香川県議会 > 2020-06-04 >
令和2年6月定例会(第4日) 本文

  • デジタル教科書(/)
ツイート シェア
  1. 香川県議会 2020-06-04
    令和2年6月定例会(第4日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    西  川  昭  吾 君    十  河     直 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    綾  田  福  雄 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君
       都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   大  山     智 君           政 策 部 長   淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    土  岐  敦  史 君           商工労働部長    近  藤  清  志 君           交流推進部長    佐  藤  今日子  君           農政水産部長    新  池  伸  司 君           土 木 部 長   西  川  英  吉 君           知事公室長     尾  崎  英  司 君           危機管理総局長   寺  嶋  賢  治 君           文化芸術局長    小  川     剛 君           子ども政策推進局長 吉  田  典  子 君           会計管理者     田  中  一  裕 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会委員   泉     雅  文 君           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   岡     興  司 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     豊  島  正  人 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第四号)                   令和二年七月九日(木)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(西川昭吾君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  白川和幸君。    (白川和幸君登壇、拍手) ◯白川和幸君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきます。  一昨日まで激しく降り続いた雨は、九州・中部地方に大きな爪跡を残しました。被害に遭われた方々に対して心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。  世界の生活様式を一変させた新型コロナウイルス感染症は、私たちに様々な教訓を与えてくれました。マスクや消毒液が店頭から消え、ソーシャルディスタンス、自粛警察など新たな言葉も生まれ、世の中が閉塞感に包まれています。  県内においては、四月二十一日以降新たな感染者の発生はありませんが、予断を許さない状況が続いております。アフターコロナについて真剣に考えなければ経済は停滞し、県民の社会生活に想像を超えた影響があるものと考えます。  約百年前に発生したスペイン風邪の流行とその後の世界恐慌について調べておりましたが、それに派生してあるコラムが目に留まりました。百二十五年前に日清戦争終了後の大陸からの二十三万人余りの兵士の帰還に際し、当時致死率の高かったコレラの検疫をわずか三か月で実施した後藤新平氏の業績についてです。この検疫事業を終え、帰還前の対策では不十分と考えた後藤新平氏は、ウイルス感染症の蔓延を防ぐ上で、さらなる上下水道整備や医療保険の大切さを説いて回ったということです。  新型コロナウイルス対策に日々携わっておられる知事、執行部以下職員の皆さんのこれまでの御尽力に心から敬意を表します。  今後は、経済回復のための正確な情報収集と分析をお願いいたします。  また、過去に後藤新平氏が感染症の蔓延を防ぐために衛生環境や社会保障の充実を図ったことに鑑み、今回の新型コロナウイルス対策により得られた知見をもって、今後発生するかもしれない新たな感染症の感染拡大を未然に防ぎ、経済を停滞させないための施策の実行において英断を下されることをお願いして質問に移らせていただきます。  質問の第一点目は、前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金についてであります。  二〇二〇年版中小企業白書小規模企業白書新型コロナウイルス関連部分によると、全国千五十か所に設置されている新型コロナウイルスに関する経営相談窓口には、三月末までに三十万件近い相談が寄せられており、ほぼ全てが資金繰り関連の相談ということであります。  資金繰り対策としては、国が各種融資制度を設けており、新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響を受け資金繰りが苦しくなった事業者が、借入れをして経営環境が完全される時期を待つためには、大変有効なことであると考えます。  ある金融機関の担当者に聞くと、融資制度の案件については、例年の一年分の申請が一か月程度で集まり、実行がいつになるのか見通しが立たないほどの需要があるということでありました。ただし、最終的には返済を要しますので、業績が回復しないと一時的に延命するだけの結果となってしまいます。  実際、国の融資制度による実質無利子・無担保の借入れの申請を検討された事業者にお話を聞く機会があり、「借りたら返さないといけないし、売り上げが戻るか不安で借りることにちゅうちょしている」、「新しい設備計画を保留した」という声が多くありました。  事業者の一番の不安は、この新型コロナウイルス感染症の影響がいつまで続くのかという終わりの見えないところにあります。売上げが感染前に戻らない可能性もあり、運転資金や事業拡大のための資金として融資を受けることにちゅうちょする姿が浮き彫りとなっています。  業績回復には経済の好転や企業の自助努力を期待するとともに、返済不要の支援も必要であると考えます。  六月二十四日付の四国新聞に、県内企業の五月の売上げ等の調査結果が掲載されており、前年同月と比較して八割程度の企業が減収という非常に厳しい結果となっていました。一割程度の企業が五〇%以上の減収であり、七割程度の企業は半減までは至っていないものの、売上げが減少している状況であります。調査を実施した企業の分析では、今後も中小企業の廃業や倒産が予想され、各種給付金などの支援策は迅速な対応が必要とのことでありました。  給付金の例としては、国の持続化給付金があり、一月の売上げが前年同月比で五〇%以上減少しているなどの要件を満たす事業者を対象に二百万円まで支給されます。また、本県では、国の持続化給付金の受給者に対し二十万円を上乗せ給付する香川県持続化応援給付金を整備しています。先ほどの調査の例で言いますと、五〇%以上の減収があった一割程度の県内企業が、国と県から給付金を受けられる可能性があります。  一方、売上げ半減までは減っていなくても、県内企業の七割程度は減収となっており、苦しい状況であることに変わりはないと考えますが、これらの企業は、五月の売上げを見る限り、国や県から持続化給付金等を受けることができません。  本定例会の補正予算案に、本県の社会経済活動の回復や感染症に強い香川づくりに資する積極的な取組に対して幅広く活用できる補助金を交付することにより、前向きに創意工夫を凝らして挑戦する県内事業者を支援するものとして、前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金が七億円程度計上されています。この新たな総合補助金の対象は、「社会経済活動の回復・活性化」、または、「感染症に強い香川づくり」の二つの挑戦分野に合致する新たな取組を広く対象とするとされています。  交付を受けた企業が前向きに創意工夫を凝らして挑戦する取組が、本県の社会経済活動の回復や感染症に強い香川づくりに大いに寄与し、国や県の給付金等の支援を受けられない県内の企業や個人商店などの業績回復につながることを強く望むものであります。  そこで、既に代表質問などで説明されていると思いますが、幅広い周知の必要性を考慮し、改めまして、前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金について、どのような意図をもって整備されるものであるのか、どのような効果があると考えておられるのか、そして県の発展にどのようにつなげていくのか、知事に質問いたします。  また、この補助制度については、申請のあったものの中から審査をして採択するということでありますが、補助金を活用した取組の中で、優れたものについては、公表して他の事業者の参考にしてもらうことが効果的ではないかと考えます。  そこで、今回の補助制度の効果をさらに広げるための活用方法について知事に質問いたします。  質問の第二点目は、農業生産者不足への対策としての農地等の生産基盤の整備についてであります。  新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴う一斉休校により、給食用の野菜が収穫されずに廃棄される映像がワイドショーで取り上げられておりました。このことをもって野菜が余っていると思われた方も多くいたと思われますが、逆に五月からは天候に恵まれなかったこともあり、多くの農産物が品不足になっております。この品不足は、天候や新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響だけではなく、実のところ、日本全体で農業生産者が減っていることも影響しております。  地元に限らず多くの生産者の皆さん、市場関係者の方からお話を伺うと、年々農業生産者不足の問題が深刻化していると強く感じます。特に、農業法人を営む若い生産者が、「経営規模を拡大していくことは可能ではあるが、負担が増えるばかりで意欲が湧かないことから、今後十年続けていくことに不安を感じている」と切実に話しているのが心に残っています。  担い手としては、耕作に適した優良な農地を借りるほうが収益を安定させることができますが、ただ農地を借り受けるだけでなく、ため池や用水路の維持管理などを請け負うこともあり、面積を増やせば増やすほど手間が増えることになります。ましてや、圃場が飛び地になれば移動時間がかかりますし、水の管理にも追われ、繁忙期にはまさしく寝る暇がないとこぼす就農者もいます。  県も担い手支援新規就農支援に力を注いでいただいておりますが、地域に定着し、経営規模を拡大しようと思っても拡大できないジレンマは、まさにここにあります。  このような状況を変えていくためには、担い手にとって負担が少なく、利用しやすい農地と周辺環境の整備が必要ではないかと思います。つまり、農地の集積を行い、ため池、用水路の活用方法を見直すために、圃場整備とそれに併せてパイプライン整備も推進することにより、県土の有効利用を念頭に置いた長期的に持続可能で、農業に携わる人たちの負担を大きく和らげる環境を実現することができるのではないかと考えます。  農地の集積や圃場整備、パイプライン整備には、関係者の合意が必要で、そのための話合いや調整に非常に時間と労力がかかります。担い手との意見調整も別途行われており、調整に携わる方の尽力に頼る部分も多く、難航する案件も多いと耳にします。  一方で、行政の専門的なアドバイスにより、関係者が前向きとなり、停滞した話合いが前に進んだという話も聞いております。制度に対する不安を払拭するためにも、より一層の県の関わりを期待するものであります。  農地を貸す側、借りる側は、それぞれ考えが異なりますが、地域の将来を話合う機会を積極的に設けることにより、借りる側からの前向きな農地利用についてのアイデアに耳を傾ける状況が生まれてくるものと考えます。  こういった戦略的で前向きな意見交換の機会を多く持つことにより、今まで長い間時間をかけて取り組まれた圃場整備事業のスピードアップが図られるものと期待します。そのことにより荒廃農地の拡大を防ぎ、より使いやすく収益の高い農業の早期実現につながるものと思います。  成功事例を他の地域にもしっかりと伝え、担い手側の課題や貸し手側の不安を払拭し、地域がしっかりとした将来像を描けるよう、これまで以上の積極的な支援を望むところであります。  そこで、現在の圃場整備や農地集積の取組をお伺いするとともに、就農者の世代交代が進む中、農地等の生産基盤整備の実施拡大が生産意欲の向上につながるとともに、荒廃農地拡大防止新規就農者の促進につながるものと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  質問の第三点目は、中小企業事業承継の進捗と新規創業等への支援についてであります。  平成二十二年六月に閣議決定された中小企業憲章では、その冒頭で、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」と述べています。  令和二年四月二十四日に公表された二〇二〇年版中小企業白書小規模企業白書によると、二〇一六年における全国の企業に占める中小企業の割合は九九・七%であり、日本の企業のほとんどが中小企業です。香川県でも九九・八%が中小企業であり、従業員数の八三・五%が中小企業に属しています。まさに中小企業は社会の主役であり、その永続が本県の雇用や生活の安定につながると言っても過言ではないと考えます。  また、中小企業憲章は基本理念の中で、「難局の克服への展開が求められるこのような時代にこそ、これまで以上に意欲を持って努力と創意工夫を重ねることに高い価値を置かなければならない。中小企業は、その大いなる担い手である。」と述べていますが、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、先の見えない状況が続いているこのようなときにこそ、その担い手である中小企業に頑張っていただく必要があると考えます。  昨年度開催された瀬戸内国際芸術祭二〇一九の影響などにより、旅行予約サイト世界大手のブッキングドットコムが発表した「二〇二〇年に訪れるべき目的地十選」に高松市が国内の都市で唯一選ばれたこともあり、東京オリンピックが開催されるはずだった今年は、多くの外国人が香川県に足を運んでくれる絶好のチャンスとして、県内は大いに盛り上がっていたところです。  その矢先に、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大したこともあり、人の行き来は制限され、オリンピックも延期となるなど、緊急事態への対応が必要となったことから、経済が急速に落ち込んでしまいました。  こうした中、感染症の感染拡大の影響により、県内でも四月以降四社が倒産に至り、自主廃業を選んだ事業者も多いと聞いています。企業の経営環境は大変苦しいものとなっています。  国や県の経済対策としては、実質無利子・無担保で借入れができるなどの資金繰り対策や、雇用調整助成金持続化給付金家賃支援給付金といった支援制度があります。これらの制度を使えば、最も苦しい時期を乗り越え、その後に業績回復できる事業はあると思われますので、大変有効だと考えます。  ただし、それだけで企業が永続することにはなりません。このような新型コロナウイルス感染症対策資金繰り対策各種給付金などの中小企業に対する支援が終了した後、必要となるのは事業承継のさらなる促進であると考えます。  私は、昨年度の六月定例会一般質問において、本県の中小企業事業承継に対する取組をお伺いしました。そのときの答弁により、セミナーの開催などを通じた中小企業経営者への意識啓発、経営状況等の把握や経営改善のための支援としての専門家による相談対応や問題解決に向けた助言の実施、さらに専門家を活用した事業承継計画の策定や第三者への事業の引き継ぎに必要な経費の一部助成など、県内中小企業事業承継の促進に県が積極的に取り組んでいることは理解しております。  また、これまでの中小企業事業承継は、親族への承継が大きな割合を占めていたと思われますが、一方で、金融機関や信用調査会社の仲介によるM&Aも盛んになっており、本県でも国が事業引継ぎ支援センター高松商工会議所に設置し、後継者不足などで事業活動を継続できない企業と経営資源を引き継ぐ意志のある方とのマッチングや支援にも取り組んでいただいていると承知しています。  さきの一般質問から一年がたちますが、中小企業への事業承継に関する支援状況と今後の取組について、知事に質問いたします。  また、今事業をされている方を支援されることはもちろんのことですが、自身の経験と能力を生かし、より大きな成功を目指す中で、社会貢献につながる事業を今後新たに開始しようとする方への支援も重要と考えます。  昨年度の十一月定例会一般質問において、新規創業等への支援を伺いましたが、特に、新型コロナウイルス感染症感染拡大への警戒が続く中、景気回復の兆しが見えず、新しい生活様式への対応も必要であるという最適な環境とは言い難い昨今の状況において、それでもリスクを取って起業する方々に対する新規創業等への支援についてどのように考えておられるのか、これまでの新規創業等への支援状況と、今後の取組を知事に質問いたします。  質問の第四点目は、放置竹林対策についてであります。  かつてタケノコの水煮の生産地の一つであった三豊市の中山間地域は今、広がる放置竹林によって荒れ果てており、住民の方々から「イノシシが民家近くに出てくるようになったのは竹やぶが荒れたから」、「竹やぶの中からイノシシがこちらを見ているから怖い」といった声を聞くことがあります。  竹林は荒れてくると密集度が上がり、瞬く間に人が立ち入ることが困難な状況になってしまいます。かつては山道もあり、適度に人が入ることにより、イノシシや鹿などが警戒し、里に下りてくることはなかったと、麓の住民の方はおっしゃっていましたが、竹林が道を塞ぎ、人の出入りがなくなると、イノシシなどの獣の生活圏が人家に近いところまで接近してくることとなりました。人家の近くには畑があり、餌になるものが豊富なため、遭遇するトラブルが多くなってきたと思われます。  放置された竹林の整備は、遅れれば遅れるほど労力がかかり、地権者だけでの対応が難しい状況となっています。  このような状況は、三豊市に限らず、ほかの市町においても同様であり、放置竹林の問題は全県における問題となっています。
