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  1. 香川県議会 2017-09-01
    平成29年[9月定例会]文教厚生委員会[教育委員会] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 三野委員長  これより、質疑、質問を開始いたします。 佐伯委員  私からは、2点ほど質問させていただきます。  1点目は、全国学力学習状況調査の結果及び今後の対策についてであります。  ことしの4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施されました「全国学力学習状況調査」の結果が8月28日に新聞等で公表されております。その報道によりますと、今年度は、教科書に関する調査の各都道府県の正答率が整数値で示されておりますが、本県の結果を見ますと、国語、算数、数学の8調査区分のうち、中学校の国語Bの「活用」に関する問題で全国平均を下回っております。その他のものにつきましては、全国平均と同等か、それを上回っております。「活用」に関する問題につきましては、昨年度も小学校の算数Bが全国平均を下回っており、知識、技能等を実生活のさまざまな場面に活用する力等に課題があるのではないかと感じております。  また、中学校で課題となっております無解答率の高さにつきましては、今年度、無解答率全国平均を上回った問題の割合が、前年度に比べて増加したと伺っております。  そこで、県教育委員会では、今回の調査結果をどのように認識しているのかお伺いするとともに、その「活用」とは具体的にどういうものなのか、あわせてお伺いします。 工代教育長  佐伯委員全国学力学習状況調査についての御質問にお答えいたします。  本調査は、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の改善と学校における教育指導の充実等に役立てることを目的に、平成19年度から実施されております。この調査では、国語と算数、数学の教科に関する調査、これはいわゆるテストでございますが、それと、生活環境学習環境等に関する質問紙調査、これは子供たちに対するアンケート調査のようなものでございますが、この2つを実施しております。このうち教科に関する調査、いわゆるテストの部分は2つに分かれておりまして、主として「知識」に関する問題であるA問題と、もう一つが、主として「活用」に関する問題であるB問題で構成されております。  この活用に関する問題というのは、「学んだ知識や技能等を実生活のさまざまな場面に活用する力」、「理由を明確にして自分の考えをまとめたり、資料の傾向を的確に捉えて判断の理由を説明したりする力」などを問う問題でございます。  本県の結果ですが、小学校の国語A、国語B、算数A、算数Bの4つのうち、全ての調査区分全国平均と同等、もしくはそれを上回る結果となっております。  中学校の平均正答率につきましては、国語A、数学A、数学Bでは全国平均を上回っておりますが、国語Bの「活用」を求める問題で下回っております。全般を見れば、小学校、中学校ともおおむね学力の定着が図られてきていると考えております。  しかしながら、「活用」に関するB問題につきましては、これまでも小学校で全国平均を下回ることがありましたことから、各学校に対しても活用の力を鍛えるよう改善を働きかけてまいりました。その結果、小学校の算数Bと中学校の数学Bについては、両者とも全国平均を上回っており、一定の改善が図られてきております。一方、中学校の国語Bにつきましては、この5年間で3度、全国平均を下回っております。このようなことから、引き続き県全体の課題として受けとめ、教育指導の充実や学習状況の改善に努めなければならないと考えております。  また、中学校の無解答率の状況については、無解答率全国平均を上回った問題の割合が依然として多い状況となっております。選択式と記述式といった問題の形式ごとに状況を見ると、選択式の問題は、そのほとんどが無解答率1%程度ですが、全国平均をわずかながら上回っている場合があります。しかしながら、記述式の問題は、10%を超える無解答率というのも問題によってはあり、その問題では全国平均を下回っているという特徴が香川県では見てとれます。こうした状況を見る限り、難しい問題に対して諦めずに何とか答えを書こうとしている本県の中学生の姿も、一方で浮かび上がってきます。  今後、具体的な現状把握が必要だと思っており、より分析して教育現場に生かしてまいりたいと考えております。 佐伯委員  「活用」では、具体的に何が足りなくてこのようになっているのか、今後、どのようなところを改善していかなければならないと考えているのか、お伺いします。  また、知識、技能等を実生活のさまざまな場面で活用するとのことですが、国語はわかるのですが、数学や算数は実生活でどういったものに活用するのか、あわせてお伺いします。 工代教育長  佐伯委員の再度の御質問にお答えいたします。  数学のB問題についていえば、例えばグラフが幾つかあって、その中に全然本質とは関係のない情報も含まれていて、その中から必要な情報を選んで解答することが求められるというものです。今後、「自分の考えや見通しを確かめるために、足りない情報をみずから探し出す力や、逆に、不必要な情報が多い中、それらに惑わされずに、必要な情報だけを取り出す力」を伸ばせるように、学校現場の授業の中で例も示しながら鍛えてまいりたいと考えております。 佐伯委員  「活用」の力をつけるには、いろいろな積み上げが大切で、日々の授業の改善を実施し、生徒と向き合って、物を考える知識をつけることが必要と考えます。単に答えを出すだけではなく、課題に対しての解決をどのようにしていくのかなど、物の考え方の育成に取り組んでいただきたいと考えます。また、無解答率の改善につきましても、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また、授業のあり方についてですが、教員が授業をよくしていく上で、児童・生徒の意識も踏まえて取り組まなければならないと考えますが、これまでどのように取り組んできたのか、お伺いします。
     さらに、香川県の児童・生徒は、全国に比べ自尊意識が依然低く、今回の結果におきましても、「自分には、よいところがあると思いますか」という問いについて、小・中学校全国平均を下回ったとお聞きしております。子供の自尊意識を高めるために、どのような取り組みを行っているのか、今後の改善策とあわせてお伺いします。 工代教育長  佐伯委員の再度の御質問にお答えいたします。  まず、授業改善取り組み状況でございますが、今年度の、子供たちに対するアンケート調査のようなものである質問紙調査において、「前学年までに受けた授業の中で目標が示されていたと思いますか」及び「授業の最後に学習内容を振り返る活動をよく行っていたと思いますか」という質問に対して、「当てはまる」と回答した児童・生徒の割合は、小・中学校ともに増加し、全国平均を上回っております。このことにつきましては、平成27年度の調査結果を受け、全ての小・中学校の教員に対して、課題設定や振り返りなどの授業改善のための5つの視点を示しましたリーフレットを配付し、学校での活用を促すなど、授業改善に取り組んできた成果の一面があらわれたと考えております。  また、本県の児童・生徒の自尊意識等の状況につきましては、小・中学校とも全国平均を下回る状況が続いているものの、ここ数年で、小・中学校とも全国平均との差が小さくなってきており、改善が図られてきていると考えております。子供たちの自分への信頼感や自信などの自尊意識等を育むことは大切であると考えており、現在「心の交流事業」と銘打ちまして、各学校で学級や学年、学校等の枠を超えて、児童・生徒が主体的に取り組む協働的な活動を推進したり、教職員が子供のよいところを褒めたりして、子供の自己有用感、自分は必要とされている意識を育むための取り組みを進めております。  さらに、教育基本計画において、確かな学力の育成の指標として、児童・生徒の聞く力を高めることを掲げております。文教厚生委員会で視察していただきました秋田県のような学力上位県におきましては、「友達の意見を最後まで聞くことができますか」という問いに対して、肯定的に回答する生徒が多いという状況が見られます。このことが、落ちついて授業や学校生活に取り組む態度となって、学力の向上にもつながっているとも考えられることから、引き続き、学校に対して教育活動全体を通して聞く力を高める指導を推進するように働きかけてまいりたいと考えております。  今後、児童・生徒の生活習慣学習環境等と学力の関係なども含め、詳細な分析を行い、10月に報告書を配付する予定としております。調査結果の効果的な活用等について市町教育委員会や学校に対して指導・助言していくとともに、調査結果についてさらに深めた分析ができるよう、専門家を交えた分析体制づくりを進め、指導の改善、充実に向けた方策を検討してまいりたいと考えております。 佐伯委員  授業のあり方はいろいろあり、地域によって千差万別、先生によってもやり方が違うので、全て把握することは難しいとは思いますが、生徒と一緒になって問題意識を持つことが大切であると思います。現場の先生方と意見交換をして、机上の空論にならないよう、しっかりやっていただきたいと思います。  また、自尊意識を高めることにつきましては、勉強、スポーツ、音楽、美術など褒めてあげることが大事であると思います。何か一つでも得意なものがあれば、それにあわせてほかのものも向上していく力が湧いてくると思います。褒めることを通して、自尊心を高めていただくよう要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  2点目は、これからの県立高校のあり方についてであります。  高等学校は、言うまでもなく一般的な教養を身につけるところであり、進学する方は、深く勉強し、また、商業高校工業高校というような実業高校では、高校卒業後すぐに社会に出て地域の即戦力となるため、しっかりと専門的な知識や技能を身につけなければなりません。あわせて、主体的に将来の進路を決定し、みずから意欲を持って学ぶ力、未来を切り開く力を身につけさせることが求められております。また、高校は部活動が盛んで、厳しく専門的な練習をしておりますので、部活動にもしっかり取り組んでいかなければいけないと思います。  一方で、高等学校がこのような役割を果たすためには、社会の変化や生徒の多様化、生徒数の減少などに対応し、教育内容を充実させ、教育活動が効果的なものとなりますよう、その環境を整えていくことが必要と思います。本県の県立高校におきましても、これまでに、学校の統廃合や学科の改編等を進めてきたところですが、改めてこれまでの取り組みをお伺いするとともに、現在、県立高校教育内容等において、どのようなことが課題であると考えているのか、お伺いします。 