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  1. 山口県議会 2013-02-01
    03月08日-06号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 25年 2月定例会   平成二十五年二月山口県議会定例会会議録 第六号      平成二十五年三月八日(金曜日)  ────────────────────        議事日程 第六号      平成二十五年三月八日(金曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第五十九号まで(質疑・議案第四十二号採決)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第五十九号まで                会議に出席した議員(四十七人)                          柳   居   俊   学 君                          吉   井   利   行 君                          伊   藤       博 君                          吉   田   和   幸 君                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          加   藤   寿   彦 君                          有   福   精 一 郎 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          曽   田       聡 君                          佐 々 木   明   美さん                          小   泉   利   治 君                          岡   村   精   二 君                          二   木   健   治 君                          藤   本   一   規 君                          藤   生   通   陽 君                          松   永       卓 君                          合   志   栄   一 君                          西   嶋   裕   作 君                          末   貞   伴 治 郎 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          神   田   義   満 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          国   井   益   雄 君                          守   田   宗   治 君                          山   手   卓   男 君                          槙   本   利   光 君                          畑   原   基   成 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          秋   野   哲   範 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          星   出   拓   也 君                          森   中   克   彦 君                          河   村   敏   夫 君                          藤   井   律   子さん                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   藤   精   二 君                会議に欠席した議員(一人)                          竹   本   貞   夫 君                欠 員(一人)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          山 本 繁太郎 君                    副知事         岡 田   実 君                    副知事         藤 部 秀 則 君                    総務部長        池 内 英 之 君                    総務部理事       小 松 一 彦 君                    総合政策部長      藤 井 哲 男 君                    地域振興部長      渡 邉 繁 樹 君                    環境生活部長      門 田 栄 司 君                    健康福祉部長      渡 邉 修 二 君                    商工労働部長      半 田 健 二 君                    農林水産部長      北 野 常 盤 君                    土木建築部長      小 口   浩 君                    会計管理局長      寺 田 徹 郎 君                    財政課長        佐 伯 彰 二 君                    公営企業管理者                    職務代理者企業局長   秋 本 泰 治 君                    教育委員長       村 上 智 真 君                    教育長         田 邉 恒 美 君                    公安委員長       越 智   博 君                    警察本部長       中 村 範 明 君                    代表監査委員      石 津 敏 樹 君                    監査委員事務局長    藤 井 克 彦 君                    労働委員会事務局長   橋 本 雅 寛 君                    人事委員会事務局長   木 村   進 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        弘 中 勝 久 君                    事務局次長       市 原 栄 一 君                    総務課長        松 永 敏 昭 君                    議事調査課長      田 中   肇 君                    政務企画室長      岡 村 達 也 君                    秘書室長        野 原 弘 幸 君                    議事調査課長補佐    山 本 秀 樹 君                    議事記録係長      石 橋 教 幸 君                    主任主事        藤 村 紘 子さん                    主任主事        油 利 知枝美さん                    主事          田 中 充 宣 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第五十九号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十九号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 小泉利治君。    〔小泉利治君登壇〕(拍手) ◆(小泉利治君) どなた様もおはようございます。公明党の小泉利治でございます。(「バッジが光ってますね」と呼ぶ者あり)このバッジの件につきましては、後ほどたばこ対策で説明いたします。禁煙をお願いするバッジでございますので。(発言する者あり)実はもう一つあるんです。(笑声) それでは、一般質問に入る前、一言申し上げます。 今からちょうど八十年前の一九三三年三月四日、フランクリン・ルーズベルトがアメリカ合衆国大統領に就任いたしました。当時は一九二九年に始まった世界恐慌の真っただ中でありました。ルーズベルトは大統領に就任すると、翌日には日曜日にもかかわらず、国内の全銀行を休業させ、ラジオ演説で一週間以内に全ての銀行の経営実態を調査させ、預金の安全を保障することを約束し、銀行の取りつけ騒ぎを収束に努めました。 さらに、議会に働きかけて矢継ぎ早に景気回復や雇用確保の新政策を審議させ、大統領就任後の百日間で十五の主要法案を成立させるとともに、失業対策としてテネシー川流域において、ダムなどの建設を中心とした総合開発を行い、世界恐慌であふれた失業者を大量に雇い、賃金を支払い、購買力を向上させるなど、公共投資を軸とした大胆なニューディール政策を打ち出すなど、強いリーダーシップを発揮し、大恐慌を克服したと言われております。八十年前です。 先月末、景気経済対策や震災復興の加速を柱とする補正予算ねじれ国会にもかかわらず、可決されました。 安倍政権は運が強いと論評されていますが、自公政権の時を逃がさぬ迅速な対応と丁寧に合意形成に努めた国会運営のたまものであると思います。引き続き、補正予算の執行と来年度予算の早期成立が急がれるところであります。 さて、間もなく全ての生き物が躍動する桜花らんまんの春となります。今、安倍政権に求められているのは、危機を突破し、ピンチをチャンスに変えていくスピード感と勢いであると思います。安定は安心であります。迅速と丁寧の両輪で、日本再建をさらに前に進めていただきたいと思います。 それでは、通告に従い質問をいたします。 最初に、自公連立政権への期待についてお尋ねいたします。 昨年末の衆議院選を経て自由民主党と公明党の連立政権による第二次安倍内閣が発足し、二カ月余りが経過いたしました。 安倍内閣は、日本の国力の源泉である強い経済の再生なくして我が国の将来もないという強い決意で、「経済再生」に取り組んでおられます。 そして、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」を強力に射込みながら、力強く日本の「経済再生」を推し進めておられるところであります。 例えば、大胆な金融政策としては、政府及び日銀の政策連携や、日本銀行による二%の物価目標の導入を実現されておりますし、機動的な財政政策としてまとめられた緊急経済対策は、我が党の主張も大幅に取り入れており、この裏づけとなる補正予算が、先週、ねじれ状態にある参議院でも一票差で可決され、成立しております。 「三本の矢」は、これからさらにその効果を上げていくものと考えます。 「決められない政治とようやく決別できる」と、国民は、政権の再交代を待ち望んでいたようでした。前の民主党政権では、円高やデフレ不況に歯どめをかけることができず、震災復興も遅々として進まず、外交・防衛政策に関しても、政権幹部の思いつきのような言動がしばしば混乱を招き、党内、閣内不一致の連続で、成果を上げることができませんでした。 しかし、政権交代後におきましては、二カ月余りの間のスピーディーな取り組みの数々が功を奏し、株価の上昇や円高の是正が見られるなど、経済に薄日が差してきたようにも思えます。 また、我が党の太田国土交通大臣も、国土の強靱化に向け社会インフラの充実・強化を進めているところでありますが、これは、代表質問で上岡議員も触れましたが、公明党の防災・減災ニューディール政策の考えも取り入れられております。 そのような中、山本知事におかれましては、知事就任後、初の当初予算案編成に取り組まれました。 さらに、平成二十四年度の二月補正においては、国庫補助事業を積極的に活用し、十五カ月予算として編成され、また、「五つの全力」を強力に進めるための積極型とも言える予算案とされたところであります。 そこでお伺いしますが、知事は、中央省庁の方々などとさまざまなネットワークを持たれており、県政運営を進める上での大きな力にもなるものと思いますが、予算成立後、山本県政を本格始動されるに当たり、自公連立政権にどのようなことを期待されているのか、お伺いいたします。 次に、グループホームの火災対策について。 先月の八日、長崎市の認知症高齢者グループホームで火災事故が発生し、五人の方々が亡くなられました。原因はリコール対象の加湿器のようでありますが、スプリンクラーが設置されていれば、ここまで大きな被害はないであろうと思われます。 スプリンクラーなどの消火設備の不備や狭い立地だったことなどが、被害を拡大させました。以前にも、平成二十二年の札幌市の認知症高齢者グループホームの火災や、平成十八年の長崎県大村市の火災でも、同様に多くの犠牲者を出しており、お年寄りの安住の場所であるはずの施設での惨事であり、痛ましいとしか言えません。 グループホームはここ十年で急増し、全国約一万カ所に上り、小規模施設ほど経営は厳しく、慢性的な職員不足や公的補助の不十分さが目立っています。実際、火災が起きた長崎市の施設でも、市が国の助成金を活用してスプリンクラーを設置するよう促していましたが、実施されなかったようであります。 今回の事故に当たり、太田国土交通大臣は、「一つ一つの建物を現状に即して違反がないようにきめ細かく見ていく必要がある」とし、全国の建築基準法違反の施設の所有者に対し、速やかに改善計画を出すよう求める方針を示し、各地の自治体も、率先して緊急調査に乗り出したようであります。 公明党も二月十二日に厚生労働省に対し、面積基準の見直しや周辺地域の実情に応じた対策の必要性を訴えるなどの行動を始めました。 平成二十二年の札幌市の火災事故を受け、私は、小規模な認知症高齢者グループホーム防火安全体制の強化に向けての取り組みについて質問をいたしました。 当時、県からは、スプリンクラーの設置促進や、避難訓練の実施指導など、積極的な取り組みについて答弁がありました。 その後、我が党から政府への働きかけもあり、二百七十五平米未満のグループホームにおいても、火災時に最も有効と思われるスプリンクラーの設置に対する国の助成が行われることになりました。 グループホームは、家庭的な雰囲気の中で認知症の介護を行う小規模施設で、地域に溶け込んだ存在であり、需要もさらに高まってきます。だからこそ、あらゆる面から安全対策に万全を期す必要があると思います。 そこでお尋ねいたしますが、本県における認知症高齢者グループホームでの防火安全対策の強化について、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、障害者の就労支援についてであります。 障害のある方にとって、住みなれた地域で、自立し、安心して過ごしていただくためには、まずは、その方の能力に応じた働く場所があることが必要であります。 そのため、これまで、県はもとより、市町や各関係者の方々による事業所内の体制づくりや受注・販売力の強化など、さまざまな御尽力のおかげで、多くの障害者の方々の働く場所が確保され、工賃も全国平均を上回っているところであります。 しかし、近年、リーマン・ショック以降の景気の低迷等により、授産施設等への受注が厳しい状況にあるそうです。 私は、先日、宇部市内の就労継続支援B型事業所を訪問いたしました。そこで施設長さんは、「施設や自宅で働く障害者がふえる一方、景気の低迷により民間企業からの仕事の依頼は減少しており、さらには事業所への発注が不安定なため、行政からの安定した仕事を出してほしい」と語っておられました。 現在、国や地方自治体などが商品の購入や業務委託をする際、透明性・公平性を確保するため、競争入札による契約が原則になっています。 しかし、その結果、民間企業に比べ競争力の弱い障害者就労施設が、地方自治体などと契約することが、非常に困難になっております。 こうした現状を踏まえ、障害者の就労機会を増加させ、自立を促進することを目的として、「障害者優先調達推進法」が制定されました。本法律は、自民、公明の両党が二○○八年に提出し政権交代で廃案となった「ハート購入法案」をほぼ踏襲した内容となっており、我が党も、法制化に向け、国会で何度も取り上げてきたものであります。法律は、昨年六月に成立し、本年四月からいよいよ施行されます。 同法は、国と独立行政法人等に対して、障害者が就労施設でつくった製品の購入や、清掃などの業務委託を優先的に行う努力義務を課すとともに、地方自治体などに対しても、障害者就労施設等の受注機会の増大を図るための必要な措置を講ずる努力義務が課せられています。 もう既に、滋賀県では障害者支援施設などからの優先的な物品調達を行う「滋賀県ナイスハート物品購入制度」を実施しているようです。 私は、この「障害者優先調達推進法」の趣旨を踏まえ、障害者就労施設におけるさらなる受注機会の拡大に向けた取り組みを進めていくことが、障害のある方の自立や社会参加を進める上で、大きな役割を果たしていくものと考えています。 そこでお尋ねいたします。県では、今後、障害者の就労支援にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、いじめ対策についてであります。 いじめが背景にあると考えられる自殺が、近年増加しているように感じます。 昨年十二月八日にも、私立中学校に通う女子生徒が自殺するという痛ましい出来事がありました。自殺は、いじめを受けていたことをほのめかす記載をノートに残してのことでありました。 生徒が通う中学校は九日、生徒の父親から十一月中旬ごろに、いじめの相談を受けていたことを明かし、生徒本人と個人面談を行うなどの対応のさなかであり、また、学校側は生徒本人がこれまで自殺をほのめかしたことがなかったと説明していますが、少女が抱えた苦しみを少しでも分かち合うことができれば、救えたかもしれないと思う遺族や関係者の苦衷ははかり知れません。 