     放置竹林を整備する際に生じる竹材を有効利用し、従来からの竹炭、竹酢液などのほか、近年需要を伸ばしているパルプや一部地域で取組が始まっているバイオマス燃料などに生かすことができれば、人の手が入り、管理されるため、放置竹林の拡大を食い止めることができると考えます。しかし、現状では、一部の企業で竹材を有効利用しているケースはあるものの、基本的には竹材の伐採・搬出・運搬に係る労力と経費に見合う対価が得られないと伺っております。竹材の有効利用については、自立した経営ができるようなコスト削減が課題となっています。  しかし、竹林が放置されることの最大の問題点は、荒れた竹林の拡大により水源涵養や土砂災害防止などの森林の持つ公益的機能に支障が生じることが懸念されることであり、県も放置竹林対策に取り組んでいただいておりますが、課題も多く、まだまだ解決までには道半ばと感じております。  そこで、広がる竹林を食い止めるためには、もっと大規模な対策が必要であると感じる次第であります。  ここは所有者の意向を尊重しつつ、長期的な計画を立て、竹林として残さないで他の樹木に植え替えするのはどうだろうかと考えます。そうしますと、水源涵養や土砂災害防止などの森林の持つ公益的機能が回復し、民家と山林の間に緩衝帯を造り、野生動物とのすみ分けを図り、昔の里山の景観に戻していくことができ、香川県の魅力づくりにもつながると考えます。  小さな里山が点在し、秋の紅葉時期に赤や黄色に彩られた風景は他県にはない魅力があると、県外から来られた方に言われたことがあります。対症療法ではなく、大きな視点から検討し、里山が未来に残すべき観光資源として生まれ変わることを期待します。  そこで、放置竹林対策についてどのように考えておられるのか、これまでの取組の実績と今後の取組を知事に質問いたします。  美しい瀬戸内の島々、のどかな里山、穏やかな気候、そして堅実な県民性は、我が県の誇りであり、守っていかなければなりません。感染症、自然災害から県民を守り、医療と教育を充実させ、世界の憧れの地となる香川県になるよう皆様と一緒に頑張ってまいります。  以上で私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(西川昭吾君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)白川議員の御質問にお答えいたします。  まず、前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金についてであります。  この補助金につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境の中にあっても、前向きに創意工夫を凝らして挑戦する事業者を応援するため、新たに助成率が高く、幅広く柔軟に活用できる補助金として、県独自に創設しようとするものであります。  また、対象を「県内に本社や主たる事務所を持つ事業者」にすることで、これまで本県の経済に寄与された企業や法人等を支援することとしているほか、売上げの減少要件を満たさず、国の持続化給付金の対象とならない事業者についても補助対象とすることで、その頑張りを後押ししたいと考えております。  この補助制度では、本県の「社会経済活動の回復・活性化」や「感染症に強い香川づくり」の二つの挑戦分野に合致する取組であれば、広く受け付けることにより、様々な業種での幅広い取組を促し、新たなビジネスの展開や新しい生活様式の実践につなげていきたいと考えております。  なお、補助事業の採択に当たっては、制度の趣旨を踏まえ、先導性や波及性、持続性などの観点から選考したいと考えておりますが、この補助制度の効果をより一層広げるためには、議員御指摘のとおり、他の事業者に参考としてもらえるよう、優れた取組についてホームページ等で公表することにより、いわゆる横展開を図っていきたいと考えております。  私といたしましては、県内の事業者にこの補助制度をできるだけ早く、効果的に活用いただけるようスピード感をもって取り組み、前向きな新しい挑戦を力強く応援することにより、本県経済の回復・活性化と感染症に強い社会・経済構造の構築の両立を目指してまいります。  次に、農地等の生産基盤の整備についてであります。  農地等の生産基盤の整備は、農作業の効率化や生産コストの低減、野菜などの収益性の高い作物の導入が促進されるだけでなく、議員御指摘のとおり、担い手の生産意欲の向上や新規就農の促進、荒廃農地の拡大防止にもつながるものであると考えております。  このため、圃場整備に関する国の補助事業や県単独の土地改良事業を活用しながら、農地の区画整理と併せて農道や農業用水のパイプライン等を総合的に整備し、担い手への農地の集積・集約化に取り組んでおります。  農地の集積・集約率に応じて農家負担を軽減する国の補助制度を活用して、大規模な圃場整備を実施した近年の五地区では、整備面積の約六割が農業法人や認定農業者等の担い手に集積されているところであり、引き続き地域の状況に応じて各種補助事業を活用し、圃場整備を推進してまいりたいと考えております。  一方、農業用水のパイプライン化は、農業従事者による水管理の省力化・効率化が図られる有効な手段であり、現在実施している大半の圃場整備地区において採用されておりますが、将来的なICT技術の導入による水管理の自動化も展望しながらパイプラインの整備を進めてまいります。  また、圃場整備の実施に当たっては、水利慣行や農地の所有・耕作に関する権利関係、地元負担など、多岐にわたる事項について地域の関係者による時間と労力をかけた調整が必要であり、県としても機会あるごとに地域における話合いに参画し、合意形成を促すための助言等を行っているところであります。  私といたしましては、今後とも地域における話合いを活性化させ、担い手や地域のニーズに即した農地等の生産基盤の整備に取り組み、本県農業の持続的発展につなげてまいりたいと考えております。  次に、中小企業事業承継の進捗と新規創業等への支援についてであります。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症感染拡大で将来を見通すことが難しい状況の下、中小企業に蓄積された優れた技術やノウハウを次代に円滑に引き継ぐ事業承継や、産業の新陳代謝を促す新規創業は、今後ますます重要になってくるものと考えております。  こうした中、事業承継につきましては、県内中小企業の経営者を対象に、商工会、商工会議所、金融機関等で構成する香川県事業承継ネットワークを活用した事業承継診断等を実施しており、昨年度は関係機関へ取組の加速に向けた要請等を行い、事業承継診断件数は平成三十年度の八百九十二件から二千二百八十七件と約二・六倍に増加しております。  また、円滑な事業承継の妨げとなっている金融機関からの借入金に対する経営者保証の解除に向けた支援を行うため、本年四月から、かがわ産業支援財団において、国から委託を受け、事業承継支援窓口に経営者保証コーディネーターを配置したところであります。  新規創業等への支援につきましては、創業に関する様々な段階で相談に応じる創業支援センターを平成二十六年度にかがわ産業支援財団に設置し、昨年度までに九百八十八件の相談に応じたほか、平成二十七年度から実施している創業支援塾において、これまで百三十二名の方が修了されました。  資金面では、創業に必要な経費を助成する起業等スタートアップ支援事業において、地域の課題解決に向けた新たな取組への支援を昨年度から実施しており、昨年度は助成を受けた八名の方全員が創業したところであります。  また、今年度は情報通信関連分野での創業を促すため、新たなメニューとして情報通信産業型を追加したほか、この分野で創業した方が入居できるインキュベート施設を、現在、ネクスト香川に整備しております。  私といたしましては、今後とも産業支援機関や金融機関と連携を図りながら、こうした取組を積極的に進め、中小企業事業承継と新規創業を促進することにより、新しい生活様式の下、地域経済が活性化し、雇用の確保が図られるよう努めてまいります。  次は、放置竹林対策についてであります。  竹林は成長が早く、伐採してもすぐに再生するという特性があることから、放置竹林対策は、竹の伐採から伐採跡地への広葉樹等の植栽、保育まで、一連の取組を計画的に行うことが重要と考えております。  このため、県では国の補助事業を活用し、広葉樹等への樹種転換を図るとともに、県独自の上乗せ補助により、森林所有者等の行う放置竹林対策を支援しており、昨年度からは森林環境譲与税を活用して、新たに森林・竹林整備緊急対策事業を創設し、補助対象を拡大するなど支援の充実・強化を図ってまいりました。  また、放置竹林対策を促進するためには、竹材の利活用を進める必要がありますが、竹林の伐採から集積、運搬までのコストの削減が大きな課題となっていることから、県では平成二十九年度から竹材の運搬経費の一部を補助しているほか、今年度は簡易な林業機械を使った効率的な搬出技術の検証などを行っているところであります。  現行のみどりの基本計画におきましては、令和二年度までの五年間で百ヘクタールの放置竹林対策を行うという目標を掲げており、令和元年度までの実績としては約六十五ヘクタールとなっておりますが、昨年度の実績は前年度と比べて約二倍の約二十五ヘクタールに増加しており、これまでの取組の効果が現れてきているものと考えております。  このため、私といたしましては、水源涵養や土砂災害防止など、森林の持つ公益的機能を十分に発揮させるために必要となる放置竹林対策について、引き続きこうした取組を着実に進めてまいりたいと考えております。  なお、議員御提案の大規模な竹林の樹種転換による里山の再生につきましては、森林所有者の御意向も踏まえた上で広く関係者の方々にも伺いながら進めていく必要がありますが、本県の森林の魅力を高める上で有用でありますことから、現在策定中の次期みどりの基本計画において、放置竹林を含めた里山林の整備について検討する中で、御提案の趣旨にも意を用いてまいりたいと思います。(降壇) ◯議長(西川昭吾君)一般質問を続行いたします。  山本悟史君。    (山本悟史君登壇、拍手) ◯山本悟史君 今月に入って、また深刻な水害が九州地方を中心に発生しています。お亡くなりになった方々にお悔やみ申し上げ、被災された皆様にお見舞い申し上げます。  私たちは、十年に一度のパンデミック、そして毎年の広域災害が現実になった世界に生きるようになったことを改めて実感しています。  さて、現下の最大の問題である新型コロナウイルス感染症対策については、今年度文教厚生委員長を務めさせていただく立場から、次の三つの視点で議論が深まってほしいと考えています。  一つ目は、今後、第二波、第三波の感染拡大が起こったとしても、しっかりと対応できる医療体制を確立することです。当該感染症への備えは当然ですが、今治療が必要な人は、ほかの病気であったり、けがであったり、実に様々です。各種経済支援策を一層進めていくためにも、県民が必要なときに必要な治療が受けられる医療体制を構築することが必須です。  二つ目は、この間の自粛や休業の影響で本人のキャパシティー以上に負荷がかかった人たちへの支援です。独り親家庭、高齢者、障害者、外国人など様々な世帯がある中で、想像以上のストレスを抱えた結果、児童虐待やDVを受けたり、それまでの居場所や勤務先を喪失したりした人たちが実際にいます。そうした人たちを自己責任の一言で切り捨てることなく、社会全体で考え、支えていくべきだと私は考えています。  三つ目は、学校をめぐる諸問題の解決です。子供たちの心身の健康を最優先に考えることはもちろん、失われた学びの機会を取り戻していくことも必要です。そして、一旦学校休業を経験した以上、この際は行事等の思い切った見直しも行い、学校全体に心と時間の余裕を生み出すべきと考えています。  以上、新型コロナウイルス感染症対策については思うところを述べさせていただきましたので、文教厚生委員会所管外の問題について質問をさせていただきます。  最初に、ネット上の誹謗中傷への対応について質問いたします。  私の数少ない趣味の一つがプロレス観戦です。中学生のとき、金曜夜八時は必ずテレビの前に張りつき、アントニオ猪木選手やタイガーマスク選手の戦いに心を躍らせたものです。その後、プロレスは格闘技ブームに押され、ゴールデンタイムの放送もなくなりましたが、長い低迷期間を乗り越え、最近はプ女子と呼ばれる新しいファン層も獲得し、再び人気が高まっています。業界の盟主である新日本プロレスで言えば、先月約四か月ぶりの試合が行われ、これは無観客でのネット配信でしたが、この週末からは観客数を減らして大会が再開されることになっています。一ファンとしては、早くあの熱気を会場で感じたい、そんなわくわくした気持ちです。  その一方で、つい最近プロレス界を襲った大きな悲しみがあります。昨日も取り上げられましたが、女子プロレスラー木村 花さんの自殺です。彼女は十代後半で母親と同じプロレスラーの道を選びました。努力家だった彼女は、気がつけば、強さと華やかさを持ち合わせた人気選手になっていました。そんな木村 花選手が二十二歳という若さで、なぜ自ら死を選ばなければならなかったのか。彼女は女子プロレスの認知度を少しでも上げようと、テレビ番組にも積極的に出演していました。その中のある番組での振る舞いが注目され、予期せぬ猛烈なバッシングを受けることになりました。しかし、この番組は、いかに世間に受けるかという視点で構成されていて、結局は彼女もその演出に従っただけということも言われています。試合では気丈に振る舞っていた木村 花選手ですが、結局本人もどうしようもないままに心が壊れていったのだと思います。  彼女を死に追いやったのは、ネット上の匿名ユーザーによる誹謗中傷と言われています。皮肉なことに、その番組は逆に世間から猛烈なバッシングを受けてなくなりましたが、だからといって彼女が生き返ることはありません。  ネット上の人権侵害に関しては、二月定例会の総務委員会でも取り上げました。お隣の韓国でも芸能人が興味と批判の対象とされ、毎年のように自殺者が出ていること、我が国においても誹謗中傷を書き込んだ者の情報開示を求めても、かなりの時間と費用がかかることも指摘しました。  全国ニュースでも取り上げられた川崎市の女性の話を紹介します。彼女は在日三世で、当時盛んに行われていたヘイトスピーチへの反対運動をしていたことから、いわゆるネット右翼に目をつけられ、特にツイッター上で人種差別を含む誹謗中傷を受けるようになりました。警察には、表札を外し、インターホンをオフにし、カーテンも閉めておくように言われ、自分の子供に危害が加えられないか、犯人は近所に住んでいるのではないか等々、精神的なストレスがたまり、不眠症と突発性の難聴を発症したそうです。そうした中でも、彼女は支援者とともにツイッター本社に情報開示を求め続け、一年以上を費やし、ようやくそれがかないました。そこから神奈川県警は五十代無職の男を特定し、事情聴取を行いました。この段階で初めて誹謗中傷の書き込みが止まったそうです。男はその後書類送検されましたが、結果的に不起訴。しかし、彼女はその日のうちに迷惑行為防止条例違反の疑いで男を刑事告訴。昨年末に罰金三十万円の略式命令が出ました。裁判費用は明らかにされていませんが、これだけの裁判であれば、普通は罰金三十万円の十倍以上はかかると思います。  この三年半の精神的苦痛を考えると、三十万円という罰金額はあまりに安過ぎます。そもそも、ここまで覚悟を決めて戦える人は少なく、経済的な割も合わないことから泣き寝入りせざるを得ない人がほとんどです。  最近の誹謗中傷の例も挙げておきます。新型コロナウイルスに関連して自粛警察という言葉も登場しましたが、ネット上でも感染者や家族、関係者の情報が、誹謗中傷も含めて真偽不明のまま、そして何の責任も問われることなくあふれています。  さらに、本県のネット・ゲーム依存症対策条例。今でも、様々な議論や意見があります。それは民主主義社会では当たり前のことです。ネット上の反応を見て態度を変えても、それも別に自由です。ただ、自分と異なる意見だからといって誹謗中傷のメールを送ったり、行政機関に対してサイバー攻撃を行ったり、あまつさえ殺害予告や爆破予告まで行うのは全く違う次元の話です。表現の自由はとても大切です。政治的な見解や批判も、当然認められなければなりません。  しかし、ネット上で特に匿名だと誰だか分からないから何を言っても許されるという思考があるとしたら、それはそもそも人として間違っていると言わざるを得ません。  SNSが日常化し、匿名アカウントによる誹謗中傷が蔓延しても、この問題はずっと自己責任で放置されてきました。悲しいことですが、一人の若い女性の自殺が報道されたことで、ようやく社会全体で考えていくべきというある種の合意ができました。  繰り返しますが、だからといって、心が傷つき、自殺した人たちが生き返るわけではありません。この問題は、国だけではなく、地方自治体としても身近で深刻な問題として認識すべきだと私は考えます。それは、さきの総務委員会で正式に本県が制定を目指すことが表明された犯罪被害者等支援条例と同じです。国だけに任せるのではなく、県としても理不尽な目に遭った住民に寄り添い、これを全力で支援すべきだと私は思っています。  実際に、群馬県はSNSにおける中傷被害者への支援条例の制定を検討していることも報道されています。大いにエールを送りたいと思いますし、将来的には本県も同様の対応を行うべきと私は考えます。  そこで、知事にお聞きいたします。  昨今のネット上にあふれる誹謗中傷について、どのような認識を持ち、今後、本県としてどのように解決に向けて対応しようと考えているのか、お答えください。  二点目、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた労働者への支援について質問いたします。  今さらですが、今回の新型コロナウイルス感染症への対策として、休業や自粛が行われた結果、少なくない人が少なくない額の予期せぬ経済的損失を被ることになりました。  当初、政府は国民民主党がいち早く主張した国民一人当たり十万円の給付には否定的でしたが、結局、特別定額給付金という名での実施が決まりました。それはそれでよかったのですが、この給付金を原資に感染症対策を考えている自治体もあるようで、いかがなものかと感じています。  給付金の使い方は、受け取る、受け取らないも含めて全く個人の自由です。