令和 2年11月定例会 令和二年十一月
山口県議会定例会会議録 第三号 令和二年十二月一日(火曜日) ──────────────────── 議事日程 第三号 令和二年十二月一日(火曜日)午前十時開議 第一 一般質問 第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで(質疑) ──────────────────── 本日の会議に付した事件 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで 会議に出席した議員(四十五人) 塩 満 久 雄 君 林 哲 也 君 木 佐 木 大 助 君 先 城 憲 尚 君 友 田 有 君 髙 瀬 利 也 君 酒 本 哲 也 君 平 岡 望 君 西 本 健 治 郎 君 二 木 健 治 君 宮 本 輝 男 君 藤 本 一 規 君 猶 野 克 君 藤 生 通 陽 君 合 志 栄 一 君 小 田 村 克 彦 君 曽 田 聡 君 俵 田 祐 児 君 吉 田 充 宏 君 新 谷 和 彦 君 島 田 教 明 君 石 丸 典 子さん 井 上 剛 君 松 浦 多 紋 君 守 田 宗 治 君 森 繁 哲 也 君 槙 本 利 光 君 井 原 寿 加 子さん 橋 本 尚 理 君 山 手 康 弘 君 畑 原 勇 太 君 秋 野 哲 範 君 河 野 亨 君 笠 本 俊 也 君 有 近 眞 知 子さん 森 中 克 彦 君 友 広 巌 君 戸 倉 多 香 子さん 上 岡 康 彦 君 新 造 健 次 郎 君 坂 本 心 次 君 中 嶋 光 雄 君 江 本 郁 夫 君 柳 居 俊 学 君 国 本 卓 也 君 会議に欠席した議員(なし) 欠 員(二人) 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 村 岡 嗣 政 君 副知事 小 松 一 彦 君 総務部長 内 海 隆 明 君 総務部理事 藤 田 昭 弘 君 総合企画部長 平 屋 隆 之 君 産業戦略部長 平 野 展 康 君 環境生活部長 神 杉 さとみさん 健康福祉部長 弘 田 隆 彦 君 商工労働部長 福 田 浩 治 君
商工労働部理事 梶 間 敏 君
観光スポーツ文化部長 三 坂 啓 司 君
農林水産部長 松 岡 正 憲 君 土木建築部長 阿 部 雅 昭 君 会計管理局長 内 畠 義 裕 君 財政課長 稲 垣 嘉 一 君 教育長 浅 原 司 君 副教育長 繁 吉 健 志 君 公安委員長 倉 田 惠 子さん 警察本部長 谷 滋 行 君 代表監査委員 木 村 進 君
監査委員事務局長 渡 邉 隆 之 君
労働委員会事務局長 武 林 正 治 君
人事委員会事務局長 松 本 道 夫 君 会議に出席した事務局職員 事務局長 前 田 安 典 君 事務局次長 吉 岡 達 也 君 総務課長 原 田 和 生 君 議事調査課長 柳 原 廉 均 君 秘書室長 宮 本 優 蔵 君 政務企画室長 白 井 雅 晃 君
議事調査課長補佐 作 本 真 得 君 主査兼議事記録係長 益 本 悟 史 君 主任 賀 山 智 江さん 主任主事 柏 村 奈緒美さん 主事 高 尾 大 輝 君 ───────────── 午前十時開議
○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 ─────────────
△日程第一一般質問
△日程第二議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで
○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 笠本俊也君。 〔笠本俊也君登壇〕(拍手)
◆(笠本俊也君) おはようございます。自由民主党の笠本俊也でございます。令和二年十一月定例会の一般質問の
トップバッターを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、人への感染が昨年末より本格化したコロナ禍は、多くの人の終息の願いとは裏腹に、既に一年が経過しようとしておりますが、いまだなお、その勢いは増してきております。 この一年を振り返ってみても、コロナ禍という制限により、県民の日々の暮らしに必要不可欠な産業に対し、飲食、観光、レジャーなどといった県民の心を潤わすサービス産業は、これまで予想できた需要を一気に失い、そしてこれまで地域経済圏の中で相互がつながり、仕事を補完し合ってもいたその他多くの事業者の経済活動自体も、広範囲かつ長期にわたる大きな打撃を受け、厳しい経営を余儀なくされてまいりました。 人口減で地域経済圏が縮小し、産業や生活サービスが時代の流れの中で淘汰されていくという構図ではなく、突発的な一つの災いがここまで地域社会の日常の暮らしをむしばむなど、予想もできず、多くの企業や個人もこのような経験を通じて、これまでの経営の仕方や生き方、暮らし方を続けることで本当に自らの未来予想図は描けるのか、今もなお考えさせられています。 今後、ますます企業や個人が自力だけでではできないを応援する施策が、本県には求められていくことになるでしょう。 そうした中で、当面を繕うではなく、課題の本質に迫る支援策が求められていくことにもなるでしょう。 村岡知事もコロナの時代の県づくりの取組について、前進の姿勢を示しておられるとおり、ピンチを真のチャンスに変えていけるよう、そして、より具体的・本質的に県が抱える課題解決に近づくよう、私も力を尽くしてまいります。 そうした観点で、通告に従い一般質問を行います。 最初に、首都圏への
県産品売り込み強化についてお尋ねいたします。 まず、地域商社の取組についてです。 首都圏での
県産品需要拡大の原動力となったのは、平成二十七年に県と山口銀行が締結した包括連携協定に基づく地域商社のスタートです。 全国的にも先進的な取組であり、企画、営業という役割を担う地域商社は、地域に密着した活動を得意とし、大手商社にはない小回りの利く展開を推進してこられました。 現在、県では、売り込み組織として、オールやまぐち!
県産品売り込み会議を立ち上げ、やまぐち県
産品売り込み強化事業やオールやまぐち!
