令和 5年 2月定例会 令和五年二月
徳島県議会定例会会議録(第三号) 令和五年二月十六日 午前十時二分開議 出席議員計三十四名 (その番号・氏名左のとおり
である) 一 番 増 富 義 明 君 二 番 立 川 了 大 君 三 番 井 下 泰 憲 君 四 番 福 山 博 史 君 五 番 梶 原 一 哉 君 六 番 浪 越 憲 一 君 七 番 仁 木 啓 人 君 九 番 原 徹 臣 君 十 番 北 島 一 人 君 十一 番 大 塚 明 廣 君 十三 番 岩 佐 義 弘 君 十四 番 古 川 広 志 君 十五 番 長 池 文 武 君 十六 番 吉 田 益 子 君 十七 番 須 見 一 仁 君 十八 番 井 川 龍 二 君 十九 番 元 木 章 生 君 二十 番 岡 田 理 絵 君 二十一番 南 恒 生 君 二十二番 岩 丸 正 史 君 二十三番 岡 佑 樹 君 二十四番 黒 崎 章 君 二十五番 扶 川 敦 君 二十六番 達 田 良 子 君 二十七番 寺 井 正 邇 君 二十八番 喜 多 宏 思 君 二十九番 重 清 佳 之 君 三十 番 嘉 見 博 之 君 三十一番 岡 本 富 治 君 三十二番 杉 本 直 樹 君 三十三番 西 沢 貴 朗 君 三十四番 臼 木 春 夫 君 三十五番 庄 野 昌 彦 君 三十六番 山 田 豊 君 ──────────────────────── 出席職員職氏名 事務局長 加 藤 弘 道 君 次長 島 田 浩 寿 君 議事課長 大 屋 英 一 君 政策調査課長 佐 金 由 美 君 政策調査課副課長 秋 山 敏 二 君 議事課副課長 木 邑 博 英 君 議事課課長補佐 一 宮 ル ミ 君 議事課係長 小 泉 尚 美 君 議事課係長 築 山 優 君 議事課主任主事 広 田 亮 祐 君 ──────────────────────── 列席者職氏名 知事 飯 泉 嘉 門 君 副知事 酒 池 由 幸 君 副知事 勝 野 美 江 君 政策監 瀬 尾 守 君 企業局長 板 東 安 彦 君 病院事業管理者 北 畑 洋 君
政策監補兼危機管理環境部長 谷 本 悦 久 君 政策創造部長 村 山 直 康 君 経営戦略部長 伊 藤 大 輔 君 未来創生文化部長 上 田 輝 明 君 保健福祉部長 森 口 浩 徳 君 商工労働観光部長 梅 田 尚 志 君 農林水産部長 平 井 琢 二 君 県土整備部長 松 野 秀 生 君 会計管理者 金 井 仁 志 君 病院局長 佐 々 木 季 裕 君 財政課長 福 岡 克 己 君 財政課副課長 高 木 和 久 君 ──────────────────────── 教育長 榊 浩 一 君 ──────────────────────── 人事委員長 森 俊 明 君
人事委員会事務局長福 田 輝 記 君 ──────────────────────── 公安委員長 米 澤 和 美 君 警察本部長 松 林 高 樹 君 ──────────────────────── 代表監査委員 岡 崎 悦 夫 君 監査事務局長 藤 本 真 路 君 ──────────────────────── 議 事 日 程 第三号 令和五年二月十六日(木曜日)午前十時開議 第一 議案自第五十八号至第八十一号、計二十四件 (提出者説明) 第二 県政に対する一般質問 (四 名) ────────────────────────
○議長(南恒生君) これより本日の会議を開き
ます。 ────────────────────────
○議長(南恒生君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたし
ます。 知事から、お手元に御配布のとおり、議案の提出通知
があり
ましたので、御報告いたし
ておき
ます。 諸般の報告は以上
であり
ます。 ────────────────────────
○議長(南恒生君) これより本日の日程に入り
ます。 日程第一、「議案第五十八号・令和四年度徳島県一般会計補正予算(第十二号)より第八十一号に至る計二十四件」を議題
といたし
ます。 以上の二十四件について、提出者の説明を求め
ます。 飯泉知事。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) おはようござい
ます。 本日、追加提出いたし
ました案件につき
ましては、令和四年度徳島県
一般会計補正予算案はじめ二十四件
であり
ます。 まず、
一般会計補正予算案につき
まして、その概要を以下申し上げさせ
ていただき
ます。 歳入におきましては、事業費の確定に伴い、県債につき
ましては百四十八億円の減額、歳出におきましては、減債基金への五十億円の積立てを行うなど、所要の補正を行うもの
であり
ます。 この結果、補正後の予算額につき
ましては五千八百十二億三百二十三万三千円
となり、令和四年度末の財政調整的基金残高につき
ましては、
財政構造改革基本方針の改革目標
である八百億円を大きく上回る一千億円に到達する見込み
であり、ポストコロナ新時代に向け、安定的
な財政基盤をこれまでになく強化したところ
であり
ます。 このほか、特別会計十八件、企業会計五件につき
ましても、それぞれ所要の補正を行うこと
といたし
ております。 以上、概略御説明申し上げ
ました
が、十分御審議賜り
まして、原案どおり御賛同賜り
ますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げ
ます。 ────────────────────────
○議長(南恒生君) 次に、日程第二、「県政に対する一般質問」を前回に継続し
て行い
ます。 十三番・岩佐義弘君。 (岩佐議員登壇)
◆十三番(岩佐義弘君) おはようござい
ます。徳島県議会自由民主党の岩佐義弘
でござい
ます。 代表・一般質問の二日目、一番バッター
でござい
ます。今回、最後の質問
となろうか
と思い
ますが、よろしくお願いいたし
ます。 県議会議員に当選させ
ていただい
て、初めて一般質問でこの場に登壇させ
ていただいたの
が、七年前の同じ二月議会
であり
ました。そのときは、三日目のトップバッターということ
であり
ました
が、初心に返れよ
と言われ
ているように
考えております。 二期八年の取組を振り返りつつ、誰かの役に立つよう、そして徳島県の発展につながるようという、その初心をいま一度胸に、質問し
てまいりたい
と思い
ます。知事はじめ理事者の皆様には、これまでの取組を踏まえ、徳島県
がもっと元気
で豊かになるよう、未来志向で御答弁をいただき
ますようよろしくお願いいたし
ます。 それでは、質問に入り
ます。 まず初めに、県民の安心・安全を支える全国モデルのデジタル基盤整備についてお伺いいたし
ます。 国において昨年六月に策定された
デジタル田園都市国家構想基本方針に基づき、令和五年度の国の当初予算案においても、自治体のデジタル実装を加速し、デジタルを活用した地方創生を進める取組など、様々
な分野のDX、デジタルトランスフォーメーションを推進すること
が盛り込まれ
ております。 デジタルの力で地方
と都市の差を縮め、サテライトオフィスに代表される地方の魅力を最大限生かし発信できるDXの取組にチャレンジし続けることは、人口減少対策としても大変
有効である
と考えます。 これまで県では、全国に先駆けた様々
なDX施策を推進し
てこられ
ました。中でも医療分野では、県立病院において、いち早く5Gを活用し、病院間を
高速情報ネットワークでつなぐ遠隔医療体制の強化に取り組んで
おり、全国の先駆的事例として、先日、テレビでも紹介され
ておりました。 その番組の中では、県南で進む遠隔医療の現状とともに、今後は、救急車
と病院
とをつなぐ構想も進められ
ている
とのこと
であり
ました。 また、防災分野では、那賀川
と海部川にローカル5Gの基地局を立て、夜間対応カメラ
と接続し
て、鮮明
な映像
がケーブルテレビで配信され
ております。災害時には、住民の迅速
な避難判断に活用でき、こうした防災分野へのさらなる拡大も期待し
ております。 このよう
なDX、デジタル化の取組を広く県内で実装へ
と展開するとともに、医療、防災をはじめ
とした地域課題解決につなげること
が大変重要
である
と考えます。 そこで、お伺いいたし
ます。 デジタル社会の恩恵を全ての県民
が享受できるよう、県民の安心・安全を支える全国モデルのデジタル基盤整備を本県で実現すべき
と考えますが、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、
南海トラフ巨大地震の被害想定見直しについてお伺いいたし
ます。 トルコ、シリアでの大地震では甚大
な被害
が発生し
ており、改めて災害への備えの重要さを感じ
ております。 東日本大震災を受け
て国
が示し
ていた
南海トラフ巨大地震の被害想定の算定
手法を参考に、県では平成二十四年に津波浸水想定を発表するとともに、翌平成二十五年に詳細
な被害想定を示し
ました。これらの想定に基づき、県では、ハード、ソフト両面から様々
な地震・津波対策を検討し、
国土強靱化地域計画や「とくしま─0(ゼロ)作戦」行動計画に盛り込み、死者ゼロの施策を展開し
てこられ
ました。 また、市町村においては、県の津波浸水想定や被害想定に基づき、避難路の整備、停電対策など避難所の機能強化、周知啓発活動、避難訓練など、多岐にわたる防災・減災対策を実施され
ております。 私
が議員になっ
てからの八年間でも、熊本地震や大阪府北部地震など大きな地震
が発生し
ており、私も防災・減災対策をさらに強化すべき
と思い、取り組んでまいり
ました。 しかし、幸いにも身近
で大きな地震
が発生し
ていない状況
が続く中で、耐震診断の受診率や家具を固定し
ている家庭の割合
が低下するなど、昨年度の地震・津波県民意識調査の結果からも、県民の防災意識の低下
が懸念され
ております。 このよう
な中、国は
南海トラフ巨大地震被害想定の見直しに着手し、来春をめどに地震対策の基本計画を改定する方針を明らかにいたし
ました。この見直しでは、最新の研究結果や防災対策などを反映させるということ
で、改めて、県民の命や財産を守り抜く取組
が加速し、県民の防災意識
が向上することにつながること
が期待され
ております。 そこで、お伺いいたし
ます。 国の被害想定見直しの方針を受け、県として今後どのように対応し
ていくのか、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、阿南市那賀川海岸における津波・高潮対策についてお伺いいたし
ます。(資料提示) 私の地元阿南市那賀川町は、山
がなく、海抜の低い広大
な平地
が広がっ
ており、東部に位置する出島地区では早くから圃場整備
が行われ、近くには科学センターや道の駅などの施設
が立地し、住宅街
が広がっ
ております。 那賀川町の東部、海岸の大部分の区間においては、立派
な堤防
が整備され
てい
ます。これは、昭和三十五年のチリ津波の際、津波
が防潮林を越え、農作物や家屋など人々の生活に多大
な被害を及ぼしたことから、県
が整備したもの
と聞い
ております。 この堤防では、近年、三十年以上前に描かれた壁画を再生する出島壁画再創造プロジェクト
が行われ
ており、地域活性化の場にもなっ
ております。 しかしながら、唯一、堤防の末端部における出島野鳥園の西側、苅屋川河口右岸側に限り、堤防の高さ
が低くなっ
ており、このままでは、この部分から津波や高潮による浸水
が広がること
が危惧され
ております。命山など避難場所の確保は進んで
おりますが、海抜の低いこの周辺住民にとって、堤防
がこのままの状態では、その不安感は払拭でき
ておりません。 県ではこれまで、関係者
との協議を長年にわたり粘り強く続け
てこられたことは承知し
ております。巨大津波
が発生する
とされる
南海トラフ巨大地震の発生確率
が高まる中、深刻
な津波・高潮被害から住民の生命や財産、優良
な農地を守るためには、十分
な高さの連続した堤防で、背後地域の安全・安心を可能
な限り早期に確保すること
が必要
とされ
ます。 そこで、お伺いいたし
ます。 かけがえのない県民の生命
と財産を守るため、出島野鳥園西側における農地海岸の堤防整備に向け、スピード感を持っ
て取り組むべき
と考えますが、御所見をお伺いいたし
ます。 (資料提示)次に、岡川流域の浸水対策についてお伺いいたし
ます。 阿南市下大野町は、世界有数の
LEDメーカー日亜化学工業が立地し
ており、阿南市はもとより徳島県の経済を支える重要
な地域
となっ
ております。 現在整備
が進む徳島南部自動車道の
阿南インターチェンジは阿南市の入り口
となることから、
津田インターチェンジまでの全線
が供用を開始し、周辺道路整備も進むことにより、この地域にLED関連企業や新しい産業
が集積すること
が見込まれ、阿南市、徳島県の発展に大きく寄与する可能性を秘めた地域になるもの
と大変期待し
ております。 こうした地域の可能性を早く現実のものにするためにも、一日も早い自動車道の整備を願い、この八年間、建設促進の要望活動へも積極的に参加し
てまいり
ました。 一方、この地域には岡川
が流れ
ておりますが、川幅の狭い箇所
が多いため、住宅の床下浸水、駐車場や道路の冠水など、これまでも度重なる浸水被害
が発生し
ております。 このパネルは平成十六年の浸水の様子
であり
ますが、平成二十八年台風第十六号では、広範囲
な浸水により、百台を超す自家用車
が水没、数十台
が廃車に至る被害も受け
ております。 これまで県においては、清水橋より下流の改修を平成二十六年度に完了させ、現在は清水橋から新西方橋の間の改修を進め
ており、地元住民は、新西方橋より上流部の早期の河川改修を望んで
おります。 田畑や住宅街の浸水被害の軽減を進めるとともに、今後の徳島南部自動車道の開通を契機
とした
阿南インターチェンジ付近の地域活性化のためにも、岡川上流域の浸水対策を戦略的に進めるべき
と考えます。 そこで、お伺いいたし
ます。 岡川の河川改修をはじめ、
阿南インターチェンジ付近の浸水対策にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたし
ます。 御答弁をいただき、質問を続け
てまいり
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 岩佐議員の御質問にお答えさせ
ていただき
ます。 県民の安心・安全を支える全国モデルのデジタル基盤整備を本県で実現すべき
との御提言
であり
ます。 過疎化や高齢化など、地域
が抱える課題を解決し、県民の皆様
が安心・安全を実感できるサステナブル社会を実現するためには、その土台
となるデジタル基盤整備を地方において積極的に展開する必要
がある
と認識いたし
ているところ
であり
ます。 実は5Gにつき
ましては、当初、NTTドコモをはじめ
とする民間企業
が整備するキャリア5Gのみ
であり
ました
が、これでは不採算地域では整備されず、採算の取れる大都市部のみに整備されること
となり
ます。そこで、国に対し、地方団体
が整備するローカル5G制度を創設すべき
との政策提言を行い、そしてこれ
が実現し、制度創設後、徳島県
が地方団体としては第一号の免許を取得すること
となり
ます。 このように、本県では全国に先駆け、ローカル5Gを活用した医療・防災分野の課題解決に取り組んで
おり、昨年十月には、
徳島ビジネスチャレンジメッセにおきまして、徳島
と大阪、万博の会場
である夢洲間
と同じ百六十キロメートル先へ、肉眼を超える8K手術映像を届ける遠隔医療や、医師を支援するロボット遠隔操作を実証するなど、二〇二五年大阪・関西万博を見据え、徳島発の未来技術の実装を着実に進め
ているところ
であり
ます。 また、頻発化、激甚化する自然災害や、迫りくる
南海トラフ巨大地震に備えるべく、十二月末には、災害対策本部
が設置される万代庁舎におきまして、携帯電話会社
とアンテナを共有する全国初のローカル5G
インフラシェアリングを整備完了するとともに、現在工事を進め
ている県立中央病院ER棟において、広域接続
と災害時の高速安定性を兼ね備える5G通信環境を標準装備すること
といたし
ております。 令和五年度には、こうした最先端のデジタル基盤を活用し、ドローンなどで撮影した高画質の被災地映像をはじめ、正確迅速
な情報提供による災害支援機能の強化、アイ・コンストラクションの実装による災害現場での安心・安全
な遠隔操作の実現、地域医療を支える遠隔医療体制のさらなる充実など、県民の皆様方の命を守る取組をしっかり
と加速いたし
てまいり
ます。 さらに、今年度、総務省から、救える命を救う革新的
な取組
となり
ます救急医療DXの全国モデルとして選定を受け、これまで、阿南市消防本部の救急車
と徳島赤十字病院間を超高速で接続し、救急患者の4K映像──4Kは肉眼
と同じ解析度
であり
ますが、4K映像や心電図データをリアルタイムに伝送するなど、実証を積み重ね
てまいり
ました。こうした点については、既に報道
がなされたところ
であり
ます。 ということ
で、昨日二月十五日には国の視察会
が開催され、医師による迅速
な診断や救急救命士への的確
な指示など、一歩先の救急医療連携として大いに期待できる成果
が得られたことから、これを支える遠隔医療システムを早期に、全国初
となる
医療コンソーシアム十五病院へ
と展開し、県内全域での実装拡大にしっかり
とつなげ
てまいり
ます。 今後とも、本県
が誇るデジタル基盤を活用し、徳島モデルのDX実装をさらに加速し、県民の皆様方
が安心・安全を実感し
ていただける、誰一人取り残されないデジタル社会の実現に向け、積極果敢にチャレンジを続け
てまいり
ます。 (谷本
政策監補兼危機管理環境部長登壇)
◎
政策監補兼危機管理環境部長(谷本悦久君) 国の被害想定の見直し方針を受けた今後の対応についての御質問
でござい
ますが、国においては、平成二十六年三月に策定した南海トラフ地震防災対策推進基本計画
が令和五年度に十年を経過することから、去る二月三日、次期計画に向け、現行の地震モデルや被害想定
手法などの見直しを行う有識者検討会を開催したところ
であり
ます。 本県においては、平成二十四年一月、国に先駆け、津波浸水予測図を公表し、同年十二月には、全国初の土地利用の規制
と緩和を盛り込ん
だ震災に強い社会づくり条例を制定するとともに、平成二十五年七月公表した県独自の被害想定を基に、
南海トラフ巨大地震発生時の死者ゼロに向け、住宅の耐震化の促進、即避難率向上に向けた意識啓発や避難施設の整備をはじめ
としたあらゆる取組を展開し
てまいり
ました。 一方、東日本大震災から十二年
が経過するとともに、近年のコロナ下における防災活動の減少などにより、議員お話しのとおり、防災意識の低下
が懸念され
ていることから、県においても、今回の国の動きを機に、被害想定の見直しや防災意識のさらなる啓発に取り組む必要
がある
と認識し
ております。 このため、本年三月を目途に、県庁関係部局及び外部有識者などで構成する被害想定検討プロジェクトチームを立ち上げ、防災・減災対策の推進により向上した住宅耐震化率や堤防整備率などのデータ更新、最新の知見を踏まえた地震モデルの構築、建物被害やライフライン被害に関する計算
手法など、被害想定の見直しに向けた議論を進め
てまいり
ます。 また、さらなる防災意識の啓発を図るため、南海トラフ地震臨時情報に関する研修会、被災後のまちづくりを
考える事前復興ワークショップ、高齢者等に配慮した実践的
な避難訓練などの取組を、市町村
と連携し、強力に実施いたし
ます。 今後とも、防災・減災対策や事前復興を積極的に推進し、切迫する
南海トラフ巨大地震をはじめあらゆる災害から、助かる命を助け、そして助かった命をつなぐ、死者ゼロの実現にしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (平井農林水産部長登壇)
◎農林水産部長(平井琢二君) 出島野鳥園西側の堤防整備についての御質問をいただい
ております。 近年の気候変動に伴い激甚化し
ております台風災害や、切迫する
南海トラフ巨大地震など、大規模災害の発生リスク
が一段と高まる中、海岸地域の防災・減災対策は、県民の皆様の安全・安心
な暮らしに不可欠
な県土強靱化事業
である
と認識いたし
ております。 かつて昭和三十五年に発生したチリ地震・津波の際には、阿南市出島地域の大部分で堤防
がなかったため、農地や家屋に甚大
な被害
が発生したことを教訓に、昭和三十九年から平成元年にかけ、約二十六年間で延べ二・六キロメートルに及ぶ堤防や十九基の離岸堤を整備した経緯
がござい
ます。 その後、県におきましては、東日本大震災を契機に、平成二十四年度末、徳島県設計津波の水位を新たに設定いたし
まして、まずは住民の皆様の生命を守ることを最優先
とした避難時間の確保に必要
な施設整備の推進を決定したところ
でござい
ます。 これを受け、議員お話しのとおり、出島野鳥園西側では百六十メートルにわたる堤防かさ上げの必要性
が明らかになり
ましたことから、その即応策として、平成二十九年度、県営の海岸保全施設整備事業に着手いたし
ました。 県では、早期の工事開始に向け、地元住民の皆様をはじめ関係機関の方々
と協議を重ねる中、出島野鳥園は春夏秋冬を通じて数多くの野鳥
が飛来すること、周辺海域は豊か
な漁場
となっ
ていることなどから、堤防の構造や施工方法について、周辺環境への十分
な配慮を求める様々
な声を頂戴いたしたところ
でござい
ます。 そこで、新た
な堤防につき
ましては、野鳥観察の池側
と海側双方への影響を最小限にとどめるよう慎重に検討を繰り返し、工夫を凝らしたコンパクト
な構造を御提示いたし
ましたところ、本年度、関係者の皆様の合意
が得られ
ましたことから、間髪入れず、鋭意、工事発注作業を進め、一昨日、堤防の基礎部分における排水路工事の契約に至ったところ
でござい
ます。 さらに、来年度以降は、水門設備や堤防本体の工事に順次着手し、令和八年度の台風シーズンまでに全ての工事を完成させるよう、スピード感を持っ
て進め
てまいり
ます。 今後とも、豊か
な自然環境に十分配慮しながら、県民の皆様
が安全・安心を実感できる強靱
な農山漁村地域を実現すべく、防災・減災対策にしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (松野県土整備部長登壇)
◎県土整備部長(松野秀生君)
阿南インターチェンジ付近の浸水対策についての御質問をいただき