政治家や行政が口を出す話ではないと私は考えています。ただ、もし可能な範囲で地元で使ってもらえれば、それだけ地域経済の支えになります。私もこの給付金を当てに、連日、いろいろなお店でお弁当のテークアウトを利用しました。経営状況はお店によって違いますが、皆さん一様に「無理に店を開けてお客さんに迷惑をかけたくない。また店を再開できるまで、何とか頑張りたい。」と述べていたのが印象的でした。  さて、本県も各種相談窓口の設置や感染拡大防止協力金、持続化応援給付金など独自の支援事業を展開しています。対象業種や支給額については、多い、少ない等々、様々な意見があることも承知しています。本県が、国や東京都のように柔軟性のある財政状況であれば、さらに素早くかつきめ細かい独自の支援策を展開できるのでしょうが、これはもう幾ら言っても詮ないことです。  今後も国主導で各種支援策が拡充されていくと思いますが、何がどう有効であったのか、なかったのかという検証も後々必要ですし、非常時の財政出動とはいえ、本県財政への今後の影響についても冷静に見据えておく必要があります。  そして、今日、私が特に指摘しておきたいのは、労働者への支援です。具体的にどのような支援策があるのか、厚生労働省のホームページにある新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aのサイトに記載されている主な項目を紹介します。  一、風邪の症状があるとき、感染が疑われるときの対応。二、労働基準法における休業手当、年次有給休暇。三、感染防止に向けた柔軟な働き方。四、妊婦の方々の働き方。五、労災補償。六、健康保険法等における傷病手当金、被扶養者の扱い。七、その他といった内容です。  健康面の支援が多い印象で、経済面の支援で言えば弱いとしか言いようがありません。よく言われる雇用調整助成金も、上限額の引き上げや助成率の拡充、緊急対応期間の延長や申請書類の簡素化等々もされていますが、これは、そもそも経営者への支援策です。  そして、残念ながら世の中には労働者を守る気のない経営者もいて、厚生労働省の調べでは、実際に解雇や雇い止めに遭った人が、見込みも含めて全国で三万二千人余りに上るとされています。  こうした事態に対応するために、さきの国会では雇用保険臨時特例法が成立し、休業手当を支給してもらえない労働者が直接申請できる新型コロナウイルス感染症対応休業支援金という制度がつくられました。各種の相談窓口や支援制度を知らないまま泣き寝入りしている労働者も少なくない中で、ぜひとも、こうした制度を周知すべきだと思います。  そこで、知事にお聞きいたします。先月三日には、副知事と教育長が香川労働局長、四国経済産業局次長と共に、県内経済団体へ、雇用の維持と求人の確保・働き方改革の推進等に関する要請を行っています。弱い立場にある労働者を守るためには、経営者側の理解も必要です。採用取消しや解雇、休業手当の不払いなど、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた労働者への支援について、本県はどのように認識し、対応していこうとしているのか、お答えください。  三点目、公共交通への支援については、これまでそれぞれの立場から質問が続いておりますので、私は特に地方鉄道への支援に絞って質問いたします。  七月一日に四国運輸局が発表したデータによりますと、JR四国全線の四月の輸送人員は、前年同月比四六・八%減、JR瀬戸大橋線の五月の輸送人員は同八〇・〇%減で、大幅な減少となっています。当然、収入も落ち込んでいて、就任したばかりの西牧新社長は先月末の定例記者会見で、五月の収入は前年同月比二六・三%で、結果的に二十一億五千六百万円の大幅減収になったことを公表しました。  ちなみに、訪日外国人向けに販売しているALL SHIKOKU RAIL PASSですが、五月に売れたのはたった一枚です。そもそも、JR四国は人口減少や少子高齢化による利用者の減少などにより、経営自立計画で掲げた二〇二〇年度の目標が未達となることが明らかとなり、国交省から経営改善の指導が出されるなど、新型コロナウイルスの影響を受ける前から厳しい経営状況が続いています。  JR四国に講じられた追加的経営支援策は、今年度に一定の区切りを迎えますが、来年度以降もその継続がないと、そもそもの経営が成り立たなくなるのは明白です。また、再建後、比較的順調だった琴電ですが、四月、五月の利用者数は約半分になり、三月の収入は前年同月比約十億円減収の約二十七億円の見込みだと真鍋社長が述べています。  両社とも、通勤・通学客などが利用を控えたことに加えて、JR四国は三月から、琴電は四月から減便を行ったことも大きく影響しています。  今、地方鉄道の存続に必要なことは、官民挙げての経営支援ですが、根源的に問われていることは、ポストコロナ時代の地方鉄道の在り方だと思っています。自家用車への需要がさらに高まり、しかし、従前のようにインバウンドを当てにできない状況で、地方鉄道は誰にどう利用してもらう必要があるのか、考えねばなりません。  先月、琴電の真鍋社長のインタビューが話題になったので、少し紹介しておきます。   今起きている変化は個別の経営努力とは次元の違う話だと思う。リモー  トワークができない、職場に行かなくてはいけない方や、通学する学生た  ちからいただく運賃で公共交通を成り立たせるべきなのか。日本中で議論  せざるを得ない。政府も新しい生活様式への転換を促し、移動の絶対量は  決して元に戻らない。だが公共交通だけが企業努力で以前のサービス水準  に戻すべきだと言われても極めて難しい。   ここ数年、交通と言えば訪日観光客を運ぶ議論が中心だったが、まずは  住んでいる人たちのために交通はある。そこから街や交通の議論をスター  トしないと。住んでいる人が快適なら観光客も居心地がいい。世界中の都  市計画で、住民の健康を重視する傾向が強まっている。新型コロナは、街  の在り方を問うきっかけにもなった。コンパクトに歩いて暮らせる健康な  街を目指すのか、人と触れ合わないためにマイカー移動中心の街にするの  か。われわれは分岐点にいる。前者を選ぶなら必須である公共交通を、地  域がどう支えていくのか議論すべきだ。  そのとおりだと思いますし、改めて公共とは何かという点が問われているのだと思います。  そこで、知事にお聞きいたします。
     先月中旬、知事と正副議長は四国経済産業局長を訪れ、新型コロナへの対応策として、公共交通機関の減収に対する補填制度の創設や、四国新幹線の導入を求めた重点要望を行いました。その点も含めて、地方鉄道に対する現状認識、そして必要な支援をどのように考えているのでしょうか。  さきの経済委員会では、香川県新型コロナウイルスに係る経済・雇用対策ワーキングチームによるヒアリングを行うとの答弁がありましたが、今後のスケジュールについて、さらにポストコロナ時代における地方鉄道の在り方についてもどのように考え、県はどのように関わろうとしているのかということも含めてお答えください。  最後に、明るく楽しい話題の質問をして終わりにしたいと思います。  先月下旬、テレビアニメ「ポケットモンスター」が、「かぶれ!ヤドキング」というタイトルで放送されました。うどん県PR団のヤドンが登場した話です。  アニメの中では、ヤドンが多数生息する島でヤドンが進化したヤドキングがうどんを食べながら登場するというシーンもあり、相変わらずよい仕事をしてくれているなと感じました。  本県とヤドンとのコラボ事業を振り返ると、最初は五年前、二〇一五年四月一日、香川県が極秘飼育していたヤドン八百匹が脱走したという発表でした。これはうそ八百とかけたエイプリルフールネタでしたが、うちの県はこういう乗りもあるんだと感じたことを覚えています。  翌二〇一六年夏にはポケモンGOがリリースされ、世界中で爆発的なヒットとなりました。連日、世界中でポケモンGOに熱中する人たちの様子が報道され、国内でもイベントが開催されると、とにかく大勢の人が集まり、それがまたニュースになってという状態でした。  本県でもポケモンGOのイベントを開催したかったのですが、ネット環境の整備や安全面等の問題があり、現在でも実現できていません。  しかし、ポケモンGOの大会はすぐには無理でも、ヤドンという魅力的なキャラクターがそのままになっているのももったいないと思い、いろいろな人が精力的に動いた結果、二年前の二〇一八年四月一日、今度は「うどん県はヤドン県に改名しました」という新たなエイプリルフールネタを発表するに至りました。このことで、マンネリぎみだった本県のうどん県プロジェクトにも、もう一度全国的な注目が集まったのではないかと感じています。  同時に、昨年、一昨年はヤドンパラダイスと銘打ち、着ぐるみとの撮影会や県内観光施設を巡るスタンプラリー、さらには県産品とのタイアップ商品の販売を行い、どれも大好評でした。  さらに、昨年は県内自治体に御当地マンホールを設置するなど、他県を圧倒するコラボ事業が展開されています。  このコラボ事業のよいところは、関係する人全てが笑顔になれるという点です。わざわざヤドンというキャラクターに会うために北海道から沖縄まで、果ては外国からも含めて予想以上の人が本県を訪れてくれました。三年目になる今年度はどんな展開をするのだろうと楽しみにしていたのですが、御承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響で、他の観光政策同様ストップした形です。  ただ、従来は香川県に来てくださいという意味で、原則県内限定で販売していた県産品とのコラボ商品を、五月末からは年内限定でネット購入できるようになりました。  また、今月二日は半夏生の日でしたが、うどんの日でもあり、この日に合わせて観光PR動画「ヤドン部がゆく」も公開されました。ありがたいことにどちらも好評だと伺っています。  そこで、知事にお聞きいたします。  ヤドンとのコラボ事業をはじめとするうどん県プロジェクトについて、新型コロナウイルス感染症の影響下ではありますが、今年度はどのような展開を考えているのか、お答えください。  今年に入ってから、ヤドンの新しいキャラクター、ガラル・ヤドンも登場するなど、ポケモン人気は依然、世界的に健在です。ヤドンに会いたい、香川県を訪れたいと考えている人の笑顔をまた見られることを心から祈念して、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(西川昭吾君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)山本議員の御質問にお答えいたします。  まず、ネット上の誹謗中傷への対応についてであります。  同和問題をはじめ、女性や子供、高齢者、障害者といった社会的弱者への虐待など、様々な人権問題が後を絶たない中、御指摘のネット上での誹謗中傷につきましては、ネット特有の匿名性や拡散性が高いことから、重大な人権侵害につながるものと認識しております。  ネット上の人権侵害につきましては、国において被害者の削除要請に対する援助等を行っており、県や市町に相談があった場合には、速やかに高松法務局につなぐなど、国との連携を図っております。  また、県では、昨年十二月の人権週間において、インターネットによる人権侵害をテーマとして、テレビでのCM放映や新聞への広告掲載などの啓発活動を行ったところであります。  私といたしましては、ネット上での人権侵害を含めた様々な人権問題に対し、積極的な人権啓発活動や専門相談員による人権相談に取り組むとともに、有効性のある人権救済に関する法律の制定について、毎年国に要望しているところであり、国の動向を見極めながら、引き続き人権啓発等に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた労働者への支援についてであります。  本県においても、新型コロナウイルス感染症の影響による解雇や有効求人倍率の低下等が見られる中、感染症の影響を受けた労働者の皆様への支援を行うことは、こうした方々の生活を守ることはもとより、本県経済の維持と持続的発展のためにも欠かせないことであると考えております。  このため、県では、感染症の影響に伴う休業により国の雇用調整助成金の支給決定を受けた事業主に対して、県独自の緊急雇用維持助成金制度を設けているほか、県庁内に社会保険労務士による週二回の相談窓口を設置し、雇用調整助成金の支給申請手続等の支援を行っており、事業主等から相談があれば、雇用調整助成金の活用を促すことにより、労働者の雇用と生活が維持されるよう働きかけているところであります。  また、議員御指摘の新型コロナウイルス感染症対応休業支援金につきましては、休業中に休業手当を受けることができなかった中小企業の労働者が支援金を円滑に活用できるよう、県ホームページなどを通じて広く周知するとともに、労働者の方から相談があれば、制度の内容を丁寧に紹介するなど、申請につなげてまいります。  さらに、感染症の影響により離職を余儀なくされた方などに対しては、ワークサポートかがわにおいて、採用意欲のある企業とのマッチング支援を行うとともに、来月二十六日に開催する合同就職面接会かがわーくフェアへの参加を促すほか、今定例会に補正予算案を御提案しております人手不足分野の企業等とのマッチングを図る離職者等のための合同企業面接会を開催するなど、再就職等に向けて支援してまいります。  私といたしましては、香川労働局や関係団体と密接に連携しながら、感染症の影響を受けた労働者の皆様への支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、地方鉄道への支援についてであります。  新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出自粛が要請される中、公共交通機関は社会経済活動を維持するため事業継続を求められたことから、議員御指摘のとおり、県内の鉄道事業者をはじめ交通事業者は、大変厳しい経営環境にあると認識しております。  このため、先月には、国に対して重点要望として、公共交通機関の維持に向け、これまで講じてきた支援策にとどまらず、さらに思い切った支援策が必要であることや、公共交通ネットワークの骨格となる新幹線の早期実現などを要望するとともに、各交通事業者が、それぞれの業界団体が作成したガイドラインに沿って行う感染防止対策などを支援する補正予算案を、今定例会に御提案しているところであります。  今後、香川県新型コロナウイルスにかかる経済・雇用対策ワーキングチームにおいて、関係者へのヒアリング等を通じた実態把握や、これまで実施された経済対策の整理・分析を行うこととしており、これらを踏まえた上で地域公共交通の維持に向けた県の役割についても早急に検討してまいります。  ポストコロナ時代における地方鉄道の在り方につきましては、事業者が新しい生活様式に対応したサービスの提供体制を整える必要があり、県としましては、事業者の感染防止対策への支援に加え、日本モビリティ・マネジメント会議が公共交通機関の安全な乗り方として、目・鼻・口を触らなければ感染リスクはほとんどないとの知見を示していることから、交通事業者と連携して、まずは利用者に対し、こうした知見の普及にも努めてまいります。  私といたしましては、公共交通機関における感染拡大防止対策を支援し、利用者の安全・安心を確保することで利用者数の回復につなげるとともに、引き続き国による支援制度の創設等を強く求めつつ、地元市町や関係機関と連携し、地域公共交通の維持・確保に努めてまいります。  次に、うどん県プロジェクトについてであります。  県では、「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトの効果をより一層高めるため、ヤドンなど知名度のあるキャラクターや県とゆかりのある著名な芸能人を活用した話題づくりに努めるとともに、ウェブサイトやSNSを活用し、本県の魅力ある観光資源や県産品等の情報発信を行ってまいりました。  今年度に実施するヤドンとのコラボ事業としましては、議員御指摘の高校生がヤドンを探すことをきっかけとして、県内観光地の魅力を再認識する内容の動画「ヤドン部がゆく」を今月二日のうどんの日に公開したほか、県内約八十か所を巡るスタンプラリーの実施や観光施設等と連携したイベントの開催、県産品を活用したコラボ商品の開発を進めてまいりたいと考えております。  うどん県プロジェクトでは、このほかにも、十月から実施予定のうどん県観光誘客キャンペーンに向け、本県ゆかりの芸能人等が出演する動画を制作することで積極的な話題づくりに努めるとともに、「絶景」、「美食」、「アート」をテーマにした本県への観光を具体的にイメージできる動画を制作し、本県の魅力ある観光名所やグルメなどが、テレビ、新聞、雑誌などの各種メディアや、インスタグラムなどのSNSを通じて広く全国に情報発信されるよう取り組んでまいりたいと考えております。  私といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響の中にあっても、県内各市町や民間事業者等と連携し、明るい話題を提供し続けるうどん県というブランドイメージの定着による知名度の向上を図るとともに、引き続き地域の魅力ある観光資源の有効活用と情報発信を積極的に進め、誘客促進につなげてまいります。(降壇) ◯議長(西川昭吾君)一般質問を続行いたします。  高木英一君。    (高木英一君登壇、拍手) ◯高木英一君 日本においてはバブルの崩壊、世界においてはベルリンの壁の崩壊で始まった平成の三十年間は、振り返ってみますと、阪神・淡路大震災や東日本大震災、西日本豪雨、高松砂漠と言われた異常渇水など、大規模自然災害に見舞われたものの、明治・大正・昭和に比べますと比較的平穏な時代でした。  しかし、少子高齢化、東京一極集中、財政課題、誇れる歴史教育など、課題を先送りした時代でもありました。  今、地球規模で新型コロナウイルス禍に見舞われています。新型コロナウイルスが世界に拡散した要因は、世界の政治的思惑もありますが、東京大学名誉教授の月尾嘉男先生は、第一点目が、二〇〇二年に中国で発生したSARSの致死率一〇%、二〇一二年にアラビア半島で発生したMERSの三四%、二〇一四年にアフリカで猛威を振るったエボラ出血熱の四〇%に比べ、その致死率が七%と低かったことによる油断。第二点目は、日本脳炎であればウイルスを媒介する蚊を退治することができますが、ウイルスを伝染させる媒体が目に見えないこと等を挙げられています。  また、新型コロナウイルス感染拡大した歴史的背景を、一、数千万種と推定される生物の中で、人類だけが異常に繁殖し、それがウイルスの感染拡大を招いた。