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平成25年9月定例会(第4日) 本文

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  1. 香川県議会 2013-09-04
    平成25年9月定例会(第4日) 本文


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    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    高  田  良  徳 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    宮  本  欣  貞 君    黒  島     啓 君
       五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  西  原  義  一 君           総 務 部 長  荒  井  陽  一 君           環境森林部長   工  代  祐  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   川  池  秀  文 君           土 木 部 長  細  谷  芳  照 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  松  尾  恭  成 君           観光交流局長   岡     輝  人 君           水 道 局 長  丹     睦  宏 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  泉  川  雅  俊 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  細  松  英  正 君           公安委員会委員  伊  賀  三千廣  君           警察本部長    筋     伊知朗  君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  高  木  康  博 君           事 務 局 長           人事委員会    桑  城  秀  樹 君           委  員  長           人事委員会    高  畠  正  博 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           理 事 (兼)  羽  白     淳 君           政策部次長    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第四号)                 平成二十五年十月二日(水)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ─────────────────────────────    (互礼) ◯議長(水本勝規君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、監査委員から、地方自治法第二百三十五条の二の規定に基づく報告一件を   受理いたしました。 ◯議長(水本勝規君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(水本勝規君)日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  山下昭史君。    (山下昭史君登壇、拍手) ◯山下昭史君 議長のお許しを得ましたので、早速質問に入らさせていただきます。  まず、中小企業振興についてお尋ねします。  安倍内閣のアベノミクスは、第三の矢である成長戦略が動き始め、景気回復の兆しを見せています。加えて、先日決定した二〇二〇年の東京オリンピック開催決定は、遠い漠然とした目標ではなく、七年後という具体的な目に見える目標として、景気マインドの高揚と弾みがつくものと考えます。まさに、アベノミクスの第四の矢として、香川県もこの勢いに乗りおくれないような取り組みが必要かと考えます。  ただ、これまでの本県の経済状況を見てみますと、これからの経済対策は、今までのやり方よりも一歩も二歩も踏み込んだ政策が必要ではないかと思われます。  経済センサス等による本県の第一次産業から第三次産業までの産業分類別の事業所数及び従業員数を見てみますと、平成十三年度から昨年度までの約十一年間で事業所数と従業員数のどちらも増加しているのは、意外にも農林水産業が中心である第一次産業です。第一次産業は、平成十三年度に事業所数二百三十九、従業員数二千百四十五人だったものが、平成二十四年度には三百八十一事業所、三千八百七十七人の従業員となっています。これは平成二十一年の農地法改正後に新たに農業に参入した農業生産法人の増加等の制度的な関係によるものが含まれていると思います。  また、サービス業などを含む第三次産業の事業所数は、平成十三年度の四万三千三百三十八から平成二十四年度には三万八千七百四十と減っているものの、従業員数では二十九万九千人余りから三十一万千人余とふえています。  深刻なのは第二次産業です。平成十三年度、第二次産業の事業所数は一万千三百八、従業員数は十三万三千四百九人だったのに対し、平成二十四年度には事業所数が九千二百六十と、約二千事業所も減り、従業員数は約二万二千人も減り、十一万千六十一人となっています。減少の中でも建設業と製造業が特に顕著です。特に、第二次産業の中心となる製造業は、この十一年で従業員数にして一万人近く、事業所も約千件も減少しています。御存じのとおり、この傾向は日本全国でも問題になっている「ものづくり」の本丸である製造業の空洞化という危機的状況は、本県でも例外ではないことを裏づけています。  このような状況を受けて、国では、中小企業・小規模企業者の活力を引き出すための起業・創業支援、中小企業再生支援協議会の機能強化や中小企業経営力強化支援法に基づく認定支援機関を活用した経営改善計画策定支援などの経営改善・事業再生支援、公的金融・信用保証による資金繰り支援などを実施しています。確かに、事業再生、経営力強化も非常に重要です。一方で、私がこれまでこだわってきたのは起業・創業支援についてであります。先ほどの経済センサスで失われた製造業の事業所と従業員数、いわゆる雇用は誰かが起業・創業しなければふえないという事実です。  先日の我が党の香川議員の代表質問で、「経営課題の解決や財務基盤の強化など、県内中小企業の経営再生や安定に向けて、今後どのように取り組むのか」という中小企業振興に関する質問に対し、知事は「企業の現況やニーズ、施策の効果について十分に把握し、資金面、技術面、経営面からの総合的、かつ、きめ細やかな実効性のある施策を、関係機関と緊密な連携も図り、実施してまいります」と述べられました。この点を踏まえ、これからの経済対策は、これまでの施策だけでなく、知事の言葉どおり、関係機関と緊密な連携を図り、これまでよりも踏み込んだ施策が必要かと思います。その観点から、私はこれまでの小口零細企業融資中小企業応援ファンド、それに設備投資借入金への利子補給制度に加え、新規創業や新分野への進出を促進するための支援が必要かと考えますが、いかがでしょうか。  そして、この投資とも言える支援という点では、本県では既に一つの成功例があります。希少糖研究です。  希少糖については、御存じのとおり、一九九一年、香川大学農学部の何森教授が果糖を希少糖D―プシコースに転換する酵素を発見したことから始まります。その後、二〇〇二年、文部科学省による知的クラスター創成事業に認定され、希少糖の事業化に向けた基盤的研究が、食品、衣料品などの分野への研究が行われたのを契機に、本県は翌年度の一億四千五百万円余りを初め、本年度までの十年にわたり十億円を超える予算措置を行ってきました。結果、希少糖を取り入れた商品開発事例は約七十社、百九十商品にも広がり、ことし七月にはレアシュガースウィートの製造工場が宇多津町に竣工し、年間一万二千トンの生産が可能になりました。  先月十九日に開催された希少糖に関係する産学官のメンバーから成る香川県希少糖戦略会議の初会合では、県から香川大学の希少糖研究部門に対して今年度から平成二十八年度までの四年間に合計八千万円の寄附を行うなど、引き続き希少糖の研究や事業化を加速させる施策を講じていくこと、また、大学の研究者からは、希少糖の持つ多様な機能性を生かして、食品を初め健康・医療、農薬などといった幅広い応用展開の研究が進んでいることなどが報告され、今後とも産学官一体となって希少糖産業の創出に取り組んでいくことが確認されました。  まさに、本県の投資による新たな産業の創出であり、新規創業を促す大きな起爆剤になるものと思います。こうした投資による産業の創出が、今、香川県に必要だと考えます。  そこで、お尋ねします。  十年後、二十年後を見据え、希少糖など、本県の強みを生かした新たな活力と付加価値を生み出す成長産業の育成が必要と考えますが、知事は、希少糖のほか、どのような分野が本県の成長産業となると考え、どのように育成・集積を進めていくおつもりなのか、お聞かせください。  次に、農水産業振興についてお尋ねします。  先ほどの中小企業振興の質問の中でも述べましたように、産業別分類では制度的な法人の取り扱いが変わったとはいえ、第一次産業の事業所、従業員数は唯一ふえております。これは喜ばしいことではあります。ただ、産業という面からこの第一次産業を見ますと、農水産業関係者の所得を初めとする収入部分と、設備、燃料費など、経費のバランスは極めて不安定であることは御承知のとおりです。  これを受けて、本県が現在取り組んでいる農業・農村基本計画でも「産業として自立できる農業の実現」を掲げているところであります。この「産業として自立できる」という意味を考えると、その産業が産業として成立する要件は、まずもって収益を上げられるかということだと考えます。つまり、民間において常に赤字である企業は長く存続できるわけもなく、その集合体である産業は既に産業とは呼べないのではないでしょうか。  では、収益を上げるための手段とは何か。この点を考えるとき、まず大きな要素として挙げられるのが、生産コスト販売ルートの確保であります。農業振興においては、先日の我が党の代表質問で新田議員が「本県において付加価値の高い県オリジナル品種の開発はもとより、高品質を維持するための栽培技術の改善、さらには生産現場におけるコスト削減や省力化を図るための農業技術の開発など、他産地にはない本県独自の技術開発の強化に向けてどのように取り組んでいくつもりなのか」と質問されました。これに対し、知事は「攻めの農業が展開できるよう、国内外に発信できる県オリジナル品種を育成してまいりたい。また、レタスのビニール栽培の省力技術やオリーブの加工技術の開発にも積極的に取り組みたい」と答弁されました。農業の最大の課題とも言える生産過程における膨大な労力を少しでも減らすことは、すなわち生産コストを下げるということであり、収益増加につながることで、早急にこの開発に取り組んでいただきたいと思います。  その開発が進めば進むほど、さらに重要になってくるのが販売ルートの確保であります。生産コストを下げても売り上げが伸びなければ収益は上がりません。御存じのとおり、安倍内閣のアベノミクスの第三の矢となる成長戦略で農業は重要な位置を占めております。まさに、攻めの農業を掲げ、これまで以上に農業に成長産業として重点が置かれています。これはこれでぜひ推進していただきたいことであります。  しかし、これは他の都道府県も攻めの農業に取り組むことであり、結果として北海道や秋田、長野、静岡といった日本有数の農産物生産地と真っ向勝負になることもあり得るわけで、その意味でも、国内における産地間競争は以前にも増して一層激しくなるわけです。この熾烈な産地間競争に本県も勝ち残らなければならないことは言うまでもありません。  しかし、一方で、ほかにはない販売ルートを確保しておく必要もあります。その一つが、海外での販路開拓です。  私の地元三豊市にある産地直売所は、青果輸出を手がける東京の農業ベンチャー企業と提携し、三豊市で生産された旬の野菜などをシンガポールへ宅配するという取り組みを始めました。販売方法は、農業ベンチャー企業がインターネットで注文を受け、三豊市の産地直売所に発注。直売所は高価な桃やイチゴといった旬の果物や野菜を完熟の状態で直接航空便で発送し、翌日には届けるというものです。送料等がかさむため、値段は通常の約三倍にもなるそうですが、シンガポールの富裕層を中心に注文が続いているそうです。  海外への販路開拓については、本県も、せとうち田園都市香川創造プランの中で、経済成長が進むアジア諸国をターゲットにした輸出を進めるとしています。  また、昨年六月の定例会においても、上海線就航一周年の総括として行った航空路線を活用した輸出の促進に関する私の一般質問に対して、知事から「県産品の販路開拓にもつながることが期待される」との航空路線の活用に積極的に取り組まれる旨の答弁がなされたところであります。三月には、シンガポールなど、東南アジアへの中継ルートともなる台北線が就航したことから、高松空港の活用の可能性がさらに広がっています。私は、地元空港の活用は、輸送時間短縮や品質保持の観点から、やり方によっては優位性があるのではないかと考えています。  そこで、県産農水産品の航空路線を活用した輸出の現状について、知事にお伺いします。  そして、先ほど収益を上げるために重要な要素として挙げた生産コスト販売ルートの確保のうち、販売ルートの確保に関して、もう一つ重要なものとして、輸送コストの問題が挙げられます。せっかく生産コストを下げてつくっても、流通段階での輸送コストが割高になってしまえば元も子もありません。  先ほどの三豊市の産地直売所では、販売ターゲットシンガポールの富裕層に絞っているからこそ通常の三倍の価格でも採算がとれるわけで、本県から輸出する品目全てが必ずしも同じターゲットでいけるわけでもなく、可能な限り輸送コストの縮減を図っていく必要があると思います。  そこで、県産農水産品の海外での販売ターゲットをどのように考え、輸送コストの縮減に向けてどのように取り組むのか、地元空港、特に台北線の活用についての御所見をお聞かせください。  次に、人体に影響のある病害虫への対策についてお尋ねします。  先月十三日、私の地元三豊市で特定外来生物であるセアカゴケグモの生息が確認されました。三豊市で生息が確認されたのは初めてのことです。  御存じのとおり、セアカゴケグモは、かまれると最悪の場合、手足の痛みや腹痛、けいれんなどがあらわれる危険な生物です。原産地はオーストラリアなどで、本来熱帯や亜熱帯に生息するものですが、平成七年に大阪府や三重県などで初めて発見されてから急速に全国に広がり、現在では四十七都道府県中二十九府県で生息が確認されています。  本県でも平成二十一年に初めて発見されて以降、坂出市や丸亀市、土庄町など、五市二町、十七カ所で発見されています。被害の方は、本県ではかまれた事例はないそうですが、全国的には七十四件の被害事例があります。幸いにして死亡に至ったことまではないそうですが、セアカゴケグモは十ミリから十五ミリと小さく、どこにいるかわかりにくいだけに、いつ何時被害に遭うかわかりません。特定外来生物といえば、ブラックバスやブルーギルなど、生態系及び農林水産業への被害を及ぼすものとの認識でしたが、人体への被害を及ぼす可能性がある生物についても特定外来生物に指定されていたことを、今回初めて事例として認識できました。  また、特定外来生物だけでなく、最近問題になっているのが、重症熱性血小板減少症候群を引き起こすウイルスを媒介することのあるマダニであります。この重症熱性血小板減少症候群を引き起こす新しいウイルスは、二〇一一年中国で発見されたもので、発症すれば嘔吐や腹痛、さらには意識障害のほか、出血症状を起こし、最悪死に至るというものです。中国では、致死率が六・三から三〇%というものです。この深刻なウイルスを媒介するのが本県のどこにでもいるマダニであり、私の知っている範囲でも友人二人がマダニにかまれています。幸い感染はなかったようですが、全国では兵庫県を初め岡山県、広島県など、十三件で被害があり、平成二十五年九月十三日までに確認された被害患者四十三人のうち十八人が亡くなっているというショッキングな状況です。不幸なのは、このウイルスに対する有効な薬剤やワクチンが今のところなく、治療に当たっては対症療法しかないということです。  地球温暖化や日本の熱帯化がささやかれる中、こうした特定外来生物や新たに特定されたウイルスに対する注意喚起や備えが必要になってくるのではないでしょうか。  そこで、お尋ねします。  本県として、こうした人体に影響を及ぼす病害虫、特に喫緊の対応が必要であるセアカゴケグモ及びマダニに対して、どのような対応と対策を考えているのか、お聞かせください。  次に、二〇二〇年に開催が決定した東京オリンピックパラリンピックへ向けた選手の育成と、そのための指導者の確保についてお尋ねします。  知事は先日の定例会見でも、二〇二〇年オリンピック東京大会で香川県出身の選手が活躍できるよう、選手の育成に取り組みたいと述べています。確かに、ロンドンオリンピック終了後に東京銀座で行われたメダリストのパレードでは、銀座の街を埋め尽くす約五十万人が集まり、東京でのオリンピックパラリンピック招致へ向けた国民的な機運を一気に盛り上げたとも言われています。同じように、香川県出身の選手がオリンピックパラリンピックに出場し、活躍すれば、県民の気持ちを盛り上げ、県全体に元気を与える効果があると思います。  オリンピックで活躍した香川県出身選手の歴史をひもといてみますと、一九三二年の第十回ロサンゼルスオリンピックまでさかのぼります。多度津町出身の遊佐正憲さんが水泳の八百メートルリレーで金メダルを獲得しています。これ以降、一九六四年の東京オリンピックで東洋の魔女と呼ばれた女子バレーの大松博文監督など、三十九人が選手または監督、関係者として参加しています。しかしながら、二〇〇八年の北京オリンピックでは、女子サッカーの「なでしこJAPAN」のコーチとして前田信弘さんが参加されましたが、この北京、そして昨年のロンドンオリンピックでは、残念ながら香川県出身の選手は出場できていません。また、パラリンピックにおいては、正式名称となった一九八八年のソウルパラリンピックからでも、バルセロナパラリンピックに出場した水泳の田邉 晃さんや、シドニー、アテネパラリンピックに出場した卓球の皆見信博さんら、出場選手は四人となっています。それだけに二〇一六年のリオデジャネイロ、そして七年後の東京オリンピックパラリンピックへの本県の選手の出場と活躍の期待が高まるところであります。  特に、七年後の主役になるであろう本県の中学生、高校生は頑張っています。本年度の全国中学総体では、陸上や水泳、それにハンドボールなど、七競技で十一種目が八位以内の入賞、このうち三種目が三位以内となっています。全国高校総体では、十六競技で八位以内入賞が四十五種目、三位以内が二十二種目となっています。  しかしながら、その次のステップとなると、よりハイレベルな指導者を求め県外の学校へ出て、みずからの技術を向上させようとする選手がいるという現状があります。さらに、これらの活動費用はほとんど自費や家族の支援で行われています。逆に言えば、たぐいまれな才能と能力を持ちながらも、それを伸ばす世界レベルの指導者がおらず、また費用がなく、その道をあきらめる選手が出るおそれがあるということです。身体などにハンディキャップを持ちながら、スポーツをきわめようとする選手はなおさらです。  そこで、まず教育長にお尋ねします。