ました。 阿南市下大野町から平野部を緩やかに流れ、桑野川へ注ぐ岡川の流域では、平成十六年台風第二十三号をはじめ、これまで幾度
となく浸水被害
が発生し
ております。 こうした水災害を踏まえ、下流端から県道大林津乃峰線清水橋までの約二・四キロメートルで堤防を整備し
てきたところ
であり
ます。 また、国の強靱化予算を積極的に活用し、河道掘削、樹木伐採を集中的に実施するとともに、市道新西方橋までの約八百五十メートルの区間におきまして、九割を超える関係者の皆様の御協力をいただいたことから、今年度より樋門の新設工事に着手し
ているところ
であり
ます。 議員お話しの
阿南インターチェンジ付近の浸水対策につき
ましては、まずは現在の工事区間の早期完成に努めるとともに、流域のあらゆる関係者
が協働し
て行う那賀川水系流域治水プロジェクトに基づき
まして、新西方橋から上流部の河川改修をはじめ、雨水の流出を抑える雨水貯留施設の整備、適切
な土地利用を図る土地利用規制など、浸水対策の実施に取り組んでまいり
ます。 今後とも、国、県、市、さらには地元の皆様の総力を結集し、ハード、ソフト一体
となった下流から上流までの一貫整備による流域治水を推進し、地域の皆様方の安全・安心の確保にしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (岩佐議員登壇)
◆十三番(岩佐義弘君) それぞれ御答弁をいただき
ました
が、コメント等は後でまとめ
て行い、質問を続け
ます。 県立中央病院で整備を進め
ておりますER棟の運用開始についてお伺いいたし
ます。 令和二年一月に新型コロナウイルス感染症の感染
が日本で初めて確認され
てから三年にわたるコロナ
との闘いの中で、県内各医療機関の医療従事者の皆様はもとより、福祉施設や学校など多くの関係者の皆様には多大
な御苦労
があったもの
と思い
ます。 県においても、未知の感染症への対応ということ
で、その時その時、最善の策を講じるとともに、コロナ以外の病気、けがや救急医療などへの対応も求められたもの
と思い
ます。 特に、新型コロナの感染
が拡大した際には、受入病院では感染患者への対応に追われ、救急患者の受入れも断らざるを得ないケース
が生じ
ており、県民の不安を解消し安全・安心を確保するため、感染症に対する医療提供体制を早急に構築すること
が求められ
ております。 こうした中、現在県立中央病院で整備を進め
ておりますER棟は、感染症にもしっかり対応できる救急感染症外来を有する施設
であり、新型コロナ対応はもとより、今後発生し得る新興感染症への備えとしても大きな期待を寄せ
ているところ
であり
ます。 その一方で、さきの九月定例会文教厚生委員会において、半導体など世界的
な資機材不足の影響を受けたことなどにより、当初予定の昨年十二月末の竣工は困難
であり、年度末の完成を目指す
との報告
があったところ
であり、その後の進捗状況
が懸念され
ております。 そこで、お伺いいたし
ます。 県立中央病院ER棟について、いつ頃の運用開始を見込んでいるのか、また県内の医療提供体制の充実強化にどのようにつなげ
ていくのか、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、阿南医療センターの機能強化に関して質問いたし
ます。 私の地元阿南市には、阿南共栄病院
と阿南市医師会中央病院の二つの中核病院
が、県から総額三十五億円にも上る大規模
な整備支援を実施いただき機能的統合した、新た
な地域の中核的かつ急性期病院
となる阿南医療センター
があり
ます。 この阿南医療センターは、阿南市民はもとより県南地域からの多くの患者にも対応すること
で、救急患者搬送件数や分娩対応件数、手術件数で実績を着実に増加させ
ております。特に、処置
が遅れる
と要介護のリスク
が高まる大腿骨近位部骨折の手術では優れた成果を上げ
ている
と聞い
ており、県民の健康管理に至るまでの広い範囲も含め、高齢化
が進む県南地域において重要
な役割を果たし
ております。 阿南市民はもとより県南地域人口約十万人の命
と健康を守る拠点病院として、地域完結型医療の実現に大きく貢献し
ているもの
と考えております。 一方で、人口減少の進行により、本県においては二〇二三年中に七十万人を割り込む見通し
との報道
が先日もあったところ
であり
ます。 今後、この人口減少に伴う若手医師の不足、医師のさらなる高齢化
が危惧されるところ
であり、医療の質の向上や人材の確保に向け
ては、医療DXなど新た
な技術を積極的に活用し、阿南医療センターのさらなる機能強化を図り、県南地域住民の命
と健康のとりでとしてしっかり守っ
ていく必要
がある
と考えております。 そこで、お伺いいたし
ます。 県南地域の医療提供体制の確保、充実に向け、阿南医療センターの機能強化をどのように図っ
ていくのか、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、発達障がい教育の充実についてお伺いいたし
ます。 昨年暮れに発表された文部科学省の調査では、発達障がい
と思われる子供
が小学校で一〇・四%、中学校で五・六%在籍し
ており、十年前の調査
と比べかなり増え
ている
とのこと
であり、改めて発達障がいに対する配慮や支援の充実
が必要
である
と感じ
ております。 発達障がいの子供は、集中力
が続かず気
が散りやすい、コミュニケーション
が苦手などの特性
があり、学校生活の集団行動になじめず、周囲から取り残されることも多い
と聞き
ます。今回の調査からは、低学年ほどその割合
が高くなる傾向にあり、小中学校の早い段階からしっかり
とケアをし
ていくこと
が重要
である
と言われ
ております。 一方で、小中学校の現状に目を向け
ますと、その多く
が、担任や教科を担当する先生
が一人で授業を進めながら、特別
な支援
が必要
な子供にも指導を行っ
ている
とのこと
で、教員の負担
となっ
ている面もあるか
と思い
ます。 こういった状況を改善し、全ての子供たちの学びを保障するためには、教員
が早い段階から子供たちの特性を理解し、子供たちへの接し方を理解した上で授業を進めること
が重要
であり、それは教員の負担の軽減にもつながるもの
だと考えます。具体的には、子供たち一人一人に応じた支援を一層充実させるため、専門家からの知見を生かすなど、先生方の専門性をより高めること
が効果的
な方策ではないか
と考えております。 そこで、お伺いいたし
ます。 発達障がいのある子供に対し、先生方の指導力を高め、よりきめ細やか
な支援を充実させ
ていくべき
と考えますが、御所見をお伺いいたし
ます。 最後の質問
となり
ます。私たち
が生き
ていく上で必要不可欠
な食を生み出す本県農林水産業についてお伺いいたし
ます。 私は、県議
となる前、専業として農業に携わり、県の普及員にも御指導いただきながら、農業青年グループ活動や農業委員などを通じて地域農業に関わっ
てまいり
ました。また、農業のみならず、友人
が営む畜産業や、親類、知人
が行っ
ている水産業など、それぞれのよいときも、また厳しい状況なども見
てまいり
ました。 このよう
な経験や話を聞い
てきた中で、県議として、この八年間、私たち
が生き
ていく上で不可欠
な食を生み出す農林水産業を守り、農山漁村の振興を図りたい、その一心から、徳島県の農林水産業
が持続し、成長する産業になるよう、本会議や委員会において質問し
てまいり
ました。圃場整備の推進や海の栄養塩低下の問題、気候変動に適応できる品種改良や生産技術開発の必要性、海外輸出を含めた販売戦略、そして食育など、問題提起や提言をさせ
ていただき
ました。 県におかれ
ましては、これまで、私の提言も真摯に受け止め、施策展開をいただき、例えば、芳崎地区をはじめ
とした圃場整備
が進み、JAアグリあなんすだち部会のGAP大賞の受賞など、様々
な施策を通じて生産者を御支援いただい
ており、大変感謝し
ております。 しかし一方で、農林水産業を取り巻く状況を見
てみ
ますと、人口減少からの消費の縮小、販売価格の低迷、また最近は、ウクライナ危機に端を発した資材価格の高騰などにより、依然として厳しい経営環境
が続い
ております。 こうした状況
が続けば、本県においても農林水産業従事者
がさらに減少し、田畑や漁港など生産基盤の荒廃
が進むの
ではないか
と大変危惧し
ております。そして、いつの日か食料危機
がやってくるの
ではないか
と、じくじたる思いをし
ております。 農林水産業の生産力
が伸び悩む中、県民の命の源
である食料を供給する農林水産業を継続させ、さらに発展させ
ていくためには、担い手の育成はもとより、新た
な技術の開発実装など、農林水産業を将来にわたって持続性のある産業
とし
ていくこと
が不可欠
である
と考えております。そして、県の掲げるDX、GXを最大限に活用することにより、農林水産業
が真に魅力ある希望
が持てる成長産業
となるよう心から願っ
ております。 そこで、お伺いいたし
ます。 農林水産業の使命
である食料生産
が、将来にわたり持続的に確保され、発展し
ていくよう、DX・GX一体型の生産強化策を推進すべき
と考えますが、御所見をお伺いいたし
ます。 御答弁をいただき、まとめに入り
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 県立中央病院ER棟について御質問をいただい
ております。 近い将来、発生
が予測され
ております南海トラフ巨大地震への備えをはじめ、新た
な国難
である新型コロナウイルス感染症や、今後発生
が懸念される新興感染症への対応
がまさに喫緊の課題
となっ
ており、こうした役割を担う中核的
な施設としてER棟の整備を進め
てきたところ
であり
ます。 本体工事につき
ましては、令和三年十月に着手後、早期完成を目指す中、世界的
な資機材不足の影響により、当初の令和四年十二月末の竣工予定を延期せざるを得ない状況
となり
ました
が、工事関係者の皆様方の御尽力により、このたび本年三月末の竣工にまずめど
が立ったところ
であり
ます。 なお、依然として、半導体不足による機器調達への影響をはじめ様々
な不確定要素を抱え
ておりますが、本年四月以降、医療機器の搬入や移設、新施設の運用に向けた職員トレーニングなど、所要の準備にスピード感を持っ
て取り組み、本年五月末の運用開始を目指し
てまいり
ます。 また、議員からお話
があり
ました県内の医療提供体制の充実強化に向け
まして、少し具体的に申し上げ
てまいり
ますと、発災時における災害医療の中心的役割を担う県内唯一の基幹災害拠点病院としての活動拠点、全面陰圧化された救急・感染症外来における新た
なパンデミックへの対応など、県下全域の様々
な危機事象を想定した救急・感染症対応機能を発揮いたし
てまいり
ます。 さらには、ローカル5G
とキャリア5Gの連携環境を生かした5Gオンライン診療室を常設し、先進的
な遠隔医療における地域医療支援の充実強化を図るとともに、新興感染症対応
と通常医療
との両立に向け、今後整備予定のシミュレーション機器を備えた高度医療研修施設、いわゆるスキルスラボにおきまして、平時は県下全域を対象
とした人材育成の拠点として、感染拡大時には重症の感染症患者を受け入れる陰圧設備を備えたHCU高度治療室として、リバーシブル
な活用を行っ
てまいり
ます。 今後とも、ポストコロナ新時代をしっかり
と見据え、多様
な機能を融合させたER棟の能力を最大限に発揮し、県立中央病院
が本県医療の中核拠点としてその役割をしっかり
と果たすことにより、県内の医療提供体制の充実強化につながり
ますよう、全力で取組を進め
てまいり
ます。 (勝野副知事登壇)
◎副知事(勝野美江君) 食料生産の持続的
な確保に向け、DX・GX一体型の生産強化策を推進すべき
との御質問をいただき
ました。 生産者の高齢化や後継者不足
が進む中、将来にわたり食料を安定的に供給するためには、担い手の育成確保はもとより、収益性の向上を目指しながら、先端技術の導入によるイノベーションを積み重ね、生産力の強化を図ること
が重要
と認識し
ております。 このため、県では、徳島県食料・農林水産業・農山漁村基本計画におきまして、スマート農林水産業の実装を基本戦略の一つに掲げ、IoTによる生育環境の遠隔モニタリングシステム、GPS誘導による自動走行農業機械、AIによる病害虫の高精細画像解析システムなど、数々のスマート技術の現場実装を積極的に推進し
てまいり
ました。 一方、気候変動や資材価格の高騰など、農林水産業を取り巻く環境
が大きく変化する中、食料生産の持続的発展に向け
ては、議員お話しのとおり、省力化に資する先端技術によるDX
と環境負荷を低減させる技術によるGX
との一体的
な生産強化策の加速
が急務
であり
ます。 このよう
な認識の下、県では、二十四市町村
との連名で今年度末に策定予定の徳島県みどりの食料システム戦略基本計画におきまして、DX・GX一体型の生産モデルを核
としたみどり戦略実践産地を創出すること
といたし
ております。 まず、農業分野では、省力化とともに、化学肥料、農薬の削減を図るため、例えば、ドローンを活用した適切
な薬剤散布に併せ
て、水稲では、耕畜連携による堆肥を用いた土づくり、ナスでは、天敵昆虫を利用した害虫の予防、駆除など、生産者の皆様と共に積極的に導入し
てまいり
ます。 また、畜産分野では、肉牛の夏場のストレス
と繁殖
との相関データを解析し、繁殖効率向上
と飼料コスト低減を図る飼養管理技術、水産分野では、漁船操業の燃油使用量削減につながる水揚げ情報
と海水温自動観測ブイを用いた漁海況予測技術などを早期に確立し、現場実装し
てまいり
ます。 さらに、徳島大学はじめ関係機関
と構成するアグリ、フォレスト、マリンの各サイエンスゾーンや、農林水産総合技術支援センターにおけるローカル5Gを活用したオープンラボなど、DX・GX新時代を先駆ける本県の強みを生かし
まして、生産現場
が抱える諸課題の解決を進め
てまいり
ます。 今後とも、地域農業に携わっ
てこられた議員の熱い思いをしっかり
と受け止め、そして数々いただき
ました御提言も踏まえ
まして、本県農林水産業
がDX・GX新時代を先導する成長産業
となるよう、全力を挙げ
て取り組んでまいり
ます。 (森口保健福祉部長登壇)
◎保健福祉部長(森口浩徳君) 阿南医療センターの機能強化について御質問をいただい
ております。 阿南医療センターは、救急告示医療機関として、年間二千件を超える救急搬送患者の受入れや、また新型コロナウイルス感染症では、重点医療機関としての積極的
な対応など、県南の中核的
な病院として、地域医療の確保に重要
な役割を果たし
ていただい
ております。 また、徳島大学
と連携した寄附講座を病院独自
で設置すること
で、生活習慣病や循環器疾患、血液疾患など幅広い疾患に対応する診療機能の強化を図るとともに、将来の地域医療を担う若手医師の育成や臨床研究の推進に積極的に取り組んでいただい
ているところ
でござい
ます。 一方、議員お話しのとおり、今後、阿南医療センターにおきましても若手医師の不足や医師の高齢化の進行
が危惧されるところ
であり、県南地域における持続可能
な医療提供体制を構築するためには、地域医療を担う新た
な医師の確保育成や、若手医師の関心
が高い医療のデジタル化を通じた機能強化
が極めて重要
である
と認識し
ております。 このため、県におきましては、県医師会や県地域医療支援センターなどの関係団体で組織する県臨床研修連絡協議会の広報活動を通じて、若手医師を養成する本県臨床研修病院の魅力を県内外に戦略的に発信し、初期臨床研修医のさらなる確保や、また徳島大学医学部地域特別枠医師の育成を通じて、阿南医療センターで活躍する人材の確保を進め
てまいり
ます。 さらに、県内全域での実装を目指し
ております5G技術を活用した遠隔医療システムでは、これまでの県立病院に加え、今年度、徳島赤十字病院への導入
が実現したところ
であり、今後、県南地域へのさらなる展開に向け、重要
な役割を担う阿南医療センターへの導入を進めること
で、医療DXによる新た
な技術を活用した医療の質の向上
と若手医師の確保に資する魅力ある医療環境づくりを目指し
てまいり
ます。 今後とも、誰も
が安心し
て暮らせる社会の実現に向け、地域医療を担う人材の確保
とデジタル技術の活用を積極的に取り組むこと
で、阿南医療センターの機能強化をしっかり
と支援し、県南地域における医療提供体制の充実強化を図っ
てまいり
ます。 (榊教育長登壇)
◎教育長(榊浩一君) 発達障がいのある子供に対し、教員の指導力を高め、よりきめ細やか
な支援を充実させ
ていくべき
との御質問
でござい
ますが、発達障がいの子供はコミュニケーション
が苦手
であり、学校生活において集団行動になじめないなどの場面
が多く、個々の特性をしっかり
と把握した上で、適切
な支援により、その改善に取り組むこと
が重要
である
と認識し
ております。 このため、県教育委員会では、全国に先駆け、平成二十七年度から問題行動を未然に防ぎ適切
な行動を教えるポジティブ行動支援を全県展開するとともに、全ての教員を対象に、発達障がいの専門性向上に向け、e─ラーニング教材等を開発し、職務研修に導入するなど、教員一人一人の指導力向上を図っ
てまいり
ました。 こうした取組により、子供のよさを認め
て伸ばす指導
が県下の学校に徐々に定着し始め
ており、今後は、ポジティブ行動支援の優良事例を表彰するコンテストの開催や、特色ある実践をPR動画や事例集として発信し、しっかり
と横展開を図っ
てまいり
ます。 また、早い段階から子供たちの特性を理解し、適切
な支援を行うこと
が効果的
と言われ
ており、そのためには、小中学校の通常学級や特別支援学級で指導する教員の専門性を高めること
が不可欠
であり、議員御提案のように、専門家からの知見を生かした子供たち一人一人に応じた具体的支援の一層の充実
が必要
である
と認識し
ております。 そこで、最新の研究知見を有する教育分野の専門家で構成された新時代発達障がい教育推進プロジェクトチームを新たに設置し、発達障がいの子供の個別指導や集団指導に関する教育実践を広く展開し
てまいり
ます。 具体的には、就学前など早期からの適切
な個別指導として、誤りや失敗をさせずに成功体験を積み重ね、自尊心や自己肯定感を高めること
ができるエラーレスラーニング、また児童生徒への集団指導として、年齢に合わせ
て適切
な振る舞いを学習できるソーシャルスキルトレーニングや、専門家による学校コンサルテーションの実施など、支援内容のさらなる充実を図っ
てまいり
ます。 加え
て、日々の授業の悩みなどを気軽に相談できるオンライン研修会を毎月開催し、教員の情報交換の場として提供し
てまいり
ます。 県教育委員会
といたし
ましては、発達障がいのある児童生徒
がその特性や能力を発揮し、学校や地域で生き生き
と活躍できるよう、全力で取り組んでまいり
ます。 (岩佐議員登壇)
◆十三番(岩佐義弘君) それぞれ御答弁をいただき
ました。御答弁に対するコメントを申し上げ
ます。 デジタル基盤整備においては、阿南市消防の救急車から救急患者の映像やデータ伝送実証
が進んで、救急医療連携の結果から、遠隔医療システムを十五病院のコンソーシアムへ
と展開するということ
であり
まして、その後
であり
ました
が、阿南医療センターの機能強化へ
ともつながるもの
であり
ます。この医療DXというもの
が、阿南市
がモデル
となっ
て、救急車
との連携も含め
て、県内全域に早期に拡大することを願っ
ております。 また、その中核
となるER棟に関しても、五月末の運用を開始するということ
であり
まして、平時の人材育成の拠点、そして災害時においては災害医療の中心的役割をしっかり
と担っ
ていただきたい
と思っ
ております。 そして、若手医師の育成とともに、阿南市はもとより県内全域において、安心し
て生活できる、そんな医療提供体制の強化をしっかり
と図っ
ていただき
ますよう強く要望し
ておき
ます。 被害想定の見直しについては、検討プロジェクトチームでの迅速
な議論を早急に行っ
ていただき、市町村
と連携した防災意識の向上に努め
ていただきたい
と思っ
ております。 出島の堤防整備においては、令和八年度台風シーズンまでに完了という御答弁をいただき
ました。 周辺住民にとっては、長年にわたって不安
な材料
だった
と思い
ます。それ
がこれから動い
ていくということは、本当に安心を届けられるものというふうに思っ
ております。 先ほどの被害想定の見直し
と併せ
て、堤防
ができたから安全
だというわけ
ではなく、しっかり
と災害
が起こったときに自分の身を守れるよう、そんな防災意識
が高まるよう
な取組をお願いしたい
と思い
ます。 加え
て、避難想定の見直しに関してです
が、市町村において避難路の整備
であったり、また避難所のQOLの向上、機能強化などを行っ
ておりますが、そういったゼロ作戦の事業の拡充ということもお願いし
ておきたい
と思い
ます。 岡川に関しては、私も何度も現場に足を運んで
おりますが、やはり新西方橋上流への早期の整備というものを住民の方は求められ
ております。しっかり
と形
が見え
てくるように、これからもその整備を進め
ていっ
ていただきたいというふうに思い
ます。 また、
阿南インターチェンジ付近のポテンシャルを最大限生かせるようにも要望し
ておき
ます。 発達障がい教育に関しては、子供一人一人への支援
が充実するよう、教員の研修をしっかり
と行っ
ていただきたい
と思い
ますし、ただ、やはり教員の負担というものもまだまだあろうか
と思い
ます。学びサポーターや特別支援教育支援員の積極的
な活用など、人的
なサポートも拡充するよう要望し
ておき
ます。 農林水産業の質問に関しては、大変広範囲で大きな質問
となり、御答弁も困ったこと
だと思い
ますが、食に関しては、昨日も寺井先生、岡田先生からもあり
ました
が、本当に大切
なこと
だというふうに私も思っ
ております。その中で、これからの多くの取組をお話しいただき
まして、ありがとうござい
ました。 スマート農業など、担い手をしっかり守っ
ていくこともやはり大切です。受け手
となる担い手をしっかり
と育て
ていくとともに、小さな農地を守っ
てくれ
ている小規模農家というのもたくさんい
ます。そういった方への支援もしっかり
と進め
ていっ
ていただきたい
と思い
ます。 徳島の食を守るためにも、本県農林水産業をしっかり守っ
ていただきたい。そして、農山漁村を守ることは県土の保全にもつながるもの
であり
ますので、その辺も含め
て、農林水産業はしっかり頑張っ
ていただきたい
