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  1. 山口県議会 2017-09-01
    09月26日-03号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 29年 9月定例会   平成二十九年九月山口県議会定例会会議録 第三号      平成二十九年九月二十六日(火曜日)  ────────────────────        議事日程 第三号      平成二十九年九月二十六日(火曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第十号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第十号まで                会議に出席した議員(四十五人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          曽   田       聡 君                          髙   瀬   利   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          佐 々 木   明   美さん                          小   泉   利   治 君                          岡   村   精   二 君                          二   木   健   治 君                          篠   﨑   圭   二 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          西   嶋   裕   作 君                          河   合   喜   代さん                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          澁   谷       正 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          守   田   宗   治 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          秋   野   哲   範 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          星   出   拓   也 君                          森   中   克   彦 君                          河   村   敏   夫 君                          藤   井   律   子さん                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          吉   井   利   行 君                会議に欠席した議員(なし)                欠 員(二人)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         弘 中 勝 久 君                    総務部長        池 田   豊 君                    総務部理事       矢 敷 健 治 君                    総合企画部長      北 村 敏 克 君                    産業戦略部長      佐々木 克 之 君                    環境生活部長      佐 伯 彰 二 君                    健康福祉部長      岡   紳 爾 君                    商工労働部長      大 谷 恒 雄 君                    商工労働部理事     藤 本   博 君                    観光スポーツ文化部長  小 玉 典 彦 君                    農林水産部長      河 村 邦 彦 君                    土木建築部長      藤 山 一 郎 君                    会計管理局長      藤 田   潔 君                    財政課長        三 好 健太郎 君                    公営企業管理者     小 松 一 彦 君                    企業局長        松 塚   浩 君                    教育長         浅 原   司 君                    教育次長        佐 田 邦 男 君                    公安委員長       倉 田 惠 子さん                    警察本部長       齊 藤   寛 君                    代表監査委員      木 村   進 君                    監査委員事務局長    黒 瀬 邦 彦 君                    労働委員会事務局長   松 田 邦 夫 君                    人事委員会事務局長   山 﨑 健 司 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        坂 本 哲 宏 君                    事務局次長       岡 村 達 也 君                    総務課長        嶋 本 健 児 君                    議事調査課長      瀧   隆 明 君                    秘書室長        前 田 安 典 君                    政務企画室長      白 井 雅 晃 君                    議事調査課主幹     柳 原 廉 均 君                    主査兼議事記録係長   野 村   亘 君                    主任          宇佐波 菜 採さん                    主事          岡 村 恵 子さん                    主事          内 田 達 志 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 笠本俊也君。    〔笠本俊也君登壇〕(拍手) ◆(笠本俊也君) おはようございます。自由民主党の笠本俊也です。 質問に先立ち、一言申し上げます。 昨日の我が会派の代表質問に対し、村岡知事は、来年の知事選挙への再挑戦を正式に表明されました。私も、知事の再選出馬を強く願っていた一人として、知事の決意を大変心強く受けとめさせていただいたところであります。 知事が初挑戦された平成二十六年二月の選挙では、私も当時の村岡候補とともに、県内各地を駆けめぐらせていただき、同世代の知事のふるさと山口の県づくりにかける情熱を必死に届けた遊説でした。 知事御就任後も、その情熱はひとときも変わることなく、多くのしがらみや現実の困難に直面する中、御自身のカラーを前面に全国トップ水準への挑戦を掲げ、常に山口県の顔として、先頭に立って精力的に活動されるとともに、県民の声や提案を多くの新たな施策として具現化してこられました。 御就任から三年七カ月が経過し、知事が目指す県づくりは、産業や観光、医療、福祉、子育て、教育など多くの分野で、着実に、そして目に見える形で、今、花を開こうとしております。 この間の村岡知事の真摯な県政運営に深く敬意を表しますとともに、知事の取り組みは、同じ政治家として、我々若手議員活動にも大きな刺激を与えるものだと、いつも強く感じています。 今、山口県の未来への道のりには、まだまだ幾多の困難が待ち受けており、知事が目指す県づくりは、これからが真の勝負どころとなるわけです。 来年には明治改元百五十年という国にとっても、維新発祥の地である山口県にとっても、大きな節目を迎えるこのときに、引き続き、ふるさと山口の新たな県づくりのリーダーとして先頭に立つという不退転の決意をされた村岡知事に、心からエールを送らせていただきますとともに、私も知事と切磋琢磨しながら、将来を担う若者、そして次世代の県民が大きな夢を描け、暮らしやすい、暮らしたい県づくりに向けて、ともに頑張ってまいることをお誓い申し上げ、通告に従い一般質問に入らせていただきます。 最初に、地域商社の設立を踏まえた今後の売り込み方策についてお尋ねをします。 本県の首都圏向けアンテナショップおいでませ山口館は、これまで売上額、入館者数とも順調に伸ばし、委託先である県物産協会のその御努力については、高く評価するものであります。 しかしながら、当施設の運営に要する経費が年間約四千万円とお聞きしますと、採算性の面で分が悪いことも事実であります。 他方、民間では、浅草の商業施設まるごとにっぽんを初め、日本百貨店しょくひんかんのほか、全国商工会連合会による、むらからまちから館などが続々とオープン、およそ半数のショップが飲食施設を併設しており、その形態は本格レストランからイートインまで実にさまざまです。 こうした時代背景の中、本県においては、山口銀行が主体となった民間主導の地域商社が、いよいよ設立される運びとなっています。首都圏等での県産品の売り込み強化が進み、販路拡大が図られる本格的窓口の開設に期待が高まっています。さらには、来年の明治百五十年を迎える中、食や物販を通じた県の情報発信も重要です。 これまで県は、県産品の売り込み強化策として、航空会社やホテルでの食の発信などさまざまな取り組みを重ねてこられました。 しかし、その多くの事業が一過性で終わってしまい、真の需要拡大に到達できていないのではないでしょうか。 私も四年前、この議場において、おいでませ山口館を首都圏の情報発信拠点とすべく、その戦略的展開やイノベーションを検討するよう提案しましたが、最近の首都圏での地域産品の加工、販売をめぐる民間の動きを見ておりますと、果たしていつまでも実働主体が行政でよいのか、疑問に感じます。 ここは、先輩格のながと物産が、マーケットインの視点で事業展開をしているように、ブランディングと営業代行に特化しつつ、これまで東京売り込みセンターが蓄積されたノウハウも生かし、県アンテナショップの見直しを含めた民間主導型のリトル山口県の構築を検討すべきではないでしょうか。 首都圏と県の間をじかにつなぐパイプ役として、地域商社という新たな機能とその発信力を得る以上、今までの行政主導の枠にとらわれない異次元の体制づくりが不可欠であります。そのためにも、山口銀行はもちろん、山口県応援隊東京本部県物産協会等関係機関とも連携して、将来を見据えた研究を進めるべきと考えます。 そこで、今般の地域商社設立を機に、県アンテナショップの機能強化を含めた民間主導型の県産品売り込み拠点を創設していただきたいと考えますが、県は、今後の売り込み方策をどのように考えておられるか、御所見をお伺いいたします。 次に、行財政構造改革の取り組みについてお尋ねをします。 本県財政は、恒常的に歳出が歳入を上回る硬直化した状況が続いており、近年は、財源不足を基金の取り崩しによって賄う予算編成が常態化しています。頼みの綱であった財源調整用基金が百億円を割り込むことが見込まれる中、県は、今後五年間の財源不足額は一千三百五十億円にも上ると見込んでいます。 このため、県では、五年後を目途に、収支均衡した安定的な財政基盤を確立するため、本年四月、その推進組織となる行財政改革統括本部を設置し、全庁を挙げた取り組みを進めているところです。 昨日の我が党の代表質問に対し、村岡知事からは、知事就任後のさまざまな取り組みの成果と今後の県政運営にかける熱い思いをお聞きしたところですが、人口減少問題の克服や地方創生の加速化など、本県が直面するさまざまな政策課題への取り組みをしっかりと前に進め、県民が夢や希望を持って暮らしていける活力ある県づくりを進めていくためには、これを支える安定的な財政基盤の存在が不可欠となります。 これに向けた県の行財政改革統括本部が示す具体的な改革の取り組みは、今後五年間で、本県の歳入水準に見合った歳出構造への転換を目指す歳出構造改革として、定員削減による総人件費の縮減や事務事業の徹底した見直し等を図ることとされております。 また、改革の効果が発現するまでの財源確保に向け、臨時的・集中的な財源確保対策として、保有基金の取り崩しや未利用財産の積極的な売却など聖域なき改革に取り組むとされています。 先般開催された第二回の本部会議においては、全事業のうち、実に八割を超える一千二十七事業を見直し対象とする案が示されています。 また、公の施設について、社会経済情勢等を踏まえた抜本的な見直しに着手されることも公表されました。いずれも困難な取り組みとは思いますが、統括本部の強力なマネジメントにより、全庁挙げて改革が進められることを期待するものです。 そこで、県は、行財政改革統括本部の設置後、行財政構造改革の推進についてどのように取り組んでこられたのか、また今後、どのように進められるのか、行財政改革統括本部長の副知事にお伺いいたします。 次に、伝統芸能の継承と発展に向けた支援についてお尋ねをします。 本県では、神楽舞や狂言などの伝統芸能があり、そのうち三十五件が県の無形文化財無形民俗文化財に指定されています。 私の地元、三隅滝坂地区の神楽舞は、江戸時代の大飢饉の際、厄払いの祈願として奉納されたことに始まり、県の無形民俗文化財にも指定され、毎年十一月二日、黄幡社で開催されています。 しかし、将来の担い手となるべき子供は数名しかおらず、当日は、地区外で暮らす地元出身者が、我が子を連れて帰省し、神楽を舞うという現実で、二百五十年以上継承されてきた伝統芸能は風前のともしびです。 このように、県内の各保存会は、後継者の面で伝統芸能を継承していくことが大変困難な状況に置かれています。この危機的状況を打破するため、まずは保存会合同による発表会を開催しようと、一昨年五月、ルネッサながとにおいて、第一回やまぐち伝統芸能まつりが開催をされ、加えて、県内保存会の組織化を図るため、昨年五月、山口県伝統芸能保存会連絡協議会が設置され、継承活動が続いています。 現在だけでなく、急激な人口減少に見舞われた幕末の長州藩においても、伝統芸能の継承に危機的な状況があったはずですが、関係者の熱意と行動力があってこそ乗り越えてきたものと思うとき、私は、将来にわたって伝統芸能を継承していくためには、各保存会の自助努力はもちろんのこと、長期的視点に立った後継者育成や情報発信について、行政による積極的な支援が必要と考えます。 例えば、情報発信、交流促進により、地区を超えた広い地域の方々に伝統芸能に触れていただき、後継者育成に向けた体験、習得機会を設けるなど、これまでと角度を変えた仕組みづくりを支援してはいかがでしょうか。 県では、やまぐち文化芸術振興プランに基づき、若き文化芸術家の育成や文化芸術を通じた交流人口の拡大、文化施設の連携など積極的な文化行政を進めておられますが、過去の英知を結集し、未来に投影していく文化の継承も、明治百五十年という節目の年に改めて考えてみる必要があると考えます。 そこで、全国オンリーワンの文化である本県伝統芸能の継承と発展に向けた支援、とりわけ担い手の育成・確保に、県は今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、防災対策の強化のうち、災害時の支援物資配送についてお尋ねをします。 さきの九州北部豪雨による被害は、中山間地域を多く抱える本県にとっても他人ごとではありません。 私は先般、福岡県朝倉市を視察し、川に流れ込んだ大量の流木が復興を妨げているお話を伺い、日ごろからの森林整備の重要性を含め、部局を超えたあらゆる角度から防災を想定する視点を持たなければならないと、意を強くしたところです。 また、私の居住している地区の自治会もそうですが、県内各地域で自主防災組織の結成が進んでおります。 暮らしの中でも住民のコミュニティーが脆弱な現代社会の中で、こうした組織づくりを起点に、防災を軸とするコミュニティーが生まれ得る取り組みと、これまでの県の御努力に感謝しつつも、単に組織率を上げることを目指すだけでなく、組織結成の周知徹底に加え、その活動の中身を住民一人一人が常に意識し、地味でもかかわりやすい具体的協力ができるよう啓発すること、また、現状数少ない地域をまとめ、仕切る、真のリーダーをしっかり育成することこそ、真の防災活動の姿と考えますので、より一層の組織力の強化に向けた取り組み推進を期待する次第です。 さて、先日、東日本大震災を行政の指揮現場で経験された南三陸町長の講演をお聞きする機会を得ました。 町長は、県外からのありがたい支援物資の仕分けや配布については、さまざまな対応に追われる町職員では、人手もノウハウもなく、行政では全く対応できなかった。あと少しのところで被災住民に物資が届かない、災害が起こった際どう対応し、復興していくのか、その実際の仕組みづくりと機能発揮のため、市町が民間とのネットワークを構築することが急務である。災害の備えとして、そうした事前復興という概念を強く訴えられ、大変共感を覚えました。 災害を未然に防ぐ、備えるという点では、県も昨年度から、市町の初動対応を支援する支援チーム創設や、関係団体等と連携した物資の輸送訓練、自主防災組織の充実強化、被災者生活再建支援システムの導入検討など、市町や民間との新たな連携に向けた仕組みづくりを始められました。 そこで、昨年度、県が整備された県総合防災情報システム救援物資管理機能を活用して、市町をどのように支援されるのか、また、災害時の支援物資配送について、どのように民間と連携されるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、大規模建築物耐震改修促進についてお尋ねをします。 昨年四月、熊本・大分両県を襲った大地震による災害から、現在は再興の兆しが見えつつも、復興を目指す別府温泉では、ホテルの耐震化が再興の大きな壁となっているとお聞きします。 今後も災害の起こり得る可能性が高まっている中、観光地は当然、防災に敏感でなくてはなりませんし、そのための国の改正耐震改修促進法であり、集客のため、さまざまな経営改善を図ることとあわせ、万一の場合も安全に、かつ安心して遊べ、宿泊できるようにすること、それこそを観光地の強みにすべきと、私は考えます。 