令和 2年11月定例会 令和二年十一月
山口県議会定例会会議録 第三号 令和二年十二月一日(火曜日) ──────────────────── 議事日程 第三号 令和二年十二月一日(火曜日)午前十時開議 第一
一般質問 第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで(質疑) ──────────────────── 本日の会議に付した事件 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで 会議に出席した議員(四十五人) 塩 満 久 雄 君 林 哲 也 君 木 佐 木 大 助 君 先 城 憲 尚 君 友 田 有 君 髙 瀬 利 也 君 酒 本 哲 也 君 平 岡 望 君 西 本 健 治 郎 君 二 木 健 治 君 宮 本 輝 男 君 藤 本 一 規 君 猶 野 克 君 藤 生 通 陽 君 合 志 栄 一 君 小 田 村 克 彦 君 曽 田 聡 君 俵 田 祐 児 君 吉 田 充 宏 君 新 谷 和 彦 君 島 田 教 明 君 石 丸 典 子さん 井 上 剛 君 松 浦 多 紋 君 守 田 宗 治 君 森 繁 哲 也 君 槙 本 利 光 君 井 原 寿 加 子さん 橋 本 尚 理 君 山 手 康 弘 君 畑 原 勇 太 君 秋 野 哲 範 君 河 野 亨 君 笠 本 俊 也 君 有 近 眞 知 子さん 森 中 克 彦 君 友 広 巌 君 戸 倉 多 香 子さん 上 岡 康 彦 君 新 造 健 次 郎 君 坂 本 心 次 君 中 嶋 光 雄 君 江 本 郁 夫 君 柳 居 俊 学 君 国 本 卓 也 君 会議に欠席した議員(なし) 欠 員(二人) 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 村 岡 嗣 政 君 副知事 小 松 一 彦 君 総務部長 内 海 隆 明 君
総務部理事 藤 田 昭 弘 君
総合企画部長 平 屋 隆 之 君
産業戦略部長 平 野 展 康 君
環境生活部長 神 杉 さとみさん
健康福祉部長 弘 田 隆 彦 君
商工労働部長 福 田 浩 治 君
商工労働部理事 梶 間 敏 君
観光スポーツ文化部長 三 坂 啓 司 君
農林水産部長 松 岡 正 憲 君
土木建築部長 阿 部 雅 昭 君
会計管理局長 内 畠 義 裕 君 財政課長 稲 垣 嘉 一 君 教育長 浅 原 司 君 副教育長 繁 吉 健 志 君
公安委員長 倉 田 惠 子さん
警察本部長 谷 滋 行 君
代表監査委員 木 村 進 君
監査委員事務局長 渡 邉 隆 之 君
労働委員会事務局長 武 林 正 治 君
人事委員会事務局長 松 本 道 夫 君 会議に出席した
事務局職員 事務局長 前 田 安 典 君
事務局次長 吉 岡 達 也 君 総務課長 原 田 和 生 君
議事調査課長 柳 原 廉 均 君 秘書室長 宮 本 優 蔵 君
政務企画室長 白 井 雅 晃 君
議事調査課長補佐 作 本 真 得 君 主査兼
議事記録係長 益 本 悟 史 君 主任 賀 山 智 江さん 主任主事 柏 村 奈緒美さん 主事 高 尾 大 輝 君 ───────────── 午前十時開議
○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで
○議長(柳居俊学君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号までを議題とし、質疑に入ります。
一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。
笠本俊也君。 〔
笠本俊也君登壇〕(拍手)
◆(
笠本俊也君) おはようございます。自由民主党の
笠本俊也でございます。令和二年十一月定例会の
一般質問の
トップバッターを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、人への感染が昨年末より本格化した
コロナ禍は、多くの人の終息の願いとは裏腹に、既に一年が経過しようとしておりますが、いまだなお、その勢いは増してきております。 この一年を振り返ってみても、
コロナ禍という制限により、県民の日々の暮らしに必要不可欠な産業に対し、飲食、観光、レジャーなどといった県民の心を潤わす
サービス産業は、これまで予想できた需要を一気に失い、そしてこれまで
地域経済圏の中で相互がつながり、仕事を補完し合ってもいたその他多くの事業者の
経済活動自体も、広範囲かつ長期にわたる大きな打撃を受け、厳しい経営を余儀なくされてまいりました。 人口減で
地域経済圏が縮小し、産業や
生活サービスが時代の流れの中で淘汰されていくという構図ではなく、突発的な一つの災いがここまで地域社会の日常の暮らしをむしばむなど、予想もできず、多くの企業や個人もこのような経験を通じて、これまでの経営の仕方や生き方、暮らし方を続けることで本当に自らの
未来予想図は描けるのか、今もなお考えさせられています。 今後、ますます企業や個人が自力だけでではできないを応援する施策が、本県には求められていくことになるでしょう。 そうした中で、当面を繕うではなく、課題の本質に迫る支援策が求められていくことにもなるでしょう。 村岡知事もコロナの時代の県づくりの取組について、前進の姿勢を示しておられるとおり、ピンチを真のチャンスに変えていけるよう、そして、より具体的・本質的に県が抱える課題解決に近づくよう、私も力を尽くしてまいります。 そうした観点で、通告に従い
一般質問を行います。 最初に、首都圏への
県産品売り込み強化についてお尋ねいたします。 まず、
地域商社の取組についてです。 首都圏での
県産品需要拡大の原動力となったのは、平成二十七年に県と山口銀行が締結した
包括連携協定に基づく
地域商社のスタートです。 全国的にも先進的な取組であり、企画、営業という役割を担う
地域商社は、地域に密着した活動を得意とし、大手商社にはない小回りの利く展開を推進してこられました。 現在、県では、
売り込み組織として、オールやまぐち!
県産品売り込み会議を立ち上げ、やまぐち県
産品売り込み強化事業やオールやまぐち!
県産品売り込み体制構築事業により、その取組を後押ししています。 しかし、
売り込みの鍵を握る
地域商社、物産協会、やまぐちの
農林水産物需要拡大協議会の所管は分かれており、効率的な実施のために一本化していく体制や、
東京事務所の
マンパワーの強化など、まずは、
売り込みの動きを一緒になって支える体制のさらなる強化を要望しておきます。 さて、首都圏での県産品の
需要拡大に向けては、私は二つの課題が従前から存在していると感じています。 一つは物流の課題、もう一つはバイヤーとの
つなぎ役機能の弱さという課題です。 物流、とりわけ物流経費については、県内各地域から
首都圏バイヤーまで求められるスピードで陸送、空輸するにも、冷蔵・冷凍での
配送料加算など、小ロットであっても結構な経費がかかります。 そうなると飲食店等の
首都圏バイヤーにとっては、
現地仕入れ品と比較して、本県産食材を使ったメニューに見合う売価が顧客に訴求・提供できるかが取扱いの鍵を握ることとなり、県産品の取扱いにちゅうちょされたり、続かなかったりという結果を経験してきました。 本県でも、そうした課題解決に向けて、昨年度は、
共同輸送実現可能性に向けた検討も進められており、その中で課題も見えてきていると伺っております。 各地域から、例えば築地市場やおいでませ山口館までといった、一定の場所までの
物流コスト低減と並行して、首都圏から先は連携する
卸売事業者が首都圏内を輸送して
コスト低減を図るなど、本県からと
首都圏内物流の組合せによる新たな物流の構築の実現に向けて、
物流コスト低減に向けた調査研究を重ね、次の展開を阻む本質の課題解決の早期実現を期待します。 また、県産品とホテルや飲食店などのバイヤーとをいかにつないでいくかということは重要で、切り込みからフォローまでの営業マンが必要です。県職員もこうした活動に熱心に取り組んでこられたことは承知していますが、そこはやはりプロの力が必要と思います。 ここ数年でその課題克服に向けた動きは大きく加速しており、先ほどの事業において、
大手食品卸売商社と連携した
展示会出展や、
首都圏バイヤーや飲食店等を対象とした商社主催の商談会の開催、
売り込みのための宣伝カーでの
移動販売等、
商品販売的視点だけでなく、県産品を食すことで売るというPRも行っておられ、商社の売上げは一・六億となっており、今後は
山口フィナンシャルグループの首都圏における幅広い
ネットワークを生かした、さらなる成果を期待しております。 今後の
県産品需要拡大に向けては、こうした取組を県内の事業者、生産者にも大いに知っていただくことが何より大切ですし、多くの関係者がより参画しやすい
ビジネス環境をつくり出していかなければならず、攻めの姿勢のさらなる進化が必要と考えます。 私もこれまで商談会等に出席し、バイヤーさんに
県産品拡販に向けた御意見を伺い考えさせられたのは、商品を陳列して売る、待ちの商売だけでは、全国津々浦々の商品に勝ち、大
ヒット商品を生み出さない限り
需要拡大は困難を極めること、一方で、店舗で朝昼晩三食提供するホテルや飲食店などは、毎食、利用者数にほぼ比例した多くの需要が確定しており、そうした市場への一次加工食材の
売り込みに力を注ぐことができないか。 また、そうしたバイヤーとの交渉との際に、ロットがそろわないというような課題があれば、そうした情報を生産現場にしっかり還元し、ロットをそろえていけるような仕組みをつくっていくことができないのか、諦めずにそれが団体や生産者の協力を得てできるのか否かまでチャレンジする姿勢を取って、貴重な潜在需要に向き合い、実際の一次産業者の所得の向上につなげていくことこそが、県や
地域商社の一つの本質的な役割ではないかと考えています。 物流面や
つなぎ役面、そして関係者の役割分担を確立するとともに、事業者の売上げが増える、そして、その恩恵が生産者に還元される好循環につながることを期待しています。 そこでお尋ねいたします。今後の商社を軸として県産品がさらに大きく動く仕組みを構築していくため、どのように
地域商社の取組を支援し、首都圏への
県産品売り込み強化に取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 首都圏への
県産品売り込み強化の二つ目、おいでませ山口館の役割と在り方についてお伺いいたします。 先般、
東京日本橋の
ビジネス街に店舗を構えるアンテナショップ、おいでませ山口館を訪問しました。
コロナ禍の中でも少ないスタッフが客目線で県産品を熱心にPRしている姿を拝見いたしました。 県産品の販路拡大の
首都圏拠点として、また県の広告塔として、物産協会や関係部局、
東京事務所がこれまで構築してこられた館運営の努力に頭が下がる思いです。 しかしながら、首都圏での販路拡大のために求められるさらなる役割を担い、
地域商社とともに一層の成果を上げていくためには、今後、新たな展開も求められているのではないかと考えます。 つまり、私は、おいでませ山口館が観光物産のPR拠点としてだけではなく、館内での県産の食の機会の提供や、首都圏まで、また首都圏内の物流をも担う拠点として、今後、そうした新たな役割を果たすことが、県産品の
首都圏顧客に対する浸透と信頼、ひいては販売拡大へとつながる重要なポイントではないかと考えます。
県内農林水産生産者の生産意欲を支えることにも大きくつながる県産品の
需要拡大のために、おいでませ山口館が、先ほどの物流面の質問のとおり、
地域商社の直売・卸機能をも果たしていただくことや、
イートインの拠点としてなど、さらなる機能強化が私は欠かせないものだと考えます。 また、
コロナ禍により実際に本県に来ることが以前よりも困難となっており、これからは館内での様々な体験など、その土地に行ったような気分になるイベントの実施も重要になってくるため、そうしたことにもしっかり取り組む必要があると考えます。 ここは、おいでませ山口館の立地の分かりにくさの解消も含め、
イートインや卸機能の充実、
イベント開催スペースの確保などのために、今の場所ではどうしても手狭であるため、思い切って新たな地に移転することも、一考の価値があると考えます。 現在、首都圏において販路拡大の動きが加速化している中、実店舗という強みを持つ、首都圏の顔であるおいでませ山口館にも、より一層頑張っていただきたいと期待しています。 そこでお尋ねします。県産品の
売り込み強化に向けた、今後のおいでませ山口館の役割と在り方について、どのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。 次に、
企業活動の多角化による
中小企業・
小規模事業者の経営基盤の強化についてお尋ねいたします。 今年七月、長門市においては、林業の
成長産業化を具体的に地域として進めるため、
林業事業者と地域の
土木事業関係者、そして行政が事業連携したリフォレながとという林業関係の
一般社団法人を設立されました。 林業は御承知のとおり、資源こそあるものの、現場の
担い手不足が深刻であり、土木事業も
担い手不足はもとより、将来にわたり地元に根差した仕事の確保のため、新たな分野への展開が求められており、双方のニーズを共有して人手不足と関連技術を生かし補い合い、今後一つの新たな経営を展開していく仕組みが構築されつつあり、潜在する森林資源を原資に、相互の産業の持つ仕事の幅自体が大きく広がることも期待されています。 成熟した地方都市においては、人口減少・高齢化が進行し、それに伴い社会・経済が縮小する中、
中小企業や
小規模事業者も、これまでの考え方を変えて、地域の経済や雇用を支えるため、自らの経営基盤を強化していくことが求められております。 本県においても、廃業数が開業数を上回る状況も続く中、それに歯止めをかけるため、県内企業の創業・
事業承継を一体的に支援しておられ、
関連機関支援による創業者数も昨年度は二百八件、
事業承継計画策定件数も七十九件など、成果を着実に積み重ねてこられたところです。 しかしながら、今後とも県内各地域の県民の暮らしに密着した産業までもが低迷していくことが考えられ、創業・
事業承継施策などの強化に加え、
事業者個別対策の考え方の中に、例えば、
農林水産業において生産者の所得確保や異業種連携に向けた六次産業化や
農商工連携があるように、関係業界による事業連携や、一次、二次、三次産業相互の事業を組み合わせるためのニーズの掘り起こしや、その連携に向けた
仕組みづくりなどの考え方を加える必要があります。 このように、事業の連携や収益を上げるための新たなチャレンジなど、
企業活動の多角化を図り、事業者がメインの事業だけにとどまらない経営が構築できるような支援をしっかり展開していただきたく考えます。 そのためには、人・金・物など不足しがちな経営資源を補う
企業関連携や、M&Aを中心とした
事業承継、経営の改善・革新による新たな事業展開などをより対象を広く、そしてより深く、後押しすることが重要であると考えます。 そこでお尋ねします。県では、
企業活動の多角化による
中小企業・
小規模事業者の経営基盤の強化について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、中
山間地域における移住・定住の推進についてお尋ねいたします。 県においては、山口への人の還流・移住の推進を、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の柱として取り組まれており、東京、大阪、山口に移住相談のための、やま
ぐち暮らし支援センターの設置、さらに、今年七月からは、関係人口の創出を目指した、おいでませ山口館への山口つながる案内所の開設など、本県への移住者や、本県につながりや関わりを持ってもらえる人の増加に向けて、様々な施策を展開されております。 こうした取組により、昨年度の移住相談は年間約九千件、移住者数も平成二十八年度の千六百人から、令和元年度には三千百人と増加し、つなぎ役としての一定の役割を果たされてきたと感じています。 しかしながら、個別の地域に目を向けますと、山陰側の市町や旧郡部の町では、実際の移住になかなか結実していないという状況も見受けられます。
コロナ禍を契機に、都市部の若者層の地方移住への関心が高まっているとの調査結果も報告されていますが、実際に移住できるか否かは、とりわけ若者層にとっては、移住先で一定の所得水準でなりわいを立てることができるかどうかが、極めて重要なファクターでもあると私は考えています。 山陰側の市町や旧郡部をはじめとした中
山間地域においては、域内人口に比例し需要規模は小さく、主な産業である
農林水産業への就業も、都市部での一般的な就職と比べ所得が少なくなるという厳しい現実があります。 ゆえに、中
山間地域への移住を推進するためには、創業、就業、就農などをそれ単一ではなく、複数を組み合わせてなりわいを立てる、マルチワークと言われるような生活設計が求められるのも事実です。 ある旅行業者では、
コロナ禍を乗り越えるため、給与は支払える分だけは出すが、後は社員の副業を認め、社員は漁師としても働くことで収入激減を乗り越え、漁業の
担い手不足対策にもつながっているという報道がありました。 こうした働き方は、今後も広がっていくように思われますし、