     来るべき東京オリンピックへ向けて、世界に通用する選手育成に向けてどのような取り組みを行うつもりなのか。また、優秀な選手を育てる優秀な指導者を確保するなど、選手が本県を出なくても競技力を向上させることのできる環境をどのようにつくっていくおつもりなのか、お聞かせください。  次に、知事にお尋ねします。  東京パラリンピックへの本県選手の出場と活躍を見据え、今後どのようにして選手養成と指導者育成を行っていくおつもりなのか、お聞きしまして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(水本勝規君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)山下議員の御質問にお答えいたします。  まず、中小企業の振興についてであります。  御指摘のとおり、本県経済の活性化を図り、雇用を確保していくためには、新たに企業を立ち上げようとする創業者や新分野への進出にチャレンジする企業をふやしていくことが極めて重要であります。  このため、県では、かがわ産業支援財団に設置している新事業サポートセンターで、創業に関してアイデア段階から専門家による相談に応じるほか、新規創業融資フロンティア融資による資金面での支援、かがわ中小企業応援ファンドを活用した創業期に必要な研究開発や販路開拓のための助成、香川産業頭脳化センターネクスト香川でのインキュベート施設の提供など、新規創業者に対し、きめ細かな支援を行っております。  また、かがわ次世代ものづくり研究会の活動を通じて、成長分野等の市場状況や技術動向に関する情報提供を行うほか、産業技術センターによる技術支援、大手企業との展示商談会の開催などにより、県内企業の新分野進出を積極的に支援しております。  地域経済の活性化には、創業や新分野進出などの新たな動きが県内企業に広がっていくことが重要でありますことから、今後とも企業のニーズに即した支援策の充実に努めるとともに、金融機関や産業支援機関などと緊密に連携しながら、創業や新分野進出を行おうとする企業が必要とする支援策を効果的に活用できるよう、積極的に取り組んでまいります。  さらに、新規創業を促すためには、中長期的な視点に立って、地域資源や蓄積された技術等を生かして、新たな成長産業を育成することが重要であります。  本年七月に策定した香川県産業成長戦略では、希少糖及びオリーブなども含めた地域資源や伝統技術を活用した特徴ある食品・バイオ関連分野、K―MIXなどを生かした健康関連分野、ナノテクや切削加工など、先端技術や基盤技術を活用したものづくり分野、今後、成長が期待される再生可能エネルギーなどのエネルギー・環境関連分野、六次産業化ビジネスが期待できる高品質な農産物づくり分野、アートや文化資源、瀬戸内海などを活用した観光関連分野の六分野を今後の成長のエンジンとなる分野と位置づけるとともに、希少糖はもちろん、本県ならではの地域資源や技術であるオリーブ、K―MIX、ものづくり、アートをもとにした五つの重点プロジェクトを成長産業を育成するための取り組みとして打ち出しております。  私としましては、こうした分野を中心として、産学官連携や企業間連携を促進し、研究開発や新商品開発、販路開拓、ブランド化のための情報発信などに総合的に取り組むことにより、将来にわたって本県の経済を牽引する成長産業の育成・集積を図ってまいりたいと考えております。  次は、農水産品の海外販路開拓についてであります。  県産農水産品の輸出については、台湾、シンガポール、香港などにおける、日本や日本の食材への関心が高く、購買力が旺盛な富裕層等をターゲットとしており、現地の輸入制度等の実情を踏まえて、特に鮮度が重視されるイチゴや桃、ハマチなどについては航空便を用いて実施しています。  平成二十四年度の県のサポートによる県産品の海外輸出総額は約三千万円であり、このうち航空便を活用した農水産品の輸出額は約六百万円となっております。  なお、本年度は、シンガポール、香港、マレーシア向けの桃、小原紅早生等の取り扱いが伸び、八月までの実績は約三百万円でありますが、昨年同期と比べると三倍となっております。  高松発の航空路線を活用した農水産品の輸出については、本年七月、台北線において貨物の取り扱いが開始されたことから、試験的に、七月には桃、八月にはブドウを、シンガポール、香港、タイなどに、また今月からハマチを輸出して、着荷状況や現地での評価の把握に努めることとしております。  台北線により、台湾はもとより乗り継ぎ便を活用した東アジア諸国への輸出の道が開かれることになりますが、御指摘のように、輸送コストの縮減は重要な課題であります。  このため、貨物取扱量を増加させ、コストの低下を図ることや、コスト縮減の上で最適な取扱量となるよう貨物を取りまとめ、調整を図る輸出商社の役割が重要であると考えておりますので、県内輸出商社に対して、現地バイヤーや輸出の意向のある県内生産者等の情報を提供するほか、商談会や見本市への参画を促し、新規流通の開拓により貨物取扱量が増加するよう働きかけているところであります。  今後、まずは香川県フェアの開催や海外見本市への出展、現地バイヤーや輸入商社等との連携強化に努めるなど、安定的な取引先の確保を目指すとともに、県内輸出商社の調整機能が増進されるよう、積極的に取り組んでまいります。  さらに、農水産品に限らず、加工食品や工業製品についても、高松空港振興の観点も踏まえ、台北線の利用を県内事業者に促し、貨物取扱量がふえ、コスト縮減が図られるよう働きかけるとともに、さまざまな輸出ルートの研究、開拓に努めてまいります。  次は、世界で通用するスポーツ選手と指導者の育成についてであります。  本県においては、これまで障害者スポーツ大会の開催や障害者スポーツクラブの活動助成、障害者スポーツ指導員の養成などを行い、障害のある方が障害の種類や程度、ライフステージに応じ、身近な地域で日常的にスポーツを楽しむことができる環境づくりを推進してまいりました。  一方、競技スポーツとしての選手の育成や競技力の向上については、全国障害者スポーツ大会への代表選手団の派遣のほか、遠征や合宿の費用の一部を助成しているものの、議員御指摘のとおり、大半は家族や競技関係者の献身的な支援に頼っているのが現状であります。  こうした中で、近年、本県出身の選手が国際大会で好成績をおさめるなど、少しずつではありますが、世界で通用する選手も育ってきております。  こうした選手たちがリオデジャネイロや東京のパラリンピックで活躍することは、県民に夢と感動を与え、障害者スポーツへの関心を高めると同時に、障害に対する理解を深めることになると考えております。  このため、今後、障害者団体、競技関係者、市町、教育機関等と連携して、競技力の強化も含め、障害者スポーツの支援体制のあり方について検討してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、健康福祉部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(水本勝規君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)山下議員の人体に影響のある病害虫への対策についての御質問にお答えいたします。  セアカゴケグモについては、平成二十一年九月に坂出市で初めて発見されて以後、県ではセアカゴケグモの見分け方や駆除方法等を解説したチラシを作成・配布するとともに、県のホームページに掲載するなどして、県民に対する注意喚起を行っております。  また、昨年十月には初めて幼稚園で発見されたことから、教育委員会を通して県内の各学校にチラシを配布し、被害予防の徹底を図っているところです。  セアカゴケグモを発見したという情報提供があった場合には、その都度市町の担当課と現地に赴き、管理者の協力を得て、その場所周辺を確認の上、徹底的な駆除を行うとともに、市町から周辺住民へ注意喚起を行っております。  セアカゴケグモにかまれた場合の対策としては、昨年九月、各保健所のほか、県内の全医療機関と消防本部に対し、セアカゴケグモの特徴や治療等に関する情報を周知するとともに、昨年十二月にオーストラリアから輸入した抗毒素血清を県立中央病院に配備し、かまれて重症化した場合にも備えております。  マダニについては、重症熱性血小板減少症候群、いわゆるSFTSなどの感染症を媒介することから、県ではマダニが媒介する感染症に関するチラシの作成やホームページの掲載のほか、県獣医師会と連携して講演会を開催するなど、県民に対する注意喚起を行っております。  また、SFTSについては、本年三月、感染症法上の四類感染症に指定されたことを受け、県内の全医療機関に対し、疑い患者の情報提供と保健所への届け出を依頼するとともに、県環境保健研究センターにおいて、SFTSウイルスの検査体制を整備したところです。  県としましては、今後とも県民への注意喚起を行うとともに、医療機関、保健所、県環境保健研究センターなど関係機関との連携を密にし、病害虫による健康被害対策に積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(水本勝規君)細松教育長。    (教育長細松英正君登壇) ◯教育長(細松英正君)山下議員の世界で通用するスポーツ選手と指導者の育成についての御質問にお答えいたします。  選手の育成については、平成二十一年度から小学生を対象に、スーパー讃岐っ子育成事業を実施しておりますが、今年度からは、ジュニア世代の日本代表選手や全国大会で活躍する県内の中学生、高校生を対象に、高度な練習への参加や専門的コーチの招聘を支援するスーパーアスリート育成事業に取り組んでいるところであります。こうした取り組みに加えて、昨年度から実施している本県出身の日本代表選手等に対するスポーツ日本代表特別強化事業により、世界に通用する選手の育成に取り組んでまいりたいと考えております。  また、御指摘のとおり、中学校や高校の段階から、よりよい練習環境を求めて県外の学校に進学する選手もおりますが、本県では、オリンピックに出場した選手や国民体育大会、その他の全国大会などで活躍した選手が指導者となって、ジュニア期から切れ目のない一貫指導体制を構築するとともに、県内でトップアスリートを目指している選手が県外の優秀なコーチから直接高度な指導を受けられる機会を設けるなど、県内での競技力向上のための環境づくりにも努めております。  今後とも、これらの施策を積極的に進め、二〇一六年のリオデジャネイロオリンピックや二〇二〇年の東京オリンピックに一人でも多くの本県出身の選手が出場し、活躍できるよう取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(水本勝規君)一般質問を続行いたします。  米田晴彦君。    (米田晴彦君登壇、拍手) ◯米田晴彦君 議長のお許しを得まして、六月議会に引き続いて質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、質問に入ります前に、私は地域の再生を何としても皆さんと腹合わせ、心合わせ、力合わせをして果たしていきたい、そんな思いで県議会にやってまいりました。そのためにも、現在、有無を言わさず進行しています経済のグローバル化という動きに対して、地方は明確な対抗軸を持つ必要があるし、持たない限り、地方の再生というのはままならないんじゃないか、こんなふうに考えています。  現政権が進めていますアベノミクスも、また昨日決定されました消費税の引き上げということについても、その一方で、グローバル企業の法人税の引き下げの検討に入る、税金の負担先をただ単に置きかえる、そして無国籍とも言っていい企業のために資するような政策。国益、国益という言葉が盛んに使われるようになりましたけれども、どこに国民に顔を向けた真の国益を追求するような姿勢がとられていると言えるんでしょうか。そんな思いをきのうからきょう、テレビの画面でも、あるいは新聞紙上も、まるで国民のガス抜きをするかのような動きがございますけれども、こんな状況に本当に憤りを覚えますとともに、国民が判断を必要なときにきちっとした情報が提供されて、きちっとした政策決定を主権者として判断していける、そんな環境づくりに私自身はまた汗をかいてまいりたい、こんなふうに思っているところです。  それでは、私はこうしたグローバル化に対抗するローカル化とも言うべき戦略を担う香川の子供たちをどのように育んでいくのか、子育てにかかわる質問を中心に、今議会は行いたいと思います。  一点目は、乳幼児期の子育ちをいかに保障していくのか、保育現場の現状に触れながらお尋ねいたします。  昨年八月、すべての子供の良質な成育環境を保障し、子供・子育て家庭を社会全体で支援することを目的に子ども・子育て支援法など、いわゆる子ども・子育て関連三法が成立しました。  現在、国が策定しようとしている子ども・子育て支援法に基づく基本指針(案)では、「乳幼児期の発達は、連続性を有するものであるとともに、一人一人の個人差が大きいものであることに留意しつつ、乳幼児期の重要性や特性を踏まえ、発達に応じた適切な保護者の関わりや、質の高い教育・保育や子育て支援の安定的な提供を通じ、その間の子どもの健やかな発達を保障することが必要である」、「乳児期におけるしっかりとした愛着形成を基礎とした情緒の安定や他者への信頼感の醸成、幼児期における他者との関わりや基本的な生きる力の獲得及び学童期における心身の健全な発達を通じて、一人一人がかけがえのない個性ある存在として認められるとともに、自己肯定感をもって育まれることが可能となる環境を整備することが、社会全体の責任である」とされ、乳幼児期のかかわりの大切さが強調されています。  さらに、「子ども・子育て支援とは、保護者の育児を肩代わりするものではなく、保護者が子育てについての責任を果たすことや、子育ての権利を享受することが可能となるよう、地域や社会が保護者に寄り添い、子育てに対する負担や不安、孤立感を和らげることを通じて、保護者が自己肯定感を持ちながら子どもと向き合える環境を整え、親としての成長を支援し、子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じることができるような支援をしていくことである」と明記されており、崇高な理念が掲げられています。  このとおりの実践が行われていれば言うことないのですが、実際はこの理念からは余りにもかけ離れた状況にあります。子供たちを預かる現場の懸命な努力、実践は限界点に達しています。掲げる理念を実践できないジレンマに苦しんでいます。  親御さん自身が子育ての不安や孤立感を抱える中で、以前にも増して子供が情緒不安定化し、一人一人の子供とのかかわりにより時間を割かなければならないにもかかわらず、それがままならない状況にあります。子供の発達段階に応じた保育を実施する上で、個々の抱える課題の多さに、以前に国が定めた保育士の配置基準で対応すること自体に困難が生じてきているのではないでしょうか。  ところが、地方分権一括法の中で地方独自で決めることができるようになった際にも、従うべき基準だからと見直しの検討がほとんど行われなかったと聞いています。改善どころか、逆に市町の現場で何が進行したか御存じでしょうか。かつて、現場の声に真摯に耳を傾け、市町が独自で設けていた上乗せ基準がことごとく切り下げられてしまいました。児童福祉施設は、最低基準を超えて、常にその設備及び運営を向上させなければならない。最低基準を超えて設備を有し、または運営をしている児童福祉施設においては、最低基準を理由として、その設備及び運営を低下させてはならないんじゃなかったのでしょうか。県はこうした事態を傍観していたのでしょうか、それともこのように誘導したのでしょうか。  また、県内自治体の保育現場の非正規率は、二〇〇九年の時点で平均六〇%を超え、ひどいところは八割を超えています。本来は、正規職員が受け持つべき組の運営を臨時・非常勤等職員のみで受け持っているケースがふえ、常態化しています。臨時・非常勤等職員を募集しても保育士資格を持った人材が集まらず、障害児の加配を資格のない保育助手が担う園も少なくありません。  事務量が増大し、一日の勤務時間内に終わらせることができず、臨時・非常勤等職員を含め、約九〇%の職員が持ち帰り残業をしているとの結果がある実態調査で示されています。「事務のことが頭から離れず、平日に持ち帰るができない。土日にこそしようとするが、一週間の疲れが出て家でもできない。できないと、できない自分が悪いと自分を責めて、メンタルヘルス不全で長期に休業した」、「持ち帰っても育児もありできない。持ち帰ってできる人がうらやましい」、「事務のことを考えると寝つかれず、睡眠時間がゼロ時間になった」、「日中もまともな休憩をとることもなく追いまくられている」など、保育士は追い詰められています。  保育士を襲う大きな心身への負担、ストレスは、心身の健康を奪い、せっかく積み重ねてきた経験を十分生かすことなく定年前に退職をする保育士をふやし続けています。「質の高い教育・保育及び子育て支援を提供するためには、専門性や経験が極めて重要」と子ども・子育て支援法に基づく基本指針(案)でうたいながら、現実は現場から経験者を駆逐し、専門性を後退させています。大きな損失です。  保育士の資質向上という名目で研修が盛んに行われていますが、研修も子供たちとかかわる時間を奪っています。何のための研修なのでしょうか。本末転倒になっています。  このような現場の過酷さを反映して、保育士が定着せず、経営者は人探しで大変です。今回、県が保育士の資格を持つ人と保育現場を橋渡しする香川県保育士バンクを設立した背景もここら辺にあったのではないでしょうか。新聞報道では、保育士バンクに登録した人は百九十人を超え、設立約一カ月間で五十九人分の求人があり、三人の就職が決まったようですが、なかなか狙いどおりに行っていないのではないでしょうか。人材あっせんの問題だけではなく、保育所で働きたくない、働けない実態があることが根本問題ではないかと考えています。保育職場の労働環境を改善することこそ急務です。  そこで、お尋ねいたします。  県として、保護者の就労状況や労働・生活の実態、子供たちの抱える課題、それを受けとめる保育労働者の就労実態など、保育現場の現状についてどのように把握しているのか。また、地方分権一括法の制定に伴う条例制定時に、どんな検討がなされて保育士の配置基準が決められたのか。そして、その後、何度、香川県児童福祉審議会が開催され、どのようなことがテーマとして議論されてきたのか。さらには、現状を踏まえ、現場の状況を改善するために、公民を貫く保育所の配置基準の引き上げなど、具体的な手立てが必要だと考えますが、現状からどのようにしていきたいと考えているのか、知事の考えをお伺いします。  二点目は、真の学力向上のための方策についてお尋ねします。  先般、全国学力テストの結果が発表されました。静岡県での結果の公表が論議を呼んでいます。ランクづけが好きだなあ、何で一人一人の子供たちにどんな変化や成長があったのかということにもっと関心を持たないのか。そこに教育の教育たるゆえんがあるのになあと思うのですが、寂しい限りです。  順位をつけて追い込まなければ人間は動かない、本当に貧しい人間観だと思います。人間はこんなことでは育たない。何という無駄遣いをしているんだと、伸び伸びと育ってこられたここにおいでの先輩議員諸氏も同様の感想をお持ちなのではないでしょうか。  一九六〇年代、多くの具体的弊害を生み、教育をゆがませたとして葬り去られた学力テストを、六十億円から七十億円もかけてゾンビのように復活、実施する。それも民主党政権時にサンプル方式に切りかえたものを、また全員調査に戻す。教育を商品にしているとしか考えられません。業者を喜ばすだけではありませんか。そんな金があるのなら、教師が子供と向き合える時間を確保するためにこそ費やすべきです。  ところが、県は、全国学力テストに飽きたらず、独自に学習状況調査と称した学力テストを小学校三年生から中学校二年生までの全員に実施しているというではありませんか。全国学力テストの予行演習なのでしょうか。だとしたら、より順位競争を助長させるだけの学力向上とは全く無縁のものであり、ゆゆしき問題です。  そこで、教育長にお尋ねします。  県独自の学力テストにどれぐらいの予算を割き、実施しているのか、その目的と成果についてお答えください。  また、全国学力テストは今回で六回を数えました。課題も明らかになっていると思います。実施の是非も含めて、調査のあり方全般について、県としてどのような総括をしているのか、教育長にお伺いします。  また、学習意欲の低さが指摘されています。気にかかる問題です。それはどこから来るのでしょうか。  保育現場の課題と同様に、学校現場においても、効率重視、サービスの提供者と受け手という考えを学校現場に持ち込んだがゆえに、モンスターも生み出したし、目先の損得にしか目を向けない無気力な子供たちを生み出しているのではないでしょうか。一面的な価値のあるなしに振り回されて、ありのままの自分を肯定できずにもがいている子供たちの閉塞感、息のしづらさが感じられてなりません。  教育委員会が提唱している挨拶運動の現状を見ていてもそう感じます。朝、駅頭で挨拶を続ける私の実感は、ここ数年で悪くなりこそすれ、よくなっていないと感じています。彼らから感じるのは、自分にとって価値のないと判断したことには見向きもしない、そんな感じです。  学力向上には、トータルの子供たちの置かれた環境全般の課題を見据えて対応していかなければならないと考えますが、学習意欲の低下はどこから来るとお考えなのか、そもそも真の学力とは何か、真の学力を上げるために何が必要だと考えているのか、教育長の御所見をお伺いします。  三点目に、私たち会派も推進してきた、いわゆる子宮頸がん予防ワクチン接種の定期接種に関する質問を行います。  子宮頸がん予防ワクチンによる副反応が大きな社会問題となり、連日新聞やテレビで取り上げられました。私たち会派も、子宮頸がんを予防できるとワクチン接種の公費接種を積極的に求めてきた者として大いに責任を感じながら、誤りなき今後の対応策を見出していかなければならないと考えています。  子宮頸がんの主な発症原因は、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染とされていますが、HPV自体はとてもありふれたウイルスで、誰もが感染する可能性があるものの、その九割は自然に排出され、持続感染しても前がん状態で自然に治ることがほとんどだと言われています。