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所野尾委員長 これより質疑、質問を開始いたします。
木村委員 私からは、
環境保全施設整備資金貸付金について質問をいたします。
県内の
中小企業者が
環境保全に配慮した施設を整備し、事業を行っていただくことは、本県の環境を保全する観点から重要なことと思いますが、小規模な事業者にとっては新たな
施設整備を行うことは大変な負担であります。直接収益に結び付く生産設備に対しては無理しても投資しますが、
排水処理施設や
排ガス処理施設となると、資金繰りが厳しい
中小企業者にとって二の足を踏むおそれがあります。
環境保全施設整備資金融資は
中小企業のための制度ではありますが、
環境保全の面からも有意義な制度であり、県民全体にとっても有用な制度であると言えます。そうした観点から
環境保全施設整備資金貸付金は一定の意義があると考えます。
そこで、この事業の詳しい内容と、これまでの事業者の貸付実績についてお伺いいたします。
大山環境森林部長 環境保全施設整備資金貸付金につきましては、
高度経済成長期に公害問題が起きたとき、国が
大気汚染防止法や
水質汚濁防止法を制定し、県内の
中小企業者がその法の規制に施設を適合させるための整備費用を円滑に調達できるように、県が昭和45年に創設したものでございます。
この貸付金の具体的な内容は、県が金融機関に無利子で預託し、金融機関がそれを原資として、県内の
中小企業者が行う
公害防止施設の設置等に対して融資を行うというものです。
昨年度の融資条件は、
融資限度額が1件
当たり原則5000万円以内、融資期間は最大15年、金利は原則10年以内であれば1.8%でございます。
融資実績でございますが、昭和45年の制度創設以来、平成23年度までに234件、19億円余の融資を行いました。平成24年度以降は申請がなく、融資は行っておりません。
なお、融資を受けて整備された施設は排水関係が174件、
ばい煙処理施設が19件、そのほか
廃棄物処理施設や騒音・
悪臭防止施設が41件となっております。
木村委員 この融資を受けて整備された施設の件数も過去にはそれなりにあり、この事業が公害防止や
環境保全に大きく役立っていることは理解できました。しかしながら、新規融資については平成23年度は8件ありますが、24年度から27年度までの4年間はゼロ件でございます。このことについて説明いただきたいと思います。
大山環境森林部長 この融資を経年で見てみますと、制度創設の昭和45年度から昭和49年度までの5年間で85件、昭和50年代は10年間で119件と多くの利用があり、毎年事業者への融資を行ってまいりました。その後、昭和60年度から平成6年度までの10年間では、融資があったのは5カ年で、合計9件の融資と減少しました。さらに平成7年度から16年度までの10年間では、融資があったのは2年間だけで合計2件でございました。さらに、最近の融資でございますが、
水質汚濁防止法では日量50トン以上の排水を行う事業者を規制対象にしているのですが、県で平成21年3月に
生活環境の保全に関する条例を改正し、うどん店などの排水についても県が規制をしたことに伴う資金需要があり、22年度に9件、23年度は8件の融資を行ったものでございます。
委員お尋ねの平成24年度から昨年度まで融資がなかったのは、条例の規制前の状態に戻ったということで、
施設整備が必要な規制がほとんどなかったため、
融資実績がなかったと考えております。
また、厳しい経済状況の中で
中小企業が運転資金の需要はあっても、
施設整備の需要はないという面も影響しているかもしれないと考えております。
木村委員 せっかくの制度ですし、需要も引き続きあると思いますので、しっかりとPRして使っていただくよう要望させていただきます。
米田委員 私からは
地球温暖化対策の成果の検証について質問をさせていただきます。
100の指標の中の
地球温暖化対策に係る指標の
温室効果ガスの排出量が、平成27年度の目標値740万トンに対して、実績は25年度の暫定値で1062万5000トンでD評価となり、その理由は伊方原発の停止が影響したという説明だったと思います。そうすると、
原発停止による
火力発電等への切りかえによって、どれだけふえたのかという数も出ると思います。県が
地球温暖化対策推進計画で定めた
削減目標値は97万8000トンとお聞きをしましたが、具体的な
日常生活や
事業活動における省エネの
取り組みの促進による89万8600トンを初めとしたもろもろの数字が順調に達成したのか、当初掲げた
削減目標が達成されたのか、わかりやすく説明していただきたいと思います。
大山環境森林部長 本県の
温室効果ガス排出量の推計値は、国のいろいろな数値をもとに行っていまして、最新の数値が平成25年度の数値でございます。したがって、平成27年度の数字は出ていないという前提で説明します。
温室効果ガスの排出量については、計画をつくったときのベースになる平成20年度の排出量は810万9000トンで、平成25年度には1062万5000トンになりました。これについて、原発が停止しなかったと仮定して、またそのほかのいろいろな仮定を置いてあえて試算すると25年度の排出量は776万4000トンとなり、差し引き286万1000トンが、
原発停止による
火力発電等への切りかえによる増と推計しております。
また、前回の
地球温暖化対策推進計画での
削減目標量の97万8000トンは平成27年度の
削減見込み量でございますので、平成25年度の数値に置きかえると69万8000トンになります。原発が停止しなかったと仮定して試算した776万4000トンから計算すると、現実の削減量は69万8000トンに対し53万7000トンでございまして、達成率は約8割と見込まれております。
現時点で目標が達成できていない理由でございますが、計画策定時においては社会保障・
人口問題研究所の推計をベースに人口、世帯数とも減少すると想定していたのですが、世帯数は増加したことから家庭での
省エネルギーが
想定どおりに進んでいないのが主な原因であると思っております。
米田委員 削減目標の8割という説明ですが、主要施策の
成果説明書の76ページに書いている事業内容ではイメージが湧かないので、詳細について説明をいただきたいと思います。
大山環境森林部長 まず、
日常生活における
省エネルギー行動等促進事業については、昨年度から新たに、家族がそろって涼しく過ごせる場所に出かけて家庭の消費電力の削減につなげていこうというクールシェアを実施しておりまして、86施設の協力をいただいたところでございます。
また、平成26年度からかがわ
省エネ節電所を開設しておりますが、これは家庭や事業所で取り組む
省エネ行動を登録していくと、その行動が
幾ら省エネにつながっているか、また、県全体の
削減電力量や
CO2削減量も見える化しているというものでございます。27年度末における登録者数は4,255世帯、502事業所でございまして、昨年度登録された
省エネ行動による
CO2削減量は約1,600トン余りとなっております。
次に、
事業活動における
省エネルギー行動等促進事業につきましては、昨年度に
中小企業の方々に対する
省エネ診断を16件行うとともに、
省エネ講座を2回開催して、約260名の方に受講していただきました。
それと、緑の
カーテン普及促進事業ですが、昨年度から本格的に取り組んでおり、
キックオフイベントと緑の
カーテンコンテストを実施しまして、234件の応募をいただくなど、省エネ・節電効果のある緑のカーテンへの
取り組みは広がったのではないかと考えております。
それと、
住宅用太陽光発電導入促進事業でございますが、
住宅用太陽光発電システムの設置に対し、昨年度は1,386件の補助を行ったところでございます。これによってこの
システムの設置件数は、累計で2万1486件となりまして、目標の2万件を大きく上回ったところでございます。
なお、昨年度設置された1,386件の
太陽光発電システムによる
CO2削減量は約6,000トンと試算しております。
米田委員 先ほど削減目標の達成率が8割だという中で、家庭での
取り組みが十分でないという説明もございました。国が掲げた
エネルギー革新戦略に目を通させていただきましても、家庭や
事業所部門での省エネが十分ではなかったという記述もございました。そこら辺をどういうふうに推し進めていくのかという
問題意識を国も持たれているので、ぜひ香川県もその
問題意識を共有して推進していただきたいと思います。
さきの9月議会で私から多様な
エネルギー利用の考え方について質問させていただきました。知事からは、「熱利用で生活や企業活動に必要な
エネルギーを全て賄えるものではないことなどから、
太陽熱温水器の需要は必ずしも多くないものと認識している。雨水や地中熱等の利用については
技術開発等の動向を注視するとともに、今後、メリットや導入事例について広く情報提供を行うなど、利用拡大に努めてまいりたい。」という答弁をいただきました。
私は熱は熱でという主張をさせていただきましたけれども、その認識と
温暖化対策に対する危機感が率直に言って私の認識よりは弱いのではないかという感想を持っています。この答弁にありました
