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02月16日-03号

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  1. 徳島県議会 2023-02-16
    02月16日-03号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    令和 5年 2月定例会   令和五年二月徳島県議会定例会会議録(第三号) 令和五年二月十六日    午前十時二分開議      出席議員計三十四名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十六 番     吉  田  益  子 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十一番     南     恒  生 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     加  藤  弘  道 君     次長       島  田  浩  寿 君     議事課長     大  屋  英  一 君     政策調査課長   佐  金  由  美 君     政策調査課副課長 秋  山  敏  二 君     議事課副課長   木  邑  博  英 君     議事課課長補佐  一  宮  ル  ミ 君     議事課係長    小  泉  尚  美 君     議事課係長    築  山     優 君     議事課主任主事  広  田  亮  祐 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      酒  池  由  幸 君     副知事      勝  野  美  江 君     政策監      瀬  尾     守 君     企業局長     板  東  安  彦 君     病院事業管理者  北  畑     洋 君     政策監補兼危機管理環境部長              谷  本  悦  久 君     政策創造部長   村  山  直  康 君     経営戦略部長   伊  藤  大  輔 君     未来創生文化部長 上  田  輝  明 君     保健福祉部長   森  口  浩  徳 君     商工労働観光部長 梅  田  尚  志 君     農林水産部長   平  井  琢  二 君     県土整備部長   松  野  秀  生 君     会計管理者    金  井  仁  志 君     病院局長     佐 々 木  季  裕 君     財政課長     福  岡  克  己 君     財政課副課長   高  木  和  久 君   ────────────────────────     教育長      榊     浩  一 君   ────────────────────────     人事委員長    森     俊  明 君     人事委員会事務局長福  田  輝  記 君   ────────────────────────     公安委員長    米  澤  和  美 君     警察本部長    松  林  高  樹 君   ────────────────────────     代表監査委員   岡  崎  悦  夫 君     監査事務局長   藤  本  真  路 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第三号 令和五年二月十六日(木曜日)午前十時開議 第一 議案自第五十八号至第八十一号、計二十四件                       (提出者説明) 第二 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 知事から、お手元に御配布のとおり、議案の提出通知がありましたので、御報告いたしておきます。 諸般の報告は以上であります。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、「議案第五十八号・令和四年度徳島県一般会計補正予算(第十二号)より第八十一号に至る計二十四件」を議題といたします。 以上の二十四件について、提出者の説明を求めます。 飯泉知事。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) おはようございます。 本日、追加提出いたしました案件につきましては、令和四年度徳島県一般会計補正予算案はじめ二十四件であります。 まず、一般会計補正予算案につきまして、その概要を以下申し上げさせていただきます。 歳入におきましては、事業費の確定に伴い、県債につきましては百四十八億円の減額、歳出におきましては、減債基金への五十億円の積立てを行うなど、所要の補正を行うものであります。 この結果、補正後の予算額につきましては五千八百十二億三百二十三万三千円となり、令和四年度末の財政調整的基金残高につきましては、財政構造改革基本方針の改革目標である八百億円を大きく上回る一千億円に到達する見込みであり、ポストコロナ新時代に向け、安定的な財政基盤をこれまでになく強化したところであります。 このほか、特別会計十八件、企業会計五件につきましても、それぞれ所要の補正を行うことといたしております。 以上、概略御説明申し上げましたが、十分御審議賜りまして、原案どおり御賛同賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 次に、日程第二、「県政に対する一般質問」を前回に継続して行います。 十三番・岩佐義弘君。   (岩佐議員登壇) ◆十三番(岩佐義弘君) おはようございます。徳島県議会自由民主党の岩佐義弘でございます。 代表・一般質問の二日目、一番バッターでございます。今回、最後の質問となろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。 県議会議員に当選させていただいて、初めて一般質問でこの場に登壇させていただいたのが、七年前の同じ二月議会でありました。そのときは、三日目のトップバッターということでありましたが、初心に返れよと言われているように考えております。 二期八年の取組を振り返りつつ、誰かの役に立つよう、そして徳島県の発展につながるようという、その初心をいま一度胸に、質問してまいりたいと思います。知事はじめ理事者の皆様には、これまでの取組を踏まえ、徳島県がもっと元気で豊かになるよう、未来志向で御答弁をいただきますようよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 まず初めに、県民の安心・安全を支える全国モデルデジタル基盤整備についてお伺いいたします。 国において昨年六月に策定されたデジタル田園都市国家構想基本方針に基づき、令和五年度の国の当初予算案においても、自治体のデジタル実装を加速し、デジタルを活用した地方創生を進める取組など、様々な分野のDX、デジタルトランスフォーメーションを推進することが盛り込まれております。 デジタルの力で地方と都市の差を縮め、サテライトオフィスに代表される地方の魅力を最大限生かし発信できるDXの取組にチャレンジし続けることは、人口減少対策としても大変有効であると考えます。 これまで県では、全国に先駆けた様々なDX施策を推進してこられました。中でも医療分野では、県立病院において、いち早く5Gを活用し、病院間を高速情報ネットワークでつなぐ遠隔医療体制の強化に取り組んでおり、全国の先駆的事例として、先日、テレビでも紹介されておりました。 その番組の中では、県南で進む遠隔医療の現状とともに、今後は、救急車と病院とをつなぐ構想も進められているとのことでありました。 また、防災分野では、那賀川と海部川にローカル5Gの基地局を立て、夜間対応カメラと接続して、鮮明な映像がケーブルテレビで配信されております。災害時には、住民の迅速な避難判断に活用でき、こうした防災分野へのさらなる拡大も期待しております。 このようなDX、デジタル化の取組を広く県内で実装へと展開するとともに、医療、防災をはじめとした地域課題解決につなげることが大変重要であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 デジタル社会の恩恵を全ての県民が享受できるよう、県民の安心・安全を支える全国モデルデジタル基盤整備を本県で実現すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、南海トラフ巨大地震被害想定見直しについてお伺いいたします。 トルコ、シリアでの大地震では甚大な被害が発生しており、改めて災害への備えの重要さを感じております。 東日本大震災を受けて国が示していた南海トラフ巨大地震の被害想定の算定手法を参考に、県では平成二十四年に津波浸水想定を発表するとともに、翌平成二十五年に詳細な被害想定を示しました。これらの想定に基づき、県では、ハード、ソフト両面から様々な地震・津波対策を検討し、国土強靱化地域計画や「とくしま─0(ゼロ)作戦」行動計画に盛り込み、死者ゼロの施策を展開してこられました。 また、市町村においては、県の津波浸水想定や被害想定に基づき、避難路の整備、停電対策など避難の機能強化、周知啓発活動、避難訓練など、多岐にわたる防災・減災対策を実施されております。 私が議員になってからの八年間でも、熊本地震や大阪府北部地震など大きな地震が発生しており、私も防災・減災対策をさらに強化すべきと思い、取り組んでまいりました。 しかし、幸いにも身近で大きな地震が発生していない状況が続く中で、耐震診断の受診率や家具を固定している家庭の割合が低下するなど、昨年度の地震・津波県民意識調査の結果からも、県民の防災意識の低下が懸念されております。 このような中、国は南海トラフ巨大地震被害想定の見直しに着手し、来春をめどに地震対策の基本計画を改定する方針を明らかにいたしました。この見直しでは、最新の研究結果や防災対策などを反映させるということで、改めて、県民の命や財産を守り抜く取組が加速し、県民の防災意識が向上することにつながることが期待されております。 そこで、お伺いいたします。 国の被害想定見直しの方針を受け、県として今後どのように対応していくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、阿南市那賀川海岸における津波・高潮対策についてお伺いいたします。(資料提示) 私の地元阿南市那賀川町は、山がなく、海抜の低い広大な平地が広がっており、東部に位置する出島地区では早くから圃場整備が行われ、近くには科学センターや道の駅などの施設が立地し、住宅街が広がっております。 那賀川町の東部、海岸の大部分の区間においては、立派な堤防が整備されています。これは、昭和三十五年のチリ津波の際、津波が防潮林を越え、農作物や家屋など人々の生活に多大な被害を及ぼしたことから、県が整備したものと聞いております。 この堤防では、近年、三十年以上前に描かれた壁画を再生する出島壁画再創造プロジェクトが行われており、地域活性化の場にもなっております。 しかしながら、唯一、堤防の末端部における出島野鳥園の西側、苅屋川河口右岸側に限り、堤防の高さが低くなっており、このままでは、この部分から津波や高潮による浸水が広がることが危惧されております。命山など避難場所の確保は進んでおりますが、海抜の低いこの周辺住民にとって、堤防がこのままの状態では、その不安感は払拭できておりません。 県ではこれまで、関係者との協議を長年にわたり粘り強く続けてこられたことは承知しております。巨大津波が発生するとされる南海トラフ巨大地震の発生確率が高まる中、深刻な津波・高潮被害から住民の生命や財産、優良な農地を守るためには、十分な高さの連続した堤防で、背後地域の安全・安心を可能な限り早期に確保することが必要とされます。 そこで、お伺いいたします。 かけがえのない県民の生命と財産を守るため、出島野鳥園西側における農地海岸の堤防整備に向け、スピード感を持って取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 (資料提示)次に、岡川流域の浸水対策についてお伺いいたします。 阿南市下大野町は、世界有数のLEDメーカー日亜化学工業が立地しており、阿南市はもとより徳島県の経済を支える重要な地域となっております。 現在整備が進む徳島南部自動車道阿南インターチェンジは阿南市の入り口となることから、津田インターチェンジまでの全線が供用を開始し、周辺道路整備も進むことにより、この地域にLED関連企業や新しい産業が集積することが見込まれ、阿南市、徳島県の発展に大きく寄与する可能性を秘めた地域になるものと大変期待しております。 こうした地域の可能性を早く現実のものにするためにも、一日も早い自動車道の整備を願い、この八年間、建設促進の要望活動へも積極的に参加してまいりました。 一方、この地域には岡川が流れておりますが、川幅の狭い箇所が多いため、住宅の床下浸水、駐車場や道路の冠水など、これまでも度重なる浸水被害が発生しております。 このパネルは平成十六年の浸水の様子でありますが、平成二十八年台風第十六号では、広範囲な浸水により、百台を超す自家用車が水没、数十台が廃車に至る被害も受けております。 これまで県においては、清水橋より下流の改修を平成二十六年度に完了させ、現在は清水橋から新西方橋の間の改修を進めており、地元住民は、新西方橋より上流部の早期の河川改修を望んでおります。 田畑や住宅街の浸水被害の軽減を進めるとともに、今後の徳島南部自動車道の開通を契機とした阿南インターチェンジ付近地域活性化のためにも、岡川上流域の浸水対策を戦略的に進めるべきと考えます。 そこで、お伺いいたします。 岡川の河川改修をはじめ、阿南インターチェンジ付近の浸水対策にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 岩佐議員の御質問にお答えさせていただきます。 県民の安心・安全を支える全国モデルデジタル基盤整備を本県で実現すべきとの御提言であります。 過疎化や高齢化など、地域が抱える課題を解決し、県民の皆様が安心・安全を実感できるサステナブル社会を実現するためには、その土台となるデジタル基盤整備を地方において積極的に展開する必要があると認識いたしているところであります。 実は5Gにつきましては、当初、NTTドコモをはじめとする民間企業が整備するキャリア5Gのみでありましたが、これでは不採算地域では整備されず、採算の取れる大都市部のみに整備されることとなります。そこで、国に対し、地方団体が整備するローカル5G制度を創設すべきとの政策提言を行い、そしてこれが実現し、制度創設後、徳島県が地方団体としては第一号の免許を取得することとなります。 このように、本県では全国に先駆け、ローカル5Gを活用した医療・防災分野の課題解決に取り組んでおり、昨年十月には、徳島ビジネスチャレンジメッセにおきまして、徳島と大阪、万博の会場である夢洲間と同じ百六十キロメートル先へ、肉眼を超える8K手術映像を届ける遠隔医療や、医師を支援するロボット遠隔操作を実証するなど、二〇二五年大阪・関西万博を見据え、徳島発の未来技術の実装を着実に進めているところであります。 また、頻発化、激甚化する自然災害や、迫りくる南海トラフ巨大地震に備えるべく、十二月末には、災害対策本部が設置される万代庁舎におきまして、携帯電話会社とアンテナを共有する全国初のローカル5Gインフラシェアリングを整備完了するとともに、現在工事を進めている県立中央病院ER棟において、広域接続と災害時の高速安定性を兼ね備える5G通信環境を標準装備することといたしております。 令和五年度には、こうした最先端のデジタル基盤を活用し、ドローンなどで撮影した高画質の被災地映像をはじめ、正確迅速な情報提供による災害支援機能の強化、アイ・コンストラクションの実装による災害現場での安心・安全な遠隔操作の実現、地域医療を支える遠隔医療体制のさらなる充実など、県民の皆様方の命を守る取組をしっかりと加速いたしてまいります。 さらに、今年度、総務省から、救える命を救う革新的な取組となります救急医療DX全国モデルとして選定を受け、これまで、阿南市消防本部の救急車と徳島赤十字病院間を超高速で接続し、救急患者の4K映像──4Kは肉眼と同じ解析度でありますが、4K映像や心電図データをリアルタイムに伝送するなど、実証を積み重ねてまいりました。こうした点については、既に報道がなされたところであります。 ということで、昨日二月十五日には国の視察会が開催され、医師による迅速な診断や救急救命士への的確な指示など、一歩先の救急医療連携として大いに期待できる成果が得られたことから、これを支える遠隔医療システムを早期に、全国初となる医療コンソーシアム十五病院へと展開し、県内全域での実装拡大にしっかりとつなげてまいります。 今後とも、本県が誇るデジタル基盤を活用し、徳島モデルのDX実装をさらに加速し、県民の皆様方が安心・安全を実感していただける、誰一人取り残されないデジタル社会の実現に向け、積極果敢にチャレンジを続けてまいります。   (谷本政策監補兼危機管理環境部長登壇) ◎政策監補兼危機管理環境部長(谷本悦久君) 国の被害想定の見直し方針を受けた今後の対応についての御質問でございますが、国においては、平成二十六年三月に策定した南海トラフ地震防災対策推進基本計画が令和五年度に十年を経過することから、去る二月三日、次期計画に向け、現行の地震モデル被害想定手法などの見直しを行う有識者検討会を開催したところであります。 本県においては、平成二十四年一月、国に先駆け、津波浸水予測図を公表し、同年十二月には、全国初の土地利用の規制と緩和を盛り込んだ震災に強い社会づくり条例を制定するとともに、平成二十五年七月公表した県独自の被害想定を基に、南海トラフ巨大地震発生時の死者ゼロに向け、住宅の耐震化の促進、即避難率向上に向けた意識啓発や避難施設の整備をはじめとしたあらゆる取組を展開してまいりました。 一方、東日本大震災から十二年が経過するとともに、近年のコロナ下における防災活動の減少などにより、議員お話しのとおり、防災意識の低下が懸念されていることから、県においても、今回の国の動きを機に、被害想定の見直しや防災意識のさらなる啓発に取り組む必要があると認識しております。 このため、本年三月を目途に、県庁関係部局及び外部有識者などで構成する被害想定検討プロジェクトチームを立ち上げ、防災・減災対策の推進により向上した住宅耐震化率や堤防整備率などのデータ更新、最新の知見を踏まえた地震モデルの構築、建物被害やライフライン被害に関する計算手法など、被害想定の見直しに向けた議論を進めてまいります。 また、さらなる防災意識の啓発を図るため、南海トラフ地震臨時情報に関する研修会、被災後のまちづくりを考える事前復興ワークショップ、高齢者等に配慮した実践的な避難訓練などの取組を、市町村と連携し、強力に実施いたします。 今後とも、防災・減災対策や事前復興を積極的に推進し、切迫する南海トラフ巨大地震をはじめあらゆる災害から、助かる命を助け、そして助かった命をつなぐ、死者ゼロの実現にしっかりと取り組んでまいります。   (平井農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(平井琢二君) 出島野鳥園西側の堤防整備についての御質問をいただいております。 近年の気候変動に伴い激甚化しております台風災害や、切迫する南海トラフ巨大地震など、大規模災害の発生リスクが一段と高まる中、海岸地域の防災・減災対策は、県民の皆様の安全・安心な暮らしに不可欠な県土強靱化事業であると認識いたしております。 かつて昭和三十五年に発生したチリ地震・津波の際には、阿南市出島地域の大部分で堤防がなかったため、農地や家屋に甚大な被害が発生したことを教訓に、昭和三十九年から平成元年にかけ、約二十六年間で延べ二・六キロメートルに及ぶ堤防や十九基の離岸堤を整備した経緯がございます。 その後、県におきましては、東日本大震災を契機に、平成二十四年度末、徳島県設計津波の水位を新たに設定いたしまして、まずは住民の皆様の生命を守ることを最優先とした避難時間の確保に必要な施設整備の推進を決定したところでございます。 これを受け、議員お話しのとおり、出島野鳥園西側では百六十メートルにわたる堤防かさ上げの必要性が明らかになりましたことから、その即応策として、平成二十九年度、県営の海岸保全施設整備事業に着手いたしました。 県では、早期の工事開始に向け、地元住民の皆様をはじめ関係機関の方々と協議を重ねる中、出島野鳥園は春夏秋冬を通じて数多くの野鳥が飛来すること、周辺海域は豊かな漁場となっていることなどから、堤防の構造や施工方法について、周辺環境への十分な配慮を求める様々な声を頂戴いたしたところでございます。 そこで、新たな堤防につきましては、野鳥観察の池側と海側双方への影響を最小限にとどめるよう慎重に検討を繰り返し、工夫を凝らしたコンパクトな構造を御提示いたしましたところ、本年度、関係者の皆様の合意が得られましたことから、間髪入れず、鋭意、工事発注作業を進め、一昨日、堤防の基礎部分における排水路工事の契約に至ったところでございます。 