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  1. 香川県議会 2018-09-01
    平成30年[9月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 高城委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 岡野委員  3点質問をしたいと思いますが、それに先立ちまして1点部長にお伺いします。  障害者の雇用問題がございまして、香川県では、障害者雇用の中でも肢体不自由と内部疾患身体障害者のみが雇用の対象になっており、知的障害者及び精神障害者雇用対象になっておりません。  その状況については改善すべきであり、門戸を広げていくべきと考えますが、現状についての部長の御認識と、知的障害者精神障害者にも雇用の機会を増大していくという観点から、採用対象にすべきということについて、どのようにお考えか、お伺いします。 安藤健康福祉部長  岡野委員障害者雇用に関する御質問でございます。  今回の障害者の雇用問題について、県の雇用率の算定にミスがあったことは、障害者雇用の拡大を推進する立場にある県としては、大変申しわけないことをしたということで知事も謝罪したところであり、障害者施策を担う私といたしましても大変残念で、申しわけないことだと思っております。そうした中、身体障害者以外の知的障害者精神障害者についても雇用を進めていくべきではないかという御指摘と考えております。  障害者の雇用率ということでは、県は2.5%とされており、これまで県では別枠での採用ということで、正規職員障害者雇用を進めてきておりますが、その対象としては、委員御指摘のとおり、身体障害者ということで進めてきております。知的障害者や、最近では精神障害者も雇用率の対象となってきていることは承知しておりますが、現実問題として、どういった仕事をどういった勤務条件で雇用していくのかということが大変難しい問題で、直ちにその答えを見出せていないという中において、結果として採用できていないと理解しております。  今回、障害者の雇用問題が発覚する中で、本県においては正規職員について障害者雇用を進めてきましたが、非常勤が対象であるとは思っておらず、常時雇用される職員という定義をどう捉まえるかを間違っていたわけですが、短時間勤務についても雇用率のカウントの対象になるということなので、知的障害者精神障害者を必ずしもフルタイムでなくても雇用していけるという点も十分理解した上で、その可能性を今後、探っていくということだと思います。部といたしましても、先進事例を把握して、情報を共有していきたいと考えております。 岡野委員  条件的には民間企業も同じで、健康な身体障害者と言うとおかしいですが、働ける身体障害者を雇用しなければペナルティーを受けるということで、民間企業も障害者の取り合いをしているという状況がございます。県は、民間企業障害者雇用をお願いする立場であり、みずから率先して行わなければいけません。正規、非正規、いいかどうかという議論はありますが、障害者の可能性を発揮するにはどういった場所がいいのかを考えながら、雇用の拡大に努めてもらいたいと思います。また、助言や支援をする立場であると思いますので、後方支援をよろしくお願いしたいと思います。  では、質問に入らせていただきます。  まず、児童虐待への対応についてお伺いします。  目黒区で起きました事件について、いろいろ検討が進んでいるところだと思います。先日、第3回検証委員会が開かれたということで、報告をいただきました。その中にも、一時保護や措置解除のあり方について議論が行われたとありますし、国からもさまざまな指摘があったかと思いますが、事件発生からこの間において、児童相談所として、体制や取り組み方、判断基準について、変更したことがありましたら教えてください。 川池子ども政策推進局長  岡野委員の御質問にお答えいたします。  検証結果を待たずにできる取り組みといたしましては、6月議会でもお答え申し上げましたとおり、県外へケース移管をするときには、直接転居先の児童相談所に出向いて引き継ぎを行うことを、既に進めております。このことにつきましては、関係閣僚会議緊急総合対策でも示されているところであり、取り組みを徹底してまいりたいと考えております。 岡野委員  一時保護や措置解除のあり方について、何か方針を変えたということは、現在のところは、まだないということでよろしいですか。 川池子ども政策推進局長  いろいろな事案を踏まえて、それについても慎重に判断をさせていただいているところでございます。 岡野委員  これまでも慎重に判断してきたと思いますが、2月以降、慎重な判断の度合いが変わったとか、見方が変わったとか、そういうことはございますか。 川池子ども政策推進局長  迅速に安全確保をし、行動観察等のための一時保護については、必要な対応をしているところでございます。 岡野委員  近々、国からの報告書が公表されると聞いておりますが、その中で、県への指摘があった場合は、それ以降、変えていくということでよろしいですか。 川池子ども政策推進局長  検証結果を踏まえて、改善策が示された場合には、対応を徹底してまいりたいと考えております。
    岡野委員  国からの報告書が出て、改善要求を受けて改善していくことも必要ですが、内部で自助努力、自浄作用をしていくことも大事だと思います。人員がいる、いないは別問題として、措置解除や一時保護のあり方について、この半年間で変える必要があったのではないかということを指摘しておきます。  また、一時保護のあり方についてですが、今回の本会議の代表質問でも一時保護のあり方についての指摘、質問がありました。その中で、私が前回も質問したことではありますが、短期間に複数回保護される、大丈夫と思って家には帰したものの、すぐにまた一時保護されるケースが多くなっていると聞いております。その子供たちが一時保護所を出ないといけない理由の中に、保護所の定員が20床しかないということは何か関連していますか。 川池子ども政策推進局長  児童虐待対応件数は増加しており、一時保護が必要な児童数が増加していることは認識しております。本県では、昨年度、一時保護所に278人、里親や児童養護施設等に233人を一時保護しており、一時保護所においては定員20人に対し、1日平均保護人員は13.4人となっております。こうしたことから、一時保護所については、余裕があるとは言いがたいですが、おおむね対応できているものと考えております。余裕がないから帰している、複数回の保護につながるとは考えておりません。 岡野委員  一つ指摘をしますが、里親や児童養護施設等に233人と、一時保護所と同数程度の子供たちを委託しているということです。国のガイドラインには多様な受け皿が必要とありますが、虐待を受けた子供を受け入れる里親が、まだ香川県には少ないという前提があります。施設数も3カ所と少なく、乳児院を含めても4カ所です。このようなことを前提にすると、特に一時保護のあり方についてのガイドラインがことしの7月に出されておりますが、本当に安定的な保護をする、ガイドラインに示されたように、特別なケアを要する子供を、短期間でいかに家庭に帰していくかが問題となります。一時保護中は学校に通えません。児童養護施設に入所している子供は学校へ通えていますが、一時保護中の子供はそうではないという問題点もございます。そのような中で、虐待を受けた子供への十分なケアができると考えていらっしゃいますか。 川池子ども政策推進局長  一時保護所で預かる必要のある子供は、非行、不登校、被虐待の子供など、さまざまな背景がございます。これらの子供が混合している状況であり、子供の特性に応じて、保護の受け皿も分けていくべきであると考えております。一時保護所も活用し、里親や児童養護施設等への一時保護委託制度も組み合わせるなどして、子供の特性に配慮した受け皿の拡充を図りながら保護に努めてまいりたいと考えております。 岡野委員  非行の子供、性被害に遭った子供、一般的な虐待に遭った子供など、いろいろな特性があります。これらの特性に合わせて別々の支援ができる一時保護所の運営や設置が必要とされております。私から見ると、このことを少し放棄して、児童養護施設や里親に委託をしているように見えるわけです。なぜなら、個室化が進んでいない、場所が少ない、一時保護所の職員の配置も少ないなどのことから、ほかの施設に委託せざるを得ない状況があると考えております。  先ほども言いましたが、保護された子供は学校に行けないわけです。児童養護施設や里親に委託された場合、学校の先生が配置されていないため、学習権の保障がなされず、子供たちは勉強ができない環境に置かれてしまいます。学習権の保障が必要と法的に位置づけられているのは、一時保護所のみであります。そういった観点から、一時保護所の拡充とともに、学習権を守ったまま保護ができる、さらには特性に応じた保護ができる体制を整えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 川池子ども政策推進局長  一時保護中の子供への学習支援につきましては、平成27年度から一時保護所に教員OBを配置し、在籍校と緊密な連携も図りながら、年齢や学習到達度にも応じた教材を用いて学習指導を行っております。引き続き、里親など地域における一時保護委託先の拡充にも取り組み、通学継続の可能性も検討するなどして、子供の学習支援にも配慮した保護の実施に努めてまいりたいと考えております。 岡野委員  県内の一時保護所は20床ありますが、これは高松にあります。西部地域の虐待が半数以上あり、西のほうがふえているということもありますので、西部子ども相談センターなどの近くに一時保護所があってもいいのではないかと思います。この20床の拡大、個室化、充実した支援、さらなる学習権の保障が必要です。今は教員OBが1人しか配置されていないということですので、これが学習権の保障に当たるのかどうかという、ぎりぎりのラインだと思います。これらをあわせて、一時保護の充実をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 川池子ども政策推進局長  一時保護所の設置につきましては、先日の代表質問でも答弁申し上げましたように、施設整備に要する経費や職員の確保等の課題について、関係者の意見をお聞きするとともに、他県の状況も調査を行いながら検討を進めてまいっております。一方で、政府の関係閣僚会議での決定を受けて、必要な一時保護に対応できるよう、一時保護所における定員の設定についても計画的に取り組みを進めていることや、加えて、児童養護施設の一時保護所専用施設の設置の促進、里親など地域における一時保護委託先の確保等による、資源を活用した、個別性を尊重した一時保護の実施等の環境整備を進めることが求められております。  今後、そういった点も踏まえ、一時保護の受け皿の拡充につきましては、総合的に検討していく必要があると考えております。施設関係者等の意向も踏まえて検討を進め、保護の必要な子供の学習権や学習支援にも配慮しながら、受け皿の拡充を図ってまいりたいと考えております。 岡野委員  一時保護は2カ月前後が一般的ですが、家庭復帰した後は、その子供が再び帰ってこなくてもいいというのがベストではありますが、一時保護が長期化する子供もおりますので、ぜひそれらの子供たちにもきちんと対応できるような施設整備人員配置をお願いしたいと思います。  次に、県立丸亀病院のあり方についてお伺いをいたします。  