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  1. 香川県議会 2019-02-04
    平成31年2月定例会(第4日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    花  崎  光  弘 君    三  野  康  祐 君    松  村  秀  樹 君    岡  野  朱里子  君    白  川  和  幸 君    寺  嶋  昌  夫 君    氏  家  孝  志 君    松  原  哲  也 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    谷  久  浩  一 君    木  村  篤  史 君    米  田  晴  彦 君    山  本  悟  史 君    佐  伯  明  浩 君    新  田  耕  造 君    有  福  哲  二 君    高  城  宗  幸 君    斉  藤  勝  範 君    香  川  芳  文 君    森     裕  行 君    広  瀬  良  隆 君    樫     昭  二 君    十  河     直 君    西  川  昭  吾 君    大  山  一  郎 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君    辻  村     修 君    竹  本  敏  信 君    高  田  良  徳 君    都  築  信  行 君    黒  島     啓 君    山  本  直  樹 君    宮  本  欣  貞 君    尾  崎  道  広 君    綾  田  福  雄 君
       水  本  勝  規 君    平  木     享 君    鎌  田  守  恭 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   松  本  祐  藏 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   徳大寺   祥  宏 君           環境森林部長    中  村  貴  紀 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   葛  西     剛 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    窪     保  彦 君           子ども政策推進局長 川  池  陽  子 君           会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   木  村  士  郎 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会委員   泉     雅  文 君           警察本部長     河  合  信  之 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     井  川     泰 君           事 務 局 長           労働委員会     河  井  啓  司 君           事 務 局 長           政策部次長     東  田  晃  拓 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第四号)                 平成三十一年三月八日(金)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(花崎光弘君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  佐伯明浩君。    (佐伯明浩君登壇、拍手) ◯佐伯明浩君 人口減少・少子高齢化社会を地域がしっかりと受けとめ、かけがえのないふるさと香川県を未来永劫、持続可能な地域として守り続けていかなければいけません。そのためにも、経験豊富な方々がより一層お元気で御活躍されることが大切であります。あわせまして、若者の移住・定住を促していかなければいけません。そのためにも、良質な雇用を生み続けていかなければなりません。農業・水産業を含みます地域産業・地場産業をしっかりと振興していくことが大切であります。中小企業の福利厚生の充実や経営基盤の安定等、中小企業型・香川型の成長戦略を構築していかなければなりません。  若い方々に移住を促すためには、やはり、この地域というのはスタートアップ、起業しやすい地域ということをお示ししていかなければなりません。昨年、あるリサーチ会社によりますと、近年で都道府県別でスタートアップの数がどこが一番多いかと調べたところ、香川県がなんと一番でありました。このことをしっかりと全国にPRしていかなければいけないと思います。香川というのはスタートアップしやすく、そして非常に手厚く支援してくれるということをやっていかなければいけません。そういうことによってしっかりと前に進めていく。たとえ大企業でなくてもいいと思います。農業法人を含みます地域密着型のスモールビジネスに対しても、そういった支援をしてくれるということを示していくことが大切だと思います。そして、これからは、やはり初期活動、融資等をスムーズにできるように、ワンストップサービスをしっかりと充実させることも重要だと思っております。  この四月からは、外国人労働者人材拡大受け入れ法案が施行されるわけであります。ここ香川県にも多くの優秀な外国人労働者、ワーカーの方々が訪れることと思います。今、現場は人手不足、労働者不足で悲鳴を上げております。これは大きな風穴をあけ、非常に期待も多いのですが、その反面、やはり不安も多くあります。食の違い、文化の違い、宗教の違い、何よりも言葉の壁が立ちはだかります。そういった不安材料をどのように解決していくのか。経営者の皆さん方、外国人労働者の皆さん方が少しでもその不安を解消するために、この四月から県もワンストップサービスの窓口を開設されるとお聞きしております。しっかりとあらゆるところと連携してニーズに応えていただきたいと思いますし、特に市町とも連携していただきたいと思っておる次第であります。  企業立地の促進及び企業立地による地域の活性化に努めていかなければいけません。飯の食える、もうかる、将来夢の持てる農業、水産業の振興も大切だと思います。他県、他地域とは違った高品質、高付加価値をつけた農畜水産物のブランド化の推進も大事だと思っております。それを県外、海外に販路拡大をしていく。そして、いろいろなところから、ありとあらゆるところから顧客のニーズに応えていく。そういうことをしていかなければいけないと思っております。これからは農業分野におきましてもAI、IoTを活用したスマート農業が参入してきます。しっかりと前を見据えていかなければいけないと思いますし、グローバルGAPの認証制度も他県に先駆けて推進していかなければいけません。そういうことをしっかりやって良質な雇用を生み出し、子供を生み育てやすい地域をつくっていくということが重要ではないかと思っております。  交流人口の拡大は言うまでもありません。しっかりと交通インフラを整備していかなければいけません。昨年の四月に民間委託されました高松空港はCATIIIを含みますさらなる機能強化の充実、四国新幹線導入を核とした四国鉄道網の再構築、大型クルーズ船の誘致及び大型コンテナ船入港に伴います港湾の整備、地域資源、交通インフラ等を活用した観光客誘致を全力で進めていかなければいけません。  人、物、情報、お金を県外、海外から呼び込み、それを経済活動につなげていくことが大切であります。かけがえのない我がふるさと香川県を、元気に明るく楽しく豊かに幸せに、そして、将来夢の持てる地域に皆さんと一緒になって前に進めていきたいと思っておりますので、御指導よろしくお願い申し上げて、質問に入らせていただきます。  質問の第一点目は、アジアの主要都市から直接つながる四国の玄関であり、交流拠点ともなる、高松空港の機能拡充等についてであります。  御承知のとおり、高松空港は昨年四月、民間事業者による空港運営が始まりました。高松空港は、本県の最重要課題である人口減少や地域活力向上に対する施策に取り組む上で非常に重要な役割を担う広域交通インフラで、四国の航空ネットワークの拠点機能と本県の広域ネットワークのかなめとなる機能をあわせ持つ、まさしく重要インフラであります。こうした機能を十分に発揮させるためにも、民間委託されたものの、引き続き県としてもしっかりと取り組んでいく必要があると、私は考えます。民間運営がスタートし、間もなく一年がたとうとしております。まずは、このおよそ一年の空港運営について知事の評価はどのようなものか、民間委託により改善された点、今後、改善を必要とする点も交えて所感をお伺いいたします。  高松空港株式会社は、三菱地所株式会社を中心に設立された特定目的会社であります。三菱地所のように日本を代表するディベロッパーが中心となっていることで、本県に新たな風が吹き込まれる期待は大いにあるものの、一方で地域活性化の核となるためには、地元目線での経営エッセンスも不可欠ではないでしょうか。県民にとっても、私たちの空港という思いから外れたものとならないよう、県としてもしっかり取り組んでいただきたいと強く思うところであります。空港運営会社の経営に地元の意向を反映させる仕組みとして、県は出資とともに県職員を派遣しておりますが、地元の意向を空港運営に反映させるという点において、この一年間の成果を知事はどのように捉えているのでしょうか。また、出資や職員派遣だけで地元目線での経営に本当に十分なものか、よく見きわめる必要があると思います。地元関係者の意向については、県や派遣職員がどのように反映させるようになっているのか、その具体例についてもお示しください。  また、他方、民間委託による利用者目線での運営、特に顧客ニーズに機動的かつスピーディーに対応する柔軟な運営手法は、今後の空港運営にとりプラスに働くことは言うまでもないことであり、行政にはないノウハウを駆使した経営手法は高松空港の発展に寄与するものと期待をいたしております。まさに民間委託による活性化であります。そういった観点では、県の意向が余りに反映されてしまうと、先を見据えたニーズ志向の運営、経営面の活性化等において、これまでとかわりばえのしないお役所的な空港運営に陥りかねないのではないかと懸念するところであります。この点について、知事はこの一年、どのようにバランスをとってきたのでしょうか。二年目を前に、県としての立ち位置をどのように考えているのかということもあわせて御説明ください。  さて、高松空港株式会社では「中期計画二〇一八~二〇二二年度」を定め、「アジア・世界とつながる、四国瀬戸内ナンバーワンの国際空港」を目指し、複数のLCCの拠点化を進め、旅客数三百七万人達成の将来目標を定め、二〇二二年度には国内線五路線、国際線六路線就航という目標を掲げております。このことにつきましては、空港旅客ビルの事業収益の拡大を図り、エアライン誘致の原資をつくり、エアラインの就航意欲を喚起する料金設定やLCC拠点化につながる料金割引を行うことにより旅客数や貨物量の拡大を図ることとしております。空港サービスは、空港利用者がメリットを得られるべきものであり、その最たるメリットが高松空港における路線ネットワークの拡充であり、まさしく新規路線の就航や増便の実現であるのです。拡充に向けては、新規路線の開拓や既存路線の増便等のネットワーク機能の充実や、着陸料減免等の措置を受けた運賃低廉化等の取り組みを確実に進めるとする同社の方針は一定の評価ができるものと私は考えますが、県として、この中期計画をどう評価しているのかお伺いしますとともに、同社の取り組みに対する支援策等についての考えの有無についても質問をいたします。  さらに、高松空港運営委託により期待される効果のもう一つの柱が地域の活性化、すなわち県内産業と観光の振興であります。ネットワークの拡充は、旅客、貨物の利用の増加を通じ地域振興につながることは言うまでもありません。この点につきましては、特に空港ビルが地域と一体となった営業体制を構築する必要があると考えるのであります。高松空港株式会社の中期計画では、保安検査場の混雑緩和解消の観点から、クリーンスペースを拡充し、検査後に買い物等をじっくりと行えるようにするとのことです。クリーンエリア内の商業施設は、現在の百八十平米から約十八倍の三千百五十平米への拡充を図るとのことで、このこと自体、十分評価できるものであります。しかし、高松空港の今後の発展を鑑みると、飛行機の利用者でない人々にとっても、空港や空港ビルを憩いの場として、また、ショッピングの場としても利用できるものとし、人々が集う地域の拠点としていくことも重要ではないでしょうか。このように考えますと、この中期計画が県民への配慮がなされたものとなっているのか、若干懸念をいたしております。一方で、地域の活性化を目的とした空港戦略等が確保されていくものと期待しているところでもあります。  そこで、高松空港株式会社のこの中期計画についての知事の評価をお伺いするとともに、地域の活性化を達成するため、知事が期待することについてもあわせてお伺いいたします。  最後に、高松空港に係る質問の際、いつも私が主張いたしております就航率向上のためのCATIIIの整備を求めること等、今後も県として主導的に取り組むべき課題について、手を緩めることなく、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。このことについての知事のビジョンと決意も改めてお伺いいたします。  質問の第二点目は、四国の新幹線整備に向けた取り組みについてであります。  私は、運輸大臣秘書官のとき、四国における新幹線の必要性を認識し、県議会議員就任以来、四国の新幹線整備の必要性を訴えてきました。四国の新幹線が開通すると、交通ネットワーク強化の実現、観光客の増加、ビジネス拠点の強化、JR四国の基盤強化等、数々の効果をもたらし、さらには県民の誇り等といった心理的な効果も見込まれるものと考えられることから、四国の新幹線開通の意義は非常に大きなものと確信しているのであります。  現在、四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会IIが開催され、四国の新幹線に加え、厳しい経営環境下にあるJR四国の路線維持の方策等について議論されております。昨年秋には中間取りまとめ案について議論されましたが、その後、進捗が余り聞こえなくなっているようで懸念をいたしております。  高速道路網の整備、人口減少、金利の低下による経営安定基金の運用益の減少等に伴い、JR四国が厳しい情勢にあることは事実であります。当然のこと、JR四国には引き続き経営努力していただくことが必要ですが、私は、現在進められている懇談会での議論が路線維持に偏りつつあり、将来の四国、また、本県の発展という観点から、高速移動手段をどう確保し、交流基盤をどのように築くべきかという域内におけるグランドデザイン的視点が欠けているのではないかと危惧しているところであります。在来線の維持を大きく捉えた縮小均衡的な考え方にとどまるのではなく、今考えるべきことは、四国の新幹線の整備を核とした高速鉄道ネットワークのあり方を軸にセットで考えるべきではないでしようか。次回の懇談会は今月行われると聞いておりますが、委員でもある知事には、ぜひ、高速鉄道としての四国の新幹線の整備の必要性とその早期整備に向けた道筋を求めるという方向で懇談会の議論がまとめられるよう御尽力いただきたいと考えております。  常々、私は問題提起してきており、四国の新幹線の実現に向けた戦略とその戦術、そして工程をスケジュール感を含めて確立していただくことが必要であるとの主張は、知事におかれましても御認識いただいているものと思っております。人口減少に伴う地域活力の向上は本県における喫緊の課題であり、それを打破する起爆剤とも言える施策の一つとして、四国の新幹線の実現は非常に有用なものと考えられるのであります。このことからも、新幹線にまつわる動向につきましては、私たち県議会議員に適時適切に情報開示していただき、議論を深める必要があると考えるのであります。いつまでもたなざらしにならないよう、スケジュール管理が絶対的なものであることは言うまでもありません。  そこで、知事は今後、四国の新幹線の整備に向けた取り組みを具体的にどのように進めていこうとお考えか、質問します。議論が進まない現状を踏まえ、その障害が何であると認識されているのか伺うとともに、本年末までの諸活動の具体的目標をどのように立て、どこまで進めるのか、その工程とあわせて改めて知事に質問いたします。  質問の第三点目は、外国人労働者の受け入れ環境の整備についてであります。  記億に新しい出来事でありますが、昨年末、改正入管法こと出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律が国会で可決いたしました。このことは、我が国の外国人労働者をめぐる大きな政策の転換点となります。少子高齢化により我が国の労働力は不足し、経済成長の阻害要因ともいうべく課題への対策として外国人労働者の受け入れ拡大を目指すもので、これまで認められなかったいわゆる単純労働とされる分野に門戸を開くこととなります。なお、改正入管法は本年四月の施行が予定されております。  法施行を前に、地方の状況についてある新聞社が実施した全国自治体首長アンケート調査では、半数の自治体が法改正を評価し、一方で、七割に及ぶ自治体が外国人の生活基盤づくりを課題とする状況が浮かび上がりました。  そのような中、私は先日、県内企業を訪問し、経営者の皆様と懇談する機会がありました。そこでは、専らこの外国人労働者の受け入れに関連する話題が大半となりました。本県でも企業の現場で人手不足が深刻化していることを痛感したのと同時に、外国人材の受け入れによる人手不足解消を期待する声や、雇用後の外国人労働者の日常生活、トラブルが発生した場合の向き合い方などについて、多くの経営者が現実に即したさまざまな不安を抱いていることも感じたのであります。  経営者の不安の中で特に顕著なものは、やはり生活習慣の違いや言葉の壁であります。グローバルスタンダードの世の中であり、異文化共生を鑑みた場合、相手をおもんぱかることがまず必要な考えとなりますが、思いも寄らないことが壁として立ちはだかるのも事実であります。例えば、日本人の場合、玄関で靴を脱ぐのは一般的であるものの、諸外国にはない習慣です。食生活も、宗教観による違いというのは言うまでもありません。言葉も、外国語の理解はもとより、外国人側においても日本語には本音と建前と称されるように文脈から把握することも多く、容易ではありません。こういった何でもないようなことに始まり、日常生活では納税や健康保険への加入等、実に多くの壁が立ちはだかります。また、企業活動における経営者の不安には、過去五年間で外国人実習生の失踪が二万六千人と昨年三月国が公表しましたように、雇用者が急にいなくなった場合の対応という話もありました。外国人労働者の受け入れの際に、さまざまな課題があるのが事実であります。  本県においても人口減少下、労働力の確保は喫緊の課題であります。外国人労働力の確保は現状打破の有効なものになるのでしょうが、企業経営者の生の声を聞く限り、何らかの環境整備が必要と考えられるのであります。  そこで、外国人労働者の受け入れについて知事の所感をお伺いしますとともに、四月の改正法施行を目前に、経営者の声を踏まえた本県の対応策について質問をいたします。  質問の第四点目は、本県におけるAI等先端技術の推進についてであります。  技術の進歩については、日進月歩どころか、日々目まぐるしく進歩・進化しております。昨今、毎日のように耳にする話題として、AI等先端技術があります。これは、まさしく時代を変革させる技術進歩のたまものではないでしょうか。改めて、AIとは、人が持つ認識や推論等の能力をコンピューターでも可能にするための技術の総称とされるもののことであります。あまたの事業者において、生産性効率の拡大へ向けた課題解消等を目的に、AI等先端技術の研究、活用が進んでおります。  少し前に新聞に企業業績の掲載がありました。ある航空会社でAIを導入したところ、想定を超える業績の回復が見られたとのことで、これまでは社員の長年の経験に頼る要素が強かったものの、今やその役割をAIが担っているとのことでありました。航空会社のビジネスでは一般に、特に国際線ではビジネスクラスの座席数を増加させ利益率を拡大させる施策がとられているようでありますが、ここではビジネスクラスの座席を減少させ、エコノミーをふやしたにもかかわらず、他の要因を差し引いても客単価が増大し、利益率が改善したとのことでした。データが蓄積されればされるほど精度が上がるのがAIですから、今後一層の業績拡大が期待されるところであります。  これは一例でありますが、日々進化を遂げるAI等の先端技術は時代の寵児であると言っても過言ではないと思います。少子高齢化により生産労働力人口は減少の一途をたどっております。それによりさまざまな課題が、人手不足しかり、県内事業者にもあらわれてきております。国では未来投資戦略二〇一八でAI等の新技術を社会に取り入れ、さまざまな課題の解決を目指すことといたしております。私も他の質問でも課題として取り上げ、その対応について種々伺っておりますが、改めて本県の課題として、人口減少に伴う地域活性化への対策を施さなくてはならないと考えております。