徳島県議会 > 2020-06-01 >
06月18日-02号

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  1. 徳島県議会 2020-06-01
    06月18日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    令和 2年 6月定例会   令和二年六月徳島県議会定例会会議録(第二号) 令和二年六月十八日    午前十時三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十五番     寺  井  正  邇 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     市  原  俊  明 君     次長       和  田  茂  久 君     議事課長     大  屋  英  一 君     政策調査課長   佐  金  由  美 君     議事課副課長   高  杉  康  代 君     政策調査課副課長 日  下  栄  二 君     議事課課長補佐  新 居 崎  美  鈴 君     議事課主査兼係長 谷  本  か ほ り 君     議事課主査兼係長 一  宮  ル  ミ 君     議事課係長    幸  田  俊  樹 君     議事課主任    小  泉  尚  美 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      後 藤 田     博 君     副知事      福  井  廣  祐 君     政策監      瀬  尾     守 君     企業局長職務代理者企業局副局長              林     泰  右 君     病院事業管理者  香  川     征 君     政策監補兼政策創造部長              北  川  政  宏 君     危機管理環境部長 志  田  敏  郎 君     経営戦略部長   久  山  淳  爾 君     未来創生文化部長 板  東  安  彦 君     保健福祉部長   仁 井 谷  興  史 君     商工労働観光部長 黒  下  耕  司 君     農林水産部長   松  本     勉 君     県土整備部長   貫  名  功  二 君     会計管理者    近  藤  理  恵 君     病院局長     勢  井     研 君     財政課長     岡     航  平 君     財政課副課長   藤  坂  仁  貴 君   ────────────────────────     教育長      榊     浩  一 君   ────────────────────────     人事委員長    祖  川  康  子 君     人事委員会事務局長桑  原  孝  司 君   ────────────────────────     公安委員長    藤  井  伊 佐 子 君     警察本部長    根  本  純  史 君   ────────────────────────     代表監査委員   近  藤  光  男 君     監査事務局長   三  好  誠  治 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号 令和二年六月十八日(木曜日)午前十時開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い発言を許可いたします。 三十一番・嘉見博之君。   〔岡議員退席、出席議員計三十五名となる〕   (嘉見議員登壇) ◆三十一番(嘉見博之君) おはようございます。徳島県議会自由民主党の嘉見でございます。 図らずもコロナと共存する時代の幕あけのこのとき、代表質問の機会をいただきました。全国的に猛威を振るってきたコロナウイルスでありますが、全国に出された緊急事態宣言も今は解除され、感染防止対策の徹底とあわせて、社会経済活動を引き上げていく段階を迎えております。 本県においては、これまでのところ、感染者の数は全国的に見ても低い水準に抑えられており、市中感染も生じておりません。これは、県民の皆さん、事業者の皆さんが、県からの呼びかけに応じ、厳しい状況を耐え忍んでいただいているからこそであります。徳島県議会自由民主党を代表し、県民、事業者の皆様に厚く感謝を申し上げます。 また、保健所や医療機関など、感染拡大防止の第一線で御尽力されている関係者の方々にも深く敬意を表する次第であります。 このたびの質問は、当然コロナ関連が中心となりますが、その前に、知事の政治姿勢について一点伺っておきたいと思います。 この四月、県都徳島市において、新しい市長が誕生いたしました。多くの市民が、新しい発想、これまでとは異なる手法で市政を進めていくことを期待しているところであります。内藤市長は、コロナ対策を的確に講じながら、そごうの撤退問題、文化ホール建設、阿波おどりの振興など、さまざまな重要課題への対応を進めていかなければなりません。文化ホールについては、内藤市長は既に前市長のもとでの強引とも言える手法の見直しを打ち出しております。 徳島市の重要課題の中には県市協調で取り組むことで大きく前進が図られるものもあるため、今後、県と市の共同歩調をより一層強めるべきと考えますが、知事の思いを語っていただきたいと思います。 ここからはコロナ関連の質問に移ってまいりますが、知事は、コロナ対策において、全国知事会長として政府への具体的な提言を取りまとめ、国の補正予算に反映させるなど、精力的に活動を重ねるとともに、県民や県外の方々にタイムリーにメッセージを発しているところであり、それが徳島での感染の抑制に功を奏していると考えております。 一部に県外客お断りのメッセージは行き過ぎでないかとの意見もあります。危機事象に際して住民の行動を制限するには、トップからの明確なメッセージこそが必要であります。全国的に県をまたぐ移動の自粛要請がなされている中で、ウイルスの持ち込みが不安なので、県が制限してほしいという声が私のところにもあります。こうした県民世論を踏まえた県の対応を疑問視するのは筋違いであり、透析などを行う基礎疾患のある方からは、おかげで安心して病院に行くことができたという話も伺っております。 本県のみならず、県外ナンバーの車への嫌がらせが全国各地で発生したことは決して許されるものではありませんが、この問題に、緊急事態において県外からの来県を最大限食いとめるための取り組みを結びつけるのは、私は的を射ていないと思うのであります。 今後に目を向けてみますと、社会経済活動が戻るにつれ、第二波、第三波が到来する可能性も排除できません。このコロナ問題は、県民一人一人が職場や日常生活において、いかに向き合って共存していくかという大変難しい課題を投げかけられています。感染拡大防止と傷んだ社会経済環境を回復させるという一見相反する二つの側面に手を打たなければなりません。県としても、県民の健康、生活、そして子供たちを守るため、医療提供体制の拡充強化はもとより、安全で安心な新しい日常の実現のため、事業者や県民一人一人が取り組む新しい生活様式・スマートライフの実践をしっかり支援する必要があります。 ついては、第二波、第三波の到来に備え、医療提供体制の拡充強化とともに、コロナと共生する感染症に強い徳島づくりをいかに実現していくか、所見をお伺いいたします。 次に、災害時の避難所における新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 昨年の令和元年東日本台風、いわゆる台風十九号を初め、全国各地で大規模災害が相次いでおり、まさに災害列島の様相を呈しております。本県においても、切迫する南海トラフ巨大地震や頻発化、激甚化する豪雨災害など、大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況にあります。 新型コロナウイルス感染症が蔓延しているとき、本県での大規模災害が発生した場合、避難所は三密となることが予想され、状況によっては避難することをちゅうちょする住民もあらわれるのではないかと心配しております。 こうした中、県におきましては、いち早く避難所の新たな対応方針を策定し、全ての市町村に具体的な対策の検討を求めるとともに、四月補正予算で市町村が行う避難所対策を支援する補助金を創設するなど、迅速に対策を講じていることは知事の強い危機感のあらわれだと受けとめております。 しかしながら、災害は待ってくれません。去る五月十七日にも、地元阿南市では震度四を観測する地震が発生いたしました。さらに、これからの梅雨期はもとより、本格的な台風シーズンも目前に迫っております。避難所における感染症対策を早急に進める必要があります。 また、感染症対策に万全を期するためには、予算面においても、必要に応じて危機管理調整費を活用するなど、これまで以上にスピード感を持った積極的な施策を展開すべきと考えます。 ついては、避難所における新型コロナウイルス感染症対策にどう取り組むのか、所見をお伺いいたします。 次に、経済対策についてお伺いいたします。 本県は、幸いにも市中感染には至らなかったものの、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外出自粛の影響で、国内外からの観光客は減少し、特にホテル、旅館、飲食店の経営者の皆さんは、これまでに経験したことのない深刻な経営環境に直面しております。私のところにも悲痛な叫びが数多く寄せられています。 また、農林水産業においても、外食で利用される和牛肉や高級魚、本県の主要ブランドのハウスすだち、阿波尾鶏などの需要が低下し、収入が大きく減少したとの厳しい声もお聞きしております。経済が回復しなければ、さらに影響を受ける品目が増加するのではと危惧しております。 このまま先行きを見通すことができず事業継続を断念し、やむを得ず廃業する事業者がふえるようなことになれば、失業者がふえ、県や市町村の税収も減り、災害対応を初め、医療、教育、治安など、行政サービスの低下を招きかねない状況であります。 言うまでもなく、経済の停滞は全ての県民生活に直結する問題であり、今こそコロナに負けない新たな徳島の経済を築く必要があります。その礎をどのように築くかは、まさに飯泉知事の政治手腕にかかっていると考えます。県では、これまで先手先手でさまざまな事業者への支援策を打ち出してきましたが、今後、本県経済の反転攻勢に向け、どのように取り組むか、所見をお伺いいたしたいと思います。 次に、学校の臨時休業を踏まえた新たな教育環境についてお伺いいたします。 緊急事態宣言の解除後、県内の各学校においては、新しい生活様式を導入しながら学校を再開したと伺っておりますが、感染拡大防止のため、本県でも県内全域において学校の臨時休業が約二カ月半にも及びました。今回の長期にわたる学校の臨時休業から我々が得た教訓は、家庭学習の大切さではないかと思います。今後、第二波、第三波による再度の臨時休業も想定され、どんなときでも家庭において、いつもの授業がオンライン授業により受けられるようにする新たな教育環境の整備が急務であると考えます。 文部科学省のGIGAスクール構想により、今年度中に義務教育の小中学生に一人一台の情報端末が整備されると伺っております。しかし、高校生は対象外とのことであります。これは私には納得できません。学校でも家庭でも使える一人一台の端末は、これからの進学や社会へと羽ばたこうとする高校生にも不可欠であります。小中高一貫による県内一人一台体制を、本県が全国に先駆け整備すべきと考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 今回の臨時休業から得た教訓を生かし、高校生の一人一台端末の早期実現により、平時、有事とも機能する新たな教育環境を構築すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 答弁をいただきまして、質問を続けてまいります。   〔岡議員出席、出席議員計三十六名となる〕   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 嘉見議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、徳島市の重要課題について、今後、県と市共同歩調により一層強めるべきとの御質問をいただいております。 県都である徳島市と共同歩調で事業を推進する、いわゆる県市協調は、本県の課題解決を図る上でまさに理想形である一方、歴代の知事や市長も悩まされてきた積年の課題でもあります。 現在、徳島市におきましては、阿波おどりを戦後初の四日間全て中止に追い込んだ新型コロナウイルス感染症への対応、芸術文化の創造拠点として県都の顔づくりに重要な新ホールの整備、八月末にそごう徳島店閉店後における徳島駅前周辺のまちづくりなど、喫緊に取り組むべき重要課題がまさに山積いたしております。 このような状況のもと、四月十八日、県市協調を公約に掲げられました内藤佐和子さんが、女性市長として全国最年少で徳島市長に就任されました。早速四月二十四日、内藤市長さんの御発案により県及び徳島市における共同記者会見を開き、新型コロナウイルス感染症に係る医療従事者や患者さん、またその御家族への人権配慮や県外ナンバー車に対する冷静な対応について、県民、市民への呼びかけを行ったところであります。 また、六月五日には、外出自粛で甚大な影響を受けている徳島市内の繁華街を共同で視察し、飲食店の状況、新しい生活様式への対応状況について、各店主の皆さんから直接生の声をお伺いするとともに、各種支援策の広報や今後の対応策について相互に連携していくことを確認するなど、県市協調の取り組みを既にスタートさせていただいているところであります。 一方、新ホール--文化ホールの整備につきましては、前市政において、県有地において交換契約を交わす段階で、その利用を判断することとの県議会の求めや、敷地の境界確定及び交換地の合意が得られるまでは業者選定作業には取りかからないとの徳島市議会での附帯決議を無視し、優先交渉権者を公表したことにより大きな混乱を招き、膠着状態にございます。 このたび、まずは県の理解を得ることを最優先に取り組むとの方針のもと、内藤市長さんが優先交渉権者の撤回を表明されたことは大いに評価できるところであり、今後の市議会での御論議を注視するとともに、改めて県議会で御説明を申し上げ、県市協調で取り組みを進めてまいります。 また、そごう徳島店閉店後における徳島駅前周辺まちづくりにつきましては、昨年十一月時点での市の報告によるそごう関連三十一億円を初め、約六十億円の債務を抱える徳島都市開発株式会社の経営問題、人口減少や郊外大型量販店の進出に加え、コロナ禍により全国の百貨店が置かれた厳しい経営環境などを抱えており、閉店が間近に迫る中、今後の徳島駅前周辺のにぎわいづくりやJR四国の路線維持にも大きな影響を及ぼす重要課題であります。 まずは、徳島市に方向性を明示いただくものと考えており、その上で、県市協調で県都のまちづくり、顔づくりを進めていくべきと、このように認識いたしております。 コロナと共生するウィズコロナ時代を迎え、反転攻勢へと向かう糸口を探る中、これまでの第一波の状況分析からは、おおむね人口百万人以上の大都市が感染症にいかに脆弱であるかを露呈したところであります。 また、学生団体や転職サイトのアンケート結果におきまして、大学等の退学を検討している学生が二割を超え、都市部の若者のUIターンや地方への転職希望が三割を大きく上回るなど、今後、消費者庁の徳島移転を初め、中央省庁の地方移転や大企業の地方分散、そして地方大学の魅力化、定員増により、大都市部への過度な人口集中を是正し、大胆に国家構造を転換する新次元の分散型国土を構築していくことがまさに不可欠となるところであります。 今こそ地方創生の旗手徳島の魅力と価値をこれまで以上に高め、全国に発信することで、若年層を初め、とくしま回帰を加速させる絶好の機会と捉え、県と市が心を一つに、県市協調で全国の地方創生第二幕を強力に牽引してまいりたい、このように考えておりますので、議員各位の一層の御理解と御支援をよろしくお願い申し上げる次第であります。 次に、コロナと共生する感染症に強い徳島づくりをいかに実現していくのか、御質問をいただいております。 新型コロナウイルス感染症につきましては、本県でも緊急事態宣言が発令されたものの、県をまたぐ往来抑制などにより市中感染を発生させず、また法に基づく休業要請を行うことなく感染拡大を最小限に食いとどめているところであり、医療従事者を初め県民、事業者の皆様、また議員各位のこれまでの御協力に深く感謝を申し上げる次第であります。 今後、議員お話しのとおり、いつ到来するかわからない第二波、第三波を迎え撃つ準備こそが不可欠であり、とりわけ医療提供体制の充実強化が急務であります。 まず、入院受入病床につきましては、現在、対応可能な十一病院百七十二床の上積みを図るほか、軽症者などの宿泊療養施設についても、今後の患者発生状況に応じて、さらに機動的に借り上げができるよう準備を進めてまいります。 次に、検査体制の面では、既に県保健製薬環境センターでのPCR検査について、従来の倍となる一日当たり百九十二検体の検査能力を確保したことに加え、国の補正予算を活用した県内医療機関などに対する検査機器の導入促進、唾液によるPCR検査や抗原検査の活用など、一層の充実強化を図ってまいります。 また先般、県民の皆様に今後の感染拡大状況に応じた対応方針とその数値基準をわかりやすくお示しするため、とくしまアラートを設定したところであり、その運用については、学識経験者などから成ります専門家会議に御助言いただくことといたしております。 このとくしまアラートの発動状況について、県民の皆様が一目で御認識いただけるよう、県万代庁舎のライトアップにより、感染観察強化の段階では黄色、感染拡大注意の段階ではダイダイ、特定警戒の段階においては赤の色分けでお示しすることとしており、徳島中央公園鷲の門でのライトアップを初め、市町村の皆様方にも協力を求めてまいります。 さらに、今後、感染拡大防止とあわせ社会経済活動レベルを引き上げていくことで、県民生活や事業活動において新しい生活様式を我がものとして確立していただけるよう、とくしまスマートライフ宣言に基づき、事業者によるスマートライフ導入を積極的に応援いたしてまいります。 今後とも、国や全国知事会との連携を一層密にし、ウィズコロナ時代における県民一丸となった感染症に強い徳島づくりの実現に全力を傾注してまいります。 次に、避難所における新型コロナウイルス感染症対策について御質問をいただいております。 全国的に新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波が危惧される中、本県で大規模災害が発生した場合、避難所で爆発的な感染拡大が起こる可能性があり、今まさに過去に例を見ない複合災害への備えが求められるところであります。 このため、県におきましては、避難所開設における新型コロナウイルス感染症対策対応方針の策定、避難所開設に必要な物資、資機材の整備を後押しする補助制度の創設、ホテル、旅館を初め宿泊事業者に対する協力要請など、発災時に備え避難所を開設する市町村を積極的に支援いたしているところであります。 これを受け、各市町村におかれましては、指定避難所以外に百六十カ所を超えるサブ避難所の確保、補助金を活用したマスクや消毒液の配備、宿泊事業者との被災者受け入れ協定の締結など、地域の実情を踏まえ、でき得る対策から順次取り組みを進めていただいているところであります。 一方、多くの市町村からは、避難所における感染症対策の専門的な知識や経験に乏しく、具体的なイメージを持つことが難しいとの御意見が寄せられているところであります。 このため、県におきましては、パーティション、テントを初め、資機材の効果的な活用やレイアウトの方法、発熱やせきが出た方の専用スペースの確保、避難してきた方の衛生管理など、避難所における具体的なシミュレーションをモデル的に実施することとし、その検証結果を動画や冊子にわかりやすく取りまとめ、市町村に提示することにより、実効性のある対策へとつなげてまいります。 さらに、ホテル、旅館の活用につきましては、国からも重点的に検討を進めるよう要請があり、三密を避けるため分散避難として極めて有効であることから、県としても早急に取り組む必要があります。 そこで、避難所として施設を提供していただける宿泊事業者の皆様方を対象とし、緊急対策として、被災者の受け入れに必要な施設の改修などに対する補助制度を新たに創設することにより、避難所としてのホテル、旅館の積極的な活用を推進いたしてまいります。 今後とも、大規模災害と新型コロナウイルスの複合災害を迎え撃つため、避難所における感染症対策に万全を期し、県民の皆様の安全・安心の確保にしっかりと取り組みを進めてまいります。 次に、本県経済の反転攻勢に向け、どのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 今回の新型コロナウイルス感染症により未曽有の厳しい経営に直面する県内事業者の皆様方の業と雇用を何としても守るとの強い決意のもと、中小・小規模事業者、農林漁業者、生活衛生関係営業者を対象に、全国に先駆け創設した融資額連動型、一〇%・最大百万円の給付金、保証料ゼロ、三年間無利子、借りかえ可能となる融資制度など、機を逸さず、先手先手で取り組みを進めてまいりました。 しかしながら、いまだワクチンや治療薬が存在しない中、今後の社会経済活動の回復に向けた反転攻勢には、時宜を捉えたさらなるきめ細やかな対策が必要となります。 そこで、農林漁業者の皆さんにおきましては、需要減退が著しい阿波尾鶏、すだち、旬を迎えるハモなどブランド食材について、外食産業とのテイクアウトメニューの開発、ネット通販を活用した徳島を味わえる食材セットの販売など、消費者の行動変容を踏まえた新たな取り組みを支援するとともに、生産者の経営をしっかりとお支えしてまいります。 また、中小・小規模事業者における感染の次なる波を迎え撃つ新しい生活様式の導入に向け、民間事業者の皆さん方の御発案による斬新なアイデアの実装を支援し、数多くのビジネスを生み出すことで経済活動を加速いたしてまいります。 さらに、県民の皆様や県外から御来県される方々に安心して御利用いただけるよう、店舗やオフィスの感染予防対策を推進するため、業種別ガイドラインに沿った三密回避、換気、消毒の実装について、助成率十分の十で支援を行う新たな制度をスタートさせたところであります。 加えて、観光関連事業者の皆さんに対しましては、まず第一弾として、長期間の行動自粛を乗り越えていただいた県民の皆様方限定で、ホテルや旅館を利用した場合の宿泊割引、旅行会社の企画ツアーに対する助成を六月八日より先行実施するとともに、八月一日からは、第二弾として、県外からの誘客を促進する「Go To キャンペーン」タイアップ事業を実施し、県内観光、広域観光、そして日本全国へと観光誘客を段階的に拡大いたしてまいります。 今後、こうした取り組みの効果創出とあわせ、時々刻々と変化する状況に応じた施策を展開することにより、ウィズコロナ時代に即した感染症に強いスマートな徳島の創造と力強い経済の再生に向け、積極果敢に取り組みを進めてまいります。 次に、学校の臨時休業から得た教訓を今後どのように生かすのか、御質問をいただいております。 