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平成30年[閉会中]決算行政評価特別委員会[商工労働部、交流推進部、教育委員会] 本文 開催日:2018年10月26日

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  1. 香川県議会 2018-10-26
    平成30年[閉会中]決算行政評価特別委員会[商工労働部、交流推進部、教育委員会] 本文 開催日:2018年10月26日


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 竹本委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 岡野委員  県産品の販売促進策についてお伺いをいたします。  「東京アンテナショップ運営事業」ですけれども、かなり高額な店舗賃料を払っているということでございます。施策評価においては、利用者数が「A評価」ではございましたが、前年度比101.1%の微増、売上高も前年度比102.2%の微増です。  今、女性の間でアンテナショップをめぐることが東京ではかなりはやっておりまして、テレビでもよく特集されています。それにもかかわらず、はやりに乗り切れていないという数字だと私は思っています。場所は新橋にあって、私も何度か行ったことがありますけれども、新橋の駅から少し離れているし、銀座からも離れていて、わざわざここを目指して行かなければならないところにあります。これだけの賃料を払うのでしたら、もう少しみんながいつでも立ち寄れる場所で、たくさんのアンテナショップが集まっていて、めぐれる場所に設置することを検討すればよかったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 新池交流推進部長  東京のアンテナショップについて、多額の賃料を払いながら、もう少しめぐれるような立地条件のいい場所にあったらよかったのではないかという御指摘でございます。「せとうち旬彩館」は、15年前に愛媛県と一緒に今のこの位置に立地したわけでございます。銀座の中心や有楽町などではございませんけれども、新橋からの乗降客数はそれなりにおりまして、汐留からのオフィス関係者や観光客の流れもございます。オープンのころは表の蒸気機関車側ばかりだった人の流れが、ある程度こちらに来ていますし、銀座のちょうど端にもなるということで、一応今の立地場所で何とかいけると考えています。  銀座や有楽町になりましたら、さらに家賃が高くなると聞いております。また、平成26年には鳥取県と岡山県のアンテナショップが、「せとうち旬彩館」の道路を挟んで前に新たにできたということもございます。御指摘のとおり、もっとよい場所はあるとは思いますけれども、今の場所でお客さんもついていますし、最近リニューアルもさせていただきましたので、引き続き頑張っていきたいと考えております。 岡野委員  隔年調査ということでことしは県産品の認知度調査はされていませんが、県産品の認知度が「D評価」であるということと、このアンテナショップの場所が私は連動しているのではないかと思います。有楽町の交通会館の中にトモニグループが出しているアンテナショップがあります。私も何度か行ったことがありますが、店舗が狭いというもありますけれども、いつもレジのところでは並んでいて、かなり反響があるのだと思いました。交通会館の中には幾つか店が集まっていますし、日本橋にもたくさんアンテナショップが集まっていて、日本橋は観光ツアーにも入っていると聞いております。  そういう意味からしても、4000万円近い賃料を年間で払っています。それは愛媛県と分けているとは思いますけれども、運営費も合わせると5000万円近い家賃を払っているということですので、さらに有効活用されるような方法を考えていただきたいと要望いたします。  次に、「若者の自立のための就労応援事業」についてお伺いさせていただきます。  施策評価結果では「地域若者サポートステーションでの進路決定者数」が「B評価」ということで、もう少し頑張ってほしいという思いで質問します。平成28年から29年に、サポートステーションを使って進路決定した人が221人、そして目標としては平成28年から32年で950人ということで「B評価」ですが、「C評価」でも「D評価」でもいいのではないかという数字だと私は思っています。なぜなら、昨年全国調査でサポートステーション利用満足度調査がなされまして、利用した人の大体8割から9割の人が満足していると答えていて、利用した8割から9割の方は就労に結びついています。そういう意味でいうと、全体の利用者数が伸び悩んでいるから、この評価結果につながっているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 浅野商工労働部長  地域若者サポートステーション利用に関しては、御指摘のとおりでございまして、指標は「B評価」ですが、確かに「C評価」に近いような数字になっていると私も認識しているところでございます。  リーマン・ショックがあった当時は、卒業後も就職できない若者が多くて、サポートステーションでは大体年間200人を超える新規登録者があった状況でございます。ところが、最近は雇用情勢もかなり改善してきて、ここ数年は100人を切るような状況が続いているということでございます。  これに伴いまして、新規の登録者が減りますと、進路決定者数も減るということでございます。目標を設定した当時は、雇用情勢も少しは明るい兆しが見えてきた状況でしたので、目標値はかなり高い数字になっておりまして、「B評価」となっているところでございます。  いずれにしましても、一定のニートなど働いていない若い方々がいるというのは、本人の将来にとっても、それを支える社会にとっても大きなマイナスでございます。そういった方々を支援機関につないで、できるだけ多くの方々に就労していただいて、将来に向けた職業的な自立を図っていくことが私も重要だと考えておりますので、これからもしっかりと取り組んでまいりたいと思っているところでございます。 岡野委員  この対象年齢は、何歳から何歳ですか。 浅野商工労働部長  対象年齢は、15歳から39歳ということになっております。 岡野委員  よく報道されていることですが、国が新たな調査をすると言われている40歳以上のニートやひきこもりに対して、どうしていくかということも大きな課題だと思っています。そして若者サポートステーションという名前からすると、イメージ的に30歳後半の方もこの対象に入っていることがわからない方も多いのではないかと思うので、上手にアピールする必要があると思います。ハローワークに行かれるのももちろんいいのでしょうが、サポートステーションであれば心理的な相談からいろいろな訓練まで、ハローワークよりも幅広い支援があるということで、利用した方の満足度は高く、香川県も高かったと思います。  人手不足によって就労しやすい環境があるのかもしれないですが、部長が最後におっしゃったように、ひきこもりやニートという方たちの数が減っているという情報はなく、むしろふえているという状況があると思っています。利用者数が減ってきているということではございますが、もう少し活用方法はあると思っています。  午後から教育委員会でも同じような質問をする予定でございますけれども、高校中退者の方々のうち、特に私立の場合は公立の2倍の方たちが中退をされているという結果も出ております。そういう意味では、私立の高校とどのように連携をしていくのかも大事だと思っています。  高知県の若者サポートステーションや北海道の若者サポートステーションにおいては、中退や不登校傾向にある方の情報を一元化していて、サポートステーションからアウトリーチ支援を行っております。来ないなら出向いていくというやり方で利用者をふやし、就労につなげるという切れ目ない支援を目指しております。先ほど言いましたように、利用した方のほとんどが就労につながっていますので、ここの利用者数をどうふやしていくかが、若者の進路決定に大きく影響を及ぼすと思います。いろいろな方策でこれまで以上にふやさなければ、平成28年から32年の950名という目標は達成できなくなってしまいますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。これは要望です。
     最後に、商工会・商工会議所への交付金についてお伺いしたいと思います。  経営支援課の約400億円の予算のほぼ90%以上が「中小企業振興資金融資事業」です。残り数十億円のほとんどが小規模事業指導費として支出されていますけれども、その内容は、商工会・商工会議所商工会連合会への交付金が11億円ぐらいとなっています。  11億円という多額のお金ですから、きちんとした検証に基づいて支出が毎年なされていなければいけないと思いますが、その根拠になっているものを説明ください。 浅野商工労働部長  商工会・商工会議所というのは、商工会法商工会議所法に基づいて、地域内の商工業者の経営の改善に関する相談や指導を目的として、経済産業大臣の認可を受けて設置された法人でございます。当然、認可を受けた法人は、それぞれの地域の基盤となっております中小・小規模事業者経営改善をしっかりとサポートしていくという重要な役割を担っていると認識してございます。  そういったことから、国においても、その運営費に対しては財政的な措置をしておりまして、県の交付金は地方交付税の中で基準財政需要額に算入されて、普通交付税で財源措置されている状況でございます。 岡野委員  県が運営している事業は、丸めて交付税の中に入っていますので、それをどう使うかは最終的には県の判断によるところが大きいのだと思います。  小規模事業者を支援しているということですが、県内の事業所数に対する商工会議所等の組織率をお願いします。 石井経営支援課長  小規模事業者数に対する組織率では、商工会議所は大体5割弱、商工会は7割弱となっております。商工業者数に対する比率では、若干それよりも低い数字になり、商工会議所で4割弱、商工会で6割弱となっております。 岡野委員  私は高松商工会議所に属しておりましたので、高松商工会議所においては先ほどの数字よりも実際の感覚ではかなり低いと思います。それでも4割に満たないということですので、全体の事業者数からすると、どれぐらいの方がここを利用されているのかと思います。  これは法律で設置されているものですから、県がどうこう言うことではないかもしれませんけれども、交付金として11億円を拠出するのでしたら、大体が人件費ということでしたが、入会する人をふやしていく努力は必要です。漫然と、毎年決まった額がくるから、それでいいというわけにはいかないわけです。  また、商工会議所は、事業承継や災害時の計画、女性の働き方改革についての支援をするというお話でございましたけれども、今はどの会社も社会保険労務士を雇って、就業規則を決めたり賃金テーブルをつくるなどされているわけです。銀行もそういうサポートを今サービスとして行っていますし、その会社の税理士もそういう支援を行っています。商工会議所や商工会が行っている事業を、会社にかかわってくれているいろいろな業種の方たちがサービスとして提供している時代なのです。設置法ができた時代とは随分変わっていると思うのです。  そういう意味では、商工会議所・商工会の評価のあり方や、予算のつけ方についても変えていかないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。 浅野商工労働部長  委員御指摘のとおり、会員数をもう少しふやしていく必要はあると思います。ただ、会員をふやすためには、会員になることのメリットがないといけません。そのためには、商工会・商工会議所で実際に各企業にさまざまな形で指導・支援を行う経営指導員経営支援員の資質を高めていくことが大事だと思っております。  加入されている企業の業種や業態、規模などもかなり違っておりますので、それぞれの企業の置かれている状況やニーズも違っております。それにどれだけきめ細かに対応できるかというところで、幅広い、いろいろな知識が求められるのだと思います。  そういうことから、それぞれの連合会組織でも、さまざまな形で経営指導員経営支援員に対する研修も実施しておりますし、中小企業大学校への派遣研修や、職員の自主的な学習に対する支援も行っているところでございます。こういったことを通じて、経営指導員経営支援員の資質・能力を高めて、各企業に応えられるような人材を一人でも多く配置できるように、それぞれの連合会も努めているところでございます。  それとあわせまして、一律に交付金を配分していたのではという話もございましたが、従来は補助金でしたけれども、今は交付金化しておりまして、各商工会等における独自の取り組みを評価するといった形で算定方法も見直しているところでございます。  例えば、従来の経営支援の部分に加えて、地域振興などの特色ある取り組みをしているところには考慮しております。それぞれの商工会等に、ある程度インセンティブが働くように、会員増強の取り組みや創業の支援、販路開拓、BCPなど積極的な取り組みをしていただいているところについては、少しの金額ではございますが、より多く交付金を配分できるような形に制度も見直して取り組んでございます。 岡野委員  地域によっては、商工会が地域の若者たちとつながっていろいろなイベントを一生懸命頑張っているのは、私自身も会員だったので知っていますが、高松市は町なかということもありますし、組織率が低いということもあります。しかし職員はたくさんいるので、本当にそれでいいのかといつも疑問を持っておりました。  先ほども言いましたけれども、社会保険労務士や税理士など会社に恒常的にかかわってくださっている方たちが、今おっしゃったようなことは既にしているわけです。また、創業支援は、かがわ産業支援財団でもやっていますし、サンポート高松でもやっています。同種の事業を行っている団体はたくさんありますので、本当にこれだけの人数が恒常的に必要なのかというのは、やはり疑問です。  いろいろな業界団体がいろいろなやり方で頑張っていらっしゃって、商工会議所は国と県のお金が入っていますから、1カ月の会費がほかの団体に比べたら格段に安いわけです。にもかかわらず組織率が上がっていかないということは、何に課題があるのかを、もっと真剣に考えなければいけないと思います。