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佐伯委員長 これより質疑、質問を開始いたします。
樫委員 2点、お尋ねしたいと思います。
1点目は、
防災意識の向上についてです。
去年の5月に
県政世論調査が行われました。この中で、防災・
減災社会の構築についての重要度を尋ねる項目では、「とても重要である」「まあ重要である」が85.1%と、認識をしているのですが、満足度を見ると、「とても満足している」「まあ満足している」が11.9%しかなく、「やや不満」「とても不満」が33.1%です。県としていろいろ努力しているのに、なぜこのような結果が出るのかと疑問に思っていたのですが、今回、
四国新聞が
県民アンケート調査を行いました。その結果が3月15日付けで新聞報道されていたのですが、県民は
南海トラフ地震に危機感を高めながらも家庭での
防災対策が十分ではないことが明らかになったとのことです。どのような不安を感じているかというと、「建物の倒壊」、「家族の
安否確認」、「ライフラインの寸断」、「
避難生活」などに大きな不安を感じながらも、家庭での
防災対策はほとんどできていないとのことです。これに対して、防災の専門家は、具体的な被害の
イメージができていないために対策が進まないのではないかと言っています。一人一人が
危機意識を共有するのが大事ではないかという分析がされています。
防災対策のあり方について、新たな
取り組みを行わないといけないのではないかと感じました。そういう点で、参考になると思ったのが、去年の4月に、かがわ
自主ぼう連絡協議会が発行した「防災・減災の輪」です。
三豊市立山本小学校の
山下昌茂校長が、第1回の
防災訓練を実施したとのことですが、その内容は、
小学生主体の
防災訓練ということです。なぜ
子供主体に行うかというと、1点目は、
大人主体の
防災訓練を行うと肝心の子供がお客さんになってしまいますが、それではいけないということで、
学校行事として位置づけるとのことです。2点目は、子供を先頭に活動させるということです。3点目は、子供が発信・提案する場を位置づけるということです。こういう
防災訓練が大事ではないかというのです。この先生は、既に過去にいろいろと実践しており、一つには、前任地の
自主防災組織がない地域で、先生が子供にいろいろと
防災教育を行っていく中で、地域に
自主防災組織ができたという経験も持っておられます。もう一つには、地震が起きたときに家庭の中で家具を固定しないと大変な被害が発生し下敷きになることもあることから、前任地では家具の固定などが14%しかできていなかったのが、
防災教育のため、冬休みの宿題として出したとのことです。そうすると、
子供たちが両親に対して、いかに家具の固定が大事かを伝えて、結果として、冬休みの宿題をやり遂げる中で、八十何%の家庭が家具の
転倒防止対策をとったことも過去に行っておられる方で、すばらしい活動を行っていると認識したわけです。
そこで、子供を主体にして
防災意識の向上を図っていくのが大事であると思います。
香川大学の
長谷川工学部長は、学校でもいろいろ防災の講演をしていただいておりますが、
長谷川工学部長が小学生に対して、いつも最後におっしゃるのは、「皆さんは、今は子供だから助けてもらう立場です。しかし、成長して大人になったら助けてあげる立場で、地域で活動してください。」ということです。先生も、
子供たちを教育する中で、
防災意識を高めていく立場でいろいろ発言されているのですが、とにかく
県民意識とのギャップは大きいです。大変だとは思っているのですが、実際には何もしていません。香川県は災害の少ないところだからという意識があるのだと思うのです。今後、県民の
防災意識の向上について、どのように対策を講じていくつもりなのか、お尋ねしたいと思います。
山田危機管理総局長 委員御指摘の
四国新聞の
アンケート調査では、
南海トラフ地震に9割近くの方が不安を感じているけれども、家庭での
防災対策を100点満点で採点すると、平均点は34.8点であり、70点未満が9割以上という結果が出ております。これは、御指摘のとおり、不安を抱きながらも、家庭での
防災対策が不十分と認識する県民が多いことがうかがえる結果です。
ただ、
防災意識向上の出発点は、まずは正しい危機感を持つことであり、現在、抱いている不安感を実際の
防災対策にどう結びつけていけるかが鍵になると考えております。「備えあれば憂いなし」の反対で、「憂いなければ備えなし」という考え方があるのだと思います。
防災意識向上のためには、
新聞記事の中で、
香川大学の白木副学長が言われていたように、まずは身近な被害を
イメージすることによって、自分が抱いていた価値観や
