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  1. 香川県議会 2018-06-01
    平成30年[6月定例会]経済委員会[商工労働部、交流推進部] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 佐伯委員長  これより質疑・質問を開始します。 松村委員  私からは、県内企業人材確保についてお尋ねします。  企業の業績が好調なことや生産年齢人口の減少を背景に、県内企業人材不足により困難を極めています。新卒者の採用に当たっては、売り手市場の状況が続く中、県内外の若者は、未だ県内には良い仕事や職場が少ないとのイメージを強く持っており、大手志向に流れています。  そのような中、県では昨年4月に「ワークサポートかがわ」をサンポート高松にオープンし、県内外の若者の県内就職を促進するなど、県内企業人材確保支援策に取り組んでいます。  そこで、開所から1年が経過した「ワークサポートかがわ」の支援実績について、まず、お伺いします。 浅野商工労働部長  県内企業人材確保拠点として整備した、地方版ハローワーク「香川県就職・移住支援センター」通称「ワークサポートかがわ」は、昨年4月にサンポート高松に開設され、ちょうど1年余りが経過しました。昨年度の支援実績は、来所者数が1,396人、具体的には、就職相談を行った件数が1,283件、就職が決定した件数は94件となっています。「ワークサポートかがわ」では、「若者の就職支援」、「県外からの就職支援」、「人材不足が顕著な分野の人材確保支援」の3つのコンセプトのもと、求職者と県内企業とのマッチング支援に取り組んでおり、昨年度、就職が決定した94名のうち、30歳代までの若者が77人で、全体の就職決定者の81.9%、県外から県内企業に就職した人が27人で全体の28.7%、人材不足が著しい建設業や医療・福祉、サービス業に就職した人は24人で全体の25.6%の実績となっています。  今後とも、一人でも多くの方に「ワークサポートかがわ」を利用いただく取り組みを強化するとともに、認知度向上にも努めたいと考えています。 松村委員  もう一度確認ですが、ここを通して県内就職を果たした人が94名でしょうか。 浅野商工労働部長  昨年、就職が決定した人が94名です。そのうち県外から県内企業に就職した人は27人で全体の28.7%、人手不足が著しい分野に就職した人が24名で全体の25.6%、30歳代までの若者が77人で全体の81.9%を占めています。 松村委員  私の地元東かがわに、平成23年10月から「ふるさと就職支援センター」が開設され、同じような活動をしています。地元の市議会議員に確認すると、登録企業が150社で、そのうち市内企業が100社余り、市外や県外の業者も登録している状況です。最近4年間の実績は、年平均で登録者数が一般と学生を合わせて100人弱で、可能性がある紹介件数が20件、就職に至った人は12、3人という状況が続いています。  人口規模や財政規模から東かがわは、香川県の約30分の1という目安と、私は判断しています。そうすると、12人掛ける30倍の360人となり、先ほどの「ワークサポートかがわ」の94名の数字はもっと頑張る余地があるという気がします。ただ、1年目なので、なかなか難しい面もあると思いますが、そう感じました。  実際、婚活も就活も取り組まなければならないということで、行政の役割自体が時代の変遷とともに大きく変わってきた印象を持っています。今の答弁の中で、建設業等も24人就職したという話でしたが、5月末に地元の建設業協会との懇談会があり、その際には仕事の量が少ない、特に若手の従業員の確保は皆無に近いという話をいつも聞かされます。実際、業者が確保しようとしているのは、技術者と労働者の両方で、1人の社員に技術的な仕事もしてほしいし、なおかつ現場の労働もやってもらわないと困ると言われます。これは一石二鳥的な話ですが、これが中小や零細企業の実態です。この段階で既に経営者サイドと就職する方のミスマッチが発生していると申し上げていますが、特に地元のハローワークに登録している若い人達の話も聞くと、求人票でまずチェックするのは給料などの金銭面で、その次に年間の休日をチェックします。これは若い人の傾向で、自分の時間を作りたいや、家族と触れ合う時間を大切にする傾向が強いようで、休日が年間100日以下なら週休2日ではなく、土曜日は仕事となるので、そういった会社は既に選択肢から外されるという話も聞いています。  先般の代表質問でも話がありましたが、建設業は日曜日だけを休みにしている会社がほとんどですので、新規の雇用確保がまず難しいことになります。業者には土日は休みとしなければ若い人は来ませんと話しますが、それだと発注者からの工期が間に合わない、重機等の稼働率が下がる、減価償却が発生して経営が圧迫されるという話や、人手が足りないから一日でも多く働いてもらわないと困るというお決まりのやりとりがあるわけです。それと、若い人に担ってほしい仕事についても、まずは技術者として施工管理・品質管理をさせてあげたらどうかや、技術的な部分がある程度のレベルに達した時点で、自分の担当している現場の資金管理も任せたらどうかという話もしています。例えば、現場でもいろいろな部分で儲かればボーナスへ反映させると、一段とやる気が出て会社の利益にもつながっていき、好循環が生まれる社員育成をやるべきだと話をしています。建設業は、やりがいのある仕事だとよく言われますが、その前にやる気を起こさせる仕事のやり方を経営者サイドは考えるべきだと先日も言ったところです。  今、たまたま建設業を例に出して話しましたが、県として人材の確保をサポートする以上、給与面や休日に加えて、最近では育休や介護などの福利厚生全般についてもアドバイスしてもらいたいと考えていますが、部長の意見をお聞きします。  また、本県の多くの学生は、県外に就職しています。県外に進学し、そのまま県外で就職する傾向で、残念に思っています。一人でも多くの学生に県内就職を促すために、学生が県内企業に目を向けるように取り組んでいかなければなりません。先ほど大手志向に流れていると発言しましたが、ネット上で大卒求人倍率というコーナーがあり、来春2019年3月卒業予定の大学生や大学院生を対象にした調査で、全国の民間企業の求人総数は81.4万人、学生の民間企業就職希望者数は43.2万人であり、大卒の求人倍率は1.88倍と前年よりも0.1ポイント上昇したとのことです。また、従業員規模別に見るデータも示されており、5,000人以上の大企業では0.37倍と学生にとって依然として狭き門です。一方、300人未満の企業の中小企業では、9.91倍と過去最高を記録し、採用難が加速しています。中小企業が大多数を占める県内企業にあっては非常に厳しい状況が明らかになるデータであり、今後、県外の学生に向けた県内就職の促進など、県内企業人材確保にどのように取り組もうとしているのか、お伺いします。 浅野商工労働部長  最近の若い方の働くことに対する意識も随分変わっており、従来であれば少しでも高い給料の企業や大きな企業に就職する意向が強く、大きな企業に勤めて安定して働きたい方も多いのですが、その一方で、自分自身の時間も大切にしたいので、休日や福利厚生などが優れている企業を選ぶ志向も強まっていると感じています。そうした点を重視してPRしている中小企業には、かなり優秀な人材が集まっていると感じています。特に、人手不足と言われている建設業分野については、工期が限られ、屋外での作業ということで、中小下請に工期的なしわ寄せが出て、厳しい職場環境の中で働くことを若い方が希望しないため、なかなか人が集まりにくい状況も続いています。一つの建設業者だけでは対応できる問題ではないため、業界全体で対応を考え、会社の経営がよければ社員に報酬で報いてあげることや、一定の休暇制度も含めて福利厚生の面も充実させていくことが大事だと思いますので、土木部を中心に業界に対していろいろと働きかけをするとともに、商工労働部としても働き方改革を進める立場ですので、しっかりとその重要性について県内企業にPRしていきたいと思っています。  オープンして1年余りが経過した「ワークサポートかがわ」を中心とした県内企業への就職促進、特に県外からの就職支援ということで、人数は、1年間の実績として高い数字とは認識はしておらず、もう少し伸ばしていかなければ、県内企業人手不足のニーズには応え切れていないと感じています。  大きな傾向として、県内の大学進学希望者のうち、県外の大学に進学した人が全体で82.1%を占め、県外の大学へ進学すると県内企業の情報やその魅力に触れないまま売り手市場の中、大手企業や都市部の企業に流れる傾向が強まり、県内企業に戻ってもらえない状況になっていると思っています。  昨年度、「ワークサポートかがわ」をオープンして以来、香川労働局等と連携を図り、年3回の就職面接会「かがわーくフェア」に加え、小規模な就職面接会うどん県仕事ストリート」を学生の帰省シーズンに合わせて開催しました。また、県内の各業界の現状や動向が地図のように一目でわかる「かがわ業界地図」という小さい冊子を作成して、県内の成人式で配付したり、「ワークサポートかがわ」の職員が中国四国の大学約40校を訪問して、大学内で出張相談や企業セミナー等を開催し、県内企業への就職を促したところです。  今年度からは、新しく県外学生が、県等が開催する就職面接会県内企業のインターンシップに参加するときに、県外から戻るための交通費の助成を始めたところです。また、「ワークサポートかがわ」の認知度を高めるため、高松空港やJR高松駅、マリンライナーの車内での広告宣伝、大学等の大学生専用カフェと連携したセミナーや出前講座の開催により、「ワークサポートかがわ」や県内企業のPRにも努めています。
     また、早い段階で県内企業を知ってもらう取り組みとして、教育委員会と連携し、県内高校生に対して外部講師による出前授業を行い、県内企業の魅力や地元就職の利点についてしっかりと生徒に理解してもらう取り組みも進めています。  今後も、こうしたさまざまな取り組みを通じて、一人でも多くの若者が県内企業に就職するよう、県としてもしっかりと事業を進めていきたいと思っています。 松村委員  中国四国を対象に大学訪問も40校ほどしているという話でしたが、私が就職するころ、大学の学生課などの就職を支援する組織以上に、大学の研究室、最近ではゼミの教授や准教授の力も大きくなっています。例えば香川出身で都会で教授をしている方の「つて」を頼るのも有効だと思いますし、香川出身の方は郷土香川に対する愛着もあると思うので、そのあたりも十分に取り組んでいただきたいと考えています。  先日の新聞に、5月の本県の有効求人倍率は1.78倍と依然高水準で推移しているとの記事がありました。東京が2.15倍で1位となっているので、人も物もお金も全部東京へという様相を呈していると感じていますが、香川労働局の基調判断は「改善が進んでいる」を据え置いています。これまで国も有効求人倍率の上昇を景気が緩やかに回復していることに伴い、雇用情勢も改善している反映だとしていますが、労働人口の減少によって今後とも有効求人倍率は上昇し続けるはずですし、県内企業はさまざまな分野で人手不足が深刻な状況にあると認識しています。今回の補正予算には、観光分野人手不足に対するために「地方創生人材育成事業」を計上しているとの説明がありました。なぜ、観光分野での事業を実施しようとしているのかや、その具体的な内容についてお伺いします。 浅野商工労働部長  県内では、さまざまな産業で人材確保が大きな課題となっており、特に建設、介護、観光・サービス分野等では人手不足が深刻化している状況です。このうち建設分野については、昨年度、「認定職業訓練助成事業」として建設従事者育成のための訓練、例えば建設業の組合等がこういった訓練を実施する際に、単県の補助制度を創設するとともに、県の高等技術学校でも施設内訓練等を実施して人材の育成・確保に努めているところです。また、介護分野についても、高等技術学校において施設内訓練や委託訓練を通じて人材の育成を図っているところです。  一方、観光分野では、香川県を訪れた県外観光客は、昨年は946万4000人と瀬戸大橋が開通した昭和63年に次ぐ2番目の入込数でした。また、外国人宿泊客数も伸び率が5年前に比べて10倍を超えており、全国1位となるなど、本県への県外からの観光客やインバウンドが急増している状況です。  こうした観光客は、今後も増加が予想されることから、単に観光客が宿泊するホテルや旅館だけでなく、県全体の経済波及効果も大きく見込まれる大変有望な産業分野だと認識しています。  これまで、県では、観光分野の人材を育成するために職業訓練という形での人材育成をしたことがありません。このような中、人手不足が問題になっている観光分野について、今回、新しい国の予算もいただきながら、この委託事業を実施しようと考えています。  この事業では、離職者を対象とした求職者訓練と既に観光分野で働いている中堅社員を対象とした在職者訓練を実施し、インバウンド等に対応した人材や地域の観光産業を担う人材の育成を行うこととしています。求職者訓練については、求職者を研修業務受託先有期雇用契約により雇いながら実施するもので、主に座学による3カ月間のOFF-JTと、企業実習による1カ月間のOJTの合わせて4カ月間の訓練を行い、接遇サービスが適切に行えるだけでなく、接客のための外国語やSNS等を活用した宣伝技術を習得することにより、香川県を訪れる観光客に対しておもてなしサービスや地域の観光案内・PRができる人材を育成することにしており、訓練生についてはOJTの実習先企業への就職を目指していただくことにしています。  在職者訓練については、8日間程度の集合研修により実施したいと考えており、3つのコースを設けるイメージです。