AI等の技術は今や地域活力の原動力になるものであり、特に地域経済の成長を目途に考えると、その促進について県を挙げて取り組むべきではないでしょうか。  そこで、これらAI等の先端技術について、企業や農業者に対する本県の取り組みの方向性と現状を伺いますとともに、今後も踏まえ、具体的にどのような事業に取り組もうと考えているのか知事に質問いたしまして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(花崎光弘君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)佐伯議員の御質問にお答えいたします。  まず、高松空港の機能拡充等についてであります。  昨年四月から高松空港株式会社による空港運営が開始され、国内線搭乗待合室の拡張や空港前駐車場の一部立体化が進められるなど、空港活性化に向けた積極的な投資が行われるとともに、路線誘致・利用促進につきましては、県や関係団体との連携・協力のもと、ソウル線に続き、二〇一九年夏ダイヤから台北線のデイリー化が実現するなど、高松空港の航空ネットワークの拡充が図られており、空港活性化に向けた取り組みが進められているものと考えております。  地元の意向を反映させる仕組みにつきましては、県は高松空港株式会社に出資を行うとともに、副知事が取締役に就任したほか、常勤職員を県から派遣し、路線誘致に関して地元で蓄積されたノウハウ、人的ネットワーク等の共有や県の産業、観光など幅広い分野における諸施策との連携を図っているところであります。加えて、高松空港株式会社において、地元の意向を含め、長期的、継続的な視点での助言を行うアドバイザリーボードや多角的な視点から助言を行うモニタリングボードが設置されておりますほか、県と同社に加え、地元自治体や経済団体等十一団体で構成する高松空港エアライン誘致等協議会が策定した高松空港と地域の活性化プランに沿って、路線誘致、利用促進等に係る取り組みを進めております。  高松空港株式会社に対しては、空港施設の利便性やサービスの向上、魅力的な商業施設づくりや設備投資、アクセス強化等の面において、今後とも民間ならではの発想やその経営能力を十分発揮し、空港運営のレベルアップに主体的に取り組んでいただきたいと考えております。また、県といたしましては、路線誘致・利用促進につきまして、高松空港が基幹的な交通インフラであること等を踏まえ、今後とも高松空港株式会社と緊密な連携・協力のもと、交流人口拡大の効果を最大限に引き出し、高松空港の飛躍・発展や地域活性化に結びつけられるよう努めてまいります。  お尋ねの高松空港株式会社の中期計画では、旅客数を二〇三二年度までに三百七万人とするなど高い目標が設定されており、この目標が達成されれば、空港の飛躍的発展、交流人口の拡大、地域活性化をもたらすものと期待されることから、今後とも同社が行う路線誘致や利用促進等の取り組みに連携・協力してまいりたいと考えております。また、中期計画で示されている設備投資は高松空港の発展に資するものと考えており、今後、同計画に示された設備投資の着実な実施を通して、高松空港が地域活性化の拠点となるよう期待しております。  高松空港の計器着陸装置の高カテゴリー化につきましては、国からは費用便益比が一を下回っていることが課題であると伺っておりますが、費用の縮減や得られる便益を高めるための工夫を行うことなどにより、国において必要な投資としてカテゴリーIIIの計器着陸装置の整備が図られるよう、今後とも粘り強く国に働きかけてまいります。  次は、四国の新幹線整備に向けた取り組みについてであります。  人口減少、少子高齢化が全国に先駆けて進展する四国地域において、新幹線の整備を図ることは、交流圏や交流人口の拡大による経済活性化に加え、災害耐力の向上や在来線の維持確保等の観点からも極めて重要であると考えております。一方、国においては、現在整備中の整備新幹線について、政府・与党申し合わせにおける完成開業予定年次の確実な実現が最優先課題とされていることなどから、現在、基本計画にとどまっている四国の新幹線整備が進まないものと認識しており、一日も早い整備計画への格上げを実現することが重要であると考えております。  このため、シンポジウムや勉強会の開催を通して機運の醸成に努めるとともに、機会あるごとに国等に対し四国の新幹線の実現に向けて要望しているところであります。また、今月開催予定の四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会IIにおいて、委員である私から、四国の新幹線の導入が持続可能な公共交通ネットワーク構築のために不可欠であることを強く訴えてまいります。来年度におきましては、早い時期に四国新幹線整備促進期成会において、四国の新幹線整備に伴う岡山県への波及効果に係る調査結果を公表するとともに、夏ごろには四国の新幹線東京大会を開催し、その後、国等に対する要望活動等を行うこととしております。  私といたしましては、引き続き県民の皆様の意識の高揚を図るとともに、国政レベルでの動きを一歩でも前進、拡大していけるよう、県議会を初め関係国会議員の皆様の御尽力を賜りながら、四国新幹線整備促進期成会を中心に、岡山県とも連携しながら、これまで以上に声を一つにして、四国の新幹線実現に向けて取り組んでまいります。  次は、外国人労働者の受け入れ環境整備についてであります。  県内の外国人労働者は近年大きく増加しており、人手不足が深刻化する中、本県経済の持続的発展に必要不可欠な人材となっていると考えておりますが、外国人労働者の受け入れについては、私も経営者の方々からさまざまなお話を伺っており、そうした課題の解消に向け、取り組む必要があると考えております。  また、昨年、臨時国会で成立した新たな在留資格制度の創設などを含むいわゆる出入国管理法の改正により、今後、外国人労働者の一層の増加が見込まれることから、来月一日に、県内事業所や外国人労働者からの相談に対応する外国人労働人材関係相談窓口を県独自の施策として設置いたします。この相談窓口は、外国人を雇用する場合の在留資格についての相談や労働条件等の労務に関する相談を総合的に受け付けるものであり、相談に対応するための専任職員を配置するほか、必要に応じて社会保険労務士や行政書士のアドバイスを受けることのできる体制を整備することとしております。  同時に、国の外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を受け、外国人に係る在留手続、雇用、医療・福祉、出産・子育て、教育などの相談をワンストップで受け付け、多文化共生の拠点となるかがわ外国人相談支援センターを設置し、担当職員の配置や多言語対応により、外国人が適切な情報や相談場所に迅速に到達できるよう、生活全般に係る一元的な相談窓口として整備してまいります。  これら二つの窓口が相互に連携する中で、県内企業や外国人住民からの多岐にわたる相談に対応し円滑に機能するよう、庁内関係課による連絡会議や高松入国管理局を初め、香川労働局、各市町など関係機関との連携会議を設置し、本県独自の総合的な支援体制を構築してまいります。  私といたしましては、国や関係機関と連携し、県内企業の外国人の受け入れを支援するとともに、県国際交流協会や各市町等と連携し、外国人との共生社会の実現に向け、より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、AI等先端技術の利活用についてであります。  私は、生産年齢人口の減少による人手不足への対応など、本県が抱えるさまざまな課題の解決には、AI等の先端技術の利活用により、県内産業の生産性向上や競争力強化を図り、本県経済の活性化につなげることが極めて重要であると考えております。
     このため、今年度新たに、産業技術センターに県内企業向けの相談窓口を設置するとともに、これらの技術に関心のある企業等を会員とする技術分科会を設立したほか、製造現場での導入イメージを持っていただくことができるよう、協働ロボットや工作機械等をIoT化した疑似的なスマート工場を構築したところであります。また、来年度からは新たにSociety5・0(超スマート社会)推進事業を実施することとしており、企業の技術者等がAIの実践的な技術を基礎から応用まで体系的に学ぶことのできる講座、かがわAIゼミナールを三豊市とも連携して開催するほか、県内企業が産業技術総合研究所と連携して実施する先進的な研究開発等の支援や、RPA、IoT、ロボット技術等の導入支援に取り組んでまいります。  さらに、農業者に対しては、ICTやAI、IoTなどの先端技術を活用した生産性の高い農業、いわゆるスマート農業の生産現場への導入を目指し、農業試験場と農業改良普及センターが一体となって、県内農業者、民間企業等と連携して、本県の実態に即したスマート農業の研究開発や現地実証を進めており、今後、さらに加速化を図ってまいります。  私といたしましては、県内企業や農業者へのAI等先端技術の活用の促進に当たり、本県が他の地域よりも一歩でも先んじることができるよう、スピード感を持って全力で取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(花崎光弘君)一般質問を続行いたします。  高田良徳君。    (高田良徳君登壇、拍手) ◯高田良徳君 通告に従いまして、六点について質問いたします。  今回は、専ら教育委員会への質問です。どうか教育長の前向きな答弁をお願いしたいと思います。  一点目に、高校生の運転免許の取得についてお聞きします。  私自身、十六歳ですぐに原付免許を取得しました。おかげで一気に行動範囲が広くなり、部活動の遠征でも、県内ならどこでも原付バイクで行くことができるようになりました。しかし、今の高校の部活動は、保護者の送り迎えがなくては成り立ちません。送り迎えのできない家庭の高校生は、部活動を諦めてもらうしかありません。本当にかわいそうです。確かにバイクは危険な乗り物です。でも、現実に送り迎えを行っているじいさんばあさんの車の運転のほうが、よっぽど危険なように私には見えます。  さて、本県の県立高等学校のほとんどで運転免許取得を禁止しています。各高等学校の校則を見てみますと、三年生の冬休み以降なら自動車学校への入校が許されるところや、通学困難地などの条件つきで原付免許のみ許される学校もありますが、基本的には運転免許を取ることは許されていません。原則禁止です。しかし、御存じのとおり、自動二輪や原動機付自転車は満十六歳から法的には免許を取得してもいいはずです。なのに禁止をする。この考え方は、昭和五十年代、ふえ続けるバイクによる暴走行為、不良行為、危険行為に対して、全国高等学校PTA連合会からの要請で始まった、高校生にバイクの免許を取らせない、買わせない、乗らせないといういわゆる三ない運動をもとにしています。あれから四十年近くたった現在でも原則禁止が貫かれている状況について、今回、私なりに問題提起をさせていただきたいと思います。  まず、他県の状況について調べてみた結果です。  山梨県は、全国で三ない運動が展開されていた時期でもバイク通学を認めていた唯一の県です。山梨県には全日制の高校が四十一校あり、そのうち約八五%に当たる三十五校でバイク通学が認められています。山梨県における公立全日制高校の原付バイク通学者の割合は、五年前の資料ですが、生徒数一万九千二百五十四名に対して、原付免許取得者は三千四百九十九名と全体の一八・二%に達しています。原付免許取得者のうち二千四百四十五名が実際に通学で原付バイクを利用しているので、全体の一二・七%が原付バイク通学者となっています。この現状について、山梨県では、鉄道などの公共交通機関の交通網が発達しておらず、運行本数も少ないというのが理由と県の担当者は説明していますが、全国で山梨が突出して公共交通機関や地理的な問題があるというのは、私には疑問です。これは、やはりバイクに対しての高校の位置づけの差だと思います。  茨城県でも、原付免許については規制せず、原付通学の可否は各学校が地域の実情に合わせて判断しています。県立高校全日制九十三校のうち、原付の免許取得を禁止している学校は七校で七・五%と、他県に比べてかなり少ない状況です。条件つき許可が八十一校の八七・一%で、免許取得を制限していない学校が五校の五・四%となっています。また、原付通学を許可している学校は七十二校で七七・四%もあります。茨城県教育委員会としては、運転実技を含めた安全教育をしっかり行うことが望ましいと考えているため、生徒に対する安全教育として、毎年十校程度を選定し、自動車教習所での原付講習を受けさせています。選定から外れた学校も、警察や交通安全協会の協力を得て独自に原付講習を行うなど、安全教育に熱心な学校が多いようです。まさに県教委及び学校、地域の機関・団体の協力が、高校生の原付利用をバックアップしています。  そして、群馬県です。ここでは画期的な決議が県議会で行われました。平成二十六年十二月群馬県議会で、運転免許の取得は関係する交通法規等を学ぶ機会でもあることから、法律で定められた取得可能な年齢に達した者にあっては、本人及びその保護者等の希望により取得できるようにすることと決議しました。この決議された理由が、群馬県において免許取得後一年以内の初心運転者の交通事故者率が平成十四年を除き全国ワースト一位であるとともに、全自転車事故に占める高校生の割合も同じく全国ワースト一位が続いている現状でもあり、こうした状況から一刻も早く脱することができるよう、高校生の運転免許取得による交通安全教育が必要との結論から導き出された答えでした。  この決議と同時に可決された群馬県交通安全条例では第六条第二項で、「県は、高等学校、中等教育学校等の生徒が、在学中に自動車等の免許を取得することが可能な年齢に達することから、交通社会の一員としての責任ある行動がとれるよう、総合的かつ計画的な交通安全教育に努めなければならない」として、行政が行うべき施策の方向性について定めています。  最後に、例として挙げたいのが埼王県です。埼玉県では新年度、来月から高校生の自動二輪車等の交通安全に関する指導要項が施行されます。この新指導要項の画期的な改正点は、今まで許可制であった高校生の運転免許の取得を保護者との連名による届け出制にしたことです。このことによって、今まで把握できなかった免許を取得していた高校生も把握できることとあわせて、免許を取得した生徒を対象に、交通安全関係機関・団体と協力し、交通安全運転講習を実施することとしています。  このような流れの中で、本県も高校生の運転免許取得について検討する時期が来ているのではないかと思います。もとより、法で免許を取得可能になる年齢に達した者に免許を取らせないという指導は、在学中だけバイクを遠ざけることでリスクを回避する、言いかえれば高等学校としての責任逃れ、事なかれ的指導との批判もありました。それは、高校卒業後も生涯を通じて交通社会に生きる高校生にとって真に役に立つものかという疑問でした。高校生は日ごろの通学、生活においても、交通社会から得られる体験を通じてルールを遵守し、なれ、適応していくことが大切です。そして、高校を卒業して社会に出れば、多くの人はバイクや自動車を運転することになります。高校生にはバイクは必要ない、高校生にはバイクは危険だという理由でそのときまでバイクを遠ざけることが、結果として道路交通法や安全運転を学ぶ機会を奪うことにつながっているのではないかと思います。バイクは危ないものと一面的に捉えて遠ざける教育が、交通事故から守ることにつながるのか、交通安全に真剣に取り組んでいる本県だからこそ検討すべき課題だと思います。  参考に一つのデータがあります。それは、初心運転者の事故率です。香川県警察の出しているデータで、平成二十九年の普通免許の初心者事故率が、全国平均が〇・八九で、香川県が一・四〇です。普通二輪免許の初心者事故者率が全国平均〇・八三で、香川県が一・六一です。全国ワースト何位かは調べ切れませんでしたが、数年前まではワーストスリーに入っていたと思います。高校で運転免許が規制されていて、卒業した途端に一斉に免許を取って乗り始め、ここでの事故率が高いということです。免許を取って一年以内の方の事故率が多い理由はここにあると思います。ですから、これは、むしろ高校在学中から卒業後の車社会を前提とした交通安全教育が必要ということ、運転免許の取得は関係する交通法規等を学ぶ機会でもあることを認識する必要があると思います。  高校生活の三年間は社会に出るまでの猶予期間です。この期間に交通社会の一員として責任を持って行動する健全な社会人を育成することが重要です。高校生本人がみずから考え、保護者の同意があれば、法で認められているバイクの免許取得を許可し、道路交通法や安全教育を学ばせるべきだと私は思います。  そこで、教育長にお伺いします。  現在、県教育委員会あるいは各県立高校で高校生にバイクの免許を取らせない、買わせない、乗らせないといういわゆる三ない運動を今でも推進しているのでしょうか。また、この三ない運動をどのように評価しているのか、お聞かせいただきたいと思います。そして、当時と今とでは社会情勢が大きく変わっている中で、高校生の運転免許の取得について検討する時期が来ていると思いますが、どのようにお考えでしょうか。  二点目に、高校生の政治活動への参加についてです。  これまで、高校生の政治的活動は、昭和四十四年、文部省から出された、高等校における政治的教養と政治的活動についてと題する通知により、学校内外を問わず禁止されていました。しかし、選挙権年齢の満十八歳以上への引き下げに伴い、文部科学省では平成二十七年十月二十九日付で、高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等についてとの通知を出し、満十八歳以上の高校生の政治的活動及び選挙運動について、一部条件つきの形で容認されることとなりました。  この通知によると、公職選挙法の改正等を踏まえ、高校生が有権者として、国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待されるとする一方で、高等学校が教育を目的とする施設であること等を踏まえると、高校生の政治的活動は必要かつ合理的な範囲内で制約を受けるとされています。具体的には、一つに、授業、生徒会活動、部活動等の学校の教育活動において、生徒が政治的活動や選挙運動を行うことについて、政治的中立性が確保されるよう禁止することが必要であること。二つ目に、放課後や休日等であっても、学校の構内での政治的活動や選挙運動については、学校施設の物的管理の上での支障、他の生徒の日常の学習活動等への支障等が生じないよう、制限または禁止することが必要であること。三つ目に、放課後や休日等に学校の構外で行われる生徒の政治的活動や選挙運動については、違法なものや暴力的なもの等は制限または禁止することが必要であるほか、学業や生活に支障があると認められる場合や、ほかの生徒の学業や生活などに支障があると認められる場合は、必要かつ合理的な範囲内で制限または禁止することを含め、適切に指導をすることが求められていること。また、満十八歳以上の生徒の選挙運動は尊重することや、放課後や休日等に学校の構外で行われる生徒の政治的活動や選挙運動は、家庭の理解のもと、生徒が判断し行うものであること。そして、その際には生徒の政治的教養が適切に育まれるよう、学校・家庭・地域が十分連携することが望ましいとされています。  長々と申し上げましたが、簡単に言えば、満十八歳になれば学校内はだめだけど学校の外だと政治活動や選挙運動をしてもいいよということだと思います。各県立高校の校則を見てみましたが、政治活動に全く触れていないところも多いし、触れていても、満十八歳以上ということが書かれていなかったり、これはひどいなと思ったのが、学校の内外を問わずデモや政治的集会等に参加したりしてはならないなどと全く憲法違反なことを書いている学校もあります。  教育長はこの間、県立高校ではさまざまな機会を通じて主権者教育に取り組んでいると答弁してきていますが、その取り組みによって生徒に対してどのような効果、成果が見えてきたか、教えてほしいと思います。校則は生徒心得とも言います。生徒たちがいつも持っている生徒手帳に書かれているものです。そこには満十八歳以上になれば主権者としての心得、政治活動、選挙活動についても書かれるべきもので、現状は不十分だと思いますが、教育長の御所見を教えてください。  三点目も、県立高校の校則についてです。  私が小学校のときの中学生は全員丸坊主でした。たしか丸坊主の強制が人権問題になって、今では丸坊主はなくなったと聞いたことがありますが、今でも高校生の間ではブラック校則と言われている部分があるようです。県内の県立高校の校則を全て見せていただきましたが、やはり気になる点が、先ほどの政治活動や運転免許以外にも多々ありました。例えば、女子生徒の下着の色まで指定をしている高校があります。現実は自主性に任せているのだと思いますが、これをもし検査でもしようものなら、セクハラでパワハラで人権侵害にもなると思います。また、「次のような風紀に害のある場所に立ち入ってはならない」とあって、それは、酒場、喫茶店、パチンコ店とあります。酒場やパチンコ店はわかりますが、喫茶店が風紀に害のある場所というのが私には理解できません。そして、校長の許可を受けなくてはならないものの中に、宿泊を伴う旅行とか秋祭り等の行事の参加があり、家族旅行もみこしを担ぐのも校長の許可が必要というのはどう考えても変です。男女の交際の部分でも、「お互いの人格を尊重し、他人の誤解を招くことのないよう注意する」とあり、これは何でしょう。