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  1. 山口県議会 2017-02-01
    03月08日-04号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 29年 2月定例会   平成二十九年二月山口県議会定例会会議録 第四号      平成二十九年三月八日(水曜日)  ────────────────────        議事日程 第四号      平成二十九年三月八日(水曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第五十八号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第五十八号まで                会議に出席した議員(四十四人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          曽   田       聡 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          佐 々 木   明   美さん                          小   泉   利   治 君                          岡   村   精   二 君                          二   木   健   治 君                          篠   﨑   圭   二 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          西   嶋   裕   作 君                          河   合   喜   代さん                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          澁   谷       正 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          守   田   宗   治 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          秋   野   哲   範 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          星   出   拓   也 君                          森   中   克   彦 君                          河   村   敏   夫 君                          藤   井   律   子さん                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          吉   井   利   行 君                会議に欠席した議員(一人)                          髙   瀬   利   也 君                欠 員(二人)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         弘 中 勝 久 君                    総務部長        池 田   豊 君                    総務部理事       矢 敷 健 治 君                    総合企画部長      大 谷 恒 雄 君                    産業戦略部長      村 田   太 君                    環境生活部長      秋 貞 憲 治 君                    健康福祉部長      藤 井   勉 君                    商工労働部長      阿 野 徹 生 君                    商工労働部理事     末 永   睦 君                    観光スポーツ文化部長  小 玉 典 彦 君                    農林水産部長      河 村 邦 彦 君                    土木建築部長      前 田 陽 一 君                    会計管理局長      西 生 公 一 君                    財政課長        三 好 健太郎 君                    公営企業管理者     小 松 一 彦 君                    企業局長        市 原 充 之 君                    教育長         浅 原   司 君                    教育次長        原 田   尚 君                    公安委員長       香 川   敬 君                    警察本部長       齊 藤   寛 君                    代表監査委員      河 嶌 繁 太 君                    監査委員事務局長    村 田 雅 弘 君                    労働委員会事務局長   相 島 満 久 君                    人事委員会事務局長   守 田 正 史 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        坂 本 哲 宏 君                    事務局次長       田 平   隆 君                    審議監兼政務企画室長  岡 村 達 也 君                    総務課長        吉 岡 達 也 君                    議事調査課長      瀧   隆 明 君                    秘書室長        前 田 安 典 君                    議事調査課主幹     柳 原 廉 均 君                    主査兼議事記録係長   三 好   政 君                    主任          宇佐波 菜 採さん                    主事          岡 村 恵 子さん                    主事          内 田 達 志 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第五十八号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十八号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) おはようございます。日本共産党の木佐木大助です。 質問に入る前に一言申し上げます。今国会で安倍自公政権がしゃにむに成立を狙っている共謀罪法案についてであります。 この共謀罪法案は、国家刑罰権の著しい強化を狙うものであり、国民の内心の自由や正当な言論・表現の自由を侵害する危険が極めて高い、明確な憲法違反であります。 政府が創設目的として掲げるテロ防止は、既に日本国政府が批准している十三本の国連条約と国内の現行法で十分対応が可能であり、市民のテロに対する不安に便乗して共謀罪成立を強行するなどは、絶対に許されるものではありません。 二○一六年五月には刑事訴訟法が改悪され、盗聴法の拡大と司法取引が導入されました。新設され強化された捜査手段と相まって、むしろ過去の法案よりも人権侵害の危険性は飛躍的に高まっています。まさに、戦前の悪名高きあの希代の悪法、治安維持法の復活につながります。 日本共産党は、他の野党の皆さんとも力を合わせて、共謀罪法案阻止のため全力を挙げる決意を表明して、通告に従い質問を行います。 質問の第一は、二○一七年度当初予算案についてであります。 その一番目は、村岡知事が当初予算の一番のポイントとして掲げた財政健全化に向けた行財政構造改革の推進についてです。 新年度予算編成では、歳入歳出の見直しを進めたものの、最終的には三十九億円の財源不足が生じて、財源調整用基金の取り崩しを余儀なくされました。このため、四月に行財政改革統括本部を立ち上げて、新年度の百九十二億円を含め、五年間に一千三百五十億円と推計した財源不足を、歳出構造改革と財源確保対策によって九百五十億円、統括本部での取り組み強化で四百億円を捻出するとされています。 一点目に、財源不足額一千三百五十億円は、どのような前提で算出されたのか。また、せめて年度ごと、費目ごとの推計を示すべきでありますが、この点お尋ねします。 二点目は、歳出構造改革の具体策です。教育、警察を含む全体で六百人以上の定員削減、給与制度の見直しなどで総人件費百五十億円縮減に取り組むとしています。これまで、この五年間の定員削減は知事部局と教育委員会合わせて三百五十二人、職員給与費の削減額は累計で約六十億円であります。 今後これから五年間、人数で二倍、金額で二・五倍のペースで削減することになります。県職員の長時間過密労働に拍車をかける、ひいては行政サービスの後退につながることは許されないことですが、この点もお尋ねします。 三点目は、公債費の平準化、すなわち県債の償還を二十年払いから三十年に先延ばすことにより、五年間の公債費を五百四十億円縮減する計画であります。短期的には効果がありますが、長期的になれば元利償還金が膨らむはずであります。その影響額を示していただきたいと思います。 四点目は、事務事業の見直しや県有施設の移管、廃止、財源確保対策による県民生活への影響であります。会見で知事は、歳出を減らせば県民のサービスなりが低下するということになると言われていますが、県民サービス低下は許されません。どのような手だてを検討されているのか、お示しいただきたいと思います。 五点目は、統括本部が、あらゆる角度からの財源確保対策を講じ捻出される四百億円についてであります。会見で知事は、並大抵のことではない。今までにない思い切ったこともやっていく必要が出るかもしれないと言及されていますが、どのようなことが検討対象になるのか、これは統括本部長の弘中副知事にお尋ねいたします。 六点目は、こうした事態を招いたその要因は一体何か。記者会見で知事は、高齢化による社会保障費の増大とあわせて、過去のインフラ投資の償還による公債費の高どまりに言及されました。 その上で、過去のお金の使い方の見通しに甘いところがなかったのかと問われたのに対し、検証なり評価をしても別に今、借金が減るわけではないと見事に開き直られています。これには私もびっくり、驚きました。 過去に目を閉ざす者は、現在も見えなくなる。これはドイツのワイツゼッカー元大統領の余りにも有名な言葉であります。過去の財政運営の検証、評価の努力を放棄すれば、また同じことが繰り返されるのではありませんか、お尋ねいたします。 我が党は、県財政の再建のためには、一、過去の借金頼みの無駄な大型事業偏重が財政悪化を招いた要因であることを率直に反省をして、今後の財政運営に生かすこと、二、国の東京一極集中策と地方交付税制度の改変など地方財政切り捨て策に対し真正面から異議を唱え、地方財政の抜本的な拡充を求めることが必要であると考えますが、見解をお尋ねします。 二番目は、チャレンジプランと総合戦略の進行管理についてであります。 チャレンジプランの政策評価は、一つ、各指標の進捗状況、県政世論調査の結果の整理、二つ、課題の抽出、三つ、予算編成作業における次年度に向けた改善の具現化という手法がとられています。チャレンジプランのうち、地方創生に資する施策を戦略化した総合戦略も同様であります。 一点目の政策評価ですが、一言で言えば、身びいきが目に余る、こういう状況であります。資料一に示しましたように、基準値と比較して実績値がマイナスであっても、ほぼ目標ペースとされる星三つが与えられています。 評価理由の中には、例えば何々により影響を受けたなどとありますが、学校の試験で欠点赤点をとった場合、勉強不足の影響で、今後頑張るからという理由では単位は絶対にもらえません。きちんと実績値をもとに評価すべきではありませんか。 また、国の手引きでも、効果検証は、妥当性・客観性を担保するため、外部有識者の参画を得ることが重要としています。検討される考えはありませんか、お尋ねします。 二点目は、評価指標は統計等で確認可能な数値にすべきであります。総合戦略の基本目標に、若年者の雇用の場の創出があり、二○一九年までの五年間で六千人が目標でありますが、肝心の若年者そのものの定義がありません。加えて、十五年の実績値は九百六十九人とされていますが、その根拠は、県事業の実施によってカウントされた数という極めて曖昧模糊な数字になっています。改善が必要と考えますが、お尋ねします。 三点目は、県政世論調査結果から課題を抽出し、改善を具体化すべきであります。 資料二にまとめましたが、産業基盤や道路網の整備が進んでいる、こう答えた人は突出しています。一方で、福祉や雇用、中山間・子育て・中小企業対策が進んでいると感じている方はいずれも二割以下であります。 新年度予算案の概要で、施策重点化方針に上げられた県民生活に密着した五分野の関連事業のうち、制度融資を除いた合計は約八十三億円であります。その一方で、瀬戸内産業再生戦略には約六百億円計上されています。県政世論調査の結果を真摯に受けとめ、県政の軸足を大きく転換すべきと考えますが、お尋ねします。 三番目は、朝鮮学校補助金問題であります。 故山本前知事が補助金を廃止して以来、四年がたちました。村岡知事も、子供たちの民族教育権や在日韓国・朝鮮の人たちがなぜ日本で暮らすようになったのかなどの歴史認識、また、朝鮮学校の子供たちの真摯に学ぶ姿も全く考慮せず、新年度予算案に計上していません。 国連人種差別撤廃委員会の勧告も無視する態度は、国際人権(自由権・社会権)規約や子どもの権利条約が指摘する、差別そのものであります。これまでもたびたび指摘してきましたが、憲法十三条及び十四条、さらに二十六条への重大な侵害であり、教育基本法第四条違反でもあります。 お隣の福岡県の小川知事は、北朝鮮がどうあれ、子供たちに罪はないとして、補助金支給を継続しています。他県の動向と言うならば、福岡県知事の矜持を見習うべきであります。見解をお尋ねします。 質問の第二は、岩国基地問題についてです。 一月二十日、政府は山口県、岩国市に岩国基地への空母艦載機移駐計画について説明を行いました。概要は資料三に示したとおりであります。 この結果、二○○六年の説明より、一、移駐機数は五十九機から六十一機に増加し、所属機数は百三十機以上と東アジア最大の規模になりました。二、住宅防音工事の対象となるW値七十五以上の区域は、五百ヘクタールから六百五十ヘクタールへと一・三倍に増加しています。三、W値七十以上の区域は、岩国、和木、そして由宇、周防大島町の市街地に拡大しました。四番目に、山陰沖と四国沖に岩国臨時留保空域が設定されるなど、多大な負担増が明らかになりました。 加えて、岩国基地には、この間KC130空中給油機十五機、F35Bステルス戦闘機十六機が配備をされ、MV22オスプレイの前線基地にもなっています。 政府は一連の動きを抑止力の強化と説明していますが、それは、すなわち軍事力の強化にほかならないと考えますが、県当局の見解をお尋ねします。 看過できないのは、岩国基地の強化と一体に、沖縄の海兵隊基地の強化が一層進んでいることであります。普天間から移駐したはずのKC130は、毎日のように日常的に沖縄に飛来をして訓練をしています。名護市高江にオスプレイの着陸帯建設が強行され、伊江島でもF35B垂直離着陸ステルス戦闘攻撃機の着陸帯が建設をされています。 米軍再編の大きな目的は、沖縄の負担軽減だったはずです。現実は沖縄の負担増につながっていると考えざるを得ませんが、この点もお尋ねします。 岩国基地も同様です。世界規模の殴り込み部隊の前線拠点としての機能が飛躍的に高まりました。米軍機が、防衛省が想定した飛行ルートを守る保証はどこにもない以上、爆音被害も予測コンターを超えることは避けられません。 県は、基地機能強化にはならないと説明されますが、その担保、根拠はどこにあるのか、明確な答弁を求めます。 また、県は、普天間基地移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められないと繰り返し明言してきました。 普天間の移設の見通しは、翁長知事や稲嶺名護市長を先頭にしたオール沖縄の闘いによって全く見通しはついていませんが、この点について、山口県に果たして揺らぎはないのか、改めてお尋ねします。 質問の第三は、原発問題についてであります。 東京電力福島第一原発の事故から三月十一日で六年です。一旦事故が起きれば、ふるさとも、なりわいも、平穏な暮らしや家庭も全てを失い、時とともにその深刻さが一層増し続けています。稼働すれば、いや応なく排出される使用済み核燃料の処分方法も確立していません。それが原子力発電の現実であります。 加えて、経済的な損失と事故処理のための負担も重大であります。安倍政権は、福島原発事故に伴う損害賠償や廃炉費用として、二十一兆五千億円に上る負担を電気料金への上乗せという形で国民に転嫁をしようとしています。 先日、福島第一原発二号機の原子炉格納容器内の調査では、人間が浴びれば三十秒も生存できない六百五十シーベルトが検出されました。耐放射線仕様のカメラもわずか二時間で使用不可能になるという現実が突きつけられています。 今後、どうやってその所在を調べるのか、作業する人たちの安全をどう確保するかなど、廃炉作業自体、全く見通せていません。これでも、地震国日本において、社会と原発は共存できるとお考えでしょうか。 お隣の台湾も原発ゼロに踏み出しました。原発は再稼働も中止し、原発ゼロの日本を目指し踏み出すべきではないでしょうか。 六年目の三・一一を迎えるに当たって、この二点、村岡知事にお尋ねをいたします。 次に、上関原発についてであります。 六年前の福島原発事故を受けて、二○一四年四月に策定されたエネルギー基本計画は、原発依存度を可能な限り低減するという大前提を条件に、重要なベースロード電源と位置づけられました。 そのため、再稼働を進めるとはしたものの、新増設の文言は一つもありません。安倍首相も経産大臣も、新増設は想定していないと繰り返し言明しています。 知事が上関原発建設のための公有水面埋立免許の延長を許可したことは、県民の命と安全を脅かす許されざる暴挙であります。 一方で、発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは埋め立て工事を施行しないよう求められ、中電も了承しました。 埋め立て工事の着工にゴーサインを出すことは、子や孫の世代に残してはならない原発建設にゴーサインを出すということであります。そんな判断は到底できないものと考えますが、見解をお伺いします。 質問の第四は、下関北九州道路、いわゆる第三関門道であります。 知事は昨年十一月議会で、国交大臣が、整備手法の検討と必要性の再検討が必要との踏み込んだ発言を受けて、下関地域の地方創生を推進するためには、下北道路の整備は不可欠と改めて表明し、整備手法についてはPFIなど民間資金や経営・技術能力の活用も視野に入れるとしましたが、必要性の再整理については、今後検討すると述べられました。 国はどうやら、国土強靱化を掲げる山口県の安倍首相とお向かいの福岡県の麻生財務大臣のいるうちに、この第三関門道計画の国の関与を決めたいというようなことだろうと思いますが、とんでもない話であります。 これまでも、二県二市は、共同で必要性をアピールしてきました。 しかし、その致命的欠陥は、橋またはトンネルを通せば、海峡を挟んだ一帯の都市圏の連携強化や関門地域の自立的発展と強調はするものの、そのためには一千億円単位で国民の税金が飛んでいくことです。また、アクセス道路建設には、その数倍の予算が必要になることは、全く明らかにされていないことであります。 既に関門海峡には二本の道路が走り、鉄道トンネルも二本あります。その上でもう一本必要なのか、その費用対効果はどうなのか、お尋ねします。 最後に、しきりに老朽化が強調され、代替道路の必要性が喧伝されていますが、道路を維持管理しているネクスコ西日本によれば、関門橋も関門トンネルもメンテナンスをきちんとすれば、まだまだ欧米並みに百年間長期に使用できる。阪神・淡路大震災並みの地震が来ても十分大丈夫と太鼓判を押し、この点では、国も、現状の関門橋と関門トンネルでも、災害時も含めて安全に利用できると繰り返し言明してきたのは御承知のとおりであります。山口県は一体どう考えておられるのか、お尋ねします。 防災・減災対策を言うならば、土砂災害対策や河川改修、生活道路、上下水道、公共施設などの、より住民に密着した事業を優先すべきであります。生活に身近な工事を優先してこそ、地域経済と雇用を守ることができます。 今やるべきは、耐震化や老朽化対策などの既存のインフラ、社会資本の維持管理や更新であり、下北道路──第三関門道などもってのほかと考えますが、この点もお尋ねして、私の一回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは、財政悪化を招いた要因についてのお尋ねにお答えします。 県においては、これまで、バブル崩壊後の県内景気の回復や少子高齢化の進展など、その時々における県政運営上の課題に対応するため、積極的な社会資本の整備や社会保障の充実等に取り組んできたところです。 さらに、人口減少等により一般財源総額が伸び悩んできており、その結果として財政構造の硬直化が進んできたものと考えています。 