工代教育長  佐伯委員県立高校に関する御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、生徒の能力や適性、進路希望などに対応して、高等学校の教育の充実を図るということ、また、県立高校が活力に満ちて、時代の変化や社会の要請に即した多様な教育を推進することは非常に大事なことだと考えております。このため、これまでは平成23年度からおおむね10年間を見通した「県立高校再編整備基本計画」を策定し、さまざまな取り組みを進めてきたところでございます。具体的に申し上げますと、平成25年には石田高校高松南高校笠田高校の家政科を生活デザイン科に改編いたしました。本年4月には坂出高校普通科教育創造コースをつくりました。また、多度津高校機械科造船コースを新設いたしました。また、御承知のように、今年4月には小豆地域と三豊・観音寺地域において、小豆島中央高校観音寺総合高校を開校したところでございます。これらの高校が特色ある教育活動を行い、新たな魅力が生まれることが期待されております。  一方、高校教育を取り巻く社会情勢が大きく変化しており、国においても、学習指導要領の改訂、高校と大学の接続の改革の進展等の動きが活発に行われております。本県の高校教育においても新たな課題が生じていると認識しております。教育内容においては、例えば、グローバル社会の急速な進展への対応をどうするか、中高一貫教育を初め、校種間の接続・連携のあり方をどうするか、専門教育のさらなる充実をどうするかなどが新たな課題であり、対応を行っていく必要があると考えております。また、少子化への対応につきましても先送りできない課題であり、とりわけ、東かがわ・さぬき地域につきましては、今後の中学校卒業生数の減少が県内他地域に比べ急速に進むため、早急に検討を行う必要があると考えております。 佐伯委員  地元の人が統廃合しないでほしいといっても、少子化の波で、統廃合せざるを得ない、我慢しなくてはいけないこともあると思います。また、その時代のニーズに合った学科、地元企業や産業に合った学科をつくるということも非常に重要であると思います。多度津高校造船コースにつきましては、あの地域は大きな造船会社や中小の造船会社があるのに、これまで造船コースがなかった方がおかしかったと思いますし、非常に評価できると思います。これからもしっかりアンテナを立ててやっていただきたいと思います。  また、訪日外国人観光客が全国で2000万人を超え、インバウンドアウトバウンドで、もっと出入りが激しくなってくると思います。そうすると、経済、学術、文化などさまざまな分野でいろいろな交流が行われます。人、物、情報、お金のグローバル化が急速に進展していく中で、グローバル化に対応する人材の育成が非常に重要になってくると思います。世界の標準語は英語でございますので、英語力を身につけることも非常に重要ではないかと思っております。ペーパーテストはよくできますが、海外へ行くと全然しゃべれないということをよくお聞きします。ペーパー上でだけではなく、海外での経験を積ませ、新たな環境に置かれても物おじしない人材、現場に対応できる人材をつくっていかなければいけないと思います。聞くところによりますと、今年度、国の留学制度トビタテ留学JAPAN」の採択数は、香川県だけがゼロだったということで、びっくりしたところであります。  そこで、まずは本県の高校生の海外留学をふやしていかなければならないと思いますが、そのあたりも含めて、県教育委員会としては、グローバル人材をどのように育成していこうと考えているのか、お伺いします。 工代教育長  佐伯委員グローバル人材の育成に関する御質問にお答えいたします。  高校生に海外での経験を積ませるとともに、外国との交流の機会を設けることは、これから重要であり、大きな課題であると考えております。これまでもいろいろやってきており、例えば、二、三週間のホームステイをする英語力向上のための研修は平成12年度から行っており、今年度は、三木高校三本松高校高松北高校高松商業高校香川中央高校が、それぞれの国を訪れました。また、芸術やスポーツを通した交流も行っており、台湾の桃園市やイタリアのパルマ市の高校生との交流も実施いたしました。理数科や音楽科の専門性を生かした交流は三本松高校や観音寺第一高校、音楽科を持つ坂出高校などで実施しております。また、海外の高校生とテーマを設定して英語を用いて行う交流を小豆島中央高校、観音寺第一高校、丸亀高校などで行っております。海外への修学旅行は高松北高校石田高校で行っております。しかしながら、委員御指摘のとおり、国の留学支援プロジェクトトビタテ留学JAPAN」では全国から高校生が応募しているところですが、香川県は採用がゼロでした。この理由といたしましては、高校生の応募者数が少なかったことと、留学への機運がまだまだ県内で醸成されていなかったからではないかと考えており、重く受け止めております。今年度からは、県独自の留学支援制度を立ち上げ、1人当たり10万円を上限に補助を行い、これまで4名の高校生が二、三週間の海外留学を行っているところでございます。  また、より一層留学の促進を図るために、今後、検討しなければならないのは、海外留学を希望する生徒をしっかりとバックアップする仕組みであります。相談に乗ったり、サジェスチョンするような体制や留学を経験した高校生の貴重な体験を後輩たちに伝える機会を数多くつくることにより、留学への機運を高めてまいりたいと考えております。 佐伯委員  国では「トビタテ留学JAPAN」という制度があるのですから、十分活用して、県教育委員会でもしっかりと体制を整えてやっていかなければならないと考えます。ただ単に毎年あるからというのではなく、専門的な部署などをつくってやるくらいでないといけないと思います。高松空港も国際線が4路線飛んでおりますが、空港を民間委託して、もっと飛ばそうとしておりますし、グローバル化に向けた体験による人材育成は非常に重要だと思っております。  私も数十回海外へ行っておりますが、最初に行ったときは英語がわからず他の方から離れないようにしておりましたが、だんだんなれてくると、英語は片言でも何とかなりましたし、一人で海外へ行ったこともありました。いろいろな場面を体験することは自信になり、自然に学力が身につく可能性もありますので、留学などいろいろな体験をすることが非常に重要ではないかと思っております。地方だからといって対応がおくれると大変なことになります。グローバル化に向けた人材育成は非常に重要だと思いますので、何回も申し上げますが、教育委員会もしっかり体制を整えてやっていただきたいと思います。  こういったいろいろな課題がある中で、次の計画を検討していく必要があると思いますが、どのように考えているのかお伺いします。 工代教育長  非常に変化の激しい時代であり、そういう時代において、県立高校のあり方について、平成23年から計画をつくってやってまいりました。このように高校教育を取り巻く社会情勢が急速かつ大きく変化していく中で、これに対応し、国の内外で活躍するとともに、地域社会を支える人材を育てる必要があると考えております。高校からすぐに就職される方も相当数おりますので、そういうことを考えたときに、今後、本県における理想とする高校教育のあり方について検討を行うなど、計画策定に向けた準備をしていきたいと考えております。その際、各方面の御意見をいただきながら、一方で国や他県の動向も参考にしつつ、各県立高校が魅力的な教育活動を行い、県や地域が活性化するよう努めてまいりたいと考えております。 佐伯委員  高卒で地域に残っていろいろやってくださる方に対しても、今からグローバル化への対応が必要で、グローバル化に対応できる地域密着型の教育等をしっかりとお願いしたいと思います。地域に残る方々に対してグローバル化を植えつけていかないと香川県はおくれていくと思いますし、地域にいるからこそ、グローバル化をしていかなければいけません。また、実業高校の生徒にも留学をさせ、いろいろなものを学ぶことが大事だと思いますので、その辺しっかりとしていただくことを要望して、質問を終わらせていただきます。 氏家委員  冒頭に新県立体育館の説明がありましたが、6月定例会の一般質問でも質問いたしましたが、サンポートは、道は広いのですが交通の流れが悪いと思います。道路を新しくつくることは難しいかもしれませんが、交通規制で一方通行にするなど、流れをスムーズにするよう検討していただきたいと思います。これは要望だけにしておきます。  それでは、私からは2点ほど質問させていただきます。  1点目は、教員の勤務時間管理等についてお尋ねいたします。  6月定例会の文教厚生委員会におきまして、教職員の働き方改革についての質問をさせていただきました。その際、教育長から、教育委員会事務局内に「教職員働き方改革研究会」を設置し、国の動きも注視しつつ調査研究を行い、働き方改革を進めていくとの御答弁がございました。  教員が生き生きとやりがいを持って創意工夫のある教育を行うには、まず適切な教員の勤務時間の管理を行い、教員がみずから心身ともに健康を保つことが重要であると思います。そのような中、折しも8月下旬に、国の中央教育審議会特別部会より「学校における働き方改革に係る緊急提言」が出されました。その中で、1番目に、校長及び教育委員会は学校において勤務時間を意識した働き方改革を進めることとありまして、勤務時間管理は労働法制上、校長や教育委員会に求められる責務であると指摘し、時間を客観的に把握できるシステムを構築するよう求めております。  そこで、本県の公立学校におけるタイムカードパソコン等での勤務時間の管理の現状と、今後、どのように取り組むのか、お尋ねをいたします。 工代教育長  氏家委員の教員の勤務時間の把握等につきましての御質問にお答えいたします。  4月に発表された文部科学省の教員の勤務実態調査や、OECD国際教員指導環境調査結果などで教員の長時間労働の実態が明らかとなっております。こうした中で、教職員の勤務時間の管理は労働法制上、使用者に求められている責務であり、学校現場業務改善を図る上での第一歩となるものと認識しております。  市町立の小・中学校においては、市町教育委員会委員長教育長会議や校長会などで、勤務時間の適正な管理を求めてきたところでございます。現状では多くの市町において管理職による現認等により教職員の勤務時間を把握しております。ただ、本年1月に厚生労働省等から出された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」等を踏まえ、既に幾つかの市町において、パソコンを活用した出退勤時間の把握の実施やタイムカードICカード等の導入の検討が始まっているとお聞きしております。  