県産品売り込み体制構築事業により、その取組を後押ししています。 しかし、売り込みの鍵を握る地域商社、物産協会、やまぐちの
農林水産物需要拡大協議会の所管は分かれており、効率的な実施のために一本化していく体制や、東京事務所のマンパワーの強化など、まずは、売り込みの動きを一緒になって支える体制のさらなる強化を要望しておきます。 さて、首都圏での県産品の需要拡大に向けては、私は二つの課題が従前から存在していると感じています。 一つは物流の課題、もう一つはバイヤーとのつなぎ役機能の弱さという課題です。 物流、とりわけ物流経費については、県内各地域から
首都圏バイヤーまで求められるスピードで陸送、空輸するにも、冷蔵・冷凍での配送料加算など、小ロットであっても結構な経費がかかります。 そうなると飲食店等の
首都圏バイヤーにとっては、現地仕入れ品と比較して、本県産食材を使ったメニューに見合う売価が顧客に訴求・提供できるかが取扱いの鍵を握ることとなり、県産品の取扱いにちゅうちょされたり、続かなかったりという結果を経験してきました。 本県でも、そうした課題解決に向けて、昨年度は、
共同輸送実現可能性に向けた検討も進められており、その中で課題も見えてきていると伺っております。 各地域から、例えば築地市場やおいでませ山口館までといった、一定の場所までの
物流コスト低減と並行して、首都圏から先は連携する卸売事業者が首都圏内を輸送してコスト低減を図るなど、本県からと
首都圏内物流の組合せによる新たな物流の構築の実現に向けて、
物流コスト低減に向けた調査研究を重ね、次の展開を阻む本質の課題解決の早期実現を期待します。 また、県産品とホテルや飲食店などのバイヤーとをいかにつないでいくかということは重要で、切り込みからフォローまでの営業マンが必要です。県職員もこうした活動に熱心に取り組んでこられたことは承知していますが、そこはやはりプロの力が必要と思います。 ここ数年でその課題克服に向けた動きは大きく加速しており、先ほどの事業において、
大手食品卸売商社と連携した展示会出展や、
首都圏バイヤーや飲食店等を対象とした商社主催の商談会の開催、売り込みのための宣伝カーでの移動販売等、
商品販売的視点だけでなく、県産品を食すことで売るというPRも行っておられ、商社の売上げは一・六億となっており、今後は
山口フィナンシャルグループの首都圏における幅広いネットワークを生かした、さらなる成果を期待しております。 今後の
県産品需要拡大に向けては、こうした取組を県内の事業者、生産者にも大いに知っていただくことが何より大切ですし、多くの関係者がより参画しやすいビジネス環境をつくり出していかなければならず、攻めの姿勢のさらなる進化が必要と考えます。 私もこれまで商談会等に出席し、バイヤーさんに県産品拡販に向けた御意見を伺い考えさせられたのは、商品を陳列して売る、待ちの商売だけでは、全国津々浦々の商品に勝ち、大ヒット商品を生み出さない限り需要拡大は困難を極めること、一方で、店舗で朝昼晩三食提供するホテルや飲食店などは、毎食、利用者数にほぼ比例した多くの需要が確定しており、そうした市場への一次加工食材の売り込みに力を注ぐことができないか。 また、そうしたバイヤーとの交渉との際に、ロットがそろわないというような課題があれば、そうした情報を生産現場にしっかり還元し、ロットをそろえていけるような仕組みをつくっていくことができないのか、諦めずにそれが団体や生産者の協力を得てできるのか否かまでチャレンジする姿勢を取って、貴重な潜在需要に向き合い、実際の一次産業者の所得の向上につなげていくことこそが、県や地域商社の一つの本質的な役割ではないかと考えています。 物流面やつなぎ役面、そして関係者の役割分担を確立するとともに、事業者の売上げが増える、そして、その恩恵が生産者に還元される好循環につながることを期待しています。 そこでお尋ねいたします。今後の商社を軸として県産品がさらに大きく動く仕組みを構築していくため、どのように地域商社の取組を支援し、首都圏への
県産品売り込み強化に取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 首都圏への
県産品売り込み強化の二つ目、おいでませ山口館の役割と在り方についてお伺いいたします。 先般、東京日本橋のビジネス街に店舗を構えるアンテナショップ、おいでませ山口館を訪問しました。コロナ禍の中でも少ないスタッフが客目線で県産品を熱心にPRしている姿を拝見いたしました。 県産品の販路拡大の首都圏拠点として、また県の広告塔として、物産協会や関係部局、東京事務所がこれまで構築してこられた館運営の努力に頭が下がる思いです。 しかしながら、首都圏での販路拡大のために求められるさらなる役割を担い、地域商社とともに一層の成果を上げていくためには、今後、新たな展開も求められているのではないかと考えます。 つまり、私は、おいでませ山口館が観光物産のPR拠点としてだけではなく、館内での県産の食の機会の提供や、首都圏まで、また首都圏内の物流をも担う拠点として、今後、そうした新たな役割を果たすことが、県産品の首都圏顧客に対する浸透と信頼、ひいては販売拡大へとつながる重要なポイントではないかと考えます。
県内農林水産生産者の生産意欲を支えることにも大きくつながる県産品の需要拡大のために、おいでませ山口館が、先ほどの物流面の質問のとおり、地域商社の直売・卸機能をも果たしていただくことや、イートインの拠点としてなど、さらなる機能強化が私は欠かせないものだと考えます。 また、コロナ禍により実際に本県に来ることが以前よりも困難となっており、これからは館内での様々な体験など、その土地に行ったような気分になるイベントの実施も重要になってくるため、そうしたことにもしっかり取り組む必要があると考えます。 ここは、おいでませ山口館の立地の分かりにくさの解消も含め、イートインや卸機能の充実、
イベント開催スペースの確保などのために、今の場所ではどうしても手狭であるため、思い切って新たな地に移転することも、一考の価値があると考えます。 現在、首都圏において販路拡大の動きが加速化している中、実店舗という強みを持つ、首都圏の顔であるおいでませ山口館にも、より一層頑張っていただきたいと期待しています。 そこでお尋ねします。県産品の
売り込み強化に向けた、今後のおいでませ山口館の役割と在り方について、どのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。 次に、企業活動の多角化による中小企業・
小規模事業者の経営基盤の強化についてお尋ねいたします。 今年七月、長門市においては、林業の成長産業化を具体的に地域として進めるため、林業事業者と地域の
土木事業関係者、そして行政が事業連携したリフォレながとという林業関係の一般社団法人を設立されました。 林業は御承知のとおり、資源こそあるものの、現場の担い手不足が深刻であり、土木事業も担い手不足はもとより、将来にわたり地元に根差した仕事の確保のため、新たな分野への展開が求められており、双方のニーズを共有して人手不足と関連技術を生かし補い合い、今後一つの新たな経営を展開していく仕組みが構築されつつあり、潜在する森林資源を原資に、相互の産業の持つ仕事の幅自体が大きく広がることも期待されています。 成熟した地方都市においては、人口減少・高齢化が進行し、それに伴い社会・経済が縮小する中、中小企業や
小規模事業者も、これまでの考え方を変えて、地域の経済や雇用を支えるため、自らの経営基盤を強化していくことが求められております。 本県においても、廃業数が開業数を上回る状況も続く中、それに歯止めをかけるため、県内企業の創業・事業承継を一体的に支援しておられ、関連機関支援による創業者数も昨年度は二百八件、
事業承継計画策定件数も七十九件など、成果を着実に積み重ねてこられたところです。 しかしながら、今後とも県内各地域の県民の暮らしに密着した産業までもが低迷していくことが考えられ、創業・
事業承継施策などの強化に加え、