こうした状況を踏まえた上で、私は、将来に向けて収支均衡した安定的な財政基盤を構築するため、総人件費の縮減や公共投資等の適正化、施設の耐用年数等を踏まえた公債費の平準化などによる徹底した行財政構造改革に取り組むこととしているところです。 また、こうした財政問題は地方全体の課題でもあることから、国に対しても、東京一極集中を是正するための新たな立法措置や、安定的な地方財政運営に必要な財源の確保等について、政府要望や全国知事会など、あらゆる機会を通じて積極的に働きかけているところです。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 弘中副知事。    〔副知事 弘中勝久君登壇〕 ◎副知事(弘中勝久君) 行財政改革統括本部における検討の対象についてのお尋ねにお答えします。 来年度当初予算の編成においては、本県財政が恒常的に多額の財源不足を生じる極めて厳しい状況にあることを踏まえ、全庁的な検討チームを立ち上げ、徹底した行財政構造改革に取り組んでまいりました。 その結果、今後五年間で約九百五十億円の改革効果を見込むことができ、当初見込まれた財源不足額の解消に一定のめどをつけ、平成二十九年度当初予算については何とか編成をすることができたところです。 しかしながら、国の予算や地方財政対策などの影響によって、今後五年間の財源不足額は総額で一千三百五十億円に上る見通しとなり、現時点、さらに四百億円の財源不足について、その対策のめどが立っていない状況にあります。 このため、現時点で検討対象を個別具体的にお示しすることはできませんが、今後、行財政改革統括本部において、あらゆる選択肢を排除せず、具体的な取り組み強化策の検討、具現化を図り、行財政構造改革を着実にかつ徹底して進めていかなければならないと考えています。 ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 行財政構造改革の推進についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、今後五年間の財源不足についてです。 このたびお示しした千三百五十億円に上る財源不足は、平成二十九年度当初予算をベースに、社会保障費の増大や地方交付税の減少等による影響も踏まえ、今後五年間の歳入歳出総額の見込みに基づいて推計したものです。 なお、年度ごとや費目ごとの推計については、国の予算や地方財政対策等に大きな影響を受けることなどから、お示ししていないところです。 次に、定員削減により県職員の長時間労働に拍車をかけ、行政サービスの後退につながることは許されないとのお尋ねです。 定員の見直しに当たっては、職員の時間外勤務の増加等につながることのないよう、県民ニーズや施策効果等を十分に踏まえ、徹底した事務事業の見直しや業務の効率化を図った上で、適切に進めてまいります。 次に、公債費の平準化による影響額です。 三十年債の導入による影響額については、今後の県債発行額の規模、金利水準により変動することから具体的にお示しすることはできませんが、直近の借入金利で試算した場合、利子の総額は借入金百億円当たりで四千万円、○・四%の元利償還金の増加となるところです。 次に、県民生活への影響についてです。 県としては、行財政改革統括本部のもと、県民ニーズや施策効果、民間、市町との役割分担等をしっかりと検証し、県民サービスに支障を来すことのないよう配慮しながら、行財政構造改革の推進に取り組んでまいります。 次に、朝鮮学校補助金についてのお尋ねにお答えします。 県では、平成二十五年度以降、北朝鮮に対する国際社会からの批判など、さまざまな状況を総合的に勘案して、朝鮮学校補助金の予算計上を見送っているところです。 県としては、現時点では、県民との相互理解の増進を目的として補助金を交付することは県民の理解を得られないと考えており、来年度においても引き続き、予算計上しておりません。 ○議長(柳居俊学君) 大谷総合企画部長。    〔総合企画部長 大谷恒雄君登壇〕 ◎総合企画部長(大谷恒雄君) チャレンジプランと総合戦略に関する三点のお尋ねにお答えします。 まず、政策評価についてですが、チャレンジプランの活力指標等は、毎年度、各指標の実績値を把握し、達成目標に対する進捗状況を、目標達成から目標ペースから大幅におくれまでの五段階に区分して評価しています。 その際、指標によっては、取り組み効果の発現に一定の期間を要するもの等もありますことから、そうした個別事情も勘案の上、最終的な目標達成に向けた進捗状況を判断しています。 また、効果検証に当たっては、産学公金労言の関係者や住民代表の方々で構成する山口県活力創出推進会議に、毎年度、評価結果を報告し、御意見等を伺い、施策や事業の改善につなげているところです。 次に、評価指標は統計等で確認可能な数値にすべきとのお尋ねです。 お示しの総合戦略の基本目標である、若年者六千人の雇用の場の創出は、特に人口流出が著しい若い世代の県内定着・還流に向け、産業振興によって受け皿となる雇用の場を創出しようとするものです。 その実績値については、現在、実際の雇用状況を確認できる統計等がないことから、国に準じ、おおむね十五歳から三十四歳までを想定しながら、若年者の雇用の場の創出に資する事業の取り組み効果を積算しているところです。 なお、施策の目的に鑑み、基本目標を見直すことは考えておりません。 次に、県政世論調査結果から課題を抽出し、改善を具現化すべきとのお尋ねです。 政策評価では、施策の進捗状況や評価指標の達成状況等に加え、県政世論調査の結果も踏まえて施策の課題を抽出し、次年度に向けた改善を図っています。 こうした改善の成果は、来年度当初予算案においても、お示しの施策重点化方針に基づく重点施策だけでなく、継続事業として実施する社会保障や雇用関係などの諸施策も含め、予算に反映しているところです。 ○議長(柳居俊学君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 岩国基地問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、最近の岩国基地への一連の配備は、軍事力の強化にほかならないとのお尋ねです。 お示しの空母艦載機の移駐やF35Bの配備など、国から提案される基地機能の変更については、国の専管事項である外交・防衛政策の一環として行われるものであり、地方自治体である県としては、軍事的な機能を判断する権限や知見を有しておらず、住民の安全と福祉の向上を図ることが基本的な役割であることから、軍事力の強化についての見解を申し述べる立場にはないものと考えています。 次に、米軍再編の大きな目的は沖縄の負担軽減だったはずだが、現実は、沖縄の負担増につながっているのではないかとのお尋ねです。 県としては、沖縄の負担軽減の重要性は理解するところですが、基地を抱える自治体はそれぞれ置かれた状況が異なっており、どこまでも政府と沖縄県との間で協議すべき事柄であることから、見解を申し述べる立場にはありません。 次に、このたびの再編案について、機能強化にならないと説明したが、その担保、根拠はどこにあるのかとのお尋ねです。 県では、基地機能の強化については、地方自治体の役割を踏まえ、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化する状態が生じるかどうかを判断基準としています。 このたびの再検討結果によると、航空機騒音については、一部で拡大する地域はあるものの、住宅防音工事の対象となる第一種区域に相当する区域は大幅に縮小し、国や米側の対策も確認できたことから、基地周辺住民の生活環境は、平成十八年当時の沖合移設前と比べて、地域により差はあるものの、全体として悪化するとは言えないと整理したところです。 次に、普天間基地移設の見通しに係る県の基本スタンスについてです。 地元市町は、現時点、移駐を容認しておらず、県としては普天間基地移設の見通しについての見解をお示しする段階にはありませんが、引き続き基本スタンスを堅持した上で、今後の移設をめぐる動向や政府がそれにどう取り組んでいくのかを見きわめ、適切に対処してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 末永商工労働部理事。    〔商工労働部理事 末永睦君登壇〕 ◎商工労働部理事(末永睦君) 原発問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、地震国日本において、社会と原発は共存できると考えるか、原発は再稼働も中止し、原発ゼロの日本に踏み出すべきではないかとの二点のお尋ねにまとめてお答えします。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことのできないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、県としては、原子力発電を活用するかどうかについては、国において判断されるべきものと考えています。 次に、埋め立て工事の着工にゴーサインを出すことは、原発建設にゴーサインを出すということであり、そんな決断は到底できないとの考えに対する見解です。 原発の建設については、原子炉等規制法に基づき、国の権限において判断されるべきものであり、県が関与するものではありません。 一方で、このたびの埋立免許の延長申請については、期間延長に正当な事由があると認められたことから、県は埋立免許権者として、公有水面埋立法に基づき許可したものです。 また、お示しの要請については、この許可に際して、あくまでも埋め立て工事の再開の時期について、発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは工事を施行しないよう求めたものです。 この要請に対し中国電力は、発電所本体の着工時期の見通しがついたと判断できる状況になった時点で、改めて県に相談するとされていることから、県としては、その段階で適切に対応したいと考えています。 ○議長(柳居俊学君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 下関北九州道路についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、下関北九州道路の必要性とアクセス道路を含む費用対効果についてです。 当該道路は、関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携・交流を促進し、関門地域の自立的発展を支える道路であり、また、災害時等にも機能する信頼性の高い道路ネットワークを構築する上でも、その整備は必要不可欠であると認識しています。 現時点で、アクセス道路を含め、下関北九州道路については、ルート、構造や事業手法等が確定しておらず、費用対効果をお示しできる状況にありません。 次に、ネクスコ西日本や国が関門橋や関門トンネルは長期に使用できる、災害時も含めて安全に利用できるとされていることに対する県の考えについてです。 関門橋や関門トンネルは、適切に維持管理されることで長期かつ安全に利用できるものと考えていますが、このためには、長期間の通行どめ等を伴う補修工事を定期的に行う必要があります。 加えて、日ごろから、悪天候や事故の発生による通行規制が頻繁に行われており、大規模災害時における代替性を確保する観点からも、下関北九州道路の整備は必要と考えています。 次に、今やるべきことは、耐震化や老朽化対策などの既存の社会資本の維持管理や更新ではないかについてです。 県としては、耐震化や老朽化対策などの既存施設の維持管理や更新についても喫緊の課題と捉え、チャレンジプランの重点施策にも位置づけ、積極的に取り組んでいるところであり、下関北九州道路の整備とともに必要な事業であると考えています。
    ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問を行います。 六百人以上の定員削減、給与制度の見直しで百五十億円など、自治体リストラ宣言は絶対に認めるわけにはいきません。 過去、山口県が財政難に陥ったとき、当時の二井知事は、人は城と述べ、県職員の削減という安易な策はとらない。こういうふうに言ったときがあります。この精神は、村岡知事も引き継いでいくべきだと考えますが、改めてお伺いをしたいというふうに思います。 さらに、統括本部の関係ですが、知事が並大抵ではない、今までにない思い切ったことをやっていく必要があるというならば、まず手をつけるべきは、産業戦略を一丁目一番地に位置づけてきた、その姿勢そのものではないか。まずここに手をつける、そして県民にはツケを回さない、これが必要だというふうに思います。 私どもも、産業振興策が大事だという点では異論はありませんが、この間、県が打ち出してきた施策は、果たしてどこまで効果を上げているのか。 チャレンジプランと総合戦略の重要な目標指標である工業出荷額を見ると、二○一三年の六兆七千三百六十億円が、一四年は六兆四千七百十四億円、額にして二千六百四十七億円、率にして三・九%減少しています。減少したのは、山口県と長崎、岩手の三県しかありません。この数字をどう捉えておられるのか、改めて伺いたいというふうに思います。 過去の大型公共事業は、言ってみれば船の来ない港湾、車の走らない道路、客の来ないリゾート施設などなど、惨たんたる状況を生みました。 山口県も例外ではありません。住宅供給公社、道路公社、土地開発公社、いずれも過大な需要見積もりで大赤字を抱え、その清算処理に巨額の県費が投じられてきた歴史があります。工業用水道事業もしかりであります。 責任を追及しても、その当時の判断に誤りはなかったと開き直られてきました。こうした過去に目を背けていたら、また同じ失敗を繰り返すだけではないでしょうか。 過去を振り返ってみても目の前の借金は減らないなどという認識は、根本から改めるべきであります。この点は知事に改めてお伺いしたいと思います。 岩国基地問題です。 基地周辺住民の生活環境について、地域により差はあるものの全体として悪化しているとは言えないと繰り返されていますが、これは逆に言うと、悪化する地域もあるという理解でよろしいでしょうか、確認したいと思います。 戦闘機が六十一機、特に騒音が大きいホーネットやグラウラー、合計五十三機移駐するわけです。それで生活環境が悪化しないというのは理解できない認識です。しかも米軍人と軍属、その家族三千八百人もやってくる。騒音だけではなく、事故や犯罪の潜在的な危険性もふえています。 加えて、一昨日、北朝鮮は再びミサイル発射という蛮行を行いました。我が党も強く抗議いたしました。北朝鮮は、このミサイル発射について、在日米軍基地の攻撃を想定したものと主張しています。こうした事実は、住民の生活環境に著しい悪影響を与えるとはお考えになりませんか、この点も改めてお伺いをしておきます。 朝鮮学校補助金問題、これに触れたいと思います。 山口県の対応は、断じて許されるものではありません。 二○○四年二月、県議会では、国連勧告を尊重して、外国人学校生徒への処遇改善を求める意見書を全会一致でこの山口県は採択をし、国会や政府に提出しました。その中では、他民族のアイデンティティーを尊重し、教育機会の均等を図ることは、国際交流において欠かせない極めて貴重な意義を持つものとして、民族教育の重要性を強調しています。 村岡知事は、安倍政権の圧力などに屈せずに一刻も早く補助金の復活を行うべきですが、この点もお尋ねしたいというふうに思います。 原発問題について述べます。 中国電力は、相変わらず二○○九年に旧原子力安全保安院に提出した、審査に値しないとさじを投げられたあの古文書である、原子炉設置許可申請をそのまま放置している状況であります。 しかも、事業者である中電自身が、未定としか説明せず、上関原発の着工の見通しは全く立っていません。極めて不誠実、極めて無能力、こうした中国電力、電力事業者に山口県がつき合う必要は全くありません。直ちに許可を撤回し、やはり不許可処分にするしかないと考えますが、改めてお伺いをしたいというふうに思います。 下北道路ですが、アクセス道路を含めて数千億円もかかる第三関門道です。先ほど土木の部長からも費用対効果はまだわからない、こういうふうに言われています。 過去の借金頼みの無駄な大型事業偏重の典型であるこの第三関門道問題、山口県は一刻も早く手を引くべきだと考えます。 以上をもって、二回目の発言といたします。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 行財政構造改革についての二点の再質問にお答えいたします。 まず、人員削減と今言われました定員管理についてですが、まずは、県民ニーズや施策等を十分に踏まえ、徹底した事務事業の見直しや事務事業の効率化を前提として、適切に進めることとしております。 次に、過去の大型公共事業等が現在の財政状況の悪化を招いたのではないかというような御質問ですが、これにつきましては、その当時におきまして、その時々における県政運営上の課題に対応するために、本県にとって必要な社会資本の整備を進めてきたものと考えております。 御指摘がありました道路公社、住宅公社等三公社におきましても、その時々の重大な役割を果たしてきたものと考えております。 しかしながら、厳しい財政状況でございますので、今後に当たりましては、公共投資の適正化等にもしっかりと努めてまいりたいと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 村田産業戦略部長。    〔産業戦略部長 村田太君登壇〕 ◎産業戦略部長(村田太君) 行財政構造改革の推進に関して、工業出荷額についての再質問にお答えします。 二○一四年の工業出荷額については、石油などを要因として二○一三年から一時的な減少が見られたところですが、産業戦略推進計画が基準値としております二○一二年から比較しますと、国を上回る七・一%の増という数字になっておりまして、中期的にはおおむね堅調に推移していると見ております。 ○議長(柳居俊学君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 基地問題に関する二点の再質問にお答えいたします。 まず、悪化する地域もあるのかというお尋ねです。 一部で騒音が拡大する地域はあるものの、国の対策等も確認されており、全体として悪化するとは言えないというふうに整理をしております。 それから、北朝鮮のミサイル発射に関するお話でございますが、県としましては、軍事的な機能を判断する権限や知見は有しておらず、見解を申し述べる立場にはないものと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 末永商工労働部理事。    〔商工労働部理事 末永睦君登壇〕 ◎商工労働部理事(末永睦君) 上関原発に係る埋立免許の期間延長申請については、埋立免許権者として、公有水面埋立法に基づき適正で公正な審査を行う責務があることから、顧問弁護士にも見解を求め、どこまでも法令に従い厳正に対処したところであります。 したがって、許可を取り消すことは考えていないところでございます。 ○議長(柳居俊学君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 下関北九州道路に関します再質問にお答えいたします。 事業の実施に当たりましては、事業費の大小ではなく、必要な事業かどうかで判断しており、下関北九州道路は関門地域の自立的発展のために必要な事業であり、実施すべき事業であると考えています。 ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 再質の答弁漏れがございましたので、改めて答弁させていただきます。 朝鮮学校に対する補助金でございます。 補助金復活をすべきではないか等でございますけれども、お示しの県議会による意見書につきましては、児童の権利に関する条約に基づき設置された児童の権利委員会による、平成十六年二月の最終見解を踏まえ、在日朝鮮・韓国人児童生徒等に対する教育機会の均等を図ることなどを国に求めたものであると承知しております。 県としては、このような国際条約などが求める子供の人権や学ぶ権利については、尊重すべきものであると考えておりますが、本県の朝鮮学校への補助金は、文化・スポーツ交流等を通じて、県民との相互理解の増進を図ることを目的として交付してきたものであり、これを予算計上していないことが差別的取り扱いに当たるとは考えておりません。 ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。 財政状況、財源対策、本当に厳しいということはよく承知をしています。 しかし、その対策を打つということで、知事みずからが初めから県民サービスが低下する可能性を認めること自体が、地方自治体の長としてあり得ないのではないかというふうに思います。 地方自治体、地方自治法の本旨である県民の、住民の福祉の増進を図る、これが一番の大事な私たち、立脚する点であるというふうに思います。敗北宣言などを…… ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君に申し上げます。時間が参りましたので注意をいたします。 ◆(木佐木大助君) (続)敗北宣言などを撤回をして施策を進めていただきたいというふうに思います。要望ですね。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 改革に当たっての県民サービスについての再々質問でございます。 このたびの改革は、あくまでも将来に向けた県づくりを支える行財政基盤の確立を図るために取り組むものであります。 その実施に当たりましては、県民サービスに支障を来すことのないよう配慮しながら進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 佐々木明美さん。    