香川県議会 > 2019-11-04 >
令和元年11月定例会(第4日) 本文

  • 南部清掃工場(/)
ツイート シェア
  1. 香川県議会 2019-11-04
    令和元年11月定例会(第4日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    大  山  一  郎 君    西  川  昭  吾 君    松  岡  里  佳 君    鏡  原  慎一郎  君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    山  本  悟  史 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    三  野  康  祐 君    森     裕  行 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    綾  田  福  雄 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    都  築  信  行 君
       鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    岡  野  朱里子  君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   片  山  秀  樹 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    佐  藤  今日子  君           子ども政策推進局長 小  川  秀  樹 君           会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会委員   溝  渕  香代子  君           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     山  本  浩  司 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第四号)                 令和元年十二月十六日(月)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  白川和幸君。    (白川和幸君登壇、拍手) ◯白川和幸君 自由民主党香川県政会白川和幸でございます。議長のお許しを得ましたので、通告に従い一般質問を行います。  質問の第一点目は、農業生産者拡大へ向けた取り組みについてであります。  私は、これまでの一般質問で、本県におけるさまざまな農業課題について、本県の施策や取り組み状況、そして目指す方向性を質問してきました。また、実際に農業改良普及センターを訪問し、施策の実行状況を聞き、現在抱える課題の解決に向け日々取り組んでいる現状を見てきました。特にGAP認証の取得については、農業改良普及センターの皆さんが農業生産者のもとへ出向き、認証の取得によるメリットを説明したり、今後の食品流通の変化も踏まえ、取得の必要性の高まりを訴えているという話を伺ってきたところです。  GAP認証とは、農業の生産工程管理手法の一つであります。その取得に当たっては、会計処理も含めた非常に煩雑な事務作業が必要となります。しかしながら、消費者が直接確認できないような生産工程や安全管理について、一つ一つ履歴が蓄積されることで農業の見える化が図られ、結果、個々の農産物の付加価値となるのです。生産工程が明るくなることで資材管理等も適切に把握できるようになることから、在庫負担の軽減や、ひいては気候変動への対応等にもつながるものと考えられ、最終的には収益向上につながるものと思われます。  こうしたことから、食品流通の現場では、GAP認証の有無いかんで取引の成否が決まるほど重要度が増してきているのです。そして、このようなことを背景に、大手流通事業者市場買い付けから直接取引へと大きくかじを切りつつあるのが今の状況であります。  私は、決して大手流通事業者との取引を推進するわけではありません。しかし、多くのスーパーが生産者の見える化を進めることで、消費者の意識は、農産物がどういう工程でどのような栽培管理がされたのか関心を持つようになることは必然であり、そこに付加価値を求めてくることも当然のことと思われます。このように考えますと、GAP認証取得に向けた取り組みは、今後、ますます広がっていくと推測するのは至極普通のことではないでしょうか。  しかしながら、ここで課題が顕在化してきます。GAP認証取得は、ある程度の事業規模を有する農業生産者及び農業生産法人に偏りが見られ、生産者の裾野を広げる取り組みには至っておりません。会計処理も含めた煩雑な事務作業が必要となることが障害となっているのです。GAP認証取得の有用性の説明等普及促進や取得費用の補助については、数々の施策が講じられていますが、従来からの慣行に基づくとなかなか受け入れがたいのが現状のようです。  これに対して新規就農者は、農業についての知識の蓄積が少なく、また、農業の慣行的な考えにもとらわれず始められる方が多いと思います。農業経営においては、予測が難しい天候や需給バランスに対する価格調整等、とても難解なことも多く、県の農業改良普及センターやJAによる支援はあるものの、一筋縄にはいきません。加えて、植えつけから収穫まで期間を要することも重なり、生産と経営のノウハウ習得は、他の産業に比べ非常に長い年月が必要となることも特徴の一つであります。  以前は、農業をしたことがない人が年をとってから取り組むのは無理だとよく言われました。私は、先日、長年勤めた企業を退職され、新たに就農を目指す方々にお話を伺いました。そこでは、新規就農に対する決意や展望について伺ったところ、工程管理等の事務的な業務については、企業での勤務経験がある人のほうがノウハウがあり、事業計画と生活設計を持って臨むのであれば、十分就農は可能であると思ったところであります。  そもそも昨今のこの世代の方々の多くは活力に満ちあふれており、農地の荒廃への対応や農業の担い手不足解消にも大きく貢献できるものと地域から期待されているのも事実です。しかし、現在の施策は、農業次世代人材投資資金等のように、若い新規就農者への支援に偏っているように思えてならず、第二の人生を就農に努めたいと意欲がある方に対しての新規就農支援も、本県の農業課題の解消へ向けては必要な施策であると強く思うところであります。  このほかにも、果樹等の定植から収穫までの期間が長いものについても、収穫技術を身につけるまで相当の時間を要します。確かな技術を持ったベテラン就農者が元気なうちに技術を承継することも、本県の農業技術を守る上で必要性を強く感じるのであります。  新規就農意欲がある方の農業への参画は、本県の農業行政の課題である持続的に農業を発展させること、農業の担い手不足の解消のいずれにも有効なものと考えられます。また、時代が大きく変化していることからも、農業分野でも新しい取り組みが必要となってきていると思います。これまでの慣行を重んじる農業生産者の方々が持つ技術的なノウハウを承継しつつ、生産工程管理等による収益力向上に取り組むといった新たな発想で農業に従事しようとする生産者を待ちわびているのです。このような側面で鑑みても、新規就農者の裾野は広げるべきであり、その対応の一つとして、支援に関する年齢条件の緩和が今こそ必要ではないかと私は考えるのであります。  そこで、新規就農に関する本県の現在の支援策とその活用状況について伺いますとともに、せっかくの就農意欲を取り込むために、今後、どのようなサポート等の支援策が考えられるのか、知事に質問いたします。  質問の第二点目は、施設園芸のさらなる振興と集出荷施設の充実についてであります。  本県では、特色ある農産物のブランド化に取り組んでおり、それに向けたさまざまな支援体制を構築しています。その中には、販売時期を予測するシステムの研究が進められる等、市場ニーズを酌み取り、農業生産者の収益向上を目指した取り組みが進められていることをこれまで伺ってきております。  九月定例会の一般質問では、環境負荷を抑えた農産物づくりのことを交え質問いたしました。消費者の購買意欲を湧き立たせる安心・安全の農産物づくりは、価格重視から健康重視の視点へと転換を図ることが必要ではないかとの意図を交えたものでした。一例ではありますが、手間をかけて栽培することにより、一般的な流通品との差異化が図られ、減農薬野菜等の高付加価値品の流通促進につながってくるのです。  このように、本県の特性を踏まえ、大量生産が可能な北海道や九州といった生産地とは一線を画す発想で消費者の心をつかんでいくことが、本県の農産物の流通促進には必要と思います。しかしながら、どれだけ特色があって、品質が高いものであっても、需要と供給のバランスに価格が依存することから、本県が取り組む販売時期予測システムや土壌の成分分析がより生かせるよう、もう一歩方策を検討すべきではないかと考えるのであります。  そこで、私が考えますのが、農業生産者の施設園芸に係る技術支援や設置についての施策の拡充であります。施設園芸については、高額な初期投資、燃料価格の高騰等、運営には厳しい条件が立ちはだかります。しかし、ハウス栽培により加温による出荷時期の調整が可能となるほか、病害虫防除機能が高まり、また、農薬のドリフト対策等、最終的には減農薬生産への親和性が高くなるものと考えられます。  現時点において施設園芸に対する補助事業が実施されていることは十分認識していますが、その規模はまだまだ小さく、点在していることから、スケールメリットが生かせる状況にないのではないかと思うのです。認定農業者等が自信を持って施設投資に踏み切れるよう、県にはしっかりと補助施策だけではない長期的な施設園芸作物の推進による価格安定に向けた販売推進計画の検討も含めて求めたいところであります。  次に、農産物の集出荷拠点の現状についても危惧しています。JAの支店の統廃合が進んでいることにより、集出荷施設が生産現場からどんどん遠ざかっています。生産者は収穫後、選別や荷づくり、出荷と、作業が多岐にわたることから、集出荷施設が生産現場から離れていると生産性が大きく低下してしまいます。中央卸売市場地方卸売市場は町の中心に位置し、流通事業者物流センターへの配送もコストに見合う物量を確保しなければならず、条件の厳しさが増しているのが実情です。  最盛期に農業生産の中心となる人たちが配送に時間をとられるような状況では、生産性の向上には至らず、なかなか利益を見出せない構造的要因になっているのです。そして、こういった小さな弊害が積み重なり、農業への就農率が上がらない理由になっているものと感じる次第です。  このような状況を踏まえますと、集出荷施設の再検討や集荷事業者の育成を支援し、それぞれの地域で改めて拠点を設置することが望ましいのではないでしょうか。  本県農業の持続的な発展には、農業者の所得向上と経営の発展が前提となります。本県では、そのための施策を多角的に講じていることは十分承知しており、今申し上げた私の提案をすぐに実現することは難しいとは存じますが、改めて施設園芸のさらなる振興と集出荷機能の充実に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いします。  質問の第三点目は、スタートアップ支援インキュベーターとしての県の役割についてであります。  昨年度の地方創生特別委員会の県外視察で、山形県の廃校となった小学校を利用したインキュベーション施設「熱中小学校」と東京永田町のコミュニティー型マルチワークスペース「GRiD」を訪問いたしました。また、三豊市には「マイズム」という地域や企業が抱える課題に対し、AI・ディープラーニング技術を用いた課題解決を推進することによる地域及び社会の活性化に寄与することを目的とする施設が開設されました。新たな時代へ向け、ヒト・モノ・コトが融合する空間により、新しい発想の息吹が各地で生まれようとしています。  これまで我が国を支えてきたのは紛れもなく製造業です。「ものづくり日本」、「ジャパンクオリティ」と呼ばれ、世界の人々にとって憧れの国となりました。しかし、月日は流れ、各国は日本に追いつき追い越せと技術を磨き、グローバル化の潮流にも乗り、今や多国間競争の渦に巻き込まれています。しかも多様化等を背景に、事業体系も大きく変化してきました。例えば、アップルでは自社の製造工場を持たず、マーケティングや設計だけを行うファブレスという事業モデルを確立し、台湾・東南アジアではファウンドリと呼ばれる受託製造のみを行う事業者が生まれてきています。少子高齢化により労働生産力は低下の一途をたどり、産業競争力を失いつつあり、新たな需要創出を求め、新ビジネスの展開を模索する世の中に変化しているのです。  企業誘致や産業創出人材の育成については、日本全国で取り組んでおり、競争に打ち勝つには相当なスピードが求められております、ICT等の発展により情報インフラが整備され、大都市でなくてもさまざまなことにチャレンジできる環境が広がりを見せています。優秀な人材を呼び込むには、他県と横並びの発想は切りかえなくてはなりませんし、本県としてのグランドデザインをしっかり持たなくては競争に勝ち抜けないと思うのです。  今でこそ、アップルは世界企業として名をはせる存在となりましたが、わずかな期間でなし遂げたわけではなく、紆余曲折を経て今の姿となったのです。新規事業の創出は、初めから条件が整っているというわけではなく、アイデアが先行する場合もあります。変化のスピードがすこぶる速い今の時代、既存にとらわれず新しい事業を求め、日々研さんする人々は少なくありません。このような状況を鑑みますと、小さな育とうとしている息吹を大切にふ化させ、成長に資するインキュベーターとしての役割が行政には必要となってきているものと私は考えます。  昨年、民間調査会社の調査で、過去十年間に設立・創業し、事業を続けているスタートアップが活発な地域として本県が一位であったとの発表があり、本県の事業のありよう、競争力をはかる上でも有意義な指標であったと思います。時代背景を踏まえ、今後の本県の活性化において、スタートアップの創業とその後の成長が有用なことは言うまでもないことです。  しかし、事業化を図ろうとしても厳しい現実が立ちはだかるのも事実です。一つには資金です。金融情勢の悪化に伴い、地方の金融機関の業績の悪化が日々報じられています。このような情勢下では、そもそも事業化は入り口で閉ざされてしまいかねません。次に事業運営に係る経営ノウハウです。独自の創造性に富んだアイデアを創出しても、具体的にどのように事業として成り立たせ運営していくのか、その経営手法がわからないといった課題も多く耳にします。また、このことは資金支援を受ける上でも大きな障壁となってしまいかねないのです。  このような課題の解決には、やはりインキュベーターとしての役割が県にあるべきと私は考えます。他県との横並びの発想の打破、県財政の厳しい状況を踏まえ、安易な補助施策にとどまるのではなく、新たな支援の仕組みも含め検討すべきではないでしょうか。これこそが、まさにインキュベーターとしての役割です。  そこで、スタートアップ支援の状況と今後の方策を伺いますとともに、インキュベーターとしての役割の必要性についてどのように考えるのか、資金支援に係る新たな考えも含め、知事に質問いたします。  質問の第四点目は、地域スポーツの振興による地域の活性化についてであります。  ラグビーワールドカップ二〇一九が閉幕し、一カ月が経過しました。あの感動と興奮が今も日本中を駆けめぐっています。大会に際し、組織委員会が日本国内への経済効果をまとめたレポートでは、大会による経済波及効果は約四千三百七十二億円、訪日外国人客数は四十万人と試算していました。しかし、先日の日本政府観光局の試算では、九月から十月にラグビーワールドカップ出場国からの外国人旅行者は七十六万人超としており、大会の盛り上がりの大きさがわかります。数値以外でも関心が大きかったことの裏づけとして、訪日外国人からの日本開催を評価する声が実に多かったことや、国内でも新語・流行語大賞にラグビーワールドカップ日本代表チームスローガン「ONE TEAM」が選出されたことなど、世界中から注目されたことは言うまでもありません。  来年は東京オリンピック・パラリンピックと続きます。ことしから二〇二一年までの三年間はゴールデン・スポーツイヤーズと呼ばれるようで、スポーツの世界的な三大イベントが我が国で連続して開催されるとのことです。ラグビーの感動と興奮をぜひとも継続し、本県の活力になることを期待するものです。  さて、本県には地域密着型スポーツとして、野球、サッカー、バスケットボール、アイスホッケーと多彩な顔ぶれのスポーツチームが存在します。スポーツの特徴には、「する、観る、支える」の三つの要素があることもよく知られており、自分に合ったスタイルで参加できることがスポーツの共感を呼ぶ大きな理由でもあります。また、多彩なスポーツを楽しめる俎上があることは、県民生活においても実に喜ばしいことです。この地域密着型のスポーツの目的は、スポーツを通じた地域の活性化を図ることと交流人口の拡大としています。スポーツは人々の心に興奮、感動にとどまらず、希望や勇気を湧き立たせ、物事に夢中にさせ、本気にさせる力、そして地域をつなげる力といった無類の可能性を秘めており、さらには時代を変革する力も持ち合わせていると思います。本県の子供たちがいろいろなことに興味を持ち、体験できる選択肢を広げられる観点でも、この地域密着型スポーツの意義は大きいものと考えます。  本県のプロスポーツチームの成績は芳しくなく、観客動員数も伸び悩んでいます。多様化の波で、数多のスポーツやeスポーツと呼ばれる新たなスポーツが生まれてくる等選択肢がふえ、ますます環境が厳しくなるやもしれません。しかし、各地で地域密着の取り組みにより活性化につながっている事例が多いことも事実です。  ラグビーの魅力は、世代、場所を問わず全国に波及しました。ゴールデン・スポーツイヤーズで盛り上がるせっかくのスポーツ熱に、今こそ地域スポーツを盛り上げるべきではないでしょうか。地域スポーツの振興による地域の活性化は、方法次第で十分果たせると思います。  そこで、本県の地域密着型スポーツの状況と課題を伺いますとともに、今後、どのように取り組んでいくのか、知事に質問いたします。  質問の第五点目は、戦略的な県産品振興についてであります。  多品目・高品質な県産品の魅力向上を図り、県産品のブランド力の強化と販路拡大を柱に取り組んできた県産品振興事業については、専門部署として県産品振興課が設置され十一年が経過しました。その間、国内販売サポート額は、当初の約六倍となる十九・四億円の規模となりました。東京新橋の旬彩館も活況で、愛媛県とともに販売努力を重ね、売上高は高進し、年間売上高は五億円を超え、二階の飲食コーナーでは、予約を必要とするほどの盛況ぶりと耳にしています。また、海外販路についても、昨年度実績で三・四億円に上り、台湾・香港等の東アジア諸外国にとどまらず、アメリカにも達するなど、広がりを見せています。  国内は、少子高齢化の影響で消費の構造が大きく変化してきており、このような状況下、物にあふれ、趣向が広がり、多様化し、市場環境はますます厳しく難しくなってきています。県産品振興は、本県特有の取り組みではなく、この物余りの多様化の時代に他県と同じような発想では、もはや競争に打ち勝つことができないことは言うまでもないことです。  この物余りの時代に消費者は何を選ぶのか、物に対して何を求めているのか、そのようなことまで突き詰める必要があり、さらにはそのことによる個人の価値観を創出するようなところまで考えないと、もはや市場で淘汰されてもおかしくはありません。難しいことですが、それが県産品振興に係る使命ではないかと私は考えます。つまりは県産品に対する愛情・愛着を深く抱き続けねばできないことです。多くの方々に県産品に興味を持っていただき、本県に足を運んでいただけるよう取り組むことは、本県の活力向上にとても大切なことです。  県内では、三豊市が地域商社を立ち上げ、地域ブランドづくりに取り組んでいます。しかし、多くの参加があるものの、具体的な販売展開となるとさまざまな課題が見え隠れします。課題解決には、まずは理念や目標を整理し、目指すべき姿をはっきりとさせる必要があると考えます。  そこで、県産品の販路開拓、ブランド化について、今後、戦略的にどのように取り組んでいくのか、知事に質問いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)白川議員の御質問にお答えいたします。  まず、新規就農者への支援についてであります。  農業従事者の高齢化や減少が進む中、本県農業の持続的発展を図るためには、多様なルートから定年退職者も含めた就農意欲がある人材を幅広く確保・育成することが重要であります。  このため、県では、新規就農相談センターや普及センターが、就農相談や技術習得に向けた指導・助言を行うなど、就農から定着まで一貫したサポート体制を構築し、就農の促進に努めております。  また、就農希望のある定年退職者等には、農業大学校において短期の就農準備研修と年間を通じて学ぶことのできる就農実践研修のコースを設け、円滑な就農につながるよう支援しており、過去五年間で受講した二百五十二人のうち、七割を超える百九十一人が就農しております。  さらに、就農後、早期に経営を確立できるよう、栽培技術や病害虫の防除方法などの栽培講習会や初心者簿記講習会を開催するなど、普及センターが関係機関と連携しながら、技術、経営両面から重点的な支援を行っているところであります。  加えて、県の新規就農者経営発展支援事業による機械・施設の導入助成や、国の農業次世代人材投資資金の交付などにより、就農直後の経営確立を支援しております。
