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2022-11-21 令和4年度決算特別委員会(第9日) 本文
2022-11-21 令和4年度決算特別委員会(第9日) 名簿

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  1. 広島県議会 2022-11-21
    2022-11-21 令和4年度決算特別委員会(第9日) 本文


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年度決算特別委員会(第9日) 本文 2022-11-21 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 190 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑(灰岡委員) 選択 2 : ◯答弁土木建築局長) 選択 3 : ◯質疑(灰岡委員) 選択 4 : ◯答弁土木建築局長) 選択 5 : ◯要望・質疑(灰岡委員) 選択 6 : ◯答弁企業局長) 選択 7 : ◯質疑(灰岡委員) 選択 8 : ◯答弁企業局長) 選択 9 : ◯質疑(灰岡委員) 選択 10 : ◯答弁企業局長) 選択 11 : ◯要望・質疑(灰岡委員) 選択 12 : ◯答弁危機管理監) 選択 13 : ◯質疑(灰岡委員) 選択 14 : ◯答弁危機管理監) 選択 15 : ◯要望(灰岡委員) 選択 16 : ◯質疑(山木委員) 選択 17 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 18 : ◯質疑(山木委員) 選択 19 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 20 : ◯質疑(山木委員) 選択 21 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 22 : ◯質疑(山木委員) 選択 23 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 24 : ◯質疑(山木委員) 選択 25 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 26 : ◯要望・質疑(山木委員) 選択 27 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 28 : ◯意見・質疑(山木委員) 選択 29 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 30 : ◯質疑(山木委員) 選択 31 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 32 : ◯要望(山木委員) 選択 33 : ◯質疑(村上委員) 選択 34 : ◯答弁(知事) 選択 35 : ◯要望・質疑(村上委員) 選択 36 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 37 : ◯要望・質疑(村上委員) 選択 38 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 39 : ◯質疑(村上委員) 選択 40 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 41 : ◯要望・質疑(村上委員) 選択 42 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 43 : ◯要望・質疑(村上委員) 選択 44 : ◯答弁(教育長) 選択 45 : ◯意見(村上委員) 選択 46 : ◯質疑(竹原委員) 選択 47 : ◯答弁(知事) 選択 48 : ◯質疑(竹原委員) 選択 49 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 50 : ◯質疑(竹原委員) 選択 51 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 52 : ◯要望・質疑(竹原委員) 選択 53 : ◯答弁(総務局長) 選択 54 : ◯質疑(竹原委員) 選択 55 : ◯答弁(総務局長) 選択 56 : ◯要望・質疑(竹原委員) 選択 57 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 58 : ◯質疑(竹原委員) 選択 59 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 60 : ◯要望・質疑(竹原委員) 選択 61 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 62 : ◯要望(竹原委員) 選択 63 : ◯質疑(林委員) 選択 64 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 65 : ◯質疑(林委員) 選択 66 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 67 : ◯要望・質疑(林委員) 選択 68 : ◯答弁(教育長) 選択 69 : ◯要望・質疑(林委員) 選択 70 : ◯答弁(知事) 選択 71 : ◯要望・質疑(林委員) 選択 72 : ◯答弁(警察本部長) 選択 73 : ◯質疑(稲葉委員) 選択 74 : ◯答弁(知事) 選択 75 : ◯質疑(稲葉委員) 選択 76 : ◯答弁(教育長) 選択 77 : ◯質疑(稲葉委員) 選択 78 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 79 : ◯質疑(稲葉委員) 選択 80 : ◯答弁(知事) 選択 81 : ◯要望(稲葉委員) 選択 82 : ◯質疑(出原委員) 選択 83 : ◯答弁(総務局長) 選択 84 : ◯要望・質疑(出原委員) 選択 85 : ◯答弁(総務局長) 選択 86 : ◯要望・質疑(出原委員) 選択 87 : ◯答弁(知事) 選択 88 : ◯要望(出原委員) 選択 89 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 90 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 91 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 92 : ◯答弁(警察本部長) 選択 93 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 94 : ◯答弁(警察本部長) 選択 95 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 96 : ◯答弁(教育長) 選択 97 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 98 : ◯答弁(警察本部長) 選択 99 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 100 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 101 : ◯質疑(渡辺委員) 選択 102 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 103 : ◯質疑(狭戸尾委員) 選択 104 : ◯答弁土木建築局長) 選択 105 : ◯質疑(狭戸尾委員) 選択 106 : ◯答弁(知事) 選択 107 : ◯要望・質疑(狭戸尾委員) 選択 108 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 109 : ◯要望・質疑(狭戸尾委員) 選択 110 : ◯答弁(教育長) 選択 111 : ◯質疑(狭戸尾委員) 選択 112 : ◯答弁(教育長) 選択 113 : ◯要望(狭戸尾委員) 選択 114 : ◯質疑(佐藤委員) 選択 115 : ◯答弁(教育長) 選択 116 : ◯質疑(佐藤委員) 選択 117 : ◯答弁(教育長) 選択 118 : ◯質疑(佐藤委員) 選択 119 : ◯答弁(教育長) 選択 120 : ◯質疑(佐藤委員) 選択 121 : ◯答弁(教育長) 選択 122 : ◯要望(佐藤委員) 選択 123 : ◯質疑(金口委員) 選択 124 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 125 : ◯質疑(金口委員) 選択 126 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 127 : ◯要望・質疑(金口委員) 選択 128 : ◯答弁(知事) 選択 129 : ◯要望・質疑(金口委員) 選択 130 : ◯答弁(警察本部長) 選択 131 : ◯質疑(金口委員) 選択 132 : ◯答弁(警察本部長) 選択 133 : ◯質疑(金口委員) 選択 134 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 135 : ◯要望(金口委員) 選択 136 : ◯答弁(警察本部長) 選択 137 : ◯質疑(栗原委員) 選択 138 : ◯答弁(総務局長) 選択 139 : ◯質疑(栗原委員) 選択 140 : ◯答弁(総務局長) 選択 141 : ◯要望・質疑(栗原委員) 選択 142 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 143 : ◯質疑(栗原委員) 選択 144 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 145 : ◯質疑(栗原委員) 選択 146 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 147 : ◯質疑(栗原委員) 選択 148 : ◯答弁(知事) 選択 149 : ◯要望・質疑(栗原委員) 選択 150 : ◯答弁健康福祉局長) 選択 151 : ◯要望(栗原委員) 選択 152 : ◯質疑(東委員) 選択 153 : ◯答弁(知事) 選択 154 : ◯質疑(東委員) 選択 155 : ◯答弁(代表監査委員) 選択 156 : ◯要望・質疑(東委員) 選択 157 : ◯答弁(総務局長) 選択 158 : ◯質疑(東委員) 選択 159 : ◯答弁(総務局長) 選択 160 : ◯要望・質疑(東委員) 選択 161 : ◯答弁(玉井副知事) 選択 162 : ◯質疑(東委員) 選択 163 : ◯答弁(玉井副知事) 選択 164 : ◯質疑(東委員) 選択 165 : ◯答弁(教育長) 選択 166 : ◯質疑(東委員) 選択 167 : ◯答弁(教育長) 選択 168 : ◯要望(東委員) 選択 169 : ◯質疑(鷹廣副委員長) 選択 170 : ◯答弁(総務局長) 選択 171 : ◯質疑(鷹廣副委員長) 選択 172 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 173 : ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 選択 174 : ◯答弁(総務局長) 選択 175 : ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 選択 176 : ◯答弁(総務局長) 選択 177 : ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 選択 178 : ◯答弁(総務局長) 選択 179 : ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 選択 180 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 181 : ◯要望(鷹廣副委員長) 選択 182 : ◯質疑(三好副委員長) 選択 183 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 184 : ◯意見・質疑(三好副委員長) 選択 185 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 186 : ◯要望・質疑(三好副委員長) 選択 187 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 188 : ◯要望・質疑(三好副委員長) 選択 189 : ◯答弁(知事) 選択 190 : ◯要望(三好副委員長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の氏名        竹 原   哲        林   大 蔵  (3) 知事挨拶  委員の皆様には、去る9月定例県議会におきまして決算特別委員会が設置されて以来、終始熱心に御審査をいただきまして、誠にありがとうございました。  審査の過程におきまして委員の皆様から頂きました貴重な御意見、御提言につきましては、今後の県政運営に反映させてまいりたいと考えております。  本日は、決算の総括審査をしていただくわけでございますが、どうか十分に御審査賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  (4) 質疑・応答 ◯質疑(灰岡委員) おはようございます。自民議連の灰岡香奈です。私にとって初めての決算特別委員会でしたが、部局別審査において、諸先輩方のあらゆる角度での厳しい質疑を聞かせていただき、大変勉強になりました。私も一議員として、県政がよりよい方向に進むように、私なりの視点で、この総括審査に臨みたいと思いますので、真摯な御答弁をお願いいたします。  質問の一つ目は、私が、安佐南区選出の議員として最も注目している県事業の一つである砂防事業などの事前防災に関わる公共事業についてお伺いいたします。  このことについては、6月定例会の一般質問においても、砂防ダム等の計画的な整備について質問させていただきました。その後、先月10月の建設委員会では、令和4年9月時点の実施状況について報告があり、砂防担当課に問い合わせたところ、平成30年7月豪雨災害に対する再度災害防止対策と事前防災対策を合わせて、5年間で269か所のうち、169か所を完成させる計画とされ、既に51か所が完成しているとのことでした。  そこで、まずは、砂防アクションプランにおける砂防事業の計画と整備目標、そして、令和3年度からの事業進捗を含めた現時点における実施状況について、土木建築局長から、改めて、分かりやすく説明をお願いいたします。 2: ◯答弁土木建築局長) ひろしま砂防アクションプラン2021につきましては、安全・安心を支える総合的な県土の強靱化を実現するため、土砂災害防止施設の着実かつ効果的な整備の推進、適切な避難行動につながる取組の推進、土砂災害防止施設の適切な維持管理の推進の3つを実施方針として定め、ハード・ソフト一体となって土砂災害防止対策等に取り組むこととしております。  そのうち、砂防事業につきましては、平成30年7月豪雨による被災地への再度災害防止対策をはじめ、多くの人家や防災拠点、避難所、道路や水道などのインフラを保全する箇所を中心に砂防ダム等の事前防災対策を行うこととしており、令和3~7年度の5年間で県内269か所において事業を実施し、このうち169か所を完了させることとしております。これにより、急傾斜地崩壊対策事業などと合わせ、土砂災害から保全される家屋数を令和2年度の約11万6千戸から約1万3千戸増加させ、約12万9千戸とすることを目標としております。  計画策定から1年半経過した令和4年9月末時点における進捗状況といたしましては、アクションプランに掲げる269か所のうち約9割に当たる243か所を事業化するとともに、169か所のうち、約3割に当たる51か所の施設整備を完了しており、これまで計画どおりに事業が進捗しているものと考えております。 3: ◯質疑(灰岡委員) 私の地元、安佐南区においても、平成26年広島土砂災害、平成30年7月豪雨災害、そして、昨年度の7月、8月にも豪雨災害が発生しました。その後の災害復旧と再度災害の防止に当たっては、国と県が連携して、特に力を入れて取り組んでいただき、大変感謝しています。  一方で、砂防ダムの整備に当たっては、山間地での工事となることから、用地の取得や工事施工に困難を伴うことが多く、事業の進捗が伸び悩む傾向にあると聞いております。  令和3年度の砂防事業費の決算を見てみますと、当初予算約119億円が、最終予算では約282億円となり、執行額は約65億円、繰越額が約216億円となっています。防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などの国の有利な財源をしっかりと活用していただき、次年度の計画的な予算確保につなげていくことは大変重要であり、評価いたしますが、やはり、それが適切に執行され、計画どおりに整備が進まないようでは、県民の安全・安心にはつながりません。
     そこで、この砂防アクションプランを計画どおり達成していくためには、何が課題となり、それをどのように改善していこうとされているのか、土木建築局長にお伺いいたします。 4: ◯答弁土木建築局長) 砂防事業においては、事業箇所が山間地であることから、公図の整理が不十分で用地境界や土地所有者の確定に困難を伴うだけではなく、共有地の場合は権利者が多く、その中に所在の不明な方がいるなど、事業に必要な用地を取得するために時間を要するといった課題がございます。  また、工事面においては、砂防ダム本体への工事用道路が長くなり、着手に時間を要することや、狭隘な谷間での工事となることから大型の建設機械による施工が難しく、効率が悪いことに加え、急な出水による土砂流出や斜面崩壊に係る工事中の安全対策が必要になるなど課題がございます。  このため、用地取得につきましては、地元市町と緊密に連携を図りながら用地境界や土地所有者の確定に取り組むとともに、所在不明者に対しましては、不在者財産管理人を選定するなど、難航する用地取得の解消を図っているところでございます。  また、工事においては、現場施工の効率性の向上を図るため、砂防ダム本体へのポンプ車によるコンクリート打設の採用を可能とするとともに、ICT建設機械の活用による施工の省力化や安全性の向上に取り組んでいるところでございます。  引き続き、県民の安全・安心を支える総合的な県土の強靱化を実現するため、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算を最大限に活用し、所要の予算の確保に努めながら完成箇所を前倒しできるよう全力で事業を推進してまいります。 5: ◯要望・質疑(灰岡委員) 砂防事業は、再度災害防止を図り、命を預かる事業であることから、今後も優先され、前倒して完成させるくらいの勢いが必要だと考えます。  答弁のあった課題解決に向けては、私も懸命に取り組んでまいりますので、ぜひ発注者、受注者双方の体制整備を進めていただき、1基でも多くの砂防ダムが1日も早く完成するように取り組んでいただくことを強く要望し、次の質問に移ります。  次は、県営水道事業についてお伺いいたします。  水道事業は、県民の皆様に安全な水を将来にわたって安定的に供給するという大きな責任があります。しかし、公営企業決算説明資料に心配な値の記載がありました。それは、管路の経年化率と更新率です。  県営水道施設は、高度経済成長期の昭和40~50年代にかけて建設されたものが多く、特に管路については、法定耐用年数を経過している延長の割合──経年化率が令和3年度時点で約56%に上り、老朽化が進んでいる状況にあります。  それにもかかわらず、更新された管路延長の割合──更新率は、1年間に1%でも100年かかるわけですが、令和3年度の更新率は1%にも満たない、僅か0.4%となっております。また、老朽化による漏水事故も減少傾向ながら、依然発生していると聞いております。  そこで、老朽管路の更新等を行った建設工事費は、水道用水供給事業だけでも令和元年度で約40億円、令和2年度で約50億円、令和3年度で約54億円と、年々増強されてはおりますが、管路の更新を図る管路更新計画などにおいて、更新率の数値目標をどのように立てられ、また、計画策定後、令和3年度までの実績をどのように評価されているのか、企業局長にお伺いいたします。 6: ◯答弁企業局長) 県営水道施設の管路につきましては、高度経済成長期に集中的に整備していることから、更新の優先順位をつけながら、事業規模の平準化を図ることとし、10年間を計画期間とする管路更新計画を、第一次、第二次と策定し、これらに基づいて更新を進めております。  平成20年度を始期とする第一次計画では、経過年数やこれまでの漏水事故の傾向などを勘案し、水道用水供給事業の管路について、延長約27キロメートル、率にして約8%の更新を目標とし、計画どおり更新を完了させております。平成30年度を始期とする第2次計画では、延長約38キロメートル、率にして約11%を目標として現在更新を進めているところでございます。この結果、令和3年度末時点では、累計で延長約31キロメートル、率にして約9%の更新が完了しているところでございます。  県といたしましては、これまで漏水リスクの高い管路の更新を計画的に進めてきたことが漏水事故の減少に一定の効果を上げているものの、将来、災害が発生した場合のリスクなども考慮いたしますと、今後さらに更新を加速化させていく必要があると考えております。 7: ◯質疑(灰岡委員) さらに、決算審査意見書には、平成28年度からの40年間で、管路更新等に約2,520億円の投資額が必要と見込まれております。  企業団は、先週の11月18日付で総務大臣から設置許可を受けました。  水道事業は、令和5年度4月からこの企業団に移行されますが、参画市町の施設、設備も合わせた正しい情報把握の下、人口減少に伴い減少傾向が続く水需要に見合った施設、設備の廃止・統廃合、性能の合理化を図るなど、地域の特性に応じた適切な規模に見直すことで、最適化を図ることが求められます。  また、老朽化による漏水事故に加え、今後、南海トラフ巨大地震の発生も想定される中、災害、事故等に備えた送水ルートの強化や、更新等のペースアップを図ることも不可欠です。  建設工事を発注し、こうしたことに対応していくためには、行政内の水道技術者の確保・育成に加え、緊急時の迅速な対応を可能とする、地域に精通した水道事業者を維持・継承していくことが極めて重要と考えております。  そこで、企業団移行後の管路・設備の計画的な更新や強靱化の推進に向け、これまでの県における取組を踏まえ、必要な計画の策定や水道技術者の確保、各地域への管路工事等の発注についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 8: ◯答弁企業局長) 広島県水道広域連合企業団につきましては、その設立に際しまして、これまでの県営水道事業の取組も踏まえ、参画する14市町と協議を行い、水道施設の更新や強靱化の加速化、広域的な危機管理体制の強化などを盛り込んだ事業計画を取りまとめたところでございます。令和5年度から、この事業計画に基づき、水道施設の更新を着実に実施するとともに、基幹管路の耐震化率を全国平均以上に引き上げるなど、災害や事故に強い水道施設を整備してまいります。  また、将来にわたって水道事業を安定的に継続していくためには、水道企業団の職員一人一人の技術力の維持向上が不可欠であることから、令和5年度に、人材育成方針を策定し、計画的に人材を育成していくとともに、短期的には、構成団体からの派遣により職員の確保を行い、中長期的には、これに水道企業団による職員採用を適切に組み合わせることで、人材の確保を図ってまいりたいと考えております。  さらに、水道企業団の工事を円滑に執行するとともに、緊急時の工事執行体制を整備していくという観点から、管路工事等の発注に当たっては、管工事組合など地元の工事事業者の受注機会に配慮しつつ、年間を通じて安定的に工事を実施することで、工事事業者の確保を図ってまいりたいと考えております。 9: ◯質疑(灰岡委員) 今後、水需要の減少や管路等更新費の負担が生じる中、将来的に損益赤字等を回避するためには、水道料金を最大約1.6倍に引き上げる必要があると試算されております。  県民の生活を支える最も重要なライフラインである水道については、安全・安心な水を安定供給することはもちろんですが、その料金も社会経済活動に大きな影響を与えることになります。  そこで、企業団移行後の将来的な水道料金の考え方について、どのように想定されているのか、お伺いいたします。 10: ◯答弁企業局長) 広島県水道広域連合企業団におきましては、今後、人口減少に伴う給水収益の減少や施設の老朽化に伴う更新費用の増加など、水道事業を取り巻く経営環境が悪化していくことが見込まれる中、持続可能な水道システムを構築していくことで、安全、安心、良質な水を安定的に適切な料金で提供していくこととしております。  具体的には、市町の枠を超えた施設の統廃合による施設の最適化、スケールメリットを生かした組織管理体制の最適化、デジタルトランスフォーメーションの推進による業務の効率化などに取り組むことで、水道企業団に参画する全ての市町の水道料金を、単独経営を維持する場合よりも抑制することができると考えております。  水道企業団において、来年度からこれらの取組を着実に進めることで将来的に上昇が見込まれる水道料金の抑制を図り、利用者の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。 11: ◯要望・質疑(灰岡委員) 企業団移行後は、令和4年7月に策定した事業計画に沿って持続可能な水道事業を実現していくこと、また、地震など大規模な自然災害による断水被害に対し、参画市町や指定管理者等と連携して、初動応急対応の強化など、危機管理体制を強化することを要望して、この質問を終わります。    次に、自主防災組織による避難の呼びかけ体制についてお伺いいたします。  令和3年度主要施策の成果に関する説明書の成果目標、呼びかけ体制が構築できている自主防災組織の割合では、令和3年度の目標値33.1%に対し、実績値11.8%と大きく下回っております。  そこで、この避難の呼びかけ体制づくりに関して、令和3年度ではどのような取組をされたのか、また、なぜこのように実績が大きく下回ってしまったのか、今後どのように取組を進めていこうとされているのか、併せて危機管理監にお伺いいたします。 12: ◯答弁危機管理監) 自主防災組織による避難の呼びかけ体制づくりにつきましては、災害時の県民の適切な避難行動を促すため、令和元年度から取組を進めてまいりました。  令和3年度におきましては、新型コロナウイルスの影響により、呼びかけ体制を構築するための活動が中止、延期となり、実質的な活動期間が10月中旬~12月までの約2か月間に限られたところです。