〔佐々木明美さん登壇〕(拍手) ◆(佐々木明美さん) 皆さん、おはようございます。社民党・市民連合の佐々木明美です。質問を行います。 まず、大きな項目の第一番です。知事の政治姿勢と来年度予算について、三点ほどお尋ねします。 まず、一点目です。地方財政計画。 先日、二○一六年のエンゲル係数──家計支出に占める食料費の割合です。エンゲル係数が二五・八%と二十九年ぶりに上がったという報道がありました。これは何を意味するのでしょうか。 アベノミクスについて、安倍首相は、賃金も上がり、雇用もふえたと自慢していますが、実質賃金は上がらず、家計支出は三年連続減少し、ふえたのは非正規雇用です。 先日のある調査では、国民の七○%近くがアベノミクス効果を実感していないと答えています。 来年度予算の背景となっているアベノミクスの現状について、知事の見解をお尋ねします。 さて、知事も議案説明で指摘されているように、地方財政計画を見ますと、地方交付税総額は前年度を下回り、それを臨時財政対策債の増加でカバーしています。二○○一年に三年間の臨時措置として創設されたにもかかわらず、今や毎年のように恒常化しています。 本来、国は、自治体に必要な予算を地方交付税で措置をする義務があります。そのために交付税率の引き上げとあわせ、臨時財政対策債の償還について、責任を果たすよう明確に国に要求すべきですが、知事の見解をお尋ねいたします。 次に、ふるさと納税について質問します。 ふるさと納税は、高価な返礼品が過度の競争を招き、税制の公平性を脅かす状況もあり、今後、国の対応が求められます。 こうした前提の上でお尋ねをします。現在までの山口県内全体のふるさと納税の寄附額及び、そのうち山口県のみの寄附額と使途についてお尋ねします。 昨年四月から企業版ふるさと納税が施行されました。自治体の地域再生計画にある、まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に企業が寄附をすれば減税される地方創生応援税制です。 十一月現在、全国で百五十七の事業が認定されています。給付型奨学金事業や奨学金返還支援事業を制度化し、若者や貧困の子供支援に取り組む県もあると聞いています。 山口県もこうした事例や県内市町と連携しつつ、企業版ふるさと納税に取り組まれていると期待しますが、現状と見通しについてお尋ねをいたします。 次に、二項目めです。行財政改革です。 知事は、議案の中で、平成二十九年度から三十三年度までを自立、安定した財政構造の確立を図る改革期間と提案されました。具体的には、厳格な定員管理、公共投資等の適正化、公債費の平準化等が挙げられています。 そこで、厳格な定員管理についてです。平成二十四年度から二十八年度の知事部局の職員数の推移は、正職員がマイナス百六十二人、非常勤、日々雇用、二十二条職員を入れた全職員数はマイナス二百四十五人です。この間の条例定数は、正職員三千九百人ですが、二十八年度の実数は三千六百六十三人です。 IT化の進行などにより、業務の見直し等があったにせよ、県職員という地方公務員の任務と期待は大きくなっても、小さくなることはありません。 知事は、こうした職員数の推移についてどんな見解をお持ちですか。 これから職員組合との協議が前提であるのは当然としても、こうした実態の上で今後五年間、さらなる定員管理、ということは職員削減に取り組もうとされる知事の見解を改めてお尋ねします。 さて、地方公務員の数は減少し続け、総務省の地方財政審議会は、二○一四年、これまでと同じように削減することは困難、二○一五年及び二○一六年二月には、限界に来ていると意見を述べています。 知事はかつて総務省におられたので、職員数が減少し続けている理由については省略しますが、限界とまで言い切ったこうした意見について、どんな見解ですか、お尋ねします。 次に、公共投資等の適正化とは、具体的にどう考えればよいのですか。まさか、時の政権の意向に沿って、公共サービスは抑制する一方で、人口減少社会に移行しつつあるにもかかわらず、先ほども出ましたけれども、大型公共事業は進めるというのではありませんね。新年度予算には、その懸念があります。見解をお示しください。 最後に、公債費の平準化についてです。 現状では、公債費負担の適正化計画の策定は義務づけられていないと思います。それでは、これはどんな取り組みなのか。また、上記二つの取り組みとセットと思いますが、具体的にお示しください。 次に、三項目めのチャレンジプランです。 チャレンジプランにかかわる課題について、三点質問いたします。 まず一点目です。皆さん、きょう三月八日です。何の日でしょうか。(発言する者あり)そうですね。きょう三月八日は国際女性デーです。女性の活躍推進とか働き方改革とか、にわかに女性が脚光を浴びています。ただ、私の視点からいえば、限られた女性です。 さて、一方で、二○一六年、世界経済フォーラムが発表した世界の男女平等ランキングで、日本はまたも順位を下げ、百四十四カ国中、過去最低の百十一位という実態があります。二○一五年は百一位でした。それよりもまだ十位下げました。 女性の地位を経済、政治、健康、教育の四分野で評価したもので、経済分野が百十八位、政治分野が百三位となり、総合順位が百十一位という結果です。 男女雇用機会均等法が成立し、同じく女性差別撤廃条約を批准して三十年以上が経過しても、この実態です。 その要因は、根強い男女役割分業意識を土台とした賃金、社会保障、政治などの制度、仕組みによるのではないでしょうか。県はどう思われますか。 そうであるとすれば、制度改正とともに社会全体の意識変革が重要です。男女平等ランキング百十一位の改善のために、県行政の果たすべき役割について、またそれは来年度予算にどう具体化されているのか、それぞれお尋ねをいたします。 さて、働く女性の約六○%は非正規です。この中には当然、シングル女性もいます。また、ひとり親家庭で、働く女性の約六○%は非正規です。必然的に貧困家庭へと陥ります。 働き方改革は、こうした方たちへも、収入増につながる非正規から正規への支援、職業訓練や資格取得への支援が必要です。県はどう取り組まれるのですか、お尋ねをいたします。 二項目めです。大都市から人口減少の進む地方への移住促進は、山口県はもちろん、全国共通の地方創生の重要課題の一つです。その意味でも、全国との競争になっています。来年度の県予算にも、こうした積極的な取り組みが提案されています。 ところが、二○一六年の全国移住希望地域ランキングによりますと、山口県は公表された二十位までのランキングの圏外になっています。この原因は何だと分析されていますか。 昨年の議会で私は、基地と原発の国策が移住希望の障害にならないだろうかと懸念いたしました。ただ、調査したことはありませんので、実情は不明です。 そこでお尋ねしますが、移住決断の鍵を握る山口県の魅力は何でしょうか。新年度新規事業の幾つかも施策アピールとして有効です。こうしたことも含め、ハード・ソフト面からも、移住希望者への山口県の売り込み策について、具体的に御説明ください。 三項目めです。明治百五十年プロジェクトの推進について質問します。 これまでも山口県は、明治維新発祥の地の一つとして、また最近は、観光戦略としても明治維新をアピールしてきました。 プロジェクトは、来年の明治百五十年に向け、先人たちに学び、未来に向けた県づくりのさらなる推進につなげていくとあります。 まず、明治百五十年はあり得ません。また、明治維新の評価がいろいろある中で、山口県がこれほど明治維新を持ち上げることに、私はいささか違和感を覚えます。 余談ですけれども、明治維新というと明治天皇、明治天皇というと教育勅語と、リレー式に浮かんでくるのは、とんでもない森友学園事件の影響かもしれません。 県は、明治維新を全体的にどう評価し、何を県づくりに生かそうとされるのか、お尋ねをいたします。 大きな項目の二番目です。基地と原発という国策への対応です。 知事は、来年度は任期の最終年度となり、各施策の効果がさまざまな分野で着実にあらわれてきていると感じているとおっしゃっています。 しかし、たとえそうであったとしても、昨年も申し上げましたが、基地と原発という県民と県政を翻弄する二つの国策について、国に対し、今のような無抵抗な姿勢では、とても評価することはできません。 そこで、うかつにも、これまで一度もお聞きしたことがなかったので、以下、確認をしておきます。 知事は、基地については、国の防衛政策に協力をする。原発については、国のエネルギー政策に協力をするという基本姿勢のもと、これまで岩国基地と上関原発問題に協力をしてこられたんですね。さらに協力をする根拠は何でしょうか。 一つ、それは法律でしょうか。とすれば、その法律の名前は何ですか。 二つ、協力をするのは、現政権の方針だからでしょうか。また、それは、政治家、知事御自身のお考えと合致しているのでしょうか。いずれか御答弁ください。 岩国基地問題についてお尋ねします。 空母艦載機の移駐について、知事は、基地問題に対する基本姿勢や米軍再編問題に対する基本スタンスを堅持すると明確に述べておられます。 お尋ねをいたしますが、この二つの方針は同時進行ですね。確認をしておきます。 国は、去る一月、空母艦載機の七月以降の移駐を通告してきました。その際、知事は、二つの方針を国に対し明確に伝えられましたか、お尋ねをします。 移駐に当たって、国への質問に対する回答は、現在、どのように整理をされていますか、お尋ねします。 また、二月には、七月以降の移駐に備え、配備前訓練と称して、早期警戒機E2D五機が岩国に配備されました。これは岩国市長も移駐を認めていない段階での先行移駐ではありませんか、お尋ねをいたします。 F35Bの配備といい、また、このたびの空母艦載機の移駐が七月以降進むとしたら、岩国基地は東アジア最大の軍事基地になりませんか。この点について見解をお尋ねします。 これは誰が見ても、今以上の基地機能の強化です。この際、子供だましのような県の機能強化の考え方を破棄するべきですが、お答えください。 次に、上関原発について質問します。 知事は、埋立免許延長について、法的には許可せざるを得ないと、失礼ながら全く的外れの発言をしておられます。何度言っても言い足りませんが、約四年にわたる意図的な免許延長審査は不公平・不公正で、行政手続法違反であり、公有水面埋立法違反だと断じておきます。いや、違うと反論があれば、どうぞおっしゃってください。 そこで、政治家である知事にお尋ねします。二○一一年三月、当時の二井知事が中国電力に対し、埋め立て工事ストップを要請され、また、二○○○年、当時の北川三重県知事が中部電力芦浜原発を白紙撤回されました。お二人の知事は、なぜ、このような判断をされたのでしょうか。また、その判断は、法に基づいたものだったのでしょうか。それぞれ政治家である知事は、どう受けとめておられますか、お尋ねをいたします。 三項目めです。教育問題です。 夜遅く電車に乗りますと、決まって大きな荷物を抱えた子供たちの集団がいます。部活動を終えて帰宅する子供たちです。帰って食事をし、朝の練習をするという子供もいます。眠たい盛りの育ち盛りの子供たちなのに、よく頑張るなあと、毎度毎度、私は、子供たちの信じられないほどの頑張りに驚いてしまいます。そして、感心してしまいます。 これまで何度も部活動のあり方について質問してまいりました。指導教師の多忙化や負担を減らし、成長過程の子供たちの健全な発達のために、どれほどの改善がなされたのか、甚だ疑問です。答弁はすこぶる、読み返してみますと、前向きの答弁なんですけれども、実態が伴っておりません。 もちろん、部活動の果たす役割や地域社会の支えなどは評価してまいりましたので、今回は触れません。 文科省は、ことし一月、中学校の部活動に休養日を設けるよう、全国の教育委員会に通知しました。新年度には、高校を含めた部活動の実態調査をするとのことです。 また、大阪府立高校は、ことしから週一回の休みを設定したとのことです。 こうした状況を踏まえて、さきに述べました視点で、改めて部活動のあり方がどう変わったのか、またどう変えられるのか、お尋ねをいたします。 新年度予算のやまぐち運動部活動応援事業千三百八十四万円の具体的中身についてお尋ねをしておきます。 教育問題の二項目めです。ワーク・ライフ・バランスという働き方は、教員に対しても求められるのではありませんか。 ところが、教員、とりわけ見聞きする管理職、校長、教頭の多くは、居住地とは遠く離れた土地で赴任されています。単身赴任の先生方もおられ、日常の多忙化に加え、地域の集いなど、土曜、日曜の出勤も珍しくない勤務状態と思いますが、間違っていますか。 人事のあり方は、適材適所と一言では済まされない校長、教頭などの広域人事のあり方について、目的、考え方などお尋ねします。むしろ私は、メリットよりデメリットのほうが大きいと、対象者の方々の日常を見て思いますが、いかがお考えですか、お尋ねします。 最後に、警察行政についてお尋ねします。 先日、東京都内で音楽活動中の女性がファンと称する男に刺され、瀕死の重傷を負った事件の判決がありました。 法廷で被害女性の訴えに反論する加害男性の発言が報道されました。この発言が被害女性の心身を一層傷つけ、また、加害者の異様な執念や心理を改めて見せつけられた思いです。 こうした加害者の心理は、DV加害者と共通しています。数年前、東京三鷹市の女子高校生がストーカー殺害された悲惨な事件を思い出します。 一方、他県では、ストーカーやDVについて、警察に相談しても、危険性がないと警察が勝手に判断して手おくれになった事例など、被害相談への警察の不手際が指摘されてきました。遺憾なことに、今回の事件でも、また繰り返されてきました。なぜでしょうか。残念でなりません。 ストーカー等の対策は、直接的な事件と違って困難な事案とは思いますが、悲惨な事件を繰り返してはなりません。 今回の事件についての受けとめ方、そして今後、山口県の対策に生かせるものがあるとすれば何でしょうか。県警本部長にお尋ねします。 これまで私は、何度かストーカー等問題について質問しましたが、県内の相談件数は高く推移しています。ストーカー相談は、昨年二百八十四件、一昨年二百八十二件、DV相談は同じく八百五十五件及び九百七件です。 山口県警は、早くから女性犯罪被害相談電話、通称レディース・サポート一一○を設置しており評価いたします。 相談への対応は、所管の知事部局はもちろん、このたび開設されたワンストップのやまぐち性暴力被害者支援システム、通称「あさがお」との連携・協働は当然です。こうした点を踏まえ、ストーカー・DV事案のこれまでの相談への対応と今後の取り組みについてお尋ねをして、一般質問の第一の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 佐々木議員の御質問のうち、私からは、明治百五十年プロジェクトの推進についてのお尋ねにお答えします。 我が国は、欧米列強の外圧にさらされた幕末において、幕藩体制からの転換を遂げるとともに、続く明治期には、立憲政治、議会政治の導入や、鉄道の開業を初めとする技術革新と産業化、さらには義務教育の導入など、多岐にわたる取り組みを進め、近代国家としての基本的な形を築き上げました。 私は、明治維新とは、我が国がこのように国の形を変え、近代化に向けて歩んだ改革の歴史であり、何よりも評価すべきは、諸外国に追いつくための改革を模索し、挑戦し続けた先人たちの高い志と、わずか五十年余りという短期間で近代化を達成した比類なき行動力であると考えています。 そして、本県出身の先人たちが改革の中心となり、数々の偉業をなし遂げたことは、山口県にとって誇るべき歴史でもあります。 一方で、我が国は今、人口減少社会の到来や世界経済の不透明感の高まりなど、激動の時代を迎えており、その様相は、近代化に向けて多くの困難に直面していた明治期と重なります。 まさにそうした困難な時代、そして明治維新胎動の地である山口県だからこそ、郷土の先人たちの志と行動力に学び、直面する困難に立ち向かう糧とするとともに、次の世代にもしっかりと継承していかなければなりません。 私は、いよいよ来年に迫った明治改元から百五十年の節目、明治百五十年がその大きな契機であると考えており、本県の総力を結集し、明治のチャレンジ精神を今に生かし、未来へつなぐためのさまざまな取り組みを明治百五十年プロジェクト、やまぐち未来維新として、力強く推進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 地方財政計画についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、アベノミクスの現状についてです。 我が国経済は、アベノミクスの効果により、平成二十七年には正規雇用者数が八年ぶりに増加に転じ、実質賃金も昨年は増加となるなど、雇用・所得環境は着実に改善しているとされています。 県としても同様に考えており、その効果が地域の隅々まで行き渡るよう、取り組みをさらに進めていただきたいと考えています。 次に、地方交付税法定率の引き上げと臨時財政対策債の償還財源の措置についてお答えします。 これまでも、地方の安定的な財政運営を行うため、地方交付税の法定率の引き上げにより、臨時財政対策債に依存することなく地方一般財源総額を確実に確保するよう、あらゆる機会を通じて国に求めてきたところです。 また、臨時財政対策債は地方交付税の振替であるという性格上、その償還に対する財源措置は、法に基づき国が当然に責任を負うものと考えています。 県としては、厳しい財政状況を踏まえ、地方交付税の法定率引き上げを含む安定的な一般財源総額及び臨時財政対策債の償還財源の確保について、引き続き、国に強く要請してまいります。 次に、ふるさと納税についてのお尋ねにお答えします。 ふるさと納税制度については、平成二十年度に創設され、これまでの間、本県においては、県と市町分を合わせて、約三十六億円の寄附があったところです。 そのうち、県分の寄附額は約九千四百万円で、本年度からは、やまぐち県チャレンジ寄附金として、子育て支援や農林水産物の販路拡大、犬猫の殺処分数の削減などの政策から、寄附される方が使途を選択できるように、見直しを行ったところです。 次に、行財政改革についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、定員管理に関してのお尋ねのうち、職員数の推移についてですが、県としては、簡素で効率的な組織体制の整備は不断に取り組むべき課題であり、これまで組織や事務事業の見直し等を通じ、適正な定員管理に努めてきた結果と考えています。 また、こうした実態の上で、さらなる定員管理に取り組むことについてですが、このたびの定員の見直しに当たっては、県民ニーズや施策効果等を十分に踏まえ、徹底した事務事業の見直しや業務の効率化を図った上で進めることとしており、今後とも職員や職員団体の理解と協力を得ながら、適正な定員管理に取り組んでまいります。 なお、地方財政審議会の地方公務員の数を減らすことは限界に来ているとの意見は、職員数の減少率が全国的に鈍化傾向にあること等を踏まえたものと理解していますが、定員については、各団体がそれぞれの事情等を踏まえ、適正に管理すべきものと考えています。 次に、公共投資等の適正化については、国予算や地方財政計画等を勘案しながら、事業の重点化や平準化を進めることによって、五年間で県負担額の一○%削減に取り組み、全国水準並みの投資規模への抑制を図ってまいります。 また、公債費の平準化については、施設の耐用年数や地方財政計画、全国の自治体の状況等を踏まえ、公債費の長期的な減少基調を維持しながら、三十年債の導入を進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 大谷総合企画部長。    〔総合企画部長 大谷恒雄君登壇〕 ◎総合企画部長(大谷恒雄君) まず、地方財政計画に関する御質問のうち、企業版ふるさと納税についてのお尋ねにお答えします。 この制度は、地方創生を税制面から支援するため、お示しのとおり、昨年四月に創設されたものであり、地方公共団体が地方創生の取り組みに係る地域再生計画を定め、これに掲げられた事業に対して県外企業が寄附を行った場合に、その寄附金について、税額控除の優遇措置が講じられます。 制度の創設を受け、県では、理系大学院等で高度な知識を習得し、県内製造業等に就職した学生を対象に、奨学金の返還を支援する高度産業人材確保事業について、この制度の活用を図ることとし、昨年十一月に、国から地域再生計画の認定を得ました。 また、県内市町においても、長門市では観光業の振興について、山陽小野田市では少子化対策や移住・定住の促進に向けた取り組みについて、県からも必要な情報提供等を行い、それぞれ国の計画認定を受けたところです。 県といたしましては、厳しい財政状況の中、貴重な財源となる企業からの寄附の確保に取り組みながら、地域再生計画に基づき、事業を着実に進めていくこととしています。 次に、チャレンジプランに関する御質問のうち、移住の推進についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、全国移住希望地域ランキングで公表された二十位までの都道府県に、本県が含まれなかった原因をどのように分析しているかとのお尋ねです。 ふるさと回帰支援センターが先月公表したランキングは、昨年一年間、同センター主催の移住フェアやセンター内で開催された移住相談会への新規来場者に限定して、移住先として希望する都道府県を調査し、ランキングとして公表されているものです。 お尋ねの上位二十位以内にランキングされなかったのは、本県では、昨年、より集客が期待できるセンター外でフェアを行ったこと等が起因しているのではないかと考えています。 なお、本県への移住相談件数については、こうした取り組みによる効果もあって、格段に増加しており、県としては、今後ともこれらの取り組みを強化し、移住・定住の流れをしっかりと取り込んでまいります。 次に、移住決断の鍵を握る山口県の魅力は何かとのお尋ねです。 本県に実際に移住された方々の声をお聞きしますと、災害が少なく温暖な自然環境、温かい人柄や、都市にも近く、ほどよい田舎であることなどが移住の決め手となったとの意見が多く寄せられています。 