また、県立学校での勤務時間の管理につきましては、まずは各学校現場で把握することが必要なことから、1人1台パソコンを活用いたしまして、各教職員が「時間外勤務記録票」に毎日の「業務開始時刻」、「終了時刻」、「時間外勤務の業務内容」、「持ち帰り業務の有無」を入力し、毎月末に管理職へ提出することにしております。管理職はその内容に基づいて長時間労働の教職員には面談を行い、勤務の状況や本人の意見を聞き、校務分掌や部活動などの業務分担を再検討するとともに、長時間労働により疲労が蓄積すると健康障害が発症するリスクが高まることから、産業医による面接指導の受診を促し、その結果を踏まえた適切な事後措置を講じるよう校長会や教頭会を通じて指導しているところでございます。 氏家委員  文部科学省教員勤務実態調査は10月から11月の間で連続する7日間の勤務時間の調査で、過労死ラインと言われております月80時間に達する計算になる教員が、小学校で約3割、中学校で約6割となる状況です。一方で、学校は基本的には35週ということで、1年は52週ですので、例えば残業時間が月60時間の方であれば52分の35だと月40時間となりますので、かなり多目に報道されており、真面目に一生懸命にやりたいという先生に対しての足かせになってはいないかと危惧しております。  また、大変忙しいのはわかりますが、新聞報道を見ますと通学路の見守りや保護者対応などは教員の業務ではないということも書かれておりましたが、見守りや地域の清掃活動、この清掃活動は毎週あれば別ですが年1回、2回であれば、きちんと学校全体で参加し、地域の方と触れ合うことも大切であると思います。学校の先生ががんばっている姿を見れば、地域としても学校を盛り上げようという気持ちになりますので、そういった外に出ていく業務を減らして勤務時間を減らすというのではなく、急がば回れで、地域の方としっかりとかかわっていくことも重要ではないかと思っているわけでございます。  そこで、真面目で熱心な本県の多くの教員の努力が報われるよう、県教育委員会としても働き方改革を推進していただきたいのですが、一方で、熱心な教員が業務を行う際に足かせにならないように、また、特定の人に業務が集中し過ぎないようにすることが重要であると思います。そのためには、こういった勤務時間の数字だけを見るのではなく、学校の先生方としっかりと状況について話をすることも必要であると思います。  そういったことも踏まえ、県教育委員会において、働き方改革に向けて、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。 工代教育長  氏家委員の再度の御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、本県の教員には熱心で意欲を持っている方が多く、そのような方に「働かなくていい」と言うと気持ちが折れてしまうと思います。そのような中、どのような働き方改革ができるかということが重要な点であろうかと思います。  教員が、趣味など自己の関心に基づき視野を広げる時間や自己研さんの時間を持つことは、結局は回り回って子供たちの教育に返ってくることから、教員がある程度の余裕を持つことは大事であると思っております。そのため、6月に設置した「教職員働き方改革研究会」で、「勤務時間の管理」を初め、教職員の働き方改革を実現するための調査研究や方策の検討等を行っているところでございます。これまで、先進地の視察や研究を行ったほか、文部科学省の学校業務改善アドバイザー2名を講師に招いて、県教育委員会事務局や市町教育委員会学校現場の管理職を対象とした講演会を2回開催したところでございます。  また、現在、県教育委員会事務局内において、学校現場におけるさまざまな課題を抽出し、その対応策の検討を進めているところでございます。具体的には、「部活動」や、サポートしてくれる人の配置に関する「学校運営体制の改善」、地域等の連携が課題である「学校の業務の範囲の明確化」、「ICTの活用を通じた校務の効率化」等について検討を重ねているところでございます。  今、国を挙げて働き方改革の取り組みが進んでおりますが、文部科学省におきましても中央教育審議会の「学校における働き方改革特別部会」や「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの作成検討会議」などにおいて議論が重ねられており、県教育委員会におきましても、国の動きを注視するとともに、市町教育委員会などの関係機関とも協議しながら、年度内には、教員が改革の効果を確実に実感できるような実効性のある方策を、この研究会で取りまとめたいと考えております。 氏家委員  やはり主観的なものではなく、客観的な制度設計が必要ですので、予算面や制度面でしっかりしたものをつくってほしいと思います。  また、熱心に活動していた方に、過去の部活動について聞いてみると、高校では休みはなく、中学校では1年で夏休みとお正月の2回の休みで一生懸命取り組んでいたそうです。それが、今は休養日が必要となっており、なぜそのようになったのか、時代背景等について分析をされておりましたら教えていただきたいと思います。  また、土日を休もうとすると、平日に仕事を済ませなければなりませんが、平日には子供がおりますから、なかなか思うように業務に集中できないということがあります。それであれば、週あたり29こまありますが、平日の授業時間を減らし、土曜日に4こま入れるとすると、平日は25こまとなります。このような土曜日の活用を進めていってはどうかと思っています。新聞報道によりますと、鹿児島県では県下全域で月1回土曜日を活用しております。静岡県ではもともと短かった24日間の夏休みを10日間にするという取り組みを行っているところもあるようです。このことにより、1日6時限を4から5時限にしていこうと、具体的な制度変更を行っております。キッズウイークという、子供を地域の誰もいないところに帰すという話も出ておりますが、時間を割り振っていくというお考えがあるのか、あわせてお尋ねいたします。 工代教育長  氏家委員の再度の御質問にお答えいたします。  以前は、部活動につきましては休みなくすることが当たり前の時代でしたが、価値の多様化等により、地域のスポーツ団体の活動や塾、習い事など子供たちが大変忙しくなっております。このようなことからも、部活動のあり方を見直してはどうかという意見が聞こえ、働き方改革の中でも、休養日を設けることの必要性が示されてきたと思います。今後、現場の教員の意見、保護者の意見も伺いながら、県としての一定のラインを示したいと考えております。  また、夏休みにつきましては、8月の後半には終わるところが多くなっており、県教育委員会の教員研修を8月の後半には実施しないといったことを進めております。夏休みが持っている価値や有用性などについて調査を進め、県教育委員会としての一定の方向性を示したいと考えております。 氏家委員  部活動は学校教育の一環であると思います。先生方は、平日は休まないという気持ちで業務に携わっておりますので、先生の負担を減らしつつ、かつ熱心な先生の足かせにならないように、さらには熱心な先生に業務が集中しないように、客観的な制度設計をよろしくお願い申し上げまして、この質問は終わります。  2点目は、県立高校の職業学科における人材育成取り組みについてお尋ねいたします。  冒頭に、教育長から多度津高校の実習船「香川丸」代船建造事業の進捗状況について報告がありました。実習船の航海等により、最新の技術を習得するとともに、心身ともにたくましく、力強く成長して立派な大人に育っていただきたいと思います。  また、工業、商業、農業などの職業学科の高校においても、本県の未来を担う人材を育成するため、即戦力となる技術を身につけさせるとともに、勤労観、職業観を育む必要があると考えております。  そこで、県立高校の職業学科における人材育成に、どのように取り組むお考えなのか、お尋ねをいたします。 工代教育長  氏家委員県立高校の職業学科における人材育成についての御質問にお答えいたします。  高校の職業学科の教育は幅広く、また、人口減少の時代で、いかに香川県内で働いてもらえるかということは大きな課題でございます。職業学科の生徒の皆さんは、県内地域の活性化や産業の活力を担っており、そういう意味でも、職業学科の充実というのは大変重要であります。  現在の取り組みといたしましては、職業学科では座学だけでなく、実習等に多くの授業時数を充てております。ものづくり等の実践を行い、また、すぐれた知識、技術、経験を持つ社会人等の講師による指導をうけることにより、卒業後、即戦力となる技術や技能を身につけ、それを生かすための創造力、応用力、問題解決力等を育成するなど、普通科とは異なる実践的な教育を行っております。  職業学科の取り組みにつきましては、例えば工業科の漆芸コースでは、香川漆器の知名度の向上や将来の伝統産業を担う人材育成に取り組んでおりますし、商業科では、地元商店街で商品の仕入れから販売、会計までを生徒が行う販売実習を実施しております。また、農業科では、産直市の開催や地域の商店と連携し、地元食材を生かした商品開発を行っておりますし、水産科では、卸売市場の協力を得て実習で養殖した魚をブランド化するなど、地域や企業等との連携、交流を通じた実践的な職業教育を幅広く展開しているところでございます。  それと同様に、産業教育の大切さを多くの県民の皆様に御理解いただくため、毎年11月に「かがわ産業教育フェア」を開催しております。このフェアでは、専門教育を学ぶ高校生が日ごろの学習や研さんの成果を発表し、その技術や産業の魅力を県内に発信して、未来につながる産業教育の活性化を図っているところでございます。  今後の取り組みですが、職業学科におきましては、望ましい勤労観や職業観を育むとともに、協調性や忍耐力、責任感を持ち、みずから問題を解決していく資質や能力の育成に取り組んでまいります。今後とも、産業界のニーズに対応した職業教育を展開することにより、地域の産業を支える専門技術者の育成や地域に貢献する人材の育成を図るとともに、みずから地域の課題を発見し、小さくてもみずから起業するような人材の育成にも努めてまいりたいと考えております。 氏家委員  現在、高校生の就職は売り手市場で、職業学校に対する注目も高くなっております。平成29年3月に県内公立高校を卒業した者のうち、就職者数は1,140人で、そのうち農業や工業などの7つの職業学科の就職者数は806人で、全体の70.7%を占めております。  また、平成30年3月新規高等学校卒業者の就職にかかわる選考開始期日につきましては、平成29年9月16日以降となっており、新聞報道等によりますと、今年も売り手市場とのことであります。ちなみに、高校新卒者における求人倍率の全国平均は2.08倍で、香川県は2.60倍であり、東京、大阪、愛知、広島に次いで全国第5位であります。