まれに発症したとしても、定期的な検診で早期発見すれば、十分治療可能だそうです。ですから、二〇一〇年の国における予算事業開始当時も、その副反応から慎重な対応が主張され、定期検診の推進こそが重要だとの指摘もありました。  そもそもこのワクチンはHPV感染症を予防するだけで、子宮頸がんそのものを予防するわけではありません。しかも、高リスク型(発がん性)HPVのうち、有効なのは一六、一八型のみであり、予防効果は五割から六割と言われています。さらに、厚生労働省みずからが、このワクチンが「最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンス(科学的根拠)はない」とも認めています。それを子宮頸がん予防ワクチンという俗称で広め、中学入学お祝いワクチンなどとして小中学生に奨励した罪は重いのではないでしょうか。  ことし三月までに約三百二十八万人が接種したうち、副反応は千九百六十八人。このうち重篤な事例は三百五十八人にも上っています。同月には、ワクチン接種で子供に「体中に強い痛みやしびれが始まった」、「とんかちで頭を殴られるような痛み」、「九九が言えない」などの深刻な副反応が出たと訴える保護者たちがワクチン被害者連絡会を結成。厚生労働省に対して、接種の中止や副作用の追跡調査などを要請しました。今も多くの学生が被害に苦しんでおられます。  これを受けた国の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の第一回副反応検討部会では、副反応についての十分な医学的データが集まっておらず、因果関係が認められないとして、接種は継続とされましたが、六月十四日の第二回の同部会で接種勧奨の中止が決まりました。でも、これは実施主体である市町村が接種のお知らせや呼びかけを行わないというだけで、定期接種そのものは継続されますから、行政責任を追及されないための苦肉の策としか受けとれません。「早く受けてください」から「お勧めしていません」に変わったということは、選択は受ける側の自己責任になったということでもあります。専門家集団でさえ結論を出せないものを国民に委ねるという態度は無責任と言うほかなく、国民の不安と混乱を拡大させています。千葉県野田市は、安全性について結論が出るまでの間、市内四十の医療機関に接種の見合わせを通達しました。私は、これこそが行政のとるべき態度ではないかと思います。  一方で、日本産科婦人科学会が、八月三十一日、安全性の確認後に接種勧奨を早期再開するよう国に求めることを決めたという報道もあります。  多くの母子が不安を抱えています。被害が拡大してからでは遅いということを過去の薬害の歴史が繰り返し証明しています。予防原則に立ち、お勧めできないワクチンは潔く中止すべきです。小児科医でもある阿部知子衆議院議員の質疑の直後、文部科学省が各都道府県に対し、ワクチン接種に関連した長期欠席児童の調査を指示しました。省庁間で連携して副反応情報を徹底的に掘り起こし、一刻も早く治療法を確立しなければなりません。あわせて、保護者や子供たちに正しい情報を伝える努力と、被害の救済と補償に全力を尽くすことが求められています。  そこで、お尋ねします。  県内における副反応の状況、県民から寄せられる相談の概要、そしてそもそも窓口が十分機能しているかどうか、また、被害の救済と補償についてはどうなっているのか、お聞かせください。  そして、国の勧告以降、香川県はどのような対応をとってきたのか。それに対する県民の反応はどうか。今後、県民の不安を払拭するためにも、香川県も野田市のように国が勧告した「積極的な接種の勧奨を差し控える」という消極的な態度ではなく、安全を確保するために積極的な姿勢を打ち出すべきと考えますが、知事の見解をお尋ねします。  あわせて、国会での質疑を機に文部科学省が行った、既に長期の欠席や休学を余儀なくされている生徒の調査結果の内容について、知事と教育長にお尋ねします。  最後に、大きく分野を異にした質問で締めくくりたいと思います。卸売市場の統合・再編についてです。  ことし八月、長年地域で親しまれてきた丸亀魚市場が坂出魚市場に統合され、閉鎖しました。  中讃地区の水産物の地方卸売市場は、二〇一一年一月に多度津市場が閉鎖され、坂出と丸亀の両市場の統合で、坂出と三豊市詫間の二カ所となりました。  鮮魚流通の多様化や食生活の変化による魚の消費低迷など、地方の魚市場を取り巻く環境が厳しいことは承知しています。二つの魚市場が統合する背景には取引量の減少がありました。県が二〇一二年にまとめた卸売市場活性化基本方針(第九次計画)によると、県内の地方卸売市場の水産物の取扱量は、二〇〇五年度に約一万トンでしたが、二〇一五年度には七千トン規模にまで減少する見通しとのことです。  坂出魚市場は、新会社「海の幸ふれあい市場」を設立し、統合で経営を効率化するとともに、営業日の見直しや一般消費者向けサービスの充実などで生き残りを目指すとのことですが、このような卸売市場の統合・再編の動きに、県はこれまでどのように関与してきたのでしょうか。  また、この卸売市場の統合・再編により、今後どのような影響が生じ、それにどう対処しようと考えているのか、知事にお答えいただきたいと思います。  これまで地域のコミュニティーの一翼を担ってきた町なかの魚屋さんが、これを機にまた姿を消すことにつながるのではないでしょうか。ただ単に郷愁から言っているのではなく、今後、地域再生のビジョンを持つ意味で明確な方針が必要だと考えますが、公設市場の必要性も含めた卸売市場のあり方について、知事はどのように考えておられるのかお聞きして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(水本勝規君)理事者の答弁を求めます。
     浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)米田議員の御質問にお答えいたします。  まず、保育行政についてであります。  近年、家庭や地域を取り巻く社会環境の変化により、子供一人一人の健やかな成長に対するニーズが高まるとともに、子育てに対する社会的支援の重要性が増しております。  このため、県においては、保育所に対する指導監査等を通じて、保護者の就労形態や保育所児童が抱える課題、保育サービスの現状等についての把握に努めているところであり、核家族化の進行や共働き家庭の一般化に伴い、就労形態の多様化等に対応した保育サービスの充実が求められているとともに、保育士に求められる役割も高度化・複雑化していると認識しております。  このような中、保育サービスの量的な拡充のみならず、質の向上が不可欠であり、保育士の資質向上とともに、御提案の人員配置を強化することが効果的でありますが、喫緊の課題として待機児童の解消が求められている現状においては、保育サービスに一定の質を確保した上で、まずは必要な量の確保に取り組む必要があると考えております。  また、第一次地方分権一括法に伴い、保育所の人員・設備・運営の基準についても県条例で定めておりますが、これまでの国の基準を緩和したものはなく、市町や保育現場の意見を丁寧に伺った上で、サービスの質の向上に関する独自基準を設けております。  香川県児童福祉審議会については、この条例の制定後、青少年健全育成や社会的養護を議題として部会を四回開催しており、条例上の基準に係る調査審議はお願いしておりませんが、今後、この基準の検証等については、適宜、諮問してまいります。  県といたしましては、保育サービスの質の確保を図るため、市町が独自の判断で条例上の基準を上回る運営を行うことを認めないわけではなく、保育所の人員、設備及び運営がこの基準を下回ることがないよう、引き続き指導監査等を行ってまいります。  一方、保育士の待遇については、御指摘のとおり、求められる役割に対して十分とは言えない状況にあり、人材確保を困難にしている原因の一つになっていると考えております。  このため、これまでの人材確保策に加えて、今年度新たに安心こども基金を活用した保育士等処遇改善臨時特例事業に取り組み、非正規職員を含めた保育士の処遇改善を図ることとしております。  いずれにいたしましても、保育サービスの量的拡充と質の向上については、保育所の人員基準や保育士の処遇改善等も含め、平成二十七年度に予定されている子ども・子育て支援新制度の施行に向け、国の子ども・子育て会議で検討されておりますので、引き続き国の議論の動向を注視し、県としても努力してまいりたいと考えております。  次は、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種についてであります。  ワクチン接種については、基金事業により接種が始まった平成二十三年一月から本年八月までの間、県内で接種した二万五千三百七十三人、延べ接種回数七万二千百四十二回のうち、県で把握している副反応は、ワクチンとの因果関係が評価不能のものも含め十二例となっております。そのうち十例は回復し、二例は重篤ではないものの、立ちくらみ等の症状が見られる状況であります。  県民からの相談については、接種勧奨の中止以降、県には直接ありませんが、市町の予防接種担当窓口には、予防接種後の副反応の心配や接種期間を過ぎた場合の経過措置などの相談が寄せられております。こうした県民からの相談については、市町が県と連携して対応しており、相談窓口の機能を果たしているものと考えております。  被害の救済と補償については、基金事業として接種していた平成二十二年度から二十四年度までの間は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による医薬品副作用被害救済制度と市町が加入している予防接種事故賠償補償保険により、また、定期接種となった本年四月以降は、予防接種法に基づく健康被害救済制度によりそれぞれ対応することとしておりますが、現時点までに県内で健康被害救済申請が提出された事例はありません。  国からの積極的接種勧奨差し控えの勧告に対する対応については、県では、直ちに市町、県医師会、全医療機関に対して通知を行うとともに、ホームページへの掲載を行い、市町では、ホームページや広報誌のほか、定期接種対象者への個別通知などにより周知を行いました。  現時点でワクチン接種を受ける場合には、医療機関が本人や保護者にワクチンの有効性とリスクを十分説明した上で接種することとなっており、国からの勧告以降は、県内でワクチン接種を受けた方は月三十名程度と大きく減少しておりますが、受ける意思のある方の接種までとめることは適当ではないのではないかと考えております。  現在、国においてワクチンとの因果関係が否定できない持続的な疼痛の調査研究が行われておりますので、県といたしましては積極的接種勧奨を再開するのか、定期接種を中止するのかについての専門家による評価を踏まえた国の判断を受けて、今後の対応を判断してまいりたいと考えております。  なお、文部科学省からの子宮頸がん予防ワクチンの予防接種に関連した欠席等の状況調査のうち、私立学校分につきましては、いずれの学校からも一定期間の欠席が認められる生徒等はいないとの回答があり、その旨、文部科学省に報告いたしております。  次は、卸売市場の統合・再編についてであります。  県内の卸売市場は、中央卸売市場、地方卸売市場など、二十三市場となっており、生鮮食品等の円滑かつ安定的な流通確保の観点から重要な役割を担っているものの、県内の農水産物の生産量の減少や卸売市場を通じない流通の多様化などにより、その取扱量は減少しております。  こうした現状を踏まえ、昨年三月に卸売市場の活性化に向けた農水産物の集荷・供給力の強化などの取り組みや卸売市場の配置の考え方などを示した第九次の香川県卸売市場活性化基本方針を策定し、市場関係者の主体的な取り組みによる卸売市場の統合・再編を促進してきたところであります。  卸売市場の統合・再編により、県産農水産物の取扱量の増大や食の安全・安心へのきめ細かな対応、さらには地域の特性を生かした流通拠点づくりなどが図られることから、県においては、卸売市場における県産農水産物の取扱量の拡大に向け、さぬき讃フルーツなどの県産農産物の生産拡大に努めるとともに、市場関係者と連携した販売促進活動や地産地消の推進などに取り組んでおります。  今後とも、市場関係者と積極的に連携して、県産農水産物の集荷・供給力の強化や食の安全・安心への対応、卸売市場の統合・再編による適正な配置、公設市場を含めた卸売市場の経営基盤の強化など、卸売市場の活性化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(水本勝規君)細松教育長。    (教育長細松英正君登壇) ◯教育長(細松英正君)米田議員の御質問にお答えいたします。  まず、学力向上対策についてであります。  全国学力・学習状況調査は、小学校六年及び中学校三年を対象に、毎年四月に国語、算数・数学について実施し、その前の学年までの学習状況を把握するようになっております。一方、県の学習状況調査は、小学校三年から中学校二年までを対象に、毎年十一月に各学年に応じて国語、社会、算数・数学、理科、英語について実施し、当該年度前半までの学習状況を確認するとともに、毎年、類似問題を一定の割合で出題することで子供たちの学力の推移を把握するようにしております。  その結果については、指導方法の工夫・改善に役立てるとともに、一人一人に応じた指導の充実に活用しております。  なお、予算は、印刷製本費を初め、調査結果入力補助員謝金など、年間一千万円程度であります。  また、全国学力・学習状況調査については、全国的な状況との関係で、本県の児童生徒の学力をきめ細かく把握できるものと考えており、引き続き国において悉皆調査として実施されることが適当であると考えております。  学習意欲については、その指標の一つである「家で自分で計画を立てて勉強していますか」との質問に対し、肯定的な回答をした児童生徒の割合を見ると、平成二十四年度は、小学校で六〇・六%、中学校で四四・九%であり、平成二十三年度よりも上昇しておりますが、学習意欲を向上させるためには、子供のよい点を褒める、励ますなどの声かけの工夫などによって、子供たちにとってわかる授業を実践していくことが必要であると考えております。  また、学力とは、基礎的な知識及び技能の習得と、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、その他の能力を育み、主体的に学習に取り組む態度であると考えており、こうした学力を向上させるためには、私としては子供のやる気に火をつけることが大切であると考えております。  次に、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種についてであります。  本年六月に実施された子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した欠席等の状況調査において、県内公立学校からは、ワクチンの接種に関連して、一定期間の欠席が認められる生徒等はいないとの回答があり、その旨、文部科学省に報告したところであります。(降壇) ◯議長(水本勝規君)一般質問を続行いたします。  氏家孝志君。    (氏家孝志君登壇、拍手) ◯氏家孝志君 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。  質問の第一点目は、大規模地震に備えた防災対策についてであります。  平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災から、早くも二年半が経過をいたしました。しかし、岩手県、宮城県、福島県などの被災地における震災の爪跡は依然として深く、復興はいまだ道半ばといった状況にあると言えます。  「天災は忘れたころにやってくる」とよく言われますが、東日本大震災の記憶は決して風化させてはなりません。また、当然のことではありますが、一般的に災害が少ないと言われている本県におきましても、大規模地震による災害とは無縁ではないわけであります。  政府の地震調査委員会によりますと、四国地方にも甚大な被害をもたらす可能性のある南海トラフで発生する地震に関して、今後、三十年以内にマグニチュード八以上の地震が起こる確率は六〇%から七〇%と予測されていることからいたしましても、まさに近い将来、いつ発生してもおかしくない状況にあると言えます。  このような中、本県では八月二十八日に香川県地震・津波被害想定の第二次公表を行いましたが、今回の公表は、ことし三月の第一次公表で示した震度分布や津波被害想定などをもとに、発災直後の人的・物的被害などについて推計した結果とのことであります。  第二次公表によりますと、中でも南海トラフを震源とする最大規模の地震、いわゆる千年に一度、あるいはそれよりもっと低い頻度で発生する可能性のある「レベル二」とも言われる地震が起こった場合、避難者数は最大で十九万九千人にも上り、このうち、知人宅等の避難所外への避難者を除いた公共の避難所への避難者は、十一万九千人と推計されております。また、数十年から百数十年に一度程度と発生頻度の高い地震、いわゆる「レベル一」と言われる地震に対しての人的・物的被害想定は、最新の知見を踏まえた新モデルの公表の動きがあることから、現時点では公表までには至っていないそうであります。  一方、平成十七年における本県の発表では、南海地震による避難者は全体で一万人とされており、今回の想定では大幅な増加となっております。そこで懸念されるのが、避難所の確保についてであります。避難所の整備は第一義的には市町の役割であると思いますが、市町によっては避難所の収容可能者数が想定される避難者数より不足しているところもあるとお聞きしているなど、大規模地震が発生した際、現在確保されている避難所だけでは十分な対応はできないのではないかと考えられます。  そこで、まず、現在における県内の避難所の指定状況はどのようになっているのか、また、県の地震・津波被害想定を踏まえて、今後において避難所の見直しにどう取り組むのか、知事の御所見をお伺いいたします。  一方で、避難所の整備などのソフト面だけではなく、防災対策に向けた公共施設などのハード面の整備も大変に重要であると考えております。ハード面での対策は、緊急避難路や緊急物資の輸送路となる道路の整備や民間施設・住宅などの倒壊対策が考えられますが、特に、東日本大震災で甚大な被害をもたらした海岸保全施設などの津波被害への対策は最も重要であると考えております。  東日本大震災での津波被害の映像は、我が国の国民だけではなく、世界中に衝撃を与えたことは記憶に新しいところであります。  今回の県の想定では、南海トラフを震源とする最大規模の地震が起こった場合、人的被害は最大で死者数六千二百人と想定されていますが、このうち津波による死者数は四千六百人を占めていることからいたしましても、津波対策は、まさに急務の課題であると言えます。  現在、本県では、高潮対策としての防潮堤の施工が計画に従って鋭意進められているようですが、対象となる潮位や陸側からの引き波による水圧、地盤の液状化など、津波対策としての防潮堤として活用するためには、かさ上げや断面拡幅などの相当程度の手直しが必要となります。さらには、先ほども申し上げましたように、南海トラフを震源とする巨大地震はいつ発生してもおかしくない状況にあることから、その整備に関しましては、特に津波による被害が甚大であることが想定される地域から整備を行っていくなどの優先順位の設定も必要であると考えております。  そこで、現在の海岸保全施設等の津波対策の進捗状況はどのようになっているのか、また今後、現在の高潮対策としての防潮堤の活用方法や整備の際の優先順位の考え方などを含めた津波対策にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二点目は、医療費適正化と国民健康保険の都道府県単位化についてであります。  我が国の医療費は、九月十日の厚生労働省の発表によりますと、平成二十四年度の概算で三十八・四兆円となっております。また、平成十九年度からの五年間で五兆円、一年間に一兆円のペースでふえ続けている状態であるなど、医療費の増加への対応は喫緊の課題となっております。  特に、国民健康保険につきましては、加入者の年齢構成が高く、所得水準が低いことなどの構造的な問題が指摘されており、このままでは運営が困難になるのではないかと危ぶまれております。日本が誇る国民皆保険制度を守っていくためには、公的医療保険制度についても改革を行うことが必要であり、こうした状況の中、六月議会で提案された第二期香川県医療費適正化計画を議会としても承認したところであります。  その計画によりますと、平成二十四年度の県民医療費は三千五百八十二億円と推計されており、平成十七年度からの七年間で約五百億円増加していますが、医療費の増加に伴って平成二十九年度には三千九百八十八億円になると見込まれ、国民健康保険や後期高齢者医療への県・市町の負担は毎年ふえ続け、今後も財政を圧迫していくものと思われます。