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  1. 香川県議会 2018-09-01
    平成30年[9月定例会]環境建設委員会[土木部] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 十河委員長  これより、質疑・質問を開始いたします。 松原委員  2点質問させていただきます。  1点目は、7月の豪雨災害を受けた対策についてお伺いします。  ことしは、30年に一度の異常気象と気象庁が言うとおり、災害が多い年で、台風1号は、観測史上3番目に早い1月3日に発生し、8月12日から16日にかけては、観測史上初めて5日間連続で台風が発生しました。台風12号は、普段通るルートとは逆の方向に進んだため、逆走台風とも言われました。台風21号は、当初香川県を直撃するルートをたどり、最終的にはそれたものの、近県では関西国際空港が浸水する被害がありました。このように、ことしは例年にないペースで台風が発生していますが、中でも台風7号は梅雨前線を刺激して、西日本を中心に集中豪雨による大きな被害をもたらし、平成30年7月豪雨と名付けられました。気象庁が大雨の特別警報を11府県で発表し、死者が220名を超える被害がありました。  県の発表によると、7月の豪雨により公共土木施設災害が150箇所余りあったと報じられました。また、今月10日から、国の災害査定が始まったと報じられましたが、被災を受けた箇所の近隣住民等にとっては、一日も早い復旧が望まれます。そこで、まず、その復旧状況についてお伺いします。 葛西土木部長  平成30年7月豪雨では、県内でも梅雨前線の影響で、5日より雨が降り始め、8日にかけて降り続き、県内にある気象台の8つの観測地点では、滝宮や財田で72時間雨量が、年間を通じて観測史上最大となったほか、高松、多度津、香南、竜王山、内海の5つの観測地点でも72時間雨量が、7月として観測史上最大となりました。  今回の豪雨では、本県でも多くの斜面崩落などの土砂災害が発生したほか、河川堤防道路施設などの公共土木施設も損傷するなど、大きな被害を受けました。  被災があった150カ所余りの公共土木施設については、国の公共土木施設災害復旧事業が適用できる83カ所のうち、地すべり性の地盤変動の詳細調査が必要な道路施設の3カ所を除いた、80カ所の公共土木施設について、今月、国の災害査定を受けた結果、県全体で約10億4300万円余の公共土木施設災害復旧事業の採択を受けることになりました。  県管理施設では、坂出市王越町の県道高松王越坂出線道路法面崩壊や、三豊市豊中町の財田川の護岸崩壊など、47カ所で、7億1800万円余の採択を受けました。  一方、市町管理施設では、三豊市詫間町の市道詫間245号線の路肩崩壊など33カ所で、3億2500万円余の採択を受けました。  また、道路上の崩土の撤去や1箇所あたりの工事費が120万円未満であるなど、国の災害復旧事業の適用除外となる小規模な被災箇所等については、県の単独事業により対応しています。  県としては、被災した箇所が、県民の皆様の生活に密接な関係を有する施設であることから、一日も早く復旧できるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えています。 松原委員  早急に対応をお願いします。次に、情報発信等ソフト面の対策についてお聞きします。7月豪雨では、本県でも、河川の堤防やため池が被害を受け、避難指示が発令されました。また、西日本豪雨の後も、20号、21号と本県に立て続けに台風が接近しました。  そこで、豪雨時における情報の発信等、ソフト対策について、どのように取り組んでいくのかお伺いします。 葛西土木部長  県では、台風等の影響により気象台から大雨・洪水注意報等が発表された場合、本庁及び出先事務所注意報体制をとり、大雨警報等が発表された場合に、水防本部を設置し、体制を拡充して水防活動を行っています。  また、県では、県内に120余の雨量計と、県が管理する河川のうち45河川95カ所に水位計を設置して観測しており、水防時には、それらの監視を行うとともに、水位周知河川等において、避難勧告等の目安となる基準水位に到達した際、その情報を市町に伝達しています。  加えて、昨年6月から、市町の避難勧告等の発令の遅れやちゅうちょへの対応として、管轄の土木事務所長等から、各市町長等へ直接電話連絡するホットラインを構築して、河川の水位情報土砂災害警戒情報等を伝達しています。  7月豪雨の後も、台風20号、21号の接近により、他府県で大きな被害が発生したことから、今月7日に開催した、「香川県大規模氾濫等減災協議会」の幹事会において、河川の水位情報土砂災害に関する情報伝達方法を再確認したほか、ダムの効果や、異常洪水時防災操作に関する情報伝達等について説明を行いました。  そのほか、2級河川などの中小河川において、洪水時の避難判断のために、これまでに水位計を設置している45河川の95カ所に加え、過去に浸水被害があった河川や、水防上必要な箇所を市町に聞き取るなどして選定した、三木町内の新川水系古川などの34河川34カ所に、洪水時の水位観測に特化した、小型で低コストの水位計を今年度中に設置することとしています。  県では、河川改修や砂防ダムなどの整備を推進していますが、そうしたハード整備には、時間や費用を要することに加え、今回の7月豪雨等、毎年のように全国各地で豪雨災害が発生していることを鑑みると、「施設では防ぎきれない大洪水等は発生するもの」との考えに立つ必要があることから、今後も、避難に繋がるソフト対策が円滑に機能するよう、「香川県大規模氾濫等減災協議会」等の場を活用し、国や市町等と顔の見える環境を築きながら、連携・協力を図り、県民の安全・安心確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
    松原委員  今回の豪雨災害は、台風と梅雨が重なるという悪条件の下に起きました。こうした異常気象による災害は、各地で毎年のように起きている状況です。今後、日常的に起こる災害対策や、南海トラフの地震にも備えるため、防災・減災対策を鋭意進めていただきたいと思います。  次の質問は、空き家対策についてお伺いします。  県内の今の空き家の状況については、総務省が5年ごとに実施している住宅・土地統計調査によると、県内の空き家は年々ふえており、平成25年時点で空き家総数が約8万戸となっています。その総住宅数に占める割合が17.2パーセントで、全国平均の13.5パーセントより高く、ワースト7位になっています。  そして、この調査の中では空き家が、「二次的住宅」、「賃貸用住宅」、「売却用住宅」、「その他の住宅」の4つの分類に分けられていて、「その他の住宅」が空き家になる可能性が高い分類だと思いますが、その割合が香川県は56.5パーセントということで、全国で7番目の高い数字となっているところです。  そうしたことで、今、人口減少が進んでおり、空き家も今後、ふえていくのは目に見えて明らかな状況です。そんな中で、県においては、平成27年度から、総合推進の事業ということで立ち上げて、各市町に対して老朽危険空き家を除去する場合に補助を出すことを始めています。また、今年度からは、県民向け空き家対策啓発セミナーの実施や、専用ホームページの開設などに取り組んでいます。そこでまず、そうした最近の取り組みも含めた中での空き家対策の現況についてお聞かせいただきたいと思います。 葛西土木部長  空き家対策に当たり、3つの大きな取り組みがあります。「老朽化して危険な空き家の除却」、「利用可能な空き家活用の推進」、「空き家の増加の抑制」などが重要であると考えています。  まず、「老朽化して危険な空き家の除却」については、県では、平成27年度から、市町と連携して新制度を創設しており、平成29年度末までに累計で303件の空き家の除却を実施したところです。今年度は190件程度の除却を見込んでおり、引き続き支援制度を活用した除却の促進に取り組んでまいりたいと考えています。  2点目の活用促進については、市町に対して、国の「空き家再生等推進事業」という制度の活用や、全国版の空き家・空き地バンク等への登録などを促進してきたところであり、引き続き空き家の利活用に向け、各種情報の提供を行いながら積極的に働きかけていきたいと考えています。  3点目の空き家の増加抑制については、今年度から新たに県民の意識を醸成する取り組みとして、固定資産税納税通知書に啓発する内容のチラシを同封して配布したところ、市町からは、「実際にチラシを見た人から問い合わせがあり、空き家バンクを紹介した事例もある。」と伺っており、今後、未実施の市町へも働きかけ、取り組みを継続していきたいと考えています。  また、7月に空き家の適正管理や利活用、相続等に関して、県民を対象としたセミナーを専門の講師を迎えて開催し、小豆島を含む県内全域から100名の定員を大幅に超える申し込みをいただいたことから、11月に急遽、2回目のセミナーを開催したいと考えています。  さらに、空き家ポータルサイトを現在、構築中であり、空き家の相談窓口や助成制度などの、空き家に関する各種情報に簡単にアクセスできるサイトを、10月1日から公開する予定としています。  県としては、引き続き老朽危険空き家の除却に対する支援や空き家の利活用を促すとともに空き家の発生の抑制にも取り組むことにより、空き家対策を一層進めてまいりたいと考えています。 松原委員  取り組みの中の利活用についてお聞かせいただきたいと思います。利活用は、空き家抑制につながる重要な取り組みだと思います。しかし、空き家所有者の多くは、利活用したいと考えていても、実際には、相続や登記、耐震化、物件取引等複雑な手続があり、断念することが多いと伺っています。それは空き家バンクに登録するどの段階でもあり、相当な手間やエネルギーを使うと聞いています。  担当課として、そうした状況をよく理解した上で、利活用をしようとしている人の相談に乗り、対応する取り組みがこれからの利活用推進には必要だと思いますが、それについて県としての取り組みはどのようにしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、空き家は物件ごとに解決すべき課題が異なり、また、それが複数分野に及んでいる場合には、利活用に向けて動きにくくなり、結果として放置され続けることが多いと認識しています。  7月14日に県民向けセミナーを行った際にアンケートを行い、セミナー後に個別の相談会を開いた中で、「相続を初め管理や売却、家財道具の処分など、さまざまな問題にどう対処したらよいのかわからない、正直面倒だ。」という声を数多く聞いたところです。  このように、空き家対策にあっては、多くの分野にわたる課題をスピーディーに解決していくことが重要となっていることから、県では新たに、そうした課題に包括的に対応できる複数分野の専門家の集まりとなる「空き家利活用サポートチーム」の登録制度を創設したいと考えています。  この制度は、空き家の利活用に係る不動産や建築、法律などの分野のうち、複数分野の専門家や事業者が連携して、空き家の利活用を阻む課題に包括的に対応できる体制を整えたチームを構成していただき、県はそのチームをホームページに登録して、広く県民に広報しようとするものです。  このチームにおいては、空き家の再生や活用に関する相談を初め、耐震化を含むリフォームに関する設計や施工、解体撤去などに関する相談に対して支援を行い、空き家の利活用を図ろうとするものです。  10月1日に予定している空き家ポータルサイトの立ち上げに合わせ、空き家の利活用を阻む課題に包括的に対応できるチームの登録の受け付けを開始する予定であり、関係団体とも連携しながら、登録の促進を図っていきたいと考えています。  また、登録されたチームについては、空き家ポータルサイトに掲載するほか、市町と連携しながら広報を行い、空き家の利活用を促し、危険な空き家の発生の予防や空き家の増加抑制につなげたいと考えています。  県としては、今後も引き続き、市町初め関係団体との連携を密にしながら、総合的な空き家対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。 松原委員  期待できる取り組みなので進めていただきたいと思います。  もう1点お聞きしたいと思います。空き家の対策がなかなか進まないのは、相続ができていないことや、所有者の死亡や移転により管理ができないということで、勝手に立ち入ることや処分することができないため進まないということがあります。  「空家等対策の推進に関する特別措置法」が平成27年5月に施行されたところであり、この法律により、市町から助言、指導、勧告、命令、そして行政代執行まで行えることになりましたが、それをするためには「特定空家等」という認定をしなければなりません。県では、昨年、各市町向けに「香川県特定空家等判断基準」を作成したところです。法律施行から3年余り経過しましたが、その進展状況などをお聞かせいただきたいと思います。 葛西土木部長  県では、平成27年度に「老朽危険空き家除却支援事業」を創設し、「香川県特定空家等判断基準」をつくって、市町が認定した「特定空家等」について、市町が円滑に措置を行えるよう、指導・助言から勧告、命令を経て、行政代執行の妥当性を加味しながら、これらの措置に必要な手続や手順等を示して、この特定危険空き家の除却に対して市町に積極的に取り組むようにということで進めており、累計303件の除却実績があります。年度ごとに波はありますが、平成27年に始めたときには34戸ぐらいの活用であったのが、昨年度では169戸の除却実績があり、ふえています。また、代執行については、新聞等でも報道がありましたが、高松市において行おうとしましたが、話し合いで解決の方向に向かって代執行をやめたということで、今のところ行政代執行まで至った件数はありません。