優先順位も変わってくるのではないかと考えております。そのために、県では、こうした想像力や気づきを助けるために、県民の
防災意識向上のための施策などを実施しているところです。
例えば、これまでに、
南海トラフ地震に関するDVDの作成などで、一人一人の視覚に訴える
取り組みを進めたり、防災をテーマとした
シンポジウムやイベント、
シェイクアウト訓練も、具体的に想像してみるといった、いわゆる気づきの一環として実施しているところです。
アプローチの仕方は、委員御指摘のように、子供を主体とした、子供という視点からの
アプローチも必要ですし、小学生だけでなく、高校生を対象とした
シンポジウムなども今年度開催したところです。また、先ほど説明申し上げました消防団の中でも、大学生などを対象とした交流もあります。あらゆる形での
アプローチの仕方があろうかと思っております。
いたずらに不安をあおって、絶望的になってもらっても困りますが、大
規模災害から身を守るためには、正しく知り、正しく判断し、正しく行動することができるような観点から、今後も県民の
防災意識の向上に取り組んでまいりたいと考えているところです。
樫委員
防災意識の向上について、あらゆる側面から取り組んでいくのは、おっしゃるとおりです。私も、県が作成したDVDをみんなで見ようということで、ダビングして自治会に渡していたのですが、結果どうだったかと聞くと、DVDを再生する機械がないなどと、いろいろと言いわけをして見ていないなど、なかなか実践してくれない実態があります。
そういうことから、私は子供と一緒に行う必要があると思います。なぜならば、子供が出てくると、親はPTAからの動員がかかって出てくるのです。そのため、去年から、木太町で
防災訓練を行う場合は、
防災教育と一緒に行おうということになり、
木太小学校では日曜日に
防災訓練を行い、その日を
授業参観日にしているとのことです。そうすると、参観日ですからPTAの方が子供の授業を見に来ると、それが
防災教育の場になるのです。去年は、
木太小学校で行いましたが、ことしは、6月に
木太北部小学校で行うということで、先日も防災の役員と一緒に、
木太北部小学校の校長や教頭と打ち合わせをして、6月10日に行うことも決めています。私は、先ほど紹介した、
山下校長の発想をいろいろ生かして実践してみようという考えでいるわけです。
そういう中で、今年度から、「学校における
避難所運営マニュアルの作成の手引き」ができて、
モデル校2校で実際に行ってみたとのことです。今後、これを全県的に広めていこうという考えですが、今後、どのように進めていこうとしておられるのか、お聞きをしたいと思います。
山田危機管理総局長
災害発生時には、迅速に避難所を開設し、円滑に運営することが必要となりますが、そのためには、平時から、あらかじめ
避難所ごとに、その施設の管理者と、そこに避難してくる地域の人たちが一緒になっての
マニュアルづくりが前提になると考えております。
ただ、県内の状況を見ますと、個別の
避難所ごとの
マニュアルが既に作成されているのは、県全体でも12の避難所にとどまっております。
そして、
指定避難所のうち、学校が避難所として指定されている割合を
収容人数で見れば、約6割となっておりますので、まずは、学校において「
避難所運営マニュアル」の作成が進むよう、今年度、
県教育委員会と連携して、
モデル校2校における「
避難所運営マニュアル」と「学校における
避難所運営マニュアルの作成の手引き」を、それぞれ作成したところです。
今後の活用については、
モデル校以外の学校でも
マニュアルづくりが進むよう、県で作成した手引きを十分に活用してもらいたいと考えており、市町の
教育委員会とも連携し、今後、各市町に対して作成を働きかけていくことにしております。
また、各市町の
防災担当課にも、この手引きと
マニュアルを配布して、学校以外の
指定避難所においても
マニュアルを作成する際に活用してもらえるよう働きかけてまいりますとともに、地域の
自主防災組織等と連携した避難所の開設や
運営訓練を行い、継続的に
マニュアルの検証と見直しを行うことによって、
避難体制がより一層強化されるよう、引き続き、支援や助言に努めてまいりたいと考えているところです。
樫委員
防災意識の点でいうと、若い人ほど意識が十分でなく、希薄な状況になっています。そのため、若い人の意識を地域でどう向上させていくかが重要です。確かに、
防災訓練を行うにも、自治会で動員をかけて行うわけですから、自治会の役員を中心に年配の人ばかり出て来て、若い人は来ません。そういう中で、学校と一緒に行うことによって、若い人たちに来ていただくのです。