御案内のとおり、平成二十五年十一月に施行された改正耐震改修促進法では、多くの人が利用する大規模建築物について、耐震診断の実施と結果の報告が義務づけられ、基準値をクリアできなかった施設には、耐震補強工事を行うことが努力義務とされ、県では、全国に先駆け平成二十六年度、国の制度や市町と協調した県独自の耐震改修補助制度を創設されました。 そうした中、本年三月に公表された、県内の耐震診断結果では、対象となった民間の大規模建築物二十三施設のうち、二十一施設について、震度六強以上の地震で倒壊または崩壊する危険性が高い、または危険性があると診断されたところです。 こうした診断に即した耐震改修が、大規模建築物において、今求められている中で、本県の補助要件を他の自治体と比較すると、本県は、より高い耐震性能を要件としており、事業者がこの要件に沿って耐震改修を行うと、建物を補強する筋交いなどを多く使用するため、外観を大きく損ねるおそれがあり、さらには、改修工事に伴う休業の長期化や改修費用の増加が見込まれることから、関係団体からは基準の緩和を求める声が寄せられています。 国内外から観光客を呼び込み、交流人口の拡大や地域経済の活性化を図るため、観光客が安心して快適に観光できる環境の整備に、県としても現場の声に耳を傾け、今以上にしっかり取り組んでいただきたいものであります。 また、国の補助が受けられる期限が平成三十年度末と目前に迫っており、耐震化促進に向けた事業者への働きかけなど、より積極的な取り組みも期待します。 そこで、県は今後、民間の大規模建築物耐震改修促進にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、情報インフラ整備についてお尋ねをします。 本県が誇るやまぐち情報スーパーネットワークは、平成十三年から運用を開始した総延長八百三十キロメートル、伝送容量十ギガと、自治体所有としては全国有数の光ファイバー網であります。山口大学医学部附属病院民間医療機関との医療情報の交換や、ケーブルテレビの幹線網としても活用されてきた、県民の日々の生活を支える、まさしく情報インフラであります。 財政難の昨今、公共インフラの整備については、見直しの議論がかまびすしいところであります。これも時代の要請を受けた議論といえば、もっともなところですが、地方創生を進める上では決して切り捨ててはなりません。基礎的インフラの整備がない限り、地方創生はあり得ないのです。 ただ、この情報スーパーネットワークも、年間三億円近い維持管理費が県の負担となっていることもあり、今後のあり方を検討するため、本年度から開催されている有識者会議においては、現在無料とされている利用者負担を有料化するかどうかが議論されるともお聞きしています。光回線が至極一般的になり、IT技術も日進月歩の現在においては、行政が自設網を将来にわたって維持するのではなく、むしろ通信事業者にインフラ整備を任せるのが本来の姿かもしれません。 しかしながら、中山間地域でのテレワーク、働き方改革にもつながる情報インフラの構築は、時代の要請でもあります。そうした意味で、過疎地など通信事業者が手を出しにくい不採算地域での対応は、行政が支えることも場合によっては必要ではないでしょうか。 そこで、全県的な情報インフラの整備に関して、やまぐち情報スーパーネットワークの今後のあり方について、県はどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。 認知件数の増加がとまらないいじめの問題への対応に当たっては、教育者の資質・能力が問われていると言っても過言ではありません。 学校現場のよい雰囲気づくりができるか否か、教育者には学力面での指導力とあわせ、豊かな人間性や社会性が求められていると考えます。子供たちが相談しやすい環境をつくり、問題が起きた際の指導体制を常日ごろから整えるとともに、いじめから目を背けない、不信を招かないといった学校の強い体質をつくっていかなければなりません。 こうした中、先般、私がPTA会長を務める中学校でいじめが発覚し、いじめられた生徒が緊急入院することとなりました。その後、学校ではスクールカウンセラー、医師等の専門家を交えたいじめ調査委員会が開催され、原因究明やいじめが起こった際の今後の指導体制等について、市教委と連携して対応をされています。 そこで、今回の事案をもとに、いじめ問題への対応についてお尋ねをします。 まず、人的サポートについてお尋ねをします。 本校の担任を持つ教員は、いじめ問題発覚後、日中は授業に放課後は部活に追われ、空き時間をやりくりして、いじめられた生徒への個別対応を行い、生徒の保護者に対し日々の連絡を行うなど、丁寧な対応をしています。 教員の労働時間が問題視されている中で、毎夜遅くまで集中力を切らすことができない状況での対応を余儀なくされている、これが現実です。 いじめは学校生活の上だけで生じるのではなく、家庭生活でのいろいろな事情も入りまじりますが、学校で顕在化、発覚することが多く、必然的に学校の対応が問われることが多くなります。早期解決に向け、教員と保護者とが連絡を取り合い、いじめにかかわった生徒の家庭に対しては、学校でのいじめの現状を正確に伝え、家庭における子供への温かい支援について理解してもらえるよう対応していくこと、また、その子の将来のためにも、いじめにつながりやすい要因について指導することなど、その根絶に向けてすき間なく連携することが重要です。 しかしながら、肝心かなめの教員の対応が、ほかの業務に追われるなど確保できていない実態を見ました。 私は、特に重大ないじめ事案が起こった場合、市教委なり県教委が、専門家派遣はもちろん、教員の派遣を行い、しかるべき人手等を確保して、適時適切な対応が被・加害者やその保護者、関係者に対してとられるよう、今以上の対応に当たる人的サポート体制の構築が何より重要であると感じたところです。 そこで、いじめ問題が発覚した際の専門家、教員の派遣等の人的サポートについて、県教委はどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、教員のコミュニケーション能力等の指導力向上についてお尋ねをします。 中学生は、多感な青春時代を専ら学校の中で過ごす世代です。学校生活の時間は、勉学はもとより、さまざまな知識を培いながら、先生という大人とも接し、人と人との関係づくりを社会人になる前に学ぶ大切な時間でもあります。生徒個々の感性は違えども、生徒の発する一言一言に対し、真に向き合って大人としての対応や指導をすること、これも教員の大きな役割であると考えます。 情報化の時代、ソーシャルメディアの発展によって、生徒間でも連絡や意思疎通を文字だけで届け合う時代、面と向き合うことによって、本当の心を豊かにするという貴重な時間は、まさに学校での教員、生徒間の会話の中にこそ存在すると思います。 そうした中で、勉学のみならず、担任するクラス一人一人の生徒の思いに耳を傾け、正しいことを伝え、間違っていることを諭すという生活指導面において、教員が果たすべき役割は大きいと考えます。 先ほどの質問で取り上げた、いじめ問題を根本的に解決するためには、教員の生徒に向き合う心を育成する取り組み、コミュニケーション能力の向上対策が欠かせないと、今回の事案に接して強く感じた次第です。人間同士、何かうまくいかないということは、大人でも日常的にあるように、いじめ問題は基本的にコミュニケーションのトラブルだと私は思います。 常日ごろ、嫌な思いをさせたり、させられたりという人間関係の中で子供は成長していくものであります。みずから善悪を判断し、自立していくためのステップを教えることができるかどうかが鍵であり、学習指導とともに、ひとえに教員の指導力にかかっているものと私は考えます。 少子化が進み生徒数が減少する中、学校、家庭、地域の連携も求められており、ひいては、学校教育全体の質をより高めることが求められています。 そこで、こうした現状を踏まえ、とりわけ生徒指導面において求められるコミュニケーション能力を初めとする、その指導力向上について、県教委はどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。 以上で一般質問を終わります。 終わりに一言申し上げます。 安倍総理は、昨日夕方の記者会見で、明後日二十八日に召集される臨時国会初日に、衆議院を解散する意向を正式に表明されました。 記者会見の中で、安倍総理は、我が国の国益を守り、国民を守り抜くため、今こそ国民の信任を得て、最大の壁にチャレンジするときであり、今回の解散は国難突破解散であると強く訴えられました。 この総理の御判断について、私ども自由民主党は、国内外に難題が山積し、北朝鮮の軍事的暴挙により、我が国を取り巻く安全保障環境にかつてない緊迫度が増す中で、国と国民を守るという決意のもと、また、未来への挑戦を確実に進めていくための道筋をつける、そして、その道筋について、国民の皆様に信を問うのは今、このタイミングしかないという総理の強い覚悟と責任感のあらわれであると重く受けとめており、このたびの御判断を全面的に支持し、地方からもしっかりとお支えしてまいる所存であります。 我が自由民主党は、引き続き、責任政党として国民、県民の皆様の声をしっかりと伺いながら、幾多の困難に立ち向かい、日本、そして地方の明るい未来づくりに全力を傾注してまいります。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 笠本議員から、冒頭大変心強いエールをいただきました。県勢発展に向けて全力を尽くしていくことを改めて申し上げまして、答弁に入らせていただきます。 まず、地域商社の設立を踏まえた今後の売り込み方策についてです。 人口減少に伴い地域経済の縮小が懸念される中、県産品の需要を開拓し、新たな販路を獲得していくためには、首都圏への売り込みを一層強化していく必要があります。 そのため、本県では、これまで東京売り込みセンターを中心に、おいでませ山口館などで商談会やイベントを実施してきたところであり、こうした取り組みが県産品の販路拡大へつながるなど、一定の成果を上げています。 こうした中、議員お示しのように、首都圏では民間資本により地域産品を取り扱う特色ある商業施設が次々と開設をされており、民間主導による売り込みが活発化しています。 このような状況を踏まえると、私は、県産品の売り込み方策の実効性を高めていくためには、市場動向の把握や営業面でノウハウを持つ民間の経営手法を活用することが不可欠と考えています。 そこで今年度、県と山口銀行との共同構想のもとで、民間主導の地域商社の設立に向けた取り組みを進めてきたところであり、来月二日には、民間企業の共同出資による地域商社やまぐち株式会社が設立されることとなりました。 生産者と消費者をつなぐパイプ役として、加工食品を中心に、統一ブランドによる商品開発や販売を進め、将来的には生鮮食品や工芸品なども積極的に売り込んでいくこととされています。 一方で、さまざまな売り込み主体による縦割りでの販路開拓や、イベント中心の単発の情報発信では、売り込みの効果におのずと限界があることから、私は、民間による地域商社設立を契機に、関係機関等が一体となって新たな売り込み展開を図っていくことが重要と考えています。 このため、庁内の関係部局と地域商社を初め、産業振興財団や物産協会、山口県応援隊など、県産品の売り込みを支援する県内外の民間団体とにより、情報共有や協議を行ってまいります。 具体的には、これまでの取り組みの成果や課題を検証するとともに、議員お示しの売り込み拠点のあり方も含め、連携強化や取り組みの重点化など、相乗効果が発揮される売り込み方策の検討を行うこととしています。 こうした検討を通じ、私は、行政、民間の枠を超えて、オール山口県として、戦略的かつ持続的な売り込みを行う新たな仕組みをつくり、本県の魅力ある産品の一層の販路拡大と発信力強化につなげてまいります。 次に、防災対策の強化についてのお尋ねのうち、大規模建築物耐震改修促進についてお答えします。 本県においても、複数存在する断層や、南海トラフを震源とする大地震の発生が懸念されています。 私は、県民誰もが不安なく暮らせることは、県民生活の基本であるとの認識のもと、チャレンジプランの安心・安全確保戦略に、生活・社会基盤の耐震化の推進を掲げ、不特定多数の方が利用する民間の大規模建築物の耐震化に積極的に取り組んでいます。 具体的には、お示しのように、平成二十六年に全国に先駆け、国、県、市町が協調した補助制度を創設しており、この結果、耐震診断は全ての施設で完了し、病院や福祉施設については、補強設計や耐震改修も順調に進んでいます。 一方で、ホテル、旅館や商業施設等については、大地震時に避難所などに利用することを念頭に、病院等より高い耐震性能を補助要件としており、平成三十年度末までに補強設計の着手という国の補助期限が迫る中、建物の外観や改修費用等の問題から、耐震化が進んでいない状況です。 このため、熊本地震の甚大な被害等を踏まえ、耐震改修加速化の観点から、補助制度の見直しに向けた検討を進めていたところです。 また、本県観光が、現在開催中の幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン、さらには来年の明治百五十年と、飛躍に向けてまたとない好機を迎える中、チャレンジプランに掲げる年間延べ宿泊者数五百万人以上を実現するため、観光宿泊客の受け皿として重要な役割を担うホテル、旅館等の耐震化は喫緊の課題となっています。 こうした中、先般、観光関係団体から、他県よりも厳しい補助要件に対応した耐震改修では、ホテルの外観や内観を大きく損ない、また工事による休業の長期化を伴うなど、ホテル、旅館の営業自体が困難になることから、他県並みの補助要件へと緩和を求める内容の要望をいただいたところです。 このため私は、こうした御意見も踏まえ、民間の大規模建築物を利用する方の安心・安全を確保するため、ホテル、旅館等の補助要件を他県並みの病院等と同じ耐震性能に緩和し、早急な耐震化を図ることといたしました。今後、市町と調整した後、新たな補助要件を事業者に周知し、補強設計や耐震改修の早期着手を促してまいります。 私は、県民の皆様が安心して安全に暮らせるよう、不特定多数の方が利用する大規模建築物の耐震改修を着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 弘中副知事。    〔副知事 弘中勝久君登壇〕 ◎副知事(弘中勝久君) 行財政構造改革の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。 将来にわたって収支均衡した自立・安定的な行財政基盤を確立するため、本年四月に行財政改革統括本部を設置し、聖域なき改革に取り組んでまいりました。 具体的には、総人件費の縮減や全事業の見直しなど徹底した歳出の構造改革や、臨時的・集中的な財源確保対策を進めるため、あらゆる選択肢を視野に、半年間にわたり行財政改革推進室を中心に全庁的な検討を重ね、先般の本部会議において、中間報告として取り組みの方向性をお示しさせていただいたところです。 この中で、全事業の見直しについては、業務量の削減や施策の選択と集中による予算配分の重点化を一層進める観点から、ゼロベースでの徹底した検証を行い、全事業の八割を超える千二十七事業を見直し対象とするとともに、そのうち百七十一事業を休廃止とする見直し案を取りまとめたところです。 また、公の施設についても、施設の老朽化や社会経済情勢の変化などを踏まえ、利用者の動向や管理に要する費用など、施設の現状を整理したところであり、今後、県民ニーズや市町、民間との役割分担等の視点での検証をさらに進め、本年度内をめどに移管、統廃合などの基本的な方針を定めることとしています。 今回、本部が取りまとめた取り組みの方向性については、極めて厳しい内容となっていますが、当面の財源確保対策も含め、これらを着実に実行していくことが重要であり、将来を支える持続可能な行財政基盤の確立に向けては、まさにこれからが正念場と考えています。 このため、今後、取り組みのさらなる具現化を進め、国の地方財政対策なども踏まえながら、来年度当初予算編成の中で、しっかりと改革の道筋をつけていきたいと考えています。 議員御指摘のように、大変困難な取り組みではございますが、知事の進める活力みなぎる県づくりを支える安定的な財政基盤を構築するため、本部長として、全職員と一丸となって、行財政改革の着実な実現に向けて全力で取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 小玉観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 小玉典彦君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(小玉典彦君) 伝統芸能の継承と発展に向けた支援についてのお尋ねにお答えします。 神楽や人形浄瑠璃、狂言など、本県において古くから受け継がれてきた特色ある伝統芸能は、県民が長い年月をかけて築き上げてきた共通の財産であり、将来の世代に継承・発展させていくことが重要です。 こうした中、県では、やまぐち文化芸術振興プランに後継者など担い手の育成・確保を初め、交流の促進や県内外への情報発信、県民理解の促進を位置づけ、伝統芸能の継承・発展に積極的に取り組んでいるところです。 まず、伝統芸能の継承と発展に向けては、担い手の育成・確保がとりわけ重要であることから、今年度創設した、やまぐち若手芸術家等スキルアップ支援事業を通じて、担い手の技能向上のための研修への参加や、外部講師を招いた講習の開催を支援することで、次期指導者となり得る担い手の育成を強化してまいります。 また、県指定文化財である伝統芸能の各保存会が行う自主公演の開催に対する支援などにより、担い手の育成・確保につながる、伝統芸能団体の能力発揮の機会や活躍の場の提供を進めているところです。 さらに、県内の保存会が一堂に会する、お示しのやまぐち伝統芸能まつりを来年二月に、加えて来年十月には、中四国各県の伝統芸能団体が参加する中四国文化の集いを、いずれも古典芸能専用の高度な舞台機構を備えたルネッサながとで開催する予定です。これにより、参加団体、特に次期指導者となり得る担い手のさらなる意欲の向上につながるとともに、県内外における伝統芸能団体間のより一層の交流促進が期待されるところです。 また、今月新たに、県内の文化行事や団体の活動を紹介する情報誌「Cul─ちゃ やまぐち」を創刊したところであり、初回の特集では、伝統芸能である岩国市の北中山子ども神楽を紹介するなど、伝統芸能に関する情報発信を強化するとともに、県民の理解を促進していきます。 これらに加え、御指摘のとおり、伝統芸能の継承と発展は重要であることから、明治百五十年という節目の年である来年度に予定している、文化芸術振興プランの改定作業の中で、その支援方策のあり方などについて、さらに検討してまいります。 