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  1. 山口県議会 2023-02-01
    03月02日-04号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 5年 2月定例会   令和五年二月山口県議会定例会会議録 第四号      令和五年三月二日(木曜日)  ────────────────────        議事日程 第四号      令和五年三月二日(木曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第六十一号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第六十一号まで              会議に出席した議員(四十七人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          高   井   智   子さん                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          岡       生   子 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          磯   部   登 志 恵さん                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         平 屋 隆 之 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       近 藤 和 彦 君                    総合企画部長      松 岡 正 憲 君                    産業戦略部長      前 田 安 典 君                    環境生活部長      藤 田 昭 弘 君                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      高 橋 博 史 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      京牟礼 英 二 君                    財政課長        安 藤 公 浩 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        今 村 政 裕 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        木 村 香 織 君                    公安委員長代理     大 田 明 登 君                    警察本部長       中 西   章 君                    代表監査委員      河 村 邦 彦 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員長       上 野   清 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        國 吉 宏 和 君                    事務局次長       原 田 和 生 君                    総務課長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課長      岡 本 正 敏 君                    政務企画室長      國 弘 敏 和 君                    秘書室長        植 木 啓一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          佐 伯 和 樹 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第六十一号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) おはようございます。日本共産党の木佐木大助です。 質問に入る前に一言申し上げます。 今議会は、岸田自民党・公明党政権による大軍拡、大増税、原発推進路線が大問題になる中で行われています。 日本共産党は、こうした戦後最悪の岸田亡国政権に厳しい審判を下し、平和で希望ある日本の夜明けをこの山口県から切り開く決意を表明して、通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、新年度当初予算案についてであります。 一つは、物価高騰から住民と中小事業者を守る課題についてです。 物価高騰に歯止めが全くかかりません。昨年十二月の山口市の消費者物価指数は、前年度比一○五・一%と全国より一ポイント上回っています。特に、光熱費は電気代が二四・二%も上がったことも影響して一六・八%増であります。 実質賃金が低下している、こうした中での負担増で多くの県民が苦しんでいます。家庭向けの光熱水費の高騰対策の検討も必要と考えますが、伺います。 また、灯油や肥料など高騰も続き、中小事業者農林漁業者の経営を圧迫しています。政府も対策を打ち出していますが、不十分であります。 県が、新年度予算案物価高騰緊急対策関連事業として約六十九億円計上されたことは評価しますが、物価高騰の影響全てをカバーできるものではありません。特に、中小事業者農林漁業者がなりわいを継続するための支援が求められていますが、どう対応するのか、伺います。 二つは、子育て、若者支援の拡充についてです。 県内の年間の出生数は、二○○五年の一万一千五百十四人から二十一年は七千九百七十八人と三割も減少しています。 山口県が、二○一九年三月発表した、子育て支援・少子化対策に関する県民意識調査によると、少子化対策で行政に充実してほしい課題、これでは四三%の人が、乳幼児医療費保育料の負担軽減など経済的支援を充実することを挙げました。 新年度予算案では、出産・子育て応援事業に三億七千五百万円計上し、第三子以降の出生世帯に県産米六十キロに加え、五万円分の家事代行サービスクーポンを贈呈するとされていますが、第三子がいる世帯は二一%程度にすぎません。 乳幼児医療費助成制度は、新年度も据え置かれました。何と十八年連続であります。計上された予算は、対象年齢を未就学児まで引き上げ、全国トップクラスになった二○○四年度の十四億円の四二%にすぎない、わずか六億円であります。 全国に目を向けると、東京都が新年度から助成対象を中学生から高校生まで広げ、群馬県も高校卒業まで拡充する方針を表明しました。県内でも下関市が、今年十月から中学校卒業まで対象を拡大し、入院については高校卒業まで無料化すると発表しました。 山口県は、対象年齢の拡大を拒み続ける理由として、全国に遜色ない水準、こう言われてきましたが、これはもう完全に破綻しています。 最近は、持続可能な制度として継続するためなどと言われますが、このまま少子化を放置すれば、山口県、その社会そのものの持続が危ぶまれています。 我が党の試算では、○四年度当時の十四億円に戻せば、少なくとも中学校卒業までの対象拡大が可能と考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。 小中学校の給食費の無償化に踏み切る自治体も広がっています。東京都では、二十三区中八区が無償化に踏み切り、千葉県は第三子以降を無償化する市町に対して二分の一を助成する予算十四億円を新年度予算に計上しています。県内でも、岩国市、和木町、萩市が無償化し、下関は半額補助を打ち出しました。 我が党の試算では、県内全ての学校給食を無償化するのに必要な予算は約五十億円であります。県として、給食費を無償化する市町に対して半額を助成する制度創設を検討すべきではないでしょうか。 子育て日本一を標榜してこられた村岡知事として、子供医療費助成の対象拡大と給食費の無償化に向け決断すべきときであります。お尋ねします。 また、さきに紹介した県民意識調査では、二七%が、充実させてほしい施策に奨学金制度の充実など教育費に対する支援を充実することを挙げています。 この点では、新年度予算案に、若者育成・県内定着促進事業、二百三十三万円計上されました。今年度の大学など進学者から、卒業後一定期間、県内に居住・就業した場合、奨学金返還額の一部を補助するもので、年二十万円、最長五年間で百万円が補助されます。我が党も要望してきた施策でもあり、高く評価をしています。 大学卒業時に数百万円もの借金を背負って社会に出ていく若者に希望を与えるものでもあります。本格的な運用時の必要額は、どう見積もっておられるか。また事業効果によっては、さらなる拡充も必要と考えますが、それぞれお答えいただきたいと思います。 三つ目は、新型コロナ感染防止対策についてです。 新型コロナ感染拡大の第八波では、高齢者施設でのクラスターの多発、医療の逼迫、救急搬送の困難など第七波で大問題になったことが、より深刻な形で繰り返され、全国では二万人を超す方、県内でも三百人もの死亡者は出ました。 コロナ後遺症で苦しんでいる県民も少なくありません。住民の命と暮らし、健康を守る施策の強化・拡充こそが必要であります。 ところが政府は、この反省もなく、新型コロナを五類に引き下げることと併せて、感染対策や検査・治療への公的支援を後退させようとしています。こうした政府の対応について、県はどう受け止めておられるのか、まずお尋ねします。 新年度予算案には、新型コロナ対策関連事業として、感染拡大防止対策の強化に四百六十億円計上されています。 第一に、新型コロナの検査、治療、予防接種の公費負担を継続し、発熱患者を検査・診察する外来体制の拡充、入院医療・救急搬送の体制強化、高齢者施設の入所者を感染と重症化から守る対策の抜本的強化を図ることが必要であります。 第二に、保健所の新増設、正規・常勤職員の抜本増など体制強化であります。今年度は、防府支所の保健所への格上げ、保健師七人の増員が図られましたが、いまだに九保健所のうち四か所で所長が兼任するという状況が続いています。体制強化と職員の増員が求められています。 第三に、コロナ後遺症の治療・研究、患者への生活支援が必要になっています。 第四に、希望する人への安全なワクチン接種を進めるとともに、接種後に起こっている有害事象について、原因の徹底究明と幅広い補償・救済が必要であります。 以上、四点について、どう対応されるのか、伺います。 四つ目は、公共交通の利便性向上についてであります。 新年度予算案には、地方ローカル線の維持・確保を図るために、路線の活性化に向けた取組を推進することを目的にした地方ローカル線活性化事業に二千六百八十万円計上されました。 県内のローカル線について、昨年四月、JR西日本が、一キロ当たりの一日平均利用者数が二千人未満の区間の収支を公表し、JR西日本が単独での維持は困難とする路線は岩徳線や山口線など五路線六区間あります。 鉄道網の維持は、地方再生に不可欠の基盤であり、脱炭素社会を目指すために失ってはならない国民共有の財産と考えますが、伺います。 同活性化事業では、鉄道利用の促進、利用低迷の要因の調査などが進められるようですが、利用低迷の一番の要因の一つには、JR西日本が減便や運行区間の短縮など利便性を損なうダイヤ改正を繰り返し行ってきたことにあります。 JR西日本に対し、増便やダイヤの改善を求める住民・利用者の要望には真摯に応えるよう山口県として求めるべきだと考えますが、伺います。 また、JR西日本の経営は、コロナ禍の行動制限などを強いられた期間は、確かに大きな赤字だったことは事実ですが、行動制限がない二○二二年度には黒字回復することが見込まれ、しかも七千四百億円もの内部留保もあります。 不採算路線を含めて維持するとした民営化時のルール、すなわち約束を果たせなくなったという状況では全くありません。当面、全ての路線を維持するのは当然だと考えますが、この点をお伺いします。 鉄道事業法の改悪で、鉄道廃止の手続は認可制から事前届出制に規制緩和されました。国は何の責任もとらず、住民や自治体関係者の声を無視した鉄道路線の廃止を可能にしたわけです。 これに対し、村岡知事を含む二十八道府県知事は、昨年五月十一日、連名で、未来につながる鉄道ネットワークを創造する緊急提言、これを国交大臣に提出し、この中で鉄道事業法における鉄道廃止手続の見直しなどを要望されています。 この提言実現へ、今後、山口県としてどう取り組んでいかれるのか伺います。 五つは、朝鮮学校補助金についてであります。 県が、朝鮮学校を今年度実施した私立学校給食費等に関わる物価高騰差額補助事業の対象としたことは評価します。 昨年六月議会での同補助事業についての議論の中で、県は、朝鮮学校補助金は、県民との相互理解の増進を目的として交付してきたものであり、学校給食費等に関わる補助とは趣旨を異にするものと答弁されました。 コロナ禍と物価高騰により、子育て世代の多くが経済的な苦境に直面しています。高校授業料無償化の対象から除外をされている朝鮮学校の生徒の保護者の皆さんはなおさらであります。 全ての子供たちの学習権を保障する観点からも、朝鮮学校の児童生徒を持つ保護者に対する支援を行うことはできないのか、改めて伺います。 質問の第二は、中国電力の経営姿勢についてであります。 一つは、不祥事と電力料金値上げについてであります。 昨年十一月議会でも指摘しましたが、中国電力は昨年十二月一日、法人向け電力販売をめぐって関西電力と中部電力などとカルテルを結んでいた、こうした問題で公正取引委員会から七百億円を超える課徴金の納付命令案の通知を受けました。 さらに今年一月になっては、競合関係にある新電力の顧客情報を閲覧していたことが発覚しました。中国電力が、委託先を含め営業部門の社員を対象に実施したアンケート調査で、社員三十八名は電気事業法で禁じられていた行動になり得ると認識していたと報じられています。 このように不祥事を繰り返す中国電力が、昨年十一月、経産省に、今年四月から家庭向け規制料金を平均三一%も値上げする申請、これを行っていることに批判が高まっています。 電気料金値上げについて県は、昨年十一月議会で、中電の大株主だが、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応していると説明されましたが、電気料金の高騰に苦しんでいる山口県民の立場に立てば、値上げは再考せよと要請するのが筋ではないでしょうか、伺います。 二つは、上関原発建設計画についてであります。 世界有数の地震国・津波国での原発依存の危険性や、処分方法がいまだにない使用済みの核燃料を増やし続けるなど、原発はクリーンエネルギーどころか、地球環境と人間社会に重大な被害とリスクをもたらすことは明らかではありませんか、お尋ねします。 加えて、中国電力は、さきに指摘したように、遵法精神が全く欠如した会社でもあります。このような会社に危険極まりない原発を建設する資格も能力もありません。直ちに建設計画の撤回を求めるべきであります。お尋ねします。 質問の第三は、米軍岩国基地の機能強化についてであります。 米軍岩国基地の機能強化は、岸田政権が打ち出した敵基地攻撃能力の保有と大軍拡という憲法違反の暴挙と一体に進められています。 岸田政権は、この暴挙を二つの大うそで強行しようとしています。 一つは、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないと言い張っていることであります。 岸田政権が掲げるGDP比二%以上の大軍拡で、日本の軍事費はアメリカ、中国に続く世界第三位になります。相手国の領土深くまで攻撃できる長射程の巡航ミサイル、トマホークを当面四百発大量に配備します。文字どおり他国に脅威を与える軍事大国そのものではないでしょうか。 専守防衛を完全に投げ捨てながら、専守防衛に徹するなどというのは、国民をだます大うそであります。この点についても見解をお尋ねします。 第二は、自分の国は自分で守るためと言っていることであります。 大軍拡で戦争の心配はなくなるでしょうか。周辺国も対抗して軍拡を加速させる軍事対軍事の悪循環に陥り、軍事的緊張を激化させ、戦争へのリスクを拡大させます。 敵基地攻撃能力保有の最大の目的は、アメリカが世界的規模で構築している統合防空ミサイル防衛、IAMDにシームレス、切れ目なく融合する形で参加することにあります。米軍は、IAMDのドクトリンとして先制攻撃を公然と明らかにしており、米軍と自衛隊が融合して無法な戦争を行う重大な危険もあります。 政府は、日本を守るためと繰り返しますが、安保三文書では集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うこともできると明記もしています。 