平成 24年 2月定例会 平成二十四年二月
山口県議会定例会会議録 第五号 平成二十四年三月八日(木曜日) ──────────────────── 議事日程 第五号 平成二十四年三月八日(木曜日)午前十時開議 第一
一般質問 第二 議案第一号から第六十八号まで(質疑) ──────────────────── 本日の会議に付した事件 日程第二 議案第一号から第六十八号まで 会議に出席した議員(四十九人) 柳 居 俊 学 君 吉 井 利 行 君 伊 藤 博 君 吉 田 和 幸 君 塩 満 久 雄 君 林 哲 也 君 加 藤 寿 彦 君 有 福 精 一 郎 君 木 佐 木 大 助 君 先 城 憲 尚 君 友 田 有 君 曽 田 聡 君 佐 々 木 明 美さん 小 泉 利 治 君 岡 村 精 二 君 二 木 健 治 君 藤 本 一 規 君 三 浦 の ぼ る 君 藤 生 通 陽 君 松 永 卓 君 合 志 栄 一 君 西 嶋 裕 作 君 末 貞 伴 治 郎 君 吉 田 充 宏 君 新 谷 和 彦 君 田 中 文 夫 君 神 田 義 満 君 島 田 教 明 君 石 丸 典 子さん 井 上 剛 君 国 井 益 雄 君 守 田 宗 治 君 山 手 卓 男 君 槙 本 利 光 君 畑 原 基 成 君 井 原 寿 加 子さん 橋 本 尚 理 君 秋 野 哲 範 君 河 野 亨 君 笠 本 俊 也 君 星 出 拓 也 君 森 中 克 彦 君 河 村 敏 夫 君 藤 井 律 子さん 友 広 巌 君 戸 倉 多 香 子さん 上 岡 康 彦 君 新 藤 精 二 君 竹 本 貞 夫 君 会議に欠席した議員(なし) 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 二 井 関 成 君 副知事 岡 田 実 君
総務部長 平 尾 幸 雄 君
総務部理事 小 松 一 彦 君
総合政策部長 藤 井 哲 男 君
地域振興部長 山 部 哲 郎 君
環境生活部長 門 田 栄 司 君
健康福祉部長 渡 邉 修 二 君
商工労働部長 森 敏 明 君
農林水産部長 松 永 貞 昭 君
土木建築部長 小 口 浩 君 国体・障害者
スポーツ大会局長 太 田 光 宣 君
会計管理局長 高 木 邦 生 君
財政課長 池 田 豊 君
公営企業管理者 藤 部 秀 則 君
企業局長 河 野 隆 士 君
教育委員長 村 上 智 真 君 教育長 田 邉 恒 美 君
公安委員長 清 水 孝 子さん
警察本部長 多 湖 令 君
代表監査委員 石 津 敏 樹 君
監査委員事務局長 清 水 貴 充 君
労働委員会事務局長 橋 本 雅 寛 君
人事委員会事務局長 斉 藤 保 夫 君 会議に出席した
事務局職員 事務局長 弘 中 勝 久 君
事務局次長 秋 貞 憲 治 君
総務課長 上 村 正 美 君
議事調査課長 大 谷 恒 雄 君
政務企画室長 岡 村 達 也 君 秘書室長 田 中 肇 君
議事調査課長補佐 山 本 秀 樹 君
議事記録係長 石 橋 教 幸 君 主任主事 河 村 美也子さん 主事 油 利 知枝美さん 主事 田 中 充 宣 君 ───────────── 午前十時開議
○議長(
柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第六十八号まで
○議長(
柳居俊学君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十八号までを議題とし、質疑に入ります。
一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。
合志栄一君。 〔
合志栄一君登壇〕(拍手)
◆(
合志栄一君) 私も毎回登壇のたびに国旗に敬意を表するほうにかわりましたので、冒頭に申し上げておきます。 それでは、
新政クラブの合志でございますが、通告に従いまして、
東日本大震災復興支援についてということで
一般質問を行います。 「
東日本大震災復興支援、この言葉を見て、「そうだ、やるぞ」という気になった。この大災害時に、国体に打ち込んでいていいのかとの思いが払拭され、全力で取り組めるようになった。そして、優勝することができた。国体で優勝できた最大の理由は、
東日本大震災復興、この言葉が冠せられたことにある」。 昨年十一月、国体感謝の集いが湯田温泉のホテルで開催されたとき、武道競技を優勝に導いた指導者の方が、熱っぽく思いを込めて、そう語っておられました。 約二万名もの死者・
行方不明者を出した未曾有の大災害、
東日本大震災の勃発からおおよそ半年後に開催された昨年の
山口国体は、
東日本大震災復興の一語を冠することによって意義ある大会となり、本県は悲願の
天皇杯獲得、総合優勝を果たし、大成功裏に終了することができました。 まずもって改めて、
二井知事を初め、関係者の皆様の御尽力に感謝と敬意を表し、その労をねぎらいたいと思います。 そして、
東日本大震災復興支援の旗印を高く掲げた本県が国体終了後は、具体的な
復興支援において、その先頭に立ち貢献することを願い、このたびは本県の
東日本大震災復興支援の取り組みについてお伺いいたします。 私は、先般二月中旬、宮城県庁や南三陸町役場等を訪ねてきましたが、現在、被災地が
復興支援ということで切実に求めていることは、
災害廃棄物の
広域処理の
受け入れと
人的支援の二つであることがよくわかりました。そこで、この二つのことについてお尋ねいたします。 まず、その一、
災害廃棄物の
広域処理受け入れについてであります。 御案内のように、
東日本大震災は、日本における
観測史上最大のマグニチュード九を記録した大地震と、それにより発生した波の高さ最大十五メートル、遡上高最大四○・五メートルと見られる大津波が、
東日本太平洋沿岸部を襲い、特に東北地方の沿岸部には、壊滅的な被害をもたらしました。 加えて、この津波により、全
電源喪失状態となり、
原発事故としては最悪のレベル七となった福島第一
原発事故が、さらに、この震災の被害を深刻なものにしております。 言うまでもなく、この災害は、被災地だけの災害ではなく、日本の災害であります。そうした認識に立ち、かつて私たちの父祖の世代が廃墟となった戦後の日本を復興したように、今度は今の時代に生きる我々が、震災からの新たな
日本復興を実現していかなければなりません。 私は、この震災からの復興に向けて二つの「合う」が、今日の
日本国民に求められていると思っています。その二つの「合う」とは、「足らざるを補い合う」と「負担を分かち合う」であります。 そして、
災害廃棄物の
広域処理もこの二つの「合う」の精神で、本県も含め、全国の自治体で
受け入れが進むことを願っています。
災害廃棄物の
広域処理が求められる背景には、特に津波の被害により、余りにも膨大な
災害廃棄物が生じているという実情があります。 被災三県のうち、福島県の廃棄物は、全部
県内処理の方針ですので触れませんが、宮城県は約千五百六十九万トンで、
通常処理量の約十九年分、岩手県は、約四百七十六万トンで、
通常処理量の約十一年分の
災害廃棄物が発生していると推計されています。 宮城、岩手両県とも、県内各所に第二次仮置き場を設置して、そこで、廃棄物の分別、破砕等の
中間処理、焼却等も行い、可能な限り
県内処理をしていく方針でありますが、
処理計画期限である平成二十六年三月までにこれを完了するには、
処理能力を超えた分、宮城県では、約三百四十四万トン、岩手県では約五十七万トンを
広域処理分として県外で
受け入れてくれることを求めています。 この
災害廃棄物広域処理に係る主な動きを時系列に見ていきますと、まず、震災発生からおよそ一カ月後の昨年四月八日、環境省は全国の自治体に対して
受け入れ可能性調査を実施しています。これらの回答では、五百七十二自治体、本県では十自治体が
受け入れの意向を明らかにしております。 次に、八月十一日、環境省は「
災害廃棄物の
広域処理に係るガイドライン」を示し、八月十八日には、
瓦れき処理の
特別措置法も成立し、その推進を期します。 その一方、八月三十日には、福島第一
原発事故で放出された
放射性物質により汚染された廃棄物や土壌等の処理に関する基準等を定めた「
放射性物質汚染対処特別措置法」が成立します。 こうしたことを受けて、全国の自治体は改めて、
災害廃棄物の
受け入れの可否を検討することになります。 そうした中、九月二十八日、東京都は岩手県宮古市の
災害廃棄物の
受け入れを発表しました。 そして、十月十一日、環境省は、改めて全国の自治体に対して
受け入れ処理可能量等に係る再調査を実施いたしました。 これに対し本県は、十月二十一日、県内の市町の回答を環境省に報告し、
受け入れ意向のある自治体はない旨を伝えました。 全国の自治体の動向は、十一月二日に公表され、
受け入れ意向の
自治体等は、四月調査の五百七十二から五十四へと十分の一以下に激減しております。しかも、その
受け入れ意向の五十四
自治体等も、ほとんどは
受け入れを検討中ということで、実際
受け入れが実現したのは、東京都と山形県、それに青森県の三つにとどまっています。 現時点で見られる追加の動きとしては、静岡県の島田市が
受け入れに向けて試験焼却を実施しており、ほかに、秋田、群馬、埼玉、神奈川、富山、石川、大阪の七府県が、
受け入れに向けての具体的な検討を行っているようであります。 兵庫県より西では、昨年十一月に佐賀県武雄市の樋渡市長が、
受け入れ表明をいたしましたが、その後、強い反対にあい、これを撤回しておりまして、それ以降、検討を行っている自治体はないようであります。 こうした現状から、これまで
広域処理で
受け入れを予定された量は、約八十三万トンで、政府想定の二割にとどまっています。
災害廃棄物の
広域処理受け入れが進まない背景には、言うまでもなく、
放射能汚染への過剰な不安感、警戒感があります。 こうした住民の不安感、警戒感にどう立ち向かうのか、対照的な二つの事例があります。 昨年夏、京都の夏の風物詩として全国的に知られている
大文字焼きは、被災地、
陸前高田市の高田松原の松の薪に、震災の遺族の思いが記されたもの四百本を鎮魂の思いを込めて八月十六日送り火に加えて焼くことを企画しましたが、
放射能汚染を心配する世論を無視できないということで、最終的には断念、集められた薪は、京都ではなく
陸前高田市で八月八日迎え火として焼かれました。 一方、正月の初詣客数は、明治神宮に次ぐ全国第二位を誇り、「成田山」と呼ばれ親しまれていて、全国的にも著名な真言宗の寺院、千葉県成田市にある
成田山新勝寺は、同様、
陸前高田市から震災で犠牲になられた方々への供養のためにと送られてきた松の木を九月二十五日に行われた伝統行事「お焚き上げ」で、祈願成就のための護摩木と一緒にたき上げました。 この計画が明らかになると、成田山にも「
放射能汚染の可能性のある松をなぜ持ち込むのか」等の抗議の声が寄せられましたが、同寺院は、
放射能検査を二回行い、検出されないことを確認した上で、「問題なし」と判断して実施いたしました。
災害廃棄物の
広域処理分受け入れ要請への対応として、本県も含め全国の自治体が見習うべきは、
成田山新勝寺の事例なのではないでしょうか。 私は、
災害廃棄物受け入れ問題で問われているのは、
日本国民の意識というより、我が国の政治、行政の責任ある立場にある者の
リーダーシップであると見ております。
一般国民が、
災害廃棄物の
放射能汚染に不安感を持ち、それを拒否したく思うのは、ある意味自然な反応で、そのことを問題視することはできません。 ただ、政治や行政の責任ある立場にある者は、漠然とした
不安感等に支配されてはならず、
災害廃棄物の放射能が、地域や暮らしの安全、体の健康にとって心配ないレベルであることが明確であれば、その
受け入れに向けて
リーダーシップを発揮すべきであります。 そうした姿勢は、強い反対や批判、さまざまな困難に遭遇することが予想されますが、それらを乗り越えていく
リーダーシップこそ本当の意味での
リーダーシップであります。 そうした
リーダーシップが我が国には今日の時代どれほどあるのか、そのことを
災害廃棄物の
広域処理問題は問うています。 この問いにこたえ得る真の
リーダーシップが数多く存していれば、今日我が国はさまざまの困難な課題に直面しておりますが、将来に希望を持つことができます。 そうした
リーダーシップがわずかであれば、今後、日本が沈んでいくのは避けられないでしょう。そうならないために、
二井知事に立ち上がってほしい、そういう思いで私は、この質問を行っています。 以上、申し上げましたことに対しては、気持ちはわかるが、そんなこと言っても県は
災害廃棄物を
受け入れる施設を持っていないので、県の判断で、その
受け入れを行うことはできない。
災害廃棄物は、
一般廃棄物扱いであり、
一般廃棄物の処理は、市町の事務で、その
受け入れができる施設を持っているのは市町である。県としては、国の要請を市町に伝え、後は市町の対応を見守るしかない、この反論が返ってくることが予想されますので、そのことにお答えしておきたいと思います。 確かに、県は、廃棄物の施設を持っていません。しかし、県が主体的に関与している廃棄物の
最終処分場があります。それは、
宇部港東見初広域最終処分場であります。 県は、この処分場の護岸建設を
港湾整備事業の一環として行っております。
最終処分場としての供用開始は、平成二十年からで、県内全域から
産業廃棄物を、宇部市から
一般廃棄物を
受け入れております。この施設の運営主体は、山口県
環境保全事業団でありますが、県はこの事業団の出資者であり、関係する市や経済団体とともにそれらの
まとめ役的立場で、事業団の設立から運営まで深くかかわっております。 この事業団の常勤の理事長は県のOBで、四人いる副理事長の一人は県の
