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  1. 山口県議会 1998-09-01
    09月29日-03号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 10年 9月定例会   平成十年九月山口県議会定例会会議録 第三号      平成十年九月二十九日(火曜日)                              議事日程 第三号      平成十年九月二十九日(火曜日)午前十時開議  第一 会議録署名議員の指名  第二 一般質問  第三 議案第一号から第二十四号まで(質疑)                              本日の会議に付した事件  日程第三 議案第一号から第二十四号まで                 会議に出席した議員(五十人)                          柳   居   俊   学 君                          藤   田   典   久 君                          山   手   卓   男 君                          亀   永   恒   二 君                          吉   井   利   行 君                          末   貞   伴 治 郎 君                          伊   藤   博   彦 君                          桝   田   市 太 郎 君                          吉   田   和   幸 君                          湊       政   則 君                          横   山   豊   治 君                          伊   藤       博 君                          三   木   康   博 君                          石   﨑   幸   亮 君                          松   原       守 君                          西   本   輝   男 君                          塩   満   久   雄 君                          水   野   純   次 君                          加   藤   寿   彦 君                          友   田       有 君                          二   木   和   夫 君                          村   木   継   明 君                          宮   崎   泰   雄 君                          宮   﨑   幹   嗣 君                          佐 々 木   明   美さん                          田   村   茂   照 君                          中   村   泰   昌 君                          松   永       卓 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          桑   原   孝   行 君                          近   間   一   義 君                          藤   井       真 君                          島   田       明 君                          田   中       貢 君                          斉   藤   良   亮 君                          橋   本   憲   二 君                          守   田   宗   治 君                          中   島   修   三 君                          藤   谷   光   信 君                          稲   本   勇 一 郎 君                          武   田   孝   之 君                          竹   本   貞   夫 君                          平   田   和 三 郎 君                          河   野   博   行 君                          秋   野   哲   範 君                          村   田   哲   雄 君                          岸   田   松   治 君                          森   中   克   彦 君                          友   田   音   一 君                会議に欠席した議員(二人)                          浅   野   謙   二 君                          山   本   忠   由 君                欠員(二人)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          二 井 関 成 君                    副知事         小 河 啓 祐 君                    副知事         大 泉 博 子さん                    出納長         綿 屋 滋 二 君                    総務部長        古 谷 正 二 君                    総務部理事       河 野   勉 君                    企画振興部長      谷   晋   君                    環境生活部長      村 岡 正 義 君                    健康福祉部長      藤 井 俊 彦 君                    商工労働部長      前 田 隆 康 君                    農林部長        岡 野 幸 男 君                    水産部長        宮 本 義 則 君                    土木建築部長      辻   英 夫 君                    出納局長        福 田   修 君                    財政課長        生 沼   裕 君                    公営企業管理者     藤 井   寛 君                    企業局長        河 野 伸 之 君                    教育委員長       原 田 俊 一 君                    教育長         牛 見 正 彦 君                    公安委員長       小 田   保 君                    警察本部長       松 川 忠 晴 君                    代表監査委員      藤 村   實 君                    監査委員事務局長    水 上 武 雄 君                    地方労働委員会会長   安 井 達 雄 君                    地方労働委員会事務局長 杉 山 博 正 君                    人事委員長       山 田   悟 君                    人事委員会事務局長   野 村 照 男 君                    選挙管理委員長     津 田 正 人 君                 会議に出席した事務局職員                    事務局長        東   章   君                    事務局次長       村 田   博 君                    総務課長        村 田 修一郎 君                    調査課長        尾 木 俊 治 君                    秘書室長        大 島   収 君                    議事課長        片 山 康 正 君                    議事課長補佐      清 水 英 司 君                    主査兼議事係長     中 田   望 君                    記録係長        髙 田 賢 司 君                    主任主事        佐 伯 淑 子さん                    主事          石 橋 教 幸 君                    主事          安 達 香奈恵さん     午前十時開議 ○議長(河野博行君) これより本日の会議を開きます。 △日程第一会議録署名議員の指名 ○議長(河野博行君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 田中文夫君、吉田和幸君を指名いたします。 △日程第二一般質問 △日程第三議案第一号から第二十四号まで ○議長(河野博行君) 日程第二、一般質問を行い、日程第三、議案第一号から第二十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。西本輝男君。    〔西本輝男君登壇〕(拍手) ◆(西本輝男君) 皆さんおはようございます。自由民主党会派西本輝男でございます。 本日は、皆様方のお許しをいただきまして、一般質問の先陣を切らせていただきます。 さて、昨日は二井知事に対し、各会派の代表質問がありました。知事は、それぞれの質問をまことに真摯に受けとめられ、自信を持って答弁をされたところでございます。 知事におかれては、任期の折り返し点に当たる今、「やまぐち未来デザイン21」に掲げるプロジェクトを推進されるなど、積極、果敢に県政の運営に当たられるよう、今後とも期待する次第でございます。 私一議員といたしましても、来春の任期まであとわずかになりましたが、本県の発展のためなお一層、誠心誠意努力する所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げ、早速、私の質問に入らせていただきます。 まず、社会福祉施設の整備に関してお尋ねいたします。 来るべき二十一世紀に向けて、急速に到来する少子・高齢化社会への対応が国民的課題となる中、だれもが安心して老後を迎え、子育てに喜びや楽しみを持ち、地域でともに暮らしていくことのできる福祉社会の実現を図っていくためには、施設・人材といった福祉の基盤整備、とりわけ、高齢者、障害者の生活の場となる入所施設を初めとした各種社会福祉施設整備充実が極めて重要になっております。 こうした背景から、先般の国の総合経済対策においても、少子・高齢化に対応した社会福祉施設整備促進を図るため、新ゴールドプランを初めとした厚生三プラン関係施設の大幅な前倒し整備を実施することとし、当初予算の四○%に当たる七百四十八億円の追加補正を行ったところであります。 また、厚生省における来年度予算の概算要求においても、景気対策臨時緊急特別枠を活用した厚生三プラン関係施設前倒し整備が盛り込まれております。 こうした国における対応は、景気の早期回復を図ることを主眼としたものではありますが、少子・高齢化の急速な進展を踏まえ、増大する福祉ニーズに対応し、福祉サービス提供物的基盤を確保する観点からも、まことに時宜を得たものであるとともに、県が、社会福祉施設の整備を進める上で、大きなフォローの風が吹いていると言えるのではないでしょうか。 そこでお尋ねをいたします。 県として、こうした状況を踏まえ、このたびの経済対策への対応を含めて、今後のこの社会福祉施設整備など、どのように進めていこうとお考えなのか、お伺いします。 また、御案内のとおり、平成十二年度から介護保険制度の導入が予定されておりますが、県においては、この制度の円滑な導入・運営を図るため、各種介護サービス基盤の整備を進められており、特に、老人福祉施設の中核をなす特別養護老人ホームについては、高齢者保健福祉計画に掲げる整備目標の達成に向けて、努力されているところであります。 しかしながら、全国を上回るスピードで高齢化が進展している中で、施設サービスに対するニーズが一層高まってきていることも事実であり、在宅福祉サービスのバランスも考えながら、より前向きな取り組みが求められておるわけでございます。 そこでお尋ねをいたします。 県におかれては、既に在宅福祉サービスについては、目標を上回る整備に取り組むこととされておりますが、特別養護老人ホームについても、「高齢者保健福祉計画目標達成」という従来の方針にとらわれず、県民のニーズや地域の実情を踏まえ、一歩踏み込んだ対応をするお考えはないか、お伺いいたします。 次に、水産業の振興についてお尋ねいたします。 御承知のとおり、平成三年秋に端を発しました一連の信漁連問題につきましては、これまで、漁業者の皆様を初め、広く県民の皆様を巻き込んだまことに残念な不祥事でございました。 この問題には、長い時間を要しましたが、この六月議会において、早期是正措置対策収支計画などの再建見直し計画の審議を通して、一応の節目を迎えることができました。 