ここを圧縮して、もう少しサポートステーションにお金を配ってくれてもいいわけです。いろいろなお金の使い方がある中で、本当に11億円を有効に使ってくれているのかが疑問なのです。そのため、11億円を有効に使い、県民や企業に還元できるような評価の仕組みをしっかりと考えていただいて、引き続き運営していただきたいと要望して、終わります。 米田委員  労働委員会の最近の動向についてお伺いさせていただきたいと思います。  世の中では、いろいろと理不尽なパワハラやブラックの実態等が連日のように報道されておりますけれども、労働委員会にもそうした相談案件が寄せられているのではないかと想像するところであります。労働委員会が処理しているのは、集団的な不当労働行為の救済に始まって、個人を相手とした労働相談や個別の労使紛争の解決等がございますが、それぞれの態様ごとの件数の推移がどういうふうに動いてきているのか、個別案件ではどういう内容のものが具体的に寄せられているのか、一つの傾向があるとするならばどういう傾向になっていると受けとめておられるのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。  それから、労働者派遣法が改正されて、労働者派遣法をめぐるトラブルなどもあるのではないかと想像するところでありますけれども、そういう相談は寄せられているのでしょうか。  それから、10月に「個別労働紛争処理制度周知月間」ということで、労働相談会を実施されたようですけれども、その状況はどうだったのか、お聞かせください。 河井労働委員会事務局長  不当労働行為や個人を相手にした労働相談などの件数の推移につきまして、ここ10年ぐらいで見てみたいと思います。  まず労働組合に加入していることで不利益な取り扱いをするといわれる不当労働行為につきましては、年によってかなり件数に変動がございまして、平成20年には年間2件ありました。それに対しまして、最近では、平成27年が4件、28年と29年は申し立てがないという状況にございます。  次に、労働組合と使用者との間の紛争についての調停でございますが、平成5年に1件事例がございましたけれども、ここ10年間では行われてございません。一方、集団のあっせんにつきましては、平成20年は1件でございまして、その後この10年で大体年間2件以下程度で推移している状況です。  次に、個別の案件ですが、リストラによるトラブルなどで、個人と使用者間の紛争が近年増加し、平成13年に「個別労働紛争の解決の促進に関する法律」が施行されましたことから、本県労働委員会におきましても、個人からの相談等に対応しているところでございます。  このうち相談につきまして、平成20年は年間124件、最近は平成27年が108件、28年は114件、29年は96件と、おおむね100件程度で推移している状況でございます。  個人に関するあっせんにつきましては、平成20年は年間5件、その後も年間5件程度でありましたが、近年におきましては、平成27年が1件、28年が2件、29年が1件と、やや減少している状況にございます。  次に、個別案件の傾向についてでございますが、個別の相談の実態といたしましては、平日8時半から5時15分まで、昼休みの時間も含めまして、職員で手分けして相談に応じております。また、労働委員会の委員による労働相談も定期的に月に1回、予約制で行っているところです。  相談の内容については、1件の相談で複数のトラブルの原因があることもありますが、平成29年の96件については、パワハラや嫌がらせが30件、退職にかかわるトラブルが20件、賃金の未払いが16件、解雇にかかわるトラブルが13件となってございます。傾向としましては、近年パワハラに関する相談がふえてきているものと受けとめております。  次に、大きな2つ目の労働者派遣法の改正につきましては、平成27年9月に労働者派遣法が改正されまして、派遣されたところ、いわゆる派遣先で、同一の組織単位と言われていますが、例えば一つの課に続けて3年間派遣されるような労働者につきましては、派遣する側、いわゆる派遣元の事業者には、派遣先の会社へ当該労働者を直接雇用するよう依頼するなどの義務づけがされました。これにつきましては、平成27年9月以降に始まった契約が対象なので、ことしの9月で施行から3年経過となり、だんだんそういう対象が出てくると思います。これまでのところ、本県におきましてこういった相談はない状況ですが、今後、そういう相談も予想されることから、いろいろ情報収集してまいります。  10月の周知月間取り組みにつきましては、全国労働委員会連絡協議会が、毎年10月を個別労働紛争処理制度周知月間と位置づけまして、制度の周知・啓発に取り組む中、本県におきましては、去る10月9日から15日までの7日間、高松市や丸亀市など県内5カ所におきまして相談会を開催しました。相談の件数につきましては、昨年と同様で15件で、相談の内容につきましては、パワハラが5件と一番多くて、次に賃金の未払いが4件、退職にかかわるトラブルが3件などとなっております。なお、ここでも派遣に関する相談はありませんでした。 米田委員  制度の周知をしていこうと努力をされておりますけれども、なかなかそれを受けとめていただけない環境があると思っています。それを裏づけるようなデータがございまして、日本弁護士連合会が10月5日に、「若者が未来に希望を抱くことができる社会の実現を求める決議」を行っています。そういう決議を行う背景に、内閣府が主要7カ国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、韓国、日本の若者の意識調査を行っており、日本の若者の意識は、「職場への満足度」、「自分自身への満足度」、「将来に国や地域の担い手として政策決定に参加したいと思う若者」、「みずからの社会参加により社会現象が少し変えられるかもしれないと思う若者」、「自分の将来について明るい希望を持っているか否かについて、『希望がある』、『どちらかといえば希望がある』と答えた若者の割合」について、いずれも7カ国で最下位という深刻な状況でした。そうしたことを背景にして決議が行われておりますけれども、多くの若者が自己肯定感を持ち得ずに、将来に希望を抱けず、むしろ不安にさいなまれ、社会保障制度に対する不満も抱えているけれども、自分で参加して社会に当たっていこうという意識にも立ち得ない状況が、労働相談にも期待しないという傾向を生んでいるように、私はこうしたデータも見て感じているところです。  先ほどお答えをいただいた件数の状況から、まだまだそういう意識の状況に向き合うような掘り起こしの仕方を工夫する必要があると感じておりますけれども、今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。 河井労働委員会事務局長  本県労働委員会におきましては、活動の周知として、ホームページのほか、市町の窓口やコンビニでのチラシ配布、新聞の折り込み広告などを行っております。ことしは10月の周知月間に合わせまして、県広報誌のページを割いてもらい、通常の相談業務もあわせて周知を行ったところであります。  また、若者への情報提供につきましては、平成22年度から、就職を控えた高校生を対象に、労働委員会委員が学校に出向いて、労働法の基礎的な考え方や、働くこととはどういうことなのかを直接お知らせするとともに、困ったことがあれば労働委員会に相談してくださいというような出前講座を行っております。昨年度は、高校と専門学校合わせて5校で、ことしは高校5校、専門学校4校で出前講座を行う予定にしております。  こうした中で、委員御指摘のとおり、潜在的なニーズはあると理解しております。ことしは本県から四国の3県に働きかけをいたしまして、改めて4県の労働委員会取り組み状況について取りまとめを行っているところです。その取りまとめ結果が出ましたら、他県の状況も詳しく再度お伺いしながら、より効果的な周知・啓発について検討してまいりたいと考えております。 米田委員  具体的なケースを目に触れる形にすることで、救済の対象となる事案や、同じような悩みを抱えて、それが解決に向かっていることが感じられると、相談に向いていくのだろうと思いますので、ぜひそうした工夫について努力いただきますようにお願いして、終わります。 松本委員  私からは、「ものづくり成長産業育成事業」についてお尋ねしたいと思います。  近年、ものづくりが注目を浴びつつあります。ところが、もともとのものづくりであった近所にある鍛冶屋や家具製造工場等が、後継者の問題などで閉められるところも多く、伝統文化産業などの分野に関しても「てこ入れ」を行うなど、残すためにはどうすればいいのかをしっかり考えていかなければいけない時期が来たと思いながら、これからのことを大変危惧しているところでもあります。  その一方で、グーグルの創業者でもある、現CEOのラリー・ペイジ氏が、人工知能の急激な発達により、現在、日常で行われている仕事のほとんどをロボットが行い、近い未来、10人中9人は今までとは違う仕事をしているのではないかと述べられています。これからの時代の動向もしっかり把握しながら、新しい産業の創出にも力を入れていかなければならない時代が来たように感じております。  そこで、「ものづくり成長産業育成事業」についてお尋ねをしたいと思います。本事業では、県内企業の成長分野への進出を促進するため、企業等との連携のもと、ロボット関連技術及びCNF等高機能素材関連技術の研究開発に取り組むほか、革新的なものづくり技術である金属等の3D積層造形関連技術の研究開発に新たに取り組んだとのことでありますが、まず平成29年度の取り組みについてお伺いしたいと思います。 浅野商工労働部長  「ものづくり成長産業育成事業」は、産業技術センターにおいて、新しい産業技術を活用して県内企業の新製品や新技術の開発を支援する、同センターの中では中核となる事業の一つでございます。今年度は、ロボットに関する技術、セルロースナノファイバーなどの高機能素材を活用した技術、次世代の3D積層造形技術という最先端の技術を活用して、新しい製品開発や産業の創出に向けた技術面での支援を行っているところでございます。  具体的には、ロボット関連でございますけれども、人手不足が深刻化する中で、企業としてはより生産性を高めていく必要がございます。この生産工程の効率化を図るために、さまざまな物質の状況や動作の変化等を感知するセンサーや、そのセンサーの情報に基づいていろいろな電気信号を発信して、それをその状況に合わせて機械を動かすようにする装置のアクチュエーター、そしてそれら全体をコントロールする制御プログラムを構築して、その機械に実装することによってロボットを動かしていこうと、今県内企業では取り組んでいるところでございます。そういったものの製品開発や技術シーズの確立を支援していこうということでございます。  産業技術センターでは、平成29年度には、いわゆる物をつかむロボットのつかむ部分での感覚センサーの試作開発を行いまして、その技術を普及させるとともに、その試作機を関西機械要素技術展に出展するなどいたしました。そこでは顧客とのいろいろな商談もございまして、いろいろな情報を企業にフィードバックしているところです。  それから、セルロースナノファイバーは植物繊維由来でありながら、重さが鉄の約5分の1、強度は5倍ということで、そのすぐれた特性から、将来性が大きく期待されている素材でございます。県内フィルム製造業を初めとして、こういったものを活用できる産業がたくさんございますので、こういった部分に事業展開していただこうと、いろいろ技術支援を行っているところでございます。  これらについては、四国内は木材関係の事業者がかなりたくさんございますので、四国4県と経済産業局が音頭をとりまして、産学官で設立された「四国CNFプラットフォーム」に参画して、いろいろと情報収集や意見交換を行い、その情報を県内企業にお伝えしております。  また、産業技術総合研究所と共同でCNFを応用した機能性フィルムの開発に取り組む企業の技術を支援しているところでございます。  そのほかにも高機能素材としましては、例えば炭素繊維複合材料がございます。こういったものについては、自転車のフレームを非常に軽量にできて、強度も高いということでございますので、こういったものの製品開発に対するいろいろな受託研究も受けまして、そういった製品開発に対する技術支援も行っているところでございます。  それから、次世代の3D積層造形技術でございますが、これは3次元のCADデータを使って、従来の切削加工等ではできない形状のものをつくるということで、今各社ともこういった技術について取り組んでいるところでございます。これまではどちらかといえば、樹脂材料のものが多かったのですが、金属やセラミックなどの新しい素材もこういったものでつくれないか、いろいろ技術支援をしているところでございます。今ちょうどこの3D積層造形技術を使いまして、セラミックを使った製品開発に取り組もうとしている県内企業がいらっしゃいますので、この製品開発について支援を行っているところでございます。 松本委員  私も産業技術センターの見学もしたことがありますし、常にホームページを見ながら、香川県が進めていることを確認しています。ロボットや高性能素材、3Dに大いに取り組んでいることを知っていますし、昨年度の取り組みについても、今の説明でよくわかりました。  このロボット技術等に関しては、やはり支援が大事だと思いますが、また、それを今後支えていく、特に近年注目されているIoTやAIといった新しい技術についても、県内企業の成長分野への進出促進の観点からも、さらなる支援が必要なのではないかと思います。  そこで、IoTやAI技術に関する今年度の取り組みについてお尋ねをするとともに、県内企業の成長分野への進出促進のため、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、あわせてお尋ねしたいと思います。 浅野商工労働部長  県内企業の現場では、IoTの普及はまだこれからという状況でございます。そういう中で、まずはIoTを使っていかに生産現場を変えていくかを体感していただく必要があると考えております。今年度、産業技術センターに、協働ロボットや工作機械等をIoT化した疑似的なスマート工場環境を構築して、県内企業の技術者の方に実際にそこでこういったことをやると、生産工程でどう変化が起きるのかを体感していただこうと、今そのスマート工場の環境整備をしているところでございます。