平成 27年 2月定例会 平成二十七年二月
山口県議会定例会会議録 第四号 平成二十七年三月四日(水曜日) ──────────────────── 議事日程 第四号 平成二十七年三月四日(水曜日)午前十時開議 第一
一般質問 第二 議案第一号から第七十号まで(質疑) ──────────────────── 本日の会議に付した事件 日程第二 議案第一号から第七十号まで 会議に出席した議員(四十九人) 柳 居 俊 学 君 吉 井 利 行 君 吉 田 和 幸 君 塩 満 久 雄 君 林 哲 也 君 加 藤 寿 彦 君 有 福 精 一 郎 君 木 佐 木 大 助 君 先 城 憲 尚 君 友 田 有 君 曽 田 聡 君 平 岡 望 君 佐 々 木 明 美さん 小 泉 利 治 君 岡 村 精 二 君 二 木 健 治 君 藤 本 一 規 君 篠 﨑 圭 二 君 藤 生 通 陽 君 松 永 卓 君 合 志 栄 一 君 西 嶋 裕 作 君 末 貞 伴 治 郎 君 吉 田 充 宏 君 新 谷 和 彦 君 田 中 文 夫 君 神 田 義 満 君 島 田 教 明 君 石 丸 典 子さん 井 上 剛 君 国 井 益 雄 君 守 田 宗 治 君 山 手 卓 男 君 槙 本 利 光 君 畑 原 基 成 君 井 原 寿 加 子さん 橋 本 尚 理 君 秋 野 哲 範 君 河 野 亨 君 笠 本 俊 也 君 星 出 拓 也 君 森 中 克 彦 君 河 村 敏 夫 君 藤 井 律 子さん 友 広 巌 君 戸 倉 多 香 子さん 上 岡 康 彦 君 新 藤 精 二 君 江 本 郁 夫 君 会議に欠席した議員(なし) 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 村 岡 嗣 政 君 副知事 藤 部 秀 則 君
総務部長 渡 邉 繁 樹 君
総務部理事 大 谷 恒 雄 君
総合企画部長 上 野 清 君
産業戦略部長 宮 地 理 君
環境生活部長 半 田 健 二 君
健康福祉部長 小 松 一 彦 君
商工労働部長 木 村 進 君
農林水産部長 野 村 雅 史 君
土木建築部長 北 﨑 孝 洋 君
会計管理局長 寺 田 徹 郎 君
財政課長 松 本 典 久 君
公営企業管理者 弘 中 勝 久 君
企業局長 市 原 充 之 君
教育委員長 山 縣 俊 郎 君 教育長 浅 原 司 君
公安委員長 倉 田 惠 子さん
警察本部長 藤 村 博 之 君
代表監査委員 河 嶌 繁 太 君
監査委員事務局長 高 杉 和 典 君
労働委員会事務局長 藤 井 勝 君
人事委員会事務局長 村 田 常 雄 君 会議に出席した
事務局職員 事務局長 高 松 昇 志 君
事務局次長 河 村 邦 彦 君
審議監兼議事調査課長 田 中 肇 君
総務課長 田 平 隆 君
政務企画室長 岡 村 達 也 君 秘書室長 繁 吉 健 志 君
議事調査課主幹 山 本 秀 樹 君 主査 石 橋 教 幸 君
議事記録係長 三 好 政 君 主任主事 藤 村 紘 子さん 主事 竹 井 由利香さん 主事 福 田 直 也 君 ───────────── 午前十時開議
○議長(
柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第七十号まで
○議長(
柳居俊学君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十号までを議題とし、質疑に入ります。
一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。
神田義満君。 〔
神田義満君登壇〕(拍手)
◆(
神田義満君) 私は、
会派とことんの
神田義満でございます。
村岡知事におかれましては大活躍で、いろんなところへ神出鬼没で頑張っていらっしゃいますことを本当にうれしく思わさせていただいております。 先日は、防府市におきまして、丸久の六十年祭がございました。また、その前では、
大河ドラマ館のオープンがございました。そのときは、今、ドラマに出ております大沢たかお、井上真央というスターが来ておりました。
村岡知事が登場されまして、そのスターにも負けない大歓声が上がり、また、黄色い声が上がりました。やっぱり若いということは本当にいいなと、このように思わさせていただきました。 また、
出初め式のときでございますが、消防団員の方から知事さんに、防府の
出初め式にもぜひ来ていただけるよう頼んじょってくれよと言われましたが、来年はそういう時間をとっていただければ、防府市にとりましてまたうれしいことだなと、このように思っております。 それでは、通告に従いまして
一般質問をさせていただきます。 一番目は、「
明治維新百五十年」に向けた
観光需要の拡大についてでございます。 まず初めに、「
明治維新百五十年」に向けた
観光需要の拡大についてお尋ねします。 現在、国においては、二○二○年までに
訪日外国人旅行者数の年間二千万人実現に向け、昨年六月に策定されました
観光立国実現に向けた
アクションプログラム二○一四においても、二○二○年のオリンピック・パラリンピックを見据えた
観光振興や、世界に通用する魅力ある
観光地域づくりという二本の柱を追加するなど、国策として取り組まれています。 この結果、最近の報道によりますと、中国の春節特需で大阪の百貨店の売り上げが通年の三倍以上、そしてミキハウスでは全員に臨時賞与は
パート従業員でも最大五十万円程度になるなど、経済的にも特筆する現象があらわれています。 そして、各国からの観光客が日本に来て、日本流の
おもてなしや
日本特有の魅力ある歴史文化を感じ、日本に対するイメージもアップしていると聞いています。 こうした中、本県におきましても、一月からNHKの
大河ドラマ「花燃ゆ」の放送が開始されました。視聴率が低いとかいう話も出ますが、歴史や町並みなど、山口県の魅力を存分に伝えてくれており、私は毎週わくわくしながらドラマを見ています。私の地元防府市でも
大河ドラマ館がオープンいたしましたし、このドラマを通して、春には全国から多数の観光客が集まることと思います。 また、二月二十六日に発表がありました、魅力的な
観光地づくりの優秀なアイデアを表彰する観光庁のタビイチグランプリにおいては、防府市
観光資源活性化協議会は
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台をレンタサイクルでめぐる旅を提案し、二位に選ばれました。大変うれしいことです。 山口県では、ことし、
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の放送、それから
世界スカウトジャンボリーやねんりんピックなどの開催に加え、
産業革命遺産群の
世界遺産登録も期待されますし、「
明治維新百五十年」の平成三十年に向けて、今、山口県は
大型企画に燃えに燃えている感じがしています。 私は、「
明治維新百五十年」に向けた
取り組みは、山口県が誇る歴史的な資源である
明治維新を活用し、官民が一体となって、全県的・継続的に取り組んでいくことが重要であると考えます。 そこでお尋ねいたします。県では、「
明治維新百五十年」に向けた
観光需要の拡大を図るため、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。 二番目でございます。
森林対策についてでございますが、
二井知事のときに始められたやま
ぐち森林づくり県民税が期限を迎え、
村岡知事もこの森林税を継続されると発表がありました。このことは、県民の森林に対する意識、環境保全(山、川、海)等に、いろんな意味で私も大賛成です。 そこで質問ですが、昨年度の森林税がどれだけ収入があり、どのように使われたのか、御説明をお願いします。 次に、間伐材の使い道についてお尋ねします。 森林を育てるには間伐は必須ですが、急峻な部分の間伐材をおろすには費用が高くつき、現実にはできていないと聞いています。 そこで、私が勉強したものの中に、植物(間伐材、竹、
稲わら等)からつくられる
フラーレンという物質があります。 一九八五年発見されまして、一九九六年度の
ノーベル化学賞を受賞した物質である
フラーレンは、安価な
大量生産は難しいとされていますが、
大量生産が可能になった。今、この試みが、山梨県の都留市と大月市にて行われている。これを生産していくと、まさに無から有を生み出すとはこのことだと思います。 この事業を行うことにより、まさに山は人の手が入り、きれいになり、木はよく育ち、地方にも仕事がふえ、収入もアップし、環境はよくなり、川の魚、海の魚にも好影響を及ぼすものと思われます。そして、この
フラーレンは美容にも医療にも役に立つといった、よいことずくめの物質です。 世の中を変える物質になる
フラーレン、世界が注目する新炭素材料の
フラーレン、美容や医薬品や電子材料、潤滑油に使える。現在、価格は一キログラム五百万円、金の五倍近い価格でございます。 このつくり方は、良質の木材のみならず、竹やケナフなど非木材からもパルプを製造することができる。NC法による
パルプ生産の廃液(黒液)からリグニンを回収し、
ナノカーボンを生産できる。装置を用いて、さらにそこから
フラーレンを生産できる。 まず、パルプの材料となる間伐材を集荷する。そして、パルプをつくり、
フラーレンをつくる。そして、この
フラーレンがお金に変わる。よって、木は育ち、競って間伐材を出し、我々に仕事を与えてくれ、山はきれいになり、ひょっとするとマツタケも生え、川が生き、海が生き、自然全体がよくなると考えます。 このように、間伐材にはさまざまな
利用方法があります。 そこでお尋ねしますが、
フラーレンの
取り組みを含め、間伐材の
有効利用について、県の御所見をお伺いします。 三番目、
入札制度についてでございます。
地方公共団体における調達は、その財源が税金によって賄われるものであるため、よりよいもの、より安いものを調達しなければなりません。 さらに、
地域活性化の観点からは、
地元企業が受注し、
地域経済に貢献することも求められており、その点も踏まえ調達がなされる必要があります。 地元の防府市で、実力も経験もばりばりの建築士さんとお話をする機会がありました。ある魅力のある建物の工事の設計でしたので、絶対この工事の設計を自分の手でやってみたいと思い、入札しようと手続をしました。ほとんどの条件はクリアできたのですが、一つだけクリアできない条件がありました。その条件とは、このような工事の設計について、経験が必要だということでした。 この魅力的な建物の工事は、百年に一回あるかないかの工事でしたので、経験をしている建築士さんは山口県でも数人とのことでした。彼は経験がなかったので、やむなく入札を諦めるしかなかったと言っていました。 これは防府市が発注した案件でありますが、県が発注する建物の工事の設計にもこうした条件があると伺っております。 私は、地域の意欲のある企業や人には、どんどん
チャンスを与えるべきだと考えています。県が発注する建物の設計については、入札の際の
参加条件を工夫する必要があると思いますが、県はどのように考えておられるのか、お伺いします。 以上の三点でございますが、よろしくお願いします。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
村岡知事。 〔知事
村岡嗣政君登壇〕
◎知事(
村岡嗣政君)
神田議員の御質問のうち、私からは、「
明治維新百五十年」に向けた
観光需要の拡大についてのお尋ねにお答えします。
明治維新胎動の地である本県は、
維新ゆかりの歴史、文化、資源等を数多く有しておりまして、お示しの
大河ドラマではこうした本県の魅力が全国に強く発信されていきます。 また、ことしは
明治日本の
産業革命遺産の
世界遺産登録が期待をされるなど、まさに本県への
観光客誘致を拡大する絶好の機会が到来していると考えております。 私は、こうした機会を逃すことなく、本県の認知度の向上や誘客の拡大をしっかりと図っていきたいと考えておりまして、チャンレジプランの重点施策に掲げました「
明治維新百五十年」に向けた
観光需要の拡大を図るため、
観光キャンペーンとして、やま
ぐち幕末ISHIN祭の
取り組みを官民一体となって力強く進めることとしております。 この
キャンペーンは長期にわたりますことから、戦略的・継続的に取り組むこととしており、
大河ドラマの
放送効果を最大限活用する第一章と、
ドラマ放送後の平成三十年までの第二章の構成で展開するということにしております。 まず、第一章では、
大河ドラマと相まって、本県の認知度を向上させ、観光客の来県意欲の高揚に努めていきたいと考えておりまして、
明治維新に関する歴史や
文化資源など、本県の魅力を、私みずから先頭に立って、新たに設置します東京、大阪の
売り込みセンターとともに大都市圏でしっかりとPRするなど、効果的な情報発信を進めてまいります。 また、来県意欲の高まりを実際の誘客につなげるため、国の
経済対策によります交付金を活用した
割引旅行券を発行するとともに、誘客効果を県下全域に波及させるため、県内各地の多くの
観光施設で特典が受けられる
パスポートブックや、新たな
観光ルートを組み込んだ
観光アプリを活用して、観光客の県内周遊を促進をしてまいります。 第二章においては、
大河ドラマの
放送効果が長く持続するよう、「
明治維新百五十年」に向けて、本県の観光力をさらに高める
取り組みを進めていきたいと考えています。 このため、来年度制定することとしております
観光振興を図るための条例を契機として、これまで以上に質の高い
おもてなしや国内外に誇れる
観光資源の磨き上げなど、目に見える形での効果を発現させるとともに、JRと連携したデスティネーション
キャンペーンや、
明治維新ゆかりの四県で構成します
薩長土肥連合によります広域的な
共同キャンペーンなど、発信力の高い
取り組みをしっかりと進めてまいります。 私は、市町や
関係団体等と一体となって、これらの
取り組みを積極的に推進し、「
明治維新百五十年」に向けた
観光需要を拡大してまいります。 その他の御質問につきましては、
関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(
柳居俊学君)
野村農林水産部長。 〔
農林水産部長 野村雅史君登壇〕
◎
農林水産部長(
野村雅史君)
森林対策について二点のお尋ねにお答えいたします。 まず、やま
ぐち森林づくり県民税の税収と使途についてです。 平成二十五年度の税収額は四億六百万円で、その使途は、荒廃した人工林の
強度間伐や繁茂竹林の伐採など森林の再生整備に加え、
森林ボランティア活動への支援や
普及啓発活動などとなっております。 次に、間伐材の
有効利用についてです。 植栽後、主伐するまでの育林作業で生じる間伐材を搬出し、