全国第1位から第4位は、産業や経済が発展している大きな地域であり、それに次いで香川県の倍率が高いということは、今こういったものに対するニーズが大変高いということがわかります。  就職を希望する生徒が、みずからの適性や希望に合った企業等に就職をし、社会人、職業人として自立することにより、これからの香川県を支えていただきたいと思っております。  そこで、県内就職に向けて、どのような支援をしているのか、お尋ねをいたします。 出射高校教育課長  平成29年3月における県内公立高校卒業者の就職内定率は98.9%で、前年同期を0.2ポイント下回っておりますが、記録の残る平成9年度以降では4番目に高い内定率であり、職業学科においては99.8%の高い水準でございます。また、最近では大都市圏からの求人も多くなっており、そういった中、就職した生徒の約9割が県内の企業等に就職しております。  また、課題といたしましては、厚生労働省の調べによりますと、新規高卒就職者の約4割が就職後3年以内で離職しており、この離職率の高さに対しての職場定着に向けた取り組みが必要であると考えております。また、高校生の就職状況は改善しておりますが、委員御指摘の勤労観や職業観を育み、社会人、職業人として自立することも必要であると考えております。  そのような中で、県内就職に向けた支援につきましては、社会人としての心構えや働くことの意義を理解するためのインターンシップを実施したり、企業や仕事内容に関する理解促進及び就職後の定着率向上のため、就職応募前の職場見学会や高校内での企業説明会を開催しております。また、県内求人企業とのマッチングを図るため、高校生就職面談会も実施しております。さらに、そのような求人開拓や生徒への就職相談、卒業生の職場定着指導等を実施するため、元ハローワークの職員や元企業人事担当者等9名をジョブ・サポート・ティーチャーとして配置しております。また、今後は、職業科のみでなく、普通科高校の就職にも力を入れたいと考えており、「香川県次代の担い手育成コンソーシアム」の意見交換会を平成26年度から始めておりますが、今年度は高松東高校と琴平高校の普通科で実施したいと考えております。  さらに、先ほどの課題でもありましたように、職業定着に向けた支援につきましては、新規学卒者に対して、在校当時の担任教員やジョブ・サポート・ティーチャー等が就職先を訪問しながら状況を把握するとともに、今年度からは、新たに就職内定者を対象に、企業の求める人材、仕事のやりがいや苦労話などを通して職業意識を向上することを目的とした職場定着促進セミナーを開催する予定にしております。  県内への就職者は、将来、本県の産業、社会を担うという重要な役割を果たし、地域の活性化を支える人材となることから、今後とも高校生の県内就職や職場定着に向けた取り組みの充実を図っていきたいと考えております。 氏家委員  高校卒業者の求人倍率は高いですが、普通科など全てが入っており、建設業やサービス業などの求人倍率が高く、企業からのニーズがあるからといって、多度津高校の土木科等をふやすことが難しいのは理解できます。また、せっかく求人企業に高校生が就職しても、3年以内に約4割の者が離職するのはもったいないと思います。技術や技能を身に付けることも大切ですが、職業観や社会人としての自覚をしっかりと教育していただきたいと思います。  また、離職理由には、賃金や労働時間や仕事内容をあげておりますが、実態としては、社内の人間関係が多いと思います。一番大事なのは社内のコミュニケーションを図ることであり、また時間を守る、毎日記録を残すというような企業の細かいルールを守ること、さらに整理整頓をすること、この3つを守れるような子供を世に送り出せば3年以内の離職率も相当減ると思います。ぜひ、コミュニケーション力、規範意識、整理整頓の3つをしっかりと教育していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。 森委員  私からは、2点質問をさせていただきます。  1点目は、ふるさと学習についてであります。  地域における郷土学習の推進が必要であると思いますが、県内の各小・中学校において、どのような郷土資料を作成して学習しているのでしょうか。県教育委員会では、各市町が作成した郷土学習資料をライブラリーにして閲覧できるようにして、各市町がそれぞれを確認することによって、他市町の取り組みを参考にできるようにしているようですが、市町教育委員会だけでなく、県教育委員会とタイアップして郷土学習の資料を作成すればいいと思っております。なぜ郷土学習が必要であるかというと、子供たちが自分の地域の成り立ちや特色を知らないという現状だからです。人口減少が進む中で、地域を知ることで地域にとどまっていただくようにすることが必要になると思います。  郷土資料を確認しますと、時代に合っていなかったり、当初あった企業がなくなっていたり、地域で盛んであった産業が変わっていることがあります。また、子供たちは歴史を学んでおりますが、郷土の歴史や人物を余り知らないようです。町史や市史を見ても、これでいいのか、なぜ必要なことを取り上げていないのかと思うところもあります。  そのような中で、郷土資料を活用することは、これからも大事になってくると思いますが、県教育委員会はどのようにお考えか、お伺いします。 工代教育長  森委員のふるさと学習についての御質問にお答えいたします。  地域の自然や歴史、文化に親しむことにより、自分が住む地域をよく知り、大切にする心を育てるふるさと教育を推進することは非常に大切であると思います。先日伺った三豊市の宗吉瓦窯跡で言えば、そこで焼かれた瓦が藤原京の建設に役立ったことを知ることで、地域に誇りを持てるという感覚になったこともあり、ふるさと教育は非常に大切であろうと考えております。  県では、香川県教育基本計画におきまして、「豊かな人間性をはぐくむ教育の推進」のための施策の一つとして、「ふるさと教育の充実」を掲げ、取り組みを推進しているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、ふるさと教材「ふるさと香川」を作成し、小・中学校に配付することで、社会科や家庭科、総合的な学習の時間などでの活用を働きかけてまいりました。また、香川の子供たちに共通に学んでほしい「香川の文化・歴史」に関する内容として、「瀬戸大橋」、「香川用水」、「香川の自然」、「気候の特色」、「水産業」をテーマに、新たに授業用教材や教員用指導資料を映像資料も加えて作成し、小学校に配付しているところでございます。平成26年度には、道徳の授業等で活用する読み教材の郷土資料冊子「新ふるさとの心」を、小学校低・中・高学年用及び中学校用として作成し、全ての小・中学生に配付しており、その後も毎年、進級に応じて配付して積極的な活用を促しております。  さらに、香川県教育会等の教育団体においても、いろいろな郷土学習のための資料を作成しているところでございます。  市町教育委員会でも、14市町で独自にふるさとを題材とした副読本を作成しております。県教育委員会では、それらを全て集めて義務教育課に配備し、「わが町副読本ライブラリー」として設置しております。各市町の先生方が、自分の市町以外のものを参考にしたいというときには、随時貸し出すような取り組みもしているところでございます。 森委員  先般、新聞等で報道されておりましたが、人口減少に伴い、大川村で議会が必要ないのではないかという議論がなされました。この報道についての香川県民の関心は薄かったのですが、香川の水不足の対応として早明浦ダムをつくったために大川村の人口が減少したという背景を知っていれば、無関心ではいられなかったと思います。若い人たちは、過去、香川県が、愛媛県や徳島県と一緒であった歴史など、香川県のことを余りにも知らないのではないかと思います。そういう香川県の基本的な歴史や問題を学ぶことは非常に大事だと思います。目に見える神社仏閣だけではなく、目には見えないことについても伝えていかなければならないと思うのです。  そこで、市町が地域教材を作成するにあたり、市町のことを踏まえるとともに、県として最低限、押さえるべき内容について示していく必要があると思いますが、それについてどうお考えかお伺いします。 工代教育長  森委員の再度の御質問にお答えいたします。  これまで県教育委員会が作成してきた郷土資料等は、内容的にはかなり充実していると考えております。今後は、現場において、どのような機会に、それをどういうふうに子供たちに教えるのかということを、市町教育委員会と連携、協力して子供たちに伝えていけるように取り組んでまいりたいと考えております。  また、香川用水の学習につきましては、小学校3、4年生の社会科で学習し、多くの学校で「水源巡りの旅」という校外学習で早明浦ダムを訪れております。 森委員  校外学習で早明浦ダムを訪れるとのことですが、ただ見るだけでは記憶に残りにくいと思います。早明浦について言えば、香川の水事情、現状の中の問題、地域の問題、香川県が助成している森林の育成などを伝えていくことも必要と思います。香川用水ができるために早明浦ダムができ、地域の生活を奪っているという認識は子供たちにはないと思います。このように、郷土のことを知り、考えていく子供を育てるには、教員の力が大きく、教員の研修が必要であり、その指導力を高めていくことが大切であると思うのですが、それについてどうお考えかお伺いします。 工代教育長  委員御指摘のとおりであり、香川県教育基本計画に掲げております「ふるさと教育の充実」について、現場の先生方が知り、取り組んでいくことができるよう努力したいと考えております。 森委員  地域を知ることによって郷土愛が生まれると思いますので、子供たちが自分たちの町のいいところを小・中学生の間にしっかり学べる体制をつくっていただきたいと要望して、次の質問に入らせていただきます。  2点目は、生涯スポーツ指導者養成講座についてであります。  教育委員会が実施している「生涯スポーツ指導者養成講座」ですが、6回の講座のうち修了証書を交付されるのは5回以上の受講だとお聞きしておりますが、どのような人が受講し、どの程度の人が修了しているのか、お伺いします。  また、受講者は、地域においてスポーツをしっかり頑張ろうという人たちだと思いますが、講座を修了した方が、修了後に地域でどのような活動をしているのか追跡調査をしているのでしょうか。また、次のステップに進む方や、地域を超えて活動する方もいると思いますが、どの程度把握しているのでしょうか、お伺いします。  さらに、公益財団法人の日本体育協会の公認スポーツリーダーの資格は、この指導者養成講座の4、5、6回の講義を全て受講し、その上で試験に合格することで認定されますが、養成講座を修了された方の中でどの程度の人がこの試験を受け、合格して活動されているのか、お伺いします。 渡辺保健体育課長  森委員の生涯スポーツ指導者養成講座についての御質問にお答えいたします。  