1つのコースが、旅行会社等の営業や企画等の担当者を対象として、香川県の観光資源や時代のニーズに対応した国内観光客及びインバウンドニーズを習得し、マーケティング戦略を立案できる人材を育成するコースで、もう一つが、ホテルのフロントなど接客の最前線の担当者を対象として、インバウンド需要に対応する外国語会話について、旅館などで指導ができる人材を育成するコースです。もう一つが、広報や管理事務等の担当者を対象として、ウェブ等を活用した情報発信等の広報戦略など効果的なIT活用について指導力を有する人材を育成するコースの3つを設けることとしています。定員は、求職者訓練が15名、在職者訓練が各コース15名の計45名で考えています。  訓練は、民間教育訓練機関に委託して実施することとしており、具体的な訓練内容については、プロポーザル方式により公募して決定したいと考えています。また、事業を効果的に実施するため、関係者で構成する地域人材育成協議会を新たに設置し、事業実施に関する企画、評価について協議を進めながら実施することとしています。  さらに、訓練の実施に当たっては、業界が求めるニーズを的確に把握する必要があるため、観光関係企業等に対して事前にアンケート調査を実施して、必要とされる訓練の内容を把握したうえで、効果的な訓練カリキュラムを作成することとしています。 松村委員  企業での人材不足は、喫緊の課題であり、将来の県内企業の事業運営を確固たるものにするためにも、企業への人材確保支援は大変重要な施策であるため、今後とも積極的に取り組んでいただくようお願いして、私の質問を終わります。 山本(悟)委員  私も観光分野を含めて2点ほど質問したいと思います。  2月定例会の一般質問でも取り上げたヤドンを活用したうどん県プロモーションのてこ入れの続きで、少し話をしたいと思います。  「うどん県」が今度「ヤドン県」になりましたというエープリルフールネタ及びその後、ヤドンパラダイスということで4月の中旬から4月末にかけてキャンペーンを行って、各種応募やスタンプラリーなどのイベントも行われました。私も可能な範囲で宣伝をしたり、実際にヤドンの着ぐるみのグリーティングや高松駅内にポケモンセンター出張所として設置された各種のお土産やキャラクター商品を売っている場所が、賑わっている様子を見ました。実際にいろいろ意見を聞くと、もっとやってくださいという声がほとんどでした。さらにはネット上でも、ほとんど全ての人が好意的に捉えてくれたと思っています。好意的な反応が多くて、「香川県に行かなければ。」という県外の人もいて、ありがたいと改めて思いました。そうしたものを実現していただいた香川県職員やポケモン関連の会社の人たちには改めてお礼申し上げたいと思っています。  そこで、まずは県としての今回のヤドンを活用したキャンペーンの感想や手応え等を聞かせていただきたいと思います。 新池交流推進部長  「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトをやっている中で、4月の一月間、「うどん」と「ヤドン」の語感が似ているという話題づくりとして、コラボレーションのイベントを行いました。今回のイベントで実施したスタンプラリーの応募者数や顔見せ興行的なイベントへの参加者数から、4月12日以降30日まで行った「ヤドンパラダイスin香川」にたくさんの方が県外から来ていただきました。また、ヤドンをデザインした和三盆やうどんを販売したところ、品切れになるような売れ行きで予想以上に反響が大きく、このようなアニメのキャラクターを活用したプロモーションは、今までの芸能人を活用したプロモーションと同様に非常に影響力や集客力があるというのが率直な感想です。 山本(悟)委員  私もうどんや和三盆をできるだけ買って県外に宣伝したのですが、部長もおっしゃったようにかなり県外からも訪れてくれたと思っています。  次に、実際にどの程度の方が参加されていたのかお聞きしたいのですが、あわせてスタンプラリーARフォトコンテストに申し込んで景品が当たるのを楽しみにしている方も多数おられるようです。把握している範囲で、具体的にどれだけの人が今回のキャンペーンに参加してくれ、また経済効果について、聞かせていただきたいと思います。 新池交流推進部長  まず、参加者数ですが、県内22カ所の観光施設と35カ所のうどん店に協力いただき、協力店や観光施設へ行ってスタンプを5個ないし3個押して、非売品である「ヤドンの張り子」や「ヤドンの丸亀うちわ」が当たるスタンプラリーの応募が3,792通で、そのうち4割が県外からの応募でした。また、4月12日木曜日と期間中の土日祝日に高松シンボルタワーで実施した「ヤドンとの写真撮影会」には、8日間で約3,000人、ポケモングッズを販売するJR高松駅での「ポケモンセンター」の出張販売には、8日間で約4,500人が来場しました。効果としては、4月1日の「うどん県」を「ヤドン県」に改名する動画の再生回数が6月20日までに、日本語版が5万5000回、英語版が1万回再生されました。その他、県公式観光サイトうどん県旅ネット」に4月ヤドンの特設ページを設け一月間で37万件のアクセスがありました。通常、うどん県旅ネットの全体アクセス数は1年間でそれなりにあるのですが、今年の4月は対前年同月比1.8倍の130万件のアクセスがありました。また、うどん県ツイッターフェイスブックも設けており、4月1日の情報発信に対して、ツイッターであれば引用して再投稿するリツイートが3.9万件、またフェイスブックの「いいね」が6万件で約10万件の反応があり反響が大きかったと感じています。  うどんと和三盆の商品ですが、「ヤドンのうどん」が約2万袋以上、「ヤドン和三盆」はメーカー2社で7,500個が販売されました。さらに、ことでんがヤドンをデザインした一日フリー切符を作り、約800枚以上販売し、前年同月比では1.8倍の販売と聞いています。イベント参加のための県外からの滞在費やスタンプラリー等で県内を周遊観光した消費なども考えると、一定の経済効果があったと感じています。 山本(悟)委員  てこ入れという意味では、今の数字を聞いて、結果が出たと思っています。他県の例では、ポケモンGOのゲームを実施するとさらに桁が違うので、いろいろと相談をしていますが、環境整備が難しいとのことで、今回は着ぐるみを呼んだり、うどんを作ったりでとどめているわけですが、てこ入れにはなったと思っています。  では、次をどうするのかという話で、5月末にポケモンサイドから、今年の8月10日、語呂合わせでヤドンの日となっていますが、このヤドンの日に再びヤドンが香川県でグリーティングするイベントを調整しています。また、正式に決まれば、「うどん県旅ネット」や「ポケモンだいすきクラブ」でお知らせするのでお楽しみにとアナウンスされていますが、今のところ香川県サイドからの広報は何もないと思います。4月1日のエープリルフールから4月いっぱいのヤドンパラダイスまでのサプライズ感を含めた広報戦略はすばらしかったですが、現在の状況は、正直もったいないと思います。そこで、8月10日のイベント内容に向けた効果的な広報について聞かせていただきたいと思います。 新池交流推進部長  8月10日に何かあるのではないかという点については、その翌日が土曜日であることから、現在公表しているのが、瀬戸大橋開通30周年記念ということで7月21日から瀬戸大橋記念公園において、土日でイベントを行います。その中の8月11日午後6時からマリンドームで行われる「サンセットライブ」において、「ポケットモンスター」の主人公サトシを演じた声優の松本梨香さんによるコンサートと、それにあわせてヤドンが登場してのステージイベントを予定しています。  これについては、これまで瀬戸大橋開通30周年夏イベントのチラシで周知していますが、御指摘のように、ほとんど目にとまっていないということですので、今後は、8月までに一月余りしかありませんが、詳細版のチラシやポスターを作成・配布するとともに、「うどん県旅ネット」の特集ページに情報を掲載し、さらにポケットモンスター公式サイトにも載せていただき情報発信を行っていきたいと考えています。  また、瀬戸大橋開通30周年夏イベントの盛り上げを図るために、8月11日の前後の期間においても、ヤドンを活用した話題づくりを考えており、株式会社ポケモンと最終調整をしているので、決まり次第イベントの広報とあわせて周知を図っていこうと考えています。 山本(悟)委員  子供達や親子連れが楽しんでいるので、楽しい企画にしてほしいと思います。やはり夏休み期間は、全国から香川県に来てもらう絶好の期間でもありますし、8月10日の翌日の花火大会とあわせて坂出のマリンドームでの瀬戸大橋開通30周年夏イベントも県外から来てもらうきっかけになると思っています。  また、翌々日からの高松まつり等々、県内各地でお祭りが始まります。お盆明けには「全国高校生花生けバトル」も今年第2回目が開催されます。年末には、今年も「全国年明けうどん大会」が予定されています。そもそも「ヤドン」というキャラクターを入れたのは「うどん」と語呂が似ているから採用されたと聞いているので、年末に向けても効果的なコラボ等々を企画していただきたいと思っています。  一方で、香川県の何のイベントにも、ヤドンを持ってくればいいかというと、会社のブランド価値のことも考えないといけません。ポケモンは世界的なコンテンツであり、世界に向けての情報発信も兼ねて、実際のインバウンド増加につながり、県内経済の活性化につながるので、ポケモンGOのゲームをやれば一時的に何万人も来るのでしょうが、それよりもこうしたヤドンのキャラクターをより効果的かつ大事に一緒にコラボしていくのもいいと思っています。そのあたりはどう考えているのか、お聞かせください。 新池交流推進部長  鳥取県で行われた大規模なものは、予算的にも環境面でも難しいですが、今回4月に実施した反響から、アニメキャラクターを活用した話題づくりは効果があり、実施していくとよいと感じています。  今後は、株式会社ポケモンとも調整しながら、少しでも観光誘客や特産品等の販売に資する、県全体のPRにもつながる効果が期待できるものについて検討していきたいと考えています。 山本(悟)委員  一時になると流行の話になるので、長い目でキャラクター等も活用しながらインバウンド増加や経済活性化等々についても検討してほしいと思います。  2点目のオリーブ植栽関係の質問に入ります。  オリーブが初めて小豆島に植えられたのが110年前の4月22日です。この間、関係者の努力によってオリーブは本県が国内外に誇る県産品となり、昨今の健康ブームもありオリーブに関する認知度も消費量も飛躍的に高まりました。実際に、小豆島以外でも栽培が広がり、ここ10年間で県内の栽培面積は約4倍になり、国産オリーブ果実の96%が県産オリーブになっているとも伺いました。香川県のブランドということで取り組んで生産者が手摘みで丁寧に収穫した実から作られたオリーブオイルは高い品質を誇っており、オイル以外にもオリーブ牛を初めとする各種県産品が開発され、今回ついにオリーブ鶏にまでなり、讃岐三畜全部となったと思いますが、そうした商品も開発され好評を博しています。  改めて、香川県とオリーブは、切っても切れない関係になっていますが、その一方で、九州などでも積極的に取り組まれて栽培が増え、特産化しようというニュースを耳にしたこともあります。そうした全国的な競争が始まっている中で、植栽110周年の記念事業を展開するのは、改めて本県がオリーブや関連商品をアピールしていく絶好の機会になると思っています。  そこで、足元の香川県内において、どのような周年事業を展開していこうと考えているのか、聞かせていただきたいと思います。 新池交流推進部長  本県にはオリーブオイルのほか、畜産物では、オリーブ牛、オリーブ夢豚、オリーブ豚に加え、今年の3月からはオリーブ地鶏も加わり、水産物でもオリーブハマチ、オリーブ車海老といった県産品が揃うなどオリーブを活用した県産品が数多くあり、県産品の販路拡大を図るうえで大きな強みになっています。  こうしたオリーブを活用した県産品の魅力を、まずは県民や県外からの観光客に知ってもらえるよう、情報発信力の高い地元のレストランとして県が認定している「さぬきダイニング」や、県内の和食・洋食・中華の料理団体等と連携して、この秋に参加店舗がこうしたオリーブ関連県産品を使用した料理を提供する「オリーブメニューフェア」を開催するほか、百貨店でPR販売するフェアを実施したいと考えています。  また、オリーブ栽培発祥の地である小豆島では、10月21日に行われるオリーブ公園での「オリーブ大収穫祭」に合わせて、県産オリーブをテーマにしたヨーロッパ風の産直であるマルシェ、「小豆島オリーブマルシェ」を開催して、オリーブを活用した県産品の魅力をPRすることとしています。  このほか、生産者などで結成する「うまいもん広め隊」が、小・中学校の授業などでオリーブやオリーブ牛、オリーブ夢豚等の県産食材の魅力を直接伝えていく「うまいもん出前講座」にも取り組んでおり、先週もオリーブ牛の生産者による生産や研究開発に関する講座と試食を坂出の金山小学校で行いました。  さらに、新たな県産品の開発促進や掘り起こしを行うことを目的に毎年実施している「かがわ県産品コンクール」において、最優秀賞に加えて県産オリーブを活用した県産品などを対象とした「オリーブ植栽110年特別賞」を今年限定で設けることとしています。  このような取り組みを通じて、県内での認知度向上とオリーブ植栽110周年の節目にふさわしい盛り上げを図っていきたいと考えています。 山本(悟)委員  オリーブ車海老というのは初めて耳にしたので、どんな美味しさがあるのか、また聞かせてもらいたいので、後で資料をいただければと思います。  次に、県外での取り組みを聞かせていただきたいと思います。  先ほども言ったのですが、健康問題やヘルシー志向もあり、さらに人生100年時代が現実になっていく中で、オリーブやオリーブ関連商品は、さらに消費者の関心を呼ぶと思っています。そのポイントは、やはり首都圏を初めとする大消費地だと思います。そこで、香川県産のオリーブオイルやオリーブ関連商品を選んでもらう必要があると思っています。