他人の誤解を招くことのないよう注意して交際をしなさいとはどういう意味か、全くわかりません。それと、よく言われる服装と頭髪について事細かく校則でうたわれていますが、各学校微妙に違います。靴下の色も各学校違うし、ワンポイントがいいところとだめなところ、いろいろですが、こんなものの根拠というものはどこにもないのだと思います。  であるならば、校則は生徒や保護者の声が反映される仕組みになっていないとだめなんじゃないかと思いますが、そうなっていません。また、入学前に校則を周知しているわけでもないのに強引に守らせるのもどうかと思います。もちろんルールは必要です。しかし、人権侵害になる可能性もあることも考える必要があると思いますが、そのあたり、教育長の御所見をお伺いします。  四点目に、教職員の働き方改革についてです。  この質問は何度も行っていますが、現在でも現場の教職員からは長時間労働の実態ばかりが報告されています。県教育委員会では、教職員の働き方改革プランを昨年三月に策定しました。そこには、三年計画として、時間外勤務が月八十時間を超える教職員をなくすこと、そして時間外勤務が月四十五時間を超える教職員を半数以下にすることなどを目標に立てています。計画一年目が終わろうとしていますが、県立高校、特別支援学校、市町立の小・中学校でどのような状況なのか、教えてください。  市町でも県のプランのような実施計画を策定し、各学校での経営方針に生かされることになっていますが、県内全市町での策定状況、そして学校経営方針への反映はどのようにされ、具体的に長時間労働の削減にどのようにつながっているのでしょうか。具体的に教えてください。当然、各市町で取り組みの温度差もあると思いますが、改革プランでの目標実現に向けて、県教委はどのような形で市町への支援を行っているのかも含めて教えてください。  また、本年一月二十五日に中教審で働き方改革に関する答申が出され、あわせて公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインが策定されました。このガイドラインでは勤務時間の考え方として、超勤四項目以外の部活動など、自主的、自発的と言われる部分の勤務も含め、月四十五時間、年間三百六十時間までに抑えていこうというものだと思います。また、このガイドラインでは、各教育委員会で所管内での公立学校教師の勤務時間の上限に関する方針を策定することになっています。プラン見直しあるいは条例規則の改正等をすべきだと思いますが、どのように対応されるのか、教えてください。  五点目に、部活動について、特に高等学校の部活動についてお聞きしたいと思います。  香川県部活動ガイドラインの素案が昨年八月に出されて、議論を進めているところだと思います。当然この部活動ガイドラインは、教職員の働き方改革プランをクリアしたものでなくてはなりません。そこで重要なのが、このガイドラインにおける部活動の休養日の設定と部活動時間の設定ということになります。素案では、週当たり一日以上、年間五十二日以上の休養日を設けることと、活動時間は平日三時間程度、休業日は四時間程度と設定されています。これを計算すると週十九時間になります。ですから、月八十時間にもなる計算になり、余りにも長過ぎるのではないかと思います。先日の答申で部活動も勤務時間ということになりましたから、教師の時間外勤務を月四十五時間以内にするということとの兼ね合いが問題です。  また、日本体育協会から出された「スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について」という文書では、週当たり十六時間未満にすることが望ましいとされ、中学校の部活動ガイドラインには、そのことを根拠に活動時間が設定されています。ジュニア期というのは当然高校生も入りますが、高等学校の部活動ガイドラインにはそのことが書かれておらず、週十九時間が設定されています。これも、なぜ日本体育協会の文書が無視されているのか、教えてほしいと思います。  私は、この週十九時間までハードルが下げられてしまっている要因の一つに、高等学校は中学校と比べて部活動に積極的な先生が多くいるのだと思います。指導する立場として、ついてきてくれる生徒たちとのきずなが生まれますし、一緒に甲子園やインターハイなどの大会に向けて頑張ることは大きな喜びになっているのだと思います。だから、幾ら子供たちに長時間の指導を行っても苦にならないし、もっとレベルを向上させ、その先を目指すためには、勢い部活動時間の制限などには批判的な気持ちにもなるのだと思います。しかし、ここをクリアできないと教師の働き方改革は実現しません。部活動は高校生活において大きな位置を占めるものの、本来の高等学校の役割ではありません。だから部活動は教師の超勤四項目に入っていないわけです。本来スポーツで高度なレベルを目指すのは高等学校ではなく、教員の手を離れたクラブか社会教育の分野で行うべきだと私は思っています。  高校部活動と教師の時間外勤務四十五時間以内にするという相反する問題をどのように取り組んでいくのか、教育長の御所見をお伺いします。  六点目に特別支援学校についてお聞きします。  インクルーシブ教育の推進のため、教職員の特別支援教育に関する理解の促進や専門性の向上が重要と教育長はこの場で答弁されています。ですから、特別支援学校での教員は特別支援学校教諭免許状取得者であることが専門性という意味からも重要です。保有率の向上に努めてきたと思いますが、この間の推移と現時点での免許状保有率について教えてください。また、小・中学校の特別支援学級担任もこの免許状を持っているべきだと思います。現状を教えてください。  そして、この間何度も要望している、特別支援学校と小・中学校との人事交流ですが、全くの不十分だと思います。昨年の、双方のニーズに応じて実施するという答弁ではなくて、インクルーシブ教育という認識を広めていくための人事交流として捉えていただきたいと思いますが、教育長の御所見をお聞かせください。  以上六点について、教育長の前向きな答弁を期待し、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(花崎光弘君)理事者の答弁を求めます。  工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)高田議員の御質問にお答えいたします。  まず、高校生の運転免許の取得についてであります。  免許を取らせない、買わせない、運転させないという、いわゆる三ない運動は、高校生のバイクによる事故激増を憂慮し、子供たちの生命や安全を守ることを目的に、全国高等学校PTA連合会が昭和五十七年八月に特別決議したものと承知しており、県内高校生のバイクによる事故がほとんど起きていないなど、安全対策上一定の役割を果たしていることから、各学校がPTA等と相談の上、生徒の運転免許取得についてのルールを定める際の原則的な考え方として、県内において定着しているものと考えています。  県立高校の状況については、三ない運動を完全実施している高校が十一校、家庭の事情や通学が不便である等の特別な事情のある生徒や、就職等が決定した生徒について、本人と保護者からの申し出により学校長がこれを承認するなどの弾力的な対応を行っている学校が十七校あります。また、多度津高校においては、免許を取らせないのではなく、乗せて指導するという考えのもと、三年生からは学校長の許可を得て原付免許を取得できる取り扱いとなっております。  なお、高校生に対する運転者教育としては、現在、県内全ての生徒を対象として自転車運転免許制度を実施しており、さらに、来年度からは、DVDを活用し、将来自動車等を運転することを念頭に置いた交通安全意識の醸成に取り組むこととしております。  現在、県立高校における高校生の運転免許の取得については、各学校において、保護者等の意向を踏まえ、その取り扱いを定めているところであり、ルールの変更については、学校、生徒、保護者が、交通事故の危険性も勘案の上、議員御指摘の観点も含め、十分協議していく必要があると考えております。  次に、高校生の政治的活動等についてであります。  県立高校においては、学習用教材「私たちが拓く日本の未来」を新入生全員に配付し、公民科の授業を中心に選挙の仕組みや望ましい政治のあり方、主権者としての政治参加のあり方などを学ぶとともに、模擬選挙や選挙管理委員会による出前授業を実施するなど、主権者教育に取り組んでいるところであります。特徴的な取り組みを行っている学校においては、総合的な学習の時間に、投票する意義や投票の判断基準などをテーマとしてグループワークによる探究活動を行い、その中で出た意見をまとめ発表するなどの取り組みを行っており、その後に行ったアンケートでは、「あなたが有権者になった場合、投票に行きますか」という質問には九〇・七%の生徒が「行く」と答え、「あなたは自分の一票や行動が少しでも社会を変える力があると思いますか」という質問には八〇・三%の生徒が「思う」と答えるなど前向きな意見が多く、一定の効果が見られるところです。  校則については、選挙権年齢が満十八歳以上に引き下げられたことに伴い、各学校において見直しが行われたところであります。校則は、生徒が健全な学校生活を営むために、学校内外での生活上、特に気をつけるべき点を中心に記載しているもので、必ずしも政治的活動等に関する内容を網羅しておりませんが、議員御指摘のとおり、記載内容がわかりにくいものや誤解を招くものもありますので、これらについては改善を図るよう指導してまいります。  県教育委員会といたしましては、今後とも生徒が政治的教養を身につけ、高校生の政治的活動等が適正なものになるよう鋭意取り組んでまいります。  次に、県立高校の校則についてであります。  校則は、学校がその教育目的を実現していく過程において生徒が遵守すべき学習上、生活上の規律であり、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として、各学校長が定めるものであります。また、その内容は、社会通念に照らして合理的と見られる範囲内で、学校や地域の実態に応じて適切に定めるものと考えております。  校則に基づき指導を行う場合は、一人一人の生徒に応じて適切な指導を行うとともに、生徒の内面的な自覚を促し、校則を自分のものとして捉え、自主的に守るように指導を行っていくことが重要であり、校則の指導が真に効果を上げるためには、その内容や必要性について生徒や保護者との間に共通理解を持つようにする必要があります。このため、生徒、保護者及び教員の代表者による会議や、生徒会が中心となった生徒総会において、校則に関する意見や要望等について話し合いを行っている学校もあります。  学校を取り巻く社会環境や生徒の状況は変化するため、校則の内容は、生徒の人権に配慮しながら、生徒の実情や保護者の考え方、地域の状況、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず見直す必要がありますが、議員御指摘のとおり、実態としては時代にそぐわないようなものも見受けられますので、これについては見直しを行うよう指導してまいります。  県教育委員会といたしましては、今後とも、各学校において生徒や保護者等の意見を聞きながら、校則の適切な運用がなされるよう努めてまいります。  次に、教職員の働き方改革についてであります。  県立学校における勤務時間等の状況については、夏季休業期間中の学校閉庁日の設定、夜間や休日の留守番電話の導入、顧問にかわって部活動の指導ができる部活動指導員の任用、成績処理等を各学校共通の操作で行う校務支援システムの導入などの取り組みを進めることで、今年度の十二月に行った調査では、昨年度の同じ時期に比べ、時間外勤務時間が一人当たり月に二時間強の減少となりました。  小・中学校における勤務時間等の状況については、現在、全ての市町において、ICカードなどで教職員の勤務時間を客観的に把握するとともに、夏季休業中の学校閉庁日を設けたほか、七市町において勤務時間外における留守番電話が設置されており、各小・中学校においては、県や市町のプランを踏まえ、学校の実情に応じて重点的に取り組む内容を学校経営方針に盛り込んだ上で、さまざまな業務改善の取り組みを行っているところであり、市町教育委員会からは、時間外勤務時間の縮減が徐々に図られていると聞いております。  また、県教育委員会における市町への支援としては、市町共通の統合型校務支援システムの導入についての研究を市町教育委員会と行うほか、学校業務の改善を目的としたアドバイザーを市町に派遣しているところであります。市町における働き方改革プランの策定状況については、今年度四月以降、市町教育委員会に働きかけたところ、これまでに八市町がプランを策定しており、残りの市町も策定を予定しているか、策定に向けた検討を行っている状況です。  公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインについては、その実効性を高めるため、根拠を法令上規定するなどの工夫を図り、学校現場で確実に遵守されるよう文部科学省においてさらに検討を続けていくとのことであり、この検討状況も注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも、次代を担う香川の子供たちの豊かな成長のため、教員がその能力を十分に発揮し、効果的な教育活動を継続的に行うことができるよう働き方改革を推進してまいります。  次に、高等学校の部活動についてであります。  県教育委員会では、生徒の健全な成長等に支障を来すことのないよう、また、教員の負担軽減にも配慮し、部活動の運営等の指針となる香川県部活動ガイドラインについて、学識経験者やPTA、学校関係者、関係団体、スポーツドクター等で組織した検討委員会の意見を取りまとめて素案を作成し、昨年八月に県立学校や市町教育委員会等に提示して、意見聴取を行ってまいりました。この中で、部活動の休養日及び活動時間の基準については、成長期にある生徒が授業や部活動、学校外の活動など、バランスのとれた生活を送ることができるよう設定しているもので、高等学校については、議員御指摘の日本体育協会のジュニア期におけるスポーツ活動時間に関する研究も参考にしながら、「中学生と高校生では発達の段階にかなり差がある」という検討委員会でのスポーツドクターの意見等も踏まえて設定したものであります。  また、教員の勤務時間については、休業日の指導は時間外勤務となりますが、平日では放課後の指導時間の一部は勤務時間内であり、短縮授業の日や夏休みなど長期休業中には勤務時間内で指導を行っております。このほか、試験期間中やオフシーズンに部活動を行わない休養期間を設けるなどの工夫を行うことで、部活動による時間外勤務を月平均で四十五時間以内にできるのではないかと考えております。  県教育委員会では、今月末までに部活動ガイドラインを策定し、それに沿った指導・運営が行われるよう各学校に働きかけるとともに、部活動指導員等を配置する等の支援を行い、部活動が生徒にも教員にも有意義なものとなるよう、その環境整備に努めてまいります。  次に、特別支援教育についてであります。  特別支援学校の教員は、小学校、中学校、高等学校等の教員免許のほかに、特別支援学校の教員免許を保有することが原則となっております。このため、本県では、特別支援学校教員の採用選考試験において当該免許の保有を出願条件とするとともに、特別支援学校や小・中学校の特別支援学級の教員の免許取得を進めるために、認定講習を毎年度開催することや、他県での講習会への参加を促すことなどにより、免許保有率の向上に努めております。これらの取り組みにより、本県の特別支援学校における免許保有率については、多少の変動をしながらも徐々に向上し、今年度は七七・七%と、全国平均並みとなっております。また、小・中学校の特別支援学級の担任については、必ずしも特別支援学校の教員免許の保有が義務づけされているものではありませんが、その免許保有率は、今年度は小学校で三三・〇%、中学校で二四・七%、小・中学校全体では三〇・八%と、こちらも全国平均並みとなっております。  小・中学校の教員を特別支援学校に人事交流させることについては、交流によって小・中学校教員の特別支援教育に関する専門性を高めることができ、小・中学校に戻った際に、所属する学校の特別支援教育の重要な担い手となることや、他の教員への波及効果が期待されることから、これまで本人の希望等も考慮しながら行ってきたところです。  県教育委員会といたしましては、今後とも特別支援教育に関する理解の促進と専門性の向上の観点を踏まえ、小・中学校と特別支援学校との人事交流を進めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(花崎光弘君)一般質問を続行いたします。  松原哲也君。    (松原哲也君登壇、拍手) ◯松原哲也君 私自身、今任期最後の定例会一般質問になりますが、今後とも県議会の一翼を担っていけるように、前進前進また前進の精神のもとに、引き続き取り組んでまいりたいと思います。皆様方にはより一層の御指導、御鞭撻よろしくお願いをいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず初めに、自主防災組織への支援についてお伺いします。  「被害を軽減するためには、公的な機関が行う防災対策のみならず、県民が自ら行う防災対策が重要であると改めて認識した。県民が自らの身は自らで守る「自助」、地域の安全は地域住民が互いに助け合って守る「共助」及び行政による「公助」という理念のもと、県民、市町及び県が、協働して防災対策を行うことで、被害を最小限度にとどめることができる。」これは、本県の香川県防災対策基本条例の前文の一部です。この条例の制定は平成十八年ですが、十二年以上たった平成三十一年の現在においても、その精神はいまだ色あせるものではありません。また、この条例では、自主防災組織を防災対策の主体として積極的に位置づけ、地域における防災対策を円滑に行うため、県民は自助のみならず、自主防災組織を結成し、共助としての活動に積極的に参加するよう努めるものと定められています。  このような中、県は、災害に強いまちづくりを推進するため、その進捗を示す一つの指標として、自主防災組織の活動カバー率を公表しています。これまでの推移を見ますと、条例制定時の平成十八年は五六・二%でしたが、平成二十七年には九〇%を超え、直近の平成三十年には九六・二%まで上がっています。市町別の内訳でも四市五町が一〇〇%となるなど、高い数値となっています。また、全国平均を見ても八三・二%ですから、本県の活動カバー率は高いと考えられます。県や市町が、条例に基づいて積極的に取り組んできた結果が数値となってあらわれていると思います。しかし、現実はどうでしょうか。活動の活発な自主防災組織があることを、私は承知していますが、その一方で、訓練も行わない余り活発でない自主防災組織もあるのではないでしょうか。  今年度実施した県政モニターアンケート結果によると、「あなたの住んでいる地域に自主防災組織はありますか」との質問に対して、「知らない」との回答が六〇・一%にも上りました。これは、自主防災組織がその地域にあるにもかかわらず、訓練や研修といった活動が必ずしも活発に行われておらず、その結果、自主防災組織が地域に浸透していないのではないかと思われ、非常に残念なことであります。南海トラフ地震の発生確率が高まる中、自主防災組織に期待される役割は、今後、ますます大きくなってくると思います。  そこで、災害発生時において、真にともに助け合うことができるよう、自主防災組織を中心とした地域における自主防災活動をさらに促進する必要があると思いますが、県はどのように取り組まれるのか、知事にお伺いします。  次に、イクケン香川推進の取り組みについてお伺いします。  県の平成三十一年一月一日現在の人口は、前年より五千八百六十九人減少し九十六万一千四十八人となり、平成十二年から十九年連続の減少となっています。その内訳は、自然減が五千二百十四人、社会減が六百五十五人となっており、出生数は前年より四百七十三人減少の六千九百七十四人と、少子化に歯どめがかかっておらず、近い将来、人口減少による経済の縮小や地域活力の低下など、社会・経済活動に深刻な影響を及ぼすことが懸念されます。  国立社会保障・人口問題研究所が平成二十七年に実施した出生動向基本調査によりますと、夫婦が理想と考える子供の数が二・三二人であるのに対し、実際に持った子供の数は一・九四人となっています。理想の数の子供を持たない理由としては、「子育てや教育にお金がかかり過ぎる」が一番多くなっていますが、次いで三十代前半では「自分の仕事に差し支えるから」が二割を超え、三十代後半では「高年齢で産むのは嫌だから」が三割を超えています。これを本県の状況と考え合わせると、平均初婚年齢は男性が三十・四歳、女性が二十八・九歳であり、まさに働き盛りです。結婚後、仕事優先の生活を送る間に年をとり、年齢的に子供を産むのを控えるようになり、結果的に持ちたい数の子供を持つことができないというケースが多くなっているのではないでしょうか。私は、将来を担う若い世代が結婚や家族についての希望をかなえるためには、自分自身の結婚や妊娠・出産、子育てについて早い時期から意識するとともに、具体的に人生設計を考えておくことが大切だと思います。  また、平成二十九年度に県が実施した県政世論調査によると、子育ち・子育てを支える社会を目指していくために地域での充実を期待することとして、「親などに急用があるときに子供を一時的に預かること」や「子育てに関する相談に乗ること」などが上位となっていますが、一方、「子育てについて困ったときに相談したり支え合う体制」については、四割を超える方が「不十分」または「どちらかといえば不十分」であると回答しております。