香川県議会 > 2014-06-04 >
平成26年6月定例会(第4日) 本文

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  1. 香川県議会 2014-06-04
    平成26年6月定例会(第4日) 本文


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    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    宮  本  欣  貞 君    黒  島     啓 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    高  田  良  徳 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君
       五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  工  代  祐  司 君           総 務 部 長  羽  白     淳 君           環境森林部長   川  田  浩  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   松  尾  恭  成 君           土 木 部 長  小  野  裕  幸 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  泉  川  雅  俊 君           観光交流局長   安  松  延  朗 君           水 道 局 長  木  村  清  貴 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  佐  伯     務 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  西  原  義  一 君           公安委員会委員  伊  賀  三千廣  君           警察本部長    筋     伊知朗  君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  井  川     泰 君           事 務 局 長           人事委員会    桑  城  秀  樹 君           委  員  長           人事委員会    山  田  恵  三 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           政策部次長    野  本  祐  二 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第四号)                 平成二十六年七月九日(水)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ─────────────────────────────    (互礼) ◯議長(宮本欣貞君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  松本公継君。    (松本公継君登壇、拍手) ◯松本公継君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、私らしく爽やかに、元気に一般質問をさせていただきたいと思います。  それでは、質問の第一点目は、県民の防災意識の向上等についてであります。  私は、仲間のみんなとともに、十五メートルの津波が来た宮城県石巻市雄勝町名振地区の漁で使う網糸でつくられるマザーミサンガでつながる、切れないきずなの復興支援で、被災地を応援させていただいております。  本年五月末には、一緒に復興支援をしている仲間の二十五人で名振地区にお邪魔し、名振地区の仮設住宅の一角にある体育館に二日間泊まらせていただき、専門職のメンバーは、被災地の皆さんの髪を切ったり、マッサージをしたり、花を生けたり、また、お茶を飲みながらの交流をしたりと、復興ボランティアをさせていただきました。そして、名振のお母さんからはマザーミサンガのつくり方を教わったり、大交流会では、名振でとれた新鮮な海産物を食べたり、私たちがつくったカレーなどを食べながら、名振地区の皆さんとお酒を酌み交わしながら、きずなをなお強く深めてまいりました。  また、一部のメンバーと仙台市を皮切りに、多賀城市、女川町、石巻市、南三陸町、気仙沼市、陸前高田市等の被災地を視察させていただいたとともに、六日間にわたって地元県議会行政担当者ボランティアの皆さん方に多くのことを聞き、学び、心で感じ、肌で感じてきました。  東日本大震災から三年が経過し、瓦れきも撤去されたとの報道を聞いていた私たちは、復興は相当進んでいるものと思っていましたが、実際の被災地での復興の様子は、被災当時に比べ随分と進んでいるものの、瓦れきもなくなり、建物も重機もない、生活の音もしない、ようやくスタート台に立つ準備ができたというのが更地を見たときの印象でした。そして地域の方々とのお話では、発災時の厳しく、悲しい現実を、直接お聞きすることができ、まさかこんなことが起こるとは思わない、あってはならないことが起こってしまった現実を、改めて認識いたしました。  そんな中、南三陸町での語り部の方が、津波が来る最後まで住民に避難を呼びかけたことで皆さん御存じの南三陸町防災庁舎の前でおっしゃったこの言葉が、今でも忘れられません。「災害が起こったら、この三つの言葉を思い出してほしい。一つ目は、生き残ること。二つ目は、生き延びること。三つ目は、もとに戻すこと。」この言葉を聞いたとき、これまで三年間、皆さんが歩んでこられた復興への厳しさが、私の胸に突き刺さりました。  さて、多賀城市を訪れたときに、「みんなの防災手帳」について教えていただきました。この手帳は、多賀城市が、東北大学災害科学国際研究所の監修でことし二月に作成し、全世帯に配付したものであり、事前の備えから始まり、発災から十時間、十時間から百時間、百時間から千時間、千時間から一万時間のそれぞれになすべきこと、役に立つ事項が百四十四ページにわたり網羅されており、避難所の地図もついているなど、とても便利な手帳です。  御無理をお願いし、一冊いただいてきたのですが、家族の連絡先やアレルギー、持病などがあらかじめ書き込めるようにしているなど、家族でつくっていく手帳のスタイルで、とても工夫されています。このような取り組みは、防災に向けた意識啓発にもつながるものであり、大変感心をいたしました。  一方、香川県では、去る三月十四日午前二時六分ごろに、伊予灘を震源とする、県内で最大震度四の地震が発生しました。私はすぐ飛び起きて、まず家族の無事を確認するとともに、家や近所は大丈夫かと見て回ったり、テレビを見ながら大きな被害が出ていないか確認したのですが、その後、周囲の人たちと話をしていると、「地震と思ったけど、すぐ寝てしまった」というような人が多くいました。  結果として、幸い大きな被害はなかったわけですが、あの地震が仮に大きな揺れであったとすれば、家屋等の倒壊を初め、火災など関連する災害も発生した可能性も否定できなかったと思うだけに、これぐらいは大丈夫だろうというのではなく、いつか来るかもしれない南海トラフ地震が、いつ来てもおかしくない今、備えあれば憂いなしと、災害の少ない本県において、香川県民の防災・減災に対する意識の向上を考えていかなければならないときがもう来ているように思います。  大規模災害発生時に、県民の生命、身体、財産を守り、被害を防ぎ、減らすためには、ハードとソフトの両面にわたる対策が重要であり、その中でも、県民の防災意識を高めることが防災・減災対策の第一歩だと思います。  地震や津波について、県民一人一人が正しく知り、正しく判断し、正しく行動するための普及啓発が重要であり、先ほど申し上げた防災手帳のような取り組みは、具体的には市町の役割だとは思いますが、私は目に見える防災・減災の取り組みが非常に重要だと考え、一日も早いこのような防災手帳の製作を強く望むところでありますが、県としても、県民の防災意識の向上につながる効果的な取り組みが非常に求められています。  そこで、県民の防災、そして減災に向けた意識啓発に向けて、どのように取り組んでいこうとされているのか、御所見をお伺いいたします。  また、大規模災害時には、個人や家族だけの力では限界があり、県民の最も身近な支援組織である自主防災組織が地域において担う役割は非常に大きく、まさに共助のかなめとも言えるものであります。その組織の充実・強化は、大規模災害が発生した直後に、被害の拡大をでき得る限り抑え、減災にするためには欠かせないものと考えております。  自主防災組織が災害発生時に実際に機能し、活動できる組織とするためには、日ごろから顔を合わせる取り組みから始まり、災害時に情報を収集し、住民に敏速に伝え、初期消火活動や被災者の救出・救助、避難誘導、避難所の運営など、即座に対応できる能力の向上を目指した各種訓練を行うなど、さまざまな取り組みが必要であり、組織化を推進するとともに、県が積極的に支援を行う必要があると考えます。  そこで、自主防災組織の組織化の状況はどうなっているのか、また、県は自主防災組織の充実・強化に向けて、どのように取り組んでいこうとされているのか、あわせてお伺いいたします。  質問の第二点目は、看護師確保対策についてであります。  看護師等は、言うまでもなく、患者の生活の質の向上を目指し、よりよい医療・看護サービスの提供のため、医師を初めとする他の医療関係職種との連携のもと、療養生活支援の専門家として適切な看護を提供していくことを目標に、日々努力しながら勤務されております。  近年、医療の高度化、専門化や高齢化に伴う在宅ケアの充実など、保健・医療・福祉を取り巻く環境は大きく変化しており、看護師等が活躍する職場も、病院、診療所といった医療機関はもちろんのこと、介護保険施設社会福祉施設訪問看護ステーション等にも広がってきております。このように看護業務は多様化してきており、その中で、安全・安心な医療を確保するためには、看護師等の確保と資質の向上を図ることが重要であると考えております。  本県の人口十万人当たりの看護師等の従事者数は、平成二十四年末現在で、看護師が九百九十五人、准看護師が四百二十四・一人となっており、それぞれの全国平均七百九十六・六人、二百八十・六人を大きく上回っています。  また、平成二十二年に厚生労働省が取りまとめた第七次看護職員需給見通しによれば、平成二十七年には本県の看護師不足が縮小できるものと見込まれておりますが、看護師等の需要は、基幹病院の機能強化等によってさらに増加しており、現在の看護師の充足状況は、十分とは言えず、足りていない状況であると認識しております。  そのほか、人口十万人当たりの看護師等の従事者数を保健医療圏別に見てみますと、高松・中讃医療圏が多く、逆に大川・小豆圏域が少ない傾向にあるなど、地域によって偏在があり、この地域偏在を解消することも重要な課題であると考えております。  一方、看護師等の業務は、勤務時間が長い、夜勤の負担が大きい、不規則なシフトがあるなどといった厳しい職場環境の問題や、結婚、出産・育児、本人や家族の健康問題などの理由で現場を離れる看護師が後を絶たないと聞いております。  本県の病院における常勤看護師等の離職率は、平成二十四年は八・一%で、全国平均の一一・〇%よりは低いものの、新人看護師等の離職率は八・三%で、全国平均の七・九%を若干上回っている状況にあります。こうしたことから、新人看護師等の定着促進を図るとともに、看護師全体の離職防止を図ることが重要であります。  さらに、子育てや生活環境の都合で、一旦、離職して現場を離れた看護師が、スムーズに復職できるよう職場復帰支援セミナーなどを開催することによって、その病院の内容や規模を把握することができ、また実践的に不安を抱えた方が現場の技術を習得することができ、自信をつけてから職場復帰ができるよう支援することも、看護師等の確保を図る上で大切であると考えております。  そこで、これまで県は、どのような看護師確保対策を実施してこられたのか、特に専門的資格を持ちながら看護師等として就業していない、いわゆる潜在看護師について、現状をどのように把握し、医療や看護の現場に復帰してもらうために、どのような対策を実施しているのか、お伺いいたします。  質問の第三点目は、「さぬき讃フルーツ」のブランド化と生産拡大についてであります。  近所のスーパーや産直に出かけると、県産品を初めとするみずみずしい果物が店頭に並んでおります。香川県では、全国一狭い県土の中で、温暖な気象条件を生かし、春から夏にはビワ、桃、ブドウ、ハウスミカン、夏から秋には梨、秋から冬には柿、ミカン、キウイフルーツ、イチゴなど、特徴のある果物が、農家の方々のきめ細やかな栽培管理により生産・出荷されております。  今の季節には、桃の出荷が行われているほか、ハウスミカンシャインマスカットの出荷も始まるなど、県産のおいしい果物が夏の贈答品などで数多く出回っておりますが、近年、私たちが口にする食品や食材は多種多様になっており、スーパーなどでは、地元産の果物に加え、本県産と競合する他産地の果物が店頭に多数並べられているほか、ハウス物や輸入果物を含め、ほぼ年中販売されているような状況にあります。  こうした中、果物の消費動向を見ますと、消費者の方々が果物を購入する際に重視する点として、値段、おいしさ、時期、国産か外国産かという順に高く、果物のおいしさについては、購入する際の最も重要なポイントとなっていることが伺えます。  こうした輸入果物や国産果物などとの激化する販売競争に打ち勝つためには、よりおいしい果物であることをアピールすることが重要であり、特に他の産地に比べ生産規模の小さい本県においては、生産量でシェアを獲得するという販売戦略には限りがありますことから、本県の恵まれた自然条件などを最大に生かし、おいしさをアピールすることのできる新品種の開発や、高度な生産管理技術を導入し、県産農産物のブランド化、差別化を推進する必要があります。  このような中、本県では平成二十四年度に、他県の農産物との差別化を図るため、果物においては、出荷量や品質検査方法などの一定の要件を満たした生産者を県が認定し、県オリジナルの品種を中心に、糖度など一定の品質基準を満たしたものをさぬき讃フルーツとして推奨し、高品質なブランド果実としての普及・定着に取り組んでいるところであります。  糖度が極めて高い県オリジナルキウイフルーツ、皮ごと食べられるブドウのシャインマスカットなど、高品質で特徴のある果物が生産され、高値で取引されるなど、消費者のみならず、市場からも高い評価を受けているのに対し、生産量が需要を大きく下回っているというお話を聞くことがあります。  まさに、こうしたチャンスを最大限に活用して、さぬき讃フルーツの生産拡大により、生産に携わる農業者の所得の向上につなげていくことはもとより、高齢化や担い手不足など農業を取り巻く状況が厳しい中で、新規参入者への支援を初め、耕作放棄地を活用した作付面積の拡大などにより、本県農業・農村の持続的発展につなげていく必要があるものと考えております。  また、さぬき讃フルーツに対する高い評価を維持するためには、より多くの消費者の方々に知ってもらうことが重要であり、このさぬき讃フルーツ推奨制度の発足後二年が経過する中、まだまだ県内においても、さぬき讃フルーツをほとんどの人が知っているというまでにはなっておらず、県外を含めて、もっとPRしていく必要があると考えます。  今後、さぬき讃フルーツの認知度を高め、ブランドを定着させ、生産量をふやしていくためには、若い世代を初め多くの方がふだんから目にし、まず私たち県民が知ること、そして、あちらこちらへ、さぬき讃フルーツののぼりや商品を目にし、口にし、アピールする機会をもっと多く提供することが重要であると考えております。  そこで、県は、さらなるブランド化に向けて今後どのように取り組んでいくのか、また、さぬき讃フルーツの生産量の拡大に向けてどのように取り組むのか、お伺いいたします。  質問の第四点目は、瀬戸内海国立公園指定八十周年記念事業における誘客イベントについてであります。  我が国初の国立公園として昭和九年に指定された瀬戸内海国立公園は、ことし指定から八十周年の節目の年を迎えます。瀬戸内海の国立公園化構想を提唱し、国立公園法の制定と瀬戸内海の国立公園化に尽力された小西 和氏の長年の思いが実を結んだ結果であり、また、シルクロードの命名者であるドイツの地理学者フェルディナント・フォン・リヒトホーフェンは、「広い区域にわたる優美な景色で、これ以上のものは世界のどこにもないであろう」と、穏やかに光り輝く海、歴史ある港町や大小の島々が織りなすこの景観を絶賛したのだと思います。  世界の宝石とも称されるこの瀬戸内海のすばらしさ、大切さ、豊かさなどを知っていただくために、香川県の魅力を国内外に広く情報発信し、より多くの方に来県していただくよう、瀬戸内海を活用したにぎわいづくりが必要であると考えております。  全国的に人口減少が進む中、本県においても例外でなく、平成二十二年には人口百万人を下回り、現在、約九十八万人となっています。国立社会保障人口問題研究所によりますと、本県の人口は、平成三十七年には約九十万人、平成五十二年には約七十七万人にまで減少すると推測されております。このような状況が進行すれば、生産年齢人口は減少し、地方経済は縮小を余儀なくされ、地方が疲弊してしまうのではないかといった地域活力の低下が懸念されています。  こうした懸念を払拭し、活力ある香川を創造していくためには、少子化対策は言うまでもありませんが、地域に多くの人を呼び込み、人々の交流を盛んにしていくことが重要であると考えます。そして、このような取り組みの継続によって、地域の魅力を一層高め、地域の活性化につなげていけるのではないかと考えています。また、中長期的には、定住人口の増加となり得るとも考えております。  このような中、ことしは瀬戸内海国立公園指定八十周年記念事業として、香川ウオーターフロントフェスティバル瀬戸内宝探し大冒険、小豆島・寒霞渓ヒルクライムロードレースが、この夏から秋の行楽シーズンにかけて開催される予定であり、これらのイベントは、昨年の瀬戸内国際芸術祭に続き、県外観光客の誘客を図っていく上で大きなチャンスであります。これらのイベントのうち、瀬戸内宝探し大冒険はこの日曜日から、香川ウオーターフロントフェスティバルは、夏休みが始まる今月十九日の土曜日からスタートいたします。  これらのイベントは、今月号の県広報誌にも大きく紹介されていましたが、改めて、この二つのイベントの狙いと内容をお伺いいたします。また、こうした誘客イベントは、いかに情報発信を行っていくかが重要だと思いますが、県としてどう取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いいたします。  質問の第五点目は、たくましさと優しさを持った子供づくりについてであります。  私は、子供たちと話すときは、まずは大きな声で挨拶、そして将来の夢について話すことがよくあります。これからの子供たちには、たくましさと優しさを持ち、大きな夢を持って羽ばたいてほしいと思っています。  先般、子供たちとの会話の中で、将来の夢について聞く機会がありました。将来は政治家になりたいと、政治に携わっている私として、そんな答えが欲しいところですが、大半の子供たちは、お花屋さんやケーキ屋さん、消防士や警察官、学校の先生と答える子供たちが大半ですが、中には、「どうせかなわないから、特になりたい夢はない」との現実的過ぎる答えが返ってきたことに愕然としたこともありました。  私は、これからの将来を担う子供たちには、与えられたものばかりではなく、自分たちで創造しながら、そしてさまざまな社会経験をしながら、社会への大きな夢を掲げ、それに向けて全力で頑張ることが大切であることを教えるべきだと思っています。  また、子供たちと地域とのかかわりや地域で遊べる場所の減少により、どこででも自由に遊べていた私たちの子供のころに比べ、地域での思い出が減り、ふるさとに対する関心が希薄化し、郷土愛を持ちにくい子供たちが多くなっているように思います。  そして、こうして育った子供たちの多くは、大学進学を機に県外へ出てしまい、卒業後、そのままその地で就職をしてしまうのが現状ですが、香川県で育った子供たちが、卒業後には、また郷土香川に戻り、郷土を支えてほしい、一緒にこの香川をいい町に変えていく原動力になってほしいと強く願うものであります。そのためには、香川を支える優秀な人材を確保することが重要であり、子供のころから郷土愛を育んでいくことが大切だと思っています。  最近、どの町に行っても、屋外で遊ぶ子供たちの姿をめっきり見なくなりました。田畑は住宅街に変わり、道路を行き交う車の量がふえたことにより、子供が自由に安全に遊べる場所が少なくなってきたことや、また、これまでの遊び場だった地域の公園などの老朽化による公園としての利用がしにくい現状が大いにあります。