この間、短期集中的に現地に出向き、セミナーやワークショップの取組を進めたものの、令和3年度末において、累計で393組織、11.8%の構築に留まり、目標を下回ったものでございます。  令和4年度は、効率的かつ計画的に体制構築を進めるため、市町ごとに自主防災組織の活動状況等を分析・把握し、組織の状況に応じたセミナーや災害図上訓練などの取組を積極的に進め、9月末現在において、累計で990組織、29.7%の構築となっております。  コロナ禍においても、自主防災組織による避難の呼びかけ体制構築を着実に進めることができるよう、現在、オンラインによるセミナー等の講師として、広島県自主防災アドバイザーを育成しているところであり、今後とも、自主防災組織の体制強化に取り組み、地域の防災力の向上に努めてまいります。 13: ◯質疑(灰岡委員) 災害が起こった際には、地域の消防団と連携して活動していくことが必要であると思っております。しかしながら、消防団員数は年々減少しており、令和3年4月1日時点の県内の消防団員数は、対前年度からマイナス2.2%の減で2万732人、そのうち女性は557人と、全体の2.7%であるとのことでした。  今後の女性消防団員の活躍について、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。 14: ◯答弁危機管理監) 防災の現場におきまして、女性の視点が入ることで、子供や高齢者、災害時の避難者や要配慮者など、多様な住民への対応力が向上するものと認識しております。  県内の消防団においては、年々、団員数が減少する一方、女性消防団員が増加している市町もあり、活躍の場は徐々に広がりつつあります。具体的には、子供や地域住民を対象とした防災・火災予防、応急手当の普及・指導、大規模災害における避難誘導や後方支援など様々な場面で活躍されているところです。  県では、こうした女性消防団員の活躍をホームページ等で紹介しているほか、女性消防団員向けの防災をテーマとした研修会を開催するなど、女性消防団員の活動支援や入団促進の取組を行っているところでございます。  今後とも、市町や消防協会と連携して、女性消防団員の入団を促進し、地域防災力の中核となる消防団の充実強化に取り組んでまいります。 15: ◯要望(灰岡委員) 今後、女性消防団員の確保についても積極的に取組を行っていただくよう要望いたします。  最後に、知事におかれましては、日本一安全・安心な広島県の実現に向けた取組をさらに進めていただくことを期待して、私の質問を終わります。 16: ◯質疑(山木委員) 自民議連の山木 茂でございます。早速質問に入ります。  質問の第1は、国民健康保険事業費特別会計の財政運営についてお伺いします。  平成30年度から都道府県も保険者となり、県に国民健康保険事業費特別会計を設置し、市町国民健康保険の財政運営の責任主体となりました。この特別会計の令和3年度決算状況を見ますと、黒字で運営されており、安定的な財政運営がなされているように見受けられます。  そこで、財政運営の現状をどのように受け止められているのか、健康福祉局長にお伺いします。 17: ◯答弁健康福祉局長) 国民健康保険制度を将来にわたって持続可能な制度とするためには、法に基づく公費等と被保険者の保険料負担で、必要な保険給付費等を賄う仕組みとすることで、法定外繰入れに頼らない健全な財政運営が重要であります。  このため、本県では、市町国保会計へ赤字繰入れを行っておりました3市町に対し、赤字解消・削減計画を策定させ、計画どおりに進めたことで、令和2年度末をもって解消されるなど、健全な運営が図られつつあるものと認識しております。 18: ◯質疑(山木委員) 国民健康保険は、市区町村を単位として運営され、生活保護を受けていない被用者保険の被保険者以外の全ての住民が加入することで、国民皆保険制度を下支えしているものと理解しております。  次に、在留外国人の保険適用についてお伺いいたします。  まず、国民ではない外国人を国保に加入させることになった経緯について、厚生労働省の認識はどのようなものであったか、県として把握されておりますでしょうか、お伺いいたします。 19: ◯答弁健康福祉局長) 外国人に対する国民健康保険の適用につきましては、昭和60年度までは、難民条約の適用を受ける難民や市町村が条例で定める国籍の者などに限られておりました。  こうした中、国際社会における日本の地位の向上、国際交流の活発化等に伴い、来日する外国人の数は飛躍的に増加してきたことを踏まえ、昭和61年度の制度改正により、被用者保険等に加入していない外国人であって、市町村に住所を有する全ての外国人に国民健康保険の適用範囲が拡大されたものでございます。 20: ◯質疑(山木委員) 続けて、平成24年7月9日に始まった我が国の新しい在留管理制度について、これは住民基本台帳法の改正も伴うものでありましたが、この制度改正により、在留外国人への国保適用はどのようになったのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 21: ◯答弁健康福祉局長) 在留外国人への国民健康保険の適用につきましては、出入国管理及び難民認定法上の在留資格を持って、適法に3か月を超えて在留する外国人であって住所を有する者等が被保険者とされたものでございます。 22: ◯質疑(山木委員) 在留期間3か月超という要件がこの時にできました。この制度改正によって一気に国保加入の敷居が低くなったと認識しております。  厚生労働省は、医療目的で滞在する外国人は国保の適用除外としているため国保の資格管理においては問題ないとしておりました。在留資格の公正な管理については、ビザを発給する法務省の所管で、法務省がやるだろうとして、滞在目的の偽装についての問題意識をあまり持っていなかったようです。しかしながら、目的を偽って滞在する外国人が国保を悪用するという事例が現実に多数発生し、平成26年頃には外国人の国保不正利用が報道される事態になりました。例えば、次のようなものがありました。日本に住む外国人が海外の親族を短期間日本に呼んで国保に加入させて僅かな負担で医療を受けさせる、また、日本で健康保険に加入していれば海外出産でも出産育児一時金を受け取れるため、他人の子を自分の子と偽って、海外の医療機関の偽造出生証明書を使って不正受給する、また、他人になりすまして保険証を使い回すなど様々ありました。  性善説に基づいた相互扶助の精神から成る国民皆保険制度の根幹を揺るがす内容に多くの国民が唖然として、強く問題意識を持ちました。  この事態に各地の地方議員が議場で質問し、各種メディアが取り上げる事態を重く見て、自民党本部がワーキンググループを立ち上げ、提言書をまとめて厚生労働大臣に提出し、令和2年10月1日施行の法改正に至ることになります。この健康保険法改正に向けた自民党ワーキンググループの提言書は、当時の問題を修正するべく非常によく考えられておりました。と言いますのも、この自民党のワーキンググループの事務局長を務められたのが今年の参議院議員選挙、全国比例で二度目の当選をされた自見英子先生でありまして、この方は医師であります。松村会長をはじめ、広島県医師会の先生方も全力で応援された医師会の組織内候補として、この件には非常に明るい方でありました。  この提言書には次の5つの提言が盛り込まれておりましたので、少し紹介させていただきます。  1点目は、健康保険の被扶養者・国民年金3号被保険者の認定において、原則として国内居住要件を追加すること、2点目は、国保の適正な利用の確保において、本来の在留資格の活動を行っていない可能性がある場合に市町村が入国管理局に通知する仕組みについて、通知対象の拡大と市町村が関係者に報告を求めることができる情報を拡大すること、3点目は、国保加入促進対策と同時に、保険料を一定以上滞納した者を在留期間更新不許可にすること、4点目は、出産育児一時金について、自治体の書類を統一化して、審査を厳格化すること、5点目は、なりすまし対策として、医療機関が必要と判断した場合には、本人確認書類の提示を求められるようにすること、以上の5点であります。  1点目の国内居住要件の追加については、国保にはもともと居住要件があり、これを社会保険にも適用しようというものでした。被扶養者の認定において、居住地を問わなければ、外国人の母国にいる被扶養者も、健康保険に加入できてしまうという問題がありました。詐欺事件などから居住要件が非常に重要だという地域の声が生かされたものであります。  2点目の市町村における調査対象の明確化等については、観光で入国したのに本当は働いているとか、技能実習生のはずが実は別のことをやっているとか、ひどい話では、低賃金・長時間労働といった劣悪な環境で働かされているとの通報があった場合に、在留資格が違うのではとなっても市町村が堂々と動けなかったのを動けるようにしようというものであります。  3点目の国保加入促進対策と保険料滞納者の在留期間更新不許可については、公的医療保険をフリーライドしている可能性がある場合、それは我が国との信頼関係を裏切る行為でありますので、在留許可を延ばしません、資格の変更も許しません、そもそも不許可にしますというルールにしましょうということで、フリーライドを抑止する内容であります。  4点目の出産育児一時金ですが、以前、ある地方自治体で、たくさん子供が生まれたので掛ける人数分のお金をくださいという方が、国保に加入して間もない段階で突然申請されるという事例がありました。居住要件を満たしているかを徹底調査すると、実はそこに住んでいないことが分かり、その自治体は職権で消除したということであります。幾つもの自治体を渡り歩いたようで、この事例を参考に書類を統一化して審査を厳格化しようという内容であります。  5点目のなりすまし対策としては、驚くことに、今まで医療機関は本人確認書類を求める権限がありませんでした。きちんと確認できなかったので、医療機関が必要と判断した場合には、本人確認書類を見られるようにしましょうという内容であります。  説明が長くなりましたが、この自民党の提言書について、実際の健康保険法の改正に生かされたのか、生かされたのであれば、どの点が反映されたのか、県として把握されている範囲内で健康福祉局長にお伺いいたします。 23: ◯答弁健康福祉局長) 健康保険法への反映につきましては、令和元年5月公布の医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律により、健康保険の被扶養者や国民年金第3号被保険者の認定におきまして、原則として、日本国内に住所を有することなどを要件とする改正が行われております。 24: ◯質疑(山木委員) 自民党の提言書が改正法にきちんと反映されているということであります。  また、外国人材の適正な受入れや共生社会の実現について目指すべき方向性を示す法務省の施策として、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策というものがあります。昨年6月に開催された第10回外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において、令和3年度の改訂がなされましたが、そこには自民党の5つの提言に沿った内容が盛り込まれております。  この法改正に取り組んだ時期ですが、コロナ禍以前は訪日外国人・在留外国人は膨大な数で、その数はさらに増加傾向にありました。保険料を長く納め続ける国民と同様の保障を外国人が簡単に受けられてしまうという不公平感があり、詐欺の温床という指摘もある一方で、人手が足りず、外国人をどんどん雇用したいという事業者の事情や、適法に滞在しておられる外国人労働者や純粋に観光を楽しむ外国人への配慮も必要でした。いろいろな思いがある中で、それらと正面から向かい合って、健康保険法を改正に導く提言書をまとめた自民党は、手前味噌でありますけれども頑張ったのではないかと思っております。  続いて、実務上、大切なことなので確認させていただきたいのですが、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策には、過去の医療費の不払い等の経歴がある外国人観光客に対する審査の厳格化があると思います。  そこで、外国人の医療費不払いがあった場合に、何円以上の未収金が発生すれば不払い事案に該当することになるのか、健康福祉局長に御答弁をお願いいたします。 25: ◯答弁健康福祉局長) 訪日外国人受診者の医療費不払いの発生対策として、厚生労働省から保険医療機関に対し、20万円以上の不払い事案について報告するよう依頼されており、提供された情報は、厚生労働省から出入国在留管理庁へ提供され、当該外国人の次回以降の入国審査に活用されているところでございます。 26: ◯要望・質疑(山木委員) 20万円以上ということでありました。もっと少なくてもいいと個人的には感じておりますが、今後の動きを注視してまいりたいと思います。  このほかにも国保の保険料は所得によって異なりますが、その基準となっているのは国内所得だけという課題もあります。例えば、外国で稼いでいるお金持ちでも、日本での収入が少なければ最低額の保険料で済むため、外国人の保険料算定が甘いのではないかという声も多く聞かれているところであります。また、多くの日本人は健康状態にかかわらず保険料を一生支払い続けなければならない中で、一時的に来日して国保に加入し、がん治療や肝炎治療のような支払った保険料を大きく超えるような医療サービスを受ける外国人がいることは公平ではないという指摘もあり、これらについても今後対応されていくものと考えております。  よく言われる格言に、過去に学ばない者は過ちを繰り返すというものがありますが、日本の健康保険制度には、本日申し上げたような歴史がございます。答弁をお伺いして、県当局におかれましては、これまでの経緯について十分把握されていることが分かり安堵しております。財政運営の責任者として、広島県当局におかれましては、法改正で得られた成果を今後も着実に現場で生かし、公正かつ安定した制度運営をなされますよう、強く要望して、次の質問に移らせていただきます。  質問の第2は、令和3年10月19日の生活福祉保健委員会で健康福祉局資料1番として提出されたワクチン接種促進キャンペーンについてお伺いいたします。  この事業は、若年層の新型コロナワクチン接種率を向上させるため、キャンペーン開始後の令和3年10月中に1回目の接種を受けた12~39歳の県民に1,000円のデジタルポイントを付与し、令和3年11月30日までに1回目の接種を受けた県民の中から抽せんで協賛企業から提供を受けた商品をプレゼントするなどというものでありました。  そこで、この事業の結果はどのようになったのか、健康福祉局長にお伺いします。 27: ◯答弁健康福祉局長) 県では、接種をためらっている方の行動変容を促すため、県民の8割の方に接種していただくことを目指して、令和3年10~11月に若者を中心としたワクチン接種促進キャンペーンを実施したところでございます。  キャンペーンの内容といたしましては、ウェブを中心としたワクチンに関する正しい情報の周知、ワクチンメーターなど、接種が大勢の動きであることの周知による接種する機運の醸成、県内企業などからの協賛品やデジタルポイントなどの接種者限定プレゼントによる接種するきっかけづくりを柱として実施いたしました。  キャンペーン期間中におきましては、若者を中心に一定の接種は進み、キャンペーン開始前に68.2%であった若年層の接種率は73.9%まで伸びましたが、キャンペーン終了時点で県民全体としては、ほぼ全国並みの76%台にとどまりました。  現在、オミクロン株対応ワクチンの接種を進めているところでございますが、引き続き、ワクチン接種の効果や副反応など必要な情報を丁寧に提供するとともに、夜間・休日の接種など、接種しやすい体制の整備を行い、希望する方が一人でも多く速やかに接種していただけるよう、市町や関係機関と連携して、ワクチン接種を進めてまいります。 28: ◯意見・質疑(山木委員) この事業につきましては、速やかに接種を受けた方々から不公平ではないかとの声が上がっておりました。このような取組がどうしても必要なのであれば、公平性の観点に十分留意する必要があったのではないかと考えております。例えば、抽せんはこれまで接種を受けた全県民を対象にするとか、1,000円のデジタルポイントについては、これまで接種を受けた12~39歳の全ての県民に金額を減らしてでも付与するとか、配慮の仕方があったのではないかと思います。  政策の立案に当たっては、公平性の観点に十分留意され、行政施策への信頼感が揺らぐことがないように要望したいと思いますが、まだ時間がありますので何か御答弁いただければ、お願いします。 29: ◯答弁健康福祉局長) 当時、その対象となる年齢層として、やはり若い世代の接種率が伸びていないという課題があったことから、それらの方々に重点的に接種への情報提供でありますとか、接種機会の促進というものを確保しながら、接種率を少しでも上げていきたいということで、めり張りを一定程度つけながら取り組んだところでございますが、ただいま御指摘があったような公平性という観点にも今後十分留意しながら取り組むという点も重要だと考えております。御指摘ありがとうございます。 30: ◯質疑(山木委員) この際、もう一つお伺いしたいのが、抽せんの協賛品の1番高額なものは車だったと思いますが。それも含めて、全ての抽せんと提供が終了しているということでよろしいですか。 31: ◯答弁健康福祉局長) 御提供いただきました協賛品につきましては、抽せん等が全て終了しているところでございます。 32: ◯要望(山木委員) これからも県民の行政に対する信頼感を高めるような施策を、知事をはじめ、皆さんにもお願いしたいと思います。 33: ◯質疑(村上委員) 皆さん、おはようございます。福山市選出のオレンジの村上栄二です。早速、質問させてもらいたいのですけれども、私は、ネクタイもマスクも車もオレンジにして、徹底しております。しかし、昼からはマスクは白色に変えます。要はめり張りを聞いた質問をしてまいりますので、皆さんよろしくお願いします。  まずは、農業の出口戦略についてです。  先月の農林水産局の部局別審査において、私は、農家と学校の食材仕入れに関して、直接マッチングを行っている事例があるか、お伺いしました。大規模な経営体が学校給食に出荷している事例がある一方、小規模な学校による地元の個別農家との直接取引では、安定的な取引となっていないとの答弁でした。  私は、各市町の学校給食など、年間を通じて大量の食材を必要とする施設の過去の需要を分析して、どの時期に、どれだけの食材が必要になるのかを把握し、それに必要な農産物を計画的に県内で生産し供給することができれば、本県農業の大きな改革になると考えております。  生産者側にしても、これらの施設でどのような食材が求められているのか、大量発注が見通せるのであれば、需要が読めて生産に踏み切ることができます。
     そこで、農業就労者の所得を上げることが喫緊の課題であり、主にJA、スーパー、市場などが大口の出口戦略となっておりますが、各市町の学校給食の需要に関するデータを県が積極的に把握して、マッチングが広域的に進むような視点で、もう一つの出口戦略をつくり、農業者の販売支援をしていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 34: ◯答弁(知事) 県産農林水産物の学校給食における活用は、地域の食文化や農林水産業に対する子供たちの関心を高め、地産地消への理解促進を図ることにより、家庭での消費拡大につながるなど、生産者の所得向上に寄与する取組であると認識しております。  県といたしましては、学校給食での利活用を促進するため、第3次広島県地産地消促進計画に基づきまして、年間を通じて各給食施設が求める数量や規格などの需要量の把握、栄養教諭や市町、JA等の連携による生産者とのマッチングなどに取り組んでいるところでございます。  学校給食の需要につきましては、県教育委員会が実施した市町別・品目別使用量などの調査を基に分析したところ、使用量の多いタマネギ、ジャガイモなどを広島県産で賄いたいというニーズが高いことや、事前に取り決めた契約に応じて納品する必要があることなどが明らかになりました。この分析結果を受けて、産地を抱えている市町やJA等にヒアリングを行ったところ、使用量の多い品目の生産が県内では少ないことや契約に対して確実に供給できる流通体制が整っていないことが課題として挙げられたところでございます。  県といたしましては、こうした課題解決を図るため、教育委員会やJA等との意見交換を重ね、庄原市をモデルケースとして選定し、ニーズが高い品目の作付を生産者に働きかけるとともに、安定的に流通できる仕組みづくりの検討を開始しているところでございます。  また、産地と学校給食のマッチングを進めるためには、契約に応じた数量を計画的に生産し、正確な情報を事前に提供する必要があることから、現在、スマート農業の実証試験により、収穫予測技術の確立に取り組んでいるところでございます。  今後は、こうした庄原市の取組やスマート農業技術を県内に広く普及することにより、需要と供給とのマッチングを積極的に進め、農林水産事業者の販売力強化につなげてまいります。 35: ◯要望・質疑(村上委員) 私がイメージしているのは、あくまで管理ではなくコーディネートだと思っております。これまで何かをするとなると販売組織などをつくったりしていたのですけれども、広島県にはサンドボックス会員もいます。  今からの時代、組織を持つのではなく、オンライン上でつなげていくアプリ、システム管理で、旗振り役、新しいニーズをつくっていただきたい。それと、今、地域では、電車などといったいろいろな課題が出てきています。それには、農産物を運んで、地域に持って行くだとか、いろいろなことが考えられると思うのです。しっかりとスマート農業の推進を含めて、進めていただきたいと思っております。  次に、鳥獣被害対策についてお伺いします。  平成19年に制定された鳥獣被害対策特別措置法では、被害防止計画を策定した市町に対して財政措置がされております。会計年度で選任した場合の人件費について、国から80%の特別交付税措置がありますが、しかしながら、現在鳥獣被害対策のための特別交付税の対象となる自治体の隊員として登録しているのは、呉市のほか、全部で4市のみで、いずれも特別交付税の活用には至っておりません。  こうなった要因として、大きく三つあると思っております。一つ目は、平成19年に平成の大合併などで人余りの時期があり、当時、ニーズがなかった。二つ目は、各市町の総務や農林関係の部局の情報が十分に行き渡らず、約15年間、この政策が放置されていた。この状況は、縦割り行政の典型的な問題を露呈しています。三つ目に、関係市町において、鳥獣被害対策が事業の優先順位として低かった。  私は、現段階で農林水産局が各市町に通達したとして、きちんと全市町が首長を含めてこの制度を把握し、連携していく必要があると思っております。  最近では、テレビでもよく流れているように、特に島嶼部で、イノシシは海を渡り、島に行き着き、様々な被害を出しております。イノシシの移動距離は数キロメートルと言われていますが、水路を通ると、山間部と違って、移動距離は大きいと聞いております。当然、近隣市町を越えて活動するのがイノシシと想定して、広島県として、きちんと鳥獣被害対策の指針を示し、取り組むべきと考えますが、農林水産局長の御所見をお伺いします。 36: ◯答弁(農林水産局長) 本県では、鳥獣による農作物の被害低減を図るため、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョンアクションプラン」における農林水産業の施策領域において、市町の作成する鳥獣被害対策プログラムを進めるため、市町担当者や集落リーダーを対象とした研修会の実施やモデル集落での活動に向けた専門家の派遣、IoTを活用した新技術の導入実証などに対して支援することとしております。  また、農林水産分野の行動計画である2025農林水産業アクションプログラムにおいても、このビジョンの目指す姿を実現するため、令和3~7年度の5年間を計画期間とし、県全体の被害額や集落ごとの被害状況を指標として定めており、具体的な計画に沿って、鳥獣被害対策に取り組んでおります。  さらに、これら指標の達成に向けた取組が適切に進められているかどうか、局内における施策マネジメントを行っており、個々の取組内容に応じて、適切な時期に点検・評価を行い、課題に対する今後の対応策などについて、PDCAサイクルを循環させながら、最善の取組となるよう努めているところでございます。  鳥獣による農作物の被害防止対策は、市町村が主体的に取り組むよう法律に明記されておりますが、鳥獣生息区域の拡大などに伴いまして、市町の区域を越える広域的な対策など、県が担うべき役割も増加しているため、専門業者を活用した市町への戦略的な支援や農地周辺の山林を含めた広域での捕獲活動について、今年度から県が主体となって取組を始めております。  引き続き、効果検証の結果や地域の実情を踏まえつつ、県の方向性に沿って鳥獣被害の低減が図られるよう、市町に対して幅広く最新の国の制度に関する情報提供を行うとともに、捕獲等に係る新技術の助言などを行ってまいります。 37: ◯要望・質疑(村上委員) 私はもうシンプルに、会計年度で選任した場合の人件費の80%補助をしっかりと通達していただきたいと思っております。しっかりと要望していただくようにお願いします。  次に、企業の実態調査及びデータを活用した施策立案についてお伺いします。  円安の関係で製造業が軒並み好調な決算を出すのとは真逆で、国内需要の飲食・サービス業は軒並み厳しい状況を示しています。特に広島市内といった都市部は外国人観光客を含めて観光需要が目立ってきていますが、福山市をはじめとする地方都市の現状は少し違ってきます。  私は、飲食事業者はもう限界まで努力していると思っております。客足は大きく鈍ったままで、飲食事業者への補助や環境整備といった飲食店側の企業努力だけでは、この苦境は乗り越えられないのではないかと感じています。  重要なのは、福山市など企業城下町では、飲食店を利用する地元企業の出張や会食、新・忘年会などの動向によって売上げ状況は大きく変わるということです  そこで、地方の飲食店が置かれている状況を的確に把握して必要な施策を講じるためには、飲食店だけではなく、企業に対するアンケートによる実態調査が必要だと思うのですが、商工労働局長の御所見をお伺いします。 38: ◯答弁(商工労働局長) 本県におきましては、県内中小企業に対する経営環境のアンケート調査を定期的に実施しており、コロナ禍や円安、原油高、物価高騰など、その時期に応じた重要課題について、調査・分析を行い、公表を行っているところでございます。  このうち、飲食事業者につきましては、コロナの影響を大きく受けていることもあり、大手飲食店情報サイトの閲覧数などのデータの活用、業界団体への直接のヒアリングなどにより、利用状況や経営状況等の把握に努めてきたところでございます。飲食事業者の状況を的確に把握することは極めて重要であると考えており、今後とも業界団体、市町を通じたヒアリングなど様々な手法により状況を把握し、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 39: ◯質疑(村上委員) 閲覧数が72%減になっているのです。それで私は飲食店のアンケートではなくて、要は経営主体ではない市場を動かすのはやはり企業だと思っています。企業が動かないと地方はなかなか飲食店の状況が厳しいのです。その企業に対するアンケートについてはどうなのかということを改めてお伺いします。 