県では、イクケン香川をキャッチフレーズに、県内外に子育て支援の取り組みや子育て環境をPRするとともに、子育てしやすい環境の整備を進めていますが、若い世代への結婚、妊娠・出産、子育てについての正しい知識等の普及や、地域全体で子育て家庭を支援する取り組みがこれまで以上に必要なのではないでしょうか。  そこで、これまでイクケン香川としてどのような施策を行ってきたのか、また、今後、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  次に、地域密着型スポーツの機運醸成についてお伺いします。  本県には、プロサッカーのカマタマーレ讃岐を初めとして、プロ野球の香川オリーブガイナーズ、プロバスケットボールの高松ファイブアローズ、アイスホッケーの香川アイスフェローズと、多彩な四つの地域密着型スポーツチームが活動しております。これらのスポーツチームが活躍し、多くの県民が応援することにより、試合観戦に伴う応援グッズ等の購入、県外サポーター等の来県に伴う宿泊や飲食需要の拡大、また、県民に夢と感動を与えるなど、県全体に及ぼす波及効果は小さいものではないと考えます。このように地域密着型スポーツチームは、交流人口の拡大などによる地域のにぎわいづくりや、スポーツの振興に伴う青少年の健全育成などに資する地域資源として重要な役割を果たしております。  私の地元である三木町出身のバスケットボール選手渡邊雄太さんは、県内の高校を卒業後、アメリカの大学に留学し、その後、NBAのチームであるメンフィスグリズリーズと契約しました。そして、報道などによりますと、二〇一八年から二〇一九年シーズンのチーム五試合目でNBA出場選手として登録の上、試合に出場し、田臥勇太選手以来十四年ぶり二人目となる日本人NBAプレーヤーとなりました。このような一流選手が本県から生まれ、今後、長く活躍することになれば、どれほど多くの県民に勇気や希望を与えることができるのかと、今から楽しみでなりません。  こうした中、プロサッカーチームであるカマタマーレ讃岐は、J2から、大変残念なことですがJ3に降格してしまいました。J3降格がチーム運営や集客面、また、地域のにぎわいづくりに大きな影響を与えることは間違いないものと思われます。私としては、カマタマーレ讃岐が少しでも早くチームの状態を立て直し、J2に返り咲くことを期待いたします。  それ以外のチームの観客動員についても伸び悩んでおり、各チームの成績の状況等に影響を受けるのかもわかりませんが、県民の各チームに対する思いや応援の熱量が低下しているのではないかと懸念しているところです。これまでも県は市町と連携の上、地域密着型スポーツチームの活動をサポートしてきたところですが、交流人口の拡大や地域の活性化、また、県民に与える夢や感動など、地域密着型スポーツチームの活動が県全体に与える影響の大きさに鑑みて、改めて県民の応援の機運を盛り上げ、スポーツが社会に活力をもたらすスポーツ県香川の実現を目指すべきと考えます。  そこで、地域密着型スポーツチームの一層の盛り上げに向けて、県として今後、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  次に、オリーブの生産振興についてお伺いします。  本県の県花・県木でもあるオリーブの栽培は、一九〇八年に国から、三重、鹿児島と本県の三県が栽培地に指定され、現在の小豆オリーブ研究所の前身に当たる施設で試験栽培を始めたことに端を発します。小豆島の気候がオリーブの一大生産地である地中海沿岸の気候に似ていたことや、生産農家の努力により、当時は三県のうち香川県だけが栽培に成功し、今日では香川県を代表する特産品の一つとして全国に広く知られるまでになっております。栽培開始から百十年の歴史を刻み、今では小豆島だけでなく、高松市や三豊市、多度津町など香川県全域に栽培が広がっております。  さて、近年の食生活の変化や健康志向の高まりにより、国内のオリーブオイルの消費は拡大傾向であり、全国的にブランド力のあるオリーブオイルを生産する本県にとって追い風になっているのではないかと考えております。また、オリーブオイル以外にも、オリーブを与えて育てたオリーブ牛、オリーブ夢豚やオリーブ豚、オリーブの葉を与えて養殖したオリーブハマチについても、いずれも県内外で高い評価を得ていると聞いており、昨年三月にはオリーブ地鶏も新たにオリーブ関連商品の仲間入りを果たすといううれしいニュースもあったところです。  しかし、現在では、北は宮城県から南は鹿児島県まで、他県においてもオリーブの栽培が進められており、特に平成二十七年産では栽培面積の上位十位以内に熊本県、大分県など九州の五県が名を連ね、県土の広さを考えると、今後、さらに大きく伸びる可能性があります。近い将来、栽培面積や果実生産量の両面において、本県オリーブ生産の優位性を脅かすおそれがあるのではないかと懸念しております。今後ともオリーブの生産量及びオイルの品質等において本県の優位性を確保していくためには、九州産など他県産に負けないよう日本一の産地を維持することが重要です。また、本県のオリーブ産業全体を成長産業として今後発展させていくためにも、その基盤となるオリーブの生産拡大にしっかり取り組む必要があります。そのためには、これまでの取り組みに加え、狭い県土の中で栽培適地をより確保するための取り組みなどが必要なのではないかと考えております。
     このような中、昨年十二月には小豆オリーブ研究所が国内で初めてのオリーブ新品種、香オリ三号と香オリ五号を開発したとの発表がありました。オリジナル新品種の開発は他県をリードする本県の強みであり、これを最大限生かしていくことも重要ではないかと考えます。  そこで、今後、どのようにオリーブの生産振興に取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  次に、中山間地域における農業の活性化に向けた取り組みについてお伺いします。  本県の中山間地域は、農業生産の場として重要な役割を担うとともに、県土の上流域に位置し、農業の生産活動を通じて、洪水の調節や水資源の涵養など、県民の生命・財産や豊かな暮らしを守る大きな役割を果たしているところであります。しかし、中山間地域の農地は、狭小・不整形で高低差が大きいことから営農に多大な労力を要するとともに、農地の高低差が大きいことから、急傾斜で大きなのり面の草刈りや農業用排水路の管理など、農業従事者の減少や高齢化などと相まって、農地や農業用施設の保全管理が困難となってきている状況にあります。  さらに、農業従事者の高齢化や減少の進行により、今までは、集落で行ってきたため池などの草刈りや、いでざらいなどの農地や農業用施設の保全管理、地域の祭りや集会など行事が減少するなど、地域コミュニティー意識の希薄化や集落機能の低下なども危惧されているところであります。  このように、農業の生産条件が平地地域と比べて不利であるために、地域農業や農地を守る担い手不足が顕在化し、担い手や集落営農組織への農地集積や集約化も進まない状況にあります。しかしながら、中山間地域は、農業が地域産業の柱ともなっていることから、中山間地域における農業の維持・振興に努め、ひいては、地域の活性化にもつなげていくことが必要であり、中山間地域を維持していくためには、いかにして地域の中心産業である農業を維持し、継続させていくかが重要な課題であると考えております。  地元の三木町南部の小蓑地域においては、狭隘な農地が点在し、水利条件にも恵まれておらず、経営規模も零細で生産基盤の整備がおくれておりましたが、平成十四年度から約十二ヘクタールの圃場整備や農業用水路などの整備を行い、山間部の農地が見違えるほど立派に整備されるとともに、整備を契機として、平成十六年四月に五十戸の組合員から成る営農組合を設立したところであります。また、標高三百三十メートルから四百メートルの阿讃山脈の中腹に位置することから、きれいな水と澄んだ空気に恵まれ、蛍が乱舞する豊かな自然や美しい景観を生かし、農家レストラン「どんぐりころころ」の開業や、希少糖と連携したお菓子やお総菜なども販売するなど、積極的に地域の活性化や農家の所得向上に取り組んでいる地域でもあります。  このように本県の中山間地域については、都市部にはない豊かな自然環境や景観、伝統文化などの地域資源を有していることや、さまざまな多面的機能を発揮しており、農業を基幹産業としている中山間地域農業の持続的発展を図ることは、当該農村の活性化のみならず、都市住民にとっても大きな意味があるものと考えております。  そこで、中山間地域における農業の活性化について、今後、どのようにして取り組んでいくのか、知事の考えをお伺いします。  最後に、交通事故抑止に資する取り締まりのあり方についてお伺いします。  昨年の本県で発生した交通事故は五千百六十八件であり、負傷者数は六千二百四十三人と、いずれも前年度を下回る結果となりました。また、交通事故死者数においても、六十七年ぶりに五十人を下回った一昨年よりさらに減少し四十四人となるなど、県を挙げて取り組んでいる交通死亡事故抑止対策が一定の効果を上げているものと思われます。  しかしながら、人口十万人当たりの交通事故死者数は全国六位と、依然としてワースト上位の状況が続いているのに加え、昨年十二月から一月十四日までのわずか一カ月半の間に交通事故で十三人のとうとい命が奪われたのを受け、交通死亡事故多発緊急事態宣言が香川県で初めて出される事態となっております。  このような状況のもと、県では、引き続きの交通死亡事故の抑止の推進が喫緊の課題となっています。その取り組みの中の一つに、交通指導取り締まりがあり、言うまでもありませんが、速度取り締まり等、交通取り締まりは交通事故抑止に資するものでなければなりません。過去にも申し上げてきましたが、本県での交通事故死者数をより一層減らしていくためには、交通取り締まりを効果的に行っていくことこそが大切であり、交通事故が起こり得る場所や時間帯など、実態を十分に分析・把握した上で計画し、実施につなげていくというプロセスが大変重要なことであると考えます。  しかしながら、現実には、それが取り締まりのための取り締まりになっているのではないかと危惧するところであり、依然として、交通事故が高い厳しい水準のまま改善傾向が乏しいのは、やはり強化というところばかりにとらわれ、実態に沿った取り締まりができていないのではないか、そこに問題があるのではないかと感じるところでもあります。  以前、片側二車線で歩行者が出てくる危険性がない、制限速度が五十キロメートルの直線道路で、周りの車の流れのまま、七十キロメートルくらいのスピードで走っていた。当然ながら速度超過となりますが、果たしてそれが理にかなう現実的な取り締まりになるのかとの趣旨の疑問を国家公安委員長が示されていました。加えて言うならば、速度違反に限らず、一時停止などの交通違反取り締まりにおいて、隠れたような目立たない場所で行っている光景を目にしたりしますが、見通しのよいところで牽制すれば、大抵のドライバーは違反に気づき、違反行為の未然防止につながるのではないかと思います。  幹線道路等での著しい速度超過違反や飲酒運転など、重大事故に直結する違反の取り締まりは当然強化が必要ですが、実態に即した場所や時間等を踏まえた、交通事故抑止のための効果的な見える取り締まりも、望まれる警察の使命ではないかなどと考えるところであります。新年度では、新たに可搬式オービスを整備する等の交通指導取り締まり強化事業が予定されていますが、危険な運転を抑止し、悲惨な交通事故を未然に防ぐという、交通指導取り締まり本来の意義が損なわれないように努めていただきたいと思います。  そこで、警察本部長の考える交通取り締まりのあり方をお聞きし、全国ワースト上位の現状からの脱却に向けた、交通死亡事故抑止の対策と決意をあわせてお伺いさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(花崎光弘君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)松原議員の御質問にお答えいたします。  まず、自主防災活動の促進についてであります。  自主防災組織は、防災知識の普及や地域における防災訓練などの日ごろの活動とともに、災害時における情報の収集・伝達、避難誘導、さらには避難所運営などの活動において、重要な役割が期待されております。こうしたことから、県では、地域防災力重点分野支援事業により、各市町が行う自主防災組織の機能強化の取り組みを支援するとともに、豊富な知識と経験を有するアドバイザーの派遣や、組織の広域化に向けた取り組みの支援などにより、自主防災組織の結成促進や機能強化を図ってきたところであり、これらの取り組みを通じて自主防災組織活動カバー率の上昇や組織の活性化に一定の効果があったものと考えております。一方で、議員御指摘のとおり、組織が結成されていても、訓練や研修などの活動が必ずしも十分に行われていないところも見受けられることから、県全体で共助の一層の促進を図っていくためには、こうした自主防災組織の活動を活性化させることが重要と考えております。  このため、来年度から新たに、自主防災組織が行う地区防災計画や避難所運営マニュアルの策定などの先進的な取り組みに対して支援を行うこととしており、各市町や地域の関係団体、住民等との十分な調整が必要なこうした取り組みを促進することで、自主防災組織の認知度の向上や活動の活性化につながるものと考えております。  私といたしましては、こうした先進的な取り組みが県全体に波及し、それぞれの地域における自主防災組織の活動が一層活性化するよう、引き続き各市町や関係団体などと連携しながら、自主防災組織への支援に積極的に取り組んでまいります。  次は、地域密着型スポーツの機運醸成についてであります。  本県においては、地域密着を理念に掲げるスポーツチームとして、J3のカマタマーレ讃岐を初め、四国アイランドリーグプラスの香川オリーブガイナーズ、B2の香川ファイブアローズ、日本アイスホッケーリーグ西地区の香川アイスフェローズの四つのチームが活動しています。御指摘のように、これらスポーツチームの活躍は、多くの県民の皆様に夢と元気を与えるとともに、スポーツの振興や地域活力の向上、交流の活性化に貢献していることから、県民全体でスポーツチームを盛り上げていくことが重要であると考えております。  このため、県では市町と連携し、地元行事への選手派遣や試合会場を市町のPRの場に活用する、あるいは対象市町の住民の皆様を観戦に招待するホームタウンデーの開催など、スポーツチームの地域に根差した活動を支援するほか、イベント等の開催により試合会場全体の魅力向上を図る魅力体験DAYを実施するなど、チームに対する愛着や応援機運の醸成を図っております。  また、スポーツチームが地域との関係をより深めるため、本拠地としている高松市、丸亀市において、新たに市町ゆかりの選手を活用し、市町の観光情報をSNSで発信したり商店街にPRのぼりを掲出するなど、市町の観光や物産等に関する情報発信を行う活動にも取り組み始めたところであり、引き続き全市町に広げていきたいと考えております。  今後とも、厳しい経営環境にある地域密着型スポーツチームが、民間企業や関係団体を初め、広く県民の皆様から御支援、御協力をいただけるよう、市町と緊密に連携し、より一層の応援機運の醸成に向けて工夫を図りながら、スポーツを通じた地域の活性化に取り組んでまいります。  次は、オリーブの生産振興についてであります。  オリーブは、県内全域において栽培が進み、平成二十九年度には二百八ヘクタールと、この十年間で約二・五倍となり、また、生産量も過去最高の五百十五トンと日本一の産地を形成しております。しかし、九州など全国で栽培が急速に拡大し、産地間競争の激化が見込まれることから、県では、かがわオリーブ産業強化戦略に基づき、産業の基盤となるオリーブ生産の拡大やブランド力の強化に積極的に取り組んでおります。昨年九月には、オリーブやオリーブオイルの生産振興と生産技術の向上を図るため、県内二百九十一の生産者・事業者が参加して、香川県オリーブ生産者ネットワークを設立したところであります。  オリーブの生産拡大につきましては、これまでも苗木代や植栽後の未収益期間に対する支援を行ってまいりましたが、来年度からは、未収益期間に対する支援を拡充し、生産者の一層の負担軽減を図るとともに、事業採択の下限面積を十アールに緩和し、生産拡大を促進してまいります。また、小豆オリーブ研究所において、平たん地での栽培における最適な排水促進技術や収穫機導入に対応した植栽技術などの開発に取り組み、経営の安定につなげてまいります。  県オリジナル新品種、香オリ三号、香オリ五号については、二〇二〇年度末から苗木が安定供給できるよう種苗供給体制を強化するとともに、新たに栽培マニュアルの作成に取り組み、新品種の栽培技術の早期確立を図ってまいります。  私といたしましては、今後とも、全国トップにある本県オリーブ産業の地位を確固たるものとするため、生産者や関係機関・団体等と連携して、オリーブの生産振興に積極的に取り組んでまいります。  次は、中山間地域における農業の活性化についてであります。  中山間地域は、豊かな地域資源を有する一方、農地の区画が狭小で高低差が大きいなど生産条件が不利な状況にあり、高齢化や鳥獣被害等により、耕作放棄地が増加するなど、活力低下も懸念されております。このため、それぞれの立地条件に即して、各種制度を活用しながら、圃場整備や農業用水のパイプライン化など地域のニーズに沿った農業生産基盤の整備を推進し、農業の生産性の向上と省力化を図っています。また、農地や農業用施設の維持管理において、多大な労力を要する草刈りについては、県単独の農地維持管理省力化事業により、防草シートの設置などを支援しているところであります。  これらの生産基盤整備とあわせて、中山間地域の農業を支える担い手として、集落営農の組織化と、その持続的発展に向けた法人化や経営の多角化を推進しており、今後さらに、集落営農組織間の連携強化を積極的に支援し、生産コストの削減や人材の確保による経営基盤の強化を図ってまいります。  また、中山間地域に適した収益性の高い作物として、薬用作物や特産品の原料となるクリなどの果樹の栽培を支援しており、今後とも地域の特性を生かした品目の導入を進めます。  さらに、中山間地域等直接支払制度を活用し、持続的な農業生産活動を通じて耕作放棄地の発生防止や多面的機能の維持を図るとともに、豊かな自然環境、魅力的な地域資源を活用した都市と農村の交流促進にも努めてまいります。  私といたしましては、こうした取り組みを総合的に進めることにより、中山間地域の農業の持続的発展を図り、地域農業の振興と活性化に積極的に取り組んでまいります。  なお、そのほかの御質問につきまして、子ども政策推進局長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(花崎光弘君)川池子ども政策推進局長。    (子ども政策推進局長川池陽子君登壇) ◯子ども政策推進局長(川池陽子君)松原議員のイクケン香川の取り組みについての御質問にお答えいたします。  県では、これまで、イクケン香川をキャッチフレーズに、子育て支援施策や子育て環境について、県内外に向けて情報発信するとともに、子育てに不安や悩みを抱える保護者等を対象に子供の発達について学ぶ講座や、子育て支援に携わる方を対象に、スキルアップ講座を開催してきたところであります。来年度は、新たに、イクケン香川たまご育て事業として、次代の親の卵である高校生を対象に、妊娠・出産などに関する正しい知識を学ぶとともに、ライフプランニングシートの作成を通じ、人生設計について具体的に考えるきっかけとなる講座を開催したいと考えております。  また、地域全体で子供と子育て家庭の支援に取り組むことが重要であることから、活力と意欲のあるシニア層に、自身の孫だけでなく他人の孫への子育て支援、すなわち他孫(たまご)育てへの参画を促してまいりたいと考えております。具体的には、子育て支援団体等へシニア層のボランティア受け入れについて意向調査を行うとともに、子育てボランティアを希望するシニア層の掘り起こしを行い、子供への接し方や活動に必要な知識・技能などを内容とする講座を開催し、さらに子育て支援団体等でボランティア体験を行う機会を提供することにより、子育て支援活動に参画するきっかけづくりを行ってまいります。  県といたしましては、市町や関係団体等と連携・協力しながらこうした取り組みを進め、今後とも次代を担う子供たちを安心して生み、健やかに育てることができる子育て県かがわの実現を目指して、全力で取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(花崎光弘君)河合警察本部長。    (警察本部長河合信之君登壇) ◯警察本部長(河合信之君)松原議員の交通死亡事故抑止対策についての御質問にお答えいたします。  交通指導取り締まりは、悲惨な交通死亡事故を抑止するための重要な警察活動であり、議員御指摘のとおり、見える取り締まりを効果的に行うことは、交通秩序を確立し、安全で円滑な交通社会を実現するために大切であると認識しております。  これまで県警察では、地図情報システムを活用して、交通事故や取り締まりの結果の相関関係を分析しつつ、県民の要望等を踏まえ、重大事故に直結する悪質・危険な違反に重点を置いた取り締まりを推進してきたところであります。