文部科学省が昨年の夏に、滋賀県大津市の中学生の自殺を受けて行ったいじめの緊急調査では、昨年度の認知件数は全国で七万件であったが、今年度は上半期の認知件数が、既に十四万四千件に上っており、半年で一年間の二倍を上回る急増であります。 これは、教員らのいじめに対する意識が高まり、からかわれたり、悪口を言われたりするといった軽微と見られる事案も積極的に数に入れたからでありますが、十四万件という数は、児童生徒の百人に一人が何らかのいじめを受けたことを示しており、驚くべき数値であります。 自分の子供の通う学校、学年で一人はいるということであり、いじめる側や傍観者も含めれば、むしろ、いじめにかかわっていない方が少ないとも言えます。 また、同調査では、この十四万件のうち七割が既に解決したと報告されており、いじめの多くは周りの大人が認知し、適切な対応をすれば、重大な事態に至ることを防げるということでもあります。 ただ、今回の調査で見逃されているいじめも、まだ多く潜んでいるはずで、隠蔽などは決してあってはならないのであります。何よりも、周りの大人や学校関係者らがふだんから子供の行動を気にかけ、心を打ち明けてもらえる信頼を得ていくことが防止の道であると思います。 このため、自公連立政権は、二○一三年度政府予算案で、いじめ対策等総合推進事業に前年度比八億円増の四十八億円を盛り込みました。 同事業のポイントは、いじめの早期発見・早期対応のために、児童生徒、保護者などの心のケアを担うスクールカウンセラーを全ての公立中学校に配置することであります。 スクールカウンセラー臨床心理士、精神科医などが当たっており、その業務は、いじめに苦しむ児童生徒に対する相談はもちろん、保護者や教職員に対する相談、教職員への研修など多岐にわたり、重要性を増しています。 いじめ根絶への対策は待ったなしであり、掲げた政策の実現を急がねばなりません。そこでお伺いしますが、いじめの根絶に向けてどのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。 次に、通学路の安全対策について。 相次ぐ通学路の事故を受け、全国で通学路の安全対策が進められています。 昨年四月二十三日、京都府亀岡市で、登校中の児童の列に無免許運転の自動車が突っ込み三人が死亡、同月二十七日には、千葉県館山市でバスを待っていた児童らに軽自動車が突っ込み一人が死亡するなど、通学途中での交通事故が相次いだことから、文部科学省国土交通省、警察庁が合同で通学路の安全総点検を行いました。 ここ数日の間でも頻繁に起きており、国がまとめた昨年十一月末現在の調査結果によると、調査対象になった公立小学校二万百六十校、八万百六十一カ所の通学路のうち、九割以上に当たる七万四千四百八十三カ所で安全対策が必要との結果がまとまりました。 危険箇所の主な指摘は、「歩道がない」「歩道が狭い」「交差点に信号機がない」「ガードレールがない」などでした。 通学路の安全対策について公明党は、これまで長く党活動、議員活動の柱の一つとして、各地で総点検や実態調査などを重ね、改善を図ってまいりました。 近年では、昨年四月二十六日に、通学路の安全対策強化を検討する「通学路の安全対策プロジェクトチーム」を党内に設置し、五月十六日には、文科省に緊急提言を行いました。 こうした取り組みにより、今年度補正予算案と十三年度予算案に、地方自治体に国が財政支援する「防災・安全交付金」合計約一兆六千億円が計上されました。この交付金により交差点の整備や歩道の拡幅などの整備が期待されます。 山口県におきましても、昨年四月以降、登下校中の重大交通事故が全国各地で多発したことを受け、通学路の安全確保に向けて、学校、教育委員会、警察、道路管理者等関係機関の連携により、交通安全・防犯・防災の三つの観点から緊急合同点検及び危険箇所への対策検討を行い、可能な対策から実施しているところで、特に、速度規制、進入禁止、一方通行、一旦停止、横断歩道などは安全のため効果的な対策ではありますが、通学路の多くは、地域住民の生活の場の中にあるため、通行上の規制を設けるには、住民の方々の御理解も必要であり、また予算や技術的な点でも、対応には限界があります。 しかし、子供たちの毎日の登下校については、学校、家庭、地域のほか、道路管理者、警察のより緊密な連携により、安心して通学できる環境を整えていく必要があると考えますが、通学路の安全対策につきまして、県教委はどう取り組まれるのか、お伺いいたします。 最後に、たばこ対策についてでございます。 本日も私がたばこ対策をやるということで、この議場の中でA議員さんは「たばこを完全にやめました」と、そのような御報告がございました。あと数十回すれば全ての方がやめられるんでないかと、そう期待しつつ、たばこ対策の質問をさせていただきます。 日本は世界トップクラスの長寿大国であります。誰もが健康で生き生きと暮らせる長寿社会を目指したいとの強い思いで質問をいたします。 たばこが健康に有害な影響を及ぼすことは広く社会に知られています。 WHOの報告書などによると、喫煙による年間死亡者数は世界で五百四十万人、受動喫煙で六十万人にも達します。日本では喫煙で年間十二万から十三万人、受動喫煙で六千八百人が死亡しており、この数は、平成二十四年度の交通事故による死者数四千四百十一人を上回っています。 しかし、我が国の喫煙率は先進国の中でも極端に高いようであります。特に男性の喫煙率は高く、習慣的に喫煙している人は三二・二%、三十歳から五十歳代では四割を超えています。 喫煙は、がん原因のトップで、ほかにも脳卒中や大動脈瘤など、さまざまな疾患を引き起こすことがわかっており、今後、なお一層の禁煙に向けての対策が必要であります。 さて、このたび、県は、策定中のがん対策推進計画の中において、喫煙率の具体的な数値目標を設定されました。 ところで、先日、我が会派の上岡議員がPM二・五問題について質問しましたが、実は微小粒子状物資、いわゆるPM二・五がたばこの煙の中にも含まれているようであります。このことを禁煙推進学術ネットワークが訴えられております。 このように、たばこの害は明らかであるにもかかわらず、がん対策推進計画のパブリックコメントにおいて、「喫煙率の設定に反対する」など、反対意見がほとんどで賛成意見は皆無であったようです。 まず、こうしたパブリックコメントに対する意見について、どう思われるのか、感想をお聞きいたします。 また、私は、このような状況の中で、国の数値より低い目標数値が設定されたことについて、非常に高く評価をしており、私自身は、この目標数値を将来的には、ゼロを目指すべきと思います。 また、次なる課題は、この数値目標をいかにして達成するかであります。禁煙外来の紹介や世界禁煙デーにおける全県的な普及の実施やたばこ相談員の設置など、されると聞いております。 そこで、県は、喫煙率の目標達成に向けて、どのように禁煙対策に取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、受動喫煙防止対策についてであります。 現在、県では、禁煙・分煙をあらわすステッカーを作成し、事務所や飲食店などに配布いたしていますが、受動喫煙防止の目標達成に向けて、「禁煙・分煙ちょるる」を活用したステッカー――皆さん方のお手元にあるとおりでございます。そうしたステッカーを飲食店やタクシー、バスなどの公共交通機関に配布すれば、効果もさらに上がるのではないかと思います。 「ちょるる」の活用につきましては、今議会でも、岡村議員や戸倉議員から質問が出ておりますが、観光PRのみならず、受動喫煙防止にも一役買っていただきたいものであります。その一つがこのバッジでもあります。(掲示) また、たばこ対策ガイドラインに基づいた十メートルルールの設定など、本県独自の取り組みを一層推進していただきたいと思います。 同ルールは、山口大学医学部の福田吉治教授が、施設の出入り口付近に設けられることの多い屋外喫煙所の位置について、提唱されたものですが、せっかく受動喫煙防止の目標値を設定されたわけですから、全県民に伝わるよう、しっかり普及啓発をする必要があると思います。 そこで、「ちょるる」の活用やガイドラインに基づいた十メートルルールの設定など、受動喫煙防止対策について、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 山本知事。    〔知事 山本繁太郎君登壇〕 ◎知事(山本繁太郎君) 小泉議員の御質問のうち、私からは、自公連立政権への期待についてのお尋ねにお答えします。 お示しのありましたように、自公連立による安倍政権は、「経済再生」を政策の一丁目一番地に掲げ、日本経済再生本部の設置や緊急経済対策の決定、予算編成や税制改正などに内閣一丸となって取り組んでおられるところであり、我が国経済の再生に向け、早くも明るい兆しが見え始めるなど、私としても大変心強く思っているところであります。 今後、連立政権の合意事項である、巨大地震等の自然災害に備えた防災・減災対策を初め、社会保障と税の一体改革や教育再生等に全力で取り組まれ、日本再建を着実に進められんことを強く期待しております。 また、お示しにもありましたように、私は、四十年近くにわたり国の仕事に携わる中で、御党の太田国土交通大臣を初め、官民多くの方々に御交誼、御指導を賜ってまいりました。したがって、こうしたネットワークもフルに活用し、現政権の取り組みにしっかりと呼応しながら、今後の県づくりを進めてまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 渡邉健康福祉部長。    〔健康福祉部長 渡邉修二君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡邉修二君) まず、グループホームの火災対策についてのお尋ねにお答えします。 認知症高齢者グループホームには、自力避難の困難な高齢者も入居されていることから、県としては、これまでも、消防設備の設置や避難訓練の実施等を指導してきたところです。 今回の火災を受け、改めて、グループホームを所管する市町及び各消防本部に対し、さらなる防火安全対策の徹底を要請するとともに、平成二十二年の札幌市での火災を受けて実施した緊急点検で非常用照明の不備などの建築基準法の違反が確認され、その後未是正の十二施設に対しては、現在、県及び関係市が、立入調査により是正を指導しているところです。 一方、スプリンクラーについては、消防法上設置義務のある百四十三施設では全て設置済みであり、設置義務のない三十二施設のうち未設置の五施設については、市町と連携し、早期設置を働きかけております。 県としては、グループホーム入居者が安心して生活できるよう、市町や消防機関と連携し、引き続き、関係機関への通報・連携体制の整備や、地域住民・消防団等が参加する避難訓練の実施等を指導するとともに、今後、国の検証結果等も踏まえ、防火安全対策の一層の強化に取り組んでまいります。 次に、障害者の就労支援についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方の就労は、経済的自立はもとよりのことでございますけれど、社会参加の観点からも重要であることから、県では、これまで、障害者の就労を支援するため、県工賃向上計画に基づき、企業等との受発注のマッチングなど、障害者就労施設の受注拡大に向けた取り組みを進めてきたところです。 こうした取り組みをさらに進めるため、印刷や草刈りなど、県において発注可能なものがないか確認するためのチェックシートや、随意契約締結の際の手順を示した事務処理マニュアルを作成・配布し、官公需の拡大に努めているところです。 こうした中、お示しの障害者就労施設からの優先的な物品購入等を県などに求める「障害者優先調達推進法」が制定され、平成二十五年度からスタートすることとなっております。 県としては、この法律を契機に、これまで以上に障害者就労施設への発注が進むよう、全庁を挙げて取り組みを強化するとともに、官公需の共同受注窓口として、この四月に新たに設立されます「社会就労事業振興センター」と連携しながら、障害者の就労支援に積極的に取り組んでまいります。 次に、たばこ対策についての三点のお尋ねです。 まず、パブリックコメントにおける喫煙率の設定に反対するなどの意見についてお答えします。 たばこは、みずから取り組むことで、生活習慣病を予防できる最大の危険因子であることから、県としては、お示しのがん対策推進計画におけるパブリックコメントでの意見等を踏まえ、たばこ対策の必要性について、さらに普及啓発を進める必要があるものと考えております。 次に、禁煙対策についてのお尋ねです。 このたびの喫煙率の目標は、喫煙をやめたい方が禁煙することを目指して設定するものであり、この目標の達成に向けて、来年度、新たに、禁煙の動機づけとなりますリーフレットを作成するとともに、禁煙希望者が気軽に電話で相談できる、たばこ相談員をがん拠点病院に設置することなどを通じまして、禁煙を希望される方を支援する取り組みを強化していくこととしております。 次に、受動喫煙防止対策についてのお尋ねです。 たばこは、周囲の吸わない人へも悪影響を及ぼすものであることから、県としては、今後、広く県民に愛されております「ちょるる」を活用したステッカーを作成・配布することによりまして、受動喫煙防止に向け、取り組みを一層進めてまいります。 また、お示しの出入り口と喫煙場所との距離を保つための、いわゆる十メートルルールを幅広く県民に周知するため、来年度、新たに、受動喫煙防止の必要性を紹介したリーフレットを作成し、スーパーや飲食店等へ配布するなど、受動喫煙防止に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 田邉教育長。    〔教育長 田邉恒美君登壇〕 ◎教育長(田邉恒美君) 教育に関する二点のお尋ねにお答えいたします。 まず、いじめ対策についてです。 いじめは絶対に許されない行為であり、いじめの根絶に向けましては、心の教育の推進などによる未然防止はもとより、早期発見・早期対応の取り組みの徹底が重要であります。 早期発見に当たっては、教職員がどの子にもいじめが起こり得るという危機意識を持つことが大切であり、児童生徒への日常の注意深い観察、教育相談や生活アンケートの実施に加え、校内研修の充実等により、教職員のいじめに対する認知力の向上に努めております。 また、認知したいじめは確実な解消が重要でありますことから、直ちに実態把握に努め、児童生徒の心情に寄り添いながら毅然とした指導を行いますとともに、警察など関係機関とも連携した組織的な対応を強化しているところです。 県教委では、いじめ問題に対する取り組みのさらなる推進に向けまして、来年度、県内全ての学校におきまして、心のケアを担うスクールカウンセラーを活用できる体制のより一層の充実を図るため、全ての中学校への配置に加え、小学校への配置を拡充することとしており、あわせて、スクールソーシャルワーカーにつきましても、やまぐち総合教育支援センターへの配置を増員いたしますとともに、新たに八市に配置することにより、関係機関と連携した支援体制を強化することとしております。 また、解決が困難な事案につきましては、弁護士等の専門家による調査委員会を設置し、第三者的立場から迅速な解決に向けた支援を行うこととしております。 さらに、こうした本県のいじめ問題に対する取り組みを専門的な見地から検証し、改善を図るため、大学教授等を交えた「いじめ問題等対策協議会」を定期的に開催することとしております。 県教委といたしましては、いじめ対策に関する国の検討状況も踏まえながら、今後とも市町教委との緊密な連携のもと、学校、家庭、地域と一体となって、いじめの根絶に全力で取り組んでまいります。 次に、通学路の安全対策についてです。 子供たちが安心して通学できる環境を整えていくためには、学校、教育委員会、道路管理者、警察等の関係機関が、家庭や地域の協力を得ながら緊密に連携し、通学路の安全対策に取り組むことが重要であります。 このため、本年度、通学路の安全対策に携わる関係者が合同点検及び危険箇所への対策について検討を行い、現在、可能な対策から順次実施しているところであります。 学校におきましては、子供たちの安全に対する意識を高め、主体的に行動できる力を育むため、危険箇所に対する注意喚起や安全学習を繰り返し実施いたしますとともに、必要に応じて通学路の変更や保護者・地域と連携した見守り活動の強化を図っているところであります。 しかしながら、対策が完了していない危険箇所もありますことから、県教委では、関係機関で構成する「通学路安全対策合同会議」を開催し、対策の進捗状況の把握と着実な推進に向けまして、一層の連携を図ることとしております。 また、今後、道路環境の変化や家庭・地域の要望等に的確に対応するため、交通安全に関する専門家であります通学路安全対策アドバイザーを全ての市町に派遣し、適切な対策が講じられるよう支援いたしますとともに、学校における安全対策の指針として、安全点検実施上の留意点や対策事例等を示した「通学路安全対策ガイドライン」を作成することとしております。 県教委といたしましては、今後とも、子供たちのかけがえのない命を交通事故から守るため、通学路にかかわる全ての関係者と一体となって安全対策に全力で取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) おはようございます。日本共産党の木佐木大助です。早速、通告に従い、一般質問を行います。 知事の政治姿勢について伺います。 その第一は、米軍基地問題です。 まず、岩国基地を拠点に一昨日から本日八日まで実施されているオスプレイの本土での低空飛行訓練です。現時点で、掌握されている訓練内容、飛行ルートをお示しください。 これまでの監視の中で、オスプレイ訓練や低空飛行訓練にかかわる日米合意に反する事例はありませんでしたか、この点もお尋ねします。 さて、在日米軍司令官は、今回の訓練について「訓練のほとんどが兵員と装備を運搬する内容になっており、海兵隊員を乗せずに機体だけを飛ばすことはできない」と述べ、一定規模の部隊移動を伴う見通しを示していました。 岩国基地に同基地所属外の部隊が移駐しているとすれば、単なる外来機の飛来にとどまらず、基地機能強化そのものにつながるのではないかと考えますが、知事の見解を伺います。 基地問題の第二は、空母艦載機部隊の岩国移駐に関し、山口県と岩国市が基本スタンスとされている「普天間基地の移転の見通しが立たないうちに、空母艦載機の先行移駐は認められない」という立場について伺います。 