このことからいたしましても、まさに県としても、これまで以上に医療費の適正化に適切に対応していくことが重要ではないかと感じております。  また、各市町におきましても、医療費の適正化について鋭意取り組まれております。その事例の一つといたしまして、例えば、まんのう町では、職員みずからが自治会の集会所などに出向いて、医療機関への適正受診やジェネリック医薬品の使用促進などの説明に回ったり、公用車に「風邪ひかず怪我するな」と書いたシールを張るなど、広報活動にも力を入れる等により住民への啓発に努めた結果、国保の医療費が下がっているとのことであります。  このように市町が独自で積極的な取り組みを行っているところもありますが、市町それぞれの自主的な取り組みに任せるだけではなく、各市町のすぐれた取り組みをもっと他の市町にも普及させていくことも県の役割の一つではないかと考えております。  そこで、県として医療費適正化に具体的にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、県の役割という観点におきましては、国の社会保障制度改革国民会議の報告書では、国民健康保険に係る財政運営の責任を担う主体、いわゆる保険者を都道府県としつつ、国民健康保険の運営に関する業務について、都道府県と市町村が適切に役割分担を行い、分権的な仕組みを目指すべきとされているところであります。保険者のあり方については、さまざまな意見があろうかと思いますが、私はかねてからその財政単位を市町としている現行の国民健康保険制度では、特に小規模な保険者では財政が不安定になりやすいことや、医療機関の偏在による医療給付費の差異が大きいなどの多くの構造的な問題を抱えていることから、その運営を広域化すべきと考えておりましたので、今回の国の方針につきましては大いに賛同いたすところであります。  一方、私も町議時代に委員をさせていただいておりましたが、現在の国民健康保険は運営協議会という専門家や住民代表などから構成される場で合意を得た上で、議会へ予算書と保険料の条例が提案されているなど、民意をより入念に問うすぐれた仕組みとなっており、保険者が都道府県単位となった場合におきましても、このようにすぐれた仕組みを構築しておく必要があるものと考えております。  さらに、先行して広域化されている現在の後期高齢者医療制度は広域連合での運営となっておりますが、一千三百億円もの巨額な費用が動いているにもかかわらず、住民の方々の代表である県や市町議会への詳細な報告もないなど、広域連合の仕組みには多くの問題点が存在しております。このことからいたしましても、たとえ国保が都道府県単位化されることになっても、責任が曖昧になりがちな広域連合とするべきではないと考えております。  そこで、国保の都道府県単位化について、その運営形態や民意を十分に生かした組織とするために、県としてどのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三点目は、国際観光の推進についてであります。  先日の我が党の代表質問でもありましたように、国際観光は我が国の成長戦略の重要な柱であります。政府の日本再興戦略におきましても、日本が国際的強みを持ち、グローバル市場の成長が期待できる四つのテーマを選定しておりますが、まさにその戦略分野の一つが国際観光であります。同戦略では、二〇三〇年における訪日外国人旅行者数が三千万人に達することを目標として掲げているほか、訪日外国人旅行者の国内消費額を四・七兆円にふやし、また、これによって雇用を三倍以上に増加させる計画を盛り込んでおります。  今後、目標の達成に向けて、それぞれの地域におきましても、観光資源などのポテンシャルを生かし、世界の多くの人々を地域に呼び込む社会の実現を目指す必要性があるものと考えております。  先日、二〇二〇年の東京オリンピック開催が決定をし、これを機に訪日外国人客の大幅な増加が見込まれるところであります。さらには、十二月からLCCによる高松・成田線の就航が決定しましたことから、首都圏に訪日した外国人観光客を本県に呼び込みやすくなる環境が整ったわけであります。また、高松空港におきましては、国際線も一定の整備がなされた結果といたしまして、訪日外国人客が本県を訪れるためのアクセス面での利便性は確保されつつあると言えます。  しかし、今後において訪日外国人客をめぐっての地域間競争が激化することが予想される中、本県がその競争に勝ち残るためには、本県へのアクセスの利便性だけではなく、訪日外国人客のニーズに対応した滞在環境の面における整備も並行して進めていくことにより、お越しいただいた外国人観光客に、快適に過ごしながら香川の魅力を十分に味わっていただけるようにしていくことが重要であると考えております。  そのためには、例えば公共交通機関を利用してきた訪日外国人客が迷うことなく目的地までたどり着けるような計画的な外国語表記のなされた標識や案内看板などの充実や、通訳や多国語対応のパンフレットの配置などの外国人に対応した観光案内所の拡充も図るなど、日本語がわからない外国人でも容易に県内を周遊することができる体制を整えておく必要があるのではないかと考えております。  また、最近では、旅行先においてスマートフォンなどの携帯端末を利用する人がふえてきており、これに対応して観光情報などのスマートフォン用のアプリケーションソフトについて、多言語で提供している例も多く見られるようになってまいりました。訪日外国人客の旅行形態が団体旅行から個人旅行へと変遷していることを考えますと、個人が、いつでもどこでも必要な観光情報や交通情報にアクセスできるような環境を整えることが重要でありますが、こういったソフト面での対応であれば、それぞれのニーズに合ったきめ細やかな情報提供も可能であると考えられます。  そこで、まず、標識や案内看板などの外国語表記や外国語対応のパンフレットの作成、さらには観光に関するインターネットサイトにおける外国語の対応など、本県を訪れる訪日外国人客の滞在環境の整備について、これまでにどのように取り組んでこられたのか、また今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、海外からの観光客誘致のためには、受け入れ態勢の整備とともに、当然のことではありますが、海外へ向けての観光PRも大変に重要であります。観光PR活動に関しましては、現在、台湾や韓国等で鋭意行っており、特に台湾につきましては、訪日観光客数の増加等の大きな成果が挙げられております。  また一方では、シンガポールや台湾、香港などの高級品志向の高まっている東アジア各地において、本県を代表する県産品の販路開拓のための見本市や商談会への参加、さらには海外店舗等における県産品フェアを行っているところであります。  そこで、本県の食の魅力や土産となるような県産品のPRの場である海外での県産品フェアなどにおいて、観光のPRもあわせて行うなどの取り組みも重要であると考えております。観光旅行に食事やお土産は欠かせないものであり、両者をセットでPRすることで相乗効果も期待できますし、限られた海外でのPRの機会を十分に活用できるのではないかとも考えております。  また、現在、多言語で作成されている四国や香川の観光パンフレットがありますが、こちらにつきましても本県の食や県産品についての情報を現時点以上に掲載すれば、香川の魅力をより一層発信することができるものと考えられます。  そこで、訪日外国人客の誘致に向けた海外での県産品フェアの活用や観光パンフレットの充実などの県産品PRと観光PRの連携について、どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四点目は、耕作放棄地対策についてであります。  昨今の本県の農業を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあると言えます。特に、本格的な少子高齢社会の到来を背景に、農業従事者の高齢化が大きく進んでいる状況にあります。  それに起因をして、本県では、耕作条件の悪い中山間地や島嶼部のみならず、比較的条件に恵まれている平野部におきましても、耕作放棄地が発生をしております。国の耕作放棄地状況調査によりますと、平成二十二年における本県の耕作放棄地の面積は五千四百四十ヘクタールとなっており、また耕地面積に占める割合も一七・〇%と、全国平均の八・六%に比べて二倍近くとなっているなど、大変に深刻な状況にあると言えます。  耕作放棄地の増加は、農業・農村の衰退だけではなく、病害虫の発生や防犯の観点からも、周辺住民に迷惑をかけることとなります。したがって、その拡大に歯どめをかけることは大変に重要な課題であると考えております。  私も農家の実態を聞く機会がありますが、高齢の農業者が後継者がいないため作付をすることができず、やむを得ず高いお金を払って他の農業者に耕起や除草、さらにはお金を払って作付まで委託しているという話まで聞こえてまいります。  一方で、耕作放棄地の拡大を食いとめるため、独自の特色ある取り組みを進めている市町もあります。例えば善通寺市では、公益財団法人である善通寺市農地管理公社を活用し、継続して作付ができない市内の農地の管理を公社が受託し、公社が契約するオペレーターが公社所有のトラクターを使用して、十アール当たり一万円という料金で耕起・草刈りを行っているとのことです。詳細は異なりますが、同様の取り組みは綾川町でも行われております。その他にも、平成二十一年の改正農地法により、各市町の農業委員会による利用状況調査も鋭意実施されているなど、耕作放棄地の減少に向けた地道な取り組みが各地で行われております。  このような中、県では農地の荒廃化を食いとめるため、集落営農の推進や、地域の共同活動による農地や農業用施設の保全管理を行う農地・水保全管理支払事業などに取り組んでいるとお聞きをいたしております。しかし、本県の耕地面積三万一千七百ヘクタールのうち、農機具の共同利用や共同で計画的な作付を行っている集落営農組織の占める農地面積は約四千八百ヘクタールと、全体の約一五%、また、農地・水保全管理支払事業に取り組んでいる組織の占める農地面積は約七千四百ヘクタールと、全体の約二三%であるなど、十分に浸透し切れていない状況にあると言えます。  さらには、質問の冒頭でも申し上げましたように、主に農業に従事する者の高齢化も非常に深刻な状況であり、平成十七年におけるその平均年齢が六十七・八歳であるのに対して、平成二十二年は六十九・四歳と、五年間で一・六歳上昇しており、これは若年層の新規就農者が近年は増加傾向にあるとはいえ、依然として少ない状況であることをあらわしているわけであります。  このように非常に厳しい状況を考えますと、やはり行政として一歩踏み込んだ施策が必要ではないかと考えております。例えば、公社などが作付ができない農地を集約し、作付していただける農業者に引き渡すまでの間の農地管理を行うことなどが考えられます。また、その管理には、シルバー人材センターの活用などにより、生き生きとした地域づくりにも貢献できるものと考えております。また、国では平成二十六年度予算概算要求の中で「農地中間管理機構による集積・集約化活動」を掲げているなど、今後の国などの動きを見据えた取り組みも重要になってくるものと考えております。  そこで、まず農地の荒廃化を食いとめるため、これまでにどのような取り組みを行ってきたのか、知事にお尋ねをいたします。  また、今後、農地の荒廃防止に関してどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いして、私の一般質問を終えさえていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(水本勝規君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)氏家議員の御質問にお答えいたします。  まず、防災対策のうち避難所の確保についてであります。  現在、市町が指定している避難所は九百五十一カ所で、総収容人数は約二十六万人となっており、そのうち南海トラフを震源とする最大クラスの地震が発生した場合の県の被害想定において、浸水区域外となる避難所は八百十五カ所で、その収容人員は約二十二万人となっております。  一方、避難所への避難者数は、御指摘のとおり、最大で十一万九千人と推計しており、全体としては浸水区域外の避難所の収容人員の範囲内でありますが、御指摘のように、地域によっては現状の避難所では避難者の受け入れが困難になるところもあると考えております。  また、避難所については、本年六月に災害対策基本法が改正され、市町は想定される災害等を勘案し、政令で定める基準を満たす施設を指定避難所として指定しなければならないとされております。  このため、市町においては、現在の避難所が基準に適合するか検証した上で、一定の生活環境が確保された避難所の量的な確保を図るとともに、避難所の指定状況を地域防災計画や防災マップなどに反映し、住民の方々への周知や避難訓練の実施により、災害時の避難行動に生かす必要があると考えております。  県といたしましては、学校等の県有施設を避難所として提供するほか、避難所の確保を含めた避難体制の整備について、香川大学危機管理研究センターと連携して助言を行うとともに、避難所における良好な生活環境の確保や安全な避難誘導が図られるような方策についても検討するなど、市町への積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。
     次は、国際観光の推進のうち、県産品PRと観光PRの連携についてであります。  海外でのキャンペーン活動などにおいて県産品と観光をあわせてPRすることは、地域の魅力を総合的に発信できることから、その効果は高く、また経費など、効率性の面でも非常に有効であると考えております。  そのため、海外での物産展においては、これまでも機会を捉えて県産品とあわせた観光のPRに努めているところであり、本年五月のシンガポールにおける物産展では、観光キャンペーンを合同で実施したほか、七月には台湾で物産展と讃岐うどんをテーマにした観光キャンペーンを連動して実施し、私も参加いたしましたが、八月には上海での物産展において観光パンフレットの配布等を行い、観光をPRいたしました。  今後は、本年十月及び十一月に計画している台湾での物産展において、観光と連携してこのような取り組みをさらに充実させるとともに、御指摘のありました観光パンフレットについても、改訂等のタイミングに合わせ、本県の食や県産品の情報をこれまで以上に充実させてまいりたいと考えております。  また、観光PRに際して、讃岐うどんを初め、さぬき讃フルーツやオリーブハマチなどの県産品は、海外において香川のイメージを形づくる上で非常に有効な素材でありますことから、これらを十分に活用し、本県の魅力を一層効果的に発信してまいりたいと考えております。  次は、耕作放棄地対策についてであります。  農業従事者の減少や高齢化の進行などにより耕作放棄地が年々増加し、より一層の拡大が懸念されている中、御指摘のとおり、耕作放棄地がこれ以上増加しないよう取り組んでいくことは重要な課題であると考えております。  このため、県では、地域の農地を地域ぐるみで維持管理できるよう、集落ごとの話し合いを通じて集落営農組織の設立を促進しており、その設立に向けて重点推進地区を設定し、農業改良普及センターが市町と連携して集中的な指導・支援を行うとともに、今年度、県独自の施策を拡充し、集落営農組織に対する農地の集積を促進するための助成や機械施設の導入に対する助成などを行っております。  こうした取り組みにより、集落営農組織は昨年度十四組織増加するとともに、今年度は昨年度以上の新たな設立が予定されております。  また、県内二百二十一地区において、農地・水保全活動組織が設置され、農業者を初め自治会など、多様な主体の参画により、草刈りや、いでざらいなどの取り組みが行われております。  さらに、農地として利用すべき耕作放棄地については、新規就農者や農外企業などの参入を促進するとともに、草刈りや抜根などの再生作業やオリーブの植栽、果樹棚の整備に対する助成措置などにより、その再生活動を推進しております。  今後、集落営農の推進を一層強化し、県農業・農村基本計画に掲げる平成二十七年度目標の二百五十組織を設立できるよう取り組むとともに、市町や関係団体と連携し、農地・水保全活動組織の拡大や活動の活発化などを積極的に促進してまいります。  また、県においては、農地の有効活用に向けて、認定農業者や集落営農組織などの担い手の規模拡大や、農地利用の集積をより一層促進するため、新たな農地集積計画の作成や農地集積専門員の配置、農地集積交付金制度の拡充などについて、踏み込んだ検討を進めているところであります。  さらに、御指摘のように、現在、国においては農地の中間受け皿として県段階に農地中間管理機構を整備することとし、その具体的内容の検討が進められております。  今後、県としての新たな取り組みとともに、農地中間管理機構を活用することにより、担い手への農地利用の集積を加速化するなど、農地の有効活用と荒廃防止に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、担当部局長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(水本勝規君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)氏家議員の医療費適正化と国民健康保険制度についての御質問にお答えいたします。  急速な高齢化の進行などにより医療費がふえ続けており、医療費を支えている保険料、税金、患者負担といった国民の負担が大きくなっています。  こうした中、県民が良質で適切な医療を安心して受けられるためには、国民皆保険制度を将来にわたり持続させることが必要であり、県としては、医療費適正化計画に基づき、生活習慣病の予防対策、がん検診や特定健康診査の推進、高齢者の健康維持などの「健康を保ち、向上させる施策」と、医療機関の機能分化と連携の推進、在宅医療の充実などの「医療を効率よく提供する施策」を積極的に推進してまいります。  具体的には、御指摘のように、保健師を中心とする出前講座やわかりやすいスローガンを掲げての住民への意識啓発等により、保険給付費を対前年度比六・四%削減した実績を挙げた、まんのう町の取り組みなど、県内外における優良事例や先進的な取り組みについて、他の市町でも具体的な施策として取り入れられるよう、国民健康保険団体連合会とも連携・協力しながら、積極的な普及に努めてまいります。  また、社会保障制度改革国民会議の報告書では、国民健康保険の保険者の都道府県への移行に言及していますが、制度設計に当たっては、県と市町の役割分担や財政基盤の強化がその前提条件であり、御提言の民意を生かした組織や明確な責任体制など、運営形態について十分留意する必要があると考えております。  このため、県では、県、市町、国保連合会を構成員とするワーキンググループを設け、取り組むべき課題などについて整理、検討することとしており、持続可能な医療保険制度となるよう、全国知事会とも連携して国との協議を十分に行ってまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(水本勝規君)細谷土木部長。    (土木部長細谷芳照君登壇) ◯土木部長(細谷芳照君)氏家議員の防災対策の御質問のうち、海岸保全施設などの津波対策についてお答えいたします。  防潮堤などの海岸保全施設の高潮対策については、現在、津波・高潮対策整備推進アクションプログラムに基づき、関係市町とともに積極的に取り組んでおります。  平成二十六年度を完了目標とするI期計画については、平成二十四年度末の進捗率が県全体では八一%となっており、今後とも早期の整備に向けて努力してまいります。  また、津波対策については、政府の中央防災会議が取りまとめた南海トラフ巨大地震対策の最終報告によりますと、発生頻度は比較的高く、津波高は低いものの、大きな被害をもたらす津波、いわゆるL1津波を基本とし、環境保全や費用対効果等も考慮しつつ整備を行うこととされており、これを超える津波が海岸堤防等を越流した場合でも、施設の効果が粘り強く発揮できるような整備が重要であるとされています。  このことから、現在、海岸保全施設や水門、堤防などの河川管理施設がL1津波の津波高よりも高く整備されているかどうか、また、このような津波を生じさせる地震でも、これら構造物の安定性が確保されるかどうかなどについて検証を行っております。  なお、国においては、最新の知見を踏まえた南海トラフの発生頻度の高い地震、いわゆるレベル1地震の新たなモデルの検討が行われていると伺っており、今後、国から公表される新モデルについても検証してまいります。  検証の結果、L1津波に対する高さが不足する場合は、これまでに高潮対策で整備した防潮堤等を活用し、かさ上げを行ってまいります。  また、L1津波を超える津波が防潮堤等を越流した場合でも、すぐに壊れないように粘り強く効果が発揮できるような対策工法の選定など、具体的な検討を行ってまいります。  