また、その取り締まり効果を検証し、結果を次の取り締まりに反映させて、随時、取り締まり方法の見直しを行う、いわゆるPDCAサイクルに基づき、取り締まり状況を管理しており、必要に応じて、違反の形態・対象車両の状況等から、覆面パトカーや制服・私服警察官が連携した取り締まりを行う場合もあります。これら取り締まりに係る情報は、県警ホームページやラジオ放送を通じてドライバーに提供しておりますが、新しい取り組みとして、本年二月から運用を開始している新たな速度違反取り締まり装置につきましては、取り締まりに係る看板等を事前に設置するなど、ドライバーに注意喚起を促しているところであります。この新たな速度違反取り締まり装置については、地域住民からの取り締まり要望の多い生活道路のほか、これらに接する幹線道路を取り締まり重点路線として定めておりますが、県民の理解が得られるよう継続的に見直しを行ってまいります。  県警察といたしましては、交通事故分析に基づいた、交通事故抑止に資する取り締まりを強化するとともに、年齢層に応じた交通安全教育や交通事故の起きにくい交通環境の整備など、本県の交通死亡事故の特徴や課題を踏まえた取り組みを効果的かつ効率的に推進していくことにより、悲惨な交通死亡事故を一件でも減少させてまいります。(降壇) ◯議長(花崎光弘君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時五十一分休憩                         午後 一時  七分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    三  野  康  祐 君    松  村  秀  樹 君    岡  野  朱里子  君    白  川  和  幸 君    寺  嶋  昌  夫 君    氏  家  孝  志 君    松  原  哲  也 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    谷  久  浩  一 君    木  村  篤  史 君    米  田  晴  彦 君    山  本  悟  史 君    佐  伯  明  浩 君    新  田  耕  造 君    有  福  哲  二 君    高  城  宗  幸 君    斉  藤  勝  範 君    香  川  芳  文 君    森     裕  行 君    広  瀬  良  隆 君    樫     昭  二 君    十  河     直 君    西  川  昭  吾 君    大  山  一  郎 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君    辻  村     修 君    竹  本  敏  信 君    高  田  良  徳 君    都  築  信  行 君    黒  島     啓 君    山  本  直  樹 君    宮  本  欣  貞 君    尾  崎  道  広 君    綾  田  福  雄 君    水  本  勝  規 君    平  木     享 君    鎌  田  守  恭 君   欠  席  議  員    花  崎  光  弘 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   松  本  祐  藏 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   徳大寺   祥  宏 君           環境森林部長    中  村  貴  紀 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   葛  西     剛 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    窪     保  彦 君           子ども政策推進局長 川  池  陽  子 君
              会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   木  村  士  郎 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会委員   泉     雅  文 君           警察本部長     河  合  信  之 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     井  川     泰 君           事 務 局 長           労働委員会     河  井  啓  司 君           事 務 局 長           政策部次長     東  田  晃  拓 君    ───────────────────────────── ◯副議長(三野康祐君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  高木英一君。    (高木英一君登壇、拍手) ◯高木英一君 明治維新から太平洋戦争突入まで七十四年、太平洋戦争終結からことしまで七十四年たちました。明治維新を成功に導き、短期間で欧米列強に並ぶまでに日本が国力をつけることができたのは、江戸時代の教育、約二万とも、それ以上とも言われている寺子屋にありました。今、日本には人口約二千二百人に一つのコンビニがありますが、江戸時代末期、日本には人口約一千五百人に一つの寺子屋があったと言われています。それゆえに、明治維新時、日本人の識字率は六〇%を優に超えており、この力が明治維新を成功に導く原動力となりました。  太平洋戦争突入に向かった原因は、日露戦争以後、負の事実を省みず、世界の現状を調査研究せず、ただただ前へ前へと突き進んだためであります。一例を挙げますと、世界大恐慌時、アメリカ合衆国は一九三一年から五年の歳月をかけて総貯水量約四百億トンのフーバーダムを完成させました。今、日本には約二千五百基のダムがあり、その総貯水量は約二百五十億トンで、琵琶湖の総貯水量は約二百八十億トンですが、アメリカ合衆国は太平洋戦争開戦五年前に琵琶湖の約一・五倍のダムを完成させる技術力と経済力を持つ大国だったのであります。このような国と戦争した結果、約三百十万人の老若男女が命を失いました。大いに反省しなければならない歴史です。  戦後七十四年たった今、日本はGDP世界第三位の経済大国になりました。その基盤となったのは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者エズラ・ヴォーゲルによれば、日本人の学習意欲と読書習慣であると分析しています。それとともに、友を戦争で失い、友の分まで頑張らなければならないという若者の頑張りにあったと思います。そして、一九八〇年代、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるまでに経済成長し、そのとき生産性もナンバーワンであったものの、バブル崩壊後、経済成長が鈍化し、新たな分野での成長がないまま、失われた二十年と言われる時代を経て、今に至っています。  その今、結愛ちゃん事件や心愛ちゃん事件など、とりわけ幼児・児童が犠牲になる事件が多発し、昨年の児童虐待の通告件数は全国で前年比約二二%増の約八万件でした。戦後七十四年たった今、多くの幼児、児童・生徒が犠牲になっています。  戦後七十四年たち、元号も変わることしこそ、今申し上げた現実を直視し、原因分析し、二度と起こらない対策と政策をEBPMの手法で立案し、PDCAサイクルにより実行し、少子高齢化、グローバル化、環境対応、次世代エネルギー、その基礎・基本である教育等、可能な限りの課題解決に向け、最大限、結果の出る政策の実行をスタートさせる必要があると考えます。  それでは、一般質問をさせていただきます。  大きな一点目は、文化芸術力を生かした地域活性化についてであります。  アメリカ合衆国は、一九二九年からの世界大恐慌時、ハード面では琵琶湖の総貯水量の約一・五倍、総貯水量約四百億トンのフーバーダムを建設し、公共事業による雇用の確保と景気回復を図ろうとしました。ソフト面では、連邦美術計画を策定し、全米から芸術家、美術家を約五千人集め、彫刻、壁画、絵画を制作し、全米のふさわしい場所に設置しました。このことが第二次世界大戦終結後、新築ビルの総工費の一%を彫刻、壁画等の制作と設置、すなわちパブリックアートに使うことを義務づける条例の制定につながりました。そのおかげで、アメリカ合衆国は都市の景観が著しく向上し、魅力を増し、国民の発想等を豊かにすることに成功しました。アメリカの急速な発展は、一七七六年の独立後、もちろん、広い国土に石炭、石油、水等の資源、そして多くの開拓精神あふれたヨーロッパからの人材にも恵まれていたこともありますが、やはり多くの芸術作品を町なかのみならず建物内や外壁にも設置し、アメリカ社会を支える国民の人間力を高めたことにあると私は思います。  「断トツの文化芸術(アート)の力で香川を日本一住みたいまちに」。香川県文化芸術振興計画の中で掲げられたすばらしいキャッチフレーズです。計画の中でうたわれているとおり、文化芸術のもたらす効果を地域活性化に有効に活用するためには、観光やまちづくりなど行政の他分野との連携が求められています。この言葉をより進化させれば、「断トツの文化芸術・歴史・白砂青松の瀬戸内の景観の力で、香川を日本一訪れたくなるまちに」となると思います。瀬戸内国際芸術祭を見ても、県外・海外からのインバウンドの増加を図るために、本県が持つ文化・芸術・歴史・景観を組み合わせることが大きな効果を生むと考えます。  先般、四国一周サイクリングルートをベースとして、本県においても東かがわ市から観音寺市へとつながる海岸線のルートが基幹ルートとして設定されました。ただ設定されただけでは一過性に終わる可能性もあり、リピートを生む環境整備が重要でありますが、サイクリング環境の整備にとどまらず、エリアそのものの魅力を最大化するため、文化芸術の活用は有効だと考えます。  「瀬戸内海はまさに世界の宝石なり」武士道で世界的に有名な新渡戸稲造の言葉です。屋島以東、牟礼、庵治の高松東部エリア、大串半島から津田の松原からベッセルおおちなど、東讃エリアには世界に誇れる白砂青松の美しい瀬戸内の海と海岸線が多く残っています。このような地域が本来的に持っている魅力に断トツの文化芸術の力を組み合わせ、日本一住みたいまち、日本一訪れたくなるまちをつくっていかなければなりません。  そこで、質問させていただきます。  質問一、屋島から庵治半島、源平の里むれ、房前公園に至る海岸線の魅力を高めるため、例えば、サイクルオアシスや県道沿いに石材を使った芸術作品をモニュメントとして設置すること等も有効ではないかと考えます。地域の魅力を高めるために芸術作品をどう生かしていかれるのか、知事のお考えをお聞かせください。  質問二、本県が誇る文化芸術を生かした地域活力の向上に向けては、まずは県民自身がそのすばらしさを理解し、享受していなければ機運は高まりません。文化芸術に対する県民の意識向上にどう取り組まれるのか、知事にお伺いさせていただきます。  大きな二点目は、技術・技能を持つ人材の育成についてであります。  本県の産業成長戦略の中で、県内企業へのAI、IoT等の導入を促進するための支援施策として、相談窓口の設置や研修などの人材育成面での支援のほか、IoTについては、コスト面の検討や専門的知識を有する人材不足への対応等を支援するとしています。こうした取り組みは、AI、IoTについて、中小企業では、専門的な知識を有する人材の不足や導入コストといった費用の面等の課題への対応として、ぜひとも推進していく必要があります。  一方で、人材育成の点では、将来を見据え、長期的な視点から、若い人材を輩出することを目指す必要があります。現在、東讃地域には工業系の学科を持つ高校が電子機械科、情報科学科を持つ志度高校しかありません。そのため、東かがわ市にある某部品製造会社の技術系新卒者の採用は、六五ないし七〇%が徳島県からの採用とのことであります。本県の産業を担い、かつ成長発展させる人材を育成するためには、東讃地域の工業系学科を充実させ、本県のものづくり産業を支える、手に職を持った人材育成に全県挙げて取り組むべきと考えます。本県の産業を発展させていくために、手に職を持った優秀な若者が香川に定着し、意欲を持って働ける環境整備が重要と考えます。また、手に職を持つということは、自信や居場所がなく、ともすればゲーム依存に陥り、非行に走ろうとしている子供たち、ひいては若者に自信を与えることになり、子供たちや若者の健全な育成にもつながると考えます。  現在、県教育委員会では、高校を取り巻く社会情勢の変化に対応し、二〇二一年度からおおむね十年間の県立高校の在り方に関する計画の策定に向けて検討を進めているところであるとお聞きしています。検討に当たっては、今後の県立高校の在り方に関する協議会を設置し、有識者や関係者から幅広く意見を聞いており、特に子供の減少が急速に進む東讃地域では、東かがわ・さぬき地域の今後の県立高校の在り方に関する懇談会において、地域の関係者から幅広く意見を聞いていると伺っています。  そこで、質問させていただきます。  質問一、東讃地域においては、技術系人材の育成体制が弱いと思われます。将来のものづくり産業を担う若者の技術・技能の習得を促進するため、県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いさせていただきます。  質問二、東讃地域の県立高校における工業系学科の充実も含め、本県のものづくり産業を支える人材の育成に教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いさせていただきます。  大きな三点目は、南米県人会との交流についてであります。  本県では、一九一三年から移住が始まったブラジルを初め、パラグアイ、ペルー、アルゼンチンといった南米各国の県人会との交流を続けています。南米に移住された方やその子孫の方々は、移住先で大変な御苦労をされ、現在では農業や商業などの各分野で活躍されている方も多く、我々香川県民としても大変誇りに感じています。本年度は、ブラジル日本人移民百十周年、アルゼンチン県人移住百周年を迎えたところであり、来年度にはペルー日本人移住百二十周年を迎えます。香川県議会としても、節目の年には各地で開かれる記念式典に出席し、祝意を表するとともに、意見交換や交流活動を通じて、移住者の方々や南米各国の県人会との友好親善関係を維持し、継承しているところであります。  県においては、プラジルやペルーから、将来の県人会を担うことが期待されている方々を本県に招聘し、県内視察やふるさとの方々との交流を通じて、香川県への理解を深めていただき、次世代の交流活性化につなげる努力をしています。  また、ジェトロ香川では、南米経済事情セミナーなど、県内企業に南米を紹介する取り組みをされておりますが、それだけではなく、例えば、現地で県内企業を紹介したり、本県での就労を希望する日系人の方と企業をマッチングすることで、さらなる関係強化につながるのではないかと思います。  安倍総理は、平成二十六年の中南米各国訪問の際、ブラジルのサンパウロにおいて、日系人が誇りを持てる日本をつくり、日本と日系社会、若いリーダーたちとのきずなを強化すると述べられ、昨年末のパラグアイ訪問の際には、日系人・在留邦人の方々に対し、日本人としての美徳や経済社会発展への貢献がパラグアイ社会からの尊敬につながり、今や世代を継いで不動のものとなっているとも述べられており、政府として、日系社会の活性化と連携強化に積極的に取り組むこととされております。  本県においても、国の動向も踏まえながら南米日系社会とのネットワークを強化していく必要があると思います。各国の日系三世、四世の方々の中で日本への関心が高くなっていると伺っておりますが、例えば、南米各国に地元県人会と連携して日本語や日本文化を教える人材を派遣することも検討に値すると考えます。  そこで、質問させていただきます。  これまでの南米県人会との交流による成果と、今後、さらなる関係強化に向けてどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いさせていただきます。  四番目の質問は、赤ちゃんを災害から守る社会づくりについてであります。  今、赤ちゃんを災害から守る社会への取り組みが始まっています。人口減少を食いとめるためには、赤ちゃんや妊産婦に、より優しい社会になることが必須課題であり、そのためにも、南海トラフを震源地とする巨大地震の発生確率が七〇ないし八〇%と高められた今だからこそ、赤ちゃんを災害から守る社会を実現することが必須であり、重要であります。  東京都文京区では、昨年十一月、区内の大学や企業等と連携し、災害時に赤ちゃんや妊産婦の支援に取り組む、文京区プロテクトベイビーコンソーシアムを発足させました。国内での製造・販売が解禁された、乳児用の液体ミルク等を備蓄するとのことであります。このコンソーシアムは、文京区内にある日本女子大学、跡見学園女子大学、東洋学園大学、貞静学園短期大学の四大学と江崎グリコ株式会社、株式会社フレーベル館の二社、事務局の文京区で構成されるとのことであります。また、この四大学は、これまでに災害時に赤ちゃんを受け入れる、妊産婦・乳児救護所として、文京区から指定を受けており、今後は救護所の備蓄品を充実させるとのことであります。  その目玉として導入予定なのが、江崎グリコが今春をめどに発売を予定している国産液体ミルクです。このミルクは常温で保存でき、すぐに飲むことができるため、災害時に大変役立つそうです。文京区は四大学に一千九百二十本の液体ミルク、使い捨ての哺乳瓶と吸い口を備蓄する予定で、その購入費用は約二百六十万円だそうです。また、備蓄から一定期間が過ぎたものは、乳児健診や保育園の防災訓練時に無料で配り、実際の使用経験を通して普及に役立てるそうです。区長は、「ふだんから母乳と液体、粉ミルクを併用して使っていただくことが大切。他の自治体にも広めていきたい。」とおっしゃっています。コンソーシアムは、日本栄養士会の赤ちゃん防災プロジェクトとも連携し、災害時に重要となる赤ちゃんの栄養と保護のノウハウの普及啓発に取り組むとのことであります。  そこで、質問させていただきます。  質問一、被災時の避難所における乳幼児や妊産婦への対応として、備蓄物資を含め、どのような準備をされておられるのか、知事にお伺いさせていただきます。  質問二、液体ミルクの備蓄物資への追加や、地元大学や企業等との連携、県民への意識啓発など、乳幼児や妊産婦を災害から守る社会づくりにどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いさせていただきます。  最後の質問は、読書立県香川を目指す考えについてであります。  脳科学者の東北大学川島隆太教授の研究チームは、二〇一〇年度から仙台市の小・中学生約七万人に生活や学習習慣などを問うアンケート調査を仙台市教育委員会と協力して実施。二〇一七年度には、小学五年生から中学三年生までの約四万人に、平日一日の読書時間と国語、算数・数学、理科、社会の平均偏差値の関係を調査しています。調査では、睡眠と勉強の時間の長さで三グループに分類し、勉強が三十分ないし二時間で睡眠が六ないし八時間のグループでは、読書時間が長い児童・生徒ほど平均偏差値が高く、教科別でも算数・数学を除き、読書時間が長い児童・生徒ほど学力が高い傾向だったそうです。  具体的には、一日の読書時間と四教科の平均偏差値は、「全くしない」が平均偏差値四十八・四、「十分未満」が平均偏差値四十九・七、「十ないし三十分」が平均偏差値五十・九、「三十分ないし一時間」が、平均偏差値五十一・一であります。また、勉強時間が同じでも、読書する児童・生徒の方が平均偏差値が高く、勉強時間が二時間以上で読書しない児童・生徒は、勉強時間がそれ以下で読書をする児童・生徒より平均偏差値は低くなっています。  この調査結果について川島教授は、「毎日読書する子は、家でほとんどあるいは全く勉強しなくても、学校の授業を受けて、きちんと寝てさえいれば平均点を軽く超える。逆に、読書をしない子は、家で勉強しても成績に十分あらわれてこない。」と分析するとともに、読書や勉強は児童・生徒の脳の発達によいと言っています。  また、一九八八年、千葉県の私立女子高校で朝の読書が始まりました。始まったきっかけは、体育教師だった、朝の読書推進協議会理事長の大塚笑子先生のクラスで生活態度や成績がよくない生徒がふえていたことです。あるとき、二年生の生徒達に将来の進路を考えさせる目的で履歴書を書かせ、その履歴書を見ると、名前と住所しか書かれておらず、クラブ活動も資格・検定も趣味も何もなかったということです。これではいけない、何とかしなければとの思いから、せめて読書くらいは身につけさせようと思って読書に力を入れるようになり、手始めに「走れメロス」や「蜘蛛の糸」を読み聞かせると、生徒たちが大変喜んだそうです。大塚笑子先生は私費で小説や伝記など約百五十冊ほどを取りそろえ、教室の書棚に並べ、読書指導をするようになったのが朝の読書の始まりです。結果はすぐに出て、生徒たちの成績がぐんぐん伸びるとともに、私語もなくなったとのことです。  この朝の読書は、もともとアメリカで提唱され、大きな成果を上げています。ジム・トレリース著の「読み聞かせ この素晴らしい世界」には、子供たちの真の学力を高めるために、本好きの子供たちを育てることがいかに大切か、その導入段階での読み聞かせのすばらしさが書かれています。