     このうち新規就農者経営発展支援事業については、市町の人・農地プランに地域の中心となる経営体として位置づけられた就農後五年以内の農業者も対象としており、年齢要件はありません。  また、国の農業次世代人材投資資金につきましては、四十代以下の農業従事者を拡大するとの目標のもと、今年度から年齢要件が四十五歳未満から五十歳未満に引き上げられたところであります。  私といたしましては、今後とも就農意欲がある方々が多様なルートから農業に参画し、担い手の確保・育成が進むよう、段階に応じたきめ細かな支援に取り組み、本県農業の持続的発展につなげてまいりたいと考えております。  次に、施設園芸の振興と集出荷機能の充実についてであります。  イチゴやアスパラガスなど本県を代表する施設園芸作物は、市場から高く評価されており、経営規模の零細な本県農業において、施設園芸の振興を図っていくことは、農業の成長産業化を図る上で重要であると考えております。  このため、県では、今年度からハウスの設置に係る初期投資の軽減を図るため、自力施工のための研修会を開催するほか、国の事業の補助対象外となっている施工費を助成する新たな県単独事業を創設しております。  また、イチゴのさぬき姫などの県オリジナル品種を中心に、差別化による有利販売の推進とともに、私みずから、大消費地である京浜や京阪神市場でのトップセールスを行うなど、販路拡大に向けた支援も積極的に行っているところであります。  また、集出荷機能の充実は、安定した品質を求める実需者ニーズへの対応のほか、選別・荷づくり作業の大幅な省力化や低コスト化により、新規就農者等の確保・育成や農業者の経営発展に資するものと考えております。  このため、県では、国の事業を活用して平成二十七年度に高瀬地区に整備した非破壊式糖度センサーによる果樹の共同選果施設や、昨年度、大野原地区に整備した高性能の選別・包装ラインと予冷施設を有するレタスの集出荷貯蔵施設など、集出荷施設の整備に対する支援を行っております。また、集出荷施設内において選別から荷づくりまでの作業を一括して請け負う農作業支援体制の強化を図り、農業者の労働負担の軽減による規模拡大の促進に取り組んでおります。  私といたしましては、今後とも農業者や関係機関・団体等と連携し、施設園芸の一層の振興を図るとともに、集出荷機能の充実による農業者の所得向上に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、新規創業等への支援についてであります。  産業の新陳代謝を促進し、地域経済の活性化や雇用の場の創出につながる新規創業を促進するためには、創業しやすい環境を整え、創業しようとする者の経営面や資金面での課題解決を支援する必要があります。  このため、県では、かがわ産業支援財団に創業支援センターを設置し、計画時点から創業後のフォローアップに至るまでのさまざまな段階で経営等に関する相談に応じるなど、きめ細かなサポートを行っており、昨年度は百六十六件の創業に関する相談に対応したほか、創業支援塾を開催して創業に必要な知識や経営ノウハウを体系的に習得し、先輩創業者と意見交換などができる機会を提供しました。  また、資金面では、新規創業などの支援を目的とした融資メニューを制度融資に設けるとともに、新かがわ中小企業応援ファンド等事業において、創業間もない企業等の研究開発に要する経費の助成を行うほか、今年度からは地域の課題解決につながる新たなビジネスに取り組む新規創業者に対し、店舗等の借入費など創業に必要な経費の助成を行っております。  お尋ねのインキュベーターとしての県の役割につきましては、私としても県が主体的にその役割を果たし、県内での新規創業を積極的に促す必要があると考えており、クラウドファンディングなど資金の調達手段が多様化している状況等を踏まえ、新たな資金支援の仕組みについても検討するなど、創業しやすい環境の整備に努めてまいります。  今後とも、こうした施策を展開するとともに、かがわ産業支援財団はもとより、ベンチャー企業の創出を進める香川大学や香川高等専門学校などとも連携を図りながら、本県経済の新たな活力となる新規創業の創出支援に積極的に取り組んでまいります。  次は、県産品の振興についてであります。  多品目で高品質な本県の県産品については、販路拡大のターゲットと産品を定め、国内外の市場や消費者から評価され、売れる県産品となることを目指して、販路拡大やブランド力の強化に取り組んでおります。  このため、オリーブ牛やオリーブハマチ、さぬき讃フルーツなど本県独自のブランド産品を中心に、大消費地で情報発信力のある首都圏や関西圏、また、一定の高所得者層を有する近隣アジア諸国をターゲットとし、県産品の持つストーリーや生産者の思いをバイヤーなどにしっかりと発信するとともに、ニーズに沿った商品提案を行いながら販路拡大に努めております。  また、東京や県内のアンテナショップにおいて、試食販売などを通じ県産品をPRするほか、売れ筋商品の情報など消費者ニーズを把握し、事業者にフィードバックすることにより、商品の開発や販路拡大につなげているところであります。  ブランド力の強化につきましては、イベントやインターネットを活用し、国内外に誇れる品質や独自のこだわりなどを情報発信しており、そうした中で、今年度、県産オリーブ関連商品認証制度を創設し、県産オリーブの認知度や本県のブランドイメージの向上を図っております。  今後は、これまでの県外や海外での販路拡大の取り組みに加え、新たに国内外から本県を訪れる多くの観光客をターゲットに、香川ならではの食の体験や土産物の購入を通じて、県産品の認知度向上や販売促進につながる取り組みを検討してまいりたいと考えております。  私といたしましては、本県の県産品が多くの消費者や流通業者に選ばれるよう、県産品のブランドイメージを高め、それに見合った価格での販路拡大が図れるよう、今月十二日にも東京大田市場にトップセールスに参りましたが、私自身が先頭に立って積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、そのほかの御質問につきまして、交流推進部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(大山一郎君)新池交流推進部長。    (交流推進部長新池伸司君登壇) ◯交流推進部長(新池伸司君)白川議員の地域スポーツの振興による地域の活性化についての御質問にお答えいたします。  本県においては、地域密着を理念に掲げ、サッカー、野球、バスケットボール及びアイスホッケーの各競技について、四つのチームが活動しており、各チームは試合を行うことにとどまらず、スポーツ教室の開催や中高生の部活動指導、小学生の登下校時の挨拶運動など、地域に根差した活動にも取り組み、その活動を通して多くの県民の皆様に夢と元気を与えるとともに、スポーツの振興や地域活力の向上、交流の活性化に貢献しているところであります。  一方で、各チームは広告料と入場料を主な収入源としており、昨今の経済情勢や入場者数の減少等から、経営環境は非常に厳しく、その改善を図ることが課題であると考えております。  このため、県では、市町と連携し、施設使用料の減免や助成などの支援に加え、対象市町の住民の皆様を観戦に招待するホームタウンデーの開催や、市町ゆかりの選手等を活用した市町の観光情報のSNSでの発信を行うなど、地域に根差した活動を支援するほか、イベント等の開催により試合会場全体の魅力を向上させる魅力体験DAYを実施するなど、チームに対する愛着や応援機運の醸成にも取り組んでおります。  今後は、魅力体験DAYの実施に当たり、新たにテレビCMによる告知や全国的に知名度の高い選手等の招致を行うなど、チームとも連携しながら、観戦者やファンクラブ会員の増加はもとより、スポンサー収入の増加にもつながるよう工夫して取り組んでまいります。  県といたしましては、今後とも厳しい経営環境にある地域密着型スポーツチームが、民間企業や関係団体を初め、多くの県民の皆様から御支援、御協力をいただけるよう、市町と緊密に連携し、より一層の応援機運の醸成を図りながら、地域スポーツの振興による地域の活性化に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)一般質問を続行いたします。  斉藤勝範君。    (斉藤勝範君登壇、拍手) ◯斉藤勝範君 本日の午前中の一般質問者は、三豊市選挙区三人が出そろいまして、三豊市デーということでございます。  私のほうからは、選挙区の状況も踏まえ、五点につきまして、知事そして教育長に質問をさせていただきます。  質問の第一点目は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた本県出身選手への支援と外国人観光客の誘致についてであります。  東京オリンピック・パラリンピックの開催まで残り一年を切り、一九六四年以来五十六年ぶりに再び東京で開催される我が国にとっての一大イベントがいよいよ間近に迫っています。  今年行われたラグビーワールドカップ二〇一九日本大会では、日本代表チームが強豪国を次々と打ち破り、初めて決勝トーナメント進出を果たすなど、大活躍を見せ、大いに盛り上がりました。  そして、キャプテンのリーチ・マイケル選手を中心に、「ONE TEAM」のスローガンのもと結束して戦う選手たちの姿は、日本全土に感動と興奮をもたらしました。  また、試合終了後に選手たちが、敵味方関係なく互いの健闘をたたえ合うノーサイドの精神についても、互いを尊敬し合う謙虚さ、相手の非を必要以上に責めない寛容さ、そして互いに前を向いて次を目指していく潔さなど、多くのことを学びました。  私自身、スポーツの持つすばらしさ、強い影響力を改めて実感し、東京オリンピック・パラリンピックにおいても、日本人を含め出場した各国の選手たちがそれぞれ活躍して、再び日本が大いに盛り上がることを期待しております。  私の地元三豊市出身であるバドミントン男子シングルスの桃田賢斗選手は、先日の全日本総合選手権大会で二年連続三度目の優勝を果たし、また、今年は世界選手権二連覇を初め、昨日行われたワールドツアーフィアナルでは、四年ぶり二度目の優勝を果たし、今季の国際大会で十一勝し、一年以上世界ランキング一位を守り続けています。先週、喜ばしいことに、県勢選手で初めてオリンピック出場が確実になったとのことですので、ぜひ金メダルの獲得に向けて頑張っていただきたいと思います。  先般、私も設立発起人の一人として、香川県バドミントン協会を中心に桃田選手の後援会を立ち上げたところであり、本日十六日から後援会会員の入会募集を始めましたので、ぜひ皆様の御入会をお願い申し上げる次第でございます。  加えて、本県出身選手がオリンピック・パラリンピックの大舞台で活躍してくれれば、本県にとって大変明るい話題となるため、出場する選手には、ぜひとも頑張ってもらいたいと思います。  そこで、県は、これまで本県出身のトップアスリートに対する支援やジュニア選手の育成など、スポーツ競技力向上に向けてさまざまな取り組みを行ってきましたが、これまでの成果と、今後、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、本県出身選手の支援などにどのように取り組んでいくお考えか、知事と教育長にお伺いいたします。  また、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることに伴い、多数の外国人が日本を訪れることが見込まれます。昨今の訪日外国人観光客の増加を踏まえると、二〇二〇年には今まで以上に多くの外国人観光客が日本に来訪することは明らかであります。  東京都が発表した東京オリンピック・パラリンピックによる経済効果では、招致が決定した二〇一三年から二〇三〇年までの十八年間で約三十二兆円との試算がされており、大会終了後の二〇二一年から二〇三〇年までの十年間でも約十一兆円の経済効果が見込まれております。  その一方、過去のオリンピック開催国では、オリンピック開催年はホテル代高騰や混雑等を嫌い、外国人観光客が会場周辺を敬遠する傾向が一部見られたことから、外国人観光客が日本を訪問する時期の分散や地方への誘客など、観光庁を中心に日本全体で取り組むと伺っております。  こうした中、東京オリンピック・パラリンピック開催による経済効果を本県がしっかり享受するためには、本県においても開催に向けて機運を高めていくことが重要であり、こうした取り組みに加え、訪日外国人観光客に香川県の魅力を知ってもらうなど、本県への誘客に向けたより一層の取り組みが必要と考えます。  今年は瀬戸内国際芸術祭二〇一九の開催を契機に、会場となる瀬戸内の島々を中心に多くの外国人観光客が訪れたところですが、特に、世界の旅行市場に影響力を持つ複数の旅行雑誌が瀬戸内国際芸術祭を取り上げていただいたおかげで、高松空港に直行便が就航する東アジア市場のみならず、欧米豪市場からも多くの方々に訪れていただいたところであります。  国を挙げてインバウンドに取り組む中、これらの流れを一過性のものとしないためにも、順調に増加を続ける東アジア地域からの誘客に加え、欧米豪からの誘客にも積極的に取り組むとともに、本県での滞在時間を延ばし、観光消費をふやすための取り組みなど、今後も本県経済の活性化につなげていくことが重要であります。  そこで、県では、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に増加が見込まれる訪日外国人観光客に対して、本県への誘致にどのように取り組んでいくお考えか、知事にお伺いいたします。  質問の第二点目は、土地改良区への支援とため池対策についてであります。  県内には、土地改良区連合を合わせて百七の土地改良区があり、水路やため池などの農業水利施設の保全・整備や農地の区画整理などの土地改良事業を推進することで、農業・農村の維持発展に大きな役割を担っています。  しかしながら、全国的に農村地域の過疎化に伴う組合員の減少や高齢化が進んでおり、土地改良施設の維持管理や更新等が適切に行えなくなるおそれがあることから、昨年六月に土地改良法の改正がなされました。  この改正では、近年の農業・農村をめぐる情勢の変化に対応するため、土地改良区の准組合員制度を創設し、組合員資格の拡大、総代会の設置や土地改良区連合の設置要件の緩和などがなされるとともに、施設の維持管理や更新を計画的に進めるため、収支決算書に加え、貸借対照表の作成が義務づけられたことから、土地改良区が所有・管理する農業水利施設等の資産評価を行う必要があります。  私が理事長を務めている香川県三豊市三野町土地改良区では、現在、資産評価の対象となる土地改良施設のリストアップに取り組んでいるところであり、先月までに土地改良施設の現地調査を行い、水路幅や水路高などの施設データを記載した土地改良施設調査票を作成したところです。  国が令和四年度から土地改良区において複式簿記を導入し、貸借対照表の作成を求める中、国や県が造成した土地改良施設については、それぞれの事業主体に資産評価データがあるものの、それ以外の施設については、その把握に苦慮している土地改良区が多いのではないでしょうか。  本県は小規模な土地改良区が多い中、貸借対照表の作成に必要な資産評価を行い、計画的な施設整備などを円滑に行っていくためには、土地改良区の運営基盤や事業実施体制の一層の強化も重要です。  そこで、土地改良区への県の支援について、知事のお考えをお伺いいたします。  また、本県は古くから農業用ため池が数多く築造され、農業用水を確保していく上で大変重要な役割を果たしていますが、そのほとんどは江戸時代以前に築造され、施設の老朽化が進行し、台風等による豪雨や大規模な地震によるため池の被災が懸念されています。  このような中、昨年七月に発生した西日本豪雨において、六府県三十二カ所でため池が決壊するなどの甚大な被害が発生したことを受け、国においては農業用水の供給機能の確保を図りつつ、防災・減災対策の強化を図るために必要な措置を講ずるため、農業用ため池の管理及び保全に関する法律を制定し、今年七月一日に施行されたところです。  この法律では、農業用ため池の情報を適切に把握し、決壊による災害の防止につなげるため、民間所有の農業用ため池については、所有者または管理者から農業用ため池の現状等を知事に届け出ることになっています。  本県には大小約一万四千カ所のため池があり、そのうち約六千カ所が民間所有のため池であり、届け出の対象となっていますが、そのため池の所有者や利用者は世代交代が進み、施設の権利関係が不明確かつ複雑化しているものが多く存在します。また、管理が十分に行き届いていないため池も数多くあり、他県では管理組織を立ち上げたところもあります。  昨年の西日本豪雨や今年の台風十九号と二十一号による相次ぐ自然災害が発生する中、ため池管理保全法も踏まえ、今後のため池対策についてどのように進めていくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三点目は、鳥インフルエンザ等の防疫対策についてであります。  全国的に野鳥が越冬のために飛来するシーズンを迎え、本県においても鳥インフルエンザの発生が危惧されています。また、昨年、国内で二十六年ぶりに発生したCSFいわゆる豚コレラは、中部地方から関東地方に感染が拡大し、飼養豚への予防的ワクチン接種の開始後も発生しています。  国の統計資料によれば、本県では採卵鶏が約五百五十万羽、肉用鶏が約二百十五万羽、豚が約三万九千頭飼養されています。特に養鶏は、本県の農業総産出額の約二五%を占め、野菜に次ぐ基幹産業であります。このうち私の地元である西讃地域の飼養数は、養鶏が県全体の約六割、養豚が約三割と、畜産業が盛んな地域です。  本県には、野鳥の餌場となるため池が多く、養鶏農家に隣接するため池も多く存在しており、一たび野鳥が鳥インフルエンザウイルスを県内に持ち込んだ場合は、養鶏農場に侵入し、発生するリスクが高い状況にあります。  昨年一月には、本県でも鳥インフルエンザが発生しましたが、その際に出された国の疫学調査報告においても、隣接するため池に飛来した野鳥や周囲に生息する野生動物から鶏舎内にウイルスが侵入した可能性があることが示唆されております。  こうしたことから、農場内へのウイルスの侵入を防ぐなど、発生を未然に防止する対策が必要と考えます。  鳥インフルエンザはアジア地域で継続して発生しており、今年も韓国では十月以降、野鳥から低病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されていると聞きます。  このような状況の中、環境省のホームページによりますと、先月、愛媛県西条市において採取された野鳥から低病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたところであり、鳥インフルエンザへの警戒が高まったと感じています。  また、豚コレラについても、野生イノシシの感染が飼育豚への感染原因の一つであることが示唆されています。本県でも野生イノシシは県下全域の山間地域のみならず、人間の生活圏まで出没し、油断できない状況です。  鳥インフルエンザや豚コレラなどの家畜伝染病が県内で発生した場合には、畜産経営のみならず、地域経済にも大きな影響を及ぼすことが懸念されるため、迅速な防疫対応により早期に終息させ、影響を最小限にとどめることが重要です。また、県内で鳥インフルエンザ等が発生した際には、養鶏農家等への迅速な情報提供も重要と考えます。  