日本が武力攻撃を受けてもいないのに米軍が戦争を始めれば、それが先制攻撃の戦争であっても、相手国に日本が攻め込むことになります。そうなれば相手国から大規模な報復攻撃を受け、日本は焦土と化します。日本を守るのではなく、アメリカの戦争に日本を巻き込むことがその正体であります。見解を伺います。 こうした事態が生じたときに、真っ先に狙われるのは、岩国市をはじめ県内各地に点在する軍事基地であることは明らかです。県民の生命、財産を守るべき地方自治体として絶対に看過できないものですが、この点も伺います。 米軍と自衛隊の融合に向けた動きは、既に激しくなっています。 アメリカ海兵隊と陸上自衛隊は、二月十六日から九州・沖縄で離島の防衛を想定した共同訓練を行っており、米軍岩国基地は米海兵隊のMV22オスプレイの整備拠点として使用されているだけではなく、二月十五日には、同訓練に参加しているアメリカ海軍ドック型輸送揚陸艦グリーン・ベイが初めて寄港しました。 さらに、二月二十七日から三月十二日の間、アメリカ海軍海上自衛隊の共同訓練が、広島湾及び九州西方から沖縄周辺で行われています。目的は、海上自衛隊の戦術技量及び米海軍の相互運用性の向上と、あからさまであります。 この訓練には、アメリカ海軍からはグリーン・ベイに加え、強襲揚陸艦アメリカドック型揚陸艦アシュランドが、海上自衛隊からは輸送艦おおすみ、掃海艇ひらしま、やくしまが参加しています。 山口県は、この日米共同訓練について、国からどのような説明を受け、どう対応されたのか、お尋ねします。 たとえ訓練の一環としても、米軍岩国基地が補給・整備の拠点基地として使われることは、仮想敵国の攻撃対象になるおそれが生じ、住民の安全を脅かすことになりかねません。国及び米軍に対し、岩国基地を日米共同訓練に使用しないよう申し入れるべきと考えますが、お尋ねをして第一質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは公共交通の利便性向上に関し、鉄道網の維持についてのお尋ねにお答えします。 地方ローカル線は、沿線住民の日常生活はもとより、地域の経済活動やまちづくりなどを支える重要な基盤であり、環境への負荷も少ない交通機関ですが、近年、沿線人口の減少や長引くコロナ禍の影響等により利用者が大幅に減少し、極めて厳しい状況に置かれています。 私は、こうした厳しい状況にある地方ローカル線を維持・確保していくことが、脱炭素社会を目指す観点からも大変重要であり、沿線市町や住民等と一体となって、さらなる利用促進等による路線の活性化を図っていく必要があると考えています。 このため、各路線の実情や課題を踏まえた効果的な利用促進策の検討や、広域での観光利用の促進等に向けた様々な取組を支援するとともに、鉄道利用に向けた全県的な機運醸成を図るための積極的な情報発信等の取組を進め、さらなる利用促進を図ることとしています。 私は、今後とも沿線市町等と連携し、住民生活を支える地方ローカル線の維持・活性化に向けて取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 松岡総合企画部長。    〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 ◎総合企画部長(松岡正憲君) 物価高騰についての御質問のうち、家庭向けの光熱水費の高騰対策についてのお尋ねにお答えします。 物価高騰への対応に関しては、昨年、国において、エネルギー価格対策に重点を置いた総合経済対策が策定され、電気及び都市ガスについては、今年一月使用分から料金の引下げが行われているところです。 県としては、生活に不可欠な電気等の価格高騰は全国共通の課題であり、国において一律に対応されることが適当と考えていることから、今後も全国知事会等を通じて国に働きかけを行ってまいります。 次に、子育て、若者支援の拡充についての御質問のうち、若者育成・県内定着促進事業についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、本格的な運用時の必要額については、対象者を年百五十人、補助を行う五年分で七百五十人程度と想定しており、全員が四年制大学に進学した場合に必要となる予算額は、年一億五千万円を見込んでいます。 次に、事業効果によっては、さらなる拡充も必要ではないかとのお尋ねですが、この制度は高校生の大学等への進学状況や大学生の平均的な生活実態等を踏まえて設計しており、対象人数や補助額等の内容は妥当なものであることから、拡充することは考えていません。 次に、専守防衛についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 国による新たな国家安全保障戦略等の策定や防衛力の抜本強化に向けた対応は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、いざというときに、国民の命を守り抜くため、十分な守りを再構築していくことを目的に行われたものと承知しており、御指摘は当たらないと考えています。 ○議長(柳居俊学君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 新年度当初予算案についてのお尋ねのうち、中小事業者がなりわいを継続するための支援についてお答えします。 県では、原油高騰等により、厳しい経営環境にある中小事業者が事業を継続していくため、関係機関と連携を強化し、事業者のニーズや経営状況等を適切に踏まえ、生産性の向上や経営安定等に資する支援策を講じていくこととしています。 まず、生産性の向上に向けては、経営革新計画の策定支援を通じた新商品開発等の付加価値向上の取組や専門家の派遣による経営課題診断等を通じたデジタル技術の活用等を支援していきます。 また、今年度、事業者からニーズの高かった省エネ等に資する設備導入補助を引き続き実施します。 次に、経営安定に向けては、原油価格・物価高騰対応資金等により、事業収益を圧迫されている事業者の資金繰りを支援します。 さらに、収益改善に向けて、クラウドファンディングを活用した頑張るお店応援プロジェクトや運送料の値上げに対応したEC送料支援等により、消費需要の喚起も行います。 加えて、適正な価格転嫁が行えるよう、価格交渉促進月間に合わせて、大企業等に対して取引適正化に係る文書要請を行うこととしています。 こうした取組等により、中小事業者の事業継続を支援してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 新年度当初予算案についての御質問のうち、農林漁業者がなりわいを継続するための支援についてのお尋ねにお答えします。 県では、燃油や肥料などの高騰による農林漁業者への影響を緩和するため、今年度補正予算において、省エネ対策に必要な経費や肥料代等の生産経費への支援などの緊急対策を実施してきました。 また、現下の物価高騰等による消費への影響を踏まえ、来年度は十万人を対象に、日本酒・花卉・高級魚の割引販売を行うキャンペーンの実施や、電子クーポンの配信等を行うぶちうま!アプリの活用により、県産農林水産物の幅広い需要を喚起し、農林漁業者の経営継続につなげてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 新年度当初予算案についてのお尋ねにお答えします。 まず、子育て、若者支援の拡充のうち、乳幼児医療費助成制度についてです。 本県の制度は、国の医療保険制度を補完し、一定の福祉医療の水準を確保することを目的として、基準を定めて助成しているものであり、将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することが基本であると考えています。 なお、中学卒業まで対象を拡大した場合の試算についてですけれども、制度設計等により異なることから、お示しの十四億円で足りるかどうか判断することは困難です。 次に、新型コロナ感染防止対策についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、五類変更に係る国の対応についてです。 五類変更は、国において専門家の意見を踏まえ、重症度が低下したオミクロン株の特性や、医療・社会への影響等を総合的に判断した上で決定されたところです。 また、感染対策や医療費等の公的支援については、国民の安心を確保するため、一定期間継続するなど、段階的に見直しされることとなっており、今回の国の対応は適切な判断と考えています。 次に、新年度当初案についてのお尋ねです。 まず、新型コロナ対策関連事業についてですが、県では来年度当初案において、新たな変異株による感染拡大にも十分対応できるよう、医療提供体制や検査体制等、必要な経費を計上しているところです。 次に、保健所の体制についてですが、県では新型コロナウイルス感染症の発生以降、これまで保健所全体で十五名の職員を増員するとともに、今年度、防府支所を改組し、防府保健所を設置したところです。 また、保健所長についても、一人の所長が複数の保健所長を兼務する状況が生じていますが、負担軽減を図るため、薬剤師や保健師等の専門職を保健所次長として配置しているところであり、引き続き保健所の体制強化に努め、適切な業務執行体制を確保してまいります。 次に、コロナ後遺症の治療・研究、患者への生活支援についてですが、国が責任をもって対応すべきものであることから、県としては全国知事会を通じて、治療法の研究開発や、生活に支障が生じている方への経済的な支援等が行われるよう国に要望しているところです。 次に、ワクチン接種と接種後の有害事象の原因究明、救済等についてですが、ワクチン接種については、引き続き、実施主体である市町において、安心・安全な接種が進められるよう、関係機関と連携し、接種の促進に努めてまいります。 なお、接種後の有害事象については、全国知事会を通じて、国において、原因究明、救済等が行われるよう要望しているところです。 ○議長(柳居俊学君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 公共交通の利便性向上についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、増便やダイヤの改善を求める住民・利用者の要望への真摯な対応をJR西日本に求めるべきとのお尋ねについてです。 県では、これまでも地域の実情や沿線市町等からの要望をしっかりと受け止め、JRに対し、運行本数の維持・確保やダイヤ改善などの要望を行ってきたところであり、引き続き地方ローカル線の一層の利便性向上に向け、必要な働きかけを行ってまいります。 次に、不採算路線を含めて維持するとした民営化時のルールを踏まえれば、JR西日本は、当面全ての路線を維持することは当然ではないかとのお尋ねについてです。 県としては、国鉄改革時の経緯も踏まえ、地方ローカル線鉄道ネットワークとして維持されることが必要と考えており、JRに対し路線の維持に向けた要望を行うとともに、国に対してもJRへの適切な指導を行うよう、全国知事会等を通じて要望しているところです。 次に、未来につながる鉄道ネットワークを創造する緊急提言の実現に向けた今後の取組についてです。 県では、鉄道が廃止された場合の地域住民の生活等へ及ぼす影響の大きさを踏まえ、国に対し緊急提言等を通じて、地域の実情を反映できる鉄道事業法における廃止手続の見直し等を求めてきたところであり、引き続き、必要に応じて働きかけを行うなど、適切に対応してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) まず、朝鮮学校補助金についてのお尋ねにお答えします。 朝鮮学校は、朝鮮総連と密接な関係にあり、教育内容、人事、財政にその影響が及んでいることなどから、国において高校授業料無償化の対象外とするとの決定がなされているものであり、こうした趣旨を踏まえると、同校の児童生徒を持つ保護者に対して、県独自で支援する考えはありません。 次に、米軍岩国基地の機能強化についての御質問のうち、敵基地攻撃能力に関する県民の生命・財産を守るべき県の見解についてのお尋ねにお答えします。 防衛力の抜本強化については、国の防衛政策に関する事柄であり、本県県民を含め、国民全体の生命・財産を守る立場から、国が責任を持って判断されるものと考えています。
    ○議長(柳居俊学君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 中国電力の経営姿勢についてのお尋ねにお答えします。 まず、不祥事と電力料金値上げについてです。 お示しのように、中国電力は昨年十一月二十五日に、本年四月からの規制部門の電気料金の引上げなどを内容とした特定小売供給約款の変更認可を国に申請し、現在、その審査が行われているところです。 国は、この申請について、法令の規定に基づき、本年二月九日に公聴会を開催しており、出席した意見陳述人からは、お示しのカルテルの問題などに対する意見が述べられたと聞いています。 また、国は、申請内容の審査に当たり、電気料金の適正性について国民の理解を得るため、徹底した情報公開と透明性の高いプロセスが重要だとして、昨年十二月五日から本年二月九日までの間、国民からの意見を募集したところです。 今後、国において、それらの意見も踏まえ厳正に判断されることから、県としては、お尋ねのような要請をすることは考えていませんが、電気料金の引上げについては、小売電気事業者において、需要家である県内の住民の理解を得られるよう適切に対応していただきたいと考えています。 次に、上関原発建設計画に関する二点のお尋ねです。 まず、原発の被害とリスクについてです。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、県としては、地震や津波、使用済み核燃料への対応を含めて、原子力発電を活用するかどうかについては、安全性、信頼性の確保を大前提に、国において判断されるべきものと考えています。 次に、建設計画の撤回についてです。 事業者に原発を建設する資格があるかどうかについては、原子炉設置許可申請の審査において、原子力規制委員会により厳正に判断されるものです。 また、上関原発建設計画は、事業者である中国電力が、国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 したがって、県としては、中国電力に対し、お示しのような建設計画の撤回を求めることは考えていません。 ○議長(柳居俊学君) 近藤総務部理事。    〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 ◎総務部理事(近藤和彦君) 米軍岩国基地の機能強化についての御質問のうち、日米共同訓練についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、国の説明と県の対応についてです。 国からは、陸上自衛隊と米海兵隊との共同訓練において、九州での訓練に参加するMV22オスプレイの機体整備等のために岩国基地を使用すること、また、海上自衛隊と米海軍との共同訓練については、日米の艦船が広島湾等で訓練を実施することなどの説明がありました。 県では、国の説明を受け、県民の安全で平穏な生活を確保する立場から、地元岩国市と連携し、安全対策に十分配慮することなどを国に要請したところです。 次に、国及び米軍に対し、岩国基地を日米共同訓練に使用しないよう申し入れるべきとのお尋ねです。 今回の日米共同訓練は、国の専管事項である外交・防衛政策の一環として行われるものであり、訓練に伴う岩国基地の使用も含め、地方自治体として、その是非を論ずる立場にはなく、県として岩国基地を日米共同訓練に使用しないよう申し入れる考えはありません。 ○議長(柳居俊学君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 子育て、若者支援の拡充についてのお尋ねのうち、給食費の無償化についてお答えします。 小・中学校の給食費の無償化については、設置者が実情に応じて判断するのが基本であると考えておりまして、お示しの無償化する市町に対する助成制度の創設については、現時点、考えておりません。 ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問を行います。 コロナ後遺症対策について、一つは、実態はつかまれているのか、また、治療機関は十分なのか、具体的な支援は、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 子ども医療費助成制度について、やはり部長答弁は拡充しない理由として、持続可能な制度として継続するためと言い張り続けて、今後もそのつもりのようであります。 年六億円の予算をこれ以上増やすと、制度が持続できない。その根拠は、一体何か。