有効利用することは、
森林所有者への利益還元にもつながるとともに、
地球温暖化防止の観点からも重要であると考えております。 こうした中、間伐材は、くいなどの
土木用資材や輸送・物流用のパレットでの利用に加え、近年では
バイオマス発電用の燃料や
木質ペレットとしての需要が高まるなど、間伐材を無駄なく
有効利用する動きが広がってきております。 このため、県としましては、路網整備や
高性能林業機械の導入を促進し、可能な限り間伐材を搬出・利用する
取り組みを県下一円で進めているところであり、今後とも間伐材の
有効利用に努めてまいります。 なお、お示しのありました
フラーレンにつきましては、
間伐材等の新たな
需要創出として、国が来年度から支援するセルロースナノファイバーなど、
バイオマス素材の技術開発の動向ともあわせ、しっかりと注視してまいりたいと考えております。
○議長(
柳居俊学君)
北﨑土木建築部長。 〔
土木建築部長 北﨑孝洋君登壇〕
◎
土木建築部長(
北﨑孝洋君)
入札制度についてのお尋ねにお答えします。 本県では、建築物の
設計業務の発注に当たっては、規模や用途に応じて、
指名競争入札、
一般競争入札、
プロポーザルの三つの方式で実施しています。 このうち、
指名競争入札及び
一般競争入札においては、参加の条件として同種、類似の実績は求めていません。 また、
プロポーザルは、特殊な用途や県内に同種の建築物が少ないなど、高度な技術力や経験に基づくノウハウを必要とする建築物の
設計業務において、質の高い
建築設計ができる者を選定するために実施するものであり、例えば
山口きらら博記念公園の
水泳プールや維新百年
記念公園の
陸上競技場などの
設計業務においては、このような観点から、
プロポーザルの評価の一項目として同種、類似の実績を求めています。 しかしながら、お示しのように、意欲のある方々に
チャンスを与えることも必要であることから、一定の
プロポーザルにおいては
共同企業体方式を採用することにより、実績のない方でも参加できるよう配慮しているところです。 県としては、引き続き、
県内企業が参加できるよう、
入札参加条件などを工夫してまいります。
○議長(
柳居俊学君)
井原寿加子さん。 〔
井原寿加子さん登壇〕(拍手)
◆(
井原寿加子さん) 通告に従いまして
一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、平成二十七年度予算案についてお伺いいたします。
村岡知事が就任をされまして一年が経過をし、今回が初めての本格的な
予算編成となりました。知事の県政運営の基本的な方向性がここにあらわれていると思いますので、
予算編成の手順やその内容、財政再建などについて、焦点を絞りながらお聞きしたいと思います。 まず、
予算編成について伺います。 先日、「活力みなぎる
県づくりへの挑戦」と題する平成二十七年度当初予算案の概要という資料をいただきました。
予算編成の基本的な考え方から、具体的な予算の中身、さらには長期的な
県債残高の推移など、財政指標までカラーでわかりやすく解説されておりました。
予算編成の忙しい中で、別途これだけの資料を作成するのは大変だと思いますが、何といっても予算は県政を知る上で一番大切なものであり、それを県民にわかりやすく説明するという意味で大変よいものだと思います。財政当局の御努力に敬意を表します。 そこで、まずこの資料について少しお聞きいたします。 これは、いつからつくり始められたのでしょうか。一般の県民の方は、どうすれば手に入れることができるのでしょうか。この冊子の費用も含めて、お聞きをいたします。 今後、
県づくりの基本計画であるチャレンジプランでは、六十四の重点施策に沿って年次スケジュールも明記されており、計画的・効率的に行政を執行するという観点から、大いにいいことだと思います。 そこで、この資料、予算の概要を見ておりますと、今回の予算の目玉として、チャレンジプラン関連事業費約一千八百億円が計上され、十五の「突破プロジェクト」、新規事業が多く盛り込まれております。 そして、結婚から子育て支援、産業力強化・創業支援、農林水産業担い手支援などで、日本一という言葉が繰り返し使用され、さらに多子世帯への保育料等軽減の拡充、創業応援資金の創設、農林水産業への新規就業者の定着支援など、全国トップ水準と赤字で強調された事業が目につきます。 これが確実に実施されれば、知事が言われるように、山口県は本当に日本一元気な県になるのではないかと思いますが、現実はそう簡単ではありません。こうした長期計画や予算が計画倒れに終わり、ほとんど効果が上がらないという実例がたくさんございます。 その主な原因は、こうした事業は往々にして役所の机の上だけでつくられ、世の中の実態に合わない場合があるということです。 そこでお聞きいたします。今回の
予算編成に当たり、それぞれの事業に関連する県民や団体などの意見や要望などを反映させる努力はなされているのでしょうか。仮に、なされていないとすれば、予算成立後でも遅くはありません。事業の実施要綱などを定める際には、実態を踏まえ、実効性の高いものになるよう努力すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞きいたします。 次に、財政の健全化についてお聞きいたします。 この資料の予算のポイントの中には、県債、その中の臨時財政対策債の発行額が減少し、
県債残高は四十六年ぶりに減少、一般分の
県債残高は十三年連続で減少と記載されておりますが、いずれも大変よいことだと思います。 ただ、ここには減少したという事実が書いてあるだけで、借金を減らすのだという県の意思が余り感じられないのが少し気になります。 まず、この今回の
県債残高の減少は、県税収入の増加などにより、たまたま起こったものですか、あるいは何らかの県の方針に基づくものなのか。後者だとすれば、どのような方針でしょうか、御説明ください。 それから、これに関連いたしまして、毎年の借金の返済のため、歳出の中に公債費として一千百億円余りが計上されておりますが、このうち元本の償還と利子の返済分は、一般分、臨時財政対策債、それぞれどのような額になっておりますでしょうか。 身近な例で申しませば、住宅ローンなどと同様に、毎年の返済額はある程度予想されますので、毎年の新規借金額を元本の返済額未満に抑えれば、借金は確実に減っていくということになります。そうした基準で財政運営をするお考えはあるのでしょうか、お聞きいたします。 次に、臨時財政対策債の取り扱いについてお聞きいたします。 これは、地方交付税の振替措置として発行する県債のことで、つまり国の借金の肩がわりをさせられているものだと思いますが、平成十三年に初めて百七億円発行されて以来、うなぎ登りに増加し、平成二十七年度末の残高見込みは四千五百億円、
県債残高の何と三四・九%を占めるに至っております。 国による毎年の償還財源の手当てはきちんと行われているのか、具体的な数字を含めお答えください。 さらに、これが解消される見込み、その担保はあるのでしょうか。関連して、全国の自治体の臨時財政対策債の残高はどの程度になっているのでしょうか。 次に、財源調整用基金についてお聞きいたします。 二十七年度末の残高が百二億円となっておりますが、過去には一千億円もあったと聞いたことがあります。この間の推移を教えてください。七千億円の予算規模からすれば、いかにも少ないと思われますが、今後の財政運営に不安はないのでしょうか。 二番目に、岩国基地についてお伺いいたします。 まず、沖縄問題に関連いたしまして、先日、沖縄辺野古の海で、サンゴを押し潰す巨大コンクリートの投下が映像で流され、多くの国民はショックを受けました。私には、まるで国という大きな力が沖縄県民を押し潰してるかのように見えました。 沖縄県知事は、これに対して差しとめ指示を行い、従わなければ許可の取り消しも辞さないという強い姿勢を示しました。このまま強行されれば、県と国が正面からぶつかり、裁判闘争にもなりかねません。同じ基地を抱える県民として、無関心ではいられません。 そこで、知事にお聞きいたします。 県民の圧倒的な支持を得て当選した知事の意向が全く顧みられない。何度上京しても、首相にも官房長官にも会えない。嫌いな人には会わないというのでは、まるで子供のような対応であり、一国のリーダーとしていかがなものかと悲しくなります。 どんなに嫌でも、県民の意思は尊重すべきであり、それを代表する知事とは誠意を持って話し合うべきだと思いますが、民主主義、地方自治という観点から、知事としてどのようにお考えでしょうか、率直な御意見をお聞かせください。 また、それに関連して、沖縄振興予算が突然削減されました。過去に、岩国でも市庁舎建設補助金が突然カットされた経験がございます。言うことを聞かなければ、まさにあめとむちで地方を抑えつけようとする発想であり、本来の税金の使い方として許されるものではありません。知事として、どのようにお考えでしょうか。 次に、今回、山口県に交付されることになった新しい交付金についてお尋ねいたします。 現在、岩国市等には、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法に基づき、約十年間で百数十億円の米軍再編交付金が支給されていますが、今回の交付金の法的根拠は何でしょうか、教えてください。 従来の米軍再編交付金は、自治体による米軍再編の受け入れ容認が条件になっておりましたが、今回は山口県に対してどのような条件が付されているのでしょうか、具体的に説明してください。 次に、交付金の性格とその使い方についてお伺いいたします。 交付金と言うからには、補助金とは異なり、その使い方に制限はなく、税金と同じで一般財源の中に吸収され、県の自由な判断で使うことができると考えてよろしいのでしょうか。 そうであれば、今回の予算に計上されている交付金関連の事業も単に一般財源の肩がわりにすぎず、特別に計上したとするのは単なる形式にすぎないのではないでしょうか。 次に、愛宕山の米軍施設建設についてお伺いいたします。 二月の二十一日に、岩国市民会館で、愛宕山の施設整備計画について、防衛省による住民説明会が開催されました。なぜか、個別具体的な予算額は一切明らかにされませんでしたが、野球場や
陸上競技場の施設の詳細が明らかにされました。 しかし、米軍住宅については、岩国基地の了解が得られないという一言で、資料も黒塗りにされ、何の説明もなされませんでした。 さらに、スポーツ施設については、市民の自由利用が喧伝をされておりましたが、その
利用方法などについては米軍と調整中として、何も明らかにされませんでした。その自由利用の象徴として、高校野球の公式戦ができると言われており、今回もそれに関する質問が出されましたが、国側から明確な回答はありませんでした。 そこで、教育長にお伺いいたします。高校野球の公式戦の会場は、どのように選定されるのでしょうか。愛宕山に建設予定の野球場は、十分な機能を備えた立派なものになるとのことですが、そこで高校野球の公式戦が本当にできるのでしょうか。市民の関心が高い問題ですから、県教委としてのお考えをお聞かせください。 三番目に、学校における部活動の充実についてお伺いいたします。 本県では、レノファ山口がJ3に昇格し、来季は待望のプロスポーツチームとして熱戦を繰り広げることになります。お隣の広島県では、黒田投手が広島カープへ復帰することで大変盛り上がっており、プロスポーツの地域への影響力の大きさを改めて認識いたしました。 郷土のプロスポーツチームの誕生は、本県の子供たちにとってもいろいろな意味で刺激になると思います。あすの名プレーヤーを目指して、日々頑張っている小学生の活動の中心は、各地域のスポーツ少年団であろうかと思います。 スポーツ少年団の指導者はボランティアで活動しておられ、その熱心さには頭の下がる思いです。保護者の方々からは、「親の言うことは聞かないのに、コーチの言うことだけは聞く」との声が届くなど、子供たちからの信頼の厚さをうかがい知ることができます。 その指導は、決して技術の習得や勝負にこだわるだけのものではなく、相手への尊敬の念を持つことや、プレー以外の場所での礼儀など厳しく指導されるそうで、こうした指導者の方々が県内各地で子供たちの健全育成に取り組んでおられることを大変心強く思います。 さて、小学校時代、熱心な指導者のもとで頑張ってきた子供たちにとって、進学する中学校の部活動の状況は大きな関心事であると思いますが、指導者の方からも、また保護者の方からもよくお聞きするのが、先生方の人事異動で部活動の状況が大きく変わったり、顧問の先生の
取り組み方に大きな差があるということです。 ただ、教員の多忙ぶりは皆が知るところであり、自分の思いどおりの環境を学校に求めることができないことも誰もが理解していることです。 昨年、OECDが行った国際教員指導環境調査でも、日本の教員は世界一忙しいということが話題になりました。この調査結果で、部活動などの課外指導が教員の負担の大きな要因になっていることが指摘されていたと思います。 そこでお尋ねいたします。教員の多忙化における部活動の負担については、教育長はどう認識しておられるのか、また、部活動の顧問の先生方に対してどのような支援がされているのか、まずお伺いいたします。 さて、私たち自身が経験してきたことでもありますけれども、部活動は先輩との上下関係や礼儀など、多少の理不尽さや煩わしさは感じつつも、教室では学べない多くのことを学んだ場であったと思います。 部活動は、学習指導要領では「学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するもの」と示されており、教育課程外の活動ではありますが、学校教育の一環として、大きな意義や役割を果たしております。 忙しい教員の皆さんに、これ以上の負担を強いることが難しいことは理解している一方で、部活動の教育効果や、未来を夢見て頑張っている子供たちの期待に応えるという点では、多くの方が部活動の充実に期待を寄せていると思います。 こうした中、県教委では、学校を核として、地域の教育力の活用を通じ、子供たちの育ちを支援するという
取り組みを推進しておられ、私も賛同をしておりますけれども、先ほど申し上げました地域に密着して活動しておられるスポーツ少年団の指導者の方々は、立派な地域の教育力を担う人材であると私は思います。 中学校でもその力を発揮してもらえれば、部活動の充実や教員の負担軽減はもちろんのこと、小学校時代から子供たちを指導してきた彼らの存在は、中一ギャップへの対応や小中連携の橋渡し役としての活躍も期待できると思います。 そこでお尋ねいたします。私は、スポーツ少年団の指導者など、地域のスポーツ人材を単に部活での技術指導という目的だけでは活用するのではなく、地域の教育力として学校づくりに参画してもらえれば、部活動の充実という効果にとどまらず、いろいろな面で効果が期待できるのではないかと思います。この