     こういったことが重なって、危険防止のため、外では遊ばせないという親がふえてきたことや、インターネットやゲーム機等の普及により、子供自身も外で遊ばなくなったこともあると思います。私は、こういった環境だからこそ、自己責任で、自己判断で、みずからの手で遊び場をつくることができるプレーパークを各地で取り入れていくことが重要であり、推進していきたいと考えております。健やかで、たくましさと優しさを持った子供たちを育てていくには、屋外で遊び、ザリガニとりや昆虫採集を初めとした自然体験が必要であります。  現在の社会環境の中で、子供たちに社会体験や自然体験をさせるためには、学校だけではなく地域の大人たちが、体験活動の場や機会を積極的に提供していくことも必要であると思っています。地域でのさまざまな行事への参加や大人との触れ合いの中で、人や社会、自然などへの興味や関心を高め、さまざまなことを経験していくことが将来への夢を膨らませて、郷土香川への愛着が生まれてくるものと思います。  このように、子供たちにとっては、子供時代にしかできない屋外での遊びや体験が重要であり、こうした多種多様な経験がたくましさや精神面での強さ、人のことを思う優しさにつながっていくと考えています。そして、子供たちの明るく元気な姿が、停滞する地域社会全体に活力と活気を与えてくれます。体験活動は、それをしたからといって、すぐに芽が出て、花が咲くものではありませんが、大人になったときに社会的責任を果たせる立派な人間になるための糧となるものであります。  そこで、たくましさと優しさを持った子供を育てるため、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いをいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)松本議員の御質問にお答えいたします。  まず、県民の防災意識の向上等についてであります。  議員御指摘のとおり、大規模災害から県民の生命、身体、財産を守るためには、県民の防災意識を高めるとともに、自主防災組織を充実・強化することが大変重要であります。  このため、県では、県や国の防災週間に合わせて、防災をテーマとしたシンポジウムや消防学校でのイベント、市町長を対象としたトップセミナーを開催するとともに、広報誌、マスメディアを活用した広報などに取り組んでおり、今年度も、これらの取り組みを初め、十一月五日の「津波防災の日」には、昨年同様、県民一斉地震防災行動訓練、いわゆるシェイクアウト訓練を実施することとしております。  また、今年度は、新たな取り組みとして、県の地震・津波被害想定を踏まえ、南海トラフを震源とした最大クラスの地震や津波について、県民の皆様が想定される被害の状況等を視覚的に理解することを目的としたDVDを作成するとともに、想定される被害やとるべき対策等について、新聞に特集記事を掲載することとしております。  さらに、先日、愛称とデザインを公募し、今月末から稼働する予定である新たな地震体験車が、地域の防災訓練等で積極的に活用されるよう、市町への周知に努めてまいります。  一方、自主防災組織の組織率を高めるため、県では、かがわ自主ぼう連絡協議会のメンバーが、自主防災組織の未結成地区や活動の活発でない組織を訪問し、活動へのアドバイスや防災訓練の指導等を実施するなど、地域における自主防災組織の結成促進を図るための取り組みを進めており、自主防災組織の活動カバー率は、平成二十六年四月現在で八〇・八%となっており、せとうち田園都市香川創造プランの平成二十七年度末目標である八〇%を達成したところであります。  また、自主防災組織が災害時に十分その機能を発揮できるよう、自主防災組織のリーダーを育成するため、研修会を開催するとともに、香川大学危機管理研究センターと連携し、防災士の養成に努めるほか、自主防災組織が行う地域での実践的な訓練などに対して助成するなど、自主防災組織の活動を支援しています。  私といたしましては、各市町や防災関係機関等と連携しながら、県民の皆様の防災意識の向上や自主防災組織の充実・強化が図られるよう、積極的に取り組んでまいります。  次に、さぬき讃フルーツブランド化と生産拡大についてであります。  県オリジナル品種を初め、高品質で特色のあるさぬき讃フルーツについては、議員御指摘のとおり、消費者の認知度を向上させるためのPR活動を強化することにより、ブランド果実として普及・定着を図るとともに、需要の拡大に即して生産拡大を加速化させることが重要であります。  そこで、私みずから、県内はもとより、東京などで市場関係者へのトップセールスを積極的に行うほか、昨年度からは、さぬき讃フルーツ大使による試食宣伝や消費者との産地交流会を実施するなど、PR活動の強化に努めてまいりました。  こうした取り組みに加え、県民の方々への一層の浸透力を高めるため、今年度新たに「さぬき讃フルーツ」キャンペーンソングを制作し、今月十二日の栗林庵でのキックオフイベントをスタートに、テレビコマーシャルを実施するほか、ホームページやフェイスブックなどを活用した取り組みを強化し、一層の認知度の向上に努めてまいります。  さぬき讃フルーツの生産拡大については、昨年度に創設したさぬき讃フルーツ生産拡大事業を活用し、キウイフルーツの「さぬきキウイっこ」が約二倍に拡大したほか、ミカンの「小原紅早生」やイチゴの「さぬき姫」などで約十五ヘクタールの作付拡大が図られたところであり、今年度、生産拡大の一層の加速化のため、県費助成を大幅に拡大したところであります。  さらに、国の事業を活用し、丸亀市において、桃の高性能選果施設を導入したほか、今年度は、農業生産法人のキウイフルーツの集出荷貯蔵施設の整備に対して支援し、生産拡大に向けた集出荷施設の整備にも努めております。  また、新規就農者の参入を促進し、さぬき讃フルーツの作付拡大を加速化するため、耕作放棄地の活用を図るほか、新規植栽に要する土壌改良資材等の初期費用に対して助成するなど、農業者の負担軽減に努めております。  今後とも、さぬき讃フルーツのPR活動と生産拡大の両面からの取り組みを強化し、さぬき讃フルーツブランド化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、瀬戸内海国立公園指定八十周年記念事業における誘客イベントについてであります。  世界の宝石とも称される瀬戸内海が我が国最初の国立公園に指定され、ことしで八十周年を迎えることから、県では、瀬戸内海を活用したにぎわいづくりと観光客の誘致を図るため、夏休み期間を中心にさまざまな誘客イベントを実施することとしています。  このうち、夏休みが始まる今月十九日から来月八日までの二十一日間、サンポート高松で開催する香川ウオーターフロントフェスティバルは、海水を噴き上げてつくり出す巨大なウオータースクリーンに、最新のデジタルテクノロジーで制作した映像を投影するイベントで、ダイナミックな歴史物語や未体験のアートなどが、夏の夜の瀬戸内海に浮かび上がるエンターテインメントショーであります。全国的にも珍しく、インパクトのあるこのイベントの開催により、観光客の誘致と宿泊への誘導を図るとともに、アートの香川としてのイメージの定着化にもつなげてまいりたいと考えております。  また、今月十三日から十月三十一日まで、県内十二の市町を八つのエリアに分けて開催する「瀬戸内宝探し大冒険 瀬戸内幻想伝」は、桃太郎や浦島太郎など、それぞれのエリアに伝わる伝説を取り入れた謎が書かれた宝の地図を頼りに、家族やグループで楽しみながら、県内各地に隠された宝箱を探していただく体験型のイベントであります。夏休みから秋の行楽シーズンにかけて行われるこのイベントの開催により、ファミリー層を中心とする幅広い層の観光客の誘致と、県内での滞在時間の拡大や県内各地への周遊を促すとともに、次代を担う子供たちが瀬戸内海に親しみ、思い出となるようなイベントにしたいと考えております。  また、こうした誘客イベントを成功させるためには、議員御指摘のとおり、効果的な情報発信を行っていくことが重要であり、「さぬき野」などの県広報誌、「ディスカバー・ジャパン」などの旅行雑誌を初め、さまざまな媒体を活用した情報発信を行っています。  特に、香川ウオーターフロントフェスティバルにつきましては、「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトと連携し、先月九日には東京で、今月一日には大阪で、マスコミや旅行会社を招いて制作発表会を開催したほか、首都圏、関西圏、中部圏において、ポスターや映像による交通広告などを展開しています。瀬戸内宝探し大冒険についても、全国各地で開催されている宝探しイベントを紹介するウエブサイトでの情報発信を行うとともに、教育委員会を通じ、県内小学校の全児童に宝の地図を配付することとしています。  これら二つのイベントに加え、十月十九日には、小豆島において県内外の自転車愛好家が集う小豆島・寒霞渓ヒルクライムロードレースを開催することとしており、私といたしましては、瀬戸内海国立公園指定八十周年により、本県に全国から注目が集まる本年、その機会を十分に生かして、幅広い層の観光客を全県的に誘致できるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問については、健康福祉部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)松本議員の看護師の確保対策についての御質問にお答えいたします。  本県では、看護師等養成所、各医療機関、県看護協会等関係団体と連携し、看護師等の養成、離職防止、再就業支援を三本柱として、県内で就業する看護師等の養成・確保に取り組んでおります。  看護師等の養成については、県立保健医療大学や看護師等養成所などの看護教育の充実により、質の高い看護師等を養成するとともに、県看護協会や県内の医療機関との連携・協力のもと合同就職説明会を開催し、卒業生の県内就業の促進に努めております。加えて、看護職員の資質向上を図るため、実習指導者講習会の開催や、高度な知識を有する認定看護師の育成にも努めております。  離職防止については、院内保育所の運営に対する補助を行うなど、看護師等が働き続けられる環境づくりを支援するとともに、短時間正規雇用の導入など就労環境の改善や離職率の高い新人看護職員向けの研修などを実施しております。  さらに、再就業支援については、県看護協会に委託して設置している香川県ナースセンターにおいて、無料職業紹介や再就職を希望する、いわゆる潜在看護師等を対象とした看護力再開発講習会などを実施しております。  無料職業紹介では、昨年度、百七十九名がナースセンターの紹介により医療機関等に就職しましたが、今年度は、新たに就業支援コーディネーターを二名配置するなど体制を一層強化し、求職者の登録・就業あっせん、さらには就業後の職場適応支援などを積極的に行っております。  また、潜在看護師については、今般成立した医療介護総合確保推進法により、平成二十七年十月から、離職した看護師等は住所、氏名等をナースセンターに届け出ることが努力義務化されるため、その把握が容易になり、ナースセンターによる離職直後からの効果的な支援が可能になるものと考えております。  県といたしましては、県看護協会等関係団体や医療機関とも連携しながら、引き続き県内の看護師等の養成・確保に積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)松本議員のたくましさと優しさを持った子供を育てる取り組みについての御質問にお答えいたします。  子供が健やかでたくましく、優しさを持った人に成長するためには、一人一人の子供が夢や目標を持ち、みずからの力でこれにチャレンジするための基礎を培うことや、社会の一員としての自覚や責任、他人を思いやる心を育成していくことが重要であり、その上で、ボランティア活動も含め、社会体験や自然体験など、多様な体験活動の積み重ねが大切であると考えております。  県教育委員会としては、「夢に向かってチャレンジする人づくり」を基本理念に、学校教育においては、確かな学力の育成やふるさと教育、道徳教育などの豊かな心づくり、健やかな体を育む教育を推進するとともに、さまざまな体験をさせる上で、校外学習に加え、集団宿泊学習や修学旅行、職場体験などを行い、人や社会、自然などへの興味や関心を高め、豊かな社会性や人間性を育んでいるところであります。  また、学校以外の世界でも、人とのつながりを持つことは、子供たちがさまざまな問題に直面したときの大きな助けともなりますことから、地域の教育力を活用したさまざまな取り組みを進めております。  今年度においても、地元住民の参画を得て、子供たちを対象にラジオ体操や防災教室の実施、商店街での仕事体験、親子を対象に地元の歴史や文化財に触れる活動、また、地元の大学と連携した学習等の取り組みや、児童の父親であるおやじの会が主体となった農作物の栽培体験や遍路道の清掃などを行っております。  今後とも、地域の人々との交流を深める機会を提供し、また、こうした取り組みを積極的に情報発信し、保護者や地元の方々の意識を高めることで、体験することの大切さを広めていきたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)一般質問を続行いたします。  森 裕行君。    (森 裕行君登壇、拍手) ◯森 裕行君 社会民主党・県民連合の森 裕行です。ただいまから一般質問を行います。  質問の一点目は、県管理中小河川の維持管理についてです。  河川の総合的な保全と利用に関する基本方針としては、河川工事、河川工作物の現状、水害発生の状況及び河川環境の保全を考慮して治水対策を進め、治水安全度の向上を図るものだと思います。また、流域が交通の要衝、住宅地が点在する地域であれば、社会経済情勢との調和や水利施設等の機能の維持への十分な配慮を図り、水源から河口までの一貫した計画のもとに段階的な整備を行い、水系の総合的な保全と利用を進めていくものだと考えています。  災害の発生の防止または軽減に対しては、多様な自然環境や地域の風土、歴史などに配慮しながら、築堤、河床掘削等の河道整備等により河積を増大し、横断工作物の改築や護岸などの整備を行い、計画規模の洪水を安全に流下させることが必要です。また、河床掘削による河積の確保や護岸などの整備に当たっては、河道の安定・維持、河川環境の保全などに配慮するとともに、洪水時の河床変動を把握しながら計画的に実施されなければなりません。  さらに、計画規模を上回る洪水、あるいは整備途上段階における洪水の被害を最小限に抑えるよう、土地利用や都市計画との整合性を図るとともに、総合的な被害軽減対策を地域住民と連携して推進していかなければなりません。そして、災害時のみならず平時から住民参加による情報収集・伝達手段の整備や水防訓練への住民参加を行うことで、防災意識向上や水防活動の充実に努めることが必要です。  河川の適正な利用と流水の正常な機能の維持に関しては、関係機関との連携のもと、適切な水利用が図られるよう努めるとともに、綿密な情報提供等水利用の効率化を促進し、既得水利の取水が安定的になされ、かつ良好な水環境が維持・改善されるように努めなければならないと考えます。  しかし、近年、県予算の状況から、中小河川において河床に堆積土砂がある場合でも対策がとりにくい状況があり、堆積土砂に草などが多く育成していることから、河道の確保が難しく、大雨時の河川氾濫が見受けられます。  東日本大震災以来、安心・安全の香川を構築していくための施策が多くとられてきているところでありますが、香川では津波による被害だけでなく、ため池決壊の被害が甚大であるとの考えから、大震災時の被害を想定して、一定のため池の耐震診断による対策がとられてきています。しかしながら、東日本大震災は千年に一度の災害です。今後想定される南海トラフを中心とする巨大地震についても、同様の趣があります。  一方、河川における氾濫は、ほぼ十年置きに想定される出来事です。中小河川の河道断面の不足によって起こる災害の危険性を、地元住民の方は声高に訴えています。しかし、現在の予算の状況で、なかなか中小河川の堆積物の除去は行われていないのが現実です。河川によっては、二十年近く行われていない河川があるとも聞いています。  付近の住民の方が、大雨のたびに不安に陥り、水量の確認をしている状況があり、現実に床下、状況によっては床上浸水も経験しています。大規模な災害に対応することは、当然のこととして必要なことではありますが、身近な災害に不安を抱く県民に安心・安全を約束することも、大変必要なことと思います。厳しい財政事情であることは理解していますが、身近な災害状況に対策をとることも、県としては非常に大事なことと思います。  このことから、中小河川の維持管理について、知事はどのように考え、これからどうすべきだと思っているのか、お尋ねいたします。  質問の二点目は、子供の貧困対策についてです。  貧しい家庭の子供に健やかな育成環境を整える子どもの貧困対策法が策定され、成立しました。国や自治体に対策を策定・実施する義務があることを明記し、大人になっても困窮した状態から抜け出せない貧困の連鎖を断ち切ることを目指しています。  法律は、子供の将来が生まれ育った環境に左右されない社会を実現するため、子供と保護者に、教育、生活、就労及び経済的な支援の施策を講じることを基本理念に掲げています。国の責務として、この理念にのっとった子供の貧困対策を総合的に明記し、自治体は国と協力し、地域の実情に即した対策をとる責務があるとなっています。  子供の貧困は、目につきづらいとの指摘がつきまとい、社会全体が実感を持って把握・理解してきたとは言いがたいものがありましたが、その存在を裏づける統計資料は枚挙にいとまがありません。  世帯所得をもとに、国民一人一人の所得を計算した中央値の半分に満たない人の割合である相対的貧困率では、厚生労働省の調査において、二〇〇九年は、十七歳以下の子供は一五・七%、およそ六人に一人が該当する計算です。さかのぼって、一九八五年は一〇・九%、十人に一人程度です。格差問題がクローズアップされなかった四半世紀前から五ポイント近く上昇しており、子供の貧困が静かに深く根づいていたものだと思います。  日本の状況は、先進国の中でも深刻な水準であり、ユニセフの研究機関による一昨年度の発表で、日本の子供の相対的貧困率は、OECD加盟国を中心とする三十五カ国で九番目に高く、先進二十カ国に限れば四番目になり、北欧諸国と比べると三倍になります。  子供の貧困は、当然ながら親の貧困もつきまといます。あしなが育英会によると、病気や災害、自殺などで父を亡くした母子家庭で母親が働いて得る収入の平均は、一九九八年に二百一万円だったのが、二〇一〇年には百十三万円に激減しています。それに呼応するように、家計が苦しい小・中学生の学用品代などを支給する就学援助の利用者は、一九九五年度の約七十七万人が二〇一一年度に百五十六万人強へ倍増しています。  このような中での学力格差、学歴格差の問題は、もちろん重要ではありますが、早急に必要なのは、まず、義務教育が保障すべき最低限の教育を身につけられていない貧困の子供たちへの視線であり、最低限の教育が保障されることが必要です。これは飢え死にしない権利や医療を受ける権利などと同様に、子供の人権として守られるべき事柄なのです。最低限の教育の保障をどうするのかという問題は、費用対効果や財源の議論を超えた福祉国家の根本的ありようを問われる問題です。全ての子供が社会に出て自立して生きていけるための基礎としての教育を身につけることが重要だと思います。  最低限の教育を保障するためには、さまざまな不利を積極的に解消するスタンスがなくてはいけません。貧困の家庭が抱える問題は多様で、それは労働政策や福祉政策を初めとするさまざまな政策に関係しています。保護者の就労支援も手厚くしていかなければならないと思います。そのためには、非正規就労の現状を改善していく工夫も必要です。子どもの貧困対策法は、県に対して大綱に沿った貧困対策計画の作成を求めていますが、努力義務にとどまっているために、意欲や財政状況による地域間格差が生じていくことが心配されています。  法律にある、子供の将来が生まれた環境によって左右されない社会をつくるとした理念を生かすためには、あらゆる対策を考える必要があると思いますが、知事はどのように対応していくのか、お尋ねいたします。  質問の三点目は、教育長を教育行政の第一義的責任者とし、その任免権を首長に付与するなど、教育委員会制度を見直す法改正についてです。  