これを受け、「人柄が土地柄です」などと紹介した本県のプロモーション動画を移住のポータルサイト全国移住ナビに掲載しましたところ、アクセス数が全国トップを維持する高い評価を受けているところであり、このような点が本県の魅力と捉えています。 次に、移住希望者への具体的な山口県の売り込み策についてのお尋ねです。 県としましては、これまでも、東京、大阪のやまぐち暮らし支援センターにおける情報提供や、全国規模で開催される移住関連フェアへの出展、東京での移住相談セミナーの開催などに加え、移住に関する雑誌やSNS等さまざまな媒体を駆使して情報発信に取り組んできたところです。 新年度においては、これらに加え、行政・関係団体等からなる「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議を事業主体として、全市町が参画する大規模な移住フェアを東京で開催するほか、大都市を抱え本県からの人口流出が多い大阪、広島、福岡で移住相談セミナーを開催することとしています。 ○議長(柳居俊学君) 秋貞環境生活部長。    〔環境生活部長 秋貞憲治君登壇〕 ◎環境生活部長(秋貞憲治君) 女性の活躍推進についてのお尋ねのうち、男女平等ランキングについてお答えします。 国の第四次男女共同参画基本計画では、女性の活躍を阻害している要因として、固定的な性別役割分担意識や性差による偏見、さまざまな社会制度・慣行があるとされています。 県としては、男女共同参画推進条例に基づき、社会の幅広い分野において、男女が性別にかかわりなく、その個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを推進する必要があると考えています。 このため、仕事と子育て等の両立支援や女性の再チャレンジ支援、女性の管理職登用等のポジティブ・アクションなどに取り組んでいます。 来年度においては、中小企業に対し、女性活躍推進法では努力義務とされている行動計画の策定を支援するとともに、企業の枠を超えて交流を図る、輝く女性管理職ネットやまぐちの活動支援などに取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 阿野商工労働部長。    〔商工労働部長 阿野徹生君登壇〕 ◎商工労働部長(阿野徹生君) 女性の活躍推進についてのお尋ねのうち、正規雇用に向けた支援についてお答えします。 本県では、やまぐち働き方改革推進会議において、女性や若者などの正規雇用対策の推進を改革の方向性の一つに位置づけ、正社員での新規雇用と非正規雇用労働者の正社員転換の促進に取り組んでいます。 まず、お尋ねの正規雇用への転換に対する支援については、国のキャンペーンに呼応し、山口労働局と連携して、経済団体に対し、本人の希望に基づく正社員転換を進めるよう要請を行っているところです。 また、正社員転換に向けた国の助成金の活用を促進するため、県民局や働き方改革支援センターによる企業訪問のほか、企業を対象とする正社員化セミナーの開催により、制度の周知に努めています。 来年度は、働き方改革の取り組みの中で、正社員化の促進に向けた具体的な課題やニーズについても調査し、実態を踏まえた対応を検討してまいります。 次に、職業訓練等への支援については、正規雇用化に向けた職業能力の向上を図るため、産業技術学校において、在職者を対象とするOA実務などの訓練を行っています。 また、離職者を対象に、保育士や介護福祉士などの資格取得を目的とした訓練や、子育て中の女性が参加しやすい託児サービスつきの訓練を行っています。 来年度は、子育て女性に配慮した短時間コースの訓練を実施するなど、職業訓練の拡充を図ることとしています。 県としては、今後とも、山口労働局等、推進会議の構成団体と緊密に連携しながら、正規雇用に向けた支援に努めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 原発、基地の国策への対応についてのお尋ねのうち、岩国基地問題に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、国の防衛政策に対する県の姿勢とその根拠等についてです。 県としては、地方自治法を踏まえ、住民の安全と福祉の向上を図るという目標を達成していくためには、国と自治体とが適切な役割分担のもと、協力しながら対応していくことが重要と考えています。 このため、基地問題については、国の外交・防衛政策を尊重し、これに協力する一方、県民の安全で平穏な生活を確保する立場から、国に対し言うべきことは言うという姿勢を堅持し、対応してきたところです。 次に、移駐案に係る基本姿勢、基本スタンスの堅持、国への伝達、国からの回答の整理に関するお尋ねに、あわせてお答えします。 このたびの移駐案について、基地機能の強化の判断基準に沿って、国からの回答を分析・検証したところ、基地周辺住民の生活環境への影響については、平成十八年当時の沖合移設前と比べて、地域により差はあるものの、全体として悪化するとは言えないと整理でき、また、NLPに関しては、引き続き硫黄島で訓練を実施するとの回答が示されました。 したがって、県としては、基本姿勢に照らし、引き続き、地元の意向を尊重することを基本に対応することとしており、基本スタンスについては、艦載機移駐について判断する際に、あわせて整理する必要があると考えています。 また、基本姿勢・基本スタンスの考え方や、これを堅持する方針については、これまでもさまざまな機会を通じ国に伝えており、本年一月の移駐に関する説明の際にもお伝えしたところです。 次に、E2Dの配備前訓練についてです。 国によれば、空母艦載機の移駐は、本年後半に開始する予定であり、また、このたびのE2Dの短期間の訓練は、同飛行場で一定期間の空域慣熟訓練等を行うものであり、訓練実施後、一旦岩国を離れるとのことから、先行移駐とは考えていません。 次に、艦載機移駐後の岩国基地の状況に関する見解と基地機能の強化についての考え方についてです。 艦載機六十一機が移駐すれば、配備機数では極東最大級の基地となりますが、基地機能の強化については、地方自治体である県としては、軍事的な機能を判断する権限や知見は有していないことから、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化する状態が生じるかどうかを判断基準としてきたところであり、今後とも、この考え方により対処してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 末永商工労働部理事。    〔商工労働部理事 末永睦君登壇〕 ◎商工労働部理事(末永睦君) 原発、基地の国策への対応についてのお尋ねのうち、原発への対応についてお答えいたします。 まず、上関原発問題への協力とその根拠に関する数点のお尋ねにまとめてお答えします。 県としては、上関原発については、これまで一貫して地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという基本姿勢に立ち、対応してきたところです。 エネルギーは国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、国の存立にかかわる重要な問題であることから、県としては、国のエネルギー政策を尊重する立場をとってまいりました。 また、こうした国策である原発の立地については、県に権限が与えられていない中、地方自治の原則から見て、住民に最も身近な地元市町の政策選択や意向を尊重すべきであると考えており、上関原発計画につきましては、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択を尊重する立場で対応してまいりました。 次に、二井知事の要請と三重県知事の白紙撤回に関するお尋ねです。 まず、平成二十三年三月に行った当時の二井知事の要請は、事故を起こした福島第一原子力発電所が上関原発と同じ型式の原子炉であり、安全基準やエネルギー政策の見直し等、国の対応を見きわめる必要があることから、当時、県として、中国電力に対し、埋め立て工事等の準備工事について慎重な対応を求めたものであり、法に基づいたものではありません。 次に、北川三重県知事が中部電力に対し芦浜原発計画の白紙撤回を求めたことについては、県として見解を述べる立場にはないと考えています。 ○議長(柳居俊学君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 上関原発についてのお尋ねのうち、公有水面埋立免許延長について、約四年にわたる意図的な免許延長審査は、不公平・不公正で、行政手続法違反であり、公有水面埋立法違反ではないかとのお尋ねにお答えします。 お示しの公有水面埋立免許延長申請については、埋立免許権者として適正な審査を行う責務があることから、事業者に補足説明を求めながら、公有水面埋立法上の要件である正当な事由の有無を判断できるようになるまで、審査を尽くす必要があったものです。 その結果、昨年六月に事業者から提出された補足説明の回答により、期間延長に正当な事由があり、法律上の許可要件を満たしていると認められたことから、許可したところです。 したがって、法律に従い、適切に対応したものです。 ○議長(柳居俊学君) 原田教育次長。    〔教育次長 原田尚君登壇〕 ◎教育次長(原田尚君) 教育行政に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、部活動のあり方についてです。 部活動につきましては、生徒のバランスのとれた生活と成長や教職員の負担軽減の観点から、これまで、週一日以上の休養日を設定するよう、取り組みを促してまいりました。 しかしながら、学校や部によって取り組みに差が見られることから、県教委では、週に一日以上は休養日を設定すること、月に一回以上は土曜日、日曜日に休養日を設定することなどを内容とする基準を定め、去る三月一日に、県立学校長に対し、各学校において、学校の決まりとして取り組むよう通知し、市町教委に対しても適切な対応を求めたところです。 次に、やまぐち運動部活動応援事業の具体的な内容についてです。 本事業は、民間活力による教員の負担軽減や外部指導者の資質向上等に取り組む国の委託事業であり、本県では、トップスポーツクラブや地域に根差した企業・団体による運動部活動応援団を組織し、指導者や審判員の派遣、研修会の開催等に取り組むものです。 次に、管理職の勤務実態と人事についてのお尋ねです。 まず、勤務実態についてですが、学校行事や地域の行事等には、土日に開催されるものもあることから、必要に応じてこれに校長、教頭等が出席していることについては承知しています。 次に、管理職人事の目的と考え方については、学校の諸課題に組織的かつ適切に対応していくため、教職員人事異動方針に基づき、全県的な視野に立って、適材を適所に配置しているところです。 このことにより、活力ある学校運営が行われ、諸課題の解決に向けた取り組みが進められる一方、単身赴任となる場合もあることから、管理職人事に当たっては、一人一人の介護や子の養育などの家庭事情にも配慮しながら、適切な配置に努めているところです。 ○議長(柳居俊学君) 齊藤警察本部長。    〔警察本部長 齊藤寛君登壇〕 ◎警察本部長(齊藤寛君) ストーカーやDVなどの人身安全関連事案への取り組みについてお答えいたします。 県内における平成二十八年中のストーカー事案の相談等受理件数は過去最多を記録し、また、DV事案の相談等受理件数も依然として高水準で推移している状況にあります。 他県では、警察が相談を受理していたにもかかわらず、被害者の命が危険にさらされる事案の発生もあり、議員お示しの東京都小金井市における殺人未遂事件については、相談受理時における危険性の判断の甘さや、警察署が本部に対し、事案の認知報告をしていなかったことなど、警察の初期対応が十分でなかったことが指摘されておりまして、改めて、警察署と警察本部が一体となった組織的対応の重要性を認識しているところであります。 県警察では、警察本部が警察署で取り扱うストーカーに至らない男女間のトラブルを含め、全ての事案の報告を受け、事案ごとに危険性や切迫性を判断し、それぞれの状況に応じて警察署に対して被害者の安全確保を図るための保護対策、行為者の事件検挙、行政措置を行うよう指導しております。 また、先日施行された改正ストーカー規制法では、これまでの事件を受け、新たに、SNSを用いた連続送信やブログなどへの書き込みが規制対象とされており、これに該当する行為については、法を適切に適用してまいります。 相談事案については、警察署において、二十四時間体制で相談対応に当たり、中でも恋愛感情などのもつれに起因する暴力的事案については、命にかかわる相談として位置づけ、予断を排して被害者の身に迫る危険を正しく判断し、被害者の安全確保及び再被害防止を図ることとしております。 また、警察本部においても、議員お示しの女性犯罪被害相談電話レディース・サポート一一○などにより、常時、相談対応に当たっているところであります。 今後、県警察では、やまぐち性暴力被害者支援システム「あさがお」などと連携した被害者支援対策、さらには、一時保護所への避難措置などの保護対策など、関係機関と連携した対策をさらに充実させていくとともに、本年四月には、警察本部への人身安全対策課の新設及び警察署警察官の増員配置によって対処体制を強化することとしており、人身安全関連事案に対する迅速、的確かつ組織的対応の徹底を図っていく所存であります。 ○議長(柳居俊学君) 佐々木明美さん。    〔佐々木明美さん登壇〕(拍手) ◆(佐々木明美さん) それでは、限られた時間ですけど、再質問いたします。 まず、明治維新プロジェクトの話ですが、明治百五十年というのはあり得ないですね。これは明治から現在までをずっと一くくりにして、よかった、よかったということでしょう。 明治から今日の時代までいろんなことがありましたよ、日本には。いいことばっかしじゃないですよ。どんどん海外に土地を求めて派兵したり、富国強兵のもとに戦争へ行ったり、侵略をしたり、いろんな時代を、歴史を経て、今日に至っているわけですよね。 そして、深く反省して、いや、こういう生き方じゃいけないということで、憲法が今あって、憲法のもとにきちんと政治が行われなきゃいけないんですけど、現実にはそうなってないですけども、この辺、歴史というのは、いいこともあります、悪いこともあります。それをずっと今までの流れを検証するのが、歴史に学ぶということじゃないですか。 私、調べたら、政府は、維新百五十年行事を、明治の精神を踏まえ、日本の強みを再認識して次世代に残すという、菅官房長官の方針が出ているんです。これは、これまでの明治維新から今日までの日本の歩み方は、全部よかった、よかったですよ。全然反省の意図もない。 私は、このせりふを見ると、よいよ嫌なせりふなんですが、許せないせりふですが、安倍さんが、世界の中心で輝く国を目指すなんて言っているでしょう。その発言とこれダブってしまうんですよ。 明治の精神を踏まえ、日本の強みを再認識して次世代に残す。これは官房長官の基本方針。安倍さんが世界の中心で輝く国をつくる。何か共通しているような気がしまして、ちょっと違うだろうと言いたいんです。 改めてお聞きしますけど、歴史を学ぶということは、よいことも悪いことも多角的に検証して、そして悪いことがあれば、同じ過ちを繰り返さないように次世代に引き継ぐ。よいことがあれば、そのことを受けとめ、次世代に引き継ぐ。これが歴史に学ぶということではないかというふうに思いますが、見解をお尋ねします。 改めて、明治百五十年プロジェクトですか、大々的なプロジェクトになるようですけれども、このあり方について、そういう視点が全くないような気がいたしますけれども、もう少し私が申し上げた視点を入れて、どうせやるなら、そういう行事になるように、考え直していただけないでしょうか。これは知事にお尋ねをいたします。 それから、六百人の削減というのが、数字がぼんと出まして、これはもちろん今から職員組合との協議が前提ですけれども、総務部長は県民の理解や、それから事務事業の見直しなどを踏まえてというふうにおっしゃったんですけれども、知事の説明では、初めに六百人削減ありきですよ。これはいかがなものかというふうに思いますけれども、今後五年間に六百人の削減なんていったら、単純に考えたら、希望退職募集するのかと思ってしまいますが。ちょっとこれ乱暴なんじゃないかというふうに思いますが。 もちろん労働組合とのこれからの交渉が大前提だというふうに思いますけれども、そうでなくても公務員労働者の立場というのは、労働基本権がありませんから、ILOからこれまで十回も勧告をされているにもかかわらず、依然として労働基本権がないというような状況の中で、公務員バッシングが物すごくひどくなっている状況の中で六百人、初めに六百人削減ありきという考え方、ちょっとおかしいんじゃないですか。改めてお尋ねをいたしたいと思います。 それから、基地ですが、もう何でもありですね。県民の安全を守るために、しっかり国と協力をしてというようなお話がありましたけれども、地方自治法の精神に基づいて、地方自治法の一条の二ですか。県民の安全、福祉を守るために、防衛は国の専管事項だから、国としっかり協力してというような趣旨のお話があったというふうに思いますけれども、それだったらなおさら、国が示した、いや、影響がありませんよという報告をうのみにして、いや、基地機能強化になりませんという結論は、いささか乱暴じゃないんですか。 国は、山口県に空母艦載機を移駐させたいんです。そして、国が、させたい人が調査して、なぜ公平な調査ができると思われますか。しかも、地域によったら悪化するけれども、総合的には大丈夫と。それは理屈になっていませんよ。 確かに極東最大の基地にはなるけど、機能強化云々については判断する能力はないというようなお話でしたけども、現実に艦載機が移駐すれば、岩国は東アジア最大の軍事基地になるのは、もう数字の上で明らかなんです。これで、何で住民生活の影響がないと言えるのか。 基地があるということは、例えば騒音とか、そういうハード面だけではなくて、ソフト面の負担が物すごい大きいんです。こんなことは全然考慮してないでしょう、皆さん、山口県。これちょっとおかしいですよ。おかしいですよ。これについてもう一回、答弁求めます。 それから、原発ですけれども、私は原発というと、二○一四年の大飯原発再稼働をとめた裁判官の言葉が思い出すんです。これはさまざまな企業活動より何よりも、人格権が最大に保障されなければならないという趣旨の判決だったというふうに思います。そして、再稼働はだめだとおっしゃったんです。 そして、今お話が出た二井さんの当時のストップということも、法的な規制は何もありません。ただ、ああいう福島の原発事故が起きて、山口県に原発をつくったら、これは大変なことになるということで、政治家の判断でストップをされたというふうに思うんです。 ということは知事、法的には延長を許可せざるを得ないと。これ何を根拠におっしゃっているんですか。何を根拠におっしゃっているんですか。今のあの福島原発の状況見てください。いつ収束するかわかりませんよ。 先ほども木佐木さんが六百五十シーベルトの放射能が出ているとおっしゃったけど、広島原爆は百から二百シーベルトらしいんです。ということは、その何倍もの放射能が、あの廃炉の中に、まだ完全廃炉じゃないですけど、事故を起こした福島原発の中に、そんな強烈な放射能を発散しているんです。いつ、これは廃炉になるか、全然見通しがない中で、一旦事故が起きれば、これはもう、人間の生活はアウトです。 そして、今、三・一一以後、日本列島は大地変動時代を迎えているということで、大地震を起こすおそれがあるということを学者が言っています。 せんだっても、主要活断層が全国で新たに十六カ所設定されました。山口県も新たに三カ所設定されたような状況の中で…… ○議長(柳居俊学君) 佐々木明美さんに申し上げます。時間が参りましたので、注意をいたします。 ◆(佐々木明美さん) (続)決して山口県の地盤は安定ではありませんので、もう一回、この点について答弁をいただきたいというふうに思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 大谷総合企画部長。    〔総合企画部長 大谷恒雄君登壇〕 ◎総合企画部長(大谷恒雄君) 明治百五十年プロジェクトの推進についての再質問にお答えします。 明治百五十年プロジェクト、これ明治百五十年というのはあり得ないんじゃないかというような、るる御指摘がございましたが、この明治百五十年プロジェクト、昨年秋、国を挙げて今の現状、我が国の現状、先ほど知事、答弁申し上げましたけれども、人口減少社会の到来や世界経済の不透明感の高まりなど、激動の時代を迎えている。これは、困難に直面した明治期と重なるんではないか。 こういう観点から、明治百五十年プロジェクトの推進室を立ち上げ、この明治のチャレンジ精神を今に生かして、未来につなぐためのさまざまな取り組みを検討しようじゃないかということで、今、国を挙げて進められているところでございますので、御指摘のような点については、当たらないんではないかというふうに考えております。 ○議長(柳居俊学君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 行財政改革に当たり、定員削減六百人についてのお尋ねですが、この六百人につきましては、このたび定員管理に当たりまして、一般行政、教育、警察、全ての分野を対象にしております。 現在、この全ての分野を合わせますと、国指標に基づく本県の標準定員と比べまして、現行のほうが約四百人多い状況にございます。 こうしたことを踏まえまして、それを上回る六百人以上を掲げて取り組むこととしておりますが、その実施に当たりましては、さきも答弁いたしましたけれども、県民ニーズや施策効果等を十分踏まえ、徹底した事務事業の見直しや業務の効率化を図った上で進めて、適正な定員管理に取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 基地問題に関する再質問にお答えいたします。 