このことは、当事者である信漁連を初め、漁協系統団体の皆様の幾多の御労苦のたまものと推察いたします。 また、この問題は、県政推進にとっても目の上のこぶであり、水産部を初め執行部におかれては、問題解決に膨大な労力と時間を費やされ、当県議会においても、本会議や委員会での審議に加え、たび重なる集中審議など、議長、副議長、農林水産委員長を初め、各委員、議員の皆様による精力的な審議が尽くされました。 私は、今日まで、漁協系統団体、行政、県議会がそれぞれの立場で真摯に取り組まれた結果が、原因の解明と再発の防止、さらには信漁連再建への道筋をつけることにつながったものと確信をいたすものであり、ここに改めまして、信漁連問題にこれまでかかわってこられました皆様方の御労苦に改めて敬意と謝意を表する次第でございます。 今後は、信漁連を初め、漁協系統団体におかれましては、その計画を着実に実行され、一日も早く再建されんことを、また、行政に対しましては、そのための適時適切な指導、支援を強く要望いたしておきます。 私も、県民の皆様方とともに、しっかり見守ってまいりたいと考えております。 さらに、執行部におかれましては、県議会とも一体となって、本来の水産行政に専念され、水産業及び漁村の振興に一層努力をしていただくことをお願いいたしまして、私からは、水産業の当面する三つの課題についてお尋ねをいたします。 さて、信漁連問題に明け暮れましたこの七年間、水産業界はどうかと申しますと、漁業者の高齢化や減少が進み、水揚げ高も減少し、非常に厳しい状況が続いております。 本県の水揚げ量も、平成三年に十八万トンあったものが、平成九年には九万トンと落ち込んでおります。 特に、本県を代表する下関漁港水揚げ量は、卸売業者の倒産という問題もありましたが、十万トンを大きく割り込み七万四千トンにまで落ち込み、元気をなくしております。 本県の水産業の再活性化は、とりもなおさず、県を代表する下関漁港が活気を取り戻すことに始まるのではないかと確信をする次第でございます。 あすの本県水産業に希望が持てるように、下関漁港の再活性化にどのように取り組まれようとされているのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、国の行政改革に関する水産大学校の存続問題についてお尋ねいたします。 水産大学校は、昭和二十一年に下関に開校されて以来、五十数年の歴史を有し、農林水産省所管我が国唯一の水産の高等教育機関として、水産業の発展に重要な役割を担っております。 御案内のように、二百海里体制が定着する中で、国際的な資源管理型漁業の確立が切迫した重要な課題となっておりますが、これらの時代に即応できる人材の養成に大きな力を発揮してきており、また、水産分野での基礎研究など試験研究と学術の中心的機能を担っており、地域の水産振興に大きく貢献しているなど、水産大学校の重要性はますます高まってきておるところでございます。 このような中で、昨年十二月、政府の行政改革会議の最終報告において、水産大学校が民営化、または、独立行政法人化の検討対象とされたことは、全くの驚きであり、水産関係者を初め、県民の皆様にも大きな衝撃を与えました。 このため、県におかれましては、議会、地元市町村関係団体とも連携をし、いち早く対処され、これまで政府、国会並びに農林水産省関係者に対して、水産大学校を国立機関として存置するよう強く要請されたことは、まことに時宜を得たものと関係者一同感謝しております。 申し上げるまでもなく、水産大学校は、共同研究棟など試験研究施設の整備や維持管理並びに総トン数二千トンの練習船・耕洋丸や七百トンの天鷹丸の運航管理などに多大な経費を要することから、民営化は即、廃校につながり、到底容認できる問題ではありません。 このため、県議会としましても、県の要望活動と足並みをそろえて、河野議長を初め、農林水産委員並びに下関選出の県議団であります「九星会」としましても、要望行動を起こすとともに、去る三月十八日の本会議において「農林水産省所管水産大学校存続に関する要望決議」を行い、政府、国会並びに農林水産省等に強く申し入れを行ってきたところであります。 しかし、行政改革に対する国民の声は日増しに強まっており、政府の対応に厳しい目が向けられている今日、水産大学校の存続にも影響を与えかねないと、強く懸念されておるところでございます。 そこでお尋ねします。 去る六月九日に「中央省庁等改革基本法」が成立し、既に三カ月が経過しておりますが、行政改革の議論はどのように進められており、今後予測される水産大学校の取り扱いについて、県としてどのように対処されようとしているのか、お伺いいたします。 次に、水産業における国際交流についてお尋ねします。 私ごとで恐縮でございますが、本年七月、山東省青島市を視察してまいりました。現地に赴き、山東省の水産の現状を視察し、遠洋漁業公司など水産関係者と話をさせていただいたわけでございます。 中国、山東省では、産業の振興、とりわけ水産業の振興に、いわゆる官民を挙げて取り組んでおり、底びき網、刺し網などの漁業や養殖業に目覚ましい成果が見られます。 下関漁港における水産物輸入の状況を見ましても、中国からの輸入のほとんどが山東省で、平成八年の輸入量は二千八百トンで、全輸入量の四六%と主要な位置を占めております。 しかしながら、中国の生活水準の向上により、国内消費が増加していることもあり、その量は少しずつ減少の傾向にあると聞いております。 山東省からの輸入をさらに増加させ、下関漁港に水揚げさせることが大きな課題の一つでございます。 また、中国の養殖は、貝類やナマコ、昆布など、いずれも日本に比べようもないほど大規模に行われており、特に、フクなどは、本県にとっても十分輸入商材として可能性が考えられるところであります。 一方、技術面では、近年、中国でも試験的に実施されている資源管理のための種苗放流技術や魚類の疾病に対する防疫技術など、日本に期待する声が強く聞かれておるところでございます。 また、中国から輸出される場合の鮮度保持にも難があり、技術交流の必要な点とされております。 このように、本県では、中国、とりわけ山東省からの水産物の輸入に大きな期待を寄せ、中国では水産技術面での日本への期待が大きいことを踏まえると、今後、日中の水産交流をさらに促進させる必要があると思うのであります。 幸い、山口県と山東省は長年友好関係にあり、水産関係でも、双方でさまざまな交流が進められております。 昨年五月、輸入水産物への異物混入の問題から端を発した話し合いの中から、山東省との水産物輸入水産技術の交流を促進するための山東省国際鮮魚販売漁業協会がこの八月に設立され、その設立大会に水産部長ほか訪中団が招待されたと聞き、まことに時宜を得た対応と心強くしたものでございます。 また、その代表機構が、下関市に設置される予定と聞いておりますが、中国との水産における交流が一段と促進されるものと期待するものであります。 この協会の代表機構の下関市への設置を契機に、今後、山東省との水産交流について、どのように進められるのか、お伺いいたします。 次に、米対策、とりわけ山口米の販売力の強化についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。 実りの秋を迎え、米につきましても、収穫の時期が到来いたしたところであります。 九月末に発表されたことしの本県における米の作況は、「やや良の一○二」となっており、日照不足や長雨、さらには、八月末に関東北部、東北南部を襲った集中豪雨などの影響で、芳しい作柄となっていない東日本の各地に比べれば、ほぼ順調なできばえではないかと思います。 また、米価の面では、自主流通米価格形成センターにより、八月末に発表された本年産米の第二回の入札結果を見ましても、平均落札価格は、昨年産米の最終入札結果に比べて五・六%の値上がりとなっております。 これは、過去最大規模の生産調整がほぼ目標どおり達成される見通しとなったことや、東日本を中心とした作柄不良などによるものと考えられ、本県の稲作農家にとりましては、やや明るい兆しと言えましょう。 しかしながら、今年度十月末現在の全国ベースでの米の在庫水準は、約三百八十万トンと見込まれており、現在、発表されている作況で試算したといたしましても、来年度の同時期の在庫水準は、依然として三百万トン前後になるものと予想されます。 こうした点を考えますと、来年も引き続いて、ことしと同程度の面積の生産調整が求められる可能性があり、また、銘柄別の需要実態の違いや大きな価格差が厳然としてあるという厳しい状況を踏まえると、産地間競争に打ち勝つために、山口米の販売力を強化していくことが必要であると思うのであります。 昨今のこうした米をめぐる厳しい時期におきまして、本県では幸いにも、独自のオリジナル品種である新銘柄米「晴るる」が登場いたしました。 この「晴るる」につきましては、今さら申すまでもないかと思いますが、本県農業試験場が七年の歳月をかけ、食味のよいコシヒカリと栽培が比較的容易で収量の安定しているヤマホウシとを交配して育成したものであります。 昨年三月には、品種登録の申請がなされ、県の奨励品種にもなっております。 ことし、この「晴るる」につきましては、中山間地域を中心に約七百ヘクタールで栽培が行われているようでありますが、生産者の方々に聞きますと、天候にも恵まれたことから、上々のできだと聞いております。 また、「晴るる」の市場への初お目見えに際し、この十月二日には出荷式もとり行われ、いよいよ本格的な販売戦線に参入していくわけであります。 しかし、よいものをつくったとしても、販売戦略を誤ると売れないのが今の時代でございます。 沈みがちな本県稲作農家の生産意欲を喚起するためにも、今こそ、山口米の販売力の強化に本腰で取り組んでいく必要があると思うのであります。 そこでお尋ねしますが、今後、「晴るる」を初め、山口米の販売力の強化に向け、どのように取り組んでいくお考えかをお伺いいたします。 次に、教育問題についてお尋ねします。 牛見教育長は、新教育長としての初議会において、本年三月末に策定された山口県教育ビジョンの実現に向けて取り組むことが、自分に課せられた最大の課題であるとされ、自分のこれまで培ってきた経験、知識をすべて結集してビジョンの実現に努め、二十一世紀の未来を担う意欲と活力あふれた人材の育成に努めてまいりたいとの力強い御決意を語られました。 「人づくり」の原点は、まさに教育にあります。今後の牛見教育長の取り組みに大いに期待をし、以下二点についてお尋ねいたします。 まず一点目は、子供たちの「教育の場」となる学校施設整備の問題でございます。 現在、国・地方を挙げて、財政構造改革が推し進められていることは御案内のとおりでありますが、本県においても、さきに公表された「中期財政見通し」に基づく財政健全化への取り組みにより、今後、公共工事全般について、事業量の確保がかなり厳しくなってくるものと予想されます。 しかしながら、こうした中にあっても、特に教育の場となる学校施設については、子供たちが一日の大半を過ごす生活の場であり、また、学習の場でもあることから、子供たちへの健やかな成長・発達を促し、豊かな人間性をはぐくむ観点から、できるだけ、快適かつ均質な環境を整えていく必要があるのではないかと思うのでございます。 昨日も議論がなされましたが、特殊教育諸学校においては、本年度、周南養護学校が着工されるのに続き、来年度からは仮称「山口養護学校」の建設に着手されるとのことであり、保護者を初めとした関係者の長年の期待を思うとき、今からその完成が楽しみであります。 しかしながら、既存の特殊教育諸学校や高等学校においては、多くの学校で老朽化が進み、改築・改修がまたれているのもまた事実でございます。 さらに今後、生徒の多様な学習のニーズに対応し、個性や創造性を伸ばすことができるよう、総合学科や単位制高校、中高一貫校等の新しいタイプの学校の導入を図るとも伺っており、こうした教育環境の整備については、現下の財政事情の中ではありますが、未来を担う人づくりを進めていく上でも、できるだけ計画的な推進を図っていただきたいと痛切に願うのでございます。 また、学校施設の整備自体に着目しても、工事種類が多分野にわたり、高い経済波及効果が期待できることから、地元中小企業を中心とした地域レベルの景気対策の側面からも、その成果が大きく期待できるものと確信をしております。 そこで、厳しい財政状況下ではありますが、教育環境の整備充実を図るとの観点から、今後、県立学校施設整備をどのように進めていかれるおつもりであるか、基本的な考え方を教育長にお尋ねいたします。 次に、子供たちに対する心の教育の柱の一つとも言える自然体験学習についてお尋ねします。 今日、家庭においては、少子化や核家族化により、兄弟や祖父母からさまざまな生活体験を学ぶ機会が減少し、また、地域社会でも地縁的な連帯が弱まり、人間関係の希薄化が進み、社会体験が乏しくなっております。 さらに、情報化の進展により、間接的な疑似体験がふえる反面、子供たちの心の糧となる自然体験などが失われ、生活のあり方が大きく変容し、小さいころからの心の成長にさまざまな影響を与えております。 こうした状況の中で、たくましく、心豊かな子供たちを育成するためには、学校教育においては、体験を通して自分で課題を見つけ、みずから考え判断し、主体的に行動して問題を解決していく力を身につけることが大切であると言われております。 ところで、先日、自分たちが植えた田んぼで稲刈りをしている小学生の報道を目にしました。子供たちのとても明るく伸び伸びとした様子に、私は、ほほ笑ましさとたくましさを感じたのでございます。 汗にまみれながら、友達と力を合わせ、稲刈り体験をした子供たちにとっては、きっと植物を育てていく過程の中で、豊かな心をはぐくんでいったのではないかと思います。 とりわけ、「心の教育」の重要性が強く指摘されておる昨今、生命との触れ合いやその成長にかかわること、あるいは、自然の雄大さや安らぎを満喫するなど、自然との触れ合いなどの体験を重視した学習を推進することが極めて大切であると考えます。 そこで、各学校において、額に汗し、生命あるものをはぐくむ体験や収穫の喜びを味わうことができる農林業等の体験学習など、さまざまな自然体験学習についてどのように考え、推進されようとしておられるのか、教育長の御所見をお伺いします。 