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  1. 山口県議会 2021-06-01
    06月28日-02号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 3年 6月定例会   令和三年六月山口県議会定例会会議録 第二号      令和三年六月二十八日(月曜日)  ────────────────────        議事日程 第二号      令和三年六月二十八日(月曜日)午前十時開議  第一 代表質問  第二 議案第一号から第二十二号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第二十二号まで                会議に出席した議員(四十四人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                欠 員(三人)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         小 松 一 彦 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       藤 田 昭 弘 君                    総合企画部長      平 屋 隆 之 君                    産業戦略部長      平 野 展 康 君                    環境生活部長      神 杉 さとみさん                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      松 岡 正 憲 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      内 畠 義 裕 君                    財政課長        稲 垣 嘉 一 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        山 本 英 信 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        西 村 和 彦 君                    公安委員長       倉 田 惠 子さん                    警察本部長       谷   滋 行 君                    代表監査委員      河 村 邦 彦 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員会事務局長   大 田 淳 夫 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        前 田 安 典 君                    事務局次長       粟 屋   桂 君                    総務課長        原 田 和 生 君                    議事調査課長      柳 原 廉 均 君                    政務企画室長      白 井 雅 晃 君                    秘書室長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          高 尾 大 輝 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ─────────────    諸般の報告 ○議長(柳居俊学君) この際、諸般の報告をいたします。 報告事項は、お手元に配付のとおりでございます。   ───────────── △日程第一代表質問 △日程第二議案第一号から第二十二号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑に入ります。 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 守田宗治君。    〔守田宗治君登壇〕(拍手) ◆(守田宗治君) 皆さん、おはようございます。自由民主党の守田宗治であります。 令和三年六月定例会に当たり、自由民主党会派を代表して、県政の諸課題について、知事及び教育長に質問をいたします。 質問に先立ち一言申し上げます。 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、国では内閣の総力を挙げて、感染防止とワクチン接種の加速という新たな挑戦に立ち向かっています。 中でも、ワクチン接種の加速化については、菅総理の強いリーダーシップの下、大多数の市区町村で七月末までに高齢者の接種を終える予定となるなど、着々と目に見える成果が上がっています。 また既に、国内で必要とされるワクチンの確保のめどが立ったことから、今月四日には調達が厳しい状況にある台湾にワクチンを提供することができました。 新型コロナに打ち勝ち、一日も早く安全・安心な日常を取り戻すためにも、引き続き、国と地方が一丸となってワクチン接種の加速化に全力で取り組んでいかなければなりません。 今月十一日、菅総理は、昨年九月の就任後初めて対面で開催されたG7サミットに出席され、普遍的価値を共有するG7として、国際秩序をリードしたいと決意を示されました。 特に、安全保障の分野においては、中国による東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試みや、香港情勢や新疆ウイグル自治区における人権状況に深刻な懸念を表明され、首脳宣言では台湾海峡について明記されるなど大きな成果を上げたのであります。 また、来月に迫った東京オリンピック・パラリンピックについて、新型コロナウイルスという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が団結し、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを日本から世界に発信したいとの決意を表明されました。 その上で、感染対策の徹底、安全・安心な東京大会開催に向けた準備状況を説明され、全首脳から大変力強い支持を頂いたところであります。 コロナ禍を機に、グリーン・デジタル分野での変化や経済安全保障などの新たな課題が、世界全体の経済構造や競争環境を大きく、かつ急速なスピードで変えつつあります。 先日、閣議決定された骨太の方針二〇二一の中では、ポストコロナの持続的な成長につなげるため、グリーン化デジタル化、地方の所得向上、子供・子育て支援を実現する取組を重点的に促進するとされています。 決して容易なことではありませんが、本県においても激動する世界の潮流を前に、もう後はないとの危機感を持って、いち早く地域経済を正常化させ、これらの変化に対処すべく、スピード感を持って最大限の政策対応を行っていかなければなりません。 我が自由民主党会派は、万全の感染症対策に加え、世界全体の急速かつ大きな変化に果断に対応し、県民一人一人が豊かさを実感できる地域社会の実現に向け、全力を挙げて取り組む決意であることを申し上げ、通告に従い質問をいたします。 最初に、感染収束に向けたワクチン接種の加速化についてお尋ねいたします。 四月以降、従来型のウイルスから、イギリス由来の変異型のウイルスへと感染が置き換わり、五月には、隣県の広島、福岡を含む九都道府県において、全国で通算三回目となる緊急事態宣言が発令されるなど、爆発的な感染の再拡大が発生しました。 従来型の約一・三倍の感染力を有するとの研究結果が出ている、この変異株は、比較的症状の軽かった若年層などにおいても重症化の傾向が見られるなど、これまで以上に脅威のウイルスとなっています。 本県でも、ほぼ全ての感染者が変異株による感染に置き換わる中で、四月以降、県内の複数の地域においてクラスターが多発し、これまでで最大となる第四波の感染拡大が発生しました。 特に、五月の大型連休後には、感染状況を示す指標のうち、確保病床使用率と十万人当たり療養者数について、一時は最も深刻とされるステージ四の基準に達し、医療提供体制に非常に負荷がかかっている危機的な状況となりました。 県の集中対策の実施と、医療従事者をはじめとした関係者の皆様の御尽力により、この第四波は収束に向いつつありますが、国内においては、この変異株よりさらに一・五倍の感染力を有するとも言われている新たな変異株の感染者の発生が確認されております。 この新たな変異株については、現時点で県内では確認されていないものの、予断の許さない状況が続いています。 こうした中、新型コロナウイルス感染症を防止し、収束させる切り札とされ、県民からも大きく期待されているのがワクチン接種です。 このため我が党としても、希望する全ての県民がワクチンを早期に接種できるよう、五月の菅自民党総裁とのリモート対話において、確実な供給スケジュールを早期に提示されるよう要請したところであります。 また、今月三日、県民生活の安全・安心を守るための集団免疫の獲得に向けたワクチン接種のさらなる加速化と、社会の安定維持の観点から、現場の最前線で治安維持や防災対策等を担っている警察や消防の職員についても優先接種の対象とし、早期のワクチン接種を進めるよう県に要請をしたところであり、しっかりと取り組んでいただきたいと考えています。 本県においては、今月、接種を希望する全ての医療従事者の接種を完了し、五月から本格的に接種が進められている約四十六万人に対する高齢者接種についても、市町、関係機関との連携の下、積極的に取り組まれており、全国上位の接種率で進行するなど、大変心強く感じています。 現在、県では三か所の大規模接種会場を設置し、ワクチン接種を進めておられますが、今後は一日でも早い高齢者のワクチン接種完了と、一般接種に向けて、市町、関係機関と連携した接種体制の一層の整備や、企業や団体等における職域接種を推進し、ワクチン接種を加速化させることが重要であります。 そこでお尋ねをいたします。県民の命と健康を守るため、新型コロナウイルス感染症収束に向けたワクチン接種の加速化について、県では今後どのように取り組まれるのか、接種完了の今後の見通しも含め、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、地域経済の好循環の実現についてお尋ねいたします。 年末年始に続き、四月以降は感染力の強い変異株による感染再拡大により、幾度となく緊急事態宣言が発出されるなど、我が国経済は依然として厳しい状況下にあります。 県内においても、一部では海外経済の改善を背景とした生産の持ち直しや巣籠もり需要といった持ち直しの傾向は見られるものの、感染再拡大による外出自粛の広がりの影響を受けた飲食や宿泊、運輸を中心とする対面サービス業は、完全に取り残された状況となっており、業種ごとに景気持ち直しの動きが二極化しているのが実態です。 現在も感染再拡大による自粛ムードから、職場での飲み会など団体利用に加え、少人数での利用も控える動きが続いており、飲食店の売上げは、大幅に減少しております。 事業者からは、利用客が激減する中、家賃や光熱費等の固定経費の問題もあるため、店を閉めることもできず、開けても閉めても地獄といった声まで聞かれる状況であります。 当然のことながら、飲食店のこうした状況は、その取引先である納入業者や食材・酒類の生産者などの経営にも重大な影響を与えています。 観光業においても、コロナ禍によるインバウンド需要の消失に加え、国内旅行需要も下振れしているため、ホテル等の宿泊業者、タクシーやバスなど交通事業者土産物店等、業界全体で大きな打撃を受けています。 なお、交通事業者は、観光面だけではなく地域住民の生活交通としても重要な役割を果たしており、一旦、不採算路線の廃止や事業の縮小を行えば元に戻すことは困難となるため、より影響は大きいものとなります。 今月二十一日の帝国データバンク発表によると、全国での新型コロナウイルスの影響を受けた倒産千六百三十件のうち、飲食店は二百六十八件と他の業種に比べ圧倒的に多く、また、ホテル・旅館は、九十七件と資金繰り支援による倒産回避が図られる中、相当数の企業が倒産に追い込まれており、その深刻さがうかがえます。 地域経済の民需主導の好循環を実現するためには、こうした苦境に立たされる業種をしっかりと支援していくことが必要であります。 そこでまず、県内経済の下支えに関してお尋ねいたします。 目下の最優先事項として、疲弊した事業者の事業継続を支援しつつ、感染防止対策の徹底を図ることにより、事業者と消費者双方の不安を払拭することが必要です。 こうした中、追加で措置された都道府県向け地方創生臨時交付金を最大限活用し、こうした事業者への支援を今回の補正予算に計上されたことを高く評価します。 苦境に立たされる中、事業を継続し、感染防止対策への取組をはじめ、コロナ禍に対応した事業活動に積極的に取り組み、一歩でも二歩でも前へ進もうとする事業者は多くおられます。そうした事業者に寄り添い、しっかりと支援することが、本県経済の下支えにつながると思うのであります。 そこでお尋ねいたします。疲弊する事業者の事業継続と事業活動の活性化に向けた支援について、県は今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 二点目は、感染の収束後を見据えた需要喚起についてです。 事業者自身における感染防止対策の強化や、コロナ禍により新たに生じた消費者ニーズなどに対応した新たな需要の獲得に向けた積極的な取組はもちろんのこと、そうした努力も利用者が戻らなければ報われません。 そのためにも、感染再拡大により広がる自粛ムードを打ち払い、需要の呼び水となる支援策の実行が不可欠であります。 感染拡大の波も一旦落ち着きを見せ、感染拡大防止集中対策が解除された今、官民一体となった本県独自のさらなる需要喚起策を大規模に展開し、民需主導の力強い本県経済の回復を図ることが重要であると思うのであります。 そこでお尋ねします。感染再拡大により疲弊した本県経済を回復の軌道に呼び戻すため、感染収束後を見据えた需要喚起について、県は今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、産業競争力の強化についてお尋ねします。 県では、昨年度、やまぐち産業イノベーション戦略を改定され、製造業におけるデジタル化や、コンビナート連携の促進などにより、コロナ禍を経た社会変革にも対応しながら、本県の産業競争力のさらなる進化を図ることとされました。 繰り返し申し上げているように、産業力は本県の活力の源であり、ポストコロナの経済社会を見据えながら、その競争力の強化にしっかりと取り組んでいかなければなりません。 先日、閣議決定された国の成長戦略においては、デジタル、グリーンを成長の原動力とし、積極的な成長戦略を進めることで、民間の大胆な投資とイノベーションを促すとされています。 