太陽熱温水の利用に関しても、確かに以前と比べると県民の理解は、太陽風呂が普及した時代から比べるとそれを使おうという思いは少なくなっているのかもわかりません。ですけれども、私が紹介をさせていただいた雨水をためて太陽熱で温めたり、住宅内で循環させて冷暖房を行う技術は、国内では日進月歩で進んでいます。私はそうした日進月歩の状況におくれることなく、
地球温暖化防止のためにあらゆる可能性を探って、きちんと県民に紹介して普及をさせる意思を持つことが重要ではないかと思っています。県の対策は、それにこしたことはない、あるいはできるのであればそうするというところにとどまっているのではないかと私は思っています。産業部門に対しては言うことを聞かせられないということがあると思いますけれども、せめて家庭部門での省エネや
温暖化対策について、積極的な姿勢を強めるべきだと考えています。そのことで県民と一緒になってCO2の
削減目標を達成するという
政策展開が進められていくのではないかと考えます。そのためにも県民に実利が伴う技術を説明をしながら誘導していく
政策展開が必要だと思いますが、部長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
大山環境森林部長 県民と一緒にという点は全く同じ考えで、できるだけ多くの県民の方がみずから取り組んでいただけるように、今年度から
省エネ県民運動に取り組んでおります。目新しい
取り組みはないのですが、
オープニングイベントも実施して、今までよりも拡大したものとなっておりますので、今後も頑張っていきたいと思っています。
また、事業者についても、今年度から
環境政策課の職員が
エネルギー管理士の資格を持った専門家と一緒に大企業を訪問して、
省エネ効果があるようなアドバイスもさせていただく
取り組みを始めております。地味ではありますが、そういうやり方は今後、確実に成果が上がってくると思っております。
それと、委員御指摘の実利が伴う技術を見つけてそこに誘導していく
政策展開は重要ですが、難しい面もあると思います。かといって何もしないのでは進まないので、今年度から
環境政策課の職員が水素を取り扱っている企業や、
省エネ技術の開発を行っている企業を訪問したり、あるいは県の
試験研究機関で意見交換をするような
取り組みも新たに始めております。国や他県の動向を注視することはもちろんですが、こういう地道な
取り組みも続けながら、有効な施策展開の方向も探っていきたいと考えておりいます。
米田委員 国が推進している事業について余り県民に知られていない事業があります。ゼロ
エネルギーハウスの
取り組みは、整備に150万円の補助金がついたり、県の
建築事業者が登録されていますけれども、実際その事業がどれだけ活用されているのでしょうか。都会近辺では国の補助にさらに上乗せをして推進する施策が展開されていることを知りましたので、そういうところにもしっかり視点を持って新たな
政策展開を考えていただきたいと思います。
最後の質問ですが、この間、鹿児島の知事選挙に引き続いて、新潟の知事選挙でも原発再稼働に慎重な知事が誕生いたしました。人々がいかに原発の安全性に懐疑的になっているかがわかりました。さらに、国外でも最近の新聞で台湾が2025年に脱原発を目指すというニュースがございました。
李世光経済大臣は、
東日本大震災を機に大きく転換した原発をめぐる台湾の民意にきちっと向き合うことを表明し、原発ゼロを目指すに当たっては、
再生エネルギーで原発を置きかえることができるのかということではなくて、
放射性廃棄物の問題を子孫に残さないためにどのような政策が必要なのかを考えるべきだという強い意志を示しておりまして、私も同感でございます。このニュースが飛び交ったときに、新聞では、「福島がよその国では生きている」と国内の状況をやゆする川柳も投稿されていました。
徳島県で、全国初めてとなる
温室効果ガスの
排出量実質ゼロを目指す「脱炭素社会の実現に向けた
気候変動対策推進条例」が全会一致で成立したというニュースも飛び込んでまいりました。私たちの周りでは着実に変化の胎動が出ていると私は感じています。こうした潮流に
行政担当者は敏感に反応して、
温暖化防止策を含めた展開をすべきだと思います。一旦事故が起きれば
放射能汚染という取り返しのつかない事態を招く原発を当てにするのではなくて、原発なしの状態で炭素ゼロを実現していこうという強い意志を持って計画を遂行していくべきと考えます。
そこで、鹿児島や新潟での選挙結果、並びに台湾での政策転換を
政策担当者としてどのように受けとめているのか、また、徳島の動きを見ながら香川県としてはどこまで研究を進めていたのか、そして今後、こうした情勢を受けとめて、
地球温暖化対策をどのように推進していこうと考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
大山環境森林部長 まず、鹿児島や新潟の選挙結果なり台湾の関係の受けとめ方でございますが、私としては
再生可能エネルギーの活用は進めてまいりたいと考えております。原発初め電源構成などの
エネルギー政策につきましては基本的に国の責任において判断されるべきものと考えております。
それと、徳島県が先般条例を制定されたこと、その概要についてもある程度は承知しておりまして、今後、学ぶべきものは学び、取り入れるべきものは取り入れていきたいと思っておりますが、具体的な
取り組みで本県が劣っているとは思っておりません。例えば先ほど申し上げました職員が企業訪問してアドバイスすることは本県独自の
取り組みですし、県民運動についてもそれなりの成果が上がっていると思っています。
また、
水素ステーションは徳島県が本県より1年先行でしたが、国が4大都市圏で
水素ステーションを進める中、徳島は関西圏という既存の枠の中で整備がスムーズにいったということでございます。本県の
水素ステーションは、本県に置く必要性などをいろいろ多角的に国にも説明し、4大都市圏以外で初めて認められたもので、決して全体として徳島県に負けているとは思っておりません。
いずれにしても
地球温暖化を初めとした
環境森林の分野では、地道に具体的に県民のためになる施策を積み重ねていくことが大事だと考えておりまして、今後もそのように進めてまいりたいと考えております。
米田委員 原発政策については国の責任で行うという域を出なかったのは残念でありますけれども、考えを転換していただけるように主張してまいりたいと思います。
地球温暖化防止については努力していただいていることと、思いの強さを感じることができました。ただ、地道な活動の先にどこへ行き着くのかを明確に示すことで人々を巻き込む効果があると思いますので、そういったことも念頭に置いて施策展開していただきますようお願いして、質問を終わります。
山下委員 私からは、
海ごみ対策推進事業についてお尋ねしたいと思います。
瀬戸内海の海域に浮遊、堆積するごみは、
漁業関係者も頭を悩ませているところでもありますし、瀬戸内海という美しい景観を台なしにするものでもありますし、生物にも悪影響を及ぼすと思われます。特に、
堆積海ごみは深刻ですけれども、海ごみの現状はどのようなものかをお聞きします。
また、香川県方式の
海底堆積ごみ回収処理システムについて、どのようなものなのか改めてお聞きしたいのと、その成果をお聞かせください。
大山環境森林部長 委員御指摘のとおり、海ごみについては重要な課題だと認識しております。
まずその現状でございますが、環境省が平成18年度に行った調査結果では、瀬戸内海全体で約1万3000トンの
海底堆積ごみがあると推計されております。このうち本県の海域にある
堆積ごみにつきましては平成26年度と28年度に県が初めて調査を行い、大体その10分の1に当たる約1,000トンと推計しております。
また、ごみの種類ですが、
プラスチック類が全体の83%を占めており、
ペットボトルやレジ袋といった
生活ごみが大半を占めています。海ごみは生活から出たごみが川などを通じて海へ流れ出たものが、かなりの割合を占めていると考えております。
次に、香川県方式の
海底堆積ごみ回収処理システムは、県と市町、県漁連等で構成する香川県
海ごみ対策推進協議会が主体となって実施するものでございます。まず漁業者が操業中に底びき網にひっかかった
海底堆積ごみを
ボランティアで陸まで持ち帰り、そのごみを沿岸の12の市町が
一般廃棄物として運搬処理し、その費用を内陸部を含む全ての市町と県で負担するというもので、内陸部の市町も負担して処理を行っていることが本県独自のものでございます。
この
システムによって処理した
海底堆積ごみの量は、昨年度は39トンとなっております。このほか
水産課関係の事業ですが、国の補助を活用して市町が漁業者に委託して、昨年度35トンの
海底堆積ごみを回収しておりまして、県全体で74トンの
海底堆積ごみを回収したところでございます。
一方、
海底ごみの堆積量は、研究者が6年前に行った調査結果では、瀬戸内海全体で1年間に4,500トンの海ごみが陸や外海から入ってきて、そのうち約700トンが沈んでいるとの推計結果となっております。この700トンの10分の1に当たる約70トンのごみが本県の海域に新たに沈んでいるという推計でございます。回収量が74トンであることから、昨年度は新たに沈積した量を若干上回る程度の回収はできておりますが、継続して着実に実施していくことが大事だと考えております。このほか、
