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平成22年第317回定例会(第3号 6月 8日)

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  1. 愛媛県議会 2010-06-08
    平成22年第317回定例会(第3号 6月 8日)


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    平成22年第317回定例会(第3号 6月 8日) 第317回愛媛県議会定例会会議録  第3号 平成22年6月8日(火曜日)   〇出席議員 44名   1番  菅   秀二郎   2番  玉 井 敏 久   3番  横 山 博 幸   4番  木 村   誉   5番  石 川   稔   6番  野 口   仁   7番  福 羅 浩 一   8番  三 宅 浩 正   9番  青 野   勝   10番  欠     番   11番  欠     番   12番  豊 島 美 知   13番  豊 田 康 志   14番  笹 岡 博 之   15番  西 田 洋 一   16番  中 田   廣
      17番  大 西   渡   18番  梶 谷 大 治   19番  鈴 木 俊 広   20番  徳 永 繁 樹   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  阿 部 悦 子   24番  欠     番   25番  佐々木   泉   26番  泉   圭 一   27番  高 山 康 人   28番  住 田 省 三   29番  毛 利 修 三   30番  渡 部   浩   31番  西 原 進 平   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  河 野 忠 康   37番  戒 能 潤之介   38番  明 比 昭 治   39番  竹 田 祥 一   40番  赤 松 泰 伸   41番  本 宮   勇   42番  田 中 多佳子   43番  岡 田 志 朗   44番  薬師寺 信 義   45番  土 居 一 豊   46番  欠     番   48番  寺 井   修   49番  横 田 弘 之   50番  帽 子 敏 信   51番  清 家 俊 蔵   52番  森 高 康 行   53番  篠 原   実   54番  中 畑 保 一   55番  山 本 敏 孝   ―――――――――― 〇欠席議員 1名   47番  村 上   要   ―――――――――― 〇欠  員 2名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事            加 戸 守 行  副知事           高 浜 壮一郎  知事補佐官         永 野 英 詞  公営企業管理者       三 好 大三郎  総務部長          長谷川 淳 二  企画情報部長        横 田   潔  県民環境部長        上 甲 俊 史  保健福祉部長        仙 波 隆 三  経済労働部長        東 倉 勝 利  農林水産部長        佐 伯 滿 孝  土木部長          井 上   要  会計管理者出納局長     岡 本   靖  公営企業管理局長      栗 田 史 朗  教育委員会委員       西 田 真 己  教育委員会委員教育長    藤 岡   澄  副教育長          保 木 俊 司  人事委員会委員       池 田 公 英  公安委員会委員       木 綱 俊 三  警察本部長         牛 嶋 正 人  監査委員          和 氣 政 次  監査事務局長        篠 崎 泰 男   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長          村 上 哲 義  事務局次長総務課長事務取扱 川 口 和 男  議事調査課長        玉 井 秀 昌  政務調査室長        山 岡 敏 章  副参事総務課長補佐     菊 池   寛  副参事議事調査課長補佐   兵 頭 典 子   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第65号議案ないし定第92号議案  議発第1号議案      午前10時 開議 ○(岡田志朗副議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者中田廣議員野口仁議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(岡田志朗副議長) これから、定第65号議案平成22年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第92号議案及び議発第1号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(大西渡議員) 議長 ○(岡田志朗副議長) 大西渡議員   〔大西渡議員登壇〕 ○(大西渡議員) (拍手)皆さん、おはようございます。  自民党の大西渡でございます。  私、昨年の9月議会で質問させていただきましたが、くしくも鳩山内閣が発足直後でありまして、期待と不安を抱いている旨、申し上げたことを思い起こしております。  さて、本日は菅内閣が発足する日でありますが、新内閣に対して、以前のような期待感は持ち得ません。なぜならば、今回の改造は選挙目当てのみでありまして、国家、国民のための政治の道ではないからであります。  国民の命を守る外交、防衛政策、特に普天間問題はいかがでしょうか。中国偏重外交は不安の種であります。また、国家にとって重要な消費税論争は、選挙後へと棚上げしており、きわめつけは、枝野氏が幹事長になるや否や、小沢氏への証人喚問はもちろん、政治倫理審査会さえ否定していることであります。  我々自民党は、日本国民の安全・安心のために、日本の未来を担う唯一の政党として再び信頼をいただきますよう努力いたしますことをお約束し、質問に入らせていただきます。  まず、愛媛県の埋蔵文化財行政について幾つかの質問をさせていただきます。  我が愛媛県は瀬戸内海に面しており、古代から海上交通の上でも重要な役割を果たしてきたところであり、瀬戸内文化圏として注目を集めております。大陸からの多くの文化が近畿地方に伝わる過程で残された重要な遺跡が、近年、埋蔵文化財の発掘調査からわかってまいりました。古くは、今から1万年以上もさかのぼる日本でも最古級の縄文時代の遺跡、久万高原町の上黒岩岩陰遺跡、弥生時代の大規模な集落であったと見られる松山市の愛媛大学構内に残る文京遺跡、また、弥生時代から古墳時代にかけて西日本で最大規模の建物跡の残る樽味四反地遺跡、古代に複数の天皇が行幸された可能性のある国指定史跡久米官衙遺跡群といった、我が国古代史を考える上で避けることができない重要な遺跡の数々が、我が愛媛県には存在しています。  そこで、お伺いします。  教育委員会は、これらの重要な遺跡の保存と活用にどのような方針で取り組まれておられるのか、お答えください。  また、県下で行われる国や県の道路整備事業等に伴う発掘調査は、特例民法法人の愛媛県埋蔵文化財調査センターが担当し、出土した遺物の管理は文化財保護課が行っていると聞いております。しかし、実際の遺物は、衣山の埋蔵文化財調査センターに隣接する収蔵庫に収納され、また、発掘調査の記録である図面、写真類は埋蔵文化財調査センターの保管になっておりますが、他県の常識からいえば、これらの資料は一括管理し、常に県内外の人たちに公開できるような体制にしておくべきだと思います。  そこで、お伺いします。  遺跡から出土した膨大な遺物の保管、管理と活用は、具体的にどのように実施されているのでしょうか、お答えください。
     我が国有数の中世の城郭と武家屋敷跡の残る国指定史跡の湯築城跡は、現在、指定管理者制度の導入によって管理は民間に委託されていますが、ここでも遺物は県が貸し出し、図面資料は埋蔵文化財調査センターが提供しています。このような状況では、十分に社会に還元し、活用できているとは言えません。文化財は、現在の社会、今を生きる人たちのために活用されて初めて意義があるものだと考えます。あわせて、全国的に進められております埋蔵文化財調査センターの新公益法人制度への移行についてお伺いします。  実際に県下の多くの発掘調査を行っている埋蔵文化財調査センターについて、私は、公益財団法人になるのが望ましいと考えます。現に、同様に発掘調査を行っている徳島県埋蔵文化財センターは、公益財団法人として認可されました。高知県もそのように動いているようです。ちなみに香川県は県立であります。  我が愛媛県の埋蔵文化財調査センターの方向性については、どう考えておられるのか、センターの理事長でもある教育長の考えをお伺いしたいと思います。  文化財保護法によって守らなければならない遺跡の調査には、膨大な経費がかかります。しかし、我々の祖先の残した貴重な文化遺産は、私たちに大きな勇気と力を与えてくれます。それらを保存、顕彰し、そこから先人の英知を学ぶことが、現在、そして未来を生きる私たちに課せられた使命でもあります。そのためには、県が文化財の指定や文化財保護活動を積極的に推進していただきますよう期待するものであります。  次に、道徳教育と夫婦別姓問題についてお伺いします。  皆さん危惧されているところでありますが、昨今、凶悪事件が新聞に載らない朝はありません。とりわけ親殺し、子殺し、幼児虐待など、以前では考えられない鬼畜にも劣る事件が続発しております。  警察庁の統計によりますと、平成17年以降、殺人事件の件数は減少しているにもかかわらず、親族間の殺人事件の割合は増加傾向にあります。総件数が減少し親族間の殺人事件の割合がふえるというゆゆしき事態であり、平成21年は、その割合が実に48.1%を占め、その件数は467件となっております。私たちは、その原因を追求しながら、我が国本来の姿、安全安心で道徳心豊かな国柄を取り戻したいと願うものであります。  家庭が乱れ社会が混乱しているのは、さまざまな要因が関連しておりますが、法律以前の人としてやるべきこと、やってはならないこと、人の道、人としてのありよう、つまり道徳心を家庭教育や学校教育でしっかり育ててこなかったことが大きな原因ではないかと考えます。  私が子供のころは、ならぬものはならぬと親や近所の大人、先生に厳しく教えられました。また、子供同士の遊びにおいても、縦社会のつながりの中で、上級生からきちんとしたルールや、やっていいこと、悪いことを教わりました。ところが、時代とともにそのようなつながりは次第に薄れ、遊びの中で譲り合いや助け合い、思いやりなど、集団のルールや規範意識を身につけることが少なくなりました。  さらに、以前質問いたしましたが、体験的な労働のつらさや楽しさ、とうとさ、自然の豊かさや驚異を知る機会も少なくなって、結果、子供たちに、我慢をする、苦しいこと、つらいことから逃げないなどの忍耐力が十分に育っていないと思います。  また、行き過ぎた個人主義が、自分さえよければよいという利己主義にすりかわり、それが他人に迷惑をかけたり、命を粗末にしたり、人の気持ちがわからなかったりする子供をふやし、多くの問題を引き起こしているのではないでしょうか。  このように、人間にとっての行動基準、判断基準、つまり道徳意識の希薄化が感情を抑制する理性を育ててこなかったために、勤勉や正直、公正や礼節、惻隠や報恩など、日本人のよりよき特性が徐々に薄らいでしまったのであります。  今求められているのは、家族の団らんであり団結であり、地域社会の構築であります。加戸知事の提唱する愛と心のネットワークが必要であり、家族愛、郷土愛こそ重要であります。  そこで、お伺いします。  長年、教育行政に携わってこられた加戸知事におかれては、道徳心を身につけさせるために家庭はどうあるべきと考えているのか。また、県教育委員会としては、これまでどのような道徳教育を行ってきたのか。