さらに、来年度以降は、水門設備や堤防本体の工事に順次着手し、令和八年度の台風シーズンまでに全ての工事を完成させるよう、スピード感を持って進めてまいります。 今後とも、豊かな自然環境に十分配慮しながら、県民の皆様が安全・安心を実感できる強靱な農山漁村地域を実現すべく、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。   (松野県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(松野秀生君) 阿南インターチェンジ付近の浸水対策についての御質問をいただきました。 阿南市下大野町から平野部を緩やかに流れ、桑野川へ注ぐ岡川の流域では、平成十六年台風第二十三号をはじめ、これまで幾度となく浸水被害が発生しております。 こうした水災害を踏まえ、下流端から県道大林津乃峰線清水橋までの約二・四キロメートルで堤防を整備してきたところであります。 また、国の強靱化予算を積極的に活用し、河道掘削、樹木伐採を集中的に実施するとともに、市道新西方橋までの約八百五十メートルの区間におきまして、九割を超える関係者の皆様の御協力をいただいたことから、今年度より樋門の新設工事に着手しているところであります。 議員お話し阿南インターチェンジ付近の浸水対策につきましては、まずは現在の工事区間の早期完成に努めるとともに、流域のあらゆる関係者が協働して行う那賀川水系流域治水プロジェクトに基づきまして、新西方橋から上流部の河川改修をはじめ、雨水の流出を抑える雨水貯留施設の整備、適切な土地利用を図る土地利用規制など、浸水対策の実施に取り組んでまいります。 今後とも、国、県、市、さらには地元の皆様の総力を結集し、ハード、ソフト一体となった下流から上流までの一貫整備による流域治水を推進し、地域の皆様方の安全・安心の確保にしっかりと取り組んでまいります。   (岩佐議員登壇) ◆十三番(岩佐義弘君) それぞれ御答弁をいただきましたが、コメント等は後でまとめて行い、質問を続けます。 県立中央病院で整備を進めておりますER棟の運用開始についてお伺いいたします。 令和二年一月に新型コロナウイルス感染症の感染が日本で初めて確認されてから三年にわたるコロナとの闘いの中で、県内各医療機関の医療従事者の皆様はもとより、福祉施設や学校など多くの関係者の皆様には多大な御苦労があったものと思います。 県においても、未知の感染症への対応ということで、その時その時、最善の策を講じるとともに、コロナ以外の病気、けがや救急医療などへの対応も求められたものと思います。 特に、新型コロナの感染が拡大した際には、受入病院では感染患者への対応に追われ、救急患者の受入れも断らざるを得ないケースが生じており、県民の不安を解消し安全・安心を確保するため、感染症に対する医療提供体制を早急に構築することが求められております。 こうした中、現在県立中央病院で整備を進めておりますER棟は、感染症にもしっかり対応できる救急感染症外来を有する施設であり、新型コロナ対応はもとより、今後発生し得る新興感染症への備えとしても大きな期待を寄せているところであります。 その一方で、さきの九月定例会文教厚生委員会において、半導体など世界的な資機材不足の影響を受けたことなどにより、当初予定の昨年十二月末の竣工は困難であり、年度末の完成を目指すとの報告があったところであり、その後の進捗状況が懸念されております。 そこで、お伺いいたします。 県立中央病院ER棟について、いつ頃の運用開始を見込んでいるのか、また県内の医療提供体制の充実強化にどのようにつなげていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、阿南医療センターの機能強化に関して質問いたします。 私の地元阿南市には、阿南共栄病院と阿南市医師会中央病院の二つの中核病院が、県から総額三十五億円にも上る大規模な整備支援を実施いただき機能的統合した、新たな地域の中核的かつ急性期病院となる阿南医療センターがあります。 この阿南医療センターは、阿南市民はもとより県南地域からの多くの患者にも対応することで、救急患者搬送件数や分娩対応件数、手術件数で実績を着実に増加させております。特に、処置が遅れると要介護のリスクが高まる大腿骨近位部骨折の手術では優れた成果を上げていると聞いており、県民の健康管理に至るまでの広い範囲も含め、高齢化が進む県南地域において重要な役割を果たしております。 阿南市民はもとより県南地域人口約十万人の命と健康を守る拠点病院として、地域完結型医療の実現に大きく貢献しているものと考えております。 一方で、人口減少の進行により、本県においては二〇二三年中に七十万人を割り込む見通しとの報道が先日もあったところであります。 今後、この人口減少に伴う若手医師の不足、医師のさらなる高齢化が危惧されるところであり、医療の質の向上や人材の確保に向けては、医療DXなど新たな技術を積極的に活用し、阿南医療センターのさらなる機能強化を図り、県南地域住民の命と健康のとりでとしてしっかり守っていく必要があると考えております。 そこで、お伺いいたします。 県南地域の医療提供体制の確保、充実に向け、阿南医療センターの機能強化をどのように図っていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、発達障がい教育の充実についてお伺いいたします。 昨年暮れに発表された文部科学省の調査では、発達障がいと思われる子供が小学校で一〇・四%、中学校で五・六%在籍しており、十年前の調査と比べかなり増えているとのことであり、改めて発達障がいに対する配慮や支援の充実が必要であると感じております。 発達障がいの子供は、集中力が続かず気が散りやすい、コミュニケーションが苦手などの特性があり、学校生活の集団行動になじめず、周囲から取り残されることも多いと聞きます。今回の調査からは、低学年ほどその割合が高くなる傾向にあり、小中学校の早い段階からしっかりとケアをしていくことが重要であると言われております。 一方で、小中学校の現状に目を向けますと、その多くが、担任や教科を担当する先生が一人で授業を進めながら、特別な支援が必要な子供にも指導を行っているとのことで、教員の負担となっている面もあるかと思います。 こういった状況を改善し、全ての子供たちの学びを保障するためには、教員が早い段階から子供たちの特性を理解し、子供たちへの接し方を理解した上で授業を進めることが重要であり、それは教員の負担の軽減にもつながるものだと考えます。具体的には、子供たち一人一人に応じた支援を一層充実させるため、専門家からの知見を生かすなど、先生方の専門性をより高めることが効果的な方策ではないかと考えております。 そこで、お伺いいたします。 発達障がいのある子供に対し、先生方の指導力を高め、よりきめ細やかな支援を充実させていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後の質問となります。私たちが生きていく上で必要不可欠な食を生み出す本県農林水産業についてお伺いいたします。 私は、県議となる前、専業として農業に携わり、県の普及員にも御指導いただきながら、農業青年グループ活動や農業委員などを通じて地域農業に関わってまいりました。また、農業のみならず、友人が営む畜産業や、親類、知人が行っている水産業など、それぞれのよいときも、また厳しい状況なども見てまいりました。 このような経験や話を聞いてきた中で、県議として、この八年間、私たちが生きていく上で不可欠な食を生み出す農林水産業を守り、農山漁村の振興を図りたい、その一心から、徳島県の農林水産業が持続し、成長する産業になるよう、本会議や委員会において質問してまいりました。圃場整備の推進や海の栄養塩低下の問題、気候変動に適応できる品種改良や生産技術開発の必要性、海外輸出を含めた販売戦略、そして食育など、問題提起や提言をさせていただきました。 県におかれましては、これまで、私の提言も真摯に受け止め、施策展開をいただき、例えば、芳崎地区をはじめとした圃場整備が進み、JAアグリあなんすだち部会のGAP大賞の受賞など、様々な施策を通じて生産者を御支援いただいており、大変感謝しております。 しかし一方で、農林水産業を取り巻く状況を見てみますと、人口減少からの消費の縮小、販売価格の低迷、また最近は、ウクライナ危機に端を発した資材価格の高騰などにより、依然として厳しい経営環境が続いております。 こうした状況が続けば、本県においても農林水産業従事者がさらに減少し、田畑や漁港など生産基盤の荒廃が進むのではないかと大変危惧しております。そして、いつの日か食料危機がやってくるのではないかと、じくじたる思いをしております。 農林水産業の生産力が伸び悩む中、県民の命の源である食料を供給する農林水産業を継続させ、さらに発展させていくためには、担い手の育成はもとより、新たな技術の開発実装など、農林水産業を将来にわたって持続性のある産業としていくことが不可欠であると考えております。そして、県の掲げるDX、GXを最大限に活用することにより、農林水産業が真に魅力ある希望が持てる成長産業となるよう心から願っております。 そこで、お伺いいたします。 農林水産業の使命である食料生産が、将来にわたり持続的に確保され、発展していくよう、DX・GX一体型の生産強化策を推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 県立中央病院ER棟について御質問をいただいております。 近い将来、発生が予測されております南海トラフ巨大地震への備えをはじめ、新たな国難である新型コロナウイルス感染症や、今後発生が懸念される新興感染症への対応がまさに喫緊の課題となっており、こうした役割を担う中核的な施設としてER棟の整備を進めてきたところであります。 本体工事につきましては、令和三年十月に着手後、早期完成を目指す中、世界的な資機材不足の影響により、当初の令和四年十二月末の竣工予定を延期せざるを得ない状況となりましたが、工事関係者の皆様方の御尽力により、このたび本年三月末の竣工にまずめどが立ったところであります。 なお、依然として、半導体不足による機器調達への影響をはじめ様々な不確定要素を抱えておりますが、本年四月以降、医療機器の搬入や移設、新施設の運用に向けた職員トレーニングなど、所要の準備にスピード感を持って取り組み、本年五月末の運用開始を目指してまいります。 また、議員からお話がありました県内の医療提供体制の充実強化に向けまして、少し具体的に申し上げてまいりますと、発災時における災害医療の中心的役割を担う県内唯一の基幹災害拠点病院としての活動拠点、全面陰圧化された救急・感染症外来における新たなパンデミックへの対応など、県下全域の様々な危機事象を想定した救急・感染症対応機能を発揮いたしてまいります。 さらには、ローカル5Gとキャリア5Gの連携環境を生かした5Gオンライン診療室を常設し、先進的な遠隔医療における地域医療支援の充実強化を図るとともに、新興感染症対応と通常医療との両立に向け、今後整備予定のシミュレーション機器を備えた高度医療研修施設、いわゆるスキルスラボにおきまして、平時は県下全域を対象とした人材育成の拠点として、感染拡大時には重症の感染症患者を受け入れる陰圧設備を備えたHCU高度治療室として、リバーシブルな活用を行ってまいります。 今後とも、ポストコロナ新時代をしっかりと見据え、多様な機能を融合させたER棟の能力を最大限に発揮し、県立中央病院が本県医療の中核拠点としてその役割をしっかりと果たすことにより、県内の医療提供体制の充実強化につながりますよう、全力で取組を進めてまいります。   (勝野副知事登壇) ◎副知事(勝野美江君) 食料生産の持続的な確保に向け、DX・GX一体型の生産強化策を推進すべきとの御質問をいただきました。 生産者の高齢化や後継者不足が進む中、将来にわたり食料を安定的に供給するためには、担い手の育成確保はもとより、収益性の向上を目指しながら、先端技術の導入によるイノベーションを積み重ね、生産力の強化を図ることが重要と認識しております。 このため、県では、徳島県食料・農林水産業・農山漁村基本計画におきまして、スマート農林水産業の実装を基本戦略の一つに掲げ、IoTによる生育環境の遠隔モニタリングシステム、GPS誘導による自動走行農業機械、AIによる病害虫の高精細画像解析システムなど、数々のスマート技術の現場実装を積極的に推進してまいりました。 一方、気候変動や資材価格の高騰など、農林水産業を取り巻く環境が大きく変化する中、食料生産の持続的発展に向けては、議員お話しのとおり、省力化に資する先端技術によるDXと環境負荷を低減させる技術によるGXとの一体的な生産強化策の加速が急務であります。 このような認識の下、県では、二十四市町村との連名で今年度末に策定予定の徳島県みどりの食料システム戦略基本計画におきまして、DX・GX一体型の生産モデルを核としたみどり戦略実践産地を創出することといたしております。 まず、農業分野では、省力化とともに、化学肥料、農薬の削減を図るため、例えば、ドローンを活用した適切な薬剤散布に併せて、水稲では、耕畜連携による堆肥を用いた土づくり、ナスでは、天敵昆虫を利用した害虫の予防、駆除など、生産者の皆様と共に積極的に導入してまいります。 また、畜産分野では、肉牛の夏場のストレスと繁殖との相関データを解析し、繁殖効率向上と飼料コスト低減を図る飼養管理技術、水産分野では、漁船操業の燃油使用量削減につながる水揚げ情報と海水温自動観測ブイを用いた漁海況予測技術などを早期に確立し、現場実装してまいります。 さらに、徳島大学はじめ関係機関と構成するアグリ、フォレスト、マリンの各サイエンスゾーンや、農林水産総合技術支援センターにおけるローカル5Gを活用したオープンラボなど、DX・GX新時代を先駆ける本県の強みを生かしまして、生産現場が抱える諸課題の解決を進めてまいります。 今後とも、地域農業に携わってこられた議員の熱い思いをしっかりと受け止め、そして数々いただきました御提言も踏まえまして、本県農林水産業がDX・GX新時代を先導する成長産業となるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。   (森口保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(森口浩徳君) 阿南医療センターの機能強化について御質問をいただいております。 阿南医療センターは、救急告示医療機関として、年間二千件を超える救急搬送患者の受入れや、また新型コロナウイルス感染症では、重点医療機関としての積極的な対応など、県南の中核的な病院として、地域医療の確保に重要な役割を果たしていただいております。 また、徳島大学と連携した寄附講座を病院独自で設置することで、生活習慣病や循環器疾患、血液疾患など幅広い疾患に対応する診療機能の強化を図るとともに、将来の地域医療を担う若手医師の育成や臨床研究の推進に積極的に取り組んでいただいているところでございます。 一方、議員お話しのとおり、今後、阿南医療センターにおきましても若手医師の不足や医師の高齢化の進行が危惧されるところであり、県南地域における持続可能な医療提供体制を構築するためには、地域医療を担う新たな医師の確保育成や、若手医師の関心が高い医療のデジタル化を通じた機能強化が極めて重要であると認識しております。 このため、県におきましては、県医師会や県地域医療支援センターなどの関係団体で組織する県臨床研修連絡協議会の広報活動を通じて、若手医師を養成する本県臨床研修病院の魅力を県内外に戦略的に発信し、初期臨床研修医のさらなる確保や、また徳島大学医学部地域特別枠医師の育成を通じて、阿南医療センターで活躍する人材の確保を進めてまいります。 さらに、県内全域での実装を目指しております5G技術を活用した遠隔医療システムでは、これまでの県立病院に加え、今年度、徳島赤十字病院への導入が実現したところであり、今後、県南地域へのさらなる展開に向け、重要な役割を担う阿南医療センターへの導入を進めることで、医療DXによる新たな技術を活用した医療の質の向上と若手医師の確保に資する魅力ある医療環境づくりを目指してまいります。 今後とも、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向け、地域医療を担う人材の確保とデジタル技術の活用を積極的に取り組むことで、阿南医療センターの機能強化をしっかりと支援し、県南地域における医療提供体制の充実強化を図ってまいります。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 発達障がいのある子供に対し、教員の指導力を高め、よりきめ細やかな支援を充実させていくべきとの御質問でございますが、発達障がいの子供はコミュニケーションが苦手であり、学校生活において集団行動になじめないなどの場面が多く、個々の特性をしっかりと把握した上で、適切な支援により、その改善に取り組むことが重要であると認識しております。 このため、県教育委員会では、全国に先駆け、平成二十七年度から問題行動を未然に防ぎ適切な行動を教えるポジティブ行動支援を全県展開するとともに、全ての教員を対象に、発達障がいの専門性向上に向け、e─ラーニング教材等を開発し、職務研修に導入するなど、教員一人一人の指導力向上を図ってまいりました。 こうした取組により、子供のよさを認めて伸ばす指導が県下の学校に徐々に定着し始めており、今後は、ポジティブ行動支援の優良事例を表彰するコンテストの開催や、特色ある実践をPR動画や事例集として発信し、しっかりと横展開を図ってまいります。 また、早い段階から子供たちの特性を理解し、適切な支援を行うことが効果的と言われており、そのためには、小中学校の通常学級や特別支援学級で指導する教員の専門性を高めることが不可欠であり、議員御提案のように、専門家からの知見を生かした子供たち一人一人に応じた具体的支援の一層の充実が必要であると認識しております。 そこで、最新の研究知見を有する教育分野の専門家で構成された新時代発達障がい教育推進プロジェクトチームを新たに設置し、発達障がいの子供の個別指導や集団指導に関する教育実践を広く展開してまいります。 具体的には、就学前など早期からの適切な個別指導として、誤りや失敗をさせずに成功体験を積み重ね、自尊心や自己肯定感を高めることができるエラーレスラーニング、また児童生徒への集団指導として、年齢に合わせて適切な振る舞いを学習できるソーシャルスキルトレーニングや、専門家による学校コンサルテーションの実施など、支援内容のさらなる充実を図ってまいります。 加えて、日々の授業の悩みなどを気軽に相談できるオンライン研修会を毎月開催し、教員の情報交換の場として提供してまいります。 県教育委員会といたしましては、発達障がいのある児童生徒がその特性や能力を発揮し、学校や地域で生き生きと活躍できるよう、全力で取り組んでまいります。   (岩佐議員登壇) ◆十三番(岩佐義弘君) それぞれ御答弁をいただきました。御答弁に対するコメントを申し上げます。 デジタル基盤整備においては、阿南市消防の救急車から救急患者の映像やデータ伝送実証が進んで、救急医療連携の結果から、遠隔医療システムを十五病院のコンソーシアムへと展開するということでありまして、その後でありましたが、阿南医療センターの機能強化へともつながるものであります。この医療DXというものが、阿南市がモデルとなって、救急車との連携も含めて、県内全域に早期に拡大することを願っております。 また、その中核となるER棟に関しても、五月末の運用を開始するということでありまして、平時の人材育成の拠点、そして災害時においては災害医療の中心的役割をしっかりと担っていただきたいと思っております。 そして、若手医師の育成とともに、阿南市はもとより県内全域において、安心して生活できる、そんな医療提供体制の強化をしっかりと図っていただきますよう強く要望しておきます。 被害想定の見直しについては、検討プロジェクトチームでの迅速な議論を早急に行っていただき、市町村と連携した防災意識の向上に努めていただきたいと思っております。 出島の堤防整備においては、令和八年度台風シーズンまでに完了という御答弁をいただきました。 周辺住民にとっては、長年にわたって不安な材料だったと思います。それがこれから動いていくということは、本当に安心を届けられるものというふうに思っております。 先ほどの被害想定の見直しと併せて、堤防ができたから安全だというわけではなく、しっかりと災害が起こったときに自分の身を守れるよう、そんな防災意識が高まるような取組をお願いしたいと思います。 加えて、避難想定の見直しに関してですが、市町村において避難路の整備であったり、また避難のQOLの向上、機能強化などを行っておりますが、そういったゼロ作戦の事業の拡充ということもお願いしておきたいと思います。 岡川に関しては、私も何度も現場に足を運んでおりますが、やはり新西方橋上流への早期の整備というものを住民の方は求められております。しっかりと形が見えてくるように、これからもその整備を進めていっていただきたいというふうに思います。 また、阿南インターチェンジ付近のポテンシャルを最大限生かせるようにも要望しておきます。 発達障がい教育に関しては、子供一人一人への支援が充実するよう、教員の研修をしっかりと行っていただきたいと思いますし、ただ、やはり教員の負担というものもまだまだあろうかと思います。