ことし一月末に沖縄県内全四十一市町村、そして議会代表らが、オスプレイ撤回と普天間基地の撤去を求めて直訴した、あの「建白書」に示されるように、今や保守・革新の違いを超えてオール沖縄の声はますます強固になっています。 ところが、安倍首相は、二月二十二日のオバマ米大統領との会談で、普天間基地の「辺野古新基地への移設」をアメリカ側に誓約し、帰国直後の二十六日には、新基地建設のための埋立申請に向け、地元漁協との協議を開始しました。アメリカとの約束を最優先し、新基地建設反対、普天間基地の無条件撤去を求める沖縄県民の総意を踏みにじる暴挙です。 政府は既に昨年末、新基地建設のための環境影響評価を終えて、報告書を沖縄県に提出しています。政府は年内にも埋立申請を出し、たとえ断られても最後は伝家の宝刀である「強制収用」をもって強行する、そういう筋書きだと懸念する見方もあります。 これまで山口県は、「普天間基地移設の見通し」とは、「沖縄県知事が理解を示すこと」と答弁されてきました。よもや、沖縄県民の声を無視した強権的な安倍政権の姿勢、国の姿勢をもって「普天間基地移設の見通しが立った」などとは考えておられないと思いますが、知事の見解を伺います。 政治姿勢の二点目は、原発問題についてお伺いします。 一つは、原子力規制委員会が七月までに策定しようとしている新安全基準について伺います。 今明らかになっている新安全基準(案)は、事故原因が完全に究明されていないもとで、小手先の対策を並べただけで、原発直下に活断層があっても地表にあらわれていなければ認められるなどと骨抜きそのものになっています。そもそも過酷事故を想定しながら、「世界最高水準の安全」と強弁する矛盾したもので、規制委員会側も「リスクはそれでもやっぱり残る」と、安全でないことを認めざるを得なくなっています。 この新安全基準なるものは、新たな安全神話づくりであり、こんなものをてこに原発の再稼働を強行し、原発の新増設に道を開くなど到底許されないと考えますが、知事の見解を伺います。 二つ目は、上関原発の公有水面埋立問題について伺います。 これまでの答弁を踏まえ、端的にお尋ねいたします。 中国電力は、「上関原発の重要電源開発地点への指定に変更はない」と主張しているようです。国は指定適合の主な要件に、一つ、電力供給計画に計上されていること、二つ目、計画の具体化が確実であることを挙げています。この要件に照らした場合、現瞬間において上関原発は、重要電源開発地点の指定要件を満たしていることになるでしょうか、この点をお尋ねします。 知事も引き継ぐとされた前二井知事の法的整理は、一、国のエネルギー政策見直しで、上関原発の位置づけは不透明になった。二、埋め立ての前提となる土地利用計画も不透明。よって、延長申請は認められないというものです。これに照らし、現瞬間において、延長申請に正当な理由はありますか、この点お伺いします。 加えて前知事は、上関原発が新たなエネルギー政策にたとえ位置づけられても、新たな安全基準等を満たす原子炉等施設の位置や規模などが決まらなければ、土地利用計画は確定しない。よって、延長申請は認められないとも整理されていました。一昨日、これを否定する答弁がありましたが、果たしてそれでよろしいのですか、お尋ねします。 第三に、消費税増税問題について伺います。 今議会には、消費税増税を前提とした条例改正が提案されています。 今、国会審議が続いていますが、消費税増税の根拠はいよいよ崩れてきています。 第一に、税と社会保障の一体改革、その本質が、生活保護や介護・医療、保育など「社会保障の一体改悪」、これにあったことがむき出しになってきました。財政再建のためという論拠も、増税を当て込んだ二百兆円の国土強靱化、さらには大企業減税で崩れようとしています。そして、現在のデフレ不況のもとで、安倍首相みずから「デフレ不況を克服しなければならない」と言っているそのときに、増税はそれを根本から壊すことになります。 我が党は「消費税増税に頼らず、社会保障を充実させ、景気回復と財政再建はできる」、こういう具体的な提案を行い、消費税増税は、社会保障を壊す、景気も財政も悪化させると危惧するものですが、知事はどのようにお考えなのか、見解を伺います。 第四は、公務員給与の削減問題について伺います。 政府は、地方公務員の賃金を七月からさらに七・八%引き下げることを地方自治体に求め、二○一三年度の地方交付税を前年度比三千九百二十一億円削減しました。地方歳出ベースで八千五百億円の削減となり、国と地方の公務員の人件費削減のその総額は合わせて二兆円にも上っています。 大体、地方交付税は、全ての自治体でナショナルミニマムを実施するための財源保障と財政調整を行うもので、公務員給与の引き下げを誘導するために削減するなどというやり方は、地方交付税制度のその根本を覆す、極めて乱暴なルール違反だと思います。 もともと地方公務員の賃金は、自治体が独自に自主的に条例をつくって決定するのが、地方公務員法で定められた原則であります。国が一方的に下げ幅を決め、実施を強制するのは、法治国家としての根幹を揺るがす大問題だと思います。 ここにも地方自治体の首長を経験された方々たくさんおられますが、全国知事会など地方六団体は、こうしたやり方に対して「極めて遺憾だ」「給与削減を強制することは地方自治の根幹にかかわる大問題」との共同声明を発表しています。まさに「地域経済の再生なくして、日本経済の再生なし」という、これまでの国と地方の共通認識に全く反する問題です。 ところが、残念ながら知事は、議案説明の中で、「財政危機に対する安倍総理の覚悟を実感しており、主体的に判断した上で率先して取り組む」ことを表明されました。 知事は、今回の政府のやり方に問題があるとはお考えになりませんか。また、なぜ、率先して取り組む必要があるのか、きちんと説明していただきたいと思います。 安倍首相は、所信表明演説で、国民の所得が失われていることを経済危機の要因に上げ、「突破に邁進する」と言いましたが、それなら自治体に公務員の賃下げを強制して、政府が主導して国民の所得を奪おうとする、そうしたやり方こそ筋が通りません。 今求められているのは、公務と民間の賃下げの連鎖、これの、所得の減少を断つことです。県職員のさらなる賃下げは、絶対に実施すべきではありません。知事の見解を伺います。 質問の第二は、土木行政について伺います。 第一に、長門の深川川総合開発事業について伺います。 同事業は、深川川の治水と利水を目的に大河内川ダムを建設するもので、一九九○年に着手され、二十年以上がたちました。完了予定は当初は二○一一年度とされていましたが、現在は二○一九年度に延期されています。 この間、総事業費百六十四億円のうち、進捗率五三%、約八十六億五千万円が投じられていますが、いまだに本体工事に未着手だったため、民主党政権下で検証ダムの対象となりました。 治水計画規模は百年に一度の洪水を想定、利水も現計画のままダムが完成した場合、長門市の水道料金は、現在の基本料金の二倍以上になると試算されているため、現在、地元長門市は、ダムに頼らない治水と利水、この可能性を模索し始めています。 この間、全国では、過去の過大な利水容量を見直し、利水事業から撤退したり、利水容量を低減し、ダム規模を縮小する例も少なくありません。 今後、長門市がダム事業の見直しを求めてきた場合は、その意向を最大限に尊重すべきだと考えますが、見解を伺います。 第二は、下関沖合人工島、いわゆる長州出島について伺います。 同事業の全体計画は、百四十七ヘクタールに及び、現在工事が進められている第一期計画の運輸・物流ゾーンの面積は六十二ヘクタール、既に六百七十億円以上の税金が投じられています。 第二期は、マリーナなど交流・レクリエーションゾーンの五十二ヘクタール、三期が廃棄物処理ゾーンの三十三ヘクタールとなっています。 水深十二メートルの多目的バースは、二○○九年三月に供用開始されましたが、ことし二月末までに入港したのはわずか六十三隻で、本来期待されたコンテナ船は一隻も入らず、今やこの事業の破綻は明らかになっています。 もともと、この事業は、当時、今後十年間で日本全体の輸入量が三倍になるとの政府の試算に飛びついて、人工島をつくらないと現行ではとても太刀打ちできない。だから、アジアの玄関口として必要だ、こういうことが出発点でした。極めてずさんで過大な需要予測に飛びついた政府と山口県、そして、何よりも歴代下関市長の責任は極めて重大だと考えます。 この人工島事業に山口県が関与した経緯と、この間投じられた県民の税金は幾らになるのか、お尋ねします。 そして、現在の廃棄物処分場と、その跡地利用としての物流拠点としての位置づけをもうやめて、建設事業は直ちに中止し、風力や太陽光、潮力など再生可能エネルギーの基地としての土地利用計画へ転換すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。 質問の第三は、教育問題についてです。 第一は、少人数学級の推進についてです。 新年度から小学校一年生の一部を皮切りに、三十人学級化へ第一歩を踏み出したのは、大いに評価します。一方、国は、三十五人学級化を足踏みさせました。その理由の一つに、少人数学級の効果の検証が不十分なことを挙げています。 山口県が全国に先駆けて実施した三十五人学級化の効果について、現場の先生方からは、「学級が安定化し、学習・生活指導の面での高い教育効果があらわれ、学力差の是正や一人一人に応じた能力の伸長に効果を実感している」、こういう声をたくさん聞きますが、県教育委員会はどう検証されているのでしょうか、お尋ねします。 その上で、小学一年生での三十人学級化についても、効果を速やかに検証し、二○一四年度以降、順次、拡充していくべきだと考えますが、見解を伺います。 第二は、知事公約だった給付型奨学金について伺います。 新年度からの創設が見送られたことは極めて残念でありますが、知事は二月十九日の記者会見で中国電力株の配当金を活用した制度の導入に言及されています。一刻も早い実現を求めるものですが、今後の見解を伺います。 第三は、朝鮮学校への補助金打ち切り問題について伺います。 この制度は、一九九五年以来十八年間、額は減少されてきましたが、それでもずっと支給されてきたものです。ところが、安倍政権と山本知事誕生とともに、廃止の方向が打ち出されました。 知事は、その理由として、「国が朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としたこと」や「県民の理解が得られていない」ことを挙げていますが、全く不当なものと言わざるを得ません。 今回の措置は、資料一にお示ししました、(掲示)これにあるように、国際人権規約の諸条項や、教育機会の平等と母国語による民族教育を受ける権利を保障した子どもの権利条約など、数々の国際人権条約に違反する差別的政策と言わざるを得ません。 また、ほかの外国籍の子供との間で差別的な扱いを受けない、その権利を保障した日本国憲法第十四条、そして、教育を受ける権利を保障し、義務教育は無償とした憲法第二十六条にも違反するものだと考えます。知事の見解を求めます。 下村文科大臣も山本知事も、「国民・県民の理解が得られない」などと口裏を合わせていますが、そもそも人権の保障というものは、国民・県民の理解の有無にかかわらず、履行しなければならないことを国家と行政に求めています。(「そうだ」と呼ぶ者あり)東アジアと向き合い、国際社会に生きる日本と山口県にとって重大な問題と考えますが、知事の見解を伺います。 質問の第四は、福祉問題についてです。 まず、生活保護について。 安倍政権は、最後のセーフティーネットである生活保護制度について、ことし八月から三年かけて七百四十億円カットするとして、二○一三年度に二百二十億円も削る過去最大の削減計画を決めました。 この削減が実行されれば、受給世帯の九六%が影響を受けて、最大一○%もカットされる世帯も生まれるなど、深刻な事態を引き起こします。多人数世帯ほど削減幅が大きくなるため、親の貧困がそのまま子供にも引き継がれる貧困の連鎖をますます拡大していくことにつながり、日本の将来をも危うくします。 県民の命と暮らしを守る、その責任を負う知事として、政府に対し、生活保護の切り捨てはやめるよう求めるべきだと考えますが、見解を伺います。 第二は、福祉医療にかかわるペナルティー問題について伺います。 国は、福祉医療制度で現物給付方式をとっている自治体に対し、国庫補助金を減額するペナルティーを科しています。二○一○年度の総額は七億七百七十七万円にも及んでいます。 国が削減の根拠としているのは、資料二でお配りしました、長瀬式と呼ばれている算式ですが、考案されたのは昭和十年、七十八年以上前で、今日、医療学会からも信頼性や正確性に大きな疑問が投げかけられています。先般、厚労省からレクチャーを受けた際、担当者は「検討が必要な課題」と説明しましたが、減額そのものをやめる考えは全くありませんでした。 本来、福祉医療は国がやるべき施策であり、それをサボり、実施している自治体にペナルティーをかけるなど、とんでもない話だと思います。ペナルティーは即時に廃止し、福祉医療は一刻も早く国本来の制度にするよう強く求めるべきですが、見解を伺います。 最後は、雇用問題について伺います。 リーマン・ショック後の雇用悪化への対策として、国は緊急雇用創出事業を立ち上げ、山口県も総額百五十一億円の交付金を財源にした基金をつくり、民間企業やNPO法人などに事業委託し、雇用をつくってきました。 もちろん、一定の効果は認めますが、雇用期間が一年以内に限られているため、カンフル剤の効果しか望めません。県内の雇用情勢は依然として深刻です。解決するためには継続的な雇用を創出しなければなりません。 しかし、現行の緊急雇用創出事業は、新年度限りにされており、国に交付金方式の事業継続と、地方の裁量で継続的な雇用創出が可能な制度設計となるよう要望すべきだと考えますが、見解を伺います。 以上で一回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 山本知事。    〔知事 山本繁太郎君登壇〕 ◎知事(山本繁太郎君) 木佐木議員の御質問にお答えします。 まず、上関原発の公有水面埋立問題についての二点のお尋ねのうち、最初に、正当な理由の判断についてであります。 前知事が示されました「申請があった場合には公有水面埋立法に基づき適正に審査する」こと及び「埋め立ての前提となる土地利用計画が不透明であれば、公有水面埋立法上の要件である正当な事由がなく、埋立免許の延長を認めることはできない」ことという法的整理を、私は引き継いでおり、こうした考え方は、現時点に至るまで全く変わっておりません。 したがいまして、このたびの申請が適法なものであることから、その内容の的確な把握に努め、公有水面埋立法に基づく適正な審査を予断を持つことなく、公正な立場で行っているところであります。(発言する者あり) その結果、代表質問で申し上げたとおり、審査を継続し、事業者が変更はないと主張する上関原発の重要電源開発地点の指定についても、審査を尽くす必要があると考えておりますことから、お尋ねの現瞬間における正当な事由の有無については、判断できる段階にはありません。 次に、一昨日の答弁についてのお尋ねです。 お示しの前知事の発言については、申請がなされる前の時点で、福島第一原発の事故に鑑み、示された認識と理解しており、私も同様の認識をしていたところです。 そうした中で、国においては、原子炉等の安全性に対するチェック体制が整備されつつある状況にあることに加えて、そもそも原子炉等施設の安全性と公有水面埋立免許とは、法体系を別にしていることから、埋立免許権者としては、まずは、公有水面埋立法に基づき適正に審査する責務があると考えているということであり、お尋ねのような前知事の考えを否定したものではありません。 次に、消費税に関するお尋ねであります。 急速に進む少子高齢化など、社会経済情勢が大きく変化する中で、社会保障の充実・安定化と財政健全化は、我が国にとって喫緊の課題となっております。 こうした中で私は、子や孫の世代に負担を先送りすることのないよう、社会保障の安定的な財源を確保・充実する観点から、消費税率を引き上げることは、避けて通れないものと考えております。 また、消費税を年金・医療・介護といった社会保障給付と少子化対策に充当することによって、持続可能な社会保障制度を確立した上で、中長期的な成長戦略の推進等にも財源を配分することが可能になるものと考えております。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 小松総務部理事。    〔総務部理事 小松一彦君登壇〕 ◎総務部理事(小松一彦君) 米軍基地問題についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、現時点で把握しているオスプレイの訓練内容と飛行ルートについてです。 一昨日の三月六日には、三機のオスプレイが午後一時ごろに普天間飛行場を離陸し、高知県の山間部や愛媛県新居浜市付近などを飛行しているのが目撃された後、午後三時五十二分に岩国基地の滑走路に北側から着陸しております。 昨日三月七日においては、日中はオスプレイの飛行は行われず、午後七時過ぎに二機が離陸し、離着陸を数回繰り返した後、午後七時四十八分に再び離陸し、午後八時三十一分に岩国基地に着陸するまでの間に、訓練ルートでの夜間飛行訓練を行ったものと見込まれます。 また、本日は、午前十時三十分現在において、オスプレイは三機とも駐機場におり、飛行は行われておりません。 次に、日米合意に反する事例についてですが、これまでのところ、岩国基地周辺における飛行に関し、日米合意への違反が疑われる事例は確認されておりません。 次に、今回の訓練は単なる外来機の飛来ではなく、基地機能の強化ではないかとのお尋ねです。 岩国基地以外のほかの基地に所属する航空機が、兵員や装備の運搬を伴って一時的に飛来することはこれまでにも行われており、航空機や部隊が岩国基地に恒常的に配備されるものではないことから、米軍の一時的な運用の範囲内であると整理しております。 したがって、今回の訓練飛行も、基地機能の変更・強化には当たらないと考えております。 次に、空母艦載機の移駐についてです。 県としては、米軍再編問題については、「これ以上の負担増は認められない」「普天間基地移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められない」という基本スタンスのもとで、国の防衛政策に協力するという姿勢で対応してきたところであります。 