オリーブは、健康によいなど、香川県産のオリーブなら間違いないと認識している人が増えれば、選んでもらえるわけで、他の産地より、少々香川県産のオリーブオイルの値段が高くても買ってもらえる価値があると思っています。そのためには、マスコミへの広報や実際に取り扱ってもらう小売りや流通の方への働きかけが必要だと思っています。  そこで、首都圏など県外の大消費地で、どのような取り組みを行うのかや、さらなる認知度アップと、実際に買って食べていただくまでを、どうつなげていくかの考えもお聞かせください。 新池交流推進部長  本県産のオリーブオイルは、最近では、今年の4月にイタリアのソレント主催のオリーブオイル品評会で、日本産部門の特別賞を受賞するなど国際品評会でも入賞を重ねており、世界的にも高い評価を受けています。  また、オリーブ牛は、昨年9月に開催された全国和牛能力共進会で「脂肪の質賞」を受賞するなど、高い評価を得たところです。  こうした個々のオリーブ関連県産品の国内外での高い評価はもとより、オリーブ栽培の長い歴史やオリーブを活用した特長ある賞品が数多くあることも広く紹介しながら、オリーブの他の産地・産品との区別化を図ることにより、消費者に本県のオリーブ関連県産品を選んでもらえよう努めたいと思っています。  また、認知度向上や消費拡大を図るためには、マスコミはもとより小売りや流通のプロの方々、百貨店のバイヤーやレストランのシェフらに強く働きかける必要があると思っています。  このため、こうした方々を対象にオリーブオイルやオリーブを活用した県産品をメインの食材としたメニューを提供することにあわせて、生産者自らがこうした県産品の魅力を紹介する食材のプロモーションを「さぬきうまいもん祭り」と称して、今月27日と来年1月は東京で、11月には大阪で開催します。この「さぬきうまいもん祭り」にあわせて、生産者などが大阪・東京のマスメディアを訪問して、オリーブを活用した県産品をPRするキャラバンを行うこととしています。  また、首都圏の百貨店のバイヤーやレストランのシェフらを対象としたセミナーを開催して、本県のオリーブオイルなどの紹介や商談を実施するとともに、より多くのメデイアに取り上げていただくよう、マスコミ関係者の産地招聘などにも取り組んでいきたいと考えています。  消費者に対しては、首都圏や関西圏のレストランや小売店と連携して実施している香川県フェアにおいて、今年度はオリーブを活用した県産品を例年以上に取り上げていくことにより、積極的なアピールをしたいと考えています。  県外の大消費地の消費者のもとに商品が届く道筋を描きながら、こうした事業に取り組むことにより、オリーブを活用した県産品の認知度向上を図り、消費の拡大につなげたいと考えています。 山本(悟)委員  全国の各都道府県が県産品の売り込みに力を入れて、同じような取り組みを行っていますが、オリーブに関して言えば、本県は、かなり強いと思っており、ブランド化をしっかりしていけば、まだまだ可能性が広がると思っています。繰り返しますが、良いものは売れるということで、オリーブもその一つだと思っています。  今年は、植栽110周年でいろいろなイベントがありますが、来年以降はもう周年記念にはなりません。ただ、111周年で「ぞろ目」になるわけで、3つのナンバーワンなどを探し出して広報していくなど、110周年のポストイベントも考えていただきたいと思っています。  非常に可能性がある分野だと思っているので、今後も積極的な取り組みをお願いして、私の質問を終わります。 森委員  私から3点質問しますが、最初に高校生の就職支援についてお尋ねします。  最近は、景気の回復などにより県内高校生の就職状況もよくなっていますが、そういいながら社会に出る前の高校生の社会に対する情報は、まだ少ないように思います。県としてもキャリアデザイン教育事業などで県内の高校生に対しての支援事業が行われていますが、まだ丁寧とは言えない状況だと思います。今後の社会環境では、これまで以上に高校生の就職が増えていく可能性も否定できるものではないと思いますが、今後の取り組みについてどのように取り組んでいくのか、お聞きします。  また、高校生の新卒就職者の離職率が高いと聞いています。高校新卒者に対する取り組みは企業に任せっきりではなく、県としての取り組みが必要だと思っていますが、そのあたりも含めて、どのような考えがあるのかお聞かせください。 浅野商工労働部長  まず、本年3月の県内高校卒業者で、県内企業に就職した方が1,354人で、就職希望者の87%が県内企業に就職している状況です。この割合は、四国4県の中でも一番高く、県内企業人手不足が深刻化している中で、県内企業にとって、高校生は貴重な人材、戦力になっていると考えています。  県では、高校生が若いうちから職業観や主体的に進路を選択できる力を身につけられるよう、平成28年度から県内の高校1、2年生に対して、県独自の教材を活用した外部講師による出前授業を実施しています。  また、就職に当たって、労働法に関する正しい知識を身につけてもらうために、労働関係法令や労働問題の相談窓口を記載したリーフレット「労働相談Q&A」を作成して、全生徒に配付しています。  このほか、高校生に対するキャリア教育については、各高校における取り組みが重要であると私も認識しており、県教育委員会において就職を希望する生徒を対象に職場でのマナーや言葉遣い、質問に対する応対などを指導するキャリアアップセミナーを開催するとともに、ジョブ・サポート・ティーチャーを9名、兼務方式で19校に配置し、就職支援に取り組んでいると伺っています。  もう一点の離職者対策ですが、香川労働局によると、県内高校卒業者の3年以内の離職率は、38.4%と昨年度より2.9ポイント減少しています。しかし、現実には4割近い若者が、職場定着できず早期に離職している状況で、このことは若者本人にとって、社会的自立や生活の安定の妨げとなり、自身のキャリア形成を遅らせる恐れがあるだけでなく、採用した企業にとっても、人材確保・育成に投じた経費の大きな損失となると思います。  このため、県では、平成27年度から「若手社員職場定着支援事業」を実施しており、県内事業所の若手社員に対し、ビジネスマナーなど社会人の基礎力やコミュニケーション能力の向上を図る研修会を実施し、会社の枠を超え職場での悩みを共有する場を作るための異業種交流会も開催しています。  また、若手社員の教育に当たる中堅社員に対しては、部下の指導・育成スキルを身につけるための研修会も開催しています。経営者・人事担当者に対しては、若手社員の職場定着につながる意識づけをしていただくセミナーも開催しています。  このほか、県教育委員会においては、就職内定者を対象とした職場定着促進セミナーを開催するとともに、在校当時の担任教員が実際に新規就職者の就職先を訪問し現況を伺ったり、卒業生の悩みの相談に応じるなどの取り組みも行っていると聞いています。  商工労働部としては、教育委員会と連携を図りながら、将来を担う次代の県の産業界を支える有為な人材である高校生の就職や職場定着について、積極的に支援したいと考えています。 森委員  教育委員会の関係になる部分も多々あると思いますが、高校生ですからなかなか社会情勢等について認識できていない部分が多々あると思いますし、最初に氏家委員からもありましたが、実際に高校生には、労働条件の問題や働き方の問題についてパンフレットを渡したり、事前の研修をするのですが、ほぼ白紙状態で就職するのが多く、実際既に会社に勤めている方々もそうですが、休日の問題や労働時間の問題について大きな流れの中で個々の意思が言えずに、それで離職してしまうことがあります。そういう部分については、経営者に対する対策や研修も重要だと思いますし、若手社員についての研修を中堅社員が担う場合に、その中堅社員が仕事だけの研修だとそこで終わってしまうので、そういう働き方の問題や実際に会社の中での状況、つまり本来働く一人としてどういう権利があってどういう活用ができるかなども聞かせていかないといけないと思います。現実には、高校生も実業高校と普通高校では違うし、実業高校の子供たちについても、ある一定自分の高校で習ったり学んだことをもとにした就職だとそうでもありませんが、全然違う部門の就職になると、高卒であろうが大卒であろうが関係なく、全て自分が学んだことで就職できていない状況が、社会的に普通だと思います。そういう場合については、どういうことを考えればいいのかという研修やキャリアアップする前の状況など高校生に対する指導が重要となりますが、どうしてもそれは教育委員会とは違う部門の働き方ですから商工労働部の関係における考え方や、実際どうすべきであるかをもう少し子供たちに知らしめていく必要があると思います。1年生、2年生になるとそういいながら就職する想定であるかもわかりませんが、自分が3年生を終えて就職することについてそれほど認識しているわけでなくて、ぼんやり聞いて終わってしまって実際自分が就職すると大変だったとよく聞きますので、そういう部分についても発信してあげてほしいと思います。聞くと高校生の3年以内の離職は約4割弱で少ないという話もありますが、素人的に考えるとやはり多いのではないかと思います。就職する場合でも、正社員で就職しているなどいろいろな問題もあると思いますが、労働条件的な面や賃金的な面、働き方の面でそれほど不満がなければ、多くの子供たちはそのままそこで過ごしていくと思います。そういう部分についての今後の取り組みや対策は考えていかなければならないと思いますので、お考えを聞かせていただきたいと思います。 浅野商工労働部長  社会に出た経験のない高校生ですので、なかなか社会の状況もわからないのがほとんどだと思います。そうした中で自分のやりたい仕事は何かや将来どういったことで働いていけば自分の夢が実現できるかを高校生のうちに、しっかりと考えてもらう機会を持ってもらうことが大切であると思っています。学校現場の中での取り組みが中心になってくるので教育委員会と協力し、一緒に手を携えてやっていくことになると思いますが、委員からいただいた指摘も含めて、現在、行っている授業の中で教える内容について、これから検討し、実際の今の若者の感性にも響くような内容にしていきたいと考えています。それと同時に、そういった若者が就職した企業において若者を温かく迎え、育てていく環境づくりも大事で、働き方改革にもつながる部分ですので、一緒にそういった若者を貴重な戦力として育てていくことに取り組んでいただけるよう、経営者や人事担当者、管理職の方々に考えてもらうことをいろいろなセミナーやいろいろな形での事業の中で伝えたいと考えています。 森委員  私が気になるのは、企業によっては設備の問題やこういう経済状況からの事業所の統合です。最近聞いたのですが、私の地元の財田町にある四国明治乳業は、愛媛県や徳島県にも工場があって、チョコレートや食品関係のそれぞれ違う部門を三豊工場に集約したという話でした。実際に、それぞれに配属された子供たちは事前に知ることがありません。今の3年以内の離職の話でいくと、高校を出てそこに入り、仕事も慣れてきたのに、工場が統合するからここへ変わるとなると、どうしても離職せざるを得ない人も出てくるかもしれません。私の地元でも、これは大分昔の話ですが、松下寿電子工業は大洲やいろいろなところに移転して、結局そこでいられなくなって退職された方が結構いるわけです。そういう情報を事前にとるというのは、県としても難しい話だと思いますが、そういう状況の中で勤め先が本人の思惑以外で変わるなど、事業所や工場の統合で変わる場合に、会社の中でする相談と外部的な相談は違ってくると思いますが、そういう情報を得た場合、県はそこに働く県出身の子供たちに対して何らかのアクションをすることができれば、その子は厳しいけれども対策がとれるかもしれません。また全ての子供たちが仕事の中で人間関係がきちんとできて相談する人がいればいいのですが、そうでない子供たちもいるという場合に離職率の低下、つまりできるだけそこで勤められる状況をつくるために、積極的に事業所とも話をすることも重要です。県内の事業所が高知や大阪に行くなどになってしまうと大変難しいと思うので、そのあたりの対策がとれるのであれば、どういうことができるのか、お聞かせください。 浅野商工労働部長  香川県が四国の中で一番県内就職率が高いというのは、恐らく県土が狭くて転勤に伴う転居が少ないということも要素となり、県内就職率が高いと推察しています。会社の経営方針の中で、配属先や事業所の集約などいろいろな要素があって、そこで働いている従業員の配属先の転換などいろいろなケースは県内でもこれまでにもありましたし、今後も出てくると思います。そこの部分に県として入り込んでいくのはなかなか難しいと考えています。県としては、雇用の確保が最優先になりますので、その中で現在、雇っていただける方の雇用の場をきちんと確保して、できるだけそこで働く方の負担にならないよう配慮いただきたいとお願いすることになると思っています。事業所統合については、県としてもなかなか入りづらい部分ですが、もしそういったお話があったときには、配慮いただきたいとお願いしていきたいと思っています。 森委員  勤務時間は、普通8時間と決まっていますが、通勤時間は、いろいろあり、当然県の職員についても高松の方でしたら、それほどかかりませんが、三豊からだと1時間はかかりますし、私自身も勤めていたときは5分もかからずに通勤できていましたが、議員になってここに来るとなると1時間ぐらいかかり、眠たいし、めんどくさくなるし、最近、朝、皆さんが出勤する時間帯に車で来ようと思うと普段だと1時間で来るのが1時間半かかっても来られない状況があります。そういうことは多分勤めている方はわかっていますが、特に高校生は、わかっていないと思います。高校生は、事業所が変わるとなると、どうしようもないからやっぱりやめてしまうという話になると思います。企業内の問題ですからなかなかそこに手を入れてどうこうすることは難しいのですが、企業が事業所の統合するといった時に、できるだけ通勤など若い社員の対策をぜひお願いするという話を県から出していただくと、ある一定のことはできるのではないかと思います。