まずは、二カ月半に及ぶ県内一斉臨時休業に際しまして、児童生徒の皆さんや保護者の方々を初め、多くの皆様方に御理解、御協力を賜りましたことに心から感謝を申し上げる次第であります。 臨時休業中におきましては、学びの保障をどのように実現していくかが全国的にも大きな課題として浮かび上がり、直ちに生かすべき教訓となったところであります。 本県におきましては、全国屈指の光ブローバンド環境を活用し、四月十七日に四十本の学習応援動画から成る「とくしま まなびのサポート」を立ち上げ、今では百十二本を家庭へ配信するとともに、五月には三週間にわたりケーブルテレビで放送したところであります。 また、国のGIGAスクール構想に先駆ける形で、県の四月補正予算で創設したモデル事業において、県立三学校をモデル校に選定し、オンライン教育や在宅学習の先進的な好事例の創出を図るとともに、市町村立小中学校においても、モデル校を県内三圏域全てから計五校を選び、平時、有事を問わない新たな挑戦を広く県内全域へと普及させることといたしております。 こうした状況のもと、議員から御提言いただきました高校生一人一台端末の早期実現と、これに伴う小中高一貫した一人一台体制のスピード感ある構築は、徳島の将来を担う子供さんたちの目線にしっかりと向き合う時宜にかなったアイデアである、このように受けとめさせていただくところであります。 早速、具現化に向けまして、地方創生臨時交付金のうち十億円を活用して、一人一台タブレット端末を県が確保し、県立高校及び特別支援学校高等部の全ての生徒に対し、今年度、順次無償で貸与することにより、学校でも家庭でも切れ目なく対応することのできる新たなオンライン教育環境を全県的に構築いたしてまいります。 今後とも、学校の臨時休業から得た貴重な教訓を生かし、Society5・0幕あけにふさわしい新時代の学びが一日も早く実現できますように、積極果敢に取り組みを進めてまいる次第であります。   (嘉見議員登壇) ◆三十一番(嘉見博之君) 質問を続けてまいります。 新型コロナウイルスを抑えるためには、新しい生活様式に対応していく必要がありますが、我々の暮らし、我々の社会を考えたとき、都市部への過度な人口集中となっている今の状態が大きな問題であると改めて感じるところであります。 満員電車を初め日常の暮らしで、都会には三密を避けるには限界があります。いつまた来るかもしれない第二波、第三波を心配して、都市部での暮らしに不安を感じ、地方へ移住したい、地方で新しい生活を始めたいというような若者が数多くあらわれているという報道がなされております。ちょうど今般の議会では、都市部に住む若者世代が大学への編入学などにより徳島へ移住し、再出発することを支援するための「リスタート!新しいとくしま暮らし支援金」を提案され、我々県議会もいち早く議決することで制度化が図られたところであります。 しかしながら、都市部から徳島へ移住しようとする方たちにとっては、今までの住居を離れ、新しい暮らしを始められるわけでありますから、当然さまざまな面で不安を抱えておられます。 例えば、昨年度一年間では、徳島に県外から移住した方は千八百四十四人でありました。私の地元阿南市では、三百二十四人と県内一の移住者を受け入れたところであります。地域によっては、移住者を受け入れる空き家が足りないというような声も届いているところであります。 そこで、徳島で再出発を志す方々を支援していくためには、助成制度に限らず、住む、働く、暮らすといったさまざまな政策を組み合わせていく必要があると考えているところであります。 そこで、お伺いいたします。 地方への移住の機運を逃さず地方創生を推進するため、どのように実効性を加速していくのか、所見をお伺いいたします。 次に、地域公共交通の維持確保についてお伺いいたします。 四月七日に発令された緊急事態宣言以降、東京や京阪神などの都市部と徳島を結ぶ国内線や高速バスは軒並み減便、運休となり、公共交通事業者はかつて経験したことのない厳しい環境下に置かれています。県内バス事業者におかれては、これまで高速バス運行で生み出した利益で、通院や通学など日常生活には欠かせない路線バスを支えてこられました。しかしながら、今回ばかりは収益源となる高速バスをとめざるを得なくなり、このままでは路線バスの運行すらままならなくなってしまうのではないかと心配する声が聞こえてまいります。 また、鉄道もしかりであります。厳しい経営が続くJR四国は、三月には国から経営改善の行政指導を受けたほか、五月一日には、会社発足以来の一時帰休がなされております。このままでは、四国の中で二番目に採算性の悪い区間を抱える牟岐線の廃線に向けた議論が加速するのではないかと、非常に危惧しております。 そこで、お伺いいたします。 バスや鉄道など、地域住民の生活に欠かせない公共交通を維持していくため、今後どのように取り組むのか、所見をお聞かせください。 次に、四国横断自動車道の整備促進についてお伺いいたします。 本年三月、県南地域の経済・産業の大動脈であります国道五十五号においては、悲願であった那賀川大橋を含む阿南道路四車線化が完成いたしました。隣接する辰巳工業団地の関係者からは、慢性化した朝夕の交通渋滞が解消され、物流の効率化が図られたなどとの声が寄せられております。道路整備は地域経済を支える重要なインフラだと改めて実感したところであります。 私は、長年、高速道路ネットワークを早期に完成し、県土の強靱化を図り、経済活動の背骨を構築するべきと訴え続けてまいりました。このうち、四国横断自動車道については、今年度の徳島東-津田間に続き、来年度の徳島ジャンクション-徳島東間の開通に向けて、計画的に整備が進められております。 一方、県南に目を移すと、この整備が着実に進んでいるとは言いがたく、世界有数のLEDメーカーである日亜化学工業周辺では、通勤などの交通渋滞により物流の定時性が確保されておらず、雇用を支える県内企業の県外移転もあるのではないかと大変危惧しておるところであります。 このため、我々徳島県議会の有志は、知事や関係市町の皆様と一体となって、国や政府・与党に対し、機会あるごとに提言活動を行ってきた結果、新直轄区間の予算が大幅に拡大し、徳島東-津田間の姿がしっかりと見えてまいりました。今後、四国横断自動車道の全線完成に向けて、津田以南の整備について、その見通しを持って進めるべきであります。 そこで、お伺いいたします。 令和二年度の四国横断自動車道徳島東-津田間開通後、残る新直轄区間の整備をどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。 次に、本県畜産業についてお伺いいたします。 私の地元である県南部は、本県を代表するブランド、阿波尾鶏の一大産地であるとともに、和牛素牛の供給地帯であります。本県畜産業にとって重要な地域であります。 先日、県南の獣医師の拠点であり、地域の畜産農家にさまざまな支援を行う家畜保健衛生所を訪れたところ、建物や施設の老朽化が著しく、支援拠点として一抹の不安を感じたところであります。 さらに近年、鳥インフルエンザを初め豚熱などの家畜伝染病が頻発しており、畜産農家の生産基盤が脅かされております。このたびの新型コロナウイルス感染症拡大により、畜産業も大きな影響を受けている中、万が一県南部でこれらの家畜伝染病が発生した場合、甚大な被害が生じることから、家畜防疫の一層の強化が重要であり、支援拠点である家畜保健衛生所の施設整備が急務であると感じているところであります。 ついては、本県の畜産業を守り抜くため、家畜保健衛生所の整備をどのように進めていくのか、所見をお伺いしたいと思います。 最後の質問となりますが、全国知事会長としての活動についてお伺いいたします。 飯泉知事は、昨年九月全国知事会長に就任以来、昨年の台風被災地への迅速な支援を初め、新型コロナウイルス感染症の対応については、国への積極的な政策提言など精力的に活動されております。知事会長就任以来、全国知事会の存在感向上を述べられておりました。このたびの新型コロナ対策では、改めて現場を預かる知事の権限に注目が集まる全国知事会のテレビ会議は、全国ネットで毎日のように取り上げられたりもしております。また、国の補正予算において、全国知事会が強く要請した交付金の創設や大幅な増額が認められるなど、その存在感は確実に高まっております。 こうした全国知事会の取り組みは、本県が新型コロナ対策を初めさまざまな施策を展開していく上で大きな効果をもたらすものと理解しておりますが、一方で、知事会長としての業務が多忙をきわめる余り、徳島を不在にすることがふえ、県政に影響はないのか、知事会長としての活動が徳島県にとって本当にメリットがあるのかといった声があるのも事実であります。今まさに、新型コロナウイルス感染症による歴史的危機から反転攻勢し、社会経済活動のレベルをしっかりと上げていくためにも、飯泉知事には、これまで以上に県政運営におけるリーダーシップを発揮されることを多くの県民が期待しています。 そこで、お伺いいたします。 全国知事会長としての活動が本県にどのような効果をもたらしているのか、改めて知事御自身から考えを述べていただきたいと思います。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、地方創生の推進に向けてどのように実効性を加速していくのか、御質問をいただいております。 本県ではこれまで、全国に先駆けて策定いたしましたvs東京「とくしま回帰」総合戦略に基づく全県を挙げた移住推進の結果、令和元年度の移住者数は、阿南市三百二十四人を筆頭に、前年度比三二%増の千八百四十四人となり、総合戦略の目標値千六百人を大きく上回る成果を得たところであります。 一方、今回の新型コロナウイルスの都市部を中心とした感染拡大が社会経済活動に深刻な影響を与えたことから、地方分散の必要性が改めて認識されているところであります。 議員からもお話がありましたように、若者向け転職サイトや学生団体のアンケートによれば、地方への転職を希望する方が三割を大きく上回り、退学を検討する学生が二割を超えるなど、地方への回帰志向が高まりを見せているところであります。 こうした動きに即応するため、今定例会開会日に先議いただきました、転入学や就職のための移住を最大五十万円支援するリスタート!新しいとくしま暮らし支援金を活用し、徳島での新しい生活を応援してまいります。 地方回帰の機運を捉まえ、都市部からの移住促進を加速化するためには、支援制度の創設のみならず、就労や住居、また情報発信など、総合的な支援を図る全庁的な体制整備が必要でありますことから、部局の垣根を超えた議論を行うとくしまリスタート!戦略タスクフォースを今月中にも創設し、自由な発想による新たな政策創造にチャレンジしてまいる所存であります。 このタスクフォースでは、本年スタートの総合戦略第二幕を推進、進化を図るべく、「リスタート」を合い言葉に、本県への移住希望者の新天地での出発に寄り添う各種施策をとくしまリスタートプログラムとして早期に取りまとめるとともに、移住者用住宅としての活用が予定される空き家を初め、県内に点在するリタイアインフラの新しい生活様式に基づく利活用手法を研究するなど、とくしま回帰を具現化する対策をスピード感を持って検討、実践いたしてまいります。 今後とも、新次元の分散型国土の構築を本県から実現するとの気概を持ち、アフターコロナ社会をしっかりと見据えた地方創生の取り組みを全庁を挙げて推進いたしてまいります。 次に、四国横断自動車道新直轄区間について御質問をいただいております。 四国横断自動車道は、四国8の字ネットワークを形成し、南海トラフ巨大地震を迎え撃つ命の道はもとより、経済・産業の発展、観光振興など、地方創生を実現する重要な社会資本であることから、県政の最重点施策として取り組んでいるところであります。 このため、徳島ならではの取り組みといたしまして、平成二十九年度からは、国や政府・与党に対し、県を初め県議会有志の皆様や関係市町の首長の皆様と一体となった提言活動を実施し、高速道路ネットワークの早期整備を訴え続けてきているところであります。 その結果、四国横断自動車道徳島東-阿南間の令和二年度当初予算では、三年前の約一・七倍となります百五十億円が確保され、今年度供用予定の徳島東-津田間はもとより、羽ノ浦トンネルや新たに着手する阿南インターチェンジ北側橋梁など、全区間にわたり工事を展開することとなります。 県といたしましても、こうした国の動きに即応し、立江櫛渕-阿南間につきましては、供用時期の公表を大きく左右する残りの用地取得を年度内に完了するとともに、県が整備する立江櫛渕地域活性化インターチェンジを一日も早く完成させることにより、当区間の先行供用を実現いたしてまいります。 次に、小松島-立江櫛渕間につきましては、一・四キロメートルを超える新居見トンネルが供用に向けた大きな鍵となることから、今年度のトンネル坑口工事に続き、速やかに本体工事へ着手することができるよう、国に対し強く訴えかけてまいります。 また、徳島東-津田間の開通を見据え、徳島小松島港津田地区におきましては、高速道路との新たな結節点である津田インターチェンジを核とし、産業や交流施設などが集積する複合型先進拠点へと再生させるべく、令和三年春の分譲手続開始に向け、企業用地の造成を進めているところであります。 そこで、この機を逃すことなく、当地区のストック効果を県内全域に波及させるため、県が整備する津田インターチェンジを現行の神戸方面のみ対応のハーフインターから、阿南方面へのアクセスが可能となるフルインターに機能強化することを決断し、早期の連結許可を目指してまいります。 今後とも、これまで着実に積み重ねてまいりました予算規模を確保するとともに、人、もの、仕事の流れをつくる新次元の地方創生を実現するため、新直轄区間の一日も早い全線供用に向け、全身全霊で取り組みを進めてまいります。 次に、家畜保健衛生所の整備について御質問をいただいております。 家畜保健衛生所は、家畜伝染病の疾病診断や発生予防、蔓延防止はもとより、畜産物の安全性の確保、畜産環境の保全など、安全・安心な県産畜産物の安定供給を担う拠点として大変重要な役割を担っているところであります。また、経済のグローバル化を初めとする社会情勢の急激な変化や、県内における産業動物獣医師の減少といった喫緊の課題に対応することができるよう、家畜保健衛生所の一層の機能強化が求められているところであります。 このため、本年三月、徳島県家畜保健衛生所機能強化基本構想を策定したところであり、阿波尾鶏を初めとした養鶏ゾーンである南部と西部、酪農、肉用牛の盛んな畜産ゾーンである中央、これらの三つの圏域ごとに核となる庁舎を配置し、これまで以上に地域ニーズに沿ったきめ細やかなサービスの迅速かつ的確な対応を目指してまいります。 少し具体的に申し上げてまいりますと、管轄内の畜産農家への巡回を強化し、個々の農家の皆様方の実情を踏まえた飼育管理や衛生指導、安全・安心な畜産物の生産に向けた農場HACCP、畜産GAPの取得支援など、地域の畜産農家の皆様方をしっかりとサポートいたしてまいります。 加えて、民間獣医師との連携による乳牛、肉牛の治療業務の拡大、公務員獣医師のスキルアップなど、家畜診療体制の機能強化により、畜産農家の多様なニーズにしっかりとお応えいたしてまいります。 議員お話しのとおり、阿南市の庁舎につきましては、築五十年以上が経過し、特に老朽化が著しいことから、早期の整備を進める必要があり、圏域内における主要産地へのアクセスや関係機関との連携のしやすさなどを踏まえ、津波浸水区域内にある現庁舎の移転も視野に、阿南市内での候補地の選定をしっかりと進めてまいります。また、同じく築五十年以上が経過している西部圏域の庁舎についても、整備に向けた作業を順次進めてまいります。 今後とも、畜産農家が夢と希望を持って経営に取り組み、畜産業が将来にわたり地域を支える成長産業となりますよう、畜産振興の総合支援拠点として、家畜保健衛生所の機能強化にしっかりと取り組みを進めてまいります。 次に、全国知事会長としての活動が本県にどのような効果をもたらしているのか、御質問をいただいております。 昨年九月、全国知事会長への就任以来、全国知事会の存在感や政策提言、政策形成能力の向上などを公約に掲げ、政府主催全国知事会議や国と地方の協議の場など、総理を初め関係閣僚に直接提言できる機会を捉え、昨年、東日本を中心に大きな爪跡を残した台風第十五号、第十九号など被災地への支援、Society5・0実現に向けた人材育成としての学校教育のICT化の推進、海南病院など県内四病院を含む全国四百四十病院が対象とされた公立・公的病院の再編統合に対する地域の実情を踏まえた見直し要請など、徳島を初め地方の声を酌み取った政策提言をより効果的、ダイレクトに打ち込んでまいったところであります。 その結果、国の令和二年度当初予算には、本県が展開する事前復興、再度災害防止の二つの概念に基づく防災・減災、国土強靱化の推進、今では学校臨時休業に伴うオンライン教育に不可欠である一人一台パソコンを初めとするGIGAスクール構想の加速など、本県の提言をベースとした全国知事会の提言が数多く盛り込まれるとともに、公立・公的病院の再編統合については、当面の間、全ての対象病院が地域医療の最後のとりでとして堅持されたところであります。 また、新型コロナウイルス感染症対応におきましては、国の対策本部設置と同日の一月三十日、全国知事会緊急対策会議を設置するとともに、徳島県におきましても、同日、危機管理会議を開催し、全国知事会や国と一気通貫で本県が全国に先んじて対応できる体制をつくり上げたところであります。 二月二十五日には、全国知事会において、全知事をメンバーとする緊急対策本部へと、県におきましても危機管理対策本部会議へと同時に体制を強化し、以降、局面が変わるごとに徳島発をベースとする全国知事会からの政策提言を展開してきたところであります。 三月十日には、国と地方の協議の場が開催され、全国知事会会長として総理に直接、新型コロナウイルス感染症はリーマンショックとあわせ東日本大震災が全国で発生したのと同様の状況であり、何としても業を守っていくとの強いアナウンスを出すべきと一時支給金の創設を強く要請した結果、本県が全国に先駆け創設した融資額連動型の企業応援給付金制度が、四月三十日成立した国の第一次補正予算における持続化給付金の創設につながるとともに、都道府県や市町村がコロナ対策を図る上で不可欠な地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金の創設が実現できたところであります。 また、六月十二日成立した国の第二次補正予算におきましては、全国知事会が強く要請してきた地方創生臨時交付金の二兆円の増額、緊急包括支援交付金の二・二兆円の増額及び一次補正にさかのぼっての全額国費化など、本県はもとより、県内市町村が新しい生活様式を実践し、感染防止と社会経済活動の両立を図る上で不可欠な予算がしっかりと確保されたところであります。 さらには、百年に一度の経済危機の中、新たな雇用を生み出すため、東日本大震災時に創設された緊急雇用創出事業が国で制度化されるよう、全国知事会を通じ政策提言をし、本県の業と雇用の継続にしっかりとつなげてまいります。 このように、徳島を初め全都道府県の現場での対処方針やニーズを全国の施策に高め、総理初め関係閣僚に先手先手でタイムリーに提言することで、徳島初め地方の声が国の施策として具現化され、全国知事会の存在感及び政策提言能力が向上するとともに、徳島県知事イコール全国知事会会長として全国メディアを通じて報道されることにより、本県の知名度向上にもつながっているものと、このように認識するところであります。 今後とも、県民や事業者の皆様方、市町村の皆さん方の現場の声を全国知事会の政策提言へと磨き上げ、適宜適切に打ち出すことにより、国と心を一つに、新型コロナウイルスと共生するウィズコロナ時代をリードし、徳島県民の皆さん、そして国民の皆様方にその成果を実感いただけるよう、全知全能をかけてまいる所存であります。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 公共交通を維持するための取り組みについての御質問でございます。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国際線の運休や県をまたいでの往来抑制により、公共交通事業者の皆様はかつて経験したことのない厳しい経営環境下にあると認識いたしております。 議員お話しのJR四国におきましても、国内外の観光客や通学生の利用の激減に伴い経営状況が悪化し、このままでは事業の継続が懸念されることから、本年三月には、国に大胆な支援制度の創設を政策提言するとともに、五月の四国知事会では、本県の発案により、鉄道ネットワークの維持に向けた緊急提言を取りまとめ国に提出するなど、JR四国の経営安定化や路線の存続に向け、時機を逃さず取り組んでまいりました。 また、鉄道の存続のためには、地域の皆様が危機感を持ち、主体的に鉄道に「乗って残す」取り組みが重要であることから、現在、地域の皆様とともに、牟岐線で試行しておりますパターンダイヤの導入や高速バスとの連携、また鉄道と路線バスとの重複解消や接続の向上などの先駆的な取り組みを県下全域に横展開し、さらなる利用促進を図るためのアクションプランを今月中にも策定できるよう、取りまとめを急いでいるところであります。 今後、第二波、第三波の発生が懸念される中、バス、鉄道、タクシーなど、地域の交通サービスを維持していくためには、日常的な消毒を初めとする感染防止策の徹底はもとより、それぞれの交通事業者が特性を発揮し、新しい生活様式・スマートライフに調和した新サービスの提供など、積極的な需要の創出に取り組んでいく必要があります。 そこで、さきの開会日に議決いただきました公共交通応援事業を活用し、飛沫感染を防ぐ防護スクリーンの設置を初め、各業界のガイドラインに基づく感染防止策の実施や同一区間内における鉄道とバスとの相互利用により、三密の回避を図る定額料金制の試行など、厳しい環境下にありましても、事業継続に向け、頑張る事業者の皆様を守りと攻めの両面から応援してまいります。 今後、コロナショックによるピンチを新たなビジネスチャンスへと果敢に挑戦する交通事業者の取り組みをしっかりとお支えし、ウィズコロナ時代の新しい公共交通モデルの創出を徳島からリードし、県民の皆様の移動手段として、また観光やビジネスなど交流拡大に不可欠な公共交通ネットワークの維持、確保に向け、引き続きしっかりと取り組んでまいります。   (嘉見議員登壇) ◆三十一番(嘉見博之君) まとめに入りたいと思います。 本日、答弁においては、知事から避難所としてのホテル、旅館の活用に向けた新たな支援制度の創設など、積極的な取り組みが示されました。また、四国横断自動車道については、少しずつではありますが、ようやく姿が見えたところであります。 四国横断自動車道を初め阿南安芸自動車道、さらには国道五十五号など、産業基盤として不可欠な道路整備についてはしっかりと目標を掲げ、事業を推進していただくことを強く要望しておきたいと思います。 さて、コロナとの共存を図るため、新しい生活様式をいろんな場面に導入していくことで、私たちの暮らしや仕事は果たしてさま変わりしていくことになるのか、今、漠とした不安を覚えております。人間社会は、人と人とが出会い、同じ空間で話し合ったり、ともに活動したりすることで活気がもたらされ、新たな発展のきっかけが生まれていく、そうしたものと考えております。 