さらには、ゆとり教育が見直される中で、道徳教育にどのように取り組んでいくのかお聞かせいただきたいのであります。  さて、このような状況の中で、選択的夫婦別姓法案が提出されようとしております。  夫婦別姓は、家庭内での痛ましい事件が報じられ、家族崩壊が危惧されている状況において、夫婦間のきずなを弱める、子供の姓が父または母と異なることになり、親子のきずなを弱める、家族間の一体感を損ない、家族制度の崩壊を加速、助長するものである、家族を基本単位とする地域コミュニティを崩壊へ導きかねないとして、2月定例県議会におきましても、その慎重な対応を求めたところであります。私個人としても、絶対に容認できることではありません。  そこで、お伺いします。  選択的夫婦別姓法案についての知事の御所見はどうか、お答えください。  次に、若年者への就職支援についてお伺いします。  2年前のリーマンショックに端を発した世界同時不況による企業収益の減少などから、企業の雇用過剰感は依然根強く、今春の新規学卒者の採用については、これまでにない厳しい状況となっております。厚生労働省及び文部科学省の調査によりますと、ことし3月卒業の大学生の就職内定率が91.8%と、平成8年度の調査開始以来最悪であった平成11年度の91.1%に次ぐ就職氷河期並みの厳しい状況という報道に、大きな衝撃を受けたところであります。  このように、企業が雇用の調整を新規学卒者の採用で行うことは、企業内の年齢構成をゆがめ、若い世代への技術の継承が行われないなど、産業全体の競争力の低下を招くおそれがあり、極めて憂慮すべき事態であると思うのであります。  また、我が国の雇用システムにおいては、企業は新規学卒者を優先して採用する傾向が強いことから、昨今の厳しい就職戦線の中、内定が得られない大学生は、今後の就職活動に不利にならないよう自主的に留年して卒業をおくらせたり、スキルアップを図るため、卒業して専門学校や大学院へ進むなど、新たな対応を迫られているのであります。  学生側だけでなく、大学側も、卒業に必要な単位を取得した学生が希望により留年した場合には、授業料を半額にして在学と認める卒業延期制度を取り入れたり、内定取り消しを受けた学生の在学延長制度を設けるなど、学生の卒業年度を考慮した就職支援制度に取り組むようになっております。公務員の採用試験のように、新卒、既卒を問わない雇用システムが日本社会に広がることを期待したいものであります。  また、社会情勢や企業側の事情により、卒業後、やむなくフリーターとなり、正社員を目指しながら就職活動する方も多いと見られておりますが、卒業して職につかなかったことで職業意識が低いかのように評価されてしまい、正規雇用への就職が困難になり、そのことが原因でフリーターの年長化に拍車をかけるという悪循環に陥っております。就職活動の壁に阻まれ、多くの優秀な人材が就職希望がかなわないまま卒業せざるを得ないという現状や、働きたいのに働けない若者が今もなお数多くいる社会は、将来、企業や経済界のみならず、日本社会全体にとっても大きなマイナスであることは言うまでもありません。  私は、我が国の将来を担う若い世代のため、新規学卒者はもとより、卒業後、やむを得ずパートやアルバイトをしているが正規雇用を望んでいる若年者に対しても、より一層手厚い支援、例えば卒業後数年間は新卒扱いとして採用に門戸を開放する制度が必要であると思うのであります。  そこで、お伺いします。  県内の若年層の雇用状況はどうか。また、若年層の雇用対策について県はどのように取り組むのか、具体的にお答えください。  次に、がん対策についてお伺いします。  がんは、昭和56年以降、およそ30年間にわたり日本人の死因の第1位となっております。しかも、がんによる死亡者数は年々上昇を続け、現在では年間34万人以上の方ががんで亡くなっております。生涯のうちに、男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんにかかり、国民のおよそ3人に1人ががんで亡くなるのが現状であり、残念ながら日本は世界有数のがん大国であります。  このような状況の中、本県では2月定例会におきまして、がん対策推進議員連盟の提案により、愛媛県がん対策推進条例が全会一致で可決され、4月1日から施行されました。今後一層、県民総ぐるみでがん対策の推進を図り、県民のがんによる死亡を減少させなければなりません。  さて、がんによる死亡を防ぐためには、当然のことでありますが、まず、がんにかからないようにすることが重要です。がん対策推進条例における推進施策の第1番目にも予防が掲げられておりますように、その重要性を広く県民の方々に認識していただく必要があると考えるものであります。  実は私どもの後援会では、定期的に研修会を行っております。先般、松山市の高砂町にございます健診センターの森巍先生に、がんの中でも子宮頸がんは、予防可能ながんであるにもかかわらず、部位別がん死亡率が愛媛県は全国で9位であるということを教わり、早急に行政による手だてが必要であると認識いたしました。  そこで、子宮頸がん予防ワクチンについてお伺いしたいと思います。  毎年、全国で8,000人の女性が子宮頸がんと診断され、約2,500人の人がお亡くなりになっていることに加え、近年は発症年齢が低年齢化し、20代、30代の若い女性の子宮頸がんが急増するなど、大変憂慮すべき状況にあると聞いております。  子宮頸がんは、その原因のほとんどがヒトパピローマウイルスの感染によるものと言われておりますが、このウイルスの感染はワクチンの接種により予防することが可能であります。その予防ワクチンは、昨年10月、我が国でもようやく薬事法に基づく承認を受けました。  思春期前にワクチンを接種すると、子宮頸がんの多くは予防できると言われており、県民の関心も日々高まっておりますが、3回の接種で約5万円という高額の自己負担がネックとなり、接種がなかなか進まない状況にあります。  このため、本県議会におきましても、2月定例会において、子宮頸がんの予防対策の充実・強化を求める意見書を可決決定し、全国一律の制度として子宮頸がん予防ワクチン接種公費助成制度を創設するよう国に対して要望したところであります。  一方、全国の自治体では、独自の取り組みとして、子宮頸がんワクチン接種に対して公費助成を行うところが出てきております。栃木県大田原市では、先月、小学6年生の女児に対し、1人当たりにかかる費用4万5,000円を全額公費負担でワクチンの集団接種を始めました。公費負担による集団接種は、全国初の先進的な取り組みとのことであります。本県においても、一日も早く子宮頸がん予防ワクチンの公費助成が行われるよう、切に願うものであります。  そこで、お伺いします。  全国的に子宮頸がんワクチン予防接種の公費助成を行う市町村も広がりつつありますが、県下市町における公費助成の状況はいかがでしょうか。本県議会の意見書を含め、国に対して公費助成制度の創設を求める声も高まっていると聞いておりますが、現在の国の検討状況と公費助成に対する県の考えはどうか、あわせてお聞かせ願います。  最後に、放課後児童クラブについてお尋ねします。  子供は地域の宝、国の宝と言われ、私たちの未来を託すかけがえのない存在であります。しかしながら、御承知のとおり、静かな有事とも言われる少子化の流れは、なかなか歯どめがかからず、このままの状態が続けば、今後、経済、社会のさまざまな面において多くの弊害が生じ、我が国の存立基盤をも揺るがしかねない事態となることが懸念されるのであります。  本県におきましても、全国同様、少子化が進行し、平成20年の出生数はわずか1万1,561人と、昭和48年の半数にも満たないという憂慮すべき事態となっております。  こうした中、県におかれては、この3月に次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画となるえひめ・未来・子育てプラン(後期計画)を策定し、今年度から平成26年度における次世代育成に向けた各種取り組みを計画的・集中的に進めていくことと聞いており、頼もしく感じているところであります。  後期計画では、子育てと仕事の両立を新たに基本目標として掲げ、この目標を達成するための取り組みとして、放課後児童クラブの設置促進などを盛り込んでおります。  平成20年度に実施された愛媛県政に対する世論調査によると、県民の子育て支援に対する具体的要望としては、経済的支援の充実が最も多くなっておりますが、それと同時に、保育サービス放課後児童クラブの充実などを求める人の割合も高くなっております。  私が特に強い関心を持っておりますのは、放課後、保護者が仕事などにより昼間家庭にいない小学校低学年の児童の安全確保や健康管理、健全育成などに大きな役割を果たしている放課後児童クラブについてであります。小1の壁という言葉に象徴されるように、延長保育などの特別保育事業を初め着々と充実が図られている保育サービスと比べ、その延長線上にあるはずの放課後児童クラブは、運営面を含めて、その整備がまだまだ不十分であるとの印象を持っております。  先日、松山市のある方から、子供が小学校に就学するようになり、少しでも家計を助けようと仕事をしたいが、子供を預ける児童クラブにあきがなく働くことができないとのお話を伺いました。さらに、東温市の方は、クラブについて、体育館の一部を利用したものがある一方で、専用施設として整備されたクラブもあるなど、一口に放課後児童クラブと言っても、その設備面に著しい格差があると言っておられました。  そこで、私が現場に足を運び調査いたしましたそれらの施設は、部屋が狭く余りにも窮屈でありました。厚生労働省では、児童1人当たり1.65平米以上というガイドラインを示しているようですが、市町間を含め、個々の児童クラブ間でかなりの格差が生じているのではないかと思います。  そこで、お尋ねいたします。  放課後児童クラブの全国及び本県の設置状況や待機児童の現状はどうか。また、児童クラブの施設、設備面の充実にどう取り組んでいるのか、県の御所見をお聞かせください。  今後とも、住みよい愛媛、住みたい東温市づくりのため、努力を続けてまいることをお誓いし、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(岡田志朗副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(岡田志朗副議長) 加戸知事   〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 大西議員の質問に答弁いたします。  知事は、子供に道徳心を身につけさせるために、家庭はどうあるべきと考えているのかとのお尋ねでございました。  道徳心は、人倫の基本でもございます。大西議員お話のございましたように、近年、家庭や地域の教育力の低下、子供たちの道徳心や規範意識の希薄化が懸念されます中で、私は、かねてより教育の究極の目的は、人としてあるべき姿を教え、自分の周りにいる人を大切に思い、困った人がいたら助け合うという惻隠の心や共助の精神などをはぐくみ、バランスのとれた志の高い人間を育成することにあると考えております。  私自身の幼いころを思い返してみますと、家庭では、短い教訓的な言葉、例えば「我が身をつねって人の痛さを知れ」と、こういうような形で、知らず知らずのうちにある一定の方向性を身につけさせられてきたのかなという思いもいたします。  こうした人間形成を図る上での家庭の役割につきまして、「天は自ら助くる者を助く」の言葉で知られます「自助論」で有名なイギリスの作家サミュエル・スマイルズがこう申しております。「家庭は一番最初の、しかも、一番重要な品性の学校である」と。家庭は、子供にとりまして、情操、知性、体力等はもとよりといたしまして、基本的な生活習慣、社会的マナーやルールなど人としての生き方を教え、豊かな人間性を育成する場であってほしいと期待をいたしております。  しかしながら、今日のような核家族化の進展、共働き家族の増加など、社会環境の変化の中で、多くの保護者が子育てに悩みながらも相談相手がいないという状況にあります今日、地域社会が一体となって子供を育てていくことが重要になっておりますことから、一昨年11月に県内の教育関係団体が手を携えて制定いたしました、えひめ教育の日の定着化により、人に対する思いやりの心を持ち、お互いに助け合う子供たちを育てる愛媛の教育が創造されることを心から念願いたしております。  