最後に、下関地域における県立スポーツ施設の整備について、要望しておきたいと思います。 スポーツの振興を通じて、地域の活性化を図ることは、県政推進上極めて重要であり、下関市においても、地元住民の期待は大きなものがあります。 今後、地元の下関広域圏において検討すべき課題も種々ありますが、県における検討が一層進むよう改めて要望して、私の一般質問といたします。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野博行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 私からは、社会福祉施設の整備と水産業の振興について、お答えを申し上げます。 まず、このたびの総合経済対策への対応を含めた、今後の社会福祉施設の整備についてのお尋ねでございます。 お示しがありましたように、国におきましては、総合経済対策の一環として、少子・高齢化の急速な進展等を踏まえ、社会福祉施設の整備を一層促進することとし、新ゴールドプランを初めとした厚生三プラン関連の施設整備費として、総額七百四十八億円の補正予算措置が行われたところでございます。 こうした中で、本県におきましては、これまで高齢者保健福祉計画、児童環境づくり行動計画、障害者福祉長期ビジョンに基づき、計画的な施設整備を着実に進めてまいりましたが、介護保険制度の円滑な実施や今後ますます多様化、増大する福祉ニーズに的確に対応していくためには、国の予算措置や整備方針等を踏まえながら、各種福祉サービスの基盤となる社会福祉施設の一層の整備充実を図っていく必要があると考えております。 このため、県としては、厳しい財政状況にはありますが、このたびの国の総合経済対策に対応して、市町村や設置者等との調整を図り、特別養護老人ホームを初め、保育所、精神薄弱者更生施設などの創設、改築、大規模修繕等について、十一年度整備分の前倒し等により、施設の早期完成や機能拡充に向けた整備を積極的に進めることにいたしております。 とりわけ、高齢者の介護サービスを推進する上で重要な役割を担っております特別養護老人ホームにつきましては、本県の高齢化が高齢者保健福祉計画策定時の予測を上回って進行しておりますので、介護保険制度の円滑な実施に向けて、一層の整備充実を図っていく必要があると考えております。 したがいまして、地域における高齢者の実態や福祉サービスに対するニーズ、在宅サービス基盤の整備の状況等を的確に把握をし、整備計画の熟度等を総合的に勘案して、現計画の目標を上回る整備についても、積極的に取り組んでまいる考えであります。 今後とも、国の社会福祉施設の整備に関する予算等の動向を見きわめながら、地域における多様な福祉ニーズに的確に対応できるよう、市町村や設置者等との連携を図りながら、社会福祉施設整備充実に鋭意努めてまいります。 次に、水産業の振興につきまして、下関漁港の再活性化と水産大学校の存続問題について、お答えを申し上げます。 まず、下関漁港の再活性化についてのお尋ねでございます。 御指摘がありましたように、下関漁港は、水揚げ量が減少するなど厳しい状況にありますが、今後、山口県の水産業が元気を取り戻すためには、その中心をなす下関漁港の再活性化が緊急な課題であります。 このため、県といたしましては、平成九年十月に、産・学・官で組織をされた「水産都市しものせき活性化プロジェクト21委員会」から提案をされました「プロジェクト21振興戦略」を踏まえ、整備をすることにいたしております。 この振興戦略は、産地市場である下関漁港に加工品など各種の商材を取り扱う機能も付加をし、取り扱い量の増加や魚価アップにより、活性化を図ろうとするものでありまして、具体的なソフト対策につきましては、現在、卸売業者や仲買人など、関係者ごとに部会を組織し、集荷力の向上や購買力の強化などについて、協議、検討をいたしているところでございます。 また、ハード対策といたしましては、流通環境の変化に対応した施設の再編整備が必要でありますことから、急を要する正面進入路やトラックヤード、福利厚生施設などの整備に既に着手をいたしております。 平成十年度には、下関市の総合的な街づくりを視野に入れながら、漁港全体を見渡した基本計画を策定することといたしておりますので、今後はこの基本計画に即して、業界と行政が役割分担を明確にする中で、各種の補助事業を導入しながら、計画的に整備を図っていくことにいたしております。 今後とも、県としましては、地元下関市と一体となって、水産業界との密接な連携のもとに、水産都市下関がさらに活性化できますように、積極的に努力をしてまいりたいと考えております。 次に、国の行政改革の中での水産大学校の存続に関するお尋ねについて、お答えを申し上げます。 水産大学校は、昨年十二月の政府の行政改革会議最終報告におきまして、民営化の検討対象に掲げられましたが、私としては、同校が、お示しがありましたように、特色ある教育機関としての使命を果たしていくためには、今後とも国立機関として存置していくことが必要であると考えております。 しかしながら、中央省庁等改革推進本部での六月以降の審議状況を見ますと、行政改革に対する積極的な取り組み姿勢が打ち出されており、水産大学校が今後とも国立機関として存続することは、大変厳しい状況がうかがえます。 今後の動きにつきましては、本日の改革推進本部会議において、中央省庁等改革に係る立案方針が取りまとめられ、平成十一年一月には、行政改革関連法案及び基本計画に係る大綱の策定が予定をされております。 このため、改革推進本部で民営化等の対象機関が固まると推測をされます十二月までに、政府、国会並びに農林水産省関係者に対して、水産大学校が果たしている役割の重要性と、同校が民営化等になじまないことを強く訴え、理解を得る必要がありますので、全漁連等、全国組織とも連携し、関係者が一体となった強力な要望活動を展開していかなければならないと考えております。 県議会におかれましても、現在の厳しい状況を御賢察いただきまして、引き続き積極的な御支援を賜りますようにお願いを申し上げます。 その他の質問につきましては、関係参与員よりお答えを申し上げます。 ○議長(河野博行君) 宮本水産部長。    〔水産部長 宮本義則君登壇〕 ◎水産部長(宮本義則君) 私からは、山口県と山東省の水産交流を今後どのように進めるかとのお尋ねにお答えを申し上げます。 議員御指摘のように、新聞等でもいろいろ出ておりましたけれども、山東省国際鮮魚販売漁業協会の設立大会が、去る八月二十八日に山東省で開催されまして、日本側からは、ただ一つ、山口県の水産交流団が招聘されたところでございます。 協会の設立大会に先駆けまして、山東省海洋水産庁長と私が会談を申し上げまして、山口県と山東省の水産交流をさらに発展させることで合意をいたしました。 この合意に基づきまして、この秋、海洋水産庁長が山口県を訪問される際に、水産物輸出入の拡大、それから、水産科学技術員の相互交流、鮮魚販売船に対する管理の強化及び協会の日本側現地事務所の下関設置などをうたいました覚書を締結することが決まりました。 さらに、下関漁港への水産物輸入量の増加及び安定的な入荷につきまして、私から要望申し上げましたところ、協力する旨の回答を得たところでございまして、今以上の輸入促進に努めることによりまして、下関漁港の活性化に大きく貢献するものと考えております。 今後におきましては、下関に設置される協会の現地事務所を窓口といたしまして、下関の市場関係者と山東省の鮮魚輸出販売業者との、民間ベースの活発な取り引きが期待されることになりますが、県といたしましても、円滑な取り引きが促進されますよう、支援、助言をいたしてまいる考えであります。 次に、技術交流についてでございますが、既に団編成による交流団の相互派遣及び海外技術研修員制度による研修生の受け入れも長年にわたって行っておりまして、ここ五年間を見ましても、団編成による相互交流は、山口県、山東省合わせまして八団体、四十二人にも上っております。 海外技術研修員も、ほぼ毎年受け入れているところでございます。 こうした相互交流は、本県及び山東省の水産技術の向上に大きく貢献しておりまして、今後も引き続き、民間部門を含めたさまざまな技術交流を推進し、山口県、山東省双方の水産振興に努めてまいる考えであります。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 岡野農林部長。    〔農林部長 岡野幸男君登壇〕 ◎農林部長(岡野幸男君) 私からは、山口米の販売力の強化についてのお尋ねにお答えをいたします。 食糧法が施行されて以降、市場原理の導入や規制の緩和によりまして、流通が一層広域化いたしますとともに、産地間競争が激しさを増す中で、山口米の販売力の強化を図るためには、商品性の高い米づくりと流通・販売対策の強化が、これまで以上に重要であると考えております。 このため、コシヒカリ、晴るる、ヒノヒカリ等の消費者ニーズの高い食味のよい品種の作付拡大を一層進めますとともに、食味分析計を活用した食味の向上、乾燥調製施設の整備や倉庫の低温化によります品質の向上と均一化に努めるなど、競争力のある「おいしい山口米づくり」に向けた各般の生産対策を積極的に推進していくことといたしております。 また、流通・販売対策といたしましては、これまでも生産から流通・消費に至る関係者で構成いたします「山口米生産流通協議会」におきまして、消費者等のニーズを把握いたしますとともに、「あじいしん」や「晴るる」のパッケージデザインの決定やリーフレットの作成等の販売対策に取り組んできたところでございます。 特に、今後におきましては、まず、県民の方々に産地情報を提供する「山口米だより」の発行や山口のおいしいお米の祭り、これは、「米・米フェスタ」と称しておりますけれども、これらの開催等によりまして、山口米に対する消費者の理解と評価を高める取り組みを強化すること、また、「あじいしん」や「晴るる」を初めといたします山口米愛用の統一キャンペーンの実施やポスター、パンフレット等の販売促進資材を提供する等の支援を行いまして、卸・小売業者の皆さんと一体となった取り組みを推進することといたしております。 さらに、現在、県経済連が進めております山口米の圏域拠点施設であります「山口米センター」の整備を積極的に支援することによりまして、このセンターを中心に産地、流通業者と連携しながら、生産・販売に関する情報管理システムの構築、優良種子の供給と産地での精米によりますブランド化の推進や新商品の開発等を進めまして、山口米の市場評価の向上と販路の拡大に努めていくことといたしております。 今後とも、生産者団体、流通関係者との緊密な連携のもとに、お示しのありました山口米の販売力の強化に積極的に取り組んでいく考えでございます。 以上であります。 ○議長(河野博行君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 教育問題につきまして、二点のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず第一点は、県立学校整備の基本的な考え方についてでございます。 県立学校、とりわけ、高等学校につきましては、生徒急増対策もございまして、昭和三十年代後半から昭和四十年代にかけまして集中的に建設をされております。 それらが、一斉に建てかえ時期を迎えることになるわけでございます。このため、御指摘のとおり、今後、相当規模の改築・改修が見込まれているところでございます。 県教委といたしましては、これまでも、快適で安全性の高い教育環境の整備を図る観点から、こうした老朽校舎の改築につきまして、事業量の平準化を図りつつ、耐震対策等も含めまして、計画的な整備に努めてきたところでございます。 お示しのとおり、現在の厳しい財政状況下におきましては、事業量の確保を図っていくことが、次第に難しい状況になりつつありますことは事実でございますが、今後ともコスト縮減による合理化策、さらには、大規模改造事業による耐用期間の延長、また、空き教室の活用等の工夫を凝らしつつ、優先度等を勘案の上、子供たちに快適な学習の場を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。 特に、総合学科や単位制高校、さらには、中高一貫校等の新しいタイプの学校の導入につきましては、山口県教育ビジョンにおいて、主要プロジェクトに位置づけておりまして、魅力ある学校づくりのために今後積極的な推進を図ることといたしておりますことから、多様な学習ニーズに対応し、生徒の幅広い選択が可能となるよう、施設整備に鋭意努めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、今後の県立学校の整備につきましては、厳しい財政状況下にありましても、できる限りの創意工夫を凝らしまして、時代の進展に対応した整備を進めますとともに、児童・生徒一人一人の主体的な学習を促し、個性や創造性を伸ばすことのできる施設づくりを着実に進めていく所存でございます。 次に、自然体験学習についてのお尋ねでございます。 現在、子供たちの体験不足が、健全な心の育成にとってさまざまな弊害をもたらしているのではないかとの指摘がなされまして、今後の教育のあり方に大きな課題を投げかけているところでございます。 この課題を解決するためには、お示しのとおり、子供たちに幼児期からの豊かな自然体験や生活体験等を通して、生きる力の基礎や温かい心の育成など、望ましい人格形成の基礎を培うことが大切であります。 私は、子供たちは、自然や人、社会との触れ合う体験を通しまして、感動したり、驚いたりしながら、実際の生活や社会、自然のあり方を学んでいくものであり、このような体験で得た知識や考え方をもとに、たくましく生きる力を身につけますとともに、豊かな心をはぐくんでいくものであると、このように考えております。 そこで、県教委といたしましては、このたくましく生きる力と豊かな心を教育ビジョンの中で、「三つの力」と「三つの心」としてお示しをいたしまして、各種の施策を展開しながら、その育成に努めているところでございます。 