本県においても、デジタル化を推し進め、コロナ以前からの課題であった生産性の向上や、新たな付加価値の創出を図ることで、産業競争力をさらに高めていくこととしており、この取組はさらに加速していかなければなりません。 他方、菅総理は、昨年十月に宣言された二○五○年カーボンニュートラルの方針に沿って、温室効果ガスの排出を二○三○年度までに十三年度比で四六%削減すると表明されました。これまでの目標を七割以上も引き上げる、極めて野心的なものであります。 本県は、全国でも有数の工業県であり、世界的にも高い国際競争力を持った基礎素材や、自動車・船舶などの製造業の集積と、それを支える石炭火力による自家発電を中心とした、安価で安定したエネルギー供給が、産業力の基盤ともなっていることは言うまでもありません。 しかしながら、こうした構造ゆえに、本県の産業部門が温室効果ガスを多く排出する結果となっているのも事実であり、国の削減目標の引上げが本県産業に与える影響は極めて大きなものがあります。 また、国が徳山下松港と宇部港で進めている国際バルク戦略港湾の取組についても、県としても産業基盤の核として位置づけ、石炭輸入の西日本の拠点化に向けて、その機能強化に取り組んでいるところですが、同時に、カーボンニュートラルによる中長期的な石炭需要の変化や、その影響についても十分に見極めながら進めていくことが必要であります。 カーボンニュートラルは、今や国際的な潮流であり、将来世代に安心で豊かな地域社会を引き継いでいくためにも、国全体として取り組まねばならない大きな課題ですが、地域ごとに異なる産業構造や実情を踏まえ、その国際競争力や地域雇用が維持されるように配慮しながら進めていくことが不可欠であります。 国の進める取組が、こうした本県の実態も踏まえたものとなるよう、我が自民党県連としても、先日行われた党本部との意見交換において、菅総裁に直接申し述べたところであります。 一方で、国の成長戦略において、水素や燃料アンモニア産業が成長分野として位置づけられたことは、本県にとって大きなチャンスでもあります。水素先進県の取組による蓄積や化学プラントが集積する特性を最大限に生かし、新たな成長を生み出す鍵ともしていかなければなりません。 るる申し上げましたが、産業界を取り巻く競争環境は、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向けて大きな変化を見せており、その影響は本県においても多岐にわたります。 県議会では、こうした本県産業への影響に対する対応方策を調査検討するため、新たな特別委員会を立ち上げるよう調整が進められているところですが、我が会派では、こうした取組の必要性について、これまでも強く訴えてきたところであります。 こうした変化の中にあっても、県内企業が山口県を地盤として成長し続けられるよう、県としても迅速に対応していかなければならないと思うのであります。 そこでお尋ねいたします。産業界が直面するカーボンニュートラルに伴う変化に対し、本県の産業が今後も国際競争力を維持し、さらに伸ばしていくために、県においては、どのように対応していこうと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、デジタル改革の加速についてお尋ねします。 デジタルの力によって本県の新たな活力を創出していくべきであるとの我が会派の提言を受け、県では今年度、デジタル推進局を新たに創設し、デジタル改革基本方針に基づく取組のスタートを切られたところであります。 早速四月には、民間の第一線で活躍するCIO補佐官との意見交換を行われ、これを皮切りに市町との連携会議の開催や、AI人材の育成、さらにはマイクロソフト米国本社副社長との意見交換など、改革の推進に意欲的に取り組んでおられると承知をしております。 さらに、五月二十日には、台南市議会と県議会との友好協定締結式が行われましたが、デジタル推進局のサポートもあり、オンラインにより円滑に協定を締結するに至りました。コロナ禍で往来が困難であっても、物事を前に進めていけるデジタルの可能性を改めて実感したところであります。 国においては、今年九月にデジタル庁が新たに発足することが決まり、さらに骨太の方針二〇二一においても、デジタル化を次なる時代の成長の源泉と位置づけ、官民挙げた取組を加速するとされています。 本県としても、優れた技術を持つ県内外の民間企業とも幅広く連携を図り、官民が一体となってデジタル技術を活用することで、様々な分野におけるデジタルトランスフォーメーションを推進し、県民の暮らしを豊かで便利なものとしていく、そうした新たな取組にひるむことなく挑戦していただきたいと思います。 加えて、国が今後五年間で一気呵成に進めるとされるデジタル時代の官民インフラ構築とも緊密に連携をし、行政におけるデジタル化の推進、さらには情報インフラ整備や人材の育成といった改革の基盤となる取組にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 知事におかれては、県全体の改革を力強く牽引することはもちろん、本県の取組が、地方におけるデジタル改革のモデルともなるよう、先頭に立って基本方針に掲げられた三つの柱の取組を迅速かつ着実に前に進めていただきたいのであります。 そこでお尋ねします。「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、デジタル改革の加速を図るべく、改革の初年度としてどのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、教育行政についてお尋ねします。 現在の子供たちを取り巻く環境は、これまでの人口減少、少子高齢化の進行に加え、AI、ビッグデータ、IoT等の先端技術の高度化によるSociety5・0時代の到来など、社会の在り方そのものを含め大きく変化しています。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、本県の県立学校においても、昨年の三月から約三か月もの休校を余儀なくされ、現在も学校現場において休校が散見される状況にあります。 こうした中、国の中央教育審議会では、新しい時代の初等中等教育の在り方について議論がなされ、本年一月に令和の日本型学校教育の構築を目指してと題した答申が取りまとめられました。 そこでは、急激に変化する時代の中、学校教育にも、一人一人の児童生徒が自分の良さや可能性を認識するとともに、多様な人々と協働しながら社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開いていくための資質・能力を育成することが求められるなど、これから目指すべき学校教育の姿が示されたところであります。 こうした時代の転機にもなり得る教育環境の中、本県においては、本年四月、繁吉新教育長が就任されました。 これまで、県教育委員会では、未来を拓くたくましい「やまぐちっ子」の育成という教育目標を掲げ、県立高校の通学区域全県化、全ての公立学校へのコミュニティ・スクールの導入、児童生徒への一人一台のタブレット端末の整備など、社会情勢の変化に対応しながら、必要とされる取組を進められてきたところでございますが、今後もさきの答申も踏まえ、将来を見据え、本県教育を推進していくことが求められております。 とりわけ、高校改革の推進に関しては、先日、県立高校将来構想に係る検討協議会を設置され、その議論を開始したと伺っておりますが、県内の少子化に歯止めがかからない中、改めて中長期的な視点から、令和の時代にふさわしい本県高校教育のあるべき姿について検討され、その方向性を示されることを期待しております。 また、変異株の流行など引き続き予断を許さない状況において、今後、全国高校総体、総合文化祭や修学旅行等の校外活動の実施に当たり、子供たちが安心して参加できる環境整備にしっかりと取り組むことも必要であります。 加えて、教職員の人材育成や働き方改革など多くの課題が山積しておりますが、繁吉新教育長には強力なリーダーシップを発揮していただき、本県教育の発展に向けて積極的に取り組んでいただくことを期待しております。 そこでお尋ねします。伝統ある山口県の教育を受け継ぎ、これまでの豊富な行政経験を生かしながら、本県教育の推進に今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いしまして、自由民主党会派を代表しての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 守田議員の代表質問にお答えします。 まず、感染収束に向けたワクチン接種の加速化についてのお尋ねです。 本県の感染状況については、五月の連休明けから新規感染者が急増し、医療提供体制の逼迫など厳しい状況となりましたが、県民の皆様の感染予防対策の徹底のおかげをもちまして、感染者数も落ち着いてきたところです。 しかしながら、全国的に新たな変異株の影響が懸念されるなど、引き続き感染リスクは私たちの身近に存在をしており、感染の拡大に予断を許さない状況が続いています。 こうした厳しい局面を打開するためには、私は、感染防止対策の切り札として期待が高い新型コロナワクチン接種を促進することが、極めて重要であると考えています。 本県においては、既に、医療従事者への接種が終了し、高齢者の優先接種についても、全国上位の水準で順調に推移するなど、七月末には全ての市町で接種が完了する見込みであり、今後、一般県民への接種が本格化してまいります。 このため、私は、希望する全ての県民が一日も早く、安心・安全にワクチン接種を受けることができるよう、先般、県内十九市町長との会議を開催し、本県独自の優先接種や接種完了時期の設定など、県下共通の方針の下、一丸となって取り組むことを確認したところです。 優先接種については、県民の安心・安全な暮らしを守る観点から、先般御要望頂いた警察・消防職員を対象とするとともに、子供や障害のある方が安心して生活できるよう、小中高生や障害児・者はもとより、教職員、保育園、児童福祉・障害者施設の従事者等も含め対象としました。 また、接種完了時期については、九月末までに全国民分のワクチンが国から供給されることを前提に、インフルエンザ流行前のおおむね十月末までを目途に、希望する県民の皆様の接種を完了させることを本県の目標としたところです。 目標の達成に向けては、ワクチン接種の一層の加速化を図ることが重要であり、私は今まで以上に、接種が促進されるよう接種能力のさらなる強化に取り組むこととしています。 まず、市町の接種体制を補完するため、県による広域的な集団接種会場を県内三か所に設置し、先週の土曜日から接種を開始したところであり、接種完了目標の十月末までの毎週土日、一日当たり最大千五百人規模の接種を実施してまいります。 また、企業等での職域接種を促進するため、庁内に職域接種サポートチームを設置し、相談対応を行うとともに、直接、事業所を訪問して、実施に向けた調整を行うことにより、これまで六十件申請があり、今月二十一日から順次接種が開始されています。 さらに、接種体制のさらなる拡充に向けては、接種の担い手となる医療従事者の確保が必要となることから、関係機関と連携しながら、医師の確保に加え、歯科医師や潜在看護師、薬剤師の皆様の専門性に応じて、接種の支援体制を構築したところです。 私は、一日も早く、安心した日常生活を取り戻すことができるよう、市町や関係機関とのさらなる連携の下、新型コロナワクチン接種を促進するとともに、県民の命と健康を守ることを第一に、引き続き緊張感をもって新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組んでまいります。 次に、地域経済の好循環の実現についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県内経済の下支えについてです。 新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、飲食業や観光関連産業を中心に売上げが大きく減少するとともに、その影響は取引のある業者や生産者など、関連する多くの業種に広がっているなど、県内経済への影響は深刻さを増しています。 こうした厳しい状況を克服していくためには、ワクチン接種などの感染対策の実施と、事業活動の継続・活性化を両立し、県内経済を段階的に引き上げていくための支援を機動的に進めていく必要があります。 このため、私は、このたびの補正予算において、多大な影響を受けている県内事業者に寄り添い、事業活動の継続を支援するとともに、コロナ禍においても新たな事業展開を図る事業者の取組を促進することとしています。 具体的には、まず、事業者が安心して事業活動を継続できるよう、業種にかかわらず売上げがコロナ禍以前と比較して三○%以上減少した中小事業者に対し、県独自の支援金として、法人には四十万円、個人には二十万円を支給します。 また、売上げが減少した中小事業者に対する新たな補助制度を創設し、CO2センサーやテイクアウトの導入など、感染防止対策やコロナに対応した事業展開を促進します。 さらに、飲食事業者に向けては、消費者が安心して利用できるよう、感染防止対策に関する新たな認証制度を創設し、認証店に対しては二十万円の応援金を支給するなど、感染対策に積極的に取り組む飲食事業者の活動を支援します。 加えて、交通事業者に向けては、経常的に必要となる車両等の維持経費や、さらなる感染防止対策に要する経費を補助することとしています。 次に、事業活動の活性化が図られるよう、宿泊事業者に対し、従来よりも補助率や補助上限額を大幅に引き上げた支援を実施し、新たな旅行ニーズに対応した高付加価値化や収益力の向上等の取組を促進します。 また、越境ECを活用した海外での事業展開を促進するため、新規参入企業とバイヤーとの商談機会の提供や、県内企業の商品のプロモーション活動等を実施してまいります。 さらに、今後、事業者が取組を進めていく上では、変異株等による感染リスクも懸念されることから、安心して事業活動が行えるよう自主的に実施するPCR検査等の経費を支援してまいります。 私は、こうした他県と比べてもきめ細かく充実した事業活動の継続と活性化に向けた支援策を大胆に実施することにより、コロナ禍によって影響を受けている県内経済の下支えをしっかりと図ってまいります。 次に、感染の収束後を見据えた需要喚起についてです。 一年以上にわたる新型コロナウイルス感染症の影響により、本県においても、飲食業をはじめ、観光産業や農林水産業など、本県経済を支える幅広い業種において深刻な影響が生じています。 このような厳しい状況の中、私は疲弊した県内経済を早期に回復軌道に乗せるためには、コロナ禍で大きく落ち込んだ消費需要を、今後さらに強力に喚起していくことが極めて重要と考えています。 このため、県内における店舗等での消費喚起や、落ち込んだ観光需要の回復、さらに県産農林水産物の消費拡大など、様々な分野における需要喚起に向けた取組を積極的に展開していくこととしています。 