改めてお尋ねします。 御承知のとおり、県内の全市町が、県制度が対象としていない年齢まで引き上げています。こうした住民の要望に応えてのことだと思いますが、山口県としてどう理解されているのか、伺います。 また、二十二年度二月補正予算の健康福祉部関係の補正額を見ると、民生費は約三十三億円、衛生費は約六十九億円、合計百二億円もの減額補正であります。 自治体の予算は、原則単年度主義でありますから、次年度のために残しておくためではないはずであります。 さらに、二月補正予算では、法人税の上振れがあったとして、約二百億円もの基金を創設しました。そのうち六十億円は、安心・安全という名目であります。毎年、計上される不用額、また、新たな基金、このような状況を見れば、年八億円程度を少子化対策の一環として増額することは十分に可能と考えますが、見解を伺います。 上関原発問題です。政府は二月十日、脱炭素社会への移行を進めるグリーントランスフォーメーション、GXに向けた基本方針を閣議決定しました。脱炭素化とエネルギーの安定供給を名目に、次世代原発へのリプレイス、建て替えへの推進や既存原発の六十年超の運転を認める方針を明確に記載しています。 福島原発事故を教訓に、これまで曲がりなりにも、原発の新増設は想定していない、また、原発依存度を低減するとしてきた方針を真っ向から否定する暴挙であります。この方針転換を山口県は、どう受け止めているのか、伺います。 その上で政府は、新増設の原発は次世代炉を前提としています。経産省自身が、次世代炉の開発には二十年程度を要すると説明しています。これは、当たり前に考えれば、これまで中国電力が進めてきた既存型の原発建設は、不可能になるということを意味しているわけではないでしょうか、お尋ねします。 山口県は、昨年十月、公有水面埋立免許の延長を認めたばかりではありますが、十年、二十年先にしか着工できないとすると、今後、免許の延長は全く不可能になると考えますが、答弁をお願いします。 岩国基地問題、大型艦船の入港について、輸送揚陸艦グリーン・ベイは、無通告で入国しました。まさに横暴勝手のルール違反ですが、県の見解を伺います。 オスプレイの整備基地の問題では、今回、岩国基地がMV22の整備拠点として使用されます。恒常的な整備拠点となるのか、説明があったのか、伺います。整備拠点となれば、オスプレイが日常的に飛び回ることになりますが、県、岩国市は、それを了解したのでしょうか、伺います。 インド太平洋地域の米軍の機能強化と一体の今回の日本大軍拡の問題であります。 この間、問題提起をしてきた燃料貯蔵タンクの増設もこうした流れと一体のもので、まさに岩国基地の兵たん基地化であります。その後、情報提供がどうあったのか、その内容について伺います。 朝鮮学校の問題、数々の国連勧告を無視するだけではなく、人間の尊厳、これをうたった憲法十三条や法の下の平等、憲法十四条をじゅうりんする。さらには、地方自治法で明記された住民の福祉の増進を、立派な山口県民である在日コリアンを排除するなど、恥ずべき官製ヘイトは、もうやめるべきではないですか。 県が取っている姿勢は、最悪のレイシストである在特会の桜井誠などのヘイトクライムの主張に根拠を与えかねない危険を持っています。 現に、在特会は、山口県で朝鮮学校補助金をカットしたことを全国で宣伝材料にしています。この点について、どう考えているのか、お尋ねします。 県は、山口県、北朝鮮の動向などを理由に県民の理解が得られないなどと県民にその責任を転嫁していますが、とんでもない話であります。北朝鮮や朝鮮総連、これは、朝鮮学校とは全く関係ありません。理解が得られないのは、自民党県議団ではないですか。決して、県民ではありません。県庁ぐるみの公選法違反事件で、厳しく指摘された自民党への悪しき配慮は、もうやめるべきではないですか。この点も改めて伺って再質問を終わります。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 木佐木議員の再質問にお答えします。 まず、新型コロナについてですけれども、まずコロナの後遺症の実態について県はつかんでいるのかとのお尋ねです。 コロナの後遺症については、本県では保健所が相談窓口となっていますから、保健所への相談内容については把握をしております。 それから、治療機関は、十分にあるのかとのお尋ねですけれども、コロナ後遺症に係る本県の診療体制は、医師会等と協議しまして、まずはかかりつけ医で受診できる体制を確保しております。 そのかかりつけ医が、症状等に応じて、専門的な対応が必要と判断した場合には、より高次の専門機関へ紹介する。こういった体制を取っておりまして、治療機関は十分にあると考えております。 それから、後遺症への具体的な支援についてのお伺いですけれども、患者への生活支援につきましては、先ほど答弁申し上げましたけれども、国が責任を持って対応すべきものであることから、県としては全国知事会を通じて生活に支障が生じている方への経済的な支援等が行えるよう国に要望しているところです。 それから、乳幼児医療費助成制度についての三点のお尋ねにお答えします。 拡充すると制度が持続できない根拠についての質問ですけれども、県としては拡充すると維持できないとの理由から、現行水準維持を基本としているものではなくて、本県の制度は、国の医療保健制度を補完して、一定の福祉医療の水準を確保するために基準を定めて市町に助成を行っているところであります。 それから、県内の市町が、住民の要望に応えて拡充を行っていることに対する県の見解についてですけれども、各市町による独自の取組につきましては、それぞれの自治体が住民のニーズ等を踏まえられて判断されているものと理解をしております。 それから、二月補正後の百二億の減額、それから、法人税の上振れについて、制度の拡充の財源があるのではないかとのお尋ねですけれども、これらは恒常的に生じるものではなくて、制度拡充の財源として捉えることは適当ではないと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発建設計画に関する二点の再質問にお答えいたします。 まず、国の方針転換についてです。エネルギー政策は、国家運営の基本であり、原子力をどう利用するかは、安全性・信頼性の確保を大前提に国の責任で判断すべきと考えています。 国の第六次エネルギー基本計画では、原子力について可能な限り原発依存度を低減するとされており、また、安全性の確保を大前提に必要な規模を持続的に活用していくとされています。 このたび閣議決定されたGX実現に向けた基本方針では、第六次エネルギー基本計画などを踏まえ、取組等を取りまとめるものである、また、今回示す方策は全て、第六次エネルギー基本計画の方針の範囲内のものであると明記されており、県としてもそのように受け止めています。 次に、既存型の原発建設についてです。 一般的に、既存型の原発建設が不可能になるかどうかについては、国が所管するエネルギー政策に関することであり、県として独自に見解を述べることはできません。 一方、上関原子力発電については、中国電力から国に対し、国における次世代核新炉の開発・建設の検討結果や政策の方向性等に適切に対応し、今後とも建設計画を推進していくことを示しつつ、国の検討に関わらず、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効かどうかについて照会がなされています。 これに対し国からは、貴見のとおり、重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの見解が得られていることを確認しています。 したがいまして、県としては、上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであると認識しています。 ○議長(柳居俊学君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発建設計画についての再質問にお答えします。 十年、二十年先にしか工事着工できないとすると、今後、免許延長は不可能ではないかについてです。 公有水面埋立法において、許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、延長許可の可否について現時点では判断できる状況にありません。 県としては、今後、免許延長の申請がなされた場合には、その時点において、公有水面埋立法に従って厳正に審査し、適正に対処します。 ○議長(柳居俊学君) 近藤総務部理事。    〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 ◎総務部理事(近藤和彦君) 再質問にお答えします。 三点あったかと思います。まず、米艦船グリーン・ベイが無通告で入港したと、ルール違反ではないかという御質問だったように思いますが、まず、在日米軍基地に関する日米間の一般的なルールとしては日米地位協定があります。 国からの説明によりますと、米軍艦船が在日米軍施設・区域を使用するに当たり、常に日本政府に事前に通知することを定める取決めはないというふうに聞いておりまして、ルール違反との御指摘は当たらないと考えています。 次に、オスプレイの整備基地についてです。 国の説明によりますと、今回の共同訓練、いわゆるアイアン・フィスト23の九州での訓練期間中において、機体整備等のために岩国基地を使用するとのことであり、恒常的な整備拠点となるとの説明は受けておりません。 三点目、インド太平洋地域の米軍機能強化に関して、燃料タンクの御質問だったと思います。県では国に対し事実関係を照会しておりますけれども、国からは燃料タンクについては、引き続き米側に確認中との回答にとどまっております。 いずれにしても、県としては引き続き情報収集に努め、地元市町と連携しながら、適切に対応してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 朝鮮学校補助金についての再質問にお答えします。 朝鮮学校補助金につきましては、県民との相互理解の増進を図ることを目的として交付してきたものでありますが、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県としてこれを予算計上することは、県民の理解を得られないと判断しているものでございます。 こうしたことから、官製ヘイト等々、様々御指摘いただきましたけれども、御指摘は当たらないものと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。 朝鮮学校問題です。十年前に電話一本で補助金廃止を通告する。こんな無礼なことをやって、あれから十年であります。この間、山口県当局は、一度でも朝鮮学校に行ったことがあるのかどうか、伺いたいと思います。 最後になりますが、日本共産党は、常に、朝鮮学校と共にあります。さらに、社民党の中嶋さんや宮本さん、そして、立憲議連の戸倉会長…… ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君に申し上げます。 時間が参りましたので注意をいたします。木佐木大助君(続)了解しました。 戸倉会長以下立憲議連の皆さん方と一緒に頑張っていきたいと思いますので…… ○議長(柳居俊学君) 時間が参りましたので注意をいたします。 ◆(木佐木大助君) (続)この決意表明をして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 朝鮮学校についての再々質問にお答えします。 朝鮮学校に行ったことがあるかという御質問でございましたけれども、学校における様々な状況につきましては、関係の方々から要望を伺う際にお話をお聞きをしているところでございます。    〔発言する者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 答弁漏れとは認められませんので、進めさせていただきます。 合志栄一君。    〔合志栄一君登壇〕(拍手) ◆(合志栄一君) 新政クラブの合志です。通告に従いまして電力対策について一般質問を行います。 質問の一は、電気料金高騰の影響と対策についてであります。 電気料金の高騰が、県民生活と県内企業の経営を直撃しています。平成二十八年に電力小売が全面的に自由化されまして七年が経過しようとしていますが、中国エリアにおける令和四年十月の販売電力量において、新電力の占める割合は一割前後にとどまり、中国電力が一般家庭向けの低圧電力においては八七%、企業等向けの高圧・特別高圧電力においては九一%を占めています。 したがいまして、中国電力のデータに基づいて電気料金高騰の実情をまず明らかにしたいと思います。 まず、一月当たり二百六十キロワットアワー使用の一般家庭、これは四人家族で非オール電化の家庭を想定したモデルケースでありますが、このモデルケースの場合、販売電力量の六八%を占めている自由料金で見ますと、令和四年一月は、月額七千五百四十二円であったのが、一年後の本年一月には一万一千五十八円となり、四七%値上がりしています。 一方、燃料費調整による上限が設けられているため、電気料金の値上げに制限がある規制料金の場合は、同様モデルケースの一般家庭で令和四年一月は七千五百八十九円であったのが、本年一月は八千二十九円で、値上率は六%にとどまっています。 中国電力は、本年四月からの新料金では一般家庭向けの低圧電力の料金は、自由化料金も規制料金もほぼ同一水準にする方向で料金設定を行っているため、自由化料金は僅かですが値下げとなり、規制料金は三○%ほどの値上げとなる見通しであります。 このため、モデルケースの一般家庭の本年四月の電気料金は、いずれも一万四百円前後となり、昨年一月から三千円程度値上がりしたことになりますが、同ケースで令和三年一月の料金は六千四百六円ですので、それと比すれば四千円強の値上がりであります。 ただ、昨年十月に閣議決定されました電気・ガス価格激変緩和対策により、令和五年一月から九月までの使用分において、低圧の電気料金は一キロワットアワー七円、九月分は三・五円差し引かれることになりますので、モデルケースの一般家庭においては千八百二十円の値引きとなるものの、年金生活者や子育て世代で家計のやりくりに苦慮している家庭等にとっては、生活が苦しくなる厳しい電気料金の値上げであることに変わりはありません。 次に、企業等の産業用高圧電力使用の場合、六キロボルト高圧電力で契約電力一千キロワット、月間電力量二十八万キロワットアワーのモデルケースでは、令和四年一月は電気料金が五百十六万円であったのが、本年四月からの新料金では九百七十六万円となる予定であります。 ただ、高圧電力の場合も本年一月から九月までの使用分の料金については、国の価格激変緩和対策により、一キロワットアワー当たり三・五円、九月分は一・八円差し引かれますので、そのことを考慮しましても八百七十八万円となり、令和四年一月に比して七○%の値上げであります。 こうした電気料金の高騰は、企業の経営努力の範囲を超えていて、事業継続の見通しが立たなくなると、企業経営者からは、悲鳴に近い訴えの声を聞いています。 電気料金高騰の要因は、燃料価格の上昇と高止まりで、その背景の一つには、ロシアのウクライナ侵略を受けて、世界で液化天然ガスLNGや石炭といった資源を確保する動きが活発化していることがあるようです。 その収束の見通しは不透明でありますが、そうした状況の中において、県民生活と企業経営をどう守っていくのか政治の責任が問われています。 そこでお尋ねです。まず、県は、電気料金高騰の県民生活や企業経営への影響をどう見ているのか、お伺いいたします。 次に、県民の生活を守り、企業の事業継続を図っていくために、電気料金高騰への対策が求められていますが、このことにどう取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 質問の二は、県の電力行政についてであります。 私は、主たる役割が上関原発建設計画に係ることである県の電力行政の現状を終わらせる決断のときを、本県は迎えていると考えています。 これまで何度も議会において指摘してきたところでありますが、将来にわたって上関原発が建設されることはあり得ません。 民主党の菅政権のときに閣議決定されたエネルギー基本計画は、二○二○年までに我が国の総発電の五○%以上をゼロ・エミッション電源にするため、原子力の新増設を少なくとも十四基以上とする内容で、その計画において建設が位置づけられていたのが上関原発でした。 その後、東日本大震災が発生し、福島第一原発が津波に襲われて陥った過酷事故は、偶然の結果がよい方向に向いたため、東日本壊滅という最悪事態は回避することができましたが、国の存立自体を脅かすリスクを原発が内包していることが明らかとなりました。 このため、原発新増設の計画は改められ、その後のエネルギー基本計画においては、原発への依存後は可能な限り低減していく方針が明記されてきました。 