これは経済活動ですから難しいと思いますが、何らかの対策を県としてとっているという話が伝わることによって、県のどこかに相談しようという話にもなりますから、そういう努力もよろしくお願いしたいと思います。  2点目は、創業支援の問題です。県もいろいろ支援事業を行っていますが、そういう中でいろいろな相談があったり、事業展開もされていますが、その現状がどうなっているかということと、なかなか結果が見えず、難しく、そのままダメになる場合もよくあると思うので、結果が出るまでについてのいろいろな支援の具体的な方法は県としてどうなっているのかという2点についてお聞かせ願いたいと思います。 浅野商工労働部長  創業については、産業の新陳代謝を促進し、地域経済を活性化するとともに新しい雇用の場を創出することから、新たな創業を増やしていくことは重要だと認識しています。本県の平成28年度の開業率は4.1%で、全国平均の5.6%を下回っている状況です。  県では、創業を支援するため、かがわ産業支援財団に設置した「創業支援センター」に中小企業診断士等の専門家を配置し、創業・起業の相談対応などの総合的なサポートを行っています。  昨年度は、ビジネスプランの作成やブラッシュアップの支援など、創業に関する相談が223件、創業の融資に関するものが48件あったと報告いただいています。  これまでの創業の実績ですが、創業時から財団の専門家による相談等により実際に幾つか創業ができた事例もあり、例えば学生服のリユースでビジネスモデルが認められ、現在、全国に30店舗以上のパートナー企業を有する事業にまで成長したものや、香川県産米を使用したアレルギー対策のお菓子を開発し、有名百貨店で販売している事例、さらには段ボールを使った工作キットや遊具など多様な商品の企画・製造を行って海外にも輸出している企業も出てきています。  県としての支援ですが、まず創業期において経営面や資金面での支援が重要と思っています。経営面の支援は、平成27年度から創業する方や創業間もない方を対象とした創業支援塾を開催しています。創業計画の策定から創業後のフォローアップに至るまで、きめ細かな支援をしています。  一方、資金面では、県の制度融資の中の新規創業融資やフロンティア融資があります。これらの制度融資を利用する時には、保証料を負担いただくことになっていますが、この保証料について県から事業者に対して直接、補給することにより利用者の負担を軽減しています。また、新規創業融資は、「開業プランサポートタイプ」を設けており、かがわ産業支援財団等の創業支援計画の策定支援をいただいた事業には、いわゆる自己資金の要件を緩和しております。できるだけ多くの方に利用してもらうためにその融資枠を2000万円にまで引き上げています。  このほかにもかがわ産業支援財団でファンド事業を活用し、さまざまな形で新商品の開発や販路開拓などの助成も行っていますし、特に独創的なビジネスプランを行っている方を表彰する「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ」において、最優秀賞を受賞した事業に対しては、ファンドによる助成に対して優先的に採択することも行っています。  さらに、今年度から、「起業等スタートアップ支援事業」を創設し、サービス業も含め、起業等の初期段階に必要な経費の一部を補助することとしています。高機能素材やロボット、IoT・AIなどの先端技術を活用した事業による創業や第二創業に限り、補助上限額を500万円としています。こうした資金面での支援に加えて、香川インテリジェントパークにあるネクスト香川のインキュベート工房の使用料については、創業又は新技術の開発を目指して研究開発を行う方々に対しては、最長10年間の使用料を減額する措置を講じたり、香川産業頭脳化センタービルにある高速通信回線を備えたITスクエアの使用料についても低廉で利用できるようにしています。  こういった取り組みをこれからも着実に進め、県内での新規創業あるいは第二創業がさらに増えるよう努めたいと考えています。 森委員  なかなか形になるのは、幾つかの中のわずかだと思いますが、多くの希望や思いがある中でそれが展開できるのは、間違いないと思いますので、これからもぜひ支援等よろしくお願いしたいと思います。  先般、本委員会の視察で私の出身の豊中町の「うどんハウス」を視察した時に、「香川県全体を見た場合、創業しようとすると、今はインバウンドの問題でWi-Fi機能などの通信機能が一定以上進んでいないと難しいものがあります。」という話をされて、創業者やビジネスプランを立てる方も通信機能がある前提で考えていることが多く、事前に当然チェックしますが、その辺については特に行政に支援をお願いしたいという話を聞きました。その部分は、この商工労働部になるのかどうかは別として、創業支援する中でそういう機能を一定保持していかなければならないことは、必要条件になると思うので、企業の創業を支援する中に必要だという状況を、商工労働部を中心として県の行政のそれぞれの分野に発信して、できるだけ活用できるよう対策をすべきだと思うのですが、どうでしょうか。 浅野商工労働部長  企業が創業や事業を展開し、拡大していくという中で、さまざまな支援制度だけではなく、立地環境も大事だと思っています。先ほど御指摘のありましたWi-Fiも含めて、それ以外にもさまざまな産業基盤はありますので、そういったものの整備については、土木部や交流推進部などいろいろな関係部局とも一体になって取り組まなければならないと思いますので、そういった相談があれば関係部局に商工労働部としても働きかけていきたいと思っています。 森委員  ぜひ積極的に呼びかけて、創業支援がますます活用できるようになればいいと思うので、よろしくお願いします。  質問の3点目は、商店街の活性化についてです。県では「中心市街地商店街活性化支援事業」として魅力ある商店街づくりのための事業に要する経費の一部を補助していますが、この補助制度を利用している商店街は、高松や丸亀などの中心部にある商店街が大部分を占めています。確かに中心部にある商店街は、イメージしやすいのですが、郡部は、商店街といってもイメージしにくいわけです。しかし、郡部でも、そこに住んでいる人にとっては商店街と認識されているのがあります。郊外型の大型小売店舗が増加する中で地域の商店街にあった店舗がどんどん少なくなり、今では商店街と認識しがたいものが多くの場所にあると思います。高松などの中心部にある商店街の活性化と郡部の商店街の活性化は一概には言えないと思うのですけが、県の支援のあり方としては同じように取り組んでいく必要があるのではないかと思っています。  そこで、商店街の活性化に向けて、今後、どのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いします。 浅野商工労働部長  商店街は、買い物や地域のコミュニティーの場として、地域の持続的発展やさまざまな人のつながりを図るうえで重要な場であり、「まちの顔」であると考えています。商店街の活性化については、これまでも、市町や商店街と連携して応援してきたところです。  具体的には、ハード面の支援策事業として「中心市街地商店街活性化支援事業」を実施しています。この事業は、市町が策定する中心市街地や商店街に関するビジョンに沿って、商店街の町並み整備・安全安心対策などの環境整備や、空き店舗対策などを実施する商店街団体等に対して、補助率3分の1、空き店舗は2分の1の補助率で、市町と協調して助成を行っています。  今年度は、要望のあった4市町の9カ所で、アーケードの改修や照明のLED化等々、空き店舗を活用した拠点整備や出店支援などの助成を行っています。こうした「中心市街地商店街活性化支援事業」を活用するには、各市町が支援したい商店街を含むエリアを中心市街地と位置づける必要があり、まずは、まちづくりの主体である市町が「商店街への支援を通じ、どのような地域づくり・まちづくりをしていくのか」をしっかりと考えていただくことが重要と考えています。  商店街の中には、特に合併した市町では、市町の中心部という位置づけが曖昧になっているところも多々あると認識しています。そういった地域にある商店街をまちづくりの中にどう位置づけるかについても、やはり、まちづくりの主体である市町にしっかりと検討いただき、県としては、市町の考え方を尊重し、商店街の活性化について市町と協調して進めていきたいと考えています。 森委員  どうしても市町が中心になるというお話ですが、本来、は中心市街地の有無や、人口が幾らなどの要件があるのですが、過去の合併の時に、緩和して、本当に、これがかという所でも県内ではになっているのが現状だと思います。中心市街地と言いながら、私の出身のでも、はっきり言って中心市街地はあるようでないです。旧町単位にはありますが、全体で見た場合は、果たしてどこなのかという話が起こります。そういう中で、市町も合併と言いながらそれぞれ地域エゴがあるので、それぞれが中心市街地だと各地域が思っており、市町の意向がきちんとできてないのが現状です。本来は変わらなければいけないのですが、そういう意味で、各市町に県が積極的に発信して、中心市街地を策定する場合に、の全体像を再度見直し、本来合併するときにどこを中心にするという話があったと思います。取り組みを強化していただき、県からの発信を市町にし、市町が積極的に取り組める状況や、考える状況をつくっていただかないと、なかなか進まないと思います。大規模小売店ができると小さな村の商店街は、多分跡形もなくなっていると思います。そこに住む人はそこが商店街だったと言うのですが、端から見るとどう考えても商店街ではないと言われるのが現状だと思うので、そういう取り組みも進めていただきたいと思いますが、どうでしょうか。 浅野商工労働部長  先程も申し上げましたが、やはり、まちづくりの主体は市町です。商店街の支援を通じ、どのようなまちづくりを行うかも、まずは市町で考えていただくことが大事だと思います。ただ、商店街の活性化は、その地域の活性化やまちづくりの視点においても重要と認識しており、これまで、県の補助制度を活用していない地域の商店街についても、まちづくりの主体である市町が積極的に活用できるよう、県としてもさまざまな機会を捉えて、市町に働きかけていきたいと思っています。 森委員  それぞれのの商工会にも助成されているので、市町の発信も大事ですが、商工会なども、積極的に市町に対して働きかけをすべきではないかと思います。県からも市町へ働きかけることが必要だと思うので、今後の対策についてぜひよろしくお願いしたいと思います。 有福委員  働き方改革の推進についてお尋ねしたいと思います。先般、今国会の目玉としていた働き方関連法案が成立しました。関連法は、同一労働同一賃金の実現、残業時間の上限規制、高度プロフェッショナル制度の導入という3つの柱から成っており、長年の課題が政府の主導で改善に向かったことは評価できると思っています。  まず同一労働同一賃金は、正社員と非正規の賃金の格差をなくすものですが、正社員の処遇を下げて非正規と同じにするのでは意味がないと思っています。例えば、年末年始に業務が増える郵便局は、正規と非正規の業務が同じであるにもかかわらず、年末年始の勤務手当が非正規には支給されていません。そこで会社側が提案したのは、正規の年末手当を削り、正規も非正規も年始だけの手当にすることです。これは、まさに正社員の処遇を下げて非正規と同じにすることであり、正社員の待遇を下げる形で同一労働同一賃金とする、本末転倒だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
     次に、残業時間の規制ですが、これまでの三六協定による青天井の残業時間が見直され、労働基準法が制定されてから初めて残業時間の上限が法律で明記され、しかも罰則つきで定められたことの意義は大変大きいと思っています。これにより、裁判で救済を受ける根拠が整備されたことにもなるので、意味があることだと思っていますが、中身がよくわからないので、教えてもらいたいと思います。具体的に私が聞いているのは、原則として残業は最大月45時間まで、年間360時間までとしているが、繁忙期には最大月100時間まで、年間720時間まで延長できるということです。この繁忙期の定義がよくわかりません。例えば、経営者が自由に繁忙期だと言えば繁忙期が1カ月でも2カ月でも3カ月でも4カ月でも繁忙期になるのでしょうか。また、サービス業は慢性的な人手不足で残業も多く、人気店はずっと繁忙期ですから、これを繁忙期といえば繁忙期になるのでしょうか。その定義が不明確であり、わからないので教えてもらいたいと思います。  次に、年間360時間ということですが、一方では年間720時間まで延長できるということです。これは倍の開きがありますが、どのように解釈をしたらいいのでしょうか。  この議論を興味深く見ておりましたが、どうも高度プロフェッショナル制度の議論が多くなり過ぎて、その陰に隠れてこの同一労働同一賃金や残業時間の上限規制について十分に議論されておらず、あやふやな点が多いと思いますので、説明いただきたいと思います。  次に、先ほどの高度プロフェッショナル制度ですが、年収が1075万円以上の専門職を残業規制から外して、成果に応じた賃金とする制度と言いますが、これは後々、対象職種や年収基準は、法律で規定されずに省令で決められるということです。これも議論になっていましたが、なし崩し的に対象が広げられるおそれがあるのではないかと懸念されます。本人が希望すれば対象から外れると言いますが、上司との力関係もあり、制度の適応を否定できるのかという疑念を持っています。ただ単なる残業代を払わずに長時間労働をさせられる社員を増やすだけになってしまい、経営者側の利益ばかりが追求されるのではないかと思っています。いわゆる労働時間を減らし、仕事量を減らさないというのでは、労働者を守る法律というより、働き方改革と言いながらも働かせ方改革ではないかと思い、疑念を持っています。  