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令和元年[閉会中]県立体育館整備等に関わる特別委員会[総務部等] 本文 開催日:2019年11月28日

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  1. 香川県議会 2019-11-28
    令和元年[閉会中]県立体育館整備等に関わる特別委員会[総務部等] 本文 開催日:2019年11月28日


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット新田委員長  これより、質疑、質問を開始いたします。 氏家委員  私からは、コンストラクションマネジメント業務について質問します。  基本設計が10月末に終了して、同時にCM業務も終了したということで、今回、業務報告書が出されて、今、教育長から説明がありましたが、改めて、このCM業務の目的と業務所掌範囲、それから今回、このCM業務の中で大変成果があったと思われる点、この3点について、お聞きします。 近藤県立体育館整備推進室長  まず、1点目の導入の目的ですが、この新県立体育館基本設計に当たっては、その重要性に鑑みて、契約の前の段階から、この特別委員会が設置された中で、さまざまな御意見をいただいてきたところです。その中で、施設の機能性、また、アリーナ機能の充実を図るための確認には、高度な技術が必要だということや、特にコストに関しては、外部の専門家によるチェックを細やかに行って、建設工事費が増加しないように、維持管理費も最適化するように設計しなければならないといった御指摘もあり、こうした御意見を踏まえて、昨年の11月に、県としては、発注者の立場に立って、専門業者としての助言を受けるため、コンストラクションマネジメントを取り入れるということで補正予算を認めていただいて、3月から実施したところです。  その後、今までの県議会の御指摘コンストラクションマネジメント業者に伝えながら、機能性の確保、また、概算工事費コストコントロールにも努めてきたところです。  それから、2点目が、業務所掌範囲であったかと思いますが、大きくは基本設計の品質の管理や、コスト管理を対象としていて、設計者からの設計案等に対して、専門的な知見から県に対して助言するということで進めてきたところです。  進め方としては、県と設計業者コンストラクションマネジメント業者の三者で協議を進めながら、これまで基本設計を進めてきたところです。  品質管理については、まず、設計内容が、県が策定した基本計画に沿ったものになっているかどうか、この要件が満たされているかどうか、必要な機能が満たされているかについて、確認して御報告いただいていますし、コスト管理としては、設計者設計に対してさまざまな視点から検証を行って、単に工事費だけでなく、維持管理費などの視点も含めて、それが適切であるかどうかについても意見をいただいているところです。  それから、どのように評価するか、効果があったのかについてですが、例えば、コスト管理に当たっても、先ほど申し上げた協議の段階において、例えば、こういった項目については、見込みをもう少し見積額として見込むべきでないかといったことや、項目についても、こういった項目を足しておくべきでないかといったことが途中段階でもCM業者から話があり、実際、設計業者において見積もりを見直したこともありますので、より実勢価格に近づいた工事費の積算になってきていると思いますし、機能についても、さまざまな御意見を受けて高めてきたところです。 氏家委員  この業務報告書を読ませていただきましたが、その中に、いろいろと指摘した事項などがあります。その中で、一番我々も心配しているのは、コスト面です。例えば、8ページで、「5%程度面積縮減する」など、さまざまなコスト縮減を行っていますが、これについては、いろいろなところに書いていて、理解が十分にできないところもありますが、このコスト縮減で、今の5%を含め特に力を入れたところや、変更になったところについて、簡単に説明いただきたいと思います。 近藤県立体育館整備推進室長  設計段階機能面、また、コストの面も含めて見直しを行ってきたところです。コストの面で見直したところを何点か申し上げますと、メーンアリーナサブアリーナは、もともと楕円形でしたところを正円にして構造の合理化を図り、それによって面積も小さくしています。それから、例えば、武道施設多目的ルームについても、楕円形を長方形にすることによって、コスト縮減しながら3分割にも対応しやすくしております。それ以外に、屋根材についても、提案チタン亜鉛合金からステンレスシーム溶接工法に変更するとか、外壁部分についても、完全な曲面ガラス壁から平面ガラス壁に変えるなどの見直しをしています。  これまで、さまざまな県議会からの御意見や御指摘をいただいた部分について、検討して、コストを抑え、機能性を高めたということです。 氏家委員  今、楕円形を円形にするとか、外壁ガラスを平面にするとか、屋根材チタン亜鉛合金からステンレスに変えたといったことを御報告いただいたのですが、これは、今まで我々がこの委員会で御指摘を差し上げたところでして、あたかもCM業務でといった話になっていますが、そうではなく、我々の指摘を受けてといったこともあったのですが、それが今まで全然返答がなかったわけです。そして、あるところで急に変えましたといった感じになっているので、そこについては十分に反省してもらいたいと思っていますので、よろしくお願いします。  それで、最後のページの「コスト縮減」で、「太陽光発電クールヒートチューブコストパフォーマンスを踏まえて中止となり」とあります。ということは、予算内におさめるために、イニシャルでなく、ランニングコストが大幅に上がるのではないかといった懸念がありますが、そのあたりについては、どのように評価されているか、教えてください。 近藤県立体育館整備推進室長  年間の維持管理費についても、このコンストラクションマネジメント業務において、さまざまな観点から見てきたところです。必要なものについては、多少イニシャルコストがかかっても適用することも、CMと話をしながら入れてきたところですが、この2つについては、コストパフォーマンスと書いていますが、費用対効果を見て削減したということです。 安藤営繕課長  太陽光発電は、委員も大体イメージいただけるかと思いますが、太陽の光を利用して発電を補助するといった機能です。  