そこで、鳥インフルエンザや豚コレラ等の家畜伝染病の発生予防対策や防疫対応について、鳥インフルエンザの発生の経験なども踏まえ、どのように取り組んでいるのか、知事にお伺いいたします。  質問の第四点目は、詫間港の活性化についてであります。  県管理の地方港湾である詫間港は、香川県西部、美しい自然と浦島太郎の伝説で知られる三豊市詫間町に位置し、荘内半島、粟島等によって囲まれた詫間湾、三野津湾にまたがる天然の良港であります。  旧詫間町は、戦後の昭和二十八年には、本県でもいち早く町発展の基本方針を港湾開発へと転換し、現在までに約百十ヘクタールの工業用地を造成したほか、六十六ヘクタールの水面貯木場等の港湾施設を整備してきました。また、昭和四十五年には、本県の地方港湾としては初めての関税法による開港指定を受けた貿易港となり、港湾周辺の広大な塩田跡地と埋立地には、造船、鉄鋼、木材等を初めとする各種企業が進出し、平成九年当時の港湾取扱貨物量は約百八十万トンで、工業港、木材流通港としても県内でも有数の港湾に成長し、また、香川県地域防災計画において大規模災害発生時の緊急物資の輸送拠点となる防災機能強化港にも位置づけられています。  旧詫間町は、西讃地域に集積している企業の物流の効率化を図るため、平成五年ごろから町の最重要課題として詫間港コンテナターミナル構想について検討を始め、同時期に高松港コンテナターミナルの計画が浮上したことから、当初から神戸港とのフィーダー航路に絞り貨物の利用調査などを進めるとともに、県にコンテナターミナルの整備の要望を行ってきました。  そこで、県はコンテナターミナル及びその荷役機械を整備し、平成十年七月に詫間港コンテナターミナルを開設し、神戸港とのフィーダー定期航路が週二便就航されました。  開設当時の新聞報道では、港湾背後圏の企業からは、物流ルートの選択肢が広がるため、企業にとってプラスであり、開設を歓迎しているとの報道がなされたところであります。  開設後は順調に取扱貨物量を伸ばし、さらに四国開発フェリーが平成十六年十一月から週七便で寄港を開始したこともあり、平成十八年には約五千TEUと最高の取扱貨物量を記録しました。  その後、平成二十年の高速道路料金の値下げを機に四国開発フェリーが寄港を休止して以降は、コンテナ取扱貨物量が減少し続け、平成二十二年にはフィーダー航路も不定期となったことから、平成三十年実績では、不定期航路が年三回のみの寄港で、取扱量も百五TEUまで減少しています。  しかし、西讃地域の企業にとっては、詫間港は重要な物流拠点であり、高松港や三島川之江港まで陸上輸送するなど非効率な物流形態を強いられている現状を考慮すると、西讃地域における地域経済の持続的発展のためには、詫間港が活用され、再び活性化することが必要不可欠と私は考えます。  詫間港を将来どのように活用していくのかは、地元三豊市がまちづくりを考える中で検討していくものではありますが、詫間港の活性化は、西讃地域を初め本県経済の発展に資するものであり、県としても検討すべき重要な課題であると考えます。  そこで、県は今後、県管理港湾である詫間港の活性化について、どのように取り組んでいくお考えか、知事にお伺いいたします。  最後の質問で第五点目は、歯と口腔の健康づくりについてであります。  先日の新聞報道によりますと、八十歳で歯を二十本残そうという運動が始まって三十一年になり、厚生労働省の調査によると、スタート時に八十歳で歯が二十本以上残っている方は十人のうち一人に満たなかったものが、二〇一六年度には二人に一人にふえており、日本人の健康意識が高いことのあらわれだと言われております。  また、生涯を通じて自分の歯で何でもかんで食べることにより、正しい食生活が可能となり、肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防するとともに、食べる喜び、話す楽しみといった生活の質の向上を図ることにつながるとも言われており、私としても歯と口腔の健康については強い関心を持ってきたところであります。  本年十月に公益社団法人香川県歯科医師会が開催した二〇一九デンタルミーティングKagawaに参加させていただきましたが、そこで配付された香川県歯科医師会の資料によりますと、歯の数と要介護との関係において、歯が十九本以下の人は二十本以上の人に比べて要介護になりやすいことや、歯の数が多く歯周病が軽度なほど五年後の生存率が高く、介護サービスを受けている人が少ないといったことなどが述べられており、歯の健康を保つことは、健康づくりや健康寿命の延伸に大きな影響を与えるものだと改めて認識したところであります。  また、近年、加齢に伴って滑舌の低下や食べこぼし、かたいものがかめないなどといった口腔機能の低下が、次第に栄養の偏りや社会性の低下、心身の虚弱を招き、要介護の状態に進んでしまう、いわゆるオーラルフレイルという新しい概念が歯科医療関係者の間で提唱されており、こうした概念を広く県民の間に普及させることは、増加を続ける高齢者の介護予防などの観点からも重要なことではないでしょうか。  こうした中、県においては、平成二十三年に制定した香川県歯と口腔の健康づくり推進条例に基づき、平成二十五年度から令和四年度までの十年間を計画期間とする香川県歯と口腔の健康づくり基本計画を策定し、県民一人一人の歯と口腔の健康の保持・増進のため、乳幼児期から高齢期にわたるライフステージに応じた切れ目のない歯科口腔保健の推進や、歯科疾患の予防と早期発見・早期治療を行うための環境づくりに取り組んできたところであります。  昨年度は、同計画の策定から五年が経過したことから、これまでの評価指標項目の達成状況について中間評価を実施するとともに、歯と口腔の健康づくりの推進に係る施策の成果を検証することにより、計画後期における施策や重点的に取り組むべき事項の整理が行われたところであります。  県では、この計画に基づき、八十歳でみずからの歯を二十本以上保つための取り組み、いわゆる八〇二〇運動などを計画的に実施していると思いますが、歯と口腔の健康づくりにこれまでどのように取り組み、今後、どのように取り組んでいくお考えか、知事にお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇)
    ◯知事(浜田恵造君)斉藤議員の御質問にお答えいたします。  まず、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてであります。  このうち、パラリンピックに向けた本県出身選手への支援につきましては、関係団体と緊密に連携しながら、香川県障害者スポーツ協会を通じ、選手や団体の強化指定を行い、強化合宿費や競技用具の購入費など選手強化全般に要する経費を助成するなどの取り組みを行っているところであります。  こうした取り組みにより、昨年行われたインドネシア二〇一八アジアパラ競技大会に本県から二名出場し、卓球のチームで銀メダル、車椅子フェンシングで銅メダルを獲得しており、今年度は東京二〇二〇パラリンピックに出場が期待される選手五名を香川県障害者スポーツ強化指定選手の最上位ランクに指定し、引き続き国際大会等への遠征費を助成するなど支援を行っております。  次に、外国人観光客の誘客につきましては、定期路線就航先の東アジアに加え、欧米豪からの誘客に積極的に取り組むことが重要であり、今年度は広域観光組織と連携し、アメリカのPR会社を活用したプロモーションや、県内観光地を含む旅行商品の造成支援などに取り組むとともに、国内の航空会社と連携して、動画投稿サイト等での広告配信を実施し、航空券などの予約促進に取り組んでおります。  今後は、関係機関と連携して、引き続き海外メディアなどへの情報発信を強化し、本県の認知度向上を図るとともに、大会の開催に合わせて観光庁が東京への集中回避のため検討している二〇二〇年特別キャンペーンや、文化庁が日本文化の発信のため東京で実施する日本博に参画することで、外国人観光客の本県への誘客に取り組んでまいりたいと考えております。  私といたしましては、本県の選手が一人でも多く東京二〇二〇パラリンピックに出場できるよう関係団体と緊密に連携しながら取り組むとともに、オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、本県が周遊・滞在地域として選ばれ、大会後も継続的に誘客が図られるよう積極的に取り組んでまいります。  次は、土地改良区への支援とため池対策についてであります。  改正土地改良法の施行により、土地改良区に対して貸借対照表の作成が義務づけられましたが、その作成に必要な土地改良施設の資産評価につきましては、土地改良区の負担軽減を図るため、香川県土地改良事業団体連合会が行っており、その作業経費に対して補助をしているところであります。  また、土地改良区の運営基盤の強化には、合併や合同事務所の設置が有効な方策であることから、市町や関係団体と連携しながら、地域の実情を踏まえ、合併等に向けた土地改良区間の調整や事務手続に関する指導・助言を行うとともに、統合再編の経費に対して支援しているところであります。  これまで、丸亀市やさぬき市において土地改良区の合併を支援してきたところであり、今年度は、まんのう町内の三つの土地改良区の来年度の合併に向けて指導・助言を行っております。  しかしながら、なお小規模な土地改良区が多いことから、その運営基盤・事業実施体制の一層の強化が重要であると認識しており、今後とも土地改良区の合併等を推進してまいります。  次に、今後のため池対策についてであります。  本県における農業用ため池につきましては、これまでも全国に先駆けてため池の保全に関する条例を策定し、その保全に努めてまいりました。  また、昭和四十三年度から老朽ため池整備促進計画を順次策定し、現在、第十一次五カ年計画に基づき、老朽ため池の整備、ため池の耐震化整備、中小規模ため池の防災対策の三本柱を基本方針として、ため池の総合的な防災対策に積極的に取り組んでいるところであります。  さらに、本年六月に再選定した防災重点ため池について、各市町に対し緊急連絡体制の整備を促進するとともに、浸水想定区域図や影響度等を踏まえたハザードマップの作成を支援しているところであります。  あわせて、ため池など農業用施設の保全・管理につきましては、農業者のみならず地域の多様な主体で構成される活動組織が、多面的機能支払事業を活用し、定期的な施設診断や保全管理を行うことが有効であることから、その事業推進に積極的に取り組んでおります。  今後とも、農業用ため池の管理及び保全に関する法律も踏まえ、各市町や農業関係者と緊密な連携を図りながら、ため池の防災・減災対策と適切な保全管理を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、鳥インフルエンザ等の防疫対策についてであります。  議員御指摘のとおり、鳥インフルエンザやCSFいわゆる豚コレラ等の家畜伝染病の発生は、畜産農家や地域経済にも大きな影響を及ぼすことから、県内で発生しないよう、危機感を持って、その発生予防に努めるとともに、防疫対応の強化に取り組んでおります。  発生予防については、野生鳥獣等を介した農場への病原体の侵入防止を徹底するため、昨年度は鶏舎への防鳥ネット等の設置支援を行ったところであり、今年度は養豚農場への野生イノシシ等の侵入防止柵の設置支援を行うため、今議会に補正予算議案を御提案しております。  防疫対応については、万が一、家畜伝染病が県内で発生した場合に、迅速かつ円滑に行えるよう、昨年度見直しを行った鳥インフルエンザの防疫マニュアルに基づき、本年十月に、国、市町、関係団体の担当者が参加して実践型の防疫演習を行ったほか、防疫作業に必要なフォークリフトの実技研修等を行っています。  また、必要な情報を速やかに関係機関・団体、農場関係者に提供できるよう、初動時の連絡体制を確認する図上訓練を実施するとともに、発生時における消石灰の緊急配布の手順等を確認するなど、防疫対応の強化に取り組んでおります。  私といたしましては、今後とも国や各市町、関係団体と連携しながら、家畜伝染病の発生予防のための飼養衛生管理基準遵守の徹底への指導や、防疫体制のより一層の強化に取り組んでまいります。  次は、歯と口腔の健康づくりについてであります。  歯と口腔の機能は、おいしく食べるということだけでなく、楽しく会話をする、表情を豊かにするなど、健康で質の高い生活を営む上で基礎的な役割を果たすとともに、歯周病と生活習慣病との関連性が示されるなど、歯と口腔の健康づくりは全身の健康の維持・向上にも重要な役割を果たしています。  このため、県では、香川県歯と口腔の健康づくり基本計画に基づき、歯科口腔保健に関する知識の普及や歯科疾患の予防など、生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを推進するとともに、充実した質の高い歯科保健医療が提供できる環境づくりを進めるなど、総合的な歯科保健対策に取り組んできたところであり、昨年度は基本計画の中間見直しを行い、計画後期における重点事項として、成人期における歯周病対策の強化や高齢期におけるオーラルフレイル対策などを新たに追加いたしました。  このうち、成人期における歯周病対策の取り組みとして、今年度、新たに歯周病検診の受診率向上を図るため、各市町が検診にあわせて行う歯の表面クリーニングに対して助成を行うこととし、四市七町において実施されております。  また、高齢期におけるオーラルフレイル対策につきましては、高齢者の介護予防に携わる方を対象に、オーラルフレイルに該当しているかどうかの評価の仕方や、その評価結果に基づく指導方法等について、専門家を招いた研修会を来月二十二日に実施するとともに、県民公開講座「お口だって老化するんです!オーラルフレイルを知っていますか?」を来年三月二十二日に開催するなど、予防や改善について広く普及啓発してまいります。  私といたしましては、今後とも各市町や関係団体等と連携し、ライフステージに応じた歯と口腔の健康づくりを積極的に推進し、健康長寿の香川の実現を目指してまいりたいと考えております。  なお、そのほかの御質問につきまして、土木部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(大山一郎君)片山土木部長。    (土木部長片山秀樹君登壇) ◯土木部長(片山秀樹君)斉藤議員の詫間港の活性化についての御質問にお答えいたします。  詫間港は、バルク貨物を中心に工業港、木材流通港として発展し、平成九年には取扱貨物量が約百八十万トンとなるなど、西讃地域の物流拠点として重要な役割を担ってきました。  また、徐々にコンテナ輸送が主流となる中、県では平成十年にはコンテナターミナルを整備するなど、港湾機能の強化を図ってまいりました。  しかしながら、社会経済情勢の変化や企業の物流コストの削減等を背景に、その生き残りをかけた各港間の競争がますます激しさを増す中、詫間港の取扱貨物量は、近年著しく減少しております。  こうした中、県と三豊市では、平成二十六年度に詫間港の活性化方策検討会を設置し、三豊市の意向を踏まえ、まずは詫間港コンテナターミナルの利用促進を中心に、活性化方策について事務レベルでの協議・検討を行ってきたところであります。  検討会では、これまでコンテナ貨物を取り扱う県内の代理店に詫間港利用の可能性について意見を伺うとともに、中讃地域や西讃地域、さらには四国中央市に事業所のある企業八百五十五社に対してアンケート調査を行い、その利用に関心のある十二社に対してポートセールスを行ってきたところですが、依然として厳しい状況にあります。  このため、今年度からは、コンテナターミナルの利活用について、コンテナ貨物にとらわれず、バルク貨物の取り扱いについても検討が必要と考え、現在、三豊市が中心となって地元企業にその輸送形態等について直接意見を伺っているところであり、今後、この検討結果も踏まえ、幅広く活性化方策について検討していくこととしております。  県といたしましては、引き続き三豊市と連携して、本県経済の発展に資する詫間港の活性化について取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)斉藤議員の東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。  県教育委員会では、これまでスポーツ競技力の向上のため、ジュニア期から才能のある選手を発掘し、トップレベルに至るまで一貫指導システムのもとで、その競技レベルに応じた育成・支援を行ってきたところです。  小学四年生から六年生までを対象としたスーパー讃岐っ子育成事業や、中・高校生を対象としたスーパーアスリート育成事業により、小学生のときから計画的に指導を受けてきたレスリング競技の竹下航生選手が今年の茨城国体で優勝、陸上競技棒高跳びの田中伶奈選手は、四月のアジア選手権大会に日本代表として出場し、五位に入賞しております。また、今年のスーパーアスリート育成事業指定選手三十七名のうち二十一名が全国大会で優勝し、さらにウエイトリフティングの田中美奈選手は日本高校記録を樹立するなど、国際大会や全国大会で活躍する選手が育ってきているところです。  東京オリンピックに向けては、本県出身選手が五人以上出場するという目標を掲げており、昨年度から東京オリンピック候補選手強化事業を実施し、指定選手に対し、国内外の試合への旅費、競技用具の購入費、体のコンディショニングに必要な検査や治療費などの支援を行っているところです。今年度はバドミントンの桃田賢斗選手を初め、バスケットボールの渡邊雄太選手、フェンシングの宇山 賢選手、昨日まで熊本で開催されていた女子ハンドボール世界選手権に出場していた塩田沙代選手、河田知美選手、大山真奈選手など十四競技二十一名を指定しています。  各競技の代表選考会等も終盤に差しかかってきておりますが、選手が持てる力を最大限発揮し、一人でも多く東京オリンピックに出場し、活躍できるよう支援を続けるとともに、今後もオリンピックを初め国際大会等に出場できるトップアスリートの育成・強化に引き続き取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)一般質問を続行いたします。  森 裕行君。    (森 裕行君登壇、拍手) ◯森 裕行君 リベラル香川の森 裕行でございます。ただいまから一般質問をさせていただきます。  質問の一点目は、自殺対策についてです。  本県では、交通事故死者数が全国ワースト上位の状態が何年も続き、県を挙げて死亡抑止対策に取り組んでおり、昨年の死者数は四十四人でした。これに対して、昨年の自殺者数は、人口十万人当たりの人数こそ十五・七と全国平均の十六・一をやや下回っており、平成元年以降では、一昨年に次いで少ない人数となっておりますが、それでも百四十九人にも上り、交通事故死者数の三、四倍の方が亡くなっています。しかし、交通事故に比べると大きく取り上げられることもなく、対策についても、人員や予算の面で十分なものとは言えません。  このような中、平成二十八年四月に自殺対策基本法が改正され、都道府県は国の指針や地域の実情を勘案して都道府県自殺対策計画を定めるものとされたことを受けて、本県では、いのち支える香川県自殺対策計画を平成三十年度から令和四年度までの五年間を対象期間として策定しています。この計画は、近年自殺者数は減少したものの、それでも多くのかけがえのない命が失われているという現実を踏まえ、自殺に追い込まれることは誰にでも起こり得る危機と捉えて、誰も自殺に追い込まれることのない香川の実現を目指すために策定されたものだと理解しております。  この計画の中では、本県の自殺の実態を分析した地域自殺実態プロファイルが掲載されています。プロファイルは、平成二十四年から二十八年に起こった自殺を性別、年代別などから分類して、多い順に整理することで本県の自殺の特徴を把握したものでありますが、「男性六十歳以上無職同居」の自殺が百三人で最も多く、次いで「女性六十歳以上無職同居」がほぼ同数でした。三番目は「男性二十から三十九歳有職同居」七十九人、四番目、「男性四十から五十九歳有職同居」七十二人、五番目、「男性四十から五十九歳無職同居」の五十九人となっています。  この分類の背景にある主な自殺の経路と照らし合わせることで、優先的に取り組むべき施策が明らかにされており、本県においては、「高齢者」、「生活困窮者」、「子ども・若者」、「勤務・経営」への対策が挙げられております。  自殺に至る経路は複雑多岐にわたり、複合的に多数の要因が組み合わさって至るため、一口に対策といっても広範でつかみどころのないものになりがちです。  