市町が事業主体になるので、除却するには市町の理解を得て、制度化が必須になりますが、そこも徐々にふえており、8市7町が補助制度を創設しています。  空き家問題は、生活環境や防災の関係からも非常に問題があると思いますので、積極的に取り組んでまいりたいと考えています。 松原委員  今後、人口減少が進み、空き家もふえていくと思います。デメリットは、今さら言うまでもないので、空き家対策を進めていただきたいとお願いして質問を終わります。 三野委員  6月定例会の本委員会でも質問しましたが、まず、建設業の担い手確保・育成について質問します。  質問の前にお聞きしたいのですが、各土木事務所で工事入札不調がどのぐらいあるかわかりますか。 秋山土木監理課長  入札参加者がいない、または不足する等の入札不調については、昨年度、県庁全体で39件発生しており、開札件数に占める割合は1.8パーセントとなっています。今年度は8月末の時点で1.7パーセント、件数は14件ということで、割合としてはほぼ横ばいということです。過去の状況を見ると、近年で不調率が高かったのが平成25年度の4.1パーセントであるので、一定程度改善をしていると考えています。 三野委員  今までも、建設業者が忙し過ぎて対応できないということがありました。その中で入札不調の話も聞いたので、参考までに聞かせていただきました。  建設業の担い手である職人や作業員が不足しているということは、6月定例会でも言いましたが、仕事があっても職人がいないから取れないという声を聞きました。  サンポートにあるワークサポートかがわの所長に聞いたところ、4つぐらいの特色を持って取り組む中に建設業の部分がありました。その部分についても、求人は多くても求職者は少なく、成功率がひと桁台という話を聞きました。また、高等技術学校も、委託部分の就職率は悪く、直営部分は100パーセントに近く、引く手あまたで、求人のほうが多いという状況を聞いています。  そういう状況の中で、6月定例会のときにもお願いしましたが、建設業の担い手確保・育成で補助制度があり、オーダーメード型で訓練機関に委託して作成したプログラムを受講するために、受講生が5人以上参加していれば賃金の一部が補助されると聞きました。しかし、中小零細企業では5人も雇えません。1人や2人を着実に雇いながら経営しないと、先が見えない状況です。私も社会保険労務士をしており、顧問先が営業拡大ということで一挙に従業員を雇ったのですが、結局1年ぐらいでうまくいかずに倒産しました。結局、社会保険料労働保険料も払えない状況です。  体力があるところは多分5人ぐらいは雇えると思いますが、中小零細企業は1人ずつ雇い、その中で事業拡大をしながら、さらに雇うという順序を踏むと思います。持続可能な経営をするためには、それが経営者として当たり前の考え方ではないかと思います。  現行の建設業の担い手確保・育成の補助制度について、1人でも利用できるようにすることについて、6月定例会においても質問しましたが、中小零細企業は、高卒・中卒問わず、まず自分ところで抱えて、高等技術学校などに通わせてもいいというところまでしないと、自分のところで職人を育てられないというところまできています。  今は香川県の賃金が高いので、徳島県や高知県から来てもらっていますが、それはいつまでも続く話ではなく、職人を自分のところで育てなければ、承継にも困り、M&Aまで考えている事業者があるのは事実で、せっぱ詰まっているのではないかと思います。  6月定例会においても要望しましたが、高等技術学校だけではなく、建設業関係専門学校もできているようですが、例えば、事業者が雇用しながら、1人でもそこで受講していれば、賃金の一部を補助するようにこの補助制度を拡充していただく施策についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。 三好土木部次長  本県の建設業の担い手については、本年7月の有効求人倍率を見ても5倍を超えている状況で、県としてもその人手不足は厳しい状況にあると認識しています。  県では、以前からそのことを認識しており、平成27年度に建設産業団体や教育・訓練機関などで構成する検討会を設置し、今後の人材の確保・育成に向けた取り組みの指針を策定して、この指針に沿って現在、建設業の担い手確保育成事業補助制度などを実施しているところです。  その状況としては、若年労働者を対象とした職場内訓練、いわゆるOJTについて、職場で育成するための助成を行っています。それ以外には、平成28年度から職業訓練施設における訓練や、技術資格取得に対する助成などを実施しており、今年度からは、より使い勝手がよく、活用しやすくするため、各メニューにおいて、補助金額の引き上げや補助対象の拡大を図ったところです。これはまだ1年間の事業期間が終わったわけではないのですが、少しは向上しているのではないかと考えています。  委員からお尋ねがあった職業訓練施設での職業訓練への支援については、オーダーメード訓練、つまり職業訓練機関が用意しているメニューでの職業訓練を実施するという場合には、職業訓練機関側が5人以上の参加を条件としていますので、確かに1人での受講は難しいのですが、電気や型枠などの各業界団体にある協会や組合などからの参加も可能とするようなスキームで、ある程度柔軟な対応ができるような制度としています。  そのようなことも含め、より活用しやすい制度にしていくということは、担い手の確保・育成に当たり必要なことだと考えており、今後の補助制度の拡充について、具体的な補助対象や補助額など検討すべき課題も多くありますので、関係部局や建設産業団体などの意見もお伺いしながら、引き続き研究してまいりたいと考えています。  いずれにしても、この助成事業県内建設業の幅広いニーズに対応して、担い手確保につながり、県内建設業者の安定的な発展が図られるよう努めてまいりたいと考えています。 三野委員  今の次長の答弁では、私の質問にきちんと答えていないと思います。  私が言っていることは、事業者が高卒の人を雇っても、自分のところでは育成できないから、給料を払いながら高等技術学校で勉強をさせるということまでしないと、自分のところで職人を育成できないということです。  育成は協会などでもできますが、個々の事業者の育成の分まで含めてやるといえば、合意形成は難しいと思います。  体力がある事業者は自分でしています。外国人技能実習生の問題もありますが、体力がある事業者は外国人技能実習生でなく、卒業した留学生を雇っています。外国人技能実習生にしても、日本語がN2ぐらいの人は、翻訳業務などを行うので、多分建設業ではいないと思います。外国人技能実習生については、今はいけていますが、ずっと続くものではないというのが私の理解です。  だから、中小零細企業が1人か2人雇い、自分のところで育てようとする場合、高等技術学校などに通わせる2年間、賃金を補助しながら勉強させていくわけです。夏休みなどの休暇のときには自分の職場で実地訓練をしながらやっていくということを言っています。今のオーダーメードに入るということではなく、そういう制度ができるのかということを言っているので、答弁が違うと思うし、研究したいということは、全く考えていないということだと思いますので、再度お聞きします。 三好土木部次長  研究するということが、全く考えていないということではなく、この制度が担い手の確保・育成につながるように、毎年度見直していく必要があるのではないかと考えており、今いただいた御意見も当然念頭に置き、研究は続けたいと考えていますので御理解いただきたいと思います。 三野委員  私は、研究という言葉に腹が立ちます。6月定例会で1回言いました。できないのであれば、できないと言ってください。そうであれば何ができない理由かを言ってもらわなくてはいけません。11月定例会でも再度聞くので、そのつもりでいてください。  私は、高校教育課労働政策課高等技術学校などとの連携が必要だと思います。高校教育課にしても、進路指導就職指導のときに、働きながら勉強させてくれるということを進路指導の先生や就職指導の先生から紹介があれば、飛びつく保護者や生徒はいるのではないかと思います。土木部だけでそんなことをしても、高校の生徒たちにそこまで響いておらず、情報提供できなければ、利用されないのは当たり前です。私は、その制度をつくったから生徒が行くとは思いません。教育委員会と連携し、商工労働部でもっと学校の定員をふやす話をしなければいけません。県庁全体で取り組まなくては、そう簡単にはできません。だから、その補助制度をつくってもできるとは思っていませんが、それが動機づけになり、教育委員会商工労働部と連携しながら、県の施策としてこの建設業の担い手ができるという発想を持ってもらいたいと思います。自分の所管の中だけの事業をするのでは都道府県はもう要りません。これから、市町にどんどん権限移譲され、高松市が中核市になっている中、県職員も自覚しなければ、市町からどう言われていると思いますか。そのことを真剣に考えていただかないと、2層行政の弊害が出ている気がしてなりません。自分の所管のことだけでなく、ほかの部署と連携しながら県の施策として、大きな課題をきちんとしていかないと、そんなに簡単に解決することはできないと思いますので、再度申し添えておきたいと思います。  続いて、さぬき浜街道の整備についてです。  先日の代表質問において知事から、旧高松坂出有料道路の4車線化の整備が必要になってきており、厳しい財政状況だが整備推進に努めていく旨の答弁がありました。私も、無料化になって車の台数がふえており、人や物流の移動の観点からも必要な事業であるということは理解できます。きょうの新聞にも出ていましたが、坂出北インターチェンジや新県立体育館、宇多津の水族館などの問題から、必要な事業になってきていると思います。ただ、この工事は、トンネル工事やトンネル前後の4車線への拡幅、高松側の亀水の橋梁整備について、工事の順番や供用開始の時期などを慎重に考えなければ、結局、事故が多くなると思いますが、4車線への拡幅やトンネル整備、橋梁整備などについて、どのように進めていこうと考えているのかお聞きします。 葛西土木部長  旧高松坂出有料道路は、全体延長が10.1キロメートルあり、そのうち4車線化が必要な区間は、坂出市側で約3.7キロメートル、高松市側で約2.4キロメートルあります。高松市側にはトンネルを出てすぐのところに深い谷の上にかかる橋があるという事情があるため、この施工に当たり、既に用地が4車線分ある坂出市側の平地部分については4車線化を進め、山地部分の坂出市側と高松市側について、歩道部分を新たにつけるため、用地買収の必要が生じており、そこについては工事のための用地について、まず御協力いただくということになり、時期は遅くなっていくと考えています。  この4車線化をやっていくときに、用地の協力等が得られるといよいよ施工になっていき、まず坂出市側の平地部分が先行し、それからトンネル工事をするためには、そこに至る道路も必要であるので、順次前後の工事用道路の築造などを行っていくことになります。委員御指摘のとおり、この順番をしっかり考え、交通安全に注意しなければいけません。  そして、このトンネルが4車線の場合には上下分離トンネルになり、別のところにまた、掘るようになります。おのずとトンネルの近くでは本線が分かれていくというようなことになりますので、トンネルの完成をにらんだ格好で山地部分については供用開始を考えていかないと、トンネルのほうがボトルネックとなりますので、地元の住民にも十分に意見を伺いながら、やっていきたいと考えています。 三野委員  無料化になったときに一気に台数がふえ、尾崎委員からは坂出側について、地元住民からは高松側について、さぬき浜街道に入るのが危なくて仕方ないという要望をいただきました。高松側は、料金所を越えたところで急激に曲がり、見通しが悪いのです。地元住民からは、そこを4車線にして、右折レーンをつくり、信号を設置してほしいという話をいただきました。私は、交通量の違いから、信号をつければなお混雑するので、それは諦めてくださいという話をして、何とか右折レーンはつけていただいてありがたいと思います。そのとき気になったことで、もう少し見通しがよければ右折レーンなどの幅が広くとれるのではないかと言ったところ、土木部の職員から、「見えないからスピードを落として交通事故が起きないので、これを4車線にするとなお危なくなり出入りが難しくなります。」と言われ、それは一理あると思いました。運転手としては、道路の幅が広ければ、ある程度スピードを出していきます。それが、急激に1車線になっていくと、事故が起きます。トンネルが一つなので混雑していくということであるため、工事は進めて、着々と基本設計の中でやっていかないと長い期間がかかると思います。さらに混雑が起こり、知事が交通事故防止が一番と言っているときに、交通事故がふえる状況にならないよう、段取りを考えていただきたいと思います。  また、知事の説明の中には、地元からも要望があるとのことでした。確かに、坂出側ばかりではなく、高松から坂出に行く人も多くいて、トンネルは抜けないのかという話は前々からありました。それに対しては、便利になることはいいことだと思います。  ただ、今、高松側のトンネルの料金所の手前に、亀水町におりる右折レーンがあります。カーブの途中で見通しもよくないのですが、片道2車線になったときに、それが右折可能なのかどうか、非常に心配になっています。  これは、高松から帰る人が右折するだけでなく、亀水のほうから坂出に行く人も右折するという話でもあります。無料化になってこの問題がクローズアップされたのです。  要は、地元の理解を得るためには、市道と県道の出入りについて、トンネルぐらいは抜かないといけないと思いますが、信号は逆に混雑すると思います。