と思い
ます。私も農業畑として、県の農政を一緒によりよくしたいという思いはまだまだあるんですけれども、今後の農林水産部のさらなる御尽力をお願いし、エールを送りたい
と思い
ます。 まとめ
といい
ますか、最後になるんです
が、私は県議会議員として二期八年務めさせ
ていただき、この間、地元阿南市に軸足を置きつつ、徳島県全体の発展につながるよう取り組んでまいり
ました。一方で、県民、市民の豊か
な生活をつくっ
ていくためには、県
と連携しながら、主体
となる市町村、基礎自治体の力も大変重要
である
と感じ
ております。 コロナ禍、またさらに物価高騰も加わった閉塞感のある状況から抜け出し、活気にあふれ、豊か
な地域をつくっ
ていかなければならない
との思いを強く持った次第
であり、今任期をもっ
て県議を辞し
て、地元阿南市のために尽力することを決意いたし
ました。 これまで県議会においてたくさんの御指導をいただき
ました議員各位に心から御礼を申し上げ
ますとともに、様々
な面で御対応いただき
ました知事はじめ理事者、そして職員の皆様にも感謝を申し上げ
ます。 また、傍聴にもお越しいただい
ておりますが、県議会議員としてお支えをいただい
ている皆様にも心から感謝を申し上げ
ます。 これからは、県議会で得た知識や経験、そして皆様
とのつながりを大切に、そしてそれを生かし、全ての県民
が地元徳島そしてそれぞれの地域に誇りを持てるよう、そして地元阿南市の発展から徳島県の発展へ
とつながるよう全力で取り組んでいくことをお誓いし、全ての質問を終わらせ
ていただき
ます。御清聴ありがとうござい
ました。(拍手) ────────────────────────
○議長(南恒生君) 議事の都合により、休憩いたし
ます。 午前十一時四分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 午前十一時二十七分開議 出席議員計三十三名 (その番号・氏名左のとおり
である) 一 番 増 富 義 明 君 二 番 立 川 了 大 君 三 番 井 下 泰 憲 君 四 番 福 山 博 史 君 五 番 梶 原 一 哉 君 六 番 浪 越 憲 一 君 七 番 仁 木 啓 人 君 九 番 原 徹 臣 君 十 番 北 島 一 人 君 十一 番 大 塚 明 廣 君 十三 番 岩 佐 義 弘 君 十四 番 古 川 広 志 君 十五 番 長 池 文 武 君 十六 番 吉 田 益 子 君 十七 番 須 見 一 仁 君 十八 番 井 川 龍 二 君 十九 番 元 木 章 生 君 二十 番 岡 田 理 絵 君 二十二番 岩 丸 正 史 君 二十三番 岡 佑 樹 君 二十四番 黒 崎 章 君 二十五番 扶 川 敦 君 二十六番 達 田 良 子 君 二十七番 寺 井 正 邇 君 二十八番 喜 多 宏 思 君 二十九番 重 清 佳 之 君 三十 番 嘉 見 博 之 君 三十一番 岡 本 富 治 君 三十二番 杉 本 直 樹 君 三十三番 西 沢 貴 朗 君 三十四番 臼 木 春 夫 君 三十五番 庄 野 昌 彦 君 三十六番 山 田 豊 君 ────────────────────────
○副議長(井川龍二君) 休憩前に引き続き、会議を開き
ます。 一番・増富義明君。 (増富議員登壇)
◆一番(増富義明君) 徳島県議会自由民主党の増富義明
でござい
ます。 少し下品
な方も
おられ
ますが、ここは神聖
な場所
でござい
ますので、ゆっくり
と御観覧いただきたい
と思い
ます。どうかよろしくお願いいたし
ます。 副議長の許可をいただき
ましたので、通告順に従いまして一般質問を進めさせ
ていただきたい
と思い
ます。どうかよろしくお願いを申し上げたい
と思い
ます。 そして、傍聴にいらっしゃる皆様方には、ふだんより後ろでゆっくり
と、本当に温かく支え
ていただい
ておる皆様ばかり
でござい
ます。最後まで一生懸命やりたい
と思っ
ておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げたい
と思い
ます。 そして、私にとりまして最後の質問ということ
でござい
ます。僕はよく野球に例え
てということで冒頭スタートするんです
が、いよいよ私も最後ということ
で、引退試合
でござい
ます。 引退試合というのは、バッター
が引退する場合は、ピッチャーは打ちやすい球を投げ
てくれ
ます。ピッチャー
が引退するときは、バッターは三振ですね。知事をはじめ理事者の皆様方は、これを御承知の上に御配慮賜り
ますよう、よろしくお願いを申し上げ
ます。 それでは、順次進めさせ
ていただきたい
と思い
ます。 まず、地方創生の観点から、地方大学・地域産業創生事業についてお伺いいたしたい
と思い
ます。 先般、国において閣議決定され
ましたデジタル田園都市国家構想総合戦略におきまして、デジタルの力を活用した地方の社会課題解決や魅力向上を図るための取組方針の一つに、人の流れをつくることを挙げ
ております。この取組の重要施策の中には、地方大学の魅力向上を通じた産業振興、雇用創出
が挙げられ
ております。 県におきましては、本総合戦略の前身
であり
ますまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、平成三十年から地方大学・地域産業創生交付金事業を活用し、光をテーマにした特色のある地方大学づくりから、産学金官
が強力に連携し、LED関連企業
が集積する本県産業界の強みを生かした産業振興、雇用の創出に取り組んで
おられ
ます。 また、こうした取組を推進し、LED
と、光
といえば徳島というブランド力に磨きをかけ
てきた結果、徳島大学における理工学部三十名の定員増にも、全国三大学の一つとして実を結ん
だと聞い
ております。来る四月からの徳島大学の医学
と光科学の知見を融合した新た
なプログラムの開始を機に、さらに若者
が集い定着する新た
な流れも大いに期待し
ているところ
でござい
ます。 さらには、このたび開会時には、この事業の五年間の取組を踏まえ、国からさらに四年間の追加支援
が決定した
との説明
があったわけ
でござい
ます。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 地方大学・地域産業創生事業への国からの追加支援を機に、今後どのように取組を加速させ、地方創生につなげ
ていくのか、御所見をお願いしたい
と思い
ます。 次に、スポーツを活用したにぎわいの創出についてお伺いさせ
ていただきたい
と思い
ます。 昨年は、サッカーのワールドカップ
が開催され、日本代表はドイツそれからスペインに勝利を挙げる活躍を見せ
て、多くの国民
が元気をもらったわけ
であり
ます。来月には、野球の世界一を決めるワールドベースボールクラシック
が予定され
ておりまして、サッカーに続く活躍を期待し
ております。 また、本県では、三月十九日にとくしまマラソン
が予定され
ており、町なかをランニングされる方の姿もよく目につくようになっ
てまいり
ました。やはりスポーツには、する人、それから見る人、様々
な人を感動させ元気にする力
がある
と思い
ます。 五月には新型コロナウイルス感染症法上の分類も五類に引き下げられることから、ポストコロナに向け、スポーツの力を活用し
て地域を活性化させる絶好の機会
である
と思い
ます。 徳島には、徳島ヴォルティス、それから徳島インディゴソックスのプロチーム、Bリーグ参入を目指すバスケットボール徳島ガンバロウズやバレーボールのジェイテクトSTINGS、こうしたチームを県民一丸
となっ
て盛り上げ
ていく取組
がこれまで以上に必要
ではないでしょうか。 スポーツ機運の盛り上がりは、地域における交流を促進し、JAアグリあなんスタジアムでの野球合宿など、各地域のスポーツ文化の醸成にもつながるもの
でござい
ます。様々
なスポーツの場に、県内外の子供から大人まで幅広い世代の参画を促すこと
で、交流人口の増加や消費の拡大を図るべき
と考えるわけ
でござい
ます。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 ポストコロナを見据え、スポーツを活用したにぎわいの創出にどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたし
ます。 御答弁をいただき、質問を続け
てまいり
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 増富議員の御質問にお答えさせ
ていただき
ます。 地方大学・地域産業創生事業を今後どのように加速させ、地方創生につなげ
ていくのか、御質問をいただい
ております。 次世代光技術の応用を通じ、産業振興
と若者の雇用創出を図るため、平成三十年度に全国七団体の一つとして採択を受け、これまで、産学金官
が総力を結集し、大学の魅力向上
と若者の修学・就業促進に取り組んできたところ
であり
ます。 本事業を採択後、速やかに、徳島大学におきまして、世界トップレベルの研究者を招聘したポストLEDフォトニクス研究所、いわゆるpLEDを創設し、次世代光に関する最先端研究やそれを担う高度人材の育成を強力に推進し
てきたところ
であり
ます。 さらには、県内企業
と工業技術センターの共同研究からは、次世代光の一つ
である深紫外光──つまり紫外線のさらに外というもの
であり
ますが、深紫外光を活用した空気清浄機やドアハンドルの自動殺菌装置など様々
な製品
が開発され
ており、着実にその成果
が積み上げられ
てき
ているところ
であり
ます。 こうした中、今年度
が国費支援の最終年度
とされ
ておりました
が、成果のさらなる拡大加速
が見込まれる取組に対し、最長四年間追加支援を行う、いわゆる展開枠
が国において創設されたところ
であり
ます。 そこで、次世代光の活用により、人口減少や災害列島、新型コロナウイルスなどの社会課題の解決を図り、本県
が未来社会を切り開く
との気概の下、テラヘルツ波や赤外光を活用した通信・医療分野における最先端光研究
と社会実装の推進、研究シーズを円滑に事業化につなげるための実践的人材育成に重点的に取り組むこと
とし、このたび晴れ
て採択
となったところ
であり
ます。 この展開枠を最大限活用し、徳島大学を中心に挙県一致で、超高速大容量
と超低消費電力の両立を目指すBeyond 5G実用化に向けたオール光型テラヘルツ通信の技術開発や、高齢化社会の予防医学に貢献する呼気による症例診断を行う高感度赤外センサーの開発、次世代光インキュベーション機構の創設による企業人材
とのプロトタイプ開発などを積極的に進め
てまいり
ます。 また、徳島大学においては、いよいよ本年四月から、三十名の特例的定員増による新た
なプログラム
がスタートいたし
ます。 この制度につき
ましては、私
が全国知事会長の時代に、このコロナ下において、特に東京を中心に、若者の皆さん方の六五・八%
が、もう東京を離れ地方へ転職したい、こうした希望
が民間調査の中で出
てまいり
ましたので、新次元のまさに分散型国土の形成
が必要
である、そのためには地方大学の定員増、魅力向上
が必要、このように提言し、令和五年度から国において初めてこの制度
が導入され、その全国三大学の一つに徳島大学
が選ばれたところ
であり
ます。 この定員増
と展開枠
との相乗効果を大いに発揮させ、大学の魅力向上
と若者の修学・就業促進の取組をより一層加速させることにより、光を学ぶ
なら徳島、光をなりわいにする
ならば徳島
と、光を目指し
て若者
が集う、徳島ならではの地方創生の実現に積極果敢にチャレンジいたし
てまいり
ます。 (梅田商工労働観光部長登壇)
◎商工労働観光部長(梅田尚志君) スポーツを活用したにぎわいの創出について御質問をいただい
ております。 県におきましては、これまで、徳島の春の風物詩として定着した
とくしまマラソン、徳島ヴォルティスや徳島インディゴソックス
と連携した県民デーの開催など、スポーツを通じて県内外から人を呼び込むにぎわいの創出に取り組んでまいり
ました。 こうした中、新型コロナウイルス感染拡大により、様々
なスポーツイベント、競技大会
が延期や中止を余儀なくされるなど大きな影響を受け
てまいり
ました
が、新規感染者数は減少傾向にあり、五月八日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを五類に見直す決定
がなされたことから、人の移動や経済活動の本格的
な活性化
が期待され
ております。 そこでまず、県内外の多くのランナーの皆様から期待の声をいただい
ている
とくしまマラソンの四年ぶりの開催に向け、しっかり
と取り組んでまいり
ます。 また、これまでに培っ
てきたスポーツチーム
と連携した取組を徳島ガンバロウズやジェイテクトSTINGSに拡大し、県民
がチームを支え、チームの活躍
が県民を元気にする、活力の好循環を生み出すとともに、競技力の向上や、未来を担うスポーツ人材の育成につなげ
てまいり
ます。 さらに、スポーツ合宿の取組を強化するため、徳島県スポーツコミッションを核として、参加者のニーズに応じたきめ細やか
な支援による誘致活動を精力的に展開し、県内各地でのスポーツ機運の醸成
と交流の促進を図っ
てまいり
ます。 加え
て、スポーツ
と本県の強み
である自然や伝統文化などサステナブル
な観光コンテンツを組み合わせた徳島ならではのスポーツツーリズムを構築し、徳島ヴォルティス
とドイツ・ハノーファー96
との国際スポーツ交流などの機会を捉えたプロモーション活動を積極的に展開することにより、インバウンド誘客の拡大につなげ
てまいり
ます。 今後とも、大阪・関西万博、その先のワールドマスターズゲームズ関西の開催も見据え、スポーツの持つ魅力を最大限に活用した新た
な交流やにぎわいの創出にしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (増富議員登壇)
◆一番(増富義明君) それぞれ御答弁をいただき
ました。答弁に対する私の意見は、最後に申し上げたい
と思い
ます。 質問を続け
てまいり
ます。 続い
て、販路拡大に向けた多様
な農業人材の確保についてお伺いいたしたい
と思い
ます。 本県の基幹産業
であり
ます農業の持続的発展を一層加速させるためには、やはり関西から近い地の利を生かした販路拡大を目指すべき
であり、それを支える農業の担い手の確保のためには一生懸命汗をかかなければならない
と、私自身、県議会議員
となっ
てからも痛切に感じ
ているところ
でござい
ます。 また、担い手の確保策を進める上で、若手やシニアの世代までの全世代において、年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮できる生涯現役社会を実現することは極めて重要
であるわけ
でござい
ます。 私の地元吉野川市でもそうです
が、県内を見る
と、元気
な高齢者
であるアクティブシニア
が活発に就労し
ている姿をよくお見かけし
ます。皆様
が持つマンパワーを農業の現場で発揮し
ていただくべく、こういった地域の潜在能力を引き出すよう
な思い切った対策を講じ
てはどうでしょうか。 さらには、国におきまして、定職を持ちながら副業を行うダブルワークやテレワークを活用し、働きながら休暇を取るワーケーションの導入を推奨し
ているところ
でござい
ます。このよう
な潮流を捉え、県内外における新た
な働き方を希望される方々にも農業人材として御活躍いただくべく、その具現化策に、地方創生の旗手徳島こそ
が率先し
て取り組むべき
ではないでしょうか。 このように、様々
な世代や新た
な働き方を実践する方々に農業の担い手
となっ
ていただき、県内の産地形成や生産力の向上につなげ
ていくとともに、有望
なマーケットの開拓に挑戦し
ていただくこと
が、本県農業の持続的
な発展に不可欠
ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 食料供給立県徳島に不可欠
な販路拡大に向け、全世代
がより活躍できる多様
な農業人材確保策を推進すべき
と考えますが、御所見をお願いしたい
と思い
ます。 次に、池田高校のさらなる魅力化についてお伺いさせ
ていただきたい
と思い
ます。 私の母校県立池田高校は、大正十一年に創立し、本年度、創立百周年という記念すべき年を迎え
ました。 私自身、野球部員として、故蔦監督の下、懸命に白球を追いかけたの
がつい最近のように思い浮かぶわけ
でござい
ますが、五十七年生きた人生の中で、この三年間は今はもう八割ぐらい怒られた三年間
だと思うんです
が、昨年十一月に開催され
ました創立百周年記念講演会には全国から池高ファン
が詰めかけたほか、報道でも大きく取り上げられ
ました。池田高校の知名度の高さを再認識するとともに、私自身も母校に対する思いを改めて強く感じたところ
でござい
ます。 さて、現在の池田高校を取り巻く状況は、運動部活動の活躍や探究科の活動によりまして、県内外から多くの生徒
が集まり始め、学校を中心
とした新た
なにぎわい
が生まれつつあるとともに、総合寄宿舎三好寮への入寮希望者も増加し、今では寮は満室状態になっ
ております。 昨年一月に、PTA会長、校長先生、高井市長をはじめ、井下県議やOBの元木県議と共に、寮の増設について要望したところ、迅速に対応し
ていただき
まして、いよいよ建設に向け
て本格的に動き出そう
とし
ていることを大変喜ばしく思っ
ております。三好寮
が増設された暁には、県内外からより一層多くの生徒
が集まること
が予想されるわけ
でござい
ます。 地域の皆様方から、寮の一階に設置予定の市施設における生徒
との交流はもとより、高校を中心
としたさらなる人流
が生み出されよう
とし
ていることに大きな期待
と注目
が寄せられ
ている
と伺っ
ております。今こそ
が池田高校の魅力をさらに高める千載一遇のチャンス
である
と考えております。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 増設される三好寮も活用し、次の百年に向けた池田高校のさらなる魅力化についてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いしたい
と思い
ます。 御答弁をいただき、質問を続け
てまいり
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 全世代
が活躍できる多様
な農業人材の確保策について御質問をいただい
ております。 我が国
が人口減少局面に入り、農業就業者数の減少
が進む中にあっ
ても、生産及び販路を拡大し、持続可能
な力強い農業を実現するためには、まさに核
となる担い手の育成確保に、より一層の創意工夫を凝らすこと
がまさに不可欠
である、このように認識いたし
ております。 県では、農業大学校の本科での二年間に及ぶきめ細やか
な実践教育の充実はもとよりのこと、アグリビジネスアカデミーにおける果樹や施設園芸などリカレント教育の実施、新規就農者の挑戦を支援する国の給付金制度や、機械、施設への助成制度の積極的
な活用など、ハード、ソフト両面から担い手育成に鋭意取組を進め
ているところ
であり
ます。 一方、労働市場では人手不足
が深刻化し
ている中、農業現場での労働力確保をさらに進めるためには、議員からお話しのとおり、これまでにも増した全世代からの就労促進や時間にとらわれない新しい働き方の創造を通じた多様
な農業人材の確保
がますます重要
となっ
ているところ
であり
ます。 折しも、地域の潜在的
なマンパワーとして大変期待され
ている──全国では高齢者
といい
ますが、徳島の場合にはアクティブシニア
と呼ばせ
ていただい
ておりまして、この皆様方に就労いただくことを念頭
とし、今年度、大学や関係機関
と連携し、農業の有する健康増進効果について調査いたし
ました結果、何と農業従事者は要介護状態になりにくいという科学的知見、いわゆるエビデンスを得たところ
であり
ます。 そこでまずは、これらの知見を最大限に活用したシルバー人材センター
との連携により、新たに、農業者
と就業希望者
とのマッチングイベント、サービス付き高齢者住宅はじめ高齢者福祉施設の利用者を対象
とした農作業体験やセミナーなどを開催し、健康志向
が高いアクティブシニアの皆様方の農業現場での就労を積極的に促進いたし
てまいり
ます。 次に、ダブルワークをはじめ、全国的に新た
な働き方へのニーズ
が高まっ
ており、例えば、都市住民の皆さん方
がリモートワークで本業に従事しながら農作業や地域交流を行うアグリワーケーションを、先週、海部郡のきゅうりタウンを舞台に、東京、大阪などから参加を得
てモデル的に実施を行い、大変好評を得たところ
であり
まして、今後、すだちや春ニンジンなど県内各主要産地への戦略的
な横展開をしっかり
と図っ
てまいり
ます。 加え
て、副業希望者や隙間時間を使っ
て働きたい皆様方
と農業者
とをマッチングアプリで結びつけ、短時間
であっ
ても農業従事可能
な人材を容易に確保することのできる仕組み
が普及すること
で、生産現場における慢性的
な手間不足の解消をしっかり
と図っ
てまいり
ます。 今後とも、多様
な農業人材の確保を積極的に進め、生産力の強化や販路の拡大の推進を図ることにより、本県農業の持続的発展につなげるべく、全力を傾注し
てまいり
ます。 (榊教育長登壇)
◎教育長(榊浩一君) 増設される三好寮も活用し、池田高校のさらなる魅力化にどのように取り組んでいくのか
との御質問
でござい
ますが、本年度、創立百周年を迎えた池田高校では、三度の全国制覇を誇る野球部や全国上位の常連
である女子ソフトボール部など運動部の活躍に加え、県内で初めて設置された探究科の活動などにより、近年、県内外から多くの生徒
が集い、若者を起点
とした新た
な人流
が創出されつつあり
ます。 こうした中、総合寄宿舎三好寮では、県外生徒の増加により満室状態
が続い
ていたことから、新た
な寮の建設を決定し、令和六年度中の完成を目指し
ております。 県市協調で整備する三好寮では、一階に、図書館や公民館の機能を持つ、地域の皆様
が集う三好市のオープンスペース等を整備するとともに、二階、三階には定員七十名の舎室を配置いたし
ます。生徒
と地域住民
との交流はもとより、探究科のフィールドワークを行うとともに、池田高校で行う大学
との連携講座を、地域の皆様
が参加する池高開放講座として開催するなど、寮を起点
とした地域のにぎわいづくり
と活性化につなげ
てまいり