リモートワークの活用により、都市部の仕事を中
山間地域ですることもますます可能となっていくと考えられます。 また、多様な職業の組合せによるなりわいの立て方は、これからの若者にとっても一つの生き方として映るのではないでしょうか。 私は、中
山間地域での移住・定住を一層進めていくため、本県の中
山間地域でも一定の収入を得て暮らしていけるよという、職業の組合せや多様な生活設計による暮らし方をより具体的に、そして積極的に
移住フェア等で提案していくことが大切だと考えます。 また、そうした仕事の組合せにより、収入を確保することを後押しする施策を展開していくことが必要なのではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。本県の中
山間地域への移住・定住の推進に向けて、実際の移住・
定住者数増につながるよう、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、山陰道の建設促進と
周辺ネットワークの構築についてお尋ねいたします。 八月以降、萩、長門、下関など
山陰道沿線市町におかれては、知事及び国交省に次年度の建設促進に向けた要望活動を行われました。 また、十一月二十二日には、本年開所した山陰西部国道事務所主催の起工式と地元期成同盟会主催のシンポジウムが開催され、私も山陰道建設促進山口県議会議員連盟の会長として出席させていただき、参加された皆様とともに、早期実現に向けた地域一丸の思いをお伝えさせていただいたところです。
コロナ禍の中にあっても、地域悲願の幹線道路の全線早期開通に向けた動きを、着実に進めていかなければなりません。 山陰道や小郡萩道路は、山陰地域の将来の発展に欠かせない生命線です。 救急医療や災害時の利用はもとより、農林水産、観光などの基幹産業を多く抱える、人口減少の著しい北浦地域が、持てる社会資源を生かしながら、暮らしや産業を永続していくために、地域の魅力発信や関係人口の創出など、様々な動きを進めていくためには、幹線道路は重要なインフラであり、各地域の
未来予想図を作るため、関係市町と県が一丸となって、早期整備に向けた活動を展開していただきたいと考えております。 一方で、山陰道から各地域の交流拠点までの動線確保も重要であります。 山陰地域は、日本海の風景美が生み出す観光地や交流拠点が、地理上、市町主要部の北側に集中しており、山陰道の路線自体の在り方はもちろん、山陰道から観光地や拠点までの観光客等の誘導手法が肝要であると考えております。 萩市では、都市計画手続中の大井─萩間において、世界遺産の萩反射炉や萩ジオパークの笠山、明神池、萩しーまーとなど、観光地へのアクセスを強化するため、中間インターチェンジからのアクセス道路を整備することで手続が進められています。 私の暮らす長門市でも、俵山・豊田道路において、今後設置される俵山温泉インターチェンジ周辺を小さな拠点化し、拠点の基幹的役割を持つ施設としての道の駅的サービスエリア化を考えておられます。 今後は、計画段階評価中の小浜─田万川間や三隅─長門間をはじめとした未事業化区間においても、山陰道やインターチェンジの新設と併せて、インターチェンジ周辺の拠点化など、まちづくりを進める地域が目指す将来の姿を県も共有し、共に、地域に真に貢献する提案を国に訴えていくべきと考えます。 また、観光客等の動線確保のため、山陰道から観光地や拠点までアクセスする県道の整備などについても、山陰道本体の動きと並行して、市町と膝を交えて尽力をしていただきたいと願っております。 そこでお尋ねいたします。山陰道のますますの建設促進に向け、今後どのように取り組まれるのか、また、関係市町が進める地域づくりを踏まえた
周辺ネットワークの構築にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、上関大橋損傷に伴う県の対応についてお尋ねします。 先月十四日に、上関町の本土と長島を結ぶ唯一の陸路である上関大橋の損傷事故が発生して、半月が経過しました。 この間、県では、部分通行再開と全面復旧に向けた工法検討等を最優先に取り組んでこられました。まずは、携わっておられる関係職員の皆様の御努力に敬意を表します。 一方で、部分通行が再開された今も、朝夕の時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生し、通勤、通学、通院といった生活面や地元農水産物の出荷輸送などの経済面に大きな影響が生じています。上関町が置かれている厳しい状況に危機感を抱き、先週二十七日、自民党県連では、役員と地元議員が現地に赴き、柏原町長から、事故後の町内の状況と課題について直接お話をお伺いし、その内容を取りまとめ、昨日、村岡知事に届けさせていただいたところです。 柏原町長からは、全面復旧時期が見通せない中、町民の間ではこの状況がいつまで続くのだろうかと疲労感が蓄積しつつあり、早急に町民の暮らしが少しでもスムーズになるようにしなければならない。 一方で、現在の県の対応窓口は土木事務所とされていることから、こうした問題には限られた町の職員が右往左往しながら対応しているのが実態である。県には、民政分野の課題にも対応してもらえる総合窓口や全庁的な対策本部を設置していただき、各種の御支援を願いたいとの切実な要望を賜りました。 県には、一昨年、大島大橋損傷事故によって、長期にわたって通行規制と断水が続くという非常事態に町と連携して対峙してきた組織力と経験の蓄積があるはずです。そのときの経験と教訓は、今回の事故対応にどう生かされているのでしょうか。 このたびの事故を単なる道路の管理瑕疵と捉え、橋の損傷によって引き起こされた地元住民の生活や経済への影響から目を背けるようなことが、決してあってはなりません。 年内には応急工事を完成させ、交通規制が一部緩和されるとのことですが、全面復旧には相当の時間を要することから、県には、町としっかり連携しながら、損傷事故により多大な影響を受ける町民の日常生活、経済面の安定を図るべく、万全な支援をしていくことが求められます。 そこでお尋ねします。損傷事故が及ぼす影響が長期化する中、今後の県の対応に当たっては、上関大橋の早期復旧はもちろんのこと、地元上関町と町民の思いに寄り添った対策をきめ細かく講じていくことが不可欠であると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、高校生の職業観の醸成と職業教育の取組についてお尋ねいたします。 現在、県では、県内の医師確保に苦戦している中、大学地域枠拡大など、早期の段階から担い手としての意識づけを行う施策を展開され、こうした取組が県内就業に結実するよう、県自体が定着確保の対策を展開しておられます。 県民の命を守る医療現場の担い手確保に向け、知恵を出し、懸命な御努力をいただいている県のこうした姿勢を、私は大いに評価しておりますし、結果に結実してほしいと願っております。 グローバル競争の加速化や産業構造の変化、雇用形態の多様化・流動化が大きく進む中、将来自分は何の職業に就くのか、どんな事業をするのか、若い皆さんの夢がより早い時期に形成されれば、未来に向けて自らがどのように行動するべきなのかが鮮明になると思います。 若い皆さんが早い段階から、将来の目標やなりたい職業を考えてビジョンを持ちスキルを磨くことは、将来に希望を持つ上でも大切なことで、もちろん、学校だけではなく、家庭や社会全体で、子供たちが将来の目標を持てるようにサポートすることは重要なことだと考えます。 先ほどの医師確保の例であれば、高校生だけでなく、希望する人はさらに早期から医業の現場に触れることで、本人のより強い職業観の醸成にも、山口県の医師不足への認識にも必ずやつながっていくものと私は感じております。 同様に、高校生が将来希望する職域について、事業者や企業と早い段階から対話する機会や、学習過程における職域に関する学びの連携は、個々の夢の実現はもとより、県内人材確保の観点からも大切な視点だと考えます。 次世代の人材育成は、このように夢を持つ段階からの教育体制が重要で、今後さらに研究・進化できないものかと考えます。 そのため、現在行っておられるコミュニティ・スクールも、生徒が社会や仕事により近づける取組を各高校で実施され、さらに発展させていただきたいと思いますし、生徒の夢の実現を後押しし、社会やその職についての専門性を学ぶための取組として、コースや学科の設置や授業での取組のほか、学校のクラブ活動など様々な手法で進めていくことも一考に値すると考えます。 また、農業、水産業、工業といった専門高校においても、今以上に先進的・専門的な学びができる環境を整え、世界を視野に仕事ができるスキルを育てる教育を実現することで、県内のみならず全国からも生徒を募集し、地元の自然や企業の取組等をフルに活用した人材育成ができる体制をつくることも視野に、職業教育に踏み込んでいく姿勢も、今の時代、必要ではないのかと考えます。 そこでお尋ねいたします。あらゆる職業分野で
担い手不足が顕著になる時代が到来することを見据え、特に、県内での若者就職につながるよう、高校生が将来の目標や希望する職業を考え、ビジョンを持ちスキルを磨くことができる環境の創出が必要だと考えますが、今後、高校における生徒の職業観の醸成と職業教育の取組をどのように進められるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 以上で私の
一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 笠本議員の御質問にお答えします。 まず、山陰道の建設促進と
周辺ネットワークの構築についてです。 私は、山陰地域の豊かな農林水産資源や観光資源を有効に活用し、地域の活性化を図るとともに、ミッシングリンクを解消し、国土強靱化を図るためには、山陰道の全線整備が不可欠と考えています。 このため、これまでも政府要望や知事会など、あらゆる機会を通じ議員連盟の皆様や地元期成同盟会とも連携しながら、早期整備に向け精力的に取り組んできたところです。 こうした中、本年四月に、山陰道の整備を担当する国の新たな事務所が萩市に設置され、また、先月二十二日には、お示しの起工式やシンポジウムが開催されるなど、地元の機運も一層の高まりを見せています。 私は、この流れを加速し、早期の全線整備につなげるため、事業中区間の一日も早い完成はもとより、事業化に向けた手続が進んでいる大井─萩間や小浜─田万川間について、島根県とも連携しながら、速やかな事業化に向け精力的に取り組む考えです。 さらに、計画段階評価が行われている三隅─長門間の手続の推進など、残る未事業化区間についても、早期事業化を粘り強く国に訴えてまいります。 また、山陰道の整備効果を地域が最大限に享受するためには、市町が進める地域づくりを踏まえ、本線ルートやインターチェンジ、アクセス道路について、効果的な計画とすることが重要と考えています。 例えば、俵山地区では、長門市が進める地域づくりに併せ、国がインターチェンジを計画し、県では、そのアクセス道路となる県道美祢油谷線砂利ヶ峠バイパスの今年度中の完成を目指し、整備を進めています。 今後も、小浜─田万川間や三隅─長門間などの具体化に併せ、山陰道整備後の交通の流れの変化を踏まえ、地域が目指す将来の姿を共有し、その実現につながる道路計画となるよう、関係市町と連携し国と協議を進める考えです。 私は、山陰地域の活性化を確かなものとするため、引き続き、関係市町と緊密に連携し、県議会の皆様のお力添えもいただきながら、山陰道をはじめとした道路
ネットワークの整備に積極果敢に取り組んでまいります。 次に、上関大橋損傷に伴う県の対応についてのお尋ねにお答えします。 まず、このたびの上関大橋の損傷により交通事故に遭われた方にお見舞いを申し上げますとともに、上関町民をはじめ、橋を利用される方々の日常生活や経済活動に大変な御不便をおかけしていることにつきまして、この場をお借りしておわびを申し上げます。 私は、この橋が長島と本土をつなぐ唯一の橋であり、生活上不可欠なものであることから、先月十六日に現地に赴き、道路状況と水道等のライフラインへの影響を確認するとともに、柏原町長にお会いし、県としてしっかり対応していくことをお伝えしたところです。 こうした中、橋の全面通行止めは、長島に住む方にとって死活問題であることから、まずは、速やかに応急工事を実施して、車両の制限はあるものの片側交互通行を開始しました。 その上で、橋の復旧に向けては、先月二十四日に、国や学識経験者等で構成する上関大橋復旧検討会議を開催し、損傷原因の推定や応急対策の方向性等について検討を始めたところです。 しかしながら、当面の間、全面復旧の見通しが立たないことから、少しでも早くスムーズな通行が可能となるよう、専門家の助言を得ながら、追加の応急工事を実施し、車両の通行制限の段階的な緩和に取り組んでまいります。 また、事態の長期化により、住民の方々の日常生活や経済活動等への幅広い影響が懸念されることから、私は、全庁を挙げて対策を講じていかなければならないと考えています。 このため、大島大橋損傷事故の経験も生かしながら、昨日の自民党県連からの申入れも踏まえ、こうした幅広い課題に的確に対応するため、副知事を本部長とする上関大橋損傷対策本部を正式に立ち上げたところです。 今後は、こうした体制の下で、上関町の現状や要望等をきめ細かく把握するとともに、町と連携しながら臨時船の運航に係る支援など、日常生活や経済活動等への支援を迅速に行ってまいります。 私は、住民の皆様が一日も早く元の生活を取り戻すことができるよう、引き続き町と緊密に連携し、上関大橋の全面復旧はもとより、町や住民の思いに寄り添った対策に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(柳居俊学君) 福田
商工労働部長。 〔
商工労働部長 福田浩治君登壇〕
◎
商工労働部長(福田浩治君) 首都圏への
県産品売り込み強化についてのお尋ねのうち、
地域商社の取組についてお答えします。 県では、県内各市町や県物産協会などと連携し、
地域商社やまぐちの機能を活用して、オール山口による
売り込み体制を整備し、首都圏への
県産品売り込み強化を進めているところです。 しかしながら、お示しのとおり、首都圏から遠い本県の事業者にとっては、物流コストの負担も大きく、また、特に小規模な事業者の場合、首都圏での営業に必要な
マンパワーが不足しているという大きな課題があります。 このため、物流コストについては、県内の物流事業者や小売事業者に行った調査結果を踏まえ、おいでませ山口館を納品先とし、県内の集荷拠点と結ぶ二拠点間における共同配送によるコスト縮減に向けた実証実験を進めています。 また、
マンパワー不足については、
地域商社やまぐちにおいて、営業担当者の増員など体制強化が進められていることから、商社の営業代行機能を最大限活用して、展示商談会への出展支援や、出展後のフォローアップを行っています。 県としては、
地域商社の取引拡大と、これに伴う生産者の利益向上という好循環を促し、魅力ある県産品の一層の販路拡大につなげていくため、こうした課題の解決を図り、オール山口による
売り込みを積極的に進めてまいります。 次に、
企業活動の多角化による
中小企業・
小規模事業者の経営基盤の強化についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまで、国の施策とも連携し、六次産業化や
農商工連携など、経営資源を補完する企業間連携の手法を活用して、新商品や新サービスの開発、販路の開拓支援などに取り組んできたところです。 また、
事業承継についても、国の支援策を活用して設置した事業引継ぎ支援センターを核として、商工会議所等で構成する
事業承継支援
ネットワーク会議を立ち上げ、円滑な
事業承継を支援しています。 とりわけ、
事業承継のうち、第三者への承継は事業拡大の契機ともなるものであり、事業引継ぎ支援センターにおいて、お示しのM&Aの成立に向けて必要な支援を行うなど、事業者の希望に応じた、きめ細かな対応を行っています。 また、経営革新による新事業展開は、高付加価値化や生産性の向上につながることから、専任のコーディネーターが、専門家の助言や補助金等の支援制度を活用しながら、企業に寄り添った伴走支援を行っているところです。 今後、
企業活動においても、急速にデジタルトランスフォーメーションの進展が予想されることから、県としては、こうした取組に加え、
ビジネス環境の変化に対応した競争力の強化のため、データとデジタル技術を活用した
企業活動の多角化や経営基盤の強化を積極的に支援してまいります。
○議長(柳居俊学君) 三坂
観光スポーツ文化部長。 〔
観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕
◎
観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 首都圏への
県産品売り込み強化についてのお尋ねのうち、おいでませ山口館の役割と在り方についてお答えします。 おいでませ山口館は、首都圏における本県の魅力発信や認知度向上を図るためのアンテナショップとして、観光物産のPRや県産品の販売促進に取り組んでいます。 とりわけ、首都圏への県産品の
売り込み強化に向けては、オールやまぐち!