二、世界規模での人や物の移動の増加で、一九五〇年に約三十万人だった移動が二〇一八年には十四億人にまで増え、この七十年間に実に四千七百倍増えた。三、二〇一四年、東京で熱帯特有の風土病であるデング熱の罹患者が発生しました。原因はデング熱を媒介するヒトスジシマカという蚊の存在で、この蚊は二〇一〇年に青森県で確認されており、日本でヒトスジシマカが生息できるほど地球温暖化が進んでいること等を挙げられています。  危機管理の原則として、警察・防衛官僚であった評論家の故佐々敦之先生は、自著「危機管理のノウハウ」の中で、危機管理の要点として、一、疑わしいと思ったときはまず行動する。二、最悪の事態を想定して行動する。三、失敗は許されるが、見逃すことは許されないの三点を指摘されています。  令和の新時代が始まって、はや一年二か月余、平成の三十年間に果たせなかった課題解決に向け、一歩一歩進みかけたときに発生した新型コロナウイルスですが、日本の歴史をひもとけば、一八九五年、日清戦争終結時、中国大陸ではコレラとペストが流行していました。明治の偉人後藤新平は、二か月で一日一万ないし一万二千人を検疫できる巨大施設を瀬戸内海の三つの島に完成させ、三か月で約二十三万人の帰国兵の検疫を完了させることで、日本国内へのコレラとペスト菌の流入を完璧に防いだという史実があります。  本県においても、新型コロナウイルスによる様々な被害・影響を、EBPMによる政策立案とPDCAサイクルによる行動により防止し、豊かな香川、誇れる香川をつくり上げる責務があると考えます。  それでは、一般質問をさせていただきます。  大きな一点目は、地方鉄道・公共交通に対する支援策についてであります。  本県における鉄道の歴史は、一八八九年、讃岐鉄道により開通した丸亀・多度津・琴平間であり、一八九七年には高松・丸亀間が開通しました。  県都高松においては、一九一一年十一月十八日に東讃電気軌道が、現琴電志度線である今橋・志度間を開業、翌年四月三十日には高松電気軌道が、現琴電長尾線である出晴・長尾間を開業、そして一九二五年に国鉄高徳線が開業し、翌年十二月二十一日には琴平電鉄が現琴電琴平線である栗林公園・滝宮間を開業させました。  このほかにも、琴平参宮電鉄、琴平急行電鉄、塩江温泉鉄道が開業しましたが、経営不振や太平洋戦争への資材供出などにより廃線となりました。  高松琴平電気鉄道株式会社は、太平洋戦争中の一九四三年十一月一日、陸上交通事業調整法により、高松市周辺の鉄道事業者が合併して誕生しました。  モータリゼーションの影響による利用客減やそごう倒産による余波でコトデンそごうが倒産し、二〇〇一年十二月七日、民事再生法適用を申請、翌年七月、再生計画が承認され、翌月八月八日、現会長の真鍋康彦氏が社長に就任されました。  真鍋社長は、顧客サービス第一のお考えから、志度線を例にとれば、それまで不規則であったダイヤを瓦町発毎時六分、二十六分、四十六分で、利用客に覚えやすく改善されました。また、全駅舎のペインティングによる改修、トイレのクリーン化、社員の応対や服装の改善、平成十九年には通常営業用車両の一〇〇%冷房化の達成、車両も志度線は赤、長尾線は緑、琴平線は黄色と車両デザインに変化をつける等々の並々ならぬサービス向上に御尽力されました。  マスコットキャラクターやICカードがIruCa(イルカ)と命名されたのは、このとき、「琴電は要るか、要らないか」との強い再建に向けた決意があったそうです。  全社員一丸となった努力のかいあって、二〇〇六年三月、民事再生法に基づく再生計画が終了しました。  その琴電が、新型コロナウイルスにより、他の地方鉄道、地方公共交通と同じく危機に瀕しています。私は高松市牟礼町で生まれ育ちました。高松東部エリアの屋島、古高松、牟礼、志度は、一九一一年の現琴電志度線の開通により県都高松への利便性が向上し、発展したエリアです。現に牟礼町牟礼、大町エリアでは、土地があれば宅地化され、どんどん家が建っています。  少子高齢化社会の到来、利便性の維持、地球温暖化等の世界的課題である環境対策としても、本県において重要なことは、三十年、五十年、百年先の本県を考えたとき、地方鉄道、地方公共交通であることでん、大川バス、フェリー・旅客船航路等を存続させることであると考えます。  今回の特異な新型コロナウイルス禍は、経営するそれぞれの企業努力と使命感では、路線・航路の維持は困難になりつつあります。全世界を覆う特異状況の中、基幹的維持及び減収補助等、特別・特例補助を実施することにより、地方生活交通と地域間交通を維持・確保することも検討すべきと考えます。  そこで、質問させていただきます。  質問一、ことでんを含めた本県の地方生活交通と地域間交通の現状をどう認識されておられるのか、知事のお考えをお聞かせください。  質問二、地方鉄道、地域公共交通を維持・存続させ、地方生活交通と地域間交通を守るために、どのような支援をされる御予定か、知事のお考えをお聞かせください。  大きな二点目は、地球温暖化問題についてであります。  年号の平成とは、国の内外、天地とも平和が達成されるという意味ですが、平成の三十年間は、国内外で巨大自然災害が多発した時代でした。  世界では一九九一年、十四万三千人が犠牲となったバングラデシュの高潮災害、二十世紀最大の火山噴火であるフィリピンのピナツボ火山噴火、近年におけるハリケーンやサイクロン、台風の大型化、また、先月二十日には、以前、氷点下六十七・八度Cという最低気温を記録したロシア・シベリア北部の世界の寒極と言われている町ベルホヤンスクで三十八度Cを記録、シベリア観測史上どころか北極圏観測史上最高になる可能性があるそうです。ロシアは国土の三分の二が永久凍土です。二〇一六年、シベリアで二千頭のトナカイが死にました。原因は七十年前に炭疽菌に感染した動物の埋葬地の氷が解けたことにあるようです。  日本においては、一九九五年の六千四百三十七人が犠牲になった阪神・淡路大震災、二〇一一年の二万二千百九十九人が犠牲になった東日本大震災をはじめとして、一九九一年の雲仙普賢岳噴火、二〇〇四年の本県においても被害を被った台風十六号・二十三号災害、二〇一四年の広島土砂災害や御嶽山噴火、二〇一六年の熊本地震、二〇一八年の琵琶湖の総貯水量の約二倍もの雨が降った西日本豪雨などです。  そして、昨年には南海トラフ巨大地震の向こう三十年以内での発生確率が七〇%から七〇ないし八〇%に格上げされました。万が一発生した場合、専門家の予測では、その震源地は私の地元牟礼町にそびえる五剣山の峰が崩落した一七〇七年の宝永地震と同じく陸地に近いことが予測されており、その場合、地震の揺れが激しく、津波のみならず阪神・淡路大震災時と同じく、建物の倒壊被害も予測されています。  そのような中、気象庁は本年三月二十四日、二〇一九年に日本各地で大気中の二酸化炭素CO2濃度を観測した結果、いずれも過去最高値を更新したと発表しました。CO2は地球温暖化の要因とされ、増加傾向が続いていますし、地球温暖化は台風や豪雨の大型化をもたらします。  今、日本も世界も新型コロナウイルス禍で危機に瀕していますが、政府においても、本県においても、新型コロナウイルスの蔓延防止に向けた注意喚起のための緊急事態宣言が発令されました。その結果、本県においては、県民の理解と協力があり、四月二十一日以降の県内での発生を防いでいます。  感染防止や災害被害の最小化には、国民・県民の自助・自立の精神と理解・協力が必要であると考えます。  一方、地球温暖化問題においては、CO2の排出を抑制することが必要であり、その取組には県民の理解と協力が大切であります。  二〇一六年、気候変動の脅威とそれに対処する緊急の必要性を認識し、産業革命前からの地球の気温上昇を二度C未満に抑え、一・五度C未満に抑える努力をすることを目標とした国際条約パリ協定が発効しました。しかし、その後も世界の温室効果ガスCO2排出量と平均気温は観測史上最高を記録し、産業革命前から一・一度C上昇しています。さらに、パリ協定に基づく各国のCO2削減目標が達成されたとしても、今世紀末には世界の気温は三度C上昇すると国連は警告しています。  そこで、本県においても、究極の目標であるSDGs社会の実現を目指し、その実現に不可欠な気候変動問題に対応するため、気候非常事態を宣言すべきと考えます。県が宣言することによって、地球温暖化問題に対する県民の意識醸成が図られると考えます。  そこで、質問させていただきます。  質問一、地球温暖化問題とSDGsについてどのように認識されておられるのか、知事にお伺いさせていただきます。  質問二、本県において気候非常事態を宣言し、県民の地球温暖化問題に対する意識醸成を目指すべきと考えますが、宣言実施の効果や課題をどのように考えるかも踏まえ、知事のお考えをお聞かせください。  大きな三点目は、香川県の魅力の再発見についてであります。  今回の新型コロナウイルスによる交流人口の異常な減少により、鉄道、バス、タクシー、フェリー等の公共交通、ホテル、旅館、民宿、民泊等の宿泊業、飲食業、土産物業等が廃業の危機に瀕する大打撃を受けています。  そのような中、本県において今求められているのは、新型コロナウイルス禍終結後に向けた本県の活性化策であります。  本県には、磨けばまだまだ光り輝く宝が多くあります。高松東部エリアの屋島、牟礼、庵治半島だけを見ても、武士道で有名な新渡戸稲造に、「瀬戸内海はまさに世界の宝石なり。Jewel in the inland sea!」と言わしめた屋島山上北嶺には、香淳皇后様が命名されたと言われ、瀬戸内海の多島美と白い航跡を残して航行する船舶が堪能できる遊鶴亭等の展望台、新屋島水族館、源平合戦の史跡があり、日本第一号のお聖天様と言われ、夫婦和合や商売繁盛に御利益のある第八十五番札所八栗寺、牟礼町・庵治町の志度湾沿いを例にとれば、ジョージナカシマ記念館、歯アート美術館、道の駅源平の里むれや、房前公園、だるま朝日が堪能できる四国最北端の地竹居海岸など、磨けばまだまだ光り輝き、地域活性化に貢献できるだろう宝が多くあります。  これらの地域の宝に磨きをかけ、本県に来ていただくための価値づくり、魅力づくりこそ、今、大変重要であると考えます。  香川県民に県内観光を推進するためにも、まずは県民が行きたくなる魅力づくりに取り組むことで、情報発信にも生き、成果・実績となり、また、リピート需要を生みます。「47都道府県の歴史と地理がわかる辞典」においては、キャッチフレーズとして、「うどん県。それだけじゃない香川県」とともにNewレオマワールドの名物看板、「なんとか、またお越しください」が推奨されています。  その前提となるのが受皿整備、すなわち香川県の魅力づくりであり、これを推進することが、国内交流が大々的に復活したとき、日本国内津々浦々から訪問先として香川県を選んでいただける礎になると思います。  現時点では、まだ県境をまたいだ広域的な移動をためらわれている方も多いと思いますが、しかし、そのような状況だからこそ、県内観光のニーズは以前にも増して高まるのではないかと思います。  県内観光により、ともすれば我々県民でさえ忘れていた本県の魅力を再発見できるきっかけとなり、その再発見は、将来県外からの観光客を呼び込む際の大きな武器になるのではないでしょうか。  そこで、質問させていただきます。  質問一、県内観光の推進を通じた本県の魅力の再発見とその整備にどのように取り組まれるのか、お伺いさせていただきます。  質問二、新型コロナウイルス禍終息後の本県経済活性化に向けた観光施策にどのように取り組まれるのか、お考えをお伺いさせていただきます。  大きな四点目は、本県における理系・技術系人材の育成についてであります。  三十年前の平成の初め、世界に占める日本の国内総生産GDPは一六%で、世界第二位でした。今、GDPの世界順位は第三位ですが、世界に占める比率はわずか六%です。  時価総額の世界トップ三十社を見ても、三十年前には日本企業が二十一社入っていましたが、現在はゼロです。労働生産性は先進国中最下位、平均賃金も経済協力開発機構OECDの調査によれば、三十五か国中十八位です。二年に一度開催される技能オリンピックでは、二〇〇一年から二〇一五年まで、日本は金メダル獲得数で一度四位になったものの、常にベストスリーに入っていました。異変が起きたのは二〇一七年で、金メダル獲得数順位は一位中国十五個、二位スイス十一個、三位韓国八個に対し、日本は三個で九位になりました。前回のロシア大会では、一位中国十六個、二位ロシア、三位韓国七個に対し、日本は金メダル二個で、さらに順位を下げました。  最先端技術分野でも、中国は5Gでアメリカを超え、量子暗号は世界で初めて中国が開発に成功し、アメリカはまだその解読ができないそうです。  アメリカ国際教育研究所の調査では、アメリカへの留学生数を見ても、一九九四年から一九九七年まで、日本は約四万人で国別で世界第一位でしたが、二〇一一年以降二万人割れが続いています。
     片や中国は、一九九七年頃からアメリカへの留学が始まりましたが、今は何と約三十六万人の意欲ある若者が留学し、そのうちSTEM、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)が約四〇%とのことであります。トランプ大統領が中国のファーウェイ製の電子機器の採用を禁止するのも、この事実から理解できます。  日本は資源の少ない国です。グローバル化する世界で勝ち抜いていくには、ものづくり大国日本の復興が必須だと考えます。そのためには、豊かな発想でアイデアを具現化する力を持った理工系人材の育成が不可欠です。  しかしながら、昨年の予測では、IT人材だけで二〇三〇年には七十九万人不足すると予測されています。産業を支えるものづくりの技術・技能の継承や最先端技術への人材確保を図っていくためには、若者の理系離れを防いでいくことが必要であり、例えば、高校生ものづくりコンテスト、いわゆる高校生技能オリンピックへの出場など、ものづくりの学習効果の発表の場を確保することも効果的だと考えます。  新型コロナウイルス用のワクチン等治療薬の早期の開発が求められている今、それを研究開発するのが理系人材です。その理系人材を育成するのに必要な理科教師や理科室が足りず、理科の授業時数も、小学校六年生で昭和四十六年、年間百四十単位時間だったのが、平成十四年には九十五単位時間に減り、平成二十三年から百五単位時間に増えたものの、昭和四十六年に比べると、まだ三十五単位時間足らないのが現状です。  今、日本ではSE、システムエンジニアリングをやる人が少なくなってきており、いましばらくすると圧倒的に足りなくなるとの予測があります。AI時代だから研究開発しましょう、設備投資をして生産性を上げ、競争力をつけましょうと言っても、肝心の技術者が足りなくなってきています。  このような現実を踏まえ、高度な技術者の育成につながる教育、理系人材の育成教育は国家プロジェクトの一翼を担うためにも重要と考えます。  そこで、質問させていただきます。  質問一、本県の高校生の高校生技能オリンピックなど、技術や技能を競い合う大会への出場実績について、教育長にお伺いさせていただきます。  質問二、日本の抱える課題解決に貢献する人材を育成するため、中学や高校における理系の教員に優秀な人材を確保するなど、本県における理系人材の育成に寄与する教育を実施するため、どのように取り組まれるのか、教育長にお伺いさせていただきます。  最後の質問は、読書習慣づくりについてであります。  今、若者の読書離れが、便利な情報端末の普及なども相まって一層拍車がかかっています。しかし、近年、脳科学の目覚ましい発達により、読書の重要性が改めて注目を集めつつあります。  東北大学の加齢医学研究所が平成二十九年度に四万人の子供たちを対象に行った読書時間と成績の関係についての調査によりますと、読書時間が長いほど成績は高くなっているというデータがあります。同研究所の川島隆太所長によりますと、脳というのは、新しいことをしたり難しいことをしたりするとよく働くというのがこれまでの通念だったが、実験を通じ、脳は文章を読むときに見たこともないくらい活発に働いているということが分かったとのことです。そこで、認知症の高齢者の方に文章を読んでいただく実験をしたところ、薬を飲んでもよくならなかった方にも改善が見られたという奇跡が起こったそうです。  川島先生は、仙台市で公立小・中学校に通う七万人強の子供たちの学力データを十年近く追跡調査をしたところ、読書習慣を持っている子の学力が明らかに高かったそうです。また、その子たちに脳の測定をさせてもらうと、読書習慣を持っている子は脳の発達がよく、大脳の言語半球の神経線維という電線の連絡する部分の発達もすごくよくなっていたそうです。  読書を全くしない子が平均点を超えるには、家で毎日二時間勉強し、かつ睡眠を六時間から八時間取らなければならないのに対し、読書を毎日する子は家での勉強時間が一時間もあれば十分で、後は、ちゃんと睡眠時間を取れば平均点を軽く超えるそうです。それくらい読書により学力の差が生まれるとのことであります。  川島先生は、小さい頃に随分読み聞かせをしてもらったそうで、今でも小学館の「少年少女世界童話全集」が家に残っており、先生が少し大きくなってからは六歳下の妹に、結婚してからは奥様が息子に読み聞かせをしたそうです。  このように、読書と読み聞かせは大変重要だと考えます。昨年の新生児の出生数は八十六万四千人と、戦後の団塊世代の約三分の一にまで減少していますが、それゆえに、未来を担う子供たち一人一人を可能な限り大切に育てることが重要であります。  本県では、今年度当初予算に第四十二回全国学校図書館研究大会高松大会開催事業を計上しています。今年八月五日から七日に開催を予定していた高松大会は、新型コロナウイルス感染症が拡大している現状を鑑み、残念ながら開催が見送られることになったと伺っていますが、実施を予定していた学校図書館や読書指導に関する実践発表等の取組は、非常に有意義なものであると考えます。  そこで、質問させていただきます。  質問一、本県における読み聞かせや小・中・高校生の読書の状況と、より一層の読書習慣づくりへの取組について、教育長にお伺いさせていただきます。  質問二、学校図書館や読書指導に関する実践として、どのように取組を行っているのか、教育長にお伺いさせていただきます。  以上で一般質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(西川昭吾君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、地域公共交通に対する支援策についてであります。  