40: ◯答弁(商工労働局長) 飲食事業者の状況を的確に把握することは、極めて重要であると考えておりまして、今後とも、これまで実施してきたアンケート調査でありますとか、国や民間企業が実施した調査データ、あるいは業界団体・市町を通じたヒアリングなど、様々な手法によりしっかりと把握して、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 41: ◯要望・質疑(村上委員) ちょっと趣旨がずれているのですけれども、私はあくまで企業側に聞いてほしいのです。飲食店側ではないのです。やはり企業側です。もう次の質問はやめますけれども、要は取引先の出張数や会食、新・忘年会や歓送迎会の増減が昨年度や3年前と比べてどうなっているのか、その企業が忘年会の代わりにどういったことをやっているのか、ある一部の企業では、従業員に家庭でも喜んでもらえるからお鍋セットを渡しているといった話もあるのです。あらゆる仮説に基づいて、外食需要を増やしていくというスタンスのアンケートを取っていただくことを強く要望して、この質問は終わります。  そして、県の様々な施策で同様であるのですけれども、EBPMやマーケティングの観点で実態を把握して、そのデータを活用することが重要です。  そこで、任期付でEBPMやマーケティングの助言ができる者を採用して施策立案の助言や職員のスキルアップを行うなど、よりEBPMの観点に立った施策立案に取り組むべきと考えますが、経営戦略審議官の御所見をお伺いします。 42: ◯答弁(経営戦略審議官) EBPMにつきましては、本県では、平成30年度から取り組んできており、管理職や企画担当職員等を対象に研修を実施し、必要な考え方や知識・スキルの習得を図っております。また、実際の施策立案及び成果検証の過程の中で、企業経営者や学識者等の外部専門家の協力を得ながら、現状や課題の分析、評価指標の設定及び成果検証を実施することで、ノウハウの蓄積を図るなど、全庁的な実践に向けて取組を進めてきているところでございます。  マーケティングにつきましても、以前より、ターゲットの行動変容を意識した戦略的な広報など、マーケティング手法を活用した施策推進を図っているところでありまして、令和2年度からは、施策効果をさらに高めるため、民間企業においてマーケティング業務に精通している方を非常勤特別職として招聘し、必要なスキルを体系的に学び実践する研修や施策の磨き上げに取り組んでおります。  引き続き、これらの取組を通じて、外部専門家等の知見やノウハウも活用しながら、EBPMの考え方や手法、マーケティングスキルを施策立案や成果検証に活用することで、施策の成果獲得の確度を高めてまいりたいと考えております。 43: ◯要望・質疑(村上委員) EBPMは、要はマーケティングなのです。マーケティングはかなり高度で専門的な知識が問われるので、私はやはり各部局に常設で置いていただくことを要望して、この質問を終わります。  最後に、高校の中途退学者への取組についてお伺いします。  本県の高校中退者数は、近年減少傾向にありましたが、昨年度は令和2年度から188名増の861名と、増加に転じております。これは全国的にも同じ状況となっているのですけれども、理由は様々あります。しかしながら、中退者は生涯賃金も低くなるとの試算もあります。これから経済環境が厳しくなる中、中退者が就業に必要なスキルや資格を取得していくことは大変重要だと認識していますが、そのためにも、学費がほかの専門学校よりも断然安く、未来に必要な国家資格を得られる高等技術専門校のことをぜひ知っていただきたいと思っており、私はこれまでも再三、高等技術専門校に高校1年生の段階で、学校が見学に行かせる必要があると訴えてまいりました。現状のオープンスクール88名、進路ガイダンス94名、学校見学会3名という数字が多いのか少ないのかと考えると、私は圧倒的に少ないと感じております。こういったところからも、教育委員会の姿勢が見えてきます。  そこで、高校中退者にとってハローワークや高等技術専門校の存在を学校側が伝える機会というのはどのようにしているのか、教育長にお伺いします。 44: ◯答弁(教育長) 高等学校の中途退学者への指導につきましては、その理由や退学後に考えられる不安等を丁寧に聞き取りながら、真にその生徒に合った進路なのか、担任や学年主任等が一緒になって考えるなどの支援を行う中で、ハローワークや高等技術専門校等の紹介を行っているところでございます。  県教育委員会といたしましては、引き続き、生徒がハローワークや高等技術専門校の存在を知る機会の充実が図られるよう、関係機関と連携し、学校を指導、支援してまいります。 45: ◯意見(村上委員) 高校中退者というのはドロップアウトして学歴がなくなるわけです。ただ、それから、大学を受けていく、通信制の教育といったものももちろんあるのですけれども、その際、社会である程度の基準として、もしも学歴を取らなかった場合、資格はすごく有用だと思うのです。ただ、保護者も含めて、学校はあくまで大学等の進学率をやはり求めますし、そういったところを追いかけていくのは、もう仕方がないことだと私は思っております。  そういった中で、高等技術専門校は、あくまで商工労働局の所管になるのです。そうなった場合に、各学校の進路指導課とつながるのではなくて、やはり担任の先生とのつながりというのを求めていると思うのです。というのは、生徒たちは、進路指導の先生に相談するよりは、担任の先生に相談すると思うのです。だからこそ、私は学校見学会といったものを早い段階でしていただきたいという思いが本当に強いのです。特に、学校をやめる段階になったときに、学校側に対する不信があったりだとか、学校にそもそも行かないだとか、もうコミュニケーションを取らないだとかという状況になってから、そういった中途退学者に対して何かを伝えていくことはいろいろ限界が出てくると思いますので、ぜひともそういったところをしっかりと理解していただきたい。子供たちがそういった現場を知ることだとか、国家資格の電気工事士などが、これから大企業でも、どういった仕事にでも本当につながっていく資格になっていくといったところとかをお伝えして、しっかりと中途退学者の子供たちの採用も含めて、商工労働局と連携を取って、教育委員会として支えていただければと思っております。 46: ◯質疑(竹原委員) 自民議連の竹原 哲です。初めに、昨今急激に進む円安が与える県経済への影響と今後の施策の方向性について、3点伺います。    1点目は、円安と県の法人税収との相関について伺います。  法人県民税と法人事業税、いわゆる法人二税の税収ですが、令和3年度の法人二税の額はおよそ971億円でした。令和2年から続くコロナ禍の中、流通の停滞や人手不足による物価高騰もあり経済の冷え込みが懸念されましたが、令和2年の法人二税額およそ884億円から増収となっており、コロナ禍前の令和元年度約970億円と同水準になっています。  この法人税収の増収は、円安が企業収益の増加を後押ししたことも要因と考えられます。ドル対円の為替レートは10年前の平成24年、平均して1ドル約80円の頃と比べると、令和3年の平均は1ドル約109円と、この10年で30円ほど円安に動いています。  さらに本年、令和4年に入ってからは円安の動きがさらに加速し、10月までの為替レートは平均で1ドル約130円と、この1年弱で約20円の円安に動いている状況です。10年間の動きと同じような動きがこの1年弱で起こっていると言えます。  そこで、昨今の急激な円安への動きが、今後の法人二税の税収額にどのような影響を与えるとお考えか、知事の御所見をお伺いします。 47: ◯答弁(知事) 本県の法人二税につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などによる企業業績の悪化により、令和2年度は、令和元年度と比べ86億円の大幅な減少となったものの、令和3年度は多くの業種の税額が増加して、コロナ前の企業業績が反映されている令和元年度決算とおおむね同水準の971億円となっております。  しかしながら、最近の急速な円安の進行は、資材・素材、燃料代などの上昇に伴う間接的なコストの増加によって、企業負担の増加が懸念されるところでございます。  本年度の法人二税につきまして、当初予算においては、昨年秋以降の本県経済の持ち直しの動きなどを反映して、令和3年度並みの水準を見込んでおりますが、急速な円安の影響は織り込んでおらず、また海外景気の下振れや物価上昇、供給面での制約など、企業業績に影響を及ぼす状況が続いておりますことから、引き続き、こうした動きや税収の動向を注視する必要があると考えております。 48: ◯質疑(竹原委員) 続いて、円安下における県内企業への施策や今後の方向性について伺いたいと思います。  県では、県内企業の海外への販路、事業の拡大を支援してきておられますが、一般に、為替が円安に進めば輸出産業には有利に働くことから、海外に進出していた企業、工場などの国内回帰についても考えられると思います。  そこで、令和3年度に県が行った販路拡大等事業への支援について、どのような成果、実績が上がったのか、また円安が進む中、今後どのような施策を講じていくのかについて、併せて商工労働局長へ伺います。 49: ◯答弁(商工労働局長) 県産品の海外での販路拡大支援につきましては、令和3年度からカキを重点品目として設定し、中国、東南アジア市場における販路開拓支援や海外ニーズに応じた商品の供給に生産者、事業者と連携して取り組んでいるところであり、今年3月には、生きた殻つきカキのシンガポールへの輸出を開始したところでございます。また、県内企業の新たなビジネス展開を目的として、シリコンバレー企業との商談支援プログラムを平成26年度から実施しておりますが、令和3年度におきましては、コロナ禍の影響があったことから、オンラインで実施し、県内企業11社が参加したところでございます。  円安への対応につきましては、10月20日に32年ぶりに1ドル150円台となったことを受け、翌21日には、商工労働局内に総合相談窓口を設置するとともに、預託融資制度において円安に対応した特例の措置を新たに講じたところでございます。また、随時行っております金融機関や海外進出支援専門機関等との意見交換の場におきましても、円安により多くの企業が経営面で悪い影響を受けているが、海外展開という観点からはチャンスでもあるという御意見を頂いたことなどもありまして、円安を契機として、新たに海外展開に挑戦する企業を後押しする制度の創設などについても、現在検討しているところでございます。  今後も、円安の動向を注視し、県内企業に対する支援について適切に対応を講じてまいります。 50: ◯質疑(竹原委員) 円安によって海外進出も考えられるところではありますけれども、やはり大事な県内農業・畜産経営体に対する円安の影響及び県の対策についても伺っておきたいと思います。  コロナ禍による流通の停滞や中国の都市・工場封鎖、加えてロシアによるウクライナ侵略により原油や食料等原材料の高騰につながる状況が続いております。  原油等の価格高騰により、施設園芸農業者がビニールハウスやガラス温室をこれまでどおり維持することはとても負担が大きく、また、畜産事業者においても飼料価格の高騰が重い負担になっていると聞いております。  そこで、これら農業・畜産経営体に対し、どのような施策を講じてきたのか、そして、今後どのような施策を講じていくのか、併せて農林水産局長に伺います。 51: ◯答弁(農林水産局長) 原油や飼料価格等の高騰につきまして、まず、施設園芸農業者に対しましては、重油などの燃油高騰に対し補填金が交付される国の施設園芸セーフティネット構築事業への加入促進に取り組むとともに、ヒートポンプなど省エネ機器につきまして、国の補助事業の活用に加え、国の事業で対象にならない施設への導入に対する県独自の支援策を9月補正予算で措置したところでございます。  今後も燃油価格の高騰が継続すると見込まれることから、セーフティーネットへのさらなる加入促進に向けて各地域に出向いて説明会などを開催することに加えまして、ヒートポンプにつきましては、具体的なコスト削減効果を農業者に示すことなどにより、引き続き導入を推進するとともに、現在、国の事業の対象となっていない施設についても対象とするよう国に要請してまいります。  次に、畜産経営体に対しましては、価格高騰の影響による負担軽減を図るため、国の配合飼料価格安定制度の活用に加えまして、県として6月及び9月補正において全畜種についての補填の上乗せを行ったところでございます。  また、粗飼料価格の高騰の影響を最も受けている酪農経営体に対しましては、購入粗飼料等のコスト上昇分を補填する国の緊急支援策の活用を進めるとともに、11月からの生乳価格の値上げの対象となっていない学校給食用の生乳につきましても必要な支援策を検討してまいりたいと考えております。  引き続き、燃油や飼料の高騰に対しましては、経営体への影響をしっかりと把握しながら、中長期的な対策も含めてあらゆる機会を捉えて国に要望するとともに、国際情勢の影響を受けにくいエネルギー転換や飼料の自給生産に向けた推進を図ってまいります。 52: ◯要望・質疑(竹原委員) ドル円相場、そして世界経済は広島経済にも大きな影響を与えます。その動向にタイムリーな対応を続けていただくことを要望し、次に、広島県職員の遵法意識向上への取組状況について伺いたいと思います。  先日、北部県税事務所職員が脅迫容疑で逮捕されたとの報道がありました。職務上、個人情報を取り扱う県職員のこのような不祥事は、行政に対する信頼を大きく損なうものであり、私も県民の皆様から懸念の声を頂いております。  そこで、県として職員の遵法意識を向上させるためにも、これまでに採用や昇格、異動の節目で必要な講習をされてきたと思いますけれども、これまでどのような取組を行ってこられたのか、総務局長へ伺います。 53: ◯答弁(総務局長) 去る11月1日、本県職員が脅迫の容疑で逮捕されたことにつきまして、県行政及び県職員に対する信頼を著しく損なうものであり、心からお詫びを申し上げます。  これまで職員の服務規律の確保を図るため、職位に応じて、公務員倫理に関する研修を実施するほか、県職員として遵守すべき規範を体系的にまとめた広島県職員倫理要綱を時期を捉えて定期的に周知するなど、機会あるごとに職員に対して、遵法意識の徹底を図ってきたところでございます。 54: ◯質疑(竹原委員) それでは、今後、どのように未然防止を図っていくのか、そして個人個人が遵法意識を持つための今後の取組について総務局長に伺います。 55: ◯答弁(総務局長) 今般の事案につきましては、今後、事実関係を確認した上で、厳正に対処していくとともに、引き続き、県民の皆様方の信頼回復に向けて、全ての職員に対し、改めて職員研修の場などあらゆる機会を通じて、全体の奉仕者としての自覚を強く促し、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを再認識させ、不祥事の防止に努めてまいります。 56: ◯要望・質疑(竹原委員) しっかりと遵法意識向上に取り組んでいただくことを要望します。  最後に、中山間地域の地域づくり人材のプラットフォーム、ひろしま里山・チーム500の運営状況について伺います。  平成28年に人材プラットフォームとして、ひろしま里山・チーム500を立ち上げ、今年、登録者が500人を超えたと伺いました。500人という節目を迎えた今だからこそ、今後、地域により大きな効果をもたらす取組となっていくよう、検証しておく必要があると思います。  そうした観点から、3点お尋ねします。  まず、チーム500登録者の活動における、これまでの取組の成果と課題について伺います。  チーム500登録者については、令和3年度のひろしま版さとやまエコシステムによる企業版ふるさと納税を利用した支援、令和4年度の元気さとやま応援プロジェクトによる活動への補助金と、県の施策による活動の後押しがあります。  これらを積極的に活用し、活動の幅を広げる登録者がいる一方で、活用することなく登録前と変わらず活動を続けている登録者もおられると聞いております。登録者の方々は、主に個人事業主的な方と、地域の団体のリーダー的な方に分けられると思いますが、団体、企業か個人かによって、それぞれ活動範囲や規模が異なると思います。個人事業主的な方と、地域の団体のリーダー的な方、おのおのがサポートしてほしいところや方法はそれぞれ異なると考えます。県による支援内容とマッチしないようなケースはないのでしょうか。実態に即したサポートを提供し、登録者に積極的に活用していただくことで、中山間地域のさらなる活性化が可能と考えます。  このような点を踏まえ、チーム500登録者におけるこれまでの取組の成果と課題についてどのようにお考えか、併せて地域政策局長に伺います。 57: ◯答弁(地域政策局長) チーム500に係るこれまでの県の取組といたしましては、委員に御紹介いただきました、登録者の活動に必要な経費に対する支援に加え、地域づくり活動に必要なノウハウ等を学んでいただく人材養成塾の開講、活動のさらなる進展に向け、産学金官で構成する円卓会議を通じた助言やサポートの実施など、登録者のニーズに応じた後押しに努めているところでございます。  こうした取組によりまして、地域にあるものを生かしたコミュニティービジネスの創出、地域課題の解決に向けた取組の実践などの活動が、中山間地域において着実に積み重なってきていると考えております。  一方で、委員御指摘のとおり、チーム500の登録者の活動は、登録者の増加とともに、新たな取組の開始や地道な取組の継続なども含め、多岐にわたってきております。このため、登録者が抱える課題や支援ニーズをつぶさに把握し、いかに寄り添った支援策を講じていくかが今後の課題であると認識しております。 58: ◯質疑(竹原委員) 次に、チーム500登録者の活動が地域にもたらす効果についてお尋ねいたします。  地域の活性化につながる活動は、一時的なものではなく、長く地域に根づき、その後も様々に形を変えて地域の活性化に波及していくものだと考えます。  何よりもチーム500登録者の活動が、市町や地域に十分認知され、活動の情報発信や地域との連携により、様々な効果を生むことを期待しております。  そこで、チーム500の活動は地域の方々にどう受け止められているのか、チーム500の認知度と併せて、地域政策局長に伺います。 59: ◯答弁(地域政策局長) 委員御指摘のとおり、登録者の活動を地域の方々との関係性によって捉えていくことは重要な視点であると認識しており、先ほど答弁申し上げた人材の養成塾や活動の立ち上げ支援といった事業に取り組んでいるところでございます。  こうした事業を通じて、地域の方々からは、地域に集える場所や機会ができ、みんなに会えるのが楽しみになった、あるいは、途絶えそうになっていた伝統行事を後世に引き継ぐことができてうれしいといった声が寄せられているところでございます。このような地域からの評価とともに、チーム500に対する認知度も徐々に高まっているものと考えておりますが、これら登録者による取組の事例を地域の内外に発信することによって、さらなる認知度の向上に努め、取組への共感の輪を広げてまいりたいと考えております。 60: ◯要望・質疑(竹原委員) ぜひとも地域での活動の周知、そして認知をしっかりと高めていただきたいと思います。  「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」では、令和12年度におけるチーム500登録者数の目標を1,000人と掲げておられます。当初の500人は小学校区当たり3~4人というものですが、地域の様々な要望に応えることのできる多様性のあるリーダーが多いことはとても望まれております。今後も積極的に登録者数を伸ばしてほしいところであります。  県としても令和3年度は、ひろしま版さとやまエコシステムで、企業が地域の活動を後押しできる仕組みを構築され、登録者の方々がますます活躍してくださると期待しております。  また、令和4年度の元気さとやま応援プロジェクトについても、中山間地域だけでなく都市型農業などでも同様の課題を持っているので、将来的には、活動の成果が、中山間地域と都市部との連携を生み出していくものであったり、また、地域を限らず幅広く同様な課題に対してサポートするような広がりあるプロジェクトに育ってほしいと願っております。  そこで、県の施策の方向性として、チーム500登録者に何を期待し、このプラットフォームを今後どのように運営していくのか、併せて地域政策局長に伺います。 61: ◯答弁(地域政策局長) 本県の豊かさや安心を支える源でもある中山間地域の価値は、今後も連綿と続く人々の営みの中で将来にわたって維持・向上が図られていく必要がございます。このため、チーム500登録者による地域資源を生かし、新たな価値を生み出す活動や地域に根差した課題の解決に取り組む活動は、その原動力となってくるものと期待しているところでございます。  そのため、チーム500の運営につきましては、人材の裾野の拡大を図りつつ、活動の継続的な後押しを進めるとともに、登録者の活動が相乗効果を生み出すよう、人材同士の交流やネットワークづくりをさらに推し進めてまいります。  これらの取組を通じて、登録者の経験やノウハウが同様な課題を抱える地域にも幅広く生かされ、地域内外に波及効果をもたらしていくものと考えております。 62: ◯要望(竹原委員) ぜひともチーム500の取組が全県的に波及し、そして、適散・適集を実現できるよう、県の施策として、この事業を単年度で終わらせることなく、地域に根づくまで、少なくとも5年、そして10年と取組を継続していただき、事業や取組をフォロー、そして人材の育成を進めていただきたいと思います。
     休憩 午前11時51分  再開 午後1時 63: ◯質疑(林委員) 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の林です。私からは、ジュニア選手の競技力の向上、ひろしまものづくりデジタルイノベーション創出事業、各種テロ対策の進捗状況の3点について質問させていただきます。  先日、サンフレッチェ広島が、アディショナルタイムに入ってからの逆転という劇的な勝利により、Jリーグのルヴァン・カップを制覇しました。この快挙に、サッカーファンだけでなく、広島県全体が大いに盛り上がったところです。  国内外の大舞台で、地元のチームや広島県出身の選手が活躍すると、日頃はあまりスポーツに縁がなくても、自分のことのようにうれしくなり、誇らしく感じるのは私だけではないと思います。  このように、スポーツの持つ力は地域への愛着や誇りを醸成するものであり、地元スポーツの盛り上がりは地域の活性化に大いにつながるものと考えます。  特に広島県は、カープ、サンフレッチェに代表される国内トップチームの集積に加え、陸上100メートル日本記録保持者の山縣選手や、リオデジャネイロオリンピック女子200m平泳ぎ金メダリストの金藤選手など、これまでにも多くの名選手を輩出してきた自他ともに認めるスポーツ王国であり、このことは、ひろしまブランドの重要な構成要素の一つになっていると言えます。  しかしながら、そのスポーツ王国の土台といえるジュニア部門に目を向けますと、国民体育大会の少年種別の成績が、令和元年度は全国26位であったものが、今年は全国46位と大幅に順位を下げるなど、近年、広島県のジュニア選手の成績の低迷が目立っているところです。  県においても、このことには危機感を持って、小学生を対象としたスーパージュニア選手育成プログラムや、中学生を対象としたひろしまスポーツアカデミー、高校を対象とした競技力向上拠点校事業などにより、選手の発掘、指導、練習環境の整備を進められるとのことですが、トップアスリートの育成のためには、やはり、優秀な指導者の育成・確保が必要ではないかと思います。  そこで、ジュニア選手の強化・育成を担う指導者の育成・確保について、今後、どのように取り組んでいこうとされているのか、地域政策局長にお伺いします。 64: ◯答弁(地域政策局長) 国体などでジュニア選手の成績が低迷している現状を踏まえまして、選手の育成・強化に向けた取組が必要であると認識しており、競技ごとの特性に応じて、指導者の確保と育成のそれぞれの観点で課題を整理し、県スポーツ協会、競技団体など関係者としっかり連携してまいりたいと考えております。  特に、高い専門性を持った優秀な指導者による指導は、ジュニア選手の資質向上に効果が高く、今年度から実施しているひろしまスポーツアカデミーにおいて、ボート、カヌーなど、国体での得点が期待できる4競技について、優秀な指導者も確保した上で、重点的な育成に取り組んでいるところでございます。  現時点で、育成した選手の国体出場といった成果が見られるところであり、引き続き優秀な指導者を確保し、関係者が連携しながら、ジュニア選手の競技力向上に取り組んでまいります。 65: ◯質疑(林委員) ジュニア選手の強化・育成のためには、指導者に加えて、子供たちが目標に向かって練習できるスポーツ施設の整備・充実も重要だと考えます。  しかしながら、例えば、日本水泳連盟公認の屋内50メートルプールは、広島市内には、広島市総合屋内プール──ビッグウエーブしかありませんが、冬季はスケートリンクとなるため、水泳を頑張る子供たちは、水泳の練習ができなくなるという問題があり、逆に、スケートをする子供たちは、県内には通年練習できるスケートリンクがないという問題を抱えています。  スポーツ庁の体育・スポーツ施設現況調査によれば、平成30年の広島県の屋内水泳プールの数は73か所で、令和2年国勢調査の人口10万人当たりの施設数は2.6か所になりますが、これは、全国の3.1か所を下回ります。また、陸上競技場についても、全国1.6か所に対して広島県は1.0か所となっており、広島県のスポーツ施設の状況は、他県に比べてやや見劣りするように見受けられます。  ジュニア選手の強化・育成のためにも、子供たちが目標に向かって練習できるスポーツ施設の整備・充実を図る必要があると考えますが、今後の整備・充実に向けた取組について地域政策局長にお伺いします。 66: ◯答弁(地域政策局長) ジュニア選手の育成強化におきまして、練習のためのスポーツ施設の整備・充実は重要な要素でございます。  現在、広島西飛行場跡地におきまして、県、広島市の共同事業で、少年野球などが可能な多目的スポーツ広場の整備を進めるなど、施設の充実に取り組んでいるところでございますが、競技種目によっては、近隣県などと比べて、練習施設が充実しているとは言い難い状況であると認識しております。  施設の新設に向けましては、住民や主要な利用者である競技団体などとの十分な議論を通じて、周辺の練習施設の状況、競技人口や利用者の将来的なニーズなどについて慎重に検討する必要があると考えております。  ジュニア選手の育成強化に向けて、引き続き、練習環境の状況に注視しつつ、子供たちが目標に向かって練習できる環境を整えてまいりたいと考えております。 67: ◯要望・質疑(林委員) 県市スポーツ協会、学識経験者、指導者等々も含めて、しっかりと協議していただいて、環境整備に努めていただきたいと思います。  次に、ジュニアのスポーツ大会は参加資格が学校単位に限定される場合が多く、多くの児童生徒にとって競技活動を行う場は、学校でのクラブ活動が中心となっており、ジュニア選手の競技力向上に学校における部活動の果たす役割は非常に大きいものであると思います。  しかし、広島県教育委員会では、平成30年7月に運動部活動の方針を策定し、県立中学校・高等学校の部活動に対して、週当たり2日以上休養日を設け、1日の活動時間を平日は2時間程度、学校休業日は3時間程度とするなど、活動時間や日数など基準を設け、制限しています。  