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  1. 山口県議会 2019-09-01
    09月27日-05号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 元年 9月定例会   令和元年九月山口県議会定例会会議録 第五号      令和元年九月二十七日(金曜日)  ────────────────────        議事日程 第五号      令和元年九月二十七日(金曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第二十号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第二十号まで                会議に出席した議員(四十七人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          猶   野       克 君                          篠   﨑   圭   二 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          秋   野   哲   範 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         弘 中 勝 久 君                    総務部長        平 屋 隆 之 君                    総務部理事       藤 田 昭 弘 君                    総合企画部長      北 村 敏 克 君                    産業戦略部長      平 野 展 康 君                    環境生活部長      西 田 秀 行 君                    健康福祉部長      中 野   恵 君                    商工労働部長      福 田 浩 治 君                    商工労働部理事     河 村 祐 一 君                    観光スポーツ文化部長  正 司 尚 義 君                    農林水産部長      山 根 信 之 君                    土木建築部長      森 若 峰 存 君                    会計管理局長      坂 本 竜 生 君                    財政課長        山 本 武 志 君                    公営企業管理者     小 松 一 彦 君                    企業局長        篠 原 英 道 君                    教育長         浅 原   司 君                    副教育長        繁 吉 健 志 君                    公安委員長       香 川   敬 君                    警察本部長       片 倉 秀 樹 君                    代表監査委員      木 村   進 君                    監査委員事務局長    浅 賀 浩 二 君                    労働委員会事務局長   小 野 嘉 孝 君                    人事委員会事務局長   松 本 道 夫 君                    選挙管理委員長     田 中 一 郎 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        岡 村 達 也 君                    事務局次長       前 田 安 典 君                    総務課長        山 本 敏 和 君                    議事調査課長      山 本 秀 樹 君                    秘書室長        宮 本 優 蔵 君                    政務企画室長      白 井 雅 晃 君                    議事調査課長補佐    作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   野 村   亘 君                    主任          宇佐波 菜 採さん                    主任主事        柏 村 奈緒美さん                    主事          高 尾 大 輝 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第二十号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 有近眞知子さん。    〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) ◆(有近眞知子さん) 皆様、おはようございます。自由民主党会派の有近眞知子でございます。四月の統一地方選では、多くの方から御支援、御協力をいただき、心から感謝申し上げます。おかげさまで、私はこうして県議会議員としての道を歩ませていただくこととなりました。 県議の役割は、一人でも多くの人に出会い、真摯に話を聞いて、地域のさまざまな課題を県政につなぎ、政策化に貢献することだと考えております。 私は、これまでに弁護士として培った経験やリーガルマインド、正義感を生かし、弱い立場の人の声に積極的に耳を傾け、声を出せずに苦しむ人にこそ気を配り、皆様の心に寄り添って、幸せあふれる山口県を目指してまいります。 また、多くの方から女性に頑張ってもらいたいという声援をいただきました。日本はまだまだ女性活躍後進国で、その大きな要因として、政治分野での女性活躍が進んでいないこと、すなわち女性政治家が少ないことが上げられています。 列国議会同盟(IPU)が発表している世界の女性国会議員比率ランキングで、日本は百九十三カ国中、百六十五位であり、G20諸国で最下位です。 地方議会においては、より深刻で、山口県議会でも女性議員比率は一○%を下回る低さです。 私は、女性議員として、女性が活躍できる環境づくりに力を尽くしていきたいと思います。そして、全ての人がそれぞれの特性を生かして活躍できる社会の実現を目指してまいります。 まだまだ経験不足ではありますが、先輩議員の皆様に御指導をいただきながら、一生懸命頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、初めての一般質問の機会をいただきましたので、これまでの七カ月間で県民の皆様から聞かせていただいた声をもとに、通告に従って質問させていただきます。 初めに、仕事と子育ての両立支援についてお尋ねします。 少子高齢化を背景に、全国的に幅広い業種で人手不足感が強まる中、女性の労働参加に向けた期待が高まっています。 ことし二月に発表された総務省の労働力調査によれば、国内の労働力人口は二十五歳から四十四歳の若い世代で減少する一方、女性は三千十四万人と過去最高を記録。その結果、全体で六千八百三十万人と六年連続の増加となりました。 これは、安倍政権が進めてこられた女性の活躍推進が着実に成果を上げていることの証左であり、働く女性の一人として大変頼もしく思っています。 こうした中、若年女性を対象とした県の女性就業意識調査からは、働きやすい職場環境づくりや個人の事情に応じた労働条件の整備、乳幼児保育・学童保育の充実など、子育てを背景とした多様で柔軟な働き方へのニーズが明らかとなりました。 また、家事や育児を主に妻が担っているとする方が約八割に上るなど、夫婦の相互理解の促進や意識改革の必要性もうかがえます。 先日公表された、都道府県の男性職員の育児休暇取得率の全国平均が三・一%にとどまっていることからも、社会の子育てに対する受容性は依然として低いと改めて痛感しています。 実際に、私が弁護士として相談を受ける事案にも、出産・育児を理由とする不利益取り扱いの労働問題や、妻一人が育児を担うワンオペ育児や、共働きの家事・育児分担が原因での離婚がふえています。 さらに、私は、数多くの働くお母さんから、もっと時間的な融通がきく保育所をふやしてほしいとの要望や、短時間勤務や育休取得が会社や同僚の負担になるのではないかとの不安、周りに気を使って子供を十分に見てやれないとの失意の声などをお聞きしてきました。 実際、私も働く母として同様の悩みを抱えてきたところであり、育児や家事と仕事の両立に向けた、より一層のフォローが必要であると感じています。 一方で、女性が可能な限り会社で活躍できるよう家庭内の努力も必要です。夫と妻が平等に家事や育児を分担することはもちろん、例えば、家事のアウトソーシングやベビーシッターの利用なども前向きに考えてもよいのではないでしょうか。 このように、女性のさらなる労働参加を推進するためには、経営者と全ての従業員が子育てに対する理解を深めるとともに、夫婦が家事・育児に関する固定観念から脱却していく必要がありますし、それを支える行政の支援も重要と考えます。 そこでお尋ねします。働く全ての者が、子育てを共通の課題として受けとめ、その解決に向けてともに取り組んでいけるよう、県として理解促進、意識改革を促していくことが必要と考えますが、今後、仕事と子育ての両立支援にどのように取り組まれるか、御所見をお伺いします。 次に、介護人材の確保についてお尋ねします。 高齢化等の進行に伴い、介護に対するニーズはますます高まっており、全ての団塊世代が七十五歳以上となる二○二五年には、全国で約三十四万人、山口県でも約三千七百人の介護職員が不足すると推計されるなど、介護人材の確保は喫緊の課題となっています。 そのため、国は、介護人材の確保に向けて、消費税引き上げによる財源を活用し、この十月から新たに介護職員等特定処遇改善加算の制度を設け、さらなる賃金改善を図るとしています。 経験と技能のある介護職員に、月額平均八万円相当の処遇改善を行うとしたこの制度を、事業者が積極的に活用されるよう県には必要な助言、支援等をお願いしたいと思います。 こうした賃金面の処遇改善に加え、介護人材の確保に向けては、新規参入の促進や離職防止・定着促進に向けた総合的な対策が必要であり、その中でも介護職場における働きやすい環境の整備も大変重要であると考えています。 実際に、介護事業者も人材確保にさまざまな努力をされており、例えば、柳井市を中心に老人福祉施設を展開する事業者では、託児室を開設し、乳幼児から長期休み中の小学生まで、勤務時間内外問わず、いつでも気軽に子供を預けられる環境を整え、子育てしながらでも働きやすい環境づくりに取り組んでおられます。 また、育児や介護で長時間家を離れられないために短時間の勤務を希望する方も積極的に職員として採用されておられ、こうした方々が介護の現場で大きな戦力になっているとお聞きしました。 同様の取り組みを多くの介護事業者が進めていけば、子育てや家庭の事情等から就業を諦めている方や、意欲がありながら勤務条件や職場環境等の面で就職を見送った方に、新たに介護職として就職いただけるのではないのでしょうか。 また、介護職場における働きやすい環境を整えていくことは、離職率が高いとされる介護職員の離職防止にもつながることが期待されるなど、介護人材の確保に向けた効果的な取り組みであり、県が積極的に支援していく必要があると考えます。 そこでお尋ねします。県民の介護ニーズが増大し、人材不足が見込まれる中、介護職場における働きやすい環境の整備への支援を含め、今後、介護人材の確保に向けてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、DV対策の充実についてお尋ねします。 全ての女性が、職場でも家庭や地域でも、個性と能力を発揮できる社会の構築が求められていますが、女性を取り巻く環境は依然として厳しいのが現実です。 その一つがDVです。DVという略語が一般的になったドメスティック・バイオレンスという言葉は、内閣府のホームページでは、配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力とされており、二○○一年の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法の成立を契機に、配偶者等への暴力が不法行為として急速に認識されるようになりました。 本県のDV対策としては、県男女共同参画相談センター配偶者暴力相談支援センター、いわゆる公的シェルターと位置づけ、相談対応や一時保護などのサポートをされていますが、民間シェルターの運営に携わっておられる方からお聞きしたところでは、公的シェルターには受け入れ要件や定員があるため、法や行政のすき間を埋める民間シェルターが、現場では大きな役割を果たしているとのお話でした。 また、DV被害者の多くは女性ですが、被害を受けた方一人一人の複雑な事情に応じて、予防から自立までの安全で確実できめ細かいサポートを柔軟に行っていくためには、支援体制のさらなる充実を図る必要があると考えます。 政府は、DV被害の相談件数が高どまりしている現実などを踏まえ、ことし六月に策定した女性活躍加速のための重点方針二○一九に、女性に対するあらゆる暴力の根絶を掲げ、その対策として、民間シェルター等における被害者支援のための取り組みを促進するとされました。 DV対策の現場で、その柔軟性や地域性から、今後も大きな役割が期待される民間シェルターが、DV対策の中でさらに重要な役割を担い、それを行政が支援していくという方向性は的を得たものであり、実効的なものとなるよう大いに期待しています。 一方で、民間シェルターの運営は、資金的にも人手的にも大変厳しい状況にあり、ボランティアの献身的なサポートにより支えられているのが現実です。 政府が民間シェルターの活動を後押しするとの方針を示したことは、DV対策において、民間シェルターの存在が必要不可欠であるとの認識が前提であり、民間シェルターの活動が持続可能なものとなるよう、県によるサポートが必要であると考えます。 そこでお尋ねします。県は、民間シェルターへの支援拡充を含め、DV対策の充実に向け、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、水道事業基盤強化についてお尋ねします。 昨年十月に、ドイツの船会社所有の貨物船が大島大橋に衝突、損傷させ、橋に架設してあった送水管を破断させるという事故が発生し、一カ月以上、周防大島町の全域で断水が続くという大変な事態となりました。蛇口をひねれば水が出るという当たり前のことが、どれだけありがたいことか、再認識させられました。 我が国の水道事業は、市町村が経営することを原則として普及し、平成二十九年度末現在の普及率は九八・○%に達し、ほとんどの国民が水道による水の供給を受けることができる状況にあります。 しかし、近年、その水道事業が大きな課題に直面しています。高度成長期に飛躍的に整備された施設が、ここに来て一斉に更新時期を迎え、加えて頻発する地震災害に備えるための耐震化も急務となっています。 こうした施設更新や耐震化を円滑に進めるためには、いかに資金や人材を確保するかが重要ですが、近年の人口減少に伴う料金収入の減少や、行政組織のスリム化・効率化に伴う水道技術者の減少など、各市町の水道事業の経営を取り巻く環境は厳しさを増しており、思うように進んでいないのが現状です。 こうした水道事業が直面する課題に対応し、経営の基盤強化を図ることを目的として、昨年十二月に水道法が改正され、水道事業者に施設の適切な管理と計画的な更新を求めるとともに、各都道府県に対しては、水道事業者等の広域的な連携の推進役としての責務が新たに規定されました。 本県でも、広域的な連携に取り組んでいる事例はあり、本県と広島県境にある弥栄ダムからの遠距離導水によって水道用水を確保している柳井地域においては、平成二十九年六月に、一市四町と二つの水道企業団で構成する柳井地域水道事業広域化検討委員会を設置し、将来的な水道事業統合を視野に、広域的な連携について協議を進めています。このような市町を越えた広域的な連携は、水道事業基盤強化に資する取り組みの一つです。 私は、将来の安心・安全な水道の供給に向けては、このような水道事業の広域化も含めた基盤強化を図っていく必要があり、その推進に当たっては、県の積極的な取り組みが不可欠であると考えます。 