基地機能強化の判断についてでございますが、何度も申し上げていますが、軍事的な機能を判断する権限や知見は、県は有しておりません。したがいまして、地方自治体の役割を踏まえまして、基地周辺住民の生活環境の影響について、航空機騒音、安全性、大気・水質への影響、事件・事故の四つの観点から分析・検証を行った結果、全体として悪化するとは言えないというふうに整理をしたところでございます。 ○議長(柳居俊学君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 佐々木議員の再質問にお答えいたします。 法的に許可せざるを得ないことは、何を根拠にしているのかとの問いでございますけども、重要電源開発地点に指定された上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが引き続き存続し、今後も存続する見通しであることが示されました。 これによりまして、国の見解では、期間延長に正当な事由があると認められるときは、申請を許可しなければならないとされていることから、埋立免許権者である知事としては、法的に許可するほかはないものであり、今回、期間延長を許可をしたものでございます。(発言する者あり)   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時五十八分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(塩満久雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第五十八号まで ○副議長(塩満久雄君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十八号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 新造健次郎君。    〔新造健次郎君登壇〕(拍手) ◆(新造健次郎君) 自由民主党県政クラブの新造健次郎であります。平成二十九年度二月定例県議会に当たり、突然の御逝去をされた畑原前県議会議長に対しまして、心から哀悼の意をおささげいたします。 平成二十七年に初当選した私にとって、最初の議長でした。議会のことが何もわからず戸惑うことばかりでしたが、畑原前議長は、そんな私を温かく見守っていただきました。畑原前議長から御指導いただいたことをしっかり胸に刻んで、柳居議長のもとで、村岡県政が進める「活力みなぎる山口県」の実現に向けてしっかり取り組んでいくことをお誓いいたしまして、通告に従って質問をさせていただきます。 最初に、地方創生に向けたインターンシップの推進についてお尋ねいたします。 県として、首都圏への人口の過度の集中を是正し、国内における急速な少子高齢化の進展に対応するために、地方創生に向けて積極的に取り組んでおられますが、依然として地方の人口減少、そして東京一極集中の傾向は変わらないようです。 特に進学や就職を機に地方から首都圏へ転出する若者が多く、我が県においても人口減少の要因の一つであり、大きな課題となっております。 このたび、学生のUJIターン就職や地元学生の地元定着を進める地方創生インターンシップ事業を推進するために、地方公共団体と大学が連携協力し、地方企業と大学生をマッチングできるように、地方創生インターンシップポータルサイトを国が設立しました。 地方公共団体において、地方企業に対する理解の促進による企業の人材不足の解消や地域の活性化等に、また大学においては、地方企業で働くことへの魅力の発見が就職活動時の選択肢の幅を広げることになり、就職率の向上につながると期待している取り組みであります。 実際、首都圏に住む人の約四割が、何かしらの考えや思いにより地方移住の希望を持つというデータがあるようですが、現実的な話になると、仕事の内容や雇用や生活の不便さに不安を持っているという要因を挙げております。 一方、地方としては、ものづくりや職人などの業界の人材が不足している現状において、行政、自治体が仲立ちして、UJIターンを希望する若者とのマッチングする機会を首都圏で開催する取り組みをしておりますが、これもなかなか成果が出ていないのが実情であります。 その一つの理由に、地域で活躍したいと考える若者は、地域に多いものづくりや職人の現場ではなく、企画、営業、サービス業などの職種への希望が多いと聞きます。 地方自治体の若者に対するPRとして、ものづくりのすばらしさを伝え、職業への先入観を払拭することこそが、UJIターン、そして地域活性化につながるのではと考えます。 そのような中、西京銀行が主催する、若旅inやまぐちという企画が、昨年までに四回実施されました。もともとは広島経済大学からの持ち込み企画で、近隣の県からの参加者を県内就職につなげるという企画であります。二泊三日で、観光と企業訪問をテーマに、地元の企業や大学と連携したツアーで、若者に遊びに来てもらうだけではなく、地元の企業への就職、そして地域の定住につなげていく取り組みであります。 参加者からは、次回からは二日以上の長期間の体験希望や実社会の視野が広がった、また、実際の仕事現場に触れ、説明を聞いたことで就活の意識が変わったなどの感想、意見を聞くことができております。また、この企画の訪問企業には、山口県から世界へと取り組んでいる大晃機械工業、カシワバラコーポレーション、長州産業、ヤナギヤ等があります。 また、観光地として、角島や周南コンビナート夜景や錦帯橋などに行っております。 近隣の広島、岡山や福岡からだけではなく、関東圏からの若旅の参加者もふえてきているようです。このように、首都圏からの参加者がふえていけば、山口県のすばらしさを知ってもらえるし、海外へどんどん事業展開している県内中小企業も知ってもらえます。 また、周りの環境や現地、現場を見てもらえることで、若者が抱いている不安が少しでも払拭でき、そして働いてみたいと思ってもらえるきっかけになればと考えます。 遊び気分で気軽に来て、見てもらえる機会を企画する、若旅inやまぐちのような取り組みをもっと積極的にPRし、活用することも重要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。首都圏の学生に対してまだまだ認知度の低い山口県ですが、すばらしい技術と営業力を兼ね備え、そして世界へと展開している県内企業を見て触れてもらえる機会をふやし、首都圏からの学生の移住・定住につなげるだけではなく、県内の学生の定着を進めていくためにも、地方創生に向けたインターンシップの推進について、県として、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、御所見をお伺いいたします。 次に、文化資源の活用についてお尋ねします。 県では、地域の活性化に向けて、魅力ある観光地域づくりに向けたやまぐちDMOの形成と確立、国内外からの観光客誘致など、さまざまな取り組みをされております。 また、山口宇部空港から初の国際定期便となる韓国仁川線、過去最大規模となる台湾チャーター便が運航し、岩国─沖縄便の運航が再開されるなど、本県へのアクセスについて大変充実してきており、さまざまな地域から多くの方に山口県に来ていただく機会がふえてきております。 このような状況を生かし、やまぐち観光維新を推し進めていくためには、スポーツ、そして文化を初めとする多様な資源を生かしたツーリズムの推進が効果的であると考えられます。 本県でも、歴史や自然をテーマとする山口、秋芳洞、萩などをめぐる観光コースや、瀬戸内海や北浦などの圏域の景観を生かしたサイクリングコースを設定することで、新たなる魅力を発信していくことができます。 しかし、国内外に誇れる魅力ある観光資源が、もっと地域に埋もれているのではないかと考えます。 その一つとして、日本庭園があると思います。私は、日本庭園は芸術であると考えます。そして、県内にはすばらしい庭園がたくさんあります。 このたび国の文化審議会で、松田屋ホテルの庭園が国の登録記念物に登録されました。県内においては、山水園庭園とときわ公園に次ぐ快挙であります。 日本庭園のすばらしさは自然物であり、そのでき上がった造形も自然を写している。それは、ただ単に箱庭的な自然物のコピーではなく、自然の中のポイントとなる要素を抽象化している、自然を写しながらも抽象化された自然ということです。高度に抽象化されることで、世界的な基準に合った芸術になるとされております。 庭園と類似の芸術として、日本の伝統文化でもある生け花を考えれば捉えやすいと言われております。生け花は単なる自然ではなく、芸術であるがために、作者によって花が自然から切り離され、改めて作者がつくり上げた独自の自然が再構築されるということであります。 ここで、昭和の雪舟と称される作庭家、重森三玲を御紹介いたします。 生まれは岡山県であります。日本美術学校を卒業し、独学で日本庭園を学び、全国約五百カ所のさまざまな時代の名庭実測や古庭園の調査をし、日本庭園史研究者の先駆けとなった人物であります。 その彼の作庭した庭は、力強い石組みとモダンなコケの地割りで構成される枯山水庭園が特徴であります。 代表作として、東福寺本坊庭園、光明院庭園、瑞峯院庭園、松尾大社庭園があります。そのうち、東福寺本坊庭園は、二○一四年国指定の名勝に指定されており、京都ユニークベニューガイドには、作庭家、重森三玲によって昭和十四年に完成された庭園で、近代庭園の傑作として世界各国に紹介されていると掲載されております。 このような実績を持つ作庭家、重森三玲は山口県内でも作庭しております。周南市鹿野の漢陽寺や山口市の常栄寺であります。 聞くところによれば、外国人観光客は日本庭園の魅力に高い関心を持っており、見る機会に恵まれた際には大変喜んでいるそうです。そして、日本人観光客においても、歴史、文化、癒やしなど、いろいろな切り口で幅広い世代から根強い人気があるとのことです。 私としては、日本庭園の観光資源としての大きな可能性と、今後の県施策における十分な活用を期待したいと思います。 この日本庭園はあくまで一例ですが、ほかにも県内には魅力的な文化資源が多くあると思いますし、また、それらを活用して、多様化する観光客のニーズに対応したアートツーリズムを推進していくことは、地方創生の実現に向けた有効な手段であると考えます。 そこでお尋ねいたします。地域活力の維持・創出のため、県内にある文化資源を観光資源として積極的に活用し、その魅力を効果的に情報発信することにより、交流人口の拡大につなげていくことが重要であると考えますが、県は今後どのように取り組みを進めていかれるのかをお伺いいたします。 次に、県産農林水産物の需要拡大についてお尋ねします。 地方創生の取り組みとして、食に関する地域ブランドの構築への動きが加速しております。地域の農産物や食品の名称を国が登録する地理的表示保護制度において、山口県として、このたび初めて下関フグが登録されました。水産物の登録としては第一号であります。 県として、これを機に新たなる地域の農産物や食品を掘り起こし、そして育てていき、次の登録できる商品が出ることを期待しております。 村岡知事におかれましては、今年度予算案において、山口銀行を中心に設立された地域商社への支援を盛り込まれました。この地域商社と一体となって、県産農林水産物や加工品の売り込みを強化されていくのだと期待しております。 また、マーケットインによる商品開発やパッケージング等の商品の磨き上げも期待できると思います。 一方、首都圏での売り込み強化は商社だけでできるものではなく、県としては継続的に生産者のさらなる発掘とブランド力の向上に努めていく必要があると考えます。 さて、QVCという、さまざまな商品宣伝を一日中放映するテレビ番組があり、全国都道府県の特産物の放映を行うことがあります。山口県の特産品特集では、フグセット、瀬つきあじの開き、ノリのつくだ煮、長州どりの空揚げ、鹿野ファームのウインナー、ソーセージの販売宣伝がありました。 反応は上々だったと聞いておりますし、この番組は一般の視聴者だけではなく、食品業界の人が情報収集の一環として見ていると聞いております。広く多くの日本中の方が、このような山口県の農林水産物があるのだと知ってもらえたのではないでしょうか。 また、先日私は、県特産物の売り込み企画として、東京の自民党本部前で行われた、おいでませ!山口物産フェアに参加してきました。売れ行きは大変よく、県産品を口にされた方々からは、次々においしいという声を聞くことができました。 このようなイベントに参加した私たちが、生産者の方々へこの声をしっかり伝えていくことが大切であると思いますし、今後もこのように、首都圏等の大都市圏での需要拡大に向けてさまざまな努力をしていくことが必要であると思います。 このような生産者に届く消費者の声という点において、地元での販売であれば、身近な方々による購入や消費によって、いろいろな話や感想を聞くことができ、じかに肌身で感じることができます。それが充実感や達成感となり、次への生産に向けての活力になるという話を聞きます。 距離的にも遠く、費用的にも大変な首都圏や海外での販売においても、現地の生の声や情報を手に入れることは大切であり、競争の激しい地域や高いハードルを乗り越えて海外での販売ができた際には、地元での販売とはまた違った充実感や達成感も得られるのだと思います。 そして、それが次に向けての生産と販売への取り組みになり、頑張っていこうという気持ちになるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。本県農林水産業を担う農林水産物の生産者が夢や希望を持てるように、県産農林水産物の需要拡大に向けて、これからどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、福祉施設等に対しての指導監査についてお尋ねします。 福祉施設等には、障害者施設、老人介護施設等がありますが、こういった施設等に従事している人材は慢性的に不足しているのが現状です。また、それに伴い、それぞれの職員の仕事量はますますふえる一方であります。まさに三Kとも言われる業種にもなり、福祉の担い手不足はさらに深刻な社会問題となっております。 そういった現状を生み出している原因の一つに、福祉の現場においての業務として、報酬請求事務、指定権者への報告の義務、そして日々のサービス提供の記録など、多くの事務的事項に関する作業があります。また近年では、これに加え、国からの指導による福祉や介護職員等の処遇改善加算についての計画書の届け出や報告書もあります。 これらの各種事務的事項については、人手が不足している中で苦労している福祉の現場からも、提出書類が多過ぎるし、記録作成にも時間がかかっており、施設等の利用者への支援や処遇にまで差しさわりが出るという状況になっているようです。 また、こうした事務的事項に加え、利用者のための書類や記録のほかに、指導監査に関係する書類の作成も必要となり、現段階では、年に一度の提出義務が課せられている監査資料──状況調査資料及び自己点検表は、施設等がそれぞれ県のホームページから様式をダウンロードし、作成をするようになっております。 自己点検項目が多い福祉サービス事業においては、一部がおよそ七十ページにも及ぶものもあると聞いております。また、これらについては、添付書類を含め紙ベースで二部印刷し、県に対して郵送または持参するようになっているようです。 各種の福祉サービスの制度が多様化するとともに、報酬等の取り扱いなどもだんだんと複雑になってきていることから、自己点検項目も多くなることはわかりますが、これらの点検は事業規模や事務処理体制の大小を問わずに課せられているので、小規模な施設等では、事務員も置けない現状から、支援や処遇にかかわる職員も手分けをして、この資料の作成事務をこなしている状況であります。 そして、このような現状を踏まえれば、施設等が法令に定められたルールを守ることは当然であるとしても、支援や処遇にかかわる職員が恒常的に資料の作成業務に追われるようであれば、サービスの提供に当たって、必要なときに必要なサービスの提供が可能かどうか、本当に利用者へのしわ寄せを心配することになります。 県のホームページを見ると、効率的な事業運営や福祉事業者の負担軽減に資するため、適切な福祉サービスの提供を確保することを前提として、書類の作成例、事務手続例、関係規程のモデルの掲載も一部見受けられるところです。 こういった取り組みを進める上でも、施設等への指導監督をしている県の立場から、高齢者や障害者や障害児への支援や処遇に係る事務負担の現状を踏まえ、指導監査に関係する資料について、これらをIT化の促進により、事務処理の効率化、例えばファイルの送信で受け付ける等の方法による簡素化の検討はできないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。県として、福祉現場の最前線で働いている職員が少しでも働きやすくするためにも、指導監査に関係する事務負担の軽減にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、障害者の地域生活への移行についてお尋ねします。 施設に入所している障害者が、障害の軽い重いにかかわらず、生まれ育った地域で生活していくことができるように、地域生活への移行という基本的な考えとともに、障害者がみずからの暮らし方を選択できるような移住環境の整備が必要ではないでしょうか。 国は、平成二十九年度末における目標値の設定に当たって、平成二十五年度末時点の施設入所者数の一二%以上が地域生活へ移行することとするとともに、これにあわせて四%以上削減することを基本としています。そして、施設入所者数をこれまでの実績及び地域の実情を踏まえて、数値目標を設定するとの考えを示しております。 県としても地域移行に取り組んでおられますが、施設入所者の地域移行への移行人数、また地域生活移行率は、全国平均より低い数値だと言われております。 一方で、最重度の障害がある者や重複障害者や強度行動障害を伴う重度知的障害、また日常的に医療的ケアを必要とする障害者などに対しても、入所施設内において専門的支援が本当に必要な障害者がおり、その利用ニーズに応える必要があるのではないかと考えます。 しかし、これらの最重度の障害がある利用者がなかなか入所できず、施設から断られているという話も聞こえております。 県においても、入所施設における支援が本当に必要な者への利用ニーズに応じられるような福祉事業の整備をしていく必要があるのではないでしょうか。 県内における現時点は、在宅及び障害児施設等における入所待機者数は延べ七百四十九名もおります。そのうちの緊急待機登録をしている登録者に関しては延べ五十八名です。一年以上登録したまま、待機しているというケースもあるようです。 その要因には、障害者支援施設は高齢者施設と違い、なかなかあきが出てこないという実情があります。 現在、家族と在宅で生活している障害者本人において、その家族の高齢化が進んでいる状態であり、そしてその親が亡くなった後のことも見据えないといけないのです。 また、このような状況であるがゆえに、施設への入所がすぐではなく、待たないと入所できない状況の中、現時点は必要ではないが、とりあえず待機登録しておく。運よく順番が回ってきたら、まだ在宅で十分過ごしていける状態であっても、この機会を断ると次いつ入れるか、また、緊急に必要なときが来たときに受け入れてくれるのかなど、家族にとっての不安や悩みは尽きないようです。 入所施設定員数または施設入所者数のあり方については、引き続きの検討を進める必要があり、そのためには、今後は、これまでの実績を踏まえて、入所待機者本人の意向や家族の状況を含む実態について把握し、地域の必要なサービスについて、市町としっかり連携しながら計画整備をする必要があると思います。 地域の在宅障害者のための相談支援やショートステイ、入所利用が長期化しないための支援、また、在宅障害者を受け入れるための日中活動の場、グループホーム等の整備や緊急時のバックアップなどを行う地域の支援拠点となる施設等が必要とされております。 また、地域移行に必要な支援や地域において、安心できる在宅生活の支援を充実させるための整備も求められております。 そこでお尋ねいたします。県として、障害者の地域生活への移行に向けて、どのように取り組んでいこうとしているのか、御所見をお伺いします。 最後に、高校と大学等の連携等による県内進学の促進についてお尋ねします。 県内において、それぞれの地域や地元を支える若い人材を育てるためさまざまな取り組みをなされております。 その一つとして、県内の各市町立小中学校にコミュニティ・スクールが導入され、全国に先駆けて、その設置率は一○○%になっています。そして、実際に活発に活動し、地域の活性化につながる実績、成果があらわれております。 先日、周南市で開催された、やまぐちコミュニティ・スクール推進フェスティバルにおいて、浅江中学校の事例報告がありました。浅江中の生徒会役員男女七人が原稿を一切読まず、身ぶり手ぶりを加えた迫真の演技で地域とのやりとりを発表しました。 全国から集まった先生方にとっても、表現豊かな演技に対しての驚きと、将来を担う山口県の中学生の無限の可能性を感じる機会となったのではないでしょうか。 この活動の理念としては、地域連携教育という概念であります。その地域連携教育とは、地域愛を育てる教育であると考えます。そして、その延長上にあるのが地元定住ではないかと思います。 小中学校においては、コミュニティ・スクールの取り組み等を通じて、地域活動へ積極的に参加しやすい環境が整ってきております。 しかし、進学指導や受験勉強が中心となる高校では、生徒がいろいろな活動に参加することがなかなか難しい状況であると聞いております。 昨年開催された高校生県議会においては、現役の高校生からも、少子化の原因の一つに、若者の県外流出があるのではないかとの指摘がありました。