漂流ごみや
海外漂着ごみは、県の
海面清掃船みずきや
ボランティア等による回収を実施しているところでございます。
山下委員 どれだけ取ればきれいになるのかと思いますけれども、ごみのほとんどが陸地からのレジ袋や
ペットボトルというお話ですので、そのごみが流れ出ないようにもとを断てばいいのです。内陸からのごみの流出を少なくする県内一斉
海ごみクリーン作戦や、離島の海岸を対象とした
海ごみ回収処理イベントに取り組んでいるということですが、いかにポイ捨てなどをしないように取り組まれているのか、詳しく教えてください。
大山環境森林部長 海ごみを含めてごみの発生を減らすためには、ごみを不法投棄することがその人にとって得にならないような
社会システムをつくっていくことが大事だと考えております。本県が豊島問題を受けて国に対して要望してできた
自動車リサイクル制度のような
前払い方式や、
デポジット方式を
容器包装リサイクルなどにも取り入れていただければ、少しは変わってくると思っておりまして、国に働きかけをしているところでございます。また、不法投棄の監視活動も続けて実施しております。
普及啓発の具体的な
取り組みについては、委員御指摘の県内一斉
海ごみクリーン作戦は10月の第4日曜日から15日間清掃活動を行っておりまして、昨年度は4万3000人に御参加いただきました。身近なごみを拾うことが海ごみを減らすことにつながるという意識啓発になると思って実施しております。
また、昨年女木島と粟島のごみが流れ着きやすい場所で海ごみを拾っていただくイベントを開催いたしました。県内のみならず県外からも参加者を募集して、2つの島合わせて46名の方に海ごみを拾っていただきました。このほかにも
海岸漂着ごみの回収の指導者を育成するための研修会や、県民参加による
海ごみ調査、
海面清掃船の体験乗船、さらには子供向けに海ごみに関する絵本をつくって図書館や幼稚園等に配布を行ったほか、いろいろなメディアを活用した広報で、幅広い層にも海ごみが生活に由来する身近な問題だという意識を持っていただけるように努めているところでございます。
山下委員 海ごみは、特定の人が大量に捨てるわけではなく、一人一人が何げなく捨てたものが堆積していくのだと思います。県民一人一人への啓発や、香川県方式の
取り組みを重点的に行っていただきたいと思います。
松原委員 みどり整備課と
みどり保全課の執行率が80.6%、77%とほかと比べて特に低いのですが、この原因をまずお聞かせいただきたいと思います。
大山環境森林部長 これは
繰り越しが原因でございます。
繰り越しのトータルでは昨年度が7億1000万円余、その前の年度の
繰り越しが10億5000万円余で減っているのですが、
みどり保全課の
繰り越しがふえています。
みどり保全課は、昨年度から老朽化した国立公園の
施設整備等の事業を再開したのですが、国の交付決定がおくれたため、県がかかわれなかったことが一番の原因であると考えております。
ただ、御指摘のとおり、執行率を高めるのは重要だと思っていますので、できるだけその年度に執行できるように今後努めてまいりたいと考えております。
松原委員 繰り越しはどうしても出ると思いますが、予算は年間で使い切るのが原則でございますので、今後とも執行率に気を配りながら、事業を執行していただきたいと思います。
それでは、大気汚染の常時監視について質問させていただきます。
安全・安心な暮らしは県民にとって関心が高い分野でございますけれども、
環境対策もその
取り組みの一つでございます。新・せとうち
田園都市創造計画において成長、信頼・安心、元気をキーワードに進めていますが、その中でクリーンで快適なふるさとづくりも重点施策の一つに挙げております。
先ほど青い空保全推進事業ということで、大気汚染対策についての昨年度の
取り組みを説明いただきました。大気汚染は、これまでは国内の工業地帯や自動車等から排出される光化学オキシダントが話題に上がっていた時期がありましたが、最近ではPM2.5が中国から移流してくるということで、その対策を進めているのだと思っております。
また、先般熊本の阿蘇山が噴火したときにも、火山灰が香川県にも少量であるけれども降ってくるという予報が出されました。阿蘇山までは300キロ離れているのですが、これだけ離れていても影響があることを改めて感じたところでございます。
主要施策の
成果説明書の79ページに、昨年度3832万5000円を充てて、大気汚染常時監視
システムの更新に合わせ、東讃、西讃地域の常時監視体制を強化し、小豆地域に測定局を新たに設置したという説明がありました。そこで、大気汚染常時監視
システムとはどのようなものであるのか、また、
システムの更新、監視体制強化とはどのようなものであったのかを伺います。
それと、
システム更新によって、県民にどのようなメリットがあるのかをあわせて伺います。
大山環境森林部長 大気汚染常時監視
システムは、大気中の汚染物質、御指摘の光化学オキシダントやPM2.5、二酸化硫黄、二酸化窒素などの濃度を県内23カ所の測定局に設置した大気自動測定機により365日24時間、1時間ごとに測定して、その測定データを県の環境保健研究センターと環境管理課で監視する
システムでございます。県では測定結果を確認して光化学オキシダントやPM2.5の濃度が一定の基準以上になった場合には予報等を発令し、県民の皆さんに注意喚起しています。
監視体制の強化の内容でございますが、従来は番の州工業地帯を中心に監視を行っておりましたが、国内だけでなく大陸からの影響も懸念されるということで、県内全域でバランスよく大気の監視を行う必要があると考えて再編したものでございます。
具体的には、小豆地域に測定局を新設したことと、東讃地域の東讃保健福祉事務所については、PM2.5に加え、光化学オキシダントや二酸化窒素などの測定ができるようにしました。それと、西讃地域の観音寺
市役所も、光化学オキシダントの測定を行えるようにしました。
システム更新の内容でございますが、デジタル化して機器の性能を向上させて正確、また迅速に測定データを把握できるようにしました。
システム更新による県民の皆さんのメリットでございますが、測定データの県のホームページへの公表が、従来は測定後10分以上かかっていたものが半分の5分程度に短縮されて、早くできるようになりました。
また、注意報の発令などは、テレビやラジオ、ホームページ等から発信しているほか、従来から学校や福祉施設へファクスで一斉送信しておりましたが、希望する県民の方にはメールで配信する
システム機能を追加して、現在のところ約1,200名の方が登録されて、リアルタイムで情報の配信を行えるようにしているところでございます。
松原委員 大気汚染物質を常時監視するということは地味な作業ですけれども、我々県民にとっては安全・安心の暮らしにつながる重要なことと思っておりますので、今後ともしっかりと光化学オキシダントやPM2.5の監視をしていただき、その情報発信も的確、また迅速に行っていただけるように要望いたしまして、終わります。
佐伯委員 私からは災害廃棄物処理対策について質問させていただきます。
平成23年の
東日本大震災以降、広島の土砂災害、関東、東北地方の集中豪雨災害、また、ことしに入りましてからも4月には熊本を中心とする大地震、そして先週、1週間前の金曜日には鳥取中部の地震と、毎年大きな自然災害が発生しております。ひとたび大災害が発生いたしますと、相当な量の災害廃棄物が発生するので、迅速かつスピーディーに処理をしないと、その後の復旧・復興にも影響が出てくると思います。また、夏場におきましては衛生面で伝染病等も心配されますので、迅速に処理していかなければいけないと思っております。
例えば、熊本の大震災では災害廃棄物が約195万トンほど出ており、その処理に約2年間を要するということで心配するわけであります。
そこで、県におかれましても昨年度に
東日本大震災の教訓を踏まえまして、南海トラフ地震と大規模な災害を想定した香川県災害廃棄物処理計画を策定したところでございますが、その内容についてお伺いします。また、災害廃棄物の処理責任は市町であることは承知しており、市町において実効性のある処理計画が策定されることが重要でありますが、県も市町と連携していかなければいけないと思っております。県は市町計画のひな形を作成し市町に配布したと伺っておりますが、その後の進捗状況等について教えていただきたいと思います。
大山環境森林部長 今後発生する可能性がある南海トラフ地震等の災害から早期に復旧・復興を進めるために、ことしの3月に香川県災害廃棄物処理計画を策定いたしました。基本的な考え方といたしまして、大きく3点あり、1点目は、可能な限り分別し、リサイクルによる減量化を図って最終処分量を少なくするということです。2点目は、処理期間について、
東日本大震災等の実績を踏まえて最大クラスの地震・津波、いわゆるL2のような大きなものであったとしても、発災から3年以内の処理完了を目指すということです。3点目は、市町は広域で廃棄物を処理しておりますので、この広域体制を基本に処理することにしますが、現在の処理体制での処理が困難な場合は民間の処理施設を活用したり、あるいは他の自治体に広域的な処理の協力要請を行うことを定めております。