事業者個別対策の考え方の中に、例えば、農林水産業において生産者の所得確保や異業種連携に向けた六次産業化や農商工連携があるように、関係業界による事業連携や、一次、二次、三次産業相互の事業を組み合わせるためのニーズの掘り起こしや、その連携に向けた仕組みづくりなどの考え方を加える必要があります。 このように、事業の連携や収益を上げるための新たなチャレンジなど、企業活動の多角化を図り、事業者がメインの事業だけにとどまらない経営が構築できるような支援をしっかり展開していただきたく考えます。 そのためには、人・金・物など不足しがちな経営資源を補う企業関連携や、M&Aを中心とした事業承継、経営の改善・革新による新たな事業展開などをより対象を広く、そしてより深く、後押しすることが重要であると考えます。 そこでお尋ねします。県では、企業活動の多角化による中小企業・
小規模事業者の経営基盤の強化について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、中山間地域における移住・定住の推進についてお尋ねいたします。 県においては、山口への人の還流・移住の推進を、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の柱として取り組まれており、東京、大阪、山口に移住相談のための、やま
ぐち暮らし支援センターの設置、さらに、今年七月からは、関係人口の創出を目指した、おいでませ山口館への山口つながる案内所の開設など、本県への移住者や、本県につながりや関わりを持ってもらえる人の増加に向けて、様々な施策を展開されております。 こうした取組により、昨年度の移住相談は年間約九千件、移住者数も平成二十八年度の千六百人から、令和元年度には三千百人と増加し、つなぎ役としての一定の役割を果たされてきたと感じています。 しかしながら、個別の地域に目を向けますと、山陰側の市町や旧郡部の町では、実際の移住になかなか結実していないという状況も見受けられます。 コロナ禍を契機に、都市部の若者層の地方移住への関心が高まっているとの調査結果も報告されていますが、実際に移住できるか否かは、とりわけ若者層にとっては、移住先で一定の所得水準でなりわいを立てることができるかどうかが、極めて重要なファクターでもあると私は考えています。 山陰側の市町や旧郡部をはじめとした中山間地域においては、域内人口に比例し需要規模は小さく、主な産業である農林水産業への就業も、都市部での一般的な就職と比べ所得が少なくなるという厳しい現実があります。 ゆえに、中山間地域への移住を推進するためには、創業、就業、就農などをそれ単一ではなく、複数を組み合わせてなりわいを立てる、マルチワークと言われるような生活設計が求められるのも事実です。 ある旅行業者では、コロナ禍を乗り越えるため、給与は支払える分だけは出すが、後は社員の副業を認め、社員は漁師としても働くことで収入激減を乗り越え、漁業の
担い手不足対策にもつながっているという報道がありました。 こうした働き方は、今後も広がっていくように思われますし、
リモートワークの活用により、都市部の仕事を中山間地域ですることもますます可能となっていくと考えられます。 また、多様な職業の組合せによるなりわいの立て方は、これからの若者にとっても一つの生き方として映るのではないでしょうか。 私は、中山間地域での移住・定住を一層進めていくため、本県の中山間地域でも一定の収入を得て暮らしていけるよという、職業の組合せや多様な生活設計による暮らし方をより具体的に、そして積極的に移住フェア等で提案していくことが大切だと考えます。 また、そうした仕事の組合せにより、収入を確保することを後押しする施策を展開していくことが必要なのではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。本県の中山間地域への移住・定住の推進に向けて、実際の移住・定住者数増につながるよう、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、山陰道の建設促進と
周辺ネットワークの構築についてお尋ねいたします。 八月以降、萩、長門、下関など
山陰道沿線市町におかれては、知事及び国交省に次年度の建設促進に向けた要望活動を行われました。 また、十一月二十二日には、本年開所した山陰西部国道事務所主催の起工式と地元期成同盟会主催のシンポジウムが開催され、私も山陰道建設促進山口県議会議員連盟の会長として出席させていただき、参加された皆様とともに、早期実現に向けた地域一丸の思いをお伝えさせていただいたところです。 コロナ禍の中にあっても、地域悲願の幹線道路の全線早期開通に向けた動きを、着実に進めていかなければなりません。 山陰道や小郡萩道路は、山陰地域の将来の発展に欠かせない生命線です。 救急医療や災害時の利用はもとより、農林水産、観光などの基幹産業を多く抱える、人口減少の著しい北浦地域が、持てる社会資源を生かしながら、暮らしや産業を永続していくために、地域の魅力発信や関係人口の創出など、様々な動きを進めていくためには、幹線道路は重要なインフラであり、各地域の未来予想図を作るため、関係市町と県が一丸となって、早期整備に向けた活動を展開していただきたいと考えております。 一方で、山陰道から各地域の交流拠点までの動線確保も重要であります。 山陰地域は、日本海の風景美が生み出す観光地や交流拠点が、地理上、市町主要部の北側に集中しており、山陰道の路線自体の在り方はもちろん、山陰道から観光地や拠点までの観光客等の誘導手法が肝要であると考えております。 萩市では、都市計画手続中の大井─萩間において、世界遺産の萩反射炉や萩ジオパークの笠山、明神池、萩しーまーとなど、観光地へのアクセスを強化するため、中間インターチェンジからのアクセス道路を整備することで手続が進められています。 私の暮らす長門市でも、俵山・豊田道路において、今後設置される俵山温泉インターチェンジ周辺を小さな拠点化し、拠点の基幹的役割を持つ施設としての道の駅的サービスエリア化を考えておられます。 今後は、計画段階評価中の小浜─田万川間や三隅─長門間をはじめとした未事業化区間においても、山陰道やインターチェンジの新設と併せて、インターチェンジ周辺の拠点化など、まちづくりを進める地域が目指す将来の姿を県も共有し、共に、地域に真に貢献する提案を国に訴えていくべきと考えます。 また、観光客等の動線確保のため、山陰道から観光地や拠点までアクセスする県道の整備などについても、山陰道本体の動きと並行して、市町と膝を交えて尽力をしていただきたいと願っております。 そこでお尋ねいたします。山陰道のますますの建設促進に向け、今後どのように取り組まれるのか、また、関係市町が進める地域づくりを踏まえた
周辺ネットワークの構築にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、上関大橋損傷に伴う県の対応についてお尋ねします。 先月十四日に、上関町の本土と長島を結ぶ唯一の陸路である上関大橋の損傷事故が発生して、半月が経過しました。 この間、県では、部分通行再開と全面復旧に向けた工法検討等を最優先に取り組んでこられました。まずは、携わっておられる関係職員の皆様の御努力に敬意を表します。 一方で、部分通行が再開された今も、朝夕の時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生し、通勤、通学、通院といった生活面や地元農水産物の出荷輸送などの経済面に大きな影響が生じています。上関町が置かれている厳しい状況に危機感を抱き、先週二十七日、自民党県連では、役員と地元議員が現地に赴き、柏原町長から、事故後の町内の状況と課題について直接お話をお伺いし、その内容を取りまとめ、昨日、村岡知事に届けさせていただいたところです。 柏原町長からは、全面復旧時期が見通せない中、町民の間ではこの状況がいつまで続くのだろうかと疲労感が蓄積しつつあり、早急に町民の暮らしが少しでもスムーズになるようにしなければならない。 一方で、現在の県の対応窓口は土木事務所とされていることから、こうした問題には限られた町の職員が右往左往しながら対応しているのが実態である。県には、民政分野の課題にも対応してもらえる総合窓口や全庁的な対策本部を設置していただき、各種の御支援を願いたいとの切実な要望を賜りました。 県には、一昨年、大島大橋損傷事故によって、長期にわたって通行規制と断水が続くという非常事態に町と連携して対峙してきた組織力と経験の蓄積があるはずです。そのときの経験と教訓は、今回の事故対応にどう生かされているのでしょうか。 