さらに、本県の重要な拠点については、最大クラスの巨大な津波、いわゆるL2津波に対し、重大な被害の発生を回避する観点から、その対応策について検討したいと考えております。  整備に当たっては、津波浸水想定区域内の地盤高や人家連担状況、学校や病院等の重要な公共施設の立地状況などを考慮しながら、優先度を検討したいと考えております。  今後、早期に検証を終え、市町や学識経験者などの御意見もお伺いしながら、津波対策の実施方針や実施計画を定め、計画的な整備を行い、県民の皆様の安全・安心の確保に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(水本勝規君)岡観光交流局長。    (観光交流局長岡 輝人君登壇) ◯観光交流局長(岡 輝人君)氏家議員の国際観光の推進の御質問のうち、外国人観光客の受け入れ態勢の整備についてお答えいたします。  高松空港では、ソウル、上海、台北線に加え、新たに成田線が開設され、外国人観光客を誘致する環境整備が大きく進展する中、東京オリンピックパラリンピックの開催が決まり、より一層期待が高まる反面、地域間競争のますますの激化も予想されるところであります。  このような中、外国人観光客の受け入れ態勢の整備をさらに推進し、香川の観光は魅力的であり、滞在しやすいという評価を定着させることが重要な課題となっております。  このため県では、これまで駅や港を初め、道の駅や公共施設における英語表記の観光案内板の設置や、英語、韓国語、中国語など、五カ国語での歓迎表示板の設置、サンポート高松における多言語での誘導サインやバス停表示の設置、高松中央商店街での外国人向け観光案内所の設置、空港や観光案内所への通訳の配置、五カ国語での観光パンフレットの配布や公式観光サイトうどん県旅ネットでの情報提供など、外国人観光客の立ち寄り先やそれぞれの行動を想定しながら、外国人観光客の利便性の向上を図ってきたところであります。  また、特に、本年は瀬戸内国際芸術祭二〇一三の開催に伴い、県内を訪れる外国人観光客がスマートフォンで容易に情報を取得できるよう、Wi―Fiが使える環境整備にも努めてきたところであります。  今後は、どの国からどのような観光需要が見込めるのか、また観光客の具体的な要望などをさらに調査分析しながら、個人旅行者向けのパンフレットの配布や国際観光案内所の充実、通訳の配置などに取り組むとともに、うどん県旅ネットでの情報提供、インターネット環境のより一層の充実を図るなど、外国人観光客に評価される滞在環境づくりに全力で取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(水本勝規君)理事者の答弁は終わりました。    (互礼) ◯議長(水本勝規君)暫時休憩いたします。                            午後零時零分休憩                            午後一時八分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    辻  村     修 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    高  田  良  徳 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    宮  本  欣  貞 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    水  本  勝  規 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  西  原  義  一 君           総 務 部 長  荒  井  陽  一 君           環境森林部長   工  代  祐  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   川  池  秀  文 君           土 木 部 長  細  谷  芳  照 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  松  尾  恭  成 君           観光交流局長   岡     輝  人 君           水 道 局 長  丹     睦  宏 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  泉  川  雅  俊 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  細  松  英  正 君           公安委員会委員  伊  賀  三千廣  君           警察本部長    筋     伊知朗  君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  高  木  康  博 君           事 務 局 長
              人事委員会    桑  城  秀  樹 君           委  員  長           人事委員会    高  畠  正  博 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           理 事 (兼)  羽  白     淳 君           政策部次長    ─────────────────────────────    (互礼) ◯副議長(辻村 修君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  松原哲也君。    (松原哲也君登壇、拍手) ◯松原哲也君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を始めさせていただきたいと思います。  来る二〇二〇年、日本が心から待ち望んだオリンピックが再び東京にやってきます。九月八日早朝、二〇二〇年夏季オリンピック開催地決定の瞬間を私はテレビの前で見守っていましたが、IOCのロゲ会長が、東京と読み上げたとき、日本中が歓喜に満ちあふれ、まさに一つになった瞬間でございました。  夢と希望の象徴であるオリンピックは、日本の明るい未来をつくる大舞台であります。既に幾つかの課題も挙げられておりますが、ワン・フォア・オール、オール・フォア・ワンのチームプレーで取り組み、日本が一つになることで大会を大いに盛り上げ、そして成功につなげていかなければなりません。そして、それは同時に、昨今の日本を取り巻く経済不況、外交、地域力低下などを克服していく絶好の機会になるのだと思います。  「おもてなし」、ことしの流行語の一つにもなりましたが、日本には人を敬い、大切にするこのおもてなしの文化があります。また、私たち四国には、お接待という風習も今なお残っています。これら清く受け継がれてきた日本のすばらしい文化と心を世界中の人々に改めて理解を深めていただくのも、オリンピックが日本で開催される上で大きな意味を持っているものと思われます。  来週十月十日は、一九九九年までは体育の日として国民の休日に設定されておりましたが、一九六四年、東京オリンピックの開会日でもありました。あれから五十六年ぶりの開催となりますが、二回目のオリンピック開催がさまざまな面から日本再生の活力となり、日本力を高める契機となりますことを心から御期待申し上げまして、一般質問に入らせていただきたいと思います。  まず初めに、婚活支援策の推進についてお伺いいたします。  少子化の進行による人口構造の変化は、経済成長に対するマイナスの影響や地域社会の活力の低下、将来にわたっての社会保障制度の基盤の維持など、多方面で懸念が表されています。  これは香川県も例外ではなく、一人の女性が一生の間に産む子供の数をあらわす合計特殊出生率は一・五六と、全国上位の十位であるものの、現在の人口を維持する水準と言われる二・〇七を大きく下回っており、出生数も近年は八千人台と、深刻な少子化が進行しております。また、将来人口推計によると、本県の年少人口が平成二十二年の十三万二千人から平成五十二年には八万人を下回り、労働力人口も平成二十二年の約六十万人から平成五十二年には約四十万人に減少する見通しであります。  少子化の大きな原因の一つとして、晩婚化の進行や未婚率の上昇があると考えます。  本県の平成二十四年の平均初婚年齢は、男性三〇・一歳、女性二八・七歳で、全国平均より男性は〇・七歳、女性は〇・五歳低いものの、昭和六十年と比べ、男性で二・八歳、女性で三・八歳上昇しており、また同じく本県の三十から三十四歳での未婚率は、平成二十二年には、男性が四三・二%、女性が三一・二%と、男女とも昭和六十年に比べ二〇ポイント以上上昇しています。つまり、本県においても晩婚化が進行し、未婚率が上昇していると言わざるを得ません。  国立社会保障・人口問題研究所が報告した全国調査の結果によれば、結婚した夫婦の希望する子供の数は平均二人以上となっており、夫婦が最終的に出生する子供の数の平均は、妻の結婚年齢が二十から二十四歳の夫婦では二・〇八人であります。しかし、三〇から三十四歳で結婚した場合には、これが一・五〇人となっており、晩婚化は夫婦の平均出生子供数を低下させることが明らかになっています。  また、この調査のうち、未婚者の結婚の意思についての調査では、男女とも九割近くがいずれ結婚するつもりと答えており、独身でいる理由については、一八から二十四歳の若い年齢層では、「まだ結婚するには若過ぎる」、「仕事・学業に打ち込みたい」など、結婚する積極的な動機がないことが理由として多く挙げられております。一方、二五から三十四歳の年齢層になると、「適当な相手にめぐり会わない」が最も多く、約半数となっています。  このようなことから、若者の出会いの機会をつくるためのイベントが県内各地で行われています。私の地元である三木町においても結婚支援の取り組みとして、商工会などが主体となって、毎年さまざまな工夫をした、いわゆる婚活パーティーを開催しており、本年も十一月に開催予定と聞いております。気に入った相手を見つけることに一定の成果が上がっているようであります。  一方、国においては、現下の少子化という中で、特に結婚・妊娠・出産・育児というところに焦点を当てた検討を始めており、本年三月から、少子化対策担当の内閣府特命担当大臣主催で、少子化危機突破タスクフォースが開催されました。五月に取りまとめた少子化危機突破のための提案の中で、緊急対策として示された三本の矢の一つとして、結婚・妊娠・出産支援が打ち出されたところです。これを受けて、内閣総理大臣をトップとする少子化社会対策会議でも、これらを推進する決定が六月七日になされました。  また、本年八月に取りまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書を受けて行われた八月二十一日の閣議決定の中でも、社会保障制度を持続させ、その基盤を維持するための少子化対策の総合的な実施として、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じた支援が挙げられるなど、結婚支援の必要性についても言及されています。  本県においても、出会い応援団事業として結婚支援がなされているところですが、少子化の原因となっている晩婚化の進行や未婚率の上昇を抑制するために、早期の結婚を促したり、結婚のきっかけづくりをするなど、積極的に結婚への支援を推進していく必要があると思います。  そこで、結婚支援についてのこれまでの取り組み状況とその成果、また、今後どのように取り組んでいくのかについて、知事にお伺いいたします。  次に、香川の希少糖ブランドの確立についてお伺いいたします。  突然ですが、皆さん想像してみてください。朝から晩まで、ケーキやお菓子など、甘いものを思う存分食べられる毎日。また、こんなことも想像してみてください。肥満の心配のない自由な食事、少しぐらい食べ過ぎても問題ありません。もうこれでメタボリック・シンドロームで悩むこともありません。それらがもうすぐ現実のものとなります。少しオーバーな表現かもしれませんが、それくらいの可能性を秘めているのが、この夢の糖とも言われる希少糖です。  希少糖とは、その名のとおり自然界に微量しか存在しない単糖、つまりは最小単位の糖であり、量が少ない反面、約五十種類と種類が多い自然の糖でございます。  そして、希少糖には、食後の血糖値上昇や血圧上昇、脂肪蓄積などが抑えられ、また動脈硬化予防にも効果があるなど、さまざまな効果、作用が報告されており、現在、日本では三人に二人の割合で亡くなる原因になっている生活習慣病対策の一つとしても大きな期待が寄せられています。  この希少糖については、一九九一年のある日偶然、香川大学農学部のキャンパス内で何森 健教授が希少糖をつくる微生物を発見し、この微生物が生産する酵素を用いることで、果糖から希少糖D―プシコースを世界で初めてつくることに成功しました。さらに、その酵素の発見により、希少糖を体系的に生産するシステムであるイズモリングが考案され、全ての希少糖の生産が可能になりました。その教授による大発見がきっかけで、希少糖開発研究の道が開かれ、その後、大量に生産されたD―プシコースから他の希少糖D―アロース及びD―タガトースをつくることができたことで、さきに述べた希少糖の効果・作用など、多くの発見につながりました。  そして、これら研究と成果は、これまで十数年間にわたり、香川大学を中心に、企業と国や県も加わり、産学官連携のもと、研究開発が進められてきた結果の今日までの成果であり、今後も三者のより一層の連携を深め、さらなる成長へとつなげていく必要があると思われます。県としても、積極的な推進と惜しみない協力を続けていただき、希少糖産業の発展と成長に向けて引き続き取り組んでほしいと思います。  先日は、地元三木町小蓑にある希少糖研究研修センターでズイナ研究室が新設されましたが、このズイナとは、希少糖D―プシコースを含む「希少糖の木」と呼ばれるもので、他に同様の植物は発見されていません。今後、小蓑地区でズイナプロジェクトとして培養され、研究が重ねられる予定ですが、この地元発の新規プロジェクトの挑戦にも大きな期待が持たれます。  さて、希少糖は人々の健康に寄与する価値あるものとして、医薬品や食品の原材料としてさまざまな形で利活用されていくことが期待されているわけですが、ここで大切なのは、この夢の糖、希少糖が香川で発見された、正確に言うと、三木町の大学校内で発見されたことが起源になっているということのPRをいかに行っていくかということでございます。  三木町発の香川の希少糖であるということを広く確立していくことで、讃岐うどん、オリーブなどにかわる新たな香川県のオリジナルブランドが誕生することになり、経済成長及び地域活性化にもつながる絶好の機会になると考えます。  県においては、先般九月十九日、第一回香川県希少糖戦略会議が開催されました。香川県産業成長戦略の重点プロジェクトに位置づけられる、かがわ希少糖ホワイトバレープロジェクトの効果的な推進のため設置された同会議ですが、香川の希少糖が本県産業の成長への切り札になるべく、その先導的な役割を期待したいと思います。  また、香川の希少糖ブランドの確立に向けた取り組みとしては、これまで東京都丸ノ内ホテルにて希少糖セミナーを開催しており、今月九日からはパシフィコ横浜で、来年三月四日からは幕張メッセのイベントで出展を予定するなど、首都圏でのプロモーション活動も積極的に行っていくと聞いています。  そして、来年三月には、国際希少糖学会とともに、かがわ希少糖フェア二〇一四がサンポート高松で開催が予定されているとも聞いています。  それらを含め、今後も香川の希少糖が世界規模で認知されるように、香川県イコール希少糖、発見・起源イコール三木町として広く周知していくことに努めていただき、その活動こそが地元産業の活性化、地域おこしにつながっていくものと思います。  そこで、知事にお伺いします。  香川の希少糖ブランドの確立に向けての現在の取り組み状況と今後の予定、また方針についてお聞かせ願います。  次に、さぬき讃フルーツの生産振興についてお伺いいたします。  本県の園芸作物については、肥沃な土壌、温暖な気候など、恵まれた条件の中で昔から盛んに栽培され、レタスやイチゴ、金時ニンジンなどは、京浜や京阪神などの主要な市場で高いシェアを有し、全国に誇るべき品目となっています。  私の地元の三木町でも、県下有数の産地となっているイチゴのほかに、水田の裏作としてブロッコリーやナバナなどを栽培し、水稲との複合経営を行っている農家も多く、また、県オリジナル品種であるアスパラガス「さぬきのめざめ」の作付も拡大し、中には通信販売で東京の有名レストランや全国各地に販売している農家も出てきたところです。  しかしながら、高齢化や担い手不足などによる作付面積の減少や産地間競争の激化による価格の低迷などにより、平成二十三年における本県の農業産出額は約七百八十億円と、米の価格上昇などにより、三年ぶりに前年を上回ったものの、ピーク時の約六割までに落ち込んできております。こうした中において、園芸作物については農業産出額の四割強を占めるなど、本県農業の基幹部門となっているところであります。  今後、海外からの農産物の輸入の増加や産地間競争の一層の激化が見込まれる中で、本県の園芸作物の生産振興を図るためには、オリジナル品種を多く有する本県の強みを生かし、生産と販売が一体となった高付加価値化を進めることにより、需要に対応できるよう安定的に供給できる体制を確立することが重要であると考えています。  こうした中で、二十四年度にスタートした、さぬき讃フルーツについては、市場からは、「さぬき讃フルーツについては品質が高く、まだまだ不足している。もっと生産量をふやしてほしい。」と、増産について強く要望されていると聞いているところです。  私の地元の三木町のイチゴ「さぬき姫」についても、昨年、さぬき讃フルーツに認定され、制度発足前の二十三年産に比べ、二十四年産では約六%アップの高値で販売され、生産者の意欲の向上にもつながっているところであります。  今年度には、県と香川大学が共同で開発した一口サイズで糖度が非常に高いキウイフルーツの県オリジナル品種「さぬきキウイっこ」も対象となったと聞いており、大きく期待しているところでもあります。  本県の園芸農業の振興を図るためには、需要も多く、高品質で高値で販売することのできる、さぬき讃フルーツを核とした生販一体となった取り組みを進めていくことが重要であると考えています。特に、昨年度は、さぬき讃フルーツ推奨制度がスタートした初年度でもあり、この制度の周知が最優先の課題であったところですが、二年目である二十五年度においては、本制度の本格的な定着化に向けた取り組みが必要であると考えています。  そこで、今後、このさぬき讃フルーツの生産拡大にどのように取り組んでいくのか、また販売促進に向けた取り組みをどのように進めていくのか、知事にお伺いいたします。  最後に、サイバー犯罪対策の強化についてお伺いいたします。  情報化社会の進展とともに、今やインターネットは、私たちの生活にとってなくてはならないものの一つになっています。世界中のあらゆる情報がタイムリーにキャッチでき、メールや画像のやりとりも思いのまま、欲しいものもすぐ買える、株などの投資もできるというように、誰でも気軽に簡単にインターネットを利用できるようになり、大変便利な世の中になり、生活環境も一変したと言っても過言ではないほど、近年、インターネットの普及が進むにつれて、生活スタイルそのものが変化したような気がします。  また、近年では、これまでの携帯電話からスマートフォンへの移行が急速に進むなど、利用媒体も増大し、ネット依存型社会への波はますます高まるのではないかと思われます。  しかしながら、インターネットの普及が進み、便利になる一方で、その技術を悪用する者もふえ、インターネットバンキング等への不正アクセス事件を初め、ネットワークを利用した詐欺や出会い系サイトを利用した児童に係る禁止誘引行為、また昨年は、それらの犯罪に加え、インターネットを介した犯行予告やウイルス供用事件、スマートフォンアプリを悪用した個人情報の流出事件が多発するなど、いわゆるサイバー犯罪が急増しています。加えて、その手口、内容は、年々巧妙かつ複雑、高度になってきており、その脅威は深刻化しているのが現状です。  また、政府機関等の基幹システムを機能不全に陥れるサイバーテロや、それらの機密情報を窃取するサイバーインテリジェンスといった、いわゆるサイバー攻撃も世界規模で頻発しており、今日のサイバー空間におけるあらゆる脅威はもはやとどまる状況になく、セキュリティー対策の強化が急がれます。  ある新聞報道によりますと、ことしは特に、全国的にインターネットやスマートフォン関連の凶悪な犯罪が今までにはないペースで続発しているようでございます。中でも、最も規模が大きかったのが不正ログイン事件で、四月から六月にかけ二十件あり、大規模なものもあったようです。  