その朝の読書には、一、毎日やる、二、皆でやる、三、好きな本でいい、四、ただ読むだけという四つの原則があり、その効果は抜群で、生徒に集中力がつく、自信と思いやりの気持ちが芽生える、教師や生徒、両親の間で会話がふえるなど、劇的変化が起こったそうです。  実例として、東京都の葛飾区立上平井小学校は、以前、いじめや器物破損、不登校、教師への反抗など、子供たちの心の荒れに起因する問題行動が多く見られていましたが、朝の読書や親、地域の協力のもと、読み聞かせ活動に全校を挙げて取り組んだ結果、子供たちが自主的に本を読むようになり、心の落ちつきを取り戻していったそうです。  大塚笑子先生は、「読書はもちろん勉強を伴いますが、それ以上に何が正しくて何が間違っているかを教えてくれる心の栄養です。本を先生として心を成長させていく。本はいざというときに、その人を助けてくれる。朝の読書の一番の根本はそこにある。」とおっしゃっています。  民間企業の調査によりますと、朝の読書の本県における本年二月四日現在の実施状況は、小学校八四%、中学校七八%、高校五五%、全体で七八%です。一方、本県で「全く読書をしない」と答えた児童・生徒は、小学校五年生が一〇・一%、小学校六年生が一三・九%、中学一年生が二七・二%、中学二年生が二九・〇%で、学年が上がるにつれ上昇し、中学一、二年生はほぼ三人に一人が読書ゼロで、二〇一五年度からそれぞれ四ポイント程度上昇し、過去最高を記録しています。反面、児童・生徒の成長に悪影響を与えていると思われるゲーム依存については、県内の小学校五年生から中学一年生のうち、平日に二時間以上ゲームをしている割合は約三七ないし四〇%で、それぞれ過去最高を更新し、学年が上がるにつれてその割合は伸び、中学二年生では約四一%に上っています。また、一日四時間以上の児童・生徒は、各学年とも一割を超えています。たとえわずかな時間であっても一日の中に読書時間を設けることを習慣づけることが、ゲーム依存の防止も含め、未来を担う児童・生徒の健全な成長を促すために重要であると考えます。  そこで、質問させていただきます。  質問一、朝の読書をしていない学校が本県に小学校で一六%、中学校で二二%、高校で四五%あります。市町教育委員会とも連携し、全ての小・中学校、高校での実施を目指すべきと考えますが、教育長のお考えをお伺いさせていただきます。  質問二、学校の授業以外の読書時間が毎年減少していますが、その理由についてどう認識し、読書時間確保に向け、今後、どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いさせていただきます。  以上で一般質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯副議長(三野康祐君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、文化芸術力を生かした地域活性化についてであります。  地域の魅力向上のために、芸術作品を初めとする文化資源を積極的に活用することは効果的な手段の一つであり、今年度からスタートした第三期の県文化芸術振興計画においても、文化資源の充実と積極的な活用による地域づくりを基本的な方針としています。屋島から庵治半島にかけては、イサム・ノグチや流 政之など世界的なアーティストが、特産の石やその加工技術を背景に数多くの作品を制作し、国内はもとより世界に広く知られています。こうした地域の特色や関連する芸術作品などを生かすためには、文化芸術の施策と観光、まちづくりなどの関連分野とが有機的に連携していくことが重要であることから、今年度、関係部局から成る庁内連絡会議を設置したところであります。さらに、高松市石の民俗資料館など、地域の特性を生かした美術館もあることから、これら美術館や地元市町等とも連携を図りながら、芸術作品を地域に生かしていく取り組みを進めてまいりたいと考えております。  また、文化芸術に対する県民の皆様の意識向上への取り組みについては、県文化振興計画で掲げる「断トツの文化芸術(アート)の力で香川を日本一住みたいまちに」の目標に向け、県内の文化資源の磨き上げを図るとともに、魅力ある文化資源のブランド力を高めるため、県内外への発信強化に取り組んでまいります。本県には、世界的に有名なアート・建築や、多彩な人材を擁する音楽分野を初め、伝統工芸や祭り、文化財など、全国トップレベルの文化芸術の土壌が豊富にあります。これらの文化資源について、メディアやSNSなどさまざまな情報ツールを活用するとともに、県の文化芸術情報サイト「かがわアートナビ」において、イベント情報だけでなく、香川の文化芸術の魅力を多角的に発信し、県民の皆様の意識向上に取り組んでまいります。  私といたしましては、こうした取り組みを通じて、文化芸術の力で香川が行ってみたい、住んでみたいと思えるような吸引力のある地域になるよう、文化資源の積極的な活用により、地域の活力と魅力の向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、技術・技能を持つ人材の育成についてであります。  ものづくりは、経済社会発展の基盤でありますが、若者を中心として、ものづくり離れが進行している中、本県経済が持続的に成長・発展していくためには、若者に対する技術・技能の習得を促進することが重要であると考えております。  県では、ものづくり分野を支える人材の確保・育成を図るため、高松を含む東讃地域においては、高等技術学校高松校で、高等学校卒業生等の若者を対象とした職業訓練として、訓練期間が二年の技術専門コースを電気、自動車、建築、機械の四学科で実施しており、修了した訓練生の就職率は、近年では一〇〇%となっております。また、国においては、高松市にある香川職業能力開発促進センター、いわゆるポリテクセンター香川で、求職者を対象にものづくり分野への再就職に必要な専門的技能・知識を習得するための職業訓練を行っており、若年者を対象とした訓練コースも設定されております。  さらに、技能検定を受検する若者に対する手数料の一部を減免する措置や、将来のものづくり産業を担う若年技能者の技能レベルを競う技能五輪全国大会等への選手派遣を支援するとともに、成績優秀者を表彰するほか、高等技術学校の学校祭で小学生などを対象としたものづくり体験教室を開催するなど、技能尊重機運の醸成にも努めているところであります。  加えて、産業技術センターでは、ものづくり基盤技術高度化支援事業により、造船や建設機械など、本県のものづくり企業を支える重要な基盤技術である溶接技術や機械加工技術について、若手技術者の技術力向上を図っているところであります。  私といたしましては、今後とも、ものづくり分野を支える人材の確保・育成を図るため、高等技術学校における訓練内容の充実・強化に努めるとともに、ものづくりに携わる人が誇りを持って仕事に取り組み、若者や子供たちが将来の仕事としてものづくりに関心を持てる社会づくりに、県内全域で取り組んでまいりたいと考えております。  次は、南米県人会との交流についてであります。  南米県人会との交流につきましては、これまで周年を記念する式典が開催される機会を捉え、県議会の皆様方とともに訪問団として現地を訪れ、また、県人会会員を研修生として受け入れ、今後、本県と県人会の交流の活性化に貢献できる人材の育成に努めてまいりました。  今年度は、独立行政法人国際協力機構JICAの日系研修員受入事業を活用して、水産加工など本県の持つ技術を生かした研修を実施するとともに、総務省から事業委託を受け、今後、県人会を中心となって担うことが期待される方々を招聘し、親族や県民の皆様との交流など、ふるさと香川への愛着を高め、県人会活動を担う人材の育成に努めているところであります。  来年度は、ペルー日本人移住百二十周年に当たり、祝意等をあらわすため現地への訪問を予定しており、また、研修生の受け入れなど人材育成に努めてまいります。加えて、パラグアイ県人会からの要望により、現地の日本語教育の向上と日本文化を伝えるため、JICA海外協力隊として現職教員を派遣することとしております。  私といたしましては、今後も引き続き南米県人会との交流と相互理解を一層促進し、本県出身の方々を初め、南米に移住された皆様が築かれた日本に対する信頼を継承し、さらに発展させてまいりたいと考えております。  次は、災害時における乳幼児や妊産婦への対応についてであります。  災害時に、乳幼児や妊産婦が安心して避難するためには、平時から各市町と連携し、避難所において適切な対応が行えるよう、乳幼児や妊産婦のための物資の備蓄や保健活動の体制整備等に努めることが重要であると考えております。このため、現在、県においては、各市町とともに乳幼児に必要な粉ミルクを初め、お粥、哺乳瓶、おむつのほか、避難所におけるプライバシーを確保するためのパーティションを備蓄しております。また、避難所等で乳幼児や妊産婦などの要配慮者に対して保健指導等を行う際の指針となる香川県災害時保健活動マニュアルを策定するとともに、各市町においても地域の特性を踏まえた独自のマニュアルを策定するよう働きかけているところであります。  お尋ねの、液体ミルクの備蓄物資への追加につきましては、先日、国産品の販売が開始されたところですが、災害時の利便性が考えられる一方で、粉ミルクより価格が割高で賞味期限が短いことなど検討すべき課題もありますことから、まず情報収集を行い、各市町とともに研究してまいりたいと考えております。  また、地元大学や企業等との連携につきましては、県では香川大学医学部附属病院等の医療機関に依頼して災害時小児周産期リエゾンを養成し、災害時に患者等の搬送の調整が円滑に実施できる体制整備に努めておりますほか、県助産師会等と災害時応援協定を締結し、避難所等において保健指導などの業務を行っていただくこととしております。  私といたしましては、今後も各市町と連携し、乳幼児などのニーズに応じた適切な物資の備蓄や必要な体制整備を進めるとともに、大学等の関係機関、団体等との協力や県民の皆様への意識啓発を行うなど、乳幼児や妊産婦を災害から守る社会づくりに積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(三野康祐君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、技術・技能を持つ人材の育成についてであります。  議員御指摘のとおり、本県経済が持続的に成長・発展していくためには、その基盤となるものづくり産業を支える人材育成が重要であり、県立高校の果たす役割は大きいものと考えております。  このため、県立高校の工業科においては、就職後、求められるニーズに対応できるよう、生徒には基礎・基本となる技術をしっかりと身につけさせるとともに、地元企業と連携し、実践的・体験的な実習を行うことにより、即戦力としての技能が習得できるよう努めております。また、さまざまな資格の取得や検定の合格に向けても取り組んでおり、東讃地域で唯一工業科を有する志度高校では、溶接や旋盤等に関する検定合格に向け、地元企業のOB等による実技指導も実施しております。さらに、地元を支える人材を育成する観点から、昨年度、多度津高校機械科に造船コースを設置したところであります。  県教育委員会といたしましては、今後とも、ものづくり産業を支える人材育成に向け、各高校が地元のニーズを踏まえながら、これまでの取り組みをさらに充実・発展させることができるよう努めてまいります。  また、東讃地域の県立高校については、現在、策定を進めている県立高校の在り方に関する次期計画の中で、学校の魅力づくりや地域を支える人材育成等の観点から、必要な学科やコースの設置等について総合的に検討を進めることにしており、工業科の充実についても、その中で地元企業のニーズも踏まえながら検討してまいります。
     次に、読書時間の確保についてであります。  子供の読書活動は、生活や学習の基礎となる言語を学ぶことはもとより、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにするために不可欠であると考えております。そのため、県教育基本計画の中で、読み聞かせなど家庭における読書活動について啓発するとともに、学校では、朝の読書などの一斉読書を推進することとしており、平成二十八年度実施の学校図書館の現状に関する調査によると、一斉読書を週一回以上実施している学校の割合は、小学校では九七%、中学校では六三%、公立高校では五二%となっております。このほか、各学校においては、学期や長期休業中に読書目標を決めて自発的な読書を促したり、読書週間などの特定の時期にも一斉読書に取り組んだりしており、今後とも、朝の読書を含めた読書習慣の確立と読書時間の確保に一層努めてまいります。  次に、学校の授業時間以外の読書時間の減少について、その要因に関する調査分析は行っておりませんが、スマートフォンの普及など、児童・生徒を取り巻く社会環境が変化していることも要因の一つではないかと考えられるところです。こうしたことから、県教育委員会では、本を読むきっかけづくりが大切だと考えており、小・中学生を対象とした「香川の子どもたちに読んでほしい百冊」の本の紹介や、好きな本を絵や文章で紹介する「二三が六〇読書レビュー」の募集、また、高校生が本の魅力について意見を闘わせる「ビブリオバトル」を実施しております。さらに、昨年度までの学校司書配置促進事業により、県内全市町で学校司書の配置が進み、児童・生徒がいつでも学校図書館を活用できる環境づくりが整ってきたところです。  県教育委員会といたしましては、今後も児童・生徒が読書への関心を高め、生涯にわたって読書に親しむ習慣を身につけられるよう、一層取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(三野康祐君)一般質問を続行いたします。  広瀬良隆君。    (広瀬良隆君登壇、拍手) ◯広瀬良隆君 議長のお許しをいただきましたので、私の一般質問を始めます。  最初の質問は、循環器病対策基本法の取り組みについてであります。  脳卒中や心臓病などへの対策を強化する、健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法、いわゆる循環器病対策基本法が昨年十二月の臨時国会で成立し、今年中に施行されるといいます。法律に基づき、国と都道府県が循環器病対策推進基本計画を策定し、予防や医療機関の整備、患者の生活の質の向上など、総合的な対策に着手する点で大きな一歩となります。  日本人の死因で最も多いのはがんで、二番目は心臓病、続いて脳卒中となっています。心臓病と脳卒中による死者数はがんに匹敵し、七十五歳以上の後期高齢者になると、がんによる死者数を年間約二万人上回ると言われています。一方、要介護に陥る最大の原因は脳卒中です。心臓病と合わせると、要介護に陥る原因の約二五%を占めるといいます。医療費も、がんより一・五倍多くなっています。  本格的な少子高齢社会を迎え、また、これからの人生百年時代に向けて、平成十二年にWHO、世界保健機関が健康寿命を提唱して以来、平均寿命を延ばすだけでなく、いかに健康に生活できる期間を延ばすかに関心が高まっています。我が国の平均寿命は、平成二十八年で、男性八十・九八歳、女性八十七・一四歳という世界トップレベルの長寿国ですが、健康寿命は男性で七十二・一四歳、女性でも七十四・七九歳で、実に男性では約九年、女性では約十二年も日常生活に制限のある不健康な期間であるということになります。この大きな要因の一つが循環器病とされています。後遺症が残ったり、入退院を繰り返す可能性が高いからです。高齢化が進む中、循環器病患者の一層の増加が見込まれ、医療費や介護費を抑える観点からも対策が急がれています。  今回の基本法成立により期待される効果は大きく三つあるといいます。  一つ目は、予防教育が進む点です。脳卒中や心臓病は予防効果が大きく、塩分や脂肪分を抑えた食生活や運動によってリスクを軽減できます。こうした正しい知識を義務教育などで普及することは、将来的に循環器病を減らすことに直結するといいます。  二つ目は、医療体制の格差が是正され、身近な病院で適切な治療を受けられる体制が整えられていくことです。脳卒中と心臓病は救急疾患で、一刻も早い治療が欠かせません。本県では、こうした重篤な救急患者に対し、二十四時間体制で高度な医療を提供する救命救急センターを、香川県立中央病院、香川大学医学部附属病院、三豊総合病院の三カ所設置するとともに、大川、小豆、高松、中讃、三豊の各圏域において、入院医療を必要とする救急医療を担う二次救急医療体制も整備されており、本県における脳卒中や心臓病などの救急疾患への対応は一定の水準にあると承知していますが、がん同様、脳卒中や心臓病において拠点病院を整備することで、より多くの患者を救えることになるとも考えられます。また、回復期から慢性期、要介護期に至るまでの切れ目のない支援体制が構築されれば、患者の生活の質も高まります。  三つ目は、疾患登録が進み、有効な治療法などの道が開かれることです。脳卒中も心臓病も、これまで医療機関から任意で情報を集めており、全数登録が難しい状況でした。脳血管疾患や虚血性疾患で、人口十万人当たりの死亡者数である年齢調整死亡率というデータがあり、直近の平成二十七年の虚血性心疾患で、全国平均の男性三十一・三人、女性十一・八人に対し、本県は男性二十一・〇人、女性八・九人と全国平均を大きく下回っているほか、脳血管疾患においても、全国平均の男性三十七・八人、女性二十一・〇人に対し、本県は男性三十七・六人、女性十八・一人と下回っている状況であることは認識していますが、がん登録のように全国統一の登録制度ができれば、患者数や生存率など正確な実態を把握できます。さらに、地域の病院の治療実績がデータでわかれば、どの病院で治療を受けたらいいか、患者自身も判断できるようになります。  約十二年前に施行されたがん対策基本法は、専門的な医療を提供する診療連携拠点病院の整備や緩和ケア提供体制の構築につながったといいます。循環器病も基本法に基づいた実効性のある対策強化が期待されます。  そこで、知事にお伺いいたします。  循環器病対策として、これまでの本県の取り組みはどうだったのか。そして、今回成立の基本法に関して、本県としてこれをどう評価し、これにどう取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  次の質問は、大人の発達障害に対する取り組みについてであります。  発達障害は、その特性から、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などに分かれます。自閉スペクトラム症は、臨機応変な対人関係やコミュニケーションが苦手であること、興味や活動が偏り、反復的で融通がきかないことが特徴です。注意欠如・多動症は、注意が散漫であることや落ちつきがなく衝動的な行動をとることなどの特徴があります。学習障害は、全体的な知的発達におくれはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算または推論するなどの能力のうち、一部の取得と使用に困難を認める状態です。  こうした個々の特性の違いはありますが、そもそも発達障害には共通した四つの条件があるといいます。一つ目は、発達障害は生来のもので、大人になってから発症することはないことです。二つ目は、生活のさまざまな領域で、うまくやる力を損なっていることです。学習、職業、家庭など社会生活の広い範囲にわたって生きづらさを生じています。三つ目は、年齢によって症状と課題が変わることです。四つ目は、最軽症から最重症までのスペクトラムであることです。スペクトラムとは連続体という意味で、どこからどこまでが軽症などと区分できないものです。  三つ目の、年齢によって症状と課題が変わることについてもう少し触れると、乳幼児期には育児になじみにくい子供に育っていくので、親は育てにくい子供と感じてしまい、愛着が十分に形成されない傾向があります。思春期には、言わなくてもいいことを言ってしまったり、空気が読めなかったりするので、周りの人を怒らせたりしてしまいます。また、運動が苦手などの不器用さもあります。こうした特性のために孤立したり、いじめのターゲットになったりします。ひきこもりや不登校の子供の中に発達障害の子が多いとも言われています。それでも、学生時代は特に問題にもならずに何とか送ることはできます。ところが、職場ではそうはいきません。適切な会話ができず、周囲を怒らせたり、仕事が覚えられない、臨機応変に対応できないなどトラブル続き。人の気持ちを読むことが苦手なので、恋愛や結婚がうまくいかないという問題も出てきます。  近年、多くの精神クリニックで、自分は発達障害ではないかと受診する大人がふえているといいます。子供のころには気づかなかったけれど、社会に出てなぜかうまくいかない。その理由を探すうちに発達障害に思い当たるのです。県が、かがわ総合リハビリテーションセンター内に設置して、発達障害に関する相談支援を行っている、発達障害者支援センターアルプスかがわへの、いわゆる大人の発達障害に関する相談件数も、増加傾向にあると伺っています。  発達障害の中心的な課題は、生きづらさです。人間関係をつくること、職場での生活、家庭生活、全てに生きづらさが生じます。大人になってから家庭や職場でうまくいかない発達障害のほとんどは、軽症の自閉スペクトラム症です。子供のころには気づかれなかったため、何も対応されてこなかったのです。自閉スペクトラム症は、従来の自閉症とアスペルガー障害を統合した名称です。自閉症とアスペルガー障害に明確な違いがあるわけではなく、連続体、スペクトラムということで自閉スペクトラム症となったのです。