新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出自粛が要請される中、公共交通機関は社会経済活動を維持するため事業継続を求められたことから、五月の鉄道の運輸収入が約七割減、路線バスの利用者数が約六割減、フェリー・旅客船利用者数が約八割減となるなど、ことでんをはじめ、県内の公共交通事業者は大変厳しい経営環境に置かれていると認識しております。  このような状況の中、各交通事業者は、それぞれの業界団体が作成したガイドラインに沿って様々な感染防止対策に取り組んでおり、県としましては、まずは、こうした交通事業者の感染防止対策を支援し、県民の皆様に安心して公共交通機関を御利用いただけるよう、今定例会にその支援に係る補正予算案を御提案しているところであります。  これに加えて、今回の補正予算案では、本県の社会経済活動の回復や感染症に強い香川づくりに資する積極的な取組を支援するため、前向きに頑張る事業者を応援する総合補助事業を御提案させていただいており、こうした制度の活用を含め、各事業者の状況などに応じたきめ細かな対応を行ってまいりたいと考えております。  今後、新型コロナウイルスの影響を受けた県内経済の回復を図り、総合的な経済・雇用対策を推進するために設置した香川県新型コロナウイルスにかかる経済・雇用対策ワーキングチームにおいて、関係者へのヒアリング等を通じて実態把握を行うとともに、これまで実施された経済対策の整理・分析を進めた上で、地域公共交通の維持・存続に向けた県の役割についても早急に検討してまいります。  私といたしましては、公共交通機関における感染拡大防止対策を支援し、利用者の安全・安心を確保することで利用者数の回復につなげるとともに、引き続き国による支援制度の創設等を強く求めつつ、地元市町や関係機関と連携し、県の果たすべき役割を明確にした上で必要な対策を実施することにより、地域公共交通の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、地球温暖化問題についてであります。  近年、記録的な豪雨や猛暑など、国内外で深刻な気象災害が多発しており、各国の政府から推薦された科学者が参加する国際的組織である気候変動に関する政府間パネルの報告書では、今後、地球温暖化の進展に伴い、こうした気候変動の影響によるリスクがさらに高まることが予測されております。  こうした中、気候変動対策につきましては、国連総会で採択された国際社会が持続可能な社会づくりを実現するための目標であるSDGsの十七の目標の一つに位置づけられるとともに、国が策定したSDGsアクションプランにおいても、国内で特に力を入れて取り組むべき優先課題の一つに挙げられており、気候変動の要因となる地球温暖化につきましては、SDGsの達成に向けて対処しなければならない重要な課題の一つであると認識しております。  このため、県では香川県地球温暖化対策推進計画を策定し、「地域から取り組む地球環境の保全」を基本目標に掲げ、省エネルギー行動の拡大や再生可能エネルギーの導入促進などに取り組んでおりますが、こうした取組には、議員御指摘のとおり、県民の皆様の御理解と御協力が必要であり、気候変動への危機感を示し、緊急行動を呼びかける気候非常事態の宣言により、県民の皆様の意識の醸成を図ることは有用であると考えております。  一方で、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を大幅に削減するためには、国のエネルギー政策の動向や革新的なイノベーション技術の開発などに負うところが大きいことから、まずは国全体として取り組む必要があると考え、全国知事会等を通じて要望・提案を行っているところであります。  こうしたことから、議員御提案の気候非常事態の宣言につきましては、私といたしましては、引き続き国に対しより一層の取組を要望するとともに、先般、全国知事会に設置された先進的な事例を持ち寄り、地方が取り組むことができる対応を検討し、目指すべき姿を国に提示することなどを目的としたゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチームに参画する中で、先行自治体の取組状況も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。  次に、観光施策の推進についてであります。  新型コロナウイルス感染症の影響により県外への旅行が控えられる中、県民の皆様を対象に、県観光協会において先月十九日から開始した県内宿泊助成キャンペーンは、予想を上回る多くの御利用をいただいており、宿泊施設からは、県内観光を楽しまれるお客様も多いと伺っております。  議員御指摘のとおり、本県には古くからの観光地や歴史的資源、新しい観光施設、文化芸術スポットなどが数多く存在し、これらに地元ならではの食や体験を組み合わせると、県民の皆様が地元の宝を再認識できる旅になっているものと存じます。  県では、これまでも各市町や観光関連事業者、住民の方々と連携し、香川せとうちアート観光圏事業やまち歩き事業に取り組み、地域で育まれた文化や歴史、風土、食などの魅力を体験し、地域のすばらしさを深く知ることができる周遊コースの造成を行っており、今後一層、観光客の満足度を高め、滞在時間の増加や再来訪につなげるための観光資源の磨き上げに努めてまいります。  コロナ禍終息後の観光施策につきましては、新たな観光需要を的確に捉え、観光の大きな転換期に対応していくことが重要であり、質を重視した滞在コンテンツの充実等により、香川ブランドの価値を一層高めていく必要があると考えております。  また、インバウンド需要の早期回復に向け継続して取り組むとともに、観光施設等における多言語表記や地域通訳案内士の活用など、受入れ体制の一層の充実に努めてまいります。  私といたしましては、今後の観光のトレンドを見極めながら、高付加価値で持続可能な観光地域づくりを推進し、地域の活力を高めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(西川昭吾君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、本県における理系・技術系人材の育成についてであります。  まず、高校生ものづくりコンテストにつきましては、四国ブロック大会において、旋盤作業や自動車整備など六部門の競技に出場しており、平成二十九年度には、測量の部門で多度津高校が全国大会に出場しております。  また、生徒が学んだ技術や技能を競い合う大会として、例えば、高校生ロボット相撲全国大会において、最近の五年間に観音寺総合高校が複数の部門で計六回、高松工芸高校が一回優勝しております。さらに、一般の方も出場する全日本ロボット相撲全国大会では、昨年度に観音寺総合高校が優勝しており、全国から注目を集めております。  中学校においても、科学に対する探究心や創造性を育むことを目的とした科学の甲子園ジュニア大会において、昨年度、県の選抜チームが全国三位に入賞しております。  ロボット競技大会に出場した生徒の中には、その後、工業科の教員として後進の指導に当たっている者もおります。また、中学校、高等学校の理系教員には、教育学部以外の理系学部を卒業した者も多く、中には大学院において高度な専門的知識を身につけた者が毎年のように採用されており、本県の理系人材の育成に寄与しているところであります。  理系人材の育成には、教員からの学びや授業での実験・実習などを通して児童・生徒が理系分野に興味・関心を持つとともに、小・中・高等学校における科学体験発表会や各種競技大会での経験やスーパーサイエンスハイスクールなどの理系教育により、意識を高めることが重要と考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも優秀な教員を確保し、新学習指導要領においても重点項目とされている理数教育の充実に努めるとともに、教科横断的な学習活動を通して児童・生徒の科学的思考力を高めることにより、将来の有為な理系人材の育成に一層取り組んでまいります。  次は、読書習慣づくりについてであります。  平成三十年度に県教育委員会が実施したアンケートによりますと、一か月間に一冊も本を読まなかった子供の割合は、幼児から小学生までは数%ですが、中学生が二九%、高校生では三九%となっており、幼少期には読み聞かせを含め、ある程度本を読んでいるものの、中学生で三人に一人、高校生では五人に二人が全く読書をしない状況となっております。  このため、中学校や高校において読書を推進する期間を定期的に設け、自発的な読書を促したり、朝の読書などの一斉読書に取り組んだりしているほか、「香川の子どもたちに読んでほしい百冊」の推薦図書の紹介や、高校生が本の魅力について書評を戦わせるビブリオバトルの開催などの取組を通じて、読書習慣の形成に努めているところです。  また、学校図書館については、学校司書を中心とした運営体制が整ってきており、児童・生徒が自主的に読書に親しめる環境づくりが進められております。  各学校では、学校図書館に自分の好きな本を紹介するコーナーや季節の行事に応じた本を特集するコーナーを設けたり、置いてほしい本を生徒が選ぶブックハンティングを取り入れるなど、工夫を凝らした読書指導が行われています。  子供にとって読書は、言葉を学び、感性を磨き、表現力や想像力を高め、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであり、県教育委員会といたしましては、次期教育基本計画の中でも子供が読書に親しめる環境づくりをしっかりと位置づけ、生涯にわたって読書に親しむ習慣を身につけられるよう、一層取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(西川昭吾君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時四十五分休憩                         午後 一時  七分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    十  河     直 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    樫     昭  二 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    西  川  昭  吾 君    山  田  正  芳 君    綾  田  福  雄 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   大  山     智 君           政 策 部 長   淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    土  岐  敦  史 君           商工労働部長    近  藤  清  志 君           交流推進部長    佐  藤  今日子  君
              農政水産部長    新  池  伸  司 君           土 木 部 長   西  川  英  吉 君           知事公室長     尾  崎  英  司 君           危機管理総局長   寺  嶋  賢  治 君           文化芸術局長    小  川     剛 君           子ども政策推進局長 吉  田  典  子 君           会計管理者     田  中  一  裕 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会委員   泉     雅  文 君           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   岡     興  司 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     豊  島  正  人 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ───────────────────────────── ◯副議長(十河 直君)再開いたします。  次の質問者は山田正芳君でありますが、議場に現在しておりませんので、会議規則第五十四条第五項の規定により、通告は効力を失いました。    ───────────────────────────── ◯副議長(十河 直君)一般質問を続行いたします。  樫 昭二君。    (樫 昭二君登壇、拍手) ◯樫 昭二君 このたびの九州豪雨、本州各地での豪雨により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げまして一般質問に入ります。  まず初めに、知事の政治姿勢について三点お尋ねします。  第一は、新型コロナ危機からの県民の命と暮らしを守る政治への転換についてです。この間、知事をはじめ理事者の皆さん、職員の皆さんの日夜分かたぬ奮闘に心より敬意を表します。  さて、日本学術会議の会長であり、ゴリラの研究で有名な山極寿一京都大学総長は、「新型コロナウイルス感染拡大が明らかにしたことは、地球の環境破壊を抑えないと、気候変動の問題だけでなく、感染症の蔓延をもたらし、経済、社会に大きな被害をもたらす」と述べ、さらに、「資本主義は利潤をあくまで追求し、自然破壊をためらわない」、「違うやり方を入れていかないと世界はもたない。コロナ禍の下で、誰もが資本主義は限界だと感じているのではないか。」と警鐘を鳴らしています。浜田知事はこのことをどう受け止めておられますか、お尋ねします。  山極京大総長の言うとおり、今、新自由主義が世界を覆い尽くし、格差と貧困の異常な広がりは、誰の目にも新自由主義の破綻が明らかになり、政治の転換が強く求められています。コロナ危機は日本と世界の在り方を問うものとなっていますが、この危機から県民の命と暮らしを守る政治への転換について、知事の御所見をお伺いいたします。  第二は、全国で進む気候非常事態宣言についてです。  今、世界中で気候非常事態宣言を行う国・自治体が増え、日本の自治体にも広がっています。目前に迫った人類の危機を正しく認識し、世界が一致協力して解決に当たらなければならないと、昨年三月にノーベル賞受賞者を含む幅広い分野の三百十六名の賛同者とともに、全国の自治体首長に対する気候の非常事態を宣言し動員計画の立案実施を求める請願が発表されました。  さらに、昨年九月、日本学術会議からも、山極寿一会長の会長談話として、地球温暖化への取組に関する緊急メッセージが出され、その中では、将来世代のための新しい経済・社会システムへの変革が早急に必要であることが指摘されました。  こうした動きの中で、環境省はホームページで、地方公共団体における二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況を公表していますが、それによりますと、六月二十五日現在、東京、京都、大阪など百一の自治体が表明しており、そこに住む人口は約六千三百八十六万人で、日本の総人口の過半数を超える勢いとなっています。  しかし、残念なことに、国際NGOであるCEDAMIAの国際的な共通ルールを基にカウントされた宣言自治体は、日本では三十二自治体しかリストに掲載されていません。例えば、東京都は、「直ちに行動を起こすという内容が含まれていない」、群馬県では、「原因が人間の社会経済活動にあるという認識が明確でない」という理由からです。  私は、以上の立場から、全国に本県も後れを取ることなく、国際的に認定されている気候非常事態宣言を行うべきでないかと思いますが、知事の決意をお伺いいたします。  第三は、第二波に備え、医療・検査の抜本的強化と暮らしと営業を守り抜くことについてです。  日本の人口当たりPCR検査数は、諸外国に比べ桁違いの少なさです。韓国は日本の八倍、米国は十四倍、欧州諸国は二十から三十倍です。第二波に備え、再度の緊急自体宣言を回避するためには、一、感染が疑われる人や濃厚接触者を速やかに検査する。二、医療・介護・福祉従事者と入院患者、入所者への検査を積極的に行う。三、感染の広がりを把握する抗体検査を広く行うことが重要です。  ところが、国の第二次補正予算では、PCR検査体制の整備は三百六十六億円にしかすぎません。一桁違います。数千億円での予算確保を国に対し強く求めるべきです。知事、お答えください。  また、病院・診療所の経営難による医療崩壊を起こしてはなりません。本県では、病院・診療所や介護施設などへの支援、医療・介護などの従事者への慰労金を支給することは評価できますが、私は、国に対して医療機関や福祉施設への減収・負担増に対する補償を強く求めるべきと思いますが、お答えください。  さらに、自民党政治の下で医療や社会保障費が削減され、我が国の保健・公衆衛生の体制は大きく弱体化させられ、本県も例外ではありません。保健所の予算を増やし、人員・体制を緊急に補強し、定員増を行うこと、環境保健研究センターの予算・体制を抜本的に拡充すべきと思いますが、お答えください。  さて、この間、「自粛と一体の補償を」という大きな国民の声が政治を動かし、一律十万円給付、持続化給付金雇用調整助成金の日額上限額と助成率の引き上げが実現し、家賃補助や困窮する学生への支援も不十分ながらも前進しました。しかし、なお改善すべき問題が多く残されています。最大の問題は、支援が現場に届くのが決定的に遅く、失業や倒産、廃業が増え続けていることです。  政府の新しい生活様式の呼びかけとは、新しい自粛要請にほかなりません。今求められているのは、雇用調整助成金持続化給付金、家賃支援など必要な支援を迅速かつ確実に届けることだと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねします。  特に持続化給付金の対象とならない五〇%未満の売上げ減の事業者に対する支援ですが、前向きに頑張る事業者を応援する総合補助事業七億五百万円は、新たなビジネス展開や非対面ビジネスモデルの構築など、中小業者にはハードルが高いのではないでしょうか。もっとハードルを下げ、利用しやすい事業とすべきと思いますが、お答えください。  今、学生の五人に一人が退学を検討しているという状況です。ところが、本県独自の大学生等応援給付金は、三千百万円余の予算で奨学金等を受けている学生五百五十六人分です。県内の各大学とも連携し、困窮する全ての学生への支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。