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平成30年[閉会中]決算行政評価特別委員会[総務部、危機管理総局、人事委員会、公安委員会、農政水産部] 本文 開催日:2018年10月16日

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  1. 香川県議会 2018-10-16
    平成30年[閉会中]決算行政評価特別委員会[総務部、危機管理総局、人事委員会、公安委員会、農政水産部] 本文 開催日:2018年10月16日


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 竹本委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 松村委員  総務部長に1点だけお伺いいたします。  きのう午前中に概要の説明があったのですが、私も1点クエスチョンマークがつく部分があるので、確認させていただきます。  監査委員の意見書の4ページに、収入未済額の解消について述べられています。印象に残ったというか強調しておられたことなのですが、収入未済額が一般会計で19億3900万円あり、特に個人県民税については徴収率96.6%と前年度に比べて上昇し、収入未済額も11億3500万円と前年度より1億円減少しているものの、県税収入未済額全体の76.5%と依然として大きな割合を占めているということです。  また、特に個人県民税収入未済の対策として、「市町と県が連携して設立した香川滞納整理推進機構の積極的な活用及び特別徴収の徹底により、なお一層の徴収に努めることが望まれる。」ということで、要は全体の未済額の中でも税金の占める割合が高いという指摘をいただいているわけですが、この文章を見て部長の率直な感想をお伺いしたいと思います。 徳大寺総務部長  確かにこの数字は非常に大きいものだと私は思っています。過去からの数字を述べさせていただきますと、個人県民税収入未済額は、平成24年度は18億円余りありました。それが29年度は11億円余と7億円減ってきたというところがありますので、県や市町、香川滞納整理推進機構を含めて努力してきた結果ではあると思っております。御案内のとおり個人県民税ですので、多額の税を納めている方がその対象になってしまうと一気にふえるというところもありますので、そういう中で我々としては引き続き努力をしていきたいと考えているところでございます。 松村委員  基本的には個人県民税というのは市町が徴収するわけです。市町が集めて、県へ納付します。県は、そういった事務手数料を税金の額に応じて市町に交付金として配分しています。そういった意味では、どちらかというと県より市町に頑張ってもらわなければならない事務なのです。ですから、余り意見書で強調されても実際は、個人県民税に関しては県がすぐにどうこうできない話です。  具体的には市町との連携もあるのですが、「特別徴収の徹底により」という言葉もありますが、地方税法によると、原則、従業員を何人か以上雇用していたら、その雇用主は特別徴収しなければならないということになります。しかし、その中でも今まで普通徴収されている方がおられます。県の方針としては原則どおり特別徴収を徹底的に進めていくというお考えなのでしょうか。 徳大寺総務部長  前段のほうの御質問ですが、市町が中心になるというのはまさにそのとおりであります。ただ、平成22年度から本県でつくっている香川滞納整理推進機構の枠組みを拡大しておりまして、市町から県に徴収の引き継ぎを受けた個人県民税個人市町村民税については、県による直接徴収を実施しています。要は県も汗をかいているということでございます。  それから、2点目の特別徴収の拡大の方針については、31年度から基本的には全ての方にやっていただこうという方針を県として持っておりまして、それを今、関係団体等に引き続き周知をさせていただいて御協力を仰いでいるという状況でございます。 松村委員  実質収支に関する調書の資料に移りますが、個人県民税については滞納繰越分で4億円ほど収入がございます。それで、不納欠損額が8700万円発生してございますが、これはどちらかというと、市町が不納欠損をしたということです。それは時効の部分や、例えば行方不明や自己破産もありましょうけれども、この不納欠損額は多分市町の判断で、それを県税分に反映した分がこの数値なのでしょうか。  それと、滞納繰越分の4億円については、滞納整理機構が集めたうちの4億円が県税として入ってきているという認識でよろしいのですか。 森川税務課長  市町で滞納整理をいろいろ取り組んでおりますが、その中で不納欠損がどうしても発生するわけです。今お話があったように時効による不納欠損というのがございまして、それについても香川滞納整理推進機構で財産調査や勤務先などを調査した結果、財産を確認できないものについて不納欠損したというのがございます。それについては5年の時効のうち3年の執行停止をしているのが540万円ほど報告が上がっています。機構についても、そういった形でいろいろ県と連携しながら市町の協力を得て徴収に取り組んでいるところでございます。 松村委員  滞納繰越分の4億円のうち、県が直接出向いて徴収したという実績はどれぐらいですか。 森川税務課長  平成29年度の数字になりますけれども、県内10市町の滞納整理を実施しておりまして、個人市民、県民税2億3000万円余り、そのうち個人県民税を7000万円ほど徴収しています。 松村委員  今、滞納繰越分のお話をしましたけれども、個人県民税の現年分についても3億8900万円ほど滞納があるのです。これは香川滞納整理推進機構まで行かない段階と思います。多分市町レベルの話だと思うので、この現年分の徴収率を向上させないと、なかなか収入未済額の回収には至らないと思うのです。そういった中で県としてどういうふうに取り組んでいくのかをお尋ねします。  皆さんもそうですが、特別徴収は天引きされますので、滞納しようと思ってもできないので特別徴収もいいのでしょうが、コンビニ収納とかいろいろ話もあります。それから、口座振替をすればもっと忘れません。私は口座振替が一番いいと思うのです。そのあたりの部分について、市町との協議が必要ですが、どういうふうにお考えなのかをお伺いします。  あと、もう一点、コンビニ収納をこのごろよく言われていますが、コンビニ収納は普通の金融機関に比べて1件当たりの手数料が高いのです。今手数料の部分がおわかりになったらお答え願いたいと思います。 徳大寺総務部長  今後の方針ということでありますけれども、原則として特別徴収の徹底を働きかけていくというのがまず1点としてあります。あと、普通徴収におきましては、委員がおっしゃられるとおり市町の協議が必要になるわけでございますが、当然市町でも徴収率を上げたいという思いは共有しておりますので、実際に普通徴収に係る個人住民税コンビニ収納を市町もやり始めております。団体数も28年度には4市1町でしたが本年4月現在では7市4町までふえてきている状況でございますので、こういった特別徴収普通徴収それぞれに、こういった対策を打つことで徴収率を引き上げていきたいと考えております。  コンビニの手数料については承知しておりませんので、税務課長からお答えします。
    森川税務課長  手元に県のコンビニ収納の手数料しか用意しておりませんけれども、自動車税については、1件当たり税込みで59.4円を県で負担しています。 松村委員  指定金融機関収納代理機関といった銀行で納めたら59.4円もかからないでしょう。5円か10円だと思うので、そのことを確認したいのです。 森川税務課長  手数料につきましては、今お話があったように比較的コンビニ収納のほうがかかっておりますけれども、働き方の多様化で夜間でもあいているというメリットがコンビニ収納にはございます。最近のコンビニの納付時間の推移を見ましても、夜間に納付される方が比較的ふえています。また、自動車税クレジット納付についても、一番多い時間帯が21時で利便性が向上していると考えております。これからもそういった形で取り組んでまいりたいと考えております。 松村委員  コンビニ収納を利便性の点で進めるのはいいのですが、いろいろな経費を考えると多分銀行の手数料が安いと思うのです。もっと確実なのは、自動車税の話をしましたが、口座振替もできる話です。だから、それを本来もっと進めるべきだと私は思っていますので、今後ともよろしくお願いします。 米田委員  2点質問させていただきたいと思います。  1点は、総務部関係人権課題への総合的取り組みについて伺わせていただきたいと思います。  6月定例会で人権意識の後退の状況に危機意識を持つべきだ、そして人権意識が高まっていくためには人々の思考のもととなる情報の自由が大切だと指摘してまいりました。十分で正確な情報提供がなければ人権意識は高まらない、むしろ今、人々が不寛容になって人権意識の後退の状況すら広がっていると申し上げてきました。  あれ以降も次から次へと数々のパワハラの事象が出ています。先週も、愛媛の御当地アイドルが痛ましくも自殺、その原因が所属会社のパワハラにあると遺族が提訴いたしました。仕事より学業を優先したらペナルティー、現場までの移動費は自費、長時間労働等、数々のペナルティーです。プライベートにかかわるような事柄の禁止も、労働契約でなくてマネジメント契約だから問題ない、脱退するなら違約金1億円払えなどなど、耳を疑うような人権無視の状況が報道されています。私はこの報道を聞いていて、私の頭の中でダブらせたのは民法の公序良俗違反の例としてよく挙げられる芸娼妓契約でした。高額の前借金、その返済に充てるために娘を芸者や娼妓として働かせ、逃げたら違約金というふうにがんじがらめにし続けるのとどこが違うのでしょうか。現代版の芸娼妓契約ではないかというふうに感じました。  私の周辺でも居酒屋のバイトをやめると言った途端、取り囲まれてバリカンで頭を刈られ、ぼこぼこにされたという事件が起こりました。私たちは今、「共生社会の実現」ということを掲げておりますけれども、そんなことはお構いなしに私利私欲を追求する、人権より金といった意識が世の中に広がっているのではないかという危機感を抱いておりますが、部長は最近の社会事象の中から何を感じ、人権状況をどう見ておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 徳大寺総務部長  どう見ているかということでございますけれども、国内で見れば、大都市を中心として見られたヘイトスピーチやデモもありましたし、諸外国に目を転じてみても自国第一主義といった動きがややできているのかと思っています。また、難民や移民の問題もヨーロッパ等で大変大きな問題になっているという認識は持っております。  そういった状況の中で、私自身がさらに難しくしていると思っているのは、インターネットだと思います。インターネットの利用というのは、非常に便利ですから今、小学生から使っている時代であります。非常に便利なものではあるのですけれども、今までは情報の出し手が新聞やテレビといった限られたところであったわけでございますが、今は誰もが情報発信者になれる時代になっています。中には本人は真実だと思っていても間違っていることも当然あるわけですし、フェイクニュースとも言われますけれども、悪意のないところで間違った情報が広がっていくようなケースや、もちろん悪意を持って広げるようなケースもあります。こういった中でそれぞれの人権をどう守っていくかというのは大変難しい状況になってきているという認識を持っているところでございます。 米田委員  それと、人々の意識はなかなか変わりませんと、よほど覚悟をして変わろうと呼びかけない限り変わらないといろいろな場で申し上げてきました。9月定例会でも取り上げさせていただきました障害者雇用法定雇用の問題はまさにそれが表面化したものではなかったかと私は思っています。障害者の権利条約を批准いたしました。でも、これはコペルニクス的展開と言っていいほどの、これまでの障害者観から180度の転換ということを意味しているにもかかわらず、そうした認識に日本全体として立っていないのではないかという状況の中で、障害者差別解消法が施行されています。合理的な配慮と言いますけれども、人々は、何が合理的な配慮で、どこまですればいいのか、決定的にこの議論や実践が足りていないように思います。形から入るということは大事ですけれども、形だけになっているような気がしてなりません。  地域福祉の関係でも国を挙げて「我が事・丸ごと」の地域づくりをスローガンに掲げております。いわば共生社会地域福祉版ですけれども、人々は我が事で精いっぱいで、受け皿に課題があると私は見ています。そして、共生社会づくりに人々は疑心暗鬼になっているというのが現実ではないでしょうか。  