この場合の「普天間基地移設の見通し」とは、これまでと同様、少なくとも沖縄県知事が移設先について理解される方向性が出される必要があると考えておりますが、沖縄県知事は、普天間飛行場代替施設を名護市辺野古に設置するという日米両政府の方針について、「地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能」等の発言をされておることから、現時点では、見通しが立ったとは言えないと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 半田商工労働部長。    〔商工労働部長 半田健二君登壇〕 ◎商工労働部長(半田健二君) 原発問題のうち新安全基準についてのお尋ねと、雇用問題のお尋ねにお答えします。 まず、新安全基準についてです。 福島原発の事故を受け、原発の安全確保について、原子力規制委員会においては、同事故の教訓や最新の技術的知見、IAEAなどの国際機関の定める安全基準を含む、海外の規制動向を踏まえた、新たな規制を導入することとされ、これまで公開の場での議論により、新安全基準の検討が続いているものと理解しております。 先般、この新安全基準の骨子案が示され、二月末までパブリックコメントが実施されたところであり、本年七月の策定に向け、引き続き検討が進められることとされております。 県としましては、原子力規制委員会において、福島原発事故の教訓を生かし、これまでの安全指針等の検証をしっかりと行い、最新の技術的知見に基づき、新たな安全基準を策定されるべきと考えており、今後の動向を注視してまいります。 次に、雇用問題についてのお尋ねでございます。 緊急雇用創出事業につきましては、リーマン・ショック後の厳しい経済・雇用情勢を踏まえて、離職を余儀なくされた求職者に対し、一年を限度とした短期の就業機会を創出することを目的として創設されました。 その後、制度の延長や充実が図られ、先般、成立した国の平成二十四年度補正予算では、本事業で雇用された方が、事業終了後も引き続き正規労働者として雇用されることを目指す制度が創設されたところであり、県としては、積極的に取り組んでいくこととしております。 お尋ねの一年の雇用を限度とする本事業を「継続的な雇用が可能な制度」とすることについては、不安定な雇用を長引かせることにつながりかねないかとの懸念から、県としては、まずは、現制度に沿って、正規雇用等、安定した雇用への移行を促進していきたいと考えており、この点については国に対して要望することは考えておりません。 また、交付金方式の事業継続につきましては、これまで全国知事会等を通じて要望を行ってきたところであり、今後の雇用情勢や関係知事会における議論の状況も踏まえながら、検討していくこととしております。
    ○議長(柳居俊学君) 小口土木建築部長。    〔土木建築部長 小口浩君登壇〕 ◎土木建築部長(小口浩君) 上関原発の公有水面埋立問題のうち、重要電源開発地点の指定要件を満たしているかとのお尋ねです。 上関原発が重要電源開発地点の指定要件に適合しているのか否かの判断については、経済産業大臣の権限に属するものであり、県として申し上げる立場にございません。 次に、深川川総合開発事業についてのお尋ねです。 大河内川ダムについては、ダム事業の検証を行っているところであり、国の示した検証要領によると、治水計画だけでなく、利水計画についても、詳細な検討が必要であることから、現在、利水参画者である長門市に水道計画の検討を要請しているところです。 県としては、長門市の水道計画に変更がある場合には、ダム規模の見直しも含め、検証を進めることとなります。 次に、下関沖合人工島についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県が関与した経緯と投じられた県民の税金についてのお尋ねです。 沖合人工島事業については、下関港の船舶の大型化等に対応するため、将来への発展可能性が高い北浦海域に計画されたものであり、昭和六十一年から、国・県・市が事業化調査等を行い、平成三年には事業化され、これまで整備が進められてきたところです。 こうした中、県においても、本事業を県勢振興のための重要なプロジェクトとして位置づけ、同事業に係る経費の一部を負担してきており、これまでの累計額は約四十六億円となっています。 次に、建設事業を直ちに中止し、再生可能エネルギー基地としての土地利用計画へ転換すべきではないかとのお尋ねです。 事業主体である下関市は、背後用地等の整備を最後まで行うとともに、国内外でのポートセミナーの開催や、インセンティブ補助の実施等、人工島の利用促進に向けた取り組みを積極的に展開することとしていることから、県としても、こうした下関市の取り組みを引き続き支援してまいる考えです。 ○議長(柳居俊学君) 池内総務部長。    〔総務部長 池内英之君登壇〕 ◎総務部長(池内英之君) まず、公務員給与の削減問題について二点のお尋ねにお答えします。 最初に、今回の政府のやり方に対する考え方と、知事が率先して取り組むとした理由についてのお尋ねです。 地方交付税の減額によって、地方に給与削減を促すこのたびの国の対応は、異例の措置だと考えております。 一方で、今回の国の要請の趣旨は、現下の最大の使命である日本再生に向け、国と地方が一丸となって、あらゆる努力を結集する必要があるというものであり、こうした趣旨等を踏まえ、議案説明の中で、知事が姿勢を示したものです。 次に、今求められているのは、公務と民間の賃下げの連鎖による所得の減少を断つことであり、県職員の賃下げは実施すべきではないと考えるがいかがかとのお尋ねです。 このたびの国の対応は、地方公務員の給与削減を要請する一方で、防災・減災事業や地域の活性化等に対応するための措置が講じられており、地域経済への影響についても配慮されていることなどから、必ずしも、公務員に連動した形で民間給与の引き下げにつながるとは考えておりません。 いずれにいたしましても、具体的な対応につきましては、今後、職員団体との交渉を通じて明確にしていきたいと考えています。 次に、朝鮮学校への補助金についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、国際人権条約や憲法に違反する差別であるとの御指摘ですが、今回の対応は、県民との相互理解の増進を図ることを目的として朝鮮学校へ交付している補助金について、新年度予算への計上を見送ることとしたものであり、教育を受ける権利についての差別的取り扱いには当たらないものと考えております。 なお、現行の教育制度におきましては、国籍を問わず、公立の小中学校への入学の機会が与えられており、また、高等学校へも入学する道がありますことから、子供たちの教育を受ける権利については、一定の保障がされているものと考えております。 次に、人権の保障は国家の義務であり、今回の措置は重大な問題であるとの御指摘ですが、予算計上を見送ることが、人権の保障を阻害するものとは考えておりません。 県といたしましては、今後とも、人権尊重の視点に立って、諸施策を進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) 藤井総合政策部長。    〔総合政策部長 藤井哲男君登壇〕 ◎総合政策部長(藤井哲男君) 給付型奨学金についてのお尋ねにお答えします。 来年度当初予算におきましては、「五つの全力」の一つである「人財力の育成」に向けて、新たに中国電力株式の配当金を活用した「やまぐち未来創造基金」を設置し、長期的・計画的な人財づくりを進めることとしたところであります。 お示しの給付型奨学金につきましては、意欲のある生徒の修学支援に資するものであるとの観点から、この基金の活用も含めて検討を進めておりますが、支援すべき対象の範囲や要件、さらには現行の貸与型奨学金利用者との公平性の確保など、整理すべき課題がありますことから、今後さらに実務レベルでこれらの課題の整理を進めていきたいと考えております。 なお、国におきましては、平成二十六年度からの導入を目指して、高校生を対象とした返済義務のない給付型奨学金の検討を行うと聞いておりますことから、この動向も注視していく必要があると考えております。 ○議長(柳居俊学君) 渡邉健康福祉部長。    〔健康福祉部長 渡邉修二君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡邉修二君) 福祉問題についての二点のお尋ねです。 まず、生活保護についてお答えします。 生活保護制度は、ナショナルミニマムとして国の責任において制度設計すべきものであり、十分審議・検討した上でこのたびの見直し案が示されたものと認識をしております。 国は、生活保護については、必要な人には支援するという基本的な考え方は維持するとしておりまして、県としては、見直しを実施しないよう求めることは考えておりません。 次に、福祉医療制度についてのお尋ねです。 県では、国民健康保険国庫負担金の削減措置の撤廃と福祉医療費に係る医療費助成制度の創設について、これまでも全国知事会等を通じ、国に要望をしているところでございます。 ○議長(柳居俊学君) 田邉教育長。    〔教育長 田邉恒美君登壇〕 ◎教育長(田邉恒美君) 少人数学級の推進についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、三十五人学級化の検証についてですが、全国学力・学習状況調査や三十五人学級化による教育効果に関するアンケート等の結果から、教員が子供と向き合う時間がふえるなど、子供たちの状況に応じたきめ細かな指導が充実し、学級の安定化やコミュニケーション能力の育成、学力の向上等におきまして、一定の成果があらわれていると考えておりますが、今後、三十五人学級化の定着に向けまして、指導方法や指導形態等のさらなる充実に取り組んでまいります。 また、三十人学級化の拡充につきましては、来年度、大規模校十校の小学校一年生におきまして、三十人学級化の研究指定を行うこととしており、まずは、小一プロブレムの解消に向け、確かな成果が得られますよう実践研究に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問を行います。 積極的で前向きな答弁や、納得できない問題など、いろいろ答弁いただきましたが、時間が限られているので、四点に絞って再質問を行います。 岩国基地問題、結局、オスプレイの訓練内容も詳細なルートもわからないということになりました。しかし、今回の訓練開始をもって、岩国基地を拠点としたオスプレイの本土での本格運用が始まったわけです。これから月に二、三回、二機から六機のオスプレイの分遣隊が訓練を行うことになります。 昨年九月の議会で、知事は、「一番大事なのは運用。いつ、どこで、どういうことが行われるのか、何も知らされていないという状態に私たちが置かれていてはいけない。このことを直接大臣に申し上げている。たとえ法律上の権利や義務がなくても、国は県民、国民に説明していかなければならないと考えている」と、まさに正論を述べられました。 この立場にお変わりはないのか、また、国は説明責任を果たしたとお考えなのかを伺います。 その上で、この期に及んで、なぜ抗議どころか遺憾の意すら表明しないのか、説明を求めます。 この問題の二つ目に、普天間に展開している十二機のオスプレイは、乗員、整備、地上運用要員などを含め、四百名の支援人員数を持つVMM二六五という名を持つ一個中隊です。その四分の一の三機が岩国に来たわけで、当然三機分の要員百名も低空飛行訓練に参加しているはずで、外来機の飛来などと、人ごとのように構えているときではないと思います。 基地機能強化そのものであり、最低限、今後は詳細な飛行ルートや人員数、具体的な装備などを事前に通告するルールをつくること、それまでは山口県はオスプレイの訓練は認めない、このことを国と米軍に宣言すべきだと考えますが、見解を伺います。 そうしないと、安倍さんのいう緊密な日米同盟の復活どころか、米国の足下としての日本と言われても仕方がないと考えますが、見解を伺います。 上関の公有水面問題について伺います。 来週月曜の三月十一日、東日本大震災と福島原発事故から二年を迎えます。被災地の復興は遅々として進まず、被災者の間には諦めにも似た鬱々とした感情も広がっているそうです。 復興がおくれている最大の要因は、福島原発事故による放射能汚染にあることは明らかです。今政治に求められているのは、多くの国民が望んでいる原発に依存しない社会の実現に力を尽くすことだと思っています。上関原発の公有水面埋立免許の延長の是非は、その試金石です。 ところが、今議会で県当局の答弁は、「前知事の法的整理を継承する」といいながら、現時点で免許を失効させないための論理のすりかえや、詭弁を弄するばかりで、まともな答えになっていません。改めて伺います。 上関原発を重要電源開発地点に指定したのは経産省です。新たなエネルギー基本計画のもとで再び指定するのかどうかを決めるのも経産省です。上関原発の位置づけが実質的に何ら変わりがないかどうかを聞くならば、経産省に問い合わせるのが早道ではないですか。問い合わせたことはなかったのか、その結果はどうだったのか、問い合わせはしないのか、しないならなぜなのか、この点をお尋ねします。 中国電力に実質的に何ら変わりがないことを説明させるのに、一年の猶予を与えたのはどうしてでしょうか。 「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」、今許可できないから、許可できる状況になるまで猶予を与えようという思いが透けて見えます。なぜ前知事の法的整理に沿って、現時点では許可できないと率直に結論が出せないのか、私なりに考えてみました。 ここに中国電力が祝島島民三十八名などを相手取って起こした「埋立工事妨害禁止仮処分命令申立の概要」という文書があります。 申し立ての理由には、同工事の遅延によって、回復しがたい著しい損害をこうむるおそれがあるとあけすけに書かれています。埋立免許の延長が認められず失効すると、中国電力には現状を埋立工事前に戻す、原状回復義務が生じます。 加えて、損害賠償請求など反対住民に対して提訴している各種訴訟の根拠も失ってしまいます。 さらに、埋立免許を再申請して許可されても、埋立工事を一からやり直すことになり、着工に反対する住民と再び対峙しなければならなくなります。 中国電力は免許が失効すると、少なくとも指摘した三点のリスクを負うことになると考えますが、いかがですか。一つ一つについて見解を求めます。 朝鮮学校の問題、この問題では、知事の政治判断であるにもかかわらず、部長答弁が続いています。それでもその理屈の破綻が、明らかになったのが幾つかあります。 一つは、県民の理解が得られないという問題では、全く根拠がないことが明らかになりました。加藤質問に対する答弁です。 もちろん補助金交付に反対する方々もおられますが、それでも人権を守り抜くことが国家、行政の義務であることは、先ほど指摘したとおりであります。この点どうお考えか、今度こそ知事に伺います。 さらに、国の決定に従うという問題では、資料に挙げた国際人権規約A条項、社会権規約十三条二項、そして子どもの権利条約、これをどう捉えているのか、お答えいただきたいというふうに思います。 三番目に、もともと国は朝鮮学校に補助金を出していません。ですから、国が国がの理屈そのものが成り立ちません。今まであった補助金を、政治的、外交的関係を理由に切り捨てるのは、子供たちの教育権を乱暴にじゅうりんする最悪の政治的判断と思います。 しかも補助金要綱の違反は全くない中での、子供たちを人質にとった政治的行為そのものだということです。この点についてお伺いします。 最後に、公務員給与については、毎年、民間給与の状況をもとに人事委員会が知事に勧告を行っています。今回の地方交付税を人質にした給与削減圧力は不当なものとお考えにならないかどうか、人事委員会の見解をお尋ねします。 再質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 小松総務部理事。    〔総務部理事 小松一彦君登壇〕 ◎総務部理事(小松一彦君) 基地問題の再質問にお答えいたします。 まず、一点目は、今回のオスプレイの訓練で詳細なルート等がわからないという中で、九月議会で何も知らされていないことはおかしいと、その辺は大臣にも直接申し上げたけれども、その立場は変わりないのかと。さらには、今回の国からの説明内容に対して、遺憾の意を表明しないのはどうしてなのかというお尋ねでございます。 県としては、確かに九月議会でも御答弁申し上げましたように、訓練内容について何も知らされていない状態に置かれてはいけないという立場は変わってはおりません。 昨年の十一月の政府要望においても、その点を踏まえて住民生活への影響が大きい訓練の事前通知等の措置を要望したということでございます。 このたびのオスプレイの訓練飛行について、国からはこれまでに例のない形――今までは米軍の運用に関することだということで、一切の情報はいただいておりませんけれども、今までに例のない形で訓練の時期とか、訓練場所についての事前の情報提供がなされたということでございますので、確かにもう少し訓練内容の詳細な内容がわかるといいんですけれども、そういうところまでは至っておりませんけれども、県の要望に沿った形で日米間で努力されているというふうに評価をいたしておりますので、遺憾の意を表明するということは考えておりません。 それから、二点目でございます。今回のオスプレイの訓練に対して、何人かの部隊が移動しているのではないかという御質問でございました。 それはまさしく基地機能強化ではないかという御質問でございますけれども、確かに報道等によりますと、在日米軍司令官が、オスプレイの訓練は兵員とか装備を運搬するんだというような発言がありますが、どういう文脈で発言をされたのかというのが確認できておりません。 それが、今回の岩国へのオスプレイの短期展開について発言されたのかどうかは不明であります。 確かに、環境レビューでは四百名の支援要員がオスプレイの十二機と一緒に沖縄に配備されておりますけれども、今回、三機来たからその四分の一の百人が来たのではないかという御指摘でございましたけれども、今回のオスプレイの運用はわずか三日間の運用でございますし、飛行のための訓練を行うというものでございますので、百人という御指摘がありましたけれども、それほど多くの人員が来てるかどうかというのは、そうは思いませんが、その具体的な参加人員について、国のほうに照会はいたしております。