こうした国のエネルギー政策の延長線上に、上関原発の建設はあり得ないことは明白であります。 私は、昨年の二月県議会で、今後の我が国のエネルギー政策において、原発が担う役割は補完的なものとの見方を示しました。 現岸田政権は、原発推進に転じたかのように報じられていますが、その中身は既設原発の再稼働と運転期間の延長が主なものであって、原発の補完的役割をやや強化して延長しようというものであります。 したがって、上関原発の建設は、岸田政権による原発推進の視野には入っていないと見て間違いないと思われます。 資源エネルギー庁の原子力国際戦略検討小委員会の委員を務めた経歴を持つ評論家市川眞一氏は、原子力産業新聞に昨年十一月、「原子力利用に一歩踏み出した岸田政権」と題して寄稿し、政府、電力業界にとって残された課題は、福島第一原子力発電の事故前に既に建設の初期段階にあった東京電力・東通一号機、建設準備中だった日本原電・敦賀三・四号機、東北電力・東通二号機、中国電力・上関一・二号機、九州電力・川内三号機、計七基について結論を出すことだろうと指摘しています。 そして、上関原発一・二号機、東通原発一・二号機の四基は、炉型が沸騰水型軽水炉ABWRで、福島第一とベースは同一の沸騰水型であることも論点になる可能性は否定できないと述べ、上関原発建設計画が国民の理解を得ることの困難さを示唆しています。 その上で、岸田総理が原子力の活用継続に一歩踏み込んだことを評価し、次のように結んでいます。 再生可能エネルギーと原子力、水素、アンモニアを組み合わせ、かつ使用を避けられない化石燃料については、二酸化炭素回収・有効利用・貯留いわゆるCCUSなどの技術を活用してカーボンニュートラルを達成する。これが次世代の日本のエネルギー戦略の基本になる道筋がようやく見えてきたと言えるだろうと。 中国五県のエリアでこの道筋を展望した場合、上関に建設されるべきは原発ではなく、将来、アンモニア発電への移行も可能なCO2回収型の石炭ガス化複合発電IGCC、もしくは同様のCO2回収型の石炭ガス化燃料電池複合発電IGFCであると考えます。 中国電力は、広島県大崎上島町の瀬戸内海の島で、このIGCC、IGFCの実用化に向けて実証実験を行っており、その成果を同じ瀬戸内海に面する上関で生かすことが望ましいと考えます。 中国エリアにおける原子力発電は、島根二号機の再稼働が認められ、既に建設が完成している島根三号機の営業運転が開始されれば十分で、あえて世論の強い反発を押し切ってまで上関原発を建設する選択は、もはやあり得ないと見ています。 上関にCO2回収型カーボンフリーのIGCCもしくはIGFCを建設した場合、将来的には水素のエネルギーキャリアであるアンモニアの混焼、さらにはアンモニア専焼の発電への移行も想定されます。 燃やしてもCO2を出さないことから、脱炭素の切り札として期待が高まっているアンモニア発電が、上関において実現すれば、中国エリアにおける電力供給は、主に再生可能エネルギーと原子力そしてカーボンフリーの火力により行われることになり、カーボンニュートラルの達成に大きく近づくことになります。 本県は、瀬戸内コンビナートにおいて全国の一割の水素を生成する水素先進県であり、そのことを本県産業の強みとして活用する施策の推進を図っていますが、水素のエネルギーキャリアであるアンモニアによる発電への活用も検討されていいテーマであると考えます。 以上、申し上げましたことを踏まえ、お尋ねいたします。 本県の電力行政は、上関原発建設計画をCO2回収型の石炭ガス化複合発電IGCC、もしくは石炭ガス化燃料電池複合発電IGFCに変更する方向でリーダーシップを発揮し役割を果たすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 以上で、一回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 合志議員の御質問のうち、私からは電気料金高騰の影響と対策についてのお尋ねにお答えします。 液化天然ガスや石炭の価格高騰による電気料金への影響について、本年一月分の関連指標は、対前年比で消費者物価指数が約二割、企業物価指数では約五割と急激に上昇しており、県民生活や企業経営に大きな影響を与えているものと考えています。 このため、県では今年度、累次にわたり原油価格・物価高騰対策を実施し、県民や事業者への支援に取り組み、また、電気事業を所管する国に対しては、実質的な負担軽減につながる制度設計について、全国知事会を通じて要望してまいりました。 その結果、国の総合経済対策において、電気料金の激変緩和対策が実施され、今年一月使用分から料金引下げが行われており、一定の負担軽減が図られています。 こうした中、電気料金をはじめとする物価高騰は、今後もさらなる上昇や高止まりが懸念されていることから、私は、来年度予算においても引き続き、厳しい状況にある県民や事業者への影響緩和を図るための対策を講じてまいります。 具体的には、まず県民が利用する施設等でのサービス継続を図るため、医療機関や社会福祉施設等の光熱費をはじめ、公共交通事業者の燃料費や、学校・保育所等の食材費に対する支援を実施します。 また、企業の事業継続に向けて、省エネ・業務効率化に資する設備導入補助や、経営診断等によるデジタル経営への転換支援、リスキリングによる人材育成支援などにより、生産性向上を図ります。 さらに、経営の安定に向けて、原油価格・物価高騰対応資金など資金面からの支援や、クラウドファンディングを活用した頑張るお店応援プロジェクト、運送料の値上げに対応したEC送料支援などにより消費需要を喚起します。 私は、電気料金等の物価高騰が県民生活や企業経営に与える影響を最小限に抑えることができるよう、国の対策に適切に呼応しながら、引き続き必要な対策を講じてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 県の電力行政についてのお尋ねにお答えいたします。 火力発電については国の第六次エネルギー基本計画において、排出される二酸化炭素の回収・貯留等による脱炭素化や、お示しの石炭ガス化複合発電などの技術開発等を推進していくとされています。 一方で、原子力発電についても、運転時に温室効果ガスの排出がないことから、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与するベースロード電源として、必要な規模を持続的に活用していくとされています。 このように次世代の高効率石炭火力発電や原子力発電は、国のエネルギー政策において、その役割や重要性がしっかりと位置づけられています。 こうした中、上関原発については、重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、解除する考えはないとの見解が国から示されており、国のエネルギー政策上の位置づけは現在も変わっていないと認識しています。 また、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択は、現在も変わりありません。 上関原発建設計画については、このように事情の変化がない中で、御提案のあった計画変更について県が役割を果たすことは考えておらず、県としては、これまで同様、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 合志栄一君。    〔合志栄一君登壇〕(拍手) ◆(合志栄一君) 二回目の質問でありますが、少し時間がありますので、一回目の質問で、福島第一原発事故は、偶然の結果がよい方向に向いたので、東日本壊滅という最悪事態は回避されたということを申し上げましたが、たまたま昨日、山大前の本屋に寄っておりましたら、こういう(掲示)「福島第一原発事故の真実」という本がありまして、これはNHKのメルトダウン取材班というのが十年かけて、千五百人以上の関係者取材で浮かび上がった事故の真相ということをまとめた本がありましたので、それを買い求めて、ちょっとこう見ていきましたら、エピローグのところで、先ほど私が申し上げたことを裏書きするようなことがありましたので、まずそれを紹介いたします。 「エピローグ十年目の「真実」あの事故で死を覚悟したときはあったのか。この十年、事故対応にあたった幾人もの当事者にそう尋ねてきた。」これは福島原発事故の当事者ですね。 ほぼ例外なく「死ぬと思った」という答えが返ってきた。とりわけ事故四日目の三月十四日、二号機が危機に陥った時、「もう生きて帰れないと思った」と語る人が多かった。家族に宛てて書いたという遺書を見せてくれた人もいた。このとき、冷却が途絶えた二号機は、何度試みてもベントができなくなり、なんとか原子炉を減圧したが、消防車の燃料切れで水を入れることができず、原子炉が空焚き状態になった。テレビ会議では、吉田所長や武藤副社長が血相をかえて「格納容器がぶっ壊れる」「とにかく水を入れろ」と怒鳴っている。 後に吉田所長は、「このまま水が入らないと核燃料が格納容器を突き破り、あたり一面に放射性物質がまき散らされ、東日本一帯が壊滅すると思った」と打ち明けている。吉田所長が語った「東日本壊滅」は、事故後、専門家によってシミュレーションが行われている。当時の菅総理大臣が、近藤駿介原子力委員会委員長に事故が連鎖的に悪化すると最終的にどうなるかシミュレーションをしてほしいと依頼して作成された「最悪シナリオ」である。そこに描かれていたのは、戦慄すべき日本の姿だった。 最悪シナリオによると、もし一号機の原子炉か格納容器が水素爆発して、作業員が全員退避すると、原子炉への注水ができなくなり、格納容器が破損。二号機、三号機、さらに四号機の燃料プールの注水も連鎖してできなくなり、各号機の格納容器が破損。さらに燃料プールの核燃料もメルトダウンし、大量の放射性物質が放出される。その結果、福島第一原発の半径百七十キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径二百五十キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされている。半径二百五十キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本三千万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには数十年かかると予測されていた。 この東日本壊滅の光景は、二号機危機の局面で、吉田所長だけでなく最前線にいたかなりの当事者の頭をよぎっている。しかし、二号機の格納容器は決定的に破壊されなかった。なぜ、破壊されなかったのか。 このことについて触れている文章を紹介いたします。 あの二号機の極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。しかし二号機の格納容器が破壊されなかったのは、肝心なときに水が入らなかったり、格納容器の繋ぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。こう記されています。 この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である。 こういう指摘でありますね。 もう一つ、評論家の市川氏の寄稿を紹介いたしまして、上関原発で計画されている原子炉の型は、福島第一原発の炉の型と同一であるから、そのことが論点になる可能性を否定できないということについてもうう少し補足しておきますと、アメリカにおいて、西部には、アメリカのカリフォルニアとか、あっちのロサンゼルスとか、西部のほうには福島第一原発原子炉と同型の沸騰水型軽水炉の原発は建設されていません。 東部には、沸騰型軽水炉の原発があるんですけれども、なぜアメリカは、東部には沸騰水型軽水炉の原発を設置しているけど、西部には設置していないかというと、西部には地震が多いからですね。地震が多いところにおいて、その型の原子炉の原発を建設するのは危険であるということで建設されていないんですね。 ところが、地震が多い日本の国に対して、そのアメリカにおいては、地震が多い地域には建設されない型の原子炉が、ある意味、輸出・建設されたという事実があります。そういうことが論点になる可能性があるということを指摘しているわけであります。 そういうことを踏まえますと、繰り返しになりますが、あえていろんな世論の反発を押し切ってまで上関に原発が建設されるということはあり得ないということを、私は確信している次第であります。 今回、電気料金の高騰のことについて関心を向けまして、それで、県の電気、電力に関することを所管しているところに、いろいろ聞いたりしているときに、私自身が感じましたのは、これほど電気料金が高騰して、県民生活あるいは企業経営等に大きな影響があるのに、県の電力行政の主たる関心は上関原発にあるなということを感じて、果たしてこれでいいのかという疑問を持ったことからであります。 ある意味、私から申し上げれば、国のエネルギー政策による不作為、そして、それに寄りかかって経営判断を避けている中国電力。それに、いつまでも県の電力行政がお付き合いする必要はないのではないかということであります。 貴重な県の人材を、そういう見通しがないことにいつまでも投入する、配置する必要はない。それを改めていく政治の決断が今求められている。 公有水面につきましては、たしか昨年の十一月に許可判断がされて、期限は令和九年の六月までということで、四年半、村岡知事三期目の間には、このことについて許可するかどうかの判断を迫られることは県にはないわけでありますけれども、私は、そういう一つの将来の展望が見えないことにいつまでも、県の電力行政は関わることはやめる判断をすべきときが来るのではないのかなと思っているところであります。 公有水面埋立法は、法定受託事務で、知事に権限が、免許権はあるわけでありまして、どう判断するかというのは、最終的には知事に委ねられている面もあります。 知事自身の政治的な決断によりまして、ある意味、三すくみの状況になっている上関原発建設計画に終止符を打って、新しい一つの展望を切り開いていかれることを要望いたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手)   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時四十一分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第六十一号まで ○副議長(二木健治君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 井原寿加子さん。    〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) ◆(井原寿加子さん) 一般質問をいたします。よろしくお願いいたします。 今、この国の在り方が大きく変わろうとしています。 岸田首相は、敵基地攻撃能力を含む防衛力の強化と、そのための防衛費の大幅増額を打ち出しました。戦後、大切にしてきた平和憲法、専守防衛の原則が崩れていくようで悲しくなります。 最近、岩国基地には、大型艦船が頻繁に寄港、外来機も飛来しており、明らかに機能が強化されています。 このままいけば、日本が再び紛争に巻き込まれ、岩国や沖縄は真っ先に攻撃されるのではと心配でなりません。 安全保障は、私たちの生活や命に関わる大切なことであり、国民的議論を尽くし慎重に進めてほしいものです。 県政も同じです。最近、ともすれば重要な政策が県民の知らないところで決められているように感じます。そうした視点を忘れないでいただきたいと思います。それでは、住みよい山口県には決してなりません。誰のために県政はあるのか。 以下、県民の目線で質問をいたしますので、分かりやすくお答えください。 一番、令和五年度予算案等についてです。 初めに、物価高騰対策について、お尋ねいたします。 最近は、エネルギーから生鮮食料品まで、あらゆるものが値上がりし、主婦の皆さんの悲鳴がたくさん聞こえてきます。中でも、電気代の値上がりは激しく、毎月の引き落とし額を見るのが怖いくらいです。 こうした物価高に賃上げが追いつかず、実質賃金が目減りをしており、県民の生活はますます苦しくなっていると思います。 山口県として、こうした物価や賃金の状況について、どのように認識しているのでしょうか、御説明ください。 今回の予算にも物価高騰対策の事業が計上されていますが、その内容を分かりやすく御説明ください。それにより、どの程度の効果があると見込んでいるのでしょうか、お示しください。 二月補正予算に、安全・安心、デジタル、脱炭素などに関する新しい基金、合計二百億円が盛り込まれています。財源不足が続く中で、突然四つの新しい基金をつくるというのは、どうも理解できません。 そこでお尋ねいたします。基金の財源は何でしょうか。何のために積み立てるのでしょうか。