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平成30年[閉会中]決算行政評価特別委員会[環境森林部、土木部] 本文 開催日:2018年10月22日

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  1. 香川県議会 2018-10-22
    平成30年[閉会中]決算行政評価特別委員会[環境森林部、土木部] 本文 開催日:2018年10月22日


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 竹本委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 松村委員  2点ほど確認をさせていただきます。  まず、1点目は、今部長から説明がございました「A」評価の汚水処理人口の普及率について確認をさせていただきます。  主要施策成果説明書の84ページの「生活排水対策重点事業」について、指標として汚水処理人口普及率を掲載してございます。今回の実績値は76.6%ということでございますが、この数値は、実際の処理人口からではなく、例えば、処理計画エリア内の人口から算定しているのかどうかも含めて、数値算出の基礎データについてお伺いいたしたいと思います。実際使われていなくても農業集落排水施設公共下水道については、100%加入するということなのでしょうか。実際の処理されている人口で算出しているのかどうかということをまず確認をさせていただきます。 中村環境森林部長  汚水処理人口普及率は、下水道、農業集落排水施設合併処理浄化槽等を利用できる人口を住民基本台帳人口で除して算定した汚水処理施設普及状況の指標でございます。汚水処理人口普及率は、汚水処理施設を利用できる人口の割合であり、例えば終末処理場により下水の処理を開始した地域の住民の方は、汚水処理施設を利用できる状況である住民とみなされます。毎年、農林水産省、国土交通省及び環境省の調査依頼を受けて、年度末のデータを県が市町に照会の上、国に報告しているものであり、報告したデータは、処理施設別都道府県別等に取りまとめられて公表されております。 松村委員  ということは、例えば、新しく公共下水道が整備されて、そのエリアに5,000人が住んでいるとして、5,000人に対して供用開始時に告示します。すぐには加入できない話なのですが、5,000人のうち1,000人しか加入しなくても、供用を開始した時点で5,000人がカウントされるということでよろしいのでしょうか。実態とはちょっとずれがあるということでよろしいのですか。 中村環境森林部長  今委員から御説明があったように、利用できる状況になれば処理人口に入るということで、5,000人のうち1,000人が入ったということであっても5,000人とカウントされるということでございます。 松村委員  数値の確認だけですのでわかりました。  それと、環境森林部が担当しています合併処理浄化槽で、2億7700万円余りが支出されてございますけど、何基分に当たるのですか。 中村環境森林部長  本県では、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を促進するために、単独処理浄化槽の撤去及び合併処理浄化槽の新設に係る国庫補助制度の活用に加えまして、県と市町で配管工事について単独補助を行っている状況でございます。お尋ねのありました平成29年度の決算額2億7786万9000円のうち、主な内訳は、補助事業として合併処理浄化槽設置費補助が、平成28年度からの繰越分を含めて2億4822万6000円、それから合併処理浄化槽設置に伴う単独処理浄化槽撤去費補助が853万5000円、配管費の補助が1417万5000円でありまして、以上を合わせますと、合併処理浄化槽補助金関係で2億7093万6000円ということになります。そのほかに「法定検査受検率改善事業」が619万6000円でございます。  平成29年度の合併処理浄化槽設置基数は、平成28年度からの繰越分の107基を含めて2,507基となっております。 松村委員  今、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に切りかえるというお話でございましたけれども、単独処理浄化槽は相当古くなって耐用年数も過ぎていると思うのですが、データ上どのくらい残っているのですか。 中村環境森林部長  単独処理浄化槽設置基数は、平成29年度末で8万6488基となっておりまして、県下の全浄化槽が16万9702基でございますので、約51%ということになります。 松村委員  8万6000基余りの単独処理浄化槽が残っているということが、わかりました。  先ほどの普及率の指標は人口になっており、合併処理浄化槽単独処理浄化槽は基数が指標になっています。基数か人口なのか、要は県下全体としてわかりやすいデータはないのですか。今、もともとの指標が人口です。なかなか難しいと思うのですが、例えば、合併処理浄化槽であったら、5人家族だったら5人カウントされるわけです。基数と人口でちぐはぐになっている感じがするのですが、どうですか。 中村環境森林部長  生活排水の指標が基数であったり人数であったりということで、例えば、指標が人数の場合だと一体県下でどれくらいになるのかということでございますけれども、今手元にそういう資料がございませんので、もう一回確認をしてみたいと思いますが、まずそういう資料があるかどうかということから確認させていただきたいと思います。 松村委員  96万人の県民の方が、どういう処理をしているのかを確認したかったのでお伺いしました。  実は農業集落排水公共下水道は、建設費も含めて非常にコストが高くて、私は、施策としては合併処理浄化槽をどんどん進めるべきであると考えています。例えば、下水道を整備しても使用料は水道料金をもとにしていますので、立米当たり100円や120円です。しかし、現実に小規模な農業集落排水等になりますと、電気代や薬品代が要りますので、運転費用だけで2倍から3倍の、300円から400円かかっているのです。加入率が高まるほど、今後の市町の財政を圧迫するおそれがあり、その点からしますと、合併処理浄化槽がいいという気がしているわけでございます。農業集落排水公共下水道合併処理浄化槽の区分をどうするかということになりますと、県の下水道課や市町の方針によるわけでございまして、それ以外の部分を皆さん方が合併処理浄化槽でカバーしているわけですが、全庁的にそういった水処理の部分で調整する機能は働かないのですか。残った分だけを合併処理浄化槽でカバーするというのも何か寂しい気もするので、そのあたりをお尋ねしたいと思います。 中村環境森林部長  県下の排水処理をどうしていくかということにつながると思いますけれども、本県では、平成28年3月に策定しました「第4次香川県全県域生活排水処理構想」に基づいて、生活排水処理施設の整備を進めているところでございます。生活排水処理施設には主に下水道、農業集落排水合併処理浄化槽がございますけれども、このうち合併処理浄化槽の構成割合が、全国平均の3倍程度となっておりまして、合併処理浄化槽が本県における生活排水処理施設整備促進の重要な柱の一つとなっているという認識でございます。 松村委員  2点目は、豊島廃棄物処理事業についてでございます。
     主要施策成果説明書の99ページの中で、31億円余りの決算額がありますが、9200万円ほど不用額が発生しています。この理由についてお尋ねいたします。 武本廃棄物対策課長  「豊島廃棄物等処理施設撤去等事業」の決算額の状況は、平成28年度から平成29年度への繰越額4209万4000円を含めまして、平成29年度予算現額38億4586万8000円に対しまして、決算額が31億7017万3000円、平成30年度への繰越額が5億8281万1000円でございまして、不用額は委員御指摘のとおり9288万4000円となっており、予算現額に対します不用額の率は約2.4%となっております。  不用額の主な内容及び原因につきましては、まず「処分地内の整地や構造物撤去に係る工事費」の不用額が約3000万円です。この原因につきましては、処分地内の整地や構造物撤去に係る工事につきまして、他の施工中の工事との工程調整等によりまして、平成29年度中に発注を予定していたものを次年度発注としたことによるものでございます。  また、「粗大スラグの輸送費・処理費」の不用額が2300万円余です。この原因につきましては、セメント原料化の委託先における受け入れ調整によりまして、1月から3月までの間に輸送及び処理が予定どおりできなかったことによるものでございます。  さらに、「油混じり水周辺土壌洗浄後に発生するPCB含有汚泥の処理費」の不用額が900万円余です。この原因につきましては、油まじり水周辺土壌の洗浄後に低濃度のPCBを含む汚泥が発生するものと想定しまして、その処理費を見込んでおりましたが、低濃度PCBを含む汚泥が発生しなかったことによるものでございます。  このほか、「直島中間処理施設における電気代」の不用額が500万円余です。その原因につきましては、中間処理施設の1月から3月までの間における電気使用量が、想定した使用量を下回っていたことによるものでございます。 松村委員  2月定例会で必要な経費が要るということで補正対応をされました。最終の精算の見込みで補正予算を組んでいるのに9000万円の不用額が出たという話です。そのため、まず2月で幾らの補正をしたかを確認したいのです。大きな問題になっている豊島ですから、不用額が発生すること自体納得がいかないし、もう少し見通しを立てるべきではなかったのかという気がします。再度確認しますが、最終の補正予算額が幾らだったかということと、その時の見通しについてお願いします。 武本廃棄物対策課長  29年度の2月補正額は5億6209万8000円でございます。  見通しにつきましては、先ほど申したとおり、施工中の工事との工程調整や、粗大スラグにつきましては、北九州の工場に話をして、3月中に受け入れるということだったのですけれども、どうしても向こうの受け入れ調整や、港の都合などもあって、不用額が出てしまったということです。これについては、こういったことがないようにしていきたいとは思うのですが、結果としてはこういうふうになったということでございます。 松村委員  全体の事業費ですが、今までで700億円と言われています。後々まだ水処理等も残っていますので、豊島の廃棄物処理に対して、全体の費用をどれぐらいと見込んでいるのですか、 武本廃棄物対策課長  これまでにかかった費用につきましては、平成12年度からの施設整備と平成29年度末までの廃棄物等の処理の経費を合わせまして約757億円となってございます。今年度は当初予算として約22億円を計上させていただいております。それから、繰越予算がございますので、30年度の事業費としては、トータルで約28億円になります。31年度以降でございますが、昨年度、産廃特措法に基づく実施計画の変更に伴いまして、環境大臣の同意を得ました。この計画に盛り込まれております31年度から34年度までの国の支援対象事業費が約31億円になり、これらを合計すると約819億円ということになります。 松村委員  819億円といっても、水処理の長引きようによっては、すぐ900億円ぐらいなるのでしょう。トン数でいいますと91万2000トンで、1トン当たり10万円近くの費用がかかっているのです。91万トンですから、容積でいいますと、40万や50万立米になるわけです。となりますと、1立方メートルを処理するのに20万円近くの費用が発生しているわけで、非常に多くの税金をどぶに捨てるという格好になるわけです。例えば、生コンでいいますと、通常1立米の生コンクリートですと、今は1万5000円ぐらいの単価になると思うので、500万立米ぐらいの生コンを海に捨てるような費用になると思います。500万立米の生コンがあったら、高松から小豆島まで橋がかかります。それぐらいの分を捨てるぐらいの税金を投入しているわけです。  今さら言っても仕方ない話ですけれども、最近でしたら、企業がいろいろと燃費や製品検査で十分できていなかったということで謝罪しています。また、直近では、耐震のオイルダンパーの問題があります。そういったことで、いろいろ不祥事が繰り返されております。ですから、謝罪だけでなく、本来は企業としてきっちりと反省すれば、ああいった再発は防げると思うのです。  豊島問題を踏まえて、香川県として豊島から得られた教訓や反省点は何か、お尋ねします。 武本廃棄物対策課長  まず、立米数ですけれども、91万2000トンに対しまして立米数は61万7000立米になってございます。これは、直下土壌や廃棄物も全て含めた立米数になります。  そして、豊島の事案を受けて私どもとしましては、こういったものが出れば、非常に大きなお金がかかるというのはこの事案で十分にわかっております。このため、廃棄物につきましては、未然防止や早期発見・早期処理に力を入れて対策等を組ませていただいております。平成12年以降では、人員の増員や、各保健福祉事務所に機動班を置いたり、廃棄物対策課に警察から1名出向者を迎えて、毅然とした対応をとるといった対策をしています。また、県警のヘリコプターやセスナも使って上空からの監視をしたり、夜間や休日につきましては、民間のパトロール会社と契約をいたしまして、巡回パトロールをさせていただくなど、いろいろさせていただいております。  いずれにしても、不法投棄はあってはならないので、これからも毅然とした対応できっちり対処していきたいと考えております。 松村委員  今世紀は「環境の世紀」と言われておりますので、部長、課長ともに県の環境行政のリーダーとして頑張っていただくようお願いを申し上げます。 米田委員  2点質問させていただきたいと思います。  1点目は、全国育樹祭の費用対効果についてです。  第41回全国育樹祭取り組み、本当に御苦労さまでした。開催年だけでなく、それ以前からの取り組みがありますから、携わられた関係者の皆様の御苦労に心から敬意を表したいと思います。  