――いたしておりますけれども、本日、訓練内容等については、運用にかかわる事項であるので承知していないというような回答でございました。 いずれにしても、航空機の部隊とか岩国基地に恒常的に配備されるようなものでない場合は、一時的な運用ということで整理をしております。 それから、三点目は、訓練内容、人員とか飛行ルール、ルート、そういったものをつくらない限り認めないというような宣言をしたらどうかというようなことでございましたけれども、今回は事前の情報提供がございましたけれども、オスプレイに限らず航空機の運用についての情報提供が、これからも引き続き行われるのかどうか。さらには、今回以上の詳細な内容について国が示されるような努力をするのかどうか、そういったところをしっかりと引き続いて見きわめていく必要があるというふうに考えております。 ○議長(柳居俊学君) 小口土木建築部長。    〔土木建築部長 小口浩君登壇〕 ◎土木建築部長(小口浩君) 上関の埋立免許に関する再質問にお答えいたします。 まず、上関原発が重要電源開発地点の指定の位置づけについて、経済産業省へ問い合わせしたのか、その内容は、あるいはしていないのならなぜかという御質問であったかと思います。 このたび、免許延長申請の審査に必要なため、申請者に対しまして、重要電源開発地点に指定された上関原発の位置づけは実質的に変わらないことについて、補足説明を求めることとしておりますけれども、このことについての情報を掌握し、整理することについては、申請内容を説明する必要がある申請者みずからが行うべきものであることから、埋立免許権者である県が確認することは考えておらず、これまでも問い合わせをした経緯はございません。(発言する者あり) 次に、補足説明の照会を求めるとして、一年という長期間なのはなぜかという御質問でございます。 申請者がみずからの主張に対する立証を行うためには、重要電源開発地点の指定に関して、将来の見通しなどについて相当の情報の調査・収集が必要であり、ある程度の期間を要するものと考えております。 その一方で、電気事業者であります申請者は、毎年、次年度以降の電力供給計画を国に提出することとされておりますことから、少なくとも一年ごとに今後の電源開発計画を説明すべき立場にある、こういったことを踏まえまして、今回、一年程度の期限を付すことが適当であるというふうに考えたものでございます。 それから、原状回復義務が生じるなどのリスクが生じると思うが、いかがかということでございましたが、三点の御指摘がございましたが、いずれもこれは申請者の考え方、あるいは判断に係ることでありまして、県としてはお示しする立場にはないというふうに考えております。 ○議長(柳居俊学君) 池内総務部長。    〔総務部長 池内英之君登壇〕 ◎総務部長(池内英之君) 朝鮮学校の補助金の問題について、三点御質問いただいたかと思います。 まず、第一点が県民の理解について、どうも今まで答弁の内容で十分納得できないという趣旨だったかと思います。 これまでも御答弁しておりますように、今回の対応につきましては、例えば世論調査で何%の県民がとかそういうことではなくて、朝鮮学校を高校無償化の対象外とする国の考え方、それから、最近の北朝鮮の行動が国際社会から批判されている状況、こうしたものを踏まえると、総合的に勘案して、補助金について予算を引き続き計上していくことについては、県民の理解が得られないという判断をしたものでございます。 第二点ですけれど、お示しのあった人権規約、それから憲法十四条等々に違反して、抵触しないかということでございますが、先ほどの御答弁でもちょっと触れさせていただきましたけれども、基本的には今回の計上はこの差別的取り扱いに当たらない、現状の教育制度におきまして、国籍を問わず小中学校の入学の機会等を与えられることについて、子供たちの教育を受ける権利については一定の保障がされているということで、先ほど御答弁したところでございます。 それから、三点目で今までの判断で出しておって要綱違反、要綱に対する違反がない中で、なぜ今回なのかと。国のことは関係なく、県で続ければいいのじゃないかという御質問かと思いますが、昨日の佐々木議員の――一昨日です、済みません。佐々木議員の御質問に対する御回答でもお答えしましたけれども、要綱については、予算化されたものを交付する際に使う要綱でございまして、今回の措置は、その交付金要綱の何条に違反しているということでとったものではございません。 また、国については、これは今回無償化についての考え方を示されたわけですけれども、その考え方――無償化ということの考え方を受けとめさせていただいて、今回県が独自に判断したということでございます。    〔発言する者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 木村人事委員会事務局長。    〔人事委員会事務局長 木村進君登壇〕 ◎人事委員会事務局長(木村進君) 職員の給与は、人事委員会勧告によるものとされている、今回の国の対応は不当にならないのか、という再質問にお答えいたします。 職員の給与は、人事委員会の給与勧告等を踏まえ、条例で自主的に決定すべきものであり、このたびの国の対応は、人事委員会としても異例の措置であるというふうに認識をいたしております。 このたびの国の要請においては、人事委員会の給与勧告制度を否定される、そういったことに言及されているものではございません。 その限りでは、勧告を否定されているということではないので、不当というふうには考えておりませんが、ただ、人事委員会が所管しております給与勧告は、職員に対して社会一般の情勢に適応した給与を確保する機能を有するものでございます。 引き続き、国においてはこの考え方は堅持していただきたいというふうに考えております。 ○議長(柳居俊学君) 木佐木大助君。(「議長、あと何秒残っていますか」と呼ぶ者あり)何秒かはちょっと、一分以内ですね。一分以内。(発言する者あり)秒数が出ていないので、ちょっとわかりません。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。公有水面問題だけに限って質問します。 このままでは、知事は中国電力の代理人とまで呼ばれかねない、極めて重要な局面に立っているというふうに思います。このことは、私は知事の名誉のためにも危惧しています。きっぱりと不許可とすべきことだと考えますが、最後に知事の御答弁を求めたいというふうに思います。 以上で一般質問を終わります。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 山本繁太郎知事。    〔知事 山本繁太郎君登壇〕(発言する者あり) ◎知事(山本繁太郎君) 木佐木議員の御質問にお答えいたします。 前知事も過去二回の議会の答弁で明らかにしましたとおり、知事の法的整理で確認しましたことは、山口県知事は埋立免許の取り扱いについて、法定受託事務として独任の権限を持って、これを行使すると。 したがって、まず、きちんと審査して、間違いのない行政行為をすると。認容であれ、拒否であれ、行政処分を間違いなくやるというのが法律で求められた山口県知事のまず最初の責任でございまして、それを全うするというのが法的整理の根幹でございますので、そのとおりに山口県知事としてほかの誰も担うことのできないこの仕事、間違いのない形でやってまいりたいと考えております。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時五十分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(新谷和彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第五十九号まで ○副議長(新谷和彦君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 河野亨君。    〔河野亨君登壇〕(拍手) ◆(河野亨君) 皆さん、こんにちは。自由民主党の河野亨であります。自由民主党総裁・内閣総理大臣 安倍晋三先生による第二次安倍内閣がスタートし、はや二カ月が経過をいたしました。 日米関係、領土問題等外交・防衛、デフレ、円高、TPP等経済、三・一一災害復興、あらゆる政治課題に対し真っ向から取り組まれ、国民支持率の高さで証明される実績と大きな期待が寄せられています。 「経済再生」を最大の課題とする安倍政権の政策は、山本知事さんの最優先課題である「産業力・観光力の増強」の取り組みと、まさしく同じ方向性であり、国の政策にも的確に呼応した県の取り組みは、県民としてまことに心強いものであります。 安倍先生は、我が郷土山口県長州の生んだ八人目の総理であります。山口県人として、安倍政権に敬意、期待、そしてエールを送り続けたいと思うものであります。 安倍先生は八人目の総理ですが、初代内閣総理大臣は伊藤博文公であられます。生誕の地は山口県光市であります。(「大和でね」と呼ぶ者あり)一昨年、伊藤博文公没後百周年のイベントも光市で行いました。 ここで、初代内閣総理大臣 伊藤博文公の語られた言葉を三つ御披露いたします。 一つ目は、「本当の愛国心とか勇気とかいうものは、肩をそびやかしたり、目を怒らせたりするようなものではない」「本当の愛国心とか勇気とかいうものは、肩をそびやかしたり、目を怒らせたりするようなものではない」。 二つ目は、「国の安危存亡に関係する外交を軽々しく論じ去って、何でも意のごとくできるがごとくに思うのは、多くは実験のない人の空論である」「国の安危存亡に関係する外交を軽々しく論じ去って、何でも意のごとくできるがごとくに思うのは、多くは実験のない人の空論である」。 三つ目は、「大いに屈する人を恐れよ、いかに剛にみゆるとも、言動に余裕と味のない人は大事をなすにたらぬ」「大いに屈する人を恐れよ、いかに剛にみゆるとも、言動に余裕と味のない人は大事をなすにたらぬ」。 時代を越えて重みのある言葉であると私は思います。 それでは、通告に従い、順次質問をいたします。 最初に、知事部局における県職員三千七百人の活性化についてお尋ねをいたします。 二月定例県議会では、平成二十五年度当初予算案が議案の一つとなっており、先週の知事さんからの議案説明におきましては、「五つの全力」に沿った、主な取り組みの概要について説明がありました。 予算成立後、新年度になれば、それぞれの事業の目的実現に向け、県庁の職員さんが一丸となって取り組んでいかれるものと思います。 私は、今回、事業を実施していく主体である知事部局三千七百人の県の職員さんに着目して一つ目の質問をいたします。 組織がその目的を達成するためには、組織のリーダーの役割が非常に重要でありますが、一方、組織を構成するメンバーがやる気と活力にあふれていることも、また重要であります。 山口県庁という何千人規模の大きな組織では、トップの知事さんの考えを全ての職員にしっかりと理解していただき、行政を進めることはなかなか難しいことだと思います。 経営の神様と称される故松下幸之助氏は、会社の中で、上司が部下に考えを一○○%伝えようとしても、部下に伝わっていくうちに一○%ほどになってしまう。一○○%を伝えようとするならば、一○○○%の思いを込めないといけないと言われております。 知事さんにおかれましては、その手腕を遺憾なく発揮されることを期待するものであります。 現在、知事さんが就任されて半年余りが経過しました。知事さんは、国の官庁への御勤務の経験は豊富であり、国土交通審議官、内閣官房地域活性化統合事務局長など、要職につかれ、一方、自治体については、お若いときに熊本県に出向され、企画課長として県政に携われた御経験もおありになるとお聞きしております。 そこでお尋ねをいたします。国の官庁と比べて、また、御勤務された他県と比べて、山口県の組織が思っておられた以上にすぐれていると感じられた部分、努力していくべきだと思われるもの、さまざまおありだと思いますが、率直な今の思いについてお伺いをいたします。 次に、企業であれ、行政であれ職員さんの活性化が組織の明暗を分けるものであり、国が地方公務員の給与削減を要請するなど厳しい現実もある中で、努力、成果が報われる人事制度も含め、県の職員さん三千七百人の活性化にどのように取り組もうとしてもおられるのか、お伺いをいたします。 次に、平成の大合併により市町の形も変化してきていることを踏まえ、地域活性化に向けた市町を支える体制づくりと県及び市町間の連携強化についてお尋ねをいたします。 先週の二月二十六日、参議院において国の補正予算が可決・成立いたしました。御承知のとおり、国の補正予算は、年明け早々に安倍内閣によって閣議決定された、日本経済再生に向けた緊急経済対策が盛り込まれたものであります。 緊急経済対策の中では、具体的施策の重点三分野の一つとして、「暮らしの安心・地域活性化」が掲げられており、日本経済の再生を図るに当たり、地域がそれぞれの特色を発揮し、課題を乗り越えて発展することの重要性が改めて示されたものと考えています。 知事さんは就任後、一貫して「強い産業力なくして明日の地域の活力は生まれない」と、「産業力・観光力の増強」に取り組む姿勢を示されてきました。私も、地域の魅力発信や観光振興、地域経済・産業の活力向上に向けた諸施策を、県として力強く進められることを期待しているものであります。 さて、こうした経済再生に向けた地域活性化の推進には、地域づくり、まちづくりの第一線に当たる市町の役割が大きいものであり、県内市町においては、それぞれの実情に応じた地域活性化の取り組みが進められてきております。 しかし、私は、住人にとっては、平成の大合併を経た現在の市町区域での地域活性化はもちろんのこと、日常の生活圏に応じた、より広域的なエリアでの活性化に期待するものも大きいと感じます。 先日、周南市のデパートが閉鎖となりました。このことは、周南市だけではなく、周南圏域としてデパートがなくなることであり、寂しさの声が多く聞かれます。 経済、雇用、医療、福祉、多くの分野において、市内での生活の満足度に加えて、市町の枠組みを超えた生活圏域内の満足度も大変重要であると感じます。 また、平成の大合併により市町の規模が大きくなった市では、市町内のさまざまな課題への対応に追われ、市町同士の広域的な連携が十分ではないように感じます。 今後、人口減少や少子高齢化、そして厳しい財政のもと、国の経済対策にも応えながら、それぞれの特色を生かした地域の活性化を実現するには、例えば、地域医療、高度医療や救急医療などにおける市町間の連携促進など、おのおのの政策課題に応じて、県と市、または市町同士が、十分な連携を図りながら効果的な取り組みを進めていけるよう、県としての役割を果たすことが求められているのではないでしょうか。 折しも知事さんは、「五つの全力」の中で市町とのパートナーシップ県政の構築を掲げられ、県民局の機能強化や市町との連携強化を進められることとされており、市町からの期待も大きなものがあると思います。 そこでお尋ねをいたします。今後、地域活性化に向け、市町を支えるための体制づくりや、県及び関係市町間の連携強化をどのように推進されていかれるお考えか、御所見をお伺いいたします。 次に、企業撤退や工場閉鎖による跡地や工場の活用についてお尋ねをいたします。 県内の経済雇用情勢は、日本銀行下関支店の分析によると、景気については輸出や生産を中心に持ち直しに向けた動きが広がっている。雇用・所得情勢については、横ばい圏内となっているとのことであります。 しかしながら、県内企業の動向は、経済情勢の影響から半導体メーカーを初めとした大企業の撤退や工場閉鎖が相次いでおり、私の地元である光市においても、外資系企業であるシルトロニック・ジャパンが、一昨年、前触れなく唐突に工場を閉鎖すると発表があり、地元に大きな衝撃が起きたところであります。 県におかれましては、発表直後に、企業に対し、従業員の再就職に全力を尽くす要請を行われる一方、関係機関と連携し、離職を余儀なくされた従業員の方々の早期再就職に向けて積極的に支援を講じられてこられました。 本年二月末で離職を余儀なくされることとなった五百十三名のうち、四百五十三名、約八八%の従業員の方々の再就職が決まったとお聞きしており、これまでの県を初めとする関係機関の支援に対し、感謝を申し上げます。そして、引き続き積極的な御支援をこれからもお願い申し上げます。 一方、県内各地域において、現在、企業の撤退や工場閉鎖に伴い、工場の建物と用地が、今後の動向も決まらず残ったままの状況となっているところがあります。 昨今の厳しい雇用情勢の中、早々に新たな雇用を生み出すことは現実的には困難であり、また、企業の撤退や工場閉鎖後の建物と用地は、企業が所有するものであり、企業の方針によるものであって、再利用等は、一義的には企業の経営方針によるものと十分理解をしております。 しかし、私は、知事さんが、山口県を再起動させるため、「五つの全力」の一つに、産業力の増強を図ることを掲げられておられるように、工業県山口を守り育てることが、山口県の経済において大変重要なことと考えます。 そのため、企業においては、撤退や工場閉鎖後も、地域への影響に対する社会的責任を果たすため、その建物と用地の再活用について積極的に取り組むべきであり、一方、地域においては、その意向を踏まえながら、まちづくりの観点も含めた地域経済の活性化を図っていくべきではないかと考えます。 そこでお尋ねをいたします。県として、企業が所有する県内の空き工場や工場跡地を活用することは、地域経済の活性化を図っていく上でも重要と考えますが、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、企業局の今後のあり方についてお尋ねをいたします。 地域に活力をもたらすためには、産業を活性化させる必要があります。 我が地元、光市にも、新日鉄住金、武田薬品など、多くの雇用を生み出す企業が立地しており、また、西部の浅江地区には、静かな丘陵地にひかりソフトパーク、そして北部の周防地区にも、緑豊かな丘陵地に周防工業団地が立地しております。 周防工業団地は光市で生産されるステンレスなどの素材を活用する加工分野の業種をターゲットにしており、自動車用部品や住宅建材などの加工製品を製造する会社が多数参入されております。 