また、個別事項として、既存の処理施設等の処理可能量の推計を行うとともに、具体的には災害廃棄物を仮置き場に持っていって、そこで分別し、その上で市町の焼却施設で処理したり、処理業者にリサイクルを委託することを挙げているほか、南海トラフ地震のL1、L2、中央構造線地震、長尾断層地震ごとに災害廃棄物の発生量や仮置き場の必要面積を推計しています。また、仮置き場設置時の
環境対策、モニタリングをどのように行うかなども定めております。
次に、市町災害廃棄物処理計画の進捗状況でございますが、御指摘のとおり県では市町の計画策定支援の一つとして、ことしの3月に県の計画とあわせて市町計画のひな形を作成して、市町に渡しているところでございます。このひな形は、記載すべき事項を示すとともに、市町独自での検討が必要な事項、例えば仮置き場の具体的な場所については留意点を記載するなど、検討が速やかに行われるよう配慮をしております。
現時点の市町計画の進捗状況でございますが、計画ができているところはまだゼロでございます。ただ、今年度中に策定を予定しているところが2
市3町、来年度中が5
市6町、未定が1
市となっております。県といたしましては助言も行いながら、市町計画が円滑に策定されるようにしたいと考えております。例えば、広島の土砂災害や関東・東北豪雨の際には仮置き場の確保に苦労したことや、県内の市町からも苦労しているという意見を伺っていますので、今年度から市町が県有地を使いたいといった話がある場合には、我々が窓口になって、その施設を所管している課や事務所と調整をする取り扱いにしております。現在、1
市1町から具体的な相談も受けており、市町計画が円滑に策定されるように引き続き支援してまいりたいと考えております。
佐伯委員 分別やリサイクルはいいことだと思いますが、時間がかかりますので、迅速にしていかなければいけないと思います。また、仮置き場は重要だと思っておりますので、広い県有地を迅速に市町に提供できる
システムをつくっていただきたいと思います。
もう1点、畜産にかかる牛、豚、鳥は災害で死んだ場合は、
一般廃棄物となるのだと思いますが、どういうふうに処理されるのでしょうか。
大山環境森林部長 災害に伴う場合は災害廃棄物という取り扱いになります。県の災害廃棄物処理計画の資料編に触れているのですが、化製場で処理することを想定しております。また、市町が法に基づく許可をとった上で埋め立てることができることも記載しております。
佐伯委員 災害後、迅速に復旧・復興するためには、災害廃棄物の処理を迅速に行わなければなりません。避難者のその後の生活に悪影響を及ぼすことになりますので、しっかり市町と連携するのは当たり前でありますが、県においても
環境森林部だけでは無理だと思いますので、土木部や商工労働部、農政水産部など全ての部局と連携していただきたいと思います。また、国にもお願いしなければいけないことが多々あると思いますので、
システムを構築して、復旧・復興を迅速、スピーディーにできるようにお願いして、質問を終わります。
斉藤委員 私からは瀬戸内海国立公園の魅力向上事業について質問させていただきます。
今瀬戸内国際芸術祭の秋会期に多くの外国人が来られていますが、お遍路さんとしても外国から大勢の皆さんが来ており、香川県や四国の持つ魅力に対して海外からのお客さんが随分来ているという実感をしております。
瀬戸内海国立公園は範囲が広いため各地域で維持管理をしております。環境省、県、市町の予算が使われており、その中でも特に市町負担分が大きなウエートを占めております。草刈り等維持管理をする場合には、その地域の人たちが
ボランティアで行っており、お金に換算すると相当な額になってくるわけでございます。一番お金を出していないのが国立公園でありながら環境省で、もう少し強く県も環境省に対して予算要求をしていかなければいけないと環境建設委員会でも申し上げたことが過去にございます。
国立公園の中の破損した歩道や防護柵の改修を行っておりますが、この事業についてどういうふうな実績を残しておられるのか、まずお伺いします。
また、国立公園ウオーク開催事業が1000万円弱の予算で組まれています。国立公園の中を歩いて、皆さん方にその魅力を知っていただくのも重要な事業であると思います。この事業について今後どのように取り組んでいこうとしておられるのか、お伺いします。
大山環境森林部長 瀬戸内海国立公園の
施設整備については、地方分権と逆行する形で、国が中心になって行っていくということで、平成16年度までは国の補助があったのですが、なくなりました。その後、国による整備はほとんど実施されずに放置され、施設の老朽化が進む状況が続きました。県議会のお力添えもいただきながら国に要望をした結果、昨年度国の自然環境整備交付金で事業費の2分の1が措置されることになって、この交付金を使って老朽化した園路の再整備などを進めているところでございます。
具体的には、昨年度から今年度にかけまして直島町の琴反地園地の防護柵の改修、五色台、小豆島、女木島、本島の案内標識の多言語表記化、屋島南嶺の園路の照明の改修、五色台中山休憩所のトイレの改築、各園地のトイレの洋式化等を進めております。また、今年度は紫雲出山園地や寒霞渓園地のトイレの洋式化や園路の改修等を行っているところでございまして、今後とも整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、ソフト事業でございますが、一昨年瀬戸内海が日本で初めて国立公園に指定されてから80年を迎えるということで、80周年記念事業をいろいろと実施しました。その中の一つとしてウオーク行事を開催いたしまして、紫雲出山や、五色台、寒霞渓など3コースでウオーク行事を開催いたしましたところ、定員を大幅に上回る応募をいただいたことや、継続してほしいという声も多くいただいたことから、昨年度、今年度と継続して国立公園ウオークを実施しております。昨年度は東かがわ
市の白鳥の松原を出発点として実施し、今年度は総本山善通寺をスタートして大麻山の山頂の園地、金刀比羅宮などをめぐる行程約15キロのコースで、あす行う予定でございます。昨年度、今年度とも募集定員の3倍を超える応募をいただいており、人気もあるので今後ともこのウオーク行事を続けてまいりたいと考えております。
斉藤委員 いろいろと老朽化した施設の整備を実施していただいていますけれども、これだけでは地域から出てきている要望を十分満たしていないと思います。地域の要望と整備した箇所との差はどれぐらいあるのでしょうか。
大山環境森林部長 国の交付金の対象にならない整備が結構あります。手元に資料がないので、後で報告をさせていただきます。
斉藤委員 国立公園の維持管理に係る市町の負担は大きいわけでございます。多言語表示やトイレ、道路の整備だけでなく通常の維持管理の予算についても国に強く要望していただきますことをお願いして、終わります。
十河委員 主要施策の
成果説明書の81ページにある汚水処理人口普及率は、26年実績が73.4%、27年実績が74.3%と余り進んでいない印象を受けます。市街地は都市下水の整備で処理ができていて、山間地ではできていないと思うのですが、今後どのように進めていくのでしょうか。山間地は恐らく汲み取り式便所が多く、合併処理浄化槽の整備を進めていかなければならないと思うのですが、状況はいかがですか。
大山環境森林部長 汚水処理人口普及率は、数年前は年に数%の進捗もあったのですが、直近は、0.9ポイントしか上がっていないということでございます。ただ、着実に伸びているので、全国平均の約90%に近づいています。
主な汚水処理施設は、公共下水と農業集落排水と合併処理浄化槽の3種類があります。これらの施設の整備については、昨年度末に全県域生活排水処理構想の見直しを行い、今後10年間で85%まで上げるという目標を立てております。この10年間で、3つの施設のうち合併処理浄化槽が一番多くウエートを占めていたので、合併処理浄化槽に対する支援も引き続き行っていく必要があります。
また、国の設置費補助基準は、工事費の6割が自己負担、残り4割部分が行政の負担であり、その4割の部分について、国、県、市町村で3分の1ずつの負担をしています。また、県単独で配管費の補助や既存施設の撤去費の補助も行っておりますので、そういうことも続けて合併処理浄化槽の整備の促進を図ってまいりたいと考えております。
十河委員 今の話だと、単独処理浄化槽がまだ残っているということですか。単独処理浄化槽は10年ぐらい前に製造中止になっていると思うのですが、合併処理浄化槽にかえるために補助金を出して、市町では進めていたと思います。何年か以内にはかえなければいけないという規制があったと思うのですけれども、それは関係ないのでしょうか。
大山環境森林部長 家を建てかえるときには単独処理浄化槽は設置できなくて、合併処理浄化槽にする必要があります。いつまでに合併処理浄化槽に転換しなければならないということはなかったと私は思っております。
十河委員 合併処理浄化槽の設置は、山間部で進めていかなければならないと思います。家の持ち主も期待していると思うのですが、なかなか進まない原因は何であると考えますか。費用が高い点については補助金でカバーしてもらわなければなりませんが、都会に行った子供が田舎の便所は気色悪いからといって戻って来なかったり、年寄りが1人しかいないのでそのままでいいという状況もあるという気もするのですが、それにしても伸び率が低い気がします。どのように推進しておられるのですか。