私が住んでいる木太町は、新興住宅が多く、マンションもたくさんできました。自治会に入っていない人が多いです。そういう中で、カバー率100%ということで、自治会に入っていない人も巻き込んで
防災訓練を行おうとすると、学校のPTAと一緒に行うことは意義が大きいです。
子供と一緒に
避難所運営も行っており、去年は、
簡易トイレづくりやAEDの
取り扱い訓練を学校の体育館で行いました。小さい
子供たちは、そのようなものは見学するだけですが、いろいろな訓練に参加する中で、興味が一番大きいのは
地震体験車です。
地震体験車に乗ったら、必死になってしがみついていないと椅子から落ちそうになるのです。
東日本大震災で起きた震度7の状況を体験するのは大きいと思うのです。大人も乗ってみてと言うと、恐ろしくて乗れないと言います。何を言っているのかと言ってお年寄りも乗せるわけですが、お尻が痛くてどうしようもなかったと言います。
危機意識をみずから体験して、
防災対策をしなければいけないことにつながってくると思うのです。
防災訓練を地域で根づかしていき、大規模なものも行わないといけないですが、それぞれの自治会で地域の特性を生かした訓練を行っていくことが大事だと最近痛感しています。今後、県として、来るべき
南海トラフ巨大地震に向けての
取り組みについて、危機管理総局挙げて取り組んでいただけますよう要望して、質問を終わります。
松本委員 昨日、
国土交通省は2017年の
土砂災害発生件数を発表しました。前年比1.4%増の1,514件で、
九州北部豪雨や台風18号、21号、22号などの影響もあり、過去10年間で最高の件数となったようです。
また、7府県においては、過去10年での
最大件数を更新していると発表がありました。件数の種類を見ると、
土石流等が前年比27.4%減の313件、
地すべりが226.4%増の173件、崖崩れが1.1%減の1,028件で、
地すべりが大きく増加しております。死者・
行方不明者数は3.3%増の24名、
負傷者数は46.6%減の8名、
家屋被害は121.1%増の701件で、こちらも過去10年間で最悪となっております。
都道府県別の
発生件数を見ますと、福岡県が最多で244件、続いて新潟県が195件、3位が神奈川県で134件です。以降、大分県、秋田県、静岡県、和歌山県と続きます。そして、福岡県、神奈川県などで、過去最大の件数となっていることが新聞等で報道されておりました。
災害が少ない
イメージが香川県にはあって、県民は、安全安心だと思いがちですが、
発生件数を見ているとそうでもありません。実は起こっていたけれども、余り気にしていなかっただけなのかとも感じるところがあります。今後とも、防災・減災の意識をさらに持って、もっと向上を図っていかなければならないように思います。
そういったことを兼ねて、私からは3点、お尋ねしたいと思います。
まず、
委員会資料の2ページの
防災情報システムについて、お尋ねします。
先月9日、国の
地震調査研究推進本部は、
南海トラフ地震の今後30年以内の
発生確率を70%程度から70%から80%に10ポイントほど引き上げました。この
巨大地震を含め、
自然災害はいつ来てもおかしくない状況にあると思います。災害が起こったとき、大切なことは幾つかあるかとは思いますが、まずは正しい
災害情報を迅速に入手することが重要かと思います。例えば、どの程度揺れて、建物や道路などの被害はどうなのか、津波が達成するエリアはどのあたりまで想定できるのか、
土砂災害に警戒するべきかなどといった
防災情報をもとに、県民等を安全な場所へ避難誘導しなければなりません。正しい情報を速やかに多くの県民に伝えることによって、早目の対応ができ、防災・減災につながる行動に移れます。
まず、香川県の
防災システムの運用が平成31年度までとなっていることから、現在、
次期システムの構築に向けた検討がなされていると思います。この検討をどのような
スケジュールで進めているのか、お尋ねしたいと思います。
山田危機管理総局長 現行の香川県
防災情報システムにつきましては、その運用期限が平成31年度末までとなっていることから、次期の
システムをどのようなものにすべきかについて、ソフトウエアの有識者はもとより、市町、
防災関係機関の方々の意見を伺いながら検討することとしており、昨年11月に次期の「香川県
防災情報システム」の
検討委員会を設置し、現在、意見や提案をいただいているところです。
今後の
スケジュールにつきましては、来年度、この
検討委員会での意見を踏まえて
実施設計を行い、平成31年度には
次期システムの整備を行い、平成32年4月からの運用に間に合わせたいと考えているところです。
松本委員 昨年11月に市町等の意見を集めて、これを踏まえながら来年度