これができれば、そういった取り組みも進めてまいりたいと思っているところでございます。  それから、県内企業の中にはなかなかそういった技術者がいない、あるいは相談先がわからないという方もたくさんいらっしゃいますので、今年度から新たに産業技術センターの中にIoTやAIに関する相談窓口を設けました。専門的な話になると、産業技術センターの職員だけでは難しいところもございますので、産業技術総合研究所や大学の方々とも連携して、県内企業の技術的な相談に応じる形をとっております。  また、AIの関係では、本県出身の東京大学の松尾准教授のところで実施されているAI講座に職員を派遣しまして、今後、戻ってきたときには、その職員が中心になってAIの相談に対応していくことを考えております。  そのほかにも、産業技術センターの中に「IoT・AI技術分科会」を設立いたしまして、既に県内企業は20社近く、それから関係機関も入りまして、講習会や研修会なども開催しているところでございます。  いずれにいたしましても、こうした新しい技術をこれから県内企業に率先して使っていただいて、ほかの地域よりも高い技術と競争力を持った企業を育成することによって、県内企業の将来を引っ張っていくことが必要でございます。そういった部分で関係機関ともいろいろ連携しながら、本県にはそういった関係機関が県内に多数ございますので、立地の利も生かしながら、県内企業の技術的な支援に努めてまいりたいと思っているところでございます。 松本委員  IoTやAIという言葉だけを聞くと難しい感じがするのですが、例えばIoTは「モノのインターネット」と呼ばれているとおり、インターネットに接続されていなかったものが接続されるということで、我が家で使っている家の鍵も遠隔操作で鍵のあけ閉めができます。しかも、あけ閉めの時間まで全部出てきますし、家のインターホンが鳴ると私の携帯に知らせがあります。留守中にインターホンが鳴ると「はい、今留守にしています。」と言えるぐらいIoTは身近なところで簡単にできますので、今後とも香川県らしい、また、香川県ならではの産業の創出とともに伝統産業を守っていかなければなりませんが、こうした産業もしっかり視野に入れながら取り組んでいかなければいけないと思っています。  県内企業は、人口減少に伴う市場の縮小や、生産年齢人口の減少に伴う人手不足等、たくさんの課題に直面しております。こういった課題を解決していくためには、新分野の開発に取り組んでいかなければならないので、今後ともそういうところの支援にもなお一層取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。  次に、うどん県プロモーションの現状と今後の取り組みについてお尋ねしたいと思います。  「香川県はうどん県に改名しました。」と、強烈なインパクトを持ってスタートをしました「うどん県プロジェクト」も、2011年10月にスタートしてちょうど7年がたちました。当時はかなり強烈で、「香川県からうどん県に改県したことが本当なのか。」や「郵便物はうどん県で出してもちゃんと家に届くのか。」など、いろいろな問い合わせがあり、当時のにぎわいを思い出すと大変懐かしく思います。  うどん県プロモーションにより、「うどん県」という言葉や「うどん県」イコール「香川県」というイメージは全国的に浸透し、香川県の知名度は大きくアップしたと思っております。あのときは、「うどん県」のバッジをつけていると、そのバッジが欲しいと、県内の方々だけではなく、海外の方にも宣伝のためにこのバッジをお譲りしたこともありました。また、営業の方とお話しをしていますと、会社のバッジをつけているより、うどん県のバッジをつけたほうが営業の成績が上がるということで、ポケットに幾つか持ち合わせているというお話も聞いたことがあります。  「うどん県。それだけじゃない香川県」はさらに進化を続け、「恋するうどん県」や「大人うどん県」など次々と展開しています。主要事業の成果報告書214ページには、平成29年度の事業として、映像やポスターの作成、雑誌や飛行機の機内誌での広告などによるプロモーションを行ったと書かれておりますが、具体的な内容についてお尋ねしたいと思います。 新池交流推進部長  平成29年度につきましては、要潤氏、宮本亜門氏、木内晶子氏に出演いただいて、さぬき市の大串自然公園と庵治の竜王山公園を撮影場所に動画とポスターをつくり、7月に東京で制作発表を行いました。その後、動画については県の観光ホームページやユーチューブで流しました。また1週間ではございましたが、東京の品川駅や東急電鉄の東横線や田園都市線のビジョンで流しました。それから、ポスターにつきましては、モノレールのほか、東京駅と新宿駅に横長のパノラマサイズで掲示しました。  雑誌につきましては、40代の女性のファッション誌「リンネル」に、「おいしくて素敵な香川」をテーマに、小豆島、高松、琴平・丸亀の食と観光地を紹介したほか、JALの機内誌において、要潤氏が子供のころの思い出を語る中で、三豊市の父母ヶ浜と瀬戸内の島の魅力を紹介するプロモーションをしたところでございます。 松本委員  きのうも「うどん脳」のパロディーで作品を出されたというニュースが流れていましたが、一方で「うどん県。それだけじゃない香川県」というキャッチフレーズも、「讃岐うどん」以外の「それだけじゃない」という部分について、今後、その魅力を全国的に伝えていかなければいけないと思うのですが、なかなか浸透しにくい、難しい状況にあるように思います。  昨年の県産品認知度調査では、うどんに関しては90%と非常に高いのですが、オリーブオイルは大体半分の50%、「おいでまい」は20%となっています。本県にはアートや食、自然、伝統工芸、また、人間国宝もおいでて、全国に誇ることができる、すぐれた観光資源がたくさんあります。私は、このようなものもしっかり伝えていきながら、来年の瀬戸内国際芸術祭や2020年の東京オリンピック等につなげていくことがとても重要と感じているわけですが、今後、こういったことをどう発信して、観光誘客に効果のあるプロモーションにつなげていこうとお考えなのか、お尋ねしたいと思います。 新池交流推進部長  委員御指摘のとおり、「うどん県」で発信したものですから、香川県の名前とうどんは非常に認知度が上がりましたけれども、それ以外の、観光地やグルメなどのいろいろな観光資源、地域資源の認知度がまだまだ上がっていないという課題がございます。これからは、「香川県」、「うどん」という知名度を利用しまして、県名と観光地やグルメという地域資源を結びつけるプロモーションが必要だと思っております。  観光名所やグルメの観光資源を全面的に出して、ある程度県名と観光資源が連動して想起されるような戦略的な情報発信を行って、直接的に誘客につながるようにやっていきたいと考えております。  例えば、ことしも父母ヶ浜が人気を呼んでいましたので、父母ヶ浜単独の風景で、水面に人が反射するポスターをつくって、それと香川県を何とか結びつけようという発信もさせていただいております。またオリーブ植栽110周年でもございますので、「香川県」イコール「オリーブ」という位置づけで情報発信に努めているところでございます。  今後とも、県名と観光資源、地域資源ががっちり結びつくように、効果的に誘客につながるように努めてまいりたいと考えております。 松本委員  県名と地域資源、観光資源を連動して効果的にやっていきたいという中で、私はいつも思うのですが、「うどん県」に続いて、丸亀市の「骨付鳥市」、東かがわ市の「てぶくろ市」、三豊市では「とうがら市」など非公開のものもあるみたいですが、8市9町すべての町でちょっとしゃれた市町名をつくって、今までになかった枠を超えたプロモーションでうどん県プロジェクトが始まったときのようなどきどき感の再来を期待したいわけでありますが、そのあたりの意気込みをお尋ねしたいと思います。 新池交流推進部長  委員御指摘のとおり、これから香川県のいいものをどんどん県名と結びつけ、骨付鳥もまだまだ香川県と結びついておりませんので、そこもポスターや動画に限らず、SNS関係も含めて、一朝一夕にはなかなかまいりませんけれども、いろいろ戦略的に考えてやっていきたいと思っております。 松本委員  遊び心があることによって、ほかにも何かあるのではないかと期待して香川県にも来てくれる方がふえてくると思いますので、今後とも本県の魅力をしっかり発信しながら、またそれらをどう発信するか、いろいろな手法をしっかり検討して、誘客に結びつくような効果的なプロモーションをもっと強力にやっていただきたいと要望して、質問を終わりたいと思います。 高木委員  私からは、「地域公共交通特別支援事業」について質問させていただきます。  昨年度、「ことでん沿線地域公共交通総合連携計画推進事業」として2億8000万円余の事業が実施されました。人口減少が予測される中、地域の活力を維持し続けるためには、公共交通の利便性をより一層向上させることは重要な施策であると考えます。私の地元牟礼町でも、ことでんの駅が7つ、JR高徳線の駅が2つあるがゆえに、人口は減少しているものの、その減少幅は他地域に比べると少なく、現実にことでん八栗駅を中心にして宅地開発がどんどん進んで、逆にその他の課題が出てきたのが実情です。  そのような中、今後、公共交通のより一層の利便性向上のために、交通系ICカードの共通化、つまり10カードの片利用に要する事業への補助は、私自身は時宜を得た事業だと思います。  そこで質問でございますけども、将来的にはバスやJR四国でも一つのカードで利用できれば、より一層便利になると思いますので、こちらについての今後の取り組みについてお考えをお聞かせください。 新池交流推進部長  委員御指摘のことでん電車でのICカードの共通化については、昨年度取り組みまして、沿線市町、国、県で支援をしまして、全国の主要なところで普及が進んでいる、いわゆる10カードの片利用が、ことでんの電車で使えるようになったのがことしの3月でございます。さらに今年度につきましては、ことでんバスに係るICカードの共通化に対して、国、地元の高松市とともに、県でも支援することとしておりまして、今年度でことでんバスの利便性の向上が図られるようになるものです。  JR四国については、平成25年度から県内の一部区間、高松駅から多度津駅間の13駅において、JR西日本のICOCAなどの10カードについて相互サービスが開始されております。ICカード導入エリアの拡大につきましては、JR四国からは、地元自治体等から未導入駅の設置要望があるものの、費用対効果や運用面から、まだ実現しないと伺っております。  県としても、今後、沿線市町とも連携して、ICカードの拡大に取り組むなど、公共交通の利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。 高木委員  私が以前視察した青森県では、市バスの活性化と高齢者対策として、高齢者は半額にしているのです。市バスを利用すればするほど高齢者の元気度が高まって、いろいろと総合的なコストダウンにつながっているケースがあります。香川県にはJR四国や大川バス等いろいろと公共交通がありますので、長期的な視点をもち、技術の進展に伴って、積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  次に、「鉄道施設緊急耐震対策事業」として8600万円余の予算が組まれています。今回の台風被害でJR予讃線が不通になった現実に接しますと、この地震対策事業は時宜を得た事業だと私は考えます。  今年のJR予讃線の台風災害による不通が長期に及び、それによる経済的な損失については、私も一般質問で取り上げさせていただきましたけれども、南海トラフ地震が来ると、20年間で1410兆円の経済的損失が考えられるという土木学会の調査結果に接しますと、私自身は地震対策とともに今後は台風対策も講じるべきだと思います。  そこで、この事業の具体的な場所と実施内容につきましてお答えください。 新池交流推進部長  「鉄道施設緊急耐震対策事業」の実施場所は、JR四国の本四備讃線と予讃線の共用部分である宇多津高架橋でございます。内容は、大規模地震によります甚大な被害の未然防止のために、倒壊を防止するための補強として橋台の柱に鉄を巻いたり、橋梁の落橋防止を図る内容になっております。事業期間は平成29年度から32年度までの実施を予定しているところでございます。 高木委員  ぜひこの計画が予定どおり進むように、地震や台風災害に備えるためにやっていただきたいと思っております。  最近、ある運輸関係の経営者の方に会いました。私たちも視察でJR四国の担当課長から説明を受けましたけれども、多度津駅と詫間駅間の海岸線の護岸が崩れて不通となりましたが、この復旧にかかる予算については国費が半分で、残りを県とJR四国が半分ずつということです。これをその会社の幹部の方に聞くと、この復旧の事業と同じ事業を事前にすると工費も安くなるということです。今後、この制度はないようですけれども、ぜひ国とも積極的に交渉して、地震対策以外にも台風やその他の対策についても取り組み、災害を事前に防げて、県民の利便性が守られるように、そして香川県の経済的損失が最小限にとどめられることをお願いして、質問を終わらせていただきます。 佐伯委員  2点ほど質問をさせていただきます。  1点目はスタートアップ支援についてであります。日本ではスタートアップがうまく育たないという指摘をよく聞くので、この2月に氏家委員らと一緒に先進国でありますシンガポールにスタートアップ支援とインキュベーション施設の視察に行ってまいりました。広大な土地に、シンガポール政府や成功した企業らが出資して、ビル群を建てていたところでした。公道では無人車が初めて通ったところでありまして、まさしく東洋のシリコンバレーと言われていて、ビルの中には世界各国から若者が集まっていて、365日24時間使えるようにするなど、どんどんやっていると感じたわけであります。  スタートアップは、大都会で成功していると感じているのですが、都道府県別にどのようになっているのかを調べますと、人口の違いもありますから、企業全体のうちスタートアップが何%ぐらいかという指標にすると、ここ10年間で2,388社で、香川県がトップということで、びっくりしました。ただし、派手な企業はありません。やはり地域に密着した、農業を含めたスモールビジネスを中心としてスタートアップをやっていると強く感じました。  これを逃さない手はないと思います。移住・定住の促進として若者に定着してもらうために、香川県はこれだけスタートアップをしやすい県だということを発信することも必要だと思いますが、平成29年度の取り組みと成果を教えていただきたいと思います。 浅野商工労働部長  質問の中で御紹介のありましたのは、某経済雑誌の記事だろうと思いますけれども、我々もあの記事にはびっくりしました。我々の認識といたしましては、通常、スタートアップ、つまり新規創業については、厚生労働省の雇用保険事業年報の数字を使っておりますが、これを見ますと、本県の開業率は4.4%で、全国平均が5.6%ですから、全国平均を下回っている状況になっております。  恐らく雑誌で統計したのは、数字のとり方もいろいろあるのでしょうが、本当にスモールビジネスということで、厚生労働省の統計の場合は雇用者を雇っている企業ということになりますので、そこの数字の違いが出ていると思っております。ただ、ああいった形で全国的に紹介されて、起業しやすい環境に香川県があるということは、多くの方々に香川県で起業していただけるという誘導にもつながりますので、ありがたい記事だと思っているところでございます。  その上で、平成29年度の取り組みでございますけれども、創業しようといろいろなアイデアを持った方が県内にもいらっしゃると思うのですが、事業化の方法がわからないという方が多くて、まずはどうやって立ち上げるかとかといった経営面の話と資金面の話が大きいと思っております。  それらに対する取り組みとして、まず経営面では、かがわ産業支援財団の中に「創業支援センター」を設けまして、そこに中小企業診断士を配置して、スタートアップ段階から操業の一定の時期まで、伴走的にさまざまな支援をする体制をとっているところでございます。  それと、「創業支援塾」を同財団に実施していただいておりまして、毎年かなりの人数の方が受講されております。その中から既に何名かは県内で創業を始めているという状況にもなっております。