大山環境森林部長 設置が進んでいないのは、まさに委員御指摘のようなことで進んでいないのだろうと私も思っています。推進策については、先ほど申し上げました県単独の補助金は余りほかの県ではない先進的なものだと思っていますので、そのPRを進めて、市町にもぜひそれも使っていただきたいと考えております。
十河委員 ぜひ普及させていただきたいと思います。
次に、太陽光発電については、あちらこちらでソーラーの設置が見られるのですが、固定価格買取制度における買取価格が下がってきており、これからはそれほど申請はないと思います。また、香川県では容量がオーバーしているときには買い取りはしないという規制が入ったと思っています。もうそろそろ買い取りをストップしてもいいのではないかと思うのですが、まだ電力の買い取りを進めているのでしょうか。
大山環境森林部長 固定価格買取制度については、国の制度であり、直ちにやめるとは伺っておりませんので、金額の増減や、御指摘されたいろいろな規制が入ることはあると思うのですが、ある程度は続いていくのではないかと思っております。
十河委員 こうした整備がどんどん進められると、蓄電池の開発も進むことから、電力会社が必要なくなるのではないかという気もします。
また、住宅用太陽光発電設備への補助金は、目標件数をかなりオーバーしていますが、まだ続行すると理解してよろしいですか。
大山環境森林部長 住宅用太陽光発電補助金については、新しい環境基本計画でも新たな目標を設定しており、補助を続けることにしております。
都築委員 冒頭、部長から御説明がありました評価指標の県産木材の搬出量については、プラン策定時からするとかなりふえて御努力されている感があります。ただ、A評価からB評価に落ちたという報告でありました。その理由は下段に書いておりますが、搬出間伐を進めるための作業道の開設を集中して行ったために実際の木材を搬出できなかったということだと思います。
主要施策の
成果説明書の82ページに、森林整備・林業再生事業があります。決算額8600万円のうち約3000万円が不用で上がってきております。この理由についてお伺いしたいと思います。
同じく83ページの、緑のダム整備事業が予算現額で3000万円ほど計上しておりましたが、その3分の1の1000万円が不用で出ております。この理由もあわせてお伺いしたいと思います。
松下
みどり整備課長 森林整備・林業再生事業の不用額については、25年度の繰越事業で約2700万円不用となったものが一番大きいのですが、これは森林作業道の設置が目的でございました。使用目的が限られた基金事業であり、この基金は一定の期間までに使わないと国に返さなくてはいけないものであることから、できるだけ使えるうちに先に使おうということで、森林作業道に集中して投下したのですが、例えば作業道ですといろいろな所有者の山を通らなければならないので、隣地の確認などの都合がございまして、一部予定したものができなかったことが理由であります。
それと、緑のダム整備事業につきましては、国庫補助造林事業へのかさ上げを行う部分を含んでおりますので、補助事業等の減少によって執行できなかったものであります。
都築委員 県産間伐材搬出促進事業として27年度は60万円ほど執行されております。搬出できないことを見込んでの予算計上だったということですけれども、理由はわかりました。
私が言いたいのは、国の基金の使い勝手が悪いことがわかっているのであれば、集中的に事業を実施できるように、例えば県単独を足して執行率を上げ、効率的に事業を実施して不用を出さないようなことを当初から考えられなかったのかということです。国からいただいたものを、使い勝手が悪いからできるものだけやろうという発想ではなくて、それをいかに有効に使い切るかという考え方で予算をつけるとか、補正をするなどでこれを執行できるようにすることも必要ではないかと思って指摘させていただきました。
先日、森林を考える岡山県民のつどいに参加させていただきました。ヒノキの県産材搬出額が日本一ということで大きな集いでありました。さまざまな方が登壇されて岡山の状況を伺いました。日本一のところですので、香川県の施策の中には聞いたことのないようなこともありました。輸出も考えておられますし、オリンピックを見据えた森林認証制度等の話も出ておりました。もちろん規模も違いますので、これをまねしろということではありません。香川県特有の森林・林業の活性化に向けて何ができるのか、私は話をお伺いして、やはり需要面での増加が大事だと思っております。27年度も県内木材を使ってさまざまなところに設備をつくっておりますけれども、そうした県産木材の活用について、特にこの集いの中で木材住宅を推進する専門家の方に日本木材家屋のよさについて教えていただきました。県内におけるそうした木材住宅の推進、需要面の拡大についてお伺いします。
大山環境森林部長 本県では、昭和50年ごろに松くい虫被害の跡地にヒノキを植林して、それが30年から40年ぐらい経過して住宅の柱材として使える時期になってきております。そういう中で、それを使っていく先として、今後重要になってくるのは、民間住宅での利用だと考えております。
平成23年度にかがわ木材加工センターが整備され、県も支援して開設されております。県産木材の搬出量は平成16年度には1,000立米ほどでございましたが、大体4,000立米程度にまで増加してきており、川上側は一定充実してきていると考えております。川下側は、ウッディフェスティバルや、かがわの森アンテナショップなどで認知度向上に努め、香川県産木材認証制度を25年度につくっております。
さらに、民間住宅への利用について、香川県木材協会がことしの6月に香川県産ヒノキ取扱利用推進事業者を募集したところ、地場の工務店を中心に84社の登録があったということでございまして、民間住宅における県産木材利用の機運も高まっていると思っています。
このように川上、川下両方の動きが出ている中、チャンスだと思うので、今後、両方がつながっていくよう民間の
取り組みを支援して、県産木材の民間住宅への利用を促進してまいりたいと考えております。
都築委員 冒頭言いましたように、予算の効率化にも資していただきたいですし、また、森林・林業を取り巻く状況も高齢化、人材不足、需要の低迷、県産材の価格の低下等、厳しいわけであります。木材住宅のいいところを教えていただきましたが、壁等に木材を使うと、人の肌と同じ約50%の反射率が木材にはあるので、その空間でいると気持ちがいいということだそうです。そういったことも参考にしていただきながら、木材の利用について促進していただければと思います。
五
所野尾委員長 以上で、
環境森林部関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
五
所野尾委員長 御異議なしと認め、
環境森林部関係の質疑、質問を終局いたします。
暫時休憩いたします。
午後は、1時から再開いたします。
(午前11時55分 休憩)
(午後 1時04分 再開)
五
所野尾委員長 再開をいたします。
(農政水産部長、資料説明)
五
所野尾委員長 これより質疑、質問を開始いたします。
木村委員 それでは、1点質問させていただきます。
主要施策の
成果説明書の248、249ページに、農水産物の食の安全と安心の確保対策事業の成果が掲載されています。このうち家畜伝染病については平成26年度に九州、中国地方の5県で高病原性鳥インフルエンザが発生し、約50万羽の鳥が殺処分され、発生県の養鶏産業に多大な被害を及ぼしました。また、平成22年度に宮崎県で発生した口蹄疫でも29万頭弱の牛や豚が殺処分され、畜産業のみならず地域経済にも甚大な被害を及ぼしました。
このような中、中国、台湾、韓国などの近隣諸国では鳥インフルエンザや口蹄疫の発生が継続しており、今後、国内でも発生リスクが高いと考えられます。県では成果報告書の249ページにもあるように、鳥インフルエンザやBSE、牛の海綿状脳症、また、PED、豚の流行性下痢などに対する事業を実施していますが、家畜伝染病の防疫対策として具体的にどのように取り組んでいるのか、お伺いします。
秋山農政水産部次長 鳥インフルエンザや口蹄疫につきましては、近年国内でも発生が見られたことや、中国、韓国、台湾等近隣諸国でも現在でも発生が継続していることから、日本国内においてこういった家畜伝染病がいつどこで発生してもおかしくない状況と認識しております。
本年3月に策定した本県の農業・農村基本計画において、家畜伝染病に対する備えを施策体系の一つとして位置づけ、対策を強化しているところでございます。このような重大な家畜伝染病が発生し、収束までに時間がかかった場合には、畜産業のみならず、観光を初め地域経済にも大きな影響を及ぼすことが懸念されております。県としてはまずは発生させないための予防対策を徹底することに加え、万が一発生した場合にも速やかに防疫措置を実施し、早期に収束させることにより影響を最小限にとどめることが重要であり、そのための準備を平時から行っておく必要があると認識しております。
そこで、県ではこれまで国内外のインフルエンザや口蹄疫の発生時には畜産農家に対して速やかに情報提供するとともに、消毒の励行や野生動物の侵入防止等の、畜産農家が日ごろから守るべき基準として定められている飼養衛生管理基準の遵守の徹底を指導するなど注意喚起に努め、発生予防に努めているところでございます。