ます。 また、池田高校では、三好市をはじめ地元企業等の御協力をいただきながら、地域の未来を担う人材の育成に努め
ており、このたび、全国の高校生
が観光企画を競う観光甲子園二〇二二で、「四国まんなかガチ秘境物語」
と題した祖谷地方を体感する旅行プラン
が、去る二月五日、SDGs修学旅行部門でグランプリを獲得するなど、地域に根差した人材育成の成果
が現れ
てき
ております。 引き続き、生徒
が地域に出向き、にし阿波の傾斜地農耕システムや西祖谷の方言など、地元の歴史、文化を深く知るとともに、地域
が抱える課題を研究し、高校生目線での課題解決策として地元三好市に提案するなど、池田高校の魅力
であり強み
である地域密着型の探究活動による教育を今後一層推進し
てまいり
ます。 県教育委員会
といたし
ましては、池田高校のこれまでの伝統を生かし、地元三好市をはじめ地域
と深く連携協働しながら、さらなる魅力化に取り組み、多くの生徒
が集いたい
と思える学校づくりにしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (増富議員登壇)
◆一番(増富義明君) 続き
まして、高齢者のフレイル対策
と認知症対策への取組についてお伺いし
ます。(資料提示) 二〇二二年九月現在の高齢者人口は三千六百二十七万人
で、高齢者人口率は二九・一%
と、超高齢化社会への歯止め
が今現在も利かない状況
でござい
ます。 また、表の中にあり
ますように、二〇二〇年の統計
であり
ますが、全国で認知症高齢者は六百万人いる
と言われ
ており、今後さらに増加し、二〇二五年には七百万人になる
との推測も出
ておるわけ
でござい
ます。 一方、二〇一九年末から続く新型コロナ感染症も、現在、第八波の真っ最中で、新規感染は減っ
てき
ておりますが、まだまだ気を抜くこと
ができない状況
でござい
ます。 新型コロナ感染症の感染拡大に伴い、高齢者の方々は外出を極力控え、老人会のイベント、それから集会への参加や、グラウンドゴルフ、ゲートボールといった運動の機会
が少なくなっ
ております。このため、気力
が低下したり、筋力
が落ち
て動けなくなる、いわゆるフレイルを招く心配
がある
と言われ
ております。 さらに、フレイル
が進行する
と、認知機能の低下による認知症のリスク
が高まることから、コロナ下においては、まずはしっかり
とフレイル対策に取り組むこと
が非常に重要
である
と考えるわけ
でござい
ます。 そこで、フレイル対策に加え、認知症になったとしても御本人やその御家族
が不安を感じることなく、希望を持っ
て、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、地域において認知症高齢者の方々をしっかり
と支える仕組み
が必要
であり
ます。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 県では、長引くコロナ禍において、フレイル対策
と認知症対策にどのように取り組んできたのか、また今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたい
と思い
ます。 (資料提示)次に、結婚支援についてお伺いさせ
ていただきたい
と思い
ます。 国立社会保障・人口問題研究所の調査により
ますと、五十歳までに一度も結婚したこと
がない人の割合は、令和二年国勢調査の時点で、男性
が二八・二五%、女性
が一七・八一%に達し
ており、急速に増加し
ている状況
でござい
ます。 また、厚生労働省の人口動態調査における年間婚姻数も、令和二年から令和三年にかけて急激に減少し
ており、令和四年においては回復状況は一切見られないわけ
でござい
ます。 こうした状況から、我が国の出生数は年々減少し、統計開始後初めて八十万人を割る見通し
となっ
ており、少子化は極めて深刻
な問題
となっ
てき
ておるわけ
でござい
ます。 少子化の要因として未婚化、晩婚化
が挙げられ
ているところ
でござい
ますが、国立社会保障・人口問題研究所
が令和三年六月に行い
ました結婚
と出産に関する全国調査により
ますと、いずれ結婚するつもり
と考える十八歳から三十四歳の未婚者は男女ともに八〇%を超え
ており、結婚を希望する方は多数
おられるわけ
でござい
ます。 妻の年齢
が四十五歳から四十九歳
である夫婦に至っ
ては、一・八一人の子供
が生まれ
ていることから、結婚支援は少子化対策として効果的
と思われるわけ
でござい
ます。 結婚相手に巡り会わないという方に対しては、民間結婚相談所やマッチングアプリなど
があり
ますが、公的機関
が出会いの機会を提供し支援を行うことは、安心感という点
では非常に重要
である
と考えるわけ
でござい
ます。 県においては、マリッサとくしまを開設し、きめ細やか
な結婚支援の結果、一定の成果を上げ
ているところ
であり
ますが、新型コロナの五類への移行
が決定し、社会活動
が平常化に向かっ
ていく今、一層の創意工夫により、多くの人に出会いの機会を提供し
ていく必要
がある
と考えるわけ
でござい
ます。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 今後、公的機関
が行う結婚支援の強化にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたし
ます。 御答弁いただき、質問を続け
てまいり
ます。 (勝野副知事登壇)
◎副知事(勝野美江君) 高齢者のフレイル対策
と認知症対策への取組について御質問をいただき
ました。 新型コロナの流行
が四年目を迎え、高齢者の方々の外出の自粛や運動機会の減少
が長期化し、フレイルの進行による認知機能の低下
が懸念される中、認知症を予防し重症化を防ぐフレイル対策や、御本人、御家族の視点に立った認知症対策をしっかり
と進める必要
がある
と認識し
ております。 まず、フレイル対策につき
ましては、栄養、運動、社会参加の三要素を一体的に進める対策
が重要
であることから、これまで、栄養バランスの取れた食生活の促進、気軽に実践できるフレイル予防体操の普及啓発、身近
な場所で体操や趣味活動に取り組む通いの場の周知活用などに取り組んでまいり
ました。 さらに、今年度は、県主催レシピコンクールへのフレイル予防部門の創設や、通いの場紹介動画の作成配信を行うとともに、来年度には、通いの場に理学療法士の方を派遣し、専門的知見に基づく健康体操や脳トレを行い、より実効性のあるフレイル対策を実践し
てまいり
ます。 また、認知症対策につき
ましては、これまで、相談支援を行う認知症コールセンターの設置、御本人や御家族の社会参加を後押しする認知症サポーターの養成などの取組を行っ
てき
ております。 特に、本県の認知症サポーターは十万人を超え
まして、地域の交流拠点
となる認知症カフェ、こちらも県内六十五か所に及んで
おります。こちらを中心に活動し
ておりまして、サポーターの皆様方からは、もっと認知症の方々のお役に立ちたい、応援したいという声をいただい
ているところです。 そこで、認知症サポーター
がチーム
となっ
て、御本人や御家族のニーズに応じ具体的
な支援につなげるチームオレンジ、こちらは今、三チームあるんですけども、これをさらに増やし
まして、認知症を正しく理解するボランティア組織の活動による支援の輪を広げ
てまいり
ます。 また、認知症になっ
ても住み慣れた地域で自分らしく安心し
て暮らせる社会を構築するためには、認知症の方御自身の声を知っ
ていただくこと
が重要
であり、普及啓発に意欲のある認知症の方を新たにとくしま希望大使として任命いたし
まして、県主催の講演会や研修の場におきまして御自身の経験や思いを発信し
ていただくこと
で、県民の皆様への認知症の理解を深め
てまいり
ます。 先ほど知事からお話のあったアクティブシニアの農業就労の場への参入促進、こちらも効果
がある
と思うんですけども、今後ともこうした取組のさらなる深化を図り、フレイル対策
と認知症の対策を強化することにより、高齢者の皆様
が住み慣れた地域で健康
で希望を持っ
て暮らし続けられる社会の実現に向け
てしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (上田未来創生文化部長登壇)
◎未来創生文化部長(上田輝明君) 結婚支援の強化について御質問いただい
ております。 社会経済情勢の変化や、結婚、出産に対する価値観の多様化により、未婚化、晩婚化
が進行する中、本県におきましては、結婚支援を少子化対策の重要
な柱
と位置づけ、平成二十八年七月にマリッサとくしまを開設し、一対一のお見合いや婚活イベントの開催など、出会いの機会を提供し
てまいり
ました。 また、令和三年十一月には、JR徳島駅前アミコビル東館へ移転し、利便性や認知度の向上
が図られるとともに、プライバシーに配慮した相談コーナーの充実、プロフィール写真撮影スペースの新設などにより、さらに安心かつ気軽に御利用いただけるようになり
ました。 こうした取組の結果、令和五年一月末現在、千九百七組のカップル
が成立し、百二十一組の成婚につながるなど、着実に成果
が上がっ
てき
ております。 しかしながら、コロナ下における結婚生活や子育てに対する経済的不安や、生活スタイルの変化に伴う出会いの機会の減少などから、全国的に婚姻件数の急激
な減少
が課題
となっ
ており、積極的
な結婚支援
が急務
となっ
ております。 このため、県では、結婚を望む方々の多様
なニーズに応えるため、創意工夫を凝らし、オンラインイベントの開催、マリッサ
とくしま以外でも会員情報の閲覧を可能
とするマッチングシステムの拡充、寄り添い型の個別相談会の開催など、ポストコロナ新時代を見据え
て、新た
な婚活スタイルの創出に取り組んで
おります。 さらに、関係機関
との連携強化を担う結婚支援コンシェルジュを新たにマリッサとくしまに配置し、藍染めや和三盆糖など徳島ならではの地域資源を活用した出会いイベントを開催するとともに、県
と市町村の結婚支援担当者で構成する連絡会議において好事例の共有を行い、横展開を図っ
てまいり
ます。 今後とも、自治体間での綿密
な連携やきめ細やか
なサポート、多様
な婚活スタイルへの対応など、結婚支援のさらなる強化を図り、結婚を望む全ての方々の夢や希望
がかなうよう、しっかり
と取り組んでまいり
ます。 (増富議員登壇)
◆一番(増富義明君) 続き
まして、災害発生時における住まいの確保についてお伺いしたい
と思い
ます。 近年、大雨や暴風により、甚大
な被害
が毎年のように発生し
ており、令和元年九月の台風第十五号では最大瞬間風速五十八メートルを観測するなど、千葉県を中心に七万四千九百棟を超える住宅の被害
が発生したわけ
でござい
ます。 また、同年の台風第十九号
と、この後の大雨による浸水や土砂災害により、東北地方の太平洋側や関東地方を中心に百四名の死者のほか、十万一千棟を超える住宅の被害
が発生するなど、甚大
な被害
が起こったわけ
でござい
ます。 このように、近年、激甚化し
ている
と言われる自然災害により、生活の基盤
となる住宅
が大きな被害を受ける事例
が増え
ている中、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、密になりやすい避難所での生活を早期に解消し、被災者の皆様への住まいの確保を円滑に進めることの重要性はこれまで以上に高まっ
ている
と感じるわけ
でござい
ます。 本県では、豪雨や暴風雨の災害に加え
て、
南海トラフ巨大地震をはじめ
とする地震による被害の発生も危惧され
ているところ
でござい
ます。特に、比較的被害の少ない住宅については、屋根や外壁などを速やかに適切に修理すること
で、御高齢の方など
が環境を大きく変えることなく、住み慣れた自宅で生活を続けること
ができるもの
と考えております。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 災害発生時における住まいの確保にどのように取り組むのか、御所見をお伺いしたい
と思い
ます。 次に、サイバー犯罪対策の強化についてお伺いさせ
ていただきたい
と思い
ます。 インターネットの登場によりまして、サイバー空間という新た
な空間
が創出され、情報通信技術の発展普及に伴っ
てデジタル経済
が急速に発展するなど、サイバー空間はあらゆる人々に大きな便益をもたらすとともに、社会経済活動の基盤
となっ
ております。 その一方で、国内においてサイバー犯罪被害や相談件数
が増加するほか、ランサムウェアによる感染被害
が多発するなど、サイバー空間をめぐる脅威は極めて深刻
な状況
が続い
ておるわけ
でござい
ます。 本県におきましても、一昨年、つるぎ町立半田病院の電子カルテシステム
がランサムウェアに感染するという事案
が発生いたし
ました。これにより、患者約八万五千人の個人記録
が保存されたサーバーのデータ
が暗号化され、受付、会計等の電子システム
が使用できなくなり、病院の運営に大きな支障を及ぼす非常事態
となったわけ
でござい
ます。昨年は、鳴門市の山上病院においても同様の被害
が発生し
ております。 昨年四月、警視庁において、新たにサイバー警察局
が発足し、関東管区警察局にサイバー特別捜査隊
が設置されたわけ
でござい
ます。サイバー事案への対処能力を強化し、諸外国
との連携等を推進する観点から設置されたもの
と承知し
ております。 デジタル技術
がますます進展し、社会構造の変化により、サイバー空間の現実社会への拡大浸透
がより一層進む中におきまして、県警察においても、国の動向を見据えつつ、サイバー犯罪への対策、それから今後のデジタル化の進展に後れることなく対応し
ていく必要
がある
と考えるわけ
でござい
ます。 そこで、お伺いいたしたい
と思い
ます。 サイバー空間における脅威に対しまして的確に対応し
ていくために、サイバー犯罪対策をより強化すべき
と考えますが、御所見をお伺いしたい
と思い
ます。 それぞれ御答弁いただき
まして、まとめに入りたい
と思い
ます。 (松野県土整備部長登壇)
◎県土整備部長(松野秀生君) 災害発生時における住まいの確保についての御質問をいただき
ました。 災害発生時において、速やかに住まいを確保することは、被災された皆様の急激
な生活の変化を和らげ、復興への道のりを着実に進める重要
な取組
である
と認識し
ております。 それぞれの住宅
が受ける被害の程度は、災害の種類や規模、耐震性をはじめ
とする住宅性能により異なることから、県におきましては、徳島県復興指針に基づき、被害の程度に応じた重層的
な対策を取ること
とし
ております。 例えば、自宅
が倒壊、流失したり、修理による再使用
が困難
な損壊に至るなど、全壊の被害を受けた皆様には、建設型、借上型の両面から、当面の住まい
となる応急仮設住宅を提供する体制を整え
ております。また、自宅
が損壊したものの、修理すれば元どおりに再使用できる半壊や準半壊の被害を受けられた方々には、市町村
が窓口
となっ
て、日常生活に必要不可欠
な部分的
な修理を行う応急修理制度を活用し
ていただくこと
とし
ております。 一方で、近年、全国の被災地におきまして、地域の事業者の皆様に修理依頼
が集中するなどの問題から、完了の遅れ
が顕在化し
ておりまして、本県におきまして、比較的大規模
な災害の発生時に地域の事業者に業務
が集中しないよう、市町村の区域を越えた広域的
な支援体制を整える必要
があり
ます。 そこで、県内の事業者団体の皆様にも御協力をいただきながら、修理の担い手
となる事業者を全県的に取りまとめ、被災された皆様
と事業者
との円滑
なマッチングに資するよう、広く情報提供する仕組みを整えること
とし、現在、関係者
との調整を進め
ているところ
であり
ます。 今後とも、被災された県民の皆様
が一日も早く安全・安心
な住まいを確保できるよう、事業者団体の皆様や市町村とも緊密に連携しながら、事前復興の取組を着実に進め
てまいり
ます。 〔嘉見議員退席、出席議員計三十二名
となる〕 (松林警察本部長登壇)
◎警察本部長(松林高樹君) サイバー犯罪対策についての御質問をいただき
ました。 サイバー空間は、デジタル化の進展等に伴い、あらゆる国民、企業等にとって、公共空間として、より一層の重みを持つようになっ
ております。 一方で、インターネットバンキングに係る不正送金事犯、ランサムウェアによる感染被害、サイバー攻撃による企業の情報流出等、サイバー空間における脅威は極めて深刻
な情勢
が続い
ております。 サイバー事案への対処は、組織全体に関わる重要
な課題
であり、県警察の部門の枠にとどまることなく、県警察
が一体
となっ
て各種取組を強力に推進する必要
があり
ます。 また、運転免許証
とマイナンバーカードの一体化や行政手続のオンライン化等、デジタル化の進展に伴う技術的イノベーションを推進し、警察活動の高度化、合理化を図る必要
があり
ます。 こうした課題に先制的かつ能動的に対処するため、県警察の警務部内に、その司令塔としての役割を果たす企画サイバー警察局を設置すべく、関連する条例改正案を今議会に提出し
ているところ
であり
ます。 この企画サイバー警察局内には、サイバー事案を担当する部署をはじめ、警察行政の企画立案を担当する部署、情報セキュリティー技術支援を担当する部署を集約することにより、サイバー事案への対処はもとより、各種取組を県警察一体
となっ
て推進する組織基盤の確立を目指すもの
であり
ます。 また、新設する組織機能を効果的に発揮するためには、専門知識を有する人材の確保、育成
が必要不可欠
であり、そうした人材の継続的
な採用についても所要の準備を進め
ているところ
であり
ます。 県警察
といたし
ましては、これまでに推進し
てきた施策に加え、工夫を凝らした採用活動や人材育成による対処能力の向上を図るほか、関係機関、団体
との協定の締結をはじめ
とする産学官連携等の取組を順次推進し、サイバー空間に実空間
と変わらぬ安全・安心を確保し
てまいり
ます。 今後とも、国や関係機関
との連携を密にし、県民
が安全・安心に生活できるデジタル社会の実現に貢献するため、県警察の総力を挙げ
まして、サイバー空間における脅威に対してしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (増富議員登壇)
◆一番(増富義明君) 実はすごく時間
が押し
ていたんです
が、十分少々最後にかかる
と思っ
ておったんです
が、少し余裕
ができ
ました。これで重清幹事長に怒られなく
て済むということ
で、それぞれに皆様方には御答弁いただき
ました。御答弁に対する私の意見を順次申し上げたい
と思い
ます。 まず、地方大学・地域産業創生事業につき
まして、飯泉知事から、展開枠による四年間の追加支援
と定員増の相乗効果により、光を目指し
て若者
が集う、徳島ならではの地方創生の実現に全力で取り組むという力強い御答弁をいただき
ました。 国を挙げ、デジタルの力を活用し
て地方への人の流れをつくることに取り組んでいる今、徳島県へのこれだけの支援はまさに国からの期待の表れ
と感じ
ております。ぜひこの徳島
がモデルケース
となり、全国の羅針盤
となり
ますよう、しっかり
と取り組んでいただきたい
と思い
ます。 次に、スポーツを活用したにぎわいの創出について、実はここ三年、とくしまマラソンにずっとエントリーし
ておったんです
が、コロナ禍により、残念ながら一度も走ること
ができ
ませんでした。もしかしたら
と思い、今回、エントリーを控えさせ
ていただき
ましたら、案の定、開催
となり
ました。やはり私の日頃の行い
が悪かったか
と思い
ます。県民の皆様方に深くおわびを申し上げたい
と思い
ます。 また、徳島ヴォルティスの応援もちょくちょく行かせ
てもらっ
ておりますが、コロナ下では声を出し
ての応援は制限され
ておりまして、少し寂しい応援風景ではあり
ました
が、それもようやく緩和され、スタジアムに熱気あふれる応援風景
が帰っ
てまいり
ます。私も県民の一人として、皆様方
と一緒に大きな声援で、他の競技も含め、徳島のチームを精いっぱい応援したい
と思っ
ております。 御答弁いただき
ましたように、スポーツの力で、より一層にぎわいを創出し
てもらい、県民に夢や希望を与え
てもらうよう、なお一層の御努力をお願いしたい
と思い
ます。 次に、販路拡大に向けた多様
な農業人材の確保について
でござい
ますが、昨年質問させ
ていただい
て以降、新規就農者の支援につき
ましては格段の御配慮を賜り
まして、大変感謝いたし
ております。 また、アクティブシニアの就農促進や、マッチングアプリを活用した人手の確保に取り組むなど、様々
な施策に取り組むという御答弁もいただき
ました。これらはまさに時代の流れを捉えた取組
である
と思い
ます。ぜひいち早い着手
と県内産地への展開をし
ていただき、農業人材の確保を図っ
ていただきたい
と思い
ます。 しかし、やはりこれからの農業を支え
ていくのは今の若い世代の皆様方
でござい
ます。十年後、そして二十年先に、今現在同様、関西の台所
と胸を張っ
て言えるよう
な施策を、中途半端
ではなく、若手の就農支援
と販路拡大をセットで、思い切った施策を切に切にお願いいたしたい
と思い
ます。 次に、池田高校のさらなる魅力化について
でござい
ますが、ただいまの御答弁の中でもあり
ました
が、地域密着型、この言葉
がござい
ました。私も、三年間、池田高校に通わせ
ていただき、まさに地域の皆様方同士のつながりは他の市町村に比べ
てもトップクラス
だと改めて感じるわけ
でござい
ます。 今回新しくできる寮
が、池高生や三好市の地域住民の皆様方にとってすばらしい交流の拠点
となり
ますように、また県外から来た学生
が池田高校を選んでよかった
と思っ
てもらえるよう
な寮になり
ますように、引き続き御指導、御協力を賜り
ますようによろしくお願いを申し上げ
ます。 次に、高齢者のフレイル対策
と認知症対策への取組につい
てでござい
ますが、将来推計では何と二〇六〇年には高齢者の四人に一人
が認知症になるというよう
な怖い予測も出
ております。 (資料提示)これは和歌山県のチラシ
なんです
が、最近、認知症という言葉をよくお聞きになり
ませんか。以前は痴呆症
と言っ
てい
ました
が、痴呆という小説や映画で進行した状態ばかり見せられ
て、大変怖い病気
だと思っ
ておりませんか。そんなことはあり
ません。少し物忘れ
が気になる方は、このパンフレットを早期発見に役立て
てください。認知症にならずに済んだり遅らせたりすること
