香川県議会 > 2022-11-02 >
令和4年11月定例会(第2日) 本文

  • "相談員等"(/)
ツイート シェア
  1. 香川県議会 2022-11-02
    令和4年11月定例会(第2日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    高  城  宗  幸 君    新  田  耕  造 君    氏  家  寿  士 君    松  岡  里  佳 君    里  石  明  敏 君    城  本     宏 君    植  條  敬  介 君    秋  山  時  貞 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    山  本  悟  史 君    樫     昭  二 君    松  本  公  継 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    西  川  昭  吾 君    十  河     直 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    広  瀬  良  隆 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    斉  藤  勝  範 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    平  木     享 君
       石  川     豊 君   欠  席  議  員    鏡  原  慎一郎  君    鎌  田  守  恭 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    池  田  豊  人 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    田  中  一  裕 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     三  好  謙  一 君           商工労働部長     寺  嶋  賢  治 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    安  西     愼 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           子ども政策推進局長  井  元  多  恵 君           会計管理者      小  川  秀  樹 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員    大  石  俊  二 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    平  尾  敏  彦 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第二号)                令和四年十一月二十八日(月)午前十時開議 第  一 議案第一号から議案第十八号までに関する質疑 第  二 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、議案第六号、第七号、第十五号及び第十六号の四議案に係る地方公務員法   第五条第二項の規定に基づく人事委員会の意見は、配付のとおりでありま   す。 一、監査委員から、地方自治法第二百三十五条の二の規定に基づく報告一件を   受理いたしました。 一、陳情十四件を受理いたしました。 ◯議長(高城宗幸君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)日程第一、議案第一号から議案第十八号までを議題とし、ただいまから議案に関する質疑並びに日程第二、県の一般事務に関する質問を併せて代表により行います。  自由民主党香川県政会代表氏家孝志君。    (氏家孝志君登壇、拍手) ◯氏家孝志君 私は、ただいまから自由民主党香川県政会を代表して、当面する諸課題に対して、知事、教育長並びに警察本部長に質問をいたします。  質問に入るに先立ち、一言申し述べさせていただきます。  先日参加させていただいた第二十二回都道府県議会議員研究交流大会において、基調講演として「全世代型社会保障について」を拝聴させていただきました。この中で、二〇二一年における出生率一・三〇に対して、長期的に出生率一・四四を確保した場合における我が国の二一一〇年推計人口は現在の半分弱である五千三百四十三万人となり、それ以降も減少が続くそうです。また、最も上位の推計シナリオである二〇三〇年に人口の維持のために必要となる出生率である二・〇七となり、その後も継続する場合の二一一〇年推計人口は九千九百六十一万人で、それ以降も一億人前後で安定するそうです。また、このシナリオにおいても、二〇九〇年までは人口が減り続けることとなっています。これは、人口減少に対して早急にあらゆる施策を講じなければ、我が国は確実に小国へと向かうこととなります。  御承知のとおり、人口減少が続けば、小売や飲食業などの生活関連サービスの縮小による就業機会の減少や、税収減による医療や介護等を含めた行政サービスの低下、住民組織の担い手不足や学校の統廃合が進むことなどによる地域のコミュニティー力の低下などが進み、これが原因となってより一層の人口減少を招くという負のスパイラルに陥ることとなります。  この人口減少を何としても食い止めるためには、結婚を望む方、出産を望む方の希望がかなえられる社会の実現、また、進学したくなるような県内大学等魅力づくり、産業振興、企業誘致の加速化による働き口の確保、優良な公共インフラの整備による安心・安全で快適な住環境の整備等、今考えられるあらゆる手段を早急に講じていく必要があります。  これらの社会を実現させていくためには、財政的な裏づけが非常に重要となります。本県におきましては、ここ数年、元利プライマリーバランスに加えて元金プライマリーバランスも黒字、すなわち県債残高が減少している状況にあります。これは、バランスの取れた財政運営の結果であるのに加え、コロナ禍の現状により執行できなかった予算等、様々な要因で実現されているものと思われます。しかし、今は財政規律よりも人口減少を食い止めるための積極的な財政支援を優先し、同時に経済と財政の好循環も生み出し、将来世代に対して優良な財産を残すこと等により、何としても明るく希望あふれる社会を次の世代に引き継いでいくことこそが、今を生きる我々に課せられた使命であると強く考えております。  以上、申し述べさせていただき、質問に入ります。  質問の第一点は、総合計画の見直しと来年度予算の編成についてであります。  知事は、さきの九月定例会の代表質問において、香川県を「人生100年時代のフロンティア県」にするため、「県民100万人計画」、「デジタル田園都市100計画」、「にぎわい100計画」の三つの柱を中心として県政運営に取り組み、施策の推進に当たっては、県議会をはじめ県民各界各層の様々な意見を聞きながら検討を進めていくと考えを示されました。さらに、現在の香川づくりの基本である「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画や本県の地方創生実現のための施策を取りまとめたかがわ創生総合戦略等との関係を整理する必要があることから、既存施策の点検を行いつつ、県政の継続性にも配慮しながら施策体系を整理した上で、来年二月定例会を目途に新たな施策全体の骨子案を示したいとの答弁があったところであります。  新たな施策全体の骨子案の策定に当たっては、本県の特性や県民意識とニーズ、社会経済情勢の変化はもとより、新型コロナウイルス感染症に加え、原油・物価高騰等が施策の進捗に及ぼす影響を踏まえて検討する必要があると考えられます。その上で、池田カラーが随所に反映された骨子案が示されることを期待したいと思います。  そこで、二月定例会までは三か月ほどの期間しかありませんが、現在の検討状況はどのようになっているのか、また、どのようなことに重きを置いて骨子案に反映しようと考えているのか、知事にお伺いします。  また、知事は、これから就任してから初めてとなる令和五年度の当初予算を編成することになりますが、九月定例会の代表質問では、財政の持続可能性を確保しつつ、香川の発展を目指す新たな取組により県内経済の着実な成長を図るとともに、県民生活に豊かさをもたらし、それが税収増につながる、いわゆる経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代へつなげていく、その第一歩となる予算を編成したいと答弁されています。  そこで、改めて、今後取り組む来年度予算の編成にどのような考えで臨むのか、知事にお伺いします。  質問の第二点は、県有施設の耐震化等についてであります。  知事は、さきの九月議会において、県政運営に当たり推進する三つの施策の柱の一つとして、安全・安心で住みたくなる香川を目指す「県民100万人計画」を挙げ、その中で、南海トラフ地震や近年多発する豪雨災害などに備えた公共施設の耐震化や老朽化対策について触れられ、県土の強靱化と住みよい県土づくりを進めるとの所信を述べられました。  本県にも甚大な被害が想定される南海トラフ地震は、今後三十年間に発生する確率が七〇から八〇%とされており、その対策は待ったなしの状況にあります。また、本県では、これまで庁舎や学校、病院等の県有施設から道路施設や港湾施設等のインフラに至るまで様々な公共施設等を整備してきており、これらの公共施設等は昭和三十年代以降の高度経済成長期から平成初期にかけて数多く整備されたものであり、その多くで老朽化が進んでおり、今後、維持管理や更新等に多額の経費が必要になることが見込まれております。  これまで県は、中央病院の移転整備、県庁舎東館の耐震改修のほか、高校や特別支援学校の校舎、体育館の建て替えなど、耐震化や老朽化対策を計画的に進めてきましたが、まだ耐震化できていない県有施設があります。  中でも高松合同庁舎は、昭和四十六年に建てられ、建築から五十年余りが経過しており、建物の老朽化が進んでいます。一方で、この合同庁舎のある県税事務所には窓口での県税納付や納税証明書の交付などを目的として来られる方が多く、精神保健福祉センターにも相談や支援を求める方が来所され、年間では約二万人もの県民の皆さんが訪れており、加えて県の複数の機関が入所しているため職員数も多いと伺っており、対策が急がれると思います。  高松合同庁舎の耐震化に当たっては、現在の高松市松島町の敷地では、用途地域の制限により一定規模の建物しか建てられないと伺っており、現地での建て替えは制約を受けることが明らかであり、別の場所に移転することも考える必要があると思われ、その場合には未利用地をはじめとした県有財産の有効活用も検討する必要があると思います。  そこで、高松合同庁舎の耐震化について、今後、整備場所も含め、どのように対応するのか、知事にお伺いします。  また、現在、未利用地となっている県中央病院跡地については、未利用地の処分・利活用に関する基本的な考え方に沿って、まずは県での利用を検討すると伺っていましたが、令和元年十一月議会において我が会派の松原議員の一般質問に対し、高松市中心部に位置するまとまった規模の土地であり、将来同様の土地を確保するのは極めて困難であることを踏まえ、本跡地の利活用について様々な観点から幅広く検討を進める旨の答弁がなされました。以来三年が経過しますが、その後の検討状況について併せて知事にお伺いします。  このほか、教育委員会が所管する施設では、昭和三十九年に建設された旧県立体育館が耐震化が行われないまま平成二十六年九月に閉館し、現在は体育器具の保管スペース等として使用されています。昨年度には、その利活用方法などについて民間事業者から広く提案を求めるサウンディング型市場調査が行われたところですが、こうした調査も踏まえ、今後の旧県立体育館の在り方をどのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。  質問の第三点は、国民保護体制の強化についてであります。  先月四日、今年に入り、かつてない高い頻度で発射を繰り返してきた北朝鮮の弾道ミサイル一発が青森県付近の上空を通過し、太平洋上に落下しました。北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過するのは七回目で、二〇一七年九月以来のことであり、こうしたミサイル発射は、弾道ミサイル技術を使用した発射を行わないよう北朝鮮に義務づけられた国連安全保障理事会決議を無視するものであり、また、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かす、極めて重大かつ深刻な事態であり、断じて容認するものではありません。  近年、我が国を取り巻く安全保障環境は、これまで以上に急速に厳しさを増しています。国際社会のパワーバランスの変化は加速化・複雑化し、既存の秩序をめぐる不確実性は増大しており、自らに有利な国際秩序の形成や影響力の拡大を目指した国家間の競争が顕在化しています。  こうした中、我が国においては、武力攻撃を受けた場合や大規模テロが発生した場合に、国民の生命、身体及び財産を保護し、被害を最小にすることができるよう、国民保護法が平成十六年六月に成立し、同年九月に施行されております。その内容は、住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置などから成り立ち、これらはまた、有事の際に国及び地方自治体が実施すべき役割の三本柱とされています。  本県でも弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施していると聞いていますが、他国からの武力攻撃等に対する対応は、必ずしも十分とは言えない状況にあります。先月四日の北朝鮮の弾道ミサイル発射の際にも、青森県などを対象に、我が国は五年ぶりに全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートにより避難を呼びかけましたが、「建物内にいたけれども地下はない。津波なら高台に行くが、ミサイルの場合、どう逃げればよいのか」といった報道が見られました。万一、県内に弾道ミサイルによる危険が迫り、Jアラートによりこうした情報が伝達された場合に戸惑うことなく迅速な避難につなげるためには、県民一人一人が平時から危機意識を持つとともに、安全な避難場所の確保と周知が必要であります。防衛や外交は国の専管事項であることは承知しておりますが、県民の生命や財産を守ることは県の責務であると考えております。  そこで、国民保護に関する県民の理解や意識を高めるとともに、国民保護体制をより一層強化することが必要と考えますが、知事の認識と今後の取組についてお伺いいたします。  質問の第四点は、グリーン社会の実現についてであります。  世界各地で記録的な熱波や豪雨等の気候変動問題が顕在化している中、海洋プラスチックごみ生物多様性の危機など地球規模の環境問題が同時に進行しております。まさに持続可能性が危ぶまれている状況であります。これらの環境問題は、気候変動が生物多様性の損失の原因となるなど、個々の環境問題がそれぞれに関連し、経済・社会活動に大きな影響を与えています。また、こうした問題は、地球規模でのグローバルな課題であるとともに、私たち一人一人の生活にも密接に関係するローカルな課題でもあります。  二十世紀半ば以降に見られる地球規模の気温の上昇、つまり現在問題となっている地球温暖化の主な原因は、人間活動による温室効果ガスの増加であると言われています。エネルギーを利用するために石油や石炭などの化石燃料を大量に消費することや自動車や冷暖房を使うことなどにより、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量が増える一方で、大規模なプランテーション開発による森林の農地への転用や焼き畑農業の増加、燃料用木材の過剰な採取を原因とする森林の減少などにより二酸化炭素の吸収量が減り、大気中の温室効果ガスの濃度が増え続けた結果、地表や大気の温度が追加的に上昇したものと考えられております。  こうした中、国においては、二〇二〇年十月、菅前総理が、二〇五〇年にカーボンニュートラル、すなわち温室効果ガスの排出量から森林吸収源などによる吸収量を差引き、実質的にゼロにすることを宣言しました。さらに、二〇二一年四月に開催された気候サミットにおいて、二〇三〇年度における温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目標に掲げ、さらに五〇%の高みに向けて挑戦を続けることを表明したところであります。カーボンニュートラルの実現のためには、社会全体の行動変容が必要であります。この脱炭素の取組とともに、資源循環と自然共生を同時に実現できるグリーン社会の実現を目指し、二〇三〇年までの期間を勝負の年として、取組を加速させていくこととしています。  本県は、瀬戸内海をはじめ、緑豊かな里山や潤いのある水辺環境、田園風景など美しい自然環境に恵まれています。これらを守り引き継いでいくためには、環境と調和した行動を私たち一人一人が実践していく必要があります。また、そのためには、県において、将来を見据えながら地域の環境課題にしっかりと取り組み、将来世代が安心して暮らすことのできるグリーン社会の実現に向けて牽引していくことが必要であると考えます。  そこで、国における動きも踏まえ、県としてグリーン社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  質問の第五点は、第八波に向けた新型コロナウイルス感染症対策についてであります。  新型コロナウイルス感染症につきましては、感染力が非常に強いオミクロン株のBA.5による第七波の感染拡大が八月にピークを迎え、九月以降、感染者数は徐々に減少したものの、新規感染者数が下がり切る前に全国的に新規感染者数が再度増加傾向に転じており、とりわけ北海道では第七波を超える過去最多の新規感染者数を記録しました。また、現在、感染拡大の主流となっているBA.5のほか、今後は欧米で感染者数増加の要因となっていると指摘されているBQ.1などのオミクロン株の亜系統の変異株の割合が増加する可能性があります。BQ.1は免疫を回避する可能性があると警告されており、こうした変異株への置き換わりが進むと、第七波を超えるような感染拡大が危惧されることとなります。  本県においても、感染状況が前週の同じ曜日と比較して新規感染者数が増加する日が多くなってきており、また、医療提供体制につきましても、確保病床使用率が二〇%を超え、さらに上昇するおそれがあることから、十一月九日から感染警戒レベルを一段階引き上げ感染拡大防止対策期に移行し、より一層感染拡大の防止に努めていくこととしています。  これまでの感染状況を鑑みると、年末年始の後に感染が拡大していることや、今冬は季節性インフルエンザ新型コロナウイルスの同時流行の可能性があるとの見解が示されていることなどから、ウィズコロナに向け、感染拡大を抑制しながら社会経済活動との両立を図っていくため、第八波の感染拡大に備えて的確に対応するための外来医療体制を早急に構築していく必要があります。そして、感染した場合にもできる限り重症化を防ぐため、現在の感染拡大の主流であるBA.5に有効なオミクロン株対応ワクチンについて、対象者への接種を促進していくことも重要であります。  国の分科会においては、今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合に想定される対応として、都道府県が対策強化宣言を出し、住民に対してより慎重な行動などを要請できるようにし、それでも感染拡大が続く場合等には、医療の逼迫が想定される前の段階で、より強い要請を可能とすることなどの考え方が示されたところであり、今後の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合の対応について、県としての判断が必要となる場合も想定されております。  そこで、第八波の入り口にあると言われている新型コロナウイルス感染症の対策について、今後、県としてどのように取り組むのか、知事にお伺いします。  質問の第六点は、健康づくりの推進についてであります。  本県の死亡原因の一位はがんであり、生涯のうちに二人に一人はがんにかかると推計されています。令和三年人口動態統計によりますと、人口十万人当たりの死亡率が三二三・一で、全国平均の三一〇・七を上回っています。続いて死亡原因の二位は心疾患、四位が脳血管疾患であり、これらの循環器病は介護が必要となる主要な要因でもあります。心疾患や脳血管疾患の人口十万人当たりの死亡率もまた全国平均を上回っており、三大生活習慣病での死亡者は死亡者総数の約半数を占めていることからも、生活習慣病対策が強く求められております。  また、本県は、糖尿病の死亡率や受療率が全国平均に比べて高いという特徴もあります。令和二年の患者調査による人口十万人当たりの受療率は二四七で全国四位、令和三年人口動態統計による人口十万人当たりの死亡率は一七・三で全国二位となっております。糖尿病は、自覚症状がないまま病状が進み、神経、目、腎臓などに様々な重大な合併症を引き起こすおそれがあるほか、動脈硬化の原因となり、心臓病や脳卒中などの他の生活習慣病の発症リスクを高めてしまうことから、特に注意すべき病気の一つであります。  さらに、生活習慣病の予防や健やかで質の高い生活の維持・向上のためには、歯と口腔の健康の保持も重要であります。平成二十三年に香川県歯と口腔の健康づくり推進条例を議員提案により制定し、これまで乳幼児期から高齢者までのそれぞれの時期における歯と口腔の健康づくりの推進に取り組んできたところであります。口腔ケアにより、インフルエンザの発症率が減少することや、高齢者の誤嚥性肺炎の予防にもつながることが指摘されていることからも、歯と口腔の健康を保持する効果は多岐にわたっております。  県では、これまで健やか香川21ヘルスプランに基づき、健康寿命の延伸に向け、健康増進施策を総合的に推進してきたと承知しておりますが、県民の健康のためには、病気の早期発見や早期治療の二次予防にとどまらず、健康の保持・増進と発病を予防する一次予防に重点を置いた施策の推進や社会環境の改善が重要であり、ひいては、増加し続ける医療費の抑制にもつながります。