取り組みについて、教育長のお考えをお伺いいたします。 これで一回目の質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
村岡知事。 〔知事
村岡嗣政君登壇〕
◎知事(
村岡嗣政君) 井原議員の御質問のうち、私からは、基地問題に関する数点のお尋ねのうち、沖縄問題に関連したお尋ねにお答えします。 まず、国は沖縄県知事と誠意を持って話し合うべきだと思うが、いかがかとのお尋ねでございます。 外交・防衛政策については、国の専管事項ではありますが、国と自治体がお互いの立場を尊重し、信頼の上に立って、地元の理解を得て進められるべきものと私は考えています。 しかしながら、普天間基地の移設先の是非や代替施設建設の進め方等に関する政府と沖縄県との間の話し合いについては、本県は当事者ではなく、私から見解を述べるような事柄ではないと考えています。 次に、沖縄振興予算についてのお尋ねです。 平成二十七年度予算における沖縄振興予算の総額について、先般示された政府答弁書では「沖縄振興を推進するために必要な額を積み上げた結果である」とされており、私としてもそのように認識しています。 その他の御質問につきましては、
関係参与員よりお答え申し上げます。
○議長(
柳居俊学君) 渡邉
総務部長。 〔
総務部長 渡邉繁樹君登壇〕
◎
総務部長(渡邉繁樹君) 平成二十七年度当初
予算編成についてのお尋ねにお答えします。 まず、当初予算の発表資料である平成二十七年度当初予算案の概要の作成開始時期、県民の入手方法等についてです。 この資料は、事前の準備作業を除き、当初予算の知事査定終了後、二月上旬から作成に着手しています。 また、その内容については、一般県民の方にもごらんいただけるよう、予算案の公表日から県ホームページに掲載し、印刷可能なデータも提供しております。 なお、カラーの冊子作成に係る費用は、コピー代等で一冊三百五十円程度です。 次に、
予算編成における県民や団体の意見等の反映についてです。
予算編成に当たっては、さまざまな課題を取り巻く状況の分析や既存事業の成果の検証等を行った上で、事業の見直しや新たな事業の構築を行っているところであり、その過程において県民や関係団体の意見等をお聞きし、その反映に努めています。 特に、このたびの
予算編成は、チャレンジプランの策定と並行して作業を進めたところであり、プランの策定に当たって伺った意見等を反映し、その積極的な事業化を図ったところです。 また、予算の執行段階におきましても、十分な効果を上げられるよう、事業の周知や、その実施に際しての各種相談等へのきめ細かな対応等に取り組んでまいります。 次に、財政の健全化に関する数点のお尋ねについてお答えします。 まず、今回の
県債残高の減少についてです。 県としては、これまでも、後年度、財政硬直化の要因となる県債の発行を可能な限り抑制し、
県債残高の縮減に努めてまいりました。 とりわけ、公共事業等の財源として、県の判断で発行を行います一般分の県債については、毎年度の
予算編成において、投資水準の適正化に努め、新規発行の抑制に取り組んできた結果、残高は十三年連続で減少となりました。 来年度予算におきましても、こうした
取り組みを継続することに加え、国の地方財政対策におきまして、地方税の増収等により、臨時財政対策債の大幅な発行縮減が図られた、このことから四十六年ぶりに県債全体の残高が減少する見込みとなったところです。 次に、公債費の内訳についてです。 来年度の公債費のうち、一般分については、元金約七百九十二億円と利子約八十六億円、臨時財政対策債については、元金約百七十六億円と利子約三十六億円を見込んでいます。 最後に、
県債残高縮減に向けた考え方についてです。 新たな
県づくりを着実に進めていくためには、将来にわたって持続可能な行財政基盤づくりが不可欠であることから、チャレンジプランに行財政基盤強化戦略を掲げ、引き続き県の判断で発行を行う一般分の
県債残高の縮減に取り組むこととしています。 具体的には、一般分の県債につきましては、その発行額を公債費以下の水準とする、いわゆるプライマリーバランスの黒字を堅持した財政運営を継続することで、残高の減少基調を維持し、持続可能な財政構造の確立に努めてまいります。 次に、臨時財政対策債についてです。 まず、償還財源については、普通交付税の基準財政需要額に算入され、その額はこれまで約八百七十五億円、これに対応する県の公債費が約八百五十六億円となっており、償還財源に対する交付税措置は適切になされているものと考えています。 次に、その解消についてです。 臨時財政対策債は、地方の財源不足に対して、国の地方財政対策により地方交付税の振替として措置されるものであり、国においては、骨太の方針二○一四において、「できる限り早期に財源不足の解消を目指し、地方財政の健全化を図る」と明記し、地方の財源不足の早期解消に取り組むこととしています。 県としても、国に対して、臨時財政対策債の解消に向け、できる限りこれに依存することなく、地方交付税の法定率の引き上げ等により、必要な地方一般財源総額を確保するよう引き続き求めてまいります。 また、全国の臨時財政対策債の残高については、国の資料によると、平成二十七年度末で五十兆四千八百九十四億円の見込みとなっています。 次に、財源調整用基金についてです。 まず、基金残高の推移については、平成四年度末がピークで一千百八十九億円、平成五年度末が一千四十九億円、平成六年度末が九百五十億円、その後、年度ごとに増減はありますが、減少傾向で推移しており、最近では、平成二十五年度末が二百四十億円、平成二十六年度末見込みが百五十二億円、平成二十七年度末見込みが百二億円となっています。 次に、基金残高が少ないが、財政運営に不安はないのかとのお尋ねです。 突発的な財政需要の発生に備え、一定程度の財源調整用基金残高を確保していくことは必要であり、本県ではその水準を過去の大規模災害への対応等も踏まえ百億円としています。 このたびの
予算編成においても、この百億円の残高を確保し、財政運営に支障が生じないよう努めたところです。 基金残高の確保につきましては、チャレンジプランの活力指標にも掲げており、県としては今後もこれを実行し、持続可能な財政基盤の構築に取り組んでまいります。
○議長(
柳居俊学君) 大谷
総務部理事。 〔
総務部理事 大谷恒雄君登壇〕
◎
総務部理事(大谷恒雄君) 岩国基地問題に関する数点のお尋ねのうち、新たな交付金についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、交付金の法的根拠についてですが、市町に対する再編交付金のように米軍再編特別措置法に基づくものではなく、米軍再編に関連して国の予算において確保される、いわゆる予算補助であると、国からは説明を受けています。 次に、交付金の受け入れ条件についてです。 市町に対する再編交付金については、関係する市町が再編の実施に理解を示し、国がこれを米軍再編特別措置法の規定に基づき、再編の円滑かつ確実な実現に資すると判断した場合に財政支援を行うもので、米軍再編の容認は要件とされていません。 お尋ねの今回の交付金について、国からは、本県の基地問題に対する基本姿勢や米軍再編問題に対する基本スタンス、また、地元の意向を尊重して空母艦載機の移駐を容認していないといった諸事情を十分に承知した上で、これまでの米軍再編に対する本県の理解と協力の状況やKC130空中給油機の受け入れなどを総合的に判断し、本県に交付することとしたとの説明を受けています。 次に、交付金の性格とその使途についてです。 交付金にはさまざまな性格のものがありますが、国からは、今回の交付金の使途について、特定の区域で県が実施する公共用施設の整備を対象としているとの説明を受けており、お示しのような使途に制限のない一般財源ではありません。 したがいまして、県としては、岩国・和木・大島地域のさらなる発展につながるよう、新たな交付金をこれまで財源確保の面で実現が困難であった事業の推進を図るための財源として活用することとしています。
○議長(
柳居俊学君) 浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕
◎教育長(浅原司君) 教育に関する数点のお尋ねにお答えいたします。 まず、愛宕山の米軍施設建設についてのお尋ねです。 高校野球の公式戦の会場選定につきましては、公認野球規則を満たした会場の中から、スタンドの収容人数や駐車場の規模、地域のバランス等を考慮した上で、実施主体である県高等学校野球連盟が決定をしております。 次に、高校野球の公式戦実施の可否についてでありますが、岩国市におきましては、公式戦の実現に向け、今後、中国四国防衛局や米軍を初めとする関係機関との調整を行うと伺っておりますことから、県教委といたしましても今後の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、学校における部活動の充実についてのお尋ねのうち、まず、教員の多忙化における部活動の負担についてお答えします。 昨年の四月から八月までの調査によると、時間外業務が月に百時間を超えた教員の理由として、中学校、高等学校で最も多かったのが部活動の指導でした。 また、技術指導等のできる教員の高齢化に伴う指導者不足、部活動の指導に関する保護者や生徒の多様なニーズへの対応等の課題もあり、部活動は教員の多忙化の一因となっていると認識しております。 部活動の顧問に対する支援につきましては、県教委では、市町教委や各学校に対し、適切な部活動の運営に向け、週一日以上の休養日の設定、複数顧問による指導等校内体制の見直し、参加する大会や練習試合の精選、保護者会や顧問会議の開催による部活動運営の改善など、部活動に係る教員の負担軽減につながる指導・助言を行っております。 また、多様なニーズへの対応として、地域のスポーツ指導者やスポーツ医・科学の知見を有する外部の専門家の派遣等の支援を行っているところです。 次に、地域のスポーツ人材の学校づくりへの参画についてお答えいたします。 県教委では、コミュニティ・スクールを核として、地域教育力日本一を目指した
取り組みを進めているところです。 各コミュニティ・スクールでは、学校課題の解決や教育活動の充実に向けて、さまざまな地域人材の活用を進めており、スポーツ人材の活用につきましては、これまでも運動部活動顧問の負担軽減につながる外部指導者等として支援をいただいているところですが、今後は、部活動以外の学校支援にも、各学校の実情に応じて御協力いただくこともあるものと考えております。
○議長(
柳居俊学君)
井原寿加子さん。 〔
井原寿加子さん登壇〕(拍手)
◆(
井原寿加子さん) では、再質問をさせていただきます。 まず、知事の新年度
予算編成において、その概要の中に「日本一」「全国トップ水準」という言葉を多く多用されておりますけれども、参与員の方々の答弁を聞いておりますと、「にほんいち」と言う方、「にっぽんいち」と言われる方、さまざまです。予算概要に書かれている言葉ですから、統一されたほうが私はよいと思います。どちらなのか、教えてください。 また、一番でなくても、二番ではいけないのでしょうか。日本一にこだわられる理由があれば、教えてください。 次に、
予算編成について伺います。 予算の概要について、せっかくいい資料があるのですから、幅広く県民の手元に届くよう、例えば各県民局などの出先機関にもぜひ置いていただくなど、もっとPRをすべきと思いますが、いかがでしょうか。ホームページで見るだけでは、限られた方にしか行き渡らないというふうに思います。 それから、各種政策の中には、手続に労力と時間がかかる割にはメリットの少なく、使い勝手の悪い補助金などもたくさんあります。そうした場合、役所は予算の消化を最優先して、無理やりつじつまを合わせようとします。それでは、何のための政策かわかりません。 幾ら丁寧につくっても、政策や事業に失敗はつきものですから、事業や政策の効果について必ず事後に適正な評価を行って、その経過を次に生かす作業も欠かせません。こうした検証についてどのようにお考えか、お聞きいたします。 それから、臨時財政対策債の問題を取り上げますと、いつも執行部の皆さんは決まって国により手当てされるものだから問題ないというふうな答弁をされますけれども、本当にそうでしょうか。 県債で、どちらも借金に変わりはなく、県民一人当たり約九十万円程度の借金を負っていることになります。この臨時財政対策債は、わずか十四年で四十倍にも膨れ上がっております。県債全体を減少させるという明確な方針を持って財政運営をすべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 基金についてですけれども、先日伺いましたのは、山口県は公社改革などをした際に、隠れた借金がないことを強調されておりました。財源調整用基金の中には、複数の基金が含まれておると思います。それぞれの設置目的と残高を教えてください。 財政規模に応じて、望ましい基金の水準というものがあるのではないかと思いますが、それを教えてください。 次に、岩国基地問題について伺います。 この新しい交付金の法的な根拠はなく、今後、国において要綱がつくられるということのようでしたけども、その要綱のもとになると考えられる再編関連特別地域整備事業の概要という国の資料がここにございます。(掲示) そこに、米軍再編により影響を受ける県に対して、新たな交付金制度を創設する。事業期間は米軍再編特措法の有効期間である平成二十九年三月三十一日までとして、米軍再編の進捗状況に応じて交付するとあり、新しい交付金も米軍再編と密接に関連づけられていることがわかります。 さらに、ここで言う再編の進捗状況に応じてとは、具体的には再編の受け入れ容認、環境アセスの着手、工事着手、再編の実施完了、その四段階に応じて交付されるものであると国は明言しております。つまり、最初の再編受け入れを絶対条件として、それがなければ何も出さないという巧妙な仕組みになっています。 したがって、今回の交付金も、空母艦載機の受け入れ容認が条件になっていると考えるのが当然ではないでしょうか。もう一度、明確に御説明ください。 それから、私は国に自由に物が言えなくなるおそれがあると思いますので、軽々にこの交付金を受領することには基本的に反対です。 今回の交付金関連の各種事業を見て、実は驚きました。シンフォニア岩国や交番の設置、県立高校の施設整備などは、本来、県の予算で手当てすべきものであり、そのほか特定の団体や個人の意向が色濃く反映されているのか、優先度の余り高くないと思われる事業などが何の脈絡もなく並んでいるように思いました。 どのような基準で事業選択が行われたのでしょうか。基地被害を少しでも軽減し、安心して生活できるような環境整備にある程度まとめて活用すべきだと思いますが、どうしてこのような使途になったのか、教えてください。 次に、愛宕山についてです。 結局、立派な施設はできたけれども、自由に使えず、市民が失望することになるのではないか、基地の沖合移設、愛宕山の住宅開発に引き続いて、今回も市民はだまされることになるのではないかと痛切に感じました。 野球場も含めて愛宕山全体が米軍に提供され、米軍基地となります。治外法権の場所で高校野球の公式戦を行うというのは、子供たちの安全を考えれば常識的ではありませんし、少なくとも慎重な検討を要する問題だと思います。 しかし、岩国では、高校野球ができると、盛んに喧伝をされております。このままでは、関係者の不安をあおることになりかねません。 県教委として、教育長として、子供たちの教育、安心・安全の責任者として、早急に対応方針を明確にすべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、部活動の充実について再質問をいたします。 私も、いろいろな方から、部活動の期待や要望をお聞きいたします。たくさんの外部指導者の方が今も協力してくださっていることは承知しておりますが、その情熱を県教委が熱心に進めておられる地域教育力の向上に活用することで、単に部活動の指導という点から一歩進んだ