ができる可能性
があり
ますというよう
な、こういうふう
なタイトルのパンフレットも出
ております。こんなのも徳島県としても必要
ではないか
と思い
ます。 そして、もう一点は、質問でも言い
ました
が、コロナによる高齢者に対する様々
な制限によりまして、今のところ数字には出
ておりません
が、数年後に、あのコロナによりまして爆発的に増えたん
だなあみたい
なよう
なこともある可能性
がある
と思い
ます。 とにかく認知症に対しての早期発見、早期治療を含め、全身状態の管理
と適切
なケア
が重要
であり
ます。それ
と、認知症患者さんを中心に、家族それから医療機関、介護サービスの密
な連携も重要
で効果的
だと思い
ます。しっかり
とした対応をよろしくお願いいたし
ます。 次に、結婚支援について
でござい
ますが、市町村や企業
との連携強化については、以前にも総務委員会や次世代育成・少子高齢化対策の両委員会で何度か質問させ
ていただいたわけ
でござい
ます。新しい生活様式に対応した出会いの機会をしっかり
と創出し
ていく
との御答弁もいただい
ております。 マリッサとくしまについても、御答弁の中に、現在まで百二十一組もの成婚カップル
が誕生したという物すごい実績もあるわけ
でござい
ます。様々
な子育て支援も大変重要
でござい
ますが、その元をつくる結婚支援も同様に重要
でござい
ます。 徳島県の将来を見据えた対策それから環境整備を、引き続きマリッサとくしまを起点に積極的に取り組んでいただきたい
と思い
ます。よろしくお願いいたし
ます。 次に、災害発生時における住まいの確保について
でござい
ますが、被災者から最も早急
な対応
が求められることの一つ
と思い
ます。県民の安全・安心の実現に向け
て、事業者団体とも連携しながら、引き続き事前復興の取組を進め
ていただきたいな
と思い
ます。 最後に、サイバー犯罪対策の強化について
でござい
ますが、県警察の警務部内にデジタル化の推進やサイバー犯罪対策を兼ね備えた企画サイバー警察局の設置は、これは全国初というように聞き及んで
おります。 サイバー攻撃
と、攻撃に対する対策は、今後もいたちごっこの状態
が続く
と思われ
ます。御答弁にもあり
ましたように、デジタル化の推進に伴う技術的イノベーションを積極的に推進しなければなり
ません。また、警察活動の高度化、合理化も進め
ていかなければなり
ません。 いずれにいたし
ましても、新設する組織機能を効果的に発揮し
ていただき、県民の安全、それから安心
なサイバー空間の構築に向け
まして、より一層の御尽力をいただき
ますよう、重ね重ねよろしくお願いいたし
ます。 これで全ての質問
が終わり
ました。 いよいよ最後
となり
ますが、私はこのたびの統一地方選挙に出馬せず、引退し
ます。大きな理由の一つに、仁木議員のフェイスブック
が、僕も同じ意見
であり
まして、政治家は夢を持たなければなり
ません。その夢
が大きかっ
ても、夢に向かっ
て歩み続けなければなり
ません。そして、一番大事
なのは、その夢を正確に変える、そういう実行力
が必要
でござい
ます。 ここ数年、私自身、道路の修繕、それから側溝の修繕、河川のしゅんせつ
であったり、住民の皆様方の様々
な事案をこなす毎日
であり
ました。これも大事
な議員の仕事
であるというのは十分理解し
ておりますが、二十八年前に比べ
てもその思い
が少なくなったな
と思っ
ております。吉野川市は、吉田議員をはじめ次の方に託したい
と思い
ます。 飯泉知事をはじめ理事者の皆様方、そして議会事務局をはじめ
とする職員の皆様方には大変お世話になり
ました。そして、議員各位におかれ
ましては、一番最後に当選し
まして、快く受け入れ
ていただき
ました。 そして、自由民主党の皆様方には、嘉見会長をはじめ、重清幹事長をはじめたくさんの方々、いろんな考えの中、一つになっ
てここまで頑張っ
てこれ
て、すごくいい勉強になり
ました。何よりも、一年生の皆様方には、コロナ禍にも関わり
ませず、多くのこと……。ありがとうござい
ました。一生懸命今後
とも頑張っ
てください。 最後になり
ますが、今日お見えの皆様方、そして地元の皆様方には、二十八年もの長い間、後ろからしっかり
と支え
ていただき、感謝でいっぱい
でござい
ます。 私の議員人生、一点の後悔もござい
ません。やり切り
ました。本当にお世話になり
ました。ありがとうござい
ました。 これをもちまして一般質問を終えたい
と思い
ます。ありがとうござい
ました。(拍手) ────────────────────────
○副議長(井川龍二君) 議事の都合により、休憩いたし
ます。 午後零時二十四分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 午後一時三十一分開議 出席議員計三十二名 (その番号・氏名左のとおり
である) 一 番 増 富 義 明 君 二 番 立 川 了 大 君 三 番 井 下 泰 憲 君 四 番 福 山 博 史 君 五 番 梶 原 一 哉 君 六 番 浪 越 憲 一 君 七 番 仁 木 啓 人 君 九 番 原 徹 臣 君 十 番 北 島 一 人 君 十一 番 大 塚 明 廣 君 十三 番 岩 佐 義 弘 君 十四 番 古 川 広 志 君 十五 番 長 池 文 武 君 十六 番 吉 田 益 子 君 十七 番 須 見 一 仁 君 十八 番 井 川 龍 二 君 十九 番 元 木 章 生 君 二十 番 岡 田 理 絵 君 二十二番 岩 丸 正 史 君 二十三番 岡 佑 樹 君 二十四番 黒 崎 章 君 二十五番 扶 川 敦 君 二十六番 達 田 良 子 君 二十七番 寺 井 正 邇 君 二十八番 喜 多 宏 思 君 二十九番 重 清 佳 之 君 三十一番 岡 本 富 治 君 三十二番 杉 本 直 樹 君 三十三番 西 沢 貴 朗 君 三十四番 臼 木 春 夫 君 三十五番 庄 野 昌 彦 君 三十六番 山 田 豊 君 ────────────────────────
○副議長(井川龍二君) 休憩前に引き続き、会議を開き
ます。 十七番・須見一仁君。 (須見議員登壇)
◆十七番(須見一仁君) お疲れさまでござい
ます。徳島県議会自由民主党の須見一仁
でござい
ます。 九度目の質問の機会をいただき、先輩議員、同僚議員の皆様方に心より感謝を申し上げたい
と思い
ます。 また、本日はお忙しい中、傍聴にお越しいただい
ている支援者の皆様方、また議会中継を御覧いただい
ている支援者の皆様方にも心より御礼を申し上げたい
と思い
ます。皆さんの期待に応えられ
ますよう、一生懸命頑張っ
てまいり
ます。 それでは、質問に入らせ
ていただき
ます。 初めに、県内企業の人材確保に向けた取組についてお伺いいたし
ます。 企業
が存続し、成長し続け
ていくためには、最も重要
な課題は人材の確保
である
と考えております。 しかし、昨年の七月から八月にかけて、日本及び東京商工会議所
が全国の中小企業を対象に実施した調査により
ますと、二千八百八十社から回答
があり、そのうちの約六五%
が、人手
が不足し
ている
と回答し
ております。これは、昨年二月に実施された前回の調査に比べる
と四・二ポイント増加し
ており、これまでの最高
であった二〇一九年次の六六・四%には至らなかったものの、再び人手不足の状況
となっ
ております。 これは、長引く少子高齢化、生産年齢人口の減少に加え、コロナ禍からの経済の回復により、全国で採用活動
が活発化し
ていること
が背景にあるの
ではないか
と思われ
ます。 また、企業の採用状況を見
てみ
ますと、日本経済新聞
がまとめた二〇二三年度の採用状況調査では、来春の主要企業の大卒内定者は四年ぶりに増加したものの、内定者の充足率は過去十年で最低
となっ
ており、企業の採用意欲
が高まっ
ていることから、人材の獲得競争
が激しさを増し
ております。 本県においても、地元紙
が県内主要五十社に対して実施したアンケートによる
と、二〇二四年春の新卒採用の見通しについて、六割以上の企業
が、今より厳しくなる、難しくなる
と回答し
ており、非常に厳しい状況
であり
ます。 五月八日には新型コロナの感染症法上の分類
が五類に引き下げられること
が決定し、経済活動の正常化
が進む中、人手不足
が企業の成長を阻害する要因
となれば、県内経済に大きな影響を与える可能性
があり、県内外の若者の本県における就労を促進する取組も非常に重要
となっ
てまいり
ます。 そこで、お伺いいたし
ます。 本県経済
が持続的に発展し
ていくためには、若者をはじめ県内企業の人材確保は必要不可欠
である
と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、多々羅川の河川改修についてお伺いいたし
ます。 近年の気候変動に伴い、短時間強雨の発生回数
が増加傾向にあり、豪雨災害
が頻発化、激甚化し、毎年のように全国各地で豪雨災害
が発生し
ております。浸水被害はいつでもどこでも起こるもの
となり、洪水から人命を守るための河川改修
が一層求められ
てい
ます。 徳島でも、防災・減災対策として、河道整備などの施設整備に加え、土地利用やまちづくりなどのソフト対策も組み合わせ
て、生命、財産を守るための、災害に強くしなやか
な国土、地域、経済社会を構築すること
が重要
となっ
てい
ます。 徳島市の南部を流れる多々羅川流域では、これまでに平成十六年や平成二十六年の台風に伴う豪雨などで多くの浸水被害を受け
ており、現在、多々羅川
と大松川をつなぐ区間の改修
が進められ
ており、狭かった川幅も徐々に広がり、改修の成果
が地元住民の目にも見えるようになっ
てきたところ
であり
ます。 一方で、上流域の丈六町や渋野町においても、浸水被害に対する不安の声
が寄せられ
ており、安心し
て生活するためにも、河川改修の早期完成に向けた整備の促進
が求められ
ている状況にあり
ます。 そこで、お伺いいたし
ます。 多々羅川の河川改修におけるこれまでの取組状況
と今後の見通しについて御所見をお伺いいたし
ます。 次に、県営住宅入居者の高齢化対策についてお伺いいたし
ます。 全国より高齢化
が急速に進む本県では、高齢者の割合は年々増加傾向にあり、令和二年国勢調査によれば、令和二年十月一日現在で、本県における六十五歳以上の人口は約二十三万八千人
となっ
ており、平成二十七年から約八千人増加し、総人口に占める割合も三四・五%
と、全国の二八・六%を大きく上回っ
ております。 このように高齢化
が進行する中で、高齢者
が住み慣れた地域社会において生き生き
と安心し
て暮らせるための対策
が早急に必要
である
と考えております。 こうした現状の中、単身で生活され
ている高齢者の方々は、近くに頼れる親族や若者
が少ないことから、生活面や健康面での不安を感じ
ている方
が多くいるように思い
ます。まずは、高齢者の方
がいる世帯
が比較的多くお住まいになっ
ている県営住宅において、管理し
ている住宅供給公社や自治会、地域住民で単身高齢者への見守りを実施するなど、民間の模範
となる取組を行ったらどうか
と考えております。 そこで、お伺いいたし
ます。 県営住宅入居者の高齢化対策についてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、経済安全保障に対する県警察の取組についてお伺いいたし
ます。 近年、国際情勢の複雑化、AI、量子技術等の革新的技術の出現、宇宙、電磁波といった安全保障における新た
な領域の誕生等により、安全保障の裾野
が経済や技術分野に急速に拡大しつつある
との認識
が広がっ
ております。 また、国内外において、政府機関や重要インフラ事業者などを標的
としたサイバー攻撃
が激しさを増し
ており、あらゆる産業でDX、デジタルトランスフォーメーション
が進むにつれ、サイバー攻撃や不正アクセスによって直接的に情報を詐取される危険性も増大し
ているところ
であり
ます。 昨年五月、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律、いわゆる経済安全保障推進法
が国会で可決成立し
ました。 この法律は、先端技術の研究開発支援や軍事転用可能
な技術について、特許情報を非公開にする制度など
が盛り込まれたもの
であり、安全保障の確保に関する経済施策として所要の制度
が創設され
ました。経済安全保障上の重要かつ喫緊の課題として、国を挙げた対策に大きくかじ
が切られたところです。 徳島県内には、国内外に誇れるすばらしい先端技術を保有する民間企業や大学など
があり
ますが、これら技術には軍事転用
が可能
なもの
があるほか、その情報
が流出した場合、国際競争力
が低下するだけ
ではなく、国内の安全保障上も重大
な影響
が生じかねない状況です。 サイバー攻撃や不正アクセスへの対策は重要インフラ企業とか国家レベルの話
だから自分たちには関係ないというわけ
ではなく、これら企業情報の流出防止については、情報を保有する民間企業等
が自分のこととして危機意識を持っ
て対応する必要
があり
ます。 警察においては、サイバー犯罪のほか、不正輸出や産業スパイ事案の実態
が集約される
と承知し
ておりますが、これらの違法行為の実態や対策の在り方について企業等に情報共有し、危機管理能力を高める対策
が必要
である
と考えます。 そこで、お伺いいたし
ます。 県内の企業、大学や重要インフラ事業者など
が保有する先端技術情報を詐取されること
がないよう、県警察としてどのように取り組まれ
ているのか、御所見をお伺いいたし
ます。 御答弁をいただき、質問を続け
てまいり
ます。 〔嘉見議員出席、出席議員計三十三名
となる〕 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 須見議員の御質問にお答えさせ
ていただき
ます。 県内企業の人材確保について
であり
ます。 県内におきましては、これまで、関西圏を中心
とした県外十三大学
との就職支援協定の締結によるUIJターンの推進、全国に先駆け
て設置いたし
ました県版ハローワーク
であるすだちくんハローワークによる職業紹介など、県内企業の雇用促進に努め
てまいったところ
であり
ます。 また、県内企業に三年以上就業する大学、短大、高専、専修学校専門課程の在学生及び既卒者を対象
とした奨学金返還支援制度や、就職氷河期世代をはじめ幅広い世代への正規雇用化を支援する助成制度など、本県独自のきめ細やか
な施策を推進し、雇用の定着を図っ
てき
ているところ
であり
ます。 その結果、厚生労働省
が公表し
ている労働局などに相談のあった新型コロナウイルスに起因する解雇見込み者数は、全国最少で推移し
ているところ
であり
ます。 一方、議員お話しのとおり、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少を背景に、県内企業の採用環境は一段と厳しさを増し
てき
ているところ
であり、本県の未来を担う若者をはじめ、人材確保は大変重要
な課題
である、このように認識し
ているところ
であり
ます。 そこで、国の採択を受け、今年度、事業実施に着手いたし
ておりますものづくり産業雇用創造プロジェクトにおきまして、女性や高齢者など多様
な人材の活躍に向けた人材発掘や就職マッチング、スマートワークの推進をはじめ働きやすい職場づくりの促進など、人材不足の解消に向けた支援策を積極的に展開いたし
ているところ
であり
ます。 さらに、若者の皆様方に、魅力あるこの徳島で住み、働き、そして活躍し
ていただけるよう、就職支援協定大学
との連携強化により、本県単独での就職フェアを拡大し
ていくとともに、新たに、進学予定の高校生やその保護者の皆様方を対象に、県内企業の技術力や魅力をPRし将来の就職へ
とつなげ
ていく県内企業の若手社員
との交流の促進や、志望する企業や勤務地
が未定の段階でも参加しやすいインターンシップなど、本県への人材還流に向け積極的に検討を進め
ているところ
であり
ます。 今後とも、国や関係機関
との連携を密にし、県内企業や求職者の皆様方のニーズをしっかり
と踏まえた施策を強力に推進することにより、県内経済の成長の原動力
であり
ます若者をはじめ
とする人材確保に全力で取り組んでまいり
ます。 (瀬尾政策監登壇)
◎政策監(瀬尾守君) 多々羅川の河川改修についての御質問
でござい
ます。 徳島市南部を流れる多々羅川は、三軒屋町で大松川に合流した後、園瀬川に注ぐ大河川
であり、その流れは緩やか
であり、川幅
が狭いことから、議員からもお話
があり
ましたように、流域におきましては、平成十六年台風第二十三号はじめ、幾度
となく浸水被害
が発生し
ております。 このため、園瀬川合流点から徳島市勝占町のJR橋梁まで約四・六キロメートルの河川改修を計画し、平成二十七年度までに国道五十五号付近までの約三・一キロメートルの整備を完了し、引き続き、上流の改修に向け、多々羅川の洪水を大松川へ流す放水路などの整備を重点的に行っ
ております。 この重点区間につき
ましては、これまでに、多々羅川の環境維持に必要
な水量を確保するための分流堰や樋門、それから河川の断面のさらに地中部を管渠で横断する農業用水路などの改築を終え
ており、残る市道多々羅川橋の架け替えを、十一月定例会でお認めいただき
ました補正予算を活用し、来年度中、令和五年度中の完成を目指し
て工事を進め
ているところ
であり
ます。 JR橋梁までの約一・三キロメートルにつき
ましては、県道地蔵橋の改築をはじめ、順次整備を進めるとともに、改修計画区間のさらに上流の丈六町や渋野町におきましても、引き続き定期的
な河川の点検を行い、堆積土砂の撤去をはじめ、適切
な維持管理に努め
てまいり
ます。 今後とも、頻発化、激甚化する水災害に対し、地域の皆様の安全・安心を確保できるよう、関係者の皆様
との連携を図りながら、事前防災対策にしっかり取り組んでまいり
ます。 (松野県土整備部長登壇)
◎県土整備部長(松野秀生君) 県営住宅入居者の高齢化対策の取組についての御質問をいただき
ました。 本県におきましては、全国を上回る速度で高齢化
が進行し
ている中、六十五歳以上の高齢者のいる世帯
が約五割、とりわけ県営住宅におきましては約六割
となっ
ておりまして、高齢化対策は重要
な課題
と認識し
ております。 そこで、高齢者にも優しい県営住宅
とするため、住戸内の段差解消、階段や浴室内の手すりの設置、車椅子対応型エレベーター設置などのハード対策を進め
ているところです。 ソフト面では、竜王西団地をはじめ四団地におきまして、市町
と連携いたし
まして生活支援サービスの提供を行うシルバーハウジング事業、万代町団地、名東(東)団地におきまして、併設した福祉施設の職員による入居者への巡回訪問などのソフト対策も充実させ
てきたところ
であり
ます。 最近の傾向として、入居世帯のうち単身高齢者世帯
が約三割を占め、孤立・孤独による生きがいの低下や孤独死の増加
が懸念され
ますことから、本人はもとより、離れ
て暮らす家族の不安を解消するための対策
が必要
である
と認識し
ております。 そこで、新た
な取組として、今年度、IoTの技術を活用し、入居者の活動
が確認できない緊急時に親族などの見守り者にメールを自動配信する高齢者見守りサービスモデル事業を、金沢団地はじめ県営住宅三団地におきまして実証実験を開始し
ましたところ、五十名を超える方々から申込みをいただき、見守りに対する関心の高さを実感し
ております。 この実証実験で得られ
ましたニーズや課題を踏まえ
まして、県営住宅長寿命化計画や住生活基本計画の見直しに併せ、遠くで見守る親族にも安心し
ていただける住宅
となるよう、高齢者への支援の在り方を検討し
てまいり
ます。 今後とも、県営住宅
が入居者の皆様に安全・安心
なモデルとしての住まいを提供できるよう、時代の変化や多様化するニーズに対応した住環境の整備
と魅力の向上にしっかり取り組んでまいり
ます。 (松林警察本部長登壇)
◎警察本部長(松林高樹君) 先端技術情報の流出防止対策についての御質問をいただき
ました。 警察では、技術流出防止対策として、産業スパイ事案や機微
な技術を使った製品の不正輸出事案、サイバー攻撃事案などの実態解明
と取締りを推進し
ております。また、解明した技術流出の手口やこれに対する
有効な対策のノウハウを企業や大学研究機関に情報提供するというアウトリーチ活動を推進し
ております。 こうした中、本県に所在する企業等におきましても、世界中で利用され
ている先端技術等を数多く有し
ていることから、県警察でも県内の企業等に個別訪問し
まして、技術流出に関する現状、最近の技術流出事案、技術流出防止に向けた注意点などについて情報提供を実施し、企業等における技術情報等の流出防止対策の支援に努め
ております。 また、関係機関や県内経済団体に対しても、技術情報等の流出の実態に関する情報提供
と協力依頼を行い、連携を強化し
ております。私自身もこれまで、県内の経済団体や大学の幹部の方々
と直接お会いいたし
ましてアウトリーチ活動を実施し、警察の取組について御理解を得たところ
であり
ます。 このほか、サイバー攻撃への対策として、重要インフラ事業者等への個別訪問によるサイバー攻撃の情勢等に関する情報提供や、サイバー攻撃を想定した共同対処訓練を実施し、サイバー攻撃に対する対処能力の向上及び危機意識の醸成を図っ
ているところ
であり
ます。 県警察では、引き続き、関係機関
との連携を図りながら、県内企業等における技術情報等の流出防止対策を支援するとともに、経済安全保障の取組に従事する職員の知識
と能力の向上を図り、徳島県内から技術情報等の流出事案
が発生することのないよう、対策に万全を期し
てまいる所存
であり
ます。 (須見議員登壇)
◆十七番(須見一仁君) それぞれ御答弁をいただき
ました。御答弁に対する私の意見などは、後ほど申し上げたい
と思い
ます。 引き続き、質問を続け
てまいり
ます。 次に、生涯スポーツの推進についてお伺いいたし
ます。 令和五年の幕開けとして、徳島駅伝を皮切りに、アフターコロナを見据えたスポーツイベント
が開催され、県内各地で盛り上がりを実感し
ているところ
であり
ます。 本県のプロスポーツを代表する徳島ヴォルティスも、この週末に大分トリニータ
との開幕戦を迎えること
となっ
ており、いよいよJ1昇格に向け
ての戦い
が始まり
ます。いいスタートを切っ
てほしい
と強く願っ
ております。 また、先日、選抜高校野球大会に、徳島県から城東高校
が二十一世紀枠で、春夏通じ
て初の甲子園出場に選出され