なお、国の学生支援緊急給付金の対象は四十三万人分で、学生の一割強にしか届きません。国に対し抜本的見直しを強く要望すべきと思いますが、お答えください。  次に、教育問題等について五点お尋ねします。  学校の全国的な再開から一か月が過ぎましたが、新型コロナウイルスと長期に共存する時代、いわゆるウィズコロナの下で学校の改革が多くの点で求められています。  第一は、子供一人一人を大切にする手厚い教育についてです。  学年の締めくくりと新たな学年のスタートの時期の三か月もの休校は、子供に計り知れない影響を与えています。ネット教材に取り組んだ子もいれば、勉強に手がつかなかった子もいます。長期の休校は学習の遅れと格差を広げました。また、各種のアンケート調査にも見られるように、「友達と会えない」、「学校に行けない」、「外で遊べない」など、かつてない不安とストレスを子供たちに与えています。家庭内のストレスの高まりは、児童虐待の増加をもたらしています。子供の本音を受け止め、抱えた不安やストレスなど、子供たちの心身のケアをしっかり行うことは、学びを進める上での前提です。かつてない学習の遅れと格差に対しては、子供一人一人に丁寧に教えることが欠かせません。私は、今必要なのは、子供一人一人を大切にする手厚い教育だと思いますが、教育長の御所見をお示しください。  第二は、子供の実態から出発する柔軟な教育の必要性についてです。  例年どおりの授業をするため土曜授業、夏休みや学校行事の大幅削減、七時間授業で授業を詰め込むやり方では、子供たちに新たなストレスをもたらし、成長をゆがめ、学力格差をさらに広げることになりかねません。  今必要なのは、学習内容の精選です。教科書全てを駆け足で消化するやり方では子供は伸びません。私は、子供たちをゆったり受け止め、人間関係の形成、遊びや休息をバランスよく保障する柔軟な教育が必要だと思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  なお、そのためには、国に対し、学習指導要領の弾力化を県教委として求めるべきと思います。併せてお答えください。  第三は、身体的距離の確保と矛盾する四十人学級についてです。  国の新しい生活様式で求められている身体的距離の確保は、できるだけ二メートル、最低でも一メートル空けることを基本としています。しかし、現在の四十人学級では、二メートル空けることはおろか、一メートル空けることも不可能ではないでしょうか。  本県では、小学校一年から四年、中学一年は三十五人以下学級ですが、それ以外の学年は四十人学級のままです。身体的距離の確保を新しい生活様式の重要な柱として社会全体で取り組んでいるときに、教室を例外とすることは重大な問題だと思いますが、いかがでしょうか。  さらに学校は、感染症対策として、毎日の消毒、清掃、健康チェックなど、今までにない多くの業務が生じており、第二波に備え、教員と各家庭との間にオンラインの整備を進めることも重要だと考えますが、お答えください。  第四は、教員の大幅な増員と教育条件の抜本的整備についてです。  子供たちへの手厚く柔軟な教育のためにも、感染症対策のためにも、学校の教職員やスタッフを思い切って増やし、二十人程度で授業ができるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。  日本教育学会は、潜在的な人材のプールも踏まえ、平均一校当たり小学校三人、中学校三人、高校二人の教員を加配する十万人の教員増を提案しています。また、全国知事会など地方三団体は、三日、文部科学相に少人数学級の実現を求める緊急提言を行いました。  私は、今、本県として本当に必要な取組を急いで行い、より質の高い教育を目指す改革を行うべきと考えます。教員の大幅な増員と四十人学級をなくし、全ての学年で少人数学級を実現するなど、教育条件の抜本的整備について教育長の決意をお伺いいたします。  なお、関連して五点目に、学童保育(放課後児童クラブ)への対応についてお尋ねします。  国の省令基準では、学童保育(放課後児童クラブ)の施設の広さは、児童一人につきおおむね一・六五平米、畳一畳分以上、人数規模はおおむね四十人以下と示されています。  ところが、四十人以下で運営されているのは約六割、基準を超えて運営されているところが四割もあると言われています。このように、感染リスクの高い三密を避けることが困難な学童保育(放課後児童クラブ)に子供を通わせることに不安を感じている保護者も多くいます。  また、そこで働く指導員には、不十分な環境で子供たちを守ることができるのかという緊張や重圧、自分が感染するかもしれないという不安も広がっていると言われています。  私は、学童保育(放課後児童クラブ)における感染症対策について、施設の拡充や指導員の待遇改善を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。  また、他都市では施設に対し特別給付金を支給、指導員には激励金を支給する動きが広まっていますが、本県でも行うべきではないでしょうか。併せてお答えください。  次に、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例についてお尋ねします。  私ども党議員団は、拙速に採決すべきではなく、「保護者の責務」や「使用時間の制限」はするべきではないとの立場で反対をいたしましたが、二月定例議会最終日に賛成多数で可決され、四月一日より施行されました。  ところが、この条例制定を進めてきた条例検討委員会は、非公開で議論され、会議録もありません。このような条例制定過程における手続に対し、透明性、公平性に問題があったと県内外から指摘されており、その疑念はいまだ払拭されていません。  私ども党議員団は、自由民主党議員会、リベラル香川の三会派で、県議会への信頼回復を図るための申入れを行い、条例の制定過程における問題点を洗い出し、説明責任を果たすために議会として説明ができる検証をする検証委員会を設置するよう議長に強く求めてきたところであります。  今議会には、県議会として県民への説明責任を果たすことを求める陳情、県弁護士会会長声明を踏まえ、条例の抜本的見直し開始を求める陳情の二件が受理され、パブリックコメントの運用に関する要望も出されており、全国的にも大きな注目が寄せられています。  そこで私は、県弁護士会の会長声明について、知事並びに教育長にお尋ねします。  会長声明の趣旨は、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例の廃止、特に子供の権利及びそれに対応する保護者の権利を侵害するおそれのある本条例十八条二項については即時削除を求めるというもので、以下四点について、その理由と根拠が示されています。  第一は、本条例の立法的事実の欠如について、他の都道府県が特に条例で規制を設けていない中で、香川県において「大きな社会問題になっている」というその事実はないということ。  第二は、インターネット及びコンピューターゲームの有用性について、現代の子供たちにとって知的好奇心や創造性を育むもので、その有用性が考慮されていないこと。  第三は、憲法第十三条の自己決定権を侵害するおそれについて、ネット・ゲームをさせるかどうか、それを指導・管理するのは各保護者の問題であり、公権力が一律の基準を設け、その遵守を求め、義務を課すことは、子供及び保護者の自己決定権の侵害のおそれがあること。  第四は、子どもの権利条約第三十一条及び第十二条の趣旨に違背することについて、子供の成長にとって自由な時間や機会が十分に保障されなければならず、自由に自己の意見を表明する権利の確保が重要で、本条例第十八条第二項はその趣旨に違背しているというものであります。  以上の四点について、知事並びに教育長はどのようにお考えでしょうか。今後、高校生が提訴する動きもあるやに聞いており、香川の教育の在り方が問われることにもなりかねません。明確な答弁を求めます。  次に、国保料(税)の減免についてお尋ねします。  今年度より、国保料(税)が大幅に引き上げられました。二月定例会で我が党の秋山議員が質問しましたが、十四市町で値上げされ、高松市では一人当たり一万五千円、四人家族で七万五千四百円も上がり、高過ぎて払えないとの声が高まっています。  こうした中で、新型コロナウイルス感染症の拡大で仕事や収入が大きく減少し、県民の暮らしはますます大変な状況になっています。厚労省は、五月十一日付で国保料(税)の減免に対するQ&Aを出し、減免制度が実施されることになりましたが、連絡文書が複雑で、通常の減免との違いが明確に認識されていない自治体があると言われています。  減免は、二月から減免申請の月までで最も収入の低い一か月の収入を基準として、前年の月額平均収入と比べ三割以上減少していれば対象となります。既に横浜市や京都市など、この基準で実施しています。  六月十六日、参議院厚生労働委員会で我が党の倉林議員が、減少見込みで減免し、結果として三割以上減らなかった場合でも減免取り消しはせず、返金は求めないのかとの質問に対し、保険局長は、その場合も国の財政支援の対象になることを明確に答弁しました。  以上のことから、減免については、一、最も収入の低い一か月の収入を基準とする。二、見込み違いとなっても返金は求めない。三、国が財政に責任を持つ事業であること。この三点を県は各市町に周知徹底しているのでしょうか。五月十一日に県民向けに出した案内ビラは、「減免や猶予が適用される場合があります」となっていますが、所得により一〇〇%から二〇%まで減免されることを明記すべきです。この点も併せてお答えください。  なお、前年の所得が三百万円以下であれば全額免除となります。条件に合う県民に漏れなく申請してもらうことが重要です。それは、県民の暮らしを支援することであり、市町にとっても収納率アップにつながり、調整交付金増となって国保財政に貢献することになります。逆に申請漏れが多いと、県民の負担も財政的デメリットも増えます。誰一人取り残さない立場で国保の減免をしっかり推進すべきと思いますが、お答えください。  最後に、障害者の就労継続支援事業所とそこで働く障害者への支援についてお尋ねします。  新型コロナウイルス感染症の広がりは、障害者が働く作業所にも大きな影響を与えています。ある作業所は、「観光客向けの土産として、讃岐うどんの包装を業者から受けていましたが、観光客が途絶え、仕事がなくなった。」、また、ある福祉法人は、喫茶店を三店舗運営しており、「売上げ減少は五割以下だが、障害者に休んでもらった時期もある。」、さらに、内職型の作業所では、「三月から五月に仕事が減少した。五割は減っていないが、障害者の工賃が減少し、生活に不安を与えている。」など、切実な声が多く寄せられています。県はこのような状況をどのように受け止めていますか。  私は、障害者の就労する事業所を調査するとともに、事業所とそこで働く障害者への支援を早急に行うべきと考えますが、お答えください。  以上で一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(十河 直君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)樫議員の御質問にお答えいたします。  まず、私の政治姿勢のうち、政治の転換についてであります。  近年、地球環境保全と経済社会活動の両立を図る取組が広がっており、新型コロナウイルスからの経済回復に当たっては、地球温暖化対策をはじめとした環境保全施策により積極的に取り組むことで、将来的に環境と成長の好循環が実現する社会を目指していく必要があると考えております。  今般の新型コロナウイルス感染拡大というかつてない危機に当たっては、県民の皆様の生命と健康、経済・雇用を守ることを第一に、感染拡大防止と社会経済活動の維持・回復に刻々と変化する局面で必要な対策について、より一層のスピード感を持って取り組むことが求められております。  私といたしましては、これらの点を十分に踏まえ、将来を展望し、変化をおそれるのではなく、時代の流れを捉え、新たな課題にチャレンジしながら本県の持続的な発展を目指して、これまで以上に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、気候非常事態宣言についてであります。  近年、記録的な豪雨や猛暑など、国内外で深刻な気象災害が多発しており、このまま地球温暖化が続けば、より一層深刻な事態が生じるのではないかとの懸念から、気候非常事態宣言や二酸化炭素排出ゼロ宣言を行う自治体が増加していることは承知しております。  また、CEDAMIAにつきましては、世界各地での気候非常事態宣言の取りまとめを行っていることは承知しておりますが、詳細までは承知しておりません。  いずれにいたしましても、地球温暖化防止の取組は重要な課題であると認識しており、香川県地球温暖化対策推進計画を策定し、各種施策に取り組んでいるところであり、議員御提案の気候非常事態宣言は、こうした取組を進める上で、県民の皆様の意識の醸成を図る観点から有用であると考えております。  一方で、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を大幅に削減するためには、国全体として取り組む必要があることから、私といたしましては、引き続き国に対し、より一層の取組を要望するとともに、全国知事会に設置されたゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチームに参画する中で、先行自治体の取組状況も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。  次は、第二波に備えた対策についてであります。  PCR検査につきましては、濃厚接触者に限らず、感染が疑われる人も含め検査を実施するとともに、医療従事者や入院患者等につきましても、医療機関の医師の判断により検査が実施されているところでありますが、今後、第二波、第三波に備え、検査体制の拡充が必要であることから、引き続き国に要望してまいります。  また、医療機関や福祉施設に対する財政支援につきましては、厳しい経営状況を全国知事会等を通じて国に伝え、必要な支援策を要望してまいりたいと考えております。  さらに、今後の保健所、環境保健研究センターの人員・体制・予算につきましては、これまでの感染症対応について、庁内に設置した新型コロナウイルス対策検証ワーキングチームにおける検証や、国の新たな専門家の会議や全国知事会に設置された新型コロナウイルス対策検証・戦略ワーキングチームでの議論も踏まえながら検討してまいります。  国の雇用調整助成金などにつきましては、支援を必要とする方々にできるだけ早く届けられるよう、全国知事会を通じ国に要望しているところであります。  前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金につきましては、本県の社会経済活動の回復・活性化や感染症に強い香川づくりの二つの挑戦分野に合致する新たな取組であれば広く受け付けることとし、これにより様々な業種での幅広い取組を支援してまいりたいと考えております。  学生への支援につきましては、国の学生支援緊急給付金の給付をはじめ、給付型奨学金や無利子奨学金の随時の受付が行われているほか、各大学における授業料減免など、本県独自の大学生等応援給付金だけでなく、幅広い支援が行われているものと承知しています。  また、国の学生支援緊急給付金は、その対象要件などから、真に緊急の修学支援が必要な学生に支援ができているものと考えております。  次は、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例についてであります。  議員御指摘の立法事実につきましては、議会において設置した条例検討委員会で条例制定の議論を開始するに当たり、医師などの専門家や学校関係者等からの意見聴取を行うとともに、国や県教育委員会が行ったアンケート結果等を検討した結果などに基づき議論を行ったと伺っており、こうしたことを踏まえ、本条例が制定されたものと認識しております。  また、本条例は、県民の皆様がネット・ゲーム依存に陥らないよう、県や保護者、事業者などの責務・役割や事業者の協力、家庭におけるルールづくりや見直しの目安を定め、依存症につながるような過度の使用とならないよう求めるものと理解しており、インターネットやゲームの有用性を否定しようとするものではなく、憲法の理念や子どもの権利条約に反したものでもないと考えております。  私といたしましては、広報誌等により、ネット・ゲーム依存に関する正しい知識や予防等に関する知識の普及啓発を行うとともに、医療提供体制の充実を図るため、医療従事者等を対象にした研修会を開催するなど、本県の子供たちをはじめ、県民の皆様をネット・ゲーム依存から守るための対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、国民健康保険料の減免についてであります。  新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者の保険料の減免につきましては、厚生労働省からの通知や質疑応答集を各市町に周知しており、議員御指摘の三点のうち、国が財政に責任を持つ事業であることがこの中で示されております。  また、最も収入の低い一か月の収入を基準とすることにつきましては、国に確認したところ、一か月をその基準として算出した年間見込額について合理的に説明できるのであれば、減免の対象となり得るとの回答がありました。  さらに、見込み違いとなっても返金は求めないことを国会において厚生労働省保険局長が答弁されており、これらについては各市町に情報提供いたしたところであります。  県民の皆様への周知につきましては、県のホームページでの掲載のほか、所得による減免割合など詳細な内容につきましては、県内各市町のホームページや市町が行う保険料決定通知に合わせて文書を同封するなど、減免の対象となる方が確実に申請ができるよう各市町と十分に連携を図りながら丁寧に対応してまいります。  なお、そのほかの御質問につきまして、担当部局長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(十河 直君)土岐健康福祉部長。    (健康福祉部長土岐敦史君登壇) ◯健康福祉部長(土岐敦史君)樫議員の障害者等への支援についての御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により、就労継続支援事業所においては、請負先企業等の事業の自粛や発注の減少などにより厳しい状況にあるものと認識しており、まず、県においては受注機会を確保するため、障害者施設等に従事する職員に配付する布マスクにつきまして、香川県社会就労センター協議会を通じて就労継続支援事業所に発注する取組を実施したところです。  また、今定例会において、直近の生産活動収入が相当程度減収している就労継続支援事業所に対し、生産活動の回復に要する経費を補助する補正予算案を御提案しているところであり、この事業を実施する中で、事業所の実態を把握してまいりたいと考えております。  これらの対策を講じながら、障害者の働く場の確保と工賃の向上に取り組むことにより、障害者が住み慣れた地域で生き生きと安心して暮らせる香川の実現を目指してまいります。(降壇) ◯副議長(十河 直君)吉田子ども政策推進局長。    (子ども政策推進局長吉田典子君登壇) ◯子ども政策推進局長(吉田典子君)樫議員の教育問題等についての御質問にお答えします。  放課後児童クラブ、いわゆる学童保育につきましては、密集性を回避するため、新型コロナウイルス感染拡大前よりも広い面積の確保が必要であり、国から、利用可能な教室、図書館等の積極的な活用が通知されたことを受け、本県においても教育委員会と連携して、学校の余裕教室等の活用について各市町からの相談に応じております。  また、職員の待遇改善につきましては、休暇を取りやすい体制づくりに配慮いただくよう各市町に依頼したほか、職員が感染対策について相談できる窓口設置の取組等を実施する市町を支援する予算について、本定例会の補正予算に計上しているところであります。  お尋ねの特別給付金等の支給につきましては、本県独自に実施する考えはありませんが、感染が拡大する中においても、社会において必要となるサービスの提供のため、御苦労をされている現場の状況について、機会を捉えて国に対して伝えてまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(十河 直君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)樫議員の御質問にお答えいたします。  まず、教育問題等についてであります。  再開後の学校運営に当たりましては、子供一人一人に寄り添った対応が必要と考えており、各学校においては、アンケート調査や個別面談によって児童・生徒の声に耳を傾け、スクールカウンセラー等の専門スタッフとともに教職員が一体となって対応しております。  柔軟な教育の必要性につきましては、各学校において授業を進める時間だけでなく、個に応じた指導を行う時間も確保しており、詰め込みにならないよう配慮するとともに、学校行事については、重点化を行うなど学びの保障と人間関係の形成のバランスも考慮しているところであります。  また、学習指導要領の弾力化につきましては、国からは特例的な対応が示されておりますが、より具体的方針を示すことを全国都道府県教育長協議会を通じて国に対して要望したところであります。  再開後の学校におきましては、現行制度の枠組みの中で三密の条件が同時に重なることがないよう工夫することを周知しております。  学校と家庭を結ぶオンライン環境につきましては、遠隔授業等に必要なICT機器や非常時における通信環境がない家庭に対する貸出用モバイルルータの整備など、市町教育委員会と連携し、取り組んでまいります。  教員の増員と教育条件の整備につきましては、少人数指導や少人数学級により、きめ細かな指導の充実を図っているところですが、国に対し、義務標準法の学級編制の標準を改正し、抜本的な定数改善を行うよう要望したところであり、今後、香川型指導体制の見直しを含め、より効果的な指導体制となるよう努めてまいります。  次は、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例についてであります。  立法事実につきましては、県議会において設置した条例検討委員会で、昨年五月に世界保健機関で「ゲーム障害」が正式に疾病と認定されたことも踏まえ、医師などの専門家の意見や様々な調査結果などに基づき種々の検討がなされ、その上で本条例が制定されたものと認識しております。  また、本条例は、子供たちのインターネットやコンピューターゲームの利用が依存症につながるような過度なものとならないよう、保護者と子供が話合い、家庭においてルールをつくることを推奨しているものと理解しており、インターネットやコンピューターゲームの有用性を否定しようとするものではなく、憲法の理念や子どもの権利条約に反したものでもないと考えております。  県教育委員会といたしましては、知事部局や市町教育委員会をはじめ、学校や保護者、関係機関等とより連携・協力を強め、子供たちのネット・ゲーム依存の未然防止や早期発見、早期対応に向けて積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(十河 直君)再質問の通告がありますので、発言を許可いたします。  樫 昭二君。    (樫 昭二君登壇、拍手) ◯樫 昭二君 三点、再質問したいと思います。  第一点目は、気候非常事態宣言についてであります。  知事は、この宣言は有用であるというふうに答弁されましたが、その次のところでは、ゼロカーボンシティー全国知事会のこのプロジェクトチームに加入するというふうな言い方をされましたが、これは気候非常事態宣言をするということなのか、どうなのですか。ちょっと曖昧だったので、きちっと答弁をしていただきたいというふうに思います。  二点目は、教育長は、香川型教育体制を見直すというふうに申されましたが、これは四十人学級をなくして全ての学年で少人数学級を実施するというふうに解釈してよろしいのでしょうか。もう一度答弁をお願いします。  それから、三点目は、ネット条例の件ですが、知事の答弁、教育長の答弁を聞いておりますと、どうもこの弁護士会の会長声明に反論するというか、否定的な答弁に聞こえました。それでいいのでしょうかというふうに私は思います。  このネット条例の問題点の本質というのは、目安とはいえ、この使用を時間制限するというところにあると思うのです。これは憲法に照らして自己決定権の侵害ではないのか、または子どもの権利条約に照らして、保護者と子供の権利を侵害するのではないかと、こういうふうに問われているわけなのです。だから、私は法律の専門家である弁護士会の会長の声明というのは、非常に重いものがあるというふうに考えております。そういう点で、この重さを改めて認識し、再度、この問題で時間制限をするということは問題でないのか、このことについてもう一度、知事並びに教育長に答弁を求めます。  以上で再質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(十河 直君)再質問に対する理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)樫議員の再度の質問にお答え申し上げます。  気候非常事態の宣言につきまして、先ほども申し上げましたが、私といたしましては、県民の皆様の意識の醸成を図る上で有用であると考えておりますが、一方で温室効果ガスの排出の大幅な削減のためには、国のエネルギー政策あるいは革新的なイノベーション技術の開発などに負うところが大きいことから、まずは国全体として取り組む必要があると考え、全国知事会等を通じて要望・提案を行っているところでありますが、引き続き国に対し取組を要望するとともに、全国知事会における各地方が取り組むことができる対応を検討するこのプロジェクトチームに参画する中で、検討してまいりたいと考えております。  ネット・ゲーム依存につきましては、先ほども申し上げましたとおり、県民の皆様がネット・ゲーム依存に陥らないように、県、保護者、事業者などの責務・役割、事業者の協力、家庭におけるルールづくり、見直しの目安を定め、依存症につながるような過度の使用とならないよう求めるものと理解しておりまして、インターネット・ゲームの有用性を否定しようとするものでもなく、憲法の理念あるいは子どもの権利条約に反したものでもないと考えております。(降壇) ◯副議長(十河 直君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)樫議員の再質問にお答え申し上げます。  一点目でございますが、県においては、少人数指導や少人数学級により、きめ細かな指導の充実を図っているところでございますが、次期教育基本計画の策定において、現在の香川型指導体制の見直しも含め、より効果的な指導体制となるようさらに努めてまいりたいと考えてございます。  二点目でございますが、ネット・ゲームの本条例では、利用時間の上限等を目安として示し、家庭におけるルールづくりを推奨するものと理解してございまして、憲法や子どもの権利条約に反するものではないと考えてございます。(降壇) ◯副議長(十河 直君)一般質問を続行いたします。  谷久浩一君。    (谷久浩一君登壇、拍手) ◯谷久浩一君 ここ数日の集中豪雨災害でお亡くなりになられた多くの皆様方に、心からお悔やみ申し上げますとともに、被災されました方々に改めて心からお見舞いを申し上げます。  また、新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波が懸念される中、昼夜を問わず医療体制を確保し、感染拡大防止に御尽力されておられる医療従事者の方々をはじめ御関係の皆様方に、改めて感謝申し上げ、質問に入らせていただきます。  質問の一点目は、危機発生時の業務執行体制に対する職員の意識等についてであります。  今回の新型コロナウイルス感染症の対応については、県としてもこれまでに経験のないものであったと考えますが、対策本部の強化やPCR検査の体制強化、さらには持続化応援給付金の円滑な支給事務のための増員など、感染拡大の防止と社会経済活動の維持・回復の両面にわたり、全庁を挙げて取り組んできたものと認識しており、限られた人員の中で臨機応変に対応したものとして一定評価したいと考えております。  さて、県は、平常時においては、福祉、商工、観光、農林水産、土木といった県民や事業者に向けた業務や政策・総務といった内部管理的な業務など、多岐の分野で仕事を行っております。  今後起こり得る第二波、第三波を想定した人員配置については、新型コロナウイルス感染症対策検証ワーキングチームを立ち上げ、これまでの対応について検証を行っていると承知しておりますが、今回のような多くの県民に影響する危機が発生した場合には、その対応のために業務量が増加する職場や、逆に仕事が進めにくい状況下で業務量が減少する職場もあるのではないかと思います。  県は、これまで厳しい財政状況等を背景に、簡素で効率的な行財政システムの確立を目指す中で、平成二十二年に二千八百人体制を構築し、それ以降も、この二千八百人を基本としながら人事管理を行ってきたものと承知しております。  新型コロナウイルス感染症もそうですが、行政を運営していく過程では様々な危機に直面します。その際の人員配置のあり方については、今議会でも議論がありましたが、私としては、そうした有事を念頭に置いて、日頃から余裕を持った人員体制とすることは、財政上も組織運営上も現実的ではなく、柔軟かつ機動的に人員を配置し、部局横断的な体制を構築して対応していくものと考えております。  そのためには、職員に対して日頃から、「危機発生時には県民の生命や財産を守るため、通常業務ではなく、有事に必要な業務に優先して当たる。また、縦割りを払拭し、部局横断的な応援体制を構築する」といった意識を醸成しておくことも重要だと考えます。  そこで、まず、知事は、危機が発生した際の県庁内の業務執行体制に対する職員の意識の醸成についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。  また、新型コロナウイルス感染症については、その対応は長期戦と言われている中、県民にも新しい生活様式に取り組んでもらう必要があります。  とりわけ働き方改革という観点では、職場における人との接触を減らしたり、通勤時間帯の混雑を緩和したりするため、時差出勤や在宅勤務が推奨されておりますが、県内でもまだまだ定着している状況にはなく、まずは、県自身がしっかりと取り組んでいく必要があると考えます。  在宅勤務は、公務に携わる県などの場合には、窓口対応や現場対応が必要な業務も多く、実施しづらい面もあるかとは思いますが、今年度の予算では、一人一台パソコンを専用の無線回線で庁内ネットワークに接続可能なモバイル型とするとなっており、これにより機材の制約がなくなるということであれば、例えば、第二波、第三波を念頭に置いた訓練として在宅勤務を実施することも考えられます。  現在の新行財政改革基本指針に示されたワーク・ライフ・バランスの推進に加え、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも、時差出勤や在宅勤務を進めるべきだと考えますが、知事は、今後、時差出勤や在宅勤務にどのように取り組むのか、併せてお伺いをいたします。  質問の二点目は、次回の瀬戸内国際芸術祭についてであります。  瀬戸内国際芸術祭は、「海の復権」をテーマに、美しい自然と人間が交錯し、交響してきた瀬戸内の島々に活力を取り戻し、瀬戸内海が地球上全ての地域の希望の海になることを目指して、十年前の二〇一〇年に始まり、小豆島や豊島、直島など瀬戸内の島々と二つの港周辺を舞台に、これまでに三年ごと計四回開催されてきました。  いずれの回においても、世界中から多くのアーティストやボランティアサポーターが参加し、美しい瀬戸内海や日本の原風景が残る島々の町並みを生かしながら、この場所でしか見ることができないような作品を制作・展示してきました。そして、それによって初回から大きな話題を呼び、それ以降毎回、国内外から多くの来場者を集めております。  特に、前回は、二〇一九年一月にアメリカのニューヨーク・タイムズで、「二〇一九年に行くべき五十二カ所」の七番目に「Setouchi Islands、瀬戸内の島々」が選ばれ、その魅力の一つとして、同年四月に開幕を控えていた瀬戸内国際芸術祭二〇一九が紹介されるなど、国内外の大手メディアに多数取り上げられたこともあり、来場者数は過去最高の約百十八万人となり、海外からの来場者の割合も二三%と、前回と比較して約一〇ポイント増加しました。  第五回目となる次回の芸術祭については、昨年十一月定例会において知事が、三年後の二〇二二年に開催したいと考えていると表明され、本年三月三十一日に開催された第二十六回瀬戸内国際芸術祭実行委員会の総会において、二〇二二年の開催が正式に決定されたところであります。  芸術祭は、県や関係市町を含む多くの団体が実行委員会を組織し、役割分担をしながら運営を行っており、県や市町、関係団体の職員はもとより、地域住民から民間事業者まで様々な人が関わっていることから、次回の芸術祭の開催に向けては、新型コロナウイルス感染症をめぐる国内外の状況も十分に踏まえつつ、関係者との調整を丁寧に進めながら、円滑に準備を行っていくことが求められています。  そうした中、先日の総務委員会において現在の検討状況を伺ったところ、次回の芸術祭の基本的事項などを定める取組方針案の取りまとめの作業を進めており、今月二十八日に開催予定の第二十七回瀬戸内国際芸術祭実行委員会総会で了承を得たいと考えているとの答弁がありましたが、まずは、会期や会場といった地元市町と調整を要する部分をどのようにしていくおつもりか、知事にお伺いをいたします。  また、前回の芸術祭では、瀬戸内海や讃岐うどん、丸亀うちわ、香川漆芸、庵治石などの瀬戸内の資源に焦点を当てて地域の魅力を伝える取組や、アジアを中心とした国々のアーティストと連携して地域と世界とのつながりを深める取組、また、瀬戸内海の島々の「食」をアーティストが掘り起こして魅力的な形で提供する取組などが重点プロジェクトとして行われていました。  さらに、高松港周辺では、島から戻ってきてからの時間や船の待ち時間を楽しんでもらうために、夜八時まで鑑賞ができる作品が一部展開されたほか、アジアを中心とした書店や出版社、作家がアート関係の書籍等を展示販売するSETOUTI ART BOOK FAIRが玉藻公園で開催されるなど、新しい取組が行われてきました。  次回の芸術祭においても、引き続き地域の魅力を引き出すような取組に力を入れていくべきと考えておりますが、どのような視点で取り組んでいこうとしておられるのか、お伺いをいたします。  質問の三点目は、集落営農組織の取組への支援についてであります。  去る五月二十二日、土庄町伊喜末で栽培してきた二条大麦が収穫されました。この麦は、伊喜末の遊休地で栽培され、昨年十一月に種をまき、順調に成長して今年収穫を迎えたもので、五アールから約百五十キログラムが収穫されました。  麦は、土庄町の集落営農組織「小豆島陽当の里伊喜末」と、小豆島の産業、しょうゆ、果樹、米などをイメージした商品づくりをしている地ビール醸造所「まめまめびーる」が協力して、小豆島に一〇〇%地元産のクラフトビールを誕生させようと取り組んでいる二条大麦プロジェクトとして栽培されているものです。