県産品売り込み会議を構成する、
地域商社や市町、関係団体等とも連携しながら、館内外で様々な取組を進めています。 具体的には、
地域商社の商品販売の拡充や市町フェアの開催、館外イベントでの出張販売などを行うとともに、店舗レイアウトの改善や仕入れ方法の効率化等を図ることにより、県産品の販売促進に努めているところです。 こうした中、
コロナ禍における旅行の自粛等を契機に、都内にいながら地方の魅力に触れることのできるアンテナショップの人気は高まっており、こうした需要を確実に取り込むためには、これまで以上に県産品の
売り込み強化に取り組んでいくことが必要です。 県としては、今後とも、おいでませ山口館が、本県の魅力発信や認知度向上を図る拠点としての役割を果たしていけるよう、関係団体等と連携し、県産品のさらなる
売り込み強化に向けて、お示しの
イートイン等の機能強化や立地環境等も含め、その在り方について様々な検討を行ってまいります。
○議長(柳居俊学君) 平屋
総合企画部長。 〔
総合企画部長 平屋隆之君登壇〕
◎
総合企画部長(平屋隆之君) 中
山間地域における移住・定住の推進についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や高齢化が急速に進む中
山間地域の活性化に向けては、地域外から新たな人々を呼び込むことが重要であり、県では、市町、関係団体等と構成する「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議を中心に、移住の促進や関係人口の増加に向けた様々な取組を展開しています。 特に、若い世代の移住希望者は、移住後の収入面に大きな不安があることから、専用サイトでの情報提供やセミナーの開催、開業経費の助成等により移住者の就業や創業を支援するとともに、ファイナンシャルプランナーである相談員が、具体的な生活設計の相談にも対応しているところです。 こうした中で、移住の相談件数や移住者数は年々増加してきていますが、その成果をさらに伸ばし、確実に移住・定住へと結びつけていくためには、お示しのように、多様な働き方という視点にも立って、収入の確保を後押しする施策を一層強化する必要があると考えています。 また、
コロナ禍を契機として、テレワークの普及や副業・兼業の進展など、働き方自体も大きく変わりつつあり、こうした動きをしっかりと捉え、山口県への移住につながる、本県ならではの魅力ある働き方や生活設計を提案していきたいと考えています。 具体的には、地域特性を踏まえ、テレワークでの遠隔勤務等も視野に入れながら、県内各地における多様な仕事の組合せをモデル化するとともに、支援施策や本県に移住されたマルチワーカーの方々の暮らしぶりとも併せて、広くPRする取組などを検討してまいります。 県としては、今後とも、市町や関係団体等と連携し、中
山間地域での多様で生き生きとしたライフスタイルの発信や、その実現に向けた支援を強化することにより、本県への移住・定住の推進に積極的に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕
◎教育長(浅原司君) 高校生の職業観の醸成と職業教育の取組についてのお尋ねにお答えします。 技術革新の進展や産業構造の変化等、社会が大きく変化し予測が困難な時代を迎える中、お示しのとおり、高校生が早い時期に将来の目標やなりたい職業を考えてビジョンを持ち、職業人に求められる資質・能力を身につけることは重要であると考えています。 このため、高等学校等においては、入学後の早い段階からインターンシップ等の体験活動を通じて、生徒が自己理解を深めながら将来の夢を描き、働くことの意義や目的を探究することにより、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度の育成を図っているところです。 また、本年度、全ての公立高等学校等において導入が完了したコミュニティ・スクールの仕組みを生かし、家庭や地域、産業界等との連携によりキャリア教育の強化を進めるとともに、将来の職業選択につながるよう、大学の医学部や工学部などの訪問を通じて、高度な専門教育に触れる機会を創出し、働くことへの価値観の育成にも努めています。 こうした中、本県産業を支える人材を育成するため、今後、地域産業魅力発見セミナー等において、地元に就職した卒業生や企業の方のみならず、Iターンをされた方など、様々な年代・職種の方々を講師とした座談会等を実施することにより、県内の企業等に対する理解を促進し、職業観の深化を図ることとしています。 とりわけ、これからの専門高校等においては、地方創生に資する職業人材の持続的な育成が求められていることから、県内の八校が協働して模擬会社を設立し、企業等と連携しながらオリジナルブランドの開発など、新たな価値の創造につながる教育活動を今年度から展開しています。 次年度は、こうした模擬会社の取組に加え、現在導入を進めている一人一台端末も活用しながら、全ての専門高校等で起業に係る講座等を実施することなどにより、職業人材の育成につながる教育を推進していくこととしています。 県教委といたしましては、こうした取組を着実に進めることで、一人一人の生徒に望ましい職業観を醸成するとともに、職業教育のさらなる充実に努めてまいります。
○議長(柳居俊学君) 小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手)
◆(小田村克彦君) おはようございます。民政会の小田村でございます。通告に従いまして
一般質問をさせていただきますけれども、その前に一言申し上げます。 職員時代からの先輩でもありますし、私の恩師でもありますけれども、前県議会議員の西嶋裕作さんが、去る十一月十九日、六十八歳というまだまだこれからというときですけれども、御
逝去をされました。 五期二十年、県勢発展のために努めてこられました。保守王国と呼ばれる山口県で野党として声を上げていくということは、大変なことだったというふうに思いますけれども、持ち前のエネルギッシュな行動力と人間性で農林水産委員長や企業会計決算特別委員長、議会運営委員会の副委員長等も党派を超えた議会での活動もされてきたことに、心から敬意を表するところであります。 これまで、議員の皆様方、執行部の皆様方には大変お世話になり、またこのたびは弔詞を賜りまして、故人に成り代わりまして心からお礼を申し上げ、私の
一般質問に入らさせていただきます。 まず最初に、都市圏からの移住促進に向けた体制整備についてお尋ねをいたします。 高度成長期以降、ほぼ一貫して東京圏には転入超過が続いております。地方からは若年層が大学へ進学や、高校、大学を卒業後も多くの企業と職種があり、就業機会が豊富なことなどから年々人口は増加をし、それと同時に生活する上でサービスが整った地域としての魅力を持ち続けてまいりました。 逆に地方では、人口の自然減少と同じく社会減少と相まって、生活環境自体が厳しくなっている地域もあり、二○一四年五月、日本創生会議で二○四○年までに全国の市町村の半数が消滅する可能性があるという、通称増田レポートが発表され、消滅都市まで名指しで示され、大きな波紋を呼びました。 しかしながら、その後も抜本的な解決策もなかなか定まらず、減少は続き、地域経済の維持も困難な状況や各種インフラの整備遅れなどから、経済・産業成長も様々な制約を受けることで、地方の人口は減少し続け、就業機会の少なさや生活における利便性の低さ、そして私も他県の方から伺ったことがございますけれども、山口県は封建的なところですねというような、ある意味地方は新しいものをなかなか受け入れにくいという、閉鎖的かつ寛容性・多様性がなかなか広がらない社会ということになっていると感じております。 そうした中で、今の集計開始以降初めて、二○二○年の七月には東京圏が転出超過となったことが報道されました。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、利便性の高い都市部などでは感染拡大が続き、多くの人の移動や人との密度など
コロナ禍においては過密なリスクが大きく、感染拡大と直結した課題として都市に住む人々にのしかかってまいりました。 その結果として働き方が変化をし、
リモートワークやテレワーク、ワーケーションなどの多様な働き方への移行や、副業や兼業など空いた時間を活用する、都市から地方への移住が増加をしております。 地方移住への関心は、働く人の間ではテレワーク経験ありが二四・六%、経験のない方は一○%と、やはり経験者が地方移住への関心が高まっております。 また、企業でも経団連が行いましたアンケートでは、BCP、いわゆる事業継続計画、災害などの緊急事態、非常事態の発生したときの対応策などをまとめる計画でありますけれども、その観点から本社機能の地方への分散化の検討など、二○一五年には将来的に検討の余地ありというところも含めて七・五%だったものが、五年後の二○二○年には二二・六%となっておりまして、テレワークに必要な通信費や機材等の購入補助や副業・兼業の解禁、あるいは解釈拡大、東京への単身赴任制度の見直しなど、東京圏から地方への人の流れを後押ししていく可能性も高まっております。 そのためには、地方への流れをつくるということが重要でありまして、本県でも取り組んでいるテレワークなど安定的に行える通信環境の整備や交通インフラの確保、医療体制や教育・保育の受皿、地域の資源やデジタルを生かした地域づくりなど、地方移住をしたくなる環境づくりが不可欠だと考えます。 そして、今政府が進めようとしておられる、全国でも統一されたDX、いわゆるデジタルトランスフォーメーション、これもデジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革をするということでのDXということですが、それらを進める組織や地域の枠を超えた情報の共有と連携・活用を進め、行政手続の電子化やデータを活用した様々なサービス提供など、官民を挙げた取組が重要だと思います。 政府としても、省庁など政府機関の移転は文化庁を二○二三年に京都へ移行することを決めておられますけれども、なかなかそのほかの動きは鈍いというふうに感じております。 都市圏からの移住を進めるためには、デジタルトランスフォーメーションの基盤整備が重要であり、本県も県民の利便性や行政の生産性の向上に向けて、県民の皆様や事業者が提出する請求書や申請書、県庁内でのやり取りをします職員間の書類など、これまで必要とされてきた押印を順次廃止をされるなど、デジタル化に向けた取組をされておられます。 ただ、次世代通信と呼ばれます5Gやローカル5Gの実装など、まだまだ環境整備が必要と思料するところです。 そこでお尋ねをいたしますけれども、本県の地方移住の受皿、受入れ体制の整備の状況と今後の取り組む課題など、認識についてお尋ねをいたします。 次に、
コロナ禍での対策について二点お尋ねをいたします。 一点は、経済的・社会的弱者への支援についてであります。
コロナ禍により、より経済的・社会的に弱い立場の人たちがますます厳しい立場に追いやられております。 新型コロナウイルス感染症による女性の雇用や生活への影響を調査をしております、内閣府のコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会が、再び感染拡大する中、DVや自殺など、こう増加が懸念をされるとして、女性や子供に最大限の配慮を求める緊急提言が出されました。 自殺者数は、警察庁の統計によれば、二○○三年に三万四千四百二十七人とピークを迎え、二○一○年以降は減少傾向が続き、昨年は二万人程度まで減少をしておりましたけれども、今年の七月以降増加傾向が続いており、男性はほぼ前年と同じ傾向ですけれども、女性は大幅に増加をし、前年同月比で七月には一八%、八月は四四%、九月は二九%増加をしております。 同時に、新型コロナウイルス感染症拡大による経済的状況の悪化や
リモートワークの普及などによる家庭内環境の変化に伴うDVの増加など、女性や子供へ与える影響が大きくなっていると言われております。 また、女性は、いわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる社会的なインフラを支える仕事をされておられる方も多く、医療・福祉、小売、飲食サービス業など、新型コロナウイルスへの感染リスクにさらされている業種に偏りが大きく、医療従事者も約七○%が女性と言われておりますけれども、院内感染やクラスター発生の危険性など、多くの女性が感染リスクにさらされています。 万が一にも感染をした場合には、経済的にも苦しい状況に陥る可能性がとても高くなります。 このような状況の中、何よりも大切なのは、独り親家庭など生活に困窮されている方々へのきめ細やかな生活への支援だと考えますが、本県での対応状況をお尋ねをいたします。 また、日本では非正規雇用の約七○%を女性が占めているというふうに言われており、経済的格差も拡大をしています。 総務省の労働力調査によれば、三月時点と八月を比較をいたしますと、八月の就業者数は男性が二十二万人の減少に対しまして、女性は五十一万人とおよそ二倍以上の差があります。 また、前年同月と比較をいたしますと、七十六万人も減少しており、そのうちの四十四万人が実は女性が占めているという実態であり、非正規雇用の約七割を占める女性の立場の弱さをあからさまに示していると思います。 さらに、厚生労働省の集計では、解雇や雇い止めは七万人以上となっておりますが、非正規雇用労働者の数が約半数を占めております。性別の区別は公表はされてはおりませんけれども、女性の非正規雇用者が雇用の調整弁的な扱いをされているということは想像にやすいというふうに思っております。
コロナ禍における本県の雇用状況をどう認識をし、特に離職した女性に対する再就職支援にどのような対応を取られているのか、お尋ねをいたします。 次に、人材活用の取組についてであります。 この
コロナ禍の影響で、申し上げましたように失業率などが上昇しており、十月の失業率は三・一%に悪化をしたと本日も報道があったところであります。 雇用の確保は喫緊の課題となっております。特に観光業界や飲食業など、感染拡大に伴い外出を控えることにより、現場でのサービス提供が行われる仕事は厳しさを増しております。 航空会社大手では、雇用の確保策として地方自治体等への雇用、あるいは出向という形だと思いますが、進めておられます。 近県でも一定期間の採用を予定をされており、観光や交通、子育ての分野など、仕事の経験を行政に生かしてもらうとともに、民間企業のノウハウを吸収するいい機会になると感じています。 また、国交省は着陸料等について、重量や搭乗人員の数など、これを思慮の上で減免措置を行うことも検討しておりますけれども、本県でも十一月十日、宇部空港などでの着陸料の減免を行うなど、厳しい経営を支援しながら、本県の航空路確保のために取り組まれておられますけれども、見方を変えれば、こうしたプロフェッショナルな人材を獲得するチャンスでもあるというふうに思います。 例えば、関係する航空会社の職員を一定期間、自治体の職員として雇用し、職員の接遇研修などの講師として採用してみるなど、県庁へのプロフェッショナル人材の導入ということを検討してみる必要もあろうかというふうに思います。 また、先ほどのDX──デジタルトランスフォーメーションですけれども、ここでいえば行政の電子化ということになると思いますが──につきましても、今段階では政府主導で進められているというふうに感じておりますけれども、スピード感を持って進めるためには、ノウハウを持つ民間企業からの一定期間の職員派遣や人事交流などと併せて、二○二一年九月には、国においてデジタル庁を設置するとして準備をされております。 本県においても、担当する部署を新たに設置あるいは改編をし、スタートに向けて準備をしていく必要があると思いますけれども、それらも含め専門的知識を有する人材確保の必要があると考えますが、御所見をお伺いをいたします。 次に、水素活用によるグリーン社会の実現についてお尋ねをいたします。 今年の十月の総理の所信表明では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力することを挙げられ、二○五○年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すということを宣言をされました。 そもそも日本は、温暖化対策の国際的な枠組みでありますパリ協定において、二○三○年度には温室効果ガスの排出量を二○一三年度比で二六%削減するという国際公約をしております。 あわせて、日本経団連のほうも二○二○年六月には、脱炭素社会実現に向けた企業の挑戦を後押しする新プロジェクトとして、チャレンジ・ゼロというものを開始をされておりまして、政府が二○五○年までに実質ゼロとする目標を宣言したことを高く評価をするとともに、極めて困難な挑戦とされながらも、革新的技術の開発・普及が不可欠であり、日本の産業競争力の強化にもつながるとして、官民一体で脱炭素社会に向けて取組を加速していく重要性を強調をされております。 また、環境省が進めます、二○五○年までに二酸化炭素排出実質ゼロへの表明でありますけれども、十一月二十五日現在、東京都、京都市、横浜市をはじめとする百七十五の自治体──二十四都道府県、九十五市、二特別区、四十四町、十村でありますけれども──が表明をされており、表明した自治体を合計すると人口は約八千二百六万人、GDPでいけば約三百七十六兆円となり、我が国の総人口の半数を超え、さらなる拡大が進んでおります。 また、ヨーロッパ、EUでは、二○三○年までに一九九○年比四○%減らすという目標を、少なくとも五五%削減に今向けて議論をされておりますし、二○三○年までには再生可能エネルギーや省エネルギーなどの普及を進めますけれども、二○三○年以降は水素を中心とした新技術で対応しようとしています。 大手航空機メーカーのエアバス社では、二○三五年までには水素を燃料とする航空機を事業化していくとしております。 本県でも、やまぐち産業イノベーション戦略により、水素エネルギー関連産業のイノベーション創出として、瀬戸内コンビナートで、全国の約一割の水素を生成し、純度も非常に高いという全国トップクラスの大量かつ高純度の水素を生成する本県の強みを生かし、水素先進県を目指すとされ、水素供給インフラの整備や関連製品の研究開発、事業化を進めるとともに、水素ステーションを核とするまちづくりモデルの全県への展開を推進され、水素社会の実現に向け、コストの低減に向けた研究開発や事業化の促進、さらなる水素ステーションの整備促進など、利用拡大に向けた取組を進めていくとされております。 そこでお尋ねをいたしますけれども、本県の今後のゼロカーボンに向けた取組と、地球温暖化対策実行計画改定における本県の水素活用への取組についてお尋ねをいたします。 また、水素を活用した産業振興に向けての取組についても、併せてお尋ねをいたします。 次に、サイクル県やまぐちの取組強化についてお尋ねをいたします。 国は、自転車の活用による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康増進等を図ることなど新たな課題に対応するために、自転車の利用を増やし、自動車への依存度を低減することによって、公共の利益を増進に資するということなどを基本理念とする、自転車活用推進法を二○一七年五月に施行されました。 その後、同法に基づき、自転車活用の推進に総合的かつ計画的な推進を図るための基本計画であります自転車活用推進計画が、二○一八年六月に閣議決定をされ、同法において、都道府県においても、地域の実情に応じた自転車の活用推進について計画を定めるよう求められました。 山口県におきましては、二○一六年から、サイクル県やまぐちProject~やまぐち自転車旅~ということを推進をし、県全体でのサイクルスポーツの振興並びに自転車と観光を組み合わせたサイクルツーリズムを通じた交流人口の拡大などに取り組まれてまいりました。 