向け、新たに専用サイトを開設し、各施設やジビエ料理店の情報、獣肉の安全な解体処理技術等を紹介するほか、鹿肉の品質向上に向けた捕獲実証等にも取り組むこととしており、地域や関係部局との連携を図りつつ、捕獲から活用、安定供給、販路開拓までの総合的な支援策を講じることで、産業としての成長を支えてまいりたいと考えております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(毛利修三議長) 以上で質疑を終局し、全議案をお手元に配付の委員会付託議案一覧表のとおり、また、請願につきましては、お手元に配付の文書表のとおり、各委員会に付託いたします。  各委員会は、26日に付託議案及び請願について審査の上、28日の本会議で各委員長からその経過と結果を報告願うことといたします。   ――――――――――――――――― ○(毛利修三議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明23日及び27日は議案調査のため、24日及び25日は休日のため休会いたします。  26日は委員会が開かれますので、本会議はありません。  28日は、本会議を開きます。  日程は、全議案及び請願の審議であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後2時54分 散会...