教育委員会制度は、戦前の中央集権的な教育行政への反省点から、地方の教育行政においては、首長から一定の距離を置いた独立した行政機関として、昭和二十三年に導入されました。これは、教育の専門家でない非常勤の委員による合議制の執行機関で、教育の政治的中立性、安定性を確保しつつ、住民の意思と社会の良識を教育行政に反映させようという制度であり、レイマン・コントロールと呼ばれています。首長が議会の同意を得て任命する原則五人の委員で構成され、任期は四年で、委員ごとに改任時期が異なることにより、教育の安定性、継続性が図られています。教育委員の中から、委員会を代表する教育委員長が互選されますが、委員会の権限の行使は、あくまで合議体としての教育委員会の決定により行われています。教育委員の中から、教育行政の専門家として常勤の教育長が、委員長以外の教育委員の中から教育委員会により任命されています。  今回の法改正においては、教育長は、教育委員会改革の制度設計の重要なポイントであり、一般の行政委員会の事務局長とはその性格が異なっています。地方公共団体は、議決機関である議会、執行機関である首長及び行政委員会という構成となっています。行政委員会は、権限行使について首長から独立してみずからの判断で事務を執行する制度であり、政治的中立性の確保という観点からは教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会などの、公平・公正な行政という観点からは人事委員会、公平委員会、監査委員などの制度があります。  教育委員会には、事務局長ではなく教育長が置かれていますが、教育長がほかの行政委員会事務局長と異なる位置づけがなされているのは、教育委員会以外のほかの多くの行政委員会は、特定の案件について調査、勧告、裁定すること、例えば、人事委員会人事委員会勧告、労働委員会は労働問題の調停をするなど、一時的な管理を行うことが委員会設置の目的であり、委員会会議の場における判断が主たる業務であるのに対し、教育委員会は、委員会の場において教育方針を決定するだけでなく、日常の学校教育活動などについて管理執行を行うとともに、その事務処理に専門的技能を要するために、常勤の専門家が必要であるとの考え方によるものです。  今回の法改正は、緊急時の責任の所在を明確にすることで、緊急時の的確な対応を目指すという趣旨で行われています。  法改正の主な内容として、改正後の新教育長は、現行の教育委員長と教育長を統合したもので、知事に任免権があり、現行の教育委員長と教育長の役割を同一人物が務めることになります。また、首長が主宰できる総合教育会議は、教育行政の基本方針となる大綱の策定やいじめ問題など緊急時の対応の話し合いなどを行うものです。今回の法改正後も、教育委員会は執行機関として残り、表向き政治的中立は保たれ、この会議の中で策定する大綱には、教育委員会を縛る法的強制力はありません。  現行の制度において、知事は、教育委員の任命の関連で言えば、教育委員の罷免には、病気などの特別な事由や議会の同意が必要であったりといった制約はあるものの、教育委員を任命することができ、教育予算配分の権限も持っており、既に教育行政において強い権限を有していると言えるのではないでしょうか。  しかし、今回の法改正により、知事が総合教育会議を設置することにより、教育行政の基本方針を知事が公式に出す場ができるようになりました。知事は教育委員と違い選挙があるために、中立性を保てるのか、疑問が残ります。そういった意味で、知事が主宰する総合教育会議で示される教育行政の基本方針は、知事の意向が強く出たものになるのではないかと考えます。つまり、知事が必要以上の教育への関心を強めていくと、教育における政治的中立が守られないおそれが出てきます。そうしたことを避けるべく、執行機関として合議制の教育委員会が置かれてきたのです。  今回の法改正では、教育委員長と教育長を統合した、知事が任命する新教育長に権限を集中させました。これは、合議制の教育委員会に執行権を持たせた趣旨とは逆行するものと言えます。権力を集中させれば政治的中立性が危ぶまれ、権力を集中させなければ責任の所在が不明確で、緊急時の対応が危ぶまれます。責任の所在を明確にすることで教育行政のあり方を改善するには、常に県民の厳しい目が必要であります。県民が政治的中立を軽視する知事のやり方を支持してしまえば、教育行政における知事の専横がまかり通ってしまいます。  今回の法改正で責任を持った教育行政が行えるかどうかは、県民がきちっと教育行政をチェックできるかどうかにかかっているだろうと思います。県民が教育行政をチェックしていることを感じれば、責任の所在が明確になった新教育長は、いじめ問題など県民が大いに関心を持っている問題への対応は、従来より迅速に行われるようになるのかもしれません。しかし、そのためには、今以上に教育委員会の可視化と情報公開を進めなければならないと思います。そのための工夫は、教育委員会を挙げて取り組んでいかなければならないし、知事もそのための協力をしなければならないと思います。  県民の厳しい目、チェックのもと、教育現場や地方教育行政の自主性の確保が図られ、子供や地域の実態を踏まえた丁寧な施策が求められますが、私たちは常に子供たちのための教育とは何かを考え、教育行政にかかわる必要があると思います。  知事は、今回の法改正を受けて、教育行政にどのような姿勢で取り組んでいこうと考えているのでしょうか。また、教育長は、教育委員会の可視化、情報公開についてどのように取り組んでいく必要があると考えるのか、お尋ねいたします。  質問の四点目は、犯罪死の見逃しの防止に向けた取り組みについてです。  死の事実関係を確定することは、社会的に大変重要な意義を持っているものだと考えています。  死は、誰にでも平等に訪れますが、その態様は個別的なものです。他方で、死は個別的性質のみならず、社会的出来事としての性質もあわせ持ちます。そのため、死の事実関係は、この両方の性質に配慮しながら決定される必要があります。死の事実関係を適正に確定することは、個人の生・死を社会的に位置づけることであり、それは同時に個人を人格存在として尊重することでもあります。  現在の日本の死因究明制度は、刑事訴訟法第二百二十九条に規定された「検視」と、警察等が取り扱う死体の死因または身元の調査等に関する法律に規定される「調査等」によって行われています。  また、本県における死因究明のための解剖ですが、本県では主に公衆衛生等の観点で行われるところの、監察医制度に基づく解剖の対象地域外であることから、犯罪死である、または犯罪死であることが疑わしい場合に、刑事訴訟法に規定された鑑定処分許可状に基づいて行われる司法解剖と、犯罪の疑義はないが、遺族等が死因究明を希望した場合に死体解剖保存法に基づき行われる、遺族の承諾が必要な行政解剖、承諾解剖です。さらに、昨年四月から施行された、警察等が取り扱う死体の死因または身元の調査等に関する法律に基づく三種類の解剖が行われていると認識しています。  県警察では、昨年約千五百体の死体を取り扱い、そのうちの約一〇%で解剖が行われておりますが、監察医制度に基づく解剖を除けば、全国平均や近県と比較しても、高水準であることは十分理解しております。しかしながら、欧州諸国での約七〇%に及ぶ解剖率にはほど遠いばかりか、現在の法律における検視では、主には外表から五官を用いることによって行っており、正確な死因や犯罪性の有無についての判断が果たして可能であるのか、疑問が残るのも否めません。しかも、検視担当専従体制は、十分に満足できる数をそろえているとは言えないのが現状だろうと思います。  先般、愛媛県では、自殺を偽装されていたことを看破できず、殺人であるにもかかわらず自殺として処理されていたケースが報道されていました。  高所からの転落の場合、それが突き落とされたものか、事故か、自殺なのか判然としない場合も多々あると思いますし、水死も同様に、落ちたものか、落とされたものか、外表からだけではわからないのではないかと思います。  冒頭にも申しましたが、個人の死の事実関係を適正に確定することは、個人の生・死を社会的に位置づけることであり、故人を尊厳することにほかありません。  県警察では、死因を究明するため、日夜御努力されていることと思いますが、犯罪死の見逃しの防止に向けて、今後どのように取り組まれるのか、警察本部長にお尋ねいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)森議員の御質問にお答えいたします。
     まず、県管理中小河川の維持管理についてであります。  河川の維持管理は、河道の流下断面を確保し、施設の機能を維持することで災害からの被害を軽減するとともに、良好な河川環境を確保するため、適切に実施する必要があります。  このため、県では、日常的なパトロールのほか、出水期前や出水の後などに土木事務所の職員により、堤防、護岸などの施設や、雑草の繁茂状況、土砂等の堆積状況などの河道の変状について、目視点検を実施しております。この点検結果等に基づき、堤防や護岸の補修、河川内の堆積土砂の除去、堤防の草刈りなど、適切な維持管理に努めております。  特に河川内の堆積土砂の除去については、河川巡視の結果等に基づき、年度当初に、改めて現地で土砂の堆積状況を確認し、流下断面の阻害の程度や緊急度等を踏まえて、計画的に河床整理を実施し、洪水時の氾濫の防止に努めております。また、堆積土砂に雑草が繁茂している場合には、流下断面の阻害の程度を判断し、堆積土砂の除去にあわせて雑草も除去しております。  厳しい財政状況ではありますが、災害の防止や良好な河川環境を確保するため、今後とも河床整理を初め、効果的、効率的な維持管理に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、子供の貧困対策についてであります。  本年一月十七日、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、国においては、四月、関係閣僚で構成される子どもの貧困対策会議を開催して、この七月を目途に、子供の貧困対策を総合的に推進するための政府の基本的施策を示す大綱案の策定を行うことが決定されました。また、六月には、大綱案に盛り込むべき事項についてのパブリックコメントの募集が行われ、早ければ今月中にも、法律で国及び地方公共団体が講ずべき施策として規定されている、教育の支援、生活の支援、保護者に対する支援、経済的支援などを盛り込んだ大綱が閣議決定されるものと伺っております。  県といたしましては、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図ることは、貧困の連鎖を防止する上からも、重要な課題であると認識しております。  このため、今後示される予定の国の大綱の内容を踏まえ、県内の子供の貧困についての実態を把握するとともに、関係者の御意見も聞きながら、本県における子供の貧困対策についての計画の策定に向けて検討し、国と協力しながら、地域の状況に応じた施策を実施してまいりたいと考えております。  次に、教育委員会制度の見直しについてであります。  私は、知事就任以来、小学校四年生までの三十五人以下学級の実施、教員の業務改善の推進、市町のスクールソーシャルワーカー配置支援、県立高校校舎の耐震化の推進など、主として教育予算の調製を通じて、本県の教育行政を推進してまいりました。  一方で、価値観が多様化する急激な社会の変化の中、教育現場においては、子供の学力低下への懸念、暴力行為、いじめ、不登校などの問題行動、規範意識や社会性の低下、生活習慣の乱れ、家庭や地域社会の教育力の低下など、さまざまな課題が生じております。  こうした中、今回の教育委員会制度改革により、民意を代表する首長が、総合教育会議などを通じて、教育行政に主体的にかかわっていけることは、こうした問題の解決に向けた大きな一歩だと認識しており、私としては、これまで以上に教育委員会と意思疎通を図り、学校現場や県民の皆様の声にしっかりと耳を傾け、本県の実情に即した教育行政に取り組んでいかなければならないと考えております。  なお、御懸念の政治的中立性の確保については、教育委員会が引き続き執行機関であることや、教科書採択や個別の教職員の人事など、特に政治的中立性の要請が高い事項については、教育委員会の専権事項とされるなど、制度的に担保されているものと理解しております。  新たな制度のもと、私と教育委員会が互いに教育政策の方向性を共有し、本県の教育力の向上を図ってまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)森議員の教育委員会制度の見直しについての御質問にお答えいたします。  教育委員会の会議については、人事に関する案件などを除き、原則公開としており、傍聴に来られた方には会議資料を配付し、傍聴していただいているところであります。また、会議の開催に当たっては、事前にホームページ等により、開催日時や議題等の周知を図るとともに、毎月行う定例会の後には、私から報道機関に対し、会議の内容を説明しているほか、会議の公開部分については、その議事録をホームページに掲載しております。  教育委員会の会議は、地域の教育のあるべき姿や教育の基本方針などを審議し、さまざまな意思決定を行う、本県の教育行政を推進する上で最も重要な会議であり、どのような議論がなされているのかを、可能な限り公開していくことが望ましいと考えております。  県教育委員会といたしましては、今回の法改正を契機とし、より一層会議の透明性を高めるとともに、教育委員会の活動状況がわかるよう、情報提供に努めてまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)筋警察本部長。    (警察本部長筋 伊知朗君登壇) ◯警察本部長(筋 伊知朗君)森議員の犯罪死の見逃しの防止に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。  昨年、県警察が取り扱った死体数は千五百二十九体で、うち百五十八体を解剖いたしましたが、十年前に比べ、死体数は約一・五倍、解剖数は約二倍に増加しております。こうした中、県警察では、犯罪死の見逃しは絶対にあってはならないものと認識し、その防止に向けた取り組みを行っております。  まず、体制面では、平成二十一年四月、高度な専門知識を有する者で編成する本部の検視専従班を、それまでの二名体制から、警視以下六名体制に増強しました。  検視業務は、警察署の捜査員が全ての現場に臨場して行っておりますが、本部の検視専従班が、必要に応じて指導・支援することにしており、昨年は、県下全体の約五五%の現場に臨場しました。  個々の検視の現場においては、捜査員の五官の作用による外表所見に加え、死者の生前環境、現場の状況、立会医師の意見に基づくほか、必要に応じて、死因特定に有効な死亡後のCT画像診断、薬毒物検査を実施し、こうした検査の結果等も総合して、犯罪の有無、死因等を慎重に判断しております。なお、それでも死因等が判然としない場合には、解剖によって究明することにしております。  県警察では、万一の犯罪死の見逃しを防止するため、今後とも捜査員の検視能力の向上を図るとともに、医師等と緊密に連携しながら、適切な検視業務に努めてまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)一般質問を続行いたします。  高木英一君。    (高木英一君登壇、拍手) ◯高木英一君 欧州中央銀行(ECB)は、先月初め、政策金利を過去最低の年〇・一五%とし、民間銀行がECBに預金する際に適用する金利は、〇%からマイナス〇・一%に引き下げる発表をしました。マイナス金利になると、ECBに資金を預けた民間銀行は、手数料のようにECBに金利を払うことになります。民間銀行が中央銀行に余剰資金を預ける預金にマイナス金利を導入するのは、日本、アメリカを含めて主要国では前例がなく、民間銀行がECBに預けている余剰資金を企業融資に回し、景気を刺激しようとする、すなわちユーロ圏が日本型のデフレに陥らないための、並々ならぬ意志が伝わってくるECBの決断です。  我が日本においては、安倍晋三総理大臣が就任されて、はや一年半がたちました。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間の設備投資を喚起する成長戦略という、三つの政策を掲げたアベノミクスの効果で、徐々に景気回復の兆しが感じられ出したのが、本県の現状ではないかと思います。本県にとって大切なことは、プラン・ドゥー・チェック・アクトの考えのもと、本県の特色を生かした施策の積極的展開であります。  そのような中、浜田知事、また多くの諸先輩方の御尽力が実り、空路では高松・台北便が週二便から週四便に増便されたり、高松・成田便が新規に就航するなど、四国の空の玄関としての位置づけが着々と進み出したように感じます。  今後は、お互いの特色を生かし合った、より一層の四国四県の連携、瀬戸の都・高松を中心とした環瀬戸内海の県や沿岸市町村との連携、そして何よりも県と八市九町のより一層の連携で、磨けばまだまだ光り輝くであろう魅力を、日本国内はもとより、親日国であり成長著しい台湾やタイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどのASEAN諸国へも積極的に情報発信し、人口減少が予測される中、人口減少をカバーする入り込み客増を図るべく、本県や四国、環瀬戸内海圏エリアが、景観・食・おもてなし・経済力ともどもに世界の宝石となるような取り組みが、今まさに軌道に乗りつつあるのが本県の現状であると思います。  それでは、一般質問をさせていただきます。  大きな一点目は、木質バイオマスの推進とエネルギー・環境関連産業の振興についてであります。  日本のエネルギー自給率は六%であります。東日本大震災から約三年四カ月が経過した今、日本においては全四十八基の原子力発電所が停止し、主に化石燃料を主とする火力発電により電気が賄われています。そのため、年間約三兆六千億円以上の日本の富がアラブなどのエネルギー産出国に行っています。  このような現実の中、私はエネルギーシフトのセミナーに参加しました。講師はドイツ在住の先生で、主な先生の講義は、一、今、北海油田が枯渇しつつあるドイツでは、二〇五〇年をめどに化石燃料を大幅に減らし、化石燃料から自然再生エネルギーにシフトしようとしている。そこに、新たな市場が生まれ、雇用も生まれ、技術革新が日々起きている。  二、青森県八戸市の研究事例では、人口二十四万人、世帯数十万六千世帯の八戸市は、一年間に地域内でエネルギーを消費する際に支払われているお金の総額は約九百億円に上り、そのうち、地域経済に貢献しているものと外に出ていくものの比率は三対七で、約六百五十億円のお金が八戸市から出ていっている。エネルギーシフトの考えは、外に出ていっている約六百五十億円のお金を可能な限り域内にとどめ、八戸市内で循環させ、経済を活性化させ、雇用を生み、活力ある地域をつくることである。  三、ドイツの省エネの三本柱は、一、再生可能エネルギーへの置きかえによる熱効率の向上。二、ガソリン・ディーゼル車から、水素自動車、電気自動車への切りかえ。三、建物の省エネルギー化。複層ガラスや赤外線反射ガラスの推進。日射の遮蔽、省エネ建築設計、省エネ建材の採用など。この施策の実行により、省エネ改修がなかった場合と比べ、ドイツ全体で年間約二兆円の節約効果が出ているなどでした。  また、日本総合研究所の研究員の調査では、オーストリアにギュッシング市という人口四千人に満たない町があり、冷戦時代、ハンガリーの隣ということで、常時戦場となる可能性があることから、地場産業もなく、企業進出もないことから、西側諸国の中でも最貧の町でした。しかし、一九九〇年、ギュッシング議会は全会一致で、エネルギーを化石燃料から木材に置きかえることを決定し、単にエネルギー問題として捉えるのではなく、地域経済の切り札として位置づけた。当時のギュッシング市は、地域の域外に支払っていたエネルギー代を試算すると、毎年約六百万ユーロのお金が域外に流出していた。このお金の流れを変え、地域内で循環させれば、町はもっと潤うのではないかという結論となった。一九九二年に、初めて木質バイオマスによる地域暖房が開始され、二〇〇一年にはコージェネレーションによる発電も開始。こうした取り組みと並行して、太陽光発電や菜種油などの廃油のエネルギー利用などを進め、脱化石燃料宣言から十年余りで、ギュッシング市は七〇%以上のエネルギー自給を達成しました。年に約六百万ユーロものお金を域外に流出させていた町が、二〇〇五年の時点で、お金の流れは完全に逆転し、地域全体で約一千八百万ユーロもの売り上げが得られるようになった。そのギュッシング市では、十三年間で五十もの企業がやってきて、千百人の雇用を生み出したそうです。このような成功事例を学ぼうと、ギュッシング市には、世界中から年間約三万人もの視察者が殺到しています。  