取り組みにならないかと考え、このたびの質問をいたしました。 これは、地域のスポーツ人材に限ったことではないのですけれども、学校と地域の連携というものが、例えばPTA会長さんとか自治会長さんとか、特定の方だけがかかわるのではなく、地域の中で日々子供たちと向き合っている方々も含め、幅の広い
取り組みとして進めるべきではないかと思うのですが、県教委はこの点についてどうお考えか、お示しください。 それから、もう一点ですが、部活動の充実を期待する一方で、一部の学校では顧問や外部指導者の行き過ぎた指導で、部活動が体罰の温床になっていたという現実もあると聞いております。 ですから、外部指導者という側面で子供たちに直接かかわる立場上、学校教育における部活動の趣旨というものを十分に理解していただく必要があると思うのですが、県教委はこの点についてもどう対応されるのか、あわせてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 これで二回目の質問を終わります。(拍手)
○議長(
柳居俊学君) 渡邉
総務部長。 〔
総務部長 渡邉繁樹君登壇〕
◎
総務部長(渡邉繁樹君)
予算編成に関する数点の御質問にお答えをいたします。 まず、「にほんいち」か「にっぽんいち」かと、読みを特定したほうがよいのではないかとの御質問でございます。 「日本」の呼称として、「にほん」でも「にっぽん」でも、いずれでも間違いではないというふうに考えておりまして、いずれかに限定する必要はないと考えておりますけれども、行政の対応といたしましては「にほんいち」というような形で申し上げるということにしたいと考えております。 また、二番ではだめなのかとのことでございますが、今回の予算の説明資料の中では、活力みなぎる
県づくりに向けて、やはり伸ばせるもの、あるいは伸ばすべきものを可能な限り伸ばしていくということを基本といたしまして、その中で全国に誇れる、あるいは全国に先駆けた
取り組みについて、日本一の実現ということで打ち出しをさせていただいたところであります。 また、予算の資料につきまして、販売すべきではないかとの御質問でしたでしょうか。もっとPRせよと、販売なども考えたらどうかとのことでありました。 この資料につきましては、県民の皆様方等に、特に主として報道を通じまして、当初予算案の内容についてわかりやすく情報発信をすると。その中で、大変わかりやすさを心がけて作成をしたところではございますが、報道を通じて情報発信するということを主目的にしておりまして、現時点で販売することを考えておりませんけれども、ホームページ等の掲載等、PRしていきたいというふうに考えております。 また、続きまして、使い勝手の悪い補助等について、検証についてどうかとの御質問でございましたが、こちらにつきましては、当然、予算の執行段階におきまして、当然補助の目的というものを実現するために、どういった補助制度がよいのかということは、これは執行段階におきまして、所管部局において不断の見直しがなされるべきものと考えておりまして、当然、予算消化のようなことのために使うというようなことがないように、執行に当たっては不断の見直しを行うべきものというふうに考えております。 続きまして、臨時財政対策債について、県債全体を減少させるべきと、
県債残高全体を減少させるということを目標にすべきではないかとの御質問でございました。 県といたしましても、
県債残高全体の減債について全く関心を持っていないということではなく、ふえていっていいというふうに考えているわけではございませんけれども、臨時財政対策債につきましては、これは国の地方財政対策の中で、地方自治体の財政運営に必要な一般財源として、その一部として手当てをされているものでありまして、これを発行しないということになりますと、一般財源が不足するという事態になります。 県民サービスに影響も出てまいりますところから、山口県といたしましては、県の判断で発行のできる一般分につきまして、プライマリーバランスに着目をして、減少基調を維持するということを目標に財政運営を行っております。 それから、基金についての望ましい規模でありますが、突発的な財政需要としてまず考えられるのが災害への対応でございますけれども、過去の大規模災害時の応急的、あるいは緊急的な対策に要した事業費がおおむね百億円程度でありますことから、これに相当する規模の蓄えは最低限必要だというふうに考えまして、百億という目標を設定をしているところであります。 また、それぞれの基金の残――基金残高ですけれども――基金のそれぞれの設置目的と残高ですが、設置目的のほうの資料が手元にないものですから、ちょっとこの点は確認をさせていただければと思います。
○議長(
柳居俊学君) 大谷
総務部理事。 〔
総務部理事 大谷恒雄君登壇〕
◎
総務部理事(大谷恒雄君) 岩国基地問題に関しての二点の再質問だったと思います。 防衛省の資料なり見解からすると、交付金のいわゆる今回の事業期間なるものが、いわゆる艦載機移駐の容認に向けての巧妙に仕組まれたものではないかというような御質問だったと思いますけれども、今、事業期間は平成二十九年の三月三十一日までというふうになっておりますけれども、期間についてこれを延長するかどうかは再編の進捗状況を考慮というふうに述べられております。 これは、あくまでも政府のほうで、二十九年三月末時点において再編が今どんな進捗状況にあるか、そういったものを考慮して、期間を延長するかどうかを判断するというふうに政府が述べておりますので、本県としてもそのように認識しております。 それから、もう一点、どのような基準で、今回の交付金の対象事業、選ばれたのかという御質問でございました。 今回、国から一月十四日に政府予算案の原案が発表されて、その説明を受けたわけですけれども、やはりここはいわゆる県の役割である産業振興の実施や安心・安全対策の推進を図ること、そして何よりも岩国・和木・大島地域のさらなる発展につながるよう十二分に活用していくということ、そして早速、二十七年度の当初予算に計上するという県の大方針を決めまして、引き続き国からの情報収集、そして一月二十日には関係一市二町の首長さんから知事にかわりまして私が御意見を伺って、今回、産業振興についてはまず産業インフラの整備、そして広域観光力の強化、そして産業人材の育成、その三点について絞っていこうと。 それから、県立施設もこの三地域にはあるわけでございますので、こういったものについて住民の安心・安全対策、こういうものを充実しようということで選んだものでございまして、それなりの県の大方針のもとにこれが選ばれたということを十分御理解いただきたいと思います。
○議長(
柳居俊学君) 渡邉
総務部長。 〔
総務部長 渡邉繁樹君登壇〕
◎
総務部長(渡邉繁樹君) 大変失礼いたしました。先ほど答弁できませんでした財源調整用基金の設置目的と残高について申し上げます。 財源調整用基金の内訳といたしましては、財政調整基金、これは県財政の年度間における財源の調整を行い、財政の健全な運営に資することを目的としておりまして、二十七年度末残高の見込みが五十八億八百万円です。 もう一つ、減債基金、これは県債の償還及び県債の適正な管理に必要な財源を確保し、財政の健全な運営に資することを目的としておりまして、四十三億六千六百万円が二十七年度末残高見込みです。 もう一つ、大規模事業基金が、県勢の発展の基盤となる大規模事業の円滑な推進を図ることを目的としておりまして、平成二十七年度末残高見込みが百万円であります。
○議長(
柳居俊学君) 浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕
◎教育長(浅原司君) 三点の再質問にお答えいたします。 まず、愛宕山の野球場について、子供たちの安心・安全が大切だと、高校野球ができるというふうに盛んに言われているが、対応方針はどうかというようなお話だったと思います。 先ほどもお話しいたしましたように、愛宕山に建設予定のそのスポーツ施設についての利用形態、その詳細については、今後、岩国市が国や米軍等と調整されることとなっておりますので、運用の詳細が明らかになっておらず、現段階では判断できる状態にないと考えております。 しかしながら、公式戦を初め当該施設を利用する際には、
関係団体等と調整し、当然子供たちの安心・安全、これが第一でありますので、その徹底についてしっかりと指導・助言をしていきたいと考えております。 それから、二番目に、学校と地域の連携がある特定の限られた人物だけではなくて、いろんな幅広い人たちと連携すべきではないかというような御質問であったというふうに思います。 現在、学校はいろいろな連携をしておりますが、特に先ほどから申し上げておりますように、コミュニティ・スクール等につきましてはその地域ぐるみの活動ということで、PTA会長、自治会長とか、そういった特定の人物だけではなくて、地域の幅広い人たちとの連携、学校運営協議会等に入っていただいて、連携をしているところでございますが、例えば地域の老人クラブの方たち、それから図書ボランティアの方たち、おやじの会の方たち、学習支援ボランティアの方たち等々、幅広い
取り組みを進めているとこでございますので、おっしゃるとおりでございますが、そういった
取り組み、現在進めているところでございます。 それから、三番目に、部活の指導に関して、行き過ぎた指導、体罰というようなことがあろうかというふうにあったかと思います。 それで、もちろん、体罰は決してあってはならないことだというふうに考えております。 部活動が体罰の温床にならないということで、特にこの外部指導者の導入に当たっては、各学校に留意事項ということでしっかり通知をしているわけでございますが、例えば校長等の管理職が予定している外部指導者としっかり面談を行って、学校教育活動の一環として行われているという部活動の趣旨をしっかり踏まえるということ、それから生徒の自主的・自発的な参加によるものだということ、そういうあたりをしっかりと徹底しておるところでございます。 今年度も、外部指導者を対象にした研修会も実施をしておりまして、今年度は六月に三会場で実施をしているところでございます。望ましい部活動のあり方とか、運動部活動での指導のガイドライン、そういったものを使いながら、体罰等がないように十分留意をしているところでございます。
○議長(
柳居俊学君)
井原寿加子さん。 〔
井原寿加子さん登壇〕(拍手)
◆(
井原寿加子さん) 再々質問をいたします。 「にほんいち」だそうで、これから県民の皆さんに「にほんいち」ということで説明をしてまいりたいと思います。 それから、私は販売したらどうかというふうに提案したわけではございません。県民の皆さんに、せっかくの時間と労力をかけて、財政課の方たちが皆さんでおつくりになった資料ですから、もっともっと周知をできるように御努力をされたらどうでしょうかというふうに申し上げたわけで、お金を取ったらどうかというふうに言ったつもりはございませんでしたのですが、ぜひせっかくのいい資料ですから、皆さんに見ていただけるように、わかりやすい説明をされておりますので、周知されたらどうかということを申し上げました。 それから、財源調整用基金のお話ですけれども、御答弁では、約二十年ほど前に一千億ぐらいあったと、十年前には五百億円ぐらいあったと、その基金が今は百億円しかありませんと、でも大丈夫ですというふうにおっしゃるんですけども、私はいかにも七千億の予算に対して百億円というのは心もとないというふうに思います。 そして、御答弁の中で、今、歳入不足を補うために、基金から数百億円の取り崩しが昔行われたということがあったと思いますが、歳入不足の場合に使えるのは、財源調整用基金のうち財政調整基金ではないかと思います。 それが比較的自由に使うことができる、いわば普通預金のようなものではないかというふうに認識していますが、その財政調整基金が今の御答弁ではたった五十八億円しかないというのはいかにも少ないのではありませんでしょうか、お答えください。 それから、今後、財政運営を支障なく行うためにも、目標と期間を定めて、計画的に基金をもっと積み増す努力をする必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 それから、基地の新しい交付金についてですけれども、私は交付金の使途についてもお伺いしましたが、その前に、私は幾ら安倍首相がついているからといって、何の条件もなしにお金をくれるほど、私は国はお人よしではないと思います。 米軍再編に関し、何らかの条件がついていると、あるいは県と合意があると考えるのが常識です。 岩国市長は、「容認はしていないが、理解し、協力している」と言っております。それで、再編交付金の交付が決まったんです。 最後にもう一度確認いたしますが、山口県は今回の十八億五千万円の交付の決定で、国とどのようなやりとりをしてこの交付が決まったのか、はっきりとお示しください。 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(
柳居俊学君) 渡邉
総務部長。 〔
総務部長 渡邉繁樹君登壇〕
◎