学びサポーターや特別支援教育支援員の積極的な活用など、人的なサポートも拡充するよう要望しておきます。 農林水産業の質問に関しては、大変広範囲で大きな質問となり、御答弁も困ったことだと思いますが、食に関しては、昨日も寺井先生、岡田先生からもありましたが、本当に大切なことだというふうに私も思っております。その中で、これからの多くの取組をお話しいただきまして、ありがとうございました。 スマート農業など、担い手をしっかり守っていくこともやはり大切です。受け手となる担い手をしっかりと育てていくとともに、小さな農地を守ってくれている小規模農家というのもたくさんいます。そういった方への支援もしっかりと進めていっていただきたいと思います。 徳島の食を守るためにも、本県農林水産業をしっかり守っていただきたい。そして、農山漁村を守ることは県土の保全にもつながるものでありますので、その辺も含めて、農林水産業はしっかり頑張っていただきたいと思います。私も農業畑として、県の農政を一緒によりよくしたいという思いはまだまだあるんですけれども、今後の農林水産部のさらなる御尽力をお願いし、エールを送りたいと思います。 まとめといいますか、最後になるんですが、私は県議会議員として二期八年務めさせていただき、この間、地元阿南市に軸足を置きつつ、徳島県全体の発展につながるよう取り組んでまいりました。一方で、県民、市民の豊かな生活をつくっていくためには、県と連携しながら、主体となる市町村、基礎自治体の力も大変重要であると感じております。 コロナ禍、またさらに物価高騰も加わった閉塞感のある状況から抜け出し、活気にあふれ、豊かな地域をつくっていかなければならないとの思いを強く持った次第であり、今任期をもって県議を辞して、地元阿南市のために尽力することを決意いたしました。 これまで県議会においてたくさんの御指導をいただきました議員各位に心から御礼を申し上げますとともに、様々な面で御対応いただきました知事はじめ理事者、そして職員の皆様にも感謝を申し上げます。 また、傍聴にもお越しいただいておりますが、県議会議員としてお支えをいただいている皆様にも心から感謝を申し上げます。 これからは、県議会で得た知識や経験、そして皆様とのつながりを大切に、そしてそれを生かし、全ての県民が地元徳島そしてそれぞれの地域に誇りを持てるよう、そして地元阿南市の発展から徳島県の発展へとつながるよう全力で取り組んでいくことをお誓いし、全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時四分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時二十七分開議      出席議員計三十三名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十六 番     吉  田  益  子 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一番・増富義明君。   (増富議員登壇) ◆一番(増富義明君) 徳島県議会自由民主党の増富義明でございます。 少し下品な方もおられますが、ここは神聖な場所でございますので、ゆっくりと御観覧いただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。 副議長の許可をいただきましたので、通告順に従いまして一般質問を進めさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そして、傍聴にいらっしゃる皆様方には、ふだんより後ろでゆっくりと、本当に温かく支えていただいておる皆様ばかりでございます。最後まで一生懸命やりたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そして、私にとりまして最後の質問ということでございます。僕はよく野球に例えてということで冒頭スタートするんですが、いよいよ私も最後ということで、引退試合でございます。 引退試合というのは、バッターが引退する場合は、ピッチャーは打ちやすい球を投げてくれます。ピッチャーが引退するときは、バッターは三振ですね。知事をはじめ理事者の皆様方は、これを御承知の上に御配慮賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、順次進めさせていただきたいと思います。 まず、地方創生の観点から、地方大学・地域産業創生事業についてお伺いいたしたいと思います。 先般、国において閣議決定されましたデジタル田園都市国家構想総合戦略におきまして、デジタルの力を活用した地方の社会課題解決や魅力向上を図るための取組方針の一つに、人の流れをつくることを挙げております。この取組の重要施策の中には、地方大学の魅力向上を通じた産業振興、雇用創出が挙げられております。 県におきましては、本総合戦略の前身でありますまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、平成三十年から地方大学・地域産業創生交付金事業を活用し、光をテーマにした特色のある地方大学づくりから、産学金官が強力に連携し、LED関連企業が集積する本県産業界の強みを生かした産業振興、雇用の創出に取り組んでおられます。 また、こうした取組を推進し、LEDと、光といえば徳島というブランド力に磨きをかけてきた結果、徳島大学における理工学部三十名の定員増にも、全国三大学の一つとして実を結んだと聞いております。来る四月からの徳島大学の医学と光科学の知見を融合した新たなプログラムの開始を機に、さらに若者が集い定着する新たな流れも大いに期待しているところでございます。 さらには、このたび開会時には、この事業の五年間の取組を踏まえ、国からさらに四年間の追加支援が決定したとの説明があったわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 地方大学・地域産業創生事業への国からの追加支援を機に、今後どのように取組を加速させ、地方創生につなげていくのか、御所見をお願いしたいと思います。 次に、スポーツを活用したにぎわいの創出についてお伺いさせていただきたいと思います。 昨年は、サッカーのワールドカップが開催され、日本代表はドイツそれからスペインに勝利を挙げる活躍を見せて、多くの国民が元気をもらったわけであります。来月には、野球の世界一を決めるワールドベースボールクラシックが予定されておりまして、サッカーに続く活躍を期待しております。 また、本県では、三月十九日にとくしまマラソンが予定されており、町なかをランニングされる方の姿もよく目につくようになってまいりました。やはりスポーツには、する人、それから見る人、様々な人を感動させ元気にする力があると思います。 五月には新型コロナウイルス感染症法上の分類も五類に引き下げられることから、ポストコロナに向け、スポーツの力を活用して地域を活性化させる絶好の機会であると思います。 徳島には、徳島ヴォルティス、それから徳島インディゴソックスのプロチーム、Bリーグ参入を目指すバスケットボール徳島ガンバロウズやバレーボールのジェイテクトSTINGS、こうしたチームを県民一丸となって盛り上げていく取組がこれまで以上に必要ではないでしょうか。 スポーツ機運の盛り上がりは、地域における交流を促進し、JAアグリあなんスタジアムでの野球合宿など、各地域のスポーツ文化の醸成にもつながるものでございます。様々なスポーツの場に、県内外の子供から大人まで幅広い世代の参画を促すことで、交流人口の増加や消費の拡大を図るべきと考えるわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 ポストコロナを見据え、スポーツを活用したにぎわいの創出にどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇
    ◎知事(飯泉嘉門君) 増富議員の御質問にお答えさせていただきます。 地方大学・地域産業創生事業を今後どのように加速させ、地方創生につなげていくのか、御質問をいただいております。 次世代光技術の応用を通じ、産業振興と若者の雇用創出を図るため、平成三十年度に全国七団体の一つとして採択を受け、これまで、産学金官が総力を結集し、大学の魅力向上と若者の修学・就業促進に取り組んできたところであります。 本事業を採択後、速やかに、徳島大学におきまして、世界トップレベルの研究者を招聘したポストLEDフォトニクス研究所、いわゆるpLEDを創設し、次世代光に関する最先端研究やそれを担う高度人材の育成を強力に推進してきたところであります。 さらには、県内企業と工業技術センターの共同研究からは、次世代光の一つである深紫外光──つまり紫外線のさらに外というものでありますが、深紫外光を活用した空気清浄機やドアハンドルの自動殺菌装置など様々な製品が開発されており、着実にその成果が積み上げられてきているところであります。 こうした中、今年度が国費支援の最終年度とされておりましたが、成果のさらなる拡大加速が見込まれる取組に対し、最長四年間追加支援を行う、いわゆる展開枠が国において創設されたところであります。 そこで、次世代光の活用により、人口減少や災害列島、新型コロナウイルスなどの社会課題の解決を図り、本県が未来社会を切り開くとの気概の下、テラヘルツ波や赤外光を活用した通信・医療分野における最先端光研究と社会実装の推進、研究シーズを円滑に事業化につなげるための実践的人材育成に重点的に取り組むこととし、このたび晴れて採択となったところであります。 この展開枠を最大限活用し、徳島大学を中心に挙県一致で、超高速大容量と超低消費電力の両立を目指すBeyond 5G実用化に向けたオール光型テラヘルツ通信の技術開発や、高齢化社会の予防医学に貢献する呼気による症例診断を行う高感度赤外センサーの開発、次世代光インキュベーション機構の創設による企業人材とのプロトタイプ開発などを積極的に進めてまいります。 また、徳島大学においては、いよいよ本年四月から、三十名の特例的定員増による新たなプログラムがスタートいたします。 この制度につきましては、私が全国知事会長の時代に、このコロナ下において、特に東京を中心に、若者の皆さん方の六五・八%が、もう東京を離れ地方へ転職したい、こうした希望が民間調査の中で出てまいりましたので、新次元のまさに分散型国土の形成が必要である、そのためには地方大学の定員増、魅力向上が必要、このように提言し、令和五年度から国において初めてこの制度が導入され、その全国三大学の一つに徳島大学が選ばれたところであります。 この定員増と展開枠との相乗効果を大いに発揮させ、大学の魅力向上と若者の修学・就業促進の取組をより一層加速させることにより、光を学ぶなら徳島、光をなりわいにするならば徳島と、光を目指して若者が集う、徳島ならではの地方創生の実現に積極果敢にチャレンジいたしてまいります。   (梅田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(梅田尚志君) スポーツを活用したにぎわいの創出について御質問をいただいております。 県におきましては、これまで、徳島の春の風物詩として定着したとくしまマラソン、徳島ヴォルティスや徳島インディゴソックスと連携した県民デーの開催など、スポーツを通じて県内外から人を呼び込むにぎわいの創出に取り組んでまいりました。 こうした中、新型コロナウイルス感染拡大により、様々なスポーツイベント、競技大会が延期や中止を余儀なくされるなど大きな影響を受けてまいりましたが、新規感染者数は減少傾向にあり、五月八日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを五類に見直す決定がなされたことから、人の移動や経済活動の本格的な活性化が期待されております。 そこでまず、県内外の多くのランナーの皆様から期待の声をいただいているとくしまマラソンの四年ぶりの開催に向け、しっかりと取り組んでまいります。 また、これまでに培ってきたスポーツチームと連携した取組を徳島ガンバロウズやジェイテクトSTINGSに拡大し、県民がチームを支え、チームの活躍が県民を元気にする、活力の好循環を生み出すとともに、競技力の向上や、未来を担うスポーツ人材の育成につなげてまいります。 さらに、スポーツ合宿の取組を強化するため、徳島県スポーツコミッションを核として、参加者のニーズに応じたきめ細やかな支援による誘致活動を精力的に展開し、県内各地でのスポーツ機運の醸成と交流の促進を図ってまいります。 加えて、スポーツと本県の強みである自然や伝統文化などサステナブルな観光コンテンツを組み合わせた徳島ならではのスポーツツーリズムを構築し、徳島ヴォルティスとドイツ・ハノーファー96との国際スポーツ交流などの機会を捉えたプロモーション活動を積極的に展開することにより、インバウンド誘客の拡大につなげてまいります。 今後とも、大阪・関西万博、その先のワールドマスターズゲームズ関西の開催も見据え、スポーツの持つ魅力を最大限に活用した新たな交流やにぎわいの創出にしっかりと取り組んでまいります。   (増富議員登壇) ◆一番(増富義明君) それぞれ御答弁をいただきました。答弁に対する私の意見は、最後に申し上げたいと思います。 質問を続けてまいります。 続いて、販路拡大に向けた多様な農業人材の確保についてお伺いいたしたいと思います。 本県の基幹産業であります農業の持続的発展を一層加速させるためには、やはり関西から近い地の利を生かした販路拡大を目指すべきであり、それを支える農業の担い手の確保のためには一生懸命汗をかかなければならないと、私自身、県議会議員となってからも痛切に感じているところでございます。 また、担い手の確保策を進める上で、若手やシニアの世代までの全世代において、年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮できる生涯現役社会を実現することは極めて重要であるわけでございます。 私の地元吉野川市でもそうですが、県内を見ると、元気な高齢者であるアクティブシニアが活発に就労している姿をよくお見かけします。皆様が持つマンパワーを農業の現場で発揮していただくべく、こういった地域の潜在能力を引き出すような思い切った対策を講じてはどうでしょうか。 さらには、国におきまして、定職を持ちながら副業を行うダブルワークやテレワークを活用し、働きながら休暇を取るワーケーションの導入を推奨しているところでございます。このような潮流を捉え、県内外における新たな働き方を希望される方々にも農業人材として御活躍いただくべく、その具現化策に、地方創生の旗手徳島こそが率先して取り組むべきではないでしょうか。 このように、様々な世代や新たな働き方を実践する方々に農業の担い手となっていただき、県内の産地形成や生産力の向上につなげていくとともに、有望なマーケットの開拓に挑戦していただくことが、本県農業の持続的な発展に不可欠ではないでしょうか。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 食料供給立県徳島に不可欠な販路拡大に向け、全世代がより活躍できる多様な農業人材確保策を推進すべきと考えますが、御所見をお願いしたいと思います。 次に、池田高校のさらなる魅力化についてお伺いさせていただきたいと思います。 私の母校県立池田高校は、大正十一年に創立し、本年度、創立百周年という記念すべき年を迎えました。 私自身、野球部員として、故蔦監督の下、懸命に白球を追いかけたのがつい最近のように思い浮かぶわけでございますが、五十七年生きた人生の中で、この三年間は今はもう八割ぐらい怒られた三年間だと思うんですが、昨年十一月に開催されました創立百周年記念講演会には全国から池高ファンが詰めかけたほか、報道でも大きく取り上げられました。池田高校の知名度の高さを再認識するとともに、私自身も母校に対する思いを改めて強く感じたところでございます。 さて、現在の池田高校を取り巻く状況は、運動部活動の活躍や探究科の活動によりまして、県内外から多くの生徒が集まり始め、学校を中心とした新たなにぎわいが生まれつつあるとともに、総合寄宿舎三好寮への入寮希望者も増加し、今では寮は満室状態になっております。 昨年一月に、PTA会長、校長先生、高井市長をはじめ、井下県議やOBの元木県議と共に、寮の増設について要望したところ、迅速に対応していただきまして、いよいよ建設に向けて本格的に動き出そうとしていることを大変喜ばしく思っております。三好寮が増設された暁には、県内外からより一層多くの生徒が集まることが予想されるわけでございます。 地域の皆様方から、寮の一階に設置予定の市施設における生徒との交流はもとより、高校を中心としたさらなる人流が生み出されようとしていることに大きな期待と注目が寄せられていると伺っております。今こそが池田高校の魅力をさらに高める千載一遇のチャンスであると考えております。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 増設される三好寮も活用し、次の百年に向けた池田高校のさらなる魅力化についてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いしたいと思います。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 全世代が活躍できる多様な農業人材の確保策について御質問をいただいております。 我が国が人口減少局面に入り、農業就業者数の減少が進む中にあっても、生産及び販路を拡大し、持続可能な力強い農業を実現するためには、まさに核となる担い手の育成確保に、より一層の創意工夫を凝らすことがまさに不可欠である、このように認識いたしております。 県では、農業大学校の本科での二年間に及ぶきめ細やかな実践教育の充実はもとよりのこと、アグリビジネスアカデミーにおける果樹や施設園芸などリカレント教育の実施、新規就農者の挑戦を支援する国の給付金制度や、機械、施設への助成制度の積極的な活用など、ハード、ソフト両面から担い手育成に鋭意取組を進めているところであります。 一方、労働市場では人手不足が深刻化している中、農業現場での労働力確保をさらに進めるためには、議員からお話しのとおり、これまでにも増した全世代からの就労促進や時間にとらわれない新しい働き方の創造を通じた多様な農業人材の確保がますます重要となっているところであります。 折しも、地域の潜在的なマンパワーとして大変期待されている──全国では高齢者といいますが、徳島の場合にはアクティブシニアと呼ばせていただいておりまして、この皆様方に就労いただくことを念頭とし、今年度、大学や関係機関と連携し、農業の有する健康増進効果について調査いたしました結果、何と農業従事者は要介護状態になりにくいという科学的知見、いわゆるエビデンスを得たところであります。 そこでまずは、これらの知見を最大限に活用したシルバー人材センターとの連携により、新たに、農業者と就業希望者とのマッチングイベント、サービス付き高齢者住宅はじめ高齢者福祉施設の利用者を対象とした農作業体験やセミナーなどを開催し、健康志向が高いアクティブシニアの皆様方の農業現場での就労を積極的に促進いたしてまいります。 次に、ダブルワークをはじめ、全国的に新たな働き方へのニーズが高まっており、例えば、都市住民の皆さん方がリモートワークで本業に従事しながら農作業や地域交流を行うアグリワーケーションを、先週、海部郡のきゅうりタウンを舞台に、東京、大阪などから参加を得てモデル的に実施を行い、大変好評を得たところでありまして、今後、すだちや春ニンジンなど県内各主要産地への戦略的な横展開をしっかりと図ってまいります。 加えて、副業希望者や隙間時間を使って働きたい皆様方と農業者とをマッチングアプリで結びつけ、短時間であっても農業従事可能な人材を容易に確保することのできる仕組みが普及することで、生産現場における慢性的な手間不足の解消をしっかりと図ってまいります。 今後とも、多様な農業人材の確保を積極的に進め、生産力の強化や販路の拡大の推進を図ることにより、本県農業の持続的発展につなげるべく、全力を傾注してまいります。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 増設される三好寮も活用し、池田高校のさらなる魅力化にどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、本年度、創立百周年を迎えた池田高校では、三度の全国制覇を誇る野球部や全国上位の常連である女子ソフトボール部など運動部の活躍に加え、県内で初めて設置された探究科の活動などにより、近年、県内外から多くの生徒が集い、若者を起点とした新たな人流が創出されつつあります。 こうした中、総合寄宿舎三好寮では、県外生徒の増加により満室状態が続いていたことから、新たな寮の建設を決定し、令和六年度中の完成を目指しております。 県市協調で整備する三好寮では、一階に、図書館や公民館の機能を持つ、地域の皆様が集う三好市のオープンスペース等を整備するとともに、二階、三階には定員七十名の舎室を配置いたします。