     しかしながら、私たちは、健康のためには栄養バランスの取れた食事、適度な運動、適切な休養が重要であることは多くの人が頭では理解しているものの、なかなかそれらを行動につなげられないため、また、あるいは行動を始めたものの続かないというのが現状であり、こうした人々に対して、健康づくりのための行動を起こし、それを継続していくためのモチベーションをどのように高めていくのかという観点も重要であると考えております。  そこで、県民の健康づくりについて、どのように本県の課題を認識し、県として今後どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。  質問の第七点は、子育て支援施策についてであります。  本県における出生数は減少傾向が続いており、依然として少子化の進行に歯止めがかからない状況であります。少子化の進行は、人口の減少と高齢化を通じて、労働供給の減少、将来の経済や市場規模の縮小、経済成長率の低下、地域・社会の担い手の減少、現役世代の負担の増加、行政サービスの水準の低下など、社会経済に多大な影響を及ぼすものであることから、社会全体で危機感を共有し、子育て支援施策に取り組んでいく必要があります。  こうした厳しい状況の中、知事は「県民100万人計画」を掲げており、就任直後の九月定例会での所信表明において、子育てしやすい香川県を目指すと宣言されました。  そこで、私からの同定例会の一般質問において、経済的な支援を含め、今後どのように子育て支援策を進めていくのか、知事の見解をただしました。それに対して知事からは、子育てしやすい香川県の実現は、県政運営の最も重要な項目の一つであり、子育てに係る経済的支援については、経済的な支援方法や制度の持続可能性などについて十分に検討する必要があるが、今後、検討を急ぎたい、また、いずれにしても妊娠から出産、子育て施策全般について、これまでの政策を再構築し、総合的対策として取り組んでいけるよう、今後、検討を急ぎたいとの答弁があったところであります。  現状では、まだ本県の子育て支援策についての検討を進めている段階であると考えますが、少子化の進行は待ったなしの状況であり、加えて、コロナ禍の長期化により少子化の進行のさらなる加速化が懸念されていることからも、スピード感を持って施策に取り組んでいく必要があると考えます。  国においては、先月取りまとめた総合経済対策の柱の一つとして、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実と経済的な支援を合わせたパッケージを継続して実施する子育て支援策が盛り込まれたところであります。また、令和五年度当初予算において出産育児一時金の大幅な増額を図ることとされており、経済対策という観点からも、子育て支援を喫緊の課題として認識していることがうかがえます。  知事におかれましては、子育て施策全般について、これまでの政策を再構築し、総合的対策として取り組んでいけるよう、今後、検討を急ぎたいとのことでありましたが、今後どのように検討を進めていくのか、知事にお伺いします。  質問の第八点は、企業誘致の推進についてであります。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機として、一極集中の弊害が改めて認識された大都市圏から、本社機能や生産の拠点を地方に移転しようとする企業の動きが全国的に広がっております。さらに、コロナ禍やウクライナ情勢の影響による世界的なサプライチェーンの混乱により、海外への依存度が高い製品や部素材などの供給が滞ったことに加え、急速な円安の進行にも後押しされるなどして、今後、製造業全体において国内回帰の機運がより一層高まることが予想されております。このような機会を生かし、本県が地方拠点の進出先として、また、国内回帰先として選ばれていくために、今後、積極的な企業誘致を進めていくことが重要であります。そのためには、温暖な気候に恵まれ、自然災害を被ることの少ないという本県のメリットを強くアピールすることに加え、適地を見つけ出し、開発・造成を進め、産業用地を確保していくことが求められております。  一団の産業用地の確保については、番の州臨海工業団地の開発・造成をはじめとして、これまで行政が担ってきた役割には大きなものがありました。しかし、近年では民間の不動産事業者やディベロッパーなどが参入していることからも、民間資本による工業団地の開発を行政が後押しすることにより、民間投資の促進による経済効果と企業誘致の両面の実効性を高めていくことが重要となっております。  また、本県におきましても本格的な人口減少が進み、今後においても長期的な人口減少が続くことは避けられない状況にあり、地域活力の低下をはじめとする様々な影響が懸念されております。その人口減少の要因の一つとして、二十歳前後の多くの若者が進学や就職を契機として県外に転出することが挙げられておりますが、若者の県内定住を促進するためには、情報通信関連産業など、若者が興味や魅力を感じる新たな企業の誘致による雇用の創出が必要であり、これにより大都市圏をはじめとした県外からの移住者の増加も見込まれると考えております。  これまでのサプライチェーン対策として国内回帰した企業の誘致実績としては、番の州臨海工業団地でのショーワグローブ株式会社の事例が挙げられます。現在、国内初、最大の医療用ゴム手袋等の製造拠点の整備が進められており、来年度からの本格稼働に先駆けて、今年度から地元高等学校から七名の生徒が前倒しして採用されているとお聞きしており、今後ともこうした若者が魅力を持って働くことのできる企業の誘致を、より一層進めていただきたいと考えております。  このような中で、知事は今後、継続して企業誘致の取組を進めていくとともに、年度末を目途に企業誘致アクションプランをまとめるとの考えを既に示されており、その積極的な取組が大いに期待されているところであります。  そこで、企業誘致アクションプランについて、今後どのように取りまとめ、どのように企業誘致の取組に活用していくのか、知事にお伺いします。  質問の第九点は、高松空港の機能強化についてであります。  高松空港の国際定期路線の利用者数は、高松・上海線が就航した平成二十三年度から八年連続で過去最高を記録し、平成三十年度には三十一万八千九百四十六人を数えました。そして、令和元年度の国際航空ネットワークは四路線週二十三往復まで増加するなど、高松空港は、四国・瀬戸内の拠点空港として発展を続けてきました。その後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により令和二年三月から全ての国際線の運休が継続されておりましたが、先週の二十三日、約二年九か月ぶりに高松・ソウル線の運航が再開されました。ソウルから再開後の初便が高松空港に到着し、国際線ターミナルで歓迎を受ける観光客の笑顔が報道されておりましたが、これは、これまでコロナ禍における需要の喪失を受けて苦しんできた県内の各観光関連事業者の皆様にとって、待望の明るいニュースとなりました。さらに、来年の一月十九日には高松・台北線の運航再開が予定されているところであり、このように国際線の運航再開の動きが加速していることは大変に喜ばしいことであります。  今後は、運休中の上海線及び香港線の運航再開に向けた働きかけ等を継続するとともに、まずはソウル線及び台北線の早期の需要回復を図り、その後の増便を目指していくことが必要となりますが、今後のソウル線及び台北線における利用促進の取組内容について、知事にお伺いいたします。  さらに、今後の高松空港の発展には国際航空ネットワークの一層の拡充が必要であると考えますが、タイやシンガポールなどの東南アジアへの路線拡充に向けた考え方について、知事にお伺いします。  また、航空ネットワークの拡充とともに、それを支える利用環境改善の取組も重要であります。高松空港は標高百八十五メートルの高台に位置しており、降雨や濃霧の影響を受けやすく、欠航や条件付運航が多いため、計器着陸装置の高カテゴリー化の重要性については、これまでの定例会でも取り上げられたところであります。これまで、その整備実現には、事業化の目安とされる費用便益比が一を下回っていることが課題とされてきましたが、高松空港は地震に強い空港のあり方検討委員会報告において、全国十三空港の一つとして航空輸送上重要な空港に四国で唯一位置づけられており、大規模災害の発生時には四国の防災拠点としての機能が求められております。さらに、来年にはG7香川・高松都市大臣会合が開催されるだけでなく、今後も県立アリーナの整備に伴い、大規模なMICE(マイス)やコンサート、国際スポーツ大会などが開催される都市の主要空港として、運航の定時性、安定性、信頼性を確保していくことが必要であります。このような中、県は費用便益比についての独自の調査を行い、国に対して便益の向上や費用の削減を提案していると伺っているところであります。  そこで、高松空港の機能強化に必要不可欠である高カテゴリー化について、その取組状況を知事にお伺いします。  質問の第十点は、四国の新幹線についてであります。  本年九月二十三日に、西九州新幹線が開業しました。私も、開業から一か月が経過した長崎を、県立体育館整備等に関わる特別委員会の県外行政視察の際、この西九州新幹線を使って訪れる機会がありました。長崎駅周辺では、開業前から再開発によって、視察先となったコンベンションホールの出島メッセ長崎をはじめとして高級ホテルなどが整備され、長崎の陸の玄関口としてふさわしい姿を見せておりました。既に多くの人々が行き交い、駅前らしい活気を感じたところですが、今後も、ホテルやオフィスなどが複合した駅ビルの整備も予定されており、観光客やビジネス客などの増加による大きな経済効果が期待されております。  新幹線は都道府県の約三分の二において整備されており、もはや高速道路と並んで当たり前のインフラとなっているところですが、四国における新幹線の整備については昭和四十八年の基本計画に位置づけられたままであり、ここ四国が新幹線空白地域と言われて久しいところであります。新幹線の実現には整備新幹線への格上げが必要ですが、この格上げを目指しているのは決して四国の新幹線だけではなく、同じく昭和四十八年の基本計画に位置づけられた山陰新幹線や羽越、東九州などを含めて十一路線もがあり、今後、それぞれが誘致に向けた活動が活発になることが予想されているところであります。  しかし、既に行われている四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査では、瀬戸大橋を経由し四国内の県庁所在地を結ぶルートにおいて、費用便益比が一を上回る結果が得られており、現在整備中の整備新幹線と比べたとしても、投資効率性の面からも遜色がないものであります。また、北陸新幹線や九州新幹線などの例を見ても、開業前後で交流人口が大きく増加しているだけでなく、企業の立地や設備投資の増加、新駅の設置に伴う新たなまちづくりや二次交通の整備などが行われており、地方創生の取組が本格的に進められる中で、新幹線の整備はなくてはならないものとなっております。  他の地域に比べても人口減少が進んでいる四国が新幹線のない島となったとき、若者が働き手として定着することを阻害し、移住・定住先にも選ばれなくなるなど、このままでは整備された地域とそうでない地域との格差はますます広がり、四国全体の経済発展や観光振興などの大きな足かせになることが危惧されております。  このように、四国の新幹線の整備は四国の将来を見据えた地域づくりに不可欠なものであり、次世代を担う若者の夢や希望の実現に向けた未来投資でもありますが、その整備の妥当性や新幹線がもたらす効果等については、県民全体の幅広い層に理解が行き届いているとは言い難い状況にあり、理解の促進を図ることが重要であります。  そこで、四国の新幹線の整備に関する幅広い層の県民に対する理解促進に向けて、現在どのように取り組んでおり、また、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第十一点は、ため池の保全管理についてであります。  本県には、千三百年以上の歴史を持つ満濃池をはじめ、藩政期を中心として約一万二千か所を超えるため池が造られていますが、築造から長い年月が経過し、多くのため池で老朽化が進行しており、県では昭和四十三年度から老朽ため池整備促進五か年計画を策定し、老朽ため池の計画的な整備に取り組んできました。  こうした中、平成三十年七月豪雨では全国の被災地において三十二か所のため池が決壊し、下流に大きな被害を与えたことから、農業用ため池の適正な管理及び保全に必要な措置を講じ、決壊による災害を防止することを目的として、国において、いわゆるため池管理保全法が平成三十一年四月に制定されたところであります。  また、令和二年十月には、決壊した場合に人的被害のおそれのある防災重点農業用ため池の整備の集中的かつ計画的な推進を図ることを目的として、いわゆるため池工事特措法が施行され、今後、この法律に基づき整備が進められることとなりますが、ため池数が多い本県の場合、ハード面での対応には一定の期間を要することから、ハード対策だけではなく、ため池の適正な保全管理の促進などのソフト面での対策も併せて実施する必要があると考えます。  こうした状況を踏まえ、県では、香川ため池保全管理サポートセンターを令和二年十月に開設し、当センターにおいて防災重点農業用ため池の管理状況の調査を行い、管理が不十分なため池管理者への指導・助言や電話相談などによる支援を行うことで、ため池の適正な保全管理やため池管理者の防災意識の向上を促しているところと伺っております。  近年、豪雨が頻発化しており、さらには今後三十年以内に七〇%から八〇%の確率で発生するとされる南海トラフ地震の発生など、自然災害のリスクが高まる中、豪雨や地震等の影響によるため池の二次災害を防止するためには、ため池管理者が災害時に、ため池の現状を確認する緊急点検や、異常を発見した際には緊急連絡網により情報を伝達し、迅速な避難行動につなげていくことが重要となりますが、ため池管理者が減少している現状を踏まえ、日常的な保全管理はもとより、災害時における緊急点検等を迅速かつ効率的に行えるよう体制を整えておく必要があります。  さらに、令和三年三月に国が策定した土地改良長期計画では、施設管理者の高齢化や減少等を踏まえ、ICT等を活用した日常点検、施設監視等の省力化・高度化を推進していくことが重要であるとされており、今後、ため池の管理においては、こうした新しい技術も活用しながら管理者の負担軽減を図りつつ、適切に保全管理を行えるよう工夫していく必要があると考えます。  そこで、今後、ため池の保全管理についてどのように取り組んでいくおつもりなのか、知事にお伺いします。  質問の第十二点は、ダムの整備についてであります。  ダムは、人間が造る巨大な構造物の一つであり、古くから造られてきたものであります。水をため、洪水を防ぐことにより、田畑に豊かな実りをもたらし、私たちに水を供給するなど、人々の生活を豊かにしてきました。ダムの主な役割は、治水と利水であります。古代から、治水事業とは為政者の仕事でありました。すなわち治水は、過去から現在に至るまで最も大きな課題の一つと言えると思います。  元国土交通省河川局長であった竹村公太郎氏によれば、治水の原則とは、洪水の水位を十センチ、いや一センチでも下げるとのことであります。この目的のために、例えば、川幅の拡幅や河床掘削、ダム・遊水地で洪水をため、川の水位を下げることを行っています。国土交通省の発表によりますと、令和元年東日本台風における試験湛水中の八ッ場ダムを含む利根川上流ダム群は、台風十九号による豪雨の際に約一億四千五百万立方メートルの洪水を貯留し、利根川の八斗島治水基準点での水位を約一メートル下げる効果があったと推定しています。  本年も、台風などによる記録的な大雨により、全国各地で河川の氾濫などにより甚大な洪水被害が発生しました。頻発・激甚化する水害・土砂災害等に対応するため、流域治水の考え方に基づいて、河川堤防の整備、ダムの建設・再生などの対策をより一層加速するとともに、河川や下水道等の管理者に加え、流域全体のあらゆる関係者が協働して治水対策に取り組んでいくことが重要であります。中でもダム整備は、氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策として、流域治水の要であると考えております。  このような中、九月議会の我が会派の代表質問において、社会資本の整備についての質問に対し知事は、昨年八月に香川県流域治水プロジェクトを策定し、河川改修、砂防施設、ダムの整備などの流域治水対策を計画的に推進しているとの答弁をされました。このうちダムの整備に関しては、これまで椛川ダムについては、令和三年三月から試験湛水中であり、令和六年度中の完了を見込んでいること、長柄ダム再開発については、ダム工事に関する全体計画の策定を行い、今年度の用地買収着手を目指すこと、五名ダム再開発については、新規水道用水の水源確保は行わないが、新たな水源の確保に向けて検討するなどの答弁がなされていました。これらのダムにつきましては、早期の整備が強く望まれているところであります。  