地元の住民も、道を整備してほしいと言いますが、その後の自分の生活との関係のことを言うので、それを考慮して取り組んでいただきたいと思います。できた後に言われても遅い話ですから、そのことについてどのようにお考えかお聞かせください。 葛西土木部長  高松側のトンネルを亀水におりていく交差点について、ちょうど右折レーンを設置しているところですが、4車線化の整備に当たっては、事業採択され、その後に詳細な測量や設計を行っていくことになります。その設計を行う際には、地元との話し合いの場を設けて御意見を伺うようになります。その際、信号機が本当に要るのかという一番重要な交通安全に関するところや、高松坂出線の道路機能などをどのように両立していくかというところを、県警察など関係者と調整を行って設計をやっていきたいと考えています。 三野委員  私は、県の総合運動公園は手前のところからおりていけばいいと思います。その向こうに、昔、亀水の処理場があり、高松市のテニス場が多くあり、ソフトボール用の運動場、バラ公園もあります。今度、処理衛生センターの跡地を公園にしますが、そういうところに行くと、手前の生島のところをおりていけばいいと言いますが、そこから向こうへ行くためには、曲がっていて危険です。そのトンネルの手前からおりるほうが危険でないため、恐らく地元からは、出入りについてどうあるべきかと言われると思います。できた後で言われても困るので、できる前から地元の協力もいただかないといけないので、その要望自体は頭に入れていただくようお願いします。  これは大きな事業になると思います。無料化のときには、香川県道路公社にまだ八十数億円が残っていた分を一般会計で繰り入れしてしまいし、採算がとれない中で行ったと思います。私が気になるのは、進捗状況を考えると、新県立体育館の整備や空港連絡道路の香南工区などの大規模事業と重なる可能性が出てはこないかということです。幾ら国の補助をもらっても、県負担は2分の1あるわけです。県の財政状況や県債残高などの面から考えると、年度間調整や平準化なども全体の中で考えていかないと、早く行えば便利になるかもしれませんが、逆に県全体の財政状況が悪化することもあるわけです。知事も、県の財政運営指針の中で県債残高の管理においては、行政投資と財政運営の両立を図らないといけないと言われているので、土木部も、財政面を含めて考えながら事業を進め、持続可能な財政運営や、工事に含めても余り極端にならない形を考えていただきたいと思います。建設業者も平準化など、ある程度見通しをつけてもらうような土木部全体の工事量が必要だと思いますので、その点について部長の答弁をお聞きしたいと思います。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、五色台トンネルは、延長が約1.4キロメートルあり、今定例会に提案している多度津トンネルのちょうど倍ぐらいになります。その整備には多大な費用が必要となることから、多度津トンネルの進捗状況や新県立体育館など大型物件がある中で、全体を見ている予算担当部局との連携を密にして協議しながら、県の財政運営が持続可能なものとなるように、土木部としても進めてまいりたいと考えています。 三野委員  私は別に着実な社会資本整備には反対ではありませんので、ぜひ進めていただきたいと思いますが、平成10年度のときに県のいろいろな箱物対策で財政悪化になったことは二度と繰り返してはいけません。防災面や減災面、経済対策の面などから堅実に着実に社会資本整備をやっていただくということには反対するつもりはありませんので、その面を考慮しながら事業を進捗していただきたいと思います。 白川委員  県内では、公共交通機関が都市部に比べて少ないために車社会になっており、車の利用者が多いです。1軒の中でも1人1台ずつ車がある状況で、通勤・通学に車を使われる方が多いと感じています。  中山間地域での県道では、小学生の通学路になっている箇所が何カ所かあると思います。歩道がない箇所が散見されると感じており、迂回する市道などがあればよいのですが、地形的にそれができない箇所も多いため、県道を通らざるを得ない箇所があると感じています。  私の地元の三豊市でもそのような箇所の存在を耳にする機会が多く、三豊市高瀬町の二ノ宮小学校の前を通る県道24号善通寺大野原線がその一つです。  この県道24号は、国道11号のバイパスとしての役割を担っており、通勤時間帯の交通量が多く、物流会社のトラックも国道を迂回するため多く利用しています。  この二ノ宮小学校前後の歩道は整備されており、地元からもありがたいという意見をいただいていますが、少し離れた三豊市南部学校給食センターの北東の、西讃広域農道との交差点から二ノ宮小学校までの間は整備されておらず、小学生のすぐ横を乗用車やトラックが通行する状況を見て、危ないと感じています。  先に述べた西讃広域農道は、徳島からの通勤道路ともなっており、国道32号から善通寺や観音寺に抜ける車が多く、この県道24号は利用率が高いのではないかと思います。  そこで、今後の整備計画などを具体的に教えてください。 生田道路課長  県ではこれまで、平成24年に京都府亀岡市で発生した、登下校中の児童の列に自動車が突っ込んだ事故を受け実施した「緊急合同点検」の結果や、各市町の教育委員会を中心として作成している交通安全プログラムに基づく通学路点検の結果をもとにした通学路の交通安全対策など、交通事故の起きにくい交通環境の整備を実施してきたところです。  委員御指摘の県道善通寺大野原線においては、平成24年度に実施した「緊急合同点検」での指摘を受け、御質問のあったところから南側の県道羽方豊中線との交差点付近の延長約550メートル区間において、平成24年度から交付金事業を活用して歩道の整備に着手し、今年度完了する予定です。  また、三豊市南部学校給食センターの北東側の西讃広域農道との交差点から二ノ宮小学校までの約1キロメートルの区間においては、現在、民地側への影響も考慮して、張り出し歩道構造を採用するなどして順次歩道の整備を進めており、今年度は、その中間部の約100メートルについて整備を予定しているところです。  今後とも地元市町や関係者の協力をいただきながら、警察や教育委員会とも連携して、積極的に交通安全対策に取り組んでまいりたいと考えています。 白川委員  先ほどの答弁にあった100メートルというのは、大体いつごろの整備予定でしょうか。 生田道路課長  今、土木事務所で発注の準備をしており、早ければ発注が年明けになります。補正予算が採決いただければということがありますが、整備完了まで恐らく1年弱はかかるのではないかと考えています。 白川委員  県道24号とつながっている県道詫間琴平線の歩道について、高瀬町麻の樫谷地区で拡幅計画があると聞いています。拡幅計画区間内には、「良心市たかせ」という産直市が移転しており、拡幅予定の幅の外に敷地があり、工事は進んでいません。現道とは暫定的な進入路という形でつながっている状態のため出入りがしづらく、週末や繁忙期にはガードマンを配置していますが、出入り口付近で渋滞が発生しています。当該地域は麻地区の通学路であり、「良心市たかせ」から南500メートルのところで通学途中の小学生が交通事故で亡くなるという事故もありました。交通安全の観点からも早期に整備する必要があると思いますが、拡幅計画と整備の進捗について教えてください。 生田道路課長  県道詫間琴平線においては、平成24年度に実施した「緊急合同点検」での指摘を受け、平成25年度から交付金事業を活用して、現在の「良心市たかせ」付近から東向きに、歩道が未整備となっている延長約600メートルの区間において、幅員2.5メートルの歩道の整備を進めているところです。これまでにおおむねの用地買収を完了して、今年度、「良心市たかせ」付近の約190メートルの区間について工事に着手しているところです。「良心市たかせ」の出入り口付近については、現在、暫定形となっており、出入りしづらい状況となっていますが、今年度、出入り口付近の整備がおおむね完成する予定であることから、出入りのしづらさは改善されると考えています。  来年度以降についても、引き続き地元市町や関係者の皆様方の御協力をいただきながら、早期の整備に努めてまいりたいと考えています。 白川委員  先ほど予算がないという話も聞き、大変に厳しい中ではあると思いますが、県民の安全と安心のため、道路事業の中にも安全・安心な道づくり、整備推進事業の中に交通事故の起きにくい交通環境の整備を図るとありますので、通学路における安全対策とともに、維持管理に努めていただきますようお願いします。  また、県道23号の延長線上で、夜間に人が歩道の切れ目で落ちて亡くなったという事故がありました。シームレスな歩道整備を切に願っていますので、どうかよろしくお願いします。 松本委員  大きく3点についてお尋ねしますが、まず、県内のインフラの情報発信についてお尋ねします。  商工労働部発表の平成30年7月での職業別有効求人倍率を見ていると、全体の有効求人倍率は1.8倍でした。一番低かったのは、事務的職業の0.52倍で、その他、専門・技術的職業で2.16倍、建設・採掘の業種では5.2倍となっていました。  この数字のとおり、本県のインフラ整備を支える県内の建設業従事者が減少し、人手不足が顕著な状態になっています。これらを受けて、県では、これまでもさまざまな取り組みをしてきたと思います。私が子どものころは、県内においても3大国家プロジェクトとして、高速道路網や空港、瀬戸大橋など、建設業を中心に大変にぎわっている時代であったと思います。近年では、椛川ダムや橋梁、新県立体育館など、多くのインフラが整備されています。これからの香川県のにぎわいを創出していくためには、これまで建ててきたもののメンテナンスなど、長寿命化も大切ですが、その時代に合ったさまざまなハード整備も必要になってくると思います。そのためには、職人など建設業を担う人材が必要不可欠です。  しかし、きつい、汚い、危険の3Kと呼ばれる職業は、昔から敬遠されがちです。建設業界は、今後もなくてはならない業界であることには間違いありません。そして、技術分野であれば、ステップアップを着実にしていける業界であると同時に、専門的な技術や知識を身につけることで、社会や企業に大変貴重な人材になれる業界でもあると思います。  そこで、これらのインフラを、まず県内の高校生などに知っていただくことで、建設業に対するやりがいや貢献などの理解が深まり、建設業の担い手確保にもつながるのではないかと考えますが、見解をお尋ねします。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、県内建設業は7月の有効求人倍率が5倍を超えているなど、人手不足が顕著な状況にあり、建設業の担い手確保は喫緊の課題と認識しています。  県では、平成27年度に「建設産業における人材の確保・育成に向けた取組指針」を策定するに当たり、県内の工業系高校の生徒を対象にアンケートを実施しました。建設産業への就職に当たって不安に思うことについて聞いたところ、「仕事がきつそう。」、「休みがなさそう。」、「仕事が危険。」などの回答が多く、建設業に対するマイナスイメージを持っている状況が明らかになっています。建設業への若手入職者を確保するためには、建設産業に対する理解を深めていただき、イメージアップを図ることが重要と考えています。  このため、現在、県では、小・中学生や高校生を対象として建設現場等の体験会を開催しており、本年度は8月2日に「夏休み親子ツアー」として、椛川ダムの建設工事現場や内場ダムの施設見学を開催したところ、17家族38名に参加いただきました。また、9月12日には、多度津高等学校土木科1年生35名の方に椛川ダム建設工事現場の見学や測量体験、若手技術者との意見交換会などに参加していただくなど、多くの人に県内インフラの魅力を感じてもらっているところです。  体験会に参加した児童・生徒に対しては、体験の前後にアンケートを実施しており、体験後には建設業へのイメージがアップして建設業に就職したいという回答も増加しているという結果となっており、引き続きこういった取り組みを実施したいと考えています。 松本委員  今の答弁の中で、70名を超える方の現場体験会が行われ、そこに参加することによりイメージアップしているということですが、このような体験会でも、限られた人数の児童や特定の高校生が参加しているということです。県内の代表的なインフラについて、写真や地図などを取り入れた冊子を高校生に配布して、建設業のイメージアップを図っていると聞いていますが、その地域限定ではなく、他県からもそこに魅力のある仕事であれば来るような時代になっております。県外の生徒たちにも、このような冊子を配布していけばいいのではないかと思いますが、担い手の確保に向けて、誘客をどのように進めていくのかお尋ねします。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、今行っている体験型から、冊子などにより、まず情報として受け取ってイメージしてもらうということは重要だと思っています。現在、そのようなことを検討する上で、ダムなどの大規模なインフラ施設だけを取り上げのではなく、小規模でも歴史や特徴があるなど、皆の興味が湧くようなところをバランスよく配置することを考えていく必要があるのではないかと思います。  また、この検討に当たり、県外への発信については、全国的に見ると、インフラツーリズムなど、社会資本自体を観光資源と捉えて取り組んでいるところもあるので、それを参考にしながら、県でインフラを整備している土木部や農政水産部のほか、誘客の面で観光振興を所管する交流推進部とも一緒になって考えていく必要があると考えています。  写真や地図などを活用した、冊子の作成や配布については、建設業の担い手の確保にも有効であり、また、誘客にもつながることから、高校生や県外の人の関心が高まるような冊子づくりについて検討していきたいと考えています。 松本委員  私は45歳で、第2ベビーブーム世代です。学生当時、私の同級生は建設業に就職した人も多く、とびや型枠、塗装、板金などの仕事をしたいと建設業に飛び込み、今は親方になって独立している同級生もいます。当時も3Kというイメージはありましたが、反面プラス要素もあり、それに憧れて入った人も多いと思います。このような冊子によりイメージしてもらうと同時に、SNSにおいて、現場で働いている様子やインタビューの動画配信を見てイメージアップすることできっかけになる場合もあるので、ぜひ動画配信なども取り入れながらやっていただきたいと思います。