しかし、例えば仲間と一緒に食事する際、向き合わずに距離をあけて横並びに座る、会話はできるだけ控えるといったことが求められています。そういう会食に意味があるのかという話になりますし、ホテルやレストランで開く宴会も新たなスタイルを考える必要があります。 また、事業活動の面では、接客を伴う業態については業としてやっていけるのか。また、医療はもちろん、ホームヘルパーなど介護サービスの現場において、感染防止対策に万全を期することができるのか、先行きの不安が深まるところであります。 スポーツの面でも、観客対策のみならず、例えばラグビー、柔道、相撲など、そもそも選手が密接するスポーツのこれからはどうなっていくんだろうとか、とくしまマラソンや多くのランナーが集まる市民マラソン大会はどのようなスタイルなら開催できるのか、さまざまな課題が頭をよぎりますし、芸術文化活動の分野では、文化ホールでのコンサート、劇場の演劇、さらには阿波おどりを初めとする伝統文化などがいろんな制限を受けることとなります。文化そのものが廃れていくことにならないか、心配であります。 コロナとの共存、これは私たちの生活、仕事、趣味やレジャー、あらゆることにかかわってくるものだけに、日本人が築き上げてきた人と人とのまさに膝を交えたつき合いですとか、スポーツや文化、みんなで親しみ、共感を覚えることのできる社会環境、こうしたものを守っていく気持ちを忘れることなく、新たなライフスタイルに向き合っていくべきと考えております。 県においても、新しい生活様式の浸透を図る上で、暮らし、産業、文化活動やスポーツ、いろんな分野に大きな影響を及ぼすことにしっかりと思いをはせながら、取り組みを進めていただきたいと思うのであります。 そして、コロナと共存する社会において、触れ合いやきずな、大切にしてきた人間社会や日本文化が決して崩壊することのないよう、マイナス影響については十分な対策を講じていただきたい、このことを申し上げ、質問を閉じたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時十分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時三十二分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○副議長(岡田理絵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十三番・南恒生君。   (南議員登壇) ◆二十三番(南恒生君) おはようございます。徳島県議会自由民主党の南恒生でございます。 昨年度は副議長を務めさせていただき、大変貴重な経験を積むことができました。この経験を今後に生かしていけるよう、努力を重ねていく所存であります。副議長辞職の直後あたりから新型コロナウイルスの影響のせいでいろいろと自粛する中で、お礼にも行けていないままの方々に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。 また、昨年度は質問者にはなれなかったので、本日は大変緊張しておりますが、会派を代表しての質問ということですので、理事者の方々には、昨年分もつけ加えて、すばらしい回答をお願い申し上げ、質問に入らせてもらいます。 新型コロナウイルス感染症対策予算についてであります。 新型コロナウイルス感染症の猛威は、瞬く間に全国を席巻し、多くのとうとい命を奪うとともに、暮らしと社会のあり方を一変させました。四月十六日、全都道府県を対象に発令された緊急事態宣言は、去る五月二十五日の首都圏及び北海道を最後に全面解除となりましたが、その傷跡は深く、回復の兆しさえ見えない状況にあります。 外出自粛の影響で、身近なところでは飲食店は閑古鳥が鳴き、観光客やビジネス客を見込んでいた宿泊業界も悲痛な声を上げているところであります。こうした窮状や地域の切実な声を県政へと伝え、必要な施策へとつなげていくことが我々県議会議員の責務であり、今こそその使命を果たすべきときと痛感しています。 そこで、県議会全会派の賛同を得て、去る四月十七日には、飯泉知事に対し、感染拡大防止医療提供体制の強化を初め、学校臨時休業への対応や事業と雇用を守る取り組みなど、喫緊の課題に対する要望を行い、さきの四月臨時会における総額三百三十億円に及ぶ補正予算へとつながったところであります。 また、五月二十七日には、緊急事態宣言の全面解除を受け、疲弊したあらゆる業界の事業再開、雇用継続への支援など、新たな段階に応じた取り組みの早期実施を再び全会派を挙げて強く要望したところであります。二カ月連続しての要望は異例なことではありますが、それぐらい事態は深刻さをきわめております。 飯泉知事におかれましては、こうした我々の思い、地域の声を強く受けとめていただき、今回の六月補正予算を編成されたものと認識しております。しかし、新型コロナウイルス感染症との闘いはこれで終わりではなく、第二波、第三波も懸念されており、長期戦も覚悟しなければなりません。今後も、刻々と変化する局面を的確に捉え、適切な対策を切れ目なく講じていく必要があります。 そこで、お伺いします。 新型コロナウイルス感染症対策に係る県議会全会派からの要望を受け、どのような創意工夫を凝らし、切れ目のない対策を講じていくのか、御所見をお聞かせください。 次に、デジタル技術の利活用の推進についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染症の発生によって、本県においても学校の休業や店舗の営業自粛など、県民の皆様はこれまでにない御苦労があったと思います。このような状況下で、テレワークやウエブ会議、学校における遠隔授業など、ICTを活用した代替手段が脚光を浴び、多くの方々が体感されたと思います。 一方で、これまで社会に浸透している紙・判こ文化とも言われる紙媒体での大量の資料や印鑑による決裁などが存在しており、全てをデジタル化するにはルールの変更が必要であり、そのことが解決すべきハードルとしてあるように思います。 また、最近では、大手自動車メーカーの工場がサイバー攻撃を受けて生産停止にまで追い込まれたとの報道を受け、ICT化を推進するには、セキュリティー確保が重要であることを改めて認識したところであります。 このたび国から示された新しい生活様式への対応により、革新的な技術の活用が加速し、社会生活の利便性や効率性をより一層向上するものになってほしいと願っております。特に通信分野においては、今春から順次5Gが導入されており、さらには二〇三〇年ごろを目途に導入を目指しているBeyond 5Gは、5Gの十倍とも言われる高速・大容量を備えるものであり、社会全体に大きなインパクトを与え、これまでの常識を覆すような異次元の技術革新やサービスの展開が期待できます。私は、今後の5Gの普及やその先を見据え、県として新時代へ向けたデジタル技術の将来ビジョンを描くことが重要であると考えます。 そこで、お伺いします。 新しい生活様式を実践する上で、ICTの有効性が再認識されている中、今後、デジタル技術の利活用の推進にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、テレワークの推進について、県内企業と県職員の働き方の二点からお伺いします。 まず、県内企業についてであります。 全国に発令されておりました緊急事態宣言が全面解除され、今後、事業者においては、感染症拡大の防止策を図りながら、事業活動を引き上げていく段階に入っております。 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、緊急事態宣言が発令される中、特に都市部を中心に、満員電車等三密となるおそれのある通勤時の公共交通機関の利用を回避でき、職場での接触機会も減らすことができるため、感染予防・拡大防止の観点から、在宅勤務などのテレワークを今回初めて実施した企業や自治体もあると聞いております。 本県においても、緊急事態宣言期間中には渋滞の緩和が見られ、県内企業でも社員を一週間ごとに交代で出勤させるなど、テレワークの導入がある程度進み、その便利さや快適さを認識された企業や従業員の方も少なくないのではと思われます。 しかし、その一方で、テレワークに適した業務がない、情報の漏えいが心配である、費用がかかり過ぎるなどの理由から、テレワークを導入していない企業も数多くあると認識しています。 県においては、緊急事態宣言が全面解除されると同時に、新しい生活様式を取り入れた感染症に強い徳島づくりを目指す「とくしまスマートライフ宣言!」を行い、その大きな五つの柱立ての一つに、新しい働き方に向けた努力目標として、在宅勤務やオンライン会議でのテレワークの推進を掲げています。 また、本県は、全国屈指の光ブロードバンド環境が整備されており、総務省が平成三十年度末時点で調査したサテライトオフィスの開設数では、北海道と並び全国一位であり、テレワークを行うのに最適な環境にあると考えます。 そこで、お伺いします。 県内企業のテレワークの推進について、県としてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、県職員の在宅勤務についてお伺いします。 本県においては、新型コロナウイルスの感染拡大以前から、既に徳島ならではの働き方として、在宅勤務を初めとするテレワークの推進にいち早く取り組まれており、職員の多様な働き方につながるよい制度だと私も関心を持っております。新聞報道によると、本県でも、三月以降、学校の休業に伴う子供の世話等で在宅勤務を行う職員が、昨年同時期に比べ大幅に増加しているとのことですが、在宅勤務を一時的なものではなく、働き方の一つとしてしっかりと定着させる必要があると考えます。 そこで、お伺いいたします。 本県には、今回のコロナショックでの経験に加え、他県に先んじて在宅勤務に取り組んできた実績があります。これまでの経験、実績を生かして問題点を整理し、危機事象発生時における業務継続の観点のみならず、平時における働き方改革の推進という観点からも、在宅勤務を職員の新しい働き方として定着させるためにさらに推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 南議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、切れ目のない新型コロナウイルス感染症対策に向けた創意工夫について御質問いただいております。 このたびの六月補正予算の編成に当たりましては、コロナと共生する新たな局面--フェーズに対応すべく、政策創造と財源確保の両面から、県政初の取り組みにチャレンジいたしたところであります。 まず、政策創造では、県庁初、若手、中堅、ベテラン、全世代から成る新型コロナ対策政策創造・情報発信タスクフォースを立ち上げ、ウエブアンケートや聞き取り調査などにより、県民の皆様方の多様なニーズを迅速に把握するとともに、部局間で課題を共有することで即効性のある施策の具現化につながったところであり、今後の対策にも積極的に活用いたしてまいります。 次に、財源確保では、赤字地方債の発行が原則認められない地方自治体におきましては、突発的な事案への対応には財源面での創意工夫がまさに不可欠となるところであります。ちなみに、このたびの国の新型コロナウイルス感染症対策第一次、第二次補正予算は、多くの財源が赤字国債によって賄われている、このことからも国と地方がいかに違うか、御理解いただけることかと思います。 このため、歳出から歳入を生み出す工夫として、県議会全会派から御提案をいただき、それを踏まえ、感染拡大の影響で中止や実施困難となった既決予算の事業を大胆に見直し、県政初、六月補正予算での減額により二十億円の事業費を圧縮することで貴重な財源を生み出したところであります。 その上で、なおも生じる財源不足約十三億円については、これまで県議会の皆様方の御理解、御協力のもと、財政構造改革基本方針に基づき着実に積み増してまいりました財政調整基金を、改革に着手した平成二十年度以降初めて肉づけの予算以外の補正予算に活用し、百年に一度と言われる危機事象への対応に積極的な予算計上を行ったところであります。 さらに、去る六月十二日成立した国の第二次補正予算では、全国知事会からの数次にわたる政策提言によりまして、地方創生臨時交付金の二兆円の増額や医療提供体制の整備などを進める緊急包括支援交付金の二・二兆円の増額と一次補正にさかのぼっての全額国費化が実現し、今後の第二波、第三波への備えやV字回復への財源が確保されたところであります。 県におきましても、これに即応した補正予算の編成に着手しているところであり、拡充されたこの二つの交付金を積極的に活用し、さらなる検査・医療提供体制の強化を初め、第二波、第三波を迎え撃つ万全の体制整備に向けた予算を今定例会に追加提案いたしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。   (発言する者あり) ありがとうございます。 今後とも、感染拡大防止社会経済活動の両立を図る新しい生活様式・スマートライフの全県実装を進め、新たなウィズコロナ時代を切り開き、日本再生の先陣を果たすべく、全力を傾注してまいる所存であります。 次に、今後、デジタル技術の利活用の推進にどのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 コロナを乗り越え、地域から日本を再生する新たな時代へと移行する中、テレワークの推進やキャッシュレスの普及など、特にICTの活用による新しい生活様式への対応は喫緊の課題となっているところであります。 本県では、さまざまな地域課題をICTの利活用により解決するための指針としてICT(愛して)とくしま創造戦略を、また本県の官民データ活用を総合的に推進するための計画としてとくしま新未来データ活用推進戦略を策定し、未来を切り開く次世代の技術者やICT人材の育成、統計データの効果的、積極的な活用などに取り組んでいるところであります。 議員御提案の将来ビジョンにつきましては、今まさに急激にデジタル化する社会の変容に速やかに対応すべく、ICT(愛して)とくしま創造戦略ととくしま新未来データ活用推進戦略を統合し、各施策の有機的な連携と相乗効果を図るとともに、Society5・0時代に向けた新たな戦略として、デジタルとくしま推進プランを今年度中を目途として策定いたしてまいります。 さらに、戦略の策定に当たりましては、私もメンバーとして参画いたしております5Gの次の世代の通信インフラについて検討する国のBeyond 5G推進戦略懇談会で議論されている未来志向の社会像を踏まえ、世界最先端の技術の活用に積極果敢にチャレンジするとともに、サイバーセキュリティーを取り巻く環境の変化に対応した、安全・安心な社会の実現を目指してまいります。 具体的に少し申し上げてまいりますと、新しい生活様式に対応できるよう、5Gを活用した遠隔診断、遠隔診療による中山間地域などにおける質の高い医療サービスの提供、AIやIoT、ビッグデータを活用したスマート農林水産業の推進、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育むICT環境を整備するGIGAスクール構想によるオンライン教育など、デジタル技術の社会実装を加速させてまいります。 今後とも、未来技術を活用した変革、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを推進し、地域づくりや地域課題解決を図り、超スマート社会とくしまを具現化いたしてまいります。   (後藤田副知事登壇) ◎副知事(後藤田博君) 県内企業のテレワークの推進について、県としてどのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。 時間や場所にとらわれない多様で柔軟な働き方であるテレワークの推進は、働き方改革の実現とともに、新型コロナウイルス感染拡大の防止と企業の生産性維持の両立をさせる上で極めて有効であるというふうに考えており、感染症に強い徳島づくりの羅針盤となる「とくしまスマートライフ宣言!」においても、その着実な推進をしっかりと位置づけております。 こうした中、県におきましては、テレワークセンター徳島を拠点として、企業のテレワーク導入支援を積極的に展開しておりまして、同センターを介して、平成二十七年度から令和元年度までに累計で県内企業百二社の皆様にテレワークを導入していただいております。 また、市町村におきましても、これまでコワーキングスペースの整備運営やサテライトオフィスの誘致など、テレワークの推進に向けた環境整備を積極的に行っていただいているところであります。 一方、県が実施しました県内企業への緊急調査では、テレワークを実施または検討していると答えた企業の割合が、四月には約九%、そして五月には約二〇%へと倍増しておりまして、テレワークの導入が徐々に県内企業へ浸透しているところであります。 この流れを好機として捉え、新しい生活様式の導入と社会経済活動レベルの引き上げの両立のために、さらに多くの企業にテレワークを導入していただくことが極めて重要であると考えておりまして、そのためには、議員お話しのとおり、在宅勤務に適した社内業務の仕分け、情報セキュリティーの確保、導入に係るコストの軽減など、テレワークを円滑に導入していただくための課題解決が不可欠となっております。 そこで、県が設置しておりますテレワークセンター徳島を核として、県内企業を対象に詳細なニーズ調査を実施し、相談業務の充実と支援機能の強化にしっかりと生かしてまいりますとともに、今定例会開会日に議決いただきましたWITH・コロナ「新生活様式」導入応援事業によるシステム導入経費に対する幅広い支援を初め、ハード、ソフト両面から事業者の取り組みを支援してまいります。 今後とも、本県の強みである全国屈指の光ブロードバンド環境を最大限に生かし、県内事業者の皆様がテレワークを活用し、生き生きと事業活動を展開できる徳島づくりに向けて、しっかりと取り組んでまいります。   (久山経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(久山淳爾君) 在宅勤務を職員の新しい働き方として定着させるために、さらに推進すべきとの御質問でございます。 本県におきましては、従来より、時間や場所にとらわれない新しい働き方として、在宅勤務を初めとするテレワークの推進に取り組んでまいりました。 在宅勤務につきましては、平成二十七年度に育児や介護を行う職員を対象に試行を始めまして、その後、対象を全職員に拡大いたしまして、平成三十年度から本格実施しておるところでございます。 このたびの新型コロナウイルス感染症対策といたしましても、在宅勤務は有効な手段であることから、在宅勤務用の貸し出しパソコン以外にも、専用アプリを入れた個人所有のスマートフォンで行う業務も在宅勤務として認めるなど、感染拡大を受けまして一部運用を変更し、積極的に実施してきているところでございます。 また、東京本部、関西本部におきましては、人と人との接触の低減のため、在宅勤務を活用し、三班体制での勤務を行うとともに、県内におきましても、人事異動や新規採用による県外からの転入、学校の一斉休校に伴う育児にかかる職員など、三月以降五月末までの間に延べ一千七百三十九人が在宅勤務を実施しておるところでございます。 一方で、多くの職員が在宅勤務を行う中、パソコンを初めとする資機材の不足や職員間のコミュニケーション、情報共有が十分に行き届かないケース、さらには資料の電子データ化の必要性など、在宅勤務の課題も見えてまいりましたところでございます。 そこで、これらの課題を解決するため、今定例会で御先議いただいた予算を有効に活用いたしまして、情報セキュリティーをしっかりと確保した上で、自宅の個人所有パソコンから庁内ネットワークへの接続を可能にするとともに、お互いの顔を見ながら会話できるウエブ会議システムのライセンスを追加購入することといたしまして、加えて、ペーパーレス会議の推進を初め、書類の電子化に向けた取り組みもあわせて進めてまいります。 在宅勤務を初めとするテレワークは、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震などの大規模災害発生時における業務継続という面でも非常に重要であるとともに、職員それぞれの状況に応じた多様な働き方が可能になることで、ワーク・ライフ・バランスの実現はもとより、効率的な業務遂行による生産性の向上が期待できる制度であることから、職員の新しい働き方として定着するよう、引き続きしっかりと推進してまいります。   (南議員登壇) ◆二十三番(南恒生君) それぞれ御答弁をいただきました。 新型コロナウイルス感染症対策については、治療薬の完成の時期によっては、第二波、第三波がこれまで以上に大きくなる可能性もある中、万全の体制整備に向けた予算を今定例会中にも追加提案されるということなので、これまで以上に安心できそうであります。 デジタル技術の利活用の推進についてですが、今回の新型コロナウイルス感染症で、日本の、特に行政のIT化が随分と見かけ倒しだったのが見えてきました。5Gが実用化されていくと、いろんなセンサーからすさまじい量のデータが収集され、それをどう利活用していくのか、もう私の想像力では追いつかない未来が来るのだと思われます。超スマート社会とくしまを具現化していくことに大いに期待しております。 そして、テレワークの推進についてでありますが、東京のような都会では、勤務内容がテレワークに向いた職種も多くあり、通勤時間の長さや通勤の混雑状態のひどさから一気にテレワークが進み、標準となっていく気がします。徳島も今ある強みに磨きをかけて、働く人たちの働きやすさを高めて、生産性の向上を図っていけるよう、課題解決の取り組みをお願いいたします。 それでは、質問を続けます。 まず、本県のスポーツ推進体制についてお伺いします。 昨年、県内では、ラグビーワールドカップ二〇一九に出場するジョージア代表チームが来県し、鳴門市内で行われた公開練習では、迫力あふれるプレーが多くの県民を魅了するとともに、ラグビー教室やサイン会などを通じて、子供たちとの心温まる交流が行われるなど、大いに盛り上がったのは記憶に新しいところです。このラグビーワールドカップを皮切りに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック、そしてワールドマスターズゲームズ二〇二一関西と大規模な国際スポーツ大会の開催を迎えようとしている中、新型コロナウイルス感染症が世界を襲いました。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、東京二〇二〇オリンピックの開催が一年延期となったことを初め、全国で各種大会やスポーツイベントが中止、延期となるとともに、日常的なトレーニングや学校の部活動も行えなくなるなど、予想もしない事態となったところであります。 夏の高等学校野球選手権大会や全国高等学校総合体育大会も中止となり、三年生にとっては最後の目標を失うこととなりましたが、県予選や県総体にかわる大会が開催される動きもあるようでございますので、これまで厳しい練習に耐えてきた成果を存分に発揮してもらいたいと思います。 このように、スポーツを取り巻く環境は極めて厳しい状況ですが、今こそスポーツの力でこの難局を克服し、県民の心に夢や感動、そして勇気を与え、地域に活力をもたらさなければと思っております。