今年度の県の新規事業において、木質バイオマス利用促進事業として六百七十万円の予算が組まれ、農業施設に設置されたまきボイラーで、広葉樹の整備で発生する材を燃料として利用することにより、地域にもたらされる導入効果等についての実証実験が行われるようであります。私は、より一層木質バイオマスの技術を進化させ、今後、無尽蔵に出てくるであろう間伐材や剪定残材、竹などをバイオマスエネルギーに活用し、エネルギーシフトに取り組み、経済の活性化、ひいては雇用の確保に生かすべきと考えます。  また、香川県産業成長戦略において、エネルギー・環境関連分野を成長のエンジンとなる分野の一つに位置づけ、エネルギー・環境関連分野へ新たに進出しようとする県内企業を積極的に支援することが必要であるとしています。  そこで、お尋ねさせていただきます。  本県において、太陽光発電の推進以外に木質バイオマスの活用に取り組む考えについて、お聞かせください。また、県として、エネルギー・環境関連分野に進出しようとする県内企業をどのように支援していくのか、お考えをお聞かせください。  大きな二点目は、国際観光の推進と瀬戸内海の景観の有効活用についてであります。  今、台湾では、自転車を利用した台湾一周ツアーが一大ブームになっています。また、シンガポールでは、日本に着いた空港から、移動距離が長く、時間がかかっても、レンタカーを利用して観光地をめぐるツアーがはやっているそうです。私は、今後さらに本県への外国人旅行者の誘客を推進するとともに、県内の方々を含め、県外、海外からの来訪者の多くの方々に、瀬戸内海のすばらしい景色を堪能していただきたいと考えております。  そこで、以下二点について質問させていただきます。  一点目は、日本政府観光局、JNTOが、先月十八日に発表した本年一月から五月の訪日外国人客数は、前年同期比二八%増の五百二十万三千三百人で、羽田空港の国際線がふえたことなどが増加理由とのことでした。五月の訪日外国人数では、国、地域別では台湾が最も多く、四四%増の二十八万二千人で、高松空港など、台北と地方都市を結ぶ路線の就航が寄与したようです。  政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年をめどに、外国人旅行者を現在の二倍の二千万人へふやす目標を掲げ、このため、出入国手続の円滑化や、買い物環境、通信環境の改善、ムスリム旅行者への対応など、受け入れ環境の整備に向けた取り組みを強化することとしています。  幸いにも、浜田知事、先輩方議員、経済界の三位一体となった取り組みにより、昨年就航したチャイナエアラインの高松・台北線はことし三月より週二便から週四便に、高松・成田線もLCCジェットスター・ジャパンが一日二便から夏季増便の三便に、八月からは春秋航空ジャパンも一日一便就航予定で、県都高松や小豆島、直島など、本県と台湾、羽田や成田空港を経由したASEAN諸国を含め、世界の多くの都市への利便性が飛躍的に向上し、来訪していただくための施策展開と受け入れのための環境整備次第では、国の二〇二〇年の二千万人という目標達成に大いに貢献できると思います。  そこで、外国人旅行者の誘客についてお尋ねさせていただきます。  本県への外国人旅行者の誘客について、とりわけ親日国である台湾及びASEAN諸国からの誘客について、今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。  二点目は、ことしは、瀬戸内海国立公園指定八十周年という節目の年です。屋島を中心とした備讃瀬戸が海を舞台とした国立公園に指定されたのは、屋島北嶺遊鶴亭からの備讃瀬戸の景観や獅子の霊巌からの夕日、そしてイギリスの詩人エドモンド・ブランデルが、「まことに長い屋根のように、つわものらが霊の静まるこの丘」とうたわしめた屋島という島の形状で、地質学上は「メサ」と呼ばれる溶岩台地で、世界にも類のない完全なものであったことではないかと思います。  また、昨年の九月議会でも取り上げさせていただきましたが、屋島からの景観であります。もし、台湾やASEAN諸国から高松空港に来て、屋島を走る県道を自転車やレンタカーで走ったとき、屋島西町浦生から屋島東町壇ノ浦までの、本来美しいはずの多島美の瀬戸内海の景色は、生い茂る木々によりほとんど見えません。このような現実に接し、私は、県道の全線を瀬戸内海の景観が堪能できるようにすべきとは申しませんが、ほとんど見えないのはいかがなものでしょうか。これでは、県民の方々はもちろんのこと、外国人旅行者だけでなく日本人旅行者もがっかりするでしょうし、交流人口増にとって、リピートが重視される時代にあって、自転車や車から景観が楽しめる環境整備をすべきと考えます。屋島の県道から瀬戸内海や女木島、男木島、直島、豊島、小豆島など、多島美のすばらしい景色を楽しむことができるような環境整備が必要ではないかと考えます。  そこで、屋島における環境整備についてお尋ねさせていただきます。  屋島の県道から、県民の方々はもちろんのこと、県外、海外からの来訪者にも瀬戸内海の景色を堪能していただけるような環境整備を実施すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。  大きな三点目は、幼児教育における優良事例集の作成についてであります。  先月、論語教育など特色ある幼児教育に取り組んでいる東京都足立区にある私立梅島幼稚園を視察研修させていただきました。  梅島幼稚園に、朝九時前に訪問させていただいたところ、園長先生が幼稚園の入り口で園児を迎えておられ、園児たちは一人一人、園長先生に丁寧なおじぎと朝の挨拶をしていました。園長室で園の取り組みを聞かせていただきました。  主な取り組みは、一、論語教育。意味は教えないが、読み方を教え、論語を毎日朗誦している。二、持統天皇や柿本人麻呂の歌の朗誦。三、世界の国とその首都の名前の朗誦。四、反対語の朗誦。五、JR山手線全駅の朗誦。六、九九の朗誦。七、遊び時間でのげた履きの採用などとのことでした。  園長先生の説明では、げた履きに取り組むことにより、足の指を自在に動かすことができるようになった園児もいる。そこで、今は単げたにも取り組んでいるとのことでした。  また、語感教育の取り組みでは、人は言葉で物事を考える。幼児期に古典などの名文に接し、親しむことにより、言葉に対するみずみずしい感性が身につく。日常会話ではカバーし切れない言葉を蓄えることにより、思考力、想像力が自然と養われる。言葉の持つ力として、論語を朗誦することにより、言葉の力が園児たちの集中力を引き出すなど、園児の成長にとり大きな力となっているとのことで、その後、園での授業を園長先生とともに視察させていただきました。  姿勢よく、全園児が背筋を伸ばして、はっきりとした声で論語や持統天皇・柿本人麻呂の歌、世界の国々とその首都の名前、新橋、浜松町から始まるJR山手線の全駅の朗誦などに取り組んでいました。工作の教室では、園児たちは背筋を伸ばして姿勢よく椅子に座り、私語もなく整然と工作に取り組んでおり、廊下で園長先生に出会うと、出会った全園児が園長先生に「園長先生、おはようございます」と丁寧に挨拶をする姿に接し、すばらしい幼児教育をしている。このような幼稚園で教育を受けられる園児は幸せだな。できることなら、ふるさと香川でも、このような幼児教育が実施できたらと、感動すら覚えました。  私立幼稚園では、園長先生がかわることなく幼稚園教育に携わります。公立幼稚園では、人事異動で数年ごとに園長先生がかわります。幼稚園教育は、保育所教育も同じですが、この世に人として生をうけた子供たちが初めて受ける教育です。それゆえに、そのとき担任となった先生や受けた教育は、人としての成長に大きな影響を与えると思います。それゆえに、社会のグローバル化や進化に合わせた教育カリキュラムの作成や指導方針の確立は、大変重要であります。  全国には、梅島幼稚園のように、他が模範とすべきすばらしい幼児教育を実施している私立、公立幼稚園や保育所が少なからずあると思います。私が梅島幼稚園の論語教育を知り、視察研修させていただき、強く感じたのは、香川県教育委員会が中心となって、本県はもとより、日本全国のすばらしく感動を覚える幼児教育を実施している幼稚園、保育所の事例を調査・研究し、事例集として取りまとめ、県内各市町教育委員会や担当部局を通じて、全ての幼稚園や保育所に配付し、そのすばらしいカリキュラムが、県内の幼稚園や保育所において幼児教育に生かされ、一人一人の子供たちの成長、ひいては人口減少化の本県や我が国の未来を支える人としての成長に役立てるべきと考えます。  そこで、教育長にお尋ねさせていただきます。  一、梅島幼稚園の論語教育、柿本人麻呂・持統天皇の歌の朗誦など、幼児教育の取り組みについて御所見をお聞かせください。  二、本県において、県内、国内を問わず、すばらしい幼児教育に取り組んでいる事例を調査・研究し、事例集を作成し、県内全ての教育委員会、関係部局、幼稚園、保育所に配付することについて、お考えをお聞かせください。  最後の質問は、県立高校の再編整備についてであります。  私はことし三月、高松商業高等学校と高松北高等学校の卒業式に出席させていただきました。ことしの高松商業高校の卒業生は二百七十五人、高松北高校の卒業生は二百三十二人でした。高校野球やサッカー、柔道など、スポーツを含めて輝かしい伝統と実績を誇る高松商業高校ですが、一学年三百人弱の生徒数では、伝統と実績を維持し続けるのは至難のわざだと思いました。また、西日本有数の敷地面積を誇る高松北高校の卒業生が最も多かった平成三年度の五百七十五人から、平成二十五年度には二百三十二人と、約六〇%も減少した数字に接し、余りの生徒数の減少にびっくりしました。  本県においては、昭和三十七年に三豊工業高校が、昭和五十二年に高松西高校、昭和五十八年に高松北高校、昭和六十二年に香川中央高校、平成七年に高松桜井高校、平成八年に三木高校が新設高校として開校しました。また、本県の中学校卒業者数は、昭和三十八年、一九六三年の第一次急増年の二万八千人がピークで、その後、昭和五十七年の一万二千人まで減少し続け、その後、平成元年、一九八九年には第二次急増で一万七千人にまで回復したものの、その後減少に転じ、平成十七年に初めて一万人を割り込み、ことしの中学校卒業者数は約九千七百人であります。昨年度の県内出生数は最少の八千五十九人です。  香川県県立高校の学校・学科の在り方検討会議の報告書が平成二十年九月九日に発表されました。この報告書にありますように、教育は国家百年の計であります。長期的なビジョンを持って、次世代の日本、香川を託する人材や今後の急激な社会情勢の変化に柔軟に対応できる人材を育てなければなりません。  学校の規模については、学習ニーズに対応するために十分な教員を配置する観点、部活動や学校行事などを幅広く充実して行う観点、生徒自身が集団活動の中で、お互いに切磋琢磨しながら活力ある多様な学校生活を展開する観点、施設や設備を効果的に整備・活用する観点などから検討することが必要であるとの報告に接し、私もまさにそのとおりだと思います。  この報告書が作成されてから、はや六年がたとうとしています。この六年間に日本の総理大臣は、第九十一代福田康夫総理、第九十二代麻生太郎総理、第九十三代鳩山由紀夫総理、第九十四代菅 直人総理、第九十五代野田佳彦総理、第九十六代安倍晋三総理と六人もかわるとともに、その間、中国、韓国との尖閣列島、竹島問題がより外交課題として困難をきわめたりしたものの、平成二十四年十二月に自由民主党の安倍晋三内閣が発足、日本経済がピークだった一九九五年から失われた二十年と言われ、元気を失いつつあった日本でしたが、安倍晋三総理が掲げた三本の矢から成るアベノミクス、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の実行により、一ドル約八十円であったドル・円レートも一ドル約百円まで回復し、東日本大震災による福島第一原発の事故があったものの、徐々に日本経済が回復しつつあるのが日本の現状だと思いますが、一方、BRICs諸国やASEAN諸国の台頭とともに、社会も経済もグローバル化のスピードが速くなっているのも、現実であります。  そのような社会の到来を迎え、日本や本県の人口が減少しつつあるからこそ、そのような時代の到来にあって、どのような教育環境の中で国の宝である生徒を教育すべきか、急を要する大きな課題であります。  この報告書によれば、下限を一学年に少なくとも五学級二百人程度、十分な生徒理解に基づく行き届いた教育を行う観点から、その上限を一学年八学級で三百二十人程度が望ましいと報告されています。今年度の入学定員から見ますと、下限の二百人を割っている学校が、統合予定校を除けば十一校あります。  統合となりますと、いろんな意見が出てくると思います。本県においても香川県教育委員会により、平成二十一年十月に作成された県立高校の再編整備基本計画に基づき、平成二十三年度以降、おおむね十年間を見通した方針が示されるとともに、おおむね五年間の具体的な取り組みが示されています。  社会も経済もグローバル化のスピードが速くなっているとともに、人口減少社会の到来により、社会を支える若者の、人としての能力の向上が求められています。  そこで、教育長にお尋ねさせていただきます。  一、県立高校の再編整備に係る基本的なお考えをお聞かせください。  二、現時点における県立高校の再編整備の進捗状況をお聞かせください。  三、高校の再編整備となりますと、反対、異論、多々あると思います。そこで、現基本計画の見直しを行う際には、計画案を事前に公表し、広く県民、教育関係者、議会の意見を集約すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。  以上で一般質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、木質バイオマスの活用に向けた取り組みとエネルギー・環境関連産業の振興についてであります。  私は、再生可能エネルギーや省エネルギーを推進することは、化石燃料依存度を下げるためにも重要であると考えております。  また、議員御指摘のとおり、海外や国内の一部においては、木質バイオマス等による暖房や発電への利用が進められており、県内においても、近年、まきストーブの専門店が出店されるとともに、温泉施設にまきボイラーが導入されるなど、木質バイオマスの利用の動きが見られるようになっております。  こうしたことから、県では、新たに木質バイオマス利用促進事業を立ち上げ、今年度、県内のまきボイラーの導入状況や、まき・ペレットの生産・流通状況等の実態調査を実施するとともに、農業施設に重油ボイラーにかえてまきボイラーを導入した農家の協力をいただき、石油利用との経費比較等を行い、まきボイラーの導入効果について実証することとしております。  今後、これらの結果を踏まえ、採算性等も考慮した上で、本県において、どのような木質バイオマスの活用が可能かなどについて検討してまいりたいと考えております。  エネルギー・環境関連産業への進出支援につきましては、昨年度、県内のエネルギー関連企業と公設試験研究機関や大学の研究者等で構成するかがわエネルギー産業フォーラムを設立し、再生可能エネルギーや省エネルギーに関するセミナー等を開催して、先進事例や最新の技術情報を提供するとともに、県内企業と研究者との連携による新技術や新製品の開発につながるよう取り組んでおります。  また、本年十一月には、県内初開催となる大和ハウス工業との商談会において、そのテーマの一つに環境・エネルギーを掲げており、県内企業の販路開拓を支援することとしております。  さらに、香川県環境配慮モデル認定制度を設け、県内で製造加工された他の模範となり得るリサイクル製品四十二品目を認定し、普及を図っているほか、環境保健研究センター等において、環境関連分野の研究開発などにも取り組んでおります。  エネルギー・環境関連分野は、市場拡大が期待され、県内経済の成長につながる分野であり、今後十年間の本県の産業振興の指針となる香川県産業成長戦略において、成長のエンジンとなる分野に位置づけているところであり、より一層、この分野への県内企業の進出が図られるよう、企業のニーズ把握にも努めながら、積極的に支援してまいりたいと考えております。  次は、国際観光の推進と瀬戸内海の眺望のうち、まず外国人観光客の誘致についてであります。
     本県では、外国人観光客の来訪を促進するため、これまで高松空港の国際定期路線就航先である韓国、中国、台湾、そして台湾からの乗り継ぎが期待できる香港を中心に、誘客活動に取り組んでいるところであります。このうち、台湾からの観光客の誘致につきましては、まず、本県の認知度の向上を図るため、これまでもさまざまなPR活動を行ってまいりましたが、今年度からは新たに、フェイスブックを利用し、観光情報の発信や現地旅行博覧会でのPRに取り組んでいるところであり、秋には、四国四県の旅番組の放映も予定しております。  加えて、台湾全土において、旅行商品の造成、販売が促進されるよう、台北以外の台中、高雄といった台湾中南部の旅行会社に対しても、さまざまな旅行プランの提案を行うなど積極的な働きかけを行い、台湾からの観光客の一層の増加を図ってまいります。  また、ASEAN諸国については、国において訪日観光客増加のため、ビザ要件の緩和等に取り組んできており、私といたしましても、誘客が期待できる国々であると考えております。このため、これまでタイやシンガポール等で開催される県産品のフェアや見本市と連携し、観光PRを実施してまいりましたが、今年度はこうした取り組みに加え、誘客に向けた積極的な観光プロモーションを行うこととしております。  今後は、成長著しく、訪日観光のニーズが高まっているASEAN諸国からの誘客についても積極的に取り組んでまいります。  次に、瀬戸内海の眺望についてであります。  屋島山上の展望所については、本年三月に実施した瀬戸内海国立公園指定八十周年記念事業のキックオフイベントの際に、参加者の方々が瀬戸内海の景観を堪能いただけるよう、国等と連携し、眺望の支障となっていた樹木の伐採等を行ったところであります。  屋島山上の展望所の環境整備の必要性、緊急性は高いと思われますが、議員御指摘の屋島を周回する県道区間についても、自転車等から瀬戸内海の眺望が楽しめるビューポイントがあることは、屋島の価値を高める上で意義あるものと考えております。この県道の周辺は、自然公園法や森林法等に基づき、樹木伐採等の制限があり、また屋島山上と異なり、展望所として位置づけられている場所はありませんが、箇所を限定して、自然環境に影響を与えない範囲で環境整備を行うことは、法的にも可能であるものと考えております。  こうしたことから、まずは許認可権限を持ち、県道周辺の樹木の所有者でもある国や地元高松市と、環境整備の場所や方法、整備主体等について協議を行ってまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)高木議員の御質問にお答えいたします。  まず、幼児教育の取り組みについてであります。  幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であり、平成十九年に改正された学校教育法では、幼稚園における教育の目標として、集団生活を通じて規範意識の芽生えを養うことや、絵本や童話等に親しむことを通じて言葉の使い方を正しく導くことなどが規定されております。議員から御紹介のありました梅島幼稚園の論語教育や和歌の朗誦などといった取り組みは、この教育目標を達成するための手法として大いに参考になるものと考えております。  県教育委員会でも、規範意識の芽生えや言葉の感覚を育てていくことは大切と考えており、それぞれの幼稚園で取り組みを進めておりますが、その教育内容を充実させるため、毎年八月に幼稚園教諭を対象に開催している教育研究協議会で、決まりやルールを守ったり、人の言葉をよく聞いたりする態度を育む取り組み事例を発表するなど、教える側の指導力の向上に努めているところであります。  幼児教育においては、子供たちの人格形成の基礎が培われるようなさまざまな体験をすることが大切であり、幼児がそうした体験の中で成長していけるような、よい取り組みを広く指導者に伝えることも重要と考えますので、県内外のすぐれた事例について、何らかの形で周知できないか、検討したいと思います。  次に、県立高校の再編整備についてであります。  まず、県立高校の再編整備については、将来的に生徒数の継続的な減少が見込まれる中、これからの子供たちにどのような高校教育の環境を整えていけばよいかという基本的認識に立って、単に学校の規模だけでなく、学校の活力の維持や人材育成、社会の変化に対応した学校・学科の望ましい配置などの観点から取り組んでいるところであります。  