環境生活部の審議監であります。 この処分場は、現に、宇部市が
一般廃棄物を搬入していることから、
一般廃棄物扱いになる
災害廃棄物を
受け入れることは、宇部市の了解があれば、事業団の判断で可能であります。その事業団の判断において重要なのが、県の考えであります。 こういうことからして、私は、
災害廃棄物の
受け入れについて、県は県下市町の動向を見守るだけではなく、県自身も整備・運営にかかわってきた
東見初最終処分場での
受け入れに向けて主体的に取り組むべきだと考えます。 ついては、
災害廃棄物の
広域処理受け入れへの協力要請に、本県はどのようにこたえていくお考えなのか、御所見をお伺いいたします。 次に、その二、
人的支援についてお伺いいたします。 宮城県の南三陸町は、
東日本大震災で津波による被害の程度が最も大きかった町であります。 人口が、一万七千名余の町で、死者・
行方不明者七百九十三人、
被災家屋は流失・全壊・半壊以上が全家屋の六割に及び、最多時には、住民の半数以上が
避難生活を余儀なくされました。 平地にあった建物は、住宅や民間施設だけではなく、町役場、警察署、
公立病院等の公的施設も含め壊滅し、町職員も三十六名が犠牲になっています。その中には、津波にのみ込まれる直前まで避難を促す放送をし続けた
女性職員もいました。 私は、この南三陸町を二月十四日に、昨年の四月と十月に続いて三度目になりますが、訪ねまして、復興に向けての
取り組み状況や課題等について伺ってまいりました。 町役場では、
総務課長や
復興企画課長に対応いただきましたが、最も強調しておられたのは、用地関係の
行政職員の
人的応援がほしいということでした。 南三陸町は、住まいや公共施設の高台移転を骨子とする復興十カ年計画を策定し、「復旧しながら復興する」との考えで、復旧と復興を同時並行で進めており、
通常年間予算七十億円から八十億円の町が、平成二十四年度は当初予算が三百五十億円を超え、これまでの五年分に相当する予算規模を一年で執行することになる見通しであります。 多くの職員を津波で失った上に、復興に向けて膨大な仕事に取り組んでいかなければならない。南三陸町が
人的支援を何にも増して強く求めているゆえんであります。 こうしたことは、南三陸町のみならず、被災地の多くの自治体にとって共通する切実な課題であります。
災害発生時の緊急対応としての
人的支援が一段落した今日、次には、復興に向けての
人的支援が求められています。 昨年十二月二十日、
全国知事会は、被災三県の知事からの要請を受けて、各
都道府県知事あてで、平成二十四年度における被災三県への復旧・復興のための
職員派遣を依頼しております。 また、同十二月二十六日、
国土交通省中国地方整備局長は、
山口県知事あてで、特に
土地区画整理事業及び
防災集団移転促進事業に関し、当該分野における
人的支援の
積極的検討と、
派遣可能人員等についての回答を依頼しております。 こうした
人的支援の要請に、本県も可能な限りこたえていくべきであると考えます。 つきましては、以下、
人的支援について三点お尋ねいたします。 第一点は、
東日本大震災発生後、今日までの本県の
人的支援の実績についてお伺いいたします。 第二点は、
被災地復興に向けた、これからの本県の
人的支援の方針についてであります。
国土交通省中国整備局からの依頼にどう回答したのかも含めお伺いいたします。 第三点は、民間の
マンパワーを活用する対策の提言についてであります。 災害時の自治体間の
職員派遣は、今回の震災対応も含め、
地方自治法二百五十二条の十七「職員の派遣」についての規定に基づいて行われています。 この制度は、これまでそれなりに有効に機能してきたと思われますが、今後の震災からの復興に向けての
職員派遣は長期間わたることが予想されますことから、この制度による
人的支援には限界があるものと思われます。 自治体には、
職員定数の縛りがあり、
復興期間だけの
職員採用ということも難しいと思われるからであります。 一方、
被災地自治体は復興に向けて、特に
土地関係の専門的な
マンパワーを通常時に増して数多く必要としております。 こうした
マンパワーの需給のギャップを解消する対策として、民間の力を活用する方策が考案されてしかるべきと思われます。 私なりに常識的に思いつくことは、民間で
土地関係の仕事をしている人たちで震災復興のために働こうという方々のために、公共事業の用地関係の仕事をする際、修得しておくべき事項を教育する機関を設立して、そこから被災地へ人材を供給するということであります。 そこで学び、復興のために働いたことは、復興後、民間で
土地関係の仕事をしていく上で役立つと思われますし、公務員の場合のように、長期派遣が終わった後の処遇の問題は生じません。 いずれにせよ
被災地自治体が、復興に向けて必要な
マンパワーを確保するには、
地方自治法による
職員派遣制度では限界があり、それを補完する民間の
マンパワー活用の対策が不可欠と思われます。 つきましては、
被災地復興に向けた
マンパワー確保の対策として、行政の専門職員と同じように、
土地区画整理事業等の仕事に従事できる民間人の養成と活用を国に提言すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 以上で、一回目の質問とさせていただきます。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 私からは、
災害廃棄物の
広域処理受け入れについてのお尋ねにお答えいたします。 昨年の
東日本大震災による被害は、まさに未曾有の規模でありますことから、私は、復興に向けて我が国の総力を結集して取り組んでいかなければならないと考え、震災発生後、これまで被災地への
職員派遣や避難者の
受け入れなど、人的・物的両面からできる限りの支援を行ってまいりました。 現在、被災地の早期復旧・復興の支障となっている、大量に発生した
災害廃棄物の
広域処理につきましても、国を挙げて協力していくことが基本であります。 私は、被災地や、
広域処理の先駆けとなった東京都に廃棄物担当の技術職員を派遣をし、被災地における廃棄物の保管や
受け入れ処理の状況を調査させるなど、
広域処理について現状把握に努めているところであります。 しかしながら、
災害廃棄物の中には
放射性物質に汚染されたものもあり、そのことが
広域処理の大きな妨げになっております。 したがいまして、国におきましては、「
広域処理の推進に係るガイドライン」を策定し、安全性の考え方を示されたところではありますが、現状では、国は十分な説明責任を果しているとは言いがたく、国民の不安はいまだ払拭されるには至っておらないと思っております。 具体的に申し上げますと、従来、廃棄物の放射能濃度がキログラム当たり百ベクレル以下でなければ処理することができなかったものが、新しい基準が施行された一月以降は、八千ベクレル以下であれば埋め立て処分してもよいとされるなど、安全性の根拠がわかりにくいものとなっているところであります。 また、
災害廃棄物は、
一般廃棄物であり、その処理は市町の所管でありますが、仮に本県で
受け入れることを想定した場合は、市町のごみ焼却施設や
最終処分場の
処理能力に余力がないため、通常のごみ処理に支障を来すというおそれもあるわけであります。 さらに、本県では、循環型社会形成の先導的仕組みとして、他県にはない、ごみ焼却灰のセメント原料化リサイクルシステムを構築をしておりますから、民間事業者との調整も必要になってまいります。 また、お尋ねのありました
東見初最終処分場への
災害廃棄物の
受け入れにつきましても、廃棄物処理法等に基づくさまざまな承認等が必要になってまいりますし、この処分場は、海を埋め立てる方式でありますから、現在、全国で、この方式の処分場で
受け入れた事例もなく、国が示したガイドラインにおいても安全性の考え方がこれについては示されていないところであります。 このように、県内へ
災害廃棄物を
受け入れるに当たっては、多くの課題がありますが、私は、被災地の復旧・復興のため、国民全体で負担を分かち合うべきであるという基本的な考え方に立ち、まずは国に対して積極的に地域に出向き、
広域処理の安全性や処理への協力について、丁寧かつ明確に説明し、責任を持って国民の理解を得るように要請してまいりたいと考えております。 また、国は、先般、
受け入れにより増設が必要となる
最終処分場への財政支援等、新たな支援策を示されましたが、今後、その活用の可能性等も含め、
広域処理に当たっての課題について市町や関係団体等と情報交換を行うなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
○議長(
柳居俊学君) 平尾
総務部長。 〔
総務部長 平尾幸雄君登壇〕
◎
総務部長(平尾幸雄君)
東日本大震災復興支援についてのお尋ねのうち、
人的支援についてお答えいたします。 まず、本県の
人的支援の実績につきましては、発災直後の避難所の運営支援を初め、これまで福島県を中心に、被災三県に対して、各種技術職員や事務職員を実人員で四百人、延べ人員で約五千百人・日を派遣しております。 次に、今後の
人的支援についてでありますが、県としては被災県のニーズに対応した即戦力となる人材を一人でも多く派遣したいと考えており、
全国知事会等の要請にこたえるため、他県に先駆けまして、派遣可能な職員を庁内から公募するとともに、職員の職務経験が生かせるよう、
受け入れ県と配属先の調整等を行ってまいりました。 この結果、来年度は福島県に十名、岩手県へ四名、宮城県へ二名の合計十六名の職員を一年間派遣することとしており、このうちお尋ねの中国地方整備局の要請に対しましては、
土地区画整理事業の支援要員として、土木技術職員一名を岩手県宮古市に派遣することとしております。 次に、民間の
マンパワーの活用についてでありますが、現在、被災自治体では、復興に向け増加する業務に対応するため、任期のある職員の採用や民間委託など、さまざまな取り組みがなされているところです。 したがって、お示しのような民間人の活用も含めた復興業務に当たる人材確保の方策につきましては、先般、国に設置された復興庁や復興局が被災自治体と連携し、そのニーズを踏まえながら検討されるべき課題であると考えており、本県として国に提言することは考えておりませんが、今後とも
被災地復興に向けた
人的支援の要請に対しては可能な限り対応してまいります。
○議長(
柳居俊学君)
合志栄一君。 〔
合志栄一君登壇〕(拍手)
◆(
合志栄一君)
災害廃棄物の
広域処理受け入れについて再度お伺いいたします。 国が
放射能汚染の安全性についての説明が十分でないということを知事、答弁の中で申されましたけど、私は、国が示しましたガイドラインを見まして、国はきちんと安全性の基準を示していると認識しております、理解しております。 それは、どういうことかと申しますと、これまでいわゆる放射性廃棄物として扱う基準としてキロ当たり百ベクレル、これを超えたものはそういうものとして扱うという、これまでの基準がある。 一方、今回は、八千ベクレル以下だったら埋め立て処分とか、そういうことが可能だというふうに国が示しているのは、これまで国が放射性廃棄物を扱う場合示してきた基準と食い違うのではないかという御指摘かと思うんですが、この百ベクレルという数値は、いわゆるクリアランスレベル、
放射性物質として、汚染物質として扱う必要がなくて、もう一般のものとして扱って、そして出回っても何ら問題ないレベルというのが、いわゆる百ベクレル以下とされてるものでありますよね。 だから、今回のガイドラインを見ますと、いわゆる廃棄物の中で再生利用するものはこの百ベクレル以下のものにするという基準が示されておりますですね。 それから、埋め立て処分等するものにつきましては、八千ベクレル以下ということでありますが、何でこの八千ベクレルというのが設定されたのかという説明を見ますと、ベクレルというのは、
放射性物質のほうから放射線が発される量をはかったものでありますが、それが人体等が受ける場合の人体等に与える影響をあらわした単位としてはシーベルトというのがありますですね。 それで、いわゆる八千ベクレル以下の廃棄物であれば、それのいろんな処理の作業等行ったとしても、一ミリシーベルトを超えることがないということで設定してるんだというふうに示されてありますですね。 この一ミリシーベルトというのは、いわゆる放射能についての考え方いろいろあるんでしょうけれども、この自然界にも放射能、放射線はあるわけでありまして、大体、日本人が年間で浴びている放射線の量が平均して一・五ミリシーベルトというふうに大体言われておりますですね。それ以下である一ミリシーベルト年間を超えないレベルだということで八千ベクレルというのが示されているということで、私は、国が示してる、国は安全性の基準はきちんと示しているというふうに理解しているわけでありまして、むしろ責任ある立場にある人たちがそこをきちんと説明することが十分じゃないということなのではないかと思っております。 一方、宮城県の村井知事は、県外の自治体が
受け入れ基準を決めるなら、その基準に合ったものを
受け入れてもらったらいいということも表明しておりますですよね。現に、山形県は、
受け入れしています山形県は、四千ベクレル以下という基準を設定して
受け入れをやっているわけでありますね。 でも先ほど知事は、東京の環境局に人を派遣していろいろと調べたということであったわけでありますが、被災地に派遣して、そして、どういう
災害廃棄物であれば、そして、どういう方法であれば、そして、どの程度の量であれば