古くから受け継がれてきた伝統芸能は、県民共通の貴重な財産であり、県としては、今後とも、将来の世代への伝統芸能の継承と発展に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 防災対策の強化に関するお尋ねのうち、災害時の支援物資配送についてお答えします。 昨年の熊本地震やことしの九州北部豪雨など、大規模災害が本県の近くで発生しており、災害は身近に起こり得るものとして、しっかり対応していくことが重要です。 このため、県では、熊本地震を貴重な教訓として、体制、物流、避難を三つの柱とする熊本地震を踏まえた防災対策を決定し、現在、早期具現化に向けて鋭意取り組んでいます。 具体的には、市町の初動対応を支援する被災市町支援チームの創設を初め、自主防災組織の充実強化や罹災証明書の迅速な発行等につながる被災者生活再建支援システムの導入など、市町や民間と一体となって取り組みを進めています。 特に、熊本地震では、支援物資の配送に関し、被災自治体のマンパワー不足や物流施設、道路の被災等により、必要な物資が迅速に避難所に届かないという、いわゆるラストワンマイルの問題等が大きな課題となりました。 このため、まず、県総合防災情報システム救援物資管理機能を活用し、被災者ニーズの把握や、在庫・不足状況を一元管理することにより、災害時における市町業務を支援してまいります。 また、物流施設から避難所までの輸送力を確実に確保するため、民間との連携も必要であることから、大手宅配業者との協定を締結するとともに、県倉庫協会の協力により、災害時に活用可能な施設を十カ所から二十七カ所へ拡充したところです。 さらに、こうした取り組みの実効性を高めるためには、関係者による物資要請の手順等の確認が重要であることから、来月には、市町や運送業者等の民間が参加する物資配送訓練を初めて実施するなど、連携体制の構築に努めてまいります。 県としては、大規模災害から県民の命と暮らしを守るため、市町や自主防災組織、さらには、民間と連携を図りながら、防災対策の充実強化に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 北村総合企画部長。    〔総合企画部長 北村敏克君登壇〕 ◎総合企画部長(北村敏克君) 情報インフラの整備についてのお尋ねにお答えします。 高度情報通信社会が到来しつつあった平成十年当時、本県では、採算性の面から、民間事業者による高速情報通信網の整備が進んでいない状況にあったことから、地域情報化を推進する先導的な基盤として、やまぐち情報スーパーネットワーク、いわゆるYSNを整備いたしました。平成十三年の運用開始以来、YSNを県民生活の向上や地域の振興につなげていくため、教育、医療、防災、産業等の多様な分野での活用を進めてまいりました。 また、YSNを活用して高速情報通信環境の整備を進めるとともに、ケーブルテレビや携帯電話のエリア拡大などの支援を行ってきたところです。 こうした取り組みに加え、民間事業者による通信網の整備が急速に進んだ結果、平成二十七年三月には、ほぼ全県で超高速ブロードバンドのサービスが利用可能となり、情報通信網の整備を先導するというYSNの所期の目的は、おおむね達成できたものと考えています。 このように、YSNを取り巻く情報通信環境は、運用開始から十五年以上を経過し大きく変化しており、また、財政構造改革を進めていく上で、県が将来にわたってYSNを維持管理していくことは大きな負担となることから、YSNのあり方についての見直しや、運用経費に関する利用者の適正な負担についての検討が必要となってきています。 このため、先般、専門的知見を持つ有識者による検討会を立ち上げたところであり、市町や民間団体の利用状況や今後の見通しを踏まえるとともに、中山間地域におけるケーブルテレビ事業者の安定的な運営なども配慮しながら、YSNの今後のあり方や利用者負担について検討を進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。    〔教育長 浅原司君登壇〕 ◎教育長(浅原司君) いじめ問題への対応についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、人的サポートについてです。 いじめの対応に当たっては、いじめは絶対に許されない、いじめはどの学校にも起こり得るとの認識のもと、学校と家庭が緊密に連携を図りながら、未然防止や早期発見・早期対応に取り組むとともに、人的サポートの充実等により、学校の支援体制を強化することが重要と考えています。 このため、県教委では、児童生徒の状況等に応じた生徒指導担当教員の増員配置を行うとともに、各中学校区へのスクールカウンセラーの配置や、全市町へのスクールソーシャルワーカーの配置を行うなど、教育相談体制の充実強化に努めているところです。 また、通常の体制では対応が困難な事案が発生した場合には、校長のリーダーシップのもと、組織的な対応はもちろんのこと、専門的な教員や専門家の派遣等を行うことにより、早期に事態の収束を図ることが必要です。 このため、県教委においては、重大事案の発生後、直ちにスクールカウンセラー等の外部専門家で構成するメンタルサポートチームを学校に派遣するとともに、学校運営に支障が生じた小中学校には、生徒指導体制を再構築するため、年度途中においても、緊急に教員の増員を行っているところです。 こうした中、お示しのとおり、事案の内容や学校の状況によっては人的サポートのさらなる充実が求められることから、県教委としては、市町教委の要請に応じて、学校に指導主事を派遣し助言を行うなど、引き続き、各学校の個別の事案に応じた集中的かつきめ細かな支援に努めてまいりたいと考えています。 加えて、外部専門家を活用したサポート体制の充実を図る観点から、今後、国に対し、スクールカウンセラー等の配置拡充を働きかけるとともに、生徒指導体制の強化に向けた教員の増員についても要望を行ってまいります。 県教委といたしましては、引き続き、市町教委と一体となって、学校に対する支援体制の一層の強化に努めてまいります。 次に、教員のコミュニケーション能力等の指導力の向上についてお答えします。 児童生徒の抱える課題は複雑化・多様化しており、教員は児童生徒一人一人にしっかりと向き合いながら、互いの信頼関係を構築し、個々の特性に応じた支援を行う必要があり、そのためには、コミュニケーション能力を初め、教員の指導力向上を図っていくことが重要と考えています。 このため、県教委では、キャリアステージに応じた教員の資質能力の向上を図る研修を計画的・体系的に行っており、その中で、人間関係づくり等をテーマとした専門研修の充実に取り組んでいるところです。 また、児童生徒を理解し、指導する力は、子供たちと日々触れ合う中で身についていくものでもあることから、各学校においては、組織的にOJTを推進するとともに、スクールカウンセラーを講師とする研修会を開催し、コミュニケーション能力等の資質向上を図っているところです。 県教委といたしましては、お示しのように、近年、学校と家庭とが課題を共有し、相互に連携していくことが強く求められていることから、家庭や地域等との連携の強化を含め、いじめの具体的な対応事例等を生かしながら、校内外での研修や学校での指導体制の充実を図り、教員の指導力の一層の向上に努めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 石丸典子さん。    〔石丸典子さん登壇〕(拍手) ◆(石丸典子さん) おはようございます。公明党の石丸典子でございます。通告に従い一般質問を行います。 まず初めに、自転車の安心・安全な活用についてお伺いいたします。 昨年の臨時国会で成立した自転車活用推進法が五月一日に施行され、石井国土交通大臣を本部長とする推進本部も発足されました。 この法律では、基本方針として、一、自転車の専用道路や路面標示による通行帯の整備、二、自転車を貸し借りできるシェアサイクル施設の普及、三、交通安全教育の啓発、四、国民の健康づくり、五、災害時の有効活用などが挙げられており、公明党の提言が随所に反映されております。 今後、国は基本方針に沿って推進計画を決定し、都道府県など地域の実情に応じた計画策定に努めていくこととされています。 私は、忘れてはならないことは、自転車事故防止の観点であると考えています。 自転車が健康増進や環境問題への関心により、県民の生活に密着し、子供から高齢者まで幅広い年代が気軽に利用できる便利な乗り物である一方、近年、人身事故のうち自転車事故の占める割合はふえており、全国でも自転車保険の義務化の動きは進んでいますが、残念ながら山口県及び県内市町にはその動きはありません。 平成二十五年七月、坂道を下ってきた小学五年生の少年の自転車が歩行中の六十二歳の女性と衝突し、歩行者の女性が意識不明のまま死亡した事故に、神戸地裁が下した自転車事故としては最高の九千五百二十万円の損害賠償額は、社会に大きな衝撃を与え、責任能力がない子供の起こした事故に保護者らが賠償責任を負う可能性が示されました。 このことがきっかけに判決から八カ月後、兵庫県は平成二十六年三月に自転車の安全な利用等に関する検討委員会、自転車保険専門部会を立ち上げ、保険の加入率二四%に対して方策等を検討し、平成二十七年四月一日、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を施行し、自転車保険の義務化が明記されました。一億円近い賠償額の判例に、県民の自転車保険の義務化に関する関心は高く、保険加入に向けた前向きな問い合わせが多かったそうです。 さて、本県では、余り大きな賠償責任が問われる自転車事故は起きていませんが、県内約六割の歩道では、自転車が通行可能の交通規制がされており、規制されていない歩道でも子供や高齢者は自転車で通行することができ、さらに、子供を乗せた保護者や車の接触に不安がある場合なども歩道を通行できるなど、歩道での自転車通行がかなり認められており、事故はいつあってもおかしくない状況です。 さて、子供から高齢者まで免許なく乗れる自転車ですが、謝罪だけでは許されない自転車事故に親も家族もしっかりとした責任を負える備えをしているのでしょうか。 大手損保会社によると、本県は大きな自転車事故の報告は少なく、自転車保険加入率も低いそうです。死亡事故だけではなく、相手が骨折でも一千万円以上の賠償額になるなど、金額の大小ではないですが、備えは大事です。 そこでお伺いいたします。まず、自転車活用推進法の施行や国の推進計画策定などの動きを受け、県として今後どのように取り組まれるのか。そして、県民の安心・安全のため、自転車保険の義務化などの取り組みを推進する必要があると思いますが、御所見をお聞かせください。 次に、タンデム自転車の一般公道の走行についてお伺いいたします。 タンデム自転車は、前後に二つの座席が並んだ二人乗り自転車で、ハンドル二つ、サドル二つ、ペダルも二つを備えています。私もイベント会場や観光地などで、家族で乗ったことがありますが、一般公道では余り見たことがないため、タンデム自転車の運行許可条件が各県で違うことなど知りませんでした。 現在、視覚障害者団体などからの要望を受け、全国十六府県でタンデム自転車の一般公道が解禁されており、私も、今回、全盲の男性の方からの御相談をいただき、初めてタンデム自転車のことを知りました。 その全盲の方の要望は、タンデム自転車の一般公道の走行許可が各県の道路交通法施行細則等によって決められており、本県では、山口防府小郡自転車道線などの自転車歩行者専用道路部分しか許可されていないので、ぜひ、一般公道でも走れるようにお願いしたいというものでした。 私は、聞いた瞬間、二人乗りで全盲の方が乗って走るのはちょっと危ないなと思いながらもよく聞いてみると、「三輪タンデム自転車なら走行オーケーで、二輪タンデム自転車がだめなのは納得がいかない。ぜひその違いを見てほしい」と言われました。 私は翌日、三輪タンデム自転車を展示、貸し出しをしている県社会福祉会館の中の県障害者スポーツ協会を訪ね、見学させていただきました。 結局、三輪自転車の二本の後輪のタイヤは、子供の自転車の補助輪のようについているわけではなく、安全性に問題があるようには思いませんでした。反対に三輪のほうが重く、運転しづらいそうです。 ことし四月から、島根県も二輪タンデム自転車が解禁され、島根、広島、しまなみ海道で愛媛へ入り、フェリーで大分、宮崎へとタンデム自転車の旅はつながり、御相談の彼も奥様としまなみ海道を走るそうです。その行動力に驚くとともに、そのコースにぜひ山口県も加わり、つながることを望みます。 もちろんタンデム自転車は、障害者の方々のためだけの乗り物ではなく、恋人同士や家族で楽しめますので、村岡知事も奥様やお子様とタンデム自転車で走られるときっと楽しいと思いますよ。もちろんヘルメットをかぶり、自転車保険にも入ってください。 今、山陽オートレース場では、東京二○二○パラリンピック競技大会を目指して、タンデム自転車等でのパラサイクリングの練習が行われています。選手の方々にも練習会場を飛び出して、本県の一般公道の解禁により、山口県の海や山の風を感じながら走っていただきたいと思います。 私は先日、タンデム自転車の一般道の解禁をされた兵庫県の様子をお聞きしてまいりましたが、自転車の事故がふえる中、タンデム自転車の事故は現在まで全くないということでした。 そこでお伺いいたします。サイクル県やまぐちの実現に向けて、多くの方々に自転車の楽しさを感じていただくために、また、障害者の方々の移動手段としても、タンデム自転車の一般公道の解禁を求めますが、県警本部長の御所見をお伺いいたします。 次に、結婚支援の取り組みについてお伺いいたします。 正直、官製婚活、いわゆる行政が結婚相手を紹介する取り組みに、私自身、そこまでやる必要があるのかなと思っておりましたが、意外にも県がすることに安心感があるのか、私の周りの方からは期待の声や期待があるからこそのお叱りの声をいただいております。 人口減少の問題が若者の晩婚化・未婚化によるもので、我が家の娘たちも二人、その責任の一端を担い始めました。 本県のぶち幸せおいでませ!結婚応縁事業は、出会いから結婚、そして新生活支援事業と事業費七千九十二万円の一貫した支援が推進され、二年前のやまぐち結婚応縁センター設置から、登録者が千七百四十五人、結婚報告件数十三件、現在交際中百三十五件など、何とも評価が難しいながらも着実に役割を果たしているように思います。ただ、人口減少の鍵を握る事業としてはエールを送るとともに、さらなる加速化が必要です。 共同通信の調査によりますと、全国四十七都道府県の結婚支援事業で、少なくとも七千七百四十九組が結婚したと報告されており、国の地域少子化対策重点推進交付金制度が大きく事業を推進しています。 先日、私は、成婚数全国二位の兵庫県ひょうご出会いサポートセンターに伺い、個別お見合い紹介事業、ひょうご縁結びプロジェクトの取り組みについて伺ってまいりました。 現在、七年目で会員登録数五千五百九十六人、成婚数は昨年百十五組、累計で六百二十三組、一九九九年からの取り組み千三百一組の成婚数は本県の十三組とは桁違いの数字ですが、新たにビッグデータを使ったお相手紹介愛媛方式を導入してから、お見合い成功率が格段に上がったそうです。 たくさんの情報から、本人も気づかない共通項が見つけ出され、お薦めのお見合い相手が紹介され、うまく進むケースが多くなったと、かなり評価されておりました。そして、県民局など出先十カ所にセンターを置き、二○一五年には東京にもセンターを設置し、会員登録はまだ百人ですが、この春、東京での二組目が成婚されたそうです。どのセンターも土日や平日の夜は閲覧コーナーの予約はいっぱいで、今後は窓口時間の延長やフォローにも力を入れ、改善を図るそうです。 また、担当者の方は桁違いの取り組みに対しても、「いやあまだまだです」と、ことしからは二十代の登録料を二千円下げて三千円にするなど会員登録の拡充を図り、次なる取り組み、成婚数のアップに苦慮されておられました。 本県の若者が多く流出している東京都も事業に乗り出し、ことし開催した婚活イベントには約三千人が集まったそうです。山口県からも多くの若者が東京に流出しています。知事御夫妻のようにいずれ御夫婦そろって同郷に帰ってきてくれることを期待した取り組みはいかがでしょうか。 そこでお伺いいたします。本県はまだ二年目ですが、多くの方が出会いを求めておられます。スピーディーなマッチングや、さらなる会員数の拡充と成婚数アップにどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、北浦地域の看護師確保に向けた県立萩看護学校の取り組みについてお伺いいたします。 北浦地域の看護師不足の声は現場から強く聞かれますが、その原因は少子化による入学応募者数の減少、大学看護学部への志望増加など、全国的な課題に加えて、北浦地域の医療現場の処遇改善や研修体制の充実などが挙げられ、それらの改善に向けた努力が地元に求められますが、看護師不足がさらなる悪循環を起こしているのが現状です。 本県唯一の県立の看護師養成機関である萩看護学校は、二十二年前の平成七年に山口県内、特に北浦地域の看護師確保と医療機関機能の維持に大きな期待と役割を担い設立され、年間約三億円の経費を要しています。 民間の看護学校であれば、年間授業料が百万円近くかかり、三年間通うことは大きな負担ですが、萩看護学校の授業料は十分の一の十万八千円、寮費は一月約千円と負担がかなり軽減されています。 さらに、萩看護学校は高卒で入る定員四十名の第一看護学科と病院等で働きながら学ぶ昼間定時制定員二十五名の第二看護学科に、それぞれ北浦地域の推薦枠を設けるなど優遇されていますが、昨年の卒業生の就職状況は、第一看護学科三十八名のうち、北浦地域へはわずか二名、第二看護学科は二十三名のうち、北浦地域へは十四名でした。 私は、このような推薦枠等の優遇策は、北浦地域で働く意思のある方の確保に重要で、そのための萩看護学校は、北浦地域の看護師確保対策に欠くことのできない施設であり、卒業生が一人でも多く地元に就職していただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。今後、県立萩看護学校は、北浦地域への就職の向上策にどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、発達障害者支援についてお伺いいたします。 現在、平成三十一年四月の開所に向けて、山口県福祉総合相談支援センターの工事が進んでいます。 現在、分散している中央児童相談所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所、ひきこもり地域支援センター機能を持つ精神保健福祉センター、そして発達障害者支援センターの関係機関五つが一カ所に統合され、総合的な福祉のワンストップ相談支援体制が整備される予定です。また、山口警察署も併設されるなど関係機関との連携も期待されるところです。 さて、今回、山口市仁保にあります発達障害者支援センターが山口市の中央部に移設され、多くの県民の方々に周知されることは、以前から移設を要望してきた者として大変うれしく思います。 