総務部長(渡邉繁樹君) 財源調整用基金に関する二点の再々質問にお答えをいたします。 財源調整用基金、特にそのうちの財政調整基金が五十八億ではいかにも少ないのではないかとの御質問であったかと思います。 財源調整用基金、財政調整基金、減債基金と大規模事業基金と三基金申し上げましたが、この中で財政の健全な運営に資するという形で、財政調整の中で、この三つの基金を合わせまして財源調整用基金という形で扱っておりまして、これが百億ということが十分かどうかということに関して申し上げますと、これはあくまで過去の大規模災害の運営等で百億程度、これは最低限必要だと考える水準だということで考えておりまして、もちろんたくさんあるにこしたことはないわけでありますが、最低限必要な水準として百億円程度を考えているということで、基金を合わせまして百億円程度が必要だというふうに考えているということでございます。 それから、目標を定めて、この基金を積み増す必要があるのではないかとのお尋ねでございましたが、もちろん積み増すということは可能であればそのようなことを考えたいと思いますけれども、大変厳しい財政運営を行っている中で、財政状況が大変厳しい中で、その中で一方でチャレンジプランに沿った
県づくりも進めるということで、各種事業の展開も必要となっておるわけでありまして、基金につきましてはまずは百億円の確保ということを目標といたしまして、その上で財源確保対策等の
取り組みによりまして、残高を少しでもふやす努力というのはしていきたいと考えております。
○議長(
柳居俊学君) 大谷
総務部理事。 〔
総務部理事 大谷恒雄君登壇〕
◎
総務部理事(大谷恒雄君) 基地問題に関する再々質問にお答えいたします。 国とのやりとりがどのようなものだったかということでございましたけれども、繰り返しの答弁になって申しわけないんですけれども、国からは、どこまでも本県が地元意向を尊重して、空母艦載機移駐を容認していないといった諸事情を十分承知した上で、交付することとしたという説明を国から私どもは受けておりますので、これを県としては基地周辺地域の振興なり安心・安全対策において果たすべき県の役割に国が着目してくれた、この交付金が措置されたと受けとめておりますと同時に、それから本県が空母艦載機移駐に対してこれまでと同様の姿勢で対応していくに当たって、この交付金を受け入れることが妨げにならないというふうに考えて、額面どおり、岩国・和木・大島地域のさらなる振興を図ることとしたものでございます。 ─────────────
○議長(
柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十一分休憩 ───────────── 午後一時開議
○副議長(畑原基成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第七十号まで
○副議長(畑原基成君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 佐々木明美さん。 〔佐々木明美さん登壇〕(拍手)
◆(佐々木明美さん) 皆さん、お疲れさまです。社民党の佐々木明美です。
一般質問を行います。 最近の世論調査によりますと、安倍政治によって格差が広がったと言われる方が七○%、アベノミクスの効果が地方に及んでいないという数字が八五%でしたか、そういう数字を見たことがあります。私たちの日々の暮らしの実感と、全くその数字は一致しています。 その安倍政治に、保守王国と言われる山口県からしっかりと対決するためにも、頑張らなくちゃならんという決意を込めて質問をいたします。 まず第一に、新年度予算についてお尋ねをいたします。 昨年三月予算議会で、私は、知事就任直後ということもあり、村岡カラーはこれからだろうと申し上げたことをこの予算を見ながら思い出しました。そのとおりに、新年度予算はこれからの県政運営の指針となるチャレンジプランが反映されたゆえに、当然とは言いながら、強気の積極的な方針が大変印象的です。 一方で、日本一とする支援策が盛り込まれている六つの中心的
取り組み、その六つの中心的
取り組みは、一つには結婚から子育て支援日本一、産業力強化・創業支援日本一、農林水産業担い手支援日本一、移住・定着日本一、首都圏等情報発信売込強化日本一、地域教育力日本一、この六つの
取り組みの日本一が掲げられております。 しかし、この
取り組みを見ますと、私はついつい地域間競争、自治体間競争という言葉を連想してしまいました。 そこでお尋ねをいたします。 まず、一つです。日本一を目指す六つの
取り組みは、今後の山口県政にどんな効果、影響を与えるとお考えでしょうか。 二つ、六つの
取り組みは、全国ほとんどの自治体の共通課題と言っても言い過ぎではないと思います。その中で日本一を目指すとは、どんな
取り組みを想定されるのでしょうか。 三番目に、少子化要因の一つである未婚化、晩婚化への対応として、やまぐち結婚応縁センターが創設されます。既に、幾つかの自治体が取り組んでおり、そんな時代になったのかなという思いです。 それはよしとして、九月議会で私は数字を示して指摘しましたが、未婚化の大きな要因の一つは、小泉政権から安倍政権へと続く雇用ルールの改悪による非正規・不安定労働者の増加です。 ですから、結婚への決断の最大の条件は雇用の安定であり、この
取り組みこそ急がねばなりません。県の見解と対応についてお尋ねします。 四つ目です。農林水産業担い手支援日本一は、新規の担い手不足の困難な現状からしても評価します。 しかし、一方で、県は農地の大規模化を進めるため、農地中間管理機構を推奨し、小規模農家、兼業農家は切り捨てられようとしています。交渉が大詰めを迎えているとされるTPP参加も、同様の危機にさらします。 さらに、このたびのいわゆる農協改革が、なぜ農家所得の向上に結びつくのか、全くわかりません。 そもそも、安倍政権が成長戦略とする強い農業とは、これまで日本の農業を支えてきた小規模、家族農業の切り捨てにほかなりません。山口県農業の実情からして、こうした安倍農政にどんな見解をお持ちですか、お尋ねします。 五つ目です。産業力強化・創業支援日本一に関連してお尋ねします。 県内の企業の九九%、働く労働者の八○%を占める中小企業の育成・支援も大変重要です。いわゆるアベノミクスにより、大企業はもうかっても、中小企業は厳しい経営環境が続いています。企業誘致も重要ですが、これこそたくさんの支援策を盛り込んで、自治体間の競争になっています。 そこで、地域で企業を育てるという考え方のもとに、自治体が地元中小企業の新商品を購入、宣伝するトライアル発注制度の拡充や、最近では地元中小企業と行政、市民、金融機関などが協働してビジネス環境を創出するエコノミックガーデニングという手法も注目をされているとのことです。中小企業振興のこうした
取り組みについて、見解をお尋ねします。 六番目です。国の新たな岩国基地関連交付金は、まさになお一層のむちを受け入れようとしている山口県に対するあめの政策です。沖縄県に対するこの間の一連の政府の対応と比較すれば、そのことが歴然としています。 山口県の特性を生かした元気な
県づくりを進めようとスタートに立っているとき、山口県の基地が東アジア最大の軍事基地化されつつあることに対して、なぜ知事はノーを言わないんですか。 これから基地はどんどん機能強化されますが、ある意味、屈辱的な交付金とともに、基地との共存を一層余儀なくされることでしょう。 以上、知事はどうお考えですか、お尋ねします。 七番目です。朝鮮学校への補助金計上について、議論されたのか、されなかったのか、お尋ねします。 学校側に何の落ち度もないのに、予算化しなかったことで、国際的にも確立している子供の人権や学ぶ権利を侵害しているという自覚はお持ちですか、お尋ねします。 次に、チャレンジプランと「地方創生」についてお尋ねします。 知事は、昨年十一月議会でのチャレンジプラン策定についての私の質問に、「これまで取り組んできた政策、施策について、その評価や検証を行った上で、選択と集中の視点に立ち、より効果的な施策の構築に努める」と答えられました。そして、チャレンジプランの実行が、山口県版の「地方創生」だという考え方を示されました。 その際、指摘しましたが、これまでの政府の政策の誤りが、今日の地方の疲弊、東京一極集中を招いた大きな原因だと私は思っています。 ですから、知事がどう評価、検証されたのか、ぜひお聞かせください。 さて、チャレンジプランの具体化として、百二十三の活力指標が提案されています。指標の根拠となる考え方と、今後の
取り組みについてお尋ねします。 来年度、「地方創生」の山口県版の作成が、国から求められています。政府の計画に倣って、全国一斉につくるというのも首をかしげますが、県のこれからの
取り組み、考え方について、改めてお尋ねします。 次に、「地方創生」と大きなかかわりのある市町村合併十年後の合併算定替加算額に関してお尋ねします。 加算額は、当初は、国の方針では、その後の五年で消滅することになっていました。 しかし、全国の自治体の強い要望で、このほど新たな交付税が加算されることになりました。とはいえ、人口減少と高齢化の進行とともに、自治体財政はどこも脉迫しています。 新たな交付税の内容及び合併を推進してきた県の責任として、各市町に適切な支援や助言を行うべきです。あわせてお尋ねします。 次に、子供の貧困対策についてお尋ねします。 これまで、私は何度か、山口県の生活保護世帯の子供の高校進学率の低さを指摘してきました。親の経済力の差が子供の学力の差につながり、ひいては貧困の連鎖を生むことになるからです。 子供の学習支援をする制度がありながら、一部の自治体でしか取り組んでいないのも山口県の大きな問題です。 去年七月に発表された子供の貧困率はまたも悪化し、一六・三%、ひとり親世帯では五四・六%です。三十人の学級に、五人の子供が貧困状態にあると想像してみてください。 昨年三月議会、そして九月議会で、子供の貧困対策推進法の大綱に基づく県計画の策定について質問いたしました。小松部長は、「子供の将来が生まれ育った環境に左右されることのないよう、関係部局や各分野、また県民の意見も聞き、山口県の実情に応じた教育、生活支援、保護者に対する就労、経済的支援の四つの柱を中心とした計画をできるだけ早くつくる」と答弁されました。 そして、この二月、山口県子どもの貧困対策推進計画検討委員会が設置されました。計画の素案も審議されたようです。 そこで、三点お尋ねします。 まず、一つです。計画策定の今後のスケジュール。 二つ、四つの柱は国の大綱に沿ったものと思われますが、加えて本県の実情に応じた内容とは何なのか、それぞれ柱の具体的施策とともにお尋ねをしたいと思います。 三点目です。計画決定後の具体的
取り組み、お尋ねします。 次に、着実な貧困対策のためには、貧困の実態を把握しなければなりません。 県は、その対策を進めるために、国の大綱に設定された二十五の指標のうち、県の調査結果がある十六の項目を決定するとしていますが、今後の施策のためにも、子供の貧困の実態調査をすべきではありませんか、お尋ねをいたします。 次に、四番目に、障害者問題についてお尋ねします。 新年度予算には、障害に対する理解を深める事業として、あいサポート運動推進事業や、県教委のインクルーシブ教育システム理解促進事業などの新規事業があります。 二つの事業の施策には、障害のある人が必要とする合理的配慮という考え方が取り入れられています。障害者差別解消法の成立を受け、当然の対応とはいえ、評価します。 改めて、二つの事業について、それぞれ御説明ください。 さて、障害者差別解消法は、二○一六年四月から施行されます。かねてから、(仮称)障害者差別禁止条例をつくろうと提案してきましたが、当事者が必要とすれば策定するというのがこれまでの部長答弁です。この答弁を解釈すれば、つくるということですね。 法律は、共生社会の実現に向けた差別的取り扱いの禁止、障害に対する合理的配慮の二つの考え方が基本方針です。一年後の施行を前に、これから当事者を初め関係団体の皆さんを中心に、条例づくりに着手することが県民の間に法律の理解を深めることにつながります。 (仮称)障害者差別禁止条例の制定について、見解をお尋ねします。 次に、原発問題についてお尋ねします。 昨年十二月六日、原発の高レベル放射性廃棄物の地層処分を考えるシンポジウムが、山口市内で開かれたとのことです。原子力発電環境整備機構(NUMO)主催、山口新聞社など後援とのことです。 山口新聞の記事によると、地層処分への理解を深めてもらおうと、全国三十カ所で開催、山口市内では約六十人参加とあります。 地層処分は、これまでのように自治体がみずから手を挙げて名乗り出るのではなく、適切な候補地を国が選定する方法に切りかえるという考え方が示されています。これまでの公募方式は、失敗に終わっているからだと思います。 従来の方法では、手を挙げたけれども、後の首長選挙でそれがポシャってしまっただとか、成功しなかったという事例がわかったからだというふうに思います。 小泉元首相がやっと気づかれたように、核のごみの処分方法は確立していないのです。いわば、トイレのないマンションです。 原発建設に理解を示している県は、この現実をどう認識されていますか、お尋ねします。 さて、県がこれから目指す三つの重視運動というのがありますが、私はこれを見てあきれました。三つのうちの一つに、スピード重視があります。 すぐに私は、行政手続法も無視し、公有水面埋立法の免許延長の法的整理も曲解し、県民への約束である議会答弁すら裏切って、いわば超法規的措置で中国電力側の立場に立って、判断の先送りをしている山口県当局の恥ずべき姿を思い浮かべました。これほど税金の無駄遣いをしていて、よくもスピード重視と言えるものです。 知事、ちゃんちゃらおかしいという言葉をお使いになったことがありますか。私は宇部弁かと思いましたら、これは宇部弁ではないそうです。私は、ちゃんちゃらおかしいという言葉が浮かんできました。知事、いかがですか、お尋ねをします。 ちゃんちゃらおかしいの見解を尋ねたんじゃないですよ。スピード重視に関連して、今申し上げたことについて、知事の見解をお尋ねします。 二井元知事は、二○一二年六月議会で、埋立免許延長の正当な事由について、次のように私に答弁されました。 一つ、国のエネルギー政策としての上関原発の位置づけ、すなわち土地利用計画の確定、二つ、新たな安全基準に基づいた原子炉等施設の建設、この二点です。 これが免許延長の正当な事由であり、法的整理です。議事録に残っています。お認めになりますか、お尋ねします。 県は、