財源が余ったら、一定の額を借金返済に回すべきではありませんか。 今回その一部、二十七億円が取り崩され予算化されておりますが、コロナや経済対策など急を要する事業にもっと有効に使うべきですし、少なくとも、いざというときのために財政調整基金に積むべきではないでしょうか、お答えください。 次に、山口きらら博記念公園交流拠点化事業についてお尋ねいたします。 交流拠点にふさわしい施設整備を推進するとして、一億円余りの予算が計上されていますが、何かまた立派な施設を建設するのですか。施設整備の目的と効果などについて、具体的に御説明ください。 また、最近の山口きらら博記念公園の利用者数、利用状況と収支など、運営状況を教えてください。 予算の最後に、グローカル人材育成事業についてお尋ねいたします。 先日、ハワイ研修が終わりましたが、初年度の各種事業の実施状況と成果をお示しください。この事業については、昨年来、度々新聞やテレビでも取り上げられ、県民の関心が高まるとともに、疑問も生じています。 第一に、どうして県立の高校と中学だけを対象とするのかということです。私立の高校の生徒にしてみれば、どうして自分たちが除外されるのか理解できないでしょう。この点をどのように説明されるのか、明確にお答えください。 第二に、どうして東部地域に限定されるのか、他地域の生徒や保護者からすれば、到底理解できないはずです。教育の公平性という観点から大いに問題があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 二番、新型コロナウイルス対策について伺います。 最近は、新規感染者数も着実に減少し、第八波も収束に向かっているように思えます。国では、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、五月八日からインフルエンザと同じ五類に移行させる方針であり、それに先立って三月十三日からマスクの着用が大幅に緩和されます。 病院を受診する場合などを除き、屋内でもマスク着用を勧めず、個人の自主的判断に委ねるとのことです。 サミットを控えて前のめりに規制が緩和されているようにも見えますけれども、コロナがなくなったわけでもなく、新たな変異株が出現する可能性もあります。国民の意識も急には変わらないと思います。ただ自由にどうぞと言われても判断に迷いますし、混乱が生じかねません。あくまで国民の命と健康を守ることを最優先に慎重に対応してほしいと思いますし、一気に自由にするのではなく、行政が一定の基本的指針を示すべきだと思います。 国の方針を受けて、山口県ではどのように対応するお考えか、お聞かせください。 昨日、県立高校の卒業式が終わりましたが、マスクの着用については、どのような状況だったのでしょうか。今後、小中学校の卒業式、入学式などもありますが、半旗掲揚のときのよう、県教委として各市町教委にどのような通知を出すのか、お示しください。 三番、高森みどり中学の募集停止について伺います。 高森みどり中学校がなくなる。降って湧いたような話に、地域の皆さんは大きな衝撃を受けました。 子供たちが集う学校は、地域コミュニティーの一つで中心であり、地域の希望とも言える存在です。その大切な学校がなくなるというので、保護者や同窓会など関係者の皆さんからこぞって反対の声が上がっています。 私もこの計画には反対であり、今からでも見直しを行うべきだと思います。 理由の第一は、この計画の目的と効果が不明確な上に、高森みどり中学校の募集停止を行う理由がないということです。第二に、地域関係者の理解を得ないままに、一方的に進められているということです。 まず、高校再編計画の中に、高森みどり中学校の募集停止が盛り込まれた経緯について、お尋ねいたします。 令和三年度に検討協議会が設置され、第三期県立高校将来構想が策定されました。その中に中高一貫教育の推進が盛り込まれていますが、その検討の過程で、岩国高校に新たに中学校を併設し、高森みどり中学校を募集停止にするという議論は具体的に行われたのでしょうか、お伺いいたします。 次に、昨年九月に示された県立高校再編整備計画(素案)には、高森みどり中学校の募集停止が盛り込まれていますが、これは外部の専門家の意見によるものでしょうか、それとも教育委員会事務局が考えられたのでしょうか、お伺いいたします。 また、岩国高校に併設される計画の中学校のクラス数と定員を教えてください。 今回の再編の目的は、小中学校卒業時の児童生徒の県外への流出を防止することであるとされています。確かに、岩国では、小学校や中学校卒業時に広島の学校に進学する生徒が一定数いますし、そうした流れは昔からほとんど変わってはおりません。 岩国と広島は時刻表なしで利用できるシティ電車で結ばれ、買物や娯楽など、あらゆる面で広島は身近な存在であり、大学進学などで実績のある有名な学校が幾つもあります。新しい中学校をつくっても、この流れを止めることができるとは到底思えません。 小中学校別に、岩国地域から広島県の学校に進学している児童生徒の人数を教えてください。今回の計画により、それをどの程度減少させることができると考えているのでしょうか、具体的に根拠をお示しください。 また、高森みどり中学校を設置した目的と、これまでの実績について、どのように評価しているのか教えてください。 知人の娘さんが、先日入学試験を受けましたけれども、毎年志願倍率は一倍を超えており、今年度は昨年よりも高くなっていますし、周南や柳井など市外から来る生徒が四○%に達しています。 さらに、英語をはじめとして、部活など高校とも連携した特色のある教育が行われ、多くの人材を輩出しています。つまり高森みどり中学校は、広域にわたる児童生徒や保護者のニーズに対応した特色のある学校づくりができている。まさに県立学校として大きな成果を上げ、他校のモデルになるような学校だと思います。 これを廃止すれば、県の教育行政の実績を自ら否定するに等しいと思いますが、県教委の認識をお聞かせください。それとも、存続させることができない何か重大な問題があるのでしょうか、お答えください。 児童生徒の県外流出の防止を目的に、岩国に新しい中学校をつくることの是非は別といたしまして、そのことと高森みどり中学校とは本来関係ないはずです。 近接して二つの県立中学校を運営することは難しいという説明がなされているようですけれども、本当にそれだけの理由で実績のある学校を廃止していいのか、とても不可解で何か別の力が働いているのではないかと勘ぐりたくもなります。地域の方々が納得できないのはその点にもあると思います。 そこで改めてお尋ねいたします。 今回、高森みどり中学校を募集停止にしなければならない本当の理由と根拠を具体的に分かりやすく説明してください。 次に、地域の理解についてお尋ねいたします。 初めにも触れましたけれども、県政は誰のためにあるのか。もちろん県民のためであり、その県民の理解を得ないままに行政を進める権利は、知事にも教育長にもないはずです。 この間、地域への説明はどのように行われましたか、そこでどのような意見が出されましたか、パブリックコメントも含めて具体的にお答えください。 国が示した、公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引と題する文書があります。 そこには、学校は、教育だけでなく、防災や交流など地域コミュニティーの核となるものであり、その配置等の検討については、行政が一方的に進めるのではなく、保護者など地域の関係者と十分協議をし、その理解を得ることときちんと書かれています。全くそのとおりだと思います。 今回の計画については、同窓会や地域の関係者を中心に結成された、高森みどり中学校の存続を求める会から提出された反対署名が既に一万人を超えており、理解が進むどころか、反対と怒りの声が満ちています。 子供のためと言われますが、その子供たちからも「この学校は必要ないのですか。成績が悪いのが原因ですか。それならもっと勉強します」「学校がなくなると聞き、とても驚き悲しくショックを受けました」「周南や下松の友達ができ、カヌーやホッケーなどの珍しい部活やオーストラリアへの語学研修など、ほかにないすばらしい学校なので、絶対になくさないでほしい」などなど、たくさんの手紙が出されており、本当に読んでいると涙が出てきそうです。どうして子供たちにこんな疑問や不安を与えるのですか。 もう一度教育長にお尋ねいたします。今回の計画について、地域関係者の理解は得られていると思いますか、端的にお答えください。また、地域の理解が得られていないとすれば、今後どのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。 四番、森林整備と環境保全対策等についてです。 新たに、森林環境税が創設され、令和六年度から国税として一人年額千円が市町村により徴収され、それを財源に森林環境譲与税が都道府県と市町村に交付されるとのことですが、こうした仕組みがつくられた目的、都道府県や市町村への配分方法などを教えてください。 また、令和元年度から森林環境譲与税の配分が先行して行われているようですけれども、これまでの本県への交付額と、その取り組み状況について、分かりやすく御説明ください。 一方、平成十七年度から個人・法人に課税されている森林づくり県民税は、徴収から二十年近くがたっていますが、これまでの徴収額、また、どのような事業が行われてきたのか。その額と内容について実績をお答えください。 この間、本県の森林の環境は大きく改善されたとお考えでしょうか。具体例があれば教えてください。また、今後、森林環境譲与税と県の森林づくり県民税を使って、どのような森林づくりをしていくおつもりか。その違いも含めてお伺いいたします。 過疎化が進み、森林が手入れもされず放置されていたり、ゴルフ場の跡地や開発が中止された広大な土地にメガソーラーのパネルが設置される事例が県内でも多く見られます。岩国市北部や柳井市でも、その影響が深刻になっています。 河川に有害物質が流出したり、土砂が堆積して、氾濫の危険が高まり、しゅんせつが頻繁に行われても流出量にしゅんせつが追いつかないのが実情です。この現実を県はどのように把握し、対応するのか、お伺いいたします。 関連して、水源涵養や土砂災害防止などを目的とした保安林制度についてお尋ねいたします。 県が発行している保安林のしおりには、暮らしを守る大切なものが保安林であると記されています。さらに、保安林としての働きをしていない場合に、特定保安林の指定が行われますけれども、本県の特定保安林の割合を教えてください。さらにそのうち、要整備森林に指定し、地域森林計画に明示してある箇所はどのくらいでしょうか。またこうした地域の巡視はどのように行われているのでしょうか、お答えください。 森林の荒廃は、下流に住む住民の生活に大きな影響を及ぼします。森林と裸地、さらに荒廃地の保水力、浸透能力の差、また土砂流出量の違いはどのくらいに差があるのでしょうか、お示しください。 また、耕作放棄地の農地については、高齢化が進む山間部では、特に個人での管理が難しくなっています。荒廃地をこれ以上増やさないために、手を差し伸べることが喫緊の課題だと考えますが、どう取り組まれるのか、お伺いして、一回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 井原議員の御質問のうち、私からは、物価高対策についての三点のお尋ねにまとめてお答えします。 まず、本県の物価や賃金の状況に対する認識についてですが、実質賃金が名目賃金を下回る傾向が続いていることなどを踏まえると、私は賃金の上昇が進まない中、多岐にわたる物価の高騰が長期化していることにより、県民の皆様の暮らしに大きな影響を与えているものと認識しています。 こうした認識の下、物価高騰による県民や事業者への影響を緩和するため、今年度実施してきた対策を来年度予算においても、現下の情勢を踏まえつつ講じることとしたものです。 具体的には、今年度と同様、医療機関や社会福祉施設等に対する光熱費高騰に係る支援金の支給や、介護施設等における食材料費の価格上昇相当分に係る経費、学校・保育所等における給食の材料費等に係る増加経費の支援を実施します。 また、ECサイト等により商品を販売する事業者への送料支援や中小企業者等に対する省エネ機器等の導入補助を行うほか、県内店舗の資金支援と消費需要喚起のための購入型クラウドファンディング等を実施します。 さらに、燃料費の価格上昇により厳しい経営環境にある交通事業者に対する負担軽減のための補助を行うほか、日本酒や花卉等の農林水産物の需要拡大キャンペーンを実施します。 これらの取組の効果ですが、社会福祉施設等への光熱費等の支援や交通事業者への燃料費支援等について、今年度、物価上昇率等を基準とした負担軽減策を講じており、これと同等の効果を見込んでいます。 また、購入型クラウドファンディングの発行総額は、二十六億円を目標にするとともに、農林水産物需要拡大キャンペーンについては三・六億円の需要喚起を見込んでいます。 私は、今回の物価高騰緊急対策等を通じ、今後とも、国や市町と連携しながら、県民生活の安定を図るとともに、傷んだ社会経済の再生に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 新たな基金についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、二百億円の基金の財源については、令和四年度の税収等の上振れ分五十七億円、令和三年度の税収等の上振れ分百四十三億円を財源としています。 次に、基金の創設理由についてですが、やまぐち未来維新プランに掲げる重点施策の計画的かつ着実な推進に必要な財源を確保するとともに、新たな県づくりに向け共に取り組んでいく市町や企業等に対し、県としての取組姿勢を示すことにより、施策の実効性を高めるために創設するものです。 次に、財源が余ったら一定の額を借金返済に回すべきではないかとのお尋ねですが、先ほどの両年度の税収等の上振れ分等は、年度間の調整財源として財政調整基金にも積み立てることとしており、令和四年度は百八十六億円を積み立てることとしています。 また、コロナや経済対策など急を要する事業にもっと有効に使うべきであり、少なくとも、いざというときのために財政調整基金に積むべきではないかとのお尋ねについてです。 令和五年度当初予算においては、国の交付金等を最大限活用して、新たな県づくりに向けた取組をはじめ、新型コロナ対策や現下の物価高への対応に重点的な予算配分を行い、必要な予算規模を確保したところです。 また、来年度末の財政調整基金残高は、先ほどの積立てを行うこと等によりまして九十八億円と見込んでおり、災害等への備えとして目安としている百億円に近い額は確保しているものと考えています。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 山口きらら博記念公園交流拠点化事業についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、施設整備の目的と効果などについてです。 山口きらら博記念公園は、海に面した絶好のロケーション、広大な芝生広場など高いポテンシャルを有していることから、山口の豊かさや住みよさを実感できる交流拠点として、また県外の人に山口の魅力を感じ、訪れてもらう集客拠点として再整備を行うこととしています。 このため令和五年度は、まず民間活力導入の可能性調査や宿泊、モビリティー等の社会実験などを行った上で基本構想を策定することとし、それらの経費として約一億一千二百万円の予算を計上しているところです。 今後、交流拠点化へ向けた施設整備やイベントの開催等による交流拡大の取組を推進することで、令和八年度の年間利用者数八十万人を目指すこととしています。 次に、最近の利用者数、利用状況と収支などの運営状況についてです。 令和三年度は、コロナ禍の中、ゆめ花マルシェ等のイベントや、マラソン、水泳等の競技大会などに利用され、年間利用者数は約十六万人でした。 また、山口きらら博記念公園では、指定管理者制度を活用しており、令和三年度の指定管理者の収支決算は、収入が約五億一千百万円、支出が約五億九百万円であり、約二百万円の黒字となっています。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 新型コロナウイルス対策についてのお尋ねのうち、マスク着用に関する県の対応についてお答えします。 国においては、マスクの着用は個人の判断に委ねることを基本とし、各個人が判断できるよう医療機関の受診時や重症化リスクの高い方が、混雑した場所に行く際など、感染防止対策として効果的な場面を示した上で、マスク着用を推奨する方針を決定したところです。 県としましては、こうした国の方針について、ホームページ等を通じて広く周知に努めているところです。