そして、子供から大人へと拡大するさまざまな発達障害の問題に、専門的な支援機関として役割を果たすことを期待するとともに、そのためにもぜひ、発達障害の専門医師の配置を御検討いただきたいと思います。 発達障害は、御存じのように生まれつきの脳機能障害によるものです。早期療育のためにも早期診断が必要ですが、宇部市にあります発達小児科・児童精神科医の初診の予約は半年先までいっぱいでとれない状況です。医師も日々ふえる患者に先々の不安と若手専門医師の養成の重要性を漏らされています。 発達障害者の方やその家族の方が相談を受けた後、発達支援、就労支援を受けるためには、まず診断が必要であり、これは医師にしかできません。今多くなった大人の発達障害を診断できる専門医師が少ないのが現状で、彼らが早く支援を受けるためには、発達障害者支援センターで月に数回でも予約で診断をしていただける体制を御検討いただきたいと思います。 私は、先日、数年前にお邪魔した兵庫県立こども発達支援センターの運営状況をお聞きしてまいりました。 専門医師の診断、判定を求める方は多く、再診患者は延べ三千人を超えることから、年間の初診患者数を抑えているそうですが、平成二十七年は二百九十九人、平成二十八年は二百九十四人も診断されており、ここも次の医師確保対策が大きな課題になっていました。 発達障害者支援センターへの専門医師の配置に向けては、本県における発達障害の専門医師の養成も大事な課題であり、県立こころの医療センターや医師会との連携も早急に求められるところです。 そこでお伺いいたします。県では、発達障害児・者支援の充実に向けて、医療と福祉の連携した支援体制の強化にどのように取り組むのか、御所見をお聞かせください。 次に、県有施設のトイレの洋式化についてお伺いいたします。 トイレの洋式化については、小中学校の整備が急がれていますが、あらゆる公共施設でも優先順位を上げて取り組むべきです。 現在、私ごとですが、足の治療中で和式トイレが全く使えません。この状況は、女性にとっては大変深刻で、この二カ月間、バリアフリーの重要性を痛感しているところです。 先日、県社会福祉会館に伺いましたが、洋式トイレは障害者用トイレにしかなく、一瞬、使っていいものか悩みましたが、人目を気にしながら使わせていただきました。御婦人が多く集う婦人会館カリエンテでも洋式はたった一つで、その一つがあくのを並んで待っています。 そしてここ県庁ですが、多くの障害者の方やいろいろな団体の方、来客者が来られますが、一階ロビーにあるメーントイレは和式トイレが五つ、洋式がたった一つです。そして、冬には心臓がとまりそうな冷たい便座に、ウォシュレットはもちろんありません。多目的トイレは女性用、男性用がありますが、車椅子ではない私のような場合は入りにくさを感じます。 ほかの階については、全体で和式が百八十個、洋式十三個、多目的が十一個です。そして洋式トイレは、一般県民の来庁者が多い階を中心に設置されており、一階から五階までと八階、十五階に設置されていますが、そのほかの六、七、九、十、十一、十二、十三、十四階の八つの階にはありません。 庁舎にお金をかけない県民目線で最低限の配慮をされているようですが、八つの階に設置されていないのは十分とは言えません。もちろん要はお金がないということでしょうが、来庁者だけではなく、県庁内で働く方々にも配慮されるべきではないでしょうか。 特にトイレについては、学校や公共交通機関、そして公共施設はもちろん、民間施設や企業など災害時に限らずトイレ整備は必要で、官民ともに待ったなしの状況であると思いました。 今回、私は、私ごとの視点で発信させていただき大変恐縮に思いますが、トイレ整備は障害者だけではなく、健常者の方の暮らしにとっても当然早急に改善されるべきものであると思い、取り上げさせていただきました。 そこでお伺いいたします。県庁を初め、県有施設の洋式トイレの整備について、御所見をお聞かせください。 最後に、通信制高校の生徒へのサポート体制についてお伺いいたします。 ことしの本県の公立高等学校全日制の入学定員が七月に発表されていますが、前年度比四百二十人減の七千八百三十五人で、一九五一年以降で最少となりました。少子化による県内中学校卒業見込み者数が六百十二人減少したからですが、同じく発表された定時制と通信制は前年度と同じ定員で、定時制六百人、通信制四百人です。 現在、本県の公立高等学校通信制の生徒は、年々少子化により入学者数は減少しているものの、今年度五月一日現在では、千五十三人が在籍しています。通信制は、全日制や定時制のように毎日通学することができない人のために設けられており、働きながら学ぶ生徒や不登校、高校中退などさまざまな理由で選択されていますが、高卒の資格を得たいとの強い思いで入学されており、十五歳から七十歳以上の幅広い年齢の方が在籍しておられます。 本県の通信制は県立山口高等学校通信制課程として普通科三百六十人、衛生看護科四十人、合わせて四百人の定員とし、自学自習によるレポート提出とスクーリング、面接指導の出席により、卒業に必要な七十四単位を最短三年から最長八年かけて取得します。八年以上の延長も認められますが、自学自習が言うほど簡単ではないこと、ましてや不登校や高校中退の生徒にとってどれほど大変なことか想像ができます。 在籍者数千五十三名を年齢別で見ると、二十歳から二十四歳が一番多く四○%の四百二十六名、次に多いのが十五歳から十九歳が三九%の四百十六名、次に二十五歳から二十九歳で一○%、百十五名、あとは三十代が六十九名、四十代が十九名、五十代が二名、六十代が五名、そして七十歳以上が一人となっており、男女比は男性五百二十七名、女性五百二十六名のほぼ同数です。 このように年齢の幅が広いのも通信制の特徴ですが、中学校卒業した十五歳から二十四歳までが七九%を占め、さらに二十九歳までを足すと九○%を占めるなど、義務教育年限を終えても、通信制に入り高校卒業を目指す彼ら彼女らの複雑な思いと入学してからの八年間の葛藤の日々が見えてくるように思います。 そして千五十三名の在籍年数ですが、一年目百五十名、二年目百四十一名、三年目百四十二名とほぼ百四十名前後ですが、四年目が百十三名、五年目あたりから百名を切り、最後の八年目が九十七名、そして何と八年以上の方が百三十七名もおられます。 全日制や定時制とは違い、生徒の顔が見えにくく、サポートには限界があるかもしれませんが、この数字から通信制が彼らの最後のよりどころとなっていることは間違いありません。 もちろん、立派に卒業し、大学進学や専門学校に進む生徒もおられますが、千五十三名一人も残さず山口県の金の卵として卒業の達成感を持って、新たなスタートが切れるサポート体制が必要と思います。 本県は、県下八会場でのスクーリングの開催や山口高校を拠点にした平日スクーリング、平日学習会の実施など、生徒のための改善をされておられますが、生徒の地域別数を見ると、山口地域だけではなく宇部地域二百十八名と一番多く、次に山口地域二百十名、下関地域百九十名、徳山地域百六十七名と県内に大きく分散しており、山口地域以外の新たな取り組みも必要かと思います。 全国にふえる私立通信制高校の売りは、個別のサポート体制など教員と生徒の関係の見える化やインターネットによる学習環境の導入など、自学自習のサポートに力を入れておられます。 私は、本県も、本来通信制ではありますが、地元定時制高校との連携によるスクーリングや学習サポート、さらには就職情報の提供など生徒に寄り添った支援が求められていると思います。 そこでお伺いいたします。通信制高校の生徒へのサポート体制について、どのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 以上で一般質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
    ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 石丸議員の御質問のうち、私からは、結婚支援の取り組みについてのお尋ねにお答えします。 本県における人口の自然減を食いとめ、少子化の流れを変えていくためには、少子化の大きな要因である未婚化・晩婚化の進行に歯どめをかけることが極めて重要です。 このため、多くの若者が結婚の意思を持ちながらも、適当な相手にめぐり会うきっかけがないとして、結婚に対する希望が必ずしも実現できていない状況に応えるため、私は、やまぐち結婚応縁センターを設置し、これを核として、出会いから成婚までの一貫した支援を行っているところです。 現在、センターの登録者数は、当初の予想を上回る千七百人を超え、交際成立件数は約六百件に上るなど、多くの出会いの場が提供できているものと考えています。 このような中、現在、十三組の成婚の報告を受けているところですが、私は、今後さらなる成果を上げていくためには、会員数の拡充やよりスピーディーなマッチングを行うとともに、成婚につなげていくための支援を強化していく必要があると考えています。 まず、会員数の拡充については、より多くの会員に登録いただくことで、出会いの機会がふえることから、やまぐち結婚応縁企業ややまぐち子育て連盟構成団体を通じたセンターのPRを引き続き行うとともに、今後、若い世代に向けたSNS等を活用した周知や、親世代に向けた広報を強化してまいります。 また、スピーディーなマッチングについては、現在お見合いの希望が休日に集中していることから、機動的な人員配置や臨時のお見合いルームの借り上げ等に努めているところであり、今後、会員数が増加しても的確に対応できるよう、さらなる効率的な運営を図ってまいります。 さらに、マッチングしたカップルがより多く成婚につながるよう、コミュニケーション力や好感度を向上させる等のセミナーを行っているところであり、今後も会員の希望も聞きながら、より実践的なセミナーとなるようプログラムの充実を図ってまいります。 このようなセンターの取り組みに加え、本県から多くの若者が首都圏に流出している状況を踏まえ、今年度新たに、東京都において、本県出身の若者等を対象とした出会い、交流の場となる結婚応縁セミナーを、同様の課題を抱える九州各県と連携して開催することとしています。 私は、こうした取り組みを通じて、結婚を希望する独身男女が、その希望をかなえることができるよう、出会いと結婚支援に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 藤山土木建築部長。    〔土木建築部長 藤山一郎君登壇〕 ◎土木建築部長(藤山一郎君) 自転車の安心・安全な活用についてのお尋ねのうち、自転車活用推進法に係る今後の県の取り組みについてお答えします。 自転車は、子供から高齢者まで幅広い年代が気軽に利用できる環境に優しい交通手段であり、また、災害時における移動、輸送や県民の健康増進、交通混雑の緩和等にも資することから、交通の安全の確保を前提に、自転車の活用を推進することは大変重要であると認識しています。 こうした中、国は、本年五月に、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的に、自転車活用推進法を施行しました。 この法律においては、国は交通、環境、健康増進など、幅広い分野にわたる十四の施策等について重点的に検討した上で、自転車活用推進計画を策定することとされており、お示しのとおり、県は、国の計画を勘案して、地域の実情に応じた自転車活用推進計画の策定に努めることとされています。 国は、本年八月に、第一回の自転車活用推進に向けた有識者会議を開催し、来年度を目途に計画を策定することなどが示され、これを受け、県は、今月、情報共有や今後の計画策定を検討するために、全庁的な連絡会議を設置したところです。 県としては、引き続き、国の動向を注視するとともに、この連絡会議を活用して交通の安全の確保を図りつつ、現在、交流人口の拡大を目的として進めている、サイクル県やまぐちの取り組みとも整合した自転車活用推進計画の策定に向け、検討を進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 佐伯環境生活部長。    〔環境生活部長 佐伯彰二君登壇〕 ◎環境生活部長(佐伯彰二君) 自転車の安心・安全な活用についてのお尋ねのうち、自転車保険の義務化についてお答えをいたします。 自転車は、世代を超えて気軽に利用できる便利な乗り物である反面、被害者にも加害者にもなり得る乗り物であることから、自転車の交通事故防止対策を推進する必要があると考えています。 このため、県では、警察や市町、民間団体等と緊密に連携し、春・秋の交通安全運動等において、自転車乗用中の交通事故防止や自転車の安全利用の推進を重点項目に掲げ、広報・啓発活動を推進しているところです。 しかしながら、お示しのとおり、他県では、自転車利用者が加害者となり、高額な損害賠償事案も発生していることから、県では、第十次山口県交通安全計画において、自転車保険への加入促進を掲げ、警察、教育委員会とも働きかけを進めているところです。 とりわけ、自転車を利用する機会の多い小・中・高校生に対しては、学校への出前講座において、事故事例を紹介し、自転車が重大な事故を起こし得る乗り物であるとの認識を深めてもらうほか、教育委員会等と連携して、交通指導担当の教職員を対象とした研修会を実施し、加害者となった場合の賠償責任などについて、保護者等への啓発をしているところです。 自転車事故に係る損害賠償については、お示しの自転車活用推進法の附則では、国は、損害賠償を保障する制度について検討を加え、必要な措置を講ずるものとされています。 このため、自転車保険の加入の義務化については、今後、国が講じるとされている損害賠償保障制度の検討動向を注視することとし、加入促進について、現在行っている取り組みのさらなる強化を進めていきたいと考えています。 ○議長(柳居俊学君) 岡健康福祉部長。    〔健康福祉部長 岡紳爾君登壇〕 ◎健康福祉部長(岡紳爾君) 北浦地域の看護師確保対策についてのお尋ねにお答えします。 県民が住みなれた地域で、健康で安心して暮らすためには、地域医療を支え、良質な看護サービスを提供する看護師の確保が重要です。 このため、県では、県内、とりわけ北浦地域の看護師を養成・確保するため、平成七年に、萩市に県立萩看護学校を開設したところであり、これまで千二百人を超える卒業生を輩出し、北浦地域の看護師確保に寄与しています。 しかしながら、北浦地域の看護師確保は引き続き厳しい状況にあり、医療の高度化等も踏まえ、医療や福祉の体制の維持確保に向け、萩看護学校のさらなる取り組み強化が必要と考えています。 このため、昨年度の入学試験から、北浦地域の高校、准看護師養成所からの推薦枠やこの地域で働く准看護師を対象とした推薦枠について、定着が期待できる地元出身者がより多く入学できるよう、枠を拡大したところです。 また、入学時から全学生を対象として、新たにさまざまな相談に対応する担当教員を割り当てることとしており、就職相談の際には、北浦地域への就職が進むよう、きめ細かく相談対応を行ってまいります。 さらに、学校が主催する就職説明会の開催に当たっては、北浦地域の医療機関に加え、看護師の就職先となる福祉施設にも参加を促し、就職に関する情報を幅広く提供することに努めます。 県としては、今後とも、関係市町や地元医師会と連携し、県立萩看護学校が北浦地域での看護師確保対策の拠点として、一層の地元就職につながるよう取り組みの強化を図ってまいります。 次に、発達障害者支援についてのお尋ねにお答えします。 発達障害児・者の社会への適応を円滑に進めるため、身近な地域において、医療、福祉、保健、教育、雇用などの関係機関が連携し、切れ目のない支援を行うことが重要であると考えています。 このため、県では、児童相談所を中心に総合療育システムにより、早期発見から早期療育まで総合的な支援に努めるとともに、県発達障害者支援センターや県内六カ所の障害者就業・生活支援センター等において、就職活動の支援や金銭管理等に関する助言などにも取り組んでいます。 お尋ねの医療と福祉の連携した支援体制の強化に向けては、発達障害を診断できる医師の確保やその専門性を高めていくとともに、県内支援機関の連携の中核となる発達障害者支援センターの機能強化が重要であると考えています。 まず、医師の確保等については、山口大学やこころの医療センターと連携し、医師の育成を図るとともに、国において、平成三十年度から開始が予定されている、発達障害児・者の診断、支援ができる医師の養成研修を活用するなど、適切な支援につなげるための診療体制の確保に努めてまいります。 また、発達障害者支援センターの機能強化については、今年度から新たに、発達障害者支援センターに地域支援マネジャーを配置し、各圏域等の支援機関との連携を図ることにより、センターを中核とした支援ネットワークの強化を進めているところです。 県としては、平成三十一年度にワンストップ相談窓口として整備する山口県福祉総合相談支援センターの体制について、今後、関係機関や団体等と連携しながら検討することとしており、その中で、発達障害児・者の支援の充実を図ってまいります。 ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 県有施設のトイレの洋式化についてのお尋ねにお答えします。 多くの人が集まる公共施設では、利用者の人数や多様化するニーズを踏まえ、誰もが快適に利用できるトイレを整備することが重要です。 とりわけ近年では、生活様式が変化する中で、家庭用トイレは洋式が主流となっており、県有施設においても、一定程度の洋式トイレを整備する必要があります。 このため、県では、県有施設において、耐震化工事や施設の改修にあわせて、トイレの洋式化を進めてきているところです。 具体的には、各施設の利用者数等を踏まえ、全てのフロアに最低一つは洋式トイレを設置することを基本に整備を進めており、現時点、県有施設の約四割のトイレが洋式となっているところです。 お示しの県庁舎については、これまで、一般県民の来庁が多い一階から五階と十五階に洋式トイレを設置していましたが、職員の声にも応える形で、ことし三月に八階に設置したところです。今年度中には十階にも設置する予定であり、今後、できるだけ早期に全ての階に洋式トイレを整備することとしています。 また、多様な機能が備わっている多目的トイレについても、高齢者や障害者、子供連れの方はもとより、どなたでもマナーを守りながら気兼ねなく使っていただけるよう、早急に表示の仕方を工夫してまいります。 県としては、限られた予算の中ではありますが、今後とも、県庁舎を初めとする県有施設を、県民の皆様に快適に利用していただけるよう、県民のニーズ等を踏まえたトイレの整備に努めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 齊藤警察本部長。    〔警察本部長 齊藤寛君登壇〕 ◎警察本部長(齊藤寛君) タンデム自転車の一般公道の走行についてお答えいたします。 