そのためには、競技団体や選手の目線でニーズを的確に捉え、新しい生活様式・スマートライフにも対応した感染症に強いスポーツ施設を整備し、競技力向上や生涯スポーツの振興など、本県スポーツのさらなる発展を図り、交流人口の拡大や地域の活性化を総合的に推進できる官民挙げた強い組織体制が必要ではないかと考えております。 そこで、お伺いいたします。 本県のスポーツ推進体制の強化に、今後どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。 次に、ダイバーシティとくしまについてお伺いします。 まず、このたびの新型コロナウイルス感染症拡大により、社会経済活動、スポーツ・文化芸術活動など、県民生活のさまざまな分野が大きな影響を受けましたが、そのような中、子供や高齢者、障がい者、さまざまな慢性病患者、外国人などへの影響は特に大きく、私たちの社会が本当に多様な構成メンバーから成り立っていることを改めて認識する機会となりました。 さて、ダイバーシティ社会とは、そういう多様な方々が年齢や性別、国籍、疾病、障がいの有無にかかわらず個性を発揮し、自己実現できる社会と言われています。現在の日本は、昔よりもはるかに多様性を持つ社会にはなっていますが、少子高齢化や労働力不足が我が国の問題となる中、今後も発展を続けるためには、さらに多様性を受け入れていく必要があります。 このため、県においては、行動計画にダイバーシティとくしまの推進を掲げるとともに、本年度から、未来創生文化部にダイバーシティ推進課を設置し、誰もが活躍できるダイバーシティ社会の実現に鋭意取り組まれていると承知しています。 ただ、県民には、ダイバーシティという言葉自体なじみのない方もいるようでありまして、私の周りの人からも、よくわからないと言われたり、どういう意味ですかと聞き返されたりします。そのため、県の目指すダイバーシティ社会とはどのようなものなのか、県民にしっかりと説明することにより、県民が理解を深め、日常生活に取り入れていけるような取り組みが必要であると考えています。 そこで、お伺いします。 県民を挙げてダイバーシティとくしまの推進にどのように取り組んでいくのか、明確に示すべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、今年度、本県に設置されることとなっております消費者庁新未来創造戦略本部についてお伺いします。 我が国においては、新型コロナウイルス感染症に直面し、首都圏への過度な機能集中に警鐘が鳴らされており、こうした危機をチャンスと捉え、機能集中を見直すきっかけとしなければならないと考えております。 地方から東京圏への人口流出に歯どめをかけ、東京一極集中を是正することにより、仕事と人の創生の好循環を実現し、地方創生の推進につなげていくため、県は平成二十七年に消費者庁の誘致に名乗りを上げ、我々県議会においても、これまで本県への移転を求める意見書を五回にわたって決議し、国に提言するなど、県や関係団体と連携し、消費者庁の徳島移転を求めてきたところであります。 こうした取り組みや、消費者行政新未来創造オフィスと連携し、これまで約三年間にわたり、全国を見据えた十を超える先駆的なプロジェクトを展開し、全国モデルとなる成果が認められ、いよいよ来月には、本庁機能を有する消費者庁の新たな恒常的拠点となる消費者庁新未来創造戦略本部が、人員、規模を拡大し、県庁十階に開設されると聞いております。戦略本部の開設は、本県への大きな期待のあらわれである一方、県としても、こうした期待にしっかりと応え、県民の皆様の安全・安心につなげていくとともに、今後は消費者行政、消費者教育のさらなる進化と世界への情報発信が特に重要と考えます。 県としては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を踏まえ、持続可能な社会の実現はもとより、若年者の消費者被害未然防止など、消費者行政、消費者教育について全国をリードしていかなければなりません。 そこで、お伺いいたします。 消費者庁新未来創造戦略本部と連携し、本県における消費者行政、消費者教育をどのように推進していくのか、御所見をお伺いします。 最後に、国道四百三十八号の整備についてお伺いします。 国道四百三十八号は、地元の皆様の暮らしを支えるとともに、林業を初めとする地域産業の支えとなる道路であり、災害が発生したときには、避難路や物資を運搬する機能を担う重要な道路であります。 また、観光の面においては、見事な自然、景観、文化を兼ね備えた本県が誇る霊峰剣山への主要なアクセス道路でもあります。ことしのお山開きは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながら中止となりましたが、例年は国内外から来られる多くの観光客でにぎわいます。 しかしながら、剣山へ至る国道四百三十八号は、道幅が狭く大型バスの通行が困難な区間や、カーブがきつく見通しの悪い区間がまだまだ多く残されている状況であります。そのため、私が剣山に行く際には、地域住民だけでなく、特に走りなれていない観光客が一車線の区間でうまく譲り合うことができず、対向するのに苦労したり、観光シーズンには渋滞が発生しているところをよく目にいたします。 こうしたことから、私はこれまでも、この本会議の場で国道四百三十八号の貞光から剣山における道路整備の重要性を強く訴えてきたところであります。昨年度においても、渋滞箇所の一つであるつるぎ町捨子谷南地区の現道拡幅の早期事業化について、知事に直接要望させていただいたところであり、地元の皆様の利便性や安全性の向上のみならず、観光振興による地域活性化のためにも、剣山へのアクセス道路である国道四百三十八号の整備を進めることが重要であると考えます。 そこで、お伺いします。 国道四百三十八号の貞光から剣山間の整備状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) まず、スポーツ推進体制の強化について御質問をいただいております。 本県では、ラグビーワールドカップ二〇一九を先陣とした三大国際スポーツ大会の開催を、スポーツ振興はもとより、国際交流の促進や交流人口の拡大による地域活性化の絶好のチャンスと捉え、関連施策を積極的に展開いたしてきているところであります。 昨年九月には、ラグビー・ジョージア代表が鳴門・大塚スポーツパーク球技場において事前チームキャンプを実施し、チームからは最高の練習環境に対する感謝の言葉と高い評価をいただくとともに、県民の皆様には、世界レベルでの迫力あふれるプレーを間近で体感いただいたところであります。 こうした中で培われたおもてなしのノウハウや世界水準の環境を有するスポーツ施設を貴重なレガシーとして継承、発展させていくことによりまして、さらなる地域活性化につなげていくことは極めて重要である、このように認識いたしております。 その一方で、世界中で拡大した新型コロナウイルス感染症は、我々に不要不急の外出自粛を余儀なくさせるとともに、学校部活動の休止や各種スポーツ大会、イベントの中止、延期など、スポーツのある日常生活にも甚大な影響を及ぼしたところであり、今後、コロナと共生するウィズコロナ時代において、感染を防ぎながら、スポーツに親しみ、競技力を向上させていくことができる環境の整備がまさに急務となっているところであります。 議員御提案のとおり、スポーツの力で県民の皆様方の心に夢や感動そして勇気を与え、地域に活力をもたらすためには、これまで蓄積されたスポーツレガシーを最大限に活用するとともに、新しい生活様式・スマートライフに対応したソフト、ハード両面にわたる施策を強力に推進できる組織体制の構築が不可欠となるところであります。 そこで、競技力向上の司令塔として、各競技団体へのリーダーシップを発揮する徳島県スポーツ協会と施設の管理運営と生涯スポーツの振興を担う徳島県スポーツ振興財団が、それぞれの持つ強みを一元化することにより相乗効果を最大限に発揮することのできるよう、両法人の統合に着手いたします。 今後とも、本県スポーツのさらなる発展と地域活性化につながる施策をオール徳島で展開できるよう、スポーツ推進体制の強化をしっかりと、そして着実に進めてまいります。 次に、ダイバーシティとくしまの推進について御質問をいただいております。 人口減少や少子高齢化、労働力不足など、我が国の持続的発展を阻害する課題が山積する中、あらゆる力を結集し、この国難を打破する社会づくりが今強く求められているところであります。 年齢や性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、多様な個性や価値観が受容されることで、お一人お一人が居場所を持ち、活躍することのできるダイバーシティ社会の実現は、まさにその処方箋であり、多様な主体が持つ個性の相乗効果によりまして、創造力や競争力が生み出され、未来を切り開く原動力になるものと認識いたすところであります。 このため、県では、「未知への挑戦」とくしま行動計画の重点戦略にダイバーシティとくしまの推進を掲げ、さらに本年四月の組織機構改革におきましても、未来創生文化部の中にダイバーシティ推進課を設置し、高齢者や障がい者、外国人など、多様な主体による活躍を推進するとともに、交流と連携による相乗効果の創出に取り組んでいるところであります。 また、このたびの新型コロナウイルス感染症が社会の隅々にまで大きな影響を及ぼす中、多様な主体が社会経済活動のさまざまな担い手として活躍されていることを改めて認識させられているところであります。県としても特に大きな影響を受けた障がい者や外国人の皆様方に対し、障がい者の活動機会を創出するオンライン陶芸講座の実施、多言語による情報発信と相談体制の強化など、いち早く対策を講じているところであります。 このように、多様な主体が共存する中、行政のみならず、個人、企業、地域社会がダイバーシティの価値を理解し、それぞれの活動にしっかりと溶け込ませていくことが極めて重要である、このように認識するところであります。 そこで、本県が目指すべきダイバーシティ社会の理念と方向性をわかりやすく県民の皆様にお示しし、実現に向けた取り組みを加速させるため、学識経験者や関係団体の代表者などから成るダイバーシティとくしま推進会議を立ち上げ、さまざまな立場からの御意見を頂戴しながら、ダイバーシティとくしま推進方針を今年度中に策定いたします。 今後とも、社会経済活動を営む多様な主体が、持てる力を最大限に発揮し、生き生きと活躍することで、国難である人口減少に打ち勝つ全国のモデルとなるダイバーシティとくしまの実現にしっかりと取り組んでまいります。 次に、消費者行政、消費者教育の推進について御質問をいただいております。 消費者庁では、消費者行政、消費者教育の発展・創造及び発信・交流の恒常的拠点である新未来創造戦略本部を県庁十階に来月にも開設することとしており、消費者行政の進化と世界に向けた情報発信がいよいよここ徳島から始まることとなります。 戦略本部では、全国モデルとして成果を上げてきた若者の消費者教育や見守りネットワークのプロジェクトに加え、新たにデジタル化に対応した消費者向け啓発教材の開発、SNSを活用した消費生活相談、アプリケーションを活用した食品表示の実証など、先駆的なプロジェクトが予定されており、引き続き徳島を実証フィールドとした取り組みが加速されるよう、全面的に協力いたしてまいります。 また、戦略本部が新たに行う国際交流や国際共同研究につきましても、本県が今年二月に設立いたしましたG20消費者政策国際会合の参加者や国内学識経験者から成る徳島版国際連携ネットワークを活用し、しっかりとサポートいたしてまいります。 さらに、本年開催予定の国際消費者フォーラムにつきましては、ウィズコロナ時代を迎え、来県予定でありましたイギリス、アメリカ、フィリピンなど、世界のエシカル消費のトップリーダーの方々をウエブ会議システムで徳島と結び、世界の消費者を取り巻く社会変化・変容を捉まえました持続可能な社会の実現をテーマに、先駆的な御意見、御提言をいただき、いつでも御視聴していただくことができるよう、オンデマンド配信で実施することといたしております。この世界的に時代をリードする取り組みを、広く海外の方々を初め国内の消費者や事業者、自治体の皆様方にも御視聴いただくことに加え、学校や地域、職域など、消費者教育の現場におきましても教材として活用いたしてまいります。 今後とも、戦略本部のカウンターパートとしてさらなる連携を深め、県民の皆様に安全・安心を実感していただくことができますよう、消費者政策の浸透、定着を図るとともに、国際的視点を踏まえた施策をより一層推進し、本県が日本、ひいては世界の消費者行政、消費者教育の中心となりますよう、全力を傾注してまいる所存であります。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 一般国道四百三十八号の整備についての御質問でございます。 国道四百三十八号の貞光から剣山へ至る区間は、地域の皆様にとって、日々の暮らしに欠かせない生活道路であるとともに、発災時には命の道ともなる大変重要な道路であると認識いたしております。 また、当路線は、にし阿波における観光圏、食と農の景勝地、世界農業遺産のトリプル認定を受けた全国初の地域を周遊する道路の一角をなしており、観光道路としての重要性も高まっているところでございます。 このため、安全で快適に通行していただくため、従来から全線にわたり適切な維持管理に努めるとともに、近年は貞光から剣山に向けて順に、皆瀬、宮平、一宇、河内の四工区において道路改良工事を進めております。 まず、延長約七百メートルの皆瀬工区につきましては、急峻で人家がある山側を避け、川側へ道路を拡幅する工事を昨年三月までに終了し、観光客や地元の皆さんに御利用いただいております。 次に、延長約二・四キロメートルの宮平工区につきましては、二つのトンネルと三つの橋梁によるバイパス方式で整備を進め、これまでに蜂須トンネルを含む約一・四キロメートルを供用しており、現在は通行車両の安全を確保するため、現道部分の落石対策や舗装修繕などの工事を行っているところであります。 また、延長約五百メートルの区間で車の円滑なすれ違いを可能とする待避所を四カ所整備する一宇工区につきましては、既に一カ所を供用しており、今年度は用地取得が完了した二カ所の工事を進めるとともに、残る一カ所の用地取得にも取り組んでまいります。 さらに、最も剣山に近い延長約四百メートルの河内工区につきましては、これまでに貞光寄りの約百四十メートルを供用し、残る区間につきましては、斜面が急勾配のため、山側への拡幅が困難であることから、やむを得ず大規模な擁壁工事により川側へ道路を拡幅しており、供用部分に続く約百メートルの区間について、今年度内の完成を目指し、取り組んでまいります。 議員お話しの皆瀬工区に続く延長約三百メートルの捨子谷南工区につきましては、今年度から現地調査に着手し、効率的で効果的な整備手法について検討してまいります。 今後とも、地域の皆様の安全・安心や地域経済活動をしっかりと支えるとともに、多くの観光客の皆様にお越しいただけるよう、地方創生の礎となる道路整備を推進してまいります。   (南議員登壇) ◆二十三番(南恒生君) それぞれ御答弁をいただきました。 スポーツ推進体制の強化については、徳島県スポーツ協会と徳島県スポーツ振興財団を統合するとのことでございますが、新しい団体が協力し合って、成果を出していただけることを大いに期待するところであります。 次に、ダイバーシティとくしまの推進についてでありますが、私がダイバーシティという言葉を初めて聞いたのは随分昔でありますが、二十年くらい前のテレビで、日本人の女性が、もう余り古くてほとんど覚えていないんですが、アメリカの有名な大学の経営学修士を取って、アメリカの有名な企業の副社長に就任されてのインタビューの中で、私は日本人で女性だから採用されたというようなことを言っておりました。その企業では、同じような人を副社長にするのではなくて、多様な人間を副社長として採用する中で、そういう人たちがいろいろ議論をして会社の方針を決める、同じような考え方を持っている人ばっかりではだめなんだと、それがダイバーシティという概念だというふうに説明されていて、非常に目からうろこが落ちるような、そういう新しい考え方をそのときに思ったことを覚えております。 そういう中で、徳島県の採用においてもいろんな方を採用するとか、組織でもいろんな協議会、いろんな審議会、いろんな方がいろんな意見を出して初めて県民に受け入れられる政策というものができるのではないのかなと、ダイバーシティという本当に聞きなれない言葉ではありますが、非常に大切な概念で、日本人は特に同じ人がとにかく集まりたがるというのが私は欠点だというふうに思っているわけですが、このダイバーシティとくしまを推進して、徳島はいろんな方を受け入れる、そんなところだよと言われるようになれば大変すばらしいなというふうに思っております。このダイバーシティとくしまがうまくいくことを本当に心から祈念しております。 それから、消費者庁新未来創造戦略本部との連携で消費者行政、消費者教育の推進についてでございますが、デジタル化に対応した消費者向け啓発教材の開発等、先駆的なプロジェクトを予定されていくとのことで、徳島が消費者教育や消費者行政の先進地となれるように期待しているところであります。 一般国道四百三十八号の整備の取り組みについてでございますが、四カ所の各改良箇所の整備に関しては本当に大切なところばっかりであるわけでございますが、宮平工区は着手して十年以上の月日がたち、その中でも八百メートルのトンネルを残して、それ以外の工事はほとんど終了しています。あとトンネルだけとなってからでもすごい長い時間がたち、そのトンネルができる区間の現道では道幅が狭くて、しょっちゅう渋滞が起こっている中で、どうしてもそこを早くトンネルをつくってほしいというのが地元の切なる思いでございます。 剣山へは、穴吹からのルート、神山からのルート、祖谷からのルート、いろんなルートがあるわけでございますが、この八百メートルというトンネル、これが一つできると、剣山というのはもっともっと身近になる存在だというふうに思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 まとめに入らせていただきますが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響の中で、それまでも日本において課題だと思われていたことが、時間をかけて直していけばいいや、そんな感じの課題が、もう今すぐ直さないと大変なことになる、そんなふうな状況になってまいりました。そういう中では、本当に身を切るような思いをする方もたくさん出るのかもしれませんが、よく県の方針の中にもイノベーションという言葉が出て、私はそのたびに大体イノベーションという意味はわかってんのかと、そんなに生易しいもんじゃないよということをよく言わせてもらっているんですが、今こそイノベーションを起こして、時代おくれの部分はある程度見切りをつけなければいけない、そういうときなのかもしれないというふうに思っております。 日本は、我々は生産性が高いと思っていても、世界の統計の中では生産性が低い国というふうに言われています。中小企業で働く人が七〇%近くいて、そこはどうしても生産性が低いんだと。小西美術工藝社のアトキンソンさんは、中小企業は半分でいいんだと、そういう中で、残ったところは効率化したり、雇われなくなった人を大企業が雇っていくことのほうが日本で幸せに暮らせる人がふえる、そんなすごい、ろくに本も読んでいないので大まかなことしかわかっていないんですけれども。日本はとにかく今、本当に変わるべきとき、そういう思いの中で、我々県議会議員も一生懸命勉強して、徳島県がよりよい、住みやすい場所になっていくことのために精いっぱい汗をかいていきたいと思っておりますので、これからも知事においては、全国知事会の会長も忙しいでしょうが、徳島県のためにもっともっと働いていただいて、徳島県を住みよいまちにお互いに協力してまいりましょう。皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(岡田理絵君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時三十四分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四十八分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ────────────────────────