具体的な内容は余り法律の中でも書かれていませんが、労使交渉もやるということであり、私の懸念について商工労働部はどう思っているのか、説明していただきたいと思います。また、県内企業で時間外労働規制を外すということですが、月100時間以上働かせている企業は、どのくらいあるのか、教えていただきたいと思います。そして、本県で高度プロフェッショナル制度に該当するような企業が一体どのぐらいあるのか、労働政策を担当している以上は把握していなければいけないと思いますので、質問に入る前に、その点を商工労働部長にお聞きしたいと思います。 浅野商工労働部長  正規の処遇を下げ、それを非正規の処遇に振りかえることについては、基本的に好ましくないと思っています。  今回の働き方改革関連法案は、長時間労働の是正とさまざまな柔軟な働き方を導入し、同一労働同一賃金に代表されるような公正な待遇の確保が観点ですので、そういった視点から、今後、細かい部分については労働政策審議会等で審議されて詳細な省令等が定まり、この中で具体化されると思いますが、基本的には働く内容が同じであれば同じ賃金を払いましょうという主旨ですので、マイナスの方向に働くような動きは好ましくないと考えています。  繁忙期の定義については、先ほどの360時間と720時間との関係ですが、通常の時間外勤務は、月45時間、年360時間になっており、それ以外に特別忙しいときや臨時的な業務などがある場合は720時間です。この部分については、過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合と、過半数で組織する労働組合がない場合は、その労働者の過半数を代表する者との間の書面による協定、いわゆる三六協定に基づいて労使間で協議して定めることになっています。繁忙期についても、どういったものにするかというのは、この労使の協定の中で定めることになっており、何を繁忙期と考えるかは経営者が勝手に決めるものではなく、労使の協議の中で定まってくると理解しています。  それから、高度プロフェッショナル制度の範囲が拡大されるのではないかということについては、今回の法案の採決に当たって附帯決議などがなされています。対象業務については、金融商品の開発業務、ディーリング業務、アナリスト、研究開発業務などいろいろありますが、その省令の中で対象業務を具体的かつ明確に限定列挙することが参議院で附帯決議されていますので、そういった方向で今後、省令等が整備されてくると考えています。  本人が希望して離脱できる制度になっているが、力関係上なかなか難しいのでないかや、そういった働き方を認めておきながら一方でそういった働き方がしにくい環境をつくるということについては、制度の主旨から外れてきますので、そういったことがないように法律の中でも少し書かれております。これについては今後、この制度が導入された場合には、労働基準監督署等が実際にその実施状況についても確認すると伺っています。  それから、県内企業の中で月100時間以上働いている企業がどれぐらいあるかということです。この労働基準の関係の業務が国の業務となっており、県で県内の全企業の今の状況は把握しておりませんが、労働局が昨年度「過重労働解消キャンペーン」の一環として労働基準関係法令の違反が疑われる52事業所に対して立入調査などを実施しています。この52事業所のうち23事業所で違法な時間外労働が認められ、指導を行ったと発表されております。これまでにもいろいろな問題がある疑いが多い企業ですので、少し率が高くなっていますが、一定数こういった事業所が現実にはあると理解しています。  高度プロフェッショナル制度を導入する企業数については、なかなか現時点では把握が難しいと考えています。県内にも金融機関を初めとして該当する可能性がある業務を行う企業は一定数あると理解していますが、そうした企業が全てこの制度を導入するものでもなく、また、そうした企業で働く対象となる労働者が全てこの制度の適用を希望するものでもないと思われるので、実際に対象となる企業や労働者が県内でどれぐらいあるかは現時点ではわからず、お答えできません。 佐伯委員長  暫時、休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午後0時00分 休憩)  (午後0時59分 再開) 佐伯委員長  再開いたします。  質疑・質問を続行いたします。 有福委員  今、国の方針が出ていないので、まだはっきり答えられないということでしたが、少なくとも長時間労働を強いていると疑われる会社が、県内で52事業所、うち23事業所が違反労働があったという事実があり、これからこの改革を実行していくには公的機関による監視や指導が不可欠になってくると思います。法律ができたことで、できるだけ労働条件の改善になり、人手不足の解消になることを期待したいと思います。  働き方改革は、少子高齢化に伴う人口の減少や働く人のニーズの多様化などの課題に対応し、働く人一人一人がよりよい将来の展望を持ち得るようにすることと考えていますが、逆に言えば企業にとっては規制が強化されるということで、労働時間が減り、非正規社員の賃金が上がることで生産性の向上を迫られてくるわけです。法改正の適用は、大企業は2019年4月から、中小企業が2020年4月からです。それまでに県内企業はその内容を理解していかなければならないと思っており、準備を進めていく必要が出てきます。  そこで、この多くの県内の中小企業の理解と準備を進めるために、県はどのように法改正の内容の周知をしていこうとお考えなのでしょうか。  また、同一労働同一賃金や長時間労働の是正などで中小企業の現場では経営が困難になるのではという不安を抱えている事業所もあると思いますが、一方で、職場の就労環境や労働環境が変われば従業員も定着することから、企業にとってもプラスになると思います。県内中小企業に働き方改革の必要性を訴えていかなければ、思うように進んでいかないと思うのですが、その点はどうお考えなのか、部長にお尋ねしたいと思います。 浅野商工労働部長  今般の国会で可決、成立した働き方改革関連法案は、労働基準法を初め8つの法律を一括改正するもので、その内容は多岐にわたっています。罰則つきの時間外労働の上限規制を設けることによる長時間労働の是正や同一労働同一賃金に代表される、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保など、重要な内容が含まれているため、この内容を県内企業が正しく理解し、取り組むための準備をしていただく必要があると思っています。  中小企業に対しては、大企業に比べて法の施行時期が若干猶予されています。期間の猶予もいただいていますので、この間にしっかりと法律改正の内容を周知し、理解をいただいた上で、それぞれの企業の経営や労働環境についてもさまざまな改革をしていただく必要があります。そういった準備期間を十分にとって、それに向けて進めていただく必要があると考えています。  県では、香川労働局と「香川県雇用対策協定」を結んでおり、この協定に基づき今般の改正内容の周知について協力して実施することとしています。具体的には、今年、新規事業である「かがわ働き方改革推進トップセミナー」を県内で開催します。こういった機会を活用し、まずは経営者に今回の法改正の内容等について十分に周知して、準備を進めていただきたいと思っています。  働き方改革に取り組むということは、労働者にとっては長時間労働の是正や多様な働き方も可能にするものであり、企業にとっては人材が不足する中で優位な人材を逆に確保するいいチャンスにもなりますが、生産性を向上することにより、コストを中で捻出していかなければならないという課題もあります。働き方改革の推進のためには、各企業のトップの理解や取り組みへの明確な意思が重要であると思っています。  県では、今年度の新規事業として「かがわ働き方改革推進トップセミナー」を活用し、特に多い県内の中小企業を県内3ブロックに分けて、セミナーを開催することにより、さまざまな形で法改正の周知や働き方改革に向けた積極的な取り組みをしていただける事例紹介も行っていきたいと思います。  また、働き方改革に向けた取り組みについて、多くの企業の方が一体何から始めたらいいのか、わからない部分もあるため、働き方改革推進アドバイザーが県内企業を回り、特に多い中小企業に対し、まずは必要性を十分説明したうえで、職場環境を確認し、労働環境の現状分析も行い、その企業の担当者と一緒に課題を明確化し、どういった先進的な取り組み事例があるのかを紹介したり、就業規則の見直し支援なども行うこととし、300社ぐらいの県内企業を訪問する予定です。  今後とも、働き方改革の取り組みの必要性について十分な理解をいただけるよう、今般の働き方改革関連法案の内容についてさまざまな不安な部分の払拭ができるよう機会を捉えて十分な周知啓発に努めたいと考えています。 有福委員  働き方改革の必要性を企業のトップにまず、理解してもらう取り組みを紹介いただきましたが、このトップセミナーは、商工会議所や商工会を中心にお声がけいただき、ブロックなどでやるのでしょうか。  300社ぐらいにアドバイザーも派遣するということですが、中小企業は社員と近く、自分の会社がやむを得ず、長時間労働をさせていることは、重々理解していると思います。言うはやすしですが、自分たちの会社の中の働き方を変えていくのは、なかなか難しいと思います。それだけ社員に余裕もない企業がいっぱいあるわけで、その根本的な解決を行っていかないと、1人でも2人でも多く採用して仕事を減らしていくなど、中小企業にAIやICT、IoTと言っても今すぐにとは、いかないので、そういうアドバイスも必要だと思っています。さらに、人材面、設備投資や設備費用など経費の面で大きな負担が発生します。  そこで、実際に、今働き方改革を取りあげている企業の後押しをする支援も大事だと思います。県は、例えばこういう会社が社員の時間外勤務が少なくなった、職場の環境もよくなった、うちの社員は何年もずっと勤めていただいているなどを紹介するモデル的なものを含めた取り組みをしたらどうかと思うのですが、いかがですか。 浅野商工労働部長  まず、セミナーの関係ですが、できるだけ多くの企業の経営者や人事担当者にお集まりいただきたいと考えており、開催に当たっては労働局とも連携を図りながら各企業に案内を差し上げるとともに、経済団体にも連絡を差し上げて、経済団体を通じて各企業にも周知したいと考えています。  この取り組みは、言うはやすしで、特に中小企業にとっては経営にかかわる大きな問題でもあります。そういった中、少しでも働き方改革が進むよう支援していかなければならないと考えています。  現在、昨年度から既に働き方改革を進めている企業もあります。今年度も、新しく5社ほど事業者を選定し、そこに社会保険労務士等の専門家を一定期間継続して派遣する形で、その企業が改革に取り組む内容を伴走的にサポートしていくことを考えています。  また、今年度の新規事業として、「かがわ働き方改革推進宣言」を行う企業の募集を行っており、うちの企業はこういった改革に取り組むと、まず企業に対外的にも公表して取り組みを進めてもらう事業を実施しています。若い方々は給与だけではなく福利厚生や休暇制度などに大変興味を持ち、そちらにかなりウエートを置いて企業も選択しているので、公表すれば、そういった方々にも訴求していけると考えます。  今後、宣言をした企業の中で特に成果が顕著であったり、先進的な取り組みをしている企業については県として表彰なども行い、さらに取り組みを加速化していきたいと考えています。  意識的な面に加えて、経費的なものもかかる中、働き方改革を進める環境整備は、なかなか企業にとって負担が大きいもので、特に女性が働きやすい環境づくりや裁量的な労働ができる環境づくりなどには一定の条件整備が必要なため、「かがわ働き方改革環境づくり助成事業」を新しく実施することとしています。この事業は、テレワークなどの在宅勤務などの柔軟な働き方の推進や、女性・男性や高齢者などの職域拡大などに向けた社内環境の整備に要する事業費に対し、補助率2分の1、上限額150万円の助成を行おうとするものです。申し込みが先月末で終わり、今内容について精査しています。今後、審査により助成対象事業者を決定し、助成した企業の中で特にすぐれた取り組みなどについてはリーフレット等でPRし、他の企業にも波及させていきたいと考えています。 有福委員  働き方改革の推進宣言を出して、取り組みの企業を応援することは、良いと思いますが、1年や2年で取り組み改革したと表彰をあげていたら3年後からどうなるかわかりませんが、ある程度定着してくるようにインセンティブが働く応援をしていただきたいと思うと同時に、人材不足が少しでも解消されるのなら企業にとっても大きな利益があると思います。  今年度、先ほどの「かがわ働き方改革推進事業」ということで取り組まれていると伺い、熱心に働き方改革を語られていましたが、平成29年度、全職員の月の平均残業時間は13.6時間と聞いています。これは出先もありますが、そのうち本庁の職員は平均残業労働時間18.4時間です。しかし一方で、過労死ラインと言われている月100時間の残業の職員が127人います。予算課などに多いと思いますがこの中で、商工労働部は何人いるのでしょうか。  また、今年度で3年目になる7月から9月までの3カ月のサマータイム、初年度である、平成28年度の利用者数は328人、平成29年度は260人、今年度は126人と聞いています。新たに勤務時間を遅らせるサマータイムをつくり、60人程の利用を見込んでいると聞いていますが、どんどん減少しています。商工労働部が所管していますが、全体的に見て意識の変化が見えないのですが、商工労働部はきちんとやっているのでしょうか。商工労働部の働き方改革がどうなっているのか、お尋ねします。 浅野商工労働部長  部内の状況について詳細な資料を持っていませんが、私も以前総務部でいたときに、超過勤務の縮減についてしっかりとやるようにと各部に指示をしていた立場でしたので、機会を通じて休めるときには休むよう伝えていました。