本県には、自然に恵まれ、秋吉台のカルスト台地や角島大橋など、目を見張る絶景が多くございます。最近では、話題ともなっておりましたけれども、角島大橋と秋吉台を背景にした自動車のプロモーションビデオ等をテレビで見る機会が増えてきております。 そのような観光資源を知ってもらい、自然を満喫してもらうと同時に、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、行政や関係団体、企業の支援もいただき、サイクルスポーツの振興とそれによる交流人口を拡大するため、サイクル県やまぐち推進協議会を設置をされ、自転車道の整備をはじめ、ロードバイクを組み立てるためのサイクルピットや空気入れや簡易の修理工具が常備をされているサイクルエイド、自転車の客室への持込みなどの要望に応えた宿泊施設など、サイクル県やまぐちProjectでは、誰もが県内各地で四季を通してサイクルスポーツを快適に楽しむことができる、サイクル県やまぐちの推進に向け取組を進められております。 私も記憶に新しい二○一七年には、「All Yamaguchi Ride Festa 二○一七」として、プロの選手が、パークロードを激走する維新やまぐちクリテリウムや秋吉台を疾走する秋吉台カルストロードレース、MTB、いわゆるマウンテンバイクという自転車でございますけれども、これの国際大会が、やまぐち十種ヶ峰国際ダウンヒルというのが開催をされ、サイクル県として全国的にも名をはせてきているというふうに感じておりますけれども、今年はコロナ感染の拡大等により開催は中止となっております。 今後、サイクル県やまぐちとして自転車の有効活用をこれまで以上に進める上で、既存のインフラ整備、いわゆる自転車道の維持管理、整備促進や、各観光地のポイントでのロードバイクのレンタルをセットにした旅企画など、サイクル観光を含めた来県者への利便性向上に取り組む必要があると考えますけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、他県では、様々な自転車を活用した新たなルート作成やイベントをすることで、観光需要や交流人口の増加を進める仕掛けをつくられております。 例えば、山梨県では、山の多い地形を活用し坂道を活用した事業をはじめ、観光客を誘致をしておられます。サイクルルートを作成して宿泊施設なども合わせた旅行プランの策定や、完走した人には記念のジャージーというものを配るなど、計画をされていることが報道をされております。 本県でも、今年十月三十日に、第三十八回九州地域戦略会議が山口市で開催をされ、九州、山口の各県知事や経済団体などからの参加の下、山口・九州地域を広く対象とする自転車の国際大会「ツール・ド・九州・山口(仮称)」でございますけれども、これを二○二三年に開催するということで準備を進めていくとの報道もあったところですけれども、今後の国際大会の誘致などのシンボルイベントへの取組と、期待をされている効果についてお尋ねをいたします。 次に、障害者差別解消に向けた取組強化についてお尋ねをいたします。 条例制定についてであります。 新型コロナウイルス感染症によって経済や日常生活は大きな影響を受けております。 そのために、アクセルとブレーキを一緒にかけると言われるように、矛盾を抱えながら両立を図るために様々な施策が進められ、世界から少し遅れを取っていると言われております今のデジタルトランスフォーメーションの推進など、国を挙げて莫大な資金が投入をされ、行政・経済活動などの電子化が進められようとしております。 当然、それらも大変重要なことではありますけれども、障害者への差別解消など、足元の課題が置き去りにされてはいないか、心配するところでもあります。 アメリカの大統領選挙での大きな争点・課題にもなりました多様性の尊重や、世界的にもゼロカーボン社会の実現に向けた環境問題など、その解決に向け、SDGsに代表される取組を、改めてこれからの日本社会全体として進めていかなければならないと思います。 まさか、この山口県では、LGBTの課題など含め、本県だけは問題がないとされる状況ではないはずであります。 これまで本県でも、障害者差別解消等に向けて、るる取り組まれてきており、障害のある方が生き生きと活躍できる地域社会の実現を図るため、誰もが様々な障害の特性、障害のある方が困っていること、そして必要な配慮などを理解し、その方に対してちょっとした手助けや配慮を実践し、誰もが暮らしやすい地域社会、いわゆる共生社会を皆さんと一緒につくっていく運動であります、あいサポート運動に取り組んでおられます。 障害について理解すること、ちょっとした手助けや配慮すること、あいサポートバッジをつけて声をかけやすくすること、このあいサポート運動の精神を広めていくことなど実践をしていただいておりまして、令和二年十月末現在で、あいサポーターが二万五千四百六人、あいサポート企業・団体が二百十七と拡大の一途をたどっていると認識をしております。 私も二○二○年三月の代表質問で知事にお尋ねをし、平成二十九年七月現在、二十四道府県で条例が制定をされ、検討中が一都四県、未制定は本県を含め十八県となっていると指摘をさせていただきましたけれども、本県では、法の趣旨や障害特性に応じた必要な配慮について普及啓発を図り、県障害者権利擁護センターへの相談窓口の設置や関係団体からなる障害者差別解消支援地域協議会での相談事案の適切な対応、あいサポート運動の展開としてあいサポート通信の発行や研修、イベントに取り組むとされ、条例の必要性については協議会での議論を進めてきましたけれども、条例の制定よりも法の確実な実践を優先すべきとの検討結果が示されたとの答弁でございました。 しかしながら、条例制定件数は令和二年五月末時点での調査によると、三十五都道府県が条例化をしており、残りは十二県のみとなっております。 私自身、他県と比較して本県が差別解消法の徹底が進んでいるということは考えにくく、差別解消法の課題を補完するという点でも、自治体の条例は重要ですし、啓発効果や意識の高まり、そして差別事案の解決手続などの実効性が確保できるなど、条例制定することで法が定める仕組みを具体化する効果があるとされております。 また、差別解消法は共生社会の実現が目的です。身近な地域で差別や生活のしづらさをなくしていく、地域を変えていくということが重要であります。そのためにも、ぜひ条例制定は必要と考えますけれども、改めて御所見をお伺いをいたします。 次に、交通弱者に優しい環境整備について、県警本部のほうにお尋ねをいたします。 報道によれば、ここ数日間にも交通事故や駅での転落事故など、視覚障害者の皆さんを取り巻く交通環境は、都市部でも大変厳しい状況があります。 視覚障害者の皆さんがそれぞれの生活圏の中で、日常生活を送る上で安心・安全に歩行できる環境づくりに努めていただく必要があるかと思います。 各地域でそれぞれ障害を持たれている方々から相談がされていると思いますけれども、どういった形で聴取をされ、対応されているのか、まずお尋ねをいたします。 次に、視覚障害者用信号や交通弱者信号、エスコートゾーンの設置など、健常者からはなかなか理解ができない、当事者でなければ分からない状況も多々あります。施設の設置に当たっては、障害のある方の御意見をよく聞かれ、対応いただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、視覚障害者の方で盲導犬を連れていると、例外で左側通行が可能となっております。それでも左側を通行しておりますと、車からクラクションを鳴らされるなど、危険な状況があるというふうに伺っております。免許取得時や更新時などに、道路交通法の改正と併せて、そうした弱者への配慮やルールを改めてドライバーへ教育をしていくという必要があろうというふうに考えますけれども、対応についてお尋ねをいたします。 一回目の質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 小田村議員の御質問のうち、私からは、サイクル県やまぐちの取組強化に関する来県者への利便性の向上についてのお尋ねにお答えします。 私は、誰もがサイクルスポーツを快適に楽しむことができる、サイクル県やまぐちを実現するため、サイクリスト等への利便性向上に向け、これまで、受入れ環境の整備や多様なニーズへの対応を進めてきたところです。 まず、受入れ環境の整備については、道路への自転車の通行区分の標示を促進するとともに、定期的に自転車道の状況を確認し、必要に応じて舗装の修繕や草刈りを実施するなど、安全で快適な自転車通行空間の整備を進めています。 また、県内各地でサイクリストが休憩等で立ち寄るためのサイクルエイドを、これまで百七十一か所設置するとともに、自転車の屋内への持込み等が可能な宿泊施設を十四か所登録しており、今後とも、サイクルスポーツを快適に楽しむための環境整備についても、進めていくこととしています。 次に、多様なニーズへの対応については、地域の特色を生かした十二の広域サイクリングルートを設定するとともに、観光スポットやグルメ、温泉などの様々な情報を掲載したサイクリングマップを作成しており、今後、これらを活用し、さらなる誘客促進に努めてまいります。 また、本県を訪れる観光客が気軽にサイクリングを楽しむことができるよう、レンタサイクル機能を有したサイクルステーションをこれまで二十二か所整備してきたところですが、さらなる拡大・充実を図っていきます。 私は、今後とも、こうした利便性向上に向けた取組を通じ、サイクル県やまぐちを推進し、交流人口の拡大や地域の活性化に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(柳居俊学君) 平屋
総合企画部長。 〔
総合企画部長 平屋隆之君登壇〕
◎
総合企画部長(平屋隆之君) 都市圏からの移住促進に向けた体制整備についてのお尋ねにお答えします。 本県では、県民はもとより、県外の移住希望者からも魅力ある移住先として評価をされるよう、交通インフラの整備や地域医療の確保、子育て環境の充実、地域教育力日本一の推進など、誰もが希望を持って、いつまでも安心して暮らし続けることのできる県づくりを進めているところです。 こうした環境を生かし、市町や関係団体等と連携して移住の促進に取り組んできた結果、移住の相談件数や移住者数は着実に増加をしております。 今後、さらに移住者の増加を図っていくためには、
コロナ禍を契機とした地方移住への関心の高まりを本県にしっかりと呼び込んでいけるよう、こうした変化も踏まえた受入れ体制の充実が必要であると考えています。 とりわけ、遠隔地での勤務を可能とするテレワークなど、働き方の新しいスタイルの普及・定着も見据え、全ての地域で十分な情報通信環境を確保することが重要であり、このことは、国、地方が一体となって進めようとしているデジタル社会の構築においても、その前提条件となるものです。 このため、県としては、市町や通信事業者に対し、国の補助事業を活用した光ファイバー整備を積極的に働きかけるとともに、国にも、支援制度の継続や5G基地局の早期整備等を要請しているところです。 県としては、今後とも市町や関係団体等と連携をし、本県が多くの移住希望者に移住先として選ばれるよう、受入れ体制の充実に取り組み、都市圏からの移住を促進してまいります。 次に、
コロナ禍での対策に関する御質問のうち、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの専門的知識を有する人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 DXの推進に当たっては、県においても、デジタル技術に関して専門的知識を有するデジタル人材が不可欠であり、今年度からこうした外部人材を配置し、具体的な施策の提案や助言を受けているほか、市町や企業等からの相談対応も実施しているところです。 今後、様々な分野でデジタル化を進めていくためには、さらに多くの人材が必要となりますが、全国的にデジタル人材が不足している現在、当面の人材確保に向けては、業務委託等により民間企業の人的資源を活用するとともに、副業・兼業も含め、実効性のある手法を検討することとしています。 また、国に対しても、全国知事会デジタル社会推進本部等を通じて、人材バンクの創設や、地方自治体と企業における人材交流を促進するための法整備などを要請をしており、引き続き、その早期実現を求めてまいります。 県としては、今後、様々な工夫を行いながら、専門的知識を有する人材の確保に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) 経済的・社会的弱者への支援についてのお尋ねのうち、生活に困窮されている方への支援についてお答えします。 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、雇用情勢の悪化等により、経済的基盤が弱い独り親家庭などが特に大きな影響を受けていることから、こうした方々へのきめ細かな支援が重要であり、県では、市町や関係機関と連携し、相談支援や経済的支援に取り組んでいるところです。 まず、相談支援については、県や各市町の福祉事務所等において、経済的に困窮している方からの相談窓口を設け、新型コロナウイルスに関連した日常生活上の様々な問題について、個別の事情に応じた支援へつなげていくこととしています。 とりわけ、子育てと仕事を一人で担う独り親家庭については、山口県母子・父子福祉センターにおいて、本年六月から、平日の開所時間の延長や日曜日の開所を行い、専門の相談員による就労や生活に関する相談対応を行うなど、相談体制の充実を図っています。 次に、経済的支援に向けては、失業や休業等により収入が減少した方に対し、生活費のための生活福祉資金の特例貸付け、家賃の支払いのための住居確保給付金の支給や、児童扶養手当を受給している世帯等に対する、ひとり親世帯臨時特別給付金の支給を行っています。 また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が懸念されることから、生活福祉資金貸付けの受付期間の延長や独り親家庭への支援の充実等について、全国知事会等を通じて国に要望しているところです。 県としましては、今後ともこうした取組を通じ、新型コロナウイルス感染症の影響により生活に困窮されている方々への支援に努めてまいります。 次に、障害者差別解消法に基づく条例制定についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立し、安心して暮らしていくためには、障害に対する社会全体の理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくことが重要です。 このため、県では、やまぐち障害者いきいきプランにおいて、障害への理解を深め、共に生きる社会の実現を施策の柱として位置づけ、障害を理由とする差別の解消推進や相互理解の促進などに取り組んでいるところです。 具体的には、障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供について、ホームページやリーフレット等により広く県民に普及啓発を図るとともに、県民誰もが障害の特性を理解し、必要な配慮を実践する、あいサポート運動を県民運動として積極的に展開をしています。 お尋ねの条例制定については、国の有識者会議において、障害者差別解消法施行後三年を機に検討が行われ、本年六月、事業者による合理的配慮の義務化等について意見が示され、今後、法改正に向けた具体的な検討が進められることから、県としては、その状況を注視してまいります。
○議長(柳居俊学君) 福田
商工労働部長。 〔
商工労働部長 福田浩治君登壇〕
◎
商工労働部長(福田浩治君) 経済的・社会的弱者への支援についてのお尋ねのうち、雇用状況の認識と再就職支援についてお答えします。 まず、本県の雇用状況については、山口労働局から、国や県の支援制度が積極的に活用されている状況等も踏まえ、求人が求職を上回って推移しているが、新型コロナにより弱い動きが続いているとの基調判断が示されており、県としても、これと同様に受け止めております。 次に、離職された女性への再就職支援については、山口しごとセンターなどの相談窓口において、一人一人の状況に寄り添い、きめ細かなキャリアカウンセリングを実施しています。 また、高等産業技術学校が民間に委託する職業訓練では、女性離職者のニーズが高い医療や経理事務などを実施するとともに、介護等、指定業種に正規雇用された場合に支援金を支給するなど、離職された女性の早期の再就職を支援しています。 次に、水素利活用によるグリーン社会の実現についてのお尋ねのうち、水素を活用した産業振興についての取組についてお答えします。 本県は、瀬戸内コンビナートにおいて、大量かつ高純度の水素を生成する強みを有しており、県では、県産業技術センターに設置したイノベーション推進センターを中心に、水素を活用した先進的な技術開発・事業化を促進しています。 この結果、太陽光発電で水素を生成し、災害時等でも電力供給が可能な再生可能エネルギー活用型水素ステーションの開発や、水素から電気・熱を取り出す純水素型燃料電池システムなど、水素関連の製品化が進んでいます。 こうした研究開発成果については、国際的な専門商談展示会である国際水素・燃料電池展への出展を通じた情報発信や販路開拓の取組も支援しています。 また、国の委託事業である地域連携・低炭素水素技術実証事業を活用し、水素活用モデルの展開による地域づくりの実証にも取り組んでいるところです。 県としては、二○五○年までに脱炭素社会の実現を目指す国の施策の動向も見据えながら、水素利活用に積極的に取り組む県内企業を支援し、水素を活用した産業振興に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君)
コロナ禍での対策に関するお尋ねのうち、県庁へのプロフェッショナル人材の導入についてお答えします。 職員の採用において、公務部門では得難い専門的知識や経験を有する優れた人材の確保は、多様化する政策課題への的確な対応や組織の活性化などの面からも重要と考えています。 このため、県ではこれまでも、職業訓練部門などにおける専門知識等を有する人材の任期付職員としての採用や、民間企業経験者等の柔軟な発想などを公務に反映させるため、社会人経験者の採用を行っているところです。 また、接遇マナーのほか、職務上必要となる知識や技能の習得に当たっては、県が実施する職員研修の講師として、各分野の専門家等を招くなど、民間企業のノウハウ等の活用に努めているところです。 県としては、民間企業等の優れた知見を公務に活用・反映できるよう、引き続き、関係部局による連携の下、職員の採用や育成に適切に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 神杉
環境生活部長。 〔
環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕
◎
