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  1. 山口県議会 2022-09-01
    09月30日-05号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 4年 9月定例会   令和四年九月山口県議会定例会会議録 第五号      令和四年九月三十日(金曜日)  ────────────────────        議事日程 第五号      令和四年九月三十日(金曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第十九号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第十九号まで                会議に出席した議員(四十七人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          高   井   智   子さん                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          岡       生   子 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          磯   部   登 志 恵さん                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         平 屋 隆 之 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       近 藤 和 彦 君                    総合企画部長      松 岡 正 憲 君                    産業戦略部長      前 田 安 典 君                    環境生活部長      藤 田 昭 弘 君                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      高 橋 博 史 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      京牟礼 英 二 君                    財政課長        安 藤 公 浩 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        今 村 政 裕 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        木 村 香 織 君                    公安委員長       弘 田   公 君                    警察本部長       中 西   章 君                    監査委員        小 田 正 幸 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員会事務局長   大 田 淳 夫 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        國 吉 宏 和 君                    事務局次長       原 田 和 生 君                    総務課長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課長      岡 本 正 敏 君                    政務企画室長      國 弘 敏 和 君                    秘書室長        植 木 啓一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          佐 伯 和 樹 君   ─────────────    午前十時 開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十九号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において順次発言を許します。 森繁哲也君。    〔森繁哲也君登壇〕(拍手) ◆(森繁哲也君) 皆様、おはようございます。今議会も登壇の機会を頂き、柳居議長をはじめ議員諸兄の皆様に感謝を申し上げます。 それでは、早速、通告に従い一般質問をさせていただきます。 初めに、看護人材の確保対策についてお尋ねします。 近年、医療業界では、看護人材の不足が問題となっています。特に、コロナ禍においては、日常の業務に加え、ワクチン接種感染症対策の対応をしなければならないことから、病院等で働く看護師、看護助手の皆様の中には、人手不足で忙しさを感じている方々も多いのではないかと思われます。 日本は、超高齢化社会に突入してなお高齢者の人口増加が進んでおり、看護人材の需要はますます高まり、一方で少子化の進行に伴い看護人材養成者数の減少も懸念をされ、今後ますます看護人材の不足が拡大をすることが予想をされています。 また、看護人材の不足には、高い離職率が主な原因と言われています。看護師等の業務は、不規則な勤務形態や業務量の過多、医療技術の高度化など、実際に働き出してみないと分からない大変さも多く、人材不足の現状とも複雑に絡み合い、離職につながっているものと思われます。 そして、冒頭に述べましたように、コロナ禍の影響により医療需要が爆発的に拡大する中、人材が不足をし、それにより看護師等の業務負担が増えたことで、看護師の離職が増加をしたと言われています。 実際に私が運営に携わっている病院においても、コロナ禍において以前より離職者が多くなったという現実も見ております。 このような人材不足の状況が続くと医療ミスが発生しやすくなることや、また看護師のキャリア養成が難しくなるという弊害が生じ、何より一人当たりの負担が大きくなり、さらに離職を招く悪循環が生まれやすい状況を招いてしまいます。 看護人材の不足は、私たち県民の命と健康を守る医療提供体制そのものに支障を来す重要な課題であり、決して他人ごとではなく、しっかりとその対策に取り組んでいかなければなりません。 そこで現在、国においては養成促進、復職支援、離職防止・定着促進を中心に看護人材不足への対策が実施をされており、本県においてもこれら三つの視点で充実した対策を講じていることは承知をしておりますが、その中でも特に力を入れるべきは潜在看護師復職支援と離職防止・定着促進だと私は考えています。 復職支援について、潜在看護師は有資格者の三割を占めると言われており、少子化により短期的な供給増が見込めない中、即戦力となる潜在看護師は、人材確保の面でも切り札になると言えます。 また離職防止・定着促進については、勤務環境の改善が一番の課題とされています。勤務形態や福利厚生など、現場の裁量が大きくなることから、現場への直接的な支援が難しいところではありますが、現在、県が開設をしている医療勤務環境改善支援センターを核とした専門家による支援を充実させることで、看護師の離職を防ぎ、定着率の増加につながっていくものと思います。 そして、これらを含め看護人材確保の諸施策を進めていく上で特に重要なのは、県の支援策が真に現場のニーズに合致しているかどうかの分析・検証と考えます。 現場のニーズに合致していない支援策は、やはり現場において効果が感じられないものとなります。 県におかれましては、現場で働く看護師や看護人材を欲している医療現場の声にしっかりと耳を傾け、より効果的な支援策を引き続き展開していっていただきたいと思います。 そこでお尋ねします。看護人材の不足は、コロナ禍によりさらに拍車がかかっています。県では、看護人材の確保対策に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進についてお尋ねいたします。 県では知事が先頭に立って、新たな未来を目指し、やまぐちデジタル改革に基づく取組を積極的に展開をされています。 このたび示された、やまぐち未来維新プランの素案においても、デジタルを県づくりの推進を図る上での視点にしっかりと位置づけ、デジタル改革をさらに加速化していくとされています。 これからの社会においてデジタルの活用は必須であり、さらなる取組を期待しておりますが、私がこれからより力を入れるべき重要なテーマの一つだと考えるのがデータの活用です。 様々な物がネットワークでつながるデジタル社会では、データが新たな石油と言われるように、データは新たな価値の源泉であり、GAFAと呼ばれる巨大IT企業が優れたサービスを提供できるのも、データを持ち、それを効果的に活用しているからであります。 これからのデジタル社会においては、行政や産業など様々な分野でデータを生かして生み出されるサービスが、人々の暮らしをより豊かで便利なものとすることが期待されており、本県においても、データの利活用に積極的に取り組む必要があると考えます。 こうしたデータ活用の身近な事例としては、先般、テレビの特集でも取り上げられましたが、県警察が県のデータカタログサイトに不審者情報交通死亡事故・人身事故のデータを提供し、これが地図上でも確認できるようになった事例があります。 県民の関心の高いデータということもあり、サイトへのアクセス数も増加したと伺っております。 データが県民の安心・安全の確保に生かされるという非常によい事例だと思いますので、こうした取組をさらに進めていただきたいと考えております。 そのためにも、まずは行政が所有する様々なデータを誰もが使える形で公開をする、いわゆるオープンデータ化の取組を市町と連携をして着実に進めていただきたいと思います。そうして、このオープンデータが様々な課題の解決や、新たな行政サービスの構築へとつながるように取り組んでいただきたいのです。 また、データの効果的な活用を図るためには、それを分析・活用できる人材を育成することも重要です。 EBPMというエビデンスイコール根拠、言い換えれば、データに基づく政策立案の重要性が掲げられて久しいですが、いまだ取組は十分とは言えません。 県民のニーズに基づく政策を立案するためには、それを捉えるためのデータの収集や分析が重要であり、効果的な取組を構築するためにも、県、そして市町も含めてデータを活用できる人材をしっかりと育成していただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。やまぐちデジタル改革により、県民が求める便利で豊かに暮らすことのできるデジタル社会の実現をするために、データを生かすことが非常に重要なテーマとなると考えますが、県は今後、行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、食の安心・安全の確保についてお尋ねします。 食は人の天なり、これは今から千五百年前の唐の時代の皇帝、太宗の言葉で、食べることは、人々の全ての活動を支える最も大切なものという意味です。 言うまでもなく、食は私たちが健康で豊かな生活を送る上で必要不可欠なものですので、食べることに起因する健康への危害を防ぐことは、私たちの暮らしにおいて極めて重要な課題です。 また、食を提供する事業者にとっても、食中毒やアレルギー事故を起こせば、お客の命に関わるだけでなく、自身の信用問題にもつながりますので、日頃から食の安心・安全に取り組むことは何よりも重要です。 こうした中、食品衛生法の改正により、昨年六月から飲食店や喫茶店、弁当や総菜の製造施設、学校・病院の給食施設など、原則として全ての食品事業者に対してHACCPの導入が義務化をされました。 HACCPは、本来、宇宙食などの食品の安全性を保つという目的の下、NASAで生み出された考え方で、食品を製造するための原材料の搬入から製造、梱包、出荷までの全工程を監視をしていこうというものです。 この手法では、各工程で生じる食品汚染のリスクポイントを特定し、そのリスクを回避するために、科学的に分析した根拠に基づいて、全工程を網羅的に監視しますので、これまでの一部の食品を抜き取って検査をする手法と比べ、格段に高い精度で衛生管理ができるとされています。 法改正以降、HACCPの導入に向けては、県の熱心な指導や助言等の導入促進策に加え、各事業者団体ではマニュアルを作成するなど、全力でその導入を進められたことを承知をしています。 しかしながら、多くの中小事業者にとってHACCPは初めて取り組む手法であったために、コロナ禍の影響で対応が遅れぎみであった飲食店などにとっては負担が大きく、導入後も運用に課題を抱える事業者が多くありますので、今後も飲食店等の小規模な事業者への継続的な支援が必要となっています。 また他方、消費者の立場から食の安心について考えてみますと、自分の口にする食品の安全が守られていることへの信頼、そして、食品の安全を守ろうとする食品事業者や行政への信頼を確保していくことが非常に重要です。 リスクをゼロにしてほしいという消費者の理想と、リスクをゼロにすることは不可能であるという事業者の現実のギャップを解消するためには、企業や行政等が消費者と互いに顔を合わせて意見交換等を行い、食に対する相互の理解を深めていくリスクコミュニケーションが欠かせませんが、この点についてもコロナ禍の影響を大きく受けて、思うように実施ができていないと伺っています。 現在、県では、本年が最終年度となっている食の安心・安全推進基本計画の改定作業を行っているとのことですが、様々な課題を克服し、人々の全ての活動を支える食をより安全で安心なものとするためには、行政が消費者や食品関連事業者など幅広い関係者と連携しながら取組を進めていかなければなりません。 そこでお尋ねします。食の安心・安全の確保に向け、県は今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、出生時育児休業制度創設を契機とした働き方改革の推進についてお尋ねをいたします。 男性の育休取得を促す取組は、これまでも積極的に進めてこられたところです。夫婦が共に育児休業を取得する場合、特例として一歳二か月まで延長できるパパ・ママ育休プラスなど、制度の改善・改革も重ねられてきました。 これまでの取組により、男性の育児休業取得率は上昇してきており、厚生労働省調査によると、二○二一年度には一三・九七%と過去最高を更新し、九年連続で前年比プラスの結果となっています。 しかしながら、女性の取得率八五・一%に対しては引き続き大きな差があり、また三年後の二○二五年の政府目標は三○%とされていますので、取組を加速させなければならない状況です。 こうした中、男性の育休取得促進につながる新たな制度、出生時育児休業、通称産後パパ育休が来月から実施されます。 この制度は子供の出生直後の時期における柔軟な育児休業取得を可能とするもので、本年四月からは育児休業を取得しやすい雇用環境の整備、労働者本人に対する周知や意向確認の義務化など、制度開始に向けた取組も段階的に進められています。 今後は、この制度の浸透を図らなければなりませんが、その際、重要なのは、男性の育児休業取得を単なる男性の休み方の問題として捉えるのではなく、働き方を見直すきっかけ、働き方改革の取組そのものと捉えて進めることだと考えます。 これまでの働き方改革の取組は、女性の働き方を視点に進められることが多いように感じていますが、今後は男性の育児休業取得の促進という視点を通じ、休みにくく長時間勤務になりやすい男性を中心とする職場の働き方の見直しを行うべきであり、そうすることにより男女ともに職業生活と家庭生活の両立を目指す取組が進むのではないでしょうか。 また、育児休業を取得した男性の会社への好感度、会社への帰属意識も高まると言われていることから、人手不足が深刻化する企業の人材確保にもつながり、加えて男性が育児休業期間において育児や家事に取り組むことは、育児休業が終了した後の育児等への参画の継続にもつながることから、コロナ禍でさらに拍車のかかった少子化克服の一助ともなります。 県においては、こうした制度の積極的な導入に取り組む魅力ある企業をより多く創出できるよう、国や関係機関と連携し取り組んでいただきたいと考えます。 また、男性の育休取得促進における職場環境の整備という点では、新型コロナウイルス感染症の拡大により進む仕事のプロセスの見直しやオンラインへの移行など、新しい働き方に向けた取組も重要な要素であり、こうした面での取組もしっかりと進めていただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。産後パパ育休制度の創設を一つの契機として、働き方改革の取組をより一層進めることが必要だと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 最後に、いじめ対策についてお尋ねいたします。 本年三月、周南市で二○一六年七月に県立高校の男子生徒が自死された事案について、御遺族と県の間で調停が成立をしました。 また、この七月には、男子生徒が通っていた高校を継承した県立高校において、御遺族や関係者により、男子生徒の冥福を祈るとともに、再発防止の願いを込めて献花が行われました。 このような事件は二度と起きてはいけないし、決して起こしてはいけないと、その場にいる全員が強く心に誓ったのではないかと思います。 