私は、常々、公立病院の精神科は大切なので守っていかなければいけないという立場で議論をしておりますが、丸亀病院の経営は厳しい状況であると聞いております。  そこで、丸亀病院の現状と課題について、病院事業管理者にお伺いします。 松本病院事業管理者  岡野委員丸亀病院の現状と課題についての御質問にお答えいたします。  丸亀病院は、精神科救急急性期医療に重点的に取り組むとともに、精神疾患と結核を合併した患者の受け入れ医療観察法に基づく指定通院機関の指定を継続するなど、「県の精神医療基幹病院」としての役割を担っております。具体的には、県立病院として、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第29条に基づく入院措置の対象となった患者の受け入れ精神科救急情報センターとして、夜間輪番制による救急医療の円滑な実施のための関係機関との連絡調整、精神科救急拠点病院として、重度の精神科急性期患者受け入れを24時間、365日対応する精神科急性期治療病棟の運営などでございます。このほか、国の結核患者収容モデル事業による精神疾患と結核の合併患者受け入れ心神喪失者等医療観察法に基づく鑑定入院指定通院医療機関としての患者の受け入れ、患者の早期社会復帰に向けた訪問看護デイケアの実施や、回復途上にある患者の生活指導や生活訓練、相談業務なども実施しているところでございます。  丸亀病院は、「香川県立丸亀病院あり方検討委員会」の提言により、平成23年3月までに、急性期治療病棟、2つの亜急性期病棟、思春期・ストレスケア社会復帰病棟の4病棟体制に再編をいたしました。しかしながら、一方で訪問看護デイケアの充実を図り、入院患者の退院を促進した結果、入院患者数が想定以上に減少したこと、また、公立病院精神科医師が不足する中、丸亀病院においても常勤医師が2名減ったことから、平成26年2月に思春期・ストレスケア社会復帰病棟を休止し、現在は3病棟体制でございます。欠員となっている2名の精神科医師のうち、今年度から寄附講座による香川大学からの派遣により1名増となっており、一定の患者数の増加が見込まれますが、まだ1名の欠員があり、医師の確保が課題となっている状況でございます。 岡野委員  思春期・ストレスケア病棟が閉鎖されたということですが、その患者はどこの医療機関に行っていると思われますか。 松本病院事業管理者  現在、丸亀病院においては、週1回、思春期外来を開いております。非常勤の医師でございますが、専門の医師が診療に当たっており、外来診療は行っておりますが、入院が必要な患者につきましては、善通寺にあります「四国こどもとおとなの医療センター」などに入院していると伺っております。 岡野委員  今、退院を促進して地域に帰していくという流れの中で、訪問看護を進めているということですが、その状況はいかがでしょうか。 遠山県立病院課長  岡野委員の御質問にお答えいたします。  訪問看護の状況ですが、丸亀病院では平成10年から取り組んでおり、平成26年度以降は、年間1,000件を超える件数となっております。平成30年度も8月末の段階で478件であり、積極的に取り組んでいるところでございます。 岡野委員  訪問看護訪問診療もとても大事な時代になっておりますので、進めていただきたいと思いますが、平均在院日数がさほど減少していないこと、病床稼働率が低いこと、紹介率が全国平均に比べ低いことを危惧しております。  また、救急病院として対応されているとのことでしたが、平成28年度の初診患者のうち、救急車で運ばれた方が15名というのは救急病院を標榜するには、少し低いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 松本病院事業管理者  岡野委員の紹介率、あるいは逆紹介率等の御質問にお答えいたします。  紹介率の全国の状況につきましては、総務省が行う地方公営企業決算状況調査によって比較しますと、直近の公表数値である平成28年度は、全国の自治体病院のうち「精神科病院」の平均が41.5%であるのに対しまして、丸亀病院は、15.1%となっており、委員御指摘のとおり、平均を大きく下回っております。これは、丸亀病院では、内科や歯科の外来診察を常時行っており、精神科患者に限らず受け入れているため、風邪の諸症状や歯科治療等においでになっても初診となるためでございます。内科や歯科の患者を除いた精神科患者のみの「患者紹介率」を算出いたしますと、平成28年度は32.5%となり、全国平均並みとまではいっておりませんが、近い値になっているものと考えております。逆紹介につきましては、総務省が行う地方公営企業決算状況調査にデータがございませんので、全国比較は難しく、丸亀病院でいいますと、「患者逆紹介率」を精神科のみで算出しますと、平成28年度は45.3%となっております。  救急の患者数でございますが、委員御指摘のとおり15名ということで、数としては少ないのですが、これは、夜間等時間外の患者であり、輪番制がとられておりますので、そういう救急に関しても輪番制の病院に搬送されるのが基本であり、そこでの受け入れが難しい場合に、県の拠点病院である丸亀病院が受け皿となっておりますので、最終的に受け入れたのが15名ということでございます。 岡野委員  そうはいっても15名は少ないと思いますし、病床稼働率が平成29年度は7割弱ということで、空き病床が多いという指摘もしておきます。  また、ホームページを拝見しますと、情報量が少なくて、他県の精神科の病院との比較をしても、随分わかりづらいということもあります。訪問看護訪問診療の記載に至るのに大変時間がかかるので、ホームページも再検討して、そういった医療を行っているという標榜もしてほしいと思います。  また、週1回の思春期外来ですが、現在は医師が少ないということがあるとは思いますが、思春期外来はとても重要な外来ですので、ぜひ医師確保を進め、広げていっていただきたいですし、医師がいなくても可能な外来での支援もありますので、ぜひ検討いただきたいと思います。  また、地理的に考えると西部こども相談センターと近いということもありますので、公立病院ですので他の行政機関との連携をさらに進めていっていただきたいとも思います。  こういったいろいろな方法をとりながら、丸亀病院を存続させ、さらに多くの精神疾患を抱える患者だけでなく、その御家族の支えになれるような病院になっていただきたいとお願いを申し上げまして、この質問を終わります。  次に、障害者の多様なコミュニケーション手法の確保について、お伺いをいたします。  高松市が、手話言語条例を、今年度末をめどに制定する方針を固めたとの報道がありました。条例制定については、多くの自治体で制定が進んでおり、現在、県レベルでは9県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、長野県、三重県、兵庫県、鳥取県、沖縄県で進んでおります。政令市でも京都市、大阪市、神戸市で進んでおります。このように各自治体の取り組みが進んでいることに関しまして、部長の御見解を教えてください。 安藤健康福祉部長  岡野委員の御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、高松市が、手話言語及び障害者のコミュニケーションに関する条例、いわゆる手話言語条例の制定の検討を進めているということは承知しております。この条例により、手話のほか、要約筆記や点字など、多種多様なコミュニケーション手段を利用することができる環境整備の促進を目指しているということが目的であると伺っております。都道府県または市区町村において制定が進んでおりますが、中四国では鳥取県のみが制定しているという状況でございます。  県の考えといたしましては、これまでも答弁等で御説明しておりますが、手話の普及等につきましては、個々の自治体に限られた課題ではなく、基本的には国において手話言語法などの法整備をする必要があるものと認識しており、今後の国や他の自治体の動向を見守るとともに、国への要望を検討したいと考えております。 岡野委員  それは平成26年に知事が答弁した内容だと思いますが、既に4年たっているので検討がどのように進められてきたのかと思います。これに加えて最近では情報・コミュニケーション条例という名前でも制定が進んでおり、これができているのが先ほどの都道府県に加え、愛知県、秋田県、北海道、岐阜県となっております。名称としては「県民みんなで進める障がい者が暮らしやすい社会づくり条例」とか、「手話言語を確立するとともに要約筆記・点字・音訳等障害者コミュニケーション手段の利用を促進する条例」としており、手話だけではなく多様なコミュニケーション手段都道府県や市町村でしっかりと確保する趣旨の条例であり、2011年改正の障害者基本法により手話が言語に含まれるということがあり、そこから制定が進んでいるところでございます。  私も鳥取県、明石市、三重県に視察に参りまして、状況を伺ってまいりました。明石市におきましては、とても進んでおり、市の職員の中に7名の手話通訳士正規職員として配置しており、また、議員のなかに、耳の不自由な方がおられることから、議場にも常に配置されているということでありました。そのようなこともあり、市のどの窓口に行っても対応が可能な状況になっているとのことでした。鳥取県においても、似たような状況であるというお話でございました。  また、2018年4月25日に手話を広める知事の会総会が参議院会館で行われており、都道府県を含め178自治体が制定し、今後、100自治体が検討中という報告がなされています。もちろんその知事会からも手話言語法の制定を国に強く求める要望を行いつつ、みずからの自治体においても、条例制定とその中身を充実させていくと聞いており、そのような考え方もあるわけです。  みずから制定しながら国にも求めるという考え方は、いかがでしょうか。 安藤健康福祉部長  岡野委員の再度の御質問であります。  手話に限らず、点字やそれ以外のコミュニケーション補助手段といったものを、みずから選択して用いることができる環境を進めていくということは、本県においても重要だと考えており、取り組んでいるところでございます。そうした意思疎通の支援を充実していこうということで、手話通訳者要約筆記者という人材を育成していく取り組みを進めておりますが、平成30年3月31日現在、本県では手話通訳者は82名であり、明石市において7名の正規職員がいるというのは本県と比べるとかなり状況が違うというところでもあります。  このような中、意思疎通支援の充実を図る取り組みを進めるに当たり、国に対して、本来法律をつくるべきであるということを、委員のお話にもありました知事の会も含めて要望することにあわせて、県みずからも条例をつくる必要性があるのではないかという御質問だと思いますので、県といたしましては、そのような取り組みを進めていく必要性があるかどうかも含めて、今後、検討してまいりたいと思います。 岡野委員  平成26年の答弁からもう4年はたっておりますし、ことしの4月には手話を広める知事の会というのも発足し、かつそこで指摘もされましたが、全国の聾学校88校中81校が都道府県立であることからも、県が取り組むべき主体となることは明らかだということでございました。  また、高松市で条例が制定され、どの窓口に行ってもコミュニケーションがとれるよう努力をするようになったとき、県ができていなかったら、県内で障害のある方の差別となりかねません。県は差別解消の条例もつくっているわけですから、手話に関する条例も必要ではないかと思います。