また最近では、国は少子化や教員の働き方改革の観点から、中学校での休日の部活動を外部に委ねる地域移行を推進しており、実際に県内でも来年度からモデル地域を指定し、段階的に移行に取り組む市町が出てきています。  こうした学校で部活動を行う機会を減らすような動きが、競技力低下の一因になっているのではないかと憂慮しています。  学校の部活動で頑張っている子供たちの中には、スポーツを楽しむレベルを超えて真剣に競技に取り組み、大会での優勝やオリンピック出場、あるいはプロ選手を目指して頑張っている人もいます。もちろん教員の負担軽減など働き方改革は喫緊の課題ではありますが、こうした子供たちの中から、国際舞台で活躍できる未来のトップアスリートが生まれてくる可能性を狭めてしまうことがあってはならないと思います。  教員の働き方改革と部活動の充実による子供たちの競技力向上を両立させていく必要があると考えますが、教育委員会としてどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いします。 68: ◯答弁(教育長) 国は、生徒にとって望ましいスポーツ環境の構築や教員の働き方改革へ向けた部活動改革として、休日における中学校部活動を段階的に地域へ移行するよう求めております。これまで教育委員会におきましては、県のスポーツ推進計画に基づき、競技力の向上を目指し、外部指導者を令和3年度には122人派遣し、令和4年度には130人の派遣を予定するなど、取り組んでいるところでございます。加えて、生徒がモチベーションを高めたり、専門的な技術指導を受けたりできることが競技力向上に大きな効果があることから、学校へオリンピアン等を派遣し、高度な指導を直接受ける機会を設けております。  県教育委員会といたしましては、こうした取組を強化することなどにより、関係部局と連携し、中学校部活動の地域移行におきましても、競技力向上につながるよう取り組んでまいります。 69: ◯要望・質疑(林委員) 今御答弁いただきました122人強の方々ですけれども、それが多いか少ないかは別として、やはり質の高い指導者の方に来ていただいて、指導していただけるという環境整備に取り組んでいただきたい。オリンピアンに来ていただくことが一番いいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。  要望ですけれども、教員の働き方改革を進めつつも、真剣に競技に取り組んでいる子供たちの可能性の芽が摘まれてしまうことがないよう、例えば、県が中心となって外部指導者の掘り起こしを行い、必要な経費を負担するなどの支援を行ってはどうでしょうか。  令和7年には、広島県でインターハイが開催されます。スポーツ王国の名に恥じない成績が収められますよう、関係部局が一体となって積極的な取組を推進していただくことを要望いたします。  次に、ひろしまものづくりデジタルイノベーション創出事業についてお伺いします。  今年7月に、ひろしま産学共同研究拠点にある材料MBR棟・データ駆動型研究棟、通称テストベッドが竣工しました。私も警察・商工労働委員会の県内視察でお伺いしました。このテストベッドを含むひろしま産学共同研究拠点は、県、広島大学デジタルものづくり教育研究センター、ひろしま産業振興機構が研究、開発、生産といったものづくりの各プロセスをデジタル化し、自動車などの広島の中核的な産業の振興を図るため、産学官の連携により先進的な技術の応用・実践を意識した研究を行うとともに、ものづくりのデジタル化に対応できる高度かつ専門的な人材を育成することを目的としております。  産学の連携については、広島大学デジタルものづくり教育研究センターを中心に地元企業との共同研究、共創コンソーシアムの形成を行っており、テストベッドの竣工等により、今後の展開に期待しているところでございます。  一方、高度かつ専門的な人材育成の面においては、この施設が広島県の産業にどのように貢献していくのかが見えてきません。  私は、高度かつ専門的な人材の育成こそが、今後、広島県がイノベーション立県として持続的に発展していく鍵であり、ひろしま産学共同研究拠点の果たす役割は非常に大きいものと考えます。  そこで、人材育成の観点から、ひろしま産学共同研究拠点における取組の成果と課題について、地域企業に所属する研究者、技術者が産学連携による先端的な研究開発に想定を大きく上回るペースで参画したことを成果として挙げていますが、具体的に本県にどのような効果があったのか、そして、課題として挙げている先端的なデジタル技術を扱える人材が不足しているという状況をどのように克服し、今後のものづくりのデジタル人材の育成につなげていこうと考えているのか、知事に御答弁をお願いします。 70: ◯答弁(知事) 本県の基幹産業であるものづくり産業が今後ともグローバルな競争力を確保し、成長・発展していくためには、研究開発から生産、販売に至るまでの様々な領域や工程でデジタル化を推進していくことが重要であると考えております。  こうした中、本県では、国の財源も活用して、平成31年度に広島大学にデジタルものづくり教育研究センターを設置し、デジタル技術を活用したものづくりの研究開発と高度なデジタル人材の育成により、地域の多様な産業における新たなビジネス展開や生産性向上を図ってきているところでございます。当センターでは、自動車部品の新製品開発などにおいて、様々な材料の機能や特性を数式化する技術等の研究開発を進めており、この数式を用いたシミュレーションにより、新製品の開発期間の短縮や性能・品質の向上など、県内ものづくり企業の競争力強化に大きく寄与していると考えております。  また、当センターでは、主に県内ものづくり企業で構成するコンソーシアムを組成し、約600名の企業技術者や広島大学の学生等が参画するモデルベース開発などのプロジェクトを通じて、企業技術者や学生の実践的な応用技術力の向上につながるなど、高度なデジタル人材の育成が着実に図られております。  また、デジタル人材の育成・確保は極めて重要な課題であることから、こうした当センターでの取組に加えまして、広島県DX推進コミュニティの取組を通じたDXに対する理解、実践意識の醸成や、AI学習プログラム──ひろしまクエストの単位認定科目化のほか、県内就職を促進するための情報系学部・学科等の学生100名を対象とした新たな奨学金制度を来年度から導入することを決定するなど、本県のデジタル人材の育成・確保にも取り組んでいるところでございます。  今後とも、産学官の連携の下、デジタル人材の育成を推進し、県内企業の競争力を強化することで、本県経済の持続的発展を図ってまいります。 71: ◯要望・質疑(林委員) 先日、県立広島産業会館で開催されたひろしま技能フェアに行ってまいりました。このイベントは、小・中・高校生をはじめ、広く県民の方々にものづくりの魅力を理解していただくために開催されるイベントで、今年で39回目を迎えます。子供向けのイベントかと思っていましたが、ロボット制御のような高度な技術の展示もあり、こうした体験を通じて、ものづくりに興味を持った子供たちの中から、将来、広島県のものづくりを支える人材が育っていくのではないかと考えると、とても有意義なイベントだと感じました。ひろしま産学共同研究拠点が目標とする高度かつ専門的な人材の育成のためには、人材の卵を育てるという成長段階に応じた長期的なスパンも必要になってくると思います。より一層進めていただくよう要望いたします。  続きまして、県警察における各種テロ対策に向けた取組について質問いたします。  来年5月のG7広島サミットは、安倍元首相の銃撃事件を受け、要人警護の重要性がかつてないほどに叫ばれ、また、ロシアのウクライナ侵攻といった不穏な国際情勢の下で開催される国際会議であり、テロの脅威から各国要人の安全を確保するため、日本警察の総力を挙げた万全の警備体制が敷かれることと思います。  これに関して、県警察には、平和記念式典における要人警護や、ローマ教皇御来広に伴う警戒警備など数々の実績があり、これによって集積されたノウハウはG7広島サミットの本番においても遺憾なく発揮されるものと確信している次第です。  そこで、G7広島サミットの成功に向けては、官民一体となった各種テロ対策を効果的に進めていくことが重要だと考えますが、令和3年度において、どのような関係機関との訓練や事業者に対する協力依頼が行われたのか、また、これまでの取組を踏まえて、官民連携による各種テロ対策をどのように進めていかれようとしているのか、警察本部長にお伺いします。 72: ◯答弁(警察本部長) 県警察におきましては、平成30年に広島県テロ対策パートナーシップ推進会議を設立し、消防、海上保安庁、自衛隊等の関係機関や鉄道等の重要インフラに関わる事業者、大規模集客施設を営む事業者等に参画いただいておりまして、現時点で57機関、団体と官民一体となったテロ対策を推進しております。令和3年度には、海上保安部や港湾事務所等とのテロリスト上陸阻止訓練や、JR西日本との合同による走行中の新幹線内における不審者対応訓練などを実施しております。また、同パートナーシップ推進会議の枠組みを活用し、テロ対策上の着眼点等につきまして共有するとともに、事業者が講じるテロ対策を支援するほか、テロの未然防止に向けた合同訓練を実施するなど各種取組を推進しております。G7広島サミットに向けまして、こうした取組をこれまで以上に推進してまいりたいと考えており、例えば、本年10月には、サイバー攻撃対処訓練を共同で行うなどしております。  テロを未然に防止するためには、警察による取組のみでは十分ではなく、関係機関、民間事業者、地域住民等の皆様と緊密に連携し、テロ対策を推進することが必要と認識しておりまして、今後も様々な形で、テロ対策のための官民連携に一層努めてまいりたいと考えてございます。 73: ◯質疑(稲葉委員) 民主県政会の稲葉 潔です。私からは、人口移動、特に社会減についてお伺いしてまいります。  最初に、令和3年の結果とこれまでの施策の効果、さらには今後の対応についてお伺いします。  総務省の住民基本台帳人口移動報告の令和3年の結果によると、広島県が日本一の転出超過県となってしまいました。少子化に伴い全国的に人口減少が進み、様々な社会問題が起こる中で、日本で最も他の都道府県に移住してしまう県となってしまったのは、極めて残念です。移住の関係では、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表した2021年の移住希望地ランキングのセミナー部門では、セミナー参加者の移住希望地ランキングで一位というすばらしい結果となりました。関係者の努力をたたえたいと思います。しかし、一方では他の都道府県へ移住する転出超過が日本一となっています。  また、多様な人材・企業の集積のため、デジタル系を中心とした企業の本社機能や研究開発機能の移転などに当たって、期間限定でマックス3億円もの助成金が出るという積極策もあり、令和3年度は、目標の1.5倍となる45件の移転・拡充につながったとの報告も受けています。こうしたことは人口の社会増にも好影響があるのではないかと理解していますが、結果は社会減となっています。これまでの様々な広島県への移住施策やデジタル産業を中心に多くの企業誘致に取り組み、計画以上の実績が出ているとの説明も聞いていただけに、令和3年の人口の社会減が日本一となった結果は、驚きをもって受け止めている県民も多いと思います。他県を大きく上回る社会減が起こっているという結果は、これまでの県の施策や環境の変化の結果であると考えられますが、現在の取組のままでは、最も他の都道府県へ人口移動してしまう状況に変化が起こるのか、危機感を感じざるを得ません。  2月1日の記者会見において、知事は、この転出超過が従来からの進学や就職に伴う大都市圏への転出というものと違う動きになっていることもあるので、さらに分析を進める必要があると言われました。  そこで、令和3年を中心とした社会減の動向、そして、これまでの県としての施策について、どのように分析し、今後どう対処しようとしているのか、知事にお伺いします。 74: ◯答弁(知事) 本県では、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」におきまして、県内の総人口を注視する指標として設定し、人口減少の抑制に向けた様々な施策に取り組んでいるところですが、人口減少に歯止めがかかっていない状況にございます。本県の人口減少は20~24歳の若者の大都市圏への転出超過が高い水準で継続する中で、福岡県や愛媛県などの近隣県や、茨城県や静岡県などの大都市周辺県への転出の増加、山口県や島根県などの近隣県からの転入の減少など、従来のトレンドとは違った動きも見られます。こうしたことから、実際の若者の就職動向や、企業側の採用動向を把握するため、県内大学のキャリアセンターや県内企業を直接訪問してヒアリングを行っているところでございます。  これまでの本県の施策においては、若い世代に、広島県に住みたい、住み続けたいと思ってもらえるよう、安心して子育てができる環境づくりや、若者の定着につながる取組などの施策を積極的に進めており、これらの取組を深化させるとともに、適散・適集社会の実現を図る取組を加速させることとしております。具体的には、安心して子育てができる環境づくりとして、ひろしま版ネウボラの構築や、テレワークの促進などの働き方改革などを進めております。また、若者の定着につながる取組として、デジタル系企業を中心とした本社・研究開発機能等の誘致や、県内高校・大学と連携した中小企業の魅力を知る機会の拡充、県外学生等に対するUIJターン就職促進の取組などを進めております。さらに、適散・適集社会の実現に向けた取組といたしまして、コロナ禍を受けて高まりつつある地方移住の機運を取り込むため、東京圏等からの移住促進策として他県に先駆けて構築したAI移住相談や、オンライン上で接点を持った移住希望者を地域で活動する移住サポーター等につなげるなど、移住促進を進めております。  今後とも、その動向や要因を注視するとともに、施策についても、必要に応じて柔軟に見直しを行いながら、17全ての施策領域を連関させ、相乗効果を生み出しながら、地域社会全体の価値を高め、人口減少の抑制につなげてまいりたいと考えております。 75: ◯質疑(稲葉委員) 今、説明をお聞きしましたけれども、特に、若年層の転出が最も多いということがあり、若年層の転入転出の分析と対策について、もう少しお伺いします。  若年層の就職による社会減対策事業は、20~24歳が対象で、県の政策では大学卒業生を中心として様々な対策を実施しています。一方で、18歳という高校卒業の年齢は対象になっていません。10代後半の年代の社会増減を見る限り、大きくは減っていない状況ではありますが、県内の産業構造や都市の特徴も踏まえると、社会増があってもおかしくない年代であります。さらに改善の余地もあるため、対策を検討する対象とすべきであります。県内の多くの企業の製造現場においては、多くの他県出身の方が働いています。広島県においては製造業が基幹産業であり、その採用ニーズも踏まえた対応が重要と考えます。人口移動統計調査によりますと、毎年3月の15~19歳においては県内に流入する方が多くなっていますが、これは沿岸部の工場を主体に18歳で他県から就職などで転入してくる人も多数いるためと理解できます。  一方で、製造業を中心に、高卒の新卒の求人を出していても応募が得られない企業も県内では多くあります。広島市内中心部の企業は大卒のニーズが高いと承知していますが、その他の地域では、デスクワークではない仕事が多く、そうした仕事で働く人がかなり多い実態にあります。このような地域ごとの就業実態の違いも分析していただき、若年層の人口流失の深刻化に歯止めをかける必要があると考えます。  そこで、高校卒業時にどのくらい他県へ就職するのか、また、高校における就職に向けた進路指導の場において、県内外の就職はどのように指導しているのか、そして、県内外、特に県外の高校生に対する広島県内への就職支援策と就職実績はどうなっているのか、教育長にお伺いします。 76: ◯答弁(教育長) 複数部局にまたがる御質問でございますが、代表して私からお答えいたします。  令和4年3月に本県の国公私立の高校を卒業して県外の企業等へ就職した者は337人となっており、これは全ての就職者数の12.1%に当たり、直近5年間の平均値12.1%と同じ割合となっております。高校における就職指導につきましては、職業選択の自由の観点から、生徒が自らの意志と責任で進路を選択し決定できるよう取り組んでおりますが、その中にあっても、広島で学び育った生徒に、地元で活躍してもらえるよう、例えば、就職支援教員等が企業訪問して得られた地元の魅力ある企業の情報提供や、実際に企業の方を招聘して講話などを行っております。加えて、広島労働局が主体となり、県及び県教育委員会が連携して、県内事業所が参加する合同就職面接会も開催しております。  一方、県外から本県に就職した者は、令和3年3月において、高卒就職率の高い中国、四国、九州といった近隣県を主とした965人となっており、高校生の就職理由による移動は、転入超過となっております。これは、平成28~令和2年度まで実施してきた九州圏の高校教員向けの県内企業説明会や中四国圏の高校向けの求人情報提供をきっかけに、県内企業が県外高校とつながりをつくることができ、継続的に採用活動の実施が可能となっているためと考えられます。  県としましては、今後も県内企業を知るための地元企業の出前講座を実施し、進学後においても、本県での就職を選択してもらう動機づけを行ってまいります。また、県教育委員会としましても、こうした県の取組を活用しながら、引き続き関係機関と連携し、生徒全員の進路実現が図られるよう、就職指導の充実に努めてまいります。 77: ◯質疑(稲葉委員) 県内の高校生に対して、きちんと指導していただいているということについて理解できました。その上で、先ほど知事からも言われました、住みたい広島県、住み続けたい広島県という点は、他県から就職されてくる若い方にとって非常に重要な要素であり、1回就職しても戻ってしまうケースも多々ありますので、非常に大事ではないかと思っています。  次に市町ごとの特徴についてお伺いします。  市町ごとの統計を見てみますと、令和3年度以前から、社会減の続いている市町と、そうなっていない市町に分かれています。したがって、広島県内には様々な個性を持った市町がある中で、それぞれの市町、地域に合った対策を打っていかなければ、社会減は止まらないと考えています。  長崎県においては、各市町と共同で転出入時のアンケートを実施して、移動先はもちろん、移動理由、さらには移動先での業種も含めて、分析を進めて対策を実施していると聞いていますが、広島県においては、県内市町あるいは地域ごとの社会減の特徴をどのように分析しているのか、地域政策局長にお伺いします。 78: ◯答弁(地域政策局長) 県では、個々の市町の強みや特徴を生かした情報発信や受皿づくりにより、県外からの移住を促進し、転入者の増加につなげているほか、産業構造の変化に伴う事業縮小など、経済情勢の変化に起因する人口減少要因についても、市町との連携により早期に把握するとともに、必要な対策を一緒に検討し、実施しているところでございます。こうした中、本県の社会増減の状況の分析に当たっては、人口移動統計調査などにより、県においては、主に、他都道府県との移動の状況の把握と県全体の詳細な分析を行い、市町ごとの詳細な分析については、適宜市町から報告を受けているところでございます。  社会増減を市町ごとに見ると、過去5年間では、広島市とその周辺市町で増加している一方で、呉市、三原市、尾道市、府中市で大きく社会減となっており、広島県としての社会減の一つの要因となっています。  その社会減の主な要因については、例えば呉市においては、年齢別で見ると、20~34歳、地域では、広島市や東京圏への転出超過が顕著であり、転出理由としては、仕事や住宅事情によるものが多い傾向にございます。また、尾道市においては、年齢別で見ると、20~24歳、地域では、福山市や関西圏への転出超過が顕著であり、転出理由としては、就職を理由としたものが多い傾向があるなどとされているところでございます。 79: ◯質疑(稲葉委員) 県の基本的な施策である「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」においては、地域振興策が、広島市と福山市を中心とする都市圏と中山間地域の振興という柱立ての中で、様々な取組が実施されていると受け止めています。  一方で、瀬戸内海沿岸地域のその他の各都市においては、極めて多くの人口の社会減が起こってしまっています。広島市を中心とした地域を人口のダムとして、社会減を抑えていくという考え方もあると受け止めており、効果を否定するものではありません。しかし、社会減の経年的な推移を見ていくと、その他の各地域からの流失が、これまでの社会減の主要因であり、各地域の実情を踏まえた社会減を減らすための施策を打たなければ、今の広島県の社会減のように日本のトップレベルでの社会減は続いてしまうと思います。  例えば、備後地域にある三原市、尾道市、福山市、府中市とも、広島県を構成する個性の要素ではあるものの、その町ごとの個性は全く異なっており、その個性を生かしてこそ、地域力が向上し、社会減の歯止めとなる活力が生まれてくると思っています。  今後の地域政策に当たっては、瀬戸内海沿岸地域の振興など、地域ごとの特性を生かしていくという観点も付加しながら政策を実施していくべきと考えますが、県としての考え方を知事に伺います。 80: ◯答弁(知事) 県では、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」に基づき、県土全体の活性化を図り、持続可能な広島県を実現していくため、特性を生かした適散・適集な地域づくりを行うこととしており、若年層を中心とした人口の流出を防ぐダム機能の役割を担う広島市や福山市におきましては、高次都市機能の集積を促進することにより、県全体の発展を牽引する魅力ある都市の形成を図っております。中山間地域におきましては、自然豊かで分散を生かした中山間地域の形成に向け、デジタル技術などの革新的技術も最大限活用することにより、生活サービスの確保やコミュニティーの維持等の取組を行っているところです。また、この2つの間に位置する、生活機能が集積し、拠点となる地域におきましては、周辺地域の生活を支える機能も有しており、人口減少等の環境変化が進む中にあっても、地域特性に応じた都市づくりを積極的に推進するとともに、最適な交通基盤や公共交通ネットワークの構築などにより、利便性の高い集約型都市構造の形成に取り組んでいるところでございます。  こうした考え方の下、備後地域の各市におきましても、地域に密着した視点と創意工夫により策定する都市計画マスタープランや立地適正化計画などに基づき、地域活力の創造や交流・連携基盤の強化を図っているところであり、例えば、三原市では、中心部のにぎわい創出に向けた駅前の交流拠点整備や三原内港再生の推進、尾道市では、移住定住を促進するための空き家再生や市街地のにぎわいづくりに向けた千光寺公園などの公的施設の整備、府中市では、府中駅周辺の広場や道の駅等の交流機能施設の整備など、地域の個性を生かした取組を推進しているところでございます。  引き続き、県の施策と市町の施策の方向性を合わせながら、広域にわたる施策や基盤的な施策を着実に実施するとともに、市町が実施する地域の特性を踏まえた戦略的な取組を支援し、県全体の持続的な発展を図ってまいります。 81: ◯要望(稲葉委員) 時間もあまりないので最後は要望とさせていただきます。  まずは文化財の関係ですけれども、福山城の改修もあり、福山市は非常に元気を頂ている中で、やはり文化財は観光の一つの大きな目的になっていると思います。今、旧陸軍広島被服支廠の活用、文化財としての登録の議論が本格化していますけれども、他の地域にも国宝、重要文化財はかなりあります。  こうした中で、文化財の保存事業費は7,200万円にすぎないということもあり、地域振興の観点から、さらなる積極的な活用も考えていただきたいと思います。その上で、広島県は非常に広く、南北東西でかなり異なる個性を持った都市、地域の集合体でございますが、広島都市圏以外で進む人口の社会減を縮小していくために、その地域の特徴を把握し、実態を踏まえた対策を実施していくことをお願いしたいと思います。  今は各部局ごとに地域の課題を発掘し、特徴を判断しながら、様々な対策を実施していますが、総合的な地域ごとの振興対策のためには、一歩進めた対応として、鹿児島県や長野県などのように、地域ごとの振興局を設置することも検討していくべきではないかと考えますので、御検討をお願いし、私からの質疑を終わります。 82: ◯質疑(出原委員) 自由民主党広島県議会議員連盟の出原でございます。10月17日から始まった部局別審査では、県民、事業者の皆様の暮らしや事業活動を支えるための貴重な財源が有効に活用されているのかという観点から、主に、主要事業の予算執行状況や成果目標の達成状況などについて質問させていただきましたが、執行部の答弁の中には、予算の立て方や施策マネジメントの進め方について十分検証されていないと感じるものもありました。ひろしまビジョンに掲げる目指す姿や指標を実現していくためには、行政経営の不断の見直しが必要ですが、この総括審査ではその根幹をなす本県の財政運営と施策マネジメントの在り方について伺います。  質問の一つ目は、本県の財政運営について、2点お伺いします。  初めに、財源調整的基金残高の現状認識についてお伺いします。  財源調整的基金は、災害などの不測の事態に備え、年度間で生じる財源の不均衡を調整するために積み立てておく基金であり、財政調整基金と減債基金の一部で構成されています。財政調整基金は、地方財政法の規定に基づき、毎年度、前年度決算剰余金の2分の1以上を積み立てていますが、令和3年度決算では、約137億円の決算剰余金が生じており、先般の令和4年度9月補正において、69億円の財政調整基金を積み立てています。先月の新聞報道で、令和3年度末の自治体全体の基金残高は、令和2年度末から1.7兆円増の8.6兆円となり、平成以降で最大となっているとの記事を拝見しました。本県においても同じ状況であり、財源調整的基金の残高は、令和元年度末が303億円、令和2年度末が358億円、令和3年度末が466億円と積み上がっている状況です。  本県では、県勢発展に必要な施策を安定して推進できる財政運営に向けて、令和2年12月に中期財政運営方針を策定されました。運営方針では、目標の一つとして、平成30年7月豪雨災害のような大規模災害の発生への対応を念頭に、財源調整的基金について、当初予算編成時点において100億円以上の残高を確保するとされています。中長期的な県政運営のためには、一定規模の基金残高の確保は必要であると思いますが、現在の基金残高は、既に目標である100億円を優に超えています。  その一方で、現在、長期化する新型コロナの影響により、県民をはじめ、多くの県内事業者が苦境に陥っています。収入が減った人に対する、国の生活資金貸付制度をめぐっては、低所得などの理由で返済を免除された人は、全国で約39万人、金額にして1,295億円にも上るとの調査結果が報道されていました。新型コロナ関連で、実質無担保・無利子の融資を受けられた中小事業者の多くの経営者も、これから返済開始期限が迫ることに不安を抱えており、資金繰りが苦しく、事業経営の悪化に伴う倒産件数がさらに増加しないか心配です。  加えて、ロシアによるウクライナ侵略の影響もあり、国際的な物価高騰や円安が、県民生活や事業活動に追い打ちをかけています。今後、実質所得の低下や、消費者マインドの低下による消費支出の減少、企業収益の低下などにより、地域経済の後退も懸念されます。このような社会経済情勢を踏まえると、現在取り組むべき施策は、県民の安心な暮らしづくりや、県内事業者の成長を後押しできるような経済対策ではないでしょうか。本県の持続的な経済成長を促していくことが、結果として、県税収入の安定的な確保や、バランスの取れた財政運営に寄与していくものと思います。  そこで、苦境に陥っている県民、事業者の切実な声を踏まえ、財源調整的基金を積み上げるよりも、もっと積極的な経済対策を推進していくべきと考えますが、財源調整的基金が積み上がっていることについて、どのように認識されているのか、総務局長にお伺いします。 83: ◯答弁(総務局長) 令和3年度末の財源調整的基金の残高につきましては、国の交付金などの活用や、県税収入の増加、経費節減による歳出不要などにより、必要な政策的経費を確保しつつ、可能な限り、取崩しを抑制した結果、前年度末から、約108億円増加し、約466億円となったところでございます。  令和4年度におきましては、地方財政法に基づき、令和3年度決算剰余金の一部である69億円を積み立てる一方、当初予算及び補正予算における財源として、約202億円を取り崩すこととしていることから、9月補正予算後の残高見込みは、約334億円となっております。  この基金残高につきましては、平成30年7月豪雨災害の際には、あらゆる財源確保を図った上でも、予算ベースで、約100億円の取崩しが必要となったことから、こうした災害に備えておく必要があること、経済の低迷による税収の減少などのリスクにも備える必要があること、新型コロナウイルス感染症対策、物価高騰対策、広島サミットの推進など、新たな課題や変化にも的確に対応していく必要があることを踏まえると、財政的に余裕がある状況にはないものと考えております。  財源調整的基金につきましては、これまでも、県勢発展に必要な施策の財源として、有効に活用してきたところではございますが、今後も、社会経済情勢の変化に対し、時期を逸することなく、必要な対策を講じていくための財源として、有効に活用し、本県の持続的発展につなげてまいりたいと考えております。 84: ◯要望・質疑(出原委員) 令和3年度の当初予算編成時に、財政調整基金がゼロでのスタートになる、減債基金も121億円の見込みということで、大変厳しい財政運営が続くという答弁を各委員会でお伺いいたしました。最終的には466億円になりましたけども、県独自の経済対策が打てなかったのかという思いが残ります。その視点で次の質問をさせていただきます。  今後の経済対策についてお伺いします。