生徒と地域住民との交流はもとより、探究科のフィールドワークを行うとともに、池田高校で行う大学との連携講座を、地域の皆様が参加する池高開放講座として開催するなど、寮を起点とした地域のにぎわいづくりと活性化につなげてまいります。 また、池田高校では、三好市をはじめ地元企業等の御協力をいただきながら、地域の未来を担う人材の育成に努めており、このたび、全国の高校生が観光企画を競う観光甲子園二〇二二で、「四国まんなかガチ秘境物語」と題した祖谷地方を体感する旅行プランが、去る二月五日、SDGs修学旅行部門でグランプリを獲得するなど、地域に根差した人材育成の成果が現れてきております。 引き続き、生徒が地域に出向き、にし阿波の傾斜地農耕システムや西祖谷の方言など、地元の歴史、文化を深く知るとともに、地域が抱える課題を研究し、高校生目線での課題解決策として地元三好市に提案するなど、池田高校の魅力であり強みである地域密着型の探究活動による教育を今後一層推進してまいります。 県教育委員会といたしましては、池田高校のこれまでの伝統を生かし、地元三好市をはじめ地域と深く連携協働しながら、さらなる魅力化に取り組み、多くの生徒が集いたいと思える学校づくりにしっかりと取り組んでまいります。   (増富議員登壇) ◆一番(増富義明君) 続きまして、高齢者のフレイル対策と認知症対策への取組についてお伺いします。(資料提示) 二〇二二年九月現在の高齢者人口は三千六百二十七万人で、高齢者人口率は二九・一%と、超高齢化社会への歯止めが今現在も利かない状況でございます。 また、表の中にありますように、二〇二〇年の統計でありますが、全国で認知症高齢者は六百万人いると言われており、今後さらに増加し、二〇二五年には七百万人になるとの推測も出ておるわけでございます。 一方、二〇一九年末から続く新型コロナ感染症も、現在、第八波の真っ最中で、新規感染は減ってきておりますが、まだまだ気を抜くことができない状況でございます。 新型コロナ感染症の感染拡大に伴い、高齢者の方々は外出を極力控え、老人会のイベント、それから集会への参加や、グラウンドゴルフ、ゲートボールといった運動の機会が少なくなっております。このため、気力が低下したり、筋力が落ちて動けなくなる、いわゆるフレイルを招く心配があると言われております。 さらに、フレイルが進行すると、認知機能の低下による認知症のリスクが高まることから、コロナ下においては、まずはしっかりとフレイル対策に取り組むことが非常に重要であると考えるわけでございます。 そこで、フレイル対策に加え、認知症になったとしても御本人やその御家族が不安を感じることなく、希望を持って、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、地域において認知症高齢者の方々をしっかりと支える仕組みが必要であります。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 県では、長引くコロナ禍において、フレイル対策と認知症対策にどのように取り組んできたのか、また今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。 (資料提示)次に、結婚支援についてお伺いさせていただきたいと思います。 国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、五十歳までに一度も結婚したことがない人の割合は、令和二年国勢調査の時点で、男性が二八・二五%、女性が一七・八一%に達しており、急速に増加している状況でございます。 また、厚生労働省の人口動態調査における年間婚姻数も、令和二年から令和三年にかけて急激に減少しており、令和四年においては回復状況は一切見られないわけでございます。 こうした状況から、我が国の出生数は年々減少し、統計開始後初めて八十万人を割る見通しとなっており、少子化は極めて深刻な問題となってきておるわけでございます。 少子化の要因として未婚化、晩婚化が挙げられているところでございますが、国立社会保障・人口問題研究所が令和三年六月に行いました結婚と出産に関する全国調査によりますと、いずれ結婚するつもりと考える十八歳から三十四歳の未婚者は男女ともに八〇%を超えており、結婚を希望する方は多数おられるわけでございます。 妻の年齢が四十五歳から四十九歳である夫婦に至っては、一・八一人の子供が生まれていることから、結婚支援は少子化対策として効果的と思われるわけでございます。 結婚相手に巡り会わないという方に対しては、民間結婚相談やマッチングアプリなどがありますが、公的機関が出会いの機会を提供し支援を行うことは、安心感という点では非常に重要であると考えるわけでございます。 県においては、マリッサとくしまを開設し、きめ細やかな結婚支援の結果、一定の成果を上げているところでありますが、新型コロナの五類への移行が決定し、社会活動が平常化に向かっていく今、一層の創意工夫により、多くの人に出会いの機会を提供していく必要があると考えるわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 今後、公的機関が行う結婚支援の強化にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 御答弁いただき、質問を続けてまいります。   (勝野副知事登壇) ◎副知事(勝野美江君) 高齢者のフレイル対策と認知症対策への取組について御質問をいただきました。 新型コロナの流行が四年目を迎え、高齢者の方々の外出の自粛や運動機会の減少が長期化し、フレイルの進行による認知機能の低下が懸念される中、認知症を予防し重症化を防ぐフレイル対策や、御本人、御家族の視点に立った認知症対策をしっかりと進める必要があると認識しております。 まず、フレイル対策につきましては、栄養、運動、社会参加の三要素を一体的に進める対策が重要であることから、これまで、栄養バランスの取れた食生活の促進、気軽に実践できるフレイル予防体操の普及啓発、身近な場所で体操や趣味活動に取り組む通いの場の周知活用などに取り組んでまいりました。 さらに、今年度は、県主催レシピコンクールへのフレイル予防部門の創設や、通いの場紹介動画の作成配信を行うとともに、来年度には、通いの場に理学療法士の方を派遣し、専門的知見に基づく健康体操や脳トレを行い、より実効性のあるフレイル対策を実践してまいります。 また、認知症対策につきましては、これまで、相談支援を行う認知症コールセンターの設置、御本人や御家族の社会参加を後押しする認知症サポーターの養成などの取組を行ってきております。 特に、本県の認知症サポーターは十万人を超えまして、地域の交流拠点となる認知症カフェ、こちらも県内六十五か所に及んでおります。こちらを中心に活動しておりまして、サポーターの皆様方からは、もっと認知症の方々のお役に立ちたい、応援したいという声をいただいているところです。 そこで、認知症サポーターがチームとなって、御本人や御家族のニーズに応じ具体的な支援につなげるチームオレンジ、こちらは今、三チームあるんですけども、これをさらに増やしまして、認知症を正しく理解するボランティア組織の活動による支援の輪を広げてまいります。 また、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らせる社会を構築するためには、認知症の方御自身の声を知っていただくことが重要であり、普及啓発に意欲のある認知症の方を新たにとくしま希望大使として任命いたしまして、県主催の講演会や研修の場におきまして御自身の経験や思いを発信していただくことで、県民の皆様への認知症の理解を深めてまいります。 先ほど知事からお話のあったアクティブシニアの農業就労の場への参入促進、こちらも効果があると思うんですけども、今後ともこうした取組のさらなる深化を図り、フレイル対策と認知症の対策を強化することにより、高齢者の皆様が住み慣れた地域で健康で希望を持って暮らし続けられる社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。   (上田未来創生文化部長登壇) ◎未来創生文化部長(上田輝明君) 結婚支援の強化について御質問いただいております。 社会経済情勢の変化や、結婚、出産に対する価値観の多様化により、未婚化、晩婚化が進行する中、本県におきましては、結婚支援を少子化対策の重要な柱と位置づけ、平成二十八年七月にマリッサとくしまを開設し、一対一のお見合いや婚活イベントの開催など、出会いの機会を提供してまいりました。 また、令和三年十一月には、JR徳島駅前アミコビル東館へ移転し、利便性や認知度の向上が図られるとともに、プライバシーに配慮した相談コーナーの充実、プロフィール写真撮影スペースの新設などにより、さらに安心かつ気軽に御利用いただけるようになりました。 こうした取組の結果、令和五年一月末現在、千九百七組のカップルが成立し、百二十一組の成婚につながるなど、着実に成果が上がってきております。 しかしながら、コロナ下における結婚生活や子育てに対する経済的不安や、生活スタイルの変化に伴う出会いの機会の減少などから、全国的に婚姻件数の急激な減少が課題となっており、積極的な結婚支援が急務となっております。 このため、県では、結婚を望む方々の多様なニーズに応えるため、創意工夫を凝らし、オンラインイベントの開催、マリッサとくしま以外でも会員情報の閲覧を可能とするマッチングシステムの拡充、寄り添い型の個別相談会の開催など、ポストコロナ新時代を見据えて、新たな婚活スタイルの創出に取り組んでおります。 さらに、関係機関との連携強化を担う結婚支援コンシェルジュを新たにマリッサとくしまに配置し、藍染めや和三盆糖など徳島ならではの地域資源を活用した出会いイベントを開催するとともに、県と市町村の結婚支援担当者で構成する連絡会議において好事例の共有を行い、横展開を図ってまいります。 今後とも、自治体間での綿密な連携やきめ細やかなサポート、多様な婚活スタイルへの対応など、結婚支援のさらなる強化を図り、結婚を望む全ての方々の夢や希望がかなうよう、しっかりと取り組んでまいります。   (増富議員登壇) ◆一番(増富義明君) 続きまして、災害発生時における住まいの確保についてお伺いしたいと思います。 近年、大雨や暴風により、甚大な被害が毎年のように発生しており、令和元年九月の台風第十五号では最大瞬間風速五十八メートルを観測するなど、千葉県を中心に七万四千九百棟を超える住宅の被害が発生したわけでございます。 また、同年の台風第十九号と、この後の大雨による浸水や土砂災害により、東北地方の太平洋側や関東地方を中心に百四名の死者のほか、十万一千棟を超える住宅の被害が発生するなど、甚大な被害が起こったわけでございます。 このように、近年、激甚化していると言われる自然災害により、生活の基盤となる住宅が大きな被害を受ける事例が増えている中、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、密になりやすい避難での生活を早期に解消し、被災者の皆様への住まいの確保を円滑に進めることの重要性はこれまで以上に高まっていると感じるわけでございます。 本県では、豪雨や暴風雨の災害に加えて、南海トラフ巨大地震をはじめとする地震による被害の発生も危惧されているところでございます。特に、比較的被害の少ない住宅については、屋根や外壁などを速やかに適切に修理することで、御高齢の方などが環境を大きく変えることなく、住み慣れた自宅で生活を続けることができるものと考えております。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 災害発生時における住まいの確保にどのように取り組むのか、御所見をお伺いしたいと思います。 次に、サイバー犯罪対策の強化についてお伺いさせていただきたいと思います。 インターネットの登場によりまして、サイバー空間という新たな空間が創出され、情報通信技術の発展普及に伴ってデジタル経済が急速に発展するなど、サイバー空間はあらゆる人々に大きな便益をもたらすとともに、社会経済活動の基盤となっております。 その一方で、国内においてサイバー犯罪被害や相談件数が増加するほか、ランサムウェアによる感染被害が多発するなど、サイバー空間をめぐる脅威は極めて深刻な状況が続いておるわけでございます。 本県におきましても、一昨年、つるぎ町立半田病院の電子カルテシステムがランサムウェアに感染するという事案が発生いたしました。これにより、患者約八万五千人の個人記録が保存されたサーバーのデータが暗号化され、受付、会計等の電子システムが使用できなくなり、病院の運営に大きな支障を及ぼす非常事態となったわけでございます。昨年は、鳴門市の山上病院においても同様の被害が発生しております。 昨年四月、警視庁において、新たにサイバー警察局が発足し、関東管区警察局にサイバー特別捜査隊が設置されたわけでございます。サイバー事案への対処能力を強化し、諸外国との連携等を推進する観点から設置されたものと承知しております。 デジタル技術がますます進展し、社会構造の変化により、サイバー空間の現実社会への拡大浸透がより一層進む中におきまして、県警察においても、国の動向を見据えつつ、サイバー犯罪への対策、それから今後のデジタル化の進展に後れることなく対応していく必要があると考えるわけでございます。 そこで、お伺いいたしたいと思います。 サイバー空間における脅威に対しまして的確に対応していくために、サイバー犯罪対策をより強化すべきと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。 それぞれ御答弁いただきまして、まとめに入りたいと思います。   (松野県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(松野秀生君) 災害発生時における住まいの確保についての御質問をいただきました。 災害発生時において、速やかに住まいを確保することは、被災された皆様の急激な生活の変化を和らげ、復興への道のりを着実に進める重要な取組であると認識しております。 それぞれの住宅が受ける被害の程度は、災害の種類や規模、耐震性をはじめとする住宅性能により異なることから、県におきましては、徳島県復興指針に基づき、被害の程度に応じた重層的な対策を取ることとしております。 例えば、自宅が倒壊、流失したり、修理による再使用が困難な損壊に至るなど、全壊の被害を受けた皆様には、建設型、借上型の両面から、当面の住まいとなる応急仮設住宅を提供する体制を整えております。また、自宅が損壊したものの、修理すれば元どおりに再使用できる半壊や準半壊の被害を受けられた方々には、市町村が窓口となって、日常生活に必要不可欠な部分的な修理を行う応急修理制度を活用していただくこととしております。 一方で、近年、全国の被災地におきまして、地域の事業者の皆様に修理依頼が集中するなどの問題から、完了の遅れが顕在化しておりまして、本県におきまして、比較的大規模な災害の発生時に地域の事業者に業務が集中しないよう、市町村の区域を越えた広域的な支援体制を整える必要があります。 そこで、県内の事業者団体の皆様にも御協力をいただきながら、修理の担い手となる事業者を全県的に取りまとめ、被災された皆様と事業者との円滑なマッチングに資するよう、広く情報提供する仕組みを整えることとし、現在、関係者との調整を進めているところであります。 今後とも、被災された県民の皆様が一日も早く安全・安心な住まいを確保できるよう、事業者団体の皆様や市町村とも緊密に連携しながら、事前復興の取組を着実に進めてまいります。   〔嘉見議員退席、出席議員計三十二名となる〕   (松林警察本部長登壇) ◎警察本部長(松林高樹君) サイバー犯罪対策についての御質問をいただきました。 サイバー空間は、デジタル化の進展等に伴い、あらゆる国民、企業等にとって、公共空間として、より一層の重みを持つようになっております。 一方で、インターネットバンキングに係る不正送金事犯、ランサムウェアによる感染被害、サイバー攻撃による企業の情報流出等、サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢が続いております。 サイバー事案への対処は、組織全体に関わる重要な課題であり、県警察の部門の枠にとどまることなく、県警察が一体となって各種取組を強力に推進する必要があります。 また、運転免許証とマイナンバーカードの一体化や行政手続のオンライン化等、デジタル化の進展に伴う技術的イノベーションを推進し、警察活動の高度化、合理化を図る必要があります。 こうした課題に先制的かつ能動的に対処するため、県警察の警務部内に、その司令塔としての役割を果たす企画サイバー警察局を設置すべく、関連する条例改正案を今議会に提出しているところであります。 この企画サイバー警察局内には、サイバー事案を担当する部署をはじめ、警察行政の企画立案を担当する部署、情報セキュリティー技術支援を担当する部署を集約することにより、サイバー事案への対処はもとより、各種取組を県警察一体となって推進する組織基盤の確立を目指すものであります。 また、新設する組織機能を効果的に発揮するためには、専門知識を有する人材の確保、育成が必要不可欠であり、そうした人材の継続的な採用についても所要の準備を進めているところであります。 県警察といたしましては、これまでに推進してきた施策に加え、工夫を凝らした採用活動や人材育成による対処能力の向上を図るほか、関係機関、団体との協定の締結をはじめとする産学官連携等の取組を順次推進し、サイバー空間に実空間と変わらぬ安全・安心を確保してまいります。 今後とも、国や関係機関との連携を密にし、県民が安全・安心に生活できるデジタル社会の実現に貢献するため、県警察の総力を挙げまして、サイバー空間における脅威に対してしっかりと取り組んでまいります。   (増富議員登壇) ◆一番(増富義明君) 実はすごく時間が押していたんですが、十分少々最後にかかると思っておったんですが、少し余裕ができました。これで重清幹事長に怒られなくて済むということで、それぞれに皆様方には御答弁いただきました。御答弁に対する私の意見を順次申し上げたいと思います。 まず、地方大学・地域産業創生事業につきまして、飯泉知事から、展開枠による四年間の追加支援と定員増の相乗効果により、光を目指して若者が集う、徳島ならではの地方創生の実現に全力で取り組むという力強い御答弁をいただきました。 国を挙げ、デジタルの力を活用して地方への人の流れをつくることに取り組んでいる今、徳島県へのこれだけの支援はまさに国からの期待の表れと感じております。ぜひこの徳島がモデルケースとなり、全国の羅針盤となりますよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、スポーツを活用したにぎわいの創出について、実はここ三年、とくしまマラソンにずっとエントリーしておったんですが、コロナ禍により、残念ながら一度も走ることができませんでした。もしかしたらと思い、今回、エントリーを控えさせていただきましたら、案の定、開催となりました。やはり私の日頃の行いが悪かったかと思います。県民の皆様方に深くおわびを申し上げたいと思います。 また、徳島ヴォルティスの応援もちょくちょく行かせてもらっておりますが、コロナ下では声を出しての応援は制限されておりまして、少し寂しい応援風景ではありましたが、それもようやく緩和され、スタジアムに熱気あふれる応援風景が帰ってまいります。私も県民の一人として、皆様方と一緒に大きな声援で、他の競技も含め、徳島のチームを精いっぱい応援したいと思っております。 御答弁いただきましたように、スポーツの力で、より一層にぎわいを創出してもらい、県民に夢や希望を与えてもらうよう、なお一層の御努力をお願いしたいと思います。 次に、販路拡大に向けた多様な農業人材の確保についてでございますが、昨年質問させていただいて以降、新規就農者の支援につきましては格段の御配慮を賜りまして、大変感謝いたしております。 また、アクティブシニアの就農促進や、マッチングアプリを活用した人手の確保に取り組むなど、様々な施策に取り組むという御答弁もいただきました。これらはまさに時代の流れを捉えた取組であると思います。ぜひいち早い着手と県内産地への展開をしていただき、農業人材の確保を図っていただきたいと思います。 しかし、やはりこれからの農業を支えていくのは今の若い世代の皆様方でございます。十年後、そして二十年先に、今現在同様、関西の台所と胸を張って言えるような施策を、中途半端ではなく、若手の就農支援と販路拡大をセットで、思い切った施策を切に切にお願いいたしたいと思います。 次に、池田高校のさらなる魅力化についてでございますが、ただいまの御答弁の中でもありましたが、地域密着型、この言葉がございました。私も、三年間、池田高校に通わせていただき、まさに地域の皆様方同士のつながりは他の市町村に比べてもトップクラスだと改めて感じるわけでございます。 今回新しくできる寮が、池高生や三好市の地域住民の皆様方にとってすばらしい交流の拠点となりますように、また県外から来た学生が池田高校を選んでよかったと思ってもらえるような寮になりますように、引き続き御指導、御協力を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。 