受け入れが可能なのかどうかということの検討を実地調査も含めてやってみる必要があるんではないかと思うんですね。そういうお考えがあるのかどうか。そのことをお伺いいたしたいと思います。 もうすぐ三月十一日がやってまいります。いろんなことが、
東日本大震災のことに関して報道される中で、心に響いたことの一つは、瀬戸内寂聴さんが、被災地でいろいろ説法をしておられる中で、「代受苦」と、かわりに苦しみを受けるということでありますけど、亡くなられた方々、被災された方々は、かわって苦しみを受けておられる。その苦しみというのは、被災してない我々のある意味想像を超えたものがあるのではないかなと思っております。 参考資料で、南三陸町の復興の計画と、あるいは震災被害が、津波の被害がどれほど大変だったのかというのをわかってもらうための資料をお配りしたわけでありますが、御承知のとおり、南三陸町は十五メートルほどの津波に襲われて、だけど庁舎は十二メートルで、町長さんは防災管理棟、これも高さが十二メートルで、防災管理棟にある無線機のアンテナにつかまってやっと助かったわけですよね。 ところが、きのうのニュースで、亡くなられた職員の遺族から、町長の指示が適切でなかったということで、その町長さん自身が訴えられてるということが報道されてまして、そのことに関してのマスコミのインタビューに非常に悲しそうな、つらそうな顔で答えておられたのを見て、本当に大変なことがあるんだなということを思うわけでありますね。 そういう被災地が今、手を差し伸べてほしいと切実に求めていることの一つが、この
災害廃棄物の
受け入れであります。 インターネットの書き込みにこういう言葉があったんだそうです。「瓦れきを
受け入れないで東日本頑張れと言ってほしくない」と。確かに放射能についての不安感があるんであれば、政治、行政の責任において、そういう心配はないと判断できる基準を山口県なら山口県みずから決めて、そして、それに合ったものを
受け入れていくということも検討されていいと、私は思います。 そういう意味で改めて被災地に実際、派遣して、どういう
災害廃棄物であれば、どういう方法で、どの程度であれば本県が
受け入れが可能なのか。そういうことの検討調査に取り組むべきと思いますが、このことにつきまして再度お伺いいたします。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 再質問にお答えいたします。 ただいま国の安全基準について説明がありました。その安全基準そのものは、私も私なりに理解はいたしますけれども、その安全をいかに住民の皆さんの安心に結びつけていくのかということが非常に難しいところであります。 したがいまして、私は先ほど答弁申し上げましたように、まだまだ国のほうの我々が納得できる説明が十分になされてないというふうにも思いますから、国のほうから、ぜひ山口県に来ていただいて、私どもも関係市町に集まっていただいて、そういう説明会ができるような場を設けたいと思っておりますから、そこで十分情報交換をしながら、県としてどのようにしたらいいのかということを考えていきたいと思います。そして、その中で、具体的にどういうケースだったら
受け入れられるのかということも考える必要性の中で現地に行く必要があれば調査に入りたいと。 既に私どもも昨年の八月にも石巻等にも行ったりとか、あるいは東京都のほうにも行って、いろいろ状況は把握をしておりますけれども、改めて必要があれば調査に行きたいというふうに考えているところであります。 以上でございます。
○議長(
柳居俊学君) 神田義満君。 〔神田義満君登壇〕(拍手)
◆(神田義満君) おはようございます。私は、会派とことんの神田義満でございます。
二井知事におかれましては、四期十六年、大変御苦労さまでございました。最初に県知事選挙に出られましたときに、私も候補の知事のポスターを張らさせていただきましたことを今思い出しております。大変感慨深いものがございます。 それから、先日、私が入れましたプールを見に参りました。ある小学校のプールに昨年十二月、
EM菌の液体を第一回目二百リットル入れさせてもらいました。昨年入れたときは水はまだ濁っておりましたが、その後の経過を二回見に行きましたところ、プールの水は大変きれいで、透明度もよく、変化を感じ取ることができました。春にももう一度入れます。 第一回目のときに、小学生に微生物のお話とEM
菌のつくり方の勉強会を行いました。大変興味深く勉強会に参加してくれました。六月のプール開きが大変楽しみです。プールの水を放水した後、川の魚は喜び、お百姓さんは田んぼに入った、
EM菌の入った水で、おいしいお米ができるであろうと想像され、大喜びになられるだろうと今からわくわくしております。 さて、通告に従いまして、質問に入らせていただきます。 年間観光客三千万人構想、瀬戸内海クルーズについて質問をさせていただきます。 昨年は、三月十一日、
東日本大震災があり、大変な平成二十三年度でしたが、山口県では「たちあがれ!東北 がんばろう!日本」の合い言葉のもと、「おいでませ!
山口国体・山口大会」が開催され、天皇杯・皇后杯ともに山口県が獲得でき、大成功のうちに終了しました。 また、ことしは「おいでませ!山口イヤー」の年として、「おいでませ!山口観光交流キャンペーン」が始まっています。「ちょるる」も西へ東へと大活躍です。そして、年間観光客三千万人構想の実現に向け、観光形態の変化や多様化する観光ニーズに的確に対応した戦略的な誘客と情報発信に幅広い主体が連携して取り組むとともに、訪日観光客の今後一層の増加が見込まれる、東アジアをターゲットとした観光客の誘致により、交流人口の拡大と県内経済への波及を図りましたとあります。 今、山口県で大人気になっているマスコットキャラクター「ちょるる」も盛り上げに一役、三月から八月まで展開する「おいでませ!山口イヤー観光交流キャンペーン」では大阪で、広島で大活躍です。 また、山口の地旅八コースのモニターツアーが実施されます。そして山口観光案内人の第二回の検定もありました。 周防大島では、島の暮らしも体験できるようになっています。昨年の国体のときのボランティア活動による民泊、この温かい山口県民に再び触れたくて再度来られる観光客のリピーターも多くなることと思います。 観光の中の重点事業の一つに、東アジアからの観光客誘致の促進とあります。外国人旅行者も
東日本大震災からは動きがありませんでしたが、ぼちぼち動きが出てきているそうでございます。今、中国の富裕層は、瀬戸内海に大変魅力を感じているそうです。そして広島の宮島にも向かってくるでしょう。 昨年、中国を拠点とする大型クルーズ客船「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」に乗って、中国観光客七千二百人が夏、大分県を訪れました。また、十月には同じクルーズ客船が大阪に寄港しました。乗客定員千八百人の客船です。 平成二十四年度の当初予算案の概要の中に、下関港の国際定期航路を活用した県内旅行商品の造成や、山口宇部空港を発着地とする国際チャーター便の運航促進を支援とあります。ことし十月の国慶節の休暇を利用して、第一回目のクルーズを企画する、日本中国国交四十周年記念瀬戸内海「夢のクルーズ」――これは主に北京、上海の方々でございます。最低三百名は確保されていると聞いております。 山口県は本州の西端でございます。そして、瀬戸内海の入り口でもあります。中国の旅行社の人に、「山口県にはこのような瀬戸内海がある」と言ったところ、「中国にはこのような内海はない」と言われ、これは中国の人に喜んでいただける企画になると感激されました。 今、広島を中心に、海の道プロジェクトが進められているとお聞きしていますが、他県とも広域連携をとり、瀬戸内海クルーズを開発をされたら、山口県にとっても、瀬戸内海沿岸県にとりましても観光産業の活性化、日中友好の拡大にもつながるものと思いますが、御所見をお伺いいたします。 もう一つは、中山間地域若者対策問題、若者を参加させる取り組みについて御質問させていただきます。 現在、中山間地域では、若い人が減っており、高齢化が進む一方です。私の妻の故郷である長門市でも、人口減の速度が速く、行政の対策が間に合わない。問題は山積みのようでございます。 ただ、そのような中でも、若い人の雇用対策に力を入れ、新規に正社員として三年間雇用を継続する場合、一人百万円を出すというような話もあると聞きました。 また、福祉や六次産業に力を入れる。若者は独身者が多いので出会いの場づくりや子育てのしやすい環境づくりに力を注いでいます。厳しい状況ではありますが、長門市には自然がたくさんあり、湯本温泉、俵山温泉、香月美術館、みすゞの里、青海島、仙崎港、千畳敷、二位ノ浜といった観光資源も豊富であり、これらを生かした観光にも力を入れております。 全国的には高齢化の進む中山間地域のためにさまざまな取り組みがされているようですが、例えば、高齢者のための交通手段の確保やさまざまなボランティア活動、耕作放棄地の有効活用、農業体験による都市部との交流、空き民家や廃校などを活用した田舎暮らしの体験、地域の歴史などを学ぶ取り組みなどです。 活動の中心となる働く世代の不足、荒れた耕作地や山林など、これらの活動を取り巻く環境には非常に厳しいものがあり、容易には解決できるものではありませんが、このまま放置すれば、間もなく集落は崩壊してしまいます。 私たちが若いころには、中山間地域や島にも若い人がいました。今、中山間地域の問題で一番感じるのは、次の世代の担い手となる若い人がいないことです。若い人は都会に集中し、中山間地域には年長者が残り、中山間地域社会のスピードは大きく減速しております。 このように、大変難しい問題が集中している中山間地域です。中山間地域元気創出若者活動支援事業がありますが、これにしっかりと力を入れていく必要があると思います。 山口大学、山口県立大学、下関市立大学、徳山大学、宇部フロンティア大学、山口福祉文化大学、水産大学校、大島商船高等専門学校といった学校が、中山間地域に元気が出るような提案を出し、若者による自発的な地域づくりの実践活動をしていると聞いておりますが、私は大変よい取り組みだと思います。 そして、中山間地域が崩壊すれば、日本の国が滅びることにもなりかねません。小さなころより中山間地域の重要性を教えることが大事です。児童生徒がボランティア活動などの体験活動に参加することは、地域社会での安全で心地よい生活を築いていくために、住民同士が相互に助け合う意識を持ち、ともに行動を起こすことの重要性を学習するとともに、自己発見へのつながりや、他人に対する温かい思いやりの心を育てるいい機会になると思います。 そこで、小学校、中学校、高校生といった早い段階から、「月に一度はボランティア活動」といったキャッチフレーズを設けるなどにより、教育活動の一環として、中山間地域などとかかわる体験活動に取り組むことは教育的効果があると考えますが、現状と今後の取り組みについて、教育長の御所見をお伺いいたします。 以上でございますが、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 私からは、年間観光客三千万人構想に関して、瀬戸内海クルーズについてお答えをいたします。 瀬戸内海は、申すまでもなく、美しい自然景観を初め、歴史、文化、産業、食など多様な魅力に恵まれた重要な観光資源であります。 その魅力を満喫できる瀬戸内海クルーズは、お示しがありましたように日本ならではの旅を志向する中国人観光客の好みに合った、魅力的な旅行商品となる大きな可能性を秘めていると私も思っております。したがいまして、その推進に向けた積極的な取り組みが重要であると考えております。 こうした中で、県におきましては、これまでもクルーズ船の寄港地に適した港湾施設や、魅力的な周遊観光地に恵まれた本県の特性を生かして、国内クルーズ船の誘致に努めてまいりましたが、震災の影響がある中で、本年度の大型クルーズ船の寄港は九回となるなど、一定の成果も上がってきております。 折しも広島県では、これもお示しがありましたように、「海の道プロジェクト」として、国内外から瀬戸内海に観光客を誘致をして、地域経済の活性化を目指していく取り組みをスタートさせておりまして、本県や岡山、香川、愛媛の沿岸県との協議会の立ち上げを検討されております。 また、国や経済団体等が中心となって、中国をターゲットとして、東京―大阪間のいわゆるゴールデンルートに並ぶ、瀬戸内海も組み込んだ西日本広域観光ルートの開発にも乗り出しております。 したがいまして、本県としても、こうした動きに積極的にかかわり、瀬戸内海クルーズを活用した観光客誘致につなげるなど、西日本の結節点として、内外を結ぶ交通の拠点等本県の交流機能を一層高めていきたいと考えております。 これからの観光振興に不可欠な、中国を初めとする東アジアからの観光交流人口の一層の増加を図るために、瀬戸内海クルーズの推進に積極的に取り組み、本県の産業経済の活性化につなげてまいりたいと思っております。
○議長(
柳居俊学君) 田邉教育長。 〔教育長 田邉恒美君登壇〕
◎教育長(田邉恒美君) 中山間地域にかかわる体験活動についてのお尋ねにお答えいたします。 中山間地域は、恵まれた自然や歴史を有し、豊かな生活を営むために必要な県民共通の貴重な財産であり、子供たちが、そのような環境の中でボランティア活動などの体験活動を行うことは、地域のよさを実感し、豊かな心や社会性をはぐくむ上で重要であると考えております。 このため、各学校におきましては、地域の特産物の栽培や収穫、ふるさとの自然を守る活動等を行い、子供たちが地域の人々と触れ合い、充実感や喜びを味わうボランティアなどの体験活動に、教育活動の一環として取り組んでいるところです。 また、県教委では、関係部局や市町教委と連携しながら、子供たちが中山間地域の民家に宿泊し、地域の方々とともに農作業などを体験する交流活動を支援しており、子供たちが、お世話になった地域の方々への感謝の心を持つようになるとともに、