特に6月からの夏季休暇の率先的な取得に比べて年次休暇もプラス3日で取得するよう全庁的な通知もいただいており、今年度から新たに早出出勤に加えて遅出出勤も認められるような環境もつくっていただいております。現在、商工労働部内でも何人かが既に早出出勤で出てきている職員もいます。今正確な数字は持っていませんが、取り組みは進めていると思っています。  もう一点、労働時間の関係ですが、全庁的な数字が先ほど委員からお話がありましたが、商工労働部は100時間を超える超過勤務をしている職員はいないと認識しています。 有福委員  商工労働部内部から職員の健康を考えていただき、商工労部だけではなく交流推進部も忙しく大変な部署だと思いますけど、職員の健康管理もしていただくと同時に、率先して取り組んでいただきたいと思っています。  最後に要望をさせていただきたいと思いますが、中小企業は既に人手不足の中で経営をしています。働き方改革と言っても余裕がないのが実情であり、一方で長時間労働につながる職場の無駄を見直すとこともしなければいけないし、AIやロボットなど、省力化できるものも進めていかなければなりません。それには費用がかかりますが、設備投資の余力のない中小企業への支援策が必要になってくるので、県内企業が持続的にこれからも発展していける手厚い支援を、商工労働部全体の問題として企業を育てていく努力をしていただきたいと思います。それが、ひいては香川県の活力になると思うので、頑張っていただきたいと思います。 樫委員  まず第1点は、高松空港の民営化についてです。  4月から高松空港が仙台空港に次いで全国2番目に民営化されました。高松空港株式会社が公表しているマスタープランや中期計画、5カ年計画を見ると、路線の誘致や増便さらには設備投資の計画はしっかりと書かれていますが、安全対策に対する記述が少ないと思います。マスタープランでは、長期の安全・安心な空港のインフラ経営と言っていますが、どういう安全体制をとるのか具体的に書かれていません。また、中期計画では、「安全・安心の空港運営を行います。」となっていますが、インフラ経営の位置づけで乗客やそこに働く労働者の安全確保や事故、災害時の対応などが全くないのはなぜでしょうか。  私は、昨年11月の決算行政評価特別委員会で利益優先ではなく安全性確保こそ最優先すべきという点で3点質問をしました。1点目の、今まで実施されてきた国の安全基準が守られる保証があるのかという質問に対しては、安全性の確保は非常に重要であり、国の指導監督を受けて行うという答弁でした。2点目は、空港運営会社への県と高松の出資額が10%で、90%を持つ民間企業に安全性確保で発言権を行使できるのかというお尋ねをしたところ、空港運営会社には非常勤取締役に副知事を派遣しており、安全性確保について申し入れを行うという答弁でした。3点目は、LCCの大幅増便を図るとしているが、安上がりな労働強化により安全性の低下が懸念されるがどうなのかとお尋ねしたところ、LCCの大幅増便などにおける安全性は国土交通省が適切に対応すると認識しているという答弁でした。4月から新会社がスタートしたわけですが、安全性確保についてどのような対処を検討しているのか、お尋ねしたいと思います。 新池交流推進部長  まず、マスタープランや中期計画の中での安全・安心な部分が少ないのではないかという質問については、確かに御指摘のとおりボリューム的には少ないですが、高松空港株式会社によると、マスタープランと中期計画に「民営化による変化」を中心に書いたため、安全・安心な部分が少なくなっているが、当然ながら安全・安心の確保は一番大事なので、国が従前やっていた安全水準を維持することを第一に国からの業務承継等を進めてきたと伺っています。具体的には、昨年10月から要員を順次配置して、職種ごとに必要な規程・協定を整備し現場でのOJT等を通じて基本的な知識を習得してきたことや、4月の業務開始以降も、国から募集要項に定める最大11名の保安や安全等にかかわる職員を中心に派遣いただき、従来どおりの安全・安心な空港運営を確保して、国の指針に基づく教育や訓練等を鋭意実施し、今後3年間で民間単独での実施体制を築くべく取り組んでいる状況です。  また、安全性の確保に関しては、空港運営会社自身によるセルフモニタリングと、その結果を踏まえた国のモニタリングの2段階で監視することになっています。さらに、高松空港株式会社のモニタリングについては、空港運営会社内部で行うもの、安全・安心に精通したグループ構成員により行われるもの、外部有識者等により行われるものの3段階のモニタリングをすることにしています。国は、空港運営会社によるセルフモニタリングの結果についての各報告書を参考にして、航空法、空港法その他法令、国が求める満たすべき安全基準を充足する運営等を行っているか確認するためのモニタリングを実施し、国は必要に応じて資料請求や現地調査等を実施することができるとなっています。  県としては、国や空港運営会社において適切に安全対策が実施されると考えていますが、安全性の確保は非常に重要なので、万が一、必要な事態が発生した場合には、国や空港運営会社に対して改善を求めていきたいと思っています。  さらに、新会社がスタートした4月以降の安全確保について県としてどのように対応してきたかについては、空港運営会社が滑走路やエプロンなどの空港基本施設、航空灯火や電気設備などの航空保安施設の安全管理について、国が定める指針に基づいて必要な点検・維持・修繕を行っているかについて、運営会社や大阪航空局高松空港事務所に聞き取りや確認を行ったところです。 樫委員  今、お聞きしたら、安全基準があるということです。あるなら我々に示してもらわないとわかりません。今、セルフモニタリングで会社や国、外部の有識者という体制もとっているや、国の要員11名の派遣などいろいろ答弁されましたが、実際それを県が管理・監督し、発言できる状態にあるのですか。副知事が行っているから大丈夫とこの前の答弁では言っていましたが、非常勤取締役です。今部長が言われた内容が本当に安全性を担保するものになっているのならそれをきちんと管理・監督を県もチェックできる体制を持たないといけないと思います。株式の9割は民間が持っていて、1割が県と高松です。発言権なんかもともとないのではありませんか。そういう中で本当に安全性を確保できるのですか。 新池交流推進部長  県として安全基準がどうなっているのか、詳細な部分は、知り得ない部分です。安全・安心の確保については、空港運営会社と国によって確保されていますが、万が一、何か発生すれば、必要なことを申し入れることとしています。県としては、詳細な根拠については知り得ないし、監督権限は持ち合わせていません。 樫委員  今の部長の答弁は、安全基準の詳細な根拠についてはわからない、何かが起きたとき申し入れはするが、そうでなければ監督権限もないという答弁なので私は聞いているわけです。  それともう一点は、LCCがどんどん増便されたときにどうするのかということについても、国に任せているのですか。そこが私は問題だと言うことでお尋ねしています。 新池交流推進部長  繰り返しになりますが、県としては安全を確保することは重々認識していますが、まずは空港運営会社と国に、それぞれの法令等による基準において安全体制の構築をしっかりと遂行していただき、県は、具体的な内容は知り得ないが安全の確保がしっかりとできているかどうか聞き取りを行うことで、確認していくことになります。LCCについても、基本的には国において確認と適切な対応をしていただくものと考えています。 樫委員  安全基準のいろいろなものがあるのなら、資料も見せていただきたいし、それにのっとり県としてできることも検討してもらいたいと思っています。  民営化になってから飛行コースが変わったという話を聞いていますが、部長はそういう話を聞いていますか。 新池交流推進部長  飛行コースについては、運営委託後、変わっているという話は聞いていません。 樫委員  そこが私は問題だと思います。周辺住民が、騒音がひどくなったと言っています。綾上中学校の近くに住む方が言われるには、前と全然違って、急旋回したり急降下をしたりということがあり、飛行コースも変わっていると言われています。綾上中学校に通う中学生は、「先生の声が窓をあけたら聞こえなくなるため授業中は窓があけられなくなった。運動場では体育の授業で先生の声が全然聞こえなくて、運動会の時も困ったし、中学校の真上あたりを通って離着陸しているのではないか、前とは違うと思う。」そうです。そういうことを空港運営会社が言わないと県は何も知らない姿勢が問題だと思います。地元の方は、空港運営会社に対して、何とかしてほしいと交渉に行ったと私は聞いていますが県は知っていますか。 桑原交通政策課長  まず、最初の飛行コースの変更の有無については、部長答弁とも重なりますが、大阪航空局高松空港事務所に確認したところ、民間委託の前後、4月1日以降、飛行コースは変わっていないとのことです。なお、御指摘の綾上中学校は空港の西端から3キロほど離れており、通常中学校の真上を通って離着陸することはないと聞いていますが、飛行機が西向きに離陸し、規定高度に達した後、北へ進路を変えるときに、綾上中学校の真上で航路を変えていると聞いています。また、空港運営会社に地元住民が交渉に行っているのではないかという点についても高松空港株式会社に確認しましたが、住民からは直接、話は聞いていないという認識でした。 樫委員  話が全然違います。地域住民の人は本当にそう言っています。飛行コースが変わったから音が大きくなったのではないかと言っています。そのことを空港運営管理会社に言いに行ったというのが、確認されないということ自体が、問題だと強く思います。  今回の民営化に当たり、事前に周辺の綾川町、香川町、香南町、西植田町、塩江町の関係住民との事前の話し合いは出来ているのですか。 桑原交通政策課長  高松空港株式会社としては、周辺住民との話し合いの機会は持っていないということでしたが、民間委託の手続が進められる中で、地元市町へ報告等は行っているということでした。 樫委員  以前とは違ってきているわけで、県として騒音調査をしていただき、騒音が格段に上がっているのなら、対策を取る必要があると思います。資料を見させてもらいましたが、環境基準があって、5月に、毎日綾川町の山田上東栗原、千疋上の谷、香川町の川内原の3カ所でデータを取っているということで、昼間なら55デシベル以下であれば問題ありませんが、56デシベル出ている時間帯もあります。また、夜は45デシベル以下でないといけませんが、45デシベルをほとんどの地点で超えています。しかし航空機の環境基準は62デシベルだから問題ないということです。飛行機なら音が高くても構わないと言いますが、騒音の規制との違いについてどうなっているのか、まずお尋ねします。 桑原交通政策課長  まず、高松空港の環境基準は、委員御指摘のとおり62デシベルとなっています。こちらは、環境基本法にのっとり、環境基準を地域類型に当てはめて環境基準を定めています。当該高松空港は、航空機騒音障害防止法に定める特定飛行場には該当していませんが、従来、高松空港を設置するに当たっての航空機騒音に対する地元の方々の懸念もありましたし、基金を設置しての丁寧な対応もしてきましたので、県としても年2回の実地調査を行っており、これまで測定結果が環境基準を超えたことはないと伺っています。 樫委員  今、航空機の離着陸回数は1日何回ありますか。1時間当たりにすると何回になりますか。 桑原交通政策課長  曜日によって、国際便の就航便数が異なりますが、最も多い日で離着陸合わせて1日42回です。高松空港の離着陸可能時間帯が7時から22時の15時間ですので、平均すると1時間あたりは2.8回となります。 樫委員  将来的に便数が倍化すれば、1日100回近くになり、騒音はどうなってくるのでしょうか。 桑原交通政策課長  仮に、現在の運行時間の中で便数が倍になったと仮定すると、現状の平均46から55デシベルから、計算上3デシベル程度上昇するのではないかと環境森林部からは伺っています。 樫委員  騒音は上昇することになるわけで、騒音問題で県として関係住民と十分な話し合いを持つ必要があると思いますが、その点はいかがでしょうか。 桑原交通政策課長  これまでの騒音調査結果を見ると、環境基準を超える結果は出ていませんが、空港が今まで行ってきた騒音に対する周辺住民とのやりとりを踏まえると、大変重要だと思っています。仮に環境基準を超えた場合は、環境森林部と協力して、関係住民の意見も伺いながら国に原因究明と騒音対策の実施をお願いすることになります。 樫委員  「高松空港振興対策事業」について、平成30年度の航空ネットワーク振興対策事業予算の4億5200万円は、路線開拓や利用促進をすると思っていましたが、航空会社の航空経費の助成も含まれている内容です。民営化したのであれば、県がここまでする必要があるのかという気がしますが、どうでしょうか。  また、高松空港振興期成会負担金となっていますが、今度、新たに設置された高松空港エアライン誘致等協議会と今までの振興期成会とは、どういう役割上の違いがあるのかあわせてお尋ねします。 新池交流推進部長  路線誘致や空港の利用促進については、高松空港が本県の交流人口の拡大や地域経済の活性化を図るための基幹的な交通インフラであることから、これまで地元で積極的に取り組んでおり、民間委託開始後においても、これまで培ってきた既存の航空ネットワークの人的ネットワークやノウハウを生かし、引き続き、県としても空港運営会社と連携・協力して一緒に取り組んでいこうと考えています。  高松空港振興期成会と高松空港エアライン誘致等協議会の違いですが、高松空港振興期成会は、地元の経済関係、観光協会、民間会社、旅行会社、運輸会社など幅広い分野から80人ほどの会員で構成しています。従来から空港振興を目的に、会費を出し合い、県や高松が負担金を入れ、基本的には路線誘致や利用促進を行っています。