そこで、改めてダム整備の現在の状況と今後の方針について、知事にお伺いします。  質問の第十三点は、部活動の地域移行についてであります。  公立中学校の部活動の地域移行について、運動部活動は本年六月に、文化部活動は八月に、国の検討会議により取りまとめられた提言が出され、まずは休日の部活動から段階的に地域移行していくことを基本とするとし、休日の地域移行の目標時期として、来年度の開始から令和七年度末を目途とすることが示されました。国では、中学校の生徒数の減少による部活動の縮小への対応や、教員にとっての大きな業務の負担軽減を図るためなどの理由から、地域移行を進めていくとのことでありますが、指導者の確保や保護者の費用負担などの課題も多く、生徒や保護者への説明も十分ではないとお聞きいたしております。  中でも、私が一番危惧しているのが地域偏在であります。地域によっては受皿となる組織や指導者の確保が困難なところもあり、部活動の地域移行の進行状況に差が生じることが予想されております。そして、受皿や指導者が十分ではない地域で移行を進める場合には、それ相応の経費が必要となり、その負担が難しいから地域のボランティアに頼るというのでは、部活動の地域移行は続かないのではないでしょうか。  また、学校教育の一環として生徒の自主的・自発的な参加により行われる部活動は、異なる学年との交流の中で、生徒同士や教員と生徒等の人間関係の構築を図ったり、生徒自身が活動を通して自己肯定感を高めたりするなどの教育的意義だけでなく、教員にとっても生徒への指導などを通じて生徒とともに成長していくものであると考えております。部活動の地域移行によって、こうした教育的意義が失われるということであれば、どのようにして補うのか、あるいはどのように変えていくのかということも考えていかなければなりません。  さらに、経験のない部活動の顧問をすることに戸惑いを感じる教員や、部活動の顧問をしたくないと考える教員にとっては業務の負担軽減が図られる一方で、部活動で生徒を指導することに大きな生きがいを感じている教員も少なくなく、そのために教員になったという人もいると思います。こうした部活動に対して意欲的な教員にとって、地域移行はその生きがいを奪うことになるという側面もあり、教員の中で意見が分かれている状況だと考えられます。こうした教員によって多様な考え方があることについて、県や市町の教育委員会において十分な議論がなされているのだろうかという点も気になっております。  加えて、休日の部活動から段階的に地域移行を進めていくこととされていますが、平日での部活動の指導と休日の地域移行の受皿による指導との間をどのように引き継ぎ、連携を取るのかというのも課題であります。指導方法がそれぞれ異なれば、生徒も混乱をすることとなります。  そこで、中学校の部活動の地域移行について、本県のこれまでの準備の状況と、今後の進め方について教育長にお伺いします。  最後に、質問の第十四点は、警察行政のデジタル化についてであります。  近年、人工知能などの新たなデジタル技術は、情報通信技術の高度化やネットワークの整備効果により、これまででは考えられないスピードで進展しており、また、新型コロナウイルス感染症拡大は、経済活動や人々の生活様式、価値観を大きく変容させたほか、そうしたデジタル化への動きをさらに進展させました。  県警察においても、社会のデジタル化を強力に推進するとともに、県民の利便性向上や負担軽減を図るため、運転免許証とマイナンバーカードの一体化実現に向けた国の取組や、各種申請手続のオンライン化の推進などに取り組んでいるとお聞きいたしております。一方、少子高齢化の進展に伴い、警察におけるマンパワーの維持・向上が課題となっており、警察職員のワーク・ライフ・バランスの推進等にも努めている中で、一層複雑化する治安情勢に対応していくためには、技術革新の成果を警察活動に積極的に取り入れ、警察活動の高度化・合理化を図ることが不可欠であります。  そうした中、全国の都道府県警察で先月一日から試行されている一一〇番通報者からの現場映像の送信を可能とする新システムは、警察官が現場に向かう前に現場の情報収集を行うことが可能となり、より正確な事情聴取が図られることで、迅速かつ的確な判断・対応が可能になるものと期待されております。  また、県警察では、刑事手続のIT化について国における検討をはじめ、犯罪捜査活動など現場の警察活動を支援するとともに、迅速な警察行政に貢献するためのシステムを整備・維持しているところであるとお聞きしていますが、警察事象が複雑化する中、先端技術の活用は県民の安全・安心の確保にもつながるものと考えます。  そこで、社会の変化に的確に対応し、県民の期待と信頼に応えるため、警察行政のデジタル化による警察業務の高度化・合理化について、これまでの取組と、今後どのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いします。  以上で自由民主党香川県政会を代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)自由民主党香川県政会代表氏家議員の御質問にお答えいたします。  まず、総合計画の見直しと来年度予算の編成についての御質問がございました。  総合計画の見直しに当たりましては、施策の継続性にも留意しつつ、私が目指す「人生100年時代のフロンティア県」の実現に向けまして、現在、施策体系を整理をしております。具体的には、総合計画の基本方針を新たに、「安全・安心で住みたくなる香川をつくる「県民100万人計画」」、「活力に満ち挑戦できる香川をつくる「デジタル田園都市100計画」」及び「多くの人が行き交い、訪れたくなる香川をつくる「にぎわい100計画」」の三つといたしまして、それぞれの基本方針の下、重点的に取り組む政策を重点政策として位置づけてまいりたいと考えております。  こうした考え方に沿いまして、今後、庁内の若手・中堅職員や有識者懇談会の御意見を伺いながら骨子案をまとめ、来年二月定例会において御報告した後、県議会での御議論を踏まえながら素案を作成し、来年九月定例会には議案として御提案したいと考えております。  なお、第二期かがわ創生総合戦略につきましては、総合計画への統合を検討してまいりたいと考えております。  令和五年度当初予算編成に当たりましては、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策に万全を期すとともに、先ほど申し述べました三つの基本方針を中心に重点的に取り組んでいきたいと考えております。  具体的に申し上げますと、子ども・子育て支援施策の一層の充実、移住・定住の促進、女性や高齢者、障害者の活躍や社会参加の促進、企業誘致のアクションプランに沿った積極的な企業誘致、スタートアップなどの新規創業の支援、デジタル社会の構築やグリーン社会の実現のための取組、国内外からの観光客の誘致・滞在の促進、快適な都市空間づくり、文化・芸術、スポーツ振興施策などの取組について、効果的な方策を検討してまいります。また、防災・減災対策、インフラ施設の老朽化対策などにつきましては、国の五か年加速化対策予算などの活用によりまして、全国的な水準から後れを取ることのないように着実な進捗が図られますよう、事業費の確保に積極的に取り組んでまいります。  さらに、先般、国の総合経済対策に呼応いたしました補正予算を追加提案させていただいておりますが、引き続き情報収集に努めまして、当初予算編成と並行して、一体的なものとして適時適切な対策の検討を進めてまいります。  一方で、財政の持続可能性の確保は重要であると考えており、財源不足解消のための具体的対策や財政健全化の取組に沿いまして、必要な財源を確保して編成をいたします。その上で、当初予算編成後におきまして、現行の新たな財政運営指針につきまして、今後の財政需要や経済の動向及び財源の見通しなどを踏まえる中で、財政の持続可能性の確保と山積する諸課題への着実な対応の両立の観点から、その目標も含め、見直したいと考えております。  このように、財政の持続可能性の確保と香川の発展を目指す新たな取組などにより、経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代につなげていく、その第一歩となる予算を編成してまいります。  次に、県有施設の耐震化などについての御質問がございました。  耐震化ができていない県有施設のうち、特に、高松合同庁舎につきましては、県税事務所精神保健福祉センターをはじめ複数の機関が入居して、窓口での納付や支援相談など年間二万人を超える多くの県民が訪れ、在籍している職員数も約百五十名と多い状況であります。また、先日、私も現地を視察しましたが、外壁のひび割れや天井コンクリートが一部崩落しているなど老朽化が著しいことを確認いたしました。現敷地は、用途地域の制限などにより、現施設の規模の建て替えができないことなどから、一刻も早く移転整備に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。  移転場所につきましては、高松合同庁舎は入居している各機関の業務内容や権限が本庁からは独立しておりますので、必ずしも本庁舎と近接して整備する必要はないと考えております。その上で、県民の皆様は高松合同庁舎へ車で来庁されるケースが多いと想定しております。また、職員が出向く業務も多いため、駐車場が広く確保できること、また、JR高松駅から路線バスで十分など、公共交通の利便性も現在地と比べても低くないこと、運転免許センターなどが近接して、県民の皆様に分かりやすい場所であること、このようなことから考えまして、総合的に勘案して高松市郷東町の県有地が適当と考えております。  一方、旧中央病院跡地につきましては、様々な観点から利活用の在り方の検討を重ねてまいりましたが、現時点の考え方といたしまして、本庁舎に近接する大変重要な土地でありますので、売却は行わず、県で保有をしたいと考えております。その上で、県議会の御意見も伺いながら、できるだけ早く有効活用の方策を検討してまいります。  次に、国民保護体制の強化についての御質問がございました。  武力攻撃や大規模テロをはじめとする国民保護事案が発生した場合、県民の生命、身体、財産を保護するため、県では国民保護法に基づき策定しました香川県国民保護計画により、県民の皆様の理解や意識の促進、初動体制の整備に取り組んでおります。国際情勢の緊迫度が高まる中、より一層の県としての取組が必要になっているというふうに認識をしております。  国民保護に関する県民の皆様の理解や意識の促進につきましては、これまでチラシやホームページを活用して、弾道ミサイル落下時の行動などについて周知啓発を行ってまいりました。また、住民避難訓練も実施していましたが、現時点におきましては、県民の皆様の十分な理解までには至っていないと認識をしております。このため、今後、国民保護に関するセミナーやシンポジウムを開催するなど、県民の皆様の理解や意識の醸成に向けた取組をさらに進めてまいりたいと思います。  また、初動体制の整備を図るため、国や市町と連携して全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートによる情報伝達訓練や住民避難訓練、図上での対策本部設置訓練などを実施しておりますけれども、国民保護事案が発生した際に、自治体には避難住民の救援に関する措置や警戒区域の設定や退避の指示、このような措置も求められることから、今後は、そうした点に留意した訓練に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  また、議員御指摘の弾道ミサイルに対する安全な避難場所の確保につきましては、国からの要請に基づき、爆風などからの被害低減効果の高い地下避難施設などを避難場所として指定し、県ホームページなどで周知に努めております。しかしながら、避難場所の規模や数につきましては、市町によってばらつきが見られることから、各市町に追加の指定に向けた協力をお願いしているところでございます。さらに、国に対しまして、全国知事会を通じて、情報伝達体制の強化や民間避難施設の指定に向けた取組に対する支援の充実など、必要な要望を行ってまいります。  次に、グリーン社会の実現についての御質問がございました。  近年、地球規模での気候変動問題やその影響による様々な環境問題が生じる中、本県においても、県民、事業者、行政が一体となって地域での脱炭素・資源循環及び自然共生の三つの取組を加速して、持続可能で環境と調和した社会づくりを推進していく必要があると考えております。  御指摘の脱炭素の取組につきましては、本県の地球温暖化対策の中長期的な工程表となります香川県地域脱炭素ロードマップの策定に向けまして、香川県地域脱炭素推進協議会で検討を進めてきております。このロードマップでは、現時点では次の項目に重点を置きたいと考えております。第一に、家庭や産業などの部門ごとに脱炭素の目安を示すことによりまして、それぞれの主体的な取組を促進してまいります。第二に、再生可能エネルギーの拡充、特に本県の自然的特性を踏まえまして、太陽光を中心とした取組を進めてまいります。第三に、吸収源対策として、森林整備と森林資源の利用を推進してまいります。このため、県産木材の供給や利用の拡大に向けまして、森林組合や民間企業との連携による加工流通体制の強化や県立農業大学校への林業・造園緑化コース(仮称)の設置による担い手の確保に取り組みたいと考えております。  次に、資源循環の取組につきましては、市町のごみ処理の広域化・集約化に合わせまして、リサイクルが進むような施設や仕組みの構築を図ってまいります。また、多量排出事業者の処理計画の公表などによる再資源化の促進や循環産業の育成にも取り組んでまいります。  さらに、自然共生の取組につきましては、県内においても絶滅のおそれがある野生生物が増加していることから、希少野生生物の保護や侵略的外来生物の防除に向けた定期的なモニタリング調査などにより、生物多様性の保全を図ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問がございました。  まず、外来医療体制につきましては、この冬の感染ピーク時に備えまして、診療・検査医療機関の新規の指定及び診療時間の延長を依頼するほか、県医師会とも連携しまして、年末年始などの休日におきましてもできるだけ多くの医療機関におきまして発熱患者などへの対応が行われるよう、引き続き取り組んでまいりたいと思います。また、医療機関への負荷軽減のために、県民の皆様には感染の不安を感じた場合の無料検査の積極的な活用をお願いしているところでございます。引き続き周知を徹底いたしますとともに、高齢者施設などにおいては頻回検査を実施してまいります。  ワクチンの接種につきましては、各市町におきまして接種促進の取組に加えまして、県においても広域集団接種センターを今月五日から開設いたしました。県ホームページやSNS、新聞広告などによる周知啓発を行いまして、引き続き接種率の底上げを図ってまいります。  さらに、今般、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合の対応について、住民・事業者の方々への協力要請・呼びかけといった、感染レベルを抑えるために取り得る感染拡大防止措置などが決定されました。今後は、県内において外来医療の負荷が高まるなど医療逼迫が懸念される状況となった際には、政府対策本部の決定を踏まえて本県の対応を速やかに決定をいたしまして、社会経済活動の維持と医療の逼迫回避の両立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、健康づくりの推進についての御質問がございました。  まず、健康を保持・増進し、発病を未然に防止する一次予防といたしましては、県民一人一人の健康づくり意識の醸成と主体的な健康行動の定着が課題であると認識しております。このため、生活習慣病の正しい知識の普及啓発をはじめ、適切な食事、適度な運動、禁煙など健康に有益な行動変容の促進に取り組んでまいります。中でも、運動、食事、健診受診など健康づくりの取組に対しましてポイントを付与し、特典が受けられるかがわ健康ポイント事業「マイチャレかがわ!」を実施しておりまして、楽しみながら健康づくり行動を起こし、継続していくためのモチベーションの向上につなげたいと考えております。  また、歯周病と生活習慣病との関連性などが指摘される中、歯と口腔の健康に関しましては、成人期の歯周病対策や高齢期のオーラルフレイル対策が課題であると認識しております。引き続き各市町が検診に合わせまして行います歯の表面クリーニングに対する補助など、歯周病検診の受診率向上やオーラルフレイルの予防・改善に関する普及啓発などに重点的に取り組んでまいります。  さらに、二次予防としては、乳がんや子宮頸がんといった女性のがん検診受診率向上が課題であると認識しております。そのため、休日に乳がん検診が受けられるかがわマンモグラフィーサンデーを実施するとともに、子宮頸がんの検診車も派遣して、検診を受けやすい環境づくりに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  また、健やか香川21ヘルスプラン、がん対策、循環器病対策、歯と口腔の健康づくりの四つの計画が、来年度に最終年度を迎えます。今後、次期計画の策定作業を進めていく中で、これまでの成果を踏まえ、新しい観点も入れた取組を検討してまいりたいと考えております。  次に、子育て支援施策についての御質問がございました。  子育て支援施策につきましては、今定例会におきまして、低所得の子育て世帯に対する県独自の特別給付金の支給事業や、本年四月の保険適用後の不妊治療の経済的負担の軽減を図るための不妊治療費助成事業、また、国の経済対策に伴う出産・子育て応援交付金事業など、対応が急がれる施策につきまして補正予算案を御提案をしているところでございます。  議員お尋ねの子育て施策全般の再構築につきましては、庁内に部局横断で子育て支援推進プロジェクトチームを設置をいたしまして、これまでの子育て支援施策の点検及び再構築について検討を進めているところでございます。また、子育て支援施策の効果的な推進には市町との連携が不可欠でありますので、今後、市長、町長との意見交換をより頻繁に行いたいと考えております。  加えて、子供の保護者や子ども・子育て支援に関する事業に携わる方、学識経験者で構成する香川県子ども・子育て支援会議にもお諮りした上で、子育て支援施策全般の基本的考え方と方向性を定めていきたいと考えております。この基本的考え方などは、来年二月定例会を目途にお示しをしたいと思っております。実施可能な事業につきましては、来年度当初予算案として御提案をしたいと考えております。  なお、具体的事業の全体につきましては、本県の子育て支援社会の実現のための計画であります第二期香川県健やか子ども支援計画の見直しに合わせて示していく予定でございます。  こうした一連の点検や意見交換、検討などを着実に進めることにより各種施策の実効性を高め、子育てしやすい香川県、住みたくなる香川県の実現を目指してまいります。  次に、企業誘致の推進についての御質問がございました。