環境生活部長(神杉さとみさん) 水素活用によるグリーン社会の実現に関するお尋ねのうち、ゼロカーボンに向けた取組と地球温暖化対策実行計画改定についてお答えします。 まず、ゼロカーボンに向けた取組についてです。 CO2などの温室効果ガス排出量の増加による地球温暖化の進行は、本県においても、猛暑や集中豪雨をもたらすなど、県民生活に大きな影響を及ぼしています。 その原因となる温室効果ガスの削減対策は、お示しのゼロカーボン、すなわち脱炭素社会の実現にもつながる重要な課題となっています。 このため、県では、地球温暖化対策実行計画に基づき、省エネや節電を実践する県民運動や再エネの導入支援など、温室効果ガスの排出削減に向けた各種施策に積極的に取り組んできました。 この結果、温室効果ガスの排出量は、二○一七年度には、基準年度である二○○五年度に比べて全体で一五・二%減少するなど、一定の成果を上げているところですが、一方で、家庭部門の排出量が増加するなどの課題も生じています。 こうした中、県では、今年度で期間が終了する現行計画について、これまでの取組成果や課題を十分検証するとともに、国の地球温暖化対策計画などを踏まえて、新たな温室効果ガスの削減目標を掲げ、改定することとしています。 また、改定計画には、新たな目標の達成に向けて、CO2削減県民運動の推進や本県の豊富な日射量、森林資源などの地域特性、環境・エネルギー関連先端技術を有する企業の集積などの産業特性を生かした施策を盛り込むこととしています。 県としては、こうした施策を着実に進め、温室効果ガスの削減を図りながら、脱炭素社会の実現につながるよう取り組んでまいります。 次に、地球温暖化対策実行計画改定における水素活用への取組についてです。 水素は、エネルギー効率が高く、利用段階で温室効果ガスが排出されないことから、その活用は、地球温暖化対策には欠かせないものと考えています。 このため、改定計画においても、本県の水素活用の取組として、新たな技術開発の促進による産業振興、水素利活用モデルの展開による地域づくりなど、水素先進県の実現に向け、引き続き、取組を進めることとしています。 県としては、今後とも、県民や事業者、関係団体、市町と連携しながら、本県の特性を最大限に生かした地球温暖化対策に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 三坂
観光スポーツ文化部長。 〔
観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕
◎
観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) サイクル県やまぐちの取組強化についてのお尋ねのうち、シンボルイベントについてお答えします。 国際大会などのシンボルイベントは、交流人口の拡大や地域経済の活性化などに一定の効果が期待されるところです。 こうした中、お示しの「ツール・ド・九州・山口」については、開催地など大会の詳細が今後検討されることとなっており、県においても、開催による費用対効果などについて、引き続き検証が必要と考えています。 県としては、今後のシンボルイベントへの取組については、こうした検証結果や市町の意向も踏まえ、その在り方について検討していくこととしています。
○議長(柳居俊学君) 谷
警察本部長。 〔
警察本部長 谷滋行君登壇〕
◎
警察本部長(谷滋行君) 視覚障害者が安心・安全に歩行できる環境づくりについての三点のお尋ねにお答えします。 最初に、障害を持たれる方々からの相談への対応ですが、本年は十月末までに、視覚障害者団体等から、県内十二か所について信号機への音響機能の付加等について相談を受けております。 このような相談は、警察署の交通課長等が団体の代表者の方などと面接してお話を伺ったり、必要に応じ施設の設置等を要望されている場所に赴いて障害者の方から直接お話を伺うなどして受けているほか、団体等から警察署長宛ての要望書を受理することもございます。 また、こうした相談や要望につきましては、警察本部でも情報を共有し、施設の整備等について検討しております。 次に、障害者の方の意見をよく聞いて施設を設置してはどうかとの質問にお答えします。 視覚障害者の安全な歩行空間を確保する施設といたしましては、県内にピヨピヨ・カッコーという擬音や信号が青になりましたという音声により歩行者用信号の青を知らせる音響式の付加装置を四百か所、エスコートゾーンを百四十六か所整備しております。 こうした施設の設置に当たっては、団体や個人の方から擬音より音声による案内のほうがよいとか、また、音の鳴る時間帯を延長してほしいなどの意見が寄せられることがあり、警察といたしましては、地域住民の理解を得ながら、できる限り意見に沿えるよう努めているところです。 次に、ドライバーに対する視覚障害者への配慮とルールの周知についてお答えします。 視覚障害者が道路を通行している場合には、ドライバーは一時停止するか徐行するなど、これらの方が安全に通行できるようにしなければならないとされております。 こうした障害者に配慮した交通ルールについて、ドライバーをはじめ道路を利用する多くの方に浸透するよう様々な機会、広報媒体等を通じて周知に努めてまいります。 県警察といたしましては、引き続き、関係機関・団体等と連携しながら視覚障害者の方々が安心・安全に歩行できる環境づくりに努めてまいります。 ─────────────
○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十七分休憩 ───────────── 午後一時開議
○副議長(藤生通陽君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで
○副議長(藤生通陽君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号までを議題とし、質疑の議事を継続します。 猶野克君。 〔猶野克君登壇〕(拍手)
◆(猶野克君) 公明党の猶野でございます。質問に先立ち、一言申し上げます。 私の地元宇部市は、突然の宇部市長選挙となりましたが、見事歴代最年少の篠﨑新市長が誕生し、明年の宇部市制施行百周年に向けて新出発されました。大いにリーダーシップを発揮していただき、宇部市の新しいかじ取りを期待したいと思います。 加えて、私ども公明党は、過日行われた公明党県本部大会において、このたび先城県議が県本部新代表となりました。新たな組織が立ち上がり、私も新代表の命を受け、デジタル分野の責任者を仰せつかりましたので、早速、今定例会の質問冒頭に加えさせていただきました。私自身、新たな決意で通告に従い
一般質問をさせていただきます。 初めに、県全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進についてお尋ねいたします。 十一月十一日、山口グランドホテルで行われた山口県5G研究会分野別セミナーに参加させていただきました。本県や一般財団法人山口県ニューメディア推進財団が主催となって行われた講演会ですが、企業からは、本県におけるスマートファクトリー実現に向けたローカル5Gの取組や活用事例の紹介、また、主催者である県からは、今後、これら活用に向けた支援等の内容について案内があり、大変有意義なものでありました。 国では、デジタル庁の設置が予定され、各省庁のデジタル化を推進する司令塔として動き始めようとしております。 本県においても、行政手続全般の迅速化を目指すため、行政機関のデジタル化の推進はもとより、市町や県内企業、団体などのデジタル化を支援していく必要があります。 ここ最近、DXという言葉が目立つようになりましたが、DXイコールIT化と勘違いしている人も多いようであります。 DXとは、ITの活用を通じて、つまりIT化を手段としてビジネスモデルや組織を変革することを意味しますが、それは自分たちの企業や団体だけ、一組織だけがDX化、新しい事業モデルの変革を行うのではなく、社会全体でやらなければ意味がありません。 今の現代社会は、これまでも多くの企業がデジタル化を進めてきた結果、日常生活にデジタルが浸透し、アマゾンのように場所にとらわれずにネットで買物ができ、友人と家族と会話することがオンライン会議で可能になりました。これは行動のDXと呼ばれます。 映画や音楽は、DVDやブルーレイディスクを買わなくても動画配信で見られるようになりました。これは物のDXであります。最近では、知識や経験もDX化され始めております。 これらを実現するのは、一組織の変革だけでは成功できず、連携すべきパートナーがあって初めて成り立つことと言えます。 これから山口県が目指すDXの推進というのは、ポストデジタル時代であり、それは、
企業活動や市民生活においてデジタルは完全に日常化し、事業運営や日常生活に浸透している時代であります。 つまり、デジタル化は次の段階へと遷移しており、DXをすることが当たり前、デジタル化は差別化要因にならない社会を目指さなければならないと言われております。 県がこのたび打ち出された脱判こについても、技術的に承認作業をデジタル化することは簡単ですが、判こ文化が根づいた習慣やビジネススタイルを変革する必要があり、今後の展開によっては、県と取引のある企業や団体への変革を伴う必要性も考えられます。
コロナ禍において、小中学校のオンライン授業、企業によるオンライン会議は進んできましたが、ITの専門性がないため、オンライン会議や授業の移行に二の足を踏んでいる企業やコロナ不況で売上げが落ち込み、資金面からデジタル化が進んでいない企業も少なくありません。オンライン授業や会議が当たり前の活動になる中で、それに追いつけない組織があるようでは、真のDXとは呼びません。 本県には、中
山間地域が多く、高齢化や人口減少問題を考えれば、先ほど申し上げた行動のDX化によって、買物や移動手段の支援につながることもあり得ます。 そのためには、中
山間地域のDX推進支援や曽田議員もよく言われる、いまだ光ファイバー網ですら整備が進んでいない地域へのインフラ整備等が、県内でも重要視されます。 本県全体のDX推進に向けて、まずは県内経済を支える企業や団体の支援が不可欠であります。そのためには、デジタル化推進に悩んでいる企業、団体の相談窓口の設置やIT専門人材の派遣、さらには補助制度の構築など、県として支援体制を確立する必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。今後の県全体のDX推進に向けて、県はどのように取り組んでいかれるのか、御所見を伺います。 次に、防災・減災の取組について。 初めに、大規模盛土造成地の滑動崩落対策についてお尋ねいたします。 本年六月、宇部市の厚南小学校付近の盛土造成地の一部において、宅地の滑動崩落が発生し、住民の複数世帯がいまだ仮住まいによる避難を余儀なくされております。 長年、滑動崩落が危険視されてきた地域で、安全対策を求める要望がありましたが、宅地開発された民有地は、一義的には民間同士での対応が求められてきました。 しかし、当時、宅地開発をした事業者は、長年の経過とともに倒産してなくなり、住民側は、既に実態のない事業者への責任を確認する手だてはなく、また滑動崩落防止工事の莫大な費用は周辺住民だけで負担することは容易ではないため、何も手がつけられない状況が続き、今回の惨事に至っております。 また、被災世帯が公営住宅への入居を希望する際に、県と市町のどちらの窓口に相談すべきか分からず戸惑ったという声も届いているところであります。 こうした事態が起きているのは、この地域に限ったことではなく、県内、そして全国でも経年劣化した宅地の耐震化対策は課題として山積されていると考えられます。 そこで、国土交通省は、宅地防災として大規模盛土造成地の滑動崩落対策について、各自治体の取組推進が呼びかけられており、平成十八年に創設された宅地耐震化推進事業が立ち上がっております。 そこでお尋ねいたします。本県において、大規模盛土造成地の滑動崩落対策及び宅地耐震化を今後どのように進めていかれるのか、また、残念ながら被災してしまった場合の住宅確保等について、きめ細やかな支援をすべきと考えますが、県の御所見を伺います。 次に、太陽光発電、蓄電システムの普及に向けてお尋ねいたします。 今年の九月に発生した台風十号は、過去最強クラスと言われ、特別警報の発表も予想されましたが、実際に日本に接近した際には予想よりも勢力が落ちたものの、非常に強い勢力として接近し、本県でも被害を受けたのは記憶に新しいところであります。 特に、台風上陸前から台風に備えた準備を進める県民も多く、スーパーやホームセンターでは、ガラスを防護するための養生テープが品切れとなり、数日間の停電も予想されたことから、備蓄用としてカップ麺やパン類、缶詰が品薄となりました。 中でも、特徴的だったのが、停電対策のための携帯用充電器やアウトドア用のポータブル電源の購入を求める動きもありましたが、近年、巨大化する台風や甚大化する災害に備え、停電対策の重要性が浮き彫りになりました。 特に今年は、
コロナ禍にあって、災害が発生した場合、避難所の感染拡大防止の観点から、分散避難行動が求められていることもあり、エネルギーの自給自足ができる自宅の災害対策の強化も重要だと考えられます。 近年、FITの導入や省エネを目的としたスマートハウスの浸透により、太陽光発電は普及しているように見受けられますが、家庭用蓄電池は価格が高いこともあり、太陽光発電より普及していないようであります。 本県においては、山口県産省・創・蓄エネ関連設備導入支援補助金において推進されてきました。この事業は、県内企業や県産原材料を基に製造、加工された設備等を補助制度の対象としたため、利用者と登録事業者の双方にとって相乗効果があった事業と評価しております。 環境配慮の面だけではなく、防災の観点からもエネルギーを創出し、蓄えることのできる設備は今後ますます重要性が増すと考えられ、本事業の継続や拡充が必要だと考えられます。 そこでお尋ねいたします。災害対策にも資する太陽光発電や蓄電システム等の普及に、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見を伺います。 次に、ストーマ用品の備蓄についてお尋ねいたします。 毎年、公明党県本部として、県内の企業、団体との政策懇談会を行っておりますが、その中でも、このたび、日本オストミー協会さんから切実な御要望をいただきましたので、お伝えさせていただきます。 オストメイト──ストーマ保持者は、装具がなければ一日たりとも生活が成り立たないそうであります。近年の大規模災害における調査では、装具の持ち出しが困難であったという報告がありました。 熊本県球磨川における河川の決壊においても、濁流の中、全身ずぶぬれになったオストメイトは、一刻も早くパウチの交換が必要で、熊本県では直接の搬入が困難であったため、隣県の福岡県を通じて供給がなされ、ストーマ用品が届いたのは数日後のようであります。 一般的にオストメイトの方は、外見では判断がつきにくいため、避難所で、本人の申出がなければストーマ用品の必要性が客観的に判断つかず、またデリケートな点から、特に女性からは言い出しにくいケースもあり、大規模な災害であっても、避難所への行動にちゅうちょされることもあり、また、プライバシー上、オストメイトは非公開なため、日本オストミー協会であっても助け合うことが困難であり、何とか行政による支援をお願いしたいとの要望でありました。 相談者からは、県内オストメイト全員分などと無理な要望をしているのではなく、一つや二つでもいいから避難所に備蓄していただきたい。もしくは、どこか一拠点でストックしていただき、避難所への供給体制をつくっていただきたい等、今どの避難所にもストーマ用品が全くない状況を憂いていらっしゃいました。 相談者の切実な要望はごもっともであり、一刻も早くストーマ用品の備蓄推進に努めていただきたいと考えますが、県の御所見を伺います。 次に、障害者が安心して過ごしていただける共生社会を目指して。 初めに、視覚障害者支援についてお尋ねいたします。 二○一六年、盲導犬を連れた目の不自由な男性が、東京都内地下鉄の駅ホームから転落し、電車にはねられ死亡した事故が、視覚障害者や関係者に対し不安と衝撃を与え、ホームドアの必要性が考えられてきました。まさに一昨日も同様の事故が起こっております。 視覚障害者にとって、駅ホームは欄干のない橋に例えられるほど危険な場所であり、防止策の遅れで痛ましい事故が繰り返されております。 日本盲人会連合のアンケート調査では、約四割の視覚障害者がホームからの転落経験があり、約六割が転落しそうになったとあります。 また、一般人も含めたホーム転落件数は二○○九年から増加傾向にあります。 そこで、転落防止策として有効なのがホームドア、ホーム柵や内方線付き点状ブロックの設置と言われております。特にホームドアについては、国土交通省の検討会も、視覚障害者の転落を防止するための設備として非常に効果が高いと整備促進の重要性を説く報告書をまとめております。 しかし、全国に約九千五百ある駅のうち、ホームドアの設置がある駅は僅か八百五十八駅であります。 県内では、ホームドアが設置されている箇所は一か所もないだけではなく、新山口駅、徳山駅等新幹線ホームにすら設置されておりません。 その壁になっているのが、一日の利用者数、十万人以上とされているホームドアの設置基準であります。 しかしながら、新幹線が止まる駅は、山口県の玄関口であり、利用者数は十万人に満たないまでも視覚障害者の利用状況は多く、来県者も少なくありません。さらに猛スピードで抜けていく新幹線車両に風圧で体が動かされ、子供や高齢者にとっても非常に怖さを感じます。 また一方で、検討会の取りまとめには、利用者数、十万人未満の駅であっても、視覚障害者の利用状況や設備要望、駅の状況等を勘案して整備ともあり、JRには一律の基準にとらわれず、柔軟に対応していただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。安全整備のためのホームドア普及などの駅ホームにおける転落防止策の推進に努めた取組をお願いしたいと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 また、盲導犬を連れてカフェやレストランに入ったり、医療機関やスポーツジムに行ったり、バスやタクシーに乗ったりすることは、身体障害者補助犬法や障害者差別解消法により法的権利として認められ、施設側は受入れ義務がありますが、盲導犬同伴の受入れ拒否が後を絶ちません。 そうなると視覚障害者の行動が制限されます。障害者差別解消法はそうしたバリアをなくし、誰もが自由にどこへも行ける共生社会の実現を目指しています。盲導犬が入ってきて店舗、施設側は困惑するかもしれませんが、そういうときは話し合って歩み寄る合理的配慮を法律は求めております。 さらなる障害者差別解消法に向けた取組を推進していただきたいと考えますが、県の所見をお尋ねいたします。 次に、聴覚障害者支援についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの感染予防対策として、スマートフォンやPC等のオンライン会議機能を活用し、手話通訳を提供するサービスが広がっております。手話通訳者がオンライン会議に参加するため、聴覚障害者に同行せずに、映像と音声で通訳できる特徴を持っています。 宮城県では、本年九月から遠隔手話サービスの運用を開始しました。従来は、手話通訳を利用する場合、市町村に派遣依頼し、通訳者に同行してもらいます。しかし、