実施計画を行い、平成31年度にこの
システムを整備するというお話です。
先ほども言ったとおり、国の
地震調査研究推進本部が、いろいろな地震を考えながらも、今後、想定が難しいという言葉もあったわけですが、現在、設置している有識者による委員会でどのような意見が出たのかをお尋ねします。また、この新たな
システムはどのようなものにしていこうと考えているのでしょうか。現時点で、まだ
検討可能期間が1、2年ほどありますが、現時点で答えられるもので構いませんので、お尋ねしたいと思います。
山田危機管理総局長 まず、
検討委員会での意見についてですが、昨日、第2回目の
検討委員会を開催したところです。これまで、この
検討委員会では、「
気象情報、
雨量水位情報、
土砂災害警戒情報といった複数の情報を地図上で重ね合わせて、一目でわかる
一体化表示があれば使いやすいのではないか。」「住民からの
通報情報などの登録作業は、市町が独自に行っているものですが、こういったものを県の
システムを使って入力できるよう、
市町システムの機能も取り込めないのか。」「災害時には当然に、情報が集中して増大しますが、その際にも、遅延なくスムーズに処理可能な性能、機能を確保すべきである。」「災害時にも、むしろ災害時だからこそ確実に運用できるよう、
耐災害性や冗長性の確保などには最先端の技術を取り入れるべきではないか。」といった意見をいただいているところです。
次に、新たな
システムがどのようなものになるのかといった質問ですが、
次期システムの構築に当たっては、
検討委員会での意見を踏まえた改善を図るとともに、それ以外でも、例えば、
発信者側の視点からは、
避難勧告等の
システムへの入力などの際に、地区名や読み仮名をあらかじめ登録しておいて操作の省力化や迅速化を図るなどの操作性の向上、それから、
受信者側の県民の視点からは、
スマートフォンにも対応できる画面とするなど、見やすさの向上や、
外国人観光客なども利用できるよう多言語対応するなどの見直しを行いたいと考えております。
なお、昨日の
検討委員会では、このような
システム構築の方向性については、おおむねの了解が得られたところです。
松本委員 第2回の
検討委員会が開かれたということで、複数の情報をまとめたらいいのではないかということを総局長からも言われました。
先ほどもいろいろ出ていましたが、
スマートフォンや携帯電話、パソコン、テレビ、ラジオ、
火災報知機、
野外拡声器など、県民は、災害が起こったときにいろいろなところから情報がとれます。私も
防災意識を持っていますので、いろいろなところに登録している関係で、一つの災害が起こったら、いろいろなところからメールが来て、逆に混乱をするときがあったり、来て便利だったと思うときもあります。今の時代、
ワンストップではないのですが、どこか1カ所で情報が見られたら、県民の混乱も招きにくいと思いますので、本来は、国から県へとおりてきてするのでしょうが、私
たち香川県民としたら、県がその辺はリーダーシップをしっかりとって、市町の情報を集めながら、県のホームページなど、どこかに行けば、全部の情報がわかる形をつくっていく必要があるのかと思います。たしか1年くらい前、一般質問で
Jアラートに関連して
香川大学教育学部附属高松小学校のお話をしたことがあります。それはどういうことだったかと言うと、地震が起こる前、「地震が発生しました、あと何秒後に地震が来ます。」と放送が流れ、十、九、八とカウントダウンを始めたのです。地震は3秒前ぐらいに起こったのですが、普通の
Jアラートであれば、地震が来ますだけで終わると思うのですが、
附属小学校の場合は最新だったのか、何秒後に来るということで、「もう来るのか。」「急いで机の下に隠れなければいけない。」「建物のどこかに隠れなければいけない。」ことを意識できました。
委員会説明資料の3ページに、
システムの情報の収集伝達などのことがいろいろ書かれていますが、非常時は通常冷静ではないので、いろいろなことを想定しながら、わかりやすく行動しやすい
情報発信の方法も大事だと思います。できれば1カ所である程度まとめながら発信を行い、情報を見に行けたり、また、発信するときには細かく、先ほど言った何秒などという工夫もしながらしていくことが大事だと思いますので、次に構築される
システムに関しては、県民にとって利用しやすいものをつくっていただくために、敏速かつ確実に情報を伝えてもらう
システムになることを強く要望したいと思います。
次に、ため池の
耐震化整備についてお尋ねしたいと思います。
近年、
集中豪雨が頻発する傾向にあり、これに伴い
土砂災害も増加傾向にあります。災害は身近なところで既に起こっており、早急に備えていかなければなりません。ため池の