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 森林整備と環境保全対策等についての御質問のうち、森林環境譲与税と森林づくり県民税についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、森林環境税と森林環境譲与税の目的と配分方法についてです。 この制度は、森林の有する公益的機能の維持管理の重要性に鑑み、市町村及び都道府県が実施する森林の整備等を進めるため創設されたもので、森林環境税の収入額に相当する額を森林環境譲与税として市町村に九割、残りの一割が都道府県に配分されます。 次に、森林環境譲与税のこれまでの県への交付額とその取組状況についてです。 令和元年度から三年度までの県への譲与額は、約二億九千万円であり、森林総合情報システムの機能強化や研修会の開催、やまぐち森林経営管理サポートセンターによる指導・助言など、市町への総合的な支援に活用しています。 次に、やまぐち森林づくり県民税の徴収額と事業実績についてです。 平成十七年度から令和三年度までの累計の税収額は約六十八億円で、荒廃森林や繁茂竹林の整備などのハード対策で約六十六億円、ボランティア団体を支援するソフト対策で約二億円を活用してきました。 この結果、荒廃森林の整備は約七千七百か所、七千三百ヘクタール、繁茂竹林の整備は約六百か所、一千六百ヘクタールを実施してきたところです。 また、ボランティア団体については、延べ百十六団体、約四千六百人の活動に対して支援を行ってきたところです。 次に、本県の森林環境は、大きく改善されたかとのお尋ねです。 荒廃森林や繁茂竹林の整備箇所では、下層植生が回復し、森林の持つ多面的機能の回復が見られるところです。 次に、今後、森林環境譲与税と森林づくり県民税を使って、どのような森林づくりをしていくのかとのお尋ねです。 県では、林業経営に適した森林は森林環境譲与税で、林業経営に適さない奥山の荒廃森林は、森林づくり県民税で整備等を進め、森林資源の適切な管理を図ってまいります。 次に、メガソーラーの設置による影響についてです。 県は、地域森林計画対象森林における、太陽光発電施設用地造成を目的とした一ヘクタールを超える開発については、森林法や県要綱に基づく基準に照らし、許可要件が満たされているかを審査を行った上で、林地開発の許可を行っています。 また、許可に際しては、防災施設整備の先行実施等を許可条件に付すとともに、許可後においても必要に応じ事業者に対し周辺への濁水等の流出防止など、生活環境の保全に留意し留意の上、慎重に開発を進めるよう指導しているところです。 次に、保安林制度の数点のお尋ねについてです。 まず、本県の特定保安林の割合と要整備森林の箇所数についてです。 森林法において、農林水産大臣は、指定の目的に即して機能していないと認められる保安林を特定保安林として指定することができるとされ、知事は特定保安林内において要警備森林の所在や実施すべき施業方法等について、地域森林計画に定めることとされています。 現在、本県において、農林水産大臣による特定保安林の指定はなされておらず、したがって、要整備森林の指定箇所もありません。 なお、県内の保安林全般を対象に、県が委嘱する森林保全巡視指導員によって、森林利用者に対する山火事予防等の指導や、標識類等の保全状況の確認など、巡視活動が行われています。 次に、森林の荒廃による影響についてです。 文献等によると、森林の保水力、いわゆる浸透能力は、草地の二倍、裸地の約三倍、流出土砂量は耕作地の七分の一以下、荒廃地の百五十分の一以下とされています。 次に、耕作放棄地対策についてです。 国においては、耕作放棄地対策として、各地域での農業者や関係団体等による話し合いを基に、農地を、農業利用する区域と保全管理する区域とに整理する方針を示しています。 県としては、農業利用する区域について、地域ぐるみで農地を守る集落営農法人の設立や、農地中間管理機構による農地の出し手と受け手とのマッチング活動等を促進します。 また、農業利用が困難な、保全管理する区域については、引き続き、除草作業の省力化につながる山口型放牧や、植林による農地から林地への転換など、地域の意向を踏まえた取組を支援することにより、荒廃地をこれ以上増やすことのないよう努めてまいります。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 教育に関するお尋ねにお答えします。 最初に、令和五年度予算案等のうち、グローカル人材育成事業についての数点にお答えします。 まず、今年度の実施状況と成果についてです。 今年度は、語学力育成や国際交流体験等、四つのプログラムを実施し、ハワイで行われたグローバル探究プログラムには百四十一名の生徒が参加しました。 参加した生徒からは、「ハワイに行って世界を感じるとともに、山口県のよいところを感じることができた」「研修を通じて、今後の自分の目標や行動について考えることができた」といった肯定的な意見が多数寄せられておりまして、グローバルな視点の獲得や地域の課題解決に向けた意識の醸成などの成果があったものと考えています。 次に、なぜ県立の高校と中学校だけを対象とするのかについてですが、本事業は岩国基地関連の県交付金を活用し、県教委が県立学校の魅力を高めるために取り組むものであることから、対象地域内にある県立学校の生徒を対象としています。 次に、東部地域に限定するのは、教育の公平性という観点から問題はないのかについてですが、東部以外の地域においても、各学校の実情に応じて、姉妹校交流やオンラインによる海外との交流、地域課題についての探究活動等に取り組んでおり、教育の公平性に問題はないと考えています。 次に、新型コロナウイルス対策についてのお尋ねのうち、学校におけるマスクの着用についてお答えします。 県立高校の卒業式については、半数を超える学校で着用しないことを基本として行われた一方で、感染不安を抱く生徒の配慮などから、着用の協力を依頼した学校もあり、各学校の実情に応じて適切に対応されたものと把握しております。 また、小中学校の卒業式については、マスクの取扱いに関する国の基本的な考え方を各市町教委に周知したところです。 なお、入学式など四月一日以降の対応については、国からの通知を待って適切に対応してまいります。 次に、高森みどり中学校の生徒の募集停止についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、第三期県立高校将来構想の策定に当たって、高森みどり中学校の募集停止の議論は具体的に行われたのかとのお尋ねです。 将来構想の検討段階においては、具体的な学校名を挙げた再編整備の議論はしていません。 次に、高森みどり中学校の募集停止は、外部の専門家の意見によるものなのかとのお尋ねですが、県教委において判断したものです。 次に、岩国高校に併設する中学校については、一学年二クラス規模を想定しており、入学定員は検討中です。 次に、岩国地域から広島県に進学した児童生徒の人数ですが、令和四年度は中学校卒業生が六十七人、小学校卒業生が二十六人となっています。 次に、今回の計画により、その人数をどの程度減少させることができるのかとのお尋ねについて、現時点で具体的な数をお示しすることは困難ですが、進学指導に重点を置いた新たな中高一貫教育校の設置により、児童生徒や保護者のニーズに応えてまいります。 次に、高森みどり中学校の設置目的と、これまでの実績に対する評価についてです。 高森みどり中学校は、高森高校との接続による多様な交流を創造する学校づくりの観点から設置したものであり、少人数授業や先取り学習、中高合同で行う学校行事などの取組を実施し、成果を上げていると評価をしています。 次に、高森みどり中学校を廃止すれば、県の教育行政の実績を自ら否定することになるのではないか、存続できない何か重大な問題があるのか、募集停止にしなければならない本当の理由と根拠は何かとのお尋ねにまとめてお答えします。 県外への進学が多く見られる岩国地域において、児童や保護者のニーズに対応する必要があることから、通学の利便性や高校の規模も考慮し、高森みどり中学校での取組の成果を可能な限り継承する形で、岩国高校に併設型中学校を設置することとしたものです。 また、今後の児童数の減少を踏まえると、岩国市で県立中学校二校分の定員の維持は困難であると判断したところです。 次に、地域の説明や、そこでの意見などについてのお尋ねです。 岩国市では、三回の地域説明会を開催し、将来構想の考え方や再編整備の方向性などについて説明しました。 また、地域説明会やパブリックコメントでは、「募集停止は寂しいことではあるが、地元の中学校に進学する生徒の確保という観点から仕方がない」という意見がある一方で、「岩国市に二校の中高一貫教育校があってもよいのではないか」などの意見がありました。 次に、今回の計画について、地元の理解を得られているのか、理解が得られていないとすれば、今後どのように対応するのかについてです。 地元の関係者の意見は、様々あると承知していますが、県教委としては何よりもまず、これから入学してくる子供たちのことを最優先に考え、県立学校の再編整備を進めることとしています。 ○副議長(二木健治君) 井原寿加子さん。    〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) ◆(井原寿加子さん) 再質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず予算についてですけれども、財調の基金の金額、百億円あれば十分というようなお話で、最近百億円にこだわっていらっしゃるようですけれども、本県規模の財政状況で適正基金の額というのを私以前に聞きましたけれども、百億ではなかったと思いますが、その辺のことをもう一度お伺いいたします。 それから、県は危機的な状況を打破するために、平成二十九年から取り組んでいた行財政構造改革をコロナとか財政対策を理由に一時凍結しておられますけれども、現在でも、その取組期間中のはずです。 二百億円をコロナや経済対策に充てるのなら理解できますけれども、基金に積むというのは、どうしても、この新しい基金に積むというのはどうしても理解できません。県は、行財政構造改革を今もうやめてしまったのでしょうか、お尋ねいたします。 それから、物価対策についてです。もう一度お伺いいたします。 県の対策は施設や事業者支援に限定されているようですけれども、それでは不十分だというふうに思います。本当に困っている人たちに手を差し伸べるために、所得の低い人たちを対象に現金の直接給付などをすべきではないでしょうか。 そのための財源として、例えば、再編交付金を有効に使うという方法もあります。いかがお考えでしょうか。 少なくとも、無用の長物と化している一億数千万円を費やして交付金で錦川清流線に造られた清流みはらし駅よりも何倍も効果があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 それから、きらら博記念公園についてですけれども、この事業について唐突感を覚えたのは、私だけではないと思います。 冒頭に申し上げましたように、重要な政策が県民の知らないところで決められていると思いますし、費用対効果など数値を検討して、もっと慎重に判断をすべきではないでしょうか。多額の予算を投じて、現在十六万人の利用者が八十万人に増えるとはとても考えられませんが、この見通しについての根拠をちゃんとお示しください。 それから、コロナ対策です。 依然としてコロナの感染は続いております。私の周りでも子供から感染が広がったという例がたくさんありますし、個人の判断に任せると言われても、やはりマスクを外すことに不安を感じる人も多いと思います。私もその一人ですけれども、迷ってしまって対応がばらばらになるのではないでしょうか。 学校では、集団生活をするのですから一定のルールも必要だと思います。現場の判断に任せるだけでなく、県教委として一定の明確な方向性を出した方がいいのではないでしょうか。もう一度お伺いいたします。 それから、みどり中学です。一回目の質問に対して、私は今回の計画により、それをどの程度減少することができると考えているのでしょうかという、県外流出の件をお伺いしましたが、数字は分からないとおっしゃいました。数字が分からないままに高森みどり中学を募集停止をして、岩国に新しい中学をつくるんですか。そんな根拠のない予算の使い方と子供を犠牲にするのですか、もう一度、お伺いいたします。 それから、教育長の答弁、副教育長ですけれども、大きな矛盾があります。 まず、教育長、副教育長は、今回の件で、みどり中学に行かれましたか。そしてまた、生徒、先生方と会って募集停止について意見をしっかり聞かれましたでしょうか。まず、それについてお答えください。 それから、岩国から広島へ進学する児童生徒は何人というお答えを頂きましたけれども、今回の再編計画で半数の流出を止めることができる、というふうにいつかおっしゃっていたのを聞いたような気がいたしますが、とてもそうとは考えられません。 たとえ半数になったとして、小中学校の卒業者数に占める割合は何%なのでしょうか、僅かではありませんか、お伺いいたします。 その数%、たった数%のために、みどり中学のように広域の保護者や子供たちに選択する機会を与えて、特色のある教育を実施している地域の核となっている学校をいきなり廃止するというのはどう考えても論理矛盾であり、本末転倒です。この矛盾を私に分かるように、矛盾を解消する答弁をきちんとしてください。 それから、岩国に新しい中学校をつくる話ですけれども、二校の並立が難しいというのであれば、今ちゃんと運営している高森みどり中学校を残して一つをやめればいい、新しくつくることをやめればいい、それだけのことではありませんか。それもお伺いいたします。 それから、例えば、私はこの間、高森みどり中学校を視察してきました。中高一貫という環境がすっかり定着していて、子供たちが生き生きと学んでいましたし、地理的条件もよくて、その魅力をPRしていけば、これからも自治体の枠を超えて、広域から生徒を集めることは十分可能だと思います。 生徒会も努力すると言っているではありませんか。毎年定員数に満たない学校がほかにもある中で、みどり中学は開校以来二十年、一度も定員割れをしていません。拙速に事を進めるべきではありません。どうしても生徒が集まらなくなった折に、改めてその在り方を検討すればいいのではないですか。いかがでしょうか。明確に答えてください。それから、現場の先生方の戸惑いも大きいと思いますけれども、県教委ではどのように把握しておられますか、お伺いいたします。 私は、存続を求める会の人たちはもちろんですけれども、地域の様々な方にお会いしました。どうして突然廃止するのか理解できない。地域の宝だからぜひ残してほしいなど、ほとんど全ての人が反対でした。 さらに、保護者の方々の悲痛な声は聞いていて胸が詰まるものがありますし、いわんや、その在校生の思いはいかほどかと、かわいそうでなりません。 そんな状況で地域の声を無視して強行することが許されるのか、県教委にはそんな権限はないと思いますが、余計な説明や言い訳は要りませんから、地域の理解を得ずして強行することが許されるのか許されないのか、端的に答えてください。 それから、森林の環境保全です。 保安林の巡視員については、御回答いただきました。ぜひ、活用していただきたいと思いますが、その保安林の巡視員が、県内市町の人数割、それから、管理範囲、巡視の頻度などを教えてください。 それから、その巡視員からの報告をどのように活用しているのかもお示しください。 それから、保水力ですけれども、違いについてお答えいただきましたけれども、本県の保安林、特定保安林などの割合、その数字は今適正とお考えでしょうか。現状では、とても保安林が適正に管理されているとは思えませんし、あちこちばらばらと伐採が行われ、体系的、計画的に税金が使われているとも思えません。森林整備のために、国民からさらに徴収が行われるのですから、もっと目に見える施策と運用をお願いしたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。これで二回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 井原議員の再質問にお答えします。 まず、財政調整基金の積立額の目標額です。それから、行財政構造改革についてのお尋ねでございました。 行財政構造改革におきましても、財政調整基金の積立額、これは先ほども御答弁しましたけれども、災害等への備えとしまして百億円を目安としております。 この行財政構造改革ですけれども、コロナ禍になりまして一時凍結ということでさせていただいております。 今後の行財政構造改革ですけれども、五月八日に予定をされております新型コロナの五類見直しの後の状況、それから、それに伴って国からの財源手当がどうなるか。そういったことも見極めながら、今後、取扱いにつきまして、また改めて検討をしてまいります。 二点目は、物価高につきまして、家計への支援を講じるべきではないかというようなお尋ねでございました。 