しかし残念ながら、日々新聞やテレビなどでは、いじめに関する報道がやむことはありません。 昨年発表された文科省の調査では、令和二年度における全国のいじめ認知件数は、新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、前年から減少したものの、いまだ五十二万件近い数値となっています。 本県においても、認知件数は全国と同様に前年と比べると減少したものの、特に中学・高校では、生徒千人当たりの認知率は全国を上回る数値となっているのです。 実際に私も、昨年からある県立高校の生徒と保護者から、心ない言葉や態度によるいじめの相談を受けたところであり、この問題はいまだ解決に至っておりません。 先ほど申し上げた県立高校の生徒が亡くなるという大変痛ましい事案を受け、全県を挙げて再発防止に臨まなくてはならない本県において、新たないじめが表面化し問題となっているのは非常に残念なことですし、早期の解決を願うばかりです。 これまでも学校現場の教員をはじめ多くの関係者が、いじめの根絶に向けて取り組んでおられると思いますが、やはりいじめは容易になくなるものではありません。 学校現場においては、いじめはいつでも起こり得ると強く認識し、未然防止、早期発見に向けて子供たちが発する小さなサインを見逃すことのないよう、アンテナを高くして、子供たち一人一人にきめ細かに接していかなければなりません。 また、いじめが起きた場合、解決に向けて早期に対応する必要がありますが、そのためには、いじめを受けている子供はもちろんのこと、周囲の子供や関係する子供であっても、教員等に相談等をしやすい環境をつくるとともに、外部の関係機関も含めて組織的に対応できる体制を整備していくことも求められます。 県教委には、いじめは根絶しなければならないという強い決意の下、関係機関とも連携・協力し、不断の努力をもっていじめ対策に取り組んでいただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。コロナ禍においてもなくなることがない、学校において取組を続けていかなければならない課題であるいじめの未然防止、早期解決に向けて県教委としてどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いをいたします。 以上で、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 森繁議員の御質問のうち、私からは、行政サービスの向上に向けたデータ活用の推進についてのお尋ねにお答えします。 デジタル化の進展に伴い、飛躍的にその量と種類が増大しているデータを生かし、これまでにない新たな製品やサービスが次々と生み出されており、デジタル社会の実現に向けて、その礎であるデータの重要性が非常に高まっています。 このため私は、データの利活用の推進を、やまぐちデジタル改革の重要な取組の一つに位置づけ、そのための環境整備やデータによる課題解決に向けた取組などを展開するとともに、データ活用人材の育成も積極的に進めています。 まず、環境整備に向けては、行政が最大のデータ保有者であることから、その保有データを企業や市民等が自由に使えるようにするオープンデータ化を県全体で推進するため、県がデータ形式等を定めたマニュアルを策定し、県警本部や市町等とも連携をして、オープンデータの拡充を図っています。 また、データによる課題解決に向けては、やまぐちDX推進拠点「Y─BASE」において、データ分析を通じて課題を発見し、新たな行政サービス等を創出する取組を推進し、周南市のデータを生かした野犬対策等の成果が生まれており、今後もこうした取組への支援に力を入れていきます。 さらに、本県のスマートシティの実現等も視野に入れた、データ連携による住民サービスの構築を目指す官民連携ワークショップの開催など、データ活用による地域課題の解決や新たな価値創造を図る取組を様々な形で進めます。 次に、データ活用人材の育成に向けては、大学との連携によるデータサイエンス専門講座など多様な取組を実施しており、行政職員については、お示しの客観的な証拠、すなわちデータに基づき政策を企画立案するEBPMの実践人材の育成などに取り組んでいきます。 具体的には、地域の現状や課題を明確化するためのデータ分析・可視化ツールの習得セミナーや検診予約等のサービス構築に向けて、データ収集からアプリ試作までを実践的に学ぶデータアカデミーの開催など様々な取組を進めます。 こうした中、国においては、デジタル田園都市国家構想の推進に当たり、心豊かな暮らしを意味するウエルビーイングという新たな視点を重視し、その達成状況を様々なデータを用いて把握していくこととしています。 本県もこれに即応するため、今月、ウエルビーイングへの理解を深め、多様なデータからなる評価指標の活用方法等を第一人者から学ぶセミナーを開催し、私も講師と直接意見交換を行い、その重要性等を理解したところであり、こうした新たなデータ活用手法の導入にもしっかりと取り組んでいきます。 私は、県民の皆様がこれまで以上に豊かさと幸せを実感することができる、そうしたデジタル社会の実現に向けて、データを活用した行政サービスの向上に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 看護人材の確保対策についてのお尋ねにお答えします。 県民が生涯を通じて、健康で安心して暮らすためには、良質な看護サービスを担う看護人材の確保を図ることが重要です。 県では、看護学生の県内就職に向けた修学資金の貸付けに加え、県看護協会に設置した山口県ナースセンターにおける相談対応や職業紹介など、幅広い取組を行っているところです。 こうした中、お示しのように、看護職員の不足は依然として解消されておらず、また、コロナ禍の影響による業務の大幅な増加に伴い、不足感が強まっていることから、看護人材の確保が喫緊の課題となっています。 このため、県では、看護人材の確保に向けて、即戦力となる潜在看護師等の復職支援や離職防止・定着促進の取組を重点的に推進してまいります。 まず、復職支援については、有資格者の約三割と推計されている潜在看護師等に対してナースセンターへの登録を広く呼びかけるとともに、再就業希望者に対し最新の知識・技術を習得する研修や医療機関とのマッチングに取り組んでいるところです。 こうした取組により、昨年度は延べ三千四百八十一人の潜在看護師等に登録をいただき、そのうち二百八十一人を就業につなげたところであり、今後とも、さらなる掘り起こし等に努めてまいります。 次に、離職防止・定着促進については、県に設置している医療勤務環境改善支援センターにおいて、医療機関の管理者を対象に、タスクシフトやワーク・ライフ・バランスの推進に向けた研修や、社会保険労務士等による個別相談の実施など、今後ともきめ細かな支援に努めてまいります。 特に、コロナ対応により、精神的に大きな負担や不安を抱える看護職員に対して、県看護協会と協力をして、公認心理師等による相談対応や、管理者向けのメンタルヘルス研修を行うなど、引き続き精神的なサポートに努めることとしています。 また、こうした看護人材の確保に向けた取組が、現場のニーズを踏まえ効果的に展開されるよう、医療関係団体等で構成する看護職員確保対策協議会において検証し、今後の施策に反映してまいります。 県としましては、今後とも関係団体等とより一層連携し、地域医療の充実に向けて、看護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 藤田環境生活部長。    〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 ◎環境生活部長(藤田昭弘君) 食の安心・安全の確保についてのお尋ねにお答えします。 食は、私たちの命と健康の源であり、県民の食の安心・安全の確保は極めて重要です。 このため県では、食の安心・安全推進基本計画に基づき、生産から消費に至る一貫した監視指導や食品検査はもとより、事業者のHACCP導入に向けた支援や、事業者・行政と消費者が相互理解を深めるリスクコミュニケーション等に取り組んできたところです。 しかしながら、HACCPでは、工程ごとの記録が必要となることから、小規模な事業者において効率的な業務の運用が求められており、また、リスクコミュニケーションでは、コロナ禍により施設見学や意見交換会等が困難となるなど、様々な課題が生じています。 こうした課題に対応するため、やまぐち未来維新プランの素案において、重点施策に、食や消費生活の安心・安全の確保を掲げ、これに併せて、今年度中に基本計画を改定し、食の安全、食の安心、参画と協働の三つの基本方針により、積極的に施策を展開したいと考えています。 具体的には、まず食の安全については、特に、事業者によるHACCPの適切な運用を支援するため、事業規模や業態等に応じて、保健所の食品衛生監視員による実践的できめ細かな指導助言を行うとともに、オンラインでの講習会を新たに開催するなど、啓発についても強化してまいります。 次に、食の安心については、リスクコミュニケーションを推進するため、オンラインによる施設見学やeラーニングを用いた食品表示講習会など、コロナ禍を契機とした新たな取組を進めてまいります。 さらに、参画と協働については、食の安心・安全の確保に社会全体で一層取り組むことができるよう、食品衛生月間における街頭キャンペーン等を通じた普及啓発の充実に努めるとともに、SNS等を活用した食の安心モニター制度を検討し、若い世代の参画を促進してまいります。 県としては、今後とも消費者の視点に立って、市町や事業者、関係団体等と緊密に連携しながら、食の安心・安全の確保に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 出生時育児休業制度創設を契機とした働き方改革の推進についてのお尋ねにお答えします。 少子高齢化と人口減少が進む本県においては、県民誰もがその個性と能力を十分に発揮し、男女が共に生き生きと活躍できる社会を実現することが重要です。 このため、県では、仕事と子育ての両立に向けた環境整備が促進されるよう、関係機関とも連携しながら、企業における働き方改革に取り組んでいるところです。 具体的には、労働局と連携し、子育て応援企業の登録拡大や模範となる企業の表彰を行うなど、子育て応援の機運を醸成するとともに、働き方改革支援センターのアドバイザーによる助言等を通じ、多様で柔軟な働き方の導入を支援しています。 こうした中、出生時育児休業制度の施行に伴い、男性の育児休業の取得が容易になるとともに、その活用促進は企業の生産性向上や人材確保等にもつながることから、幅広い企業で働き方の見直しが進むよう取り組むこととしています。 まず、今年度新たに人事労務担当者等を対象としたシンポジウムやセミナーを開催し、改正育児・介護休業法の制度周知や事例紹介等を通じて理解促進を図っています。 また、専門家やアドバイザー等が企業訪問を行い、個別事情を踏まえた働き方改革の実現に向けて、課題解決や制度導入への支援を行います。 さらに、多くの企業で取組が進むよう、男性従業員が育児休業を取得した企業に支給する奨励金の予算額を今年度から大幅に拡充したところです。 こうした取組に加え、新たに開催するワークショップや機器導入経費の助成などにより、デジタル技術を活用した仕事のプロセスの見直しなど、新しい働き方の導入を支援していきます。 県では、出生時育児休業制度創設を契機として、関係機関と連携し、仕事と子育てを両立しやすい環境整備を促進し、働き方改革のさらなる進展につなげてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) いじめ対策についてのお尋ねにお答えします。 いじめは、いじめを受けた児童生徒の心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、県教委ではこれまで、未然防止、早期発見、早期対応を基本として様々な取組を進めてきたところです。 しかしながら、依然としていじめがなくならない状況にあり、学校現場での取組の実効性をより高めていく必要があることから、教職員や子供たちのいじめに対する意識を常に向上させる取組や、子供たちに対する教職員の対応力を高める取組をさらに強化していくこととしています。 具体的には、教職員に対しては、職員会議等の様々な機会を通じて、いじめの認知や組織的な対応などの基本認識を繰り返し徹底するとともに、実際に県内で起きた事例を活用し、場面ごとの学校の対応の在り方について学ぶ研修等を通して、より実践的な対応力を身につけさせることとしています。 また、子供たちに対しても、道徳科の授業や特別活動などの時間に、いじめの問題を自分のこととして捉え、考え、議論することを通して、いじめに対して正面から向き合い、他者の気持ちに共感することができる心情を培うとともに、傍観者ではなくいじめを仲裁したり、教職員へ相談したりする態度を育成してまいります。 加えて、学校におけるいじめ対策は、組織的な対応が求められていることから、学校いじめ対策委員会において、スクールカウンセラー等外部の専門人材から助言を得たり、学校運営協議会等で地域住民など様々な立場の人から意見を聞くなど、より多くの目で見守り、検証していく体制の充実を図ることとしています。 県教委といたしましては、いじめは絶対に許されないものであるとの認識の下、市町教委をはじめ、学校、家庭、地域、関係機関等と一体となって、いじめの未然防止や早期の解決に向けた取組をこれまで以上に強化し、いじめの根絶に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 先城憲尚君。    〔先城憲尚君登壇〕(拍手) ◆(先城憲尚君) おはようございます。公明党の先城憲尚でございます。早速質問に入ります。よろしくお願いいたします。 初めに、山口県のカーボンニュートラル実現についてお尋ねをいたします。 まず、CO2削減を取り巻く環境の変化についてです。 一九九二年、ブラジルで開催されました地球サミットで初めて問題提起された地球温暖化問題は、その後紆余曲折を繰り返しますが、二○二○年、地球温暖化対策を支持するバイデン氏がアメリカ大統領に就任したことで、状況は一変し、脱炭素化を掲げる国が相次ぐこととなりました。 二○二○年十月、日本の菅政権も、二○五○年のカーボンゼロを目指すとし、参入を高らかに宣言しています。 日本国内においても、脱炭素化を成長の軸と捉え、大きな経済の流れができつつあります。 具体的には、化石燃料発電から再生エネルギー発電への移行、自動車のEV化推進などです。 日本政府も二兆円の基金を積んだことから経済界は大きく動き始めたため、私も昨年二月の代表質問で、山口県も基金二兆円を取りに行くべきだと訴えたところでございます。 しかしながら、ここへ来て、世界のエネルギー構成に微妙な変化が生じています。 CO2を多く排出する石炭は、カーボンゼロに向け足かせとなるはずでした。ところが、世界のエネルギー市場では、石炭を中心とした化石燃料による火力発電の需要が急激に増加をしているのです。 要因は、ウクライナ侵攻後、ロシアが欧米の経済制裁に対抗するため、天然ガスの供給を一気に減少させたことにあります。その結果、需給は逼迫し、エネルギー価格が高騰しました。石炭は天然ガスに比べてCO2を二倍に排出するにもかかわらず、グリーン革命の先頭を走っていたはずのドイツやオーストリアなどが石炭火力発電を急ピッチで増やし始めました。 日本においても、同様です。原子力発電の再稼働が困難な状況にあることもあり、火力発電に頼らざるを得ない構造になっています。 現時点で火力発電は日本の電源構成の八割近くを占めており、その供給力は実に圧倒的です。さらに、火力発電は、天候などに左右される再生可能エネルギーの発電量を補う調整力を持っています。 したがって、エネルギー構成が大きく変化する今、CO2削減だけのために、火力発電を急激に減らせば、こうした機能が損なわれ、電力の安定供給に支障が出るおそれも出てきました。 ウクライナ侵攻に端を発し、世界的な火力発電依存が避けられない中で、CO2を出さないだけではなくて、むしろ出てくるCO2を取り込んで利活用する、地中に埋めるという技術が注目し始めています。 俗にCCSやCCUS、あるいはDACと呼ばれるものであります。当面、石炭を中心とする火力発電の需要を急激には減らせない状況にあるのであれば、出てくるCO2を大気から取り除いてしまえばよいのではないか、いうわけです。 そして、エネルギー大手を中心に大規模な導入計画が相次いでいます。 バイデン政権も本年五月、DACに補助金三十五億ドルを投じる方針を決定しました。マイクロソフトも十億ドルの基金創設を表明をしています。 日本においても、三菱重工業やIHI、川崎重工業がそれぞれ同様の導入計画を着手しました。建設業界では、大成建設がCO2を吸収させたコンクリートを建設工事に導入し、量産が始まります。 同様に、金融も方向性を微修正しています。当初、再生エネルギーの構築を目指し資金援助を行っていたESG投資も、CO2を利用する技術に投資対象を変更する方針で、運用方針が変化しつつあります。 ESG投資は、本来、自然エネルギーの普及を強力に推し進めてきたマネーですが、ウクライナ危機をきっかけに現実路線へシフトしたと言っても過言ではありません。 このように日本政府や金融機関、投資家たちも、ウクライナ侵攻をきっかけに一時的な化石燃料の需要回帰を認識し、むしろ排出されるCO2を回収・利活用することで、国内企業を守りながらカーボンゼロを目指していくという現実路線に理解を示しつつあります。