それから、クールヒートチューブは、外気のほうが気温が低く、内部を多少冷房等したいときに、外部の空気を取り入れて、内部の空調負荷を下げるというものになります。こちらについては、クールヒートチューブを入れるために、ピット等を新たに設けなければならず、いわゆるイニシャルコストがかかる部分があります。一方で、外気を取り入れることによって空調負荷は多少軽減できますが、空調の低減とイニシャルコストのプラス・マイナスを考えたときに、確かにランニングコスト部分では一定削減になりますが、イニシャルコストの負担をトータルで考えると余り優位性はないということで、総額の圧縮の問題もありますが、そういった中で計画の中止という判断をさせていただいたものです。 氏家委員  クールヒートチューブについて、やめたことによるイニシャルコストの低減とランニングコストの増加を比較して、やめたほうが安いという判断なのですか。ということは、金額が出ていると思いますが、その金額がわかれば教えていただきたいと思います。 安藤営繕課長  細かい数字については、今、手元に持ち合わせておりませんので、お答えいたしかねますが、躯体について地下部分工事がかなり大きくなりますので、イニシャルコストはかなり大きなものが削減されたということになります。今は、数字は持ち合わせていません。 氏家委員  この報告書を見ていると、実施設計で詰めないといけないとか、いろいろありますが、我々も基本設計実施設計の違いぐらいはわかりますので、当然のことですが、実施設計で詰めないといけないというのは、基本設計で足りていないと判断すべきなのか、当然のことを当たり前のように書いているのか、どちらなのか教えていただきたいと思います。
    近藤県立体育館整備推進室長  この実施設計において詰めることについては、一通り全て検証はさせていただいたのですが、内容としては、基本設計では終えているということで、この先、実施設計においてやっていくということで、基本設計の積み残しではないと考えています。 氏家委員  ということは、別に書かなくてもいいということです。実施設計基本設計は、全然レベルが違います。私が読むと、それを書いているところと書いていないところがあります。書いているところについては、基本設計項目が足りないのではないかと判断しますが、書いているところと書いていないところがあるのはなぜですか。 近藤県立体育館整備推進室長  項目によっては、確かに書いているものと書いていないものとがありますが、それはCM業者として、実施設計で留意すると考えたところで、CM業者報告書留意事項として入れているものと解釈しています。 氏家委員  数字が余り出てきていないところに不安があります。一番大きいところは、7ページの上の「基本設計全体」になりますが、「評価委員会において評価したポイントのニュアンスが適切に継承されているかについては、最終的には県において判断されるもの」と書いています。県としてはどのように判断しているのか、教えてください。 近藤県立体育館整備推進室長  ここに書いているのは、プロポーザルの当初の趣旨と合っているかどうかを、コンストラクションマネジメント業者意見を求めたことについての報告です。  私どもとしても、この設計は、プロポーザル趣旨の範囲内であるということを、常に意識しながら取り組んできましたし、いろいろと設計で変更した部分はありますが、それは常にプロポーザル趣旨を意識して、十分留意して行ってきたことです。プロポーザル趣旨は、この基本設計においては守られていて、提案されて、そこで評価されたポイントも同様に尊重してきましたので、守られていると全体として考えているところです。 氏家委員  守られているか守られていないかは、県としてとか我々としてとか、いろいろと受け答え方で全然違うと思います。例えば、高低差が上がって、周りから出入りがしにくくなっているとか、体育館の形が変わっているとか、屋根材材質が変わっているとかは、我々からすると、大きく逸脱していると判断しますが、県のほうでは逸脱していないという判断だろうと思います。そこについては、平行線になりますから、あえて指摘はしません。  最後に意見だけですが、説明資料の15ページです。杭打設増額分も入れて、工事費が182億円になっています。中を読むと、5%ぐらいの増減はあるとのことですから、5%ふえると190億円を超えます。そこについては大丈夫かというのが一つです。それから、いつも言っていますが、170億円の根拠が、近隣の同程度の体育館平米当たりの単価に3万平米を掛けていますが、我々はいろいろと調査、研究、視察もさせていただき、御指摘もいただきました。その中で、デザインを重視した場合、当初の予算よりかなりかかるというのは、どこに行ってもそのような感じであり、例えば、倍近くになったとか、建設を断念したとか、入札不調が結構あるとかといった形になります。デザインを重視するのであれば、平均的な体育館の単価ではなくて、それにプラスアルファのデザイン料を足さないと現実的には無理だと思います。それを一般的な金額に抑えるのであれば、次に何を抑えるかというと、デザインを重視するのであれば、機能性を落とすしかないというところで、このCM業務にしても、5%減らしたり、ランニングコストに影響するものを外したりといった形で、デザイン上昇分をオンしているとしか見えません。  先ほど言いましたように、5%ふえても190億円以内におさまるように、何とかつじつまを合わせている状況になっています。前々から指摘しているように、そもそもアリーナ交流エリアが一体となった空間になっているものが、全国的にも今までないわけでして、なぜないかというと、使い勝手が悪いからないのだと思っています。これを香川県で実験する必要はないと思っていますので、前回申し上げましたが、いま一度立ち返って考えていただきたいと要望して、質問を終わります。 大山委員  コンストラクションマネジメントについては、後から質問します。  今の氏家委員質問の関連で少しだけ言わせてもらいますが、もともと第1次募集のときに、何でこんなことをするのかと言うぐらい視野を広げたような10分の1要件でやりました。我々は、デザイン重視でやるのではないかといった指摘を途中でもしましたが、そうではなく、大きく募集をしたいから、公募要件を小さくしたと言って逃げてきました。  これは公開プロポーザルをしています。公開プロポーザルではどういったことをしたのかというと、それぞれの業者に具体的な模型をつくらせて、その模型で説明をさせて、こういったコンセプトや形でやりたいといった具体案を示させ、我々もそれを見ました。