行く行くは、素材型産業・加工型産業・情報産業の連携により地域全体のより一層の発展が期待されるものですが、残念ながら、用水消費型の企業は少ないため、県工業用水道は通っておりません。 しかしながら、県全体を見渡せば、工業用水を必要とする産業も多くあり、工業用水の安定供給は県企業局の責務であるものと考えております。 山口県の工業用水道事業を顧みますと、給水能力は全国一位でありますが、従前から「ある地域では水が不足しているが、ある地域では水が余っている」という地域間アンバランスの問題が指摘されてきました。 黒字を確保されているとはいえ、経済環境や産業構造の変化により、用水需要が伸び悩んでいること、地域間アンバランスの問題など、工業用水道事業に重大な影響を及ぼす課題が現時点で山積している状況にあるのではないかと思います。 一方、電気事業においては、再生可能エネルギーが注目される中、小水力発電の導入促進に積極的に取り組まれ、相原発電所や宇部丸山発電所など次々と新規開発に着手されていることは、高く評価しているところであり、また、電気事業の黒字を長年にわたり確保されている経営努力にも敬意を表すものであります。 しかしながら、国のエネルギー政策が不透明の中、固定価格買取制度の導入や電力小売の全面自由化などが進められており、企業局の今後の電気事業運営にも影響を生じさせるものと考えます。 そこでお尋ねいたします。電気事業、工業用水道事業それぞれにさまざまな課題を抱えている現状において、今年度で第二次経営計画も終わりを迎える中、企業局は、両事業についての将来像をどのように考えておられるのか。また、今後、さまざまな課題に向けてどのように取り組まれていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、本県の次代を担う人財の育成について二点お尋ねをいたします。 まず、県内産業への人材供給において大きな役割を担っている専門高校の充実に向けた産業界との連携についてであります。 国際化、情報化など、教育を取り巻く環境は激しく変化し、また、生徒の個性やニーズの多様化、さらには少子化の進行への対応など、多くの課題に直面する中、県教委は、平成十七年度から、高校改革の基本的な考え方や、施策展開の方向を示す県立高校将来構想に基づき、県立高校の再編統合を進めてこられました。 特に、少子化による生徒減少という現実的な問題への対応として、分校の募集停止や小規模校の分校化を進め、将来構想策定時では、六十五校五分校であった県立高校が、現在は五十一校七分校となりました。 しかし、再編統合は、生徒数減少の中で特色ある学校づくりを進めるためのもので、将来構想策定の最大の目的は、生徒や社会のニーズに応じた多様で柔軟な教育システムを築き、高校教育の一層の充実を図るというものであります。 私は、再編統合で最初に着手した、工業高校と商業高校の統合では、伝統ある学校同士、お互いの持つ専門教育のノウハウを共有し合うことで、より視野の広い産業人財を育成するという観点からは、効果が期待できるものであると考えております。 こうした中、高校卒業三年後の離職率は、直近では、全国で三五・七%、本県においても三○・六%と高い数字となっております。変化の激しい現代社会に若者を送り出す専門高校として、子供たちが期待に胸を膨らませる社会への第一歩を踏み出し、産業界のニーズに対応できる人財として送り出すことができるよう、取り組んでいくことが重要であります。 人材供給する側としては、業界のニーズの把握は不可欠であり、専門高校においては、これまでも、地元産業とのタイアップによる商品開発等の連携は行われてきましたが、こうした取り組みの面的な広がりは乏しかったのではないかと考えられ、さらに、より連携を密にする必要性を感じます。 そうした一歩踏み込んだ取り組みは、地元産業との連携の中で、より多くの生徒が社会に触れる機会ができ、また、地域の中での自分の仕事の役割をかいま見ることができ、進路決定、就職活動や就職後の定着率の向上にも寄与するのではないかと考えます。 そこでお尋ねをいたします。専門高校の充実に向けた産業界との連携について、県教委は、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、本県の次代を担う人財として、特に科学技術系人財の育成に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。 昨年十月に京都大学の山中伸弥教授が、iPS細胞に関する研究で、ノーベル医学・生理学賞を受賞されました。先生の研究成果により、再生医療の分野における技術革新が画期的に進むことと大きな期待が寄せられています。 今回の受賞は、日本の科学技術力の高さが改めて証明されたことと大変うれしく思っております。科学技術に関する世界的な競争はますます激化している現在、山中教授を目標とする我が国の次代を担う科学技術系人財の育成が不可欠であると言われており、人財の基盤となる力を育成するためにも、理数教育の充実を図る必要があると考えます。 しかしながら、さまざまな学力調査から現在の我が国の子供たちは、学習意欲や課題を解決するために必要な力に課題があることが明らかになっております。 山中教授は、記者会見の場において若者へのメッセージとして、「仮説と異なる思いがけない実験結果がなければ、iPS細胞はできなかった。予期せぬ結果こそ、新しい発見や画期的な成果のチャンスだ」という言葉を贈られました。 この言葉に次代を担う科学技術系人財育成のヒントがあると私は思います。 つまり、みずからが興味を持ったことに主体的に取り組み、試行錯誤しながら予期せぬ結果にもひるむことなく、課題解決に向けて努力する、そんな経験を子供たちが積んでいくことが重要だと思います。 そこで、教育長さんにお尋ねをいたします。グローバル化が進む国際社会で活躍できる科学技術系人財の育成に向けた取り組みを、本県の高等学校では今後どのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、日本ジャンボリーへの取り組みについてお尋ねをいたします。 本年七月三十一日から始まる日本ジャンボリーまであと五カ月を切り、いよいよカウントダウンの段階に入ってまいりました。 日本ジャンボリーは、二○一五年に行われる世界スカウトジャンボリーのプレ大会として位置づけられるものですが、アジア太平洋地域スカウトジャンボリーとしても開催されるものであり、日本国内のみならず、アジア・太平洋地域を初め三十の国や地域から、約一万五千五百人のスカウトが参加して行われるビッグイベントであります。 本県はこれまでも、「山口きらら博」を初め、「国民文化祭」、「おいでませ!山口国体・山口大会」、そして昨年の「全国植樹祭」とビッグイベントを成功させ、県民による最高のおもてなしで全国から高い評価を受けるとともに、これらを機に県民力を向上させてまいりました。 日本ジャンボリーと世界スカウトジャンボリーの二度にわたる国際的なイベントは、これまでも児童生徒の国際理解を促進するという、子供たちへの教育効果に期待する声は多く聞かれましたが、これだけのビッグイベントですから、子供たちへの効果という枠にとどまらず、県民の参加を促進することで、生涯学習の推進の場としても、大いに教育効果が期待できるものであると考えます。 日本ジャンボリー期間中には、スカウトたちが県内各地に出向いて行う地域プログラムも予定されており、県民による歓迎行事等を通じて、交流を深めることも期待できます。 また、きらら浜のジャンボリー会場においても、県民による活動の場を設け、日ごろの学習成果を発揮することもできるでしょう。 そこでお尋ねをいたします。県教委としては、このビッグイベントをボーイスカウトだけのイベントにとどまらせることなく、県民の生涯学習の推進の場として捉え、広く県民で享受できるよう取り組むべきと考えますが、教育長さんの御所見をお伺いをいたします。 以上で私の質問は終わりであります。 最後に、本年度末をもって県庁を退職される職員の皆様に対しまして、一言、「百尺竿頭に一歩を進む」「百尺竿頭に一歩を進む」という言葉があります。長年の御労苦により大きな貢献をされた、その高い人生の到達点があるから、次なる目標が見つかり、歩み始められるのだという言葉であると私は思います。 長年にわたる御精勤と御貢献に敬意と感謝を申し上げますとともに、明るい新たな出発を受けられることをお祈りをいたしまして、私の一般質問を終わります。 皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(新谷和彦君) 山本知事。    〔知事 山本繁太郎君登壇〕 ◎知事(山本繁太郎君) 河野議員の御質問のうち、私からは県職員の活性化についてのお尋ねにお答えいたします。 県づくりの基本的な方向であります「五つの全力」を力強く推進していくためには、お示しのとおり、その原動力となるのは県職員の働きでありまして、その活性化が極めて重要であると、御指摘のとおり認識しております。 まず、お尋ねの本県の組織に対する思いについてであります。 知事に就任して半年がたちますが、印象として申し上げれば、例えば、このたびの予算編成に当たっても、国の地方財政対策の行方が不透明で、手探りの状態での作業となる中、輝く、夢あふれる県づくりに向け軌道を描く予算案を編成できたことなど、一つの目標に向け、やると決めたことについては、一丸となって緻密に積み上げ、なし遂げることができる組織だと感じております。 その上で、さらに本県職員には、前例や他県の動向等にとらわれることなく、本県が全国のモデルとなるよう、創造性やチャレンジ精神にあふれ、先進的で積極果敢に取り組む気概を期待したいと考えております。 次に、県職員の活性化についてであります。 私は、業務の中で、困難な課題にぶつかりながらも、みずから考え行動し、これを解決したときの達成感が、職員のさらなる意欲の向上につながると思っております。このため、私は、課題に向き合い、成果を上げた職員に対しては、より困難な課題を課し、さらなる能力の発揮を促す、この過程を通じ、最大限人材の活用を図ってまいりたいと考えております。 加えて、評価制度の効果的な活用により、職員の努力や成果をしっかり評価し、職員のやる気と活力を引き出すとともに、職員がその能力を十分発揮できるよう、各職場において目的や課題をしっかり共有し、自由闊達に議論でき、意欲的・主体的に仕事に取り組めるよう、風通しのよい職場づくりに努めてまいります。 私は、「全ては県民のために」という私自身の思いを、あらゆる機会を通じ、職員一人一人にしっかり伝えながら、県職員の活性化に全力で取り組んでまいります。 その余の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(新谷和彦君) 渡邉地域振興部長。    〔地域振興部長 渡邉繁樹君登壇〕 ◎地域振興部長(渡邉繁樹君) 地域活性化に向けた市町を支える体制づくりと県及び市町間の連携強化についてのお尋ねです。 地域の特性を生かした活力ある地域づくりを推進するためには、基礎自治体である市町の主体的な取り組みを、広域自治体である県が支えるという役割分担のもとで、十分に連携して取り組むことが重要であると考えております。 まず、そのための体制づくりについては、本年四月に、県央部に山口県民局を新設するとともに、各県民局に地域づくり支援員を配置するなど、地域における調整機能の強化を図ることとしております。特に、喫緊の課題である中山間地域対策については、管内の市町と県で構成する連絡会議を設置し、市町の取り組みを積極的に支援してまいります。 次に、市町間の連携についてですが、お示しの医療政策を初め、観光や交通などの広域的な政策課題への対応に当たっては、市町を超えた連携が不可欠であり、必要に応じ県がその調整役を果たしてきております。 来年度の新たな取り組み事例といたしましては、観光面での広域連携を進めるため、複数の市町で構成するエリアを対象に、専門家チームの派遣を行うなど、関係市町の行政や民間が一体となって進める、広域的な観光ルートの形成や推進組織づくりへの支援を強化してまいります。 県としては、今後とも、組織のトップ同士の意見交換会などさまざまな機会を活用しながら、市町とのパートナーシップを深め、地域の活性化に取り組んでまいります。 ○副議長(新谷和彦君) 半田商工労働部長。    〔商工労働部長 半田健二君登壇〕 ◎商工労働部長(半田健二君) 企業撤退や工場閉鎖による空き工場等の活用についてのお尋ねにお答えします。 企業には、健全な経済活動を通じ、納税や雇用の確保等、社会的責任を果たすことが期待され、その撤退や工場閉鎖は、地域に大きな影響を及ぼすこととなります。 御指摘のとおり、本県では、企業の経営環境の急激な変化により、シルトロニック・ジャパンを初め、大企業の事業撤退等が相次ぎ、離職者対策、また、まちづくりの観点からも地域経済の活性化に向けた工場等の活用が喫緊の課題となっております。 このため、関係企業に対しては、再三にわたり、「企業の責務として、離職者の再就職を、また、工場の売却や賃貸による企業誘致を進めるよう」強く要請を行っております。 本年一月、私も関係先に出向き、改めて要請した際には、企業からは、「要請の趣旨には社の責任を持って取り組む。企業誘致に当たっては県の支援もお願いしたい」との発言も引き出したところでございます。 また、県内に工場跡地等を有する企業から、県の協力を得て、有効活用を図りたい旨の要望が数多く寄せられております。 こうしたことも踏まえ、県では、初期投資が抑制できる工場跡地等を、企業誘致の新たな受け皿と位置づけ、昨年、全県的な緊急調査を行い、七十五件、三百八十ヘクタールの適地を確保し、産業団地とあわせ、既に積極的な誘致活動を行っているところでございます。 県としては、今後とも、雇用の確保を図り、地域経済の活性化に資するため、空き工場や工場跡地の企業誘致にも全力で取り組んでまいります。 ○副議長(新谷和彦君) 秋本企業局長。    〔企業局長 秋本泰治君登壇〕 ◎企業局長(秋本泰治君) 企業局の今後のあり方に関する二点のお尋ねのうち、まず、電気事業及び工業用水道事業の将来像についてであります。 お示しのとおり、電気事業では、今後の国のエネルギー政策の見直しへの適切な対応を求められることとなり、工業用水道事業では、近年の社会経済情勢の変化による用水需要の伸び悩みや、需給の地域間アンバランスなど、厳しい経営環境が見込まれています。 企業局としては、こうした諸課題に対し、中長期的な視点に立って、企業経営を行うことが重要と考えております。 このため、電気事業については、規制緩和の進展や地球環境の保全など、電力を取り巻く経営環境の変化を見据え、経営の効率化による安定した経営基盤を維持し、環境に優しい水力発電による電力の安定供給に取り組んでまいります。 また、工業用水道事業については、本県の主要産業である製造業を支える重要なインフラでありますことから、今後も継続的に安定した経営基盤の確立と計画的な施設整備を図り、良質で低廉な工業用水の安定供給に取り組みます。 企業局は、こうした事業の将来像を常に念頭に置き、地方公営企業として、公共性と経済性の発揮に努めますとともに、瀬戸内の産業力の再生・強化を目指す県政の一翼を担っていきたいと考えております。 次に、企業局が抱えるさまざまな課題に向けた今後の取り組みについてであります。 このたび、企業局では、平成二十五年度から平成三十年度までを計画期間とする第三次経営計画を策定しました。 この計画では、経営の基本方針として、安定供給体制の確保、安定経営の確保、地域・環境への貢献の三つを掲げ、計画的な事業実施に努めていくこととしているほか、企業局が抱える重点課題を新たに設定して、それぞれの課題解決に向け、積極的な取り組みを進めてまいります。 具体的にはまず、周南地区における工業用水の安定供給に向け、水系を越えた広域的な水の利活用について検討してまいります。 また、工業用水道料金の低廉化を図るなど、企業誘致に際しての競争力を高めるとともに、知事部局と連携した新たな需要開拓に取り組むこととしております。 さらには、再生可能エネルギーの導入促進のため、小水力発電所の計画的な開発や、県内の市町等に対する技術支援に取り組むなど、地域社会や環境保全にも貢献してまいります。 企業局といたしましては、第三次経営計画に掲げた事業計画を着実に実行に移すとともに、今後の経営環境の変化に伴う新たな課題に対しても、適切に対応してまいります。 ○副議長(新谷和彦君) 田邉教育長。    〔教育長 田邉恒美君登壇〕 ◎教育長(田邉恒美君) 教育に関する数点のお尋ねにお答えいたします。 まず、専門高校の充実に向けた産業界との連携についてです。 社会経済情勢や産業構造が変化する中、専門高校におきましては、専門性の基礎・基本の確実な定着を図りますとともに、地域や産業界のニーズを踏まえながら、地元企業等と連携した実践的な教育活動を推進することが重要であり、各学校におきましては、地域おこしイベントの企画・運営や環境改善プロジェクトへの参画など、地元産業界の御協力のもと、実践重視の教育を展開しているところです。 こうした中、より多くの生徒が地域産業を理解し、地域に貢献しようとする意欲を高めていくことができますよう、県教委では、来年度から、企業が持つ人材や施設、経営ノウハウなどの提供を受けて課題解決学習を行う、地域産業連携型カリキュラムを導入し、企業の最先端設備を使って技術者から直接学ぶ学習や、六次産業化に向けた特産品の開発に農業や商業等の異なる学科が協働して取り組むなど、年間を通じて複数の企業や学校が連携する、新たな仕組みを構築したいと考えております。 また、地元企業のすぐれた技能を伝承する山口マイスターの技術指導により、生徒が高い目標を持って高度な資格取得を目指す取り組みを推進いたしますとともに、地元企業が集うものづくりフェスタや小中学生のものづくり教室に高校生の積極的な参加を促し、地域産業とのかかわりや地域で働く喜びが体感できますよう取り組んでまいりたいと考えております。 県教委といたしましては、こうした取り組みを通じて、就職率や定着率の向上にもつなげますとともに、「産業戦略本部」を初め関係機関との連携を図りながら、本県の産業人財の育成に向けて専門教育を一層充実してまいります。 次に、科学技術系人財の育成に向けた今後の取り組みについてです。 科学技術が加速度的に進展する中、次代を担う科学技術系人財の育成が求められており、高等学校におきまして、質の高い理数教育を推進していくことが重要であると考えております。 