そこでお尋ねします。県では、県内水道事業基盤強化に向け、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、中山間地域の交通環境の整備についてお尋ねします。 ことし四月、東京池袋で八十代男性が運転する車が暴走し、自転車で横断歩道を渡っていた母子二人がはねられ死亡するという痛ましい事故が発生するなど、高齢者による重大事故が多発したことから、運転免許の自主返納が大幅に増加しています。 一方で、特に中山間地域では、できれば免許を返納したいんじゃけど、なかなかそうもいかんのよという声もよくお聞きします。 鉄道や路線バス網などが張りめぐらされた市街地に住んでいれば、免許を返納しても、生活の利便性、生活の質の低下はそれほど問題にならないかもしれません。しかし、公共交通の利便性に乏しく、通院や買い物の交通手段を自家用車に頼らざるを得ない中山間地域では、免許の返納が即、日常生活に著しい支障を来してしまうのです。 また、近年の研究では、車の運転をやめて自由に移動する手段を失った高齢者は、公共交通機関などを使って外出している高齢者に比べ要介護のリスクが大幅に高まることも指摘されています。 かねてから地方では、民間が運営するバス路線が、乗客数の減少による採算悪化や運転手の確保難などを理由に、路線縮小や便数減が進められてきました。 このため、特に中山間地域では、コミュニティーバスデマンド交通など、地域の公共交通における自治体の役割に対する期待が高まっています。 こうした状況を踏まえ、県では、中山間地域におけるデマンドタクシー導入時の車両購入等の支援に加え、平成二十九年度からは、地域が新たに導入するコミュニティー交通への運行経費の支援を開始されています。 一方で、こうした地域コミュニティー交通を引き続き維持していくためには、例えば、AIを使った配車システムを導入し、デマンド型のバスやタクシーの利便性を向上させて利用者をふやす取り組みに加え、運転手不足により中山間地域の配達が負担となっている宅配業者から、自治会組織による個人宅への配送とセットにして貨客混載を実現するといった収益性向上につながる取り組みを進めていくことも重要だと思うのです。 そこでお尋ねします。公共交通の便に恵まれない中山間地域において、交通弱者である高齢者や子供たちが安心して住み続けられる環境づくりを進めていくため、公共交通の確保、維持、そして、利便性の向上に向けて、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、瀬戸内地域における漁業振興についてお尋ねします。 本県は、豊かで美しい自然に恵まれ、その環境の多様さから、食材の宝庫としての魅力を有しています。特に、瀬戸内海は、中東部は世界の宝石と称される大小の島々が織りなす地形が複雑な潮流を生み出し、また、西部には広大な干潟が広がり、すぐれた漁場として私たちに豊かな海の恵みをもたらしてきました。 私の地元、柳井市にも本県を代表する平郡島というすばらしい島があり、古くからタコ漁が有名ですが、残念ながら年々漁獲量が少なくなっています。もちろん、タコ以外にもタチウオやメバルなど瀬戸内海を代表する魚種も数多くありますが、これらも同様に漁獲量が減少し、大変厳しい状況とも聞いています。 漁獲量の減少については、地球温暖化による海水温の上昇や乱獲、密漁の横行など、さまざまな理由が挙げられていますが、漁業関係者からは、海がきれいになりすぎて、海に栄養や餌がなくなったことも大きな理由だとも聞きますし、このことは、昨今のさまざまな研究報告などでも明らかにされています。 きれいな海が必ずしも豊かな海をもたらすわけではないということが当たり前の考え方になってきた現在、各地で豊かな海を目指す動きが活発化しています。 私は、県として豊かな海の再生を目指す取り組みをしっかり進めるとともに、これまで取り組んできた資源回復対策の基本である藻場の再生や稚魚放流などの資源管理に体系的に取り組んでいくことにより、食材の宝庫である本県の水産資源をふやしていくことができると考えています。 こうした取り組みにより、岩国錦帯橋空港利用者を初め、この地域を訪れる方々の食の満足度が高まり、観光産業を含めた地域の活性化にもつながっていくと確信しています。 そこでお尋ねします。瀬戸内海の漁業振興に向け、特に水産資源の回復について、豊かな海の再生の視点も含め、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、柳井地域の道路整備の推進についてお尋ねします。 道路は、地域産業の振興による雇用機会の創出や地域経済力の強化等に資する重要な社会基盤ですが、柳井地域では、半島特有の平たん地が少なく複雑な地形のため、岩国錦帯橋空港、玖珂インターチェンジなどの高速交通拠点へのアクセス道路の整備が大きくおくれ、人や物の流れが滞っています。 また、周南、岩国という県東部地域のコンビナートの中間に位置しているにもかかわらず、高速交通拠点へのアクセスの困難さなどから、大企業の進出が少なく、工業製品等の出荷は、そのほとんどを中小企業が担わざるを得ない状況です。 私は、こうした制約を克服し、地域の振興を図るには、産業・経済や人々の暮らしを支える基盤である道路ネットワークの整備は、必要な社会資本への投資として計画的かつ重点的に進めていくべきであると考えています。 具体的には、国道百八十八号柳井・平生バイパスについては、地域の経済活動や住民の日常の移動等に不可欠であり、また、平成十七年の梅雨前線豪雨を初め、過去に幾度となく浸水被害が発生している土穂石川の治水安全上の観点からも、早期事業化を目指し、取り組みを進めていく必要があります。 また、岩国─柳井間バイパスについては、岩国錦帯橋空港等へのアクセス性の向上を担う重要な道路であることから、全線整備の実現に向けて引き続き取り組みを進めていく必要があります。 さらに、柳井─玖珂間を結ぶ道路の高規格化については、高速交通拠点への重要なアクセスルートとなることから、事業化に向けた検討を進めるとともに、県道柳井上関線伊保庄バイパスについては、柳井医療センターや周東総合病院への救急患者の搬送などで重要な役割を担う道路であることから、早期完成に向けて整備を推進していく必要があります。 そこでお尋ねします。柳井地域の明るい将来を築くため、その基盤となる道路ネットワークの充実強化が喫緊の課題であると考えますが、これらの道路の整備について、現在、どのような状況にあるのか、また、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 最後に、一言申し上げます。 今からさかのぼること七年前、山本前知事により、強い産業力なくして、あすの地域の活力は生まれないとの信念のもと、瀬戸内の産業集積という本県の強みを生かすことをかなめとして、産業力の再生強化に向けた取り組みがスタートしました。 強い産業力が、稼ぐ力を生み出し、所得の向上や雇用を創出し、それが地域の活性化、ひいては県民福祉の増進につながっていくとの考えのもとで、民間と行政が一体となって始められた産業戦略の取り組みは、全国に先駆けた本県ならではの思い切った政策として評価されました。 山本前知事は、強い産業をつくり上げ、山口県を元気にしたいと思いながら、志半ばでこの世を去ることとなりましたが、村岡知事がその意思をしっかりと引き継ぎ、産業戦略の真価を図りながら、全力で取り組んでこられたことに対し敬意を表するとともに、大変心強く感じています。 しかし、山本前知事も述べられていましたが、産業再生は言うはやすく、行うはかたしであり、一朝一夕でなし遂げられるものではありません。 これまでの取り組みにより、道路や港湾など産業インフラの充実を初め、柳井地域においても企業誘致による新たな企業の進出など着実に成果が積み重なってきていますが、産業再生への歩みはまだまだ道半ばであると感じています。 地域の活力を生み出す源泉は、やはり産業力であり、「活力みなぎる山口県」を実現し、それを支えていく強い産業力の創出に向けて、今後とも産業戦略の推進に取り組んでいかれるよう強く要望し、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 有近議員の御質問にお答えします。 まず、仕事と子育ての両立支援についてです。 少子高齢化と人口減少が進む本県においては、県民誰もがその個性と能力を十分に発揮し、生き生きと活躍できる社会を実現することが極めて重要です。 このため、私は、仕事と子育ての両立に向けた環境整備や、男性の家事・育児参画の促進に向けた啓発など、働き方改革の推進に積極的に取り組んでいるところです。 まず、両立に向けた環境整備については、女性のライフステージに応じて、フルタイム勤務とパートタイム勤務を選択できる柔軟な勤務時間制度や、時間単位の年次有給休暇制度を導入するなど、女性が働きやすい職場の創出に努めています。 また、企業や従業員に寄り添った支援を行うため、県が独自に養成した働き方改革アドバイザーを、昨年の五十二人から、今年度は八十八人に増員し、相談支援体制も強化したところです。 こうした取り組みの結果、県内企業において、多様で柔軟な勤務時間制度や休暇制度の導入が進み、女性の離職防止やキャリアアップにつながっています。 また、多様な保育サービスの提供も必要であることから、放課後児童クラブの長期休暇期間中の開設や、仕事帰りの迎えが容易になる利用時間の延長に必要な支援を行っています。 さらに、居住地以外の勤務地で預けたいという利用者のニーズ等を踏まえ、今年度から病児保育施設の県全域での広域利用を開始するなど、保育サービスに係る利便性の向上を図っています。 次に、男性の家事・育児参画促進については、男性従業員が育児休業を取得した場合に中小企業に支給するイクメンパパ子育て応援奨励金を本年度から拡充し、国の助成金制度と一体的に周知をしながら啓発を進めています。 こうした取り組みの結果、男性の育児休業取得率は、平成二十六年度の一・一%から、平成三十年度は四・九%に向上したところであり、引き続き男性の育児休業の取得促進に向けて、強力に普及啓発を進めていきたいと考えています。 私は、一人でも多くの女性が、本県を支える人材として働き続けることができるよう、今後とも関係機関と緊密に連携して、仕事と子育ての両立支援に全力で取り組んでまいります。 次に、柳井地域の道路整備の推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の地方創生を推進し、「活力みなぎる山口県」を実現していくためには、その基盤となる道路網の整備を重点的かつ計画的に進めていくことが重要と考えており、維新プランの重点施策に位置づけて取り組んでいるところです。 とりわけ、柳井地域は、高速交通体系から外れていることに加え、お示しのように半島特有の複雑な地形であることから、広域交通拠点へのアクセス強化や、身近な生活道路の整備を進めているところです。 まず、国道百八十八号柳井・平生バイパスについては、朝夕の渋滞緩和に加え、産業振興等に不可欠な道路であり、地元協議会による活発な要望活動の結果、本年二月に、国、県、地元市町で構成する勉強会が設置され、先月、バイパスでの整備等の方針を取りまとめたところです。 県としては、今後、地元市町と連携しながら、都市計画の手続を進めるなど、当該バイパスの早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。 また、岩国─柳井間バイパスについては、本年四月に、その一部が国道百八十八号藤生長野バイパスとして事業化され、現在、国により調査、設計が行われているところであり、岩国─柳井間の全線整備の実現につなげるため、当該事業の整備促進に努めてまいります。 さらに、柳井─玖珂間を結ぶ道路の高規格化については、現時点では十分な整備効果が確認できないことから、その整備のあり方を検討するとともに、現道の安全対策等を進めることとし、また、県道柳井上関線伊保庄バイパスについては、引き続き全線の早期完成に向け、鋭意取り組んでまいります。 私は、将来にわたって、元気な産業や活気のある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らすことができるよう、柳井地域の道路網の整備を初めとした、山口の道づくりを着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 中野健康福祉部長。    〔健康福祉部長 中野恵君登壇〕 ◎健康福祉部長(中野恵君) 介護人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、要介護者の一層の増加が見込まれる中、高齢者一人一人の状態に応じた、質の高い介護サービスを安定的に提供していくためには、そのかなめとなる介護人材の確保が重要です。 このため、県では、介護職員の処遇改善や、事業者による働きやすい職場環境の整備を支援し、多様な人材の新規参入の促進や、職員の離職防止・定着を図っているところです。 まず、介護職員の処遇改善に向けては、お示しの新たな加算について、現在、対象事業所の約五割に当たる五百四十五事業所から届け出があり、引き続き事業者を対象とした集団指導や実地指導、ウエブサイトへの掲載など、さまざまな方法により、一層の周知を図ってまいります。 次に、働きやすい職場環境の整備については、管理者の意識を高めることが何より重要であることから、県では、施設長等を対象に、長時間労働の是正やメンタルヘルス対策などのセミナーを開催し、職員の健康とワーク・ライフ・バランスに配慮した職場づくりを促進しているところです。 また、子育てや介護など、さまざまな事情により働けなかった人を、介護の現場の新たな戦力として呼び込むため、福祉人材センターの就労相談支援員が、短時間勤務や休暇制度の充実等の求職者のニーズに応じた勤務条件の改善を提案するなど、今後とも事業所に対して適切な助言を行ってまいります。 さらに、今年度から新たに、介護の周辺業務を行う介護助手を募集し、人手不足に悩む事業所への就業を仲介しており、この取り組みにより、事業所にとっては介護職員が専門性の高い業務に専念でき、また、介護未経験者や高齢者など、多様な人材の参入も期待できるものと考えています。 こうした取り組みに加え、人材確保に向けた事業者の主体的な取り組みを促すため、労働環境の改善や人材育成に積極的に取り組んでいる事業所を働きやすい介護職場として認証し、ウエブサイトや冊子等で広くPRしているところであり、今後とも認証事業所の拡大に努めてまいります。 県としましては、今後とも関係団体等と連携しながら、職員の処遇改善や働きやすい職場環境の整備を図り、介護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 西田環境生活部長。    〔環境生活部長 西田秀行君登壇〕 ◎環境生活部長(西田秀行君) DV対策の充実についてのお尋ねにお答えします。 配偶者等からの暴力は、重大な人権侵害であり、男女共同参画社会を実現していく上で、その根絶は大変重要な課題です。 このため、県では、配偶者暴力等対策基本計画に基づき、DVの防止や被害者の保護等を図るため、市町や関係機関・団体等と連携し、県民意識の醸成や相談対応、被害者の保護、自立支援など、きめ細やかな対策を総合的に推進しているところです。 具体的には、県民意識の醸成については、DVに対する理解を促進するため、十一月の配偶者等暴力防止運動期間を中心に、商業施設でのPR活動やマスメディアを活用した情報発信などを通じ、DV防止に向けた普及啓発に取り組んでいます。 また、相談対応や被害者の保護、自立支援については、男女共同参画相談センターをDV防止法配偶者暴力相談支援センターと位置づけ、センターを支援拠点として、専門職員による電話相談やカウンセリング、緊急時の一時保護、自立に向けた就業支援などを一体的に実施しています。 特に、一時保護については、県でも施設を設置し、被害者の保護を行っているところですが、DV被害件数が増加し、被害者の実情が異なる中で、受け入れなどの柔軟に対応できる民間シェルターの役割は大きくなっており、支援活動が継続的にできるようにしていくことが重要であると考えています。 このため、県では、民間シェルターの運営が円滑に行われるよう、施設の警備に要する年間経費の助成や、職員の資質向上に向けた研修、情報の提供などの支援を行っているところです。 こうした取り組みに加え、今後は、DVを取り巻く状況や国の動向、施設運営等に関して、これまで以上に意見交換や情報共有などを行い、相互の連携をより緊密にして、民間シェルターの活動を支援することとしています。 県としては、今後とも、市町や関係機関・団体等と連携しながら、DV対策を積極的に推進してまいります。 