二井法的整理は、中国電力からの実際の申請について審査した上での法解釈ではないと、これまで言ってきました。法律の解釈が、申請前と申請後で変わってもいいものでしょうか。 法律の解釈、すなわち公有水面埋立法の免許延長の正当な事由は、申請前であろうと、申請後であろうと不変です。当然のことです。いかがですか、お尋ねします。 間もなく、福島原発事故から四年を迎えます。世界に向かってアンダーコントロールと叫んだのは、一体どこの首相だったでしょうか。汚染水の垂れ流しを隠していた東京電力の相変わらずの隠蔽体質が、またも発覚しました。 今後、四十年かかると言われる廃炉作業、それに従事する全国から一万人を超える労働者が集まっている状況、廃墟の町となった福島第一原発周辺の地域、双葉町の町の入り口に掲げられている「原子力豊かな社会とまちづくり」のスローガンがむなしく見えます。私も見てまいりましたけど。 そして、いまだ福島から全国に避難している人たちは十五万人と言われています。にもかかわらず、安倍首相は原発輸出を成長戦略と位置づけ、原発再稼働を認めようとしています。 原発建設に理解を示す県知事は、この現在の福島原発事故の状況をどのように認識されていますか、お尋ねします。 最後に、教育問題について二点、お尋ねします。 まず、一点目です。 新たな教育委員会制度が来年度からスタートし、首長と教育委員会による総合教育会議が設置されます。 昨年十一月議会での私の質問に対し、浅原教育長は「教育に関する大綱や教育条件整備などの施策を協議・調整する」と、その役割について答弁されました。 新しい教育委員会制度は、これも答弁されたように、教育の政治的中立性や継続性、安定性の確保が前提です。 そこで、四点お尋ねします。 一つ、総合教育会議の構成メンバー。 二つ、教育に関する大綱とは、具体的に何ですか。現在の山口県教育振興基本計画との整合性について、どう考えればいいんでしょうか。 三つ、大綱と今後の教育行政とのかかわり方。 四つ、教育長と首長、すなわち知事の関係は対等ですか。 さて、総合教育会議は、教科書採択や個別の教職員人事など、政治的中立性が要請される事項については協議題とすべきではないとあります。 ところが、教科書採択の方針、教職員人事の基準については、協議することが考えられるともあります。 これは、政治的中立性を前提とする総合教育会議に、こんな機能があると解釈をできるのですか、お尋ねします。 つけ加えますと、来年度は中学校教科書採択の年です。 教育問題の二点目です。 川崎市の中学一年生の上村少年が殺害された現場には、今も涙ながらに訪れる人が絶えないということです。その気持ちは、私もよくわかります。わずか十三歳の上村少年の恐怖と苦しみは、どれほど深く大きかったことかと想像してみますと、本当に涙が出ますよね。 それは、彼がこれまでさまざまのSOSのサインを出しながらも、家族も学校も周囲の大人たち誰もがその異常さに気づくことができず、そして気づこうともせず、結果的に彼が殺されてしまったからです。 また、犯人とされる少年たちは、なぜこれほど命を軽視し、残酷なことを実行するのか、事件の全貌解明はこれからですが、このたびの事件は今後にさまざまの課題を突きつけています。 報道によれば、文科省は今回の事件を受け、全国に緊急調査をかけるとのことですが、それはどのようなものなのか、県教委の対応についてもあわせてお尋ねします。 一番悔やまれますのは、上村少年のサインをなぜ大人が受けとめてやれなかったかということです。 県教委は、この事件をどう受けとめ、今後の教育行政に反映されるものがあるとすればどんなものですか、お尋ねします。 新年度予算には、いじめ・不登校等対策強化事業が提案されています。私の周囲に、今、気にかかる十三歳の少年がいますから、この新規事業も気にかかります。 今までの事業とどう違うのか、事業効果をどう見込んでいるのか、対策強化とありますから、一層力を入れるのかなとは思いますが、どんなものになるのか、お尋ねします。 また、新年度から、国はフリースクールへの支援を始めると聞いていますが、どのように把握されていますか、お尋ねをして、第一の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(畑原基成君)
村岡知事。 〔知事
村岡嗣政君登壇〕
◎知事(
村岡嗣政君) 佐々木議員の御質問のうち、私からは、新年度予算に関し、日本一を目指す六つの
取り組みについてのお尋ねにお答えします。 私は、当初
予算編成の基本方針に活力みなぎる
県づくりへの挑戦を掲げ、チャレンジプランに即した実効性の高い事業の構築に努め、特に優先的・重点的に実施すべき新たな
取り組みに対しては最大限の予算措置を講じました。 とりわけ、本県が抱える大きな課題であります人口減少の流れに歯どめをかけ、地域の活力を維持し、これを高めるということは、今まさに取り組むべき重要なことであると考えています。 こうした観点に立って、県の目指す方向性として、他地域との競争にも勝ち残っていけるよう、全国に誇れる、また、全国に先駆けた
取り組みの六項目を全国トップ水準への挑戦として位置づけて、その実現に向けた事業に集中的に予算配分を行ったところであります。 今後、これらを初め、チャレンジプランに掲げた
取り組みを実行することによりまして、人口減少・少子高齢社会にあっても、元気な産業や活力ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らせる「活力みなぎる山口県」の実現を図ってまいりたいと考えています。 次に、日本一を目指す
取り組みについてです。 具体的には、まず、現行の不妊治療に加え、新たに男性不妊治療費への助成制度を創設するとともに、多子世帯への保育料等軽減制度については、対象に幼稚園も加え、全年齢に拡大をしました。 また、男性の育児休業取得に対する奨励金につきましては、全国で最も助成対象が広い制度を創設したところであります。 さらに、集落営農法人等への新規就業者に対して、就業後の定着に視点を当てた全国トップクラスの給付金制度を創設をするとともに、創業希望者への支援としては、全国で最も有利な金利水準の資金の創設ですとか、女性創業応援会社を設立をするほか、県内に就職した理系大学院生等に対する奨学金返還助成制度などの
取り組みを実施をすることにしています。 そのほか、既に設置率が日本一の小中学校のコミュニティ・スクールについては、活動の質を一層高め、名実ともに地域教育力日本一となるよう積極的な
取り組みを推進してまいります。 私は、将来にわたって元気な山口県をつくっていくため、全国一頑張っていくと、そういう強い決意を持って、その執行に当たっても全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、
関係参与員よりお答え申し上げます。
○副議長(畑原基成君) 木村
商工労働部長。 〔
商工労働部長 木村進君登壇〕
◎
商工労働部長(木村進君) まず、新年度予算に関するお尋ねのうち、雇用の安定についてお答えします。 県としては、未婚独身の経済的不安を解消するためには、非正規雇用労働者の正規雇用化を促進し、雇用の安定を図ることが重要と考えています。 このため、国に対し、全国知事会を通じ、非正規労働者の正規雇用化や処遇改善策の充実を要望するとともに、
県内企業や県内経済団体に対し、山口労働局と一体となって、正社員枠の拡大等の要請を行っているところです。 また、各県民局の中小企業労働相談員による事業所訪問等により、正規雇用化等に向けた国の支援制度の周知に努めています。 さらに、山口労働局と新たに雇用対策推進協定を締結することとしており、正社員雇用の拡大など、若者の就業支援に一層取り組むこととしています。 県としては、引き続き、山口労働局等関係機関との緊密な連携のもと、正規雇用化の促進など、雇用の安定に積極的に取り組んでまいります。 次に、中小企業振興についてのお尋ねにお答えします。
地域経済や雇用を支える県内中小企業が成長していくためには、お示しのトライアル発注制度などによる新商品の販路開拓の支援や、中小企業を成長させる手法の一つであるエコノミックガーデニングでも取り組まれている、行政や商工会議所等、地域の関係機関の連携による支援が必要と考えています。 このため、県においては、トライアル発注の一環として、一定の要件を満たす新商品を生産する中小企業者等の商品を随意契約で購入可能とする認定制度などに取り組んでおり、引き続き県内中小企業の新商品の利用促進に努めてまいります。 また、地域の関係機関の連携による支援については、昨年五月にやまぐち産業振興財団等の関係支援機関や金融機関からなる、やまぐち認定支援機関等連携推進協議会を設置し、連携体制の強化を図るとともに、来年度においては新事業展開等をハンズオン支援するなど、中小企業の成長支援に一層努めることとしています。 原発問題に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、高レベル放射性廃棄物の地層処分についてのお尋ねです。 エネルギー基本計画においては、放射性廃棄物の最終処分制度を創設して以降、十年以上を経た現在も処分地選定調査に着手できていない状況を踏まえ、国が前面に立って問題解決に取り組むとされています。 このため、国の総合資源エネルギー調査会において、最終処分に係る議論がされているところであり、県としては、今後、国の責任において、この問題解決に向けた
取り組みが進められるものと考えています。 次に、現在の福島原発事故の状況に関するお尋ねです。 福島原発の事故から四年近くを経過しましたが、依然として周辺住民は避難生活を余儀なくされている状況にあります。 また、お示しの汚染水問題については、国が東京電力に対し、あらゆる適切な対策を講じるよう指導するとされています。 県としては、一刻も早い事態の収束に向け、発電所の廃止措置や避難者への適切な支援などについて、国及び事業者の責任において取り組んでいただきたいと考えています。
○副議長(畑原基成君)
野村農林水産部長。 〔
農林水産部長 野村雅史君登壇〕
◎
農林水産部長(
野村雅史君) 本県の実情から見た国の農政に関するお尋ねにお答えをいたします。 小規模農家が多く、高齢化が深刻な本県農業の持続的発展のためには、農地や人材を生かし、効率的な経営が可能な集落営農法人を核とした農業構造とすることが急務であり、国の農政改革を受け設置した農地中間管理機構の機能を生かし、法人設立や農地の集積を加速化していくことが重要と考えております。 また、農産物価格の低迷等により農業生産が縮小する中、意欲ある農業者の所得向上や雇用の確保につなげ、農山村の活力を向上させるためには、農林水産物の国内外への販路拡大や六次産業化・農商工連携の推進など、国が進める農業の成長産業化にも積極的に取り組む必要があると考えております。 県としましては、今後とも、市町、農協などとの連携を密にし、国の農政改革等も踏まえながら、本県の実情に応じた農業の振興に取り組んでまいります。
○副議長(畑原基成君) 大谷
総務部理事。 〔
総務部理事 大谷恒雄君登壇〕
◎
総務部理事(大谷恒雄君) 岩国基地問題についてのお尋ねにお答えします。 県としては、今回創設された交付金は、米軍基地周辺地域の振興を図るために広域自治体である県が果たすべき役割、さらには住民の安心・安全対策において果たすべき県の役割に国が着目し、措置されたものと受けとめています。 また、厚木基地からの空母艦載機部隊の移駐については、国から、米軍再編の目的は抑止力の維持と沖縄を中心とする地元負担の軽減であり、個別の再編案は全体として統一的なパッケージであると説明を受けてきたことから、これに協力する姿勢で対処しているところです。 県としては、今後とも、交付金の有無にかかわらず、米軍再編問題に対しては、これ以上の負担増は認められない、また、普天間基地移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められないという二つの基本スタンスを引き続き堅持し、国に対して言うべきことは言うという姿勢で対処してまいります。
○副議長(畑原基成君) 渡邉
総務部長。 〔
総務部長 渡邉繁樹君登壇〕
◎
総務部長(渡邉繁樹君) 朝鮮学校への補助金の予算計上についてのお尋ねにお答えします。 県では、朝鮮学校をめぐるさまざまな状況を勘案して、朝鮮学校への補助金の予算計上を平成二十五年度から見送っていますが、現時点においてもその状況に大きな変化がないことから、来年度も引き続き予算計上を見送ることとしています。 本県の朝鮮学校への補助金は、文化・スポーツ交流等を通じて、県民との相互理解の増進を図ることを目的としており、県としては、これを予算計上しないことが子供の人権や学ぶ権利の侵害に当たるとは考えておりません。
○副議長(畑原基成君) 上野
総合企画部長。 〔
総合企画部長 上野清君登壇〕
◎
総合企画部長(上野清君) チャレンジプランと「地方創生」に関しての四点のお尋ねにお答えします。 まず、これまでの
取り組みをどう評価・検証したのかとのお尋ねです。 チャレンジプランでは、県政各分野での
取り組みや現状を分析・検証した上で、今何が必要かとの観点から課題を明らかにし、取り組むべき施策の方向をお示ししたところです。 こうした中、最重要課題である人口減少問題については、我が国が経済成長を遂げる中、大都市圏に人や物がおのずと集中し、これが地方の活力の低下を招き、さらなる地方の人口流出に拍車をかけるという社会構造的な問題が背景にあると考えています。 その克服に向けては、国が抜本的な対策を講じると同時に、県としては少子化や人口流出の抑制にこれまで以上に努めることが必要と考え、プランではこうした対策を充実強化することとしています。 次に、活力指標の根拠や考え方と今後の
取り組みについてです。 十五の「突破プロジェクト」ごとに設定した活力指標については、各プロジェクトでの施策効果を見込んだ上で、県民共有の目指すべき水準として数値目標を設定したものであり、今後、
取り組みの進捗や成果をはかる評価指標として活用し、施策の見直し・改善を図ることとしています。 次に、本県の総合戦略への
取り組み、考え方についてです。 国の総合戦略では、人口減少の克服と「地方創生」を確実に実現していくため、地方の自主性や地域性の発揮を明確に求めています。 もとより、「地方創生」は地方の責任と創意による
取り組みが不可欠であることから、本県の総合戦略については、チャレンジプランに掲げる施策のうち、「地方創生」に資する施策を重点化した上で、本県の実情に即した実効ある戦略として策定してまいりたいと考えています。 次に、市町の合併算定替に関連し、新たな交付税の内容と、財政状況が脉迫している各市町への適切な支援や助言についてのお尋ねです。 お示しのように、普通交付税の合併算定替については、新たな加算措置が講じられることとなりました。 その内容は、支所に要する経費の加算や、標準団体の面積の見直しによる消防費等の経費の充実を図るものであり、合併市町村の財政負担の軽減につながるものと考えています。 こうした中、県内の合併市町の財政状況は、積極的な行財政改革の