また、円安によるインフレ圧力もあります。 さて、山口県は、岩国、周南、宇部・山陽小野田と三つのコンビナートを擁する全国有数の工業県であり、必然的に産業部門などの温室効果ガスの排出割合は全国平均のほぼ二倍です。 いずれも化学工業等の素材産業で、大量のエネルギーを必要としているため、歴史的に石炭を中心とした火力を活用し、山口県で生産した素材を全国の工場に供給してきました。山口県は、日本の工業の発展に大きく貢献してきたと言っても過言ではありません。したがって、政府は、山口県を優先的に支援するべきことは言うまでもありません。 そこで、環境変化の中、県は、コンビナート低炭素化構想に掲げた削減目標をどのように達成していかれるのか、お伺いいたします。 次に、障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくりの条例についてお尋ねします。 二○○六年、国連で障害者の権利に関する条約が採択されたことを受け、二○一三年、我が国においても、障害者差別解消法が制定され、二○一六年施行されました。障害の有無にかかわらず、誰もが互いに個性を尊重し合う共生社会をさらに進展させることになりました。 同法に基づいた国は、行政機関の職員に向けた対応要領を、事業者には対応指針をそれぞれ策定し、障害者に対する不当な差別的取扱いや必要な配慮の具体例を示しました。 二○二一年五月には、さらに事業者に合理的配慮の提供を義務とする改正法が成立しています。 本来、障害者差別解消法は、国や自治体、事業者に対し、障害を理由とする不当な差別を禁じるとともに、障害者の社会参加に必要な配慮を求めています。 これは合理的配慮と呼ばれ、例えば、車椅子利用者が段差を乗り越える際に人が介助したり、難聴者との会話に筆談で応じるなど、過重な負担とならない範囲で障害者を手助けするということです。 もともとこの法は、この合理的配慮を公的機関に義務づけ、事業者には努力義務にとどめていましたが、昨年の法改正案においては、事業者にも義務化されることになりました。山口県の中でも、条例制定の上、しっかり浸透させていただきたいと考えています。 さて、政党を問わず、多くの議員の皆さんがこのテーマに取り組んでこられましたが、私ども公明党も、二○○六年、国連の採択以降、この法の精神を浸透し実現を図るため、党を挙げて取り組んできたところです。 それを受けて、私も、障害者差別解消法が制定された直後の二○一三年十一月議会において、公明党議員団の意見を集約する形で、速やかに条例制定につなげるよう要望をしております。 その後、石丸議員は、二○一五年、二○一六年、二○二○年、二○二一年と続けて県議会で取り上げ、条例制定を求めてまいりました。そして昨年、猶野議員が委員会で議論を重ねた上で、再び議会で取り上げた際は、知事より条例制定へ向けての検討に着手するとの英断を頂きました。様々な検討過程を経て、今回、本議会での上程に至ったものと受け止めております。 条例は制定すればそれで終わりというものではなく、障害を理由とする差別の禁止に向けた道しるべとして、県の取組を一層充実強化することが必要となります。 また、この先の障害者を取り巻く環境の変化などをしっかり受け止め、時代に即した施策を展開していただきたいと思います。 そこでお尋ねします。今議会に上程されている条例の制定の契機として、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、県では、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、中小企業支援の継続についてお尋ねします。 地元中小企業を取り巻く状況を見ますと、シェアの高い製造業、外食業に顕著な傾向が表れています。 まず、製造業ですが、特に中小企業の回復が遅れております。中小の製造業は、業種や規模別で唯一、経常利益の下方修正を余儀なくされています。 六月の日銀短観によりますと、製造業は、ロシアのウクライナ侵攻で拍車がかかる資源高騰が重荷となって、全体で経常利益の減少傾向が見られますが、同じ製造業の中でも、規模が小さいほど影響が大きくなっており、中小の利益減少幅はマイナス一二・二%に達しています。 また、製造業の売上高計画の上方修正幅は、大企業は四・六%と伸びてきましたが、中小は○・九%にとどまっています。明暗を分けたのは、仕入れ原価上昇の転嫁度合いです。つまり、中小はコストの増加を価格に転嫁できていないということです。 現実に、値上げ要請をすると発注先を変更すると脅されたというような声が中小企業製造業の経営者から聞かれています。 そして次に、外食業ですが、もっと深刻です。長引くコロナ禍に起因する企業倒産が広がっています。帝国データバンクによりますと、七月の倒産件数は、三か月連続で前年同月を上回っています。 また、コロナ倒産関連も、五月から八月の四か月間で計七百五十六件と、前年比三五%の増加となっています。融資などの支援を受けたものの、過剰債務で返済の見通しが立たず、再建を断念する、いわゆる息切れ倒産が生じ始めています。 飲食店の苦境の背景には、協力金支給の終了後も客足がコロナ禍前の水準に戻っていないことがあります。私が相談を受けた経営者は、本当に返せなくなる、今の状況が続けば閉店を検討するしかないと話していました。 ゼロゼロ融資や協力金などで倒産件数は歴史的な低水準に抑えられてきましたが、ここへ来て、中小企業の破綻が表面化し始めています。今が胸突き坂です。 政府は今月八日、コロナ禍で中小企業の資金繰りを支えた実質無利子・無担保融資、いわゆるゼロゼロ融資を今月末で終了すると発表しました。まあまあ、今日です。 このゼロゼロ融資は本年から返済が本格化してまいりますが、融資を返済できなくなった事業者の返済を肩代わりする代位弁済の件数は、七月に前年同月比で四割も増えています。 そもそも日本は、従業員数で見ると中小零細が約七割を占めており、雇用の屋台骨となっています。今後、中小企業に対して融資枠の継続、据置期間の延長、複数の借入金を一本にまとめ、毎月の返済額を小さくする借換え保証、業態転換や生産性向上への助成等に特化して支援を継続していかなければいけないと考えます。県の支援方針をお伺いいたします。 次に、日本酒の輸出促進について、三点お尋ねいたします。 我が国の農林水産物は、国内の減少を埋めるかのように、食品の輸出が伸びています。 農林水産省が発表した二○二二年上半期の輸出額は、前年同期比で一三・一%増加して六千五百二十五億円となり、上半期としては、二年連続で過去最高を更新しました。 コロナ禍で落ち込んだ外食需要が欧米を中心に回復したことに加え、小売店やインターネット販売向けも堅調に推移したことが要因です。円安も追い風となっています。 中でも特に、気を吐いているのが日本酒です。前年比三三・七%増となり、過去最高の輸出額を記録しました。 生産者をはじめ関係者の努力のたまものであり、今後も官民一体の取組が期待されます。特に、日本の酒造メーカーは中小零細の業者も多く、個々に応援することは困難なケースもあり、行政やメーカーの支援が欠かせません。 国内では、私の年代に多かった、まあ私もですが、いわゆる日本酒ヘビーユーザーが減少していますし、若者の日本酒離れなどがあります。 しかし、低迷する国内消費と比べ、輸出は絶好調です。 二○二一年の輸出総額は四百億円を超え、十二年連続で過去最高を記録しています。ちなみに、日本の最大の輸出相手は中国とアメリカであって、中国では百億円を超えました。 そもそも輸出好調の理由は、酒造メーカーの努力も当然ありますが、現在、中国、香港、台湾、シンガポールなどアジア諸国では、和食店が急増しており、和食の人気上昇も要因になっています。加えて、ネット販売の拡大も進み、日本酒が売れる環境が広がっています。 これにつられて、輸出単価もここ十年でほぼ二倍に上がっています。 ちなみに、ドバイで一本六十万円と言われるのが夢雀。金雀で有名な岩国市錦町の堀江酒場が出しました。熟成という概念で日本一の酒として注目を集めています。国内の価格で新しいビンテージで八万八千円、飲んだことがない私にはちょっと味は紹介できませんが、ちょっと畑原議員にも聞いてみたいと思いますが。 その他、山口県の日本酒は、海外進出の先駆けとなった獺祭、豪雨災害から立ち上がった東洋美人、古い酒造を次々に再興した若い杜氏さんなど、山口県の日本酒は、話題と味に事欠かないのは皆さん御存じのとおりであります。 これから本県のすばらしい日本酒の輸出が拡大すれば、原料となる県産の酒米の生産量も増加し、農業振興にもつながっていくはずです。そのためにも、輸出国のマーケット調査に基づく商品開発など、さらなる輸出拡大対策が必要なのではないでしょうか。 そこで、世界に通じる山口県の酒をさらに海外展開するために、県はどのような支援を考えておられるのか、お尋ねをいたします。 次に、山口県産日本酒海外展開のもう一つの注目すべき点は観光との連携です。フランスでは多くの外国人観光客がボルドーやブルゴーニュのワイナリーを訪問し、その地域のワインと食事を楽しむ方々が増えています。 日本でも観光庁が音頭を取って酒蔵ツーリズムを推進しようとしていますが、今まで個々の酒蔵ごとの取組が多く、フランスのように地域を挙げて取り組むケースは少ないと言えます。複数の蔵が協力し、県を挙げて実施するほうが外国人観光客に魅力を伝えやすいでしょう。 一方、酒蔵を開放したくない理由として、衛生面と観光客受入れ対応の問題が上げられることもありますが、旅行会社や代理店等と提携すれば十分解決できるものと考えています。 こうした取組により、複数の酒蔵がある山口県が外国人観光客を呼び込める環境を整備したいと考えます。酒蔵ツーリズムを定着させ、外国人観光客を山口に、そして日本酒に引きつけられるよう取組が欲しいところです。県の所見をお伺いいたします。 三点目です。実は今から十年前、私も県の海外拠点を東南アジアに置くべきだと、数回にわたって定例会、委員会で取り上げてきました。そのときは、参与員の皆様から全く相手にしていただけず、実現には至りませんでした。 何年も経過したので私も忘れておりましたが、県は、このたび、県内中小企業の海外展開を支援するため、海外ビジネス展開に関する豊富な知見を有する民間企業に委託をして、シンガポールにビジネスサポートデスクを設置されました。 利用対象は県内に主たる事務所を持つ中小企業ですから、山口県の酒造メーカーに活用していただくべきです。シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、台湾へのビジネス展開を支援する拠点ですから、山口県酒造メーカーのターゲットエリアに重なります。施設には日本人の専門スタッフを配置し、現地に行けない企業でも、情報収集やオンライン商談の設定を依頼できます。 ここも活用して、日本酒の販路を広げてはどうでしょうか。県の所見をお伺いいたします。 最後に、公立学校の老朽化対策についてお尋ねします。 全国の公立小中学校で、築四十五年以上の老朽化面積が、二○一六年度から昨年度までの五年間でほぼ倍になったことが、二○二一年度の文科省の調査で判明しました。 老朽化した建物はガラスの破損や内外装材の落下など、被害が拡大する可能性が高いため、文科省は安全確保の観点から、老朽化対策の取組を支援する方針です。 調査結果によりますと、公立小中学校の築四十五年以上の施設のうち七割超、面積にして三千三百三十八万平方メートルが必要な改修が行われていない状況で、前回二○一六年度の千八百三十四万平方メートルに比べると、ほぼ二倍になっており、老朽化が進んでいる実態が明らかになっています。 一方、天井が一部落下するなどの安全面の不具合発生件数は減少しているものの、昨年度で二万二千二十九件発生しています。発生件数の多い安全面の不具合としては、消防用設備の動作不良・故障、床材の浮き・剥がれ、モルタル片の落下、照明器具・コンセント・分電盤の漏電などです。 したがって、日常的な点検や修繕を行い、建物を健全な状態に保つための改修を適切なタイミングで実施し、致命的な損傷の発見を事前に防ぐ必要があります。 公立小中学校は子供たちが長く過ごすだけではありませんで、災害時には地域住民の避難所にもなります。自治体は対策を急ぐ必要があります。 また、県立高校や特別支援学校においても同様に、生徒たちが安心・安全な学校生活を送る上で老朽化対策は必要不可欠であり、機を逸することなく計画的に実施していくことが求められます。 老朽化対策が必要な施設の増加は、一九七○年代前半の第二次ベビーブームに対応するために建設した施設が、一斉に更新時期を迎えることが主な要因です。 文科省は二○一三年度以降、今後三十年以上使用予定の小中学校について骨組みを残したまま改修して、耐用年数を築八十年程度まで延長するなどの長寿命化を推奨し、改修費の三分の一を補助してきました。 財政基盤の弱い自治体や、生徒数の減少による学校の統合問題など困難な課題も抱えているのは確かですが、市町の取組を促し、国の予算があるうちに、できるだけの計画を進めるべきであります。 県の現状と県教育委員会の今後の対応についてお尋ねをいたします。 質問は以上でございますが、偶然時間が余りましたので、先ほど日本酒の海外進出について取り上げさせていただきましたが、背景について、やや補足説明をさせていただきたいというふうに思います。 まず、国内市場なんですが、酒に問わず、輸出品の消費のことなんですけれども、国内市場は人口減少・少子化によって今収縮をしています。逆にアジアは、人口増加が続いて富裕層が誕生、旺盛な需要となっているところです。 ASEAN六か国は、もう全て人口増、経済成長をしているという状況が実にあります。 特に、フィリピンはGDP七から八%増で推移していまして、ほかの国々も五%以上なんですね。日本で言うと、毎年GDPが四十兆円近く増え続けていると、こういった状況にASEANはあるということなのです。 イメージとして、日本は失われた三十年と言いまして、長いこと給料が上がりませんでした。GDPも伸びませんでした。若い人は多分、GDP七%アップとはどういう状態なのか、多分経験がないので多分分かんないんじゃないかと思うんですけど、調べてみましたら三十五年前の一九八九年が七%で、日本はピーク打っています。 このときに都銀の新入行員のボーナスが、持って帰って札を立てたら立ったということで有名になったんですけど、漁港の駐車場もベンツがずらっと並んでいました。商業ビルは林立しますし、会社の経費は使い放題、歓楽街はそれで大盛況であったという状況だったんですね。 ですから、そういう状態にほぼあるとASEANが、と皆さん考えられたほうがいい。そうすると、先ほど申し上げましたが、四合瓶で一本二、三万の日本酒なんてね、おいしければどんどん売れるという土壌があるということをまず理解しなくてはいけないということだろうと思います。これがポイントの第一です。 ですから、いいものを造ってアジア進出を果たしてほしい。チャンスはあるという土壌だということです。 ポイントの二つ目といたしまして、国よりも県などの地方自治体が海外諸国と交流を深めていくほうがいいということです。そして、道をつけて中小企業を誘導する。 ちょっと見ますと、ロシアとウクライナ見ていますと分かりますけど、国同士だと国家観や領土問題が出てきて、もう、すぐけんかになるわけです。地方自治体同士だと、県もずっとやってきましたけれども、お互いの顔が見えますし、生活が密着した現実があります。 先日、周防大島町にハワイの知事が来ましたけど、もう非常に和やかで、決して今後けんかは起こらない関係を、柳居議長は築いてこられたんだと敬服する限りでございますけれども、地方自治体が出るとお互いうまくやろうねということができるんだろうと思います。 で、ここで、県の出番なわけです。ポイントの三つ目は、アジアの現実としてやっぱり反日じゃあ困るんで、親日のほうが商売がやりやすいというのは確かでございますね。それで、ちょっと一個一個私らがやっているところを見てみました。 台湾ですけど、これ村岡知事が率先して乗り込まれましたけれども、戦前、日本が電気、水道、道路、鉄道などを整備して、台湾人の生活は著しく向上している。圧巻はダムとかんがい設備なんですけど、ペンペン草も生えない、人も住めない嘉南平野ですね、ここに台湾最大の穀倉地帯に、生まれ変わっているわけです。これは日本人がやったんですね。 食料不足も一気に解消、目の当たりにした台湾人はもう驚くわけです。そして日本人に感謝をする。日本人として生きるという人が実は増えてきた。このときに有名なのが高砂族ですね。高砂義勇隊というのをつくって、日本軍と一緒に第二次世界大戦を戦うという歴史が生まれたわけです。 このとき、ダムの責任者の八田與一さんという人は東大出の土木技師なんですけれども、欧米だったら奴隷のように使ってきたわけですね。ところが、この人は人間ができていましてね、作業員の多くは台湾人だったんですけれど、日本人と同様に家を造ってそこへ住ませて、分け隔てなく処遇したっていうんです。で、慕われるようになった。国民党軍が共産党に追われて上陸したときに、台湾の人たちは、この八田さんの墓が壊されたらいけんというので、わざわざ隠したという逸話まである。それほど親日なわけです。今でも親日家が多い。 インドネシアですけど、インドネシアの若者は日本のナショナリズムに目覚めたんですね。独立戦争を戦後やるわけです、四年半かけて。二千人以上の日本軍将兵は、太平洋戦争が終わっているのにそこに居残って、自分たちが教えたナショナリズムを成功させるんだって言って、インドネシアに残って独立戦争を彼らと一緒に戦って、命を落としたんですけど、結局、独立を果たしたんですよ、勝って。 