この講座は、多様化しているスポーツニーズに対応できるよう、地域における生涯スポーツの指導者を養成するために昭和61年から実施しており、名前は少しずつ変わっているところもありますが、現在までに、今年度も入れて855人が修了しております。  どのような方が受講しているかということですが、各市町教育委員会や体育協会、スポーツ少年団、学校、総合型地域スポーツクラブ等を通して開催の通知、受講者の募集を行っており、主に各市町のスポーツ推進委員、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団、その他スポーツ団体の指導者や教員等が受講しております。  この講座は、計6回のうち5回受講すると修了となりますが、今年度は49人が受講し、うち14人が修了しております。修了者の割合としては大体30%程度で、ここ数年は大体30から40%が修了している状況であります。講座の内容といたしましては、前半の3回がAEDの救急処置や新しいスポーツの紹介などの実技講習、後半の3回が座学になっております。なお、後半3回を受講し、試験に合格すると日本体育協会の公認スポーツリーダーの資格が取得できることとなっており、昨年の岩手国体から、監督になるためにはこのリーダー資格が必要となったことから、その資格を取るために後半3回だけの受講者もいることから、修了者の割合がやや低目にはなっております。  この修了者の方々がどのようなところで活躍されているかという追跡調査はしておりませんが、スポーツ推進委員では各地元地域において新しいスポーツを紹介する中での指導をしている方もいらっしゃいますし、スポーツリーダー資格を取った方では国民体育大会で監督として出場している方もいらっしゃいます。さらに、レベルが高くなると国民体育大会等でも指導をしている方等がいると認識しております。  なお、スポーツリーダー試験の今年度の受験者は16人で、全員が合格いたしました。この講座の受講は無料ですが、試験に合格しますと認定料2,500円が必要となっております。
    森委員  子供たちスポーツを教えるということは教育者という立場になりますので、ただ単に競技力向上を推し進めるだけでは難しいと思います。子供をスポーツ好きにし、その才能を伸ばしていくためには、いろいろな分野にわたって養成される必要があると思います。競技者としてはいいけれども指導者としてはどうかわからない場合も考えられ、そういう意味では、子供たちスポーツの指導をされる方は全員がこのような講座を受講する必要があると思います。高松での実施だけでは受講が難しいのであれば、他の地域でも実施するなど、できるだけ多くの指導者の方に受講していただいて、子供たちに対する競技の指導と同時に、教育の一環としてのスポーツ指導により人間的に成長させることがこれから必要になると思います。  今後の取り組みとして、もう少し幅広く受講者を集める必要も出てくると思いますが、どのようにお考えか、お伺いします。 渡辺保健体育課長  森委員の再度の御質問にお答えいたします。  この講座は、県内の中心に位置しております国分寺の県青年センターで実施しております。他の地区での開催の有無につきましては、集まりやすさ、駐車場、体育館、座学をするための教室などが必要なことを考えますと、今のところはお答えができない状況です。  スポーツ少年団等では多くの指導者が子供たちを指導しており、特にサッカーにつきましては、Jリーグができてから、ジュニアからレベルが高くなればなるほど、サッカーの資格も上に上がらないとレベルの高いところを教えることができないというシステムになっております。サッカー指導者は明らかにそのことを意識しており、少年団を指導する方々もこういった資格を積極的に受けている現状でございます。また、スポーツ少年団につきましては、県体育協会とも連携をとりながら、指導者の方々には、競技力だけではなく、できるだけこういった講座を受けながら教育的な指導もしていただけるように働きかけているところでございます。今後も体育協会と連携しながら、子供たちを教える指導者に受講していただけるよう、積極的に活動を行ってまいりたいと思います。また、最近は、企業でも生涯スポーツにつながるスポーツを積極的に取り入れており、競技力向上でチームを持っている企業もありますので、そういった方々にもこの講座の広報をしながら、広くいろいろな方々がこの講座を受けて、競技力だけではなく、スポーツを指導していく上で必要な部分を勉強していただければと思っております。 森委員  新しいスポーツもここでお示しいただけると聞いております。当然、今の時代になるまでに廃れたスポーツもありますし、また、伸びてきたスポーツもあります。最近は新しいスポーツがいろいろあり、特にある一定年齢以上の方々のスポーツがふえております。広報活動により、多くの方が受講すれば、スポーツ指導者としての育成もできますし、新しいスポーツの発掘もできます。また、各市町のスポーツ担当者も、この講座を受講するとスポーツの推進もできますし、新たなスポーツも広く地域に知らしめることができると思います。  そのようなことも踏まえて対応していただきたいと思いますが、どのようにお考えか、お伺いします。 渡辺保健体育課長  市町教育委員会スポーツ団体等を通して広く広報を続けてまいりたいと思っております。また、スポーツをする上では場所や環境が必要ですが、指導者の養成も重要ですので、この指導者養成講座は今後も進めていくとともに、市町のスポーツ担当者は変わっていきますので、働きかけていきたいと考えております。  新しいスポーツにつきましては、県内のスポーツ推進委員も興味を持っていらっしゃいまして、年に1度、6月に研修会を実施しており、最近は、特にパラリンピックが東京で開催されることもあり、障害者のスポーツについての意識が高まっており、そのようなスポーツに関する講座も持つようにしております。  この講座の4~6回の内容は資格取得の関係で変更等ができませんが、1~3回につきましては最近のスポーツの流れを取り入れながら講座内容を検討してまいりたいと考えております。 森委員  スポーツが県民に広がることが重要だと思いますし、競技力を伸ばすことも大事ではありますが、生涯スポーツという位置づけで、若いときから高齢者になってもできるスポーツがこれからも必要になると思います。ぜひこのような機会を利用していただいて、積極的に、多くの県民の方に、いろいろなスポーツがありスポーツをすることによって健康が保てるということを、発信していただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 三野委員長  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午前11時54分 休憩)  (午後 1時05分 再開) 三野委員長  再開をいたします。  質疑、質問を続行いたします。 広瀬委員  私からは、2点質問させていただきます。  1点目は、文化財の活用についてであります。  文化財の活用につきましては、6月の文教厚生委員会でも質問しましたところ、文化財の保護はされておりますが、活用がなかなかされていないということでした。坂出にある国宝の神谷神社や、五色台にあり中の建物の幾つかが重要文化財に指定されている來峯神社を見に行きましたが、神谷神社はしっかり保護はされておりますが中がほとんど見えないですし、神谷神社も來峯神社も多言語化がされておらず外国人に対する配慮がないので、そういった文化財の活用をもっとできるようにしてはどうかとの質問をさせていただきました。  そのような中、8月11日に「文化庁が歴史的な建物や史跡などを生かした地域振興が進めやすくなるよう、文化財保護法を大幅に改正する方針を決めた。」との新聞記事を見ました。その記事には「市町村が地域の文化財の保護・活用に関する基本計画を定め、国の認定を受ければ、現状変更の権限の市町村長への移譲や、補助金や税制優遇で観光やにぎわいづくりのための活用を後押しする。」とありましたが、その内容や今後のスケジュールについては把握しておりますでしょうか。また、このような方向性を受けて、県教育委員会としてどのような対応をお考えか、お伺いします。 工代教育長  広瀬委員の文化財の活用についての御質問にお答えいたします。  国では2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や観光立国政策を契機に、年間4000万人の訪日外国人受け入れを目標に掲げており、文化財を含む文化芸術を有力な観光資源と捉えるという方針を出しております。それに伴い、6月には「文化芸術振興基本法」を「文化芸術基本法」に改正し、観光、まちづくり、国際交流といった関連分野の関係者の連携を促し、また、文化財保護法の改正も視野に入れながら、分野ごと、または個別に保存と活用のルールを決めた上で、文化財の積極的な活用を検討しているということでございます。  報道内容につきましては、国の文化審議会に設置されている「企画調査会」での検討の内容について紹介したものと考えております。この「企画調査会」は本年5月に設置され、文部科学大臣からの諮問を受け、これからの文化財の保存と活用のあり方について検討を行っております。その検討の視点として、文化財の基盤である地域コミュニティの脆弱化などの社会状況の変化の中で、文化財をいかにして確実に次世代に継承し、地方創生や地域経済活性化にも貢献できるかということが上げられております。この会では、これまでに7回の審議を経て、8月31日に「中間まとめ」が公表されております。この「中間まとめ」の基本的な考え方は、文化財の保存と活用は、互いに効果を及ぼし合い、ともに文化財の次世代への継承のために必要ということです。これからの時代にふさわしい文化財の継承の方策として、1つ目は「総合的な視野に立った地域における文化財の保存・活用の推進強化」ということで、この中に、市町村による「歴史文化基本構想・基本計画」、「歴史的風致維持向上計画」の策定、また市町村の主体的な取り組みが促進される仕組みづくりがあります。2つ目は「個々の文化財の計画的な保存・活用と担い手の拡充」ということで、個々の文化財の保存活用計画の策定、所有者とともに文化財の保存・活用を担う主体を新たに位置づけるという内容でございます。文化庁によれば、11月ごろに「企画調査会」としての結論を取りまとめ、文化審議会として文部科学大臣に対し答申を行い、その後、必要な法改正作業等を行っていくとのことであります。  こういった方向性は、私どもが考えている方向性と一致すると考えており、国の文化審議会の最終答申の内容や、その後の法改正等を踏まえ、文化財がまちづくりや地域活性化に積極的に活用されるように、県教育委員会としても取り組んでまいりたいと考えております。 広瀬委員  文化財保護法の改正に伴い、改修の権限が市町に移譲されるのはいいのですが、専門知識がない市町もあり、権限だけを移譲されても混乱が起きるのではないかという意見もあります。