コロナ禍にあっては、互いに感染リスクにさらされる危険性があるため、マスク着用が必要ですが、手話は表情や口の動きも意思疎通に欠かせず、通訳者がマスクを着用できないという課題がありました。 しかし、遠隔手話サービスを使えばこうした課題がクリアされ、利用者が安心して活用できる体制を整えることができます。 この遠隔手話サービスの動きは、全国都道府県の自治体に広がり、中国各県においても同様のサービスが実施されているところであります。 岡山県では、県内各市町にタブレット端末を配備するとともに、必要に応じて医療機関への貸出しを行っています。 また、遠隔手話サービスのメリットは、感染リスクを避けるだけではなく、医療機関の受診や行政の手続のほか、災害時などで交通機関が使えず通訳者が派遣できない場合も想定されております。また万一、手話通訳の人材が不足する場合でも、手話通訳者は場所の移動がないため、広域連携によって通訳ブースの協力体制を整え、利用者にサービスを提供することも可能です。 本県においても、保健所で遠隔手話サービスを開始されておりますが、本年、盲聾者通訳・介助員養成講習会が、新型コロナウイルス感染防止の観点から、やむなく開催が中止になるなど、様々な影響が出ております。そうした状況を踏まえ、聴覚障害者のコミュニケーションの支援が大変重要だと考えます。 そこでお尋ねします。聴覚障害者のコミュニケーション支援のため、遠隔手話サービスのさらなる活用に取り組むべきと考えますが、県の所見を伺います。 次に、医業承継の取組についてお尋ねいたします。 地域医療を守り育てるためには、地域医療を担う医師の育成に重点を置く大学医学部や大学病院への支援の充実を図り、専門医を養成できる制度設計、そして若手医師の確保・育成の取組ができる財政支援が必要であります。 そこで、医師の偏在解消に向けて、各都道府県による医師確保計画の策定が進んでおり、本県でも本年三月、山口県医師確保計画が策定されました。 主に医師少数区域を対象に医師派遣の調整など施策を進めることで、医師の偏在を二○三六年度までに是正することを目指しております。さらに県は、外来医療に関して偏在是正に努める外来医療計画の策定も同年に策定されています。 本県の課題は、何といっても医師の平均年齢が五十三歳、全国平均四十九・九歳と全国一高い状況にあり、特に六十歳から八十歳の医師は千三十四人で、十年間で五三%増加しております。 今後、高齢医師の引退、後継者不足による閉院が増加するのは明らかであり、この状況を待つだけでは地域医療の崩壊につながりかねないという声も上がっております。 現在、本県では、若手医師の確保・定着に向け、若手医師確保総合対策事業や医師修学資金貸与事業等を医療提供体制の安定的な確保に向け、着実な取組を行っていただいておりますが、それに加え、今後特に医師の高齢化を踏まえれば、医業承継の取組も重要になってまいります。 県医師会が行った医業承継に関するアンケート調査では、医業承継を考えている、六二・五%とあり、相談窓口の設置や情報提供、マッチング体制づくり等、必要な支援策を講じる必要があると考えます。 本県と同様に平均年齢の高い福島県では、地域医療や在宅医療の重要な担い手である診療所医師を確保するため、県が福島県医業承継バンクを設置し、バンクに登録された医師と県内診療所の就業マッチングを無料で支援しています。 具体的には、承継医募集の県外へのPR活動や承継希望医への相談対応やセミナー、現地視察等を実施し、県外の承継希望医と後継者不在の開業医のマッチングを支援することにより、地域医療・在宅医療の重要な担い手である診療所の医師の確保に役立っていると伺っています。 そこでお尋ねします。本県における医師の高齢化を踏まえ、地域医療の維持に向けた医業承継の支援の充実が重要だと考えますが、県の御所見を伺います。 次に、警察活動協力医の体制整備についてお尋ねいたします。 本県の警察活動協力医は、検視及び留置被疑者の健康管理を行っていますが、特に検視に立ち会う警察活動協力医については、亡くなった方の御自宅や山中など、時間や場所が問われない大変な職務と伺っております。 令和元年の立会い件数は千百九十六件、五年前と比較すると約一六%増え、また協力医の数が減少する中、一人当たりの立会い件数は約一・二倍に増加し、協力医の負担が増しているようであります。 現在の
コロナ禍における検視の感染リスクやクラスター発生のリスクを軽減するため、消毒薬等の整備や検視によって感染した際の補償、出務手当の見直し等、検視体制維持のために、さらなる出務体制の充実が求められると考えます。 そこでお尋ねいたします。警察活動協力医の体制維持について、県
警察本部長の御所見を伺います。 最後に、HPVワクチン接種の周知と助成拡大についてお尋ねいたします。 子宮頸がん予防ワクチン、通称HPVワクチンは、日本でも二○一○年より国の基金事業対象ワクチンとなり接種が進みました。その後二○一三年四月より国の定期接種となりましたが、接種後に様々な症状が生じたとする報告により、自治体による積極的勧奨の差し控えを行いました。 しかし、結果として接種率はピーク時の約七○%から一%未満まで下がり、現在も変わらない状況が続いております。本県は検診率全国最下位と伺っております。 しかし、HPVワクチンは定期接種の対象であり、接種を希望する小学校六年から高校一年相当の女子は定期接種を受けることが可能ですが、接種率が低く、全国で毎年約一・一万人が罹患し、約二千八百人が亡くなられることから、医師や専門家、関係団体から情報提供や公費助成の拡大が求められております。 アメリカでは、HPVがんのない世界へとのテーマの下、HPVワクチン八○%を目指すキャンペーンを開始している一方、日本の接種率は○・三%と低い水準にとどまるどころか、最近では、HPVワクチンそのものの存在を知らない若い女性も増えてきました。 世界保健機関(WHO)や国際産科婦人科連合(FIGO)からは、HPVワクチンの効果と安全性を再確認するとともに、日本の状況を非常に危惧する声明も出されております。 さらに、日本小児科学会、日本産科婦人科学会など十七団体からも、HPVワクチン接種推進に向けた関連学術団体の見解が出されております。 自治体は制度の周知を行う義務があるとされていますが、知らないまま定期接種の対象期間を過ぎてしまったという声も多く、HPVワクチンの正しい情報を知って接種の判断をしていただくためにも、個別通知による確実な情報提供を実施する必要があるのではないかと考えます。 特に、定期接種の権利がなくなる高校一年の女子に対しては、接種の可否を判断するための最新の正しい情報とともに、助成期間終了のお知らせ、権利失効通知をすることで、知らなかったという問題が減ると考えられます。 県内では、市町で少しずつ個別通知での周知も増えつつありますが、まだ実施自治体が少なく、また次年度以降も継続することが大切で、県からの情報提供や市町村への周知依頼は重要と考えます。 また、対象期間を過ぎると任意接種となります。接種費用は三回の接種約五万円という高額な接種費用を自己負担することになり、さらに三回接種を完了するまでには六か月かかることから、年度内に接種を完了するには、一回目を九月三十日までに開始する必要があることなども丁寧に周知する必要があります。 知らずに定期接種を逃した方の支援や任意接種の希望者に対する助成制度の情報提供及び助成制度の拡充を検討する必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。HPVワクチンに関する個別通知等での正しい情報の周知、また助成制度の拡充も推進していくことが必要だと考えますが、県の御所見を伺います。 以上で
一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 猶野議員の御質問のうち、私からは、県全体のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの推進についてのお尋ねにお答えします。 我々は今、コロナとの共存を前提とした新たな日常の構築を求められています。 デジタル化は、そうした社会変革の原動力となるものであり、コロナの時代にあっても、これまでより豊かな社会を築いていくために、社会全体のデジタル化を進め、幅広い分野でDX、すなわちデジタル技術による変革を推進していく必要があります。 今後、国においては、デジタル化への集中投資を行い、社会全体のDXの実装を加速するとしており、私としても、国の取組に呼応し、本県ならではのDXを強力かつ一気に進めていきたいと考えています。 このうち、お示しの企業、団体のDXについては、既に産業界等と連携しながら、MaaSやローカル5Gを活用したスマートファクトリーの構築等に取り組んでいるところですが、今後も、生産性向上のためのソリューションや、新たなイノベーションの創出を積極的に支援してまいります。 これに向け、県では、DX推進のための新たな拠点を設置することとしています。この拠点においては、市町や企業等からの相談対応やオープンイノベーションの実施、企業等が活用できるオープンデータ基盤の構築など、DXの全県的な展開に向けて必要な様々な機能を持たせることを検討しているところです。 また、DXの取組を持続的なものとするためには、これを担う専門人材が不可欠であります。 このため、そうしたデジタル人材の育成もDX推進拠点の機能に位置づけ、県、市町のみならず、企業や学生等も対象として、産学公連携による教育プログラム等を展開していきます。 さらに、社会全体のデジタル化に不可欠な基盤である光ファイバー網については、市町等と連携して整備促進に取り組むとともに、国に対しても、支援制度の継続や5G基地局の早期整備等を引き続き要請するなど、県民誰もがデジタル化の恩恵を享受できる社会の実現を目指してまいります。 私は、国の政策に的確に対応し、県内の幅広い主体と連携・協働を図りながら、県全体のDXをスピード感を持って推進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○副議長(藤生通陽君) 阿部
土木建築部長。 〔
土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕
◎
土木建築部長(阿部雅昭君) 防災・減災の取組についてのお尋ねのうち、大規模盛土造成地の滑動崩落対策についてお答えします。 まず、宅地耐震化などの宅地防災の取組についてです。 平成十八年度に宅地耐震化推進事業が創設され、これに併せ、国において宅地の被害予測に関する調査手法が示されたことから、県では、地震等における宅地の被害軽減を図るため、市町とともに、効果的な事業の活用や具体的な調査に向けた調整を行ってきました。 こうした中、東日本大震災における宅地の被害発生を受け、国において新たな方向性が示されたことを踏まえ、改めて宅地耐震化に向けた県内市町との連絡会議を設置し、取組を進めてきたところです。 具体的には、宅地防災に対する県民の理解を深めるため、お示しの宅地耐震化推進事業を活用し、平成二十九年度から令和元年度にかけて、全市町において、谷や沢を広範囲に盛土した造成地や斜面を高く盛土した造成地の所在地を、大規模盛土造成地マップとして作成・公表しました。 県としては、今後、マップで示された宅地のうち、滑動崩落が発生する可能性が高い宅地において、地盤調査や斜面の安定計算等による安全性の確認が進むよう、市町に対して助言、情報提供を行ってまいります。 加えて、こうした調査等の結果、危険な宅地があることが判明した場合には、造成宅地防災区域の指定を行うとともに、宅地の安全性確保に向けた滑動崩落対策工事等の取組を支援してまいります。 次に、被災者の住宅確保等についてです。 県では、被災者が県営住宅への入居を希望された場合、住戸を提供することとしており、これまでも市町と連携し対応してきたところです。 具体的には、災害時に公営住宅への入居希望があった場合には、県、市町のいずれの窓口においても、被災者に対し県営住宅及び市・町営住宅の空き情報を提供しており、今後、さらに、市町や関係機関との連携を密にし、円滑な住宅確保等の支援に努めてまいります。 県としては、市町との連携を一層強化しながら、大規模盛土造成地の滑動崩落対策の取組を着実に進めてまいります。
○副議長(藤生通陽君) 神杉
環境生活部長。 〔
環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕
◎
環境生活部長(神杉さとみさん) 太陽光発電、蓄電システムの普及に関するお尋ねにお答えします。 太陽光等の再生可能エネルギーは、温室効果ガスの削減を図る上で優れており、また、災害等による停電の際の自立分散型エネルギーとしても有用であることから、その導入促進は極めて重要です。 このため、県では、家庭への太陽光発電等の導入促進に向け、県独自の補助や融資による支援制度を通じて、県内製品の活用を図りながら、家庭への普及を進めてきたところです。 その結果、これまで補助等により導入された太陽光発電は六千百八十基となり、県内家庭の太陽光発電の発電出力は、国や市町による補助制度や余剰電力の買取り制度の効果もあって、実行計画の二○二○年度目標二十二万五千キロワットを大幅に上回る五十七万八千キロワットとなっています。 一方で、太陽光発電は、天候等により出力が大きく変動するといった課題があることに加え、近年の余剰電力の買取り価格の低下などの影響により、導入の鈍化が懸念されます。 こうした状況の下で、太陽光発電のさらなる普及拡大を図るには、売電を目的としない電力の自家消費を高めることが重要であり、太陽光発電の課題を補うとともに、災害時の対応という観点からも、蓄電池と組み合わせた運用が有効です。 このため、県では、蓄電池を太陽光発電と組み合わせて運用される家庭への補助等により、蓄電池の導入を進めているところであり、今後、支援の充実を図ることとしています。 また、両設備の組合せの有用性について一層の周知を図るため、事業者や関係団体等と連携し、家庭の温暖化診断や環境関連イベント等の機会を通じて、広く県民への普及啓発に取り組んでいきたいと考えています。 県としては、今後とも、県民、事業者、市町等と一体となって、地球温暖化対策のみならず、防災にも資する再エネの導入促進に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(藤生通陽君) 弘田
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(弘田隆彦君) 防災・減災の取組についてのお尋ねのうち、ストーマ用品の備蓄についてお答えをします。 障害や持病のある方が、安心して避難所で過ごしていただくためには、必要な物資、とりわけ、容体に応じた医療資機材を迅速に提供することが重要です。 このため、県では、広域的観点から、ストーマ用品を含め必要な医療資機材を確保し、避難所の運営主体である市町に対し提供しているところです。 具体的には、ストーマ用品は、使用期限があり備蓄が困難であることから、県において医療機器販売業協会等と協定を結び、いわゆる流通備蓄として確保し、災害発生時に市町の要請に応じ、優先的に供給を受けられる体制を整備しています。 また、お示しのように外見では判断がつかない方や、様々な理由で援助を求めることをためらう方もおられることから、一人一人のニーズをきめ細かく聞き取り、ストーマ用品を被災者に速やかに提供することが必要です。 このため、県では、避難所において被災者の容体を的確に把握することができるよう、毎年、市町の保健師等を対象に研修を実施し、その資質向上に努めているところです。 県としましては、こうした取組を通じ、今後とも市町や関係団体と緊密に連携しながら、被災者支援の一層の充実に取り組んでまいります。 次に、障害者が安心して過ごしていただける共生社会に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、視覚障害者支援のうち、差別解消に向けた取組についてです。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立し、安心して暮らしていくためには、障害に対する社会全体の理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくことが重要です。 このため、県では、やまぐち障害者いきいきプランにおいて、障害への理解を深め、共に生きる社会の実現を施策の柱として位置づけ、障害を理由とする差別の解消推進や相互理解の促進などに取り組んでいるところです。 具体的には、障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供について、ホームページやリーフレット等により広く県民に普及啓発を図っています。 お示しの公共施設や店舗での盲導犬の同伴については、県民や事業者の方々に理解を深めていただくよう、県政テレビ番組やイベントなどを通じて普及啓発に努めるとともに、入店拒否などの情報が寄せられた場合は、事業者に対して状況を確認の上、必要な指導・助言を行っているところです。 県としましては、こうした取組を通じて、今後とも、視覚障害者への合理的配慮や盲導犬に対する理解の促進に努めてまいります。 次に、聴覚障害者支援についてです。 手話を必要とする聴覚に障害のある方が安心して生活するためには、日常生活を営む上で必要な情報を入手し、円滑に意思疎通を図っていくことが重要です。 このため、県では、新型コロナウイルス感染予防対策として、聴覚に障害のある方の受診相談等を支援するため、本年十月から、各保健所において、オンラインにより手話通訳を行うサービスの運用を開始したところです。 こうした遠隔手話サービスは、聴覚に障害のある方が意思疎通を図るための新たな手段と考えられることから、お示しのとおり、医療機関への受診相談のほか行政手続など、日常生活の様々な場面において活用が促進されることが期待されているところです。 また、国においても、聴覚に障害のある方がスマートフォン等により、常に手話通訳を利用できるサービスを全国に導入するための準備が進められています。 このため、県としましては、引き続き、手話通訳者の養成・確保を図るとともに、遠隔手話サービスの活用など新たな手法も取り入れて、聴覚に障害のある方の意思疎通支援の充実に取り組んでまいります。 次に、医業承継の取組についてのお尋ねにお答えします。 県民誰もが生涯を通じて、住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、日常的な病気の治療や健康管理等を行う地域の診療所において、安定的かつ継続的に医療が提供されることが重要です。 とりわけ、僻地においては、医療資源が限られ医師確保が困難なことから、県では、自治医科大学卒業医師の派遣や、僻地診療所の医療設備・運営費への支援などに取り組んでいるところです。 こうした中、お示しのとおり、本県は医師の高齢化が進行しており、今後、後継者不在のため、診療所の閉院を検討せざるを得ないケースの増加が見込まれることから、地域の医療提供体制を維持する上で医業承継は有効な手段の一つであると考えています。 このため、県では、今年度、県医師会と協働して、診療所を開設している医師全員を対象に、医業承継に関する実態把握に向けたアンケート調査を実施したところです。 その結果、回答者の約六割の方が医業承継を考えており、また、後継者の選定や手続に関する情報不足等の課題が明らかになったことから、県としては、今後、県医師会や関係団体等と連携し、具体的な対応策の検討など、医業承継を含めた地域医療提供体制の確保に取り組んでまいります。 次に、HPVワクチン接種の周知と助成の拡大についてのお尋ねにお答えします。 HPVワクチン、いわゆる子宮頸がん予防ワクチンは、接種後の頭痛や嘔吐などの副反応が生じる事例が見受けられたことから、これまで、接種対象者へのワクチン接種に向けた個別通知や積極的な勧奨は実施しないとする取扱いが示されてきたところです。 こうした中、本年十月、国において取扱いが見直され、ワクチンの接種対象者のうち希望する人が適切に接種が受けられるよう、対象者に対しワクチンの有効性や安全性など、必要な情報について周知することとされました。 このため、県では、市町に対して、対象者に個別通知を実施するよう徹底を図るとともに、対象者が接種を判断する上で参考となるよう、その効果やリスクについて、ホームページで広く情報提供することに加え、各保健所等において個別の相談窓口を設置しているところです。 また、お示しのように、定期接種を逃した方は任意接種となることから、まずは個別通知の徹底により接種の機会を確保することが重要と考えていますが、制度を所管する国において、助成制度も含め、円滑な制度運用が行われるよう、必要に応じ全国知事会等を通じて要望してまいります。 県としましては、今後とも、市町と連携しながらHPVワクチンの接種の適切な運用に取り組んでまいります。
○副議長(藤生通陽君) 三坂
観光スポーツ文化部長。 〔
観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕
◎