県内のどこに行っても同じような対応が可能になるということが、まさしく差別解消法の精神ではないかと思います。大部分の自治体は検討を始めている状況ですので、見守るだけではなく、実際に検討に進んでいただきたいと強く要望して、質問を終わります。 高木委員  私からは、まず第1点目として骨髄移植に対する支援につきまして質問させていただきます。  以前は治療が困難であった病気も、医学の進歩により治療が可能となってきています。中でも白血病、悪性リンパ腫など、血液に関する病気も、造血幹細胞を移植することで、通常の抗がん剤投与よりも強力な治療が可能となってきています。しかしながら、骨髄移植はまず近親者、場合によっては自家移植、その他、臍帯血移植がふえてきていますが、現在まで骨髄移植を支えてきたのは骨髄バンクを介しての非血縁者間移植です。骨髄バンクでは、毎月、骨髄提供者候補である新規ドナーが約3,000人ずつ登録され、平成29年度末現在で約48万人おられるそうです。一方、提供を待つ患者さんは約1,300人おられ、一人でも多くの患者を救うためには、骨髄を提供していただけるドナーの登録数をふやしていく必要があります。昨年11月議会の文教厚生委員会で、部長から、ドナー側の骨髄移植の負担軽減を図る支援策について前向きに検討したい旨の答弁があり、今年度の新規事業として「臓器・骨髄等移植推進事業」が挙げられています。  そこで、第1点目の質問ですが、県内における骨髄ドナーの登録や骨髄の提供の現状と、骨髄移植の推進に向けた取り組みについての進捗状況をお伺いさせていただきます。 安藤健康福祉部長  高木委員からの骨髄移植に関する御質問でございます。  まず、県内における日本骨髄バンクへのドナー登録の状況でございますが、直近の平成30年8月末時点では3,346人ということで、平成28年度末時点で2,976人であったものが平成29年度末時点では3,218人であり、毎年少しずつふえているという状況でございます。  また、県内の骨髄提供者の状況でございますが、日本骨髄バンク事業が開始された平成5年1月から平成30年8月までの累計で160人となっており、昨年度1年間での提供者数は14人で、今年度に入っての提供者数は4人という状況でございます。  ドナーに対する助成の制度でございますが、県では、今年度から、市町が骨髄提供者や提供者が勤務する事業所に助成した額の2分の1を補助するドナー助成制度を創設したところでございます。この効果もあり、昨年12月時点において県内7市5町で実施されていたドナー助成制度は、今年度から新たに1市2町が加わり、現在は8市7町で実施されている状況でございます。また、残りの2町につきましても、1町が今年度中に、もう一町につきましても来年度中には制度を設ける予定と伺っており、来年度中には県内全市町において助成が受けられることになる見込みでございます。 高木委員  部長のお話を聞きましても、また、この前の新聞報道を見ましても、いい意味でいい成績が上がっているように思いますし、よくわかりました。ドナー登録者数も確実に伸びているようですが、骨髄を提供する意思のある方を支援する取り組みは大変重要であり、県や市町の制度が広く利用されるよう周知に努め、ドナー登録者がさらにふえるように取り組んでいただきたいと思います。そのためには、まず、例えばどのようなものに効くかなど、骨髄移植に対する県民の認識や理解を深めていくことが大変重要であり、県民の認識や関心の度合いについて、しっかりと把握した上で普及啓発を進めていくべきと考えます。  そこで、骨髄移植の推進に向けた県民への普及啓発など、これまでの取り組み状況について、また、今後どのような取り組みを進めていこうと考えておられるのかについて、お伺いします。 安藤健康福祉部長  高木委員の再度の御質問でございます。  委員御指摘のとおり、普及啓発を進めていくに当たりましては、県民の認識や関心の度合いについて把握していくことも必要と考えており、ことし実施いたしました県政世論調査の中で、骨髄移植に関するテーマを取り上げ、その把握を図ったところでございます。  調査結果では、「骨髄移植についての関心」は、「非常に関心がある」が5.4%、「ある程度関心がある」の46.0%と合わせて51.4%が「関心がある」との回答でございました。また、「骨髄移植に関心を持ったきっかけ」、「骨髄バンクを何で知ったか」につきましては、「『テレビ・ラジオ』や、『新聞・雑誌』等で目にした、話題になった」という回答が上位を占めております。「骨髄移植に関してどのような情報がほしいか」については、「骨髄の提供による健康面への影響」が49.1%、「骨髄移植の安全性など移植医療の情報」が48.8%ということで、これらの調査で得られた結果を踏まえたPRをしていく必要があると考えているところでございます。  主な普及啓発の取り組みといたしましては、毎年10月が骨髄バンク推進月間であることから、日本骨髄バンク支援ポスターの掲載を行政機関や県内の高校に依頼するとともに、テレビやラジオ番組での説明、県庁ギャラリーでのパネル展の開催や、若い方が集まるイベントということで、成人式でのパンフレット配布、献血会場での周知などを行っているところでございます。  今年度は、こうした取り組みに加え、推進月間中である今週水曜日に、骨髄を提供した経験のある俳優の木下ほうか氏を招いた、一般の方も参加できる骨髄等移植普及啓発講演会を、県立高松東高校において開催する予定としております。また、新たに新聞広告等を活用したPRにも取り組んでいこうと考えております。  今後とも、さまざまな広報媒体や広報ツールを活用しながら、県民への普及啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。 高木委員  積極的に普及啓発して、お互いに理解し、白血病やリンパ腫の方が早く治るように取り組んでいただきたいと思います。  数日前の新聞に、白血病等に効くという新薬が厚生労働省の審査を受けるという話がありました。ドナーからいただいた骨髄を白血病やリンパ腫に投与して効くのであればいいと思いますが、新薬が何と5,000万円で、個人負担を除いても保険から1人に対して4,900万円以上を払わないといけないらしいのです。このようなことが起これば、これからの少子高齢化の中で保険制度が保てるのかと心配になります。  今、審査されようとしている5,000万円の白血病の薬は、骨髄移植とは違うのでしょうか。どちらがよく効くなど、わかれば教えていただきたいと思います。 星川健康福祉部医療調整監  高木委員の御質問にお答えいたします。  詳細については存じ上げておりませんが、委員御指摘のとおり、さまざまな分野、肝炎やがんの一部で高価な免疫に効く薬が出ており、数千万円単位の診療が可能になっております。医学的には効果が高いというメリットがございますが、社会保障費の医療費の財源として、どこまで保険適用するかというのは、国全体の課題となっております。効果がある新しい治療方法を保険適用すべきかどうかは、国において、今後判断されますが、さまざまな課題があると考えております。 高木委員  最後に要望ですが、骨髄移植について言葉では聞いたことがありますが、自分に何ができるのか、また、どのような制度があるのかなど、知らない県民も多いと思います。県は、骨髄移植や骨髄バンクについての情報をしっかりと県民に伝え、正しく理解していただいた上で、日本骨髄バンクや香川赤十字血液センター、ボランティアの方々などと連携し、一人でも多くの方にドナー登録をしてもらえるように取り組んでいただきたい。それとともに、6月議会で取り上げた神戸市で取り組んでいるSIBですが、第5期だと年間医療費が約500万円、第4期だと約50万円ということで、450万円の違いはかなり大きいと思います。知事からも答弁いただきましたが、結構、香川県は患者が出ておりますので、社会保障費が減るように、健康づくりに取り組んでいただきたいと思っております。  次は、難病の医療費助成につきまして質問させていただきます。  現在の難病法は平成27年に施行されたものですが、その際、国は医療費助成の対象となる指定難病の種類を大幅に拡大する一方で、全体の助成費を抑えるために3年間の経過措置を設けて軽症である難病患者は医療費助成の対象から外すこととしましたが、昨年12月末にその経過措置が終了し、今年1月からは一定の軽症患者については医療費助成の対象から外れました。報道等によりますと、今回の制度変更に伴って助成継続が認められなかった軽症の患者が全国で8万人前後いるとのことでした。  そこで、質問ですが、本県において、医療費助成を受けている指定難病患者はどのくらいいて、主にどのような疾病の方が多いのでしょうか。また、今年1月の制度変更で、軽症を理由に不認定となった患者はどのくらいいるのか、お伺いします。  また、軽症を理由として不認定となられた方は、医療費の自己負担がふえることもさることながら、年1回の更新手続を通じて得てきた医療費助成の制度変更の通知などが受け取れなくなるなど、行政とのかかわりが希薄になると思いますが、県としてどのように対応していかれるのでしょうか。また、更新手続の際に提出していただく診断書は、国で集約して、疾患ごとの患者数や病状分析の基礎データとして難病研究に活用されていると聞いておりますが、軽症者が助成対象から外れることによって、もともと症例の少ないデータがますます集まらなくなる可能性があると思いますが、どのような影響があると考えておられるか、質問させていただきます。 長尾健康福祉総務課長  高木委員の難病の医療費助成に関する御質問のうち、難病患者数の実態等についてお答えいたします。  まず、本県における、医療費助成を受けている指定難病患者の数ですが、経過措置終了前の平成29年12月末では9,453人でしたが、経過措置が終了した本年1月1日現在では8,178人となっております。どのような疾病の方が多いのかということですが、平成30年1月現在の8,178人のうち、本県において最も多いのは、パーキンソン病の1,292人、次いで潰瘍性大腸炎の889人となっており、パーキンソン病を含む神経難病が全体の3割を占めるということで、最も大きくなっております。  また、ことし1月の制度変更で軽症を理由に不認定となった方の数ですが、平成29年12月末で医療助成の認定を受けていた指定難病患者9,453人のうち、経過措置の対象である難病法施行前から医療費助成の認定を受けていた方は6,502人で、そのうち軽症を理由に不認定となった方は715人いらっしゃいます。なお、経過措置対象者6,502人の中には、医療費助成の認定申請自体をしなかった方が523人いらっしゃいました。 安藤健康福祉部長  高木委員の難病に関しての御質問ですが、難病に対する施策につきましては、医療費助成のほか、難病相談支援センターを健康福祉総務課内に設置しておりますとともに、各保健所等にも相談窓口を設け、難病患者やその家族の方の相談に応じております。平成29年度の実績で申しますと、本庁と4カ所の保健福祉事務所で約2,000件の相談に応じたところでございます。また、香川県難病就業支援センターによる就労相談や、各保健所等による難病患者とその家族を対象とした講演会の開催や交流の場の提供ということで、この講演会と交流の場も今年度は9回開催を予定しているほか、患者団体が主催する講演会や交流会に職員を講師として派遣する等、活動の支援にも努めております。こうした取り組みは、認定、不認定を問わずに受け付けており、引き続き、これらの相談窓口やホームページ等での情報提供のほか、制度変更等がある場合には全戸配布の広報誌を活用するなど、軽症者も含めた難病患者や家族に対する情報発信、不安解消に努めてまいりたいと考えております。  