     それから、資金面では、創業、第二創業、新分野進出といった部分での補助金を設けておりまして、29年度については創業で2社、新分野の進出の関係で2社、合わせて4社を助成いたしました。これらはいずれも事業化や創業に結びついている状況でございます。  それから、県の制度融資にも、新規創業融資やフロンティア融資を設けております。創業された方は資金的にも苦しいことから、制度融資を利用するためには一定の保証料率も御負担いただくことになりますが、この部分について、県単独で助成をいたしまして、保証料率をゼロにしたりあるいは引き下げたりといった措置をとっているところでございます。  さらには、かがわ産業支援財団でファンド事業を実施しておりますので、この中で創業間もない企業の研究開発や製品開発、販路開拓についても支援しているところでございます。 佐伯委員  スタートアップを支援するということで、若者の移住・定住につながっていくと思います。融資制度は大事だと思いますので、しっかり前に向いて進めていっていただきたいと思います。  次に、高松空港の活性化、四国新幹線やクルーズ船の誘致についてお伺いしたいと思います。  高松空港は四国の拠点空港で、特に災害時には重要な空港ということで、国も重要空港であり拠点空港であると位置づけております。また、路線の維持拡充がどんどん進んでおりますが、どうしても霧が多いので、天候調査の飛行機が多くなっています。就航率はそんなに悪くないのですが、天候調査を解消するには、いろいろな装置があり、今はやはりCATIIIがいいのではないかと思います。ただしCATIIIは100%国が出してくれますから、BバイCが1を超えないと無理です。その辺をどうクリアしていくかが重要で、今年度4月から高松空港の運営を民間委託したわけでございます。  そこで、平成29年度は民間委託に向けてどういったことに取り組んだのか、教えていただきたいと思います。  また、四国新幹線の誘致に向けて昨年度もシンポジウムや決起大会もやりましたし、機運も高まったということですが、その成果と課題を教えてください。  また、クルーズ船誘致についても、どのようなことに取り組んだのかを教えていただきたいと思います。 新池交流推進部長  高松空港を民営化してからの取り組みとしては、駐車場対策が一番の課題でございますので、民間会社におきましては、まず立ち入り制限区域に駐車場を設けまして、前面駐車場や県営駐車場に駐車していた従業員の車を移すことを行いました。それと、ゴールデンウイーク等で非常に混雑する時期に、パーク・アンド・ライドとして、高松空港手前のショッピングセンターのウイングポートに車をとめていただいて、そこから空港リムジンバスに無料で乗車する措置のほか、自動精算機も2基ほど取りつけました。それから、駐車場の出口も2カ所にふやしたと思います。  空港アクセス対策としては、けさの新聞にも出ていましたけれども、高知からのアウトバウンドとして高知の方々が高松香港線に乗れるような定期便をバス会社に働きかけて運行させました。それから、祖谷バスとも協定を結んで、高松空港から祖谷へ行く、あるいは祖谷や琴平から高松空港に来られるような対策を行いました。以上が、この半年間の主なハードとソフトの取り組みです。  四国新幹線導入の課題でございますが、今我々が目指しておりますのは、基本計画路線を整備計画路線にしなければならないということで、整備計画路線に向けた調査費を計上してもらうことです。そのためには四国が一体となって国に訴えることが必要であり、県民を初め四国の意識醸成が一番の課題だと思っています。そのための講演会等も行っており、今後、それに基づいて国への要望をさらに行っていきたいと考えております。  クルーズ誘致の課題としては、瀬戸内海では200メートル以上の船の夜間航行制限がございますので、巨大船は厳しいということが高松港の場合はございます。そういう中で、数もある程度ふやさなければいけないのですけれども、巨大船は今申し上げた制限がついていますので、ある程度小型・中型船でラグジュアリーな船をできるだけ誘致していこうと、今、日本国内の豪華客船「飛鳥II」を初め、国外もそういったところをターゲットにしています。職員をマイアミ等のほうまで商談に行かせた結果、外国船がことしは9回ほど来るようになり成果が上がっていますので、今後とも引き続き内外の船社訪問等を行っていきたいと考えております。 佐伯委員  高松空港は民間委託しましたから、空港会社と連携を密にして、これからも前に進めていっていただきたいと思います。  四国新幹線は毎年シンポジウムや決起大会をやっていますけれども、やはりPRが大事だと思いますので、大都市圏に四国新幹線のPRをしていかなければいけません。そのPR度が少ないと思いますので、その辺を前向きに検討していただきたいと思います。  また、クルーズ船につきましては、サンポート高松は限られていますから、朝日地区の国際物流ターミナルの活用を考えていただきたいと思います。先週、小名浜港を視察に行きましたが、ここは工業用の港湾でございまして、東京電力の石炭を運んでくるのですが、ここに大型クルーズ船も着岸するので、きれいに掃除をしなければいけないと言っていました。その辺も含めて、工業用の港湾にクルーズ船をどのようにつけられるのか、今から視野に入れて頑張っていただきたいと思っております。 竹本委員長  以上で、商工労働部、交流推進部及び労働委員会関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 竹本委員長  御異議なしと認め、商工労働部、交流推進部及び労働委員会関係の質疑・質問を終局いたします。  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午前11時58分 休憩)  (午後 1時04分 再開) 竹本委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 辻村委員  先週末、佐々木次長と一緒に、私の母校の中学校に要請による学校訪問に行ってきました。そうすると、クラスに四、五人、空席があるのです。インフルエンザがはやっているのかと思って学校の先生に聞くと、不登校だと言われました。最近不登校になったのではなくて、小学生のときから不登校の子たちがたくさんいるという話を聞きました。きょうも前年度の評価が「D評価」という説明がありましたが、私の予想以上に深刻な状況になっているという気がいたしました。この不登校については、今後、私の課題として取り組みたいと思います。  きょうは、給食における食育についてお伺いさせていただきたいと思います。  食育も何年も前から大きな課題となっており、いろいろな面で効用があり、重要性が高いということで、いろいろな取り組みをされております。今回の事業評価にもいろいろ書いてありますが、主要事業の成果説明書の349ページの学校給食における食育事業として、さまざまな取り組みがなされております。実際、共働きの家庭がふえまして、核家族化しましたし、ライフスタイルも変わりました。いろいろな状況によりまして、学校給食は非常に重要になっております。  話を聞いたところでは、夏休みになると給食がなくなるので、コンビニで弁当でも買って食べるようにと親が500円を渡すのですが、子供はおもちゃを買ったり本を買ったりして食べるのを我慢するということです。そういったことが心配で、先生はそういう子供のところに見回りに行くという話も聞きました。また、貧困の問題もありまして、町ではこのごろ子供食堂などの事業を一生懸命やってくれている方もおいでるなど、子供たちの栄養を気遣ってくれているという報道をたびたび耳にします。  そういった状況で、この学校給食における食育の重要性をどのように考えているのか、教育長にお伺いします。さらには、この学校給食の実施率は、公立私立別に香川県内の中学校までで、どのようになっているのか、お伺いします。  また、学校給食における地場産品の使用状況と国内食材の活用状況が香川県内でどうなっているのか、お伺いします。  さらには、世界遺産ともなりました和食や郷土料理を文化遺産として継承していかなければならないということで、郷土料理の導入も全国的には進んでいるようでございます。そういったことについて、香川県内ではどのように取り組まれているのか、お伺いします。  さらに、例えばニュースで香川県の肥満児が何%で、全国でワースト何位という話があります。一生懸命に食育を何年間か取り組まれてきて、これは運動などもリンクするわけですが、食育による健康面での成果はどのように出ているのか、お伺いいたします。 工代教育長  子供たちの食生活の乱れが広がるとともに、肥満傾向の増大や過度の痩身など、生活習慣病と食生活の関係も指摘されており、望ましい食習慣の形成は重要な課題になってございます。  そのような中で、各学校においては児童・生徒が食生活について学び、正しい食事のあり方や望ましい食習慣を身につけて、将来にわたってそれを実践できるようにすることや、食事や給食活動を通じて豊かな心を育成し、社会性を涵養することなどは、非常に重要な学校教育の課題となってございます。そういうことで、食に関する指導の全体計画を各学校で策定して、いろいろな試みをしているわけでございます。  特に、学校給食は生きた教材と言われてございますが、その果たす役割が大きいことから、給食の時間では栄養教諭が学級担任と連携いたしまして、食材の産地や栄養的特徴を学習するほか、給食の準備から片づけまでの一連の活動の中で、正しい食事の取り扱いやマナーなどを指導しております。食育は非常に重要であり、また、その中で学校給食も非常に重要な役割をしているということでございます。  給食の実施率でございますが、香川県内における小学校においては、158校のうち完全給食を実施しているのが157校、1校だけ未実施があります。中学校は67校のうち66校で実施しておりますので、1校で実施していないということでございます。  それと、地場産品の推進につきましては、平成29年度の県内の平均をとりますと、地場産物の使用率は33.8%でございます。この推進に当たってはいろいろ努力をしておりますが、今のところ33.8%ということでございます。  郷土料理、和食に関しましては、今資料を持ち合わせていないので、後ほど申し上げます。  食育の成果でございますが、指標として何を申し上げたらいいのか、今思いつきませんけれども、だんだんといろいろな意味で学校教育指導の面で充実はしてきていると思います。指標として何を申し上げるかは、また検討させていただきたいと思います。 辻村委員  余りその辺の評価や成果についての目標がないのではないかという気もいたしました。  ジャンクフードなどをたくさん食べると、キレる子供もできるという説もありまして、先ほど前段で言いました不登校やいじめの問題など、いろいろな問題にもつながってくる可能性もあるわけです。  先ほど学校給食を実施していないところが小学校と中学校で1校ずつあると言いましたが、養護学校のことですか。 工代教育長  これは、みねやま分校でございます。みねやま分校では寮で昼食をとることとしております。 辻村委員  善通寺養護学校は、分母にも入っていないということでよろしいのですか。 工代教育長  今申し上げた中には入ってございません。 辻村委員  小学部も中学部もあるのに、そういう決め方はどうかと思います。  主要施策の成果説明書の346ページでは、高松養護学校も給食設備を整えたということで、おおむねそういったことが進んでいます。去年の決算行政評価特別委員会でも申し上げましたが、養護学校は普通の学校以上に生徒の状況によって手間がかかるので、給食は難しく、設備にもお金がかかるということです。  その辺を踏まえて、特別支援学校の給食の状況をお伺いしたいと思います。 工代教育長  特別支援学校も、善通寺養護学校以外では給食を出してございます。善通寺養護学校においては、現在のところ給食は出せていない状況でございます。 辻村委員  昨年と全く同じ質問ですが、どこの家庭でもお子様には手間はかかります。このごろは共働きがふえて、お子さんのお弁当をつくるのは大変です。普通の家庭でも、コンビニで買ったものを持っていくことが多いようです。養護学校に通うお子さんの親御さんは心労があり大変だと思います。