次に、平成二十一年十月に策定した県立高校の再編整備基本計画の進捗状況でありますが、まず、学校の再編として、小豆地域及び三豊・観音寺地域における統合高校の整備については、その教育方針や特色などの教育内容を、先日決定するとともに、現在、平成二十九年四月の開校に向け、施設等の整備を進めているところであります。  また、学科の改編については、平成二十三年四月に三本松高校の国際コミュニケーション類型と香川中央高校の国際類型を普通科コース制に移行させるとともに、三本松高校及び観音寺第一高校について、平成二十四年度入学生から理数科で普通科とのくくり募集を実施しており、このほか、平成二十五年四月に、石田高校、高松南高校、笠田高校の家政科を生活デザイン科に改編するなど、着実に進めているところであります。  御指摘のとおり、現計画は、平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間の計画でありまして、おおむね五年を経過した時点で見直すこととしておりますが、その見直しに当たりましては、幅広く御意見をお伺いしながら進めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁は終わりました。    (互礼) ◯議長(宮本欣貞君)暫時休憩いたします。                         午前十一時五十二分休憩                         午後 一時  七分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    黒  島     啓 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    高  田  良  徳 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    宮  本  欣  貞 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  工  代  祐  司 君           総 務 部 長  羽  白     淳 君           環境森林部長   川  田  浩  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   松  尾  恭  成 君           土 木 部 長  小  野  裕  幸 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  泉  川  雅  俊 君           観光交流局長   安  松  延  朗 君           水 道 局 長  木  村  清  貴 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  佐  伯     務 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  西  原  義  一 君           公安委員会委員  伊  賀  三千廣  君           警察本部長    筋     伊知朗  君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  井  川     泰 君           事 務 局 長           人事委員会    桑  城  秀  樹 君           委  員  長           人事委員会    山  田  恵  三 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           政策部次長    野  本  祐  二 君    ─────────────────────────────    (互礼) ◯副議長(黒島 啓君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  新井由泰君。    (新井由泰君登壇、拍手) ◯新井由泰君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、私の一般質問を始めさせていただきます。  質問の一点目は、がん患者に対する終末期医療についてであります。  昭和五十六年以来、がんは我が国における死因の第一位を占めており、年間三十万人以上の方が亡くなっています。生涯のうちに、日本人の約二人に一人ががんにかかると推計され、がん克服のための対策が国を挙げてとられているにもかかわらず、がんで死亡する人は年々増加し、今や全死亡者の約三割の人が、がんによって命を落としています。県でも平成二十四年には、死亡者の約三割である二千九百八十三人の方ががんで亡くなっております。そして、これに伴い、大切な親族をがんで失っている家族が増加しています。  終末期にあるがん患者は、病気の進行に伴って多くの苦痛を体験します。しかし一方で、そのような患者を抱える家族もまた、差し迫る患者の死や、日々の患者への介護などによってさまざまな苦痛を抱え、患者同様に強いストレス状況下に置かれます。  ある論文では、終末期のがん患者を抱える家族の体験を大きく四つに大別していました。  一つ目は、患者の人間としてのすばらしさを感じたり、ふだんは余り意識されなかった患者と自分とのきずなの存在が実感され、患者が自分にとってかけがえのない存在であることに気づいたりすると考える。そしてそれゆえに、かけがえのない患者を失いつつあることに強い苦悩を感じる「患者の価値を見出す一方で、価値ある患者の喪失を悲しむ体験」。  二つ目は、患者が生き続けることを願う一方で、死が避けられない現実に直面し、それならば、せめて患者の残された生が充実するようにと願うと考えられる。その結果、自分のことは二の次にし、疲労こんぱいしながらも患者のために奮闘する「患者の残された生の充実を願い介護に奮闘する体験」。  三つ目は、患者ができることには手を出さずに見守ったり、患者ができなくなった役割は引き受けたりして、患者を含む家族の生活をできるだけ保とうとしていた。さらに、終末期がん患者を抱える家族は、患者との死別に備えて、自分が家族内でとる新たな役割に考えをめぐらせ、患者の死後の家族の生き方を考える「家族としての安定した生活を維持する体験」。  最後に、医療者や身近な人々から必要とする支援が得られないことに不満や怒りを感じ、彼らから十分な支援を得たいと望んでいる「適切な支援を求める体験」の四つにまとめられており、終末期のがん患者を抱える家族は、さまざまな苦悩を抱えていることが伺えます。  がんと診断された方が病院で手術を受けたところ、末期がんということで病院から受け入れてもらえず、家族が次の受け入れ先の病院を何とか探しているという事例もあるとの話を伺っております。その家族の苦労並びに間近でそれを見る患者の気持ちたるや、並大抵なものではないかと思います。  そのような中、がんの医療において、患者の身体的・精神的苦痛に対応したケアを提供することは、医療者の大きな課題であります。特に終末期のがん患者においては、患者の尊厳に最大限の敬意を払い、可能な限り痛みやその他の不快な身体症状を緩和し、患者とその家族の精神的・社会的な援助も含めた総合的なケアを行うことが、がん医療に携わる全ての医療関係者に求められています。  県でも、平成二十三年十月に施行された香川県がん対策推進条例や、平成二十五年三月に策定した第二次香川県がん対策推進計画、今年一月に策定した同計画アクションプランに基づき、がん対策の総合的な推進を図っていると伺っております。
     そこで、終末期のがん患者や家族に対して、人生の最終段階における医療を行う病床を有する病院の充実や、がん相談支援センター等での転院先や在宅での緩和ケアなど情報提供、相談・支援体制の充実強化が必要と考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  質問の二点目は、中讃地域における河川整備についてであります。  近年、局地的な集中豪雨による被害が全国各地で発生しており、そのすさまじい降雨量や、豪雨によりもたらされる被害は、これまでの常識を全て覆すものであります。日本における大雨の発生数の増加傾向には、地球温暖化が影響している可能性が指摘されており、それらに関する研究は、国土交通省、気象庁、文部科学省などで広く行われています。  民間シンクタンクの調査によると、今後、地球温暖化が進行した場合には、大雨の発生数も増加すると予測されており、また、一時間の降水量が五十ミリ以上の短時間強雨の発生回数も増加する傾向にあります。これは将来の気候変動の予測、過去の降水量データの分析のいずれも、大雨や集中豪雨の発生頻度が高まることを示唆しています。  中小河川は、流域が小さく、降った雨が素早く流出してくる特性を持ち、昨今では、市街地における透水性の低下や森林の荒廃による保水力の低下などによって、流出の速度は速まる傾向にあり、地球温暖化の進行に伴う気候変化の激化に伴い、中小河川における洪水被害の拡大が懸念されます。私の地元丸亀市においても、一級河川土器川を筆頭に、西汐入川、大束川、金倉川等では、これまで幾度となく大雨で水位が上がるたび、周辺住民に緊張感がみなぎっております。  西汐入川は、県が管理する二級河川の指定を受けており、下流部にある西汐入川水門では、内水位より海水位が高い状況において水門の閉鎖を行い、海水の逆流を防ぐ目的として水門が設置されています。  満潮時などに台風や大雨が重なりますと、西汐入川の水が海へ吐けなくなるという状況から、平成二十三年九月の台風十二号では、西汐入川の水位上昇により、貝堀橋下流において左岸堤防を越流し浸水被害が発生したことに伴い、県では、これまで左岸側約三百メートルの区間において堤防のかさ上げ工事を行っております。しかし、工事を行ってはいるものの、流域の保水能力は、宅地開発が進んだこともあり、以前と比べ大きく低下していると思われるので、対策の見直しが必要だと考えます。さらに、大雨のたびに県から管理を任されている丸亀市が見回り、西汐入川とそこへ流れ込む支川との間の水門を閉じたことで、支川にたまった水を常時ポンプアップし続けている状況では不安であります。西汐入川と海を挟む水門を閉じたときに、西汐入川にたまった雨水を海へ放出する排水機場の整備など、根本的な解決方策が必要なのではないでしょうか。  同じく県が管理する二級河川の大束川については、流域における浸水被害を解消するため、平成十三年度からは我楽橋から富士見橋までの約一・七キロメートル区間の拡幅を行う改修事業を行っており、着手から十三年経過後の平成二十五年度末現在で、我楽橋上流約〇・七キロメートルまでの間の整備が完了しております。上流部については、川幅も急に狭くなり、蛇行するので越水が起こりやすい状態であります。近隣の団地の用地買収も進んでいないと思われますが、住民の安心・安全のためにも、富士見橋より上流についても早急な整備が必要と考えております。  また、未整備のところでは、河床に生えた草木が堤防を越えて生い茂っているところもあり、現在の川幅では大雨の際に越水の危険性が増すため、河床整理を行い、流路を確保することも必要ではないでしょうか。  そこで、幸いにも平成二十五年度は大きな災害は起こりませんでしたが、大雨や集中豪雨の発生頻度も高まるとされていることから、河川改修を進めていくことは重要と思いますが、県として、西汐入川、大束川を含め、どのように河川改修事業に取り組むのか、知事にお伺いします。  質問の三点目は、本県産業の成長と希少糖についてであります。  県では、昨年七月に香川県産業成長戦略を策定し、五つの重点プロジェクトの一つとして、かがわ希少糖ホワイトバレープロジェクトを掲げ、知の拠点の形成、希少糖産業の創出、香川の希少糖ブランドの確立という三つの大きな目標のもと、香川大学の希少糖研究部門への支援や、かがわ希少糖フェア二〇一四の開催など、さまざまな取り組みを進めてこられました。  昨年七月には、世界初の希少糖含有シロップの量産工場が番の州で稼働を開始し、全国展開できる体制が整い、希少糖含有シロップを使った商品も、菓子などのスイーツだけではなく、総菜や佃煮、うどんのだしなど、用途の範囲が広がってきており、スーパー等の店頭でも、希少糖含有シロップのボトルだけでなく、希少糖入りと書いた商品が出回るようになりました。また、県内の小・中学校の給食にも使われていると伺っております。  一方、県内でのこれらの動きに対し、県外での希少糖の知名度は、まだこれからという状況であります。希少糖を全国の人に知ってもらうには、香川県内で製造され、出荷された希少糖、言いかえれば香川県産の希少糖が、より多くの希少糖関連商品の開発や原材料として全国各地流通し、多くの事業者に既存の甘味料のかわりとして取り入れてもらうことが重要であります。  そこで、県内中心の希少糖関連商品を全国レベルにまで普及拡大させていくために、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  また、先日、新聞で希少糖の特集記事が掲載されておりました。タイトルは「希少糖 身近で高機能」というもので、その記事は、希少糖含有シロップを利用した商品の紹介のほかに、希少糖の効果や大量生産成功についての説明もありましたが、記事に登場してくるのは製造会社と香川大学であり、そこに、残念ながら香川県の支援や関与についての記載はありませんでした。  希少糖の消費が全国に広まっていくのは、望ましいことではありますが、それにつれて、香川県が希少糖に関与してきたことが忘れられているのではないでしょうか。  香川県は、平成十四年に希少糖研究が文部科学省による知的クラスター創成事業に採択され、希少糖の事業化に向けて、食品や医薬品などの分野への研究が始まったことを契機として、十年余りにわたり十億円を超える予算措置を行っています。希少糖の普及によって、県の主要産業である食品製造業の活性化は進みつつありますし、医薬品や農薬といった食品以外の応用展開に向けた研究も、香川大学を中心に、県内企業も含めた複数の企業が参画して進められているようですが、これまでの県の投資を考えますと、希少糖を香川県の一大産業に成長させ、県民の雇用を創出し、消費を拡大させ、景気の好循環を生み出していくことが必要ではないでしょうか。  かがわ希少糖ホワイトバレープロジェクトは、香川県産業成長戦略の重点プロジェクトの筆頭であり、成長戦略の一丁目一番地の戦略です。全国的な希少糖の普及と合わせて、「希少糖と言えば香川」というところを確たるものとするための研究基盤の強化や関連産業の集積に取り組むとともに、希少糖の生産地として、香川県の産業発展につなげていく必要があると思いますが、知事のお考えをお伺いします。  質問の四点目は、放課後子ども教室についてであります。  子供が犠牲となる犯罪・凶悪事件が相次いで発生し、社会問題化したことや、子供を取り巻く家庭や地域の教育力の低下が指摘される中、平成十八年五月に当時の少子化担当大臣より、文部科学省が実施する地域子ども教室推進事業、現在の放課後子ども教室と厚生労働省が実施する放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブの放課後対策事業を連携して実施してはどうかとの提案を踏まえ、当時の文部科学大臣及び厚生労働大臣の両大臣が合意し、平成十九年度に放課後子どもプランを創設しました。  この放課後子どもプランを原則として、全ての小学校区において推進することで、放課後活動が多様化するだけでなく、多くのさまざまな年齢の子供同士の交流が促進され、地域において、放課後や休日に子供が安心して活動できる居場所づくりにつながるなど、さまざまな面で効果をもたらすものであると考えております。また、子供を参加させた保護者に対しても、地域の子供や子供の居場所について意識・関心が高まるという効果も生まれると思います。  放課後児童クラブについては、保護者が就労等により昼間家庭にいないおおむね十歳未満の児童に、適切な遊び及び生活の場を提供するものです。県では、放課後児童クラブ指導員の対応能力の向上を図るため、新たに臨床心理士等による相談・支援体制を整えていることと思います。  もう一方の放課後子ども教室については、保護者が働いている児童を対象とした生活の場としての放課後児童クラブとは事業の内容が異なっており、共働き家庭の児童以外も希望すれば利用でき、全ての子供たちの放課後等の居場所として実施しております。  県内の放課後子ども教室の実施状況は、県教育委員会、市町の教育委員会の努力で、七市八町八十八カ所まで広がっておりますが、まだ県内全市町の実施に至っておりません。  プラン創設時に策定された放課後子どもプランの基本的な考え方では、都道府県等の体制及び役割等が定められております。県は、実施主体である市町において円滑な取り組み促進が図られるよう、十分な意見聴取や協力体制を構築するために、行政関係者、学校関係者、社会教育関係者、福祉関係者、学識経験者等で構成される推進委員会を設置したり、コーディネーター、教育活動推進員、放課後児童指導員等の資質向上のための研修企画及び合同研修を開催したりする役割が求められております。また、放課後児童クラブとの連携についても示されており、基本的に教育委員会が主管部局となり、福祉部局と連携しつつ放課後子どもプランを推進することとするとされています。  この五月二十八日、国では放課後子ども総合プランを策定し、現状について、平成十九年より放課後子どもプランを開始したが、十分に進んでいるとは言えないとした上で、共働き家庭などの小学生を放課後に預かる放課後児童クラブの定員枠を、平成三十一年度までに三十万人分拡充する方針などを発表し、放課後対策の総合的な推進に力を入れていくこととしており、実効性のあるものにしていただきたいと思っております。  そこで、地域社会の中で、放課後や週末等に子供たちが安全で安心して、健やかに育まれるよう放課後子ども教室の一層の広がりが必要と考えますが、現在、福祉部局とどのように連携して進めているのか、また今後、子ども教室をどのように広めていこうとしているのか、教育長の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)新井議員の御質問にお答えいたします。  まず、がん患者に対する終末期医療についてであります。  がん患者さんやその御家族は、治療方法や病気の進行に対する不安、痛みなどの症状や経済的な問題など、多くの心配やストレスを抱えておられます。このような患者さんや御家族をサポートするため、本県では、県立中央病院を初めとする五カ所のがん診療連携拠点病院に設置されたがん相談支援センターにおいて、患者さんや御家族からのさまざまな相談に応じております。  県では、こうした相談体制を充実強化するため、相談員の資質向上のための研修受講に対する助成や、美容師や社会保険労務士などの専門家の派遣を行うとともに、がんの患者会と相談支援センターが連携して、患者さんや御家族を支援できるよう定期的に情報交換会を開催しております。  また、がんに伴う体と心の痛みを和らげ、患者さんと御家族の療養生活の質をよりよいものにするために、がん診療連携拠点病院を含む十一カ所の医療機関に、医師、看護師、薬剤師、心理士、栄養士などで構成する緩和ケアチームが配置されており、それぞれの職種が連携・協力して、患者さんと家族のサポートを行っております。  患者さんが退院される場合は、地域連携室が設置されている医療機関では、その状態に応じて、転院する医療機関の紹介や必要なサービスなどについて情報を提供しております。  また、がんの治療が困難になった方などについては、二カ所の医療機関に合計三十三床設置された緩和ケア病床において受け入れを行っております。  さらに、拠点病院の協議の場であるがん診療連携協議会において、拠点病院と地域の医療機関が連携して在宅における緩和ケアを提供する在宅療養支援体制の構築に向けて、医療連携のツールである地域連携クリティカルパスの作成や、患者さんの医療やケアにかかわる施設情報を掲載した在宅緩和ケアマップの検討を進めているところであります。  今後とも、こうした取り組みを通して、がん患者さんや御家族が安心して医療を受けたり、療養生活を送ることができるよう、支援体制の充実強化に努めてまいります。  次に、中讃地域における河川整備についてであります。  西汐入川については、丸亀市街地西部を流れる流路延長約四・六キロメートルの二級河川であり、河口から約三・八キロメートル区間において、国庫補助事業を活用して、昭和五十四年度までに整備を完了しております。  平成十六年及び平成二十三年の浸水被害の原因につきましては、高潮による被害を防止するため、河口部の防潮水門を閉鎖したところ、部分的に堤防高が不足した箇所において河川から越水するとともに、内水の排水が滞ったことによるものと考えられます。  