次に、県内の若者の雇用状況はどうか。また、若年者の雇用対策について県はどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。  愛媛労働局によりますと、この春の県内新規学卒者就職内定率は、全学歴で93.3%と前年に比べ1.1ポイント減となり、中でも大学生の内定率は92.4%で2.0ポイント落ち込むなど、若年者の雇用情勢は極めて憂慮すべき状態でありまして、業績の先行き不透明感から雇用拡大に慎重な企業が多い中で、若年者の雇用情勢は今後とも厳しい状況が続くものと懸念いたしております。  このような中で、昨年度、知事名で県内事業所約1万社に対しまして、若年者を中心とした雇用拡大の要請を行いましたほか、ジョブカフェ愛workによる職業適性診断や就職相談、模擬面接会等を実施いたしますとともに、県内企業のニーズに応じた若年人材の育成や在学中からの職業意識の醸成など、若年者の就職支援と新規学卒者の就職サポートの両面から雇用対策に取り組んでいるところでございます。  さらに、基金を活用した緊急雇用対策事業による新卒未就職者等が働きながら就業に必要な知識・技術の習得を図る研修制度の実施や、若年者を対象とした委託職業訓練の大幅な拡充など、若年者の雇用対策を総合的に講ずることとしておりまして、今後とも次代を担う若者が一人でも多く就職できますよう、関係機関との連携を図りながら支援に努めてまいりたいと考えております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(上甲俊史県民環境部長) 議長 ○(岡田志朗副議長) 上甲県民環境部長   〔上甲俊史県民環境部長登壇〕 ○(上甲俊史県民環境部長) 大西議員にお答えいたします。  道徳教育と選択的夫婦別姓法案についてのうち、選択的夫婦別姓法案についての所見はどうかとのお尋ねでございました。  現在、夫婦のうち96.3%が夫の姓を名乗っているという状況にございますが、夫婦が望む場合には、結婚後もそれぞれ結婚前の姓を称することを認めるという選択的夫婦別姓制度は、価値観が多様化する現在におきまして選択肢を広げることにもなり、また、多様性に富んだ活力ある社会づくりに寄与する面もございます。  しかしながら、この制度は、我が国の婚姻制度や家族のあり方にかかわる重要な問題であり、家族の一体感を損なうものであると危惧する強い声がございます。  このように国民の意見も分かれておりますことから、十分に議論が尽くされた上で、幅広い国民の意見を踏まえて慎重に対応すべきであると考えております。  以上でございます。 ○(仙波隆三保健福祉部長) 議長 ○(岡田志朗副議長) 仙波保健福祉部長   〔仙波隆三保健福祉部長登壇〕 ○(仙波隆三保健福祉部長) 大西議員にお答えいたします。  まず、県内市町における子宮頸がんワクチン予防接種への公費助成の状況はどうか。国の検討状況と県の考え方について、あわせて問うとのお尋ねでございます。  子宮頸がん予防ワクチンの接種につきましては、大西議員お話のございましたとおり、栃木県大田原市を初め全国的に公費助成を行う市町村が増加してきておりまして、県内の市町も大きな関心を寄せておりますが、ワクチンの安全性や助成方法、財源確保等の検討課題もございまして、現在のところ、公費助成を実施するまでには至っていない状況にございます。  国におきましては、既に欧米諸国で公費負担制度が導入され、国内でも、地方議会を初め日本対がん協会や専門家会議などから、国による公費負担を求める活動が活発化しておりますことから、厚生科学審議会予防接種部会において、子宮頸がん予防ワクチンを含めた予防接種制度全般の抜本的な見直しのための議論を開始しておりまして、4月21日に開催された第7回部会におきましては、今後、予防接種の効果、安全性などワクチン情報の収集、整理を行い、その評価、分析を進めることを決定したところでございます。  県といたしましては、この部会での検討を通じ、早期に予防接種法による法的な位置づけが明確にされますとともに、地域によってワクチン接種に格差が生じることのないよう、国において公費助成を含めた接種促進対策及び財源措置が講じられることが望ましいと考えておりまして、今後、全国衛生部長会等を通じまして国に強く要望してまいりたいと考えております。  次に、放課後児童クラブの全国及び本県の設置状況や待機児童の現状はどうか。また、施設設備面の充実にどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。  放課後児童クラブの全国の状況につきましては、厚生労働省が実施した昨年5月1日現在の調査結果によりますと、1,608市町村に1万8,479クラブが設置され、登録児童数は80万7,857人、待機児童数は1万1,438人となっておりまして、本県の状況につきましては、ことし5月1日現在、全20市町で202クラブが設置され、登録児童数は8,329人となっておりまして、待機児童は、昨年度に比較してクラブ数が24カ所増加したことによりまして、179人から17人へと大幅に減少しております。  また、放課後児童クラブは、児童の安全確保の観点から、小学校内に設置することを基本に、できる限り余裕教室等を活用することとされておりますため、施設や設備の内容はクラブによって異なっておりますが、県では、安心こども基金や放課後児童健全育成事業により施設改修や設備整備に対する支援を行い、放課後児童クラブガイドラインに定める定員に応じた面積や生活の場としての衛生・安全の確保に取り組んでいるところでありまして、今後とも、児童の健全育成や保護者の子育てと仕事の両立が図られますよう、質・量両面での充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(藤岡澄教育長) 議長 ○(岡田志朗副議長) 藤岡教育長   〔藤岡澄教育長登壇〕 ○(藤岡澄教育長) 大西議員にお答えをいたします。  埋蔵文化財行政について3点の御質問がございました。  まず、重要な遺跡の保存と活用にどのような方針で取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。  発掘調査の結果、歴史上重要であることが判明した遺跡については、文化財保護関係法令に基づき、国や県、市町が史跡指定し、将来にわたり保存、活用を図りますとともに、特に、現場での保存、活用が求められる重要な遺跡は、公有地として土地の買い上げを進めるなど、国や市町とも緊密に連携しながら遺跡の保存、活用を進めております。  大西議員お話上黒岩岩陰遺跡久米官衙遺跡群は、既に国の史跡指定を受け、地元自治体において、住民の意思を確認しながら保存や展示計画の検討が行われておりまして、樽味四反地遺跡につきましても、現在、全容解明のための調査・研究が進められているところであります。  県教育委員会としては、これらの遺跡は、共有すべき日本の歴史を解き明かす国民的財産である貴重な遺跡であると認識しておりまして、今後とも、地元自治体や土地の所有者、地域住民の意思を尊重しながら、国と連携して保存・活用に努めてまいりたいと考えております。  次に、遺跡から出土した膨大な遺物をどのように保存、管理し、活用しているのかとのお尋ねでございます。
     発掘調査で出土した遺物のうち、所有権が県に帰属したものは、松山市衣山の埋蔵文化財管理施設2棟におきまして保存、管理をしております。そのうち主なものは、毎年、県埋蔵文化財調査センターで調査後、速やかに展示公開いたしますとともに、県歴史文化博物館や湯築城資料館に常設展示しています。さらに、県内外の教育委員会、大学、博物館等からの展示公開や調査・研究のための見学希望などに応じますほか、学校教育の場でも授業などで活用されております。  また、県埋蔵文化財調査センターが行った発掘調査を記録した図面や写真につきましては、同センターがそれらを掲載した調査報告書を作成し、関係先へ広く配布することにより情報発信しておりますほか、遺物の展示公開に必要な資料を貸し出し、遺物と一体的な活用を図っているところでありまして、県教育委員会としては、今後とも、県埋蔵文化財調査センターと緊密な連携を図りながら、埋蔵文化財の保存、活用に努めてまいりたいと考えております。  次に、県埋蔵文化財調査センターの新公益法人制度への移行について、その方向性はどうかとのお尋ねがございました。  県埋蔵文化財調査センターでは、公益財団法人への移行を念頭に、役員会において協議を重ねており、組織体制の見直しや長期的な受託業務の拡大などについて検討を行いますほか、徳島県等の先進法人の取り組み事例について情報収集に努めているところであります。  県教育委員会としては、国民の財産である埋蔵文化財の発掘調査という極めて公共性の高い事業であることを踏まえ、県埋蔵文化財調査センターの意向を確かめながら、平成25年11月末までの新公益法人制度への円滑な移行を支援してまいりたいと考えております。  なお、大西議員から、文化財保護行政の推進について激励の言葉をいただきましたが、文化財は、先人が積み重ねてきた英知と、それがもたらした歴史・文化の足跡を示すもので、一度壊れてしまうと二度ともとに戻すことのできない貴重な財産であり、それを後世に引き継ぐよう努力をしていきたいというふうに考えております。  最後に、道徳教育に関しまして、これまでどのような道徳教育を行ってきたのか、今後の取り組みはとのお尋ねでございました。  各学校におきましては、道徳や総合的な学習の時間はもとより、集団活動や自然体験活動等、教育活動全体を通して道徳教育を実施いたしますとともに、地域人材の活用や地域住民、団体との協力、交流などにも取り組み、自他の生命の尊重、法やきまりの意義の理解など、道徳的な心情や態度を培ってきたところであります。  また、県教育委員会におきましても、道徳教育推進校の研究成果の普及、啓発を図ります道徳教育実践研究事業や豊かな人間性や社会性を育成する豊かな体験活動推進事業に取り組んでおりまして、さらに、昨年度、すべての小学生に配布した道徳副読本「『愛』ある愛媛の道徳」の中学生用冊子を今年度作成、配布いたしますほか、保護者に対する出前講座等の家庭教育支援にも取り組み、学校と家庭、地域社会が一体となって道徳教育を推進していくこととしております。  大西議員お話ゆとり教育の見直しの中にありましても、人間としての生き方、考え方の基本は普遍でありますことから、引き続き、高い道徳性や規範意識を身につけた子供たちの育成に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(岡田志朗副議長) 暫時休憩いたします。      午前10時51分 休憩   ―――――――――――――――――      午前11時6分 再開 ○(岡田志朗副議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(笹岡博之議員) 議長 ○(岡田志朗副議長) 笹岡博之議員   〔笹岡博之議員登壇〕 ○(笹岡博之議員) (拍手)公明党の笹岡博之でございます。  本日夜、新内閣が発足するとのことであります。先週、鳩山さんが退陣し菅さんが新総理となったわけでございますが、小沢さんとのダブル辞任や人事で小沢色を薄めることによって、各種世論調査では民主党の支持率も復調傾向にあるようでございます。  しかしながら、大事なことは、国民のことを考え、日本の将来を考えて国政の運営に当たってくれているかどうかということであります。国民の期待の本質は、そこにあるわけでございます。党利党略や選挙目当てをもって行動を起こされては、国民はたまったものではありません。鳩山政権の政治と金の問題、普天間問題、異常な財政運営等々は、国民との間にあるべき政治との信頼関係をずたずたにしてしまいました。最後は、国民に対しての辞任会見もせず、一政党の両院議員総会での話で幕引きをする。どこまで国民を愚弄するのか、違和感を覚えたのは私一人ではないと思います。  