具体的には、まず、県内店舗での消費喚起に向けては、クラウドファンディング方式により、消費者が応援したい店舗のプレミアム付きチケットを購入する取組について、プレミアム率を五○%に引き上げ、発行総額を十億円に増額するなど、昨年度から大幅に拡充して実施してまいります。 また、こうした取組に加え、各地域の商工会や商工会議所、商店街等が実施する消費拡大を図るためのイベントなどの取組を支援することとしています。 次に、観光需要の回復に向けては、これまでの取組の中で大きな効果を生んだプレミアム宿泊券について、本年四月の約三十万枚に続き、今後さらに約二十万枚を販売するとともに、新たにフェリー券五万枚を販売し、一層の需要喚起を図ることとしています。 また、このたび国が創設した地域観光事業支援を最大限活用し、県民を対象として五千円を上限に宿泊料金等の半額割引を実施するとともに、土産店や公共交通機関等で使用できる地域限定クーポンを発行する新たな割引キャンペーンを展開してまいります。 この割引キャンペーンについては、三十億円を超えるこれまでにない事業規模で実施することとしており、また、プレミアム宿泊券との併用による相乗効果も期待できる強力な需要喚起策として取り組むこととしています。 さらに、県産農林水産物の消費拡大に向けては、引き続き影響の大きい高級魚や日本酒、花卉等について、やまぐち食彩店などと連携し、前回を上回る延べ十六万人の割引キャンペーンを展開することとしています。 私は、今後とも感染状況や経済動向を見極めつつ、関係機関との緊密な連携の下、消費需要の喚起に向けた取組を、機動的かつ積極的に実施することにより、県内経済の早期回復と、地域経済の好循環の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。 次に、産業競争力の強化についてのお尋ねにお答えします。 国においては、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向けてグリーン成長戦略を策定し、経済と環境の好循環を目指した産業政策を推進していくこととしています。 私は、こうした国の産業政策を本県経済の持続的な成長と発展につなげることが重要と考え、本年三月、やまぐち産業イノベーション戦略を改定し、本県の産業特性や強みを生かしたイノベーションの創出に取り組んでいるところです。 まず、環境・エネルギー、水素等の重点成長分野のさらなる成長・発展に向け、成長産業育成・集積プロジェクトを立ち上げるとともに、自動車関連産業についても、大手メーカー等との連携の下、電動化を見据えた新技術の創出等を推進しています。 また、国際バルク戦略港湾については、バイオマス輸入拡大を踏まえた当面のベースエネルギーの輸入拠点港としての整備を進めつつ、将来の水素・アンモニア利活用の進展を見据えたエネルギー供給拠点化への検討を国へ要望したところです。 こうした中、お示しのとおり、本県の経済と雇用を牽引する基礎素材型産業は、石炭を利用した自家発電による、安価で安定的な電力と蒸気の熱利用等により国際競争力を確保していますが、このために多くの二酸化炭素を排出する現状にあり、その削減は、本県産業が直面している極めて大きな課題です。 一方、二酸化炭素は、化学品や合成燃料等への利用が期待されており、本県コンビナートは、そのための高濃度化技術や設備を備えるとともに、二酸化炭素の吸収源となり得るセメント工場が立地するなど、資源として活用する基盤を有しています。 また、全国約一割を占める水素の生成や、三割に上るアンモニア生産量を誇っており、グリーン成長戦略において成長が期待される、水素・燃料アンモニア産業の振興へとつながる可能性を秘めています。 現在、コンビナート企業各社は、二酸化炭素の削減・利活用技術等の研究に取り組み、また、カーボンニュートラル宣言を行う企業も増えていますが、高度に最適化された製造工程でつながる各社が、競争力を維持しながら成長を続けるためには、目指す方向を共有し、一体となった取組を進めることが必要です。 このため、私が会長を務める山口県コンビナート連携会議を活用し、各企業との協働の下、カーボンニュートラルに対応したコンビナートの将来像を描き、その実現に向け、県議会の御意見も頂きながら、取組の方向性を示していきたいと考えています。 私は、国や関係機関等と緊密に連携しながら、カーボンニュートラルの実現を目指した企業の取組を強力に後押しし、本県の強みを生かした産業力の強化に全力で取り組んでまいります。 次に、デジタル改革の加速についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスとの闘いが続く中、我々は、この感染症を必ずや克服するとともに、ポストコロナをしっかりと見据え、コロナ禍から生まれた社会経済の変化を未来に向けた持続的な成長へとつなげていかなければなりません。 その原動力となるのがデジタル化であり、私は、やまぐちデジタル改革基本方針に掲げた三つの施策の柱に基づき、県民一人一人が、これまで以上の豊かさと幸せを実感できるデジタル社会の実現を目指して、改革の取組を加速させる考えです。 まず、一つ目の柱であるやまぐちDXの創出に向けては、お示しのように優れた技術を有する企業等との幅広い連携が重要な鍵であり、様々な形で関係を築き、官民一体となったDXを推進していく必要があると考えています。 この考えの下、CIO補佐官からの助言も踏まえ、多様な主体の力を結集するための受皿として、このたび、官民協働フォーラム「デジテック for YAMAGUCHI」を立ち上げ、現在、広く会員の募集を行っているところです。 進取の精神にあふれる企業や団体、市民エンジニア等が、自由で開かれた活動の場に集い、地域課題の解決や新たな価値の創造に向けて、共に考え、共に挑戦し、そこからこれまでにはない成果が生まれ、県内外へと広がっていく。私は、そうした新たな手法で、本県ならではのDXの創出に取り組んでいきたいと考えています。 また、今年の秋に開設予定のやまぐちDX推進拠点をフォーラムの活動拠点とするとともに、NTTドコモとの5G活用に係る新たな連携協定により、拠点機能を一層高め、新たなソリューション等を生み出す高度な実証環境を提供することとしています。 さらに、台湾のオードリー・タンデジタル担当大臣との対談から得た行政と市民等が協働するシビックテックの考え方を取り入れ、県主導の全国初の取組として、県内外のスタートアップ企業等との連携にも積極的に取り組んでまいります。 そして、これらに併せ改革の基盤となる取組も迅速かつ着実に進めてまいります。 そのうち二つ目の柱であるデジタル・ガバメントやまぐちの構築については、県と全市町で構成する連携会議に、情報システムの標準化・共通化、行政手続のオンライン化、さらにはRPA等の共同利用に関するワーキンググループを設置し、既に具体的な検討作業が進行しています。 また、三つ目の柱であるデジタル・エリアやまぐちの形成に向けては、全国知事会のデジタル社会推進本部長として、光ファイバーや5G等のインフラが全国くまなく整備されるよう国に強く要請しているほか、デジタル人材を育成するためのAIやデータ活用プログラムの実施等にも取り組んでいるところです。 私は、本県のデジタル改革をさらに加速し、県民の皆様が希望に合ったサービスやライフスタイルを自由に選択できる、より質の高い「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、全国に先駆けた取組に積極果敢に挑戦してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 教育長に就任して、初めての答弁でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 教育行政についてのお尋ねでございます。 人口減少やSociety5・0時代の到来、また、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大など、社会の変化は加速度を増し、まさに、複雑で予測困難な時代を迎えています。 このように急速に時代が変化する中で、教育には子供たち一人一人が自分の良さや可能性を認識し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開いていく力を育成することが求められています。 国においては、本年一月の中央教育審議会において、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと、協働的な学びを実現する令和の日本型学校教育の構築を目指した答申が示されました。 私は、日本の教育が大きく変わろうとしている今こそ、これまで行政職員として様々な分野で培った経験や知識を生かしながら、伝統ある山口県教育をさらに充実・発展させることが、教育長としての私に課せられた責務であると考えております。 本県では、これまで全国に先駆けて、小学校から高校までの全ての公立学校において、コミュニティ・スクールの設置や児童生徒への一人一台タブレット端末の導入など、教育環境の整備を進めてきたところです。 私としては、この二つの優れた環境を最大限に生かし、本県の誇る地域教育力日本一の取組をさらに充実させるとともに、これまで蓄積してきた教育実践と最先端の技術を最適に組み合わせながら、子供たちの可能性を広げる学校づくりを推進してまいりたいと考えています。 特に、お示しの高校改革については、これからの本県教育において極めて重要な課題であることから、十年後、十五年後を見据え、広く県民の皆様の声もお聞きしながら、令和の時代に求められる学校像について検討し、特色ある学校づくりや質の高い高校教育の推進に向けた新たな県立高校のグランドデザインを示してまいります。 また、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中で、子供たちが安心・安全に学校生活を送れるよう環境を整えることも重要であり、感染防止対策のさらなる徹底を図るとともに、必要に応じてPCR検査が実施できる体制を整備するなど、子供たちの大切な学びの場である学校を守ってまいります。 私は、市町教委等とも連携しながら、こうした取組の先頭に立って、現下の教育課題に積極果敢に挑戦し、未来を担う本県の子供たちが、ふるさと山口に誇りと愛着を持ち、山口で学べてよかったと感じることのできる教育の実現に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 どうか皆様方の御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 上岡康彦君。    〔上岡康彦君登壇〕(拍手) ◆(上岡康彦君) 皆様、おはようございます。公明党の上岡康彦です。公明党山口県議団を代表して質問いたします。 長引くコロナ禍にあって、医療従事者をはじめ、関係者の皆様には昼夜をいとわぬ御尽力に対し、心より尊敬と敬意を表しますとともに、一日も早い終息を願いつつ、代表質問に移らせていただきます。 初めに、コロナ禍における検査体制・医療提供体制整備についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大がここまで長期化するとは誰も想像していなかっただろうと思います。最近では、非常に強い感染力を持つ変異株による感染が全国的に猛威を振るい、終息に向けて出口が見えるどころか、ますます不透明感が強まっています。 山口県においても、ゴールデンウイークが明けた頃から第四波のピークに向けて一気に新規感染者が増大していきました。県内様々な場所でクラスターが発生し、その家族や友人、学校や職場、福祉施設等にも感染が広がった結果、五月二十四日には確保病床の使用率は七五%を示すなど、療養者数も五月いっぱいはステージⅣ相当の推移が続き、県内の医療機関は危機的状況に直面しておりました。 隣接する広島県、福岡県では緊急事態宣言が延長されるなど、感染リスクは一向に下がる気配がない中、村岡知事は、五月十八日に開始した山口県新型コロナ感染拡大防止集中対策期間の延長を決定されました。その折には、県外との往来自粛や外出機会の半減といった強いメッセージを発出され、県民への意識づけになったと感じています。 また、全国初の取組として実施した高校生等へのPCR検査についても、私の周りの保護者からは、県高校総体を前にして安心できるなど高く評価する声を伺っておりました。 こうした中、集中対策期間終了後の二十一日からは職域でのワクチン接種が本格的にスタートいたしました。これまで市町が中心となって実施していた接種事業に加え、三十を超える企業や大学の協力が得られ、社員とその家族にもいち早くワクチン接種が可能となり、接種率も一層高まると思われます。 あわせて、県としても県東部、県央部、県西部のそれぞれに広域的な集団接種会場を開設するなど、ワクチン接種の加速化に努めておられます。 さて、六月定例県議会には二百四十一億円の補正予算が計上されていますが、そのうち二百三十九億円が新型コロナウイルス感染症対策関連予算となっています。 公明党山口県議団は、去る五月二十日に、新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急要望を提出いたしました。その中で、医療提供体制等のさらなる充実や検査体制の強化等について要望いたしましたが、今回の補正予算を見ると、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に約十六億三千八百万円、入院医療機関等病床確保・設備整備事業と新型コロナウイルス感染症医療提供体制強化事業を合わせて約四十九億八千九百万円、新型コロナウイルス感染症検査体制強化事業に約八億円などとなっております。公明党の要望が大きく盛り込まれており、大変感謝しております。 六月に入ってからは、これまでの施策が功を奏し、新規感染者数はステージⅠ相当まで低下してきました。しかしながら、まだまだ予断を許さない状況にあり、油断は禁物です。これまで流行中の変異株はアルファ株ですが、今後はより感染リスクが高いとされるデルタ株による第五波を何としても抑え込まなければ、県内の医療体制が崩壊してしまいます。 そこでお尋ねいたします。現在、県内新規感染者数は少し落ち着いてきました。しかし、今後の課題はデルタ株による感染拡大を防止し、万全の検査体制・医療体制を整えておくことだと考えます。 県は、県民の命と安心・安全な生活を守るため、万一の感染拡大に備えた検査体制・医療提供体制の充実強化に向けて、具体的にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、コロナを乗り切る生活困窮支援についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染症の長期化により、社会生活は大きく変化し、県民の暮らしは大きな影響を受けています。