具体的な施策の一つとして、「心豊かな子どもたちの育成プロジェクト」がございますが、これは、すぐれた芸術・文化や人、自然、社会などと触れ合う体験活動を通しまして、現在、さまざまなその課題があるわけでございますが、その課題解決に向けて、実践的な研究を進めることにいたしておるところでございます。 従来からも、各学校におきまして、地域との密接な連携によりまして、米づくりや茶摘み、紙すき、シイタケ栽培など、その地域の特色を生かした自然体験学習を行っておりまして、また、最近では、小学生が農業高校の田畑を利用いたしまして、高校生の指導を受けながら農業体験学習を行うなど、学校間の連携を図りながら体験学習に取り組んでいる実例もございます。 このように、体験活動を行うことは、子供たちの勤労の大切さや作物を育てる苦労や喜びを知るという、そういったいい面の上に、地域の人々や先輩と触れ合う中で、心豊かにたくましく生きる力をはぐくむことになるものと考えておるところでございます。 今後、これらの実践事例をまとめますとともに、その成果を県下の各学校に広めまして、自然体験学習を含めたさまざまな実践活動を取り入れた教育を一層推進をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 亀永恒二君。    〔亀永恒二君登壇〕(拍手) ◆(亀永恒二君) 私は、九月定例議会に当たり、県政クラブとして、県政の諸課題について、知事及び関係参与に対し御質問をいたしたいと思います。 まず、男女共同参画社会の実現についてお尋ねいたします。 男女平等が憲法にうたわれ、半世紀を刻んだ今日において、男だから、また女だからといった、見えない枠組みから自由になれない多くの者がおりますことは御案内のとおりであります。 時代の流れに懸命に追いつこうとしながらも、たわいのない会話の中で何かの調子で男女の役割分担の固定観念から来る言葉が出てくる、私もその一人であります。 悪気がないのだからとか、昔からの慣習みたいなものだからといった言いわけは通用しないのは当然であります。 実は、この件に関しまして多くの後援会の方々に話したところ、最初は不思議そうな顔をしていましたが、トップマネジメント機能を強化し、男女共同参画社会の実現を初めとする新しい県づくりに向けた行政運営の展開といった大役を担って就任された大泉副知事の話題では議論が盛り上がり、政策決定の場への女性の登用や雇用機会の均等、さらに待遇面の平等などの対策に関することまで展開した次第であります。 女性行政は男性問題と言われるように、固定観念からの脱却は、その人個人の意識の中のものであり、繰り返しての啓発活動が大切でありますが、例えば、審議会委員の登用や職域の拡大など、機会均等を促す意味からしても強引に進めていかなければならないことであると考えます。 現在、国において、男女共同参画社会の実現に関する基本的な方針、理念等を規定して、男女共同参画社会の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目指した、仮称「男女共同参画社会基本法」を来年の通常国会に提出されるよう作業が進められていることを伺っております。 この作業の中でも、先ほど申し上げたような特別な機会を提供し、実質的な機会均等を確保する積極的参画促進措置の必要性が議論されていると聞いており、その成り行きに注目しているところであります。 おのおのが能力と個性を生かして価値を創造していくことが求められている今日、これを解き明かすキーワードは、男女共同参画社会そのものであると言えます。 そこでお尋ねしますが、知事は、男女共同参画社会の実現に向けて、この三月に策定された「やまぐち男女共同参画プラン」の積極的な推進を表明されていますが、これを実効性あるものとするためには、きめ細かさと大胆さを組み合わせた施策展開が不可欠であると考えますが、この点についてどのように取り組まれようとしているのか、御所見をお伺いします。 次に、福祉に関する質問ですが、去る九月十五日の敬老の日を前後して県内各地で記念行事が催されましたが、私も地元の行事に出席させていただき、高齢者の方々と楽しい時間を過ごさせていただきました。 このような行事には、比較的元気なお年寄りが出席しておられるわけでありますが、そうした方々の明るい笑い顔を見ると、改めて健康であることのありがたさを感じた次第であります。 高齢者福祉の問題では、現在、介護保険制度の導入に向けた諸準備が急ピッチで進められており、県、市町村を初め関係の皆様方の御労苦に対しまして心から敬意を表する次第であります。 高齢者の介護が、保険制度の対象となること事態が高齢化の進展と高齢者の介護の普遍化を象徴しておりますが、高齢に伴って身体機能が低下してくることは避けられないことであり、介護保険制度の対象とならないまでも、老化に伴い、何らかの手助けを必要とする高齢者が数多くいらっしゃることも、行政は視野に入れていただきたいのであります。 核家族の進展とともに、このような虚弱な高齢者が自宅でひとり暮らしや夫婦だけの生活をしておられる状況を見受けますが、こういう方々が住みなれた自宅で、できるだけ健康を保ちながら、できるだけ生きがいを持って生活していくことができてこそ、本当の長寿社会ではないかと考えております。 ここでは、自宅、健康、生きがいがキーワードとなっております。 このうち、高齢者の健康について、高齢になってからの問題というよりも、若いときからの積み重ねが重要であり、個人個人が将来を見据えて自己管理に努めていくことが必要であることから、県が現在進めておられる「健康やまぐち」の創造のための取り組みに期待をしているところであります。 一方、自宅、生きがいに関しては、まさにこれから一層の在宅福祉の推進により積極的に取り組んでいくべき課題と考えられ、高齢者が自宅で生きがいを持って生活できる仕組みづくりが求められているのであります。 そこでお尋ねをいたしますが、県は、介護保険制度の対象とならない在宅の虚弱な高齢者に対する支援をどのように進めていこうとお考えなのか、また、高齢者が生きがいを持って自立した生活を送っていくためにどのような支援をしていかれるのか、あわせてお伺いをいたします。 次に、公共関与による産業廃棄物広域最終処分場の整備促進についてお尋ねをいたします。 御案内のとおり、産業廃棄物の処理については事業者責任が原則であり、本来、排出業者あるいは処理業者が取り組むべきものでありますが、近年、環境意識の高まる中で、個々の民間業者による最終処分場の整備は極めて困難な実情にあります。 このため、排出業者等においては、産業廃棄物の排出抑制、再生利用の促進等に努めるとともに、既存の埋め立て最終処分場の延命化など、努力を重ねているところでありますが、近い将来、処分場が満杯となることは必至であり、もちろん、公共関与によるものとはいえ、地域の合意形成、資金の確保など、多くの困難な課題があることは十分承知をしておりますが、このまま事態が推移すれば、本県の産業の牽引車たる役割を担う周南工業地帯の産業活動に重大な支障を来すことにも成りかねません。 こういった事態を危惧した我が同僚議員は、さきの六月定例議会において、周南地域における公共関与による広域最終処分場の候補地の正式発表をいただきたい旨の質問をいたしましたところ、環境生活部長から、徳山下松港港湾計画に位置づけられている新南陽港区のN7埋め立て計画地及び徳山港区のT10埋め立て計画地の一部活用を検討している旨の答弁がなされております。 この候補地に関しては、内陸部における最終処分場の整備は極めて困難であることから、私も、臨海部であるN7及びT10を活用しようとする方針は諸条件にかなったものと考えております。 早期実現に向けて積極的な取り組みに期待をしているところであります。 これからの広域最終処分場の整備を進めていく上では、事業者責任の原則を担保する観点から、事業者に対しても応分の負担を求めることは不可欠でありますが、今後、事業主体として設立されるであろう第三セクターへの県の参画はもとより、整備資金の調達や適正搬入料金の設定、さらには、周南地域の安全性の確保などを勘案すれば、県のリーダーシップによる取り組みが整備促進のかぎを握っていると、私は考えております。 そこでお尋ねしますが、周南地域における公共関与による広域最終処分場について、現時点での進捗状況を含め、今後の取り組み方針をお伺いをいたします。 次に、農業・農村の振興、特に農業集落排水の整備についてお尋ねをいたします。 昨今の我が国の景気は、金融機関の不良債権処理の問題等により大変厳しい状況に置かれております。 八月に発表された地域経済動向においては、堺屋経済企画庁長官が異例の日本列島総不況宣言を行ったほどであります。 こうした不況打開に向けてさまざまの対策が講ぜられようとしている中で、これまでその最も有効な即効薬と考えられてきた公共事業について、工事の設定単価や事業の配分をめぐってホットな議論が交わされております。 先般、首相直属の諮問機関として、中長期的な視点から日本経済の再生方策等の提言を求めるため、アサヒビール会長の樋口廣太郎氏を議長とする「経済戦略会議」が発足いたしました。 この経済戦略会議の中でも、今後の我が国の経済再生を進める上で緊急性かつ重要性の高いテーマの一つとして、公共事業の配分比率の抜本的見直しが取り上げられることになっております。 とかく、この配分が硬直的であると批判の強い公共事業を質的に転換し、景気浮揚につなげたいとの意向があるものと思われます。 このように、公共事業についていろいろと取りざたされ議論されている中ではありますが、私は、これまで常々、農業農村整備への取り組みの重要性を訴えてまいりました。 間近に迫った二十一世紀の本県の農業・農村を考えるとき、生産基盤及び生活環境基盤の一体的な整備が不可欠だと思うのであります。 中でも、農村地域の快適な生活環境を実現する下水道、すなわち農業集落排水事業の整備は、特に重要な課題であると考えております。 農村地域の生活環境のおくれは、農村地域への定住や新規就農者の確保を図る上で大きな阻害要因であります。 次の世代を担う農業者の確保のためにも、生活環境基盤の整備を図り、快適で豊かな農村を建設しなければなりません。 ぜひとも県として農業集落排水事業の積極的な推進をお願いしたいと思います。特に、地元では既に着工している箇所の整備進度を早めてほしいとの声も聞いております。 新規箇所の採択もさることながら、継続事業の完成により事業効果が早期に発揮されることへの期待も高まっております。 そこでお尋ねしますが、農業集落排水事業の促進、とりわけ、着工箇所の事業促進に向けて今後どのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いをいたします。 次に、水産業の振興についてお尋ねをいたします。 本県は、日本海、瀬戸内海と、それぞれ特色を持った豊かな海に面しており、津々浦々で新鮮な旬の魚が漁獲され、県民の皆様の食卓を彩っております。 漁業が地域の重要な産業であるということは言うに及びませんが、一方、水産物は良質のたんぱく質を初め、カルシウム、ビタミン、ミネラル等の栄養成分に加えて、頭がよくなるというDHAなど、有用な成分をも含んでおり、健康で豊かな食生活を支えてくれる重要な資源でもあります。 私の地元であります瀬戸内海東部海域では、屋代島を初め大小六十余りの島が散在しており、海岸線は屈曲に富み、海底の地形も複雑で岩礁や瀬も多く存在しています。 さらに、この海域は豊後水道からの暖流の影響を受け、外洋的な性格も有しておりますから、変化に富んだ好漁場を形成しておりまして、小型底引き網、船引き網、刺し網等々、各種の漁業が行われ、また、最近は観光地引き網や漁船に乗りタコつぼ漁を行うなど、体験漁業、さらに周遊観光船の就航など、新しい瀬戸内海の自然を生かした観光やレクリエーションと結びついた新たな漁業の展開もなされているところであります。 しかしながら、当地域は小規模な漁家が多く、漁業者の高齢化や減少に伴い、最近の漁獲動向は減少傾向にあります。 さらに、水産物消費が伸び悩む中で、景気の低迷や輸入水産物との競合により魚価は低迷していることから、漁業経営は圧迫されている状況にあります。 加えて、当該地域は離島や半島という地域性と近隣の市場がいずれも小規模であることから、大半の漁獲物は個人による出荷、もくしは仲買業者へ直接販売されるほか、運送業者に委託されるなどして、他の大規模な消費地市場等へ出荷されています。 このため、運搬経費などの出荷経費がかさみ、離島など高いところでは約三○%にも及んでおり、漁業経営は一段と厳しいものとなっております。 新鮮でおいしい水産物がとれるにもかかわらず、地域的な条件、制約から高い流通コストがかかる状況を少しでも改善し、漁家収入をふやすことが何よりも重要であります。 このため、効率的な出荷・販売体制を整備することが不可欠であると考えるのであります。 そこでお尋ねしますが、県として、瀬戸内海東部地域の流通改善を図るため、どのように取り組まれようとしているのか、御所見をお伺いします。 次に、道路行政についてお尋ねします。 上関町は、室津半島地域の先端にあり、瀬戸内海の美しい景観と温暖な気候に恵まれながらも、半島という地形的な制約から、地域振興を進めていく上で道路は重要な社会基盤となっております。 しかしながら、圏域中心都市である柳井市と連絡する幹線道路は県道光上関線のみであり、県道柳井上関線は池の浦から大津間が交通不能区間でありました。 平成三年の台風十九号により、県道光上関線が多大な被害を受け、相当の期間にわたり通行どめとなり、町民の生活に大きな支障を生じたことはよく御承知のことと存じます。 また、平成七年の阪神淡路大震災においても、幹線道路の被害により住民の生活を守るため、代替道路の重要性が大きくクローズアップされたところであります。 そのようなことから、県御当局により、交通不能区間の解消のため、池の浦地区におけるトンネル工事に着手され、この十月二十二日に開通式を迎えることは、地元住民の方々の生活環境の向上を初め、周辺市町との相互交流の拡大、異常気象等の代替道路の確保等、地域社会に対する貢献度は大なるものがあります。 しかしながら、町道尾国阿月線の完成により改善は見られましたが、なお県道柳井上関線のうち国道一八八号から阿月に至るまでの間には、まだまだ相当の区間が未改良であり、圏域中心都市の柳井市との交流・連携を図り、周辺町の活性化を促す上で、この幹線道路の整備が不可欠であり、引き続き早急に整備の必要があると思うのでありますが、この改良計画について御所見をお伺いします。 