鳩山政権のナンバーツーである副総理が菅直人さんであったことは事実であります。鳩山政権の迷走に対しては、当然責任をとるべき立場であり、普天間問題に対しても、私は携わってなかったでは済まされるものではありません。連帯責任がないとは、口が裂けても言えないはずであります。このことを棚上げすることは、国民の信頼関係を破る第一歩ではないでしょうか。  代表選出馬会見で菅総理は、小沢元幹事長について、少なくともしばらくは静かにしていただいた方が、御本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいのではないかと述べていますが、少なくともしばらくとは、参議院選挙が終わるまでとの意味なのでしょうか。  また、小沢元幹事長は、地元岩手県で流れたビデオメッセージでは、参議院の選挙に勝利して政権を安定なものにすることによって、初めて本当の意味の改革が実行できます、そして、私はそのときに、まさに自分自身、先頭に立って頑張ってまいりたい、私も一たん幹事長の身を引きましたけど、今後とも私の理想を実現するために、なお一層頑張る決意でございますとの話をしています。  小沢隠しなのか小沢外しなのか、よくわかりませんが、一連の発言から読み取れることは、表紙のすげかえによる選挙対策が本質ではないかということであります。国民のことを真剣に考えない、未来に責任を持たない政治は、いっときは人気を博したとしても、必ず大きなしっぺ返しを食らいます。  地方の立場から言いたいことは山ほどありますが、新政権に望むことは、国会審議をきちんとやってもらいたいことであります。郵政法案の衆議院での委員会審議は、わずか5時間、しかも強行採決です。考えられない暴挙であります。  政治と金の問題については、公明党では、今国会に、企業団体献金の禁止と秘書などの会計責任者が政治資金収支報告書に虚偽の記載をした場合、監督責任を果たさなかった国会議員の公民権を停止するなど、秘書に対する監督責任を強化する政治資金規正法の改正案を提出しております。  現在の政治資金規正法は、秘書などの会計責任者が政治資金収支報告書に虚偽の記載をしても、秘書を選んだ責任と監督責任の両方で注意を怠ったことが立証されなければ国会議員本人は処罰されず、この規定で議員が処罰された例はありません。鳩山元総理も小沢元幹事長も、結局、処罰はされておりません。  これについて公明党は、会計責任者を選んだ責任とその後の監督責任のどちらか一方の注意を怠っただけで、国会議員の公民権を停止できるよう改めることを提案しています。公民権が停止されると、当然、国会議員は議員の資格を失いますから、政治と金の透明性を高めることにつながっていくと確信するものであります。政治と金の問題によっても国民との信頼を失ったとされるのであれば、この法案についても真摯な審議をすべきであります。この対応によって、新政権が本気でクリーンな政治を目指すのかどうかが問われると申し上げたいのであります。  質問に入らせていただきます。  先日、岡山県北部の津山市、美咲町に行ってまいりました。新緑の季節でもあり、山の緑がまぶしく映える中国山地の山並みは、四国山脈とは趣が違いなだらかで、これはこれでいいもんだなと思いました。  市、町の施設見学をするとともに、津山市ではホルモンうどん、美咲町では卵かけ御飯を食べてまいりました。ホルモンうどんは、昨年のB級グルメの祭典で3位になったとかいうので、市のあちらこちらでアピールをしていました。味については、個人の好みもありますが、ホルモン好きの私としては、おいしくいただきました。津山市外からの来客も多く、まちおこしに大いに貢献しているように見受けられました。地元に根づいているものをB級グルメブームをきっかけにして再発掘したのでしょうが、一過性のブームで終わらないようにするにはどうするのか、これからが大事なんだろうと思いもいたしました。  美咲町の卵かけ御飯は、単なる卵かけ御飯ですが、郷土の偉人である明治のマスコミ人、実業家、また、岸田劉生画伯の父として知られる岸田吟香さんが卵かけ御飯を好んで食し広めたとのことと、西日本で最大級の養鶏場があるということで、卵かけ御飯でまちおこしを考えたとのことであります。  話のネタに寄ってみようということになりました。町営中央運動公園内の店に着いたのが昼どきを少し過ぎた時間でありましたが、まだ七、八人が並んでおりました。開店してから2年余り、いまだ客足は衰えていないとのこと。15分ほど待って店内へ。家族連れと若いカップル、そして御婦人の団体。カウンター席で十五、六人が座ればいっぱいになる店内には、地元でとれた野菜等も売っており、全員女性で切り盛りをされていました。定食は300円、御飯と殻つき生卵、みそ汁、漬物と極めてシンプルです。御飯と卵は食べ放題、しょうゆに至るまで地元産ということであります。しそだれ、のりだれ等の卵かけ御飯のたれが工夫されているとは思いますが、要は卵かけ御飯です。そのほかに、卵を使ったメニューが数種類、客単価は500円といった感じでしょうか。値段が安くお腹いっぱいになりますので、近くを通った際には寄ってみようかと思いますが、このために御当地を訪問したいとは思いませんでした。ただ、通りかかった際には寄ってみようという気持ちにさせることが大事であると考えたのであります。  テレビのスイッチを入れると、B級グルメを紹介する番組も多く、旅行番組も地方の名物を紹介するという番組があふれている中にあって、B級グルメも食傷ぎみかなと思っていましたが、最も簡単に家で食べられるものでも観光資源の一端を担うことができるというのは驚きではありました。  さて、四国のB級グルメの代名詞といえば、うどんでありましょう。あえて讃岐とは言いませんが、香川県のうどんは、店舗の数といい県内で食される量といい、県の食文化の骨格をなしていると言っても過言ではありません。特に東日本の人たちは、四国を一まとめにして、四国に行けばおいしいうどんが食べられると思っている人も多くいます。現に、高知の老舗旅館のお土産店の売り上げナンバーワンは、讃岐うどんであると聞いたことがあります。  愛媛にも、おいしいうどん屋さんはたくさんあります。東京の友人を案内すると、四国に来たらやっぱりうどんだなと大変喜ばれるのであります。戒能議員お勧めの松山の煮込みうどんもいいですよね。  香川県には、うどんを食することがメーンで訪れる人も多いと聞いております。私の感覚では、ちょっと理解しがたいところもありますが、私も用事で香川県に行ったときには、うどんを必ず食べています。徳島へ行ったときには、必ず行く徳島ラーメンの店があります。地元の人で、はやっている店が間違いないと思います。  これはもう立派な観光資源であります。旅の魅力の大きな要素に食があることは間違いありません。ちょっとぜいたくなブランド食材も大事ですし、お昼に食べる手ごろなB級グルメも大きな観光資源となると、今さらながら勉強させていただきました。  松山であれば、道後へ泊まっていただき、夕食は甘とろ豚や島あわびのブランド食材を味わっていただき、昼には手ごろな煮込みうどんや三津浜焼きなどを食するというコースもいいかもしれません。東予、中予、南予それぞれに手軽でおいしいものはたくさんあります。今治の焼き鳥、焼豚卵飯、じゃこてん、じゃこカツ、ちゃんぽんなどなど、名前が挙がっていない分は失礼をいたします。まずは、県民に広く知ってもらい、食してもらうことが大切だと思います。  例えば、県内のB級グルメを集めたイベントを開催し、できるだけ多くの県民が味を知り、ファンになれば、そこから他県の皆様にもアピールができると思います。また、「さわやか愛媛」で愛媛のB級グルメ特集を組んではどうでしょうか。特定の店の名前は出せないかもしれませんが、きっと興味を持って読んでくれると思います。  地域活性化に向けて地域間競争も激化しています。行政として公平公正を期するということはもちろんありますが、経済活動は特に、自助が薄いところに公助を行っても効果が期待できないということがあります。また、県も含め自治体も、常に従来の発想を打ち破り、死に物狂いで頑張らなければいけないと思っております。  そこで、お伺いいたします。  このように、手法はさまざまあると思いますが、県としても、県下各地のB級グルメを観光資源として活用していくことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。  続きまして、認知症対策について質問をさせていただきます。  昨年、私たち公明党では、介護の実態を把握しようと介護総点検運動を実施いたしました。そうした中で、認知症の患者さんを抱える家族の御苦労を聞くことができました。特に、夜間徘回や妄想による言葉の暴力で苦しめられた場合にはどうやって対処したらよいのか、簡単なことは言えない、すさまじい話でありました。また、独居の認知症患者が攻撃的な症状を呈した場合には、御近所を巻き込んだ騒動に発展するという話もしばしば耳にします。  先日は、御主人が認知症を50代で患われた奥さんから、いろいろと話をお伺いすることができました。その中で印象的な話が幾つかあったわけでございます。  その方の知り合いのドクターの奥さんが、若年性認知症を患っています。小児科医であるそのドクターは、奥さんの症状が見られ始めたころ、精神科へ彼女を伴って行きます。そこで下された診断は統合失調症、それから統合失調症としての治療が始まったわけであります。しかし、病状は悪化する一方であったそうです。奥さんの病気は、若年性認知症ではないかと本人は疑うわけですが、専門外でもあり、むなしく時が過ぎていったということであります。しばらくして、病状が進行する中、統合失調症ではなく若年性認知症であることが判明いたします。もっと早く手を打っていれば、奥さんの姿を見るにつけ、後悔の念に駆られるとのことでありました。  以上のことは、若年性認知症に対しての診断の難しさがあることを象徴する話であると思います。臨床経験豊富な専門医が認知症の診断に当たることが理想でありましょうが、診療報酬の問題を含め、早急に取り組むべき問題があるようでございます。  日本では、認知症治療薬として、唯一アリセプトという薬が認可をされていて、早期のうちに投薬すれば、かなり進行をおくらせることができるとのことであります。  また、奥さんが仕事をしなければならない中で、御主人を預かってくれる施設がなかなか見つからないという問題がございます。元気な患者さんの場合、体を動かしたいとの欲求が当然あります。施設側は、管理上余り元気に動かれると困るとのことから、何回か施設をかわっているとのことでありました。この方の場合、結婚適齢期のお子さんがいらっしゃるわけですが、縁談がありましても、父親が若年性認知症であることがわかると、話が前へ進まなくなるとの話もありました。  また、若年性認知症と診断された時点で職場をやめなければならないケースがほとんどでございますが、周囲にこの病気に対する理解があれば、できる仕事はあるようでございます。若干の作業効率の問題はあっても、十分職場の戦力となり得るというのが、専門家の意見であります。当然、本人の生きがいとなり、病気の進行をおくらせることにもつながるわけであります。  そこで、お伺いをいたします。  認知症は、さまざまな病気によって起こるもので、病気によっては早期発見と早期治療により、治るものや病状の進行をおくらせることが可能とのことでありますが、臨床体験が豊富でないと早期発見も容易でないとの話もお聞きします。また、認知症の家族を抱えて、言うに言えない苦しみを抱えている家族も多いという現状から、早急な対応が求められております。認知症に対しての診療体制と相談体制の充実について、現状とこれからの対応についてお聞きいたします。  2つ目は、若年性認知症の場合は、特に体が元気な場合が多いわけであります。スポーツをされていた方などは、当然の欲求としまして動くことをしたい。しかし、施設側は、本人のニーズに合った個別的なケアが難しい状況ということもあります。家族が面倒を見ると経済的に破綻をしてしまうという切実な問題でもあり、若年性認知症の方のサービスの利用や施設の受け入れについて、県の見解をお聞かせ願いたいのであります。  認知症の3つ目は、認知症について、世間一般の認識にも問題があるのではないかと思います。このため、御近所とのトラブルになったり、さまざまな問題に発展する場合も考えられます。