そういったところにぜひとも手を差し伸べてあげてほしいと昨年も質問して、そのときはいい答弁がなかったですが、その後、工代教育長から「どうにかしたい。頑張ってみる。」というお話をいただきました。その辺の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。 工代教育長  委員はよく御存じだと思いますが、なぜ善通寺養護学校に給食がないのかということでございますが、これは平成25年に香川小児病院が「四国こどもとおとなの医療センター」に統合されまして、今の場所に養護学校もかわってきたわけでございます。それまでは病院に入っている子供が通学の子供に比べて相当多いということもあって、病棟生につきましては、病院から昼食が出るので、給食ということを考えていなかったのですが、現段階では、121人の児童・生徒のうち81%が通学生になってございます。そういうことも含めまして、近隣の県の状況も調べますと、学校給食を提供しておりますことから、私どもとしてもそういうことで検討してまいったわけでございます。  いろいろ検討はしているのですが、病弱児を預かる善通寺養護学校では多様な給食を出さねばなりません。通常食の生徒ももちろんいますが、刻み食であったり、ペースト食であったり、アレルギー対応が必要な子供があったりということで、いろいろ民間の給食をつくるところとお話もしましたけれども、なかなかそれを一度に小分けにしてつくれるところがないということでございます。  現在、病棟生の食事をつくっていただいております医療センターと、いろいろ通学生の給食についても御相談申し上げているところでございますので、同センターの御意見も伺いながら、具体的な検討を進めたいと考えております。 辻村委員  主要施策の成果説明書の346ページの高松養護学校の給食は幾らかかったのですか。私も話の中身を知らないわけではありませんが、お金次第という話も聞いております。その辺どうにか折り合いをつけて、善通寺養護学校の生徒にぜひとも食育を考えた学校給食を推進すべく、努力していただきたいと要望しておきます。  また、学校給食による食育には、多岐にわたる目標があります。先ほど言いました地場産品の活用や健康面での正しい食生活を行うということについて、成果や目標を持って今後、取り組んでいただきたいと思います。その辺の意欲を教育長にお伺いして、質問を終わります。 工代教育長  食というのは、人間が生きる上での基盤になるものでございます。そこのところをきちんと身につけることは、いろいろなことを学んだり、仕事をする上でも役に立ちます。生きる上での基盤だと思いますので、給食を通じまして教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 五所野尾委員  3点ほど質問させてもらいます。  最初に教職員の働き方改革でございます。  教職員の多忙化や長時間勤務が全国的に社会問題化いたしまして、その是正に向けた取り組みが各部署で始まっていると思っております。教育委員会におきましても、教職員の多忙化や長時間勤務の改善を図るために、「教職員の働き方改革プラン」を3月に策定しまして、取り組みをスタートさせていると聞いているところでございます。  それを受けまして、各学校でも業務改善への取り組みが始められているようで、夏季休業期間中において学校閉庁日を設けることは、ほとんどの学校でできていると聞いております。また、夜間や休日における留守番電話対応の導入もかなり進んできており、それなりの成果は上がってきているようでございます。  しかしながら、その他の学校行事の見直しや削減、登校指導や下校時の巡回、給食費の徴収といった業務内容の精選、削減となりますと、まだまだ進んでいないという調査結果も出ているようで、これからという気がいたしているところでございます。  そこで、まず改革プランに沿って、教員の多忙化、長時間勤務の改善への取り組みは、現在どう進められているのか、また、どんな成果が出ていると捉えているのか、お聞きします。 工代教育長  学校を取り巻く環境の複雑化・多様化に伴いまして、学校に求められる役割が格段に拡大してございます。委員御指摘のとおり、教職員の多忙化が全国的に問題になっており、教員が子供たちに向き合うために、県教育委員会では3月に「教職員の働き方改革プラン」をつくったわけでございます。  改革プランは平成30年度から32年度までの3年間を目標にしておりまして、目指すところとしては、時間外勤務が月45時間を超える教職員を現状の半数以下に、80時間を超える教職員をゼロにするということです。取り組みの方向性として、業務の適正化、業務の効率化、学校運営の改革と意識改革、保護者・地域への理解促進という4つの柱を立てました。それと、重点取り組み事項といたしましては、勤務時間の客観的な把握、部活動に関する休養日・活動時間の設定、夏季休業中における学校閉庁日の設定を3日以上、夜間・休日における留守番電話対応等の導入ということでございます。これらは重点取り組み事項でございますので、市町の教育委員会に対しましても、できるだけ早目に取り組むよう声かけをしておりますので、前進はしてきております。  ただ、さまざまなことがございますので、県教育委員会としては、市町教育委員会にこのプランの中身の周知を行うとともに、県教育委員会独自の取り組みも行いながら、市町の御協力も得て改革を進めていこうという段階でございます。 五所野尾委員  教職員の事務負担軽減の一つの有効な方策として、多様な専門スタッフの充実などによる、いわゆるチーム学校の実現が有効と言われております。そういう流れを受けまして、本県においても教員の業務支援を行うスクールサポートスタッフを配置する市町への支援を行う事業もやられております。平成30年度は配布物の印刷や会議の準備を代行するスタッフを配置して、その経費の一部を補助することでスタートしており、現場からは助かっているという声も聞かれているところでございます。  それからもう一点は、教員の長時間労働の大きな要因の一つと言われております部活動の適正化です。先ほど教育長の答弁にもありましたが、部活動の適正化のために、部活動の指導員を配置する市町に対して経費の一部を補助する事業もスタートしております。国におきましても、部活動の適正化は働き方改革の重要な部分だという捉え方をしておりまして、期待がかかっているわけでございます。  そこで、スクールサポートスタッフと部活動指導員を配置する取り組みにつきまして、現時点でどのように評価されているのか、また、今後、この2つの事業の取り組みをさらに拡充する考えを持っているのか、お聞きしておきます。 工代教育長  先ほど申し上げましたプランの4つの柱を定めましたが、その一つである業務の適正化に関しましては、専門スタッフ等を配置して、教職員との役割分担を明確にすることとしてございます。そういう中で、今年度から国の事業も活用しながら、スクールサポートスタッフや部活動指導員などを配置する取り組みを開始したところでございます。  まず、スクールサポートスタッフでございますが、教員がより児童・生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備することを目的に、学習プリント等の印刷や来客の案内、集金業務などを教員にかわって行う学校の職員です。身分的には特別職の非常勤職員でございますが、現在の活用状況としては、7市町84名で、9名が未配置になってございます。  これは、県が当初予定していた数よりも、市町からの申し込みが多く、今配置されている7市町にヒアリングいたしますと、非常に好評でございます。ある学校では、「印刷物を刷るのにカード制にしていて、いついつまでにどれだけをどうしてくれというカードをボックスに入れていたら、その優先順位を勘案しながら、そういう印刷物ができてくる。」とか、「子供が忘れ物をして、夏に水筒をよく御父兄の方が持ってくると、いつも先生がその教室まで持っていっていたのをかわりにしていただけるので、教育の仕事に没頭できる。」というようなことで、好評を得てございます。来年度に向けても、まだ配置していない市町からも手が挙がるのではないかと考えてございます。  部活動指導員については、学校教育法施行規則第78条の2に、教員にかわって顧問となって、部活動の技術指導や学校外での活動の引率等まで行うことができる学校の職員と規定されましたので、顧問の先生がついていかなくても、部活動指導員がついていけばいいということでございます。  こちらのほうも、私どもとしては広めていきたいと考えてございますが、現状を申し上げると、配置市町は3市町で4名でございます。県立高松北中学校にも1名おりますから、総勢で5名ということです。  私どもはもう少し多いと思っていて、国の概算要求のときには、こういう制度ができるから手を挙げていこうと各市町からの要請も多かったのですが、最終段階になりまして、スポーツ庁が平成30年3月に「部活動ガイドライン」を策定しまして、それを遵守しなければ国の補助金を活用できないことになりました。そういうこともありまして、特に高松市では、中学校が24校と多く、1つの中学校だけがそれを遵守したのではいけなくて、市内全部の中学校がその基準を遵守しなければならないという方針でしたので、今年度の配置は見送ったということでございます。  今、配置している3市町にお伺いすると、今までは部活動の顧問の先生が、離れたところの練習場まで生徒を連れていって練習させて帰ってくるので、学校本来の業務ができなかったのが、部活動指導員が連れていってくれるので、その間業務ができるということで、導入した学校では好評でございます。  現在、県も部活動のガイドラインを策定しつつございます。これに呼応して、市町でもガイドラインをつくっていただくことで、部活動指導員の制度を活用できるようになってくると思いますので、来年度はもう少し広げていければと思っています。 五所野尾委員  いずれにしましても、これらの2つの事業とも、働き方改革にとっては有効なものだと思いますので、いろいろ困難はあろうと思いますが、ぜひとも拡充に努めていただきたいと思います。  次の質問ですが、小学校における英語教育ということで、今回の学習指導要領の改訂によりまして、外国語教育の充実がうたわれております。小学校においても、中学年で外国語活動、高学年において外国語科を導入することとなり、今年度からは先行実施がスタートしているということでございます。  それで、質の高い英語教育の実現のために、さまざまな対応が図られているところでございまして、県においても「英語教育充実のための小・中学校連携事業」がスタートして、中学校の英語の教員が、校区内の小学校5・6年生の学級担任による英語の授業をサポートする制度を導入しております。小学校側からは大いに好評を得ているようですが、中学校側からは、その人を担任にすることができにくいとか、そういう先生が小学校へ行くので、学校全体の教育力が下がりはしないかと心配する声もあると聞いております。  いずれにいたしましても、質の高い英語教育を進めていくためには、小学校における英語の専科担当教員の配置も進めていくべきだと私は思っておりますし、また、中学校の英語科教員の拡充も図る必要があると思っていますが、教育長の考えを伺っておきます。 小柳義務教育課長  本年度から移行措置が始まっております新学習指導要領は、平成32年度から全面実施されることになっております。昨年度まで、小学校5・6年生では週1時間、外国語活動として実施しておりましたが、平成32年度からは週2時間の教科としての英語の授業がスタートします。  本県では、これに対応するために、「英語教育充実のための小・中学校連携事業」を実施しております。中学校の英語科教員が、小学校5・6年生の英語の授業を毎週1時間ずつサポートしております。この事業は4月から実施しているのですけれども、小・中学校双方の教員が連携して指導改善を行う環境が整ってきておりまして、小学校教員からは、授業の中で発音等の不安な部分を中学校の教員にサポートしてもらえるため、安心して授業に臨むことができるという声や、中学校の英語科教員からは、小学生のコミュニケーション活動への意欲が高いということを知って、小学校での意欲が中学校でも続くように、しっかり授業を行わなければいけないという声を聞いております。  実際の指導体制については、各中学校の実態に応じて工夫しているところでございますが、一人の教員が校区内の小学校全てを指導している例もございますし、複数の教員が校区内の幾つかの小学校へそれぞれが出向いて、1校ずつ担当している学校もございます。これまでにない新たな取り組みでございますので、委員御指摘のように、中学校の教員の負担増につながるという側面もございますが、英語教育を通して小・中学校が連携して子供たちの学力向上を図るという取り組みは、児童・生徒だけではなく、教員自身にとっても意義のあることで、効果が期待できるのではないかと考えております。  この事業は、平成32年度までの3年間の事業でありまして、最終的には小学校教員が小学校5・6年生の週2時間の授業を単独で実施できる指導力を身につけることを主な目的としております。しかし、ベテランの教員の中には、英語の指導に不安を抱く教員もいると考えられることから、小学校英語教育のための専科教員の配置は重要と考えております。この小・中学校連携事業と並行しまして、本年度も小学校7校に専科教員を配置しているところでございます。国では、平成31年度概算要求におきまして、小学校英語教育のための専科教員の増員を計画しておりまして、県教育委員会といたしましては、こうした国の動向を注視しながら、引き続き小学校における英語教育を充実させるため、小学校英語専科教員の配置に努め、小学校の教員が抵抗感なく英語の授業ができるよう支援してまいりたいと考えております。 五所野尾委員  ぜひ進めていただきたいと思います。  最後の質問ですが、校務支援システムの導入促進についてでございます。  教員の働き方改革において、ICT活用による業務改善に期待が寄せられているわけですが、中でもこの校務支援システムを導入することで効率化が図られるということで期待が大きいわけでございます。  その中でも、統合型校務支援システムと呼ばれております、成績処理から始まって出席管理、健康診断表や指導要録等の学籍関係、学校事務など幅広い機能を有しているシステムを導入することが効果があるようでございまして、手書きなど手作業の多い教員の業務の効率化を図るだけではなくて、学校・学級の運営に必要な情報や、児童・生徒の状況を一元管理したり共有したりすることも可能となっていて、非常に効果が期待されているものだと考えております。  