特に、勤め先の収入減少や失業により多くの人が生活困窮に陥っています。 厚生労働省が今月発表した情報によると、新型コロナウイルスの感染拡大に関連した解雇や雇い止めは、見込みも含めると全国で累計十万人を超えており、特に女性の割合が多い非正規雇用者の状況が深刻さを増しているとのことです。 さらに、これとは別に民間会社の分析によれば、パートやアルバイトとして働く女性のうち、勤務シフトが五割以上減り、休業手当も受けていない実質的失業者が推計で百三万人に上るという、そういう話もあります。 こうした中、我が公明党では、国民全体が困っているとはいえ、特段生活に困っている世帯にはその対象を絞った上で追加の支援策を実施すべきという考えの下、政府に対し、緊急事態宣言の再発令を受けての提言や国会質問などで、コロナ禍において深刻な影響を受けている独り親を含む生活困窮世帯への支援を重ねて要請いたしました。 とりわけ、これまでコロナ禍で困窮した世帯を対象にした支援策には、緊急小口資金等の特例貸付けがありましたが、長期化に伴い申請期限を延長してきた一方で、貸付限度額に達しているなどの事情で、特例貸付けを利用できない困窮世帯が存在していました。こうした世帯については、新たな就労や、あるいは生活保護の受給につなげていくことが考えられますが、必ずしも円滑に移行できていない実態がありました。 このため、政府は五月、生活困窮世帯への新たな支援金の支給について発表しました。この支援金は困窮世帯が新たな就労や生活保護の受給に移行するまでの間をつなぐ支援策であり、困窮状態が続く世帯に対するセーフティーネットとして大変大きな意義があると考えております。 また、特例貸付けの申請期限の延長、家賃相当額を補助する住居確保給付金再支給の申請期限は延長なども行われることとなり、公明党の提案によりコロナ禍で生活困窮が続く人たちを支える施策が実っているところです。 また、我が公明党は、先日、菅首相に対し、経済財政運営と改革の基本方針に向けた提言として、生活困窮者対策等を申し入れたところであり、今後も、福祉の党として、総力で生活困窮への支援に取り組んでいきたいと考えております。 県では、これまで生活福祉資金の貸付けや独り親世帯への臨時給付金など、国の制度に迅速に対応し、独り親世帯や生活困窮者への支援を行っているところですが、県内でも、感染拡大第四波の影響や、近隣県や大都市圏の緊急事態宣言の延長などの影響により仕事を失い、失業の状態が長期化し、再就職までの貯蓄がなくなるなど、追い詰められている人が多くいるのではないかと思います。 県においては、このような困っている方への支援が行き届くよう、国の制度をしっかりと活用し、対応していただきたいと思います。 そこで、今後、県では、独り親世帯や生活困窮者への支援についてどう進められるのか、お伺いいたします。 次に、デジタル・ガバメントの推進についてお尋ねします。 先日、今年度新たに発足したデジタル推進局を視察してまいりました。フリーアドレス、ペーパーレス、オンライン会議スペースなど、従来の県庁にはない民間企業のような雰囲気の中で仕事をされ、ここが全庁の司令塔となって、いよいよ本県のデジタル改革が進んでいくのだなと実感を持つと同時に、デジタル時代における新たなワークスタイルのモデルとしても、全庁や市町を牽引してほしいと期待を大きくいたしました。 デジタル改革は、コロナ禍における社会変革と、とりわけ行政におけるデジタル化の遅れを踏まえてスタートしました。本県においても、県民の皆さんがこの改革に率直に期待することは、行政手続の煩雑さや何度も窓口に足を運ばねばならない状況を解消してほしい、行政に変革をもたらしてほしいということであり、我々は、行政のデジタル化、すなわちデジタル・ガバメントの構築が非常に重要であることを指摘してまいりました。 さきの県議会では、我が会派からの代表質問に対して、知事からは、県関係の行政手続オンライン化の令和四年度中の完了、業務におけるAI、RPA等の活用の拡大などにスピード感を持って取り組むという力強い答弁を頂きました。まさにこうした方向性に沿って、デジタル・ガバメントの構築を改革のスタート段階から進めていただきたいと思います。 加えて申しますと、デジタル時代のインフラであるマイナンバーカードについては、本県の普及率は、順位こそ全国七位ですが、いまだ約三割にとどまっているのが現状です。 国の計画では、二○二二年度末までに全国民への普及を目指し、さらには、マイナンバーカードを用いて行政共通のポータルサイトであるマイナポータルから行政手続をオンライン化できるよう取り組むとされており、県としても一層の普及や活用に向けて取り組まなければならないと考えます。 また、今後、デジタル・ガバメントの取組が進んでいくにつれて、タブレットやスマートフォンから手続ができることも増えてきますが、一方で、スマホで申請となると戸惑われる高齢者もいまだ少なくないのが実態です。 国においては、我が党としても主張してきた、高齢者向けの講習会事業を展開することとしています。こうした取組により、高齢者、障害のある方などに、デジタル機器活用のサポートをしつつ、自治体行政側としては、誰にとってもアクセスしやすく、入力や確認方法も分かりやすいインターフェースの構築を図ることが重要です。デジタルに慣れていない県民にとっても安心して利用できる、利用者のニーズに立脚したデジタル・ガバメントの構築を進めていただきたいと願っております。 県におかれては、こうした取組を市町と連携しながら着実に進めていくことで、県民のデジタル改革への期待にしっかりと応えていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。県民の利便性向上に資するデジタル・ガバメント構築に向けた取組について、県におかれては今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組について、二点お伺いいたします。 一点目は、水素など次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用についてお尋ねします。 英国で開催されていた先進七か国首脳会議、いわゆるG7は今月十三日に閉幕しましたが、ここでも気候変動の一因とされる温室効果ガスの排出抑制というテーマが焦点の一つになっておりました。 我が国でも、昨年十月臨時国会での菅首相の所信表明演説で、二○五○年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ、カーボンニュートラルの実現を目指すと明確に宣言されました。このことにより、脱炭素の動きが急加速し、宣言具体化のためにグリーン成長戦略が策定され、その中で、今後、成長が見込まれる十四分野の中に水素産業が位置づけられました。 我が党の地球温暖化対策推進本部としても、政府に対し四月六日と五月二十八日の二回にわたり、二○五○年までにカーボンニュートラルの実現に向けた提言を提出いたしました。 三○年度の温室効果ガス排出量を一三年度比で二六%削減するとした政府目標を大幅に引き上げることなどが柱となっていますが、菅首相も、大体自分がやりたいことと合っていると応じたと伺っています。 その折、今後のグリーン成長戦略については、脱炭素の鍵を握る水素や洋上風力発電、蓄電池などに対して二兆円の基金を活用するなど、あらゆる政策を総動員していくべきだと併せて要請いたしました。 公明党としては、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出量を減らし脱炭素社会を実現するためには、本県の強みでもあり、脱炭素社会実現の切り札とも言われる水素の普及をもっと加速する必要があると考えております。 また、太陽光、風力などの再生可能エネルギーや水素を中心とした地域ごとの地産地消エネルギーシステムを構築していくことが必要ではないかと考えております。 提言の中で、水素立国としての水素の導入拡大や供給コストの低減を目指し、水素の製造から利用までのサプライチェーンの構築や輸送設備の大型化に向けた検討を求めています。 本県ではこれまで、周南コンビナートの副生水素を活用した様々な取組が進められています。私も、本県での副生水素の活用については何度も質問してまいりました。とりわけ、本年二月定例議会における我が公明党の水素社会に向けた取組についてとの質問に対し、知事は、水素利用の拡大に向けた基盤づくり、新たな技術開発の促進による産業振興、水素利活用モデルの展開による地域づくりの大きく三つを柱に掲げ、水素先進県の実現を目指し、国の事業も活用しながら全力で取り組んでいくとの力強い答弁を頂きました。 こうした中、国土交通省では、国際物流の結節点、産業拠点となる港湾の機能の高度化などを通じて、カーボンニュートラルポートを形成し、水素などを活用した脱炭素社会の実現に貢献していくことを目指そうとしております。 現在、その対象として、本県の徳山下松港をはじめ、全国七港湾で検討が進められています。特に私の地元でもある徳山下松港では、水素等の次世代エネルギーの地産地消や、将来的には西日本エリアへの供給拡大などを目指すべきとして検討が進められていると聞いております。 さきの政府要望においても、将来のカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討の推進について国に要望を行われたところであり、我が公明党としても、県内港湾でのカーボンニュートラルポートの形成を大いに期待しております。 そこでお尋ねいたします。水素など次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用について、県では、今後どのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。 二点目に、水素や太陽光など次世代エネルギーを活用した脱炭素地域づくりについてお尋ねします。 グリーン成長戦略を見ますと、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向けて、今後、産業として成長が期待され、なおかつ温室効果ガスの排出を削減する観点からも取組が不可欠と考えられる分野として、十四の重要分野を設定しています。そのうち水素産業は、発電・産業・運輸など幅広く活用されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして、エネルギー関連産業の中でも成長が期待される分野の一つとされています。 一点目の質問でも申し上げたとおり、県では、水素先進県の実現に向け様々な取組を進めてこられ、環境省の委託事業として実施される水素サプライチェーンの構築・実証事業は周南市を中心に進められ、来るべき水素社会の実現に大きな期待を寄せてきたところであります。 こうした中、先般、これまで進めてきた環境省の委託事業が今年度で終了し、それに伴い同事業の鍵とも言える燃料電池が撤去される予定との記事を目にいたしました。山口県における水素利活用の取組が後退するのかと正直なところ心配しておりましたが、今月初めには、本県における水素利活用に係る今後の取組に対し、国の支援を求める政府要望が行われたところであり、一安心したところであります。 さて、公明党地球温暖化対策推進本部が、カーボンニュートラルの実現に向けた提言を政府に提出したことはさきにも述べましたが、その提言では、水素など再生可能エネルギーの利用拡大とともに、国民運動の推進に向けた取組として、国民の行動変容を促すためのポイント還元制度、(仮称)グリーンポイント制度の創設なども盛り込んだところであります。 こうした中、国は四月に、地域脱炭素ロードマップ骨子案を発表し、全国百か所以上の脱炭素先行地域をつくり、脱炭素と地方創生の両立を目指すことといたしました。 その中では、取組の具体例として、再生可能エネルギーを活用した公共交通網の整備や、温室効果ガスの削減取組へのポイント制度などが上げられています。 さらに六月九日に発表した地域脱炭素ロードマップでは、地域脱炭素について、脱炭素を成長の機会と捉える時代の地域の成長戦略であり、自治体、地域企業、市民など地域の関係者が主役になって、今ある技術を適用して、再エネ等の地域資源を最大限活用することで実現でき、経済を循環させ、防災や暮らしの質の向上等の地域の課題を併せて解決し、地方創生に貢献できると記載されています。 こうした現在の社会的背景を鑑みると、県としては、これまで進めてきた副生水素を活用した様々な取組の成果も生かしながら、水素や太陽光など次世代エネルギーを民生分野に活用した脱炭素な地域づくりに取りかからねばならないと思います。 そこでお尋ねいたします。水素や太陽光など次世代エネルギーを積極的に民生分野に導入し、脱炭素な地域づくりを早急に進めるべきだと考えますが、県としてはどのように取り組まれるつもりか、御所見をお伺いいたします。 次に、教員による児童生徒への性暴力防止についてお尋ねします。 教員による児童生徒への性暴力対策を強化する、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が超党派の議員立法で五月二十八日成立いたしました。 わいせつ行為などで懲戒免職になった教員が免許の再取得を申請した場合において、都道府県教育委員会に交付を拒否する裁量を認めたことが柱であります。都道府県教委が、第三者による教育職員免許状再授与審査会での意見を聴いた上で、教員免許再交付の可否を判断できるようにしたことも特徴であります。 また、児童生徒へのわいせつ行為、つまり、わいせつ目的で体に触る行為や性的言動などについては、同意の有無にかかわらず、刑事罰の対象とならない行為も含め、児童生徒性暴力等と明確に定義し禁じたものであります。 ここで注目なのは、セクハラやわいせつ行為で免許を剥奪された人物など、免許取上げ処分を受けた教員の氏名や処分理由を、国が整備する全国共通のデータベースで情報共有することを規定したことにあります。知らなかったでは済まされませんし、不適格な教員が再び教壇に立つことは絶対に許されません。被害に遭って心に深い傷を負った児童生徒のことを思えば、免許の再取得を厳格化するのは当然の流れであろうと思います。 ただ、現行制度では懲戒免職になって免許を失効しても、三年の経過を経て教育委員会に申請すれば再交付されることになっていました。したがって、過去には性犯罪を犯した教員が、居住地を変更した先でその事実を隠し教員に再度任用され、わいせつ行為を繰り返していたという事例もあったようです。甚だ残念でなりません。 私は、今後は、学校や教育委員会の子供たちの被害を食い止めるんだという覚悟が問われているのではないかと思っています。今回のわいせつ教員対策法の成立を大きな一歩と評価する声がある一方で、事実として被害者や保護者が、その実効性について懸念を口にされています。子供たちにとって一番安全・安心で楽しい場所であるはずの学校で、このようなことがあってはなりません。 そこでお尋ねいたします。