このたびの事故を単なる道路の管理瑕疵と捉え、橋の損傷によって引き起こされた地元住民の生活や経済への影響から目を背けるようなことが、決してあってはなりません。 年内には応急工事を完成させ、交通規制が一部緩和されるとのことですが、全面復旧には相当の時間を要することから、県には、町としっかり連携しながら、損傷事故により多大な影響を受ける町民の日常生活、経済面の安定を図るべく、万全な支援をしていくことが求められます。 そこでお尋ねします。損傷事故が及ぼす影響が長期化する中、今後の県の対応に当たっては、上関大橋の早期復旧はもちろんのこと、地元上関町と町民の思いに寄り添った対策をきめ細かく講じていくことが不可欠であると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、高校生の職業観の醸成と職業教育の取組についてお尋ねいたします。 現在、県では、県内の医師確保に苦戦している中、大学地域枠拡大など、早期の段階から担い手としての意識づけを行う施策を展開され、こうした取組が県内就業に結実するよう、県自体が定着確保の対策を展開しておられます。 県民の命を守る医療現場の担い手確保に向け、知恵を出し、懸命な御努力をいただいている県のこうした姿勢を、私は大いに評価しておりますし、結果に結実してほしいと願っております。 グローバル競争の加速化や産業構造の変化、雇用形態の多様化・流動化が大きく進む中、将来自分は何の職業に就くのか、どんな事業をするのか、若い皆さんの夢がより早い時期に形成されれば、未来に向けて自らがどのように行動するべきなのかが鮮明になると思います。 若い皆さんが早い段階から、将来の目標やなりたい職業を考えてビジョンを持ちスキルを磨くことは、将来に希望を持つ上でも大切なことで、もちろん、学校だけではなく、家庭や社会全体で、子供たちが将来の目標を持てるようにサポートすることは重要なことだと考えます。 先ほどの医師確保の例であれば、高校生だけでなく、希望する人はさらに早期から医業の現場に触れることで、本人のより強い職業観の醸成にも、山口県の医師不足への認識にも必ずやつながっていくものと私は感じております。 同様に、高校生が将来希望する職域について、事業者や企業と早い段階から対話する機会や、学習過程における職域に関する学びの連携は、個々の夢の実現はもとより、県内人材確保の観点からも大切な視点だと考えます。 次世代の人材育成は、このように夢を持つ段階からの教育体制が重要で、今後さらに研究・進化できないものかと考えます。 そのため、現在行っておられるコミュニティ・スクールも、生徒が社会や仕事により近づける取組を各高校で実施され、さらに発展させていただきたいと思いますし、生徒の夢の実現を後押しし、社会やその職についての専門性を学ぶための取組として、コースや学科の設置や授業での取組のほか、学校のクラブ活動など様々な手法で進めていくことも一考に値すると考えます。 また、農業、水産業、工業といった専門高校においても、今以上に先進的・専門的な学びができる環境を整え、世界を視野に仕事ができるスキルを育てる教育を実現することで、県内のみならず全国からも生徒を募集し、地元の自然や企業の取組等をフルに活用した人材育成ができる体制をつくることも視野に、職業教育に踏み込んでいく姿勢も、今の時代、必要ではないのかと考えます。 そこでお尋ねいたします。あらゆる職業分野で担い手不足が顕著になる時代が到来することを見据え、特に、県内での若者就職につながるよう、高校生が将来の目標や希望する職業を考え、ビジョンを持ちスキルを磨くことができる環境の創出が必要だと考えますが、今後、高校における生徒の職業観の醸成と職業教育の取組をどのように進められるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 笠本議員の御質問にお答えします。 まず、山陰道の建設促進と
周辺ネットワークの構築についてです。 私は、山陰地域の豊かな農林水産資源や観光資源を有効に活用し、地域の活性化を図るとともに、ミッシングリンクを解消し、国土強靱化を図るためには、山陰道の全線整備が不可欠と考えています。 このため、これまでも政府要望や知事会など、あらゆる機会を通じ議員連盟の皆様や地元期成同盟会とも連携しながら、早期整備に向け精力的に取り組んできたところです。 こうした中、本年四月に、山陰道の整備を担当する国の新たな事務所が萩市に設置され、また、先月二十二日には、お示しの起工式やシンポジウムが開催されるなど、地元の機運も一層の高まりを見せています。 私は、この流れを加速し、早期の全線整備につなげるため、事業中区間の一日も早い完成はもとより、事業化に向けた手続が進んでいる大井─萩間や小浜─田万川間について、島根県とも連携しながら、速やかな事業化に向け精力的に取り組む考えです。 さらに、計画段階評価が行われている三隅─長門間の手続の推進など、残る未事業化区間についても、早期事業化を粘り強く国に訴えてまいります。 また、山陰道の整備効果を地域が最大限に享受するためには、市町が進める地域づくりを踏まえ、本線ルートやインターチェンジ、アクセス道路について、効果的な計画とすることが重要と考えています。 例えば、俵山地区では、長門市が進める地域づくりに併せ、国がインターチェンジを計画し、県では、そのアクセス道路となる県道美祢油谷線砂利ヶ峠バイパスの今年度中の完成を目指し、整備を進めています。 今後も、小浜─田万川間や三隅─長門間などの具体化に併せ、山陰道整備後の交通の流れの変化を踏まえ、地域が目指す将来の姿を共有し、その実現につながる道路計画となるよう、関係市町と連携し国と協議を進める考えです。 私は、山陰地域の活性化を確かなものとするため、引き続き、関係市町と緊密に連携し、県議会の皆様のお力添えもいただきながら、山陰道をはじめとした道路ネットワークの整備に積極果敢に取り組んでまいります。 次に、上関大橋損傷に伴う県の対応についてのお尋ねにお答えします。 まず、このたびの上関大橋の損傷により交通事故に遭われた方にお見舞いを申し上げますとともに、上関町民をはじめ、橋を利用される方々の日常生活や経済活動に大変な御不便をおかけしていることにつきまして、この場をお借りしておわびを申し上げます。 私は、この橋が長島と本土をつなぐ唯一の橋であり、生活上不可欠なものであることから、先月十六日に現地に赴き、道路状況と水道等のライフラインへの影響を確認するとともに、柏原町長にお会いし、県としてしっかり対応していくことをお伝えしたところです。 こうした中、橋の全面通行止めは、長島に住む方にとって死活問題であることから、まずは、速やかに応急工事を実施して、車両の制限はあるものの片側交互通行を開始しました。 その上で、橋の復旧に向けては、先月二十四日に、国や学識経験者等で構成する上関大橋復旧検討会議を開催し、損傷原因の推定や応急対策の方向性等について検討を始めたところです。 しかしながら、当面の間、全面復旧の見通しが立たないことから、少しでも早くスムーズな通行が可能となるよう、専門家の助言を得ながら、追加の応急工事を実施し、車両の通行制限の段階的な緩和に取り組んでまいります。 また、事態の長期化により、住民の方々の日常生活や経済活動等への幅広い影響が懸念されることから、私は、全庁を挙げて対策を講じていかなければならないと考えています。 このため、大島大橋損傷事故の経験も生かしながら、昨日の自民党県連からの申入れも踏まえ、こうした幅広い課題に的確に対応するため、副知事を本部長とする上関大橋損傷対策本部を正式に立ち上げたところです。 今後は、こうした体制の下で、上関町の現状や要望等をきめ細かく把握するとともに、町と連携しながら臨時船の運航に係る支援など、日常生活や経済活動等への支援を迅速に行ってまいります。 私は、住民の皆様が一日も早く元の生活を取り戻すことができるよう、引き続き町と緊密に連携し、上関大橋の全面復旧はもとより、町や住民の思いに寄り添った対策に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(柳居俊学君) 福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕
◎商工労働部長(福田浩治君) 首都圏への