だから、普通のプロポーザルではなく、公開でのプロポーザルをしているわけです。  公開で行って、我々が見たときに、これは完全にデザイン重視になってしまうのではないか、そうすると、他県の事例のように、どんどん値段がつり上がってしまう可能性があるので、特別委員会でその点を指摘させていただいて、機能性を重視してくださいと言ってきました。その段階皆さん方が考え直すかと思いましたが、この選んだ案で、予算内でいけると皆さん方が主張したのです。主張したから、我々は、それはできないと言ってきました。先ほど、御指摘いただいた点を改良したと言いましたが、それは違います。  我々は当初から言っていますが、このプロポーザルのときに、教育長が何回も、SANAAにもほかの業者にも、提案した案は予算内でできるのですかと質問をしているのです。質問をした上で、設計業者はできますと言いました。我々もはっきりと聞きました。新田委員長も一緒にいましたが聞いています。  ですが、我々は、この大屋根を、この材質で、それもヨーロッパからの材質ではできないと何回も指摘しているのです。それは、これを変えてくださいという指摘ではなく、本当にこのプロポーザルで選ばれた案のとおりのものができるのか、プロポーザル趣旨を反映したものができないでしょうと我々は言ってきたのですが、それに対して、営繕課長を含めた皆さん方は、技術的にもできると、今までずっと言ってきたのです。  それから、ガラス面は我々が指摘して変えたのかもしれませんが、それは違います。我々は指摘したのではなく、こんなガラス面でやれば大きなお金がかかるから、170億円では無理でしょうと指摘したのです。でも、技術的にできると言いました。そういったことを基本設計で進めようとしたから、特別委員会で、コンストラクションマネジメントできちんと確認してくださいと言いました。そして、私の指摘に対して、そんなにコストはかからずにできると言っていたので、そのまま書くと思っていました。ですが、いつの間にか我々が指摘したことを全部変えていって、しかも、コンストラクションマネジメント業者と三者が共同で話し合いをして、この案に落ちつきましたと言っていますが、おかしいのではないですか。  私は、できないと指摘しておきます。我々は専門家ではないので、専門家コスト面においても機能面においてもできるかどうかを確認してくださいというのが、コンストラクションマネジメント趣旨だったのです。そのとおりにやるということだったのです。  それが、今になって、三者で話し合いをしたら、3万平米の大屋根は2万3000平米に減りました。チタン亜鉛合板ステンレスになりました。それは、予算170億円のコスト縮減のためにやりましたと胸を張って言っていますが、そんなことは、プロポーザルで決定したときから、私が、こんなことはできないと言ってきたことが、結局、できなかったということなのです。そうではないのですか。  結局、要らないものをどんどん追加したり、もともとのコンセプトを崩したりしています。そもそもプロポーザル段階から、これはおかしかったのです。それで、最終的に私が何を言いたいかというと、結局、これはできなかったということです。当初のSANAA案公開プロポーザルで示したあの模型はできなかったのです。私が指摘したところを全部削らなかったらできなかったということですから、私の指摘が合っていたということになるのです。  プロポーザルは、本来、設計業者を決めるものです。デザインは100%変えても構わないのです。それを、あくまでもこのデザインでできると言い張ったから、そんなことはできないと言うこちらと議論をしていたのです。それなら、最初からSANAAに言って、デザインを議会とも折り合いがとれるように箱形にするとか、曲面でなくするとか、全面的に変えていいということでやってくれていたら、我々とも折り合いがとれていたのです。それを、できると言って延ばして、基本設計まで持っていって、契約前に我々が契約すべきかどうか考える必要があるのでないかと言っていたのに、できるから契約させてくださいと言って契約したのです。  結局、SANAAプロポーザル段階で他県と同じように価格がつり上がるような無理な案を出してきていたのです。それを無理やり選んで、この業者は妥当でした、コンストラクションマネジメントをしたら単価が落ちましたというのは、おかしいのではないかと思いますが、どうでしょうか。 近藤県立体育館整備推進室長  県としては、プロポーザル提案があり、それに対して機能性利便性の確保・向上、予定の概算工事費をとにかく守る、プロポーザル趣旨の範囲内で行うといったことで進めてきたところです。そういった中で、当初から委員指摘屋根材外壁の話、問題点についてもいろいろ御指摘がありましたが、そういった部分にも検証や検討を行って、そのあたりの大きな部分である、屋根材外壁については見直して、コストを下げたところです。 大山委員  その答弁自体がおかしくありませんか。今までの流れは違うのです。これではできないのではないですか、チタン亜鉛合板はこうで、工事費はこのぐらいかかると思います、材質面にしても、海側でつくるには湿度等に弱い材質だから、後からお金がかかってくるのではないのですか、といったことを我々は一生懸命勉強して、その議論をしていたのです。ですが、その議論のときに、営繕課長を初め、そんなことはないといった主張で、きたのです。そこがずっと平行線だったので、そんなことはできないと思いますが、基本設計を契約させてくださいと言うので契約したのです。それで、契約したら、そのあたりが解決するのかと思ったら、どうも解決しそうにないから、コンストラクションマネジメントで、できない部分が本当にできるのかどうかを確認してくださいということで、私がコンストラクションマネジメント提案したのです。  今の答弁は終始そういった答弁です。常に、お互いに真剣に議論をやり合うというのではなく、当たり前のこと、要は逃げの答弁みたいなことばかりで、次に進めようとしか我々には見えないのです。そこのところで、我々議会側と県側とのそごが相当あります。我々は直してくださいと言って指摘したのではないのです。こういうことだからできないでしょうと言って指摘したのです。でも、このまま進めさせてくださいという話でしたから、それではやってみてくださいということで、そのかわり、コンストラクションマネジメントを入れてくださいということだったのです。それが、いつの間にか三者で話し合い屋根材ガラス面を全部既製品に変えました。