さて、せとうち田園都市の創造、私は大賛成ですけれども、それを標榜するためには、緑の県土づくりのための政策が、政策の中心の一つとして「どかっ」と据わって、県民が常にそのことを意識し、体感していなければならないと考えています。県政世論調査の結果では、「みどり豊かな暮らしの創造」について、重要度が21位、満足度が3位という結果が出ていますが、理事者の皆さんは、この結果をどのように受けとめておられるのでしょうか。県民は、満足していると素直に受けとめておられるのでしょうか。私は悲観的です。「みどり」の価値を重要と考えない県民がふえ、「みどり」を求めていない、不感症になっているがゆえに、このような結果になっているのではという危機感を持っています。  さきの9月定例会の一般質問で、学校における「みどり」の後退の現状を指摘させていただきました。また、市道の整備や都市公園の整備が、私の選挙区内でも進められておりますけれども、その際、「みどり」の整備を企画しても、虫の防除をどうするのか、葉っぱが落ちる、水やりをどうするのかなど、日常の管理に手間がかかるという声が力を持って、行政側も住民を説得しようとせずに、安易に流れる傾向があると感じています。  そこで伺います。全国育樹祭で今後の香川県の森林環境についてどういうビジョン、将来展望を打ち出そうと取り組んで、その成果はどうであったのでしょうか。芽出しはできたのかや、その費用対効果についてお答えください。  また、理事者の皆さんは、「みどり豊かな暮らしの創造」についての県民世論調査結果をどのように受けとめられているのか、お考えをお聞かせください。 中村環境森林部長  県では、平成27年度に、平成28年度から5年間の「みどり」づくりの指針として「香川県みどりの基本計画」を策定して、「みんなで育て、活かす、みどり豊かな暮らしの創造」を目標に、「森林資源の活用と里山再生の推進」、「暮らしを支えるみどりの充実」、「県民総参加のみどりづくり」を3つの基本方向として、さまざまな施策に取り組んでいるところでございます。  こうした中、昨年度、併催・記念行事をあわせますと、約2万人の方に御参加いただき、本県で全国育樹祭を開催できましたことは、県外の方々には本県のよさのPRを、また、県内の方々には本県が取り組んでおります「県民総参加の森づくり」について発信して、森林の持つ公益的機能重要性等について、理解を深めていただく絶好の機会となったものと考えております。その成果を一過性のものとせず、これを契機に、より一層「県民総参加の森づくり」を推進することが必要と考えております。  そこで、県では、森づくり活動きっかけづくりとなる「どんぐり銀行」や、学びの場として昨年度から開催しております「みどりの学校」などの取り組みを継続して実施するとともに、今年度新たに、県民の方々に森林やみどりの大切さ、みどりづくり活動の意義等をPRするために、「森とみどりの祭典」を10月6日の土曜日、7日の日曜日の2日間、サンメッセ香川を主会場に開催いたしました。  また、10月7日には、「森とみどりの祭典」の一環として、満濃池森林公園において、地元の緑の少年団による植樹・育樹体験活動を行ったほか、サンメッセ香川の2階の中会議室において、県内の緑の少年団の活動発表会を行うなど、昨年度の全国育樹祭でも活躍した緑の少年団の活動促進にも取り組んだところでございます。  一方、資源が充実してきた本県の森林を守り育てていくためには、県産木材の利用を促進することにより、森林整備を進めることが重要であると考えております。昨年11月定例会において、県産木材の適切な供給と利用を通じた森林の適正な整備を図ることを目的に、「香川県県産木材の供給及び利用の促進に関する条例」が、県議会の皆様方の御尽力により制定され、4月から施行されており、県では、これを契機に森林整備を進めるためのさまざまな施策を実施しております。  まず、「県産木材供給促進事業」では、「緑のダム整備事業」による搬出間伐の促進や、「経営基盤強化事業」による森林組合への高性能林業機械の導入支援など、県産木材の安定供給に向けた取り組みを推進しております。  また、県産木材利用促進事業では、昨年度から実施しております香川県産木材住宅助成事業を拡充したほか、新たに「木とふれあう空間整備支援事業」を創設して、民間施設での県産木材の利用促進にも取り組んでおります。  さらには、「森林整備担い手対策基金」を活用して、森林組合等が行う森林整備の担い手である林業従事者労働安全衛生の充実、技術の向上、福利厚生の充実等を図るとともに、経営基盤の強化や林業労働力確保支援センターが行う就業希望者への事前研修等の業務を支援するなど、森林整備の担い手の育成・確保に努めているところであります。  御質問のありました全国育樹祭に関する費用対効果でございますけれども、こういったものを数字で算出することは難しいところですが、式典行事等を通じて、本県のさまざまな魅力を広く県内外に発信し、本県のイメージアップにつながったこと、また、多くの県民の方々に森づくり活動に興味を持っていただき、森づくりへの参加者数がふえていることなどから、一定の成果はあったのではないかと考えております。  それから、県政世論調査の関係でございますが、平成30年5月10日から6月1日に行われました県政世論調査の結果、全施策の重要度の平均が4.08である中、「みどり豊かな暮らしの創造」は3.7の21位でありました。  また、満足度は全施策の平均が3.01である中、「みどり豊かな暮らしの創造」は3.2の3位でございました。満足度3位という結果は、「みんなで育て、活かす、みどり豊かな暮らしの創造」を基本目標に、平成27年12月に策定しました「香川県みどりの基本計画」の取り組みの成果の一つではないかと考えております。  一方で、重要度が21位という結果は、「みどり」を所管している部局として、県民の方々に「みどり」の重要性について、より一層アピールしていく必要があると考えております。 米田委員  先日「人生フルーツ」という映画を鑑賞いたしました。自然との共生をテーマとして都市計画に挑戦してきた建築家の津端修一先生と英子さん御夫妻が、みずから実践し、提案してきた自然との共生生活、暮らし方を描いたドキュメンタリー映画です。400人収容の会場はほぼ一杯で、ほとんどが年配の女性の方でした。皆さん口々によかったと言って帰っていきました。みんな今の生活には満足していない、乾いている。だからこそ、津端先生御夫妻の潤いのある生活に憧れ、そこに真の豊かさを感じたということではないかと私は感じました。だから、「みどり」の政策について、私は、決して県民は満足していない、県民は潤いを求めていると思います。「みどり」の中での暮らしの実現できる提案、そのためのかかわりを求めているのだと思います。その呼び水をどう県として準備するかだと思います。その仕掛けを用意すべきなのに、余りに「みどりの県土づくり」の位置が県全体の政策の中では低過ぎるのではないでしょうか。本気でみどり豊かで潤いのある県土をつくろうとしているのか、私にはその意思が残念ながら感じ取れないというのが正直な感想です。当然、今答弁いただきましたように、担当部局では頑張っておられるのだと思いますけれども、もっと担当部局が全体の中で位置を向上させて欲しいと主張しないといけないと私は思います。  そういうふうに消極的だと感じている点を何点か指摘させていただきたいと思いますが、まず「県民がふれあうことのできるみどりの面積」の実績値が、目標値を上回っています。それから、「県民参加の森づくり参加者数」も施策評価結果の183ページでほぼ目標に達しています。「県産木材の搬出量」も39ページにありますように、ほぼ目標に達しています。にもかかわらず、なぜ目標を上方修正しないのでしょうか。ほかにもいっぱい気づいた点はありますけれども、それが1点目です。  また、東京都知事がことしの全国育樹祭の開催年ということも意識してか、問題の学校のブロック塀対策として、木製フェンスにかえていくことを打ち出しました。そして全国知事会にその課題を提案しました。全国知事会も国産木材の活用策として検討すると言及し、プロジェクトチームを発足させて、42都道府県がそれに名を連ねています。去る10月11日に、全国知事会国産木材活用プロジェクトチーム会議が開かれました。小池知事、高知県の尾崎知事を初め、各県からは各所管部局からの参加が多い中で、東京事務所での対応に終わらせた県が10県あり、その中に香川県が入っていました。なぜ所管から参加して全国から学ぼうとしないのかというのが2点目です。  また、「みどり豊かでうるおいのある県土づくり条例」も制定はされておりますけれども、具体的な動きはまだまだという状況が9月定例会での質疑を通じて浮き彫りになりました。市町との連携も、市町に強制できないという御意見でしたし、県が条例を根拠に、こういう県土に一緒にしていこうという情熱が感じられないことが3つ目の思いでございます。  全国育樹祭を契機にして、「香川県県産木材の供給及び利用の促進に関する条例」を制定して、県産木材需要創出のための調査・研究に積極的に乗り出しているのかということについても少し見えていない部分がありますので、私が今指摘した点につきまして、「いや、こういうふうにきちっと思いながら対策を講じている。」という安心できる答弁をいただきたいと思います。 穴吹みどり整備課長  4点ほど御質問があったかと思いますが、そのうちの私の課に関係する3点の御答弁をさせていただきます。  まず、目標値についてでございます。「県民がふれあうことのできるみどりの面積」につきましては、森林公園や森林ボランティア等の森づくりの面積を合計しているものでございます。平成28年度末時点で初めて目標値を上回ったわけでございますけれども、森林ボランティア等による森づくりの面積というのは、毎年変動がございますので、とりあえず目標値の修正につきましては、今後の状況を見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、県民の方々に「みどりにふれあうことのできる面積」をふやしていくことは、大変重要なことだと考えておりますので、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思います。  「県民参加の森づくり参加者数」は、単年度の参加者数を示したものでございます。平成32年度の目標値が9,000人でございますけども、28年度は8,885人、29年度は8,970人と順調に増加しております。28年度からはどんぐり銀行の活性化、また、29年度からは「みどりの学校」を開始するなど、これらの施策に取り組んだ成果であると考えております。  今後とも「県民参加の森づくり」を推進するためには、これらの事業を継続してまいりますけれども、次年度以降の成果を踏まえて、目標値の修正等については検討してまいりたいと考えております。  「県産木材の搬出量」は、単年度の搬出量を示したものでございます。平成16年度は約1,000立方メートルの搬出量でしたが、29年度は4,939立方メートルで、32年度の目標の5,000立方にかなり近づいている状況でございます。  ただ、県産木材の搬出量は全体的に見ると増加傾向ではございますけれども、やはり年々増減がございますので、まずは当面の5,000立方メートルを確保することを目標に頑張り、その後、目標の設定については検討してまいりたいと考えております。  2つ目は全国知事会が設定した国産木材活用プロジェクトチーム会議になぜ出席しなかったのかということでございます。委員がおっしゃったとおり、10月11日にプロジェクト会議が開催されましたが、本県は9月定例会の会期中でございまして、環境森林部からは出席できなかったということでございます。ただ東京事務所長が出席しております。東京事務所からは、会議の資料や会議録等の情報提供を受けておりまして、部長初め我々全員がそれを把握してございます。今後、プロジェクトチームの活動方針に基づきまして、全国知事会から各県の構成員に対して意見紹介や調査・研究が行われると聞いておりますから、本県もこれに積極的に参画をしまして、関係団体とも連携して、本県として何が取り組めるのか検討してまいりたいと考えております。  もう一つの県産木材需要創出のための調査・研究という御質問でございますけれども、昨年11月定例会におきまして、「香川県県産木材の供給及び利用の促進に関する条例」が制定され、4月から施行されております。県産木材の供給と利用の課題としましては、「かがわ木材加工センター」を初めとする県内の製材所のストックヤードが不足しておりまして、原木の搬出期に多くの原木が出されたときに、原木の受け入れができません。また、搬出量が少ないときには、製材所が必要な原木が足りなくなり、工務店等に対し、県産木材製品の安定的な供給が難しいところがございます。  そこで、これを解消するために、今年度新規事業としまして、「県産木材供給対策事業」を創設しまして、県産木材の安定供給をするため、森林組合や製材所、建築関係等で構成する連絡会を開催しており、この中で需給のマッチングや丸太のストックヤードの設置等について調査・検討を行っております。これらの調査・検討を含めまして、木材の伐採から加工までの川上・川中・川下の効果的な連携がどのように図れるかを今検討しております。今後、これらの取り組みを進めまして、県産木材の需要の創出に努めてまいりたいと考えております。 大廣みどり保全課長  米田委員の県土の緑化の推進についての御質問についてお答えいたします。  9月定例会の一般質問で知事が答弁いたしましたとおり、県では、「みどり豊かでうるおいのある県土づくり条例」に基づきまして、県土の緑化を推進する取り組みの一つとして、県が設置・管理する学校等の公共施設の緑化基準となります「香川県公共施設緑化基準」及び「香川県緑化技術マニュアル」を平成14年4月に策定し、公共施設の緑化に取り組んでいるところであります。この緑化基準等は、県の施設を対象としたものでありますが、条例の趣旨に基づきまして、市町と連携・協力しながら緑化の推進を図るため、市町が所管する公共施設についても緑化基準等を参考に効果的な緑化に取り組んでいただけるよう、各市町に県の緑化基準やマニュアルを送付いたしまして、県のホームページに掲載するなど、その周知に努めてきたところであります。  