次に、高齢者のフレイル対策と認知症対策への取組についてでございますが、将来推計では何と二〇六〇年には高齢者の四人に一人が認知症になるというような怖い予測も出ております。 (資料提示)これは和歌山県のチラシなんですが、最近、認知症という言葉をよくお聞きになりませんか。以前は痴呆症と言っていましたが、痴呆という小説や映画で進行した状態ばかり見せられて、大変怖い病気だと思っておりませんか。そんなことはありません。少し物忘れが気になる方は、このパンフレットを早期発見に役立ててください。認知症にならずに済んだり遅らせたりすることができる可能性がありますというような、こういうふうなタイトルのパンフレットも出ております。こんなのも徳島県としても必要ではないかと思います。 そして、もう一点は、質問でも言いましたが、コロナによる高齢者に対する様々な制限によりまして、今のところ数字には出ておりませんが、数年後に、あのコロナによりまして爆発的に増えたんだなあみたいなようなこともある可能性があると思います。 とにかく認知症に対しての早期発見、早期治療を含め、全身状態の管理と適切なケアが重要であります。それと、認知症患者さんを中心に、家族それから医療機関、介護サービスの密な連携も重要で効果的だと思います。しっかりとした対応をよろしくお願いいたします。 次に、結婚支援についてでございますが、市町村や企業との連携強化については、以前にも総務委員会や次世代育成・少子高齢化対策の両委員会で何度か質問させていただいたわけでございます。新しい生活様式に対応した出会いの機会をしっかりと創出していくとの御答弁もいただいております。 マリッサとくしまについても、御答弁の中に、現在まで百二十一組もの成婚カップルが誕生したという物すごい実績もあるわけでございます。様々な子育て支援も大変重要でございますが、その元をつくる結婚支援も同様に重要でございます。 徳島県の将来を見据えた対策それから環境整備を、引き続きマリッサとくしまを起点に積極的に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、災害発生時における住まいの確保についてでございますが、被災者から最も早急な対応が求められることの一つと思います。県民の安全・安心の実現に向けて、事業者団体とも連携しながら、引き続き事前復興の取組を進めていただきたいなと思います。 最後に、サイバー犯罪対策の強化についてでございますが、県警察の警務部内にデジタル化の推進やサイバー犯罪対策を兼ね備えた企画サイバー警察局の設置は、これは全国初というように聞き及んでおります。 サイバー攻撃と、攻撃に対する対策は、今後もいたちごっこの状態が続くと思われます。御答弁にもありましたように、デジタル化の推進に伴う技術的イノベーションを積極的に推進しなければなりません。また、警察活動の高度化、合理化も進めていかなければなりません。 いずれにいたしましても、新設する組織機能を効果的に発揮していただき、県民の安全、それから安心なサイバー空間の構築に向けまして、より一層の御尽力をいただきますよう、重ね重ねよろしくお願いいたします。 これで全ての質問が終わりました。 いよいよ最後となりますが、私はこのたびの統一地方選挙に出馬せず、引退します。大きな理由の一つに、仁木議員のフェイスブックが、僕も同じ意見でありまして、政治家は夢を持たなければなりません。その夢が大きかっても、夢に向かって歩み続けなければなりません。そして、一番大事なのは、その夢を正確に変える、そういう実行力が必要でございます。 ここ数年、私自身、道路の修繕、それから側溝の修繕、河川のしゅんせつであったり、住民の皆様方の様々な事案をこなす毎日でありました。これも大事な議員の仕事であるというのは十分理解しておりますが、二十八年前に比べてもその思いが少なくなったなと思っております。吉野川市は、吉田議員をはじめ次の方に託したいと思います。 飯泉知事をはじめ理事者の皆様方、そして議会事務局をはじめとする職員の皆様方には大変お世話になりました。そして、議員各位におかれましては、一番最後に当選しまして、快く受け入れていただきました。 そして、自由民主党の皆様方には、嘉見会長をはじめ、重清幹事長をはじめたくさんの方々、いろんな考えの中、一つになってここまで頑張ってこれて、すごくいい勉強になりました。何よりも、一年生の皆様方には、コロナ禍にも関わりませず、多くのこと……。ありがとうございました。一生懸命今後とも頑張ってください。 最後になりますが、今日お見えの皆様方、そして地元の皆様方には、二十八年もの長い間、後ろからしっかりと支えていただき、感謝でいっぱいでございます。 私の議員人生、一点の後悔もございません。やり切りました。本当にお世話になりました。ありがとうございました。 これをもちまして一般質問を終えたいと思います。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時二十四分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三十一分開議      出席議員計三十二名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十六 番     吉  田  益  子 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十七番・須見一仁君。   (須見議員登壇) ◆十七番(須見一仁君) お疲れさまでございます。徳島県議会自由民主党の須見一仁でございます。 九度目の質問の機会をいただき、先輩議員、同僚議員の皆様方に心より感謝を申し上げたいと思います。 また、本日はお忙しい中、傍聴にお越しいただいている支援者の皆様方、また議会中継を御覧いただいている支援者の皆様方にも心より御礼を申し上げたいと思います。皆さんの期待に応えられますよう、一生懸命頑張ってまいります。 それでは、質問に入らせていただきます。 初めに、県内企業の人材確保に向けた取組についてお伺いいたします。 企業が存続し、成長し続けていくためには、最も重要な課題は人材の確保であると考えております。 しかし、昨年の七月から八月にかけて、日本及び東京商工会議が全国の中小企業を対象に実施した調査によりますと、二千八百八十社から回答があり、そのうちの約六五%が、人手が不足していると回答しております。これは、昨年二月に実施された前回の調査に比べると四・二ポイント増加しており、これまでの最高であった二〇一九年次の六六・四%には至らなかったものの、再び人手不足の状況となっております。 これは、長引く少子高齢化、生産年齢人口の減少に加え、コロナ禍からの経済の回復により、全国で採用活動が活発化していることが背景にあるのではないかと思われます。 また、企業の採用状況を見てみますと、日本経済新聞がまとめた二〇二三年度の採用状況調査では、来春の主要企業の大卒内定者は四年ぶりに増加したものの、内定者の充足率は過去十年で最低となっており、企業の採用意欲が高まっていることから、人材の獲得競争が激しさを増しております。 本県においても、地元紙が県内主要五十社に対して実施したアンケートによると、二〇二四年春の新卒採用の見通しについて、六割以上の企業が、今より厳しくなる、難しくなると回答しており、非常に厳しい状況であります。 五月八日には新型コロナの感染症法上の分類が五類に引き下げられることが決定し、経済活動の正常化が進む中、人手不足が企業の成長を阻害する要因となれば、県内経済に大きな影響を与える可能性があり、県内外の若者の本県における就労を促進する取組も非常に重要となってまいります。 そこで、お伺いいたします。 本県経済が持続的に発展していくためには、若者をはじめ県内企業の人材確保は必要不可欠であると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、多々羅川の河川改修についてお伺いいたします。 近年の気候変動に伴い、短時間強雨の発生回数が増加傾向にあり、豪雨災害が頻発化、激甚化し、毎年のように全国各地で豪雨災害が発生しております。浸水被害はいつでもどこでも起こるものとなり、洪水から人命を守るための河川改修が一層求められています。 徳島でも、防災・減災対策として、河道整備などの施設整備に加え、土地利用やまちづくりなどのソフト対策も組み合わせて、生命、財産を守るための、災害に強くしなやかな国土、地域、経済社会を構築することが重要となっています。 徳島市の南部を流れる多々羅川流域では、これまでに平成十六年や平成二十六年の台風に伴う豪雨などで多くの浸水被害を受けており、現在、多々羅川と大松川をつなぐ区間の改修が進められており、狭かった川幅も徐々に広がり、改修の成果が地元住民の目にも見えるようになってきたところであります。 一方で、上流域の丈六町や渋野町においても、浸水被害に対する不安の声が寄せられており、安心して生活するためにも、河川改修の早期完成に向けた整備の促進が求められている状況にあります。 そこで、お伺いいたします。 多々羅川の河川改修におけるこれまでの取組状況と今後の見通しについて御所見をお伺いいたします。 次に、県営住宅入居者の高齢化対策についてお伺いいたします。 全国より高齢化が急速に進む本県では、高齢者の割合は年々増加傾向にあり、令和二年国勢調査によれば、令和二年十月一日現在で、本県における六十五歳以上の人口は約二十三万八千人となっており、平成二十七年から約八千人増加し、総人口に占める割合も三四・五%と、全国の二八・六%を大きく上回っております。 このように高齢化が進行する中で、高齢者が住み慣れた地域社会において生き生きと安心して暮らせるための対策が早急に必要であると考えております。 こうした現状の中、単身で生活されている高齢者の方々は、近くに頼れる親族や若者が少ないことから、生活面や健康面での不安を感じている方が多くいるように思います。まずは、高齢者の方がいる世帯が比較的多くお住まいになっている県営住宅において、管理している住宅供給公社や自治会、地域住民で単身高齢者への見守りを実施するなど、民間の模範となる取組を行ったらどうかと考えております。 そこで、お伺いいたします。 県営住宅入居者の高齢化対策についてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、経済安全保障に対する県警察の取組についてお伺いいたします。 近年、国際情勢の複雑化、AI、量子技術等の革新的技術の出現、宇宙、電磁波といった安全保障における新たな領域の誕生等により、安全保障の裾野が経済や技術分野に急速に拡大しつつあるとの認識が広がっております。 また、国内外において、政府機関や重要インフラ事業者などを標的としたサイバー攻撃が激しさを増しており、あらゆる産業でDX、デジタルトランスフォーメーションが進むにつれ、サイバー攻撃や不正アクセスによって直接的に情報を詐取される危険性も増大しているところであります。 昨年五月、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律、いわゆる経済安全保障推進法が国会で可決成立しました。 この法律は、先端技術の研究開発支援や軍事転用可能な技術について、特許情報を非公開にする制度などが盛り込まれたものであり、安全保障の確保に関する経済施策として所要の制度が創設されました。経済安全保障上の重要かつ喫緊の課題として、国を挙げた対策に大きくかじが切られたところです。 徳島県内には、国内外に誇れるすばらしい先端技術を保有する民間企業や大学などがありますが、これら技術には軍事転用が可能なものがあるほか、その情報が流出した場合、国際競争力が低下するだけではなく、国内の安全保障上も重大な影響が生じかねない状況です。 サイバー攻撃や不正アクセスへの対策は重要インフラ企業とか国家レベルの話だから自分たちには関係ないというわけではなく、これら企業情報の流出防止については、情報を保有する民間企業等が自分のこととして危機意識を持って対応する必要があります。 警察においては、サイバー犯罪のほか、不正輸出や産業スパイ事案の実態が集約されると承知しておりますが、これらの違法行為の実態や対策の在り方について企業等に情報共有し、危機管理能力を高める対策が必要であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 県内の企業、大学や重要インフラ事業者などが保有する先端技術情報を詐取されることがないよう、県警察としてどのように取り組まれているのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   〔嘉見議員出席、出席議員計三十三名となる〕   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 須見議員の御質問にお答えさせていただきます。 県内企業の人材確保についてであります。 県内におきましては、これまで、関西圏を中心とした県外十三大学との就職支援協定の締結によるUIJターンの推進、全国に先駆けて設置いたしました県版ハローワークであるすだちくんハローワークによる職業紹介など、県内企業の雇用促進に努めてまいったところであります。 また、県内企業に三年以上就業する大学、短大、高専、専修学校専門課程の在学生及び既卒者を対象とした奨学金返還支援制度や、就職氷河期世代をはじめ幅広い世代への正規雇用化を支援する助成制度など、本県独自のきめ細やかな施策を推進し、雇用の定着を図ってきているところであります。 その結果、厚生労働省が公表している労働局などに相談のあった新型コロナウイルスに起因する解雇見込み者数は、全国最少で推移しているところであります。 一方、議員お話しのとおり、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少を背景に、県内企業の採用環境は一段と厳しさを増してきているところであり、本県の未来を担う若者をはじめ、人材確保は大変重要な課題である、このように認識しているところであります。 そこで、国の採択を受け、今年度、事業実施に着手いたしておりますものづくり産業雇用創造プロジェクトにおきまして、女性や高齢者など多様な人材の活躍に向けた人材発掘や就職マッチング、スマートワークの推進をはじめ働きやすい職場づくりの促進など、人材不足の解消に向けた支援策を積極的に展開いたしているところであります。 さらに、若者の皆様方に、魅力あるこの徳島で住み、働き、そして活躍していただけるよう、就職支援協定大学との連携強化により、本県単独での就職フェアを拡大していくとともに、新たに、進学予定の高校生やその保護者の皆様方を対象に、県内企業の技術力や魅力をPRし将来の就職へとつなげていく県内企業の若手社員との交流の促進や、志望する企業や勤務地が未定の段階でも参加しやすいインターンシップなど、本県への人材還流に向け積極的に検討を進めているところであります。 今後とも、国や関係機関との連携を密にし、県内企業や求職者の皆様方のニーズをしっかりと踏まえた施策を強力に推進することにより、県内経済の成長の原動力であります若者をはじめとする人材確保に全力で取り組んでまいります。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 多々羅川の河川改修についての御質問でございます。 徳島市南部を流れる多々羅川は、三軒屋町で大松川に合流した後、園瀬川に注ぐ大河川であり、その流れは緩やかであり、川幅が狭いことから、議員からもお話がありましたように、流域におきましては、平成十六年台風第二十三号はじめ、幾度となく浸水被害が発生しております。 このため、園瀬川合流点から徳島市勝占町のJR橋梁まで約四・六キロメートルの河川改修を計画し、平成二十七年度までに国道五十五号付近までの約三・一キロメートルの整備を完了し、引き続き、上流の改修に向け、多々羅川の洪水を大松川へ流す放水路などの整備を重点的に行っております。 この重点区間につきましては、これまでに、多々羅川の環境維持に必要な水量を確保するための分流堰や樋門、それから河川の断面のさらに地中部を管渠で横断する農業用水路などの改築を終えており、残る市道多々羅川橋の架け替えを、十一月定例会でお認めいただきました補正予算を活用し、来年度中、令和五年度中の完成を目指して工事を進めているところであります。 JR橋梁までの約一・三キロメートルにつきましては、県道地蔵橋の改築をはじめ、順次整備を進めるとともに、改修計画区間のさらに上流の丈六町や渋野町におきましても、引き続き定期的な河川の点検を行い、堆積土砂の撤去をはじめ、適切な維持管理に努めてまいります。 今後とも、頻発化、激甚化する水災害に対し、地域の皆様の安全・安心を確保できるよう、関係者の皆様との連携を図りながら、事前防災対策にしっかり取り組んでまいります。   (松野県土整備部長登壇) ◎県土整備部長(松野秀生君) 県営住宅入居者の高齢化対策の取組についての御質問をいただきました。 本県におきましては、全国を上回る速度で高齢化が進行している中、六十五歳以上の高齢者のいる世帯が約五割、とりわけ県営住宅におきましては約六割となっておりまして、高齢化対策は重要な課題と認識しております。 そこで、高齢者にも優しい県営住宅とするため、住戸内の段差解消、階段や浴室内の手すりの設置、車椅子対応型エレベーター設置などのハード対策を進めているところです。 ソフト面では、竜王西団地をはじめ四団地におきまして、市町と連携いたしまして生活支援サービスの提供を行うシルバーハウジング事業、万代町団地、名東(東)団地におきまして、併設した福祉施設の職員による入居者への巡回訪問などのソフト対策も充実させてきたところであります。 最近の傾向として、入居世帯のうち単身高齢者世帯が約三割を占め、孤立・孤独による生きがいの低下や孤独死の増加が懸念されますことから、本人はもとより、離れて暮らす家族の不安を解消するための対策が必要であると認識しております。 そこで、新たな取組として、今年度、IoTの技術を活用し、入居者の活動が確認できない緊急時に親族などの見守り者にメールを自動配信する高齢者見守りサービスモデル事業を、金沢団地はじめ県営住宅三団地におきまして実証実験を開始しましたところ、五十名を超える方々から申込みをいただき、見守りに対する関心の高さを実感しております。 この実証実験で得られましたニーズや課題を踏まえまして、県営住宅長寿命化計画や住生活基本計画の見直しに併せ、遠くで見守る親族にも安心していただける住宅となるよう、高齢者への支援の在り方を検討してまいります。 今後とも、県営住宅が入居者の皆様に安全・安心なモデルとしての住まいを提供できるよう、時代の変化や多様化するニーズに対応した住環境の整備と魅力の向上にしっかり取り組んでまいります。   (松林警察本部長登壇) ◎警察本部長(松林高樹君) 先端技術情報の流出防止対策についての御質問をいただきました。 警察では、技術流出防止対策として、産業スパイ事案や機微な技術を使った製品の不正輸出事案、サイバー攻撃事案などの実態解明と取締りを推進しております。また、解明した技術流出の手口やこれに対する有効な対策のノウハウを企業や大学研究機関に情報提供するというアウトリーチ活動を推進しております。 こうした中、本県に所在する企業等におきましても、世界中で利用されている先端技術等を数多く有していることから、県警察でも県内の企業等に個別訪問しまして、技術流出に関する現状、最近の技術流出事案、技術流出防止に向けた注意点などについて情報提供を実施し、企業等における技術情報等の流出防止対策の支援に努めております。 また、関係機関や県内経済団体に対しても、技術情報等の流出の実態に関する情報提供と協力依頼を行い、連携を強化しております。私自身もこれまで、県内の経済団体や大学の幹部の方々と直接お会いいたしましてアウトリーチ活動を実施し、警察の取組について御理解を得たところであります。 このほか、サイバー攻撃への対策として、重要インフラ事業者等への個別訪問によるサイバー攻撃の情勢等に関する情報提供や、サイバー攻撃を想定した共同対処訓練を実施し、サイバー攻撃に対する対処能力の向上及び危機意識の醸成を図っているところであります。 県警察では、引き続き、関係機関との連携を図りながら、県内企業等における技術情報等の流出防止対策を支援するとともに、経済安全保障の取組に従事する職員の知識と能力の向上を図り、徳島県内から技術情報等の流出事案が発生することのないよう、対策に万全を期してまいる所存であります。   (須見議員登壇) ◆十七番(須見一仁君) それぞれ御答弁をいただきました。御答弁に対する私の意見などは、後ほど申し上げたいと思います。 引き続き、質問を続けてまいります。 次に、生涯スポーツの推進についてお伺いいたします。 令和五年の幕開けとして、徳島駅伝を皮切りに、アフターコロナを見据えたスポーツイベントが開催され、県内各地で盛り上がりを実感しているところであります。 本県のプロスポーツを代表する徳島ヴォルティスも、この週末に大分トリニータとの開幕戦を迎えることとなっており、いよいよJ1昇格に向けての戦いが始まります。いいスタートを切ってほしいと強く願っております。 また、先日、選抜高校野球大会に、徳島県から城東高校が二十一世紀枠で、春夏通じて初の甲子園出場に選出されました。