そこでまず、このプロファイルで明らかになった優先課題に対して重点的に取り組むべきと考えますが、知事はこれら四つの課題に対して、どのように力を入れていかれるのか、お尋ねいたします。  特に、近年は人手不足の影響もあって労働環境の悪化が顕著になっております。職場における長時間労働や過労死、パワハラ、メンタルヘルスの悪化などがふえており、それを背景とした自殺が大きな問題となっておりますので、この分野にはスピード感を持って格別の取り組みを進めていただきたいと思いますが、どのように取り組まれるのか、お答えください。  一方で、ただいま申し上げましたように、自殺はさまざまな要因を背景に悩みが重なって追い詰められた末に起こるものでありますので、社会全体、地域全体でさまざまな分野の関係者が連携・協力しながら、総合的に推進していくことも重要であります。そして、もちろんその際には、各関係者の取り組みが着実に進むように、それぞれの果たすべき役割を明確化した上で、相互の役割や取り組みの情報を共有する必要があります。その点では、地域における自殺対策計画をつくることとなっている県は、各主体の取り組みの進捗管理や施策の検証など、地域における自殺対策全体に目配りしながら、総合的にマネジメントしていく立場にあると思いますが、こうした立場から、知事は、いのち支える香川県自殺対策計画に掲載する各種の取り組みが効果を上げ、数値目標等を達成することができるよう、どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお尋ねいたします。  質問の二点目は、陝西省との交流推進についてです。  陝西省の省都西安市は、古く中国の都で長安と呼ばれ、前漢から随、唐までの一千百年余り首都でありました。  そのために、多数の世界的な文化財を有する地域でもあります。まず、誰もが知る秦始皇帝の陵墓があります。一九七四年に西安に住む農民が、水を探して地面を掘ったときに、地下の空洞にたくさんの陶製の人形が並んでいるのを見つけました。その後の発掘調査で兵馬俑と呼ばれる陶製の将軍・兵士・軍馬などの像が約八千体、青銅器が四万点見つかりました。この兵馬俑は二千年以上前につくられたもので、一体一体表情の異なるものです。現在はここがそのまま博物館となり、世界遺産に登録されています。  始皇帝の陵墓のほかにも、西安には昔の皇帝の墓が幾つかありますが、乾陵と呼ばれる陵墓は、唐の高宗と中国の唯一の女性の皇帝則天武后が葬られている合同陵墓です。昔は広い敷地の周りには城壁がつくられていましたが、今はその面影はありません。敷地内には約五百メートル続く参道があり、その両側には武官、文官、動物などをかたどった石像が百二十体ほど並んでいます。乾陵には二人の皇帝の墓のほか、皇太子やその家族の墓もありますが、ほとんどの発掘は終わり、四千三百点ほどの遺品が発見されています。  また、西安の城壁は明時代につくられ、世界に残っている城壁の中で最大の規模を持つと言われています。城壁には西門、南門、北門などが残っていて、周囲十三・七キロメートルで、高さ十二メートル、城壁の上部は十五メートルの幅を持つ通路です。  香川県との関係で言えば、西安の東南部に五八二年につくられた青龍寺という寺院があります。現在の建物は再建されたものですが、ここに善通寺に生まれ、高野山に寺を築き、真言宗を広めた弘法大師空海の記念碑があります。空海は八〇四年に遣唐使とともに中国の長安に渡り、ここ青龍寺で修行し、恵果阿闍梨より真言密教の灌頂を受けています。当時の中国に伝わった真言密教は、このときより日本において法灯を守ったということです。空海は日本において真言密教を国家仏教として定着させました。  こうした古い歴史や多彩な文化財にひかれて西安には世界中から多くの人が訪れます。ところが、先ごろ東京国立博物館で特別展「三国志」が開催され、西安市を初め中国各地から海外に出るのは初めてという国宝級の文物が日本に集まりました。中国国内でも見ることができなかったものも展示され、この特別展が開催されていた期間は、ほぼ毎日満員の見学者が訪れていました。日本以外の方も多く観覧に訪れ、中国の方も、まさか日本でこれほどのものが見られるとはという感想を残されたとのことです。  このような特別展は、東京だからできたと思う方が多いとは思いますが、陝西省にとって本県は友好提携を結び、長年にわたり良好な関係を築きながら交流を重ねてきた特別な場所であります。  そこで、香川と陝西省の文化交流の一環として、西安から、かの国の国宝級の文物をお借りして、県立ミュージアムで展示しながら、陝西省や西安市のことを詳しく紹介することができれば、多くの県民や県内在住の中国の方が観覧にお越しになり、我が国と陝西省との関係への理解も深まるのではないかと思います。  また、県立ミュージアムは歴史博物館と美術館の二つの機能をあわせ持つ施設でありますことから、このような特別展こそ開催する意義があると思いますし、県民の方にも県立ミュージアムの役割や価値を改めて知っていただくことにつながります。  そこで、陝西省との親善の深化や県立ミュージアムの効果的な活用の一つのきっかけにもなると思うこのような企画を検討していただきたいと思いますが、知事の御所見をお尋ねいたします。  また、先般、香川県・陝西省友好県省提携二十五周年記念で香川県友好代表団が陝西省を訪れて友好関係を確認してまいりましたが、その際、日中友好議員連盟と陝西省人民代表大会常務委員会は友好交流協議書を結び、今後は双方の議会としても一層の交流と協力を推進していくこととしております。  このように周年行事や新たな友好交流協議書の締結により、双方において友好交流の機運が一層高まっておりますが、知事は今後、陝西省との交流をどのように進めていかれるおつもりか、お聞かせください。  質問の三点目は、学童保育に対する支援についてです。  学童保育を行う施設は、二十年ほど前までは全国で一万件に満たないような状況でしたが、今は二万五千件を超えるくらいの数となっています。それでもまだまだ足りないのが現状のようでもありますし、実際稼働している施設にしても、十分な面積も人も配置できないような状況のものがふえてきています。待機児童も二万人を超える状況だと言われています。学童保育に登録されている児童数は、昨年の調査で百二十三万四千人で、五年前より三十四万五千人、約四割もふえています。  このような施設の不足や待機児童の発生の背景には、人、場所という大きな二本の柱が十分に確保されていないという問題があります。  こうした中、まず、人の確保に関しては、全国知事会など地方六団体の要請を受け、政府の地方分権有識者会議において、学童保育一カ所について二人以上の職員配置が義務づけられているものを、地方の人手不足に配慮して一人の職員の配置でも容認するとの方針が示されました。その結果、職員二人の配置は平成二十六年四月に施行された放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準において、市町村が「従うべき基準」とされていましたが、四年間で緩和され、令和二年四月より「参考にすべき基準」となります。これに対しては、保育の質の低下につながる、児童の安全や安心が確保できなくなるとして、保護者や運営団体から反対の声が上がっております。また、人が確保できないのは、放課後児童支援員の大半が年収百五十万円以下であり、働いて生活することが難しいからであり、まずこの点を改善すべきであるとの意見もあります。  場所の確保については、法律上は学校教育法にも社会教育法にも、学校施設をさまざまに活用してよいことが書かれています。また、現状の学童保育施設は多くが学校内にあります。少子化が進んでいる現状の中で、学童保育を学校の空き教室で行うことが合理的と期待されている部分はありますが、学校のほうで余りいい顔をしていただけないところもあり、市町教育委員会は積極的に対応しようとはしていないとの事例もあるとのことです。学校は文部科学省の管轄であり、学童保育の所管は厚生労働省であるために、相互の意思疎通が十分でない場合もあります。  このような状況の中で、政府の規制改革推進会議では、次のような答申を打ち出しています。「文部科学省は、児童の放課後の居場所確保の重要性について、小学校施設整備指針に明記する。小学校内で学童保育が実施される場合、実施主体は学校でなく、市区町村の教育委員会や福祉部局等であり、これらの部局が責任を持って管理運営に当たることを明確にする必要がある。このため厚生労働省及び文部科学省は、学校施設の管理運営上の責任(教育財産の取扱い、校舎の区分及び管理、学校既存施設の利用、事故等に係る責任の範囲等)の所在について、関係部局間での取決めが行われやすくするよう、参考となるひな形を作成し、地方自治体へ通知する。厚生労働省及び文部科学省は、これまで取り組んでいる放課後児童クラブの学校内での設置促進に向けた手続の簡素化・弾力化や予算措置について、地方自治体において活用されるよう周知を徹底する。厚生労働省及び文部科学省は、小学校施設の徹底活用がなされている地方自治体の特徴的な取組の事例を他の自治体に周知する。」などと、学校施設を有効に活用できるよう、両省の積極的な連携を促しています。  全国学童保育連絡協議会の資料によると、学童保育に対する年間の国庫補助金は年々拡大され、八百億円程度が投入されています。しかし、この額は保育所に対する額と比べると一桁少ない規模のようです。保育所の利用者は学童保育利用者のおおむね二倍程度ですから、学童保育に対する補助金は少な過ぎるように感じます。国や産業界を挙げて女性の働き方改革の取り組みが進められていますが、子供が小学生になった途端、子供を見るために仕事をやめなければいけなくなってしまっては意味がありません。現在は昭和の時代とは違い、小学生になれば子供たちだけで過ごせる社会ではありませんので、保育所・幼稚園対策と同じ程度に学童保育対策への予算や人材の投入が求められております。  県内でも学童保育の問題はだんだんと大きくなっていくように思います。私の子供たちの時代には学童保育という言葉もなかったように思いますが、現在は多くの小学生は当たり前のように学童保育を利用しています。  そこで、学童保育の県下の状況をお尋ねするとともに、人の確保と場所の確保に今後、どのように取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねいたします。  また、先ほど述べたように、学童保育の指導員のほとんどの人は年収百五十万円以下の賃金実態であり、このことが人の確保に向けての障害となっています。  そこで、この点について、県としての対策が必要と思いますが、知事はどのように考えており、また、どのようにしていくのか、お尋ねいたします。  質問の四点目は、自転車の安全利用についてです。  県では、二〇一八年四月一日に香川県自転車の安全利用に関する条例を施行しています。条例施行に伴う周知資料には、「香川県は平地が多く、雨が少ないため、通勤や通学、買い物など、多くの人が自転車を利用しています。近年では、自転車ブームで趣味やスポーツ、健康増進を目的とした利用者も増えている一方で、スピードの出し過ぎなどによる自転車事故の重大化や、一部の自転車利用者のルールに違反する危険な運転が社会問題になっています。香川県における人口十万人当たりの自転車事故発生件数は、二〇〇五年から七年連続ワースト一位でした。二〇一二年以降、事故件数は減っているものの、依然ワースト上位が続き、全交通事故数に対する自転車事故の割合も横ばいの状態です。」と、条例制定の背景が記載されています。  条例では、自転車事故を減らし、仮に事故が起こったとしても被害を小さくするために、自転車の安全利用に関して大きく五点の事柄を定めております。一つ目は、交通ルールの遵守とマナーの向上、二つ目は自転車交通安全教育、三つ目は自転車の点検整備、四つ目はヘルメットの着用、五つ目は自転車損害保険等への加入努力であり、県民はもとより、県、市町、警察、その他自転車利用に関する関係者がそれぞれの役割に沿ってさまざまな取り組みを進めることとなっています。  しかし、条例施行後一年半余りが経過しましたが、特に交通ルールの遵守、マナーの向上という点では、まだまだ県民の意識や行動が十分でないように感じられます。自転車が歩道を高速で走行して歩行者と接触しそうになったり、駐車場に出入りする自動車と衝突しそうになったという話はいまだになくなりませんし、定められた通行方向を守らず車道を走る自転車なども見かけます。特に朝夕の忙しい街なかでは、歩行者の安全に配慮して歩道を走る自転車を見かけることは少ないと思います。  そこでまず、条例制定後、自転車事故の状況はどのようになったのか、現状をお伺いいたします。  そして、ただいま申し上げた現状を踏まえますと、自転車条例に定められた五つの施策のうち、交通ルールの遵守とマナーの向上及び自転車交通安全教育は、最優先で重点的に取り組む必要があると考えますが、これらの施策について知事はどのように取り組み、県民の意識向上を図っていこうとしているのか、お尋ねいたします。  また、条例ではヘルメットの着用を促進し、自転車損害保険等への加入に努めることとされていますが、被害の軽減や被害者への救済をしていく観点から、単なる訓示に終わるのではなく、実績が上がるような取り組みが必要ではないかと思いますが、知事はどのような取り組みにより県民への普及を図っていかれるのか、お答えください。  そして、もちろん、自転車の安全利用を進めるためには、県民の意識向上が基本となりますが、悪質な交通ルール違反には厳正な取り締まりも必要であります。  そこで、警察本部長には、条例制定後の取り締まり実績と今後の自転車の交通事故防止対策についてお伺いいたしまして、私の一般質問を終了いたします。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)森議員の御質問にお答えいたします。  まず、自殺対策についてであります。  自殺対策の推進に当たりましては、適切な支援を迅速に受けられる相談体制の充実に加え、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立などのさまざまな社会的要因を減らすための包括的な取り組みが重要であると考えております。
     こうした考え方のもと、御指摘の国の自殺総合対策推進センターが作成した自殺実態プロファイルにおいて選定された「高齢者」、「生活困窮者」、「子ども・若者」、「勤務・経営」の四つの課題に対する取り組みにつきましては、県といたしましても、これらの課題に関連する施策を県政運営の基本指針である新・せとうち田園都市創造計画において重点施策等に位置づけており、今後も重点的に取り組んでまいります。  とりわけ職場における長時間労働の是正や過労死の防止等については、アドバイザー派遣による働きやすい職場づくりのための助言や、社内労働環境の整備に取り組む中小企業等への助成などにより、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に積極的に取り組んでまいります。  また、数値目標の達成に向け、保健、医療、福祉、労働などの関係機関や民間団体などで構成する香川県自殺対策連絡協議会において、各主体の取り組みの進捗管理や施策の検証のほか、自殺対策の総合的な実施方針を検討するとともに、今年度から新たに若年層の自殺予防を図るため、小・中・高校十二校において、臨床心理士等による心の健康づくりに関する出前講座を実施するなど、より一層の取り組みを推進しております。  私といたしましては、引き続き各市町や関係団体と連携しながら、いのち支える香川県自殺対策計画を着実に実行することにより、誰も自殺に追い込まれることのない香川の実現を目指してまいります。  次に、陝西省との交流推進についてであります。  本県と中国陝西省との交流については、平成六年に締結した友好県省提携に関する協定書に基づき、経済、文化、教育、スポーツなどの幅広い分野において交流事業を実施してまいりました。  本年は、陝西省との友好県省提携から二十五周年目の節目の年であり、九月には県議会の皆様とともに友好代表団として陝西省を訪問し、陝西省政府へ表敬訪問するなど、交流のきずなを一層深めたところであります。  これまでのこうした訪問に加え、平成十年にはサンメッセ香川において陝西省文華博を開催し、陝西省の貴重な文物を展示したほか、機会を捉え、中国の文化などを紹介するイベントや写真展を開催するなど、文化交流を通じて、県民の皆様に陝西省の理解が一層深まるよう努めてまいりました。  議員御指摘の県立ミュージアムを活用した展示等につきましては、双方にとってどのような文化交流が有意義なものとなるのか、社会情勢なども踏まえつつ、まずは陝西省と意見交換に努めたいと考えております。  私といたしましては、今回の訪問の成果を生かしつつ、長年にわたって培った相互の信頼関係を礎としながら、協定の四原則の一つである長期安定の観点に立って、市町、民間団体とも連携しながら相互の理解と信頼を深めるため、陝西省との交流の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、学童保育に対する支援についてであります。  放課後児童クラブ、いわゆる学童保育につきましては、本年五月一日現在、県内八市七町で、昨年同期に比べて五クラブ増の二百八十二クラブが設置され、登録児童数は一万一千四百五十三人と、昨年同期より五百五人増加しておりますが、地域によっては定員を上回る入所希望があることから、国が公表している昨年五月一日時点の調査によると、県内では三百五人の待機児童が発生しております。  その主な要因は、共働き世帯等の増加に見合う放課後児童支援員等の確保が困難であることや、受け入れ施設が不足していることにあると認識しております。  お尋ねの人の確保については、県において放課後児童支援員や補助員の養成研修を行い、平成二十七年度から昨年度までに支援員として七百六十八名、補助員として二百三十六名を養成したところであり、今後も各市町等における人材確保を支援してまいります。  また、場所の確保につきましては、現在、学校敷地内の専用施設のほか、学校の余裕教室や児童館、保育所等、さまざまな施設を活用して実施されており、県といたしましては、今後とも地域の実情に応じた実施ができるよう、施設整備に対し補助を行うとともに、施設の活用についての相談に応じるなど、県教育委員会とも連携して、実施主体である各市町への支援を行ってまいります。  また、支援員等の処遇改善につきましては、国の交付金を活用して、平成二十七年度より、十八時半を超えて開所する場合に賃金改善に要する経費の補助を行っているほか、平成二十九年度からは、勤続年数や研修実績等に応じた処遇改善を行っておりますが、なお改善の必要があると認識しており、県としては処遇改善のための財源が一層確保されるよう、引き続き国に対して要望してまいります。  私といたしましては、児童が放課後に安全に安心して過ごせるよう、支援員等の確保と施設の整備について、引き続き各市町に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  次は、自転車の安全利用についてであります。  本県における自転車が関係する交通事故の昨年の発生件数は八百二十二件と、香川県自転車の安全利用に関する条例制定前の一昨年に比べ百二十三件減少しているものの、人口十万人当たりの発生件数は全国ワースト九位にあり、厳しい状況が続いております。  県におきましては、条例の制定後、県広報誌を初め、テレビ、新聞、ラジオ等、あらゆる媒体を活用して条例の周知啓発を行ってまいりました。  このうち、交通ルールの遵守と交通マナーの向上につきましては、今年度、自転車の左側通行やながら運転の禁止などを、具体的な事例でわかりやすく解説したチラシを作成し、県内全世帯に配布したところであり、今後も引き続き街頭キャンペーンなどさまざまな機会を活用して啓発を行ってまいります。  自転車安全教育につきましては、これまでも県内全ての高校生を対象に自転車運転免許制度を実施し、生徒の交通安全意識の醸成に努めてきたところでありますが、今後、若年層に次いで自転車事故が多い高齢者についても、交通安全教室を活用した啓発を行うなど、交通安全教育の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  ヘルメットの着用につきましては、ヘルメット非着用時の致死率が着用時に比べて二倍以上高いことを周知するチラシを作成し、着用の促進を図っているほか、自転車損害保険等の加入促進については、昨年の県内の金融機関等との協定締結に加え、今年度は日本損害保険協会四国支部と連携して、保険の加入状況をチェックし、自分に合った保険を選択するためのチラシを作成し配付したところであり、今後とも関係団体と連携して加入促進に努めてまいります。  