このような状況を踏まえ、県では左岸側約三百メートルの区間において、堤防のかさ上げ工事を平成二十年度から平成二十四年度までに完了させたほか、昨年度は、水防活動の迅速化や、より確実な水門操作のために、河川に水位計を設置したところであります。さらに、今年度は西汐入川河川改修事業により、右岸側約百四十メートルの区間においても堤防のかさ上げ工事を行うため、現地測量、設計等を実施することとしております。  議員御提案の排水機場の整備につきましては、平成二十三年に丸亀市から県へ要望がありましたが、内水排除のための施設整備については、下水道法第三条及び第二十六条の規定により、市町の事業とされていることから、県が直接整備することはできない旨お答えしております。  このため、市と協議の上、県は先ほど申し上げた堤防のかさ上げ工事等の洪水対策を、丸亀市は支川である津森川において、今年度、排水ポンプ施設を設置するなどの内水対策を行うこととしたところであり、今後とも、相互に連携を図りながら、適切に役割を分担し、浸水被害の軽減に努めてまいりたいと考えております。  また、大束川については、丸亀市綾歌町から宇多津町へと流れる流路延長約十七・二キロメートルの二級河川であり、河口から約八・三キロメートル区間において、国庫補助事業を活用して整備を進めており、これまでに丸亀市飯山町東坂元の久保橋付近までの約七・二キロメートル区間の整備を完了しております。現在、残る約一・一キロメートル区間の整備を計画的に進めており、今年度は、用地買収を実施しております。  また、上流の未改修区間につきましては、下流から順次整備を進めており、直ちに着手することは困難なことから、土砂堆積が著しい箇所については、調査、測量を行った上で、流下断面の阻害の程度や緊急度等を踏まえ、河床整理を実施するなど、適切に維持管理を行ってまいりたいと考えております。  厳しい財政状況ではありますが、河川改修は、洪水の被害から住民の皆様の安全・安心を確保するための重要な事業でありますことから、地元の市町や関係者の皆様の御理解、御協力を得ながら、積極的な事業の推進に努めてまいります。  次に、本県産業の成長と希少糖についてであります。  希少糖の全国的な知名度を向上させるためには、議員御指摘のとおり、より多くの事業者に希少糖を使っていただき、希少糖関連商品が県内から全国へと普及していくことが重要であります。  このため、希少糖を使った商品開発への補助を、今年度から、県内事業者に加えて、希少糖及びそれ以外の県産品を使用した商品開発を行う県外事業者も対象としたほか、希少糖の全国的な知名度の向上を図るためのマスメディア向けの全国PR事業も実施し、広く希少糖関連商品の流通を促進することとしております。  また、希少糖の研究基盤の強化については、希少糖研究の中心である香川大学の希少糖研究部門への寄附に加え、今年度、新たに産業技術センターに希少糖研究開発支援プロジェクトチームを設け、香川大学等と連携した希少糖研究を進めるとともに、長期的な視点に立った研究者養成にも努めることとしております。  希少糖関連産業の集積につきましては、昨年、松谷化学工業番の州工場が立地され、同工場での雇用や県内食品製造業等への経済的な波及が生み出されているところですが、今後さらに、希少糖の持つさまざまな機能性が解明されることによって、医薬品、農薬など幅広い分野での応用が期待できることから、これらの事業化に向けた企業の参画も促進してまいりたいと考えております。  私といたしましては、世界に誇れる香川の地域資源である希少糖を、地域経済を牽引する成長産業に育成できるよう、研究開発から生産、販売に至るまでの総合的な取り組みを積極的に進め、県内産業の発展に結びつくよう全力で取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)新井議員の放課後子ども教室についての御質問にお答えいたします。  放課後子ども教室は、学習や体験活動など教育の観点から、一方、放課後児童クラブは、生活の場としての福祉の観点から、それぞれ実施されてきているところでありますが、同じ放課後の子供たちの居場所づくりでありますことから、御指摘のように、平成十九年度から二つの事業を総合的に実施することとし、県教育委員会と健康福祉部が連携して取り組んでいるところであります。  この事業の推進に当たっては、健康福祉部と合同で推進委員会を設置し、事業の実施方針の検討や実施後の検証・評価等を行うとともに、子供とのかかわり方など共通課題については合同で研修会を開催し、それぞれの指導員の資質の向上を図っております。  現在、国において、放課後児童クラブの定員増等とともに、放課後子ども教室の整備・拡充について検討が進められておりますが、こうした国の動きを注視しながら、県教育委員会としても、それぞれの地域において、放課後等における子供たちの学習活動や地域住民との交流活動が行えるとともに、より安全で安心な居場所づくりが進められるよう、引き続き、実施主体となる市町教育委員会に働きかけてまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)一般質問を続行いたします。  樫 昭二君。    (樫 昭二君登壇、拍手) ◯樫 昭二君 一般質問を行います。  まず初めに、知事の政治姿勢について三点お尋ねします。  第一は、集団的自衛権行使容認の閣議決定についてです。  安倍自公政権は、七月一日、国民多数の反対の声に背いて、集団的自衛権行使容認を柱とした解釈改憲の閣議決定を強行しました。これは、「憲法九条のもとでは、海外での武力行使は許されない」という従来の政府見解を百八十度転換し、海外で戦争する国への道を開くものになっています。こうした憲法改定に等しい大転換を、与党の密室協議を通じて、一片の閣議決定で強行するなどというのは、立憲主義を根底から否定するものです。私ども日本共産党は、憲法九条を破壊する歴史的暴挙に強く抗議するとともに、閣議決定の撤回を強く求めるものです。  安倍首相は、閣議決定により、海外で戦争する国づくりを二つの道で進めようとしています。  一つは、国際社会の平和と安定への一層の貢献という名目で、アフガニスタン報復戦争やイラク侵略戦争のような戦争を米国が引き起こした際に、従来の海外派兵法に明記されていた、「武力行使をしてはならない」、「戦闘地域に行ってはならない」という歯どめを外し、自衛隊を戦地に派兵するということです。  もう一つは、憲法九条のもとで容認される自衛の措置という名目で、集団的自衛権行使を公然と容認していることです。  六十年前に創設された自衛隊は、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とうたった憲法九条に反する違憲の軍隊としてつくられましたが、それでも六十年間、自衛隊は他国の人を一人も殺さず、一人の戦死者も出していません。それは、海外での武力行使をしてはならないという憲法九条が歯どめとなっていたからです。閣議決定は、こうした戦後の日本の国のあり方を否定し、日本を殺し殺される国にしようというものです。  日本は今、戦争か平和かをめぐって、戦後最大の歴史的岐路を迎えています。この戦いの帰趨を決めるのは、国民の世論と運動です。私はこの壇上から、解釈改憲による海外で戦争する国づくりを許さず、世界に誇る日本の宝、憲法九条を守り抜くために、思想、信条を超えて、今こそ国民的共同の輪を広げることを強く呼びかけるものでありますが、知事はこの閣議決定をどのようにお考えか、この際、明確にしていただきたいと思います。  第二は、原発の再稼働を許さず、再生可能エネルギーの抜本的導入を促進することについてです。  福島原発事故から三年余、いまだに原因究明もされず、収束の見通しも立っていません。ところが、安倍自公政権は、四月にエネルギー基本計画を閣議決定し、原発を重要なベースロード電源と位置づけ、原発の再稼働と新増設を進めようとしています。これは、まさに原発の永久化宣言だと言わなければなりませんが、知事の御所見をお示しください。  原発の再稼働を審査する原子力規制委員会の定めた規制基準は、各原発の地震・津波想定に対する数値の定めがないというずさんなものです。伊方原発三号機の再稼働を申請している四電の千葉社長は、基準地震動の五百七十ガルを六百二十ガルに設定すると発表しました。しかし、耐震計算の権威である大阪府立大の長沢名誉教授は、これを過小評価であると指摘し、地質地震学の高知大・岡村教授は、過小評価に問題ありとして、一千ガルから二千ガル以上が必要であるとしています。私は、四電の新基準地震動の過小評価は絶対に認められないと思いますが、いかがでしょうか。  さて、去る五月二十一日の関電大飯原発三号、四号機の再稼働差しどめを命じた福井地裁判決は、四つの画期的意義を持つものです。それは、一、人格権が最優先。原発の再稼働は電気をつくるための経済活動で、劣位に置かれるべきもの。二、一旦事故が発生するとそれが拡大するという、原発に内在する本質的危険があること。三、原発の安全神話を、根拠のない楽観的見通しと断罪したこと。四、原発のコスト優先は、国富の喪失であるとしたことです。知事はこの判決をどのように受けとめていますか。御所見をお示しください。  なお、判決冒頭の主文では、大飯原発から二百五十キロ圏内の住民に被害を与えるとして、原発を運転してはならないと述べられています。この判決の立場に立つなら、伊方原発の再稼働は、絶対認めることはできません。県として、四電に対しはっきりと申し入れ、安全協定も締結すべきと思いますが、知事の基本的考えをお示しください。  時事通信の五月の世論調査では、原発ゼロ志向は八四%に上り、国民の圧倒的多数が原発ゼロを求めています。私は、今こそ再生可能エネルギーの普及促進に県が率先して取り組まなければならないと思います。四国経済産業局の発表によりますと、二〇一二年七月にスタートした再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づき、県内でことし三月までに稼働した太陽光発電設備は七千四百九十五件で、出力は十四万九千キロワットに上り、発電能力は制度開始前の三・三倍とのことです。しかし、この発電量は、昨年度の県下の年間電力使用量に対して二%程度でしかありません。私は、再生可能エネルギーの抜本的普及を強く求めるものでありますが、知事の決意をお伺いいたします。  第三は、浜田県政の一期四年間についてであります。  アベノミクスで中央や大企業は潤っていても、本県経済は、県民所得が減少しており、景気や経済は回復していません。雇用者報酬も減り続け、十年間で家計所得は一世帯当たり百十四万五千円も減っています。この五年間で正社員が約二万人減り、非正規労働者が一万八千人ふえるなど、非正規労働の拡大は一層進んでいます。また、人口十万人当たりの大型小売店の進出は全国上位が続く一方で、県内事業所は二〇〇九年から二〇一二年の三年間で約四千の事業所が減少しており、減少率は中四国、九州でトップクラスとなっています。  浜田知事は、外国観光客誘致と国の方針が出れば、率先して空港整備や外国航路の開拓に力を入れてきましたが、本県経済はよくなるどころか悪くなるばかりです。  私は、香川の経済を立て直し、県民の暮らしを豊かにするためには、地域経済を土台から支える農林水産業、中小零細商工業を応援する県政が求められていると思います。労働者の生活と権利を守る労働行政、正社員が当たり前の雇用、賃金の大幅な引き上げを実施すべきと思いますが、知事の御所見をお示しください。  さらに浜田知事は、県民の暮らしを応援する施策は、お金がないと冷たく切り捨て、一方で、水もたまらない椛川ダムや内海ダムなど無駄な大型公共事業を進め、これからは安倍自公政権の国土強靭化計画と一体に、総事業費一兆六千億円の四国の新幹線構想を推し進めようとしています。この四年間、建設事業に充当する県債は減らしてきたものの、新たな臨財債の大幅な増加で、県債残高は八千四百億円を超えています。これは、県の年間予算の二倍の額に相当し、県民一人当たり八十五万円もの借金を抱え、県民の暮らしが圧迫されています。  私は、無駄な大型公共事業、四年ごとに知事に支払われる高額な退職手当三千八十四万円、国がやめているのにいまだに続ける同和対策事業など、税金の無駄遣いを見直すとともに、県民が納めた大切な税金は、医療・介護など福祉の充実や教育に使うことを優先にすべきでないかと考えます。特に県民の切実な願いである子供の医療費無料化年齢の中学卒業までの引き上げ、高い国民健康保険料(税)の一世帯当たり一万円の引き下げ、中学三年生までの三十五人学級早期実現と三十人学級の推進については、少子化に歯どめをかける抜本策としても有効であり、一刻も早く実施すべきと思いますが、知事の御所見をお示しください。  次に、高齢者の医療・介護対策についてお尋ねします。  安倍自公政権は、社会保障を大変質させる医療・介護総合法を与党のみの賛成で可決を強行し、成立させました。社会保障のためと言って消費税を増税したのに、社会保障の拡充には回さず、財源不足を口実に拒否し、法人税減税を行うために、その財源は社会保障の削減で賄う。これほど身勝手で無責任な政治が、許されるはずがありません。  成立した医療・介護法の重大な制度改悪は、一、要支援一、二と認定された要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置きかえるとしています。これは市町村の間で介護の格差を生じさせ、利用者の負担増と介護サービスの低下をもたらすものであること。二、特養老人ホームの入所を、原則として、要介護三以上に限定するとしています。全国で五十二万人の特養ホーム待機者のうち、要介護一、二の人は十七万八千人。多数の人々の入所の権利を奪いながら、それにかわる施設計画はありません。介護難民化、老人漂流社会は、一層深刻にならざるを得なくなります。三、介護保険に二割負担を導入。一部の高額所得者への導入と言っていたのに、実際には合計所得百六十万円以上の人が対象とされ、高齢者全体の二〇%が二割負担になる。これは将来、全面的な二割負担化への道を開くものであります。四、都道府県主導で病床の再編・削減を推進し、病院が従わない場合、医療機関名の公表、各種補助金や融資対象からの除外などの制裁措置をとるとされています。このような強権的なベッド規制は、国民の皆保険制度の根幹を揺るがすもので、絶対に認められません。  以上四点について、知事はどのように受けとめておられるのか、御所見をお示しください。  介護保険がスタートして十四年になりますが、現在に至っては、低所得者層を中心に利用料の負担増で、サービス抑制や生活苦の重大要因となっています。また、特養ホームの待機者の激増は、高齢者の貧困化が原因の大もとです。  私は、介護難民を解消するには、特養ホームの抜本的増設に国がかじを切る以外にないと思います。特養入所を、原則として要介護三以上に限定することをやめ、待機者解消計画の策定、特養建設に対する国庫補助の復活など特養増設に向けた施策を、県として国に対し強く求めるべきと思いますが、御所見をお示しください。  なお、本県の特養待機者は、二〇〇九年の三千八百三十五人から二〇一三年十月末時点で七千八百十四人と、二倍以上に増加しています。本県にとっても特養ホームの増設は待ったなしの状況にあると思います。計画の見直しなど抜本的対策を強く求めるものでありますが、知事の基本的なお考えをお示しください。  次に、手話言語条例の制定等についてお尋ねします。  手話は、一万五千もの単語を持ち、独自の言語体系を有する文化的所産であり、聾者が知的で心豊かな社会生活を営むために大切に受け継いできたものです。しかし、長い間、聾学校でも手話の使用を禁止され、社会では、手話を使うことで聾者が差別を受けることすらありました。  こうした中で、二〇〇六年、国連の障害者の権利に関する条約、二〇一一年の改正障害者基本法において、ようやく手話が言語として位置づけられました。手話の普及は、聾者と聾者以外の者が相互の違いを理解し、その個性と人格を互いに尊重することを基本として行わなければなりません。特に行政には、手話の普及に関し総合的な施策を定め、聾者と聾者以外の者が共生することができる地域社会を実現する責務があると私は思います。  既に鳥取県では、全国に先駆けて手話言語条例を制定し、昨年十月より施行しています。県下で身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害者は、平成二十六年三月末時点で四千百十人であり、多くの方々の切実な願いを実現させるため、本県でも手話言語条例を制定すべきと思いますが、知事の決意をお伺いいたします。またあわせて、国に対し、手話言語法の制定を県として強く要望すべきと思いますが、お答えください。  次に、農業問題について二点お尋ねします。  第一は、TPP交渉についてです。  安倍自公政権は四月の日米首脳会談を経て、交渉は八合目まで来ていると進展ぶりを強調していますが、これは国会や自民党の決議で、除外すると決めた農産品の関税削減に踏み込んでいる可能性があり、決議違反ではないでしょうか。七月三日から十二日まで、カナダで首席交渉官会合が行われていますが、これ以上交渉を続けても、日本は譲歩を迫られるだけであり、政府が国会決議を本気で尊重するなら撤退以外にありません。私は県として、TPP交渉からの撤退を国に対し強く申し入れるべきと思いますが、知事の決意をお伺いいたします。  第二は、農業規制改革についてであります。
     六月十三日に政府の規制改革会議が出した答申は、TPPに参加し、世界で最も企業が活躍しやすい日本をつくる成長戦略の一環として、日本農業と国民の食を支えてきた家族農業を否定し、営利企業に農業と農地を解禁すること、その障害になっている農協や農業委員会の解体に等しい改革を要求しています。  農協については、案の段階では、一、全国・都道府県の農協中央会の廃止、二、全農の株式会社化、三、単協への信用・共済事業の分離、四、准組合員の農協利用の制限が打ち出されていました。これは、農協が協同組合であることの否定、農協の社会インフラの役割を否定するもので、農協系統組織の解体を要求するものであります。  答申では、中央会の廃止については、自律的な新たな制度に移行するとしていますが、法改正の場で改めて廃止が迫られるおそれもあります。単協の事業利益の割合は、信用・共済事業が三分の二を占める一方、営農指導事業は赤字です。協同組合として事業を総合的に行っているからこそ、営農指導が行えるのです。答申は、単協の活性化、健全化のためと言っていますが、信用・共済事業の取り上げは農協の不健全化、倒産に直結します。全農の株式会社化を含め、農協事業を狙い撃ちにして、大企業に新たなもうけ口を提供するものにほかなりません。  去る六月二十八日、香川県農協の総代会が開かれ、知事も来賓として御挨拶されておられましたが、その総代会では、TPPと農協の規制改革に反対する特別決議が満場一致で採択されています。知事はこの点も踏まえて、政府の規制改革会議が出した農協改革について、どのように対処していくおつもりか、基本的なお考えをお示しください。  さらに、答申では、農地法の改革について、農地を所有できる法人について二段階で見直しを進めるとしています。第一段階では、役員要件や構成員要件を見直し、大企業などが農業生産法人として農業に進出する条件を格段に広げるものとなっており、第二段階では、五年後までにさらなる要件の緩和について検討し結論を得るというもので、そうなれば、農地の流動化、土地投機が起き、農業の基盤である農村や集落を破壊し、地域農業を崩壊に導くことになるのではないでしょうか。知事の御所見をお示しください。  また、規制改革会議の農業ワーキング・グループでは、農業委員会の見直しについて、公選制を廃止し、市町村長の任命制にする。都道府県農業会議・全国農業会議所の廃止なども打ち出されていました。これは、農民の議会である農業委員会から農家の代表を排除し、市町村長の下請機関に変質させるものであると思いますが、知事の御所見をお示しください。  ことしは、国際家族農業年です。私は国連を初め世界の流れに逆行し、家族農業と協同組合を潰す農業規制改革は、県として、きっぱり反対であることを国に対し強く申し入れるべきと思いますが、知事の決意をお伺いいたします。  最後に、教育委員会制度の改悪についてお尋ねします。  さきの国会で、地方教育行政法が制定されましたが、これはまさに安倍自公政権の政治権力による教育支配への大改悪であります。  教育行政の責任の明確化と称して教育委員長と教育長を一本化し、首長が直接任命する新教育長を教育委員会のトップに据え、一方で、新教育長に対する教育委員会の指揮監督権をなくしました。また、地方自治体の教育政策の方針となる大綱は、首長が決定します。この大綱には、愛国心教育の推進など、教育委員会の権限に属することまで盛り込むことができ、教育委員会にその具体化をさせる仕組みです。  