取り組みを通じて、財政の健全性は一定程度確保されているものの、今後の人口減少や高齢化のさらなる進行は、各市町の行財政運営に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 このため、県といたしましては、合併市町が今後とも市民のニーズに即したきめ細かな行政サービスを提供し、市町建設計画に基づく広域的なまちづくりを着実に推進していけるよう、このたびの交付税の加算措置を含め、行財政基盤の強化に向け、定期的な財政状況のヒアリングや行財政実地調査を通じて、合併市町の実情をしっかりと把握しながら、適宜適切な支援・助言に努めてまいりたいと考えています。
○副議長(畑原基成君) 小松
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 小松一彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(小松一彦君) 子供の貧困対策についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、計画策定のスケジュールについては、今後、県議会やパブリックコメントによる県民の皆様からの御意見を伺いながら検討会で審議し、ことし七月を目途に策定することとしております。 次に、本県の実情に応じた内容と柱の具体的施策についてです。 本県においては、全国と比べて、生活保護世帯の子供の高校進学率が低いことや母子世帯の割合が高いなどの実情があり、こうした状況にも対応するため、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援を施策の四つの柱として、子供の貧困対策を総合的・計画的に推進することとしています。 まず、教育の支援では、生活保護世帯を含む全ての子供の学力保障を図るため、きめ細かな学習指導を実施するとともに、生活の支援では、ひとり親家庭の親に対する生活支援員の派遣など、保護者の自立支援などに取り組むこととしています。 また、保護者に対する就労の支援では、ひとり親家庭の親に対する職業訓練や資格取得に対する支援などに取り組むとともに、経済的支援では、生活保護世帯の子供の進学時の支援などを行うこととしています。 次に、計画策定後の具体的な
取り組み方については、計画に沿って、教育、福祉、労働分野等の関係機関、団体と連携して施策を実施するとともに、その進捗状況について定期的に点検・評価を行いながら、子供の貧困対策を進めてまいります。 次に、子供の貧困の実態調査についてです。 国の子供の貧困対策に関する大綱に沿って県計画を策定するに当たって、子供の貧困をめぐる実態を把握した上で必要な指標を設定しており、県として改めて実態調査を行うことは考えておりません。 次に、障害者問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、あいサポート運動推進事業についてです。 この事業は、誰もが、多様な障害の特性、障害のある方が困っていること、必要な配慮などを理解して、ちょっとした手助けや配慮を実施することにより、障害のある方が暮らしやすい地域社会を目指すものです。 このため、日常生活の中で障害のある方への必要な配慮を実践する、あいサポーターを養成する研修を実施するとともに、この運動に賛同し、普及啓発等に取り組む企業などを、あいサポート企業・団体として認定してまいります。 次に、障害者差別禁止条例の制定についてです。 障害者差別解消法に基づく国の基本方針は、先月の二十四日に閣議決定されたところですが、基本方針には、不当な差別的取り扱いや合理的配慮の具体的内容が明確に示されていないことから、今後、国からそれらが示された後、障害者団体等の意見もお聞きしながら、条例の制定の必要性を検討してまいります。
○副議長(畑原基成君)
北﨑土木建築部長。 〔
土木建築部長 北﨑孝洋君登壇〕
◎
土木建築部長(
北﨑孝洋君) 原発問題に関する御質問のうち、公有水面埋立免許申請に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、公有水面埋立免許延長について、判断の先送りをしているのかとのお尋ねです。 埋立免許権者である県としては、事業者の主張について審査を尽くす責務があることから、その内容の的確な把握に努め、公有水面埋立法に基づく適正な審査を予断を持つことなく公正な立場で行っているところであり、五回目の補足説明の回答では、中国電力から一定の説明がなされているものの、十分な説明が尽くされているとは言えないことから、さらに補足説明を求め、審査を継続しているところです。 したがって、判断の先送りをしているものではありません。 次に、平成二十四年六月議会での二井元知事の答弁についての二点のお尋ねです。 本件に関し、審査の方針としてこれまで引き継がれている法的整理は、実際に申請があった時点において、埋立免許権者が申請内容について正当な事由があるかどうかを審査して、許可の可否を判断すること及び埋め立ての前提となる土地利用計画が不透明であれば、公有水面埋立法上の要件である正当な事由がなく、埋立免許の延長を認めることはできないことの二点であり、これは現在に至るまで変わっていません。 お示しの平成二十四年六月議会での二井元知事の答弁は、事業者である中国電力からの公有水面埋立免許の延長申請がなされる前の時点で、原発を取り巻く情勢及び国のエネルギー政策の見直しといった当時の状況を踏まえ、延長許可の可否について公有水面埋立法の解釈として示されたものです。 その後、事業者から延長申請があり、事業者からは、上関原発を位置づける重要電源開発地点の指定について、現時点に至るまで何ら変更はないとの主張がなされ、また、原子炉等施設の安全性は原子力規制委員会で審査されることが明確になっているなど、状況は変化しています。 埋立免許権者である県としては、先ほど申し上げた法的整理にもあるように、実際の申請があれば、改めてその時点で正当な事由があるかどうか審査しなければならないことから、現在、公有水面埋立法に基づき、適正に審査しているところです。(発言する者あり)
○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕
◎教育長(浅原司君) 教育に関する数点のお尋ねのうち、まず、新年度予算に関するお尋ねにお答えいたします。 インクルーシブ教育システム理解促進事業は、共生社会の形成やインクルーシブ教育システムの構築に向け、コミュニティ・スクールとの連携を通じた実践研究を行いながら、県民の特別支援教育についての理解を一層促進する事業であります。 具体的には、地域連携が進んでいる小中学校を実践研究のモデル校に指定し、障害のある子供に対する合理的配慮について実践事例を蓄積するとともに、モデル校のうち拠点となる学校には合理的配慮協力員を新たに配置し、合理的配慮について、保護者、学校、地域住民の理解を図り、学校運営協議会と協力した
取り組みを推進していくこととしております。 また、県東部、県央部、県西部の各エリアでの特別支援教育フォーラムの開催により、広く県民への理解啓発に取り組むこととしております。 次に、教育問題についてのお尋ねのうち、まず、総合教育会議についてお答えいたします。 最初に、総合教育会議の構成ですが、会議は首長と教育委員会の教育長及び教育委員により構成されることになります。 次に、教育に関する大綱についてですが、大綱は、
地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものであり、山口県教育振興基本計画も踏まえながら、総合教育会議において協議・調整が行われることから、県教育振興基本計画との整合は図られるものと考えております。 次に、大綱と今後の教育行政とのかかわりについてですが、大綱は知事と教育委員会で構成される総合教育会議において協議・調整の上、策定されることから、執行機関である教育委員会は、この大綱も踏まえながら、教育行政を運営していくことになるものと考えております。 次に、首長と教育長との関係についてですが、首長と教育委員会は対等な執行機関として、総合教育会議でも協議・調整を行うことになっており、首長が任命する新教育長は教育委員会の代表となります。 次に、総合教育会議の機能の解釈についてです。 総合教育会議は、大綱の策定に関する協議を初め、教育に関する諸条件の整備や教育等の振興を図る重点的施策などについて協議し、首長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有するために開催するものとされております。 協議に当たっては、教科書の採択や個別の教職員人事等、特に政治的中立性の要請が高い事項は協議題とすべきではないとされています。 次に、川崎市において発生した中学一年生殺害事件に関連した二点のお尋ねにお答えします。 まず、文部科学省の緊急調査ですが、二月二十七日時点で、学校において七日間以上連続して当人との連絡がとれない場合や、学校外の集団とのかかわりがある場合で、生命または身体に被害が生じるおそれがあると見込まれるものについて報告をすることとなっております。 現在、県内の全ての学校に調査を依頼しており、該当する児童生徒が存在した場合は、関係機関等と連携し、速やかに対応いたします。 次に、この事件をどう受けとめ、今後の教育行政にどう反映させるかとのお尋ねです。 このような痛ましい事件は二度とあってはならないことであり、亡くなられた生徒さんに心から哀悼の意を表するものであります。 事件については、現在捜査中であり、全容解明が待たれるところですが、この事件を受け、学校のより適切な対応はもとより、周囲の大人たちがもっと子供たちに関心を持ち、子供たちのさまざまなサインをキャッチする体制の必要性を改めて痛感した次第であります。 県教委といたしましては、学校の相談・支援体制の充実に加え、コミュニティ・スクール等を活用し、関係機関とも連携しながら、子供たちの育ちを地域全体で見守る体制づくりを推進してまいります。 次に、いじめ・不登校等対策強化事業などについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、今までの事業との違いと事業効果の見込みについてです。 新年度の事業では、スクールカウンセラーの学校への派遣回数の増加や、スクールソーシャルワーカーの全市町への配置拡充、新たなフォーラムの開催による社会総がかりの
取り組みを推進することとしており、複雑化・深刻化するさまざまな教育課題にこれまで以上にきめ細かく対応し、いじめの解消率や不登校の出現率の改善等の効果が期待できると考えております。 次に、国がこれから始めるフリースクールへの支援をどのように把握しているかとのお尋ねについてです。 国においては、現在、有識者会議を設置し、不登校児童生徒が通うフリースクール等への支援について、その制度上の位置づけや支援対象・支援主体等を検討し、来年度末に最終まとめを行うと聞いております。
○副議長(畑原基成君) 佐々木明美さん。 〔佐々木明美さん登壇〕(拍手)
◆(佐々木明美さん) それでは、再質問いたします。 まず、子供の貧困計画です。 今、答弁いただきました。しかし、山口県の素案と国の大綱は全部同じです。おっしゃったけれども、山口県の個性がどこに出ているのか、全くわかりません。 それから、素案は一度だけ議論されたと思いますけども、そこでどんな意見が出たのか、把握されていたら答弁してください。 それから、検討会議のメンバーですけど、なぜNPOなどの団体が入っていないのか、そういう団体がいないのかどうなのか、お尋ねしたいと思います。 それから、昨日の戸倉議員のこの問題に対する質問の中で、格差の問題だとか、入れるべきだという質問だったと思いますけども、検討会議で議論するとかおっしゃったけど、しかし、もう検討会議はできませんでしょう。今度、四月にパブリックコメントを掲げて、五月に最終案を審議するんですね。どうなっているんですかと言いたいですね。 それから、この会議が設置されたことも、全然マスコミにも何も発表なくて、私が貧困計画はどうなっちょるのと言ったら、いやいや、これこれですと、なぜきちんとマスコミに広報して、こういうことを今やっていますということをされないのか。これ重大な計画なのに、県民も非常に関心の高い計画なのにと思いますけれども、なぜそういう――不十分だなというふうに思います。答弁してください。 それから、今回の貧困計画は、貧困の連鎖を断ち切るためにということで、学校が非常に重大な役割があるというふうに思います。学校がプラットホームという位置づけがありますけれども、ある意味、学校がセーフティーネットの役割を果たすんだというふうに思いますけれども、その意味と役割について、教育長のもう一回決意を、風邪を引いておられるけれども、大丈夫ですか、お聞かせいただきたいというふうに思います。 それから、一番大事なのは学習支援だというふうに思いますが、前段で指摘しましたけれども、山口県は学習支援が非常におくれている。学習支援ということが貧困計画の中にもうたわれていますし、それから新しい来年度予算の中でも国の法律の中でも学習支援が位置づけられているので、しっかりと学習支援をサポートしていただきたいというふうにこれは思います。 要するに、貧困対策というのは、子供に最善の利益を保障すること、確保すること、これが一番基本だというふうに思いますので、もう一回、その辺について答弁をいただけたらというふうに思います。 それから、土木部長、私は今、埋立免許の延長の問題について、二つに分けて質問しました。一緒に答弁しないでください。二つに分けて質問したんですよ。 二井さんの法的整理、それは議事録にもきちんと残っていますけれども、お認めになりますかということを質問しました。それだけ答弁してください。一緒にやっちゃいけません。 それから、ある法律がありまして、例えばその法律に基づいて申請する。申請する前の解釈と申請後の解釈、法律の解釈が変わってもいいものですか。こんなばかなことはないですよ。それをやっているんです、山口県は。それについての見解、もう一度、お示しいただきたいと思います。 それから、知事、総合教育会議に今度は知事がメンバーになります。どういう決意で臨まれるのか、ちょっと知事の決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。 それから、朝鮮学校の問題ですけれども、さまざまな状況を勘案して、ある施策を進めるのにさまざまな状況を勘案してやるかやらないか、こんなことを行政がやっていいんですか。 何の法律に基づいてやるのか、中止するのか、それじゃないといけないと思いますけれども、さまざまな状況を勘案して、ちょっと全然、これが本当にやるなら全くけしからんことですけれども、もう一回、答弁をお願いしたいと思います。 それから、「地方創生」ですけれども、これから取り組まれるというふうに思いますけれども、国の戦略があって、それに倣って各自治体がつくりなさいという方針だそうですけれども、私はこれに倣ってということがいささか疑問なんですけれども、「地方創生」というのは、もちろん企業誘致も大切ですけれども、地域にある資源をいかに活用してそこに雇用を生み出すか、これが一番大切だというふうに思います。 そこに知恵を出し合うことによって、その地域が創生する、生き延びる、そして若者が定着する、それでないといけないというふうに思うんですけれども、国の方針、戦略に倣って山口県の計画をつくりなさい、これについていささかどうかというふうに思います。 それから、もう一つは、計画によって新たな交付金に差をつけるわけでしょう。これもどうかと思いますよ。この考え方について、もう一回、お尋ねしたいと思います。来年度の新しい交付金、内容によって交付金に差をつけるんでしょう。 それから、このたびの補正予算を提案されていますけれども、「地方創生」に関して、例えば地域の振興券何とかが提案されていますけれども、ああいうばらまきで、一過性の町の振興がなるかもしれませんけど、ああいうばらまきで本当に「地方創生」がなるのかどうなのか。今回の補正予算に提案されている「地方創生」に関する予算の考え方について、お尋ねをしたいというふうに思います。 第二の質問を終わります。(拍手)