軽症の自閉スペクトラム症に悩む大人たちは多く、大学生や社会人になってから、さまざまな不適応を起こしています。  大人が職場で問題を抱えているのは、軽症の自閉スペクトラムのほか、ADHD、注意欠如・多動症の人もいます。ADHDには不注意、衝動性、多動性、興奮性の四つの特性がありますが、大人になると多動性と興奮性は目立たなくなってきて、不注意、衝動性が残ります。不注意は、職場ではトラブルのもとになります。ケアレスミスが頻発し、気が散りやすく、関心があることには熱中するけど、難しいことには集中が続きません。忘れ物やなくしものが多く、整理整頓が苦手です。衝動性は、混沌性、秩序崩壊というほうが合っていて、頭の中が混沌として思考をまとめられません。計画が立てられず、優先順位がつけられません。片づけができなかったりします。  発達障害は脳の特性の違いであり、病気ではありません。したがって、治る、治らないという問題ではありません。問題は、発達障害による生きづらさをいかに解消していくかです。これが放置されると、鬱病等の重い精神障害に移行することも多いといいます。そのためには、まず本人が自覚することが大事です。医者から発達障害と診断され、その特性の説明を受けると、多くの人が、「わかってよかった」と言います。「これまで自分が周囲になじめず生きづらさを感じていたものの、理由がわからなかった。ようやく謎が解けた。」と安心する人が多いといいます。  職場で生きづらさを感じている人には、職場環境を変えてあげることが効果的です。担当業務を変更したり、マニュアルをつくって示したり、指導の仕方を見直したり、発達障害者の特性を踏まえて配慮することで見違えるように仕事ぶりが改善します。そのためには、企業の労務管理者等に発達障害への理解を求め、対応を促していくことが大事です。行政に求められる役割ではないでしょうか。  その上で、医療によって症状の軽減を図ることもできます。症状によっては薬物療法で劇的によくなることもあります。また、生きづらさを克服するためには精神療法も重要な役割を持ちます。代表的なものがSSTと呼ばれる社会技能訓練です。発達障害のことをみずから知り、発達障害を受け入れ、社会でうまく生きていく上での技術を身につけるためのプログラムです。  発達障害は生来のもので、大人になって発症するわけではありません。したがって、子供のころにその兆候を察知し、早くから対処をすることで、その後の症状の抑制が可能になるといいます。そのために大きな役割を果たすのが療育です。療育とは、医療と教育をかけ合わせた言葉で、障害のある子供の発達を促し、自立して生活できるように医療的、教育的援助をする取り組みを示すものです。全国には発達障害児のための療育を行う機関が各所にあり、早い段階で発達障害への対処が行われています。  そこで、知事に伺います。  大人の発達障害に関して、発達障害の方が就労しながら生きづらさを抱え、場合によっては鬱病等の重度の疾患に移行してしまう可能性も踏まえ、その生きづらさを軽減するために、行政としてこれまでどのように取り組んできたのか、今後、どのように取り組むお考えか、知事の御所見を伺います。  また、幼少のころに発達障害の兆候を捉え、対処していくことが大事ですが、そのための療育の取り組みについて、県の現状、今後のお考えについて知事にお伺いいたします。  次の質問は、学校教育のさらなる国際化に向けた取り組みについてであります。  我が国の国際化が進展する中、これからの時代を担う子供たちが、外国の人々に対して、おそれや偏見などを持たずに同じ人間としてわかり合え、時には議論や励ましを送り合う、そのような関係を持つことが求められています。しかし、我が国は島国であり、一般的に言って日常的に外国人と接する機会はまだまだ多いとは言えません。特に本県のような地方都市は、その傾向が顕著と言えます。  そのような中、三十年以上前から総務省、外務省、文部科学省と一般財団法人自治体国際化協会の協力によって続けられてきたプロジェクトにJETプログラムがあります。このプログラムは、世界各国にある大使館などの在外公館において、日本で英語を教える若者などを募集・面接し、旅費や給与を日本が保障した上で招聘する事業ですが、現在では五十四カ国から約五千五百人の若者が日本全国で活躍しています。基本は一年間の期間ですが、最長五年間プログラムに参加することもできます。彼らは、日本の文化に触れ、一層日本が好きになり、帰国後もさまざまな形で日本と母国とのかけ橋になっているといいます。招聘する業種は、ALT(外国語指導助手)、CIR(国際交流員)、SEA(スポーツ国際交流員)の三種類ですが、そのほとんどはALTによる招聘です。ALT(外国語指導助手)は、小学校教師や中・高等学校の英語教師とともに英語の授業に加わり指導を行うものですが、中には学校の諸活動にも積極的に参加し、子供たちと日常的な触れ合いを持つ場合もあるようです。  なお、彼らを任用した市区町村などの地方自治体は、その人数に応じて、国から一人当たり約五百万円の普通交付税が加算されます。しかも、近年は日本文化への関心の高まりによって応募する外国青年も多く、選抜により来日するので、意欲ある青年が多く集まっていると伺っております。  英語教育に関しては、既に周知されているように、小学校においては新学習指導要領の全面実施が二〇二〇年四月に控えており、二〇一九年度まで三、四年生の外国語活動、五、六年生の教科としての外国語が先行実施されています。そのような中、ネーティブスピーカーの発音を子供たちに聞かせることは大変有効であり、本県の子供たちが直接的に外国生まれの人と触れ合う体験は、国際人を生み出す意味においても貴重な教育になると考えます。また、高等学校においては、二〇二〇年からの大学入試制度改革を控え、ますます英語のスピーキングが重要になっております。  現在、本県においては、ALTの任用について、JETプログラムや民間企業との請負契約等による任用、そして市町が元JETプログラム等のALTを直接任用している場合等を通して、全ての小・中学校にALTが派遣されていると聞いておりますが、全国においては、群馬県高崎市のように、市内の小・中学校一校に一人の割合で任用している市もあるといいます。  そこで、教育長に伺いますが、本県の小・中学校においても、二〇二〇年度からの新学習指導要領の全面実施を見据え、各学校での生き生きとした国際教育の展開を期待する意味からも、また、高等学校においては、グローバル化が進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上に向けて、ALTを効果的に活用し、英語教育の充実を図るべきであると考えますが、県として今後、どのように取り組むのか、教育長の御所見を伺います。  最後の質問は、本県での夜間中学の設置についてであります。  文部科学省が平成三十年七月に発行した「夜間中学の設置・充実に向けて」の手引きによれば、夜間中学とは中学校夜間学級のことで、戦後の混乱期の中で、生活困窮などの理由から、昼間に就労または家事手伝い等を余儀なくされた学齢生徒が多くいたことから、それらの生徒に義務教育の機会を提供することを目的として、昭和二十年代初頭に中学校に付設された学級です。昭和三十年ごろには設置数は八十校以上を数えましたが、就学援助策の充実や社会情勢の変化に伴って減少し、平成二十九年度末現在、八都府県二十五市区で三十一校が設置されています。近年は、日本国籍を有しない生徒が全体の約八割を占めているといいます。一方で、これまでに文部科学省は、不登校などの事情から実質的に教育を受けられないまま、学校の配慮などにより卒業した者で、中学校で学び直すことを希望する者や、不登校となっている学齢生徒を夜間中学で受け入れることが可能であることを示してきました。  このような中、平成二十八年十二月には、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、通称、教育機会確保法が成立し、年齢や国籍、その他の置かれている事情にかかわりなく教育の機会が確保されること等を基本理念に、全ての地方公共団体に夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務づけられました。さらに、平成三十年六月、第三期教育振興基本計画が閣議決定され、その中で政府は、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学が設置されるよう促進することとされています。この点では、市町村立のみならず都道府県立の夜間中学の設置も進むよう、既に義務教育費国庫負担法が平成二十九年三月に改正され、都道府県が夜間中学を設置する場合においても、教職員給与等に要する経費が国庫負担の対象に加えられることとなりました。  今では、生活困窮などの理由で義務教育が受けられない子はいなくなっているものの、不登校などで形だけ中学校を卒業した人や、かつて義務教育を受けられなかった人の学び直しの場として、夜間中学は一定の意義を持って維持されています。義務教育を満足に受けることができず、独自の学習もできなかった場合、読み書き計算などが十分にできないため、社会生活を送る上で支障を来します。夜間中学は夜に学ぶので、家にひきこもりがちで昼間には行動したくないという子供にとっても学びやすい環境と言えます。夜だから行くという子は少なくないといいます。大人にとっても子供にとっても、学びの場の選択肢がふえることは大事なことです。  この夜間中学、現在は外国籍の生徒がふえ、全体の約八割が外国人といいます。昨年十二月成立の改正出入国管理法を受けた政府の総合的対応策でも、日本語教育の充実策の一つとして、夜間中学の設置促進が明記されています。外国人労働者に夜間中学で日本語教育のみならず、日本の文化や歴史を学んでもらうことは、日本への理解を深め、日本人との共生を推進する上でも大切なことです。  夜間中学が全くない地域が多い中、ボランティアの運営による自主夜間中学もありますが、費用や人材の確保が困難で、公立の夜間中学の設立が望まれています。徳島県では再来年四月をめどに、県立高校に夜間中学を併設して開校することが決まっているようです。夜間中学を市立でつくるか県立でつくるかの議論の中で、県立にした方が生徒を広域で募集できるメリットがあるとして、夜間定時制のノウハウを持つ高校に併設することが決まったようです。  今、夜間中学は、さまざまな理由で義務教育をまともに受けられなかった者の学び直しの場として、また、改正出入国管理法の施行で、ますますふえるであろう外国人の日本語及び日本の文化や歴史の学びの場として、そのニーズは高まっていると言えるし、教育機会確保法の成立が夜間中学の設置を後押ししています。今春には、埼玉県と千葉県で新たに二校が開校するとも聞きます。  そこで、教育長に伺います。  教育長として、本県での夜間中学設置の必要性について、どう認識しておられるか、御所見をお伺いいたします。  また、教育機会確保法では、県と区域内の市町で就学の機会の提供に関する協議会を設けることができるとしていますが、本県において夜間中学設置に関し、この協議会の設置も含め、どのように検討を進めていくのか、教育長にお伺いして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(三野康祐君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)広瀬議員の御質問にお答えいたします。  まず、循環器病対策基本法を踏まえた取り組みについてであります。  脳卒中や心臓病などの循環器病につきましては、高血圧や脂質異常、喫煙、メタボリックシンドロームなどが発症要因とされており、その予防には、生活習慣の改善や基礎疾患の適切な治療が重要であることから、これまで健やか香川21ヘルスプランに基づき、市町による小児生活習慣病予防健診への助成や、かがわ健康ポイント事業「マイチャレかがわ!」などによる望ましい食習慣・運動習慣の普及促進、特定健診の受診率向上などに取り組んでまいりました。また、第七次香川県保健医療計画に基づき、循環器病の重篤な患者に対し、二十四時間体制で高度な救急医療を提供する救命救急センターや、専門的な医療を提供する医療機関における救急医療提供体制の確保に努めております。さらに、在宅復帰に向けた取り組みを推進するため、診療計画書、いわゆる地域連携クリティカルパスの活用促進を図ることなどにより、急性期からリハビリテーション等を行う回復期・維持期を経て、在宅療養に至るまでの関係機関の連携協力体制を整備してまいりました。  こうした中、このほど成立した健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法、いわゆる循環器病対策基本法につきましては、国や地方公共団体、医療保険者等の責務を明らかにし、我が国の循環器病対策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであり、今後、この法律を踏まえた対策等を着実に実施していくことにより、循環器病の予防の推進や、患者に対する良質かつ適切なリハビリテーションを含む医療の迅速な提供、循環器病に関する研究の促進等が加速されると考えております。  私といたしましては、今後、国において策定される予定の循環器病対策推進基本計画の内容も踏まえながら、本県における推進計画について検討するなど、循環器病対策を総合的かつ計画的に推進し、健康長寿かがわの実現に向けて取り組んでまいります。  次は、発達障害に対する取り組みについてであります。  発達障害に対する取り組みにつきましては、これまで、それぞれの年齢に合った適切な支援が受けられるよう、かがわ総合リハビリテーションセンター内に設置した発達障害者支援センター「アルプスかがわ」において、本人や家族に対する発達相談や、学校や施設などへの助言・指導・研修を行っているところであり、このうち大人の発達障害については、平成二十八年度、延べ五百六件であった相談件数は、昨年度、延べ七百五件に増加しております。こうしたことから、就労支援や企業への講師派遣等の対応を行っており、今後、これらの取り組みを一層進めることで、議員御提言の企業の労務管理者等の発達障害への理解や対応を促進してまいりたいと考えております。  また、発達障害を早期に発見することが重要であることから、県において乳幼児健康診査の手引きを作成して、各市町が母子保健法に基づいて実施する一歳六カ月健診、三歳児健診に加え、発達障害の発見に有効とされる五歳児健診等の健診や相談の質の向上を図っているほか、県医師会に委託して、かかりつけ小児科医や市町保健師、保育士等を対象に、専門研修を実施しております。さらに、早期対応を図るため、在宅の障害児やその家族に対し、外来や訪問による相談、療育等を行う障害児等療育支援事業を、県内八施設に委託して、昨年度は延べ六千二百五十六件の相談支援を行っております。  私といたしましては、これらの取り組みに加え、関係機関の連携が必要であることから、市町や福祉、医療、教育、労働などの関係者で構成する香川県発達障害者支援連携協議会での情報共有や意見交換を通じて、その連携の強化に努め、大人の発達障害者における生きづらさの軽減や、発達障害児等の早期発見、早期支援、療育の充実に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(三野康祐君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)広瀬議員の御質問にお答えいたします。  まず、英語教育の充実についてであります。  現在、県内の小・中学校については、市町が招致した外国語指導助手、いわゆるALTが全ての学校に派遣されており、中学校では五十八人、小学校では中学校と兼務するALTに、英語に堪能な地域人材によるALTを加えた百五十七人が活用されています。こうしたALTが英語等の授業に加わることで、発音やイントネーション、表情など、児童・生徒が生きた英語や外国の文化を体験的に学ぶことができ、また、ALTが児童・生徒に積極的に話しかけることで、英語によるコミュニケーションを図る機会をふやすことにつながっています。加えて、JETプログラムにより招聘されたALTは、授業時間以外も学校に勤務するため、学校行事や地域の催し物にも参加するなど、児童・生徒の学校生活に寄り添った教育活動を展開しているところです。  県教育委員会では、小・中学校の英語担当教員がALTを効果的に活用した授業を行えるよう、毎年二月に研修会を実施するとともに、県立高校では、生徒が生きた英語に触れる機会をふやし、英語によるコミュニケーション能力を向上させるため、来年度、ALTを現在の十三人から二人増員し、十校程度で配置日数をふやす予定としております。  県教育委員会といたしましては、児童・生徒が英語学習に興味を持ち、英語によるコミュニケーション能力を身につけられるよう、積極的にALTを活用し、一層の英語教育の充実に努めてまいります。  次に、夜間中学の設置についてであります。  学校教育法上の中学校の夜間学級、いわゆる夜間中学は、義務教育未修了のまま学齢期を過ぎた方だけでなく、義務教育期間中、不登校であった方や日本語が十分でない外国人の方が基礎的な学習を行う場として利用されております。本県では、これまでも夜間中学等に関する情報を国や他県から収集し、各市町教育委員会に対し情報提供を行ってまいりましたが、県内全ての市町において、夜間中学等の設置に向けた具体的な動きまでには、現時点では至っていないところであります。  このような状況の中、夜間中学等の必要性があるかどうかを検討するためには、まずは外国人など潜在的入学希望者が県内にどの程度存在するのか、また、それをどのような手法で把握するのか等について、法律に基づく協議会の設置も含め、研究・検討する必要があると考えており、そのニーズ調査については、市町教育委員会の意向も十分踏まえながら検討を進めたいと考えています。  今後とも他県の取り組みを注視しつつ、市町教育委員会と連携を図りながら、義務教育を十分に受けていない方への教育の機会の確保や支援に努めてまいります。(降壇) ◯副議長(三野康祐君)一般質問を続行いたします。  白川和幸君。    (白川和幸君登壇、拍手) ◯白川和幸君 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきます。  あと五十四日で新元号を迎え、平成最後の定例会となりました。私も、約半年ではありますが、県議会議員として県民の皆様の負託に応えんと精進してまいりました。地元支援者の皆様に支えられ、権威ある香川県議会に籍を置き、地域の課題に向き合ってまいりました。しかしながら、五里霧中という言葉がぴたりと当てはまるほどさまざまな課題を前にして、どう解決していけばよいのか、迷うことも多くありました。そんな中、親身になって教え導いてくださった香川県政会の諸先生方には心から感謝申し上げます。また、本会議、委員会では、会派は違えども諸先生方の見識深い御意見を聞かせていただき、勉強させていただきました。まことにありがとうございました。新元号とともに始まる次年度の定例会で、皆様と香川県のさらなる発展に向け、研さんを重ねられるよう、私自身さらなる精進を重ねてまいります。さらなる御鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。  質問に移る前に、世界の潮流に目を向けてみたいと思います。インターネットにより情報の伝達スピードは飛躍的に向上し、交通インフラの発達により人々の往来が年々ふえております。日本を取り巻くグローバル社会は、日本から遠く離れた国の問題が増幅しながら、大きなうねりとなって我が国の経済に影響を与えています。隣国の中国、韓国、北朝鮮、そしてアメリカは、今大きく揺れ動いています。特に、中国の動向は注視せざるを得ません。今月、第十三期全国人民代表大会が開幕し、李克強首相は政府活動報告で、二〇一九年の国内総生産成長率目標を、六・〇ないし六・五%に設定し、十八年度の目標六・五%前後から引き下げました。中国の掲げる巨本経済圏構想、一帯一路の構想の大きな転換点とも捉えることができ、米中貿易摩擦の影響は大きく、結果のいかんによっては世界経済を大きく揺るがしかねない事態も想像でき、日本も対岸の火事とは言えない状況が想定されています。  前回の定例会でも申しましたが、中国や東南アジア、アフリカ地域の人口の増加に伴う食料不足、労働力の逼迫は、遠い未来やはるか遠い国の話ではなく、この香川県に住む県民の生活に深くかかわっている問題であるとの危機感を常に持ち、今定例会においてもしっかり質問させていただきたいと思います。  質問の第一点は、県産野菜の販売促進に向けた取り組みについてであります。  日本の産業構造における農業の割合は、少々古い数字ではありますが、二〇一五年内閣府の国民経済計算によると、国内総生産GDPの〇・九%となっております。その当時の農業就業人口を農林水産省の統計から抽出すると、約二百九万七千人となっており、同じく二〇一五年の日本の人口一億二千七百九万四千人の約一・六%の方が農業に携わっていることになります。この数字から、携わる人口に対し生産生が低いことがうかがわれます。しかし、これは諸外国も同様に低く、それによってもたらされるであろう食料問題は国際的にも重要な課題であると考えます。  香川県の農業生産者数は、平成二十七年に約七万一千人、その五年前の約九万五千人から二割以上減っており、そんな中で六十五歳以上の割合が四二%と増加してきております。農家の方々を回り、話を伺うと、今後、五年、十年先、農業生産者数の減少は緩やかではなく、加速度を増してくるのではないかと大いに危惧するところであります。  