また、開通を迎える池の浦トンネルから室津間は、いまだ幅員狭小、線形不良の区間も多く見受けられますが、今後、県・町が一体となって、さまざまな観点から半島地域の自然を生かした、皇座山、キャンプ場等の観光資源及び豊富な水産資源の活用等による地域の活性化を図る振興策が行われることにより大型車等交通量が増加することが予想されますので、池の浦トンネルから室津間の整備についても、地域振興にあわせて検討していただくよう要望しておきます。 最後に、教育長にお尋ねをいたします。 御承知のように、我が国はこの十年間近く、やみ夜の荒波に海図のない航海を続けているようであります。 政治、金融経済を初め、国土地域また農林漁業、企業全般さらには家庭、そして学校・学級などなど、大方の分野において、混迷、減退、崩壊、破滅等の重大な危機的な状況にあり、極めて憂うべきことであって、国民のだれもが真剣に持ち分に応じた責任を果たさなければならない事態に立ち至っていると認識すべきであろうと考えます。 このようなとき、知事は、さきに県民に対して、明るく大きな、しかも大変な困難を伴うであろう夢と希望を実現しようと、その具体的な計画を公表され、二十一世紀の県づくり指針であるやまぐちデザインの基本目標を、「二十一世紀に自活できるたくましい山口県の創造」と位置づけて、自活・共生の推進理念をお示しになりました。 まさに時宜を得たものであり、この計画目標の着実な前進と成功を期待する次第であります。 ところで、いかなる立派な整然とした計画、施策といえども、その基本は担い手であり協力者である「人」であり、また、「人づくり」が極めて重要であることは申すまでもありません。しかも人づくりは言うはやすく、簡単に安直に養成することは甚だ困難でありましょう。 私は、かねて、人づくりの基礎は幼少年期の家庭、そして地域社会に始まり、この初期段階における人間をつくるもろもろの対応がおろそかにされると、続く学校教育、社会人教育等は「さいの河原の石積み」のごとく、第一の崩壊に悩むことに直面するのではないかと危惧をいたしております。 今、私どもの目前には衣食足りて礼節を知るに至らない、忌まわしい実例が余りにも多くあることに慄然といたします。 まじめな勤労を軽視し、すべてを遊び感覚で色づけしないと魅力に欠け食欲をそそらないとする今様のセンスたるものを考え直す必要はないかと、疑問を覚えます。 単に欲望を刺激し挑発する傾向が蔓延する世相が、明るくたくましい建設的な二十一世紀の展望を開くことに通ずるはずがありません。 改めて、勤勉を尊重しない社会は退化するとの警告に謙虚に耳を傾け、肝に銘じ、大衆に迎合する享楽人は拒否する姿勢が重要であると考えます。 さて、これまで人づくりについての基本的な視点を私なりに申し述べましたが、中でも、人がこの世に生を受けて最初に影響を受ける家庭における教育が極めて重要であることを考えるのであります。 そこで、乳幼児期における家庭教育をどのように支援されようとしておられるのか、教育長にお尋ねをいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(河野博行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 私からは、男女共同参画社会の実現と在宅高齢者対策についてお答えを申し上げます。 まず、男女共同参画社会の実現についてでございます。 お示しがありましたように、私も男女がともに個性と能力を生かしてさまざまな分野に参画をし、生き生きと活躍する男女共同参画社会の形成が、個性豊かで魅力ある県づくりに重要であると考えておりまして、デザイン21におきましても、県政の重要政策課題の一つに位置づけております。 また、本年三月には、「やまぐち男女共同参画プラン」を策定をいたしたところでございます。 このプランには、「人権尊重の視点に立った男女平等の推進」など、四つの基本目標を掲げておりますが、推進に当たりましては、大泉副知事の担当とし、諸施策を総合的かつ積極的に展開をいたしております。 特に、固定観念の払拭や男女共同参画社会の必要性等につきましては、県民各層への幅広い周知と普及啓発が重要でありますことから、プランスタートの年に当たりまして、新たに十月を「男女共同参画ハーモニー月間」として定めますとともに、テレビスポット、街頭キャンペーン、推進キャラバン、地域フォーラムなどを実施するということにいたしております。 また、地域における学習や意見交換の場として、十人以上のグループ・団体等を対象にした「やまぐち男女共同参画プラン出前講座」を開設するなど、きめ細かい啓発も行っております。 一方、県の審議会等における女性委員の登用などの積極的参画促進措置につきましては、二○○○年までの目標である二○%に対し、現在、一八・三%となっており、一定の成果を見ているところでありますが、今後、二○一○年の目標である三○%以上の実現に向けて、積極的に取り組んでいきたいと考えております。 なお、今月初めに「男女共同参画推進拠点機能整備のあり方検討委員会」を設置いたしまして、男女共同参画社会の実現に向けて、県民各層への普及啓発とともに、県民の自主的、主体的な活動を総合的に推進する拠点機能の整備について検討を行っているところであります。 今後とも、プランの総合的、効果的推進のために、やまぐち男女共同参画プラン推進本部を中心に、市町村、関係機関、関係団体などと緊密な連携を図りながら、男女共同参画社会の実現に向けて、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。 次に、在宅高齢者対策についてのお尋ねでございます。 お示しがありましたように、長寿化・高齢化が進みます中で、高齢者ができる限り住みなれた家庭や地域において、健康で生きがいを持って自立した生活を送られるような地域社会づくりを進めることが重要であります。 このため、県といたしましては、これまでも市町村や関係団体と連携をしながら、虚弱な高齢者の在宅生活を支援するため、給食サービスの実施や緊急通報機器などの日常生活用具の普及等に努めますとともに、今年度から新たに「ふれあいボランティア在宅サービス推進事業」を創設し、地域住民参加により、掃除、買物など、各種の生活支援サービスをきめ細かく提供するなど、諸施策の充実に取り組んでおります。 また、高齢者の生きがい対策につきましては、老人クラブ活動に対する支援や、山口長寿大学による指導者養成などのこれまでの取り組みに加えまして、今年度から新たに「ふれあい・いきいきサロン推進事業」を創設し、各地域で高齢者が気楽に集い、交流や活動等ができるよう支援するなど、その拡充に努めております。 今後、高齢者が安心して生き生きと暮らせる地域社会づくりを進めるためには、介護保険制度の円滑な導入にあわせ、介護保険の給付の対象とならない高齢者の方々が、健康を保ちながら生きがいを持って生活し、また、地域社会の一員としての役割をも果たしていただくように、地域において介護保険サービスとの連携を図りながら、健康づくりや生きがい対策を進め、さらには、ニーズに応じたきめ細かな生活支援サービスを提供していかなければならないと考えております。 県といたしましては、現在、介護保険事業計画と一体的に策定する「次期高齢者保健福祉計画」の策定に向けて、各種のニーズ調査を実施をいたしているところであり、今後、この調査結果やこれまでの取り組みの成果も踏まえ、市町村や関係者の意見を聞きながら、地域のニーズに応じた総合的な保健福祉対策について鋭意検討してまいりたいと考えております。 その他の質問につきましては、関係参与員よりお答えを申し上げます。
    ○議長(河野博行君) 村岡環境生活部長。    〔環境生活部長 村岡正義君登壇〕 ◎環境生活部長(村岡正義君) 周南地域における公共関与による広域最終処分場についてのお尋ねにお答えをいたします。 県においては、生活環境の保全と産業の健全な発展を図る観点から、事業者責任の原則を踏まえつつ、これを補完するものとして、公共が関与した第三セクター方式による広域最終処分場を確保することとし、現在、東部、周南、宇部・小野田の三地域において整備に取り組んでいるところであります。 お尋ねの周南地域については、新南陽港区のN7埋め立て計画地及び徳山港区のT10埋め立て計画地の一部を活用した処分場の確保について、本年七月、県と関係市等の実務者から成る研究会を設置し、事業化に向けた具体的な検討を進めております。 また現在、周南地域広域最終処分場立地調査により、処分場の必要容量や経営収支の見通しなど、事業化の諸条件について調査を行っているところでございます。 こうした調査検討の結果を踏まえ、本年度じゅうにはN7及びT10を活用した処分場整備の基本的な方向を定め、来年度にも、県、地元の市町、企業等で構成する立地検討会を設置し、事業化の合意形成を図るとともに、事業主体の設立などの体制整備を進めていきたいと考えております。 今後とも、県民の皆様の理解と協力を得ながら、企業、市町村等と一体となって、産業廃棄物広域最終処分場の早期確保に向けて積極的に取り組んでいく考えでございます。 ○議長(河野博行君) 岡野農林部長。    〔農林部長 岡野幸男君登壇〕 ◎農林部長(岡野幸男君) 私からは、農業集落排水事業の促進、とりわけ、着工箇所の事業促進についてのお尋ねに対しましてお答えを申し上げます。 お示しのとおり、本県の農業・農村の振興を図ってまいりますためには、生産基盤の整備等による生産性の向上とあわせまして、農村の生活環境を整備し、快適な暮らしの基盤づくりを進めることが重要であると考えております。 このため、平成七年に策定いたしました第三次土地改良長期計画におきましては、農業集落排水事業を重点事業として位置づけ、平成十六年度までに八百集落において事業に着手し、その整備率を四○%まで引き上げることといたしております。 本事業につきましては、これまでも新規地区の計画的な事業採択とともに、着工地区の早期完了を図るべく、積極的な予算確保に努めまして、本年度の新規四地区を含みます六十一地区三百二十七の集落で事業を実施してきておりまして、このうち、既に平成九年度末におきましては、三十二地区が供用開始しているところでございます。 また、さきの総合経済対策に伴います六月補正予算におきましても、市町村の要望を踏まえまして、当初予算額の八九%の増額を行ったところでありまして、これにより、今年度末にはさらに七地区において事業が完了する見込みでございます。 御指摘のありますように、農村地域におきます下水処理施設の整備状況につきましては、都市部に比べて立ちおくれておりまして、今後とも、豊かな生活文化環境を築き、定住の促進と農業後継者の確保を図る上からも、長期計画にお示ししました目標を達成すべく、地域の合意形成に努めながら、農業集落排水事業の一層の推進に取り組んでいく考えでございます。 以上であります。 ○議長(河野博行君) 宮本水産部長。    〔水産部長 宮本義則君登壇〕 ◎水産部長(宮本義則君) 瀬戸内海東部地域の流通改善についてのお尋ねでございますが、水揚げ量の減少、魚価の低迷など、漁業をめぐる厳しい環境の中で、県といたしましては、漁業経営の安定を図っていくためには、流通対策に力を入れることが極めて重要であると認識をいたしております。 瀬戸内海東部地域は、御案内のとおり、島嶼部が多く、好漁場に恵まれまして、マダイ、メバルなどの高級魚が漁獲されますが、地域内の消費が限られている面もございまして、これまで拠点となる市場は形成されていないところでございます。 したがいまして、水産物の大半は仲買人等への直接販売、運送業者への出荷委託など、さまざまな形で県内外の消費地市場へ分散出荷されているため、運搬コストがかさみ、漁業者の経営を圧迫しているのが実態でございます。 こうした状況の中で、当地域の実情に合った流通改善を図っていくためには、一部の漁協が従前から行っております共同出荷方式を地域全体のものとして拡大させ、定着させることが最も有効な方策と考えております。 このため、県といたしましては、平成十年度に新たに「地域水産物流通ネットワーク形成事業」を導入いたしまして、光市から岩国市の地域内の漁協、市町及び市場関係者等で構成をいたします「地域水産物流通改善協議会」を設置をいたしまして、幅広く関係者の意見を酌み取りまして、流通コストの削減対策や漁獲物の鮮度保持対策等を骨子といたします「水産物流通機構改善計画」を策定することにいたしております。 今後におきましては、策定をされました改善計画の実効性が確保されるよう、関係者間のコンセプトづくりに努めるとともに、地元市町、漁協及び系統団体等の一層の連携を図りまして、情報収集システムの構築や集出荷施設等の整備等、ソフト・ハード両面にわたる整備を進めまして、当地域の流通改善を積極的に推進してまいる考えであります。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) 辻土木建築部長。    〔土木建築部長 辻英夫君登壇〕 ◎土木建築部長(辻英夫君) 道路行政についてのお尋ねにお答えいたします。 県道柳井上関線は、室津半島地域と柳井市との連携強化や半島振興の観点から、整備に取り組んでいるところであります。 これまで、当路線のうち、池の浦地区の交通不能区間の解消を最優先とし、整備に取り組んできたところであり、このたび池の浦トンネルの完成により供用の運びとなったところであります。 お尋ねの国道一八八号から阿月の区間につきましては、池の浦地区の整備見通しが立ったことから、延長九・八キロメートルのうち、未整備である七・八キロメートル区間について、平成九年度に事業着手したところでございます。 当区間の整備は、広域交通への対応や柳井市や周辺町との交流の促進、地域開発の支援等、地域振興に大きく寄与するものであり、引き続き早期完成に向け鋭意努めてまいります。 ○議長(河野博行君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 乳幼児期における家庭教育に関するお尋ねにお答えを申し上げます。 御案内のように、家庭教育は、基本的な生活習慣や生活能力の習得など、子供が将来に向けて自立するための基本的な資質や能力を育成する、すべての教育の出発点でございます。 