また、軽症者のデータ収集等に関しましては、委員御指摘のとおり、軽症者の病状等のデータを収集できなくなることで、疾患の全体像の把握が難しくなるという課題があると思います。現在、国において、経過措置終了後の影響について、「難病患者生活実態の追跡調査」を実施すると聞いております。今後、軽症者に対する対応等について検討が進んでいくと思いますので、県といたしましては、国の調査結果等を踏まえた議論や、県内の医療関係者、患者団体等の御意見も伺いながら、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。 高木委員  難病というのは本当につらい病気ですので、十分に支えていただきたいと思います。不認定となった軽症者に対し、制度変更によって置き去りにすることがあってはなりませんので、相談支援体制を充実させ、患者団体などの関係者とも連携して、患者や家族の支援を丁寧に行っていただきたいと思います。  最後に、罪を犯した若者の更生に関して、質問させていただきます。  9月14日に北九州市の野口石油に行きました。野口社長は現在75歳ですが、犯罪者の更生に力を入れておられます。52歳で受け入れを始めて、現在までに二十三、四年で、約百四、五十人の犯罪者を更生したそうです。野口社長自身も本当に苦労された方で、小学2年でお父さんが難病になり、中2のときに亡くなり、中3でお母さんが半身不随になった中で、日々食べるのにも苦労しながら頑張って働いて、現在ガソリンスタンドを3店経営されておられます。従業員34人中17人が更生中の子で、全部任せているものですから、中には売上金や金庫からお金を盗んでいった子もいましたが、刑を終えたら再度受け入れたり、また、面接した子は必ず全員受け入れたとのことでした。  その方がおっしゃったことを、県の施策にぜひ生かしていただきたいと思います。  まずは、罪を犯す子の70%が貧困世帯であり、そのうち40%が生活保護受給世帯、さらに、そのうちの20%は母親が妊娠中に薬物中毒になっているとのことでした。印象に残ったのは、「子供が立ち直れるのは18歳まで」、「どんな大人に出会うかで、その子の人生は変わる。」、「1回で立ち直る子はいない。」という言葉です。同社には、17歳で前科15犯の子、お父さんが7回かわった子など、いろいろな子供がいますが、一番うれしいのは、立ち直った子が結婚して、子供を連れて帰ってきてくれることとのことでした。  先日、県の担当課長から、香川県の生活保護受給世帯は8,273世帯で、被保護人数は1万756人であり、そのうち生活保護受給世帯における子供の数はゼロ歳から17歳で1,225人と県内の同年代の子供に占める割合は0.82%となっていると伺いました。データをいろいろ調べますと、貧困率は、沖縄県37.5%、大阪府21.8%、鹿児島県20.6%、福岡県19.9%、北海道19.7%に対し、香川県は8.2%とよく頑張っている県だと思います。しかしながら、そのような子供がいるのは事実です。結愛ちゃん事件のこともあり、そのような子供がどういった状況にあるのか情報を知っておくことが一番大切だと思います。個人情報保護の関係で共有できない部分もあると思いますが、こういった世帯にある子供たちの情報を、保育園などが把握しているのかどうか、お聞きいたします。 川池子ども政策推進局長  高木委員の御質問にお答えいたします。  保育園や幼稚園の保護者の方とのやりとりの中で、家庭の背景を承知するようなケースは多々あると考えており、そういった情報は市町の行政にも伝わっていると考えております。 高木委員  ある保育園の所長先生と話す中で、今も印象に残っているのですが、おむつをかえずに、朝御飯を食べずに来園する子供がおり、そういった子供がいることがわかっていれば先生も気にとめておりますが、いざ何かあったときに、例えば顔にあざがあるといったときに、情報提供とともに、結愛ちゃん事件もそうなのですが、情報を持っていても、それに対して、どのような世話や指導をすればいいのかということはなかなか難しいということです。  野口さんから聞いた中では、やはり保護者にまず知ってもらわなければならないので、保護者の意識を変えてもらうことが大事ということです。子供は親を選べない。どんな大人に出会うかによってその子は変わる。可能な限りの救いの手を差し伸べてあげればということです。  私はいろいろな経営者の方と会いますが、どの経営者も困っているのは人が足りないということです。だから、そういう境遇にある子も、不幸にして罪を犯した子も、立ち直る意思が十分にあり戦力になるので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  罪を犯した子が、野口さんの話を聞いて、「人間として最も大切なことは何か。それは、口が上手でも、金もうけが上手なことでもなく、誠実である。私は出所後必ず人生を軌道修正し、一歩一歩着実に、誠実に一度の人生をやり直し、悔いのないよう真っ当な人生を生きてまいります。」と言っている子もおりますし、また、「いろんな手がある。悪いことをする手とよいことをする手、その手を使うのは自分次第で、未来は変えられる。過去は変えられない。面接を受ければ全て受け入れてくれる、そんな野口さんにそのときに出会っていれば今の自分とは違っていたと思います。」と言っている子もおります。  健康福祉部においても、ぜひこういった現実があることを知っていただいて、より一層、全ての子供たちが大人になったときに幸せになるようにすることが我々の仕事だと思いますので、取り組んでいただきますことを要望して、質問を終わらせていただきます。 谷久委員  私からは、1点質問をさせていただきます。  先ほど、病院事業管理者から、県立病院事業会計の累積欠損金等の整理について御説明いただきました。また、本年6月議会の本委員会で、平成28年度から平成32年度までの5年間を目標期間とする「第3次県立病院中期実施計画」については、本年3月に見直しを行ったという説明がありました。あわせて、平成29年度決算見込みの報告もあり、16億円余りの純損失が生じるということでしたが、平成29年度決算に係る実施計画の達成状況はどうであったのか、また、未達成である場合は、その原因をどのように分析していらっしゃるのか、病院事業管理者にお尋ねをいたします。 松本病院事業管理者  谷久委員の第3次県立病院中期実施計画の達成状況についての御質問にお答えいたします。  平成29年度決算における第3次中期実施計画の達成状況について、病院ごとに説明させていただきます。  まず、中央病院では、収益については、平均在院日数短縮による入院患者数の減少、予定しておりましたHCU、ハイケアユニットが稼働できず、「ハイケアユニット入院医療管理料」等の加算収入が計画を下回ったことなどにより、入院収益が計画を3億2200万円下回りました。外来収益については、診療単価、患者数ともに計画を上回ったことから、計画を8億3800万円上回り、医業外収益と特別利益を含めた収益全体では計画を4億7400万円上回りました。費用については、看護師を計画どおり採用できなかったことや退職給付費の減等により給与費が計画を4億3200万円下回ったものの、抗がん剤や放射性医薬品などの高額な薬剤、電極カテーテル、心臓弁などの高額な診療材料の増加により、材料費が計画を8億6500万円上回り、また、委託料や修繕費などの経費が計画を1億4600万円上回りました。また、医薬品や診療材料を仕入れる際には消費税を支払っておりますが、病院の主な収入である社会保険診療が税法上、非課税取引とされていることから仕入税額控除ができないため、控除対象外消費税、いわゆる「損税」が、材料費等の増加に伴い、計画を約1億円上回り、費用全体では、計画を6億5500万円上回りました。この結果、中央病院の総収支は、計画では純損失が9億6600万円のところ11億4700万円となり、計画を1億8100万円下回りました。  丸亀病院では、収益については、入院、外来とも患者数が計画を下回ったため、入院収益で6,600万円、外来収益で1,700万円計画を下回り、医業外収益を含めた収益全体では計画を9,000万円下回りました。費用については、患者数減少などによる薬品費の減少と、燃料費などの経費の節減などにより、計画を6,800万円下回りました。この結果、丸亀病院の総収支は、計画では純損失が1億7700万円のところ1億9900万円となり、計画を2,200万円下回っております。  白鳥病院では、収益について、入院は患者数が計画を上回ったものの、高額手術の減少などにより、入院単価が計画を下回ったことにより、入院収益は計画を7,400万円下回り、外来は患者数が計画を下回ったため、外来収益は計画を4,300万円下回り、この結果、収益全体では、計画を1億100万円下回りました。費用については、委託料、修繕費等の経費が計画を上回ったことなどにより、費用全体で計画を6,400万円上回っております。この結果、白鳥病院の総収支は、計画では純損失が1億600万円のところ2億7100万円となり、計画を1億6500万円下回りました。  3病院を合計した病院局全体の総収支は、計画では純損失が12億4900万円のところ16億1800万円となり、計画を3億6900万円達成できておりませんでした。  以上、御説明しましたように、平成29年度の収支と実施計画の乖離が見込まれておりましたので、本年3月、第3次中期実施計画の見直しを行ったところでございます。 谷久委員  病院事業管理者から細かく説明をいただき、昨年度の未達成の理由はよくわかったのですが、今年度も約半年が経過しようとしています。そういった中、今年度のこれまでの収支状況は、どのようになっているのでしょうか。さらに今年度における実施計画の達成に向け、今後、どのように取り組もうと考えておられるのでしょうか、病院事業管理者にお尋ねをいたします。