タンデム自転車の走行に関しては、各都道府県においてそれぞれの実情に応じて規定されており、山口県道路交通規則では、平成九年六月の一部改正により、二輪のタンデム自転車は、自転車専用道路または自転車歩行者専用道路のみ走行が可能となっております。 議員御指摘のように、現時点で全国十六の府県において二輪のタンデム自転車の公道走行が解禁されており、隣接県では、広島県と島根県が解禁されております。 また、本県と同様に走行できる道路を規定等で指定しているところは、本県を含めて三十の都道県、全く走行できない県が一県となっております。 当然ながら、道路利用者の安全確保が最優先であり、こうした観点から公道走行を解禁している府県警察に確認いたしましたところ、一部観光地での利用を除き、公道上でのタンデム自転車の走行は余り見られず、また、ここ数年タンデム自転車の交通事故の発生については認知していないということでありました。 タンデム自転車の走行に関する規定の見直しについては、今後も関係機関・団体や利用者の御要望などを見きわめながら必要性を判断してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。    〔教育長 浅原司君登壇〕 ◎教育長(浅原司君) 通信制高校の生徒へのサポート体制についてのお尋ねにお答えします。 通信制の課程は、勤労青年を初め、多様な学習ニーズや入学動機を持った生徒が修学しており、それぞれの自己実現に向けてさまざまな形で生徒の支援を充実していく必要があると考えています。 このため、学習支援については、生徒一人一人の学習が円滑に進むよう、添削指導はもとより、自学自習の助けとなる学校独自の学習教材の作成・配付や、生徒の希望に応じた個別指導を行う平日学習会などを実施しています。 また、原則日曜日のスクーリングについても、生徒がより近くの会場で参加できるよう、通信制課程を置く山口高校のほか、定時制の岩国商業高校東分校など県内七地区の協力校において実施するとともに、山口高校においては、平日スクーリングや夏季・冬季集中スクーリングも実施しているところです。 さらに、スクーリングに参加しにくい生徒が学習を続けられるよう、テレビやインターネットで放映されている高校講座の受講をスクーリングにかえる制度や、放送大学の講座など学校外の学修を単位認定する制度も導入しているところです。 こうした中、お示しのとおり、自学自習を基本とする通信制高校で学び続けることが困難な生徒もいることから、県教委としては、これらの個別のサポート体制のさらなる充実を図るとともに、個々の生徒の主体性や目的意識を高めることができるよう、進路選択の援助を行うキャリアカウンセリングの充実や、各種大会、コンクール等へのチャレンジなどの機会の拡充を図ってまいりたいと考えています。 また、山口高校の通信制課程については、今後、県央部に設置する予定の多部制の定時制高校に併置する方向で検討しているところであり、県西部に設置する多部制の定時制高校の活用も含め、定時制独立校の施設や特色を生かしたスクーリングの充実を図るなど、柔軟な教育システムの構築に努めてまいります。 県教委といたしましては、今後とも、生徒一人一人が社会を生き抜く力を身につけ、自信と希望を持ってみずからの将来を切り開いていくことができるよう、通信制教育のさらなる充実を図ってまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時四十三分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(守田宗治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十号まで ○副議長(守田宗治君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 秋野哲範君。    〔秋野哲範君登壇〕(拍手) ◆(秋野哲範君) 民進・連合の会の秋野哲範です。当面する県政の諸課題について質問をさせていただきます。 まず最初に、地方創生の推進についてお尋ねします。 平成二十六年、民間有識者でつくる日本創生会議が、独自の人口推計に基づき、およそ二十三年後に、若年女性の流失が進む全自治体の半数に上る八百九十六自治体を消滅可能性都市と分析し、衝撃が走りました。これまで経験したことがない人口減少社会が到来し、国は、平成二十六年六月に、いわゆる骨太の方針において、人口急減・超高齢化の克服に向けた課題への対応は、地域において特に重要な課題であることから、政府一丸となって取り組むことを閣議決定し、同年十二月にまち・ひと・しごと創生法が施行されました。その中で国は、地域の実情に即した戦略の策定が重要であることから、各自治体に地域版人口ビジョンと総合戦略を平成二十七年度内に策定することを求めたのであります。 本県も平成二十七年「山口県人口ビジョン」並びに「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、二○六○年に百万人程度の人口を維持することを目標に、人口減少の克服に向け、今後五年間の実効性のある地方創生の戦略を策定いたしました。その基本的な方向は、社会減の流れを断ち切る、少子化の流れを変える、住みよい地域社会をつくることであり、その実現のため、産業振興による雇用の創出など四つの基本目標と百二十二の重要業績評価指標(KPI)を設定し、進捗状況を評価し、必要な改善や今後の施策展開につなげていくこととされました。 本年度は、総合戦略の取り組みが始まりちょうど中間年に当たりますことから、中間評価をし、今後の施策展開に生かし、地方創生の実を上げる大切な年でありますし、必要ならば、思い切った方向転換をするべきターニングポイントであると思います。 まず、百二十二のKPIの達成状況を見ると、産業振興による雇用の創出においては健闘はしているものの、新規投資件数や成長分野での事業化に進捗のおくれが散見され、また、人材の定着・還流、移住の促進、結婚・出産・子育て環境の整備、持続可能で元気な地域社会の形成では、にぎわいや交流を生み出す町の活性化の取り組みが不十分ではありますが、おおむね順調に目標が達成していると評価できます。 一方で、大目標である人口減少に歯どめがかかっているかというと、平成二十六年の転出超過は、三千六百四十七人でありましたが、平成二十七年は、四千六百三十人に転出超過が進み、平成二十八年も三千八百一人と転出超過が高どまりしており、現状、社会減の流れを断ち切れているとは言いがたい状況です。また、出生率も、平成二十六年の一・五四から平成二十七年に一・六、平成二十八年に一・五八へと、若干、改善はしているものの、県の希望出生率一・九には、まだ遠いのが現実です。 私も、山口活力創出本部や山口県活力創出推進会議の皆様の御尽力にもかかわらず、いまだ地方創生の大きなうねりが起きていないことに焦燥感すら感じるのであります。私は、現在の総合戦略は、国の地方創生の考え方を踏襲し、短期間で策定したことから、本来の地方創生の意義である地域が持つ潜在的な強みや資源を伸ばすような自発的な計画になっているのか、また、市町でも人口ビジョンや総合戦略が策定されていますが、そうした地域の思いややる気を反映したものになっているのか再検証してみるべきだと考えております。 また、多くの都道府県の総合戦略がそうであるように、本県も国が重視している地域の再編の視点が不十分であり、都市部においての町のにぎわいの創出や中山間地域での持続可能な地域社会の形成など、町の活性化を誘導することにさらに努力すべきだと考えます。 国の地方創生政策の最終的な目標は、地方の自立性、すなわち地方創生政策が景気変動等短期的な政策課題への対処ではなく、長期構造要因への対処を本質とし、同時に特定の地域に効果が帰着し、国の支援が将来なくても地域自身で政策の持続性を確保できるようになることであります。その意味からは、本県も国の支援をトリガーとしつつも継続可能な施策を展開し、人口減少の克服と持続可能で元気な地域社会の形成に向けて、総合戦略の自立性を保ちつつ、実効性のある戦略に高度化すべきであると思いますが、御所見を伺います。 次に、行財政改革についてお伺いします。 平成二十九年度の本県の一般会計当初予算は、社会保障費の増大や地方交付税の減少等によって、当初見込みに比べ、財源不足が拡大し、最終的に、財政調整基金の取り崩しによる対応を余儀なくされた結果、基金残高は七十一億円となり、大規模災害など緊急事態の備えに必要な百億円を割り込んでしまいました。さらに、今後五年間の財源不足額が、千三百五十億円に上る見通しであることから、二月定例県議会において、知事は、本県の行財政改革は、まさにこれからが正念場と表明されました。 また、将来にわたって活力ある県づくりを支える持続可能な財政基盤の構築を図るため、五年後の平成三十三年を目途に、基金の取り崩しに依存しない自立、安定した財政構造の確立を図るべく、徹底した歳出構造改革を進めるとともに、臨時的・集中的な財源確保対策をあわせて講じると表明されました。 現在、行財政改革統括本部において、今後の国の社会保障制度や地方財政対策の動向等にもしっかりと対応しつつ、中長期的な視点から、徹底した行財政構造改革の着実な推進に向けて取り組みが始まっていると理解しており、しっかりとした成果を上げていただくことを期待します。 さて、私は、財政改革は、単なる公共投資や行政経費の一律削減では、緊急避難的な財源対策には適していても恒久的な対策には不向きであると思います。財政改革の本丸は、歳入に見合う歳出構造に転換するべく、決算重視の財政マネジメントを実行することにあると考えております。特に、行政評価の仕組みを整えることができれば、どのくらいの経費を投入し、どのくらいの成果が達成できたのかが明確になり、予算編成への活用とともに、行財政改革への活用や公共資産改革への活用も可能になります。そして、次年度予算編成時期までに、行政評価の中間報告を作成できれば、後半の改善や次年度予算の事業の新設・拡充、廃止・縮小の意思決定に役立てることができます。 行政評価には、数値情報と記述情報が必要です。数値評価は、行政の仕事の実態を投入指標、活動指標、成果指標の三つの側面から数値測定します。まず、投入指標では、主に事業費と人件費が測定され、活動指標では、行政の仕事量を測定し、そして成果指標では、行政の仕事の成果、つまり県民生活や地域の状態がどう変化したのかを測定します。ある事業に人件費と事業費を一体幾ら投入し、行政の活動として、例えば、講習会や講演会などを開催した結果として、これくらいの成果が得られたのかを数値で明確にするのであります。 また、記述情報は、妥当性・効率性・有効性という観点で見ることが必要です。妥当性では、この事業について自治体が関与する理由はあるのか、手段は目的達成のために適切なのかを分析し、必要ならば、改善案を提示します。効率性では同じ仕事量を少ない人員や事業費でできないかを事業プロセスの短縮や民間委託の可能性などから検証し、プロセスの簡素化や民間委託への移行に改善していきます。有効性は、成果目標は達成されたのか、事務事業の上位の目標達成のために事業として貢献しているかなどを検証し、必要な改善案を見出します。行政評価の数値情報と記述情報を総合して、具体的な改善案を見出し、次の予算に生かすことが、行財政改革に直結し、ひいては県民生活の向上と効率的な予算編成につながる第一歩になると考えます。 そこでお尋ねいたしますが、行財政改革統括本部の取り組みは、どのように行われているのか。また、特に歳出構造の改革のために決算重視の財政マネジメントを推進するため、行政評価の仕組みを整えるべきだと考えますが、御所見をお伺いします。 次は、産業振興についてです。 我が国の人口移動の歴史を顧みますと、高度経済成長期に、産業の主軸が農林水産業から製造業、サービス業に構造転換する中、人々は、地方から大挙して東京などの大都市に移り住みました。しかしながら、一九七○年代以降の景気低迷や国土の均衡ある発展の理念のもと地方で加速した産業誘致の動きを背景に、一旦は東京など大都市に出てきた人々も積極的に地方に戻ったり、あるいは最初から東京に出ることを思いとどまりました。この時期、開発志向の強い第二次全国総合開発計画などから、地方の製造業や建設業などに、比較的賃金の高い仕事が誘導され、若い世代が地方に定着しやすい環境が生み出されました。 しかしながら、一九八○年代以降は、産業構造のサービス化が進み、再び大都市に流れる人の動きが顕在化してしまいました。現在も、その傾向は継続しており、人口減少が続く中、それでなくても市街地に移り住みたいという意向の強い若い世代が、地方からいなくなってしまうという印象を強くさせています。 公共事業や補助金に基づく人口誘導策を推し進めたとしても、その効果は一時的でありますから、既にその地で暮らしている若い世代の所得を高める取り組みや付加価値の高い仕事の創出に尽力すべきであります。そうしたことにより、余剰が生まれて初めて、新たな若い世代が移り住んでくるという人口移動の好循環が生まれてくるのだと思います。 産業振興の方向は、大別すると、二つのアプローチが求められます。一つは、東京一極集中の流れを変えるべく、地方の中核都市におけるダム機能の主軸となる産業を振興することです。それは、人材や資源などの外貨を稼ぐために十分な国際競争力を有する未来型の成長産業の振興です。二つ目は、終生その土地で頑張る中小企業の振興策を強化し、地元に根差した産業をより強くすることです。 まず、成長産業についてでありますが、さきの国会において、地域経済を牽引する事業を支援する地域未来投資促進法が成立し、七月三十一日から施行されました。この法律では、地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦する取り組みを、地域未来投資と定義し、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に経済波及効果をも及ぼし、地域経済を牽引する事業に関し、従来からの製造業のみならずサービス業の事業プロジェクトも国が手厚く支援できるようになっております。 今後、市場が伸びる成長分野として、医療機器や航空機部品などの成長ものづくり、農林水産、地域商社、IoT、AI、ビッグデータなどを活用する第四次産業革命、観光・スポーツ・文化・まちづくり、環境・エネルギー、ヘルスケア・教育サービスなどが想定されています。国は、これらの分野に地域の事業者が積極的に挑戦するのを支援していく方針であります。この法律の基本的枠組みは、市町村や都道府県が地域のどのような特性を活用した事業を伸ばしていこうとするのか、対象地域や経済効果の目標などを盛り込んだ基本計画を国の同意を得て策定し、地域の事業者が地域経済牽引事業計画をつくり、都道府県が承認する仕組みであります。また、自治体が参画した官民連携型の事業計画をつくることも可能であるとのことです。承認を受けた事業計画には、人、物、金、情報、規制緩和などの各種支援策を集中的に支援するそうであります。 現在、本県では、四次にわたって改定された「やまぐち産業戦略推進計画」の中に、五つの重点戦略が掲げられ、取り組みが進んでおります。本県において地域を牽引する成長産業を育成することは、若者の定着・還流・移住のために不可欠でありますから、産業戦略をさらに前に進めるため、国の地域未来投資促進法を成長ものづくりに限らず、有効に活用すべきだと考えます。 もう一つは、中小企業の振興についてです。本県においても、中小企業の比率は九九%を超え、中小企業が地域経済を支えていることから、中小企業が地域の経済と雇用を支える好循環を実現していくための対策が県経済の活性化には不可欠であります。例えば、百人の雇用を生み出す大企業を誘致することは、機械化が進む現在にあって、なかなか難しいことでありますが、地元中小企業百社で各社一名の雇用を生み出し、合計で百名の雇用を生み出すことは、大企業の誘致より実現性は高く、また、企業誘致に伴う高いコストもかからないという利点も無視することはできません。 中小企業の公的支援で最も有効なことは、公によるビジネスコンサルティングであると考えます。意欲のある中小企業がさらに発展するために、三つの視点から提言することが必要です。一つ目には、その企業の問題点の指摘ではなく、企業の強みを伸ばすための具体的な戦略の提案、すなわち、アドバイスではなくソリューションを提案すること。二つ目は、経営から広告、IT、財務、金融に至るまで、幅広い専門家をそろえ、ワンストップ・コンサルティングを実現すること。三つ目は単発の助言ではなく、成果を出すために一緒に走りながら支援を行う、継続的なフォローです。 中小企業に対し、公的支援機関は、診断とか指導という言葉からも類推されるのでありますが、ややもすれば、目線が上からになってしまっているのではないでしょうか。公的支援機関といえども、サービス業であるという前提で、その本来の役割は相談者の売り上げを伸ばすことであり、そのための具体的なプランやアイデアを提示し、さらには相談者と一緒になって走り続けることが肝要であると思います。 本県の産業を振興し、魅力ある雇用の場をつくり出すために、本県経済を牽引する未来の成長産業をいかに育成していくのか。また地域に根差した中小企業の発展のため、有効なコンサルティング機能を強化していくことが重要だと考えますが、御所見を伺います。 次に、多文化共生推進について伺います。 平成二十八年末の本県の在留外国人は、一万四千七百四十三人で、前年末から六・三%増加しています。本県に限らず、全国に在留される外国人は、平成二十八年末で二百三十八万二千八百二十二人であり、秋田県を除く全ての都道府県で二年続けて高い伸びを示しています。また、三年後の東京オリンピック・パラリンピック、二年後のラグビーワールドカップ日本大会の開催を契機として、我が国を訪れる外国人は、ますます増加することも予想されます。 総務省が、平成十八年に多文化共生の推進に関する研究会報告書を踏まえて多文化共生推進プランを策定してから十年が経過いたしました。多文化共生とは、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていくことと研究会報告書は定義しています。 今後、多文化共生施策の必要性はますます高まると考えられます。それは第一に、労働力人口が大幅に減少する状況下、外国人労働者を受け入れることは、我が国の活力を維持するために必要であり、現在の外国人労働者数、およそ百八万人から増加することは確実であること。第二に、今後の人口減少社会において、我が国の経済活性化のためには、外国企業の投資と活動への期待が高まり、外国人に暮らしやすい社会をつくる必要性が高まっていること。第三に、現在約二十四万人の外国人留学生を、国は、二○二○年を目途に、留学生三十万人にふやすことを計画しており、若い世代の在留外国人が増加すること。第四に、これらのことから、いや応なく片親が外国人で日本国籍を持つ子がふえることが要因として挙げられます。 