こうした私たちの目の前に横たわっているもろもろの人権をめぐる課題について、それは所管が違うというやりとりがよくあるのですけれども、所管任せにせず、人権課題は根っこのところで共通しており、私たちの中にそれぞれが持っている差別意識を払拭しようということが重要であって、県民に対してそういうスタンスに立ちましょうという問題提起が要るのではないかと私は思っています。共生社会というのはどういう社会なのかということを県民の間でイメージをしていただき、つくるという意味の創造するという議論と行動が起きるように、人権を所管する総務部はそういう仕組みをしていくべきと私は考えます。そして、そういうかなめが総務部でなければならないと思うのですけれども、今後の人権政策の進め方について県の方針をお示しいただきたいと思います。 徳大寺総務部長  全体として人権・同和政策課が総合的なグリップをしていくというのはそのとおりだろうと思います。その前提といたしまして、もう15年前になりますけれども、平成15年12月に「香川県人権教育・啓発に関する基本計画」を策定しております。これは25年度に一回改定しているわけでございますが、お話にありました障害者や子供、女性といった個別項目も拾い上げながら、一つの計画としてやっております。行政でありますのでそれぞれの分野の担当課というのは当然あるわけでございますが、そこでタコつぼにならないように、こういった基本計画に基づいた事業の進捗状況については、毎年1回会議で報告をして、それぞれ情報共有をするような形をとっております。また、先般も8月にLGBT相談窓口を設けさせていただきましたけれども、当然そういった基本計画からさらに進めていかなければいけない部分も出てくると思います。そういった部分についても的確に対応しながら、引き続き我々としては人権尊重社会共生社会の実現に取り組んでいきたいと考えているところでございます。 米田委員  それぞれ専門的な分野は分かれているかもわかりませんけれども、それを包括的に捉まえて、今私たちの課題はこれだということを集約して、それをきちんと県民に投げかけるような仕掛けで、この12月も人権フェスタに取り組まれると思いますが、来年度に向けてもそうした仕組みをぜひ御検討いただきますように要望して次の質問に入らせていただきたいと思います。  2点目は、消費者行政における特殊詐欺の対応について質問させていただきたいと思います。  複雑多様化する消費者問題に適切に対応できるよう消費者啓発消費生活相談事業者指導市町消費者行政の支援に取り組んでおられますけれども、メール等を使った巧妙な特殊詐欺や、コンピューターウイルスを感染させるということにどう対処していいのかと聞かれることが多くあります。私自身も物すごいメールの数に悩まされておりまして、巧妙な表現と本物そっくりの衣装をまとって送られてきます。信じていいものか、ひっかけようとしているのか迷って、それだけでも時間をとられてしまうことがよくあります。  最近の例で判断に迷ったのは、この操作をしなければPCのシステム自体が壊れてしまいますというメッセージで、それも短時間の中で判断をするようにメッセージが表示されるのです。うそっぽいと思いますけれども、もし本当だったらそのシステムは壊れてしまって大変なことになると恐怖感にとらわれるわけです。  こんなふうにいろいろな手口があって、消費者行政のところに相談が寄せられていると思いますが、どのようなものが今寄せられているのか、現状についてお聞かせをいただきたいと思います。 土岐危機管理総局長  振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺は、委員が今お話しいただきましたようにその手口は多種多様でございます。消費生活センターではさまざまな啓発事業を行っており、受講対象者ごとに広く県民、消費者グループ女性団体等を対象といたしました「くらしのセミナー」を、昨年は106回実施しまして、3,358名の方に御参加をいただいたところでございます。また、日ごろ情報が不足しがちな高齢者や、老人クラブ等を対象とした「お年寄りのための消費者教室」を92回開催しまして、3,842名の方に御参加をいただいたところでございます。  また、各市町や自治会及びデイサービスセンターなどの要望に応じまして研修会や講習会等消費生活センター消費生活相談員等を派遣する出前講座も実施しておりまして、これが40回で、2,478名の参加となってございます。今申し上げた数字は全てが特殊詐欺というわけではなくて、もちろん普通の訪問販売やそれ以外のさまざまな景品表示などに関する注意喚起も含めてということでございますが、その中で特殊詐欺につきましても、近年の傾向等を取り上げて御説明をしているところでございます。  ちなみにことしにつきましては、特殊詐欺発生件数自体認知件数38件でございまして、昨年同期に比べて26件の減少となってございますが、一方で被害総額が拡大しております。中でも、はがき等による架空請求や、委員が先ほどおっしゃられましたパソコン等のものもそういった一種であろうかと思いますけれども、そういった架空請求が多いのが実態でございます。  また、高齢者の被害が全体の42%と多くなっており、そうした方々への対応と特殊詐欺被害への対応につきましても、我々としても県警察と連携をとりながら進めてまいりたいと考えているところでございます。 米田委員  出向いてのいろいろな講習とおっしゃられたのですが、私が思いますのは、こういうケースが今はやっているというのを手っ取り早くホームページ上で見られるようなことがあるといいと感じます。そういう対策をとられているのかもわかりませんけれども、拝見したことがないので、そういう対策の取り組み状況と、今後、そういう取り組みをとっていかれようとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 土岐危機管理総局長  先ほど申し上げたように特殊詐欺というのはさまざまな手口がございますので、だましの手口等、被害防止の方策を知っていただくというのも非常に大事なことでございます。そこで県といたしましては、ポスターやチラシのほか、通帳等を出そうとしたときに特殊詐欺ではないかということをわかっていただける、高齢者の方に使っていただけるようなポーチをつくりまして、関係の方々に配布するなど広報に努めているところでございます。  ホームページにつきましても、消費生活センター等ホームページも含めて十分な情報発信ができているのかどうかも御指摘のとおりでございますので、そこについてはまた、我々としても今後、十分考えて、わかりやすい普及啓発広報に努めてまいりたいと考えております。 松本委員  私からは1点、地域防災力重点分野支援事業の実績についてお尋ねをしたいと思います。  先日、愛媛県や高知県の県議の方とお会いする機会がありました。この間の西日本豪雨等、最近の台風災害の状況等の話になったわけですが、お話を聞いていると愛媛県では1時間の雨量が100ミリを超えていたということでした。雨が降っているときは何もできず、じっとしていたら気づくと腰ぐらいまで水が来て、雷が落ちたのかと思って裏山を見ると崖崩れが起こって、いまだに復旧するのが大変だというお話をしておりました。  また、私が感じたのは、東日本等々の災害と同じで、大きな災害が起こるとそこに住んでいた、特に復興に大事な若い子たちが地域を離れてしまっていて、なかなか復旧・復興が厳しいということで、若い子たちに帰ってきてほしいというお話もしました。我が身を守ることが一番大事なのですが、今後は被災した後のこともしっかり考えながら、備えれば備えるほど減災にもつながっていきますので、そういうところもしっかりしながら「備えあれば憂いなし」ということで、過去の他の地域の経験なども把握して備えてまいりたいと考えているところであります。  そこで、きょうはこの主要施策の成果報告書の69ページの「地域防災力重点分野支援事業」についてお尋ねをさせていただきたいと思っています。この事業は、災害に強い県土づくりを進めるため、そのソフト対策の目玉として平成29年度新規事業として9856万円が計上されたものであります。この事業では、県が重点的に推進していくべき「自主防災組織機能強化」、「消防団の機能強化」、「避難体制の強化」に特化して各市町の取り組みを支援する事業であります。  まず、この平成29年度の実績について、危機管理総局長にお尋ねしたいと思います。 土岐危機管理総局長  「地域防災力重点分野支援事業」は、南海トラフ地震を初めとする大規模な災害への備えを市町と県が協力して進めていこうという事業です。平成26年度から28年度までの3年間の「地域防災力総合支援事業」により、各市町の防災対策の拡充を加速したところでございますが、29年度からは分野を重点化いたしまして、「自主防災組織」、「消防団」、「住民の避難体制」の3分野に特化したところでございます。  事業費につきましては総額で1億円以内、補助率は2分の1以内としており、29年度の実績は市町に対して総額9881万2000円の補助金を交付しております。内訳は自主防災組織機能強化が1171万5000円、消防団の機能強化が4678万5000円、避難体制の強化が4031万2000円でございます。  自主防災組織機能強化といたしましては、防災士資格取得への補助のほか自主防災組織の訓練や資機材整備等への補助、消防団の機能強化といたしましては、防火水槽の整備や消防団の防災資機材の整備、避難体制の強化といたしましては、避難標識の設置や避難所の資機材整備防災備蓄倉庫の整備などが対象となっているところでございます。 松本委員  自助・共助・公助を強化しながら地域の防災力を高めていくことが、防災・減災の一番の近道だと私も思っています。防災に対する県民意識の向上をさらに高めていきながら、被災時に必要とされている共同性や密着性を高めるには、自主防災組織機能強化、消防団の機能強化避難体制の強化が重要であると思っています。そして、このような事業を通じながら県が市町と連携して地域の防災力の推進に努めることは大変重要であると思います。  そこで、この事業をより効果的に実施していくためには、各市町のニーズを把握することなども必要だと思っていますが、その辺はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。 土岐危機管理総局長  委員御指摘のとおり、この補助金を執行していくに当たりましてはニーズの把握は非常に大事なことと考えてございます。県では、県と市町の防災担当課長で構成する「市町防災・減災対策連絡協議会」を年4回から5回程度開催しており、その都度市町の防災担当課長からはさまざまな御意見を頂戴しております。また、この補助金に関しましても直接アンケート調査等を実施いたしまして、補助金の使い勝手などにつきましてもお尋ねをしています。また、担当のほうでも市町の担当の皆さんにお聞きすることでニーズの把握に努めているところでございます。  昨年度の事業に対しましては、補助金の使い勝手の部分では大きな注文をいただいたとは考えておりませんけれども、申請方法などで少し御注文もいただきましたので、そこについては改善を図らせていただきました。  今後ともあらゆる機会を通じまして課題やニーズの把握に努めるとともに、市町に「地域防災力重点分野支援事業」を効果的に活用していただくために一層の連携・協力をしながら取り組んでまいりたいと考えています。 松本委員  県政世論調査では、防災・減災社会の構築が重要だと思う県民が約97%で、重要度が1位なのですが、24項目あるうちの満足度は最下位になっています。地域の方々からは、やらなければいけないのはわかっているけれど何をしたらいいのかわからない、どうしていいのかわからないと困っているというお話をよく聞きます。先日の私の一般質問でもお尋ねしたのですが、指定避難所が県内に676カ所ありますけれど、避難所運営マニュアルが12カ所しかできていないというのも今の県民の防災に対する意識の一つと捉えなければならないと思っています。コツコツとこういう対策もやっていかなければいけないのですが、南海トラフ地震の発生確率も70%から80%程度ということで、だんだんと高まってきていますので、スピーディーに取り組んでいかなければいけないと思っています。  防災意識を高めるために災害時にどのように連絡をとるか、避難場所や避難経路をどういう形でやっていくのかということを家族の中で話したり、先ほど備蓄倉庫の話もありましたが、特に水は1日1人当たり2リットルで、うちだったら4人家族なので8リットルで10日間備えるとなるとペットボトルでも約40本、7箱になります。そういう備蓄品をまず自分たちが家に備えることによって災害に対してどうするかというきっかけにもなると思いますので、今後とも県と市町が連携をしながら防災対策にしっかり取り組んでもらいたいと思います。  何回も言いますが、対策をすればするほど防災・減災につながっていくものだと思います。