国家としては、もう日本に大変感謝している国なんです。日本兵が眠っている国立英雄墓地というのが造られていまして、独立記念日の八月十七日には、毎年、大統領が参拝をしていると。こういう国家を挙げての親日国家だということを皆さん知っとっておられたほうがいい。 マレーシアですけど、マハティール首相が一九八一年に、ルックイースト政策を立ち上げていますよね。ルックイースト、東を見たらそこに日本があった。それに続けということなんですね。 多くの留学生がそれで日本に来て学んで、その縁で日本からの進出企業がもう二千社近くに上っていると、こういう関係があります。 カンボジアですけど、ここ内戦が続いたのは皆さん御存じのとおりですけど、内戦が続いて何を使ったかと言ったら、地雷を使ったわけですね。戦争が終わっても年間千人ぐらい地雷を誤って踏んで犠牲者が出ているわけ。カンボジアへ行ったら、子供たち、足のない子はたくさんいるんで。それを見た日本人の山梨日立建機の雨宮社長さんという方が、自分の会社にプロジェクトチームを立ち上げて、地雷撤去装置を開発したんです。それでこれを一掃してしまったと。だから、カンボジアは日本人の雨宮さんを表彰したんです、大々的に。 フィリピンですけど、領海侵犯されていまして。日本と一緒なんで、沿岸警備隊の強化によって日本協力して、前のアキノ三世大統領が戦略的パートナーはアメリカと日本だけと。このように言ってるということなんです。 反日のところもありますけど、多くの国が、世間には少し誤解があるかもしれませんけれども、今見てきたように、アジアには実に親日家が多い。 その記憶が消えないうちに、県として、各国の自治体とたくさんのパイプをつくる必要が県としてある。そして申し上げたように、購買力が旺盛ですし、前の山本繁太郎前知事は、公約にこれ書いておられたのです。村岡知事は、なられたら即台湾に入られました。安倍総理も積極的なアジア外交展開をされてきましたし、今なら林外務大臣もおられるわけです。しっかり援助してもらえばいい。 山口県にとっては、今が旬です。議員も積極的に議員外交繰り広げて、パイプをつくっていくべきで、私もASEAN議連の末席副会長を務めておりますけれども、柳居顧問、吉田会長を支えて、微力なりとも取り組んでまいりたいことを申し上げて、一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 先城議員の御質問のうち、私からは、障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立し、安心して暮らしていくためには、障害に対する社会全体の理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくことが重要と考えています。 このため、私は、障害のある方の人権の尊重、差別の禁止、障害についての理解、これら三つを基本理念とする障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例を制定し、障害を理由とする差別の解消や障害理解の促進に向けた取組を、一層強化してまいります。 まず、障害を理由とする差別の解消に向けては、障害のある方が安心して暮らしていく上での様々な障壁を除去していくことが重要であることから、不当な差別的取扱いの禁止はもとより、事業者による合理的配慮の提供を義務化したところです。 今後は、障害のある方に対して、日常生活の様々な場面で必要とされる配慮について、具体的な事例集を作成するとともに、事業者向けの研修会を開催すること等により、障害のある方に対する合理的配慮の提供が進むよう取り組んでまいります。 また、障害理解の促進に向けては、幅広い年齢層の方々に参加いただき、あいサポート運動の裾野を広げるとともに、とりわけ、幼児期から、偏見なく障害のある方に接する心を育むことが重要であることから、障害のある子供とない子供の交流や共同学習等の推進に努めてまいります。 さらに、広く県民の皆様に条例の趣旨や内容を理解していただけるよう、十二月に共生社会づくりフォーラムを開催するとともに、分かりやすく解説したリーフレットを作成・配布するなど、広く周知に取り組むこととしています。 なお、お示しのように、障害のある方を取り巻く環境の変化に的確に対応する必要があることから、障害のある方や家族、関係団体等からなる障害者施策推進協議会で御意見を頂きながら、その時代に求められる施策を展開してまいります。 私は、このたびの条例制定を契機として、市町や関係団体等と連携し、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の実現に向け、全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
    ○議長(柳居俊学君) 前田産業戦略部長。    〔産業戦略部長 前田安典君登壇〕 ◎産業戦略部長(前田安典君) 山口県のカーボンニュートラル実現についてのお尋ねにお答えします。 ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー問題を受け、欧州では、当面の供給確保のため、石炭など化石エネルギーを活用する動きが見られる中、長期的にはクリーンエネルギー拡大の流れが加速しています。 我が国においても、化石エネルギーからクリーンエネルギーへの転換がエネルギーの安定供給の確保につながるとの観点から、供給源や調達の多様化等を通じて足元の危機を克服しつつ、グリーントランスフォーメーションを加速していくこととしています。 本県コンビナートが、脱炭素化に対応しつつ、国際競争力を維持・強化していくためには、こうした社会経済や技術開発の動向が様々に変化する中、現時点で考え得るあらゆる選択肢を考慮しながら、CO2削減の取組や時間軸等を検討し、その実現に向けて一体となって取り組むことが必要です。 このため、このたび取りまとめたやまぐちコンビナート低炭素化構想最終案では、燃料転換が中心となる二○三○年度までの削減目標を設定し、石炭火力の段階的な縮減に向けたアンモニア・バイオマスの混焼拡大、さらには水素供給網の構築等により、CO2の排出削減を図ることとしています。 また、二○五○年カーボンニュートラルに向けては、燃料転換等による排出削減のみでは限界があることから、お示しのCCUSについても、CO2の化学品、合成燃料への利活用や、国における地下貯留の事業化スケジュールに合わせた取組を進めることとしています。 この構造の具現化に向けて、企業ニーズ等を十分に踏まえ、また、国の支援策等をしっかりと取り込みながら取組を進めるとともに、今年度中に策定する、やまぐち産業脱炭素化戦略において、必要な施策の検討を進めてまいります。 県としては、将来にわたって本県の経済と雇用を牽引し続けるカーボンニュートラルコンビナートの実現を目指し、環境変化に的確に対応しながら、CO2削減に向けた企業の取組をしっかりと後押ししてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 中小企業支援の継続についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍に加え、円安や物価高騰等により、製造業をはじめとした多くの企業で倒産の増加が懸念されるなど、中小企業を取り巻く経営環境は厳しい状況にあります。 国においては、こうした状況を踏まえ、中小企業の資金繰りや収益力改善に資する総合的な支援策を策定し、強力に推進することとしています。 県としては、こうした国の対応に呼応しながら、地域経済を支える中小企業の事業継続と成長発展が図られるよう、経営安定や生産性の向上に向けて、重点的な支援を継続的に講じていくことが重要であると考えています。 まず、経営安定に向けては、県制度融資の経営安定資金において三百六十億円の融資枠を確保するとともに、新型コロナ資金の据置期間の延長に必要な追加の信用保証料への補助を行うほか、金融機関に対して、追加の融資等について柔軟な対応を要請するなど、金融支援の充実に取り組んでいます。 次に、生産性の向上に向けては、商工会議所等と連携し、国の事業再構築補助金等の申請サポートをはじめ、革新的な業務改革を図るDX化の取組に対して、専門家の派遣や設備導入に係る助成を行う等、様々な支援を行っています。 また、六月補正で創設した省エネ設備等の導入を支援する補助事業について、九月補正において積み増しを行うとともに、事業再構築等を資金面から後押しするため、来月から、経営安定資金の伴走支援枠の融資限度額について六千万円から一億円へ引上げを実施します。 さらに、今後、国において示される経済対策や借換え保証等の返済負担軽減策を踏まえ、追加の支援策を検討するとともに、事業再構築補助金の充実や価格転嫁の円滑化等、中小企業の経営改善に資する取組を国に求めてまいります。 県としては、関係機関と連携し、経営安定と生産性の向上に向けた継続的な支援に取り組むことにより、厳しい経営環境に直面する中小企業の持続的な成長発展につなげてまいります。 次に、日本酒の輸出促進についてのお尋ねのうち、ビジネスサポートデスクの活用についてお答えします。 人口減少・少子高齢化の進展による国内市場の縮小が続く中、酒造メーカーをはじめとした県内中小企業の持続的な成長のためには、海外の成長著しい国や地域に向けた市場の開拓が重要です。 このため、県では、これまで、やまぐち産業振興財団による相談対応や助成金の支給、展示会の出展など、日本酒をはじめとする県産品の輸出促進を図るための総合的な支援を行ってきたところです。 こうした中で、アフターコロナも見据え、中小企業がより高いレベルの経済成長を目指していくためには、海外市場開拓に向けた支援の強化が必要であることから、本年七月、シンガポールにビジネスサポートデスクを設置したところです。 設置に際しては、海外ビジネスに係る豊富な知見や幅広いネットワークを有する民間企業を活用し、ASEAN地域等を対象に販路開拓支援を行うこととしています。 具体的には、まず、県内企業に対して制度の周知や利用促進のためのキックオフセミナー等を開催したところ、県内酒造メーカー三社を含む二十八社から申込みがありました。 今後、企業ニーズを踏まえ、アドバイザーが海外展開に向けた情報収集や市場調査を行うとともに、取引先企業を発掘し商談の機会を創出することとしています。 また、来月、シンガポールで開催されるASEAN市場最大級の日本食の見本市にも酒造メーカーが参加することとしており、アドバイザーによる対面商談の設定や展示会終了後の適切なフォローアップにより、成約を促進してまいります。 県では、今後とも関係機関と連携し、日本酒をはじめとする本県の強みを生かした県産品の販路拡大に向けて、ビジネスサポートデスクの活用に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 日本酒の輸出促進についての御質問のうち、海外展開への支援についてのお尋ねにお答えします。 日本酒の国内消費が低迷する中、本県においては、海外市場の開拓に向け、県内酒造メーカーによる売り込みに加え、知事によるトップセールスや現地商談会への出展支援など、輸出促進のための取組を行ってきたところです。 その結果、台湾やシンガポールなどで新たな販路が開拓され、海外向けの出荷数量もこの五年間で約三倍に増加しており、着実に成果が上がっています。 一方、お示しのとおり、酒造メーカーには個別の海外展開が困難な事業者も多いことから、県や関係団体等が一体となって、さらなる輸出拡大に取り組んでいくことが重要です。 このため、県では、酒造メーカー等と連携して、これまで構築してきた輸出ルートの充実強化を図るとともに、マーケットリサーチに基づいた商品開発やブランディングに取り組むこととしています。 具体的には、県が国内外に配置している輸出プロモーターを活用し、対象国の市場調査を行うとともに、現地ネットワークを生かした海外バイヤーとの商談機会を創出するなど、酒造メーカーの売り込みを支援します。 また、やまぐち六次産業化・農商工連携サポートセンターの体制を強化し、輸出先の文化やニーズを踏まえた日本酒のパッケージやラベルの作成を支援するなど、酒造メーカーの海外に向けた新たな商品開発を後押しします。 さらに、県や酒造組合等で立ち上げた、やまぐちの地酒輸出プロジェクトチームにおいて、市場規模の大きい中国をターゲットとして、今年度、新たに同国で人気のソウルフードである火鍋料理に合う本県独自の日本酒ブランドを創設することとしています。 県としては、引き続き、このような取組により、県酒造組合等と連携しながら日本酒の海外展開を積極的に進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 日本酒の輸出促進についての御質問のうち、酒蔵ツーリズムについてのお尋ねにお答えします。 海外からの観光客にとって、酒蔵での日本酒体験等は、日本の伝統や食文化が理解できる極めて関心の高い観光素材であり、インバウンドの拡大に向けては、こうした素材を生かした魅力的な観光コンテンツや周遊ルートの開発が重要です。 このため、県では、インバウンド向けの観光コンテンツとして、多言語での案内により、タクシーで酒蔵を巡るツアーや、酒蔵見学とともに、酒米や湧き水など酒造りにゆかりのある場所を自転車で巡るツアーなど、酒蔵をテーマとした観光ツアーの造成に取り組んできました。 また、県内九つの蔵元を巡り、日本酒の銘柄がデザインされた「ご酒印」を集める観光周遊イベントへの支援や、瀬戸内七県が参画する、せとうちDMOによる、食をテーマに酒蔵やワイナリー等を巡る広域周遊ルートの開発など、酒蔵ツーリズムの創出に取り組んでいるところです。 加えて、県内の酒蔵に外国人の嗜好に詳しい専門家を派遣し、分かりやすい案内表示への改善や、周辺の観光スポットと連携した取組を促進するなど、観光素材としての酒蔵の魅力向上にも努めているところです。 さらに、こうした観光コンテンツについては、海外向けの旅行商品サイトに掲載し、広く情報発信するとともに、海外の観光プロモーターと連携し、現地での試飲会等による日本酒のPRや旅行会社に対する旅行商品造成の働きかけなど、様々なプロモーションを行っています。 今後も、市町や観光事業者と緊密に連携しながら、外国人観光客のニーズを捉えた魅力的な観光コンテンツや周遊ルートの開発を進め、本県へのインバウンドの拡大に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 公立学校の老朽化対策についてのお尋ねにお答えします。 学校施設は、児童生徒が日中の大半を過ごす場であり、災害時には地域住民の避難所にもなることから、その安全性の確保は極めて重要であると考えています。 こうした中、今年度実施された文部科学省の調査によると、県内公立小中学校については、築四十五年以上の施設のうち約五割が必要な改修が行われていない状況であり、また、全国と同様に、消防設備の動作不良といった老朽化が主因の安全面の不具合も多く発生しています。 県立学校についても、第二次ベビーブーム世代の増加に伴って建築されたものが多く、築後四十五年以上を経過した施設が全体の約四割を占めるなど、老朽化が進んでいます。 こうしたことから、県教委としては、学校施設の老朽化対策は、県・市町共通の喫緊の課題として早急に取り組む必要があると考えています。 このため、小中学校の設置者である市町に対しては、各種会議の場など、あらゆる機会を活用して施設の安全点検など、老朽化対策の着実な実施を要請するとともに、施設の改修に当たっては、議員お示しの長寿命化に係る国の補助制度を有効に活用するなど、各種助言や情報提供を行っているところです。 また、国に対しては、全国知事会や全国都道府県教育長協議会などを通じ、老朽化対策事業に対する財政支援措置の拡充や財源の確保を要望するとともに、本県独自に、県内市町と一体となって、実態に即した補助単価の設定や補助要件の緩和などについて、直接要望を行っています。 さらに、県立学校についても、令和二年度に策定した長寿命化計画に基づき、外壁改修や屋上防水などの建物の長寿命化に有効な改修を優先的かつ計画的に進めるとともに、緊急を要する施設の不具合については、速やかな補修などを実施しているところです。 県教委といたしましては、今後とも、県内市町と緊密に連携を図りながら、公立学校施設の老朽化対策を着実に進め、安心・安全な教育環境の確保に全力で取り組んでまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時三十三分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十九号まで ○副議長(二木健治君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 日本共産党の木佐木大助です。質問の前に一言申し上げます。 まず、私たちは安倍元首相への弔意表明そのもの、これに反対しているわけではありません。亡くなられた際には心からの弔意を表明いたしました。しかし、事実として、安倍政権の八年八か月は、戦後最悪の政権だったと言わざるを得ません。 憲法違反の安保法制を強行する、そして立憲主義を破壊しました。モリカケ、桜など、国政私物化疑惑にまみれましたけれども、国権の最高機関たる国会の場で、百十八回もの虚偽答弁を重ねるなど、説明責任を一切果たしませんでした。 アベノミクスで格差と貧困を広げる、そして消費税の二度の増税で国民の暮らしを苦しくさせました。