     決算資料によると、令和3年度の県税収入は、3,374億円余であり、米中貿易摩擦や新型コロナの影響で大きく減少した令和2年度の県税収入と比較すると3%増加しています。これから令和5年度の予算編成に向けた作業が本格化してくると思いますが、県税収入は、県民や事業者が納めた貴重な財源であり、県勢発展に向けて、最大限有効に活用していただきたいと思います。新型コロナ臨時交付金など国の予算の配分額にかかわらず、県民や事業者の声をきめ細かく把握し、戦略性を持った本県独自の経済対策が必要ではないでしょうか。  そこでお尋ねします。今後の経済対策については、年内に策定される県政運営の基本方針において示されると思いますが、どのような考え方の下、本県の経済対策を進めていこうと考えられているのか、総務局長にお伺いします。 85: ◯答弁(総務局長) 新型コロナウイルス感染症に加え、ウクライナ情勢などを背景とした、エネルギーや食料品等の物価高騰が、県内産業や県民生活に幅広く影響を及ぼしていることを踏まえ、本県では、6月補正予算及び9月補正予算において、原油価格・物価高騰対策として必要な予算を計上し、国や市町との連携の下、切れ目なく、対策を講じてきたところでございます。  今後とも、県内の事業者や県民の皆様の声や、県議会の御意見も伺いながら、必要とされる支援を的確に把握し、物価高騰による影響の緩和と、エネルギーコストの節減に向けたネット・ゼロカーボン等の取組の後押しのほか、アフターコロナを見据えた社会経済の発展的回復の面からも検討を進め、国や市町とも連携し、迅速かつ的確に対策を講じてまいりたいと考えております。 86: ◯要望・質疑(出原委員) いろいろな理由から財源的調整基金を十分に確保していかないといけないということは理解できたのですけれども、大規模災害などに備えて100億円以上残高を維持するという当初の目標からすると、今の残高は高く、さらに増加している状況です。県の義務的な経費を除くと、県独自である政策的経費は実質10~20億円しかないとも聞いている中で、有効求人倍率や、工業指数等の数字のみにとらわれることなく、現場の実態をしっかりときめ細かく把握していただき、コロナという難局を乗り切るために、県民や事業者から納めていただいた財源を有効に使って県独自の経済対策をしていただくことを要望して次の質問に移ります。  質問の二つ目は、施策マネジメントの在り方についてお伺いします。  部局別審査では、主要事業における当初予算額と執行額との乖離要因や、令和3年度の成果目標と実績がかけ離れている場合の今後の対応方針、新型コロナウイルス感染症対策に関する3年間の総括などについて、質問させていただきました。  また、令和3年度主要施策の成果に関する説明書を確認させていただくと、一定の成果が上がっている事業がある一方で、必ずしも効果的、効率的な施策マネジメントが実践できているとは言えない事業も多く見受けられました。  例えば、地域政策局の主要事業では、住民自治組織協働連携モデル推進事業は、当初予算額1,000万円に対して、執行額は50万円、国際平成拠点ひろしま構想推進事業は、当初予算額約2億200万円に対して、執行額は約9,600万円となっており、これは一例ですが、このような執行額や執行率で、ひろしまビジョンの推進を担う主要事業と言ってよいのか疑問に感じる事業もありました。当初予算額と執行額との乖離要因として、答弁では、新型コロナの影響などを挙げられていましたが、令和2年度であればまだしも、令和3年度予算編成の際には、新型コロナの影響は、ある程度想定できたと思います。  つまり、PDCAサイクルのうち、事業戦略の立案段階となるプランの部分と、実行・進行管理の段階となるドゥーの部分が、十分に検討・管理できていないと言えるのではないでしょうか。また、新型コロナウイルス感染症対策に関する総括として、ここ3年間の取組と課題について質問した際には、行動制限がない中、感染拡大した第七波では、死亡者数が相当数に上ったことについて、残念であるとの答弁をいただきました。課題について十分深掘りを行い、次年度事業の改善につなげられているとは決して言えず、点検・評価段階となるチェックの部分と、施策の再構築段階となるアクションの部分について、見直しが必要であると感じました。  本県では、予算志向から成果志向への転換という視座に基づき、成果目標の達成に向けて、ビジネスプランやEBPMの考え方、手法を取り入れるとともに、ワーク単位でのモニタリングなどを通じて、施策の見直しなどを行うなど、PDCAサイクルによる施策マネジメントの改善を進めてこられました。  しかしながら、部局別審査を通じて感じたことは、民間企業と比べて、予算の立て方や施策マネジメントの実践が十分ではないということです。ひろしまビジョンに掲げる成果目標を達成していくためには、どの程度予算を投じ、どのような取組が必要なのか、事業戦略の立案段階から、一年間の事業内容を具体的にイメージすることはもとより、ひろしまビジョンアクションプランの計画期間である令和7年度までを見据えて、もっと真剣に施策内容を詰めていくことが必要です。  そこで、令和3年度決算の状況を踏まえ、施策マネジメントが上手く機能していると言えるのか、また、今後どのように改善を図っていくのか、知事の御所見をお伺いします。 87: ◯答弁(知事) 本県では、何に幾らお金を使うかという予算志向から、何を達成し、それがどのような成果を生んでいるのかという成果志向への転換を目指して、施策の成果獲得の確度をより高めるため、PDCAサイクルによる施策マネジメントを実施しているところでございます。この施策マネジメントにつきましては、これまで、職員一人一人が常に意識して徹底するとともに、ビジネスプランやEBPMの考え方、手法を取り入れるなど、仕組み自体のPDCAを回し、その質の向上を図ることで、一定程度、組織文化として定着し、機能してきているものと考えております。  しかしながら、近年における新興感染症の流行、原材料やエネルギー価格の高騰、急激な円安の進行などを考えますと、予測することが困難な社会経済情勢等の変化の兆しを的確に捉え、迅速かつ柔軟に施策の見直しにつなげることが今後ますます重要になってくるものと考えております。このため、今年度から、四半期毎など、画一的な形ではなく、施策ごとのライフサイクルや社会経済情勢等の変化に応じてモニタリングを行うなど、施策マネジメントのさらなる改善を図っているところでございます。  今後も、こうした取組を通じて、PDCAサイクルによる施策マネジメントを着実に実施し、成果につなげてまいりたいと考えております。 88: ◯要望(出原委員) 御答弁いただきましたとおり、ビジネスプランやEBPMの考え方、手法が組織文化として浸透しつつあるという中で、先ほど知事もおっしゃいましたけれども、予想困難な中で、さらに県の職員の皆さんに高みを目指していただく必要があると思っています。  今年お亡くなりになった京セラの創業者であり、また、2010年、戦後最大の負債額を抱えて経営破綻し、誰もが不可能と断じたJALの再建を見事成し遂げられた、稲盛氏の逸話を聞くことが、JALの役員の方々と会食をする中でありました。稲盛氏が毎月、売上げ、利益等をチェックされる中で、下振れする場合はもちろんですけども上振れした場合にも、社員に厳しく指導されたということです。通常民間企業では、売上げや利益をクリアすればいいように思われがちですが、稲盛氏は、いかに予算配分どおりに事業を進めていくかを重要視されており、事業戦略の立案段階から、それだけ厳密に、時間と手間をかけていく必要があるということでした。  私自身この話を聞いたときにやはり、民間企業もそうですけれども、売上げが上振れすればいい、例えば、事業も計画したものがある程度効果が出ればいいという考え方でしたけれども、それほど予算を立てることに、時間や手間をかけて、1年間どういうことをやっていくかというイメージをつくることが大事という話でした。  本県においても、成果志向型の行政経営を目指して、PDCAサイクルの導入などによる施策マネジメントを推進されていますが、稲盛氏が重視されていたように、PDCAサイクルでは、やはり、全体の方向性を決定するプランの部分が極めて重要です。Pの段階で、精度をできるだけ高め、成果目標の達成に向けて実行可能な内容まで練り上げていないと、幾ら残りのD、C、Aに力を入れても、得られる成果は低いものとなります。  令和5年度当初予算の編成に当たっては、各施策・事業の選択と集中を徹底するとともに、県民、事業者の皆様に成果を実感していただけるよう、施策マネジメントを深化させながら、効果的な施策の推進につなげていただくことを要望して質問を終わります。 89: ◯質疑(渡辺委員) 広志会の渡辺です。私からは、児童への性的搾取撲滅に対する、令和3年度の取組状況についてお伺いしていきたいと思います。  青少年の性犯罪被害件数は毎年減少傾向にあるものの、SNSを起因とした犯罪は増加傾向にあり、令和3年は全国で、1,812件となっています。また、児童ポルノ事犯における被害別では、児童自ら撮影したことによる被害、いわゆる自画撮りの被害が最多の35.3%を占めるとともに、直近5年間は、被害者数が500人台で推移するなど、児童を守るための対策の強化が急務と言われています。しかし、現行の児童ポルノ禁止法では、画像の提供があって初めて取締りができるということが実態としてあります。被害児童の裸の画像を証拠にするしかその手だてがないのは、あまりにもやるせない話です。  こうした情勢や課題を踏まえ、東京都を皮切りに、今では、37都道府県において、この自画撮りを求める行為そのものを規制し、罰則をつける条例改正が行われております。私は、平成28年度決算特別委員会でこの問題を取り上げました。当時はまだ条例化した事例がありませんでした。そのためか、未遂規制の実効性や効果が分からないという答弁でした。条例の改正に対して消極的な姿勢であった当時、大変残念な気持ちになったのを覚えています。そのような側面があるにしろ、条例による規制を設けることによって、児童ポルノ禁止法が意図する目的や効果を阻害するものではなく、子供たちから見ても、一切のデメリットはございません。また、要求行為に対して規制も行わず、この問題を放置してもいいとする根拠も当然ないと言えると思います。  そこで、現状や課題をどのように認識し、どういった努力をしながら、この間取り組まれてこられたのか。また、そのことで改めて明らかとなった課題などについて、青少年健全育成条例を所管する環境県民局長の御所見をお伺いします。 90: ◯答弁(環境県民局長) 自画撮り被害は、児童、生徒の人権を著しく侵害するものであり、その要求行為は許されないものと認識しており、被害を防ぐ対策を徹底して行う必要がございます。本県の自画撮りの被害者数を見ると、令和2年が15人、令和3年が22人、令和4年は9月末現在で21人となっております。  県では、児童が被害に遭わないための未然防止策が重要であるとの考えの下、平成30年度には、自画撮り被害者の約9割を占める中学生及び高校生を対象に自画撮り被害防止に関する啓発資料を作成し、全ての国公私立学校の中学生と高校生に配付するとともに、翌年の令和元年度からは、毎年、中学1年生に配付しております。また、令和2年度には、自画撮り被害の注意喚起やフィルタリングソフトの活用などインターネットの適正利用に関する啓発資料を作成し、スマートフォン等の所有率が高まる小学校4~6年生に配付し、その後は毎年、小学4年生に配布しております。さらに、令和3年度からは、保護者向けネット利用講習会を開催するとともに、今年度は、自画撮り被害の相談先である性被害ワンストップセンターひろしまを周知する資料を作成し、性被害に対する理解力や自ら相談できるかなどを考慮し、小学校5年生と6年生に配付し、来年度以降は、毎年5年生に配付することを予定しております。  この5年間の取組の実績として、現在の10~23歳までの県内の青少年とその保護者に、直接、自画撮り被害に関する情報を提供しております。また、自画撮り被害は、全国的な課題であることから、国に対して児童ポルノ等の自画撮り被害から子供を守るための法整備を行うことについて、全国知事会を通じて、平成30年度から継続して要望しているところでございます。  こうした取組により、性被害ワンストップセンターひろしまの20歳未満の相談件数は増加傾向にあり、相談窓口の認知が、一定程度高まっているものと考えております。また、フィルタリングの認知度は9割程度と高い率を継続して維持している一方で、フィルタリング利用率が3割程度で横ばいであるなど、課題もございます。 91: ◯質疑(渡辺委員) そもそもこの犯罪の性質上、実態の全容を把握すること自体に、大変難しさがあるのではないかと思っております。被害者である児童も、罪悪感や共犯意識というものがありますから、相談に踏み切る段階では、既に画像を送ってしまっていて、時既に遅しというような顛末になることは私のような素人でもすぐに想像ができます。  児童が要求に応じて送信した裸の画像が動かぬ証拠となる児童ポルノ禁止法で禁止されている製造行為と比べて、画像の送信を求める要求行為は、事実関係が表面化しにくいとも言われております。  そこで、自画撮り被害における要求行為が発覚しにくい要因をどのように捉え、また、児童の心身に有害な影響を与える犯罪の未然防止に向けてどのような努力をされてきたのか、警察本部長にお聞きします。 92: ◯答弁(警察本部長) 実態が分かりにくい要因といたしまして、自画撮りの要求行為が主にSNSを利用しているといった潜在性、被害者意識の希薄さ、被害児童が恥ずかしさなどから誰にも相談できないといった状況などが考えられるところでございます。  県警察といたしましては、少年相談のほか、サイバーパトロールを行いまして、SNS等に不適切な書き込みを行った児童の発見、補導を行うなど被害を把握し、検挙にも努めているところです。また、SNSに起因して被害に遭う児童が多い現状に鑑み、中学生になると、スマートフォンの専用率が高くなることに着目した新中学生の保護者に対するフィルタリング教室や、通信事業者と連携した犯罪防止教室を開催したり、相談窓口を広報するなど、被害の未然防止に向けた各種啓発活動についても実施しているところでございます。 93: ◯質疑(渡辺委員) 先ほどもおっしゃっていただきましたけれども、自画撮りにとどまらず、SNSでの犯罪は、一対一の閉ざされた空間でのやりとりですから、第三者の目であったり、抑止のための介入がどうしても遅れてしまうということも、数が減らないことの原因であると思っています。  また、児童が未熟さゆえに、相手を信用して疑っていないようなケースがあるということも聞いております。例えば、同世代の同性に成り済まして、体型の悩みを打ち明けるふりをして、先に別の画像などを送り、私はあなたを親友だと思ったから送ったのに、あなたは違うんだなどと言って、裸の画像を入手するようなケース。あるいは、恋人関係のように振る舞うなどして、その愛の証として、自ら進んで送るようしむけるといったようなケースがあると聞いております。  そこで、判断能力が乏しい児童を狙った悪質な犯行をどのような姿勢で取り締まり、また、被害の未然防止に向けて、悪質性をいかに周知しているのか、警察本部長にお伺いいたします。 94: ◯答弁(警察本部長) まず、悪質性の周知の点でございますけれども、警察におきましては、児童に対して、身近に起こり得る被害であることを認識できるように、犯罪防止教室において、芸能人になれるなどとそそのかされて、自撮り画像を送信した事案など、県内で実際に発生した事例を取り入れているところでございます。  児童ポルノ事犯につきましては、被害者の尊厳を踏みにじる、大変悪質な行為であると認識しており、その根絶と被害防止に向けて、積極的な取締りと、各種啓発活動に一層力を入れてまいりたいと考えております。 95: ◯質疑(渡辺委員) 教育的な観点からも、お伺いしたいと思います。  今、県ではタブレット教材を必須としておきながら、犯罪の被害未然防止のための条例の改正を含め、安全のための整備が十分にされているとは言えない状況です。インターネットの急速な普及に法整備が追いついていないとはいえ、県として無責任に感じるのは私だけではないと思います。児童が加害者として検挙されたケースも実際にあると聞いています。いじめがエスカレートして、裸の画像を撮影され、それをネット上に流されてしまうような事案が起こらないとは言い切れないと思っています。  そこで、もし重大な犯罪が起こったとき、教育委員会もその責任を問われることになると思いますけれども、教育的啓発について、どういった努力をされてきたのか、お伺いいたします。 96: ◯答弁(教育長) 各学校におきましては、1人1台端末の導入に当たり、小・中・高等学校の教科等の中で、情報モラルに関する指導を各発達段階に応じて取り組んでおり、有害情報対策やネットトラブルの対処法などの知識や技能及びそれを判断する力等を育んでおります。また、特別活動等におきましては、専門的な見識を有する県警等の外部講師による非行防止教室等を開催し、SNSに係るトラブルや、自画撮り被害等、インターネット関係の非行や犯罪被害を回避するための態度等を育んでおります。さらに、県立学校におきましては、セクシャリティーに関する講演会を実施し、性に関する適切な行動について理解を深め、自分も他者も共に大切にする心を育むことができるよう取り組んでおります。  県教育委員会といたしましては、児童生徒が自他の権利を尊重しつつ、犯罪被害を含む危機を回避できるよう、引き続き情報モラル教育の充実に向けて、各学校及び市町教育委員会を指導してまいります。 97: ◯質疑(渡辺委員) 今、関係部局の皆さんに取組状況について御答弁いただきましたけれども、再度、警察本部長にお尋ねします。私は5年前にも、このことについて質問しているわけですが、この5年間の取組における効果は実際に数字として、ある程度現れているものなのでしょうか。 98: ◯答弁(警察本部長) 委員御指摘の数値でございますけれども、例えば、過去5年間の児童ポルノの製造事犯に関わる被害児童数がございます。年ごとに増減がございまして、平成29年中は34人、平成30年は24人、令和元年が47人、令和2年が44人、そして令和3年が42人となっております。  一方で、この種の事案は、そもそも潜在性が大変高いということもございまして、教育的啓発の効果を、この被害児童数の多寡のみで判断することもまた難しいものと認識しております。 99: ◯質疑(渡辺委員) 先ほどもいろいろな取組をしてこられたことを言っていただいたのですけれども、中でもフィルタリングについては、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思っているのです。局長は、認識については少しずつされてきてはいるけれども、利用率はあまり伸びていないことが課題だとおっしゃっていました。警察庁の数字を見ますと、SNSに起因する事犯の被害児童のフィルタリングの利用状況は令和3年で、1,169件中144件という大変少ない数字になっています。これについては法整備なども進んではおりますけれども、効果がまだ、国全体でも現れていないということがあります。  要因として考えられるのは、スマホの価格がかなり高騰していることもあり、新しく購入する機会があまりないことだと思うのです。フィルタリングの法整備は、義務規定が販売事業者に対するものなので、販売のときしか義務が適用されないということにあるのではないかと思っております。また、子供自身でもフィルタリングを外してしまうということもあるようです。  これらを踏まえると、効果が数字として現れてくるのは大分先のことになるのと思っているのですが、フィルタリングの利用が広がらない要因、背景の分析はされているのでしょうか。また、今後の利用促進のための対策についてはどのようにお考えか、環境県民局長にお伺いいたします。 100: ◯答弁(環境県民局長) フィルタリングは、平成29年に青少年インターネット環境整備法が改正され、携帯電話事業者は、青少年へのフィルタリングソフトの説明と設定が義務化されておりますが、県の調査によると、子供を信用している、フィルタリングを利用しなくても子供の適切なインターネット利用を管理できるなどの理由で、保護者がフィルタリングソフトの無効化を希望するなどにより、利用率が低くなっているものと考えております。  今後は、フィルタリングの利用促進を図るため、国や市町と連携した保護者向けネット利用講習会の開催、保護者の危機意識を高めるための啓発資料の作成について、具体的な被害事例を紹介するなど、さらに工夫するとともに、インターネット利用の低年齢化に伴い、対象となる保護者を拡大するなど、より効果的な啓発に取り組んでまいります。 101: ◯質疑(渡辺委員) フィルタリングについて、警察の皆さんも、いろいろと取り組んでおり、学校に出前講座などで来ていただいていますけれども、そういった場所で、例えば、携帯事業者を一緒に呼んで、その場でフィルタリングをかけるなど、さらに精度を上げてどんどんと啓発していただきたいと考えております。  一方で、未然防止という観点だけでは、この問題の解決は難しさがあるのではないかと思っております。どんなに未然防止や普及啓発に取り組んでも、犯罪というものは完全にはなくなるものではないからです。昔はストーカー事案の取締りが大変困難だというようなこともありました。一体どこからをストーカーとするのかという基準がなかったからです。殺人事件などの重大な事件となって初めて、その法整備は本格化しました。  では、SNSを起因とする重要犯罪事件等は起きていないのでしょうか。令和3年度の警察庁の数字では、141件起きており、うち誘拐が最も多い86件、強制性交が34件、強制わいせつが17件、強盗が2件、殺人も2件起きています。平成30年から連続して毎年殺人事件が数件起こっています。しかしながら、これは大変プライバシー性が高いため、ニュースやテレビではなかなか取り上げられることはありません。ですから、国全体での機運は醸成しにくいということもあります。インターネットがあればどこででも起こり得る事件であり、これがたまたま広島県では起きていないというだけです。命を失ってからでは、遅いのです。その人は決して帰ってきません。子供の命を理不尽に失う事件を、私はもう二度と目の当たりにはしたくありません。  そこで、改めてお伺いいたします。既に37都道府県で、この条例改正への一歩を踏み出しておられますが、自画撮りの要求行為に罰則をつける条例改正の必要性について、環境県民局長のお考えをお聞かせください。 102: ◯答弁(環境県民局長) 自画撮りを要求する行為は、決して許されないものと認識しており、被害を防ぐ対策を徹底して行う必要があると考えております。御指摘の自画撮りにつながる要求行為の規制につきましては、全国的な課題であることから、国に対して法整備の要望を行うとともに、法律や条例の抑止効果などについて、引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。    休憩 午後2時20分    休憩 午後2時30分 103: ◯質疑(狭戸尾委員) 私からはドボックス、海ごみ対策、教育の3点について聞かせていただきます。  まず1点目ですが、インフラマネジメント基盤、ドボックスの運用開始後の利活用状況についてお伺いします。  令和3年度主要施策の成果に関する説明書における県政運営の取組状況で、デジタルトランスフォーメーションの推進として、仕事・暮らしDX、地域社会DX、行政DXを3つの柱として、県民生活に関わる様々な分野でのDXに取り組むとされています。その中の行政DXの主な取組として、県民の安全・安心や利便性、建設分野の生産性を向上させるための社会資本整備の調査、設計、施工から維持管理のあらゆる段階において、デジタル技術を最大限に活用し、官民が連携し、効果的、効率的なインフラマネジメントを推進するとともに、さらに幅広い領域における新たなサービスや付加価値の創出につなげるため、県が保有する様々なデータをオープンデータ化し、国、市町や民間企業等とのデータ連携を可能とするインフラマネジメント基盤、ドボックスを令和3年度に構築されました。  運用開始時の記者発表資料によると、データ連携機能を有し、インフラ情報を取りまとめて公開するシステムは、都道府県で全国初とのことで、本当に大変すばらしい取組をしていると思っております。そして、今後はこのシステムを関係者に認識していただき、利活用を広めていくことが重要になってまいります。  そこで、ドボックス運用開始後、約半年が経過しておりますが、この間のアクセス状況やデータの利活用状況を踏まえた問題について、土木建築局長に伺います。 104: ◯答弁土木建築局長) インフラマネジメント基盤ドボックスの利活用状況といたしましては、運用開始した6月28日~10月28日までの4か月間のアクセス状況として、オープンデータのダウンロードが約23,400回、3Dマップなどの可視化コンテンツの閲覧が約5,300回となっております。  そのうち最も多くダウンロードされているデータは、浸水想定区域等の災害リスク情報であり、地域の防災活動での資料作成や、自社管理施設の被災リスクの確認などに利用されております。