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松原委員長 理事者の説明は昨日の委員会で聴取しておりますので、直ちに質疑、質問を開始いたします。
松岡委員 私からは、2問質問をさせていただきます。
先日も御説明をいただいたところですが、脱
炭素社会の実現に向けた動きが強まる中、本県では昨年12月に、香川県脱炭素・
地球温暖化対策本部が設置され、全庁的に取り組む体制が取られるとともに、今後は
関係団体や市町等も含めた協議会を立ち上げて、協議会で中長期的な工程表を策定し、共有しながら県全体で一丸となって取組を進めていくということで、まさに令和4年度は
地球温暖化対策を進めていく上で大変重要な年になると思います。
そうした中、来年度当初予算として県庁全体で6億2000万円余の
地球温暖化対策予算が計上され、
環境森林部でも新たな事業の創設や事業の拡充などが盛り込まれているようですけれども、それぞれどのような考えで予算計上されているのか、事業の内容も含め、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。
木村環境森林部長 本県におきます今後の
地球温暖化対策については、昨年10月に策定しました香川県
地球温暖化対策推進計画に沿って取り組んでいくこととなりますが、この計画に掲げる取組については多岐にわたっておりますことから、県だけではなく、各市町はもちろんのこと、県民の皆様や事業者の方々など、全ての主体が一体となって取組を進めていく必要があると考えております。
環境森林部内の来年度の
新規事業についてということですが、まず
関係団体や市町等も含めた
推進組織として香川県地域脱
炭素推進協議会(仮称)を立ち上げて県全体で取り組む姿勢を示すことで、県全体の
地球温暖化対策に対する意識の醸成を図りますとともに、各主体の取組を包括的にまとめました本県における
温暖化対策の中長期的な工程表を策定して、これを共有することで各主体が脱炭素を自らの
日常生活とか
事業活動の一環として捉えて主体的に取り組んでいく環境をつくり出していきたいと考えているところです。
また、こうした環境が整うまでの間も県ができる取組を継続的に行っていく必要があると考えており、これまでの取組を踏まえ、まず来年度はまだまだ導入の余地が大きいと考えられます
住宅用太陽光発電設備の導入をより一層を促進するため、
省エネルギー対策とか災害時の非
常用電源としての対策などをセットで考えるかがわ
スマートハウス促進事業を創設し、これまでの
住宅用太陽光発電設備や蓄電池に対する補助に加えて、新たに、より
省エネ効果の高いZEH、ネット・ゼロ・
エネルギー・ハウスでありますが、このZEHに対する補助や
電気自動車から電力を取り出し、家庭の電力として利用できますV2Hについても、
太陽光発電設備の設置を要件に補助を行うこととしたいと考えております。
また、県の
温室効果ガス排出量の約6割を占めます事業者に対しては、昨年、事業者への聞き取りや
アンケート調査を実施しましたところ、事業者のほうからは、「どのように取組を進めていいのかがよく分からない」とか、「国の補助金の手続が煩雑で申請することが難しい」といった意見が多くありましたことから、来年度から
県環境保全公社に
専門相談窓口を設置して、現地に専門家を派遣しての
省エネ診断とか省エネ・再
エネ設備の
整備補助金等の
申請手続に関するアドバイスなど、総合的に事業者を支援する取組を始めますとともに、優れた
取組事例に対して表彰を行ってPRすることで、他の事業者にも取組が広がるようにしていきたいと考えております。
一方、県民の皆様や事業者の方々に取組を進めていただくに当たっては、まず県が率先して取り組むことが必要であると考えておりますことから、先月策定いたしました県の
事務事業から発生する
温室効果ガス排出量の
削減計画でございますかがわ
エコオフィス計画では、2030年度に2013年度比で
温室効果ガスを50%削減するという
温暖化計画より高い目標を設定しており、来年度は
県有施設における
省エネルギー化の推進を図りますため、県の
環境保健研究センターにおいて、老朽化しました空調とか
電気設備の機器の更新と
省エネ効果の保証が同時に実証されます
設備更新型の
ESCO事業の導入に向けた
モデル事業の実施を検討するほか、
防災施設となっております
県有施設に対する
太陽光発電設備の
導入可能性調査の実施、さらには
笠田高校校舎棟の改築に合わせました
太陽光発電設備の設置など、
再生可能エネルギーの導入も推進していくこととしております。
松岡委員 全ての主体が一体となって取り組むという答弁でしたが、県民や企業、団体、市町など、あらゆる主体に働きかけて多岐にわたる分野で脱炭素の取組を促していくということは、そう簡単なことではないと思います。県庁内の
本部会議や、来年度に立ち上げる予定の協議会を本当にうまく活用していかなければなかなか進まないと思います。
そこで、
本部会議や協議会の活用も含めて、今後、県全体での脱炭素の取組をどのように促していくつもりなのか、お伺いします。
木村環境森林部長 委員御指摘のとおり、様々な主体に働きかけて多岐にわたる分野で脱炭素の取組を進めていくというのは非常に難しく容易でないと考えており、取組を効果的に進めていくためには、昨年設置しました
庁内組織である
本部会議や今後、
設置予定の協議会をどのように活用していくかが非常に重要になってくると考えております。
まず、
庁内組織であります
本部会議については、知事を本部長とし、各部局長を構成員とする
本部会議の下に、全庁的に対策を取りまとめる組織として、各部局の
政策調整監等で構成する幹事会を設置しておりますが、具体の施策の検討、立案は各
事業担当部局が中心となって行う必要がありますことから、さらに各
部局ごとにそれぞれの部局が脱炭素を自らの業務の一環として検討していく体制を整えていきたいと考えております。
一方、今後、設置いたします協議会については、市町や産業、金融、運輸、
エネルギーなど、各分野の
主要団体の代表者の方に御参加いただいて県全体で取り組む姿勢を強く示すことで、県全体の意識の底上げを図っていきたいと考えておりますが、あわせて各主体の取組を包括的にまとめた本県における
温暖化対策の中長期的な工程を策定するに当たっては、具体的な意見交換や検討を行う体制が必要となりますことから、この協議会の
下部組織としまして、それぞれの団体の実務者で構成する幹事会や
プロジェクトチームを設置するなど、
PR効果と実効性を備えた体制としていきたいと考えております。
なお、協議会の事務局は県が担うこととしており、庁内の
本部会議と十分に連携、調整を図ることで、それぞれの体制が効率的、効果的に機能するようにしていかなければならないと考えているところです。
そのほか、県全体での脱炭素の取組を促していくためには、やはり県民の皆様や事業者の方々のより一層の意識の醸成を図っていくことが重要であると考えており、引き続き市町等とも連携してシンポジウムやセミナー、勉強会の開催や広報誌やSNSを活用した
情報発信の充実強化にも努めていきたいと考えております。
冒頭、
松岡委員から御指摘のあったとおり、私どもも今後、
温暖化対策を進めていく上で来年度は重要な年になると考えており、市町や
関係団体と十分に連携を図るとともに、県民の皆様や事業者の方々の御理解と御協力をいただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
松岡委員 県庁内では様々な部局の横の連携が必要で、まずは市町や
関係団体から、次は市町、そして企業や団体というところに、共に考え、アイデアもいただきながら、政策に協力していただき、その先にはやはり県民の皆様一人一人がきちんと意識を持っていただけるように、先ほどから何度も言われておりますが、県一体となって取り組んでいただけるよう引き続き頑張っていただきたいと思います。
次に、木育・木づかい活動の推進についてお伺いします。
木材の利用は、二酸化炭素の
排出削減に寄与するとともに、森林の
多面的機能の維持や地域の活性化にもつながり、
環境建設委員会においてもこれまで県産木材の
利用促進の意義について多く取り上げてきたところだと思います。しかしながら、住環境の変化や
プラスチック製品の普及等により、
日常生活の中で天然の素材に触れる、木材に触れるという機会は減っております。そのような中で、木のよさや利用の意義を知らずに、木を切ることや、木でできた製品を使うことに罪悪感を感じている方もいるようです。だからこそ、正しい情報を伝えて、私たちの生活にどう生かしていくべきなのかということも一緒に考えていく必要があるのではないかと感じています。
20年ほど前、音楽大学に通って
幼児教育について学んでおりました関係で、
ヨーロッパに勉強に行く機会がありました。たくさんのお店があって、木材を使った木製の様々な製品が多くありましたが、かわいい木製の
おもちゃが多くあったので、
ヨーロッパには木を中心とした生活があるという印象を受けました。今回の質問をするに当たり、その当時の印象を思い出したわけですけれども、林野庁が木材を利用することの意義を広めて、
木材利用を拡大していくための国民運動として木づかい運動を、平成17年、2005年から展開していくわけですが、ちょうど私が
ヨーロッパに行ったのが2002年とか3年あたりでしたので、当時のその木製の
おもちゃやものが多く、うまく利用できていると感じたということは、逆に言えば、当時の日本では、いわゆる、「木づかい」というものがあまりなされていなかったということで、だから逆に私が他国に行って当時そういうふうに感じたということが思い出しされました。
ヨーロッパでは、豊富な
森林資源を生かして乳幼児の頃から五感で木と触れ合うことにより、人と木や森との関わりを主体的に考えて行動できる豊かな人間性を育む木育が盛んに行われています。近年では国内でも様々に取組がなされていますが、本県においてもこうした木育の取組等を通じて、木のよさや県産木材を利用することの意義などの理解を深めてもらうことが大変重要ではないかと思います。
そこで、県では木に対する親しみや理解を深めてもらうためにどのような取組をなされているのか、お伺いをいたします。
竹本みどり整備課長 委員御指摘のとおり、県産木材の利用を進めるためにも、子供をはじめとする全ての人が木材や木製品との触れ合いを通じて日常的に柔らかみやぬくもり、香りを感じ、木への親しみ、木の文化への理解を深め、木のよさや県産木材を利用する意義を学んでもらう木育の機会を幅広く提供することは重要な取組であると考えております。
このため県では、平成30年度に木づかい・
木育推進事業を創設し、将来的な
木材消費者である低年齢層や、これから住宅を購入する可能性が高い
子育て世代など、子供から大人まで幅広い世代を対象に、積み木や玩具等での遊びを通じて木と触れ合い、木のよさを体験する
モクモクおもちゃ広場や、木の伐採、加工等の体験を通じて木材の利用が森林の保全につながっていることなどを考える木の一生
体験親子バスツアーを開催しており、ここ2年間は
新型コロナの影響もあり、十分な開催ができておりませんが、それ以前は
おもちゃ広場には年間3,000人を超える方に参加していただいたところであります。
また、
保育施設や
教育施設などでの県産木材の利用を促進するため、県や市町の
建築担当者を対象とした研修会を開催して、施設の
整備予定がある市町に対し、県産木材の利用を働きかけており、令和2年度までの5年間に
保育施設や
教育施設27施設、414立方メートルで県産木材を利用したところであります。
さらに、
高松シンボルタワー内の「かがわの森 アンテナショップ」において、床材、柱材などの県産
木材製品を展示販売しているほか、ここ2年間は
新型コロナの影響で実施できておりませんが、例年、香川県
木材需要拡大協議会が主催するウッディフェスティバルなどの
イベントにおいて県産木材等の
普及啓発活動を行っており、加えて今年4月に高松市内の
丸亀商店街内に
開催予定の
民間木育施設である
おもちゃ美術館の床材等への県産
木材利用に対する補助を行うなど、県産木材のPRに取り組んでいるところであります。
県としては、今後ともこうした木育の取組を通じて多くの方に木に対する親しみや理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。
松岡委員 私も昨年11月に、かがわ
環境ひろばに参加させていただきました、県主催の
イベントで、子供から大人まで幅広い世代に向けて木に対する理解を深めてもらうために様々な取組が行われている、その一つを私も見学させていただいたんですけれども、ぜひこの理解をさらに一歩進めて、実際に県産木材を積極的に利用したいと少しでも多くの方に思ってもらえるようにつなげていかなくてはいけないと、また、そういう人が増えたらいいなではなくて、そういうところに来てくれた人には確実にそういう気持ちが伝わっていくようにつなげていかなければいけないと思います。
来年度当初予算の
主要事業概要説明資料を見ますと、木づかい・
木育推進事業の中に
新規事業が盛り込まれていますけれども、その取組も含めて、今後どのように木づかい活動を推進して県産木材の利用を進めていくのかお伺いします。
竹本みどり整備課長 先ほど答弁しましたとおり、これまで県では
モクモクおもちゃ広場や木の一生
体験親子バスツアーの実施、また、県や市町の
保育施設や
教育施設などでの県産
木材利用の促進など、主として消費者に対する木育の取組を通じて県産木材の利用の
普及啓発に取り組んでおり、これらの取組は引き続き積極的に行っていこうと考えております。
一方で、昨年、
公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が、脱
炭素社会の実現に資する等のための
建築物等における木材の利用の促進に関する法律に改正され、木材の
利用促進する対象が
公共建築物から
民間建築物に拡大されることから、今後、