国との間に立ち、支援していくのが県の役目だと思いますので、ぜひしっかりと対応していただくことを要望して、次の質問に入ります。  2点目は、児童・生徒のうち、セクシュアル・マイノリティー、LGBTなどという言い方もされますが、性的少数者への対応についてであります。  8月9日の四国新聞によりますと、性的少数者の児童生徒の事情を、本人の了解を得ずに教員が同級生らに説明してしまう「アウティング」と呼ばれる行為で、学校生活に影響を及ぼすなどのトラブルが報告されているとのことでした。その記事の中で、教育の専門家である尾木直樹法政大学特任教授は、「教員の大半が性的少数者について学ぶ研修を受けていないのが現状だ。教育委員会など行政が指導力を発揮し、全教員が研修に参加できるような環境を早急に整備するべきだ。」と言っております。非常に微妙な問題だとは思いますが、このようなことについての教員に対する教育、啓発ができていないので実施すべきであるということだと思います。  こうした意見に対して、県教育委員会としてどういった見解をお持ちなのか、また、考えている対応策等について、お伺いします。 山本人権・同和教育課長  広瀬委員の性的少数者の児童・生徒への対応についての御質問にお答えいたします。  国から平成12年6月に公布された「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」を受け、本県では平成15年12月に「香川県人権教育・啓発に関する基本計画」を策定し、個別人権課題の一つとして、「同性愛者、性同一性障害者の人権」を基本計画の中に取り上げました。  学校での性的少数者の児童・生徒への対応につきましては、教職員一人一人が性的少数者について正しく理解することが重要であると考えております。その上で、それぞれのケースによって対応が違いますので、個別の相談に対しては、児童・生徒の不安や悩みをしっかりと受けとめ、きめ細やかに対応していくことが必要であると考えております。  県教育委員会におきましては、平成22年に高校から相談があり、本人の意志を尊重しながら、学校における対応について指導・助言を行いました。それ以降も、学校から相談を受けたり、県教育センター等に本人や保護者から相談があった際には、各事例に応じて対応してきたところでございます。そういった状況を踏まえて、平成24年4月に性同一性障害を教職員に正しく理解してもらうため、リーフレットを作成し、県内の全教職員に配付をしたところであります。  また、平成28年4月に文部科学省から出された「性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対する教職員向け対応要領」につきましても全学校に周知をいたしました。また、平成29年2月には、保護者等から相談があった場合にどのように対応すべきか、どのような相談機関につなげればいいかなどについて記載した「学校における性同一性障害に係る児童生徒等への対応マニュアル」を作成し、各学校に通知いたしました。さらに、平成29年3月には、教職員が人権・同和教育を生徒に指導する際の「教職員ハンドブック」も作成し、配付しております。このような資料等を県教委が主催しております職員向けの研修会等でも説明し、啓発に努めているところでございます。  それぞれの学校においても、教職員向け、保護者向け、児童・生徒を交えてという形で、性的少数者の当事者を講師とした講演会を実施したり、多目的トイレの整備をする等、性的少数者の児童・生徒への理解を深めたり、環境整備に取り組んでおります。  県教育委員会では、ことしの11月には、小学校、中学校、高校、特別支援学校の教職員を対象に、医療専門家や性同一性障害等の当事者、その家族の思いを聞く機会を取り入れた「LGBT等に関する教職員研修会」の実施を計画しており、本人の思いをしっかり聞いて、個別の事案ごとに適切に対応するよう教職員に対して指導をしてまいりたいと考えております。  今後も、性的少数者に関する人権課題についての研修会等を実施し、学校において児童・生徒や保護者から相談があった場合には、児童・生徒の心情や保護者の意向を十分配慮した上で、慎重に対応していくよう、学校に対して指導・助言を行ってまいりたいと考えております。 広瀬委員  先ほど申しましたアウティングの問題は非常に難しいことであります。文部科学省が示したガイドラインでも、トイレの使用や修学旅行での対応が記載されておりますが、実際にそのような対応をした場合に、他の児童生徒に対して説明をする必要が生じ、それにより当事者である子供を傷つけることになってしまいます。そのような子供が少ないだけに、教員として、それに対して誤った言葉や行為をしてしまう可能性が十分あります。事案によれば、それにより自殺等を引き起こしてしまうことにもなりかねません。  今後も、アウティング等によって教職員が子供や保護者を傷つけることのないよう、精神的な機微に触れる問題であり、研修等を通じてよい対応を行っていただくようお願いいたしまして、質問を終わります。 新田委員  午前中に県立高校の職業学科における人材育成の話がありましたが、多度津高校造船コースについて、今どのような状況なのか、お伺いします。 出射高校教育課長  新田委員の多度津高校造船コースについての御質問にお答えいたします。  平成29年4月に、多度津高校の機械科内に、主に船の構造や建造過程全体を把握し、将来、現場においてリーダー的な活躍をする人材を育成したいとの思いで造船コースを設置いたしました。ことし入学した生徒から、1年生においては共通で機械全体のことを学び、2年次から、従来あった機械コース、電子機械コースと造船コースの3つの中から選択することになっております。来年の4月から実際に造船に関する授業が始まりますが、現在、このコースをどうするかということを学校内で調整しているところでございます。  授業内容につきましては、国土交通省が新たに作った教科書を四国造船協議会からの寄附を受けて使用することにしております。この教科書は結構高価ではありますが、造船全部が学べるものはこれしかありません。具体的には、2年生で「造船工学I」2単位、3年生で「造船工学II」4単位の授業があり、それ以外に、造船に関する製図の授業が3単位あります。これらにつきまして、国土交通省がつくった教科書をもとに年間の授業計画を立て、進めていこうとしております。また、実習は、2年生で4単位、4年生で3単位を計画しており、それ以外に職業学科には課題研究が3単位ございますが、これについては校内で行う実習のほかに造船所での実習など、中身の整理を現在行っているところでございます。  一方で、施設設備につきましては、四国運輸局を通じて、四国造船協議会に加盟している造船所からの支援で溶接機械等の提供を受けるなど、次年度からの必要な機材の準備を進めているところでございます。  教員の指導力の向上も課題であり、これにつきましては、8月に国土交通省の工業高校等における造船コース体制強化に関する検討会があり、そこで多度津高校機械科の教員3名が、実際にどんな授業をしていくかを学ぶなどしております。また、造船所、舶用工場や進水式の見学なども通じて、造船の現場にも知見を広げていくという形で進めているところでございます。  生徒も、機械科の1年生全員対象に、造船関連産業の企業見学に行って意識を高めており、このような中で、一定数の造船コースへの進学者が見込まれているという状況でございます。 新田委員  国土交通省を挙げていろいろと力を入れてくれており、本県にとってありがたいことだと思います。これを何のためにやるかというと、卒業生が地元に定着して、就職してもらうためなので、卒業生をぜひ業界で受け入れてくれるように、県からの働きかけもお願いして、次の質問に入ります。  グローバル化が進む世界の中で、いろいろな教育のやり方があると思います。イギリスに転勤した友人の話ですが、イギリスでは、演劇を公教育で正規の授業の中に積極的に取り入れ、演劇の創作や鑑賞を通して、子供たちのコミュニケーション能力や表現力等を育成しているようです。  本県でも、小学校の学芸会や地域の農村歌舞伎などで劇をやっていることを目にすることがあり、劇を全くやっていないということではありませんが、コミュニケーションをとることが苦手と言われる日本人が、グローバル化する世界の中で生きていくためにも、一層演劇的なアプローチで、子供たちのコミュニケーション能力や表現力等を高めていくことが有効であると思います。  そこで、本県の小・中学校の授業で、どのように演劇を取り入れているのか、現状をお伺いします。 工代教育長  新田委員の演劇教育についての御質問にお答えいたします。  イギリスでは、全ての公立学校で実施することとされているナショナル・カリキュラムが導入されており、その中で14歳から16歳の段階で、芸術(アーツ)という教科の選択科目の一つとして、ドラマ(演劇)が位置づけられており、演劇的な手法を使って、コミュニケーション能力、他者との協働、創造的思考などを学ぶ授業として実施されていると承知しております。イギリスの「ドラマ」という科目で学習される具体的な内容までは承知しておりませんが、県内の小・中学校においても、演劇的な手法を取り入れた活動が、多くの学校で行われております。  具体的には、道徳の時間において、資料中の登場人物が葛藤する場面等で、役割演技(ロールプレイ)という手法を取り入れ、疑似体験を通して道徳的価値に迫らせる活動を行うことは、多くの小・中学校で行われております。また、特別活動や総合的な学習の時間に、歴史や自然など地域のよさを劇にして発言しており、例えば屋島小学校や志度中学校などが、地元の歴史にちなんだことを劇で行っております。  その他、人権の大切さを考えるための劇をつくり実演したり、劇作家や脚本家を講師に招き表現力の向上を目指してワークショップを実施したりしております。これは、小豆島町内の4小学校、また琴平町内の3小学校などが、歌舞伎などともつなげて行っております。また、日々の授業や学校行事で学んだことや身につけたことを、保護者や地域の方々に発表する学習発表会で、演劇的な表現でまとめて発表する活動などに、多くの小学校が取り組んでいると承知しております。 新田委員  コミュニケーション能力や表現力等は、子供たちがグローバルな社会で生きていくために必要な力です。本県でもいろいろなことをやっていると思いますが、地域の伝統も生かしながら、さらに深まるように、演劇的な手法を取り入れる等、これらの教育をぜひ積極的にやってほしいとお願いして、質問を終わります。 有福委員  私からは、2点質問させていただきます。  まず、ゲーム、インターネットの依存予防対策についてお尋ねします。  近ごろ、子供たちがスマートフォンでゲームやインターネットに夢中になっている姿を見かけることがよくあります。