南海トラフ地震の発生率が高まってきていますので、ソフト対策も早急に取り組んでいただくとともに、今後とも、市町や地域との連携を密にしながら、限られた予算の中ではありますが、これまで以上に効果的な対策もしっかり検討しながら取り組んでいただくことを強く要望して質問を終わりたいと思います。 高木委員  私も危機管理につきまして質問させていただきます。  今から十数年前に初めて香川県の防災訓練に参加させていただきましたが、そのときに香川大学危機管理研究センターの先生がお見えでした。香川大学危機管理研究センターへは委員会でも視察しましたが、行くたびにレベルがアップしているように私自身は思っております。そういう中で、新・せとうち田園都市創造計画実施状況の30年度の施策評価結果の126ページに香川大学との共同研究で「地域防災力強化促進に関する研究」及び「地域強靱化に関する研究」を行ったとありました。  そこで、この具体的な研究目的と内容、現時点での成果についてお聞かせいただきたいと思います。 土岐危機管理総局長  香川大学では、平成28年4月に従来ございました危機管理研究センターを発展的に解消いたしまして、四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構を設置したところでございまして、防災・減災・危機管理の教育研究や地域貢献の拠点として力を入れて取り組んでいただいております。県といたしましては、こうした大学と連携して、先端的な科学技術を活用した新しいソフト面での取り組みの検討に資することを目的といたしまして、平成28年度から3年間の期間でこのような体制を整備した香川大学との共同研究を行うことといたしておりまして、昨年もその研究を行ったということでございます。  2つの研究のうち1つ目の「地域防災力の強化促進に関する研究」といたしましては、香川大学で3D防災教育訓練シミュレーターを開発されております。これは想定を超える災害の発生時において「適切な状況判断」、「素早い意思決定」、「速やかな行動」ができる実践力を備えた人材の育成を図るための機器で、部屋の中に3D映像装置を組み合わせたものを置きまして、それに映る状況を見ながら訓練を行うというシステムでございます。もともとは学校等での事象を中心としたシミュレーションがあったわけでございますが、それに加えて新たな訓練コースとして「企業訓練コース」をつくるということで、その開発を内容とするものでございます。平成28年度から研究を行っておりまして、28年度に「企業訓練コース」をつくりまして、29年度は、それの公開訓練ということで、検証を行いながら、実際に人にやってもらいながら訓練ソフトの改良を行っているところでございます。  それから、「地域強靱化に関する研究」でございますけども、南海トラフ地震等の大規模災害に備えまして、本県における新たな科学技術を活用した防災・減災のためのソフト対策の実現を目指す目的で行っております。昨年度の実績といたしましては、「地震・津波観測監視システム」、いわゆるDONETと申しまして、和歌山県から徳島県沖の太平洋上に観測システムが既にございまして、そこから送られてくるデータを活用いたしまして浸水のシミュレーション等々を行い、そうした知見を生かして地域の防災力の強化に役立てられないかということで、29年度についてはそのデータを一部坂出市において避難訓練等にも活用もさせていただくなど、その活用方法についての研究を進めております。  それ以外にも災害時の被災パターンに応じて災害復旧の手順を確立するための「地域影響分析」という研究や、GPS情報等を活用するための「リアルタイム災害情報共有」などの研究も進めております。このようなところで香川大学と連携を密にしながら研究等を進めているところでございます。 高木委員  松本委員もおっしゃっていましたが、南海トラフを震源とする地震が30年以内に発生する確率が70から80%で、私は信憑性があると思っております。私の地元志度湾では、南海トラフ地震が発生すると津波高が一番高いエリアで3.8メーターなのですが、地元の人はぴんときていないのです。私が常々言うのは、「道の駅源平の里むれ」は6メーターありますから、それ以上のところへ逃げてくれるといいのです。局長のお話をお聞きする中で、例えば映像を県民も見られるようにできれば瞬時にわかると思いますので、ぜひそういうところにも取り組んでいただくことをお願いして質問を終わらせていただきます。 佐伯委員  私からは、先ほど松村委員の質問にも関連いたしますが、コンビニ収納の費用対効果と他の税への拡大についてお伺いしたいと思っております。  コンビニ収納というのは、収入未済額の解消にも役立っておりまして、私も常に使わせていただいて、非常に便利であると思っております。先ほど徳大寺部長からも説明があったとおり、平成19年度からこの制度が始まりまして、平成29年度は全体の約33.4%を占めている状況です。また、平成28年度から29年度にかけての期限内納付率は少ないですが0.6%上がっているということで、これは成功した例で、評価はAで非常にすばらしいものではないかと思っておりますが、先ほど松村委員が言ったとおり費用対効果の問題もあると思います。幾ら納付が多くても手数料が高ければ意味がないのです。  先ほど1台当たり五十数円ということを言われたと思いますが、これは軽自動車も3000ccや4000ccの大きな自動車も全て五十数円で、手数料がかかっているのか、まずそれをお聞きしたいと思います。 森川税務課長  コンビニ収納につきましては、地方税の収納業務として平成15年の地方自治法施行令の改正により民間企業への委託が可能となったのを受け、本県では先ほどお話があったように平成19年より自動車税課税分からコンビニエンスストアでの納付を可能としております。コンビニ収納については、県のホームページや広報誌、テレビ、ラジオ等の媒体を通じて県民の皆様に広報するとともに、納税通知書の裏面に納付場所として「全国のコンビニエンスストア」と記載して周知を図っております。その結果、金融機関に出向かなくても身近にあるコンビニの店舗で時間や曜日を気にせず納税できることが一番メリットであり、金融機関が閉まっております午後5時の納付が一番多くなっております。また、土曜日、日曜も全体の約2割を占めております。  そういった形で納付率が非常に向上しておりまして、今年度は88.3%、平成19年と比べると7.7ポイント、昨年と比べると1.2ポイント増加しており、その結果、平成19年度の自動車税を納期内に納めていただいた金額は113億6000万円だったものが、課税対象が減少しているにもかかわらず今年度は114億2300万円と6300万円増加しております。その結果、費用対効果についても、自動車税の収納にかかった経費は平成29年度では1690万円余で、そのうちコンビニ収納に必要な手数料は839万円となっております。そういった形で手数料は負担しておりますけれども、納付額は増加しており、さらに納期内納付の増加によって督促に要する経費やその後の催告書送付や滞納処分など滞納整理に要する経費も削減することができると考えております。  先ほど御質問があった軽自動車については市町で納付する税金でございますので、コンビニの手数料については手元に資料がございませんが、費用対効果については十分県としては確認できたと考えております。 徳大寺総務部長  今、若干少し話がずれたところがあるのかと思うのですが、自動車税については県ですので、手数料は委員が御指摘のとおり59.4円でございます。ただ、軽自動車税については市町でございますので、今手元に数字がないということですので、確認をして、また、御報告したいと思います。 佐伯委員  1000ccや2000cc、3000ccなど排気量によって値段が違うのかということをお聞きしたかったので、それがわかれば教えてください。  それと、コンビニ収納と便利になってもやはり支払わない人がいらっしゃいますので、督促状等を出さなければいけません。五十数円という手数料を負担しても費用対効果が出ているのか、その辺もあわせてお聞きしたいと思います。 徳大寺総務部長  自動車税であれば1件59.4円ということで手数料は変わっておりません。  全体の費用対効果としては、自動車税コンビニ収納にかかった経費は全体で1696万3000円となっております。その中には納税通知書の発送費などがありますので、純粋にコンビニ収納に必要な手数料は合計で839万7000円であります。一方でコンビニ店舗での納期内納付額は、28年度が35億4000万円、29年度が38億円余ということで2.6億円ふえております。要は単年度で839万7000円かかって、1年間で2億6000万円ふえておりますので、そういった面では費用対効果は十分とれているのではないかと考えております。 佐伯委員  費用対効果が非常にいいということはよくわかりました。ただ伸び率が0.6%と頭打ちしてきていると思いますので、これからはもう少しコンビニ収納をふやそうとすると、いろいろな特典をふやさなければいけないと思うのです。そういう意味で、これは今から民間と話し合いになると思うのですが、コンビニ収納であればTポイントがつくといったことを今後考えられているのか教えてください。  それと、来年消費税が10%になります。コンビニにとっては手数料収入に消費税がかかってくる可能性があると思うのですが、コンビニのほうから59.4円を、ちょっと上げさせていただくといった話は出ているのでしょうか。また、今後、出る可能性があるのか、その辺もあわせてお聞かせ願いたいと思います。 徳大寺総務部長  まず、前段のほうでありますけれども、特典というのは正直難しい部分もあると思いますが、コンビニ収納を通じて自動車税の納税額を上げていくというのは大事なことですので、今キャンペーンなどもやっておりますけれども、さまざまな工夫はしていきたいと思います。  昨日の消費税引き上げの声明ということでありますが、それを受けて、この59.4円を見直すかどうかということについては、現時点では特段話がない状況であります。 佐伯委員  それと、先ほど費用対効果が出ているということでしたが、ほかの県税の徴収にもコンビニ収納をすればもっと多くの方から税が取れるのではないかということで、ほかの税についても拡大していく議論をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。 徳大寺総務部長  他の税目への拡大ということでございますけれども、他県の状況を見ますと個人事業税や不動産取得税について30団体近くがコンビニ収納を導入しております。現在、新税務システムを構築中ですので、そういったことを踏まえながら本県でもこの2税を中心に検討していきたいと考えております。 佐伯委員  自主財源の根幹である県税は非常に重要なものであります。税金を払うのは当たり前でございますので、払わない人から徴収することは重要でありますが、納税者の利便性を考えて、一人でも多くの方が払いやすくなることを考えながら、いろいろ手数料等もありますので、費用対効果も考えながらこれからも県税の徴収等に努めていただきまして、来年度のこの決算の特別委員会でもっと上がりましたと答弁できるようにしっかりと皆さん方に頑張っていただくようにお願いいたしまして、質問を終わります。 辻村委員  大きく2点お伺いいたします。  最初に、防災ヘリの安全対策についてお伺いします。  本年8月10日に群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が山中にて墜落したわけでございますが、こういった事故を受けて香川県は安全対策にどう取り組まれているのかということが県民の関心事になっております。主要施策の成果報告書の68ページには運航管理費の決算額が2億3500万円余となっておりますが、群馬県では東邦航空というところに民間委託しており、全国の55団体のうち自主運航は19団体であるという話も報道されております。  まず、香川県の防災ヘリコプターの運用状況と運用体制、どういった人を集めてどういうチームを組んでいるのか、また、この2億3500万円余の大まかな内訳をお伺いできたらと思います。 土岐危機管理総局長  防災航空隊の運用状況について、構成は県内の各消防本部から派遣された航空隊員8名と民間委託の操縦士5名、整備士5名で構成されておりまして、点検・検査等による運航不能期間を除きまして、午前8時半から午後5時15分まで、365日運航しております。  昨年度の活動状況は、出動回数が全体で289回、そのうち訓練で137回、救急で98回、山岳等でけがをされた等の救助が15回等となっています。  運航経費の内訳でございますけれども、予算ベースで申し上げますと、委託経費が約1億円、保険料が1300万円余、資機材装備購入・燃料費が1300万円余、耐空検査・点検等の経費が4300万円余、ふぐあいの部品等が3500万円余という状況になってございます。 