このため、県教委では、今年度、やまぐち理数教育推進協議会を設置し、スーパーサイエンスハイスクール二校を含む理数科設置校間の連携を強化いたしますとともに、合同研究発表会を開催し、先進的な理数教育を推進している理数科設置校が取り組んできた成果を全県的に普及する取り組みを進めているところです。 こうした取り組みの拡充を図り、国際社会で活躍できる科学技術系人財の育成に向けまして、来年度、新たにやまぐち燦めきサイエンス事業を実施し、科学技術に対する裾野の拡大、意欲の向上、能力の伸長の三つを視点として、理数教育の充実に取り組むこととしております。 本事業におきましては、小中学生を対象とした科学教室を開催いたしますとともに、高校段階におきましては、地元の大学や産業界との連携のもと、生徒の探究心や創造力を育成するため、学校が企画する先端科学技術に触れる体験的活動や、生徒が試行錯誤しながら継続的に観察・実験に取り組む探求的活動を積極的に支援することとしております。 また、これまでの科学の甲子園山口大会をより充実させるとともに、国際科学オリンピック出場につながる、やまぐちサイエンス・キャンプを実施し、県内の高校生が切磋琢磨する中で、科学的な思考力を高め、みずからの力を国内外で試そうとするチャレンジ精神を育んでまいりたいと考えております。 県教委といたしましては、今後とも理数教育の充実を図り、次代を担う科学技術系人財の育成に取り組んでまいります。 次に、日本ジャンボリーへの取り組みについてです。 世界スカウトジャンボリーのプレ大会となります日本ジャンボリーの開催まで、いよいよ残すところあと百四十五日と迫ってまいりました。 日本ジャンボリーは、アジア地域を中心に海外のスカウトも多数集う国際的な大会でもあり、本県の魅力を国内外に発信いたしますとともに、児童生徒の国際理解の促進はもとより、お示しのように生涯学習の推進の場として捉え、一人でも多くの県民の皆様が積極的に大会に参加、活動していただくことが重要と考えております。 このため、開会百日前となります四月二十一日にきらら浜で開催する、百日前イベントでの、復興の森の整備や、大会直前での会場周辺のクリーンアップ運動などにも、多くの県民の皆様の参加を得て、県民の力で大会を盛り上げていきたいと考えております。 大会期間中には、多くの県民の皆様に御来場いただき、各県・各国の展示の見学やスカウトとの交流により、国際理解を深めていただきたいと考えております。 また、県内のさまざまな団体が、竹細工や書道・茶道など、我が国や本県ならではの文化をスカウトが体験するプログラムに取り組みますとともに、スカウトや見学者に本県の魅力を伝える、やまぐち魅力発信広場で音楽や舞踊等を紹介するなど、日ごろの活動の成果を発揮する場を設けることとしております。 さらに、スカウトが県内全ての市町を訪問する地域プログラムにおきましては、地域を挙げた歓迎行事が開催され、和太鼓など各地の伝統芸能が披露されますとともに、スカウトとの活発な交流活動等が行われることとなっております。 県教委といたしましては、今後とも市町や関係団体と連携し、主催者の取り組みを積極的に支援いたしますとともに、広く県民の皆様の生涯学習へとつなげていく観点にも立ち、県民の力を結集して日本ジャンボリーを成功へと導き、二年後の世界スカウトジャンボリーへの大きな弾みとしてまいりたいと考えております。 ○副議長(新谷和彦君) 島田教明君。    〔島田教明君登壇〕(拍手) ◆(島田教明君) 自由民主党の島田教明でございます。本定例会最後の一般質問となりました。 さて、昨年十月、総務政策委員会で岩手県・宮城県の現状を視察したときのことであります。 初日、岩手県釜石市に宿をとり、夕食後、復興居酒屋なるものがあるということで視察を兼ね委員全員で訪問してみました。 行ってみると、プレハブ二階建て、同じ間仕切りでカウンターに五、六名入れば満員になるスペース。震災前までは新日鉄釜石の工場近くに、のんべえ横丁としてあったということですが、かつて二十八軒あったというお店は十五軒でありました。 その復興居酒屋のおかみさんとの会話の中のことでございます。おかみさんが本当に明るいんです。どうしてそんなに明るいんですかということをお尋ねしますと、お返事は「明るくしないとやっていけないじゃないの。人様に津波の話ができるようになったのは一年以上たった、つい最近のことだよ」、そのように申されて、それからしばらくして、私どもかテレビかどっちかよく覚えていませんが、瓦れきという言葉が出たんです。 そうするとおかみさんは怒り出しまして、正確に申し上げますと、「私は瓦れきという言葉を聞くと腹が立つ」、一瞬どきっとしてそのわけをお聞きすると、「あの日三月十一日午後二時四十六分に震災が起き、釜石に津波が到達したのは三、四十分後。少なくとも私たちは三月十一日午後三時過ぎまでは、その家で暮らしていた。家は家族の歴史が積もった大切な大切な空間じゃないですか。それが何度も津波が押し寄せた後、最終的には重機で片づけられたときに、私たちの大切な家を人は瓦れきと呼ぶ。あなたたちは自分の大切なものを瓦れきと呼ばれたらどう思いますか」って、そうおかみさんが言ったわけであります。 だから、「瓦れきという言葉を聞くと腹が立つ」と言われたわけでございますが、私自身相当なショックを覚えました。 正式には、災害廃棄物というわけでございますけれども、その立場になってみないと実際のことはわからないということであり、立場を理解することの困難さを改めて教わった視察でもありました。 さて、山本知事さんの初めての予算編成。国の流れとともに、輝く、夢あふれる山口県の実現に向け、意欲的で期待感が持てる予算編成、機構改革となっていますが、いま一度、言葉の重み、現場目線を大事にし、現場の立場を踏まえて質問をさせていただきます。 最初に、三田尻中関港の機能強化について質問いたします。 知事さんのホームページには次のように書いてあります。「ハブ空港など、空の玄関整備は叫ばれていますが、港湾整備については忘れられた感があります。島国日本、海洋国家日本の未来を語るときに、『港の底力』ほど大切なことはありません。瀬戸内海、響灘、日本海の三方を海に開かれた山口県だからこそ、『港の底力』を活かすことができます」と、今後の港湾機能の強化についての意欲が示されております。 山口県瀬戸内海沿岸の中央部に位置している、私の地元の三田尻中関港は、背後に防府平野を擁し、古くより陸上交通の至便さと相まって、海上交通の要衝となっているところであります。 また、江戸時代から栄えてきた塩田業跡地を中心に工業開発が行われ、臨海工業地帯として発展し、昭和三十四年には重要港湾に指定されております。 近年は、中関地区において、自動車産業を中心とした産業活動が活発であり、平成二十二年における防府市の工業製品出荷額の約七五%を自動車製造業が占めています。 三田尻中関港の平成二十三年度における輸出額は、約四千五百五十二億円で全国第二十一位であり、完成自動車の輸出取扱量は、全国五位を誇っています。 このように、三田尻中関港は、地域の経済・産業に重要な役割を果たしており、今後も地域発展の牽引力としての役割が大いに期待されている県央部の重要な港湾であります。 また、三田尻地区では、背後に数多くの歴史・観光資源があることから、親水・交流機能の充実や市民の憩いの場を担う、にぎわいの空間を創出するとともに、大規模災害発生時における防災拠点としての役割が期待されているところです。 とりわけ最近は、南海トラフにおいて大規模地震が発生する可能性が指摘されており、耐震強化岸壁の整備、オーペンスペースの確保、港に至るアクセス道路の整備など、地震災害発生時における避難・物資の輸送等を円滑かつ安全に行える防災拠点の形成を目指す必要があるものと考えます。 さらに、この三田尻中関港の持つポテンシャルについては、まだまだかなりのものがあると考えます。機能を強化できれば飛躍的に活性化するチャンスは十分にあるはずです。 三田尻地区でいえば、野島航路の防府側発着点を耐震強化岸壁予定地側に移動し、人の集積をさらに図るやり方もあると思います。 中関地区でいえば、全国でもトップクラスの自動車輸出拠点であり、山口県において生産された車を年間三十から四十万台も世界各国に向け販売しています。近年の世界的な不況や超円高により、マツダの販売量は大きく落ち込んだところでありますが、これは、マツダが他社ほどには生産拠点の海外移転等を行わず、国内生産の維持を図った結果ではないかと思われます。 今般、ものづくり日本を象徴するような新型システムを搭載した新型車の発表がなされ、また超円高も解消されつつあり、これらの状況は大きく好転し、今後さらなる発展が期待できるところであります。 この自動車を輸出するために、自動車運搬用の大型船が連日入港しており、総トン数三万トンを超える大型船についても年間百八十六隻の入港実績があります。これらの船は、北米、ヨーロッパ、オーストラリアなどと頻繁に行き来していますが、ただ、これらの船は、ほぼ空荷の状態で三田尻中関港に入港しています。 全国では、二○一一年度で二十二万台余りの海外自動車メーカーの車が新規登録されています。これらの海外メーカーも、日本国内向けの整備拠点を港の近傍に設置しておりますが、このうち、外国メーカーシェア約二四%を持つBMWグループについては、千葉県の内陸部に整備拠点があるとのことです。 これは、あくまでも例えばの話ですが、現在、ヨーロッパからほぼ空荷の状態で三田尻中関港に入港している自動車専用の大型船を活用して、BMWグループの自動車を輸入することができれば、両社にとってもメリットのある話でもあり、国内向けの整備拠点が港湾の近くに整備されれば、港湾の既存施設の活用のみならず、瀬戸内の産業の活性化に大きく貢献できるのではないでしょうか。 三田尻中関港を防災の拠点として整備することにより、こうしたグローバルな産業戦略も視野に入れて、経済的リスクの少ない港として、その安全性を国内のみならず世界に発信できるチャンスともなります。 それだけのポテンシャルを持った良港であります。 そこでお尋ねをいたします。知事の言われる、瀬戸内の産業力の強化のためにも、三田尻中関港を初め、山口県の港湾の持つポテンシャルを効果的に引き出す幅広い視野での機能強化が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、知事におかれましては、二○○二年から内閣府政策統括官として防災を担当され、防災拠点港等の整備にも実際に携わっておられたとお聞きしておりますが、近年、大規模地震が発生する可能性が指摘されており、大規模災害発生時における避難・物資等の輸送拠点として三田尻中関港の役割は地理的にも県央部港湾としての重要性が高まっています。 そこで、今後の三田尻中関港耐震強化岸壁の整備についての見込み、そして防災拠点港としての整備をいかに図っていかれるのか、お伺いします。 あわせて、三田尻中関港と国道二号・山陽自動車道とのアクセス整備は時を争うものと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、農業の六次産業化への支援についてお尋ねをいたします。 我が国の農業を取り巻く環境は、食生活の変化、輸入農林水産物の増加、価格の低迷、燃油・生産資材等の高騰により大変厳しい状況が続き、生産してもなかなか所得の向上にはつながらないなど、いわゆるもうからない状況下にあり、農家経営は圧迫されています。 また、県土の七割を中山間地域が占める本県の農業では、担い手の減少や高齢化、耕作放棄地の増加等が進行し、産業としての活力が低下するとともに、集落機能への影響も懸念されるなど、深刻な状況にあります。 安倍内閣は、産業競争力会議で農業分野に関し、従来の発想を超えた大胆な対策を講じ、農林水産業を成長産業と位置づけて改革を加速させる考えを示し、また、攻めの農林水産業推進本部を立ち上げ、意欲ある担い手や生産基盤である農地の確保、生産者みずからによる商品の高付加価値化の推進などによる、農林水産業の持つ潜在力や多面的機能の発揮を目指すこととしています。 このような中、先月二十二日、オバマ米大統領との首脳会談において、焦点のTPPの交渉参加問題に関して、「聖域なき関税撤廃が前提ではなくなった」と確認できたため、参加表明に向け関係機関と調整されているところであります。 TPP交渉においては、自由貿易と無関税によって、本県の農業は大きな影響を受けると思われます。農業は国の基本であり、絶対に大事にしなければならないものです。 私は、TPPに参加するいかんにかかわらず、あえて言うならば、TPPに耐え得る農業の構造改革を進めるその一つの方策として、農業の六次産業化があると思います。 多くの農業における実態は、生産者は販売業者などの意向によって商品を差別化、ブランド化して市場や関係団体に出荷するものの、生産者のかかわりのないところで価格が決定され、販売業者などが商品を分野ごとに流通させ、生産、加工流通、販売が分業化しているといった状況にあります。 六次産業化とは、生産者みずからにおいて生産した農産物の加工・販売を総合的かつ一体的に行うことで、何より、みずからが商品をネーミングし、価格を決定するなど、新たな付加価値を生み出すことで生産者の所得向上や雇用の場を創出することであります。 防府市台道においても、大阪からIターンしたイチゴ農家やトマト農家などの生産者が中心になって、オリジナル加工商品や特選青果物によるプライベートブランドの創出といった商品の高付加価値化や、大学等の試験研究機関と連携した新商品開発から、販売計画の作成といった六次産業化の取り組みが進みつつあります。 この取り組みにおけるキーワードは、口であります。 山口県は全国四十七都道府県の中で唯一、県名に、口がある県であること、人が生命活動をしていくために食物を取り入れる最初の入り口、また、コミュニケーションに欠かせない、言葉を発する、口という器官に視点をおいて計画を作成しています。 さらには、口というキーワードから、生産者から消費者までの関係者が、口コミによるコミュニケーションを活発化させ、信頼と連携を強固にし、結果的に販売・消費につなげるなど、まさにこの取り組みは、農業の再活性化に向けた、いわばプロジェクトなのであります。 本県の実情からして、少量多品目生産を第一の特徴とする山口県農業において、大手企業が気づかないようなローカルなニーズに対応した、いわゆる生産者の顔が見える、きめ細かい個性的な商品やサービスの創造は、今後、高齢者が中心となるマーケットが進展する中で、地域が持つ大きな強みになるであろうし、TPPに対応した内需拡大に大きな効果をもたらすものと考えます。 そこでお尋ねします。知事は、二十五年度予算において、輝く、夢あふれる山口県を掲げ、「産業力・観光力の増強」等の「五つの全力」を本格始動するため、農林水産業の分野においても再生を進める予算を組み込まれておりますが、このような農業の六次産業化に向けた取り組みをどのように支援されるのか、お伺いします。 次に、少子化対策について質問いたします。 平成二十四年八月十日、参議院社会保障と税の一体改革における特別委員会は、子ども・子育て関連三法案を可決しました。あわせて職員配置基準の見直し等による幼児教育・保育の質の改善、施設整備に対する支援の現行水準の維持等が附帯決議として盛り込まれ、将来的な財源としてその大半を消費増税で賄うということとなりました。 これは、自民党、公明党、民主党のいわゆる三党合意で成立したものですが、子育てへの喫緊の課題に対し、現実を直視した成果でもあったと言えると思います。 昨年九月のことです。その中の子ども・子育て関連三法案成立にかかわった子ども・子育て新システム検討会議メンバーの懇談会が首相官邸で開催されました。 私もワーキングチームのメンバーでありましたので、お招きを受け出席したのですが、総理、副総理、厚労大臣、財務大臣、官房長官等々、出席者百名足らずの会ですが、そうそうたる役職の顔ぶれの多さに驚きました。 さながら私には、民主党政権のお別れパーティーのようにも映ったのですが、そこで提起されたチルドレンファーストという理念は、「国家のために子供をふやすという政策ではなく、子供の目線で子供たちが尊重され、その育ちが保障されるよう取り組む」ことであります。 この理念は、これからも大事にされるべきものであり、私は民主党政権の評価できる部分だと思っております。 ただ、この三法案成立の過程で、実質幼保一元化は棚上げされ、詭弁のようにも聞こえる財源支出を一カ所の省庁にする、財源の一元化で一定の決着を見たということです。 このような経過を経て、国は平成二十四年度補正予算に四百三十八億円を盛り込み、保育士の給与改善等を図り保育士の確保に取り組む方針です。 この背景には、民間の保育士の労働環境と待遇に問題があることへの理解からではあると思いますが、もともとの水準が低過ぎて、保育現場からはまだ不十分であるとの声が聞こえてくるのも事実です。 さらに、一昨年ころからこの山口県においては、少子化は進行しながらもそれ以上に、保育士不足という最も深刻な問題が浮かび上がってきたのであります。 県内にある保育士養成校の先生が言うのです、「早く職員採用しないと保育士になり手はおらんでね」、昨年夏過ぎのことであります。 実際複数の養成校に問い合わせをしても、新卒採用の保育士の確保はとても困難な状況でありました。年度途中の乳児の入園申し込みがあっても、保育士不足により入園希望者の受け入れに支障を来しております。 また同じ、子育て支援にかかわるところに幼稚園があります。幼稚園は、保育所と比較して、職員処遇における状況はさらに厳しい現実があります。 なぜならば、山口県の場合で申し上げると、民間保育園、平均給料月額十九万六千円、平均勤続年数五・五年。私立幼稚園、平均給料月額十九万五千円、平均勤続年数十一年であります。 ちなみに、公立保育園はデータがありませんが、山口県内、市の一般行政職の平均給料は月額三十三万八千円、勤続年数二十一・一年となっています。公立幼稚園は平均給料月額三十五万七千円、平均勤続年数十九年です。 以上のように公立と私立の勤続年数と平均給料の差は余りにも大きいのです。 保育士不足の要因は、労働環境と待遇だと申し上げましたが、公立関係の勤続年数は長く、民間の保育園、幼稚園との勤続年数の差は歴然としています。 参考までに申し上げれば、私立高等学校は平均給料月額三十二万八千円、平均勤続年数は十七年であります。 今まで低過ぎた処遇に関して、抜本的に見直すべき時期に来ているのではないかということを申し上げたいのであります。 