木材利用の機運が高まってくることが期待されており、消費者への啓発と併せて受注側の工務店や建築士の方々に県産木材を利用する意識を持っていただくよう働きかけていくことがこれまで以上に大切になると考えております。
こうしたことから、来年度新たに木育・木づかい活動として、
木造建築に関心を持つ建築家や建築士を志望する学生を対象に、香川の
森林林業や県産
木材利用の意義等を総合的に学べる研修を実施し、県産木材の利用に理解のある人材の育成に取り組むこととしており、
消費者側からだけでなく、
受注者側からも県産木材の利用を積極的に提案できるような
環境づくりを行っていきたいと考えております。
また、平成23年度に策定した香川県
公共建築物等への県産木材の利用の促進に関する方針についても、今後、関係者の御意見を伺いながら法律改正の趣旨を踏まえ、対象を
民間建築物まで広げた内容に改定したいと考えており、
市町方針についても改定の検討を促すことで、多くの人々が利用する
民間施設や
公共施設で県産木材が利用され、木のベンチなど県産
木材製品が設置されるなど、町なかで木材と出会う機会が少しずつでも増えていくようにしていければと考えております。
県としては、こうした木づかい・
木育活動の推進により、木のよさや県産木材の利用の意義について
普及啓発を行い、県産木材の認知度を高めながら県産木材の利用の促進につなげていきたいと考えております。
松岡委員 人材育成というのはしっかりと進めて取り組んでいただきたいですし、また、民間でも木育をしっかりと利用した木製の
おもちゃなどの遊具を楽しめる場所も少しずつ増えていると聞いておりますので、そういったことから県民の皆様と一緒に考えていけるようにこれからもしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、私の質問を終わりたいと思います。
秋山委員 先ほど
松岡委員からも
地球温暖化対策の関係で質問と、また、答弁もありましたが、私もその点で大きく2つ質問をさせていただきます。
1点目は、再エネの促進とゼロ
カーボンシフトの支援についてです。
来年度の予算案が示されて、私もさきのこの委員会の中でもZEBとかZEHについても質問しまして、いずれも重要だという認識も示されましたし、来年度予算の重点的な取組として
グリーン社会の実現が掲げられ、脱
炭素政策を特別に位置づけて進められようとしていて、この点についてとてもありがたいと思いますし、非常に評価したいと思います。
そこで、再エネの促進とゼロカーボンに向けた支援、
シフト支援というのが今どうしても求められております。この点では、広く県民に向けた支援と事業者に対する支援が重要だと思います。
そこでまず、
県民向けの再
エネ導入支援について伺います。
本県で鍵となります
太陽光発電の普及ですが、今説明もありましたが、現在、行われている
住宅用太陽光補助金等については、非常に好評だと聞いております。それで、新築には一般的に
住宅メーカーも再
エネ導入のために積極的に進めていると思いますが、既存の物件、既築の住宅にどうやって
太陽光設備を入れていくのかが課題の一つだと思います。県としてどのような対策をお考えでしょうか。また、補助額を引き上げるなど、さらなる
インセンティブが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
木村環境森林部長 住宅用太陽光発電については、県では平成23年度に
補助制度を設けて以来、導入の促進に積極的に取り組んできておりますが、今年度においても1月末までとしておりました
補助申請の受付期間を10月末で打ち切らざるを得なくなるほど、まだまだ
県民ニーズは大きいと考えております。
ただ、補助の内訳を見てみますと、既築住宅については平成28年度に約700件あった
補助件数が、今年度は半数以下の約300件となるなど、既築住宅の
導入件数が伸び悩んでいるといいますか、下がっているというような状況になっております。
一方で、平成30年の住宅・
土地統計調査によりますと、県内の住宅のうち、
太陽光発電設備が設置されている割合は6%にすぎなかったということからいたしますと、引き続き既築住宅には、この対応を検討していく必要があるというふうに考えております。
来年度予算では、厳しい財政状況の中、限られた財源を有効に活用していくという観点から、
新築住宅に対する補助につきましては補助額を引き下げる一方で、既築住宅に対する補助については引き続き同額の補助を継続するということとしております。
脱炭素に向けた取組は多岐にわたっていますことから、今後、この補助金の補助額を増額していくということはなかなか難しいと考えておりますが、他県では
PPAモデル、いわゆる「屋根貸し」による
住宅用太陽光発電の導入とか
住宅用太陽光発電設備の共同購入に取り組むことで設置費用の低減を図っているという事例もあり、県としてはこうした
取組事例も参考にしながら、既築住宅に対する
太陽光発電設備の効果的な
導入手法について検討してまいりたいと考えております。
秋山委員 実績としても本当に予算を上回るだけの申込みというか、利用されているということですので、部長から先ほどが答弁ありましたように県民のニーズはやはり大きいと思います。限られた予算の中というところで、PPAの研究というのはもちろんやっていただきながら、そういう事例は積極的に研究していただきながら、広げていくということをしていかないといけないわけですから、引き下げるのを何とか抑えたという議論よりは、やはり、増額していくということを、ぜひやっていくべきだと思います。
それと、来年度の
新規事業としてV2H、ビークルトゥホームやZEHに対する
導入補助ということで、部長から先ほども答弁がありましたが、これ自体本当に新しい取組で、ぜひ広げていただきたいと思いますが、やはりこの補助を使ってもらえるように、県民に対して啓発、それから積極的な
情報提供を行うことが必要だと考えますが、それも含めて県としてどのようにこのV2H、ZEHを広げていくお考えか、お伺いします。
木村環境森林部長 県では来年度、かがわ
スマートハウス促進事業を創設して、これまでの
住宅用太陽光発電設備や蓄電池に対する補助に加えて、新たにZEH、V2Hに対する補助を行うこととしておりますが、これらを効果的に活用してもらうようにするためには、まずは県民の皆様の脱炭素への意識をより一層醸成して、行動変容につなげていく必要があると考えております。
県では、これまでも
環境保全公社内にあります
地球温暖化防止活動推進センターと連携したクールビズ、ウオームビズなどの啓発や、かがわ
省エネ節電所の実施、
省エネ相談会の開催のほか、広報誌やSNSなどの
広報媒体も活用した
普及啓発により県民意識の醸成に努めてきたところですが、今後はより分かりやすい親しみやすい
情報発信が必要と考えております。
かがわ
スマートハウス促進事業につきましては、先ほども御答弁しましたとおり、
省エネルギー対策や災害時の非
常用電源としての対策などをセットで考えることで、より身近なものとして意識してもらいたいという考えで創設したものであります。
既に、ZEHやV2Hの普及に取り組んでおります
住宅メーカーや
自動車販売会社とも連携協力しながら、新しい
補助制度の目的や内容、ZEH、V2Hの特徴や利点などについて分かりやすい
情報提供を行うことで、これらの
補助制度を十分に活用してもらうよう取り組んでまいりたいと考えております。
秋山委員 今答弁いただいたことは非常に大事だと思いますので、
情報提供をしっかりと行っていただきたいと思います。
それで、ちょっと聞いたんですが、例えば、ZEHをしようとしたら、通常の住宅に比べて四、五百万円ぐらい、上乗せでお金がかかると聞きました。国の補助金と合わせても、県の補助金が新設されましたけど、まだまだ導入に踏み出すには額が小さい、
インセンティブがまだまだ弱いようにも思いますので、先ほどの
太陽光発電の分も併せてですけれども、ぜひこれは
導入支援を積極的に進めていただくようにお願いをします。
次に、事業者に対する支援について伺います。
私もいろいろなところに出かけて話を聞きました。事業者から、「脱炭素と言われても何をどうすればいいのかよく分からない」とか、「補助金があるらしいが、そもそも知識もないから分からない。」それから、「事業を継続していくことでいっぱいいっぱいになっているから考える余裕もない」という声が多くありました。
ZEB化など、事業者の取組の推進に当たっては、県としてこうした声を聞いて政策に反映することが重要だと思います。事業者へのヒアリングの状況とか、また、今年度は金融機関などとも連携して、脱
炭素設備投資促進のためのコンソーシアムができたと聞いておりますが、その取組とか出された意見についてもお示しください。
木村環境森林部長 脱炭素を進めていく上で、県内のCO2の排出量の約6割を占める事業者に対する取組は非常に重要でありまして、今後の取組を検討するために、まず
事業者等の実際の御意見を聞く必要があるという考え方から、昨年の6月から7月にかけまして、約20事業者を訪問して聞き取り調査を行いましたほか、9月には事業者団体に対し
アンケート調査を実施して、79の団体から回答を得ておりますが、その中ではやはり委員御指摘のように、「どのように取組を進めていったらいいのか」とか、「国の補助金の手続が煩雑で申請することが難しい」などの意見が多く聞かれたところであります。
また、コンソーシアムについては、県では事業者の環境配慮型の設備投資を促進するため、今年度から金融機関や
環境保全公社などと連携してコンソーシアムを設置して、金融機関については設備投資を希望する事業者の掘り起こしや融資の実行、県と
環境保全公社は専門家の派遣など、コンソーシアム内で役割分担、連携して取り組んでおりますが、今年度は県内の5事業所に対し専門家を派遣して、CO2の排出量の算定やCO2削減に向けた取組に関する助言等を実施した結果、そのうち1事業者について、国の利子補給事業を活用した金融機関の融資につながったところであります。
また、コンソーシアムでの意見交換では、「事業者はまだ環境に対する意識が低いため、より一層の
情報提供や相談できる場の確保が必要である」とか、「優れた取組を表彰することで、他の事業者にも取組を広げていくべき」などの意見が聞かれたところでありまして、こうした意見を受けて、来年度、事業者の脱炭素化に向けた取組に関する相談窓口を設けるとしたところであります。
秋山委員 こういったところに広げていくことは非常に重要で、コンソーシアムもちょっと前進も見えたという話もありましたし、これからのことだと思いますので、ぜひ広げていただきたいとに思います。
それで、相談窓口をつくられるということで、相談窓口が必要だというのはこれまでも求めてきましたが、しっかりと対応できるようにしていただきたいと思います。
私が、注意すべきだと思うのは、やはり事業者によって本当にレベルがまちまちで違うという点です。特に、中小企業、小規模事業者にとっては、この問題はまだまだハードルが高いと思います。この点を県としてどのように考えて対応していくのかについてお伺いします。
木村環境森林部長 やはり県内の中小企業、小規模事業者の中には、具体的な取組を進めるための高度で専門的なアドバイスを求める事業者もおりますが、多くは先ほど御答弁いたしましたとおり、どのように取組を進めたらよいか分からないといった状況でありまして、また、具体的に取組を進めるに当たっても、その事業内容や事業規模によって取り組む内容は異っていますことから、支援に際してはそれぞれの事業者の状況に合わせて行わなければならないものと考えております。
そのため、来年度新たに
環境保全公社に設置いたします相談窓口については、まずは多くの事業者に気軽に相談していただけるよう、周知方法や内容が堅苦しいものとならないよう留意するとともに、実際の相談に当たっても、高度で専門的な求めに対しては、
エネルギー管理士など専門家を適切に派遣できる体制を、また、どのように取り組んでいけばよいか分からないといった事業者に対しては、十分に時間を取って、現状の聞き取りからCO2排出量の算定、設備投資に関するアドバイス、補助金の
申請手続の支援まで、切れ目のない支援を行えるような体制を準備したいというふうに考えております。
秋山委員 ぜひ切れ目のない相談体制をつくっていただきたいと思います。相談体制としていろいろな人を構えていて厚くしていることと、そうした相談ができる場所があるということを周知徹底していくこと、それから部長も先ほど来のお話にありましたけれども、このカーボンニュートラルに対する県内企業の意識の醸成が本当に重要だと考えます。
その上で、私は相談されたときに、国の補助金の案内にどうしてもやっぱり今の時点ではなると思うんですけれど、国の補助の案内だけにとどまらず、やっぱり県としての独自の補助金の創設や、それから国に対しては中小企業に対する省エネ投資のための無利子、無担保、無保証の融資制度や、CO2
削減計画を盛った中小企業が使いやすいグリーン減税などを設けるべきだと国に対しても求めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
木村環境森林部長 委員御指摘の県独自の新たな
補助制度の創設につきましては、厳しい財政状況の中、なかなか困難であると考えておりますが、県の事業には、脱炭素を直接的な目的とはしていないものの、脱炭素に資する
補助制度とか融資制度があり、これまで脱炭素の観点からの制度の活用というのは必ずしも十分になされてないということもありますので、事業者に対しては国の
補助制度に加え、こうした制度についても丁寧に説明していきたいと考えております。
また、国では青色申告をする中小企業が機械などを取得した場合に、特別償却や税額控除が受けられる中小企業投資促進税制というのがあり、令和4年度末まで適用期限が延長されていることや、昨年8月には脱炭素に向けた設備導入について同様の措置が受けられるカーボンニュートラルに向けた投資促進税制が創設されており、さらには昨年11月の全国知事会からの要望として、地域の企業が行う工場等の計画的な省