我々は、好むと好まざるとを問わず、日常生活や仕事において外国人と接する機会は、ますますふえていくのでありますから、全ての住民が安心して快適に暮らし、多様性を喜び合える地域社会を構築するため、自治体としても多文化共生の意義を見つめ直すべきだと考えます。自治体における、多文化共生施策は、地域の特性、住民の理解、外国人住民の実情・ニーズ等を踏まえて、地域に必要な考え方を明確に示すべきであります。 具体的には、日本語のコミュニケーション能力を十分に有しない外国人住民に配慮し、地域における情報の多言語化や日本語及び日本社会に関する学習支援などコミュニケーションの支援、居住や教育、労働環境、医療、保険、福祉、防災など生活支援、地域社会に対する意識啓発や外国人住民の自立と社会参画など多岐にわたることが想定されます。県には、多文化共生の推進に関する指針・計画を策定し、市町の対応を促進することが求められており、庁内の推進体制を整え、各部局の連携が図られるように横断的な連絡調整を図るべきだと考えます。 本県においては、平成十五年に新・やまぐち国際化推進ビジョンが策定されています。しかしながら、在留外国人やインバウンドの増加など本県に居住あるいは滞在する外国人は、今後とも増加することが予測されますから、時代に合った多文化共生施策の新たな指針やプランを策定し、多様性を尊重し、歓迎する機運と施策の推進をすべきだと考えております。今後本県の多文化共生推進に向けて、どのように取り組まれるのかお尋ねします。 最後に、高齢者福祉についてお尋ねします。 平成十二年にスタートした介護保険制度は、六年ごとの大きな制度改正と三年ごとの報酬改正がなされてきました。直近では、平成二十四年度に大きな制度改正が、平成二十七年度に報酬改正がありましたから、来年度は両方の改正がなされる見込みであります。また、来年度は、診療報酬とのダブル改正が予定されており、国の厚生行政が大きく変わる年になりそうであります。 団塊世代が七十五歳を超える二○二五年以降に一気に介護保険の利用者がふえることが予想され、現状の仕組みでは財源も担い手も追いつかないことから、介護保険制度の当初の目的である家族介護から社会的介護への方向性を加速すべく、制度改正は進むものと考えられます。 その端緒は、平成二十七年度の改正にありました。七十五歳以上のいわゆる後期高齢者の急増に対し、国は、比較的元気な軽度者を介護保険給付ではなく別の体系に移しました。介護保険給付の対象者を中重度者に絞れば、制度を維持できると考えたからにほかなりません。 そこでスタートしたのが、介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新しい総合事業であります。この新しい総合事業は、簡単に言えば、要支援だけでなく、その前段階の虚弱者を含めて日常生活で何らかの手助けを必要としている高齢者を地域住民みんなで支えましょうということ、すなわち、互助による仕組みを導入するということであります。 高齢者福祉は、それまでの公助から介護保険制度の導入により、医療保険や年金と同様に、共助を旨とする保険制度へと変わったのでありますが、自己責任による自助の一歩手前である互助を柱に今後は、据えざるを得ないと考えられるのであります。 新しい総合事業では、要支援者に対する訪問介護と通所介護は、訪問型サービスと通所型サービスに名称が変更されました。その通所型サービスには、現行相当の通所介護、人員基準等を緩和したA型、住民主体で運営するB型、短期集中C型という四つのパターンが設定されています。 しかしながら、本来、この制度改正の狙いが、互助にあるにもかかわらず、多くの自治体は、A型だけを実現させるのみで、住民同士の助け合いという本来の趣旨に沿うB型の通所型サービスは手つかずの状況にあります。それは、B型の主体が、ボランティアとされていますが、国が期待するボランティア団体や意欲ある住民など担い手の確保が困難であることがその主因であると考えられています。 また、在宅介護への移行を妨げている一つの要因は、在宅介護の主役ともいえる小規模多機能型居宅介護が十分に普及していないことも課題であります。この小規模多機能型居宅介護は、平成十八年に新たに追加されたサービスであり、一つの事業所で通い、訪問、泊まりの三種のサービスを同じ利用者に提供します。それまでの通所介護、訪問介護、短期入所を一本化したサービスとも言えます。例えば、日中は事業所に通い、夜間にヘルパーの訪問を受けている利用者が、家族が不在の日は泊まりに行くことができることから、利用者の利便性は増し、在宅生活をできるだけ長く続けることができるようになります。施設より在宅重視という介護保険の基本的考え方を鮮明に打ち出したのが、この小規模多機能型居宅介護でありますが、このサービスが導入されて十年以上経過したにもかかわらず、昨年四月時点の施設数は、四千九百八十四カ所、利用者は約八万五千二百人にとどまっており、通所介護や訪問介護など在宅サービスの全利用者数約三百五十万人のわずか二・四%に過ぎず、思惑どおり普及しているとは言いがたい状況であります。 あとわずかで、戦後の世代として最もボリュームの厚い団塊の世代が七十五歳以上となります。そのとき、我が国は五人に一人が七十五歳以上、そして三人に一人が六十五歳以上という、かつて経験したことのない、超高齢化社会に突入します。そのとき、最も対応に迫られるのが、介護並びに医療です。その備えとして、本県においても介護保険制度における新しい総合事業並びに小規模多機能型居宅介護をより充実させるべきだと考えますが、御所見を伺います。 終わりに、昨日再選に向けて力強く決意を表明されました村岡知事の御活躍を心から御期待しまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(守田宗治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 秋野議員からただいまエールをいただきました。ありがとうございました。しっかり頑張っていきたいと思います。 秋野議員の御質問のうち、私からは産業振興に関して、成長産業の育成についてのお尋ねにお答えします。 県政の最重要課題である人口減少に歯どめをかけ、「活力みなぎる山口県」を実現するためには、魅力ある雇用の場の創出につながる成長産業の育成が極めて重要です。 このため、産業戦略本部を中心に、指針である「やまぐち産業戦略推進計画」の充実を図りながら、本県の強みを生かす産業戦略を積極的に推進してきたところです。 具体的には、医療や環境・エネルギー産業など成長が期待される分野の研究開発・事業化への支援、水素利活用による取り組みのほか、明治百五十年に向けた観光振興や県産農林水産物等の輸出拡大、地域商社機能の構築など、本県の成長産業の育成につながるプロジェクトに取り組み、着実に成果が上がりつつあります。 こうした中、お示しの地域未来投資促進法は、地域の強みを活用して、地域内に高い経済的波及効果を及ぼす事業を創出するものであり、本県の成長産業を育成するに当たって、有効な手段となり得るものであることから、最大限活用していきたいと考えています。 このため、法施行後直ちに市町と共同して地域経済を牽引する事業を促進する基本計画の策定に着手したところであり、まずは、本県産業の特色である基礎素材、医療関連等の産業集積や、道路網、港湾等のすぐれた産業インフラを活用した成長ものづくり分野について基本計画を取りまとめ、現在、国に同意を求めているところです。 さらに、やまぐちブランドを初めとした農林水産物や、県内各地に広がる歴史・文化遺産、温泉などの観光資源、JAXAが保有する衛星データなど、本県の特性を踏まえ、農林水産、観光、第四次産業革命などの成長が期待される分野についても、引き続き検討を進め、年内に基本計画を取りまとめる考えです。 私は、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、地域未来投資促進法など国の施策も積極的に活用しながら、本県の地域特性や強みを生かした成長産業の育成に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(守田宗治君) 北村総合企画部長。    〔総合企画部長 北村敏克君登壇〕 ◎総合企画部長(北村敏克君) 地方創生の推進についてのお尋ねにお答えします。 地方創生は、我が国の喫緊の課題である人口減少を克服し、地方が成長する力を取り戻すため、国と地方が一体となって取り組んでいるものであり、その実現に向け、地方は、国の施策とも呼応しながら、地域の特性や資源を生かした自主的・主体的な取り組みを着実に進めていく必要があります。 このため、本県では、客観的なデータに基づいて把握した山口県の特性や強み、資源等を踏まえ、また、県と市町による連絡会議等を通じて、地域の思いもしっかりと受けとめながら、県内の実情に即した総合戦略を策定し、諸施策を展開しているところです。 この総合戦略の中で、お示しのあった地域の再編の視点は、施策の柱として掲げた、にぎわいや交流を生み出す町の活性化、あるいは活力ある中山間地域づくりの推進に反映させています。 そのもとで、交通拠点の周辺に都市機能を集積し、暮らしやすさと町のにぎわいを生み出すコンパクトなまちづくり、生活サービス機能等の拠点化とネットワーク化を進め、持続可能な中山間地域をつくるやまぐち元気生活圏づくりなどに取り組んでいます。 また、こうした総合戦略の取り組みについては、重要業績評価指標(KPI)の達成状況や施策の進捗状況等を踏まえ、成果重視の観点から、毎年度、検証を行った上で、より実効性を高めるための改善を図っているところです。 県としては、国の財源措置も効果的に活用しながら、今後も、総合戦略を着実に推進するとともに、市町や企業、大学、金融機関、民間団体等の幅広い主体との連携により、取り組みの効果をしっかりと根づかせ、継続的に発揮していけるよう、積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(守田宗治君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 行財政改革についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、行財政改革統括本部の取り組みについてです。 将来にわたって収支均衡した自立・安定的な行財政基盤を確立するため、総人件費の縮減や公共投資等の適正化など、あらゆる選択肢を視野に、全庁を挙げて改革に取り組んできたところであり、先日の本部会議において、これまでの中間報告として、取り組みの方向性をお示ししたところです。 特に、全事業の見直しについては、業務量と事業費の両面から、施策の費用対効果や市町、民間との役割分担に加え、類似事業の統合等による実施手法の効率化など、さまざまな観点での徹底した検証を行い、全事業の八割を超える事業を見直し対象とする案を取りまとめたところです。 今後、未利用財産の売却などの当面の財源確保対策も含め、見直しのさらなる具現化を進め、来年度当初予算に確実に反映していくこととしています。 次に、決算重視の財政マネジメントを推進するために、行政評価の仕組みを整えるべきとのお尋ねです。 本県では、既に、政策評価の結果を踏まえて事業の改善等を図るとともに、予算編成に当たっては、事業費や業務量の見積もりだけでなく、前年度の決算情報や当該年度の進捗状況も踏まえた事業実績や施策目標の達成の見通しなどについても、精査・検証を行っているところです。 県としては、行財政構造改革を進めていくため、今後も引き続き、予算編成過程においてこれらの点を十分に検証した上で、適切に予算に反映してまいりたいと考えています。 ○副議長(守田宗治君) 大谷商工労働部長。    〔商工労働部長 大谷恒雄君登壇〕 ◎商工労働部長(大谷恒雄君) 産業振興についてのお尋ねのうち、中小企業の振興についてお答えします。 中小企業は、県内企業の大多数を占め、また、雇用の大きな受け皿として地域の活力源となっていることから、その経営基盤を強化し、持続的な成長を促進することが極めて重要です。 このため、県では、新事業展開に取り組む意欲のある企業に対して、中核的な経営支援機関である産業振興財団を中心に、企業の主体性に配慮しつつ、寄り添いながら継続的な支援を行ってきたところです。 具体的には、これまで、中小企業診断士や企業OBなどのコーディネーターが、企業の強みを生かした戦略の立案から、商品開発、販路開拓まで、切れ目のないハンズオン支援を行っており、昨年度は二百九十八名の雇用も生まれるなどの成果が上がっています。 さらに、今年度からは、就業者数の七割を占めるサービス産業について、他業種と比較して生産性が低く、多様な業種、業態に応じた支援方策を検討する必要があることから、経営、広告、ITなどの外部専門家からなる支援チームを企業ごとに編成するコンサルティング体制を構築したところです。 この支援チームでは、季節や流行などに左右されやすい顧客のさまざまなニーズに的確に対応して商品やサービスを提供するサービス産業の特徴を踏まえ、必要な支援計画を策定し、その実行、評価、見直しを繰り返しながら、事業展開に応じた支援を行うこととしています。 県としては、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、地域に根差した意欲ある中小企業が主体的に成長していけるよう、産業振興財団と緊密な連携のもと、引き続き、コンサルティング機能の強化に取り組んでまいります。 ○副議長(守田宗治君) 小玉観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 小玉典彦君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(小玉典彦君) 多文化共生推進についてのお尋ねにお答えします。 県内に居住・滞在する外国人が増加する中、国籍や民族などの異なる人々が、地域社会の構成員としてともに生きていくことができる多文化共生の重要性が高まっています。 こうした中、県では、チャレンジプランに、国際交流の推進を掲げ、国際交流協会等と連携しながら、庁内の関係部局と一体となって、外国人住民が安心して生活できる環境の整備や、県民の異文化に対する理解の増進など、多文化共生の取り組みを進めているところです。 具体的には、外国人が安心して生活できるよう、日本語能力向上のための講座を県内七カ所で開催するとともに、ごみの分別から医療や教育までの幅広い情報を、ホームページで六カ国語で提供しているほか、外国語での生活相談も実施しています。 今後は、外国人住民の安全確保への支援を一層強化することとしており、昨年、六カ国語で作成した外国人住民のための防災ハンドブックの普及を進めているところです。 さらに、ことし二月、国際交流協会との間で設置・運営に関する協定を締結した、大規模災害時に情報提供を行う災害時多言語支援センターについて、今後、通訳ボランティアの登録など運営体制の整備を進めていきます。 また、県民の異文化に対する理解を増進するため、県内の留学生などが、母国の文化や習慣等を紹介する多文化共生国際カフェを随時開催しているところであり、昨年からは、多くの方々が一堂に異文化に接する場として、多文化共生フォーラムを開始し、ことしも多くの方々に御参加いただき、好評を博しております。 こうした県の取り組みに加え、多文化共生の推進に当たっては、外国人住民にとって身近な、市町の役割が重要であることから、県では、市町職員を対象とする説明会を開催しており、市町においても、平易な日本語での外国人への行政サービスや、ボランティアの活用による国際交流といった取り組みが進展しているところです。 なお、お示しの多文化共生施策の新たな指針やプランの策定については、他県の動向や外国人住民の実情等を踏まえながら、その必要性も含めて、今後検討してまいります。 県では、今後とも、国際交流協会や市町等と連携し、全ての住民が安心して快適に暮らし、多様性を喜び合える多文化共生の取り組みを推進してまいります。 ○副議長(守田宗治君) 岡健康福祉部長。    〔健康福祉部長 岡紳爾君登壇〕 ◎健康福祉部長(岡紳爾君) 高齢者福祉についてのお尋ねにお答えします。 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていくために、介護予防や、在宅介護サービスの充実が必要であることから、お示しの新しい総合事業や小規模多機能型居宅介護の普及は重要と考えています。 まず、新しい総合事業については、今年度、県内全市町が移行を進め、おおむね順調に運営されているところですが、今後の円滑な事業継続に向けては、お示しのとおり多様な担い手の確保が課題となっているところです。 このため、県では、これまでNPOやボランティア団体等を対象に、訪問型サービスや歩行介助などを行う人材の養成研修を実施してきたところです。 また、今年度からは、新たに高齢者自身も、サークル活動等の通いの場や、買い物代行などの日常生活支援の担い手として活躍できるよう、老人クラブを主体として人材の養成を行ってまいります。 次に、通いを中心に、泊まりや訪問を組み合わせて提供する小規模多機能型居宅介護については、在宅生活の継続を支える上で重要なサービスであり、国においても、このサービスの普及を図るため、運営基準の見直し等が検討されているところです。 県では、こうした国の動向を注視しつつ、在宅での生活を望む高齢者の増加が見込まれる中、ニーズに応じたサービスが提供できるよう、人材の育成や補助制度の活用により、さらなる整備の促進を図ってまいります。 県としては、今後とも、こうした取り組みを通じ、市町や関係団体と連携しながら、高齢者ができる限り在宅での生活を継続できるよう、多様なサービスの提供体制の充実に取り組んでまいります。 ○副議長(守田宗治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 日本共産党の木佐木大助です。質問に入る前に、一言申し上げます。 昨日安倍首相は、二十八日に召集される臨時国会の冒頭で衆議院を解散し、総選挙を断行することを表明しました。日本共産党など四野党は、森友学園、加計学園の疑惑など、重大問題の究明のために、憲法五十三条に基づく正当な手順を踏んで首相に早期の臨時国会召集を要求してきました。冒頭解散となれば、これを三カ月間もたなざらしにしたあげく、葬り去ることになります。憲法の規定を真っ向から背く許されざる行為であります。 マスコミ各社も、冒頭解散の狙いは森友・加計学園の疑惑隠しにあり、内閣支持率が回復基調で、野党の選挙準備がおくれている今なら勝てるという思惑があると指摘しています。まさに、国政の私物化であり、党利党略、私利私欲との批判は免れません。大義なき解散は同時に、安倍政権の国政私物化と憲法破壊の政治への激しい批判、東京都議選での歴史的惨敗など、民進、社民、共産など野党と市民の共同の戦いに追い込まれた上での結果にほかなりません。 