県といたしましては、みどり豊かでうるおいのある県土づくりを推進するためには、県有施設だけではなく、市町の公共施設の緑化についても重要と考えております。このため、引き続き緑化基準等に関する市町からの相談に応じるとともに、基本的には、各市町が財政状況等を踏まえ、それぞれの実情に応じて判断することになりますが、条例の趣旨を踏まえ、各市町において緑化が推進されるためにどのような取り組みが考えられるか、今後、研究してまいりたいと考えております。 米田委員  総括して部長の決意を語っていただけないでしょうか。 中村環境森林部長  私ども環境森林部は、「みどり」を所管しているところでございますので、米田委員おっしゃるように、緑化や県民総参加の森づくりについては部の施策として重要なものと考えております。したがいまして、今後、「みどり」が県民の方にとって、まずは大切なものであるということを知っていただくということと、県産木材を使うことが香川県の森林の整備につながっていくということを、実際に県産木材を使って進めていきたいと考えております。 米田委員  力強い発信をしていただくことを要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。  2点目は、再生可能エネルギーの普及という政策とそれを阻害する要因として九州電力管内での太陽光発電の停止という問題が浮上しましたので、それにかかわって質問させていただきたいと思います。  九州電力が太陽光発電の一部事業者に一時的な稼働停止を求める措置に踏み切りました。電力が余って需給バランスが崩れて大停電が起きるから、それを防ぐために太陽光をとめるということですが、誰がどう考えてもおかしい事態だと思います。再生可能エネルギーの導入を図ってきた県として、こうした事態をどのように受けとめられておられるのか、まずお聞きしたいと思います。  それと、電力が余って停電などと新聞等で報道されていますけれども、県民の方々はどういうことか理解できていないと思います。香川県では、起こり得ないのかなど、県民の不安解消に県として県民にきちんとした情報提供をすべきと考えますけれども、部長の考えをお聞かせください。 中村環境森林部長  委員御指摘のとおり、10月13日と14日、さらには20日と21日に、全国で初めて九州電力管内において、出力10キロワット以上の太陽光発電事業者の一部を対象に、発電を一時的に停止するよう指示する「出力制御」が実施されました。電力は需要と供給が同じ量でなければ周波数が乱れて、最悪の場合は、大規模停電が起きると言われておりまして、そうした事態を避けるためにも、当面の対応として、出力制御はやむを得ない措置でなかったかと考えております。  なお、出力制御につきましては、電力広域的運営推進機関が策定し、経済産業大臣の認可を得た「送配電等業務指針」に定める「優先給電ルール」に沿って運用されておりまして、発電事業者も電力会社と契約を締結する際に十分理解しているものではないかと考えております。ただ根本的な対応としては、国では2030年度の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率を22~24%とするために、引き続き再生可能エネルギーの導入拡大を図る方針でありますことから、出力制御につきましても、国のエネルギー政策における重要な課題の一つとして、国において十分議論をしていただくことが必要であると考えております。  新聞報道等によりますと、四国電力の管内でも出力制御の可能性があると言われておりまして、四国電力株式会社からも平成28年12月に、将来的には出力制御を行う可能性があるとの発表があったことは承知しております。委員御懸念の点につきましては、一般送配電事業者であります四国電力株式会社によって十分に対応がなされると考えておりますけれども、県としても県民の不安をいたずらにあおることのないよう、四国電力株式会社に対して、電力の需給状況に関する正しい情報提供や、万一出力制御の必要が見込まれる場合には速やかな情報提供及び関係者に対する丁寧な説明を求めていきたいと考えております。 米田委員  早く情報交換をしていただいて、対応すべきは対応するようなことを御検討いただきたいと思います。  結局、九州は原発をどこよりも多く動かして、その原発はとめないで、環境に優しい太陽光はとめるという対応で、私たちの目指す方向、世界的に目指す方向からすると、どう考えてもおかしいわけですから、そのルールを一刻も早く見直していくべきだと思います。それで、そういう出力制御をしなくてもいいように、蓄電池の開発や、欧米等で進んでおりますスマートグリッドの日本での展開をもっと可及的速やかに、急がせなければならないと私は思っています。今までのいろいろな議員の方々からもそうした研究を香川県でしっかりと取り組むべきという趣旨の発言もなされていると思いますので、そうした分野への投資について、今後の予算等へ反映させることについてお考えをお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。 中村環境森林部長  まず、再生可能エネルギーの普及に向けた産業の育成、研究開発につきましては、平成25年度に産学官連携のもと設置しました「かがわエネルギー産業フォーラム」におきまして、「成長産業の育成等に関する協定」を締結している国立研究開発法人産業技術総合研究所から講師を招いて講演会を行うなど、蓄電池を初めとするエネルギー関係分野における最新技術の情報提供や勉強会を、商工労働部を中心に、環境森林部も参画して継続的に行っているところでございます。  また、再生可能エネルギーの導入拡大に向けまして、電力会社の電力系統への接続量の問題などが課題となっておりますことから、国のエネルギー政策における課題の一つとして、国において広域連系線の活用や、委員の質問にありましたIT技術を活用した次世代の送電網でありますスマートグリッドの構築などについて議論がなされていると承知しております。  県としては関係部局とも連携を図りながら、今後の国や電力会社等の動向を注視していきたいと考えているところでございます。 松本委員  私からは、産業廃棄物の減量化等への取り組みについてお尋ねしたいと思います。  報道で知りましたが、環境省は10月18日、中国の使用済みプラスチックの輸入禁止措置による国内産業廃棄物処理への影響を調査するため、8月に都道府県等や産業廃棄物処理業者に対して実施したアンケートの結果を取りまとめ公表しました。この調査は、中国の輸入禁止措置等により、国内で廃棄物として処理されるプラスチック等の量が増大したことにより、国内の廃棄物処理が逼迫し、国内の産業廃棄物処理に支障が生じるとの声が寄せられた状況を踏まえ、国内の状況を把握し、廃棄物の適正処理を推進するために行ったようですが、結果、自治体の8割が対策を講じる予定はないとのことであります。これは都道府県レベルを超えた、国際的な問題であると感じましたので、今後、県としても海ごみ対策もそうですが、このような問題に対しても世論の状況を把握し、また、予測し、しっかり取り組んでもらいたいと思います。  そこで、我が県に目をやりますと、「新・せとうち田園都市創造計画実施状況」の12ページには、廃棄物減量化の指標として、「一般廃棄物の総排出量」と「産業廃棄物の総排出量」の項目が掲げられております。一般廃棄物は「B」評価なのですが、産業廃棄物は進捗率が0%以下の「D」評価になっております。  そこで、「産業廃棄物の総排出量」が「D」評価になっている原因をどのように分析しているのか、まずお尋ねをしたいと思います。 中村環境森林部長  お尋ねの「新・せとうち田園都市創造計画」における「産業廃棄物の総排出量」の目標値でございますが、計画策定時の243.6万トンに対し242万トンと設定しております。  「産業廃棄物の総排出量」の推移を見てみますと、平成21年度から27年度までは増加傾向にありましたが、今回の評価対象年度であります平成28年度は244.3万トンと、前年度の244.7万トンに比べまして、わずかに減少しているものの、計画策定時の総排出量を上回っていることから、進捗率が「D」評価となってございます。  県では、建設工事の分別解体と再資源化の一層の促進を図るなど、産業廃棄物の排出抑制に努めているところでございますが、総排出量は、景気の動向等に左右される面も大きく、計画策定時の平成25年度から28年度までの産業廃棄物の種類ごとの排出量の推移を見てみますと、年度ごとに増減はありますものの、「がれき類」、「汚泥」、「木くず」など、主に建設業で排出される産業廃棄物が増加いたしておりまして、これが今回の「D」評価の主な要因となっているものと考えております。 松本委員  先ほど部長も言われておりましたが、「産業廃棄物の総排出量」は、景気がよくなれば、どうしても廃棄物は出てくるわけですので、なかなか大変だと思いますが、「産業廃棄物の総排出量」の抑制については「D」評価ということでありますので、県として何らかの取り組むべき方策があるのではないかと考えます。  そこで、県として、産業廃棄物の減量化に今後、どのように取り組んでいくのか、お尋ねしたいと思います。 中村環境森林部長  産業廃棄物につきましては、総排出量の削減に向けて、景気動向等を注視しつつ、多量排出事業者に対する減量化の助言・指導などの取り組みを行っております。具体的には、年間1,000トン以上の産業廃棄物を排出している多量排出事業者には、県に対して毎年度、産業廃棄物の減量等の処理計画の提出やその実施状況の報告が義務づけられておりまして、処理計画提出の際に、個別に助言や指導を行うとともに、処理計画や実施状況を公表することによって、事業者の廃棄物の減量化に対する意識の高揚を図っているところでございます。  また、総排出量が総体的に多い建設業における産業廃棄物のリサイクルを一層進めるために、普及啓発を行うとともに、建設リサイクル法に基づき、例年5月と10月に土木部と連携して解体工事現場への立入調査・指導を実施し、建設工事での分別解体と再資源化の促進に努めております。  「産業廃棄物の総排出量」は、景気の動向等に左右される面も大きいわけですが、県としては、今後ともリサイクル率の向上などに資する取り組みを通じて、産業廃棄物の減量化を促進してまいりたいと考えております。 松本委員  今いろいろなところでリサイクルに取り組んでいるというお話も聞きますし、我が県も環境に関しては厳しい県民の目線はあると思います。我が県のことを検索しますと、「産廃の島、豊島」と出てくることがあります。瀬戸内海に目をやりますと、無数の島々が織りなす美しい景観が東洋のエーゲ海や世界一の絶景と評されております。そんな世界一の景観を誇る多島美の一つの島がこのように言われていることが、私はとても残念でなりません。産業廃棄物のごみの総出量も含めて、こういう状況を早く変えていかなければならないと感じております。  来年は瀬戸内国際芸術祭もありますし、2020年には東京オリンピックもあります。国内外の多くの方々が瀬戸内、そして香川県にお越しいただけるように環境を整備していかなければならないと思います。世界ではグリーンやエコがその地を訪れるときにとても重要なポイントになっているというお話も聞くことがあります。今後とも、豊島問題についても謙虚に反省し、改めるべきところは改め、正すべきところは正し、一日も早く適正に処理が終結されることを願いながら、環境や自然に優しい香川県となるように、教訓を生かして行政としての役割をしっかり果たしていただきたいと強く要望したいと思います。  続きまして、「生物多様性保全活動推進事業」についてお尋ねしたいと思います。  子供のころ、地域を駆けめぐっていますと、カミキリムシやカメムシ、蛍、クワガタ、カブトムシ、アメンボ、ザリガニなど、当たり前のように見かけておりましたが、近年めっきり見かけることが少なくなってきたように思います。失われつつある環境を取り戻し、新たな生物や絶滅しかけている生物など、今の時代に合った環境の整備が求められているように思います。  このような中、環境省では、地域における生物多様性の保全・再生に資する活動等に対して必要な経費の一部を交付して支援する「生物多様性保全推進支援事業」を行っております。交付対象事業は7項目ありまして、例えばことしの新規採択された事業として、徳島県では、特定外来生物防除対策として「アルゼンチンアリ対策事業」、愛媛県では、重要生物多様性保護地域保全再生として「石鎚山系における希少動物・生物等保全事業」があるようでございます。  また、メディア等を見ておりますと、民間企業においても、環境社会貢献活動による生物多様性の保全を行うことを基本方針に掲げ、国連から認定を受ける活動をしているところもあるようであります。これからは、行政、地域そして企業などが連携し、生物多様性保全に取り組む時代になってきたと同時に、これからは、私も一般質問や委員会質問でも常に訴えておりますが、環境に優しい人材の育成も必要不可欠になってきていると思います。  そこで、我が県の取り組みとして、主要施策成果説明書の96ページの「生物多様性保全活動推進事業」についてお尋ねしたいと思います。  「かがわナチュラルリサーチャー育成事業」は、いつから実施して、これまで何人の方が参加しているのでしょうか。また、どのような方が参加をしており、講座の参加者を県として今後、どのように活用しようとしているのか、お尋ねしたいと思います。 中村環境森林部長  本県の自然保護関係の活動団体としては、県内の自然系の研究者や各分野の専門家等により設立された「NPO法人みんなでつくる自然史博物館・香川」、植物の愛好家により結成されました「香川植物の会」や「日本野鳥の会香川県支部」等がありますけれども、いずれの団体も中心となって活動している研究者や専門家の方の高齢化が進んでおりまして、その知識や調査技術等を次の世代に継承することが喫緊の課題となってございます。  