観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 視覚障害者支援についてのお尋ねのうち、駅ホームにおける転落防止策についてお答えします。 視覚障害のある方をはじめ、全ての利用者が安全かつ円滑に移動する上で、駅ホームにおける転落防止対策の推進は大変重要であると認識しています。 このため、県では、これまでJR西日本に対して、ホームドアや内方線付き点状ブロックの設置など、駅のバリアフリー化の推進について要望してきたところです。 また、広域的に利用される新幹線駅については、地元市町とともに財政的支援を行い、内方線付き点状ブロックの整備を進めてきたところであり、唯一未整備の厚狭駅についても、今年度から整備に着手することとしています。 お示しのホームドア等の設置については、今年度、国において利用者数や転落・接触事故の発生状況、駅やホームの構造、利用実態などを勘案し、優先度が高いホームについては、その整備をさらに加速化するという考え方が示されたところです。 県としては、こうした国の考え方も踏まえ、ホームドアの設置などバリアフリー化について、JR西日本に対し、引き続き要望していくとともに、市町との適切な役割分担による財政的支援を行うことにより、駅ホームにおける転落防止対策の推進に取り組んでまいります。
○副議長(藤生通陽君) 谷
警察本部長。 〔
警察本部長 谷滋行君登壇〕
◎
警察本部長(谷滋行君) 警察活動協力医の体制についてのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、警察活動協力医については、様々な状況下での検視の立会いといった職務内容そのものも、これは大変御負担の大きいものであるわけですが、近年、その検視の立会い件数が増加しているほか、
コロナ禍における感染リスクの中での活動により、その負担が増しており、県警察といたしましては、協力医の皆様の負担を軽減し、不安なく活動していただけるよう努めているところであります。 協力医の委嘱数につきましては、本年度は新たにお引き受けいただいたことにより、昨年度より二名増え県内百名の体制となりましたが、今後も引き続き、その確保に努めてまいります。 また検視の立会いに当たっては、協力医の皆様の御都合等にも配慮しながら、状況に応じて協力医以外の医師にも依頼することで、協力医の負担軽減を図るよう努めているところであります。 次に、
コロナ禍における検視の感染リスクやクラスター発生のリスクの軽減のための対策についてですが、各警察署において、防護衣、消毒液等を整備し、必要に応じ協力医にお使いいただくこととしております。 また、新型コロナウイルスの感染が疑われる死体については、可能な限りPCR検査により陰性が確認された後に立会いをお願いすることで、協力医の感染防止に配意した対応をしております。 次に、協力医に対する出務手当についてですが、その金額につきましては、全国的な水準を踏まえながら決定しているところでありますが、そうした中で、協力医の皆様の御要望もお伺いしつつ、引き続き、見直しの必要性について検討してまいります。 また、検視によって新型コロナウイルスに感染した際の補償につきましては、これまで協力医の皆様に対して契約している保険について、感染症に対応したものに拡充できるよう検討を進めているところであります。 県警察といたしましては、引き続き、協力医の皆様が安全に安心して活動していただけるよう、その体制整備に努めてまいる所存であります。
○副議長(藤生通陽君) 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手)
◆(中嶋光雄君) 社民党・市民連合の中嶋です。通告に従い質問させていただきます。 まず、二千万円の最高級車購入問題について。 十年一昔と言いますが、貴賓車の買換え対応については、何にも変わっておらず、昔のままのようです。 我が社民党の前佐々木明美県議が、平成二十一年二月定例会で、「公用車の在り方について検討されているようです。この際、一部にある真っ黒い超高級車は時代感覚にも合わず、しかも稼働率もすこぶる低いようですから、もっと実用的で環境に配慮した車などに切り替えるべきではないでしょうか」とただしたのに対し、議事録を確認したところ、答弁は、 黒塗り公用車の切替えについて、お示しの黒塗りの公用車につきましては、現在、会計管理局で管理している車が九台ありますが、そのうち三台は環境配慮型のハイブリッド車としております。 また、今回、黒塗りの公用車二台をシルバー及びグレー色の、車種といたしましてはMPVという八人乗りのステーションワゴンでありますが、これに更新し、より多目的な使用に対応可能な車両として活用する予定としております。 今後とも、公用車の利活用や管理の在り方等について、黒塗り等の公用車を含め、時代の変化に対応し、必要な見直しを検討してまいる考えであります。でした。 平成二十一年二月定例会は、リーマンショックの真っただ中での県議会開催でした。そして今日は、現在進行中の新型コロナショックの真っただ中にあります。 財政難による経費削減が叫ばれている中でのことですので、この問題発覚後、連日、マスコミも大きく取り上げ、全国ニュースになりました。新聞、テレビ、またユーチューブなどインターネット配信もされましたので、全国の自治体に波及しました。 県に寄せられた声は氷山の一角であり、インターネット上では数え切れないくらい山口県への批判が書き込まれています。 そこでお尋ねします。今となっては、当時の局長の答弁はその場しのぎの感があります。明らかに担当部署は時代の変化を見誤り、前例踏襲のお役所仕事に徹してしまったのではないでしょうか。 知事は、記者会見で検討が不十分と反省の弁を述べられています。そこで、一つ、当時の局長の議会答弁はなぜ生かされず、今回の大きな問題となったのか、その原因。二つ、今後、具体的な見直し策について、この二点についてお尋ねをいたします。 二つ、最低賃金改善と中小企業支援の拡充についてお尋ねします。 今議会に、最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める請願が出されました。我が会派は、請願の趣旨に賛同し、紹介議員に名を連ねさせていただきました。議員先生方にも、ぜひ御賛同いただきたいとの思いから質問させていただきます。 ここ数年、高い水準の引上げが続いていた最低賃金ですが、コロナショックで厚生労働省の審議会は、今年は引上げの目安の提示を見送りました。 これを受け、山口県の最低賃金改定も見送られました。据置きは、全国七都道府県で、この中で山口は最も低額の八百二十九円ですが、据え置かれました。じくじたる思いがいたします。 七月二十七日放送のNHK「時論公論」では、 一つは深刻な地域間格差です。どういうことかといいますと、現在の最低賃金は、全国加重平均で九百一円ですが、最も高いのは東京の千十三円。最も低いのは、鹿児島、青森などの十五の県の、七百九十円。この両者の間に、時給で二百二十三円もの大きな開きがあります。これが賃金の低い地方から、賃金の高い都市部へと働き手が流出する大きな要因となっています。 つまり、経営側の支払い能力に配慮して最低賃金を抑えたままでいると、それがやがて、働く人だけでなく、地方の経済全体に影響が及ぶことになるわけです。と解説していました。 まさにそのとおりだと思いました。 最低賃金の最高は東京で千十三円、一方、山口は八百二十九円、先ほど申し上げたとおりです。時給で百八十四円、年収においては約三十七万円もの格差が生じています。最低賃金の地域間格差が、まさに東京など大都市圏への人口集中を促す要因となっています。 地方から、若い働き手は賃金が高い首都圏へ流出しています。その一方、地方はますます人口が減少、過疎化・高齢化が加速し、地域経済が冷え込む、こういう要因に、この地域間格差が、賃金格差がなっているのではないでしょうか、お尋ねをいたします。 労働組合、全労連さんが実施した最低生計費試算調査という実に興味深い調査があります。(掲示)お手元に資料をお届けさせていただきましたので、御覧いただけたらと思います。この調査結果では、山口で若者が人並みの暮らしをするためには、時給千六百円が必要としています。 一人の労働者が自立して人間らしく暮らすには、全国どこに住んでいても二十三万円から二十六万円程度が必要ということであります。生計費において、都市部と地方ではほとんど差はありません。この表には紙面の都合で東京から九州しか比較をしていませんけれども、北海道、全国にまたがって調査をされていらっしゃいます。 したがって、生計費原則に基づく、八時間労働で生存権を保障できる最低賃金制度にすべきであります。最低賃金は少なくとも時給千円以上に引き上げ、そして千五百円を目指し、都道府県ごとの格差を是正する全国一律最低賃金制度の創設が必要であります。 最低賃金の引上げで恩恵が大きいのは、女性や若者が多く働く非正規雇用の労働者です。地方経済の活性化や労働者全体の賃上げに波及する効果となるのではないでしょうか、お尋ねをいたします。 その際に重要なことは、不況に苦しむ中小業者に対する政策的支援制度をつくることであります。具体的には、賃上げを実施した
中小企業に対する支援策として、社会保険料の事業主負担分減免制度創設、また、最低賃金引上げに対応する業務改善助成金事業への積極的誘導などの支援を地元の中小業者に行うことが有効ではないでしょうか、お尋ねをいたします。 三つ、原発問題について。 まず、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。 県政の役割は、県民の命と安全・安心な暮らしを守ることにあります。山口県政の重要課題の一つに、上関原発の問題があります。 原発問題を考えるときに忘れてならないのは、二○一一年三月十一日に発生した福島第一原発事故の悲劇です。 あの事故から九年が経過しました。いまだに事故原因は究明されたとは言えません。事故は収束どころか、汚染水が太平洋に流出し、原子炉内の様子も把握できておらず、危機的状況が続いています。 それにもかかわらず、政府は原発を重要なベースロード電源と位置づけ、原発再稼働に躍起となり、新設については、現時点では想定していないと曖昧にしたままです。 一たび事故が起きれば取り返しのつかない被害をもたらす原発。 福島県では、県議会でも全会派が県民を苦しめる原発は要らないとし、福島県復興ビジョンを策定、三つの基本理念の一番に、原子力に依存しない安全・安心で持続的な発展可能な社会づくりを掲げました。 国の方向に対して、原発事故を受けて苦しんだ福島県は、きっぱりと言うべきことは言っているのです。ここに地方自治の本旨、魂があると思うわけです。 村岡知事は、福島の事故をどう捉まえておられますか、お尋ねをいたします。 これまで何度も上関原発についてただしてきました。毎度同じ答弁が返ってきます。上関原発計画は、事業者である中国電力が国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断するものと考えておりますと。本当に県は関与していないと言えるのでしょうか。 山口県は、原子力発電関係団体協議会に一九七八年五月十六日に加入しています。豊北原発計画が豊北町長選挙で原発反対派当選により崩壊した翌々日に加入しています。豊北原発計画が頓挫した時点での加入に、山口県の原発政策推進の意図がうかがい知れます。 この協議会は、今年五月にも、原子力発電等に関する要請書を国に提出しています。中身は、原発立地道県に関するものばかりで、山口県に関係するものは、あえて探せば、電源三法交付金に関する事項しか見当たりません。 二○一二年七月に、当時の会長県が国に提出する素案に、原発の推進を求める、この表現を盛り込んだところ、福島県、宮城県、静岡県の反対により撤回。さらに、静岡県は協議会の意義に疑問を唱え、この年の八月に脱退。交付金のための団体と静岡県知事は批判をしておられます。 そこでお尋ねします。山口県以外の加入は、全て原発立地道県である原子力発電関係団体協議会に立地予定の県として加入しているということは、山口県に必ず原発を造りますよと、県知事が宣言していることと同じではないのか。 また、県民を代表する県知事として、県民の意向が原発を造ることだと認識しておられるということであるのか。 この原子力発電関係団体協議会に加入している理由と意義は何か、お尋ねをいたします。 さらに、この協議会から脱退すべきではありませんか、お尋ねをいたします。 本県は、さらに電力会社や原発プラントメーカーが軒並み名を連ねる、
一般社団法人日本原子力産業協会の会員にもなっています。この原産協会からは直ちに退会すべきではないか、お尋ねをいたします。 十一月十四日、上関原発の建設予定地である長島に架かる上関大橋に、突然二十センチの段差ができて通行ができなくなりました。この橋は島と上関町の本土側をつなぐ唯一の橋であり、この橋が使えなければ原発事故の際、陸路で避難することができなくなります。 十一月十八日の衆議院経済産業委員会で、立憲民主党の逢坂委員が、「有効に機能する避難計画がなければ原発の稼働はできないか」との質問に、梶山経済産業大臣は、「しっかりした避難計画がない中で原子力発電所の稼働が実態として進むことはない」と答弁。 さらに、「どのようなものをしっかりとした避難計画と位置づけているのか」には、「二○一一年三・一一の事故は苛酷事故。それらの事故を想定した上で、原子力災害対策指針ができている。それに従って避難計画を立てていく、それがしっかりとした実効性のある避難計画」と答弁しました。 この答弁を受け、二十日には、今度は、立憲民主党の山崎委員が、上関大橋に二十センチの段差ができたことを取り上げ、「しっかりした避難計画はつくることはできないのではないか」と梶山大臣をただしましたが、明確な答弁はなく、無責任さが露呈した答弁でした。 そこでお尋ねは、上関原発をこのまま推進するのであれば、県地域防災計画、原子力災害対策編において、県は関係市町の避難計画策定に対する支援、広域調整等を行わなければならないが、苛酷事故を想定したしっかりとした実効性ある避難計画をつくることができるとお考えか、お尋ねをします。 今日では、既に上関原発建設の本来の意義は失われています。 二○○一年、上関原発を電源開発基本計画に組み入れるに当たって行われた総合資源エネルギー調査会電源開発分科会第一回審議会の議事録を読むと、お手元に資料をお届けさせていただいております。電力需要は、省エネ技術などの発展を勘案しても、中長期的には増加が見込まれ、これに対応する電源を確保することはどうしても必要、最近の電力需要は、平成十二年度実績で需要電力量は対前年比で二・六%の伸びを示し、引き続き堅調な増加傾向を示しているとなっているなど、この審議会では、上関原発計画は電力需要に応えるためと繰り返し述べられています。 二○○○年から二○一○年までの電力量を見通して、電力を安定的に確保することが目的になっているのが分かります。 こうした状況の下で決定された上関原発の電源開発基本計画組入れです。 ところが、二○一一年には福島事故があり、人々は省エネと再生可能エネルギーの利用を図り始め、人口減少も加わり電力需要は落ちてきています。 現に、今年、中国電力が発表したエネルギアチェンジ二○三○、これもお配りした資料を御覧いただけたらと思います。人口減少や節電・省エネの進展等により、需要自体が今後減少していく見通しですとしています。 さらに言えば、当初計画では、一号機は二○一二年に運転開始、二号機は二○一五年に運転開始となっており、そうでなければ支障が出ると。しかし、二○一二年も二○一五年も電力需要に支障を来すこともなく過ぎてきました。 ここらで、上関原発にこだわり続ける無理から解放されることも考えられてはどうか、お尋ねをします。 四点目に、交通安全対策についてお伺いします。 本県警察本部の令和二年版交通白書によると、二○一九年の全国の交通事故死者数は三千二百十五人で、前年比三百十七人の減、最も多かった一九七○年の一万六千七百六十五人の五分の一以下にまで減少し、統計が残る一九四八年以降で最少になったとのことです。 死者数の減少の要因は、道路の形状や交差点の改良、信号機の設置をはじめとする様々なハード対策のほか、自動車のシートベルト、エアバック、いわゆるサポカーの普及など自動車自体の安全性の向上に加え、時代に即した法整備による効果や、医学の進歩などにもあると言われています。 しかし、交通事故による死者数が往時の五分の一程度になったとはいえ、全国で一日に約八・八人、本県で月に約三・七五人の方が亡くなられているという事態からすれば、今後も不断の取組を講じ、交通事故死者数を限りなくゼロに近づけなければならないと考えます。 そこで尋ねします。県警察は、交通事故総量の減少と交通死亡事故ゼロを実現するため、交通安全県やまぐち推進事業を継続実施されていますが、交通死亡事故の抑止に今後どのように取り組み、対策の効果をどう図ろうとされているのか、お聞かせください。 また、最近では、車の運転中にスマートフォンなどを使ったり、カーナビなどを見たりしながら運転するながら運転、そして、悪質なあおり運転の問題もあります。 ながら運転による事故が多発していたことに鑑み、昨年十二月、改正道路交通法が施行され、運転中の携帯電話での通話や、画面を注視する違反である携帯電話使用等(保持)の違反点数がこれまでの一点から三点に、通話や注視により交通の危険を生じさせる違反である携帯電話使用等(交通の危険)が二点から免許停止となる六点になり、また、保持の反則金は、大型車は七千円から二万五千円に、普通車は六千円から一万八千円に変更され、さらに、懲役刑が加わるなどし、六か月以下の懲役または十万円以下の罰金が適用される可能性もあるとのことです。 特に通話や注視により、交通の危険を生じさせた場合は、これまでは交通反則通告制度により、反則金を納付することで、刑事責任まで問われることはありませんでしたが、この改正により制度の適用から除外され、直ちに刑事手続の対象となり、罰則は三か月以上の懲役または五万円以下の罰金から、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金に引き上げられるなど、罰則化が図られています。 そこでお尋ねします。本県におけるながら運転の現状はどうか。また、指導取締りなどの対策はどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。 また、警察庁によると、全国の警察が二○一九年、あおり運転の類型の一つである車間距離不保持違反による道路交通法違反で摘発した件数は一万五千六十五件だったそうです。前年に比べて一五・七%も増加したとのことであり、もはやあおり運転は社会問題と言っても過言ではありません。 ドライブレコーダーの取付けなどにより、まずは自衛の手段を講じることが重要ですが、県警察におかれては、こうしたあおり運転や暴走行為にどのように対応し、県民の安全・安心の確保を図っていかれるのか、お聞かせください。 さらに、代表質問とダブりましたけれども、横断待ちの歩行者のために停車してくれる運転者が少ないと言われている本県だが、加えて、横断歩道の白線が全く消えているとの県民の声を多く聞きます。予算を獲得してもらう問題でもありますが、これらの点についてのお考えをお聞かせください。 五つ目、色弱者への配慮について。 二○一七年十一月定例会で質問した色弱者への配慮についてお尋ねします。 青、黄、赤、信号機の三色を全て通行人が正しく認識できているのか、答えはノー。だが、色を色弱の人にも判別しやすい色味を変えた信号機などが普及してきています。信号機のLED化などです。 そこで、本県信号機のLED化の普及割合と今後の取組についてお聞かせください。 さらに、以前もお尋ねいたしましたけども、消防職員採用時における色覚検査の実施状況については、平成二十九年度から、県内十二消防本部中、色覚検査を求めていないが三本部から六本部に増え、色覚検査を求めて採用に影響するが七本部だったのが三本部に減り、色覚検査を求めているが採用に影響しないが二本部から三本部に増えています。 三年間で相当、改善の御努力をいただいていますことに対し、敬意を表したいと思ってはおります。 カラーユニバーサルデザインの取組については、公共施設の案内表示など、情報表示のカラー化が急速に進んでおり、色弱者への配慮に継続的に取り組まなければならないと考えます。 そこで、カラーユニバーサルデザインの推進について、本県を挙げて取り組んでおられると思いますので、現状と今後の方針についてお聞かせください。 最後の項目、宇宙監視レーダーについてお尋ねします。 我が山陽小野田市において、防衛省中国四国防衛局は、宇宙監視レーダー設置のための造成工事を完成させ、今、来年十二月十五日までの工期で、レーダー局舎基礎六式及び標定・較正装置基礎一式のコンクリート基礎工事が行われています。 六式のパラボラアンテナから電磁波を同時照射し同期させて、探知距離約四万キロメートル、静止軌道帯の複数目標を同時追尾するDSレーダーの運用を二○二三年度から米軍等と連携しつつ、中露による宇宙の安定的利用を妨げるリスクの監視・回避に資するSSA能力向上を図るとしています。 自衛隊に、宇宙作戦隊が今年五月新編され、まさに宇宙の軍事利用に直結する軍事施設がつくられようとしています。 問題は、住民向けの説明会では、宇宙ごみの監視をするためのレーダーだとの説明会しかされていないこと。 また、専門家がレーダーの出力は、到達距離の二乗に比例するというレーダーの諸元は秘密のままで、何よりも当該市議会の質疑で明らかになっていることは、市としては、防衛省中国四国防衛局がここを適地であると言っている、市としての判断ではない、宇宙監視レーダーの設置は、国の防衛政策であるから是非を論じる立場にない、レーダーの諸元等については、詳細設計等説明を求めており待っている状況だと言っていることだけです。 しかし、市は反対も賛成もしていない。つまり同意はしていないにもかかわらず、国内初の宇宙軍事基地建設のための事業が進められている、このことが許されることなのか、お尋ねをいたします。 あるいは、県が説明を受け、同意されているので事業が進められているということなのか、お尋ねをしまして、一回目の質問を終わります。(拍手)