県産品売り込み強化についてのお尋ねのうち、地域商社の取組についてお答えします。 県では、県内各市町や県物産協会などと連携し、地域商社やまぐちの機能を活用して、オール山口による売り込み体制を整備し、首都圏への
県産品売り込み強化を進めているところです。 しかしながら、お示しのとおり、首都圏から遠い本県の事業者にとっては、物流コストの負担も大きく、また、特に小規模な事業者の場合、首都圏での営業に必要なマンパワーが不足しているという大きな課題があります。 このため、物流コストについては、県内の物流事業者や小売事業者に行った調査結果を踏まえ、おいでませ山口館を納品先とし、県内の集荷拠点と結ぶ二拠点間における共同配送によるコスト縮減に向けた実証実験を進めています。 また、マンパワー不足については、地域商社やまぐちにおいて、営業担当者の増員など体制強化が進められていることから、商社の営業代行機能を最大限活用して、展示商談会への出展支援や、出展後のフォローアップを行っています。 県としては、地域商社の取引拡大と、これに伴う生産者の利益向上という好循環を促し、魅力ある県産品の一層の販路拡大につなげていくため、こうした課題の解決を図り、オール山口による売り込みを積極的に進めてまいります。 次に、企業活動の多角化による中小企業・
小規模事業者の経営基盤の強化についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまで、国の施策とも連携し、六次産業化や農商工連携など、経営資源を補完する企業間連携の手法を活用して、新商品や新サービスの開発、販路の開拓支援などに取り組んできたところです。 また、事業承継についても、国の支援策を活用して設置した事業引継ぎ支援センターを核として、商工会議所等で構成する事業承継支援ネットワーク会議を立ち上げ、円滑な事業承継を支援しています。 とりわけ、事業承継のうち、第三者への承継は事業拡大の契機ともなるものであり、事業引継ぎ支援センターにおいて、お示しのM&Aの成立に向けて必要な支援を行うなど、事業者の希望に応じた、きめ細かな対応を行っています。 また、経営革新による新事業展開は、高付加価値化や生産性の向上につながることから、専任のコーディネーターが、専門家の助言や補助金等の支援制度を活用しながら、企業に寄り添った伴走支援を行っているところです。 今後、企業活動においても、急速にデジタルトランスフォーメーションの進展が予想されることから、県としては、こうした取組に加え、ビジネス環境の変化に対応した競争力の強化のため、データとデジタル技術を活用した企業活動の多角化や経営基盤の強化を積極的に支援してまいります。
○議長(柳居俊学君) 三坂
観光スポーツ文化部長。 〔
観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕
◎
観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 首都圏への
県産品売り込み強化についてのお尋ねのうち、おいでませ山口館の役割と在り方についてお答えします。 おいでませ山口館は、首都圏における本県の魅力発信や認知度向上を図るためのアンテナショップとして、観光物産のPRや県産品の販売促進に取り組んでいます。 とりわけ、首都圏への県産品の
売り込み強化に向けては、オールやまぐち!
県産品売り込み会議を構成する、地域商社や市町、関係団体等とも連携しながら、館内外で様々な取組を進めています。 具体的には、地域商社の商品販売の拡充や市町フェアの開催、館外イベントでの出張販売などを行うとともに、店舗レイアウトの改善や仕入れ方法の効率化等を図ることにより、県産品の販売促進に努めているところです。 こうした中、コロナ禍における旅行の自粛等を契機に、都内にいながら地方の魅力に触れることのできるアンテナショップの人気は高まっており、こうした需要を確実に取り込むためには、これまで以上に県産品の
売り込み強化に取り組んでいくことが必要です。 県としては、今後とも、おいでませ山口館が、本県の魅力発信や認知度向上を図る拠点としての役割を果たしていけるよう、関係団体等と連携し、県産品のさらなる
売り込み強化に向けて、お示しのイートイン等の機能強化や立地環境等も含め、その在り方について様々な検討を行ってまいります。
○議長(柳居俊学君) 平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕
◎総合企画部長(平屋隆之君) 中山間地域における移住・定住の推進についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や高齢化が急速に進む中山間地域の活性化に向けては、地域外から新たな人々を呼び込むことが重要であり、県では、市町、関係団体等と構成する「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議を中心に、移住の促進や関係人口の増加に向けた様々な取組を展開しています。 特に、若い世代の移住希望者は、移住後の収入面に大きな不安があることから、専用サイトでの情報提供やセミナーの開催、開業経費の助成等により移住者の就業や創業を支援するとともに、ファイナンシャルプランナーである相談員が、具体的な生活設計の相談にも対応しているところです。 こうした中で、移住の相談件数や移住者数は年々増加してきていますが、その成果をさらに伸ばし、確実に移住・定住へと結びつけていくためには、お示しのように、多様な働き方という視点にも立って、収入の確保を後押しする施策を一層強化する必要があると考えています。 また、コロナ禍を契機として、テレワークの普及や副業・兼業の進展など、働き方自体も大きく変わりつつあり、こうした動きをしっかりと捉え、山口県への移住につながる、本県ならではの魅力ある働き方や生活設計を提案していきたいと考えています。 具体的には、地域特性を踏まえ、テレワークでの遠隔勤務等も視野に入れながら、県内各地における多様な仕事の組合せをモデル化するとともに、支援施策や本県に移住されたマルチワーカーの方々の暮らしぶりとも併せて、広くPRする取組などを検討してまいります。 県としては、今後とも、市町や関係団体等と連携し、中山間地域での多様で生き生きとしたライフスタイルの発信や、その実現に向けた支援を強化することにより、本県への移住・定住の推進に積極的に取り組んでまいります。
○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕
◎教育長(浅原司君) 高校生の職業観の醸成と職業教育の取組についてのお尋ねにお答えします。 技術革新の進展や産業構造の変化等、社会が大きく変化し予測が困難な時代を迎える中、お示しのとおり、高校生が早い時期に将来の目標やなりたい職業を考えてビジョンを持ち、職業人に求められる資質・能力を身につけることは重要であると考えています。 このため、高等学校等においては、入学後の早い段階からインターンシップ等の体験活動を通じて、生徒が自己理解を深めながら将来の夢を描き、働くことの意義や目的を探究することにより、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度の育成を図っているところです。 また、本年度、全ての公立高等学校等において導入が完了したコミュニティ・スクールの仕組みを生かし、家庭や地域、産業界等との連携によりキャリア教育の強化を進めるとともに、将来の職業選択につながるよう、大学の医学部や工学部などの訪問を通じて、高度な専門教育に触れる機会を創出し、働くことへの価値観の育成にも努めています。 こうした中、本県産業を支える人材を育成するため、今後、地域産業魅力発見セミナー等において、地元に就職した卒業生や企業の方のみならず、Iターンをされた方など、様々な年代・職種の方々を講師とした座談会等を実施することにより、県内の企業等に対する理解を促進し、職業観の深化を図ることとしています。 とりわけ、これからの専門高校等においては、地方創生に資する職業人材の持続的な育成が求められていることから、県内の八校が協働して模擬会社を設立し、企業等と連携しながらオリジナルブランドの開発など、新たな価値の創造につながる教育活動を今年度から展開しています。 次年度は、こうした模擬会社の取組に加え、現在導入を進めている一人一台端末も活用しながら、全ての専門高校等で起業に係る講座等を実施することなどにより、職業人材の育成につながる教育を推進していくこととしています。 県教委といたしましては、こうした取組を着実に進めることで、一人一人の生徒に望ましい職業観を醸成するとともに、職業教育のさらなる充実に努めてまいります。