私といたしましては、今後とも教育委員会や県警察、関係団体と緊密に連携し、条例の効果的な広報啓発を行い、自転車の安全利用の推進に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(大山一郎君)岡部警察本部長。    (警察本部長岡部正勝君登壇) ◯警察本部長(岡部正勝君)森議員の自転車の安全利用についての御質問にお答えいたします。  本県における自転車事故は、十一月末現在七百四十八件で、前年同期と比較して、発生件数、負傷者数は減少しているものの、亡くなった方は七人であり、自転車の安全利用については、交通死亡事故を抑止する上で重要な課題であると認識しております。  自転車事故は、被害者としての立場だけでなく、歩行者との事故など、加害者としての一面もあり、事故の原因は、基本的な交通ルールが遵守されていないことが挙げられます。  このため、県警察では、毎月十五日の自転車指導取り締まり強化日などにおいて街頭指導を強化するとともに、全ての年齢層に対して、車道での左側通行などを内容とする自転車安全利用五則を初め、基本的な自転車の通行ルールの周知に努めてまいりました。  自転車の信号無視など悪質・危険な交通違反に係る取り締まりの実績については、条例が施行された平成三十年に十九件、本年についても、十一月末現在で十九件を検挙するとともに、約八千二百件余の指導警告を行っております。  また、自転車の交通違反が多く認められる中・高校生の安全利用を促進するため、自転車シミュレーターの活用や、事故の恐怖を直視するスケアードストレート方式による参加・体験型の交通教室を行うとともに、企業や社会人等に対しては、自転車通行マナーアップモデル事業所の活動や、かがわスマートサイクリスト運動を通じて交通ルールの遵守やマナーの向上に取り組んでいるところです。  このほか、道路管理者等と連携して自転車道や分離柵、車道の左側通行を促す路面標示を整備するとともに、自転車の歩道通行を可能とする交通規制の見直しなど、自転車をめぐる安全な交通環境の構築に努めております。  県警察といたしましては、引き続きこうした取り組みを一層強化し、自転車の安全利用の促進と交通事故防止対策に努めてまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時五十二分休憩                         午後 一時  七分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    西  川  昭  吾 君    松  岡  里  佳 君    鏡  原  慎一郎  君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    山  本  悟  史 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    三  野  康  祐 君    森     裕  行 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    大  山  一  郎 君    綾  田  福  雄 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   片  山  秀  樹 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    佐  藤  今日子  君           子ども政策推進局長 小  川  秀  樹 君           会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会委員   溝  渕  香代子  君           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     山  本  浩  司 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ───────────────────────────── ◯副議長(西川昭吾君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  石川 豊君。    (石川 豊君登壇、拍手) ◯石川 豊君 質問に先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。
     本年、十一月二十二日、天皇陛下が即位を国内外に宣明される即位礼正殿の儀が、国内外の代表約二千人をお招きして、皇居においてつつがなくとり行われました。天皇陛下は、「国民の幸せと世界の平和を常に願う」とのお言葉を述べられました。  即位を心からお祝いするとともに、そのお心を私たちもしっかりと受けとめ、令和の歴史を刻んでまいりたいと思います。  来年は、天皇陛下が名誉総裁を務められる東京オリンピック・パラリンピック大会を控え、海外からの日本の歴史・文化への関心もさらに高まるものと思われます。  天皇家・皇室と国民が強いきずなで結ばれてきた日本の国柄をより一層理解し、心を一つに令和の新時代を歩んでまいりたいと思います。  今、日本は幕末維新のような危機の状況を迎えようとしているのではないか。昨年は、明治維新から百五十年でした。ペリー来航以来、わずか十五年で明治維新の大偉業をなし遂げました。当時日本を狙っていたのはイギリス、フランス、ロシア、米国の四カ国でありました。  あの幕末に、外国との国難が迫っている動乱のうねりの中、死を恐れない、国を思い、尊王攘夷を唱え続けたのは、吉田松陰先生と松下村塾の志士たちでありました。吉田松陰先生の大和魂があったから、日本は欧米列強の植民地にならずに済んだのであります。  今、世界の波は協調から対立へ、世界覇権争いの見通しのきかない時代へ変わろうとしていますが、日本の国は、平成の時代から新しい令和の時代が始まりました。  思えば、平成の初め、日本経済はバブルの頂点にあり、日本は海外からジャパン・アズ・ナンバーワンとおだてられ、日本人は日本の精神を失い、物質主義、物・金ファーストにはまり込んだのではないかと思います。  二十一世紀の日本人は、戦後七十四年になり、何か大切なものを忘れていたことに気づき、日本人の精神の再生が起きているのではないでしょうか。新しい令和の時代、日本はどうすべきかを決断していかなければならない時代でもあるようです。  明治時代の義の精神、すなわち公共のため、正義のために行動することが、日本人の精神の気高さでありました。  この令和の新時代を機に、日本は明治の精神、すなわち、「易きに走るな、社会のために尽くせ」であります。吉田松陰先生を初めとする維新の志士たちは、強く大義を愛し、大義に生きた人たちでありました。  光陰矢のごとし、ことしもはや一年が過ぎようとしています。来るべき次の時代の人々に、あの厳しい環境であった時代に、よくぞここまでやったと言われるような仕事をともにしていかなければならないと心に秘めながら質問に入ります。  質問の第一点は、消費税率の引き上げについてであります。  十月一日から、過去二度にわたって延期された消費増税がスタートしました。  現在、我が国は急速な人口減少・少子高齢化が進む中、持続可能な社会保障制度の確立と持続的な経済成長の両立という大きな課題に直面しています。厚生労働省が先月発表した介護給付費等実態統計によると、介護保険給付や自己負担を含む介護費用が二〇一八年度に初めて十兆円を超え、団塊の世代が後期高齢者になる二〇二五年にはさらに膨れ上がる費用をどう抑制するかについて、社会保障審議会で議論されています。  これまでの消費増税の経緯を振り返りますと、故大平正芳総理の時代にさかのぼります。故大平総理が大蔵大臣だった時代に、昭和四十九年のオイルショックのため、大量の赤字国債発行に踏み切った責任を強く感じ、総理大臣に就任した際に税制改革を断行しようと考えて一般消費税導入を提唱しましたが、野党や国民の反対があり、実現には至りませんでした。  それから十四年後、この税制改革は、昭和六十三年にようやく法案公布となり実現し、平成元年、竹下内閣のときに消費税三%で導入され、バブル経済の崩壊を経て平成九年、第二次橋本内閣のときに五%に引き上げられました。  その後、社会保障費の増大が経済成長を上回り続けていることなどを背景に、社会保障の充実・安定化等を図るため、平成二十四年八月に社会保障と税の一体改革の関連法が成立し、消費税率は平成二十六年四月に八%へ、平成二十七年十月に一〇%へ引き上げられることが決定されました。  消費税率の五%から八%への引き上げは、平成二十六年四月に予定どおり実施されたものの、消費税率一〇%への引き上げは、その後、二度延期された後、本年十月に引き上げされたところであります。  一〇%への増税が二度延期された一番の要因は、消費税率八%への増税後に消費が大きく落ち込んだことが影響したことによりますが、安倍首相は、さまざまな経済政策を駆使してデフレ脱却を急いだほうが税収の伸びにつながり、財政再建への近道になると考えたと言われております。  消費税の特徴としましては、税収が人口構成の変化に余り左右されにくい安定財源であることが挙げられます。また、課税逃れなどが少ない、逆進性もあるが徴収コストが安いなども消費税の特徴であり、私は、消費税はある意味すばらしい税制であるというふうに思っていますが、一方で、現在、デフレを解消しつつありますが、まだ完全に脱却したとは考えておらず、増税によりアベノミクスの努力が水の泡にならないことを願っています。  消費増税による経済や国民生活への影響の緩和策としては、今年度の国の当初予算において、中小小売業等で、キャッシュレス決済により商品を購入した消費者に対し還元されるポイント還元に係る経費や、低所得者・子育て世代向けプレミアム付商品券に係る経費などが計上されています。また、酒類及び外食を除く飲食料品と新聞に軽減税率が適用され、対象となった品目の消費税率は八%に据え置かれる複数税率が導入されるなど、増税に伴う経済等への影響を緩和するためのさまざまな施策が講じられているところです。  一方、消費増税による県財政への影響という観点から見た場合、地方交付税で調整されることにより影響がないということでありますが、県民の関心は、今回の消費増税が何に使われているのか、また、自分たちにかかわる社会保障にどのようなメリットがあるのかということです。  消費税は全国的な制度ではありますが、地方消費税という県の歳入になる部分もあるので、その使途等について、県は十分に県民に知らせる責務があると考えます。この点、県民の方々に正しく理解してもらわないと、税金だけ払わされていると思われてしまいかねません。  そこで、十月に消費税率が引き上げとなってから二カ月経過したこのタイミングで、改めて消費増税が具体的に何に使われているのか、また、県民にとってどのようなメリットがあるのか、知事にお伺いいたします。  質問の第二点は、香川せとうち地域通訳案内士の育成及び活用についてであります。  平成三十年十二月、TPP11が発効し、世界のGDPの約一三%を占める経済圏が誕生し、また、本年二月には、日EU・EPAが発効し、世界のGDPの約三割、世界貿易の約四割を占める世界で最大規模の経済圏が新たに誕生しました。これにより、今後、ますますグローバル化が進展し、これまで以上に国境を越えて、人や物、資本などが行き来する時代が予想されます。  また、ことし四月からは、深刻化する人手不足に対応するため、人材を確保することが困難な状況にある産業の十四分野において、新たな在留資格である特定技能制度がスタートしました。報道によると、相手国の出国手続に関するルール整備のおくれなどにより、出だしは低調のようですが、政府は今後五年間で最大約三十五万人を受け入れるとの試算を示しています。  県内でも、香川労働局が発表している雇用統計を見ると、平成二十五年十月末現在で、外国人労働者を雇用している事業所数は八百九十五カ所、四千二百六十二人だったのが、昨年十月末時点では千四百六十七カ所、八千七百三人となっており、県内においても外国人労働者が急速に増加していることがうかがえます。  先月、十一月四日に閉幕した瀬戸内国際芸術祭二〇一九では、県が進める各種インバウンド施策とも相まって、海外からも多くの観光客が訪れました。県によると、来場者の約二割が海外からの旅行者だったということです。  今回の芸術祭のテーマの一つが、「アジアの各地域と瀬戸内の島々との連携」でしたが、私の地元で秋会期から会場の一つとなった伊吹島におきましても、インドネシアを拠点とする三組のアーティストによる作品が展示されました。  また、地元観音寺市では、夜型観光にも力を入れており、瀬戸内国際芸術祭の期間中には伊吹島を訪れた観光客に市内に泊まってもらうよう、映像作品や陶芸の明かりなどを頼りに商店街や旧町並みなどを散策する「よるしるべ」を開催し、市街地への周遊を促す取り組みが行われました。  観光庁がことし三月に発表した訪日外国人旅行者を対象としたアンケート調査によると、「日本を旅行中に困ったこと」という問いに対する回答の第一位は、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」ことだったということです。  本県においても、国際定期便の就航先を中心に訪日外国人旅行者が年々増加しています。全国的に見ても外国人延べ宿泊者数の伸び率においては、香川県は上位になっており、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、平成三十年の本県への外国人の延べ宿泊者数は過去最高の五十万人を超える状況となっています。今後も、本県のインバウンドの増加による地域活性化が大いに期待されるところであります。  一方、訪日外国人旅行者の旅行形態やニーズが多様化する中で、訪日外国人旅行者のきめ細かな受け入れ環境を整備していくことが喫緊の課題となっています。  このような状況の中、訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備に通訳案内士が重要な役割を果たすことから、国において、従来は国家資格が必要な通訳案内士制度について、規制緩和による昨年一月の通訳案内士法の改正に伴い、自治体が独自に導入できるようになりました。  これを受け、香川県では、いち早く県独自の制度として香川せとうち地域通訳案内士を創設しており、今年度は、昨年実施した英語と中国語に韓国語を加えた三言語で実施し、昨年度に引き続き、五十九名が新たに研修を修了したと聞いています。  今後もふえることが予想されるインバウンドへの対応として、地域通訳案内士の活躍が大いに期待されています。  そこで、これまでの地域通訳案内士の活動状況や、今後、インバウンドによる地域活性化を図るため、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三点は、近年の災害を踏まえた河川・砂防施設の整備等についてであります。  地球温暖化に伴う気候変動により、今後、ますます水害、土砂災害などが頻発化、激甚化することが懸念されています。また、全国各地で毎年のように甚大な水害や土砂災害が発生しています。  本県は、平常時は降水量が少ないものの、河川勾配が急で、流路延長も短いため、一たび台風や集中豪雨が発生した場合、洪水が発生しやすいという特徴があります。また、県内には七千カ所近くもの土砂災害危険箇所があり、昨年は、平成三十年七月豪雨や九月の台風二十四号により、県内でも五十七件の土砂災害が発生しており、過去十年間で最多を記録した平成二十九年の十九件を大幅に上回る土砂災害が発生しています。  国の統計によりますと、平成二十七年度末で、全国にある千七百四十一市区町村のうち、平成十八年から二十七年までの十年間に一度も河川の氾濫などによる水害が起きていないのはわずか四十九市区町村で、残り千六百九十二市区町村では十年間に一回以上の水害が起きており、さらに半数近くの八百三十市区町村では十年間に十回以上の水害が発生しているとのことです。  また、土砂災害発生件数は、集計を開始した昭和五十七年から一年間で平均一千件以上もの土砂災害が発生しており、平成三十年の土砂災害の発生件数は三千四百五十九件にも上り、記録に残る昭和五十七年以降では最多となっています。また、土砂災害が発生するおそれのある区域は、日本全国で約六十七万区域に上ると推計されています。  このように、国の統計を見ても、改めて洪水や土砂災害がいかに身近な災害であるかがわかります。  県では、台風や大雨などによる洪水・土砂災害を防止するため、これまでの浸水被害や人家、要配慮者施設の有無など、優先度や緊急度に応じて河川の改修や砂防関係施設の整備を計画的に進めているものと認識しております。  もちろん、自然災害は施設だけでは防ぎ切れるものではなく、ハード対策とともにソフト対策も重要であり、ハード整備を着実に進めると同時に、各市町・防災関係機関と連携した避難体制の強化や自主防災組織の取り組みへの支援、各家庭における防災対策の促進など、ソフト面の対策の両面から備えていくことが重要であります。  県では、これまでに早急に整備する必要がある県内十二水系について、河川整備計画を策定し、整備計画等に基づく整備を進めており、私の地元、一の谷川でも、河川断面が狭小なため、平成十六年や平成二十三年の台風被害などにより、何度も浸水被害があったため、平成二十九年度に河川整備計画が策定され、改修工事が進められているところです。  また、平成三十年七月豪雨等の近年の災害を受け、抜本的な治水対策を集中的に行うため、大規模特定河川事業が新たに創設され、本県では、一の谷川を初め、綾川、本津川が採択されたと聞いており、今年度当初予算にも、その費用が計上されています。  県では、これまでに早急に整備する必要がある県内十二水系について、河川整備計画を策定し、整備計画等に基づく整備を進めていると認識していますが、現在の整備状況、また、国の補助制度の創設も踏まえた今後の整備の進め方について、知事にお伺いいたします。  また、県内に約七千カ所ある土砂災害危険箇所における砂防関係施設の整備状況、また、近年多発している土砂災害の発生状況を踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのか、あわせて知事にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(西川昭吾君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)石川議員の御質問にお答えいたします。  まず、消費税率の引き上げについてであります。  消費税率及び地方消費税率の引き上げは、議員御指摘のとおり、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の歳出増加に対して税収が不足し、その不足を補う将来世代への負担の先送りとなる国及び地方公共団体の借入金の状況を踏まえ、社会保障と税の一体改革として、給付、負担の両面で世代間・世代内の公平が確保された全世代対応型の社会保障制度の構築を通じ、社会保障の充実・安定化を目指すものであると認識しております。  社会保障と税の一体改革全体としての税率引き上げの増収分の使途及び県民の皆様へのメリットにつきましては、まず、社会保障の充実に関し、本県の今年度当初予算では、保育所施設型給付費約十一億五千万円、介護保険料の低所得者負担軽減事業約一億九千万円、保育人材・介護人材の処遇改善関連事業約六億二千万円などに充当されており、保育士が確保され、手厚く配置されることや、介護などにかかわる人材の処遇改善、保険料を納めにくい低所得の方の負担の軽減が図られることなどを通じて、世代を問わず一人一人が安心して暮らせる社会の実現が図られることであると考えております。  また、社会保障の安定化に関しては、子ども・子育て支援分野で児童手当約二十三億円など、医療分野で後期高齢者医療費約百十億円など、介護分野で介護給付費負担金約百三十三億円などに充当しており、これまで臨時財政対策債といった借り入れにより手当てされていたものの一部が、消費税率の引き上げにより財源が確保されることで、社会保障制度の持続可能性を高めることにつながるとともに、将来世代への負担の先送りの軽減が図られることであると考えております。  次は、香川せとうち地域通訳案内士についてであります。  議員御指摘のとおり、今後、一層の増加が見込まれる外国人観光客の旅行形態やニーズの多様化に、的確に対応できる通訳案内士の役割はますます大きくなると考えております。  