山口県教育委員会として、わいせつ教員対策法の成立を受け子供を性暴力から守るため、本県で実効性ある運用に向けて今後どのように取り組まれるのか、繁吉教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、運転免許証更新時における、優良運転者講習のオンライン化についてお尋ねします。 山口県内の運転免許保有者の状況は、令和二年末時点で九十万六千二百十九人、高齢化の進展で運転免許を保有する高齢者が年々増加傾向にあるようです。山口県警では、加齢に伴う身体・認知機能の低下を認識した運転の奨励、運転に不安を感じる高齢者が自主返納しやすい環境の整備にも取り組まれているところです。 県内の交通事故発生状況については、人身事故件数は平成十二年から二十一年連続で減少、負傷者数も平成十三年から二十年連続で減少しています。令和二年中の死者数は四十二人で、統計を取り始めた昭和二十六年以降最少とのことでした。 令和二年中の交通違反の検挙総数は八万八千五百五十三件であり、前年対比二千五百三十一件の増加となっております。特に無免許運転、飲酒運転、速度超過、交差点関連違反等の交通事故に直結する悪質・危険性の高い違反に重点を置いた交通指導取締りを推進し、我が党が何度も取り上げております可搬式速度違反自動取締装置での生活道路や通学路での取締りを推進することにより、運転者の交通安全意識の向上が図られた結果、交通死亡事故の減少につながったものだと思います。 こうした中、警察庁では令和六年度末までに優良運転者講習のオンライン化を目指すことになりました。北海道、千葉県、京都府、そして山口県の四道府県が、先行してモデル事業をスタートさせることになりました。警察庁によると、講習受講者数や地域バランスを考慮して選考したとのことであります。 県内の免許更新者数は約二十一万人で、そのうち優良運転者は約十万人と推計されています。私の経験では、総合交通センターはいつも混雑していて講習を受けるまでがとても大変です。地元の警察署であっても受付はやはり混雑しています。また、今はコロナ禍にあって、密な状況は新型コロナの感染リスクも高めてしまいます。 そこで、優良運転者講習のオンライン化が進めば混雑を回避でき、利便性の向上にもつながります。ぜひともこのオンライン化を推進していただきたいと願っております。 そこでお尋ねいたします。運転免許証更新時の優良運転者オンライン講習については、今後具体的にどのように進めていかれるのか、警察本部長にお伺いして、私の代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 上岡議員の代表質問にお答えします。 まず、コロナ禍での検査体制・医療提供体制の充実強化についてのお尋ねです。 新型コロナウイルス感染症は、本県では、昨年三月に第一例目が確認されて以降、一年三か月で約三千件に上る新規感染者が発生しており、今後も、新たな変異株の影響などにより、感染の再拡大が懸念されています。 このため、私は、今後とも、緊張感を持って感染拡大の防止に取り組むことが重要であると考えており、県民生活の安心・安全を確保するため、現在進めているワクチン接種の一層の加速化に併せ、引き続き、万全の検査体制及び医療提供体制の確保に努めてまいります。 まず、検査体制については、今後、急速な感染拡大にも対応できるよう、保健所に自動遺伝子検査装置の追加配備を行うとともに、民間検査機関の活用を図るなど、これまでより千件多い一日当たり七千五百件の検査を可能とし、短期間で集中的な検査需要に対応できる体制を確保してまいります。 また、今後、感染拡大が懸念されるデルタ株等の感染状況をいち早く察知し、早期に封じ込めるよう、ゲノム解析を行う検査機器を新たに環境保健センターに整備し、変異株への監視体制を強化することとしたところです。 加えて、四月から六月までの間、集中的に実施してきた高齢者施設等の従事者の検査についても、地域の感染状況に応じて、七月以降も検査を継続して実施するなど、クラスター発生の未然防止の徹底を図ってまいりたいと考えています。 次に、医療提供体制ですが、まず、感染患者の受入れ病床については、医療機関の御協力を得て、人口比では全国上位となる五百二十七床を確保するとともに、爆発的な感染拡大局面に備え、緊急時対応として、さらに百床の増床を図ることで、合計六百二十七床まで確保できる体制を整備したところです。 また、受入れ病床の確保に合わせ、コロナ治療終了後も入院管理が必要な患者の受入先となる後方支援医療機関として二百床確保し、受入れ病床の効率的な運用と、コロナ治療後の患者に対するきめ細かな支援を行うこととしています。 さらに、無症状者等が療養を行う宿泊療養施設についても、これまでの県央部、県西部に加え、新たに県東部に開設し、県全体で四百八十室を確保したところであり、引き続き、安心して療養できる体制の充実を図ってまいります。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、今後とも、関係機関との連携の下、検査体制及び医療提供体制の充実を図り、感染防止対策に積極的に取り組んでまいります。 次に、コロナを乗り切る生活困窮者支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等により、日常生活の維持が困難となっている方々や、経済的基盤の弱い独り親世帯に対して、その生活を支えるため、きめ細かな支援を行うことは大変重要です。 このため、私は、これまで市町や関係機関と連携の上、相談体制の充実を図り、様々な困難を抱える県民の皆様に寄り添いながら、適切な支援の実施に努めてきたところです。 こうした中、お示しのとおり、国においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることから、生活福祉資金の特例貸付けの申請期限を八月末まで延長するとともに、この貸付けを既に利用した世帯等を対象として、新たに生活困窮者自立支援金を支給するなどの追加支援策を決定しました。 県としては、これらの支援策に係る所要の経費を六月補正予算に計上したところであり、国の制度をしっかり活用しながら、途切れのない迅速な支援を行っていくこととしています。 具体的には、必要とされる方々に確実に支援が行き届くよう、新たな国の制度について、ホームページ等により周知を図るとともに、県や市町の福祉事務所等に設置している窓口において、日常生活上の様々な問題についての相談に丁寧に対応していくこととしています。 また、支援が遅滞なく行われるよう、貸付けや支給の手続については、申請の簡素化や郵送による受付などにより、迅速な給付に努めてまいります。 さらに、経済的な支援に合わせ、今後の生活の立て直しに向け、就職活動や各種福祉サービスの利用も含め、個々の実情に応じた総合的な支援につなげていくこととしています。 こうした取組に加え、これまでも全国知事会を通じ、特例貸付けについての償還免除の要件緩和や償還期間の弾力的運用等を国に求めてきたところですが、引き続き、生活困窮者への支援の充実に向け、必要に応じて要望を行ってまいります。 私は、独り親世帯や生活に困窮されている方々が、コロナ禍が長期化する中にあっても安定した生活を送ることができるよう、今後とも、市町や関係機関と一体となって支援に努めてまいります。 次に、デジタル・ガバメントの推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、デジタル・ガバメントを構築することは、行政サービスの利便性向上や業務の効率化に資することはもとより、県民の皆様がこれまで以上の豊かさと幸せを実感できるデジタル社会を形成する上でも、重要な基盤になるものと考えています。 このため、やまぐちデジタル改革基本方針においても、デジタル・ガバメントやまぐちの構築を施策の柱の一つに掲げ、デジタル推進局を中心に全庁を挙げて、また市町とも一体となって様々な取組を進めているところです。 このうち、行政手続のオンライン化については、これが県民の皆様にとってデジタル・ガバメントへの入り口ともなるため、多くの方が利用し優先度の高い手続から速やかにオンライン化を進めており、これまでに県関係の手続では、申請件数ベースで約七割のオンライン化を実現いたしました。 今後、対象手続をさらに拡大してまいりますが、これに併せ、デジタルに不慣れな方を含めて、誰もが手軽に、そして安心してデジタルによるサービスを利用できる環境を整えていくことが必要であると考えています。 このため、お示しの国の講習会事業も活用し、高齢者等のデジタル活用をサポートする体制を整備するとともに、専門家の意見も取り入れながら、分かりやすく、扱いやすいインターフェースの構築・改善や、全てのオンライン手続が一覧できる総合案内サイトの開設等を行ってまいります。 さらに、手続をオンライン上で完結させることができるよう、手数料等のキャッシュレス化や、法令改正により可能となった電子契約の推進に向けた実証等にも取り組むこととしています。 また、マイナンバーとの関係では、国は、令和四年度末を目標に子育てや介護など、特に国民の利便性向上に資する三十一の手続をマイナポータルで実施可能にするとしており、本県としても、できるだけ早期に実現を図ってまいりたいと考えています。 このため、現在、県と市町による連携会議にワーキンググループを設け、国の動向やシステムに係る課題等を共有し、対応を検討しているところであり、マイナンバーカードの普及促進とともに、県全体でマイナポータルを活用した手続を着実に増やしていけるよう、取組を鋭意進めてまいります。 さらに、デジタル化をてこに業務を刷新し、行政の構造改革を進めることも重要と考えており、昨年度以降、RPAや議事録作成支援システム等におけるAIの導入を順次進めるとともに、本年度からは、市町との共同利用も実施することとしています。 私は、今後とも市町としっかりと連携を図りながら、常に利用者である県民の皆様の目線に立って、人に優しく高品質なサービスを提供する、そうしたデジタル・ガバメントの構築に全力で取り組んでまいります。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、水素など次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用についてです。 本県経済の屋台骨である瀬戸内沿岸の基礎素材型産業をはじめとする基幹産業が、国際競争を勝ち抜くためには物流の効率化を実現し、コストの縮減に寄与する港湾の機能強化を図ることが極めて重要です。 このため、私は、やまぐち維新プランの重点施策に、企業の国際競争力強化に資する港湾の機能強化を掲げ、国際バルク戦略港湾施策の推進や各港の特性に応じた施設整備等に全力で取り組んできました。 一方で、地球温暖化対策の推進という国際的な流れを受け、県内企業においても、石炭火力発電におけるバイオマスの利用拡大や次世代エネルギーへの転換の検討など、二酸化炭素の排出を抑制するための取組が始められているところです。 こうした中、昨年十二月に国土交通省から、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を通じて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルポートの形成に取り組む方針が示され、先行的に検討する港として徳山下松港など全国七港が選定されました。 これを受け、県では、国と連携し、関係企業や学識経験者等で構成された徳山下松港カーボンニュートラルポート検討会を立ち上げ、二酸化炭素の排出削減方策や、水素などの潜在的需要を踏まえた利活用方策等について、今後の技術開発等も見据え、目標時期に応じた取組の検討を進めてきました。 その結果、当面は、石炭とバイオマス等の混焼によるエネルギーミックスにより二酸化炭素排出量の削減に努めつつ、将来的には、西日本エリアの次世代エネルギーの供給拠点港への進化を目指し、背後企業と一体となった徳山下松港のさらなる発展に取り組むこととしたところです。 今後、県では、国の動向や関係企業のニーズを踏まえつつ、次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用が図れるよう、徳山下松港やその他の重要港湾においてカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討を進めていきます。 私は、脱炭素社会においても、国際競争を勝ち抜くための産業基盤となる港湾の機能強化に積極的に取り組んでまいります。 次に、水素や太陽光など次世代エネルギーを活用した脱炭素地域づくりについてです。 地域の脱炭素化に向けては、豊富な日射量やコンビナート企業から発生する大量で高純度の水素など、本県が有する地域資源を最大限に活用し、持続可能な地域づくりを進めていくことが重要です。 また、国においては、カーボンニュートラルの実現に向けた暮らしや社会分野での工程表として、住宅・建築物への再エネ導入をはじめ、地域特性に応じた取組を示した地域脱炭素ロードマップを策定したところです。 こうした国の動きは、今年三月に改定した、山口県地球温暖化対策実行計画の方向性と整合しており、県では、この計画に基づき、水素や太陽光など次世代エネルギーの利活用をはじめとした民生部門における温室効果ガスの排出削減の取組を積極的に進めていくこととしています。 まず、本県の強みである副生水素の地域での利用については、環境省の委託事業により、周南・下関地域での活用事例の蓄積や、周南市から下関市に液化水素を輸送して利用する地域間連携が進んでおり、こうした成果を踏まえ、水素先進県の実現に向けた取組を引き続き推進してまいります。 次に、太陽光等の再エネの利用については、太陽光発電や省エネ設備との組合せにより、従来の住宅に比べ二酸化炭素排出量を大幅に削減できるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを対象とした補助制度を創設し、家庭での導入を促進します。 また、再エネの地域内での有効活用に向けて、今年度から地域に分散する太陽光発電や蓄電池、電気自動車等をネットワーク化して、効率的に電力量を制御する実証事業を開始し、エネルギーの地産地消モデルづくりに取り組むこととしています。 さらに、ロードマップで示された脱炭素地域づくりの取組を実行に移していくには、主体的な役割を担う市町の取組が活性化していくことが重要であることから、市町、県、国等で構成する検討会議を新たに設置し、関係機関が連携して地域における対策を強力に推進していきます。 私は、今後とも、国の動きや社会情勢を的確に捉え、県民や市町、事業者、関係団体等と一体となって、水素や太陽光など次世代エネルギーを活用した脱炭素地域づくりに積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 教員による児童生徒への性暴力防止についてのお尋ねにお答えします。 学校教育は、信頼という基盤の上に立って行われるべきものであり、子供たちを守り育てる立場にある教員による性暴力等は、子供たちの権利を著しく侵害し、生涯にわたって回復し難い心理的外傷等を与えるため、断じて許すことができない行為です。 