ところが、このシステムが導入されている市町におきましても、市町ごとにシステムが別々になっていたり、このシステムの対象となる業務の範囲や扱う校務文書の様式等が違っていることがありまして、そのため教員が異動しますと、今までやってきたこととやり方が変わってしまって、なれるまでに時間がかかって、かえって困るという話もありまして、そういう点では不便になっているわけでございます。  自治体による校務支援システムの共同化によって、教員の勤務時間の削減にも大きな効果があったという例も報告されておりまして、大阪市では、学級担任で年間224時間以上削減が図れたということも出ておりました。教員の多忙化解消や、質の高い教育を施すという意味からも、効果が期待されながらも、県単位で実施しなければ、統合型校務支援システムの導入効果が発揮できないという難しい問題があるわけでございます。  そういう点で、県におきましても、ぜひとも県単位で統合型校務支援システムを導入する方向で検討していただきまして、早く県下一円にこのシステムが広がることを特に期待しているわけです。  ただ、この契約期間が5年であるなどいろいろ問題があるようでございまして、やはり計画的に取り組みを進めていくことが大事です。そこで、県下統一してやるという姿勢をまず教育長が示して、それによって各市町との話を進めながらやっていかなければいけないだろうと思うわけでございます。  そのため、県内におけるこのシステムの導入状況と、県単位の導入の推進について、教育長の考えをお聞きしておきます。 工代教育長  統合型校務支援システムのメリットは、委員御指摘のとおりでございまして、先生方の校務の効率が上がると考えてございます。8月1日時点で市町教育委員会に確認したところ、統合型校務支援システムを導入しているのは4市町でした。高松市、丸亀市、直島町、綾川町が既に導入済みで、2市が導入予定、3市町が導入に向けて検討中であると伺ってございます。  委員からも御指摘があったように、今のところはそれぞれの市町でそれぞれの仕様で導入されていますので、例えば丸亀市と高松市のシステムは、よく似ていますが、内容は違います。ですので、そういうところでなれた先生方が校務支援システムのないところに行けば、また全てが手書きに戻ってしまいますし、一からまた学び直さなければいけません。データの融通もきかないというようなことで、御指摘のようにそれを統一できないかということは、前々からの課題でございます。今度の働き方の改革プランの中でも、こういうことを何とかしていきたいという記載を入れているところでございます。  先ほど申し上げたように、高松市や丸亀市では既に導入しておりますし、そういうところにどう全県的に合わせていくのかという問題もございますので、まずは市町間の意識の共通化を図りたいと考えておりまして、市町共通の統合型校務支援システムに関して、県・市町が共同で研究を行う「市町共通統合型校務支援システム研究会」を立ち上げたいと思ってございます。第1回を11月1日に行う予定にしてございまして、こういうシステムがいかに有用であるかや、県下で統一された場合にその有用性がいかに高まるかという共通認識と、そうであるならば、今入っているところと入っていないところをどう統一していけばいいのかというところまで、この研究会で今後、研究を進めていきたいと考えております。 五所野尾委員  非常に困難はあろうかと思いますが、その困難以上の効果はあるものだと思いますので、ぜひとも教育長や教育委員会がリーダーシップを発揮して進めていただくようお願いして、終わります。 佐伯委員  私からは高校生の留学について、グローバル人材育成ということで質問させていただきたいと思います。  先ほど五所野尾委員からもありましたように、小学校の英語教育や、高度で質の高い英語教育は、これからもっと必要になってくると思います。というのが、高松空港は今、国際線が4路線あります。そして、ことし4月には運営を民間委託しまして、もっと国際線が飛ぶことになると、香川県の隅々にまでグローバル化が進んでいくと思っております。そうなるとしっかりと英語の基礎を身につけていただいて、その後は、海外で生の英語に触れ、肌で感じる英語教育も必要ではないかと思っています。  昨年度、文教厚生委員会で、文部科学省等の支援もいただいて、県の留学制度はどうなっているのかと質問したところ、ある年は香川県は0名というときがあったと思うのです。これでは、県の教育委員会も、各高校も積極的ではないと感じました。地方はこれではだめなのです。地方はもっと進んでいかなければいけないと思いましたので、その後、留学制度はどのようになって、平成29年度は何人ぐらいこの制度で行かれているのか、また、どのように改善されているのかをお聞きしたいと思います。
    工代教育長  委員御指摘のとおり、「トビタテ!留学JAPAN」という国が官民協働で行っております海外留学支援制度がございます。毎年全国で500名程度の高校生が採用されて、全世界に飛び立っているわけでございますが、香川県内の高校生の採用者は、制度が始まった平成27年度に2名参りました。28年度は1名、29年度が0名ということで、500名に対して0名ですから、非常に少ないことになってございます。  グローバル人材を育てるという中で、そういう意欲が足りないのではないかということを議会でも御指摘いただきまして、県内高校生の留学を促進することを目的に、昨年度新たに県独自の留学支援制度の「トビタテ!留学SANUKI」を立ち上げまして、29年度は、国の「トビタテ!留学JAPAN」は0名だったのですが、県の「トビタテ!留学SANUKI」では4名の高校生を海外に送り出したわけでございます。  留学したらいろいろなことを学びますので、留学機運を高めるために、国や県の海外留学支援制度を紹介するリーフレット「留学してんまい」を作成して、各県立高校に配布したり、学校訪問などの際に積極的に「トビタテ!留学JAPAN」に応募するよう呼びかけたりしました。その結果、「トビタテ!留学JAPAN」につきましては、昨年度は5名であった申込者が、今年度は10名に増加いたしまして、このうち2名が採用となったわけでございます。だんだんとそういう機運が高まってきていると思います。  それともう一つ、県としてもう少し機運を高めるために、「留学フェア」を10月21日に開催いたしました。これは、留学に興味がある中高生や保護者に対して、海外大学への留学や、短期留学も含めて、その説明や留学経験者の体験談のほか、国や県の留学支援制度の紹介、留学経験者との座談会などを実施して、中高生32名と保護者24名の合わせて56名の参加がございました。これが多いか少ないかということはございますけれども、こういうことを積み重ねていって、だんだんと海外に向けての関心を高めてまいりたいと思います。 佐伯委員  国の留学制度は試験があり、内容が高度で採用されるのは難しいので、進学校の方々が行かれます。そのような中、県単独で留学制度をされているのはすばらしいことだと思います。大学に進学する方々は社会人になって海外に行く機会が出てくると思いますが、実業校を出て、高校からの即戦力として、地元へ残る方々をもっと留学させてほしいと私はいつも思っているのです。商業系や工業系、農業系の方々に留学をしていただいて、英語を肌で感じて、自信を持ってもらえるような県単独の制度、特に実業高校のほうに目を向けた制度を進めていく気があるのでしょうか。県の制度も試験を受けて、何点以上の方に行ってもらうというシステムなのでしょうか。地元に残る方々のための制度も考えていただけるのか、その辺をどう考えているのかをお聞かせください。 工代教育長  「トビタテ!留学SANUKI」については、平成29年度は普通科高校の生徒たちだけだったのですが、30年度は実業高校の方も1名入ってございます。委員がおっしゃられるとおり、そういう専門高校の生徒も海外に行っていろいろ学ぶというのは、有益だと思います。  「トビタテ!留学SANUKI」については、今までは英語が何点などというものがあったようですが、高校生段階で英語がここまでできるなどということはもういいのではないか、要するに海外に行って、ボディーランゲージででもコミュニケーションをとって、いろいろな新しいことを学んできたら、それがこの留学の一番の意義ではないかということを話し合っております。  恐らく来年の試験からは、英語ができるできないという項目は除かれるのではないかと思っております。 佐伯委員  英語をしゃべれない私がなぜこんな質問をするかというと、学生時代は英語の成績は底辺で、海外へ行ったら、最初はびびっておりましたが、ボディーランゲージなどで何とか通用したのです。ことしも海外へ3回ほど行かせていただきました。英語がしゃべれなくても一人で海外へ行けるようになりました。これは自信となりました。生の英語を肌で感じて、英語ができなくてもコミュニケーションができるのだと実業校の方に感じていただいたら、私はもっと県内市町のグローバル化が進むと思います。これは非常にこれから大事なことではないかと思っておりますので、他県に率先してもっと右肩上がりで伸ばしていかれるよう強く要望して、終わらせていただきます。 高木委員  私からは、「学校司書配置促進事業」につきまして質問させていただきます。  学校司書が未配置で、必要性の高い小・中学校に県が委嘱した学校司書を派遣し、学校図書館の環境整備や授業での図書館資料活用等の支援を行うことにより、派遣終了後における市町の主体的な学校司書配置の促進を図ったのがこの事業でございます。  私は以前、山形県鶴岡市立朝暘第一小学校の図書館司書の方の講演を聞いたことがあります。その小学校では、朝、校舎の玄関扉が開く前に児童・生徒の行列ができているのです。それで一目散に図書館へ行って、始業前、休み時間、放課後、いつも児童でいっぱいで、年間の平均読書冊数が優に100冊を超えているということです。  そこで質問ですけれども、香川県において学校司書が未配置で、必要性の高い学校は、小学校、中学校で何校ぐらいあるのか、そして本県の小学生、中学生は、平均何冊ぐらいの本を読んでいるのか、お伺いします。それとともに、読書冊数の少ない児童・生徒に対して、読書冊数がふえるよう、どう指導されているのか、お伺いさせていただきます。 工代教育長  学校司書は教育現場では重要な存在だと思ってございます。平成28年度、29年度に、市町が主体的な学校司書配置の促進を図ることを目的といたしまして、モデル的に「学校司書配置促進事業」を実施いたしました。学校司書自体は市町が設置しなければいけないのですが、その有用性がまだはっきりとおわかりではないということで、未配置の市町や配置率が低い市町がございましたので、そういうモデル事業を立ち上げたわけでございます。  本事業を活用したのは12市町で、配置した学校では学校図書館の環境整備が進み、充実が図られた結果、平成30年度においては、このモデル事業を活用した12市町も含めて、県内全ての市町で学校司書が配置されたということでございます。  現在、学校司書を配置している学校及び学校司書が巡回をしている学校は、小学校においては県内全158校のうち150校で、8校においては配置も巡回もされていない状況です。中学校においては、全66校のうち60校ですので、6校は配置も巡回もされていないということでございます。  県内には145名の学校司書が配置されておりまして、その学校にいる方もおられるし、何校かを回っている方もおられるということで、単純に割り算をしますと、学校司書1人当たり1.54校を担当しているという計算になってございます。  2つ目の、本県の小・中学生はどのぐらいの読書をしているかというお尋ねでございます。教育委員会で「子ども読書活動に関するアンケート」を行ってございまして、これは5月の1カ月間をとった、小学校8校、中学校7校の抽出調査でございますが、今のところこれしか統計がございません。全国的な文部科学省等の調査もございませんので、この「子ども読書活動に関するアンケート」の数字を申し上げます。隔年でやっておりますので去年はございませんが、平成28年度の結果では、小学校1年から3年生は1カ月当たり14.7冊、小学校4年から6年生は15.6冊、中学生は4.4冊となってございます。  ちなみに、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が共同で、全国の小・中・高等学校の児童・生徒を対象に行っている「学校読書調査」では、これも28年5月の1カ月間を調べた調査ですが、小学校4年生から6年生までが11.4冊、中学生で4.2冊という結果が出ております。これと直接比較することはできませんが、若干香川県の数値のほうが高いと思ってございます。  3つ目の、子供たちに対して読書数がふえるように、どういうことをやっているのかという御質問でございます。子供の読書活動に関しましては、これまで県では平成15年度から今年度まで3回にわたりまして、「香川県子ども読書活動推進計画」を策定いたしまして、さまざまな施策を講じてきたところでございます。平成28年度以降につきましては、県の教育基本計画の中にそれを取り込みまして、一体的に示すことで、子供の発達段階に応じた読書活動の推進を図ってございます。  小・中学校では、教師だけではなく、地域ボランティアや上級生が下級生に対して行う本の読み聞かせや、児童・生徒によるお薦め本の紹介、必読書コーナーや推薦図書コーナーの設置など、各教科、総合的な学習の時間を通じて、多様な読み物に触れる学習等を行っているところでございます。  さらに、学期ごとや長期休業中に冊数やページ数の読書達成目標を定めまして、自発的な読書を促している学校もございます。県教育委員会では、平成25年度に子供たちの読書活動を活性化させ、読書体験をふやすために、「香川の子どもたちに読んでほしい100冊」を定め、ポスター等もつくって、学校図書館にそのポスターを張るなど、こういう図書を子供たちに紹介してもらっています。  また、本年度も県内の高校生を対象に、11月17日に「ビブリオバトル」を開催します。これは各校対抗で、高校生が自分がどの本を一番読みたくなったかを書評し合いながら競い合うもので、こういうことを通じて読書活動の充実を図ってまいりたいと考えております。 