辻村委員  ヘリコプターのお金も高いのですが運用費も結構かかるわけです。他の県はどうなっているのかわかりませんが、民間委託しているパイロット以外は各消防本部の職員で、この人たちが何年間ここにいるのかはわからないですが、業務内容も含めて熟練できているのか、少し疑問なところがあります。  今回、群馬県で事故が起きたのは、地元の消防団が自分の地元の状況を知るためにその上空を飛んでいたときです。ここで問題になるのが、飛行計画を国土交通省に出さなければいけないのですが、実際のルートと合っていなかったことです。香川県では防災予防活動にどの程度出動しているのかを教えてほしいのですが、そういったものを実際に見に行ったときに、普通に考えるといろいろ見ておきたいという話になると思うのです。実際、最初に入念な計画を立てて、絶対にそのとおりにいかなければいけないのか、その辺もお伺いさせていただきたいと思います。  また、この事故の原因が2カ月以上たつのに余りよくわかりません。その最大の原因にフライトレコーダーが装備されていなかったことがあります。ただ、それを撮影していた人のビデオを解析している状況だと聞いております。そうしたことも含めて、香川県の防災ヘリコプターの場合、万が一の事故が起きたときも踏まえて安全対策についてどう取り組まれているのかをお伺いいたします。 土岐危機管理総局長  まず、今回、群馬県の防災ヘリが墜落いたしました際、航空法に定める飛行計画の通報等が適切に行われていなかったということです。具体的に言うと、1カ所経由地がございまして、その経由地で地元の消防本部の方を乗せて飛んだということですけれども、その経由地が記載されていなかったということでございます。この点に関しましては、本県でも、あの事故の後、再度確認をいたしましたが、飛行計画については適切に提出をされております。また、経路等についても、基本的におりるとか経由する場合は計画に載せる義務がありますので、当然載せております。実際の救助等に当たりましては、臨機応変にということがありますので、全てが計画書に記載されているというわけではございませんけれども、法律上必要とされる程度には記載をしていると考えてございます。  それから、フライトレコーダーつきましては、本県の防災ヘリコプターにはフライトレコーダーは搭載してございません。ヘリコプターにつきましては、一般に最大離陸重量が7000キログラムを超える場合に航空法の規定によりフライトレコーダーの搭載が義務づけられておりますが、本県を含む多くの防災ヘリコプターはこれより軽いので、フライトレコーダーを多くは搭載していないというのが実態であろうと思います。  フライトレコーダーは、事故が発生した場合はその原因究明等に大きな効果が期待できるというのはございますけれども、一方で経費的には3000万円から5000万円の追加経費が必要になることと、5カ月程度その改修等にかかるということで、運航停止期間が非常に長くなってしまいます。その兼ね合いもございまして、そこのところにつきましては総務省消防庁も本年3月に取りまとめた報告書の中で、長期的な観点から機体更新時にあわせて検討するようにとなってございます。県といたしましても、この機体が今10年ほど経過をいたしておりますので、次回の機体の更新時にはそういったことも含めて検討していく必要があると考えております。  また、平成29年の長野県の防災ヘリコプターの墜落を受けまして、「香川県防災ヘリコプターの運航に係る安全管理要領」と「香川県防災航空隊訓練安全管理要綱」等に基づきまして日ごろから安全管理を徹底し、活動内容を撮影した映像をもとに事後検討会を開催するなどしてヒヤリ・ハットとそういった事例の検討を主眼に置いた教育訓練を実施しておりますほか、運航時間等に応じました点検・検査を確実に実施して、安全運航の確保に努めているところでございます。今後とも安全第一ということで運航管理を行ってまいりたいと考えております。 辻村委員  各県1機ぐらいしかなくて有用性が高い防災ヘリコプターが改修のために5カ月もの間とめられたら非常に困ると思うのですが、車にもドライブレコーダーがついている時代に時代錯誤でないかなという気がいたします。車のドライブレコーダー的な軽微なものでもついていれば、何らかの原因究明ができるのではないかという気もいたします。その辺は国にも要望して、いろいろなところで防災ヘリコプターの事故が相次いでおりますし、災害が地震や大雨等たくさん起きておりますので、こういった機会にぜひともしっかりと安全対策に取り組んでいただきたいと思います。  もう一点は、自動車の免許更新についてお伺いしたいと思います。  善通寺の運転免許センターは開設して数年たつわけですが、当初中讃地区にないということ、小豆島や東かがわは即日交付だが、善通寺を即日交付にすると駐車場が足りないし、人がたくさん来るから大変なのでできないということで、隔日の交付にしたという経緯もありました。  ところが、前を通っても、言うほど車もお客さんも来ているようには見えないのです。実際の開設からの運用状況がどうなっているのか、まずお伺いさせていただきたいと思います。 岡田交通部長  善通寺運転免許センターは平成28年3月1日に開設しましたが、更新区分が高齢運転者、優良運転者及び一般運転者の更新事務及び記載事項変更や運転適性相談を行っております。  なお、本年7月末までの数字しかありませんけれども、運転免許の更新手続で2万3574人、1日平均約45人の方が利用をしております。そして、更新区分では優良運転者の方が1万2198人、一般運転者の方が2,621人、高齢運転者が8,755人となっております。  なお、これ以外でも同センターは運転適性相談や記載事項変更等を実施しておりますけれども、それらにつきましては、記載事項変更が3,934人、運転適性相談については153人となっております。 辻村委員  1日平均45人ということですが、午前午後できると思います。キャパシティーは何人までが可能なのですか。  あと、日曜日ですが、高松市郷東町の免許センターへ行くと混雑しているという話を聞くわけですが、日曜日の郷東の免許センターの運用状況についてもお伺いします。 岡田交通部長  キャパシティーは1日約90人から100人となっております。  郷東の免許センターにおいては、日曜日の更新であれば1日約400人の方が更新に訪れます。 辻村委員  善通寺の免許センターが何年か経過して利用者の方の声を聞くと、本当に便利になったということで、県会議員を正味20年してこんなに皆さんに喜ばれたことはなかったのですが、それぐらい実際皆さん方が喜んでくれているのです。  ところが、唯一不満を言われるのは、土日にあけて欲しいということです。日本全国のいろいろなところの免許センターをネットで見ましたが、金太郎あめみたいに大きなところで1カ所ぐらい日曜日にあけて、大体土日休みになっているのです。これは警察の体質というか譲れないところなのかどうか知らないですが、時代も大きく変わっておりまして、パスポートセンターも土曜日だけ休んで日曜日はあいております。散髪屋は昔から月曜日が休みです。これは、交通部長、どうして日曜日を休みにしていないと思いますか。 岡田交通部長  日曜日の更新事務につきましては、四国におきましては徳島、愛媛、高知のそれぞれ3県においても1カ所の対応となっております。なお、全国的には人口の多い東京を初めとする大都市圏、もしくは県の面積の大きい新潟県等においては複数の施設の開所により対応しているという状況になっております。なお、本県については1カ所です。 辻村委員  善通寺市内のはやっているうどん屋では、土日をあけて平日を2日ぐらい休んでいます。住民のことを思えば、いまだに日曜日は絶対休まなければいけないという時代は変わっております。実際の運用状況も、シフトも小豆島、東かがわや善通寺の人が交代で高松の日曜業務に当たる制度になっているそうですけど、この際、日本全国で働き方改革と言っているのですから、その辺シャッフルして利便性も考えた上で、そのシフトも見直したらいいと思うのです。  本部長、一言お伺いできたらと思います。 河合警察本部長  御指摘のありましたような日曜日の免許更新の県民のニーズというものについては、大変重く受けとめております。そういったことも含めて警察としては県民の利便性にもできる限りの配慮を払っていくとことは基本でございますが、一方、交通行政や免許行政などさまざまな課題がございまして、特に運転免許更新におきましては、高齢運転者の免許更新に関しまして先ごろ法改正が行われ、それに関する実務的な体制の整備や、物的・設備的な整備、そして全体漏れなく機能させていかなければなりません。
     さらに、高齢運転者の免許更新の数が今後10年近く増加していく状況もございます。そういったさまざまな課題を全て考慮に入れた上で、まず一番やらなければいけないことから一つ一つ処理しているところでございます。  そういった点で善通寺の免許センターにおけます日曜日の免許更新のニーズにつきましては重要な課題として認識しておりますが、全体の中でほかの課題も含めまして何とか解決すべき課題の一つとして引き続きさまざまな形の努力、検討を続けていきたいと考えておりますので、御理解のほどをお願い申し上げます。 辻村委員  できれば来年度の予算で手を加えてもらって、1カ月に1度だけでいいので試験的に日曜日をあけて、その利用状況を見て再度本部長の御感想をお伺いできたらと思います。住民のニーズは非常に変わってきております。土日の休みが多くなっていますが、平日はその分忙しくなっているわけです。なかなか平日は抜けられないという人が月に1度でも日曜日をあけてくれたらいいのにという話も聞いております。そういった県民の声を酌み取っていただくことを切にお願いしまして質問を終わります。 松原委員  1点質問させていただきたいと思います。決算ということで、徴収率や収入未済額など県税収入については聞いておかなければいけないので質問させていただきたいと思います。  説明いただいた中で徴収率や収入未済額は年々改善されていっておりまして、これは職員皆さんのそれぞれの努力によるものだと思っております。  それで、不納欠損額については先ほど松村委員からも少しお話があったかと思いますけれども、私から全体的な話として、5年間納税を逃げ切れば得をするといったことではないかと私は思っています。これは真面目に納税している方にとっては到底納得できるようなことではないと思います。今年度も1億1500万円余りの不納欠損額が出ておりますけれども、払いたくても払えない人は別として、逃げたら得をするという人をこれから新たに生まないためにもこの不納欠損額については改善に向けて引き続き努めてほしいところでありますので、そういったことをお聞きしたいと思います。  あと納税環境の整備については、コンビニ収納やクレジット収納を始められて利用者も多いということで徴収率アップについては効果があると思います。課長の話にもあったように金融機関も午後3時で閉まってしまいますので、公務、特に議会中には納税が金融機関等ではできないこともありますので、こういったことは大変利便性が高いと私も感じております。今後これで納められる税の種類をふやすという答弁が先ほどありましたが、私からは、納付方法をふやすということで今Pay-easy(ペイジー)といいましてパソコンや携帯から納税できたり、コンビニやドラッグストアなどにあるマルチメディアキオスクという端末を利用して税金が納められていることもあるようです。ぜひそうしたことについても検討していただきたいということについてお答えいただきたいと思います。 徳大寺総務部長  不納欠損処理については、委員御指摘のとおり、公平性の確保というのがございますので、これはしっかりやっていきたいと思っております。法令の規定を若干御紹介させていただくと、委員からお話があったように基本的には5年の時効というのがございます。また、滞納処分の執行停止には法人の破産の場合のように即時に欠損処分となる場合もありますし、あと3年間資力が回復しないときに欠損処分とするような場合もあります。そういう法令の手続にのっとりながら、あわせて財産調査もしっかり行って対応していきたいと考えております。  それから、Pay-easy(ペイジー)収納サービスについてでありますけれども、なかなか聞きなれない言葉ではありますが、要はペイ・イージーということで納めやすくするという意味でございます。これにつきましては、現在、新税務システムの構築を行っておりますので、その中でシステム改修とあわせて検討していきたいと考えているところでございます。 松原委員  最後に一言だけ申させていただきますけれども、総務部といえばこうした県税収入など歳入の一番大きな柱を担っている部でございます。来年度予算執行に向けては、これは政策部の話になるかもしれませんが、消費税が10%に上がるという方針が出されましたが、過去の例では、消費税が上がった直後に景気がよくなったという事例はございません。