受け入れ地域の方々がやりがいを感じて元気になられるなど、地域の活性化につながる成果を上げております。 県教委といたしましては、今後、地域のよさに触れ、人々とのかかわりを一層深め、ふるさとへの誇りや愛着を持つ子供たちを育成するため、県内の各地域のよさを学ぶ事例を掲載した教材集「これがわたしの故里だ」の活用を促進するなど、市町教委と連携しながら、中山間地域などとかかわる体験活動の一層の充実に努めてまいります。 ─────────────
○議長(
柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時十二分休憩 ───────────── 午後一時開議
○副議長(新谷和彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
一般質問
△日程第二議案第一号から第六十八号まで
○副議長(新谷和彦君) 日程第一、
一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十八号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 有福精一郎君。 〔有福精一郎君登壇〕(拍手)
◆(有福精一郎君) 自由民主党の有福精一郎でございます。 質問の前に一言申し上げます。 平成二十三年度の県政世論調査では、八九%の県民の方が、山口県を住みよい県だと回答しております。このことは、県が力を注いだ努力の結果であると高い評価をし、改めて敬意を表します。 さて、地産地消という言葉がありますが、課題となっている地域の衰退をさせないための一案として、この言葉を私なりに組みかえて考えてみました。 地産地消を逆にすれば、地消地産です。地域の産物を地域で消費するという地産地消は大事ですが、地域で消費するものを地域で生産するという地消地産の体制づくりが必要な時代になっていると思うのであります。 また、「地消」の「消」の字を生きるという漢字の「生」に変えて、地生地産とし、地域で生きる、生活する方法は、地域で考え出す、知恵を出すというふうに考えたいと思っております。そうしないと、周辺地域の衰退は、より加速化するのではないかと危惧しております。 県土の七割が中山間地域である本県は、少子・高齢化がすごい勢いで進み、小規模・高齢化集落がふえ、人の生活の気配が感じられない地域もふえてきている気がします。 このような現状を、県としてもしっかりと受けとめ、近い将来と、五十年後や百年後の遠い将来との両方のことを考えて、新しい施策を講じていく必要があると思います。 先ほどの言葉の組みかえですが、地生地産から地産の「産」の字を、残るという漢字の「残」にすれば、地生地残となります。これは、地域が生き残っていくためには、地域に古くからある文化、習俗、歴史や今あるものを残していくことが大切というふうに考えたいと思います。 つまり、地域に働く職場を残し、商店を残し、学校を残し、病院を残し、公共交通を残す。どれかが欠けると悪循環が始まり、すべてがだめになっていきます。 買い物弱者、医療弱者、交通弱者が生まれるなど、まさしく今問題になっている地域課題であります。これらの課題を解決できず、廃れていく地域がたくさんあります。特効薬はないかもわかりませんが、行政も民間も知恵を絞り出せば、まだ生き残っていける地域もたくさんあると思います。 そのようなことを考えながら、通告に従って質問をいたしたいと思います。 最初は、公共交通の確保についてお尋ねをいたします。 私の地元下関市豊北町粟野は、油谷湾に面し、昔は向津具半島の大浦と渡海船で結ばれていました。そのころは、地魚を下関などの都会に運ぶカンカン(ブリキ缶)を背負った行商人、いわゆるカンカン部隊と言われる行商婦人団が一番列車を利用するので朝早くから大きな声が行き交うにぎやかな交通の要衝でした。 しかし、時代は移り、地魚などの海産物も冷蔵軽トラックなどで運ばれるようになり、また、高度成長期の若者の都会への流出などの理由で、かつてにぎわいを見せていた交通の要衝も、映画館や旅館なども閉鎖され、渡海船もなくなりました。 今では、さらなる過疎化、高齢化により、生活に必要な現金を扱う銀行が、遂には、日常生活品を売る店までなくなっている状態です。 医師の高齢化と医師不足で医院も減り、また、少子化も進んだ現在、中学校や幼稚園、保育園も統廃合され、唯一残った小学校でさえも昨年は入学者がなく、全校生二十三名と、いつ統合され廃校になるかわからないような状況となっております。まさに高齢者だけの地域になってしまいました。 こうした現状で、地域住民の生活を支える公共交通は、最後のとりでともいうべき大切な住民の足でありますが、年々、衰退が進み、バス路線は撤退、タクシーの常駐さえなくなっており、現在、JR西日本の山陰本線の駅が無人化されても、かろうじて残っているありさまです。 地域の高齢者は、この駅を利用し、日用品を購入するため、不自由な体で二駅以上離れた商店まで時間をかけて買い物に出かけています。 日本海に面した北浦地域では、JRやバスなどの公共交通機関が、特に地域で生活していくのに欠かすことのできないものですが、だんだんと運行本数が少なくなり、利用しづらくなっています。 さらに、三月十七日にJRの列車の運行ダイヤ改正で、長門市―小串間で、運行本数が上下線各三本少なくなるようになります。結果、住民の生活に少なからず影響が生じることになります。 住民の中には、「公共交通機関とはいえ、JRも民間事業者であるから、利潤追求が第一であり、赤字が大幅になってしまったら、山陰本線といえど廃止されることになるのではないか」と不安な気持ちを訴える方もいらっしゃいます。 私もJRの減便やバス路線の撤退など、年々目に見えて住民の生活の足である公共交通の利便性が損なわれている現状を目の当たりにし、今後の地元住民の生活を憂慮しております。 このような問題は、私の地元だけでなく、県内至るところで生じております。 JR列車ダイヤの維持、そして、駅と地域を結ぶバスの運行など、地域住民にとって利便性の高い公共交通の確保が必要です。 そこでお尋ねをいたしますが、過疎化、高齢化が進んでいる中で、地域住民の最後のよりどころとも言うべき公共交通の確保に、今後県はどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、団塊世代の退職など、これから超高齢化社会を迎える中、生産現場などにおいて、その活躍が期待される高齢者の雇用対策についてお尋ねをいたします。 二○三○年には、十五歳から六十四歳の生産年齢人口が現在の八千百万人から六千七百万人と、一千四百万人も減少し、さらに五十年後の二○六○年には、四千万人となり、現在のほぼ半分になるとされています。 生産年齢人口、すなわち労働力人口の減少は、国の経済生産力や消費量の停滞を招き、国全体の経済活力を低迷させ、社会全体に大きな影響を及ぼすと考えられ、国は労働者の定年延長や再雇用などで、労働年齢の引き上げを実施されており、来年の平成二十五年度からは、希望者全員が六十五歳まで働けることを義務づけるように検討しているともお聞きをいたしております。 一方で、昨年からヨーロッパユーロ圏の信用低下による先行き不安や、急速なドル安円高が今後の国内経済への不安をかきたて、国内での産業活動を国外に移し、国内労働力が不要になっていくことへの懸念が発生しております。 今、生活保護世帯数が急増していることや、老後のためにと大切に貯蓄した財産の価値が目減りをしていくこと。さらに、国の新年金制度が明確ではなく、また、男女とも平均寿命がさらに延びる傾向にあることなど、将来への不安を一層かきたてられているのではないかと思っております。 定年を迎えた人は、人生の一区切りをつけたという充足感と、もうあなたは不要だと暗に言われているような焦燥感を感じておられるでしょう。残りの人生を、健康で充実した生活を送ってほしいものですが、人間というものは、何か生きがいがないと生活に張り合いがなく、自分が求められているという満足感がないとつまらないものであると思います。 健康に生きることは、社会の役に立って、地域に貢献できることで、結果として、行政などが負担する医療費などの減少にもつながると思います。 自治体の財政支援によって、シルバー人材センターなどを通じ、高齢者に適した雇用の場が提供されています。 高齢者の方々は、働く場を得て、地域貢献することにより生きがいを感じることができます。定年を過ぎても健康で働く意欲のある人は多く、高齢者が個々の持てる力を十分に発揮できる雇用環境を整えることが、年金や医療費などの社会保障費の増加を抑制していくことにもつながると考えております。 そこでお尋ねをいたしますが、行政としても今以上に雇用の場における高齢者の活用を積極的に進めていく必要があると思いますが、県では高齢者の雇用対策にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、道路行政についてお尋ねいたします。 本県では、全国有数の整備率を誇れるほど、今日まで着実に道路整備に力を入れてこられたことは、評価に値すると思います。しかしながら、古くから県内の道路整備をしてきておられるからこそ、長い年月を経た道路もたくさん存在し、それらの道路の維持補修にも十分意を用いる必要があると思います。 ことしの一月には、長野県で長さ約百メートルの橋梁が雪の重みで真っ二つに折れて崩落する事故が発生しています。この橋は、昨年の三月十一日の
東日本大震災の翌日に発生した震度六強の地震の影響で橋脚がずれるなどして長期間通行どめになっていた橋です。 この件につきましては、既に地震により損傷を受けていたことや、通行どめの状態で除雪なども行われていなかったことなどが前提としてありますが、それでもこのような大きな橋が予想外の崩落事故を起こしたことは驚きであります。 また、五年前の八月、アメリカミネソタ州のミシシッピ川にかかる高速道路の橋が崩壊し、五十台以上の車が約三十メートル下の川に落下し、多数の死者、
行方不明者、負傷者を出すという信じられないような大事故が発生しています。 この橋は、建設後四十年が経過していたようですが、通常、このような橋がその程度で崩壊することは考えられないとのことであり、一部では、適切な管理がなされていなかったことが事故の原因の一つではないかと言われております。 このような例からも、今後、本県でも、これまで整備した道路を適切に管理していくことが大変重要ではないかと考えます。 特に、公共交通機関が脆弱で、自動車に頼らざるを得ない地域においては、道路の果たす役割は非常に大きく、さらに、その道路が地域で唯一のものである場合、さきにお示ししたような事故により通行どめにでもなれば、たちまち日常生活が困難になります。 実際に、さきの
東日本大震災では、地震による道路・橋梁の通行どめが多発し、孤立した集落に対する救援活動や、被災地への生活物資の輸送などに困難を極めた例を多く報道されていました。 また、急病や事故による救急患者が発生したときにも、道路はまさに命をつなぐものであることから、道路がしっかりとその役割を果たすよう、維持補修について、きめ細やかな配慮が必要であると考えております。 そこでお尋ねをいたしますが、地域の安心・安全の確保の観点から、本県における今後の道路の維持補修にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、
産業廃棄物の適正処理対策についてお尋ねをいたします。 県では、
産業廃棄物の排出抑制や減量化、リサイクル、廃棄物の適正処理の確保などを推進し、循環型社会を構築するため、
産業廃棄物税を活用した取り組みを進めておられます。
産業廃棄物税は、平成十六年四月一日から法定外目的税として導入され、
産業廃棄物を県内の
最終処分場に搬入する排出事業者などに対して、
最終処分場に搬入した
産業廃棄物一トンにつき千円が課税されるものであります。 これまでに公共関与の
産業廃棄物広域
最終処分場、例えば、宇部の東見初広域
最終処分場や周南コンビナートに建設される新南陽広域
最終処分場の建設経費への無利子融資や、リサイクル施設や廃棄物の減量化施設への補助、不法投棄対策、普及啓発事業などに活用され、本県の循環型社会の構築などに大きく貢献をしております。 中でも、県と市町が連携して取り組んでおります不法投棄の監視パトロールは、県民の安心・安全を確保するためにも大変重要な取り組みであります。 私の住む下関は、平成の大合併で、平成十七年の十月に県下唯一の中核市になりました。県と同様の事務権限と責任に基づき、
産業廃棄物の排出抑制などの事務に当たっており、
産業廃棄物の不法投棄対策の監視パトロールや指導については、独自に取り組んでおります。 しかし、下関では、県外の
産業廃棄物の流入も多く、人目のつかない山間部や空き地などへの
産業廃棄物の不法投棄問題に大変悩まされており、地域のこうした実情を踏まえれば、県による
産業廃棄物の適正処理対策における一層の支援が必要であると考えております。
産業廃棄物行政は、各地域にいろいろな事情と課題があることから、県におかれては、対策の推進に向け、今後とも十分な対応を期待するところであります。 そこでお尋ねをいたしますが、
産業廃棄物の適正処理の推進について、各地域の実情も踏まえ、県として、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、新エネルギー関連産業の振興についてお尋ねをいたします。 福島