このため県では、平成28年度から動植物に関心がある一般県民の方を対象に、さらなる専門知識を身につけてもらうために、香川の動植物を調査・研究できる者の育成・確保を行う「かがわナチュラルリサーチャー育成事業」を実施しているところでございます。具体的には、この事業では実際に「香川県レッドデータブック」の調査に携わっている大学や研究機関の研究者が講師となって、植物や昆虫類などの8分野についての専門的知識や種の見分け方、調査方法等を学べる講座を実施しております。  お尋ねの参加者の人数につきましては、平成28年度は幅広い知識を習得する「総合講座」は、39名が受講し、植物学コース、昆虫学コース、淡水魚類コースの3分野の「専門講座」は、延べ70名の方が受講しました。  また、平成29年度は、「総合講座」は31名の方が受講し、また、鳥類学コース、哺乳類学コース、両生・爬虫類学コース、陸産・淡水産貝類学コース、甲殻類学コースの5分野の「専門講座」は、延べ110名が受講しました。  さらに、平成28年度に「専門講座」を修了した者を対象に、さらなる専門知識を深める「フォローアップ講座」を開催して、延べ28名の方が受講いたしました。今年度は、平成29年度の「専門講座」5分野の修了者を対象に、10月中旬から「フォローアップ講座」及び現地研修を実施しているところでございます。  次に、どのような人が参加したかにつきましては、高等学校の教員や市町職員、会社員の参加が多く、主婦や自営業の方も参加されております。また、少数ではございますけれども、高校生や大学生の参加もございました。  この講座の参加者の活用につきましては、これまでの講座を通じて、公務員や会社員、高校生や大学生などの幅広い職種と年齢層において人材の掘り起こしができたと考えていることから、本講座を受講された方を、まずは現在、行っておりますレッドデータブック改訂調査等を担う人材として活用していきたいと考えております。  また、今後、レッドデータブックの現地調査やデータ整理等を通じて、専門知識や調査技術等のさらなるレベルアップを図ることで、将来的には、本県の生物多様性の保全に関し、指導的な役割を担う人材になっていただきたいと考えているところでございます。 松本委員  学校の先生や高校生、学生の方も結構おいでるということであります。私も地域を回っていると、たまに昆虫の標本をつくって専門的にやっている方が何人かおいでて、もしかするとこういう講座を受けているのかもしれません。子供のときだったら、いろいろなことを知っている地域のおっちゃんがいたと思うのですが、少なくなってきているので、こういった人材をしっかり今後とも育てていただきたいと思います。  ただ、いきなりこういう人材育成の講座があるといっても、なかなか急には行けないと思います。関心を持ってもらうためには何かイベントでもしなければと思っていた中で、「かがわ生命(いのち)のミュージアム開催事業」を去年開催したと聞いております。参加者も1万7125人と好評を博したというふうにお伺いしています。こういったことを今後ともきっかけづくりとしてやっていくことを、私もお願いしたいと思うわけですが、まずこの事業の開催に対して、県としてどのように評価しているのか、お尋ねしたいと思います。 中村環境森林部長  「かがわ生命(いのち)のミュージアム開催事業」につきましては、本県には自然系の博物館がなく、また、自然系の大型企画展が県内で開催されておりませんことから、香川の豊かな自然を将来へつなぐ主役となる子供たちに、本物の化石や標本を見たりさわったりしてもらい、香川の自然に興味を持つきっかけづくりとするために、昨年の8月5日から9月3日まで、香川県立ミュージアムで生き物や自然をテーマとした特別展を開催いたしたものでございます。
     この特別展は、副題を「感じて!進化の歴史とふしぎ」として、恐竜の骨格標本やさまざまな化石で生き物の進化の歴史をたどれるような展示や、環境の変化に適応して進化してきた昆虫の標本の展示、県内に生息する昆虫の標本や動物の剥製で香川の「水辺」、「草原」、「森林」の自然環境を表現した展示によって、生き物の進化の歴史や不思議、香川の豊かな自然について、興味を持っていただける内容としたところでございます。  また、ミュージアム開催期間中の土日の10日間には、公渕森林公園をサテライト会場として、同公園など、県内で採取したカブトムシやクワガタムシに実際に触れたり、野外での昆虫採取やカブトムシの標本製作をしていただくなど、実際に生き物と触れ合える体験の場といたしました。その結果、県立ミュージアムの来場者数は1万5902人となり、特別展としては、開催時点で過去4番目に多い来場者数となりました。また、1日当たりの平均来場者数は589人と、過去最多の来場者数となるなど、県民の皆様から好評をいただいたと考えております。  また、来場された方へのアンケートには、来場者の約1割に当たる1,442名の方から回答をいただきましたけれども、県内各地から幅広い年齢層の方に御来場いただいたことがわかりました。回答内容では、「このような特別展が定期的に開催されることが必要と思うか」という問いに対しまして、59%の方が「強く思う」、35%の方が「思う」と答え、合わせると94%になりますことから、展示の内容に満足していただくとともに、生き物や自然に関する特別展への期待がうかがえたところでございます。  また、「生き物や自然に触れる機会は大切だと思うか」という問いに対しましては、69%の方が「強く思う」、28%の方が「思う」と答えておりまして、合わせて97%になりますことから、県としては、この事業が香川の自然に興味を持つきっかけとなり、香川の環境を守り育てる人づくりに向けた効果的な「学びの場」となったものと評価をしているところでございます。 松本委員  私も子供のときに、東京の博物館だったと思いますが、ティラノザウルスを見ました。また、自然がたくさんありましたので、昆虫を見たり捕まえたりと、いろいろなことができたのですが、今は環境が変わってしまって、動物等を見かける機会もなくなりました。アンケートの結果で94%や97%という数字が出ていましたが、県民としてもこういうイベントを求めていますので、今後ともできれば数多くいろいろなところとタイアップしながら開催する方向でお願いしたいと思います。  このような各種事業を総括して「生物多様性保全活動推進事業」として進めているところでありますが、事業全体としての狙いを最後にお伺いしたいと思います。 中村環境森林部長  本県では、近年の生活様式の変化や開発の進展等によりまして、干潟やため池、里地・里山の生息環境が悪化して、身近に見られた野生生物が絶滅の危機に直面しており、生物多様性の保全を実現するためには、行政、企業、民間団体、県民の皆様など、さまざまな主体が連携して保全活動を行うことが必要であると考えております。  このため県では、保全活動の基礎データとなります最新の野生生物の生息状況を明らかにすることを目的として、平成27年度から「香川県レッドデータブック改訂事業」で現地調査等に着手をしているところであり、調査結果については、新たな希少野生生物の指定の検討に活用するとともに、平成32年度には改訂版を作成して、県民の皆様に生物多様性の保全の必要を啓発したいと考えております。  また、生態系や人の健康に大きな被害を及ぼす、いわゆる「侵略的外来種」の最新の生息状況を明らかにするために、平成28年度から「侵略的外来種リスト評価事業」で、現地調査等に着手しているところでありまして、調査結果に基づき、平成32年度までに侵略的外来種リストを作成し、適切な防除に取り組む基礎資料として活用することとしているところでございます。  さらに、保全活動を推進する上では、先ほど申し上げたとおり、レッドデータブックの改訂調査をできる人材や、専門知識を有し指導的な役割を担う人材の育成が必要であるために、「かがわナチュラルリサーチャー育成事業」を実施したり、香川の将来を担う子供たちや県民の皆様が、香川の自然を知り、環境保全活動への参画のきっかけづくりとして、「かがわ生命(いのち)のミュージアム」を開催したところでございます。  県としては、こうした各種事業の実施を通じまして、県民の皆様や事業者、民間団体等の理解の醸成を図り、県民の皆様に主体的に参画していただきながら、事業全体の狙いであります生物多様性の保全活動の推進を図ってまいりたいと考えております。 松本委員  貴重な生物を調査できる人材や指導的役割を担う人材の育成、子供たちを対象とした学習の場の提供など、幅広く人材育成に取り組んでいることが、この事業のお話でよくわかってまいりました。私は動物や植物、昆虫など、生き物をきっかけとした人材育成を進めることが大事だと思っておりまして、これからはそこで育った方々が、より幅広いフィールドで活躍してもらうことも視野に、しっかり事業を展開していっていただきたいと思います。  例えば、生物多様性に興味を持った方がしっかり学んだ後は、里海づくりなど環境に対しても多分興味が広がってくると思いますので、今後、瀬戸内海や里山など活動の場を広げることもできるような施策もより複合的にやっていただきたいと思います。こういう事業をしっかりやっていくことによって、郷土愛も育ってくると思いますので、今後とも施策の連携を意識して、環境森林部としてしっかり取り組んでいただきますことを要望して、質問を終わりたいと思います。 高木委員  私からは、「里山・竹林資源地域循環利用促進事業」につきまして質問させていただきます。  ことしの初め、私たちの会派では、山口県の技術研究所を視察研修させていただきました。山口県は、日本第4位の竹林面積があるようで、国とタイアップして衛星で竹林を管理して、その竹を利用するために小野田市では竹専用のバイオマス発電所を建設中で、間もなく年末か年始には稼働すると説明を受けました。説明を受けて、これは山口県の竹林面積の規模が大きいからこそできる事業だと私は思いました。  香川県は、日本一小さい県でございますけれども、竹林面積は徐々にふえていっているように思います。ただその竹を利用するとなると、確保できる量が少なく、原材料としては課題があると思います。竹炭をつくったり竹酢をつくって売っている人もいますけれども、ビジネスとしては、規模の面で問題があると思います。これは里山でとれる杉、ヒノキ、広葉樹でも同じだと思います。  そこで質問の第1点目は、里山資源を活用して、まき生産等に取り組んでおられるようでございますけれども、具体的にどのように取り組んでおられて、年間生産額がどのぐらいかにつきまして、お答えください。 中村環境森林部長  本県では、松くい虫被害跡地に天然更新してきたクヌギやコナラなどの広葉樹が民有林の約6割を占めるなど、里山林を初めとした里山環境の中心的な役割を担っていることから、これらの広葉樹林を適正に整備することが重要であると考えております。  広葉樹林の整備を進める上では、伐採した木材を利用する必要があると考えておりまして、木材の搬出量の少ない本県では、木質バイオマスの電力利用より、熱源利用が身近で一番利用しやすく、最近、まきや炭への利用が見直されつつありますことから、広葉樹材の利用の取り組みを進めているところであります。  「里山・竹林資源地域循環利用促進事業」は、里山林整備で発生した広葉樹材をまきなどの木質バイオマスとして利用することで里山の整備を進めるため、平成28年度に創設したものであります。具体的には、まきや炭の生産など、地域が行う独自の里山資源利用活動をモデル的な取り組みとして支援して、具体的な成功事例をふやすとともに、県内における資源の供給と需要とをつなぐ流通経路の確立を支援し、県下全域において里山資源の地域循環が図られるように取り組んでおります。  これまで、東かがわ市の五名活性化協議会の取り組みを初め、高松市の塩江薪倶楽部、まんのう町の山脇愛林会、西部森林組合の4カ所の生産拠点づくりを支援しておりまして、平成29年度にこれらの拠点で生産されたまきは約100トンで、その販売額は約780万円となっているところでございます。 高木委員  780万円ということは、原価から考えれば、ビジネスとしては恐らく成り立たないと思うのですけれども、徐々にはふえていっていると思います。  私がこの質問をしたのは、今、ハウス栽培をされている方々が、石油の高騰に悲鳴を上げているからです。今後、ハイブリッド車や電気自動車が普及すれば石油の値段は上がると見ています。作付けしているトマトなどの農作物の価格が、燃料の上昇分に見合うだけ上がれば別ですけれども、そうでないのも現実です。  そこで、広葉樹やエネルギー効率の高い竹等の資源や間伐材を農業用ボイラーで活用する方法も、香川県だけでしようとしたら量的に無理だと思うのですけれども、四国4県や岡山県と協力して取り組むべきではないかと考えております。  また、香川県の里山資源による、まき生産の需要をふやすために、より一層のまきストーブの普及にも取り組むべきだと思います。  そこで質問ですけれども、里山資源の活用を図るため、近隣県も含めて、香川の里山資源を活用できる農業用ボイラーや家庭用まきストーブの普及促進を図るべきだと考えるのですが、この件についてどのようにお考えか、お答えください。 中村環境森林部長  平成26年度に行いました「木質バイオマス利用実態調査」の結果によりますと、農業用木質ボイラーの導入事例はないものの、県内には木質バイオマス設備として、木材関連事業所等にボイラー等が40基、一般住宅にストーブ等が1,200基設置されております。これら木質バイオマスの年間の利用量は、事業所で約9,400トン、一般住宅で約2,400トン、合計で1万1800トンと推計しており、このうち一般住宅の約2,400トンは、まきストーブや暖炉等の燃料としてまきを利用しております。  一方で、県内のまきの生産量は約100トンでありますことから、当面は「里山・竹林資源地域循環利用促進事業」によって、これらの拠点の取り組みを支援するなど、まきの生産量を増加させるとともに、PRパンフレットを各種イベント等で配布して、まき生産拠点についての情報発信を行うなど、県内産のまきの認知度を高めて、その利用を促進したいと考えております。  