知事は、新・せとうち田園都市創造計画の中で、基本目標として「せとうち田園都市の新たな創造」を掲げ、「成長する香川」、「信頼・安心の香川」、「笑顔で暮らせる香川」を基本方針とされております。その中の「成長する香川」の中で、攻めの農林水産業を展開することとなっております。  前回十一月定例会で質問させていただいた中で答弁のあった、農業におけるAI、ICT技術の活用について、県が取り組んでいる加工・業務用葉ネギの病気の発生や収穫時期、収量などを予測するシステムを現地視察する機会を得ました。農業生産法人の方と連携し、生育状況を数値化し、さまざまな解析方法を当てはめながら、実際の葉ネギの生育状況予測を行うという基礎的な研究を重ねている様子を拝見し、県農業試験場の主席研究員、技師の方々の取り組みに敬意を表したいと思います。まだまだ研究、実証によるデータの蓄積中とのことでありましたが、今後の進展に注目しております。  しかしながら、生育状況を把握するだけでは、収益性の向上に向けた取り組みの一面でしかないように感じます。なぜなら、他県もさまざまなブランド化や品質向上に取り組んでおり、競争が進めば進むほど、手間はふえるけれども供給過多の場合に価格が下落することになります。品質はよくても需要と供給のバランスが商品価格の形成において大きなウエートを占めているということは、多くの農家の方々が、農業は本当に難しいと感じている一番の要因ではないでしょうか。市場の値動きや他県の品目ごとの出荷状況など、日々変動する市況の動きを捉え、そして予測し、その情報と生育状況をリンクさせることで、県産農産物の生産戦略や販売戦略の方向性がより明確になり、さらに攻めの農業を加速化させることになると考えます。  このような考えのもと、香川県では、例えば、県産野菜の戦略的ブランド化推進事業の中で、東京と大阪の卸売市場において、県職員を市場駐在員として配置し、情報収集を行っておられるようです。  そこでまず、これらの市場駐在員が情報収集の取り組みを含めて具体的にどのような活動をされているのか、お伺いします。  また、市場駐在員から得られた情報等も活用して、県産野菜の戦略的な販売促進を図っていくことが必要であると思われますが、県としてどのように取り組んでいくのか、あわせて知事にお伺いします。  質問の第二点は、中小企業の振興施策についてであります。  我が国における企業の社会構造は、大企業に対する明確な取り決めはありませんが、中小企業については、中小企業基本法第二条第一項により、資本金の額または出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業、その他の業種に属する事業を主として営むものとの規定があり、総務省が公開している調査内容によると、国内約三百八十二万の事業者のうち、中小企業者数は約三百八十万九千事業所と、事業者全体の九九・七%を占めています。その中でも小規模事業者は約三百二十五万二千事業所と、全体の八五・一%を構成しており、国内企業の大半が中小企業であることが示されております。また、中小企業の従業員数は約三千三百六十一万人で、大企業も含めた従業員数の七〇%となっております。  さて、報道によりますと、国税庁のサンプル調査の結果、平成二十八年度に決算期を迎えた国内企業のうち、赤字企業の割合は六三・五%とのことであり、これは大企業も含めた数字のため、中小企業の状況はさらに厳しいことが推察されます。このように厳しい経営環境の中、さらに社会保険料の増加、働き方改革による有給休暇取得の義務化など、中小零細企業の負担はますます増大してまいります。そして、本年十月に予定されている消費税一〇%への引き上げは、高齢者支援を中心とした社会保障の充実などに不可欠ではありますが、増税前の駆け込み対応に加え、増税後の景気減速懸念、軽減税率への対応など、景気の動向に大きな影響があると想像されます。また、高齢で後継者のいない小規模事業者は、事業承継の進捗のおくれから、廃業や閉鎖へとかじを切っていこうかという事業者の声を聞くことがふえています。  国、県においては、これまでさまざまな中小企業振興、支援策について力を入れていただいておりますが、現実に起こる諸課題の解決には追いついていないのが実情かと思われます。これまで述べたような厳しい経済環境における中小企業の経営安定化に向けた取り組みは、県の税収に大きく寄与し得る大変意義の大きな施策であると認識しており、さらに積極的に取り組む必要があるのではないかと考えております。  また、県では、県内中小企業等が大都市圏や海外等にビジネスを展開するに当たり、展示商談会の開催や見本市出展等の支援を行うなど、マッチング機会の創出に向けた取り組みを行っております。これらの取り組みにより、多くの県内企業が県外大企業等との取引を拡大する等の効果が見られることは間違いありません。一方で、このような展示会に出展した場合に、事業規模の違いが大き過ぎて取引に至らなかったり、県内企業側の知名度が低いこともあり、なかなか県外大企業等からの信頼が得られない、また、最初のマッチングはうまくいったものの、その後、長期継続的な取引に至らないなど、県内の中小企業からすると円滑な販路拡大につながらなかったとのケースが多く見られます。  もちろん、個々の事業者の企業努力により、マッチングの機会を最大限生かすことが第一と考えますが、マッチングの機会を提供する側においても、例えば、県内中小企業ともう少し規模感の近い事業者とのマッチングの場の確保、県内企業の事業内容、強み等のより効果的な情報発信、また、事業者間の長期的な関係構築に向けた事後的なフォローなど、よりきめ細やかな対応が必要なのではないかと考えます。このことにより、県内中小企業の販路開拓が一層推進され、県内経済の活性化につながるのではないかと思われます。  そこで、まず、県内中小企業の経営安定化に向け、今後、どのように取り組んでいく予定か、知事にお伺いします。  また、県内中小企業の販路開拓支援のあり方についてどのように考えているのか、知事にお伺いします。  さらに、本県の産業振興に今後どのように取り組んでいくのか、あわせて知事にお伺いします。  質問の第三点は、プログラミング教育を通じての人材育成についてであります。  知事は、二月定例会の提案理由説明の中で、戦略的な産業振興を図るとおっしゃっております。AI、IoTを活用して、さまざまな社会課題を解決できる持続可能な経済社会システムSociety5・0の考え方も取り入れ、産業の創出と維持・発展を図るほか、企業の海外展開の促進、企業立地や企業活動を支えるための産業基盤の強化などについて、各種施策を積極的に展開すると抱負を述べられておりました。
     現在、日本は大きな過渡期を迎えようとしております。第二次世界大戦終了後、勤勉な国民性と向上心で、技術大国そして経済大国として世界から注目を集めてまいりました。多くの先人が昼夜を惜しんで働き、ものをつくり、欧米を初め多くの国々で日本製品の優位性が認められておりました。また、九十年代前半のバブル崩壊を機に、生産拠点を韓国、中国、東南アジアと移しながら、それらの国々の経済発展を支えてきました。しかし、二〇〇〇年代初頭のITバブル崩壊により、今度は日本の優秀な研究者、技術者が韓国、中国の大手メーカーにヘッドハントされ、貴重な人材の流出が国益に与えた影響ははかり知れないものがあります。まだまだ基礎研究、そして製造を支えるロボットなど、日本のメーカーが世界的なシェアを持っている分野もありますが、これから先、欧米、中国、韓国も膨大な予算を使ってAI技術を含む先端科学技術の分野でますます力を伸ばしてくるものと考えます。  前回十一月定例会で質問させていただいた、小学生のプログラミング教育へのサポートは、変化を続ける世界の中で、日本のこれからを支える世代に、これまでの製造業中心の日本の産業構造から脱却していくために不可欠なものだと考えたからであります。このときは、教育長から、小学校でのプログラミング教育については、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけることを狙いとして二〇二〇年度から開始することとなっており、それに向けて教員の研修等を実施している旨の答弁をいただいているところであり、引き続き、しっかりと御対応いただきたいと考えております。  このように、産業の分野で力を発揮する未来の人材を育成するためにはプログラミング教育が必要不可欠であるものと考えますが、プログラミングに対して幼児のときから知的好奇心を育み、また、なれ親しんでもらうためにも、いわゆる学校教育だけでなく、それ以外にも普及啓発を図れるような場を確保する必要があるのではないかと考えております。このような場を確保することにより、県内の若者の中にプログラミングスキルを有する者の裾野が広がる結果となり、それが、これからの香川県、そして日本にとって新しい産業構造構築の基礎となるのではないかと感じております。また、香川県で学ぶことが世界の先端を行くという認識が広がれば、移住者や県内への企業移転の増も視野に入ってくるのではないでしょうか。  そこで、学校教育以外で、幼児、児童等にプログラミングの初歩、基本などを教える場の確保について、これまでどのように取り組みを行ってきたか、また、今後、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四点は、SNS被害に対する青少年の保護育成についてであります。  昨年四月に警察庁が発表した、前一年間のSNS、いわゆる交流サイトをきっかけとし被害に遭った十八歳未満の青少年は、前年より七十七人ふえ、統計取得後最多の一千八百十三人になったとのことでした。被害内容につきましては、淫行や買春、自画撮り等などの被害が大半を占め、さらに詳しく見ていきますと、淫行や深夜時間帯の連れ回し等といった青少年保護育成条例違反が七百二人、自画撮りを含む児童ポルノが五百七十人、児童買春は四百四十七人等といった状況でした。自画撮りとは、青少年が悪質な相手からだまされたり、おどかされたり、みずからの裸やわいせつな画像を撮影し送信させられる被害のことを言い、近年被害者数が急拡大している状況です。画像はインターネット上で拡散してしまうと完全に削除することは現実的には難しく、被害が深刻であることがわかります。  被害を受けた青少年は、全体のほぼ九〇%を中学生・高校生が占め、中には八歳の女児が動画共有サイトで知り合った相手に写真を送っていた事例も含まれていたとのことです。自画撮り画像に関するものには、昨年五月、十七歳の少女にみずからの下着姿を撮影させ画像を送るよう要求行為に至ったとのことから、警視庁が東京都青少年健全育成条例違反の疑いで男を書類送検したとの事件も発生しています。  このような中、各自治体において、青少年の保護育成に関する条例を改正する動きが活発化しています。兵庫県では、全国で初めて自画撮りに対し罰則を設ける規定に改正し、その後、東京都や京都府でも改正し、また、大阪府議会では、国に対し自画撮り被害防止のための法規制等を求める意見書を提出したとのことで、こういった活動の広がりからも状況の深刻さが伺えます。  昨今のスマートフォンの急速な普及により利用が進み、デジタルネーティブと呼ばれる、物心ついたころからインターネット環境に触れてきた世代の人々には、現実とネット上での出会いを区別できず、社会的な人間関係における未熟さゆえ、ネット上において素性のわからない相手と容易にコミュニケーションを深めやすい状況であることが被害者数の増加につながっているものと考えられます。  なお、スマートフォンに関する平成二十九年度の内閣府の調査では、中学生で全体の六〇%、高校生では実に九六%にも及ぶ生徒が所有・利用しているとのことであります。スマートフォンの所有・利用は今後も増加の一途をたどり、その利便性を踏まえると、もはや制限することは難しく、SNSの利用についても一層進むでしょう。このまま青少年の健全な育成を妨げる事象を放置しておくことは、断じてならないのではないでしょうか。  子育て県かがわを標榜する本県としましても、全国の現状を直視し、抜本的な対策を検討する必要があると私は考えるのであります。これから春休み、そして今年は十連休となるゴールデンウイークがあり、若者にとって誘惑の多い時期が迫ってまいります。  そこで、本県のSNS青少年被害状況と青少年を取り巻く環境や他県の青少年保護育成に関する条例改正の動きについて、知事はどのように認識しているのかを伺うとともに、今後、青少年のSNS等に起因する問題、特に自画撮り被害への対応についてどのように進めようとお考えか、知事にお伺いします。  また、最近世論をにぎわしていることに、ネット上で迷惑行為を動画投稿し、それがもとで炎上し、企業業績の悪化にとどまらず、店舗等が廃業に追い込まれるなど多大な被害を受ける事例も頻発しており、社会問題化しております。その結果、投稿した青少年やその家族がその被害の弁済を求められる事態にまで発展してきています。とどまることを知らないSNS、インターネット上での課題について、青少年健全育成の観点から、今後より一層の対策の検討もあわせて要望し、質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯副議長(三野康祐君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)白川議員の御質問にお答えいたします。  まず、県産野菜の販売促進に向けた取り組みについてであります。  県産野菜の戦略的な販売促進につきましては、需要動向をしっかりと見きわめながら取り組むことが重要であります。そのため、市場駐在員は、品目や産地別の入荷量、価格など日々の市場情報を収集・分析しているほか、市場関係者、バイヤー等との意見交換で得られた全国の流通動向に関する情報や、県産野菜の販路拡大のための百貨店等でのフェアにおける販売状況、消費者の反応等を迅速に産地側に提供しております。こうした活動を通じて得られた、市場や消費者のニーズに的確に対応するため、アスパラガス「さぬきのめざめ」が持つ、穂先が開きにくく根元までやわらかいといった特長を生かしたセミロングでの販売などの商品づくりを支援してきたところです。また、今年度は、夏場の青ネギの流通段階における鮮度保持を図るため、出荷前に温度を速やかに下げる予冷処理の効果を検証したところであり、来年度は、予冷処理効果をわかりやすく示したリーフレットを作成し、生産者に情報提供するなど、鮮度の高い流通体制づくりを支援してまいります。さらに、より精度の高い産地情報を市場へ提供するために開発している、収穫時期や収量などを予測するシステムについて、来年度は加工・業務用葉ネギに加え、秋冬ブロッコリーについても取り組むこととしております。  今後とも、市場駐在員から得られる情報やICT技術等を野菜の生産振興や販売促進に有効に活用し、市場や流通関係者から信頼される産地づくりを進め、野菜農家の経営の安定につながるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、中小企業の振興についてであります。  中小企業は、本県経済の基盤を支えるとともに、雇用の場を確保する上で極めて重要な存在でありますが、事業承継や働き方改革、消費税率の引き上げへの対応、販路開拓などさまざまな課題を抱えており、中小企業の振興に向けた一層の取り組みが必要であると考えております。  このため、まず、中小企業の経営安定化については、制度融資により資金調達の円滑化を図るとともに、事業承継計画の策定や労働環境の整備等の働き方改革環境づくりに対する経費を助成するほか、消費税の適正な価格転嫁も含め、さまざまな経営課題の解決のため、よろず支援拠点や商工会、商工会議所等において経営相談や情報提供等の支援を行っているところであります。  また、販路開拓支援につきましては、近畿圏や四国内の産業支援機関と連携した広域商談会の開催や見本市出展への支援のほか、県内企業のニーズを踏まえたきめ細かな対応として、製品や技術などの企業情報や業界動向に精通している専門調査員が県内企業を直接訪問し、受注や発注のニーズを調査するとともに、県内企業が求める取引先企業とのマッチング等の支援を行っております。  こうした取り組みに加え、人口減少や少子高齢化が進む中、県経済の持続的な成長を図るためには、地域経済を牽引できる産業を育成し、県外や国外から資金を稼ぎ、地域内での需要拡大につなげていくことが必要であると考えております。  このため、県の産業振興の指針である香川県産業成長戦略において、ものづくり分野や食品・バイオ関連分野などを成長のエンジンとなる分野に位置づけ、AIなどの先端技術を活用した生産性向上や新産業・新サービスの創出のための研究開発への支援を初め、各種施策に取り組んでいるところであります。  私といたしましては、今後とも中小企業の経営安定化や販路開拓に向けた取り組みの一層の推進を図るとともに、力強く着実に「成長する香川」の確立に向けて、地域経済を強力に牽引できる稼げる産業の育成に重点を置いた取り組みを進め、県経済の好循環を生み出せるよう全力で取り組んでまいります。  次に、インターネット利用に伴う青少年の被害防止対策についてであります。  本県においては、平成二十九年中のSNS等のコミュニティーサイトに起因する十八歳未満の犯罪の被害者は、前年の二十四人から四十一人に増加しており、このうち、いわゆる児童買春・児童ポルノ禁止法違反による被害者も前年の十三人から二十二人に増加しております。  こうした状況を踏まえると、インターネットの急速な普及に伴い、利便性が高まった一方で、青少年を取り巻く環境は、違法・有害情報の拡散やSNS等に起因する犯罪の発生など深刻な影響を受けており、その対策は重要であると考えております。  このため、県では、昨年三月に香川県青少年保護育成条例を改正し、保護者等によるフィルタリング利用の徹底を図るとともに、十一月にはネット問題から子供たちを守るための連携体制構築を目指して、内閣府と共催で「青少年のインターネット利用環境づくりフォーラム」を開催するなど、スマートフォン等の安全・安心な利用について、普及啓発に努めてまいりました。  議員お尋ねの青少年の保護育成に関する条例につきましては、だまされたりおどかされたりして自分の裸を撮影させられた上、SNS等で送信させられる、いわゆる自画撮り被害の防止のため、東京都や兵庫県など十都府県が青少年に対して自画撮りを要求する行為を規制するための条例改正を行っております。  私といたしましては、引き続き保護者や青少年健全育成に携わる方等へのインターネットの危険性やフィルタリングの徹底について周知啓発に努めるとともに、自画撮り被害の防止を図るため、他県の条例改正の内容やその効果等について情報収集を行い、県議会を初め有識者等の御意見を伺いながら、青少年保護育成条例の改正について検討してまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきまして、政策部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(三野康祐君)大山政策部長。    (政策部長大山 智君登壇) ◯政策部長(大山 智君)白川議員のプログラミング教育を通じた人材の育成についての御質問にお答えいたします。  本県の産業の成長を支える未来のICT人材を育成する上で、子供のころからプログラミング教育を通じ、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要となる論理的な思考力を身につけることは重要であると考えております。  これまで、県では情報通信交流館において、子供の発達段階に応じたさまざまなプログラミング講座を実施しており、入門講座としては、五歳以上の子供を対象に、ロボットを組み立てて簡単なプログラミングで意図した動きをさせる体験講座を実施するとともに、小学校の校外学習の受け入れを行い、ロボットのプログラミングやパソコンの画面に水族館をつくるプログラミングの体験学習を実施しております。さらに、小学校三年生以上の子供を対象に、アプリケーションなどをつくる講座を実施しているほか、小学校四年生以上の子供を対象に、サッカーロボットや自動運転車の模型を意図したとおりに動かすためのプログラミング講座を実施しております。昨年度の実績では、これらの講座に六百七十七人の子供たちが参加したほか、小学校の校外学習の受け入れでは、十四校四百五十五人の児童が参加いたしました。  なお、これまでの講座受講者の中には、サッカーロボットの競技などを行うロボカップジュニア日本大会の優勝者や世界大会の入賞者も出ているところであります。  県といたしましては、今後とも情報通信交流館において、より多くの子供たちがプログラミングに興味を持ち、なれ親しんでもらえるよう、引き続き講座の充実に努め、将来のICT人材の育成につなげてまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(三野康祐君)理事者の答弁は終わりました。  本日の一般質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(三野康祐君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、三月十一日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時五十三分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....