それでできるのは当たり前です。それで、当初選ばれた、当時のプロポーザル案とそんなにそごがありませんと言います。ばかなことを言うなということです。  今回の説明では、私は納得できないということをまず言っておきますし、これで進めようとするのであれば、議会としては、私としては、反対の立場をとらせていただきます。 秋山委員  今、お話があった内容と重なる部分もあるとは思いますが、私からも、CM業務報告書内容について質問をします。  業務報告書の13ページに、屋根材の変更の問題がありました。チタン亜鉛合金からステンレスに変わったということで、これは当初予定されていたものから変わっています。「一般的な金属屋根材について比較検討を行った」と書かれていますが、これは、いろいろな屋根材比較検討して、このステンレスが一番適しているといったことで決まったのか。先ほど来、言われているように、コストの面で、コストありきで予算内に抑えていくというところで決まっていったのか。そのあたりの詳細な検討内容等がここではわからなかったので、そのあたりのことについて教えていただきたいと思います。 安藤営繕課長  「一般的な金属材料について比較検討」ということで、基本設計に入った後、比較検討した材料としては、プロポーザル提案のあったチタン亜鉛合金、それから、今回最終的に見直しステンレスのほか、純チタン、メッキの鋼板、ガルバリウム鋼板、これらについて比較しています。比較の観点としては、耐候性熱膨張の状況、光沢等について検討しています。  それから、工法についても、今回、シーム溶接工法見直していますが、シーム溶接工法のほかに、くぎやビス等で固定する在来の工法、接着して固めていく工法について、防水性能や曲面の屋根施工性がどうなのかといった観点検討してきました。  これらの検討の結果、プロポーザル提案のあったチタン亜鉛合金も有力な材料ではありましたし、それなりに評価は高かったのですが、今回、最終的に選んだ材料は、防水性能施工性観点から、チタン亜鉛合金よりもさらに優位であり、耐候性については、チタン亜鉛合金とそれほど遜色がないということです。光沢があるので塗装しなければならない等のマイナス面もありますが、トータルコスト縮減も図れるといった観点も含めて、これらを変えても、プロポーザル趣旨については維持できているのではないかといった判断のもと、最終的にステンレスに変えたものです。 秋山委員  コスト縮減予算に合わせてということではなく、当初の計画で出されていたチタン亜鉛合金よりも、ステンレスのほうがすぐれているという認識でいいのですか。 安藤営繕課長  先ほど御説明しましたが、確かに、コスト部分判断の中で大きかったことは事実です。どちらの材料も有力だという一次的な判断の中で、最終的にはコスト部分でおさめなければならないといったところで選んだところはあります。 秋山委員  つまり、先ほどからずっと言われているように、当初提案のあった材料では、コスト面でできなかったということで、議会からの指摘に基づいて見直したのだと思いました。  それで、このコンストラクションマネジメント業務は、基本設計段階マネジメント業務となっています。そういった契約が結ばれているわけですが、先ほどの氏家委員質問の中でも、例えば、報告書の5ページに、「最終的な目標事業費の達成に向けて、今後の実施設計に於いては、発注者設計者が真摯に協議を重ねる」とか、「設計者によるさらなるコスト縮減の工夫や設計調整が必要と考える」、「実施設計段階において設計者によるより踏み込んだ詳細な検討が必要と考える」といった記載があり、これから先、詳細な検討を詰めていかないといけないと、かなり心配されていますが、このCM業務は、この基本設計の完成と同時に終わったということですか。確認させてください。 近藤県立体育館整備推進室長  山下PMCのコンストラクションマネジメントの委託業務については、10月31日の基本設計の完了日と同日をもって終えておりますので、契約は、今はもう終わった状態です。 秋山委員  ということであれば、これからの実施設計段階における詳細な詰めなど、いろいろと考えていかなければいけない不安や懸念材料を、どうやってチェックしていくのか。そういった不安がある状況であれば、一つ一つ消し込んでいくことが必要だと思いますが、実施設計に入る段階において、どうやって担保していく考えなのか、お聞かせください。 近藤県立体育館整備推進室長  確かに、基本設計を進める中で、コンストラクションマネジメント業務の受託者である山下PMCの意見を聞くことで、さまざまな検証ができて、取りまとまっているところはあります。そういった中で、あわせて実施設計の中で取り組むべき課題についても、報告書の中で、いろいろと示されているところです。  この先、実施設計段階で、コンストラクションマネジメントをどのように活用していくか、実際にやるかやらないかも含めて、まだ、結論づけているわけではありません。  ただ、実施設計に進んだ場合においては、設計業者や県としては、今回の課題も参考にしながら、工事費等についてはしっかりと取り組んでいかなければいけないと考えているところです。 秋山委員  いろいろとありますが、課題の検証として、13ページには、屋根材のことが挙げられていて、「主な指摘事項」のところに、「屋根に設置される換気設備については、漏水対策等の必要性について指摘し、設計者から遮音性能を持った換気窓を設置する方針で、ドームの頂部に近い位置で実施設計時に詳細を検討する旨の回答を得ている」とありますが、これも以前、この特別委員会の中で指摘があった内容が書かれていると思いますが、こういった方針で検討するという回答を得ているといった段階でとまっているように思います。漏水対策を具体的に解決していく方法が全く見えていない状況だと思います。  先ほども言っていましたが、こういった課題や不安は、あってはいけないと思います。他県の例でどんどんコストが上がっていったという話もあります。そこもそうですし、本来、確保されるべきもの、きちんと守られるべきものがないがしろにされることがあってはいけないと思います。基本設計をこれでよしとするかどうかも含めて、こういった課題が残されている状況について、県として、どのように考えているのでしょうか。 近藤県立体育館整備推進室長  屋根の漏水対策も含めて、この先さらに詳細を詰めていかなければならない項目があることは承知していて、そのあたりは、きちんと具体的に対応していかなければいけないと考えています。 秋山委員  最後に要望です。