防災減災対策については、国で平成28年8月24日に閣議決定された新たな
土地改良長期計画にも目標を設定しており、県としても対応していかなければなりません。
そうした中、平成23年に発生した
東日本大震災では、
ため池決壊被害が200カ所以上あったことを踏まえ、県では、大
規模ため池の
耐震化整備に取り組んでいるところです。
南海トラフを震源とする大
規模災害の
発生確率が高くなる中、改めて、ため池の
耐震化整備が重要だと認識したところです。このような中で、ため池の
防災対策を早急に進めていく必要もあると思います。
そこで、現在、県が推進している大
規模ため池の
耐震化整備の
取り組みについて、まず、お尋ねしたいと思います。
亀井農政水産部次長 本県では、近い将来発生が予想されている
南海トラフ地震等に備えて、全国に先駆け、平成23年度から貯水量10万m3以上の大
規模ため池の
耐震化点検調査に着手し、「
ため池耐震化整備検討委員会」の意見を伺いながら、大
規模ため池の
耐震化整備を推進しているところです。
この
耐震化整備については、平成25年度を初年度とする現行の
老朽ため池整備促進計画である第10次5カ年計画において、「大
規模ため池の
耐震化整備の推進」を
基本方針の一つとして位置づけ、平成29年度末までに必要な
耐震化補強工事を終えることを目標に事業を推進してきたところです。
このような中、
耐震化補強工事については、
耐震性点検調査の結果をもとに、
検討委員会において
耐震化補強が必要と判断された40カ所について、平成26年度から順次、
補強工事に着手しているところです。今年度末までに39カ所で着手したところであり、残る1カ所は、市が
事業主体となり他事業で実施するということとなり、平成30年度から事業着手するとお伺いしているところです。
大
規模ため池の
耐震化整備については、これまで、現行の第10次5カ年
計画期間内の完了を目指し、39カ所全てのため池に着工はできましたが、この間、国の予算の割り当てが厳しかったことなどから、今年度末までに事業を完了することができなかった6カ所については、平成30年度に引き続き
補強工事を実施することとしており、できる限り早期に大
規模ため池の
耐震補強工事が完了できるよう、鋭意取り組んでまいりたいと考えています。
松本委員 大
規模地震がいつ起こるかわからないことが言われている中、この6カ所の完了が延びているという話ですので、一日も早く工事が終了することをお願いするのと、残りあと一カ所もあるということですので、それもあわせて、今後、しっかり行っていただきたいと思います。
また、県では、順次、
老朽ため池整備促進計画を作成し、計画的にため池の整備を推進しております。現行の第10次5カ年計画が今年度で終了するということで、
次期計画を策定するようにもお伺いしております。今後、このため池の
耐震化整備をどのように進めていくおつもりなのか、
次期計画の
基本方針も含めてお尋ねしたいと思います。
亀井農政水産部次長 今、申し上げましたように、残る6カ所については、国に対して必要な予算の確保を強く働きかけるとともに、円滑な工事の実施や早期の完了に向けて努力してまいりたいと考えているところです。
また一方で、貯水量10万m3未満の
中小規模ため池の中にも、地震により決壊した場合、甚大な被害の発生が想定される防災上重要なため池も存在しています。防災上重要度が高い
中小規模ため池については、平成30年度から
耐震性点検調査に
取り組み、必要に応じ
耐震化整備を行いたいと考えているところです。
このため、
次期計画の「第11次5カ年計画」においては、これまでの大
規模ため池の
耐震化整備に引き続き
取り組み、早期完了を目指します。また、新たに防災上重要な
中小規模ため池の
耐震化整備を計画に加え、「ため池の
耐震化整備の推進」として取り組むこととしているところです。
その他、
現行計画と同様に、保全・整備の必要性が高い貯水量5万m3未満の
中規模ため池を重点的に整備する「
老朽ため池の
整備推進」と、防災上懸念される
中小規模ため池を保全整備する「
中小規模ため池の
防災対策の促進」については、引き続き継続的に取り組むこととしています。
県としては、「
老朽ため池の
整備推進」、「ため池の
耐震化整備の推進」、「
中小規模ため池の
防災対策の促進」の3つを
次期計画の
基本方針として、今後も引き続き、ため池の総合的な
防災対策を計画的かつ積極的に推進してまいりたいと考えているところです。