次に、水道事業基盤強化についてのお尋ねにお答えします。 水道は、私たちの生活や産業活動などを支える重要な社会基盤であり、安全な水が低料金で安定的に供給されることが必要です。 本県では、市町が水道事業者となって水道の経営がされており、現在では、ほぼ県内全域で水道が供給されていますが、近年、施設の老朽化や耐震化への対応など、多くの課題に直面しています。 このような課題に対応するため、水道事業者では、施設の更新や耐震化等を計画的に進めており、県では、これらが円滑に実施されるよう、施設整備に関する技術的な指導・助言や、情報提供などを行っているところです。 しかしながら、人口減少による料金収入の減少や専門技術者の確保など、水道事業者のみの努力では解決が困難な課題もあることから、基盤強化策の一つとして、広域連携による対応を検討することが必要となっており、県内では、既に柳井地域や宇部・山陽小野田地域で協議が進められています。 こうした中、国においては、水道の基盤強化を図るため、昨年十二月に水道法を改正し、都道府県に対しては、水道事業者等の広域連携の推進役としての責務が規定されました。 こうした状況を踏まえ、県では、水道事業基盤強化に向けた取り組みを一層推進することとしており、新たに、持続可能な水道事業の確立に向け、今後の十年間において、そのあるべき姿や実現の方向性を示す山口県水道ビジョンを策定することとしています。 このビジョンでは、県内を水道事業の地理的・経済的な結びつきを考慮した圏域で区分し、圏域ごとの課題を分析した上で、広域連携や施設更新、水資源の有効活用等の方向性を示すこととしており、今後は、これに基づき、水道事業者基盤強化に向けた取り組みを支援することとしています。 県としては、今後とも、水道事業者等と連携して、水道事業基盤強化に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 正司観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 正司尚義君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(正司尚義君) 中山間地域の交通環境の整備についてのお尋ねにお答えします。 公共交通が不便な中山間地域において、自家用車を運転できない高齢者等、住民の移動手段の確保、維持を図るため、県では、効率的で利便性の高いデマンド型乗り合いタクシー等、地域コミュニティー交通の導入を促進しているところです。 具体的には、まず、地域コミュニティー交通の運行に必要となる車両購入費への支援を行うとともに、安定的な運行が可能となるよう、運行経費に対して、国や市町と連携して支援を行っています。 また、地域コミュニティー交通を、地域の実情に沿った利便性の高いものとするため、利用者のニーズに即した運行区域やルート、乗降場所、運行ダイヤの設定等について、市町に対し、必要な助言や情報提供を行っています。 こうした中、お示しのような、AIを活用したデマンド型乗り合いタクシーや貨客混載など、新たな仕組みの導入に向けた実証実験等が全国各地で行われているところです。 このような地域コミュニティー交通の確保、維持や利便性向上を目指した新しい動きについても、県において情報収集を行い、市町への情報提供や助言を行っていきます。 県としては、今後とも、中山間地域における高齢者を初めとした地域住民の日常生活に不可欠な地域公共交通の確保、維持と利便性向上に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 山根農林水産部長。    〔農林水産部長 山根信之君登壇〕 ◎農林水産部長(山根信之君) 瀬戸内地域における漁業振興についてのお尋ねにお答えします。 近年、地球温暖化の影響による生息環境の変化や、成長段階にある小型魚の乱獲等により、全国的に漁獲量が減少しており、すぐれた漁場として人々に恵みをもたらす豊かな海の再生を図るためには、水産資源の回復に向けた取り組みを強化することが重要です。 こうしたことから、県では、これまでも県内各地域において、地元漁業者グループが行うアマモの移植などの藻場の再生活動や、マダイやトラフグなど、付加価値の高い魚種の種苗放流に対する支援を行うことで、漁獲量の増大に努めてきたところです。 しかしながら、お示しの柳井海域を初めとする瀬戸内地域では、タコやタチウオ、メバルなど、主要魚種の漁獲量が減少しており、豊かな海の再生につながる効果的な藻場の保全・再生や種苗放流に取り組むことが必要です。 このため、まず、藻場の保全・再生については、計画的な藻場造成に引き続き取り組むとともに、漁業者グループによる活動の効果を一層高めるため、水産研究センターが直接、海藻類の維持・増殖に向けた技術支援を行うなど、ハード・ソフト両面から良好な生息環境の創出に努めます。 また、種苗放流については、放流の効果が最大限発揮されるよう、魚種ごとに、いつ、どこに、どの程度の大きさの種苗を放流することが最適か、データをもとに分析・検証した上で、内海栽培漁業センターや市町と緊密に連携した種苗育成や、漁協による適地・適量の放流を支援します。 さらに、種苗放流後の資源管理を強化するため、本県が独自に実施してきた小型トラフグの採捕禁止措置を他県の海域にも展開するよう国に要望するほか、関係府県と連携して漁網の網目の拡大による小型魚保護の徹底を図るなど、藻場の保全・再生とあわせて体系的な取り組みを推進します。 県としては、観光産業を初めとする地域の活性化につながる効果も期待される豊かな海の再生に向けて、今後とも地元市町や関係団体と緊密に連携し、瀬戸内海の水産資源の回復に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 酒本哲也君。    〔酒本哲也君登壇〕(拍手) ◆(酒本哲也君) おはようございます。民政会の酒本哲也です。 質問の前に一言申し上げます。 去る二十三日、国連の気候行動サミットにおいて、スウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリさん十六歳が、将来を担う世代を代表して、温暖化対策の即時実行を次のように訴えました。 あなたたちは空っぽの言葉で、私の夢と子供時代を奪い去った。私たちは絶滅に差しかかっているのに、話すことといえば、金のことと永遠の経済成長というおとぎ話だけ。若者たちはあなたたちの裏切り行為に気づき始めている。あなたたちが私たちを失望させる選択をすれば、私たちは決して許さない。などと涙をためて強く、そして厳しく訴えた言葉に、各国指導者から大きな拍手が湧きました。 残念ながら安倍総理は出席せず、小泉環境大臣は具体的な提案はできませんでした。 地球温暖化は、今起きる、私たちにとって極めて重要な課題です。私たちはしっかりとこの問題に取り組んでいくことを申し上げます。 それでは、通告に従い順次質問いたします。 まず、インバウンド対策について質問いたします。 少子高齢化が進む日本では、経済を支えるために、外国人観光客による収入は大変重要な役割を担っております。 以前、政府が掲げた目標は、二○二○年の訪日外国人旅行者数は二千万人、訪日外国人旅行消費額は四兆円とされていましたが、二○一五年の段階で約二千万人弱の外国人が訪日し、約三兆四千七百七十一億円が消費されたため、新たな目標として、訪日外国人旅行者数は二○二○年で四千万人、二○三○年に六千万人という数字を掲げました。 消費額は二○二○年に八兆円、二○三○年に十五兆円と、我が国に対するインバウンドの経済効果は、大変重要な役割を担っております。 私が住む下関市でも、特に、唐戸地区海側周辺では、歩行者の約半数が外国人と言っても過言でないぐらい、たくさんの外国人観光客でにぎわっております。 また、下関市西側の長州出島には、二○一六年から大型のクルーズ船が寄港し始め、二○二三年度には、スイスの船会社、MSCクルーズ社が国際クルーズ拠点港として、クルーズターミナルをオープンする予定となりました。 これまで寄港後、乗客の動きといたしましては、岸壁に用意された数十台のバスに乗り、九州方面に向かい、山口県内には周遊せず、船に戻るパターンがほとんどでありました。 しかし、最近では、コンベンション協会や行政の努力もあり、県内を周遊する方々がふえていると伺っております。 本県の魅力を十分に感じていただき、約六割とされるリピーターをふやすためにも、外国人観光客が不満に感じる部分を早急になくしていかなければなりません。 外国人観光客が不満に感じる上位が、Free Wi─Fiの整備がおくれている点です。 現在、ガイドブックを広げて行く先を探す方はほとんど見なくなりました。多くの訪日外国人は、インターネットやSNSを通じて観光地などの情報収集を行います。 また、インスタグラムやツイッター、フェイスブックを使い、その場で撮った写真や動画を投稿できることにより、山口県の魅力を全世界に発信していただけます。 本県が進める、「やまぐち Free Wi─Fi」のさらなる普及活動を行うべきだと思いますが、見解をお示しください。 また、旅行代理店から伺った、本県に足りないものの一つに、大型の免税店がないことが上がっておりました。言われてみると、私たちがパックツアーで外国に行った際、バスで大型の免税店に立ち寄ることが多くあります。 隣の県の福岡県には多くの免税店がありますが、二○一七年、北九州市にオープンした大型免税店には、下関に着いた外国人観光客の多くが、そこに立ち寄るそうです。 四年後にクルーズターミナルができることが決まった今、本県でも市町と連携をとり、大型免税店の誘致を進めるべきだと思いますが、見解をお示しください。 次に、日韓関係悪化に伴う県内への影響について質問いたします。 現在、日本と韓国の関係は、日韓国交正常化以来、最悪な状態が続いております。 日本政府観光局発表では、二○一九年一月から七月の訪日韓国人旅行者は、去年同時期より二十万人の減少。また、韓国最大手のハナツアーが発表した八月の韓国からの日本への旅行商品の販売実績は、前年同月比で約八割減少しているそうです。 本県の観光産業に与える影響も例外ではありません。平成二十八年の冬、山口宇部空港からエアソウルの国際定期便が就航いたしました。冬ダイヤの運航実績を重ね、通年運航の実現がそれほど遠くないのかもしれないと、私も一県民として期待しておりましたが、このたび、ことしの冬ダイヤから運休するとのお知らせがありました。運休の理由は、他の日韓路線と比べ、利用率が伸び悩み、路線収支が改善しないため。またもう一点は、ことしに入り、為替レートの変動により、日韓路線の予約状況がよくない中で、昨今、日韓関係が急速に予測不可能な状況に陥り、日韓路線のさらなる利用率下落や収益悪化が予想されるためと、県のホームページにも記載されておりました。 また、下関と釜山を結ぶ船会社の定期航路も、かなりの影響を受けております。直接、担当の方に連絡し、乗船人数の変化を伺ったところ、昨年対比では、七月は約二五%の減。八月に至っては、約一万五千人いた訪日韓国人観光客が六千五百人を切り、危機的状況であると言わざるを得ません。 韓国人観光客が多いことで有名な長崎県対馬市では、去年の同じ時期より韓国人観光客が八割も減少したそうで、韓国人観光客は本年七月から団体客のキャンセルが相次ぎ、七月は去年の同じ時期と比べて四割減の一万九千八百人だったそうです。八月はさらに減り、八割減の七千六百人であったそうです。対馬市は、この影響で七月は約三億円、八月は七億円以上消費が低下したと推定し、対馬市は県と連携して、国内の旅行会社に働きかけるなどして、日本の観光客誘致に力を入れていますと、ニュースを拝見いたしました。 国内向けの観光客誘致に力を入れるのも一つの手ではありますが、今だからこそ、訪日外国人旅行者の約四分の一を占める韓国人旅行者をどう取り戻すか、これを早急に議論し、他県よりもスピード感ある対応をとるべきだと思います。 韓国に対し、厳しい世論がある中で、地方自治体としては声を上げにくい状況があるかもしれません。 しかし、県内の観光産業衰退を食いとめるため、また、個人商店や中小零細企業を守るためにも、本県がどうこの問題に対し取り組んでいくのか、見解をお示しください。 次に、公共交通のICカード化についてお伺いします。 交通系ICカードの導入は、県内の利用者はもちろん、来県者、外国人観光客にとって早期対応しなければならない課題であると思います。 バス事業に関しては、来年度から順次、全てのバス事業者での導入を支援していく。県としては、観光客の快適な県内周遊に向けて、市町や交通事業者等と緊密に連携をとりながら、二次交通の充実や利便性の向上など、県内の交通ネットワークの機能強化に積極的に取り組んでいくとの部長答弁がありました。バスに関しては、取り組みが進んでいると認識しておりますが、JRに関しては、どのように取り組みは進んでいるのでしょうか。 現在、本県でICカードが使えるJR路線は、南岩国より東、また、下関駅から九州方面に向かう電車のみとなっております。例えば、下関駅からICカードをタッチして山口方面の電車に乗り、おりた駅でカードリーダーがなく、タッチして精算ができないという状態であり、来県者、特に外国人観光客からすると、とても不便な県だと認識されているのではないかと思います。 また、PASMOやSuicaなどの10カード未導入の都道府県は六県とされておりますが、ICカードが使えないICカード空白地帯に本県は入っておりません。理由は、南岩国駅や下関駅に、県内に向かう電車には使用できないカードリーダーが設置されており、カードリーダー自体がゼロではないからです。観光客が戸惑うのも無理はありません。 規模、また内容にもよりますが、事業者負担は数億から数十億になると予想されますが、JR西日本と本県の間で、どの程度までICカードの導入の話が進んでいるのか。現時点の状況と今後どう進めていくのか、お示しください。 最後に、LGBTについて質問いたします。 LGBTとは、Lがレズビアン、女性の同性愛者、Gがゲイ、男性の同性愛者、Bがバイセクシャル、両性愛者、Tがトランスジェンダー、心と体の性が一致しない人、性同一性障害の方です。LGBTとは、この頭文字をとった造語です。 私が持っている人権ポケットブックに、 長い間、社会では性について、非常に固定的に考えられてきました。世の中には男性と女性しかおらず、それだけが正常で、そこから外れるものは異常だと考えられてきました。しかし、人間を単純に二つのパターンに分け、それ以外を排除する考え方は、これに当てはまらない人々が苦しむ背景となっております。 ある人を性的マイノリティーである理由で差別したり、排除することなく、違いを認め、それぞれの生き方を尊重することが人権の基本です。と書いてあります。 これは今に始まったことではなく、昔から、この問題に苦しみ悩んでいる方が多数おられます。 私は、これまで下関市議会議員として在任中、何度かこの問題を取り上げ、議論を重ね、下関市役所に性同一性障害の相談窓口が設置されました。その先の要望として、パートナーシップ制度の制定を求め、意見してまいりましたが、パートナーシップ制度の導入までは至らず、市議の任期を終えました。 偏見をなくすための活動として、既にカミングアウトされているLGBT当時者の方を講師に招き、若者を中心にディスカッションするなど、周知を目的としたイベントを開きましたが、私はまず、LGBTの理解を求めるための周知活動から始めて、その後、制度の導入へ向かうものだと考えておりました。しかし、そういった活動をしていく中で、先に制度をつくることが、この問題に対して何よりの周知ではないかと、今はそう考えております。 そして、県として初めて、茨城県がパートナーシップ制度を七月一日から導入しました。制度導入後、親族同士を条件とする、県営住宅の入居申請や県立病院での面会、手術の同意などができるようになりました。さらに、市町村営住宅や民間病院でも同等のサービスが受けられるよう、市町村や民間にも協力を求める予定だそうです。 LGBTへの取り組みが加速していることは大変喜ばしいことですが、LGBTを取り巻く環境は、依然として大変厳しいと言わざるを得ません。 電通総研が二○一二年に行った調査では、五・二%、人口の約二十人に一人がLGBTに該当するという結果が出ました。そして、その三年後、二○一五年四月に電通ダイバーシティ・ラボが全国約七万人を対象にした調査では、調査対象者のうち七・六%の方がLGBTに該当するという結果でありました。 三年間で二・四%も前回調査より該当者がふえたことについては、渋谷区の同性パートナーシップ条例を制定したことや社会的影響のある人がLGBTであることをカミングアウトするなど、情報に触れることが多くなってきたことがあると推測されます。 