○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 中嶋議員の御質問のうち、私からは、カラーユニバーサルデザインの取組についてのお尋ねにお答えします。 年齢や障害の有無等に関わりなく、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、高齢者や障害者等の日常生活や社会生活を制限する障壁のない社会の実現が重要です。 このため、県では、山口県福祉のまちづくり条例やユニバーサルデザイン行動指針に基づき、全ての人に利用しやすい環境を整備していくユニバーサルデザインを推進しているところです。 お尋ねのカラーユニバーサルデザインについては、印刷物やホームページ、案内板等を作成する際に、色覚に障害のある方にも分かりやすい色使いや、表記を行う方法を示したカラーバリアフリーガイドを策定し、庁内をはじめ、県内市町や建築士会等に対し、配慮を求めています。 また、公共的施設の案内板等の整備基準を定めた設計マニュアルにおいて、文字の色を地色と明度の差の大きい色とすることや、図形、記号等によって表示するなど、識別を容易にするための基準を定め、整備を促進しているところです。 さらに、昨年度からは、県の広報誌ふれあい山口において、文字を認識しやすいように、フォントをユニバーサルデザインフォントに変更して、地色と文字のコントラストを強調し、読みやすい紙面にしています。 私は、こうした取組を通じ、今後とも、市町や事業者等の理解、協力を得ながら、カラーユニバーサルデザインの推進に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○副議長(藤生通陽君) 福田
商工労働部長。 〔
商工労働部長 福田浩治君登壇〕
◎
商工労働部長(福田浩治君) 最低賃金改善と
中小企業支援の拡充についての三点のお尋ねにお答えします。 地域間格差につながる地方から大都市圏への転出超過の要因として、賃金の違いもその一つとして考えられていますが、最低賃金については、法律に基づき、各地域の労働者の生計費や賃金などを総合的に勘案して地域の労働局長が決定しており、言わば、地域の実体経済に基づく結果として差が生じているものと考えています。 また、国はこれまでも、骨太の方針に最低賃金の全国加重平均を千円とすることを掲げ、毎年三%程度の引上げが実施されており、引き続き、地方の所得を増やし、消費を活性化するため、最低賃金の全国的な引上げに取り組むとされています。 しかしながら、本年は、新型コロナウイルス感染症による影響が多方面に及んでおり、経済・雇用を守ることを最優先課題として考慮された結果、本県を含め全国的に最低賃金の引上げが据置きまたは微増にとどまっています。 こうしたことから、県としては、国において、
コロナ禍の状況を見極めつつ、経済成長率の引上げや生産性の向上に向けて、
中小企業事業者の負担も考慮しながら、引き続き、賃上げしやすい環境整備に取り組んでいかれるものと考えています。
○副議長(藤生通陽君) 梶間
商工労働部理事。 〔
商工労働部理事 梶間敏君登壇〕
◎
商工労働部理事(梶間敏君) 原発問題についての数点のお尋ねのうち、まず、福島の事故をどう捉えているかとのお尋ねにお答えします。 福島第一原発の事故では、依然として多くの方々が避難生活を余儀なくされている状況にあり、早期の事態収束に向け、廃炉・汚染水対策や風評被害対策等について、国及び事業者が一丸となって取り組む必要があると考えています。 また、この事故により、原発についてはいかなる事情より安全性を最優先に取り組む必要があることを、改めて認識したところです。 県としては、今後とも、国及び事業者の責任において、原発の安全性を不断に追求していくことが必要であると考えています。 次に、原子力発電関係団体協議会についてのお尋ねにまとめてお答えします。 この協議会は、原子力発電に伴う諸問題を調査研究し、地域社会の健全な発展に寄与することを目的としているものです。 本県は、上関原発建設計画がある県として、原子力発電関係の情報収集等を行うため、この協議会に加入しているものであり、脱退することは考えていません。 したがって、お尋ねのように、協議会に加入していることが、県が必ず原発を造ると宣言している、また、県民の意向が原発を造ることだと認識しているということではありません。 次に、
一般社団法人日本原子力産業協会についてですが、この協会には、原子力発電関係の情報収集を行うために入会しているものであり、退会することは考えていないところです。 次に、上関原発にこだわり続ける無理から解放されることも考えてはどうかとのお尋ねです。 上関原発建設計画は、事業者である中国電力が、国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 県としては、引き続き、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという基本姿勢で対応してまいります。
○副議長(藤生通陽君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君) 原発問題に関するお尋ねのうち、避難計画の策定についてお答えします。 原子力災害時における住民の避難につきましては、原子力災害対策特別措置法や災害対策基本法等に基づき、関係する地方公共団体が地域防災計画の中で、避難計画を定めることとされています。 この計画につきましては、一般的には、原子炉設置許可以降、運転開始までの間に建設される原子力発電所の具体的な施設・設備の状況や、原子力事業者の防災体制等を踏まえ、国の原子力災害対策指針等に沿って策定することとなっており、現時点、避難計画を検討する段階にありません。 次に、宇宙監視レーダーについての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 県では、これまでに国から宇宙状況監視の必要性や施設の整備等の説明を受け、宇宙状況監視レーダーについては、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を探知、追跡することを目的とするものと認識しています。 当該レーダー施設は、宇宙政策を推進する国が必要と判断し整備するものであり、県としては、あくまでも国の責任において、地元山陽小野田市や地域住民に対し、その必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています。
○副議長(藤生通陽君) 内畠
会計管理局長。 〔
会計管理局長 内畠義裕君登壇〕
◎
会計管理局長(内畠義裕君) 公用車の購入に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、過去の議会答弁が生かされなかったとのお尋ねです。 黒塗りの公用車については、平成二十一年度以降昨年度まで、車種の変更や保有台数を九台から五台に削減するなど、その見直しを行ってきたところです。 今回のセンチュリーの更新に当たっては、県側で一台、県議会側で二台、県全体で三台の保有を二台に削減し、県側で一元管理することにより効率的な運用を図るとともに、経費の支出を抑制しようとしたものです。 しかしながら、皇室・貴賓者用車両という性格上、車両への信頼や、これまでの運用実績において特段の問題もなかったことを踏まえて、従来どおりとしたところです。 次に、今後の見直しについてですが、次回更新時には、二台による運用状況も踏まえて、車種の選定や購入金額などについて検討を行っていきたいと考えています。
○副議長(藤生通陽君) 谷
警察本部長。 〔
警察本部長 谷滋行君登壇〕
◎
警察本部長(谷滋行君) まず、交通安全対策についての四点のお尋ねにお答えします。 一点目の交通死亡事故抑止に向けた取組についてです。 県内の交通事故死者数は、長期的には減少傾向にありますが、本年も十月末現在、三十一人の貴い命が失われております。 本年の死亡事故には、高齢の死者数が十四人、はみ出しによる死者数が九人、二輪車乗車中の死者数が七人といった特徴が見られます。 こうした事故の特徴を踏まえ、引き続き、指導取締りや広報啓発活動、関係機関・団体や地域の方と連携した多角的な取組を推進してまいります。 また、対策の効果につきましては、このような分析と、それを踏まえた取組を通じ、交通死亡事故を一件でも多く抑止することを目指してまいります。 二点目のながら運転の現状と取締りなどの対策についてです。 本年十月末現在、携帯電話使用等が原因の人身事故件数は九件で、昨年同期比で五件減少、また、携帯電話使用等の取締り件数は五千六十三件で、昨年同期比で九千四百七十六件減少しております。 こうした減少は、法改正による罰則の強化も要因の一つと考えられますが、引き続き、交通安全教育や様々な媒体を活用した広報啓発、厳正な取締りを推進してまいります。 三点目のあおり運転への対応についてです。 あおり運転については、その抑止を図るための改正法が、本年六月から施行されたところであります。 これまでのところ、本県における改正法の適用はございませんが、引き続き、改正内容の周知のほか、ドライブレコーダーの設置などの広報啓発を行うとともに、違反行為に対しては、車間距離不保持違反等も含め適切に取締りを実施してまいります。 四点目の横断歩道の歩行者優先ルール徹底と整備についてです。 ドライバーに対するルール徹底に向け、関係機関・団体の協力を得て、テレビCM等各種媒体を活用するなどして、今後も効果的な広報啓発に努めてまいります。 また、横断歩道や停止線の塗り替えは、磨耗の程度、交通量、子供や高齢者の利用実態等を総合的に判断し、緊急に対応すべき優先度の高い箇所から行うなど、予算の効率的な執行によって横断歩道の適切な維持管理に努めてまいります。 次に、色弱者への配慮についてのお尋ねにお答えします。 県内の信号灯器のLED化整備率は、令和元年度末で七三・七%であり、全国平均より一三ポイント高くなっており、今後も、幹線道路、病院や学校等の公共施設付近、老朽化等により視認性が低下している信号灯器を重点に、LED化を積極的に推進してまいります。
○副議長(藤生通陽君) 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手)
◆(中嶋光雄君) 答弁いただきましたけれども、再質問さしていただきます。 まず最初に、最低賃金、あんまりほとんど関係ないというような御答弁だったと思いますけれども、本県として、人口流出に対して様々な施策を打たれていますけれども、なかなか福岡、広島県への流出が止まらないというのが現実があります。 最低賃金を見てみますと、山口県は広島県、福岡県と最低賃金の高い間に挟まれている。だから、最低賃金が根っこにあるものではないか、このことはぜひ考慮にしていただきたい。そういう観点から御答弁をいただけたらと思います。 そしてまず、時間がありませんので、宇宙監視レーダーについてお尋ねをしたいと思います。 この宇宙監視レーダーの諸元はよく分からないということですけれども、あのイージス・アショア計画のときには、県から何度も疑問点を御質問され、その質問に答える形で防衛省が回答を出してきました。でまた、データが出たりしてきました。補足説明も受けられてきました。その結果、矛盾を来してきたということが多々ありました。 そこで、なぜ県としては、先ほど総務部長御答弁ありましたけれども、なぜに宇宙監視レーダーについては県民の安心・安全のために説明を求められないのか、お尋ねをいたします。 イージス・アショアはせいぜい千五百キロの範囲を捕捉するためのレーダーでしたけれども、宇宙監視レーダーは約四万キロメートル、レーダー出力は七百倍と言われてますので、県民の安心・安全にとってはさらに重大な問題ではないかと思いますけれども、このことについてお尋ねをいたします。 さらに、七月三十一日、山陽小野田市議会議員連絡会で、防衛省からこれまでの説明が不十分であったことが謝罪をされたようです。そして、監視対象に中国、ロシアのスパイ衛星やキラー衛星の監視が含まれ、その情報は米軍の宇宙作戦部隊、東京自衛隊府中基地にあるそうですけれども、に提供されることは追加説明されました。 防衛白書にも中露の名指しこそ避けていますが、人工衛星に接近して妨害、攻撃、捕獲するキラー衛星の開発実証実験が進められていると指摘されており、宇宙空間の安定的利用に対する脅威が増大していると、こんな記述があります。 当然、中国やロシアにとっては邪魔な存在になるでしょう。そうした情報について、どうお考えでしょうか。 また、当然、そういうことであれば、住民の皆さんはテロや有事の際の標的になるのではないかと、イージス・アショア同様心配をされています。この点について、お考えをお聞かせください。 そしてもう一点、原発、今回原発問題を質問さしていただいたのは、県と事業者間にあうんの呼吸があるのではないかとの疑念が拭い去れないからであります。 あの上関原発用地埋立禁止住民訴訟、一審は原告の勝訴でした。しかし、二審では公有水面の埋立免許の伸長許可について、申請者が判断の留保に任意に同意しているときは、原則として判断留保は違法にならないと退けられました。 上関原発一号機の建設予定計画地は海の上です。海を埋め立てなければ当然原発はできません。公有水面という公共の財産の制限を認める埋立免許が一旦与えられれば、県知事と申請者の意思のみによって、公共財産の制限が無制限・無期限に認められることが許されるとは、到底、県民の皆さんに納得が得られることとは思えません。 この間の答弁、上関原発の建設をどうするかは事業者自らが判断するもの、本当に県は関与していないと言えるのか、この点について触れましたけれども、言及はされませんでした。この点について、改めて御答弁を求めまして、時間がありませんので、私の質問を終えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(藤生通陽君) 福田
商工労働部長。 〔
商工労働部長 福田浩治君登壇〕
◎
商工労働部長(福田浩治君) 最低賃金改善についての再質問にお答えします。 本県から隣県に流出するのは、最低賃金の高さが要因ではないかとのお尋ねですが、最低賃金は地域経済の実態を反映した結果として差が生じているものであり、最低賃金の差のみをもって転出超過の直接の要因とは考えていません。
○副議長(藤生通陽君) 内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕
◎総務部長(内海隆明君) 宇宙状況監視レーダーについて三点ほど再質問いただきました。 まず、一点目と二点目、イージス・アショアと比べて影響範囲は広範に及ぶので、さらに重大ではないか、それからイージス・アショアについては何度も文書照会を行っているということで、県は国に文書照会を行うべきではないかという二点のお尋ねについて、まとめてお答えしたいと思います。 宇宙状況監視レーダーにつきましては、国からはレーダーの設計が終了しなければ運用や影響などについて具体的な説明ができないということで、レーダーの設計を終えた後に地元に対して説明を行うということで聞いているところでございます。 県としましては、今後、国の説明において不明な点等があれば、住民の安心・安全の観点から国に確認をしたいというふうに考えております。 それから三点目、宇宙状況監視レーダーがスパイ衛星等の監視をするということで、結果としてテロや有事の際の標的につながるのではないかというお尋ねにお答えをします。 宇宙状況監視レーダーにつきましては、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を監視するものであり、相手方に脅威を与えるような性質のものではないということで、国より聞いております。 繰り返しになりますけど、国におきましては、今後、レーダーの設計を終えた後に地元に対し説明を行うとしておりまして、その必要性や安全性等について丁寧に説明をいただきたいというふうに考えております。
○副議長(藤生通陽君) 梶間
商工労働部理事。 〔
商工労働部理事 梶間敏君登壇〕
◎
商工労働部理事(梶間敏君) 再質問にお答えをいたします。 県と中国電力の間にあうんの呼吸がある、あるいは県と事業者の意思で公共財産の制限が無制限に認められるということ、あるいは県が上関原発建設に当事者として関与していないと言えるのかという御質問などに、まとめてお答えをさせていただきます。 上関原発建設計画は、事業者である中国電力が国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 県としては、引き続き、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択や、国のエネルギー政策を尊重するという基本姿勢で対応していくこととしております。 したがいまして、県と中国電力の間にあうんの呼吸がある、あるいは県と事業者の意思によって公共財産の制限が無制限に認められる、また県が上関原発に当事者として関与していないと言えるのかなどの御指摘は当たりません。
○副議長(藤生通陽君) 本日の
一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ─────────────
○副議長(藤生通陽君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。御苦労さまでした。 午後二時四十分散会 ───────────── 地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。 山口県議会 議 長 柳 居 俊 学 副 議 長 藤 生 通 陽 会議録署名議員 西 本 健 治 郎 会議録署名議員 酒 本 哲 也...