     一〇〇%小豆島産のクラフトビールの誕生を目指してスタートした本プロジェクトでは、これまでは発芽試験をクリアできず一〇〇%が実現していませんでしたが、大粒に育つよう収穫時期をやや遅らせるなど工夫を凝らしてきた結果、今年は念願の一〇〇%小豆島産ビールの醸造が始められる見込みとのことであります。  このプロジェクトは、ビールの主原料となる二条大麦を地元小豆島で栽培できないかとのまめまめびーるの要望に、土庄町伊喜末の生産者が応えたもので、県の小豆農業改良普及センターが、まめまめびーると伊喜末の農家をマッチングして始まった取り組みであります。  プロジェクトに取り組んでいるのは、二〇一六年に大阪府から小豆島に移住し、まめまめびーるを立ち上げた中田雅也さんで、二〇一七年にビール麦を栽培してくれる農家を求めて小豆農業改良普及センターに相談したところ、陽当の里伊喜末を紹介され、地元生産者の二人が協力してくれることになったとのことです。  県が仲立ちとなって生産者と加工業者をマッチングし、小豆島産の原料一〇〇%の新しい商品づくりを開始したこのプロジェクトは、県によるマッチングが功を奏した好事例であり、ビール好きの私としても大いに期待しているところであります。  そこで、小豆農業改良普及センターが本プロジェクトにどのように関わってきたのか、また、今後はどのような支援をしていくのか、知事にお伺いをいたします。  また、農業従事者の高齢化や後継者不足が深刻化する中、認定農業者など中核となる担い手が不足する地域において、集落営農組織が果たす役割はますます重要なものとなっています。それぞれの集落においては、地域で抱える課題について話合いの機会を持ち、地域の農業や農地をどうしていくのかという将来像を地域で共有し、集落営農の組織化・法人化についての認識を深めていく必要があると考えます。  平成二十八年度に策定した香川県農業・農村基本計画においては、令和二年度までに集落営農三百五十組織、うち百二十組織を法人化することを目標としており、これまでも組織化・法人化への支援に取り組んできているところであります。  集落営農組織は、営農を全部または一部共同で行うことで、生産体制の効率化や農地の有効利用等を図ることが目的ですが、香川県農業・農村基本計画にも定められているように、地域を支える担い手として持続的な農業経営を実施する集落営農組織の確保・育成を図るとともに、組織の法人化、農地集積による規模拡大、経営の多角化等を促進し、収益性の向上と地域での雇用創出が可能な組織へと誘導していくことが重要であります。  集落営農組織が抱える高齢化や後継者不足などの課題に引き続き対応しつつ、さきに述べた二条大麦プロジェクトの例のように、集落営農組織の活躍の場が広がるような取組が今後も生まれてくるよう、県として引き続き助言や支援をしていくことが求められます。  そこで、集落営農組織が広く活躍するために、県としてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。  質問の四点目は、離島振興への取組についてであります。  私の地元小豆島は、平成二十五年七月に離島に指定され、七年がたちました。  離島は、人口の減少が長期にわたり継続し、高齢化が急速に進展するなど、他の地域に比較して厳しい自然的・社会的条件の下にあります。県内の離島人口は、平成二十二年の三万七千三百九十八人から平成二十七年には三万四千百二十三人と八・七%減少し、これらはいずれも県全体よりも高くなっております。  加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、重症化しやすいとされている高齢者が離島には多いことや、他の地域に比較すると医療体制も万全ではないことから、本来なら歓迎すべき観光客にも島への渡航の自粛をお願いせざるを得ない状況となっていました。  県内では、四月二十日を最後に新たな患者は発生しておらず、現時点では落ち着きを取り戻しつつありますが、今後も第二波、第三波への警戒を緩めず、新しい生活様式を踏まえた経済の活性化に取り組む必要があります。より条件の厳しい離島については、これまで以上の取組が必要になってくると考えます。  先月、県が公表したところによりますと、昨年度の県内への移住者数は千九百七十人、移住世帯数は千四百十世帯、移住相談件数は五千七百十七件となり、いずれも各市町から報告を取り始めた平成二十六年度から過去六年間を通して最多となったとのことであります。  小豆島の現状を見ますと、土庄町は百五世帯百三十七人、小豆島町は百二十三世帯百四十四人と、県内市町では高松市、坂出市に次ぐ多さとなっています。相談件数で見ると、土庄町五百三十八件、小豆島町六百十六件と、高松市に次ぐ件数となっています。ここ数年、島嶼部への移住に対する関心が高まってきていると言われておりますが、今回の調査結果においても、依然として小豆島への移住への関心の高さが表れていると思います。  また、先ほどの質問でも触れましたように、瀬戸内国際芸術祭では、小豆島をはじめ県内の島々に多くの方に訪れていただいております。こうした島ならでは、離島ならではの魅力というものがあり、条件不利地域に対する支援と離島が持つ魅力を生かした活性化策を両輪として振興に取り組んでいく必要があると考えます。  県では、国の交付金も活用しながら、移住・定住の促進や交流拡大に向けた各種事業等を実施していると伺っております。  そこで、本県における離島振興について、条件不利地域に対する支援と離島が持つ魅力を生かした地域活性化策それぞれについて、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。  最後に、マイナンバーカードの普及と利用促進についてであります。  本年四月二十日、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策が閣議決定され、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うため、特別定額給付金事業が実施されることになりました。  制度の内容の決定までには紆余曲折があったものの、最終的には全員に一律十万円を支給する形となり、基準日である令和二年四月二十七日に市町の住民基本台帳に記録されている方を対象に支給されることとなりました。給付申請の受付事務は市町が担うこととされましたが、膨大な申請件数を処理するため、一部の市町では給付までに時間がかかっているところもあるとのことであります。制度の趣旨にのっとり、一刻も早く必要な方へ届けられるよう、各市町において最大限努力されてきたことと思います。  この特別定額給付金の申請方法については、郵送のほか、マイナンバーカードを利用したマイナポータルでのオンライン申請も可能とされていました。  ところが、このオンライン申請をめぐり、申請受付や支払いの現場が混乱しているという話も聞かれました。振込先の口座番号の欄に氏名が記入されていたり、金融機関名が空欄だったり、また、何度も申請しているケースもあるようで、これらをチェックする市町職員の負担は非常に大きなものとなったようであります。誤入力や重複申請のチェックや確認は、職員のマンパワーで対応していることから、特に住民数の多い大規模自治体において、対応可能な能力の限界を超えてしまうケースも生じました。  また、給付金の支給基準日は四月二十七日時点であるため、この日に間に合わせようと転入の届け出が殺到し、オンライン申請の受付が始まると、今度はマイナンバーカードの署名用電子証明書のパスワードを忘れた住民が再設定のために押し寄せるという事態も起きていたとの報道もありました。オンライン申請では、署名または記名・押印の代わりにマイナンバーカードのICチップに搭載されている署名用電子証明書を使用しますが、この有効期間は五年間となっており、二〇二〇年はマイナンバーカードの交付開始から五年目であることから、更新の手続で窓口を訪れる住民も多いという事情も重なりました。こうしたことから、各自治体からのアクセスが集中した結果、地方公共団体情報システム機構(J─LIS)のサーバーが一時的にパンク状態になったとのことであります。  外出自粛が求められていた中で、給付金申請のために市町の窓口が混雑するということは、まさに本末転倒であります。オンライン申請はこうした弊害も生んでしまい、本県では高松市がオンライン申請を五月二十四日をもって取りやめ、郵送申請に一本化しました。  マイナンバーカードの全国における交付枚数率は、二〇二〇年六月一日時点で一六・八%と低い上に、マイナンバーカードを持ってはいたものの、これまで使ったことがないという住民も多く、これがパスワードの再設定をめぐる騒動などを招いた形だと考えられます。  こうしたことを受け、国においては、給付金等の迅速な支給のためのマイナンバーと預貯金口座のひも付けや、マイナンバーカードに運転免許証の機能を盛り込むことなど、機能強化による普及策を検討しています。  私はこれまでも、マイナンバーカードの普及と有効活用の重要性を訴えてまいりました。知事からは、県職員のマイナンバーカードの早期取得を促すことや、各市町に対するマイナンバーカードの交付申請機会の拡大要請、国におけるマイナンバーカードを活用した消費活性化策の周知などに取り組まれるとの答弁をいただいております。  そこで、これまでの取組の成果を踏まえ、より一層のマイナンバーカードの普及と利用促進に向け、今後どのように取り組んでいかれるか、知事のお考えをお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯副議長(十河 直君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)谷久議員の御質問にお答えいたします。  まず、危機発生時の業務執行体制に対する職員の意識等についてであります。  今回の新型コロナウイルス感染症対策につきましては、健康福祉部や商工労働部などに二十二名の職員を兼務発令により増員するとともに、七月八日時点において実人員で三百八十七名の部局横断的な応援体制により対応しているところでありますが、危機発生時において県民の皆様の生命や財産を守るためには、限られた人員の中で、柔軟かつ機動的に人員を配置することが必要であり、そのためには、議員御指摘のとおり、日頃から、職員一人一人が危機発生時の業務執行体制に対する意識を醸成しておくことも重要であると考えております。  また、県が職員の時差出勤や在宅勤務に率先して取り組むことは、県内に新しい生活様式を踏まえた働き方を定着させるための有効な方法の一つであります。  このうち時差出勤につきましては、出勤時刻を午前七時半から十時半までの間に順次拡大し、現在、約三割の職員が利用しており、通勤時や職場における人との接触機会の低減を図る観点から、引き続き取り組んでまいります。  また、在宅勤務につきましては、これまで専用パソコンの台数に限りがありましたが、今年度、職員の一人一台パソコンをモバイル化することで、これまで以上に取り組みやすい環境が整備できるものと考えております。  私といたしましては、今年度が業務執行体制や人材の育成・活用に対する基本的な考え方を定めた香川県新行財政改革基本指針の最終年度であることから、来年度以降の新たな指針を策定することとし、その中で、危機発生時の業務執行体制に対する職員の意識や、時差出勤や在宅勤務をはじめとする新しい生活様式を踏まえた職員の働き方についても検討してまいりたいと考えております。  次に、次回の瀬戸内国際芸術祭についてであります。  第五回目となる瀬戸内国際芸術祭は、二年後の二〇二二年に開催することが決定し、現在、その会期や会場、広報や交通対策の基本的な事項などを定める取組方針の策定に向け、関係市町とも協議しながら検討を進めているところであります。  会期と会場につきましては、第二回の芸術祭から、春、夏、秋の三会期とするとともに、十二の島と二つの港周辺を会場としてきたところであり、次回もこれをおおむね踏襲したいと考えております。  その上で、会期につきましては、混雑が予想される連休との重なり具合や夏場の厳しい暑さなども考慮しながら、来場者が訪れやすい時期となるよう調整し、春はゴールデンウイークが始まる約二週間前の四月中旬から三十五日間程度、夏は八月上旬から一か月程度、秋は九月末頃から三十九日間程度を想定しております。  また、次回の芸術祭では、前回重点プロジェクトとして取り組んだ「香川の特産品」や「島の食」を発展させ、それらを育んできた里海・里山に焦点を当てて、地元市町からの提案などを通じてその魅力を引き出していくほか、広く県内の農水産物を活用して食の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。  さらに、新型コロナウイルス感染症をめぐる国内外の状況等も踏まえ、ICTの活用など新しいつながりの手法も見出しながら、交流の質を高めていくとともに、環境や医療をはじめとした地域の様々な課題に目を向けた作品展開などを進めてまいります。  私としましては、こうした芸術祭の取組により、地域の魅力を最大限引き出し、様々な交流を通じて、来場者にアートの鑑賞だけではない大きな感動を持ち帰っていただけるよう、その方向性を取組方針案にまとめて、今月二十八日に予定している実行委員会総会に諮りたいと考えております。  次は、集落営農組織の取組への支援についてであります。  議員御指摘の二条大麦プロジェクトにつきましては、平成二十八年に小豆島に移住されたビール醸造家から要望を受け、小豆農業改良普及センターが、島内で原料確保ができるよう、麦の栽培経験がある集落営農組織を紹介するとともに、両者のビジョンの共有や相互理解の促進に向けて調整に努めたことにより、関係者の信頼関係が培われ、継続的な取組につながっていると考えております。  一方で、普及センターにおいては、ビール用二条大麦やホップの栽培に関する知見や経験が十分ではなかったことから、先進地からの情報収集や試験栽培等を通じて栽培技術の習得・向上に努め、その結果を基に現場での指導・助言を行ってまいりました。  今後は、一〇〇%小豆島産のクラフトビールの生産に向けて、原材料となる大麦、ホップの品質が向上し、安定栽培ができるよう、引き続き丁寧な指導・助言を行うなど、支援に努めてまいります。  また、集落営農組織が活躍する本プロジェクトのような取組は、農業者の生産意欲の向上だけでなく、その地域全体の活性化にもつながるものと考えております。  このため県では、長期的な集落ビジョンの策定や先進地調査、研修を行う集落営農組織に助成するとともに、各市町等と連携して、集落の核となるリーダーの育成や優良事例の紹介等を行い、集落営農組織を中心に地域での話合いが活発化するよう取り組んでまいります。  今後とも、地域の担い手である集落営農組織が、幅広く、また、持続的に活動できるよう支援に努め、本県の農業・農村の活性化を図ってまいります。  次に、マイナンバーカードの普及と利用促進についてであります。  議員御指摘の県職員へのマイナンバーカードの早期取得の促進につきましては、本年二月に、高松市、観音寺市、三豊市の協力を得て県庁に出張申請コーナーの開設などを行ったところ、県職員の取得率は本年三月末現在、申請中も含め三〇・四%と五か月間で九・三ポイント増加しており、申請機会の拡大については、大半の市町において開庁時間を延長していただいているところであります。  また、県では、最大五千円分の上乗せポイントを付与する国のマイナポイント事業が本年九月から開始予定であることから、これを普及や利用促進の契機と捉え、本年三月、マイナポイント事業の概要やマイナンバーカードの申請方法などを紹介した新聞広告やチラシの全戸配布などを行ったところであります。  一方で、本県のマイナンバーカード交付枚数率は、先月一日現在で一三・九%と全国平均をなお下回っておりますことから、先月からは、新たに新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で、各市町が大型店舗等で行う出張申請に県職員を派遣し、申請機会の一層の拡大を図ることとしております。  また、マイナポイント事業を県内消費の拡大にもつなげるため、商工会議所や商工会等を通じて、事業者にキャッシュレス決済の導入を促しているところであります。  さらに、特別定額給付金のオンライン申請によりマイナンバーカードの認知度が向上していることを踏まえ、マイナンバーと銀行口座とのひも付けの義務化やマイナンバーカードと運転免許証との一体化などについての国の検討状況も注視しながら、県といたしましても、マイナンバーカードの利活用を検討してまいります。  私といたしましては、デジタル社会を早期に実現するため、引き続き県内市町等と連携しながら、マイナンバーカードの普及や利用促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、そのほかの御質問につきまして政策部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(十河 直君)淀谷政策部長。    (政策部長淀谷圭三郎君登壇) ◯政策部長(淀谷圭三郎君)谷久議員の離島振興への取組についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、離島においては、様々な分野で本土との地域間格差が生じていることから、地域の実情やニーズを踏まえた支援を行うとともに、離島が持つ魅力を生かし、交流人口の拡大や移住・定住の促進などにより地域の活性化を図ることが重要であります。  このため、県では、関係市町と連携し、香川県離島振興計画に基づく取組を進めており、これまで県においては、離島への巡回診療や救急患者の搬送に係る支援等を行うほか、各市町においても、本土への通院や通学に係る航路運賃や物資の輸送費用に対する支援等が行われてきたところであります。  また、地域の活性化に向けて、県においては、瀬戸内国際芸術祭の開催に加え、国の離島活性化交付金を活用し、毎年サンポート高松で島との交流を図るイベントを開催するほか、大都市圏での移住フェアや情報誌等で、離島の魅力について情報発信を行っているところです。  さらに、各市町に対して、先進自治体の事例の情報提供や円滑な事業実施に向けての助言を行うことにより、小豆島島鱧の加工施設の整備や粟島での若手芸術家を招聘したワークショップの開催など、交付金を活用した各市町における取組を推進しております。  今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、今後、離島振興に向けた取組を進めるに当たっては、離島の地理的・社会的特性を踏まえ、これまで以上に地域の実情やニーズに応じた支援や対策が必要であると考えております。  県といたしましては、機会を捉え、国に対し財政支援等についての要望を行うほか、引き続き各市町と十分連携しながら、交付金を活用した様々な事業を実施するとともに、関係人口の創出・拡大を視野に入れた取組も進めることにより、離島の振興を図ってまいります。(降壇) ◯副議長(十河 直君)理事者の答弁は終わりました。  県の一般事務に関する質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(十河 直君)お諮りいたします。  委員会審査のため、七月十日を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯副議長(十河 直君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(十河 直君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、七月十三日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時三十一分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....