松本委員 私たちの近くにあるため池のほとんどが中小ため池です。特に一宮町にあるため池は、ほとんどが中小ため池だと思うのです。よく皆さんとお話ししていると、「大きなため池は見てくれていますが、私の地元の中小ため池には見に来ないのですか。」「大丈夫ですか。」という話をされ、「土地改良区も日々、点検や見回り等をされており、急な対応はできるように頑張っていますので、大丈夫です。」と話をするのですが、県としても、今後とも防災上必要な中小ため池の点検を行っていただきたいと思います。この減災に向けての、ため池に対するハザードマップもできてないところがあるようにお聞きしているので、早期の整備や洪水調整等の事前の放流の問題や保全管理体制の整備など、ため池に関してはいろいろな方面の視野を持った整備の必要があるのではないかと思います。そして、先ほども言ったとおり、情報は大事なので、災害が起こったときに誰がどうするのか、情報連絡体制をきちんと決めていただくことも必要と思いますので、あわせて整備をお願いしたいと思います。
そして、次年度からの
取り組みでもある、次期5カ年計画においては、これまで同様、県民が信頼や安心ができる香川の実現に向けて、
耐震化整備を含めた、ため池の総合的な
防災対策を積極的に進めていただきたいと要望しておきます。
最後に、高松港における地震・津波対策工事の実施状況について、お尋ねします。
東日本大震災では、津波により、第一線防波堤の全壊や半壊、防潮堤の倒壊、瓦れきやコンテナ等の漂流物による被災、機械等が浸水して使えなくなった被害など、さまざまな被害が発生しました。発生頻度の高い津波レベル1の津波に対しては、構造物によって津波の市街地への侵入を防ぐ一方、最大クラスの津波であるレベル2の津波に対しては、構造物による一定の減災対策を期待しつつ、避難対策の充実を図るなど、防災・減災目標を明確にすることが必要ではないかと思います。こうしたことを踏まえ、県が「香川県地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づく、地震・津波対策を始めてから既に3年が経過しました。
そこでまず、高松港での現段階における整備の実施状況についてお尋ねします。
西川土木部次長 この整備計画では、地震・津波対策の施設整備を効率的に推進するため、施設や背後地の状況などにより、整備必要箇所を選定するとともに、整備時期の優先度を決定しております。そういった中で、県管理の海岸堤防と河川堤防、全体の整備延長約140キロメートルを、おおむね10年間を整備目標とするI期と、その後おおむね20年間を整備目標とするII・III期に区分して整備することとしております。このうち、地震直後に堤防等が沈下し甚大な被害が想定されるなど、特に優先度の高い箇所をI期前期計画に位置づけ、平成27年度から平成31年度の5年間で整備することとし、それに基づき、現在、鋭意事業を実施しております。
そのような中、委員御指摘の、高松港における地震・津波対策については、西側から生島地区、玉藻地区、北浜・東浜地区、朝日地区、屋島地区の5地区において、施設延長約5.4キロメートルを、I期前期計画に位置づけて整備を行うこととしております。
これまでの
取り組みとしては、平成27年度から、朝日地区や北浜・東浜地区、生島地区の3地区において、また、平成28年度からは、残り2地区の玉藻地区と1月末に現地視察をしていただいた屋島地区において、護岸のかさ上げや補強等の対策工事に着手しており、現在、約3.3キロメートルが整備済みとなっております。
今後も残る2.1キロメートルについても、I期前期計画の目標年次である平成31年度末までの整備完了に向けて、対策工事を推進していくこととしております。
地震・津波対策を着実に進めていくことは、県民の安全・安心の確保に極めて重要であると考えており、引き続き、事業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
松本委員 高松地区では、5地区で5.4キロメートルを整備しているということで、私も今年度だけではなく多年度にわたって、高松港周辺の護岸等の整備を視察もさせてもらいました。個人的にも、いろいろなところで、この間も牟礼町でしたが、大潮や台風のときの普通の災害でも、波が越えてきた現状を映像で見させてもらいましたが、結構、水が入ってきていました。護岸を整備していかなければいけないことは、常日ごろよく感じているところでもあります。
子供のときから海が好きで、よくフェリーを見に、高松港の玉藻地区に行っています。そこでも、高松城の北側で、波が来たと同時にパシャーンと波が上がってみたり、大潮のときに潮が上がってきている状況も見て、昔から被害があるのではないかと思っています。玉藻地区に関しては、ちょうどフェリー会社が北側に移ったので、今後とも、プロムナードなどいろいろな整備を土木部としても行っていくと思いますが、私も通っていて、ちょうど玉藻地区の護岸整備が行われているように思うのですが、今の進捗状況をお尋ねしたいと思います。