進学選択をする際に、都会のほうが魅力的であり、一旦県外へ進学をしたら、山口県に戻ってはこないとの率直な思いを述べられ、県内の大学や専門学校などへの進学を促進することがポイントになるとの意見であります。 そして、具体案として、高校生が気軽に大学見学できる機会をふやす、また、高校生と大学生の交流の場の積極的な提供、実現という提案をなされました。 実際に、私の母校であります新南陽高校の生徒は、バスを借りて学年単位で山口大学や山口県立大学へ行っております。成果として、身近であるのに関心を持つことがなかった地元の大学に実際に行くことで興味を持て、進学に対する意識が高まったそうです。 このように、地元高校生の素直な反応があることから、こういう取り組みが将来的に地元の大学への進学率向上につながることだと期待しております。 県内には山口大学や山口県立大学などの国公立大学があり、また徳山大学や宇部フロンティア大学などの私立大学、ほかにも各種専修学校もあります。それぞれの学校は地域経済に密接に関連しており、地域の活性化の一翼を担っております。 若者の県内定住につなげるためにも、高校生の進路選択に際して、県内進学がしっかりとした一つの選択肢となるように、知事部局と県教委が一緒になって取り組んでいく必要があると思います。 そこでお尋ねいたします。高校と大学等の連携及び県内大学の魅力向上や情報発信等による県内進学の促進について、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(塩満久雄君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 新造議員の御質問のうち、私からは、地方創生に向けたインターンシップの推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の最重要課題である若い世代の人口流出に歯どめをかけるためには、産業振興により安定した魅力ある雇用を創出し、その雇用の場を生かして若者の定着・還流を促進する取り組みが極めて重要であると考えています。 このため、チャレンジプランに若者を中心とした雇用の場の確保を掲げ、県内就職に対する支援や県外に進学した学生等のUターン就職の強化に積極的に取り組んでいるところです。 特に、お尋ねの学生が在学中にみずからの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うインターンシップは、社会人として必要な能力を高めるだけでなく、企業に対する理解の促進や企業の魅力を発信する上でも重要です。 本県では、産学公で組織する山口県インターンシップ推進協議会が平成二十二年度に設立され、いち早く県内でのインターンシップを推進しており、県は学生と企業とのマッチングを行うコーディネーター配置への支援を行っています。 今年度はコーディネーターの増員を行うとともに、新たにインターンシップ参加学生への交通費と宿泊費の助成を始めました。 こうした取り組みにより、実施人数は昨年度を約百八十人上回る約九百人、受け入れ事業所数は昨年度を約三十上回る約二百八十事業所と、いずれも過去最多となったところです。 お示しの国の地方創生インターンシップ事業は、このような本県の先駆的な取り組みをモデルとして、全国で展開するため今年度創設されたものです。 こうした中、県では、インターンシップの取り組みをさらに推進するため、来年度から新たに、長期間のインターンシップの円滑な実施を支援することとしています。 具体的には、大学のカリキュラムとの調整や企業と大学とのマッチングなどを行う支援員を配置するとともに、参加学生に対する交通費等を助成対象に追加することとしています。 また、首都圏の大学三年生等を対象として、九州各県と共催する広域インターンシップに引き続き取り組みます。 さらに、お示しの若旅inやまぐちなど民間が実施する企業見学ツアーの参加者への県内発着地までの交通費助成を引き続き行い、学生の参加を促してまいります。 私は、多くの学生がみずからの職業観を形成し、県内企業を知ることにより、県内への定着・還流がさらに進むよう、インターンシップの推進に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(塩満久雄君) 小玉観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 小玉典彦君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(小玉典彦君) 文化資源の活用についてのお尋ねにお答えします。 地域の活性化や交流人口の拡大を図る上で、本県の多彩で魅力ある文化資源を観光資源として活用していくことは大変重要であると考えており、今月中に策定する、おいでませ山口観光振興計画においても、テーマツーリズムの推進を掲げ、歴史・文化資源を生かした文化観光を促進することとしています。 お示しの日本庭園については、日本文化を象徴する芸術性の高い文化資源であることはもちろん、訴求力の高い観光資源であり、本県においても、山口市の常栄寺雪舟庭や防府市の毛利氏庭園、下関市の長府庭園などの日本庭園が観光客の人気を集めています。 こうした庭園の魅力をさらに高めるため、県では、ことし九月から始まる幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン、いわゆる山口DCに向けて、お示しの周南市の漢陽寺での写経・座禅体験のほか、毛利氏庭園での着つけ体験など、日本庭園と和文化体験を組み合わせた観光素材の磨き上げにも取り組んでいるところです。 これらの素材については、昨年の全国宣伝販売促進会議においても、全国の旅行会社から高い評価をいただいたところであり、山口DC本番に向けて、日本庭園も活用した旅行商品の造成について、旅行会社に積極的に働きかけてまいります。 また、二○二○年の東京オリンピック・パラリンピックは、我が国の文化の魅力を世界に示す絶好の機会であることから、それに向けて、県においても来年度から、やまぐち文化プログラムとして、本県の特色ある文化資源の魅力を発信する取り組みを進めてまいります。 具体的には、県立美術館の主要なコレクションである雪舟の水墨画をテーマとした特集展示や、萩美術館・浦上記念館の浮世絵や萩焼などを生かしたワークショップを開催するなど、外国人観光客も視野に入れながら、山口ならではの日本的な文化資源の魅力を発信してまいります。 県としては、日本庭園を初め、本県の誇る文化資源を観光資源として活用しながら、より多くの皆様にその魅力を伝えることにより、地域の活性化や交流人口の拡大につながるよう積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(塩満久雄君) 河村農林水産部長。    〔農林水産部長 河村邦彦君登壇〕 ◎農林水産部長(河村邦彦君) 県産農林水産物の需要拡大についてのお尋ねにお答えします。 農林水産業を魅力ある産業にするためには、県産農林水産物の需要を拡大し、生産意欲の向上につなげていくことが重要であることから、県内はもとより、大都市圏や海外においても、生産者みずからが商品をPRする場を設けるなど、関係者一体となった売り込みを展開しているところです。 この結果、東京、大阪の山口県ゆかりのお店を初め、台湾、香港の飲食店や量販店など、国内外で県産品の取引が拡大しています。 また、昨年十一月の香港での山口フェアにおいて、初めて海外でPR販売を行った生産者から、これを機会に、これまで以上に努力して、品質のよい商品を届けたいとの感想をいただくなど、生産意欲の向上にもつながっているものと考えています。 今後、さらなる販路拡大を進めるためには、これまでの取り組みに加え、大都市圏におけるニーズや商品の評価等を適時的確に生産者に提供するとともに、県産品のブランド力を向上させることが必要です。 このため、大都市や海外からバイヤーを招聘して商談会や産地交流会を開催し、県内生産者と直接情報交換を行う機会を提供するほか、今年度配置した売り込み支援員を通じて県内外の売り込み先の評価等をきめ細かく伝えるなど、生産者に生の声を届ける取り組みを強化してまいります。 また、生産者が大都市圏の飲食店等からの要望を直接把握し、迅速に対応できるよう、インターネットを通じて商品の受発注が行える産地直送システムを構築し、取り扱い品目や利用者の拡大を図ることとしています。 さらに、生産者団体等と連携し、県産品のブランド力向上と生産体制の強化を一体的に進めるやまぐちブランドの取り組みを一層推進するとともに、地域ぐるみで産地の価値を高める地理的表示保護制度を積極的に活用してまいります。 県としましては、本県農林漁業者が意欲を持って生産に取り組めるよう、今後設立予定の地域商社とも連携し、県産農林水産物の需要拡大に取り組んでまいります。 ○副議長(塩満久雄君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井勉君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井勉君) 福祉施設等に対しての指導監査についてのお尋ねにお答えします。 県の指導監査は、法令の基準に沿ったサービス提供が行われているかなどについて、福祉施設等に赴き、実態の確認を行っています。 その際には、必要以上に施設等の職員へ応対させることなく、要点を押さえた指導監査とするため、施設等へは、基準の遵守状況や運営上の課題に関し、事前に自己点検を兼ねた所要の資料提出を求めています。 この提出資料の様式は、適・不適の点検項目だけではなく、サービスの種類に応じて、ほかの施設等での支援や処遇の取り組み事例及び留意点を多数例示していますが、自己点検内容は必要最小限のものとしています。 しかしながら、お示しのとおり、小規模な施設等においては、利用者へのサービス提供にかかわる職員も資料作成を行っており、労力を要しているとの声を伺っております。 こうした状況を踏まえ、県では、資料作成のための事前説明会の開催やホームページへの早期の様式掲載、余裕のある作成期間の設定などを行っており、提出方法も、施設等から申し出があれば、ウイルス対策等のIT環境を確認の上、電子ファイルでの提出に応じております。 県としては、今後とも、施設等の実態を踏まえた効果的・効率的な指導監査を実施するとともに、利用者へのサービス提供に支障がないよう、指導監査関係の事務負担軽減に取り組んでまいります。 次に、障害者の地域生活への移行についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方が、施設から地域生活に移行し、希望する地域で安心して暮らしていくためには、相談支援や日中活動の場等の障害福祉サービスを充実するとともに、住まいの場の確保を図ることが重要であると考えています。 このため県では、障害福祉サービス実施計画に基づき、相談支援事業所や日中活動の場である就労支援事業所、住まいの場であるグループホームの整備を進め、おおむね計画どおりに進捗をしているところです。 しかしながら、お示しの地域生活移行率は目標ペースに比べておくれており、この主な原因としては、障害者本人や家族の地域移行に対する不安感があることと考えています。 このため、障害者本人や家族の不安の解消に向けて、相談支援専門員や施設職員等のスキルアップのための研修の充実など相談支援体制の強化を図るとともに、グループホーム入所や就労などの地域生活を体験する機会をふやすことにより、本人の地域移行への意欲向上を図ってまいります。 こうした取り組みにあわせ、地域のニーズを踏まえながら、就労支援事業所やグループホームの計画的な整備を引き続き促進するとともに、地域定着に向けた環境づくりを進めるため、緊急時における速やかな相談や受け入れなどを行う地域生活支援拠点の市町による整備を進めてまいります。 県としては、今後とも、市町や関係団体と一体となって、障害者が本人の希望に応じて地域で安心して暮らしていくことができるよう、地域生活への移行促進に一層取り組んでまいります。 ○副議長(塩満久雄君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 県内大学の魅力向上や情報発信等についてのお尋ねにお答えします。 本県におきましては、大学に進学する高校生の約七割が県外に進学するなど、進学や就職時における若者の県外流出が大きな課題となっています。 このため県では、県内大学や地元産業界等と一体となってCOCプラス事業を推進し、インターンシップやキャリア教育の充実など、各大学の魅力向上や県内就職の促進に向けた取り組みを積極的に進めているところです。 また、県内進学の促進には、保護者も含め、各大学等の魅力や進学時の経済的メリット、地元就職率の高さなどについても理解してもらう必要があることから、県教委と一体となって、オープンキャンパスマップや進学ガイドブックの作成、県内進学・仕事魅力発信フェアの開催、県独自の奨学金返還補助制度のPRなどにも取り組んでいるところです。 さらに、来年度は、昨年十月に設立した大学リーグやまぐちを中心に、大学間の共同授業などによる魅力向上を初め、SNS等を活用した高校生や大学生への効果的な情報発信、高校への出前授業の充実などにも取り組むこととしています。 県では、今度とも、県教委との緊密な連携のもと、大学リーグやまぐちを中心としながら、大学等の一層の魅力向上やその発信強化に努め、高校生の県内進学の促進に取り組んでまいります。 ○副議長(塩満久雄君) 浅原教育長。    〔教育長 浅原司君登壇〕 ◎教育長(浅原司君) 高校と大学等との連携による県内進学の促進のお尋ねについてお答えします。 地方創生の流れが加速する中、高校生の県内進学促進に向けて、県内大学等と高校が連携した取り組みを進めていくことは、若者の県内定着や高校生の進路意識向上の観点から重要であると考えています。 このため県教委では、今年度、やまぐちの未来へつなぐ高大連携事業を実施し、県内の大学生等が高校を訪れ、高校生とのディスカッションを通して、大学の魅力やよさを伝える取り組みや、高校生が県内大学等のオープンキャンパスや体験授業に参加するための支援を行ってきたところです。 実施後の生徒のアンケートでは、大学生がとても輝いていたので、県内大学もいいなと思った、県内の大学が山口県に貢献しているという話を聞き、進学したくなったといった感想が見られ、この事業を通じて、県内進学に向けた機運が醸成されていると考えています。 こうした取り組みを、来年度さらに効果的に実施するため、高校において大学生とのディスカッションに参加した全ての高校生が大学訪問等にも参加し、授業内容や大学生活を実際に体験することで、県内大学への興味・関心を、より具体的な進路希望に高めることができるよう、事業の充実を図ってまいります。 また、新たに、知事部局と連携して、今後、需要の増加が見込まれる保育や看護に関する学科を有する県内大学等の合同説明会を開催し、これらの分野を志す高校生の県内定着につながる取り組みを推進することとしています。 県教委といたしましては、今後とも、知事部局や県内大学等と連携しながら、県内大学等の魅力やよさについて理解を深める取り組みを一層推進してまいります。 ○副議長(塩満久雄君) 井原寿加子さん。    〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) ◆(井原寿加子さん) 通告に従い一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 トランプ大統領が誕生してわずか一カ月余り、中東諸国からの入国を禁止する大統領令に始まり、CNNやニューヨークタイムズをフェイク──偽りのニュースとして攻撃し、核兵器の増強まで言い出すなど、まさに世界中が嵐に巻き込まれたかのようです。 そのトランプ氏とゴルフを一緒にし、御満悦であった安倍首相ですが、最近は、国会での連日の厳しい追及にいら立ちを隠せないようです。 あの森友学園との浅からぬ縁が取り沙汰されていますが、政治の圧力により破格の安値で国有地が払い下げられたとすれば、到底許されることではありません。 一方、小池東京都知事の勢いはとどまるところを知らず、夏の都議選をにらんで、その人気にあやかりたいとすり寄る議員が相次いでいます。 その小池さんが掲げる一枚看板が東京大改革です。第一に都民ファースト、都民の視線で税金の無駄遣いをやめること。そのために口ききやあっせんなど古い体質の政治を排除すること、こうした改革が真に行われるのであれば、同じ女性としてエールを送りたいと思います。この際、知事にもぜひ山口大改革をやっていただきたいと思います。 そこでまず、本県の財政状況についてお伺いいたします。 私は、毎年この二月定例会で財政問題を取り上げてきました。その中で、わかりやすい指標として、借金残高と積立金に注目し、その改善を求めてきましたけれども、残念ながら、余り成果を見ることなく今日に至りました。 来年度の予算編成においても、最終的な財源不足三十九億円を基金の取り崩しで対応し、基金の残高見込みは再び百億円を下回り七十一億円となるなど、危機は一段と深刻化しています。 これを受けて、知事は、今後五年間で自立した財政構造の確立を図ると決意表明をされました。 ようやく動き出されたということで評価いたしますが、同時に示された収支見通しを見ると、幾つか疑問に感じることがあります。 まず、歳出改革の効果として七百七十億円が見込まれていますが、その中で公債費の平準化が五百四十億円、何とその七○%強と大部分を占めています。初めて聞く言葉であり、公債費の平準化の具体的内容、メリット・デメリットなどをわかりやすく御説明ください。 次に、公共投資の適正化により、五年間で三十億円程度の削減効果が見込まれていますが、歳出の一O%を占める、その事業規模から見ると、いかにも数字が小さいと思います。歳出の抜本的見直しを行うとすれば、公共事業にもっとメスを入れる必要があるのではないでしょうか。 また、改革本部の取り組み強化として、四百億円程度の削減効果が見込まれていますが、中身が何も記載されていません。実際にどのような取り組みをされるのか、具体的に御説明ください。 最後に、県債残高についてお尋ねいたします。 県債残高は、二十九年度末見込みで一兆二千六百億円余りと依然として高い水準にあります。特に今後、公債費の平準化により毎年の返済額を減らすとすれば、これまでと同じペースで新規の起債をしていれば、当然に県債残高は増加することになります。 後世にツケを残さないために、県債残高の縮減についても財政再建の目標に加えるべきではないでしょうか、お尋ねいたします。 次に、来年度予算案の中で少し気になる点をお聞きいたします。 まず、今回、調査費が計上されている第二関門橋とも言われる下関北九州道路の建設です。その目的や必要性などを御説明ください。 また、建設経費の総額、県の負担割合はどの程度になるのか、今の県の財政で対応できるのでしょうか、お答えください。 次に、再編交付金を活用した事業で、来年度も岩国錦帯橋空港の整備事業費として三億円余りが新規に計上されています。入札の経緯が問題になった駐車場の立体化に続くものですが、その内容を教えてください。 開港してまだ日が浅く、沖縄便が復活するとはいえ、利用者の動向が見通せない状況で、それほど急ぐ必要があるのでしょうか。採択の経緯も含めて教えてください。 二番目に、米軍岩国基地の機能強化についてお伺いいたします。 一月中旬に、最新鋭のF35Bステルス戦闘機十機の配備が強行され、二月初めには、これも最新鋭のE2D早期警戒機ホークアイ五機が空母艦載機として先行配備されました。さらに、FA18ホーネット戦闘攻撃機などの空母艦載機最大六十五機が、ことし秋から来年にかけて移駐する予定であり、岩国は百二十機余りの航空機を擁する極東最大の航空機基地になります。 基地機能の大幅な強化により、騒音や治安など市民生活にどのような被害をもたらすのか、正確な情報を市民に伝え、その被害をできるだけ防止するために努力するのが私たちに課せられた責任だと思います。 先日、岩国基地再編案に関する再検討結果という資料をいただきました。これまでの経緯や国からの回答などがよくまとめられていますので、これをもとに、私なりに疑問点などを整理して質問をいたします。 まず冒頭に、空母艦載機の移駐については、平成十八年時点で一定の整理をしたとありますが、これは周辺住民の生活環境が余り変化しないので、基地機能の強化には当たらないというふうに判断し、今回、機種や機数が変更されたことから疑問点を照会した上で再整理すると理解していいのでしょうね、お答えください。 まず、騒音被害についてお聞きいたします。 国が示した騒音予測コンターによると、それほど騒音はひどくならないとされていますが、これはあくまで一片の予測資料にすぎず、実態を正確に反映しているとは言えません。 実際に市街地の上空を飛ぶ機影が頻繁に目撃されているにもかかわらず、陸上の飛行コースが想定されていません。 また、コンターは一年間を通した騒音予測であり、年間の滞在期間が数カ月の艦載機に当てはめるには、そもそも無理があります。 短期間に集中的に激しい訓練をする艦載機の飛行実態にあわせて騒音被害を正確に把握し、対策をとる必要があります。 まず初めに、議論の大前提として指摘したいのは、岩国爆音訴訟の第一審判決で、現在の騒音が違法であると明確に認定されているということです。 新たな負担を受け入れる前に、この違法状態の解消を求めることが先決だと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、艦載機の訓練は、主に日常の訓練、空母艦載機離発着訓練(FCLP)、そして空母着艦資格取得訓練(CQ)の三種類に分けられます。それぞれ激しい騒音被害をもたらすと聞いていますが、それぞれの目的や内容、騒音被害の実態について御説明ください。 次に、安全性についてお聞きいたします。 