高木委員  各市町で学校間の差はいろいろあると思いますが、例えば朝、読書タイムを20分~30分とっている学校もあり、非常に効果的だと思います。きのうの新聞では、いじめの定義が厳しくなったからいじめの件数が多くなったということでしたが、読書は心情面でのいい効果があると思いますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  私がこれを強く感じるのは、下村文部科学大臣のことがあるからです。この方は6歳のときにお父さんが交通事故で亡くなって、卵1個を分け合うような極貧の生活を送りました。小学校5年生のときに病気で寝込んだときに、お母さんが買ってきてくれた伝記を読んで思いを変え、学校の図書館でむさぼるように伝記も含めて読書をしたということです。その後、厳しい生活の中でも、高校、大学へと進んで、文部科学大臣になられたという実績もあります。  これから香川県は少子高齢化になりますけれども、教育は基礎・基本になるものです。その中でも読書は大切なことだと思いますので、積極的に取り組んでいただきますことをお願いして、質問を終わらせていただきます。 松本委員  私からは、「非認知スキル向上事業」についてお尋ねしたいと思います。  これからの香川県を担う子供たちには、たくましく、そして優しく、郷土愛を持ちながら人生を豊かに楽しく生きていってほしいと思っております。そのためには、目標に向かって頑張る力、他の人とうまくかかわる力、感情をコントロールする力といった、いわゆる「非認知スキル」を高める必要があると思い、これまでほとんどの議会の一般質問などで取り上げてまいりました。  子供の「非認知スキル」向上を図るためには、日ごろからの家庭での子供とのコミュニケーションがとても重要だと思っております。たまに、子供を叱りつけるときに、感情的に、声にすごみをつけ、人目を気にせず叱っている場面を見かけることがあります。私は、頭ごなしに叱るのではなく、ちゃんと子供の考えを聞きつつ、子供が失敗してもそのSOSをしっかり受けとめ、もう一度チャレンジしてみよう、工夫をしながら頑張ってみよう、どうしたら同じ過ちを繰り返さず頑張ることができるかなど、前向きになるような声かけが必要だと思っております。  また、本の読み聞かせをするとか、親子で近くの公園で追っかけっこをするのでもいいと思いますし、また、ボールなどを使って一緒に遊ぶといった、子供のためにちゃんと時間をつくり、しっかり向き合うことで健全な親子関係を築くことが重要であり、近年はそれが足りていない家族もあるように感じております。  そこで、より一層、「非認知スキル」向上を図るには、まず家庭において日ごろの親子のコミュニケーションの中で取り組むことが大切であることを知ってもらうために、保護者に対してもっと働きかけをしていく必要があると感じております。  県教育委員会では、昨年度から、学校・家庭・県教育委員会が連携しながら、子供の「非認知スキル」を向上させるための取り組みを進めております。そこで、具体的にどのような取り組みをしているのか、また、その取り組みを検証して、見えてきたことにはどのようなことがあるのか、お尋ねしたいと思います。 工代教育長  「非認知スキル」につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、生きる上でのいろいろな基礎となる能力であるということでございます。私どもは香川大学医学部の鈴木先生といろいろお話しをさせていただいておりますが、鈴木先生は、「非認知スキルは家庭で芽生え、学校生活や保護者等の言葉や接し方などで育っていく。」とおっしゃられてございます。  そうしたことから、県教育委員会では、平成29年度から香川大学医学部と教育学部の御協力を得ながら、「非認知スキル」を高めるために、学校や家庭でどのような働きかけがより効果的であるかについて、モデル校において実践・検証をする「非認知スキル向上事業」を実施したわけでございます。  具体的な取り組みといたしましては、平成29年度は幼稚園1園と小学校2校、30年度には幼稚園2園と小学校2校をモデル校に指定し、実証事業を行っています。この実証事業の中でも重要なのは、保護者に対してどういう働きかけをするかということでございまして、保護者に対して、香川大学との連携により保護者対象の子育て講座や親子の触れ合い遊びを紹介する講座の開催や、子育て通信の発行などを実施してございます。子育て通信では、「子供は1に愛情、2に関心、3に前向きな注目を求めている。」とか、「一日一回、子供に関心を示しましょう。手をとめて、子供の顔を見て話を聞いてください。」のように、「非認知スキル」を伸ばすための効果的な取り組みを具体的に示しながら、その実践を進めているものでございます。  そういうことを進めていく中で、子供たちと保護者に年2回、6月と2月にアンケート調査も実施してございます。アンケートの中で、やり抜く力を伸ばすためには、だっことかハグとか、頭をなでる態度や言葉で愛情を示したり、子供のよい点を具体的に伝えて褒めたり、子供がしてほしくないことをしたときは、その都度対応するなどの良好な親子関係の構築が効果的であることが認められました。また、子供の抑鬱・ストレスは、寝不足や保護者のストレス、失敗に対して「叱る」「放っておく」といった望ましくない対応と関連が認められたなど、アンケート調査の結果からも、保護者が効果的な働きかけを意識することで、子供の「非認知スキル」が向上するという傾向がだんだん見られてきているというところでございます。 松本委員  「非認知スキル」というのは、そもそも数値にしてはかることができませんので、これをすれば高まるといった明確なノウハウはないわけですが、アンケートの結果を聞いていると、「非認知スキル」というのは実行すれば子供たちの変化もうかがえると思いますし、健やかな成長のために、そして他人と良好な関係を築くために必要な力や資質が多く備わっていることがわかってきたような気がしております。  「非認知スキル」を伸ばす取り組みにより、子供自身の興味ややる気を尊重しながら自己肯定感を高めていけば、自分がちゃんと家族や地域の皆さんから愛されているとか、やればできるといった自信につながって、子供たちが夢の実現に向けて頑張る力の一つになると思っています。  そこで、これまでの成果なども踏まえながら、今後、どのように「非認知スキル」の向上について家庭や学校にアプローチしていこうとお考えになっているのか、お尋ねしたいと思います。 工代教育長  これまでにわかってきたことは、各学校にはお伝えしたいと思いますし、平成30年度のモデル事業についても、各市町教育委員会等にお伝えしたいと思ってございます。平成29年度から30年度の事業を通じて、こういうことをすると、こういうふうに伸びるということがある程度浮き彫りになってきてございますので、平成32年度には、29年度から31年度までの成果を生かしていくために、その集大成として、効果的なプログラムをまとめて、全県下の小学校・幼稚園等に周知して、普及啓発を図ってまいりたいと考えてございます。  保護者の意識が重要でございますから、保護者に学習の場を提供する機会にも、「非認知スキル」向上の観点を取り入れて、保護者への働きかけを充実していきたいと思います。そのためにも、こういう集大成のプログラムがあれば、より積極的に御理解いただけるのではないかと思ってございます。 松本委員  「非認知スキル向上事業」として、一宮小学校がモデル校として指定を受けたのですが、校長先生とお話しをしていると、本当にいい取り組みで、今後とも継続していきたいということでありました。また、今年度は一宮幼稚園でも始まりました。一宮の場合は、幼・小・中がすぐ近くにありますので、既にいろいろなことに取り組んでいますが、今後とも連携を図っていきたいという声もあります。また、一宮で「非認知スキル向上事業」を経験した先生が、これはいい取り組みだったので、他の学校でもこの事業で学んだことを教育に生かしていきたいという話もありました。  私はこの「非認知スキル向上事業」については、教育委員会や学校現場が抱えているさまざまな問題の解決に関連しているような感じがしております。このような事業を、数校ではなくて、今後、しっかり予算化しながら指定校をふやしていくことが必要であります。できれば全ての学校で実施する必要があると私は思っているのですが、今後、こういうことに対してのお考えについてお尋ねをしたいと思います。 工代教育長  「非認知スキル」というのは、各学校で試みをすべきことでございますので、今のモデル校でやった実績は、全小学校・幼稚園に普及させていきたいと考えております。 松本委員  子供たちを取り巻く環境として、インターネットやスマートフォンへの依存、いじめ、不登校、体力づくり、コミュニケーション能力の向上などさまざまな問題があり、「非認知スキル」がその解決の糸口になってくると思っています。  ただ、この「非認知スキル」をどうしたらいいのかとほとんどの方が思っているような感じを受けるのですが、私はそんなに難しいことではないと思っています。それは私たちが子供のころのように、年齢や地域にとらわれることなく大いに遊ぶことで、さまざまなことが自然に身につくものだと思っています。そのためには、家庭や学校、地域での環境の整備、ソフトの整備も必要ですが、昔のように笑い声が聞こえるような公園の整備などのハード整備も急がれると思います。  「認知スキル」に関しましては、早目の、幼児期からの教育が叫ばれておりますが、「非認知スキル」に関しましては、10代後半でも取り組めば効果があるとされておりますので、子供が大きくなっても「非認知スキル」向上のための取り組みをすべきと思っております。ただ、幼少期など早い段階でするのもいいという結果も聞いているところではあります。  「非認知スキル」を向上させる取り組みは、すぐに効果が上がるものではなく、継続する必要がありますので、指定校になったところでは事業が切れることなく継続できること、また指定になっていない学校につきましては早くこの事業が取り組めるように、この事業を今後主要施策の一つとして取り組んでいただきたいと思っています。これからの香川を担う子供たちのために強く要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。 米田委員  1点、質問させていただきたいと思います。  主要施策の成果説明書の357ページに、「放課後子ども総合プラン」に基づく施策が書かれてあります。学童保育の環境を、これまで縦割りだった文部科学省と厚生労働省が一体的に協力し合って整備を進めるとありますけれども、ここに言う「一体型」や「一体的に協力して」という部分が、どれほど香川県において協力できているのだろうかと感じるところがあるので、どんなふうにこれを受けとめて整備に努められているのでしょうか。  そして、この評価のところに、放課後子供教室の開設数は6市7町ということで、2市2町が取り組んでいませんし、放課後児童クラブも8市7町ですから、2町が実施していないということですけれども、取り組もうとしているのか取り組まないのか、そんなところについてお聞かせいただきたいと思います。 工代教育長  放課後子供教室は文部科学省所管でございまして、全ての児童を対象としてございます。放課後児童クラブは厚生労働省所管で、共稼ぎ世帯などを対象にしておりますが、同じように子供たちを放課後や休みのときに、いろいろな遊びを教えたり勉強を教えたりするところでございますから、両事業の一体・連携が叫ばれておりまして、国もそういうふうに動いたということでございます。  県教育委員会と健康福祉部につきましても、「香川県放課後子ども総合プラン等推進委員会」を設置いたしまして、どのようにしたら一体的にできるのか、連携が図れるのかということにつきまして、先進的な取り組み事例の紹介や意見交換等を行っているところでございます。  国の補助金ベースでは、一体型にするためには、小学校の中にそういうクラブや教室がなければいけないなど、いろいろ制約があるようでございますが、そういうことではなく、両者の事業などを一体的・連携していくという考え方に立って、いろいろ考えていければと思います。  設置の状況について、放課後子供教室は2市2町が設置していないという状況になっておりますが、設置していたけれども今はゼロというところもありますし、当初から設置していないところもあります。放課後子供教室はゼロだけれども、放課後児童クラブはふえているということを考えてみますと、その市町の力の入れぐあいや、その地域においてどちらに軸足を置くかという考えもあると考えてございます。  放課後児童クラブは2町で設置してございませんが、放課後子供教室との関連や、ほかのいろいろな施策との関連で代替するものがあるのかもわかりません。その辺は今詳細がわかりませんけれども、調べてみたいと思っております。 米田委員  放課後児童クラブで放課後子供教室を請け負っているような形式があったりするのでしょうか。支援員が放課後子供教室のいろいろな事業を展開するという形をとっているのか、それとも全く別々と理解すればいいのか、まずそれを教えてください。 白井生涯学習・文化財課長  放課後子供教室は、放課後や休みの日に、地域の方の御協力を得て、スポーツをしたり文化財の説明を受けたりといった活動をするものです。一方、厚生労働省所管の放課後児童クラブは、小学校の中のプレハブであったり、小学校のすぐ近くにあり、学校の授業を終えて、共働きの家庭の子供が通う放課後の居場所づくりのものです。放課後子供教室は、どのような子供でも来ることができるので、放課後児童クラブの子供も、放課後子供教室が楽しい取り組みをしているときには参加して、いろいろな活動ができます。そういう放課後児童クラブの子供が放課後子供教室に行けるというのが、連携型ということになります。 米田委員  「一体的に取り組む」や「協力」という言葉に私がこだわっていますのは、放課後児童クラブの環境改善ということを何度か申し上げているのですけれども、平日のみならず、夏休みなどの長期の休業になりますと、狭い空間の中で一日40人近い子供たちが過ごすということは、非常にストレスがたまると支援員の方もお話をされているところからなのです。  そこで、各学校には図書室がありますが、夏休みは学校司書の方が雇用関係を切られるという状況もあるのだと思うのです。