西川土木部次長 玉藻地区については、サンポート高松の東端の浮き桟橋があるところから、県営の立体駐車場がある中央埠頭の西側までの約290メートルを整備計画のI期前期計画区間に位置づけて、現在、護岸の整備工事を行っております。当地区では、特に宇野行きのフェリーが航行していたため、フェリーの運航に影響を与えない範囲において、これまで対策工事を進めており、今年度末までに約220メートルについて、地震・津波対策工事を終えることとしております。
一方、今年度末の時点で工事が未着手となっている70メートルの区間は、宇野行きフェリー乗り場があった東側の約40メートルの区間と玉藻地区の西端の浮き桟橋があるところの約30メートルの区間となっております。このうち、西側の約30メートルの区間については、玉藻公園のお堀につながる導水路があることから、津波の浸入を防ぐための水門の整備が必要となっており、現在、その設計を鋭意行っているところであり、設計が終わり次第、工事に着手したいと考えております。また、東側の約40メートルの区間については、工事に支障となっていたフェリー航路の乗降場が、昨年4月にサンポート高松への移転を完了しました。また、フェリー会社の事務所の移転先となる玉藻地区の上屋が昨年の10月に完成し、12月には事務所の移転も終え、その後、3月上旬にフェリー会社の社屋の撤去工事も完了したことから、今後、I期前期計画の目標年次である平成31年度末までに対策工事を完了することとしております。
今後も、高松港を初めとする地震・津波対策を重点的・集中的に実施することにより、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
松本委員 最後に要望したいと思うのですが、一般質問等でも災害の話を聞かせてもらっているのですが、「香川県では、地震はそんなに被害がないでしょう。津波が来てもどれぐらいですか。」と言われます。結構、知らないのです。「3メートルを越えて来るのです。」と言ったら、「高知県が30メートルなので、たった3メートルならほとんど大丈夫だ。」と言うのです。「皆さん、どこまでが海抜3メートルなのか知っていますか。」と聞いても意外と知らないし、皆さん御存じのとおり、30センチメートルから50センチメートルの津波が来ただけで命がないぐらい、津波は怖いのです。ところが、そういうことを知りませんので、私たちは自助・共助・公助の最後の公助のところでしょうが、こういった整備は、第一にそこでとめることが重要なことですので、いろいろなことを議論されていますが、今後とも、この津波対策等をしっかりお願いをしたいと思います。また、先ほど資料を見ていてもこの4年間で市町のBCPもようやく100%整備ができました。ただ、先ほども樫委員が言われていたとおり、地域では災害が起こったらどうしたらいいのかということは、まだまだ体制ができていない中、
マニュアルだけできていて、誰が指揮するのかというところがあります。この間も、一宮町の
防災訓練で、あるリーダー的な方が、「松本くん、
マニュアルがあるけれども私も被災するかもしれない。私が被災すれば、実際に誰がやるのか決めていないのだ。」と言うのです。ある程度の
防災訓練も大事ですが、今後、災害が起こったときのためにリアルな
防災訓練などもしていかなければいけません。また、避難所対策も行っていかなければなりません。災害は待ったなしだと思います。きょうは、いろいろな部局が関係していますので、危機管理総局、農政水産部、土木部が来られています。皆さんが一丸となって、いろいろなことを想定しながら、今後、起こり得る災害に対しての対策を強化していただくことを強く要望して、質問を終わります。
尾崎委員 1点だけお聞きしたいと思います。今までいろいろと説明されてきて、それぞれの立場で努力されていることに対しては評価したいと思っております。ただ一つだけ聞きたいのは、
南海トラフ地震や東南海地震の話はよく聞きますが、熊本地震はどういう地震だったのでしょうか。
山田危機管理総局長 内陸型の断層による直下型の地震でした。
尾崎委員 全く地震の想定がされていなかった、想定外の地震だったと思うのです。その熊本地震のずっと延長線上にあるのが大分県、愛媛県、香川県と続いてくる中央構造線です。今までもいろいろなところでいろいろな議論がされておりますが、ほとんどの議論が
南海トラフ地震や東南海地震、風水被害について議論されているのですが、香川県は中央構造線に加えて長尾断層もあります。そういったことに対して、どういうことを想定されているのでしょうか。想定外では許されないのだろうと思うのです。想定をした上でどういう対策を講じていくかが重要です。もちろん予算にもいろいろ制約がある中ですが、どういう考えでいるのか、お聞きしたいと思います。