ました。城東高校は、文武両道を掲げる進学校
であり、創部二十七年という新しいチームで、部員数も十三人
と少ない中、創意工夫を凝らし、成果を上げたこと
が評価され、初出場
が決定したことは、野球ファンのみならず多くの県民の皆様
が喜んでいるところ
であり、その活躍を大いに期待し
ております。 地元チームを応援するなど、スポーツは見るだけでも人々に夢や希望を与え
てくれ、その価値は十分に発揮され
ている
と思い
ますが、子供の頃から今でもプレーヤーとしてサッカーになれ親しんできた私
といたし
ましては、スポーツをすることにも大きな魅力を感じ
ているところ
であり
ます。 スポーツイベント
が日常に戻りつつある中で、ここ数年はコロナの影響もあり、スポーツをしたり、見る機会
が減り、再開を待ち望んでいた人は多いの
ではないでしょうか。アフターコロナに向け、スポーツイベントの盛り上がりとともに、誰も
が生涯にわたって気軽にスポーツを楽しめる環境づくり
が重要
だと考えます。 そこで、お伺いいたし
ます。 誰も
がスポーツを楽しむ環境を創出する生涯スポーツの推進について今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたし
ます。 次に、子供の体力・運動能力向上に向けた外部指導者の活用についてお伺いいたし
ます。 小学五年生、中学二年生の児童生徒を対象に行われ
ている全国体力・運動能力、運動習慣等調査の令和四年度の結果
が昨年末に公表され、本県の子供の体力・運動能力は全国
と比べ改善
が見られた
とのこと
であり
ますが、全国的に見る
と、ここ数年、低下傾向
が見られ、今後もさらなる体力・運動能力向上に向けた取組
が必要
である
と考えてい
ます。 子供たちの体力
が低下した要因として、運動時間の減少、テレビ、スマートフォン、ゲーム機等によるスクリーンタイムの増加、新型コロナウイルス感染症の影響により、マスク着用中の激しい運動の自粛など
が挙げられ
ており、コロナ禍でさらに拍車
がかかった
と言われ
ております。 また、運動やスポーツに対する意識調査では、運動、スポーツ
が好き
と回答した割合は令和三年度より増加はし
ました
が、全国的に低下傾向にあり、運動の楽しさや喜びを子供たちに体感し
てもらい、運動意欲を高めること
が重要
である
と感じ
てい
ます。 県教育委員会では、こうした状況の改善を図るため、今年度から新たに、小学校において外部指導者を活用したモデル事業に取り組まれ
ており、その成果
が上がりつつある
と聞い
ております。 そこで、お伺いいたし
ます。 子供の体力向上に向け、外部指導者を積極的に活用することにより、本県の体力・運動能力向上策を充実すべき
と考えますが、御所見をお伺いいたし
ます。 最後に、ポストコロナ新時代に向けたグローバル人材育成の推進についてお伺いいたし
ます。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、国際的
な活動は大きく制限され
てき
ました
が、昨年十月から政府の水際対策
が大幅に緩和され、海外
との往来はコロナ禍前の状態を徐々に取り戻しつつあり
ます。それに伴い、学校現場においては、海外の学校
との交流や外国人
との体験活動なども、オンライン一辺倒ではなく、実際に訪問するなどの取組
が少しずつ始まりつつある
とお聞きいたし
ております。 ポストコロナ新時代を迎え、政治、経済、文化など様々
な分野でグローバル化
が加速する中、世界的
な視野を持っ
て活躍できる人材の育成
が一層重要
となっ
てい
ます。 これまで、感染症対策下においても、オンラインを活用するなどし
て国際交流を継続し、国際教育を止めない取組
がなされ
てきた
とお聞きし
ております。 本県の未来を担う子供たち
が、グローバル化
が加速する現代社会をたくましく生き抜く人材として成長するためには、例えば、海外の姉妹校
との交流を充実させたり、生きた英語に触れる機会をもっと提供したり、本県の取組をさらに加速させる必要
があり
ます。 加え
て、二年後の二〇二五年には、世界中から人々
が訪れる世紀のイベント大阪・関西万博
が開催され、まさに国内にいながら世界
と交流体験
ができ、子供たち
がグローバル
な視野を育む絶好の機会
が到来し
ます。 そこで、お伺いいたし
ます。 大阪・関西万博の機会を最大限に生かしつつ、ポストコロナ新時代に向け
て子供たちの国際交流活動を活性化させ、グローバル人材育成の充実を図るべき
と考えますが、御所見をお伺いいたし
ます。 御答弁をいただき
まして、まとめに入りたい
と思い
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 生涯スポーツの推進について御質問をいただい
ております。 スポーツは、参加する人、見る人に夢や希望、勇気を与え、健康
で活力に満ちあふれた生活を送るためにはまさに不可欠
であり、競技力の向上や指導者の養成はもとよりのこと、多様
なスポーツ環境の整備やスポーツ参加機会の創出
が大変重要
である、このように認識いたし
ているところ
であり
ます。 このため、県では、鳴門総合運動公園オロナミンC球場内野スタンドの全面改築や、蔵本公園むつみスイミングプールにおける観客スタンドの改築及び大屋根の設置など、安全・安心で快適
な施設の整備を着実に進め
てき
ているところ
であり
ます。 また、新生県青少年センターのeスポーツの拠点
であるデジタルスタジオをはじめ、広域的
な物資輸送拠点
である東部防災館のリバーシブル
な活用策
としたスケートボード場や県内初の人工スケートリンクなど、多様
なスポーツを楽しめる環境の創出に鋭意努め
ているところ
であり
ます。 さらに、様々
なスポーツ活動
が困難
となったコロナ下におきましても、創意工夫を凝らし、DXを活用したオンラインスポーツ教室、感染防止対策に万全を期し安全・安心に参加することのできるスポーツイベントを開催するとともに、総合型地域スポーツクラブをはじめ
とした関係機関の皆様方
と連携し、個人の関心や適性などに応じたスポーツ機会を拡充するなど、積極的
な事業展開を図っ
ているところ
であり
ます。 折しも本年九月には、国内最大規模の生涯スポーツ
とレクリエーションの祭典
である第七十七回全国レクリエーション大会二〇二三inとくしま
が開催され、県内六市五町においてグラウンドゴルフやティーボールなど二十種目の交流大会
が繰り広げられる予定
となっ
ております。 大会では、全国からの参加者の皆様方を徳島ならではのおもてなしでお迎えし、交流を深めるとともに、多様
なスポーツの楽しみ方を全国に向け大いに発信し、スポーツ、レクリエーションの普及促進、スポーツ参加機会の充実をしっかり
と図っ
てまいり
ます。 今後とも、生涯スポーツの推進により、心身の健康や体力の向上はもとよりのこと、コミュニティーの形成や地域活性化につなげ、誰も
が元気に幸せを実感することのできる希望あふれる徳島の未来の実現に向け、しっかり
と取組を進め
てまいり
ます。 (榊教育長登壇)
◎教育長(榊浩一君) 二点御質問をいただい
ております。 まず、子供の体力・運動能力向上に向け
て外部指導者を積極的に活用すべき
との御質問
でござい
ますが、子供たちの体力・運動能力は、新型コロナウイルス感染症の拡大も相まって、ここ数年、全国的に低下傾向にあり、令和四年度全国体力テストの結果は、全国の小中学校、男女ともに過去最低
となり
ました。 一方、本県では、小学校で男女ともに昨年度より向上するとともに、中学校では女子
が過去最高の順位
となるなど、いずれの学年も全国順位は昨年度より上昇いたし
ました。 議員お話しのとおり、子供たちの体力向上に向け、望ましい運動習慣を形成し
ていくためには、運動の楽しさとともに、できる喜びを子供たち自身に感じ
てもらうこと
が重要
であり、昨年度から、民間のスポーツクラブ
と連携し、学校にスポーツインストラクターを派遣し
ております。 今年度は、体力向上スマイルアップ事業を新設し、モデル校では、スポーツインストラクターからの動きのコツやリズム等のピンポイント
な指導により、子供
が運動の楽しさや喜びを実感するとともに、教員に対しても、効果的
な指導方法を学ぶ貴重
な研修の機会
となっ
ております。 今後は、指導風景を動画で撮影し、講習会などを通じて県内他校に横展開を図っ
てまいり
ます。 子供たちからは、できるようになりうれしい、楽しく運動
ができたのでもっとやっ
てみたいなどの感想
が寄せられるとともに、教員からも、運動
が苦手
な児童に大きな改善
が見られた、指導のポイント
が分かり、今後の実践に生かせるなどの声
が上がっ
ているところ
でござい
ます。 こうした成果を踏まえ、令和五年度からは、スポーツインストラクターの派遣を拡充させ、本県の子供たちの課題
と指摘され
ている体幹の弱さや投げる力の低下の改善に向け、各校の課題に応じた効果的
な運動プログラムを実施し、さらなる子供の体力向上や教員の指導力向上につなげ
てまいり
ます。 県教育委員会
といたし
ましては、引き続き、民間のスポーツクラブの皆様の御協力をいただき、インストラクターなどの外部指導者を積極的に活用することにより、子供の体力・運動能力を向上させ、徳島の未来を担う子供たち
が健やかに成長し
ていけるよう、全力で取り組んでまいり
ます。 続き
まして、大阪・関西万博の機会を最大限に生かしつつ、ポストコロナ新時代に向け
て子供たちの国際交流活動を活性化させ、グローバル人材育成の充実を図るべき
との御質問
でござい
ますが、県教育委員会ではこれまで、海外姉妹校
との学校間交流の支援などを通してグローバル人材の育成に取り組んでまいり
ました。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、国際交流活動は一時期大きく制限されたものの、社会経済活動
が徐々に回復するのに合わせ、海外長期留学や姉妹校訪問も再開し始め
ております。 こうした中、二年後に開催される大阪・関西万博は、子供たちの世界への興味関心を高め、ふるさと徳島の魅力を発信する絶好の機会
であり、一層のグローバル人材の育成に力を入れること
が重要
と考えております。 このため、今年度から、県立総合大学校まなびーあ徳島において、万博を契機に来県する外国の方を多言語でおもてなしするため、オンライン外国語会話講座を開講し、小中高生を対象に、英語、中国語、韓国語をネーティブの方から学ぶレッスンを行うとともに、令和五年度は新たに、県内の観光地などで実際に外国の方に本県の魅力を伝えたり案内したりするあわっ子お接待活動を実施いたし
ます。 また、オンライン
と合宿
とのハイブリッドでALTから生きた英語を学ぶ英語漬け体験、阿波イングリッシュスタディー万博バージョンを中学生を対象に実施し、万博の理念やSDGsの取組等について学ぶワークショップや交流活動、万博や本県の魅力を英語で外国人に発信するプレゼンテーション活動を行っ
てまいり
ます。 さらに、高校生に対しては、ドイツ・ニーダーザクセン州や台湾などの海外の姉妹校への訪問等を支援すること
とし、授業参加やホームステイによる異文化体験、SDGsについての協働学習や、互いの国や地域の魅力についてのディスカッションを通して相互理解を深めるとともに、万博の理念やその実現に向けた徳島の取組について英語で紹介する活動を行うことにより、子供たちの英語力を伸ばし、本県への誇りや愛着を育んでまいり
ます。 県教育委員会
といたし
ましては、大阪・関西万博を生きた教材として、子供たち
がふるさと徳島の魅力を国内外へ発信する絶好の機会
と捉え、英語による発信力を育てるとともに、グローバル社会で活躍できる人材の育成に全力で取り組んでまいり
ます。 (須見議員登壇)
◆十七番(須見一仁君) それぞれ御答弁をいただき
ました。御答弁に対する私の意見を申し上げたい
と思い
ます。 県内企業の人材確保に向けた取組につい
てであり
ますが、今後、厳しい採用状況
が見込まれる県内の中小企業への就労を促すためには、これまでにない一歩踏み込ん
だ取組
が必要
だと考えております。 御答弁いただいたように、進学予定の高校生やその保護者を対象に、徳島での就職をイメージできるよう
な意識づけは非常に大切
だと感じ
ております。また、就職支援協定大学
との連携を密にし、就職フェアの拡大により、成長の原動力
である若者の人材確保につながる
と、大いに期待いたし
ております。 人材確保
ができなければ人手不足に陥り、これから新た
な事業に挑戦しよう
とし
ている企業も事業拡大
が難しくなり、県内経済にも大きな影響を及ぼし
ます。関係団体とも連携を一層密にし
て、引き続き県内企業の人材確保にしっかり
と取り組んでいただき
ますよう、よろしくお願いいたし
ます。 多々羅川の河川改修について
であり
ますが、令和五年度中に橋の架け替え工事について完了見込み
とのこと
であり
ます。予定どおり進め
ていただき
ますよう、よろしくお願いいたし
ます。 また、地域住民の人命、財産を守るためにも、その後の上流域の改修へ向け
て、さらなる計画的
な整備の促進への取組を改めて要望し
ておき
ます。 あわせ
て、地元に流れる冷田川の河川整備についても一点要望させ
ていただき
ます。 毎年、少しずつ
ではあり
ますが、しゅんせつ工事に取り組んでいただい
ております。川の景観にも変化
が少しずつ現れ始め
てい
ます。まちづくりに不可欠
な環境整備
であり
ますので、引き続き、地域住民の声を聞きながら、線路より東側の区間や現在までに完了し
ている箇所より西側への継続したしゅんせつ工事を要望し
ておき
ます。よろしくお願いいたし
ます。 県営住宅入居者の高齢化対策について
であり
ますが、高齢化に伴い、今後、孤独死等の問題
がますます増加すること
が考えられ
てい
ます。御答弁いただいたIoT機器を活用した高齢者見守りサービスは、安心感を提供できる先進的
な取組
だと思い
ます。見守りに対する関心の高さを実感し
ている
とのこと
であり
ます。 今後、しっかり
と施策の効果、
有効性などを早期に検証し
まして、県営住宅全てにIoTを活用した見守りサービス
が導入されること
で、高齢者の皆様
が安全・安心し
て暮らせる住環境の整備に努め
ていただきたい
と要望し
ておき
ます。 経済安全保障に対する県警察の取組につい
てであり
ますが、企業情報の流出等の危険性につき
ましては、大企業だけというの
ではなく、中小企業にあっ
ても、高い技術力や先端技術を保有する企業は数多くある
と思い
ます。 県警察において、県内の企業等に個別訪問し
て、技術流出の現状や対策についての情報提供のほか、県内の経済団体等
との連携強化、また本部長自ら
が足を運んでアウトリーチ活動を実施し
ている
との御答弁をいただき
ました。サイバー攻撃や不正アクセス事案等によって企業の優れた技術
が流出しないよう、経済安全保障に向け
てしっかり
と取り組んでいただきたい
と思い
ます。 次に、生涯スポーツの推進について
であり
ますが、多くの人
がスポーツを通じて平均寿命を延ばし
ていくこと
が生涯スポーツの一つの目的
である
と感じ
てい
ます。 記憶に新しい昨年のサッカーワールドカップ、いよいよ今週末から始まる徳島ヴォルティスのJ1昇格に向けた挑戦
と、見る、応援するスポーツの盛り上がった熱気を、次のするスポーツへ
とつなげ
ていくために、まずは本年九月に本県で開催される全国レクリエーション大会に向け、一人でも多くの方
が参加できるように、事前準備にしっかり
と取り組んでいただきたい
と思い
ます。 また、既にウオークラリーやパドルテニスなど多くのプレ大会
が順次開催され
ておりますので、スポーツを楽しむすばらしさを伝え
ていただくとともに、大会の周知にも力を入れ
ていただき、その輪
が広がっ
ていくことを大いに期待いたし
ております。 次に、子供の体力・競技力向上に向けた外部指導者の活用について
であり
ますが、まずは今年度のモデル校で現れた成果を今後しっかり
と横展開し生かし
ていただくとともに、その効果をよく検証し
ていただきたい
と思い
ます。そして、来年度以降もしっかり
と予算を確保し
ていただき、継続した事業実施に加え
て、対象学校数を増やすことや指導内容の充実など、さらなるステップアップを要望し
ておき
ます。 子供たちから運動の楽しさ、できる喜びを引き出し
てあげること
で、県全体の運動能力、基礎体力の向上につながっ
ていくこと
と思っ
ております。今後も、民間企業の持つノウハウを生かし
て、子供たち
が健やかに成長し
ていける取組を広げ
ていっ
てもらいたい
と思っ
ております。 最後に、ポストコロナ新時代に向けたグローバル人材育成の推進
であり
ますが、長引くコロナ禍により、子供たちの様々
な活動
が制限され
てき
ました
が、徐々に留学や姉妹校訪問
が再開され、生きた外国語に触れる機会
が増え
てき
てい
ます。二年後には大阪・関西万博という、世界中の人々
と交流でき、グローバル
な視野を育むこの機会を最大限活用し、子供たちに意欲的に外国語を学んでもらい、徳島パビリオンに来る外国の方
とのコミュニケーションを通して生きた外国語に触れることでさらなる語学力のアップにつながるの
では
と、大いに期待いたし
ております。 今後とも、グローバル化
が加速する現代社会で活躍できる人材を育成できるよう、取組を進め
ていっ
ていただきたい
と思い
ます。 それでは、まとめに入らせ
ていただき
ます。 アフターコロナを見据え
て、日本全体で社会活動、経済活動
が再開され
ました。しかし、コロナ禍の中で、目に見える形でも目に見えない形でも、若者、子供たち、事業者等、全ての方に様々
な爪痕を残し
ました。 さらには、物価高騰、エネルギー高騰など閉塞感
が漂っ
ておりますが、それを打破し、ポストコロナ新時代を前向きに迎えること
ができるよう、私自身、県民に寄り添いながら、微力
ではあり
ますが尽力し
てまいりたい
とお誓いを申し上げ
まして、私の質問を終わらせ
ていただき
ます。御清聴ありがとうござい
ました。(拍手) ────────────────────────
○副議長(井川龍二君) 議事の都合により、休憩いたし
ます。 午後二時二十四分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 午後二時五十一分開議 出席議員計三十四名 (その番号・氏名左のとおり
である) 一 番 増 富 義 明 君 二 番 立 川 了 大 君 三 番 井 下 泰 憲 君 四 番 福 山 博 史 君 五 番 梶 原 一 哉 君 六 番 浪 越 憲 一 君 七 番 仁 木 啓 人 君 九 番 原 徹 臣 君 十 番 北 島 一 人 君 十一 番 大 塚 明 廣 君 十三 番 岩 佐 義 弘 君 十四 番 古 川 広 志 君 十五 番 長 池 文 武 君 十六 番 吉 田 益 子 君 十七 番 須 見 一 仁 君 十八 番 井 川 龍 二 君 十九 番 元 木 章 生 君 二十 番 岡 田 理 絵 君 二十一番 南 恒 生 君 二十二番 岩 丸 正 史 君 二十三番 岡 佑 樹 君 二十四番 黒 崎 章 君 二十五番 扶 川 敦 君 二十六番 達 田 良 子 君 二十七番 寺 井 正 邇 君 二十八番 喜 多 宏 思 君 二十九番 重 清 佳 之 君 三十 番 嘉 見 博 之 君 三十一番 岡 本 富 治 君 三十二番 杉 本 直 樹 君 三十三番 西 沢 貴 朗 君 三十四番 臼 木 春 夫 君 三十五番 庄 野 昌 彦 君 三十六番 山 田 豊 君 ────────────────────────
○議長(南恒生君) 休憩前に引き続き、会議を開き
ます。 十四番・古川広志君。 (古川議員登壇)
◆十四番(古川広志君) 公明党県議団の古川広志
でござい
ます。今期最後の本会議での質問
となり
ます。最後までどうぞよろしくお願いいたし
ます。 二期目の四年間は、大半
がコロナ禍の中での議員活動
となり
ました。ウクライナでの戦争も起こり
ました。気候危機も進んでい
ます。少子化、人口減少、また超高齢化社会への対応も待ったなしです。多重危機の時代
との指摘もあり
ますが、これら危機事象の中で様々
な困難
な事態
が生じ
ております。 今回は、これらの事象、事態に対して、県民の皆様の生活をどのように守り、安心を確保し
ていくのか、そういったことを中心に質問したい
と思っ
ております。知事はじめ執行部の皆さんの危機感ある答弁をお願いしたい
と思い
ます。 それではまず初めに、脱炭素の取組についてお聞きし
ます。 昨年九月、地球の有限性に警鐘を鳴らした成長の限界発表から五十年、スイスに本部を置く民間シンクタンク、ローマクラブ
が新た
なレポートを発表し
ました。万人のための地球、アース・フォー・オール
であり
ます。 ローマクラブは、イタリアの大企業フィアット社の再建に尽力しオリベッティ社の会長も務めたアウレリオ・ペッチェイ氏
が、全地球的
な人類の根源的大問題に対処するため一九七〇年に設立し、氏は初代会長も務め
ました。ペッチェイ氏は、私ども公明党の創立者
である池田大作創価学会名誉会長
が、氏
が亡くなる直前までの約十年間、五度に及ぶ警世の対話を行い、対談集「二十一世紀への警鐘」の上梓に至り
ました。 また、その後、創立者池田先生は、ローマクラブ名誉会長ホフライトネル博士、さらにはローマクラブ共同会長ヴァイツゼッカー博士とも対談集を出され
ており、私もローマクラブの活動に注目し
てまいり
ました。 現会長ディクソン・デクレーブ氏
が語っ
ているのは、成長の限界を発表した目的は破滅を予測すること
ではなく、地球
と調和した生き方を促すことにあった
が、過去半世紀の経過を見れば、その試みは残念ながら失敗した
と言わざるを得ない。私たち
が現在その渦中にある感染症のパンデミックや気候変動、紛争等の複合的
な危機は、五十年前に既に予見され
ていたもの
だが、今やニューノーマル、新しい日常になっ
ている。世界人口は、過日、八十億を超え、地球システムに大きな負荷を与え
ており、早急に経済の在り方を転換する必要に迫られ
ている。そうした状況を踏まえ
て、新レポート「万人のための地球」を発表した
とのこと
であり
ます。 新レポートでは、プラネタリー・バウンダリー、地球の限界の概念を踏まえ
て、人類の未来は今後数十年の間に五つの劇的
な方向転換を遂げられるか否かにかかっ
ている
と呼びかけるとともに、今後予測されるシナリオとして象徴的
な二つを提示し
ております。 一つは、小出し手後れ、トゥーリトル・トゥーレイト
であり
ます。国際社会