また、これは、左ききやAB型の人と同じくらいの割合となります。 二○一五年の調査数値をもとに本県の人口割合で計算すると、人口約百三十五万七千人に対し、約十万三千人の山口県民がこのLGBTに該当する計算になります。 都市部においてはカミングアウトをされる方もふえ、理解も進んでいると思いますが、地方ではLGBTに対する認識が低く、偏見の目が多いのも事実です。しかし、該当するある一定の方々は確実におられます。 先週、新潟県長岡市の市立小学校校長が十七歳男子高生への買春容疑で逮捕されたと報道がありました。これは未成年が相手の事件であり、到底容認できる内容ではありませんが、見方を変えると、このようにテレビニュースでも相手が同性であることが当たり前のように報道されております。これは現在ではスタンダードなのです。 昔と現在の違う点は、インターネットの普及で、匿名で同じ悩みの相手と簡単にコンタクトがとれるようになったことです。そして、LGBTの当事者がインターネットを通じて多くの仲間がいることを知り、自分が異常でないことがわかるようになってきました。 日本労働組合総連合会が実施したLGBTに関する職場の意識調査では、職場に同性愛者や両性愛者がいることに抵抗を感じる人が三人に一人いるという結果になったそうです。 昔は奴隷制度、黒人差別、また、女性差別が合法であった時代がありました。今は、LGBTへの差別を撤廃するときだと思います。このLGBTの問題について、県としてどういう認識をお持ちなのか、見解をお示しください。 また、冒頭申し上げたように、この問題は、先に制度をつくることが何よりの周知ではないかと今は考えております。自殺未遂率が異性愛者の六倍に至るほど、苦しめられているLGBTの方々の命と人生を救うためにも、一日も早くパートナーシップ制度の導入に向け動き出すべきだと思いますが、見解をお示しください。 また、このLGBT該当者には、もちろん子供も含まれます。LGBTはわからないから排除する、嫌悪感があるからという理由で意識が強いことから、まずこの無知の状況を脱するために、教育として性は二種類ではなく、玉虫色であるということを子供たちに教えていかなければなりません。 文部科学省が二○一四年に発表した調査で、小・中・高生などを通じて任意で回答した性同一性障害の児童生徒六百六人のうち、四三・一%が隠していると回答したそうです。ごく一部を除いて隠している、これが一四・四%、それ合わせると約六割が周囲に知られないように学校生活を送っていることになります。約七割のLGBTの子供たちがいじめや暴力を経験したことがあり、性同一性障害のトランスジェンダーの約七割が死にたいと思ったことがあるそうです。 教育委員会では、性的マイノリティーの子供たちに対するいじめをどういった形で把握し、いじめが発覚した場合のその対応は、どのように行っているのでしょうか、お示しください。 もう一点は、特にトランスジェンダーの子供に関することで、着用義務のある制服についてお伺いします。 千葉県柏市に新たに開校した中学校の制服では、入学予定の児童や保護者らの話し合いで、リボンかネクタイか、またスカートをはくのか、スラックスをはくのか、性別にかかわらず自由に選択できるそうです。 沖縄県の浦添高校も、性別によらず好きな制服を注文できるようになりました。また、東京都世田谷区では、全ての市立中学で制服選択制度が導入されるか、現在検討中だそうです。 本県もスピード感を持って制服選択制を導入すべきだと思いますが、教育長のお考えをお示しください。 以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 酒本議員の御質問のうち、私からは、公共交通のICカード化についてのお尋ねにお答えします。 キャッシュレスで交通機関の利用が可能となる交通系ICカードは、地域住民のみならず観光客にとっても利便性の向上につながることから、県では、ICカードは早期に広く利用が可能となるよう、取り組みを進めているところです。 こうした中、路線バスに関しては、山口県バス協会から、来年度から順次、全てのバス事業者での導入を目指すとの方針が示され、現在、各事業者において準備が進められているところであり、県としては、バスへの導入費用を支援することで、早期導入を進めることとしています。 一方で、鉄道については、昨年四月に発表された二○二二年度を目標とするJR西日本の中期経営計画において、ICカードの利用可能エリアの拡大が明記されたところです。 県としては、JRに対して、ICカードの利用区間の県内での早期拡大を繰り返し要望しているところであり、現在、JR西日本において検討が進められています。 ICカードは、バスとJRの双方で利用が可能となることで、導入効果が高まることから、私は、JR西日本に対して、交通系ICカードの利用区間の県内での早期拡大を引き続き働きかけてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
    ○議長(柳居俊学君) 正司観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 正司尚義君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(正司尚義君) インバウンド対策についてのお尋ねにお答えします。 まず、「やまぐち Free Wi─Fi」の普及についてですが、県では、これまでも研修会の開催による事業者への導入促進を図るとともに、多言語のパンフレットやホームページでの周知による外国人観光客の利用促進に取り組んでいるところです。 本年八月末のアクセスポイント数は九百六十一カ所となっており、県内のWi─Fi環境整備は、着実に進んできています。 次に、大型免税店の誘致については、県内では、既に地元百貨店やショッピングモールなどの大規模な店舗が免税店となっていることから、まずは、これらの利用について、旅行会社への周知に努めています。 また、県内経済の活性化を図るためにも、県では、地元事業者の免税店の拡大に取り組むこととしており、申請手続などの説明会の開催や、事業者への相談対応等を行っているところです。 こうした取り組みを通じて、県内の免税店は、本年四月一日時点で百七十店となり、着実に増加しています。 県としては、今後も、外国人観光客の快適な県内周遊に向けて、Wi─Fiのさらなる普及や免税店の拡大など、受け入れ環境の充実に、引き続き取り組んでいきます。 次に、日韓関係悪化に伴う県内への影響についてのお尋ねにお答えします。 韓国は、本県のインバウンドにおいて、外国人観光客数の約三割を占めており、韓国人が多く宿泊する施設では、昨今の韓国経済の低迷や日韓関係を背景に、新規予約の減少傾向が見受けられるところです。 一方で、台湾や中国などからの観光客は昨年に比べて増加していることから、今後のインバウンドについては、台湾などの重点五市場を初めとする幅広い国や地域から、観光客の誘致を進めることとしています。 県としては、重点五市場の観光プロモーターと連携し、的確な状況把握に努めながら、外国人観光客のニーズに対応した効果的なプロモーションを展開することにより、インバウンド誘客に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 西田環境生活部長。    〔環境生活部長 西田秀行君登壇〕 ◎環境生活部長(西田秀行君) LGBTのお尋ねのうち、県の認識とパートナーシップ制度の導入についてお答えします。 まず、LGBTに対する県の認識についてです。 お示しのとおり、民間の調査では、対象者の七・六%がLGBTに該当するとの調査結果などがある中で、県としては、LGBTなどの性的マイノリティーを理由に偏見や差別を受けることはあってはならず、違いを認め、それぞれの生き方が尊重される社会を構築することが重要であると考えています。 次に、パートナーシップ制度の導入についてです。 パートナーシップ制度については、現在、国で、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向等を見守ることとしており、現時点では、制度を導入する考えはありません。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉副教育長。    〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎副教育長(繁吉健志君) 教育現場におけるLGBTの問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、いじめの把握については、いじめはどの子供にも、どの学校にも起こり得るという認識のもと、性的マイノリティーの子供たちも含め、全ての子供たちに対して、日常のきめ細かな行動観察に加え、定期的な教育相談や生活アンケート等を通して、いじめの早期発見に努めているところです。 また、性的マイノリティーの児童生徒に対するいじめを認知した場合は、子供たち自身が性的マイノリティーであることを秘匿しておきたい場合があること等を踏まえながら、本人の心情に配慮し、迅速かつ適切な指導・支援を行い、早期解決に努めていくこととしております。 次に、制服については、各学校が主体的に判断するものですが、トランスジェンダーの児童生徒に対しては、本人の心情等に配慮しながら、個別の事案に応じた対応を行うことが必要であると考えています。 県教委としては、各学校において、適切な対応が図られるよう、必要に応じ、学校や市町教委に対して、助言等を行ってまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定です。    午前十一時二十三分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(藤生通陽君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第二十号まで ○副議長(藤生通陽君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 先城憲尚君。    〔先城憲尚君登壇〕(拍手) ◆(先城憲尚君) 公明党の先城憲尚でございます。お疲れでしょうけれども、これからおつき合いをお願いしたいと思います。 初めに、ちょっと手元に(掲示)こういう県立美術館のチラシがございます。見に行かれた方もいらっしゃるかと思いますけれども、現在、県立美術館で「ヨーロッパ絵画 美の四百年─珠玉の東京富士美術館コレクション─」、こういうのをやっております。 これ見ますと、山口県立美術館開館四十周年記念、読売新聞西部本社発刊五十五周年を記念して開催をされているということなんですけれども、絵画について、私もずっと四十数年間金利計算ばっかりやっていましたので、絵画の審美眼はほぼ皆無に近いんですけれども、とにかく見に行っていきました。もう知事も議長もテープカットに出ておられたので見に行ってきましたけれども、これだけ美的センスのない私も、本当に正直なところ感動いたしました。 この美の四百年、私、詳しくないので聞いた話ですけれども、美の四百年というのがやっぱりすごいらしいですね。四百年の絵画をこれは一連のものにして展示をするというのは、日本ではもうほぼないということだそうです。この東京富士美術館のコレクションを引っ張ってこないと多分できないということらしいですね。 いろんなところに有名な美術館がありますけれども、これも聞いた話ですけれども、印象派以降の作品がほとんどだそうですね。十九世紀後半以降らしいです。 したがって、ここに書いてあります四百年間、十六世紀から二十世紀にわたって絵をそろえるというのは、多分、この東京富士美術館しかないんだろうというふうに伺いました。 そういうことで絵もすばらしい、ちょっとびっくりしたものですから、先日、この東京富士美術館へ行ってまいりました。行ったというのが、九月六日に下関北九州道路の要望があって、国交省と財務省へ知事が行かれて、それから議連会長の塩満先生が行かれて、私はそのかばん持ちでついていったんですけど、かばん持ちだったんでちょっと時間が余りましたものですから、東京富士美術館へ足を延ばしてみました。 やっぱりすばらしい所蔵です、全部言うと時間がありませんので、一つだけ紹介しますと、例えばすごい写真がある。ロバート・キャパって皆さん知っておられる方もおられるかもしれませんけれども、世界一有名な戦争写真家です。だから、戦争の真実を写真にとどめて、これを世に出して平和を実現しようという、行動する写真家なんですけれども、核心に触れ過ぎて、インドネシア戦線で地雷を踏んで亡くなった方です。 この方の遺族が、数万点あるんです、すばらしい写真が。それをたしか九百七十三枚だけ抜き出して、それを三つのセットだけつくって、これにパテントをつけて世に出したんですね。 この世の中にこれ三つしかない。それが日本では唯一、この東京富士美術館にありました。ちょっと驚いたんですけれども、なかなかおもしろい美術館で、職員の方とエピソード等も伺ったんですけれども、一つだけ聞いてびっくりしたことがありまして、冷戦時代、デタントの時代ですね、冷戦の時代に中国とソ連が大変仲が悪くて、同じ共産主義なのに、国境紛争で年中軍事衝突していたわけですね。 このときに、これは、世界戦争に発展するんじゃないかという非常に恐怖感があって、この富士美術館のスタッフが考えたそうですよ。それならシルクロード財宝展をやろうと。シルクロードといったら中国とソ連に横たわっていますから、両方の財宝を引っ張ってきて、ここで美術展をやろうと前に企画したそうですよ。 そしたら、あに図らんや、中国、それからソ連両方の戦争をやっている国同士の文芸員が、富士美術館へやってきたそうですね。それで、何か戦争をやっているのにおまえらいいやつらだなと言うんで、もう本当に仲よく準備作業に当たったと。 それで、もうきょう警察本部長も来ておられますけれども、公安警察が慌てて駆けつけて、おまえら何やってんだということになったそうですけれども、余りにも仲よく準備をしているので、あんぐり口をあけて、まあ頑張ってくださいって帰ったそうです。 このシルクロード財宝展が、結構年老いた方は知っていると思うんですけれども、シルクロードの旅ってNHKがありましてね、御存じの方もいらっしゃると思います。若い人はわからないかもわかりませんが、真ん中から後ろぐらいの人は多分わかると思うんですが、これ有名になりました、シルクロードへ、ここへ発展していくという話も聞いたんですけど、皆さん、今回の絵画も見られてください。そして東京へ出張へ行かれた際には、ぜひとも時間があれば、近いですから、ちょっと東京富士美術館へ寄られると、おもしろい発見があるんじゃないかなということで、質問に入ります。 初めに、公の施設の見直しについてお尋ねをいたします。 日本では道路や橋、上下水道など多くのインフラが、高度経済成長期の一九六○年から七○年代にかけて集中的に建設をされており、現在、五十年から六十年を経て老朽化が目につくようになりました。 また、地方では人口減少が進み、利用の減少が続いていることから、財政的にも困難な状態となっています。 一方、リニューアルもせずに老朽化した建物や橋を使い続ければ、住民の安全を脅かすことになります。その意味でも、インフラを持続可能な水準まで減らす一方、残すものは更新した上で安全を確保するという視点が重要になってきました。つまり、選択と集中であります。 これには、五つの処方箋があると考えられます。 まず第一に、広域化。文化ホールや総合運動場など、利用者が一地域に限られない公共施設は、他の自治体と分担をします。 第二は、民間へのシフト。稼働が夏に限られる学校のプールは設置しないかわりに、民間のスイミングスクールを借りるなどの例があります。 第三は、これが大事なんですけど、集約化で統廃合を目指します。実際に学校は生徒数が減少しておりまして、一定の教育環境を保つためにもスクールバスを活用しながらの拠点校への統合することが考えられます。 第四は共用化。例えば学校の音楽室を昼間は授業で使って、夜は地域に開放して稼働率を上げる方法でございます。 第五が多機能化です。例えば集会所を学校に機能移転して複合化を進めますなどなど、これら五つを組み合わせると、公共施設の選択と集中が可能となります。これらは決して地域を切り捨てることではなくて、取捨選択によって維持管理費用を削減し、地域の持続性を長期にわたって確保するというものです。 さて、現在、本県においても、公の施設の見直しを行財政構造改革の取り組みの一つに位置づけ、社会経済情勢や県民ニーズの変化などを踏まえて、全ての公の施設を対象に移管や統廃合、運営手法の見直しなど検討をしています。 