原発事故後、国ではエネルギー政策の見直しが行われていますが、一向に前に進んでいる気配が感じられません。 太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーでは、現在のところ原子力発電に取ってかわるほどの電源にはなり得ません。 緊迫するイラン情勢などから原油価格の高騰が危惧される中、火力発電の稼働増加による電力料金の大幅な値上げも差し迫っております。国は、早急に原子力を初めとしたエネルギー政策を決定すべきと考えております。 とはいえ、
原発事故を契機に、自然エネルギーへの関心が高まるとともに、化石エネルギーへの依存度や二酸化炭素排出量を低減するためにも、自然エネルギーの発電シェアは伸びると考えられます。 また、ことしの夏には、再生可能エネルギーの固定価格の買い取り額や期間が決定されることとなっており、自然エネルギー関連への投資は飛躍的に拡大すると思われます。 経済産業省では、新エネルギー産業の展望に関する中間整理案をまとめ、蓄電池などを含めた新エネルギー関連産業の世界市場規模は二○一○年の三十兆円から、二○二○年には八十六兆円へと、十年間で約六十兆円拡大すると試算しております。 こうした中、IT制御による次世代送電網や太陽光発電装置、電気自動車などの省エネ型のインフラを整備するスマートコミュニティーの実証事業が横浜や北九州などの四地域でスタートしました。 お隣の北九州では、工場から産出される副生水素を住宅や事務所などにパイプラインで送り、家庭や業務用の燃料電池で電気を賄う「水素タウン」の実証実験なども行われております。 本県でも、石油化学工場などで産出される副生水素は、全国の約一割を占めるなど、国内有数であり、この地元産エネルギーを有効に活用しようと、県では試作品の開発や事業化調査などの利活用に取り組んでおられます。 国が計画する四大都市圏を結ぶ水素ハイウエーにおいて、地理的な優位性を持つ本県へ、水素ステーションを設置するよう積極的に働きかける必要もあると思います。 また、本県は、蓄電池の中でも有望とされるリチウムイオン電池について、電解液などの主要四部材で高い国内シェアを誇り、太陽光発電では、パネルに使用されるシリコンなどに多くの関連素材の製造業を抱えております。 ことしになって、中国電力がメガソーラーを宇部市の西沖の山火力発電所跡地に計画していることが明らかになり、建設に当たっては、できるだけ地元素材を活用するとの報道もあり、我が県にとって大変歓迎すべきことであります。 この中国電力のメガソーラーの建設を好機ととらえ、県内のほかの地域でのメガソーラーの建設にも積極的に取り組むべきであります。 このような本県の産業ポテンシャルを最大限に生かし、新たなビジネスの育成、雇用の創出へとつなげていかなければならないと考えております。 そこでお尋ねいたしますが、県では、今後、市場の拡大が期待される新エネルギー関連産業の振興にどう取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、世界スカウトジャンボリーの取り組みについてお尋ねをいたします。 四年に一度開かれるボーイスカウトの祭典「第二十三回世界スカウトジャンボリー」が、平成二十七年七月二十八日から八月八日までの十二日間、山口市阿知須のきらら浜で開催されます。 日本での開催は、昭和四十六年に静岡県朝霧高原で開催されて以来四十四年ぶりのことで、百六十一の国・地域から三万人が参加し、キャンプや交流活動が展開されます。 そして、その前のプレ大会として、日本ジャンボリーが来年七月に開催されるとのことであり、参加者は海外も含め一万五千五百人と予定されています。 ことしの五月には、昨年の
山口国体に続き、天皇皇后両陛下を再びお迎えをし、きらら浜で、全国植樹祭が開催されます。全国植樹祭が終われば、あっという間に日本ジャンボリーが到来しますので、ぜひとも、山口きらら博や国民文化祭、また、昨年の
山口国体や山口大会、そして、全国植樹祭のノウハウや成果を日本ジャンボリー、世界スカウトジャンボリーにもつなげていただきたいと思います。 そこでお尋ねをいたします。世界スカウトジャンボリーの開催に向けて、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 最後に、学校における防災教育についてであります。 間もなく
東日本大震災から一年となります。本議会におきましても多くの方が防災対策について質問されております。 私たちは、あの災害を教訓にして、今後の防災対策にしっかりと生かしていかなければならないと思います。 特に、私は、たくさんの子供たちが津波被害に遭ったことから、学校において防災のことを繰り返し教え、未来ある子供たちが自分で自分の命を守ることができるようにしておくのは、大人の務めではないかと思います。 県教委におかれましては、子供のころから、自然災害への対応力を一層身につけさせるため、学校における防災教育にさらに取り組んでいただくよう要望いたしまして、少し早うございますが、私の質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○副議長(新谷和彦君)
二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 私からは、新エネルギー関連産業の振興についてお答えをいたします。 新エネルギー関連産業は、太陽光や風力、水素などの新エネルギー分野、そして、LEDやリチウムイオン電池などの省エネルギー分野における関連機器や部品の製造など、広範な事業に及びますことから、今後、市場の成長や雇用の拡大が期待をされております。 こうした中で、私は、本県工業が持つ新エネ・省エネ分野における強みや特性を生かして、競争力のある産業を集積をしていくことが重要であると考え、これまで県内企業や産学公連携による次代へつながる意欲的な取り組みを積極的に支援をしてまいりました。 この結果、お示しがありました太陽電池の原材料やパネルを初め、リチウムイオン電池の主要四部材がすべて県内で生産をされますとともに、液体水素の生産拠点が周南市に立地をするなど、新エネルギー関連産業の製造拠点が着実に形成をされてきております。 また、高発光効率LED用部材の開発などを進めるやまぐちグリーン部材クラスター事業や、昨年開設したやまぐちイノベーション創出推進拠点を活用した共同研究の取り組みによりまして、大学発ベンチャーによる事業化が本格化をするなど、独創的な技術シーズを有する大学と県内企業の協働という産学公連携の機運が一層高まってきております。 私は、こうした成果を次代につなぎ、本県産業の競争力をさらに高めていくために、私を本部長とする高度技術産業集積推進本部の機能を拡大し、新年度早々に、産学公の主要機関が参画する「やまぐち産学公連携推進会議」を立ち上げることにいたしております。 この推進会議におきましては、関係機関が有する強みを相互に生かしながら、やまぐち型産業クラスターの形成に向けて、新エネルギーの利活用をテーマとした研究開発や新たな技術の検討を行うことにいたしております。 とりわけ、水素エネルギーにつきましては、これまでの成果を踏まえ、来年度、公共施設等における効果的な利活用や、企業が取り組む水素関連製品の試作開発を支援をいたしますとともに、水素ステーションの導入についても検討してまいります。 また、メガメーラーにつきましては、お示しのように、中国電力の宇部太陽光発電所建設計画が公表をされたところであり、今後、「再生可能エネルギー
特別措置法」の施行に向けて、県内においても民間事業者による建設の動きが出てくるものと考えており、その円滑な立地を推進をしてまいりたいと考えております。 今後とも、新たなビジネスの育成や雇用の創出に向けて、本県の次代を担う新エネルギー関連産業の振興や関連企業の集積に全力で取り組んでまいりたいと思っております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
○副議長(新谷和彦君) 山部
地域振興部長。 〔
地域振興部長 山部哲郎君登壇〕
◎
地域振興部長(山部哲郎君) 公共交通の確保についてお答えします。 御指摘のとおり、JR在来線やバス路線は、通勤・通学、通院や買い物など、まさに地域住民の日常生活に欠かせない公共交通機関であり、過疎化や高齢化が進む中、その確保や利便性の向上は、重要な課題となっております。 このため、JR在来線については、県と市町が連携して、地域の運行管理を行うJRの各地域鉄道部と、個別路線におけるダイヤや施設整備の課題等について、密接に情報交換を行うとともに、地元市町や各種地域団体等からの意見を踏まえて、JR西日本に対し、在来線の運行本数の確保や利便性の向上について要望しております。 また、バス路線については、国や市町との適切な役割分担のもと、県は複数の市町間を結ぶ生活バス路線に対し運行費の助成を行い、広域的な交通基盤の確保に取り組んでいるところであります。 こうした中、過疎化、高齢化が進んでいる地域においては、生活バス路線の維持が困難となっている場合があり、新たな交通システムを構築していくことも必要となってきております。 このようなさまざまな課題に対応するため、市町が主体となって、地域交通の現状や活性化の方向性などを示す「地域交通活性化計画」が策定されているところです。 この計画に基づき、お示しの鉄道とバスとの連携や、周南市鹿野地区、下関市粟野地区、山口市藤木地区等におけるデマンドタクシーの導入など、地域の実情に即して、公共交通の利便性を高める取り組みがなされておりますが、県としては、計画の策定段階から、情報提供や助言を行う等、積極的に支援を行っております。 JR在来線やバス路線などの地域公共交通は、地域が一体となって支えることが重要であり、県としては、今後とも関係市町と連携しながら、県民の暮らしを支える交通の確保に全力で取り組んでまいります。
○副議長(新谷和彦君) 森
商工労働部長。 〔
商工労働部長 森敏明君登壇〕
◎
商工労働部長(森敏明君) 高齢者の雇用対策についてお答えをいたします。 お示しのように、高齢化が進行し、労働力人口が減少する中で、高齢者が、その知識や経験を生かして働くことができる環境を整備することは、経済社会の活力を維持する上からも重要な課題であります。 このため、これまでも国の施策と連携をし、高齢者の安定した雇用の確保や、再就職の支援に取り組んできたところであります。 まず、雇用の確保につきましては、「高年齢者雇用安定法」に基づき、六十五歳までの定年の引き上げや継続雇用制度の導入等の高年齢者雇用確保措置の確実な実施に向けて、国において奨励金の支給や、高年齢者雇用アドバイザーの派遣など、取り組みを進める企業に対する支援が行われております。 一方、県は、こうした制度の普及啓発を担っており、県民局に配置した中小企業労働相談員が、企業を戸別訪問して、同制度や支援施策を周知するとともに、今年度から、政策入札制度において、雇用確保措置を導入した企業の入札参加機会を拡大するなど、企業における主体的な取り組みを促進しているところであります。 また、高齢者の再就職の支援については、個々の知識や経験を生かせる職種の助言等のきめ細かいキャリアカウンセリングを行うとともに、高等産業技術学校において、新たな技能や資格の取得につながる情報や介護・福祉などの職業訓練を実施するほか、シルバー人材センター連合会への支援を通じて、各地域における多様な就業機会の提供にも取り組んでいるところであります。 こうした取り組みにより、雇用確保措置を導入した企業の割合は、従業者数三十一人以上の規模において、全国平均を上回る九六・八%となり、また、「住み良さ・元気指標」に掲げる六十歳から六十四歳までの就業率については、目標値の五六%を上回る五七・五%となるなど、着実に成果が上がってきております。 今後とも、山口労働局や関係機関との緊密な連携のもと、高齢者が意欲と能力に応じて、社会の担い手として活躍できるよう、引き続き、高齢者の雇用の確保と再就職の支援に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(新谷和彦君) 小口
土木建築部長。 〔
土木建築部長 小口浩君登壇〕
◎
土木建築部長(小口浩君) 道路の維持補修についてのお尋ねです。 道路は、県民生活や地域の産業活動、さらに、救急・救命活動などを支える重要な社会資本であることから、県においては、日々の巡視や施設点検等による異常箇所の早期発見と速やかな補修を行い、常に良好な状態に維持するよう努めております。 こうした中、多くの道路施設が、今後、一斉に大規模な修繕や更新の時期を迎えることから、従前の取り組みのまま推移した場合には、一時期に多額の費用が必要となることが想定されます。 このため、県では、更新費用の平準化及び維持管理費用の縮減のため、定期点検により、損傷や劣化の状況を把握し、その状況に応じた効果的な補修を行い、施設の長寿命化を図る予防保全的な対策に取り組むこととしております。 具体的には、橋梁について、既に実施した点検結果を踏まえ、「橋梁長寿命化修繕計画」を本年度末までに策定し、この計画に基づき補修・補強対策を行うとともに、トンネルやのり面などについても、今後、同様に取り組むことにより、道路の計画的・効率的な維持管理を進めてまいります。 また、昨年の
東日本大震災を教訓とし、地震時にも道路がその機能を果たせるよう、来年度において、県の緊急・重点課題の一つである防災対策の充実の一環として、耐震性に劣る橋梁の補強や、落石等のおそれがあるのり面の防災対策を重点的に実施することとし、約三十億円の予算を計上したところです。 県としては、今後とも暮らしの安心・安全基盤の強化を図るため、道路の適切な維持管理に鋭意努めてまいります。
○副議長(新谷和彦君) 門田
環境生活部長。 〔
環境生活部長 門田栄司君登壇〕
◎
環境生活部長(門田栄司君)