毎回、委員会の中で繰り返し言っていますが、180億円という本当に大きな税金を投入する事業です。やってみてだめだったでは絶対に済まされないと思います。  私としては、県民のスポーツ施設として、機能の過不足なく、県立体育館にふさわしい施設が必要だと考えています。その認識をしっかりと持って、見直すべきは勇気を持って見直していくという立場に立って、考えていただきたいと要望して、私の質問を終わります。 佐伯委員  コンストラクションマネジメント質問に入る前に、何回も言って申しわけないですが、180億円前後の中四国最大級の県立体育館をつくるのです。こんな大きなものをつくるのに、体育館をつくったことのない設計会社がつくるのは、不思議でたまりません。もし皆さん方が自分の家をつくるときに、住宅をつくったことのない設計会社に頼みますか。家を建ててくださいと造船会社に頼むようなものだと思いますが、その点について、今でもSANAAが一番妥当であったと思いますか。お聞きします。 近藤県立体育館整備推進室長  当初のプロポーザルの参加資格要件についてのお尋ねかと思います。  新体育館は、多目的の体育館・ホール・アリーナであり、また、サンポートというイメージや立地条件も踏まえて幅広く参加者を募り、できるだけ多くの提案を募るということで、プロポーザル入札参加資格を設定したところです。  そういった中で、体育館の実績も問うていないということですが、そういった立地条件を踏まえた、これまでにないような提案も出てきているところでして、よりきちんと具体化していかなければいけないと考えています。 佐伯委員  不思議な答弁だったと思います。県民の皆さんから、何でこんなところに体育館をつくらせるのかと、よく言われます。「SANAA体育館を相当つくっているのだろうな」と聞かれて、「いや、一戸もつくったことがないのです」と答えると、「一体、何の力が働いたのか」と言われます。  皆さんの中にも不思議に思っている人がいると思います。言っても平行線になるとは思いますが、これは公の場で言っておかないといけないと思うので言いますが、体育館をつくったことのないところに、こんな立派なものをつくらせようとしているが、何でわざわざ香川県がこんなことをしなければいけないのか。これが税金の無駄遣いになったら大変なことになりますので、そのあたりについては、しっかりと肝に銘じていただきたいと思います。  CM報告書の中で、いろいろと検討や調整が必要とありましたが、コストのところで、「5%程度の差は生じ得る」「実施設計段階での、より慎重な設計および積算が求められる」などと書いていますが、もし180億円前後が、5%前後であれば納得の範囲内かもしれませんが、30億円、40億円、50億円と上がったとなれば、誰が責任を負うのですか。民間であれば、すぐに首になると思います。中身を重視せずに外見のデザインばかりを重視してコストが上がったというのでは、税金の無駄遣い以外の何物でもないと思います。そのあたりについては、どのように考えるのですか。  そして、以前、私が聞いたのでは、最大収容人数は1万人以上であったのが、修正したとも言わずに1万人になっています。そのあたりについてはどうなっているのか、教えてください。 近藤県立体育館整備推進室長  まず、コストについてです。  コンストラクションマネジメント業者からの報告書によると、相違額が5%弱と書かれています。県も設計内容を見ていますが、設計業者基本設計工事費については、工法項目、単価、数量、こういったことについては適切に行っていて、県としてもそれを確認していますし、コンストラクションマネジメント業者も同様の見解です。  ただ、基本設計から実施設計に移る場合に、数量をより具体化する中で、上振れというか金額が上がるのが一般的でして、その額を幾ら見込むのかがあります。SANAAも一定額を見込んでいますが、もう少し見込むべきでないかというのが山下PMCの考えでして、そこの差異が5%程度あるということです。とにかく、実施設計段階で上振れする額を、設計業者SANAAと県の担当部局の私どもともども、今見込んでいる上振れの額以上に上がらないように抑えていかないと、今、お話があったように工事費がどんどん上がっていくことになってしまいますので、しっかりと見ていかないといけないと考えています。  それから、もう一つの御質問アリーナの最大収容人数についてです。  御指摘のとおり、基本計画には、最大収容1万人以上と書いています。今、こちらの資料に示しているのがボクシングの場合ですが、必要な面積がリングとなり、一番小さくなりますので、ちょうど1万人になっています。  それから、これは詭弁ではなく、御説明としてですが、あわせて、VIPルームが別に設けられていて、4室32席分などもありますので、御理解ください。 佐伯委員  総室長が嫌いでもありませんし、好意的に思っていますが、今の答弁は詭弁であり、余りにもひどいと思います。余りにもなめ切った答弁だと感じています。根本がおかしいから、どうしても答弁がずれてくるのです。  これだけの金を使うのですから、しっかりとやっていかなければならないのです。それから、先ほど「責任を誰が負うのですか」と質問したことに対しての回答が、答弁の中に入っていませんでした。一生懸命やっているのだから、コストが上がっても仕方がないということなのかもしれませんが、税金だから仕方がないと言えるのであって、自分のお金を使った場合、仕方がないでは済まないと思います。物価が上がった、鋼材の価格が上がった、資材の価格が上がった、それで、30億円、40億円のプラスになったということを、県民にどのように説明をするのですか。「仕方がなかったのです」ということで済ませるつもりなのですか。責任の所在をしっかりとしていかなければ、責任を持って仕事ができないと思います。  我々も4年に1回、場合によると落とされます。そういった意味も含めて、責任を持って仕事をしていかなければならないと思っています。ただ単に、今、その課やその室にいるから、その長でいるから、答弁に立っているというだけではいけないと思います。今、やっている皆さんの一人一人が責任を持たなければいけないと思いますが、その点についてはどのように考えていますか。そして、大変な格差が出てきたときに、誰が最終責任を負うのですか。ただ単に鋼材の価格や人件費が上がったから仕方がないでは済まされない問題だと思いますが、そのあたりについてはどうですか。 近藤県立体育館整備推進室長  責任の所在ということです。  