利用促進については、主にアウトバウンドに取り組んでおり、県民や日本人が外国へ出かけるための利便性の向上や利用促進に努めています。  高松空港エアライン誘致等協議会は、高松空港運営会社が主体となって設置した協議会で、運営会社として地元と連携し、高松空港と地域の活性化にあたって、地元の意見を聞くために、高松、綾川町、四国経済連合会や同友会などの地元の経済団体、県観光協会、四国ツーリズム創造機構の11団体で構成しています。今後、空港と地域の活性化に向けて、路線誘致等の具体的な内容をどう進めるのかや、地域活性化などをどうするのかなどを協議する組織です。 樫委員  直轄空港整備負担金については、今までは2億円以上でしたが、平成30年度は2400万円余となっています。民営化後は、空港運営会社が既存施設の維持更新は行うことで減額されたと思うのですが、今後は、こういう状況でいけるのでしょうか。 新池交流推進部長  今般の民営委託により、滑走路改良や飛行灯火改良など従来行っていた空港機能向上の工事は、国が実施していた当時は、直轄負担金の地元負担として3分の1を求められていましたが、民間委託後は、なくなっています。今年度、直轄空港整備負担金として計上しているのは、航空機がオーバーランやアンダーシュートしたときの安全対策として全国的な直轄空港で行っている滑走路の端の安全区域のRESA対策工事に係るもので、民営委託の募集要項の段階から空港運営事業の前提として民間委託開始後に国が実施することを予定している工事として記載されているため、今年度予算に計上させていただいています。 樫委員  基本は、空港運営会社が行うということなので、県の負担はこれぐらいで、今後もやっていけるということでしょうか。 新池交流推進部長  基本的な更新の工事については、負担金は要りませんが、設備関係で全く新規のものが、今後出て、先ほどのRESA工事と同じように国が施行するとなれば要ります。 樫委員  CATIIIなどを導入すれば、県負担が発生してくるということでしょうか。  マスタープランを見ていると、15年後に307万人、現在の1.7倍の旅客数を達成するという目標ですが、今後、民営化が福岡、広島、熊本、北海道の4空港で予定されており、地域間競争が激化する中で、本当に達成できるのかという気がしますが、その点はいかがでしょうか。  また、浜田知事は代表質問の答弁で、「交流人口の拡大による地域の活性化」を強調していますが、私は香川に魅力がなければ、空港の路線を拡張しても利用客は増えない気もします。地域経済の活性化と交流人口の拡大は表裏一体として取り組んでいかなければならないと思うのですが、どうでしょうか。路線拡張のみに力を入れても、香川の受け入れ体制がなければ長続きしないわけですから、その点はどうお考えでしょうか。 新池交流推進部長  地元と運営会社が連携・協力しながら路線誘致等を行っていく中で、空港運営会社が掲げている目標は高いものだと認識していますが、今後の見通しについては、社会経済情勢や航空業界の状況、新規路線の誘致や既存路線の増便等の状況を見きわめながら考えなければならないと思います。  知事が代表質問の答弁で申し上げたのは、人口減少社会で地元の人口が減ることによる消費の減少が懸念される中、外から人を呼んでくる交流人口の拡大をしていけば、地元における消費が増えることで、ひいては地域経済の活性化につながるという趣旨でありますが、地域活性化は、交流人口の拡大だけで達成されるものではなく、産業振興など、いろいろな分野の振興により成されるものであり、交流人口の拡大はその中の一つであると言う趣旨です。地域経済の活性化と交流人口の拡大は同時に進めて行くべきという点については、御指摘のとおりと思っています。 樫委員  しっかりやっていただきたいということを申し上げて、四国新幹線の導入について、お伺いします。「四国鉄道高速化啓発事業」については、今年度は300万円の予算となっていますが、平成13年度からの17年間でどれだけの予算を使い、どんな成果があったのか、まず初めにお尋ねします。 新池交流推進部長  平成13年度から立ち上がった協議会もありますが、「四国鉄道高速化啓発事業」は、平成26年4月の基礎調査が出た平成27年度からの事業であり、平成30年までの4年間で990万円です。新幹線実現に向けた啓発の成果ですが、民間レベルでの四国の新幹線実現に向けた機運の醸成が図られた例としては、日本青年会議所が四国4県で、昨年4月から約半年間で実施した「四国の新幹線早期実現」に向けた署名活動の結果、12万人を超える署名が集まりました。この署名に基づいて、昨年11月には、国土交通大臣に四国の新幹線整備計画への格上げの陳情を行ったのが民間レベルの成果です。  平成29年度及び平成30年度の政府予算案において、地元からの要望等の中で基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査費が計上され、瀬戸大橋での工事に関する事項などが調査されていますが、これは、これまでの四国の要望が一定、国に受けとめられた結果と考えています。 樫委員  「新幹線で四国を変えよう!新幹線を活かした四国の地域づくりビジョン調査」が行われ、「調査結果を踏まえて」で、「四国の団結力が試されています」と書かれていますが、四国4県は、本当にまとまっているのでしょうか。そんな状況には、ほど遠いという話も聞いていますが、その点はいかがでしょうか。特に徳島県は、別に四国新幹線がなくてもという話であり、高知県はそんな機運は、県民レベルでは盛り上がっていないそうです。愛媛県もいま一つで、一番力を入れているのは松山だけという話も聞いておりますが、本県と松山だけで誘致できるとは思えません。この「四国の団結力が試されています」とはどういう意味ですか。団結がないから言っているのでしょうか。 新池交流推進部長  四国4県や経済界等で連携し、これまで要望活動やシンポジウムの開催も行ってきたところですが、昨年7月には、四国4県や経済界が連携して、四国の新幹線の実現に特化した新たな組織である「四国新幹線整備促進期成会」を立ち上げました。また、今月2日には、瀬戸大橋を通るルートの実現を目指して、自由民主党四国ブロック両院議員会と四国4県、四国経済連合会等で、岡山県知事を訪問し、意見交換を行い、伊原木岡山県知事からは、整備計画の前提となる法定調査の実施に向け、国への要望活動について、岡山県としても協力したいとのことでした。今後とも四国の新幹線の実現に向けて、「四国新幹線整備促進期成会」を中心に四国全体が一丸となって、取り組んでいきたいと考えています。 樫委員  今回新たに調査したということですが、時間短縮の所要時間や経済波及効果など、従前の数字と変わっておらず、何を調査したのかと思います。私は以前にも質問しましたが、B/Cや経済波及効果、県の負担額など、県独自の調査をすべきと求めてきましたが、どうなっているのでしょうか。米田委員が昨年10月6日の一般質問で、「建設コストを抑えるために単線でいいという話もあり、新大阪は飽和状態で今のままでは乗り入れできないとも言われている。そうなれば導入のメリットの根拠となるB/C1.03が変わってくるのではないか。」と質問されました。こういうことが言われているのであれば、県独自として調査をして、はっきりさせないといけないと思いますが、この点はいかがですか。  また、「地域防災力の向上」と言われていますが、新幹線導入で何が防災に役立つのか不明瞭なのでお尋ねします。  北陸新幹線で富山県や石川県の人口増減が記されています。県都は確かに資料を見ると増えていますが、県全体ではマイナスになっています。これをもって、若者の地元定着や大都市からの移住が進むと言えるのでしょうか。この点もお尋ねします。 新池交流推進部長  県独自の調査をすべきではないかということについては、平成26年4月に国の評価手法マニュアルに基づいて、フル規格の新幹線整備を前提に算出された基礎調査において、B/C1.02とされていますが、単線での整備など前提条件が変われば、当然B/Cも異なる結果が出るということですので、県の独自調査よりも、一日も早く、国の整備計画への格上げに向けた法定調査を実施していただきたいと考えています。 樫委員  新大阪は飽和状態になっているというのは、どうでしょうか。 新池交流推進部長  新大阪についても、今後、新たに北陸新幹線等が乗り入れる際に、どうなるのか、例えば立体的な駅構造になるのかなど、現時点では推測は難しいと考えています。  新幹線は、線路がコンクリート製の高架など強固な構造物の上に設置されているため、土砂災害等による輸送障害はほとんど発生しません。また、新幹線は風雨の影響も受けないトンネル区間の走行が多く、さらにはトンネル区間以外でも、騒音対策で設置している防音壁が風よけ等の役目を果たすため、強風の影響も受けにくいことから、在来線や航空機、一般道路と比べて雨風に対する耐性が高いと言われています。また、大地震のような大規模災害が起きた際にも、新幹線は比較的早期に復旧しています。  富山県及び石川県の主要都市の人口社会増減について、開業前の平成26年と平成29年を比較すると、富山、金沢どちらも社会増となっています。また、黒部では、社会減が社会増に転じている状況で、新幹線開業の効果があらわれていると考えています。
    樫委員  単線にすればB/C経費が安くなるからよくなるのではないかというけれども新大阪の状況を見れば、飽和状態になったため、さらに上へ駅を作る必要があるかもしれません。そういうことをすると、どうなるのかわからないわけですから、その辺も踏まえて考えていかなければなりません。  防災力の向上や人口が増えるという、いいことばかりを言って、啓発パンフレットを作るのであれば、プラスとマイナスのメリットとデメリットを両方書くべきだと思います。もう少し、その辺もはっきりしないと県民的な議論にはならないのではないかと思います。  最後に、並行在来線についてお尋ねします。  先ほどの米田議員の質問に浜田知事が「B/Cが1を上回るルートが示されたことから、新幹線整備が在来線維持にも効果があると考えております。」と答弁しています。在来線維持にプラス効果があるというのはどういうことなのか、お尋ねします。 桑原交通政策課長  新幹線の開業で、四国4県都間や四国4県都から新大阪間、東京間までの時間短縮が図られ、インバウンドを中心とした観光客の四国への集客増と四国内で滞在時間や宿泊日数が増加すると見込まれています。  また、在来線としては、二次交通としての活用が期待され、企業誘致の進展で通勤・通学者の増加が図られるなど、新幹線を核とした在来線等のネットワーク化が図られることにより、利用者の増加が期待されます。あわせて、新幹線が整備されると特急列車は、基本的に新幹線に移行するということで、通常ダイヤに余裕ができ、きめ細かなダイヤ設定が可能となり、普通列車のダイヤ編成にも弾力性が高まることが期待されます。 樫委員  それもまた、いい話ばかりです。インバウンドで人が来たら在来線がプラスになるかもしれませんが、実際にJRはもう10年すると、それは地元でやってくださいや、第三セクターでやってくださいなどとなります。あるいは今回有識者の懇談会では上下分離方式、つまり鉄道施設を自治体が保有し、運行をJR四国が行うという提案もされており、新幹線を導入したら在来線は、お荷物だという認識の上にこういう提案が出てきているのだと思います。だから、インバウンドで客が増えたら在来線もプラスになるというのは、それだけではないと思うのです。JR四国が本当に在来線も両方未来永劫ずっとやっていくというのなら話は別ですが、現実には、JR四国は9路線で年間114億円の赤字で毎年100億円の営業損失を出しており、唯一、黒字は瀬戸大橋線だけということですから、そういうことも踏まえて考えていかないといけないし、新幹線導入の議論ばかりやっていたら、並行在来線の改良が棚上げになってしまうのではないかとも思っています。平成27年2月定例会の総務委員会で質問しましたが、電化率は全国で55.7%、四国は27.5%、複線化率は、全国32.9%、四国は5.9%という状況です。全国は、恐らくアップしていますが、四国は3年たってもそのままです。JR四国は、在来線の改良は、もう考えていないと思いますが、そういうことで良いのかお尋ねします。 桑原交通政策課長  御指摘のとおり、JR四国は営業損失を計上しております。これは国鉄分割民営化の時のスキームが低金利の影響もあり、機能できなくなったことが大きな原因でないかという点については、懇談会で指摘しているところです。  この議論の原点は、そういったところにあるため、国においてスキームの再構築を図る必要があるのではないかと考えています。  電化率は、確かに全国で見ると、国土交通省の資料からですが、55・5%で、若干下がっています。複線化率も32.6%と若干下がっています。四国の電化率は27.5%、複線化率は5.9%で変化はないのが現状です。  また、懇談会の中で、主に有識者を中心にヨーロッパで行われている事例を引き合いに出しながら「上下分離方式」の導入など、公共交通に官がもっと積極的に介入すべきでないかという指摘・意見もありました。ただ、「上下分離方式」は自治体の負担がかなり大きくなるということですし、ヨーロッパでは目的税的な地方自治体の独自財源も確保されている状況等も鑑みれば、直ちにそういった施策の導入は難しいと考えています。  いずれにしても、並行在来線を含め、住民の足の確保は、最優先されるべきです。また、在来線か新幹線かの二者択一という議論ではなく、新幹線を核とした在来線等のネットワークをいかに構築して全体として利用者の増加を図っていくかという点が大事なのではないかと考えています。 樫委員  新幹線の論議は慎重にやっていただきたいということを要望して終わります。 石川委員  地域の定住人口の減少に歯どめがかからない今日ですが、それをいかにして補っていくかは、交流人口、つまり観光客によってその減少分を補っていくことだと思います。平成15年の小泉元首相は、観光振興を施政方針演説で取り上げています。