が議論はするものの抜本的
な対策を講じなかった場合のシナリオで、まさに今私たち
がたどりつつある道
であり
ます。 もう一つは、大きな飛躍、ジャイアントリープで、社会
が劇的
な方向転換を即座に始めることにより、地球を犠牲にしない経済を実現できるというものです。 昨年十一月、エジプトで開催されたCOP27でも、地球の緊急事態に対処するための明確
な目標
とタイムテーブル
が設定でき
ておらず、トゥーリトル・トゥーレイトの道を突き進んでいるように思え
てなり
ません。 ともかく、我が国としては、目標に掲げた二〇三〇年において温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減、これを何
とし
ても成し遂げ、さらには五〇%の高みに向け
て挑戦を果敢に進め
ていくしかあり
ません。この目標さえも達成できないよう
であれば、二〇五〇年のカーボンニュートラルも、気温上昇を二度までに抑えることも、実現は不可能
と言わざるを得
ません。 前回の一般質問でも指摘し
ました
が、再エネで有力視され
ている洋上風力や地熱、さらには新た
な脱炭素電源として期待され
ている水素やアンモニア、これらの本格的導入にはまだまだ時間
が必要です。二〇三〇年まで残り八年を切った今、四六%削減という目標達成のための最大の対策
が、太陽光パネルを可能
な限り早く多く導入し、エネルギー起源のCO2を減らすこと
だと考えます。 公共施設での率先導入、屋根置きでの自家消費、さらには国土面積当たりのパネル導入量
が多い日本では、農業
との両立をしっかり確保した形でのソーラーシェアリング、まずはこれらを強力に進めるしかない
と考えますが、県の考えをお聞きしたい
と思い
ます。 続い
て、地域コーディネーターの育成等について質問いたし
ます。 近年、中間的存在の必要性を訴える識者の意見をよく耳にし
ます。中間的存在
とは、国家などの公的機関
と私的利益を追求する個人や団体などの中間にあっ
て、双方を調和的に結びつける存在
と言え
ます。 県
が最近、事例としてよく用いる「FRaU」S─TRIPの徳島特集で紹介され
ている上勝町や神山町の事例にし
ても、優れた中間的存在
があったからこそ実現でき
ている取組
だと思い
ます。また、次元は異なり
ますが、国
と市町村の中間に県
がいるから、行政
が比較的スムーズに進んでいる
と思っ
ております。 この中間的存在として、県
と個人や諸団体
とを調和的に結びつける地域コーディネーターの育成
が急務ではないでしょうか。 日本の地方は多様性に富んで
おり、ある地方の好事例をそのままコピーしようとしても、うまくはいき
ません。行政の意図や支援方法を的確に地域の意欲ある人々に伝え、地域の多様性を引き出し
ていける調整役
が必要です。 また、行政職員はどうしても定期的
な人事異動
があるため、取組に対する専門性や継続性に欠ける部分
があり
ますし、プランをつくるにし
ても、えてして課題を漏れなくちりばめた総花的
なものになりがちです。そういった部分を克服するためにも、民間の柔軟
な発想をうまく行政に結びつけること
ができる地域コーディネーターの育成
が必要
と考えます。 かつては、徳島共生塾といった地域リーダー育成の取組を県
が行い、その塾生
がNPOなどを立ち上げ
て地域貢献活動に尽力し
てくれ
てい
ました
が、その方々も今や高齢化し、活動を続け
ているのは僅かになっ
てしまい
ました。いま一度、そうした人たちの育成を図るべき
と考えます。 さらに、もう一点付け加える
とする
と、社会福祉法の改正により、社会福祉法人に対して地域社会への貢献に関する責務規定
が設けられ
てい
ますので、県はこれらの法人とも積極的
な連携を図るべき
と考えます。県の考えをお聞かせください。 続い
て、障
がい者施策についてお聞きし
ます。 昨年十月、厚生労働省は、強度行動障がいを有する者の地域支援体制に関する検討会を立ち上げ、これまで五度にわたり討議を行っ
ております。 強度行動障がいは、もともとの障がい
ではなく、知的障がいや自閉症の人の一部に現れる状態で、全国に八千から二万五千人いる
と推計され
てい
ます。感覚過敏や独特
なこだわりといった特性に対し、生活環境や周囲の対応
が合っ
ていない
と、うまく意思を伝えられないストレスから、自傷行為や他人に暴力を振るうなどの行動に出
てしまい
ます。そのため、施設等において、不適切
な身体拘束や虐待につながる可能性
があり
ます。 このよう
なことから、通常の障
がい者施設における生活環境や支援方法では対処し切れない面
があるというの
が現状で、国の検討会では、強度行動障がいの支援はグループホームにおける個別的
な支援
がなじむ面
がある
との指摘
があり
ます。 私も、十五年前、障害福祉課で仕事をし
ていた際に、強度行動障がいの方を受け入れ
ていた施設から相談を受けたこと
があり
ます。施設では対応し切れないので契約を解除したいというもの
で、強度行動障がいに詳しい相談支援員さんにも協力し
てもらい、入所支援を続け
てもらえないか
と、数次にわたって当該施設
と交渉を行い
ました
が、結局、精神科の病院にお願いし
て、短期間で必ず退院させることを条件に、一時的に入院させ
てもらうことになり
ました。 当時は、施設入所
が措置から契約に移行し
て、ようやく定着し出した時期で、県内の支援施設で持ち回りなどの方法も検討する必要に迫られ
ました
が、抜本的
な解決への道は十五年たった今も進んでいないの
が現状ではないでしょうか。 厚労省の検討会でも様々
な議論
がなされ
ているよう
で、障害者総合支援法見直しの報告書には、今後の取組として、地域における住まいの場
であるグループホームにおける重度障
がい者の支援体制の整備
が課題
とし
ております。 県内でも、行動障がいを有する方の親御さんの高齢化はもちろん、本人自身の高齢化も進んで
おり、親亡き後の不安を訴え、特に、住まいの場
であるグループホームへの入居を希望する声
が高まっ
てい
ます。 したがって、強度の行動障がい
がある方
でも対応可能
なグループホームなど、地域社会での受皿をまずは一か所整備し、必要に応じ
て拡充すべき
と考えますが、県の考えをお聞かせください。 ここで一旦切っ
て、答弁を求め
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 古川議員の御質問にお答えさせ
ていただき
ます。 太陽光発電の導入推進について御質問をいただい
ております。 本県では、平成二十四年三月に策定した自然エネルギー立県
とくしま推進戦略に基づき、西日本初県営メガソーラーの設置をはじめ、全国最大規模のグリーンニューディール基金を活用し、防災拠点や避難所に太陽光発電を導入するなど、意欲的
な取組を進め
てまいったところ
であり
ます。 また、令和三年十二月に全国に先駆け策定した徳島県版脱炭素ロードマップにおきましても、自然エネルギー最大限導入を重点施策に位置づけ、公共施設や住宅への屋根置き自家消費型太陽光発電の導入加速化に取り組んでいるところ
であり
ます。 まず、公共施設での率先導入につき
ましては、CO2排出量の削減効果
が高く、災害時には避難所として活用することのできる県有施設から優先的に、初期費用低減モデル
であるPPA電力購入契約を活用し、太陽光発電の導入を推進するとともに、この取組を市町村にも横展開するため、専門的知識を有する県脱炭素社会推進専門員を派遣し、技術的助言を行っ
ているところ
であり
ます。 次に、住宅の屋根置き自家消費につき
ましては、とくしま太陽光発電「初期費用〇円」事業により、民間事業者
と連携し、導入促進に取り組んでいるところ
であり、県民の皆様方からは、電気料金
が安くなるからぜひ設置したい、災害時には非常用電源として活用すること
ができるので心強いなど、数多くのお声を寄せ
ていただい
ているところ
であり、太陽光発電導入への関心の高まりをまさに実感し
ているところ
であり
ます。 この機を逃すことなく、脱炭素化の推進や防災力の向上、電気料金の負担軽減につながる自家消費型太陽光発電の導入を一層加速いたし
てまいり
ます。 また、ソーラーシェアリング、いわゆる営農型太陽光発電につき
ましては、平成二十五年三月に制度
が創設され
て以来、本県におきましても着実に許可件数
が増加し
ており、令和四年十二月末時点で百七十件
となっ
ているところ
であり
ます。 本制度のさらなる促進に当たりましては、発電した電力、こちらを農業経営に
有効活用するとともに、発電設備下に適した作物の栽培を実践し
ている意欲的
で優良
な営農事例を県内全域に横展開し
ていくこと
が極めて重要
である、このように
考えているところ
であり
ます。 そこで、今年度中の策定を目指し
ている徳島県みどりの食料システム戦略基本計画に、ソーラーシェアリング優良モデルの育成とともに、優良モデル数拡大の数値目標を盛り込み、全県的
な普及加速を図っ
てまいり
ます。 今後とも、導入ポテンシャルの高い太陽光発電を
有効に活用し、経済
と環境の好循環を創出する自然エネルギー最大限導入に積極果敢に挑戦いたし
てまいり
ます。 (村山政策創造部長登壇)
◎政策創造部長(村山直康君) 民間
と行政を結びつける地域コーディネーターの育成などについての御質問
でござい
ますが、人口減少の国難の中、人
と人
とのつながりの希薄化も懸念され
ており、地域における多様性を引き出し特色ある地域づくりを進めるためには、議員お話しの公的機関
と個人や団体の双方を調和的に結びつける中間支援組織の果たす役割は重要
である
と認識し
ております。 本県では、移住者
と地域住民
とのつなぎ役
となるとくしま移住コーディネーターを育成し、県内市町村において幅広く活動いただいた結果、今年度上半期における移住者数は統計開始以来最多
となる千三百四十二名を数えるなど、とくしま回帰の流れに結びつい
てき
てござい
ます。 また、徳島における中間支援組織の取組は全国的にも評価され
ており、例えば本年度、企業、大学、行政
と連携し、ほたる観察ツアーや石積みライトアップ等のイベントを行うNPO法人美郷宝さがし探検隊
が、国土交通省地域づくり表彰審査会特別賞を受賞したほか、若者関係人口の創出を重視し、学生
が牟岐町を第二の故郷として愛着を持っ
てもらえる取組を進めるNPO法人牟岐キャリアサポート
が、総務省ふるさとづくり大賞団体表彰を受賞したところ
でござい
ます。 加え
て、地域づくりは人づくりからを掲げ、地域づくりの中核
となる人材養成を行う一般財団法人地域活性化センターでは、昨年十二月
と本年一月の二回にわたりまして、本県をフィールドに地域創生実践塾を開催し
ており、今後もセンター
とより一層の連携を図ること
で、活力あふれ、個性豊か
な地域社会づくりに向けた取組を進め
てまいり
ます。 また、そのほかにも、地域
と学校をつなぎ、互いにパートナーとして連携協働を図る地域コーディネーターや、地域で子供を見守り、必要
な支援につなぐ役割を担う子どもの未来応援コーディネーター、中山間地域における農地保全や地域活性化のリーダー
となるふるさと水
と土指導員など、幅広い分野において、住民
と行政をつなぐ専門的人材の育成
が行われ
ているところ
でござい
ます。 一方、社会福祉法人における地域貢献につき
ましても、徳島県自殺予防協会における人材育成や相談窓口の設置、県社会福祉協議会における権利擁護支援や生活困窮者に対する自立生活支援など、県
と連携した様々
な取組
が行われ
ております。 今後とも、地域社会の活性化に向け、中間支援組織の人材育成や支援、社会福祉法人の地域貢献につながる連携強化を図り、徳島ならではの人づくり、まちづくりにしっかり
とつなげ
てまいり
ます。 (森口保健福祉部長登壇)
◎保健福祉部長(森口浩徳君) 強度行動障がい
がある方の地域支援体制の強化について御質問をいただい
ております。 全ての人々
が、障がいの有無にかかわらず、互いに人格
と個性を尊重、理解し合いながら共に生き
ていく共生社会の実現は、大変重要
な課題
である
と認識し
ております。 県におきましては、支援者養成研修による人材の育成、また入所施設や地域生活の体験の場を提供する地域生活支援拠点等の施設整備など、強度行動障がいのある方にも対応した、ソフト、ハード両面での取組を進め
ているところ
でござい
ます。 一方、強度行動障がいのある方々への支援は、自傷や他害などの行動状態に配慮し、マンツーマンや複数での支援、多様
な行動に臨機応変に対応できる高度
なスキル
が求められ
ておりますことから、人員体制の整備や高い専門性の習得など、支援体制の確立
が全国的
な課題
となっ
ております。 こうした状況を踏まえ、先ほど議員からも御紹介
がござい
ました
が、国におきましては、令和四年十月に、強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会を立ち上げ、グループホームや入所施設などの現状や課題を分析し、求められる役割や必要
な体制など、地域における支援の在り方、また高い専門性に基づき支援を担う中核的人材や困難事例への助言
ができる指導的人材の育成、配置などにつき
まして、令和五年度からの次期障
がい者福祉計画を見据えつつ、本年三月の報告書取りまとめを目指し、検討
が行われ
ているところ
でござい
ます。 県
といたし
ましては、議員お話しのグループホームなどの整備におきましては、国の検討会においても、強度行動障
がい者に対応できる人員体制や報酬
が十分
でない
との指摘もあり
ますことから、国の検討状況をしっかり
と注視するとともに、今後、国で示される対策を具現化するため、国に対しまして、施設整備に対する財政支援の拡充や障がい福祉サービス報酬の引上げなど、地域のニーズを踏まえた受皿づくりを推進できるよう、政策提言を積極的に行っ
てまいりたい
と考えております。 今後とも、強度行動障がいをはじめ重度障がいのある方々の地域移行の促進を図り、安心・安全
な地域生活の確保による共生社会の実現にしっかり
と取り組んでまいり
ます。 (古川議員登壇)
◆十四番(古川広志君) それぞれ答弁をいただき
ました。 まず、脱炭素の取組につき
ましては、知事から答弁をいただき
ました。太陽光発電の導入は積極的にやる、やっ
ている
とのこと
であり
ますが、今年度、また新年度にどれぐらいの量をやる、また、できるのかというの
が見え
てこないというの
が残念
でござい
ました。 ともかく、二〇三〇年までの取組
がとにかく極めて重要
と言われ
ておりますので、限られた時間の中で非常に高い目標を達成するためには、全ての部局で同時並行的に進め
ていく必要
があり
ます。公共施設や屋根置きでの設置可能
な面積を最大限ピックアップするのは当然
であり
ますが、その面積に一〇〇%設置できるわけ
ではあり
ません。必ず歩留り
があるわけですし、ましてや時間
が限られ
てい
ます。 したがって、全ての部局長
が環境担当部長
と同じ危機感を持っ
て、ソーラーシェアリングのよう
な設置可能
な場所のアイデアを出し
て、太陽光発電の導入推進に取り組んでもらいたい
と思い
ますし、トゥーリトル・トゥーレイトにならないよう、知事のリーダーシップを強く求めたい
と思い
ます。 地域コーディネーターの育成については、部長から、今県内にある事例を総動員で紹介し
ていただいたという感
があり
ますけれども、今の状況で満足し
ているのか、今後の具体策
が全くないというのには唖然
といたし
ました。 人口
が減少し経済
が縮小し
ていくこれからの日本の社会において、物質的
な豊かさとか利便性、そういったものばかりを追求し
てい
ても限界
があり
ます。これからは、人
と人
とのつながりや支え合い、そういったことを行政においても重視し
ていく必要を強く感じ
てい
ます。 地域コーディネーターは、そういった行政を進める上で重要
な役割を担う存在
であり
ますので、もっともっと増やし
ていく必要を感じ
てい
ますし、また人
と人
とが協力し合い動い
ていく中で、何かまた新しい、予期しなかったものも生まれ
てくる
と思い
ますので、ぜひ進め
ていただきたい
と思い
ます。 障
がい者施策につき
ましては、国に提言を行う
とのことです
が、今の制度でできることはまだまだたくさんあり
ます。本県は、処遇困難
な事例への備え
が大変弱いように感じ
ます。 子供の施設においても心理治療施設を持っ
てい
ませんし、母子生活支援施設
がようやく県中央部に開設されるという状況です。高齢者の施設においても、これからは、みとりまでしっかり
と対応し
てもらえる施設を増やし
ていかなければなり
ません。 一つ前の質問でも指摘いたし
ました
が、専門性を持ち、社会のために貢献するぞといった、やる気のある社会福祉法人
との連携
が大事
だと思っ
ております。 続い
て、質問を続け
てまいり
ます。 県政の課題に対する三つの提案をしたい
と思い
ます。 まずは、県庁組織の体制強化について提案し
ます。 体制強化を必要
とする要因として、一つは、コロナ禍
が三年以上たっ
てもまだ継続し、国では感染症法上の位置づけを五類に引き下げることを決定し
てい
ますが、まだまだ予断
が許される状況ではあり
ませんし、さらには、新た
な感染症に対する備えもし
ておかなければなり
ません。 本県では、保健所の体制強化を図っ
て対応し
てまいり
ました
が、当初は、急
な増員のための配置換え
であり
ましたので、異動した職員は、指示された仕事はでき
ても、自ら
考えて動くのは難しかった
と思い
ます。したがって、特に初期対応
が重要
と思い
ますので、その充実のためには、仕事
が分かっ
ている職員を相当数確保し
ておくこと
が大事
だと思い
ます。 しかしながら、県職員の定数
が限られた中での対応
となり
ますので、今の増員体制を永続化することさえ難しいの
ではないでしょうか。 もう一つは、この四月に総理直属の機関としてこども家庭庁
が発足し
ます。国は、内部部局だけで三百五十名体制を決定し
ており、その内訳は、事務移管分
が二百八名、今年度増員したの
が百名、新年度増員分は四十二名
と、大幅
な増員を図ること
とし
ております。 本県でも、国の体制に対応できる組織を構築しなければなり
ませんし、特に、児童相談所
が児童虐待相談として対応した件数は、近年、過去最多の更新
が続い
ております。児童福祉司等のさらなる増員
が求められ
ております。 これら二つの要因を同時にクリアし
ていくためには、新た
な発想
が必要か
と考えます。 保健所は、感染症対策以外においても、健康づくりや心の病、難病の対応などのため、地域
と密接につながっ
て仕事をし
てい
ます。児童相談所の仕事の仕方も同様ですし、子ども・子育て支援についても、地域にしっかり出
て仕事をすべき
だと思い
ます。また、生活保護をはじめ
とする生活困難者、生活に困っ
ている方への支援についても、アウトリーチを基本
とした仕事です。 そこで、こういった仕事を総合的に理解し適切
な相談支援を行うこと
ができる二、三人のチームを、県内の各地域ごと、例えば、小さな町村では一チーム、大きな市町では数チーム配置し、地域の実情やこれらの仕事に関する知識を持った職員を相当数確保し
ておい
て、いざ緊急事態
が発生したときにはこれらの人的資源を集中的に投入できる体制を構築し
ておけばどうか
と考えております。一人の職員
が仕事を広く担当する、浅くはなる
と思い
ますが、仕事を広く担当すること
で、それほど人員を増やさなく
ても、仕事の分かる職員を相当数確保できる
と思っ
ております。 これからの我が国における社会の在り方として、地域共生社会の構築
が求められ
ておりますが、その実現にも寄与する体制
と考えますので、県の所見をお聞かせいただきたい
と思い
ます。 続い
て、EBPMの推進についてお聞きしたい
と思い
ます。 このことについては、新年度の政策創造部主要施策にも掲げられ
てい
ますが、データやエビデンスをベースにしたポリシーメーキング、政策づくりということ
で、これまでの政策形成は、前例とか経験、一般論や専門家の意見などを基に、各担当
が、どちらか
といえば感覚的に事業をつくり出し
ていたの
ではないか
と思い
ます。
有効なデータ
が少ない中、やむを得ない部分もあり
ますが、特に進め
てほしいの
が事業の追跡調査です。実施した事業
が有効であったかどうか、地元の大学等にも協力をお願いし
て、その事業の実効性を調査し、PDCAでブラッシュアップし
ていくことをぜひ進め
てほしい
と思い
ます。事業のやりっ放しでは、やはりなかなか変わっ
ていかない
と思い
ます。 県は数多くの事業を実施し
てい
ますので、全てを追跡するのは無理
だと思い
ます。総合計画の中に、各部局
が必ず結果を出すべき重点事業をしっかり
と位置づけ
て、まずはそこから追跡調査に取り組んでいったらどうか、見解をお聞かせいただきたい
と思い
ます。 続い
て、鉄道存続の取組についても提案したい
と思い
ます。 人口減少やコロナ禍で鉄道各社の経営
が厳しさを増す中、採算悪化
が著しいローカル線の再編協議
が全国各地で不可避
となっ
てい
ます。 JR四国は、昨年十一月に、二〇二一年度の収支を公表し
ました
が、コロナ禍の影響で最悪
だった前年度からは幾分改善したものの、二年連続で全線赤字
となり
ました。県内の状況はさらに厳しく、県内五線区のうち三線区で赤字幅
が拡大し
ている
とのことです。 今後、急激に現役世代
が減少し
ていく日本の社会において、将来世代への負担を極力減らし
ていくことは大人の責務
であり
ます。県は、利用促進によって鉄道を残そう
と考えているようです
が、もはやそういったことで事態
が変わる状況
でないのは明らかです。 パターンダイヤ導入やバス路線
との連携、シンポジウムなどの意識啓発活動などの取組でどれだけ利用者
が増える
と考えているのか、どこまで利用者を増やせば存続させられる
と考えているのか、大いに疑問
であり
ます。 国は、自治体
が線路などのインフラを保有管理し運用は鉄道各社
が担う上下分離方式などを検討し
て、積極的に取り組む自治体を後押しする
との報道もあり
ますが、沿線自治体
がどこまで支援できるのか、それでもカバーできない部分をどうやっ
て補っ
ていくのか、真剣に議論しない
と何も変わらない。このまま
だと、結局、将来世代にツケを残し
ていくことになり
ます。 鉄道は公共交通機関としての側面より地域のシンボル的価値
が大きい
との調査結果
が野村総研から出され
てい
ます。ローカル線沿線住民へのアンケートで、七五%