城東高校は、文武両道を掲げる進学校であり、創部二十七年という新しいチームで、部員数も十三人と少ない中、創意工夫を凝らし、成果を上げたことが評価され、初出場が決定したことは、野球ファンのみならず多くの県民の皆様が喜んでいるところであり、その活躍を大いに期待しております。 地元チームを応援するなど、スポーツは見るだけでも人々に夢や希望を与えてくれ、その価値は十分に発揮されていると思いますが、子供の頃から今でもプレーヤーとしてサッカーになれ親しんできた私といたしましては、スポーツをすることにも大きな魅力を感じているところであります。 スポーツイベントが日常に戻りつつある中で、ここ数年はコロナの影響もあり、スポーツをしたり、見る機会が減り、再開を待ち望んでいた人は多いのではないでしょうか。アフターコロナに向け、スポーツイベントの盛り上がりとともに、誰もが生涯にわたって気軽にスポーツを楽しめる環境づくりが重要だと考えます。 そこで、お伺いいたします。 誰もがスポーツを楽しむ環境を創出する生涯スポーツの推進について今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、子供の体力・運動能力向上に向けた外部指導者の活用についてお伺いいたします。 小学五年生、中学二年生の児童生徒を対象に行われている全国体力・運動能力、運動習慣等調査の令和四年度の結果が昨年末に公表され、本県の子供の体力・運動能力は全国と比べ改善が見られたとのことでありますが、全国的に見ると、ここ数年、低下傾向が見られ、今後もさらなる体力・運動能力向上に向けた取組が必要であると考えています。 子供たちの体力が低下した要因として、運動時間の減少、テレビ、スマートフォン、ゲーム機等によるスクリーンタイムの増加、新型コロナウイルス感染症の影響により、マスク着用中の激しい運動の自粛などが挙げられており、コロナ禍でさらに拍車がかかったと言われております。 また、運動やスポーツに対する意識調査では、運動、スポーツが好きと回答した割合は令和三年度より増加はしましたが、全国的に低下傾向にあり、運動の楽しさや喜びを子供たちに体感してもらい、運動意欲を高めることが重要であると感じています。 県教育委員会では、こうした状況の改善を図るため、今年度から新たに、小学校において外部指導者を活用したモデル事業に取り組まれており、その成果が上がりつつあると聞いております。 そこで、お伺いいたします。 子供の体力向上に向け、外部指導者を積極的に活用することにより、本県の体力・運動能力向上策を充実すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、ポストコロナ新時代に向けたグローバル人材育成の推進についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、国際的な活動は大きく制限されてきましたが、昨年十月から政府の水際対策が大幅に緩和され、海外との往来はコロナ禍前の状態を徐々に取り戻しつつあります。それに伴い、学校現場においては、海外の学校との交流や外国人との体験活動なども、オンライン一辺倒ではなく、実際に訪問するなどの取組が少しずつ始まりつつあるとお聞きいたしております。 ポストコロナ新時代を迎え、政治、経済、文化など様々な分野でグローバル化が加速する中、世界的な視野を持って活躍できる人材の育成が一層重要となっています。 これまで、感染症対策下においても、オンラインを活用するなどして国際交流を継続し、国際教育を止めない取組がなされてきたとお聞きしております。 本県の未来を担う子供たちが、グローバル化が加速する現代社会をたくましく生き抜く人材として成長するためには、例えば、海外の姉妹校との交流を充実させたり、生きた英語に触れる機会をもっと提供したり、本県の取組をさらに加速させる必要があります。 加えて、二年後の二〇二五年には、世界中から人々が訪れる世紀のイベント大阪・関西万博が開催され、まさに国内にいながら世界と交流体験ができ、子供たちがグローバルな視野を育む絶好の機会が到来します。 そこで、お伺いいたします。 大阪・関西万博の機会を最大限に生かしつつ、ポストコロナ新時代に向けて子供たちの国際交流活動を活性化させ、グローバル人材育成の充実を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 生涯スポーツの推進について御質問をいただいております。 スポーツは、参加する人、見る人に夢や希望、勇気を与え、健康で活力に満ちあふれた生活を送るためにはまさに不可欠であり、競技力の向上や指導者の養成はもとよりのこと、多様なスポーツ環境の整備やスポーツ参加機会の創出が大変重要である、このように認識いたしているところであります。 このため、県では、鳴門総合運動公園オロナミンC球場内野スタンドの全面改築や、蔵本公園むつみスイミングプールにおける観客スタンドの改築及び大屋根の設置など、安全・安心で快適な施設の整備を着実に進めてきているところであります。 また、新生県青少年センターのeスポーツの拠点であるデジタルスタジオをはじめ、広域的な物資輸送拠点である東部防災館のリバーシブルな活用策としたスケートボード場や県内初の人工スケートリンクなど、多様なスポーツを楽しめる環境の創出に鋭意努めているところであります。 さらに、様々なスポーツ活動が困難となったコロナ下におきましても、創意工夫を凝らし、DXを活用したオンラインスポーツ教室、感染防止対策に万全を期し安全・安心に参加することのできるスポーツイベントを開催するとともに、総合型地域スポーツクラブをはじめとした関係機関の皆様方と連携し、個人の関心や適性などに応じたスポーツ機会を拡充するなど、積極的な事業展開を図っているところであります。 折しも本年九月には、国内最大規模の生涯スポーツとレクリエーションの祭典である第七十七回全国レクリエーション大会二〇二三inとくしまが開催され、県内六市五町においてグラウンドゴルフやティーボールなど二十種目の交流大会が繰り広げられる予定となっております。 大会では、全国からの参加者の皆様方を徳島ならではのおもてなしでお迎えし、交流を深めるとともに、多様なスポーツの楽しみ方を全国に向け大いに発信し、スポーツ、レクリエーションの普及促進、スポーツ参加機会の充実をしっかりと図ってまいります。 今後とも、生涯スポーツの推進により、心身の健康や体力の向上はもとよりのこと、コミュニティーの形成や地域活性化につなげ、誰もが元気に幸せを実感することのできる希望あふれる徳島の未来の実現に向け、しっかりと取組を進めてまいります。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 二点御質問をいただいております。 まず、子供の体力・運動能力向上に向けて外部指導者を積極的に活用すべきとの御質問でございますが、子供たちの体力・運動能力は、新型コロナウイルス感染症の拡大も相まって、ここ数年、全国的に低下傾向にあり、令和四年度全国体力テストの結果は、全国の小中学校、男女ともに過去最低となりました。 一方、本県では、小学校で男女ともに昨年度より向上するとともに、中学校では女子が過去最高の順位となるなど、いずれの学年も全国順位は昨年度より上昇いたしました。 議員お話しのとおり、子供たちの体力向上に向け、望ましい運動習慣を形成していくためには、運動の楽しさとともに、できる喜びを子供たち自身に感じてもらうことが重要であり、昨年度から、民間のスポーツクラブと連携し、学校にスポーツインストラクターを派遣しております。 今年度は、体力向上スマイルアップ事業を新設し、モデル校では、スポーツインストラクターからの動きのコツやリズム等のピンポイントな指導により、子供が運動の楽しさや喜びを実感するとともに、教員に対しても、効果的な指導方法を学ぶ貴重な研修の機会となっております。 今後は、指導風景を動画で撮影し、講習会などを通じて県内他校に横展開を図ってまいります。 子供たちからは、できるようになりうれしい、楽しく運動ができたのでもっとやってみたいなどの感想が寄せられるとともに、教員からも、運動が苦手な児童に大きな改善が見られた、指導のポイントが分かり、今後の実践に生かせるなどの声が上がっているところでございます。 こうした成果を踏まえ、令和五年度からは、スポーツインストラクターの派遣を拡充させ、本県の子供たちの課題と指摘されている体幹の弱さや投げる力の低下の改善に向け、各校の課題に応じた効果的な運動プログラムを実施し、さらなる子供の体力向上や教員の指導力向上につなげてまいります。 県教育委員会といたしましては、引き続き、民間のスポーツクラブの皆様の御協力をいただき、インストラクターなどの外部指導者を積極的に活用することにより、子供の体力・運動能力を向上させ、徳島の未来を担う子供たちが健やかに成長していけるよう、全力で取り組んでまいります。 続きまして、大阪・関西万博の機会を最大限に生かしつつ、ポストコロナ新時代に向けて子供たちの国際交流活動を活性化させ、グローバル人材育成の充実を図るべきとの御質問でございますが、県教育委員会ではこれまで、海外姉妹校との学校間交流の支援などを通してグローバル人材の育成に取り組んでまいりました。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、国際交流活動は一時期大きく制限されたものの、社会経済活動が徐々に回復するのに合わせ、海外長期留学や姉妹校訪問も再開し始めております。 こうした中、二年後に開催される大阪・関西万博は、子供たちの世界への興味関心を高め、ふるさと徳島の魅力を発信する絶好の機会であり、一層のグローバル人材の育成に力を入れることが重要と考えております。 このため、今年度から、県立総合大学校まなびーあ徳島において、万博を契機に来県する外国の方を多言語でおもてなしするため、オンライン外国語会話講座を開講し、小中高生を対象に、英語、中国語、韓国語をネーティブの方から学ぶレッスンを行うとともに、令和五年度は新たに、県内の観光地などで実際に外国の方に本県の魅力を伝えたり案内したりするあわっ子お接待活動を実施いたします。 また、オンラインと合宿とのハイブリッドでALTから生きた英語を学ぶ英語漬け体験、阿波イングリッシュスタディー万博バージョンを中学生を対象に実施し、万博の理念やSDGsの取組等について学ぶワークショップや交流活動、万博や本県の魅力を英語で外国人に発信するプレゼンテーション活動を行ってまいります。 さらに、高校生に対しては、ドイツ・ニーダーザクセン州や台湾などの海外の姉妹校への訪問等を支援することとし、授業参加やホームステイによる異文化体験、SDGsについての協働学習や、互いの国や地域の魅力についてのディスカッションを通して相互理解を深めるとともに、万博の理念やその実現に向けた徳島の取組について英語で紹介する活動を行うことにより、子供たちの英語力を伸ばし、本県への誇りや愛着を育んでまいります。 県教育委員会といたしましては、大阪・関西万博を生きた教材として、子供たちがふるさと徳島の魅力を国内外へ発信する絶好の機会と捉え、英語による発信力を育てるとともに、グローバル社会で活躍できる人材の育成に全力で取り組んでまいります。   (須見議員登壇) ◆十七番(須見一仁君) それぞれ御答弁をいただきました。御答弁に対する私の意見を申し上げたいと思います。 県内企業の人材確保に向けた取組についてでありますが、今後、厳しい採用状況が見込まれる県内の中小企業への就労を促すためには、これまでにない一歩踏み込んだ取組が必要だと考えております。 御答弁いただいたように、進学予定の高校生やその保護者を対象に、徳島での就職をイメージできるような意識づけは非常に大切だと感じております。また、就職支援協定大学との連携を密にし、就職フェアの拡大により、成長の原動力である若者の人材確保につながると、大いに期待いたしております。 人材確保ができなければ人手不足に陥り、これから新たな事業に挑戦しようとしている企業も事業拡大が難しくなり、県内経済にも大きな影響を及ぼします。関係団体とも連携を一層密にして、引き続き県内企業の人材確保にしっかりと取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。 多々羅川の河川改修についてでありますが、令和五年度中に橋の架け替え工事について完了見込みとのことであります。予定どおり進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。 また、地域住民の人命、財産を守るためにも、その後の上流域の改修へ向けて、さらなる計画的な整備の促進への取組を改めて要望しておきます。 あわせて、地元に流れる冷田川の河川整備についても一点要望させていただきます。 毎年、少しずつではありますが、しゅんせつ工事に取り組んでいただいております。川の景観にも変化が少しずつ現れ始めています。まちづくりに不可欠な環境整備でありますので、引き続き、地域住民の声を聞きながら、線路より東側の区間や現在までに完了している箇所より西側への継続したしゅんせつ工事を要望しておきます。よろしくお願いいたします。 県営住宅入居者の高齢化対策についてでありますが、高齢化に伴い、今後、孤独死等の問題がますます増加することが考えられています。御答弁いただいたIoT機器を活用した高齢者見守りサービスは、安心感を提供できる先進的な取組だと思います。見守りに対する関心の高さを実感しているとのことであります。 今後、しっかりと施策の効果、有効性などを早期に検証しまして、県営住宅全てにIoTを活用した見守りサービスが導入されることで、高齢者の皆様が安全・安心して暮らせる住環境の整備に努めていただきたいと要望しておきます。 経済安全保障に対する県警察の取組についてでありますが、企業情報の流出等の危険性につきましては、大企業だけというのではなく、中小企業にあっても、高い技術力や先端技術を保有する企業は数多くあると思います。 県警察において、県内の企業等に個別訪問して、技術流出の現状や対策についての情報提供のほか、県内の経済団体等との連携強化、また本部長自らが足を運んでアウトリーチ活動を実施しているとの御答弁をいただきました。サイバー攻撃や不正アクセス事案等によって企業の優れた技術が流出しないよう、経済安全保障に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、生涯スポーツの推進についてでありますが、多くの人がスポーツを通じて平均寿命を延ばしていくことが生涯スポーツの一つの目的であると感じています。 記憶に新しい昨年のサッカーワールドカップ、いよいよ今週末から始まる徳島ヴォルティスのJ1昇格に向けた挑戦と、見る、応援するスポーツの盛り上がった熱気を、次のするスポーツへとつなげていくために、まずは本年九月に本県で開催される全国レクリエーション大会に向け、一人でも多くの方が参加できるように、事前準備にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 また、既にウオークラリーやパドルテニスなど多くのプレ大会が順次開催されておりますので、スポーツを楽しむすばらしさを伝えていただくとともに、大会の周知にも力を入れていただき、その輪が広がっていくことを大いに期待いたしております。 次に、子供の体力・競技力向上に向けた外部指導者の活用についてでありますが、まずは今年度のモデル校で現れた成果を今後しっかりと横展開し生かしていただくとともに、その効果をよく検証していただきたいと思います。そして、来年度以降もしっかりと予算を確保していただき、継続した事業実施に加えて、対象学校数を増やすことや指導内容の充実など、さらなるステップアップを要望しておきます。 子供たちから運動の楽しさ、できる喜びを引き出してあげることで、県全体の運動能力、基礎体力の向上につながっていくことと思っております。今後も、民間企業の持つノウハウを生かして、子供たちが健やかに成長していける取組を広げていってもらいたいと思っております。 最後に、ポストコロナ新時代に向けたグローバル人材育成の推進でありますが、長引くコロナ禍により、子供たちの様々な活動が制限されてきましたが、徐々に留学や姉妹校訪問が再開され、生きた外国語に触れる機会が増えてきています。二年後には大阪・関西万博という、世界中の人々と交流でき、グローバルな視野を育むこの機会を最大限活用し、子供たちに意欲的に外国語を学んでもらい、徳島パビリオンに来る外国の方とのコミュニケーションを通して生きた外国語に触れることでさらなる語学力のアップにつながるのではと、大いに期待いたしております。 今後とも、グローバル化が加速する現代社会で活躍できる人材を育成できるよう、取組を進めていっていただきたいと思います。 それでは、まとめに入らせていただきます。 アフターコロナを見据えて、日本全体で社会活動、経済活動が再開されました。しかし、コロナ禍の中で、目に見える形でも目に見えない形でも、若者、子供たち、事業者等、全ての方に様々な爪痕を残しました。 さらには、物価高騰、エネルギー高騰など閉塞感が漂っておりますが、それを打破し、ポストコロナ新時代を前向きに迎えることができるよう、私自身、県民に寄り添いながら、微力ではありますが尽力してまいりたいとお誓いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時二十四分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時五十一分開議      出席議員計三十四名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十六 番     吉  田  益  子 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十一番     南     恒  生 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 十四番・古川広志君。   (古川議員登壇) ◆十四番(古川広志君) 公明党県議団の古川広志でございます。今期最後の本会議での質問となります。最後までどうぞよろしくお願いいたします。 二期目の四年間は、大半がコロナ禍の中での議員活動となりました。ウクライナでの戦争も起こりました。気候危機も進んでいます。少子化、人口減少、また超高齢化社会への対応も待ったなしです。多重危機の時代との指摘もありますが、これら危機事象の中で様々な困難な事態が生じております。 今回は、これらの事象、事態に対して、県民の皆様の生活をどのように守り、安心を確保していくのか、そういったことを中心に質問したいと思っております。知事はじめ執行部の皆さんの危機感ある答弁をお願いしたいと思います。 それではまず初めに、脱炭素の取組についてお聞きします。 昨年九月、地球の有限性に警鐘を鳴らした成長の限界発表から五十年、スイスに本部を置く民間シンクタンク、ローマクラブが新たなレポートを発表しました。万人のための地球、アース・フォー・オールであります。 ローマクラブは、イタリアの大企業フィアット社の再建に尽力しオリベッティ社の会長も務めたアウレリオ・ペッチェイ氏が、全地球的な人類の根源的大問題に対処するため一九七〇年に設立し、氏は初代会長も務めました。ペッチェイ氏は、私ども公明党の創立者である池田大作創価学会名誉会長が、氏が亡くなる直前までの約十年間、五度に及ぶ警世の対話を行い、対談集「二十一世紀への警鐘」の上梓に至りました。 また、その後、創立者池田先生は、ローマクラブ名誉会長ホフライトネル博士、さらにはローマクラブ共同会長ヴァイツゼッカー博士とも対談集を出されており、私もローマクラブの活動に注目してまいりました。 現会長ディクソン・デクレーブ氏が語っているのは、成長の限界を発表した目的は破滅を予測することではなく、地球と調和した生き方を促すことにあったが、過去半世紀の経過を見れば、その試みは残念ながら失敗したと言わざるを得ない。私たちが現在その渦中にある感染症のパンデミックや気候変動、紛争等の複合的な危機は、五十年前に既に予見されていたものだが、今やニューノーマル、新しい日常になっている。世界人口は、過日、八十億を超え、地球システムに大きな負荷を与えており、早急に経済の在り方を転換する必要に迫られている。そうした状況を踏まえて、新レポート「万人のための地球」を発表したとのことであります。 新レポートでは、プラネタリー・バウンダリー、地球の限界の概念を踏まえて、人類の未来は今後数十年の間に五つの劇的な方向転換を遂げられるか否かにかかっていると呼びかけるとともに、今後予測されるシナリオとして象徴的な二つを提示しております。 一つは、小出し手後れ、トゥーリトル・トゥーレイトであります。国際社会が議論はするものの抜本的な対策を講じなかった場合のシナリオで、まさに今私たちがたどりつつある道であります。 もう一つは、大きな飛躍、ジャイアントリープで、社会が劇的な方向転換を即座に始めることにより、地球を犠牲にしない経済を実現できるというものです。 昨年十一月、エジプトで開催されたCOP27でも、地球の緊急事態に対処するための明確な目標とタイムテーブルが設定できておらず、トゥーリトル・トゥーレイトの道を突き進んでいるように思えてなりません。 