また、病原体の侵入状況を監視するために定期的にモニタリング検査を実施しております。また、国においては発生国からの旅行客等に質問や手荷物への検疫の強化など、いわゆる水際対策を強化しているところでございます。
また、これらの発生予防対策に加え、万が一これらの家畜伝染病が本県で発生した場合には、初動対応が最も重要であることから、迅速かつ円滑な防疫対応が行えるよう、本県独自の防疫マニュアルの作成や防疫作業に使用する資材の備蓄を行うとともに、県職員、市町及び関係団体等を参集し、毎年防疫演習を実施してきたところでございます。さらには、26年度に鳥インフルエンザが熊本県で最初に発生し、宮崎県、山口県、岡山県と次々に発生したことを受けまして、27年度にはこれまでの対応に加えて防疫マニュアルを改正するとともに、防疫作業に従事する県庁職員を700名体制に増員するなど、防疫体制の強化を図ったところでございます。
また、それに伴いまして、防疫作業者が発生農場で使用する2日分の防護服やマスクなどの防疫資材に加えて、家畜を迅速に処分するための機材を整備するとともに、県内要所に設置する消毒ポイント10カ所で車両を消毒する機械等を整備いたしました。また、これまで実施していた実地防疫研修に加えて、新たに県対策本部の初動対応の確認と検証を行う図上訓練並びに消毒ポイントの設置訓練を実施したところでございます。
さらに、26年に国内で流行した豚流行性下痢、PEDにつきましては、本県でも残念ながら3農場で発生がありましたが、蔓延防止に努めた結果、その後の広がりを防止できたところでございます。27年度には自動核酸抽出装置などの新たな検査機器を導入するなど迅速な検査体制を整備し、PEDの防疫対策を強化しているところでございます。
木村委員 鳥インフルエンザや口蹄疫については、防疫対策の強化を図っていることがよくわかりました。そして、PEDでは発生はしましたが、拡大を抑えて迅速に対応していくということもわかりました。一方、ことし6月と9月に韓国で豚コレが発生し、国内で発生すれば大きな被害が予想されます。
そこで、この豚コレラも含め、県の防疫体制はどのようになっているのか、お伺いします。
秋山農政水産部次長 豚コレラにつきましては、豚、イノシシが感染する病気であり、強い伝染力と高い致死率が特徴で、古くより大きな被害をもたらしてきましたが、昭和44年にワクチンが開発されて以降発生は激減して、平成5年以降発生がなくなりました。その後国が主導して、ワクチンを使わずに清浄化に向けた対策を進めた結果、平成19年に清浄化を達成し、その後日本では現在まで発生してございません。
一方、韓国ではことし3年ぶりに本病の発生があり、国が水際対策を強化しているところでございます。本県では養豚農家や関係者に対して、速やかに情報を提供するとともに、消毒の励行等の飼養衛生管理基準の遵守の徹底を指導するなど注意喚起を行い、発生予防に努めたところでございます。
また、ここ数年は鳥インフルエンザを想定した防疫演習を実施してきたところでございますが、韓国での豚コレラの発生を踏まえて、豚コレラや口蹄疫の発生に対する防疫体制を強化するため、一昨日に、農業試験場と農業経営高校で国、市町、県、関係部局、関係団体等約80名が参加した実地防疫演習の中で豚の捕獲や殺処分作業等の訓練を実施するなど、豚コレラに対する防疫体制についても万全を期しているところでございます。
今後も家畜伝染病の発生予防に努めるとともに、発生を想定した初動防疫の充実など防疫体制の強化を図り、安全で安心な県産物の供給に努めてまいりたいと考えております。
木村委員 堆肥の利用管理も適正に行われることが防疫体制には不可欠だと思います。増頭は喜ばしいことですが、増頭すれば当然堆肥も多くなります。増頭、増羽体制の後のし尿処理や堆肥の管理指導は適切に行われているのか、再度質問いたします。
秋山農政水産部次長 香川県でも生産基盤の強化として、増頭対策をしっかりやろうということですけれども、委員おっしゃいますように堆肥の処理が前提になります。基本的には畜産農家の堆肥は自給飼料、あるいは耕種農家の田んぼや畑で使っていただくので、そこの連携をしっかり高めていきたいと思っております。
木村委員 讃岐三畜を初め県畜産品が自信を持って販売でき、リピーターが多いということは、このようなしっかりとした防疫体制ができているからではないかと思います。本県は規模が狭いですから、質の向上については他県以上に求められます。引き続きしっかりと防疫体制の充実を含め、生産者と連携したサポートをよろしくお願いします。
米田委員 地産地消の推進策について伺います。
地産地消県民運動推進事業としてホームページや情報誌等による情報発信、出前授業、郷土料理アピールに103万3000円とあります。また地産地消支援事業としての82万3000円は、かがわ地産地消協力店として募集、登録し、県のホームページ等でPRして利用を促進する、また地産地消に先導的に取り組む事業所をかがわ地産地消応援事業所として募集、認定するとともに、事業所の活動を支援するための研修会を開催し、協力店は12、応援事業所は1ふえたとあります。また、学校給食において生産者と学校給食関係者とのマッチング活動を行い、要望の強い農産物の作付を推進したとあります。
それから、農作業体験に14万4000円が使われております。
そこで、できるだけ具体的に、どこでどういう事業が展開されたのかがわかるようにお答えをいただきたいと思います。
1点目は、それぞれの事業についてもう少し詳しく成果を教えていただきたいと思います。特に、これらの事業によってどれぐらいの消費拡大につながっているのか、お示しをいただきたいと思います。
2点目は、かがわ地産地消協力店やかがわ地産地消応援事業所の
取り組みを行っていますが、さらに施策を発展させていく上でどんな要望があって、どういうふうに応えようとしているのか伺います。
3点目は、学校給食におけるマッチングの
取り組みについて、私は大いに取り組んでいただきたいと考えておりますけれども、具体的にどこでどのように取り組まれたのか、また取り組む上での課題や、課題解決に向けてどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
4点目は、農作業体験の成果をもう少し具体的に聞かせていただきたいと思います。
5点目は、それぞれ今申し上げたものについて中期的な目標をしっかり設定しているのか、設定しているとしたらどのような指標を置いて取り組んでおられるのか、教えていただきたいと思います。
最後に、こうした事業を本気でやろうとすると、予算と労力、マンパワーが必要だと私は考えます。今の事業がおおよそ200万円で十分なのかという
問題意識を持っていますが、担当部局としてどのように考えておられるのか、伺います。
松尾農政水産部長 まず、最初にお尋ねのありました成果については、県が行っている地産地消推進の
取り組みが直接どの程度消費拡大につながっているのかを示すデータは残念ながら把握をしておりませんが、全体的なことで申し上げますと、高松中央卸売市場における県産野菜の取り扱いの割合は、平成22年次につきましては22.5%でありましたものが、5年後の27年次には23.4%に拡大をしています。一方、JAの産地販売所の売上額につきましても毎年増加をしておりまして、平成22年度は38億円でございましたのが、5年後の27年度には44億円と増加しております。全体的にはこういった指標から、地産地消が一定程度進んでいると認識をしております。
また、2点目の協力店や事業所からの要望につきましては、県産食材の情報提供や、自分たちのお店が県産食材を使用している店舗や事業所であることを県としても積極的にPRをしていただきたいということ、食材の生産現場を視察したいといった要望が上げられておりまして、協力店を紹介する冊子を作成したり、生産現場を訪問するバスツアーを開催したり、28年度からは毎月1回旬の食材情報について協力店に提供しているところでございます。
3点目の学校給食における地産地消の
取り組みについては、県では、学校給食における県産食材の利用促進を地産地消の一つの柱と位置づけをしておりまして、教育委員会や市町、生産者等との連携のもと、積極的に推進してきているところでございます。この過程で市町におきましては、地場産物活用推進委員会など検討の場が設置され、市町、教育委員会、生産者、卸売市場、県農業改良普及センターなどによりまして、地元産など県産食材の学校給食への利用が推進されてきた結果、県産食材の利用率につきましては、平成20年度の25%から27年度には35%と増加してきているところでございます。
最近の
取り組み事例としては、三豊
市の南部学校給食センターがことしの4月から稼働する計画であったことから、
市と県農業改良普及センターが連携して、出荷に対応できる市内の農業法人に学校給食への納品を働きかけ、3,800食規模に対応できる食材の供給体制の構築に取り組んだところでございます。
一方、課題につきましては、各調理場において一度に大量の食材を調達する際に、県産食材だけでは全量がそろわないこと、また、学校給食に係る食材費は保護者が負担するので、食材が高騰した際に、利用する食材を変更せざるを得ないことなどであります。