また、インターネットバンキングに係る不正送金事案は、本年九月二十日時点で六百十五件、約五億五千万円となり、史上最悪の被害状況になっています。  他にも、スマートフォンの普及から不正アプリによる個人情報流出などの被害が急増しています。  この状況を受け、専門家らの話によりますと、組織的な犯罪グループが日本に目を向け狙うようになったこと、ユーザーが管理すべきパスワードの数がふえ、安易な共通したパスワードを使うようになり、結果、不正ログインやアカウント乗っ取りを招いてしまうこと、さらには、スマートフォンの急激な普及も背景にあるとして、再度のパソコンやスマートフォンのセキュリティー設定を見直し、自身のインターネット上での行動にも十分な注意が必要と警告しています。  本県のサイバー犯罪対策については、現在、県警におかれましては、昨年四月に設置されましたサイバー犯罪対策室を中心に、人材確保とともに取り締まりの強化に努めていただいていると思われますが、先ほども申しましたとおり、サイバー犯罪は数自体が急増しており、広がりはとどまることを知りません。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  現在の県におけるサイバー犯罪の現状について、また、今年度から新たに取り組んでいるサイバー犯罪対策強化事業の取り組み状況、そして今後の方針などについてお伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手、降壇) ◯副議長(辻村 修君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)松原議員の御質問にお答えいたします。  まず、結婚支援策の推進についてであります。  人口減少が続いている本県においては、さまざまな施策を講じ、長期的に出生率を上昇させ、人口を増加させることが地域に活力をもたらす上で不可欠であることから、少子化対策の一つとして結婚支援に取り組んでいるところであります。  これまでの取り組み状況については、かがわ子育て支援県民会議や県商工会連合会を通じ、結婚のきっかけを求めている若者に対する出会いの場の提供への支援を行っており、昨年度までの五年間に四十五回の出会いの場が提供され、延べ二千人を超える方が参加し、結婚に結びついた事例もあると伺っております。  今年度からは、この取り組みに加え、新たに県内で行われる若者の出会いの場の情報を一覧できるホームページ、かがわ出会い応援団を開設するとともに、メールマガジンやツイッター、フェイスブックを利用した効果的な情報発信を行うことにしており、ホームページについては今月七日に第二次オープンを行い、本格運用を始めます。  また、出会いの場を提供するイベントを実施する団体を対象として、イベント開催時のノウハウなどについての研修や団体相互間で交流を図る取り組みを順次行うほか、商工会議所が行う出会いの場の提供にも助成することとしております。  今後とも、県として、若者に結婚のきっかけとなる機会がより多く提供されるよう、必要な情報提供を行うとともに、出会いの場を創出する取り組みの実施など、若者の結婚支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、香川の希少糖ブランドの確立に向けた取り組みについてであります。  香川県産業成長戦略の重点プロジェクトである、かがわ希少糖ホワイトバレープロジェクトでは、希少糖の知の拠点の形成、希少糖産業の創出、香川の希少糖ブランドの確立の三つの目標を掲げ、各種施策に取り組むこととしております。  そのうち、香川の希少糖ブランドの確立に向けた取り組みとして、これまで県内の百貨店でのキャンペーンや中元カタログでの特集ページの掲載、地元タウン誌や、さぬきうまいもん広め隊によるPRなどを行ってきたほか、本年七月に都内で初めて、首都圏希少糖セミナーを開催し、私も出席して、首都圏の量販店や飲食店、商社などの食品関係者やマスコミ関係者などに、希少糖の持つ機能性や食品への応用展開などについてのプロモーションを行ったところであります。  さらに、バイオ産業の総合的な展示会であるバイオジャパンなどの国際見本市への出展を予定しているほか、御指摘のように、来年三月二十九日と三十日の二日間、サンポート高松において、希少糖関連商品の展示・販売を初め、料理コンテストや希少糖の木であるズイナの紹介も含めた希少糖関連のセミナーなど、さまざまな形で希少糖に親しみ、正しく理解することができるイベントとして、かがわ希少糖フェア二〇一四を国際希少糖学会と同時開催するなど、国内はもとより国外に向けて情報発信することとしております。  希少糖については、香川大学において、県からの寄附などにより、さまざまな希少糖の機能性の解明や動植物に投与した場合の生理機能などの研究がさらに進められることとなっております。  また、生産については、本年七月に希少糖含有シロップの専用工場である松谷化学工業番の州工場が竣工し、全国販売に向けた生産基盤が整いつつあります。  御指摘のように、「香川といえば希少糖」と呼ばれる産業として国内外で広く認知されるものとなるためには、こうした希少糖の研究開発や生産拠点の集積を一層進めるとともに、希少糖の持つ高い機能性や、香川県、また三木町における希少糖への取り組みなどを情報発信していくことが何よりも重要であると考えており、それらの取り組みを通じて、香川の希少糖ブランドの確立を目指してまいりたいと考えております。  次は、さぬき讃フルーツの生産振興についてであります。  さぬき讃フルーツは、流通関係者からも強く生産拡大を求められており、県では、今年度、栽培温室や、かん水施設などの施設整備に対する県単独の補助率を引き上げるなど、積極的に生産拡大に向けた支援を行っております。  また、新たに植栽に必要な土壌改良資材などへの助成を行うとともに、担い手に優良園地を集積するための園地流動化計画の作成を促進することにより、さぬき讃フルーツの生産拡大の加速化を図っているところであります。  こうした取り組みによりまして、今年度新たに加わったキウイフルーツの、「さぬきキウイっこ」の作付が二ヘクタールから五ヘクタールに拡大するなど、現在、品種転換も含めて、さぬき讃フルーツ全体で昨年より九ヘクタールの作付面積の増加が見込まれております。  また、販売対策においては、ブドウのシャインマスカットや桃などの夏果実が出そろう七月には、県内及び京阪神地域の主要な卸売業者の代表者に対して私がトップセールスを行い、さぬき讃フルーツの品質の高さや生産者の果物づくりへの熱い思いをお伝えするなど、売り込みを行ったところであります。  さらに、今年度から新たに任命した、さぬき讃フルーツ大使による小売店での試食宣伝やPR活動を展開するとともに、食の大博覧会など、県や市町のイベントに積極的に参加するほか、イチゴの「さぬき姫」や「小原紅早生」などの果実が出そろう時期には、消費者の収穫体験など、産地との交流促進にも取り組み、さぬき讃フルーツの魅力を広く情報発信してまいります。  今後とも、より一層の生産拡大に努めるとともに、効果的なPR活動などによって販売を促進し、さぬき讃フルーツの生産振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(辻村 修君)筋警察本部長。    (警察本部長筋 伊知朗君登壇) ◯警察本部長(筋 伊知朗君)松原議員のサイバー犯罪への対応についての御質問にお答えいたします。  県内におけるサイバー犯罪の現状ですが、本年は八月末までにフィッシングメールを利用した不正アクセス事件、インターネットを利用した詐欺事件、ファイル共有ソフト利用の著作権法違反事件等、前年同期を上回る六十七件二十六人を検挙しているところであります。  なお、全国的に被害の発生が見られるインターネットバンキングに係る不正送金事案や議員御指摘の不正アプリによる個人情報流出事案については、幸い県内での被害は認知しておりません。  サイバー犯罪対策強化事業の取り組み状況については、今年度、新たにサイバーパトロールを強化するためのサーバ等の機材を整備するほか、急速に普及するスマートフォン等に係るサイバー犯罪に迅速・的確に対応するため、一線警察署へ携帯電話解析用機材を配備するなど、捜査に資する機材の充実を図っているところであります。  今後とも、県警察では捜査基盤の充実を図り、民間事業者等との連携を強化して、その知見を活用しつつ、悪質事犯に重点を置いた取り締まりに努めるとともに、官民が一体となった違法有害情報の排除や被害防止のための広報啓発活動を推進するなど、検挙と抑止の両面からサイバー犯罪対策を強化してまいります。(降壇) ◯副議長(辻村 修君)一般質問を続行いたします。
     広瀬良隆君。    (広瀬良隆君登壇、拍手) ◯広瀬良隆君 議長のお許しをいただきましたので、早速一般質問に入らせていただきます。  私の最初の質問は、中国陜西省との友好交流についてです。  二〇一〇年九月、尖閣諸島領海内で中国漁船による我が国海保巡視船への衝突事件が発生。そして、その二年後の二〇一二年八月には、香港の活動家等を乗せた船舶が尖閣諸島の領海内に侵入し、七名が魚釣島に上陸。十四名が逮捕されましたが、送検は見送られ、強制退去処分となる事件が発生しました。続く九月には、日本政府は魚釣島、北小島及び南小島を取得・保有することを決定し、地権者との間で売買契約を締結。こうした一連の事件に中国、台湾は激しく反発し、中国国内では反日デモが活発化し、日系企業に対する破壊・略奪行為や在留邦人に対する暴行事件が発生するまでに事態は悪化しました。折しも二〇一二年は日中国交正常化四十周年に当たる年でしたが、記念式典は中止となり、両国間のその他の交流事業も相次いで延期・中止となり、日中間の国交は急速に冷え込みました。  本県の事業としても、友好関係にある陜西省との交流事業に影響が出ました。この年の十月二十七日から十一月一日の期間に実施されるはずだった「香川友好の翼」が最少催行人員に達せず県民ツアーは中止となり、県知事を初めとした県からの訪問についても、改めて陜西省と協議することとなったまま実施されていません。また、十一月三日開催の西安国際城壁マラソンは、本県からの代表選手の派遣は西安市より受け入れ辞退の意向が出て中止となり、県民ツアーも最少催行人員に達せず中止となりました。それに伴って、第六十七回丸亀国際ハーフマラソンでの陜西省代表選手の受け入れも相互交流にならないという理由で中止となりました。  中国陜西省は中国の内陸のほぼ中央に位置し、中国の東部、中部及び西南、西北地区をつなぐ交通の要衝で、歴史的にも重要な舞台となってきました。面積は約二十万五千平方キロメートルで、日本の約半分、香川県の約百十倍あり、人口は約三千七百万人で香川県の約三十七倍を擁しています。  悠久の歴史に加え、豊かな民族風情と自然景観に恵まれた省都西安市は観光の中心であり、古くは長安の名で知られ、弘法大師空海が学んだところであり、香川県にはなじみの深いところであります。その意味で、本県と陜西省との友好関係には長い歴史がありますが、とりわけ一九九四年に友好県省提携の協定を結んで以来、活発に交流が行われてきました。毎年訪問団を派遣し合い、多い年には二百六十名を超える交流が行われました。その友好関係が昨年九月の尖閣諸島国有化以来、一部の事業が中止となるなど、影響を受け、今後の関係維持が心配されるところであります。  日中国交にそごが起きていることは残念なことですが、こうしたときこそ民間外交や地域間外交が重要であります。  今こそ本県と陜西省との友好県省協定書にある以下の文章に思いをいたすべきであります。協定書には、「双方は、「平和友好、平等互恵、相互信頼、長期安定」の四原則に基づき、ともに両県省民の間の友好往来を促進し、積極的に経済、文化、教育、スポーツなどの各分野における交流と協力を行うことにより、両県省の繁栄と発展に努力する。」とあります。まさに今が、両県省の安定的な平和友好関係維持のために積極的に友好往来を推進し、双方の繁栄と発展に努力するときであります。  時あたかも来年が両県省協定締結から二十周年の佳節です。この二十年間に育まれてきた両県省間の友好関係を確認し合い、将来のさらなる友好の深化を誓い合う年であるはずです。両国の地域と地域が、民衆と民衆が友好関係を温め、深めていこうとする中に、国と国との問題もやがて融和に向かうものと信じます。  今後の陜西省との友好交流促進にどう取り組もうとされるのか、知事の御決意をお聞かせください。  次は、外国人観光客誘致についてであります。  本年六月に発表されたアベノミクスの第三の矢、新たな成長戦略(日本再興戦略)では、本年は一千万人、二〇三〇年には三千万人を超える訪日外国人旅行者を目指すとしています。それを達成するために、さまざまな観光施策が国を挙げて動き出しているところかと思います。そして、本年九月には二〇二〇年のオリンピックパラリンピックの東京開催が決定し、訪日外国人旅行者数の増加に大きな追い風になるのは間違いないと思われます。  こうした動きを受けて、訪日外国人旅行者の誘致活動が全国的に活発化するものと思われます。日本に来た外国人が足を運ぶところ、それは言うまでもなく魅力のあるところであります。他にはない魅力のあるものを持ったところに多くの外国人が集まります。そして、我が香川県は他県に引けをとらない世界に誇れる魅力あふれる地域だと私は思います。これをぜひ売り込んで、多くの外国人に香川に来てもらいたいものです。  では、香川が世界に誇れる魅力あふれるものとは一体何か。私が第一に挙げたいのは瀬戸内海です。折しも来年は瀬戸内海国立公園が指定されて八十周年の記念すべき年であります。瀬戸内海を改めて世界に売り込むのにうってつけのタイミングであります。といっても、今まで瀬戸内海は世界の中で全く知られていない無名の地であったわけではありません。むしろ瀬戸内海のたぐいまれな美しさを見出し、世界に知らしめたのは西洋人たちでした。  十九世紀には、ロマン主義の自然賛美の見方を身につけた欧米人が、こぞって瀬戸内海を訪れます。日本学者のシーボルト、イギリス公使のオールコック、地理学者のリヒトホーフェン、旅行業者のクックらが瀬戸内海を絶賛しました。中でもドイツの有名な地理学者、リヒトホーフェンは、一八六〇年に瀬戸内海に立ち寄り、その美しさを旅行記に託して世界に発表しました。「広い区域にわたる優美な景色で、これ以上のものは世界のどこにもないであろう。将来この地方は、世界で最も魅力のある場所の一つとして高い評判を勝ち得、たくさんの人々を引き寄せることであろう。」と。  この瀬戸内海を日本人として高く評価し、その価値を高めたのが香川県長尾出身の小西 和でした。小西は「瀬戸内海論」を著してその自然美を絶賛。「世界の公園」として「世界の人々を招致すべきであろう」と記しました。小西は衆議院議員となり国立公園法を提案。一九三四年に瀬戸内海の景勝が国立公園第一号の一つとなったのです。  その後、日本は高度経済成長の時代を迎え、国の発展を急ぐ余り環境が犠牲となり、瀬戸内海も沿岸企業等から出される汚染水等により、瀕死の海と呼ばれるまでに水質汚濁が進みました。しかし、その後制定された瀬戸内海環境保全特別措置法による保全措置等によって、昔の美しい姿を取り戻しつつあるのが現状であります。  瀬戸内海ののどかな情景、きらめく海面の美しさ等々は世界の宝物です。しかし、西洋の先人たちが絶賛した瀬戸内海も、昨今は国内、国外ともに人気は衰え、そこに住む人々は高齢化、過疎化の波にあえいでいるのが現状です。  そうした瀬戸内海をじわりじわりとよみがえらせているのが、瀬戸内国際芸術祭であります。そこに展示された現代アートによって瀬戸内海の美しさがよみがえり、そこに住む人々の活気が取り戻されつつあります。まさに芸術祭のテーマである「海の復権」が今静かに起きつつあるようです。  そこで、私が次に挙げたい世界に誇れる香川の魅力、それはアートであります。高松市牟礼町のイサム・ノグチ庭園美術館、丸亀の猪熊弦一郎現代美術館、坂出の東山魁夷せとうち美術館、琴平町の金刀比羅宮博物館等々、貴重な作品を展示する数々の美術館、世界的建築家、丹下健三氏作の香川県庁東館を初めとする芸術的評価の高い現代建築物の数々、そして瀬戸内海の島々を中心として、三年に一度開催されて好評を得ている瀬戸内国際芸術祭等と、香川県は今やアートの話題に事欠かない地域です。また、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、発刊以来三つ星をとり続けている栗林公園も世界に誇る庭園美術の極致です。  かつて、演出家の宮本亜門氏は、真鍋前知事との対談の中で言いました。「海外のアート関係の友人たちが口をそろえて言うのは、東京よりも京都よりも、実は行きたいのは香川県です」と。そして、香川は美の奇跡が起きている場所であると言い、香川のアートの集積が国際的にも大きな魅力となっていることを熱く語っていました。  瀬戸内海があるからアートが映え、アートによって瀬戸内海の美しさが見直されるという両者不可分の関係で、この二つは香川の世界に誇れる魅力になっています。  さらに、私が挙げたい世界に誇れる香川の魅力、それは瀬戸大橋です。瀬戸内海という最高の景観の海を、何と海の上から電車で移動しながら一望できる道路・鉄道併用橋。十二・三キロの長さは、併用橋としては世界最大級です。本年四月十日には開通二十五周年を迎えました。列車でこの橋を渡るとき、すばらしい景観への驚嘆と海の上に橋をつくってしまう人間の英知への驚嘆がこみ上げてきます。海外の人にもぜひこの感動を味わっていただきたいものです。また、陸地から見る瀬戸大橋の人工構造物としての巨大な姿は圧巻であります。見るもよし、渡るもよし、瀬戸大橋。香川が世界に誇る大いなる財産です。  しかし、これまで香川や岡山に来た海外の人々が、どれだけこの瀬戸大橋を経験できたでしょうか。大きな魅力があるところなのに、その数は少ないように思います。瀬戸大橋をより多くの外国人観光客に楽しんでいただく工夫が必要と思います。例えば高松―児島間を列車で一時間で往復できるような瀬戸大橋体験ダイヤを組んで宣伝すれば、瀬戸大橋観光の体験者がふえ、外国人旅行者の間でも人気が出るのではないでしょうか。  瀬戸内海とアートと瀬戸大橋、これこそ香川が世界に誇るべき、世界に強力にその魅力を発信すべき香川の財産であります。  香川に来ていただけさえすれば、香川の感嘆すべき観光資源に触れて、外国人観光客は大満足を得ることでしょう。この香川の観光資源を近隣のアジア諸国に売り込むだけでなく、中東や欧米や世界各地にあまねく売り込みたいものです。シーボルトやリヒトホーフェンの祖国ドイツの人々に、先人が愛してやまなかった瀬戸内海にぜひお越しいただきたいと思います。島と島の間を小船が行き交う穏やかな海に、今まさに太陽が沈みかけて海や空を赤くしているときに、海上にかかる何やら巨大な橋の中を進む列車のシルエットが美しい、そんなポスターをパリの地下鉄のホームに掲示できたら、世界からパリを訪れた人々に、次はあそこに行きたいと思わせることができるのではないでしょうか。  問題は、どのようにしてこの香川の魅力を発信するかです。国の日本再興戦略においては、現状の問題点として、日本の魅力の発信が不十分なこと等により、観光資源のポテンシャルを生かし切れていないと指摘しています。そして、すぐれた観光資源を持つ地域には、国も協働してその地域の観光資源の海外展開を支援するとあります。こうした国の施策も積極的に取り入れ、香川の魅力を強力に世界に発信すべきです。本県には、世界に誇れる瀬戸内海とアートと瀬戸大橋があります。まさに、この三つの宝の魅力を強力に世界に発信すべきです。  そこで、知事にお伺いいたします。  日本再興戦略やオリンピックパラリンピックの東京開催決定により、訪日外国人観光客の数が増大していくことが期待される中で、より多くの訪日外国人に本県に来ていただくために、国の協力も得ながら、香川が世界に誇る魅力、すなわち瀬戸内海、アート、そして瀬戸大橋を世界に発信し、外国人観光客誘致を図ることが重要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次は、がん対策の共有についてであります。  我が国のがん対策が総合的に進み始めたのは、平成十八年のがん対策基本法成立以来と言っていいかと思います。日本の医療水準は世界的に見ても高いですが、がん医療についてはまだまだ課題が多いと言われています。例えば、外科手術でがんを取り除く技術は発達していますが、放射線療法や抗がん剤による治療は不十分であり、痛みを抑える緩和ケアなども十分普及していません。がん患者を登録して治療実績などを追跡するシステムも、先進国の中でおくれていると言われています。これらの課題を克服し、日本全国どこにいても良質な医療を受けられる環境の整備を目的として、がん対策基本法はつくられました。  この、がん対策基本法では、国が五年ごとに、がん対策推進基本計画を策定し、それに基づいて都道府県が地域の実情に応じた都道府県がん対策推進計画をつくるよう求めています。  その計画も、国の計画が昨年二期目の計画に更新され、そして本年、各都道府県の計画も二期目に更新されたところです。