エネルギー設備投資や再生
エネルギーの積極的な導入などへの十分な支援策を講じることといった要望をしましたが、この要望を踏まえ、現在、国において財政投融資等を活用した新たな官民ファンドの創設が検討されていると伺っております。
脱炭素に向けては、国においても様々な取組が進められているところであり、県としては、こうした動きについて事業者に適切に
情報提供するとともに、県としてもこうした動きに留意しながら、事業者の取組を促す上でどのような手法が効果的であるか、引き続き検討したいと考えております。
秋山委員 今答弁がありましたが、国の制度では、まだまだ中小事業者にとってはハードルが高いものだということが大いにあります。本当の意味で多くの事業者が脱炭素化を進められるように、中小、また、零細企業が使えるようなものにしていく必要があると思います。
いろいろ聞く中で、事業者としてはコストに合わない投資というのはやりづらい、なかなか進められないと思っているわけです。だからこそ、それを乗り越える
インセンティブをつけていくということが大事です。ゼロカーボンにシフトしていくために、県としてもこれまでの予算の範囲内ということではなくて、広げていただきたいと思いますし、大きな予算が必要ですから、国に対してはそのことも強力に求めていただくように要望します。
質問の2点目は、かがわ
エコオフィス計画についてです。1点目は、県民や事業者に対する政策についてでしたが、今度はエコオフィスなので、県自身がどうするかという話です。
本県では、県内における環境負荷のより一層の軽減と
温室効果ガスの排出量の削減に向けた取組を進めるために、先月、かがわ
エコオフィス計画が策定されました。さきのこの委員会の中で私の質問に対して、費用対効果を踏まえた
ZEB化の検討を新たな取組として、かがわ
エコオフィス計画に盛り込むという答弁がありましたが、この
県有施設、
公共施設への
ZEB化の推進の点も含めて具体的にどのように盛り込まれたのかを改めてお伺いします。
久保環境政策課長 先月、新たに作成いたしましたかがわ
エコオフィス計画では、施設設備の
省エネルギー化の推進や
県有施設への
太陽光発電設備の導入拡大などを重点施策に位置づけて、
温室効果ガスの排出量を2030年度に2013年度比で50%削減する目標の達成に向けて取り組んでいくこととしております。
この目標達成に向けては、これまで以上の取組が必要でありますことから、
エコオフィス計画では、施設設備の
省エネルギー化の推進として、国・地方脱炭素実現会議の地域脱炭素ロードマップにおいて、
ZEB化の推進が重点対策の一つとなっていることも踏まえて、
ZEB化の導入実現に向けて取り組むこととしており、具体的には、
県有施設の新築、改築に当たり、建物規模や用途などから総合的に判断して
温室効果ガスの大幅な削減が見込まれる場合には、最新の技術動向や知見等を踏まえ、
ZEB化の実施可能性や費用対効果について検証を行った上で、具体的な整備の内容について検討を行うこととしたところであります。
また、既存の
県有施設についても、一定の
省エネ効果を事業者が保証する
ESCO事業の活用ですとか、
エネルギー管理システムの導入なども含め、中長期的な視点から
省エネ効果や費用対効果を検証しながら、施設設備の更新時期に合わせ計画的に省エネ型機器の導入を行うなど、省
エネルギー性能の高い施設整備を行うこととしております。
秋山委員 今説明いただきましたZEBも含めた施設設備の省エネ化の推進、また、
太陽光発電の拡大について新規の事業を見てみますと、
太陽光発電設備の導入可能性について積極的に調査しようとされているということは、非常に大事だと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
それから、今お話がありました
ESCO事業については、その
省エネ効果の高いシステムの設備設置、維持管理まで含めた包括的なサービスを専門的な事業者が行うというようなものだと承知しておりますが、本県でもこの来年度の
新規事業、
設備更新型のESCO導入モデルの事業が示されておりますが、もう少し具体的にどのように進めていこうとしているのか、お示しください。
久保環境政策課長 県では、省
エネルギー改修に係る全ての経費を、省
エネルギー改修で実現する光熱水費の削減分で賄うという
ESCO事業については、平成25年度からさぬきこどもの国において実施しておりますけれども、今回の
設備更新型の
ESCO事業と申しますのは、老朽化した設備機器がある場合に、その更新費用は別途積み上げて、通常の
ESCO事業と一体的に発注することで、省
エネルギー効果の保証とコスト削減効果を得ることを目的とした事業でありまして、来年度、建築から30年を経過しました
環境保健研究センターにおいてモデル的に導入したいと考えております。
来年度は事業者の選定を行い、実際の事業着手は再来年度以降、財政状況も踏まえてということになろうかと思いますが、来年度の事業者選定については、
ESCO事業には設計、施工、維持管理等に関して、民間事業者の自由な発想を尊重し、その優れたノウハウを有効に活用するということが求められますことから、設備の改修費用に加えて経費削減効果や省
エネルギー率などを総合的に評価する公募型のプロポーザル方式により行いたいと考えており、現地の予備調査会の実施により事業の実施を広く周知して幅広い参加を募るとともに、提案内容については、学識経験者も含めました審査会を設置して、導入効果等を適切に確認していきたいと考えております。
秋山委員 来年度は、
環境保健研究センターで導入を検討していくとのことですが、これからもっといろいろなところで、どういうところで使えるのかというのは導入を検討していくことが増えていくと思います。全国の自治体でも、今説明がありましたように、公募によってプロポーザルで導入している例というのが増えていますが、私はそれを見ていると、少し課題があると思う点があります。それはこういう
ESCO事業というのが、地域の中小事業者がどうしても参加しにくく、大手ばかりになってしまいがちだという点です。特に、自治体は仕事が大きいですから、どうしても大手ゼネコンが入ってくるということが多いということです。県として、やっぱり下請も含めて地元の業者にどれだけ回せるか、地元でできることをどれだけ地元でできるかというのが非常に極めて重要だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
ESCO事業の担い手を地域で育てて、地域に密着した企業の発展を支えるという点においても、県の公募などに対する考え方もお示しいただけたらと思います。
久保環境政策課長 委員御指摘のとおり
ESCO事業については、全国的には大手企業が事業主体となっている事例というのが多く見受けられておりますが、県としては
ESCO事業にかかわらず、脱炭素に向けた施策を進めるに当たり、県内で取り組める事業者を育成していくということが非常に重要であると考えております。
来年度、実施予定の
設備更新型のESCOの事業者選定について、応募者を例えば県内事業者に限定するということは、競争性、公平性、透明性の確保ですとか、幅広い民間事業者の創意工夫を引き出すという観点から困難と考えておりますけれども、
ESCO事業の契約といいますのは長期間にわたる契約でありますとともに、事業者において設計、施工、維持管理など、様々な役割を担う必要もありますことから、受注する事業者に対しては、協力事業者や下請事業者の選定に当たって県内の事業者を優先するよう努めることなどを求めていきたいと考えております。
秋山委員 今、本当に重要な御答弁をいただいたと思います。これから避難所など、災害対策の面などでもいろいろなところで進めていくことも増えてくると思います。県として公平な立場でありますが、やはり下請なども含めて地元の中小・零細事業者、また、ベンチャー企業を県内で育てていく観点で進めていただきたいと思います。
次に、
エコオフィス計画における
県有施設への県産木材の
利用促進について伺います。
昨年6月に、いわゆる
公共建築物等木材利用促進法が改正されて、脱
炭素社会の実現に資する等のための
建築物等における木材の利用の促進に関する法律に改正されました。先ほど、竹本課長から話がありましたが、脱
炭素社会の実現に資するためという目的を冠につけて、さらにこれまで
公共建築物のみとしていた国産木材の
利用促進の対象を民間も含めた建築物一般にまで広げるという内容です。
木材利用の促進を民間に広げていく動きが大きくなる中で、私は国が基本方針でも示しているように、やはり、まず
公共建築物において率先して
木材利用を図っていくということが、
公共建築物以外での
木材利用促進に寄与することはもちろんですし、さらにはこの建築物以外の工作物の資材や、各種製品の原料とか
エネルギー源としての
木材利用を促進するという波及効果にもつながると考えますが、いかがでしょうか。この観点から
エコオフィス計画にも明記されたのだと思いますが、計画の中にある
県有施設の木造化、木質化をどのように進めていくお考えか、お伺いします。
竹本みどり整備課長 県では、平成23年度に策定しました香川県
公共建築物等への県産木材の利用の促進に関する方針に沿った取組を進めてきましたが、委員御指摘のとおり、民間の取組を促し、取組を広く普及させるためには行政が率先して取り組むことが重要であることから、昨年6月の法律改正、また、10月の国の基本方針の改定を踏まえ、県の方針についても木造化の対象を低層の建築物から全ての建築物に拡大することや、木造化に取り組む
公共建築物の範囲を明示するなど、
公共建築物に関する部分について先行して内容の見直しを行ったところであります。
かがわ
エコオフィス計画についても同様に、県が整備する建築物についてはコストや技術、施設の機能等から木造化になじまない、または木造化を図ることが困難な施設を除き、原則として木造化に取り組むとともに、木質化を図ることが適切と判断される部分については計画的に木質化を進めることとしており、具体的には施設の管理や修繕などを担当する所属で構成する
県有施設県産
木材利用推進
プロジェクトチームを設け、今後の施設の更新等の計画に合わせて、木造化や木質化の実現可能性について検討していくとしております。
秋山委員 ぜひ今答弁いただいたとおり、県がやはり率先して進めていただきたいと思います。その際、伐採後の再造林を確実にやっていくということが重要ですから、そのためには森林所有者にちゃんと利益還元していくということを、
利用促進と安定供給の両輪をしっかりやっていただくようにお願いしたいと思います。
質問の最後にしたいと思いますが、今回示された計画では、2030年までに
温室効果ガス排出量2013年度比で50%削減という目標が掲げられました。この間、私も繰り返し求めてきましたが、国の低過ぎる目標よりも高い目標となっています。県としては一定の姿勢を示していただいたように見えます。
この際、改めてお伺いをいたしますが、気候危機打開に向けて県自らが見本となるため、
エコオフィス計画の完全実施で実際の行動として県民・事業者を引っ張っていく部長の決意をお聞かせください。
木村環境森林部長 先ほど申し上げましたとおり、脱炭素に向けては県が率先して取り組む必要があるということから、新たなかがわ
エコオフィス計画では、委員から御指摘があったとおり50%削減するという香川県
地球温暖化対策推進計画に掲げる目標よりも高い目標を掲げて取組を進めることとしております。
また、県庁全体が一体となって取り組み、計画が実効性のあるものとなるよう、推進体制として12月に設置しました、知事を本部長とし、各部局長を構成員とします香川県脱炭素・
地球温暖化対策本部の下に各部局主管課長で構成しますエコオフィス推進部会を設置しますとともに、
県有施設等
省エネルギー化推進
プロジェクトチームや
県有施設県産
木材利用推進
プロジェクトチームなどの
プロジェクトチームを設けまして、各分野の取組を部局横断的に具体的に検討することとしており、県民の皆様や事業者の方々の取組を牽引していけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
秋山委員 課題は山積ですし、やることは全庁にまたがってたくさんあると思います。部長が今答弁いただいたように、とにかくやらないといけない、進めていかないといけないことは間違いありませんので、県がやるべきことというのは必ずやるという、そういう決意でぜひ進めていただけたらと思います。
森委員 私から、まずプラスチックのごみ対策についてお聞きしますが、今現状、このプラスチックごみ対策は各市町が行っており、質の高いリサイクルを行う場合には同じ素材のプラスチックをより多く、よりよい状態で収集しなければなりませんし、そのためには排出段階での住民の意識が大切になって、どれだけきれいに排出しても、そのプラスチックを資源として今度はまた買い取ってくれる業者が近隣に存在しなければ、また、循環もなかなか行われないという現状もあります。
また、各自治体が連携していなければ、効率のよいリサイクルができにくい面もありますし、資源プラスチックを分別回収する場合には、分別の手間、人件費が大きな課題ともなっております。特に異物混入は、汚れの問題などがあるために余計経費がかかるということにもなっております。
市町の問題としてこれを矮小化していくというのではなく、県としてはどのような対応ができるのかを考えていかなくてはいけないと思っておりますし、プラスチックを使用する社会としてのリサイクルと同時に、脱プラスチックへの取組も十分でなくなる可能性もあると思いますので、県として今後の対策としてどういう考えで行おうとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
木村環境森林部長 プラスチックごみなどの廃棄物の発生抑制や資源循環を図るためには、3Rの推進が重要でありますことから、これまで県では産業廃棄物の多量排出事業者に対して、減量化や適正処理についての助言指導を行いますとともに、環境キャラバン隊の出前講座や各種