     また、私は建設業の担い手の確保に向けて、幾つかのポイントがあると考えています。一つは、雇用促進を図りながら待遇改善を図ることであり、労務費の高騰や賃金の低下を抑制するには、手間のかからない省力化工法もしっかり取り入れていくことが大事だと思います。そうすれば、職人の待遇も改善され、人材の定着へもつながっていくと思います。  今後、香川県においても災害発生などが予測され、建設業を担う人材は、他の委員からも話があったとおり大変重要な課題だと思います。いろいろな担い手を確保するため、土木部において、農政水産部や交流推進部、教育委員会、労働商工部などとの連携が必要だと思うので、今後ともその辺りをしっかりやっていただき、部長答弁のとおり観光資源にもなるということについて、前向きに全力で進めていただきたいと要望します。  そして、2点目は県道太田上町志度線のバイパス整備についてお尋ねします。  県道太田上町志度線バイパスは、産学官連携による研究開発や新規産業創出の拠点である香川インテリジェントパークへのアクセス道路であるとともに、沿線には防災拠点施設である高松南警察署や、高松土木事務所、高松南消防署、広域物資輸送拠点に指定されているサンメッセ香川など、災害対策の拠点施設が集積しており、緊急輸送道路としても大変大きな役割を果たす道路です。さらに、9月1日に開院した、高松市立みんなの病院やことでん琴平線の太田・仏生山間で計画されている新駅のアクセス道路としても大変重要な道路です。ことしの2月には、国道193号までの太田工区では4車線で開通することができました。  そこを使う人からは、「あそこの道路を整備してくれてありがとう。」、「西部から東部に来るのも便利で、逆に西から東に行くのも便利です。」などと言われ、重要な道路が完成したということで喜ばれています。一方で、六条工区の一部が4月に暫定2車線で開通しましたが、まだ工事がされている箇所もあるので、現在の六条工区の進捗状況についてお尋ねします。 西川土木部次長  県道太田上町志度線のバイパスは、香川インテリジェントパークへの東西方向からのアクセス道路として、平成3年11月に都市計画決定された、国道32号から県道高松長尾大内線までの都市計画道路成合六条線約6.5キロメートルのうち、高松市鹿角町の国道193号から同市六条町の県道高松長尾大内線までの約5.1キロメートルの区間について、バイパス道路として整備を進めているものです。  このうち、香川インテリジェントパーク内の約1.6キロメートル区間は平成6年3月に、インテリジェントパーク西から県道中徳三谷高松線までの約800メートル区間は平成12年8月に、県道中徳三谷高松線から国道193号までの約1.7キロメートル区間は、ことしの2月に4車線が完成し、供用を開始しているところです。  次に、香川インテリジェントパーク東側から県道高松長尾大内線までの延長約960メートルで整備を進めている六条工区については、これまで面積ベースで約7割の用地協力を得て整備を進めているところです。このうち、ことし4月には、起点側の香川インテリジェントパークから現道の太田上町志度線までの約130メートル区間を暫定2車線で供用開始したところです。残る県道高松長尾大内線までの延長約830メートルの区間については、今年度から春日川にかかる橋梁工事に着手し、まずは左岸側の橋台の工事を7月に契約し、現在、工事着手の準備を進めているところです。  今後とも地元関係者の御理解と御協力をいただきながら、事業の進捗に努めてまいりたいと考えています。 松本委員  六条工区については、用地買収が7割済んだということで、あと3割についてもしっかりとお願いします。830メートルの区間は、短いようで長い道のりかもしれませんが、そこを利用している人は、県道10号へ抜けていくことを期待しています。また、国道193号から国道32号までの1.4キロメートルについても、ちょうど国道193号まで来たので希望が出てきています。高松市もいろいろな市道や県道ができています。特に長距離にわたって南北に抜けている道は高松市内には多くありますが、高松の中部区間や南部区間において東西の道は意外と少ないのです。  国道32号から県道10号高松長尾大内線までの間で、きれいに東西に向けて抜けているところは、ちょうど高速の下のところの国道11号の高松東バイパスと県道12号三木国分寺線くらいしかないと思いますが、長さは大体4キロメートルあります。その中に、高松を横断する道はありません。そうした中でも、太田上町志度線の特に西に向いていく道が抜け、周辺の渋滞緩和や防災などにおけるサンメッセ香川あたりの拠点地区との連携のためには、この太田上町志度線が西に向いて国道32号まで抜けていく必要があるのではないかと思います。また、今後、高松市民病院や新駅の中央インターへのアクセスにも大事になってくるため、国道193号から西の国道32号までの間の整備が必要だと思いますが、現在の考えを再度お尋ねします。 西川土木部次長  都市計画道路成合六条線のうち、国道32号から国道193号までの約1.4キロメートルの区間については、県道太田上町志度線のバイパスと接続し、並走する国道11号や県道三木国分寺線の交通の円滑化にも資する道路であることから、今進めている六条工区の事業の進捗や周辺の交通状況を見ながら、厳しい財政状況を踏まえつつ、事業化の時期について検討してまいりたいと考えています。 松本委員  私も一般質問など、いろいろなところでこの道の重要性を訴えており、土木部としても十分この地域の思いはわかっていただけていると思うので、今後ともこの六条工区については、一層事業を進めていただきたいと同時に、西方向への整備もしっかり考えていただきたいと要望します。  そして、1点追加で質問させていただきたいと思います。昨日、県道191号沿いの宇多津町の県道の歩道橋の階段で、登校中の児童が足を負傷する事故が発生したと報道がありました。滑りどめ用のゴムの固定具がむき出しになっていたのが原因で、足にすり傷を負ったということですが、実際に何がおきたのかについてお尋ねします。 生田道路課長  歩道橋の事故については、9月26日7時30分ごろ、県道富熊宇多津線の宇多津町長縄手の横断歩道橋で発生しました。近くの小学校に通学中の児童が横断歩道橋をおりる際に、階段の滑りどめのゴムを固定している細い鉄筋を踏み、足を負傷したものです。細い鉄筋が靴を貫通したものの、幸いにも足の側部のすり傷程度の軽症で済んだということです。児童はそのまま登校したと聞いています。  当該横断歩道橋については、今年度定期点検を実施する予定で、既に業務を発注し、10月に点検を行う予定で準備中であったところです。県としては、今回の事案を受け、同様のことがないかすぐに緊急点検を実施して、昨日までに点検を実施した結果、特に同様な事案はなかったということです。  また、横断歩道橋は、県全体で56カ所あり、場所は長尾土木管内で5カ所、高松土木管内で28カ所、中讃土木管内で18カ所、西讃土木管内で5カ所です。 松本委員  その56カ所を緊急点検した結果、大丈夫だったと理解しました。  きょう地域のPTAから、そのような事故があり、委員会で聞いてもらえないかという話があり、急にお話しさせてもらいました。  横断歩道橋の考え方は、混雑している道路を歩行者が安全に渡るためのものだと思います。この近くでいえば高松税務署の前にあるように、国道を渡るために、下は自転車専用道、上は歩道ということが一般的だと思います。私の地元では、陸橋や歩道橋の下にも手押し式の横断歩道があります。基本的に小学校の児童はこの横断歩道橋を渡り、大人や高校生、中学生はこの横断歩道を通っています。  報道によると、5年に1度定期点検をしているということです。市街地で大人が渡っていれば、傷みや老朽化についても点検できると思いますが、私の地元のように小学生ぐらいしか渡らず、大人は下を通っていると、今回のようにさびが出ていても子供たちでは注意喚起できないのではないかと思います。今回の陸橋は1975年ごろ完成した約43年前の構造物で、市街地では5年でいいかもしれませんが、特に、田舎にある小学生などの子どもしか通らないような横断歩道橋も5年であることについて、どのようなお考えかお尋ねします。 生田道路課長  今回が定期点検ということで、横断歩道橋についても橋梁と同様に近接目視点検をする予定にしています。また、定期点検は5年に1度ですが、例えば現場の近くに行ったときや、通常の日常点検というところは、現場に作業員や職員が行くときに見ています。ただ、5年では少ないのではないかという意見も踏まえ、今後の点検に役立てていきたいと思います。 松本委員  最後に要望ですが、子供たちは、ある程度大きくなると下の横断歩道でいいのですが、特に小学校や幼稚園の子供は危ないから陸橋を多く使います。私も挨拶運動に参加したときに陸橋のところでよく見ますが、じゃれながら遊んでいる子もいて、ちょっとしたことで大けがになる可能性もあります。5年の定期点検に加え、通常時も見ているということですので、今後同じことが起こらないように、土木部としてもしっかり点検をして、子供たちの安全に取り組んでいただきたいと思います。要望にかえて終わります。 十河委員長  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午前11時50分 休憩)  (午後 0時59分 再開) 十河委員長  質疑・質問を続行いたします。 斉藤委員  質問の第1点は海ごみについてです。午前中も7月の集中豪雨に関する話が出ていましたが、このときに香川県でも大きな問題になっていたのが海ごみです。海ごみについては、台風が来たときに、私も地元の海水浴場から、「愛媛県から燧灘のほうにごみが流れて来て、一部片づけてはいるが、撤去をお願いしたい。」という要望が毎年あります。  ことしは、特に岡山県や広島県で災害があり、生活ごみも大量に瀬戸内海に流れ、国土交通省のごみ回収船「美讃」が出てごみを回収したと新聞報道で見ました。今回のゴミは、三豊や観音寺の西讃で確認されたのち、荘内半島を渡って、多度津、丸亀、坂出等にも相当な量が流入しているとのことです。また、流れている分だけでなく、海の底に堆積している分もあると思います。  それは香川県で出しているごみではないですが、海岸に漂着したごみがどのぐらいあり、また、その処理をどのようにしたのかについてお伺いします。 片山理事  平成30年7月豪雨では西日本を中心に甚大な被害が発生しており、特に岡山県では浸水被害、広島県では土砂災害が発生しました。この災害の原因となった洪水や土石流に含まれた流木などの一部がごみとなり、瀬戸内海を漂流しています。このごみは瀬戸内海を流れ本県海域にも漂流したことから、豪雨直後から国土交通省のごみ回収船「美讃」により、漂流ごみの回収がなされたところです。  7月豪雨により発生した漂流ごみのうち、県が管理する港湾区域や水管理・国土保全局所管の海岸保全区域内に漂着したごみについては、7月20日時点で、6港湾で345立法メートルと6海岸で172立方メートルのごみが確認されています。また、台風20号で発生した漂着ごみについては、8月27日時点で、7港湾で30立方メートルと11海岸で111立方メートルとなっています。なお、台風21号、22号では、新たな漂着ごみは確認されていません。  このようなことから、県が管理する港湾区域や水管理・国土保全局所管海岸保全区域内に漂着したごみの合計については、9月20日時点で、13港湾で375立方メートルと17海岸で283立方メートルとなっています。合計すると658立方メートルということです。  港湾区域に漂着した375立方メートルについては、345立方メートルを回収して、民間の処分施設で145立方メートルを処分し、残りの230立方メートルについても減量して処分することとしています。  また、海岸保全区域に漂着した283立方メートルについては、全て回収し、民間の処分施設等で213立方メートルを処分し、残りの70立方メートルについても減量して処分する等、今後、対応することとしています。  今後とも、港湾や海岸保全施設の機能を阻害することのないよう、港湾区域や海岸保全区域内に漂着したごみについては、適切に処理を行いたいと考えています。 斉藤委員  港湾施設や海岸保全地域については県のほうで適切に対応されたということですが、海岸には、漁港の海岸や一般海岸など、他の所管の海岸もありますが、その辺の対応についてはどのようになっていますか。つまり、土木部が管理していない農林海岸や一般海岸でどのように対応しているのかということです。海であるため、そこに流れ着き、回収しないとどこかへ流れていくということが考えられます。その点についてどのように認識をしていますか。  また、木やタイヤ、プラスチックなど、いろいろなものが一緒に流れてくるため、処理するときには分別作業があります。例えば流木が海の中にあると相当塩分を吸い、処分するときに燃えにくくなることなど、いろいろな問題があります。そうなるとおのずと処分費が高くなります。それを全部県で負担するのか、それとも国の補助制度があるのか、補助制度があるとすればどのような採択要件になっているのかについて教えてください。