     県では、今後の五年から十年先を見据えまして、各種の企業誘致施策を取りまとめたアクションプラン「せとうち企業誘致100プラン」を策定し、中期的な視点に立った戦略的な企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。このため、現在、商工労働部を中心に部局横断的な委員会を立ち上げまして、企業誘致の基盤となる用地確保、立地企業を支える交通・物流拠点網の充実、企業が求める人材確保の支援、本県独自の企業立地優遇制度による支援、ワンストップサービスの充実や各種技術的支援による五つの観点から具体的な検討を進めております。  まず、用地の確保につきましては、市町や不動産事業者等と連携をいたしまして、未利用地情報の収集・提供や既存の県管理港湾埋立地の一層の活用などに取り組むとともに、今後、民間事業者による工業団地などの開発に対する支援についても検討してまいります。  また、交通・物流拠点網の整備につきましては、立地企業の活動を支援するため、広域道路ネットワークや交通・産業拠点などへのアクセス道路の整備、物流拠点となる港湾などのインフラ整備につきまして、計画的に推進をしてまいりたいと思います。  また、人材確保の支援につきましては、ワークサポートかがわやSetouchi─i─Base(セトウチ・アイ・ベース)を活用するとともに、教育委員会や民間の人材派遣会社などと連携し、企業ニーズに沿った支援に取り組んでまいります。  さらに、優遇制度による支援につきましては、立地企業に対する本県独自の企業誘致条例に基づく助成金の拡充を検討するとともに、地域未来投資促進法による税制優遇などの支援に取り組んでまいります。  最後に、各種の技術支援等につきましては、立地に係る各種行政手続のワンストップサービスの拡充とともに、立地企業への製品・技術等の開発支援や販路開拓等に関するサポートの充実に取り組んでまいります。  このアクションプランにつきましては、今後、検討委員会での議論を深めながら年度末までに策定をいたします。また、実施可能な事業につきましては、来年度当初予算案として御提案をしたいと考えております。また、本県の優れた立地環境の紹介などと合わせたPR冊子として取りまとめまして、情報発信媒体として様々な場面で積極的に活用することで、戦略的な企業誘致を進めてまいります。  次に、高松空港の機能強化についての御質問がございました。  今月二十三日に運航を再開しましたソウル線につきましては、年内の予約率が八〇%を超えるなど、利用状況は順調に推移しております。早期に安定的な需要を確保するために、インバウンド向けにつきましては、現地の旅行会社と連携をいたしまして本県へのツアー商品の販売促進活動を行うほか、アウトバウンド向けにつきましては、パスポート取得のための助成など各種キャンペーンを実施してまいります。  また、来年一月の台北線の再開に向けましては、今月、台北市で開催されました旅行博に出展をいたしまして、職員が直接現地で誘客活動を行いました。また、海外のSNSで大きな影響力を持つインフルエンサーを活用した情報発信などを実施しております。また、アウトバウンド向けにつきましては、県内外でテレビなどの媒体を活用した運航再開の情報発信などを行ってまいります。  東南アジアへの路線拡充につきましては、地元自治体や経済団体などで構成する高松空港エアライン誘致等協議会における議論を踏まえまして、タイやシンガポールなどとの定期路線開設に向けまして、高松空港株式会社と連携し、航空会社や旅行会社との意見交換などを進めてまいります。  計器着陸装置の高カテゴリー化に向けましては、これまで国からは、得られる便益に比べまして整備コストが高いのではないかとの指摘を受けております。このため、補強土壁工法の採用などによる整備コストの削減及び南海トラフ地震などの大規模災害発生時の拠点空港としての高松空港の役割、こういったことを国に提案をしております。今後、国や市町、経済団体などとの勉強会を開催しまして、関係者と連携して、国に対してカテゴリーIIIの計器着陸装置が早期に整備されるように強く働きかけてまいりたいと考えております。  次に、四国の新幹線についての御質問がございました。  四国の新幹線は、観光や産業面での広域的な人流を四国に呼び込むために不可欠な基本的インフラであると考えております。県民を含め幅広い層への理解促進に向けまして、今後の取組について次の三つを考えております。  一つ目は、国などに対して四国の新幹線の必要性や緊急性などを伝えることであります。具体的には、本年六月に四国各県や経済団体と連携して東京で決起大会を開催をしまして、政府・与党に対する要望活動を行いました。また、先月には、私自ら斉藤国土交通大臣や鈴木財務大臣に対し要望を行ってまいりました。今後も積極的に要望活動を続けてまいります。  二つ目は、県民の皆様の機運醸成を図ることであります。これまでシンポジウムやSNSなどを活用した広報啓発活動を行ってきたほか、本年八月には応援キャラクターに係るクラウドファンディングを実施し、その財政的支援を募る中で県民の皆様の関心を高めるよう努めてきたところでございます。また、来月には新幹線と四国のまちづくりに関する勉強会を開催をいたします。来年三月には県民の皆様に整備効果を分かりやすく伝えるイベントの開催も予定をしておりまして、引き続き幅広い層に対しての理解を求め、機運醸成を図ってまいりたいと思います。  三つ目は、今後、このような活動の中で県民を含め幅広い層へ訴求していくポイントについて、より磨きをかけていきたいと思います。特に、新幹線整備の効果は、広域的な人流を四国に呼び込むことが大きなポイントであると考えております。国などに対する要望活動や機運醸成の取組の中で、この点についてしっかりと訴えてまいりたいと考えております。  次に、ため池の保全管理についての御質問がございました。  県では、令和二年に設立しました香川ため池保全管理サポートセンターにおきまして、ため池管理者に対する技術面での指導や助言に加えまして、今年度からは現地講習会を開催しまして、日常管理や豪雨時などの緊急点検時の現場に対しての留意点を周知するなど、ため池管理者の管理技術や防災意識の向上を図っているところでございます。  議員御指摘のICTを活用した監視システムにつきましては、国において開発をされまして、その普及を図るために監視カメラや水位計の設置に対する国の補助制度が設けられるとともに、システムにつきましては、来年度から本格的に導入が開始されることになっております。このため、県としては、この国の補助制度を活用した監視カメラなどの設置をため池管理者に働きかけておりまして、満濃池や豊稔池など大規模なため池を中心に要望が出ているところでございます。来年度は、全額国の補助金を活用して、市町と連携しながら、七市五町の約百か所のため池で監視カメラや水位計の整備を進めてまいりたいと考えております。  最後に、ダムの整備についての御質問がございました。  まず、椛川ダムにつきましては、現在、試験湛水を実施しております。その状況でございますが、先月末時点での総貯水容量に対する貯水率は約四五%となっております。今後の降雨状況にもよりますが、令和六年度中に試験湛水が完了する見込みになっております。また、今年の夏の渇水時には、椛川ダムから水道用水として約五万七千立方メートル、農業用水及び河川維持用水として約百十七万八千立方メートルの放流を行いまして、整備効果を発揮したところでございます。  次に、長柄ダム再開発事業につきましては、建設に要する費用などを定めるダム等建設事業全体計画を本年三月に策定いたしました。また、本年八月には昨年度から進めておりました用地測量が完了し、今年度中の付け替え道路の用地買収着手に向けまして、現在、関係者との協議や必要な調査を行っているところでございます。  最後に、五名ダムの再開発につきましては、香川県広域水道企業団におきまして、異常渇水時における水道用水の供給を目的に、一万四千立方メートルの渇水対策容量の確保を決定したことに伴いまして、ダム計画を変更することといたしました。あわせて、全体事業費を見直しましたところ、資材単価や労務単価上昇などによる社会的要因もあり、二百二十億円から二百七十五億円に増額する見込みとなっております。県では、湊川水系河川整備計画を今年度中に変更した後、ダム等建設事業全体計画を策定いたしまして、まずは付け替え道路に関する用地買収に向け、準備を進めてまいりたいと考えております。  今後とも、県民の皆様の安全・安心の確保のため、香川県広域水道企業団や地元市町などとの連携を図りながら、計画的なダムの整備に努めたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党香川県政会代表氏家議員の御質問にお答えいたします。  まず、県有施設の耐震化などについてであります。  旧県立体育館については、平成二十六年九月に閉館して以降、県、民間事業者などによる利活用の可能性を考えながら、その取扱いの方向性の検討を行ってまいりました。  このうち、県としての利活用については、県立アリーナの整備が進む中、体育館としての役割を既に終えていることや、現在、県では旧県立体育館の規模に見合う施設の整備は予定しておらず、建物の規模や構造、仕様等から、多額の耐震改修等の費用を投じて他の用途に転用することは現実的ではないことから、県の公共施設としての利活用は難しいものと考えております。  また、昨年度には、議員御指摘のとおり、利活用の事業主体となる意向がある民間事業者の方から、利活用の方法や投資資金の回収方法などについて広く提案をいただくサウンディング型市場調査を実施しました。この調査において、旧県立体育館の利活用について、民間事業者ならではの様々な提案をいただいた一方、資金の面では、民間事業者が県の財政支援等を受けることなく単独で持続的な運営を行うことは難しいのではないかと認識しているところです。  県教育委員会といたしましては、旧県立体育館の前面の道路が大規模な地震発生時等における緊急輸送路に指定されていることなども踏まえた上で、今後は建物の解体も含めたより幅広い検討を進め、できる限り早い段階で方向性をお示しできるよう努めてまいります。  次に、部活動の地域移行についてであります。  学校の部活動は、これまで生徒の自主的で多様な学びの場として教育的意義を有してきたものであり、今後も子供たちのスポーツ・文化芸術活動を守っていくとの認識の下、部活動の地域移行に取り組む必要があると考えております。  国においては、検討会議の提言を受け、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインの案を作成し、今月十七日からパブリックコメントを開始しています。このガイドライン案では、地域で持続可能なスポーツ・文化芸術活動を行う環境を一体的に整備することとされており、具体的には、まずは公立中学校の生徒を主な対象とし、休日における地域の環境の整備を着実に進めること、令和五年度の移行開始から三年後の令和七年度までの三年間を改革集中期間として重点的に取組を進めることなどが盛り込まれています。  県教育委員会におきましては、令和三年度から国の委託を受け、県内五市町で部活動の地域移行に向けた実践研究を行うとともに、学識経験者や市町、関係団体を構成員とする地域部活動推進事業検討委員会を設置し、人材の確保や費用負担の在り方等について検討を行っているところです。また、市町教育行政意見交換会を開催するなど、各地域の実情や課題の把握、意見交換を実施してきました。  こうした中、これまで学校教育の一環として行われてきた部活動を、地域移行に伴いどのように継承していくのか、また、今後の具体的な進め方や保護者の負担軽減を含めた財源措置、受皿となる団体や指導者等の地域差、生徒や保護者等への周知の不足、指導を希望する教員の兼職・兼業の在り方など、多くの課題や不安の声を聞いているところであり、地域の実情や部活動の種目に応じ、時間をかけた対応が必要であると考えております。  このような課題の解決に向け、国に対しては必要な財源措置を引き続き強く求めていくとともに、今月十四日には、市町教育委員会の教育長等による部活動の地域移行推進準備委員会を立ち上げたところであり、今後は、この場で方向性を共有の上、検討を進めながら、本年度中には部活動の地域移行に関する県の考え方等をお示ししたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、部活動の地域移行が生徒にとって望ましいスポーツ・文化芸術環境につながるよう、学校現場の意向、生徒や保護者の思いを十分に尊重しながら市町とともに取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党香川県政会代表氏家議員の警察行政のデジタル化についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、近年、情報通信技術の高度化や新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の大きな変容に伴い、社会のデジタル化が加速するとともに、警察行政におけるデジタル化も一層求められているものと認識しております。  県警察においては、県民の皆様の利便性向上や負担軽減を図るとともに、社会の変容に適応し、新たに生ずる治安上の課題に的確に対処する必要性があることから、現在、警察庁が主体となって取り組んでいる全国的な警察業務のデジタル化を着実に推進するための対応を図っているところであります。  具体的には、警察が所管する手続につきましては、道路交通法関係や警備業法関係など多岐にわたっておりますところ、県民の皆様がオンラインによって申請・届出が可能となる警察行政手続サイトを整備し、現在、道路使用許可の申請をはじめとした二十の手続において運用しております。  さらに、議員御指摘のとおり、先月一日から一一〇番通報からの現場情報の送信を可能とする一一〇番映像通報システムを導入し、初動警察活動の高度化が図られたところです。  また、警察庁が主体となって整備する共通基盤上に県警察の情報管理システムを集約・統合することにより、全国的なシステム同士の連携を容易にするなど、警察情報管理システムの合理化・高度化に向けた検討を進めております。  県警察といたしましては、今後もデジタル技術を活用するなど時代の変化を的確に捉え、県民の皆様の安全を守るため、県民の期待と信頼に応える力強い警察の確立に向けた取組を行ってまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時三十九分休憩                         午後 一時  七分開議     ─────────────────────────────   出  席  議  員    高  城  宗  幸 君    新  田  耕  造 君    氏  家  寿  士 君    松  岡  里  佳 君    里  石  明  敏 君    城  本     宏 君    植  條  敬  介 君    秋  山  時  貞 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    山  本  悟  史 君    樫     昭  二 君    松  本  公  継 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    西  川  昭  吾 君    十  河     直 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    広  瀬  良  隆 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    斉  藤  勝  範 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    平  木     享 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    鏡  原  慎一郎  君    花  崎  光  弘 君    鎌  田  守  恭 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    池  田  豊  人 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    田  中  一  裕 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     三  好  謙  一 君           商工労働部長     寺  嶋  賢  治 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    安  西     愼 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           子ども政策推進局長  井  元  多  恵 君           会計管理者      小  川  秀  樹 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員    大  石  俊  二 君
              警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    平  尾  敏  彦 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)再開いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑・質問を続行いたします。  自由民主党議員会代表平木 享君。    (平木 享君登壇、拍手) ◯平木 享君 私は、ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問させていただきます。  質問に先立ちまして、一言述べさせていただきます。  明治維新の時代、維新の志士たちを育てた吉田松陰先生の言葉に、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に夢なき者に成功なし」という言葉があります。陽明学の知行合一の精神から出た教えであります。県政で最も大事なことは、県民誰しもが夢を描くことができる社会づくり、夢をかなえるためのサポート体制がある社会づくりです。県政に参画する者全ての原点でもあります。夢を現実にする「夢現」の心を求めることを誓って、代表質問に入ります。  質問の第一点は、国の経済対策への対応と来年度の予算編成についてであります。  二〇一九年末に発生した新型コロナウイルスの感染症は、これまで数度の感染の波を見せながら、はや三年近くが経過しました。しかし、現在でも収束のめどは全く立っておりません。その間、県内経済や県民生活に大きな影響が及んでおります。現在では、ようやくウィズコロナの取組が進んできたものの、この冬にかけて再拡大の兆候も見られ、今後も予断を許さない状況が続いております。  また、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした原材料価格の高騰や急激な円安の影響などにより、光熱費をはじめ、原材料や食料品などの価格上昇が県民生活や事業活動に大きな影響を及ぼしています。  こうした中、国においては今年九月、物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を支援するため、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を新たに創設。本県にも三十四億円余の配分が決定。また、新たな経済対策として、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を取りまとめ、今月八日には約二十九兆円もの第二次補正予算案を閣議決定し、総合的な経済対策を講じることとしております。  本県においても、コロナ禍に加え、物価高騰等による影響が出ている中、国の経済対策に合わせて的確な対策を着実に実施していく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  加えて、本県は少子高齢化が進む中、人口減少・地域活力向上対策や防災・減災対策に加え、地球温暖化対策やデジタル化の推進など、様々な課題に直面しております。