特に単身世帯の人が認知症を患った場合は、早期発見、早期治療が困難なため、事態が深刻になることも懸念されます。また、家族に結婚適齢期の人がいた場合、将来、認知症を患うのではないかとの根拠のない不安からパートナーが見つかりにくいという話も聞きます。だれでも認知症になる可能性があるわけですから、今後、増加が見込まれる単身世帯への対応を含め、認知症について、県民が正しい知識を持ち、適切に接するための方策についてお聞きいたします。  竹林対策について質問いたします。  タケノコの季節も終わりとなり、ちょっと残念な気もしますが、我が家の冷蔵庫には、まだOBの井上和久さんの竹林へ押しかけて行っていただいたタケノコの水煮があります。タケノコ掘りは楽しいものです。まだ頭が出ていないタケノコを土の中から探し出すのもわくわくいたしますし、うまく地下茎ぎりぎりのところまで掘り出せるかどうかで一喜一憂したりと、はるか昔、採集したもので食を満たしていたころのDNAが騒ぎ出すような感覚を持ちます。井上さんによれば、日浦のタケノコは日本一だそうです。日本一かどうかは定かではありませんが、確かにおいしいタケノコではあります。エンドウマメと一緒に煮たタケノコを見るだけで日本の春を感じるのは、私だけではないと思います。  しかしながら、我が国では、タケノコの消費量も徐々に減る傾向にあるとのことであります。1995年の33万tをピークに、2008年には25万tまで落ち込んでいます。国内生産量も、1985年の15万tから、最近は何と2万tにまで激減しているということですからひどいものであります。逆に同時期、輸入は8万tから22万tと3倍近くに急上昇、国産に比べ安いという理由で、中国などから水煮の形で入ってきているそうであります。  当然、タケノコをとらない分、竹が伸びるわけであります。成長するものは、2カ月で20m伸びると言われていますし、1日で1m20cm伸びたとの記録もあるそうです。杉やヒノキが20年でやっと10m成長するということですから、その成長ぶりは驚異的であります。また、竹の地下茎は1年で6m伸びるということですから、タケノコをとらない分、どんどん自分たちの領域を広げていきます。しかも、コンクリートの壁をも破る場合があるというのですから、たまったものではありません。また、根の張り方が木に比べて浅いため、土砂崩れの原因ともなります。  今や、竹林は山の侵入者と化しているわけであります。過去40年の間に、日本では1万haの竹林がふえたとされております。東京の山手線の内側が約5,000haですから、その約2倍であります。竹炭をつくったり、竹のさまざまな利用法は考えられておりますが、結局、手っ取り早く竹林を駆逐するためには竹を切るしかないということですが、しかし、含有水分が多過ぎるため焼却もままならないと、山の厄介者との汚名を着せられているのが現状であります。  我が家では、季節になると、できるだけ地元のタケノコを食べるようにしています。多少なりとも竹林対策に貢献しているとは思いますが、当然微々たるものであります。国産タケノコの消費量をふやすにはどうしたらいいのか、タケノコ掘りの合間に議論は大いに盛り上がりました。タケノコの新しい食べ方、イタリアンやフレンチへの利用を提案し促進する。タケノコの栄養や食物繊維について広く知ってもらう等々。しかし、輸入物の消費を助長するのでは意味がありません。学校現場との連携はどうだろうとの提案もありました。自然体験授業や校外授業の一環として、児童生徒にタケノコ掘りを体験してもらうとの意見であります。自然体験が豊かな子供は、命の大切さを知り、成長してからも他者に対しての思いやりが豊かであると言われております。一考に値する意見であると思います。  お隣の香川県では、竹の繊維でつくる竹綿という材料が、竹の持つ消臭、抗菌効果をさまざまな場面で生かせるとのことから脚光を浴びています。香川県の機械メーカーが、竹綿の従来の製造コストを約6分の1にできる機械を開発したということにより、利用しやすい材料になっております。このように竹資源を有効活用することで、厄介者の汚名を返上できるのではないかと期待をしているところであります。  そこで、お伺いをいたします。  本県における竹林の増加による周辺への影響とその対策はどうか。また、この竹林を今後どのように有効活用していくのか、見解をお聞かせ願いたいのであります。  最後に、県の文化施設の利用についてお伺いをいたします。  先日、常任委員会の県内視察で県総合科学博物館に行かせていただきました。何といっても目玉は、世界一の規模を誇るハイブリッド方式のプラネタリウムであります。リニューアル直後にも見学をさせていただきましたので、ハイブリッド方式になって今回が2度目の鑑賞となります。前回とは違ったプログラムで、大変に有意義な時間を過ごさせていただきました。小学校時代、小さなプラネタリウムで星座の話を聞き、その晩、父と北極星を探し、弟に宇宙人の話をして怖がらせたことなどを思い出しました。  このプラネタリウムは、子供にとって自然な形で理科系教育に興味を持ってもらうよいツールとなると思います。このプラネタリウムを利用した子供たちから、日本を代表する科学者や技術者が輩出されんことを心から念願するものであります。  私たちの視察当日、学生服の生徒さんが団体で鑑賞していましたので学校名を聞きました。すると、高知から来た高知高専であるということでありました。指定管理者と県が努力をされて、県外から学校単位で来てもらっているんだなと思ったわけであります。せっかくの大きな財産でありますので、本県の理科系教育の振興に大いに役立っていただきたいことを切望するものであります。  県の博物館系施設の代表的な3施設、県総合科学博物館、県歴史文化博物館、県美術館は、県民の文化、教育の素養向上に大きく資するものでありますが、とりわけ県総合科学博物館は、児童生徒の理科系離れが取りざたされる中で大事な役割を担う施設であると痛感しております。  そこで、お伺いいたします。  県総合科学博物館では、プラネタリウムリニューアル後、県内小中高校の施設の見学状況はどのようになっているか。また、今後、県内の学校の利用促進にどのように取り組まれるのか、あわせてお聞きいたします。  以上で私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(岡田志朗副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(岡田志朗副議長) 加戸知事   〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 笹岡議員の質問に答弁いたします。  まず、認知症に対する診療体制と相談体制の充実について、現状とこれからの対応はどうかとのお尋ねでございました。  認知症につきましては、早期の診断による適切な医療の提供と、家族を含めたきめ細かなケアが大切であると認識しておりまして、県では、かかりつけ医と専門医との連携により、認知症を初期段階で発見し、治療に結びつけることができる診療体制の構築に向け、かかりつけ医の認知症対応力の向上を図る研修会を開催いたしますとともに、かかりつけ医への助言や、医療と福祉が一体となったサービス提供への支援を行う認知症サポート医の養成に取り組んでいるところでございます。  また、認知症の相談につきましては、本人や家族が身近にいつでも相談できるよう、各市町の地域包括支援センターが中心となって対応し、相談者の状況に応じて適切な医療機関や介護サービス事業所などを紹介しておりまして、県では、センターの職員等を対象に、認知症地域支援セミナーを開催して相談機能等の向上を図りますとともに、ホームページに認知症支援サイトを開設し、相談窓口や認知症の特性、介護や各種支援制度等の情報提供に取り組んでおります。  今後とも、医師会や医療機関、市町等との連携を密にして、これらの取り組みをさらに推進し、医療、福祉、両分野での認知症対応力の向上と連携体制の構築を図り、早期発見と医療から介護への切れ目のないサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。  次に、本県における竹林の増加による周辺への影響とその対策はどうか。また、この竹林を今後どのように有効活用していくのかとのお尋ねでございました。  笹岡議員のお話にありましたように、県内におきましても、放置された竹林が拡大しておりまして、その影響としては、周辺の農地や杉、ヒノキ等の人工林に竹が侵入し農林業に被害を与えておりますほか、森林の持つ水源涵養等の公益的機能を低下させることが懸念されております。  このため、本県では、平成16年度に竹資源循環利用促進プログラムを策定し、竹資源の有効活用と竹林整備の両面から対策を講じているところであります。  このうち、竹資源の有効活用の対策といたしましては、県と畜産農家、企業が連携して、竹を家畜飼料用のペレットとして製品化を行い、搾乳効果や肥育効果を検証の上、現在では酪農家に本格利用していただいておりますほか、リサイクル企業が開発した有機肥料「竹宝」を県が優良リサイクル製品に認定し、環境イベント等で広く県民に普及、啓発を行い、民間ベースでの竹資源の利用促進にも支援しているところであります。かなり以前から竹炭による竹資源利用ということも取り組まれましたが、なかなかにおいて竹炭の利用というのが伸びなかったという過去の実態はございます。  また、竹林自体の整備対策としましては、昨年度、緊急雇用対策の基金を活用し、松山市外6市町において、39haに及ぶ侵入竹を除去しましたほか、森林環境税を活用したボランティア活動の支援により、放置された竹林20haの整備を行ったところであります。  このほか民間では、笹岡議員のお話にありました香川県における竹綿を初め、本県においても、竹材の土壌改良剤としての利用や、県内森林組合系統での乾燥タケノコの商品化、さらには竹林整備に向けたボランティア活動の活発化など、竹をめぐる地域振興の取り組みが拡大しておりますことから、今後とも、県民を初め関係団体との連携を深め、竹資源の有効活用と竹林の整備に一層努めてまいりたいと考えております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(仙波隆三保健福祉部長) 議長 ○(岡田志朗副議長) 仙波保健福祉部長   〔仙波隆三保健福祉部長登壇〕 ○(仙波隆三保健福祉部長) 笹岡議員にお答えをいたします。  認知症対策についての御質問のうち、まず、若年性認知症患者のケアサービスの利用や施設の受け入れについて、県の見解はどうかとのお尋ねでございます。  平成21年3月に愛媛大学医学部が公表しました調査資料によりますと、県内の若年性認知症患者の推計数は約500人で、平均発症年齢は49歳と推定されておりまして、働き盛りの現役世代での発症は、仕事の継続や経済生活上の問題はもとより、集団的なケアになじみにくい等の理由から、介護サービス等の利用が困難なケースも少なくないと聞いております。  このため、県におきましては、若年性認知症患者に対するケアサービスの提供や施設への受け入れに当たっては、本人の希望や心身の特性を十分に踏まえたケアプランを作成し、個々人の状態に応じたケアが行われるよう、介護サービス事業者等に対する実地指導や従事者研修を通じて指導、普及に努めておりまして、国におきましても、平成21年度の介護報酬改定では、若年性認知症利用者受入加算を創設し、必要なサービスが適切に提供されるよう、事業者への支援措置を講じたところでございます。  なお、愛媛県グループホーム連絡協議会からは、家庭的な雰囲気で本人のペースに応じた生活を支援する認知症グループホームでは、若年性認知症患者の受け入れが徐々に進んでいると伺っております。