そのため、これまで県教委では、市町教委と連携して綱紀保持対策チームを設置し、重点取組事項として児童生徒へのわいせつ行為を含むハラスメントの根絶を掲げ、未然防止に向けた教員研修や学校の取組を保護者等と共に点検する委員会の実施など、各学校における綱紀保持の取組を徹底強化を図ってきたところです。 また、今年度から新たに教員の採用に当たり、試験の願書に刑罰・処分歴を記入する欄を設けて志願者の経歴を把握するとともに、わいせつ行為による懲戒処分等により教員免許状の失効や取上げがあった者の氏名や失効事由を過去四十年間にわたって検索できる国のシステムを活用しているところです。 こうした中、国においては、本年六月、教員等によるわいせつ行為から子供たちを守ることを目的とした教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が公布されました。 この法律では、施行に先立ち、文部科学大臣が、関連施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な指針等を定めるよう規定されています。 今後示されるこの指針等を踏まえ、本県においても、国が整備するとされている新たなデータベースの活用や、早期発見のための通報・相談体制の整備など実効性ある取組を進めてまいります。 また、子供たちへのわいせつ行為による懲戒処分等により教員免許状の失効や取上げがあった者への再授与の可否については、法に基づき組織されることとなる教育職員免許状再授与審査会の意見を聴いた上で、厳正かつ適切に判断してまいります。 県教委といたしましては、子供たちが安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、市町教委と連携しながら法に基づく取組を確実に推進し、教員による性暴力等の根絶に向けてしっかりと取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 谷警察本部長。    〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 ◎警察本部長(谷滋行君) 優良運転者講習のオンライン化についてお答えします。 議員お示しのとおり、警察庁では、令和六年度末をめどに優良運転者講習のオンライン化を全国導入する方針であり、本年度、本県を含む四道府県において、調査研究のためのモデル事業が先行スタートされることになっております。 県警察としましても、本事業は免許更新手続における県民の利便性の向上につながるものであり、新型コロナウイルスの感染リスク要因である三密対策にも資する環境を構築するものとして意義深いものと考えており、警察庁の行う本事業に積極的に参画し、現場における課題等を抽出して警察庁に報告することなどを通じ、本事業がよりよいものとなるよう制度設計に寄与してまいりたいと考えております。 現在、県警察においては、オンライン講習を希望される方が、講習の受講、更新の申請、運転免許証の受領までの一連の手続をスムーズにできるよう、モデル事業開始に向けた諸準備を進めているところです。 具体的には、まず、対象となる優良運転者の方には、更新はがきの中にオンラインで講習を受講することができる旨を記載してお知らせすることとしております。 次に、受講要領については、スマートフォンなどの操作に不慣れな方でも戸惑うことなくオンライン講習を受けることができるよう、県警ホームページに詳しく、分かりやすく操作手順を載せることとしており、また、講習で使用する動画については、対面式で行う講習と同様の効果が望めるよう、現下の交通情勢を反映させた内容のものにすることとしております。 さらに、その後の更新手続がスムーズにいくよう、山口県総合交通センターや利用者の多い警察署等の免許窓口には、必要に応じてオンライン講習専用窓口や専用レーンを設置するとともに、来庁された全ての方がスムーズに手続できるよう、案内看板や動線を整備し、分かりやすい免許窓口にすることとしております。 今後、令和六年度末の本運用を見据え、県民の皆様にとってオンライン講習が有益なものとなるよう、引き続き、警察庁と緊密に連携をしながら準備を進めてまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時五十分休憩   ─────────────    午後一時開議
    ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一代表質問 △日程第二議案第一号から第二十二号まで ○副議長(二木健治君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 小田村克彦君。    〔小田村克彦君登壇〕(拍手) ◆(小田村克彦君) 民政会の小田村でございます。会派を代表して、質問させていただきます。 その前に、一言申し上げます。 まずは、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられました皆様あるいは治療中の皆様方に、心からお見舞いを申し上げます。 また、日夜を問わず、新型コロナウイルス感染症対応をされている医療関係者の皆様、行政関係の皆様、またエッセンシャルワーカーと呼ばれる、私たちの生活に欠かすことのできない仕事に携わっている皆様方に、心から感謝と敬意を表したいと思っております。 さて、オリンピック・パラリンピックの開会まで、少しの期間となりました。御自身が名誉総裁をお務めになります天皇陛下が、現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変御心配をしておられることや、国民の間に不安の声がある中でのオリンピック・パラリンピックの開催が、感染拡大につながらないか御懸念されている、御心配であると、宮内庁長官が拝察として発信をされました。 政府関係者は、首相も含めて、長官本人の見解だと理解をしていると、今後の進め方に影響するものではないとされております。 多くの国民も、天皇陛下の御認識と同じと推察をいたしますけれども、政府には、専門家の意見を尊重することはもちろんのこと、これまで言われております水際対策をしっかりすることを含めて、開催するのであれば、対外的なことや経済的なことは後回しにしてでも、日本国民の安心・安全を、まさに万全を期していただきたいと要望し、質問に入ります。 一つには、新型コロナウイルス感染症対策について。 県内事業者への対応についてでございます。 二〇一九年十二月に、中国武漢に端を発したこの新型コロナウイルスは、それ以降、約一年半が経過をした今も、形を変えながら、全世界で約一億八千万人の罹患者と約三百九十万人の死亡者を出し、いまだに収束を見せてはいません。 日本でも、二〇二〇年一月、初めての感染から、NHKのまとめによりますと、二〇二一年六月二十七日現在、七十九万五千六百三人の感染者と一万四千六百七十五人の死亡者を出し、二〇二〇年四月七日に初めての緊急事態宣言が、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の七都府県に出され、同十六日には全国を対象に拡大されました。そして、今年の四月の二十五日、緊急事態宣言まで三回の緊急事態宣言を出しています。 また、二〇二一年二月に施行されました新型コロナウイルス対策の改正特別措置法で、緊急事態宣言が出されていなくても集中的な対策を可能とする、地域を限定したまん延防止等重点措置については、これまで十八都道府県に対して発出をされています。 その都度、中小事業者の皆さん、特には飲食業や観光業、イベント関係など、度重なる自粛等の要請に、いつ倒産しても不思議がないような中で、必死に踏ん張っておられます。 本県では、これまで、六月二十日までを期間に集中対策を実施し、県民や事業者に対し、外出機会の半減などを呼びかけてこられたところです。県民の自粛ムードの広がりなどにより、非常に大きな打撃を受けた関係団体からは、支援が要望されてきたと理解をしております。 こうした団体からのコロナ対応への要請をどう受け止め、今後、どのように県は対応しようとしておられるのか、お尋ねをいたします。 次に、ワクチン接種の状況についてお尋ねします。 海外では、日本の技術力の高さや官僚の危機管理能力の高さ、ましてや世界的イベントであるオリンピック・パラリンピックの開催国であることなどから、ワクチン開発と接種を早期に始め、日本の安心・安全を世界に発信すると思われていたようです。 しかし、日本の対応は、二〇二〇年五月、当時の安倍首相が、日本ならではのやり方で、僅か一か月半で今回の流行をほぼ収束させることができた、まさに、日本モデルの力を示したと内外に発信され、旅行や飲食を進める「Go To キャンペーン」をも進められました。 私たち多くの国民も、このままでも何とかなるのではないかと錯覚を起こし、それ以降、国民に対する自粛のお願いと事業主への協力依頼を幾度となく続け、国民の疲弊と経済の混乱、そして感染の山が繰り返される結果となってしまいました。 その間、海外ではワクチン開発が進み、そして一人でも多くの接種を進めるために、まさに新たな取組を、スピード感をもって進められ、薬局や駅、スーパー、公園などでもワクチン接種を行うなど、国民を救う対策が取られ、急速な接種体制の下、今では接種率はイギリス、米国では五〇%以上となるなど、通常の生活を取り戻し、併せて疲弊した経済を回復させるため、米国では二百二十兆円ともいわれる国費を投入することで、経済回復を鮮明にしています。 日本はといえば、国産ワクチンの許可にも至らず、ワクチン接種率は二〇%程度といまだ低水準ではあるものの、本県でも五万八千人の医療従事者への接種の終了や広域的な集団接種会場の開設、職域の接種の促進など、対策が進んでおります。 第五波の波が刻々と近づく中、本県も一人でも多くの方に、ワクチン接種を急ぐため、庁内の業務体制強化や市町、関係団体との連携強化が必要と思います。 本県のワクチン接種の進捗状況、今後の接種の加速化に向けた体制について、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、医療体制、病院の見直し等についてお尋ねをします。 医療体制も逼迫をしています。アルファ型やデルタ型と呼ばれる、いわゆる変異株が多くを占めるようになりました。これは、重症化リスクが高く、病床数を圧迫をします。 本県でも五月二十四日には、一時確保病床使用率が七五%となるなど、大変厳しい状況となりました。 日本は諸外国に比較すると病院は多いと言われていますけれども、公立病院は大変少ない状況となっております。そのことが、感染症での医療の逼迫を招いており、今後はこの経験を生かし、病床の確保、公立病院の医療スタッフの充実、都道府県を超えた地域連携など、感染症対策がしっかり取れる医療体制の確保が重要です。 国においても、新興感染症等の感染拡大時における医療が医療計画の記載事項に追加をされるなど、見直しが進められておりますけれども、これまでの議論の上に、今後の感染症対策も含めた体制づくりが必要と考えます。 山口県医療計画や山口県地域医療構想など、改めての整理、見直しが必要と考えますが、御所見をお伺いをいたします。 次に、保健所の強化と職員負担の軽減について伺います。 病院と同様に、保健所の役割も重要です。一九九四年に保健所法から地域保健法になり、住民に身近な保健行政は市町村へ移され、保健所は専門的・技術的業務を担うことになりました。一九九四年当時六百二十五ありました都道府県保健所も、二〇二〇年には三百五十五と、二百七十の減少となりました。 本県でも十五か所あったものが七か所となり、感染症に対応できる保健所数は、下関市を含めても八か所しかない状況です。 保健所はコロナ対応の第一線であり、相談から医療機関との調整、搬送、接触者の追跡調査、相談業務など、通常業務以外に、日夜を問わず大変な状況が続いています。保健所の体制強化、専門的知識を有するマンパワーが必要と感じていますけれども、御所見を伺います。 次に、新聞報道で、コロナ電話対応、保健所職員の七割が不眠、東北大学の調査ということの記事が掲載をされました。 相談者から不安や怒りをぶつけられ、メンタルヘルスの問題を抱えやすいとのことでした。本県でも同様の状況が続いているものと思慮されます。 また、山口県でも昨年三月から今年四月までの間、過労死ラインとされる月百時間以上の時間外勤務をした県職員は、延べ四百二十四人。うち十六人は月二百時間を超えていたとの報道もされています。 コロナ対応はもちろんですが、職員の仕事はそれだけではありません。通常業務の上にこのコロナ対応が上積みをされている訳です。一生懸命に頑張っている職員の負担軽減に向けて、知事の御所見をお伺いをいたします。 あわせて、他部署からの応援体制によって、この急場をしのいでいる感がありますが、アメリカやEU等と比較をいたしますと、日本の公務員数は、人口一千人当たりフランスが約九十人、日本は三十七人と、その約四割にとどまると言われております。 本県でも、行財政改革により職員数を削減する一方で、様々な行政課題は山積をしており、ましてやコロナ対応は、一時的な対応のみではなく、今後も様々な形で続いていくものと思慮されます。 コロナ対応、デジタル対応、災害対応など、多くの課題がある中、県民ニーズに的確に対応する、信頼できる組織とするためには、現在の定員数、体制が適切なのかを含めて、今後どのように対応されていかれるのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、ワクチン接種後の本県のコロナ対策についてであります。 第五波の襲来にも準備をしておく必要がありますが、今後の本県の対策についてお尋ねをいたします。 本県では、これまで感染が疑われる方々へのPCR検査や追跡調査などのほか、高齢者施設従事者や高校生等へのPCR検査など行われてまいりました。 それでもクラスターが四十五例報告され、全てが発生源を突き止めるまで至っていない状況が生まれています。 特に、最近では変異株ウイルスが拡大しており、従来型の約二倍とも言われる感染力の強さが指摘されています。 ワクチン接種も進んできてはいるものの、六月八日には宇部の介護施設利用者と家族が罹患をされ、そのうち四人はワクチン接種を受け、中には二回目の接種を終わっていた人もあったとのことでした。接種を終えても予防効果が得られるまでには時間が必要であり、ワクチンさえ打てば全てが解消されるということにもなりません。 世田谷区が去年の十月から介護施設などで、職員や利用者に定期的なPCR検査を実施し、これまで無症状の感染者は、無症状の人が排出するウイルスの量は少ないとか、若者が多いと思われていましたが、無症状の陽性者のうち三六%の人が、マスクなしでの会話や会食だけで感染する可能性が高いほどの量のウイルスを持っていること、その八割が高齢者だったことなどが報告をされ、その後、社会的検査数を増やしておられます。 