    ○副議長(岡田理絵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十六番・庄野昌彦君。   (庄野議員登壇) ◆三十六番(庄野昌彦君) 私は、新風とくしまを代表して質問させていただきます。 まず、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によりお亡くなりになられました方々に哀悼の意を表するとともに、今も闘病生活を送られている方々、御家族の皆様方に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。 また、この間、昼夜を問わず命がけで現場対応に当たっておられる医療関係者並びに関係各位に心より敬意と感謝を申し上げます。 四月十六日に緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、国民は不要不急の外出の自粛、休業、テレワーク、学校の臨時休業などに協力し、感染拡大の防止に努めた結果、ようやく五月二十六日には全国的に宣言が解除されました。 しかしながら、さまざまな活動の自粛等に伴い、とりわけ中小企業、小規模事業者、観光業従事者や農林水産業が厳しい環境にさらされております。今回のコロナの影響は、一九三〇年代の世界大恐慌にも匹敵すると言われています。本県でも、既に四月補正、そしてこのたびの六月補正と対策を打っているところでございますけれども、県民の命と暮らしを守るため、引き続き各部局が連携し、機動性を持って取り組みを進めていただきたいと思います。 大都市部を中心に感染者が散見され、収束にはまだ至りませんが、第二波、第三波に備え、感染予防と社会経済活動を両立させる新しい生活様式を引き続き模索し、この危機をみんなで乗り越えていきたいと思っております。 六月四日には、オンラインでの全国知事会が開催され、新型コロナウイルス対策の強化を国に求める提言をまとめました。大都市部への過度な人口集中は感染拡大のリスクが高く、地方分散の必要性を強調し、人口分散に向け、テレワークなど多様な働き方ができる環境整備や中央省庁の地方移転などを進めるとしております。この間、コロナ対策において、知事の発言や発信力が注目される中、全国知事会長として大きな役割を果たしておられることに敬意を表しつつ、質問に入らせていただきます。 まず、気候変動対策への取り組みについてお伺いいたします。 近年、国内では、この三年間に九州北部豪雨、西日本豪雨、そして昨年の房総半島台風や東日本台風など、これまでにない大規模災害が発生しており、温暖化のもたらす気候変動の脅威が差し迫っております。 気候変動に関して、一九七〇年四月二十二日、環境問題への市民の関心を高め、政府の対策強化を求めるために、米国で大規模集会が開催されたことを契機に世界に広がったアースデーという活動があります。ことしは五十周年の節目でありましたが、新型コロナウイルスの影響で大規模集会ではなく、スウェーデンのストックホルムとアメリカのワシントンをつないだオンライン気候会議の開催が報道されておりました。その会議の中では、コスタリカからの出席者が、気候変動はマラリアやデング熱などを拡大させるだけでなく、気温が高くなり雨がふえることで新たな病気の蔓延をもたらすとの警鐘が鳴らされておりました。私としては、この指摘のとおり、今後、地球温暖化による気候変動により自然環境が変化することによって、人々の生活への影響が生じるとともに、すみかを広げた野生生物が人に近づくことによって、その生物が持つ未知のウイルスによる新たな伝染病を生じさせ、今回の新型コロナウイルス感染症のように、全世界でパンデミックを引き起こすことを強く危惧しているところであります。 温暖化防止に向けては、世界各国で危機意識が共有され、日本も温室効果ガスの削減目標が設定されるなど、対策が進められているところであり、本県でも、徳島県地球温暖化対策推進計画を策定し、温暖化対策となる自然エネルギーの積極的導入、特に私としてもこれまでも後押ししてきた、普及が期待される水素の活用に向けた積極的な取り組みなど、これまでの先進的な取り組みや、また昨年の二〇五〇年温室効果ガス排出実質ゼロの宣言も高く評価しているところであります。 一方で、気候変動は、相次ぐ大規模災害が示すとおり、既に私たちの暮らしに影響を及ぼしていることから、新たな伝染病への対応も含め、その影響から県民の生命や財産を守る取り組みを講じていくことも重要な課題であると認識しております。 そこで、お伺いします。 気候変動対策として脱炭素社会の実現に向けた対策とともに、気候変動による県民の生命や財産への影響を軽減する対策を講じるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、本県への移住促進について、さらに力を入れるべきとの見地から質問いたします。 先月十五日、政府のまち・ひと・しごと創生本部は、東京圏に暮らす二十歳から五十九歳の方のうち、実に四九・八%が地方での暮らしに興味があるとするアンケート結果を取りまとめました。この情報を参考に、移住促進に向けたウエブサイトの創設がこの秋にも予定されているとお聞きしております。今回の新型コロナウイルス感染症の発生を受け、いわゆる三密状態が多い大都市で今後仕事をし、暮らしていくといったスタイルから、少し不便でも、自然豊かな地方に住みたい、仕事を見つけたいという流れ、傾向はますます強まるだろうと予測されております。 本県は、サテライトオフィスの誘致にも力を入れ、誘致企業数で全国一位を誇るなど、その成果も上がっております。今後は、テレワークを中心に、東京ではなく地元や自分の住みたい場所に住み、仕事をする、そのことが都市部への人口集中を避け、根本的な感染症対策になると考える方も多いのではないでしょうか。 こうした流れを察知され、飯泉知事におかれましては、早速今議会で、都市部の大学生が転入学や再入学により県内の大学を選び直す支援金を補正予算として御提案され、我々県議会も先議により対応したところでありますが、こうした助成制度を最大限に生かしていくためにも、都市部の皆さんに地方で暮らすことの選択肢を提示し、徳島暮らしのすばらしさを訴えていく必要があると考えます。 そのためには、国がウエブサイトを新設して行う一元的な情報発信だけではなく、コロナ収束後の社会、いわゆるアフターコロナ時代を見据え、本県が有する魅力を市町村や地域の皆さんとの連携を図りながら、県が率先して情報発信していくことが重要となるのではないでしょうか。 そこで、お伺いします。 アフターコロナ時代における徳島の魅力発信をどのようにしていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、ポストコロナにおける県としての企業誘致についてお伺いします。 多くの方が指摘しておりますが、コロナ危機が終息したポストコロナの世界は、これまでとは大きく違うものになるだろうと私も考えます。 まず、指摘されているのが、グローバル社会の危うさであります。これは、五月二日の新聞に載っておりました記事でありますけれども、コロナショックの特徴は、需要と供給を一気に凍りつかせたことであり、まず中国で経済活動が停滞し、サプライチェーン--部品の調達・供給網が寸断され、日本では部品調達のおくれで稼働停止に追い込まれる工場が相次ぎました。本県でも、家のリフォームなども、トイレや風呂などといった水回り製品が納入されず、工事が進まないといったような声をたくさん聞きました。これは全国的な課題ではありますが、今までは車や家電製品、住宅機器など、製造業を中心に海外での製造がウエートを占めておりましたけれども、コロナ後はサプライチェーンの見直しができてくるように私は思います。 また、東レ経営研究所、宮原淳二氏は、これも五月二日の新聞でありますけれども、過度に加速する東京への人口集中を是正するため、今こそ企業の分散化を再考すべきときだと指摘をしておりました。東京圏--一都三県でありますけれども、この東京圏への人口流入は年々高まっており、総務省の調査では、人口の約三割、三千六百六十万人となっております。主たる要因は企業数の偏重であります。東京に百人以上の企業が約三七・〇%も集中しています。利便性の高い交通インフラに加え、企業の本社機能や数多くのコンビニ等、経済合理性は高いと言われておりますが、自然災害やウイルス感染にはもろいことが明らかになりました。 そこで、お伺いいたします。 県としても、製造業から情報通信産業まで幅広く誘致を進めてきておりますけれども、コロナ後の企業の分散化を見据えた積極的な企業誘致活動を推進してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、動物虐待防止、助けられる犬猫の殺処分ゼロを目指し、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 私は、過去の質問においても、動物愛護思想の普及、啓発活動の重要性などを訴えてまいりました。動物愛護管理センターが神山町に開設され、十五年以上が経過する中で、県、市町村、獣医師会やボランティア団体を初め関係者の御尽力により、犬猫殺処分数も一万匹を超えていたのが、七百匹台へと減少してまいりました。動物を飼うということは家族がふえることでありまして、動物の命は飼い主の手にあります。これからも引き続き努力していくことが重要であります。 さて、県では、昨年、徳島県動物愛護管理推進計画を新たに策定し、動物の適正飼養や助けられる犬猫の殺処分ゼロを目指しております。 そんな中、本年六月一日には、虐待など動物の不適正な取り扱いへの対応強化を目的とする動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正が一部施行され、犬猫の所有者に対する繁殖制限の義務化やペットの殺傷、虐待に対する罰則が強化されました。 この一部改正では、ペットが大量に繁殖し、十分に世話ができない多頭飼育崩壊の問題を見据え、著しく適正を欠いた密度での飼育は虐待であると明記するとともに、傷つけられたり、虐待された動物を診療した獣医師に対しても、これまで努力規定だった通報が義務化されることになっております。 さらに、ペット販売業者に対しては、インターネット販売を規制するための販売事業所における対面説明の義務づけや、生後五十六日以下の犬猫販売を禁じる八週齢規制や、ペット遺棄を防止するための販売時のマイクロチップの装着・登録義務化が来年以降、順次施行されます。 本県においても、動物虐待の防止、助けられる犬猫の殺処分数削減を目指し、動物愛護管理センターを中心に大きな成果を上げていますが、今後、県民のさらなる愛護思想の確立と助けられる犬猫の殺処分ゼロを目指し、動物愛護法一部改正への対応も含め、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、獣医師職員の処遇改善についてお伺いいたします。 公務員獣医師の確保対策につきましては、本年二月議会でも寺井議員さんに取り上げていただきました。私も過去何度か本会議でこのテーマを取り上げてきましたが、やはり獣医師職員給料表の改善が大きな力になるものと確信しております。 県としても、これまで試験制度の変更や大学訪問、インターンシップなど、さまざまな取り組みをしていただいておりますが、採用予定者数を確保できず、退職獣医師の再任用などで何とか業務を遂行しているとお聞きしております。 本県の獣医師職員の処遇改善は、平成二十七年の人事委員会勧告で初任給調整手当は全国トップクラスの月額五万円、四年目まで据え置き、その後漸減し、採用から十五年間の支給となっております。処遇改善の重要性を考慮していただいた結果だと敬意を表します。 しかしながら、現在の現役の獣医師職員は、全て医師、歯科医師と同じ六年間の獣医学教育を受け、国家試験をクリアした獣医師であります。しかし、給料表を見ると、医師は医療職一表、獣医師は医療職二表と異なっており、給与の比較でも大きな開きがあります。獣医師の処遇改善を進めていかないと、ますます県庁を希望する獣医師が不足すると考えます。 そこで、お伺いします。 給料表は人事委員会の勧告事項であり、全国的な大きなうねりが必要だとは思いますが、全国知事会長であります飯泉知事の大きなリーダーシップにより、公務員獣医師給料表の改善に向けた動きをしていただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。 御答弁をいただき、登壇してまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 庄野議員の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、気候変動対策の取り組みについてであります。 世界の気温は産業革命以降、既に一度上昇しており、パリ協定では、これまでの上昇を含め一・五度以下に抑えるとの合意形成がなされ、日本では、二〇五〇年に温室効果ガス排出量を二〇一三年度比八〇%削減する目標を掲げているところであります。 県におきましては、全国初となる脱炭素社会の実現を掲げるすだちくん未来の地球条例や、徳島県地球温暖化対策推進計画に基づきまして、自然エネルギーの導入促進や環境団体と連携した普及啓発活動の実施など、ハード、ソフト両面における対策を推進いたしているところであります。 その結果、二〇一七年度の温室効果ガス排出量は、二〇一三年度比で約二三%の削減を実現しており、二〇三〇年度五〇%削減の目標達成に向け、順調に推移いたしているところであります。 さらに、究極のクリーンエネルギー「水素」につきましては、去る五月二十八日、東亞合成株式会社が行います全国初となる地産エネルギー副生水素を活用した製造と供給を一体的に行う水素ステーションに対し、国庫補助金の交付決定がなされたところであり、今後、水素社会実装を一層加速いたしてまいります。 また、各国が温室効果ガス排出量の削減目標を達成したとしても、世界の平均気温は中長期的に上昇することが避けられず、大雨の頻度の増加や農作物の品質の低下、さらに議員からもお話しのように、媒介動物による感染症の蔓延など、リスクが増大することが懸念される一方で、ハモやアシアカエビなど南方系魚介類の漁獲量の増加やワカメを初めとする県独自の気候変動対応型品種の開発など、プラス面も期待されるところであります。 そこで、去る三月策定いたしました二〇五〇年温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す徳島県気候変動対策推進計画(緩和編)とあわせ、今年度、新たな処方箋として、気候変動の影響によるリスクや被害を最小限にとどめ、影響のプラス面を効果的に活用する気候変動対策推進計画(適応編)を策定し、緩和と適応の両輪により、総合的な施策を強力に展開いたしてまいります。 今後とも、気候変動に臨機応変に対応し、県民の皆様方の安全・安心な暮らしの確保や持続可能な社会の未来への継承に向けまして、環境首都とくしまとして、日本、そして世界をリードしていくとの気概を持ち、全力で取り組みを進めてまいります。 次に、アフターコロナ時代における本県の情報発信について御質問をいただいております。 本県では、これまで、豊かな自然や全国最先端のICT環境をあわせ持つ環境を生かし、サテライトオフィスやデュアルスクールにより、自然の中での開放的な暮らしぶりをアピールポイントとして情報発信を展開することで、都市部から多くの移住者を呼び込んでまいりました。 このたび、新型コロナウイルス感染症は、都市部を中心に社会経済活動に深刻な影響を与え、過度な人口集中が感染症に対していかに脆弱であるのか、このことを浮き彫りにする一方で、リモートワークを初めとする新たなライフスタイルの導入は、若者を中心とした価値観を変容させ、今まさに地方回帰への関心が大いに全国で高まっているところであります。 加えて、これまで岩盤規制とされてまいりましたオンライン診療や遠隔授業が実現するなど、新しい社会への気づきを促したことで、今回のライフスタイルの変革は一過性ではなく、コロナ終息後の社会においても新常態、いわゆるニューノーマルとして根づいてくるものと認識いたしております。 全国一の立地数、そして今では総務省の統計数値とまでなりました本県初のサテライトオフィスに代表されるように、本県におきましては、新しい生活様式が既に日常の姿として息づいている姿を発信することは、とくしま回帰の重要な鍵になるものと考えており、今後とも、こうした流れを強く引き寄せてまいりたいと考えております。 そこで、今般のコロナ禍を受け、国内データ通信量が何と五割増しとなるなど、動画視聴回数が大きく増加していることから、徳島での暮らしの中での自宅、学校、店舗といったさまざまな場面における徳島の日常を映像化し、訴求力の一層高まった動画ネットの配信をフル活用し、情報発信を強力に展開いたしてまいります。 動画制作に当たりましては、ごらんいただく方の心をより引きつけるよう、県内で活躍される映像クリエーターの皆様方による見る人の気持ちを揺さぶるとがったデザインやユニークな演出、臨場感あふれるVR動画の活用といった創造性あふれる映像で、オンラインを活用した働き方や自然と調和した暮らしぶりなど、徳島らしさを表現し、地方移住に興味、関心を持つ方の感性に直接訴えかけてまいりたいと考えております。 今後到来するアフターコロナ社会に先んじて、徳島ならではの情報発信を展開し、とくしま回帰を推進することにより、新時代における地方創生を徳島からしっかりと実現することができるよう、全力を傾注してまいる所存であります。   (後藤田副知事登壇) ◎副知事(後藤田博君) 新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた企業誘致を推進してはどうかとの御質問でございます。 企業誘致の推進は、国内における安定的かつ適正な産業配置とともに、地方経済の活性化と雇用創出を図る上で極めて重要であると認識いたしております。 本県では、これまでも世界的な強みを有する製薬やLEDを初め、ものづくり産業の集積や拠点化を進めますとともに、全国屈指の光ブロードバンド環境を生かして、多くの雇用創出が見込まれるコールセンターやデータセンターの戦略的な企業誘致を進めてまいりました。 この結果、これまで製造業で四十社、情報通信関連で四十九社、合わせまして総数八十九社、延べ百三十を超える事業所の新設や増設が行われまして、約三千人の雇用が創出されたところでございます。 また、議員御指摘のとおり、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、大都市圏における過密社会の脆弱性が浮かび上がりますとともに、テレワークやオンライン会議など、多様で柔軟な働き方の普及と相まって、社会の価値観が密から疎へと変革をしつつありまして、まさに地方の魅力がこれまで以上に大きく見直されてきております。 この潮流を絶好のチャンスと捉えまして、首都圏、関西圏で開催する徳島ビジネスフォーラムのリモート配信、また注目を集めますサテライトオフィス先進地の4Kやドローン空撮映像での紹介など、さまざまな工夫を凝らしまして、リアルとリモートを組み合わせた効果的な誘致活動を積極的に推進してまいります。 加えて、既に徳島県に立地をいただいて、創業・成長を実現されましたサテライトオフィス経営者にも御参画いただき、人的ネットワークを生かした強い情報発信によって、企業が企業を呼ぶ仕組みを創設し、より戦略的なプロモーション活動へとつなげることで、徳島が創業の地として選ばれますよう、官民協働でしっかりと取り組んでまいります。   (志田危機管理環境部長登壇) ◎危機管理環境部長(志田敏郎君) 動物愛護思想の確立、助けられる犬猫の殺処分ゼロについての御質問をいただいております。 県では、昨年四月、動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正に対応しまして、今後十年間の動物愛護管理に関する目標、施策を定めた徳島県動物愛護管理推進計画を策定いたしました。この推進計画では、行政、住民、団体が一体となって地域の取り組みを促し、動物の適正飼養の啓発と徹底による動物遺棄・虐待防止対策に取り組むとともに、助けられる犬猫の殺処分ゼロを目標として、さまざまな施策を実施することといたしております。 まず、議員のお話にもありました犬猫の所有者に対する繁殖制限義務化に関しましては、県獣医師会を初めとする関係団体と協力しまして、不妊去勢手術のメリットや、昨年度に支援内容を充実した手術の助成制度の周知を図ってまいります。 また、今回虐待であることが明記されました著しく適正を欠いた密度での飼育につきましては、市町村等との連携により、犬猫の多頭飼育の実態把握にまず努めますとともに、無制限な繁殖により飼育管理が困難な状態に陥らないよう、動物愛護管理センター及び保健所の動物愛護管理監視員が適切な助言、指導を実施してまいります。 さらに、ペットの遺棄防止のための販売時のマイクロチップ装着・登録の義務化でありますとか、幼齢な個体を親から引き離す虐待行為を防ぐために、生後五十六日以下の子犬、子猫の販売を禁止する八週齢規制などにつきましては、動物取扱業者に対する動物取扱責任者研修の実施や、動物愛護管理監視員による定期的な監視、指導によりまして、新たな制度の周知とともに、法令遵守及び事業者責任の徹底を図ってまいります。 本県におきましては、これまでの取り組みの成果といたしまして、平成三十年度から令和元年度にかけ、犬猫の譲渡頭数が三百十四頭から二百五頭ふえて五百十九頭、また助けられる犬猫の殺処分数につきましては、三百五十七頭から三百三頭減りまして五十四頭という状況でございまして、目標達成に向け着実に歩みを進めているところでございます。 今後とも、推進計画に基づいたさまざまな施策の展開によりまして、法改正に的確に対応するとともに、動物の虐待防止、助けられる犬猫の殺処分ゼロの実現に向け、動物愛護思想の浸透による、人と動物がともに暮らせる「うるおいと喜び」のある地域づくりにしっかりと取り組んでまいります。   (久山経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(久山淳爾君) 公務員獣医師給料表の改善についての御質問でございます。 高病原性鳥インフルエンザやCSF--豚熱を初めとする家畜伝染病の侵入リスクへの対応はもとより、食品に対する安全性確保への取り組みなど、多様かつ専門的な知識に基づく公務員獣医師の役割や責務は、近年、ますます増加しておるところでございます。 しかしながら、獣医学生の間では、大都市圏において犬や猫などの小動物の臨床を希望される方が多く、特に地方において公務員獣医師の確保は大変厳しい状況にあるところでございます。 そこで、より多くの方に本県で公務員獣医師として働くことを希望していただけるよう、給与面におきましては、平成十四年度から家畜保健衛生所勤務の獣医師に対し給料の調整額を支給するとともに、平成二十年度に初任給調整手当を創設し、平成二十八年度には支給額を全国トップレベルに引き上げるなど、早い段階から処遇の改善を図りまして、毎年度一定数の獣医師を確保しているところでございます。 一方、近年、新型コロナウイルス感染症を初め、従来知られていなかった新しい感染症が次々と発見されまして、しかもその多くが動物由来の感染症とされておるところでございます。 こうした中、その対策を担う公務員獣医師の安定的な確保は、本県のみならず全国的な課題となっていることから、公務員獣医師の処遇を、その役割と社会的評価に見合ったものへと改善していくことが大変重要であると認識しておるところでございます。 そこで、全国知事会会長県として全国をリードしていく立場にある本県が率先いたしまして、現在、総務省が定める基準により、公務員獣医師に適用する給料表が決められていることに対しまして、各自治体が主体的に見直しを行えるよう、内閣府に対し規制緩和の提案を行ったところでございまして、今後、関係省庁に対しましても、時宜を得た政策提言を実施したいと考えておるところでございます。 また、給料表を初めとする給与制度の見直しには、第三者機関である人事委員会との連携が必要であることから、公務員獣医師を取り巻く現状につきまして、同委員会と情報の共有を図りまして、本県が全国のモデルとなるような給料表の改善を初めとする獣医師の処遇改善に積極的に取り組んでまいります。   (庄野議員登壇) ◆三十六番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントさせていただきます。 まず、気候変動対策につきましては、知事から御答弁をいただきまして、気温や海水温の上昇などによって、近年、台風の巨大化による自然災害の発生や、このたびの新型感染症の発生など、今後、地球全体で考えていかなければならない大変大きな課題であるということでございます。本県でも、水素エネルギーなど先進的な取り組みを進めてきておりますけれども、引き続いて、この地球規模的な大きな課題を克服するために、リーダーシップを発揮して頑張っていただきたいと考えております。 また、二点目の本県への移住の促進につきましては、今後、このコロナの終息後、一つのきっかけとなりまして、地方、田舎での暮らしを望む方が私はふえてくると思っております。仕事の紹介、住居の紹介なども非常に重要になってくると思いますが、積極的な情報発信を行っていただいて、本県への移住促進を図っていただきたいというふうに思います。 それから、コロナ後の企業誘致につきましては、リアルとリモートを組み合わせた効果的な誘致活動を進めていくとの御答弁をいただきました。これも他県との競争になると思いますけれども、アンテナを高くし、頑張っていただきたいと思います。 動物愛護思想の確立、助けられる犬猫の殺処分ゼロに向けての取り組みは、御答弁で平成三十年度から令和元年度にかけて犬猫の譲渡頭数が三百十四頭から二百五頭増の五百十九頭、また助けられる犬猫の殺処分数が三百五十七頭から三百三頭減の五十四頭となっているとの答弁がありまして、本当に動物愛護管理センターを中心にボランティアの方々や獣医師会、関係各位の御尽力に敬意と感謝を改めて申し上げる次第でございます。