産業廃棄物の適正処理対策についてお答えします。 県民の安心・安全の確保や生活環境の保全を図る上で、
産業廃棄物の適正処理は極めて重要な課題であります。 このため、県と中核市である下関市は、連携をとりながら、それぞれの管轄区域において、不法投棄ホットラインの活用や監視パトロールなどに取り組み、県全体として廃棄物の適正処理を進めているところであります。 こうした中、県では、今年度、県外からの
産業廃棄物の搬入が多い地域へのパトロール班の増強や、夜間・休日を含めた監視日数の増加、スカイパトロールの区域の拡大など、監視体制の充実強化を図ったところですが、今後さらに、適正処理の実効性を高めていくためには、地域に根差した監視を強化することが重要であると考えております。 このため、県職員併任制度を導入している市町が行う監視パトロールに対し、引き続き支援を行うとともに、来年度は、特に、五月を不適正処理の重点監視期間に定め、住民ボランティアによる監視連絡員や、自治会、市町、警察等からなる不法投棄等連絡協議会とより一層の連携を図り、県下各地域において監視活動を強化してまいります。 また、近く運用開始する不法投棄の場所等を記した地図情報システムを活用し、不適正処理の早期発見・早期対応に向けて、関係機関との情報共有を図り、地域と一体となって取り組みを進めてまいります。 なお、お示しがありましたように、下関市への県外からの
産業廃棄物の流入や不法投棄が地域の問題として顕在化していることから、現在、県と市による協議会を設置しているところであり、引き続き、
産業廃棄物の適正処理対策を初め、
産業廃棄物税を活用した普及啓発や、三R活動の推進方策等について、検討・協議を重ねていきたいと考えております。
○副議長(新谷和彦君) 田邉教育長。 〔教育長 田邉恒美君登壇〕
◎教育長(田邉恒美君) 世界スカウトジャンボリーについてのお尋ねにお答えいたします。 ボーイスカウトの主催により開催されます世界スカウトジャンボリーやそのプレ大会となります日本ジャンボリーは、国内外のスカウトがきらら浜に集い、キャンプや体験活動、地域との交流活動を行うものであり、次代を担う本県青少年の健全育成や国際感覚などの醸成につながる絶好の機会でありますことから、県教委では、関係機関等と連携し、主催者が行う諸準備を支援しているところです。 また、国におきましては、本県の要望を踏まえ、国を挙げて支援することが、昨年十二月に閣議了解されるとともに、本県におきましては、大会PRや県民参画の機運醸成、本県の魅力の情報発信などのため、今月中に、行政、経済界、教育界等、関係各界が一体となった支援組織が設立されるなど、国・県ともに、大会に向けた支援の取り組みが本格化してまいりました。 県教委といたしましては、この支援組織の活動に積極的に取り組みますととにも、スカウトが県内の小・中・高等学校を訪問する交流活動につきまして、英語によるお互いの文化・生活の紹介、親睦を深めるためのゲームなど、具体的なプログラムの企画や、市町教委を初め関係機関との調整等を引き続き進めてまいります。 また、会場となりますきらら浜につきましては、関係部局と連携しながら、基盤整備に万全を期してまいります。 県教委といたしましては、
山口国体・山口大会やことし五月に開催されます全国植樹祭等のノウハウや成果も生かしながら、ジャンボリーの開催が本県青少年の国際理解の促進や豊かな国際感覚を備えた青少年の育成につながりますよう、主催者の取り組みを積極的に支援してまいります。
○副議長(新谷和彦君) 橋本尚理君。 〔橋本尚理君登壇〕(拍手)
◆(橋本尚理君) 私は、四議会続けて登壇をいたします、自由民主党新生会の橋本尚理でございます。 空白の四年間を除き、平成十七年十一月議会以来、九議会連続での質問となりますが、まずはこれを許していただきました会派の皆様に感謝を申し上げます。 しかし、これには理由があります。それは、私が暮らす平穏なまち岩国を突如襲った、平成十七年十月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)での米軍再編の中間報告でございます。これによると、厚木より空母艦載機が岩国に移駐するとありました。 我が家の玄関を出ますと、真正面に米海兵隊岩国航空基地があります。我が家の裏山は愛宕山でございます。 米軍機の騒音も聞かず、米兵に会うこともなく、愛宕山のふもとに住む小鳥たちのさえずりを聞くこともない人たちだけに、この議場で米軍再編や愛宕山問題を語っていただくのが、私には耐えきれないのであります。基地や愛宕山とともに日々の生活を送っている私が、県議として再び選出されたのは、地元の真実の声を県議会に届けるためだと理解をしております。 そこで、米軍再編や愛宕山問題が解決するまでは、私の県議としての責務において、本議会のたびに質問をさせていただくことを、まずもって皆様にお断りいたしておきます。 そこで、
二井知事の四期十六年間にわたる数々の御功績につきましては、来議会にて私の思いを申し上げさせていただきたいと思います。 それでは、早速、米軍再編と愛宕山問題についてお伺いをいたします。 一月末の岩国市長選で、福田市長が立派な成績で再選をされ、これで市民の対立が解消に向けて大きく動き出したと喜んでおりましたところ、突如、在沖縄海兵隊千五百名を岩国へ移転するとの報道がありました。すぐさま知事と市長は、断固反対の表明をなされました。 しかし、なぜあのような時期に報道されたのかと考えてみますと、知事の御認識とは多少の差異がありますが、私が思うに、山口県や岩国市は、専門家のだれもが実現不可能と知りながらも、特措法という大きなあめが欲しいと言っている。だから、少し大きなむちでも受けてくれるだろうと、米国が判断したに違いありません。 代表質問で末貞議員も指摘しましたように、国に特段の配慮を求める結果、私が一番恐れて議会で何度も訴えてきたことが、現実のものとなってしまいました。オスプレイの岩国配備もそうです。 日本及び東アジアの平和と独立を守るには、国全体で安全保障に対応すべきでありますし、今のシステムのままでは、これから先も当該自治体と国との間だけで、例えば、ここまで負担を受けるのに、まだ地域振興を図る特段の配慮が足らない。特別の措置が必要だなどと、あめとむちの奪い合いが延々と続き、結果、そこの住民には対立の構図しか生まれてきません。 そこでお尋ねをいたします。安全保障に関しては、システムを変え、まずは政府が、当該地域ごとへの対応ではなく、国の安全保障に協力する自治体にはこれだけのメニューを用意しています、どうぞ御自由にお使いください、いわゆる安全保障協力法の制定を強く要望すべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。 また、私は、岩国移駐容認へのハードルをこれ以上上げたり、今回のFCLP施設の整備のように、新しいハードルを次々と設けると、岩国が第二の沖縄になってしまい、日米同盟に亀裂が生じ、我が国の平和と独立が隣国から侵略され破壊してしまうと危惧しております。反安保の人たちの車に、私たちが同乗するわけにはいかないのであります。 何度か紹介しましたが、かつて嘉手納町長が、「自分のところへ来るのは、皆嫌だと言う。責任をとれとは言わないが、負担は嫌だという全国民に対し、腹立たしい気持ちがある」と述べられたように、基地負担だけを強調し、侵略の抑止力に一切触れないのはポピュリズムそのものであります。 昨日のオスプレイの岩国配備報道に対して、知事も「安全保障政策上の必要性からではなく、単に、我が国の政治的な思惑からの措置としか受けとめられず、違和感を感じる」と答弁をなされたように、私たちは、県民・市民である前に
日本国民であります。容認か反対かは、地域の負担がふえるとか減るとかだけで判断すべきではなく、我が国を含め、東アジア全体の安定・平和のために必要なのか、不必要なのかを十分に吟味した上で判断をしていただきたいと思います。あわせて知事の御見解をお伺いいたします。 さて、県が、米軍再編に直接かかわれるのは、愛宕山を米軍家族住宅等用地として売却するかしないかだけであり、沖縄県知事の立場とは大きな違いがあります。 さらに、県・市が容認しようがしまいが、国防上、厚木から岩国への移転は、計画どおり着実に進んでいくことは、多くの人が認識をしていることではありませんか。 しかし、知事は、海兵隊の一部岩国移駐が報道されると、直ちに愛宕山の国への売却を留保されました。続けて「事前に何の説明もなかった」とのコメントがありましたが、事安全保障に関して、地元との事前協議が果たしてできるのかなとの疑問も感じたところではあります。 しかもその後、野田総理大臣、玄葉外務大臣、田中防衛大臣が口をそろえて、「岩国に追加負担は求めない」と言及したのにもかかわらず、留保を続けておられますが、これは現政権を信用していないからなのですか、まずはお尋ねをしておきます。 次に、住宅供給公社の廃止に伴い、土地を保有したままで清算できると国の見解を確認できたから、まだ留保を継続するとのことですが、この継続により、岩国では一部の方々が再び活気づき、やっとの思いで対立の解消に向けて動き始めたエンジンが、逆噴射を始めてしまいました。 この議場におられるほとんどの人には直接関係のないことではありますが、もう対立はこりごりです。運動施設の完成を心待ちにしている市民も多くおられますし、どうかここらで政府を信用して留保を解除していただきたい、これは県民というより、愛宕山のふもとに暮らす住民としてのお願いでありますが、いかがでしょうか、お尋ねをいたします。 さて、先月、私は、米海軍が保有する十一隻の空母のうち、唯一国外の港を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンを視察してまいりました。 厚木から岩国に移駐される予定の艦載機が搭載されている空母であります。母港である横須賀港から空母に乗り込み、二時間にわたり米海軍横須賀基地の広報部長の説明を受けたわけですが、まず驚いたのが、今空母は横須賀港に着岸し、点検を受けております。そこで、原子炉の動力部分以外すべての点検を初めさまざまな業務に、日本人五千名が従事しているとのことでした。今、我が国に五千名もの人を雇用する工場が存在するのでしょうか。 今議会でも、県政の重要課題となっております雇用に関して言えば、超優良企業であります。現在でも米海兵隊岩国基地に多くの日本人が雇用され、多くの工事を国内企業が受注しています。 そこで、艦載機移駐に向け、今も進んでいます各種整備事業や、移転後の基地への日本人の大幅雇用も予想されますが、県としては現状と、今後予想される経済効果をどの程度試算されているのかお聞かせください。このことを市民は一番知りたがっているのです。 次に、当日いただいたジョージ・ワシントンの英文資料には、おおよそ八十機の艦載機を搭載できるとありましたが、広報部長の説明ですと「最大七十五機搭載するが、機数は確定をしていない。ただ通常は、五十機から六十機を搭載して行動している」とのことでした。 そこで疑問を感じました。岩国への移駐は五十九機とされております。仮にジョージ・ワシントンに六十機搭載されていたら、残りの一機は東アジアに緊張が走り、七十五機搭載されたら、残りの十六機はどこへ行くの、なぜ五十九という確定した数字が出てきたのかな、七十五よりは五十九のほうが反対が少ないだろうとの思いからでしたら、とんでもない話です。五十九機の根拠を県はどのように認識されているのか、お聞かせください。 次に、民空再開についてお尋ねいたします。 まずもって、国営空港でありながらも、駐車場の無料化を含め、数々の御支援をいただいた県当局に対し、地元住民の一人として感謝を申し上げます。 さて、今議会で知事の御答弁を聞き、県はおおむね開港時期を十二月上旬に設定されているなと認識をいたしましたが、地元では開港にあわせてさまざまな行事を予定しており、その準備の都合もありますので、過去の例によると六カ月前には決定しているようでございますが、一日でも早く開港日時を決定していただきますようしっかりとした御協議をお願いをさせていただきます。 さて、愛宕山への岩国医療センターの移転開院が、来年三月二十四日に決定をいたしました。ということは、それ以降は、柳井方面からの空港アクセスに最も有効なJRシティ電車の南伸への大きな障害がなくなることとなります。昨年八月議会での私の提言に、非常に重要であり、関係市町や経済団体ともしっかり調整をするとお答えをいただきましたが、その後の進捗状況をお伺いいたします。 次に、昨日、槙本議員も保護司の立場からの質問をされましたが、私も、平成七年に法務大臣より保護司の委嘱を受けて以来十七年間、更生保護活動を続けております。そこで、私は、保護観察対象者への就労支援についてお尋ねをいたします。 県内には、山口刑務所、岩国刑務所、美祢社会復帰促進センターがありますし、