また、農業用ボイラーにつきましては、まきのまま利用すると温度管理ができないこと、木材や竹材を原材料としたチップやペレットで利用すると導入コストやランニングコストが高くなることから、導入が進んでいないと聞いております。本県の里山資源が活用できる農業用ボイラーの導入につきましては、こうした課題を踏まえながら、その可能性について今後、研究してまいりたいと考えております。 高木委員  ペレットでペイしている会社は、岡山の銘建工業と長野県に1社あるらしいのですけれども、それほどないそうです。ただチップなど切った木をクラッシュする機械を持っている企業が香川県でもあるのでそれを活用するとか、香川県でも今、下水残渣を発酵させて、石炭火力の半分ぐらいの火力にする工場が既に長尾にできていますが、それと同じような大型のものが山口県の徳山セメントにできておりました。その社長に、「そこに木質のチップなどをまぜ込んだらどうか。」と聞きましたら、エネルギー効率が高くなっていいということでした。  現在はその技術ができていないのはよく理解できるのですけれども、今後、石油が高騰しますので、環境森林部のみならず、農業従事者等の意見も取り入れて、香川県のニーズに合った事業展開をしていただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。 佐伯委員  私からは里海づくりの推進について質問させていただきたいと思います。  香川県では、県民の皆様の大切な瀬戸内海を、人と自然が共生できる持続可能な美しい海として後世につないでいくために、里海づくりを進めていると思いますが、それをリーダー的に牽引していく人づくりのために、平成29年度に香川大学と共同で「かがわ里海大学」のいろいろな講座を行ったと伺っております。  内容は、ウミホタルや海辺の生物、アサリの生息調査や、海ごみを調べたりしたと書かれています。その中で一般コースと専門コースに分かれているのですが、具体的にどういう方々が受講されて、よかった点や悪かった点、今後進めていくに当たってどういうことをしていくかということを端的に答弁していただきたいと思います。 中村環境森林部長  まず、「かがわ里海大学」では、平成29年度の前期は、専門コースとして「磯の生き物観察力向上講座」、「里海風景の撮影実習講座」など4講座、一般コースとして「一から学ぶ海ごみ講座」、「里海料理ワークショップ」など8講座、計12講座を実施し、319名の方が修了しております。  それから、後期は、専門コースとして「里海プロガイド養成講座(基礎編)」、「海・山の幸講座」など5講座、一般コースとして「海辺の環境クラフト講座」、「アマモの種まき講座」、「里海体験ツアー」など8講座、計13講座を実施して、166名の方が修了して、前期と後期の合計で485名の方が修了しております。  「かがわ里海大学」の修了者につきましては、平成28年度の開講から年々増加をしておりまして、2年目の平成29年度は、前年度比139名の増加、3年目となる今年度は前期修了時点で、昨年度を上回る336名の方が修了しております。  また、今年度の「かがわ里海大学」では、講座修了後の受講者への講座内容に関するアンケートに、里海づくりに関する設問を追加しておりまして、「あなたはこれまでに『里海』という言葉や意味をどの程度知っていたか」との質問に対して、「言葉も意味も知っていた」という方が56%と半数を超えていたほか、「この講座を受けて、かがわの『里海』づくりに参加したい気持ちは高まったか」の質問に対しては、「高くなった」方が58%、「とても高くなった」方が34%と、里海づくりに関心を持つ県民は確実にふえてきていると認識しております。  どういった方が受講したかについては、課長からお答えさせていただきます。 小蓑環境管理課長  里海大学の受講生について、専門コースにつきましては、里海づくりに何かかかわりたいというような方で、主に大人の方が多いです。一般コースにつきましては、里海に何らかの関心を持っていただきたいという目的でつくっておりますことから、子供から大人までということでございます。 佐伯委員  里海づくりというのは、山・川・まち・そして海を一つに考えて、香川県が施策の一つとして28年度から取り組んで、29年度もある程度の成果が上がっていると思いますが、まだまだ知らない方もいらっしゃいますし、不足しているところもありますので、29年度の反省を踏まえて、30年度もしっかりと、また、来年度に向けて整備していくようにお願いいたしまして、終わらせていただきます。 竹本委員長  以上で、環境森林部関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 竹本委員長  御異議なしと認め、環境森林部関係の質疑・質問を終局いたします。  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午前11時59分 休憩)  (午後 1時05分 再開) 竹本委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 松村委員  私からは、ダム事業の進捗についてお伺いいたします。  その前に、きのう私はボクシングのタイトルマッチを見ておりませんが、負けたらしいです。資料に目を通しますと、少し気になる部分がありますので、ジャブを出させていただきます。  「実質収支に関する調書」の143ページの道路橋梁維持費の13節の委託料について、支出済額が1億5200万円余りで、繰り越しが5500万円、そして不用額が同じく5500万円ほどとなってございます。私も土木事務所にお仕事をお願いすることがあるのですが、予算が不足ぎみなので、自分たちが直営で測量したり設計をさせていただきますという力強いお言葉もいただきます。そういった職員がみずから取り組んで委託料を節減したことで不用額が5500万円ということだったらありがたいのですけれども、どういう事情か、お伺いいたします。 生田道路課長  29年の委託料の不用額のうち、5000万円につきましては、町からの橋梁点検の受託を考えてその分を計上しておりましたが、最終的に町が直接発注されたので、その分が不用額になったものでございます。 松村委員  市からの受託は予定になかったのですか。 生田道路課長  失礼しました。町と申しましたが、もともと予定していたのは三豊市でございます。28年度に三豊市から受託をしておりましたので、29年もということで予定しておりましたが、その三豊市の分が不用となったものでございます。 松村委員  多分、ほかの市町も県と一緒にするお話しだったと思うのですけれども、だんだん減っているということでしょう。それぞれの市町が橋梁点検を個別に実施する方向になっているということでよろしいのですか。 生田道路課長  年度ごとに市町から委託希望をとって、県がその分については受けている状況でございますが、29年度と30年度につきましては、市町からの委託希望はないということでございます。 松村委員  わかりました。  それでは、決算行政評価特別委員会説明資料の14ページに、先ほど部長が御説明されました総括表がございます。この中で土木部の決算額は457億円余りとなっておりますが、この金額のうち、平成29年度の予算分と過年度からの繰越分があると思いますので、その内訳をお聞かせ願いたいと思います。  また、国庫補助事業や単独事業の仕分けが、十分資料で示されておりませんので、その内訳もあわせてお伺いいたします。 葛西土木部長  まず、14ページにあります予算現額の645億円の内訳は、前年度からの繰越分が162億円余、29年度現年分が483億円余となっております。29年度決算額につきましては457億円で、そのうち前年度からの繰越分が161億円余、それから29年度分が296億円余となっております。28年度から29年度への繰越額162億円余につきましては、ほとんど執行しておりまして、29年度予算の483億円余のうち、186億円余は、平成30年度に繰り越しております。  また、決算額457億円余の内訳でございますが、国庫補助事業が203億円余、国直轄事業負担金が21億円余、単独事業が158億円余などとなっております。  土木部としては、今後とも国に対して積極的に要望を行って、必要な予算額の確保に努めながら、県民の皆様の安全・安心の確保と本県の発展に資する事業を着実に推進してまいりたいと考えております。 松村委員  前年度からの繰越額が162億円と言われました。翌年度の繰越額が186億円で、20億円ぐらいふえています。通常繰り越し分を執行すれば、本来減るべきなのですが、国の補正予算の絡みもあって、翌年度へ繰り越す分がふえるのです。本来は、繰越というのは、一般の会社で言いますと貯金がたまるということです。県で言いますと、基金がたまるのであればいいのですが、そういう性格のものではないので、できれば繰越分をどんどん消化して翌年度に繰り越す部分を少なくすることが大事だと思います。  例えば、先ほど補助事業のお話をお聞きしましたが、工事請負や委託費だけでなく事務費も補助の対象にされていると思います。通常、予算を要求する側は、一般財源を使わないように工事請負や委託費だけでなく、事務費も対象にして要求するのです。ただ、実際は会計検査で指摘される云々で、なかなか事務費を対象にしないということがありますが、事務費の中でも給料や共済費といった人件費は充当が可能なのです。ただし、それは現年分だったら対象にできますが、繰越分はできないと思うのです。皆さん方の給料を、例えば1、2、3月分を繰越分にしますからと給料を払わずに、新年度に払いますということはできないでしょう。  そういった細かい部分ですけれども、県の財政負担を少なくするという観点からしましたら、なるべく繰越事業は減らして、現年度の予算で対応していくということが私は大事だと思うのですが、部長の見解はどうでしょうか。 葛西土木部長  繰り返しになりますが、29年度の予算現額のうち、28年度から繰り越した分が162億円余ございます。また、186億円余とうのは、29年度から30年度に繰り越した分となります。28年度から29年度に繰り越したものよりも、29年度から30年度に繰り越したほうがふえているのは、国の補正の時期が、28年度のときには11月定例会で御議決をいただいて執行を行った結果、若干減っているということであります。一方、29年度から30年度については、29年度の国の補正予算の御議決が30年2月定例会であったということで、ほとんどが執行できずに繰越額がふえている状況でございます。  松村委員御指摘の人件費を繰り越すことは、なかなか難しいところで、実質的にはそういうところで回っているようなことになっております。 松村委員  農林もそうですけど、特に公共事業は国の補正予算の絡みで年度の区分額はあるようでありません。ただ、確かに国の補正予算の絡みで20億円ぐらいふえたという話ですが、2月定例会で国から補助金や交付金がついたので、40億円ぐらい追加したでしょう。だけど、55億円ぐらい土木部で落としていると思うのです。もともと55億円は現年で執行する予定の部分を落とす話なのだから、繰り越し云々とは意味合い、理由づけが違うと思うのです。もともと落とす前の分でやりますという話で、補助がつきますという話です。それが現実には55億円がつかなくなって、要は15億円分、本来の目的から減っているのです。  そういった意味からしますと、28年度から29年度への繰り越しが162億円だけど、なるべくどんどん消化というか、実績を上げて、160億円を180億円にしないで、例えば160億円を150億円にするとか、140億円にするとか、そういう部分が必要なのではないですかという話です。  先ほども土木事務所の話しをしましたが、それは何が原因かというのは、もしかすると、もともと1000億円もあった土木費が、今400億円、500億円になっているので、職員の人数や、組織体制が十分ではない部分もあるのではないかと心配しているのです。そのあたりはどうなのですか。 葛西土木部長  まず、職員数につきましては、委員御指摘のとおり、一時期からはかなり減っている状況となっております。  また、予算規模につきましても、ピーク時からはかなり減っている状況で、昭和57年相当ぐらいの予算規模になっております。職員数につきましては、今はいろいろな書類もふえており、品質確保の上ではそういうものは必要になっておりまして、かなり1人当たりの手間はふえていると思っております。ただ、これで足りているかどうかについては、頑張って工夫しながらやっていきたいと考えております。 松村委員  では、本題のダムのほうへ進ませていきます。  土木費の決算の中でも大きな額を占めるのがダム事業だと思います。中でも椛川ダムが最も額が大きいと思うのですが、先ほど繰り越しの部分も含めて順調に進んでいるのか、お伺いをいたします。 片山理事  椛川ダムにつきましては、洪水調節、流水の正常な機能の維持、高松市の水道用水及び異常渇水時の緊急水補給を目的としました多目的ダムであります。平成8年度から国の補助事業により建設事業に着手し、平成11年度には、利水者である高松市と基本協定書を締結いたしまして、環境調査や施設設計など、各種の調査設計を初め、用地買収やつけかえ道路工事等を進めてきたところでございます。その後、国からの要請を受け、平成22年度からダム検証作業を進め、ダム事業費等の点検を行い、「香川県ダム検証に係る検討委員会」等の審議を経まして、国に報告を行い、平成24年2月に国において「補助金交付を継続」とする対応方針が決定されました。これを受けまして、つけかえ道路工事の進捗を図るとともに、各種の調査や設計を行い、ダム本体建設工事や取水設備工事、放流設備工事の契約を行ったところでございます。  椛川ダムの平成29年度の決算額といたしましては、51億5700万円余でありまして、ダム本体建設工事を初め、取水設備工事、放流設備工事、つけかえ道路工事、管理設備の設計や環境調査等の諸調査を行ったほか、用地買収についても昨年度末に約54万平方メートルとなります全ての用地取得が完了するなど、事業は順調に進捗しているところでございます。