二○○○年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの労働経済学者ジェームズ・ジョセフ・ヘックマン教授が、就学前教育への投資効果のほうが費用対効果は大きいと幼児教育の意義を経済学から証明したことは、世界的に有名な話であります。 チルドレンファーストという理念を三党合意として引き継ぎ、子供の育ちの質を担保しようとする政策を維持しようとしているならば、子供時代に適切な保育環境の整備、安心して働き続けられるような人材の確保のための制度改革はさらに求められていると考えます。 ここでお尋ねいたします。少子化にもかかわらず、民間の保育園では保育士の確保が厳しくなる中で、こうした状況を県はどのように受けとめ、今後どう対応されようとするのか、お伺いをいたします。 また、県内の幼稚園児の約九割が通っております私立幼稚園は、本県の幼児教育の一翼を担う重要な存在であることは疑いがないところでありまして、幼児教育の質の維持向上と運営する団体の経営基盤の強化が重要であると認識しておりますが、県は、どのように支援をされるお考えか、御所見をお伺いします。 最後に、産業戦略本部についてお伺いをいたします。 昨年七月、あの真夏の知事選のころでありました。夏祭りの打ち上げ会場で、子育て世代のお父様が、「島田さん、今、子供が熱を出しても家内は休みがもらいにくい。社長がいい顔をしてくれない。一番上の子供のころはまだ景気がよかったこともあり、休みがもらいやすかった。私もなかなか休みはとりにくいんですよ。原発のことも大事、オスプレイのことも大事だとは思うが、雇用の安定を図り、景気をよくしてもらわないと、幾ら子育て支援といっても子育て支援にはつながらない」と訴えられました。 当時の情勢を鑑みていただければ御理解いただけると思いますが、これは、経済・景気対策と子育て支援も密接な関係にある一つの証左であります。 経済は経済、雇用は雇用、福祉は福祉、教育は教育と独立した視点で物事を見るスタイルが、長年続いてきた我が国の行政スタイルです。 かつての自民党政治は経済優先でした。戦後日本の復興、経済の復興に主眼が置かれ、教育・福祉等は必ずしもリンクせず、後回しであった感があります。戦後という状況が状況だけにやむを得なかったことですし、奇跡的な戦後復興をなし遂げた不可欠な政策であったと考えます。 しかし、その流れをみずから変えることができず、社会の環境の変化についていけなかったことが、自民党が政権転落をした大きな要素であったと思います。 今回、第二次安倍政権として与党となり政権復帰をいたしましたが、経済の復興、雇用の確保が教育・福祉環境にリンクしていくことが肝要であります。 一分野のみではなく、その分野の成果から生活、暮らしにかかわるものに波及効果を生むプラスの相乗効果をなし得て、持続可能な日本の復活がなるのであります。 第二次安倍内閣は、第一次とは違うスタイルを感じさせるのは、経済復興のみではなく、新しい日本の政治スタイルをつくり上げようと腐心されているからだと考えます。 さて、このたび、知事は産業戦略本部準備室を素早く立ち上げられ、この四月から名実ともに本部として機能を充実し、具体的政策に入っていかれるとのことです。 この「産業戦略本部」は知事公約の一番の柱であり、知事の山口県に対する思い、信念であると思います。それぞれ別々で取り上げていた県の機能を一元化し、より効果的にスピード感を持って取り組んでいこうとするこのスタイルは、従来型にはない突破力を持った機構であると私は考えます。 知事は、議案説明において、「第一次産業から第三次産業まで、バランスのとれた産業力の増強に取り組む」と述べておられます。 また、「産業戦略本部」では、産業力の再生強化を図るため「産業戦略の指針づくりをし、産業再生の取り組みを通じ、地域経済の活性化や雇用の場の創出、県税収入の増加という好循環を生み出し、さらなる県民福祉の増進につなげてまいる」と述べておられます。 そのこともあり、私は、今回の質問で、第一次産業として農業を取り上げ、第二次産業として港湾機能強化を取り上げ、第三次産業にかかわるところとして教育・福祉を取り上げたわけでございます。 ここで、産業戦略を担当されている藤部副知事にお尋ねいたします。 バランスのとれた産業力の増強のための産業戦略の指針づくりの過程において、ぜひとも教育産業・福祉産業に携わる関係者の声も大事にしていただきたいと思いますが、御所見をお伺いします。 また、民間の委員と県職員が一体となって産業戦略を推進する組織として本部を整備すると述べられておりますが、これは現在の経済の緊急時に県庁職員が一丸となってこれに当たるということであると考えます。 戦略本部には大きな事業予算はついていませんので、関係部局を総動員して県の産業政策を大胆に推し進められるものと思いますが、御所見をお伺いします。 最後になりますが、国においては、これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージを提示する。断固たる強い経済を取り戻していこうということで、日本経済再生本部を設置され、これは山口県の「産業戦略本部」と大部分リンクするところでありますので、ぜひともこのつながりを生かしてよい結果に導いていかれることを念ずるものでございます。 「そんな山口県なら行ってみたい」と思わせる企業環境・観光客誘致活動を期待して夢のある御答弁をお願い申し上げ、一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(新谷和彦君) 山本知事。    〔知事 山本繁太郎君登壇〕 ◎知事(山本繁太郎君) 島田議員の御質問のうち、私からは港湾の機能強化についてのお尋ねにお答えいたします。 私は、全国でも有数の瀬戸内の産業集積を生かし、本県の産業力を再生するためには、その基盤となる港湾の機能を強化し、輸送の効率化を図ることにより、物流コストを削減することが必要不可欠であると考えております。 このため、私は、港ごとに異なる企業ニーズや取り扱い貨物の動向などに配慮しつつ、国際コスト競争力の強化に資する港湾の機能強化を推し進めるために、このたびの十五カ月予算において、ハード・ソフト両面からの施策を重点的に講じたところであります。 まず、ハード面では、徳山下松港・宇部港における大水深の航路・泊地や岩国港における荷役機械の整備、さらに、お示しの三田尻中関港おける耐震強化岸壁の平成二十五年度新規着手など、それぞれの港のポテンシャルを生かした施設整備に努めてまいります。 また、ソフト面では、施設整備の効果を早期に発現させるため、新たに「港の底力」活性化事業として、国際バルク戦略港湾の計画実現の鍵となる大型船舶入出港プログラムの策定や企業連携の促進に加え、定期コンテナ航路の誘致など、港のPRにも積極的に取り組んでまいることとしております。 私は、本県の港湾が持つ底力を生かすことにより、産業環境を整え、これを産業力の再生強化につなげてまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(新谷和彦君) 藤部副知事。    〔副知事 藤部秀則君登壇〕 ◎副知事(藤部秀則君) 私からは、産業戦略本部についてのお尋ねにお答えいたします。 県政が目指す、輝く、夢あふれる山口県を実現していくためには、地域の活力や雇用、税収などの基盤となる「産業・観光力の増強」が最優先の課題であり、こうした取り組みを統括的・総合的に進める「産業戦略本部」のもと、第一次産業から第三次産業までバランスのとれた産業構造の確立を図っていかなければならないと考えております。 新年度に発足予定の本部におきましては、産業戦略の方向性等を盛り込んだ指針づくりに取り組むこととしておりますが、お示しの教育・福祉産業は、今後成長が期待されるサービス産業の一つであり、新たな雇用の場の創出や地域経済の活性化に資するとともに、産業を支える人財の育成・確保の観点からも大きな役割を担うなど、産業戦略を進める上で重要な分野であると、このように考えております。 このため、指針の策定に当たりましては、関係部局を通じ、教育や福祉産業分野のニーズ・課題をしっかり把握するとともに、必要に応じ関係者から直接意見を聞く場を設けるほか、パブリックコメントの実施など、さまざまな機会を通じて広く御意見をいただき、これらを踏まえ、指針づくりを進めてまいります。 また、産業政策の推進についてでありますが、「産業戦略本部」は、民間の知恵を活用しながら、産業戦略の指針づくりを初め、施策の企画立案、国への規制緩和や制度創設の提案等を行う司令塔と位置づけており、そこで具体化された施策や事業は、商工労働部や土木建築部などそれぞれの部局が主体となって、本部と緊密な連携を保ちながら、着実に実施していくこととしております。 私といたしましては、知事のリーダーシップのもと、「産業戦略本部」に関係部局の力を結集し、国の施策にも的確に呼応しながら、本県産業力の再生・強化に向けベストを尽くしてまいる考えであります。 ○副議長(新谷和彦君) 小口土木建築部長。    〔土木建築部長 小口浩君登壇〕 ◎土木建築部長(小口浩君) 三田尻中関港の機能強化についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、今後の三田尻中関港耐震強化岸壁についての整備の見込みと、防災拠点港としての整備についてです。 県では、三田尻地区において、大規模地震発生時の緊急物資輸送基地として、来年度から着手する耐震強化岸壁の早期整備に努めるとともに、岸壁背後の野積み場や緑地を災害発生時における物資の保管ヤード等として活用できるように再編整備し、県央部における海上防災拠点としての機能を強化することとしております。 次に、三田尻中関港と国道二号や山陽自動車道とのアクセス道路についてです。 県では、三田尻地区と国道二号等を連絡する環状一号線については、新築地町から旧国道二号までの約一・二キロメートルを平成二十一年度に供用開始し、引き続き、国道二号までの約一・八キロメートルの早期完成に向けて、整備を進めているところです。 また、中関地区と国道二号を連絡する中ノ関港線については、新大崎橋の上部工の請負契約締結に係る議案を本議会にお諮りするなど、平成二十六年度の供用開始を目指し、事業促進に努めているところです。 県としては、これらを通じて、三田尻中関港の防災機能の充実強化に努めるとともに、幹線道路等とのアクセス性向上を図るなど、防災拠点としての整備にも努めてまいります。 ○副議長(新谷和彦君) 北野農林水産部長。    〔農林水産部長 北野常盤君登壇〕 ◎農林水産部長(北野常盤君) 農業の六次産業化についてのお尋ねにお答えします。 本県では、平成二十三年度に六次産業化サポートセンターを設置し、専門家が事業計画の策定などを支援した結果、これまで十件が国の認定を受け、米粉の製造・販売や山芋の加工・販売店舗の整備など、四件が事業化されています。 こうした中、お示しのように、六次産業化は、農業者の所得を向上し、雇用を創出するなど、本県の農業を再生・強化する上で重要であることから、今後は、紹介のありました防府市の取り組みも含め、県内各地域に拡大・定着していく必要があると考えています。 このため、新年度においては、まず、県内八地域で農業者と加工・流通・観光業者などが連携し、六次産業化に取り組む体制を整備するとともに、地域資源を生かした新商品開発や販路開拓に加え、加工施設・機械の整備を支援するなど、地域の特色ある取り組みが事業化できるよう努めてまいります。 また、六次産業化サポートセンターによる支援に加え、生産者団体や商工業団体などで構成する県域の支援組織を新たに設置して、開発された商品の試食会や、加工・流通・観光業者などとの交流会の開催を通じて商品を客観的に評価し、販売先を確保するなど、消費者が求める商品づくりを加速してまいります。 さらに、新たに創設される十億円規模の、やまぐち夢づくり産業支援ファンドの対象に、六次産業化に取り組む農業者を明確に位置づけ、資金面からも積極的に支援していく考えです。 県としましては、これまで以上に市町、関係団体などと連携しながら、意欲ある農業者による六次産業化の取り組みを積極的に支援してまいります。    〔北野農林水産部長の発言中、新谷副議長にかわり、柳居議長が議長席に着く〕 ○議長(柳居俊学君) 渡邉健康福祉部長。    〔健康福祉部長 渡邉修二君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡邉修二君) 少子化対策についてのお尋ねのうち、保育士の確保についてお答えします。 保育所は、市町からの委託などにより、親の就労等によりまして、保育が必要な子供に養護と教育を提供する施設です。 こうした保育サービスの中核的な役割を担う保育士については、お示しのように、公立と比較して私立保育所の給与が低く、また年度途中の退職者の補充等が困難な状況にあることなどから、県としては、こうした問題の改善を図っていくことが、子ども・子育て支援を進めていく上で、重要な課題と受けとめております。 このため、私立保育所の保育士の給与等の処遇が改善されるよう、これまで、私立保育所に対して、運営費を助成してきたところであり、来年度、新たに、安心こども基金を活用し、私立保育所に対して、使途を人件費に限定した上で、保育士の勤続年数に応じて助成額を増額することにより、保育士の処遇改善を図ることとしております。 また、年度途中での保育士の確保を支援するため、新たに、潜在保育士を対象とした再就職のための研修会を開催するとともに、県社会福祉協議会が設置しております、山口県福祉人材センターの相談機能を強化し、保育士の確保に取り組むこととしております。 保育士の確保は全国的な課題でもあることから、保育士の継続的な雇用につながるよう、その処遇改善について、全国知事会を通じて国に要望しているところであり、今後とも、国に働きかけてまいりたいと考えております。 県としては、今後とも、こうした取り組みを通じて、市町や関係団体等と連携しながら、子ども・子育て支援の中核を担う保育士の確保に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 池内総務部長。    〔総務部長 池内英之君登壇〕 ◎総務部長(池内英之君) 少子化対策についてのお尋ねのうち、私立幼稚園への支援についてお答えいたします。 幼児期は、人格形成の基礎を培う大切な時期でありますことから、幼児教育は非常に重要なものであり、本県では、私立幼稚園が園児数全体の約九割を占め、その中核的な役割を果たしているところです。 このため、県といたしましては、私立幼稚園の教育条件の維持向上や経営の安定等の観点から、私学助成の充実に努めてきたところであり、明年度予算においても、運営費補助金として、引き続き全国的に高い補助水準を維持するなど、厳しい財政状況の中で、私立幼稚園関係予算は、前年度と比べ四%増の約三十億円を計上しているところです。 こうした中、私立幼稚園においては、今後、少子化の進展により経営環境が一段と厳しくなる一方で、子ども・子育て関連三法の成立により、これまで以上に質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供などへの対応が求められております。 私立幼稚園がこうした要請に的確に対応していくためには、お示しのとおり経営基盤の強化を図るとともに、幼児教育を担う優秀な人材を安定的に確保していくための環境整備を進めることが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、こうした諸課題に対して私立幼稚園の自主的・意欲的な取り組みが進むよう、私立学校振興助成法の趣旨を踏まえながら、引き続き積極的に支援してまいります。 ○議長(柳居俊学君) これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。   ─────────────────────    委員会付託の省略について ○議長(柳居俊学君) ただいま議題となっております議案第四十二号の人事案件につきましては、委員会付託を省略をいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、議案第四十二号の人事案件につきましては、委員会付託を省略することに決定いたしました。   ─────────────────────    表 決 ○議長(柳居俊学君) これより議案第四十二号 監査委員の選任について、同意を求めるの件を採決いたします。 本件は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○議長(柳居俊学君) 起立全員であります。よって、議案第四十二号 監査委員の選任について、同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。   ─────────────────────    委員会付託 ○議長(柳居俊学君) ただいま議題となっております議案第一号から第四十一号まで及び議案第四十三号から第五十九号までをそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ─────────────────────    委員会審査の期限について ○議長(柳居俊学君) ただいま常任委員会に付託をいたしました議案につきましては、三月十三日までに審査を終わるよう期限をつけることにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、議案につきましては、三月十三日までに審査を終わるよう期限をつけることに決定をいたしました。   ─────────────    休会について ○議長(柳居俊学君) 三月十四日は、議事の都合により休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳居俊学君) 御異議なしと認めます。よって、三月十四日は休会することに決定をいたしました。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。御苦労さまでした。    午後二時三十八分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   新   谷   和   彦                   会議録署名議員   吉   田   充   宏                   会議録署名議員   石   丸   典   子...