県や市町が行う場合についてもあわせて、どのようになっているのかお伺いします。 片山理事  まず、補助制度について説明します。国からの災害時のごみ処分に関する補助については、国土交通省及び農林水産省の補助事業である「災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業」と、環境省の補助事業である「災害等廃棄物処理事業費補助金」の2つの事業があります。  1つ目の「災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業」は、海岸保全区域が指定されている海岸を対象に、海岸保全区域から1キロメートル以内に合計1,000立方メートル以上の流木やごみ等が漂着した際に、海岸管理者に対しその回収及び処分費の2分の1が補助される事業です。今回、漂着ごみの発生は1,000立方メートル以上という採択要件に達していないことから、県では活用していません。  2つ目の「災害等廃棄物処理事業費補助金」は、海岸保全区域外に漂着したごみを対象に、市町が回収及び処分を行った際に、その費用の2分の1が補助される事業であり、これについても県は活用できないということです。  この2つの事業以外に、災害ごみではないですが、「海岸漂着物等地域対策推進事業」がありますが、この事業は海岸管理者が立てる年間計画に基づき行われる回収・処分を対象に補助されるもので、これについて災害時の利用は困難と考えています。  これらにより、今回の処分は県単独費で実施したところです。  それで、最初にお尋ねのあった農林海岸や一般海岸については、農政水産部や市町で適切に対応されていると考えています。  分別等についてですが、県では、例えば処分先は、民間処分場やクリーンセンターなどへ持ち込んで適正に処理しているところで、分別については、今回の場合はやりにくかったのではないかと認識しています。 斉藤委員  今回、国土交通省や環境省の予算が使えず、県の単独で行わなくてはいけなかったということですが、その処理費はどれぐらいかかったのですか。また、処分していない残りがあるようですが、今後どのように処理を行おうとしているのかについてお伺いします。 片山理事  まず、残っている分については、港湾区域で230立方メートル、海岸保全区域で70立方メートルの合計300立方メートルを今後、処理するということです。これは、今乾燥させて減量しており、民間の処分場に持っていくことになると思います。  総費用については、承知していませんので、状況について後日お知らせしたいと思います。 斉藤委員  香川県はもらわなくていいものをもらって処理費が要るということです。災害時には、国土交通省や環境省へ要望をしていくということは重要であり、今後は、土木部だけでなく県全体として取り組んでいく必要があると思いますので、ぜひお願いします。そして、台風が接近したときにも、県外や県内の山から流れてくる流木などがあるので、適切に対応していただきたいと思います。  質問を護岸のほうに移したいと思います。  津波・高潮対策については、県もこれまで取り組んでいますが、県が行う建設海岸については、ほぼ整備が終わっていると思います。津波、高潮において高さがどれだけという表示は、全体が終わっています。一部には農林海岸など、農政水産部で補助をもらってやっています。そしてまた、何も手がつかないのが個人所有の海岸で、これが県内に数十キロメートルもあると聞いていますが、これについてどのように認識しているのかお伺いします。 杉峯港湾課長  県では、平成16年度の高潮被害を受け、平成17年度に「津波・高潮対策整備推進アクションプログラム」を策定し、全体計画延長約140キロメートルを整備することとしています。このうち、平成26年度までの10年間をI期区間として、県が管理する海岸堤防及び河川堤防の延長約49キロメートルについて高潮対策を実施したところです。このほか、高潮対策が急がれる民有護岸約2キロメートルについても、民有護岸の管理者の協力をいただきながら、高潮対策の整備を完了しているところです。  また、平成27年度からは、「香川県地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づき、南海トラフを震源とする地震や、それにより発生する津波への対策を、おおむね30年かけて県内約190キロメートルの海岸堤防等の補強を行っているところです。このうち、県が管理する海岸堤防及び河川堤防の延長は約134キロメートルです。  「香川県地震・津波対策海岸堤防等整備計画」では、特に優先度の高い箇所を、I期計画のうち平成27年度から平成31年度までの5年間で、県管理海岸堤防約15キロメートル、県管理河川堤防約15キロメートルの合計約30キロメートルを整備することとしています。しかし、その整備には多大な費用を要すため、県の財政状況が厳しい中、国による交付金の活用や工法等の検討を行って、コスト縮減を図りながら、海岸堤防等の整備を行っているところです。  このほか、民有護岸については、県管理港湾区域内の高松港ほか6港に52施設、延長約14キロメートルです。このうち、背後地への影響が大きいと考えられる民有護岸については、対策が必要と考えていますが、海岸法では、海岸管理者に民有護岸の保全や維持管理を行う義務が課されていません。しかしながら、民有護岸における地震・津波対策についても、県民の生命と財産を守るための重要な施設であることから、今後、市町とも協議しながら、民有護岸の管理者に強く要請して、粘り強く働きかけていきたいと考えています。 斉藤委員  私は海辺に住んでいるのでよく思うのですが、県が整備しているところは、もう地震・津波・高潮対策ができていますが、何も言われない民有護岸は従来のままです。海岸寺においても、JRが開通して百二、三年になりますが、建設当時から全然整備ができていないところが昨年の台風で被害を受けて、ことしから整備に入っています。津波や高潮が来たときに、県が整備しているところから入ってこなくても、整備ができてないところから海水が入ってくるので、全体を整備することによって県民の生命・財産が守られるということになります。  そうなると、補助をすることについて議論になりますが、それは個人の財産であれば、個人でやってもらわなくてはいけないというのが、個人の住宅の地震対策でした。代表質問や一般質問において、「他県で補助制度を整備したので、本県も補助金をつけたらどうか。」という質問に対して、「個人の財産だからそれはできない。」というのが知事の最初の答弁でした。しかし、何年かすると、「他県の状況を見ると補助金をつけているから、本県も補助をする。」ということで、家全体の耐震をしたときにお金が出るようになりましたが、全体をやると金額が高いため、シェルター化も取り入れているわけです。  このように、民間でやっている整備について、徐々に補助金や交付金を入れるようになってきているわけですが、この民有護岸への対応について、土木部はどのように考えているのかお伺いします。 杉峯港湾課長  民有護岸について、海岸法では、海岸管理者に民有護岸の保全や維持管理を行う義務が課されていないことから、対策を直接行うことは難しいと考えています。ただし、例えば、その施設の背後地へ非常に大きな影響がある場合、つまり背後に官地がたまたまあったというところについては、民有護岸を対策するのではなく、背後の官地部分でその対策をするということで、全体として早期に整備が進むように努力していきたいと考えています。 斉藤委員  これについて例を出すと、多度津の海岸寺海水浴場は全部海岸寺の護岸です。あの広いところを整備するにはお金がかかります。また、背後地にはJRの海岸寺駅や民家があるので、県や市町が対策を打っています。今回、南海トラフ地震の発生確率が70%から80%に引き上げられる中、地震が起きても香川県に津波が来るのはある程度時間の余裕があるので逃げればいいということですが、民間と一緒になって整備できるところは、県財政が厳しい中ですが、今後、考えていかなければいけない課題だと思うので、お願いしてこの質問は終わります。  そして、3点目は、今回工事請負契約の締結として議案が出ている多度津トンネルについてです。この質問については6月定例会で、4月に入札の発注をされていたことについて内容を聞き、平成32年度までに701メートル、幅11.55メートルで、ナトム工法でできるということでした。また、今回のこの工事はトンネルを掘るだけで、歩道の整備や電気設備の工事が残り、順調に予算がつけば平成33年度末には完成するということでした。これを早く開通することにより、次は五色台トンネルが待っているわけであり、一刻も早い多度津トンネルの完成が望まれるわけです。  これは総合評価方式の一般競争入札で、24億円という金額からいえばWTO案件だと聞いています。この入札において、どのぐらいの業者が入札して、今回のこの入札金額の位置づけや、入札の状況について教えてください。この金額自体が適切なのかについては、議案として出てきており、確認が必要だと思いますのでお伺いします。 葛西土木部長  県が発注する予定価格22億9000万円以上の建設工事は、WTO、つまり世界貿易機関の政府調達に関する協定の対象となり、一般競争入札の参加者の資格につき事業所の所在地要件を適用できないことなどが地方自治法に基づく政令で定められており、多度津トンネルはWTO案件でした。  このWTO案件については、ことし4月6日に施工体制確認型総合評価方式による一般競争入札として入札公告を行い、6月7日から11日までの入札期間に合計10社の特定建設工事共同企業体、いわゆるJVから応札がありました。この10社のうち1社については、他機関において発注した工事の入札の妨害があったということで、6月14日に公正取引委員会から排除措置命令を受けたため、香川県建設工事指名停止等措置要領に基づき、7月4日に指名停止を行ったことから、結局9社について評価等を行ったところです。  この9社の応札価格については同程度の価格であったので、価格は適切であると考えています。また、選定にあたり、価格だけの競争ではなく、総合評価で評価し、7月13日に香川県総合評価委員会において、評価結果の審査を受けて、適切であるとの意見をいただいたことから、今回評価が一番高かった、佐藤・枝園特定建設工事共同企業体と工事請負契約を締結すべく、今回提案しているところです。 斉藤委員  これについては、9社来て入札金額がほとんど変わらなかったということで、最適な業者がそこではないかと思いますので、一日でも早い完成や、次の工事へ向けて進めるように頑張っていただきたいと思います。 高田委員  私からは2点お聞きします。  1点目は橋梁の老朽化対策についてです。  私はこの質問を5年前に行いました。当時の答弁は、今後、10年間で250橋の修繕をするということでした。平成25年度までに100橋を終了し、平成26年度に22橋の修繕に着手するという内容でしたが、あれから5年たち、新しい橋梁長寿命化修繕計画もできましたが、現時点の状況や、今後の予定について教えてください。  当時は、毎年約4億円の予算で、同じペースであればどの程度進捗するのかと聞き、「橋梁というのは、鉄とコンクリートの構造物で、耐用年数のイメージは六、七十年、どんなにもっても100年ぐらいですが、長寿命化対策をすることによって30年寿命が延びるということだと思う。管理しているのが1,500橋あり、それを30年延ばすとしたら、30年で割ると、毎年50カ所修繕しなければ最終的にはこのイタチごっこに負けてしまうのではないか、どんどん目標が逃げていくのではないか、だから毎年4億円の予算で行っていたのでは追いつかないのではないか。」と言いました。  このことに対する疑問がいまだに解けていないので、どのように考えればいいのか、教えてください。 葛西土木部長  県では、従来の対症療法的な事後保全から、事故の未然防止等、施設の延命化を図る予防保全型に転換することで、橋梁の寿命を100年以上に長寿命化し、ライフサイクルコストの縮減を目指しているところです。  また、平成26年の道路法改正に伴い、平成26年度から5年に1回の頻度で近接目視点検を実施し、劣化状況を把握することになりました。それまでは、遠望目視でしたが、近くで見て点検するということが5年に1回義務づけされ、昨年度までに、ようやく県が管理する1,476橋のうちの1,467橋で点検を終え、今年度中に残る9橋の点検を終える予定というところまで来ています。  遠望目視から近接目視に変わり、そこでまた、長寿命化計画の見直しの点検をすることとしています。現在、近接目視の結果は4区分に分類されており、一番悪い、緊急に措置を講ずべき判定区分IVの橋は、ありませんでした。次の段階の、早期に措置を講ずべき判定区分IIIの橋は182橋ありました。長期的な修繕コスト低減の観点からの措置を講ずることが望ましい判定区分IIの橋は、826橋で約56パーセントありました。  県では、平成28年度までの点検結果をもとに策定した長寿命化計画に基づき、判定区分IIIに当たるものについて優先的に措置していくということを基本として、その中のどちらかというと重要な橋梁から補修工事に着手し、平成29年度は国道193号の落合新橋など38橋で工事を行うとともに、今年度は新たに17橋に着手し、昨年度から継続している工事を含め、44橋において修繕工事を実施することとしています。  近接目視点検を開始してからほぼ1巡目が終わるので、最初の橋梁に戻ってきており、判定区分IIIで、傷んでおり、かつ重要なところから着工しています。工期が長くなっていく可能性があるので完了橋梁数は少ないのですが、四十数橋は今現在も工事中です。  補修工事の完了に時間を要していますが、引き続き長寿命化計画ということで、トータルコストの平準化や削減などの観点から補修を行っていきたいと考えています。 