先ほどもお話ししましたが、設計事務所があり、県の担当部局は新県立体育館整備推進総室でして、私自身も重責を感じながら仕事をしています。責任をどうとるのかについては、今のこの状況ではお答えができませんが、責任をどう考えるのかについては、重責を感じながらやっています。 佐伯委員  一人一人が責任を持って進めていただきたいと思います。おかしいと思っている人が皆さんの中にもいると思います。根本がおかしく、ボタンのかけ違えのようになっています。幾ら修正しても無理だと思います。ですから、氏家委員も言いましたが、最初に立ち返るのも大事な英断ではないかと思います。  今後、数十年たっても出てこないような、180億円もの大金を使ってつくる体育館です。デザイン性などを求めて体育館にはきません。そのあたりが根本的に違っていることを、皆さんが提言していかなければいけないと思います。  それから、県民が集う交流エリアは、私たちには、単なる廊下にしか感じません。このようなところでどうやって交流をするのか、不思議でたまりません。そして、交流エリアは、競技などをしなくても、ふだんから県民が行けるようにしなければいけないのですが、こんなところには誰もきません。そのあたりも含めて、もう一度原点に立ち返って、考え直していただきたい。皆さんの良識のある英断で進めていただきたいと思います。 大山委員  いずれにしても、コンストラクションマネジメントのあり方自体がおかしいのだと思います。  それで、これは技術的な話になりますが、先ほど人数の話がありました。四国最大級という言葉を使うと、何でも大きくなったようなイメージになります。我々はエンドステージで1万人ぐらいのコンサートを想定していました。1万人クラスのアーティストであれば、チケットはすぐに完売すると思っていました。  しかし、今度は、エンドステージになってくると、1万人ではなく7,300席になっているのです。最大がボクシングのときで1万人です。ですが、ボクシングの中継を見たことがあると思いますが、テレビカメラと報道席が真ん中を占領してしまいますから、そこからまた席数が減ってくることになるので、その分も加えた席数をきちんとしておかないといけません。それが、今、1万人ちょうどとなってくると、大きく1万人を割ってくることになってきます。  何で7,300人になってしまったのか。7,300人でどのようなコンサートやアーティストを想定しているのか。7,000人を集めるアーティストと1万人以上を集めるアーティストでは全然レベルが違います。コスト縮減のために本来の目的である収容人員を減らしてしまって、アーティストは来るのですか。そのあたりについては、どのように考えているのですか。  それから、2階部分に物すごく大きな避難エリアをとらないといけないので、物すごく大きな開きができていて、これも席数を相当損しています。何でこんなに大きな穴をあけているのですか。 安藤営繕課長  最後の御質問のところを先にお答えします。  2階の観客席に大きく設けている4カ所の開口部については、御指摘のとおり、避難の確保が大きな目的の一つです。それから、もう一つの目的は、メーンアリーナ交流エリアで関連したイベントをするときに、一体的に見通しがきくほうが機能的には有利ではないかということです。この二つの目的で、4カ所に大きな開口部を設けています。 大山委員  それは、黒島委員を初めとして我々が指摘したのです。本来は、防火区画という壁があり、その壁の向こうに廊下があり、そこに皆さんが避難できるようになっています。しかし、これは大きな空洞になってしまっているので、後ろに壁がありません。だから、ここにこんな大きな穴をあけなければいけなくなったのです。  そうなってくると、こんな大きな穴をあけて席数を減らして7,300人にしていくのが得なのか損なのか。もう一回設計見直して、防火区画をつくり、きちんとコンサートのアーティストが好むような席数を確保するのがいいのか。そういったことを、きちんとデータを持ってやったのですか。  恐らく、また、いろいろな言い訳をすると思いますが、交流エリアが見えるなどと言っていますが、これは避難エリアを確保するためです。コンサートのときに大きな音が出て、真っ暗になっているときに、そんな穴は、本来、要らないのです。  そういった比較をして、そういったところをコンストラクションマネジメントが、このほうが興行収入としては上になるのではないですか、そういったことを全部含めて考えたのですか。結局、このデザインを変えずに中身を変えたらこうなるという結果を出してきただけにしか見えませんが、そのあたりはどうなのですか。 近藤県立体育館整備推進室長  避難のために確保したのではないかといったお話もありましたが、確かに避難計画をつくるに当たって、観客席から交流エリアにできるだけ早く出ていくのは重要だと思っています。そのために、これは大きな役割を果たすとも考えています。  ただ、全体の中で固定席を5,000席以上確保して、最大収容人数1万人を確保するという計画の中で作成し、営繕課長答弁したように、交流エリアとの連携等も考慮してつくったということです。 大山委員  あなたの答弁していることはすでにわかっています。そんなことを聞いているのではありません。これが得なのか、本来、ほかのアリーナがきちんとやっているように、席数を確保するために防火区画をきちんとつくるのが得なのか、そういったことを検証したのですかと言っているのです。その結果、こちらのほうが得だと判断したのかと言っているのです。 近藤県立体育館整備推進室長  この設計の中においては、背後に壁がない場合とある場合とで、例えば、金額的に、人数的に比較をするようなことはしていません。ここはSANAA提案の一つの大きなコンセプト部分ですので、比較検討を詳しくはしていません。 大山委員  結局は、SANAA提案の中で何がベストなのかをやっただけです。先ほど言ったように、SANAA提案は、もともと無理な提案だったのです。それをあなた方が選んで、どうしてもやろうとするから、先ほど佐伯委員が言ったように、不自然な答弁になっていきます。そうではなく、最終的にアーティストたちが好んで選び、そして、県民が集える、そういったものを本来つくるべきではないのですか。それは今からでも遅くないのではないのですかと私は聞いているのです。そういったことについてはどのように考えていますか。 近藤県立体育館整備推進室長  今、申し上げたように、比較検討はしていませんが、この提案の観客席の背後に壁がないという一つの大きな趣旨が音環境であり、できるだけ空間を大きくして、ロングパスエコーを減らそうといったこともありました。