航空機別の事故率などについて分析が行われていますが、それは、あくまで統計上の数字にすぎません。実際に事故が起こったときに、どのように対応するかが大切だと思います。 昨年十月の火災事故の根本的原因が究明されず、十分な対策もとられないまま、きょうもF35Bステルス戦闘機が飛んでいます。 その後、事故原因に関する新たな情報を把握しているのでしょうか、お聞きいたします。また、最終報告書はまとまったのでしょうか、お答えください。 重大事故が発生した場合には、国任せにするのではなく、県みずからがアメリカ側に原因の徹底究明を要求し、原文の報告書を手に入れ、分析、検討すべきです。さもなくば、県民の安全を守るという知事の責任が果たせないと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、治安についてお伺いいたします。 国の回答では、隊員教育や綱紀粛正、安全パトロールなど形式的な対策が並ぶだけで、とても実効性があるとは思えません。 最近、基地関係者だけが住む新たな住宅地ができており、YナンバーやAナンバーの車を見かけることも多くなりました。 艦載機の移駐とともに、家族も合わせて約三千八百人増加することになれば、当然、交通事故や犯罪の発生が心配されます。 そこで、県警にお伺いいたします。基地外に居住する関係者の人数や居住場所、Yナンバーなどの登録件数など、その実態を教えてください。 地位協定の壁があることは十分承知しておりますが、私たちが頼りにするのは、やはり日本の警察です。事故や事件防止のために、今後どのような対策をとるお考えか、お聞かせください。 次に、愛宕山の米軍施設についてお伺いいたします。 愛宕山では、野球場などのスポーツ施設がその全容を見せ始めていますが、私たちの税金を使って、米軍のためにこれほど豪華なものをつくる必要があるのかと素朴な疑問を抱くとともに、これが基地を押しつけるためのあめの象徴として記憶されていくのではないかと思います。 以前の住民説明会では何も説明されませんでしたが、米軍住宅やスポーツ施設の建設経費と完成時期、市民の利用方法などを明らかにしてください。 各所で大規模なのり面工事が行われ、自然、環境破壊が一段と進行しています。 前回、国のやることで、県はあずかり知らないという趣旨の答弁をいただき、正直がっかりいたしました。都市計画や防災を所管するのは、まさに県行政であり、その気になれば果たすべき法的責任がたくさんあるのではないかと率直に感じます。 そこで、疑問に感じたことをもう一度お尋ねいたします。 この地区は、用途地域として第二種住居地域に指定されており、住居を主体として、その他の建設物は店舗やホテルなどに限られるという用途制限がかかっているというふうに思いますが、今回ののり面工事のような大規模な構造物を建設することは用途制限に反するのではないでしょうか、お尋ねいたします。 前回の答弁で、一部ののり面工事が民有地にはみ出しているとのことでしたが、その部分は既に国により買収されているのでしょうか、面積とあわせて教えてください。 また、愛宕山と一体のものとして、その部分の用途地域の変更が必要となるのではないでしょうか、お伺いいたします。 今回ののり面工事も含めて、愛宕山全体で考えれば、県の条例により、環境アセスメントの対象となる第二種事業に該当するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 最後に、愛宕山の用地及び施設の米軍への提供について、昨年十二月の日米合同委員会で合意がなされたと聞いていますが、その内容を教えてください。 その後、実際に米側への提供は行われたのでしょうか。この間の経緯を明らかにしてください。 また、日米地位協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律の第七条により、米国に対して国有財産を提供する場合には、防衛大臣は、あらかじめ関係都道府県知事と市長の意見を聴かなければならないとされていると思いますが、この手続はいつ、どのような形で行われたのでしょうか、お答えください。 最後の質問です。探究科設置と学校図書館の充実について、県教委にお伺いいたします。 県内各高校の志願者数が先日発表されました。その中で私が注目したのは、新年度から宇部高校と下関西高校の二校に探究科が新設されることです。 これまでの知識重視から、思考力、判断力、表現力などを高める教育へ、アクティブ・ラーニングによる学習を目指すとされる県教委の具体的な取り組みのあらわれだと思います。 しかし、志願倍率を見てみると、宇部高校では一倍、下関西高校では一・一倍と決して高くありません。この数字を県教委ではどのように受けとめていらっしゃるのか、まずお尋ねいたします。 探究科での授業では、生徒だけでなく、それを担当する教員の負担が増すことが懸念されます。 そこで、まず浮かぶのが、学校図書館の果たす役割です。アクティブ・ラーニングにおいて、図書館利活用の具体的な取り組みがあれば示してください。 授業の準備の段階において、生徒も教員も、どのような資料を調べればよいか、関連資料として使うには何が適切か、学校以外の図書館の蔵書は何があるのかなど、教員の長時間勤務の問題が指摘されている中、これらをこなすことは不可能ではないでしょうか。 そこで、的確な資料提供はもとより、教員の負担を軽減させるためにも、専任の学校司書の配置は不可欠というふうに考えます。 探究科を設置される二校の図書館の開館時間、利用人数、司書教諭が学校図書館業務を行っている時間数を教えてください。 また、同じ二校について、昨年度の図書購入費の予算と実績額を答えてください。 私は、これまで学校図書館について、その充実を願い、何度か一般質問もしてきました。しかし、残念ながらその充実が図られてきたとは言いがたい状況にあると思います。 特に、県立高校の図書館は、古い本のある自習室という実態で、とても学校図書館として機能を果たしているとは思えません。 そこで、県立高校図書館の現状を教えていただくために、私もメンバーである、学校図書館を考える会・やまぐちでは、二月五日に県教委の御協力で講演をしていただきました。 その中でアクティブ・ラーニングとの連携の説明がなかったことは大変残念でした。また、お話を伺い、物的・人的な整備充実、そして公共図書館との連携も不可欠であるということを強く感じました。 文科省の協力者会議「これからの学校図書館の整備充実について」の初めの部分には、「学校図書館は、調べ学習や新聞を活用した学習など、各教科のさまざまな授業で活用されることにより、学校における言語活動や探究活動の場となり、主体的・対話的で深い学び、アクティブ・ラーニングの視点からの学びを効率的に進めていく役割が一層期待されている」と記されています。 しかし、これまでの県教委の取り組みは、学校図書館に関する国の動きやアクティブ・ラーニングと連携し、活用されていると評価できるものではないと思います。 探究科を設置され、アクティブ・ラーニングなどの施策を進められようとする中で、学校図書館の果たす役割について、県教委として、どのように考えておられるのか、また、その機能の充実が必要と思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたしまして、私の一回目の質問といたします。(拍手) ○副議長(塩満久雄君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 井原議員の御質問のうち、私からは、下関北九州道路の建設の目的や必要性についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の地方創生を推進し、「活力みなぎる山口県」を実現していくため、産業や地域の活力創出、県民の安心・安全の確保等に全力で取り組んでいるところです。 これらを着実に進めていくためには、その基盤となる道路網の整備を重点的かつ計画的に進めていくことが必要であり、チャレンジプランの重点施策に位置づけて取り組んでいるところです。 とりわけ、下関地域の地方創生を推進するためには、海峡を挟んで古くから一体の都市として発展してきた北九州地域との連携を一層強固なものとし、関門地域の自立的発展を図る必要があります。 このためには、下関市と北九州市の中心部を直結し、人・物の交流を促進する下関北九州道路の整備が不可欠であると認識しています。 また、さきの熊本地震の教訓を踏まえ、代替性の確保された道路ネットワークの必要性が再認識されたところですが、老朽化が進む関門トンネルや関門橋は、補修工事や事故等により頻繁に通行規制が行われており、大規模災害時における代替性を確保する観点からも、下関北九州道路の早期整備が極めて重要と考えています。 私としては、厳しい財政状況の中においても、当該道路の早期実現に向け、精力的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(塩満久雄君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 本県の財政状況についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、公債費の平準化についてです。 このたびの歳出構造改革に当たっては、公債費が本県財政の硬直化の大きな要因となっていることから、公共事業等の財源に充当する一般分の県債について、国の地方財政計画や施設の耐用年数、全国の自治体の状況等を踏まえ、三十年債の導入を進めることとしたところです。 この取り組みにより、利子の総額は一定程度増加するものの、単年度の元金償還額が大きく減少するため、中長期的な公債費負担の低減や平準化に効果があると考えています。 次に、公共投資の適正化についてです。 公共事業費など公共投資等の適正化については、一般財源と県債を合わせた地方負担額を五年間で一○%削減することとしており、お示しの一般財源の縮減に加え、一般分の県債発行の抑制による将来的な公債費の減少も図られることから、削減効果は大きいと考えております。 次に、行財政改革統括本部での取り組み強化についてです。 お示しの四百億円の削減については、行財政改革統括本部において、今後、具体的な取り組み強化策の検討、具現化を図ることとしています。 県としては、この四百億円を含め、全体で千三百五十億円に上る財源不足の解消に向け、あらゆる選択肢を排除せず、聖域なき行財政構造改革を徹底して進めることにより、五年後をめどに、収支均衡した安定的な行財政基盤を確立することとしています。 次に、県債残高の縮減についてです。 県では、チャレンジプランに、一般分の県債残高の縮減を目標として掲げており、今後においても、公共投資等の適正化を通じて、一般分の県債発行のさらなる抑制に努め、その残高の着実な減少を図っていくこととしております。 ○副議長(塩満久雄君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 下関北九州道路の建設についての御質問のうち、建設経費の総額、県の負担割合、県財政での対応についてのお尋ねにお答えします。 現時点では、当該道路のルートや構造、整備手法、着手時期等が確定しておらず、お尋ねの三点については、具体的にお示しできる状況にありません。 次に、愛宕山の米軍施設についてのお尋ねのうち、のり面工事に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、この地区は、用途地域として第二種住居地域に指定されており、今回ののり面工事のような大規模な構造物を建設することは用途制限に反するのではないかとのお尋ねについてです。 用途制限は、建てられる建築物の種類等を制限するものです。 お示しののり面工事は、のり面の防災を目的に行う工事であり、工事によって構築される構造物は建築物に当たらないことから、用途制限に反するものではありません。 次に、愛宕山と一体のものとして、用途地域の変更が必要となるのではないかとのお尋ねについてです。 第二種住居地域と、それ以外の地域にまたがってのり面工事が行われた際に、その土地をどちらかに編入する必要があるとする法律上の定めはありません。 国の都市計画運用指針では、用途地域の境界は、道路、河川、崖などの境に設置することが望ましいとされていますが、用途地域の決定及び変更は、都市計画法上、市町村の事務とされており、岩国市において必要性、緊急性などを踏まえて判断されるものです。 ○副議長(塩満久雄君) 小玉観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 小玉典彦君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(小玉典彦君) 本県の財政状況についてのお尋ねのうち、岩国錦帯橋空港の整備事業についてお答えします。 まず、整備事業の内容についてですが、岩国錦帯橋空港のさらなる利便性向上を図るため、空港のターミナルビルに交流・待合施設等を整備する岩国空港ビル株式会社を支援するものです。 次に、採択の経緯も含めた整備事業の必要性についてですが、開港以来、利用状況が順調に推移する中で、空港が手狭になっていたことから、平成二十八年二月に空港ビルが立体駐車場の整備とターミナルビルの機能強化を内容とする岩国錦帯橋空港機能強化基本計画を策定したところです。 このうち、立体駐車場については、現在、整備が進んでいるところですが、東京便の増便等により、今年度は二月末時点で既に年間の利用者数が四十万人を超えている中、ターミナルビルの機能強化は喫緊の課題であることから、地元岩国市からの要望も踏まえ、今回の予算編成の中で決定したものです。 ○副議長(塩満久雄君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 米軍岩国基地の機能強化についてのお尋ねのうち、岩国基地再編案に関する再検討結果についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、再検討の経緯等についてです。 再編に伴う基地周辺住民の生活環境への影響については、お示しのとおり、平成十八年の時点で、沖合移設後に再編案が実施された場合には、地域により差はあるものの、全体として悪化するとは言えないと整理し、基地機能の強化には当たらないと判断しています。 こうした中、先般、国から示された移駐案によると、移駐する機種、機数に変更があることから、改めて疑問点等を照会し、このたび再整理したところです。 次に、新たな負担を受け入れる前に、岩国爆音訴訟の第一審判決で認定された違法状態の解消を求めることが先決ではないかとのお尋ねです。 岩国基地の騒音訴訟に対する司法判断については、引き続き係争中であることから、県としての見解を申し述べることは差し控えさせていただきますが、現在、地元市町は、住宅防音工事等騒音対策の充実を求めて国と協議を続けており、今後とも、一層実効ある騒音対策が講じられるよう、国や米側に対し、地元市町と連携しながら、粘り強く求めてまいります。 次に、艦載機の訓練の目的や内容等についてです。 艦載機の訓練は、国によれば、日米安保条約の目的達成のため、日常的にパイロットの練度の維持を図り、即応性を確保するとの観点から行われているとの見解が示されています。 このうち、空母艦載機離着陸訓練、いわゆるFCLPについては、飛行場の周辺を旋回するなどして、タッチ・アンド・ゴーなどを行う訓練であり、空母着艦資格取得訓練、いわゆるCQについては、FCLP実施後十日以内に、実際に洋上の空母に着艦する訓練と国から回答を受けています。 また、艦載機の騒音の実態については、詳細には把握はしていませんが、このたび、国から示された騒音予測コンターは、厚木基地における運用実態を踏まえて作成されたものであり、艦載機移駐以前の段階における予測としては、妥当なものであると認識しています。 次に、航空機の事故に関し、昨年十月のF35Bの最終事故報告と知事の責任についてのお尋ねです。 お示しのF35Bの事故について、国から事故原因等に係る最終報告書は示されていませんが、ふぐあいが生じたブラケットについては、米側による設計変更が行われ、本年一月に岩国飛行場に配備された十機に対し、既に対策が講じられた旨の連絡を受けたところです。 また、県では、米軍機による事故が発生する都度、国や米側に対し、必要な申し入れを行うなど、適時適切に対処してきたところであり、事故原因の究明や情報の提供については、米側からの情報も含め、どこまでも国の責任において適切に行われるべきものと考えています。 次に、愛宕山の米軍施設についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、米軍施設の建設経費や完成時期等についてです。 事業主体である国に照会したところ、建設経費については、家族住宅エリア及び運動施設エリアで建設中の工事の契約金額は、本年二月末現在で約四百三十億円である。 また、完成時期については、家族住宅は本年七月末ごろ、運動施設エリアにおける野球場は同じく七月末ごろ、コミュニティーセンターは十月末ごろ、陸上競技場は平成三十年二月末ごろを予定している。 さらに、市民の利用方法などについては、可能な限り早期に市民が利用しやすい施設となるよう、現在、米軍及び岩国市と協議中であるとの回答でした。 次に、民有地ののり面工事についてです。 国に照会したところ、用地境界がのり面の中間に位置している箇所もあり、有効なのり面整備を行うためには、部分的に民有地まで連続してのり面整備を行う必要があると判明した部分について工事を実施しており、工事完成後、必要な手続の中で面積が確定していくことになる。また、当該箇所は、買収していないとの回答でした。 次に、米軍への提供手続についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、お尋ねの昨年十二月の日米合同委員会においては、愛宕山地区において、家族住宅等の用地とするため、米国政府に約七十五万五千平方メートルの土地等を提供することについて合意されています。 次に、米側への提供の経緯等についてです。 国によれば、昨年十二月十九日の日米合同委員会合意に基づき、二月二十八日、協定の締結に関する閣議決定を行い、三月一日に協定を締結したとのことであり、これをもって、用地は米側に提供されているところです。 次に、国が米国に対して政令で定める国有財産の使用を許そうとする場合には、防衛大臣は、あらかじめ知事等の意見を聞かなければならないとされている手続についてです。 政令で定める国有財産とは、その使用を許すことが、産業、教育もしくは学術研究または関係住民の生活に及ぼす影響、その他の公共の福祉に及ぼす影響が軽微であると認められるもの以外のものを対象としており、国によると、このたびの事案については、これに当たるとは考えておらず、知事や市長等への意見聴取は行っていないとの回答がありました。 ○副議長(塩満久雄君) 秋貞環境生活部長。    〔環境生活部長 秋貞憲治君登壇〕 ◎環境生活部長(秋貞憲治君) 愛宕山の米軍施設に関するお尋ねのうち、環境アセスメントの実施についてお答えします。 お示しののり面工事は、雨水などにより、のり面が崩落することなどを予防するため、危険箇所を補強するものです。 このため、住宅や運動施設の複合開発整備事業とは別事業であり、環境影響評価条例による第二種事業には該当しません。 ○副議長(塩満久雄君) 齊藤警察本部長。    〔警察本部長 齊藤寛君登壇〕 ◎警察本部長(齊藤寛君) 米軍岩国基地周辺の治安についてのお尋ねにお答えいたします。 最初に、米軍関係者の居住状況などについての御質問でございますが、基地の外に居住する基地関係者の人数や居住場所については、警察としてはお答えする立場にございません。 また、Yナンバーなどの基地関係者の車両保有台数については、必要により主務官庁に照会することはありますが、これについてもお答えする立場になく、回答は差し控えさせていただきます。 次に、岩国基地の再編に伴う事件・事故の防止対策についてですが、県内で生活する基地関係者が大幅に増加すれば、これにより人や車の往来がふえることが予想されることから、情勢の推移を見ながら、付近の交番を拠点としたパトロール活動を強化し、基地関係者に対する出前型の交通安全教室を行うなど、事件・事故の未然防止に努めることとしております。 また、これまでにも、管轄の警察署において、署員を対象として英会話教室を開催し、夜間の交番に通訳担当者を派遣するなどして、米軍関係者への円滑な対応を図っており、このほか、日米の児童とその家族を対象にした自転車教室も開催しているところです。 なお、米軍人などによる犯罪や重大な交通事故が発生した場合には、事案の早期解決を図るとともに、米軍当局に対し、綱紀粛正や交通ルールの遵守などについて申し入れを行っております。 県警察といたしましては、県内で生活する基地関係者が増加することで、事件・事故の発生状況や交通環境といったものにどのような変化があるかを的確に見きわめた上で、必要な対策を講じ、今後も犯罪の抑止と検挙によって、地域の安心と安全の確保に努めてまいることとしております。 ○副議長(塩満久雄君) 原田教育次長。    〔教育次長 原田尚君登壇〕 ◎教育次長(原田尚君) 探究科設置と学校図書館の充実についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、探究科を設置する二校の志願倍率の受けとめについてです。 探究科については、各学校や県教委において、中学生やその保護者を対象に、学習内容等についての周知に努めてきたところであり、真に探究科を希望する生徒が志願してくれた結果であると受けとめています。 次に、アクティブ・ラーニングにおける、図書館の利活用の具体的な取り組みについては、例えば、研究テーマを設定し、文献や先行研究の調査を重ね、主張を論理的にまとめる学習活動や、一定のテーマに沿って複数の本を紹介するブックトークなどの活動が考えられます。 