このうちダム本体建設工事につきましては、契約額が約189億円で、大成・飛島・村上JVと平成26年10月15日から平成32年9月30日までを工期といたします工事契約を行いまして、平成27年2月から立木の伐採工事に着手して、その後基礎掘削を行い、平成28年12月からコンクリート打設を開始しているところでございます。本年9月末時点のダム本体コンクリート打設の進捗は、約27%となってございまして、工事が本格化しているところでございます。  つけかえ道路工事につきましては、用地取得の完了に伴いまして、本年6月には、つけかえ県道約4キロの全線を供用開始いたしました。また、つけかえ市道につきましては、約3キロメートルのうち、9月末現在で工事に着手しております区間が全体の約90%となってございます。  椛川ダムは、県民の皆様の安全・安心の確保のため、治水・利水両面から重要な事業であり、引き続き県議会を初め、県民の皆様の御理解をいただきながら、早期に事業効果が発揮できるよう事業を推進してまいりたいと考えております。 松村委員  順調に進んでいると理解しております。ただし、歳入支出決算事項別明細書の147ページにある河川総合開発費の繰越額が、前年度からが36億3000万円、29年度から30年度にかけては41億6300万円とふえています。これは、ほかにも五名ダムや綾川ダムもあるのですが、メーンは椛川ダムのことと思います。先ほど説明していただいたように、例えば本体工事でしたら189億円で9月までの契約になっています。それは多分継続費で債務負担をとって順次年度協定で実施していると思うのですが、それにもかかわらず補正予算の絡みもあるのでしょうが、繰越明許費がふえるということは、もしかすると、業者との協定が計画どおりの実績が上がらなくて、仕方なく繰り越しにしているのかという心配をするのです。今の継続費というのは、計画的な執行の部分と繰り越しがふえる部分の絡みがあるのか、そのあたりの説明をお願いしたいと思います。 葛西土木部長  椛川ダムは国の補正がなく、28年度からの繰越額が約34億円余、29年度の現年予算が57億円、29年度から30年度への繰越額は39億円余となっています。繰越額自体を比べたところでは5億円ふえておりますが、現年予算額がふえている関係もございます。ただ43%程度繰り越しになっておりますので、委員御指摘のように、繰り越しが大きいところではありますが、早期に事業効果が発揮できますよう、事業を引き続き推進していきたいと考えております。 松村委員  もうこれ以上細かいことは言いません。一日も早く完成に向けて鋭意努力をお願いいたします。 米田委員  公営住宅政策の現状と課題というテーマで質問させていただきたいと思います。  豊かになった、あるいは一流国になったという日本で、衣食住を心配しなければならない時代が来るとは思いませんでした。2008年の年末、派遣切りが広がり、年越し派遣村が出現したときには衝撃を受けました。派遣契約が切られた途端に住むところを追い出されるという現実です。貧乏で育っても住むところに切実に困ったという経験のない私にとって、意識してこなかった住宅政策の重要性を意識するようになりました。  公営住宅は、憲法第25条の生存権の保障の趣旨にのっとり、公営住宅法に基づき、国と地方公共団体が協力して、住宅に困窮する低額所得者に対し、低廉な家賃で供給されることになっています。この基本が十分意識されていなければなりません。  県は市町と連携して、住むところに困る人が出ないよう十分な公営住宅を確保することに腐心しておられると思いますが、現在、そして将来にわたって十分確保されるような計画になっているのかや、地域的な偏在はないのかについて、市町とあわせた公営住宅確保の状況と今後の見通しについて教えてください。 古沢住宅課長  県では、県民の豊かな住生活の実現に向けまして、良質な住宅の供給や良好な住環境の形成が図られるよう「香川県住生活基本計画」を策定しており、直近では、平成29年3月にその見直しを行っているところでございます。  計画の内容といたしましては、住生活基本法第17条に基づきまして、国の全国計画に即して、県の区域内における住民の住生活の安定確保及び向上の促進に関する基本的な事項を定めたものとなっております。県ではこの計画を通しまして、住宅施策を総合的かつ計画的に推進し、安全で快適な暮らしづくりや活力ある地域づくりを進めているところでございます。計画に定める事項の一つに、「都道府県内の公営住宅の供給の目標量」があり、県におきましては、国から示された推計方法である、県内における将来の年収分位別世帯数、単身者や高齢者の世帯数、これまでの公営住宅の応募倍率、空き家率などをもとに供給目標量を設定することになってございます。  市町もあわせた本県全体の公営住宅の供給目標量でございますが、国土交通省との協議も行いまして、平成28年度から32年度までの前期5年間で3,200戸と定めているところでございます。5年ごとの計画の見直しに当たりましては、有識者や関係者による「香川県住生活基本計画検討委員会」や、県や市町で構成される「香川県地域住宅協議会」の意見も伺って対応しているところでございます。  供給目標量に対する実際の供給実績は、平成24年3月に策定した現行計画の一つ前の計画では、平成23年度から27年度の5年間における供給目標量を3,200戸と設定して、これに対する供給の実績が3,330戸となっており、おおむね計画に沿った適切な公営住宅の供給を行ってきたと考えております。 米田委員  それで、現在の公営住宅の入居者の状況についてどのように把握されているのでしょうか。年齢状況や所得状況、家賃滞納の状況について、経年的にどういうふうな変化があるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 古沢住宅課長  まず、県営住宅の入居者の年齢構成の状況でございます。  入居名義人の年齢構成で、大きく59歳までの世帯と60歳以上の世帯で見てみますと、平成19年度は、59歳までの世帯が61.1%、60歳以上の世帯が38.9%という構成でございましたが、平成29年度におきましては、59歳までの世帯が45.1%、60歳以上の世帯が54.9%となっておりまして、10年間で大きく高齢化が進み、高齢者の割合が多くなったことが見てとれると思います。特に子育て世代であります30歳代は、その占める割合が大きく減少しておりまして、19年度30歳代が19.1%でしたのが、29年度には8%と大きく減少しています。逆に70歳以上が占める割合が大きくなっているという状況でございます。  次は、入居世帯の所得の状況でございます。これについては、政令月収と申しまして、総所得から扶養控除等の額を控除したものを月収に置きかえたベースで見てみますと、「収入分位1」と呼ばれます月収が0円から10万4000円までである世帯の占める割合は、平成19年度及び29年度いずれにおきましても、入居世帯全体のおおむね4分の3となっておりまして、入居者の所得の状況の傾向は、大きくは変化していないと認識しております。  それと、家賃の滞納の状況でございます。近年本県では、徴収の強化に取り組んでおりまして、現年度分の徴収率は、平成19年度が95.3%であったのに対して29年度は98.7%となっておりまして、改善している状況でございます。 米田委員  次に、昨年創設され、県もその体制整備に取り組まれている住宅セーフティーネット制度との関係が、どうも私の頭の中では整理ができておりません。住宅確保困難者がいたら、まず公が引き受けるはずなのに、民間にお願いするという、この辺の問題です。基本的には、公が準備すべきなのに、なぜこうした枠組みができたのか、香川県における住宅セーフティーネット制度と公営住宅政策との絡みがどうなるのか、わかりやすく教えてください。 古沢住宅課長  まず、住宅セーフティーネット法の趣旨でございます。全国的に見ますと、今後も高齢者等の住宅確保要配慮者の増加が見込まれるところでございますが、日本の総人口が今後、減少していく中、公営住宅の大幅な増加は見込めない状況にございます。  一方で、御案内のとおり、民間の空き家・空き室が増加しておりまして、中には利用可能なものも数多く存在するという状況がございます。こうした民間の空き家・空き室を利用しまして、住宅確保要配慮者向け住宅を確保しようとするものが、住宅セーフティーネット法の趣旨でございまして、昨年10月には、民間空き家の活用をさらに促進するために、住宅確保要配慮者向け住宅登録制度を新たに盛り込んだ一部改正法が施行されたものでございます。  東京圏や大阪圏の都市部におきましては、既に公営住宅の不足がかなり進行しておりまして、応募倍率も高くなっております。文字どおり住宅確保要配慮者向けの住宅の確保が急務となっている状況でございますが、本県におきましては、公営住宅、県営・市町営を通して、応募倍率は現在、ここ数年減少傾向でございまして、空き室も相当数見られることから、住宅確保要配慮者向けの住宅不足といった状況とまではなっていないと認識しております。  このように大都市圏周辺と比べますと、本県における要配慮者向けの住宅の需給バランスは、それほど逼迫はしていないという状況でございますが、住宅確保要配慮者の居住の安定確保のために、公営住宅に加えて、民間賃貸住宅への入居の円滑化を進めるという住宅セーフティーネット制度は非常に重要であり、また、県内でも急増する空き家の利活用を図ることができるという点で、有効な施策と考えております。このため、今後におきましても、不動産関係団体の研修会や、賃貸物件のオーナーが集まる会合等に積極的に参加して、制度の周知を図りまして、セーフティーネット住宅の登録を促してまいりたいと考えております。
     県としましては、今後とも市町と連携しまして、公営住宅とセーフティーネット住宅を組み合わせながら、住宅確保要配慮者向けの住宅の安定供給に努めてまいりたいと考えております。 米田委員  もう一点聞かせていただきたいと思います。  この間、日本住宅公団で有名な団地の都市計画に携わっておられた津端修一先生と英子御夫妻が実践されている自然と共生する暮らしを追ったドキュメンタリー映画人生フルーツ」という映画を見ました。来場者のほとんどが女性で、会場はほぼいっぱいで、皆さん渇き切った都市空間ではなく、本当に潤いを求めているという雰囲気を感じました。  映画では、津端先生が尊敬するモダニズムの巨匠ル・コルビジェの残した「家は、暮らしの宝石箱でなくてはならない。」という言葉を紹介してくれました。今後の公営住宅政策においても考慮されるべき課題ではないかと思います。今後、長寿命化計画のもとで県営住宅の改修に当たっては、経済優先の時代に省みられてこなかった自然と共生できる空間の創設という視点も取り入れて、豊かさを感じるような改修をすべきと考えますが、改修に当たっての考え方をお聞かせください。 葛西土木部長  まず、県営住宅の管理戸数は、この4月1日現在で6,128戸でありますが、建設後30年以上が経過した住戸が、全体の約5分の4の84%を占めるなど、老朽化が進んでいます。このような中でも、県では厳しい財政状況のもと、県営住宅の既存ストックを有効活用し、効率的・効果的な施設整備を行うため、平成23年3月に「香川県営住宅長寿命化計画」を策定し、この計画に基づいて施設の整備を行っているところでございます。  この長寿命化計画では、基本的な方針として、「住宅を耐用年限まで使用することを基本に、良質な住宅ストックの形成に向けて計画的な改善・修繕や適切な維持保全等を行い、建物の長寿命化によるライフサイクルコストの縮減と事業費の平準化を図る。」ことでございまして、毎年度この基本方針に沿って県営住宅の改善を進めているところでございます。  具体的な改修事業の内容は、50年を経過した住戸の外壁改修や防水改修を重点的に行っております。また、内装改修や老朽化した設備の配管・配線の取りかえ、節水型便器への取りかえなどの住戸改善と、それに伴い実施する高齢化対応として共用階段部の手すりの設置や、居室内の段差の解消、高齢者耐用のユニットバスの設置などを行っているほか、29年度には、木太川西団地でエレベーターの設置工事を行ってございます。  また、日常的に定期点検を行って、適切な時期に予防保全的な修繕を行うことで、施設の長期的な活用を図っているところでございます。  このような中、委員御指摘の「家は、暮らしの宝石箱でなくてはならない。」という言葉です。家は皆さんが毎日過ごされる空間でございますので、予算厳しい折ではございますが、自然と共生できる空間の創設や、豊かさを感じられるような改修についても重要とは考えております。しかし香川県では、今のところそういう事例も余りないようでございますので、今後、他県の事例も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。 岡野委員  先ほど住宅セーフティーネットの政策の話がございました。主要施策成果説明書の108ページで、健康福祉部の関係になりますが、生活困窮者自立支援事業の中に「生活困窮者住宅確保給付金事業」というものがあります。生活困窮者住宅確保給付金の給付を受けて平成29年度に県営住宅に入居した世帯数がどれぐらいあったのか、教えてください。 古沢住宅課長  今手元に用意がございませんので、後ほど御報告させていただきます。 岡野委員  健康福祉部から聞いたところ、生活困窮者住宅確保給付金事業に70万円の予算がついていますが、過去の実績はほとんどありません。この事業が使われた実績がないので、県営住宅でも使われていないということです。  何が言いたいかと申しますと、先ほど米田委員の質問に対して課長が、空きが見受けられるから供給は足りているというような趣旨のお話がありました。確かにそういう側面もあるかもしれないのですが、一方で、活用しにくいから空きがあると考えることもできるのではないかと思っています。  かねてから御相談をさせていただいておりましたが、県営住宅に入居する際には費用がかかります。そして工期も長くなるので、すぐに入ることができないところが障壁になっているのではないかという話をしていて、ことしから風呂釜がつくようになりました。