また、保護者の方からも、子供が部屋で夜遅くまでLINEやメールをしたり、何時間でもゲームに没頭して寝不足や朝起きなくて困るという話を聞くこともございます。ゲームやSNSの世界は、簡単に達成感を味わえるため、その利用がだんだんエスカレートしていくのではないかと思います。それが進みますと、生活リズムが乱れ、日常生活に悪影響を及ぼすようになることを大変心配しております。  昨年11月に実施した平成28年度香川県学習状況調査によりますと、中学2年生で平日2時間以上ゲームをする生徒の割合が、平成26年度以来、年々ふえており、初めて40%を超え42%となったという報告がございました。また、平日、ゲームをする時間を除いて、2時間以上携帯電話やスマートフォン等で通話やメール、インターネットをする割合は30%ということであります。このような結果を見ますと、ゲームやインターネットへの依存傾向がどんどん進んでいくことが大変心配されます。これまで県教育委員会ではネット依存防止のためさまざまな取り組みをしてきたということでありますが、具体的にはどのような取り組みをしてきたのか、まずお伺いしたいと思います。  もう一点ですが、我が会派の9月定例会での代表質問において、教育長から今年度実施した「スマホ等の利用に関する調査」でわかったトラブルの状況等について答弁がございました。まだ調査結果の分析中ということでありましたが、その調査の中で児童・生徒のネット依存傾向についても調査したのであれば、その結果がどうであったのかということをお示しいただきたいと思います。 工代教育長  有福委員のインターネットの普及に伴う依存傾向の関係の御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、ゲームやインターネットの世界は、簡単に達成感が味わえることから、使用のコントロールが難しく、自制できなくなる傾向にあるため、ゲーム、インターネット依存予防対策の重要性はますます高まっていると思います。これまでの県教育委員会での取り組みでございますが、保護者、児童・生徒への対策といたしましては、平成21年度から、幼稚園や保育所、小・中学校などの保護者向け学習会に県教育委員会が養成した「さぬきっ子安全安心ネット指導員」を派遣し、子供を取り巻くネット社会の現状や子供たちの使用実態、ルールづくりの必要性などについて、保護者と一緒に考える場を提供してございます。また、平成27年2月に、PTA等とも連携し、夜9時には使用をやめる等の県共通ルール「さぬきっ子の約束」を定め、全ての小・中学校と保護者にリーフレットを配布し、子供たちがスマートフォン等の利用について自主的に話し合うことなどを呼びかけました。このようなことがPTAや生徒会での自主的なルールづくりにだんだんつながってきているところでございます。坂出市であれば、坂出市連合児童会が「スマホ・ケータイ利用の約束づくり」という運動を展開しております。また、学校での情報モラルの取り組みとしては、小学校では道徳の時間、中学校では技術、家庭科の時間、高等学校では教科「情報」の時間で指導を行うとともに、専門家であるe-とぴあ・かがわ、通信会社等とも連携して、情報モラル教育を行っているところでございます。また、依存予防に特化した対策といたしましては、インターネット依存に詳しい、神奈川県にあります独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターに、平成28年度から職員を派遣して研修を受けさせております。平成28年度には7人、今年度は3人派遣しているところでございます。さらに、インターネット依存等防止に関するチラシも作成し、今年度、県内全ての小・中学校に配布し、啓発に努めたところでございます。  2点目の「スマートフォン等の利用に関する調査」についてでございますが、この調査は平成29年5月19日から6月30日までの間に、児童・生徒は抽出調査で61校4,926人、学校調査は悉皆調査で全ての263校、保護者は抽出調査で2,070人に対し、スマートフォン等の所持や利用に関するさまざまな調査をいたしました。この調査では、インターネットの依存傾向も調査しており、スマートフォン等を利用している中高校生で、インターネットの依存傾向が見られるのは中高校生とも約3%という結果が出ております。調査方法は、「スマートフォン等の利用に関する調査」において、「ネットに夢中になっていると感じる」、「ネットに熱中しすぎていることを隠すために、家族、学校の先生にウソをついたことがある」というような項目がございまして、依存傾向の尺度として用いる質問である8項目のうち、5項目以上で該当すると答えた者は依存傾向があるという基準のもと調査したものでございます。 有福委員  いろいろ取り組みをされているということでありますが、調査結果を踏まえて、県教育委員会では、ゲームやインターネット依存予防対策について、今後、具体的にどのように取り組んでいこうと考えているのか、お尋ねします。また、依存度3%という結果を、教育長はどのように実感しておりますでしょうか。また、保護者にルールづくりなどをお願いしているとのことですが、保護者も言うなればインターネット世代でありまして、保護者そのものがスマホがないと生活できないような依存度が高い人もいると思います。保護者も家庭で子供以上にスマホを使うなど、そのような生活環境を危惧しております。家庭の問題もありますが、率直にこの3%という割合をどう考え、具体的にどういうことに取り組むのか、お伺いします。 工代教育長  有福委員の再質問にお答えいたします。  まず、約3%という調査結果をどう見るかという御質問でございます。これにつきましては他県の状況がございまして、私どもと同じ調査方法で千葉県が実施した調査結果は、平成28年度の高校生において約4%という数字が出ております。また、総務省が実施した調査は、質問項目が20項目の調査ではありますが、平成25年度の都立高校生は約5%、平成26年度の横浜の公立中学校生徒は約5%という結果でありました。これらと比べると約3%は低いようにも思えますが、委員御指摘のとおり、児童・生徒はスマートフォン等を非常に使っており、だんだんエスカレートする可能性が十分にあることから、約3%といえども、きちんと教育指導していかなければいけないと考えております。  また、保護者についても、委員御指摘のとおりでございますので、児童・生徒と同時に家族、保護者に対する啓発を行わなければならないと考えており、いろいろな対策を今後も行ってまいりたいと考えてございます。 有福委員  インターネットの世界は、子供たちにとっては大変興味あるものばかりであり、特にゲームなどは子供たちの興味のど真ん中であり、どんどん深みに入っていくような気がします。アプリもいろいろ開発され、次から次へと新しいものが出ており、学校でもそのような話を子供たちがしていると思います。依存になると、全ての生活に影響が出てくるのは事実でありまして、親子でルールづくりも必要ですが、基本となるのは家庭であり、家庭における保護者の役割が大きなポイントであると思っております。県教育委員会は、市町教育委員会と連携して、子供たちの適正なインターネットの利用について家庭に働きかけるのは当たり前でありますが、すぐには効果があらわれなくても、取り組みを継続してもらいたいと思っております。今の世の中では、インターネット、スマートフォン、タブレットなどがないと生活できなくなっているような時代ですから、このようなものとどう向き合っていくのか、これからも取り組んでいただきたいと思います。  続きまして、次の質問に入ります。冒頭で新県立体育館の整備についての説明がありました。説明によりますと、アドバイザリーグループは、新県立体育館を県内外から多数の集客可能な地域のシンボルとなるような施設として整備するため、スポーツや各種イベント等についての全国的な状況を熟知し、知見を有する専門家から助言を得るため設置し、施設の仕様や動線、諸室、にぎわい施設としての機能等についての意見を伺ったところであります。そして、今後、これらの意見や市場調査の結果等を踏まえ、基本計画を策定するとの説明がございました。今回報告があったアドバイザリーグループの専門家の意見を改めて見てみますと、搬入のしやすさや天井の荷重など、そのまま基本計画策定に当たって参考とできるようなものもありましたが、中には床の仕様やVIPルーム等については、新県立体育館をどのように利用するかといった前提によって、意見が異なっておりました。このグループはさまざまな分野の専門家から構成されているようでありますから、その分野や立場が異なりますと、違った視点からの意見が出てくることは当然のことだと思いますが、相反する意見の双方を取り入れるわけにはいきません。  そこで、今後、専門家からの意見をどのように整理し、基本計画を策定しようとしているのか、基本的な考えを教育長にお伺いします。 工代教育長  有福委員の新県立体育館の整備についてのお尋ねにお答えいたします。  委員御指摘のとおり、アドバイザリーグループの専門家の方々は、それぞれの専門家の立ち位置に立って、自分の専門に基づいて御意見をおっしゃられているので、それぞれ貴重な御提言ではございますが、双方を取り入れることができないということもございます。そのため、冒頭でも御説明しましたとおり、現在、市場調査を実施してございます。その市場調査の内容、要するに、四国の高松のここであればこういうものならこのぐらい来るだろうとか、こういう催し物は呼んで来られるだろうとか、それもどのぐらいの規模のものであれば高松のこの地域だったら来るだろうというのがだんだん固まってまいりますと、そういうものも含めて、もう一度アドバイザリーグループの専門家の方々に見ていただいて、「それであれば、私は最初にこういうことを言ったが、こういうものであったらこの意見は引っ込めようかな」とか、再度の意見聴取もやってまいりたいと思います。いずれにいたしましても、市場調査のデータも重視して、再度アドバイザリーグループの意見と突合しながら、その結果を見て私どものほうで判断してまいりたいと考えてございます。 有福委員  もっともな意見でありまして、市場調査に基づいて意見を集約していくということでありますけれども、いずれにしても、県として新県立体育館をどのような施設にするのか、しっかりとした考えを持って検討することが大事だと思っております。  新県立体育館は、サンポート高松の立地上の優位性やすばらしい展望も生かし、利用者にとって利用しやすい、デザイン性も含め魅力ある施設となるよう検討するとのことですが、この点がひっかかります。デザイン性についてですが、過去に、見た目が派手で幾ら費用がかかっているのかわからないような、遺産として残していくほどの立派なものをつくり上げて、結局のところは維持管理費に困っているような施設を多く見てきました。利用する側にとって使い勝手のいい、利便性のある施設にしていただきたいと思います。