九月十一日、県庁で開催された行財政改革統括本部会議では、中間報告として、秋吉台国際芸術村など十二施設について、今後さらに関係市町と協議し、その意向を踏まえながら個別の見直し方針を検討するとしています。 これらを進めていく上で、当然、市町や関係者の理解を得ることが必要となりますが、県は今後、どのように見直しを進めていかれるのか、お伺いをいたします。 次に、ASEAN諸国との関係強化についてお尋ねをします。 本県は、本年二月議会で自民党の島田教明議員が取り上げられておりまして、この際に、ASEAN諸国への方向性も示していただいております。私ども公明党も、これについていく思いで取り上げさせていただきます。 ASEANは、シンガポール、インドネシア、マレーシアなど東南アジア諸国十カ国で成り立っており、人口六億五千万人、経済は成長途上にありまして、GDPは二○一八年に三百兆円に達しています。十年で倍増、また、スタートアップ企業への資金流入が拡大をして、現在七千億円で、日本の大体四倍の規模になっています。 既に日本企業も多くの拠点を抱えておりまして、在留邦人も二十万人を超えました。また、ASEANからの観光客も二○一○年度の八十七万人から二○一七年度三百十五万人と、七年間で四倍に増加をしています。 デフレに苦しむ日本経済にとって、伸び行くASEANは輸出先としても重要な地域です。山口県にとっても、デフレの根源である供給過剰への対策としては輸出の拡大が極めて重要で、ASEANにはその十分なパイがあります。重要な進出拠点であることに違いはありません。 加えて、ASEANに親日国が多いのは驚きでございます。決して台湾だけが親日ではありません。日本が太平洋戦争の際、植民地化した国はアジアにたくさんありますが、ASEAN諸国は、自分たちが巻き込まれた太平洋戦争という歴史的事実を、当事者として正しく教えています。 当時、日本が掲げたのは大東亜共栄圏。日本を盟主としてアジアを政治・経済・軍事ブロックとする構想でありました。日本が迷惑をかけたのも事実でございますけれども、本丸は、欧米列強の圧政に苦しんでいるアジア諸国を独立をさせて、アジア諸民族の共存共栄を果たすことでありました。このことも正しく教えています。決して偏った歴史認識は持っていません。 私は、ことしの原爆記念日に合わせて、広島の原爆記念館がリニューアルオープンしたので行ってきました。長蛇の列になっているので、よく見ますと、多くのアジア系外国人も観光客として来ていました。旅行業者に聞いてみました。私たち業者から誘導したのではありませんよ。彼らのリクエストによるものですよと言っていました。見終わった多くの人は、大変なものを見てしまった。日本はこんな目に遭っていたのか、驚いていましたが、反日感情による歴史認識への抗議ではなくて、日本という国をちゃんと学ぶために来ていることがよくわかります。 国別に見ていきたいと思います。 まずはインドネシア、太平洋戦争後のインドネシア独立戦争では、二千人以上の日本軍将兵が母国日本に帰らず、命がけでインドネシアのために独立戦争を戦い抜いて勝利しました。今でも毎年、独立記念日にはインドネシアの首相が日本人戦死者の墓地を訪れています。 次に、シンガポールですけれども、シンガポールは親日国の一つでありますけれども、ここはむしろ、日本人のほうがシンガポールが好きというほうが正しいかもわかりません。戦後日本の経済的援助は四百億円に上ります。間違いなく発展の礎になっておりまして、シンガポールの人々を親日寄りにしてきました。 次にタイ、日本の米騒動ではタイへの感謝を忘れてはいけません。一九九三年、この年の日本では、天候不良で米が記録的不作となりました。これに真っ先に対応してくれたのがタイ政府で、日本への米の緊急輸出を実施しました。 それから、マレーシアですが、マレーシアのマハティール首相が一九八一年に打ち出しましたルックイースト政策、戦後奇跡の復興を遂げた日本を手本にして、マレーシアも急成長を遂げようというものでございますけれども、実際そうなりました。日本を学ぶために累計何と一万四千人もの留学生が日本に来ています。 最後にベトナムですが、ベトナムは長い間、中国から属国とみなされてきました。南シナ海をめぐって領海侵犯もあります。日本も尖閣諸島問題で中国と衝突をしておりまして、もはや、日本とベトナムの連携は欠かすことができませんなどなど、ASEANの親日事例については枚挙にいとまがありません。 以上より、ASEAN諸国との関係強化については、機が熟したと考えますけれども、県は今後、経済関係及びその基礎となる国際交流の強化にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、食品ロスと未利用食品の活用についてお尋ねをします。 現在、食品ロスは、食品関連業者から発生するものが三百五十二万トン、一般家庭からが二百九十一万トン、合計六百四十三万トンと推計されています。これは、世界の食糧援助量の一・七倍となる大変な量となっています。 国では、昨年六月に閣議決定された第四次循環型社会形成推進基本計画において、家庭から発生する食品ロスを二○三○年度までに二○○○年度比で半減するとの目標が設定されました。また、事業系の食品ロスについても、本年七月に改正・公表された食品リサイクル法の基本方針において、二○三○年度までに二○○○年度比で半減するとの目標が設定をされております。 山口県においても、食品ロス削減推進協議会が中心となって、外食時や家庭での食べ残しなどを減らす、やまぐち食べきっちょる運動を展開をしてこられています。 しかし、これらの取り組みが行われる一方で、依然として食品ロスが大量に発生している現状を踏まえ、国においては、本年五月、食品ロスの削減の推進に関する法律が成立をして、国や地方の役割を明確にしています。 また、未利用食品の活用については、NPO法人フードバンク山口が中心となってフードバンク活動を行っておられます。 フードバンク活動とは、まだ食べられるのに処分されてしまう未利用食品を集めて必要な施設や人に届けるという、食品ロス削減につながる取り組みです。県では、未利用の食品が、フードバンク山口に集まる仕組みづくりを行うこととしておられます。 私は、先日、セブンイレブン・ジャパンの担当者のお話を聞く機会がありましたが、セブンイレブン・ジャパンは、全国各地において都道府県及び都道府県社協と三者協定を締結した上で、生活に困難を抱えた方への支援を進めているということでした。 具体的には、同社の店舗改装時に発生する在庫商品を市町村社会福祉協議会に寄贈し、フードバンクや子供食堂、各種施設など、地域の実情に応じて活用を図るというものでございます。既に十二道府県及び六市で実施されてきたということでございます。 私は、こうした取り組みが少しでも広がり、食品ロスの削減につながることを大いに期待をしています。 そこでお尋ねします。本県においても、この法律の趣旨を踏まえ、食品ロス削減に向けてどのように取り組んでいくのか、また、賞味期限内の未利用食品を有効に活用できるように、県はどう取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、中小企業支援についてお尋ねします。 昨今の中小企業は忙しいです。いよいよ翌月に迫った消費税率の引き上げ、それに伴う軽減税率、政府主導によるキャッシュレス決済、これに相乗りをしましたポイント還元やプレミアム商品券、さらには、このタイミングで打ち出されました最低賃金の引き上げ、いずれも政府がよかれと思ってやることなのでございますが、とにかく盛りだくさんで複雑です。 きのうも高齢の経営者から、「どっと押し寄せているので、ほんまに現場は大変ですよ。先城さん、すまんけど、もうやっとられんので、わしの後、社長をやってくれんか」と冗談とも本気ともつかない冗談を言われてしまいました。 現状を見てみましょう。十月一日スタートの消費税の増税分は、幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化、低年金者への生活支援、介護人材の処遇改善などに充当するとされておりまして、大事なことは間違いありません。ここは確認をしておきたいと思います。ただ、一部の経営者は戦々恐々としているのも事実です。 同時に実施される軽減税率は、外食や酒を除く飲食料品と新聞の消費税を八%に据え置くもので、家庭負担削減効果は一兆円と言われ、庶民にはありがたい制度です。 しかし、外食か持ち帰りか悩ませてくれます。コンビニにイートインができて、レストランは持ち帰りも当たり前、アルコールがわずかに入ったみりんは対象になるのかなどなど、小売業の営業形態が多様化していることから、導入当初はかなりの混乱も予想されるところです。 加えて、設備投資も必要で、複数税率になるため、新たなレジも導入しないといけません。何と税務署で業者向けの説明会が全国で六万回行われたといいます。その努力に敬意は表しますけれども、理解し切れずに帰ってきた経営者がいるのも事実でございます。 また、東京オリンピックを控え、キャッシュレス化を進めたい政府は、十月の消費税率の引き上げにあわせ、国費でポイント還元する政策を打ち出しています。時代の流れであり、企業の生産性向上や営業エリア拡大につながるためよいことでありますけれども、仕組みは複雑です。 ポイント還元は中小企業が対象で、原則五%、しかし、昨今、小売のチェーンはフランチャイズ展開が主流であり、その場合は二%と混在しています。 また、一口にキャッシュレスといっても、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、QRコードなどなどバラエティーに富んでおり、使用端末機も異なります。 これらの導入費用だけでなく、手数料もかかることから、順調に広がっているとはとても言えない状態で、多くの中小零細小売店が導入を決めかねています。 プレミアム商品券についても、住民税非課税世帯や学齢三歳未満の子供がいる世帯に限られておりまして、購入単位も高額であることから、いまいち浸透不足でございます。 最後にもう一つ、このタイミングで最低賃金の引き上げ、全国加重平均で初めて九百円を突破して九百一円となりました。山口県も二十七円アップの八百二十九円、デフレ解消のためには個人消費の喚起が欠かせません。最低賃金の引き上げによる賃金体系全体の向上は、個人消費の増加につながるため、政府は今後も取り組む方針とされています。 中央や県の審議会は、公労使三者で構成されていますが、ここはぜひ、連合の皆さん、出番でございます。賃金上昇に向けて頑張っていただきたいというところでございますけれども、しかしながら、一方で、最低賃金の引き上げは、当然人件費の高騰を招くため、中小企業の経営を圧迫するとの懸念があります。これを解決するには、企業の生産性向上のためのアドバイスと設備投資への助成が必要であり、中小企業の経営陣は、これまた不安を隠せません。 以上、中小企業をめぐる現状と課題をるる申し上げましたが、消費税率の引き上げを契機とするキャッシュレス決済導入などへの対応や、最低賃金の引き上げに伴う経営不安など、昨今の中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しています。国もさまざまな対策を講じていますが、地域では県のサポートも必要になります。県の取り組みの方向性について伺います。 最後に、無電柱化についてお尋ねをいたします。 先日、要望で国交省へ行った折に無電柱化についてちょっと雑談をしましたら、国交省の某審議官が、先城さん、そんなことを言ったって、無電柱化の日本の最高の権威は山口県にいますよと、このように言われました。誰ですかって言ったら、森若部長さんらしくて、今日に至ります無電柱化は、部長さんが一人で国交省を引っ張って実現してきたことだそうでございます。ぜひ、快い答弁をお願いいたします。 最後に無電柱化で、それで九月八日に関東地方を直撃した台風十五号による大規模停電で、千葉県では、五日経過した十三日も約二十万戸の停電が続いていました。被災者は体力、精神の限界に達します。その主な原因の一つに、広範囲にわたる電柱の倒壊がありました。 何とこの被害が、きょう新聞に出ていましたけど、二千本だそうです。これが復旧をおくらせ、救援車両の行く手を阻んでいました。地球温暖化が関係しているとすれば、こうした強い台風が都市部に上陸する可能性が拡大をして、今後も、今回のような大規模停電を引き起こすかもしれません。無電柱化は進めるべきです。 かつて、阪神大震災でも東日本大震災でも、倒れた電柱が人や車の行く手を塞いでいました。テレビ中継を見ていて、町中にこれだけの電柱があっていいのか、無電柱化をもっと前に進めないでいいのかという気持ちになったのは、私だけではないと思います。 平成三十年、国交省は無電柱化推進計画を定めました。これは、防災、交通確保、観光振興等の観点から無電柱化を進めていこうというものです。 しかし、電柱方式の何倍もかかるという地中化の費用をどう確保するかが課題となっています。したがって、一キロで五・三億円かかるとも言われている工法を簡素化して、費用を抑えることが検討材料となります。深さ基準の緩和、小型ボックスの活用、直接埋設など、コスト縮減も含めて国交省に検討を進めていただきたいと考えています。 諸外国は進んでいます。ロンドン、パリは一○○%無電柱化しています。しかし、日本は最も進んでいる東京都でさえ五%弱、山口県は日本の平均値でわずかに一・二%です。 現在、山口県内では、国直轄事業所五カ所、県事業で五カ所、市町事業で二カ所、合計十二カ所で無電柱化事業が行われています。ちなみに、私の事務所前がちょうど事業箇所になっておりまして、ついにこの間片側だけ無電柱化が完成しつつあります。驚くほど景観が変わりますし、台風が来ても倒れてこないとなれば一段と安心が広がります。 このたび、石井国交大臣にかわって就任した赤羽国交大臣も、十七日の記者会見で無電柱化を加速させる考えを明らかにしています。 国への要望も含め、無電柱化を進めていくべきと思いますけれども、県の所感をお伺いをいたします。 駆け足でやってまいりましたけれども、質問は以上でございますけれども、偶然時間が余りましたので、一言申し上げたいと思いますけれども、私も議員をやっておりますので、定期的に、草の根の語る会というのを定期的に地域住民の皆さんと開いています。 最近つとに感じるんですけれども、有権者の皆様、国民は、日米安保条約について大変な誤解をしているのではないかというふうにちょっと気がつきました。もし日本がどこかの外国から攻撃を受けたら、すぐに、また自動的にアメリカ軍が助けに来てくれるんですよねと、このように思っている人が、多数というよりもほとんどでした。 もうここにはプロフェッショナルもたくさんいらっしゃいまして、釈迦に説法になるかもわかりませんけれども、現実にはそんなことはないわけで、真っ先に対応するのは当然自衛隊です。自衛隊が応戦をしてこれは手に負えないな、どうもならんな、被害も大きいなとなって、おっ取り刀で初めて出てくるのがアメリカ軍ですね。これが日米安保条約の中身ですから、ですから、どうもメディアが正しく伝えていないということがあるんじゃないかと。 メディアでよく言っているのは、日本はアメリカ軍に基地を提供しているんだから、その対価として、アメリカは日本を防衛する義務がある、こう言っているんですけど、そのとおりなんですけど、運用上は違うんですね。 調べてみました、私も、学生のときに日米安保条約と憲法のゼミをとっていましたので、もう完全に忘れていましたけど、思い出しました。NATO条約というか、似たのがあります。 このNATO条約というのは、調べたらその文言の条約の中に軍事力でもって直ちに援助すると書いてある。したがって、同盟国がやられたらアメリカはうんもすんもない、すぐすっ飛んで助けるんです。 ところが、日米安保条約の条文をよく見ますと、何て書いてあるかといいますと、規定及び手続に従って対処すると書いてある。どういうことかといったら、アメリカの規定──アメリカの規定はどうなっているかといいますと、連邦議会にしか軍を出動する権限はないわけです。 したがって、連邦議会を開いてそこで可決して承認しないとだめなんですね。現実にはそんなこと言っておられませんから、トランプ大統領が行けと言ったら行く。ただし、そのときも六十日以内に連邦議会で追認しないと、トランプ政権は瓦解するわけですね。したがって、慎重にならざるを得ない。 ですから、すぐ来るんじゃないんです、皆さん御存じのように。しばらくたって結構やられて、手に負えんようになって、これは助けてもらわんとどうしようもない、アメリカの世論も行けと言っているという状態になって飛んでくるのがアメリカ、ここを誤解をしてはいけないということなんですね。 したがって、日本が武力攻撃を勃発した場合に、今言いましたように直ちに自動的に日本を守るのは自衛隊のみです。