さらに反共謀略組織である国際勝共連合や反社会的カルト集団統一教会とずぶずぶの癒着関係をつくり、最大の広告塔ともなりました。 国葬と同様、県民葬は、こうした政治を礼賛することにつながる、断じて許せません。県民葬は中止すべきであることを申し上げまして、通告に従い、一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢について伺います。 一つは、県民葬についてです。 知事は、県民葬を行う法的根拠として、地方自治法の二条二項に、地方公共団体は地域における事務を処理すると規定しており、県民葬もその中に含まれていると説明されています。 この地域における事務について、地方自治法の逐条解説は、住民を含め当該地域との合理的な関係性が認められれば、地域における事務であると考えられると明記しています。 法律を解釈する際は、関連する規定も参照して文言の意味を確定することが当然求められます。今回の場合は、地方自治法第一条の二第一項の規定がそれに当たります。同項は国と地方との役割分担に係る規定ですが、地方公共団体が所管すべき事務、特に地域における事務の基本的性格を示すものです。 住民を含め当該地域との合理的な関連性の有無は、同項がいう住民の福祉の増進を図ることが認められるか否かによって判断すべきであります。 よって、県民葬が住民の福祉の増進を図ることにつながる合理的な関連性の根拠を示さない限りは、県民葬を行う法的根拠は失われるのではありませんか。この点、お尋ねします。 二つは、重要土地等調査法、いわゆる土地利用計画法についてです。規制法についてです。 これも安倍元首相の置き土産の一つですが、米軍・自衛隊基地などの周辺住民を監視下に置く土地利用規制法が、この二十日、全面施行されました。 同法は、米軍・自衛隊基地や原発など、周辺一キロメートルの、また、国境離島を注視区域などに指定し、所有者や使用者を監視・情報収集して、機能阻害行為があれば使用中止を勧告・命令できるというものであります。 しかも、何が機能阻害行為に該当するのか法律上の規定がなく、首相の判断や政令に委ねられています。また、情報収集と称して、住民間の監視・密告が奨励もされています。 年内にも区域指定が始まるとされ、県内の米軍・自衛隊基地を抱える地域では懸念が高まっています。指定される区域をどう想定し、県はどう対応されるのか、お尋ねします。 また、県民を監視し、県民の権利を著しく制約することや、不動産取引にも重大な影響を与えるようなことがあってはなりません。この点についても見解を伺います。 質問の第二は、米軍岩国基地についてであります。 一つは、基地内の燃料備蓄量を五倍に増やす、そして中型タンカー接岸のための埠頭整備が計画されている問題です。 米陸軍工兵隊日本地区等の資料によりますと、基地内にある百五十九万リットルの燃料タンク三基を解体して、七百九十五万リットルの燃料タンク三基が新造されます。貯蔵能力は四百七十七万リットルから二千三百八十五万リットルへ、何と五倍も増強されます。 加えて、基地南東部の港湾施設に中型タンカーが着岸できる係留施設や桟橋を設けることも計画され、今年十月以降に事業者の募集が始まるとしています。 燃料タンク増設の必要性について、アメリカ側資料は、岩国飛行場の現在の燃料貯蔵量は必要量の三七%、不測の事態には機能しないと説明しています。 既存の燃料タンクは、空母艦載機移駐のための拡張工事に伴って整備されたものであります。その規模は、艦載機約六十機を含む約百二十機の運用に必要な貯蔵量を前提に決められたはずであります。にもかかわらず、貯蔵量は必要の三四%ということは、岩国基地では現状より三倍近い航空機の運用が可能な規模に増強されるということを意味するのではないでしょうか。この点もお尋ねします。 この問題は、日本共産党の井上哲士参院議員が、今年五月十七日の外交防衛委員会で取り上げています。 井上議員は、インド太平洋地域で中国に対抗して戦力増強を図る太平洋抑止イニシアチブ、PDI、これに関連して、アメリカ国防総省が四月までに米議会に提出した長期計画の中で、岩国基地での貯蔵能力の補強は、インド太平洋地域における兵たんを改善して、同地域における戦略的な途中給油作戦、戦略的空輸及び戦力投射を可能にすると明記されていることを指摘し、政府の認識をただしました。 これに対し、岸防衛大臣は、インド太平洋地域における現在の米軍の兵たん体制、能力は、特に紛争下での作戦を支えるには不十分であるという旨の記載があり、在日米軍岩国基地や横田基地への燃料貯蔵タンクの調達などが予算案に含まれていると承知していると答弁しています。 岩国基地の燃料貯蔵能力を五倍に増強する動きは、インド太平洋地域での軍事衝突に備えるためであることは明らかであります。こんな危険極まりない計画は即刻中止を求めるべきでありますが、伺います。 二つは、岩国基地提供用地の返還問題です。 岩国市は一九九六年度以降、都市計画道路昭和町藤生線の全通のために、未整備区間を含む約五ヘクタールの返還を国に要望し、県も一九九七年以降政府要望を行うなど、市の取組を支援してこられました。 この問題を私が、二〇一一年六月議会で取り上げた際、県は、国から岩国市に対し、返還予定地にある基地内の学校は、現在の駐機場を移設した跡地に移設する。それによって、五ヘクタールの返還がなされる旨の説明があったと聞いており、今後、岩国基地内の施設整備の進捗に伴い、返還が進むものと考えていると答弁をされています。答弁者は、当時の基地対、小松さんでありました。 この答弁から十一年が経過しました。なぜいまだに返還が実現していないのか、明確な説明を求めます。 質問の第三は、新型コロナ対策について伺います。 一つは、政府が二十六日から踏み切った感染者の全数届出の全国一律の見直しです。 見直し後、発生届の対象は、一、六十五歳以上、二、入院を要する、三、重症化リスクがあり、かつ新型コロナ治療薬の投与または酸素投与が必要な方、四、妊婦に限られています。 症状が軽い人、重症化リスクの低い感染者については、セルフチェックで、自宅療養者フォローアップセンターへの登録となり、保健所の健康観察の対象外になります。 懸念する一つは、軽症者が自宅療養中に重症化しても、自己申告のために見逃されるおそれであります。二つは、保健所からの指示がないことで、患者自身が自分の判断で出歩いて感染を拡大させるおそれであります。三つ目は、新たな変異株を見落とすおそれです。 また、高齢者施設では、入院が必要な患者が施設内にとどめ置かれる事態が多発し、死亡者数が増えているのに、施設内療養に対する支援強化が打ち出されたことで、死亡者がさらに増えることも懸念されています。 こうした懸念が顕在化させることは絶対あってはなりません。山口県はどう対応されるのか伺います。 二つは、救急搬送困難事案をなくすことであります。 同事案は、一一九番通報を受けて現場に駆けつけた救急隊が、医療機関への受入れを四回以上照会し、かつ現場に三十分以上の滞在を余儀なくされたケースです。 県内十二消防本部では、感染拡大の第七波に襲われた七月四日から九月十一日の間に六百三十七件あり、うちコロナ疑いは二百二十四件報告されています。こんなにも救急搬送困難事案が発生した要因をどう分析されているのか、お尋ねします。 医療機関や県の努力もあって、コロナ患者が受入れ可能な病床は増えてはいますが、医療従事者に感染が広がり、病床があっても受け入れられない事態が生じたことも原因の一つであると考えますが、いかがでしょうか。 また、人口千人当たりの病床数を見ると、アメリカが二・九床、イギリスが二・五床に対し、日本は十三床と圧倒的に多いものの、医者の数では二・四人と、OECD加盟国三十八か国の平均三・五人よりも少ないために、長時間過密勤務が日常化しています。 将来を見据えて、国に対し、医師を大幅に増員するよう求めるべきと考えますが、見解を伺います。 質問の第四は、上関原発計画についてです。 中国電力が国に、上関町への原子力発電所建設のための原子炉設置許可申請を行った二〇〇九年十二月からもう十三年を迎えようとしていますが、二〇一一年三月十一日の福島原発事故以降は、審査も全くストップしたままであります。中国電力自身、新規制基準を満たしていないあの申請書を十年以上もたなざらしにしています。 中電は、島根原発二号機の再稼働と三号機の稼働を目指していますが、新規制基準を満たすための安全対策費は、当初の一千億円から六千億円と五千億円も膨らみました。上関では、二機の原子炉建設を計画し、一機当たりの建設費を四千五百億円と見込んでいましたが、追加して必要となる安全対策を含めれば、何と二兆円を超える資金が必要になると考えられます。 折しも、中国電力は十三日、二三年三月期の連結純損益が千三百九十億円の赤字になる見通しを発表しました。前期の約四百億円を超えて、過去最大であります。年間配当は一九五一年の創業以来、初めて無配になる予定です。前期の内部留保、利益剰余金は三千九百三十八億円でした。 燃料価格の高騰の要因であるウクライナ危機は長期化が予想され、岸田政権による失政による異常な円安にも歯止めがかかる見通しもありません。来年一月には、公有水面埋立免許の竣功期限を迎え、中電は再び延長申請をすることが予想されます。 その際には、出願人、届出人が埋立てを進めるに足る資力及び信用を有するか、要するに、体力があるか、そして信用があるか、これも厳正に審査すべきと考えます。現時点での中国電力の経営状況の評価も含めて、お尋ねします。 質問の第五は、木屋川ダム再開発事業についてです。 下関市豊田町にある木屋川ダムは、治水、利水、発電の機能を持つ多目的ダムとして、一九五五年に完成しましたが、その後も下流域では浸水被害が相次ぎ、二〇一〇年七月の豪雨では甚大な被害が発生しました。 再開発事業は、浸水被害の軽減等を目的に、現行四十一メートルのダムの高さを約五十一メートルにかさ上げする計画で、一九七三年に実施計画調査に着手しました。 一九九七年、当時の建設省のダム事業総点検により、足踏みダムとされて中断しましたが、二〇〇八年度予算に国交省が調査費を盛り込んだことで復活、二〇〇九年度から同事業が再スタートしました。総事業費は約四百億円、完成予定は二〇三九年度と見込まれています。 同事業について、県は、八月十日、下関、長門両市の地権者協議会との基本協定に調印し、今後、地元説明会や現地測量に着手するとしています。 我が党は、以前からダムに頼らない治水対策への転換を求めてきました。この観点から同事業には疑問を持たざるを得ません。 一つは、かさ上げによる効果であります。 二〇二〇年八月二十一日に開催された公共事業強化委員会では、県は二〇一〇年七月豪雨について、平成二十二年は、木屋川ダム上流域ではあまり降雨がなく、むしろダムより下流地域で豪雨になった。そのため、この洪水では、旧豊田町の日野川周辺と旧菊川町で浸水被害が多数発生したと説明しています。 ダム堤をかさ上げして貯水能力を高めたとしても、下流域で豪雨に見舞われたら、浸水被害は避けられないのではないか、この点をお尋ねします。 二つは、川の合流地点で、水の逆流が起こるバックウオーター現象であります。 豊田、菊川地域には、木屋川に合流する稲見、山本、日野、田部、貞恒の五河川があり、同現象の発生が心配されています。この点も評価委員会で議論され、県は未改修の箇所があれば、バックウオーター現象が起こる可能性はある。詳細については把握していないと答えています。 現時点で、同現象が起こる可能性は一体どうなのか、改めてお尋ねします。 三つは、事業費の算定であります。 ダム建設費は当初見積りより大幅に超えることが問題化しています。完成間近の平瀬ダムも当初三百五十億円の事業費が最終的には九百二十億円、約二・六倍化しました。今後、四百億円としている木屋川ダム再開発の事業費も膨張することは避けられないと考えますが、お尋ねします。 以上、指摘した疑問点を踏まえると、再開発事業は再検討し、ようやく国も取り組み始めた流域治水、これに転換すべきときだというふうに考えます。見解を伺いたいと思います。 最後の質問は、漁業問題についてであります。 下関特牛市場の製氷施設について伺います。 特牛市場は、下関の水産物五大ブランドの一つ、特牛イカの水揚げ拠点であります。往時は約三十八億円あった年間取扱量は、二〇二〇年度、約十四億円に減少していますが、今なお地域産業にとってはなくてはならない重要な市場です。 しかし、同市場や近隣漁業者に氷を提供してきた有限会社特牛製氷所が七月末で事業廃止になり、県漁協と県角島漁協が共同出資して設立された合同会社が既存施設を買い取り、運営を引き継ぎました。 特牛市場を継続していくには、製氷施設を欠くことはできません。同社は、既存施設の機能維持のための補修や製氷施設の新設及び既存施設の解体に係る支援を下関市等に要請されています。 下関市も支援策について検討されているようですが、問題は、山口県は現状をどう把握されているのかお尋ねします。 また、県としても、地域にとって欠くことのできない特牛市場の維持・発展と漁業関係者を守るためにも、下関市並びに県漁港とも連携して、でき得る限りの支援を検討すべきと考えますが、併せて伺い、第一質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは、新型コロナ対策に関して、全数届出の見直しについてのお尋ねにお答えします。 今回の見直しにより、若い軽症者等については、発生届の対象外となることから、私は、自宅療養者フォローアップセンターの機能強化により、健康相談や生活相談等に二十四時間対応できる体制を確保し、安心して自宅療養できる体制を構築したところです。 まず、自宅療養中の方の重症化を見逃さないため、センターに確実に登録をしていただけるよう、医療機関の協力の下、診断時に、医師から直接本人に登録を促すとともに、容体急変時にはセンターに連絡していただくよう、個別に説明し、徹底を図ることとしています。 また、自宅療養者の療養中の過ごし方についても、不要不急の外出を控えるなどの注意事項を記載したリーフレットを作成し、医療機関での受診時等に、必ず本人に伝えることとしています。 次に、新たな変異株への対応と高齢者施設内での療養についてです。 今後も、コロナウイルスは変異を繰り返すことが懸念をされることから、変異株の出現を速やかに検知するため、引き続き、県環境保健センターでウイルスのゲノム解析を実施し、変異株の発生動向を監視してまいります。 また、重症化リスクの高い高齢者施設に対する支援については、県では、医師や看護師などで構成するクラスター対策チームを施設に派遣し、ゾーニング等の的確な初動対応をはじめ、診察や治療等を行っているところです。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、全ての陽性者が、安心して療養していただけるよう、医療機関等と緊密な連携の下、新型コロナ対策に万全を期してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) まず、県民葬についてのお尋ねにお答えします。 地方自治法第一条の二第一項において、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとすると規定されており、これは、地方公共団体の存立目的と役割を規定したものとされています。 また、同法第二条第二項では、普通地方公共団体は、地域における事務を処理するとされており、住民を含め当該地域との合理的な関連性が認められれば、地域における事務であると考えられているところです。 故安倍元総理におかれては、本県選出の国会議員として、憲政史上最長の八年八か月の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、地元山口県の取組にも大変な後押しを頂くなど、県政の発展にも格別の御尽力を賜りました。 こうした故安倍元総理の御功績や、八日間で一万三千八百人を超える記帳が集まるなど、多くの県民の皆様が哀悼の意を示されていることを踏まえると、県民葬の開催は、県民を含めた本県との合理的な関連性があると同時に、お示しのあった地方自治法第一条の二第一項が規定する地方公共団体の存立目的と役割にも適合するものと考えています。 次に、新型コロナ対策についての御質問のうち、救急搬送困難事案に関する二点のお尋ねにお答えします。 お示しの期間においては、本県も全国と同様、感染力の非常に強いオミクロン株の流行による、医療従事者を含めた感染者数の急増はもとより、猛暑による熱中症患者の発生、お盆期間による医療機関の休診など、様々な要因が重なって発生したものと考えています。 県では、これまで、救急搬送困難事案の抑制にもつながる感染患者受入れ病床を確保するとともに、国の通知に基づき、救急車の適正利用を各消防機関を通じて県民の皆様に周知をしてきたところであり、引き続き、各消防機関とも連携して取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 松岡総合企画部長。    〔総合企画部長 松岡正憲君登壇〕 ◎総合企画部長(松岡正憲君) 重要土地等調査法についての二点のお尋ねにお答えします。 お示しの重要土地等調査法に規定する注視区域等は、防衛関係施設等の周囲おおむね一キロメートルの区域内や国境離島にある土地等であって、機能阻害行為の用に供されることを特に防止する必要があるとして国が指定するものであり、県内でも、その指定が行われる可能性があると考えています。 