     次に、認知症について、県民が正しい知識を持ち、患者に適切に接するための方策について所見を問うとのお尋ねでございます。  認知症は、その原因はもとより、認知障害の出方や程度が、人により、病状の段階によってもさまざまに異なるなど、理解されにくい面がございますが、認知症患者やその家族が地域で安心して暮らすためには、県民一人一人に認知症の正しい知識を普及し、特に外部とのかかわりが失われがちな単身世帯を中心に、地域でのきめ細かな見守り体制を構築することが重要と認識をしております。  このため、県におきましては、認知症に対する正しい知識と接し方を県民に広める認知症キャラバン・メイトを養成し、地域において認知症患者の応援者となる認知症サポーターの拡大に努めますとともに、愛媛県在宅介護研修センターにおきましても、認知症をテーマとした研修会や出前講座を積極的に開催しているところでございます。  また、地域住民の参加による認知症患者の支援体制づくりに向けまして、モデル市町を指定して認知症地域支援体制構築等推進事業を実施し、認知症患者を見守る連絡網の整備や徘回時の保護等を行うための取り組みを進めておりまして、今後も、これらの施策を推進し、認知症に対する正しい知識の普及と地域の支援ネットワークの県全体への普及に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(東倉勝利経済労働部長) 議長 ○(岡田志朗副議長) 東倉経済労働部長   〔東倉勝利経済労働部長登壇〕 ○(東倉勝利経済労働部長) 笹岡議員にお答えをいたします。  県内各地のB級グルメを観光資源として活用していくことが必要ではないかとのお尋ねでございました。  食は、旅の楽しみの重要な要素でありまして、その魅力を高めることで、観光客の満足度の向上につながることはもちろん、農林漁業や食品加工業など地域経済への波及効果も大きく、重要な観光資源の一つであるというふうに認識をいたしております。  本県にも、すぐれた農林水産品や豊かな伝統文化などを背景といたしまして、地域ではぐくまれ、愛されている食が各地に存在をしておりまして、観光資源としてその活用が大いに期待されるところでございます。  これまでも、県におきましては、コンビニと提携をして、地域の名物料理をアレンジした弁当の企画開発やPRなどに努めてまいりましたが、今年度新たに、いわゆるB級グルメを含めた県内各地の人気の食や伝統的特産品などを県内外に広く紹介するホームページ、愛媛いいもの図鑑を開設することといたしております。  また、今後は、笹岡議員御提案の「さわやか愛媛」などさまざまな広報媒体の活用やイベントの検討のほか、地域の主体的な取り組みを支援するなど、B級グルメを生かした観光振興にも積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 ○(藤岡澄教育長) 議長 ○(岡田志朗副議長) 藤岡教育長   〔藤岡澄教育長登壇〕 ○(藤岡澄教育長) 笹岡議員にお答えをいたします。  県総合科学博物館のプラネタリウムのリニューアル後、県内小中高校の生徒の見学状況はどうか。また、今後の利用促進はというお尋ねでございました。  県総合科学博物館は、展示や博物館講座などを通じて利用者が気軽に科学技術等に触れ合い、学習する施設として親しまれておりますが、笹岡議員お話のプラネタリウムにつきましては、最新型の光学式投影機を導入し、よりリアルに星空の姿を楽しんだり、宇宙船に乗って宇宙旅行をするような臨場感あふれる映像を見ることが可能となりました。  本年3月20日のリニューアルオープン後、5月末までの県内小中高校の見学状況を見てみますと、21校、2,692人が利用しており、前年同月同時期と比較すると約1.4倍に増加いたしております。また、総入館者数も1万9,370人の増加と約1.5倍となっており、プラネタリウムのリニューアル効果が顕著にあらわれたものと考えています。  今後は、子供たちが科学への興味を深め、知識を高めることができるよう、プラネタリウムの投影や企画展示、体験型講座などの内容を充実させますほか、学校への県学芸員による出張講座や博物館資料の学校教材としての貸し出しなどを通じて、学校教育との連携強化に努めるとともに、これらの活動にあわせて博物館の魅力を広く県内の学校に周知啓発し、一層の利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(岡田志朗副議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時49分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(西原進平議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(渡部浩議員) 議長 ○(西原進平議長) 渡部浩議員   〔渡部浩議員登壇〕 ○(渡部浩議員) (拍手)自由民主党の渡部浩です。  昼食後、眠気が襲う時間ですが、御清聴いただきますようお願いいたします。  さて、今の政治状況は、17年前の細川連立政権当時と酷似しており、さまざまな新党が乱立してきております。ある人が詠んだ川柳に、私は思わずひざをたたきました。「おれは今どこの党かと秘書に聞き」まさしく現在の政治を当意即妙に歌い込んでいるではありませんか。  自民党が野党になって9カ月余り、残念ながら、まだまだ多くの国民の信任を回復するまでには至っていません。しかし、このような厳しいときにこそ、これからの国のあり方を示す骨太の政策を打ち出すべきであり、我が党では、来る参議院議員選挙に向けて、少子化対策や社会保障等の財源として消費税の10%へ引き上げを公約に盛り込むことにしております。これは、国民にとってはまことに苦い薬でありますが、これからの国づくりには避けて通れない課題であり、民主党のように財源なき政策実行という無責任な態度はとれないのであります。まことに潔い判断であり、党員の一人として頼もしく受けとめております。  私は、これからもぶれることなく自民党の県会議員として活動していくことを披瀝させていただいて、質問に入らせていただきます。  まず、新繊維産業技術センターの整備についてお伺いします。  先般、発表されました中小企業白書では、「今回の世界経済危機は非常に厳しく様々な課題も存在するが、中小企業が新事業展開及び創業を行うことなどにより、危機と課題を乗り越える中に更に発展していくチャンスがある」との提言がなされ、厳しい経営環境の中にあって積極的な事業展開を行うことこそ、ピンチを乗り越えるかぎになるとされています。  新製品の開発や新規事業分野への展開を目指す中小企業の支援により、産業界の活性化を図ることが喫緊の課題であり、その中で大きな役割を担っているのが公設試験研究機関であります。紙産業の一大集積地である四国中央市に立地する紙産業技術センターにおいては、紙産業に関する新商品開発研究や地域に密着した技術支援が行われておりますが、新たにこの4月には、愛媛大学が四国中央市や地元産業界とも連携し、大学院修士課程の専攻コースの一つとして紙産業特別コースを設置され、将来の紙産業を担うスペシャリストの養成に期待がかかるところであります。  一方、本県を代表する中核的な地場産業であるタオルを中心とした繊維産業が集積する今治市に立地する繊維産業技術センターにおいても、これまで新商品の開発研究や新技術開発のほか、技術相談など繊維産業に関するさまざまな研究開発や技術支援に取り組んでこられました。しかしながら、同センターは築後40年以上が経過し、施設全体の老朽化、狭隘化が進行していることから、これまでにも地元産業から施設の建てかえについて要望がなされており、県におかれましては、整備に向けた検討がなされてきたところでありますが、財政構造改革に伴う大規模事業の見直しの中で、事業化について凍結とされているところであります。  今、タオル産業は、国内需要の低迷や海外からの安価な輸入品の急増等、かつてない厳しい環境下にあって、産地存亡の岐路に立たされており、今後、繊維産業が活路を見出し、地域の活性化に寄与していくためには、官民一体となった研究開発等を通して、産地の持つ高い技術力を生かした新商品の開発や新規分野への展開を図るなど、タオルを中心とした繊維産業の活力再生が不可欠であることから、その中核的試験研究機関としての繊維産業技術センターの機能強化に寄せる期待は極めて大きいものがあります。  先般、今治市及び関係団体から、加戸知事へ早期整備に関する要望がなされたところでありますが、これを受けて今回の補正予算案において、新繊維産業技術センター整備検討費が計上されたことは、関係者にとって待望久しい朗報であり、今後、整備に向けた速やかな取り組みをお願いするものであります。  そこで、お伺いします。  新繊維産業技術センターの整備に向け、今後、どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。  次に、緊急雇用対策の取り組みについてお伺いします。  県内の雇用失業情勢は、一部に持ち直しの動きが見られるものの、大手メーカーの生産縮小など、雇用や整備の過剰感が強く、依然として厳しい状況が続いており、これまで県では、ふるさと雇用再生事業と緊急雇用創出事業を柱に、県内の厳しい雇用環境を下支えするため、矢継ぎ早の対策を講じてこられました。  こうした緊急措置的な対策により、雇用悪化に一定の歯どめをかける効果はあったところですが、本来的には将来の成長が見込まれる分野へ雇用を誘導し、若者が地元で安心して持続的に就職できる雇用の場を確保することこそが重要であると考えます。  例えば、先般、環境省が発表した環境関連産業の景気見通しによりますと、環境関連の製品やサービスを製造、販売する企業のうち、ハイブリッド車などのエコカー関連企業や省エネ家電関連企業などは、いずれも多くの企業が景気がよいと判断するなど、環境関連産業は将来の持続的な大きな成長が期待されているのであります。  また、国において今月まとめられる予定の新成長戦略においても、その柱として、環境、エネルギーと健康、医療、科学、技術など、未来への投資につながる分野を今後の成長産業として、これらを重点育成することとされており、これらを成長分野と位置づけることは、世界の趨勢であり、低炭素社会や循環型社会を構築していく上で必要不可欠な重点分野として、さらなる市場の拡大と新規雇用の創出が見込まれているのであります。  こうした中、県では、本年3月に愛媛県経済成長戦略2010を策定し、成長産業の創出、雇用を支える産業の育成、環境と経済の好循環の3つの視点に立って産業政策を重点的に推進するとしておりますが、私は、本県の雇用情勢の好転にも、経済の持続的発展にもつながるという点においても、この成長戦略に大いに期待しているところであります。  県は、介護、医療、農林、環境、エネルギー、観光等の重点分野の雇用創造を図るため、昨年度の2月補正予算で国からの交付金20億3,000万円を基金に積み増し、22年度当初予算においては、県、市町合わせて28億9,800万円の緊急雇用創出事業費を計上し、雇用創造に取り組まれております。  また、本議会にも、6月補正予算案として県事業と市町事業に10億円を計上されており、早急な具体化に期待しているところであります。  そこで、お伺いします。  これまでの緊急雇用対策の雇用実績と今年度の計画はどうか。また、重点分野の雇用創造に具体的にどう取り組むのか、お聞かせ願いたいものであります。  次に、障害者雇用についてお伺いします。  昭和35年に身体障害者雇用促進法が制定され、ことしは節目の50年を迎えます。現在では、身体障害者に加え、知的障害者と精神障害者も雇用促進の対象とされ、法律の名称も障害者の雇用の促進等に関する法律に改められております。この間、国や県を初め関係機関の御努力により、少しずつではありますが、障害者の社会参加、特に雇用促進が進んできております。  しかし、一昨年秋のリーマンショックを契機とした世界的な景気後退により、全般的な雇用問題が深刻化してきており、特に障害者の働く場の確保は、大きな社会問題ともなってきていると受けとめております。  私は、障害者の雇用促進について、県議会議員に就任する前に、今治市内の知り合いの会社が率先して障害者を雇用していたことをきっかけに強い関心を抱くようになり、県議会におきましても、たびたび提案や意見を述べさせていただきました。本県におきましても、県庁において、知的障害者等の支援を行っているNPO法人への喫茶店の運営委託などの取り組みが行われており、まことに心強く感じております。  そこでお伺いいたします。  県内における発達障害者も含めた障害者に対する職業訓練や就労支援の取り組み状況と成果はどうなっているのか、お尋ねします。  