観光の振興が日本経済の重要な位置を占めるように言われており、観光庁が発表した「2018年版観光白書」では、昨年の本県外国人延べ宿泊者数は45万3000人でした。外国人延べ宿泊数の伸び率は、平成25年から平成29年の平均伸び率で最も高い伸び率を示したのは香川県であると聞いており、次いで佐賀県、沖縄県の順と聞いています。香川県は、なぜこのように伸びたかということについて見てみると、2010年から始まった瀬戸内国際芸術祭によるPRによって認知度が向上したようです。香川県は2012年の外国人延べ宿泊数4.3万人から、2017年では45万3000人で10倍以上の増加率を示しています。特に、台湾、中国、韓国、香港などが増加しています。何が魅力かというと、直島のカボチャのアート作品や盆栽、手打ちうどんの体験、観光バスによるうどん店めぐりなどで、台湾人は、お遍路さんに非常に興味を持っていたようです。なぜ外国人がたくさん来たかというと、高松空港の利便性の向上により宿泊増につながっているのではないかと思います。2013年以降、台北、上海、香港と、国際便が2015年の週15便から2017年には週20便に増加したことも大きな影響があるのではと思っています。そして、中国、台湾、香港、韓国などからの入国者数の増加につながっているようです。  何が大切かと申しますと、香川県でしか体験できない独自の文化や食事、娯楽など、コト消費、つまり体験することが人気があって、地方のオリジナリティが大切であると思っています。  インバウンド事業を背景に県内においても、昨年、ホテルの建設の工事予定額が5年前に比べて100倍近い46億4300万円になったようです。県内の建築投資にも好影響を及ぼして地域の経済の活性化に大きく寄与しているのではないかと思います。  香川県における外国人観光客誘致に関する取り組みの成果は、先ほど申し上げたことにより随分出てきているのではないかと思うのですが、増加する外国人観光客が県内で快適に滞在や周遊してもらうには、受け入れ環境の充実が重要でないかと思います。  そこで、外国人観光客が増加する中、香川県として受け入れ環境の整備・向上について、これまでどのように取り組みをしてきたのか、お伺いします。 新池交流推進部長  増加する外国人観光客に対する受け入れ環境の整備については、これまで、高松空港やJR高松駅の観光案内所に英語、中国語、韓国語での通訳が可能なスタッフを配置するなど多言語対応の充実、Wi-Fi環境の整備・拡充、外国人観光客が訪れる観光施設等の公衆トイレの洋式化の補助、観光案内板や県公式観光サイトの多言語表記などを進めてきたところです。あわせて、おもてなし力を向上させるために、民間事業者等と連携して、従事者のスキルアップを図る研修会の開催に取り組んだほか、外国人観光客の受け入れについて先進的な事例等を紹介するセミナーの開催を通じて、外国人観光客を積極的に受け入れる事業者の拡大に努めてきたところです。  外国人観光客の増加により、多くの受け入れ施設にとって一番の課題は、接客時のコミュニケーションや言語の問題であることから、昨年7月から「香川県多言語コールセンター」を設置して、一部の言語を除き9言語24時間対応で、固定電話や携帯電話、テレビ電話等を活用した通訳サービスを提供するとともに、施設内の案内表示や飲食店のメニュー等の多言語翻訳を支援してきたところです。このサービスは、5月末現在でホテルや旅館などを中心に116事業者の加入があり、開設から今年5月までの実績は、通訳が303件、翻訳が905件で、利用者から好評をいただいています。  さらに、昨年10月からは、本県に来られる外国人観光客が、県公式観光サイトを通じて、スマートフォンで電話をかけると、「香川県多言語コールセンター」につながり、通訳機能を無料で利用できるサービスを提供しています。  県としては、民間団体等と連携して、ハード・ソフト両面からの受け入れ環境の向上に今後とも積極的に取り組んでいこうと考えています。 石川委員  外国人観光客に対して、いろいろな対応策で対応していただいておりますが、気を緩めることなく、より一層きめ細かな対応に注意していただきたいと思います。  本県を訪れる外国人観光客の満足度を高め、リピーターになってもらうことが大切であり、リピーター増による地方の外国人宿泊者は今後も増えると予測されておりますが、外国人観光客の宿泊の需要が地方に広がっていくかどうかは、リピーター率によって決まってくるのではないかと思っています。2013年以降のビザの緩和政策も効果があると考えられますが、1人当たりの所得水準とリピーター率は比例し、所得の多いところはリピーターで帰ってきてくれるということで、韓国や台湾、香港からの旅行者は、リピーターが多いようです。リピーターが増えてくるということは、外国人旅行者は地方を訪れる傾向が強くなり、今までは、東京、大阪、京都のような都会でしたが、リピーター率が高くなってくると地方を訪れてくれるのではないかと思います。大都市ではなく、食や娯楽など地方独自の体験を求める旅行者が多くなってくるとも言われています。所得水準が高まるにつれて地方への旅行者が増え、地方での外国人宿泊者数は高まっていくものと思われます。これからは地方の時代であると思うため、引き続き受け入れ環境を充実させていくことが何より大切だと思います。  来年は瀬戸内国際芸術祭やラグビーワールドカップ、そして2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催などを控え、外国人観光客の誘客に地域間の競争が一層激しくなると思われます。特に、岡山県や広島県などは空港を活用していますので、地方における競争も一段と厳しくなると思います。  その辺を見据えて、今後、受け入れ環境の整備に、どのように取り組むのか、お伺いしたいと思います。 新池交流推進部長  今後の外国人観光客の受け入れ環境の整備については、県内のホテルや商業施設、飲食店等に働きかけ、7月中旬以降に施設の入口付近に外国人観光客の受け入れを歓迎する意思を示すのぼりやステッカーを掲示することで、外国人観光客が店頭等で躊躇せず入れる雰囲気を作り、ショッピングやグルメ、旅行を楽しめる環境を整備する取り組みを行いたいと考えています。  あわせて、外国人観光客に対応するガイド等の不足が言われている中、今年の法律改正で、地域限定の通訳案内士制度が出来たため、全国に先駆けて観光庁に認定をもらい「香川せとうち地域通訳案内士」を今後、育成していきます。  具体的には、7月17日から受講者を募集し、9月と10月の連休を活用し、現場実習を含めた研修を行い、県内で十分通訳ガイドができる人材について、10月末には認定できるように取り組んでいくこととしています。  今後とも観光客が快適に周遊・滞在できるよう民間事業者と一体になり、受け入れ環境の向上に積極的に取り組んでいきたいと考えています。 石川委員  いろいろな対応により、観光も総合的な施策が必要と思います。より一層頑張って、他県に負けないようにお願いしたいと思います。  続いて、滞在型観光の推進について質問します。  観光客を増やすことは大切なことですが、観光振興の目的でもある地域経済の活性化を図ることが大きな課題で、観光消費額を拡大していくことも大事だと思います。観光庁が発表している訪日外国人旅行者1人当たりの観光消費額は、中国人は1人当たり17.7万円、アメリカ人が15.9万円、台湾人が10.4万円、韓国人が8.1万円です。できるだけ本県に来て、長く滞在してもらうことが大切な中、中国人のツアーで香川県の滞在日数は1日で、香川県に来た時か帰る時かの1日ということになっているようです。香川県に来てどこの観光に行くのかと言うと、栗林公園、小豆島、瀬戸大橋記念館あるいは善通寺という調べも出ています。  観光客に滞在していただくための滞在型の観光に、県がこれまでどのように取り組んできたのかをお伺いします。 新池交流推進部長  これまで、観光客の受け入れ環境は整備してきておりますが、さらにソフト・ハードの両面で観光事業関係者との連携の上、旅行会社の招聘ツアーを実施し、本県ならではの観光コンテンツを活用した旅行商品の造成促進に努め、実際に和三盆の型抜きやイチゴ狩りといった体験を組み込んだ旅行商品も造成されました。また、県公式観光サイトうどん県旅ネット」において情報発信し、旅行会社への旅行商品造成の働きかけに取り組んできました。 石川委員  日本における延べ宿泊者数ですが、東京都が一番多く24.4%、次に大阪が15%、北海道が9.5%、京都が7.1%、沖縄が5.9%で、何といっても東京や大阪のゴールデンルートに泊まっているようです。  香川県に来る外国人や日本に来る外国人は、中国人が一番多いようです。中国人旅行者の特徴が書き出してありましたが、最新型の電化製品や化粧品などの購入、富士山や桜などの日本独特の景観、清潔な大都市に関心を持ち、神社仏閣には関心を示さないようです。食に対する関心は強く、温かい食事を好み、冷たい食事は好まないようです。宿泊関係では、中国人は相部屋を好まず、温泉、特に露天風呂を好み、ビジネスタイプの狭い部屋は好まず、大きな部屋を好むようです。また中国人は室内で靴を脱ぐ習慣がまだできていないので、座敷は好まないようです。中国人は大体1人当たり17.7万円ぐらい使うようですが、一番たくさん使うのは買い物代で49%、宿泊代が21%、飲食が14%、その他が16%です。やはり中国の方々は、買い物に多く使われるということです。  香川県では、うどんづくりなど体験型の観光や夜型観光もありますが、瀬戸内海が大きな観光資源であり、クルージングを活用して観光客の滞在を促すことが必要であると思います。そこで本県のクルージングの実施状況と県としての今後の取り組みについてお伺いします。 新池交流推進部長  瀬戸内海を巡るクルージングについては、県内の民間事業者により、サンポート高松発着で女木島や男木島などの近海を遊覧し、瀬戸内海に沈む夕日を眺めることができるサンセットクルージングや高松マリーナ発着でヨットをチャーターし、ヨットセーリングを体験しながら瀬戸内の島々を巡るクルージング、サンポート高松発着で、男木島の人気店でフレンチディナーを楽しむナイトクルージングなどが現在、実施されています。  これまで県としては、これらの民間事業者が実施するクルージングについて、ウエブサイトにおいて国内外に情報発信しているほか、旅行会社への旅行商品説明会等において、本県ならではの観光コンテンツとして紹介し、クルージングを活用した商品造成を促進してきたところです。  また、瀬戸内海を運航する定期船についても、クルーズ船としての活用も考えられることから、毎年県と高松が連携して7月下旬から8月上旬に実施しているサマーナイトフェスティバルの一つのイベントとして定期船、宇野─高松フェリーを活用したミュージッククルーズを運航しています。  今後とも、民間事業者と連携し、クルージングによる旅行商品造成を促進し、体験型観光クルージングを活用した体験型の観光を促進し、より一層の観光客の滞在時間の拡大に努めたいと考えています。 石川委員  民間事業者による島めぐりのクルージングやサマークルージング、ヨットを活用したクルージングを行っているようですが、民間から私は聞いていません。観光客に対しては、情報発信しているようですが、我々は情報をまだ得ていません。民間で、個々にやっているようですが、もう少し大々的に島めぐりのクルージングをやれるようにすればどうですか。観光船を民間でつくるのが大変であれば県費で観光船を作り、民間に委託するや、指定管理者的な制度で行うなどして、瀬戸内海のクルージングは、香川県がやっているということを、瀬戸内海一円で一番に手を挙げるべきです。今民間でもやっていますが、そういう観光船を県で建造し運用することも考えていくことが必要と思いますが、いかがですか。 新池交流推進部長  観光船を県で建造してのクルージングには、一番に、それなりの経費の問題があります。まずは、民間事業者において、クルージングを運航します。例えば、先ほど紹介した高松港から回っている遊覧船は、最初は高松が一定運行の助成をして、今年は助成なしで運行していますので、そういった民間事業者が行うきっかけづくりは、検討可能だと思います。基本的には民間事業者の船をいかに活用してクルージングしていただくかを考えています。 石川委員  民間事業者の活動も大事なことだと思いますが、県が一流の観光船をつくって瀬戸内海でナンバーワンにならなくてはなりません。民間で今やっているのも、世界から見れば漁船で回っているようなものです。世界を市場として見た場合に、外人旅行者に対して、最高の船・最高の環境で瀬戸内海をクルージングできますとPRすることも大事です。また、先頭を走ることが大事で、2番ではだめです。先頭を走ることが大事ということを肝に入れてください。香川県は観光資源がたくさんあり、観光立県でいくという方針を決めているのですから、世界を相手にした観光を考えないといけません。地元の人や周辺の人だけでなく、外国人観光客に瀬戸内海に来てよかった、高松に来てよかったと宣伝してもらえるようにしてください。滞在型というのは、香川県で何時間滞在してもらえるかということです。海だと時間はかなり費やすことができますから、そうすれば高松で泊まってくれます。バスで来ると、泊まりは高知や松山となってしまいますので、香川県で泊まれる時間帯をつくるという意味では、海のクルージングだと時間がかなり使えますので、それによって泊まってもらう効果を狙っていくべきと思います。。 佐伯委員長  以上で、商工労働部及び交流推進部関係の質疑・質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 佐伯委員長  御異議なしと認め、商工労働部及び交流推進部関係の質疑・質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会をいたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....