指定に当たっては、国から県に対し、事前に意見聴取が行われるとともに、指定された場合には、必要に応じ国土利用計画法に基づく届出等の資料提出が求められることとなりますが、県としては、法令の規定とその具体的な内容を定めた基本方針に沿って、適切に対応してまいります。 また、法による措置は、注視区域内にある土地等が機能阻害行為の用に供されることを防止するため、必要最小限度のものにしなければならないとされ、基本方針では、国民の自由と権利を不当に制限することがないよう留意するとされていることから、国において、これらに沿った適切な運用が行われるものと考えています。 ○副議長(二木健治君) 近藤総務部理事。    〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 ◎総務部理事(近藤和彦君) 米軍岩国基地についての数点の御質問のうち、まず、燃料備蓄を拡大しようとする計画に関する二点のお尋ねにまとめてお答えします。 国に対して、当該計画の事実関係を照会したところ、米側に情報を求めているところであり、米側からお知らせできる情報が得られれば、関係自治体に情報提供してまいるとの回答を得ているところです。 県としては、引き続き情報収集に努め、地元市町と連携しながら適切に対応してまいります。 次に、岩国基地提供用地の返還問題についてです。 当該用地では、学校施設の解体等が順次行われ、令和二年二月に整地が完了したところです。 また、岩国市からは、早期に市民が有効に活用できるよう、返還という選択肢だけでなく、共同使用も視野に入れ、現在、国を窓口として協議・調整を行っている状況と聞いています。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 新型コロナ対策についての御質問のうち、国に対し医師を大幅に増員するよう求めるべきではないかとのお尋ねにお答えします。 県としては、国に対し、今後の新興感染症の流行に備えて、これまで以上に医師が必要であることや、医師の働き方改革を十分に配慮した医師需給推計を策定することなど、地域の医療提供体制に必要となる医師の確保について、全国知事会等を通じて要望しているところです。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発計画についてのお尋ねにお答えします。 公有水面埋立法において許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、県としては、申請がなされた場合には、その時点において、法に従って正当な事由の有無を厳正に審査し、適正に対処します。 なお、中国電力の経営状態の評価については、埋立免許権者としてお答えする立場にありません。 次に、木屋川ダム再開発事業についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、ダムをかさ上げしても、下流域で豪雨に見舞われたら、浸水被害は避けられないのではないのかについてです。 ダムの下流域のみが豪雨となるような場合は、ダムの効果は限定的ですが、治水対策においては、そのような特定の豪雨を対象とするのではなく、過去に流域内で大きな被害をもたらした様々な豪雨に対応できるよう検討することとしています。 木屋川水系の治水対策については、平成二十二年の豪雨だけでなく、昭和三十四年や平成十一年の豪雨などにも対応できるよう検討した結果、ダムのかさ上げと河川改修の組合せで対応することとしました。 次に、現時点でバックウオーター現象が起こる可能性があるのかについてです。 バックウオーター現象とは、本川の増水により、支川の水がせき止められ、流れにくくなった結果、支川の水位が上昇する現象であり、バックウオーターによる浸水被害は、想定を超える降雨となった場合、木屋川水系だけでなく、どこでも起こり得るものです。 次に、四百億円としている木屋川ダム再開発の事業費も、膨張することは避けられないのではないかについてです。 木屋川ダム再開発事業に係る事業費については、必要額を積み上げたものであり、現時点で見直すことは考えていません。 次に、再開発事業は再検討し、流域治水対策に転換すべきではないかについてです。 県では、減災対策協議会の中に設けた流域治水部会において、関係機関と連携し、本年二月に策定した木屋川水系の流域治水プロジェクトの中で、木屋川ダム再開発事業を経済的で治水効果の高い主要な事業として位置づけ、現在、その取組を推進しているところです。このため、木屋川ダム再開発事業について再検討することは考えていません。 ○副議長(二木健治君) 高橋農林水産部長。    〔農林水産部長 高橋博史君登壇〕 ◎農林水産部長(高橋博史君) 漁業問題についての二件のお尋ねにお答えします。 まず、現状の把握についてですが、下関市地方卸売市場特牛市場の製氷施設については、特牛市場に氷を供給していた民間の製氷所が本年七月末をもって事業廃止され、代わって八月より山口県漁協と角島漁協が合同会社を設立し、運営を引き継がれていると承知しております。 次に、支援の検討についてですが、今後、市場開設者である下関市と漁業関係者において対応が検討されるものと考えておりますが、特牛市場は北浦地域における水産物流通の中核施設であることから、県としても、下関市等から相談があれば、必要な助言等を行ってまいります。 ○副議長(二木健治君) 木佐木大助君。    〔発言する者あり〕 ○副議長(二木健治君) (続)答弁漏れはありませんので、再質問でお願いします。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問を行います。 答弁漏れをした中電株主配当が無配になったことについて、山口県はどのように捉えているか、具体的な損害はどの程度あるか、改めて伺っておきたいというふうに思います。 その上で、県民葬、これについて伺います。 県民葬開催の法的根拠についてるる答弁されましたが、全く納得いきません。角度を変えて再質問します。 地方自治法の第二条第十四項は、地方公共団体はその事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと規定しています。 同項の逐条解説は、住民の福祉を向上させることはそもそも地方公共団体の存立の第一義的な目的であり、これに努めなければならないのは言うまでもないことでありますと明快にしています。 同項に照らして、県民葬開催という事務を処理するための経費約六千三百万円の半額三千百五十万円の公金支出は、どのような県民の福祉の向上につながると考えているのか伺います。 県民葬への公金支出は、県民の福祉の向上とは全く無縁であり、違法な支出であり、県民葬の開催そのものは中止すべきであります。 次に、岩国基地について伺います。 県議会は、五年前の二〇一七年六月議会で、空母艦載機部隊の移駐に関する意見書を賛成多数で採択しています。 同意見の第一項には、新たな部隊の移駐により、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは容認できないとあります。 二〇一七年度当時と二〇二一年度のW値七十五以上の航空機騒音回数を比較すると、岩国市川口町一丁目では、七千二百六十九回から一万七百三十八回と一・五倍、同市尾津町五丁目では、八千二百五十二回から何と一万三千二百二十七回と一・六倍に激増しています。 この事実は、この意見書が容認できないとした周辺住民の生活環境が現状より悪化している、この証明であり、県議会の意思をも踏みにじるものと考えますが、お尋ねします。 そして米軍は、現状よりもさらに多くの航空機の運用を可能にするため、燃料貯蔵量を五倍に増やす工事に取りかかろうとしています。こんなことは断じて容認できません。きっぱりと反対の意思を国及び米軍に伝え、中止させるべきですが、この点も伺います。 原発問題には、先ほど改めて答弁を求めました。 同時に、関連して、これまで山口県は中電の株主総会で県民の共有財産である三千四百万株の議決権行使書を白紙で提出する、そして上関原発推進を悲願とする中電方針を、もろ手を挙げて賛成してきました。その結果が無配当という結果であります。 資力も信用もないことが今や明らかになった今日、責任ある、ほぼ筆頭株主、大株主である山口県は、中電に上関原発建設は撤退せよ、こういうふうに進言すべきであります。この点についても伺いたいと思います。 最後に、木屋川ダムの問題ですが、二〇〇九年度当時に算定された同再開発事業の事業費四百億円は、膨張することは避けられません。二〇年度時点での費用対効果分析では、費用約二百四十億円に対し便益は三百三十億円で、費用便益比は一・四倍でした。 費用便益費が一以下の場合は、事業の見直しが求められると考えますが、この点についてはいかがでしょうか、お尋ねします。 本事業の場合、仮に費用が百億円増えれば、費用便益費は一を割り込んでしまいます。そうした場合は、事業見直しを余儀なくされると考えますが、改めて伺います。 豪雨時に、木屋川においても、未改修の箇所ではバックウオーター現象による浸水被害が発生する可能性があると、こういう答弁でした。 資料に示しましたように、木屋川の河川整備計画の進捗は、全体事業費六十六億五千二百万円に対し、十二億七千七百万円、一九%にとどまっています。バックウオーター現象を未然に防ぐため、河川改修のスピードを早めるべきと考えますが、どう対処されるのか、お尋ねします。 また、今後の河川堤防については、越水しても崩れにくい耐越水堤防を積極的に取り入れるべきだと考えますが、以上、お尋ねして再質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 木佐木議員の再質問にお答えします。 まず、上関原発計画についての再質問から一括してお答えします。 中国電力株が無配となることによる配当金収入への影響についてのお尋ねです。 中国電力株の配当金につきましては、本年度当初予算におきまして、十七億円の歳入を見込んでいたところであります。 中国電力が発表した二〇二三年三月期通期の配当予想どおり無配となった場合、本年度の歳入は五億円程度となる見通しであります。 次に、株主として中国電力に上関原発計画からの撤退を進言すべきではないかとのお尋ねです。 県としましては、これまでも株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応してきたところであり、株主として中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えておりません。 次に、県民葬についての再質問です。 県民葬への公金支出がどのような県民の福祉の向上につながると考えているのかとのお尋ねであります。 先ほども申し上げましたが、故安倍元総理におかれては、憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進にも大変なお力添えを頂きました。 また、御逝去後の八日間で一万三千八百人を超える記帳が集まるなど、多くの県民の皆様が哀悼の意を示されております。 こうしたことを踏まえまして、御遺徳をしのび、我が国はもとより、本県への多大なる御貢献と御功績をたたえ、最も深く追悼の意を表する形として県民葬を執り行うことは、お示しの住民の福祉を向上させるという地方公共団体の存立目的に適合するものと考えております。 ○副議長(二木健治君) 近藤総務部理事。    〔総務部理事 近藤和彦君登壇〕 ◎総務部理事(近藤和彦君) 再質問にお答えします。 2点あったかと思います。 まず、平成二十九年六月議会における空母艦載機部隊の移駐に関する意見書についてです。 御質問にありましたこの意見書にあります条項、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは容認できない、この現状より悪化するというところでございますけれども、このことにつきましては、沖合移設前の平成十八年に、国から米軍再編案が提示され、当時の状況と沖合移設後に再編案が実施される場合との比較により、基地周辺住民の生活環境への影響について検証するものというふうに理解をしております。 そうした場合に、平成二十九年の移駐判断時や移駐後においても、再編案が提案された平成十八年当時と比べて、住民の生活環境が全体として悪化している状況にはないことから、県議会の御意思が踏みにじられているとは考えておりません。 次に、燃料備蓄の御質問についてです。 いろいろ御質問にありましたけれども、貯蔵量を五倍に増やす工事だとか、こういったその計画について、県としては承知をしておりません。そのため、国に照会しているところです。 したがいまして、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、現在、国において米側に照会中ですので、事実関係が分かり次第、地元市町と連携しながら適切に対応してまいります。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 木屋川ダム再開発事業に関する再質問にお答えいたします。 まず、再開発事業の見直しに関する二点の御質問について、まとめてお答えいたします。 木屋川ダム再開発事業に係る事業費につきましては、必要額を積み上げたものであり、現時点で見直すことは考えておりません。 なお、一般的に事業費を見直す場合には、山口県公共事業評価委員会で事業の必要性、経済性、社会性等を審議していただき、事業の継続の可否について御意見を伺った上で、適切に判断することになります。 それから次に、河川改修のスピードを早めるべきではないかとのお尋ねです。 県では、水系ごとに河川整備計画を策定し、計画に位置づけた治水対策を過去の被災状況、また背後の土地利用状況等を勘案し、緊急性の高い箇所から進めているところです。 木屋川水系につきましても同様の考えに基づき行っているところであり、引き続き河川改修を着実に進めてまいります。 次に、耐越水堤防を積極的に取り入れるべきではないかとのお尋ねについてです。 耐越水堤防とは、堤防を越水することに対して一定の安全性を有するよう、堤防の表面をコンクリート等で被覆するなどの対策により、流下の能力をより高めることができる堤防のことをいいます。 当該堤防につきましては、土木学会が安全性確保の観点からすると現状では技術的に見て困難との見解を示していることから、県では耐越水堤防の整備を検討することは考えていません。 ○副議長(二木健治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。 県民葬開催についての法的根拠は、地方自治法の恣意的解釈によって成立しようとしていますが、法的根拠はありません。この点については、改めて内海総務部長に答弁を求めるとともに、県民葬を中止すべきだと考えますが、併せて答弁を頂きたいというふうに思います。 そして、中電の株主の問題については、やっと先ほど答弁がありましたが、株主総会で議決権行使を白紙提出する、これはますます中電が経営破綻に陥っていく道ではないでしょうか。 原発事故が起こる前、まだ原発の安全神話が成り立っているのんきな時代とは今日は違います。私たち、中電株は県民の共有財産、これをきちんと保全するためにも、言うべきことは言う、この点も改めて答弁を求めて、私の一般質問を終わりたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 木佐木議員の再々質問にお答えします。 まず、県民葬についての再々質問です。 改めて、法的根拠についてのお尋ねがございましたが、地方自治法第二条第二項におきまして、地方公共団体は地域における事務を処理すると規定されており、県民葬はこれに含まれると考えております。 県民葬を実施する考え方でありますけれども、故安倍元総理におかれては、憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進にも大変なお力添えを頂いたこと、また多くの県民の皆様が哀悼の意を示されていることを踏まえ、最も深く哀悼の意を表する形としてこれを執り行うことが適当であるというふうに考えております。 また、上関原発について、株主としての立場として進言すべきではないかとの再度のお尋ねでありますけれども、繰り返しになりますが、県としましては、これまでも株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応してきたところであり、株主として中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えておりません。 ○副議長(二木健治君) 中嶋光雄君。    〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) ◆(中嶋光雄君) 社民党・市民連合の中嶋です。通告に従い質問させていただきます。 まず、旧統一教会と県との関係についてお尋ねします。 さきの参議院議員選挙の最終盤、七月八日の白昼、安倍元首相が奈良県での遊説中に手製銃で殺害されるという、極めてショッキングな事件が発生をいたしました。 事件直後は、言論を封殺し民主主義を破壊する行為という論調や観測が支配的でしたが、時間の経過とともに容疑者の犯行に至る動機などが徐々に明らかになり、政治家と反社会的団体と目される旧世界基督教統一神霊教会、現世界平和統一家庭連合との関係があぶり出されることとなりました。そのこともあって岸田内閣への支持率が急落しています。 この旧統一教会が求める政策こそ、憲法九条の破壊、緊急事態条項の創設、夫婦別姓反対、ジェンダーフリー反対、LGBTQ反対なのであります。 