イベントでのパネル展示、SNSなどによる
情報発信などにより、県民の皆様や事業者の方々への
普及啓発に努めてきたところであります。
一方で、令和2年度に県でプラスチックごみの実態調査を行いましたところ、一般廃棄物については全市町がリサイクルに取り組んでいるペットボトルを除きますと、県内10市町で容器包装の分別収集は行われていますものの、委員御指摘のとおり、汚れの付着とか異物の混入により、結果としてリサイクルできているものは回収量の約8割にとどまっているということや、容器包装以外のプラスチックごみの大半は焼却または埋立処分されており、一方で分別収集品目の拡大をするということは、収集体制構築の面で住民や市町に相当な負担がかかることなどの課題が明らかになったところであります。
また、小売事業者による店頭回収もされておりますが、これについては家庭から出されるプラスチックごみの大きな受皿である一方で、やはり洗浄や分別が不十分であると事業者の負担になるということや、店舗から排出される廃プラスチック類を削減するためには、仕入れや販売段階での包装の簡素化など、メーカーや消費者の理解と協力が必要であるということが明らかとなっております。
さらに、産業廃棄物については、排出事業者はリサイクル事業者の情報が不足していること、リサイクル業者では様々な種類のプラスチック素材が混在していることや、リサイクル製品の利用先が少ないこと、
プラスチック製品製造業者では取引先の求める品質基準が高く、リサイクルの支障となっていることなどが明らかになったところでございます。
こうした中、来月1日から施行されますプラスチック資源循環促進法では、家庭から排出されるプラスチックの使用製品廃棄物を自治体が分別収集し、リサイクルを図ることのほか、製造事業者には自社製品の自主回収や再資源化しやすい環境配慮設計が、排出事業者にはリサイクル業者と連携した高度な資源化が求められており、こうした対応を進めていくためには市町や事業者の取組を一層支援する必要があると考えております。
こうしたことから、県では、一般廃棄物については今後、県と市町による協議の場を設けて、プラスチックごみを効率的に回収し再商品化する方法や、住民に対する意識啓発などについて検討していくこととしており、産業廃棄物についても昨年9月に開設しました廃プラスチック類の分別に関する周知やリサイクル業者を紹介するホームページによる
情報提供を通じて、排出事業者とリサイクル業者とを結びつけるマッチングの取組を推進していくこととしております。
また、昨年7月から開始しております
プラスチック製品の使用削減や代替素材への転換に取り組む飲食店や小売店などを認定登録いたします「かがわプラスチック・スマートショップ認定制度」に登録した店舗が市町と協力して実施いたします店頭での資源回収や、紙製容器等のプラスチック代替製品の普及、分別収集のルールやマナーの向上を啓発する取組などについて、来年度から新たに県の
環境保全公社と連携してその取組を支援していくということとしております。
その他、プラスチック資源循環促進法の施行に当たり、円滑な導入に向けた措置と市町の新たな負担に対する必要な財政支援等を行うよう、国への要望も行っているところであり、県としては今後とも国の施策の動向や先進事例の情報収集に努めるとともに、県民や事業者への
普及啓発と併せ、プラスチックごみの減量化やリサイクルに取り組む市町、事業者、消費者の活動を支援するなど、プラスチックごみ対策により一層積極的に取り組んでいきたいと考えております。
森委員 今、いろいろ聞いた中で、4月からプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律で、一応問題を国としてもある程度改善しなければいけないということで対応しているわけですけれど、現実問題として、海洋プラスチックが結構いろいろな問題になって以降、このプラスチックの問題が出ているのですけれども、現実的にはこのプラスチックというのはほとんど使い捨てされて、使用後にきちっと処理されていない現状があります。現実に、プラスチックの分別回収というのは、結局全国で1割にも満たないという新聞報道もあります。
ところが一方で、この廃プラスチックを使っていろいろな産業を行うということで、特に中国でこの廃プラスチックの回収などがあったんですが、今は環境問題でやらなくなった。その次はどうなるかというと、ベトナムなどのいろいろなところで廃プラスチックの回収が行われているわけですけども、やはり環境破壊問題等が出て、それぞれの地域において、これについて果たしてどうなのかというような現状が出ている関係でいきますと、廃プラスチックのリサイクルというのは現実には難しいというのがよく分かるのではないかと思っております。
それともう一つは、今、日本のごみの問題で、ごみというのはほとんど焼却です。その焼却する場合に、じゃあプラスチックはどういう位置づけをされているかは御存じだと思いますが、プラスチックがごみの中にある一定量なければ温度が上がらないから焼却できないわけです。そうなりますと、油を加えるとか、そういう対応もしております。でも、そういうことはなかなか世間一般には出てないわけです。分別収集とか回収とか、特に国において店舗における袋、買物袋だって有料化して使わないようにしてやりましょうとかという、片一方でそういういろいろな対策をしながら、片一方ではやはりそれが必要である、俗に言う必要悪というような形になろうかと思うんですが、そういうところを見ると、ただ単純にこれ今後も分別だけでなくて、根本的な部分でやはり対策を考えていかないといけないと思います。
特に、今リサイクル等についてはほとんど市町が中心になるわけですけれども、じゃあ、それに任せていいのかという問題があるので、その場合に県がどういう対策がいいのか、現実的な対策と理想的な対策との差についてもやはり発信して、それぞれが対応する条件をつくり出していかなければ、これもきれいごとだけで済まなくなるような気がします。最近のロシアとウクライナ情勢などを見ても、資源としてのプラスチックというのがまた単価が上がっていくだろうと思いますし、そうなると使い方についても、またいずれ問題が出てくるだろうと思いますし、先ほども言いましたけど、海洋プラスチック問題でも現実的に世界中の海にはびっくりするぐらいのプラスチックがもう既に廃棄されている状況もありますから、そういういろいろな状況を具体的に取り上げて、知って知らないふりをするのではなくて、現実にはこうだからどうしましょう、プラスチックをただ単にリサイクルするだけだけれども難しい問題もあります。そういうところをどうしていけばいいのかというのは、やはり香川の場合でしたら、県がその指針をある一定考えながら市町と協議して、実際的な取組を進めるというのが大事ではないかと思いますけれども、それについてはどうお考えでしょうか。
木村環境森林部長 現状では、県内にプラスチックの再商品化を行うという事業者が少ないという状況であり、ペットボトルとか食品トレーなどの容器包装は、容器包装リサイクル法により指定された県外のリサイクル事業者で再商品化されております。その他のプラスチックごみについては、三豊市と観音寺市の2市で固形燃料化をしておりますが、他の市町では焼却埋立処分をされているところです。
来月1日から法律が施行されるということですが、先ほど答弁しましたとおり、県も市町との協議会の中に入って、いろいろ御意見を伺いながら、どういった解決策があるのかといったのを探っていきたいと考えているところです。
昨年10月に策定しました香川県廃棄物処理計画においては、市町のリサイクルの促進に当たり、
民間施設等の活用等による資源化に向けた取組の検討を促すとともに、事業者に対しては支援を行うことなどにより、本県の循環産業の育成を図ることとしております。県の融資制度等の活用や各種行政手続のワンストップ化などにより、そういった民間のリサイクル施設の立地等を促していきたいと県としても考えているところです。引き続き国におけるプラスチックの再商品化に向けた制度の動向を注視しながら、市町とも情報を共有して、事業者への
情報提供なども通じて、循環産業の育成やリサイクルの促進を市町といろいろと今後とも協議してまいりたいと考えております。
森委員 リサイクルというのは難しい問題があると思います。
先ほども言いましたように、このリサイクルした商品は、中国に多く行っていたのですが、中国が回収しないとなり、そして、先ほど言ったように、今度は別の国で、ベトナムなどが多いらしいんですが、最近の新聞報道などでもベトナムでも環境問題が相当大きな問題となって、その理由の一つがリサイクルされたものを再商品化などいろいろなことをする場合に、やはり特定のところへ集中して、どうしても設備の整ってない状態でいろいろ再商品化や焼却などを行うものですから悪影響が出ています。
リサイクルという言葉はきれいですけれども、そのリサイクルが行き着く先のことまでを我々はあまり意識していないんです。ですから、リサイクルを進めるというのはよく分かるし、きれいな言葉だとは思うんですが、そうではなくて先ほども少し聞きましたが、この再商品化などの分野に変更していく必要があるのではないかと思います。
これを香川県がやりましょうといってもなかなか難しい問題があります。ここまでの問題が出たという以上は、県としてどういう形を取っていくのが望ましいのか。リサイクルしても最終的な部署でまた環境破壊が起きている現実があります。
特に香川県は、豊島の問題等で産廃の問題等でえらい目に遭って、物すごいお金が必要になったというところを経験した県ですから、廃棄してもリサイクルできていない現状があるということですので、最終どうなっているのかというところまで県民に対して周知し、市町に対しても、ただ単純にリサイクルしてよかった、リサイクル率が上がったではなくて、リサイクルをする事業者に対する一定の位置づけ、もしくは、やり方など輸出の方法についても協議していく必要があります。
再商品化ができるのであればいいと思いますが、なかなか難しいし、日本でも最近ようやく再商品化でいろいろな業者が出てきていますけれども、全体的に見ると非常に少ないと思いますので、
情報発信も必要ではないかと思います。
当然市町と協議する場合において、再商品化についても県から発信していただいて、できるだけ問題が起こらないようにするためにはどういう方法があるのか。特に、先ほど言いました三豊市ですが、バイオマスですから、特にプラスチック関係はごみとして出てきても、それでバイオマスの中で完成することができないので、結局は全部別のごみとしてまた排出しているという現状があると思います。やはり、多くの市民がそういうことを知っているかといえば、全然知らないわけですので、そうすることはいいのですが、それをすることによる負の部分もきちんと発信して、どうするのがいいのかを県の方から投げかけていただいて、議論できるようになればいいと思うんですが、それについてお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
木村環境森林部長 委員御指摘のとおり、このプラスチックごみ対策というのは非常に難しい課題だと認識しております。御指摘のとおり、一般廃棄物の処分場においては、焼却することによって燃料の代替といった面もあるということで、なかなかそこをどう変えていくかという、非常に難しい面もあろうかと思っております。
しかしながら、先ほども申しましたように、やはりこのプラスチック対策につきましては、製造事業者のほうからそういった中身の組成とかそういうのにつきまして、一定リサイクルしやすいような形にしたものをきちっと回収するルートなり、そういったものを確立することが必要だと、理想的には、考えているところでございますが、最終的には国で、そういった成分等の統一や再商品化しやすい製品を作って、それの回収ルートをつくるといったことが将来的には理想的なものだと考えております。
ただ、そうは言うもののやはり法律が施行されまして、それを具体的に動かしていかないといけないということでありますので、県としても一般廃棄物だから市町の処理責任でということで距離を置くのではなくて、県としてもどういった形が今この中でいいような状況になるのかというのを一緒になって考えていきたいと思っております。
森委員 ぜひ努力を続けていただきたいと思っております。
私自身が思うのは、昔アニメで「未来少年コナン」というのがあって、御存じの方もいると思いますが、その中で非常に象徴的な部分があって、結局、未来になって資源がなくなって何をしているかというと、そのプラスチックなどのごみの山を再度そこで発掘して、いろんな資源に活用するという内容です。そんな社会になると本当に大変だと思いますので、そういうことが起こらないように、もう今から子や孫の世代に向けて、やはりこういうことは積極的に対応していかなければいけないと思いますので、市町とも十分連携するし、いろいろな
情報提供もしながら、少しでも住みやすい町が続くようにしていただきたいと思っておりますので、ぜひ御努力をよろしくお願いしたいと思います。
次に、野焼きの防止対策と基準についてです。
県のホームページにごみの野焼きは禁止されていますとあり、Q&Aの中で農家の稲わらなどの焼却はできますかという問いに対して、家庭菜園から出た作物殻の焼却や、農業者の自宅の庭から出た枝を畑で焼却する行為は焼却禁止の例外に該当しませんとなっていて、野外の焼却が認められている場合でも、有害物質、ばいじんなどが大量に発生しないようにするなど、周辺地域の生活環境に十分配慮しましょうとなっております。
また、農家の場合、家庭菜園と農地作物の関係は、非常にあやふやであり、具体的にはどのように捉えていけばいいのかと思うところもあります。周辺地域への配慮についても、大規模に焼却すれば、全て迷惑になり、JRも止まるし、道もしばらく封鎖しなければならないということも聞くことがあります。