高田委員  前回も今の感じに近い答弁で、1,500を30で割るという計算が間違っているのかという錯覚に陥ります。  4つの区分に分けて、健全度が悪くなってきたものを優先するということですが、最新の橋梁長寿命化修繕計画において、「現在、建設後50年経過した老朽化橋梁は560橋で39パーセントを占めている。20年後には1,155橋で約81パーセントになる。」と記載されています。  そうすると、私の1,500を30で割るという考えは正解ではないかと思います。今までの「対症療法型」から「予防保全型」への転換で寿命を100年以上に延ばすということですが、この表を見ると、60年たち劣化したのでかけかえるのではなく、例えば40年目で修繕をして、70年目で次の修繕を行い、100年はもたせるということが載っています。それであれば、毎年50橋でそれを行っていかなければ1,500の修繕が完了しないと思います。そうすると100年、200年もつ橋がなくては計算が成り立たず、先送りになっていくだけではないかと思います。この1,500橋が老朽化していくのであれば、今着手している49橋に加え、平成30年に30橋、平成31年に17橋、平成32年に19橋着手することは、毎年50橋直さなくてはいけないという私の計算に全く届いていかないと思いますが、どのようにお考えですか。 葛西土木部長  委員御指摘の1,500橋を30年で割って50橋ということについては、30年間に1,500橋を全てやるとすれば50橋ということになりますが、橋の年数、経過年数、歴年数がそれぞれ違い、100年以上もたそうという修繕を考えていきますので、必ずしも30年で割るのではなくて、もう少しスパンが長いとか、もしくはそのスパンを短くして橋梁数を多くするなど、適切な修繕、予防保全をしていけば長引いていくのではないかと考えています。 高田委員  前回もそんな話だったと思います。先ほどの健全度の区分とは別に、重要度で分けられた管理区分というものがあります。これもIからIVまであり、おそらく重要度で分けているのだと思います。重要度が高いから順に修繕しますが、重要度が高かろうが低かろうが、全ての橋は毎年老朽化していきます。「優先度の低い橋梁は、修繕のおくれによる劣化を許容し、最悪、かけかえも考慮する」と記載されていますが、この次のページを見ると、きっちりと長寿命化をするほうがコストは安くなると書いています。つまり、耐用年数が来てかけかえるよりも、少しずつ修繕したほうが長期的に考えると安いので、予防保全型でいくという基本的な考え方を書きながら、最悪の場合、修繕のおくれによるかけかえも考慮すると答弁するのはいかがなものかと思います。それは重要度の低い橋の話だと思いますが、重要度が低かろうが高かろうが、LCC、つまりライフサイクルコストの考え方は同じだと思います。そういう意味では、このような修繕のおくれによるかけかえも考慮するというのがあるから毎年20橋で済むのかと思います。今のところはまだ50年経っていないのかもしれませんが、経年劣化はあるのだから、30年寿命を延ばすのであれば、1,500を30で割るという計算になるのは一番単純で当たり前だと思います。  そういう意味では、重要度の低いものはかけかえるという判断なのでしょうか。また、管理区分IVは7橋と記載されていますが、この管理区分の数字的な分け方について、管理区分Iの「高度予防維持管理対応」が何橋、管理区分IIの「予防維持管理対応」が何橋、「事後維持管理対応」が何橋あるのかについて教えてください。 生田道路課長  「橋梁長寿命化修繕計画」の策定においては、まず橋梁ごとに、点検結果をもとに、ライフサイクルコストが最も安価となる最適な修繕時期や工法を設定し、次に計画全対象橋梁の1,476橋についてライフサイクルコストを合計し、計画コストを算定するものです。  次に、その算定された計画コストに対して、予算の上限等を考慮し、実現可能な計画となるよう、対策の優先順位等を勘案します。優先順位というのは、例えば交通量や橋長、そして鉄道の上などの交差物件などを考慮して予算の平準化を行い、長寿命化を策定しているものです。  まずは優先度の高いものからで、橋長が短いものについては、修繕時期をずらして平準化を図るということで、かけかえということではありません。そういった修繕時期の変更などにより長寿命化計画を策定しているところです。当然、その分後送りになるため、それに応じた修繕方法やコストの算定ということになると思います。  また、「橋梁長寿命化修繕計画」については、毎年度、近接目視点検を実施し、それに基づいて見直しを行っているところです。管理区分ごとの橋梁数については確認します。 高田委員  まだ納得できません。ライフサイクルコストで最も安価となる時期は、この橋であれば何年後に修繕するという、全ての橋について100年までのLCC間隔というのを出すということであれば、おそらく100年間で2回程度修繕しなくてはいけないと出ると思います。例えば、100年間全然修繕しなくていい橋がなければ、年間20橋という計算にはならないと思います。本当は50橋修繕しなくてはいけないけれど、予算の関係で20橋しかできないのならば、おかしいです。50橋修繕したほうがトータルでお金が安くなるということであり、そこはもっと予算当局に言わないといけません。優先度が低いからといって後回しにしたら、それは劣化し、余計お金がかかるようになると思います。  予算については、毎年約6億円で平準化すればいいということを表に書いていますが、この6億円というのは予算で決まっているのか、あるいはLCCを全て計算して平準化したら6億円になったのか、どちらでしょうか。 生田道路課長  「橋梁長寿命化修繕計画」に記載している予算平準化後のグラフについては、あくまでイメージということです。 高田委員  イメージですか。 生田道路課長  はい。「橋梁長寿命化修繕計画」自体が6億円ということではありません。当然、計画自体は、今近接目視がちょうど一巡したので、どちらかといえば前倒しで、前のほうが多目に予算が必要な状況の計画になっています。 高田委員  1,500のうち毎年20しかしないことにより、一気に老朽化しそうで怖いと思います。そういう意味では納得ができません。健全度が低いからやるということですが、どの橋もあと10年すると健全度が低くなるという想像もつくはずです。今幾ら予算がついてやっているのか知りませんが、少ないのではないですか。毎年4億円ということですが、これからはどんな予算になるのでしょうか。 生田道路課長  橋梁修繕の予算について、大体4億円から6億円の間で推移しているところで、一部耐震化が残っているところや、トンネル修繕などが必要になったところもあり、若干の費用の前後はありますが、できるだけ適切に点検や修繕・補修を行い、県民の安全安心に努めてまいりたいと考えています。 高田委員  4億円から6億円という額は恐らく、必要性ということも含めて予算的な縛りの中で決まったと思います。現時点から100年までLCCが最も安価になる最適な修繕時期を橋ごとに一つ一つしっかり調べ、現実にかかる金額を積算して、イメージ図ではなく、本当のグラフにしてほしいと思います。そうなれば、多分もっと必要だということがわかってくるのではないかと思うので、きっちり積み上げてつくっていただくことをお願いします。  次に、汚水処理人口の普及率向上についてお伺いします。  香川県の普及率は全国43位であり、非常に低いです。きのうの環境森林部からは、「下水道や集落排水等の集合処理の普及率が汚水処理人口普及率を全国と比べて低位にしている原因である。」との答弁がありました。「第四次全県域生活排水処理構想」では、これを平成32年度に80パーセント、37年度に85パーセントまで、毎年1ポイントずつ普及率を上げていくという計画になっている中、下水道の普及率が伸びない原因や、普及率向上対策についてお伺いします。 葛西土木部長  香川県は、県土の特徴として、県土全体が田園都市的な特性を有しており、例えば可住地面積比率は53.6パーセントと高く、気候も温暖であり、県土全体で居住に適した場所が豊富にあります。下水道整備は下水終末処理場をつくり、そこから家屋まで管渠を整備していく「集合処理」であるため、あちこちに家屋があると、整備の費用等もかかり、なかなか進まないということも原因の一つだと思います。一方、下水道に着手するのが県下で一番早かった高松市においては昭和7年度に事業着手していますが、大都会ではその前からしています。県下の他市町においては、昭和40年代の着手で、なかなか下水道整備が進まない状況が続いてきていたということも普及率が伸びていない原因の一つであると考えています。  普及率を向上させるためには、市町村が行っている公共下水道の整備促進が重要であり、県では、平成4年度に市町が行う下水道整備に対する県費の補助を開始して以来、現在も「公共下水道普及促進事業」ということで、国庫補助事業に当たらないような市町の単独汚水管渠工事に対して、県費助成を行っているところです。今後も、下水道の普及率向上を目的として、市町への支援を継続してまいりたいと考えています。
    高田委員  香川県の事情として、そういうことがあるのかもしれませんが、富山県は96.6パーセントです。一番大きな原因は、自治体の取り組み姿勢だと思います。本気で取り組んだかどうかが数値に出ていると思っています。そういう意味では、これから本気になっていただける東かがわ市や三木町などにおいて、公共下水の整備をどんどん進めていくことが、重要だと思っています。  各市町で下水道の計画を書いていますが、現実の進捗が遅いため、計画の中で下水道の区域に入っていたとしても下水道の整備が進まないため、そこに家を建てても、合併処理浄化槽を設置するしかないという状況です。そうなると、後から下水道が来ても、既に合併浄化槽を設置しているという無駄な状況になると思います。  下水道の整備を促進していかなくてはいけませんが、既に合併処理浄化槽の設置されている地区に今から下水道をつなぐというのはかなり難しい状況になっています。そういう意味では、全体計画の見直しが必要になると思いますが、どのような考えかお尋ねします。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、人口減少等の社会情勢の変化を踏まえ、生活排水の処理について、下水道のように集合処理で行う区域と、合併処理浄化槽のように単独処理で行う区域との見きわめを適切に行い、柔軟に区域の見直しを行うことが重要であると考えています。  このような中、平成28年3月に「第四次全県域生活排水処理構想」を策定して、集合処理である下水道と合併浄化槽の区域の見直しや、農業集落排水を下水道に統合するなど、所管を超えた施設の統廃合の検討も行ったところです。現在、県や市町において、この「第四次全県域生活排水処理構想」に基づき、人口減少を踏まえた下水道の全体計画区域の縮小や汚水処理施設の統廃合の具体化に向けた作業を行っているところです。  県としては、事業主体である市町が下水道の全体計画区域縮小の方針決定を行った場合には、速やかに関連する上位計画との整合を確認し、事業計画の変更等について柔軟に対応してまいりたいと考えています。 高田委員  平成37年度までの市町別汚水処理人口の普及率の予想を見ると、ほとんどとまっています。平成25年度から、汚水処理人口普及率や下水道の普及率が伸びていません。坂出市や観音寺市、東かがわ市などはふえると見込んでおり、三木町は積極的に行って、最終的には83パーセントまで普及率を上げる計画となっていますが、全体から見ればもうほとんどとまっていると感じます。  7年後の平成37年度もこの状況が続くのであれば、計画の縮小が必要になると思います。一体いつまで下水道の整備をやり続けるのでしょうか。維持管理はしなくてはいけませんが、整備を継続する状況かということを見きわめなくてはいけないと思いますが、どのようにお考えですか。 小西下水道課長  下水道の整備については、平成26年に国から、今後10年程度を目途に概成を目指すという通知が出ており、この間で概成をしていくというのが今の計画のもとになっているところです。 高田委員  ことしからの10年ですか。 小西下水道課長  通知が出ているのが平成26年1月で、このときに今後、10年程度という指標で通知が出ているということです。 高田委員  そうであれば、今の汚水処理の計画が平成37年度に向けてであるので、そのときにできていないのであれば、そこまでということだと判断します。既にできているにもかかわらず接続をしていないところで接続していただくことで普及率を上げるという方策も必要だと思いますが、お年寄りの世帯でお金をかけて配管するのも大変です。その辺りの市町の対策について、どのようなことを聞いていますか。 葛西土木部長  下水道の接続率は、下水道を利用できる区域の人口のうち実際に下水道へ接続している人口の割合を示すもので、下水道事業を経営する上では非常に重要な指標となっています。香川県における接続率は平成28年度末で90パーセントとなっており、全国平均の94.4パーセントより低いものの、順位は27位で中位となっています。  接続率の向上は、流入量や使用料収入の増加に直結するため、市町の下水道経営の健全化や、県が管理する流域下水道の効率的な活用にもつながるものであり、非常に重要なことだと考えています。県では接続率向上への取り組みとして、公共下水道を管理する市町において、まず下水道への接続やくみ取り便所の水洗化に係る費用に助成や融資を行っているところです。また、接続・水洗化を促進している市町があります。  また、県としても、重要なことですので、平成20年度より接続率の低い市町を対象に、県と市町の職員が一緒に個別の家庭等を訪問する「市町接続率向上支援事業」を実施しており、接続への協力要請や接続しない理由の把握を行っているところです。