山田危機管理総局長 内陸型の直下型地震は、地震エネルギーの蓄積量は小さいですが、一般的に発生間隔は長いと考えられております。しかし、比較的小さな地震でも、生活圏に近いところが震源地になるので、甚大な被害を及ぼすおそれもありますし、また、震源から近いために緊急地震速報が間に合わず、地震の揺れのほうが早く伝わる危険性もあります。そういったことで、海溝型の地震とは違う意識を持って対応する必要があると考えております。
尾崎委員 考えているのはいいのですが、どういうことを想定し、どういう被害があり得ると認識しているのでしょうか。規模としては小さいと言われながらも、熊本県では熊本城の石垣が全て崩落し、大分県でも大きな被害が出ています。そういう実態の中で小さい震災と言いながら、どういうことを想定し得ると考えられておられるのでしょうか。そうしないと想定外になりますが、想定外は許されないと思います。想定の中で、もちろんすぐに全ての対策が打てるわけではないのですが、どういうことを想定し得ると考えておられるのでしょうか。
山田危機管理総局長 内陸型の地震は、比較的小さな地震であっても甚大な被害をもたらすことから、被害が小さいわけではありません。それと、もう一つは、地震発生直後に危険性が高くなります。そのため、住宅の耐震化や家屋内の倒壊防止など、最初の揺れのときに身を守るための対策を重点的に行う必要があると考えております。
尾崎委員 倒壊するのは家だけではありません。山も揺れるのです。内陸型ということで、発生の予測がしにくく、
南海トラフ地震、東南海地震でも30年のうちにと言われながら、いまだ起こっていないので、いつ起こってもおかしくないのだろうと思うのです。学者によると、予測はしがたいという話も聞いております。そういった中で、個人の家でたんすが倒れないようになどといったことはいいのですが、公共機関としてどういう対策を考えておられるのでしょうか。山を全部セメントで固めるわけにもいかない中で、危険箇所はどういうところにあるのかを事前に察知しておくことも大事な施策の一つだろうと思うのですが、どう考えられていますか。
山田危機管理総局長 県民一人一人が個人として取り得ることができる対応からまず始めるものと、それから、行政側として、ハード面での整備においては、当然、限られた予算の中で
優先順位をつけての的確な執行が必要であると考えております。
尾崎委員 的確な執行はいいのですが、どういう状況に県内があるのかを把握されているのでしょうか。また、それらについては各部・各課で対応するのか、それとも一元的に危機管理総局で対応されるのでしょうか。それと同時に、中央構造線が動くことになると、恐らく、吉野川も影響を受けます。そうすると、香川用水にも影響が出ると思います。上水道は、香川県下では香川用水に約5割の依存率がある中で、山間部の問題だけではなくなってくるのです。とりわけ高松市は、水道が問題になってくる可能性もあります。そういったことも想定しているのかどうか、お尋ねします。
山田危機管理総局長 こういった危機管理事象については、県の中の関係部局との連携協力のもとに、それぞれの部局において、それぞれの役割を的確に果たしていく必要があると考えております。
尾崎委員 それぞれの部局が行うのはいいのですが、そうすると説明資料などに中央構造線の話がほとんど出てきていません。出てきていないということは、議論の対象になっていないと言われても仕方がないと思います。危機管理は地震だけではありません。いろいろな災害があるのだから、全てに目配りをする中で
優先順位をつけながらどう対応していくかが大事で、その辺を十分に議論していただきたいと思います。要望して終わります。
佐伯委員長 以上で、質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
佐伯委員長 御異議なしと認め、質疑、質問を終局いたします。
お諮りいたします。
次の臨時会において、これまでの審査の経過及び結果について報告を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
佐伯委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
なお、委員長報告については私に御一任願いたいと存じます。
これをもって、総合
防災対策特別委員会を散会いたします。
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