なら、アメリカが来るまで持ちこたえないといけないという現実があります。 したがって、今、国会なんか見ても、予算のチェックは激しく議論されていますけれども、日本が専守防衛に基づいてしばらくの間単独でこの国家を守らんといけんのですから、そのために足りない装備はないのか、相手国が武器がバージョンアップしているから、こっちも防衛のためのバージョンアップをしなくていいのか、これを真剣に議論するのが責任ある政治家だというように私は思うわけです。 その一環が今回のイージス・アショアです。この立場に立ってこの議論を展開しないと間違いを起こすのではないか、いうことを老婆心ながら申し上げさせていただいいて、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 先城議員の御質問のうち、私からは、ASEAN諸国との関係強化についてのお尋ねにお答えします。 私は、人や物の流れを飛躍的に拡大する大交流維新を実現するためには、お示しのように、経済発展が著しいASEAN諸国との経済関係及びその基礎となる国際交流を強化していくことが重要と考えています。 このため、まず、経済関係の強化に向けましては、県産食材等の輸出・販路拡大のため、ASEANの経済をリードするシンガポールにおいて、ASEAN地域最大級の日本食品の見本市でありますフードジャパンへの出展や、現地レストラン関係者等との食材輸出商談会を開催することとしています。 シンガポールを初めとするASEAN地域への本県の輸出は拡大しつつあり、こうした取り組みを行うことにより、さらなる販路の開拓を進めてまいります。 また、本県のすぐれたものづくり企業の海外展開を支援するため、海外ビジネス研究会の開催を通じ、企業と支援機関との交流・連携の促進や効果的な支援情報の提供を行うとともに、十一月にはタイで開催される機械分野展示会への出展を行います。 さらに、水産関連企業が多く立地する本県の強みを生かして県内経済の活性化につなげるため、ベトナム最大の漁業地域でありますキエンザン省において、平成二十九年に締結した覚書に基づき、引き続き、企業と連携して漁獲から水揚げ、流通に至る鮮度管理システムの輸出に取り組んでまいります。 次に、国際交流の強化については、ベトナム・ビンズン省と、今年度、覚書締結から五年目を迎えることから、代表団の相互派遣を行い、これまでの交流で築かれた友好関係をより一層発展させていくこととしています。 また、ASEAN地域との観光交流の拡大に向けては、インバウンド重点市場であるタイに観光プロモーターを配置して誘客拡大に取り組むとともに、シンガポールにおける近隣県等と連携したプロモーションを進めているところです。 こうした交流をさらに活発にしていくためには、海外における本県のパートナーとなる在外県人会とのネットワークをこれまで以上に活用していくことが重要です。 昨年、ゆめ花博においてシンガポールの星日文化協会と交流が行われたことから、これを機に、ふるさと山口への強い思いを持って活発に活動しているシンガポール山口県人会との連携を深めていくこととしています。 私は、急速に経済成長が進むASEAN地域の活力を取り込み、県内経済の活性化につなげていくため、本年六月に設立をされたASEAN地域友好・経済交流促進山口県議会議員連盟との連携のもとで、県人会とのネットワークも活用しながら、ASEAN諸国との経済関係と、その基礎となる国際交流の強化に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(藤生通陽君) 平屋総務部長。    〔総務部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総務部長(平屋隆之君) 公の施設の見直しについてのお尋ねにお答えします。 公の施設については、社会経済情勢や県民のニーズが大きく変化し、施設の老朽化も進む中、中長期的な視点で施設のあり方を検討し、見直すことが不可欠と考えています。 このため、県では、行財政構造改革の一環として、全ての公の施設を対象に見直しの基本方針に沿って、県民ニーズや市町、民間との役割分担、地域振興に資するさらなる活用の可能性などの観点から、各施設の今後のあり方を検討しているところです。 これらの検討に際しては、お示しのありました施設の広域化や集約化、機能移転による多機能化など、公共施設における選択と集中の視点も踏まえ、施設の市町への移管や統廃合、運営方法の見直しなどに取り組んでまいります。 また、見直しに当たっては、市町や関係団体の理解を得ながら進めていくことが重要と考えており、お示しの関係市町とさらに協議するものに整理をした十二施設については、まずは、現時点における検討の方向性を地元市町に説明した上で、意見等をしっかりと伺い、議論を重ねてまいります。 そして、今後、県が担うべき広域的・専門的な行政サービスのあり方を見据えて、個別施設ごとに一定の見直しの方向性を整理したいと考えています。 県としては、将来にわたって持続可能な行財政基盤を確立するため、今後とも、施設の効率的な管理運営を行うとともに、市町や関係団体と十分な協議・調整を行い、公の施設の見直しを進めてまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 西田環境生活部長。    〔環境生活部長 西田秀行君登壇〕 ◎環境生活部長(西田秀行君) 食品ロスと未利用食品の活用についてのお尋ねにお答えします。 本県の食品ロス量は、十八万人分の年間食事量に相当する約七万トンと推計され、消費者や事業者等がこうした現状を認識した上で、社会全体で削減に取り組むことが重要です。 このため、県では、全国に先駆けて設置した食品ロス削減推進協議会を推進母体に、食べ残しを減らす、やまぐち食べきっちょる運動を展開し、レノファ山口や山口県住みます芸人による食品ロス削減メッセージを小中学校で放送するなどの啓発にも取り組んでおります。 また、未利用食品の有効活用を図るため、県内でのフードバンク活動を担っているNPO法人フードバンク山口を支援しており、その活動拠点は、当初の一カ所から六市六カ所に増加し、活動も県内に大きく広がっています。 こうした中、国は、本年五月、食品ロス削減推進法を制定し、国、地方公共団体、事業者の責務などを定め、県に対しては、国の基本方針を踏まえた食品ロス削減推進計画の策定に努めることが規定されました。 こうした状況を踏まえ、県としては、市町や事業者、関係団体等との連携を強化し、食品ロス削減に向けた取り組みを一層推進することとしています。 このため、今年度、新たに食品ロス削減推進協議会に部会を設置し、未利用食品のさらなる確保や食品管理の仕組みづくりに取り組んでいるところです。 具体的には、未利用食品の確保に向けては、食品製造業者等の未利用食品の実態を調査し、寄贈可能な食品の掘り起こしを行います。 また、食品管理の仕組みづくりについては、寄贈食品を効率的かつ安心・安全に提供するため、在庫量や賞味期限などを一元管理し、その状況をスマートフォンで簡単に把握できるシステムを構築します。 さらに、国が今後定める基本方針をもとに、本県の実情を踏まえた食品ロス削減推進計画を新たに策定し、この中で、大量の食品ロスを発生する食品関連事業者の削減に向けた取り組みを支援するなど、実効性のある施策を推進することとしています。 県としては、今後とも、市町や事業者、関係団体等と連携・協力して、食品ロスの削減に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 福田商工労働部長。    〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 ◎商工労働部長(福田浩治君) 中小企業支援についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまでも、中小企業の直面するさまざまな経営課題の解決に向け、商工会・商工会議所や、やまぐち産業振興財団等の関係支援機関と連携しながら、きめ細かな支援を行ってきたところです。 こうした中、キャッシュレス化の推進や最低賃金の引き上げなど、中小企業には新たな経営課題が生じており、これを解決する上では生産性向上などの対応が必要です。 その対策として、国は、キャッシュレス化の推進に向けて、決済端末の導入や決済手数料の引き下げに必要な補助制度を創設するなどの対応を講じています。 さらに、最低賃金の引き上げの影響を軽減するため、機械装置やPOSシステム等を導入して業務改善を行った場合についても、助成金制度が拡充されています。 また、県も、独自の制度として本年度創設した補助制度を活用し、売上増加を目指した新商品開発やIoTを活用した生産ラインの稼働率向上など、生産性向上に取り組む企業を積極的に支援しています。 一方で、こうした支援は、お示しのとおりメニューが多岐にわたり、仕組みが複雑なことから、中小企業が効果的に制度を活用するためには、制度の普及と適切なアドバイスが必要となります。 このため、あらゆる機会を通じて支援メニューの周知に努めるとともに、キャッシュレス化への対応やIoTの導入など、個別の経営課題に応じて専任のコーディネーターを商工会議所や、やまぐち産業振興財団に配置し、国や県の制度が円滑に活用されるよう、中小企業へアドバイスを行ってまいります。 県としては、中小企業が経営環境の変化に的確に対応し、さらなる発展を遂げることができるよう、関係支援機関と緊密に連携して、中小企業の取り組みを積極的にサポートしてまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 森若土木建築部長。    〔土木建築部長 森若峰存君登壇〕 ◎土木建築部長(森若峰存君) 無電柱化についてのお尋ねにお答えします。 本県における道路の無電柱化については、これまで、景観や歩行空間の安全性・快適性に主眼を置き、町なかで人通りの多い箇所や歴史的景観地区などにおいて、道路の新設や拡幅の機会を捉えながら、電線管理者と連携して電線類の地中化を進めてきたところです。 しかしながら、地中化には道路の掘り返しや材料費等に多大なコストを要することなどから、本県の無電柱化率は全国同様に低い水準にとどまっています。 こうした中、国では、お示しの無電柱化推進計画等により無電柱化の必要性の高い道路について重点的に推進することとしており、県においても、防災、交通確保、観光振興等の観点から、特に優先的に実施すべき箇所を選定し、計画的に無電柱化を進めているところです。 電線類の地中化に当たっては、従前より浅い位置への管路埋設やコンパクトな電線共同溝などのコスト縮減策を取り入れながら整備していくこととしており、今後、さらなるコスト縮減に向けた工法等の検討や必要な事業費の確保について、国に要望してまいります。 また、防災上の観点から、緊急輸送道路を対象に沿道状況等を踏まえ、道路法に基づく電柱の新設を禁止するなどの措置を具体的に検討しているところです。 県としては、市町、電線管理者等と十分に議論を重ねるなど、緊密に連携しながら無電柱化を推進し、災害の防止や安全かつ円滑な交通の確保、良好な景観の形成に努めてまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 中嶋光雄君。    〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) ◆(中嶋光雄君) 社民党・市民連合の中嶋です。お疲れでしょうが、通告に従い質問させていただきます。 まず最初に、林地開発について、県の指導監督についてお尋ねいたします。 山陽小野田市と宇部市にまたがる林地にメガソーラー用地造成の林地開発申請を、県は昨年八月二十二日付で、開発地域下流の石束自治会が不同意のまま許可。そこで、石束自治会は行政不服審査法に基づき審査請求したが、四月二十六日付で、原告適格がないから、審査請求を却下すると県知事名で裁決されました。 林地開発許可制度の実施に関する要綱によれば、開発者と周辺権利者との紛争を防止するため、周辺権利者の同意を得ることを原則とする。ただし、やむを得ず同意が得られない場合には、話し合いの経緯の状況を記載した書類を添付することとなっています。 お尋ねは、この同意を得ることを原則とするの意味するところは、事業に反対する県民にとってどのように理解すべきものなのか伺います。 その上で、林地開発において、この件と同様のケースが、過去十年間で何件くらいあったのか教えてください。 次に、石束自治会が公文書開示請求により開示された許可書に付されている許可の条件によって、当然のこと県も把握されているはずですが、開発者が林地皆伐を先行させ、防災工事、調整池施工などを怠ったがゆえに、六月七日や佐賀水害をもたらした八月二十八日などの豪雨により、下流のため池などに大量の土砂が流れ込んでしまった。 石束自治会の不安が不幸にも的中してしまったわけですが、県として、このことについてどのように指導監督されるおつもりかお尋ねいたします。 二つ目に、速やかな情報開示について。 九月十九日付で、話し合いの経緯の状況を記載した書類などの公文書開示請求を石束自治会がされましたが、開示された文書は、肝心の箇所は黒塗りで、十一月十九日に審査請求したところ、知事名で弁明書が送付されてき、やむなく、ことし一月十五日に反論書を提出、一月十八日付で県情報公開審査会への諮問通知書が届いています。 そこでお尋ねします。二○一五年九月議会でも質問いたしましたが、本県情報公開条例は、第十一条本文で、いわゆる非開示情報が記録されているときは、当該公文書は開示しないことができると、できる規定になっています。これは、中・四国、九州十七県で唯一古い条文のまま、他県は皆、開示しなければならないであるなどを指摘しましたが、改めて、やはり国及び他県並みの開かれた新しい条例改正を検討されるべきではないのか、お考えをお尋ねします。 次に、情報公開審査会は、二カ月に一度開催されているとお聞きしました。そして、毎年、審査会に諮問されてくるのは十数件で、諮問から審査に入るまで一年から一年半かかる。現時点での未審査案件は二十件以上あり、本質問の案件もまだ審査前だとのことでした。 案件の内容にもより、一概には言えないのかもしれませんが、感覚として、他県と比べてのスピード感をどのように感じておられるのかお聞かせください。 大きな二点目、原発問題について。 原発は、一度苛酷事故が起こると手の施しようがなく、仮に事故が起きなくとも、放射性廃棄物を排出し、十万年という途方もない年月の間、管理しなくてはなりません。福島第一原発事故後の実態を見れば、原発なしでも電力供給に全く問題はありませんでした。 このような中、社民党を含む野党四党は、二○一八年三月、原発ゼロ基本法案を共同で衆議院に提出しています。その内容は、全ての原子力発電所を速やかに停止し、法施行後五年以内に全ての原発の廃炉を決定すること、原子力発電から再生可能エネルギーへの導入や省エネルギーの徹底にシフトすることなどを柱とした法案です。 政府の原子力政策の行き詰まりは明らかであり、原発事故原因の徹底した究明と事故の収束を優先させながら、実効性ある防災避難計画を策定するとともに、既存原発の再稼働を断念して、核燃料サイクル計画から全面撤退し、再生可能エネルギーの導入を促進するため、国が政策の抜本的な見直しを行うことにより、原発ゼロ社会に転換しなければならないと考えます。 そこでお尋ねします。二○一八年三月に、野党四党が共同で国会に原発ゼロ基本法案を提出しましたが、残念ながら与党はこれまで一度も法案の審議に応じず、議論すら行われていません。今日の原発をめぐる状況に鑑み、原発ゼロ基本法案について、また、国のエネルギー政策の方向について、県の御所見をお聞かせください。 次に、上関原発について。 二○○八年十月二十二日に、当時の二井知事は公有水面埋立免許願書を免許するに当たり、記者会見で「安全性等の問題については、六分野二十一項目の知事意見に対する国の対応をしっかりチェックしていくことにより、責任を果たしていきたいと考えている。埋立許可理由は、国の電源開発基本計画組み入れで、土地利用計画が確定しているために免許することにした」と述べられています。 ところが、福島第一原発事故が起こり、二○一一年六月県議会の自民党議員の代表質問に対する二井答弁があり、さらに二○一二年六月県議会における佐々木明美議員の質問に対して、公有水面埋立法上の要件である正当な理由がなく、延長の許可はできないと考えておりますと、いわゆる法的整理をされました。二井元知事は、この七月二十六日の免許延長許可に対して、福島第一原発事故前の手続をもって、土地需要があるというのは無理な法解釈だと指摘。 この二井元知事の免許延長すべきでなかったとの指摘について、説明責任を果たされるべきですが、どのようにされるのかお尋ねいたします。 