そういった提案趣旨を、私どもとしては尊重しながら設計を進めてきたということです。 大山委員  ほかの広島グリーンアリーナや大阪城ホールなどの大きなアリーナは音環境が悪いのですか。そこでアーティストは好んでやっていないのですか。そこまでする必要があったのですか。先ほど氏家委員が言ったように、ここで実験しようとしているのではないのですか。もし実験が失敗したらどうするのですか。そういったことも全部、あなた方がきちんと考えて、いろいろなことを比較して、最終的にこの基本設計がよかったということを我々にきちんと説明しなければ、我々は、基本設計から実施設計へ行きましょうということにはならないです。  それから、例えば、交流エリアに人々が入ってきますが、交流エリアは無料で開放するのですか。 近藤県立体育館整備推進室長  管理運営上の話になってくると考えていますが、交流エリアをつくるということは、例えば、イベントを行わない日は、ここは、県民が自由に無料で集える場所、いわゆる、開かれた公共空間として提供することを考えています。 大山委員  雨の日にそこへ土足で大勢の人たちが入ってきたら、土などがたくさんたまったりします。そうなると、清掃業務などのいろいろな業務が入ってきますが、誰がお金を払うのですか。 近藤県立体育館整備推進室長  公共施設として支払いをすることになると思います。 大山委員  そうなってくると、普通のものよりはコスト的に加算されてくることになってきます。大きな交流エリアを無料で開放するということは、コスト面のこともきちんと考えてやっているのかと思ったら、今の答弁を聞いていると、そんなことは考えていないと思います。そういったこともいろいろと考えて、もっと緻密な計画を示してください。  それから、次はカーテンについてです。全面ガラス張りですので、コンサートのときに暗転しなければならなくなりました。ですから、恐らく、カーテンを自動でぶら下げるようになってきます。  普通のアリーナであればカーテンは要りません。しかし、このデザインだから、カーテンが必要になってきました。それでは、このカーテンは何年もつのですか。それから、どのくらいの耐久で、どのくらいの費用がかかるのですか。さらに、どのくらいの電気代が加算されてくるのですか。それを考えて、ほかの普通の形状のアリーナにするのと、この交流エリアをもったものにするのと、比較検討をしたのですか。  コンストラクションマネジメントでは、これではなくて、こちらのほうがいいと思いますとか、そういったことまで業者に頼んだのですか、それとも、頼んではいないのですか。 近藤県立体育館整備推進室長  交流エリアを設けることによる費用では、例えば、コンストラクションマネジメントの検証の対象にしているのは、一番空調費用がかかるのではないかということで、どういった空調方式がいいのか、これは前にも説明しましたが、そういった比較検討の中で、イニシャルコストは高くなりますが、居住域の空調方式を採用して、一定金額を抑えられるといった検証はしています。  カーテンについては、検証はしていませんが、金額は、メートル当たり3万円ぐらいで、1000万円ぐらいのカーテンが見積もられるところです。 大山委員  空調にしても、このSANAA案に対してベストな案はこれだというのが、今のあなたの話です。それでは、ほかのアリーナと同じ形状にしたときとどのぐらいの差があるのかとか、10年後、20年後の後年度負担を考えたときに、最終的にどちらがコスト負担が多いのかとか、そういったことを、本来はコンストラクションマネジメントに頼まなければいけないのですが、あなた方がしているのは、現在のSANAA案でベストなものをコンストラクションマネジメントでやっただけではないのですか。 近藤県立体育館整備推進室長  コンストラクションマネジメントは、基本的にSANAA設計に対する検証ですので、独自に全く違う建物と比べるなどのことは求めていません。 大山委員  一事が万事、先ほどの漏水対策にしても私が指摘したことです。最終的には何もしていません。漏水対策でも相当な費用がかかってくるはずです。これは絶対にしなければならないのです。そうすると、このようなドームの形状にはなりません。絶対に漏水を受けるところが必要になるので、デザイン変更も間違いなく出てきます。  そういったことも考えると、いろいろなことを比較検討して、最終的にSANAA基本設計がいいのか悪いのか、トータル判断する必要があると思います。今、具体的に細かいことを二、三言いましたが、それもほぼ検証されていません。ということは、もっときちんと検証しておかないと後々大きなことになるということを指摘しておきます。  私がいろいろと勉強して、ほかにも指摘したいことがありますが、今度指摘をすると、また、それを直してきて、それで、コストが合いましたなどと言ってきますので、これ以上は指摘しません。そのあたりを十分に考えて、結局、基本設計から実施設計に進むのかどうか、きちんと考えて、今後、進んでくださいと強く要望して、私の質問を終わります。 黒島委員  素人のような質問になりますが、たくさんの椅子を平面に並べています。この椅子はどこへどのように収容するのですか。ちょっとやそっとの場所には収容できないと思います。我々が、500人を集めて何かをやろうとすると大変な労力が必要となりますが、この椅子はどのような形でするのですか。
    近藤県立体育館整備推進室長  パイプ椅子は最大で5,000席ぐらい必要になってくることになります。そのうち、直接的に施設として所有する椅子と興行主が持ち込む椅子があり、直接的に施設が所有する椅子は、ほかの体育館等の状況も見ながら、1階の近い器具庫に入れておくことを考えています。 黒島委員  皆さん方は、職員を使って、給料のうちでやらせたら金がかからないように思いますが、これだけの椅子を並べて、後でまた撤収するとなれば相当な経費がかかります。それを興行主にやってくださいとなれば、興行主はそれを費用として加算しないといけません。そんな不利な状況の会場をつくるのですか。ほかよりも安くていいものを提供しなければ使ってくれません。  それを支払っても十分安く提供できると皆さんが自信を持っているのだと思って、最後に意見を言わせてもらいます。  私も勉強しましたが、コンペ方式とプロポーザル方式の違いは何なのか。プロポーザル方式は、単なるデザインですから誰でも参加ができます。