その対策は急務であります。本県の財政状況は、地方交付税の追加配分や県税収入の伸びなどで、直近の決算では一時的な回復傾向が見られます。しかし、社会保障関係経費や金利上昇による公債費の増加、また、老朽化した施設の改修など、今後の財政支出は着実に増えることが見込まれており、中長期の財政状況を見通した場合、決して楽観視できるものではありません。  池田知事は、さきの九月定例会において、財政の持続可能性を確保しつつ、香川の発展を目指す新たな取組により、経済と財政の好循環を生み出していく旨の答弁をされました。  そこで、就任後初めてとなる来年度の予算編成に当たり、新たな香川づくりに向けて、どういった考えの下、何に力点を置いて予算編成を行うおつもりなのか、併せてお伺いします。  質問の第二点は、地域防災力強化のための大学との連携を含めた人材育成についてであります。  日本は、自然災害の多い国です。特に近年は、記録的な豪雨が全国各地で発生するなど、風水害、土砂災害の備えに万全を期す必要があります。また、南海トラフ地震をはじめ、地震への備えも着実に進めていかなければなりません。平常時、災害時を問わず、防災対策を的確に実施するためには人の力に頼るところが大きく、行政、民間双方において、防災・危機管理の知識を有した人材の育成が急務です。  以前の一般質問においてもお話ししたことがありますが、日本大学は、様々な社会的危機に柔軟かつ的確に対応できる危機管理人材の養成を目的に、平成二十八年度に危機管理学部を創設いたしました。私は実際、大学のほうに視察にも行きましたが、同学部では、自然災害をはじめとする様々な危機の発生を未然に防止するためのリスクマネジメント、発生した危機に対する事後的なクライシスマネジメントの両面から、多角的、総合的に危機管理に関する知識と運用能力を修得することを目指しています。毎年定員いっぱいの三百名が入学し、卒業生の就職率も一〇〇%近いと聞いております。これは、危機管理の知識を有する人材が社会から求められているということであります。  一方、本県の香川大学においても、平成三十年度に創造工学部に防災・危機管理コースが創設され、毎年三十名程度が入学しており、その半数以上は県外からの学生と聞いております。県外から本県の大学に来てくれることは喜ばしいことでありますが、卒業後は再び地元に帰ってしまう、都市部の条件のよい就職先に流れてしまうなど、香川県に残ってくれる学生は残念ながら少ないそうであります。せっかく香川の地で、防災・危機管理に関する専門的な知識を学んだ人材を育成しているだけに、卒業後は県内の自治体や企業、地域において、学んだ防災知識や危機管理能力を生かして活躍してもらいたいものであります。  また、地元の学生が少ないという状況では、本県の地域防災力を強化するための人材の育成に結びついていないということでもあります。少子高齢化が進む中、地域の自主防災活動においても、役員の高齢化や後継者不足が課題となっております。それだけに、防災・危機管理の知識を有する若者に防災活動の中心的役割を担ってもらえれば、地域の防災力もおのずと高まってくるものと思います。  県では、市町とも連携し、自主防災活動や防災士育成のための支援などを行っておりますが、地域防災力の一層の強化に向けて、専門的な防災・危機管理の知識を有する人材の育成について、大学との連携も含めどのように取り組んでいくのか、また、こうした人材を本県の地域防災力の強化に生かしていくことが重要だと考えますが、その点についてどう取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三点は、持続可能な循環型社会の形成についてであります。  これまで、生産、流通、消費、廃棄といった社会経済活動全般を通じて、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済システムが世界規模で構築されてきました。一方で、天然資源の枯渇、資源採取に伴う自然破壊、廃棄物の大量発生など、地球環境に対する悪影響が出てきております。その一例として、海洋プラスチックごみによる海洋汚染は世界的な問題となっております。二〇一五年の国連総会で採択された持続可能な世界を実現するための持続可能な開発目標(SDGs)には、環境分野に関連する目標が多く含まれており、国を挙げてその達成に貢献していくことが求められています。  このため、国ではこれまで、二〇〇〇年に循環型社会形成推進基本法を制定、家電リサイクル法や容器包装リサイクル法など、資源循環を進めるための法整備を実施、循環型社会の形成に目を向けた総合的な枠組みを進めてきました。県もこういった動きに合わせて、リデュース、リユース、リサイクルのいわゆる3Rを推進するための様々の取組の中、家庭における資源ごみの分別や事業者による各素材のリサイクルを促進してきたのであります。  このような中、プラスチック資源循環促進法が今年四月に施行されました。製品の設計から販売、提供、そして廃プラスチックの処理に関わるあらゆる主体において、リサイクルしやすい環境に配慮した製品開発や、一回使用しただけで捨てられるワンウェイプラスチックの使用削減、さらには焼却や埋立処分されていたプラスチックを資源として循環利用させる新たな取組などが求められています。  また、国は、課題解決と経済成長を同時に実現する「新しい資本主義」の考え方の下、金属やプラスチックなどを再資源化して活用する循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーの促進に向けた有識者会議を開催。循環型の経済活動を実現するために必要な取組について議論を始めたと聞いております。  県としては、SDGsの考えの下、プラスチック資源の循環促進法への対応や循環経済への移行など、持続可能な循環型社会の形成に向けた取組をさらに加速していく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四点は、障害者の就労・生活支援についてであります。  県では、第六期かがわ障害者プランを策定。「全ての県民が、障害のあるなしによって分け隔てられることなく、互いに人格と個性を尊重しながら、笑顔で安心していきいきと暮らせる香川を実現する。」という基本理念の下、施策を進めております。  一方、先日、障害のある方の親御さんから、自分が元気なうちはよいが、その子が年を取るのと合わせて自分自身も高齢になり、介助などができなくなる、自分亡き後にこの子はどうなるのだろうと、親亡き後の不安についてお話をお伺いしました。親御さんの不安なお気持ちはよく分かります。親亡き後の子供の生活のため、住む場所や収入、医療、福祉サービスなど、一つ一つ備えていくことが必要です。  また、働く意欲のある障害者については、就労を応援することが重要であります。働くことは、単に収入を得るだけではなく、社会に参加することで社会とのつながりができます。障害の程度や特性にもよりますが、誰一人取り残さない共生社会の実現のため、障害者の就労支援にもしっかり取り組んでいくことが重要と考えます。折しも池田知事は、さきの九月定例会の所信表明で、高齢者や障害者の方をはじめ、誰もが住み慣れた地域で、社会的・経済的に一層活躍できる社会づくりに取り組んでまいりたいと述べられております。  障害者の就労については、企業などで働く一般就労と、個々の能力に応じて施設などで働く福祉的就労の二つに分かれております。香川労働局によりますと、本県の一般就労については、令和三年の民間企業に雇用されている障害者数は三千二百一人で、前年より百二十七人減少しております。法定雇用率は二・三%のところ、実雇用率は二・一四%と、いまだ道半ばであります。福祉的就労については、県では、県内の就労継続支援B型事業所における障害者一人当たりの平均月額工賃の目標額を設定しております。令和三年度には一万六千八百九十円。残念ながら目標の一万七千五百円には届いておりません。  さらに、重度障害や精神障害を抱える方など支援対象の広がりや、障害特性により短時間しか勤務できないなど働き方の多様化、テレワークの普及などにより、就労環境は年々変化してきていると聞いています。これらの対応には、これまでの支援に加えて、障害者が自らの能力や適性に合わせて働くことができる柔軟で適切な新たな支援が必要であると考えます。  そこで、まず、障害者が社会的・経済的に活躍するために、県の就労支援に係る取組についてお伺いします。  また、生活支援も含め、今後どのように障害者が笑顔で生き生きと暮らせる香川の実現に取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  質問の第五点は、女性のリーダー養成・就労支援についてであります。  男女共同参画、ジェンダーギャップの解消という点について、我が国は諸外国と比べて大きく立ち後れているのが現状です。前々から言われてきた課題ではありますが、今年七月に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数においても、日本は百四十六か国中百十六位と改善が見られません。人口減少や少子高齢化が進み、社会が多様化する中で、豊かな社会づくりのためには、女性が持つ能力を十分に発揮し、あらゆる分野において活躍できる社会をつくることが重要であります。  こうした中、国では今年六月、女性活躍・男女共同参画の重点方針、いわゆる女性版骨太の方針二〇二二を閣議決定。今後、重点的に取り組むべき事項として、女性の経済的自立、女性の登用目標達成など定めました。  女性の経済的自立については、女性本人のためにも、また、経済財政政策の観点からも、男女間の賃金格差・処遇格差への対応や女性の視点も踏まえた社会保障制度・税制等の検討、固定的な性別役割分担意識の解消など、多くの課題解決が必要であります。また、女性が妊娠や出産、育児のタイミングで離職を余儀なくされるいわゆるM字カーブの問題も、いまだ解決されておりません。女性の活躍推進や経済的自立を図るためには、妊娠や出産、育児をしながらも就業が継続できるような職場環境や社会環境の整備が必要です。一旦離職を余儀なくされても、求職者の希望に応じた再就職先につながる就労・雇用環境の整備が重要であります。  池田知事も、就任時の所信表明や知事選挙を通じて、子育てをしながら働ける環境を整えたい、女性の再就労の支援など女性が活躍できる環境をつくる、との方針を示されております。加えて、女性の登用についても、民間企業はもとより、県庁や学校現場においても、まだまだ男性中心で、女性の管理職やリーダーが少ない状況であります。社会の半数は女性であり、民間企業にとっても顧客の半数は女性です。女性の意見や考えを経営判断や政策判断に生かしていくことは、今や必要不可欠であります。そのためにも、女性の管理職やリーダーの養成は重要であると考えます。  そこで、女性の活躍推進に向けて、女性の管理職やリーダーの養成についてどのように取り組んでいくのか、また、働く場において、より一層女性が活躍できるよう、女性の就労支援についてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  質問の第六点は、インバウンドも含めた今後の観光振興についてであります。  新型コロナウイルス感染症の長期化により、観光業は、訪日外国人旅行者の大幅な減少、国内旅行の手控えや外出自粛などの影響でかつてない大きな打撃を受け、厳しい状況が続いております。ようやくウィズコロナの動きが見られるものの、いまだ感染収束のめどは立っておりません。感染対策と経済活動の両立を図りながらも、観光需要の早期回復、観光関連産業の活性化に取り組んでいく必要があります。  そのような中、先月十一日から国の全国旅行支援が開始され、本県においても、同日から新うどん県泊まってかがわ割の助成対象を全国に拡大しました。折しも、瀬戸内国際芸術祭の秋会期や秋の行楽シーズンと重なったことから、多くの観光客が来県し、本県の魅力に触れていただけたのではないかと思います。  この全国旅行支援は、落ち込んだ旅行需要を大きく回復させる絶好の機会と関係者も大きな期待を寄せております。現在の実施期間は十二月二十七日までとなっておりますが、国においても年明けから旅行支援を引き続き実施。本県もこうした動きを捉え、効果的な観光需要喚起策を講じて、観光関連産業の活性化につなげていく必要があると考えます。  池田知事は、九月定例会における我が会派の代表質問に、今後の観光振興については、落ち込んだ旅行需要を早期に回復させるとともに、その後の継続した誘客につなげていく必要があると答弁されております。こうした取組を、ぜひ着実に実施していただきたいと思います。  また、新型コロナウイルス感染症によって、旅行やレジャーにおいても、価値観の変化やニーズの多様化がさらに進んでいると思われます。観光を取り巻く環境が大きく変化していく中、積極的な施策の展開が求められています。  加えて、訪日外国人観光客の受入れについては、先月十一日から一日当たりの入国者数の上限が撤廃されるとともに、個人旅行も解禁となりました。それを契機に、高松空港ではソウル線が先週二十三日に再開されたところであり、台北線も来年、一月十九日に再開される予定です。昨今の急激な円安も追い風に、今後、インバウンド需要が一気に拡大することも期待されています。この好機を捉え、地方空港では先行して国際便が再開した強みも生かし、本県に着実なインバウンド需要を呼び込む取組が重要と考えます。  そこで、現在の観光誘客に向けた取組の状況や成果について伺うとともに、インバウンドも含めた今後の観光振興策にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  質問の第七点は、県産農水産物の消費拡大についてであります。  本県は、全国に比べて農作物の作付面積が少ない県であります。しかし、一年を通じて日照時間が長く、温暖な瀬戸内海気候に恵まれております。その中で、県オリジナル品種の米「おいでまい」や讃岐うどん用の小麦「さぬきの夢」、レタスやキウイフルーツ、オリーブ畜産物など、全国に誇れる高品質で特色ある農産物が生産されております。これらの農産物は、県内だけではなく首都圏など大消費地の市場にも出荷され、市場関係者からも高い評価を受けているところであります。また、播磨灘から燧灘に広がる海域は、温暖な気候条件で恵まれた漁業環境にあります。各海域に応じた漁船漁業や養殖業が営まれ、本県のブランド水産物であるオリーブハマチや伊吹いりこなど、多種多様で魅力ある魚介類が県民の食生活を支え、関西をはじめとした都市圏にも提供されています。  一方で、本県の農水産業の現場では、担い手の減少や高齢化、耕作放棄地の増加、価格の低迷など、農業・漁業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。加えて、ウクライナ情勢や急激な円安の進行などの影響で肥料や飼料、施設栽培の冷暖房や漁船の操業等に用いる燃油などの価格高騰が重なり、経営状況はさらに厳しさを増しております。こうした状況を踏まえ、県では、国の支援策に加えて、肥料や飼料の価格高騰に対する県独自の支援策を実施。しかし、まだまだ生産者の経営回復には至っておりません。  生産コスト高騰への対応に加えて、生産者の収益向上を図ることも重要です。そのためには、農水産物の消費拡大に継続して取り組んでいく必要があります。消費拡大に当たっては、国内はもとより、近年の日本食ブームを追い風に、海外の富裕層などをターゲットとした取組も必要ではないかと思います。  さらに、昨今の厳しい国際情勢の中、食料安全保障の観点から、国内において農水産物を増産していくためには、国内産の消費拡大が重要であると再認識されてきております。  そこで、県産農水産物の消費拡大に向け、県では今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、知事にお伺いします。  質問の第八点は、防災・減災対策やインフラ施設の老朽化対策による国土強靱化についてであります。  近年、気候変動の影響で気象災害が激甚化・頻発化しております。加えて、南海トラフ地震の今後四十年以内の発生確率が九〇%程度に引き上げられるなど、大規模地震の危険性も高まっております。また、高度経済成長期以降に集中的に整備したインフラ施設が今後、一斉に老朽化しますが、適切な対応をしなければ、事業費負担の増大のみならず、社会経済システムが機能不全に陥るおそれがあります。このような危機に打ちかち、国民の生命・財産を守り、社会の重要な機能を維持するためには、防災・減災、国土強靱化の取組の加速化が必要であります。  このため、国は、平成二十六年六月に国土強靱化の指針となる国土強靱化基本計画を策定いたしました。そして、平成三十年十二月には、災害から得られた知見や社会情勢の変化などを踏まえて基本計画を見直し、総事業費約七兆円もの防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として、緊急に実施すべき施策に集中的に取り組んできました。令和二年十二月には、一層の加速化を図るため、それまでの三か年緊急対策から引き続き、総事業費約十五兆円に上る防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を閣議決定。激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策などの各分野について、重点的かつ集中的に対策を講じております。  一方、県では、これまでの自然災害等から県民の命と財産を守るための防災・減災に取り組んできました。さらに、国の国土強靱化基本計画の見直しなどを踏まえ、これまでの取組の加速化を図っているところであります。今後も引き続き豪雨や地震などの自然災害から県民の安全・安心を確保するためには、インフラ施設の整備や老朽化対策を平時から計画的かつ着実に進めていくことが重要であると考えます。  そこでまず、本県のこれまでのインフラ施設の整備や老朽化対策など、国土強靱化対策の取組状況についてお伺いします。  また、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の対策期間が令和七年度までとなっている中、五か年加速化対策完了後においても引き続き対策事業を実施していく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第九点は、ICT教育等を含む教員の資質・能力の向上と優れた教員の確保についてであります。  学校教育の充実は、本県の未来を担う子供たちの健全な育成と個性や能力を伸ばす上で大変重要であります。しかし、昨今の学校現場では、学力の育成や、いじめ・暴力行為などの防止、不登校への対応、体力づくりなど多くの課題があります。さらに、緊急時における学びの保障、児童・生徒の心のケアなど新たな課題も生じております。学校現場における課題は多様化・複雑化しているのであります。  とりわけ、GIGAスクール構想により一人一台端末が整備されました。学校でのICT教育が進む中、端末を有効に活用して子供たちの興味・関心を高めたり、ICTの利点を生かした指導で思考力や表現力を育成したりするなど、ICTを活用した指導力の向上が求められています。  また、インクルーシブ教育として、障害により特別な支援を必要とする子供がいる全ての学校、学級において、一人一人の教育的ニーズに的確に応える指導が行えるよう、全ての教員が特別支援教育における知識や支援法を身につけることも必要となっております。  このような多様化・複雑化する課題に適切に対応していくためには、教員の資質・能力の向上を図ることは大変重要であります。本年七月の教員職員免許法の改正により、教員免許更新制は発展的に解消されました。しかし、そのことを理由に質の低下を招くことがあってはなりません。