しかしながら、近年、社会環境や人々の価値観の大きな変化に伴い、家庭の教育力の低下が指摘され、その充実が強く求められておりますことは、お示しのとおりであります。 本年六月に出されました中央教育審議会の答申でも、大人社会におけるモラルの低下が影響して家庭のしつけがおろそかになり、それが子供たちの規範意識の低下を助長していると、このように指摘をいたしております。 そして、父親、母親自身が、正直さ、誠実さ、まじめさなどの当然の価値を日常生活のみずからの姿を持って示すとともに、子供たちに善悪の区別や社会のルールをわきまえさせるよう、幼少のころからしっかりとしつけていくことを求めているところでございます。 このため、県教育委員会といたしましては、テレビ家庭教育番組の放映や家庭教育パンフレットの作成などによりまして、家庭教育の重要性について、意識啓発を図りますとともに、乳幼児期における家庭教育が的確に行われますよう、教育学、心理学、保育学などの各分野の専門家の指導によります「乳幼児をもつ親の学習会」の開催、市町村が実施する家庭教育学級への支援など、学習機会の提供に努める一方、電話相談によりまして、しつけの仕方や子育てのさまざまな悩みに個別に応じる体制も整えているところでございます。 また、地域におきましては、子育ての経験が浅い親を身近なところで支援する家庭教育相談員を養成いたしますとともに、本年度から新たに、家庭を大切にする社会づくりを進めることを目的に、「ともに創る家庭教育推進事業」を実施しているところでございます。 この事業は、父親を初め地域の大人や企業に、家庭にもっと目を向けてもらい、家庭教育への自覚を促すために、地域で子供の教育に熱心に取り組んでいる団体やグループに、みずからの活動実践を踏まえた具体的な提言をしていただき、これをモデルといたしまして意識啓発を図っていこうとするものでございます。 いずれにいたしましても、すべての教育の出発点であります家庭教育は、いわば人づくりの原点であるとの認識に立ちまして、今後とも、御提言の趣旨を十分踏まえまして、関係機関との連携のもとに、幼児教育における家庭教育の支援に積極的に取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(河野博行君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定であります。    午前十一時四十五分休憩    午後一時開議 ○副議長(桑原孝行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 △日程第二一般質問 △日程第三議案第一号から第二十四号まで ○副議長(桑原孝行君) 日程第二、一般質問を行い、日程第三、議案第一号から第二十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。三木康博君。    〔三木康博君登壇〕(拍手) ◆(三木康博君) それでは通告に従いまして、若干変更しまして、順次質問をしたいと思います。 初めに、女性の地位向上等について、新任の大泉副知事にお伺いをいたしたいと思います。 私は、先日、ある新聞で、通産省の初の女性キャリアとして活躍をされました、そして当時、四十九歳の春、札幌通産局長を最後に華麗なる転身をし、現在、西武百貨店副社長の坂本春生さんの「ひとり語り」を読み、未知の地、山口県副知事に御就任された大泉さんとオーバーラップをしたのであります。 その中で、札幌通産局長に就任する直前、坂本さんは、暗いけれども、すごく心に残る歌を聞いたそうであります。その歌詞には、「こんな町にも ひっそりと季節は巡りきて 行く春を惜しみながら 別れ歌うたう……幾春別 北国の果ての今は廃墟のふるさとさ」、阿木耀子作詩の「幾春別の詩」だそうであります。 坂本さんが就任した当初、昭和六十二年の北海道は、円高不況の中、惨たんたる状況でありましたが、そんな中でも北海道の方は明るく、人なつこく、たくましく生き、「幾春別の詩」の歌詞が実感として伝わってきたそうであります。その後、北海道の経済人とともに、「あすを開く二百人会」等をつくり、「みんなで将来の北海道を語り、生まれ故郷ではないけれども、心がいやされるふるさとのようでした」と語っているのであります。 大泉副知事におかれましても、これから我が山口県において、第二のふるさととなる思い出づくりに御活躍されるよう願っているのであります。 そこで、まず、御就任に当たり、山口県の感想についてお伺いしたいと思います。 さて、本県におきましても、今年三月、「やまぐち男女共同参画プラン」を策定され、二井知事は、このプランの実現の第一歩として、七月十日には本県初めての女性副知事として大泉さんを起用されたのであります。 大泉副知事は、その経歴を拝見しますと、昭和四十七年に厚生省に入省されて以来、厚生官僚として御活躍をされたことはもとより、国際経験も豊富な方とうかがっております。 また、育児のかたわら、趣味で小説やエッセーを書かれるなど文筆家であり、実に多彩な才能をお持ちとうかがっております。 そこでお尋ねをしますが、大泉副知事は、本県に来られましてまだ二カ月余と日が浅いのでありますが、本県における女性の地位について、また、今後男女共同参画社会の実現に向けてどのように取り組まれるのか、所信をお伺いしたいのであります。 さて、能の曲目で「丹後国風土記」などの羽衣伝説では、天女が天空より舞いおり、天に帰る物語が演じられております。 三保の松原の漁師白竜が松にかかった美しい衣を見つけ、家の家宝にと持ち去ろうとする。天女にたしなめられて漁師は衣を返す。お礼に天女は、美しい景色をたたえ、君が代を祝い、舞を舞いつつ、宝を国土にまき散らしながら昇天していくとあります。 これが天下り人事の語源かどうかは私は知りませんが、大泉副知事におかれましては、ひとえに山口県に有形無形の宝をまき散らしていただきたいと念ずる次第であります。 御就任をされたからには、今後、本県に骨を埋めるほどの覚悟で県政に取り組んでいただきたいと願うものであります。御決意のほどをお伺いをいたします。 さらに、我が山口県には毛利元就公の「三矢のたとえ」があります。 二井知事は皆様御存知のとおりスポーツマンであり読書家であります。小河副知事は教育者であり、また俳人でもあります。そして加えて、御就任の大泉副知事は文筆家であり国際人であります。 この三人の結束が、二十一世紀の山口県を希望と文化の花香る県政へと発展することを県民は願っているものであります。御活躍を心から期待するものであります。 次に、高齢者、障害者などに対する音楽療法についてお尋ねをいたします。 我が国は、世界に類例を見ない速さで高齢化社会に突入し、医療保険、介護サービスなどの問題が山積している今日、音楽を通じて高齢者や障害者の機能回復などを図る音楽療法が注目されております。 これは、音と人との相互関係を理解すべく、精神医学的、心理学的な訓練を受けた療法士が、音楽の持つさまざまな働きを利用して個人の心身の状況を改善し、そのようにまた治していく手法であります。 音楽療法では、先輩国でありますアメリカでは、音楽療法士が職業として社会的にも認められるようになりましたのは一九四○年代のことで、現在ではエックス線技師や理学療法士などのように医療スタッフの一員として活躍するまでになっているのであります。 当時、その存在すら知られていなかった我が国では、ここ十年ほどの間に全国組織結成への機運が高まり、一昨年、全日本音楽療法士連盟が正式に発足し、昨春、初級認定者音楽療法士九十八人が誕生したのであります。 ところで、音楽療法を受ける対象者は、主に心身に障害のある児童、成人、高齢者など、さらには末期医療、精神医療の現場で用いられておりますが、また、最近ではテクノストレスの対症療法や日常生活の疲れをいやす治療の一つとして利用されておるのであります。 もちろん、受ける側は音楽の予備知識や技術などの必要はないのであります。 療法士の言葉によりますと、音楽療法の効果は、まず、言葉を出さない人が歌を口ずさむ。二つ目には、声の出ない人が声を出し、言葉を出すきっかけとなる。三つ目には、手がリズムをとり始めるとさまざまな表情があらわれるということであります。 人間性を重視する音楽療法は、生きる意欲をよみがえらせ、生活の質を高め、問題行動を改善し、心身の機能を回復、維持し、医療福祉分野の人々とのチームプレーによって持てる力を発揮し、高齢社会に貢献できるものと確信をするものであります。 この療法の普及促進については、我が国の国内においては、岐阜県、奈良市、調布市がその先進的な取り組みを見せ、研究所の設立、講座の開設、県公認の音楽療法士を養成しているのであります。 私は、今後、より質の高い音楽療法を普及させていくためには、音楽療法に関する資格制度の創設が不可欠と考えており、国における検討を急がなければならないと考えるのであります。 そこでお尋ねをいたしますが、資格制度創設と人材の育成について、国への働きかけを含め、県においても積極的な役割を果たしていただきたいと考えるのでありますが、今後の取り組みについてお伺いをしたいのであります。 次に、上関原電建設に関する問題であります。 この問題につきましては、九月五日付の新聞記事に、  週明けの七日にも、建設予定地の地権者との間で、売買契約の締結・調印と代金支払に着手する。買収総額は三 十億円あまり。建設予定地の購入に踏み切ることで、地元への打診から十六年で建設に向けて大きく踏み出す。 云々というような記事が報じられておりました。 この上関原発の建設予定地は約百六十万平方メートル。百六十万平方メートルのうち陸地部分は百四十五万平方メートルで、残りの十五万平方メートルについては、海面を埋め立てて造成することとしております。 今回、買収に着手するのは炉心部分などの建設予定地を含めた陸地部分のようであります。 さて、このような動向の背景には、今年九月一日から改正国土利用計画法が施行され、電調審上程前に原発用地の取得が可能になったことがあるわけであります。 同法によりますと、大規模な土地を取得した場合、売買契約締結後二週間以内に県に利用目的や価格などを届け出なければならないとなっております。 また、県は、この届け出後三週間以内に利用目的の変更を勧告するかしないか、このことについて決定することになっております。 周辺の土地利用計画に著しい支障がない場合は、勧告は行わない仕組みとなっておるのであります。 さて、中電は、今月に入り、進めてきた土地建設予定地の地権者との売買契約締結が終わった土地につきまして、十八日に、利用目的を原発計画地として県に届け出を済ませました。 県の上関原電立地スケジュールによれば、来年三月の電源開発調整審議会上程に先立ち、計画地周辺の二市五町の意見を聞く予定とのことでありますが、我が党は、昨年九月の代表質問において、この問題については、るる申し述べました。 まず、その中で住民の合意形成は絶対に欠かせぬ要素であり、できる限り広範な範囲、少なくとも周辺の市町村の同意が必要で、量的にも多く、かつ十分な説明に基づく認識と理解の上に立ったもの、すなわち、質的にも高いものであるべきと考えております。 そこでお尋ねをいたしますが、先日の改正国土利用計画法の施行により、中電の用地取得の届け出は一層進められるようでありますが、このような既成事実の積み重ねが図られるのであれば、今後、二市五町の合意形成をいかに考え、いかに対応されていかれようとするのか、また、この合意形成のあり方については、我が党としては二市五町の議会の合意は最低限必要と考えますが、この点についての県のお考えをあわせてお尋ねするものであります。 次に、下関地域の振興策についてお尋ねをしたいと思います。 その一つは、下関・北浦沖合人工島についてであります。 地球規模で国際化が進む中で、物流のキーステーションとなる港の役割はますます重要なものとなり、東南アジアを中心とした世界経済の新たなうねりの中で、下関・北浦沖合人工島は県勢浮揚の重要なプロジェクトと位置づけられ、下関市民を初め県下の各関係機関の期待を集め、平成七年九月より建設工事が開始をされました。 この事業の実現に向けて、昭和六十一年八月、地元諸団体百名で構成した下関人工島構想推進期成会を設立し、平成七年八月、公有水面埋め立て承認許可に先立ち、下関沖合人工島整備期成会に変更をされました。 同時に、下関港テクノスーパーライナー誘致推進期成会を設立し、名実ともに山口県の西玄関にふさわしい二十一世紀の国際交流物流都市として、官民が一体となって人工島の機能拡充、またはポートセールス、さらに企業ヒアリング、貨物の集荷対策や高速道路のアクセス強化等々の取り組みを展開してきたのであります。 しかしながら、バブル崩壊と長引く不況の中で、国の予算削減等により人工島構想のおくれを余儀なくされているのであります。 平成九年五月、人工島に通じる連絡橋を四車線から暫定二車線へと変更され、また、今年六月には、港湾管理者である下関市長は、港湾計画改訂と事業手法の見直しを公表いたしました。 それは、外貿フェリーバースの建設中止、国際海上コンテナバースを多目的コンテナバースとする、二○○三年供用開始を三年延長する等であります。 また、整備期成会で全会一致の決議がされた岸壁水深十四メートル化の問題もいまだ明確にされておりません。 これらの事業変更について、下関市民を初め関係者に対して十分な説明が行われていないのが実情であります。 このままの状況で行けば、二十一世紀の我が下関の夢と希望である人工島は、他港におくれをとり、単なる関門航路のしゅんせつの土捨て場となる、あるいは、巨額の税金を投入した釣りデッキになってしまうのではないかという危惧の念を抱いているのであります。 そこで、私は、下関市民の各界各層の方々の御意見、または御提言を私なりに取捨選択をし、数点の提言をいたしたいと思います。 その第一は、港湾管理者の問題であります。 明治以来、下関港は国の重要港湾として機能し、国によって港の整備を行ってきました。その後、昭和二十六年に特定重要港湾に指定され、昭和三十七年に下関市が港湾管理者となったのであります。 しかし、北部九州港湾の中枢国際貿易港湾として二十一世紀を展望したとき、福岡、または北九州等との地域間競争あるいは韓国の釜山港、上海、シンガポール等々の国際間競争を切り開いていくためには、下関本港はともかく、せめて沖合人工島の港湾管理者は県知事に移管すべきと考えます。 