が最寄りの路線をほぼ利用しない
と答えたにもかかわらず、五二%は地域住民の心の支え
だと回答した
とのことです。 確かに、公共交通は、IT化などのテクノロジーや地域住民の協力で、鉄道より利便性の高いものを構築できる可能性はある
と考えますが、鉄道を一度廃止し
てしまう
と二度と取り戻すこと
ができない
との思い
が地域住民には強いの
だろう
と想像し
ます。このことは、沿線住民だけ
でなく、全国に多数存在する鉄道ファンも同じ思い
だと思い
ます。 鉄道の強みは、この全国にいる多数の鉄道ファンの存在
だと思い
ますので、沿線自治体
がカバーできない部分を、世界初のDMVを走らせた鉄道の観光化先進県徳島として、全国の鉄道ファンの聖地
となるよう
なさらなる大胆
な一手を打っ
て、DMV
とのシナジー効果を引き出し、利用客の増大、交流人口の増大、地域経済の発展へ
とつなげ
ていける取組にチャレンジし
てはどうか
と考えますが、県の所見を伺い
ます。 またここで答弁し
ていただきたい
と思い
ます。 (瀬尾政策監登壇)
◎政策監(瀬尾守君) 鉄道を活用した交流人口の拡大による地域活性化についての御提案
でござい
ます。 二〇二一年十二月二十五日に世界初の営業運行を開始し、一年余り
が経過したDMVにつき
ましては、これまで、世界最大級の旅の祭典
であるツーリズムエキスポでのPRや、JR四国あるいは徳島バス
と連携したラッピング車両の運行やDMVの車両基地の見学、またDMV三台の同時撮影会など、マニア垂涎の鉄道ファン向けツアーなど、積極的に利用促進策を展開し
てまいり
ました。 その結果、世界で類を見ない二刀流の車両は、人気テレビ番組をはじめ多くのメディアに取り上げられ、乗車人数は運行開始前の約二倍に上り、沿線地域の飲食、宿泊、観光施設の皆様からその効果を実感する声を多数いただい
ております。 コロナ下において制限され
ておりました海外
との交流
が、昨年十月十一日、国の水際対策の全面的
な緩和により回復しつつあることから、徳島阿波おどり空港にも三年ぶりの国際線の運航
が計画されるなど、国内外
との交流人口拡大に向けた機運
が高まっ
ており、このチャンスを確実に捉え、本県へのさらなる誘客につなげるためには、海外を視野に入れた効果的
なプロモーションの展開
が重要
となっ
ております。 そこで、本県における海外誘客の重点地域
である香港や台湾のインフルエンサーにSNSを活用したPRをお願いするとともに、世界各国への路線
が充実し国内航空ネットワークの拠点でもある成田空港、羽田空港におきまして、デジタルサイネージを活用し、DMV
と沿線地域の魅力を世界中の皆様に発信し
てまいり
ます。 また、本県
と包括連携協定を締結し
ております日本航空株式会社におきまして、世界中から日本を訪れる皆様に、DMV
が走る阿佐東線への経路を御案内し、乗車予約もできるJAL MaaSの運用開始に向けた準備
が進められ
ており、三月十一日のDMVダイヤ改正によるJR牟岐線
との接続性の向上
と併せ、阿佐東地域
がますます近くなるもの
と思われ
ます。 こうした取組は、特集記事として、今月のJAL国内線
と国際線の機内誌「SKYWARD」に掲載され
ており、世界中の皆様に直接DMVを発信できる効果は計り知れないもの
と考えております。 二〇二五年大阪・関西万博を控えたこの時期に、国内はもとより世界中から、徳島
が誇るDMVを目指し
て本県へお越しいただけるよう、今後とも、阿佐海岸鉄道をはじめ沿線自治体や地域の皆様と共に創意工夫を凝らし、交流人口の拡大、ひいては地域活性化へ
とつなげ
てまいり
ます。 (伊藤経営戦略部長登壇)
◎経営戦略部長(伊藤大輔君) 子ども・子育て支援や生活困窮者支援など、地域に密接に関わる仕事の総合的
な支援体制を構築すべき
との御質問
でござい
ますが、近年、子ども・子育て支援や生活困窮者支援など、地域社会における行政課題は多様化、複雑化し
ており、これに迅速かつ適切に対応するため、国においては、本年四月、こどもまんなか社会の実現に向け、縦割り行政の解消などを目指すこども家庭庁
が創設されること
となっ
ており、市町村においても、誰一人取り残さない地域共生社会の実現に向けた包括的
な支援体制の構築
が求められるなど、これまでの組織の枠組みを超え、地域住民に寄り添う総合的かつ専門性の高い組織体制
が必要
とされ
ております。 本県におきましては、従来の行政分野にとらわれない包括的、総合的
な枠組みにより、地域完結型での県民サービスの向上を図るため、南部、西部圏域において総合県民局
が設置され
ており、例えば児童虐待相談については、児童相談所を保健所、福祉事務所
と同じ保健福祉環境部に位置づけることにより、緊密
な多職種連携の下、包括的に相談援助活動を実施し
ております。 また、専門性の高い行政課題に対し、誰も
が相談しやすい支援体制を構築するため、子育て相談支援センターみらい、発達障
がい者総合支援センターを開設するとともに、こうした相談支援の最前線で活躍できるスペシャリストを確保育成するため、令和四年度には、保健所の中核を担う保健師を積極的に採用することに加え、新たに、福祉の現場を総合的に支える人材として、採用区分に福祉を設けること
といたし
ました。 加え
て、議員お話しのとおり、地域の皆様への支援体制をより一層充実させ、多様化、複雑化した地域社会を支え
ていくには、行政機関だけ
でなく様々
な分野の民間支援団体にも御参画いただき、官民
が一体
となり、課題やノウハウを共有した効果的
な支援を進める必要
があり、本県としても引き続き、現場のニーズを踏まえつつ、多様
な主体
との連携をこれまで以上に強化し
てまいり
ます。 今後とも、国、市町村及び関係団体のそれぞれの役割を生かした連携体制の強化を図りながら、県民目線、現場主義を徹底し、地域の皆様に寄り添ったきめ細やか
な対応に努め
てまいり
ます。 (村山政策創造部長登壇)
◎政策創造部長(村山直康君) EBPMを踏まえた総合計画に係る政策形成の進め方についての御質問
でござい
ますが、県政運営の指針として施策の基本的
な方向をまとめた総合計画では、四年間の重点施策を示す行動計画編において、事業を行うことでもたらされる効果や成果を表すアウトカム指標を設定するとともに、毎年度、第三者機関
である県政運営評価戦略会議における評価を踏まえ
まして、次年度以降の施策展開に反映させること
で、進化する行動計画として、PDCAサイクルの確立を図っ
てき
てござい
ます。 議員お話しの、重点事業の追跡調査によりブラッシュアップを図る施策形成につき
ましては、PDCAサイクルに、統計データをはじめ客観的
な証拠に基づき政策立案を行うEBPMの考え方や
手法を取り入れる重要
な取組
である
と認識し
ております。 これまで県では、平成三十年度から国の委託を受け、喫緊の課題
である人口減少問題をテーマに、EBPMのモデル研究を行うとともに、有識者から成る
とくしまEBPM評価会議を設置し、統計データを活用した分析や研究結果の信頼性の評価、信頼性のある評価結果の政策立案に向けたエビデンスとしての提供などの取組を進め
てき
ております。 加え
て、研究成果のトピックを分かりやすく発信するニュースレターを発行し、職員のデータ利活用能力の向上にも努め
てき
ております。 こうした中、昨年から推し進め
てまいり
ました令和五年度に向けた施策構築に当たりましては、事業構築の根拠
となる統計データや各種指標を評価項目の一つとして新たに位置づけ、EBPMの視点を取り入れた施策形成に係る職員の意識づけを図っ
てまいり
ました。 また、現在策定を進め
ております新た
な総合計画においても、エビデンスをベース
とした施策効果を最大限に発揮させる事業を主要事業に位置づけること
とし
ております。 議員御提案の追跡調査については、職員に対する手間、労力、また専門性も必要
となるというよう
なことを踏まえ、実施事例をよく把握させ
ていただき、検討し
てまいる事項か
と思っ
ております。 今後とも、客観的指標を重視した施策構築を進めること
で、総合計画の進化はもとより、合理的かつ効果の高い施策展開につながるよう、しっかり
と取り組んでまいり
ます。 (古川議員登壇)
◆十四番(古川広志君) それぞれ答弁をいただき
ました。 まず、県庁組織の強化につき
ましては、職員定数
が限られた中で、保健所や児童虐待をはじめ
とする子供施策の体制強化、これを同時にクリアする提案、人員確保策を伝え
ているはずです
が、全く的の外れた答えになっ
ております。私も、すべき
と言っ
ているの
ではなく
て、どうか
と提案し
ているんですから、もう少し正面から考え方を示すの
が普通
ではないでしょうか。 EBPMの推進につき
ましては、何とか質問の趣旨に沿おう
と努力はし
てくれ
ております。事業の追跡調査についても、急遽最後に付け加え
て、何か検討するという形のことを付け加え
ていただき
ましたので、これは見守りたい
と思い
ます。 鉄道存続の取組に至っ
ては、鉄道存続の取組の問題点を指摘した上での提案
であるにもかかわらず、DMVの話ばっかり。さらなる一手とかそういうものは何もなく、趣旨は伝え
てあるはず
なのに、これはひど過ぎる答弁
であり
ます。 知事にコメントを求めたいところです
が、三問とも
となる
と時間
が全く足り
ませんので、とにかく次に進み
ます。 最後に、知事にお尋ねしたい
と思い
ます。 これまで、私ども公明党は、子供からお年寄りまで必要
な支援
が行き渡る全世代型社会保障の構築に取り組んでまいり
ました。これを飛躍的に前進させ、二〇四〇年までの諸課題を克服する新た
な構想として、安心
と希望の絆社会二〇四〇ビジョン、これは仮称ではあり
ますが、これの策定に取り組むことを昨年十月の党大会で発表し、検討委員会を立ち上げ、議論を進め
ているところ
であり
ます。 このビジョンの策定の背景にあるのは、二〇二五年には団塊の世代
が全員七十五歳以上
となり、全人口の約一八%を後期高齢者の方
が占める、その後、二〇四〇年頃に高齢者人口
がピークを迎える
と。私も知事もその頃には八十を迎えるわけ
でござい
ますが、その一方で、社会保障の主
な支え手
である現役世代はこの十五年間に約一千二百万人も減少する見込みといった人口推計
が出され
ているから
であり
ます。 人口構造の激変に対応し、医療、介護などの給付
と負担のバランスをどう取っ
ていくのか、社会保障のトータル
な改革をどう進め
ていくのか
が極めて重要
な課題になっ
てき
ております。国民の先行き不安を解消し、安心
と希望をもたらすため、今こそ政治は確か
な将来ビジョンを示さなければならない
と考えております。 このたびのビジョンは、公明党青年委員会を中心に議論し
てきたベーシックサービスの考え方等を踏まえ
て検討し
てい
ます。 ベーシックサービス
とは、提唱者
である慶應義塾大学の井手英策教授による
と、教育、医療、介護など人間
が生き
ていく上で不可欠
なサービスを無償化し、全ての人
が平等に受けられる社会を目標として、それを実現するために負担をみんなで分かち合うことを目指し
ております。 既に我が党
が発表し
てい
ます子育て応援トータルプランは、二〇四〇ビジョンの先行施策として位置づけ、新しい絆社会への突破口を開く試みとして全力で具体化し
ていきたい
と考えてい
ます。 新しいビジョンの策定に当たっては、教育、医療、介護などの望ましい給付の在り方、また各分野の効率化や改革の優先順位、これらをまず検討した上で、財源や負担の在り方に関して議論し、二〇四〇年までの社会保障改革の大きな流れを示す包括的
なビジョンとして、二〇二三年度、新年度中をめどに仕上げたい考えです。 現在、児童手当拡充の議論の中で、所得制限なしの可否
が問われ
ておりますが、所得制限を設けるなどする
と、どうしても国民を支える側
と支えられる側に分け
てしまいがちです。 内閣府のある調査による
と、暮らしの水準
がどれくらいかを聞いたときに、回答者の九三%
が中流
と答え、僅か四%
が下流
と答えたそうです。明らかに格差
が広がり、相対的貧困率も十数%の日本において、理屈で
考えても十数%は貧困層のはず
であるにもかかわらずです。 また、別の国際調査では、自分は中の下
だと考えている人
が突出し
て高い国
が日本
だったそう
で、自分は中の下、つまりぎりぎりのところで踏ん張っ
ている
と多くの日本人は思っ
てい
ます。そういったことは、所得
が生活保護の基準を下回っ
ているのに、そういう世帯のうちでも実際に生活保護を受け
て利用し
ているのは僅か一五、六%
と言われ
ていることにも表れ
てい
ます。 このよう
な状況
があるため、生活
が苦しい低所得の人を助けようといった施策を打ち出したとしても、社会の大勢の人々は、自分だって苦しい中頑張っ
ているん
だから
と、そういった施策になかなか理解
が得られ
ません。したがって、弱者を助けるの
ではなく、弱者を生まない
との発想
が重要
で、お金持ちも貧しい人も、お年寄りも若者も外国人も、全ての人
が税金を払う代わりに、全ての人
がベーシック
なサービスを受け取る権利を持つん
だと、みんな
がそういった意識を持てる社会に変え
ていく必要
があるの
ではないか
と公明党は
考えてい
ます。 また、日本は諸外国に比べ、税への信頼
が極端に低い、税への拒絶感
が極端に強い国
と言われ
てい
ます。 ある調査では、日本の税負担は北欧など
と比べ
て実際は低いのに、負担感
が重い
と答える人は、それらの国々よりもはるかに多いという結果
が出
ているそう
で、これは国の運営上、大きな問題です。ベーシックサービスの導入は、こういった意識を変え
ていくことにもつながる
と考えてい
ます。 知事は、これからの社会保障の在り方をどう
考えているのか、所得制限なし、無償化に対する考え方はどうか、お聞きしたい
と思い
ます。 (飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 今後の社会保障の在り方について御質問をいただい
ております。 言うまでもなく、二〇二五年以降、団塊の世代全員
が七十五歳以上
となり、人口の約二割を占めること
が見込まれ
ており、医療介護ニーズの急増、社会保障給付の増大に加え、少子化、人口減少の進行により社会保障の支え手
が減少することから、まさに抜本的
な改革、これをし
ていかなければこの制度そのもの
が崩壊し
てしまう、今そういう状況に来
ているところ
であり
ます。 そこで、国におきましては、現在、人生百年時代の到来を見据え、全世代で支え、人口減少、超高齢化社会の課題を克服する持続可能
な社会保障制度につき
まして、妊娠、出産、子育てを通じた切れ目のない包括的支援の構築、誰も
が安心し、多様
で柔軟
な働き方
ができるセーフティネットの確立、また必要に応じ受けることのできる医療介護サービス、その確保などの検討
がなされ
ているところ
であり
ます。 議員からお話のあり
ましたベーシックサービスの考え方を踏まえた、所得によらず全ての人々を対象に、生き
ていく上で不可欠
な基礎的サービスを提供することにより弱者を助ける、こうした発想ではなく、まさに今お話のあったように、弱者を生まない取組
がまさに重要
である、このように
考えております。 そこで、所得制限の考え方について問いたい、お話
がござい
ました。 これからの様々
な制度、例えば高校の無償化もそう
であり
ますが、一部これらは所得制限
がかけられ
ているところではあり
ますが、やはり本来、国民、県民は全て法の下に平等
であるわけ
であり
ますので、所得制限をかけない、こうした考え方は当然あっ
てしかるべき
だと思い
ます。 そこで、徳島におきましては、例えば、先般合格発表のあり
ました徳島大学医学部地域枠、こちらにつき
ましては、全国では所得制限、これをかけること
が前提
となる、あるいは所得の低い皆さん方
が医学部に進むこと
ができる、こうした考え方
が多いわけ
であり
ますが、徳島の場合にはそう
ではなく、地域医療を志す、その熱意のある皆さん方につき
ましては、親の所得、これには関係なく、特待生の制度、これを導入する形を取っ
ているの
がまさにその一例
となるところ
であり
ます。 そこで、本県におきましては、実施主体
である市町村の意向、これらを踏まえながら、拡大した全国トップクラスの制度
となる、例えば子どもはぐくみ医療費助成制度、また子育て世帯の経済的負担を軽減するために全国に先駆け実施し
ている第三子以降の保育料無償化、また全国知事会長として総理に直接提言し実現させたGIGAスクール、これらをさらに進化し、徳島では、全国に例のない、特別支援学校あるいは私学を含めた高校までの一人一台端末の無償化など、まさに所得制限など関係なく、ベーシックサービスの先駆け
となる施策を実現し
てき
ているところ
であり
ます。 一方で、国民の安心、また生活の安定を支えるため、社会保障制度の持続性を高めるための給付
と負担の在り方については国民的議論を経
て形成されるべきもの、このように
考え、今後、国における議論をまさに注視し
てまいりたい
と考えております。 しかしながら、今後とも、県
といたし
ましては、この国の施策を待つことなく、先ほど、所得制限の関係についてもそれを外し、違う目的で導入し
ている制度を幾多申し上げたところ
であり
ますが、持続可能
で誰一人取り残さない社会の実現に向け、医療や介護、そして保育、そして教育、障がい福祉など、全ての皆様方
が必要
とすべきまさにベーシックサービス、必要
となるサービスを提供できるよう、しっかり
と取り組んでまいり
ます。 そして一点、先ほどの三問のうち、例えば鉄道の存続、もちろん先ほどの三つ、これもあるわけ
であり
ますが、さらに新駅の創設
であったり、あるいは御紹介のあった上下分離、これはまさに我々
が提言し、ようやく国
がその財源保障までし
ていこうということ
であり
ますので、まさに時宜を得たもの
と。徳島としては率先垂範、これらを導入し、牟岐線はもとよりのこと、JR四国存続に向け、まずは全国のモデル事業をさらに重ね
てまいりたい
と考えております。 以上です。 (古川議員登壇)
◆十四番(古川広志君) 知事から答弁をいただき
ました。最後にあった、持続可能
で誰一人取り残さない、まさにこの両立
が問われ
ているん
だと思い
ます。 給付
と負担の問題では、確かに、かなり高所得者の方へは無償で提供する必要性は低い
と思い
ます。しかし、そういった方は国民のごく一部ですし、それらの人を除く手間とかコストを勘案し
て、さらには、こういった高所得の方は高い税率を設定され
ているということも加味し
て決定し
ていけばいいのかなあ
と考えております。 今後の社会保障制度の在り方は、地方においてもしっかり
と議論し
ていく問題
だと思い
ます。 今回は非常に忙しく
て、答弁に対しては基本的に口を挟め
ませんでしたので、蓋を開け
てみる
と、ちょっと内容的に厳しいもの
が多かったように思い
ます。冒頭でも話し
ました
が、多重危機の時代、これからの社会の在り方、また県政の在り方、もう少し根本的
なところを
考えていかなければいけない
と思っ
ております。 今回の質問は以上で終わり
ます。御清聴ありがとうござい
ました。(拍手) ────────────────────────
○議長(南恒生君) 以上をもっ
て、本日の日程は全部終了いたし
ました。 ────────────────────────
○議長(南恒生君) 本日は、これをもって散会いたし
ます。 午後三時五十一分散会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△令和5年2月徳島県議会定例会の議案について(提出) 財第435号 令和5年2月16日 徳島県議会議長 南 恒 生 殿 徳島県知事 飯 泉 嘉 門 令和5年2月徳島県議会定例会の議案について(提出) このことについて,別添のとおり提出し
ます。 令和5年2月徳島県議会定例会提出議案(追加)第 58 号 令和4年度徳島県一般会計補正予算(第12号)第 59 号 令和4年度徳島県用度事業特別会計補正予算(第1号)第 60 号 令和4年度徳島県都市用水水源費負担金特別会計補正予算(第1号)第 61 号 令和4年度徳島県母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 62 号 令和4年度徳島県国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)第 63 号 令和4年度徳島県地方独立行政法人徳島県鳴門病院資金貸付金特別会計補正予算(第2号)第 64 号 令和4年度徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計補正予算(第1号)第 65 号 令和4年度徳島県中小企業近代化資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 66 号 令和4年度徳島県徳島ビル管理事業特別会計補正予算(第1号)第 67 号 令和4年度徳島県農業改良資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 68 号 令和4年度徳島県林業改善資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 69 号 令和4年度徳島県県有林県行造林事業特別会計補正予算(第1号)第 70 号 令和4年度徳島県沿岸漁業改善資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 71 号 令和4年度徳島県公用地公共用地取得事業特別会計補正予算(第1号)第 72 号 令和4年度徳島県港湾等整備事業特別会計補正予算(第1号)第 73 号 令和4年度徳島県奨学金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 74 号 令和4年度徳島県証紙収入特別会計補正予算(第1号)第 75 号 令和4年度徳島県公債管理特別会計補正予算(第1号)第 76 号 令和4年度徳島県給与集中管理特別会計補正予算(第1号)第 77 号 令和4年度徳島県病院事業会計補正予算(第1号)第 78 号 令和4年度徳島県電気事業会計補正予算(第1号)第 79 号 令和4年度徳島県工業用水道事業会計補正予算(第1号)第 80 号 令和4年度徳島県駐車場事業会計補正予算(第1号)第 81 号 令和4年度徳島県流域下水道事業会計補正予算(第1号)...