これからも法改正に的確に対応され、助けられる犬猫の殺処分ゼロに向け、また県民への動物愛護思想の啓発活動など、さらに取り組みを進めていっていただきたいと思います。 五点目の獣医師職員の処遇改善についてでありますけれども、私もたびたび申してきておりますけれども、今回、公務員獣医師に適用する給料表につきまして、内閣府に規制緩和の提案を行っていただいたとの御答弁があり、また本県が全国のモデルとなるような給料表の改善に積極的に取り組むとの非常に前向きな御答弁をいただきました。今後、人事委員会とも連携しながら、早期な処遇改善がなされるように期待しておきます。 それでは、質問を続けてまいります。 人権侵害への対応についてお伺いします。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまな人権侵害が起こっております。 一つは、感染者本人や御家族、濃厚接触者、医療従事者などへの偏見や差別です。また、感染のリスクに立ち向かいながら、仕事を継続しなければならない方々との接触に対して、一部嫌悪感や危険視の対象とされるような悲しい現実もあります。新しい生活様式の中、なるべく接触を避けることは必要ですが、社会全体で感染症などに対する正しい知識を共有し、過度の偏見を持たない倫理観ある行動が必要であります。 新型コロナウイルス感染症は、ワクチンも治療薬も開発されていないためか、人々に多くの不安や恐怖を与え、そのことによって他人に不寛容となり、誹謗中傷や差別につながっております。この未曽有の事態の中、社会を支えている人々には感謝するのが当然だという認識を広げる取り組みが必要ではないでしょうか。県においても、人権侵害は許さないといった強い思いで広報活動を行うべきと考えております。 また、インターネット上の書き込みにおける誹謗中傷事案も発生しております。女子プロレスラー木村花さんのテレビのバラエティー番組での言動でSNSが炎上し、多数の匿名のばり雑言が彼女に浴びせられ、みずから命を絶ったと報道されております。二十二歳という余りにも若い方の死に心が痛みます。 このような誹謗中傷や差別を助長する書き込みは、インターネットの社会でもあふれております。県では、私からも御提言申し上げ、平成三十年度から人権ネットモニタリングを行い、定期的に監視を行っておりますが、悪質な差別書き込みの全てを削除することはもとより不可能であります。国は、プロバイダー責任制限法の改正による発信者の特定を容易にする制度の構築を検討しておりますが、県としても、悪意ある言葉や被害者の痛みにどう対応していくかが問われていると思います。 そこで、お伺いします。 新型コロナウイルス感染症に係る人権侵害やインターネット上の人権侵害に対し、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、本県畜産ブランドへの支援対策についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、本県の畜産は今大きな危機に立たされております。特に高価格帯の食肉、阿波牛や阿波とん豚、阿波尾鶏などの徳島のブランド品は、県内外のホテルや外食産業の需要が大きく減少しております。阿波牛については、四月補正予算にて対策が提案され、学校給食で子供たちに本県のブランド和牛を食べていただく用意ができており、これは食育にもつながると期待しております。 今、畜産物の消費は家庭内へと移行しており、スーパーでも一般の豚肉、鳥肉の売れ行きは比較的堅調に推移しているところでありますが、反面、和牛肉を初めとする高価格帯の食肉は販売が著しく低迷しております。 特に、本県において官民一体となって長年にわたり育んできた阿波尾鶏、阿波とん豚は、さきの委員会で報告された県の調査によると、取引量が約七割も減少しており、かつて畜産行政に携わった経験のある私としても、生産者、関係者の御苦労を思うと悲しい気持ちになります。何とかみんなの力を合わせ、知恵を出して、この危機を乗り越えていかねばと思います。 阿波尾鶏は、県南部や県西部を中心に、豊かな自然環境の中、愛情を注いで育てられ、厳重な品質・流通管理体制のもと、本県のみならず全国の消費者の皆様方へ届けられており、地鶏のリーディングブランドとしての揺るぎない地位を確立しております。 また、阿波とん豚は、ニホンイノシシの遺伝資源を活用し、肉のやわらかさやジューシーさ、滑らかな品質の脂--さしが特徴であり、全国に誇れる最高の豚肉だと思っております。 これら本県が誇る畜産ブランドをしっかりと守っていく必要があると強く考えているところであります。 開会日に知事から、本県農林水産業の事業継続について言及がありましたが、県がしっかりとこの緊急事態に畜産農家や関連業界の皆様方が将来にわたり希望を持って経営を行っていけるように、強力に支援をすべきであります。 そこで、お伺いします。 本県畜産ブランドである阿波尾鶏、阿波とん豚を守っていくため、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、公立・公的病院の病床数は、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の経験から、安易に削減すべきではないという見地から質問いたします。 厚生労働省は、昨年九月二十六日、再編統合等の議論が必要な病院として全国四百二十四の公立・公的病院のリストを公表しました。厚生労働省の分析は、二〇一七年の古いデータが使用され、地域の実情を考慮しない全国一律の基準であり、唐突な公表の仕方は非常に乱暴なものでありました。各地で名指しされた病院はなくなると受けとめられ、地域住民の不安と混乱を招き、自治体や議会からは抗議の声が上がったことを思い出します。 今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大では、医療現場の血のにじむような御苦労、院内感染の不安、命の危険と隣り合わせという大変な状況が浮かび上がってまいりました。特に公立・公的病院は、新型コロナウイルス対策で中核的な役割を果たし、非常時において、地域医療を支える非常に重要な存在であることが改めて認識されたところであります。 新型コロナで多くの死者が出ているイタリアでは、財政健全化のために、過去五年間で七百六十の医療機関が閉鎖され、医師も看護師もそれぞれ五万人以上不足しているとの報道もあります。 感染第二波、第三波に備え、人の命を守る病院の病床数を社会的共通資本として確保しておくことは、大変重要なことであると考えております。 そこで、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、公立・公的医療機関の再編統合を今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。 次に、自殺対策についてお伺いします。 我が国の自殺者数は、平成十年から平成二十三年までの間、三万人を超えておりましたが、令和元年においては二万百六十九人となるなど徐々に減少しており、本県においても、ここ十年間の自殺者数についても減少傾向でありました。 しかしながら、五月二十六日の新聞報道によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大による解雇や雇いどめは一万人を超えており、また五月二十八日の新聞で紹介されておりましたが、電話で悩みの相談を受け付けるNPO法人東京自殺防止センターにおいて、三月に入り、新型コロナウイルスに関する相談が急増したとのことであります。 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常生活を取り戻し、経済活動や学校活動が再開されることに伴い、人間関係によるストレスや新しい環境への適応、失業、借金といった生活困窮の問題など、コロナ疲れ、コロナ鬱、五月病となる方々が増加するおそれがあります。特に若者の自殺は長期の休み明けに起こりやすいということに加え、学校の長期休校に伴う受験勉強や将来に対する不安、確かな人生設計が見通せないなど、若者の自殺増加が懸念されます。また、新型コロナウイルスを契機に、在宅勤務、テレワークが進み、これまでの働き方さえも変えてしまうなど多大な影響を与えており、在宅勤務の孤独感によるテレワーク鬱も注目されております。 社会のあり方を変え、働き方までも変えた新型コロナは、人々の心に大きなダメージを与えています。心の不安や経済的な苦境から自殺者がふえるおそれがあり、新型コロナ禍における相談事業に万全を尽くさなければなりません。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナ禍における自殺対策に今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、木育の推進についてお伺いいたします。 森林は、鳥や動物、昆虫などさまざまな生命を育み、空気と水を浄化し、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスを吸収し、木の中に炭素として固定するなど、貴重な多面的機能を果たしております。しかし、地球規模的に見れば、特に南米やアフリカで大規模な森林減少が起こっていることが報道されております。森林減少が続けば、地球温暖化を食いとめることも難しくなります。 一方、国内の林業の状況は、木材輸入の自由化や価格の長期低迷で管理が行き届かない森林が多く存在しております。森林を適正に管理することにより、木材の価格を高め、多面的機能を確保、充実させていくことは、将来世代にとっても大変重要であります。幸い森林環境税も導入され、林業従事者、担い手の確保などにも大きな力となり、山の管理、適正化にも力を発揮すると思います。 本県も県産材の積極的な活用として、公共施設への木材利用、また子供の教育、木育ということが近年注目され、木のおもちゃを子供の誕生のお祝いに贈る自治体もふえてきております。 私もことしの二月に東京で開催された第七回木育サミットin新木場に参加してまいりましたが、子供のころから木を身近に使っていくことを通じて、森林、林業、林産業を元気にさせ、山村、里山を中心とした地域経済を活性化させることにもつながるということがわかりました。 しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症により景気が失速する中、林業や木材業界も木材需要が低迷し、大きな影響を受けていると聞いております。また、外出の自粛や施設の利用制限などで、親子で伸び伸び遊べる場や学べる機会も少なくなってきております。 こうした状況の中、県があすたむらんどに設置しようとしている徳島木のおもちゃ美術館は、林業関係者だけでなく、多くの子育て世代からも、コロナ収束後の明るい話題として期待の声が寄せられております。また、にぎわいづくりの観点からも、全国から多くの方が訪れてもらえる魅力的な施設としていただきたいと考えております。 そこで、お伺いします。 徳島木のおもちゃ美術館について、県民に親しまれる木育の拠点として、またコロナ収束後に全国から誇れる観光拠点を目指し、どのように整備していくのか、御所見をお伺いいたします。 答弁をいただき、まとめに入ります。   〔古川議員退席、出席議員計三十四名となる〕   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 徳島木のおもちゃ美術館の整備について御質問をいただいております。 本県は、県土の四分の三を占める豊かな森林に恵まれ、林業・木材産業を初め、木工、家具製造業が古くから発達し、遊山箱や阿波木偶といった木の文化が息づいております。 こうして培われてきた本県の伝統や文化を生かし、赤ちゃんから高齢者の皆様方まで多くの方々が集い、森林や木がもたらす恩恵を学び、遊び、そして体験することができる、新たなにぎわいの創出拠点として木のおもちゃ美術館を整備することとして、現在、あすたむらんど徳島・四季彩館を改修する基本設計を行っているところであります。 具体的には、木の香りが満ちあふれる館内に、感性豊かな心を育む赤ちゃんの木育広場や、家族で木工体験が楽しめる木育工房を初め、VR、ARによりまして林業や大工さんの職業体験をすることのできるごっこフォレスト、人形浄瑠璃や紙芝居が楽しめるミニ農村舞台などの配置を計画いたしております。 また、木育の普及を担う常駐スタッフ・木育インストラクターに加え、森林の役割や木のおもちゃの遊び方を伝えるボランティアスタッフ・木のおもちゃ学芸員を養成し、心のこもったおもてなしの運営体制を構築することによりまして、子育て世代はもとより、幅広い世代の方々にも十分御満足をいただける美術館を目指してまいります。 さらに、県内二十カ所で活動されております、すぎの子木育広場に対する人材交流や魅力的なおもちゃの貸し出しなどを通じ、県内の木育活動の活性化を図りますとともに、全国一の集客を誇る東京おもちゃ美術館の発信力を活用し、関西圏初の本格的なおもちゃ美術館として、県内外からの誘客につなげてまいります。 こうした木のおもちゃ美術館の開館を来年開園二十周年を迎えるあすたむらんどの記念事業と位置づけ、来年夏予定の記念イベントを皮切りとし、レストランくつろぎ館の木質化リニューアル、木のおもちゃ発表会、完成前内覧会などプレイベントを順次開催した後に、あすたむらんどの新たな中核施設として美術館をグランドオープンさせていただきます。 今後、徳島木のおもちゃ美術館が、アフターコロナ時代に癒やしと希望を与え、多くの皆様方から愛される施設となりますよう、しっかりと整備を進めてまいります。   〔古川議員出席、出席議員計三十五名となる〕   (福井副知事登壇) ◎副知事(福井廣祐君) 新型コロナウイルス感染症に係る人権侵害やインターネット上の人権侵害に対し、どのように取り組むのかとの御質問をいただいております。 新型コロナウイルス感染症は、誰もが感染する可能性があるにもかかわらず、本県を含む全国で感染された方や医療従事者、またその御家族などに対する誹謗中傷や差別事案が発生いたしております。 議員お話しのとおり、医療従事者を初めとする社会生活に必要不可欠な仕事を担われておりますエッセンシャルワーカーの皆様方は、感謝されるべき存在であって、誹謗中傷や差別につながる行為は決して許されるものではありません。 県では、人権に配慮した対応を促すため、いち早く人権啓発ポスターを作成し、市町村や関係団体に配布するとともに、スポーツや文化など、各界で御活躍をいただいております本県ゆかりの皆様に御協力をいただき、「思いやりでコロナに打ち勝つメッセージ動画」を作成し、動画共有サイトユーチューブでの配信、県の新型コロナウイルス対策ポータルサイトやSNSでの情報発信を行うなど、啓発を強化しているところであります。 さらに、インターネット上の人権侵害につきましても、これまで県が実施いたしております差別書き込みに対するモニタリングにおきまして、先月十五日から新型コロナ対策政策創造・情報発信タスクフォースの職員や県内の大学生による体制を大幅に強化し、新型コロナに関する悪質な書き込みについて、プロバイダー事業者への削除要請を行っております。 また、全国知事会では、国に対し、実効性のある人権救済制度の早期確立を繰り返し要望してきており、今回の新型コロナ対策に係る政策提言におきましても、人権に配慮した対策を求める中、国においては、インターネット上の匿名による誹謗中傷に関し、投稿者を特定しやすくする制度改正の検討が進められているところであります。 県といたしましては、国の対応を待つことなく、被害者支援体制の強化を図るため、新たにインターネット上の人権侵害相談日を設け、弁護士による投稿者に関する情報開示や法的措置に向けた助言など、被害者に寄り添ったきめ細やかな支援を行ってまいります。 今後、ウィズコロナ時代においても、互いに思いやり、全ての人々の人権が尊重される社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。   (松本農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(松本勉君) 阿波尾鶏、阿波とん豚の支援対策についての御質問をいただいております。 このたびの新型コロナウイルス感染症の影響により、本県が誇る畜産ブランドである阿波尾鶏や阿波とん豚につきましても、県内外において需要が大きく減退しており、生産者を初めとする関係者の皆様から不安の声をお聞きしているところであります。 特に、緊急事態宣言の解除後、社会経済活動を段階的に引き上げていく中にあって、畜産ブランドの需要を回復させるためには、阿波尾鶏、阿波とん豚の滞留在庫の解消、新しい生活様式に対応した需要喚起などが喫緊の課題であります。 そこで、本定例会において先議によりお認めいただいた県産畜産物活用型経済活性化事業により、生産者はもとより、ホテルや飲食店などと連携し、阿波尾鶏、阿波とん豚をふんだんに活用したテイクアウト商品やメニューの開発、ネット通販サイトによる食材セットの販売など、新しい生活様式に対応した需要の喚起を一層図ってまいります。 事業の実施に際しましては、健康的な飼育環境を伝える動画配信をあわせて行うなど、民間事業者から幅広く斬新なアイデアを御提案いただき、効果的な対策を支援してまいります。 さらには、県内大学の学生食堂を通じて、学生の皆さんに阿波尾鶏、阿波とん豚を利用した食事を提供し、将来にわたり県産畜産物を御愛顧いただける徳島ファンの醸成を図ってまいります。 また、阿波尾鶏を県内小中学校、特別支援学校の学校給食に提供し、地元の豊かな食材のよさを学んでいただくことで、未来を担う児童生徒が郷土に対し愛着と誇りを育む機会へとつなげてまいります。 今後、ウィズコロナの時代に、意欲ある生産者の皆様が夢と希望を持って経営に取り組めるよう、本県畜産ブランドをしっかりと守ってまいりたいと考えております。   (仁井谷保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(仁井谷興史君) 私から二点お答え申し上げます。 初めに、新型コロナウイルス感染拡大を受け、公立・公的医療機関の再編統合をどのように進めていくのかとの御質問でございます。 昨年九月二十六日、厚生労働省から再編統合などの議論が必要な病院として全国四百二十四の公立・公的病院が公表され、本県におきましては、当初五病院、最終的には四つの病院が対象となったところでございます。 しかしながら、二月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、国が再検証を要請した当時から医療現場を取り巻く環境は一変しております。公立・公的医療機関におきましては、感染症指定医療機関、あるいは帰国者・接触者外来としての役割を担っていただいておりまして、新型コロナウイルス感染症患者を治療する最前線として大変重要な役割を果たしているところでございます。 今後の第二波、第三波に備えて、公立・公的医療機関の役割はますます重要になっており、公立・公的医療機関の再編統合については、議論の土台自体から改めてしっかり検討し直すよう国に求める必要があると考えております。 そこで、五月二十八日に開催された近畿ブロック知事会議におきまして、公立・公的医療機関の再編統合については、厚生労働省はもう一度考え直すべきと飯泉知事から提案を行い、近畿ブロック知事会による新型コロナウイルス感染症対策に関する提言において、コロナ対策に大きく寄与した公立・公的病院の体制の堅持を訴えたところです。 また、六月四日の全国知事会による国への提案・要望におきましても、地域の公立病院の存在意義が実証されたことから、地域医療構想を進める上で十分に考慮することとの提言が盛り込まれたところです。 もとより団塊の世代が七十五歳以上となります二〇二五年を見据えまして、持続可能な医療提供体制を構築するためには、国と地方が共通の認識を持ち、一致協力して地域医療構想の実現を図ることが不可欠ではありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、危機事象への対応も可能な体制をつくるという視点を盛り込み、しっかり検討する必要があると考えており、国に対してもあらゆる場面でしっかりと考え方を伝えてまいりたいと思います。 次に、新型コロナ禍における自殺対策についての御質問でございます。 本県における令和二年四月の自殺者数は六人と、四月の数字としましては最近五年間で最少となっております。また、一月から四月までの累計者数も三十一人と、自殺死亡率が全国最小であった平成三十年の同時期に三十五人であったということと比べましても減少傾向で推移しております。この傾向は全国的にも同様であり、緊急事態宣言が出されたことによりまして活動自粛が行われたことによって、社会的悩みが減少した、あるいは家族らによる見守りの機会がふえたということが要因とされております。 しかし、今後、社会経済活動が徐々に再開される中、経済・学校活動などに係る対人関係のストレスや失業、倒産などの経済問題などにより、自殺リスクが高まることが懸念されております。 県におきましては、今年度、精神保健福祉センターのサテライトを南部と西部に設置し、ひきこもり支援の切り口でテレビ電話を活用したオンライン相談を既に開始しているところです。 これに加えまして、心の相談支援の入り口をさらに広げ、感染リスクに配慮し、対面相談や街頭啓発といった従来型の活動にかわる手法として、インターネット上で不安や悩みについて発信、検索した際に、自殺予防の相談窓口を広告の形で表示、誘導するICTを利用した新たな取り組みを開始いたします。この検索連動型広告による非対面型の啓発事業は、ウィズコロナ時代における社会構造の変革やライフスタイルの多様化において、今後ますます重要性が高まると考えており、自殺の危険性がある方に、ネット上で思いとどまるよう呼びかけることが期待できます。 また、検索キーワードの組み合わせを月単位で変更することにより、社会情勢の変化に柔軟かつ機動的に対応し、悩みを多く抱える方を一人でも多く相談窓口に結びつけてまいります。 さらに、若い世代に利用者が多いSNSの相談窓口を設置し、隠れた相談ニーズの発掘や気軽に相談できる体制を構築してまいります。加えて、広報媒体としてのSNS機能を活用し、心の不安や生活上の悩みを持つ方々に対して、本県の新型コロナウイルス関連のさまざまな支援策を包括的に情報発信してまいります。 こうした相談支援事業に万全を尽くし、誰も自殺に追い込まれることがない暮らしやすい徳島の実現に向け、全力で取り組んでまいります。   (庄野議員登壇) ◆三十六番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、新型コロナウイルス感染症に関しての心ない人権侵害やSNS等を通じた人権侵害については、だんだんとエスカレートする傾向が見受けられます。県としては、いわれない誹謗中傷、差別事象については、これからも厳しい態度で取り組んでいただきたいと思います。 また、阿波尾鶏、阿波とん豚は、徳島の畜産ブランドを代表するすばらしい品質であります。生産者が将来に向けて安心して飼育、生産ができるように、継続した御支援をお願いいたしておきます。 公立・公的医療機関の再編統合については、新型コロナ感染拡大を受け、大きな政策変更が求められています。全国知事会長としての知事の御発言は非常に大きかったと思います。本当に地域の病院は命のとりでであります。