日本共産党は、安倍政権を退場に追い込む歴史的なチャンスと捉え、その先頭に立って奮闘する決意を表明をして、通告に従い質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてであります。 まず、北朝鮮問題について伺います。 北朝鮮が国際社会の抗議と非難を無視して、核実験や弾道ミサイル発射を繰り返していることは、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議に違反した暴挙であります。日本共産党は、厳しく糾弾し、抗議するものであります。 世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は絶対に回避しなければなりません。 九月十一日に全会一致で採択された国連安保理決議は、経済制裁強化の措置を決定するとともに、対話を通じた平和的・包括的解決を呼びかけています。危機打開と問題解決のために、経済制裁強化は必要ですが、それだけでは足りません。経済制裁強化と一体に、対話による解決の道に踏み出すことが不可欠であります。 欧州各国の首脳は、米朝間の対話を仲介する意向を表明していますが、安倍首相は、北朝鮮に核開発を放棄する意思と行動がない限りは、対話に取り組むべきではないと、対話否定論の立場をとり続けています。 山口県は、地理的に朝鮮半島と対峙し、米軍の極東最大の拠点化しつつある岩国基地を抱えています。万が一にも軍事衝突が生じれば、主要な攻撃対象とされ、県民の生命、財産に甚大な被害をこうむるおそれが危惧されますが、知事はどのようにお考えでしょうか。 県民の生命と財産を守る責務を負う県知事においては、日本政府に対し、米朝両国に直接対話を促し、危機打開と問題解決を図るために、可能なあらゆる手だてをとることを強く要請すべきだと考えますが、見解を伺います。 第二は、核兵器禁止条約についてです。 核兵器禁止条約がことし七月七日、国連加盟百九十三カ国の六三%に当たる百二十二カ国の賛成で採択されたことは、日本の被爆者を初め、核兵器のない世界を求める世界各国と市民社会の多年にわたる共同の取り組みが結実した、文字どおり歴史的な壮挙であります。 国際社会が核兵器を違法化したことは、国際法を無視した行動をとり続ける北朝鮮を孤立させて、核開発を放棄させる大きな力ともなります。日本にとっても、核兵器禁止条約に参加することによって、強い立場で北朝鮮に非核を迫れることになります。 しかし、残念ながら、唯一の戦争被爆国である日本の政府が、核兵器禁止条約に背を向ける態度をとっていることは、内外の強い失望と批判を招いています。人口比では、広島、長崎に次いで被爆者が多い山口県の知事として、日本政府に対し、一日も早く核兵器禁止条約への参加を目指し、核の傘に依存する政策を見直すよう求めるべきだと考えますが、見解をお尋ねします。 今、核兵器廃絶を一刻も早く実現させるためのヒバクシャ国際署名が山口県内でも百万筆を目標に取り組まれ、既に県内十九市町の六割に当たる十二市町の首長が署名に協力する意思を明らかにしています。 ところが、村岡知事は、核兵器廃絶は喫緊の課題と繰り返し言いつつも、条約についての国のスタンスにかかわるものとして、署名は現時点では考えていないと極めて冷淡な態度を示されています。 喫緊の課題と言われるのならば、この署名に協力することは当然ではありませんか。ましてや、山口県は、非核平和宣言を行っている県でもあります。村岡知事に対し、ヒバクシャ国際署名に協力されるよう求めるものですが、お尋ねします。 質問の第二は、基地問題についてであります。 その第一は、この間、米軍岩国基地を全国展開の中継拠点として、全国を飛び回るMV22オスプレイについてであります。 昨年十二月十三日、夜、米海兵隊普天間基地所属のオスプレイが名護市安部の浅瀬に墜落した事故について、米側は四月二十八日、米軍の最終報告書を国に提供しました。原因はパイロットのミスだったなどと主張しています。 報告書によると、事故はオスプレイがMC130特殊作戦機と空中給油訓練をしている際に、オスプレイの右側プロペラが、MC130から伸びた給油口、ドローグと言うそうですが、これに接触して、ばらばらに壊れ、機体は激しい振動によって、バランスがとれずに墜落をしました。 パイロットのわずかな操縦ミスなどで、給油口がプロペラに接触して重大事故になる可能性があるというのは、機体そのもの、構造そのものの欠陥にほかなりません。この点について、県はどう認識しているのか、事の経過とあわせて伺います。 さらに、米軍は、事故発生後、空中給油でのこうした事故は、初めてとしていましたが、報告書は、二○一五年にも米国内で同様の事案があったことを明らかにしています。 防衛省は、米軍の誤った説明をそのまま発表し、オスプレイの飛行や空中給油訓練の再開を認めました。事故報告書の公表がここまでおくれたのは、不都合な事実を隠すためだったと考えざるを得ませんが、県はどう認識されているのか、お尋ねします。 次に、岩国基地から普天間基地に戻る途中のオスプレイが大分空港に緊急着陸した問題であります。 緊急着陸したオスプレイの機体は、一時、白煙と炎が上がり、左エンジン全部と右エンジンの部品を交換する必要があるほど深刻な故障を起こしていました。しかも、同機と行動をともにしていた別の一機も何らかのトラブルで、岩国基地に一カ月以上もとどまっていました。 普天間所属のオスプレイは、昨年十二月の名護市で墜落事故を起こして以降、今回の大分空港への緊急着陸も含め、八カ月間で少なくとも七件の事故を起こす異常さであります。 それでも県は、国の安全宣言を信じておられるのですか。県民はもとより日本国民の安全を守るため、オスプレイの即時飛行中止、撤去こそ必要だとお考えになりませんか。それぞれ、見解を示してください。 基地問題の第二は、空母艦載機による着艦訓練(FCLP)や着艦資格取得訓練(CQ)、低空飛行訓練についてであります。 今月一日から四日間、艦載機が五年ぶりに厚木基地でFCLPを強行し、周辺住民に耐えがたい爆音と轟音をまき散らしました。周辺自治体への通告は、何と訓練開始当日であります。 神奈川の黒岩知事は、直ちに同基地に対し、硫黄島での実施を求めましたが、その後も訓練が続き、地元紙によると、少なくとも九百件を超える苦情が殺到しました。 米軍は、台風の影響で硫黄島で訓練できなかったなどとして、岩国を含め代替施設が複数ある中で厚木基地を使用したことについては、すぐに行える装備が整っているためと説明しています。 山口県は、岩国基地での艦載機によるFCLPは実施されない、このことを条件に移駐を容認した経緯があります。また、CQや低空飛行訓練についても、住民に不安や危険を及ぼすような飛行訓練は行われてはならないなどと説明してきました。 しかし、米軍は、住民生活を脅かす訓練を繰り返し、そのたびに、運用上必要な訓練と悪びれることは全くありません。 受け入れ条件の大前提である、FCLPは絶対に認めない、住民に不安や危険を及ぼすような飛行訓練は行われてはならないという県民への公約が守られる、その担保は一体どこにあるのでしょうか。総務部理事とともに、県民生活の安心・安全をどう守るか、この観点から環境生活部長の見解もそれぞれお尋ねいたします。 質問の第三は、原発問題についてであります。 先日、共産党県議団は、中国電力島根原発を視察する機会を得ました。 現場視察と質疑の中で、痛感した一つは、発電コストの膨大さであります。 島根原子力本部の副本部長から、地震や津波はもちろん、巨大な噴火や竜巻、航空機衝突も考慮したテロ対策などあらゆる事態を想定した安全対策を講じていることが説明されました。 こうした追加の安全対策に要する経費は、約四千億円で、今後、宍道断層の長さが延伸され、基準地震動が引き上がれば、さらに膨らみます。まさに、天井知らずで全て電気料金にはね返る上、どんなに対策を講じても想定外の重大事故が発生するリスクはゼロにはなりません。 原発こそ最も非効率な発電方法だと改めて確認しましたが、県はどう認識されていますか、お尋ねします。 二つは、上関原発計画の見通しについてであります。 中国電力は今、島根二号機の再稼働を最優先させ、その後に島根三号機、そして上関原発というスケジュールを立てています。 二号機については、二○一三年十二月、新規制基準への適合性審査を申請しました。あれから三年九カ月経過していますが、三十二の主要な審査項目中、実施済みはわずかに三項目、実施中は二十五項目、未実施は四項目という状況で終了のめどすら立っていません。それから既設の三号機、それが終わってから上関新設に向けた手続が始まるわけです。上関の見通しについて、担当者は、白紙の状態としか説明できませんでした。県はどう認識されていますか、お尋ねします。 こうした状況を知りながら、公有水面埋立免許の延長申請を許可した県の判断がいかに間違っていたのかは明らかであります。このままでは現在の免許が失効する二年後、そして五年後、さらに八年後と繰り返しをして延長申請が出される事態が想定されますが、どう対処されるのでしょうか、お尋ねします。 竣功のめどさえ、見通しさえ立たない埋立免許については、即刻、失効させるのが道理だと考えますが、お尋ねします。 質問の第四は、県政の中期計画についてであります。 先ごろ、県は二○一四年から一七年度の県政運営の中期計画であるチャレンジプランの政策評価を発表しました。百二十三項目の指標のうち、約八割の百項目をほぼ目標ペースを上回ると自己採点しています。 県は政策評価の手法について、一、重点施策や活力指標の進捗状況、県政世論調査結果の整理、二番目、課題改善項目の抽出、三、二○一八年度予算編成等において、改善の具現化を図るとされています。 県民世論調査では、チャレンジプランで取り組んでいる項目に対する実感、これを尋ねる設問があり、どちらかといえばの回答も含め、県が進めている施策に対する県民の思いが反映されており、今後の県政運営の重要な判断基準とされるべきものであります。 第一は、産業力強化についてです。 この分野は、「やまぐち産業戦略推進計画」においても最重要施策と位置づけられ、物流拠点港湾や幹線道路網、工業用水道の整備に巨費が投じられてきました。世論調査の「港湾や幹線道路、工業用水など産業基盤の整備は進んでいるか」の問いに対し、五○・七%が「そう思う」と答え、「そうは思わない」は一二・九%とごくわずかでありました。 ところが、政策評価を踏まえた今後の展開方向では、県内企業の競争力強化を図るため、港湾施設や幹線道路網の整備を促進する必要があるとされています。次年度予算での具現化として、重要港湾の整備や下関北九州道路の推進などが想定されているのでしょうが、県民の半数が整備が進んでいると実感している、その施策の優先度は見直されてしかるべきと考えますが、見解を伺います。 第二は、中堅・中小企業応援についてであります。 世論調査の「商業・サービス業の振興に向けた取り組みが進んでいる」の問いに対しては、「そう思う」は一二・四%と少数で、三五%は「そうは思わない」と回答しました。「人材の育成や確保に向けた取り組みが進んでいる」との設問にも、「そう思う」は一一・三%に対し、「そうは思いません」は三五・七%と多数であります。 県民は、もっと力を入れてほしいと願っているわけですが、今後の展開方向では、効果的に支援していく必要がある、人材の育成・確保が引き続き必要などと極めて抽象的な表現にとどまっています。 中小企業、零細企業の振興のための実効性ある条例制定や、中小零細企業に対する社会保険料の助成制度、また雇用業種を大幅に拡大した返済免除型あるいは給付型の奨学金制度の創設など、思い切った施策が必要だと考えますが、見解をお尋ねします。 第三は、地域の元気創出応援についてであります。 「中山間地域の暮らしを守り、地域づくりを支援する取り組みが進んでいるか」の問いに対し、「そう思う」は一三%にとどまり、三五・一%が「そうは思いません」と回答しました。 「移住・定住者をふやすための取り組みが進んでいる」の問いにも、「そう思う」は一六・九%にとどまり、「そうは思わない」は三五・一%に達しています。 総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、二○一六年中の日本人住民の社会増減で山口県は、三千八百一人の減少で、全国ワースト十五位であります。 チャレンジプランのうち、地方創生に資する施策を戦略化したまち・ひと・しごと創生総合戦略の基本目標の一つに、転出超過、要するに社会減を半減することが掲げられていますが、減少数は減るどころかふえているのが現実であります。どう認識しているのか、お尋ねします。 本気で社会減を半減させるためには、中山間地域で学び、働き、そして住み続けられる社会基盤、生活基盤を維持、再生させなければなりませんが、今後の展開方向に必要な施策は見受けられません。今後、どのような具体策を講じるお考えなのかお尋ねして、一回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(守田宗治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは核兵器禁止条約のヒバクシャ国際署名についてのお尋ねにお答えします。 私は、核兵器を廃絶し、世界の恒久平和を実現することは、唯一の被爆国である我が国はもとより、世界人類に共通する喫緊の課題であると認識しています。 この条約に関して、政府は参加をせず、核兵器の廃絶に向けて、核兵器国と非核兵器国の協力のもとに現実的・実践的な取り組みを行っていくこととしています。 私としては、核兵器の廃絶自体は、それを強く願っているものですが、核兵器のない世界に向かっていくための手法については、国において、しっかり検討を進めていただきたいと思っており、そうした国の取り組みを尊重する立場に立って、現時点では署名は考えていません。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(守田宗治君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 北朝鮮問題についてのお尋ねにお答えします。 北朝鮮は、国際社会の強い要請を無視し、弾道ミサイルの発射や核実験を繰り返しており、県民の不安が高まっています。 このため、県では、これまでも、県民の安心・安全の確保に向け、市町等への情報連絡の徹底を図るとともに、避難行動の周知や訓練等の対策を講じてきたところであり、引き続き、国、市町と一体となって、適切に対処してまいります。 お尋ねの軍事衝突による県民への被害は、絶対あってはならないものです。 このため、北朝鮮に対し、全国知事会として、挑発行為を即刻中止するよう強く抗議するとともに、県としては、国に対して、国際社会を通じた厳重な抗議や万全の措置を講じていただくよう、あらゆる機会を通じて、強く要請しているところです。 また、米朝両国の直接対話を促すべきとの、日本政府への要請については、国の専管事項である外交・防衛に関する事柄であることから、県として要請する考えはありません。 ○副議長(守田宗治君) 佐伯環境生活部長。    〔環境生活部長 佐伯彰二君登壇〕 ◎環境生活部長(佐伯彰二君) 核兵器禁止条約についてのお尋ねのうち、政府の条約への参加についてお答えいたします。 核兵器禁止条約は、国の専管事項である国の安全保障とも密接にかかわるものであること、また、国は、条約への参加という手法によらず、核兵器のない世界の実現に向けた取り組みを進めるとしていることから、国に対して条約参加を求めることは考えておりません。 次に、基地問題のうち、空母艦載機によるFCLP等に係る県民生活の安心・安全についてのお尋ねにお答えします。 お示しの訓練によって、県民生活の安心・安全が懸念される要素としては、航空機騒音や大気汚染物質等が考えられますが、引き続き、基地周辺に設置している常時監視測定局等において測定を行い、環境基準の達成状況を把握することによって、県民生活の安心・安全を守っていくこととしています。 ○副議長(守田宗治君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 基地問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、MV22オスプレイについての三点のお尋ねです。 初めに、昨年末に沖縄県で発生した事故に関する認識と経過についてです。 県では、当該事故発生後、直ちに国に対し、原因究明や再発防止等を米側に求めることを要請するとともに、空中給油訓練との関係についても事実確認をしたところです。 その後、米側においては、オスプレイの飛行を一時停止の上、機体の安全性や再発防止策を確認し、国が、専門的な知見等に照らして、米側の安全対策等の合理性を認め、同意した後に、昨年十二月十九日に飛行が再開され、また、空中給油訓練も本年一月六日に再開されたと承知しています。 県としては、今月、公表された事故報告書によると、機体のふぐあい等が事故の要因となる兆候はなかったとされ、事故原因はパイロットのミスとされていることから、今回の事故をもって、機体の構造に欠陥があるとは考えていません。 次に、事故報告書の公表がここまでおくれたのは、国が不都合な事実を隠すためだったのではないかとのお尋ねです。 事故報告書の公表時期について、国からは、正確かつ詳細に内容を把握した上で、関係自治体に対し丁寧に説明する必要があるとの認識のもと、米側とさまざまなやりとりを行い、確認作業等に時間を要したと聞いており、国の責任において適切に判断されたものと考えています。 次に、オスプレイの即時飛行中止、撤去が必要ではないかとのお尋ねです。 オスプレイは岩国基地の配備機ではありませんが、たびたび飛来していることから、問題のある事案が発生する都度、国に対し、地元市町と連携して、機体の整備や安全運用の徹底など必要な要請を実施しているところです。 県としては、オスプレイの安全性については、専門的な知見を有する国の責任において確保されるべきであり、飛行中止や撤去を求める考えはありませんが、引き続き、飛行の運用実態を注視するとともに、あらゆる機会を通じて国に対し、安全管理・運用の徹底等を求めてまいります。 次に、空母艦載機による着陸訓練いわゆるFCLP等についてです。 県では、FCLPについては、鹿児島県馬毛島を恒常的な訓練施設の候補地として検討を進めており、施設が特定されるまでは、引き続き硫黄島で訓練を実施するとの国からの回答を受けて、艦載機移駐の容認の判断をしたところです。 移駐後においても、県としては、どのような名称、形態の訓練であれ、住民に不安や危険を及ぼすような飛行訓練は行われてはならないと考えており、こうした飛行訓練が行われないよう、引き続き、あらゆる機会を通じて、国や米側に対し、粘り強く求めてまいります。 ○副議長(守田宗治君) 藤本商工労働部理事。    