とすれば、子供のストレスを解消するために図書室の有効活用という面で、一定の時間、昼からはみんな図書室で過ごすということを実現することによって、子供の本への親しみとか、思考力を高めるとか、読解力を高めるとか、そういうことにつながるいい機会になっていくと思うのです。  しかし、そこはそれぞれの壁、つまり学校管理者として了解できない状況があります。いろいろと乗り越えなければならない課題がたくさんあるとは思いますけれども、図書室は活用すべきだと私は思うのです。そういう課題を聞いていただいて、展開していけるようになればいいと前々から申し上げさせていただいておりますが、この提案についてどんなふうにお感じか、お答えください。 工代教育長  夏休みや冬休みの期間中に、放課後児童クラブに来られているお子さんが体育館や運動場を使って遊んだり運動したりする学校は割とあります。ただ、図書室の場合は、放課後児童クラブが学校のある一定のところ、高松市の場合だと門の近くにプレハブであることが多いですが、学校本体の管理と児童クラブの建物の管理が別々になっているということで、図書室に子供たちを入れることに対して、学校側の校舎全体の管理の部分でどう考えるかということがあるらしいのです。  それと、放課後児童クラブで子供の面倒を見てくれている支援員の方も、学校まで行くことになって、鍵を取りに行ったりすることの負担面とか、学校司書もずっといるわけではなく、巡回したりするので、その辺の配置の課題も多分あろうかと思います。  ただ、委員がおっしゃられるように、そういう子供たちがせっかくある図書室を使うのは有効利用でございます。物理的にも、面倒を見ている支援員の方の関係でできないこともあります。しかし、案外できるかもわかりませんので、まずは御提案の内容につきまして、「香川県放課後子ども総合プラン等推進委員会」や、市町教育委員会を通じて御意見を伺ってみたいと考えてございます。 米田委員  ぜひお願いしたいと思います。 岡野委員  佐伯委員の質問にございました高校生の留学ですが、私も高校時代に1年間アメリカに留学して、ホストファミリーで暮らしていました。私もそんなに英語はできるほうではなかったのですが、帰ってきたら一番得意な教科は英語になっておりました。私みたいに英語が不得意な子にも留学は有効でありますので、英語ができるかどうかというところは外して、行きたい人は行けるような仕組みをぜひ積極的につくっていただきたいと思います。  また、放課後子供教室と放課後児童クラブですが、一番違うのはお金を取っているかどうかというところです。児童クラブは希望者がお金を払って行っていて、放課後子供教室はお金を払っていないわけですので、そこを一体型にするというのは、いろいろと難しい問題があるわけです。  そしてもう一つ、今教育長がおっしゃいましたように、高松においては学童保育の待機は当たり前にどの小学校にも結構出ておりますので、民間で運営しているところ、多分学校外で運営しているところもたくさんありますが、そういう場合に一体型にするというのは、余りイメージが私も湧かないです。なので、文部科学省が一体型ということを掲げてはおりますけれども、そこはまだ絵に描いた餅にしかすぎないので、着実にできることから県では始めていっていただきたいと思います。  また米田委員がおっしゃっていた教室利用については、教育委員会が柔軟に対応すれば、すぐできるようになることだと私は思います。民間学童においては、一日中子供たちが朝から晩までいると大変なので、その間に公園に行くとか、公設の図書館に行くとか、プールに行くとか、いろいろな工夫をして子供たちの有効な時間になるように工夫しているので、学校に設置してある学童保育であっても、教育委員会がもう少し柔軟な対応ができれば、いろいろな取り組みが私はすぐにでも可能だと思うので、ぜひ考えていただきたいと思います。  質問ですけれども、かねてからいじめが香川県はとても少ないということで、それが実態に合っていないのではないかということで、私はもっと深い調査が必要ではないかと言っていました。今回、さらに踏み込んだ調査をしていただいて、ふえてきたと思っています。  不登校についても同じかと思います。小学生の低学年で不登校が増加傾向にあることが課題だということでございました。不登校については、どちらかというと微増状況にあるわけですけれども、不登校児童・生徒に対してこれまでと同じような取り組みをしていたのでは、結果は一緒だと思いますが、不登校の子供たちの中で学級への復帰率はどれぐらいありますか。余り多くはないと思っていまして、適応指導教室の利用率においても1割前後という数字だと聞いております。 小柳義務教育課長  不登校児童・生徒のうち、指導の結果復帰できるようになった児童・生徒数は、小学校で57名、中学校で249名、高等学校で86名となっております。ただ、現在、復帰できるように指導中の児童・生徒のほうが多い状況でございます。 岡野委員  もちろん第一目的として学級復帰ができなくてもいいのかもしれないですけれども、いろいろな支援の結果、学校に来られるようになれば、それはとてもいいことと思っています。その支援のあり方についてですけれども、私が視察に行きました自治体では、3日間学校を休んだら、すぐ教育委員会に情報が一元化されます。そして教育委員会もその学校のサポートチームに参加して、どういうサポートが必要かという話し合いをしています。八王子市だったと思いますが、そういうやり方をやっていました。  私が懸念しているのは、私も子供とともに小学校の校長先生や担任の先生を何人も経験しているわけですが、担任の先生や校長先生の方針、学校の方針、また市やその市の教育委員会によって、不登校の子供やいじめの対象の子供への支援が変わってしまうのが、問題かと思っています。香川県のどの学校、どのクラスに在籍しているお子さんであっても、いじめがあった、不登校があった、加害者になった、被害者になったというときに、等しく適切な支援が提供されるように努力する必要があるのではないかと思っています。  要望ですけれども、いじめの数もふえてきている、そして不登校の数も微増してきている中で、新たな取り組みとして教育委員会がもう少し踏み込んで、先ほど言いましたように不登校やいじめ被害の情報を一元化して、学校のサポートに取り組むような仕組みづくりをぜひしていただきたいと思います。  次に、高校中退者に係るサポートステーションの活用についてですが、高校中退の子供たちを「かがわ若者サポートステーション」にどうつなげているかということを教えていただきたいと思います。 工代教育長  県教育委員会においては、毎年6月に高校の進路指導主事研修会を行ってございまして、そこで「かがわ若者サポートステーション」のキャリアコンサルタントをお招きして、サポートステーション取り組みを紹介してもらっているということが1つでございます。  また、基本的には高校在学者はサポートステーションの支援の対象外でございますが、地方公共団体が地域の実情に応じて措置を講じることができることとされております。本県においては、県労働政策課からの委託事業として、進路決定の支援が必要な在学中の生徒に対して、学校や家庭等への個別訪問支援を実施してございまして、県立高校では三木高校の定時制などがそれを活用させていただいているということでございます。  県立高校では、中途退学者が出る場合、状況に応じて就職や通信制高校などの進路について指導してございますが、中途退学者については、これまで直接高校からサポートステーションへの情報提供や支援の依頼は行ってございません。 岡野委員  午前中に、商工労働部に質問したのですが、サポートステーションでは一番多いときで200人ぐらい新規登録があったのが、今は100人ぐらいまでに減ってきて、少し使われなくなってきているということでした。しかしながら、中退者の数もそう変わりませんし、就職して3年後の離職率も高い水準で推移していることを考えれば、このサポートステーションの活用方法を教育委員会としても検討してもいいのではないかと思っています。  これも事例ですが、高知県や北海道の若者サポートステーションの場合は、私立と公立の区別なく中退者の情報を、県教育委員会で情報を一元化して、サポートステーションにその情報を渡し、本人の了解を得た場合に、サポートステーションがアウトリーチ型でその家庭を訪問するという取り組みを行っていまして、就労につながっているということです。  午前中の繰り返しになりますが、この若者サポートステーションの昨年の利用者の満足度の全国調査によりますと、9割の利用者が満足していて、9割を超える方たちが、利用した場合は就労につながっているという結果がございますので、とても機能している施設の一つであるのです。ぜひ積極的に教育委員会が活用していただきたいと要望しておきます。  特別支援学校生徒の就労支援についてですが、今も一生懸命支援学校でも取り組んでいらっしゃいますけれども、その際に活用している機関の一つとして障害者就業・生活支援センターがあります。これは健康福祉部が持っている施策で、県はジョブサポートティーチャーを雇っているけれども、どちらかというと就職して2年、3年たつと、この障害者就業・生活支援センターに支援を依頼しているということです。この障害者就業・生活支援センターは就労だけではなくて、障害を持った方の生活支援もするわけです。  以前、支援学校で聞いたところによると、就労したら、もちろん就労先の人間関係も大変なのだけれども、それと同じぐらいの割合で、生活習慣など御家庭の中に課題があって、就労が続かないケースも多々見られるという話でした。障害者就業・生活支援センターにも聞きますと、就労維持のためには長い期間の支援が必要だということでした。障害を持った方の卒業後3年の離職率が上がってきているということを考えますと、この障害者就業・生活支援センターを県教育委員会も一緒になってもっと有効に活用すべきだと思っています。  そして、県教育委員会から知事部局にぜひお願いをしてほしいのですけれども、この障害者就業・生活支援センター対する事業委託費がなかなか上がらない状況があります。そして今度、小豆島に特別支援学校ができますが、小豆島の障害者の方を支援しているのは、高松市御厩町にある障害者就業・生活支援センターなのです。とても地理的にも遠い環境の中で、障害者の方の支援をしているという現状があります。そういうことからも、特別支援学校が小豆島に開校することを考えれば、小豆島にも障害者就業・生活支援センターがあってもいいと思っておりますので、ぜひ教育委員会と健康福祉部が一緒になって検討を進めていただきたいと要望します。  そして、障害者就業・生活支援センターと教育委員会の連携をもっと深めて、障害者の方の就労支援を積極的に行っていっていただきたいということをお願いして、終わります。 松原委員  いじめ、不登校の調査結果が昨日出され、いじめ、不登校ともに過去最多を更新したということでございます。いじめのほうは、これまでの調査の対象範囲が広がったことが1つの要因という説明もあったのですが、不登校のほうはただ単純にふえたと私は思っております。この関連事業で不用額が出ていることからも、この不用額と比例した結果になっているのではないかという見方もしてしまいます。この点をいろいろ聞こうと思っていたのですが、要望でとめ置きたいと思います。施策評価の指標として、1,000人当たりの不登校児童・生徒の数がありますが、目標の数よりもふえてきておりますので、果たして目標をクリアできるのかという不安があります。数は全国よりも低いのですが、この辺は目標クリアに向けてしっかり取り組んでいただきたいと思います。  そして、この問題の解決に向けては、今スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを各市町の学校に配置していると思います。スクールカウンセラーのほうは全市町に配置が終わっているということでございますけれども、スクールソーシャルワーカーのほうは今どんな配置状況になっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 小柳義務教育課長  スクールソーシャルワーカーは、現在、県内に40名、市町が配置しています。ほとんどの市町で配置が行われておりますが、小豆島町、三木町、直島町においては現在、未配置の状況でございます。 松原委員  各学校の先生と話す中で、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーにはそれぞれの役割があって、スクールカウンセラーは子供自体の相談には乗れるけれども、それから踏み込んで家庭や地域の問題を相談できるのはスクールソーシャルワーカーだということで、期待が大きいということも聞いています。  スクールソーシャルワーカーを広げていくことが、これからの対応の一つとして効果が期待できると思うのですけれども、県の考えを聞かせていただきたいと思います。 工代教育長  スクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも非常に現場の評価は高いです。私どもも国に対してさまざまな要望をしてございますが、スクールソーシャルワーカーにつきましても、年々少しずつは充実してございますけれども、市町教育委員会等と連携しながら、できる限りふやしてまいりたいと考えております。 松原委員  ぜひそちらの検討をよろしくお願いいたしたいと思います。  こうしたいじめ、不登校、暴力行為というものは、解決しなければならない大きな課題の一つでございます。学校や家庭、地域で子供が育っていく中で、どこかでボタンのかけ違え等々が生じて、こうした問題が起こるのだと思いますけれども、これは社会全体で考えていかなければならない問題です。家庭と学校と地域の3者の連携をより進めていただいて、ぜひともそうしたことが起きない教育環境づくりに向けて取り組んでいただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わります。 竹本委員長  以上で、教育委員会関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 竹本委員長  御異議なしと認め、教育委員会関係の質疑・質問を終局いたします。  次回は、10月31日水曜日、健康福祉部、子ども政策推進局関係及び県立病院事業会計の審査を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....