○議長(柳居俊学君) 小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手)
◆(小田村克彦君) おはようございます。民政会の小田村でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきますけれども、その前に一言申し上げます。 職員時代からの先輩でもありますし、私の恩師でもありますけれども、前県議会議員の西嶋裕作さんが、去る十一月十九日、六十八歳というまだまだこれからというときですけれども、御逝去をされました。 五期二十年、県勢発展のために努めてこられました。保守王国と呼ばれる山口県で野党として声を上げていくということは、大変なことだったというふうに思いますけれども、持ち前のエネルギッシュな行動力と人間性で農林水産委員長や企業会計決算特別委員長、議会運営委員会の副委員長等も党派を超えた議会での活動もされてきたことに、心から敬意を表するところであります。 これまで、議員の皆様方、執行部の皆様方には大変お世話になり、またこのたびは弔詞を賜りまして、故人に成り代わりまして心からお礼を申し上げ、私の一般質問に入らさせていただきます。 まず最初に、都市圏からの移住促進に向けた体制整備についてお尋ねをいたします。 高度成長期以降、ほぼ一貫して東京圏には転入超過が続いております。地方からは若年層が大学へ進学や、高校、大学を卒業後も多くの企業と職種があり、就業機会が豊富なことなどから年々人口は増加をし、それと同時に生活する上でサービスが整った地域としての魅力を持ち続けてまいりました。 逆に地方では、人口の自然減少と同じく社会減少と相まって、生活環境自体が厳しくなっている地域もあり、二○一四年五月、日本創生会議で二○四○年までに全国の市町村の半数が消滅する可能性があるという、通称増田レポートが発表され、消滅都市まで名指しで示され、大きな波紋を呼びました。 しかしながら、その後も抜本的な解決策もなかなか定まらず、減少は続き、地域経済の維持も困難な状況や各種インフラの整備遅れなどから、経済・産業成長も様々な制約を受けることで、地方の人口は減少し続け、就業機会の少なさや生活における利便性の低さ、そして私も他県の方から伺ったことがございますけれども、山口県は封建的なところですねというような、ある意味地方は新しいものをなかなか受け入れにくいという、閉鎖的かつ寛容性・多様性がなかなか広がらない社会ということになっていると感じております。 そうした中で、今の集計開始以降初めて、二○二○年の七月には東京圏が転出超過となったことが報道されました。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、利便性の高い都市部などでは感染拡大が続き、多くの人の移動や人との密度などコロナ禍においては過密なリスクが大きく、感染拡大と直結した課題として都市に住む人々にのしかかってまいりました。 その結果として働き方が変化をし、
リモートワークやテレワーク、ワーケーションなどの多様な働き方への移行や、副業や兼業など空いた時間を活用する、都市から地方への移住が増加をしております。 地方移住への関心は、働く人の間ではテレワーク経験ありが二四・六%、経験のない方は一○%と、やはり経験者が地方移住への関心が高まっております。 また、企業でも経団連が行いましたアンケートでは、BCP、いわゆる事業継続計画、災害などの緊急事態、非常事態の発生したときの対応策などをまとめる計画でありますけれども、その観点から本社機能の地方への分散化の検討など、二○一五年には将来的に検討の余地ありというところも含めて七・五%だったものが、五年後の二○二○年には二二・六%となっておりまして、テレワークに必要な通信費や機材等の購入補助や副業・兼業の解禁、あるいは解釈拡大、東京への単身赴任制度の見直しなど、東京圏から地方への人の流れを後押ししていく可能性も高まっております。 そのためには、地方への流れをつくるということが重要でありまして、本県でも取り組んでいるテレワークなど安定的に行える通信環境の整備や交通インフラの確保、医療体制や教育・保育の受皿、地域の資源やデジタルを生かした地域づくりなど、地方移住をしたくなる環境づくりが不可欠だと考えます。 そして、今政府が進めようとしておられる、全国でも統一されたDX、いわゆるデジタルトランスフォーメーション、これもデジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革をするということでのDXということですが、それらを進める組織や地域の枠を超えた情報の共有と連携・活用を進め、行政手続の電子化やデータを活用した様々なサービス提供など、官民を挙げた取組が重要だと思います。 政府としても、省庁など政府機関の移転は文化庁を二○二三年に京都へ移行することを決めておられますけれども、なかなかそのほかの動きは鈍いというふうに感じております。 都市圏からの移住を進めるためには、デジタルトランスフォーメーションの基盤整備が重要であり、本県も県民の利便性や行政の生産性の向上に向けて、県民の皆様や事業者が提出する請求書や申請書、県庁内でのやり取りをします職員間の書類など、これまで必要とされてきた押印を順次廃止をされるなど、デジタル化に向けた取組をされておられます。 ただ、次世代通信と呼ばれます5Gやローカル5Gの実装など、まだまだ環境整備が必要と思料するところです。 そこでお尋ねをいたしますけれども、本県の地方移住の受皿、受入れ体制の整備の状況と今後の取り組む課題など、認識についてお尋ねをいたします。 次に、コロナ禍での対策について二点お尋ねをいたします。 一点は、経済的・社会的弱者への支援についてであります。 コロナ禍により、より経済的・社会的に弱い立場の人たちがますます厳しい立場に追いやられております。 新型コロナウイルス感染症による女性の雇用や生活への影響を調査をしております、内閣府のコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会が、再び感染拡大する中、DVや自殺など、こう増加が懸念をされるとして、女性や子供に最大限の配慮を求める緊急提言が出されました。 自殺者数は、警察庁の統計によれば、二○○三年に三万四千四百二十七人とピークを迎え、二○一○年以降は減少傾向が続き、昨年は二万人程度まで減少をしておりましたけれども、今年の七月以降増加傾向が続いており、男性はほぼ前年と同じ傾向ですけれども、女性は大幅に増加をし、前年同月比で七月には一八%、八月は四四%、九月は二九%増加をしております。 同時に、新型コロナウイルス感染症拡大による経済的状況の悪化や
リモートワークの普及などによる家庭内環境の変化に伴うDVの増加など、女性や子供へ与える影響が大きくなっていると言われております。 また、女性は、いわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる社会的なインフラを支える仕事をされておられる方も多く、医療・福祉、小売、飲食サービス業など、新型コロナウイルスへの感染リスクにさらされている業種に偏りが大きく、医療従事者も約七○%が女性と言われておりますけれども、院内感染やクラスター発生の危険性など、多くの女性が感染リスクにさらされています。 万が一にも感染をした場合には、経済的にも苦しい状況に陥る可能性がとても高くなります。 このような状況の中、何よりも大切なのは、独り親家庭など生活に困窮されている方々へのきめ細やかな生活への支援だと考えますが、本県での対応状況をお尋ねをいたします。 また、日本では非正規雇用の約七○%を女性が占めているというふうに言われており、経済的格差も拡大をしています。 総務省の労働力調査によれば、三月時点と八月を比較をいたしますと、八月の就業者数は男性が二十二万人の減少に対しまして、女性は五十一万人とおよそ二倍以上の差があります。 