物価の高騰が及ぼす県民の暮らし、あるいはその企業活動等への多大な影響を緩和するということが現下の最重要課題ということで考えております。 こうしたことから、国と地方が一体となりまして、生活者や事業者に対するきめ細かな支援ということで、累次にわたって支援をしてきております。 お示しの家計支援につきましては、国におきましてガソリン価格ですとか電気料金等の引下げといった価格高騰抑制策のほか、特に家計への影響が大きい低所得世帯への現金給付等が講じられているところです。 県としましては、引き続き物価の動向あるいは経済情勢等を十分に注視し、先ほど申し上げた国の支援策、あるいは市町が実施する支援策とも連携を図りながら、必要な対策について機動的に措置していく考えです。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 山口きらら博記念公園交流拠点化事業についての再質問にお答えします。 目標を八十万人とした根拠についてです。目標を八十万人としました根拠については、コロナ前の利用実績が五十万から八十万人であったことを踏まえ、多様で多数の方々の来場や利用を目指す指標として、それを上回るよう設定したものでございます。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 私からは、保安林制度に関する数点の再質問にお答えさせていただきます。 まず、巡視員の活動状況についてということでございました。巡視員については、今、森林保全巡視指導員は現在八名ほど県が委嘱しておりまして、一人当たり年間十三日から二十三日の巡視を予定しているところでございます。 巡視員の報告をどのように生かしているのかという御質問だったと思います。巡視員のほうは、主に、答弁でも述べましたが、森林利用者の多い箇所とか、それとか案内看板や標識等を設置する箇所を、これを重点的に巡視しておりまして、その報告に基づいて、案内板や、例えば、標識板等の損傷を確認したら、それを直すとか、そういうような活動で生かしているところでございます。 それと、保安林、特定保安林について、荒廃している保安林がいっぱいあると思うのに特定保安林を指定していない、こういう状況はどうかというお話でございました。 特定保安林につきましては、現在のところは指定しておりませんが、本県ではこれまで五十か所、約一万五千ヘクタールの保安林が特定保安林に指定されております。 その中での要整備森林、これについて、当時、間伐等の施業が行われて指定の目的を達したことから、既に指定が解除されているものでありまして、保安林については、適正に管理しているというふうに認識しております。 また今後、本県において、指定の目的に即して機能していないと認められる保安林があって、指定要件に合致している保安林を確認した場合は、国に対して特定保安林に指定すべき旨を申請することとしております。 以上でございます。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 井原議員の再質問にお答えします。 まず、学校におけるマスクの着用についてであります。 一定のルールを示すべきではないかというお尋ねであったかと思いますけれども、卒業式における対応については、先般、通知をしたところでありますが、国においては、四月一日以降は着用を求めないことを基本とするとされてはいるのですけれども、その対応についての留意事項等は改めて通知するということになっておりますので、その内容を精査の上、適切に対応してまいりたいと考えております。 それから次に、高森みどり中学校関連の数点の再質問にお答えします。 最初に、県外流出の減少がいかほどかに関連しまして、根拠なくして再編を行うのかという趣旨のお尋ねであったかと思います。 先ほども答弁しましたように、現時点ではどの程度県外の流出を減少させることができるかという具体的な数字をお示しすることは困難でありますけれども、進学指導に重点を置いた新たな中高一貫教育校の設置によって児童生徒、それから、保護者のニーズに応えた学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 それから次に、みどり中学校に行ったことがあるか否かというお尋ねですけれども、私自身、担当であったことがありますので、みどり中学校が設置されて以降、何度も学校には行かせていただきましたし、そのときには生徒さんの声、それから、教員の声も聞かせていただきました。またその後も機会を捉えて訪問をしております。 それから次に、県外に流出する児童生徒の半分は何%かといった御質問でありましたけれども、四十人程度が県外に、小学校卒業時点に出ているということを踏まえたときに、岩国市の子供の数がおよそ八百人ですので、先ほど一生懸命計算しましたけれども二・五%程度になります。 それから次に、二校が無理なら高森みどり中学校を残せばどうかということでありましたけれども、これは先ほどお答えしたように、中学校の定員を満たすことはできないと判断しておりますので、困難であると考えています。 それから、どうしても集まらなくなった時点で募集停止をしてはどうかという御質問がありました。これは、そうなってからでは遅いと判断しています。そうなる前に、これから入学してくる子供たちのことをまずは考える必要があると考えていますので、再編に踏み切ったというところであります。 それから、現場の教員の声をどう聞いているかということですが、これは当然、所属長、すなわち校長を通じてどういった声があるかは把握しております。 それから、地域の声を無視して強行するのかというお尋ねが最後にあったわけでありますが、県立高校再編整備計画前期実施計画の素案を公表した際に、生徒には校長から説明し、保護者には学校から文書により周知し、加えて、先ほど御説明しましたように、地域で三回の地域説明会を行いまして、将来構想の考え方や再編整備の方向性について説明をしました。 加えて、パブリックコメントも実施し、様々な方々からの御意見を伺っております。また、署名等も頂いております。大変重く受け止めてはおりますが、何よりもまず、これから入学してくる生徒のことを第一に考えて、計画に基づいて再編を進めてまいりたいと考えています。 ○副議長(二木健治君) 井原寿加子さん。    〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) ◆(井原寿加子さん) 再々質問をいたします。 まず、総務部長ですけれども、山口県規模の予算規模に対しての財調の基金の積立額の適正額は幾らかとお聞きしたんです。それをお答えください。 次に、みどり中学校です。流出二・五%のために、今いるみどり中学の生徒を犠牲にするのでしょうか。まずお伺いします。 それから、今後を見越して、今後、定員割れするかもしれないので岩国につくりますという御答弁だったと思いますが、そのみどり中学が定員割れする根拠というのは何ですか。もう一度お伺いします。そのときでは遅いから、今つくって、みどり中学の生徒には我慢していただきますという御答弁だったと思いますが、この根拠について明確な答弁がありませんでしたので、もう一度お聞きいたします。 それから、先ほどお聞きしましたのは、みどり中学に教育長、副教育長はこの件が起こってから、きちんと生徒と教職員の方とのお話をされましたかと。これまで何回行ったかを聞いているわけではありません。この件が起こって問題になってから、お二人で行かれましたかとお聞きしましたので、それについて答えてください。 それから、生徒の県外流出の防止についてですけれども、そのたった二・五%かもしれません。そのために、中学をつくるという考え方なんでしょうけれども、中高一貫校だけで考えなくて、まずは実績のある高校をつくる、進学校をきちんとつくる、それが大事だと思います。高校そのものの魅力を高めれば、転出する生徒は二・五%より減ると思いますし、いかないと思います。 例えば、個性的な教師を、独特の授業をしてもらうとか、社会的に活躍している卒業生を招いて、これまでより多くの機会で接してもらう。また、進学に特化した学校を別につくる工夫は、余地は幾らでもあるのではないでしょうか。 高森みどり中学を県教委の独善的な思考の犠牲にするのではなくて、保護者や子供たちに選択肢を持たせる高校をつくるために、そっちのほうに知恵を絞るべきだと思いますが、教育長のお考えをもう一度お聞かせください。 それから、最後のほうになりますが、一言申し上げます。 今日の答弁を聞いて、ますます県教委の進め方の理不尽さが分かりました。このままで強行されたら、県の教育行政に対する信頼は地に落ち、誰も協力しなくなります。保護者の皆さんと、とことん話し合うべきです。そのおつもりはないということでしょうか。もう一度お尋ねいたします。 未来のある子供たちの夢を閉ざさないでください。それでも、このまま強行するのか、もう一度、教育長のお考えをお聞かせください。 つまり結論は、見通しの不透明な県立中学を新たにつくる必要はなく、きちんと学校運営が行われている高森みどり中学の募集停止計画は、白紙にすべきだということを申し上げて、私の一般質問を終わります。 以上です。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 財政調整基金についての再々質問にお答えします。 山口県の予算規模に照らして、適正額が幾らかということでございましたけれども、基金の積立額、これは予算規模に照らして見えてくるものではないものというふうに考えております。 そうした中で災害等への備えとして、目安として、百億円以上の確保ということを目標に、行財政構造改革において取り組んできたところでございます。 行財政構造改革、先ほども御答弁申し上げましたけれども、コロナ禍になって一時凍結しておりますけれども、コロナ五類見直し後の対応、あるいは国の財源手当、そういったことも見極めながら、再開について検討してまいります。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 再々質問にお答えします。 まず二・五%でも再編整備を行うのかというお尋ねでありましたけれども、新設する中学校におきましては、岩国高校に新たに設置する探究科、特進探究科(仮称)ですけれども、こちらに接続することを考えておりまして、広島県に進学する子供たちだけではなくて、新しく設置する探究科への進学を希望する子供たちのニーズにもしっかりと応える教育を提供してまいりたいと考えております。 それから、定員割れの根拠は何かという二つ目のお尋ねでありましたけれども、これは将来的にそうなることを見越したわけではなくて、可能性について言及しただけで、そうならないために、そうなる前にということであります。 それから次に、この件があってから教員の声を聞いたかというお尋ねがありましたけれども、これは校長を通じて把握しております。 それから、いわゆる進学校をつくることはいかがかという話でありますけれども、先ほどお話ししました岩国高校に設置する特進探究科、仮称ですけれども、こういった取組であるとか、それから、既に現在も先輩に学ぶといったような講座で、先輩が後輩たちにこういうふうに頑張ったら自分の夢をかなえることができるよといったような、そういう取組も行っています。 色々な取組を行う中で、生徒たちの進学に対する希望をかなえてまいりたいと考えています。 それから、最後のお尋ねでありますが、本当、地元の関係者の方々からいろいろな御意見を頂いていますし、先ほども申し上げたように署名も頂いて重く受け止めておりますけれども、県教委といたしましては、何よりもまず、これから中学校あるいは高校に入学してくる生徒、その子たちのことを考えて、県立学校の再編整備を進めることにしております。 また、現在、中学校あるいは高校に在籍している生徒に対しては、その生徒さんたちが卒業するまで少しでもよい教育を提供できるように日々努めてまいりたいと考えています。    〔発言する者あり〕 ○副議長(二木健治君) 井原寿加子さんに申し上げます。 答弁漏れがありますか。ありましたら、答弁漏れの箇所を具体的に御指摘願います。 井原寿加子さん。 ◆(井原寿加子さん) はい。ありがとうございます、議長。 この件につきまして、再編につきまして、みどり中学に教育長、副教育長は行かれてお話を聞かれましたかと聞きました。先ほどのほかの議員のときもありましたが、この件で行かれたか行かれなかったかを聞いております。お答えください。 ○副議長(二木健治君) ただいま御指摘のありました件は、答弁漏れとは認められませんので御了承願います。 松浦多紋君。    〔松浦多紋君登壇〕(拍手) ◆(松浦多紋君) 皆さん、お疲れさまです。私は、県民の誇りを育む会、松浦多紋です。 令和元年六月。子供はふるさと山口県の宝、そして日本の宝です。子供たちが笑顔になれば、大人もみんな笑顔になります。笑顔を育むことで、令和の時代にふさわしい希望を育み、誇りを育みます。可能性がゼロであろうが、挑戦するという至誠を尽くす所存であることを申し上げ、私は、初めての質問をスタートさせていただきました。 また、その結びは、子育て世代の代表としても議席を頂戴し、その世代を取り巻く全ての世代の方の声を県政に届けてまいりたいと存じますと申し上げ、がちがちに緊張した登壇であったと、今でも鮮明に記憶しております。 来月に控えております選挙に勝ち残り、再びこの場所に戻ってくるという強い思いを胸に、一期目最後の質問を通告に従い始めさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症発生から三年以上が経過、隣国ロシアによるウクライナ侵攻は一年以上続き、罹患、お亡くなりになられた方、戦火により被害を受けられている方々に、お見舞いとお悔やみを申し上げます。 また、トルコ・シリア国境における大地震によりお亡くなりになられた五万人を超える方々へ、衷心よりお悔やみを申し上げます。 震源地付近や活断層周辺の崩れ落ちてしまった建物を見ると、改めて自然界のエネルギーの強さを感じました。ばらばらに崩落してしまった建物は、戦禍によって破壊されたウクライナの建物の比にはならないほどの崩れ方だったように見受けられました。 ザニューヨークタイムズでは、耐震基準を守っている建物でも倒壊するほどの強さだった、被害範囲の大きさに加え、建物の新しさと倒壊状況に一貫性が見られないことから、この国の建築規則と耐震基準に対する開発業者の遵守状況に厳しい目が向けられるようになっていると報じられています。 地震国である日本において、一○○%安全な場所は存在せず、常に耐震に対する意識を持たなければならないと感じた次第です。 そこでまず、建設DXを活用した耐震化への取組について質問させていただきます。 山口県では、地震による建築物の被害及びこれに起因する人命や財産の損失を未然に防止するため、旧耐震基準で建築された建築物の耐震診断や現行耐震基準を満足していない建築物の耐震改修を総合的かつ計画的に進め、本県における建築物の耐震化を促進することを目的に、平成十九年三月、山口県耐震改修促進計画が策定され、建築物の耐震化に取り組まれていらっしゃいます。 その取組は、市町としっかり連携され、確実に進捗していると思われます。その取組の中で、県有施設の建物に関しての耐震化率は高い推移で進んでおり、安心しております。 また、別に民間建築物耐震改修等推進事業を行われており、耐震診断、補強設計、耐震改修費用などに対して補助を行い、耐震化に向け努力されていらっしゃることは承知しております。 さて、このたびのトルコ・シリア震災では、犠牲者のほとんどが建物倒壊による被害によってもたらされました。 しかしながら、シリア北西部イドリブ県を流れるアフリン川にある貯水と水力発電を目的としたアースダムで堰堤の一部が決壊し、近隣の村では思いもよらない洪水の被害も出たと伺いました。 山口県が管理する二十三のダムは、新しいダムから建設より六十年以上経過しているダムもあり、特に建設から時間が経過しているダムの堰堤の状況、いわゆる耐震性能はどのような状況であるのか疑問に感じた次第ですが、これら全てのダムは建設当初から、耐震性能は今の基準を全てクリアできており、安心できる状況であります。 しかし、国内で起きたこれまでの地震でダムの堰堤が決壊するなどの事例は、二○一一年三月に発災した東日本大震災で、福島県須賀川市の農業用ダム藤沼湖、七人が死亡、一歳の男児が行方不明になったそうです。 海からの津波は想定している地震の被害として予見可能だと思いますが、いわゆる山からの津波は想定外のことだと思います。 トルコ・シリア地震はさることながら、国内で起こった地震によるダム決壊は、山口県にとっても対岸の火事ではないと思います。 来年度予算におきまして、新たな県づくりの本格始動の四つの視点の第一に掲げられている、安心・安全の確保に頻発化・激甚化する自然災害等への備えとして、ドローンを活用した取組を掲げられています。 