二井知事も、平成八年九月から昨年三月まで十四年の長きにわたり更生保護法人山口県更生保護協会の理事長をお務めで、今もなお、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを地域社会で支えることを目的に法務省が提唱し、毎年七月に行っている「社会を明るくする運動山口県推進委員会」の委員長も務められておりますが、念のために保護観察について御説明をさせていただきます。 保護観察には、家庭裁判所において決定される少年への一号観察、少年院を仮退院した人への二号観察、刑務所など矯正施設を仮釈放された人への三号観察、保護観察つきの刑執行猶予判決を受けた人への四号観察などがあります。 我が国では、国家公務員である保護観察官と、民間人の保護司が協働体制で行っており、これを更生保護女性会、協力雇用主会、BBS会などのボランティアが支えております。ただ、その実務の大半を保護司に頼っているのが実情でございます。 ただ、不幸にも罪を犯した人が、更生し立ち直るには、地方自治体を初め地域社会の人々が、更生保護に理解を示し協力をすることが必要不可欠であります。 そこでまず、県の人権推進指針にも明記されてありますが、県の更生保護に対する位置づけ、さらに責務があるならお聞かせください。 さて、平成二十二年末現在、全国で保護観察中の人は四万四千九百十人、刑務所や少年院に入っている者は六万十一人、山口県内では、保護観察中の者が四百七十四人、県内を帰住予定地として刑務所や少年院に入所している者は五百二十一人に上っております。 また、昨年度、県内において保護観察が終了した人は五百三十九人でしたが、このうち、再犯や再非行を惹起して刑務所や少年院に再収容された人は、わずか三十六人で、率にして六・七%でございました。残りの九三・三%の人は、無事保護観察を終了しているという統計が出ております。 このことから、保護司は、再犯防止や対象者の更生に多大なる貢献をしていることをわかっていただけると存じます。 県内では、昨年末で八百三人が保護司として活動されておられますが、定員割れの状態です。ぜひ私たちと一緒に、究極のボランティアと呼ばれる保護司として更生保護活動の一翼を担っていただきますよう、皆様にお願いを申し上げておきます。 さて、平成二十三年版犯罪白書によりますと、刑務所からの出所者のうち、満期出所者の五三・四%、仮釈放出所者の三○%が五年以内に再犯をしています。 安心・安全な社会を実現するには、再犯者対策、とりわけ刑務所出所者の再犯防止は重要な課題であり、大きな社会問題でもあります。 そこで、善良な市民として改善更生するために極めて重要なことがあります。それは正業につくということであります。しかし、これらの人たちが働き、仕事を続けていくことにはさまざまな困難があり、容易でないのも現実であります。就労先が確保できず、再犯に至る人も多数いますし、保護観察終了時の無職者と有職者の再犯率を比較すると、有職者七・四%に対し、無職者は三四・三%と約五倍の開きがあり、無職者の再犯率の高さは顕著であります。 そこで現在、政府でも、犯罪対策閣僚会議のもとに再犯防止対策ワーキングチームが設置され、平成十八年度より、法務省と厚生労働省が連携し、刑務所出所者等総合的就労支援対策をスタートさせ、職場体験講習・トライアル雇用・身元保証システム等対象者を雇用した事業者に対する支援制度を導入し、前科・前歴を承知で雇用していただける協力雇用主の増強に取り組んでおります。 平成二十一年には、民間の就労支援組織「NPO法人全国就労支援事業者機構」、翌二十二年二月には、「NPO法人山口県就労支援事業者機構」が設立されるなど、地域の幅広い産業分野で対象者を雇用していただく取り組みを進めております。 さらに、地方自治体においても、大阪市、吹田市、東大阪市、枚方市では、自治体で保護観察対象者等を臨時的任用とはいえ雇用する制度を導入していますし、岩手県、宮城県、山形県、兵庫県、そして都城市が公共事業入札参加資格審査に対する優遇措置を導入し、栃木県、広島市、酒田市は、総合評価落札方式において優遇措置を導入するなど、地方自治体を挙げて就労支援対策に取り組んでおられる先進例もございます。 そこで、県内に三つの矯正施設を持つ山口県として、犯罪や非行をした人の社会復帰を支援し、ひいては安心・安全なまち山口を確立するために最も効果的である就労支援についての御認識と、今後どのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。 次に、里親制度についてお尋ねいたします。 不幸にして、両親と死別したり、両親から遺棄されたり、保護者がいても虐待や家庭環境に問題があるなど、家庭で生活することができなくなった子供たちは、家庭にかわる養育環境が必要となります。 我が国では、そのような子供たちの多くが、十八歳未満までは児童養護施設などの施設で共同生活をすることとなります。ただ、崇高な志を持った里親という方々に、親がわりとなり、家族の一員である里子として温かく育ててもらう子供も少なからずおります。 山口県においては、本年二月現在で十カ所に児童養護施設があり、定員総数五百六十八人に対して四百九十七人が入所しております。また、百三十二世帯が里親登録をし、四十六世帯に五十九人の児童が委託されておりますが、保護を必要とする子供たちの多くが、施設で生活をしているのが実態でございます。 児童養護施設といえば、私にはどうしても忘れられない方がおられます。それは、防府海北園の岩城先生です。もうお亡くなりになられましたが、厚生委員会で視察した際に聞いた、親の愛情に恵まれない子供たちを思う先生の熱い気持ちを今も忘れることはできません。 実は私の知人に、海北園で育ち、海北園を卒園し、結婚して娘ができ、その娘さんが今海北園にお勤めという方がおります。岩城先生の残された御功績にただただ感謝をするところでございます。 そこでまず、県下の児童養護施設と里親制度の現状及び課題がありましたら、県の御認識をお聞かせ願います。 私は、この問題には以前から強い関心を持ち、委員会でも何度か取り上げ、その結果、我が県ではおおむね問題なく推移しているものと思っておりました。 しかし先日、私の携帯に配信されたある記事を読んで驚嘆をいたしました。その記事は「藤川超え?新人市議は二十六歳タレント」との記事であります。 読まれた方もいらっしゃるかもしれませんが、去る二月十九日に執行された埼玉県新座市議会議員選挙で、立川明日香さんという方が、堂々の五位当選を果たされましたが、何と立川さんは二十六歳で、職業はタレント、しかも「美しすぎる市議」と呼ばれた青森県八戸市議藤川さんをしのぐ美人であるとありました。 ここまで読んだときは、また下世話な記事だなと不快感を抱いておりましたが、記事を読み続けていきますと、今度は自分が恥ずかしくなってきました。 記者の質問に、立川さんはみずからの生い立ちを語り、 私は両親の顔を知りません。都内の乳児院に預けられ、そのまま十八歳まで児童養護施設で育ちました。施設で育った子供は、継続的な人間関係を築けません。携帯電話の番号を変えても教えないで、そこで関係を絶ってしまいます。それは、決まった人に育ててもらってないから。職員は頻繁に交代するし、きのうまでいた仲間もある日突然引き取られたり、他の施設に行ったりで、身近な人がいなくなるのになれているのです。 高校時代は茶髪でスカートは学年で一番短く、遊んでばかりいました。それは、褒められて育っていないから自分に自信がない。でも自分を少しでもよく見せるためにそうしていました。 その後、短大に入学して、バイトでためたお金でアメリカに留学し、そこで人生を変える大きな衝撃を受けました。それはある大学関係者が、「うちの家族が中国人の赤ちゃんを養子にとったのよ。子供はいるのだけど養子にしたの」と聞き、日本では人種が違う子供を養子にとるなど考えられませんが、アメリカでは、親のいない子供の里親になることに対し、制度的にも雰囲気的にも何の障害もないことを知りました。そのとき「私も養子にもらわれたかった」と声の限り叫びたかったです。と語っておられます。 帰国後、モデル、結婚、出産、再びモデルと順風満帆の生活を送ってきたとき、自身の経験から「人間の根源である子供たちの精神が健康でなければ、大人になったときにいい社会はつくれない。私の育った養護施設や、私を拾ってくれなかった養子制度を変えたい」との思いで新座市議選に立候補し、見事当選を果たされました。 そして市議となった今、「アメリカでは、施設に子供を入れることは虐待だとみなされます。すべての子供たちが施設なんかで共同生活をさせられることなく、本当の親でも里親でも、一対一の関係で愛情を受けられるような仕組みをつくりたい。子供たちは施設ではなく、家庭で育てられる権利があるのだと、条例に書き込むことで里親制度をもっと普及させたい」と熱く抱負を語られていました。 この記事を読んで、山口県内ではおおむね問題なく推移していると思っていた私自身を実に恥ずかしく思い、申しわけないと感じました。 平成十三年十一月議会の
一般質問で、私は、繰り返される児童虐待を憂い、 子供たちは、真っ白いキャンバスを持って生まれてきます。そのキャンバスに絵をかくのは、親ではなく子供自身です。家族から愛情という絵の具をもらい、家庭・学校・地域の中ではぐくまれた経験という絵筆を使い、自由にキャンバスに絵をかいていきます。 しかし、虐待を受けた子供たちは、親によりキャンバスをずたずたに引き裂かれるか、真っ黒に塗りつぶされてしまうのです。こうした子供たちには、再び真っ白なキャンバスといろんな色の絵の具を与え、再び自由な絵がかけるように社会が支援しなければなりません。家庭が崩壊し、行き場を失った子供たちには、血のつながりによる家庭にかわる、愛情のつながりによる家庭を用意してあげる必要があります。と里親制度の活用を強く訴えたことを思い出しました。 そこで、私自身の反省を込め、お尋ねします。 私たち夫婦を含め、居場所のなくなった子供たちをサポートしたいと思っている人はもっともっといらっしゃるはずです。不幸な子供たちのために住み良さ日本一を目指す山口県ならばこそ、まずは児童養護施設入所者と里子の数の逆転を目指し、大胆な施策に取り組むべきだと痛感をいたしましたが、県当局の御見解をお伺いいたします。 最後に、教育問題についてですが、私はいつも感じていることがあります。それは今の子供たちは国歌を知っているのかな、歌えるのかなという疑問です。 子供たちのスポーツ大会に多く出席しますが、開会式では必ずといっていいほど国歌斉唱があります。しかし、子供たちが声を出して歌っているのを聞いたことがありません。保護者もそうです。来賓だけが歌っているのがほとんどです。 高校や小中学校の卒業式等でも、校歌は大きな声で歌っているのに、国歌は歌っているのかどうなのかわからないぐらいで、まるで国歌を歌うことが恥ずかしいと思っているのかなと感じざるを得ません。 自国の国歌を大きな声で歌えない者に、自国に愛情や誇りを持てるわけがありません。高校はもちろん小中学校でも国歌の意味をよく教え、しっかりと声を出して歌う教育をすべきと思います。 そこで、現在、県内の学校では、国旗・国歌の指導はどのように行われているのか、課題はないのか、そして今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 終わりに、先日、心臓の冠動脈バイパス手術を無事終えられた天皇陛下の一日も早い御全快をお祈りいたしますとともに、五月の全国植樹祭での両陛下による山口への行幸啓を心よりお待ち申し上げております。 なお、その際、昨年の国体時のように、宮内庁から「さすが、山口県」と再び言っていただけるように、奉祝行事を行うことをお誓い申し上げまして、私の一回目の
一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(新谷和彦君)
二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 私からは、米軍再編問題のうち、二点の御質問にお答えをいたします。 まず、基地負担を容認するか反対するかの判断についてであります。 私は、我が国を含む東アジア全体の安全保障上、どのような対応が必要かということにつきましては、外交・防衛政策を専管する国の責任において、国防方針や安全保障環境などを踏まえ、判断されるべきものであると考えております。 また、我が国の安全保障の観点から、さまざまな負担を引き受けることとなる自治体としては、国の外交・防衛政策を尊重し、協力する一方で、住民の安全で平穏な生活を確保する立場から、安心・安全対策や負担に見合う地域振興策などについて、国に対して言うべきことは言うという姿勢で具体的な協議を進めていく必要があると考えております。 私としては、こうした考え方のもと、今回の米軍再編につきましても、「基地機能の強化やNLPの実施は容認できない」「地元の意向を尊重する」という基本姿勢を堅持して、対処しているところであります。 次に、現政権を信用していないのか、また、政府を信用して愛宕山開発用地の売却留保を解除したらどうかというお尋ねであります。 私は、現在、愛宕山の国への売却を留保しておりますが、これは政府を信用していないということではなく、在沖縄海兵隊の岩国移転がどうなるかは、今後の日米両政府間の協議の中で決定されるものでありますから、この留保を解除するためには、日本政府だけではなく、米国政府からも岩国移転がないことを明確にされる必要があると考えているところであります。 また、これに加えて、今回、沖縄の再編案が切り離されるなど、平成十八年五月に日米合意された「再編実施のための日米ロードマップ」の大きな見直しがなされることとなりましたことから、これも既にお答えをいたしておりますが、外務・防衛両大臣に対して、再編計画全体を統一的なパッケージであるという考え方に変更があるのかどうか、また、空母艦載機離発着訓練施設の整備場所はどうなるのか、さらには、再編に対する県と岩国市の基本スタンスを尊重して対応していただけるかどうかについても、改めて確認をする必要があると考えております。 したがいまして、私といたしましては、今後の日米協議の動向や政府の対応状況を慎重に見きわめ、本県議会の意見もお聞きをしながら、岩国市とも協議をした上で、愛宕山開発用地の国への売却については適切に判断をしていきたいと考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
○副議長(新谷和彦君) 小松
総務部理事。 〔
総務部理事 小松一彦君登壇〕
◎