また、関連して授産施設等の製品の販売拡大についてお伺いします。  平成18年度から障害者自立支援法が施行され、翌年度から全国的に授産施設の工賃倍増5カ年計画が開始されました。各県でも、その計画達成に向けて各種の取り組みが進められており、和歌山県では、昨年12月から授産施設等でつくったパンや弁当などの販売コーナーを県庁に設置したり、秋田県では、県とコンビニの協定に基づき、本年4月から授産施設の製品のコンビニでの販売が始まるなど、さまざまな取り組みが進められております。  そこで、お伺いします。  工賃倍増計画を達成するため、県では、授産施設等の製品の販売拡大にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。  次に、パーキングパーミット制度、身体障害者等の方々を対象とした駐車場利用制度についてお伺いします。  この制度については、身体障害者や高齢者、妊婦など歩行が困難な人の駐車スペースを確保するために、平成18年7月に佐賀県が全国で初めて導入したもので、昨年の9月議会で県内への導入を提案させていただいたところ、県におかれましては、早速22年度当初予算で制度化に向けた事業予算を計上いただき、心から感謝を申し上げます。  これからの制度運営に当たっては、制度の周知はもちろん、何よりも利用のしやすさを確保することが肝要であり、利用証申請の簡便さと利用可能施設数の多さがかぎを握っていると考えております。また、この制度は県民に強制するものではなく、県民の善意を引き出す制度であり、おもてなしの心が培われた遍路の国、四国にこそふさわしい事業ではないかと受けとめております。  そこで、お伺いします。  この駐車場利用制度、すなわちパーキングパーミット制度への取り組み状況はどうか、四国4県での連携を含めてお尋ねしたいのであります。  次に、自殺対策についてお伺いします。  自殺者数に関する警察庁の統計によりますと、我が国の自殺者数は、平成10年から12年連続して3万人を超えており、大変憂慮すべき状況にあります。また、自殺死亡率は、人口10万人当たり24.2人で、欧米先進諸国に比べて非常に高く、アメリカの2倍を超え、イギリスの4倍近くにも上る状況にあります。交通事故による死亡者は、平成7年まで1万人を超えていたものが、昨年は4,000人台にまで減少していることと比較いたしますと、改めて自殺対策は国を挙げて取り組むべきまさに喫緊の重要課題であると感じております。  本県におきましても、昨年の自殺者数は371人にも上っており、平均すると毎日1人は自殺で亡くなっているという大変深刻な状況にあります。  自殺は、追い込まれた末の死と言われ、自殺に至る背景には、健康、生活、経済の問題や職場、学校、家庭の問題などさまざまな要因がかかわっていると聞いております。  このため、自殺予防には、経済や雇用、社会保障など社会的な政策や制度の改善、充実を通じて解決すべき課題もありますが、自殺原因の多くは、うつ病などの心の病気が深く関与しているとされておりますことから、本人はもちろん、家族や同僚など身近な人が早く不眠などの心身の不調に気づき、早期発見、早期治療につなげることができるように、自殺問題に係る幅広い啓発活動の展開や気軽に相談できる体制の整備を図ることが、自殺を防ぐ上で極めて重要であると考えるものであります。  県におかれては、昨年度、国の交付金により約1億7,000万の基金を造成し、地域自殺対策緊急強化事業をスタートさせ、3カ年計画で自殺対策の強化に取り組まれております。今後、この緊急強化事業を通じて、県民一人一人が自殺問題に対し理解を深めるとともに、NPO、民間団体との協働や市町との連携の強化等により、自殺を防ぐセーフティーネットが県内に広がっていくことを期待するものであります。  そこで、お伺いします。  地域自殺対策緊急強化事業のこれまでの実績はどうか。また、今後どのように取り組むのかお聞かせ願います。  次に、県税徴収確保対策についてお伺いします。  我が国の税収は、国税、地方税ともに、リーマンショック以降、企業収益の悪化や個人消費の低迷等により大幅に落ち込んでおり、全国の地方税収見込みについて見ますと、総務省が毎年策定している地方財政計画ベースで、平成22年度は対前年比10.2%減の約32兆5,000億円で、下げ幅は昨年度に次いで過去2番目の規模となっています。  本県でも、平成22年度の当初予算における県税収入は1,120億円と、21年度当初予算に比べて196億円少なく、地方財政計画の減少率よりも大きい14.9%の減となっており、これはリーマンショック前の19年度の決算額1,615億円と比べると、実に30%以上もの減少となるのであります。  このような税収減の中、国においては、国債の大量発行やいわゆる埋蔵金で、また、地方財政に関しても、地方交付税にかえて臨時財政対策債の増発などで、いわば自転車操業の状況にあることは、御承知のとおりであります。  生まれてくる子供たちに場所は選べないのであります。次の世代に負担を先送りすることなく、社会保障関係費の増加等に対応していくためには、加戸知事が提唱されておられますように、消費税の引き上げを含む抜本的税制改革が必要であり、また、それに合わせて地方税財源の充実強化を図っていくことが、今後、地方分権を進めていく上でも極めて重要であると思うのであります。政府には、この問題を先送りすることなく、責任ある対応を望むものであります。  さて、このように税収見込みが厳しい中で、地方には、現行制度のもとにおいても、みずからが汗をかいて税の徴収確保に取り組むことが求められており、各自治体では、熱意と創意工夫により、さまざまな税収確保の取り組みを行っています。  本県でも、愛媛地方税滞納整理機構を設立し、大きな成果を上げているほか、悪質な滞納者が所有している車をタイヤロックするなど、積極的な取り組みを行っていると聞いています。  私も、これまで本会議や委員会において、徴収確保対策として、自動車税のコンビニ収納や個人県民税の特別徴収への切りかえを事業者に理解いただくよう積極的に取り組むべきであると提案させていただきました。  しかしながら、こうした自治体の努力にもかかわらず、総務省の資料によりますと、平成20年度末の地方税の滞納残高は、前年度より712億円増加し2兆473億円であり、特に個人住民税は9,374億円と、過去最高となっています。  御承知のとおり、三位一体改革に伴う所得税から個人住民税への税源移譲により、個人住民税の課税額が大幅に増加してきましたが、それに伴って本県でも、平成20年度末の個人県民税の滞納額が約25億円と、全滞納に占める割合が約6割にも上っており、その対策が求められているところであります。  そこで、お伺いします。  現在の県税の滞納の状況はどうなっているのでしょうか。また、滞納額が増加している個人県民税の対策はどうか、お聞かせください。  最後に、県産材の需要拡大に向けた取り組みについてお伺いします。  本県の森林は、県土の約7割を占め、水源の涵養、県土の保全、地球温暖化の防止などのさまざまな公益的機能の発揮を通じ、県民生活の安全・安心の実現に重要な役割を果たしております。また、戦後の先人たちのたゆまぬ努力によって造成された杉、ヒノキの豊富な人工林は、年数を重ね、本格的に伐採、利用できる時期を迎えており、この貴重な森林資源をベースとして、林業、木材産業の再生につなげることが重要であると考えております。  しかしながら、一昨年の世界同時不況以降の景気落ち込みにより、住宅産業は大きな打撃を受け、平成21年には、全国の新設住宅着工戸数が前年の109万戸から78万戸へ3割近くも激減し、木材需要も急速に縮小しました。この結果、木材価格は、一時、杉で1立方メートル当たり7,000円台にまで暴落するなど、間伐を行っても採算がとれず山の手入れを見送った事例が増加し、一方では、建築用材のシェアを外材に奪われた製材工場の廃業が私の地元西条市でも続出するなど、林業、木材産業を維持することが困難な状況になりつつあると聞いております。  このままでは、県産材の行き先がますますなくなり、せっかく育ててきた森林資源を生かし、山村地域の基幹産業の振興につなげることができないまま山が荒れるといった悪循環に陥るのではないかと非常に憂慮しているところであります。  私は、森林の大切さや健全な森林を維持するための手入れの必要性については、県民から理解が得られるようになったものの、危機的状況にある林業、木材産業の再生を通じ、さらに間伐等の森林整備の着実な推進を図るためには、県産材の利用拡大がかぎを握っていると考えております。安心して間伐が行えるよう、そこから生産された木材の安定した価格と需要が確保されることが最優先で、そのためには需要拡大等の出口対策に取り組んでほしいというのが林家の切実な声ではないでしょうか。  このような中、国においては、昨年12月に森林・林業再生プランが作成され、路網の整備や森林施業の集約化、林業を担う人材の育成などを集中的に進め、川上側において木材生産の拡大を図る取り組みを検討されているところであります。  本県においても、知事が提唱される森林蘇生対策によって森林整備は着実に進みつつあり、さらに今般、県林業研究センターに愛媛大学が大学院特別コースを創設し、森林整備を担う新たな人材養成に取り組まれると聞いております。  ここで新たに開設される修士課程の森林管理特別コースと、企業や市町、団体職員を対象とした社会人リカレントコースは、新しい森林管理のコンセプトを導入した日本型フォレスター制度の創出を目指すものでありますが、これまでに他分野でも産学官の連携を進めてきた同大学が、今回、林業分野を地域再生に位置づけたことは、本県林業の再生に向けた大きな一歩を踏み出すものと期待しております。
     大学では、これからカリキュラムの検討など、23年4月の開学に向けて鋭意準備をされると思いますが、県においても、人材やキャンパス、資機材等、物心両面からの積極的な支援をお願いしておきたいと思います。  また、林業再生に向けた森林蘇生対策をより効果的に行うためには、こうした人材養成と同時に、木材の出口に当たる川下側の一層の対策を講ずることが何よりも不可欠であると思うのであります。さきの同プランにおいては、新たに住宅やエネルギー分野への木材利用に加え、公共建築物等における木材利用推進にも取り組むことで、現在24%ほどである木材自給率を10年後に50%以上に向上させることを目指し、種々検討がなされていると聞いております。しかしながら、林業、木材産業の現場では、一、二年先の話ではなく、今どう取り組むかにかかっているという声があるのが実態ではないかと感じているところであります。  例えば、青森県では、一定量以上の認証県産材を使用した木造住宅の建築主に対して、県産材を使用した家具や建具等の木工品と交換できるあおもり型県産材エコポイントを発行して、二重の県産材利用を目指しているほか、福井県では、県産材を40%以上使用した木造住宅に対して補助する県産材を活用したふくいの住まい支援事業を実施するなど、自治体独自のユニークな事業を展開しているところもあると聞いております。  本県でも、このような独自の需要拡大策に取り組んでいくことが重要であると考えております。  そこで、お伺いします。  本県の県産材の生産状況と需要拡大に向けた取り組みはどうか、お聞かせ願いたいのであります。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(西原進平議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(西原進平議長) 加戸知事   〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 渡部議員の質問に答弁いたします。  まず、新繊維産業技術センターの整備に向け、今後、どう取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。  依然として厳しい景気、雇用情勢の中にありまして、渡部議員のお話にありましたとおり、今治地域におきましては、基幹産業であるタオルを中心とした繊維産業の活力再生が急務でありまして、経営基盤の強化を図る上で繊維産業技術センターの果たす役割は極めて重要であると認識いたしております。  