また、県として、野焼きに対してパトロールしているということは聞いているんですが、現実問題として県下全体をパトロールするというのは本当に難しい問題だと思います。そういう状況の中では、やはり市町と連携を取るなどすれば、カバーできる範囲がそうすれば増えていくのではないかと思うわけです。このことについて県の対策や判断、考え方を伺います。
小塚廃棄物対策課長 県では、県民の皆様からの廃棄物に関する相談や通報を廃棄物110番などで受け付けておりますけれども、県に寄せられる情報のうち、野焼きに関するものが約3割を占めており、令和2年度で言いますと、全件数124件のうち、野焼きに関するものが41件と最も多くなっているところであります。
野焼きについては、廃棄物処理法により原則として禁止されておりますことから、市町ではチラシの作成、配布による周知のほか、住民からの通報を受け、現地確認を行うなどの対応が取られているところであり、県でも県民からの通報があった場合には、迅速に市町へ連絡して、連携して指導監視を行うとともに、苦情や通報が多く寄せられる時期、春とか秋を中心として定期的に広報誌、それからテレビ番組などでの周知啓発に努めているところであります。
委員の御質問にありました家庭菜園と作物との関係でありますが、廃棄物処理法では、稲わらの焼却のように農業を営むためにやむを得ないものは禁止の例外とされておりますが、家庭菜園などで出た草や枝などについては、農業を営む者であっても焼却は禁止されており、家庭ごみとして各市町の搬出方法に基づき適法に処理していただく必要があります。こうした点について、県は市町と共に周知広報に努めておりますが、委員御指摘のように判断に迷われるような状況があるということも承知しております。
農林水産省によりますと、家庭菜園とは、耕作地であって農地法に定める農地でないものの一例とされており、一義的にはこうした解釈というのも判断基準の一助にはなりますが、廃棄物の内容とか規模等によりましては、こうした基準で判断することが適当でないという場合もありますので、最終的には原則禁止という前提の下で、個別事案ごとに必要に応じまして県や市町で現場確認を行った上で判断していくことにならざるを得ないと考えております。
2点目の大規模な焼却については、廃棄物処理法では、周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却というのは焼却禁止の例外とされておりますが、軽微ということの考え方については具体的には示されておりません。
こうしたことで、県としては一般的に風向き、それから焼却の量により、近隣住民に迷惑を与えるような場合には、例外には該当しないと考えており、具体的には交通の妨げになるような大規模な煙が発生する場合や、近隣住宅に多量に煙が流入する場合、それから、火災につながるようなおそれがある場合などが考えられ、こうした事案については市町と連携して焼却方法の是正について指導を行うとともに、悪質なケースについては警察とも連携して対応していくところであります。
3点目の市町との連携という点については、県においては各保健福祉事務所に設置しました指導監視機動班が年間延べ500回以上行っているパトロールに併せて、野焼きについても確認をしているところでありますが、市町でも独自にパトロールを行っているというところもあり、委員御指摘のとおり連携を図るということは非常に重要なことで、効果的であると考えており、お互いのパトロール情報の共有を図るとともに、市町との担当者会の場を通じましてパトロールの手法や野焼きの指導状況についてケースワークを行うなどにより、引き続き違法な野焼きが発生することがないように監視指導体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
森委員 基準がないということですので、正直に野菜ものなどは燃やしているのはあまり見ないんですけれども、米とか麦などでしたら焼却するしかないだろうとは思いますので、特に私も田舎に住んでおりますから、普通にそういう煙が出るというのは当たり前のように感じるんですが、最近、街から地域に帰ってきた人などに、野焼きは禁止されているのによいのかと聞かれて、構わないですよと言いながらも、いや、いったいどこまでならいいのだろうかと疑問に思います。また、自治会の常会などで、新しく入った人が野焼きは止めてくださいというと、いや、それを止めたら田んぼはできないでしょうというようなやり取りもあるんですが、今おっしゃったように判断基準がない中で、昔からしているからしょうがないとしか答えられない現実があるわけです。
何を超えたらいけないのかを示していただくと非常にありがたいし、炎の高さが何十メートルにもなるような焼却は、普通はしないと思いますが、特に、もみ殻や稲わらを燃やすには、まとめて行うことが一般的でありますが、火炎放射器みたいなものを持ってきて田んぼ中燃やすとなかなか経費もかかるし、また、そういうことはしないんですが、どのような焼却方法が適切なのかは個人では判断できずに困っているという現状があるわけです。
そういう中で、その判断基準はないと言われると非常に困るので、今後、最低限禁止とされる基準だけでも示していただくと非常にありがたいと思いますので、そういうことを行っていく方向性があるかどうかをお聞かせください。
木村環境森林部長 野焼きに関する具体的な基準は、他県の状況を見ますと、原則禁止で、例外という規定の中で、例えば、煙の量や炎の高さのような例外の具体的な基準を出しているところは、私が見る限りはないような状況でありまして、今後、その基準をどうするかということについては、県としては具体的な指針を示すのは難しいと思っているところです。
そうした中で、例えば、稲わらやもみ殻については、実際、耕作地へのすき込みを指導している県もありますので、
環境森林部としても農政水産部と連携しながら、すき込みの普及に努めますとともに、野焼きする方のほうで、風が強い日はやめるとか、家のほうに向いて行きそうなときはやめるとか、場所を考えるとか、そういった配慮は必要かと思いますので、逆にそういう通報があったときには、県のほうからも市町のほうからも行きまして、そういった内容で指導することに努めたいと思っております。
森委員 結局、そういうことなんです。それはすぐにできないと思いますが、周知徹底が大事だと思います。周知というのは紙切れ一枚ですので、市町で、そういう時期になったときに、JAを通じてでもいいですし、そういう人たちが集まる機会などに、今言ったようなことを周知していくということが大事ではないかと思います。いろいろな意見があったとしても、農業をする中で、これは最低限どうしようもないので、当然その農家の方も配慮しているんですよと。その配慮については、やっぱり今言ったような風向きや量など、そんな話ができていますよというのを入れることで、ある一定抑止効果も出るのかなと思うんですけれども、なかなかそこまで周知されてないような気がして、周知方法も今後、市町と十分協議しながら対応して、いろいろな言葉が出ないようにするのが一番いいことだと思うし、農業が廃れていきますと我々も困りますし農業者がいなくなりますから、これから10年、20年後でもっとひどくなる可能性があると思いますし、また、苦情が増えることになってはいけませんので、そういう部分の周知とか、今度は燃やすほうでなくて、その煙を受ける人なども、状況を認識するようにするためには、やはり全体的な周知の仕方が大事だと思うので、これからもそういう部分については十分配慮していただいて対応していただくよう要望させていただきます。
斉藤委員 今の森委員の野焼きの件ですが、これは本当に間違えば裁判所から呼出しを受けるということになるわけですけれども、農業者にしたら、草刈りをして、それを集めて、乾いたら燃やしておくようにしないと、今度新しく生えてきたときに草刈り機で草刈りをするときに、草刈り機に前の草が乾燥したものが巻き付いてなかなか草が刈れないということがありますから、そういうことも含めて農家の人はやっているということです。ただ、農家の人たちは、大きく野焼きをするときには、広域消防へ、焼却処分の届出を行った上で野焼きをやっておりますので、その点を付け加えさせていただいて、農家の立場になって野焼きも考えていただければと思います。
イノシシ等の有害鳥獣対策についてですが、このイノシシ被害は、昨年11月の時点では、出没件数は昨年度同期よりも減少していると、そして人身被害は発生していないということでありましたが、その後、12月に入ってイノシシの人身被害があったことが新聞報道等でありました。そして、一般的にはイノシシの市街地への出没が多くなるのは10月から12月頃と言われておりますけれども、人身被害の発生もこの時期に多くなるのではないかと思っております。
そこで、まずお伺いさせていただきたいのが、今年度の現時点でのイノシシの出没状況や人身被害の発生状況がどのようになっているのか、この点についてお伺いさせていただきます。
そしてまた、県では毎年1万から1万2000頭、有害鳥獣としてイノシシを捕獲しているということを言われておりますが、今年度のイノシシの捕獲状況がどのような状況になっているのか、その点について、まずお伺いさせていただきます。
木村環境森林部長 今年度のイノシシの出没状況については、令和3年11月の
環境建設委員会で少なくなっている御報告をさせていただいたところですが、昨年の12月と今年の1月の2か月で出没が増えており、過去10年間で最多の58件となっております。昨年4月から11月までの出没件数が例年より少ない140件であったということであり、トータルしますと、昨年4月1日から先月の25日までの件数は、出没件数214件、昨年同期の出没件数234件に比べると、依然として20件低いという状況でございます。
人身被害の発生状況についても、委員御指摘のとおり、昨年11月までは発生がなかったものの、昨年12月2日に
丸亀市内、発生時刻は、未明の午前4時半頃ということを聞いているのですが、丸亀城内を散歩中の女性1名がイノシシから逃げようとして転倒して負傷したという被害があり、その後、12月20日には、綾川町の県道を自転車で走行中の男性1名がイノシシと衝突して負傷するという被害が発生しています。それ以降は発生しておらず、先月25日の時点では件数2件、負傷者2名となっており、昨年同期の件数6件、負傷者7名と比べると減少しているといった状況であります。
それと、今年度のイノシシの捕獲状況についてですが、毎年度、市町が実施する有害鳥獣捕獲の実績等、狩猟期間中における狩猟者による捕獲の実績、それと県指定の捕獲事業の実績、この3つを合わせて捕獲頭数を集計しておりますが、現時点で、この集計が翌年の6月頃に集計するということで、正確な数字については把握をしていないところです。ただ例年、その捕獲頭数の全体の約9割を占めます有害鳥獣捕獲については、今年度、昨年12月末時点の成獣の捕獲頭数は約8,000頭と、昨年同時点の約6,900頭と比べますと約1,100頭増加しており、昨年度の最終的な捕獲実績が1万2648頭であったことから考えますと、今年度の捕獲も順調に進んでいると思われるところでございます。
斉藤委員 イノシシの出没、また、人身被害というのが2件ということで、昨年よりは減少しているという状況が分かりましたけれども、先日、県がパブリックコメントを実施したということで、令和4年4月から令和9年3月までを計画期間とするイノシシの第二種特定鳥獣管理計画を見てみますと、令和2年度末時点のイノシシの推定生息頭数が約4万2000頭ということになっておりますけれども、これまでの県の説明では、毎年1万頭から1万2000頭、捕獲駆除すれば平成27年度時点の推定生息数の2万9000頭から増えないという説明をこれまでされておられたと記憶しておりますが、推定生息頭数が大きく増加している理由、この数字を踏まえると今後どのように対応していくのか、やはり3万頭弱ぐらいから大分増えているということもございますので、今後どのように対応していこうとしているのか、その点について、まずお伺いさせていただきたいと思います。
木村環境森林部長 県では、イノシシの生息状況等を勘案して適正な管理を図るために、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づいて、計画期間を5年間とします第二種特定鳥獣管理計画を定めており、現行計画の期間が今月末の令和4年3月末となっていますことから、現在、次期計画を策定しているところであります。
生息頭数ですが、次期計画の策定に当たり、令和2年度末時点の県内における推定生息頭数について最新のデータに基づき推計しましたところ、委員御指摘のとおり約4万2000頭となっており、現在の計画における27年度末の推定生息頭数の約2万9000頭と比較しますと大幅に増えるといった推計になったところであります。
大幅に増えた理由といいますのが統計上の問題であり、イノシシの生息頭数の推計には、環境省や他県でも広く採用されております階層ベイズモデルといった手法が用いられておりますけれども、この手法は県が収集蓄積してきました捕獲頭数などのデータと文献による出産率などの生態情報を用いて現時点とさらに過去にも遡ってどれだけ生息頭数がいたかを推計していくものであり、この推計には一定の幅があって、県ではその一定の幅を持った推計値の中央値を推定生息頭数としているところであります。
この手法は、データの蓄積が多いほど、その過去の推計の精度が上がるといった特徴があり、そういったことから最新の捕獲頭数等の新たなデータを追加して、今回改めて平成27年度末の生息頭数の推計を行ったところ、約4万1000頭となっており、現時点が4万2000頭でありますので、27年度末から令和2年度末の生息頭数については、おおむね横ばいに推移しているといったような推計結果になっております。
今後の対応としては、生息頭数を現状の4万2000頭から極力減少させるために、引き続き有害鳥獣や県主体の捕獲事業などによる積極的な捕獲を推進することとしておりますが、次期計画期間中における年度ごとの捕獲目標頭数については、狩猟者の状況や最近の捕獲実績からしますと、現行計画であります年間1万頭から1万2000頭以上よりも高い目標に設定することは難しいと思われますことから、目標は1万2000頭以上として、具体的には毎年度策定します第二種特定鳥獣管理計画の事業実施計画で設定していきたいと考えているところであります。