ともかく、我が国としては、目標に掲げた二〇三〇年において温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減、これを何としても成し遂げ、さらには五〇%の高みに向けて挑戦を果敢に進めていくしかありません。この目標さえも達成できないようであれば、二〇五〇年のカーボンニュートラルも、気温上昇を二度までに抑えることも、実現は不可能と言わざるを得ません。 前回の一般質問でも指摘しましたが、再エネで有力視されている洋上風力や地熱、さらには新たな脱炭素電源として期待されている水素やアンモニア、これらの本格的導入にはまだまだ時間が必要です。二〇三〇年まで残り八年を切った今、四六%削減という目標達成のための最大の対策が、太陽光パネルを可能な限り早く多く導入し、エネルギー起源のCO2を減らすことだと考えます。 公共施設での率先導入、屋根置きでの自家消費、さらには国土面積当たりのパネル導入量が多い日本では、農業との両立をしっかり確保した形でのソーラーシェアリング、まずはこれらを強力に進めるしかないと考えますが、県の考えをお聞きしたいと思います。 続いて、地域コーディネーターの育成等について質問いたします。 近年、中間的存在の必要性を訴える識者の意見をよく耳にします。中間的存在とは、国家などの公的機関と私的利益を追求する個人や団体などの中間にあって、双方を調和的に結びつける存在と言えます。 県が最近、事例としてよく用いる「FRaU」S─TRIPの徳島特集で紹介されている上勝町や神山町の事例にしても、優れた中間的存在があったからこそ実現できている取組だと思います。また、次元は異なりますが、国と市町村の中間に県がいるから、行政が比較的スムーズに進んでいると思っております。 この中間的存在として、県と個人や諸団体とを調和的に結びつける地域コーディネーターの育成が急務ではないでしょうか。 日本の地方は多様性に富んでおり、ある地方の好事例をそのままコピーしようとしても、うまくはいきません。行政の意図や支援方法を的確に地域の意欲ある人々に伝え、地域の多様性を引き出していける調整役が必要です。 また、行政職員はどうしても定期的な人事異動があるため、取組に対する専門性や継続性に欠ける部分がありますし、プランをつくるにしても、えてして課題を漏れなくちりばめた総花的なものになりがちです。そういった部分を克服するためにも、民間の柔軟な発想をうまく行政に結びつけることができる地域コーディネーターの育成が必要と考えます。 かつては、徳島共生塾といった地域リーダー育成の取組を県が行い、その塾生がNPOなどを立ち上げて地域貢献活動に尽力してくれていましたが、その方々も今や高齢化し、活動を続けているのは僅かになってしまいました。いま一度、そうした人たちの育成を図るべきと考えます。 さらに、もう一点付け加えるとすると、社会福祉法の改正により、社会福祉法人に対して地域社会への貢献に関する責務規定が設けられていますので、県はこれらの法人とも積極的な連携を図るべきと考えます。県の考えをお聞かせください。 続いて、障がい者施策についてお聞きします。 昨年十月、厚生労働省は、強度行動障がいを有する者の地域支援体制に関する検討会を立ち上げ、これまで五度にわたり討議を行っております。 強度行動障がいは、もともとの障がいではなく、知的障がいや自閉症の人の一部に現れる状態で、全国に八千から二万五千人いると推計されています。感覚過敏や独特なこだわりといった特性に対し、生活環境や周囲の対応が合っていないと、うまく意思を伝えられないストレスから、自傷行為や他人に暴力を振るうなどの行動に出てしまいます。そのため、施設等において、不適切な身体拘束や虐待につながる可能性があります。 このようなことから、通常の障がい者施設における生活環境や支援方法では対処し切れない面があるというのが現状で、国の検討会では、強度行動障がいの支援はグループホームにおける個別的な支援がなじむ面があるとの指摘があります。 私も、十五年前、障害福祉課で仕事をしていた際に、強度行動障がいの方を受け入れていた施設から相談を受けたことがあります。施設では対応し切れないので契約を解除したいというもので、強度行動障がいに詳しい相談支援員さんにも協力してもらい、入所支援を続けてもらえないかと、数次にわたって当該施設と交渉を行いましたが、結局、精神科の病院にお願いして、短期間で必ず退院させることを条件に、一時的に入院させてもらうことになりました。 当時は、施設入所が措置から契約に移行して、ようやく定着し出した時期で、県内の支援施設で持ち回りなどの方法も検討する必要に迫られましたが、抜本的な解決への道は十五年たった今も進んでいないのが現状ではないでしょうか。 厚労省の検討会でも様々な議論がなされているようで、障害者総合支援法見直しの報告書には、今後の取組として、地域における住まいの場であるグループホームにおける重度障がい者の支援体制の整備が課題としております。 県内でも、行動障がいを有する方の親御さんの高齢化はもちろん、本人自身の高齢化も進んでおり、親亡き後の不安を訴え、特に、住まいの場であるグループホームへの入居を希望する声が高まっています。 したがって、強度の行動障がいがある方でも対応可能なグループホームなど、地域社会での受皿をまずは一か所整備し、必要に応じて拡充すべきと考えますが、県の考えをお聞かせください。 ここで一旦切って、答弁を求めます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 古川議員の御質問にお答えさせていただきます。 太陽光発電の導入推進について御質問をいただいております。 本県では、平成二十四年三月に策定した自然エネルギー立県とくしま推進戦略に基づき、西日本初県営メガソーラーの設置をはじめ、全国最大規模のグリーンニューディール基金を活用し、防災拠点や避難に太陽光発電を導入するなど、意欲的な取組を進めてまいったところであります。 また、令和三年十二月に全国に先駆け策定した徳島県版脱炭素ロードマップにおきましても、自然エネルギー最大限導入を重点施策に位置づけ、公共施設や住宅への屋根置き自家消費型太陽光発電の導入加速化に取り組んでいるところであります。 まず、公共施設での率先導入につきましては、CO2排出量の削減効果が高く、災害時には避難として活用することのできる県有施設から優先的に、初期費用低減モデルであるPPA電力購入契約を活用し、太陽光発電の導入を推進するとともに、この取組を市町村にも横展開するため、専門的知識を有する県脱炭素社会推進専門員を派遣し、技術的助言を行っているところであります。 次に、住宅の屋根置き自家消費につきましては、とくしま太陽光発電「初期費用〇円」事業により、民間事業者と連携し、導入促進に取り組んでいるところであり、県民の皆様方からは、電気料金が安くなるからぜひ設置したい、災害時には非常用電源として活用することができるので心強いなど、数多くのお声を寄せていただいているところであり、太陽光発電導入への関心の高まりをまさに実感しているところであります。 この機を逃すことなく、脱炭素化の推進や防災力の向上、電気料金の負担軽減につながる自家消費型太陽光発電の導入を一層加速いたしてまいります。 また、ソーラーシェアリング、いわゆる営農型太陽光発電につきましては、平成二十五年三月に制度が創設されて以来、本県におきましても着実に許可件数が増加しており、令和四年十二月末時点で百七十件となっているところであります。 本制度のさらなる促進に当たりましては、発電した電力、こちらを農業経営に有効活用するとともに、発電設備下に適した作物の栽培を実践している意欲的で優良な営農事例を県内全域に横展開していくことが極めて重要である、このように考えているところであります。 そこで、今年度中の策定を目指している徳島県みどりの食料システム戦略基本計画に、ソーラーシェアリング優良モデルの育成とともに、優良モデル数拡大の数値目標を盛り込み、全県的な普及加速を図ってまいります。 今後とも、導入ポテンシャルの高い太陽光発電を有効に活用し、経済と環境の好循環を創出する自然エネルギー最大限導入に積極果敢に挑戦いたしてまいります。   (村山政策創造部長登壇) ◎政策創造部長(村山直康君) 民間と行政を結びつける地域コーディネーターの育成などについての御質問でございますが、人口減少の国難の中、人と人とのつながりの希薄化も懸念されており、地域における多様性を引き出し特色ある地域づくりを進めるためには、議員お話しの公的機関と個人や団体の双方を調和的に結びつける中間支援組織の果たす役割は重要であると認識しております。 本県では、移住者と地域住民とのつなぎ役となるとくしま移住コーディネーターを育成し、県内市町村において幅広く活動いただいた結果、今年度上半期における移住者数は統計開始以来最多となる千三百四十二名を数えるなど、とくしま回帰の流れに結びついてきてございます。 また、徳島における中間支援組織の取組は全国的にも評価されており、例えば本年度、企業、大学、行政と連携し、ほたる観察ツアーや石積みライトアップ等のイベントを行うNPO法人美郷宝さがし探検隊が、国土交通省地域づくり表彰審査会特別賞を受賞したほか、若者関係人口の創出を重視し、学生が牟岐町を第二の故郷として愛着を持ってもらえる取組を進めるNPO法人牟岐キャリアサポートが、総務省ふるさとづくり大賞団体表彰を受賞したところでございます。 加えて、地域づくりは人づくりからを掲げ、地域づくりの中核となる人材養成を行う一般財団法人地域活性化センターでは、昨年十二月と本年一月の二回にわたりまして、本県をフィールドに地域創生実践塾を開催しており、今後もセンターとより一層の連携を図ることで、活力あふれ、個性豊かな地域社会づくりに向けた取組を進めてまいります。 また、そのほかにも、地域と学校をつなぎ、互いにパートナーとして連携協働を図る地域コーディネーターや、地域で子供を見守り、必要な支援につなぐ役割を担う子どもの未来応援コーディネーター、中山間地域における農地保全や地域活性化のリーダーとなるふるさと水と土指導員など、幅広い分野において、住民と行政をつなぐ専門的人材の育成が行われているところでございます。 一方、社会福祉法人における地域貢献につきましても、徳島県自殺予防協会における人材育成や相談窓口の設置、県社会福祉協議会における権利擁護支援や生活困窮者に対する自立生活支援など、県と連携した様々な取組が行われております。 今後とも、地域社会の活性化に向け、中間支援組織の人材育成や支援、社会福祉法人の地域貢献につながる連携強化を図り、徳島ならではの人づくり、まちづくりにしっかりとつなげてまいります。   (森口保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(森口浩徳君) 強度行動障がいがある方の地域支援体制の強化について御質問をいただいております。 全ての人々が、障がいの有無にかかわらず、互いに人格と個性を尊重、理解し合いながら共に生きていく共生社会の実現は、大変重要な課題であると認識しております。 県におきましては、支援者養成研修による人材の育成、また入所施設や地域生活の体験の場を提供する地域生活支援拠点等の施設整備など、強度行動障がいのある方にも対応した、ソフト、ハード両面での取組を進めているところでございます。 一方、強度行動障がいのある方々への支援は、自傷や他害などの行動状態に配慮し、マンツーマンや複数での支援、多様な行動に臨機応変に対応できる高度なスキルが求められておりますことから、人員体制の整備や高い専門性の習得など、支援体制の確立が全国的な課題となっております。 こうした状況を踏まえ、先ほど議員からも御紹介がございましたが、国におきましては、令和四年十月に、強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会を立ち上げ、グループホームや入所施設などの現状や課題を分析し、求められる役割や必要な体制など、地域における支援の在り方、また高い専門性に基づき支援を担う中核的人材や困難事例への助言ができる指導的人材の育成、配置などにつきまして、令和五年度からの次期障がい者福祉計画を見据えつつ、本年三月の報告書取りまとめを目指し、検討が行われているところでございます。 県といたしましては、議員お話しのグループホームなどの整備におきましては、国の検討会においても、強度行動障がい者に対応できる人員体制や報酬が十分でないとの指摘もありますことから、国の検討状況をしっかりと注視するとともに、今後、国で示される対策を具現化するため、国に対しまして、施設整備に対する財政支援の拡充や障がい福祉サービス報酬の引上げなど、地域のニーズを踏まえた受皿づくりを推進できるよう、政策提言を積極的に行ってまいりたいと考えております。 今後とも、強度行動障がいをはじめ重度障がいのある方々の地域移行の促進を図り、安心・安全な地域生活の確保による共生社会の実現にしっかりと取り組んでまいります。   (古川議員登壇) ◆十四番(古川広志君) それぞれ答弁をいただきました。 まず、脱炭素の取組につきましては、知事から答弁をいただきました。太陽光発電の導入は積極的にやる、やっているとのことでありますが、今年度、また新年度にどれぐらいの量をやる、また、できるのかというのが見えてこないというのが残念でございました。 ともかく、二〇三〇年までの取組がとにかく極めて重要と言われておりますので、限られた時間の中で非常に高い目標を達成するためには、全ての部局で同時並行的に進めていく必要があります。公共施設や屋根置きでの設置可能な面積を最大限ピックアップするのは当然でありますが、その面積に一〇〇%設置できるわけではありません。必ず歩留りがあるわけですし、ましてや時間が限られています。 したがって、全ての部局長が環境担当部長と同じ危機感を持って、ソーラーシェアリングのような設置可能な場所のアイデアを出して、太陽光発電の導入推進に取り組んでもらいたいと思いますし、トゥーリトル・トゥーレイトにならないよう、知事のリーダーシップを強く求めたいと思います。 地域コーディネーターの育成については、部長から、今県内にある事例を総動員で紹介していただいたという感がありますけれども、今の状況で満足しているのか、今後の具体策が全くないというのには唖然といたしました。 人口が減少し経済が縮小していくこれからの日本の社会において、物質的な豊かさとか利便性、そういったものばかりを追求していても限界があります。これからは、人と人とのつながりや支え合い、そういったことを行政においても重視していく必要を強く感じています。 地域コーディネーターは、そういった行政を進める上で重要な役割を担う存在でありますので、もっともっと増やしていく必要を感じていますし、また人と人とが協力し合い動いていく中で、何かまた新しい、予期しなかったものも生まれてくると思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。 障がい者施策につきましては、国に提言を行うとのことですが、今の制度でできることはまだまだたくさんあります。本県は、処遇困難な事例への備えが大変弱いように感じます。 子供の施設においても心理治療施設を持っていませんし、母子生活支援施設がようやく県中央部に開設されるという状況です。高齢者の施設においても、これからは、みとりまでしっかりと対応してもらえる施設を増やしていかなければなりません。 一つ前の質問でも指摘いたしましたが、専門性を持ち、社会のために貢献するぞといった、やる気のある社会福祉法人との連携が大事だと思っております。 続いて、質問を続けてまいります。 県政の課題に対する三つの提案をしたいと思います。 まずは、県庁組織の体制強化について提案します。 体制強化を必要とする要因として、一つは、コロナ禍が三年以上たってもまだ継続し、国では感染症法上の位置づけを五類に引き下げることを決定していますが、まだまだ予断が許される状況ではありませんし、さらには、新たな感染症に対する備えもしておかなければなりません。 本県では、保健所の体制強化を図って対応してまいりましたが、当初は、急な増員のための配置換えでありましたので、異動した職員は、指示された仕事はできても、自ら考えて動くのは難しかったと思います。したがって、特に初期対応が重要と思いますので、その充実のためには、仕事が分かっている職員を相当数確保しておくことが大事だと思います。 しかしながら、県職員の定数が限られた中での対応となりますので、今の増員体制を永続化することさえ難しいのではないでしょうか。 もう一つは、この四月に総理直属の機関としてこども家庭庁が発足します。国は、内部部局だけで三百五十名体制を決定しており、その内訳は、事務移管分が二百八名、今年度増員したのが百名、新年度増員分は四十二名と、大幅な増員を図ることとしております。 本県でも、国の体制に対応できる組織を構築しなければなりませんし、特に、児童相談が児童虐待相談として対応した件数は、近年、過去最多の更新が続いております。児童福祉司等のさらなる増員が求められております。 これら二つの要因を同時にクリアしていくためには、新たな発想が必要かと考えます。 保健所は、感染症対策以外においても、健康づくりや心の病、難病の対応などのため、地域と密接につながって仕事をしています。児童相談の仕事の仕方も同様ですし、子ども・子育て支援についても、地域にしっかり出て仕事をすべきだと思います。また、生活保護をはじめとする生活困難者、生活に困っている方への支援についても、アウトリーチを基本とした仕事です。 そこで、こういった仕事を総合的に理解し適切な相談支援を行うことができる二、三人のチームを、県内の各地域ごと、例えば、小さな町村では一チーム、大きな市町では数チーム配置し、地域の実情やこれらの仕事に関する知識を持った職員を相当数確保しておいて、いざ緊急事態が発生したときにはこれらの人的資源を集中的に投入できる体制を構築しておけばどうかと考えております。一人の職員が仕事を広く担当する、浅くはなると思いますが、仕事を広く担当することで、それほど人員を増やさなくても、仕事の分かる職員を相当数確保できると思っております。 これからの我が国における社会の在り方として、地域共生社会の構築が求められておりますが、その実現にも寄与する体制と考えますので、県の所見をお聞かせいただきたいと思います。 続いて、EBPMの推進についてお聞きしたいと思います。 このことについては、新年度の政策創造部主要施策にも掲げられていますが、データやエビデンスをベースにしたポリシーメーキング、政策づくりということで、これまでの政策形成は、前例とか経験、一般論や専門家の意見などを基に、各担当が、どちらかといえば感覚的に事業をつくり出していたのではないかと思います。 有効なデータが少ない中、やむを得ない部分もありますが、特に進めてほしいのが事業の追跡調査です。実施した事業が有効であったかどうか、地元の大学等にも協力をお願いして、その事業の実効性を調査し、PDCAでブラッシュアップしていくことをぜひ進めてほしいと思います。事業のやりっ放しでは、やはりなかなか変わっていかないと思います。 県は数多くの事業を実施していますので、全てを追跡するのは無理だと思います。総合計画の中に、各部局が必ず結果を出すべき重点事業をしっかりと位置づけて、まずはそこから追跡調査に取り組んでいったらどうか、見解をお聞かせいただきたいと思います。 続いて、鉄道存続の取組についても提案したいと思います。 人口減少やコロナ禍で鉄道各社の経営が厳しさを増す中、採算悪化が著しいローカル線の再編協議が全国各地で不可避となっています。 JR四国は、昨年十一月に、二〇二一年度の収支を公表しましたが、コロナ禍の影響で最悪だった前年度からは幾分改善したものの、二年連続で全線赤字となりました。県内の状況はさらに厳しく、県内五線区のうち三線区で赤字幅が拡大しているとのことです。 今後、急激に現役世代が減少していく日本の社会において、将来世代への負担を極力減らしていくことは大人の責務であります。県は、利用促進によって鉄道を残そうと考えているようですが、もはやそういったことで事態が変わる状況でないのは明らかです。 パターンダイヤ導入やバス路線との連携、シンポジウムなどの意識啓発活動などの取組でどれだけ利用者が増えると考えているのか、どこまで利用者を増やせば存続させられると考えているのか、大いに疑問であります。 国は、自治体が線路などのインフラを保有管理し運用は鉄道各社が担う上下分離方式などを検討して、積極的に取り組む自治体を後押しするとの報道もありますが、沿線自治体がどこまで支援できるのか、それでもカバーできない部分をどうやって補っていくのか、真剣に議論しないと何も変わらない。このままだと、結局、将来世代にツケを残していくことになります。 鉄道は公共交通機関としての側面より地域のシンボル的価値が大きいとの調査結果が野村総研から出されています。ローカル線沿線住民へのアンケートで、七五%が最寄りの路線をほぼ利用しないと答えたにもかかわらず、五二%は地域住民の心の支えだと回答したとのことです。 確かに、公共交通は、IT化などのテクノロジーや地域住民の協力で、鉄道より利便性の高いものを構築できる可能性はあると考えますが、鉄道を一度廃止してしまうと二度と取り戻すことができないとの思いが地域住民には強いのだろうと想像します。このことは、沿線住民だけでなく、全国に多数存在する鉄道ファンも同じ思いだと思います。 