続いて、都市計画区域内の土地利用データなどへのアクセス数が多く、地域ごとに異なる特性や課題の分析等に利用されており、そのほか、ボーリングデータや3次元点群データについては道路工事の設計業務等に利用されているところでございます。また、3Dマップなどの可視化コンテンツを利用することにより、洪水や土石流などの様々な災害リスク情報を同じ地図上に重ねることができ、想定される被害の状況を視覚的に把握することが可能となっております。  これらの機能を活用した事例といたしましては、自主防災組織役員を対象とした災害図上訓練、自主防災アドバイザーを対象とした操作説明会、小学生を対象とした出前講座など、各地域の防災活動での活用について危機管理部局と連携し、取り組んでまいりました。  一方で、課題といたしましては、一部地域の3次元点群データなど、公開に至っていないデータがあること、より汎用性の高いデータライセンスを提供する必要があることなどがございます。  引き続き、データの一層の充実を図るとともに、利用者のニーズを踏まえた柔軟な見直しを加えながら、ドボックスのさらなる利活用ができるよう、積極的に取り組んでまいります。 105: ◯質疑(狭戸尾委員) 今、答弁いただきましたが、私が思っているより多くのアクセスがあり、驚いております。また、既に自主防災組織の図上訓練に利用されるなど、様々な場面で活用されているとの答弁がございました。引き続き、県民の皆様の利便性や地域の安全・安心の向上に向けて、取組の充実を図っていっていただきたい。ドボックスにつきましては着実に進んでいることが確認できましたが、そのほかにも広島デジフラ構想では様々な取組を公表されております。  これらを含めて、建設分野におけるDXの推進について、今後どのように対応していこうと考えておられるのか、知事に伺います。 106: ◯答弁(知事) 建設分野におきまして、技術者等の担い手不足や、インフラ老朽化の進展などの社会情勢の変化に伴う様々な課題に的確に対応していくためには、DXを積極的に推進することが有効であると考えております。  建設分野におけるDXを推進するためには、AIやIoTなどのデジタル技術を最大限に活用すること、官民で保有する様々なデータの利活用を推進すること、これらを実現する人材の育成や民間事業者の技術とノウハウを活用するため官民連携を推進することが重要であると考えております。これらの考え方に基づき、これまで、3次元データを用いたICT活用工事の実施や、AIなどを用いた新たな維持管理技術の構築に向けた実証実験、ドボックスによるインフラデータの一元化、オープンデータ化などのほか、土木技術を有する人材のデジタルリテラシーの向上など、様々な取組を進めてまいりました。  引き続き、調査、設計、施工から維持管理のあらゆる段階において、デジタル技術を実装することにより、建設分野における生産性向上や県民の安全・安心につなげるとともに、物流、交通、観光など幅広い領域において新たなサービスの提供や付加価値の創出による県民の利便性の向上が図られるよう、広島デジフラ構想の取組を積極的に推進してまいります。 107: ◯要望・質疑(狭戸尾委員) 知事から御答弁いただきましたように、広島県の意気込みを今感じているところでございます。これからのデジタル技術の進展は我々の想像を超えるほど進歩しており、様々なDXに関する取組に挑戦されることを期待しております。そのためには、それぞれの分野の知識とデジタル技術を併せ持った人材も必要と考えております。土木建築局では広島デジフラ構想を公表し、先頭に立って、ドボックスをはじめとした多くの取組を実施されております。今後、さらに取組を加速するために、組織の充実も含めた体制強化、併せて人材育成に努めていただくことを要望し、次の質問に移らせていただきます。  次に、海ごみ対策についてお伺いします。  県では、昨年6月に、2050年までに瀬戸内海に新たに流出するプラスチックごみをゼロにすることを目指して、事業者等と連携して「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」を設立し、海洋プラスチックごみの削減に向けた具体的な取組を実施するとともに、機運醸成も図られてきております。  一方で、県内135海岸で、県が毎年実施しております実態調査によりますと、漂着ごみは、全体として減少傾向にあるものの、大型で海岸清掃活動による回収・処理が困難なフロートなどは、横ばいとなっております。こうした中、県では、プラットフォームの会員が多数参加する海岸一斉清掃を推進しており、昨年度は、プラットフォームとして初めて、宮島で清掃活動を行い、今年度も引き続き、尾道市で実施したところですが、漂着ごみは、海岸へのアクセスが課題となって、長年放置されているものもあり、その対策が求められております。  アクセスが困難な海岸での清掃活動は、ボランティアや団体の自主的な取組では限界があります。県がリーダーシップを発揮することで大きな成果が期待できることから、積極的に推進すべきと考えますが、県として、アクセス困難な場所を含め、清掃・回収活動の取組をどのように推進していこうと考えているのか、環境県民局長にお聞きします。 108: ◯答弁(環境県民局長) 海洋プラスチックごみの清掃・回収につきましては、プラットフォームの中に清掃・回収のワーキング会議を設置し、市町や企業、団体など様々な関係者が連携して、マッチングを通じた海岸一斉清掃活動の拡大を図っているほか、瀬戸内4県と日本財団で構成する瀬戸内オーシャンズXにおいて、広域的な取組を推進しているところでございます。このうち、アクセスが困難な場所での清掃・回収を推進するためには、活動を行う上での安全面への配慮、活動に必要な人員、資機材、資金の確保、回収した漂着ごみの運搬や処理の方法などの事前の準備、調整が必要となることから、市町や関係団体と連携しながら、各海岸の実情に応じた回収・処理の仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。  こうした考え方の下、実証事業を順次行っており、今月6日には、尾道市において、陸域から進入困難な海岸に、新たな進入路を確保して清掃活動を実施したほか、17日には、大竹市阿多田島において、日本財団をはじめ、大竹市や漁業者などと連携し、上陸用の船舶や特殊車両、プラスチックの減容装置などの資機材を用いて、長年海岸に堆積した漂着ごみを回収・処理したところでございます。また、年明けには、江田島市においても、離島に船舶から上陸しての清掃活動が計画されております。  今後、これらの実証結果を踏まえ、清掃・回収のワーキング会議等において、検討を行い、アクセス困難な場所も含め、清掃・回収活動が継続的に実施できる仕組みを構築するとともに、日本財団や市町等の関係者と連携して取組を推進してまいります。 109: ◯要望・質疑(狭戸尾委員) 御答弁にもありましたが、先日は、私の地元、大竹市の阿多田島において、アクセスが難しい離島海岸に散乱する大型漂着ごみを一掃する、大規模な清掃活動が行われたところでございます。  私も知事並びに環境県民局長と一緒に参加させていただきましたが、地元の住民、特に水産業者の皆様からは喜びの声が届いております。非常によい取組だったと考えております。今後とも関係者がしっかりと連携して、海ごみ対策に取り組んでいただくよう要望して、次の質問に入ります。  次に、AIを活用した教育課題への対応についてお伺いします。  近年、AI、ビッグデータ、IoTといった先端技術が高度化して、あらゆる産業や社会生活に取り入れられ、Society5.0時代が到来しつつあり、社会の在り方も劇的に変わろうとしています。そうした中で、学校現場において、GIGAスクール構想の推進により、通信ネットワーク環境や1人1台端末の整備が進み、ICT機器を活用した教育環境の整備が飛躍的に進んでおります。  まず、学校現場における通信ネットワーク及び1人1台端末の整備状況について、教育長に伺います。 110: ◯答弁(教育長) 県立学校におきましては、令和3年4月から、生徒1人1台コンピューターを学年進行により、全ての学校に導入しており、全日制課程では令和5年度、定時制課程では令和6年度におきまして、全学年で整備が完了する予定でございます。また、校内通信ネットワークの整備につきましては、令和3年8月末までに全ての県立学校におきまして、整備を完了しております。県内の市町立学校におきましても、令和3年度中に1人1台コンピューター及び校内通信ネットワークの整備を完了している状況でございます。 111: ◯質疑(狭戸尾委員) 今、御答弁いただきましたように、かなり整備が進んでおり、令和5年、6年にはそういった整備を全て完了するという答弁がございました。ぜひ、これからも頑張って進めていただきたい。  次に、教育環境の整備が進む中で、教育委員会では、ICT機器を活用し、個別最適な学びや協働的な学びを推進し、児童生徒1人1人が、自分のよさや可能性を認識し、多様な人々と協働しながら、社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓いていく力の育成に取り組んでおられます。こうした中で、広島県のサンドボックス事業の指定を受け、全校児童16人の三次市立青河小学校において、ユニボ先生と呼ばれるAIロボットを先生に迎え、複式学級における教員の負担を軽減しようとする面白い取組が行われております。実は、10月に行った文教委員会の県外調査で、このロボットシステムを開発した企業を訪問し、実際にロボットを操作しながら、お話を伺いました。複式学級においては、2学年を同時に教えることから、一方の学年を指導中はもう一方の学年が自習となり、学習指導の進め方に工夫が必要であることや、2学年分の教材研究を行うなど、教員の負担が大変大きくなっています。今回の取組で、間接指導をユニボ先生に任せることで、教員は直接指導に専念できるようになり、児童はユニボ先生による出題、ポイント解説、正解を褒めるといったフォローなどにより、学習意欲が向上したそうです。  今回の三次市でのAIを活用した取組について、教育委員会としてどのように評価し、今後の教育課題に対してAI、をはじめとしたICT機器の活用をどのように進めていくのか、教育長にお伺いします。 112: ◯答弁(教育長) 複式学級の間接指導には、児童が自分たちで学習を進めるというよさがあり、三次市の取組につきましても、間接指導の場面において、児童がAIロボットも活用し、主体的に自習に取り組む等の効果があったと伺っております。複式学級に限らず、学校の実態に応じてデジタル機器の効果的な活用を進めていくことは、児童生徒の個々の進度に合わせて主体的に学習できるといった面で有意義であると考えております。県内におきましても、児童生徒が、学校や家庭で、自らの習熟度に応じて学習内容を選択し、主体的に学んでいけるような学習環境を整備する必要があるという課題を踏まえ、例えば、15市町でAIを搭載したデジタルドリルの活用などが進められているところでございます。  県教育委員会といたしましては、様々な教育課題の解消に向けて、各市町や各学校における先進的なデジタル機器の活用の実践事例を収集するとともに、教員を対象にデジタル機器の活用のスキルの向上のための研修を実施し、AIなどの先端技術の効果的な活用を図ってまいります。 113: ◯要望(狭戸尾委員) 御答弁いただきましたように、一層少子化が進む中で、AIなどの先端技術を効果的に活用し、社会で活躍していく人材の育成を進めていただくことを要望して、質問を終わります。 114: ◯質疑(佐藤委員) 早速質問に入りたいと思います。まずは、部局別審査でも取り上げました、学校の図書室のリニューアルについてお伺いしたいと思います。  令和元~2年度にかけて、広島県としてモデル校を選定して図書室のリニューアルを行いました。そして、その成果がどうだったかを分析したところ、成果が出たとのことです。そうであれば、令和3年度、4年度も予算を設けて同じようなリニューアル事業をするのではないかと思っておりましたが、そうではありませんでした。そのことについて追及したところ、予算を立てて事業を行ってはいないが、リニューアル自体は学校がそれぞれ努力して行っているという答弁でした。つまり、それぞれの学校が何とかやりくりしてやっているような状況だと思うのです。  それで本当にいいのかと思うわけです。モデル校を選定してまでやったリニューアル事業であれば、県内の学校を何年後には100%リニューアルするというような計画性がないといけないのだろうと思うのです。令和3年度も何校かされている中で、疑問なのが、どういう方法で選定してリニューアルしたのか。ただ単に、やりますと言った学校があったのか、それとも、教育委員会として選んだのか。教育委員会はそういう図書室が遅れている学校を、恐らく分かっているのではないかと思うのです。特に、教育長は、現場主義ということで各学校を回られていますが、これはいいことだと思うのです。今までの教育長と比べて現場に行く、学校に行くということをやっているからこそ、図書室とかも見て、これは足りないと思ったところを校長とかと話をして、何とかリニューアルしてくださいという形でリニューアルさせていると思いますが、どのような形でリニューアルを進めているのか、お伺いします。 115: ◯答弁(教育長) おっしゃるとおりでして、私も実際見に行った上でリニューアルをしています。これまで1校につき70万円前後を毎年、図書予算としてお渡ししておりました。ただ、ここ10年ぐらい不読率が一向に改善せず、利用率につきましても向上しなかったということがありました。今回、幾つかの学校に、研究校的に150万円の予算を渡して、そして周りの学校もボランティアで来て、見て、ノウハウも蓄積しながらやってきましたけれども、70万円掛ける2年で140万円ですから、実は2年あれば、学校独自でリニューアルできます。ただ、ずっと長くリニューアルせずにきているものですから、なかなか単独で行うノウハウがありません。県教育委員会といたしましては、アドバイザーを使って、劇的によくなる方法をみんなで学んでいくということでやっております。 116: ◯質疑(佐藤委員) 1校当たり70万円という話でしたけれども、調べてみると、今年度285万円かけてやっているところもあったり、274万円かけてやっているところもあったりします。学校によって、金額に差があるのです。そういったことを考えると、やりくりできる学校でないとできないのではないかと思うわけです。特に、先ほどの図書購入費の70万円ですが、学校運営費の中で、ほかのことに使ってもいいような状況もある中ではなかなかできないと思います。各学校の校長が、本当に図書室について理解があり、やらないといけないという思いがあれば、教育長も言われているし、やるのだろうと思うのです。だけれども、図書室よりもこっちにお金が使いたい、こっちをやっていかないといけないからできないという校長先生もたくさんおられるのだろうと思うのです。それをやはり、教育委員会として、できないところにも予算立てをしてやっていく、事業として計画してやっていかないといけないと、ずっと何年も前から言っているのです。教育長が来られるとき、以前に中学校で校長をやられていたときに書かれた本を私も見ました。教育委員会から全然予算がつかないから、校長として、先ほど言ったようにボランティアや寄附金など、そういうやりくりをして、何とかいろいろことをやりましたと書いてあったため、これはすばらしいと思ったのです。現場の苦労を知っているからこそ、教育長になったときに、校長とかが苦労しないように予算をつけてあげましょうとなると思ったわけです。それが今は、私も過去に校長としてそうやっていたのだから、あなた方も各校で努力してやりなさいというような感じにしか思えないわけです。それでは今までと変わらないのだろうと思います。私は期待しているわけです。各現場に行かれていることは私も評価しています。やはり、現場の苦労は校長と話して分かるのだろうと思いますし、どんどん行ってもらいたいです。  ちなみに、そういった学校訪問は、年間で何校ぐらい行かれているのか、例えば、1年間で県立学校を全校回っていくのか、それとも任期が3年間だから3年に分けて回っていて、2期目に入ったから、もう2巡目に入っていますという形なのか、お伺いします。
    117: ◯答弁(教育長) ただいま資料を持ち合わせていませんので詳しい数は分かりませんが、就任してから9か月で全ての県立高校、特別支援学校、23市町の小中学校に伺いました。その後、毎年、のべ約150校に伺っております。1校につき何度も行っているところもございますし、その差はありますけれども、毎年、テーマを持って訪問しており、今年であれば、例えば、備品、理科室、物理室といったところの整備状況を確認しながら回ったり、あるいは図書館ということになれば、全ての図書館にお邪魔したり、その都度テーマを持って訪問するようにしております。1年に大体150校は行っていると思います。 118: ◯質疑(佐藤委員) そういうふうにどんどん行ってもらいたいと思うのですけれども、どのような交通手段で行っているのかが気になっており、例えば、福山市だったり、尾道市だったりする場合、新幹線で福山駅、新尾道駅まで行って、そこからタクシーで回りますという形なのか、県庁から公用車で学校まで行って、戻ってくるという形なのか、あるいは、県庁からタクシーで学校まで行って、タクシーで戻ってくるのか、どれが多いのか、お伺いします。 119: ◯答弁(教育長) 交通手段については様々ですけれども、主には秘書が交通手段を選んでおり、例えば福山駅まで新幹線で行ってタクシーで行くこともあれば、近くに行くスタッフがいれば、一緒に行くこともございます。様々な形で、当日のスケジュールや用務時間、それから用務場所を勘案して決定しております。 120: ◯質疑(佐藤委員) ある方から情報を仕入れたのですけれども、結構タクシーが多いと思っているのです。情報公開請求したところ、令和3年度で言えば、ある日、タクシーチケットを利用して福山市の学校に直接タクシーで行って、戻ってくるので5万4,000円。ほかにも6万円近い件が何件もあるわけです。ある福山市の学校の周年行事に出たときに6万4,000円というのもあります。やはり、普通に考えて、福山市に行くのにタクシーで往復するのが本当にいいのかと思うわけです。調べたところ学校訪問についても同様にされているという実態が分かりましたが、これについては、我々議員は、恐らく駄目なのではないかと思うのですが、今までの教育長が慣例として、そういう往復もオーケーだったから、平川教育長も同じようにされたのか、それとも、今までは違うけれども、私はそういうやり方をしたいということでされたのか、お伺いします。 121: ◯答弁(教育長) 今までの教育長のやり方は存じ上げませんけれども、確かにコロナ禍の前は新幹線で行くことも多かったのですが、コロナ禍になってから、多少そういうことが増えたと思っております。いずれにいたしましても、運転手もおりませんし、自分で運転するわけにはいきませんので、用務時間や用務場所を勘案して、組織で個別に決定しているものと承知しております。 122: ◯要望(佐藤委員) 私も教育長を個人攻撃しているわけではなくて、やはり、体制として、今までの教育長はそんなに現場に行かなかったから、タクシー往復でもいいとされていたのかもしれないけれども、言われたように、年間で150校回られるとなると、公用車を設けたらいいのではないかという考えもあるわけです。調べてみると、教育委員会は、公用車が1台しかないというような状況かもしれませんが、ほかの県庁の公用車が何台もあるわけだから、それを借りるというやり方をしていけばいいのです。タクシーチケットについて私が見ただけでも100万円以上の金額を移動に費やしているわけです。それだけの金額であれば、図書館のリニューアルなんて何校できるのですかという話にもつながってきます。やはり、民間から来られた教育長だからこそ、そういう慣例を変えてくれるのではないかと期待していたわけです。それが蓋を開けてみると、こういう状況が発生しているので、できればこういうところも民間感覚として変えていただきたいと思います。コロナの件もあるのかもしれないですけれども、今後は、考えていただきたいと思っております。  あと、図書室の件で言えば施設面をリニューアルして、よくするのも必要なのですけれども、やはり人がいないと駄目なのです。宝の持ち腐れではないですけれども、施設はよくても、やはり、専門の司書がいないといけないと思うのです。調べてみると、文科省のホームページにデータが出ていたのですが、公立高等学校における司書教諭発令状況及び学校司書配置状況というのがあります。この司書教諭というのは、学校の先生をしながら、図書室の先生も兼任されている方々です。これは全国各地にいるのですけども、それとは別で、学校の先生ではなく、学校司書として司書の資格を持った方が配置されているかどうかという都道府県別のデータが出ています。以前も話をしたのですけれども、最新のデータで言えば広島県の公立高等学校が92校ある中で、学校司書を配置しているのは6校だけです。全国で1番少ないです。ワーストです。  一方で、ほかの県を見てみると、県内の全部の学校に学校司書を配置している都道府県は22あります。全国の約半分の都道府県は100%配置しているのです。中国地方でいえば、島根県、鳥取県、山口県は100%、岡山県は84.1%、広島県は6.5%です。ここが問題だと思っています。学校司書という方をどう思っているのか。リニューアルして新しい本だけ入れればいいというわけではなく、そこに携わる人がいなければ、何も意味がないわけです。それをずっと何年も前から言っており、教育長が図書館のリニューアルに思いがあるから、これも期待したのですが、結局何も改善されず、近隣の都道府県だけが100%です。これは私だけがおかしいと思っているわけではなく、実は、初めに県内の司書の方から私のところに、どうにかしてくださいと話が来たわけです。中国地方の周りの都道府県の100%という数字を見て、交流会とかをしたときに、広島県がこんな状況だから恥ずかしいです、寂しいです、私たちの働く場所はもう要らないと県は思っているのですかと言われていました。その中で、もう広島県で働けないなら他県に行きますと言って、実際に行っている方もいるのです。  これは、先ほど稲葉委員も言われました転出超過がワースト1位という話に、つながってきます。司書の方は女性が多いですから、女性の人口流出につながります。今、司書教諭ばかりに負担させているということは、学校の働き方改革にもつながってくるのです。全てにつながる数字ですから、なぜ改善しないのか。もっとお金をかけてやってほしいと思っているわけです。やはり、教育長の役割は、校長ではないのですから、校長ができる、ボランティアだったり寄附金だったりではなくて、広島県の教育予算がこんなに増えましたみたいなことが、1番の成果だと思っているのです。特に、知事がオファーして来た教育長だからこそ、知事に対して、もう少し教育予算を増やしてくれないなら、もう私は辞めますというぐらいのことも言えるような立場だろうと思うのです。そういうことを私は期待しているのです。だからこそ、これぐらいの強い口調で言っていますけれども、期待の裏返しで、教育長ならできるのではないかと思っているので、やってもらいたいと思います。今後も、その件は追及していきたいと思いますので、要望で終わります。  最後に、これも部局別審査で言いましたけれども、広島県男女共同参画財団から成るエソール広島が使っているおりづるタワーの、月400万、年間5,000万円の賃料を広島県が払っているのはおかしいのではないかと追及しております。そのときの答弁は、県庁内、県の施設には代わりになるような施設がないから、おりづるタワーに入ってもらうしかなく、年間5,000万円でも問題ないとのことでした。けれども、先週の総務委員会でも同じことを言ったのですが、今、県庁の敷地の有効活用事業として、にぎわいをつくるのか分からないですが、駐車場を貸して、それを20年間、カフェやレストランにするという話がありました。これはおかしいのではと真っ先に、思いました。おりづるタワーに入る方々がそこに施設をつくればいいのではないですか。20年間貸し出して、レストランやカフェをやりますけど、20年間で、おりづるタワーに10億円払うわけです。県の財政状況を見て、この10億円が妥当だと思いますか。県の敷地に持ってきて、代わりにすれば、10億円を払わなくて済むのです。それを突然、有効活用という形でされていますけれども、これについても、今後、別のところでも追及していきたいと思います。 123: ◯質疑(金口委員) 民主県政会の金口でございます。それでは、早速質問に入ります。まず、ひろしま版ネウボラについてお尋ねいたします。  子供を希望する全ての人が、安心して子供を授かり、産み、育てる環境を整備し、子供とその家庭を切れ目なく見守る取組であるひろしま版ネウボラは、平成29年度に、私の地元であります尾道市を含む3市町でスタートし、今年で6年目を迎えております。  参加する市町は令和3年度末で13市町との決算報告ですが、今年度も三原市、廿日市市、安芸高田市、安芸太田町の4市町が新たに実施しており、合計17市町まで順調に展開が広がっております。  昨年度、ひろしま版ネウボラの理念の再整理と評価検証を実施したと伺っておりますが、これまでの事業実施における成果と、評価検証の中で浮かび上がった課題について、健康福祉局長にお尋ねいたします。 124: ◯答弁健康福祉局長) ひろしま版ネウボラを実施している市町におきましては、基本型である全ての子育て家庭の状況把握と医療機関、保育施設などの関係機関との連携体制の構築に重点的に取り組んでいただいており、昨年度からは、これらの取組について評価検証を実施しております。  評価検証の結果、全数把握の実施につきましては、母子手帳交付から乳児前期健診までの3回のタイミングで、ほぼ100%の家庭の状況把握を達成しており、順調に取組が進められているものと考えております。  一方、関係機関との連携につきましては、面談時にリスクありと判断された家庭のうち、事前に関係機関から情報共有を受けていた割合が19.5%にとどまっていることから、こちらについては課題と受け止め、今後、さらなる取組強化を検討する必要があると考えております。  さらに、全数把握の強化のために、国が求める面談回数から2回を追加し、3歳までに、合計7回以上の面談を行うこととしておりますが、こういった面談回数の追加による効果につきましても、今後、検証してまいりたいと考えております。 125: ◯質疑(金口委員) 面談対象者の状況把握率の昨年度実績は、ほぼ100%把握できたということでございますが、新型コロナウイルス感染症が広がる中で、妊婦が感染し肺炎を起こした場合の重症化リスクや、ワクチン接種ができない小さな子供たちがいる家庭においては、外出を控える傾向にある中、対面での面談を基本とするこの取組は、現場である市町において非常に困難な状況であったと思います。  特に、保健所を有する福山市や呉市においては、新型コロナウイルス感染者のケアも保健師が中心となって行っていると思いますから、本当に御苦労があったものと考えております。  そこで、コロナ禍で、子育て家庭と直接の接触が難しい状況において、現場のネウボラ相談員が子育て家庭の状況確認や相談支援をしっかりと行えるように、県として工夫されたことの中から、今後も継続して実施できる具体的な取組について、健康福祉局長にお尋ねいたします。 126: ◯答弁健康福祉局長) 面談を実施するに当たりましては、対面で状況把握することを基本としておりますが、コロナ禍での感染リスクに配慮し、令和2年度から、子育て中の保護者が自宅などでも相談、交流できるオンラインおしゃべり広場を活用したオンライン面談や、妊娠中の方などが、助産師に出産や子育ての悩みや不安を相談できるひろしま助産師オンライン相談を全県で展開し、子育て家庭の状況把握を行うとともに、不安やストレスの軽減に努めているところでございます。  