    松本病院事業管理者  谷久委員の実施計画の達成に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。  直近の実績である8月末までの状況でございますが、中央病院では、前年と比較して外来収益が増加しており、医業収益は2億1600万円増収となっておりますが、給与費が看護師の増員分や医師の超過勤務手当の単価の見直しなどにより1億8200万円増加、材料費が8,400万円増加などがあり、収支としては昨年度と比較して1,400万円悪化しております。  丸亀病院では、医業収益が200万円ほど増加したものの、給与費が500万円増加するなどにより、医業費用は700万円ほど増加いたしました。このほか、一般会計繰入金の第1・四半期分が1,500万円減少したこともあり、結果として2,000万円の収支の悪化となっております。  白鳥病院では、内科医の減少に伴う入院、外来患者の減もあり、医業収益は9,500万円減少しており、材料費が7,000万円減少したものの、パート医師や看護師等の増により、給与費が2,600万円増加したことなどにより、収支としては6,600万円ほど悪化しております。  病院事業全体では、収支は昨年度より9,900万円悪化しており、昨年度決算の純損失が16億1800万円であることから、計画の目標である11億2100万円の純損失を達成するのは、非常に厳しい状況となっております。病院局としては、計画達成に向けて、引き続き、積極的に経営改善に取り組んでいるところでございます。  今後の収益改善についてでございますが、中央病院では、4月に「抗菌薬品適正支援加算」、5月に「認知症ケア加算」、8月に「緩和ケア診療加算」の診療報酬上の施設基準の届け出を行うとともに、9月からHCU、ハイケアユニットの運用を開始しており、10月から「ハイケアユニット入院医療管理加算」が算定できる見込みでございます。また、4月の診療報酬改定では、手術支援ロボット「ダヴィンチ」の保険適用が拡大され、肺がん手術、胃がん手術に関して保険適用が可能となり、「ダヴィンチ」による手術件数が増加しております。このほか、「病棟薬剤業務実施加算」、「後発医薬品体制加算I」等の施設基準の取得に向けた検討を進めるなど、収益確保に積極的に取り組んでいるところでございます。  丸亀病院においては、健康福祉部と連携して香川大学に精神科医療に関する寄附講座を引き続き設置することにより、4月から精神科常勤医師1名が派遣されており、これによる入院患者、外来患者数の増加を見込んでいるほか、訪問診療訪問看護のニーズに積極的に対応することといたしております。  白鳥病院においては、昨年11月に運用を開始した地域包括ケア病床では入院患者数が増加しており、今後、さらに増床する予定にしております。また、昨年9月に開設した泌尿器科では、今年度から手術や入院診療も開始しております。一方で、4月から消化器内科の常勤医師が3名から1名に減り、入院、外来ともに患者数が大幅に減少していることから、医師確保が早急に対応しなければならない課題と考えており、現在、関係大学に常勤医師の派遣について働きかけているところであり、今後も、引き続き、粘り強く働きかけてまいります。  このほか、費用の削減策として、中央病院で実施している診療材料の全国規模での共同購入や品目を同等品に集約して価格交渉することによる節減、医療器械保守の保険化について、他の病院への導入を検討しているほか、薬品の県立3病院での共同購入も検討しており、病院局全体で取り組んでいるところであります。  病院局としては、県立病院が、県民から求められている質の高い医療を安定して提供していくため、第3次中期実施計画に沿って、より一層の経営改善に努めてまいりたいと考えております。 谷久委員  県民にとって、医療が安心・安全であるということは重要なことです。もちろん費用の圧縮や収益の確保は必要ですが、医者や看護師など必要な人材も集めなければなりません。そのためには、どこかを縮小することも必要であり、どこを縮小して、どこを攻めていくか、病院事業管理者の手腕が問われると思っております。  そういった厳しい状況の中、県民にとって最適、最善、最新の医療体制の構築ができ、それが持続的に安定的に提供されなければ県民の満足度は上がってこないので、ぜひそういったところも含めて、経営改善に向けて積極的に取り組んでいただきたいと要望して、終わります。 新田委員  それでは、2点質問をさせていただきますが、それに先駆けて申し上げます。  先ほどの岡野委員の手話の普及等の答弁で、健康福祉部長から国の動向を見守るなどの話がありましたが、国がしないから4年間検討が進んでいないというのは、どうかと思います。考え方はわかりますが、もうちょっと県独自の考え方を言ってはどうかと思います。  また、高木委員の骨髄移植の話を聞いて、もう30年ぐらい前の、私が三十二、三歳のころに職場で目の前の机に座っていた人が33歳くらいだったと思いますが、白血病がわかって数カ月で亡くなったことを思い出しました。骨髄移植のドナーをいろいろ探したこともあります。そのとき、医者と話しをしたときに、がんの中で一番医療が進んでいるのは血液のがんとのことでした。9月29日の日経新聞に掲載されていたのですが、ノバルティスが米国名で「キムリア」という白血病治療の新薬を厚生労働省に申請したとのことですが、これが米国では1回で5,000万円くらいするとのことでした。今言われているのは、これから後、医療はテーラーメード医療としてゲノムなどが発達してきて、そのコストは億単位になってくるとのことで、これでは医療保険制度はどうなるのかと思います。日本の医療保険制度はいいと思っているのですが、医療や科学がどんどん進歩してきたときに、医療制度をどうやっていくかというのは本当に問題だという気がしております。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、かがわ縁結び支援センターの取り組みについてお伺いします。  9月7日に公表された人口動態統計によると、平成29年の本県の合計特殊出生率は、前年から0.01ポイント増の1.65と、3年連続で増加して、全国8位ということです。しかしながら、出生数は前年から123人減の7,387人と、7年連続の減となっており、少子化の流れがとまらないようです。  このような中、県議会としても、結婚のサポートをすべきということで進めており、二、三十年前なら何で県がこのようなことをしなければいけないのかという話だと思いますが、もうそういう時代ではなく、県としても前向きに取り組んでいただきたいと考えております。実際、男性も女性も結婚したいという方は多いのですが、出会いの場がないという状況であることから、県費を使って、かがわ縁結び支援センター事業を実施しているところです。  今月14日にはセンター開設から2周年を迎えるとのことですが、これまでの取り組みの成果と評価、また、登録状況や窓口の稼働状況について、まずお聞きしたいと思います。 川池子ども政策推進局長  新田委員のかがわ縁結び支援センターの取り組みについての御質問にお答えいたします。  センターの状況は、8月末までの累計で、登録会員が、男性が817名、女性が717名で、合計が1,534名となっております。マッチングの状況は、お引き合わせを申し込んだ相手から承諾があった「お引合せ」の成立数が1,120組、その後、交際に至った「カップル数」が486組ということで、その後交際を経て、25組から成婚の報告をいただいております。この成婚者50名を住所地別で見ますと、高松市が男女合わせて26名と成婚者全体の約半分を占めております。年代別に見ますと、30代が60%、40代以上が22%、20代が18%と、いずれも登録会員の割合におおむね比例していると考えております。  また、「香川県健やか子ども支援計画」におきましては、結婚支援に係る目標項目として、「かがわ縁結び支援センターの縁結びマッチングにおけるカップル数」を掲げており、平成29年度から31年度までの3年間の累計で940組を目指すこととしております。目標期間の半分である平成30年9月末時点で470組を進捗の目安としますと、平成29年4月から30年8月までの累計カップル数は460組であることから、おおむね目標を達成しており、これまでのところ順調に増加していると考えております。  一方で、今年度、センターの開所日の拡大やブースの増設など窓口の拡充に取り組んだところ、拡充を行った5月から8月までの稼働率に限りますと、センター本部が88.6%、中讃県民センターが84.4%、西讃県民センターが87.0%ということで、昨年度は90%を超えておりましたので、わずかに改善が図られているという状況でございます。 新田委員  お聞きしたところ、かなりの独身男女が結婚願望を持っているということが伺えます。県職員や教職員の独身者も多いので、本人の希望にもよりますが、登録を呼びかけていただきたいと思います。  また、新規登録に向けていろいろ努力していると思いますが、企業に対する啓発も必要です。私も数社に話を伺いましたが、会社として余り個人的なことに踏み込んではいけないという会社もありました。いろいろな考え方があるので難しいとは思いますが、先ほども言いましたように、今はそういうことを言っていられる状況ではありません。自分の個人情報などをオープンにし、しかもお金を出してまで登録する方がこれだけ多いということは、それだけ結婚を希望している方が多いということなので、そういった意味では、この取り組みは間違いではないということだと思います。  こういった状況を踏まえて、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。 川池子ども政策推進局長  新田委員の再度の御質問にお答えいたします。  職業別に集計を行っておりませんので県職員の登録者数はわかりませんが、県職員や教職員の登録促進につきましては、香川県職員互助会や香川県教職員互助会で登録料の補助制度もございますので、少し背中を押してあげることになっていると考えております。  また、市町や企業に協力団体としてかなりの数の登録をいただいており、独身男女に対して、かがわ縁結び支援センターへの登録の呼びかけやイベント情報の周知を通して、環境づくりに取り組んでいるところでございます。  委員御指摘のように、縁結びマッチングのカップル数をふやすためには、よりきめ細かな登録会員への支援が必要であると考えております。今回、マッチングの効率向上を図るため、お引き合わせの申し込みに対する回答期限を、現行の7日から、「3日」、「5日」、「7日」の3つから選択できるようシステム改修を行い、本日から運用を開始したところでございます。  さらに、今年度は新たに、登録会員向けに、身だしなみやコミュニケーション力などをテーマにしたセミナーを年4回開催するほか、結婚個別相談会も年3回開催することとしており、直近では今月21日に香川県社会福祉総合センターにおいて、民間の結婚相談所のベテランアドバイザーなどが、婚活を行う中での悩みや不安などの相談に応じることとしております。  また、出会いの場を提供するための工夫といたしましては、今年度は「EN-MUSUかがわイベントキャラバン」として、県内市町等と連携した縁結びイベントを年4回開催することとしております。既に開催されたところでは、5月には善通寺市と協力して総本山善通寺で、8月にはレクザムボールパーク丸亀で香川オリーブガイナーズと連携したイベントを実施いたしました。また、今月6日には、さぬき市と協力して津田の松原で、来月10日には高松市と協力して、日本ロマンチスト協会から「恋する灯台」に認定されたサンポート高松の赤灯台、通称「せとしるべ」等でイベントを開催することとしております。  このほか、新規登録会員をふやす取り組みも重要と考えており、12月9日の日曜日に瓦町FLAG8階の市民活動センターで、また、来年2月ごろにはイオンモール綾川で、出張窓口を設け、登録の相談や会員登録を行うことにしております。  今後とも、センターを中心に、結婚を希望する男女の出会いの場の創出に取り組むとともに、市町や関係団体等と連携して、地域全体で結婚を希望する男女を応援する機運を高めてまいりたいと考えております。 新田委員  頑張っていただき、少子化の流れをとめてもらいたいと思います。しかしながら、結婚しても子供ができない人もおりますので、少子化と言うと問題になる可能性がありますので、配慮しながら進めていただきたいと思います。  次は、中央病院におけるがん医療への取り組みについて質問します。  日本人における死亡原因の1位は、がんであります。こうした中、先日の我が党の代表質問に対し、病院事業管理者から、中央病院で「がんゲノム医療」に取り組んでおり、さらに「がんゲノム医療連携病院」の指定に向けて手続を進めているとの答弁がありました。  そこで「がんゲノム医療連携病院」の内容やその役割、また、中央病院における「がんゲノム医療」への具体的な取り組みについて、病院事業管理者にお伺いをいたします。 松本病院事業管理者  新田委員の中央病院におけるがん医療への取り組みについての御質問にお答えいたします。  