接続しない理由として、下水につなぐための宅内の工事などで高額な工事費が必要となることや、高齢であるなどの理由があり、なかなか進まないのですが、重要なことであるので、市町とともに粘り強くやっていきたいと考えています。 高田委員  県の職員も一緒になって行っているということは初めて聞きました。高齢者であることや、高額な負担であることで難しいですが、頑張りを期待したいと思います。  また、きのう聞いた中でわからなかったことを教えてください。流域下水における残渣の行方について、循環型社会に向けて、どのようになっているのか教えてください。 葛西土木部長  下水処理場で発生した下水汚泥、いわゆる残渣について、現在、県には流域下水道の処理場が2カ所あり、そこで発生した下水汚泥は全てセメントの原料としています。 高田委員  わかりました。特に困難な下水道の接続について、これからも県職員が、市町と一緒になって頑張ってほしいとお願いして終わります。 五所野尾委員  2点質問します。  まず、7月の西日本豪雨についてです。  11府県で大雨特別警報が発令され、記録的な豪雨となりました。西日本中心に広範囲に甚大な被害が発生したわけです。現在のところ、220人を超える方が亡くなり、今なお行方不明の方もいるということで、平成では最悪の豪雨被害になりました。  対岸の岡山県倉敷市の真備町においては、小田川の決壊によって町の面積の4分の1が水没するという大水害になり、県全体ではいまだに400名超の人が避難所生活を送っているということも伝わっています。そのほか、広島県や愛媛県でも被害があり、天皇皇后両陛下もお見舞いに出かけられるという大災害になりました。  愛媛県では、南予地方で甚大な被害があり、肱川の決壊・氾濫がありました。このときのダムの放水の問題が尾を引いており、国土交通省四国地方整備局がこのダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場を設け、住民への説明や意見聴取などを行っていると聞いています。  午前中に、本県の被害状況等の話がありましたが、こうした全国や他県の事例を十分検証していただき、今後の本県の防災・減災対策に生かしていただくよう、まず要望して質問に入りたいと思います。  7月豪雨において、まんのう町岸上の岸ノ上橋下流では、金倉川左岸の堤防が100メートルにわたって侵食され、テレビでも報道されました。侵食はあったものの、背後の家屋までは至らず、被害がそこでとめられたということで胸をなでおろしたところですが、この箇所の被災当時の応急復旧対応の状況についてお聞きします。 新宅土木部次長  7月の豪雨では、まんのう町内の祓川橋で累計366ミリの雨量を観測しました。この長時間にわたる降雨により、金倉川の琴平町内、ことでん琴平駅より約250メートル下流の高藪橋水位観測所で、氾濫注意水位となる140センチメートルを31センチメートル超える171センチメートルに達するなど、急激に河川の水位が上昇し、7月7日午前1時30分ごろ、県道丸亀三好線の神野橋の約450メートル上流、左岸側の約100メートルの区間で堤防が侵食されました。  この被災を受けた堤防の背後地には家屋が8軒あり、そのまま侵食が進んだ場合、被害が拡大するおそれがあるということから、中讃土木事務所では速やかに大型土のうの手配を開始して、7月7日午後1時ごろから現場での応急復旧工事に着手しました。  被災現場は重機の進入路が狭く、上流側のみからの施工となったことや、大型土のうの保管ヤードが狭いなどの現場の制約もありましたが、夜間作業も行い、7月8日午後10時30分ごろには、今回被災した際の水位までの仮復旧を行いました。その後、築堤盛り土や堤防の表面を保護するブルーシートを設置するなど、次期出水に備えた対策を行い、7月18日には応急復旧工事を完了したところです。  また、県では、被災後の台風接近等に備え、水位周知河川に指定されている金倉川については、関係する市町への避難準備・高齢者等避難開始や避難勧告の発令の目安となっている設定水位を引き下げ、警戒レベルを現行の水準から1段階引き上げて運用し、避難警戒体制の強化をしており、現場の維持管理等を含めて、住民が安心して暮らせる環境を維持すべく進めたいと考えています。 五所野尾委員  御苦労いただいたおかげで大事に至らずに済んだということです。被災当時は、応急復旧に当たって、現場で県や町の職員、建設業者など、たくさんの人に御苦労いただきました。その点についても感謝を申し上げたいと思います。  全国各地で豪雨が頻発する状況が続いており、できるだけ早い復旧が望まれるわけですが、先日また、災害査定を受けたと聞いており、今後の復旧事業の見通しについてお聞きしたいと思います。 新宅土木部次長  金倉川の被災箇所を含め、今月10日から14日にかけて、河川や道路等の公共土木施設災害復旧事業に関する国の査定を受け、当該箇所においては、応急復旧工事に要した費用も含め、申請どおりの採択を受けることができました。  今回の被災箇所は、一定の流下能力を確保できていましたが、ブロック積み上部の土が出ている部分まで水位が上がり、その部分が削れたということで、再度、災害防止の観点からも、その水位までのコンクリートブロック張りによって復旧したいと考えています。  今後、速やかに工事発注の手続を行い、被災箇所の一日でも早い復旧に全力で取り組み、近隣住民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいりたいと思います。 五所野尾委員  災害復旧工事を着実に進めていくことは大事なことですが、それとともに、金倉川水系の計画的な整備も推進することを土木部としても取り組んでいただき、県民の安全・安心につなげるようにお願いして次の質問に入ります。  2番目の質問は、ICTを活用した工事についてです。  建設事業者の被災現場での働きは印象的で、「地域の守り手」として住民の安心・安全に大きな役割を果たしていることを実感したところです。  しかしながら、全国的にも建設工事従事者というのは減少しており、高齢化も進んでいます。本県でも、建設業の担い手の確保や育成について、いろいろな問題でなかなか進みにくい状況にあり、大きな問題となっています。特に若い人の人材育成は大変なようです。建設業を魅力ある職場にすることは重要であり、また、働き方改革や生産性の向上などに取り組み、働きやすくていい職場になるようにしないと、人材不足はこれからも解決しないのではないかと思います。  そのような中、国においては、生産性の向上を図るということで、ICT技術を活用したICT施工を進めていると聞いています。内容は、ドローン等によって3次元測量をすることや、3次元データをもとに施工・管理・検査を受けるなど、省力化にもつながるようです。業者側からすると、これは関連機器の導入や技術者の確保など、さまざまな面で大変な話だと聞いていますが、このICT技術を活用したICT施工について、本県ではどういうふうになったのか、まずその状況からお聞きします。 葛西土木部長  ICTを活用した工事、いわゆるICT施工は、ドローンで3次元測量を行い、設計や施工計画、施工、検査まで同じ3次元データを用いて、建設機械の自動制御などにより生産性の向上を図るもので、国土交通省を中心に普及が進められているところです。  ICT施工には、ICT建設機械を用いて土砂の掘削や盛り土を行うICT土工や、道路の路盤を施工するICT舗装などがありますが、本県では昨年度、全国的に復旧が進んでいるICT土工について、関係団体から建設機械の普及状況や、工事施工上の課題等の聞き取り調査を行うとともに、国土交通省が開催する技術講習会に職員を参加させ、発注者として必要なノウハウを習得させるなどの取り組みを行ってきたところです。  関係団体からの聞き取り調査では、小規模な工事では採算性が悪いことや、ICT対応の小型の建設機械が普及していないことなどの課題が上げられましたが、ことしの2月には、国土交通省において小規模土工に対応可能な技術基準や積算基準の改定が進められ、本県がICT土工を施工する上での課題が一定程度解決されたことから、今年度から土木部では、おおむね1,000立方メートル以上の土工工事を対象として、受注者が希望すればICT土工の施工が可能となる施工者希望型での試行を行っているところです。  現在、測量から検査までの一連の工程でICT技術を活用する工事として、県発注工事で第1号となる道路工事を試行しているところで、この工事では今月ドローンを使用した3次元測量を終え、来月からはICT建設機械を使用した現場掘削工事に着手することとなっています。  今後とも、ICT施工等による生産性の向上を通じて、労働環境の改善を進め、建設現場を魅力ある職場にすることによって、建設業の担い手の確保・育成に努めたいと考えています。 五所野尾委員  県もこのICTを土工で試行しているということで、そのような新しい取り組みはいいことだと思っています。  しかしながら、普及に向けてはさまざまな課題もあるので、そういった点も十分配慮しながら、このICT工事を進めていただきたいと思います。  特に、これにより期待される働き方改革や生産性の向上という点は非常に大きな役割を果たすので、十分に育ててほしいと思います。  今後、そういった点に取り組むことについて、部長から答弁ください。 葛西土木部長  さまざまな課題の中で一番の大きなところは、経費であると思います。香川県でも、ICT活用工事では、3次元データ化などの新たな作業があり、そのような経費の負担について、一定程度計上しているところです。  また、ICT土工の普及に当たり、実際にどういうところがよくなっているかなどを皆に理解してほしいと思います。ICT土工によると、それほど熟練者でなくても一定のことはできるということから進めなければいけないので、現場工事などでの見学会なども開催し、受注者や発注者にICT施工の具体的な施工管理の方法や手続等について、実際に目で見るということが重要ではないかと思います。  また、受注者においても、これをやることによってさまざまな課題や経費などが出てくると思います。そういうところについても、関係団体等との意見交換会の場を通じ、制度の周知や課題等を聞きながら進めていきたいと考えています。  また、委員御指摘のように、ICT施工は、生産性の向上、ひいては働き方改革などにも通じるところがあり、国や地方公共団体、建設関係協会、コンサルタント関係協会などで構成する四国ICT施工活用促進部会を活用して、幅広く情報収集・交換を行いながら、より一層の普及拡大に努めたいと考えています。 辻村委員  7月豪雨で近県の水害を目の当たりにして、水害に対する危機意識が高まっています。また、交通死亡事故も相変わらずワースト上位であり、県民の安全・安心に対する思いは強いものがあります。6月定例会は木で鼻をくくったような答弁が多かったので寂しかったのですが、河川砂防整備や道路工事などに対する、県民に寄り添った愛のある答弁を期待しています。  1点目は河川砂防整備のうち、西日本豪雨災害で土石流が発生した岩崎川についてです。  7月豪雨のときに、善通寺市内を流れる岩崎川では、大規模な土石流が発生し、民家の手前まで押し寄せました。また、土砂崩れも発生し、お年寄りが母屋に避難したため、奇跡的に人的被害はなかったものの、離れが潰れたという被害がありました。それ以降、台風により3回ほど大雨警報が出ました。そのたびに、この避難指示が一番に全国放送で出ていました。この場所は、既に砂防工事を発注済みですが、完成までに3年以上かかると聞いています。避難指示が出る60軒の住民のうち、上のほうには寝たきりの方もおり、説明会のときには、奥さんが泣きながら、「私はこの人を連れて避難できない。」という訴えをしていました。  たびたび避難するのは負担が大きく、可能であれば前倒ししてでも早期の完成を目指していただきたいと思います。避難指示が出ない程度の応急対応に仮設でも取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 葛西土木部長  平成30年7月豪雨の影響で、善通寺市の大麻町で山腹が崩壊し、その一部の土砂が下流に流れ出ました。県で現地確認を行ったところ、今回の土砂災害が、国の交付金により砂防ダム建設工事を発注していたところであり、直ちにその工事の受注者に対して、土砂や雨水が住宅へ流入しないよう、大型土のうによる土どめや、排水工などの応急対策の実施を指示したところです。  県と善通寺市では、7月14日と16日の2回、地元説明会を開催し、県からは、土砂災害の状況や当面の応急対策工事とこれから施工しようとしている砂防ダムの工事概要を説明し、市からは、今後の警戒避難体制、避難指示などに関して説明を行ったところです。  善通寺市では、県の応急対策工事が完了し、一定の安全が確認できるまでの間、避難情報の発令基準を2段階引き上げ、従前は気象台が大雨警報を発表したときに「避難準備・高齢者等避難開始」を発令していたものを、大雨警報が発表された時点で、「避難勧告」を飛ばして「避難指示」を発令することとしたため、その後の台風の襲来や秋雨前線のときには、いきなり「避難指示」が出ていたという状況です。  その後、県の応急対策工事が8月中旬におおむね完了したことを受けて、善通寺市では8月29日に警戒避難体制を1段階引き下げ、大雨警報発表で「避難指示」ではなく「避難勧告」ということになっています。もう1段階の引き下げについては、現在行っている砂防ダムの工事の進捗に合わせ、今後、安全対策をさらに実施し、市と警戒避難体制の見直しを協議する予定です。  県としては、住民が安心して生活できる環境の整備に向けて、一刻も早い砂防ダムの整備を進めてまいりたいと考えています。 