また、ネウボラ相談員が必要な知識、スキルを習得するための体系的なカリキュラムに沿って実施している人材育成研修について、コロナ禍以前は対面で実施していたものを、昨年度からは、より多くのネウボラ相談員が受講できるようにオンライン・オンデマンド型に切り替えるとともに、家庭との非対面でのコミュニケーションスキルを高めるための研修も追加する形で実施しております。  このように、感染拡大期においても、安心して妊娠、出産、子育てができるよう、県としても様々な環境づくりに取り組んでいるところであり、今後も、子育て家庭の安心感の醸成につながる取組を進めてまいりたいと考えております。 127: ◯要望・質疑(金口委員) コロナ禍における苦労があった中、参加市町も順調に増えており、また、ほぼ100%の面談対象者の状況把握を行っていることに、まずは敬意を表するものであります。今後とも取組の継続をお願いいたします。  一方で、広島市、大竹市、東広島市、江田島市、坂町、大崎上島町の6市町は、まだ実施していない状況であります。  もちろん、それぞれの自治体ごとに、規模が異なり、事情もあることと思います。これまで国が求めていた面談が5回だったものが7回に増えることにより、単純に負担が増えることや、これまで独自に行ってきた母子保健や子育て支援サービスとの兼ね合いもあり、実施をためらう場合もあると思われます。  また、関係機関との連携がまだ不十分であるとの課題があり、面談回数を増やしたことによる個別の成果の検証は今後行われるとのことですが、先月の常任委員会に提出された資料によりますと、健診などの通知を出しただけで、自主的に面談等の場に来る家庭の割合は、出産後の4回について単純に平均すると89.8%ですが、この事業に参加している自治体はほぼ100%の99.3%であり、この9.5ポイントの差は大きいものと思います。  面談に来ない家庭の中には、少なからず問題を抱えた家庭もあると思いますので、問題が小さいうちに発見し、関係機関と連携して対応できることが期待されます。  この取組により、広島で子育てをされる全ての人が、地域に見守られ、妊娠・出産、育児を安心して行えると実感できるよう、着実に広げていただきたいと思います。  ひろしま版ネウボラの全県展開を目指し、残る市町の実施に向け、理解を得るためにどのように対応されようと考えているのか、今後の見通しと併せて、知事にお伺いいたします。 128: ◯答弁(知事) 未実施の各市町におきましては、これまでの母子保健、子育て支援のやり方に問題が生じていなければ、変化を加えることに、少なからず抵抗があるのではないかと考えております。  そこで、昨年度に実施したひろしま版ネウボラの理念の再整理に当たりましては、県内全市町の担当者と基本的考え方やあるべき姿について率直に意見交換し、見直しを行ったところであり、このプロセスを通じて、未実施の市町とも理念を共有でき、賛同いただいているものと受け止めております。  また、取組の成果が見える化できるよう、評価検証の結果を全市町にフィードバックすることで、未実施市町にもひろしま版ネウボラの効果や必要性についての理解を深めていただくよう努めております。  未実施市町に対しましては、今後も、しっかりとコミュニケーションを図りながら、伴走した支援を継続し、県内のどこに住んでいても同じサービスが提供されるよう、令和11年度までの全県展開を目指して取り組んでまいります。 129: ◯要望・質疑(金口委員) 最後に要望ですが、母子保健事業の主体は、あくまで市町であり、県が旗を振っても理解を得るのが難しいというのも理解いたします。  しかし、各市町単独では対応が困難な、関係機関などとの広域的な連携を進めるに当たっては、県に調整の役割が期待されるところであります。  また、来年4月にはこども基本法が施行され、国に、子供に関する施策を総合的に推進するこども家庭庁が設置されることになっております。  どこの市町に住んでいても、広島県は子育てをしやすいと実感してもらうために、必要な制度や施策があるならば、国に提案するなどして、しっかりとひろしま版ネウボラを推進していただくよう要望し、この質問を終わります。  次に、特殊詐欺被害の防止についてお尋ねいたします。  昨年5月の警察・商工労働委員会でもお聞きいたしましたが、特殊詐欺の被害が依然として増加している状況にあります。主要施策の成果に関する説明書においても、特殊詐欺被害額を2億円以下とする目標が設定されておりますが、昨年の被害額は約4億7,261万円と目標の2億円以上の被害が発生しています。令和2年の被害額の約2億4,105万円と比べても、令和3年の被害額は2倍近い伸びとなっております。さらに、令和4年10月末までの被害額は5億8,590万円であり、今年も2か月を残す状況にありながら、大幅に増えてきております。  確かに、特殊詐欺被害がピークであった平成26年の約16億円と比べると、被害額は減ってはおりますが、令和2年以降の増加傾向は懸念されるところであります。  特殊詐欺の手口として広く知られている、いわゆるおれおれ詐欺は、昨年10月末時点の被害額は1億1,500万円余りですが、今年10月末時点の被害額は6,600万円余りと大幅に減っていることから、近年の増加傾向には、これまでとは異なる新たな手口が影響しているのではないかと考えます。  特殊詐欺被害の増加と新たな手口等の現状について、警察本部長にお伺いします。 130: ◯答弁(警察本部長) 県内の特殊詐欺被害につきましては、平成29年から減少を続けていた認知件数、被害額が昨年ともに増加し、本年は5年ぶりに被害額が5億円を超える深刻な情勢にございます。  今年10月末の被害状況につきましては、認知件数は、昨年とほぼ同数の174件ですが、特徴といたしまして、未払いの料金があるなど架空の事実を口実として金銭等をだまし取る架空料金請求詐欺が75件で前年比23件増加したほか、キャッシュカードや預貯金通帳等をだまし取る預貯金詐欺が35件で前年比20件増加しております。被害額増加の要因は、過去最高額となる約1億4千万円の架空料金請求詐欺が2件発生したことにあります。また新たな手口とまでは言えないものの、今年に入りまして、架空料金請求詐欺では、電子メールやショートメッセージを送りつけて架空のサイト利用料等をだまし取る手口の増加が見られるところでございます。 131: ◯質疑(金口委員) 警察庁の広報資料によりますと、令和3年における特殊詐欺の被害者のうち88.2%が65歳以上の高齢者であるとのことであり、本人がこれからの老後や子供たちのためにためていたものが一瞬で奪われてしまう特殊詐欺は、大変気の毒でありますし、犯行を絶対に許すわけにはいきません。  資料によりますと、特殊詐欺において、犯人が最初に被害者に接触する手段の88.9%が電話によるものであるとのことで、中でも、公的機関を名のる者が税金や保険料などの還付を受けられるとだます還付金詐欺については、100%が電話によって最初の接触が行われたとのことであります。  やはり、特殊詐欺の被害を防止するためには、高齢者の自宅の固定電話に対する対策を進めることが重要ではないかと思います。固定電話の対策として、非通知電話の着信を拒否したり、通話内容を自動的に録音し、また相手に通話内容を録音する旨のメッセージを流す機能などがある、いわゆる迷惑電話防止機能つき電話とか、防犯機能つき電話と言われるものありますが、家電量販店などで購入することができますので、かなり有効であると考えます。  この防犯機能つき電話の購入費用を、昨年5月の警察・商工労働委員会では、呉市と府中市が一部助成していると伺っております。また、以前、決算特別委員会で鷹廣副委員長が迷惑電話を防止する装置を貸出している市町の状況についてもお聞きしております。  ついては、改めて、防犯機能つき電話の購入助成や貸出しを行っている自治体の状況と、これらの普及を目指す取組について、警察本部長にお伺いいたします。 132: ◯答弁(警察本部長) 令和3年中の当県の特殊詐欺被害において、犯人と被害者が最初に接触する手段は、固定電話が67.8%でございまして、そのうち、65歳以上の高齢者被害が97.8%を占めておりますことから、高齢者が、犯人からの電話に直接出ないための固定電話対策は極めて重要と考えております。  その取組の一環として、自治体による防犯機能つき電話機の購入補助等の導入状況につきましては、県内では令和2年度に府中市が初めて導入し、現在、8自治体が実施していることを把握しております。また、貸出し事業につきましては、現在海田町が実施しております。こうした自治体による補助制度をさらに広げるため、各自治体を管轄する警察署幹部が直接首長へ働きかけることなどを指示しているほか、広島市に対しましては、警察本部から直接働きかけを行っております。  また、既に実施している自治体に対しましても、制度の継続に向けた働きかけを行うことにより、普及に取り組んでまいりたいと考えております。 133: ◯質疑(金口委員) 警察本部では、購入助成や貸出しについて、各市町に要請を行っているとのことでございますが、それだけでは普及はなかなか進まないと考えます。  以前、尾道市の副市長に、防犯機能つき電話の購入費用の助成について提案いたしましたが、その際に、県でやってほしいと言われたことがございました。  県として、防犯機能つき電話の普及を目指して、購入助成や無料貸出しなどを行う自治体に対して、費用の一部を助成することで一層の普及が進むと考えますが、このような助成制度の創設について、環境県民局長にお伺いいたします。 134: ◯答弁(環境県民局長) 巧妙な電話勧誘から高齢者の消費者被害を未然に防止するために、電話に出ない状況をつくることが重要であり、在宅中の留守番電話の設定や防犯機能つき電話機の活用は、そのための有効な手段であると考えております。  このうち、防犯機能つき電話機につきましては、現在、国の交付金において、市町が住民に対して購入費を補助する場合に、県を通じて、市町が負担する経費の二分の一を助成する制度があり、また、既に採択している市町におきましては、住民への無料貸出し用の電話機を購入する場合にも支援がございます。  国の交付金を活用した購入費補助につきましては、県内で活用が始まった令和3年度は3市にとどまっておりましたが、先行実施している事例と効果を紹介するなどした結果、令和4年度には7市に広がり、さらに、令和5年度から開始する予定の市町もあると聞いております。  県といたしましては、警察本部と連携し、市町に対して、防犯機能つき電話機の導入による被害防止効果の周知を図り、既存の助成制度の活用を促進することなどにより、高齢者の消費者被害の未然防止に取り組んでまいります。 135: ◯要望(金口委員) これまでも、警察本部では、金融機関と連携した声かけや様々な啓発活動を通じて、未然に特殊詐欺にる被害を防ぐ取組を実施しております。  しかし、詐欺グループは、警戒が強くなっている金融機関ではなく、コンビニエンスストアに設置されているATMや、入手が容易で換金しやすいギフトカードなどを利用する手口など、手を替え、品を替え、詐欺を働いております。  新たな手口や送金手段に対応するためには、これまでの金融機関に加えて、コンビニエンスストアなどの新たな対象とも連携する必要があると考えます。  一方で、被害を未然に防ぐ取組も大切ですが、当然、特殊詐欺の犯行グループの検挙についても、引き続き努力してもらう必要があります。  特殊詐欺は、必ずしも県内に拠点があるわけではないので、捜査も広域化したり、場合によっては海外に拠点があることもあるので、犯人検挙が困難であることも理解いたしております。  特殊詐欺を未然に防ぐ取組と、特殊詐欺の元を断つための犯人検挙に向けた、今後の方策について、警察本部長にお尋ねいたします。 136: ◯答弁(警察本部長) 今後の取組でございますけれども、積極的な情報発信を行うとともに、高齢者の中には、手口を知っていながら被害に遭うといった事例も見られますので、社会全体で効果的に被害を抑止する仕組みづくりを念頭に、防犯機能つき電話機等の普及促進などにつきまして、強力に取り組んでまいります。  また、犯人検挙でございますけれども、受け子等の検挙、犯行拠点の摘発、悪質な犯行ツール提供事業者に対する取締りなどを引き続き推進するとともに、その背後にいると見られる暴力団等の犯罪者グループの組織実態に関する情報の収集、集約、分析を徹底し、特殊詐欺の根絶に向けた取組を一層強力に推進してまいりたいと考えております。 137: ◯質疑(栗原委員) 公明党広島県議会議員団の栗原俊二でございます。早速質問に入ります。  令和3年度決算の不用額についてお伺いいたします。  広島県歳入歳出決算説明資料の一般会計歳出の内訳によりますと、令和3年度の不用額は総額551億2,041万8千円となっておりまして、令和2年度の一般会計の不用額406億8千万円余りから、約145億円の増となっております。  また、不用額の総額に占める割合は、1%に満たない局、8%台となっている局など様々ですが、健康福祉局においては52.5%と、不用額の過半を占める状況となっております。  新型コロナウイルス感染症対策や、それに伴う経済対策などにより予算規模が拡大している中、感染状況の推移により予算執行が当初想定されていた規模に届かないなど、予期せぬ事情により不用額が発生することは理解いたしますが、不用額が生じた原因を分析し、予算編成時の積算は妥当であったのか、また、予算の執行が適切に行われているのかを検証することは、大変重要であると考えております。  本来、不用額は最終補正予算で減額した上で、なお各部局で活用できなかった予算となりますが、不用額がこれほどの規模となり、前年度に比べて大幅な増となった要因について、総務局長にお伺いいたします。 138: ◯答弁(総務局長) 令和3年度決算における一般会計の不用額は、予算現額の3.5%である551億円余となり、前年度と比較して、144億円余の増加となったところでございます。  前年度と比較して、不用額が増加した主な要因は、新型コロナウイルス感染症対策によるものであり、具体的には、宿泊療養施設の確保や、PCR検査体制の構築に当たり、急激な感染者数の増加にも対応できるように予算を確保していたところ、実際の宿泊療養施設の利用者数や、検査数の実績がそれに至らなかったことによるものでございます。 139: ◯質疑(栗原委員) 不用額の発生そのものはやむを得ないところでありますけれども、予算の執行残の削減は、適切な予算執行の観点からも継続的な課題として、取組が求められるところです。  各部局がそれぞれの現場感覚を生かした、より効果的な予算執行につなげられるよう、さらなる予算編成の工夫を行うことによって、不用額を抑制すべきではないかと考えますけれども、総務局長にお伺いいたします。 140: ◯答弁(総務局長) 予算編成におきましては、徹底した経営資源マネジメントに取り組む中で、事業を所管する各部局におきましても、それぞれの事業に応じた積算精度の向上を図り、可能な限り、不用額が生じないよう、努めているところでございます。  今後とも、このような取組に加えまして、社会保障関係費などの義務的経費も含めて、予算額と決算額の乖離実績などを踏まえた費用の見積りを徹底するほか、前年度予算額にかかわらず、情勢変化を踏まえて、必要な見直しを徹底するなど、より一層適切な予算の編成と執行に努めてまいります。 141: ◯要望・質疑(栗原委員) 今回の不用額は、コロナ対策の部分でかなり出たことについては理解いたしますけれども、不用額があるということは現場の状況を反映していないと言えるかもしれません。それから、総額を大きくして事業効果を訴える規模ありきの対策づくりといったことがあっては許されないわけでありますけれども、事業効果の検証は、とにかく不可欠であろうと思いますので、しっかり検証していただいて、次回の予算編成に反映をしていただくことを要望しておきます。  続いて、ネット・ゼロカーボンの取組についてお伺いいたします。  まずは、県の事務事業に起因するCO2排出量の数値化、見える化についてであります。本県においては、ネット・ゼロカーボン社会の実現に向け、今年度から、広島県地球環境対策推進会議の体制を強化し、ネット・ゼロカーボンに向けた対策等を検討されているところですが、CO2の排出量削減の取組に当たっては、それらがどの程度の効果を上げているか、定量的な検証を行うため、数値の見える化が有効であると考えます。  例えば、大阪府では、令和2年度の府議会の活動によるCO2の排出量が343トンであり、今後のペーパーレス化などの排出量削減をさらに進めると発表されました。これは電気料金やコピー用紙代など、同年度の決算を基に算出された数値であり、内訳は電気使用量で146トン、ガスで60トンなどとなっております。  このようにCO2排出量を数値化することで、本県の活動のどの部分でCO2が多く排出されているかが明らかとなり、省エネやペーパーレス化の推進による排出量削減や、カーボンニュートラルであるエネルギー購入などの取組をより強化し、効果的に行うための指標になると考えますが、県の事務事業に起因するCO2排出量の試算が行われているのか、行われているならば、どのような数値として把握されているのか、環境県民局長にお伺いいたします。 142: ◯答弁(環境県民局長) 県の事務事業に起因するCO2をはじめとする温室効果ガス排出量につきましては、電気、水道、ガスなどの使用量を基に、毎年度算定しており、直近の令和3年度の温室効果ガス排出量は、本庁及び地方機関全体で5万2,588トンとなっております。  内訳といたしましては、照明などの電気使用量で4万4,517トン、ガスや重油などで6,951トン、公用車の使用に起因するものが860トンとなっております。 143: ◯質疑(栗原委員) ネット・ゼロカーボンの取組は、広島県庁だけでなく、県民、事業者にも協力を求めている施策であります。CO2排出量の把握や削減の取組について、第3次広島県地球温暖化防止地域計画では、温室効果ガス削減計画書の策定、公表制度による事業者の自主的な取組の促進や、一般家庭でのうちエコ診断の実施など、CO2排出量の見える化の促進についても盛り込まれておりますが、事業者の自主的な取組の促進に当たっては、CO2排出量の見える化や削減案の策定のコンサルティングを行う者を派遣できる体制を整えること、また、一般家庭向けには、うちエコ診断の使い方を広くアピールしていくことなど、サポート体制の充実も課題と考えております。  県民、事業者自身のCO2排出量の数値化、見える化の支援について、どのように取り組まれているのか、また、今後どのように促進されていくのか、環境県民局長にお伺いいたします。 144: ◯答弁(環境県民局長) 県民の皆様に対するCO2排出量の見える化につきましては、これまで対面方式によるうちエコ診断を実施してきたところでございますが、昨年度からは新たにスマートフォンなどから、気軽に診断を受けることができるウェブサービスが追加されたところであり、多くの県民の皆様に活用していただけるよう、環境関連のイベントや電力需要が高くなる時期に合わせたウェブ広告などに努めているところでございます。  また、児童生徒や企業、地域の方々を対象に環境講師を派遣し、節電や機器の更新による効果を分かりやすく見える化して紹介することなどにより、多くの皆様に地球温暖化問題を自分ごととして考え、実践していただけるよう、取り組んでいるところでございます。  こうしたうちエコ診断や環境講師の派遣につきましては、近年の地球温暖化問題への関心の高まりなどから、申込みが増加しており、今後も充実してまいりたいと考えております。  事業者につきましては、多量排出事業者を対象にCO2排出量の見える化を通じ、自主的な削減を促す温室効果ガス削減計画書の作成、公表に加え、中小事業者を対象に国の省エネお助け隊と連携した、省エネ診断や改善提案などを行っているところでございます。  引き続き、こうした数値化、見える化の取組を継続、充実し、県民や事業者の皆様の取組が促進されるよう、サポートしてまいります。 145: ◯質疑(栗原委員) そこで、中小事業者へのCO2排出量の削減に対する支援についてですが、広島県における事業者のネット・ゼロカーボンの取組は、特に中小事業者からの理解、協力を得られる施策を打ち出していくことも検討が必要ではないかと考えます。  例えば、また大阪府の話ですけれども、CO2排出量の削減に向けて、宿泊事業者が無料で提供している歯ブラシやヘアブラシといった使い捨てプラスチック製品を、紙製や木製の代替素材に転換する費用を補助する事業を始めているということであります。  広島県においても、CO2排出量の削減に対する中小事業者の理解、協力を得ていくため、このような具体的な支援と、その結果が見えるような施策が必要ではないかと考えますが、環境県民局長にお伺いいたします。 146: ◯答弁(環境県民局長) 本県におきましては、県全体のCO2排出量の約85%を産業、運輸、業務部門が占めており、これらの部門の中小事業者が県全体に占める割合は、推計ではございますが、約15%と大きなウエートとなっております。  企業の経営環境は、昨今の原油価格高騰などで厳しさを増しており、中小事業者の理解、協力を得ていくためには、環境対策と経営改善の両立を目指す取組を進めていく必要があると考えております。
     このため、県内企業への支援といたしまして、創エネ、省エネ及びDX等による生産性向上のための設備投資への支援、運輸事業者に対する環境対応車やエコタイヤなどの導入支援による省エネルギーの促進など、エネルギー価格に左右されにくい、持続可能な経営に資する取組を行っているところでございます。  引き続き、中小事業者が置かれている状況やニーズの把握に努め、国の支援策なども活用しながら、必要な支援が届くよう、対策の充実を図ってまいります。 147: ◯質疑(栗原委員) 広島県庁の温暖化対策取組のアピールについてお伺いいたします。  ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けては、県全体の機運を醸成するため、広島県庁が率先してCO2削減に取り組むこと、また、それら取組の成果を数値化、見える化することで、広く県民および事業者にアピールすることが効果的であると考えます。  第5期広島県地球温暖化対策実行計画では、県庁における太陽光発電や再生エネルギー電力調達等の取組の強化などが盛り込まれていますが、今後、これらの取組をどのように進めようとされているのか、また、どのように周知を強めて、県内に波及させていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 148: ◯答弁(知事) 令和3年度に策定いたしました第5期広島県地球温暖化対策実行計画におきましては、令和7年度における温室効果ガス排出量を平成25年度比15.8%減の目標を掲げ、照明器具のLED化や電力使用量の見える化による節電、環境負荷の少ない製品の優先的な調達などの取組を推進しているところでございます。  また、庁舎における太陽光発電システムにつきましても、施設の耐久性や採算性等を確認した上で、東部免許センターや西部こども家庭センター、県立学校など、これまで県内各地の19施設に順次、導入しております。こうした取組の成果や課題などにつきましては、毎年、環境白書を取りまとめ、広島県の環境情報サイトであるエコひろしまを通じて、広く周知に努めているところでございます。  こうした中、国におきましては、2030年度の温室効果ガス削減目標の大幅な引上げと合わせまして、国自身の事務事業に起因する削減目標について、50%減と引上げが図られたところであります。  県といたしましては、現在、改定作業を進めております実行計画の見直しの中で、削減目標の引上げや目標達成に向けた県自らの対策について、太陽光発電や再エネ電力調達なども含め、あらゆる方策を検討しているところでございます。  引き続き、県が自ら率先して温暖化対策を実行するとともに、その状況を分かりやすく発信し、県民、事業者の皆様の自主的な取組につなげていくことにより、ネット・ゼロカーボン社会の実現を目指してまいります。 149: ◯要望・質疑(栗原委員) 環境省は、今年度からこの5か年計画で環境に配慮した行動による、個人の温室効果ガスの削減量を見える化する実証事業を進めております。東京都は新築戸建て住宅などの販売戸数の一定割合に対し、太陽光パネルの設置を義務づける方針を表明いたしました。  日本全体の温室効果ガス排出量の約6割が、家計関連の商品に起因しているとも言われております。これから脱炭素化のライフスタイルへの転換が求められておりまして、県がリーダーシップを持ち、地域特性に合わせた戦略を立案し、2050年のネット・ゼロカーボン達成を目指していただきますよう要望しておきます。  3点目は、新型コロナウイルス感染症対策事業の改善についてであります。  新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、広島県でも様々な対策事業が実施されて3年が過ぎようとしているところです。それらコロナ対策事業の中でも、有効であったもの、そうでないもの、足りないもの、それぞれあるかと思いますが、例えば大阪府で開催されたシンポジウムで、医療や介護現場の従事者らが登壇し、3年に及ぶコロナ禍の実情について報告、検証が行われ、厳しい状況にある医療、介護現場の実態に即した施策への改善が求められたところであります。  本県においても、このような医療、介護現場の声は少なからずあると思います。そうした声に耳を傾けて、コロナ対策事業の改善を図っていくことは非常に重要であると考えますが、健康福祉局長の認識をお伺いいたします。 150: ◯答弁健康福祉局長) 新型コロナウイルス感染症への対策につきましては、現場第一線で御尽力されている医療や介護関係の皆様の御意見、御要望をしっかりと受け止め、施策に反映することが重要だと認識しております。  このため、県医師会、市郡地区医師会と定期的に意見交換を行い、県の事業に対する方向性の共有を図るほか、関係医療機関から病床フェーズの見直しに係る助言などを頂いているところでございます。  また、介護分野につきましては、県内のクラスターが発生した施設の状況を把握するための会議を週1回以上の頻度で開催し、感染対策の専門家による病院、施設への助言などを行うほか、施設からの要請に応じ、応援職員も派遣しているところでございます。  また、昨日開催されました第75回広島医学会総会では、医療、介護関係の皆様と、シンポジウム形式で、これまでの新型コロナ対応を振り返り、今後の対策への提言等が広く共有されたところでございます。  この冬には、新型コロナとインフルエンザの同時流行や、これまで以上の感染拡大も懸念されており、今後とも、医療、介護の皆様の御意見に丁寧に耳を傾け、連携、協力しながら、新型コロナ対策に取り組んでまいりたいと考えております。 151: ◯要望(栗原委員) 先ほども局長からありましたとおり、新型コロナの国内感染者が増加しております。専門家も新しい波に入りつつあると指摘するなど、感染第八波への警戒が強まっております。現在懸念されている新型コロナと季節性インフルエンザが同時流行することになれば、多数の発熱患者が発生する可能性があります。必要な医療サービスが速やかに受けられる体制を整備しなければなりません。発熱外来の箇所数を増やすとか、診療時間を拡大するなどの取組も必要でしょうし、発熱外来が逼迫する場合に備えて、電話診療やオンライン診療の体制も強化しなければならないと思います。  