斉藤委員 今聞いたところによると、統計上の問題で、それを見直しすると、平成27年の2万9000頭から4万1000頭になっていることから横ばいになっているということですが、香川県の人口もどんどん減っているということで、香川県の人口を横ばいにするのもイノシシに見習わなきゃいけないところがあるのではないかと思うわけですけれども、そこでイノシシの数をある程度現実的に把握するのに、農作物に対する被害状況の額もそこで見ていく必要があると思うわけですけれども、そうなるとこれは農政水産部ということになって部署が違います。
そこで、もう一点お伺いしたいのですが、狩猟登録、狩猟者の免許の更新を含めたその数がどれぐらいになっていて、狩猟者は同じ横ばいでも、現実的に動いていない方もおられるのではないかと思いますが、その辺のことについて、みどり保全課ではどのように把握しておられるのか、その点についてお伺いします。
笠井みどり保全課長 昨年度末の時点において、狩猟免許所持者の実人数は2,141名の方がお持ちで、多い順に、わな猟が1,935名、第1種銃猟が784名となっています。
それで、昨年の夏に狩猟免許試験を実施しました後の年度途中の状況については、実人数が2,141人から2,035人に減っております。わな猟が1,871人、第1種銃猟が710名となっております。
狩猟免許は年2回あって、昨日までの土、日、月曜日には冬の狩猟免許試験を行っておりますが、現在、その合格について精査しており、夏の時点の2,035人がどうなるかということですが、まだ確定した数字ではないですけれども、約75名が新たに合格者となる見込みですので、2,035人から今年度末には2,100名程度になる見込みになっております。
それで、狩猟者登録については、狩猟免許所持者の実人員が、先程申し上げたとおり、夏の試験を終えた時点で2,035名となっており、この中から何名の方が登録されたかということですけど、今年の1月31日時点において、実人員で1,359名の方が狩猟者登録をされており、率にして、先ほどの実人員2,035名の中の1,359名ということで、約67%の方が登録いただいているという状況でありいます。
斉藤委員 なぜ、その辺少し確認させていただいたかといいますと、やはり免許を持っている方が狩猟者登録して、常に地域で狩猟活動に当たっていただくことが一番大事だと思います。イノシシも多ければ2回出産すると言われていますが、駆除していかないと被害が増えるばかりであり、その駆除する人が地域で熱心に活動していただくためには、行政の手厚いフォローも必要なのではないかと思いますので、これからもぜひ市町と一緒になって取り組んでいっていただきたいと思います。
それであと、有害鳥獣、イノシシだけでなくて、今、猿もいたわけですけれども、最近はニホンカモシカによる農林業被害も多く発生してきていると聞いておりますけれども、数年前、イノシシのくくりわなにそれまでかかったことがないニホンジカがかかっているというようなこともありました。これについても次期の第二種特定鳥獣管理計画のパブリックコメントがされておりましたけれども、今後、ニホンザルやニホンジカについてどのような対策をして取り組んでいこうとしておられるのか、その点についても併せてお伺いさせていただきます。
笠井みどり保全課長 ニホンザルについては、近年、中山間地域の過疎、高齢化や耕作放棄地の拡大等、農村環境の変化に伴い、平野部でも猿の群れによる野菜、果樹などの被害が発生しており、平成24年度の約4300万円をピークに減少傾向にあった農業被害金額についても、近年は約2000万円程度の横ばいでの推移となるなど、引き続き被害対策を実施する必要があります。
ニホンザルの次期第二種特定鳥獣管理計画の作成に当たり、昨年度、県内のサルの生息状況調査を実施したところ、4市4町で67群の生息が確認され、そのうち9群が集落への加害状況や出没頻度が多いことなどから、特に加害性が高い群れと確認されています。県では、来年度以降、この9群を対象に、群れの正確な位置情報の把握による行動パターンの詳細な分析や、猿の効果的な捕獲を行うため、GPS発信機を活用した生息状況調査を実施する予定であります。調査結果については市町へ提供し、市町が実施する有害鳥獣捕獲や侵入防止柵の設置などに活用してもらう予定としております。
ニホンジカの被害は、その大部分が果樹の新芽や樹皮、水稲、野菜類の食害や、植林された人工林の樹皮に対する食害となっており、これまで県内の農林業被害金額のほとんどが小豆島で発生しておりましたことから、小豆島では、積極的な捕獲と、農地や人工林での侵入防止柵の設置を継続的に実施してきた結果、被害金額は平成25年度の約1900万円をピークに減少傾向となり、令和2年度では約160万円まで減少しております。
ニホンジカの次期第二種特定鳥獣管理計画では、県内における令和2年度末の推定生息頭数は約7,400頭となっており、本土部では讃岐山脈の徳島県境部、特に東讃地域から周辺地域への分布の拡大が進行するなど、令和2年度末の推定生息頭数は約3,500頭と、平成27年度末の約2,000頭から大きく増加しておりますことから、より積極的な捕獲を推進していくこととしております。一方、農林業被害、推定生息頭数とも減少傾向にあります小豆島においても、引き続き生息頭数を減少させると同時に、安定的な生息数の維持も考慮して管理していくこととしております。県としては、今後とも第二種特定鳥獣管理計画に基づき、有害鳥獣対策の取組を着実に進め、被害の軽減に努めていきたいと考えております。
斉藤委員 今、ニホンザル、ニホンジカを比べると、猿のほうが被害が及ぶ、柵をしたり、ネットを張ったりしても、猿はそれを開けて入ってくるということで、非常に苦慮しているというのは前々から聞いているわけですけれども、これまでその群によって猿は移動するというのを聞いていますが、特にその中で雌猿を捕獲してしまうと群がばらけてしまうということで、その中心になっている雌猿を山手のほうに追いやらなければ、その群が移動しないということで、これまで取り組んできていると思いますけれども、これまでの取組と今後GPS発信器をつけるというその辺の整合性というのはどのように考えて、このGPS発信器を猿につけていくのか教えていただければと思います。
笠井みどり保全課長 GPS付発信機については、これを捕獲したニホンザル、成獣の雌に装着して、ニホンザルが行動した位置情報を首輪発信器本体に記録する、この機械を利用するんですけれども、メリットとしては、移動した軌跡、時間、場所が分かるんで、どの季節にどの場所に移動したかが分かるという、先ほど委員がおっしゃられたように、雌の成獣を中心に移動しているので、どこの場所にどこの時期に動いたかというのが分かれば、わなを仕掛ける位置の判断材料にもなるということからメリットがあると考えております。
斉藤委員 そうすると、猿を移動させた後、おりの中に閉じ込めて処分するんでしょうか。その後のやり方ですね、その辺はどう考えているんでしょうか。
笠井みどり保全課長 おりで捉えた猿については、処分します。
斉藤委員 それはその計画というのは、大体その群の中の全体を処分するということでしょうか。捉えた分だけなんでしょうか。凶暴な群が9群あると言われていますけれども、それを全部処分してしまおうということなんでしょうか。
笠井みどり保全課長 9群の猿の処分の件ですが、なかなか猿は賢くて、おりに入らないということもあります。それで、適正な数であれば、特に高い加害性がない普通の群れになれば、適正に管理しているということになりますので、全てを捕り尽くして、群れを消滅させるという考えはありません。適正な数で群を管理していくという考えに立っております。
斉藤委員 最後に、できるだけ里山に下りてこないように、その雌猿を山手のほうに放すなどで、群れがばらけないような、また、里に下りてこないような対策もぜひGPSをつけていただいて、処分するだけではなくて、人間との間隔を空けるということも対応していただきたいと思います。
以上で終わります。
松原委員長 暫時休憩いたします。
午後は、1時から再開いたします。
(午前11時54分 休憩)
(午後 0時57分 再開)
松原委員長 再開をいたします。
質疑、質問を続行いたします。
花崎委員 1問質問させていただきます。
現在、県では、今後のごみ処理の広域化、そしてまた、集約化について検討していると伺っております。ごみ処理は、私たちが
日常生活を送るために不可欠なサービスの一つであり、日々の事業継続が求められるだけでなく、中長期的にも安定した事業運営が求められております。
広域的なごみ処理を行う体制づくりが進められてきたものと理解をしております。それから30年近くが経過し、施設の老朽化も進んでおります。循環型社会の形成に向けた取組のほか、人口減少や少子高齢化など、ごみ処理を取り巻く環境も大きく変わりつつある中、県では将来的に安定したごみ処理体制の確保に向けて、今後どのように対応していこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
木村環境森林部長 ごみ処理は、地域における社会機能を維持するために必要不可欠な行政サービスの一つであり、委員御指摘のとおり、安定したごみ処理体制を確保することは大変重要であると考えております。これまで本県では、平成9年に出された国の通知に基づいて、平成11年3月に、平成30年度までの20年間を計画期間とする香川県ごみ処理広域化計画を策定して、圏域を5つ、綾川町を含む高松と東讃で1ブロック、あと中讃、西讃、小豆、直島の5つの地域ブロックに分けて、ごみ処理の広域化を推進するとともに、効率的で安定した適正処理の体制確保に努めてきたところであります。
この計画の策定から20年余りの間に、焼却施設は14施設から8施設に集約されるなど、一定の成果は上がっているところでありますが、その一方で老朽化した施設の維持管理や更新コストの増大などの課題が顕在化してきており、加えて今後は3Rの進展や人口減少によるごみ排出量の減少が見込まれるなど、改めて中長期的な視点で将来にわたって持続可能なごみ処理体制の構築について検討する必要が生じているところであります。
また、平成31年に出された国からの通知でも、都道府県には今後、人口減少によるごみ排出量の減少や、老朽化した廃棄物処理施設の更新などが見込まれることを踏まえ、市町村と連携して中長期的な視点で安定的、効率的な廃棄物処理体制の在り方を検討し、令和3年度末を目途にブロック割りの設定を中心とした新たな広域化・集約化計画を策定することが求められているところであります。
こうしたことから、本県では令和2年度から新たな計画の策定に向けた市町との協議を開始して、ごみ排出量の将来推計や市町におけるごみ処理体制の現状などに加え、市町からの意見を踏まえて、令和3年度から12年度までの10年間を計画期間とする香川県ごみ処理広域化・集約化計画の案を取りまとめているところであります。
この新計画案では、今後、予定されていますごみ処理施設の更新計画を考慮した上で、将来的に20年後には焼却施設、再資源化施設、最終処分場をそれぞれブロック内に1ないし2施設程度に集約することを基本とした施設整備の方向性を示しており、ダイオキシン類発生量のほか、
エネルギー利用、発電量や経済性、施設整備費や維持管理費、収集運搬費を比較して、4つのブロックに、綾川町を含みます高松・東讃ブロックで1つ、中讃・西讃で1つ、小豆、直島の4つのブロックを最適なブロック割として選定しているところであります。
新計画については、今年度末までに策定したいと考えており、策定後は地域の実情や関係市町の意向を踏まえながら、広域化、集約化を進め、ごみ処理に係る担い手不足や老朽化した施設の維持管理、更新コストの増大などへの課題へも対応しつつ、将来的に安定したごみ処理体制の確保に努めていきたいと考えております。
花崎委員 今後、長期的な見通しに基づいて、複数の市町で構成されるブロックごとに施設を集約していくということであったと思います。
燃えるごみと燃えないごみ、資源ごみといった、各家庭から収集されていますごみの分別区分の具体的な中身、そしてまた、収集の回数、時間帯などの収集方法は、市町ごとに異なっており、こうした課題を解決していかなければならないと思います。ブロック割が幾ら適切であっても、ブロックまでまとまるということがなかなか難しいのではないかなと思います。こうした点、県としてはどのように対応していこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。
木村環境森林部長 現実に広域化、集約化を進めるに当たり、委員御指摘の効率的な収集運搬体制の構築に加え、新たな施設の建設候補地の確保や、災害事故発生時のバックアップ体制の構築など、様々な課題があると認識しております。
このため計画策定後は、ブロックごとに県と市町、一部組合で構成します広域化・集約化検討ブロック会議(仮称)これを設置して、広域化、集約化の効果や課題を整理して実現可能性を判断することとしており、ブロック会議において将来にわたって安定的、効率的な廃棄物処理体制を確保するために必要と判断された場合は、計画と異なる方法での広域化、集約化を図ることも可能としているところでございます。
なお、効率的な収集運搬体制の構築などの課題については、今年4月に施行されますプラスチック資源循環促進法で市町に求められておりますプラスチック使用製品廃棄物の分別収集における課題とも共通しており、これらを並行して対応を図ることが効果的かつ効率的でありますことから、ブロック会議ではプラスチック資源循環促進法への対応も併せて検討していきたいと考えております。
いずれにしても、広域化、集約化を進めるに当たっては、ごみ処理について実際に具体的な体制を構築・実施します市町がブロック内の検討においても主体的な役割を果たす必要があると考えており、県としては各市町の実情や先進事例などの情報収集に努めるとともに、必要な情報の提供や市町間の調整を図るなど、各ブロックにおいて市町が主体的な役割を果たせるよう、支援してまいりたいと考えております。