また、昨年度農政水産部において各市町の学校給食の現場でヒアリング等を行い、学校給食への利用頻度が高い洋ニンジンやジャガイモ、タマネギなどは県内における産地が限られる、あるいは出回り時期が限られることも課題の一つであると認識をしております。
4点目の農作業体験による成果については、27年度は、お茶や有機栽培の栽培農家と連携して、計28回、延べ426名の消費者に農作業体験に参加いただきました。参加者に農業への理解の醸成が図られるとともに、作業体験に用いられたお茶や野菜の加工、調理をその場でしていただくことで、つくり方や食べ方についても御理解いただき、その後の継続的な利用につながっていくことが期待されます。
5点目の中長期的な目標設定につきましては、農政水産部において26年度の現状値に対し32年度を目標年度として、高松中央卸売市場における県産農産物の取り扱いシェアを22.9%から25%に、かがわ地産地消協力店を現在の313店舗から350店舗に、同じく応援事業所を111事業所から150事業所に拡大する目標を設定しているところでございます。
最後の予算や人員体制につきましては、地産地消を推進するためにはマッチングをする仕組みづくり、仕掛けをどうつくっていくかが重要であると考えております。協力店や応援事業所をふやしていくのは個別の
取り組みですけれども、これからは学校給食と地元の農家をつなげるような面的な広がりを持たせることに取り組んでいきたいと考えており、本庁や農業改良普及センターの職員が先ほどの課題を解決しながら、生産者や市場関係者、学校給食関係者などと連携し、マッチング活動を精力的に行っていくことによりまして、これまで以上に地産地消を推進してまいりたいと考えております。
米田委員 限られた予算の中で皆さんが御苦労されている姿が感じ取られました。その中で、学校給食の
取り組みにおける仕組みづくりにかかわって質問させていただきます。
学校給食における
取り組みを一つの柱とするという認識をお示しいただきましたが、私もそのように進めていっていただきたいと考えている一人です。
そうするに当たっては、それぞれの市町の
取り組みの状況をきちっと把握する必要があると思います。私どもも社民党として独自に県内の自治体の担当者に、地産地消の学校給食における
取り組みの状況を調査しています。内容は学校給食の提供体制と地産地消の進展との関係で、センター化が進められているがそれでいいのか、地産地消を進めるのならそれぞれの学校ごとの調理場があって、小さなロットでも対応できる体制があるほうがいいのではないか、地産地消が経済的な効果を出していく上で学校給食における食材の調達総額に占める県産品の割合を指標として持つ必要があるのではないかといった
問題意識で質問しています。
また、推進の仕組みづくりはどうなっているのか、先進的なところをそれ以外のところにも広めていったらいいという
問題意識で、県が具体的な目標を持って取り組むことを柱として調査をしているところです。
中間的な感想ですけれども、
市においてはある程度人的な体制がとられているので、目標を持って取り組むことが進んでおります。しかし、町は1人の担当者が幾つもの業務を抱える中での一分野となっているというのが感想です。調達額も1%段階のところから丸亀の17.3%とかなり差があります。
そういう中で、県として、地産地消について、学校給食の分野における推進上の戦略、戦術について答弁をいただきたいと思います。
松尾農政水産部長 各市町の教育委員会の学校給食の担当者や栄養教諭等と意見交換を実施してきた中で、県としても各市町の
取り組みにはある程度温度差があると把握しているところでございます。
先進的な事例としては、生産者がグループまたは個別に地域の子供たちに地元でとれる安全・安心な食材を提供したいという思いで食材を供給している事例が多度津町や小豆島町で見られます。また、農業法人や直売所が学校給食に納品をしている観音寺
市や三豊
市の事例も先進的な事例だと思います。今後の方向としては、そういった先進事例をできるだけ他の市町にも広げて、いい事例をふやしていきたいと考えています。
また、県産食材で供給できなかったもののうち、学校現場からは洋ニンジンが足りないと聞いています。それと子供に評判がいい県のオリジナル品種で開発した食べて菜の生産が追いついていないという声も聞きますので、こういった要望が強い品目につきましては、生産者グループ等による試験栽培や安定生産のための技術支援を県として行っており、引き続き学校給食側からの要望をお聞きして生産拡大につなげ、今後とも学校給食における県産食材の利用促進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
米田委員 洋ニンジンはこの間の台風被害で2,000円のところが1万円を超えるような相場がつく状況があります。昔は丸亀もタマネギの有名な産地でしたけれども、少し後退をしているという認識を持っていますので、しっかりと目標を絞って進めていただきたいと思います。
私どもが調べたところでは、学校給食において100%地元産を使っているところは、特殊なメニューのときだけということもあると思いますけれども、22品目ぐらいは意識して使っている高松や、それ以外でも10品目ぐらいは100%使っているという回答もいただいておりますので、さらに突っ込んで実施していただきたいと思います。それから、私も栄養教諭やいろいろな関係者の方と接しますが、それぞれのところにこうしたいという意欲やパワーを持っていますので、そうしたパワーを巻き込むような仕組みづくりを意識づけて行っていただきたいと思います。
もう一つは、地方の持続可能な地域社会をつくる上で、地域でとれたものをしっかりと地域で消費するサイクルをつくることによって、持続可能な経済
システムができ上がってくるという共通認識を香川県では持たれていないと思うのです。政策部にもしっかり申し上げているところですけれども、そうした
問題意識を関係部局で持って、取り組んでいくべき課題が地産地消ではないかと思っています。そういう考え方からすると、今の地産地消の位置づけはレベルが下のほうなので、もっと上のほうに位置づけるべきではないかと考えているのですが、見解をお聞かせください。
松尾農政水産部長 地域内でお金や物、情報、人を回していくことによって地域の経済が潤っていく、好循環するということは、地域の活性化につながると認識をしております。このような観点から、地産地消につきましては1つには生産者と消費者の距離が近く、旬の食材を新鮮なうちに供給できるという利点、2点目は地域の伝統的食文化の維持や継承を図ることができる、3点目は輸送に係るコストや
エネルギーを削減できることなど、地域で物を動かすという点で大きなメリットがあると考えております。
県では、地産地消の分野ではありませんけれども、今年度から6次産業化の
取り組みの仕組みを変えました。これまでは個々の事業者がみずから6次化することを応援しようということでしたが、今年度からは地域ぐるみでいろいろな農業者と食品加工業者がタイアップするなど、地域ぐるみの
取り組みを一つの条件としたコンペにやり方を変えました。これはまさしく委員がおっしゃられた、地域でいろいろな物やお金を動かしていこうという考え方のあらわれの一つと考えております。
先般、そのコンペを実施しましたけれども、農業体験など農業者と消費者が直接触れ合うことができる場所づくりを通じて、農業者の農産物や加工品を地域の消費者に直接販売していく仕組みなど3つのプランを選定したところでございます。
今後におきましては、御指摘のような観点を地産地消にも取り入れていくことによりまして、さらなる地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。
山下委員 私からは農地中間管理事業についてお聞きしたいと思います。
平成26年度に比べて27年度は香川県農地機構を介して担い手に貸し付けられた農地面積が約4倍の400ヘクタールとなりました。香川県はため池を核とした独特の水利慣行があり、当初は農地集積にはかなり苦労されていました。これが4倍になったということについて、どのように工夫されてどのように効果があって、どのように今後進めていこうとされているのか、お聞きします。
松尾農政水産部長 農地中間管理事業につきましては、国が進めている農政改革の大きな柱の一つで、農業の生産性を高めるため、農地の有効利用や農業経営の効率化を進める担い手へ農地の集積、集約化を図っていく重要な事業でございます。県におきましても本県農業の持続的な発展のために力を入れており、平成26年4月から本県での受け皿となる香川県農地機構を設立して
取り組みを進めてきたところでございます。
まずはPRをしていこうということで、農業者の集まりに職員が出向いて説明をし、JAを初めいろいろなところにチラシを配りましたが、1年目におきましては借りたいという担い手側の希望は多いのに対して、貸したいという希望が極端に少なく、10対1ぐらいの開きがありました。これは農地を借りたいという方には情報が伝わっているけれども、兼業農家や小規模の農地をお持ちの方に伝わっていないということで、県の広報誌でPRするとともに、年度の後半からは県内の大手企業に出向き、従業員の方々で農地をお持ちの方に制度の周知をお願いする
取り組みを進めまして、最近では10対4ぐらいまでに回復をしてきているところでございます。