また、前年同月と比較をいたしますと、七十六万人も減少しており、そのうちの四十四万人が実は女性が占めているという実態であり、非正規雇用の約七割を占める女性の立場の弱さをあからさまに示していると思います。 さらに、厚生労働省の集計では、解雇や雇い止めは七万人以上となっておりますが、非正規雇用労働者の数が約半数を占めております。性別の区別は公表はされてはおりませんけれども、女性の非正規雇用者が雇用の調整弁的な扱いをされているということは想像にやすいというふうに思っております。 コロナ禍における本県の雇用状況をどう認識をし、特に離職した女性に対する再就職支援にどのような対応を取られているのか、お尋ねをいたします。 次に、人材活用の取組についてであります。 このコロナ禍の影響で、申し上げましたように失業率などが上昇しており、十月の失業率は三・一%に悪化をしたと本日も報道があったところであります。 雇用の確保は喫緊の課題となっております。特に観光業界や飲食業など、感染拡大に伴い外出を控えることにより、現場でのサービス提供が行われる仕事は厳しさを増しております。 航空会社大手では、雇用の確保策として地方自治体等への雇用、あるいは出向という形だと思いますが、進めておられます。 近県でも一定期間の採用を予定をされており、観光や交通、子育ての分野など、仕事の経験を行政に生かしてもらうとともに、民間企業のノウハウを吸収するいい機会になると感じています。 また、国交省は着陸料等について、重量や搭乗人員の数など、これを思慮の上で減免措置を行うことも検討しておりますけれども、本県でも十一月十日、宇部空港などでの着陸料の減免を行うなど、厳しい経営を支援しながら、本県の航空路確保のために取り組まれておられますけれども、見方を変えれば、こうしたプロフェッショナルな人材を獲得するチャンスでもあるというふうに思います。 例えば、関係する航空会社の職員を一定期間、自治体の職員として雇用し、職員の接遇研修などの講師として採用してみるなど、県庁へのプロフェッショナル人材の導入ということを検討してみる必要もあろうかというふうに思います。 また、先ほどのDX──デジタルトランスフォーメーションですけれども、ここでいえば行政の電子化ということになると思いますが──につきましても、今段階では政府主導で進められているというふうに感じておりますけれども、スピード感を持って進めるためには、ノウハウを持つ民間企業からの一定期間の職員派遣や人事交流などと併せて、二○二一年九月には、国においてデジタル庁を設置するとして準備をされております。 本県においても、担当する部署を新たに設置あるいは改編をし、スタートに向けて準備をしていく必要があると思いますけれども、それらも含め専門的知識を有する人材確保の必要があると考えますが、御所見をお伺いをいたします。 次に、水素活用によるグリーン社会の実現についてお尋ねをいたします。 今年の十月の総理の所信表明では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力することを挙げられ、二○五○年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すということを宣言をされました。 そもそも日本は、温暖化対策の国際的な枠組みでありますパリ協定において、二○三○年度には温室効果ガスの排出量を二○一三年度比で二六%削減するという国際公約をしております。 あわせて、日本経団連のほうも二○二○年六月には、脱炭素社会実現に向けた企業の挑戦を後押しする新プロジェクトとして、チャレンジ・ゼロというものを開始をされておりまして、政府が二○五○年までに実質ゼロとする目標を宣言したことを高く評価をするとともに、極めて困難な挑戦とされながらも、革新的技術の開発・普及が不可欠であり、日本の産業競争力の強化にもつながるとして、官民一体で脱炭素社会に向けて取組を加速していく重要性を強調をされております。 また、環境省が進めます、二○五○年までに二酸化炭素排出実質ゼロへの表明でありますけれども、十一月二十五日現在、東京都、京都市、横浜市をはじめとする百七十五の自治体──二十四都道府県、九十五市、二特別区、四十四町、十村でありますけれども──が表明をされており、表明した自治体を合計すると人口は約八千二百六万人、GDPでいけば約三百七十六兆円となり、我が国の総人口の半数を超え、さらなる拡大が進んでおります。 また、ヨーロッパ、EUでは、二○三○年までに一九九○年比四○%減らすという目標を、少なくとも五五%削減に今向けて議論をされておりますし、二○三○年までには再生可能エネルギーや省エネルギーなどの普及を進めますけれども、二○三○年以降は水素を中心とした新技術で対応しようとしています。 大手航空機メーカーのエアバス社では、二○三五年までには水素を燃料とする航空機を事業化していくとしております。 本県でも、やまぐち産業イノベーション戦略により、水素エネルギー関連産業のイノベーション創出として、瀬戸内コンビナートで、全国の約一割の水素を生成し、純度も非常に高いという全国トップクラスの大量かつ高純度の水素を生成する本県の強みを生かし、水素先進県を目指すとされ、水素供給インフラの整備や関連製品の研究開発、事業化を進めるとともに、水素ステーションを核とするまちづくりモデルの全県への展開を推進され、水素社会の実現に向け、コストの低減に向けた研究開発や事業化の促進、さらなる水素ステーションの整備促進など、利用拡大に向けた取組を進めていくとされております。 そこでお尋ねをいたしますけれども、本県の今後のゼロカーボンに向けた取組と、地球温暖化対策実行計画改定における本県の水素活用への取組についてお尋ねをいたします。 また、水素を活用した産業振興に向けての取組についても、併せてお尋ねをいたします。 次に、サイクル県やまぐちの取組強化についてお尋ねをいたします。 国は、自転車の活用による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康増進等を図ることなど新たな課題に対応するために、自転車の利用を増やし、自動車への依存度を低減することによって、公共の利益を増進に資するということなどを基本理念とする、自転車活用推進法を二○一七年五月に施行されました。 その後、同法に基づき、自転車活用の推進に総合的かつ計画的な推進を図るための基本計画であります自転車活用推進計画が、二○一八年六月に閣議決定をされ、同法において、都道府県においても、地域の実情に応じた自転車の活用推進について計画を定めるよう求められました。 山口県におきましては、二○一六年から、サイクル県やまぐちProject~やまぐち自転車旅~ということを推進をし、県全体でのサイクルスポーツの振興並びに自転車と観光を組み合わせたサイクルツーリズムを通じた交流人口の拡大などに取り組まれてまいりました。 本県には、自然に恵まれ、秋吉台のカルスト台地や角島大橋など、目を見張る絶景が多くございます。最近では、話題ともなっておりましたけれども、角島大橋と秋吉台を背景にした自動車のプロモーションビデオ等をテレビで見る機会が増えてきております。 そのような観光資源を知ってもらい、自然を満喫してもらうと同時に、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、行政や関係団体、企業の支援もいただき、サイクルスポーツの振興とそれによる交流人口を拡大するため、サイクル県やまぐち推進協議会を設置をされ、自転車道の整備をはじめ、ロードバイクを組み立てるためのサイクルピットや空気入れや簡易の修理工具が常備をされているサイクルエイド、自転車の客室への持込みなどの要望に応えた宿泊施設など、サイクル県やまぐちProjectでは、誰もが県内各地で四季を通してサイクルスポーツを快適に楽しむことができる、サイクル県やまぐちの推進に向け取組を進められております。 私も記憶に新しい二○一七年には、「All Yamaguchi Ride Festa 二○一七」として、プロの選手が、パークロードを激走する維新やまぐちクリテリウムや秋吉台を疾走する秋吉台カルストロードレース、MTB、いわゆるマウンテンバイクという自転車でございますけれども、これの国際大会が、やまぐち十種ヶ峰国際ダウンヒルというのが開催をされ、サイクル県として全国的にも名をはせてきているというふうに感じておりますけれども、今年はコロナ感染の拡大等により開催は中止となっております。 今後、サイクル県やまぐちとして自転車の有効活用をこれまで以上に進める上で、既存のインフラ整備、いわゆる自転車道の維持管理、整備促進や、各観光地のポイントでのロードバイクのレンタルをセットにした旅企画など、サイクル観光を含めた来県者への利便性向上に取り組む必要があると考えますけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、他県では、様々な自転車を活用した新たなルート作成やイベントをすることで、観光需要や交流人口の増加を進める仕掛けをつくられております。 例えば、山梨県では、山の多い地形を活用し坂道を活用した事業をはじめ、観光客を誘致をしておられます。サイクルルートを作成して宿泊施設なども合わせた旅行プランの策定や、完走した人には記念の