総務部理事(小松一彦君) 米軍再編問題と愛宕山問題についてのお尋ねのうち、まず、安全保障協力法についてであります。 お示しのありました安全保障協力法についてでありますが、県では、在日米軍基地を抱える都道県で構成する渉外知事会を通じて、基地対策に関する経費が地元に転嫁されることによって各地方公共団体の財政の圧迫をもたらさないための新たな制度の創設も含め適正な措置が講じられるよう、御提案の趣旨も踏まえ、既に国に対して財政的措置等の新設・拡充について要望しているところであります。 こうした制度は、基地を抱える自治体共通の課題であることから、県としては、引き続き、渉外知事会を通じて、その実現に向け、粘り強く国に求めてまいりたいと考えております。 次に、岩国基地の経済効果についてであります。 岩国基地内には、平成二十二年度末時点で約千二百名の日本人が従事しておりますが、空母艦載機移駐が実施された場合に、日本人従業員が増加するかどうかについては、国から、具体的な人数等は示されておりません。 また、お示しのように、岩国基地内では、現在、艦載機移駐に向けて施設整備が進められており、国に確認したところ、平成二十二年度においては、米軍再編関連工事として約三百四十二億円が発注されたところですが、今後の発注計画については不明であります。 基地が存在することにより、ある程度の経済効果はあると思われますが、その算出には、米軍が直接発注する工事の額、物品や役務の調達額、軍人・軍属が基地外に居住する場合の住宅賃借料、基地内工事に伴う雇用者の所得等、さまざまな基礎数値の把握が必要であり、これらすべての把握は困難でありますことから、県としては、基地に係る具体的な経済効果の試算は行っておりません。 次に、空母艦載機の移駐機数の根拠についてであります。 空母艦載機の移駐機数については、平成十七年十月の米軍再編の中間報告及びそれに続く平成十八年五月の「再編実施のための日米ロードマップ」の日米最終合意に至る過程で、県、旧岩国市及び旧由宇町からの国への照会に対し、国は「移駐する航空機は五十九機の予定である」と回答しているところであります。
○副議長(新谷和彦君) 山部
地域振興部長。 〔
地域振興部長 山部哲郎君登壇〕
◎
地域振興部長(山部哲郎君) 岩国基地民間空港の再開に関するお尋ねです。 お示しのとおり、シティ電車の岩国駅―柳井駅間の延長運行については、柳井方面から空港へのアクセスとして有効であることから、県では、昨年九月以降、JR西日本への要望に向けた課題等について、地元柳井市等と協議を行ってまいりました。 しかしながら、本年春のJR西日本のダイヤ改正では、利用者の減少を背景に、岩国駅と柳井駅間の減便が予定されるなど、シティ電車の延長運行については、非常に厳しい状況となっております。 こうした中、JR西日本に対して、シティ電車の延長運行を要望していくためには、地元が積極的に利用を行い、大幅に利用者が増大することが不可欠であります。 県としては、その状況等も踏まえながら、引き続き、地元関係市町等と要望に向けた調整を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(新谷和彦君) 渡邉
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長 渡邉修二君登壇〕
◎
健康福祉部長(渡邉修二君) まず、保護観察対象者への就労支援についての二点のお尋ねです。 最初に、県の更生保護に対する位置づけ等についてですが、法により、更生保護活動は、国の責任により実施するものとされ、地方公共団体は、「これに対して必要な協力をすることができる」とされております。 お示しの山口県人権推進指針においては、「罪や非行を犯した人への偏見をなくし、社会復帰に向けて関係機関等と連携・協力して啓発活動の推進に努めること」としており、「社会を明るくする運動」において、県下一斉の街頭広報活動などにより、罪を犯した人の更生等について、広く県民へ普及啓発を行っているところです。 また、矯正施設から退所した後、高齢や障害により自立した生活を営むことが困難と認められる方に対しては、県では、県社協に設置している山口県地域生活定着支援センターにおいて、保護観察所等との連携のもと、退所後直ちに福祉サービス等が利用できるよう支援を行っています。 次に、保護観察対象者に対する就労支援についてですが、お示しのとおり、犯罪や非行を犯した人の社会復帰を支援するためには、就労支援が何よりも重要であると認識をしております。 現在、更生保護事業の主体となる国においては、ハローワークを窓口として、刑務所や保護観察所等が連携し、職業相談や職業紹介、公共職業訓練の受講あっせんなど総合的な就労支援が実施されているところであり、県といたしましても、先ほど申し上げました山口県地域生活定着支援センターを活用し、こうした国の事業を紹介するなど、保護観察対象者の就労を支援してまいります。 次に、里親制度に関する二点のお尋ねです。 まず、児童養護施設と里親制度の現状と課題についてです。 県内の児童養護施設は、昭和二十八年以来、十カ所となっており、さまざまな事情から家庭で暮らせない児童のうち、その多くが児童養護施設で生活をしている状況です。 また、児童養護施設では、近年、虐待を受けた経験のある児童の数が増加していることから、心のケアを行う心理療法担当職員の配置など、ケア体制を充実してきておりますが、なお一層、きめ細かなケアが行える体制の整備が求められております。 一方、里親制度につきましては、ここ数年、里親の登録数、委託率ともに、順調に増加してきておりますが、里親委託に対する実親の同意を得ることが難しいことや、児童の抱える心の問題の複雑化などから、里親が対応に苦慮するケースも生ずるなど、里親委託を推進する上での課題もあります。 次に、里親委託をふやす取り組みについてです。 さまざまな事情で保護が必要な児童が、健やかに育っていくためには、できる限り家庭的な養育ができるよう、信頼できる大人との継続的な人間関係のもとで育てられることが重要でございます。 そこで、児童養護施設の入所児童と里子の数の逆転を目指してはどうかとのお尋ねですが、県としても、家庭的な養育を推進する観点から、里親委託をふやす必要があると考えております。 このため、市町や里親会と連携して、里親制度の普及啓発に取り組むとともに、児童相談所に「里親委託推進員」を配置して、新規里親の掘り起こしなどを進めているところです。 また、来年度からは新たに、施設と委託を希望する里親とのマッチング等を行うとともに、委託後に定期的に訪問を行い、里親からの悩み相談等に応じることができるよう、児童養護施設等に「里親支援専門相談員」を配置することとしており、今後、施設に入所している児童の里親委託が一層進むものと考えております。 県といたしましては、このような取り組みを通じて、今後とも里親への委託が増加するよう、児童養護施設や里親会等と連携し、積極的に取り組んでまいります。
○副議長(新谷和彦君) 田邉教育長。 〔教育長 田邉恒美君登壇〕
◎教育長(田邉恒美君) 教育問題についてのお尋ねにお答えいたします。 これからの国際社会を生きる児童生徒に、我が国や他国の国旗・国歌に対する正しい認識と、尊重する態度を育てることは重要であります。 このため、各学校におきましては、学習指導要領に基づき、社会科では、国旗と国歌の意義を理解させ、尊重する態度を育てますとともに、音楽科では、小学校入学段階から国歌が歌えるように指導しております。 また、入学式や卒業式等におきましては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導しております。 こうした中、児童生徒は、卒業式等におきまして、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、国歌を斉唱しているものととらえておりますが、それぞれの行事における国旗と国歌の指導に当たりましては、社会科や音楽科の指導との関連を図り、国旗と国歌を尊重する態度の育成につながるよう取り組むことが必要であると考えております。 県教委といたしましては、引き続き、各学校におきまして、学習指導要領に基づいて、児童生徒に適切な指導がなされるよう努めてまいります。
○副議長(新谷和彦君) 橋本尚理君。 〔橋本尚理君登壇〕(拍手)
◆(橋本尚理君) 再質問をさせていただきます。 今、御答弁をお聞きいたしました。おおむね私の想像したとおりの答弁であったわけでございますが、ちょっと二点だけ再質問をさせていただきます。 まず一点目、岩国基地の経済効果について、現在、千二百名の日本人が雇用されているという御答弁をいただきました。今の岩国基地には、おおよそ軍人・軍属合わせて三千二百名の方が働いておられます――働いてというか、アメリカ本土から岩国に住まれて、我が国の防衛のために働いておられます。 その方々のいろんなお世話をしている方が、日本人千二百人いらっしゃいます。厚木や普天間からの空中給油機含めてこの軍人・軍属が約二千三百人ふえると、大体五千五百人ぐらいになるのではないかと言われております。 現状から二千三百人ふえるわけでございますので、単純に考えましたら、新たに千人に迫る、千人近い雇用があるのではないかと予想されます。 今、新たに千人も雇用するような企業があるのでしょうか。今お子さんが中学生や高校生の親御さん、また仕事がなくて困っている方々は、楽しみにされておられると思います。 国から具体的な人数は示されていないとの答弁でございますけど、おおよそで結構でございます、そういう親御さんたちに明るい話題を与えていただきたい、国によく照会をしていただきたい、これは要望でございます。 質問は、経済効果、「基礎数値のすべてが把握できないので、試算は行っておりません」と言われました。行う気がないのか、それとも試算ができないのか、ちょっと今の答弁ではよくわからなかったんですが、やはり岩国市民が一番望んでいるのは、負の負担だけではなくて、プラスの要因があるのではないかということもあわせて、マイナス面だけではなく、プラス面も一緒にセットで、それこそセットで地元の人たちにいろんな情報を流していただきたい。すべての数値が把握できないので、試算しないじゃなく、どういう形でもいいから試算をしていただきたい。もう一度お尋ねをいたします。お答えをいただきたいと思います。 次に、保護観察対象者への就労支援につきまして、
健康福祉部長から御答弁をいただきました。人権擁護の点からも、健康福祉部としてできることは最大限やっていただきますよう、よろしくお願いをしておきます。 ただ、私が質問の中で先進例として紹介をいたしました、公共事業での優遇措置――入札制度やいろんなところで優遇措置をとられている先進県がございます。これに関しては何も御答弁で触れられておられませんでしたが、県は調査をされておるのか、検討されておるのか、御答弁をお願いしたいと思います。 最後に、教育長に要望でございます。 現在の国旗・国歌の指導状況御説明いただきました。ただ現実として、子供たちは声を出して歌っておりません。これが現実でございます。どうかこの現実を認識をして、今後とも御指導していただきますようにお願いを申し上げまして、再質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(新谷和彦君) 小松
総務部理事。 〔
総務部理事 小松一彦君登壇〕
◎
総務部理事(小松一彦君) 岩国基地の経済効果に関する再質問にお答えをいたします。 まず、試算ができるのかできないのかよくわからないと、プラス面の要因だけじゃなく――プラス面の要因もマイナスだけではなく、どういう形でもいいから試算を行って、市民に知らせるべきではないかという御質問でございます。 先ほど御答弁いたしましたように、経済効果の試算にはさまざまな基礎数値を把握する必要があります。 したがって、なかなか県や公共機関で把握できない数値もたくさんございますことから、十分把握することが困難ですので、現在試算はしていないというお答えをしたところでございますけれども、把握できる範囲の数値でどのような試算ができるか、今後岩国市とも協議をした上で、検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(新谷和彦君) 小口
土木建築部長。 〔
土木建築部長 小口浩君登壇〕
◎
土木建築部長(小口浩君) 保護観察対象者雇用に係る優遇措置導入の取り組みについて、入札参加資格審査あるいは総合評価落札方式における
取り組み状況についてのお尋ねでございます。 まず、建設工事の入札参加資格者における優遇措置の導入につきましては、今後、他県の
取り組み状況なども参考にしながら、実施の方向で検討してまいりたいと考えております。 一方の総合評価落札方式につきましては、これは公共工事の品質確保法という法律に基づき、企業の技術力を評価して落札者を決定するものでありまして、保護観察対象者等の雇用と、それから企業の技術力の評価との関係が明確でないという課題があるところでございます。 そうした中、優遇措置の導入につきまして、こちらのほうは今後の研究課題とさせていただければと存じます。
○副議長(新谷和彦君) 本日の
一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ─────────────
○副議長(新谷和彦君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時三十六分散会 ─────────────
地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。 山口県議会 議 長 柳 居 俊 学 山口県議会 副 議 長 新 谷 和 彦 会議録署名議員 笠 本 俊 也 会議録署名議員 新 藤 精 二...