国は、昨年10月に「第3期がん対策推進基本計画」を策定し、この中で、患者の全遺伝情報であるゲノムを調べて、がんの原因となる遺伝子を特定して、より効果が高い治療薬を選択することが可能となる「がんゲノム医療」を、全国どこにいても受けられる体制を構築するとしております。これを受け、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有する「がんゲノム医療中核拠点病院」として、本年2月14日に全国で11病院が指定され、中国四国地域では、岡山大学病院が指定されております。また、中核拠点病院と連携して、遺伝子検査の結果を踏まえた医療を行う「がんゲノム医療連携病院」として、3月27日に全国で100病院が指定されており、県内では香川大学医学部附属病院が指定されております。  がんゲノム医療については、国において、診断、治療の両面で、がん医療の大きな柱とする方向で検討されており、中央病院が、引き続き質の高い全国トップレベルのがん医療を提供するためにも、「がんゲノム医療連携病院」の指定を受ける必要があると考えております。この「がんゲノム医療連携病院」の指定を受けるためには、遺伝カウンセリング等を行う部門の設置と、遺伝医学に関する専門的な知識と技能を有する臨床遺伝専門医や遺伝カウンセリング技術者の配置、患者や家族へのがんゲノム医療に関する情報提供体制の整備、さらには遺伝カウンセリングに関する診療実績などが求められております。中央病院では、岡山大学病院から臨床遺伝専門医が派遣されることとなったことから、8月に県内で初めて「がんゲノム医療センター」を設置し、がんゲノム医療外来を開始したところでございます。あわせて「がんゲノム医療中核拠点病院」である岡山大学病院の連携病院に指定されるよう、先月20日に同病院を通して厚生労働省に対し指定申請を行い、10月にはその結果が出されると伺っております。  「がんゲノム医療センター」では、採取したがん組織や血液から原因遺伝子を特定し、各診療科の専門医によるチームで結果を検討し、「がんゲノム医療外来」にて治療に関する情報を患者や家族に提供いたします。また、種々の遺伝性疾患に対応するよう「遺伝カウンセリング外来」も行ってまいります。さらに、この「がんゲノム医療センター」において、県民へのゲノム医療についての情報提供や相談対応を行うとともに、地域の医療機関を対象に専門の医師による講演会の開催などを行ってまいります。  今後は、一人一人に最適な個別化治療を推進するために、高度ながんゲノム医療や臨床研究につなげる専門人材の育成に努め、県民の命を守る最後のとりでとして、がんゲノム医療を牽引してまいりたいと考えております。 新田委員  県立病院で、しかも県立中央病院という名前なのですから、やはり県民の医療の最後のとりでであり、全国でもトップレベルの病院であると思います。そういう意味でも、医学は絶え間なく進歩しており、その流れにおくれないように最新の知見を入れていっていただきたいと思います。病院というのは治療で、研究は大学かと思いますので、難しい面もあると思いますが、ぜひ今後も県民のために最先端の医療を頑張っていただきたいと要望して、終わります。 高城委員長  暫時休憩いたします。  午後は、1時10分から再開いたします。  (午前11時59分 休憩)  (午後 1時07分 再開) 高城委員長  再開をいたします。  質疑・質問を続行いたします。 都築委員  それでは、2点質問をさせていただきます。  まず1つ目は、ひきこもり対策についてです。  先般、ひきこもり本人及び当該家族団体である香川県オリーブの会の皆さんが知事宛てに要望書を出され、そこに同席させていただいたのですが、その要望内容、また、先般、東京でありました厚生労働省が「地域からひきこもり長期高年齢化を考える」と題したセミナーを行い、それに参加させていただきましたので、それを踏まえて質問をさせていただきます。  従来、ひきこもり対策といえば、家族が本人の支援者になることが求められてまいりましたが、今般は、家族自身が支援を要してきており、家族が共倒れしないよう、ひきこもりの問題を広く社会的孤立と捉え、「困窮対策」あるいは「地域での支えづくり」を展開していく必要性が増しております。現状、ひきこもり者の長期化、また、高齢化の傾向はますます顕著となっており、本人また家族を取り巻く問題は複合的かつ多様化、深刻の一途をたどっているようであります。そこで、国のほうでも、それまでの施策に加えて、生活困窮者自立支援制度ができましたので、その枠組みの中でひきこもり支援を明確に位置づけ、地域での訪問支援等の強化充実が図られるよう、今年度予算でも手当てがされております。同制度との連携も視野に入れて、市町との連携も大事になってまいりますが、県としてもそうした視野も意識していただき、今後、施策推進に応じていただきたいと思っております。  さて、複合化、また、多様化という点では、疾病や介護、経済的困窮など、さまざまな問題が絡み合い、日常生活が追い詰められるまで問題が表面化せず、親子共倒れのリスクを抱えている家族が多くなっております。さらに、困難が生じても声を上げられず、事件化に至るケースもあるようであります。ひきこもりの長期高齢化を防ぐためにも、こうした潜在的に孤立した家族、本人の発見、早期対応が喫緊の課題であります。  そこで、ひきこもりに対する支援施策を実施する上でも、早急に県全体での実態調査が必要だと考えます。国も、今後、40歳以上を対象に調査を行うようでありますが、県としてどのように考えているのか、お伺いいたします。 安藤健康福祉部長  都築委員のひきこもりに関してのお尋ねでございます。  内閣府は、平成22年と27年の2回、ひきこもりについての全国調査を実施しております。その対象がいずれも15歳から39歳ということで限定していたことから、今年度、同じような方法で40歳から64歳までのひきこもりの実態調査を行うことにしております。本県におきましても、平成28年に市町や保健所を通じてひきこもりの相談に訪れた人を対象に、ひきこもりのアンケートを実施したことはございますが、そのときの回答は71人と小規模でございました。全国的には、こうした調査というのは平成29年時点で21都道府県がいろいろな方法で、やり方はさまざまではございますが、ひきこもりの実態調査を行っている状況でございます。  県といたしましても、ひきこもりに対する支援を効果的に行っていくためにも、実態調査を行うことの必要性は十分認識しているところでございます。その一方で、ひきこもりは、家庭内の問題として表面化しにくく、また、本人はもとより家族にとっても大変デリケートな問題であることから、その調査をするに当たって、その方法、あるいは調査内容をどういった形で行っていくのがいいのかということは難しいところもございます。そうしたことから、市町を初めとした関係者の意見も聞きながら、実態調査の実施に向けて検討を進めているところであり、できる限り早期に対応できるよう努めてまいりたいと考えております。 都築委員  やはり実態がわからないとなかなか効果的な施策もできませんので、国や市町との連携も踏まえて、早期にやっていただきたいと思います。  ひきこもり者が、これまでは、その家にいるというだけで自己責任を前提にされ、社会的偏見を含む世間体の壁から、本人も家族も孤立に追い込まれる事象も出てきております。それがひきこもり状態を長引かせる現状となっております。地域や周囲の理解が得られず、「安心して家から出ていける場がほとんどない」という声も家族会に数多く寄せられているとのことです。ひきこもりと聞いて、多くの人はどのようなイメージを持っておられるのか、正しく理解できている人は、なかなかいらっしゃらないのかもしれません。支援をしていくにしても、ひきこもりに対する理解を促進していくことが重要であると考えます。  そこで、県としてこうした理解促進に向けた取り組みについてどのように行われてきたのか、お伺いさせていただきます。 安藤健康福祉部長  都築委員の再度の御質問でございます。  委員御指摘のとおり、ひきこもりということを正しく理解していくことが重要であると考えております。これまで取り組んでいるやり方といたしましては、県下の各保健所において、ひきこもりに関する研修会を実施しております。それに加え、今年度は、民生委員、児童委員に対し、ひきこもりの理解促進のための研修会を3回開催しております。また、本年11月には、一般の方も対象に、ひきこもりに関する研修会を開催する予定でございます。こういった取り組みを進めることにより、ひきこもりに対する理解者、支援者をふやしていくことによって、社会全体で支援できるような仕組みを構築してまいりたいと考えております。 都築委員  デリケートな話でもありますので、工夫をしながら理解が進むようにお願いをしたいと思います。  先般、受講したセミナーでは、ひきこもりの発見、介入、見守り、地域の支え合い、交流を図る4つの団体から活動報告がありました。どの取り組みにも、ひきこもりから脱し、復帰に向けてのステップとなる居場所づくりが大事であるということでありました。それをコーディネートする団体支援も大事であると感じた次第です。  先ほども申しましたが、地域社会の中で安心して出かけられる場所がなければ、本人が地域社会に出ることは困難なままであります。居場所は、本人や家族が安心して継続的につながりを持てる地域資源として必要性も高く、本人のための居場所活動は、先ほどの報告にも見られましたが、有効性が高いと思っております。県内では、香川県オリーブの会が「ポパイの会」を運営し、居場所づくりに貢献しております。こうした団体を育て、その運営に行政も手を差し伸べていくことが、それがすなわち、ひきこもり支援の大きな前進につながると思います。  居場所づくりを含め、団体への支援を積極的に図っていくことが大事と思いますが、県の取り組みはいかがでしょうか。 安藤健康福祉部長  都築委員の居場所づくりを含め、団体への支援についてのお尋ねでございます。  ひきこもりの当事者、家族にとっての居場所づくりということでございますが、県においては、ひきこもり地域支援センターを設置し、ひきこもり当事者及び家族の県下における中核的な居場所として提供し、支援しているところでございます。ここでは、当事者が、仲間づくりの場所として気軽に集まり、安心して過ごせる居場所としての「ひきこもり当事者の集い(poco a poco)」を月2回開催するとともに、ひきこもりの親のグループワークを月1回開催しているところでございます。こういったことに加え、委員御指摘のNPO法人KHJ香川県オリーブの会が居場所をつくっているところでございます。こういった関係機関、また、民間団体の意見も聞きながら、その連携に努めてまいりたいと考えております。  団体に対する支援ということでは、居場所づくりそのものに対しての直接的な支援は、今のところKHJオリーブの会に対してはしておりませんが、一つありますのが、ひきこもりの対策は自殺の対策とも密接に関連しているということから、国の交付金を活用して、団体の普及啓発活動等の事業に対する補助を今年度から予定しているところでございます。このほかにも、委託事業として、ひきこもりのサポーターのフォローアップ研修をお願いしているところでございます。今後とも、国の制度で活用可能なものがあれば、情報提供等を行ってまいりたいと考えております。 都築委員  国のほうでも、少し角度が違いますが、本格的に腰を据えた取り組みを図られております。また、他県のひきこもり施策と比較した場合、頑張っていただいてはおりますが、一部消極的な部分も見られるように思います。