米国の著名な調査報道ジャーナリスト、ロバート・パリー氏は、反共を看板にしてきた文鮮明の本質は宗教でもなく、金もうけとコリアン・ナショナリズムだと指摘をしておられます。 そのような中で、岸田首相は国民の目先を変えるかごとく、八月十日に第二次岸田改造内閣を発足させ、記者会見で、旧統一教会については、仮に法令から逸脱する行為があれば、厳正に対処する。法務大臣はじめ関係大臣においては、悪質商法などの不法行為の相談、被害者の救済に連携して万全を尽くすと明言されました。 しかし、旧統一教会隠しをもくろんだ岸田首相ですが、政務三役と言われる大臣、副大臣、政務官、合わせて七十八人のうち実に三十五人、さらに党役員の中にも旧統一教会との接点があることが次々と明らかとなっています。 また、旧統一教会は政治家のみならず、行政にも関連団体の名前を使うなどして関係を持ってきていました。例えば、各地で道路沿いの清掃美化活動など、私の地元の山陽小野田市議会においても九月十二日、旧統一教会の活動への表彰、感謝状、補助金の交付または寄附等がどのようになっているのかとの議員の問いに対して、市当局は答弁で、世界平和統一家庭連合という名を冠した団体から令和三年の秋、令和四年の春における花壇コンクールへの応募があり、令和四年春には新人賞を授与している。また、令和元年度から令和三年度まで毎年度一回ずつ、その団体がチャリティーバザーの収益金の一部を地域へ還元したいと寄附の申出があり採納していますということを明らかにしています。まさに、何らかの意図を持って巧妙に行政に食い込もうとしている実態が明らかになったのではないでしょうか。 いずれにせよ、この安倍元首相銃撃事件を含む霊感商法や旧統一教会にまつわる様々な問題は、政治家や行政が多くの被害者の声を無視、放置し続けてきた結果と言えると思います。 そこで、県の旧統一教会への認識とこれまで旧統一教会との関係はどうであったのか、関係団体主催行事への出席や後援などの事例などの有無について、過去五年間についてはお答えがありましたけれども、五年間に限らずお教えください。また、被害者相談対応についてお示しをください。 さらに、旧統一教会、現世界平和統一家庭連合に対する県の今後の対応についてお聞かせください。 次に、安倍元首相の国葬・県民葬について。 国権の最高機関の国会にも諮られず、法的根拠もなし。しかも、閣議決定で決めて、予備費から出し、財政民主主義にも反するし、国の意思を示すという国葬のありようからしてもおかしい。しかも、旧統一教会との怪しげな蜜月で物すごく国民の反発が強まっていると、国葬である以上、国民的合意があることが当然というか自然です。安倍元首相を国葬に遇することに賛否両論があって当然です。 しかし、旧統一教会と政治との関係などが明らかになるにつれ、世論は日増しに反対が大きく上回る中で、しかも、霊感商法などの被害者救済のための政府の相談集中強化期間の真っ最中に国葬は二十七日、行われたわけで、これを矛盾と言わずして何と言うのでしょうか。 政治の私物化、森友・加計、桜を見る会事件、海外派兵の解禁、平和安全法制、戦争法制定、法制局長官人事に介入、忖度官僚の登用、国民間の格差拡大、成果なき外交、旧統一教会との癒着解明など、どう評価するかが引き続き問われています。 にもかかわらず、村岡知事は、国の国葬決定から日を置かずして県民葬の実施を表明され、市民、民主団体、県弁護士会、宗教団体、科学者団体などから抗議が殺到する中で、今議会の第一号議案に県民葬を実施するための六千三百万円を計上提案されています。削除すべきではありませんか。伺います。 さらに、国葬の実施を閣議決定のみで決めた岸田首相に対して、衆議院法制局と衆院憲法審査会事務局は、憲法の趣旨を踏まえると、国葬実施の意思決定過程に国会、つまり与党及び野党が関与することが求められていると言えるのではないかとの見解を示していたといいます。 そこで、県をはじめ七団体と安倍家及び安倍晋三後援会の主催という県民葬実施について、そもそも県議会にも正式に諮られることなく決められた根拠、理由を示されたい。 また、国葬の日に、都道府県・政令指定都市のうち、何らかの形で学校に弔意表明を求めたのは山口県のみだったと一斉に報じられました。故安倍晋三国葬儀の当日における弔意表明についてなる公文書を発出した真意を県と県教委にそれぞれ伺いたい。あわせて、県民葬に際しては、憲法第十九条並びに第二十条に違反する、思想、良心、信教の自由に侵害する、係る公文書の発出は行うべきではないがと思いますが、私にも見解をお聞かせください。 次に、LGBTQへの取組等についてお伺いします。 六月定例会で、知事から、多様性・ジェンダー平等に関し、LGBTQ+に対する施策と評価について答弁を頂きました。LGBTなどの性的マイノリティーを理由とした偏見や差別はあってはならず、多様性を認め、それぞれの生き方が尊重される社会を構築することが重要と考えています。性の多様性をテーマとしたセミナーを開催、LGBT等の基礎知識に関するリーフレットを作成、また、県政出前トークや、県職員に対する研修を通じて、窓口対応や職場での配慮などに関する知識の向上を図っているとの前向きな答弁を頂きました。 ところが、私の質問は六月十五日でしたが、後で知ったのですが、六月十三日に開かれた神道政治連盟国会議員懇談会の総会で、性的マイノリティーに関して差別的な考えが書き連ねられた冊子が配付されたようです。これはまさに、これまでの県の取組とは真逆だと思うのであります。 神道政治連盟は、御案内のとおり、全国各地の神社が参加する宗教法人、神社本庁を母体とする政治団体であり、神道政治連盟国会議員懇談会は、その趣旨に賛同する国会議員による議員連盟で、安倍元首相が会長を務めておられました。 その冊子は、キリスト教学者で弘前学院大学の楊尚眞教授による講演録をまとめた内容で、タイトルは「同性愛と同性婚の真相を知る」であります。 その中には、同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症、回復治療や宗教的信仰によって変化する、世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる、LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではなく、LGBTQの人自身の悩みが自殺につながる等々の記載があるようです。 しかし、このような同性愛は精神障害や依存症で、異性愛へと矯正・治療すべきといった言説は、同性愛だけでなく、障害や依存症に関する差別や偏見をも利用した幾重にも悪質な考え方であります。WHOは一九九○年に同性愛を国際疾患分類から除外しており、精神障害や依存症ではないことは国際的にも明らかです。異性愛へと矯正しようとする転向療法は人権侵害であり、法律によって禁止されている国もあります。 自殺の問題についても、性的マイノリティーの自死の割合が高いことは認めながら、その原因が本人にあるかのような言説は到底看過できるものではありません。性的マイノリティー当事者と非当事者の自殺未遂の経験を比べると、同性愛者や両性愛者等が約六倍、トランスジェンダーは約十倍高いという調査結果もあり、ほかにも様々な調査から、性的マイノリティーは非当事者よりもメンタル不調の割合が高いことも明らかになっていますが、これらは本人のせいなどではなく、取りも直さず社会に根強い差別や偏見が残っているからなのであります。 この冊子は、明らかな差別言説だとして多数の批判の声が寄せられ、性的マイノリティー関連の市民団体の全国組織であるLGBT法連合会は、冊子について、筆舌に尽くし難い、目を覆わんばかりの差別そのものと声明を発表されています。しかし、今日に至っても神道政治連盟は差別言説を広めたことに対して何の釈明も行っておられず、メディアの取材に対し、差別の目的はないと言い逃れしているのであります。 そこで、県はこれまで人権・男女共同参画という視点から、性的指向や性自認に関する県民の理解を促進することが重要であるとの認識でLGBTQに対する様々な取組をされてきましたが、それらに逆行すると思われる神道政治連盟が発行した冊子に対する県の御所見をお聞かせください。 次に、新型コロナの対応についてお伺いします。 新型コロナウイルスが初めて国内で確認されてから、もう三年がたとうとしています。この間に国内においても県内においても日常生活、経済活動に様々な多くの傷痕を残してきました。 そして今、我が国において新型コロナウイルスの感染が拡大しています。特に七月中旬からの新規感染者数は世界最多と言われ、老若を問わず広がっており、一部自治体では、検査ができなかったり、救急搬送が滞る事態が続いているほか、自宅療養も激増し、食料品配付が間に合わない状態ともなっています。 当初、オミクロン株は、感染は広がっても重症化しないと言われていましたが、感染が広がれば必ず重症者や死者数は増えます。現実に死者数は過去最多を更新する日が続きました。結果として、日本の平均寿命は、二○二一年においてはコロナの感染による要因もあって前年より下回りました。 さて、そのような中、現下の新型コロナへの公的対応の方向は、医療・保健所が逼迫しているという理由で、全数届出の見直し、感染症二類相当の五類への引下げなどに向かっています。これでは自己責任ばかりを求めるやり方となり、感染拡大の事態を深刻化させることになりかねないと考えますし、全数届出の簡便化の必要性を理由に安易な見直しや中止をするのではなく、感染症の危険性を十分に留意し、公衆衛生・医療、統計の確立と対策に向け、抜本的な公的責任を強め、財政資力を駆使し、本来は自宅療養の原則化をやめるべきと考えます。 また、感染症二類相当から五類への引下げとなると、原則公的負担から社会保険適用となり、自己負担も発生し、検査、入院、ワクチン接種、宿泊療養、自宅療養の食料品配付なども負担増であり、係る自己責任に転嫁する方針は、感染症法との整合性からすると望ましくないと考えます。 そこで、まず、医療の現場、公立・公的医療機関においては、かねてより高い離職率を背景に慢性的人員不足の中、新型コロナウイルス対応が加わり、過重労働だけでなく、医療従事者であることへの差別、偏見や、生活へのしわ寄せに苦しんでいる実態に対する対策が求められています。そのために医療勤務環境改善支援センターの果たす役割に大きな期待が寄せられていますが、現状ではどのように検証あるいは対策が講じられているのか、お聞かせください。 新型コロナウイルス感染症の対応においては、しっかりとした事前の準備がないのが問題と以前より指摘があります。現在においても現場としては事前の準備ができているとは言えない状況のようです。平時から県と医療機関が十分に協議し、合意事項を取りまとめることが重要です。 日本病院会の相澤孝夫会長も、有事に急に指示を出されても医療機関が対応することは難しいとし、あらかじめ協議しておくことが重要、医療機関が合意事項に基づいた対応が取れるよう行政が関わり支援することが必要だ、行政のDXを進めることも必要だと指摘されています。 そこで、県は、今後新型コロナも含め、感染症に対してどのように対応しようとされているのか、お聞かせください。 また、現在、新型コロナを感染症二類相当から五類への引下げとの声もありますが、そうなると原則公費負担から社会保険適用となり、自己負担も発生することとなります。このような声に対する県の御所見をお聞かせください。 最後に、原発問題について。 政府は、ウクライナ危機や電力需給逼迫を奇貨として、八月二十四日にGX実行会議で、原発の七基追加再稼働や運転期間の延長、次世代革新炉の開発・建設の検討も含めた原発推進方針を表明しました。原発の新設・リプレースは想定していないとする方針の大転換です。 国内唯一の新規立地計画である上関原発にとっては、逆に、内容や実現可能性が曖昧な次世代革新炉の新設計画に変更されることを意味することにもなります。ましてや、従来型原子炉でも、計画から稼働まで長期間を要し、現在進行形という需給逼迫の解決や緊急を要する気候変動対策としては全く役に立たない上関原発建設計画は白紙撤回しかありません。 まして、上関原発は海を埋め立てて建設せねばならず、その埋立ての免許権者は県知事であります。県知事が公有水面埋立免許の延長許可を事業者に出さなければ上関原発計画は止まることになる。この機を捉えて、知事は決断されるべきではありませんか。まずは伺います。 次に、上関原発運転開始までのこれまでの手続を振り返ってお尋ねします。 二○○八年に事業者が県に提出した公有水面埋立免許願書の中の埋立必要理由書の概要は、施行主体は、上関一・二号機の建設は中国電力株式会社が行うものであり、併せて行う本埋立事業も中国電力株式会社が施行主体となって推進する。発電方式は原子力。埋立規模は最大出力二百七十四・六万キロワットの原子力発電所設備を設置する。このためには、各設備の所要面積から約三十三万平方メートルの敷地面積を要し、そのうち約十四万平方メートルを埋立てにより確保することとした。詳しくは参考資料一を御覧ください。 そこで伺います。県は、二○一六年八月三日及び二○一九年七月二十六日に二度にわたり埋立免許の延長等を法十三条の二で、正当な理由があるとして許可。前述したとおり、事業者は埋め立てて原発をつくると言っている。しかも、法二条二項に埋立免許の出願。飛ばして二十二条で竣功認可の申請の手続を経て、二十四条で竣功認可の効果、つまり埋立免許を受けた者は知事が竣功認可を告示した日に埋立地の所有権を取得するとなっています。 つまり、原子炉設置許可が出ていないにもかかわらず、仮に、事業者が免許されているとして委細構わず埋立てを強行、竣功させれば、埋立事業者に所有権が移ることに県がお墨つきを与えることになる。まさに事業者への県の便宜供与ではないのか、伺います。 次に、二○一六年六月二十二日の三回目の工事竣功期間伸長許可申請の当否を決める審査のためには、①土地需要があること、②指定期間内に竣功できなかった合理的な事由があるかが問われていましたが、改めて、八月三日付で出された許可書等を検証したところ、処分の概要において、①についての言及はありますが、②については全く触れずに許可している。資料三を御覧いただきたい。この点について、なぜだったのか、伺いたいと思います。 さらに、二○一九年六月十日の四回目の延長申請を七月二十六日付で許可した際には、先述しました①は全く同じで、②について初めて言及され、指定期間内に工事を竣功できなかった理由については、海上ボーリング調査の位置が埋立工事に伴う地盤改良範囲と重なっており、地盤改良により地層が乱される可能性があることから、地質データの確実な取得のためには、埋立工事に先立って海上ボーリング調査を実施しなければならないことが主張されており、合理的な理由があると認められる、参考資料三を御参照ください、となっています。 二○一六年に延長許可した際には、全く触れてもいなかった地盤改良云々が突然持ち出されたのはなぜなのか。県と事業者がずぶずぶな関係にあったあかしではないのか、併せて伺います。 さらに、この許可書において、土地需要があることについて、重要電源開発地点の指定は、当初免許においても、埋立ての必要性を判断する上で主要な根拠としておりと記述してありますが、これは明らかに二○○八年十月二十二日付で当時の二井知事が免許した趣旨を都合よく、曲解ないしえんきょくしたものと言わざるを得ません。 二井元知事は、二○一一年六月定例会の代表質問への答弁で、上関原電計画につき、平成十三年六月に国の電源開発基本計画へ組み入れられたこと等により、その土地利用計画が確定しておりましたことから、平成二十年十月に埋立免許をしたもので、しかしながら、このたびの福島第一原子力発電所での事故の発生に伴い、国においてエネルギー政策などの見直しが行われることになりましたことから、この埋立ての目的である原子力発電所の立地自体が不透明な状態になっております。このことによって、私は公有水面埋立ての前提となる土地利用計画についても、実質的に不透明となっていると認識をいたしております。このような状況が続く限り、たとえ延長の許可申請があったとしても、それを認めることはできないと考えておりますと。 さらに、二○一二年六月定例会の代表質問に対しても、仮に新たなエネルギー政策に上関原発計画が位置づけられたとしても、私は、このたびの福島第一原発の事故に鑑み、新たな安全基準等を満たす原子炉等施設の位置や規模などが決まらなければ、引き続き、土地利用計画は確定しないものと考えております。したがいまして、少なくとも、これまでは公有水面埋立法上の要件である正当な理由がなく、延長の許可はできないところでありますが、免許が失効した場合の新たな免許につきましては、新しい知事が就任後の状況等を踏まえ、適切に判断されるものと考えておりますなどと答弁されています。 したがいまして、来年一月六日が竣功期限の上関原発に係る公有水面埋立免許は失効させるのが当然と考えますが、見解を伺いまして、一回目の質問といたします。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 中嶋議員の御質問のうち、私からは、新型コロナウイルス含め感染症への対応に関して、感染症二類相当から五類への引下げについてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症については、感染症法では、現在、結核やSARS等と同様、二類相当として、入院勧告などの厳格な措置が取られているとともに、医療費については公費負担での対応とされているところです。 