景気の腰折れも懸念されると思いますので、そうしたことにならないように地方経済のますますの発展に向けて、ぜひとも引き続きの持続的な取り組みをお願いいたしたいと思います。 竹本委員長  以上で、総務部、危機管理総局、人事委員会及び公安委員会関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 竹本委員長  御異議なしと認め、総務部、危機管理総局、人事委員会及び公安委員会関係の質疑・質問を終局いたします。  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午後0時00分 休憩)  (午後1時06分 再開) 竹本委員長  再開をいたします。  (農政水産部長、資料説明) 竹本委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 松村委員  国分部長から平成30年度の行政評価の結果について説明があったのですが、1点質問をさせていただきます。  新・せとうち田園都市創造計画実施状況の1ページを見ますと、行政評価の目的については、県が行う施策や事務事業の成果をできるだけ客観的な指標などを用いて評価し、今後の施策や事務事業の見直しに活用し、効率的・効果的な行政運営を図ることを目的とするということでございまして、この客観的な指標について今、部長からは9ページ以降に掲載されている新規就農者数や県のオリジナル品種の作付面積、担い手への農地の利用集積面積など14項目にわたり御説明をいただきました。こうした指標につきましては、県が施策や事務事業を進める上で当面の目標や基準となるという意味では一定の意義があると考えてございます。先ほどの行政評価の目的にもありますように、指標に基づく評価結果を踏まえて施策や事務事業の見直しに取り組む必要があり、それが大事だと思います。  私としましては、まず何よりも、いろいろな指標がありますが、究極の目的は、農業については、農家の方々の攻めの農業、いろいろ表現はありますけれど、要は「もうかる農業」にすることが大切であると考えてございますので、そういった観点からお伺いをいたしたいと思います。  それと、先ほどお配りいただいた資料の中で「おいでまい」の作付面積がD評価になっています。きのう、私の自治会の回覧板が回ってきましたが、JAの大川地区営農センターからのお知らせでは、高温により「コシヒカリ」の品質や収量が低下しているとのことでした。その代替え品種として、JAでは、「あきさかり」を今後の香川県内における水稲の中心品種として捉えて説明会をするということです。きのうの晩、「あきさかり」をインターネットで検索したのですが、1番に出てくるのは観音寺市です。観音寺市では「あきさかり」をふるさと納税の返礼品のお米にしているのです。  香川県は県が開発した品種の「おいでまい」を推奨している一方で、東讃や観音寺市では「あきさかり」を頑張っているので、「おいでまい」の地位がちょっと揺らぐのではないかと心配しているのですが、そのあたりも含めて御答弁願いたいと思います。 国分農政水産部長  お話にございましたように「もうかる農業」を実現することが最大の目的でございまして、本県農業を「もうかる農業」にして農業所得の向上につなげていくためには、農業の成長産業化を推進していくことは必要だと考えてございます。そういったことから、県では「香川県農業・農村基本計画」に基づき攻めの農業を展開しているところでございます。その3本柱として、1つは担い手の確保・育成に向けた取り組みでございます。就農から定着まで一貫したサポート体制を構築して、多様なルートからの人材の掘り起こしや、サポートチームをつくるなどして新規就農者の定着に努めておりますほか、担い手の経営発展の段階に応じて切れ目のない支援を行うことにより、次代を担う力強い担い手の育成に取り組んでいるところでございます。  それから、2つ目の柱が農産物のブランド化、生産拡大等でございます。県ではこれまでレタスやブロッコリーなど本県の基幹農作物の生産拡大を進めるとともに、「さぬき讃フルーツ」やアスパラガスの「さぬきのめざめ」など消費者ニーズに即した本県オリジナルの高品質なブランド農産物の開発・生産に取り組んできたところでございます。今後もそうした特色ある農産物のより一層のブランド化や生産拡大を図るほか、試験研究体制を充実強化し、他産地と差別化できる新たな県オリジナル品種の開発の加速化などに重点的に取り組むなど、本県農業を若者が希望を持てる「もうかる農業」へと成長させていきたいと考えてございます。  3本目の柱が効率的な経営に向けた生産条件整備の推進でございます。効率的な農業経営を行うためには、農地中間管理事業等を活用した担い手への農地の集積・集約化を推進するほか、経営規模の拡大を支援することによりほ場の条件整備や機械導入等に助成を行うなどの支援を行っているところでございます。  こうした取り組みを進める中で、指標の一つとして、本県の平成28年度の農業産出額は898億円となっております。これは前年の815億円に比べ10.2%の増加でございまして、増加率としては全国第5位ということになっております。最も農業産出額が少なかった平成22年度の747億円に比べますと20%以上の増加となっておりまして、そうしたところを指標として農業の成長産業化を考えているところでございます。  今後とも本県農業を支える力強い担い手の確保・育成に努めるとともに、収益性の高い特色ある農産物の開発・生産拡大・ブランド化をより一層拡充させることで、本県農業の成長産業化を推進していきたいと考えてございます。  それから、「あきさかり」については、県やJA、関係団体で組織する香川県農業再生協議会の中で水稲の生産振興方針を検討してございます。「あきさかり」については、業務用の収量の多い多収品種として導入を推進していくことになっております。平成30年産から幾つかの地区で「あきさかり」に切りかえてございまして、例えば豊南カントリーでは「あきたこまち」から「あきさかり」、大川では、「コシヒカリ」から「あきさかり」に転換を進めております。  このお米は業務用の多収品種でございますが、県のほうで進めております「おいでまい」につきましては、主食用のブランド品種として考えてございます。価格帯としては、「おいでまい」は高価格帯ですが、業務用になりますと少し安くなります。そういったことで分けて推進していますので、「おいでまい」をやめて「あきさかり」に変えようということではございません。本県の水田農業全体を考える中で役割分担として推進しておりますので、御理解いただきたいと思ってございます。 松村委員  今「あきさかり」の話として業務用云々との話がありましたが、今つくっているのは「コシヒカリ」で、それから「あきさかり」に転換するということです。「コシヒカリ」は普通主食用米として仕込んでいると思います。返礼品もそうですけど、あくまで観音寺市が出すのは業務用ではなくて主食用です。寄附したら、どうぞとお米をと出すのは、それは食べてくださいということだと思います。先ほど、大部分が例えば業務用米だったら多分安いという部分はわかりますけれど、何かしっくりきません。  というのが、我々の近くでも「コシヒカリ」と「あきさかり」の両方をつくっている方がおられて、先週ぐらいから「おいでまい」や「あきさかり」の収穫をしています。川のこちら側と反対側では集落営農が違うので別々の品種をつくっているのです。この間話を聞きましたら、「おいでまい」は病気に弱いので来年からそちらのほうも「あきさかり」に切りかえようという話をしていました。なぜかと言うと、営農指導についても、県も指導してくれますけれども、JAのほうがより懇切丁寧に栽培方法や指導が細かいらしいのです。それと「あきさかり」のほうが収量は多いと思います。また「おいでまい」は、品質が高いということでふるいを大きくしていて粒が大きいのです。逆に言えば、くず米が多くて収量が少ないのです。結果的にそんなに差がないというよりも、「あきさかり」のほうがいいらしいのです。そういったことで切りかえるという話もあるのです。これは微々たる話ですけれども、先ほど言った協議会でも調整しているということなので、本来農家にとってどちらがいいのか、県としても判断をしていただきたいと思います。  それと、農業産出額が898億円で前年に対して10%もふえたという話がありました。農林業センサスのデータによっても、過去ずっと下り坂だった生産が、近年水平飛行しています。それは農業生産は減っているけれど、例えば畜産が頑張っているという実情がございます。ただ、全体としては、今後就業者も減っていくし、そうなると未利用地も多分ふえていくだろうと思います。結果的には香川の農業もなかなかじり貧傾向から抜け出せないという気もしています。  そんな中で、「もうかる農業」ということであれば、もうかる人は税金を納めます。1200億円から1300億円の県税がありますが、その中で例えば農業者も当然確定申告をします。多分個人情報云々の話だとなかなか税務課のほうがデータを出さないというのもあるかもしれませんが、やはりそれぞれの年度によって農業者の納税額をつかんでおく必要があると思うのです。私は多分大した額ではないと思うのです。今回も4600億円ぐらいの全体の決算の中で農業費が200億円ぐらいありますが、5%弱です。県税を1200億円としたら、例えばその比率だと50億円から60億円の農業者による県税があることになりますが、これはないと思います。  私の地元の市の話をしますと、農業者による税収は五、六百万円ですが、農業関係の振興は10億円以上の予算を組むのです。費用対効果で言うと話にならないと思うのです。5倍、10倍だったらいいですけど、100倍、200倍です。それはなぜかというと、食料の危機管理の話なのです。核のミサイルも怖いけど、将来を思うと自給率を高めることが必要になると思うのです。ただ、そのことにだけ無尽蔵に税金を投入してもいいかということになるとそうでもないと思うのです。  施策を展開する中で年々の効果を見ていくためには、税務課と連携して農政水産部でせめてそれぐらいのデータはつかんでおく必要があると思うのですが、そのあたりの認識はどうですか。 国分農政水産部長  農業所得の把握というようなお話でございますけれども、農業の場合、販売農家として自立して生活しておられる方と、多くの兼業農家の方がおられまして、そういった方のどの部分が農業の部分であるかはなかなか把握しにくいということがございます。それともう一つは、これは技術的な問題になりますが、税務情報でございますので、その目的、利用を考える必要があります。  ただ、どういったものを指標として成果をはかっていくかということはございますので、1つは農業全体としての産出額があります。一番近年で少なかった平成22年度の747億円から右肩上がりになってございますので、そういったところを見ていきながら、積極的な施策を展開してまいりたいと思ってございます。 松村委員  「もうかる農業」を目指してこれからもよろしくお願いいたします。 米田委員  1点、集落営農の現状と課題についてお伺いをしたいと思います。  行政評価結果の概要の数字だけを見ますと、集落営農組織数が基準年の254団体が2年経過後の29年の数字で251に減少しております。どういう理由で減少したのか、251団体でどれだけの田畑をカバーしているのか、全体の農地のうちでどのような割合で集落営農の部分が占めているのか、形態別の割合についても教えていただきたいと思います。 高島農業経営課長  まず、集落営農組織数の推移でございます。県では認定農業者及び新規就農者の確保・育成とあわせまして、地域を支える担い手として、集落営農の組織化・法人化に取り組んできたところでございます。集落を単位とする地域での話し合い活動の促進、土地改良部門との連携、基盤整備等の一体的な推進などを進めた結果、平成29年度末において251という数になったところでございます。その経過といたしましては、特定農業団体ののれん分け等が進む中で、本体組織の法人化が進まずに、平成28年度に農業経営基盤強化促進に基づく存続が可能な期間である10年を超えたことから、18年に設立した特定の団体が28年で一応期限が経過し減ったわけでございます。ただ、その再編をした過程でできましたのが現在の数字ということで、今後、その再編統合を進める中でさらに新たな新規設立も含めて推進しているところでございます。  農地を集落営農がどの程度カバーしているのかにつきましては、集落営農組織については251ございますけれども、そのうちの99組織につきましては法人化しており、現在、この法人化している組織で県内の約905ヘクタール程度はカバーしています。ただ、任意組織につきましては、農業委員会等の数値がないので、全体のはっきりした数字はわかりません。今御報告申し上げられますのは、集落営農法人251のうちの99につきましては905ヘクタール程度の水田をカバーしているというところでございます。 