そのため、県では、全国に先駆け、香川せとうち地域通訳案内士の育成に取り組み、昨年度からの二年間で英語七十七名、中国語三十四名、韓国語七名の合計百十八名の方を育成するとともに、その活用を図るため、県公式観光サイトへの名簿掲載や、海外商談会等での現地旅行会社への紹介、県内観光施設や交通事業者等との名刺交換会の開催など、マッチングを支援してきたところであります。  その結果、瀬戸内国際芸術祭のオフィシャルツアーで十六名の地域通訳案内士が活躍したほか、中国等の旅行会社が造成するインバウンド向け団体旅行や県内で販売される個人旅行者向け旅行商品の通訳ガイド、県内宿泊施設での施設案内など、多様な場面で地域通訳案内士の活用が進んでおります。  その一方で、育成した地域通訳案内士の一七%の方が県外在住者であり、約八割の方が、ふだんは別の職業等に就業していることから、昨年度、県が策定した香川県地域通訳案内士育成等計画に基づき、引き続き人材育成に努めてまいります。  また、地域通訳案内士の活用についても、県内の観光施設等において通訳ガイドとして活躍できる機会の拡大に努めるとともに、観光庁や全国通訳案内士の団体などと連携し、地域通訳案内士がその経験や知識を生かして、体験型コンテンツや県内周遊ルートの開発に取り組むなど、幅広い活用方法を検討してまいります。  私といたしましては、今後とも香川せとうち地域通訳案内士の育成や活用に積極的に取り組み、本県の観光地ならではの価値や魅力を多言語で外国人観光客に伝えることができるよう、受け入れ環境の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、近年の災害を踏まえた河川・砂防施設の整備等についてであります。  本県では、河川の流域の規模や過去の浸水被害などを踏まえ、早急に整備の必要がある河川について具体的な整備内容を定めた河川整備計画を策定し、計画的に整備を進めているところであり、その整備状況につきましては、計画を策定している十二水系約三十九キロメートルの整備区間のうち、昨年度末時点で約八・五キロメートルの整備が完了しております。  また、議員御指摘の、今年度、新たに創設された大規模特定河川事業は、おおむね十年以内の完了を目標に、特に氾濫の危険性が高い区間を集中的に整備するもので、本県では河川整備計画を策定している十二水系のうち、一の谷川等三河川で国の採択を受け、整備を進めていくこととしております。  今後とも、近年の豪雨災害を踏まえた国の制度拡充や予算の動向を注視しつつ、河川整備に積極的に取り組んでまいります。  次に、砂防関係施設の整備状況につきましては、県内の土砂災害危険箇所六千九百七十二カ所のうち、人家戸数が多い等で整備が急がれる土石流危険渓流は千五百九十二カ所、急傾斜地崩壊危険箇所は六百三十三カ所となっており、それぞれの施設整備率は約二六%と約三七%となっております。  整備に当たっては、保全人家戸数や避難経路などを考慮しながら進めておりますが、議員御指摘のとおり、近年、土砂災害が多発していることから、今年度、新たに創設されたおおむね五年以内の完了を目標に、土砂災害により県道等が寸断されるおそれのある箇所を対象とする事業間連携砂防等事業を活用し、観音寺市の西堀切川など九カ所で重点的に整備を進めるなど、砂防関係施設の一層の効率的、効果的な整備に努めてまいります。  私といたしましては、県民の皆様の安全・安心を確保するため、近年の豪雨災害を踏まえ、ハード、ソフトの両面から、水害や土砂災害への対策に積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)一般質問を続行いたします。  樫 昭二君。    (樫 昭二君登壇、拍手) ◯樫 昭二君 一般質問を行います。  まず初めに、知事の政治姿勢について三点お尋ねします。  第一は、安倍首相主催の桜を見る会の私物化疑惑についてです。  反社会的勢力やマルチ商法会社ジャパンライフの会長の招待の問題、前夜祭をめぐる公職選挙法と政治資金規正法違反の疑い、国会における虚偽答弁、招待者名簿のデータ隠滅など、さまざまな問題が噴出、野党は一致して臨時国会の四十日間会期延長で引き続きの審議を求めましたが、与党は応じず、閉会させてしまいました。これは国民に対する重大な背信行為です。私は、この暴挙に強く抗議するとともに、逃げ切りは許さず、安倍首相の辞任と内閣総辞職を強く求めるものでありますが、知事の御所見をお示しください。  第二は、消費税増税による経済の悪化についてです。  消費税が一〇%に増税され二カ月余りがたちました。安倍首相は増税に当たって、複数税率の導入やキャッシュレス決済でのポイント還元など、中小事業者に万全の対策をとると言いました。しかし、その対策そのものが、現場に苦痛と怒りを広げています。  消費税増税から二カ月以上たってもキャッシュレス・ポイント還元の登録が進みません。なぜ登録しない商店が多数なのか。どこの商店街でも異口同音に聞かれるのが、「現金で支払うなじみのお客、高齢者の方がいるのに、カードやスマホ決済の人だけに値引きできない」という声です。つまり、こうした制度そのものが、地元のお客を大事にする商売の仕方に合わないということなのです。  また、帝国データバンクの小売業者の倒産動向調査でも、売り上げが落ち込むもとで、消費税増税を機に廃業を検討する業者が増加しているとしています。今回の増税が、ただでさえ苦しい中小業者の経営を圧迫し、廃業を決断するきっかけになっていることをどう思われますか。浜田知事にお尋ねをいたします。  政府が発表した十月の景気動向指数は五・六ポイントの低下で、消費税が五%から八%に引き上げられた直後の二〇一四年四月の四・八%減を上回っています。また、家計支出も前年比実質で五・一%低下しています。  今、日本経済の落ち込みは深刻です。経済・景気・暮らしを回復するためには、消費税を五%に戻すことです。これこそ最大の景気対策です。財源はどうするのか。それは、大企業と富裕層への優遇税制を改め、応分の負担を求める税財政改革を進めて財源を生み出します。  世界の経済が悪化の一途をたどる中、フランスのマクロン政権は、来年度、所得税・住民税の一兆円以上の減税を提案、ドイツのメルケル政権は、中所得者向けに一兆円減税で内需拡大、景気浮揚を図ろうとしています。イタリアは、来年一月からの付加価値税の引き上げを見送ることを決定しました。また、アメリカのトランプ政権でさえ、中所得者向けの減税構想を検討し始めています。このように、世界の流れは庶民増税ではなく庶民減税です。  以上のように、私は、世界の動きに目を向けて、大企業や富裕層に応分の負担を求め、消費税に頼らない別の道、庶民の暮らしを守る政治への転換が急務だと思いますが、知事の御所見をお示しください。  第三は、オスプレイを使っての日米共同訓練についてです。  十二月一日から十三日にかけて、五色台にある国分台演習場と滋賀県饗庭野演習場、岡山県日本原演習場、三重県明野駐屯地の四カ所を結んで、オスプレイを使って米海兵隊との実動訓練が行われました。この訓練は、安保法制(戦争法)成立後、沖縄米軍基地に配備されたオスプレイの日本全土での配備と実動を目指す全土基地化の一環としての合同訓練です。  国分台演習場には、九日に二機のオスプレイが飛来し、低空飛行で十数回離発着訓練を繰り返しました。私も抗議活動に参加しましたが、すさまじい轟音で、学校や白峰寺を初め、坂出の市街地の上空を傍若無人に飛び回る真っ黒な機体に強い戦慄を覚えました。十三日までに四回の訓練が行われましたが、オスプレイは昨年だけでも三機墜落事故を起こしており、アメリカでは「空飛ぶ棺おけ」とか「未亡人製造機」と呼ばれ、飛行が禁止されています。そんな危険なものを日本の上空、私たち香川の上空でオスプレイを使って日米共同訓練を実施したことは断じて許されないものです。その大もとには、日米安保条約とそれに基づく日米地位協定があります。  昨年七月、全国知事会は、米軍基地負担に関する提言を行い、日米地位協定の抜本的見直しを求めました。その内容は、米軍機の低空飛行訓練で騒音調査を行い、訓練ルート、訓練時期について速やかな事前情報提供を必ず行うこと、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令など国内法を米軍に適用させる。事件・事故時の自治体職員の立ち入りを保障させることなどです。  今回の訓練では、訓練ルートや時間など全く知らされず、県民を不安に陥れました。また、五色台少年自然センターでは、中学校の宿泊学習が行われている最中で、生徒の安全と教育権が脅かされる事態ともなりました。  ところが、知事と教育長は、国の責任において万全の対策を講じるとともに、地元への丁寧な説明を求めるというだけで、何の安全対策もとらなかったことに、県民から批判の声が上がっています。  私は、知事みずから出席して決定した全国知事会の提言を踏まえ、県民の安全・安心を守る立場から、国と米軍に対し、飛行ルートを公表せず、坂出の市街地をオスプレイが飛行したことに抗議すべきと思います。  今後、国分台演習場での日米共同訓練が常態化するおそれもあり、危険なオスプレイは来るなという立場できっぱり中止を求めるべきと考えますが、知事の決意をお伺いいたします。  次に、自衛隊の若者名簿提出問題についてお尋ねします。  ことし二月、安倍首相は自民党の党大会で、自治体の六割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態があるとして、憲法に自衛隊を明記し、この状況を変えようと訴えました。安倍首相が九条改憲で実現しようとしているのは、国民の基本的人権や地方自治よりも軍事が優先される国づくりです。  自衛官募集は、自衛隊地方協力本部が自治体から提供された募集対象者名簿や住民基本台帳の閲覧によって、十八歳と二十二歳の男女の個人情報、氏名、住所、生年月日、性別の四項目を得て募集を行っています。  では、自衛隊が自治体に求める名簿提出の根拠はあるのでしょうか。住民基本台帳法は、個人情報保護の観点から、住民基本台帳の原則非公開を定めるとともに、第十一条で、国の機関が法令で定める事務の遂行のために必要がある場合には、例外的に閲覧を請求できると定めています。しかし、認められているのは閲覧だけであり、名簿にして外部に提供することは、相手が国の機関であっても認められていません。
     自衛隊が名簿提出の根拠としているのは、自衛隊法の第九十七条で、地方自治体が自衛官募集に関する事務の一部を行うと定めていること、また、自衛隊法施行令第百二十条で、自衛官募集に必要な場合、防衛省は地方自治体に報告または資料の提出を求めることができると規定、これを法的根拠としています。  しかし、住民基本台帳の閲覧も、募集対象者の名簿提出も、防衛省が請求できると書かれているだけで、それに応じるかどうかは地方自治体の判断に委ねられています。  私は、国と地方公共団体との関係は、一九九九年に地方分権一括法が制定されて以降は対等となっており、防衛省からの請求依頼に応じなければならない法的義務はないと思いますが、知事の御所見をお示しください。  二〇〇五年に施行された個人情報保護法の基本理念は、法第三条に定められており、個人情報が個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が個人として尊重されることを定めた憲法第十三条のもと、慎重に取り扱われることを示しています。したがって、地方自治体にはその適正な取り扱いが求められていると私は思いますが、この点についても知事の御所見をお示しください。  平和委員会は、安倍首相の戦争する国づくりを許さないため、個人情報保護の観点から、自治体の協力状況を全国調査しており、本県でも八市九町にアンケートを送り、調査しました。  その結果、全ての自治体で何らかの形で募集業務への協力が行われています。広報への広告掲載は八市八町、庁舎などへのポスター掲示が六市七町などとなっています。また、住民基本台帳の閲覧は八市八町でした。さすがに、名簿を電子データや宛名シールで提供している市町はありませんでしたが、個人情報保護の観点から見て問題だと思えるのは、東かがわ市と小豆島町です。ここでは、紙で名簿を提出していました。  私は、県として両市町に対し、紙での名簿提出をしないよう個人情報保護の観点に立った指導を行うべきと考えますが、知事の御所見をお示しください。  次に、県立女性センター設置についてお尋ねをいたします。  一九六〇年代、アメリカやヨーロッパにはフェミニズムの大きな運動が起こり、瞬く間に世界に広がり、国連を動かして、七五年が国際婦人年、七六年から八五年は国連婦人の十年に定められました。その結果、七九年に女性の憲法とも言われる女性差別撤廃条約が国連で採択されました。  男性は外で働き、女性は家で家族を支えるというような性別役割分業を固定化する慣習が社会の中に存在する限り、男女平等はありません。  日本は八〇年にこの条約に署名し、五年後の批准のために戸籍法改正、家庭科の男女共修などを進め、八五年に男女雇用機会均等法が成立し、条約も批准されました。  条約が成立し四十年、欧米各国では、女性の賃金は男性の賃金の八割から九割へと差が縮小しているのに比べ、日本は、現場で働く女性の五六・一%は不安定雇用と低賃金の非正規雇用の状況に置かれ、女性パートの賃金は男性正社員の約半分にしかすぎません。しかし、女性の生活をめぐる意識は大きく変わり、さらに、最近では性暴力、セクハラ、医科大入試差別の発覚などに対して「Me Too、私も被害者だ」の声が大きく湧き起こっています。  私は、今こそ個人の尊厳を大切にするジェンダー平等社会、性差による差別のない社会の推進が強く求められていると思いますが、知事の御所見をお示しください。  さて、旧中央病院の跡地は、解体・整地工事が完了し、今後の利活用が本格的に検討されていますが、知事はさきの一般質問で、まずは公共による利活用について検討を進めていると答弁されました。  女性団体からは、民間払い下げなどせず、女性が活躍できる場としての県立女性センターを建設してほしいという要望が出されています。女性差別撤廃条約成立四十周年、私は、お茶くみの理不尽さや根強い因習、結婚、子育て、娘や息子の働き方など、職場や家庭で味わった悩みや苦しみを語り合い、解決への道を開くことができる女性センターが今こそ求められているときはないと思います。知事の御所見をお示しください。  次に、教育問題について二点お尋ねします。  第一は、一年単位の変形労働時間制についてです。  教員の長時間労働は依然として深刻で、過労による休職や過労死が後を絶ちません。最近では、教員志望の学生が減り始めています。  ところが、安倍政権は、公立学校の教員に一年単位の変形労働時間制を導入する法案をさきの臨時国会で強行可決しました。当事者である教員から、「勤務がもっと長くなる」と怒りの声が上がっています。この制度は、繁忙期に一日十時間労働まで可能とし、閑散期と合わせて平均で一日七時間四十五分におさめる制度で、学期中を繁忙期とし、夏などに教員の休みをふやすというものです。しかし、人間の心身は繁忙期の疲労を閑散期で回復できるようにはなっていません。  学期中を繁忙期と定めることは、教員の働き方をさらにひどくするものです。私は、問題を解決するどころか、長時間労働を固定化し、助長するものだと思いますが、教育長の御所見をお示しください。  日本教育新聞の一月七日号では、変形労働時間制の導入について、市区町村教育長の四二・二%が反対、賛成派は一三・六%です。この制度の導入には、都道府県の条例改正が必要ですが、教育長はどうなさるおつもりですか。私は条例改正はすべきでないと思いますが、御所見をお示しください。  教職員の長時間労働の是正には抜本的な対策が必要です。私は、一、授業数に比べ余りに少ない教員の定数をふやすこと、二、国や自治体、学校の双方から不要不急の業務を削減すること、三、教員の残業代ゼロを定めた公立教育職員給与等特別措置法を改めるべきだと考えます。教育長の基本的見解をお示しください。  第二は、全ての学年での少人数学級の実現です。  本県での学校における暴力行為の発生件数は六百五件、いじめの認知件数は二千九百四十九件、不登校児童・生徒数は千五百二十七人となっており、いずれも前年度より大きく増加しており、特にいじめの認知件数は過去最多となっています。教育長は代表質問で、問題行動の未然防止、早期発見、早期対応などの取り組みを強化し、子供たちが安心して学校生活を送れるよう支援してまいりたいと答弁されています。  しかし、さきにも述べましたように、学校の教員が長時間労働で疲弊した状況で、本来の教育のあるべき姿が達成できるのでしょうか。私は、教員を抜本的に増員し、まだ未実施となっている小学校五年・六年生、中学二年・三年生での三十五人以下学級を実現し、子供たちが、学校が楽しいと伸び伸び成長できる学校、いじめや不登校のない学校づくりを進めるべきと考えますが、教育長の御所見をお示しください。  最後に、農業問題について二点お尋ねします。  第一は、日米貿易協定についてです。  安倍首相が、双方にウイン・ウインと誇る日米貿易協定が国会で承認されました。しかし、中身は、日本側が米国に一方的に譲歩し、七十二億ドル分の米国農産物の関税の撤廃・削減を認めるものです。協定附属書には、「米国は将来の交渉において農産品に関する特恵的な待遇を追求する」と明記されており、米国農産物の関税の一層の引き下げに向けて仕掛けが盛り込まれています。  既に米通商代表部は、日米の第二ラウンドの協議で、二十二項目に及ぶ非関税障壁の撤廃を迫る方針を公表しています。  私は、日本の農業を守るためには、これ以上の譲歩はすべきでないと思いますが、知事の御所見をお示しください。  また、この協議の中には、遺伝子組み換えや残留農薬を規制する衛生植物検疫措置などが含まれています。発がん性が指摘されている農薬グリホサートが学校給食の輸入小麦から検出されたことが大きな問題になっていますが、このグリホサートの残留農薬基準が五ppmから三〇ppmに大幅緩和されています。日米貿易協定によって食の安全が大きく損なわれる危険性が強まっています。食の安全を守るよう国に対し強く要求すべきと思いますが、知事の御所見をお示しください。  第二は、種子条例の制定についてです。  種子法は、食糧管理法とともに終戦直後の食糧難の時代から日本の食を土台で支えてきた法律です。  ところが、国の規制改革推進会議で、種子法廃止が提起され、二〇一七年に廃止されました。その背景には、巨大種子企業の存在があります。世界の種子市場では、たった四社の巨大種子企業が全体の六割を握っており、遺伝子組み換え企業も含まれ、ゲノム編集という形を変えた遺伝子操作も始まっています。  その種子企業が、世界の農民から自家採種の権利を奪う法律を各国に押しつけるという種子企業の利益を最大化する流れの中で、公的種子事業を支えてきた我が国の種子法が廃止されたわけです。そして、そのとき、同時に農業競争力強化支援法が制定されました。その法第八条第四項には、農業試験場が開発してきた米の品種の情報を民間企業に提供することが定められています。そして今、種苗法改定によって自家採種は禁止することが検討されています。  東京大学の鈴木宣弘教授は、種子法廃止、農業競争力強化支援法、種苗法改定は三点セットとなっており、国民の命の源である主要食糧がグローバル種子企業に握られかねない重大な危機を迎えていると述べています。  こうした中、全国では種子を守る運動が高まっています。既に種子条例を制定した道県は、新潟、兵庫、埼玉、山形、富山、北海道、岐阜、福井、宮崎、長野、鳥取、宮城、栃木、茨城の十四道県であり、岩手、滋賀などで制定の動きが強まっています。  本県では、実施要領で対応しているとしていますが、それでは不十分です。他県におくれをとることなく種子条例の制定を強く求めるものでありますが、知事の御所見をお示しください。  以上で一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(西川昭吾君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)樫議員の御質問にお答えいたします。  まず、私の政治姿勢のうち、総理主催行事の対応等についてであります。  総理の政治姿勢については、知事として議会で所見を申し上げる立場にありませんが、私といたしましては、広く国民の理解が得られるよう努めていただければと考えております。  次に、消費税増税についてであります。  