次に、延長期間について、海上ボーリング調査の所要期間六カ月、埋立工事の所要期間三年の計三年六カ月の延長を妥当と判断したとしています。つまり、竣功期限は令和元年七月六日から令和五年一月六日までで、もう既にきょう時点で三カ月がたとうとしているのに、いまだ海上ボーリング調査のための一般海域の占用許可手続がされていないことについて違和感を覚えますが、この点についてどのようにお考えかお聞きしたいと思います。 次に、中国電力への要請について、法的に根拠がないのでお願いの形をとったとしています。公有水面埋立法の許可権者は都道府県知事です。許可、不許可の権限を有しています。これを安倍政権にそんたくして巧妙にスルーしたのが、今回も前回同様の延長許可処分であり、中国電力への要請だと多くの県民は思っています。 そこでお尋ねは、仮に一般海域占用許可申請が出されたとしても、これを認めないことにすれば、中電への要請の法的担保になり得ますが、お考えをお聞かせください。 次の質問は、平成三十年(行コ)第十三号、損害賠償等請求訴訟事件、いわゆる住民訴訟の令和元年八月十九日付、控訴人第四準備書面において、上関原発は不新設原則に含まれないという、いわば上関原発は新設ではないとも受けとめられる知事の主張がされています。このことについて、回りくどい言い方でなく、わかりやすく説明してください。 大きな三点目、イージス・アショアについて。 社民党の福島瑞穂参議院議員が、幾ら支払ったのかを防衛省に問い合わせたところ、八月二十日付でイージス・アショア関連経費の執行としては、現時点において、本年四月二十六日に米国政府と締結したFMS契約は、イージス・アショア本体二基の取得費約千三百八十二億円と人材育成約十七億円であり、FMS契約額は千三百九十九億円になりますとの文書回答が返ってきました。 ことし四月といえば、萩、秋田両市などで住民説明会は開かれていたものの、本県でも秋田県でも、知事や市長、議会は受け入れ同意を表明しておられず、今に至るまで同意はされていません。まともにレーダー波、電磁波を浴びかねない阿武町に至っては、町長、町議会とも反対を表明されています。にもかかわらず防衛省は、場所も決まっていないのにイージス・アショアの本体を発注し、まだ始まってもいない人材育成の費用まで契約したことになる。さらに、来年度防衛費では発射装置を買い入れ、自衛隊とのシステム連携を進める段取りとなっている。これを既成事実化と言わずして何と言えばよいでしょう。地方自治のかけらもない。この例のような既成事実化について、どのようにお考えかお聞きいたします。 次に、アメリカ合衆国政府が運営する国営放送であるボイス・オブ・アメリカ──略称VOAと言われているようですが──によれば、米国のジョン・ルード政策担当国防次官が十七日現地時間、北朝鮮の新型ミサイル開発に関連し、ミサイル防衛と同時に発射原点を打撃できるよう、攻撃・防御作戦の統合を進めていると発言。その上で、日本が二○二三年に導入する陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアに攻撃性能を加えるために改良しているとも公開しました。米議会で開かれたミサイル防衛擁護連盟主催のセミナーで述べています。防御用という従来の説明とは異なる発言であります。 憲法九条に違反、専守防衛を逸脱した兵器が配備されようとしていることが明確になったのでありますから、配備反対を表明されるべきですが、いかがでしょうかお尋ねします。 また、このようなアメリカの本音発言をどのようにお考えかお聞かせください。 さらに、知事はハワイの実験施設を視察に行かれると、けさ新聞報道されていました。配備容認への地ならしではないのかとの声は届いておいででしょうか。ハワイに行かれるくらいならルーマニアに行かれて、イージス・アショア施設周辺の状況視察や周辺市民の声を聴取されるべきでは。何よりその前に、むつみ演習場周辺住民の皆さんとの、とりわけ阿武町民の皆さんの声を聞かれる場を設けられることが優先されるべきですが、これらについてどのようにお考えか、これは知事にぜひお聞きしたいと思います。 四つ目に、宇宙監視レーダーについて。 山陽小野田市埴生のP3C山陽受信所跡地への、宇宙状況監視(SSA)レーダー配備に係る施設整備についての住民説明会が、八月二十八日に開催されました。中国四国防衛局による住民説明会は、二○一七年十一月二十一日とこの八月二十八日のたった二回だけ、しかも、ほとんどの市民は何も知らされないままに、秘密裏に宇宙の軍事利用への一歩が踏み出されようとしています。 住民説明会の参加者からは、レーダー照射の電磁波が人体に影響しないか。戦闘が起きた場合、監視する設備などが狙われるものだ。テロなどの不安が拭えないなど不安の声が出され、説明が不十分だとの声が相次ぎました。 そして、今月十二日の市議会でこの問題を取り上げた共産党、山田伸幸市議の質問には、テレビ取材も駆けつけ、多くのマスコミも注目。山田市議の質問に対し、藤田剛二市長は、住民説明会で住民から不安などの意見があり、市としては防衛省に説明責任を果たしてもらう責任があるとし、安心・安全という中で国策として重要な機能を果たすのであれば、しっかりと説明していただけるよう、防衛省に引き続き働きかけたいと答弁。 昨年十二月に五年ぶりに改定された防衛計画の大綱に、宇宙領域を専門とする部隊の創設が明記され、今年度予算で宇宙状況監視(SSA)体制構築を目指して二百六十億円が計上されています。 また、安倍首相は十七日、自衛隊高級幹部会同で訓示、航空自衛隊に新設される宇宙作戦隊に触れた上で、航空宇宙自衛隊への進化も夢物語ではないと述べたと報じられていますし、この訓示全文は官邸のホームページでも読むことができます。 極東最大級となった米軍岩国基地に地上イージス計画、そして宇宙監視レーダーと、この山口県が軍事的に大変な役割を押しつけられようとしているときに当たり、県が傍観者でいることは許されないと思います。 この宇宙監視レーダー設置について、県として当該市と密に連携して対応に当たるべきですが、どのようにお考えかお聞きします。 大きな五点目、選挙における若者の投票率向上についてお尋ねします。選挙管理委員会委員長及び教育長にお聞きします。 七月二十一日に投開票された参議院選挙、全体の投票率は四八・八○%、山口県は低くて四七・三二%と、前回二○一六年よりも六ポイント下がっています。十八歳と十九歳の投票率は、総務省の速報値で三一・三三%、前回四六・七八%よりも一五・四五ポイント下がった。年齢別では、十八歳が三四・六八%、ちなみに山口県の抽出調査では二九・八二%、十九歳が二八・○五%で、山口県一九・一三%。山口県は全体よりさらに低投票でした。 前回の参議院選挙は、十八歳選挙権が実現した初めての国政選挙、その反動が出るのは仕方ないが、それでも二○一七年衆院選と比べても九・一六ポイントの低下、それまで余り主権者教育を受けてない、前回までの二十代よりも低い結果となっています。 この原因をアンケート調査結果などで報道されていますが、その多くは、政治に関心がない、投票しても政治は変わらない、投票したい候補者がいないなど、有権者意識の問題だと言われています。主権者教育と政治報道を抜本的に見直さないと、特に若者の投票率は上がらないと思っています。 まずは、県選挙管理委員会では、この投票率低下の原因をどのように分析しておられるのかお聞かせください。 そして、その分析に基づき、投票率向上に向けたさまざまな取り組みを県選管として行ってきたと思います。選挙啓発キャラバン隊など、本当にさまざまな啓発活動をされていること、動画や着ぐるみ、出前授業や啓発イベントや、さらには移動期日前投票所など、いろいろな工夫もされていると感じます。 しかし、投票率は下がる一方。これらの取り組みがどの程度効果を上げているのか、その手応え等、どのように感じておられるのか教えてください。 次に、大学生における不在者投票について。 九月十一日の山口市議会で、山口大の期日前投票所に関する質問に対し、山口市選管委員長は、学生の七、八割が市内に住民票がないことなどを踏まえて、効果を考えると見直す時期に来ていると答弁されたとの報道を目にしました。 そこで、以前にも質問しましたが、再度お尋ねします。先ほど、十八歳より十九歳のほうが投票率が低い現状にあると申し上げました。大学への進学に伴って、選挙人名簿に登録された所在地である実家から離れて暮らし、わざわざ投票のために実家まで戻ってこないことが投票率が低い要因の一つであるということです。 三年前の参議院選挙のとき、安倍首相は都内の渋谷区役所で参議院投票の不在者投票を行いました。不在者投票は、実家に住民票を置いたまま進学で引っ越した、新しく選挙権を獲得した十八歳、十九歳の利用が想定されることから、簡単で便利になった。皆さんにも活用していただきたいと、不在者投票の利用を呼びかけたということが報道されています。 年に数日、山口県に帰るかどうかの安倍首相が不在者投票できるのですから、学生が実家に生活実態がないとの理由で不在者投票を断られるのは、まさにダブルスタンダードです。全く納得できません。せっかくふるさと山口県で投票しようと思っている学生の不在者投票を断るのは、地方創生にも反し、東京一極集中につながることにもなります。ましてや、投票率を上げることを本当に考えているのか疑いたくなります。この最大の問題点は、各自治体によって判断が違うということです。 例えば青森市のホームページには、住民票を異動しないで、修学のために市外に居住している学生の不在者投票については、自治庁次長通達に基づき不在者投票をできない取り扱いとしてきましたが、今後執行される選挙から、本市の選挙人名簿に登録されている方については、居住実態の個別確認は行わず、不在者投票を認める取り扱いといたしました。平成二十八年九月十六日の選挙管理委員会で決定とあります。ですから、青森市では、市外に住んでいる学生については、不在者投票を認めると明文化しています。賢明な判断です。 山口県内ではそうなっていません。全国的には各市町の運用はさまざまのようです。居住実態等細かく聞くところと、聞かずに黙認するところもあるようです。居住実態の判断など、先ほどの安倍首相の例も含めて、突き詰めても意味がありません。投票しようとしている方を断るほうが、前例踏襲しかできない、行政レベルの低い自治体だと思います。 さて、この判断をするのは市町選挙管理委員会です。県選挙管理委員会としては、県内市町が青森市のような先進的な判断をしたとしても、その判断は尊重すべきだと思いますが、いかがでしょうかお尋ねします。 次に、学校における主権者教育についてです。 二○一六年以降、主権者教育が本格的に始まったにもかかわらず、十代の投票率が大幅に下がったということは大きいと思います。問題だと思うのは、政治的中立を強調し、教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導することとしている点です。 教育現場では、もし政治的中立から逸脱すれば、教育委員会や政治家から指摘されるため、この政治的中立を守るために、具体的な事象を扱う場合には、先生は個人的な主義主張は避けるのが正解、現実になっています。こんな主権者教育では、現実社会で使えるものになるのか疑問に思っています。 そこで、現状の主権者教育について、どのようにお考えか、これは教育長にお聞きしたいと思います。 以上で、一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 中嶋議員の御質問のうち、私からは、情報公開条例の改正についてのお尋ねにお答えします。 公正な県政運営が求められる中、県民の理解や信頼を獲得し、県政への一層の参加を促すためには、県民の知る権利を尊重するとともに、県の諸活動についての説明責任を果たしていくことが重要です。 こうした考えのもと、県では、公文書の開示を求める者の権利を最大限に尊重する原則開示の精神を基本理念として、平成九年七月に情報公開条例を制定いたしました。 条例では、公文書の開示請求に対して、実施機関が主観的、恣意的に解釈、運用することのないよう、条例第十一条に規定する非開示事項に該当しない限り、開示することを原則としているところです。 こうしたことから、本県の条例施行後に制定された国の情報公開法及び他県の条例では、お示しのとおり、非開示事項に係る規定の方法が異なっていますが、趣旨、目的及び運用においては何ら異なるものではありません。 したがいまして、県としては規定の見直しを行うことは考えていませんが、引き続き条例の趣旨、目的を踏まえながら、県民に開かれた情報公開制度の適正な運用に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(藤生通陽君) 山根農林水産部長。    〔農林水産部長 山根信之君登壇〕 ◎農林水産部長(山根信之君) 林地開発における県の指導監督についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、県要綱に定める周辺権利者の同意を得ることを原則とするとは、どう理解すべきかとのお尋ねです。 地元自治会等周辺権利者の同意は、森林法に定める許可要件ではありませんが、県要綱において、事業者と周辺権利者との紛争を防止するため定めているところです。 次に、同様のケースが過去十年間で何件あったのかとのお尋ねですが、メガソーラー建設に係る同様のケースは、本件を含め二件です。 次に、先般の豪雨により、下流に土砂が流出した事案についてです。 県では、事案の発生後、直ちに事業者立ち会いのもと現地調査を実施し、下流への土砂流出等の対策として、沈砂池の追加設置等について事業者に指示したところであり、引き続き適切に指導してまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 平屋総務部長。    〔総務部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総務部長(平屋隆之君) 林地開発に関するお尋ねのうち、情報公開審査会における審査の状況についてお答えします。 情報公開審査会は、案件の内容や請求件数によって、その時々における審査の状況が異なっており、他県との比較についても一概に申し上げることはできませんが、本県と同様に、諮問から審査に入るまでに相当の期間を要している県もあると承知しています。 次に、イージス・アショアについての数点のお尋ねにお答えします。 まず、地方自治のかけらもない既成事実化について、どのように考えているのかとのお尋ねでありますが、イージス・アショアの配備自体については、防衛政策を専管する国が責任を持って、その必要性を判断されるべきものと考えています。 次に、アメリカの政策担当国防次官の発言によれば、憲法九条に違反する、専守防衛を逸脱した兵器の配備であり、配備反対を表明すべきであるがどうか、また、この発言をどのように考えるかとのお尋ねにまとめてお答えいたします。 国からは、イージス・アショアについては、他国を攻撃する能力はなく、我が国国民の生命・財産を守るために必要な、純粋に防御的なシステムであり、周辺国に脅威を与えるものではないとの説明を受けているところです。 次に、知事のハワイの実験施設の視察は、配備容認への地ならしではないかとの声は届いているか。ハワイに行くぐらいならルーマニアに行き、施設周辺住民の声を聴取するべきであり、その前に、むつみ演習場周辺住民の声を聞く場を設けることが優先されるべきであるが、これらについてどのように考えているのかとのお尋ねです。 イージス・アショアの配備については、現在はまだ、国による説明の過程であり、ハワイへの視察も、説明内容に関する理解を深めることを目的としています。 県としては、まずは国において、周辺住民の方々の不安や懸念が払拭されるよう、詳細かつ丁寧な説明をさらに重ねていただく必要があると考えています。 次に、宇宙監視レーダーについてのお尋ねにお答えします。 県では、これまでに、国から宇宙状況監視の必要性や宇宙監視レーダーの整備運用スケジュール等について説明を受け、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみ等を探知、追跡することを目的とするものと認識をしています。 このレーダー施設は、宇宙政策を推進する国が必要と判断し整備をするものであり、あくまでも国の責任において、地元の山陽小野田市や地域住民に対し、その必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています。 県としては、これまでも山陽小野田市に適宜情報提供を行ってきており、今後も、市から何らかの要請があれば、連携をして対応してまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 河村商工労働部理事。    