これは事業を推進していく上で最も大切な要素と考えるのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、県の振興策に欠くことのできない沖合人工島の将来展望についてであります。 現在、水産都市下関の新たな流通拠点として、今、下関では「水産都市しものせき活性化プロジェクト21の振興戦略」が下関の各界各層の英知を結集して検討がなされ、昨年十月、基本構想も策定されました。 確かに、現状の認識の上に立って論議されることも大切な視点でありますが、二十一世紀を展望したときにグローバルな視点も重要と考えるのであります。 私は、二月議会において、長崎県の事例を挙げ質問をいたしましたが、今後ますます国際化が進行する中で、それに対応できる国際漁業基地が必要となると考えております。 そこで、現在計画中の沖合人工島の物流基地に加え、将来は県の下関漁港の機能をすべて沖合人工島に移転するという案でございます。 県勢百年の大計を考えるとき、今こそ検討に着手すべきと考えますが、所見をお伺いしたいのであります。 三つ目の提言は、その下関漁港が人工島に移転したとして、その跡地の利用についてであります。 私は、海外視察の折、世界各地のヨットハーバーを見てまいりました。アメリカ、カナダ、フランス、ニュージーランド等々、世界の各地にはすぐれたヨットハーバーがあります。 下関の漁港の地の利は、その世界のどの地域よりもまさるとも劣らない天然の良港であります。ヨットハーバー、プレジャーボートの基地にすれば、世界に類例のないすばらしいものとなるのであります。 私は、福岡県に在住する海洋レジャーの関係者と懇談した折にこの話をしますと、その方は目を輝かせ、これが実現すれば、日本一の基地ができる。ましてや、市街地の中心部に最も近く、交通アクセスも最高で、現在の漁港ビルの一帯に県営のコンドミニアムやフィッシャーマンズワーフを建設すればすばらしいものになると。 また、地元の造船関係者と懇談した折にこのような話をしますと、そんな施設ができ上がれば、対岸には造船所の船台もあり、新造船の建設や、またボートのメンテナンスもできると、地場産業に大いに貢献できるのではないかという話しでありました。 新たな人の交流、物の交流が「国際交流都市・港下関」の二十一世紀を切り開くキーワードとなると確信をいたしております。 これはあくまでも夢の提言ではありますが、あわせて御所見をお伺いしたいのであります。 次に、県職員の医療費軽減問題についてお尋ねをします。 先日、ある新聞に、「公務員医療費三十七都道府県で公費補助、互助会を通じて負担軽減」という大きな見出しで、全国都道府県職員の医療費の軽減問題が取り上げられておりました。 新聞の論調は、  全国三十七道府県で、職員やその家族が医療機関にかかった場合、職員互助会が医療費を補助する制度を行って いるが、会員の掛金のみならず、道府県から補助金をもって運営していることから、この不況下にあって公務員だ けが今だに恩恵を受けている と、このような厳しい指摘でありました。 私も、その後、多くの県民の方々からこの問題について問い合わせをいただきました。それは、昨年九月の医療費の改定に伴い、一般の県民の方々は多大な医療費の自己負担を強いられているのであります。 そういう中、行財政改革が叫ばれている今日、なぜ公務員だけがというそういう疑問点でありました。 私は、この件に関しまして事実調査を行いましたところ、山口県の場合は職員共済組合法により、職員やその家族が自己負担すべき四千円のうち三千五百円を職員互助会が負担しており、その結果、個人負担はわずか五百円という実態でありまして、この状況は全国的にも高い状況にあるのであります。 確かに、職員互助会は県条例に基づいて設立され、その運営経費も職員の掛金のほか、県の補助金をもって充てることとなっております。 県の補助金も毎年度、予算の範囲内で交付することができるようになっております。 また、職員互助会の事業内容も、医療給付事業を初め職員の生活資金の貸し付け事業など多岐にわたっており、私は、職員互助会が職員の福利厚生面で大きな役割を果たしており、その存在自体を否定するものではありません。 しかし、山口県職員互助会の平成十年度の予算状況を見ますと、総額約三億七千五百万円のうち、県の補助金が約一億六千万円投入されている状況があります。 このことから、このような状況を踏まえ、私が申し上げたいのは、県職員であれば、わずか五百円で病院に行かれるのかということであります。 これは一般県民の場合と余りにも格差があり、県民感情から見ても到底納得できるものではありません。まさに公務員天国ということではないでしょうか。 私は、職員互助会に県の補助金が投入されているのであれば、いま一度、この制度の内容を見直す必要があると考えるのであります。 そこでお尋ねをしますが、県は、この問題をどのように認識され、今後どのように取り組まれようとしておるのか、県当局の御見解をお伺いするのであります。 次に、教育問題についてお尋ねをします。 近年、学校現場では、いじめや不登校の増加、あるいは学級荒廃と言われるような現象が、危機的な状況で叫ばれております。 教育に対する世論の関心も極めて高いものとなっているのであります。 このような深刻な問題に対処するため、国においても、さまざまな教育改革が推進されようとしておりますが、確固たる教育再生への妙案はなかなか見出せないのであります。 こうした中、本年七月、広島県内海町の県立沼南高校一年の金高君が同級生らに金銭要求や暴行などを受け、これを苦にみずからの命を絶つという、まことに悲惨な事件が発生しました。 人口三千六百五十六人という町で、しかも全校生徒が四百二十九名という小さな学校で起こった事件だけに、まさにどこの学校でも起こり得る問題であると言えるのであります。 事件後、沼南高校では、全校生徒を対象にアンケート調査を行ったところ、「金を出せ」「カンパしろ」などと同級生などに迫られたことがあると答えた生徒は、三百七十九人の回答者のうち六九%、二百六十二人に上り、また、暴行を受けた経験のある生徒も八十三人、二二%といったことがわかったのであります。 学校側は、実態調査を行うまでこうした実態について十分に掌握してなかったと言っておりますが、沼南高校に限らず、学校内で起こった問題は学校内で処理しようとする体質が、このような不幸な事件をいつまでも生じさせているのではないでしょうか。 私は、このような悲惨な事件を耳にするたびに、学校は生徒のために生徒の立場に立って何をなすべきかということを真剣に考え直す必要があると思うのであります。 そこで、県教委として今、学校現場におけるさまざまな問題点について、どのように掌握をされ、また、この種の事件の未然防止のためどのような方策を講ぜられようとしているのか、教育長にお尋ねをいたします。 最後に、警察行政、とりわけ、暴力団対策、銃器対策についてお尋ねをします。 近年、全国警察本部の昼夜を問わず血のにじむような取り締まりにもかかわらず、相次ぐ発砲事件は後を絶ちません。 こうした中、先月の一日、十九日、二十八日の深夜、山口市内の山口組傘下竹下組と工藤連合草野一家徳竜会山口支部の双方の組事務所を往復する形で、けん銃発砲に伴う対立抗争事件が発生をいたしました。 幸いにも付近の住民には被害がなかったそうでありますが、新聞報道では、付近の住民を初め山口市民の不安は日増しに大きくなっているとのことであります。 県警察の努力によりまして、今月十一日、発砲した組員は逮捕されましたが、いつまたこのような事件が発生するかわかりません。 今後、なお一層の取り締まりと暴力団壊滅に向けて御尽力されますよう、心からお願いする次第であります。 山口市は今日まで、山口県の県都として、古き歴史と出湯と文化の町として栄えてきたところであります。 まさか、このようなところで今回のような事件が起こるとは、まことに憂慮すべきことと言わなくてはなりません。 そこで、県民の方々が安心して暮らせる県民生活を確保し、安全、安心を築くためには、取り締まりはもとより、あらゆる英知を結集して対策を講じなければなりません。 特に、県民生活を脅かす銃器犯罪の蔓延は、早急かつ効果的な対策が緊要の課題であります。 警察当局におかれましては、こうした銃犯罪の増加に対応するため、全国的に銃器対策課あるいは銃器対策室を設置し、その取り締まりに全力を注いでおるとお聞きいたしております。 そこでお尋ねでありますが、県警察におかれましては、相次ぐけん銃発砲事件に対してどのような暴力団対策を推進しておられるのか、また、銃器摘発の現状と今後の取り組みについて、御所見を承りたいのであります。 以上で、第一回目の質問を終了いたします。(拍手) ○副議長(桑原孝行君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 大泉副知事に対する御質問もありますので、私からは、下関沖合人工島事業のお尋ね、御提言につきましてお答えを申し上げます。 まず、下関沖合人工島に係る港湾管理者の県への移管についてのお尋ねでございます。 御案内のように、沖合人工島につきましては、下関市の総合的なまちづくり計画のもとに下関港全体の港湾計画に位置づけられ、在来港と一体的に整備するとされておりますことや、港湾都市として発展をしてきたこれまでの歴史的背景等から、現在、下関市が港湾管理者として事業を進めているところでございます。 したがいまして、引き続き下関市において事業を推進をするということが適当であるというふうに考えておりますが、県としても、この事業を県勢振興の立場から、デザイン21の主要プロジェクトの一つに位置づけておりますので、今後とも下関市と十分連携をとりながら事業促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、現在計画中の物流基地に加え、下関漁港の機能をすべて沖合人工島に移転をし、跡地をヨットハーバー等として利用してはどうかという御提言であります。 下関漁港を含めた水産都市下関の再活性化につきましては、お示しがありましたように、平成九年十月に下関市の漁業及びまちづくりに携わる産・学・官の関係者により、来る二十一世紀を見通して英知を結集しながら、関係者の合意形成をもとに、「水産都市しものせき活性化プロジェクト21振興戦略」が提案をされ、それを踏まえて既に唐戸市場の移転整備、下関漁港市場の機能強化を進めているところでございます。 御提言は、下関漁港機能の人工島への移転及び跡地利用という長期的な視野に立った夢のあるものというふうに受けとめておりますが、県といたしましては、水産業を取り巻く現下の厳しい諸情勢を考えますと、活性化プロジェクト21振興戦略に基づく施策を着実に実行していきたいというふうに考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。 その他の質問につきましては、大泉副知事を初め関係参与員よりお答えを申し上げます。 ○副議長(桑原孝行君) 大泉副知事。    〔副知事 大泉博子さん登壇〕 ◎副知事(大泉博子さん) まず、大変温かい御激励をくださいまして心から感謝を申し上げます。特に、天女のくだりは、身も震えるほどの感動を覚えました。 女性の地位向上についての数点の御質問にお答え申し上げます。 最初に、就任に当たりましての感想と決意でございます。 県議会の皆様方の御同意をいただきまして、輝かしい伝統のある山口県で仕事をさせていただきますこと、大変光栄に存じております。 議員のお話にございました坂本さんは、個人的に存じあげております。私自身は、明るい歌を思い浮かべて山口県にやってまいりました。 厚生行政を通じまして山口県を知っておりましたし、担当分野はいずれも自分の見識を持てると思いまして、明るい気持ちで赴任いたしました。 就任以来、各地域で温かい県民の皆様と美しい自然に迎えていただきまして、また、しっかりした組織の中で仕事ができるということを再認識いたしました。大変ありがたく、うれしく思いますとともに、副知事としての責任の重大さを痛感しております。 山口県の発展のために一生懸命頑張らなければならないという思いを強くしております。 さて、骨を埋める覚悟でとの御激励でございますが、私は、東京生まれ、東京育ち、東京三代で根なし草でございまして、既にこの地上に骨を埋めるところはございません。したがって、生きているところで最大限の社会貢献をするというのが信条でございます。(拍手) 今、我が国自体の先行きは、なかなか見通せない状況の中で、本県も多くの課題を抱えているわけでございますが、私の担当分野は、むしろ二十一世紀の方向性が明確になってきておりまして、仕事を形にするという意気込みが持てます。 一例を挙げますれば、介護保険導入をきっかけにした利用者視点の福祉の確立がしかりでございます。 私、県職員として二井知事を補佐し、健康、福祉、環境、生活、女性、国際の分野はもちろんのことでございますが、「二十一世紀に自活できるたくましい山口県の創造」これを知恵を絞って具体化していく決意でございますので、県議会の皆様方には格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手) 次に、本県における女性の地位についてどのような印象を持ったかというお尋ねにお答え申し上げます。 私は、山口県で既に社会福祉の分野で経営者として活躍しておられる女性の方々、消費者保護や女性地位向上のための女性団体の方々に多くお目にかかりまして、大変活発な女性がたくさんいらっしゃることを知りました。 また、山口県では全国に先駆けて「女性問題対策審議会」を設置した県でございます。女性団体を初め関係者の方々は、熱心な活動を展開されました結果、県の審議会などで女性委員の登用が上がりまして、さまざまな面で女性の地位は着実に向上してきております。 がしかし、これで十分かと問われましたならば、否、今後なお一層積極的な取り組みも必要と考えております。 県の意識調査によりますと、本県の場合、「男は仕事、女は家庭」といった男女の性別役割分担意識は全国平均を上回っております。明らかに固定観念が残っております。 今後、「ジェンダーフリー」と言われる、つまり性による社会的差別をなくすという視点で慣習を見直す、あるいはやめる必要があると感じております。 