県としても、これからもしっかりと県民の命と健康、暮らしを守るために守り抜いていただきたいと思います。 それから、自殺対策については、御答弁でICTを活用した対策が今後ウエートを持ってとられようとしております。コロナの影響で生活困窮や健康問題等による相談が急増すると思われます。SNS等あらゆる手段を用いて、相談業務をこれからも遂行していっていただきたいと思います。 木育については、関西圏初の徳島木のおもちゃ美術館が令和三年度完成に向け着々と準備されており、来年夏からはプレイベントがさまざま実施されるということがわかりました。この美術館は、子育て世代はもとより、幅広い方々にも満足いただける美術館をこれからも目指していくんだという答弁もいただいたところであります。これからも関係者の御協力、御支援をいただきながら、木のよさ、森林の持つ多面的機能を県民の皆様にもっともっと知っていただくようなすばらしい施設となることを期待しておきます。 これで全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(岡田理絵君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時五十八分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時二十二分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     原     徹  臣 君     六  番     北  島  一  人 君     七  番     梶  原  一  哉 君     八  番     仁  木  啓  人 君     九  番     東  条  恭  子 君     十  番     浪  越  憲  一 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     須  見  一  仁 君     十五 番     井  川  龍  二 君     十六 番     古  川  広  志 君     十七 番     高  井  美  穂 君     十八 番     長  池  文  武 君     十九 番     吉  田  益  子 君     二十 番     岡     佑  樹 君     二十一番     元  木  章  生 君     二十二番     岡  田  理  絵 君     二十三番     南     恒  生 君     二十四番     岩  丸  正  史 君     二十五番     寺  井  正  邇 君     二十六番     黒  崎     章 君     二十七番     扶  川     敦 君     二十八番     達  田  良  子 君     二十九番     喜  多  宏  思 君     三十 番     重  清  佳  之 君     三十一番     嘉  見  博  之 君     三十二番     岡  本  富  治 君     三十三番     杉  本  直  樹 君     三十四番     西  沢  貴  朗 君     三十五番     臼  木  春  夫 君     三十六番     庄  野  昌  彦 君     三十七番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 九番・東条恭子君。   (東条議員登壇) ◆九番(東条恭子君) 新しい県政を創る会の東条恭子でございます。新しい県政を創る会を代表いたしまして、質問させていただきます。 新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波に向けて、県民の不安を少しでも和らげることができたらと思い、質問してまいります。真摯な御答弁をいただけますよう、よろしくお願いいたします。 三密ということで、傍聴の方々には十分御連絡できませんでしたけれども、傍聴においでていただき、ありがとうございます。 冒頭、今回の感染症によってお亡くなりになられた方お一人お一人の御冥福をお祈り申し上げます。また、感染された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 さて、県民生活や県内経済に大きな影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症については、去る五月十四日、本県でもいち早く緊急事態宣言が解除となったところでございます。状況が刻一刻と変わる中、感染症対策に日々携わっていただいている県職員を初め、県民、事業者の皆様、第一線で献身的に取り組んでいただいている医療現場の皆様には、本当に頭が下がる思いであり、心から敬意と感謝を申し上げます。 一方で、新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐため、外出自粛や自主的な休業等を余儀なくされたことにより、生活不安や今回の打撃を受けて疲弊されている県内事業所、多くの方からの切実なお声を私も聞いております。第二波、第三波がいつ襲ってくるか先行きの見通しがつかず、なかなか知事の言われる反転攻勢に及ぶ気力・体力が残っていない状況で、危機感を県民が共有し、不安を払拭していく必要があるのではないかと感じております。 知事におかれましても、記者会見などを通じて県民にわかりやすい発信をしていただいているとは思いますが、五月二十九日に発表したとくしまアラートについては、感染拡大が見られる場合の対応基準を示し、危機感を県民が共有するという意味ではなかなか伝わりにくいものではないかと思います。 例えば、さきの御答弁にもありましたように、本県が生んだLEDを活用した県庁のライトアップは、見える化という意味で非常に効果的で、このような情報発信の取り組みを市町村も含めて広げていくことが大切だと感じます。 ほかにも、県民の意見をもとに情報の充実と伝えやすさを追求して創意工夫による知事発信が必要であると考えます。つまりは、県民や県内事業所の皆様のニーズをアンテナ高くキャッチし、新型コロナ対策について知事みずからリーダーシップを発揮し、わかりやすく効果的な情報発信をすることで、徳島県全体が一つとなり、危機感を共有できる意識啓発など、県民と一体となるさまざまなアプローチが必要と考えます。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波、これは来ないように防ぐことに力を注ぐことはもちろんですけども、不幸にも来たときは、知事がリーダーシップを発揮し、県民が一つになれるような情報発信や意識啓発を図っていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルス第二波、第三波に備えた検査体制の充実についてお伺いいたします。 第一波の際、全国的には新型コロナウイルスによる感染症ピークに対応する負荷が原因で、一部の重篤患者が緊急治療室で治療できないほど医療体制の崩壊が叫ばれておりました。大阪の吉村知事は、医療崩壊を起こさないためにと、五月五日、自粛解除の独自基準、大阪モデルの見える化によって、感染拡大防止社会経済活動の両立を提案されました。 先ほども触れましたが、徳島においても五月二十九日、とくしまアラートとして、一、感染観察--直近一週間の累積新規感染者数五人以上、感染経路不明者数二・五人以上、二、感染拡大注意--直近一週間の累積新規感染者数十人以上、感染経路不明者数五人以上、三、特定警戒--直近一週間の累積新規感染者数三十人以上、感染経路不明者数十五人以上など、感染状況の段階に応じた対応方針を設定されております。 特に医療分野については、感染拡大予防に向けた体制整備が重要となる中、先般、私も保健所を訪れ、お話を伺ったところ、第二波、第三波への備えが重要となる局面において、これまでは相談を初めとした対応で全員が対応していらっしゃいました。検体採取に係る時間が相当かかっていたところ、ドライブスルー方式や唾液PCR検査など、検査拡大の体制強化に向けた新たな対策が進んでいるとおっしゃっていました。 さらには、県立病院の対応状況を伺ったところ、医師、看護師、スタッフ等のチームで対応する際、メンバーはある程度経験を積んだ者が当たるため、病院での専門員のマンパワー不足が懸念されており、医療従事者、特に医師、看護師も含めた人材確保や人材育成が課題との声をいただきました。 このような感染拡大防止に向けた取り組みが急務となる中、相談から検査まで、より迅速に検査が受けられる検査体制の充実はもちろんのこと、PCR検査と組み合わせることで活用可能な抗原検査、またその体制を支える人材の育成、クラスター対策など、検査体制整備への取り組みを急ピッチで進めるべきであると考えます。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えた検査体制の充実にどのように取り組んでいくか、御所見をお伺いいたします。 次に、雇用の維持、確保に向けた対策についてお伺いいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大により、全国的に雇用情勢は悪化しておりますが、現時点では本県への影響は比較的小さいとされています。しかし、公益財団法人徳島経済研究所が六月二日に公表いたしました徳島経済レポートの県内景況によりますと、個人消費や住宅投資が大幅に落ち込んでいるほか、雇用環境が弱めの動きとなっているなど景気は悪化が続いており、極めて厳しい状況にあるとされております。 また、私に寄せられる声の中には、非正規で働かれている方の多くが仕事を失ったり、事業を経営されている方の中には、もう仕事を続けられないといって事業をもう既にやめられた方、今回の第一波はどうにか切り抜けられたが、今後の対応はとてもやっていけないとおっしゃる事業所が多いのも事実です。全国に発令されていた緊急事態宣言が解除され、社会経済活動は段階的に引き上げられておりますが、景気回復には相当の時間を要し、今後、雇用情勢はさらに悪化することが十分に想定されます。 これまで県においては、国や関係機関と連携し、さまざまな施策に取り組み、その効果もあって、本県の雇用情勢に大きな影響は目に見えて生じていないものの、疲弊している事業所は多く、今後、増加することが懸念されます。雇用調整や解雇等に備え、失業者や休業者への支援策を充実させることにより、何としても県民の雇用の維持と確保を図ることが必要だと考えます。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナ状況下において、今後、増加が懸念される失業者への就労支援や求職者向けの職業訓練など、雇用の維持、確保に向けた対策をどのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナ状況下における食の充実についてお伺いいたします。 今回、日本が他国に比べ現時点では感染者数、死者数とも爆発的にはふえておらず、日本の体制を称賛され、注目されております。日本の中でも、本県は、岩手県感染者数ゼロ、鳥取県感染者数三に続き、感染者数五人で少ない県として注目を浴びております。今後は、あの徳島に住みたいと思っていただけるよう、さまざまな視点で分析をする必要があると思います。 私なりに分析したのは、食、つまり食べ物にもその一つの要素があるのではないかと考えます。食べ物は自然から育み、命と直結している本当に大切なものです。徳島は自然に恵まれた水、空気、太陽が免疫力を高めているのではないか、山あり、海あり、豊かな大地があります。 「タネと内臓」を執筆した吉田太郎さんから伺ったお話ですが、世界中で激増する肥満、アトピー、花粉症、アレルギー、学習障がい、鬱病などが、腸内細菌の乱れにあることがわかってきている。腸を広げると、体育館いっぱいぐらいになる。また、吉田先生御自身が有機野菜を食べて糖尿病を克服し、インシュリンを打っていたけれども、有機野菜を摂取して、もう注射は打たなくてよくなった。農薬や除草剤を含んだ野菜では良質の腸内細菌が死滅してしまう。腸は脳ともつながっており、有機野菜を食べることで認知予防にもつながる。有機野菜が日本を変えるとまで言われました。 新型コロナウイルスに負けないための食生活が求められる中、地産地消の観点で、有機野菜など安心・安全に食べられる野菜や地元農産物に取り組む本県農家さんを支援することや、そういった農産物を積極的に取り入れた日々の食生活など、食環境づくりへの取り組みが、ひいては糖尿病予防などを含めた健康県徳島につながるのではないかと考えます。 そこで、お伺いいたします。 有機野菜など安心して食べられる農産物の生産を支援するとともに、これらの農産物を活用した食環境づくりに資する健康県徳島に向け、食に力を注ぐ施策が求められていると考えますが、御所見をお伺いいたします。 それぞれ御答弁をいただき、次の質問をさせていただきます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 東条議員の御質問にお答えさせていただきます。 新型コロナ感染症の第二波、第三波に向けまして、県民が一つになれる情報発信、意識啓発を図るべきとの御質問をいただいております。 本県では、新型コロナ感染症を迎え撃つため、私自身対策本部長として常に陣頭に立ち、状況に即応した対策を講じるとともに、フェーズ--局面に応じて適時開催いたしております対策本部会議や記者会見では、県民の皆様に寄り添い、私自身の言葉でメッセージをお伝えさせていただいているところであります。 また、四月から、県ホームページに新型コロナウイルス対策ポータルサイトを開設し、県内の感染状況や支援制度の紹介など各種情報をわかりやすく取りまとめ公開するとともに、新聞、またその普及率は九〇%を超え全国ナンバーワンのケーブルテレビ、タウン情報誌、SNSなど、さまざまな媒体を組み合わせ、幅広く県民の皆様方に届くよう、積極的な情報発信や意識啓発に努めているところであります。 現在、県内の感染者数は、医療従事者を初め県民の皆様方の御協力により、全国でもかなり低い水準に抑えられておりますが、新たなフェーズ--局面に入った今、第二波、第三波の感染拡大に備えつつ、本県の社会経済活動を着実に引き上げていくためには、議員お話しのように、これまで以上に県民が一つになった取り組みが必要であると、このように認識いたしております。 私は、日ごろ、このように藍色のマスクを率先して着用させていただいておりまして、多くの方々も清涼感を感じられる、また清潔感あふれる藍色のマスクを好んで着用されておりますことから、近年、乳がん予防啓発のイメージカラーとしてピンク色が定着しておりますように、例えば県議会からの御提案により定められました県の色であります徳島が世界に誇る藍色を、県民の皆様が一つとなってコロナを克服しようというメッセージを一目であらわすイメージカラーとすることに、多くの県民の皆様方が御賛同をいただき、積極的に藍色の物を身につけていただきアピールしていただければ、大変すばらしいのではないか、このように考えるところであります。 このように、県民の皆様方が一つになれるような情報発信や意識啓発を展開していくため、新型コロナ対策政策創造・情報発信タスクフォースをフルに活用いたしまして、県民や事業者の皆様方から新型コロナに関する困り事やニーズなど、生の声を丁寧に酌み取り、必要な情報を動画やイメージカラーを活用してわかりやすく見える化を行い、広報媒体の選択にも工夫しつつ、県民の皆様方にスピード感を持ってお届けするとともに、新しい生活様式や医療従事者の皆様方への感謝の気持ちなどを県民の皆様がまさに自分事として捉えていただき、連帯感を持って取り組んでいただくことができますよう、メッセージ性の高い意識啓発に努めてまいります。 今後とも、私を先頭といたしまして、県がリーダーシップを発揮し、県民目線に立った効果的な情報発信や意識啓発を、市町村の皆様方とも連携し進めることによりまして、全ての県民の皆様がとくしまスマートライフ宣言のもと、心を合わせ、新しい生活様式を実装し、コロナと共生するウィズコロナ時代を希望を持って乗り越えていくことができますよう、しっかりと取り組みを進めてまいります。   (福井副知事登壇) ◎副知事(福井廣祐君) 食に関し二点御質問をいただいております。 まず初めに、有機野菜などを安心して食べられる農産物の生産支援についての御質問でございますが、有機農産物につきましては、消費者の皆様方の食の安全・安心への意識の高まりを受け、量販店におきましては特設コーナーが設置されるなど、需要の高まりが見られるところであります。 こうした消費者に求められる農産物をわかりやすく示すため、化学肥料、化学合成農薬を使用しない有機農産物や、五割以上削減した特別栽培農産物の区分による国の認証表示制度が運用されており、本県では、これらの農法による生産の拡大に向けた取り組みを支援しているところでございます。 具体的には、認証取得に向けました営農相談や適正表示のための講習会の開催、土壌分析や病害虫防除についての技術指導など、きめ細やかなサポートに取り組みますとともに、消費者へのPRとして、オーガニック・エコフェスタの開催支援やオリンピック・パラリンピック関連イベントへの食材の提供をこれまで行ってまいりました。 この結果、平成二十六年度末に八十一ヘクタールであった県内の有機及び特別栽培農産物の生産面積は、平成三十年度末には、県行動計画の目標面積を超える百六十二ヘクタールにまで倍増したところであります。 また、本年度からは、国の事業である環境保全型農業直接支払交付金の拡充を受け、有機栽培農家への交付額を十アール当たり、最高一万四千円に引き上げるとともに、新たにECサイトを活用した販売支援を積極的に展開いたしてまいります。 今後とも、さまざまな対策を講じることにより、環境に優しく、持続可能性の高い有機農業の推進になお一層しっかりと取り組んでまいります。 次に、食環境づくりに資する健康県徳島に向け、食に力を注ぐ施策を行うべきとの御提言をいただいております。 県民の健康づくりの推進につきましては、適切な食習慣を身につけることが何よりも重要であると、このように認識いたしており、県ではこれまで健康徳島21に基づき、関係機関、団体と連携を強化いたしまして、正しい食情報の発信と健康的な食品、食事をとりやすい環境の支援に積極的に取り組んでいるところであります。 特に野菜摂取量アップにつきましては、「みんなでつくろう!健康とくしま県民会議」への野菜摂取量アップ専門部会の設置や、県独自に設定したとくしま野菜週間における集中的な啓発活動や、徳島野菜を使ったヘルシーレシピコンクールの開催など、一日三百五十グラムを合い言葉に、県民総ぐるみで各種施策を行ってまいりました。 その結果、平成二十三年度に発表されました国民健康・栄養調査結果では、野菜の摂取量が、男性は全国最下位の四十七位、女性は全国四十六位であったものが、直近の平成二十九年度に発表されました調査結果では、男性は八位、女性は全国三位と大幅に改善いたしました。しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症による外出自粛により、健康への悪影響が大いに懸念されているところでもあります。 そこで、健康とくしま県民会議の野菜摂取量アップ専門部会を発展させ、新たに販売事業者に御参画をいただき、農産物の販売促進、さらには健康増進の融合による施策の検討を図ってまいります。 加えて、食生活改善推進員を中心とする地域の健康づくりボランティアの協力を得て、これまでの一堂に会する料理教室方式を見直し、地域住民への個別訪問を実施することにより、県産野菜の配布、利用促進につなげるとともに、野菜摂取の重要性について周知啓発を行ってまいります。 今後とも、食による健康づくりを推進するため、各種施策にしっかりと取り組んでまいります。   (仁井谷保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(仁井谷興史君) 新型コロナウイルスの検査体制の充実にどのように取り組んでいくのかとの御質問をいただいております。 本県では、四月二十一日の五例目以降、新たな感染者は確認されておりませんが、今後の第二波、第三波に備え、検査体制の充実強化が必要であります。 まず、検査につながる相談体制といたしましては、二十四時間対応の一般相談窓口や、県内六保健所に帰国者・接触者相談センターを設置するとともに、県看護協会への委託による相談センターの体制強化、県医師会への委託によるかかりつけ医からの専用相談窓口の設置など、体制の充実を図ってまいりました。 次に、検体採取の拡大といたしましては、帰国者・接触者外来設置医療機関を当初の三カ所から十五カ所に拡大するとともに、県医師会への委託によりドライブスルー方式の地域外来・検査センターの運営を五月二日から開始しております。 さらに、検体採取体制を拡充するためには、従事する人材の確保と育成が必要であることから、地域外来・検査センターの開設前に、県医師会、県看護協会の皆様約百名を対象に、検体採取に必要な実践訓練を含む研修会を開催したことに加え、今後の感染拡大時には、必要な研修を受けた歯科医師もPCR検査への従事が可能となることから、歯科医師の皆様を対象とした研修会を来週開催することといたしております。 最後に、検査処理能力の増強といたしましては、県保健製薬環境センターに新たな検出試薬と検査機器を導入し、今週から従来の倍となります一日最大百九十二件の検査実施を可能としたほか、今後は国の第二次補正予算に盛り込まれました検査体制充実のための予算を活用し、県内医療機関への検査機器の配備を進めてまいります。 あわせて、クラスター発生時には、PCR検査とうまく組み合わせることでその有用性が発揮できる抗原検査につきましても、必要に応じて活用してまいります。 このように、相談、検体採取、検査の各段階におきまして、医師、歯科医師、看護師の関係者の協力も得ながら、体制を充実強化し、次の感染拡大期を迎え撃つ準備を整えてまいります。   (黒下商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(黒下耕司君) 今後、増加が懸念される失業者への就労支援など、雇用の維持、確保に向けた対策につきまして御質問いただいております。 新型コロナウイルスの感染拡大から県内中小・小規模事業者の業と雇用を守るため、保証つき低利融資と組み合わせた全国初の上限百万円の給付金制度や、実質無利子、保証料ゼロの新たな融資制度などにより支援を行っているところでございます。 また、国の雇用調整助成金制度について、県独自の上乗せ助成制度を創設し、全国知事会からも数次にわたる提言がなされました結果、解雇等を行わない中小・小規模事業者の事業者負担ゼロが国の制度に盛り込まれますとともに、限度額の大幅アップや助成期間の延長など、支援内容の充実が実現したところでございます。 新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい経済・雇用情勢に加え、今後、第二波、第三波の発生も懸念されるところであり、この時期に失業者や求職者に対する支援策の充実を図ることが肝要であると考えております。 そこで、新たな就労支援として、県外を含む新規学卒者や求職者を対象に、ウイルス感染リスクに対応したウエブによります企業説明会や面接力強化セミナーを実施いたしますとともに、就職氷河期世代を含む幅広い世代の求職者を正規社員に雇用する企業や、事業所内での正規社員化を進める企業に対し助成を行うことにより、雇用の充実を図ってまいります。 