〔商工労働部理事 河村祐一君登壇〕 ◎商工労働部理事(河村祐一君) 原発問題についてのお尋ねのうち、原発ゼロ基本法案及び国のエネルギー政策の方向についてのお尋ねにお答えします。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことのできないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、原子力などさまざまなエネルギーをどう利用するかについては、エネルギー政策の基本的視点である、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合を踏まえ、国の責任において判断されるべきものと考えています。 また、お示しの原発ゼロ基本法案については、審議の進め方も含め、国会の場において判断されるべきものと考えています。 ○副議長(藤生通陽君) 森若土木建築部長。    〔土木建築部長 森若峰存君登壇〕 ◎土木建築部長(森若峰存君) 原発問題についてのお尋ねのうち、上関原発に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、二井元知事の免許延長すべきでなかったとの指摘について、説明責任を果たすべきとのお尋ねです。 このたびの延長申請については、上関原発の重要電源開発地点の指定が引き続き有効であることが、今回、改めて国から明確に示されたことから、土地需要があると判断し、延長を許可したものです。 次に、竣功期限まで三カ月が経過したが、いまだ海上ボーリング調査のための一般海域の占用許可手続がされていないことについてどう考えているのかとのお尋ねです。 竣功期限に向けてどのように対応するかは、事業者において判断されるべきものと考えています。 次に、住民訴訟において、上関原発は新設ではないとも受けとめられる知事の主張がされているが、わかりやすく説明せよとのお尋ねです。 県としては、お示しの準備書面において、上関原発は、一審の原告である被控訴人が主張する、原発の新設・増設は行わないという不新設原則には当てはまらないとの主張をしたものであり、新設ではないとの主張をしたものではありません。 次に、一般海域占用許可申請を認めないことが、中国電力への要請の法的担保になるのではないかとのお尋ねです。 許認可等の行政処分は、条例を含む法令の基準に沿って判断するものであり、法令に基づかない不許可処分等は行うことはできません。 ○副議長(藤生通陽君) 田中選挙管理委員長。    〔選挙管理委員長 田中一郎君登壇〕 ◎選挙管理委員長(田中一郎君) 選挙における投票率についての御質問のうち、投票率低下の原因と大学生の不在者投票に関する三点のお尋ねにお答えをいたします。 まず、投票率の低下の原因についてです。 お示しの最近の投票における投票率は、総じて低下傾向にあり、特に若年層の投票率が低い状況が続いております。 選挙の投票率は、当日の天候やその時々の政治情勢など、さまざまな要因が影響すると考えられ、一概に断ずることはできませんが、最近の投票における意識調査の結果などから、若者を中心に選挙や政治に対する意識の希薄化や投票に対する義務感の低下が進んでいることなどが、投票率の低下につながっているものと指摘をされております。 次に、こうした中で、投票率の向上に向けた取り組みの効果についてですが、県選管ではこれまで、若者の政治や選挙の意識を高め、投票参加につなげるため、さまざまな啓発に取り組んでまいりました。 まず、選挙のない平常時には、主権者教育の一環として、高校生等を対象とした出前授業を実施してまいりました。この出前授業では、選挙の意義や制度を学ぶ講義に加え、選挙を体験できる模擬投票を実施しており、受講者からは選挙への参加意識が高まった等の意見も多く寄せられるなど、その成果は着実に主権者意識の醸成につながっているものと認識をいたしております。 また、選挙時には、インターンシップ等で若者の知恵をかりながら、SNSやインターネット広告等を活用した情報発信、全ての高校三年生を対象とした若者向けのチラシの配付、さらには若者の啓発活動への参加など、若者が接ししやすく、参加しやすい手段や媒体による啓発活動を展開しており、一定の投票参加の促進が図られているものと考えております。 投票率の現状は厳しい状況が続いており、決め手はなかなかございませんが、引き続き若者の多様性を踏まえ、試行錯誤しながら、政治意識の向上と投票参加の促進につながる啓発活動を効果的に展開していくことが重要と考えております。 次に、大学生の不在者投票事務について、市町選管の判断を尊重するかとのお尋ねです。 御承知のとおり、選管は行政委員会として、法令等に基づいた事務の執行が求められております。 まず居住地と選挙権の関係ですが、公職選挙法では、選挙権を行使するためには、実際に居住する市町村に住民票を移し、選挙人名簿に登録されていることが必要とされております。また、その際の居住実態の判断は市町選管の事務となっております。 お示しの下宿している学生の住所は、判例等により、一般的には下宿先にあるとされていることから、その下宿先に住民票を移す必要があり、総務省は、住民異動の届け出の必要性について、その周知を都道府県選管に通知、依頼してきております。 県選管といたしましては、こうした状況を踏まえ、学生等が貴重な一票を確実に行使することができるよう、市町選管や教育委員会等と連携をして周知啓発に努めてまいりました。 具体的には、学校の卒業前に啓発チラシを県内市町や高校等に配布するとともに、最近では、大学入学時のオリエンテーションや出前授業等で説明するなど、時期や対象を重点化し、伝達手法の充実にも努めているところです。 こうした中で、今回、市町選管の判断を尊重するかとのお尋ねでございますが、県選管といたしましては、不在者投票事務を所管する市町選管が個々の事案について、それぞれ責任を持って判断されたものとして、基本的にこの判断を尊重いたします。その上で、関係事務が法令等に沿って行われるよう、必要に応じ適宜適切に対応してまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 繁吉副教育長。    〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎副教育長(繁吉健志君) 主権者教育についてのお尋ねにお答えします。 本県では、主権者教育を積極的に、効果的に、そして公正に推進することとしており、お示しの具体的な事象を扱う場合においては、教員は具体的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導しているところです。 こうした中、生徒たちは、現実の具体的な政治的事象に関する多様な見解を取り扱う、グループワークやディスカッションなどの主体的で実践的な学びを行っており、その成果として、例えば生徒が地元自治体へ政策提言を行うなど、社会や政治に対する関心が高まりつつあると考えています。 一方で、十代の投票率が引き続き低い状況にあることから、今後、実際の投票行動にもつながるよう、関係機関等との連携を図りながら、生徒に主権者としての自覚と社会参画の力を育む主権者教育に取り組んでまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 中嶋光雄君。    〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) ◆(中嶋光雄君) 再質問をさせていただきます。 冒頭、私は、石束自治会の管理されるため池などに、豪雨により大量の土砂が流れ込んでしまった。このことについて、どうするのかというお尋ねしましたけれども、先ほどの御答弁では、業者に沈砂池などの設置を指示すると。今後流れ込まないようにする。現に今埋まった被害、これについては泣き寝入りをせよと、そういう御答弁でしょうか、再度お尋ねいたします。 その上で、林地開発について再質問します。 許可申請があれば、いわゆる土砂災害防止、水害の防止などの観点から、厳正に審査するといって許可しましたけれども、先ほど申しました石束自治会等──石束だけではありません、宇部市の自治会でも、ため池に土砂が流入しております──に被害を及ぼした。 こういう問題は、昨年の九月議会でも私は質問しましたけれども、兵庫県のように条例化し、五十ヘクタール以上の施設を整備する際は、区域内に六○%以上の森林を残すよう義務づける森林保全規定がないと、開発事業者に太刀打ちできないではないか。検討する考えはないかお伺いをいたします。 それと、泣き寝入りせよというのか、これについては明確な答弁をお願いいたします。 次に、情報開示について、知事みずから答弁いただきましたけれども、石束自治会は、これは個人情報が含まれるということで非開示になったようですけれども、臨時自治会総会を開催をして、会員総意で九月十九日に公文書開示請求をしましたけれども、一年以上経過した現在も、県情報審査会に諮問されたままで、まだ審査前。これだけ時間がかかる原因は、そもそも事業主管課にあるのか、それとも制度的問題か、ほかに原因があるのか、再度お答えください。 そして、上関原発の問題です。上関原発の発端は、平成十三年四月二十三日の山口県知事意見書提出により、同年六月十一日に国の電源開発基本計画に組み入れられ、現在は重要電源開発地点として指定されていることから、国や県の計画とも整合している。これは、中国電力が申請をした埋め立ての理由書の中に記載してあります。 中電が埋立理由で使っていることですけれども、このことに対して二井知事は、埋立許可理由は、平成十三年に電源開発基本計画組み入れで、土地利用が確定しているためとされたことです。これが発端です。こういう経緯があり、二井元知事は、福島原発事故前の手続をもって、土地需要があるというのは無理な法解釈だと指摘をされています。これを踏まえた再回答をお願いいたします。 宇宙監視レーダーについてです。たった一回の住民説明会、宇宙ごみ監視のため、日本静止衛星が運用されている範囲を観測するに最適地、使用周波数はX帯、安全だと言いたいのか、X線とは全く異なると説明されるのみです。 宇宙ごみのほとんどは高度千キロ付近、この高度の監視はJAXAが現在でも行われていますし、現在は一・六メートル級の観測能力ですけども、二十三年度には十センチ級の宇宙ごみを観測できる新レーダーに更新予定です。 日米両政府は、二十三年度から自衛隊と米軍の宇宙状況監視システム連結など、宇宙分野の連携強化方針が2プラス2で確認され、自衛隊は、高度三万六千キロの静止軌道を監視するSSAシステムを整備中で、来年度からFMSによる軍事支援を受け、完成予定は二十二年度とされています。 三月二十一日の中国新聞さんの報道には、見えない戦場、世界全体で大変な役割を担う場所、感謝してもし切れないと、小野寺前防衛相は、宇宙監視レーダー建設への地元理解をたたえたと報道されています。とんでもない、宇宙軍事利用のもくろみが山陽小野田市でひそかに始められようとしている。 県に何のほとんど情報も寄せられていないなど、私も二月議会で質問しましたけども、情報はありませんという御答弁でした。信じがたいことです。全て県議会に公開すべきであるが、いかがでしょうか、再度お尋ねいたします。 もし本当に情報がないとおっしゃるのなら、大変な問題なので、防衛省に詳しい説明を求め、県民に対する説明会の開催を要請すべきだと思いますが、あわせ見解を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 山根農林水産部長。    〔農林水産部長 山根信之君登壇〕 ◎農林水産部長(山根信之君) 林地開発についての二点の再質問にお答えします。 一点目は、六月以降の豪雨によりため池に流出した土砂については泣き寝入りかとのお尋ねであります。 この下流に流失した土砂の対応につきましては、先ほども御答弁をいたしましたように、現地確認の上、その対策として、沈砂池の追加設置に加えまして、土砂のしゅんせつについても指示をしているところでございまして、事業者において適切に対応することを確認しているところでございます。 二点目は、兵庫県のように条例化をして、残置森林をしっかり義務づけると、森林保全規定が必要ではないかという御質問でありました。 県におきましては、森林法や県要綱の基準に基づいて、のり面の安定性や洪水調整池の規模、景観や周辺環境への影響等について、書類審査はもとよりでありますが、現地調査を実施した上で、許可の適否の判断をしているところであります。このことによりまして、森林が果たす災害防止の機能や環境保全の機能等は確保できると考えておりまして、県独自の規定の制定は考えておりません。 ○副議長(藤生通陽君) 平屋総務部長。    〔総務部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総務部長(平屋隆之君) 再質問にお答えをいたします。 まず、情報公開審査会における審査について、これだけ時間がかかる原因は何かというお尋ねでございました。 先ほども御答弁を申し上げましたけれども、情報公開審査会については、案件の内容や請求件数によりまして、その時々における審査の状況が異なっております。現在は審査件数が多いということでありまして、また、複雑な法律関係が絡む事案もあることから、審査会において慎重な審議が進められている結果によるものというふうに考えております。 次に、宇宙監視レーダーについて数点の再質問がございました。 まず、県のほうで持っている情報について、県議会に公開をすべきであるということでございました。 先ほどの御答弁でも申し上げたんですけれども、県としては、国のほからは宇宙状況監視の必要性や施設の整備運用スケジュール等については説明を受けております。これは、八月二十八日の住民説明会に先立ってという形で説明があったところでございます。この辺も含めて、その情報を県議会に公開すべきということだと思いますけれども、県議会に対しましては、執行部のほうから質疑にお答えをさせていただくという形で御説明をさせていただきたいと思っております。 それから、県民に対する説明会の開催を要請すべきではないかということでございました。 国においては、その八月二十八日に開催された住民説明会での意見を踏まえて、今後、山陽小野田市と相談、あるいは調整の上で、さらなる説明会について検討していくというふうにされておられます。このことも含めて、県としては、今後、山陽小野田市から何らかの要請があれば、連携して対応していきたいと考えております。 ○副議長(藤生通陽君) 森若土木建築部長。    〔土木建築部長 森若峰存君登壇〕 ◎土木建築部長(森若峰存君) 上関原発についてお答えします。 このたびの延長申請については、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除することは考えていないとの見解が、今回改めて国から明確に示されました。 この国の見解は、上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが当初免許時と変わることなく存続し、今後も存続する見通しである。すなわち、実際に土地需要があることを示す具体的な根拠となるものです。県としては、期間延長に正当な事由が認められたことから延長を許可したものです。 ○副議長(藤生通陽君) 自席でどうぞ。 ◆(中嶋光雄君) 確認ですけど、農林水産部長、一番最初の答弁では、災害が……    〔発言する者あり〕 ○副議長(藤生通陽君) 質問を完結させるほどの持ち時間は残されておりませんので、よって(発言する者あり)一秒です。言ったら終わりになるということです。    〔発言する者あり〕 ○副議長(藤生通陽君) ちょっと待ってください。一秒ありますから、どうぞ、再々質問。答弁漏れはありませんよ。    〔発言する者あり〕 ○副議長(藤生通陽君) だから、答弁漏れはありませんので、議事進行をさせていただきます。 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(藤生通陽君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。御苦労さまでした。    午後二時四十分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   藤   生   通   陽                   会議録署名議員   畑   原   勇   太                   会議録署名議員   猶   野       克...