この法の狙いは、侵略戦争美化の安倍流愛国心教育の押しつけと異常な競争主義を教育に持ち込むことです。この間、安倍自公政権は、太平洋戦争をアジア解放のための戦争と教える歴史逆行の特異な教科書を、教育基本法に最もふさわしいと賛美し、全国の学校で使わせるよう圧力を加えてきました。しかし、多くの教育委員会は、こうした教科書を採択していません。そのため、教育委員会を弱体化させ、国と首長の政治的圧力でそれをさせようというのです。下村大臣が戦前の教育勅語を至極真っ当と評価したことは、その狙いがあるからです。  そもそも教育は、子供の成長・発達のための文化的な営みであり、教員と子供との人間的な触れ合いを通じて行われるべきものであり、そこには自由や自主性が不可欠です。だからこそ、戦前の教訓も踏まえ、憲法のもとで政治権力による教育内容への介入・支配は厳しく戒められてきたのです。  私は、この法律は教育委員会の独立性を奪い、国や首長が教育内容に介入する仕組みをつくり、憲法が保障する教育の自由と自主性を侵害するものだと思いますが、教育長の御所見をお聞かせください。  また、教育への政治支配を許さないためには、教育委員会が、教育の自由、自主性を守る本来の役割を果たすことです。会議の公開、教育委員の待遇改善や支援、教育への見識や専門性を持つ人物の確保など、教育委員会の役割が実際に果たせる体制をつくること。そして何よりも、憲法と子どもの権利条約の立場に立って教育行政を行うことが重要だと思いますが、教育長の決意をお伺いいたします。  以上で一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)樫議員の御質問にお答えいたします。  まず、私の政治姿勢のうち、集団的自衛権についてであります。  五月十五日に、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会からの報告書が提出され、同日に安倍総理が表明した基本的方向性に基づき、政府・与党において協議が重ねられ、今月一日、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な法制を整備することとして、その基本方針が閣議決定されたところであります。  今回の閣議決定について示された内閣官房ホームページの一問一答においては、今後も専守防衛を堅持し、憲法の基本理念である平和主義を守り抜いていくとされているところであり、国内法制の整備に当たっては、最も重要な国政の問題であることを踏まえ、広く国民の理解が得られるよう、国会の場において十分な議論を尽くしていただきたいと考えております。  次に、原発の再稼働等についてであります。  本年四月のエネルギー基本計画においては、原発は重要なベースロード電源に位置づけられる一方、原発依存度は、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化により、可能な限り低減させるとされているところであり、私も今後、再生エネルギーや省エネルギーを推進することで、原発依存度や化石燃料依存度を下げることが、大きな方向性として是とし得るものと考えております。  また、四国電力伊方原子力発電所の再稼働については、現在、国の原子力規制委員会において、基準地震動などの審査を受けているものと承知しており、審査に当たっては、徹底した安全性の検証や十分なチェックがなされることが必要と考えております。  御指摘の福井地裁の判決は、個別の原発に関して出された一つの司法判断であると認識しております。  また、県と四国電力との間で、安全協定は締結しておりませんが、県民の安全・安心の確保の観点から、伊方原発における正常状態以外全ての事象について、四国電力から的確かつ迅速な情報提供を受ける体制を構築し、県と四国電力それぞれが取扱要領として明文化し、それに沿って適切に運用しているところであります。  私といたしましては、引き続き四国電力に対し、伊方原発の安全対策に万全を期すよう意見を申し述べるなど、県民の皆様の安全・安心を確保する観点から、しっかりと対応してまいりたいと考えております。  太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーについては、地球温暖化対策はもとより、エネルギー源の分散化、地域経済への波及効果の観点からも重要であると考えており、本県の特性も踏まえ、住宅用太陽光発電の設置補助や県有施設等への太陽光発電の率先導入、メガソーラー等の立地支援などを推進しているところであり、今後とも、より効果的な再生可能エネルギーの普及促進に積極的に取り組んでまいります。  次に、県政運営についてであります。  私は、知事就任以来、県議会を初め県民の皆様の意見を十分聞きながら、全力で県政運営に取り組んでまいりました。とりわけ、厳しい地域経済を踏まえた県経済の活性化は喫緊の課題であり、国の補正予算に呼応することはもとより、県独自の経済対策を講じるなど、当面の県経済の浮揚を図ってまいりました。  また、将来にわたり本県経済が持続的な発展を図るための指針となる香川県産業成長戦略を昨年七月に策定し、希少糖やオリーブ等、地域の強みを生かした新たな活力と付加価値を生み出す成長産業の育成・集積に積極的に取り組んでいるところであります。  私は、こうした取り組みを通じて本県経済が成長軌道に乗り、県内企業が持続的に成長することにより、雇用を安定させ、労働者の賃金の増加につながる経済の好循環をつくっていくことが重要と考えております。  なお、知事就任後に策定したせとうち田園都市香川創造プランの施策評価においては、製造業の従業者一人当たりの付加価値額、県産品の海外販売額、高松港の外貿コンテナ取扱量、有効求人倍率など産業振興や雇用等に係る指標については、三十四項目中二十五項目の達成状況が、順調に進展しているA評価となっております。  さらに、福祉や教育の充実は、地方行政において最も重要な課題の一つであり、これまで次世代育成環境の充実、医師確保対策、ひとり暮らし高齢者対策、少人数学級の推進等に積極的に取り組んでいるところであります。  お尋ねの乳幼児医療費支給事業については、子育て施策と医療関係施策全体の中で、さまざまな問題について検討した結果、現行の助成制度を継続することとしたところですが、一方で、各市町が、地域ごとのニーズに応じて創意工夫を凝らした事業を実施できるよう、新たに本県独自の支援制度、かがわ健やか子ども基金事業を創設したところであります。  国保料(税)の負担軽減については、本来、財政責任を果たすべき国において、財源負担を検討すべきものであると考えております。  学級編制については、教育委員会において、これまで四十人学級編制のところを、順次三十五人以下学級編制へと進めているところであります。  私といたしましては、今後とも、県政運営の基本指針でありますせとうち田園都市香川創造プランや、将来にわたる本県経済の持続的な発展を目指し、香川県産業成長戦略などに沿って、産業の育成や県産品の振興、交通・情報ネットワークの整備、防災・減災対策、教育環境の充実など、各般にわたる施策を着実に推進し、せとうち田園都市の創造の実現を目指してまいります。  次は、農業問題への取り組みのうち、いわゆるTPP交渉についてであります。  TPPへの参加は、我が国の経済はもとより、地方経済にも大きな影響を与えるものであることから、私としては、TPPへの参加については、国民的議論を行った上で、慎重に判断する必要があると考えております。  そのため、国に対しまして、徹底した情報開示と明確な説明を行い、国民の納得が得られるよう最大限の努力を求めてきたところであり、先月十四日には、交渉に参加している政府関係者から、直接県民に直近の交渉経過等について説明いただいたところであり、私もその説明会に参加いたしました。  引き続き、交渉においては自国の国益を最大限に実現するよう、各国の主張に対し我が国として、攻めるべきものは攻め、守るべきものは守るという姿勢で臨み、特に農業を初め、地方の経済に犠牲を求めるようなものとすべきではないと考えております。  次に、農協改革等についてであります。  農業分野の規制改革は、規制改革会議の農業ワーキング・グループが五月十四日に「農業改革に関する意見」を取りまとめたことを受け、その後、政府・与党において検討・調整が進められ、六月二十四日に、国が規制改革実施計画を閣議決定するとともに、農林水産業・地域の活力創造プランを改定したところであります。  今回の改革のうち、農業協同組合の見直しについては、地域の農協が独自性を発揮して農業の成長産業化に全力投入できるよう、中央会制度から新たな制度への移行、全農等の事業・組織の見直し、単協の活性化・健全化の推進、組合員のあり方などの検討等を内容とするものであり、今後の五年間、農協みずからが自己改革を実行するよう求めております。  農地を所有できる法人の見直しについては、六次産業化等を推進する観点から、役員と構成員の要件が今年度中に見直されるとともに、五年後の、農地中間管理事業の見直しに合わせ、リース方式で参入した企業の状況等を踏まえつつ、より一層の要件の緩和等について検討することとされております。  農業委員会等の見直しについては、農業委員会が農地の担い手への集積・集約化、耕作放棄地の発生防止・解消、新規参入の促進に重点を置き、農地利用の最適化をよりよく果たせるようにする観点から、制度が見直されるものであり、事務局体制の強化や農地利用最適化推進委員(仮称)の設置など、農業委員会の機能が強化される方向も示されております。  県といたしましては、今般の改革に関し、六月三日の四国知事会において、地方の意見も十分に聞き、地域の農業・農村の衰退につながるような拙速な見直しとならないことを強く求める緊急提言を採択し、国へ要請したところでありますが、引き続き、法制化に向けた検討等、国の動向を注視しつつ情報収集に努めるとともに、地域や現場の声もよく聞きながら、必要に応じ国に働きかけてまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問については、健康福祉部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)樫議員の御質問にお答えいたします。  まず、高齢者の医療・介護対策のうち、予防給付の見直し等についてであります。  予防給付の見直しについては、要支援者の多様な生活支援ニーズに応えるため、市町村が地域の実情に応じ柔軟に取り組むことができるようにするものであり、サービスの充実を図るために行うものと受けとめております。  特別養護老人ホームの入所基準の見直しについては、在宅での生活が困難な中重度の要介護者のニーズに応えていくため、認知症高齢者で常時の適切な見守り・介護が必要な場合等やむを得ない事情により、特別養護老人ホーム以外での生活が著しく困難である場合に特例入所を認めた上で、サービスの重点化を図るために行うものであると考えております。  なお、既に入所している方については、引き続き入所できる経過措置が設けられております。  一定以上の所得者の利用者負担の見直しについては、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、現役世代に過度な負担を求めずに、高齢者世代内における負担の公平化を図るために行うものであり、介護保険制度の持続可能性を確保するために必要なものと考えております。  病床の再編・削減については、基本的に医療機関相互の協議や医療機関の自主的取り組みにより、バランスのとれた医療機能の分化と連携を推進していくものであり、医療機関名の公表等については、協議が調わない場合等に医療審議会の意見を聞き、勧告などを行った上で、地域医療構想を実現するために必要な措置として行うものでありますので、強権的に行うものではないと考えております。  次に、特別養護老人ホームの整備についてであります。  国は、特別養護老人ホームについて、原則、新規入所を要介護三以上に限定することとし、他方、先ほども申し上げたように、要介護一、二の要介護者であっても、特例的に入所を認める方針であり、今後、国から特例入所の具体的な要件や入所判定手続の具体的な指針が示されることとなっております。  県といたしましては、このような国の方針を踏まえ、本年六月の「平成二十七年度政府予算案等に関する政府提案・要望」において、軽度要介護者の住まいの確保に向けた施策を講じることとあわせて、特例入所に係る指針の策定に当たっては、地域の意見を十分踏まえるとともに、地域の実情に配慮したものとすることを要望したところであります。  また、特別養護老人ホーム建設に対する助成については、今般の制度改正において、医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度が設けられ、介護サービスの施設・設備の整備が対象事業とされており、今後、この枠組みの中で整備を行っていくものと考えております。  介護サービス基盤の整備については、在宅サービスと施設サービスの役割分担やバランスを図りながら、検討を進める必要があると考えており、県民のニーズを的確に把握した上で、市町と十分に協議・調整を行うとともに、県議会で御議論をいただきながら、平成二十七年度からの次期高齢者保健福祉計画における特別養護老人ホーム等の整備目標を設定し、計画的な整備を進めてまいります。  次は、手話言語条例の制定等についてであります。  障害者基本法にもあるように、聴覚障害者にとって、手話を含む言語、その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得または利用のための手段についての選択の機会が拡大されることは重要であります。  県では、手話はもとより、要約筆記など幅広い意思疎通支援の充実を図るため、市町と連携し、手話通訳者や要約筆記者の養成及び派遣、軽度・中等度難聴児の補聴器購入費の助成などに取り組んでいるところであります。  お尋ねの手話言語条例については、手話の普及等は、個々の自治体に限られた課題ではなく、基本的には、国において手話言語法等の法整備を検討する必要があるものと認識しており、今後の国の動向を見守るとともに、必要に応じ、国への要望を検討してまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)樫議員の教育委員会制度の見直しについての御質問にお答えいたします。  今回の制度改正は、教育行政の権限と責任の所在が不明確なのではないかなどといった指摘に対し、その見直しが行われたものであり、成立した法律は、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任の明確化、首長との連携の強化などが図られたものになったと認識しております。  私としては、改正された新しい制度のもとで、国と地方、また首長と教育委員会がそれぞれに責任を果たしつつ、よりよい教育を目指し努力していくことが大切であると考えております。  また、教育委員会は、地域の教育のあるべき姿や教育の基本方針などを議論し、教育行政を推進する上でさまざまな意思決定を行っており、その役割が十分果たせるよう、これまでも学校現場の状況や地域の意見を把握するとともに、会議の活性化などに取り組んできたところであります。  今後とも、教育委員会が担う役割の重要性を認識しつつ、教育基本法にあるように、人格の完成と国家・社会の形成者として、心身ともに健康な国民の育成という教育目的の実現に向けて、教育に関する法令に従いつつ、教育行政に携わってまいりたいと思います。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)再質問の通告がありますので、発言を許可いたします。  樫 昭二君。    (樫 昭二君登壇、拍手) ◯樫 昭二君 知事の政治姿勢について、三点再質問いたします。  早口で答弁されたので、よく聞き取れなかった点もあるんですけれども、集団的自衛権行使容認については、最も重要な課題だと、国において議論し決めるべきだと、こういう答弁だったと思います。  また、原発についても、国において決めるべきだと、こういうふうな、言ってみれば国にお任せするという答弁、これはすなわち国の言いなりということになるわけでして、自分の意思を、答弁では明確にしてもらいたい。  なぜならば、県民の世論は、集団的自衛権行使、過半数以上が反対なんです。原発に至っては、さっき言いましたように、八四%がゼロにすべきなんです。こういう世論の立場に立って知事は行動し、政治決断をすべきなんです。  私は、県民の命、暮らしを守る立場から、きっぱりと集団的自衛権も、また原発も反対を貫いていただきたいというふうに思いますが、お答えください。  それから二点目は、再生可能エネルギーです。  さっきも言いましたように、四国経済産業局は発表して、太陽光発電二%というんですけれども、実際香川県がやっているのは住宅用の太陽光パネルで、とにかく平成二十七年までに二万件やると。二万件やったからどうなるのかというと、たった一%なんですよ。  こういうことでは、私は抜本的な導入促進にならないということを言っているわけでして、そういう積極的な施策を打ち出してもらいたいということです。  それから三点目は、知事は、この四年間全力でやってきたということを述べられましたけれども、私が、さっき申しましたのは、家計所得は百十四万円も減っていますよ、非正規労働者はふえていますよ、企業はもう四千件も減っているじゃないですかと、こういうことを言っているので、本県経済はよくなるどころか悪くなっていると、こういうことを聞いているのに、成長軌道に乗せる、好循環をつくると、これでは答弁は、すれ違っていると思いますので、明確な答弁をお願いいたします。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)再質問に対する理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)樫議員の再質問にお答えいたします。  まず、自衛権について、私は、自分たちの国は自分たちで守ることが基本であり、その上で国際情勢の変化も踏まえ、自衛のために必要なことは何かということを議論して、法制の整備をすべきであると考えております。  そのために、まず政府としての基本方針が、このように明らかにされるのは必要なことであると考えており、今後、立法の段階で、さらに具体的な議論を深めることが重要だと思います。    (傍聴席より発言する者あり) ◯知事(浜田恵造君)(続き)再生可能エネルギーについては……。 ◯副議長(黒島 啓君)傍聴席は静かにしてください。 ◯知事(浜田恵造君)(続き)メガソーラーの推進も行っているところであり、家庭用のみならず、そういった再生可能エネルギーの推進も行われていると考えております。  さらに、種々の経済統計を挙げられましたが、百十四万円減っている云々というのは、私の理解するところでは、平成十一年から平成二十一年度までのデータだと承知しておりますので、御議論の前提が違うのではないか。  また、事業所数についても統計の定義が違っている、その比較対象になるベースが違っている統計ではないかと理解しておりますので、私はこのA判定について申し上げたというところでございます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)一般質問を続行いたします。