花崎委員 ブロック会議をつくり、そこでこれから検討課題としてやっていくということでありますが、やはり県がリーダーシップを取って、そこへ貴重な意見等々を加えながら、今後、進めていっていただいて、そして香川県は狭い県ではありますが、収集運搬等々については課題があろうかと思います。そこら辺も、県のほうで取りまとめをきちんとしていただいて、今後、循環型社会の形成に向けて取り組んでいただきたいと思います。
五所野尾委員 3点、お伺いします。
まず、第1は森林環境譲与税の活用についてであります。
森林環境譲与税は、森林整備など森林に関する諸課題に早期に対応するため、森林環境税の課税に先立って令和元年度から開始されたものであります。令和2年度においては、全国の市町村へ340億円ほど、都道府県へ60億円、合わせて400億円が譲与されたようです。香川県では、令和2年度分としては県に2300万円余、市町には1億3400万円余が譲与されたようです。
この譲与税が市町村において十分活用されていないのではないかという議論がされていると聞くわけなのですが、全額基金として積立てをしているという市町村が全国で令和元年度には38%、令和2年度には20%もあるとの指摘があるということで、基金に積み立てたから駄目というわけではないと思うんですが、やはり早くその趣旨に沿った使い方をして有効に活用すべきだという議論ではないかという気がします。
この譲与税の使途については、法の規定により市町村においては森林の整備、人材の育成、確保、森林の公益的機能に関する
普及啓発、木材の
利用促進、その他森林の整備の促進に関わる費用に充てなければならないとされているところであります。きちんとその趣旨に沿った使い方がされるべきですが、そこで森林環境譲与税の活用の現状と、有効に活用されるよう県としてどのように取り組んでいくのか、部長にお伺いしたいと思います。
木村環境森林部長 森林環境譲与税は、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づいて、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口を譲与基準として、市町村及び都道府県に譲与されており、その使途については、先ほど御指摘にありましたとおり、市町では森林整備、人材育成及び確保、木材の
利用促進等に関する費用に、また、県は市町と同様に森林整備やその促進に関する費用のほか、市町の森林整備に対する支援等に関する費用に充てることとされているところです。
現状ですが、各市町では、これまでその森林環境譲与税を活用して、森林経営管理法に基づく森林所有者への意向調査や間伐等の森林整備、森林保護対策、林道等の維持管理、木材の
利用促進、
普及啓発などに取り組んでいますが、譲与額が増額されました今年度でも、県内の市町への譲与額は総額1億3600万円で、高松市、さぬき市、まんのう町を除く14市町は1000万円以下の見込みと少額ですから、将来的な
公共施設における
木材利用や木製遊具設置などのため、基金への積立てを行っている市町もあり、今年度の見込みでは市町に譲与される額のうち約4割程度が基金に積み立てられるなど、必ずしも有効活用が図られているとは言えない状況であると考えております。
こうした状況に対し、県ではこれまで各市町が有効な施策に取り組めるよう個別の相談に応じますとともに、市町担当者会などを開催して、国等から情報収集した他県の
取組事例などについての
情報提供や助言を行いますほか、県の林業普及指導員等による技術的なサポートも行っておりますが、限られた譲与額を効果的に活用していくためには、複数の市町が連携した取組も有効でありますことから、来年度は新たに森林整備の担い手対策に関する県と市町等の協議の場を設置して、その中で森林環境譲与税の活用についても議論していきたいと考えております。
一方、県のほうでは、県にも入ってきます森林環境譲与税を活用して、市町の
森林林業行政をサポートしますかがわ森林アドバイザーや、森林整備の担い手であります森林組合等の技術者の育成を行うとともに、国庫補助造林事業の補助率のかさ上げなどにより、県内全域で間伐等の森林整備や木材搬出等を支援しておりますほか、木材の加工経費への支援や県産認証ヒノキ製品の品質の検証やPR、
森林資源状況の解析などに取り組んでいるところでして、加えて来年度は、課題となっております加工流通体制の強化に向けて、新たな加工流通施設の検討のための市場規模や流通状況等の基礎調査に対する支援を行いたいと考えているところです。
県としては、森林整備と
森林資源の循環利用の促進に向けまして市町相互の効果的な連携や県の役割に意を用いながら、限られた財源を有効に活用した取組が進むよう、引き続き各市町共々森林環境譲与税の活用方法について考えていきたいと考えています。
五所野尾委員 県でもいろいろ市町の森林環境譲与税の使い方について新しい仕組みづくりを含めて検討していこうということですので、本当にこの法の趣旨に沿った使い方に、それもできるだけ早く有効に活用できるように指導を兼ねてお願いしたいと思います。
続いて、県産間伐材の搬出促進事業についてお伺いします。
県は、この森林環境譲与税の使途をいろいろなところで生かしていただいいているんで、多分この事業にも生かされているんだと思いますが、いろいろ頑張っていただいているわけです。
昨年の11月定例会のこの委員会で私のほうから、香川型林業というのは具体的にどのようなものかという質問をして、香川型林業の今後の進め方等についても意見を申し上げたんですが、そのとき部長から、搬出間伐を促進するために、現在、間伐の補助対象となっていない60年生を超える人工林も含め、どのような取組ができるかを検討したいという答弁があったと記憶しているところでありますが、この搬出間伐の促進を図るということは、その香川型林業を進める上においても非常に重要な施策であり、また、森林所有者の収入をもたらし、また、木材の
利用促進にもつながるなど、効果は非常に高くて、林業の活性化にもつながるということで、非常に大事なものだと認識しております。
それで、昨日説明のあった来年度予算案の中に計上されておりました県産間伐材搬出促進事業について、その具体的内容について詳しく説明をいただきたいと思います。
木村環境森林部長 本県の人工林は全国に比べて林齢の若い森林が多く、また、森林経営に適した人工林の多くが市街地に近接して小規模で分散しているなどの特性を有していることを踏まえて、県では皆伐を避けて長期的に間伐を繰り返すことにより、
森林資源の長期的、持続的な利用を図るとともに、本県に適した小型の高性能林業機械の導入による林業生産性の向上、植林による
森林資源の充実に取り組むことにより、環境に優しく持続可能な香川型林業を構築していきたいと考えているところであります。
こうした中、搬出間伐は委員御指摘のとおり、森林所有者の収入の増加や森林組合等の安定的な事業量の確保につながるだけでなく、木製品への加工による付加価値の創出や
建築物等での
利用促進といった相乗効果が期待されるほか、CO2吸収量の増加によるカーボンニュートラルへの貢献とか、下層植生が豊かになることにより災害に強い森林になるなど、香川型林業の取組を進めていく上で重要な施業であると考えております。
これまで県では、苗木の植栽から下刈り、除間伐等の保育、皆伐により木材を収穫するまでの期間をおおむね60年間とする考えから、林齢60年以下の人工林について、国庫補助造林事業や森林・竹林整備緊急対策事業により、森林所有者等の行う間伐を支援してきたところでありますが、林齢60年を超える人工林については国の
補助制度がないこともあり、手入れが行き届かない状況となっております。
一方で、本県のヒノキ林のうち60年を超える森林は、現状でも面積で約1万1500ヘクタールのうち約1,700ヘクタールと、約15%、材積では全体で156万立方メートルのうち約43万立方メートルと、約3割を占めており、20年後には面積で全体の約5割を占める見込みであるなど、今後、増え続ける高齢級化した人工林の管理は大きな課題となってきております。
香川型林業を構築していくためには、間伐の対象となる森林を広げていくことも重要であり、こうしたことから来年度新たに県単独の補助事業して、県産間伐材搬出促進事業を創設して、補助対象を60年生を超える人工林まで拡大することにより、搬出間伐を一層促進していきたいと考えており、具体的には60年生を超える人工林において、搬出間伐に取り組む森林所有者等を60年生以下の人工林と同様に補助率88%ということで支援して、また、搬出間伐の実施箇所が小規模で分散していることもあり、森林所有者の大きな負担となっております高性能林業機械の移動・設置経費や、伐採した間伐材を原木市場や製材所まで運搬する経費の一部を支援することとしたところです。
五所野尾委員 森林所有者の方々からも非常に期待をされている事業と思いますので、ぜひとも推し進めていただきたいと思います。
それで、3点目の質問ですが、人材の育成についてということで、去る1月11日に県議会の森林・林業・林産業活性化促進議員連盟、いわゆる「林活議連」で15名ほどの議員が参加して、林業の担い手の育成確保についてということをテーマに、先進県として徳島県のほうへ視察に参ったわけであります。部長にも同行していただいてありがとうございます。
そのときに視察先の一つであるとくしま林業アカデミーへ参ったわけですが、そこでいろいろなお話を聞いて参考になったと思います。その中で、この運営経費も森林環境譲与税を活用してやっているという話や、このアカデミーを修了した人たちが徳島県内の森林組合とか木材市場とか、あるいは、様々な林業や林産業の場で非常に頑張っているということをお聞きして、やはりこれはやらなくてはならない事業だという思いを強くしたところであります。
本県において、森林を整備していく担い手の育成というのは本当に喫緊の課題になっており、また、香川型林業の取組を進める上でも、このとくしま林業アカデミーのような常設の教育研修機関の設置というのは本県でも急がれるという思いを強くしたところであります。
それで、この視察には部長も参加していただいたところですが、香川県における林業の担い手の育成体制を今後どう考えているのか改めてお聞きしたいと思います。
木村環境森林部長 近年、就業前の林業技術者の教育研修機関を新たに整備する動きというのが広がってきており、昨年4月時点で全国で21校、学校教育法や条例等に基づく教育研修機関が設置されていると承知しておりますが、新聞記事によりますと、本年4月には山梨県の県立農業大学校において新たに専門的に林業について学ぶ学科が開講されると伺っております。
今年1月、私も森林・林業・林産業活性化促進議員連盟の皆様の視察に一緒に行かせていただきましたが、とくしま林業アカデミーは公益法人徳島森林づくり推進機構が運営する研修機関として、即戦力となる人材育成を目指して、
森林林業の基礎から最先端の知識や技術までを習得できる現場力重視の研修カリキュラムにより、毎年15人前後の研修生を受け入れており、このアカデミー卒業生の求人倍率は3倍程度、就職率が100%となるなど、徳島県内の林業の担い手育成に大きな役割を果たしているものと伺っております。
一方で、本県においても成熟しつつあるヒノキの人工林や高齢級化しております広葉樹林、放置されている竹林などの整備と資源の利活用が課題となっており、森林整備と
森林資源の循環利用を推進していくためには、森林組合の作業班員の年齢構成等を考えますと、即戦力となる若手を育成していくことが重要だと考えております。
現在、県では森林センターなどで森林組合の職員を対象に林業に関する知識、技術などの研修を行っておりますほか、農業大学校の学生に対しても林業に関する一般的な知識について、年に二、三回程度授業を行うなど、人材の育成に努めているところですが、他県のように就業前の者も含め、常設の教育研修体制を整備するということは非常に有用でありますことから、他県の取組も踏まえて、関係者の御意見も伺いながら、また、農政水産部とも連携して、森林整備の担い手育成の在り方について調査研究してまいりたいと考えております。
五所野尾委員 ぜひ前向きに検討いただいて、早く香川県でもこういった機関が設置されますよう、よろしくお願いします。
石川委員 11月定例会においても海ごみについて質問をさせていただきましたが、今回も引き続き質問させていただきます。
海ごみは年々増加傾向にあり、景観の悪化や海岸の機能の低下をきたしております。特に漁業への悪影響は大であり、沿岸漁業者は死活問題となっており、漁業者は今後、どうしたらよいのか大変悩んでいるというのが現状であります。
瀬戸内海の海ごみは、外海からの流入は少なく、大半は陸域、沿岸地域から排出されたものであるということのようです。それで、瀬戸内海の海ごみはトータルで4,500トンぐらいあるようですが、陸からの流入する部分は3,000トンぐらいと言われているようでありまして、大体70%近くが陸からの流入のようであります。沿岸地域での対策が進めば、瀬戸内海の状況は大幅に改善される可能性が大であると思います。
そういうことから、昨年改正された瀬戸内海環境保全特別措置法では、国と地方公共団体の責務として、海洋プラスチックごみを含む海洋ごみの除去や発生抑制などの対策を連携して行うことが規定されているようです。
これまでも各地域で海ごみの削減の取組が行われておりますが、一部の地域や個々の取組であり、自治体とか企業、専門家などの広い取組が不足していたのではないかということで、日本財団と瀬戸内4県、香川県、愛媛県、岡山県、広島県で瀬戸内オーシャンズXを立ち上げ、令和2年度から令和6年度の5年間の計画のようでございますけども、瀬戸内海は一つという認識で、広域な瀬戸内の地域での対策が進められていると聞いております。
さきの11月定例会の答弁では、今年度は科学的知見とデータに基づいた取組を展開するために、海ごみの原因となる河川ごみや海底堆積ごみについて大規模な実態把握調査を実施し、また、瀬戸内海におけるプラスチックごみの削減に向けての課題などについての新たな取組についても進めていると聞いております。そしてまた、本県では、宮脇町から流れております高松市の摺鉢谷川や高松漁港エリアにおいても