本県でも、ワクチン接種が進んできてはいるものの、ワクチン接種で全てがうまくいくとは限らない状況です。本県の今後の検査体制の強化について、御所見をお伺いいたします。 地方財源の確保について、お尋ねをいたします。 本県におきましても、これまで県民の生活の安心・安全を確保するために、社会保障制度の充実や防災・減災対応、環境や地域交通、子育て支援や医療・介護の確保等々、多くの地方自治体の抱える課題解決に向けて取り組んできたところですが、あわせて、一昨年来からの新型コロナウイルス感染症対策に全庁挙げて取り組み、ワクチン接種体制の構築や、家庭や企業、病院や学校など、ありとあらゆる県内事業所を含めて、新しい生活様式への変化に即した対応が求められ、併せてDXの推進、脱炭素社会の実現に向けた取組等々、枚挙にいとまがない状況であります。 地方財源の確保については、二〇二一年度の地方財政計画までは、二〇一八年度の地方財政計画を下回らない水準として、同水準を確保されてきましたけれども、新型コロナ対策に巨額の財政出動をする中、二〇二二年度の地方財政が十分確保できるのか心配もしているところです。 政府の予算編成のスケジュールでは、六月の骨太方針等で政府全体の基本的な方針が示され、年末の財務省、総務省との協議で、地方財政対策と翌年の地方財政計画が策定されることとなります。 そのためには、予算編成時期に合わせて地方財政確立に向けた取組が重要ですけれども、二〇二二年度の地方財政計画に対する本県の対応について、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取組についてであります。 菅首相は、二〇二〇年十月二十六日、臨時国会の所信表明演説で、国内の温室効果ガスの排出を、二〇五〇年までに実質ゼロにする方針を表明されました。 一九九七年の地球温暖化に対する国際的な取決めである京都議定書の後継として、二〇一五年には、二〇二〇年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みとしてのパリ協定が合意をされ、全ての国が参加をすることとなりました。 パリ協定では、一つには、世界の平均気温上昇を産業革命前に比較して一・五度に抑える努力をすること、二つには、二十一世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにする、そのことを世界共通の目標としています。 政府は、二〇二一年四月、地球温暖化対策推進本部において、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量、これまでの目標の、二〇三〇年度までに二〇一三年度比二六%減から四十六%減とする新たな目標を決定をし、さらには五〇%減も視野に入れて検討を継続するとして、二〇三〇年度までの大幅な削減目標値の引上げを目指しています。 日本のエネルギーは、産業、運輸、民生の各部門で、電力または熱として消費をされますけれども、七三%弱が熱エネルギーとして、残りの二七%が電力のエネルギーとして、最終的に消費をされていると言われています。 七三%を占める熱エネルギーの消費の部門別では、産業部門が四八%、運輸部門三二%、民生部門一八%となっていますけれども、この産業部門の中で消費の九五%を占めるのが製造業分野であり、製造プロセスに高温の熱が必要とされるものや工業炉、ボイラー等の燃焼機器、蒸気発生器等の熱供給機器が大型であることなど、安価な熱エネルギーが必要とされることから、今現在では、多くの熱源は化石エネルギーが使用されております。 さて、本県では、瀬戸内海沿岸部に化学工業、石油・石炭製品製造業、輸送用機械器具製造業、鉄鋼業など、企業が多く立地をし、付加価値のある製品を作り出す産業の割合が高い工業県であり、全国的にも都道府県別一事業所当たりの製造品出荷額等は全国一位、併せて本県の雇用の大きな受皿ともなっています。 しかしながら、本県では人口一人当たりの事業所からの都道府県別温室効果ガス排出量は全国第二位、総排出量でも全国六位と言われています。 山口県の瀬戸内海沿岸コンビナートは、国際競争力の維持を含めて、政府が掲げた温室効果ガス排出量の削減目標や期限の設定など、短期間で進めていくということは、非常に困難な状況であり、安易に協調できない課題となっているのではないかと危惧をしています。 また、六月九日には、政府関係閣僚と地方自治体の首長が議論をする、国・地方脱炭素実現会議において、民生部門における二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする工程表である、地域脱炭素ロードマップを決定され、今後、脱炭素での交付金や基金の創設も含め、検討すると報道されています。 こうした中、地球温暖化対策の推進に関する法律では、都道府県及び市町村は、その区域の自然的・社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出量の削減などのための総合的、かつ計画的な施策を策定し、実施するよう努めるものとするとされ、環境省では、二酸化炭素などの温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と、森林等の吸収源による除去量との間の均衡を達成することとして、地方公共団体における二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロ表明を全国に求めています。 二〇二一年六月二十五日現在、取り組むことを表明した地方公共団体は四百十四自治体、人口では一億一千九十万人となっています。 改めて、山口県として、このカーボンニュートラルという世界的な潮流がつくられ、また、それを目玉として政策を進めようとしている中で、政府の方針や経済界の方針を踏まえて、そして、県内産業の発展を図るという観点からも、今後の瀬戸内海沿岸のコンビナートへの対応と、環境省の言う、二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロ表明をどういうふうに受け止め、本県として今後どのように対応しようと考えておられるのか、お尋ねをいたします。 次に、教員の働き方改革についてお尋ねをいたします。 教職員の皆さんは、新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、子供たちへの一人一台パソコンの導入や指導、また体制づくりなど、新たな多くの課題に直面をしておられます。 教員の志望者が減る中、文部科学省が二〇二一年三月、「#教師のバトン」プロジェクトをスタートいたしました。 全国の教師や教員志望の学生などに、各地の取組を知ってもらい、学校の改善や教職員志望者の増加につなげようとスタートした取組のはずでしたけれども、実際に寄せられた多くの投稿・意見は、苛酷な勤務環境を訴える悲痛な声の数々でした。 NHKが特集として、「子どもたち、ごめんね、#教師のバトンはいま、どこに?」という、四月にこの報道をされております。 その中で、教師の声として投稿されたものを幾つか紹介をしたいと思います。「子供がかわいくて裏切れないと思って、残業代が出ない中、みんな長時間労働をしていますが、子供たち、ごめんねと言いながら、辞めていく教員も何人もいます」今、鬱病で休職をしている小学校教員の言葉です。また、「三年勤めて精神疾患になりました。土日休めない。毎日残業。毎月九十時間近くの時間外労働。労働環境の改善こそが、これからの先生たちに届けたい本当のバトンです」 日本の教員の苛酷な働き方の実態が明らかになりましたのは、OECD、いわゆる経済協力開発機構ですけれども、五年に一度、世界各国の教員の勤務実態調査を公表してからであります。 初めて参加をした日本は、一週間当たりの中学校教員の勤務時間がおおよそ五十四時間と、参加をした三十四の国と地域の中で最も長く、平均の一・四倍。その後の二〇一八年に、調査では一週間当たりの中学校教員の勤務時間は五十六時間と、さらに長くなりました。 内訳は、部活動などの課外活動が七・五時間と平均の四倍。書類作成などの事務作業も平均の二倍となっています。 文部科学省は、部活動については、部活動は必ずしも教員の仕事ではない、休日の部活動は地域の活動とすることで、教員が携わらなくてもよくなる仕組みの整備を進めるとしています。 また、残業については、閉庁日を設けることや、タイムカードを導入し、正確な勤務管理を徹底する、教員の残業時間の上限を月四十五時間とするとしています。 私は、この特集を読みながら、ぜひ、この「#教師のバトン」での生の声が、本県教育委員会、市町の教育委員会、そして、しっかりこの学校現場へとつながることを期待したいと思い、多くを引用させていただきました。 二月議会で、変形労働時間制の導入について可能となる条例が制定をされましたけれども、まずは、できる体制をつくることが重要です。 当然、県教委としては、現状での教員の時間外勤務の実態、年休・特別休暇あるいはその他有給休暇の取得状況など、把握をされていると思いますけれども、県教委、また、市町教委含めて働き方改革を進めるためには、まずは教員の勤務の実態をしっかりと把握することが極めて重要です。 教員の働き方改革にこれからどう取り組んでいかれるのか、新たな教育長の決意を含め、御所見をお伺いをしたいと思います。 次に、警察行政についてお尋ねをいたします。 まず最初に、ハラスメント防止対策についてです。 ハラスメントという言葉をよく聞くようになりました。誰もこの言葉の感じを、いい言葉とは受け止めてはいないと思います。ハラスメント、相手が不快な感情を抱けばハラスメントとなると定義をされております。 二〇二〇年六月には、大企業が先行して対象となる改正労働施策総合推進法、いわゆるパワハラ防止法が施行されました。企業は、職場におけるパワーハラスメントの防止のために、雇用管理上、必要な措置を講じることが義務となります。 事業主によるパワハラ防止の方針の明確化と周知啓発、苦情などに対する相談体制の整備、被害を受けた働く者へのケアや再発防止、そして、その他併せて講ずるべき措置が求められ、一つには、優越的な関係を背景とした言動、二つには、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、そして働く者の就業環境が害されるもの、この三つの条件を満たす行為をパワハラと定義をしています。 これまで議会でも取り上げられてきましたけれども、五月二十四日、山口県警本部において、幹部職員約五十人を対象に、ハラスメントの防止対策を考える研修会を開催をされました。 県警では去年十一月以降、三人の警察官がパワハラをしたとして処分を受けたと報道されています。残念ながら、それまでもハラスメントが行われてしまうという状況にあり、県民に信頼される警察行政とするためにも、重要な課題だと認識をしています。 警察、自衛隊あるいは消防など、危険や災害などの有事に即応するために、指揮命令系統がしっかりするということ、別の言葉で伝えるならば、上下関係を明確にせざるを得ない環境だと察しますけれども、改めてハラスメント防止対策として相談窓口の設置や署員アンケートの実施、署内研修の実施など、相談しやすい体制づくりと双方向での事実確認や情報管理などの体制づくりが必要だと考えますけれども、本部長の御所見をお伺いをいたします。 次に、時間外勤務と職員の処遇改善について、警察官の勤務実態についてお尋ねをいたします。 今年の一月報道されました、昨年九月の九州管内の警察署で起きた大変残念な事故です。 新聞報道によれば、高校卒業後警察官となり、念願だった刑事になって僅か五か月で、自らの命を絶たれています。 日々事件が発生するたびに残業時間が増え続け、知人に宛て「最近零時過ぎに帰るのが普通になってきた」とか「時間外勤務が百六十時間を超えそう」など、メッセージを送っていたとされています。 先ほども、コロナ禍の中での時間外が異常に増加をしている実態がありましたけれども、県警についても人員の適正配置や適正管理が行われているのか、県警については職員団体も認められておらず、労働条件も一方的に進められている状況ではないでしょうか。 特殊な勤務実態もあると思いますけれども、最大限の配慮が必要と考えます。各職場での上司のマネジメントに頼らざるを得ないというふうに考えますけれども、現状の認識と、決してこのような事件を起こさせない山口県警の対応について、時間外勤務の現状含めて警察本部長の御所見をお伺いをして、民政会を代表しての質問とさせていただきます。 御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 小田村議員の代表質問にお答えします。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねのうち、県内事業者への対応についてです。 感染症の長期化による外出自粛ムード等が広がり、その影響は、飲食業や観光業をはじめ、取引のある業者など幅広い業種に及んでおり、県内経済への影響は深刻さを増しています。 このような中、飲食、観光等の関係団体から、収益の悪化と資金繰りに苦慮している現状と、事業継続や消費需要の回復に向けた支援等の要望をお伺いし、改めて厳しい経営状況にあると強く認識したところです。 私は、こうした御要望をしっかりと受け止め、感染対策に取り組みながら、事業者の事業継続と事業活動の活性化、消費需要の喚起に向けて、適時適切に支援策を講じてまいります。 まず、事業継続に向けては、県制度融資による資金繰り支援に加え、売上げが減少した中小事業者に対して、県独自の支援金として法人に四十万円、個人に二十万円を支給するとともに、新たな補助制度を創設し、感染防止対策やコロナに対応した事業展開を促進します。 また、消費者が安心して利用できるよう、感染防止対策に関する飲食店の認証制度を創設し、認証店に二十万円の応援金を給付するなど、感染対策の取組を支援します。 次に、事業活動の活性化に向けては、宿泊事業者が行う新たな旅行ニーズに対応した高付加価値化や収益力の向上等の取組に対する支援を拡充します。 また、変異株等による感染リスクも懸念されることから、安心して事業活動を行えるよう、事業者が自主的に実施するPCR検査等の費用を補助します。 さらに、消費需要の喚起に向けては、事業者の資金支援と消費喚起を併せて行う、購入型クラウドファンディングを、昨年を大幅に上回るプレミアム率と規模で実施し、様々な業種の店舗を応援します。 また、観光需要の回復に向けては、プレミアム宿泊券を販売するとともに、県民を対象とした宿泊料金の割引や地域限定クーポンを発行する、新たな割引キャンペーンを展開することとしています。 私は、感染対策の徹底と経済活性化の両立に向けて、必要な対策を機動的に実施し、コロナ禍によって影響を受けている県内事業者の支援に取り組んでまいります。 次に、ワクチン接種についてです。 