こうした中、ウイルスが確認されて約三年が経過し、ウイルスの特性の解明や、ワクチン、治療薬等の開発など、コロナへの対応を取り巻く環境も変化していることから、現在、国において、季節性インフルエンザ並みの五類への引下げが検討されているところです。 また、分類の引下げの時期についても、感染力や、罹患した場合の重篤性等を総合的に判断した上で検討するとされており、新型コロナ感染症は、致死率等が季節性インフルエンザよりも高いという報告もあることから、慎重な議論が行われているところです。 私は、感染症法上の位置づけの見直しに当たっては、エビデンスに基づき、医療や予防接種に係る公費負担の在り方も含め、国において、十分な検討が進められることが重要と考えており、全国知事会を通じて、引き続き、国に対して要望してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 初めに、旧統一教会に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、旧統一教会とのこれまでの関係についてですが、過去五年間について確認した結果、旧統一教会及びその関連団体の行事に知事等が来賓として出席した事案や後援を行った事例はありませんでした。 なぜ五年かということでありますが、承認等の行政処分に係る文書の保存年限が五年であることから、平成二十九年度以降の事案を対象としているものであり、それ以前については文書が保存されていないと考えられることから、お示しすることは困難であります。 旧統一教会につきましては、社会的に問題が指摘されている団体と認識しており、それらとの関わりについては、県民の皆様に疑念を持たれることがないよう、今後も、これまでと同様、適切に対応してまいります。 次に、安倍元首相の国葬・県民葬についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、九月補正予算案から県民葬に必要な経費を削除すべきではないかとのお尋ねです。 本県においては、これまでも内閣総理大臣や知事経験者、現職の国会議員など、国政や県政の推進に多大な御貢献をされ、御功績を残された方々を対象に、県民葬を実施してまいりました。 こうした過去の開催例に照らしても、故安倍元総理が憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進にも大変なお力添えを頂いたこと、多くの県民の皆様が哀悼の意を示されていることから、県民葬を執り行うことが適当であると考えています。 県としては、これまでも様々な機会を捉えて、県民葬についての考え方をお示しするとともに、県民や団体の皆様の御意見についてもお聞きしているところであり、今議会の審議の場などを通じ、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。 次に、県民葬実施を決めた経緯についてのお尋ねです。 県民葬の実施については、御遺族の意向を確認の上、県として決定したものですが、県と関係団体の皆様で葬儀委員会を設置しており、その構成員となることについて、県議会に御相談をしています。 また、開催に必要な経費については、今回の補正予算に計上し、御審議をお願いしています。 次に、故安倍晋三国葬儀の当日における弔意の表明についてなる公文書を発出した真意を問うとのお尋ねですが、故安倍元総理に哀悼の意を表するために行ったものです。 最後に、県民葬に際しては、係る公文書の発出は行うべきではないとのお尋ねですが、県民葬での対応は、現在検討中です。 ○副議長(二木健治君) 藤田環境生活部長。    〔環境生活部長 藤田昭弘君登壇〕 ◎環境生活部長(藤田昭弘君) まず、旧統一教会と県との関係についての御質問のうち、被害者相談対応のお尋ねにお答えします。 旧統一教会に限らず、霊感商法等に関する被害者相談については、県消費生活センターにおいて、国民生活センターや警察、弁護士などと連携し、的確に対応しているところです。 次に、LGBTQへの取組及び神道政治連盟の冊子に対する県の所見についてです。 お示しの冊子について、県として、見解を述べることは差し控えさせていただきますが、LGBTなどの性的マイノリティーを理由とした偏見や差別はあってはならず、多様性を認め、それぞれの生き方が尊重される社会を構築することが重要と考えています。 今後も引き続き、市町や企業、関係機関、関係団体と連携しながら、性的マイノリティーの方々への正しい理解と認識を深め、性の多様性を認め合う意識の醸成を図ってまいります。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 新型コロナウイルス含め感染症への対応についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、医療勤務環境改善支援センターについてですが、県では、医療従事者の離職防止や医療安全の確保等を目的に設置しており、研修会の開催や、社会保険労務士等のアドバイザー派遣、個別の相談対応など、勤務環境の改善に自主的に取り組む医療機関を支援しています。 こうした中、医療現場では、昨今のコロナ対応や職員への感染拡大などにより、医療従事者の超過勤務が増大している実態があると考えています。 このため、センターにおいて、医療機関からの過重労働等に関する相談に適切に対応するとともに、お示しのコロナ対応による医療従事者への差別、偏見等の相談に関しては、内容に応じて適切な相談窓口につなぐなど、医療機関からの相談にきめ細かく対応してまいります。 次に、今後の感染症対策についてです。 本県では、感染が急拡大した際にも、速やかにコロナ患者を受け入れることができるよう、これまで、医療機関と個別に書面合意を行い、実効的な受入れ病床を確保してきたところです。 こうした中、現在、国においては、今後の新興感染症等に機動的に対応できるよう、医療機関と都道府県との協定による確実な病床の確保や、平時と緊急時での医療提供体制の切替え、感染症情報を迅速に収集・分析等できる基盤整備など、感染症法の見直し等に向けた検討が進められています。 県としては、こうした国の検討状況を注視しつつ、今後とも、医療機関等との緊密な連携の下、感染症対策に万全を期してまいります。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 原発問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、知事が公有水面埋立免許の延長許可を出さなければ上関原発計画は止まることになるため、この機を捉えて知事は決断すべきではないかについてです。 公有水面埋立法において、許認可を行う場合、提出された申請書に基づき判断することとされており、県としては、申請がなされた場合には、その時点において、法に従って正当な事由の有無を厳正に審査し、適正に対処します。 次に、まさに事業者への県の便宜供与ではないかについてです。 埋立免許権者である県としては、公有水面埋立法に基づき、どこまでも法令に従い、適正に対処するものであり、御指摘は当たりません。 次に、処分の概要において、指定期間内に竣功できなかった合理的な理由について、全く触れずに許可しているのはなぜかについてです。 平成二十八年の延長許可については、埋立免許権者として、公有水面埋立法に基づき、どこまでも法令に従って厳正に審査したところ、指定期間内に竣功できなかったことについて合理的な理由があること、今後埋立てを続行するのに十分な理由があることの二つの要件をいずれも満たし、正当な事由が認められたことから、許可したものです。 延長許可した際には、報道機関に処分の経緯や考え方などを説明した資料を配付しており、その資料には、処分の概要のほか、処分の理由として指定期間内に竣功できなかった合理的な理由についても記載しています。 次に、二○一六年、平成二十八年に延長許可した際には全く触れてもいなかった地盤改良云々が突然持ち出されたのはなぜか。県と事業者がずぶずぶな関係にあったあかしではないかについてです。 令和元年の延長許可申請に当たり、事業者からは、原子炉設置許可申請に係る国の審査を念頭に置いたデータ補強のため、陸上ボーリング調査に加え、海上ボーリング調査の実施を決定したとの説明がなされたところです。 県としては、原発の安全審査に万全を期するためにボーリング調査を実施するとの事業者の主張に合理性があり、期間延長に正当な事由があると認められたことから、延長を許可したものであり、御指摘は当たりません。 次に、上関原発に係る公有水面埋立免許は失効させるのが当然ではないかについてです。 県としては、埋立免許権者として、公有水面埋立法に基づき、適正な審査を、公正な立場で行う責務があることから、どこまでも法令に従い、厳正に対処したところであり、埋立免許を取り消し、免許を失効させることは考えていません。 ○副議長(二木健治君) 中西警察本部長。    〔警察本部長 中西章君登壇〕 ◎警察本部長(中西章君) 旧統一教会に関する被害者相談対応についてお答えします。 県警察におきましては、旧統一教会に限らず、霊感商法等警察安全相談が寄せられた場合には、関係機関等と連携を図りながら、被害者の立場に立った適切な対応を行っているところであります。 ○副議長(二木健治君) 木村副教育長。    〔副教育長 木村香織君登壇〕 ◎副教育長(木村香織君) 安倍元首相の国葬・県民葬についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、国葬に当たり公文書を発出した真意についてですが、今回の通知は、県教委として故安倍元総理に哀悼の意を表するために行ったものです。 次に、県民葬に際しての公文書の発出についてですが、対応については現在検討中です。 ○副議長(二木健治君) 中嶋光雄君。    〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) ◆(中嶋光雄君) 再質問させていただきます。 県民葬について、総務部長より丁寧な説明をするという御答弁頂きましたけども、この間、市民団体の皆さん方が申入れをされている、そしてまた、今回の議場での答弁の中でも、今まで頂いた中で目新しい答弁がなかったということについては、非常に残念に思います。 それともう一つ、県議会の了解は受けた、事務局の了解を得ているとの答弁があったように思いますけれども、私も九月十三日の会派会長会議で議題に上がっていたわけではありませんけれども、その他の項で、県議会が県民葬の主催団体に入っていることを了解した覚えはないがと反対を表明いたしましたけれども、賛同する会派が多かったのは事実ではございます。 しかし、本会議なり委員会で反対なら意見を述べる場があるではないかと引き取られまして、了承でよいなとの取りまとめがあったわけではなかった。そこで、このように私は、壇上から反対意見を述べさせていただいているということを述べさせていただいた上で、再質問をさせていただきたいと思います。 まず、二○○一年の札幌地裁が、統一教会の布教活動は、社会的相当性の範囲を著しく逸脱し違法と認定した判決を下しております。そして、最高裁まで行き、判決が確定をしております。 この統一教会との癒着、また、広告塔の役割を果たしていたのではないかと言われている、疑惑まみれの安倍元首相を特別扱いして、県民葬にふさわしいと言えるのか。私は再考する余地があるのではないか、改めてお伺いしたいと思います。 さらに、県有施設への関係団体への利用許可は、最高裁判決を基に断ることができるのではないか、お伺いをします。 そして、県民葬の当日において、弔意表明については検討中ということでございました。この件については、二十七日の国葬の際に、山陽小野田市では、私も議会傍聴しましたけども、市長が、市としてこの国葬に関連した市民向けの葬儀を行う予定はないと、十二日の市議会で答弁され、当初は半旗掲揚もしないとの方針を掲げられましたけれども、御案内のとおりの県の方針が九月二十日付で参考として伝えられたことから、二十七日の国葬当日の午前中の市議会で方針変更を表明され、午後から半旗が掲げられたということでございます。 このことが端的に表しているのは、地方分権の時代にあって、県と市町の関係は上下・主従の関係から対等・平等の関係となっており、そこには指導する、指導されるという関係はなく、技術的助言の域を出るものではないはずなのですけれども、実際は参考までにお知らせしますとする総務部長通知が市町を強制しているではないか。地方分権一括法を骨抜きにしようとしているということなのか、疑念を抱かざるを得ません。この点について見解を伺いたいと思います。 さらに、九月十二日の、同じく山陽小野田市議会であったことですけども、仮に県民葬が行われた場合、市長は弔意、半旗の掲揚や黙祷など、個人の意思に関わることについて強制する考えを持っているのかという質問に対する答弁も、市長は、県民葬は追悼の意を表する形として執り行われるものと伺っております。市民に弔意を強制することにつながるとは解しておりません。市としては憲法の保障する云々がありまして、総務部長も、市としては黙祷ですとか半旗の掲揚については考えていないと答弁されています。 このように九月十二日の段階ではこうですけれども、これもまた国葬に際して通知を出されることによって、また覆されるという通知、出されるとすれば、通知がそういうことになると思いますけども、こういうことはあってはならないと思いますけども、いかがでしょうか。 さらに、時間がないかも分かりませんけど、中国電力の財務が悪化していることは、先ほど木佐木県議が指摘をされました。上関原発への…… ○副議長(二木健治君) 中嶋光雄君に申し上げます。時間が参りました。注意いたします。 ◆(中嶋光雄君) (続)投資は過剰であると思いますけども、いかがお考えでしょうか、お伺いをいたします。 以上で終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 中嶋議員の再質問にお答えします。 まず、国葬・県民葬についてです。 統一教会の最高裁判決の事例を出されて、統一教会との疑惑がある安倍元総理は、県民葬にふさわしいと言えないのではないかとのお尋ねでありました。 安倍元総理と旧統一教会との関係につきましては、県として詳細を承知しておりませんが、岸田総理は、安倍元総理御本人が亡くなられた今、十分に把握するのは難しい旨、発言されていると承知しております。 また、旧統一教会につきましては、現在、国におきまして、関係省庁の連絡会議等が立ち上がっておりますし、県としましては、その動向等も注視しながら、先ほど御答弁したとおり、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。 そうした対応を行っていきながら、今回の県民葬につきましては、故安倍元総理が憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められたこと、我が国はもとより、県政の発展にも格別の御尽力を賜ったこと、さらには多くの県民の皆様が哀悼の意を示されていることなどを踏まえ、これを執り行うことが適当であると判断しているものであります。 また、県有施設への関連団体の使用許可につきまして、最高裁判決を基に断るべきではないかとのお尋ねであります。 地方自治法第二百四十四条第二項におきまして、地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないと規定されています。また、同条第三項では、地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的な取扱いをしてはならないと規定されております。 使用申請があった際にこれを不許可とすることは、憲法に定める集会の自由を制限することでもあり、仮に過去に違法な活動を行っていたとしても、それだけを理由として不許可とするということにつきましては、慎重な検討が必要であろうというふうに考えております。 今後、施設の利用申請があった場合には、団体の活動内容や施設の利用目的等を精査の上、関係法令や施設の使用許可基準等に照らして、個々に慎重に対応する必要があると考えております。 それから、国葬当日の半旗掲揚につきまして、山陽小野田市の事例を挙げられまして、技術的助言の域を超えない参考通知が強制する結果となったのではないかとのお尋ねだったかと思います。 国葬当日における半旗の掲揚に関しまして、各任命権者及び市町に対しては、知事部局の対応を参考までにお知らせしたものでありまして、市町における対応につきましては、それぞれの主体において判断されたものと考えております。 最後に、原発問題につきまして、株主の立場で意見すべきではないかとのお尋ねでございます。 県としましては、これまで一貫して株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応してきたところであり、株主として中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えておりません。    〔発言する者あり〕 ○副議長(二木健治君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時四十六分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   高   井   智   子                   会議録署名議員   小 田 村   克   彦...