○副議長(畑原基成君)
村岡知事。 〔知事
村岡嗣政君登壇〕
◎知事(
村岡嗣政君) 再質問の中で、総合教育会議の中に知事が加わることになるけれども、その決意をということだったと思います。 総合教育会議が来年度設立となりまして、知事が招集して、そのメンバーになるということでございます。 地域を支えるのは人でありますし、人を育てるということは大変重要であると考えております。そういう観点で、教育は大変重要だと思っております。 これは、チャレンジプランの中でも、今回の予算でもそうですけれども、地域教育力日本一なども掲げまして、教育をしっかり充実していこうというふうに考えているところでございますので、今度、総合教育会議ができますけれども、教育の中立性ですとか継続性、安定性、そういうところは十分と踏まえながら、会議の中で、山口県の教育の振興に向けて、教育委員会としっかりと意見交換をしていきたいと考えております。
○副議長(畑原基成君) 小松
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 小松一彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(小松一彦君) 子供の貧困計画に関連して、五点の再質問でございます。 まず一点目は、現在の素案は国の大綱と全部同じではないかという御指摘でございますけれども、都道府県がつくる計画につきましては、国が定めた大綱に沿って計画をつくるようにということになっております。 したがって、大綱の柱は基本的には山口県も踏襲したということでございますけれども、大綱の柱のもとに掲げられている施策につきましては、山口県のいろんな
取り組み、独自性を踏まえた
取り組みについて記載をしていることでございまして、全部同じという御指摘は当たらないというふうに思います。 それから、次は検討委員会でどのような意見があったかということでございますけれども、私が承知しております限りでは、学校だけではなくて、地域ぐるみで子供を育てる仕組みを推進していく必要があるのではないかとか、あるいは子供が貧困に陥らないように、親の就労支援についてもしっかりと支援していく必要があるのではないか、そういったような御意見があったというふうに承知をしております。 それから、検討委員の委員にNPOが入っていないのではないかということでございます。それはなぜかということでございますけれども、県としては、今回の計画をつくるに当たり、例えば当事者でありますPTAの方ですとか、あるいは母子寡婦の連合会でありますとか、あるいは児童入所施設の代表でありますとか、そういった全県的にいろんな
取り組みをカバーしているところについて、当事者に参加をいただいておるところでございます。 ただ、NPOで、いろいろ地域によって、子供の貧困に対して学習支援等を行っておられる団体があるのは承知しておりますけれども、それは活動範囲が一部というようなことがあって、今回、委員の中には参画をしていただいていないということでございます。 それから、三点目は、この計画の中に、きのうも御質問があったように、格差といったようなものも入れるべきではないかという御意見でございますけれども、(発言する者あり)格差自体を今回の子供の貧困の計画の中に入れるのがどうかというような問題もあると思いますけれども、いずれにしても、きのう、答弁いたしましたように、検討委員会の中で議論をするということでございます。 検討委員会はまだ開かれる予定がございますので、その中で議論していきたいというふうに考えております。 それから、四点目は、マスコミに公表しないのはなぜかということでございます。やはりマスコミに公表して、公の場で議論を進めていくべきだろうというふうに考えておりますので、今後の会議についてはマスコミにオープンにしていきたいというふうに考えております。 それから、最後に学習支援についておくれているということでございますけれども、特に生活保護世帯等の子供さんに対する学習支援を一部やっておるところがございますけれども、山口県下でまだ二市でしかやっておられないというような状況がございますので、今後、国の補助事業を活用した先進的な事例の
取り組みなんかは、福祉事務所を通じてそのPRにも努めていきたいというふうに考えております。
○副議長(畑原基成君)
北﨑土木建築部長。 〔
土木建築部長 北﨑孝洋君登壇〕
◎
土木建築部長(
北﨑孝洋君) 埋立免許に関します再質問にお答えします。二点あったかと思います。 まず最初に、二井元知事の法的整理、これを認めるのかということでございます。 二井元知事の法的整理と言われるのは、申請前の時点での状況を踏まえた考え方を示したものでございます。これを受けてといいますか、当時、国交省は、申請があった時点において、埋立免許権者が申請内容について正当な事由があるかどうかを審査し、許可の可否を判断するものであるという、こういう国交省の回答も得ております。 こういう状況で、お示しの二点を正当な事由として認めるか、認めないかということではなくて、埋立免許権者としては、実際に審査が出ておりますので、改めてその時点で正当な事由があるかどうか審査しなければならないということで、現在、審査を継続しております。 もう一点でございます。申請の前と後で解釈が変わっていいのかということでございます。 二井元知事の答弁は、先ほど申しましたように、申請がなされる前の時点での公有水面埋立法の解釈として示されたものでありますが、これが変わる、変わらないというのではなくて、先ほど言いましたように、埋立免許権者は申請があれば改めてその時点で適正に審査しないといけないということで審査をしています。 二井元知事の答弁のうち土地利用計画の確定、これにつきましては、現在、県としましては、上関原発が国のエネルギー政策に位置づけられていることが、これが事業者の主張によって説明できているかどうかを確認して、正当な事由の有無を判断できるようになれば、許可・不許可の処分ができるという考えで審査をやっているところでございます。 また、原子炉等施設の新たな安全基準、これにつきましては、二井元知事の答弁の時点と延長申請後の状況が変化しております。これを受けまして、現在、県としては、原子炉施設の安全性と公有水面埋立法とは法体系を別にしているという前提を踏まえまして、現在、審査を継続しております。(発言する者あり)
○副議長(畑原基成君) 渡邉
総務部長。 〔
総務部長 渡邉繁樹君登壇〕
◎
総務部長(渡邉繁樹君) 朝鮮学校に関しての再質問にお答えいたします。 さまざまな状況を勘案して県が判断するというのはあり得ないと、何の法律に基づく判断かとの御質問だったかと思います。 県の施策の中では、もちろん法律補助というようなものもあるわけでありますが、この補助金はもともと予算に基づく、いわゆる予算補助でありまして、
予算編成過程の中で、朝鮮学校をめぐる国の考え方など、これまでの県の考え方の中で、補助金計上を見送った主な状況、そういったものを含めて、さまざまな状況を注視してまいった結果、この状況に大きな変化がないことから、予算計上を見送ったものでございます。
○副議長(畑原基成君) 上野
総合企画部長。 〔
総合企画部長 上野清君登壇〕
◎
総合企画部長(上野清君) 「地方創生」に関する三点のお尋ねにお答えいたします。 まず、国の総合戦略に倣って、地方が全国一斉に地方総合戦略をつくるのはどうかというお尋ねでございます。 国の総合戦略では、人口減少の克服と「地方創生」を確実に実現していくために、地方の自主性や地域性をしっかりと発揮していくことを明確に求めております。 したがいまして、地方の総合戦略の策定におきましては、地方の実情に即した計画・戦略等がつくっていかれるものというふうに理解をいたしております。 次に、国の交付金の内容について、差をつけていくことはどうかといったようなお尋ねでございました。 ただいま申し上げました国の総合戦略の考え方に沿いまして、交付金につきましても、地方独自の
取り組みに対してしっかりと応援するという趣旨だというふうに受けとめております。 三点目として、今回の新たな国の交付金についての補正の考え方についてでございます。 このたびの交付金につきましては、例えば創業支援の強化とか、首都圏等への県産品の販路拡大とか、企業のUJIターンの受け入れ支援とか、本県の「地方創生」の先行的な
取り組みとして十分活用していきたいというふうに考えておりまして、そういった考え方で補正予算を編成したものでございます。
○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕
◎教育長(浅原司君) 子供の貧困対策に関する二点の再質問にお答えいたします。 まず、学校をプラットホームとした子供の貧困対策における学校の役割はどんなものかというお尋ねであったと思います。 学校におきましては、学校教育における学力保障、それから学校を窓口とした福祉関連機関との連携、さらに経済的支援を通じて学校から子供を福祉的支援につなげ、総合的に対策を推進するとともに、教育の機会均等を保障するため、教育費負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。 次に、学習支援がおくれていると思うが、どう取り組むのかという御質問です。教育委員会の立場でお答えをいたします。 家庭の経済状況にかかわらず、全ての子供たちの学力の向上を図ることは学校の責務でありまして、県教委としては、市町教委と連携しながら、放課後や長期休業中などにおける補充的な学習など、児童生徒の状況に応じたきめ細かな指導の充実を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(畑原基成君) 佐々木明美さん。
◆(佐々木明美さん) ちょっと、答弁に関して意見があるんですけど。私は、原発の問題について、
二井知事の議会答弁を紹介しました。それで間違いないですかという一つは質問をしたんですけど、議事録にもちゃんと残ってて、間違いないですかという質問をしたんですけど、それについての答弁はないんです。 私の質問に正確に答えていただきたいと思います。あの二つの質問。法的整理の問題、申請前と申請後、法律の解釈が変わっていいんですかという二つの質問について、関連して答弁しちゃいけません。一つずつ答弁して、それを要求したんですけども、お願いします。(発言する者あり)
○副議長(畑原基成君) はい、
北﨑土木建築部長。 〔
土木建築部長 北﨑孝洋君登壇〕
◎
土木建築部長(
北﨑孝洋君) 二井元知事の答弁の議事録を認めるかということですか。 〔「議事録にもきちんと残っています。二井さんの法的整理の考え方が。」と呼ぶ者あり〕
◎
土木建築部長(
北﨑孝洋君) (続)法的整理については、先ほど答弁したように、県としての法的整理というのは二つの事項、先ほど述べたとおりでございます。(発言する者あり) 〔「私が言うのは、二○一二年の六月議会で、二井さんが議会で答弁された二つの考え方、新たな安全基準に基づく要件だとか、それが二井さんの法的整理です。そして、二井さんの法的整理を引き継ぐと……」と呼ぶ者あり〕
○副議長(畑原基成君) 佐々木明美さんに申します。ただいまの指摘がありました件は答弁漏れは認めませんので、引き続き議事を続行いたします。再々質問でお願いをいたします。 佐々木明美さん。 〔佐々木明美さん登壇〕(拍手)
◆(佐々木明美さん) 二井さんの二つの法的整理の考え方、もう紹介しません。これを認めますか、答弁してください。 それから、ある法律があって、法律に基づく申請書が出ました。申請書が出る前と出た後の法律の解釈が変わるということが世間であるんですか、通用しますか。それを県はやっているんですよ。それについて、もう一回、答弁を求めます。よろしくお願いいたします。 以上で終わります。(拍手)
○副議長(畑原基成君)
北﨑土木建築部長。 〔
土木建築部長 北﨑孝洋君登壇〕
◎
土木建築部長(
北﨑孝洋君) 再々質問にお答えします。 二井元知事の法的整理を認めるのかということでございますが、法的整理は、先ほど申しましたように、答弁した二点でございます。これをもとに、今の現状で申請をしているもので、認めるとか認めないとかいうことではないと考えております。 もう一点、解釈が変わるか変わらないかということですが、当然、今、正当な事由があるかどうかという基本的な方針、二点ありますが、これをもとに審査をしております。 それで、今、二井元知事の答弁は、あくまで申請が参る時点の状況、そういうものを踏まえた上で法的解釈としてお示ししたもので、実際に審査する中で、正当な事由があるかどうかは今審査しているので、そういう問題ではないと考えております。(発言する者あり)
○副議長(畑原基成君) 本日の
一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ─────────────
○副議長(畑原基成君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時十八分散会 ───────────── 地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。 山口県議会 議 長 柳 居 俊 学 副 議 長 畑 原 基 成 会議録署名議員 吉 田 充 宏 会議録署名議員 井 上 剛...