モデル事業を実施するとのことでありました。
そこで、それぞれの取組の進捗についてお伺いしたいと思います。
小蓑
環境森林部次長 瀬戸内オーシャンズXは、瀬戸内地域における海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、瀬戸内海の中央部に位置する4県と日本財団が相互に連携協力し、調査研究、企業・地域の連携促進、啓発、教育、行動喚起、政策形成などの総合的な対策を実施し、陸域、海域における先進的な取組を瀬戸内モデルとして全国に発信していくことを目的に進めております4県共同のプロジェクトであります。
委員御質問の今年度の取組のうち、まず、河川ごみや海底堆積ごみの実態調査については、河川や海底に堆積しているごみの分布や量などの実態把握はおおむね終えつつあります。現在、河川ごみについては、住民団体などの様々な主体が行っております散乱ごみの回収活動に関する実態把握を行いながら、効果的な
普及啓発や回収などの取組につながるよう、各団体の回収エリアや回収量などをごみ分布の調査結果とともに地図情報に結びつけているところであり、また、海底堆積ごみについては、底引き網等による回収が行われている漁港を訪ねて、回収状況や課題を整理するなど、より効果的な回収活動を行うための仕組みづくりに向けた情報収集を進めているところであります。
次に、瀬戸内海におけるプラスチックごみの削減に向けた課題の整理や新たな取組の検討については、海ごみの回収を行う上で大きな課題となるのが離島などの人が容易に立ち入れない海岸に漂着したプラスチックごみであり、これらは長期間放置され、劣化によりマイクロプラスチックの発生原因になっておりますことから、現在、岡山県の児島湖に注ぐ笹ケ瀬川河口部をモデルエリアとして、効果的なごみの回収方法などを調べているほか、愛媛県内では無人島や崖に囲まれたリアス式海岸などがあります宇和海沿岸で、人工衛星を利用した海岸漂着ごみの調査方法について研究をしております。
また、海に流出したごみの回収だけでなく、海ごみの原因となります生活ごみ等の発生を抑え、資源循環型の社会づくりを進めていくことも重要でありますことから、リユース容器を用いた量り売りがビジネスとして成立するための条件や課題等に対する調査を行うとともに、香川県庁と香川大学をモデルケースとして、使用済みペットボトルの回収、リサイクルフローの効率化の可能性などについて調査を行っているところであります。
さらに、高松市の摺鉢谷川、高松漁港エリアにおける地域
モデル事業については、これまでばらばらに行われておりました清掃活動やリサイクルの取組を、関係者が連携することで、より効率的に行うとともに、さらに地域の活性化につながるような取組を推進していくことを目的に、昨年11月には、県と高松市、香川大学、地元コミュニティー、ボランティア団体及び地元漁協が参加します海洋プラスチック・ゼロ会議を立ち上げており、一体感のある情報の発信や活動の実施に向けた取組を進めるため、今月19日に高松漁港周辺地域を会場として、第1回の清掃
イベントを開催することとしております。
瀬戸内オーシャンズXでは、今後も4県及び日本財団で連携協力しながら取組を進めるとともに、本県独自の取組として従来から海ごみ対策推進事業として行ってきました回収処理や発生抑制の取組にも瀬戸内オーシャンズXで得られる成果を積極的に活用して、瀬戸内海の海ごみ削減に向けた取組をより効果的に進めていきたいと考えております。
石川委員 河川ごみとか海底の堆積ごみ、あるいはプラスチックごみの削減などについては、地域がそれぞれ連携して実施しているということで、一段と進んでいるのではないかと思っております。また、摺鉢谷川流域、また、高松漁港エリアにおいても、連携して一段と進んでいるのではないかと思っております。
やはり海と陸、海域と陸域が一体となって海ごみ対策を推進していくために、昨年3月に第3次香川県海岸漂着物対策等推進計画を策定したようでありますが、策定から1年が経過しておりますけれども、本県の海ごみ対策はその後どのようになっているのか、状況をお伺いしたいと思います。
小蓑
環境森林部次長 本県の海域におけます海ごみの量は、詳細な実態調査を行いました令和2年度とその前の平成27年度の推計値を比較しますと、減少しております。ただ、その多くを占めますプラスチックごみによる海洋汚染は国際的にも大きな課題となっており、また、台風等の災害時に大量に発生する漂流ごみや海岸漂着ごみへの対応など、海ごみに対して依然として幅広い対策が求められております。
こうしたことから、県では昨年3月、委員御指摘の第3次香川県海岸漂着物対策等推進計画を策定して、プラスチックごみの発生抑制対策や回収処理の取組を重点的かつ積極的に行う最重点区域の指定の拡大、ボランティアによる海岸清掃活動を県内に広げていくための海岸漂着物対策活動推進員の委嘱など、今後の海ごみ対策の考え方と具体的な施策等について定めたところであります。
このうち、まずプラスチックごみの発生抑制対策については、午前中のプラスチックごみ対策のところで部長からお答えしました、かがわプラスチック・スマートショップ認定制度により、現在、認定登録しております123店舗の取組を県のホームページや広報誌等をはじめ、登録店舗の広告等も活用して
情報発信をしていくことで、事業者と県民の双方の意識の向上を図っていくこととしておりますほか、今年度から3年間の計画で、県内各地の海岸で実施します県民参加によるマイクロプラスチックの採集、調査や、
環境保健研究センターで実施しております様々な環境条件による生分解性プラスチックの劣化や分解に関する研究についても今後、調査結果等を県民や事業者にフィードバックすることで意識啓発に役立てたいと考えております。
また、最重点区域については、第2次計画では潮流などの影響で海ごみの漂着が顕著であります離島の海岸等11か所、合計13キロメートルを最重点区域として指定しておりましたが、現在の第3次計画では19か所、合計20キロメートルに拡大しており、新たに指定した三豊干拓海岸等8か所の海岸においても、既にボランティア団体等によります積極的な清掃活動が行われているところであります。
海岸漂着物対策活動推進員については、本県では里海づくりを牽引する人材を育成するために、香川大学と共同でかがわ里海大学を開講し、毎年海ごみリーダー養成講座を実施してきたことから、これまで同講座を修了し、実際に地域の海岸清掃等の活動に取り組んでおります13名の海ごみリーダーの方を昨年7月、全国に先駆けて海岸漂着物対策活動推進員として委嘱しており、今後は推進員の活動が県内各地へ広がっていくよう、さらなる人材育成に努めますほか、推進員に対しても情報や資材の提供など、必要な支援を講じていきたいと考えております。
そのほか、海ごみの発生を抑制するために何ができるかを考えるきっかけとしてもらうことを目的に、
普及啓発事業として毎年
県民向けプロモーションを実施しておりますが、今年度は昨年度作成しました海ごみの学習動画を活用して、オンラインでの海ごみクイズキャンペーンを実施しましたところ、昨年10月22日から今年1月16日までの期間中に、県外も含めて4,024件の応募があり、インターネットに配信しております学習動画の再生回数も1万4000回を超えるまで上昇するなど、海ごみへの関心の高まりが確認されたところであります。
海ごみ対策は、継続して実施していくことが重要であり、今後も海ごみの削減に向け、第3次計画に沿った、より効果的、効率的な回収処理の取組や発生抑制、
普及啓発の取組を行うことで、先ほど答弁いたしました瀬戸内オーシャンズXの取組と併せて、陸域、海域一体となった総合的な対策を積極的に進めていきたいと考えております。
石川委員 海ごみの増加や海水の酸素量の減少などにより、海は汚れて泣いているのではないかと思ったりします。海洋の酸性化が進むと、海洋がCO2を吸収する能力が低下すると思います。何か大気中の二酸化炭素、CO2の3割は海が吸収しているというようなことも言われたりしており、やはり海の役割も地球温暖化の進行を緩和しているのではないかと言われております。やはり海洋の酸性化が進むと大気中のCO2は増加しますので、地球温暖化が一層進むのではないかと思います。やはり海も地球温暖化の緩和に大きな力を、3割も働いているということで大切ではないかと思い、陸も海も一体であるという認識が必要ではないかと思います。
今の現状では、海は汚れて泣いているんではないかということで、私もよく地元の漁業組合の組合長といろいろ話しますと、海に行っても魚がいない、魚がいないから漁獲がない、油代も出ないというようなことで、本当にどうしたらいいのかということで悩んでいる話を聞かされております。瀬戸内海が死の海にならないように、瀬戸内オーシャンズXの事業を推進して、また、その事業から得られた成果が本県独自の海ごみ対策にも有効に活用されて、昔のような生きた瀬戸内海に戻るように、本県の海ごみ対策が一層前進するよう、皆様の活躍に期待をいたして質問を終わります。
山本(直)委員 盛土の規制についてお伺いします。
この件については、昨年11月定例会の
環境建設委員会でも質問させていただきました。その際の部長の答弁ですが、県独自の対応も含め、実効性のある対応について検討していきたいということでありました。盛土の規制については、国では昨年12月に有識者検討会議が出された提言を踏まえて、今通常国会で宅地造成規制法を抜本的に改正し、名称も宅地造成及び特定盛土等規制法ですか、それに変えるということで抜本的に改正した上で、盛土等を包括的に規制する法律案を提出するという方向で進められているということですが、県でもそうした動きを見ながら検討を進めてきたと思っております。代表質問で、知事も今後、新たな法律との整合も図りながら、許可制を内容とする新たな条例の制定に向けた検討を進めていきたいと、より踏み込んだ答弁をされておりました。
そこで、県として現時点でどのような検討をしているのかを、まずお伺いしたいと思います。
木村環境森林部長 現在、県では一定規模以上の土砂等による盛土等について、みどり豊かで潤いのある県土づくり条例、いわゆる「みどり条例」に基づいて、事業実施に当たり県への事前協議を義務づけ、災害防止の観点から盛土の勾配や高さの規制、排水施設など
防災施設の設置基準を定めますとともに、生活環境保全の観点から定期的な水質検査等を求めることで適正な土地利用の調整を図っているところであります。
こうした中、新たな条例については、このみどり条例のこれまでの運用状況に加えて、比較的小規模な盛土が農地や市街地周辺に存在しているという県内の実態や近隣住民が生活環境保全の観点から懸念を抱いている事案も存在しているという点も踏まえた上で、多くの都府県が許可制としているという点も念頭に検討を進める必要があると考えております。
こうしたことから、新たの条例の内容としては、現時点では地域とか地目にかかわらず、県内で実施されます一定規模以上の盛土等の行為を知事の許可制として、許可基準はみどり条例の基準に準じたものとすること、みどり条例と同じく事前に盛土等を行う土地の表土の汚染状況の検査を行うことや、搬入された土砂等の浸透水の検査を定期的に行うことを義務づけること、生活環境保全の観点から、土砂等の搬入前には土砂の採取場所を証する書類の提出を、搬入後には施工状況の定期的な報告を求めること、無許可行為や命令違反に対してみどり条例よりも重い他県並みの罰則を設けること、盛土等の適正化が図られるよう、許可事業者だけでなく土地の提供者などの責務も明確化することなどを検討しているところであります。
現在、国では、都道府県知事等が盛土等により人家等に被害が及ぶおそれがある地域を規制区域とすることや、土地の用途にかかわらず、その区域内での一定規模以上の盛土等を都道府県知事等の許可制とすることなどを内容とする法律案が検討されており、引き続きその法律案との整合に十分留意しながら、条例の内容について検討を進めていきたいと考えております。
山本(直)委員 ありがとうございます。
国の改正の内容を見ながらということだとは思いますが、県で条例をつくるということでありますので、本県の実情を踏まえたというか、やはり国がやるのはどうしてもスタンダードに一般的な話になりがちですから、香川県は先ほども個別の小さいのがあるという話がありましたが、そういった意味では香川県独自のきちんとした条例を、実効性のある条例をつくっていただければと思います。
それで、国は3月上旬に閣議決定して法律案を提出するということであるようですが、それでは県ではどのようなスケジュールを考えているのか、改めてお伺いします。
木村環境森林部長 新たな条例の内容については、先ほど御答弁しましたとおり、法律との整合に留意する必要があるということで、法律による規制の具体的な基準等の内容とか、それらを示す政省令の制定時期などが今の時点では明らかとなってないということでありまして、現時点で条例制定スケジュールを明確にお示しすることはなかなか難しいと思っておりますが、ただ、条例の制定に当たっては、有識者で構成されます環境審議会の意見を伺う必要がありますほか、パブリックコメントとか、あるいは罰則についての検察庁との協議等が必要になり、あわせて公布後、その一定期間の周知期間といったものも設定する必要がありますことから、条例の施行までには少なくとも1年以上の期間が必要になると思っており、最短でも令和5年4月からの施行となると考えているところでございます。
松原委員長 以上で、
環境森林部関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
松原委員長 御異議なしと認め、
環境森林部関係の質疑、質問を終局いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
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