今後は、教師自らがより一層主体的に学べるような研修の仕組みを構築していく必要があると考えます。  また、文部科学省が取りまとめた令和三年度の公立学校教員採用選考試験の実施状況によりますと、小学校の採用試験の競争率は全国で平均二・五倍と過去最低であります。受験者数も、小・中学校を合わせて前年度比四千三百三十人の減少となっております。本県においても小学校の競争倍率は三・六倍で、徳島県や高知県と比べて低く、過去には三倍を下回ったこともあることから、危機感を持っています。その要因として、多忙な教職に対するマイナスイメージの広がりや、民間企業の新規採用数の増加などが大きいと考えられます。したがって、本県の教育の質の向上を図るためには、優れた教員をどのように確保していくのかが大きな課題となります。  そこで、教員の資質・能力の向上と優れた教員の確保に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いします。  質問の第十点は、県民に身近な交番等の警察活動についてであります。  本県の治安情勢は、刑法犯認知件数、交通事故発生件数とも減少傾向にあるなど、全体としては一定の改善が見られております。しかし、高齢者が狙われやすい特殊詐欺、歩行者が被害に遭う交通事故、子供や女性被害の犯罪など、身近なところで起こる事件・事故は後を絶ちません。県民の不安が解消されているとは言えないのが現実です。  このような中、私たちの町の治安を守ってくれる頼もしい存在が、交番や駐在所で勤務する制服警察官、いわゆるお巡りさんです。交番等の警察官は、職務質問や交通取締りなどを通じて事件検挙等を行っております。それ以外にもパトロールや巡回連絡などを通じて地域住民と直接話をする中で、地域でどのような犯罪や交通事故が発生しているのか、さらに住民への情報提供や防犯指導などを行うことで、さらに安心感を与えることができるのではないかと思います。  かつては、警察官が交番に着任したときに巡回連絡に合わせて挨拶に来てくれて話をしたり、警察官が地域の祭りや会合に顔を出して地元の人と交流している様子を見かけるなど、警察と住民の距離は今よりも近かったと思います。しかし、最近ではこのような警察活動が少なくなったように感じています。生活様式の変化などにより、以前のような活動が難しくなっているのかもしれません。  しかし、住民の立場からすると、交番や駐在所で勤務する警察官を身近に感じることができなければ、交番等にも入りづらく、身の回りで起こっている困り事や要望を気軽に伝えることはできないのじゃないかと思います。そういったことが、事件や犯罪等の初期段階を見逃すこととなり、いざ何か起こった際の認知の遅れ、適切な対応の遅れにもつながるのではないかと危惧するところであります。また、何かあったときに本当に守ってくれるのかといった住民の不安も高まることになります。もちろん、現在も地域とのつながりを大切にしている警察官も多いとは思いますが、県民の安全・安心を確保するためには、警察官が積極的に地域に溶け込み、地域と共に治安を守るという姿勢を持つことが重要ではないかと私は考えています。  そこで、県民に身近な警察活動についてどのようにお考えなのか、交番等で勤務している警察官の活動の現状と今後の取組について、警察本部長にお伺いいたします。  以上で香川県議会自由民主党議員会を代表しての質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)自由民主党議員会代表平木議員の御質問にお答えいたします。  まず、国の経済対策への対応と来年度の予算編成についての御質問がございました。  議員御指摘のとおり、コロナ禍の長期化に加え、物価高騰などによる影響が県内経済や県民生活に広範囲に及んでいる中、県では国の交付金を活用しまして、今定例会におきまして、医療・福祉施設や私立学校に対する応援金をはじめ、売上高や売上総利益率が低下した県内事業者に対する給付金などの事業者支援に加えまして、低所得の子育て世帯に対する県独自の特別給付金を盛り込んだ補正予算案を御提案いたしました。また、このたびの国の総合経済対策に呼応して、現時点で対応可能な出産・子育て応援金や、防災・減災、国土強靱化に資する公共事業を追加提案したところでございます。これら補正予算議案を御議決いただければ、早期の効果発現を図りますとともに、引き続き社会経済情勢を的確に把握しつつ、国の総合経済対策に関する情報収集も進め、適時適切な対策を検討してまいりたいと考えております。  次に、令和五年度当初予算編成に当たりましては、財政の持続可能性を確保するとともに、香川の発展を目指す新たな取組などにより、経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代につなげていくその第一歩となる予算としたいと考えております。こうした考え方の下、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策に万全を期すことはもとより、「人生100年時代のフロンティア県」を目指し、「県民100万人計画」、「デジタル田園都市100計画」及び「にぎわい100計画」の三つの基本方針を中心に重点的に取り組みたいと考えております。  具体的に申しますと、子ども・子育て支援施策の一層の充実、移住・定住の促進、女性や高齢者、障害者の活躍や社会参加の促進、防災・減災対策、インフラ施設の老朽化対策、企業誘致のアクションプランに沿った積極的な企業誘致、スタートアップなどの新規創業の支援、デジタル社会の構築やグリーン社会の実現のための取組、国内外からの観光客の誘致・滞在の促進、快適な都市空間づくり、文化・芸術、スポーツ振興施策などの取組について、効果的な方策を検討いたします。  一方で、議員御指摘のとおり、本県の財政状況は楽観視できないものと考えております。財政の持続可能性確保の観点から、来年度予算の編成に当たりましても、財源不足解消のための具体的対策や財政健全化の取組に沿いまして、必要な財源を確保して編成を行ってまいります。  次に、地域防災力強化のための大学との連携を含めた人材育成についての御質問がございました。  防災・危機管理には、災害発生の仕組みや想定される被害に関する知識、危機的な状況の発生を予防・回避し、被害を最小限とする知識など様々な知識が求められますから、専門的な知識を有する人材を育成して、さらに、育成した人材に地域で活躍していただくことは、非常に重要なことであると考えております。  まず、人材育成についてですけれども、現在、香川大学におきまして、自然災害の軽減を目指す技術者やデータサイエンスによる危機管理の専門家の育成を目的とした防災・危機管理コース及び社会人を対象に二年間かけて災害・危機対応マネージャーを養成する四国防災・危機管理プログラムの実施を香川大学でしております。また、県におきましても、大学と連携をしまして自主防災組織のリーダーや防災士の育成を図っているところでございます。このような取組が、今後、より魅力的なものになるように、今後、大学と定期的な意見交換を行いまして、大学で行われるプログラム等の改善を実施するなど、大学と連携して人材育成に取り組んでまいります。  人材の活用につきましては、香川大学で防災・危機管理を学んだ学生や社会人、県内で育成した自主防災組織のリーダーや防災士を、今後、県や市町での防災セミナーや研修会の講師などとして、これまで以上に積極的に活用をしてまいる所存でございます。また、大学と連携して、地元企業の防災・危機管理の取組の紹介や、危機管理人材を求める地元企業とのマッチングなど、県内において活躍できる仕組みを検討してまいりたいと考えております。  次に、持続可能な循環型社会の形成についての御質問がございました。  循環型社会への転換を実現するためには、できる限りごみを減らし、可能なものは再利用・再資源化するなど、循環的利用を推進していく必要があります。県としては、御指摘のSDGsの考え方も踏まえながら、消費者や市町、事業者の主体的な取組をより一層促進することとしております。  まず、プラスチックごみの関係につきましては、本年四月のプラスチック資源循環促進法の施行によりまして、従来の容器包装製品以外のプラスチック製品につきましても、リサイクルが市町の努力義務とされました。このため、県では、県内四つの地域ブロックごとに各市町と協議の場を設けまして、家庭から出るプラスチックごみの効率的な分別収集体制やリサイクルの手法について検討を行っているところであります。できるだけ早く具体的な方策を取りまとめたいと考えております。また、県ホームページでの情報提供を通じまして、排出事業者とプラスチックリサイクル業者とのマッチングを引き続き進めてまいります。  リサイクルの全体的な推進につきましては、民間団体と連携して、学校や地域、職場での幅広い世代においての環境教育や環境学習による意識啓発に継続して取り組んでまいりたいと思います。  また、事業者に対しましては、生産から消費、廃棄までの一方通行型の経済社会活動から、持続可能な形で資源を利用する循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーへの移行を促進するため、まずは四国四県で連携しまして来年一月にセミナーを開催し、循環産業に取り組む事業者が広がるように意識啓発を図ってまいりたいと思います。
     さらに、リサイクルの推進には、リサイクル製品が開発されまして、それが利用されることが重要であります。このため、現在、二十九製品あります県認定リサイクル製品、これを増加することや利用促進を図ってまいりたいと思います。また、グリーン購入法やプラスチック資源循環促進法に基づきまして、県が率先して積極的にリサイクル製品の購入を進めてまいります。  次に、障害者の就労・生活支援についての御質問がございました。  県では、障害者の自立と社会参加を支援するため、各市町や香川労働局など関係機関と連携いたしまして、就労・生活支援に関する各種施策を講じているところでございます。  まず、民間企業での就労につきましては、県内四か所に設置をしております障害者就業・生活支援センターにおきまして、昨年度、障害者本人と受入れ企業双方の不安を解消するための職場実習を百二十八件行っておりまして、この結果、百四十一人の就職が達成したところであります。今後とも職場の定着が図られるよう、生活面も含め、継続的な支援を行ってまいります。  障害者の職場の拡大につきましては、就労継続支援B型事業所を対象に、新分野進出や販路開拓などのノウハウを持つ専門家を派遣しており、これを広げてまいります。また、香川県社会就労センター協議会に設置している共同受注窓口におきまして、事務所の清掃や農作物の植付けなどの作業のあっせん・調整を行っておりますが、引き続き新規業務の開拓や新しい就労継続支援B型事業所の参加促進に努めてまいります。さらに、官公庁が率先して障害者就労施設などから物品などを調達する優先調達を推進をしてまいります。今後とも、共同受注窓口と連携しまして、この調達額の増加に取り組んでまいりたいと思います。  また、生活支援につきましては、第六期かがわ障害者プランに基づきまして、障害者が住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう、ライフステージのそれぞれの場面に応じた相談支援体制の整備や成年後見制度の利用促進や、住む場所の確保などに取り組んでまいりたいと思います。  次に、女性のリーダー養成及び就労支援についての御質問がございました。  まず、女性のリーダー養成につきましては、平成三十年度から、地域や働く場において、女性が自分らしいリーダー像を見つけ、積極的な行動につなげていくために、リーダーシップやマネジメントスキルの習得などを内容とする女性リーダー養成講座を実施し、今年度は定員を上回る三十二名が受講しているところであります。また、今年度から新たに、女性の就業継続などキャリア形成を支援する女性先輩社員をメンターとして位置づけまして、将来の管理職などへの登用が期待される企業からのメンター候補者二十一名に対する研修を現在実施をしております。今後は、これまでに地域や企業で活躍をしてきた方々の意見も踏まえながら研修や講座の充実を図るほか、新たに女性リーダーが互いに情報共有して連携できるようなネットワークづくり、こういったものを行うなど、より一層女性活躍を進めてまいります。  次に、女性の就労支援につきましては、出産や育児などにより離職された女性を再就職につなげることを目的に、かがわ女性・高齢者等就職支援センターにおきまして、就労相談やキャリアカウンセリングなどを実施しておりまして、昨年度は女性求職者から五百九十四件の相談を受けたほか、職場復帰に向けた託児サービスつきの職業訓練を行うなど、求職者に寄り添った支援を行っております。今後は、正社員として再就職を希望する女性と県内企業とのマッチング機能を充実・強化するとともに、働くことを希望する女性人材の雇用機会確保や活用につきましては、まずは企業の意識改革も必要であると考えておりまして、私自身が県内企業の経営者に対して、様々な機会を捉えてお願いしてまいりたいというふうに思います。これらの取組により、女性が働きがいを持って生き生きと働くことができるよう、引き続き女性の活躍推進や就労支援にしっかりと取り組んでまいります。  次に、インバウンドも含めた今後の観光振興についての御質問がございました。  新型コロナウイルス感染症の長期化で甚大な影響を受けた本県観光の早期回復は、地域経済の活性化にも不可欠であると考えております。需要喚起策といたしまして先月十一日から開始をしました全国旅行支援につきましては、十月末までに約十二万八千人、一日当たり約六千人の利用がございます。中四国地域等が対象であったブロック割の平均利用者数の約三倍に上るなど、幅広い地域からの誘客による経済効果が得られていると思います。これらの旅行需要が継続して本県に取り込まれるよう、国の補助金を活用しまして、来年一月以降も全国旅行支援を行うための補正予算を今定例会に御提案しており、一層の需要喚起を図りたいと思います。  また、御指摘の多様化する旅行ニーズへの対応につきましては、インターネット上でのみ取引を行う旅行会社、いわゆるOTAのサイト上におきまして、県内百四十か所以上の観光施設等が販売する体験型コンテンツを対象とした割引キャンペーンを九月から実施しておりまして、十月末までの二か月間の販売額は、昨年同期と比較して約二・二倍になっております。さらに今年度は、首都圏などで開催される旅行博への出展、観光商談会への参加に加えまして、旅行会社に直接出向いての商品造成の働きかけやプロモーション活動を本格的に再開しております。これらの取組を通じて、一層の誘客促進や観光消費の拡大につなげてまいります。  インバウンドにつきましては、高松空港国際線のうち、先に路線が再開した韓国や来年一月再開予定の台湾におきまして、引き続き現地の旅行会社と連携しまして本県のツアー商品の販売促進などを図るほか、現地旅行会社を招きました視察ツアーや、海外のSNSで大きな影響力を持つインフルエンサーを活用しての情報発信を行うなど、早期の需要回復に向けた取組を展開してまいりたいと思います。また、上海線や香港線につきましても、現在、運航再開に向けまして働きかけを行っております。各就航先に向けまして継続的に営業活動や情報発信を行い、路線再開後のインバウンド需要の確保につなげてまいりたいと思います。  次に、県産農水産物の消費拡大についての御質問がございました。  県産農水産物の消費を拡大していくためには、県内で地産地消を推進するとともに、県外や海外の市場での販路拡大を進めていく必要がございます。特に、昨今の国際情勢の影響により食料安全保障の重要性が高まる中、県産農水産物を積極的に消費することが、県内農業者や漁業者の生産を後押しして食料自給力の向上につながるという観点からも、地産地消をより一層推進していくことが重要であると考えております。  このため、現在、三百七十八店が登録しております「かがわ地産地消協力店」のさらなる登録促進のほか、量販店でのPRイベントの継続的な実施に加えまして、飲食店の県産食材を利用したメニューや量販店の産直コーナーの充実など、各店舗での取扱量が増えるように働きかけを行いたいと思います。県民の皆様が県産農水産物を選択できる機会を増やしてまいるよう、今後、取り組んでまいります。  また、学校給食による県産食材の利用促進や生産者の思いを聴くことができる産地体験交流会の開催などの機会を通じまして、県産農水産物の魅力を知っていただくとともに、地産地消が県内の生産者を支えることにつながるとの理解の促進に努めてまいります。  一方、県外におきましては、先日、私自身が東京でオリーブハマチの販売促進イベントに参加をいたしました。今後も大都市圏などにおきまして、様々な機会を通じてトップセールスを含め継続的な展開を図り、県外での県産農水産物の消費拡大に努めてまいります。  また、成長する海外市場に向けましては、マーケットインの発想で、レタスやオリーブハマチ、県産小麦を使用した讃岐うどんなどの魅力ある県産農水産物などを継続的に輸出できる産地の育成などに取り組み、輸出を通じた県産農水産物の消費拡大にも戦略的に取り組んでまいります。  最後に、防災・減災対策やインフラ施設の老朽化対策による国土強靱化についての御質問がございました。  県における国土強靱化につきましては、平成三十年度に創設された国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策や、それに続く五か年加速化対策の予算を活用し、実施をしております。これらの予算の活用によりまして、令和三年度までの四年間で総額約二百二十一億円の事業費が上乗せになり、国土強靱化がこれまで以上に推進をされました。特に、風水害対策として即効性のある河道掘削や樹木伐採につきましては、県単独事業だけで実施していた対策前と比べまして、年平均事業費が約二倍の約九億円になりました。また、橋梁の老朽化対策につきましても、五か年加速化対策からの対象になりまして、令和二年度、三年度の二年間で約七億円の増額で進んでおります。  このように、県における国土強靱化の推進には、国の五か年加速化対策の予算が非常に重要となっております。このため、先月には、私自ら国土交通省や財務省に対しまして、五か年加速化対策の今年度補正予算につきまして、例年以上の確保を求めました。また、五か年加速化対策完了後においても、引き続き国土強靱化に必要な予算・財源を計画的かつ安定的に別枠で確保することについて要望を行いました。これにより、今定例会に追加提案させていただきました五か年加速化対策に関係する補正予算案につきましては、河道掘削を含む風水害対策に昨年度に比べ四五%増の二十六億円余を、また、橋梁などの道路施設の老朽化対策には五五%増の十二億円余など、総額四四%増の七十一億円余を見込んで計上しておりまして、県における国土強靱化を一層推進してまいりたいと思います。  今後とも、国に五か年加速化対策の拡充や継続を要望し、風水害対策や公共土木施設の老朽化対策など、県における国土強靱化を一層加速化し、推進できるように全力で取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党議員会代表平木議員のICT教育等を含む教員の資質・能力の向上と優れた教員の確保についての御質問にお答えいたします。  教員の資質・能力の向上につきましては、教員免許更新制が発展的に解消されたことに伴い、新たな教員研修の仕組みを構築するため、国において校長及び教員の資質向上に関する指針が改正されるとともに、教員の研修受講状況を踏まえた受講奨励に関するガイドラインの策定がなされたところです。  