辻村委員  完成までに3年と予想される工事期間をできるだけ早く前倒ししてほしいという質問でした。少しすれ違いましたが、その辺に取り組む意欲について再度お伺いします。  2点目は弘田川についてです。わかりにくくてはいけないので、図面を用意しました。  7月豪雨では余り被害はなかったのですが、平成16年に大きな浸水被害が発生しました。現在は多度津町のJR予讃線付近を、下流から順次改修しています。今のペースで、いつごろ善通寺市内に工事が入るのかと聞くと、中讃土木事務所の職員に100年ぐらい先ではないかと言われました。図面の赤い部分は、約20年前に工事された箇所で、あとは青い部分を整備すれば、上流の善通寺から下流の弘田川が広がっているところまでつながることになります。県道善通寺詫間線からこどもとおとなの医療センターの裏の市道までの間において、急な増水時には、図面の青い箇所の現河川から緊急避難的に水をため込んで大きな被害を防いでくれるという効果もありますが、ふだんはボウフラと害虫が湧いており、近所の住民から、早くつないでほしいと言われています。工事を行うと、これ以外にも狭隘部分で被害が出る可能性がありますが、善通寺市内の弘田川では二、三年前に拡幅工事をしていただき、あと何カ所か部分的に拡幅すればこの工事も可能ではないかと思います。実際に、善通寺でも、床下・床上浸水の起こった箇所を、この部分を改修することによって防げるわけですが、その場所について、どこを改修すればよいか十分調査してこの工事を進めていただきたいと思いますが、このことについて部長の御所見をお伺いします。 葛西土木部長  委員御指摘のとおり、弘田川については、上流側と下流側あわせて400メートルの区間を、平成6年度から平成7年度と平成12年度に工事の掘削をして、河川の水のたまり場になっています。また、平成12年度には、下流側の200メートル区間に遊歩道と低水路を設置し、平常時は周辺住民の憩いの場となるような現在の形状となりました。  整備後から現在までの間において、台風などの出水時には一時貯留を行い、一定の治水効果は発現していると考えています。  また、善通寺市内の残りの部分の整備については、現在、多度津町内で行っている弘田川の改修により、どのくらいの水量が上から流れるか調査を行い、下がもたないような量が上から来ると大変なことになるので、工夫したいと考えています。  ただ、ボウフラなどの対策については、県としては現在、年1回草刈りを行うほか、何回か維持管理をしているので、御理解いただくようお願いします。 辻村委員  岩崎川の砂防ダム建設工事の前倒しの話と弘田川の調査並びに整備の関係は11月定例会で再度お伺いしたいと思います。  続いて、中谷川についてです。  たびたび氾濫するどぶのような河川ですが、善通寺市の中心市街地を横切っている二級河川です。平成16年の大氾濫以外にも頻繁にあふれています。一体、平成になってから何回ぐらい氾濫したのかお伺いします。また、現在、善通寺市と対策を協議しているようですが、その進捗状況について部長の御所見をお伺いします。 葛西土木部長  中谷川については、私から改修についての答弁をし、洪水の氾濫の回数については河川砂防課長から答弁させていただきたいと考えています。  まず、河川の改修について、現在、中谷川の浸水対策の状況は、平成5年度から弘田川との合流点から上流に向けて、下流の流下能力を考慮した整備に着手し、これまでに合流点から約300メートルの区間の整備が完了し、中心市街地のところまで残り700メートルとなっています。今年度は河道拡幅に伴う市道善通寺多度津1号線の橋梁かけかえのための調査・設計を行っているところです。 竹内河川砂防課長  手持ち資料でオーバーフローした回数については持ち合わせていませんが、平成元年以降の水害統計で、中谷川の氾濫による浸水被害について、床下浸水と床上浸水で家屋被害が起こった回数は3回です。 辻村委員  3回と言いますが、毎年何回も氾濫するので、皆店舗や家の前に土のうを用意しています。道を川のようにして浸水を防いでいます。川がオーバーフローしても、それは数えていないということになります。しかも、3回というのは通行どめにしたときだけですが、実際にオーバーフローはその何倍もしています。そういう状況で、なかなか対策が講じられていません。さきほど、下流から整備してきたと答弁がありましたが、中谷川はさきほどの弘田川につながっており、中谷川を広くすればするほど弘田川も緊急度が高まるということを頭に入れておいていただきたいと思います。今、善通寺市と協議している、ため池を活用した緊急の出水対策の進捗状況について再度お伺いします。 葛西土木部長  平成22年8月に豪雨で中心市街地が浸水したことを契機に、地元善通寺市と平成22年度から25年度にかけて中心市街地の浸水対策について検討を行い、県や市が一体となって総合的な治水対策を行うこととしています。その後、県では中谷川の改修を進めるとともに、地元善通寺市では平成27年度から貯留ますの設置補助を事業化し、各家庭への貯留ます設置補助を進めているところです。  さらに、現在、善通寺市中心市街地の浸水被害の軽減のため、上流部において雨水等の一時貯留として、一度に流れてこないための調整池について、地元関係者と協議を進めながら、県において現地の測量を行っているところです。  引き続き、善通寺市とも連携を図りながら、中谷川の総合的な治水対策に取り組んでまいりたいと考えています。 辻村委員  これは、下から工事を進めていると言いながら、町中は多分できないであろうと言われており、それを考えると緊急時の処理対応のほうが急ぐわけです。ぜひとも、今後とも善通寺市と協議しながら、そういった緊急の出水対策を積極的に進めていただくことを要望して、この質問を終わります。  2点目は、ダム・ため池放流時の安全対策についてです。先ほど、五所野尾委員の質問にありましたが、愛媛県の野村ダムや京都府の日吉ダム等において、水量が多くなり行った緊急放水により大規模な水害が起き、大きな問題となりました。  我が会派の代表質問では、知事からダムの緊急放流も含めた洪水浸水想定区域図を策定するという答弁をいただきました。  先ほどお伺いした平成16年の弘田川の氾濫は、降った雨の量もさることながら、その上流部分に数珠つなぎのようにあるため池が一斉にユルを抜き、あっという間に水量がふえたという事態が起こりました。ちょうど稲を刈った後のわらによって川が塞がり、被害が大きくなったという経緯があります。そのとき、そのため池の余水吐けを見に行くと、ふだんは10センチメートルか20センチメートルぐらいしか盛り上がってないと思いますが、1メートルぐらい盛り上がっていました。氾濫の地域が拡大した要因の一つがそういうところにありました。平地近くにため池が数珠つなぎになっているところは、善通寺以外にもたくさんあります。また、河川も急勾配の短い河川が多く、県内ではダムだけではなく、大きなため池についても十分シミュレーションして洪水浸水想定区域図を策定すべきと考えますが、御所見をお伺いします。 片山理事  県管理河川では、水位周知河川である、金倉川等12河川において、それぞれの河川の計画規模に応じた浸水想定区域図を既に作成し、県のホームページで公表しているところです。  先日の代表質問で答弁したとおり、現在、12河川について、ダムの緊急放流も含めた、想定される最大規模の降雨に基づく「洪水浸水想定区域図」を作成中であり、想定される最大規模の降水量により、当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を示すものです。ため池からの一斉放流については、考慮せずに作成しているところです。県としては、想定される最大規模の「洪水浸水想定区域図」を作成し、各市町がその情報をハザードマップ等で住民に周知することになります。  また、ため池については、豪雨等により決壊した場合の氾濫解析を行い、8市5町の433カ所において、各市町がハザードマップを作成していると伺っています。  県としては、各市町がこれらの情報を活用し、より的確な避難計画の策定や避難訓練などの実施を支援することにより、県民の水害リスクに対する心構えや知識の醸成を図ってまいりたいと考えています。 辻村委員  極めて縦割りの答弁で残念です。農政水産部がため池が潰れたときのハザードマップをつくっているのに、土木部は、大雨が降ったときにダムの放流を加えるということですが、なぜ一緒にしないのか、私には意味がわかりません。  平成16年災害では、ため池の一斉放流が影響しているわけです。難しい話ですが、水利組合の責任者は、最後の最後までユルは抜きません。もし雨が降らなかったときにその人の責任にされるからです。そういうときにはこうなると示すことを農政水産部と一緒になって取り組むべきと考えますが、そのあたり再度部長の御所見をお伺いします。 片山理事  最大規模の降雨に基づく「洪水浸水想定区域図」については、国土交通省が作成している「洪水浸水想定区域図作成マニュアル」に基づき作成しているところで、現在、ため池からの一斉放流は考慮していませんが、ため池からの放流も含めた「洪水浸水想定区域図」の作成については、今後、国や他県の事例を調査し研究してまいりたいと考えています。 辻村委員  実際、平成16年にその水害が起こっていると言っています。今から調査するのではなく、盛り込んでいただきたいと思います。河川の治水のコントロールは、ため池も含めて土木部がやるという自負を持って取り組んでいただきたいと強く要望したいと思います。  3点目は、6月定例会にもお伺いした直轄国道のバイパス整備についてお伺いします。  6月定例会において質問した以降、鳥坂付近の住民から話を聞くと、特に朝夕の通行量が多い上に車の速度が速く、生活道路と一緒になっているため、「寿命より交通事故で死ぬほうが早いのではないか。」と、悲痛な叫びが聞かれます。「善通寺市中村町の前田病院の前から鳥坂インターチェンジ間のバイパス整備をしないのであれば、何で鳥坂インターチェンジをフルインターチェンジにしてくれないのか。」という声があります。そのことを踏まえ、国にどのように要望して対応を検討していただいたのかお伺いします。  また、土器川付近の渋滞緩和についても、6月定例会で質問したのですが、どのような検討をして国に要望したのかお伺いします。 葛西土木部長  委員から6月定例会の本委員会で御指摘いただいた、国道11号の善通寺市中村町の前田病院前から鳥坂までの4車線化及び土器川付近の渋滞緩和については、前田病院前交差点は事故危険箇所に指定され、また、土器川西側の県道丸亀詫間豊浜線との交差点である西村交差点については主要渋滞箇所に選定されるなど、その整備は重要と考えており、6月定例会の本委員会後に国土交通省香川河川国道事務所に対して、7月の直轄国道事業に関する協議の場で、国道の4車線化や、国道11号の鳥坂峠付近の交通安全対策、土器川周辺の渋滞緩和対策について課題を提起しました。  その際、国道11号や国道319号の4車線化については、国土交通省から、6月の委員会で答弁した内容と同じように、混雑度や旅行速度等の交通状況を踏まえて必要に応じ検討していくという回答でした。  また、国道11号の善通寺市中村町の県道多度津善通寺市線との交差点の交通安全対策については、県警など関係機関と協議を行い、早期に交通安全対策を行っていくと聞いています。  さらに、県道善通寺詫間線との交差点である三井之江交差点については、現在、交差点に接続する県道善通寺詫間線において延長約1.5キロメートルで自転車歩行者道の整備を進めています。交差点付近は、平成17年度から進めていますが、まだ未整備となっていることから、この対策については、必要性も踏まえて国土交通省と協議してまいりたいと考えています。 辻村委員  どのような協議をしてどういう反応だったか、お伺いしたいところですが、実際に鳥坂周辺は危ないのです。三井之江交差点でも死亡事故が起きました。また、ドライブインやため池がある上がり口では、1月1日に2件死亡事故が起きたことがあります。鳥坂まんじゅう店の下では、数件、道を渡っていたお年寄りが亡くなりました。スピード出すなと言っても、あそこはとても車がスピードを出すので、非常に危ないです。信号がないので、次から次へと車が来るのです。部長には現場で体感していただき、危ないと思ったら、ぜひとも強い熱意で国土交通省に訴えていただきたいと思います。  少なくとも、鳥坂付近の交通安全対策、三井之江交差点、また、前田病院前の渋滞緩和に今後とも積極的に取り組んでいただきたいと強く要望し、11月定例会において、その後どう取り組まれたのかお伺いしたいと思います。
     続いて、国道319号バイパスについてです。  こちらは既に都市計画決定がなされており、先ほどあわせて答弁がありましたが、発注のための準備が既に進められていた区間です。十分な説明もなく凍結されたものであり、早期の建設再開を進めていただきたいと考えますが、6月以降の県の取り組みについて、どのような状況なのかお伺いします。 葛西土木部長  6月定例会で答弁させていただいたとおり、国道319号については、都市計画決定を行い土地利用の制限を受けている状況ということからも、整備については重要であると考えており、直轄国道だけではなく、交通渋滞や交通安全について、それぞれの関係者が参加した国との協議の場においても、先ほどの鳥坂や前田病院も含めて、課題があるということを提起してまいりたいと考えています。 十河委員長  以上で、土木部関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 十河委員長  異議なしと認め、土木部関係の質疑・質問を終局いたします。  本日はこれをもって散会をいたします。  (午後2時58分 散会) Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....