計画一期目の成果はどうであったかといえば、総じて国も地方も目標達成できた分野は少なかったと言えます。目標達成のためには、各都道府県が個別に対策を実践していくだけではなく、すぐれた県のすぐれたやり方は、共有し合って全体を高めていく取り組みが必要とされています。  そんな中、本年五月に、「県計画の好事例を共有し実践していこう」をテーマに、がん政策サミットが開催されました。各県のがん対策推進計画の中でのよい事例を発表し合い、知見を共有して自分の自治体の対策にも反映させていこうとする企画でした。がん政策サミットとは、特定非営利活動法人日本医療政策機構の下部組織である、がん政策情報センターが主催して毎年行っている、主にがん患者関係者たちを中心とした集いですが、そこには医療関係者や自治体関係者等も参加して、毎年がん対策の推進についてさまざまな協議が交わされています。私も数年前にこのサミットに参加させていただきました。そのときには、本県の職員の方、患者会の方が参加されていて、香川のがん対策に関する意識を共有させていただきました。本年は香川県庁からはどなたも参加できなかったようですが、今回のテーマ、「県計画の好事例を共有し実践していこう」は、本県にとっても重要な見逃せないテーマであったかと思います。  そこで、今回のサミットの内容も参考にしながら、他県の好事例を共有し、実践するといった観点から考えたときに、県としてがん対策についてこれまでどのような対応をしてきたのか、また、今後どのように取り組もうとされるのか、知事にお伺いいたします。  私の一般質問、最後の質問は万引き対策についてです。  全国的に深刻な万引き被害は、小売店の経営に大きな影響を及ぼしていると言われています。二〇一〇年十月、警察庁や経済産業省と民間三十一団体が参加した万引防止官民合同会議は、万引きによる全国的な被害額を発表していますが、二〇〇九年の一年間で推定四千六百十五億円に上るとされています。一日の被害額が十二億六千万円という計算になります。  また、二〇一二年九月発表の全国小売業万引被害実態調査によると、不明ロス金額の原因別の推定割合についての回答は、比率の高い順に「万引き」三五・九%、「管理誤り」三二・二%、「不明」二三・七%、「従業員窃盗」五・八%、「業者不正」二・四%となっています。さらに、万引き犯罪に対する基本的な考え方を複数回答可で尋ねた結果は、「青少年の健全な育成の面から万引きをさせてはならない」六三・七%、「経営上大きな影響を与えるので、何らかの対策をすべき課題」六一・三%、「治安対策の面から行政が何らかの対策をすべき課題である」四二・七%という結果でした。  従来、万引き対策は、刑法による窃盗罪として警察行政が地元地域と協議会を設置し、断続的に検討が行われてきましたが、この調査でわかることは、経営上大きな影響があると受けとめ、何らかの対策を講じるべき課題と捉えている業者が六割を超えていることです。また同時に、地域の青少年の健全な育成や治安対策といった側面からも何らかの対策が必要と考えられています。売り上げの低迷を続けている小売業者にとって、万引き防止対策は必要不可欠な取り組みですが、個々での対応だけではなく、地域と一体となっての取り組みが着目され始めているとも言われています。  本県における万引き被害の実態は、二〇〇三年から二〇〇九年まで七年連続ワースト一位というものでした。これは、万引き認知件数が人口当たりの数にすると全国ワースト一位が七年続いたというものですが、二〇一〇年以降も、ワースト一位は脱したものの、いまだ全国上位にランクされています。  本県での万引き認知件数が多い理由として、大型店舗の多さと万引き通報のしやすさが言われているようです。二〇〇八年の商業販売統計年報によると、県内の人口十万人当たりの大型小売店売り場面積は全国二位です。増加を続ける大型店の売り場面積の推移と、万引き認知件数の増加傾向も両者間の関係を示唆させています。  また、他県では、万引きを通報すると警察に直接被害届を出しに行く必要があり、調書作成に何時間も拘束されるケースもあるといいます。店の負担が大きく、わざわざ通報しなくてもとなりがちです。その点、香川県は、通報があれば警察官が店まで出向き、店舗管理者から委任された保安係らの書類作成も認めている。店にとって通報しやすい環境が認知件数を押し上げている側面もあるということは知っておかなければならないでしょう。  こうした中、香川県警と香川大学とが協働で香川の万引きについて調査研究し、その分析結果から対策を立てて実施し、効果を出していると聞きます。この取り組みが評判となり、NHKの全国ニュースで取り上げられたり、警察庁長官賞も受賞したと聞いています。  そこで、この香川大学との万引き防止のための協働事業の概要と、どのような対策をとって、それがどのような結果を生んだのか、警察本部長にお伺いいたします。  また、今回の研究成果を公開し、普及させることを目的にシンポジウムも開催したと聞きますが、その反響はどうであったか、さらに今後の課題は何か、課題解決のために今後どう取り組んでいくのかをあわせて警察本部長にお伺いし、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(辻村 修君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)広瀬議員の御質問にお答えいたします。  まず、陜西省との友好交流についてであります。  本県と陜西省との交流については、御指摘のように、平成六年に締結した友好県省提携に関する協定書に基づき、「平和友好、平等互恵、相互信頼、長期安定」の四原則のもと、経済、文化、教育、スポーツなどの幅広い分野において交流事業を実施しております。これまで友好提携などの周年に合わせての代表団の相互訪問や視察団の派遣、また卓球などのスポーツ交流や書道を通じた文化交流など、さまざまな分野で交流を行ってきたところであり、今年度も引き続き国際交流員一名と海外技術研修員二名の受け入れなどを実施しているところであります。  日中両国間では、現在さまざまな課題を抱えておりますが、本県と陜西省との間では、昭和五十七年の空海記念碑の建立を初め、青龍寺遺跡の復元、相互の人的交流などを積み重ね、平成六年の友好県省提携に至った友好交流の歴史があり、今後とも、県、市町、民間などが協力しながら幅広く交流を継続していくことが重要であると考えております。  来年は、友好県省協定締結から二十周年となり、第三回陜西省青少年交流団の本県訪問も計画されていますが、私としましては、こうした長年にわたって培った両県省間相互の信頼関係を礎としながら、協定の四原則の一つである長期安定の観点に立って、今後とも相互の理解と信頼を深めるための友好交流事業に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、外国人観光客の誘致についてであります。  御指摘のとおり、瀬戸内海、アート、そして瀬戸大橋は本県が世界に誇る観光資源であり、これらを活用することは、本県の観光イメージを定着させる上で非常に有効であると考えられますことから、さまざまな機会において情報発信を行ってまいりました。  特に本年は、瀬戸内国際芸術祭二〇一三の開催により、瀬戸内海とアートをあわせて香川のイメージとして浸透を図る絶好の機会であることから、韓国や台湾でプロモーション活動を行ったほか、国のビジット・ジャパン事業等も活用しながら、その他のアジアや欧米のメディア等を招聘しての情報発信などにも取り組んでまいりました。  また、本年開通二十五周年を迎えた瀬戸大橋については、瀬戸大橋記念館のリニューアルを進め、ブリッジシアターを刷新するとともに、世界的に活躍されている東大大学院の河口洋一郎教授によるCG、コンピューターグラフィックスのアート作品「Eggy Land in SETO」を初め、外国人観光客にも楽しんでいただける新しい映像作品を導入することとしており、魅力ある観光資源として、今後一層PRを行ってまいります。  二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピック開催決定を契機として、日本観光への関心が世界中で高まることが予想される中、私としては、海外において本県の観光イメージの確立が図られるよう、国や日本政府観光局が実施する施策の活用も図りながら、プロモーション活動に全力で取り組んでまいります。  次は、がん対策についてであります。  御指摘のがん政策サミットは、特定非営利活動法人日本医療政策機構の事業として、平成二十一年度から年に二回程度開催されており、全国から、がん患者を中心に行政関係者、地方議会関係者、医療関係者等が集まり、国内外のがん対策の好事例を学んだり、がん対策に関する政策提言が行われております。  本県からも、これまでに三回参加しており、昨年五月の「がん政策サミット二〇一二春」においては二名が参加し、新たながん対策推進計画の策定に当たり必要な情報を収集するとともに、他県からの参加者と、がん対策についての意見交換を行い、相互の連携を図ったところであります。  本年五月に開催された、がん政策サミットには参加しておりませんが、サミットの開催レポートが主催者のホームページに掲載されているほか、メール配信も受けており、今回のサミットにおいて、緩和ケアの推進やがん患者の就労支援、がんの教育・普及啓発などについて、先進的な取り組みが報告されたことは承知しております。  御指摘のとおり、がん対策を推進していくためには、他県の優良事例や先進的な取り組みを本県の施策として取り入れていくことは重要であり、このがん政策サミットのほか、毎年開催される中国・四国地区成人保健主管課長会議においても、がん対策の課題等について協議を行うとともに、効果的な方策を検討するなど、情報収集に努めております。  こうして収集した情報については、昨年度実施したがん患者のニーズ調査や、今年度モデル的に取り組んでいる小規模事業所へ出向いて行う大腸がん検診と健康教育、全医療機関を対象とした、がん検診受診者数の調査などの事業として具体化しているところであります。  今後とも、さまざまな機会を活用して、他県のすぐれたがん対策についての情報を収集するとともに、本県の実情に合わせて施策を検討し、本県のがん対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(辻村 修君)筋警察本部長。    (警察本部長筋 伊知朗君登壇) ◯警察本部長(筋 伊知朗君)広瀬議員の万引き犯罪防止対策についての御質問にお答えいたします。  県警察では、平成二十二年度から香川大学と協働し、被疑者の犯行動機、店舗種別ごとの発生実態、万引きに対する店舗関係者や各世代の意識等、多角的な視点から調査・研究を行い、その結果に基づいて、万引きの起きにくい社会づくりのためのさまざまな取り組みを行っております。  具体的には、万引き防止啓発DVDやポスター、店舗用マニュアルを作成・配布したほか、店舗管理者等を対象とした万引き防止指導者研修会等を開催してきたところであります。  このような取り組み等により、平成二十四年中の万引き認知件数は、ピーク時の平成十六年と比較して約三六%減少しており、また、平成二十四年十二月に、これらの取り組みを広く普及させるために、香川県万引き防止シンポジウムを開催したところ、多くの参加者から「有意義であった」、「とても参考になった」等の高い評価が得られたところであります。  しかしながら、人口千人当たりの万引きの認知件数は、いまだ全国ワースト上位にあるなど、依然厳しい状況にあることから、今年度はこれまでの取り組みに加え、万引き防止モデル店舗を指定し、万引きが起きにくい店舗づくりを促進するとともに、少年のみならず、保護者や高齢者等を対象とした世代別の万引き防止教育等を進めているところであります。  県警察では、今後とも香川大学を初め、関係機関・団体、店舗関係者等、官・民・学が一体となって万引きの起きにくい社会づくりを推進してまいります。(降壇) ◯副議長(辻村 修君)一般質問を続行いたします。  佐伯明浩君。    (佐伯明浩君登壇、拍手) ◯佐伯明浩君 本日、六人目でありますので、大変お疲れとは思いますが、誠心誠意努めてまいりますので、最後までよろしくお願いをいたします。  この夏、ミャンマーに視察に行ってまいりました。ヤンゴン国際空港に着きまして、まず、カルチャーショックに陥りました。はだしで歩いている方、それ以外の方々はほとんどサンダル履きでありました。また、男性の方は民族衣装であります巻物を巻かれて、ズボンの方はほとんどいませんでした。そして、僧侶の数が、お坊さんの数が非常に多かったということです。本当にどぎもを抜かれました。  ヤンゴン国際空港から市街地までは約二十キロ弱と聞いておりましたが、非常な渋滞でありました。ひどいときには、その距離が六時間ほどかかるということを言われておりました。  そして、ミャンマーの車、九割が日本製だということでございまして、最新鋭の車から昭和三十年、四十年代の車もいっぱい走っておりました。ボンネットバス、ボンネットトラックも走っておりました。特に今印象に残っておりますのが、昭和五十年代、六十年代、日本で活躍したバスが相当数走っておりました。窓はもちろんガラスはありませんですし、ドアはあいたまま。また、フロントガラスのないバスもありまして、全てが超満員でありました。  そして、そのまま輸入されたと思いますが、横には神奈川中央バス、京成バス、小田急バス、東急バスと、日本語が全て書いてあり、またトラックにも何々建設工業、何々運輸と書いておりました。なぜ日本語を消さないのですかと大使館の方に聞きましたら、これは、いわゆるミャンマー人にとっての本当にこれはブランドであります。日本人にとったら、エルメスとかルイヴィトンと書いているようなもんですよということを言っておりました。日本の物は本当にすばらしいのだということをミャンマーの方は知っておるということを言っておりました。  その後、在ミャンマー日本大使館に参りまして、大使及び書記官、また職員の方々といろいろ意見交換をさせていただきました。ミャンマーは、今、アイドルミャンマーと言われているそうです。各世界から本当に注目を浴びているそうでございます。なぜか。御案内のとおり、労働力の安さでございます。年間の所得が大体平均八万円前後、月に直すと八千円所得があるかないかということでございまして、その安い人件費が非常に世界から注目を浴びているということでありまして、その後、企業が主催する会合に出席させていただきまして、日本企業の方々ともいろいろ話をさせていただきました。商社、また金融、コンサルタント、製造業の方、いろんな方がいらっしゃいました。本当にこの国は宝の国だということを言われておりましたが、課題も山積しておるそうであります。やはりエネルギー問題であります。日常茶飯事のように停電をするそうであります。一日三、四回は当たり前。そして、四、五時間停電することもあるそうでございます。これを解決しない限り、なかなか工場を建てるわけにもいかないということでありました。  そして、ミャンマー人という方は非常に人はいいんですが、余り今まで仕事をしたことがないそうであります。公務員の方々も大体十時前後に出勤され、三時には帰られるということで、ほかの方々も大体二、三時間しか仕事をしないということでありましたので、八時間労働に耐え得るかどうかということも非常に疑問だということを言っておられました。  そして、御案内のとおり、軍事政権下にありましたので、欧米諸国からの経済制裁によりまして、金融関係、銀行が非常に立ちおくれております。五十年前、六十年前の感じでございました。もちろんいろいろありますが、まだ現金決済。カードとか電子決済というのは、ほとんどないそうでありました。本当にすごいところでありました。  そして、医療も非常に、今、深刻な問題でありまして、医師不足、看護師不足、また薬、そして医療機器の不足だということを言っておりました。ある日本のビジネスマンが、耳が痛くなりまして、ヤンゴンの大きな病院に行きましたら、帰りに目薬をいただいたそうでございます。これは非常に困ったということで、ちょっとした病気になると、すぐお隣のバンコクに行くそうでございます。  本当にインフラ整備はしっかりとしていかなければいけないと思いまして、私も向こうの国鉄、日本で言う山手線、環状線に乗せていただきました。大体スピードが自転車ほどのスピードでございます。それ以上走ると脱線するそうでございます。車両も私が経験したことのない車両でございました。本当にこんな車両があるのかなということを感じました。  しかしながら、ミャンマーの方、本当に国民性というのはすばらしい方々ばかりでございます。本当に温厚、けんかをしない、そしてうそをつかない。もしタクシーに現金、パスポートを忘れても、多分ホテルまで持ってきてくれるでしょうと言っておりました。  そして、ミャンマーの方は余りアルコールを飲みませんが、ミャンマービール、非常においしゅうございました。世界ビール大会で金賞を二回ほどとられたそうです。ビールを飲まないのに何でこんなにおいしいのかなと、本当に思った次第であります。  そして、現地の市長にもいろいろとお話をさせていただきました。その方は日本に来て七年間、いろいろ勉強されたそうでございます。本当に日本というのは、ミャンマーにとって憧れの国である。本当にすばらしかった。まず、二十四時間停電をすることがない。そして、蛇口をひねるときれいな水が出る。おいしい食材がいっぱい。そして、インフラ整備は本当にすごいと。陸、海、空、公共交通、本当にびっくりしたそうであります。特に、一分違わず来る電車にもびっくりしたそうでありますが、東海道新幹線、七時台、八時台、九時台、二百七十キロ走行を数分おきで運行できる、こういうシステムをどのようにつくるのか、本当にわからないということをびっくりして、本当にすばらしい国だということを言われておりました。  では、日本のようになりたいですかと聞きましたら、半分なりたいが、半分このままでいいということを言っておりました。なぜかと申すと、やはり経済が成長するにつれ、我々の心がすさむかもわからない。私たちは日本みたいに豊かではないけれども、お互いをいたわり、そして家族、親を尊敬すると言っておりました。この気持ちを絶対忘れたくないということを言っておりました。新興国でもいろいろ学ばせていただきました。  しかしながら、やっぱり日本という国はすばらしい国だなということを感じたわけであります。本当にこの国に生まれてよかったと思っております。そして、このすばらしい香川県で生活させていただいていること、本当に幸せに感じるわけであります。しかしながら、これに満足せず、皆さん方と一緒になって、香川県民の方々が一人でも笑顔になるように努めて、皆さんと一緒に頑張ってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げまして、県政の重要課題につきまして、順次質問させていただきます。  質問の第一点目は、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック開催をきっかけにした外国人観光客の誘致についてであります。  去る九月七日のIOC総会で、二〇二〇年オリンピックパラリンピックが東京で開催されることが決まったことは、皆様既に御承知のとおりであります。東京のみならず、日本にとっても日本の再興、経済の成長、スポーツの発展等をもたらすものであり、まことに喜ばしい出来事として受けとめるとともに、国を挙げて成功に導くことが求められております。  本県にとっても、これを機会にさまざまな取り組みを進めることが必要だと思います。例えば、オリンピックパラリンピック参加各国の、さまざまなチームの日本国内での事前合宿や事前試合なども考えられます。本県としても、香川県にゆかりのある国へ打診するなど、それらのうち一部でも受け入れることにより、本県にとっての経済に少しでも刺激と効果をもたらすとともに、親善交流を深め、小中学生の当該外国への関心の惹起にもつながるという教育的効果もあると思います。  さて、今回、知事にお伺いしたいのは、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック開催をきっかけにした外国人観光客の誘致についてであります。  オリンピックパラリンピック開催を機に、我が国を訪れる多くの外国人観光客のうち、少しでも多くの方々を本県で受け入れることが重要であります。高松・成田便が就航することも決まり、このルートもぜひ活用していただきたいところですが、東京、大阪等の、いわゆる知名度の高い都市とは異なり、本県のような知名度が低い都市に外国人観光客が訪れてみようかと思うためには、何らかの動機づけが必要であります。例えば、本県にしかない風景や食材などの独自の観光資源を外国人観光客が手軽に体験できる態勢が整備されれば、外国人観光客に、香川県に行ってみようと選ばれる地域になるのではないでしょうか。  鳥取県では、外国人観光客向けに大山周遊バスツアーを十一月に行うそうです。韓国語のできる添乗員が同行することで、韓国人旅行客への売り込みを狙っているそうであります。他にも、外国人個人観光客を対象に、タクシーを三時間千円で提供するサービスも行っているようであります。  このように、外国人観光客を呼び込むための地域間競争が厳しくなる中、本県においても伝統文化、瀬戸内海の島々やアートなど、さまざまな観光素材を活用して、外国人観光客が利用できる多様な旅行商品を提供していく必要があるのではないでしょうか。もちろん、将来的には観光事業者等が独自で行うべき分野ではありますが、民間事業者が踏み出すまでの一定期間はパイロット的に行政主導で取り組むべきではないでしょうか。知事のこの点についての御所見をお伺いいたします。