次に、探究科を設置する二校の学校図書館についてです。 平成二十七年度の実績として、宇部高校では、授業日の開館時間は平均八時間、一日当たりの利用人数は平均十七人、司書教諭が学校図書館業務を行っている時間数は、週当たり平均七時間、図書購入費は予算ベースで四十六万三千円、実績額は四十一万八千円となっています。 また、下関西高校では、授業日の開館時間は平均四時間、一日当たりの利用人数は平均三十人、司書教諭が学校図書館業務を行っている時間数は週当たり平均二時間、図書購入費は予算ベースで四十七万八千円、実績額は四十二万円となっています。 最後に、学校図書館の果たす役割と、その機能の充実についてです。 学校図書館は、生徒の健全な教養の育成に資するもので、アクティブ・ラーニングを効果的に進める役割を果たすものでもあり、引き続き、その機能の充実を図ってまいります。 ○副議長(塩満久雄君) 井原寿加子さん。    〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) ◆(井原寿加子さん) それでは、再質問をさせていただきます。 まず、財政についてお伺いいたします。 公債費の平準化によって、毎年の返済額は減少すると言われましたが、午前中の答弁にもありましたように、結果的には数字が上がると。逆に利率が上がって、返済総額は増加するという御答弁だったと思います。これでは、借金を先送りするだけで、本当の歳出改革にはならないというふうに思います。 県の財政運営を見ていて感じるのは、歳出を積み上げたら財源が不足したと。その穴埋めに苦労して、これではいつまでたっても事態は改善しません。この際、発想を転換して、入るをはかりて出るを制すという財政の原則に立ち返るべきです。 税収などの一般財源を見込み、借金はプライマリーバランスを考慮するのは当然として、さらに元本の返済額以下に抑えることで、歳入に一定の枠を設定して、その枠内に歳出を押さえ込むという基本方針さえ確立すれば、財政は自然によくなると思います。 先ほどからの御答弁で、五年で約四百億円の削減をするということでしたけれども、具体的な内容はこれからということで、何も私たちにはわかりません。 実際に、その外部からのいろいろな働きかけもあるとは思いますけれども、無駄を省いて貴重な税金を優先順位をつけて、公平公正に使うというトップの強い意思があれば、必ず実現できます。こうした財政運営の原則を明確にするということが先決だと思いますが、もう一度知事のお考えをお聞きいたします。 それから、次に、基地問題についてお伺いいたします。 北朝鮮のミサイル発射について、緊急の質問をしたいと思います。 今回特に驚きましたのは、在日米軍基地を標的とした訓練だったというふうに明言をされたことです。基地を抱える町の危険性が現実のものとなりました。このまま極東一の航空機基地になれば、その危険性は一段と高まることになります。 こうした新しい事態を十分に考慮に入れて、空母艦載機の移駐を判断する必要があると思いますが、知事としてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 それから、国の回答によると、FCLPについては、できる限り硫黄島で実施するように求めるとされておりますけれども、残念ながら岩国では実施しないとは一言も書いてありません。また、FCLPが硫黄島で実施される場合も、必ず岩国基地が予備基地に指定されます。つまりFCLPは、今後も岩国で実施される可能性は大きいことになりますけれども、NLPは容認しないという県の方針とは反するのではないのでしょうか、お答えください。 次に、また、まだ容認していないという知事や市長の言葉に、大変私は違和感を持ちます。なぜなら、再編交付金の交付要件の一番最初、第一に、再編を受け入れることと規定をされております。交付金を受け取っている岩国市は、この要件に合致していること、さらに、米軍住宅を初め、受け入れ準備が急ピッチで進められ、取引条件にされた民間空港も開港し、既に容認しないという選択肢はないというのが常識です。それでも容認していないということに、どのような意味があるのか、教えてください。 同様に、普天間基地移設の見通しが立たない限り、先行移駐は認められないということにどのような意味があるのか、お答えください。 それから、愛宕山について、もう一度お伺いいたします。 去年の2プラス2で決まって、愛宕山用地の約七十五万平方メートルは、もう米軍に提供されたというふうに御答弁だったと思いますが、それを岩国市民はほとんど知りません。その中に、先ほどののり面工事の民有地にはみ出している部分も含まれているのでしょうか、お伺いします。 そして、間もなくその境界に沿ってフェンスが張られて、米軍基地が当初の説明よりも知らない間に拡大されるということになっているのでしょうか。買収していないということでしたら、その間にフェンスが立つということなんでしょうか、お伺いいたします。 それから、米軍に提供されて、治外法権の土地になったとすれば──なっているのでしょうけれども、もはや連続したまちづくりは不可能であります。現在の岩国基地の今ある基地と同様に市街化区域から外す必要があると思いますが、その手続は行われたのでしょうか、お伺いいたします。 それから、知事と市長の意見を聞くというところの件で、私はちょっと聞き漏らしたのだと思いますが、軽微であるから知事の意見を聞かなくてもいいというふうにおっしゃったんでしょうか、ちょっともう一度答えてください。 それから、ここに岩国市からもらった使用に関しての意見聴取のことがあるんですが、今回は、使用ではなく提供であるので、使用に際しての意見聴取の規定であり、提供時において意見聴取が必要となるものではありませんというふうに書いてあるんですが、これとの整合性は、どういうふうにお考えでしょうか、お伺いいたします。 それから、国有財産を米軍に提供する場合の法的根拠と手続を詳しく教えてください。 それから、提供と無償使用というのは、どこがどう違うのかも教えてください。 愛宕山については、改めて提供した後に使用の手続を行うことになるのでしょうか、教えてください。 それから、探究科設置と学校図書館の充実について、もう一度お伺いいたします。 図書購入費の予算と実績額の答弁で、実績額との間に乖離があったような気がしますが、その差額に当たる部分は何に使われたのでしょうか、教えてください。 それから、アクティブ・ラーニングを中心とした教育を推進される探究科を県内で初めて設置される二校については、まずモデル校として専任の図書館司書を配置していただけないでしょうか。専任司書の必要性を議論して、学校図書館の果たす役割がいかに重要であるかを考えるタイミングとしては、この機を逃してはならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。 また、学校図書館は、アクティブ・ラーニングを効果的に進める役割を果たすとの認識であるのであれば、この二校について来年度、図書館機能の充実に向けた図書購入費も含めた予算の増額を考えてはいただけないでしょうか、あわせてお伺いいたします。 これで二回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(塩満久雄君) 池田総務部長。    〔総務部長 池田豊君登壇〕 ◎総務部長(池田豊君) 行財政構造改革についての二点の再質問にお答えします。 まず、三十年債の導入についてですが、三十年債の導入に当たりましては、施設の耐用年数等を十分に踏まえながら、将来世代の負担とならないよう、公債費や一般分の県債残高が減少基調を維持できるよう留意しながら進めていくこととしております。 次に、行財政改革統括本部における四百億円の取り組みについてでございます。 厳しい財政状況の中、昨年夏からの全庁挙げた行財政改革の取り組みによりまして、どうにか二十九年度予算が編成できたところでございます。 追加の四百億につきましては、行財政改革統括本部において、今後具体的な取り組み強化策の検討、具現化を図っていくこととしております。 ○副議長(塩満久雄君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 基地問題に対する再質問にお答えいたしますが、たくさんございましたので、一つずつお話をさせていただきます。 まず、順不同になりますが、FCLPの硫黄島でのお話がございましたが、これについては国から引き続き硫黄島で行うと。予備指定につきましては、その都度、県としては全てを硫黄島で完了するよう申し入れ等を行っておりますので、今時点での回答としてはFCLPは行わない。さらには、それはFCLPの中にNLPも含めておりますので、県の基本スタンスとは整合性はとれているものと考えております。 それから、北朝鮮のミサイルのお話もございましたが、これについては、軍事的な脅威に関することでございます。これにつきましては、国の外交・防衛政策にかかわる事柄であることから見解を申し述べる立場にはございません。 それから、基本姿勢なり基本スタンスの意味ということだったと思いますが、基地問題については国策ということでございまして、県としては尊重し協力すると。一方で、言うべきことは言うという姿勢の中で、基本姿勢なり基本スタンスを掲げて、これに照らして、その都度判断をしているということでございまして、現在、空母艦載機の問題については、基地機能に当たらないというところまでは整理をし、さらにNLPも認められないということについても、これまでの回答について一定の整理をしたということで、現在は地元市町の意向を尊重するという、そういう基本姿勢に照らして、今現在、進行形であるというような状況でございます。今後ともこの基本姿勢なり基本スタンスを堅持して対応してまいりたいというふうに考えております。 それから、愛宕山のお話の中で、のり面工事が民有地にはみ出して工事をしていることについて、これが米側に提供されているかということですが、民有地でございましたら提供ということはあり得ないと思います。 さらに、フェンスにつきましても、工事をするに当たって、民有地の所有者と国は協議の上、工事を進めておられるというふうに聞いておりますので、今後そのフェンスを設置されるのかどうかについても、今後国と民有地の所有者のほうで協議の上、検討されるものではないかというふうに考えております。 それから、今回、地位協定に関する財産の提供について、それを知事や市長に意見を聞いていないことの根拠についてですが、これは、国のほうに照会しましたら、政令に定める要件に当たらないということで行っていないということの回答でございました。 それから、この提供に当たっての、手続に関して、あくまでこれは無償で国から米側に提供する際に必要な手続として地元知事や市長等の意見を聞かなければならない、そういった法律になっておりますので、それに基づいて今回、この辺の状況はどうだろうかということを確認したところ、今回は無償で米側に提供されている土地で、今回の手続の政令には該当しないということで県や市長には意見を聞いていないという回答でございました。 たくさんございましたので、私のほうで今把握できた質問の趣旨は以上でございます。 ○副議長(塩満久雄君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 愛宕山地区を市街化区域から外すべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。 愛宕山地区については、将来にわたって周辺の環境に配慮するため、計画的な市街化を図る市街化区域としたところであり、これまでも土地利用が適切に図られていることから、市街化区域から外す必要はないと考えています。 ○副議長(塩満久雄君) 原田教育次長。    〔教育次長 原田尚君登壇〕 ◎教育次長(原田尚君) 探究科設置と学校図書館に関する三点の再質問にお答えします。 まず、宇部高校と下関西高校の図書購入に係る予算額と実績額の差額ですけれども、これについては、学校において図書館設置用のプリンター、それから、図書館管理用のソフトウエアなど、図書館の充実のための経費に充当されております。 それから、司書配置によるモデル校の実施については、県教委としては昨年四月現在で配置率が六七・三%になっております県立高校の学校司書について、業務分担の工夫などにより、これを一○○%配置を目指しておりますので、専任司書の配置等によるモデル校の実施については、その取り組みの中で引き続き研究をしていきたいというふうに思っております。 それから、三番目が、宇部高それから下関西高の図書購入費も含めた予算の増額ということですけれども、アクティブ・ラーニングについては、全ての高校で実施していくということにしておりまして、二校のみ図書購入費の予算を増加することは難しいと考えております。 なお、探究科の設置に伴い必要となる、例えばゼミ形式の授業に対応するための設備などについては、別途予算措置をしているところです。
    ○副議長(塩満久雄君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 失礼しました。答弁漏れが一点ございまして、県の再編関連特別整備事業が再編の容認の要件、容認が要件ではないということなんですが、これはあくまで国からは米軍再編に対する本県の理解と協力といった状況、さらには、KC130空中給油機の受け入れなどを総合的に判断して、本県に交付したというふうに説明を受けております。    〔「答弁漏れです」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(塩満久雄君) 答弁漏れですか。井原さん、どうぞ。自席で。 ◆(井原寿加子さん) いいでしょうか。 ○副議長(塩満久雄君) どうぞ。 ◆(井原寿加子さん) 私がお聞きしたのは、今の答弁漏れもそうだったんですけども、それでも容認していないということに、どのような意味があるのか。同様に、普天間移設の見通しが立たない限り、先行移駐は認められないということにどういう根拠があるのか教えてくださいと言ったのと、もう一つは、国有財産を米軍に提供する場合の法的根拠と手続を教えてくださいと申し上げたんですが、お答えいただけますでしょうか。 ○副議長(塩満久雄君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 基本姿勢と基本スタンスのことなんですが、これは、岩国基地問題については、先ほども申しましたように、国防ということでございますので、尊重し協力するんだけれど、基地周辺住民への生活環境等々、住民の安全で平穏な生活を確保するために、一つの姿勢、県の考え方を持って、それに対処しているということで、現時点、それに照らして今の状況は、先ほど説明したとおりでございまして、今は地元市町の意向を尊重ということで、地元がまだ容認の判断をしていないということでございますから、県として容認をしていないということでございます。 それから、基本スタンスを掲げた理由については、これはこれまで空母艦載機の移駐を含めて米軍再編は全体はパッケージであると国から説明されてきた中で、そういった中で、平成二十一年、民主党政権が再編は見直しの方向で臨むという中で、空母艦載機の移駐のみが先行的に進められるおそれが生じたことから、そういったことは認められないという考え方のもとに、そのスタンス、新たに空母艦載機の移駐のみを進めてはならない、さらにはこれ以上の負担増はだめですよというものを掲げて対応してきているという意味でございます。 それから、基地の提供についてのことでございますが、これは日米安保条約に基づき、さらには地位協定に基づいて日米間で協議し、日米合同委員会合意で、これに基づいて必要な手続を進めて提供されているというものでございます。 ○副議長(塩満久雄君) 井原寿加子さん。    〔井原寿加子さん登壇〕(拍手) ◆(井原寿加子さん) 再々質問をいたします。 済みません。何度聞いてもわからなかったんですが、先ほども一度答弁漏れですと申し上げたのは、普天間移設の見通しが立たない限り、先行移駐は認められないと、この議場でも何十回もおっしゃってた、その普天間移設の見通しが立ったからということなのかどうかという根拠をお伺いしたんです。もう一度答えてください。 それから、先ほどから答弁の中に無償提供と無償使用ということと、提供という言葉がごっちゃになっているんですけれども、無償提供の場合はどうなのか、無償使用の場合はどうなのか。知事と市長の意見を聞かなければいけないのかということをきちんと説明していただきたいのと、先ほども一回答弁漏れですと申し上げた国有財産を米軍に提供する場合の法的根拠と手続を教えてくださいと私は申し上げたんですが、よろしくお願いいたします。 それから、再々質問をいたします。 艦載機は、日常的にタッチ・アンド・ゴーを繰り返す激しい訓練を行うことで知られておりますけれども、現実には期間限定のFCLPよりさらに深刻な騒音被害をもたらすと言われている──日常訓練はそういうふうに言われております。 NLPはだめだけど、日常訓練は構わないというのでは、首尾一貫はしないと思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。 それから、土地の書きかえの件ですけれども、今の現在の基地はどういう住居地域になっているんでしょうか。私の感覚では、いわゆる白地になっているというふうに思いますが、そしたら、愛宕山は白地にしないでこのまま住居地域という市街化区域の法の網がかぶるのであれば、日本の法律が適用されるというふうに認識してよろしいのでしょうか、お伺いいたします。 それから、愛宕山用地を米軍に提供して使用させるというのですから、提供と使用は一体のものとして地元自治体の意見の聴取をする必要があると考えるのが私は自然だと思います。仮に今回は必要ないとしても、実際に米軍が使用する際に、法律に基づいて知事の意見を、聴取が行われる必要があると思いますし、もう一度国との協議をして適切に対応していただきたいと思いますが、県としてはいかが対応されるおつもりでしょうか、お伺いいたします。 それから、図書館についてです。これは要望でございます。県教委が積極的に進められておられるアクティブ・ラーニングが具体的に行われる探究科が設置される二校でさえも専任の図書館司書の配置についても図書館充実の予算についても、もう少し前向きな御意見がいただけるかと思ったのですが、とても残念に思っているところですので、強くその再検討をお願いするとともに、今後、探究科での取り組みと学校図書館との充実を強くお願いして、これは要望としておきますので、ぜひ若い子供たちのために頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 これで私の質問を終わります。お世話になりました。(拍手) ○副議長(塩満久雄君) 矢敷総務部理事。    〔総務部理事 矢敷健治君登壇〕 ◎総務部理事(矢敷健治君) 再々質問にお答えいたします。 基本スタンスの関係で普天間の見通しのお話だったと思いますが、それの見通しについては、まだ岩国市は容認をしておりません。したがいまして、その容認をしていない段階でその辺の見通しについて今、示せる段階にはないというのが県の見解でございます。(発言する者あり) それから、日常訓練はいいのかということですが、基地があるわけですから、当然ながら、訓練はあるわけです。その中で激しい騒音をもたらすNLPは認められませんよというのを基本スタンスに掲げて対応してきたところでございます。 したがいまして、通常の訓練の中、いろんな訓練の中で、地元から苦情といいますか、そういったものがあれば、その都度、国、さらには基地のほうに申し入れ等を行っているということでございまして、日常訓練、全ての日常訓練を否定はもちろんしていませんけれど、激しい騒音をもたらすような訓練であれば、その都度必要な対応をしていくということでございます。 それから、先ほどの日米地位協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律に基づいての規定のところなんですが、改めて整理してみますと、まず、今の日米地位協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律二条に、無償でその用に供する間、合衆国に対し当該財産の使用を許すことができるということで、また、七条で、国が第二条の規定により合衆国に対し政令で定める国有財産の使用を許そうとするときは、防衛大臣はあらかじめ関係行政機関の長等に意見を聴かなければならないという規定になっていまして、このたびの提供されたものについて意見を聞いたかどうかについては、この政令には当たらないというふうに国が判断して県のほうに意見を聞いていない、県なり地元市長には意見を聴取しなかったというふうに国からは説明を受けております。 ○副議長(塩満久雄君) 前田土木建築部長。    〔土木建築部長 前田陽一君登壇〕 ◎土木建築部長(前田陽一君) 基地と提供後の愛宕山は、ともに日本の法律が及ばなくなり、ともに調整区域になるべきではないかとのお尋ねでございますが、まず、都市計画法上、米軍提供施設が市街化区域あるいは市街化調整区域でなければならないとの規定はございません。 そして、愛宕山につきましては、第二種住居地域に指定されておりまして、今後も日本の法律が適用されます。 ○副議長(塩満久雄君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(塩満久雄君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時五十六分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   塩   満   久   雄                   会議録署名議員   篠   﨑   圭   二                   会議録署名議員   山   手   康   弘...