鉄道の強みは、この全国にいる多数の鉄道ファンの存在だと思いますので、沿線自治体がカバーできない部分を、世界初のDMVを走らせた鉄道の観光化先進県徳島として、全国の鉄道ファンの聖地となるようなさらなる大胆な一手を打って、DMVとのシナジー効果を引き出し、利用客の増大、交流人口の増大、地域経済の発展へとつなげていける取組にチャレンジしてはどうかと考えますが、県の所見を伺います。 またここで答弁していただきたいと思います。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 鉄道を活用した交流人口の拡大による地域活性化についての御提案でございます。 二〇二一年十二月二十五日に世界初の営業運行を開始し、一年余りが経過したDMVにつきましては、これまで、世界最大級の旅の祭典であるツーリズムエキスポでのPRや、JR四国あるいは徳島バスと連携したラッピング車両の運行やDMVの車両基地の見学、またDMV三台の同時撮影会など、マニア垂涎の鉄道ファン向けツアーなど、積極的に利用促進策を展開してまいりました。 その結果、世界で類を見ない二刀流の車両は、人気テレビ番組をはじめ多くのメディアに取り上げられ、乗車人数は運行開始前の約二倍に上り、沿線地域の飲食、宿泊、観光施設の皆様からその効果を実感する声を多数いただいております。 コロナ下において制限されておりました海外との交流が、昨年十月十一日、国の水際対策の全面的な緩和により回復しつつあることから、徳島阿波おどり空港にも三年ぶりの国際線の運航が計画されるなど、国内外との交流人口拡大に向けた機運が高まっており、このチャンスを確実に捉え、本県へのさらなる誘客につなげるためには、海外を視野に入れた効果的なプロモーションの展開が重要となっております。 そこで、本県における海外誘客の重点地域である香港や台湾のインフルエンサーにSNSを活用したPRをお願いするとともに、世界各国への路線が充実し国内航空ネットワークの拠点でもある成田空港、羽田空港におきまして、デジタルサイネージを活用し、DMVと沿線地域の魅力を世界中の皆様に発信してまいります。 また、本県と包括連携協定を締結しております日本航空株式会社におきまして、世界中から日本を訪れる皆様に、DMVが走る阿佐東線への経路を御案内し、乗車予約もできるJAL MaaSの運用開始に向けた準備が進められており、三月十一日のDMVダイヤ改正によるJR牟岐線との接続性の向上と併せ、阿佐東地域がますます近くなるものと思われます。 こうした取組は、特集記事として、今月のJAL国内線と国際線の機内誌「SKYWARD」に掲載されており、世界中の皆様に直接DMVを発信できる効果は計り知れないものと考えております。 二〇二五年大阪・関西万博を控えたこの時期に、国内はもとより世界中から、徳島が誇るDMVを目指して本県へお越しいただけるよう、今後とも、阿佐海岸鉄道をはじめ沿線自治体や地域の皆様と共に創意工夫を凝らし、交流人口の拡大、ひいては地域活性化へとつなげてまいります。   (伊藤経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(伊藤大輔君) 子ども・子育て支援や生活困窮者支援など、地域に密接に関わる仕事の総合的な支援体制を構築すべきとの御質問でございますが、近年、子ども・子育て支援や生活困窮者支援など、地域社会における行政課題は多様化、複雑化しており、これに迅速かつ適切に対応するため、国においては、本年四月、こどもまんなか社会の実現に向け、縦割り行政の解消などを目指すこども家庭庁が創設されることとなっており、市町村においても、誰一人取り残さない地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の構築が求められるなど、これまでの組織の枠組みを超え、地域住民に寄り添う総合的かつ専門性の高い組織体制が必要とされております。 本県におきましては、従来の行政分野にとらわれない包括的、総合的な枠組みにより、地域完結型での県民サービスの向上を図るため、南部、西部圏域において総合県民局が設置されており、例えば児童虐待相談については、児童相談を保健所、福祉事務所と同じ保健福祉環境部に位置づけることにより、緊密な多職種連携の下、包括的に相談援助活動を実施しております。 また、専門性の高い行政課題に対し、誰もが相談しやすい支援体制を構築するため、子育て相談支援センターみらい、発達障がい者総合支援センターを開設するとともに、こうした相談支援の最前線で活躍できるスペシャリストを確保育成するため、令和四年度には、保健所の中核を担う保健師を積極的に採用することに加え、新たに、福祉の現場を総合的に支える人材として、採用区分に福祉を設けることといたしました。 加えて、議員お話しのとおり、地域の皆様への支援体制をより一層充実させ、多様化、複雑化した地域社会を支えていくには、行政機関だけでなく様々な分野の民間支援団体にも御参画いただき、官民が一体となり、課題やノウハウを共有した効果的な支援を進める必要があり、本県としても引き続き、現場のニーズを踏まえつつ、多様な主体との連携をこれまで以上に強化してまいります。 今後とも、国、市町村及び関係団体のそれぞれの役割を生かした連携体制の強化を図りながら、県民目線、現場主義を徹底し、地域の皆様に寄り添ったきめ細やかな対応に努めてまいります。   (村山政策創造部長登壇) ◎政策創造部長(村山直康君) EBPMを踏まえた総合計画に係る政策形成の進め方についての御質問でございますが、県政運営の指針として施策の基本的な方向をまとめた総合計画では、四年間の重点施策を示す行動計画編において、事業を行うことでもたらされる効果や成果を表すアウトカム指標を設定するとともに、毎年度、第三者機関である県政運営評価戦略会議における評価を踏まえまして、次年度以降の施策展開に反映させることで、進化する行動計画として、PDCAサイクルの確立を図ってきてございます。 議員お話しの、重点事業の追跡調査によりブラッシュアップを図る施策形成につきましては、PDCAサイクルに、統計データをはじめ客観的な証拠に基づき政策立案を行うEBPMの考え方や手法を取り入れる重要な取組であると認識しております。 これまで県では、平成三十年度から国の委託を受け、喫緊の課題である人口減少問題をテーマに、EBPMのモデル研究を行うとともに、有識者から成るとくしまEBPM評価会議を設置し、統計データを活用した分析や研究結果の信頼性の評価、信頼性のある評価結果の政策立案に向けたエビデンスとしての提供などの取組を進めてきております。 加えて、研究成果のトピックを分かりやすく発信するニュースレターを発行し、職員のデータ利活用能力の向上にも努めてきております。 こうした中、昨年から推し進めてまいりました令和五年度に向けた施策構築に当たりましては、事業構築の根拠となる統計データや各種指標を評価項目の一つとして新たに位置づけ、EBPMの視点を取り入れた施策形成に係る職員の意識づけを図ってまいりました。 また、現在策定を進めております新たな総合計画においても、エビデンスをベースとした施策効果を最大限に発揮させる事業を主要事業に位置づけることとしております。 議員御提案の追跡調査については、職員に対する手間、労力、また専門性も必要となるというようなことを踏まえ、実施事例をよく把握させていただき、検討してまいる事項かと思っております。 今後とも、客観的指標を重視した施策構築を進めることで、総合計画の進化はもとより、合理的かつ効果の高い施策展開につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。   (古川議員登壇) ◆十四番(古川広志君) それぞれ答弁をいただきました。 まず、県庁組織の強化につきましては、職員定数が限られた中で、保健所や児童虐待をはじめとする子供施策の体制強化、これを同時にクリアする提案、人員確保策を伝えているはずですが、全く的の外れた答えになっております。私も、すべきと言っているのではなくて、どうかと提案しているんですから、もう少し正面から考え方を示すのが普通ではないでしょうか。 EBPMの推進につきましては、何とか質問の趣旨に沿おうと努力はしてくれております。事業の追跡調査についても、急遽最後に付け加えて、何か検討するという形のことを付け加えていただきましたので、これは見守りたいと思います。 鉄道存続の取組に至っては、鉄道存続の取組の問題点を指摘した上での提案であるにもかかわらず、DMVの話ばっかり。さらなる一手とかそういうものは何もなく、趣旨は伝えてあるはずなのに、これはひど過ぎる答弁であります。 知事にコメントを求めたいところですが、三問ともとなると時間が全く足りませんので、とにかく次に進みます。 最後に、知事にお尋ねしたいと思います。 これまで、私ども公明党は、子供からお年寄りまで必要な支援が行き渡る全世代型社会保障の構築に取り組んでまいりました。これを飛躍的に前進させ、二〇四〇年までの諸課題を克服する新たな構想として、安心と希望の絆社会二〇四〇ビジョン、これは仮称ではありますが、これの策定に取り組むことを昨年十月の党大会で発表し、検討委員会を立ち上げ、議論を進めているところであります。 このビジョンの策定の背景にあるのは、二〇二五年には団塊の世代が全員七十五歳以上となり、全人口の約一八%を後期高齢者の方が占める、その後、二〇四〇年頃に高齢者人口がピークを迎えると。私も知事もその頃には八十を迎えるわけでございますが、その一方で、社会保障の主な支え手である現役世代はこの十五年間に約一千二百万人も減少する見込みといった人口推計が出されているからであります。 人口構造の激変に対応し、医療、介護などの給付と負担のバランスをどう取っていくのか、社会保障のトータルな改革をどう進めていくのかが極めて重要な課題になってきております。国民の先行き不安を解消し、安心と希望をもたらすため、今こそ政治は確かな将来ビジョンを示さなければならないと考えております。 このたびのビジョンは、公明党青年委員会を中心に議論してきたベーシックサービスの考え方等を踏まえて検討しています。 ベーシックサービスとは、提唱者である慶應義塾大学の井手英策教授によると、教育、医療、介護など人間が生きていく上で不可欠なサービスを無償化し、全ての人が平等に受けられる社会を目標として、それを実現するために負担をみんなで分かち合うことを目指しております。 既に我が党が発表しています子育て応援トータルプランは、二〇四〇ビジョンの先行施策として位置づけ、新しい絆社会への突破口を開く試みとして全力で具体化していきたいと考えています。 新しいビジョンの策定に当たっては、教育、医療、介護などの望ましい給付の在り方、また各分野の効率化や改革の優先順位、これらをまず検討した上で、財源や負担の在り方に関して議論し、二〇四〇年までの社会保障改革の大きな流れを示す包括的なビジョンとして、二〇二三年度、新年度中をめどに仕上げたい考えです。 現在、児童手当拡充の議論の中で、所得制限なしの可否が問われておりますが、所得制限を設けるなどすると、どうしても国民を支える側と支えられる側に分けてしまいがちです。 内閣府のある調査によると、暮らしの水準がどれくらいかを聞いたときに、回答者の九三%が中流と答え、僅か四%が下流と答えたそうです。明らかに格差が広がり、相対的貧困率も十数%の日本において、理屈で考えても十数%は貧困層のはずであるにもかかわらずです。 また、別の国際調査では、自分は中の下だと考えている人が突出して高い国が日本だったそうで、自分は中の下、つまりぎりぎりのところで踏ん張っていると多くの日本人は思っています。そういったことは、所得が生活保護の基準を下回っているのに、そういう世帯のうちでも実際に生活保護を受けて利用しているのは僅か一五、六%と言われていることにも表れています。 このような状況があるため、生活が苦しい低所得の人を助けようといった施策を打ち出したとしても、社会の大勢の人々は、自分だって苦しい中頑張っているんだからと、そういった施策になかなか理解が得られません。したがって、弱者を助けるのではなく、弱者を生まないとの発想が重要で、お金持ちも貧しい人も、お年寄りも若者も外国人も、全ての人が税金を払う代わりに、全ての人がベーシックなサービスを受け取る権利を持つんだと、みんながそういった意識を持てる社会に変えていく必要があるのではないかと公明党は考えています。 また、日本は諸外国に比べ、税への信頼が極端に低い、税への拒絶感が極端に強い国と言われています。 ある調査では、日本の税負担は北欧などと比べて実際は低いのに、負担感が重いと答える人は、それらの国々よりもはるかに多いという結果が出ているそうで、これは国の運営上、大きな問題です。ベーシックサービスの導入は、こういった意識を変えていくことにもつながると考えています。 知事は、これからの社会保障の在り方をどう考えているのか、所得制限なし、無償化に対する考え方はどうか、お聞きしたいと思います。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 今後の社会保障の在り方について御質問をいただいております。 言うまでもなく、二〇二五年以降、団塊の世代全員が七十五歳以上となり、人口の約二割を占めることが見込まれており、医療介護ニーズの急増、社会保障給付の増大に加え、少子化、人口減少の進行により社会保障の支え手が減少することから、まさに抜本的な改革、これをしていかなければこの制度そのものが崩壊してしまう、今そういう状況に来ているところであります。 そこで、国におきましては、現在、人生百年時代の到来を見据え、全世代で支え、人口減少、超高齢化社会の課題を克服する持続可能な社会保障制度につきまして、妊娠、出産、子育てを通じた切れ目のない包括的支援の構築、誰もが安心し、多様で柔軟な働き方ができるセーフティネットの確立、また必要に応じ受けることのできる医療介護サービス、その確保などの検討がなされているところであります。 議員からお話のありましたベーシックサービスの考え方を踏まえた、所得によらず全ての人々を対象に、生きていく上で不可欠な基礎的サービスを提供することにより弱者を助ける、こうした発想ではなく、まさに今お話のあったように、弱者を生まない取組がまさに重要である、このように考えております。 そこで、所得制限の考え方について問いたい、お話がございました。 これからの様々な制度、例えば高校の無償化もそうでありますが、一部これらは所得制限がかけられているところではありますが、やはり本来、国民、県民は全て法の下に平等であるわけでありますので、所得制限をかけない、こうした考え方は当然あってしかるべきだと思います。 そこで、徳島におきましては、例えば、先般合格発表のありました徳島大学医学部地域枠、こちらにつきましては、全国では所得制限、これをかけることが前提となる、あるいは所得の低い皆さん方が医学部に進むことができる、こうした考え方が多いわけでありますが、徳島の場合にはそうではなく、地域医療を志す、その熱意のある皆さん方につきましては、親の所得、これには関係なく、特待生の制度、これを導入する形を取っているのがまさにその一例となるところであります。 そこで、本県におきましては、実施主体である市町村の意向、これらを踏まえながら、拡大した全国トップクラスの制度となる、例えば子どもはぐくみ医療費助成制度、また子育て世帯の経済的負担を軽減するために全国に先駆け実施している第三子以降の保育料無償化、また全国知事会長として総理に直接提言し実現させたGIGAスクール、これらをさらに進化し、徳島では、全国に例のない、特別支援学校あるいは私学を含めた高校までの一人一台端末の無償化など、まさに所得制限など関係なく、ベーシックサービスの先駆けとなる施策を実現してきているところであります。 一方で、国民の安心、また生活の安定を支えるため、社会保障制度の持続性を高めるための給付と負担の在り方については国民的議論を経て形成されるべきもの、このように考え、今後、国における議論をまさに注視してまいりたいと考えております。 しかしながら、今後とも、県といたしましては、この国の施策を待つことなく、先ほど、所得制限の関係についてもそれを外し、違う目的で導入している制度を幾多申し上げたところでありますが、持続可能で誰一人取り残さない社会の実現に向け、医療や介護、そして保育、そして教育、障がい福祉など、全ての皆様方が必要とすべきまさにベーシックサービス、必要となるサービスを提供できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 そして一点、先ほどの三問のうち、例えば鉄道の存続、もちろん先ほどの三つ、これもあるわけでありますが、さらに新駅の創設であったり、あるいは御紹介のあった上下分離、これはまさに我々が提言し、ようやく国がその財源保障までしていこうということでありますので、まさに時宜を得たものと。徳島としては率先垂範、これらを導入し、牟岐線はもとよりのこと、JR四国存続に向け、まずは全国のモデル事業をさらに重ねてまいりたいと考えております。 以上です。   (古川議員登壇) ◆十四番(古川広志君) 知事から答弁をいただきました。最後にあった、持続可能で誰一人取り残さない、まさにこの両立が問われているんだと思います。 給付と負担の問題では、確かに、かなり高所得者の方へは無償で提供する必要性は低いと思います。しかし、そういった方は国民のごく一部ですし、それらの人を除く手間とかコストを勘案して、さらには、こういった高所得の方は高い税率を設定されているということも加味して決定していけばいいのかなあと考えております。 今後の社会保障制度の在り方は、地方においてもしっかりと議論していく問題だと思います。 今回は非常に忙しくて、答弁に対しては基本的に口を挟めませんでしたので、蓋を開けてみると、ちょっと内容的に厳しいものが多かったように思います。冒頭でも話しましたが、多重危機の時代、これからの社会の在り方、また県政の在り方、もう少し根本的なところを考えていかなければいけないと思っております。 今回の質問は以上で終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後三時五十一分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △令和5年2月徳島県議会定例会の議案について(提出)                                   財第435号                               令和5年2月16日  徳島県議会議長  南 恒 生 殿                 徳島県知事 飯 泉 嘉 門            令和5年2月徳島県議会定例会の議案について(提出) このことについて,別添のとおり提出します。   令和5年2月徳島県議会定例会提出議案(追加)第 58 号 令和4年度徳島県一般会計補正予算(第12号)第 59 号 令和4年度徳島県用度事業特別会計補正予算(第1号)第 60 号 令和4年度徳島県都市用水水源費負担金特別会計補正予算(第1号)第 61 号 令和4年度徳島県母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 62 号 令和4年度徳島県国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)第 63 号 令和4年度徳島県地方独立行政法人徳島県鳴門病院資金貸付金特別会計補正予算(第2号)第 64 号 令和4年度徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計補正予算(第1号)第 65 号 令和4年度徳島県中小企業近代化資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 66 号 令和4年度徳島県徳島ビル管理事業特別会計補正予算(第1号)第 67 号 令和4年度徳島県農業改良資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 68 号 令和4年度徳島県林業改善資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 69 号 令和4年度徳島県県有林県行造林事業特別会計補正予算(第1号)第 70 号 令和4年度徳島県沿岸漁業改善資金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 71 号 令和4年度徳島県公用地公共用地取得事業特別会計補正予算(第1号)第 72 号 令和4年度徳島県港湾等整備事業特別会計補正予算(第1号)第 73 号 令和4年度徳島県奨学金貸付金特別会計補正予算(第1号)第 74 号 令和4年度徳島県証紙収入特別会計補正予算(第1号)第 75 号 令和4年度徳島県公債管理特別会計補正予算(第1号)第 76 号 令和4年度徳島県給与集中管理特別会計補正予算(第1号)第 77 号 令和4年度徳島県病院事業会計補正予算(第1号)第 78 号 令和4年度徳島県電気事業会計補正予算(第1号)第 79 号 令和4年度徳島県工業用水道事業会計補正予算(第1号)第 80 号 令和4年度徳島県駐車場事業会計補正予算(第1号)第 81 号 令和4年度徳島県流域下水道事業会計補正予算(第1号)...