米田委員  集落営農の本格的な取り組みを始めてから年数がたって、それぞれの団体も課題が生じていると思います。1つには平均年齢の上昇という点で、今後の持続可能性に課題があると考えますけれども、現在、集落営農の担い手の現状がどうなっているのか、団体の規模、1団体がどのぐらいの人数で担われているのか、また年齢構成や課題についてお聞かせをいただきたいと思います。 高島農業経営課長  集落営農組織につきましては、農業従事者の減少や高齢化等によりまして耕作放棄地が拡大する中で、認定農業者等の中核的な担い手がいない地域において特に加速化が必要であると認識しているところでございます。こうしたことから、県では、集落営農塾や地域活性化フォーラム等の研修会も開催していますし、組織化に向けた意欲の向上やリーダー育成に積極的に取り組んできたところでございます。また、農業改良普及センターが中心となりまして、集落営農の将来についての話し合いを支援してきたところでございます。  こうした中におきましても、それぞれの地域でも課題は抱えております。その大きな部分は、先ほど県下全体での課題として申し上げました集落営農構成員の高齢化でございます。全251組織の平均年齢は70.2歳ということで70歳を超えているのが現状でございまして、この構成員の高齢化に対する対応は緊急の課題と認識しているところでございます。また、こういった地域においてはリーダーやオペレーター等の後継者を早く育成し、将来の組織の継続を進めることが肝要だと考えております。  なお、集落営農組織の規模等の話でございますが、年齢につきましては先ほど言ったように70.2歳でございますけれども、構成員数等につきましては今手持ちの数字がございませんので、また、改めて御報告したいと思います。 米田委員  集落営農については、農地の保全のためにはなくてはならない組織としての認識のもとで取り組みを進めていただいておりますけれども、後継者の発掘・呼び込みが課題とおっしゃられました。そうした状況からしますと、目標が350組織で今251組織ですから、かなりの差があると感じています。これで本当に達成できるのかと誰もがそんな疑問を持つと思います。さらに政府は働き方改革の一環として65歳以上への雇用の延長を行うということなので、今は60歳定年で元気なうちに農業に移行するというモデルがイメージされていましたが、そこが崩れてくるので、なおさら後継者の営農集団への呼び込みが困難になることが想像にかたくないのですけれども、どんなふうにお感じになっておられるのでしょうか。  それから、営農組織を立ち上げるのに普及員を中心にして頑張っておられると思うのですけれども、その体制が十分なのでしょうか。今どのぐらいの体制で臨まれていて、このままの体制で引き続きやるのか、もう少し補充をしてやっていかないといけないという認識なのか、推進体制側の課題についても教えていただきたいと思います。  最後に、350団体でどれぐらいの農地を担うイメージで進めておられるのでしょうか。その目標達成についての感触をどんなふうにイメージを描きながら取り組んでおられるのか、お聞かせいただきたいと思います。 高島農業経営課長  県下全体を見渡してみても、農業者の高齢化はどんどん進行しているという状況にございます。ますます農地の出し手がふえてくるのは予想されるところでございます。こうしたことから、農地の受け皿としての集落営農組織は何としても確保するべきは担い手であり、重要であると考えているところでございます。  こうしたことから、まず進めておりますのは集落営農の組織化・法人化です。法人になりますと経営も安定いたしますし、経営体としての後継者を確保しやすくなるということで進めておりまして、県内に36の重点推進地区を設定したところでございます。その地区に対しましては農業改良普及センターを中心に働きかけを行っておりまして、現段階では組織化の重点推進地区は25地区、法人化が必要な地区が11地区と判断し、合わせて36の地区にて推進をしているところでございます。今年度中にはさらに重点推進地区を追加して達成に向けて努力してまいりたいと考えております。  また、普及センターだけではなかなか効果的な推進は難しいということもございまして、土地改良部門と連携しております。集積においては基盤整備が重要でございますので、基盤整備との一体的な推進は今後、ますます重要になると考えておりますし、農地を未来へ守ろうという話し合いが行われている地区、いわゆる多面的機能支払い実施地区であれば、さらに集落営農を進めやすいと考えております。それから中山間地域直接支払い実施地区にも研修会等を行うほか、直接現場にも入り込みまして推進をしていきたいと考えております。  人材育成については、高齢化はどうしても対処しなければいけない大きな課題であり、組織の人材確保は緊急の課題と認識しているところでございます。集落営農組織の新たな構成員となるべく人材を掘り起こすためには地域の話し合いしかないということで、その活動を支援する取り組みを進めております。まずは地域内で非農家であっても集落営農組織に携わってくれる人を探すといった話し合い活動を強化したいと思います。さらには一歩進めて地域内にいない場合には地域外からも定年退職者、65歳でもこれから10年間はばりばりと働けるという方もいらっしゃいますのでそういう方や、新規就農希望者は近年150名程度の県内外からの希望者がおりますので、こういった方にも集落営農組織の担い手としても入っていただけるようこれから働きかけを行っていきたいと考えております。今後とも農業、農村の活性化を図るためには目標達成というのは必要でございます。地域を支える集落営農組織の一層の確保・育成に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  最後に、集落営農組織が目標のどれぐらいを担うかということでございますけれども、私どもが進めておりますのは、認定農業者等の中核となる担い手と集落営農は両輪ということでお互いに補完し合って、地域の集積率50%を目標に置いております。ですから、こういった両輪で半分は担っていただきたいという計画で現時点では進めているところでございます。  農業改良普及センターの人員体制については、今、正確な人数はお答え申し上げられませんけれども、農業改良普及センターの中でも特に集落営農部門を特別に設けておりまして、3名から4名の体制で自分の担当地区を受け持って、夜の会にも積極的に参加をして進めているところでございます。 竹本委員長  もう一つ、定年延長70歳という話が出ているので、その分が集落営農に対してどのような影響があり、先の見通しについての質問があったと思うのですが。 国分農政水産部長  定年延長の影響については、なかなか一言で申し上げることは難しいのですけれども、定年前でも農業に取り組もうという方もおられると思います。そういった意味で、より農業を魅力的なものにして、定年を待たずにでも農業に取り組んでいただけるような方をふやしてまいりたいと考えてございます。 米田委員  今の答弁では目標の350組織を達成できるとは見えてこなかったのですが、それでも農地の保全のために汗をかいていかなければならないという認識のところは一致しております。人材をどう育成するかや呼び込むかは、手間暇のかかる作業ですから、いろいろな困難や御苦労も多いかと思いますけれども、ぜひよろしくお願いして質問を終わりたいと思います。 松本委員  私からは新規就農者の確保・定着について1点質問させていただきます。  経済や生活環境の変化、人口減少により日本の農業は衰退の一途をたどりつつあるように感じており、大変危惧しております。1965年に70%以上あった食料自給率も現在では30%台と下がる一方であり、回復の兆しが見えません。果たしてこれから先、日本の農業はどうなるのか、不安でなりません。農業従事者の減少、高齢化が一段と進んでいる現状において、本県農業を将来にわたり維持・発展させていくためには、若い新規就農者の確保も大切でありますが、一歩進んでそれらの新規就農者が確実に地域に定着し、香川の農業の未来を担う担い手へと育って、発展していくことが重要であると考えております。  県では新規就農者を確保するため、県内外において就農相談を行うなど積極的な取り組みを行っており、近年では毎年150人程度の新規就農者を確保していると伺っております。しかしながら、里親制度を活用して勉強した後、いざ農業を始めようとした際、適当な農地がないという問題に直面したというお話も聞いたことがあります。また、就農に思った以上にお金がかかるので新たに始めることが厳しいという話もお聞きしました。  新規就農者の中には県外から来た方や実家で農業をしていない方も入ってくるということで、さまざまな方が新規就農に向けて取り組もうとしています。そこでまず、今150人程度いる新規就農者のうち、農家の出身以外の方で新規参入される方がどれぐらいいるのか教えてください。また、その中で県外から香川県で農業に就いてみたいという方がどれぐらいいるのかもお尋ねしたいと思います。  こうした状況を踏まえ、新規就農者の定着に向け、県として重点的にバックアップする必要があると考えていますが、どのような取り組みを行ったのかもお伺いしたいと思います。  また、新規就農者が定着し中核的な担い手に発展していくためには、農地の集積に向けた支援が必要であると考えております。施策評価結果の9ページの指標では、担い手への農地利用集積面積率が平成27年度は30.5%、29年度は27.8%でD評価となっておりますが、目標である32年度の50%に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、あわせて部長の考えをお尋ねしたいと思います。 国分農政水産部長  新規就農者については、農業をやろうという人を呼び込んでくるのが1つございます。そのために県におきましては、香川県農地機構と香川県農業会議が運営する新規就農者相談センターや農業改良普及センターがワンストップ窓口となって、多様なルートからの就農相談にきめ細かく対応するとともに、都市部で開催される新農業人フェアや移住フェアなどで就農相談のコーナーを設けて、県内外の就農希望者の確保に取り組んでいるところでございます。  就農希望者を確保した次は、就農の準備に対しての支援ということになります。これについては、まずは技術の習得に向けまして、農業大学校の技術研修科や、JA香川県が実施しているインターン制度、先進農家での技術習得などのマッチングを行うなどの研修支援を行ってございます。  また、Iターン就農など、これまで農業に携わっていない方については、先進農家等が技術指導や経営指導を行いながら円滑な独立就農に向けてサポートする、いわゆる「のれん分け就農」を積極的に推進してございます。県外出身者や非農家の方であっても就農できるよう、里親に対する助成制度も進めております。その結果、平成23年度以降では80人以上が里親支援を受けて就農している状況でございます。  さらに、一定の技術習得をして就農した後も経営が安定するように、農業改良普及センターや市町、JA等と連携しながら重点的に支援を行うことにしております。新規就農者に聞くと、技術は習得したもののまだまだ自信がないというお話や、資金面でなかなか厳しいというお話もありますので、地域の農業者と交流し、孤立しないようにすることも大事なことであると思ってございます。  1点目の技術面におきましては、普及センターが中心となった栽培講習会や、農業大学校で機械や肥料に関する技術のフォローアップ研修を実施してございます。  2点目の経営面では、経営改善研修会や経営計画策定の個別相談などを行っていますが、資金的なところでは一定期間一定額をもらえる農業次世代人材投資資金の交付や、新規就農者サポート事業による機械施設の導入助成、政策投資銀行が行う無利子資金である青年等就農資金の借り入れ支援も行ってございます。  3点目は、孤立しないように先輩農家や地域がサポートしていく体制も必要だと考えてございます。  農地の集積については、まず新規就農者については、早期に経営を安定させていくために、しっかりとした農地確保が重要だと思いますので、農地中間管理事業を活用する場合は、優先的に配慮することとしております。  それから全体の話としましては、農地中間管理事業を活用した農地集積をさらに進めていくために、本年度から新たに担い手の経営発展支援と一体的に農地をあっせんするコーディネーターを民間から来ていただきまして農地機構に配置しました。  それから、土地を活用する上で土地の条件整備ということがございますので、担い手の要望に即した簡易な基盤整備や遊休農地の再生も県の農地機構が事業主体となって行う制度を今年度新たにつくったところでございます。  これまで進めております農地集積の取り組みについては、マッチングに加えましてそういった新しい取り組みも進めてまいりますし、農地集積につきましても農地集積と基盤整備等が一体となった重点地区を定めまして、今年度から市町単位で新たな推進体制というのも構築しました。