〔商工労働部理事 藤本博君登壇〕 ◎商工労働部理事(藤本博君) 原発問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、発電コストが膨大で、重大事故のリスクがゼロにならない原発こそ最も非効率な発電方法と確認したが、県はどう認識しているかとのお尋ねです。 国は、エネルギー基本計画において、原子力は、運転コストが低廉で変動も少ないとしていると承知をしております。 県としては、原子力発電をどうするかについては、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任において判断されるべきものと考えています。 次に、上関原発計画の見通しに関する認識についてです。 上関原子力発電所の原子炉設置許可申請については、福島第一原発事故以降、原子力規制委員会の審査会合は開催されていない状況にありますが、現在、なお審査中とされているものと認識しています。 ○副議長(守田宗治君) 藤山土木建築部長。    〔土木建築部長 藤山一郎君登壇〕 ◎土木建築部長(藤山一郎君) 上関原発建設計画の見通しについてのお尋ねのうち、公有水面埋立免許に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、今後、繰り返し延長申請が出される事態が想定されるが、どう対処するかとのお尋ねです。 公有水面埋立法においては、期限内に竣功せず、事業者から延長申請がなされた場合には、その時点において、正当な事由の有無を審査し、許可の可否を判断することとなっております。 次に、竣功のめどが見通せない埋立免許については、即刻、失効させるのが道理ではないかとのお尋ねです。 県としては埋立免許権者として、公有水面埋立法に基づき、適正な審査を、公正な立場で行う責務があることから、どこまでも法令に従い、厳正に対処したところであり、埋立免許を取り消し、免許を失効させることは考えていません。 ○副議長(守田宗治君) 佐々木産業戦略部長。    〔産業戦略部長 佐々木克之君登壇〕 ◎産業戦略部長(佐々木克之君) 県政の中期計画に関する御質問のうち、産業力強化についてのお尋ねにお答えいたします。 県においては、県内企業の国際競争力を強化し、地域経済の活性化を図るため、「やまぐち産業戦略推進計画」にも物流拠点港湾の機能強化、工業用水の安定供給等のプロジェクトを位置づけ、港湾、道路、工業用水など産業基盤の整備に計画的に取り組んできたところでございます。 その結果、各事業はこれまで順調に進捗しているところでございますが、企業の国際競争が激化する中にあって、県内企業の生産活動等を支える産業基盤の整備は引き続き重要でありますことから、今後とも、計画的な整備に取り組んでまいります。 ○副議長(守田宗治君) 大谷商工労働部長。    〔商工労働部長 大谷恒雄君登壇〕 ◎商工労働部長(大谷恒雄君) 県政の中期計画についてのお尋ねのうち、中堅・中小企業応援についてお答えします。 中小企業は本県企業の大多数を占め、また、雇用の大きな受け皿として地域の活力源となっていることから、関係機関との連携のもと、社会や企業のニーズに対応したきめ細かな支援を行っていくことが必要です。 このため、県政世論調査の結果も踏まえ、就業者数の七割を占めるサービス産業については、今年度から、産業振興財団を中心に、外部専門家からなる支援チームを企業ごとに編成し、その事業展開に応じた支援を行っているところです。 さらに、産業を支える人材の育成・確保についても、今年度からは、県内企業の魅力を伝えるPR動画の配信や、若手従業員を対象とした、経営、管理、営業、技術の一体的な研修の実施など、新たな取り組みを進めています。 県としては、引き続き、県政世論調査の結果も踏まえて、施策の課題を抽出し、改善・充実を図りながら、中小企業の振興に取り組んでまいります。 ○副議長(守田宗治君) 北村総合企画部長。    〔総合企画部長 北村敏克君登壇〕 ◎総合企画部長(北村敏克君) 県政の中期計画についての御質問のうち、地域の元気創出応援に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標の一つである転出超過の半減について、減少数がふえている現実をどう認識しているかとのお尋ねです。 本県における人口の転出超過数は、昨年が三千八百一人で、一昨年の四千六百三十人に比べて改善はしたものの、基準値である平成二十六年の三千六百四十七人より増加しております。 目標の達成に向けては、現在の改善傾向をさらに継続、拡大できるよう、しっかりと取り組んでいく必要があると考えております。 次に、社会減を半減させるため、今後、中山間地域において、どのような具体策を講じるかとのお尋ねです。 人口の社会減を食いとめるためには、お尋ねの中山間地域においても、集落機能を持続可能なものに活性化し、新たな人の流れも呼び込めるよう、活力ある地域をつくっていく必要があります。 このため、県では、市町と連携し、複数集落において生活サービス機能等の拠点化・ネットワーク化を図る、やまぐち元気生活圏の形成を推進しており、そのもとで、地域住民による自主的・主体的な地域づくりの取り組みをハード・ソフト両面から支援しています。 また、中山間地域への企業のサテライトオフィスの誘致や、創業支援等による雇用の場づくりを進めるとともに、地域おこし協力隊制度も活用し、移住の促進と地域づくりの新たな担い手の確保に取り組んでいるところです。 県としては、今後もやまぐち元気生活圏の形成を基軸に、取り組みの充実を図りながら、将来にわたって持続・発展できる活力ある中山間地域づくりを推進してまいります。 ○副議長(守田宗治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問を行います。 まず、核兵器禁止条約についてでありますが、この条約の前文には、被爆者にもたらされた容認しがたい苦難と損害に留意するという文言があるなど、まさに唯一の戦争被爆国である日本と被爆者の痛苦の経験に立脚をして、この地球上から永久に核兵器を廃絶させるための決意が込められた条約であります。それに向けて、ヒバクシャ国際署名が広がっているわけですが、山口県内でも、空母艦載機の移駐を受け入れた岩国の福田市長も、平和首長会議の一員として核兵器廃絶の理念に賛同すると署名をされました。光市の市川市長は、再び被爆者を生まないためにも、私の中では署名しないほうがおかしいと言い切っています。 基地を抱える都道府県で構成される渉外知事会の会長、神奈川県の黒岩知事も率先をして署名をし、被爆者の方々を大きく励ましています。国のスタンスがどうであれ、核廃絶は喫緊の課題とする村岡知事が、県民の代表として署名されることは、事の道理でありますし、勇気を持って署名していただきたい。改めてお尋ねをいたします。 基地問題について、オスプレイ問題ですが、八月五日に普天間基地所属のオスプレイがオーストラリア沖で墜落事故を起こした後、直ちに安全宣言をして、飛行の継続を強行してきた。この米軍とこれに追随してきた日本政府の姿勢は、一体どこの国の防衛省かと怒りを禁じ得ません。墜落に直結するエンジン故障が相次いでいます。オスプレイの構造的欠陥は、もはや否定できません。県民の安心・安全な生活と、快適な地域環境形成に責任を負う立場からも、危険な欠陥機オスプレイの即時飛行停止は少なくとも不可欠であります。改めて見解を伺います。 艦載機問題で、知事は、艦載機受け入れの後の新たな三つの基本姿勢を明らかにされ、その中で、改めて、NLPなど、激しい騒音被害をもたらす離着陸の実施は認められないと明言されました。 ところが米軍は、我が物顔でFCLPを厚木で実施しました。FCLPとNLPは一体のものであります。当然夜間はだめ、しかし昼間ならいいなどということにはなりません。改めてFCLPについての見解を求めます。 あわせて、E2Dなど、既に岩国に来ておりますが、プロペラ機は低騒音機の範疇に入れておられるのでしょうか、対象になるかならないか、改めて伺っておきたいと思います。 防衛省は、馬毛島を恒常的なFCLP訓練基地の最有力候補として定め、艦載機移駐にかかわる岩国市議会の全員協議会でも、今後十年程度はかかるとは言いながら、めどが立ったかのような説明をしてきました。 一方、産経新聞は、九月十八日付の紙面で、馬毛島の買収は難航していると、諦めた、九州、四国の空港が軸と報じています。当然この報道については、県も御承知のことと思いますが、この報道について、防衛省など関係機関に確認したのでしょうか。確認したら、その結果をお示ししてください。 四国、九州を軸として、恒常的な訓練施設の候補地を選定するというのが事実ならば、これはこれで大変な問題であります。県はどう受けとめておられるのか、お尋ねをいたします。 原発問題です。 この間、原発再稼働が川内、伊方、玄海など続いていますが、いずれも加圧式原子炉ばかりであります。一方、上関原発の原子炉は、東電福島第一原発と同じ沸騰水型原子炉、中電の島根原発も同様であります。島根原発では、しきりに既設の三号機の安全性を強調していました。その内容は、福島事故以降、改良に改良を重ねた改定型沸騰水型原子炉だということであります。 ならば、なぜ改定型でもない、旧来の二号機の再稼働を申請し、上関も極めてレベルの低い原子炉設置許可申請を出しっ放しにしている、こういう中国電力の無責任さ、会社の経営を安全より優先する退廃ぶりは、許されるべきものではありません。危険な上関原発建設計画を、一旦白紙に戻すためにも、公有水面埋立申請を取り消すべきだと考えますが、改めて見解を伺います。 島根原発全体の核燃料棒は、使用済みと未使用を合わせて四千二百五十二体もあります。一体全国では何十万体あるのでしょうか。まさにトイレなきマンション状態であり、無責任のきわみであります。いまだに福島原発の現状は、解決の糸口さえ見つからず、核処分場すら決まっていません。兵器としての核はもちろんですが、エネルギー源としても、人類は核との共存はできません。ましてや、新増設となる上関原発計画はもってのほかであります。改めて県当局の見解を求めます。 中期計画の問題で、チャレンジプランの中堅・中小企業応援プロジェクトの活力指標に、関係支援機関の支援による創業数は、目標百八十社に対し、平成二十八年の実績が二百三十六社で、進捗率は一三一%、星四つと評価しています。 一方で、帝国データバンクの調査によると、同年の県内企業の休廃業、解散、倒産件数は三百九十九件に上っています。平成二十五年からの四年間での累計では、千六百九十三社にも上ります。創業数をはるかに上回る大変な事態が続いているのです。こうした事態をどう分析されているのか、お尋ねします。 創業数のみに着目するのは、木を見て森を見ないことになります。中小企業応援に必要な施策を講じるには、創業だけではなく、休廃業、解散、やむなく倒産の実態をしっかり捉えて、必要な施策を講じる必要があると考えますが、この点もお尋ねして、二回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(守田宗治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 核兵器禁止条約のヒバクシャ国際署名についての再質問です。 私としては、核兵器の廃絶自体はそれを強く願っているものですが、核兵器のない世界に向かっていくための手法については、国においてしっかり検討して進めていただきたいと思っております。 この条約に関して、政府は参加をせず、核兵器の廃絶に向けて、核兵器国と非核兵器国の協力のもとに現実的・実践的な取り組みを行うこととしており、そうした国の取り組みを尊重する立場に立って、現時点では署名は考えていません。 ○副議長(守田宗治君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) オスプレイに関連して再質問にお答えいたします。 まず、オスプレイの即時飛行停止は不可欠ではないかとのお尋ねでございますが、先ほど答弁いたしましたとおり、オスプレイの安全性については、専門的な知見を有する国の責任において確保されるべきであり、飛行停止を求める考えはございません。 それから、E2Dのお話があったかと思いますが、E2Dはプロペラ機、いわゆる低騒音機に類する機体だというふうに考えておりますが、県としては、機種にかかわらず、激しい騒音被害をもたらす離着陸訓練の実施は認められないという姿勢で対応しており、個々の訓練において、問題があれば、地元市町と連携して必要な対応を求めていくというのが基本的な考え方でございます。 それから、FCLP、夜間はだめだが昼間はいいかというようなお話だったと思いますが、県としては、これまでも夜間訓練のNLPに限らず、昼間の訓練も含め、激しい騒音被害をもたらす離着陸訓練は容認できないという立場でございます。 予備指定として岩国基地が指定された際も、そういった趣旨で、これまでも国において硫黄島で全て完了するよう、要請もしてきておるところでございまして、引き続きそういった姿勢で認められないという姿勢で対応していきたいというふうに考えております。 それから、馬毛島、恒常的なFCLP訓練施設の検討に関する報道を受けてのお話でございますが、これにつきまして、国に確認をいたしました。国に照会したところ、現在新たな候補地を選定するといった事実はない。したがいまして、県としましては、引き続き情報収集に努めてまいります。 ○副議長(守田宗治君) 藤山土木建築部長。    〔土木建築部長 藤山一郎君登壇〕 ◎土木建築部長(藤山一郎君) 上関原発建設計画を一旦白紙に戻すためにも、公有水面埋立免許を取り消すべきではないかとの再質問にお答えします。 原発の安全性と公有水面埋立免許とはそもそも法体系を別にしており、原発の安全性については、埋立免許の審査の対象となっていません。 繰り返しになりますが、県としては、埋立免許権者として公有水面埋立法に基づき、適正な審査を公正な立場で行う責務があることから、どこまでも法令に従い、厳正に対処してきたところであり、埋立免許を取り消すことは考えていません。 ○副議長(守田宗治君) 藤本商工労働部理事。    〔商工労働部理事 藤本博君登壇〕 ◎商工労働部理事(藤本博君) 原発はトイレなきマンション状態で無責任だ、エネルギー源としても共存できない、上関原発計画はもってのほかだとの再質問にお答えをいたします。 高レベル放射性廃棄物の処分については、国が前面に立って問題解決に取り組むとされており、県としては、今後とも国の責任において、この問題解決に向けた取り組みが進められるものと考えております。 エネルギー政策は国家運営の基本でありまして、原発をどうするかにつきましては、安全性・信頼性の確保を大前提に国の責任において判断されるべきものと考えています。 また、上関町は原発立地によるまちづくりを進めたいとしており、上関原発計画について、県としては、地元上関町の政策選択と国のエネルギー政策を尊重する立場で対応してまいります。 ○副議長(守田宗治君) 大谷商工労働部長。    〔商工労働部長 大谷恒雄君登壇〕 ◎商工労働部長(大谷恒雄君) 県政の中期計画のうち、中堅・中小企業応援に関する二点の再質問にお答えします。 まず、平成二十八年の創業数と民間調査機関の数値を比較されまして、実態をどう分析しているかとの御質問でございます。 お示しの民間調査機関の廃業、解散、倒産件数、たしか千六百九十三件とおっしゃったと思いますけれども、この同じ調査で、事業者の責めに帰さない事由、例えば経営者の高齢化などが当たるのでございますけれども、これで休廃業、解散に至った件数というのが、実は八○%を超えているところでございます。 だからこそ、県といたしましては、創業支援に全力を挙げて取り組んできたところでございまして、その成果として、基準年、平成二十五年度ですけれども、百四十四件から満三年で百件近く伸びて、二百三十六件というふうに増加しておりますのは、その成果と考えております。 次に、創業だけではなく、休廃業、解散、それから倒産の実態を捉えた施策を講じる必要があると思うがどうかとの御質問でございます。 先ほども述べましたように、事業者の責めに帰さない事由が廃業の主な要因となっておりますことを受けまして、県では産業振興財団とか、それから商工会議所などとも連携しながら、相談対応、そして事業承継に向けた取り組みを、支援をしっかり行っているところでございます。 さらには、中小企業制度融資、この中でも経営基盤の強化を支援する資金とか、さらには事業承継に向けました資金を創設して、金融面でもしっかり支援を行っているところでございます。 ○副議長(守田宗治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。 FCLP問題で、矢敷総務部理事の答弁に対して、いずれにしても、恒常的な訓練施設の建設がおくれればおくれるほど、岩国基地でFCLPが強行される、いわゆる蓋然性が高まります。この点で、改めてお尋ねしますが、県が三つの基本姿勢を堅持するとおっしゃるならば、米軍にとって運用上必要な訓練であっても、岩国基地でのFCLPは実施しないと政府に約束させることが不可欠であります。明確な答弁をいただきたいと思います。 また、米軍が運用上必要だといっても、住民に不安や危険を及ぼすような飛行訓練はやらせないと政府に約束させることも必要であります。この点をあわせてお尋ねして、私の一般質問を終わります。(拍手) ○副議長(守田宗治君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 再々質問にお答えいたします。 FCLP、それから住民に不安や危険を及ぼすような飛行訓練についてでございますが、まずFCLPについては、国から、先ほども御答弁いたしましたが、恒常的なFCLP訓練施設が特定されるまでの間、米国は引き続き硫黄島で、空母艦載機離着陸訓練を実施する旨の確認がされているとの国から回答を得ております。 また、これまでも国や米側に対し、岩国基地を使用することなく、硫黄島で所要の訓練を完了すること、今後の訓練においては、岩国基地を予備指定にしないことなども要請もしてきているところでございます。 県としましては、激しい騒音をもたらすFCLP、どのような名称、形態の訓練であれ、住民に不安や危険を及ぼすような飛行訓練は行われてはならない、そういう考え方を持っております。 こうした飛行訓練が、行われないよう、引き続きあらゆる機会を通じて国や米側に粘り強く求めてまいります。 ○副議長(守田宗治君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(守田宗治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時四十三分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   守   田   宗   治                   会議録署名議員   吉   田   充   宏                   会議録署名議員   戸   倉   多 香 子...