このため、同センターでは、新たな織機や分析装置の整備など、研究開発や技術支援機能の強化を図ってきたところでありますが、高度化、多様化する企業ニーズにこたえるためには、新たなセンターの整備による機能拡充が不可欠でありますことから、今治新都市第1地区内に敷地面積約9,300㎡の建設用地を確保した上で、財政構造改革期間中であることを考慮し、今日まで凍結してきたところであります。  しかしながら、先般の地元官民を挙げた改めての強い要望を踏まえまして、新センターの整備に向けた道筋をつけるべく、6月補正予算で整備検討委員会の設置経費を計上し、新センターに求められる施設内容や機能について、外部委員による具体的な検討を行いたいと考えております。  なお、建設スケジュールにつきましては、財源の確保や県全体の財政状況を見きわめながら判断することとなりますが、現下の繊維産業を取り巻く厳しい環境を打開するために、できれば来年度、設計予算を計上したいと考えておりまして、本県の地場産業を代表するタオル、繊維産業にとって真に役立つ試験場となるよう、着実に整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、緊急雇用対策について、これまでの雇用実績と今年度の計画はどうか。また、重点分野の雇用創造に具体的にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。  一昨年来の厳しい雇用失業情勢に対応するため、県では、基金を活用したふるさと雇用再生事業と緊急雇用創出事業を対策の柱に据え、国、市町との連携のもと、全力を挙げて雇用環境の改善に取り組んできたところでございます。  この結果、県と市町を合わせて、平成20年度には県独自のつなぎ対策を含めて630人を、平成21年度は基金事業を本格化させ3,448人を雇用しましたほか、平成22年度は当初予算で約2,500人、さらに今議会に上程している6月補正予算では、緊急雇用創出事業を拡充の上、今後、成長が期待される環境、医療、観光などの重点分野の雇用や人材育成に積極的に取り組み、約380人の雇用創出を目指すことといたしております。  また、これら重点分野は、愛媛県経済成長戦略2010の重点戦略分野でもありますことから、県内企業の成長産業への転換による新規雇用の創出はもとより、雇用の大きな受け皿となる農林水産業や介護福祉分野では、林業技術者や介護福祉士の人材育成を積極的に支援するなど、本県経済を支える産業の育成と確かな雇用の創出に努めてまいりたいと考えております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(長谷川淳二総務部長) 議長 ○(西原進平議長) 長谷川総務部長   〔長谷川淳二総務部長登壇〕 ○(長谷川淳二総務部長) 渡部議員にお答えをいたします。  現在の県税の滞納状況はどうか。また、滞納額が増加している個人県民税の対策はどうかとのお尋ねでございます。  県民サービスを支える貴重な自主財源であります県税の徴収確保は、極めて重要な課題と認識しており、県といたしましては、愛媛県徴収確保対策本部において、数値目標などを盛り込んだ滞納整理方針を定め、差し押さえの強化などに取り組んでまいりました結果、県税全体の滞納繰越額は、平成14年度末の約66億円から平成20年度末には約42億円に縮減したところであります。  しかしながら、渡部議員お話のとおり、個人県民税につきましては、三位一体改革に伴う所得税から個人住民税への税源移譲により滞納繰越額も増加し、平成20年度末で滞納繰越額全体の6割に当たる約25億円に上っており、その縮減が大きな課題となっております。  このため、県では、個人県民税の賦課徴収を委任している市町や、愛媛地方税滞納整理機構の徴収確保の取り組みを支援いたしますとともに、平成22年度から、新たに滞納防止の有効な手段である特別徴収制度を促進するため、啓発文書の送付や県職員と市町職員による事業所訪問要請活動などを行い、特別徴収による納税者を1万人増加させることを目標といたします個人県民税徴収確保1万人プロジェクトを実施し、県税の徴収確保に向け、さらに努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(仙波隆三保健福祉部長) 議長 ○(西原進平議長) 仙波保健福祉部長   〔仙波隆三保健福祉部長登壇〕 ○(仙波隆三保健福祉部長) 渡部議員にお答えいたします。  まず、障害者雇用対策についての御質問のうち、工賃倍増計画を達成するため、授産施設等の製品の販売拡大にどう取り組んでいるのかとのお尋ねでございますが、障害者の就労や技能習得の場である授産施設等につきましては、生産能力等に一定の制約はございますが、障害者が地域で自立して生活するためには、授産工賃の水準を引き上げ、収入の向上を図ることが大切でありますことから、県では障害者授産工賃倍増計画を策定して、授産品の販売拡大等に取り組んでいるところでございます。  具体的には、中小企業診断士をアドバイザーとして授産施設等に派遣することによる企業的な経営手法の導入、県内132施設の授産品等を掲載した製品カタログの作成・配布、販路拡大開拓員による企業訪問や交流会の開催を通じた企業と授産施設等とのマッチング機会の拡大等に取り組んでいるところでありまして、ホテルや飲食店において新たに授産品が取り扱われるなどの成果もあらわれてきております。  今後とも、工賃倍増計画に基づき、各授産施設等の生産や販売活動を積極的に支援いたしまして、授産品の販売拡大と工賃水準の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、パーキングパーミット制度への取り組み状況はどうか。四国4県での連携についてもあわせて問うとのことでございます。  パーキングパーミット制度につきましては、7月1日のスタートを目指して準備を進めておりまして、運用に当たっては、利用者の利便性が十分に確保されるよう、まず申請窓口は、県本庁及び出先機関に加え、各市町にも協力を依頼し、可能な限り利用証の即日交付を行いますほか、申請書類についても簡素化を図ることとしております。  次に、利用できる駐車場につきましては、5月31日現在、公共施設のほかショッピングセンター、銀行などの協力を得て、利用頻度の高い443施設、943台分の駐車スペースを確保しておりまして、引き続き協力施設の拡大に取り組んでいるところでございます。  また、障害者用駐車場の適正利用のためには、県民の理解と協力が不可欠でありますことから、「さわやか愛媛」や県政広報番組、申請窓口や協力施設等でのチラシ配布、ポスター掲示など、広く制度の周知啓発に努めることとしております。  なお、本県の制度は、4県連携を前提に、先行する徳島県と同様の制度設計としておりまして、県内での普及状況を踏まえて、まずは、徳島県との共同運用について具体的協議を進めますとともに、高知、香川両県に対しても、四国4県共通のサービスとして展開できるように働きかけてまいりたいと考えております。  次に、地域自殺対策緊急強化事業のこれまでの実績はどうか。また、今後、どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。  地域自殺対策緊急強化事業につきましては、初年度となる昨年度は、新聞、テレビ等で全県的な自殺予防キャンペーンを実施し、あわせて東・中・南予の3市におきまして、講演会や出前講座の開催、リーフレットの全戸配布など、地域の実情に応じた自殺予防の啓発活動を展開いたしましたほか、NPO等の公募提案事業として、愛媛いのちの電話では電話相談員22名の養成、NPO法人松山自殺防止センターでは自殺予防の啓発冊子「いきるEhime」の発行、NPO法人こころ塾では、ラジオ特別番組での専門家による相談とうつ病への理解の呼びかけ、日本産業カウンセラー協会四国支部では、職場のメンタルヘルス担当者等約200名の研修など、各団体の特性を生かして電話相談支援体制の拡充や人材育成等を図ったところでございます。  今年度は、県主催の自殺予防キャンペーンをさらに充実いたしますとともに、自殺予防事業に取り組む市町を8市町に拡大して啓発活動等の一層の強化を図るほか、NPO等の公募事業枠も拡充したところでございまして、今後とも、自殺問題に対する県民の理解促進に努めますとともに、市町やNPO等と連携をし、自殺予防のネットワークの整備、充実に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(東倉勝利経済労働部長) 議長 ○(西原進平議長) 東倉経済労働部長   〔東倉勝利経済労働部長登壇〕 ○(東倉勝利経済労働部長) 渡部議員にお答えをいたします。  障害者雇用対策についてのうち、発達障害者も含めた障害者に対する職業訓練や就労支援の取り組み状況と成果はどうかとのお尋ねでございました。  就職を希望する障害者が年々増加傾向にある中、愛媛労働局の調査によりますと、県内ハローワークを通じた障害者の就職件数は、平成21年度560件と前年度に比べ11.3%増加し、過去最高となっておりますが、新規求職者の就職率は44.8%にとどまっておりまして、就職を希望する障害者の半数以上が就職できない現状にございます。  県では、これまで、障害者がその適性と能力に応じて就職できるよう、発達障害者向けのOA訓練のほか、販売実務やeラーニングなど、多様なニーズを踏まえた職業訓練を拡充してまいりましたほか、受け入れ企業の開拓や就職後のアフターフォローを行う求人開拓員等8名を配置するなど、障害者の就労支援の強化に努めているところでございます。  これらの取り組みによりまして、職業訓練を経て就職した障害者の人数は、平成20年度は70名、平成21年度も82名と年々増加しておりまして、今後とも、高齢・障害者雇用フェスタinえひめの開催などを通じて、障害者の雇用機運の醸成に努めますとともに、ハローワーク等関係機関と連携し、障害者の就労支援の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(佐伯滿孝農林水産部長) 議長 ○(西原進平議長) 佐伯農林水産部長   〔佐伯滿孝農林水産部長登壇〕 ○(佐伯滿孝農林水産部長) 渡部議員にお答えをいたします。  県産材の生産状況と需要拡大に向けた取り組みはどうかとのお尋ねでございます。  県産材の生産量は、近年、減少傾向を続けてきたわけでございますが、本県で進めてきた森林そ生プロジェクト等の成果を反映して、平成18年からは増加に転じ、平成20年には52万1,000立方メートルと回復基調にあったわけでございますが、お話の世界同時不況の影響を受けまして、平成21年には46万6,000立方メートルと1割以上の落ち込みを生じ、懸念をしているところでございます。  このため、県では、昨年度造成いたしました森林そ生緊急対策基金と第2期森林環境税を活用し、木材の出口戦略に重点を置いて、これまでにない木材加工流通拠点の整備や原木の流通経費に対する支援を行いますとともに、公共施設に加えて民間施設の木造、木質化の促進や住宅柱材の無償提供の拡充、さらには首都圏等での市場開拓など、全国に先駆けた本県独自の需要拡大策に取り組んでいるところでございます。  また、本年5月に成立いたしました公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律におきまして、長らく本県が国へ要望してまいりました建築基準法等の規制緩和についての検討が盛り込まれましたことから、今後は、全国ベースでの需要拡大が期待されるため、国に対し、渡部議員お話の他県の事例も含め、先進県としてさらに提案を行い、あらゆる分野での需要拡大に一層努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(西原進平議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明9日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時49分 散会...