ジャージーというものを配るなど、計画をされていることが報道をされております。 本県でも、今年十月三十日に、第三十八回九州地域戦略会議が山口市で開催をされ、九州、山口の各県知事や経済団体などからの参加の下、山口・九州地域を広く対象とする自転車の国際大会「ツール・ド・九州・山口(仮称)」でございますけれども、これを二○二三年に開催するということで準備を進めていくとの報道もあったところですけれども、今後の国際大会の誘致などのシンボルイベントへの取組と、期待をされている効果についてお尋ねをいたします。 次に、障害者差別解消に向けた取組強化についてお尋ねをいたします。 条例制定についてであります。 新型コロナウイルス感染症によって経済や日常生活は大きな影響を受けております。 そのために、アクセルとブレーキを一緒にかけると言われるように、矛盾を抱えながら両立を図るために様々な施策が進められ、世界から少し遅れを取っていると言われております今のデジタルトランスフォーメーションの推進など、国を挙げて莫大な資金が投入をされ、行政・経済活動などの電子化が進められようとしております。 当然、それらも大変重要なことではありますけれども、障害者への差別解消など、足元の課題が置き去りにされてはいないか、心配するところでもあります。 アメリカの大統領選挙での大きな争点・課題にもなりました多様性の尊重や、世界的にもゼロカーボン社会の実現に向けた環境問題など、その解決に向け、SDGsに代表される取組を、改めてこれからの日本社会全体として進めていかなければならないと思います。 まさか、この山口県では、LGBTの課題など含め、本県だけは問題がないとされる状況ではないはずであります。 これまで本県でも、障害者差別解消等に向けて、るる取り組まれてきており、障害のある方が生き生きと活躍できる地域社会の実現を図るため、誰もが様々な障害の特性、障害のある方が困っていること、そして必要な配慮などを理解し、その方に対してちょっとした手助けや配慮を実践し、誰もが暮らしやすい地域社会、いわゆる共生社会を皆さんと一緒につくっていく運動であります、あいサポート運動に取り組んでおられます。 障害について理解すること、ちょっとした手助けや配慮すること、あいサポートバッジをつけて声をかけやすくすること、このあいサポート運動の精神を広めていくことなど実践をしていただいておりまして、令和二年十月末現在で、あいサポーターが二万五千四百六人、あいサポート企業・団体が二百十七と拡大の一途をたどっていると認識をしております。 私も二○二○年三月の代表質問で知事にお尋ねをし、平成二十九年七月現在、二十四道府県で条例が制定をされ、検討中が一都四県、未制定は本県を含め十八県となっていると指摘をさせていただきましたけれども、本県では、法の趣旨や障害特性に応じた必要な配慮について普及啓発を図り、県障害者権利擁護センターへの相談窓口の設置や関係団体からなる障害者差別解消支援地域協議会での相談事案の適切な対応、あいサポート運動の展開としてあいサポート通信の発行や研修、イベントに取り組むとされ、条例の必要性については協議会での議論を進めてきましたけれども、条例の制定よりも法の確実な実践を優先すべきとの検討結果が示されたとの答弁でございました。 しかしながら、条例制定件数は令和二年五月末時点での調査によると、三十五都道府県が条例化をしており、残りは十二県のみとなっております。 私自身、他県と比較して本県が差別解消法の徹底が進んでいるということは考えにくく、差別解消法の課題を補完するという点でも、自治体の条例は重要ですし、啓発効果や意識の高まり、そして差別事案の解決手続などの実効性が確保できるなど、条例制定することで法が定める仕組みを具体化する効果があるとされております。 また、差別解消法は共生社会の実現が目的です。身近な地域で差別や生活のしづらさをなくしていく、地域を変えていくということが重要であります。そのためにも、ぜひ条例制定は必要と考えますけれども、改めて御所見をお伺いをいたします。 次に、交通弱者に優しい環境整備について、県警本部のほうにお尋ねをいたします。 報道によれば、ここ数日間にも交通事故や駅での転落事故など、視覚障害者の皆さんを取り巻く交通環境は、都市部でも大変厳しい状況があります。 視覚障害者の皆さんがそれぞれの生活圏の中で、日常生活を送る上で安心・安全に歩行できる環境づくりに努めていただく必要があるかと思います。 各地域でそれぞれ障害を持たれている方々から相談がされていると思いますけれども、どういった形で聴取をされ、対応されているのか、まずお尋ねをいたします。 次に、視覚障害者用信号や交通弱者信号、エスコートゾーンの設置など、健常者からはなかなか理解ができない、当事者でなければ分からない状況も多々あります。施設の設置に当たっては、障害のある方の御意見をよく聞かれ、対応いただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、視覚障害者の方で盲導犬を連れていると、例外で左側通行が可能となっております。それでも左側を通行しておりますと、車からクラクションを鳴らされるなど、危険な状況があるというふうに伺っております。免許取得時や更新時などに、道路交通法の改正と併せて、そうした弱者への配慮やルールを改めてドライバーへ教育をしていくという必要があろうというふうに考えますけれども、対応についてお尋ねをいたします。 一回目の質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柳居俊学君) 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 小田村議員の御質問のうち、私からは、サイクル県やまぐちの取組強化に関する来県者への利便性の向上についてのお尋ねにお答えします。 私は、誰もがサイクルスポーツを快適に楽しむことができる、サイクル県やまぐちを実現するため、サイクリスト等への利便性向上に向け、これまで、受入れ環境の整備や多様なニーズへの対応を進めてきたところです。 まず、受入れ環境の整備については、道路への自転車の通行区分の標示を促進するとともに、定期的に自転車道の状況を確認し、必要に応じて舗装の修繕や草刈りを実施するなど、安全で快適な自転車通行空間の整備を進めています。 また、県内各地でサイクリストが休憩等で立ち寄るためのサイクルエイドを、これまで百七十一か所設置するとともに、自転車の屋内への持込み等が可能な宿泊施設を十四か所登録しており、今後とも、サイクルスポーツを快適に楽しむための環境整備についても、進めていくこととしています。 次に、多様なニーズへの対応については、地域の特色を生かした十二の広域サイクリングルートを設定するとともに、観光スポットやグルメ、温泉などの様々な情報を掲載したサイクリングマップを作成しており、今後、これらを活用し、さらなる誘客促進に努めてまいります。 また、本県を訪れる観光客が気軽にサイクリングを楽しむことができるよう、レンタサイクル機能を有したサイクルステーションをこれまで二十二か所整備してきたところですが、さらなる拡大・充実を図っていきます。 私は、今後とも、こうした利便性向上に向けた取組を通じ、サイクル県やまぐちを推進し、交流人口の拡大や地域の活性化に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。