     質問の二点目は、高松空港の路線拡充強化と利用促進についてであります。  私は、この議会においても、数次にわたり高松空港の路線拡充強化を訴えてきたところであります。この観点から、高松からの国際線就航を求め、春秋航空の高松・上海線、チャイナエアラインの高松・台北線の就航実現などは、県民の国際線利用の便益の向上、高松空港の地位向上にとって極めて有意義であると考えております。  さらに重要なことは、我が国の国際航空ネットワークのかなめである成田空港と高松空港が結ばれることであります。これによって、香川県民の海外旅行の利便の向上と外国人観光客の本県への誘致等の効果が見込めます。そういう観点から、高松・成田便の就航実現に向けた県の積極的な取り組みを求めておりました。さらに、LCC、格安航空会社の国内各地での路線展開の動きが活発な今こそ、この機会を利用して成田便の実現を達成すべきと考え、これまでの議会においても知事のやる気を促しておりましたことは、皆様御承知のとおりであります。  しかも、高松は四国の中心都市でありますから、四国でも一番に成田便の就航を実現すべきでありました。しかしながら、本年六月十一日には、松山・成田便がジェットスター株式会社により実現されました。私は、四国の中心都市、玄関都市であるべき高松にとっては、まことに残念至極の遺憾な出来事であると感じ、一日も早く高松・成田便の就航を求め、本年六月議会でも強く主張をさせていただきました。将来の道州制議論における四国ブロックの中心都市たるべき高松にとっては、極めて重要なことであると考えておりました。  幸い、知事、県の御努力もあって、本年十二月十日には、ジェットスター・ジャパンによる高松・成田便の就航が決まり、喜びにたえません。まずもって、知事を初め、県及び関係者皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。さらに、来年の平成二十六年五月からは、春秋航空日本による成田・高松便の就航が予定されているとも聞き、これもまた喜びにたえません。  これらの高松・成田便の就航のメリットは、高松が成田とつながることで、成田の豊富な国際ネットワークとつながることが第一であります。さらに、東関東、首都圏東部の国内需要を取り込み、本県と首都東部との交流の活性化、首都東部からの観光客の誘致にもつながり、観光収入のさらなる増大を招くことなどの大きな効果があると考えております。  その意味でも、当面、各社一日二往復などの限られた運用から、さらに増便が実現できるように、引き続きの積極的な利用促進等の遂行が重要であります。言いかえれば、私はこれらの成田便就航の効果を最大限に発揮させるためには、本路線就航のPR広報を積極的に行い、一人でも多くの方に本路線を利用いただく努力をしていくことが大事と考えております。往々にして、路線就航までは一生懸命運動をするが、就航後は利用促進の努力が不足して当該路線の利用率が下がり、結局、減便や路線撤退の憂き目を見ることがないように、努力を継続することが重要であります。  そこで、知事にお尋ねしますが、高松空港の路線拡充強化に向け、引き続きどのような取り組みを行う予定であるのか、就航の決まったジェットスター・ジャパンと春秋航空日本の両便の利用促進に向け、どのような施策を講じていくのか、お考えをお聞かせください。  質問の三点目は、空港の利用促進のための空港の民間委託の検討についてであります。  航空路線の利用促進は、空港自体の利用促進であり、県の顔の活性化でもあります。国においては、空港の管理運営を民間に委託できるようにする民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律を制定し、空港の収支改善や増便につなげ、地域活性化を図ろうといたしております。  宮城県の仙台空港や広島県の広島空港が当該法律の適用対象として候補に挙がっております。さまざまな手続を経て民間委託を行うことができるようになれば、着陸料の柔軟な設定、着陸料の引き下げ、それを通じた新規航空路線の誘致や増便の実現、それによって経営の改善とさらなる着陸料の引き下げという好循環を期待できます。  本県の高松空港に関しても、これまでのように単に県庁が旗振りをして航空路線の利用促進を行うだけというよりも、さらに進んで、空港に対する民間の経営のノウハウと知見の発揮を活用して、さらなる空港、航空利用者の増大を図り、そうして、そういう運営主体が県の関係機関・企業等と連携して、観光客誘致、会議誘致、スポーツ誘致などの活動をあわせて展開し、地域にとっても意味のある空港とする絶好の機会と考えております。  本県においても、高松空港の民間委託の可能性と課題を整理するため、七月から調査検討を始めたとお聞きいたします。県としては、この調査検討をどのように進め、その結果をどう生かし、今後どのように取り組むお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。  質問の四点目は、鉄道の高速化の実現に向けた取り組み方針についてであります。  これについても、この議会における質問の機会において、数度にわたりJR四国の鉄道の高速化の必要性を訴えてきたところであります。御承知のとおり、四国の鉄道への需要は、高速道路の整備の進展、マイカーの普及、高速バスの普及、人口の減少などの諸要素の影響もあって、長期・継続的に減少し続けております。特に、列車スピードが昭和の時代から向上しないこともあって、高速バス、マイカーとの競争力が劣ることから、不利な立場に置かれていることが大きな要因と考えられております。  一方で、高齢化の中で運転できない年齢層の足の確保、通学の足の確保でも鉄道は不可欠ですし、香川県を訪れる観光客の利便の確保の観点からも、鉄道ネットワークの維持・充実が重要であると思います。  この点から、鉄道が生き残り、活性化するには、鉄道の高速化と乗り継ぎ抵抗の軽減が極めて大事なことと考えております。そして、それを満たすものとして、フリーゲージトレイン、日本語では、ちょっとややこしいんですが、軌間可変電車の四国への導入が望まれるところであります。これによって、新大阪発の山陽新幹線で、岡山からそのまま乗りかえなしで本四備讃線・予讃線に入り、高松駅、観音寺駅、松山駅まで来られるわけです。逆に、高松、観音寺、松山から新大阪、そして東京へとつながるわけです。このフリーゲージトレインの候補として、九州新幹線、長崎ルートが挙げられておりますが、北陸新幹線の敦賀以西にも暫定的に導入する案もあるとお聞きをいたしております。  このフリーゲージトレインに関しては、国において技術開発中であり、昨年度には、予讃線の区間を利用して実験走行も行われました。中央リニアが東京―名古屋間の路線を整備するに当たり、山梨実験線を活用することとされているように、実験段階から環境整備をしておく必要があるのではないでしょうか。  ところが、国土交通省の来年度概算要求では、九州新幹線の八代駅かいわいを実験場所とすることとされております。具体的には、九州新幹線(標準軌区間)と新たにつくる新八代接続線(軌間変換区間)、鹿児島本線(在来線。狭軌区間)を繰り返し走行する、3モード定体走行試験を行うこととなっております。  いろいろな事情があって、九州新幹線の当該地域を実験場所として選択されたものと推察し、そのこと自体に異議を唱えるものではありませんが、私は将来の四国におけるフリーゲージトレイン導入に向け、戦略を練り、的確な布石を打つことが必要不可欠であり、県におかれても危機感を持って考慮すべきことと考えます。知事の御所見をお伺いいたします。  質問の五点目は、新規就農者の確保・育成についてであります。  今現在、TPP交渉は本格的な議論が行われており、全く予断を許さない状況にありますが、このTPP交渉の動きに関係なく、本県を初め全国各地の農業を取り巻く現下の情勢については、担い手不足や高齢化に伴い農業者数の減少が進む中、農業・農村を支える人材が十分に確保されていないことなどにより、耕作放棄地が拡大するといった厳しい情勢に直面しているだけに、今の農業の体質強化は、避けて通れない待ったなしの課題であると思っているところであります。  本県の農業生産構造の動向を見てみますと、農林業センサスによれば、平成二十二年の経営耕地面積規模別農家数の構成比を見ると、〇・五ヘクタールの未満の農家が三二・二%、〇・五ヘクタール以上一・〇ヘクタール未満が四八・六%で、合わせて一ヘクタール未満の層が八〇・八%となっており、小規模な農家が多い現状となっています。また、販売農家の農家人口については減少傾向で推移しており、年齢別に見ると、平成二十二年は農家人口に占める六十五歳以上の方の割合が三六・一%となっており、平成十七年の三三・四%と比較しても二・七ポイント増加し、高齢化が進んでおります。  こうした中、私の地元の観音寺市は、本県農業生産の約二割を占め、本県農業を牽引している地域であると言っても過言ではない農業地域であります。私も超零細農家の者であります。この観音寺市において、主要品目であるレタスや青ネギなどを組み合わせ、十ヘクタール規模の大規模な経営を展開する認定農業者も徐々に見られ始めており、その中の農業法人の方が、昨年度、地域農業の活性化に貢献している農業経営者を表彰する全国優良経営体表彰において、最優秀となる農林水産大臣賞を県内で初めて受賞するなど、全国トップクラスのすばらしい担い手も育ってきており、本県農業の核となる担い手としても大いに期待しているところであります。  また、このようなすばらしい経営を行う法人が身近におりますと、こうした経営を目指そうと、その農業法人に就業したいと希望する方もふえ、またその法人で一定期間就業して、技術や経営ノウハウを習得した後に、その法人から独立し、のれん分けする就農者もふえており、私の地元でも雇用就業も含めると新規就農者は、少しではありますが年々増加しており、一定の明るい兆しも見えているのではないかと感じているところであります。  しかしながら一方では、経営規模の大小はあるものの、これまで地域で頑張ってきた農業者の方々の高齢化が進行し、リタイアしていく農業者も多くなっております。こうしたリタイアした農業者が生産していた農地を補うほどの新規就農者が確保されていないことから、園芸作物などの栽培面積が減少する一方で、耕作放棄地が増加している状況にあります。  こうした状況の中、増加傾向にある新規就農者の一層の確保・育成を促進することが重要であります。この就農者が経営を開始する段階では、年間農業所得二百五十万円程度を前提に施設整備などを行っており、就農後、さらなる所得向上に向けて規模拡大を図るにしても、資金力が弱いことから、なかなか踏み切れない状況にあります。  こうした中で、次の世代の核となる若い新規就農者の確保・育成を図り、就農後の経営発展にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(辻村 修君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)佐伯議員の御質問にお答えいたします。  まず、外国人観光客の誘致についてであります。  外国人観光客の誘致に当たっては、本県を魅力的な観光地として、より多くの方々に認識していただくための取り組みが不可欠であり、そのためには観光素材そのものの充実とともに、さまざまなニーズに対応した多様な旅行商品を用意する必要があります。  このため、今年度初めて、本県の自然や景観、歴史、伝統、文化、産業など、独自の資源を活用した外国人観光客向けの多彩なテーマツアーを造成し、着地型旅行商品として販売する取り組みを民間事業者に委託して実施することとしており、通訳が同行する各種のツアーをメニュー化することで、本県観光を手軽かつ快適に楽しむことが可能となり、近年ふえつつある個人観光客の需要にも応えることができるのではないかと考えております。  二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピック開催決定を契機としまして、日本観光への関心が世界中で高まることが予想される中、地域間競争に打ち勝ち、本県が旅行目的地として選択されるよう、今後とも魅力ある観光地づくりや旅行商品の造成に全力で取り組んでまいります。  次は、航空ネットワークの拡充等についてであります。  航空ネットワークの拡充については、国内新規路線として日本最多の国際航空ネットワークに接続でき、首都圏東部や東関東エリアへの新たなアクセス路線としての需要が見込めることなどから、最優先で取り組んできた成田線が、このたび、ジェットスター・ジャパンによる今年十二月十日からの就航が決定し、春秋航空日本による計画も発表されたところであります。  今後のネットワーク拡充については、四国に路線がなく、かつて就航し、確実な需要があると考えられる札幌線を初め、ことし春の路線開設以降八割近い利用率を保っている台北線の増便等について、これまで以上に航空会社に働きかけ、早期の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  また、成田線就航に伴う利用促進については、LCCならではの格安な運賃やインターネットやコンビニエンスストアでのチケット購入方法を周知するとともに、アウトバウンドについては、成田空港での国際路線の乗り継ぎ、成田空港から首都圏へのアクセスに関する情報などを周知するため、航空会社と連携し、効果的な広報活動を実施してまいります。  また、インバウンドについては、成田線の就航がまたとない好機であることから、首都圏エリアでの新しい需要創出に向けて、インターネットやさまざまな媒体を活用して、路線就航のPRや効果的な観光プロモーションを展開したいと考えております。  成田線就航には、御指摘のとおり、各方面から期待が寄せられていることから、その効果を十分発揮できるよう、航空会社はもちろん、高松市や関係団体とも連携し、アウトバウンド、インバウンドの両面から、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。  次は、空港経営改革についてであります。  御指摘のとおり、空港経営改革により、民間の資金や経営能力を活用しながら、地域の実情やニーズに応じた自由度の高い空港経営を実現すれば、地域にとって戦略的な空港運営が可能となることから、高松空港のポテンシャルを最大限発揮し、内外の交流人口拡大等による地域活性化、ひいては地域の発展につながるものと期待しております。  高松空港の滑走路等の空港基本施設とターミナルビル、駐車場を合わせた収支は、国の試算によれば赤字となっており、また、高松空港は四国で唯一、国の空港防災拠点計画において、航空輸送上重要な空港に位置づけられておりますが、こうした点も踏まえ、運営委託後、空港基本施設の整備について国がどのようにかかわっていくのか、また、国や地元自治体の負担はどうなるのかなど、重要な事項についての詳細が現時点ではまだ明らかになっておりません。  現在、国においては、空港経営改革を進める候補として、仙台空港、広島空港とともに、高松空港についても、今年度、空港施設等の現況把握や運営委託における各種論点の整理といった経営一体化の推進のための調査・検討を行っております。  これと並行して、県においても、空港経営改革が実現可能かどうかを判断する上で、全額国費で高松空港ビル等の施設・事業内容等の調査や事業及び資産価値の評価、高松空港の実情に応じた現実的な運営委託方法として、どのような方策があるのか等の調査・検討を進めております。  私としましては、今後、こうした調査・検討を踏まえ、国等と情報の交換や意見交換等を重ねながら、戦略的な空港運営により地域活性化を実現していく観点から、高松空港における空港経営改革の方向性を探ってまいりたいと考えております。  次は、四国の鉄道の高速化についてであります。  鉄道の高速化は、高速道路と並ぶ重要な社会経済基盤の整備であり、先月にはJR東海が二〇二七年の開業を目指すリニア中央新幹線、品川・名古屋間のルートを発表するなど、鉄道の高速化に向けて新たな展開が期待される中、全国知事会の日本のグランドデザイン構想会議の提言においては、全国新幹線網の整備が位置づけられており、本県を含む四国においても、他の地域におくれをとらないよう取り組む必要があると考えております。  御指摘のフリーゲージトレインについては、新幹線と在来線など、異なる軌間の直通運転が可能になり、既存の在来線が利用できるといった利点があることから、九州新幹線長崎ルートに加え、JR西日本が北陸新幹線の敦賀―大阪間での導入を検討しているとの報道がなされております。  四国においては、経済界などで取りまとめた、四国の鉄道活性化への提言において、一日も早い抜本的高速化を実現するため、スーパー特急方式の導入とともに、フリーゲージトレインの導入が示されており、仮に、新大阪―高松間に導入された場合、岡山での乗りかえが不要になることや時間短縮効果などによる利便性向上が図られます。  この提言を踏まえ、現在、四国四県と国、経済界、事業者などで設置された、四国の鉄道高速化検討準備会において、鉄道高速化の形態を含め、鉄道高速化の効果を明確化して、必要性を共有化するための基礎調査を実施しており、今後、四国にふさわしい鉄道高速化の方策を検討して国に提言し、国による調査につなげていきたいと考えております。  いずれにしましても、四国において鉄道の高速化を推進していくに当たっては、まずは四国四県の合意形成が不可欠であることから、検討準備会等を通じ、四国四県が一体となって調査や検討を進めているところであり、大局的な見地から高速化の実現に向けて、時機を失することのないよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、農政水産部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(辻村 修君)川池農政水産部長。    (農政水産部長川池秀文君登壇) ◯農政水産部長(川池秀文君)佐伯議員の新規就農者の確保・育成についての御質問にお答えいたします。  農業従事者の減少や高齢化の進行等に伴い、耕作放棄地が増加している中、次の世代の核となる新規就農者の育成と就農後の経営発展を促進していくことは重要であると考えております。  このため、新規就農者の育成については、農家子弟のみならず、他産業従事者やIターン青年などからすぐれた人材を確保できるよう、かがわ就農・就業相談会や香川県移住フェアなどでの就農相談を初め、県内外からの就農希望者に対する個別相談活動を行うとともに、働きながら農業の基礎知識が学べる、かがわアグリ塾や農業大学校による実践研修を実施しているところでございます。  また、本年度、拡充した県単独の就農対策により、のれん分け就農の希望者が技術や経営ノウハウを習得できるよう、農業法人等が行う研修に対する支援など、新規就農者の育成に努めているところであります。  こうした新規就農者が就農する段階においては、就農開始から五年間、当面の所得を確保する青年就農給付金制度を積極的に活用するとともに、今年度から新たに就農後五年以内の農業者を対象に、機械施設についても助成を行うほか、農業委員会と連携しながら農地流動化施策を活用し、円滑に農地が確保できるよう支援するなど、就農後の経営発展の促進に努めているところであります。こうした施策により、平成二十四年度の新規就農者数は前年度の一・五倍の百四十二名となったところであります。  今後は、こうした就農対策を強化するとともに、現在、県で検討を進めている新たな農地集積対策や、国において検討されている農地中間管理機構を活用して農地集積を促進するなど、新規就農者の確保・育成と就農後の経営発展をより一層推進してまいります。(降壇) ◯副議長(辻村 修君)理事者の答弁は終わりました。  本日の一般質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(辻村 修君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十月三日午前十時本会議を開きます。  なお、議事日程は、追って報告いたします。    (互礼) ◯副議長(辻村 修君)本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時五十五分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All 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