先日、視察に行ったところに、王宮のような施設があり、確認すると市立体育館ということでした。立派ではありますが、幽霊屋敷のようになっていると思い聞いてみると、維持管理が大変で、使い勝手が悪く困っているようだとの話でした。せっかくいいものをつくっても、後々の管理のことを考えると維持できなくなるようでは大変困ります。修繕したり、その時代に合わせて手を加えていかなければならない場合にも大変困ってくると思うのです。そういった施設にならないように検討していただきたいと思います。いろいろな意見がたくさん出ておりますが、教育長は、今の時点で新県立体育館をどのような施設にしたいと考えているのか、その思いをお聞かせください。 工代教育長  有福委員の再質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、機能性や維持管理については、気をつけていかなければならないと考えております。デザイン性も含め魅力ある施設とする必要があると私も思っておりますが、ここで言うデザイン性というのは、奇抜さとかをいっているわけではなく、瀬戸内海に面したすばらしい眺望の場所であるため、そこに似合うといいますか、逆にその眺望を壊さないといいますか、そういうデザイン性も含め魅力ある施設としていくということと、人々の交流をふやしていって、経済波及効果を香川県に及ぼし、地域活性化のシンボルとして、県民の皆様に喜んでいただけるような施設としてまいりたいと考えております。 有福委員  場所的には高松駅に隣接しており、大変すばらしい位置にでき上がるのだろうと思っております。駐車場の話とかいろいろ出ており、たくさんの議論があったとの報告を受けましたが、私個人の意見ではありますが、できれば雨にぬれないように、その施設まで誘導できるようなものがあったほうがいいと思います。大勢の人が寄ってくる施設でありますから、傘を差して入り口まで歩いていくというよりは、一緒に行った人が話しをしながら、楽しく、コンサートでも何でもいいのですが、雨にぬれずに行けるようなものができればという期待をしております。専門家の意見をそのまま聞くのではなく、県としてどのような施設とするのがいいのか十分に検討し、新県立体育館の整備が県の地域活性化の起爆剤となるよう、誇れるような、これをやったことによってサンポートの地域のにぎわいがどんどんふえていき、ひいては香川県の元気の源になるというような施設にしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げて質問を終わりたいと思います。 斉藤委員  私からは1点、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについて質問をさせていただきます。  先般、中学校の先生方と話をしておりますと、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの需要が非常に多いとお伺いしました。その最前線に当たるのが、担任の先生です。担任は、児童生徒のさまざまな問題や家庭の問題等に相談に乗っておりますが、それに加えて専門的な知識を要する問題につきましては、専門家であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーがかかわり対応しております。しかしながら、担任は、授業を持っており、児童生徒を教育していくことが大きな仕事である一方、授業の終了後に各家庭に行くなどにより、勤務時間以外となり超過勤務につながっており、自分の時間もとれないという現状があります。  そこで、現在、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置状況や活動状況はどうなっておられるのか、お伺いします。 工代教育長  斉藤委員のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについての御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、各市町教育委員会学校現場に行ってみますと、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーがいてくれてありがたい、子供たちは先生には直接話せないので、そのような第三者がいてくれることは非常にありがたいという声をお聞きしております。  スクールカウンセラーにつきましては、平成7年度から配置を開始し、平成17年度から中学校を拠点として全ての小・中学校で活用できるよう拡充しております。また、平成19年度からは12学級以上の小学校に派遣時数をふやすなどの配置の拡充に努めてきております。その結果、今年度は50名をスクールカウンセラーとして非常勤で任用し、中学校を拠点校として全ての小・中学校で活用できるよう配置しております。年間の平均配置時間は、中学校で約200時間、12学級以上の小学校で84時間、11学級以下の小学校では36時間でございます。割ってみますと、中学校では1校当たり週1回程度の4時間、小学校では12学級以上では1校当たり月2回程度の4時間、11学級以下では1校当たり月1回程度の4時間となっております。また、緊急対応が求められる状況が生じた場合には、学校等からの要請に応じて派遣できるように備えております。  スクールカウンセラーにつきましては、臨床心理士の資格を有する優秀な人材を任用しているところでございますが、医療や福祉機関等からも雇用ニーズがありますことから人材確保に苦慮しております。一部には、臨床心理士の資格は有していないものの必要な知識や経験を有する者を任用しているケースもございます。  次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、平成20年度から配置を開始し、徐々に配置拡充に努めてきたところでございます。現在は、市町が主体となって県と国がその予算の一部を補助して配置する仕組みとなっており、今年度は小・中学校において14市町で37名のスクールソーシャルワーカーが雇用されております。スクールソーシャルワーカーとして任用している者が有する主な資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、教員などでございます。 斉藤委員  スクールカウンセラーが非常勤で50名、スクールソーシャルワーカーが14市町で37名ということでありますが、特にスクールカウンセラーは、時間数がある程度決まっているようですが、現状として、この体制で小・中学校の要望に応えられているのでしょうか。子供の数は減っておりますが、今まで以上に問題になっている件数がふえていると聞いております。現場での時間的なもの等含めて、対応できているのかについて、どのような認識を持っているのか、お伺いします。 工代教育長  斉藤委員の再度の御質問にお答えいたします。  委員御指摘のとおり、学校現場の教員だけでは、さまざまに多様化した心の問題等に対応し切れない現実がございます。教員と一緒になって児童・生徒を指導できる専門家の支援を積極的に取り入れた体制づくり、いわゆるチームとしての学校が必要であると思っております。しかしながら、県や市町の財政状況、不安定な雇用形態による人材の確保難といったこともございまして、現場からの配置の拡充の要望には応え切れてはいないのが現状であると受け止めております。 斉藤委員  スクールカウンセラーは臨床心理士等の資格、スクールソーシャルワーカーは、社会福祉士等の資格を持っております。例えば、予算が確保でき、時間をふやした場合、県や市が主体となって募集したときに、人材はいらっしゃるのかどうか、お伺いします。 工代教育長  斉藤委員の再度の御質問にお答えいたします。  雇用形態等をきちんとすれば、そのような人材はいらっしゃると考えております。非常勤であり、それだけで生活を立てていくことは難しいため、そのあたりの整備ができれば人材としては確保できると考えております。 斉藤委員  予算の問題、待遇をよくしていくことについて、今後、どのような整備をしていこうと考えているのか、お伺いします。 工代教育長  斉藤委員の再度の御質問にお答えいたします。  香川県だけのことではなく、国の教育制度そのものにかかわることだと思っております。そのため、ことしの6月に、「平成30年度国の予算に関する要望事項」として、学校教育法等においてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを正規の職員として規定するとともに、義務標準法において教職員定数として算定し、国庫負担の対象とすることを国に要望しております。  文部科学省におきましては、平成30年度の当初予算で配置拡充のための概算要求がなされており、県独自というわけにはまいりませんが、こうした国の動向を注視しながら、スクールカウンセラーの配置や、市町のスクールソーシャルワーカーの配置への支援の充実等に努めていきたいと考えております。 斉藤委員  国に対しても要望しているとのことですが、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置に関しての国の動向について、佐々木次長にお伺いをさせていただいて質問を終わらせていただきたいと思います。 佐々木教育次長  斉藤委員の御質問にお答えいたします。  先ほど教育長からも答弁いたしましたとおり、まさに今、チーム学校としてさまざまなスタッフが学校を支えるという形で諸施策が検討されており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつきましても、国は次年度の概算要求におきまして、大幅な拡充の要求をしていると承知しております。具体的に申し上げますと、スクールカウンセラーの配置につきましては、本年度2万6000校を次年度2万7500校とし、全公立小・中学校に増配置することを目指しております。予算額といたしましては、本年度45億5900万円を次年度は48億600万円要求しております。スクールソーシャルワーカーにつきましては、本年度5,047人を次年度8,047人に増員要求し、スクールソーシャルワーカーが必要な全ての学校で活用できるように配置の拡充を目指しております。予算額は、本年度12億5800万円のところ、次年度は18億4200万円要求しております。  このように、国におきましても配置拡充の方向で対応していく考えであると承知しております。 三野委員長  以上で、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり) 三野委員長  御異議なしと認め、教育委員会関係の質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....