     新田耕造君。    (新田耕造君登壇、拍手) ◯新田耕造君 それでは、質問をさせていただきますが、先ほどは隣の国が、特に習近平さんが聞いたら喜ぶような質問がありましたので、まずそのことから申し上げたいと思います。  ロシアのクリミア併合、今も続くウクライナ、シリア、イラクの内戦、中国でのテロの頻発、南シナ海での領有権の争い、尖閣問題、東西冷戦が終わり平和な日々が訪れると思っておりました世界も、第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件から六月二十八日で百年、当時と変わらぬ様相を呈しております。そのような世界情勢の中で、我々日本人は、何と平和な議論をしていることかと世界は思っているでしょう。  日本国憲法という外来の憲法に戦争放棄の九条があり、そのまま読めば自国の防衛もできないという条文を後生大事にし、いわゆる護憲、革新、何で革新なのか、僕は守旧が正しいと思いますけれども、突き詰めると、非武装中立を信奉していた勢力が、国の自衛権の解釈をめぐって、戦争に巻き込まれるというおどし文句で国民を扇動しております。誰も戦争を望む人間はおりません。戦争はだめなんです。しちゃだめなんです。どうして戦争をとめるかということが必要なんです。戦争は絶対だめなんです。「戦争はしません。しかし、侵略されれば国民が一丸となって戦いますよ」という国と、「侵略されても、話し合いましょう。抵抗しません」、どちらが侵略意思のある国にとって、攻める誘惑を起こしやすいのでしょうか。  ギリシャ哲学の権威で京大名誉教授、文化勲章受章者である田中美知太郎氏が、「憲法に平和を唱えてさえいれば戦争が来ないというのであるなら、地震や台風も来ないでくれと憲法に書けばよろしい」と皮肉っておりました。  この問題に関して、報道機関によって、評価が正反対に割れております。一つの新聞だけを読んでいるとだまされます。反対は、これははっきりしておりますけれども、朝日、毎日、共同、四国、それから赤旗ですね。賛成は、産経、読売新聞などですね。また、政党の反対で言えば、野党は賛否が分かれております。また、海外はどうかといえば、中国は反対、韓国は慎重から反対になったようですね。それ以外の国、米国は当たり前ですけど、フィリピン、最近ではオーストラリアを初め、ほとんどの国が評価や理解をしております。それは、国家としての当たり前の権利、自衛の権利の問題だからでしょう。  そこで、閣議決定の全文を私は読みました。そこで感じたのは、非常に丁寧です。多分、公明党との協議の結果だと思いますけれども、慎重な言い回し、特に武力行使や自衛隊派遣など慎重な扱いとなっております。全てが受動的な論理になっております。結果として、ほとんど現状の不都合な取り扱い、例えば駆けつけ警護など、現実に合わせただけのように感じております。一部のマスコミが、戦争する国へとか、戦争が起こるとか、海外での武力行使に道だとか、戦争に巻き込まれるとか、情緒的な扇動を行っております。  一体、この集団的自衛権行使を限定容認する憲法解釈見直しの閣議決定から、どうしてそういうことになるのでしょうか。本当に読んでいるのでしょうか。また、徴兵制が近づくなどに至っては、言語道断。風が吹くと桶屋がもうかる式の論理です。極端な誇大妄想の話であります。  まず、「戦争をする国になる」という主張は、もう古い古い考えであります。終戦直後、自衛戦争さえ否定した時期ならまだしも、自衛隊創設の昭和二十九年から解釈を変更し、憲法上も自衛のための武力行使は認めております。日本は、自衛のための武力行使はする国です。国ならば当たり前であります。  次に、「海外で武力行使に道」という新聞見出しがあります。これも違います。海外での武力行使はしません。まず、自衛隊が海外へ行く場合は、国連の安保理決議とか国際社会が一致して行う国連の平和維持活動(PKO)、国際協力、邦人救出や武力の行使に当たらない後方支援活動であります。該当国の同意はもちろんのことであります。その場合の武器使用は警察比例の原則、難しい言葉ですが、要は警察の例に倣った抑制的な武器使用に制限するということです。派遣場所は、現に戦闘行為が行われていない地域、そこが戦闘行為の現場になったときは支援活動を中止するということです。  「他国の戦争に巻き込まれる」という話があります。集団的自衛権の問題です。この問題をどう書いているか。念のため読みます。「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として憲法上許される」、こういう文言であります。  あくまでも、我が国が危なくなったとき、他国の安全とは書いておりません。あくまでも我が国が中心であります。国際法上は、集団的自衛権と見える場合が、これはありますが、憲法解釈上は個別自衛権として整理をしております。そして、いずれの場合も自衛隊に出動を命じるときは、事前に国会の承認を求めるとしております。まさにシビリアンコントロールであります。  また、集団的自衛権の限定容認は拙速という意見もありますが、これもうそであります。もう何十年も問題になっております。一つの例で言えば、日米安保条約上、日本が攻撃されれば、米国に防衛義務がありますが、日本救援の米軍が攻撃されても、日本に防衛義務はありません。米国には、日本は安全保障ただ乗り論があり、片務的な日米安保は必要がないという意見もあります。  自国の防衛を他国に任すのは、独立国ではありません。しかし、悲しいかな、沖縄の尖閣諸島問題のとき、我々は一体誰を頼りにしたのでしょうか。米軍じゃありませんか。国と国の関係は、時代とともに変わります。日米同盟の弱体化をはかる、あからさまな周近平政権の挑戦を我々は受けております。我々は日英同盟の破棄から、あえて言いますが、大東亜戦争に至った歴史を忘れてはなりません。  今日の世界では、一国で安全保障を全うできる国はほとんどありません。したがって、共同で脅威に対処するしかありません。今、日本には差し迫った脅威があります。侵略されても反撃しませんという、かすかなサインをも出すことこそが戦争の誘発になると認識をしなければならないと思います。  今後は、法案をつくり、国会で審議し、成立させなければなりません。今やっとスタートです。一日も早い法整備を望みます。  あえて言いますが、もう一度、皆さん、閣議決定の文章を読んでいただきたい。誰でも理屈では、戦争は悪だとわかっております。しかし、いまだに世の中から戦争は絶えておりません。どうしてでしょうか。戦争は理屈ではないからです。    (発言する者あり) ◯新田耕造君(続き)そういう無責任な話ではないと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  質問の第一点目は、外国人観光客の滞在型観光の促進についてであります。  シンガポールは、我が国の半分にも満たない国でありますが、年間の外国人観光客数は約一千五百五十万人に達し、日本の一千万人を大きく上回っております。観光を経済成長の手段として位置づけ、新たな施設を次々にオープンし、たゆまぬ努力をして、リピーターの獲得を目指しております。また、経済力は、一人当たりのGDPでは日本を上回り、東南アジアナンバーワンの実力を持っております。また、観光収入はGDPの六・三%、日本は〇・二%であります。  先日、そのシンガポールに視察に行きました。中でも印象的だったのは、カジノやショッピングセンターなどで構成される統合リゾート、マリーナベイサンズのにぎわいでございました。大勢の外国人客にあふれ、経済の脈動が伝わってくる活気に満ちた場所でありました。ちなみに世界のカジノ収入の一位はマカオで三百八十億米ドル、二位はラスベガスで六十二億米ドル、三位がシンガポールで五十八億米ドルということを、在シンガポール日本大使館の説明で聞きました。  他方、県内に目を向けますと、本県は多くの方の御努力によって、台湾や中国、韓国と直行便でつながっており、多くの外国人観光客が本県を訪れるようになっております。瀬戸内海を初め、琴平や栗林公園などの名所・旧跡の観光地は、既に観光スポットとして定着しており、根強い人気を博しておりますが、それだけでは県内を通過するだけで、他県に観光客を奪われてしまいます。観光客を宿泊させ、楽しませる特色ある取り組み、仕掛けが必要であります。  そこで、私が提案したいのは、外国人観光客の宿泊型観光を促進するため、夜の楽しみ方を提案すべきということであります。さきのカジノ収入の実績を踏まえると、アジアのカジノ熱は相当なものであると想像できます。  そこで、公営競技である丸亀ボートのナイター活用であります。中四国で唯一、丸亀ボートは夜間もレースが開催されており、ナイター照明がとてもきれいです。その上、施設も新しく、特別室やコテージ風の独立した個室もあり、快適に楽しめるようになっております。高松や琴平への移動中に立ち寄ることも可能です。  先日、施設の見学に行かせてもらいました。外国人観光客の誘致について説明し、場長から賛成を得、また丸亀市長にも、ぜひ推進をしてほしいと言われております。また、これに先立ち、東京のボートレース振興会に行き、ほかの地域の取り組みなども聞きましたし、今回の協力の同意も得ております。  私たちには、日常当たり前と思っていることでも、外国人観光客の視点に立って新たな娯楽を発掘していくことが宿泊につながり、ひいては観光客をリピーターとして取り込んでいけるのではないかと思います。  そこで、外国人観光客の滞在型観光を促進するため、どのように取り組んでいかれるのか、知事に質問をさせていただきます。  質問の第二点目は、大変御当地ソング的で恐縮でございますが、桃陵公園の樹木管理についてであります。  日露戦争中、出征兵士を見送りにきた老母が多度津港の岸壁から息子に呼びかけたことで有名になった「一太郎やぁい」の岡田カメさんの銅像が、県内屈指の桜の名所、県立桃陵公園内にあります。昭和六年、その銅像の除幕式にはカメさん御本人が出席し、大勢の人たちが見守る中で盛大にとり行われました。この情景は、多度津町内の旧家の方が所有している当時の映像フィルムに映っております。この映像の中に映っている桃陵公園は、出店などが立ち並び、当時の活気が伝わってまいります。また、昭和九年に映された花見の映像では、桜の木々が多度津山を見事に彩り、たとえ白黒映像であっても、桜の華やかさや、すがすがしさ、そして迫力ある枝ぶりは、私の心に十分伝わってくるものであります。桃陵公園が桜の名所と言われるゆえんだと思いました。  しかしながら、今の公園の桜の中には、枝ぶりが悪く、老朽化が目立つものもあり、盛んに咲き誇るさきの白黒映像と比べると寂しい感じがいたします。桜は、古来より人々に愛され、四季の情緒豊かな日本の春の代名詞となっており、私たち日本人の美意識や日本文化に大きな影響を与えております。私たちは、心にしみいる桜の情趣を期待して毎年、花見を楽しんでおります。  しかし、桃陵公園の桜の魅力は昔に比べて弱まっており、このような状態では、桜の名所として県民に親しまれる公園であり続けられるかと心配をしております。私は、桃陵公園を訪れた人が桜のよさを十分に満喫できるよう、桜の手入れや植えかえを計画的に行い、桜のにぎわいを回復することが、名所復活につながるのではないかと思っております。  そこで、樹木などの自然を相手にしている桃陵公園において、今後とも県民に親しまれ、その美しい情景を後世に残していくため、桜などの樹木の管理をどのように行っていくのか、知事に質問をいたします。  質問の第三点目は、指導力を有する教員に対する顕彰についてであります。  教育は人なりと言われるように、質の高い教育を行うには、すぐれた教員の存在と教育に対する情熱が不可欠であることは、言うまでもありません。教員は、児童生徒の成長に多大な影響を与える存在であり、自身の専門教科の指導力はもちろんのこと、これに加えて豊かな人間性が求められております。  優秀な教員を確保するためには、採用時における工夫はもちろんのこと、採用後の研修などによって、指導力や資質の向上を図ることが重要であると考えております。  さらに、校長や教頭などの管理職においては、教員としての資質のみならず、教員集団のリーダーとしての人間力を備えるとともに、学校という組織を束ねるマネジメント力、法律知識などが必要であり、これら総合的にバランスのとれた人物こそが、管理職にふさわしいと考えます。  県内の教職員約一万人、全ての人が校長や教頭などの管理職にはなれませんし、また、そう希望しない人も多いと聞きます。言ってみれば、新聞社で一生現場記者を貫き、記事を書くことにこだわる新聞記者もいるそうです。同じように、校長などの管理職を目指さず、教育現場一筋で教壇に立ち、生徒指導や課外活動、クラブ活動に熱心な教員もいるわけであります。教員は、一種の職人的側面を持っております。これらも大事な教員の要素であります。このような教育に熱意があり、指導力の備わった教員については、どのような処遇、あるいは評価がなされているのか、私は何らかの顕彰などがあってもいいのではないかと思います。  そこで、管理職を希望しない教員については、どのような処遇を行っているのか、教育長に質問をいたします。  質問の第四点目は、新丸亀警察署(仮称)の整備及び名称についてであります。  かねがね私は、警察の使命は犯罪予防であり、その本質はプレゼンス、存在であり、なかんずくマンパワーであると考えております。そして、今日の通信機器の発達などIT、情報改革の成果を、例えば事故多発地点の自動取締機の開発などを行い、警察にも生かすべきだと考えております。  そういう意味では、大規模警察署という統合型より地域密着型の分散型が、かねがねよいと思っております。丸亀署に善通寺署と多度津署を含めるのがよかったのかどうかというのは、今でも実は疑問を持っております。しかし、それはもう決まったことでございます。  さて、新丸亀警察署(仮称)について、来年四月の運用開始を目指して、丸亀市新田町の丸亀総合運動公園内に現在建設中であります。地元住民も新しい警察署に関心を持っております。  一方で、現丸亀警察署と比べて、丸亀市の中心部から少し離れてしまうことから、「市中心部の治安は大丈夫か」、「警察が大きくなるのはいいが、緊急時に連絡しても、地名など土地カンがなくて、またややこしくなるな」といった声が上がっております。地域の安心・安全のよりどころとなる警察署は、やはり県民が警察署に行こうと思ったときに迷わず行くことができるようにしなければなりません。  そこで、新丸亀警察署(仮称)へのアクセス方法の周知や、県道との交差点における交通安全対策についてどのように考えているのか、また、来署者のほとんどは車やバイク利用が予想されますので、駐車場や駐輪場の収容台数も含めて整備の進捗状況について、警察本部長に質問をいたします。  加えて、新しい警察署は、善通寺警察署を統合して警察機能の強化充実を図るために、新たな場所に移転整備するということですので、それをあらわす新たな名称が必要ではないでしょうか。普通の人は、ほとんど警察に行くことはありません。いざ行くとき、新しい場所に変わったと認識させるような名前がふさわしいと思います。新丸亀署でもよいのです。駅でも、新大阪や新横浜などの名前があります。  本来なら、「丸亀、善通寺、多度津署」がベストですが、新警察署の名称について警察本部長に質問し、私の質問を終わりますが、もう一言だけ申し上げますと、今回の件につきましても、特に集団的自衛権の問題でございますが、絶対に我々は、戦争はだめだということでやらさせていただいておりまして、ぜひ国民の皆様、県民の皆様の御理解を今後とも得たいというふうに思っております。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)新田議員の御質問にお答えいたします。  まず、外国人観光客の滞在型観光の促進についてであります。  滞在型観光の促進は、経済波及効果やリピーターの獲得が期待できること等から、国際観光を推進するに当たり、大変重要な取り組みであると認識しています。  そのため、昨年から外国人観光客に向けた着地型旅行商品の開発に取り組んでおり、通訳が同行してのうどんバスツアーや島めぐりツアーなどの、他県にはない本県独自の魅力が体験できる商品を造成・販売するとともに、滞在が期待できるゴルフつきの宿泊プランについても、宿泊施設と連携して、海外の旅行会社に売り込みを行ってきております。  また、夜の観光についても、外国人観光客に人気のある和食を楽しむ夕食プランや免税店ショッピングを楽しむプランを用意しているほか、今月十九日から開催するかがわウオーターフロント・フェスティバルにおいても、外国人観光客が楽しめるよう一定枠をインバウンド向けに確保し、海外の旅行会社や個人旅行客に提供することとしております。  御提案のあった丸亀ボートの夜間レースの活用についても、海外の旅行会社を対象とした下見ツアーの際に紹介する等、その魅力のPRに努めたいと考えております。  今後とも、外国人観光客のニーズを踏まえ、夜の観光も含めた本県ならではの魅力にあふれた多様なプランを提供すること等により、滞在型の観光が楽しめる地域づくりに取り組みたいと考えております。  次に、桃陵公園の樹木管理についてであります。  多島美を誇る瀬戸内海の眺望で知られる桃陵公園は、県内有数の桜の名所でもあります。その桜の魅力が弱まっているのではないかという問題につきましては、県といたしまして、桜の名所を維持するため、桜の枯れた跡地に新たに桜を植えており、平成二十三年度に三十本、平成二十四年度に三十本の計六十本のソメイヨシノを植栽いたしました。  しかし、全体的に老朽化が進み、古木が多くなっていることも、桜の魅力が弱まっている原因と思われますことから、傷みの激しい古木の近くに後継樹となる桜を植栽し、順次更新していくことで桜全体の魅力を落とすことなく、若返りを図っていきたいと考えております。  また、手入れにつきましても、桃陵公園の維持管理を委託している多度津町に、園内の清掃、草刈り、枯れ枝の処理などをお願いしておりますが、引き続き桜の生育状態に合わせた適切な管理に努めてまいります。  桃陵公園は、自然に囲まれて過ごせる公園として、開設以来、多くの県民や観光客の皆様に安らぎや癒やしの場として利用されてきたところであり、今後とも末永く親しんでいただけるよう、桜を初めとする樹木の管理について、地元の協力も得ながら、長期的な視野に立って取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)新田議員の教員の処遇等についての御質問にお答えいたします。  教員の中には、常に児童生徒たちと向き合いながら教育に情熱を注ぎたいという気持ちから、管理職になることを希望しない者もおり、中には、学習指導や生徒指導、学校体育や部活動指導などにすぐれた成績をおさめている者がおります。  県教育委員会としては、こうした使命感を持ち、特に長年にわたり本県学校教育の振興に貢献し、人格、識見のすぐれている教員に対して、毎年十一月、教育功労者として表彰をしているところであります。  また、このような教員には、学校現場において、教員集団の中でリーダーとしての役割も果たしてほしいとの考えから、教務主任や学年主任などとして、他の教員に対する指導・助言や連絡調整に当たらせたり、小・中学校においては、若手教員の指導にも力を発揮してもらうため、指導教諭として任用したりしております。  このほか、授業内容や指導方法に創意工夫を凝らし、すぐれた教育実践を行っている教員に対しては、教育実践優秀者として表彰する制度を設けており、表彰者には給与面での優遇や、指導力向上等が図れる海外研修に参加できる機会を与えたりしているところであります。  今後とも、教員に対する適切な評価と処遇に努め、子供たちへの教育に情熱を注げる環境づくりに取り組んでまいりたいと存じます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)筋警察本部長。    (警察本部長筋 伊知朗君登壇) ◯警察本部長(筋 伊知朗君)新田議員の新丸亀警察署(仮称)の整備及び名称についての御質問にお答えいたします。  まず、この新たな警察署の整備についてでありますが、建築工事は予定どおり進んでおり、来年四月から運用開始できるものと考えております。  また、来庁者用駐車場については、四輪車用約六十台、二輪車及び自転車用約五十台の駐車スペースを整備することにしております。  この警察署へのアクセス方法等については、今後、丸亀市、善通寺市及び多度津町にお住まいの方々に広報用チラシを配布するとともに、県内の主要な公共施設等への広報用ポスターの掲示や県警ホームページ及び自治体広報紙への掲載などにより周知を図っていくことにしております。  この警察署へつながる市道と県道との交差点における交通安全対策については、道路管理者である丸亀市において、市道の形状変更が予定されており、県警察として、道路形状の変更を踏まえた交通規制等について検討を進めているところであります。今後とも、関係機関と連携して、交通安全対策に万全を期してまいります。  また、この警察署の名称についてでありますが、警察署の名称に関しましては、警察法により、同法施行令で定める基準に従い、条例で定めることとされております。  この警察署の名称については、当該基準であります「管轄区域内の主要な一つの市区町村の名称を冠すること」を原則として、県内の警察署の名称を参考に、現在、検討を進めているところであります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁は終わりました。  本日の一般質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(黒島 啓君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、七月十日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。    (互礼) ◯副議長(黒島 啓君)本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時五十七分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....