そういったことでさらにその地域における農地の集積、集約化について意欲的に進めてまいりたいと考えてございます。 松本委員  深刻な農業の担い手問題を解消するには、ワンストップ化をして新規就農者にわかりやすくするのと同時にマッチングや「のれん分け」、農地集積が必要ですし、農業法人や集落営農の整備、人材派遣を活用した人材の確保のほか、若い人たちの意識改革として、農業に対するイメージはマイナスではなくて、実際はこうだという形で教育委員会とも連携しながら新規就農者の確保を図っていかなければなりません。  また、外国人の技能研修などもありますので、そういうところも含めながらマッチングしたり、いろいろなことに取り組んでいかなければならないと思っていますので、今後とも新規就農者の支援につきましては引き続きニーズに合った、未来を見据えた対策に向けて努力をしていただきたいと思います。  また、地域に居住するほかの農家とも連携して、教えていただきながら、引き継いでいくような取り組みが必要だと思っています。地域として新規就農者を支え育てる取り組みについて、どのように行っていくのかお尋ねします。 国分農政水産部長  新規就農者の地域における支援については、新規就農者の方が地域に早く定着して担い手となってもらうためには、地域として受け入れて、地域として育てることが重要であり、そのサポート体制が重要だと思っております。  そのため県では、「かがわニューファーマー塾」を開催しており、新規就農者や先輩農家に参加してもらって、悩みなどを自由闊達に議論していただいたり、仲間づくりも進めていただき、地域で孤立しないように支えてございます。  また、各地域の農業士との連携として、各農業改良普及センター段階の地区農業士会が積極的に若手の農業者を助けていただいていると考えております。  いずれにいたしましても、新規就農者がその地域の中できちんと定着して経営発展できるようしっかりとサポートしてまいりたいと思ってございます。  それから、先ほど御質問がございました新規就農者の内訳につきましてお答えができておりませんでしたので、農業経営課長からお答えさせていただきます。 高島農業経営課長  平成29年度は147名の新規就農者うち93名が新規参入でございます。また、県外出身者は147名のうち50名で、この傾向はここ五、六年ずっと続いている状況でございます。 松本委員  私が子供のときは農業をするというのは余り楽しくないイメージを周辺から聞いていたのですが、今、農業は食料自給率等も含め深刻な問題になってきています。これを手をこまねいているのではなく、農業政策については皆さん方のおかげでいろいろな方法が出てきていると思います。アグリレディやUJIターンの活用、魅力ややりがいのある農業に変わっていこうとしています。例えば楽しみながら農業体験をして、農家の人や来てもらう人にも楽しんでもらうようなやり方を考えて、農泊など食と農業、観光も一体となった地域振興によって、農業の将来が変わってきた感じもしています。ですが、実際は所得向上や生産拡大に向けて、行政や農家が改革していかなければいけない時代になってきたと思います。  私の同級生や知り合いにも新規就農を目指そうとして頑張っているのですが、最初につまずくと、その後やる気を失って、せっかく5年間の支援をいただいても、その後が続かないことがあります。担い手を支援している先輩農家の方々からも5年済んだ後が大事だから、ここもしっかりサポートして欲しいとの声があります。  新規就農を目指そうと県外からも結構来られていますので、本県で就農した若手農業者が確実に定着できるように新規就農だけでなくその後も含めてサポートするとともに、地域のリーダーも必要だと思いますので、人材育成にも積極的に取り組んでいただけるようにお願いをしまして質問を終わりたいと思います。 高木委員  私からは、まずオリーブにつきまして質問させていただきます。  香川県にはオリーブを活用したオリーブハマチ、オリーブぶり、オリーブ牛、オリーブ豚、オリーブ地鶏があり、香川県のイメージアップに物すごく貢献していると思います。私も最初にオリーブハマチを食べたときには自然に近い味が出ていて、これは大成功した一つだと思っております。ところが、心配するのは、オリーブの生産量が平成26年度が383トン、29年度が515トン、目標とする32年度が500トンですけれども、オリーブハマチの生産尾数は、平成27年度が実績として27万尾、29年度が22万尾、32年度が目標値で35万尾となっています。それで、オリーブの実のほうは、井上誠耕園へ見学に行ったときにスペイン等の契約農家から95%来ているということで問題ないと思うのですけれども、オリーブハマチやオリーブぶりの飼料となる葉っぱの需要と供給はどのように予測されているのでしょうか。 国分農政水産部長  平成30年産のオリーブハマチと先般発売しましたオリーブマダイの生産計画尾数に必要なオリーブの葉が約17.5トンと見込まれてございますけれども、既に約19トンを確保してございますので、30年の生産については必要数は確保できている状況でございます。 高木委員  それはよかったですが、私がこれを質問した一つの理由は、地元の牟礼町の保健医療大学近くでは、最近耕作放棄地がふえてきています。我が家から医療大学まで500メートルぐらいの農地のほとんどが、耕作放棄地になっていますが、昔は水田で優良農地だったのです。また、庵治半島も山手のところから自然に返っていっています。  部長も御存じのとおり、オリーブは日本で唯一小豆島で成功したということで、庵治半島は小豆島に非常に近いのです。私とすれば、その葉っぱをどこで確保するのか、国産なのか輸入しているのかは知りませんけれども、これからの優良農地の確保という意味からも、また担い手やUターンの観点も含めて、そういうところを何とか活用できる方法がないものか考えています。  この前の新聞にオリーブの葉っぱ専用のオリーブを開発するという記事が出ていたと思うのですが、新たな葉っぱ専用のものは、最低どのくらいの本数を植えればペイするものなのか、アバウトで結構なので教えてください。その葉っぱそのものは無農薬でなければいけないということで、つくるほうとすれば消毒や予防をしなくてもいいので楽なのです。  新たなオリーブの新品種、葉っぱ専用のものがどのようなものなのか、また最低どのぐらいのオリーブを植えればペイするのかだけを教えていただきたいと思います。 国分農政水産部長  オリーブハマチ等の水産物のオリーブの話でございますが、県産オリーブの葉につきましては、近年、オリーブが炭疽病に対する農薬使用により、オリーブ水産物の主要な葉として使用できるものが減少しており、一部輸入して県産葉とまぜて使用している状況でございます。  県としては、できるだけ県産葉を使用したいと考えてございまして、オリーブ葉専用園ができないか取り組みを進めており、今適地を探しております。専用園では、いわゆる茶園仕立てのような形、要するに葉をとることに特化したものとして取り組んでございます。  ただ、まだ試験段階で、実際どういった栽培方法でやればいいのか。これまでの茶園のつくり方のノウハウはございますけれども、茶園仕立てでしたことがございません。どれぐらいの葉っぱがとれるかについては、うまくとれば1年に3回ぐらいとれるという話もございまして、栽培方法や施肥の仕方等も含めて調査・検討をしている状況でございます。ですから、どれぐらいの本数があればペイするということについては今お答えができませんけれども、何とかオリーブ葉を確保しようと取り組みを進めているところでございます。
    高木委員  経済委員会で小豆島へ視察に行ったときに、どこの企業かは忘れたのですが、農地を借りていただけるのですかと聞きましたら、反5,000円くれれば借りましょうと言われた記憶が今でもあるのです。ところが、別のものをつくる人に貸せば逆のケースもあります。これから人口もどんどん減っていきます。2040年には東かがわ市の人口減少率が50%、さぬき市が40%と言われていますので、県全体では物すごく減るわけです。そうなれば、ますます放棄地はふえると思っています。ですから、これからその対策のためにも、山手でオリーブに適するようなところがあれば、今後、調査研究していただくことをお願いして次の質問に移らせていただきます。  次の質問は、担い手への農地利用面積がD評価となっているその理由についてお聞きしようと思っていましたが、部長から最初に説明を受けてよくわかりました。私はこのD評価となった理由の一つは、借りる農地が少ないのではないかと思っているのです。というのは、私も自分でやってみて思うのですけれども、ほ場整備が終わってパイプラインが敷設されれば、これは案外やりやすいのです。ところが、そうでない農地が香川県には結構あって、池に行ってゆるを抜いて、そこから水路を伝ってするように言われたら、私はもうどうしていいかわからないので、我が家ではそれをつくっていません。  今でも鮮明に覚えているのは、私が政治家になって、最初に見学に行ったところが千歳空港の近くの農地だったのですが、そのときに最初に見た農地が1枚の面積が3ヘクタールで、そこにあった井関のコンバインが、自衛隊の装甲車ぐらい大きかったことです。香川県にある大型のコンバインよりはるかに大きかったです。オーストラリアやカリフォルニアのコンバインはそれよりまだ大きくて総2階建ての家ぐらいあります。だから、今TPPが言われていますが、こういうところと戦うとなると物すごく大変だと思うのです。私とすれば担い手を確保するためにも、より積極的に耕作放棄地を確保するなど、所有者不明の農地について法整備をして、仮に1反持っている人が3人いれば1枚の田んぼにして、水田を3倍にして、権利だけ持っておくということをしなければいけないと思います。  香川県でほ場整備すればできるけど、できていない面積は大体どのぐらいあるのでしょうか。例えば何割できているのかでも結構です。 国分農政水産部長  今の県下のほ場整備率は38%ぐらいでございますので、それを上げようと取り組んでいます。どこまでがほ場整備が可能で、それ以外はほ場整備をしてもだめだということについては、今そういった観点から取り組んでいませんのでお答えはできませんが、少しでも条件をよくして使っていきたいと考えてございます。  そういった耕作放棄がされているところや、放棄されつつあるようなところについては、ほ場整備と申しましても一体的に地域全体を全部やり直すということではなくて、少し条件整備という意味での簡易なほ場整備というものもございますので、そういったものも行いながら、できるだけ農地として活用していくように進めてまいりたいと考えてございます。 高木委員  そのように進めていただきたいし、香川県は恐らくほ場整備した1枚の面積が1反から2反は恐らくないと思います。千葉県では、聞いた話ですけれども、もともと面積が広くて1枚が大体3反ぐらいで、それを3枚ぐらい集めて1ヘクタールぐらいにしようとしているらしいです。けれども、東京オリンピックのころにはトラクターもコンバインも無人のものができるそうでございますので、部長におかれても在職中にそういうものが使える農地が香川県で1枚でもふえるように御尽力いただきますことをお願いして質問を終わらせていただきます。 佐伯委員  私からは農畜水産物のブランド化の推進、まさしくブランド力を強くするためにどうすればいいのかということについて、いろいろお聞きをしたいと思っております。  香川県もブランド化に向けていろいろな事業を進められておりますが、その中でもよく耳にするのがオリーブ牛、オリーブハマチではないかと思います。そんな中におきまして、これは県外、海外にも販路を拡大していくことがブランド力の強化・推進に必要ではないかと思うのです。特に今から海外に目を向けていかなければいけないと思っている次第であります。  私もシンガポールには毎年行くのですが、一昨年に視察に行ったときにシンガポールの伊勢丹で四国物産フェアをやっておりました。そこでオリーブ牛のステーキが飛ぶように売れているということでございました。こちらの3倍ぐらいの値段でしたが、在庫がないからどんどん今送ってもらっているということを聞きました。こういったイベントで売れるのはすばらしいことなのですが、これを定着させていかなければ意味がないと思うのです。そのときだけ「よかった」ではだめなのです。そこで昨年度は県外、海外での販路の定着に向けてどういうことをされたのかをお聞きしたいと思います。  それから、「さぬき讃フルーツ」もブランド化に向けていろいろされておりますが、岡山県に比べて同じ品物であっても、ちょっとブランド力が弱いのではないかと感じるわけであります。というのが高松の三越には香川県産のシャインマスカットと岡山県産のシャインマスカットの2つを置いています。