私は、ワクチン接種を円滑に進めるためには、市町や関係機関との連携体制の構築が重要であることから、本年一月に市長会や県医師会等で構成するワクチン接種対策会議を立ち上げるとともに、十九市町長と直接協議する場を設けて、緊密な連携の下、準備を進めてきたところです。 現在、接種は順調に進んでおり、医療従事者の接種は既に完了するとともに、高齢者についても、全国上位の水準で順調に推移し、七月末には全ての市町で接種が完了する見込みとなっています。 こうした中、今後、一般県民向けの接種が本格化することから、市町や関係機関とのさらなる連携強化に向け、取組の方向性について共有を図るなど、ワクチン接種の加速化に取り組むこととしています。 具体的には、まず十九市町長会議を開催し、本県独自の優先接種の設定やインフルエンザ流行期前の、おおむね十月末までの接種完了を目指すことなど、県下共通の方針に基づいて、一丸となって取り組むことを申し合わせたところです。 あわせて、ワクチン接種対策会議において、接種を担う医療従事者の確保に向け、関係機関による協力体制を強化するなど、接種体制の拡充を図ったところです。 また、庁内の業務体制については、既に新型コロナウイルス対策室にワクチン接種対策班を設置したところであり、引き続き円滑なワクチン接種の推進に取り組んでまいります。 私は、今後とも、市町や関係機関と一丸となって、希望する県民の皆様が一日も早く接種をできるよう取り組んでまいります。 次に、医療体制の見直しについてです。 私は、県民が生涯を通じて、健康で安心して暮らせるよう、保健医療計画に基づき、本県の保健医療施策を総合的に推進するとともに、本計画の一部である地域医療構想に沿って、効率的で質の高い医療提供体制の構築に取り組んでいるところです。 こうした中、先月、医師の働き方改革や新興感染症等への対応等を盛り込んだ改正医療法が成立し、国においては、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保等を含めた、令和六年度からの次期医療計画の策定に向けた指針の見直し等について、検討が開始されたところです。 今後、こうした国の動向を的確に把握しながら、地域に必要とされる医療が確実に提供されるよう、次期医療計画等の見直しに向けて取り組んでまいります。 次に、保健所の強化と職員負担の軽減対策についてです。 まず、保健所の強化についてです。 新型コロナウイルス感染症に適切に対応するためには、地域住民の健康を最前線で支えている保健所の体制強化は重要と考えています。 このため、昨年四月以降、専門性を有し、健康相談等を担う会計年度任用職員の配置や職員の応援派遣を機動的に行うとともに、本年四月には、保健所全体で六名の保健師を増員するなど、体制の強化を図ってきたところです。 また、感染者が急増した場合においては、迅速に疫学調査等を実施する必要があることから、関係市町と協定を締結し、保健師の応援派遣を受けることとしています。 次に、職員の負担軽減対策についてです。 新型コロナウイルス感染拡大以降、感染防止対策をはじめ、コロナ禍の克服に向けた施策に全庁的に取り組む中で、健康福祉部の職員を中心に時間外勤務が増加し、大きな負担となっていると認識しています。 こうした職員の負担の軽減を図るため、保健所及び本庁関係課の増員や他部局の職員の応援等による組織体制の強化とともに、相談業務や患者移送に係る運転業務の外部委託等による業務の効率化を進めてきたところです。 今後とも、こうした組織体制の強化等を進めるとともに、管理職によるマネジメントの徹底や業務の再配置等により、特定の職員に過大な業務負担が生じることのないよう取組を重ねてまいります。 次に、組織体制についてです。 厳しい行財政環境の下、様々な行政課題に的確に対応するため、行財政改革統括本部を中心に、自立・安定的な行財政基盤の構築を目指し、選択と集中の観点から総人件費の縮減等の取組を進めてきました。 こうした中、新型コロナ感染防止対策等に集中的に取り組むため、昨年四月に行財政構造改革を一時凍結し、それ以降、保健所等の体制強化を図ったほか、今年四月には職員数を増加させ、デジタル推進局を新設するなど、現下の行政課題に対応した組織体制を整備してきたところです。 私は、今後とも、複雑化・多様化する県民ニーズに、機動的かつ的確な対応が図られるよう、職員一人一人の業務負担も考慮しながら、組織体制の充実強化に取り組んでまいります。 次に、ワクチン接種後の本県のコロナ対応についてです。 私は、感染の拡大防止対策においては、幅広いPCR検査等により、早期に感染の連鎖を封じ込めることが重要であると考えており、今後、急速な感染拡大にも十分対応できるよう、検査体制の強化を図ることとしています。 具体的には、まず、保健所への追加の機器整備や民間検査機関の活用により、一日当たり七千五百件の検査を可能とし、短期間で集中的な検査需要に対応できる体制を確保してまいります。 また、今後、感染拡大が懸念される新たな変異株の感染状況をいち早く察知し、早期に封じ込めるよう、ゲノム解析を行う検査機器を環境保健センターに整備し、変異株への監視体制を強化することとしています。 加えて、四月から六月までの間、集中的に実施してきた高齢者施設等の従事者の検査についても、地域の感染状況に応じて、七月以降も検査を継続して実施するなど、クラスター発生の未然防止の徹底を図ってまいります。 私は、今後とも、市町や関係機関との緊密な連携の下、検査体制の充実をはじめとした感染拡大防止対策に万全を期してまいります。 次に、地方財源の確保についてです。 新型コロナウイルス感染症の影響による経済の下振れや、それに伴う地方の税財源の大幅な減少も懸念される中、地方が責任を持って、増大する行政ニーズに主体的に対応するためには、これに要する財源が適切に措置されることが不可欠です。 そのため、本県においては、社会保障関係費の増をはじめとする財政需要を地方財政計画に的確に反映し、安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額を確実に確保・充実するよう、これまでも政府要望等を通じて、国に求めてきたところです。 このような中、先般、経済財政運営と改革の基本方針二〇二一が閣議決定され、二〇二四年度までの三年間、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、二〇二一年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するという方針が示されたところです。 私としましては、新型コロナの感染拡大防止対策や地方創生、人口減少対策をはじめとする喫緊の課題に的確に対応するために必要な財源の確保など、地方が持続的な財政運営を行っていけるよう、今後も全国知事会など、あらゆる機会を通じ、国に強く要請してまいります。 次に、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取組についての、二点のお尋ねにお答えします。 まず、コンビナートへの対応についてです。 国においては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、本年四月、二〇三〇年度までに、温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で四六%削減するとの目標が示されました。 こうした中、本県コンビナートは、製造工程において多くの二酸化炭素を排出しており、その削減は、本県産業が直面する極めて大きな課題です。 一方、二酸化炭素は化学品や合成燃料等への利用が期待されており、本県コンビナートは、そのための高濃度化技術や設備を備え、また全国屈指の水素生成やアンモニア生産量を誇るなど、大きな可能性も有しています。 現在、企業各社は二酸化炭素の利活用技術等の研究に取り組んでいますが、各社は高度に最適化された製造工程でつながっていることから、目指す方向を共有し、一体となって取り組むことが必要です。 このため、今後、山口県コンビナート連携会議を活用し、各企業との協働の下、カーボンニュートラルに対応したコンビナートの将来像を描き、その実現に向け、取組の方向性を示していきたいと考えています。 私は、国が掲げる二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、本県の経済・雇用を牽引するコンビナート企業が、直面する課題に挑戦し、さらなる成長が遂げられるよう、その環境整備に取り組んでまいります。 次に、二酸化炭素排出実質ゼロの表明の受け止めと本県の今後の対応についてです。 温室効果ガスの排出量の増加による地球温暖化の進行は、猛暑や集中豪雨をもたらすなど、大きな影響を及ぼすことから、県としては、これまでも、その削減に積極的に取り組んできたところです。 こうした中、国においては、昨年十月の菅首相のカーボンニュートラル宣言を受けて、脱炭素社会の実現に向けた戦略づくりが進められており、また、環境省は地方公共団体に対して、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロ表明を求めているところです。 これは、国内外に向けて、脱炭素社会の実現を目指すことを明らかにし、総力を挙げて脱炭素化のための取組を進めていくという、国としての決意が示されたものと受け止めています。 一方、カーボンニュートラルの実現については、本県では、二酸化炭素排出量と森林吸収量の乖離が大きく、現時点では、その道筋を示すことが困難な状況にありますが、今後、国は、地球温暖化対策計画等を見直し、カーボンニュートラルの実現に向けた具体的な方策等を示すとされています。 県としては、こうした国の動きを注視しながら、まずは、今年三月に改定した山口県地球温暖化対策実行計画で設定した、温室効果ガス排出量の削減目標の早期達成に向けて、本県の地域や産業の特性を生かした実効性のある施策を着実に進めていきます。 私は、今後とも、県民や事業者、市町、関係団体と緊密に連携し、脱炭素社会の実現につながる地球温暖化対策に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 教員の働き方改革についてのお尋ねにお答えします。 学校現場を取り巻く環境が複雑化・多様化する中、教員の長時間勤務の実態は厳しい状況にあり、学校における働き方改革を推進することで、教員が働きやすい環境を実現することが重要であると考えています。 これまで、県教委では、平成三十年三月に、学校における働き方改革加速化プランを策定し、持続可能な学校の指導・運営体制の構築や教職員のワーク・ライフ・バランスの実現に努めてまいりました。 具体的には、業務の見直し・効率化、勤務体制の改善、学校支援人材の活用を三つの柱に、統合型校務支援システムの導入や部活動の在り方に関する方針の策定、学校業務支援員の配置などの取組を行ってきたところです。 この働き方改革を進める上では、教員の勤務実態を客観的に把握することが重要であることから、県教委では、全ての県立学校にICカードを利用した勤務時間管理システムを導入するとともに、市町教委に情報提供することで、小中学校においても、同様の取組が進んできています。 こうした取組により、教員の勤務時間に対する意識の向上や時間外在校等時間の縮減等の一定の効果が得られたものの、学校では依然として厳しい勤務の実態があり、引き続き、業務の効率化や削減を進めていく必要があると考えています。 このため、県教委では、これまでの加速化プランを改訂し、教員の時間外在校等時間の上限方針である、月四十五時間、年三百六十時間を超えることがないよう、業務量の適切な管理を一層進めていくこととしています。 また、お示しの変形労働時間制については、教員の働き方の選択肢の一つとして制度化したものであり、今後、各学校で導入する場合には、教員の時間外在校等時間が上限の範囲内であることなどが条件となっているため、まずは、改訂したプランに基づく取組を着実に進めてまいりたいと考えています。 県教委といたしましては、引き続き、地域、保護者等の理解と協力を得ながら、市町教委や学校と一体となって、学校における働き方改革を推進してまいります。 ○副議長(二木健治君) 谷警察本部長。    〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 ◎警察本部長(谷滋行君) ハラスメントの防止対策に向けた取組についてのお尋ねにお答えいたします。 職場において職員が不必要な精神的・身体的苦痛を受けるということは、あってはならないことであり、県警察においても、ハラスメントの防止に向け、職員に対する反復・継続的な指導、必要な体制や環境整備などを進めるとともに、発生した場合には、早期にその事実を把握して、組織的対応を図ることが重要であるとの認識の下、取組を進めております。 議員御指摘のとおり、昨年度は、県警察において複数件の事案が発生し、該当する職員に監督上の措置を行ったところです。事案が発生したことは遺憾なことでありましたが、関係する職員が勇気をもって、その状況を組織に申告してくれたことについては、ありがたく思っております。 今後も、ハラスメントが起きにくい環境づくりを徹底していくことはもとより、つらい状況に置かれている職員や、その周りの職員が声を上げられるよう、各種の取組を推進してまいります。 一方で、上司が部下に対する必要な指導をちゅうちょしたり、萎縮したりすることがあってはなりませんので、部下を持つ職員に対しては、正しい指導方法を身につけ、自信をもって適正な指導ができるよう、部外講師を招聘したコーチング研修などの取組も行っているところであります。 今後も、これらの取組を継続し、県民の皆様の期待と信頼に応えることができる警察運営に取り組んでまいります。 次に、時間外勤務と職員の処遇改善に向けた取組についてのお尋ねにお答えいたします。 県警察としては、時間外勤務の縮減に向けて、管理者を含む職員個々人へのきめ細やかな意識づけ、業務改善等による業務の合理化・効率化、複数担当制の導入による業務負担の平準化など、各種取組を組織的に進めております。 こうした取組により、月八十時間を超える時間外勤務従事者は、五年前と比較して十分の一以下になるなど、大幅に縮減しております。 警察の職務の性格上、事件、事故等への対応などで深夜や長時間にわたる勤務を余儀なくされることもありますが、その場合には、休日の振替や時差出勤の補完措置を取るなど、長時間勤務が常態化することのないように努めております。 今後とも、職員一人一人が高い意識を保持しつつ、持てる力を最大限に発揮できる職場環境を整えてまいります。 ○副議長(二木健治君) これをもって、代表質問を終わります。   ───────────── ○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。    午後一時五十二分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   坂   本   心   次                   会議録署名議員   猶   野       克...