昭和二十五年三月に建設された厚東川ダムをはじめ、昭和三十年三月建設の木屋川ダムなど、年数がかなり経過しているダムも多く含まれます。 山口県では、山口県ダム長寿命化計画を平成三十年から三十年間の計画期間を見込まれ、取り組まれていらっしゃり、ダムの安全な運用・管理をされていらっしゃいます。 以前の計画に最新の技術を融合し、長寿命化はさることながら、一ミリのひび割れも発見し、安全なダムの運用はもちろん、河川などの徹底した管理をお願いしたいものです。 そこでお尋ねいたします。早くからDXに力を入れた山口県は、その経験を多岐にわたり生かすことが可能と思います。耐震性能をクリアしているとはいえ、水中ドローンなども活用したダム堰堤の徹底した管理と維持はもちろん必要だと思います。 ついては、建設DXを活用した県が管理している土木施設の徹底した耐震化への取組に対し、県の御所見をお聞かせください。 次に、グリーン成長プロジェクトについてです。 太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱、その他の自然界に存在する熱、バイオマス──動植物に由来する有機物です──の七種類がいわゆる再生可能エネルギーと言われています。 資源に限りのある化石燃料とは異なり、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇せず繰り返し利用できるエネルギーであり、発電時に地球温暖化の原因となるCO2を排出しないため、環境に優しいエネルギー源と認識しております。 やまぐち未来維新プランにおいて、産業維新での未来へ挑戦するグリーン成長プロジェクトに位置づけられ、エネルギー需給構造の変革、イノベーションの加速・成長産業の創出、攻めの業態転換・新事業展開、産学公金の緊密な連携、国の施策等の積極的な取組という五つの視点による取組の推進により、二○五○年カーボンニュートラルを原動力とした本県産業の成長・発展への強い意欲を感じます。 私は、それらのことをしっかり取り組むことで、山口県にもたらす多くの可能性を感じ、山口県の課題克服につながっていくと考えています。 まず、グリーン成長プロジェクトがもたらす農業振興についてお尋ねいたします。 農林水産省大臣官房環境バイオマス政策課再生エネルギー室から令和四年八月、営農型太陽光発電についての取組に対し、事例紹介も含め示されました。 農村の所得の向上・地域内の循環を図るため、地域資源を活用したバイオマス発電、小水力発電、営農型太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入、地域が主体となった地域新電力の立ち上げ等による再生可能エネルギーの活用を促進するという、令和二年三月三十一日閣議決定された、食料・農業・農村基本計画に位置づけられているものです。 営農型太陽光発電とは、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取組をいいます。農地転用許可の取扱い、促進策を設けられ取組が始まっておりますが、山口県でも既に二○一九年八月八日、山口市阿東の地で始まっており、その方々の取組を参考にすることで県内農業の振興に生かせることができると思います。 また、山口県内における荒廃農地、耕作放棄地といった農地の再生にもつながり、農業への新しい担い手の発掘にもつながるのではないでしょうか。 従来の営農型太陽光発電は、その土地で、周辺の農地の平均水準と比べ八割以上の収量を確保しないといけませんでした。 ところが、脱炭素を目指す流れで、適切かつ効率的に農地が使われていれば、転用が認められるようになっており、この結果、固定資産税は農地並みのまま、つくった電気を売ることができるという追い風も吹いています。 山口県における基盤産業と言える農業分野において、積極的に国が推進する営農型太陽光発電に力を入れ、補助負担するなど支援すべきところは支援することで、県内農業のさらなる振興と課題解決につながる上、県が取り組むグリーン成長プロジェクトにつながっていくと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 次に、洋上風力発電事業についてです。 日本の発電方法で再生可能エネルギーと呼ばれているものが占める割合は、二二・四%となっており、多い順に太陽光九・三%、水力七・八%、バイオマス四・一%、風力○・九%、地熱○・三%となっております。 一方、ヨーロッパでは、二○二一年には、自然エネルギーの年間発電電力量の割合が四○%を超える国が多くあり、ヨーロッパ全体、これはEUプラスイギリスの平均でも、平均三八%に達して、化石燃料による発電電力量の割合とほぼ同じレベルとなっています。 ヨーロッパにおける再生可能エネルギーは、風力発電による比率が高く、日本の割合と大きく異なっていることが見受けられます。 日本での比率は先ほど申し上げましたが、風力による発電が非常に少なく、今後、発電量を増やしていくには風力に頼るべき状況ではないでしょうか。 もちろん、山口県が、これから力を入れていかれる水素先進県の実現も重要施策としてしっかり行わなければなりませんが、風力による発電も備える必要があると思います。 山口県では、陸上に三十一か所で認定されている風力発電施設があり、十二か所で運用が開始されています。着工にはなっておりませんが、二○○九年(平成二十一年)、山口県沖の一般海域で洋上風力発電の事業開発が開始されていたと伺いました。 洋上風力発電によるメリットは、漁礁効果による漁場再生、発電事業利益の地域還元、固定資産税などの税収、工事・物流・保守点検など発電事業に関連する業務等多くあるそうです。 洋上風力発電を山口県以外に目を向けてみますと、北海道、青森県、秋田県、福島県、千葉県、福岡県、長崎県で運用、そして検討がされており、山口県においては、風が強いとされている日本海沿岸などは洋上風力発電事業に適した海域と言えるのではないでしょうか。 また、メリットにも挙げさせていただきましたが、工事・物流・保守点検など発電事業に関連する業務による企業の誘致にもつながりが期待でき、グリーン成長プロジェクトによる新たな人の流れ創出・拡大プロジェクトにも関連してくると思います。 実際、昨年十月二十六日の日本経済新聞では、洋上風力受注で三菱商事が三十五年ぶりに国内支店、秋田と銚子に設けられると報道がありました。 グリーン成長プロジェクトの観点からも、企業誘致の観点からも洋上風力発電事業を前向きに捉え、検討していくことは、三方海に囲まれ、日本海に接する山口県にとって非常に有意義な取組だと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 次に、県有施設におけるグリーン成長プロジェクトへの取組についてです。 ロシアによるウクライナ侵攻がもたらした原油価格の高騰に伴う電力代金の高騰は、家庭、事業はもちろん、山口県の財政にも影響を与えているのではないでしょうか。 多くの事業では、電力代金のコストを抑えるため、照明を蛍光灯からLEDに切り替えるなどの努力をしながら、今の大幅な電力代金の値上げに対応しています。 蛍光灯からLEDに切り替えることで、実際かかる電気代は三分の一に抑えられるなど、経費削減はもちろん、カーボンニュートラルへの取組を既に始めている事業も多くなってきています。 県有施設における照明などのLEDへの取替え作業は、グリーン政策に取り組もうとされる山口県として、真っ先に行うべきだと思います。 既に取替えがされている場所は多いと思われますが、取替えが終わっていない箇所への切替えについて、県の御所見をお聞かせください。 最後に、平等な教育体制の提供についてお伺いいたします。 皆さんは、明るい建物と薄暗い建物のどちらで生活をなされたいでしょうか。 私は、明るい照明の建物で生活をしたいと答えます。 また、客人を招くとき、どちらの選択をされますでしょうか。また、仕事をするのであれば、どちらの環境で働きたいでしょうか。 私は、過去二回、県立高校の卒業式に出席をさせていただきました。また、それぞれ違う高校への出席をさせていただく──大変申し訳ありません、公私合わせて防府市内にある四校の県立の学校全てにお邪魔をしております。 校舎などは建築後の年数により外観の差は生じてしまいますが、建物内の環境などに関しては、最善の状態を保つことは可能であると考えます。 学校環境衛生の基準なるものがあります。学校保健安全法は、学校における児童生徒及び職員の健康の保持増進を図るため、必要な事項を定めるとともに、学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とするとなっており、その検査項目は、換気や温度等二十項目以上挙げられています。 不備などがあった場合、直ちに適切な、必要な等、事後措置のタイミングも明記されています。 その検査項目に照度及び照明環境について明記されており、照度が不足する場合は増灯し、採光・照明について適切な措置を講じるようにする。また、暗くなった光源や消えた光源は、直ちに取り替えるようにする。 直ちにとは、時間を置かずに行動を起こすさま、すぐと意味され、児童生徒たちにとって学校生活で一番大切な時間である学びの時間は、適切な管理をお願いしたいものです。 さて、この質問の冒頭、明るさについて触れさせていただきました。学校環境衛生の基準では、教室及びそれに準ずる場所の照度の下限値は三百ルクスとする。教室及び黒板の照度は五百ルクス以上であることが望ましい。さらに、コンピューター教室及びコンピューターを使用する教室等においては、机上の照度は五百から千ルクス程度が望ましく、画面等に反射や影が少なくなるよう留意するとなっております。 県立の学校に通う全ての児童生徒へのタブレット端末の手配は終わり、やまぐちスマートスクール構想推進も加速していきます。 今後は県立の学校における教室の照度を考える上で、全ての教室において理想とされる五百から千ルクス、最低でも五百ルクスが今後の基準となってくると思いますし、学校による差が生じないようお願いしたいものです。 そこでお尋ねをいたします。学校環境衛生の基準に示されている照度及び照明環境おける今後の県立学校に対する取組について、県教委の御所見をお聞かせください。 また、照明の種類におきまして蛍光灯の学校、LED設置の学校等があるように思います。県立の学校における照明を平等にするためにも、全ての学校の照明をLEDに変更すべきだと思います。 カーボンニュートラルへの挑戦を若い世代にも周知することができ、目標としている二○五○年を主役として活躍する次世代の方々への一番の意識づけになることが期待できます。 また、LEDは蛍光灯よりも寿命が三倍以上長く、高所に対しての頻繁な取替えも軽減することができ、コスト削減にもつながります。 県立学校の照明のLED化に対する県教委の御所見をお聞かせいただきまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 松浦議員の御質問のうち、私からは、建設DXを活用した耐震化への取組についてのお尋ねにお答えします。 ダムや橋梁等の公共土木施設は、県民生活や経済活動を支える重要な社会基盤であり、大規模な地震に対しても、所要の安全性を確保する必要があります。 このうち、県が管理するダムについては、倒壊すると下流域に甚大な被害が生じることから、活断層の有無等、十分な調査を行った上で、厳しい安全基準に基づき建設しており、想定最大規模の地震に対しても安全性を有しています。 また、緊急輸送道路上の橋梁や広域輸送拠点となる港湾の岸壁など、地震発生後もその機能を発揮する必要のある施設については、適宜、デジタル技術も活用しながら、優先度の高い箇所から、順次、耐震化を進めているところです。 加えて、これらの施設が将来にわたってその機能を維持できるよう、ドローンによる変状監視やAIによる橋梁の健全度診断など、最新のデジタル技術を取り入れながら、維持管理の高度化・効率化にも取り組んでいます。 私は、引き続き、安心で希望と活力に満ちた山口県を実現するため、建設DXを活用し、公共土木施設の安全性の確保に向けた取組を進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) グリーン成長プロジェクトについての御質問のうち、グリーン成長プロジェクトがもたらす農業振興についてのお尋ねにお答えします。 国においては、荒廃農地対策の一つとして、再生利用が困難な農地について、市町や農業委員会による非農地判断等を行った上で、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入する方針を示しています。 一方、お示しの営農型太陽光発電については、営農を適切に継続することを前提に、優良農地や再生利用が可能な農地における営農と発電を両立する仕組みとして進めています。 営農型太陽光発電の導入に当たっては、少ない日射量や作業効率の低下など、生産に不利な条件下にあっても、一定の収量や品質、収益を確保する必要があります。 このため、国では、太陽光パネルの設置構造や作付作物に応じた栽培技術等について、実証や検討が行われているところです。 県としては、こうした国の動きも踏まえ、取り組む意向を有する農業者や参入企業等に対し、相談対応や必要な助言に努めてまいります。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 洋上風力発電事業への取組についてのお尋ねにお答えします。 国の第六次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しない脱炭素エネルギー源であるとともに、重要な国産エネルギーであり、二○五○年における主力電源として最大限の導入に取り組むとされています。 また、洋上風力は、事業規模が大きく裾野の広い産業であり、関連産業への経済波及効果が期待されることなどから、再生可能エネルギー主力電源化の切り札として推進していくとされています。 一方、法律に基づき、洋上風力発電に適した海域を国が促進区域に指定する際には、これまで海域を利用していた漁業や海運業などに支障を及ぼさないことが要件とされており、関係者間の合意形成が前提となっています。 本県においては、現在、民間事業者による案件検討が進められており、計画の概要に関する住民等への説明が行われているところですが、県としても、地元市町の取組をはじめ、関係者間の合意形成の状況について、引き続き確認していくこととしています。 県としては、洋上風力発電事業については、その必要性や将来性を理解し、国のエネルギー政策の下、関係自治体とも連携しながら適切に対応してまいります。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) グリーン成長プロジェクトに関する御質問のうち、県有施設におけるグリーン成長プロジェクトへの取組についてのお尋ねにお答えします。 県では、地球温暖化対策実行計画に位置づけた県庁エコ・オフィス実践プランに基づき、環境配慮型の施設への転換に向けて、省エネルギー設備等の導入や再生エネルギー等の利用に努めることとしています。 このうち、県有施設の照明設備については、基本的に故障が生じたものから逐次、LED照明への切替えを行ってきたところであり、老朽化が進んでいるものについても、その施設の利用状況等を勘案し、順次、LED照明に切り替えることとしています。 県としては、今後もこうした考えの下、引き続き、LED照明への転換に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 平等な教育体制の提供についての二点のお尋ねのうち、まず、照度及び照明環境についてお答えします。 県立学校では、国の示す学校環境衛生基準に基づき、学校薬剤師と連携して毎年度二回の照度検査を行うことなどにより、望ましい照明環境を確保しているところです。 県教委では、今後も、県薬剤師会と連携して、学校薬剤師や関係教職員に対し適切な検査の実施に向けた研修を行うなど、児童生徒にとって望ましい学習環境の確保に努めてまいります。 次に、県立学校の照明のLED化についてお答えします。 県立学校については、県庁エコ・オフィス実践プランに基づき、LED照明等の省エネルギー設備の導入に努めることとしており、老朽化や故障した照明設備の交換時に加え、学校施設の改築や大規模改修に併せ、順次、LED化を進めているところです。 県教委といたしましては、学校施設全体の整備の中で緊急度や優先度を総合的に勘案しながら、LED照明設備の導入を計画的に進めてまいります。 ○副議長(二木健治君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時四十分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   岡       生   子                   会議録署名議員   酒   本   哲   也...