このような中、県教育委員会においては、香川県教員等人材育成方針の見直しを進めているところであり、教員に求められる資質に、「ICTや情報・教育データの利活用」、「特別な配慮や支援を必要とする子どもへの対応」の項目を設定するとともに、校長に求められる資質に、教育に関する情報を収集・整理・分析し共有することや、働き方改革の推進を追加する方向で検討しており、有識者等の意見をお聴きした上で、今年度中に改正したいと考えております。  また、個々の教員の個別最適な学びを実現するためには、研修の受講履歴を記録し、校長や教員が必要なときに確認できるようにしておくことが重要であることから、この記録を基に、校長が教員に指導・助言等を行ったり、教員自身が主体的に研修内容を選択したりすることで、教員の質の向上を図ってまいりたいと考えております。  さらに、ICT教育の充実に向け、若手や中堅教員に加え、熟練教員に対しても新たな研修を行うことで、ICTを活用した指導力の向上を目指してまいります。  優れた教員の確保につきましては、意欲と熱意を持って活躍している教員へのインタビュー動画等を作成し発信したり、全国の大学等で年間約八十回の説明会を実施する中で、香川の教育の魅力や新任教員のサポート体制をアピールしているところであります。あわせて、採用後五年程度の若手教員が県内の高校を訪問し、教職の魅力ややりがいについて伝える取組も行っております。また、教員採用選考試験について、本県では新たに関西会場を設けたり、他県に先駆けて現職教員を対象とした試験を秋にも実施したりしており、引き続き人材確保のための工夫に努めてまいります。  県教育委員会といたしましては、今後ともより効果的な研修を進め、教員の資質・能力の向上を図るとともに、採用試験の改善や大学や教職大学院との連携強化に取り組むなど、優れた人材の確保に一層努めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党議員会代表平木議員の交番等における県民に身近な警察活動についての御質問にお答えいたします。  交番、駐在所は、警察官と地域住民が協働して地域の安全活動に取り組む重要な活動拠点であり、そのためには交番等の警察官が地域に密着し、また、地域住民から信頼される活動を行うことが重要であると考えております。  近年、個人情報保護に関する意識の高まり等の社会情勢の変化により、巡回連絡に難色を示す住民もいらっしゃることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、交番等の警察官が行う住民と直接接する活動については限定的に実施せざるを得ず、こうした中、地域安全推進委員をはじめとする方々に対象を絞り、これらの方々との情報交換や協働活動を通じて地域の実態や住民の意見・要望を把握し、パトロールや情報発信活動に反映しているところであります。  他方、議員御指摘のとおり、地域住民が警察を身近に感じられるよう、交番等で勤務する警察官は積極的に地域に溶け込む姿勢を持ち、地域住民と一体となった活動の輪を広げていくことも大切であると考えております。  県警察といたしましては、今後とも地域の実態に即した警察活動を推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、地域の各種会合や行事に積極的に参加するなど、より一層地域に溶け込むことで、地域住民の困り事や要望、事件や犯罪等の予兆をしっかりと把握し、地域住民と連携して地域の安全・安心のため全力を尽くしてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)代表による質疑・質問を続行いたします。  かがわ立憲みらい代表竹本敏信君。    (竹本敏信君登壇、拍手) ◯竹本敏信君 ただいまから、かがわ立憲みらいを代表して、県政の重要課題につきまして、知事、病院事業管理者、教育長、警察本部長にお伺いをいたします。  質問の前に、一言申し上げます。  コロナ禍での世界的な財政支出の増加、サプライチェーンの混乱などを受けて、二〇二一年頃から世界的にエネルギーや原材料の価格上昇が続いていましたが、ロシアによるウクライナ侵攻により原油高や原材料高が顕著となり、円安とも相まって、レトルトカレー、食用油、紙おむつなどの商品から電気、ガス代まで、私たちの身の回りで急な値上げが相次いでおり、家計への影響は計り知れません。物の値段がどんどん上がっているのに、給料と年金だけは上がらない厳しい状況下に置かれています。  このような中、政府の税制調査会で消費税に関する議論が行われました。委員からは、未来永劫、消費税一〇%のままでは日本の財政がもつとは思えない、今後の高齢化に合わせて引上げについて考えていく必要があるなど、増税の声が上がっていました。物価高は、その場しのぎで対策を打っても仕方がありません。海外も物価は上がっていますが、賃金も上がっています。  また、老後の生活を支える年金について、厚生労働省は十月二十五日、社会保障審議会で年金制度改革の議論を開始しました。今回検討が進められているのが、保険料を納める期間の延長です。会社員の場合、六十歳定年企業が圧倒的に多く、希望すれば六十五歳まで再雇用で働くことができる法律もありますが、定年で退職する人も一定数います。自営業の方も、六十歳を人生の節目と考えていた方も多くおられます。そうした人たちが生活費の当てにしているのが年金です。少ない貯蓄や退職金、あるいは公的年金の繰上げ受給でしょう。公的年金の満額支給は六十五歳からです。国民年金に相当する老齢基礎年金は月六万四千八百十六円、年七十七万七千八百円。六十歳から受給すると、二四%減額されて約五万円になります。しかし、国民年金保険料の支払い義務が六十四歳まで延長されると、繰上げ受給開始も延長される可能性が高いと言われております。そうなると、繰上げで受給できずに保険料を支払わなければならず、定年退職後の生活設計が大幅に狂うことになります。保険料納付義務の延長は、年金を当てにせず働き続けなさいと言っているに等しいのです。百年安心年金はどこへ行ったのでしょうか。  この保険料納付期間の延長は、少子高齢化の進行による財源不足への対策として検討されているのだと思いますが、制度設計時や見直しの際に、将来負担の見直しが甘く、持続可能な制度となっていないという一面があるのではないでしょうか。県政運営で同じ失敗をすることは許されないという認識に立った上で、県民の厳しい生活実態に寄り添い、将来不安を払拭できる持続可能な政策の実現を期待し、代表質問に入らせていただきます。  まずは、当面する課題として、来年度予算編成についてお伺いいたします。  本県の財政状況を見ると、令和三年度一般会計の決算額は、歳入総額五千四百九十六億千七百万円余、歳出総額が五千三百六十億百万円余、実質収支六十七億三百万円余の黒字となっており、歳入、歳出とも四年連続して前年度決算額を上回っています。しかしながら、新たな財政運営指針では、令和四年度から七年度までの四年間で八百七十四億円、年平均二百十八億円の財源不足が見込まれており、令和五年度は、何の対策も講じなければ二百九億円の財源不足が生じると見込まれています。  知事は就任時の挨拶等で、一つ、出産時のサポートや病児保育・求職中保育の充実などを進め、子育てしやすい香川県を目指す。二つ、学校給食費の負担軽減や子供食堂への支援などに取り組む。子育ての世代、特に女性の方への抜本的な支援強化を進めたい。三つ、JR四国の経営難に関し、公共施設の官民分担の考え方の一つとして、インフラの部分、その一部を官が支援していくという考え方は、一つの方向性であるのではないかと考えている。さらに今後必要な支援については考えていきたい。四つ、高齢者や障害者の足となる地域公共交通について、応援したり、県自らでもそういう移動手段の新しい形も考えていきたい。五つ、高松環状道路などの高規格道路の整備、そしてサンポート高松付近から東への延伸、高松港の岸壁水深の確保に向けた整備を進めていきたいなどとおっしゃっています。さらに、財政規律は重要なことであるが、県政の目標ではない。現世代だけではなく次世代の県民の幸せが目標であり、必要な財政支出はちゅうちょせず行いたいと知事はおっしゃっていましたが、どのような事業をするのも財政の裏づけが必要であり、後年度にわたって行う場合は必要な財源を基金に積んでおくなど、将来の負担に備えておかなければなりません。  さきの九月定例会では、令和五年度当初予算編成に当たっては、改めてこれまでの財政状況や財政健全化の取組の内容、既存の施策や事業を総点検し、今後の財政見通しを的確に把握した上で、香川の発展に向けて施策を再構築し、編成するとの答弁もありました。  さきに挙げた事業の全てを令和五年度から実施することはないと思いますが、令和五年度当初予算編成に向けて、知事として新たに取り組もうとしている施策は何なのか、既に担当部局に検討を指示していると思いますので、お伺いをいたします。  また、知事は、財政需要が増えることについては、みんなで稼いで返そうというような気持ちで取り組んでいきたいとも言われていますが、事業効果が税収といった形で現れるまでには時間がかかります。その間に県政運営が立ち行かなくなれば、せっかく始めた事業をやめざるを得ないこともあり、そういった意味では、財政規律は知事が言われるとおりの財政目標ではなく、県政運営の基本であるはずです。  長引く新型コロナウイルス感染症の影響と原油価格・物価高騰等により、将来の見通しが不透明であることに県民は大きな不安を感じています。新しい施策に取り組もうとするときにこそ、財政規律を確保しなければなりません。来年度予算編成に当たり、持続可能な財政運営にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  質問の二点目は、インボイス制度についてであります。  消費税の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度が来年二〇二三年十月から始まります。結果として消費税を新たに納税することとなる零細事業者や農業者が多くなりそうですが、このことを知っている人は少ないようです。税負担が増えることになる事業者がそのことに気づかないように、なじみのない横文字にしたのではないかと疑いたくなります。  一九八九年に導入された消費税制度は、国民の大反対をすかしたり、言を左右にしたりしてつくられました。不公平の最たるものです。当初は三%、一九九七年には五%、二〇一四年には八%、二〇一九年十月一日には多くが一〇%となりました。導入当初は、多数を占める零細事業者の反対をなだめるために、課税売上高三千万円以下を免税事業者として、現在は課税売上高一千万円以下を免税事業者としています。インボイス制度は、これらの免税事業者に大きな影響を与えるものです。消費税額は、販売したものにかかる消費税から仕入れ消費税を引いたものです。しかし、インボイス制度は、条件を備えた請求書で受け付けなければ、仕入れ税額控除を利用できません。消費税には登録番号が必要になります。インボイス制度では、これまで免税されていた事業者も登録により課税され、課税事業者も領収書を正しく処理しないと税負担が増える可能性があります。  消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等に対する課税です。東京地裁は、消費者が事業者に支払う消費税分は商品や役務の提供の対価の一部としての性格を有するとの判決を出しています。免税事業者にも結果として消費税の納税を強いることになるのがインボイス制度だと私は思っています。  同時に、中小企業や家族農業に多い課税売上高一千万円以下の事業者のあぶり出しを狙っており、課税事業者は今までやってきた庭先販売の農家などを避けるようになります。課税事業者と免税事業者の間にメスを入れるようなものです。課税事業者は中小の免税事業者との取引を避けたり、課税事業者から消費税相当の割引を要求される可能性も考えられます。免税事業者は追い詰められて、免税事業者の資格を持っていても消費税課税事業者になるように迫られる可能性があるのがインボイス制度です。  農家について言うと、水田活用の直接支払交付金の運用が見直されるほか、通商政策のさらなる自由化で氾濫する外国産との競争に追われています。そういった中で、農家にとってはインボイス制度はダブルパンチとなることから、農家のさらなる廃業が懸念されています。  上がらない所得、様々な税負担で国民の消費力は縮小するばかりです。弱者をさらに苦しめる可能性があるインボイス制度の導入は、問題があり過ぎです。  知事は、インボイス制度についてどのように考えているのか、また、免税事業者に対する激変緩和措置についてお答えください。  質問の三点目は、看護職員不足についてお聞きをいたします。  今、医師・看護職員の労働市場において急速に不均衡が拡大をしつつあります。つまり、必要なところに必要な職種の人が不足しています。  新型コロナウイルス感染症の対応でも明らかになったように、県立病院は県民の命と健康を守る上で非常に重要な役割を担っています。本県では、県民医療最後のとりでの役割を担う中央病院、県の精神医療の基幹病院としての丸亀病院、特色のある地域の中核病院としての白鳥病院が、それぞれ特色ある医療を行っています。  医療を行うためにはマンパワーが必要で、医師・看護職員等の医療スタッフの確保は常に重要な課題であります。日本看護協会の二〇二一年病院看護・外来看護実態調査の結果によると、全国の正規雇用看護職員の離職率は一〇・六%、香川県では八・五%となっています。看護職員の離職原因としては、個人的な理由によるものが多いと聞いていますが、病院での長時間労働や夜勤負担も常に上位に挙げられています。  本県病院局でも、常に看護職員をはじめとした医療スタッフの確保に苦労していると聞いています。看護職員の募集状況を見ると、毎年七十名程度の募集を行っており、定年退職者を除いた自己都合による離職が高止まりしていると思われます。安全・安心な医療サービスを提供するためには医療スタッフの確保が重要ですが、看護職員を安定的に確保するためには、新規採用者の確保はもちろんのこと、離職防止も重要であります。  新規採用者の独り立ちを十分にサポートする体制の充実や看護職員の負担軽減が必要と考えられますが、具体的な看護職員の離職防止に向けた考えについて、病院事業管理者にお伺いをいたします。  また、看護職員の配置数は診療報酬制度の施設基準などで定められていますが、この基準は医療費を算定する上での最低基準であります。県立病院では、高度医療、救急医療、感染症医療のほか様々な役割を担っており、その実施に当たっては施設基準を上回る積極的な人員配置も必要と思いますが、病院事業管理者のお考えを伺います。  一方、地方公営企業の活動について、「その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費」や「当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行つてもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費」については、地方公営企業法で地方公共団体の一般会計または他の特別会計において負担すべきとされています。県立病院で担っている高度医療、救急医療、感染症医療、僻地医療などの多くは、この繰り出し基準に該当しているものであります。  令和四年四月に総務省から示された公立病院経営強化ガイドラインでも、「当該病院の果たすべき役割・機能に的確に対応した人員配置となるよう医師・看護師等の医療従事者を確保することは、持続可能な地域医療の確保、医療の質の向上、新興感染症の感染拡大時等の対応等、公立病院の機能強化を図る上で極めて重要である。」とされており、看護職員の離職防止に向けた取組や、配置基準を上回る積極的な人員配置等看護職員の人員確保に必要な費用については、一般会計などから積極的に財政支援をする必要があると思いますが、知事のお考えを伺います。  質問の四点目は、県営住宅国分寺団地についてお伺いいたします。  昭和四十年代前半に整備した県営住宅国分寺団地は、建設当初八十棟、約四百四十戸でしたが、現在、令和四年四月時点では二十五棟、二百四十九戸となっています。  公営住宅ほど家賃が安い賃貸住宅というのはありません。今日の経済状況や年金所得、実質賃金が六か月連続でマイナスになっている状況を考えると、必要不可欠の住宅だと思います。  しかしながら、国分寺団地の入居者は建設当初と比較すると減少しており、施設の老朽化等に伴い入居者の移転を促進した結果、入居者がいなくなった区画では建物が撤去されていない状況です。このような状況は景観上もよろしくはないので、なぜ早く撤去しないのかという話もよく聞きますが、今回お聞きしたいのは国分寺団地の未利用地の利活用についてであります。  知事も所信表明の中で、企業誘致を進めるため用地の確保に努めると言われましたが、土地というのはなかなか見つかりません。そうした中で有効活用されていない未利用地を残しておくことは、財政的にも、県有施設の管理的にもいいとは思いません。  また、国分寺団地の中に走っている団地内道路についてですが、高松市道にするということも考えられます。そうすれば、国分寺団地の未利用地の利活用について、いろんな選択肢が出てくるのではないかと考えます。仮に売却するとしても、一括して売却する方法と分割して売却する方法があるなど、県の今後の施策を踏まえて様々な手法が選択できるのではないかと思います。特に、国分町にはJRの駅が二つあり、国道十一号、国道三十二号もあり、高速道路の府中湖スマートインターチェンジが近く、ことでんも走っています。  そこで、交通の便に恵まれた国分寺町にある県営住宅国分寺団地の未利用地の利活用についての考えをお聞かせください。  質問の五点目は、学校の不登校・いじめ問題についてであります。  文部科学省の全国調査で、二〇二一年度に三十日以上登校せず不登校とされた小・中学生は、前年度から二四・九%、四万八千八百十三人増え、過去最多の二十四万四千九百四十人だったことが判明しました。初めて二十万人を超え、増え幅も過去最大となりました。小・中・高校などのいじめの認知件数も過去最多を更新しており、文科省は長引くコロナ禍に起因する心身の不調やストレスが影響していると分析しています。  詳しく言いますと、この調査は全国の国公私立の小・中・高校、特別支援学校、各教育委員会が実施し、先月二十七日に結果を公表しました。不登校の小学生は前年度比一万八千百四十八人増の八万一千四百九十八人、中学生は同三万六百六十五人増の十六万三千四百四十二人。不登校の小・中学生の増加は九年連続で、一九九一年度の調査開始以降で最多になりました。要因別では「無気力、不安」が最も多く、四九・七%を占めています。いじめも増え、国公私立小・中・高校、特別支援学校のいじめ認知件数は全国で六十一万五千三百五十一件で、前年度と比較して九万八千百八十八件増。前年度は一斉休校などの影響で減っていましたが、二年ぶりに増加に転じ、最多を更新しました。いじめにより心身に重大な被害を生じたり、長期欠席を余儀なくされたりした重大事態は、前年度と比較して百九十一件増の七百五件となっています。  不登校児童・生徒やいじめ認知件数の増加について、文部科学省はコロナ禍の影響を指摘しています。二〇二一年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による一斉休校はなかったものの、夏の感染第五波や冬の第六波で、休校や学年・学級閉鎖、分散登校が相次ぎました。このため生活リズムが崩れたり、欠席することに抵抗が薄くなったりして不登校になったという事例が見られたようです。また、感染対策で運動会や遠足といった行事は中止され、グループ活動も制限されることが登校意欲の低下につながったり、ストレスに起因するいじめにつながったりしたと文科省は見ています。  パソコンやスマートフォンを使った誹謗中傷などの件数は、前年度と比較して三千三十件増の二万千九百件が確認され、この項目が入った二〇〇六年度以降の最多を更新しています。