今回の消費税率の引き上げに当たっては、国において、軽減税率の導入やキャッシュレス決済でのポイント還元などの対策を行う中で、中小事業者の負担を可能な限り軽減するため、決済端末等の導入や決済手数料に係る補助を行うとともに、県においても事前の周知に努めてきたところであります。  消費税率引き上げを機とした中小事業者の廃業につきましては、四国経済産業局や商工会・商工会議所、商店街振興組合等に確認したところ、県内中小事業者が、消費税率引き上げにより経営を圧迫され、廃業したとの情報はありませんが、引き続き、国や各種の相談・支援機関とも連携し、中小事業者の経営安定化等に向けた支援に努めてまいります。  消費税につきましては、所得、資産、消費による課税のバランスの中で、あらゆる世代が広く負担し、景気や経済の影響を受けにくい貴重な財源であり、その税率引き上げは、現在の国と地方の危機的財政状況や社会保障の充実等の観点からは避けて通れないものであると認識しております。  次に、オスプレイを利用した日米共同訓練についてであります。  今回の共同訓練は、日米の部隊の連携強化及び共同対処能力の向上を図るとともに、沖縄県の負担軽減のため、オスプレイ等の訓練活動を沖縄県外に移転する趣旨で行われたと伺っておりますが、県内では初めて行われる訓練であり、県民の皆様には不安に感じる方もいらっしゃることから、先月十五日、私から防衛大臣に対して、安全・安心を第一として、国の責任において万全の対策を講じるとともに、地元への丁寧な説明を行うよう文書で要望を行ったところであります。  また、県民の皆様へ適切に情報提供する必要があることから、国に対してオスプレイの飛行状況も含めた訓練概要に関する事前の情報提供を求め、得られた情報につきましては、速やかに県のホームページ等により県民の皆様にお知らせしてきたところであります。  私といたしましては、今後とも、我が国の安全保障や沖縄県の負担軽減などのさまざまな観点も踏まえつつ、第一に県民の皆様の安全・安心を確保する立場から、このような事態に対応してまいりたいと考えております。  次は、自衛官募集に伴う個人情報の取り扱いについてであります。  自衛官の募集に関する事務につきましては、自衛隊法第九十七条の規定により、都道府県知事及び市町村長が事務の一部を行うこととされており、自衛隊法施行令第百二十条では、防衛大臣は、必要があると認めるときは、都道府県知事または市町村長に対し、必要な報告または資料の提出を求めることができると規定されております。  自衛隊法施行令第百二十条の規定により、市町村が処理することとされている事務は、法定受託事務とされておりますが、国会において防衛大臣から、自治体に対し、法令に基づく事務として資料の提出を求める一方、これを強制することはできない旨の答弁がなされているものと承知しております。  次に、地方自治体の保有する個人情報につきましては、適正な取り扱いを確保しなければならないと考えておりますが、自衛官の募集に関し必要となる氏名等の情報について、紙での名簿提出による協力をしている市町においては、それぞれの個人情報保護条例に基づき適正に対応されているものと考えております。  なお、そのほかの御質問につきまして、担当部長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)大山政策部長。    (政策部長大山 智君登壇) ◯政策部長(大山 智君)樫議員の県立女性センターについての御質問にお答えいたします。  県といたしましては、男女の役割を性別だけを理由に個人の意思に反して固定的に決めつけるのではなく、それぞれの個人や家族の主体的な選択が尊重され、男女のいずれもが多様なライフスタイルを選択できることが必要であると認識しており、男女がともに社会のあらゆる分野で、性別にかかわらず個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会を実現してまいりたいと考えております。  お尋ねの女性のための総合的な施設については、社会福祉総合センター内に設置したかがわ男女共同参画相談プラザにおいて、職場や家庭における悩みなどへの相談に専任職員二名が対応しているほか、グループでの勉強会や研修会などに使える交流室の無料貸し出しや、男女共同参画に関する図書の貸し出しを行っているところです。  旧中央病院跡地に県立女性センターを建設との要望でありますが、公共施設を整備する場合には多額の県負担を要することから、現状の厳しい財政状況において、県政全般の中での他の大規模な事業との兼ね合いを考慮し、対象となる施設の優先順位や事業の実施時期も含めて検討する必要があると考えております。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)国分農政水産部長。    (農政水産部長国分伸二君登壇) ◯農政水産部長(国分伸二君)樫議員の農業問題についての御質問にお答えいたします。  まず、日米貿易協定については、国に対して、これまでも、交渉に当たっては、地域の農業が持続的に発展していけるように、我が国として守るべきは守り、攻めるべきは攻め、確実に再生産が可能となる必要な措置を確保するよう要請しているところであります。  なお、輸入食品の安全性の確保に当たっては、グリホサートを含めた残留農薬基準について、内閣府の食品安全委員会における食品健康影響評価を経て、厚生労働省において定められており、現時点では国に対する要求等は考えておりません。  次に、種子条例の制定については、県では、いわゆる種子法廃止後も優良な米麦等の種子を安定的に供給する体制を維持するため、香川県主要農作物採種事業実施要領を改正し、原種等の生産や奨励品種の決定など、従来の種子法に規定されていた県の役割を要領に明記し、県が中心となって、種子の生産と供給体制を堅持しています。  こうした生産・供給体制のもとで、従来と同様、優良な種子の生産と供給が円滑に行われているところであります。  このため、現時点で直ちに条例の制定は考えていませんが、今後の種子の生産と供給状況などを踏まえ、必要となる対応に努めてまいります。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)樫議員の教育問題についての御質問にお答えいたします。  令和三年四月から公立学校の教職員については、自治体の判断で一年単位の変形労働時間制が選択的に活用できることとなりましたが、本制度は夏休み等に休日のまとめ取りをすることにより、自己研さんやリフレッシュの時間を確保し、子供たちに対する効果的な教育を行うなど、教育の質の向上につなげようとするものと理解しております。  国では、今回の改正趣旨を踏まえた運用が学校において確実に行われるような制度や枠組みを構築することとしており、今後、発出される省令などを踏まえ、学校現場の意向も十分確認した上で、制度導入のための条例改正の必要性について検討してまいりたいと考えております。  また、教職員の長時間勤務の改善を図っていくため、本年六月に、国に対し、教職員定数の抜本的な見直しを図るよう要望するとともに、昨年三月に策定した教職員の働き方改革プランに基づいて、業務の適正化、効率化を進めているところです。  公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法については、現在の教職員の勤務実態を踏まえると不十分との指摘もあり、国では、今後、教職員の勤務実態状況調査を実施し、法制的な枠組みを含めて検討を行うこととしており、その動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、小・中学校における少人数学級については、国の定数を活用した小学校一、二年生や中学校一年生に加え、県単独予算措置により小学校三、四年生についても三十五人以下学級を実施するとともに、それ以外の学年についても、学校等の実情に応じて三十五人以下学級が実施できるよう学級編制の弾力的な運用を可能としており、引き続き効果的な指導体制の実現に向け、総合的に検討を進めてまいります。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)再質問の通告がありますので、発言を許可いたします。  樫 昭二君。    (樫 昭二君登壇、拍手) ◯樫 昭二君 再質問を行います。  一点は、答弁漏れがありました。  教育長に対し、変形労働制の導入については、都道府県の条例改正が必要だと思うが、教育長はどうなさるおつもりですかとお尋ねしたのですが、これに対する答弁がありませんでしたので、お答えをください。  それから、知事に対して、私は県民の立場に立った答弁とは思えなかった二点について再質問します。  オスプレイの問題と自衛隊の若者名簿提出の問題です。  オスプレイの飛行訓練については、平成二十四年八月七日、四国四県議会正副議長会議で、この問題が緊急アピールとして出されています。徳島、高知、愛媛は、米軍機の超低空飛行訓練のオレンジルートが設定され、ずっと飛行訓練をやられて、大変な騒音で悩まされてきました。そして、早明浦ダムに米軍機が墜落、伊方原発の山腹にヘリが墜落する、こういう事故もあって、このルートでの低空飛行訓練を中止してほしい、これが強い要望でしたが、それが今度はこのルートでオスプレイが訓練をする、こういうことが問題になって、この緊急アピールが決められたわけです。  そして、その七年後にオスプレイが香川県にやってきたわけです。今回の訓練になったわけで、香川県も例外でないというのがはっきりしてきました。これは本土の沖縄化、日本全土が米軍基地化される、こういう危険が私は強まってきたと思います。本当に県民の平和と安全を守るためには、全国知事会の提言に立って、今後、オスプレイの訓練中止をきっぱりと求めるべき、このように知事として私はやるべきだと思います。もう一度明確な答弁をお願いしたいと思います。  それから、もう一点は、自衛官の募集の問題ですが、平和委員会の調査では、安倍首相の言うような自衛官募集に協力しない自治体というのはありませんでした。しかし、個人情報保護の観点が十分に守られていない市町があったことは事実だと思います。  知事は、適正だというふうに東かがわ市や小豆島町の対応を言われましたけれども、個人情報が本人の知らないうちに防衛省に渡っている。それも自分の住む市や町が勝手に渡している。自治体としてそういうことをしていいのかどうか、これが私は問われていると思います。  自衛隊法や同施行令では、閲覧が認められているだけで、名簿を渡すということは認められていない。法的根拠はないわけです。こういう点もはっきりさせて、知事がなぜ適正と答弁したのか、私はそれはおかしいと思います。個人情報保護法、この観点に立った対処を強く求めたいと思いますが、再質問をいたしまして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(西川昭吾君)再質問に対する理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)樫議員の再質問にお答えしたいと存じます。  まず、オスプレイを利用した日米共同訓練についてであります。  先ほども申し上げましたように、今回の共同訓練は、日米の部隊の連携強化及び共同対処能力の向上を図るとともに、沖縄県の負担軽減のため、この訓練活動を沖縄県外に移転する趣旨で行われたと伺っておりますが、私から防衛大臣に対して、安全・安心を第一とし、国の責任において万全の対策を講じるとともに、地元への丁寧な説明を行うよう要望を行ったところであります。  今後とも我が国の安全保障や沖縄県の負担軽減などのさまざまな観点も踏まえつつ、第一に県民の皆様の安全・安心を確保する立場から対応してまいりたいと考えております。
     次に、自衛官募集に伴う個人情報の取り扱いについてであります。  自衛隊法施行令第百二十条の規定により市町村が処理することとされている事務は、法定受託事務とされております。  当該事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、都道府県は是正の指示ができるとされておりますが、両市町はそれぞれの個人情報保護条例に基づき適正に対応されていることから、県が両市町に対し是正の指示を行うべきようなものではないと考えております。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)樫議員の再度の御質問にお答えいたします。  変形労働時間制の導入についてでございますが、今後、発出される省令などを踏まえ、学校現場の意向も十分確認した上で、制度導入のための条例改正の必要性について検討してまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)一般質問を続行いたします。  高木英一君。    (高木英一君登壇、拍手) ◯高木英一君 甚大な被害をもたらした台風十九号が去った四日後の本年十月十六日、某全国紙に、空の八ッ場ダムの写真とともに、「八ッ場ダム、いよいよ試験湛水開始」という全面広告が載りました。そのとき、八ッ場ダムは既にほぼ満水でした。  四国においても、平成十七年九月六日、国土交通省四国地方整備局の長年の御尽力により完成していた総貯水量が三億一千六百万トンで、貯水率が〇%だった早明浦ダムが、長崎県に上陸した台風十四号による大雨で、一日で満水になったという事例があります。  このように多目的ダムは、洪水から守る、水不足を減らす、川の流れを保つ、電気をつくるという大きな使命を果たすにもかかわらず、二〇〇九年、平成二十一年九月十六日に誕生した民主党鳩山政権は、「コンクリートから人へ」の公約のもと、八ッ場ダム計画を即刻中断しました。  平成二十四年十二月に自由民主党が政権奪還し、安倍晋三内閣が発足していなかったなら、八ッ場ダムは未完成で、利根川の支流である吾妻川周辺から流れ込む今回の台風十九号による七千五百万トンという想定外の水を八ッ場ダムに貯水できず、吾妻川やその本流であり、日本三大暴れ川で、別名「坂東太郎」と言われ、日本一の流域面積を誇る利根川流域の関東平野は、超甚大な被害をこうむっていたと思われます。現実に、今回の台風十九号は、決壊箇所は実に七十一の河川、千四百カ所、死者・行方不明者百人近くにまで上りました。  本県においても一六二五年、生駒・高松藩と姻戚関係にあった三重・津藩から、西嶋八兵衛が藤堂高虎の命により、大地震や大干ばつなど相次ぐ天災に見舞われていた高松藩に派遣されました。西嶋八兵衛は、早速、一一八四年以来四百年余りも、再三の決壊や堤防の老朽化でほとんど水がめの役割を果たしていなかった満濃池を四年がかりで復旧しました。また、高松市の龍満池や三谷三郎池、三木町の山大寺池、丸亀市の仁池を含め、わずか数年で約九十余のため池の築造・改修を行うなど、本県の水利開発に多大の貢献をするとともに、何よりも県都高松の岩清尾山の東と西に分かれ、氾濫を繰り返していた香東川の川筋を、西の流れ一本にする大規模な治水事業を完成させるなど、住民の生命と財産、そして天災に耐えることのできるふるさと香川をつくったというすばらしい史実があります。  安倍晋三政権が発足して間もなく七年を迎えようとしています。その間、正社員の有効求人倍率は〇・五倍から一・一六倍へと史上初めて一倍を超えました。訪日外国人旅行者消費額も一兆一千億円から四兆五千億円へ、また、国民総所得も五百六兆八千億円から五百七十六兆六千億円へと六十九兆八千億円ふえ、過去最高を記録するなど、確かな実績を残しています。  反面、地球温暖化による台風の巨大化や少子高齢化問題など、世界のどの国も経験したことのない課題も抱えています。本県においても、人口減少や少子高齢化、南海トラフ巨大地震への対応など、大きな課題を抱えています。  国も本県もこのような課題を解決するには、しっかりとした経済成長戦略と地域活性化策が重要であるとともに、その基礎・基本となるのが教育であると考えます。  それでは、一般質問をさせていただきます。  大きな一点目は、地方自治体における人材育成についてであります。  国は、この三年間で約七兆円という国土強靱化の予算を組んできました。しかし、ハードの整備だけでは真の強靱化にはなりません。受け皿となる地方自治体において、いざ災害発生時、地域・住民のために率先垂範して仕事に当たることのできる職員一人一人の能力を上げていかなければ、住民の皆様の生命と財産を守ることのできる真の自治体の強靱化にはならないと思います。  地方自治体においては、行政改革という名のもとで、民間委託、指定管理者制度、PFI、PPP、アウトソーシングというさまざまな手法で職員定数の見直しやコスト削減に取り組んできました。その結果として、現業職、技術職の職員が減りました。  今年八月のセミナーで伺った話によりますと、昨年七月の西日本豪雨災害時、安倍晋三総理は、直接メーカーにお願いして避難所への簡易型エアコン約四百基を広島と岡山の被災地に送りましたが、翌週に現地に行った調査団の報告では、そのエアコンが箱から出されていない自治体・避難所が多くあったとのことでした。設備業者も被災者ですから、なかなか工事に手が回らなかったというのが理由でした。  その四百基のエアコンは、箱から出して水を入れ、電源をつなぎ、パイプを外に出すだけで冷気が出るという簡易型だったそうです。  このようなことから、国では予算は少ないものの、一般事務で採用された職員であっても、二十代の柔軟なうちに、その地域にとって必要と判断できる各種の資格を取れる制度をつくる動きがあります。気象予報士、ピアノ調律師、不動産鑑定士、土地家屋調査士、土地区画整理士、ショベルカー免許等で、こういう職員がいれば、災害時、文化行事のとき、不動産に関する問題発生時等に大変役立つし、業務の大幅なスピードアップにもつながるとともに、何よりも住民サービスの向上にもつながります。  このような取り組みにより、専門人材の確保と災害を含めていろいろな事案に速やかに対処できる体制づくりにもつながります。そのようなことから、災害に限らず、自治体にとってプラスになるであろう、住民サービスにつながるであろう資格は、職員数が減っているからこそ、現役職員の方々にも大いに挑戦していただきたいと思います。  現実に、先日の新聞記事によりますと、台風十九号が上陸する前日の今年十月十一日、河川の地形や気象情報をもとに三十九時間先までの洪水リスクを予測するシステムの開発に取り組んでいる東京大学の芳村 圭教授は、みずからが開発したシステムで三時間置きに出る予測を確認したところ、各地の河川に二百年に一度あるかないかの危険を示す赤い印が出ていたそうです。懸念は現実となり、千曲川や阿武隈川など、システムが危険と告げた河川で次々と堤防が決壊したそうです。十四日時点で決壊の報告があった五十七地点中五十四地点で予測が的中していたそうです。  この新聞には、「災害が激甚化して自治体の負担が増す一方、市町村の職員や専門人材は不足している。IT・情報技術の活用は、自治体のサポートとして有効だ」という記事もありました。  このような現実から、地方自治体においても、時代の流れに沿い、新しい技術に対応でき、使いこなせる職員の養成は喫緊の課題だと考えます。  そこで、知事に質問させていただきます。  質問一、本県においては、職務の遂行に役立つ資格取得を目指す職員に対する支援制度を設けていると伺っておりますが、どのような資格を対象としているのか、また、これまでの支援実績についてお伺いさせていただきます。  質問二、本制度を活用した資格取得をより一層促進するため、支援対象資格や支援費用をより拡充することも考えられますが、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いさせていただきます。  大きな二点目は、ヒアリの定着防止に向けた取り組みについてであります。  今月初め、南米原産のヒアリなど有毒な外来アリが日本で何世代にもわたり繁殖して定着するおそれが高まっているとの新聞報道に接しました。ヒアリは原産地の南米から世界に広がっており、船や飛行機に積まれたコンテナや貨物に紛れてアメリカ合衆国や中国、台湾、オーストラリアなどへ拡散しています。今までに定着を防ぐことに成功したのは、素早い駆除が奏功したニュージーランドしかないそうです。  国立環境研究所の生態リスク評価・対策研究室は、ヒアリは日本の都市で定着が進むおそれがあると指摘しています。アメリカ合衆国では、家や家庭に入り込んで使えなくなったり、農作物を食べたりと、被害が広がっており、被害額と対策費は年一兆円以上に上るとともに、年間約八万人が病院で治療を受けています。また、配電盤に巣をつくって電気設備や信号機が使えなくなる被害も出ています。日本では電線がむき出しになっているので、万が一定着した場合、インフラに被害が及びかねないと指摘しています。  