もう一点は、国の制度では担い手が安定的に農業経営を図るには、長期間貸し借りが行われなくてはならず、10年以上の場合に交付金が出る仕組みですけれども、県農地機構におきましては10年は長過ぎるということで、当初から6年以上で設定しました。ただそれでも長いということで、現場の声を聞きますと、高齢の方々は6年先の息子さんの時代にかかわることを私は今決められないといった声が強くありました。そのため、27年度からは貸付期間をさらに短縮して、更新のときには必ず話し合ってもらうという条件つきで3年以上に緩和したところでございます。
さらに、助成事業につきましては、27年度において国の補助制度を活用し、農地を機構に貸し付ける地域に対する助成金など、農地の出し手に対して1億円余りの資金を交付したところでございます。
また、本県の実態に即したきめ細やかな支援として、地域内での話し合い経費について助成をするとともに、国にない受け手に対する助成として県単独で5000万円余りを助成したところでございます。
こういったきめ細かな
取り組みにより、これまではヘクタール単位で言うと3桁がいったことはなかったのですが、関係の方々の御協力にもよりまして、1年目で100ヘクタールを達成して、2年目はその4倍ということで、滑り出しは順調にいっていると考えております。
もう一点御指摘があった香川の水利慣行は、他県と違って、ため池ごとに水がかりが違うといった事情がございますので、農地中間管理事業のために各市町に農地集積専門員を配置し、賃料をどうするか、あるいは水利費をどちらが負担するのか、草刈りをどちらが行うのかといった現場の実態に即して、一つ一つ細かい取り決めを間に入って決めていくことによって、後々もめることがないようにきめ細やかなマッチング活動を行うことによって、円滑な利用権の設定につながっていると思っています。
また、これまでの
取り組みにおきまして、集落営農の組織化や法人化が進められているところ、また、基盤整備が進んでいるところは面的な集積、集約化が図られています。例えば三豊
市豊中町の原営農組合におきましては、基盤整備が進んでいる地区内の土地所有者や農業者の方々が話し合いによって合意形成し、集落営農法人を設立し、農地中間管理事業を活用して約10ヘクタールのまとまった農地が集積されております。
こうした状況を踏まえて、これまでは個と個のマッチングで進めてきましたけれども、それに加えて地域ぐるみで担い手への面的な集積、集約化を進めるため、庁内の農業生産部門と土地改良部門が連携を強化し、集落営農の組織化や法人化、あるいは基盤整備の
取り組みとあわせて担い手への集積、集約化を一体的に進めていこうとしています。また多面的機能支払いに係る組織化も進んでいますので、協働活動の基盤ができているところで、担い手に生産活動を行ってもらうよう進めてまいりたいと考えております。
また、基盤整備やパイプライン化によりまして、本県の特殊な水利慣行ということも少し軽減につながっていくものと考えております。
また、担い手の方々の話を聞きますと、それぞれ担い手の方々もいろいろなところから土地を借りているので、交換をすることにも助成するように考えておりまして、こうした本県の事情も踏まえて農地中間管理事業を活用した集積、集約化にこれまで以上に力を注いでまいりたいと考えております。
山下委員 結局は農家の所得向上が目的でしょうから、これからは集積、集約化が重要になると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
佐伯委員 私からは、新規就農者と力強い担い手の確保育成についてお伺いします。
香川県におかれましても第1次産業に力を入れていることがわかりますし、今はブランド化を進められております。野菜や果物のさぬき讃フルーツ、お米のおいでまい、畜産におきましてはオリーブ牛、水産におきましてはオリーブハマチ等力強く取り組まれておりますし、徐々に浸透してきていると感じております。いろいろな補助事業により施設等も整備されておりますが、幾らいいブランドをつくって幾ら施設をよくしても、農業従事者がいなくてはどうしようもなくなるわけであります。
香川県では農業従事者は高齢化が進み、就業人口も減ってきているので、しっかりと新規就農者をつくっていかなければいけないと思っています。県におかれましては新規就農者に対しまして、農業を始めるに当たりいろいろな支援をされていますし、家も提供を申し出たり、施設や機械等にもいろいろと補助を出されていると伺っております。平成27年度までの5年間で目標400人に対して651名、27年度も158名の新規就農者が確保されていますが、継続してやっていかなければいけないと思っております。
そこで、新規就農者の推移と、これまでの
取り組み、男女の比率、県内県外からどういう方々が入ってきているのかを教えていただきたいと思います。
松尾農政水産部長 本県農業の持続的な発展を図るには、多様なルートから新規就農者を確保し、経営感覚にすぐれた中核となる担い手へと育成していくことが重要だと考えております。
新規就農者の本県における推移は、平成20年度以前は大体三、四十名程度で推移していましたが、21年度以降は100名規模に急増しております。27年度は158名と、平成元年度以降では最も多くなっています。
自営就農と雇用就農の割合は、従前は自営就農が多かったのですが、最近では大規模な農業法人の方々が雇用を確保したいということもあって、雇用就農が全体の約6割を占めているところでございます。
女性の就農者につきましても、平成20年度以前は1桁の人数でしたが、21年度以降は20人前後で推移し、27年度は44名と近年では最高となっております。
県外就農につきましては、以前は新規就農者の約2割程度でしたが、平成24年度以降は40名程度で大体3割程度を占めるようになっております。また、就農形態別では新規学卒者が27年度は158名中21名、帰農就農者が76人、非農家の出身である新規参入者が61名となっており、24年度以降は新規参入者、非農家の方々の参入が多くなっています。
県の
取り組みとしては、就農から定着まで一貫してサポートしていくために、関係機関、団体、市町等も含めてサポート体制を構築しております。また、多様なルートから人材を確保するため、就農相談センターを開設するとともに、県外での移住フェアや農業フェアに出向き、香川県への就農を直接働きかけているところでございます。
平成15年度からは農業に関心がある方々を対象にした農業の基礎を学べるかがわアグリ塾を開設しているほか、農業大学校の技術研修科や先進農家等での研修を支援するなど、就農希望者の技術習得にも支援しているところでございます。
また、24年度からは国が青年就農給付金という年間150万円を給付する制度を創設し、受給希望者が広がっております。27年度の実績につきましては、給付金のうち就農前の給付である準備型に3300万円、就農後の経営開始型に1億6500万円の合わせて約2億円の国の給付金が活用されているところでございます。
また、県におきましても平成24年度から先進農家等がIターン就農者に対し研修を行い、一人前になってから独立を促すのれん分け就農を促進しており、御指摘のあった機械、施設に対する助成や農地中間管理事業を活用した農地のあっせんを行うなど、本県の実態に即した積極的な支援策を展開しているところでございます。
佐伯委員 新規就農者が毎年ふえていけばいいのですが、農業は合わない、きつい、採算がとれないということで、やめる方もいると思います。離農する方は何割程度いるのか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
松尾農政水産部長 全体のデータは把握しておりませんけれども、青年就農給付金の給付が終わる5年後の44名の就農者のうち、離農が残念ながら1名おりましたけれども、それ以外は定着しています。
佐伯委員 思ったより離農されていなくてありがたいのですが、その後のサポートも必要ですので、しっかり行っていただきたいと思います。
もう一つの柱としまして、国内外の産地間競争に勝っていく力強い担い手の育成が重要だと思っております。経営ノウハウを持ったリーダーとなる方々を育成、確保していくことで、新規就農者が5年、10年、20年たって力強い担い手になる可能性があると思いますので、どのような
取り組みをされているのかをお伺いします。
松尾農政水産部長 新規就農者につきましては、就農から定着まで一貫したサポートを行い、その後の経営を支援して、力強い担い手につなげていくことが重要だと考えております。
力強い担い手のベースとなる認定農業者の推移は、22年度から一旦減ってきておりましたけれども、24年度から再び増加に転じております。直近の27年度は前年に比べ33人増加し、1,712名となっております。これを24年度と比べると155人の増加となっております。そのうち経営規模が大きいと考えられる農業法人は260経営体で、前年に比べて32経営体、24年度に比べて73経営体が増加しており、一定の増加傾向にあると認識しております。
新規就農者が育成される過程で、意欲のある就農者に対して就農5年を目途に円滑に認定農業者に移行できるよう、農業改良普及センターが中心となって技術面や経営面での支援を行っており、青年就農給付金の受給が終了した44名のうち、約8割が認定農業者に移行しております。