県が設置してくれるので入居費用が下がるし、工期も短くなるとは思うのですが、クーラー等の電気設備や照明器具は入居者が設置しなければいけないことになっています。  民間住宅ですと、設置しているところもございますし、提供するところもあります。県営住宅を退去される方が、その照明を持って新しいところで使えるのかがすごく疑問で、粗大ごみになるしかないのではないかというようなことだと思うのです。クーラーや冷暖房設備だったら、もしかしたら中古リサイクルショップに行けるのかもしれないですが、それでも長期間使っていたら、リサイクルショップでさえお金を払わなければ引き取ってくれないかもしれないという現状があると思うのです。  そこで、提案ですが、大阪府ではそういう照明器具や冷暖房設備、風呂釜もリースをしていたり、入居者に相応のお金で提供しています。耐用年数が超えていたら無料でということですが、そういうストックをしています。だからいつでも安価で入居ができる仕組みなのですけれども、そういうことを進めていったらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。 古沢住宅課長  本県の県営住宅におきましては、照明については台所や玄関に入ってすぐのところは、あらかじめ整備されている住戸もございます。ただ居室については、入居者につけていただきます。また、エアコンにつきましては入居者が設置するということで対応しているところでございます。  御提案の大阪府のリース方式については、他の都道府県や県内の市町の取り扱いをまずは十分調査をしまして研究してまいりたいと思います。 岡野委員  県営住宅は、先ほど米田委員もおっしゃったように、生活がそう豊かではない方たちに提供する目的でもともと設置されていたわけですから、できるだけ民間に比べて安価で入居できるように、そしてスムーズに入居できるような方策を進めていただきたいと思います。  質問に戻りますが、先ほどの「生活困窮者住宅確保給付金事業」についてです。  これは前の委員会で私が健康福祉部に質問したことですが、この事業は、過去に実績が1件ぐらいで数年推移していまして、予算が執行されていないわけです。それは大変もったいないということで、これからは各市町に設置されている生活困窮者相談支援センターの職員に十分に技術や情報を提供して、積極的にこの事業を活用してもらえるように努力をするとおっしゃっていました。  そういう意味では、県営住宅を所管する住宅課と健康福祉部がもう少し連携を深めて、各市町にある支援センターの支援員の方に積極的に住宅課からも働きかけて、そういう支援をするということを表明していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 古沢住宅課長  御提案の「生活困窮者住宅確保給付金事業」につきましては、健康福祉部や市町の相談支援センター等と十分情報共有を図りまして、入居者の方が活用できるように取り組んでまいりたいと考えております。 岡野委員  最後に要望ですけれども、生活困窮者の住宅の相談ですが、本当にすぐに入りたいという人が多いわけです。失業中の方で、もう来月からお金が払えないという方がたくさんいらっしゃいます。そういうときなのに、県営住宅や市営住宅に入るときにはもう抽せん日や入居日が決まっているということも県営住宅を活用しにくい理由になっているのではないかと思います。  この間の議会の質問の中で、DV被害者や性犯罪被害者の方たちへの目的外使用を認めることについて検討していくという御答弁をいただきましたけれども、生活困窮者についても、本当に生活が逼迫して、もうすぐ住宅を退去しなければいけない方や、本当に行くところがないという方たちに、目的外使用を許すことができないのでしょうか。これは法律の兼ね合いもあるかもしれませんけれども、他県の状況を見て検討を進めていただきたいと思います。 松本委員  私からは、道路の適切な維持管理についてお尋ねをしたいと思います。  9月定例会の環境建設委員会でも、横断歩道橋の維持管理について質問させていただきました。宇多津町の横断歩道橋で、経年劣化で階段の滑りどめを固定する鉄筋がむき出しになっていたところを小学生が踏んでしまい、靴を貫通しけがをしたとのことでありました。横断歩道橋の定期点検の期間は5年とのことでしたが、その定期点検が実施されるのが今月で、その直前の事故でありました。  今回はたまたま軽傷で済みましたが、橋梁や横断歩道橋などの道路構造物については、劣化や破損が重大な事故を招くおそれがあります。道路には、そういった橋梁や横断歩道橋以外にも、舗装や区画線、防護柵など、いろいろな施設があり、どの施設も自動車や自転車、歩行者が安全に通行するには必要不可欠なものであり、最近高齢者や交通量の増加などに伴い、その整備の要望もよく聞くようになりました。  そのような中、センターラインや外側の白いラインが消えかかっているところをたまに見かけることがあります。大雨のときや夜間には、それを頼りに車やバイク、トラックなどが走行することから、区画線が消えかけたりすると、とても見にくく、先日の台風のときも前の車が徐々にセンターラインを超え始め、対向する車のパッシングで気づくような場面を見たこともあります。ちょっとした整備の不良で、非常に危険な状況になることがあります。  また、舗装に小さな段差ができていて、車で通ると驚くこともありますが、バイクや自転車ではその段差や砂がたまっているところを通行すると転倒する場面も見かけることがあります。交通安全の確保の面から、道路施設の日常の適切な維持管理は、大変重要だと考えておりますが、県管理道の維持管理にどのように取り組んでいるのか、お尋ねしたいと思います。 葛西土木部長  道路は、日常生活を支える基本的な社会資本でありますことから、適切な維持管理を行い、安全かつ快適な道路交通の確保に努めることが大切であると考えております。  まず、毎日の「通常パトロール」につきましては、1週間で各管内の県管理道路全路線を一巡するように実施しています。このパトロールの実施に当たっては、道路の状態を点検して、舗装の破損や路面上の落下物の有無、道路の区画線の状況、交通安全施設の損傷などを確認し、車両や歩行者の通行に支障がある場合には、その場で修繕を行うこととしております。  また、定期的に「夜間パトロール」を行うことにより、道路照明施設の点灯状況や区画線の視認性など、夜間における交通安全施設の点検を行っているところです。パトロールの結果、一定規模を超える修繕が必要な場合など、その場での対応が困難である場合には、応急措置やバリケードなどによる安全措置を行い、別途契約しております道路維持工事により修繕を行うこととしております。  また、これらのパトロールとは別に、地元の方から異常箇所等の情報等を得た場合は、現地を確認して、速やかに対応を行いますほか、職員が工事現場等への行き帰りの際にパトロールを行うなど、車両等の安全が確保されるよう、適切な維持管理に努めているところでございます。 松本委員  週1回通常のパトロールを行っているということですが、中には区画線が消えかかっているところもあるので、点検をもう一回お願いできたらと思います。  また、施設を少しでも長く適切に使用していくためには、日常の維持管理と定期的に実施している道路の点検が重要だと思いますが、定期点検の実施について、もうちょっと細かくどのようにされているのか、教えていただきたいと思います。 葛西土木部長  平成26年度に道路法施行規則が改正されまして、橋梁やトンネル、大型構造物の点検は、近接目視により5年に1回の頻度で行うことを基本として、その健全性については、4段階に区分することなどが道路法施行規則や国の点検要領で定められております。  これを受けまして県では、平成26年度から県内1,476橋の近接目視点検に着手いたしまして、昨年度までに1,467橋の点検を終え、今年度、残る9橋の点検を終える予定となっております。県が管理する橋梁では、法改正後、平成26年度から29年度の4年間で、県管理橋梁の約99%の1,467橋の点検を実施いたしまして、緊急に措置を講ずべき状態に該当する橋梁はありませんでした。  しかし、次期点検までの5年以内に措置を講ずべき状態の「判定区分III」は182橋、長期的な修繕コスト低減の観点から予防的に措置を講ずることが望ましい状態の「判定区分II」は826橋ございました。  また、トンネルや洞門、大型標識等につきましては、昨年度までに全て点検を終了しております。横断歩道橋については、今年度、県が管理いたします56カ所全ての施設の点検を実施する予定となっております。  今後とも、日常的なパトロールや定期的な点検を適切に行って、県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 松本委員  点検等を鋭意行っているということですが、道路のような線状に連なる構造物を維持管理するには多大な人員と費用を要すると思います。橋梁については緊急に対応を要するところはないというお話しですが、今回の横断歩道橋の事例のように急に壊れることもありますので、いろいろな方の声を聞きながら点検することも大事だと思います。  また、道路は人や物を運ぶ特性上、人が住んでいない場所でもインフラ整備等を行う必要があります。特に車社会である香川県の場合は、公共交通網の整備を進めつつ、道路もしっかり点検・整備し、維持管理するとともに、新たな交通網の整備をしながら交通渋滞の分散をしていかなければなりません。これからのまちづくりを考えていくに当たり、道路の整備は、欠かせないものだと思います。  また、近年災害対策等に目が行きがちですが、道路の整備や維持管理に必要な財源をしっかり捻出して整備・点検を行うことによって、交通事故の抑止・防止につながっていくものだと思います。  また、道路に関しては、高規格道路の県道円座香南線の香南工区の早期完成と、県道太田上町志度線の六条工区の残り0.8キロが早く完成することを望んでいます。また、国道193号から32号に向かう西側の整備など新規の道路も含め、県下さまざまなところで整備を行っていかなければいけないと思っています。  今後の県道の整備に当たって、部長の意気込みをお尋ねしたいと思います。  最後に、日本一狭い県といえども、道路の管理・整備はとても大変なことだと思います。これからも担い手の確保などいろいろな課題の解決を図りながら、しっかり行っていただくことを強く要望しまして、質問を終わりたいと思います。 葛西土木部長  香川県でも人口減少や少子高齢化が急速に進行している中、気候変動による災害リスクの高まりや社会インフラの老朽化などが顕著になっておりまして、限られた財源を有効に活用していくことがますます大事なことだと考えております。  このような状況の中、やはり香川県では、県政を着実に発展させ、豊かな未来を実現するために、いわゆる「成長する香川」、「信頼・安心の香川」、「笑顔で暮らせる香川」の3つの取り組みを柱とする政策を積極的に推進していくことが必要だと思っています。特に安全・安心の面におきましては、交通安全対策や自転車歩行者道の整備、交差点の改良に力を入れていきたいと思っております。  また、県内産業の振興や地域経済の活性化におきましても、先ほど委員御指摘がありました県道円座香南線や「さぬき浜街道」の整備があります。「さぬき浜街道」では、多度津トンネルの整備を今進めておりますが、今後も幹線道路ネットワークの整備を重点的に行う必要があると考えています。  また、老朽化については、日常の点検や定期点検をしっかり行うことで道路維持に努め、県民の皆様の安全で快適な生活環境の整備に努めることが重要であると考えています。こういったことをバランスよくしっかり行いながら、地域の実情や県民の皆様のニーズを十分に踏まえて、県民の皆様の安全・安心の確保や、活力ある県土づくりに向けて道路事業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 高木委員  私からは、下水道管渠の老朽化対策と耐震対策につきまして質問させていただきます。  本県では、「公共下水道普及促進事業」として、7市4町が行う汚水管渠(ポンプ場を含む)整備事業に対して、昨年度1億4397万円余の助成を実施した結果、県内の下水道普及率は44.1%から44.8%に向上しました。  県内の下水道普及率が向上するのはいいことだと思いますけれども、私が危惧するのは、下水道の老朽化問題です。私の地元牟礼町では、水源がなかったがゆえに、川の水をきれいにするためにやむを得ぬ状況から、昭和46年度から下水道整備事業が始まりました。そのおかげで、下水道普及率は90%を超えており、町レベルでは、日本でトップクラスでした。  しかしながら、早くから下水道の整備が始まったために、埋設された下水道管が老朽化しています。下水道管内には、常時硫化水素が充満しており、その硫化水素は、水に触れると硫酸になって、当時布設されたヒューム管であれば、その硫酸がヒューム管を溶かして、土圧で下水道管が維持されているという状況も現実にありました。  このようにさまざまな要因で下水道管が老朽化し、その結果、下水道管が破壊され、道路が陥没するとともに、そこから汚水があふれるおそれがあります。一旦汚水があふれると、水道と違ってとめることができません。  そこで質問ですけれども、まずは、県下の下水道管の老朽化状況と今後の対策につきましてお伺いさせていただきます。 葛西土木部長  高松市の旧牟礼町は、県内で4番目に下水道事業に着手しておりまして、この結果、平成29年度末の汚水処理人口普及率が92.3%で、直島町に続きまして県内で2番目に高い普及率となっております。  委員御指摘のとおり、経年劣化や硫化水素などで下水道管渠が損傷した場合、下水道が使用不能となるだけでなく、周辺への影響が生じる可能性が高いことから、下水道管渠の老朽化対策は、非常に重要であると考えております。  まず、県の流域下水道では、約48キロメートルの管渠を管理しておりますが、古いもので37年が経過しておりまして、いわゆる標準耐用年数の50年を経過する管渠は存在しないという状況でございます。  