日本では、二〇一七年六月に兵庫県尼崎市で初めて発見されました。同年八月には静岡県の清水港で約六百匹以上見つかり、翌年八月にも再度見つかるとともに、本年九月には、毒性は軽いものの、ヒアリの近縁種であるアカカミアリが千匹以上発見されました。東京港では今年十月、ヒアリの女王アリが大量に見つかるとともに、先月末にも五百匹以上のヒアリが見つかりました。  さきの生態リスク評価・対策研究室は、「水際対策はもちろん大事だが、今や日本は外来種大国となった。外来種が身近にやってくるリスクを織り込んで国民に注意することだ」と注意を喚起しています。  本県においては、いまだヒアリは発見されていませんが、岡山県、兵庫県、大阪府、広島県など、本県と交流の深い近隣府県では既に発見されています。本県においては、昭和四十年代半ばごろからの松くい虫による松の大被害、昨今においては、食用として移入された南米産のジャンボタニシによる米の被害が発生した例がありますが、ヒアリも侵入すれば人的・物的に大きな被害が出ることも懸念されます。  ヒアリは、畑や公園、芝生など人の生活圏に住むことを好むとともに、本県は温暖な時期が長く、天敵や競争相手がないことから、ヒアリにとって住みやすい環境だと思います。ニュージーランドの例を見れば、ヒアリを発見してからの迅速な対応がいかに重要かがわかります。  そこで、お尋ねさせていただきます。  質問一、近隣府県で発見されていることから、本県でヒアリが発生する可能性もあると考えますが、生息情報についてどのように調査し、把握されているのか、お伺いさせていただきます。  質問二、ヒアリに遭遇したときの対処方法など、県民に正確な知識や対応策を周知徹底し、注意喚起するとともに、ヒアリの生息防止対策が重要だと考えますが、今後、ヒアリ対策にどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。  大きな三点目は、海洋教育の推進に取り組む考えについてであります。  日本は四方を海に囲まれ、その面積は国土面積の約十二倍に達する世界有数の広大な管轄海域を持っています。一方で、日本の陸地面積は世界第六十二位ですが、海岸線総延長は二万九千七百五十一キロメートルと世界第六位で、アメリカ合衆国や中国よりも長く、まさに海洋国家です。国土の保全と国民の安全を確保するために海を守っていくこと、経済社会の存立・成長の基盤として海を生かしていくこと、貴重な人類の存続基盤として、海を将来世代に継承していくことが重要であると考えます。  しかしながら、日本財団が実施した「海と日本」に関する意識調査によりますと、海への愛着を感じていない若者が十代で四二・五%、二十代では三六・三%いるとのことです。若年層を中心に、国民の海洋に関する意識が希薄化していることが見てとれます。それを裏づけるように、内航船員は五十歳以上が約五割、漁業就業者は五十五歳以上が約六割となっており、今、海洋人材の育成・確保に対する社会的要請が高まっています。  こうした中、一昨年三月の小・中学校学習指導要領改訂で、現代的な課題を踏まえた教育内容の改善事項として、「海洋に囲まれた多数の島からなる我が国の国土に関する指導の充実」が盛り込まれました。  瀬戸内海に面した県では第四位となる百十二の島があるとともに、全国第十六位となる七百三十七・二七キロメートルの海岸線がある本県だからこそ、積極的に海洋教育を実施すべきと考えます。  二〇一六年、「海の日」特別行事開会式の内閣総理大臣メッセージにおいては、ニッポン学びの海プラットホームの形成による海洋教育の実践がうたわれましたが、海洋教育の課題としては、副教材の開発や教員が使えるデータ利用・教材作成の手引きの充実など教育環境の整備、学校教育と社会教育施設、産業施設、研究機関等各種団体との有機的連携が挙げられます。  マリンスポーツ、乗船体験、港湾見学、造船所見学、海浜清掃等の体験学習を産官学連携により実施し、その学びを通じて海洋権益の確保、海洋環境の保全など、海の大切さを海洋学習で学び、その大切さを将来世代に継承していくことが重要であると考えます。  そこで、お尋ねさせていただきます。  質問一、海洋教育について、これまでどのように取り組んでこられたのか、教育長にお伺いさせていただきます。  質問二、学習指導要領改訂を受け、今後、海洋教育を含む国土に関する指導の充実にどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いさせていただきます。  大きな四点目は、遠隔教育を推進する考えについてであります。  文部科学省の遠隔教育の推進に向けたタスクフォースによれば、遠隔システムを活用することにより、距離にかかわりなく相互に情報の発信・受信のやりとりを行うことができ、このため小規模校等における教育活動を充実させたり、外部人材の活用や幅広い科目の開設などにより、学習活動の幅を広げたりすることなどにおいて、遠隔システムの活用は重要な意義を持つものであるとされています。私は、文部科学省が推奨している遠隔教育を積極的に推進することで、さまざまな事情により教育を受ける機会を得られない児童・生徒にも、等しくその機会を提供できるようになると考えます。  本年十月十七日に文部科学省より発表された本県における平成三十年度の不登校児童・生徒の数は、在籍児童数五万一千百二十六人の小学校で、全児童数の一・一三%となる五百七十八人で、その内訳は、病気百八十人、不登校二百七十五人、その他百二十三人です。また、在籍生徒数二万六千三百八十九人の中学校では、全生徒数の四・一五%となる千九十五人で、その内訳は、病気百四十四人、不登校八百八十五人、その他六十六人です。小・中学校合わせて千六百七十三人の、学校に行きたくても行けない生徒たちに、遠隔教育も含めICT等を活用した学習活動によって、意欲を醸成するとともに、均等な教育の機会を提供することは、本人にとっても、また、少子高齢化が進む本県において、未来を担う人材を育成するためにも大変重要であると考えます。  遠隔教育には、小規模校の児童・生徒が大規模校との協働した学習により効果を発揮する合同授業型、ALT、外国語指導助手や外部人材の活用による専門性の高い授業に効果を発揮する教師支援型などがあります。これらをうまく使い分けることで、児童・生徒が多様な意見や考え方に触れたり、協働して学習に取り組んだりする機会を充実させ、学習活動の質を高めていくことが可能になります。  さらに、将来的には、遠隔教育の仕組みを活用し、国際貢献することも可能になります。例えば、外国語による遠隔教育用教材を利用して、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイなど南米の香川県人会やJICA、独立行政法人国際協力機構と連携して、移住者やその子孫の方々に対し、本県の自然、文化などの魅力や、本県や日本の誇れる歴史、人物を紹介することで、移住や交流の促進につながるものと考えます。  そこで、質問させていただきます。  質問一、本県における遠隔教育を実施できるICT環境はどの程度整備されているのか、現在の状況について、教育長にお伺いさせていただきます。  質問二、本県における不登校や病気療養中の児童・生徒への現在の対応と、今後、不登校や病気療養中の児童・生徒への遠隔教育等に取り組む考えについて、教育長にお伺いさせていただきます。  質問三、外国籍の児童・生徒に対しては、遠隔教育を利用し、個々の日本語習熟度に応じた個別学習や日本語指導等の時間を確保することもできます。本県においてこうした取り組みを行う考えについて、教育長にお伺いさせていただきます。  最後の質問は、強度の近視防止対策についてであります。  先月十一月上旬のNHKニュース、「小・中学生の九割近視、失明のおそれがある強度近視も中学生の一割」という報道に接しました。  慶應義塾大学の研究グループは、子供の近視の実態を明らかにしようと、東京都内の一部の小・中学校の児童と生徒合わせて千四百十六人の目の状態を調査、その結果、近視だったのは小学生六百八十九人のうち七六・五%、中学生七二七人のうち九四・九%で、特に中学生では、少なくとも九・九%に当たる七十二人が、将来失明のおそれがある強度近視だったそうです。  近視は、子供たちの屋外活動の減少に伴ってふえているとされており、何も対策を講じなければ、二〇五〇年には世界の人口の約半数に当たる四十八億人が近視に、九億四千万人が強度近視になるとの試算があり、WHO、世界保健機関も深刻な懸念を表明しています。  調査に当たった坪田一男教授は、「日本では子供の近視に関するデータもほとんどないなど、対策は不十分だ。国のレベルで取り組むべき緊急の課題だ」と指摘されています。  近視が進行し、裸眼で約十七センチまで物を近づけないとはっきりと見えない強度近視になると、目の奥にある網膜などの組織が、伸びた眼球によって引き伸ばされたり、圧迫されたりして傷つきやすくなり、将来的に網膜剥離や緑内障といった失明につながる病気の危険性が高まるとのことであります。  二十年前の一九九九年に国内で実施された調査では、十二歳児の近視有病率は四三・五%という報告がなされています。今回発表された研究結果と比較しますと、この二十年間で小学生の有病率に三十ポイント以上の開きがあり、近視有病率は確実にふえています。  このようなことから、世界各地で近視になる人を減らすための対策が進められています。二十歳以下の約八割が近視の台湾では、最近の研究で、一日二時間屋外で活動し、十分な量の光を浴びることで近視の発症を抑えられるとの研究結果をもとに、二〇一三年から体育の授業を一週間に百五十分屋外で行うことを義務づけるとともに、他の教科も屋外で行うことを推奨しています。また、学校によっては、理科の授業でも屋外での植物観賞などを多く取り入れたり、生徒たちの首元に光センサーをつけてもらい、浴びる光の量や時間を把握する取り組みが実施されています。  このような取り組みの結果、台湾では、七年間で視力〇・八未満の子供が五%減ったそうです。台湾教育部の専門官は、「屋外活動に導くことで視力悪化のスピードが抑えられる。子供も喜び、余り予算もかからず、効果がある方法だ」とコメントされています。  一方、日本では全国に近視の子供がどれだけいるのかという調査が行われておらず、文部科学省によりますと、現在、子供の視力低下が運動時間や勉強、読書、ゲームの時間などに関連するかどうかの調査を行っている段階とのことで、文部科学省健康教育・食育課の平山直子課長は、「近視は非常に重要な課題だと認識している。調査の結果を得て、来年度には対策を決め、各家庭や学校に周知するなど、緊急に進めていきたい」としています。  少子高齢化で未来を担う人材が減っている中、可能な限りの対策を講じることは、本県においても大変重要であります。  そこで、質問させていただきます。  質問一、小学生、中学生の近視問題に関する本県の現状についてどのように把握されているか、教育長にお伺いさせていただきます。  質問二、強度近視といった新たな課題も指摘される中、学校における近視の防止対策の取り組みについて、教育長のお考えをお聞かせください。  以上で質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯副議長(西川昭吾君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、県職員の人材育成についてであります。  本県では、平成二十五年度から、職員の自己啓発による能力開発を促進するとともに、各分野におけるプロフェッショナルな職員の育成を図るため、職務遂行に役立つ資格等を取得した職員に対し、受験料等の一部を助成する資格等取得支援事業を実施しています。  対象資格は、行政書士などの法務系資格、社会福祉士などの福祉系資格、TOEICなどの語学系検定、建築士や技術士などの建築・土木系資格など五十資格等としており、受験料や登録費用など資格等取得に要した経費について、各年度一人当たり二万円を限度とし、対象費用の二分の一以内を助成することとしています。  また、本事業の利用実績につきましては、制度開始から先月末までに延べ百八十二名に上っており、助成を受けた職員は、宅地建物取引士や一級土木施工管理技士、防災士などの資格を取得しております。  対象資格につきましては、これまでも全庁的なニーズを把握した上で必要な見直しを行っており、今年度は公認心理師や二級建築士など四資格を新たに追加したところであり、今後とも対象資格や支援費用を含め、必要に応じて拡充を図ってまいります。  私といたしましては、引き続き職員の自発的かつ主体的な能力開発を促進しながら、職員の資質の向上を進めることで、県民サービスの向上が図られるよう努めてまいります。  次に、ヒアリの定着防止に向けた取り組みについてであります。  ヒアリは、人の生命・身体、農林水産業等に重大な被害を及ぼす、またはそのおそれのある特定外来生物に指定されており、平成二十九年六月に兵庫県で初めて確認されて以来、これまでに十五都道府県で確認されておりますが、本県では、現時点で確認されておりません。  お尋ねの生息状況の調査につきましては、ヒアリが多く分布している中国や台湾との定期航路や航空路線を有する高松港コンテナターミナルや高松空港において、国や空港運営会社により、捕獲用トラップの設置、目視による確認等を年二回程度行っております。  また、県では、港湾管理者や空港運営会社、荷役業者、各市町の担当者等を対象に、ヒアリの特徴や習性、防除方法等に関する勉強会を毎年開催しているほか、ヒアリの見分け方やヒアリと疑われる個体を発見した場合の対処方法や連絡先、刺された場合の応急措置などを記載したチラシを各市町や小・中・高等学校、港湾管理者等に配付するとともに、県のホームページに掲載するなど、広く県民の皆様の注意喚起に努めております。  さらに、国に対し、ヒアリの海外から国内への侵入を確実に阻止するとともに、国内への定着防止を図ること、特に、海外での貨物輸出時における予防的防除が徹底されるよう、関係国等に働きかけることなどを全国知事会と連携して要望しているところであります。  私といたしましては、ヒアリを定着させないためには、水際での対策が最も重要と考えており、引き続き、国や各市町、関係機関と連携し、早期発見・早期駆除に努めるとともに、県民の皆様へのより一層の注意喚起を図ってまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、海洋教育の推進についてであります。  瀬戸内海に面している本県では、古くから海と深くかかわり合いながら、固有の歴史や文化、産業が形成されてきており、子供たちが身近な海を通して、地理的な特色や海洋環境、海上交易などについて学ぶことは有意義であり、重要であると考えております。  これまで小・中学校においては、東かがわ市のハマチ養殖や観音寺市のいりこ漁、坂出市の塩田開発、多度津町の造船業など、海に関する学習を数多く取り入れてきているところです。  また、漁業活動や海浜清掃、屋島少年自然の家における集団宿泊学習でのいかだづくりやカッターこぎなど、子供たちが海に親しみ、海と共生することの大切さを実感できる体験活動にも力を入れております。  高等学校では、多度津高校において、海洋技術科や海洋生産科のほか、機械科に造船コースを設置し、水産や海運、造船などの分野を担う人材を育成しています。そのほか、今年度は複数の高校において、「海の復権」をテーマに掲げた瀬戸内国際芸術祭をモチーフに、総合的な探究の時間などで地域課題解決学習に取り組んでおります。
     また、新学習指導要領の実施に当たっては、海に囲まれた国土の特色を取り上げ、海洋環境や水産資源、船舶運輸、海外との交流などについて、広い視野から総合的に捉えさせるとともに、地球環境や経済・社会の諸課題を自身の問題として考えることができるよう、学習指導の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも多様な学習機会を通じて、海に関する理解や関心を深め、海の大切さを将来に継承できるよう、海洋教育の充実に一層努めてまいります。  次に、遠隔教育の推進についてであります。  少子化の進行による学校の小規模化への対応や、児童・生徒の多様な学習ニーズへのきめ細かな対応などが求められていることから、今後、学校教育において遠隔教育は重要なものになると考えております。  同時双方向型で行う遠隔教育については、映像等の送受信のために、双方の教室等に会議用システムカメラ等を設置してインターネットに超高速回線で接続するなど、高レベルのICT環境を整備する必要がありますが、本県の場合、現段階では実施できる状況には至っておりません。  不登校児童・生徒については、個々の状況に応じて教員が家庭等に出向いて対応しているところですが、高松市の適応指導教室では、同時双方向型ではないものの、オンラインの学習システムを提供することにより、学習習慣の定着や学習意欲、基礎学力向上を図るなど、先進的な取り組みを行っております。  また、病気療養中の児童・生徒については、特別支援学校の取り組みの中で、タブレット端末を活用して入院中の病室と教室をつなぎ、朝の会等において交流を行っている学校もあり、学習参加や病気寛解後の学校復帰に一定の効果があると考えております。  さらに、外国籍の児童・生徒に対する指導として、外国人が集住している地域の充実した日本語指導を、外国人が点在している地域の学校に遠隔システムでつなぐ取り組みは、本県でも有効ではないかと考えております。  今年六月には、国に対して、小規模校の児童・生徒等が多様な意見や考えに触れることができる遠隔教育を効果的に実施するため、学校のICT環境整備や維持のための財政支援の充実について要望したところです。  県教育委員会といたしましては、不登校や病気療養中、外国籍の児童・生徒への対応も含め、遠隔システムの効果的な活用に向けて幅広く研究してまいります。  次に、児童・生徒の視力低下防止対策についてであります。  生活の夜型化や社会のICT化など、生活様式が多様化、複雑化する中、子供たちが健やかに成長していくために、視力の低下は重要な健康課題であると考えています。  文部科学省の平成三十年度学校保健統計調査に基づく本県の児童・生徒の視力の状況は、裸眼視力一・〇未満の児童・生徒の割合が、小学校では三二・六%で全国平均を一・五ポイント下回っており、中学校では五七・〇%で全国平均を一・〇ポイント上回っています。  また、本県の児童・生徒を二十年前の平成十年度と比較すると、小学校では一〇・二ポイントの増加、中学校では五・四ポイントの増加で、小・中学校ともに視力が低下しており、懸念しているところです。  このため、各学校においては、学校保健計画を作成し、それに基づき定期的に教室の照度を測定し、適切な明るさを確保するとともに、体育、保健体育の授業や学級活動の中で、目の健康や正しい姿勢について学ぶこととしています。また、十月十日の目の愛護デーに合わせて、保健委員会の児童・生徒などが中心となって、目によい生活に関する発表や全校生への啓発を行うとともに、給食においては献立にブルーベリーやカボチャなど、目によいとされる食品を使うなど、学校教育全体を通して、近視の予防に取り組んでいるところです。  また、健康診断の結果、裸眼視力一・〇未満の者に対しては、医療機関への受診を勧めることとしております。  県教育委員会といたしましては、視力の低下は重大な疾病につながるおそれがあることを再認識し、望ましい生活習慣の確立や体力の向上を図る中で、屋外での運動や適切な栄養摂取を促進するなど、眼科の学校医にも指導・助言を求めながら、視力低下防止に一層取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(西川昭吾君)理事者の答弁は終わりました。  県の一般事務に関する質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(西川昭吾君)お諮りいたします。  委員会審査のため、十二月十七日を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯副議長(西川昭吾君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(西川昭吾君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十二月十八日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時五十四分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....