次に、男女共同参画社会の実現に向けての取り組みであります。 本年三月に策定いたしました「やまぐち男女共同参画プラン」に掲げます四つの基本目標、そして十七の重点目標の達成のために、施策をきめ細やかに、積極的に一生懸命推進してまいりたいと考えております。 ことしはこのプランのスタートの年でございます。地域フォーラム、推進キャラバンなど各種の事業が実施されますが、やがて私も街頭に立ちます。積極的に出向きまして、御意見をお聞きし、実情を十分把握しながら懸命に取り組んでまいりたいと考えております。 私は、先ほど申し上げましたように、たくさんの活発な女性がいらっしゃる山口県で、女性の皆様方と力を合わせ、女性が新しい社会づくりの主体として個性と能力が発揮できる環境づくり、そして女性のエンパワーメントと申しますか、つまり女性に力、可能性、権限を与える活動に積極的にかかわってまいります。 そして、これもまた大切なことでございますが、心から、心から男性を大切にし、男性の御理解を得ながら男女が対等なパートナーとして社会に貢献し、責任を分かち合う男女共同参画社会の実現に全力を挙げて取り組んでまいります。(拍手) ○副議長(桑原孝行君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 私から、障害者などに対します音楽療法についてのお尋ねにお答えいたします。 音楽は、我々にとりまして生活に潤いを与えるなど、いろいろな効用のある大切なものであります。 いわゆる音楽療法につきましては、本県におきましても、障害者施設、老人福祉施設、病院などにおきまして、音楽を聞いたり、歌を歌ったり、楽器で演奏したり、音楽に合わせて体を動かしたりするなど、音楽の効用をさまざまな形で工夫して取り入れられているところであります。 このような中、県におきましては、現在、防府健康福祉センターにおきまして、音楽療法の事例研究や活用方策等につきましてモデル的に調査研究を行っており、今年度は、保健・医療・福祉関係者を対象とした音楽活用推進セミナーの開催などを行うこととしております。 一方、国におきましては、現在、音楽療法に関し、その実施状況や研究実績などの基本的な事項につきまして調査研究を行うこととしており、また、音楽療法に関する資格制度化につきましては、その専門性や効果等の医学的評価が確立された段階で検討すべきとしているところであります。 今後、県といたしましては、音楽療法につきまして、国における調査研究の進捗状況等の把握に努めますとともに、防府健康福祉センターにおきますモデル的な取り組みの成果等を見ながら、御質問の趣旨を踏まえ、国への働きかけを含め、その対応について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕 ◎商工労働部長(前田隆康君) 私からは、上関原電についてのお尋ねにお答えをいたします。 まず、原電の用地取得が進められていることから、二市五町の同意形成に早急に取り組むべきではないかとのお尋ねであろうかと思いますが、原電の立地につきましては、県は、従来から一貫して国のエネルギー政策に協力する立場と、地元上関町の政策選択を尊重する立場で対応しているところであり、こうした観点から、地元上関町や中国電力に対し、一層の合意形成の促進を要請するとともに、県民の意識啓発に努めているところであります。 したがいまして、県といたしましては、二市五町の合意形成について直接取り組む立場になく、知事意見については、電調審の開催に先立ち、国から意見を求められた段階で、二市五町の意見を初め用地の取得状況、漁業補償の進捗状況、さらには、推進、反対の動向等を総合的に勘案し、判断することにしております。 次に、議会の同意を含めた二市五町の合意形成に係る県の対応についてでありますが、二市五町の中には独自の判断で既にシンポジウムや広報紙を通じて住民へのPA活動を行っている市町もあり、県といたしましては、こうした自主的、主体的な取り組みや、これに基づく独自な判断を尊重すべきであると考えております。 県といたしましては、こうした取り組みに係る各市町からの相談や資料、情報提供等を適宜行っており、先般も二市五町の議員や職員を対象に原子力カレッジを開催したところであり、今後とも二市五町を含め、広く県民を対象にシンポジウム等、各種のPA活動を進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 古谷総務部長。    〔総務部長 古谷正二君登壇〕 ◎総務部長(古谷正二君) 県職員の医療費軽減問題についてお答えをいたします。 御案内のとおり、職員互助会は、地方公務員法に基づく職員の福利厚生を行うため、県条例により設置されておりまして、職員の掛金と県費補助金を財源として、各種の福利厚生事業を実施しております。 その中でも、福利、医療給付事業につきましては、職員互助会の最も重要な事業でありまして、この事業に係る職員の掛金は社会保険料として課税所得から控除されており、所得税法上も認められているところでございます。 このようなことから、職員互助会にはこれまで掛金の引き上げや県費補助金の削減を行うなど自助努力を続けながら、この医療給付制度の維持に努めてきたところでございます。 しかしながら、医療費の自己負担問題につきましては、現時点で制度運営上、改正によって検討の必要性が生じておりまして、また、今日の社会状況を考慮した場合、御指摘のありましたとおり、改めて現行制度の見直しを図る時期にあるものと考えております。 このため、県といたしましては、今後、関係団体等とも十分協議をしながら、来年四月実施を目途に制度の見直しを行い、給付内容等を改正したいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 教育問題につきましてお答えを申し上げます。 お示しのように、今日、学校におけるいじめや不登校等の問題は複雑多岐にわたっております。 本県におきましても、程度の差はございますものの、全国と同様に増加傾向にありまして、解決すべき最重要課題であると認識をいたしておるところでございます。 御指摘のありました広島県のような逼迫した事態はあってはならないことでありますが、本県においても起こり得るという危機意識を常に持って指導に万全を期してまいりたいと、決意を新たにしているところでございます。 さて、お尋ねの問題行動の掌握についてでありますが、県教委といたしましては、毎年、県下すべての公立学校に対しまして、暴力行為、いじめなどの実態を調査いたしますとともに、問題行動が発生いたしました際には、時を移さず、報告を求め、状況を把握するとともに、対応についても指導を行っております。 問題解決のための具体的な方策といたしましては、各教育事務所に問題行動に対して専門に対応する指導主事を各二名配置をいたしておりまして、管内のすべての小中学校を巡回訪問させながら実態把握に努めるとともに、指導・助言を行っているところであります。 また、学校だけでは解決困難な事例に対しましては、臨床心理士や児童福祉士などの専門家チームから成る学校サポートシステムによって学校を側面的に支援するなど、よりきめ細かな対応ができるよう配慮をしているところでございます。 さらに、精神科医や臨床心理士などの専門家が相談に当たります「スクールカウンセラー」を三十五校に、また、地域の経験豊かな方々が相談相手となります「心の教室相談員」これを百十六校に配置するなど、児童生徒や保護者が、いつでも、どこでも、気軽に相談ができるよう、体制づくりに努めているところでございます。 一方、各学校におきましては、必要に応じて行います実態調査やアンケート調査、さらには教育相談等を通しまして児童生徒の問題行動や不安、悩みなどの実態把握に努めておりまして、状況に応じて適切な指導をしているところでございます。 また、授業はもちろんでございますが、あらゆる教育活動を通しまして、日ごろから児童生徒同士あるいは児童生徒と教員との間に豊かな人間関係がはぐくまれるように努めているところでございます。 今後とも、従来から行っております諸施策を一層強化をいたしますとともに、学校だけで問題を抱え込むことなく、家庭や地域社会及び警察を初めとする関係諸機関との連携を一層図りながら、児童生徒に思いやりの心や規範意識などをはぐくむことによりまして問題行動の未然防止に努めてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 松川警察本部長。    〔警察本部長 松川忠晴君登壇〕 ◎警察本部長(松川忠晴君) 暴力団対策及び銃器対策の取り組みの状況についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 まず最初に、けん銃発砲事件を踏まえての暴力団対策の推進の状況についてお答えいたします。 御指摘の対立抗争事件は、本年八月一日に、山口市内の山口組傘下竹下組組員と工藤連合草野一家徳竜会山口支部組員らのけんかに端を発して、双方の組事務所等に対し、三回にわたり、延べ六カ所にけん銃が発砲されたものであります。 県警察といたしましては、発生後、直ちに山口警察署に警察本部の各部門や山口ブロック内の各警察署から成る「山口ブロック集中取締本部」を設置いたしまして、事件の続発防止と早期解決を最重点として、犯人の割り出し等捜査活動の強化、関係箇所への張りつけ警戒や街頭活動の強化、暴力追放運動推進センター等との連携による暴力団排除活動等の諸対策を推進しているところであります。 現在までの具体的な捜査活動といたしましては、先ほども御指摘がございましたように、けん銃発砲組員一人を検挙いたしましたほか、これら対立する組織に係る諸事件に関し、暴力団組員等十六名を検挙するとともに、けん銃摘発のため、組事務所等二十五カ所に及ぶ捜索を実施するなど、強力な捜査を展開しているところであります。 引き続き、事件の徹底的解明と対立暴力団の活動封圧を図り、市民生活の平穏と安全の確保に最善の努力をしてまいる所存であります。 次に、御質問の銃器摘発の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。 本年八月末現在、全国でのけん銃等銃器発砲事件が、先ほど申し上げました本県での三事件を含め、百七件の発生を見ており、昨年同期に比べ、三十七件、五三%増加するなど、まことに厳しい情勢にあるところであります。 このため、県警察では、銃器対策室を中心に、組織の総力を挙げて、けん銃等銃器の摘発に努めているところであり、本年九月二十八日現在、暴力団関係者からのものを含む十丁のけん銃を押収し、昨年一年間の押収丁数九丁を超える成果を上げているところであります。 また、本年七月三十日には、県知事を推進本部長とし、知事部局関係課、警察・税関等取り締まり機関及び防犯団体から構成される「山口県銃器等対策推進本部」を設置して、銃器根絶に向けての広報、連携の確保、情報交換等を目的とした諸活動を推進中であります。 このたびの連続発砲事件に対しましても、去る八月三十一日、緊急幹事会を開催いたしまして、関係機関の連携緊密化を図るとともに、チラシによる広報、街頭活動の強化を申し合わせたところであります。 県警察では、今後におきましても、これまで以上に暴力団等の武器庫の摘発、社会に拡散しているけん銃の摘発、関係機関等との連携による水際対策等を重点としたけん銃等の銃器取り締まりの強化を図り、官民一体のけん銃等銃器摘発活動に積極的に取り組んでまいることとしております。 以上でございます。 ○副議長(桑原孝行君) 三木康博君。    〔三木康博君登壇〕(拍手) ◆(三木康博君) それでは、再質問をいたします。 まず、下関・北浦沖合人工島の件でございますが、先ほど知事の答弁では、下関の在来港と一体となって、これから連携をとりながら推進していくとの御答弁がありました。 しかしながら、この問題につきましては、私が申し上げたいのは、本当に下関市に任せておいてこの人工島ができるのかどうなのかという問題であります。 現在、二○○三年完成が二○○六年と延長されました。しかしながら、対岸側の北九州は二○○○年当初にもう供用開始であります。片一方の方は経費予算削減でおくれるわけじゃないんです。お隣の北九州はそのまま続行をし完成をすると、こういう状況の中にあって、本当に今後、我々も県民のとうとい税金を投入してやはりこれをつくっていくわけですから、本当に肝を据えて取り組まなければならないと、このように思っております。 そこで、今現状、県当局としては、この北九州、福岡との今、下関の人工島、これについてどのように認識しておるのかということを、まず一点、お聞きをしたいと思います。 それから次に、先ほど私も質問の中で申し上げましたが、今現在、ポートセールスの現状はどうなっておるのか。また、企業ヒアリングの進捗状況はどこまで進んでおるのか、また、貨物の集荷対策は本当に今後大丈夫なのか、また、高速道路へのアクセス強化はどのようにやっていくのか、このように取り巻く環境はたくさんあります。 その問題を本当に官民が一体となって取り組まなければ、下関はただ絵にかいたもちに終わってはならないと思うから、我々下関選出の議員は毎回、質問をしておるのであります。 これは今、急に言っても答弁が出ませんので、十二月議会で再び、私はまた質問をしますので、一応質問の予告をやっておきます。 以上で、質問を終わりたいと思います。(拍手) ○副議長(桑原孝行君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ○副議長(桑原孝行君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後一時五十九分散会      地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。               山口県議会議長    河   野   博   行               副  議  長    桑   原   孝   行               会議録署名議員    田   中   文   夫               会議録署名議員    吉   田   和   幸...