また、求職者に向けては、民間訓練機関と連携し、資格や高度な技能を身につけ、安定した就労へとつなげるためのIT、AIプログラミング、介護、医療事務などの訓練に加えまして、建設業界の情報化に対応した高度建設技能訓練の実施など、三十講座を超える多様な訓練を展開し、産業界のニーズに応じた即戦力となる人材育成と就労の促進を図ってまいります。 こうした取り組みによりまして、新しい生活様式の実践と社会経済活動レベルの引き上げ、これの両立が求められる重要な局面のもと、本県経済を支える雇用の維持、確保に向け、全力を傾注してまいります。   (東条議員登壇) ◆九番(東条恭子君) 本日、私も藍染めのマスクを、それと上着も着てきました、よかったです。飯泉知事から県民が一つになるようにと前向きな御答弁をいただきました。 医療関係者の方から、徳島県は東京都の人口割合の十五分の一で、徳島県では感染者が二桁になれば医療崩壊になるのは間違いないと言われました。県民と医療崩壊を避けるため、既にLEDでの県庁ライトアップも出されましたが、この危機を乗り切るため、鳴門市でしたら鳴門大橋、徳島でしたら眉山、市町村においても庁舎のLEDでのライトアップなど、見える化によって市町村ともつながって連携し、県民の要望を取り入れ、徳島県全体が一つとなり、危機感を共有できるとくしまアラートにしてはいかがでしょうか。徳島県のリーダーとして、県民とつながるわかりやすい情報発信、意識啓発を期待いたしております。 新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えた検査体制の充実についてですが、現在、かかりつけ医からの連絡は一〇〇%検査していると聞いています。症状だけではその人が感染しているか、していないか、わからない現状況で、今後は不安を抱え、検査を申し出た希望者には検査ができる体制を整えていただきたい。早く感染者を見つけて隔離や治療をしていかない限り、感染拡大を防ぐ方法はないと考えます。 感染症制御の基本は、早期発見、早期施設隔離、早期入院と受診です。一般外来とは別の感染症特別外来、発熱外来を整備し、迅速に検査選別、隔離、治療を行うシステム構築を、第二波、第三波に備えて進めていただけるようお願いいたします。 雇用の維持、確保に向けた対策でございますが、新型コロナ第一波の余波を受け、今後、解雇や内定取り消し、廃業がふえてくると想定されます。感染症対策のステージも十分踏まえながら、ハローワークや関係機関とも連携し、働く場へのマッチング、職業訓練等、本県ならではの支援メニューの充実した雇用施策をお願いいたします。 新型コロナ状況下における食の充実についてですが、人は成長期に何を食べたかで一生が決まると言われています。特に、「つ」がつく年齢、すなわち九歳までが大切で、アメリカの研究では、特に六歳までの食事がその子の一生に及ぶ健康や知能に影響を与えると言われています。有機野菜など安心・安全に食べられる野菜栽培をする上では、土台づくりが一番重要だと考えます。理想は、よい土壌によい作物が育ち、病害虫もつきづらく、収穫まで農薬のお世話にならない。そうしてできた野菜は理想的だと言えます。そういった可能性を持つ土地は、徳島県にまだまだあり、今なら自給率をも上げていける、まだ間に合うのではないかと思いました。 新型コロナで、都会に住んでおられる方から、自然豊かで食の安心・安全なところに住みたい、子供たちを伸び伸び育てたいとの反響がありました。仕事は遠隔地でオンラインを使ってできることが、この新型コロナウイルス感染症で実証されています。これを機に、住みやすい県、健康県徳島のアピールをお願いいたします。ちなみに、六月は食育月間だそうです。 それでは、続いて質問に移ります。 次に、新型コロナ状況下における修学支援についてお伺いいたします。 教育は国家百年の計、この国の基礎をつくる人材育成と認識しております。その現場、学校も、新型コロナウイルス感染症の影響で、三密を避けるためにいち早く臨時休業となりました。人生の節目の入学式や卒業式、また学年末や新学期の大切な三月、四月、五月の休業は、子供たちには学習のおくれや心身に大きな影響を与えたと想像するところです。 本県においては、先ほど御答弁にもありましたとおり、四月補正予算において、学校の臨時休業に対応し、児童生徒の学力の向上を図るため、ICTやオンラインを活用した在宅学習支援、学校の実情に即した独自の取り組みの推進や個々に応じた学習環境の提供について取り組んでいただいていると思います。 さらに、文部科学省は、去る六月五日付で、学校現場で学習のおくれが深刻化している問題で、再開等に向けたその対策として、「学びの保障」総合対策パッケージを公表、全国の教育委員会や学校関係者に通知されたと伺っております。 こうした中、このたびの新型コロナウイルス感染症対策の学校臨時休業は、子供たちの家庭生活にも大きな影響を及ぼしたと聞いております。特に、子供の貧困問題は深刻であり、二〇一六年国民生活基礎調査によると、日本の子供の相対的貧困率は一三・九%、実に日本の子供の約七人に一人、約二百八十万人が貧困状態にあることを示しており、その半数がひとり親世帯と言われております。これら世帯は、今回の新型コロナによってより深刻な状況に陥っております。このことから、新型コロナウイルス感染症拡大により急激に家計に大きな影響を受けている高校生等を持つ世帯に対するきめ細やかな支援が不可欠であると考えます。 これまでも高校生等の教育費負担の軽減策として、授業料については、就学支援金制度と授業料免除制度により公立高等学校に通う生徒を持つ高所得世帯を除く多くの世帯で実質無償化となっています。加えて、授業料以外の学費、教科書や学用品、PTA会費等の校費や修学旅行の積み立てなどについては、低所得世帯を対象に返還不要の給付金を支給する奨学のための給付金制度があり、国及び県の制度により支援されているものと伺っております。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大により、失業、収入の減少など、急激に家計に大きな影響を受けている高校生等を持つ世帯に対し、今回新たに従来の制度を拡充させ、不安や心配を抱く世帯のニーズに合った迅速かつきめ細やかな支援を行うことが急務であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大により、急激に家計に大きな影響を受けている高校生等を持つ世帯に対し、県としてどのような支援策を講じていくのか、またどのような周知をしていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、自然エネルギーの推進についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響で、徳島県内、日本全国、そして世界経済が大きな打撃を受ける中、ことしの世界経済フォーラム、通称ダボス会議のテーマは、「グレート・リセット」と決まりました。この六月初旬に発表されています。世界をコロナ以前と全く同じように戻すのではなく、今回あぶり出された弱点を検証しながら、産業構造を含めて、コロナ以前よりももっと公正で持続可能な社会につくりかえるべきという意味を込めたテーマです。 このグレート・リセットの大きな柱になるのがグリーンリカバリー--緑の回復と言われるものです。具体的には、感染症拡大によって停滞していた経済復興のための政策によって、次世代の人々が利益を享受できるように、産業のグリーン化を復興策の中核にするということです。その要素として、建物やインフラの改修、循環経済の推進、自然エネルギーへの投資、運輸やロジスティックのグリーン化が挙げられております。 ヨーロッパ議会ではEU各国の環境大臣、IKEA、レゴ、マイクロソフト社など、大手のCEOや二十八の業界団体代表などが署名したグリーンリカバリー・アライアンスが四月に発足しました。日本では、六月初旬に、小泉環境大臣と日本気候変動イニシアティブ--JCIの代表者メンバーとのウエブ会議の主要なテーマとなりました。この際、小泉大臣は、地域から再生可能エネルギーの需要を掘り起こしていくことで、再生可能エネルギーの導入を進めるため、自治体への後押しを拡充していきたいと述べられました。 ちなみに、JCIには、企業、団体、NPOなど四百七十九の組織が参加しており、その中の都道府県自治体としては、六月八日時点で六都県が参加、東京都、長野県、滋賀県などとともに徳島県も入っています。これらを先取りした動きをぜひ徳島からつくっていただきたいものだと考えています。 過去の県内の事例を数字を挙げて、四例御紹介いたします。 一つは、みつばちソーラー発電所です。二〇一四年からの事業で百二十キロワット、県内資本の株式会社が事業者となり、出資金は三百万円を一口一万円で三百口、寄附により集めています。寄附者は、寄附金額相当の農産物が四回、年一回四年間に分けて届き、三百万円は地元農産市の収入になります。事業者、寄附者、村内の農業従事者の誰もが得する仕組みで、順調に発電を続けています。 二つ目は、那賀町の株式会社きとうむらによる五百キロワットのソーラーです。資本金二千万円を一口一万円の寄附を集めて、五年間毎年二千円相当のユズ、またはユズの加工品を寄附者に送っています。 三つ目は、牟岐町の海のソーラー八十四キロワット。 四つ目は、鳴門市です。学校の屋上で四カ所行っており、合計百四十三キロワット、収益の半分は鳴門市に寄附しています。 いずれも再生可能エネルギーの生み出す利益を地元に返すことで地域の産業を振興し、少しでも地域の再生を図る力になるよう考案されました。地域の自然エネルギーを、そこに住む人たちが地域の活力に変える仕組みです。 これらの事例を踏まえて、お伺いいたします。 新型コロナ不況を受けて、地域経済再生への取り組みとして、世界の潮流を見据え、全国の先駆けとして、自然エネルギーの導入促進を県としても後押しすべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、DV被害者支援の取り組みについてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症がパンデミック--広い範囲での流行病となり、各国で学校は休校、企業、役所は在宅勤務、集会やイベントは中止、外出は制限となりました。 このような中、DV被害者について最初に報じられたのはフランスで、外出規制後三割増加したという報道であり、その後、イギリスやアメリカでも同様の事態が伝えられ、日本でも相談件数が増加していると報じられました。内閣府が新設したDV無料相談窓口には、一カ月で電話やメールなど計約四千四百件の相談が寄せられたほか、全国の配偶者暴力支援センターに四月に寄せられたDV被害相談件数は一万三千二百七十二件で、昨年四月の約一・三倍になっており、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の要請や休業要請などで生活不安やストレスが強まったことなどが増加の原因と、橋本聖子男女共同参画担当相が五月二十二日の会見で明らかにしました。 徳島では、六月十二日の次世代育成・少子高齢化対策特別委員会で、県内の配偶者暴力支援センターに寄せられたDV相談件数について、四月は百六十九件、昨年より十二件増、五月は百八十七件、昨年より三十一件ふえていると、五月から始めた夜間相談には、現在五件の相談があったと回答されました。民間支援団体からは、夫が自宅にいるから相談ができない、今ベランダから電話をしているという情報も入っています。この数字は氷山の一角で、本当に相談できない人がまだまだいらっしゃると考えます。 また、DVは児童虐待とも密接に関係しています。昨年の質問でも申し上げましたが、各女性・児童相談機関の連携はもとより、命にかかわることは徳島県警察署との連携を欠くことはできません。公的機関ではサポートの限界もあり、今後は専門性の高い民間支援団体との連携の必要性を感じております。 そこで、お伺いいたします。 新型コロナ状況下において、関係機関との連携強化を踏まえ、DV被害者支援のための取り組みをどのように進めていくのか、お伺いいたします。 以上、それぞれ御答弁をいただき、まとめていきます。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた高校生等を持つ世帯への支援についての御質問でございます。 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、日本経済はもとより世界経済が窮地に陥っており、企業や家計はかつてない大きな打撃を受けております。高校生等を持つ世帯についても例外ではなく、このような状況のもとで子供たちの学びの継続をいかに保障するかが重要であると認識しており、可能な限りの支援策を講じてまいりたいと考えております。 まず、国の補助を活用した県制度である奨学のための給付金については、例えば住民税非課税世帯の第一子である県立高校生には年額八万四千円を支給することとしており、これまでは前年の収入額が支給判定の基準となっておりました。このたび家計が急変した場合の緊急支援の必要性に鑑み、ことし一月以降に収入が激減し、低所得となった世帯についても新たに給付対象に追加し、制度を拡充したところです。 また、入学時は経済的負担が大きくなることから、当給付金の本県ならではの創意工夫として、新入生を対象に、例年十二月に支給していたスケジュールを四カ月前倒しし、八月末を目途に新たに早期支給を実施することといたしました。 さらに、これにとどまらず、二年生、三年生などの在学生への支給時期についても、可能な限り前倒しすることとしております。 これらの制度の周知を図るため、県ホームページ、新型コロナウイルス対策ポータルサイトや県広報紙「OUR徳島」、ケーブルテレビなどを活用し、積極的な広報活動を展開しております。 これに加えまして、来る七月には、県内全公立学校の児童生徒及び教職員約八万三千人に配布しております教育委員会広報紙「教育通信ふれあいひろば」に拡充した制度内容を掲載するなど、必要な方にタイムリーに情報が届くよう、きめ細やかな広報を行ってまいります。 今後とも、子供たちの学びを何としても守るとの気概のもと、教育委員会を挙げて、しっかりと取り組んでまいります。   (志田危機管理環境部長登壇) ◎危機管理環境部長(志田敏郎君) 地域経済再生に向けた自然エネルギーの導入促進についての御質問をいただいております。 県においては、平成二十四年三月、自然エネルギー立県とくしま推進戦略を策定しまして、自然エネルギー導入を積極的に進めているところでありまして、平成二十九年度の自然エネルギー電力自給率につきましては二六・七%でございまして、既に国における二〇三〇年目標値を上回るところとなっております。 こうした成果とともに、世界的な脱炭素化に向けた機運の高まり、またESG投資やRE100といった企業活動における脱炭素化対策の必要性の増大など、社会経済情勢の変化を踏まえて、昨年七月には、二〇三〇年度における自然エネルギー電力自給率五〇%を目標とする新たな推進戦略を策定したところでございます。 この目標の達成に向けては、本県の豊富な自然エネルギーを活用した地産地消の推進とあわせまして、金融機関や中小企業支援機関と連携した環境配慮型経営への転換や、環境ビジネスの創出を目指す事業者の方々への資金調達の支援によりまして、さらなる自然エネルギーの導入を進めていくことが不可欠でありまして、そのためには、自然エネルギーの必要性が高まっているこの好機を生かしつつ、環境負荷の低減を指向する経営の機運醸成や新たなビジネスを創造する人材育成を図ることが極めて重要であると認識しております。 そこで、具体的な取り組みといたしまして、県内企業や個人を対象といたしました自然エネルギービジネスマイスター講座におきまして、本県の地産エネルギーを活用するバイオマス発電やソーラーシェアリングをテーマといたしまして、最先端の取り組みを行う事業者の講義や施設の視察、また金融機関による効果的な資金調達手法の紹介、加えて、これらを基礎としました受講者間でのワークショップなど、実践的な知識の習得と人材の育成につながる場を提供しまして、県内事業者の支援を行ってまいります。 現在、本県経済が新型コロナウイルス感染症による影響を受ける中、今後、自然エネルギーの導入促進と地域経済の活性化の両立を目指し、本県の特性を踏まえた施策を積極的に推し進めることによりまして、県内事業者の取り組みをしっかりと支援してまいります。   (板東未来創生文化部長登壇) ◎未来創生文化部長(板東安彦君) 新型コロナ状況下において、DV被害者支援のための取り組みについて御質問をいただいております。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出自粛によるストレス、経済状態の悪化による生活不安から、全国的に配偶者からの暴力、いわゆるDVの増加や深刻化が懸念されており、相談対応を初めとする被害者支援の強化は極めて重要であると認識しております。 国においては、相談体制を強化するため、四月二十日からDV相談+(プラス)を新たに開始し、電話のほか、SNSやメールにより相談を受け付けるとともに、県と連携して、同行支援や保護などを行っております。 県におきましても、五月一日から、DV相談ナビダイヤルの二十四時間化を実施し、相談体制を強化するとともに、広報紙はもとより、DV相談と児童虐待相談の告知を一体化させた広報資料を作成し、県内の食品小売事業者と連携した啓発、ラジオ、ケーブルテレビ、タウン誌を活用した広報などにより積極的に周知を図っております。 議員お話しのとおり、被害者支援に当たっては、関係機関の連携による取り組みが不可欠であることから、国、県、市町村、警察、弁護士会、民間団体から成るDV被害者等支援ネットワーク研修会において、新型コロナ状況下でのDV支援についての研修を実施し、深刻化するDVへの対応について理解を深め、ネットワークを強化することにより、被害者に対する継続的な支援を実施してまいります。 また、本議会の先議でお認めいただいた補正予算で、民間団体による専門性の高い支援を促進するため、民間シェルターによるSNSやメールによる相談窓口の設置、心理専門職のスキルを持った支援員による相談者のニーズに応じた専門的支援プログラムの実施、退所後を含む切れ目ない総合的支援などの先進的な取り組みを支援することにより、地域におけるセーフティネット機能を強化してまいります。 今後とも、新型コロナウイルス感染症の影響を注視しながら、各関係機関と連携したきめ細やかな取り組みを推進することにより、安心して暮らせる社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。   (東条議員登壇) ◆九番(東条恭子君) それぞれ御答弁いただきました。 新型コロナ状況下における修学支援についてですが、新型コロナの影響を受けて収入が途絶え、修学が困難になるということがあってはならないと思います。あらゆる手段で子供たち誰ひとり取り残すことなく、感染症対策と最大限に子供たちの健やかな学びの保障の両立のために、大変な世帯への支援体制づくりを徳島県としても引き続き進めていただきますようお願いいたします。 自然エネルギーの推進についてですが、新型コロナの影響で県内の観光業、旅館、ホテル、飲食業界は特に大きな打撃を受け、売り上げが九〇%以上落ち込んでいます。上勝のいろどり事業も売り上げ九〇%減と聞きました。国、県、市町村からの救済策もいろいろ打ち出されていることはとても重要なことです。 しかし、そのほとんどが未来からの借金によってなされているということを忘れてはなりません。国全体の大きな政策として進めてきたインバウンドへの過度の期待、第二次産業の空洞化のツケが一気に回ってきたとも言えるでしょう。 六月十二日、環境省は気候危機宣言を出しました。小泉環境大臣は、新型コロナウイルスからの経済復興でリーマンショックのときのように二酸化炭素の排出がリバウンドしてしまうことがあってはならないと説明。脱炭素、循環経済、分散型社会への移行が進むよう、経済社会を再設計する必要があると述べました。先駆的な徳島県としても積極的な取り組みをお願いいたします。 DV被害者支援の取り組みについてですが、私はまだコロナが言われていない昨年十一月初旬、台湾で開催されました第四回世界女性シェルター会議に参加してきました。世界女性会議は初めての経験でしたが、世界から百二十カ国、千四百名が参加していました。女性に対する暴力の問題は世界共通の課題と捉えることができ、日本の対策がいかにおくれているのかを痛感させられたのは帰ってきた昨年十二月、世界経済フォーラムのジェンダー指数で日本は百五十三カ国中百二十一位と、日本の男女平等指数は先進国とはとても言えない現実を肌で感じて、納得しました。 それと、DVや虐待がふえるという分析ですが、もともと暴力を振るう加害者のチャンスが家にいることでふえます。ストレスがたまるから仕方がないといった社会で堂々と暴力が振るえ、暴力が容認され、許す社会があります。やはり暴力はだめ、暴力は犯罪という意識を強く持つことが重要です。なかなか声に出せない方からの相談の対応をよろしくお願いいたします。 全体のまとめといたしまして、新型コロナウイルスによってこれまでの生活が一転しました。コロナによって体をむしばまれ、人が人を非難したり、差別したり、心をむしばまれ、そして社会もむしばまれています。最小単位の社会、それは家族。社会の最小単位、それは個人です。家族内で父が、母が、夫が、妻が、子供が言い争ったり、けんかをしたり、暴力が起きるということは本当に悲しいことです。 最近まで人生六十年でした。今は百年、新型コロナのおかげで、定年後の夫婦関係を見たようです。「飯、風呂、寝る」では続かない。議員の皆さんは幾つになっても収入があるので、笑顔で迎えてくれるでしょう。退職して収入がなくなり、趣味もなく、家事や育児に無関心な夫が、朝から晩まで何も協力してくれず、ずっと家にいられたのでは妻はたまりません。定年からの時間が長い分、お先にどうぞと言いたくなる男性の人生、この新型コロナで見直さなくてはいけないと思います。料理や掃除、家のことにできるだけかかわり、この人とだったら一緒にいようかと思わせないと、振り向いたら妻がいなくなります。ここにいらっしゃる議員、理事者の皆様は妻を大切にされているので、そういうことはないと思いますが、こんなときだからこそ家族間で助け合ったり支え合ったり、これまでの性別役割分担や相手を思いやる心を見直すいい機会だと捉え、家族が変われば社会が大きく変わる、身近な家族関係こそ大切な社会だと思います。このたびの質問が、県民皆様の不安を払拭する一助になればと思います。 初めての新しい県政を創る会での代表質問でした。精いっぱい務めさせていただきました。至らぬ点も多々ございましたが、御理解いただきますようお願い申し上げ、私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(寺井正邇君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後四時二十九分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...