全く同じ形、同じ値段のもので、店員にどちらをもらったらうれしいかと聞くと、岡山のほうがうれしいと言われました。これはまさしくブランド力だと強く感じたわけです。フルーツのブランド化に向けては、東京であれば超高級フルーツ店の「千疋屋」に置いてもらうことがブランド力の強化につながっていくと思うのですが、県では29年度はどのように努力されたのかをお聞きしたいと思います。  それとオリーブについては、やはりオリーブオイルが一番主体だと思います。先ほど部長からオリーブ産業基盤強化事業について説明がありましたが、オリーブオイル等について香川県はトップクラスで、他県からも追随できないということをしっかりとブランド発信していかなければいけないと思うのですが、29年度はどういうことをされたのか教えていただきたいと思います。 国分農政水産部長  まず、海外輸出について、オリーブ牛についてお話しさせていただきます。オリーブ牛については、アメリカやアジアへの輸出にかなり力を入れて進めてございます。具体的には昨年1月に、ニューヨークで「オリーブ牛セミナー」を開催しました。これは向こうの老舗のステーキハウスでメディアなど情報発信力を持っている方に来ていただいて、カッティングデモなどを行い情報発信していただきました。また、そのレストランでは、期間限定ではありますけれども、オリーブ牛のメニュー化も進めたところでございます。  輸出の定着化については、JA全農や大手の食品メーカー、商社などと提携いたしまして、定期的にオリーブ牛を輸出できるシステムづくりを展開してございます。オリーブ牛はアメリカでも高値で販売されてございますので、今後も高く売っていくマーケティングにも取り組んでまいりたいと考えてございます。  それから、2点目の「さぬき讃フルーツ」についてのブランド化についてでございますけれども、県内・県外を含めていろいろな取り組みをしてございます。特に県外では、有名果実店等に独占的にある程度契約的に入れていただくというようなことも進めてございます。それから、29年度もJALやANAの大手航空会社と提携したキャンペーンを実施して、羽田空港や機内でビデオを流していただくような取り組みもしてございまして、できるだけ県外に向けてもしっかりとPRを進めています。  それから、オリーブオイルにつきましては、平成26年に国際基準にのっとった県独自の認証制度をつくりました。これは国際的にも認められた方式で高い品質をきちんと認証していくことでオリーブオイルの製造事業者を認定する制度を設けてございます。さらに、そういった認定制度を国際的な団体にも認めてもらおうと取り組みも進めてございます。 佐伯委員  ブランド化ですから差別化が大切なのですが、これからはグローバルGAPの認証が非常に重要だと思います。これはお金もかかるし大変なのですが、そういうことをやっていかないとブランド化はできていかないと思うのです。グローバルGAPを取得すればすごいブランド化になります。いろいろ課題はあると思うのですけれども、今からどのようにしていくのかをお聞かせいただきたいと思います。 国分農政水産部長  香川県ではGAPの認証を取った者はまだまだ少ない状況でございますが、高校では笠田高校が初めてGAPを取得しました。さらに取得を加速させたいということで進めておりますが、農家の人にとってはどういったことをすればいいのか、よくわからないということがありますので、県ではGAPの指導員を農業改良普及センターに配置いたしまして、現在、48名ということで大幅に増加させております。また、GAPを取るためにはコンサルタントや専門家から意見を聞くなど、取得に係る費用が負担になってくることがございますので、県単独事業や国の事業も活用しながらその審査費用等の助成を行ってございます。さらに、GAPについては、県として計画的に取り組んでいくために、「香川県GAP推進方針」を定めまして、計画に基づいて積極的に推進していきたいと思ってございます。 佐伯委員  多分東京オリンピックを境にGAPの認証の食材はどんどん出てきて、認証を取っていないと競争できないと思うので、その辺をしっかり取り組んでいただきたいと思います。香川県は多くのものにオリーブの名前がついているのですが、最高・最強のブランドにするのであれば、グローバルGAPの認証を取得した「ゴールドオリーブ牛」といったもっと最高級のネーミングをつけるのも大事だと思います。その辺もしっかり考えていただきたいと思っております。  それともう1点ですが、県が力を入れております「おいでまい」の作付面積が29年産はD評価ということです。資料では、カントリーエレベーターの受け入れが整っていなかったが、30年度は仲多度地区でのカントリーの受け入れが決定しているので大丈夫だと書かれておりますが、29年度に失敗したのは、ほかにも農家の方が納得していないまずかったことがいろいろとあるのではないでしょうか。「おいでまい」のブランド化に向けて取り組んでおりますが、その辺についてどのように思われるのか、教えていただきたいと思います。 国分農政水産部長  「おいでまい」については今回D評価になったわけでございますけれども、米の場合はカントリーエレベーター単位で受け入れることになりますので、その地域全体で品種が変わっていくという話になります。ですから、そういう調整がうまくいかなかったということで29年産は少し減らしたということになります。作付拡大に当たりましては、これは県だけではなくてJAや生産者、流通関係者と相談をしながら進めてございます。  30年産につきましては、仲多度地区を作付拡大地区とするということですが、これは仲多度カントリー運営協議会で「おいでまい」への転換を決定したところでございます。30年産につきましては昨年度より630ヘクタールぐらい増加いたしまして1,820ヘクタールぐらいになる見込みでございます。  県としては、生産者の理解が必要だと思いますので、今後とも生産者やJAと連携をとりながら、引き続き計画的な生産振興と生産拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 佐伯委員  つくり手が魅力を感じなければ、幾ら整備してもつくってくれないと思います。その辺を、こういう面が今までと違うということを説明して農家の方に納得していただければ、つくり手の方々も力を入れますから、なお一層すばらしいものができると思っていますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。ブランドというのは継承していくものでもありますが、つくっていくものでもあります。これから皆さんと力を合わせて香川県の農畜水産物のブランド化をどんどん推し進めてすばらしいものをつくっていけるように願って質問を終わります。 松原委員  ブランド農産物の生産振興についてお聞かせいただきたいと思います。  先ほどの佐伯委員の質問の関連にはなるかもしれませんが、ブランド農産物や県産オリジナル品種の野菜・果樹・花卉は作付面積が伸びてA評価ということですけれども、「おいでまい」の作付面積が減ってD評価ということです。今の部長の答弁ではこの要因はカントリーエレベーターの受け入れ態勢と農業者自体の高齢化、農業従事者の減少と書かれていますが、ウエート的にはカントリーエレベーターのほうが大きいという答弁でいいのでしょうか。 国分農政水産部長  その比率というのは非常に難しいのですけれども、相まってということになろうかと思います。受け入れ態勢の調整がうまくいかなかったのは事実でございますので、それと作付面積全体が落ちているところが相まった結果だと思います。 松原委員  農業者の高齢化は計画策定のときからある程度わかっているので、目標値が3,000ヘクタールというのは全然追いつかない数字になっていると感じます。例えばカントリーエレベーターの受け入れ態勢が30年度に整って、また、各地域にも移ってふえていくのでしょうか。この目標達成について、目標値が大き過ぎたというのなら話は別ですが、めどはあるのでしょうか。 国分農政水産部長  今後の「おいでまい」の作付拡大につきましては、カントリーエレベーターで受け入れますので、エリア単位での作付拡大ということでございます。非常に高い目標ではないかというお話はございますけれども、JAや生産者の方の理解もきちんと得ながら進めてまいりたいと思ってございます。 松原委員  先ほどのやりとりでもあったのですが、生産者の方の協力も得なければいけません。特に「おいでまい」は「特A」に返り咲く目標もあるので、ぜひこの目標値をクリアできるように引き続き取り組んでいただきたいと思います。  次に、「さぬき讃フルーツ」のブランド力強化についてお伺いをさせていただきたいと思います。  これから食欲の秋ということで、くり、イチジク、リンゴ、いろいろ食べごろを迎えていくわけでありますけども、本県では、オリジナル品種の「さぬき讃フルーツ」として、イチゴの「さぬきひめ」、キウイの「香緑」、「さぬきゴールド」などのブランド力強化に取り組んでおります。特に私の地元の三木町ではイチゴ栽培が大変盛んに行われておりまして、新規就農で三木町に移り住んでいただいて農業を始めていただける方がふえてきて、私も地元の一人として頼もしい限りでございます。  そうした中、さぬき讃フルーツのPR効果も大変出てきているようでございまして、先ほどの部長の答弁にもありましたが、東京の有名な果実専門店で高評価を得ており、高品質で市場でも大きい評価をいただいています。そこで、「さぬき讃フルーツ」のブランド力の強化に向けた取り組みについてお伺いいたしたいと思います。 国分農政水産部長  「さぬき讃フルーツ」のブランド力強化について、これまでの取り組みでございますけれども、29年度は「さぬき讃フルーツ」に中晩柑類のデコポンの「不知火」とビワの「なつたより」を新たに追加しました。現在、8品目15品種となりまして、さぬき讃フルーツの周年供給が可能になりました。1年間通して「さぬき讃フルーツ」があるという状況になりましたので、さらにそこのところもPRしてまいりたいと考えてございます。みかんの「小原紅早生」では、国の地理的表示、GIというふうに申しますけれども、地理的表示保護制度に初めて「香川小原紅早生みかん」として登録もされたところで、そのPRもしているところでございます。  それから、情報発信については、果物については特にその旬というのが重要かと思います。そういったことで夏の果物が出る前にはキックオフイベントを行うなど集中的なPRや、産地交流会などで県内の小・中学生にもしっかり知ってもらう取り組みも行いました。昨年は4月に台湾の桃園市で行われました農業博覧会にも出展いたしまして、ビワの「なつたより」を食べていただき好評も得たところでございます。 松原委員  そのあたりの効果も出ているようでございますが、継続していくことが大事だと思います。それによって前進することもあると思いますので、ブランド力向上に向けてさらに効果を出していくために今後、どのような取り組みを行っていくのか、再度お聞かせいただきたいと思います。 国分農政水産部長  今後の取り組みでございますけれども、これから秋冬の果実が出てまいります。イチゴの「さぬきひめ」を初め、キウイの「さぬきゴールド」やみかんの「小原紅早生」が出てまいりますので、それに合わせたプロモーションをしてまいりたいと考えてございます。10月23日からは県内の百貨店で「さぬきゴールドフェア」を行いたいと思っておりますし、11月24日には「小原紅早生」の産地交流会、12月と2月には「さぬきひめ」と「小原紅早生」の出前講座も予定しており、旬を生かしたPRをしっかりしてまいりたいと思っております。  さらに最近、機能性ということが言われてございまして、「さぬきゴールド」についてはビタミンCが一般のキウイの3倍あるということで栄養機能食品にもなってございます。今回新しい広告もつくってこれからの時期に合わせたPRもするなど、さらにいろいろと効果的な取り組みを積極的に行い、ブランド力強化に努めてまいりたいと考えてございます。 松原委員  引き続きそうしたことに取り組んでいただきたいと思います。  香川は気候が温暖で大体の農作物は育てることができるという話も聞いたことがあります。そんな中で、「さぬき讃フルーツ」は市場でも高評価をいただいて、だんだんと定着してきていますので、これからもしっかりブランド力強化に努めて、「もうかる農業」になるように進めていただいて、農業振興にぜひともお力を発揮していただきたいと思います。 竹本委員長  以上で、農政水産部関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 竹本委員長  御異議なしと認め、農政水産部関係の質疑・質問を終局いたします。  次回は、10月22日月曜日、環境森林部関係及び土木部関係の審査を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....