かなめは推進団体でございますので、よくよく連携をとっていただき、県が取り組める財政的な部分もぜひ手を差し伸べていただきたいと要望いたします。  ひきこもりについての最後の質問ですが、ひきこもり当事者は、みずから支援を求めていけない状況にあります。支援者が訪問し、相談に応じることが必要であると考えております。訪問活動については、生活困窮者自立支援制度としては、「地域におけるアウトリーチ支援等推進事業」があります。現在、県下で当該事業を行っている自治体は、ないようであります。一方で、香川県としても市町と連携して、平成26年から「ひきこもりサポーター」養成とその派遣事業に取り組んでおられます。現在、県内のサポーター数は27人、市町が行う派遣事業は高松市とまんのう町しか実施しておりません。せっかく始めた事業ですので、もう少しどうにかならないのか、それぞれの訪問事業が県下で消極的になっているようでありますが、サポーターの増員も含め、より多くの市町が実施できるように、県としてどのように取り組むのか、お伺いいたします。 安藤健康福祉部長  都築委員のひきこもりサポーターの事業についてと、地域におけるアウトリーチ支援等推進事業について積極的に取り組んではどうかという御質問でございます。  ひきこもりサポーターとは、ひきこもりの本人やその家族に対して、相談相手等として訪問活動などを通じて支援を行うため、県で実施しております養成研修を受講して登録された者でございますが、御質問にもありましたように、現在、27名がサポーターとして登録をされているところでございます。このサポーターを派遣する事業は、市町が実施主体として行っており、高松市とまんのう町が実施しているところでございます。サポーターによる訪問支援の活動というのは、重要と思っており、各市町に対して、このサポーター派遣事業が実施されるよう、機会を捉えて働きかけてまいりたいと思っております。県といたしましては、このひきこもりサポーターの養成ということで、平成26年度に7日間の養成研修を行い、それ以降はこのフォローアップのための研修を行ってきたところでございますが、御指摘の団体のほうからの要望等もございますので、ひきこもりのサポーターの新たな養成を進めて、27名をさらにふやしていく取り組みをしていくことを検討してまいりたいと考えております。  また、地域におけるアウトリーチ支援等推進事業でございますが、これは生活困窮者自立支援制度の大きな枠組みの中で、特に就労準備支援事業という位置づけ、そしてその中で一つの類型として地域におけるアウトリーチ支援等推進事業というのが今年度から国の補助事業という形で実施されてきております。残念ながら、今のところ県内の市町においてそれを活用しているという団体はありませんが、来年度においても同様の補助事業があるものと思っておりますので、その活用についても市町に働きかけてまいりたいと思っておりますし、県でも、どのような取り組みができるのか検討してまいりたいと考えております。 都築委員  本当に予算が少ない中で、職員の方も汗をかいて団体との連携に励んでいただいていることは高く評価をしておりますので、引き続き、ぜひ積極的な取り組みを推進していただきたいと思います。  2つ目は、動物愛護について質問させていただきます。  来年3月に「さぬき動物愛護センター」が機能し始めますが、この機会に、動物愛護についての質問を何点かしたいと思います。  殺処分の減少に向けて取り組んでいただいており、大変評価をしておりますが、客観的に数字としては、まだまだ楽観できないところがあります。本県は、犬猫殺処分数が、いまだワースト上位と聞いております。  他県と比較して何が違うのか、その理由と、殺処分を減らすための取り組みについて、基本的な考えをお聞きしたいと思います。 石川生活衛生課長  都築委員の動物愛護についての御質問にお答えいたします。  本県は温暖な気候の上、他県では余り見られない所有者不明の犬に対する無責任な餌やりにより野良犬が繁殖し、結果、保健所への収容数が多い一方で、返還、譲渡数が少ないため、結果として殺処分数が多くなっております。平成28年度の殺処分数は、犬が1,875頭、猫が1,079匹で、前年度から犬は328頭、猫は687匹の減少とはなっておりますが、全国的に見ると、犬については殺処分数がワースト1位となっております。  殺処分数を減少させるための取り組みといたしましては、まずは譲渡の推進であり、加えて、飼い主責任や動物愛護に関する普及啓発とともに、将来的に収容数を減らすために、野犬の捕獲、収容の強化にも努めているところでございます。  具体的には、犬猫の譲渡推進のため、保健所から譲渡する犬猫の不妊去勢手術費用の補助を実施するとともに、譲渡会の開催や譲渡犬猫の診療費補助などの譲渡ボランティアの活動支援のほか、各保健所において、譲渡する犬猫にマイクロチップを装着するなど、譲渡推進に取り組んでいるところであります。また、おおよそ離乳前49日齢以下の幼齢動物について、自宅などで預かり、譲渡可能な日齢に達するまで飼養管理を預託するミルクボランティアの登録を実施し、譲渡可能な日齢に達した後に保健所から譲渡することを進めております。  動物愛護管理の普及啓発につきましては、今年度は、新聞広告への掲載などの啓発事業を行う予定としております。  また、野良犬の捕獲強化につきましては、センサー開閉器付き捕獲器の導入や、市町が所有している犬の捕獲箱の整備費用等を補助することとしております。  また、猫の殺処分数減少のためには、地域猫活動に取り組む市町に対し、不妊去勢手術費用の一部などを助成する「地域猫活動支援事業」を実施しているところでございます。 都築委員  他県にも遜色ない取り組みを行っていると思います。もう少し細かい点につきまして、お聞きいたします。  殺処分数が多いことに対して、県内外から心配する声が寄せられているのも事実であります。その声の中の一つに、本県における犬や猫の殺処分数の多い理由は、殺処分を週2回行っているからではないか、殺処分を週1回にすれば処分数が減るのではないかといった意見があります。  実際のところ、本県は、どのような状況であるのか、お聞きいたします。 安藤健康福祉部長  都築委員の殺処分に関してのお尋ねでございます。  犬猫の処分を行っておりますのは県の動物管理指導所でございますが、そちらの施設が現在の形に整備された平成9年当時、本県での犬猫の処分数は年間1万1882頭というかなり多い数でございました。施設には2基の小型焼却炉がございまして、これを毎日交互に運転しながら週5日間運転を行ってきたという状況がございます。昨年度の犬猫の処分数は合計で2,366頭と、当時に比べますと大きく減少しております。  設置している焼却炉が小型ということもあり、焼却炉の容量、能力などを考えますと、週2回稼働しないといけないというのが今の状況でございます。 都築委員  週2回を1回に減らせばいいのではないかということなのですが、それについてはどうですか。 安藤健康福祉部長  都築委員の再度の御質問でございます。  焼却の処分回数を2回から1回に減らせばトータルの処分数が減るのではないかということでございますが、殺処分をしなければならない犬猫の数が減れば、自然と2回が1回になるということで、処分される犬猫の数を減らしていく取り組みを進めていくことによって、週1回というのが見えてくるという認識でございます。 都築委員  回数の問題ではなく、収容頭数の問題であるという認識でよいのでしょうか。収容頭数が減れば、週1回、あるいはゼロになる可能性があるということでよろしいですか。 安藤健康福祉部長  都築委員の再度の御質問でございます。
     委員御指摘のとおり、収容頭数、処分頭数を減らすことができれば、回数を減少することができ、現状の週2回から週1回の使用になってくるという理解で正しいと思っております。 都築委員  収容頭数、処分頭数を減らすことが重要だということはよくわかりました。  そのために、来年3月には「さぬき動物愛護センター」も整備され、今後、ますます譲渡の推進を図っていけるわけであります。いわゆる命のリレー確保に向けた譲渡について、冒頭での答弁にもありましたが、その数をふやす取り組みを積極的に行っていただいておりますが、その方法の一つとして、収容動物について、一頭でも多く、欲しいという方々の目にとまるように、他県の一部で行っているように、収容時、あるいは公示後、全てホームページに掲載してほしい、多くの犬猫の情報をオープンにすることで、もらいたいという人をふやしたいとの意見があります。  これについて、本県では、現在、どのように取り扱っているのか、お伺いいたします。 安藤健康福祉部長  収容した動物についてのホームページへの掲載の仕方でございますが、本県におきましては、収容した犬猫につきまして、収容した日時と場所、種類や色、体格などの特徴を、条例に基づく公示期間の3日間、さらに、もとの飼い主への引き取り期間として1日を加えて計4日間は、全て保健所で公示をしております。この保健所での公示と同時に、「首輪がついている」、「純血種である」、「人への警戒が少ない性格」など、明らかに飼い主がいると思われる場合には、迷い犬、迷い猫の情報として県ホームページに写真を掲載し、もとの飼い主へ返還できるように努めているところでございます。それ以外の犬猫につきましては、公示期間を経過した後に、譲渡適性があると認められたものは譲渡犬、猫の情報として、県ホームページに写真を掲載し、新しい飼い主へ譲渡できるように進めているところでございます。この情報の掲載に当たっては、譲渡適性がないと思われる犬猫については、県ホームページへの掲載は控えているところでございます。 都築委員  多くの犬猫が収容され、一頭でも処分されずにもらわれていくほうがいいところではありますが、譲渡に問題のある犬猫については、残念ながらホームページには掲載ができないということでよろしいでしょうか。  さらに、動物の県外譲渡について推進してほしいという声もあるわけですが、本県においては、これまで県外への譲渡実績はあるのでしょうか。本県の状況や県の考えを、お伺いします。 安藤健康福祉部長  都築委員の再度の御質問2点でございます。  1点目の譲渡に問題のある犬猫のホームページ掲載でございますが、著しい攻撃性や問題行動を持つなど、譲渡適性のない犬猫を安易に譲渡することは非常に危険であるという考えから、ホームページへの掲載を控えているというのが、現在の対応でございます。  2点目の動物の県外への譲渡ということでございますが、本県におきましても、県外の方に譲渡を行える仕組みにはなっております。ただし、反復、継続して犬猫を保健所から譲り受けする場合には、県外の方にも譲渡ボランティアとして登録していただく必要があります。それとともに、県内に、県外譲渡の窓口となる方を登録の際に届け出してもらうことも必要でございます。こうした取り組みで、昨年度は県外の登録ボランティアに計114頭の犬猫を譲渡したという実績でございます。 都築委員  譲渡適性の内容にもよりますが、できるだけ問題のない犬猫については、幅広く譲渡先を見つけていただけるように、県も手を差し伸べていただきたいと思います。また、県外譲渡では、県外のボランティアや団体の協力をいただかないといけません。今後も、関係団体などと譲渡の推進について協力してやっていただきたいと思います。  また、野良犬の減少にも、センサー付き捕獲器を導入しての捕獲強化や不妊去勢手術の助成、マイクロチップなどの取り組みを行っていただいております。冒頭御答弁がありましたとおり、モラルの問題で収容頭数が多くなっているという話もありましたが、生半可な気持ちで生き物を飼い、平気で捨てる人がいる限り、命が無駄に消えていく事態はなくならないと思います。