香川県では暴力行為の発生やいじめの認知件数などが増加していると聞きますが、県教委としては、いじめの実態を把握し、早期対応に努めていきたいとしていますが、小・中学校における不登校や深刻ないじめの減少に具体的にどう取り組むのか、教育長の所見をお伺いいたします。  六点目は、旧県立体育館についてであります。  サンポート高松に建設中の新県立体育館、香川県立アリーナという名称に決定しましたが、この実施設計がまとまったことを受け、昨年六月定例会では本体工事費、工事監理費として百九十億円の債務負担行為が提案され、議決されました。  令和七年三月の開館を目指す香川県立アリーナは、メインアリーナ、サブアリーナ、武道施設などで構成されていて、メインアリーナの固定席は五千二十四席、中四国最大の収容人数を誇ります。八百七十席ほどの移動式可動席を導入するほか、イベントの形態に合わせてアリーナに椅子を配置することで、最大一万人の収容が可能となっています。延べ床面積は約三万千平方メートルとなっています。単なるスポーツ施設にとどまらず、香川のにぎわい創出の拠点となり、海の玄関づくり構想を締めくくる施設であります。  本日お聞きしたいのは、外観から「船の体育館」と呼ばれる旧香川県立体育館についてであります。船の体育館は、昭和三十九年に完成した鉄筋コンクリート造り地上三階、地下一階の建物で、巨大な縁ばり、側ばり、柱などでケーブルとつり屋根を支える仕組みと彫刻的なコンクリートの造形が特徴的で、屋根の両端が高く曲線を描く外観は和船に例えられています。平成二十四年七月に耐震調査をしたところ、天井板が落下する危険性が判明したため、アリーナの使用を中止に。耐震改修工事の入札を行ったが不調に終わり、平成二十六年九月に閉館となりました。現在、敷地内は立入禁止となり、内部は倉庫として使用されています。閉館から八年がたっています。  以前、文教厚生委員会で旧県立体育館についての結論は、新県立体育館建設に合わせて方向を判断するとの答弁がありましたが、どうなさるのか、教育長にお伺いをいたします。  最後の質問は、警察官の定年延長に向けた人材確保についてお伺いをいたします。  階級が警視正以上である警察官は国家公務員であり、その定年は国家公務員法によって定められ、階級が警視以下の場合は地方公務員であるため、各自治体の条例によって定められていますが、現在、職員として勤務できる上限年齢は原則としてどちらも六十歳となっています。  本年七月に厚生労働省が発表した簡易生命表による平均寿命は、男性八十一・四七年、女性八十七・五七年であり、今の六十代はまだまだ現役で元気に働けます。これは、警察官であっても同じです。警察官の皆さんは県民の命と財産を守るという高い志を持って職務に当たってきたわけですから、定年退職後も年金の受給開始までは働きたいと考えているのではないでしょうか。  実際、最近の交番では、各県警察で再雇用した警察官OBが交番相談員として勤務しているようです。この交番相談員は、日常的に無人となりがちな空き交番が問題となった一九八〇年代後半、慢性化していた警察官の人手不足を補うため、北海道警察において一九八七年に採用され、その後、各都道府県警に広がりました。その仕事は、警察官が不在の間の各種届出の受理や地理案内、相談や事件・事故の通報受理などで、あくまで警察官の補助的役割となりますが、経験豊富なベテランのOBが対面で対応することから安心感があり、住民の皆さんにも評判がよいそうです。このように、六十歳で定年退職した警察官のOBという人材の活用は、警察組織にとっても、地域にとってもプラスに働いています。  少子高齢化の進行に伴い、警察組織における人材の確保が問題となっています。今定例会に警察官を含む職員の定年延長に関する議案が提案されていますが、公務員の定年延長が段階的に進む中、制度が完成するまでの間は定年後の再雇用もあるわけですから、警察官OBの活用はこれまで同様、重要なものだと思われます。また、冒頭申し上げたとおり、年金保険料納付期間の延長の先には年金の受給開始時期も引き上げられる可能性があり、そうなれば定年延長後の再雇用制度もあるかもしれません。  いずれにしても、警察組織として限られた人員で県民の安全・安心を守っていくためには、警察官一人一人が今までの知識・経験を生かすとともに、社会の変化にも適応しながら、様々な治安上の課題に適切に対応していく必要があります。  そこで、社会の変化に適応し、県民の期待と信頼に応えるため、警察内部の再雇用も含めて、定年延長に向けた人材の確保について、今後どのように取り組んでいくのか警察本部長にお伺いをいたしまして、かがわ立憲みらいを代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)かがわ立憲みらい代表竹本議員の御質問にお答えいたします。
     まず、来年度予算編成についての御質問がございました。  令和五年度当初予算編成に当たりましては、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策に万全を期すとともに、「人生100年時代のフロンティア県」を目指し、「県民100万人計画」、「デジタル田園都市100計画」及び「にぎわい100計画」の三つの基本方針を中心に、重点的に取り組みたいと考えております。  具体的に申しますと、子ども・子育て支援施策の一層の充実、移住・定住の促進、女性や高齢者、障害者の活躍や社会参加の促進、防災・減災対策、インフラ施設の老朽化対策、企業誘致のアクションプランに沿った積極的な企業誘致、スタートアップなどの新規創業の支援、デジタル社会の構築やグリーン社会の実現のための取組、国内外からの観光客の誘致・滞在の促進、快適な都市空間づくり、文化・芸術、スポーツ振興施策などの取組につきまして、効果的な方策を盛り込みたいと考えております。  また、先般、国の総合経済対策に呼応しました補正予算を追加提案させていただきましたが、引き続き社会経済情勢を的確に把握しつつ情報収集に努め、当初予算編成と並行して一体的なものとして、適時適切な対策の検討を進めてまいります。  一方で、議員御指摘のとおり、財政の持続可能性の確保は重要であると考えております。来年度予算編成におきましても、今年度の行政評価の結果を適切に反映させるとともに、既存事業の廃止・見直しの徹底などの財源不足解消のための具体的対策や財政健全化の取組に沿って、必要な財源を確保して編成をしてまいります。  このように、財政の持続可能性の確保と香川の発展を目指す新しい取組などによりまして、経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代につなげていく、その第一歩となる予算を編成してまいります。  次に、インボイス制度についての御質問がございました。  消費税のインボイス制度につきましては、適正な課税を確保するための仕入税額控除の方式として国において導入されることになったと承知をしております。また、免税業者に対するインボイス制度導入への激変緩和措置につきましては、インボイス制度の実施後は、免税事業者や消費者などインボイス発行事業者以外から行った課税仕入れに係る消費税額を控除することができなくなります。このため、激変緩和の観点から、免税事業者などからの仕入れにつきましては、制度実施後六年間は仕入税額相当額の一定割合を控除可能とする経過措置が設けられているところでございます。  県としましては、事業者の方々がインボイス制度の内容を十分に理解し、導入に向けた円滑な準備が行えるように、国の広報資料なども活用して周知を行ってきておりますが、今後とも引き続き国と連携して、インボイス制度の積極的な周知をしてまいります。また、制度導入後の小規模事業者などの状況を注視をしていきまして、必要な対応をしてまいりたいというふうに思います。  次に、看護職員不足についての御質問のうち、看護職員の人員確保に必要な費用に対する財政支援についての御質問がございました。  県立病院に対する一般会計からの財政支援につきましては、高度医療のほか、救急医療、感染症医療などのいわゆる政策医療の実施に当たりまして、病院経営の収益を充てることが困難なものについて、地方公営企業法や国の繰り出し基準、特別交付税などの地方財政措置の状況などに照らして繰り出しを行ってきているところでございます。この繰出金の算定に当たりましては、議員御指摘の看護職員の人員確保に必要な費用を含んだ政策医療に要する必要経費を基礎としまして、それに係る収益を差し引いて算出をしております。政策医療のニーズは高まってきておりまして、これまでも状況に応じて繰り出しについて適切に措置をしてきたところでございます。今後とも県立病院が県民の皆様に安全・安心な医療サービスを提供できるよう、経営状況を踏まえながら必要な支援を行ってまいりたいと思います。  最後に、県営住宅国分寺団地についての御質問がございました。  お尋ねの国分寺団地につきましては、耐用年限が満了した建物三十一棟、八十一戸と耐震性が不足している建物七棟、六十三戸、計三十八棟、百四十四戸につきまして、入居者全ての移転が完了いたしました。用途廃止を行っております。そのうち十二棟の除却が完了し、残り二十六棟については限られた予算の中で、順次、除却を進めているところでございます。  御指摘の団地内通路を高松市道とすることにつきましては、未利用地の利活用を図る上で有効な方策であると思います。しかしながら、市道の認定を受けるには、道路側溝や舗装などの整備が必要であること及び入居者との合意形成などの課題がございます。このため、まずは用途廃止した建物の除却を進めまして整地を行っていくとともに、市道への移管につきましては、高松市と協議を行い、課題の解決に向けまして検討を進めたいと考えております。  国分寺団地の未利用地につきましては、県民の皆様の貴重な財産でありますので、効果的な利活用に向けまして、今後も取り組みたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)太田病院事業管理者。    (病院事業管理者太田吉夫君登壇) ◯病院事業管理者(太田吉夫君)かがわ立憲みらい代表竹本議員の看護職員不足についての御質問にお答えします。  県立病院が県民の皆様から求められる質の高い医療を提供するなど、その機能を十分に発揮するためには、看護職員の安定的な確保が重要であると考えており、第四次県立病院中期経営目標において、「医療人材の確保・育成」を目標の一つに掲げ、新規採用者の確保や働きやすい職場環境づくりを通じた離職防止に取り組んでいるところです。  具体的には、まず新規採用者の確保については、近年、採用者数が採用予定人数に達していないことから、県内外の養成施設への個別訪問のほか、ウェブ等を活用した就職説明会や様々な媒体による情報発信により県立病院のPRに努めるとともに、平成二十九年度以降、採用試験を年三回実施するなどの取組を行っております。  また、お尋ねの看護師の離職防止については、県立病院における看護師の離職率が、新卒者では全国や香川県の平均を上回っていることから、新規採用者に対する支援の充実に取り組んでいるところであり、先輩看護師とペアを組んで看護に当たるペア体制の導入や、臨床心理士等による面談の実施などの支援を行っております。看護師の離職防止を図るためには業務負担の軽減を図ることも重要であると考えており、中央病院においては昨年三月から入退院支援などを一元的に行う患者サポートセンターを開設し、病棟スタッフの業務の効率化を図っているほか、新たな取組として、先月から夜間に看護師の作業を補助する看護アシスタントの各病棟への配置を開始するとともに、今月からはコンサルタントを活用した病棟現場の業務実態調査を開始しており、その分析結果を今後の業務改善に生かしていきたいと考えております。  さらに、今年度から県立三病院において、オンラインにより標準的な看護手順書が提供されるサービスを導入したほか、夜勤の体制についても、相対的に若年層の割合が高くなり、産休・育休者が増加している中、あらゆる世代の職員が仕事と家庭の両立を図りながら働き続けられるよう、職員全体で夜勤負担の平準化を図る取組を段階的に進めているところです。  次に、看護師の人員配置につきましては、各県立病院の役割に応じた診療報酬制度上の施設基準を踏まえつつ、高度医療・専門的医療の提供など県立病院の運営に必要な人員配置を行うことを基本に、退職者や産休・育休者等も見込み、毎年度の採用計画を立てているところです。  病院局といたしましては、引き続き看護職員が働きやすい職場環境の整備を進めることにより看護職員の安定的な確保を図り、県民の皆様から求められる質の高い医療を安定的に提供できるように取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)かがわ立憲みらい代表竹本議員の御質問にお答えいたします。  まず、小・中学校の不登校・いじめ問題についてであります。  本県の令和三年度の小・中学校の不登校児童・生徒数は、前年度と比べ三百二十八人増の千五百十四人、いじめ認知件数は四百九十三件増の三千四百十一件で、千人当たりの割合は全国平均より少ないものの、ともに過去最多を更新しています。  不登校につきましては、その要因として、議員御指摘の「生活リズムの乱れ」のほか、「無気力、不安」や「親子の関わり方」、「いじめを除く友人関係のトラブル」が全体の七六%を占めています。また、コロナ禍以前から年々低年齢化、長期化する傾向や、教室に入れない別室登校の児童・生徒も増加傾向にあり、一人一人の状況に応じた居場所づくりと学習環境の確保が課題となっています。  県教育委員会では、昨年度より不登校対策コーディネーターを委嘱し、県内の教育支援センターやフリースクール等の関係機関を巡回訪問しているところであり、今後は、そこで得た情報を基に、連携体制の整備や学習環境の確保に向けたネットワークづくりを推進してまいります。  いじめにつきましては、その態様として、「冷やかしやからかい、悪口」が全体の四割で最も多くなっており、「パソコンや携帯電話による誹謗中傷等」については全体の六%ではありますが、前年度の一・三倍に増加しています。深刻な被害の疑いのある重大事態はここ数年微減しておりますが、昨年度は五件発生しています。また、近年、放課後や休日、SNSといった学校外での事案について、学校が認知したときには事態が深刻化しているケースが増えてきています。こうした認知が難しいケースも含めて、いかにいじめの初期段階で早期発見、早期対応を図るかが課題であると考えています。  そのため、各学校においていじめを見逃すことがないよう、八月に開催したいじめゼロ子どもサミットで、子供たちが提案した児童会や生徒会によるいじめ撲滅に向けた自主的・自発的な活動の推進や、被害児童・生徒が訴えやすいアンケートの実施などの取組を県内全ての小・中学校に広めてまいります。  また、教職員に対して、いじめの積極的な認知を促すとともに、各学校には、深刻化する前にスクールカウンセラー等の専門的な知見を取り入れ、早期解決を図るなどの対応を一層求めてまいります。  県教育委員会といたしましては、市町教育委員会や関係機関等と一層連携し、課題を抱える子供たちが安心できる居場所づくりやいじめが起こりにくい学校づくりの取組を通して、小・中学校における不登校やいじめが減少するよう努めてまいります。  次に、旧県立体育館についてであります。  旧県立体育館については、平成二十六年九月に閉館して以降、機械警備の費用など維持管理コストを最小限にとどめ、大型の体育器具等を保管し、県立武道館の駐車場として使用しつつ、県、民間事業者などによる利活用の可能性を考えながら、その取扱いの方向性の検討を行ってまいりました。  このうち県としての利活用については、県立アリーナの整備が進む中、体育館としての役割を既に終えていることや、現在、県では旧県立体育館の規模に見合う施設の整備は予定しておらず、建物の規模や構造、仕様等から、多額の耐震改修等の費用を投じて他の用途に転用することは現実的ではないことから、県の公共施設としての利活用は難しいものと考えております。  また、昨年度には、利活用の事業主体となる意向がある民間事業者の方から、利活用の方法や耐震改修の考え方、事業の実施方法、投資資金の回収方法などについて広く提案をいただくサウンディング型市場調査を実施し、県内外の事業者から十の提案をいただきました。この調査において、旧県立体育館の利活用について、その建築的価値や特徴的な造形を生かした民間事業者ならではの様々な提案をいただいた一方、資金の面では、民間事業者が県の財政支援等を受けることなく単独で持続的な運営を行うことは難しいのではないかと認識しているところです。  県教育委員会といたしましては、旧県立体育館の前面の道路が大規模な地震発生時等における緊急輸送路に指定されていることなども踏まえた上で、今後は建物の解体も含めたより幅広い検討を進め、できる限り早い段階で方向性をお示しできるよう努めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)かがわ立憲みらい代表竹本議員の警察官の定年延長に向けた人材確保についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、様々な治安上の課題や変容を続ける社会情勢に対応する中で、警察組織としての執行力を維持する人材の確保は、ますます重要となっております。このため、県警察では、優秀な人材確保のための採用活動のほか、中高年を含む全警察官の執行力を高める教育訓練や、警察官一人一人の知識・経験を生かした適材適所の人員配置に努めているところであります。  また、退職警察官が在職中に培った知識や技能を若手警察官に伝承することや雇用機会の拡充を目的に、再任用職員として警察官を配置しているほか、会計年度任用職員として交番相談員や警察安全相談員等を県下の警察署や交番に配置しております。  今後、定年延長に伴う中高年警察官の増加による執行力の低下が懸念されるところ、引き続き警察官にふさわしい優秀な人材確保のための採用活動のほか、全警察職員に対し、警察活動に必要とされる知識・技能・判断力を養う教育や訓練等を体系的に推進するとともに、職員が現場で最大限の力を発揮して活動できるように効果的な人員配置を推進して、人材の確保に努めてまいりたいと考えております。また、即戦力である退職警察官についても、会計年度任用職員等として積極的に活用することにより、警察力の強化を推進してまいります。  いずれにいたしましても、県民の期待と信頼に応える力強い警察を運営指針として、社会の変化を的確に捉え、県民の安全・安心を守るために全職員が一丸となって取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁は終わりました。  代表による質疑・質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)議案及び陳情を、お手元に配付の委員会付託一覧表及び請願陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)お諮りいたします。  委員会審査等のため、十一月二十九日から十二月二日まで、及び十二月五日から十二月九日までの九日間を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(高城宗幸君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十二月十二日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                            午後三時四分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....