コンペ方式になると、それなりにきちんとした設計をして、なおかつ、資材など、いろいろなものも指定して、きちんと設計をしなければいけないから、なかなか参加ができません。今回は、県はプロポーザル方式を採用しました。プロポーザル方式のいいところは、大勢が参加できるところです。しかし、プロポーザル方式をするためには、相当な識見を持っていないと発注したらいけません。設計事務所よりも高度な技術を持った人間でないとチェックができません。香川県には、その知識や力があるのですか。  公開プロポーザルで、県民に、こういうのができると見せました。評価委員の誰が言ったのかは別にして、できたものだけは公開して、中身の検討はしないというのはおかしいと思います。誰が評価委員になったのかは聞きました。どういった基準で選んだのかはわかりませんが、立派な方ばかりです。しかし、私からすれば、不思議な人材も中に入っています。議会を排除するのはいいですが、それなら全くの第三者で、知事にも関係のない人選でやるべきだと思います。ですが、そういったようにはなっていないと思います。具体的には言いませんが、わかると思います。ちゃんと知事と関係のある人間が入っているではないですか。  そういったことを、我々に、さも公平なように見せて、我々は模型を見て、こういったものができるのだと思っていたら、最終的にできない話を一生懸命して、どんどん変えていきます。プロポーザルはそういうものだと言うのであれば、最初から県民に、「こういうものができるとは限りません」と言うべきです。こういうものができると期待させたのです。それをどんどん変えていき、プロポーザルは、デザインですから、変えてもいいというのが、今までの委員会のやりとりではないのですか。大山委員が言ったように、我々は、もともとのものができるのかと期待して、いろいろ言っていました。これは、議論になっていないのです。  それでは、あなた方はSANAAの代弁者で、変えてもいいという前提のもとで、我々と議論をしてきたのですか。プロポーザルは変えてもいいのだと何回もおっしゃいました。構造の関係で丸くしたのだと思いますが、上から見たら、最初は楕円形だったものを真ん丸にして、当然安くなります。  本当かどうかわかりませんが、武道場は、今は4面ありますが3面になると、ある人から言われました。いろいろなところで、いろいろなことを、まだ県民から聞いていません。それでもあなた方は強引にプロポーザルで公募したからやらなければいけないと言います。それでは、プロポーザルで決めたのは誰ですか。  先ほどから言っているように、プロポーザルをするには、それなりの力がないとできません。先ほど、秋山委員も言いましたが、SANAA設計したものを、香川県の力で全部チェックできるのですか。我々が視察に行った愛知県は、プロポーザルとはいいながら、それに対案するものもきちんとつくり上げていました。それだけの力を持って、プロポーザルを出しているのです。やってはいけないことを、私はあなた方がやったのだと思います。  このことについて、今、県としてどうするのですか。このまま突き進んで、途中でお金がもっと値上がりした、ここはこう変えなければいけない、お金を落とすためには質を落とさなければいけないなど、いろいろなことをこれからするのでしょう。そういった、県民をばかにしたような議論をしてはいけないと思います。次のステップへ進んだら、県として引き返しがつかないと思います。県のほうも、知事も県民の代表であるなら、我々も県民の代表です。どこかで、きちんと対決しなければならないことが起こり得るのではないかと懸念していることを、皆さんに一言申し上げて、終わりたいと思います。 竹本委員  設計が多少入れかわったりしていますが、特別委員会ができているわけですから、本来的には、設計業者が出してきた図面を我々が検証して、そして、この特別委員会の中で利便性の悪いところを指摘しながら改善してもらう。これで変わるということは、私は当然あるべきだと思っています。  屋根の話は前回聞きました。チタンの場合は、なかなかつくりにくいなど、いろいろな話が出ていました。実際にステンレスに変わりましたが、このステンレスに変わったことによってどれほど安くなったのか、教えていただきたいと思います。 安藤営繕課長  屋根全体の金額については、鉄骨の下地より上の仕上げ部分以上で、現状のステンレスでやった場合、全体でおおむね10億円弱となっています。仮に、今の計画面積で、チタン亜鉛でやった場合を試算すると、3億円弱上回る金額になっています。逆に言いますと、変更によって3億円程度減額になったものと考えています。 竹本委員  大体機能的には変わらずに、3億円ぐらい少なくなっているとのことです。今回の県立体育館は180億円から190億円の中でという話になっています。予算の上限が決まっていますので、機能が変わらなければ材質が変更することは、私はあり得ると思っています。その190億円の上限を取り外して、金額がいくらでも構わないと言うのであれば、同じようにやれますが、190億円が最高となっていますから、それに合わせるようにしていくと、当然のこととして、材質やいろいろなものが変更されることを、私は認めないといけないと思います。それがいけないと言うのであれば、上限の190億円を除いたらいいのです。200億円、300億円とかけたらいいのですが、それではいけないでしょう。  そういった意味で、この特別委員会の中で、皆さんが知恵を出し合って、コストダウンを目指して、そして、県民から喜ばれる新県立体育館をつくっていかないといけないのではないかと思っていますが、教育長の決意のほどをお願いします。 工代教育長  私どもとしては、特別委員会も含めて、県議会から、さまざまな御意見を、さまざまな機会にいただき、それを踏まえて、できるだけいいものを、コストを守りながらつくっていこうということで、全力を挙げてきたわけです。事業者も、県議会のこういった御議論は全て承知しており、そういったことも踏まえて全力でやっていただけたと思っています。現段階においては、一昨年つくった基本計画の中身に沿った水準には整ってきたと思っています。 新田委員長  以上で、質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 新田委員長  いろいろと皆さんから御意見があり、私も委員長として言いたいことがありますが、やめておきます。御異議なしと認め、質疑、質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....