いわゆる飼い主のモラル向上に向けた取り組みについて、特に団体関係者から指摘がありましたのは、物理的に継続して飼うことが見込めないような飼い主に、譲渡や販売する行為が見受けられるというものでありました。  そこで、県内での状況と、その防止策の取り組みについて、お伺いいたします。 安藤健康福祉部長  都築委員の再度のお尋ねでございます。  取り組みといたしましては、大きく2点ございます。  1点は、販売業者である動物取扱業者が購入者に対して説明する際に、動物の終生飼養についても説明していただくようにしております。そのことについては、販売業者に対して県が行う、毎年販売者は受講しなければならない「動物取扱責任者研修会」の中で、この終生飼養について購入者に対して説明してくださいという話をしております。  もう1点は保健所で犬猫を譲渡する際でございますが、この場合にも、終生飼養と、もし飼えなくなったときには次の飼い主さんを確保してくれるように指導しております。また、譲渡ボランティアに対しても、同様のことを確認するよう、登録時に講習でお願いしているという取り組みを行っているところでございます。 都築委員  目配りがきく範囲外で見受けられる、野良犬への餌やりも、ある意味動物愛護の気持ちを持たれてのことだと思いますので、対話をすればもらい手を見つけることについて協力いただけるかもしれません。こうした方々へのアプローチも、ひとつ検討課題の中に入れておいていただければと思います。  最後の質問ですが、殺処分をなくすことについての課題の一つが予算の確保だと思います。ペットの飼い主や動物愛護に取り組む人には喫緊の問題ではありますが、動物を飼わない方や関心のない方からは、「動物よりも人間を優先して予算を組むべき」との声があるのも事実であります。そうした声にも配慮しつつ、実際に他県では、民間団体が一部行政の助成を受けながら財源を確保し、多くの犬猫を飼うことにより殺処分の減少に寄与しているところもあります。  また、寄附金を原資とした動物愛護に関する基金条例を策定し、基金を造成しているところもあると聞きます。センターの運営資金や民間団体の支援を機動的に行えるよう、税外収入による財源確保が重要だと思いますが、本県においても、動物愛護センターの整備にあわせて、基金等、寄附制度の創設を検討する考えはないのか、お伺いをいたします。 安藤健康福祉部長  都築委員の基金等、寄附制度の創設についてのお尋ねでございます。  現在のところ、本県におきましては、保健所においてドッグフードなどの現物の寄附は受け入れているところでございます。御提案の基金につきましては、他県の状況を見てみますと、京都市において基金条例を制定しております。これは、多額の寄附を受けた経緯があり、そのときに制定されたものと伺っております。また、福島県では、最近、制度を設けておりますが、これも震災後の対応の中での取り組みと伺っております。本県で、こういった基金条例を制定することにつきましては、導入している他県の状況なども確認する中で、今後、研究していく必要があると考えております。 都築委員  予算面も大事なことですが、来年3月に動物愛護センターが開設することを契機に、他県の例も参考にしながら、さまざまな視点から、一歩踏み込んだ動物愛護の推進を図っていただくことを要望して終わります。 黒島委員  昨日は、台風により、小豆島を初め、多くの自治体で避難勧告等が出されました。避難を呼びかけるのはいいですが、各自治体は、障害者や障害児の方の移動や受け入れの準備はしているのでしょうか。学校の体育館で大勢の人と一緒に過ごせるとは思えません。本県では避難場所を決めるときに、そういった方を受け入れる体制はできているのでしょうか。 安藤健康福祉部長  黒島委員の避難所に関してのお尋ねでございます。  風水害や震災等の避難所が開設されるときに、高齢者や障害者といった、いわゆる弱者に対してどう対応するのかというのは、制度的には福祉避難所という仕組みがございます。一般の避難所に加えて、高齢者であれば特別養護老人ホーム、障害者であれば障害者施設がそういったときに福祉避難所を準備していく仕組みにはなっておりますが、細かい数字は把握しておりませんが、数的に十分準備できているかというと、そういう状況にはなっていないと理解をしております。 黒島委員  小学校でもそうですが、発達障害の子が1人いると、授業にならないこともあります。いろいろな人たちがいて、それぞれの避難所に避難した場合に、周りの人に迷惑をかけると思ったら、家族にとっては、なかなかそこへ行くということはできないという気がしております。  障害者差別解消法が施行されましたが、県としては、どの範囲を障害者と認識しているのか、まず教えてください。 安藤健康福祉部長  黒島委員のお尋ねでございます。  障害者の範囲ということでございますが、一般的には、身体障害者手帳を持っている者、知的障害であれば療育手帳を持っている者、精神保健福祉手帳を持っている者、この3つに該当する者を通常「障害者」と言っておりますが、「障害」という意味でとらえると、もう少し広い範囲であると理解しております。 黒島委員  なぜそれを聞いたのかといえば、障害者差別解消法を読むと一番に出てくるのが障害者の範囲なのですが、この法律に書いてある「障害者」とは、障害者手帳を持っている人だけではありません。社会的弱者と捉えて、身体障害、知的障害、精神障害のある人、発達障害や高次脳機能障害者、その他の心や体の働きに障害があり日常生活や社会生活に相当な制限を受けている者、全てが対象ということです。私も含めて障害者に対する認識が欠けていたと感じております。県民を含めて、もう一度、障害者について考え直す必要があると思います。  例えば、心臓にペースメーカーを入れている内部障害者は、外から見たのではわかりません。ペースメーカーを入れているのであれば、周りの人にわかってもらう必要がありますが、ハート・プラスマークをつけている人を見たことがありません。マークをつけないのはなぜかというと、ちょっと格好が悪いなどいろいろなことがあるわけですが、大勢が、例えば避難所に入るとなると、どういう障害を持っているのかということをお互いに理解しないといけないと思うのです。我々は、内部障害がある人を、障害者としてきちんと扱わなければならないと思います。県は、障害者についての考えは、基本的に十分にできていないと思います。  この前の障害者の雇用の問題では、県はミスと言いましたが、私は故意だと思っております。素人ではない県の職員が見落としたというのは考えられません。民間であれば、金を納付する必要があります。県は、納付の必要がないので平気な顔をしています。この問題を見ても、県の障害者に対する認識が甘いのではないかと思いますが、部長の見解はどうでしょうか。 安藤健康福祉部長  障害者に対する県の認識が甘いのではないかという御指摘でございますが、県といたしましては、障害者差別解消法を受けて県の条例を制定し、ことしの4月から施行しております。こういった取り組みからいたしましても、県の障害者に対する認識が欠けていたとは考えていないところでございます。 黒島委員  それではお聞きしますが、障害福祉課が発行している「さべかい・ともいき」ガイドブックですが、「さべかい・ともいき」が何のことかわかりますか。略していい言葉と略してはいけない言葉があります。県民にわかってもらいたいものにつける表題としてはどうなのでしょうか。 安藤健康福祉部長  黒島委員のガイドブックについてのお尋ねでございます。  私も十分認識しておりませんでしたが、ことし4月から施行している「香川県障害のある人もない人も共に安心して暮らせる社会づくり条例」の名称が長いことから、「障害者差別の解消」を「さべかい」、「共生社会づくり」を、ともに生きるという意味で「ともいき」と称して愛称としております。ある意味業界用語と思っております。 黒島委員  これは、業界用語なのですか。県民や県職員に何かわかってもらわなければいけません。これで興味を引く作戦かもしれませんが、いくら何でも省略のし過ぎだと思います。差別解消なら差別解消、あるいは共生ガイドブックでいいのではないかと思います。  もう一つお聞きしますが、難聴で言ったことの半分も聞き取れないような高齢者は障害者に含まれるのでしょうか。聞こえたふりをしていますが、話が半分ぐらいしか通じていない高齢者はたくさんいると思います。 安藤健康福祉部長  黒島委員の再度の御質問でございます。  先ほどの答弁が不十分でございましたが、障害者が、障害者手帳を持っている人だけではないことからしますと、一般の方より十分聞こえが足りないという場合も障害者に該当すると考えるのが適当であると理解しております。 黒島委員  私は後期高齢者になりましたが、100歳を超えている母も後期高齢者に変わりました。これまでは、私の健康保険の家族であったのが、私が後期高齢者になると母が独立した介護保険になるのです。文書での通知はありましたが、100歳の母に書類を送っても内容が理解できておりません。病院の窓口で、今まで3,000円であったのが9,000円請求され、電話がかかってきました。調べてみると、間違っていなかったのですが、今まで自己負担が1割であったのが突然3割になり、病院の窓口で3,000円が1万円になるわけです。こういうことを国はわかっておりません。国は、後期高齢者が後期高齢者と一緒に生活することを想定しておりません。地方から声を上げていかないと国はわからないのです。  弱者に対して差別が行われていると思います。一般の人と同じような生活をしようとして世の中に出て来ようとするには、本人の努力が必要で、そこをわかってあげる必要があります。特に県職員にはわかってもらいたい。先ほどの高齢者の問題にしても、障害者差別解消法の解釈の問題にしても、県職員はわかっていないと思います。障害者差別解消法について、県職員がきちんと理解しておく必要があります。職員が理解を深めるために、どのような取り組みをしているのでしょうか、お聞きいたします。 安藤健康福祉部長  黒島委員の再度の御質問でございます。  職員に対してどのように理解を深めさせていくのかということでございます。  障害者差別解消法が施行された平成28年度には、職員向けの周知会を実施しております。その後は、県の職員向けには階層別研修というのがございまして、毎年、新規採用、課長級昇任の2回の機会を捉えて職員研修を行っておりますとともに、臨時嘱託職員を対象とした研修も行っているところでございます。その際には、事業者に対して説明するための資料である「さべかい・ともいきガイドブック」や「職員対応ハンドブック」を使用しております。また、それに加えてオンラインでの研修も行っております。 黒島委員  努力をしているとは思いますが、政治や行政は弱者を助けるという意識が必要です。そうやって香川県は非常に住みやすい県であると県民に認識をされるようになるのです。もっとわかりやすく県民に弱者を助けようという気持ちを持てるような指導をしていく必要があります。ガイドブックを読むよう言われても、なかなか読みません。PRの仕方をぜひ考えていただきたいとお願いして、私の質問を終わります。 高城委員長  以上で、健康福祉部及び病院局関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 高城委員長  御異議なしと認め、健康福祉部及び病院局関係の質疑・質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....