しかしながら、50年は経過していないのですが、37年もたって、しかも流域下水道の管渠は、その全てが重要な幹線に位置づけられていることから、計画的な点検・調査に基づき、劣化状況等を適切に把握することは重要であると考えております。そこで処理場や管渠など全ての下水道施設を対象とした下水道の長寿命化計画である「下水道ストックマネジメント計画」を平成29年10月に策定し、この中で管渠の点検や調査頻度などについて定めたところでございます。  昨年度、流域下水道の管渠約48キロメートル全てについて、テレビカメラによる詳細な調査を行いまして、異常の有無や老朽化の程度などの詳細な把握に努めました結果、約70メートルについて異常が認められまして、早急な対策を行うこととしております。  一方、県内の市町が管理している、いわゆる公共下水道につきましては、これまでに約2800キロメートルの管渠が整備されておりまして、このうち平成28年度末時点で、全体の約3%強に当たる約94キロメートルが標準耐用年数の50年を経過する管渠となっております。これらの市町では、先ほど県でも策定いたしておりました「下水道ストックマネジメント計画」をことし1月末までに策定を完了しておりまして、一部の市町におきましては、この計画に基づいて、今年度から管渠の老朽化対策工事を実施しているところでございます。  県といたしましては、市町とともにこのストックマネジメント計画に基づき、計画的に老朽化対策を進め、県内全ての下水道施設の安全性確保に努めてまいりたいと考えております。 高木委員  今から50年前に布設されて管は、例えば焼き物であれは半永久的だと私は理解しているのですが、ヒューム管で布設しているところがありますので本当に危険です。消防車のような重量のある車が通ると、陥没するおそれがありますので、今部長が答弁いただいたとおりのことをきちんと実施していただきたいと思います。  次に、ことし初め、南海トラフ地震の向こう30年以内の発生確率が70%から70~80%に高められましたけれども、老朽化と同じく私が危惧しているのは、万が一地震が発生した場合の下水道管の耐震化の問題であります。  大きな地震動によって下水道管が破裂した場合、多くの箇所で道路が陥没して汚水があふれ出ます。私も現実に経験しているのですが、近くの家の流しから汚水が吹き出すのです。下水道管内はトイレの汚水ですから、においもあるし、後々補償の問題も出てきます。そういうことがないように、事前に対策をしなければいけないと思います。  国や対象エリアの自治体と連携して、発生確率が高くなっている南海巨大地震に耐えられるように、老朽下水道管の早期の耐震対策を実施すべきだと思っております。下水道管の現在の耐震化状況と今後の対策につきまして再度お伺いさせていただきます。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、大規模地震などで下水道管渠が損傷した場合、下水道が使用不能となるだけでなくて、周辺への影響が生じる可能性が高いことから、下水道管渠の耐震対策は、非常に重要であると考えております。  まず、県が管理する流域下水道の幹線管渠につきましては、平成25年度に行った簡易な耐震診断により、耐震性を有すると判断された管渠、これは液状化しないとなっているところでございますが、そういうところを除いて、平成26年度から緊急輸送路に埋設した管渠など、損傷による影響が大きい管渠から順に詳細な耐震診断を実施いたしまして、ことしの2月に幹線管渠全ての耐震性の把握を終えたところでございます。  この耐震詳細診断の結果を踏まえまして、平成27年度から幹線管渠の耐震対策工事に着手しておりまして、平成30年9月末現在における管渠の耐震化率は、大束川処理区で71.5%、金倉川処理区で74.3%となっておりまして、両処理区を合わせた幹線管渠の耐震化率は72.6%となっております。今後、平成31年度中の耐震対策の完了を目指して、計画的に工事を進めていくこととしております。  一方、県内の市町が管理している公共下水道につきましては、現時点で全ての管渠の耐震性は把握できておりませんが、緊急輸送路に埋設した管渠など、重要な幹線管渠約536キロメートルのうち、耐震性が確認されている約178キロメートルを除く約358キロメートルにつきましては、引き続き耐震性の有無の確認や計画的な耐震化が図られるよう、市町への助言等を行っていくこととしております。  下水道施設につきましては、地震による影響が大変大きい重要なライフラインでありますことから、今後も引き続き、耐震化よる機能の確保に努めてまいりたいと考えております。 高木委員  最後に要望でございますけれども、県よりも市町の下水道管に私は課題が多いと思っておりますので、県は市町と連携し、指導や予算も含めてしっかり取り組んでいただきたいと思います。  下水道管は、その施設のほとんどが地下にありますので、日常生活の中では見えません。しかしながら、ライフラインの中では重要な存在であります。老朽化による機能停止や地震などの大規模災害が発生した場合、住民生活への影響が非常に大きいので、今後も引き続き、老朽化対策と地震対策を進めていただきたいと思います。  それとともに、県では「公共下水道普及促進事業」により下水道の普及促進を図られております。ところが、香川県は今96万人余の人口が、私の計算では毎年8,800人前後、2060年にかけて減っていきます。ということは、広げ過ぎますと、下水道ほど費用がかかる事業はありません。国も第3の下水道として合併処理浄化槽の普及を計算していると思うので、公共下水道なのか、第3の下水道である合併処理浄化槽なのか、そこを今後、十分検討した上で下水道事業を進めていっていただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。 佐伯委員  私からは、「高松港国際物流ターミナル整備事業」についてお伺いしたいと思います。  朝日地区の「高松港国際物流ターミナル整備事業」は、大震災にも耐え得る耐震化と大型船が入港できるようにマイナス12メーター岸壁の整備という、本当に大きな事業を進めてきていますが、それ以上に世界的には船舶が超大型化しており、もっと深い水深も必要になってくるのではないかと思います。  また、物流機能の充実ということでは、コンテナ船が大きくなっており、一度に多くのコンテナが入ってくるということですから、コンテナ置き場等々、物流機能のさらなる整備と充実をしていかなければいけません。そして、高松港は大規模災害時には、復旧・復興の拠点港湾となるべき港でありますので、香川県はもとより、四国全体のことを考えていかなければいけないと思っています。  毎年大災害がいろいろなところで起こっていて、四国・香川県もいつ起こるかわかりません。ですから、スピード感を持ってやらなければいけないと思うのですが、港湾というのは、多くの費用がかかり、なかなか目に見えないものです。  まず、平成29年度の整備事業の内容と進捗状況を教えていただきたいと思います。 葛西土木部長  高松港国際物流ターミナルの整備につきましては、高松港の物流の効率化や機能強化によりまして、本県経済の活性化を図りますとともに、耐震強化岸壁の整備により、大規模地震災害時の復旧拠点としての機能を担うものでありまして、平成17年度から国と共同で事業を進めているところでございます。国については、耐震強化岸壁や航路、泊地の整備を行っておりまして、県では、重要港湾改修事業によりまして臨港道路の整備や、埋築事業により港湾関連用地と埠頭用地の整備を実施しております。平成29年度末時点における国の事業全体の進捗率は約85%となっております。  県の事業のうち、埋築事業については、平成23年度に外周護岸の整備をいたしまして、県内の公共事業で発生するしゅんせつ土や建設発生土などの搬入を行いまして、30年6月に総埋立土量約208万立米の土砂搬入を完了したところでございます。土砂を入れた後、港湾関連用地の保安設備や水路、埠頭用地の舗装を行い、平成29年度末時点での進捗率は約73%となっております。  次に、県の重要港湾改修事業につきましては、平成29年度に臨港道路の設計を行って、平成30年3月に臨港道路の工事に着手したところで、平成29年度末時点の進捗率は約11%となっております。  こうした3事業を絡めて一体となってこの事業を進めております。本県の経済発展だけでなく、県民の皆様の安全・安心のために重要な事業と考えておりますので、早期完成に向けて今後とも万全を尽くしてまいりたいと考えております。 佐伯委員  耐震強化岸壁をつくっておりますが、臨港道路もしっかりと整備しないと、岸壁は大丈夫だったけど、輸送する道路で液状化現象が起きたらアウトになりますので、その辺もしっかりと今後整備をしていかなければいけないと思います。  先週、総合防災対策特別委員会で、福島県の小名浜港を視察させていただきました。そこはマイナス18メートルの岸壁や人工島をつくっています。本当に船の大型化というのは否めず、予想以上に大きな船が今つくられております。今治造船の一番大きい船が、長さ約400メートル、幅60メートル、2万個のコンテナが積めるというものです。それほど大きな船は高松港へは来ないとは思いますが、そういったものも含めて大型化にも対応し得る港湾の整備は、これから非常に重要だと思っております。  コンテナの取扱量は、32年度の目標値に向け、毎年微増ではございますが、ふえているようでありますが、目標値にはまだまだ足らない感じがします。  そこで、国際物流ターミナルを整備することによってコンテナの取扱量がどのように伸びていくのか、費用対効果はどのようなものか、お伺いします。そして、9・11以降は、SOLAS条約ができましたから、そういったものにもしっかりと対応すべきであり、警備なども整備していかなければいけないと思いますが、どのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。 葛西土木部長  まず、高松港における外貿コンテナの取扱個数は、開設した平成9年には1,614TEUで、平成26年に3万7319TEUと順調に取扱量を伸ばしてきました。平成27年に中国経済の鈍化等によりまして3万229TEUと2割程度減少しましたが、その後、最近の経済動向等によりまして、平成29年の取扱量が3万3461TEUと、回復傾向にあるところでございます。  一方、先ほどの外貿コンテナとは異なりますが、神戸港で外貿コンテナ船に乗りかえる、いわゆる国際フィーダー航路によるコンテナの取扱量につきましては、平成26年までは低調だったのですが、平成26年4月にガントリークレーンの供用開始にあわせて、国際フィーダーコンテナについてもインセンティブ補助を開始したことによりまして、平成27年以降、取扱量を大幅に伸ばして、平成29年には、過去最高の7,791TEUとなっているところでございます。7,791TEUと先ほどの3万3461TEUを足しますと約4万TEUとなりまして、平成26年の3万7000TEUは超えている状況でございます。今後も引き続いてポートセールスを担当しております交流推進部との連携を図りながら、外貿コンテナの目標取扱個数4万3000TEUを達成できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、費用対効果についてでございます。国際物流ターミナルの整備による事業効果につきましては、委員御指摘のとおり、船舶の大型化への対応やコンテナターミナルの2バース化による沖待ち解消によりまして、大幅な輸送コストの削減が図られ、高松港の競争力の強化につながっていると考えてございます。  また、岸壁の耐震化によりまして、大規模地震発生直後の救援物資等の輸送が可能となりますことから、災害復旧拠点として、県民の皆様方の安全・安心の確保に貢献できているものと考えております。  さらに、災害復旧時における海上ルートにつきましては、平成28年7月に瀬戸内海に緊急確保航路が指定され、災害時には、港湾区域外は国による航路啓開が可能となり、既に制度化されております港湾管理者である県や市などによる港湾区域内の啓開とあわせて、瀬戸内海の海上物流網の形成が可能となっているところでございます。  また、平成30年3月に国において検討が進められておりました「緊急確保航路等啓開計画」におきまして、高松港国際物流ターミナルの緑地が、一時仮置き場の候補地の一つとして想定されているところであります。  それから、SOLASの対応につきましては、外貿コンテナを取り扱う上では、非常に重要なことであると考えておりまして、コンテナターミナルにフェンス等を置いて、出入りについても工夫して、シームレスまではいきませんが、できるだけ頑張ってまいりたいと考えております。 佐伯委員  国際物流ターミナル整備は、これから香川県の経済になくてはならない事業で、大災害時の復旧の拠点としても必要な港湾なので、しっかりやっていかなければいけないと思います。そして、コンテナ船がどんどん大きくなっており、コンテナがふえてくるということは、コンテナの置き場も必要になってきます。そういったことをいかに整備したらいいか、また、2バース化ですから、ガントリークレーンのさらなる設置も必要になってくると思います。  また、将来的には、24時間体制を備えたいろいろなことも考えながらやっていかなければいけません。今後、費用もかかってきますが、着実に進めていかなければいけないと思っています。皆さんと一緒に汗をかきながら、これを前に進めるように、土木部の努力をよろしくお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。 竹本委員長  以上で、土木部関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
    竹本委員長  御異議なしと認め、土木部関係の質疑・質問を終局いたします。  次回は、10月26日金曜日、商工労働部、交流推進部、労働委員会関係及び教育委員会関係の審査を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....