同時流行時に、重症化リスクの低い人は検査キットでの自己検査が前提になってくるわけですけれども、検査キットの確保にも万全を期していただきたいと思いますし、インターネットでは、厚生労働省で承認されてない研究用の検査キットが販売されていることから、国が承認した検査キットを選ぶよう、適切な情報提供に努めることも必要かと思います。いずれにいたしましても、今までの対策事業の改善を行うとともに、次なる波にも万全の取組をお願いして、質問を終わります。  休憩 午後3時50分  再開 午後4時 152: ◯質疑(東委員) 民主県政会の東 保幸です。早速、質問に入りたいと思います。  令和3年度広島県内部統制評価報告書についてお尋ねいたします。  総務局の部局別審査の公益通報制度に関わってお聞きいたしました。公正さを欠いた不適切な予算執行は県民の信頼を大きく損ねることは改めて言うまでもありません。県民の信頼を損ねることがないように不断の努力が求められています。そのためには、職員個々がまず、不正が起きない、起こさない組織にしていかなければならないと強く思うところであります。  2004年に公益通報保護法が成立し、2006年4月の施行に伴い、県は、職員からの公益通報に関する要綱を施行しました。一方、内部統制制度は、2017年の地方自治法改正、2020年4月施行、今回の報告で2回目であり、まだ十分に浸透しているとは思いません。  そこでまず、令和3年度広島県の内部統制評価について、知事の見解をお聞きします。 153: ◯答弁(知事) 令和3年度の内部統制につきましては、最高裁判所裁判官国民審査投票用紙の印刷誤りを運用上の重大な不備として把握したため、内部統制が有効に運用されていないと判断したところであり、県行政や県職員に対する信頼を損ねたものと受け止めております。  こうした不備の再発を防ぎ、内部統制制度を有効に機能させるため、引き続き、全職員が主体的に取り組むという意識の醸成を図りながら、実効性のある内部統制を実践し、より一層、適正な業務遂行の確保に努めてまいります。 154: ◯質疑(東委員) 広島県の内部統制に関する方針を見ますと、監査委員との連携が示されており、内部統制をより効果的に実施していくため、監査委員との情報共有や意見交換により、連携を図りますとあります。  そこで、令和3年度広島県内部統制評価に対する監査委員としての見解を改めてお聞きいたします。 155: ◯答弁(代表監査委員) 監査委員では、内部統制制度が適切に機能するよう、制度設計の段階から現在に至るまで、様々な場面で、知事をはじめ、執行機関の皆さんと意見交換や情報共有を図ってまいりました。  そうした中、令和3年度の評価においても、内部統制が有効に運用されていないという結果になったことは、監査委員として遺憾に思っております。  このため、知事に対し、不適正な事務処理の再発防止と実効性のある内部統制を実践するために留意すべき事項を申し述べ、全職員が主体的に取り組むよう求めたところでございます。  各執行機関では、これまでも制度の改善に努めておられますが、より実効性のある内部統制の確立に向けて、引き続き、取り組んでいただきたいと考えております。  また、私ども監査委員の側も、必要な助言や意見交換などを継続的に行い、執行機関と連携を図ってまいります。 156: ◯要望・質疑(東委員) 引き続き、監査委員の立場として、しっかりと提言をいただきたいと思います。  内部統制評価について、評価方法に関わって不備がある場合には、当該不備が重大な不備に当たるかどうかの判断を行い、内部統制の有効性を評価すると明記されています。令和3年度におきましては、先ほど知事からも指摘があったとおり、最高裁判所裁判官国民審査投票用紙の印刷誤りを重大な不備としています。具体的にどのような観点から判断したのか、お聞きいたします。  あわせて、重大な不備を生じさせた所属が取り組む再発防止策については、総務局がチェックされ、各局に周知徹底したのか、総務局長にお聞きいたします。 157: ◯答弁(総務局長) 把握した不備が重大な不備に該当するか否かにつきましては、社会的な信頼を損ねるものであるか、県民に影響を与えるものであるか、業務遂行に影響を及ぼすものであるか、故意、重大な過失または軽過失であるかなどの観点から総合的に検討し、判断しているところでございます。  重大な不備事案が発生した所属が取り組む再発防止策につきましては、発生要因を踏まえた適切な対策になっているかという観点などから、総務局において検証しております。  各局に対しましては、全庁的な推進体制である内部統制推進連絡会議や、不適正な事務処理の発生状況、再発防止策等について取りまとめた内部統制通信などを通じて周知徹底を図っており、全庁的な未然防止にも努めているところでございます。 158: ◯質疑(東委員) 今回の広島県内部統制評価報告書は2回目であります。  評価が有効性を発揮していくためには不断の努力が必要ですが、これは公益通報制度においても同様で、職場における法令遵守が当たり前の雰囲気を醸成し、気づき、疑問といった初歩的なところから話し合える職場環境が必要だと思います。  今後に向けてどのように組織内に内部統制を浸透させていくのか、併せて、どのような取組をしているのか、総務局長にお聞きいたします。 159: ◯答弁(総務局長) 内部統制につきましては、職員に対する研修の実施、不適正事例等の共有による内部統制・コンプライアンスの強化、事務フローの見直しやシステム改良などによるリスク管理の強化などに取り組んでまいりました。  また、内部統制推進連絡会議を通じて、報告、相談しやすい職場環境づくりの重要性についても共有を図ってきたところでございます。  今後、内部統制の一層の定着に向けまして、実施責任者である局長等のマネジメントによりPDCAサイクルを回しながら、これまでの取組を着実に実施するとともに、良好なコミュニケーションを確保し、職員が報告、相談しやすい職場環境づくりにも取り組んでまいります。 160: ◯要望・質疑(東委員) 自分事として、いろいろな不祥事等々に向き合っていただき、ぜひ、そこから改善を学んでいただきたいと思います。  続いて、DX施策の推進と人材確保について、2点お聞きいたします。  まず、DX関連事業の進捗状況についてお聞きします。  県は全国に先駆けてデジタルトランスフォーメーションに取り組んできた経緯があり、令和元年にデジタルトランスフォーメーション推進本部を設置しました。令和3年度の主要事業のうち、DX関連事業は27事業、総額37億円余です。  事業概要を見ますと、災害リスクの把握・発信、スマート農業・水産業、学びの変革推進、GIGAスクール構想の実現、中山間地域における生活環境の向上、水道施設運転監視の効率化、省力化、広島型MaaSの推進、子供の成長支援、ひろしまサンドボックスなど、DX関連事業は全ての部局にわたっております。  そこで、まず、DX関連事業の進捗状況について、玉井副知事にお聞きします。 161: ◯答弁(玉井副知事) DX関連事業につきましては、仕事・暮らし、地域社会、行政を3つの柱として、県民生活に関わる様々な分野で着実に取組を進めております。  例えば、仕事・暮らしDXでは、本県の地域特性に適応したスマート農業技術の実証により、野菜の収穫予測や果樹の品質管理のシステムの試行版が完成し、改良を重ねているところでございます。  また、スマートフォンアプリ、オトモポリスを通じ、犯罪や不審者等の情報をタイムリーに発信することで、防犯意識の向上を図っております。  地域社会DXでは、広島型MaaSモデルの実証実験を通じて、安芸太田町におけるモビリティーデータに基づく町内移動手段の最適化や、大崎上島町におけるAIを活用したバスの効率的な運転ルート設定による海上・陸上交通のシームレス化を図っております。  行政DXでは、ドボックスの運用を本年6月に開始し、災害リスク情報等のオープンデータや3Dマップなどの可視化コンテンツが、各地域の防災活動等に活用されております。  また、水道事業の効率化を図るため、浄水場等の水道施設について、どの施設からでも、全ての施設の運転状況の監視や操作が可能となる広域運転監視システムを構築するなど、各分野においてDXの推進が着実に進んでおります。 162: ◯質疑(東委員) 次に、DX関連事業の推進に必要な人材確保・育成の今後の取組についてお聞きいたします。  DX推進に当たっては、さらに専門人材が必要となることは言うまでもありません。産業界とのIT人材獲得競争の激化に対し、県人事委員会は、高度情報IT人材に手当を創設するなど勧告するまでに至っております。その是非は今後の評価に譲るとして、先ほど挙げた関連事業どれ一つを取っても県民生活の向上に必要なものばかりで、副知事からるる説明があったところでございます。事業がお互いに連関して、県民福祉の向上につながることが期待されております。  しかし、専門人材を入れれば済むということではないと私は考えております。IT人材がやるべきことは、既存のデータを使い、現状をベースとして改革することであり、変革を起こし、新たなもの、事を生み出すことだろうと思います。既存のマンパワーを生かすという視点と、新たな専門人材のノウハウの連携、すなわち、情報の共有化や円滑なコミュニケーションがなければ、何も生まれません。  そこで、DX関連事業の推進に必要な県庁内の人材の確保・育成に当たって、専門人材の採用や配置も含めて、これまでどのように取り組み、また、今後どのように取り組もうとしているのか、お聞きいたします。 163: ◯答弁(玉井副知事) DXを推進していくためには、デジタル技術に精通し、技術面から企画立案につなげることができる人材と、業務に精通し、デジタル技術を活用した変革を構想して実行できる人材の双方を、計画的に確保・育成していく必要があると考えております。  このため、デジタル技術に精通した人材につきましては、外部の専門人材の登用のほか、令和3年度から新たに情報職として8名を採用し、情報システム担当部署のみならず、建設DX担当などDX関連事業を推進している部署への配置を進めております。  また、デジタルを活用して業務の変革を構想、実行できる人材につきましては、まずは、組織全体のデジタルリテラシーの向上が必要であることから、全職員を対象に、DXの考え方や基礎的知識を学ぶ研修を実施するとともに、専門人材の知見も借りつつ、実際にDX関連施策に取り組むことを通じて、育成に取り組んでいるところでございます。  今後とも、情報職の採用の拡大や、本県の求める人材像、備えるべきスキルの明確化を通じて、DXの推進に必要な、人材の確保・育成や組織づくりを進めてまいりたいと思います。 164: ◯質疑(東委員) Society2.0を生きてきた私があれこれ言う立場でもございませんけれども、ぜひ、Society5.0を生きる皆さんにいろいろと御期待申し上げたいと思います。  3点目、教職員の病気休職者の状況と取組について教育長にお尋ねいたします。  11月7日に教育委員会決算特別委員会部局別審査において、病気休職者代員の措置状況と給与費について問いただしたところであります。2019年度からの3年間で、代員は300人を超え、代員給与費は10億円近くに上ることが分かりました。審査対象となる2021年度だけでも、病気休職者代員が104人、代員給与費は3億5,100万円余ということで、代員数や給与費の多さに驚いたわけです。休職に至る前の長期病気休暇取得者の代員を含めるとさらに大きな額になるのではないかと思われます。これだけ大きな財政負担ですが、個別審査においては納得のいく説明がありませんでした。  そこで、病気休職者がこれだけ多い状況について、その要因、背景をどのように分析しているのか、改めて教育長にお尋ねいたします。 165: ◯答弁(教育長) 令和3年度の病気休職者の内訳を見ますと、132人のうち94人、約71%が精神疾患によるものとなっておりますが、例年、精神疾患の占める割合といたしましては、おおむね6割台で推移しており、こうした状況は、全国と同様の傾向となっております。  精神疾患に至る原因といたしましては、人によって様々な背景や複数の要因が関係している場合があり、要因等を特定することは困難でございますが、国の分析によりますと、教育職員のメンタルヘルス不調の背景として、業務量の増加や複雑化、職場の人間関係などが挙げられており、本県におきましても同様の事情があるものと考えております。 166: ◯質疑(東委員) 病気休職者の7割が精神疾患という教育長の答弁でございました。実態は把握しておられるということかと思うのですが、それにしても、この3年間で10億円近いという大きさ、これは何としても改善していかなければならないとも思います。またその3分の2を占めるのが市町立学校の教職員になるわけで、市町立学校での病気休職者をどう減らしていくかが、取組の重点だろうと思います。財政的な課題もさることながら、欠員が生じたときに、代員が見つからない小学校、中学校が多く、子供たちに多大な不利益を与えていると聞きます。  そこで、教育委員会として今後、市町立学校の精神疾患による病気休職者を減らすことについて、どのように取り組み、成果を上げていくのか、教育長の決意をお聞きいたします。 167: ◯答弁(教育長) 市町立学校の教職員の健康管理につきましては、法令に基づき、市町教育委員会が主体となって取り組んでおります。  県費負担教職員の健康を確保していく観点から、県教育委員会が市町教育委員会に働きかけたところ、衛生委員会等の年間平均開催回数が増加するとともに、今年度から、全ての市町立学校でストレスチェックが導入されたところでございます。  今後は、市町立学校の管理職がその責務を意識し、日頃から教職員の相談に応じるなど、風通しのよい職場を築き、メンタルヘルス不調の未然防止につなげていけるよう、市町立学校の管理職に対するメンタルヘルスに関する知識を習得する機会の拡大を図ってまいります。  こうした取組を進めていくことで、全ての教職員が心身ともに健康で、意欲を持って教育に携われる環境を整備してまいりたいと考えております。 168: ◯要望(東委員) 教育長の答弁の中に、あくまでもこれは市町の学校であるし、市町が主体となって取り組むべきという答弁でございましたけれども、県費負担教職員でもあるわけで、財政的負担は県が担っていることは忘れてはいけないと私は思います。そのためにもぜひ指導性も発揮していただかなければならない。  ストレスチェックにつきましても、それぞれ地域により、また、学校規模により、十分にチェック体制があるかどうか、その辺りもまたしっかりと点検してもらいたいし、支援も必要だと思います。  いずれにいたしましても、2021年度が3億5,100万円余です。それをぜひ、減らすような、数字として見えるような形で結果を求めたいと思います。 169: ◯質疑(鷹廣副委員長) 民主県政会の鷹廣です。今決算特別委員会では、副委員長に選任いただきまして、中本議長、先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げつつ、質問させていただきます。  質問の第1は、令和3年度決算の全体的なところをお伺いいたします。  ここ数年、コロナ対策や災害対応などで、決算額も大きくなっていますが、全体像が分かりにくいと感じています。そこで、使い道が限定されて国から支出されています国庫支出金から、令和3年度の施策展開がどのようであったのか、質問いたしたいと思います。  まず、令和3年度の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をはじめとした国庫支出金の額について、当初予算や補正予算の事業ごとの説明時には財源の内訳として臨時交付金等の金額が記されていましたが、決算説明資料にはどこにも出てきていないように思います。  そこで、国庫支出金の内訳として、新型コロナウイルス感染症関連事業にかかる国庫支出金の額、公共事業にかかる国庫支出金の額及びそれ以外の国庫支出金の額について、コロナ前と比較して、どのように推移したのか、お伺いいたします。 170: ◯答弁(総務局長) 国庫支出金の決算額につきましては、令和元年度決算額の内訳は、新型コロナ対策関連が7億円余、公共事業関連が460億円余、その他が703億円余でございます。  次に、令和3年度決算の内訳は、新型コロナ対策関連が1,820億円余、公共事業関連が560億円余、その他が698億円余でございます。 171: ◯質疑(鷹廣副委員長) コロナ関連が約1,800億円増え、公共事業は460億円から560億円、その他は703億円が698億円とほぼ変わってないという答弁でした。私は、コロナの影響でその他の事業が大きく影響を受けて、事業中断、縮小などがたくさんあったのではないかと漠然と思っていたのですけれども、令和2年度は財源の捻出であったり、コロナでできない事業を見直す事業見直しがありました。令和3年度は、そういったことをされていないということも含め、やり方が変わったものなり、個々の事業をいろいろ見ればあると思うのですが、決算的には、令和元年並みのことを、国のお金を受けてやったと受け止めさせていただきます。  それを踏まえまして、次に、主要施策の成果についてお伺いいたします。  主要施策に関する説明書、ひろしまビジョン実施状況報告書について、重要業績評価指標であるKPIを設定されており、その進捗状況が報告されています。令和3年度の目標に対する達成率が全体の57%にとどまっています。先ほどの答弁で言えば、国庫事業で例年並みの金額を執行したということでありますけれども、KPIが57%にとどまっている要因をどのように認識されているのか、また、今後の対応方針についてお伺いいたします。 172: ◯答弁(経営戦略審議官) 令和3年度のKPIの未達成の要因につきましては、新型コロナウイルス感染症による行動制限や入国制限によって、総観光客数、スポーツを直接観戦した県民の割合などのKPIが未達成となっているように、外部要因により達成そのものが困難な状況にあるもの、もくろみどおりの成果が得られなかったもの、さらに、環境変化などによって施策の進捗や効果等に課題が生じているものなどが混在しております。  こうしたKPI未達成の施策につきましては、目標と実績の乖離要因を把握した上で、取組内容の改善や事業の休止、廃止といった抜本的な見直しに加えて、必要に応じて、評価指標の新たな設定や事業目標の水準の見直しを行い、次年度の取組に反映しているところでございます。  引き続き、本県を取り巻く環境変化の兆しを的確に捉え、迅速かつ柔軟に施策の見直しなどにつなげるよう、PDCAサイクルによる施策マネジメントを着実に実施し、成果につなげてまいります。 173: ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) コロナ禍にあっても、やり方を工夫すればできることもあるでしょうし、コロナ禍では、やり方の工夫もしようもないものもあったり、様々あると思うのですけれども、令和3年度の取組を通して得られたノウハウを、今後の施策の展開に生かしていただきたいと要望させていただきます。  続いて、地方交付税の増加の要因及び使途についてです。
     地方交付税は、予算編成時には、いわゆる一般財源の一部になる、使途を決められていない自由度の高い財源だと私は思っております。  令和3年度の地方交付税の決算では、当初予算から341億円ほど増額しています。この増額は、主に国の補正予算による再算定の結果と説明されていますが、どのような内容なのか、また増額された交付税をどのように活用したのか、お伺いします。 174: ◯答弁(総務局長) 令和3年度の地方交付税の決算額は、当初予算と比べて、約341億円の増加となり、その内訳といたしましては、普通交付税が約332億円の増加、特別交付税が約9億円の増加となっております。  普通交付税の増加の主な要因といたしましては、地方交付税の原資となる国税収入の増加に伴い、約251億円が増額されたことによるものでございます。  増額された普通交付税の使途につきましては、臨時財政対策債の発行抑制のほか、広域的な生活交通の確保対策や、県立学校の教育環境の整備など、補正予算における経済対策などの財源として活用したところでございます。 175: ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 全国的なパイが増えたから広島県の配分が増えたと認識させていただきました。通常、予算のときには、地方の税収が増えるとその分、地方交付税が減らされる関係にあると私たちも勉強会でよく教えていただきます。それが年度途中に、こういうことがあれば増えるということで、自由に使えるのであれば、より自由に使っていただきたいと思います。そこはやはり地方からしっかり言っていただくことで自由度が高まると思いますから、ぜひそういった意識を持って、地方交付税を扱っていただきたいと思います。  続いて、単年度の収支についてお伺いいたします。  令和3年度一般会計では、地方交付税が前年度比121%増、国庫支出金が135%増となりまして、歳入全体は前年度比112.1%増の1兆3,485億円となっています。しかし、実質収支額は137億円余りの黒字となっていますが、前年度の実質収支額を差し引いた単年度収支額は、2年ぶりに76億円余りの赤字となっています。かなり自由な財源が増えたように思うのですが、単年度の赤字となった要因についてお伺いいたします。 176: ◯答弁(総務局長) 令和3年度における一般会計の単年度収支につきましては、当該年度の実質収支が、約137億円の黒字、前年度の実質収支が、約214億円の黒字であったことから、その差引きにより、約77億円の赤字となったところでございます。  令和2年度の決算では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金など、当該年度に国から受け入れたものの不用となった国庫支出金が約121億円あり、これが、実質収支の大幅な黒字の要因でございます。  令和3年度決算では、同様の国庫支出金の不用額が約48億円であり、前年度から約73億円の減少となったことから、実質収支の黒字も減少し、その結果として、単年度収支が赤字となったものでございます。 177: ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 不用額が減ったから、余分額が減ったということなのでしょう。不用額を出さないことも大事だと思うのですが、財政全体の運営もしっかりとお願いしたいと思います。  続いて、財政運営についてお伺いいたします。  決算資料にあります、令和3年度決算における健全化判断比率等について、令和3年度は、将来負担比率は前年度と比べて、19.1ポイント低下の196.6%と大幅に改善しています。これは、令和3年度については普通交付税の増により、一時的に将来負担比率が低下したのではないかと思うのですが、県としてはどのように評価されているのか、また、今後の財政運営の方針についてお伺いします。 178: ◯答弁(総務局長) 令和3年度の将来負担比率が低下した主な要因は、国税収入の増加に伴う、普通交付税の増額措置などにより、分母となる標準財政規模が拡大したことによるものでございます。  標準財政規模の拡大は、一時的なものでありますことから、引き続き、県債発行額のマネジメントを行うとともに、後年度に交付税措置のある有利な県債を最大限活用することにより、将来負担の軽減を図っていく必要がございます。  今後とも、中期財政運営方針に基づき、歳出、歳入の両面にわたる取組を行うとともに、将来負担の着実な縮減を進めていくことにより、経済の低迷や、大規模災害などのリスクに備えつつ、新たな課題や変化にも柔軟に対応できる、しなやかな財政運営を行ってまいりたいと考えております。 179: ◯要望・質疑(鷹廣副委員長) 数字はどうしても年度年度で踊ることがあり、それが今回の将来負担比率だと思うのですけれども、将来を見据えた財政運営をお願いいたします。  質問の第2は、県立広島病院の看護職員の離職率等についてお伺いいたします。  先週、県立広島病院、JR広島病院、中電病院の再編統合を中心とした高度医療・人材育成拠点の基本構想が示されました。運営形態については、在り方検討会から、独立行政法人、非公務員型が望ましいと提言されたと報告されています。  雇用形態が非公務員となれば、看護師の雇用条件等に大きな影響を与えるのではないかと考えています。そこで、看護職員の離職率について、広島県全体の看護職員の離職率は、県の看護職員の職場環境づくり実態調査結果によりますと、平成28~令和2年度の直近5年間の平均値で9.74%となっています。県立広島病院の看護師の離職率はどのように推移しているのか、県全体の離職率9.74%と比較して、その数値をどのように評価しているのか、また、離職を防ぐために、どのような努力をされているのか、お伺いいたします。 180: ◯答弁(病院事業管理者) 県立広島病院の看護師の平成28~令和2年度の離職率の推移は、平成28年度から順に、5.6%、4.8%、6.1%、5.2%、5.1%、平均で5.36%と、同じ期間の県全体の離職率平均9.74%を4.38ポイント下回っているところでございます。  県立広島病院では、新人教育や専門資格取得などの教育体制、チーム医療などの多職種連携、研修やマニュアル整備などの医療安全対策、産育休関連制度などの子育て支援の取組といった人材育成や勤務環境の改善・充実に努めているところであり、これらの取組によって、低い離職率となっているものと認識しております。  また、離職率が低いこと、すなわち継続勤務者が多いことは、教育や研修などの効果が継続し、医療の安全と質の向上など医療機能の強化に寄与するものと考えております。   引き続いて、人材育成、勤務環境の改善・充実に努めてまいります。 181: ◯要望(鷹廣副委員長) 看護師をはじめとした医療スタッフの確保は、奪い合いのような話もお聞きすることがあります。県病院であれば、離職率を5.36%に低く抑えていることは、これまでの様々な取組の成果であると思っています。これまで、高度医療・人材育成拠点の議論では、いかに医師を引きつけるかが議論されてきたと思っておりますけれども、それがそのまま、医師以外の医療スタッフも集まる病院になるとは限らないと私は考えています。看護師をはじめとした医療スタッフが多く集まり、辞めずに働ける職場環境をつくるには、これまでとは違う切り口での議論も必要ではないかと思います。  ちなみに、日本看護協会が、離職率について調査したものをプレスリリースされています。2,432病院が回答されていますけれども、正規看護職員離職率は、全体で10.6%、公立病院が7.5%、医療法人が13.6%、その他、運営形態ごとにいろいろな数字が出ているのですけれども、公立と医療法人では随分違います。残念ながらこの調査では、独立行政法人なり、地方公営企業法全部適用は、公立の中に含められていますのでその内訳は分かりませんけれども、独立行政法人の運営の仕方は柔軟性が高いということで言えば、医療法人に近いとも考えられます。離職率が高くなるのではという危惧も含めて、注意していただきたいと思います。  これから収支計画等を含めてより詳細な検討がされます。運営形態についてもより慎重な検討をお願いいたしまして、私からの質問を終わります。 182: ◯質疑(三好副委員長) 皆様こんにちは。自民議連の三好良治でございます。質問の締めを務めさせていただき、大変光栄に存じます。吉井委員長をはじめ、先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。  さて、コロナ禍において、県においても、感染拡大防止と経済の両輪を回すことが求められる中、知事をはじめ、執行部の皆様、そして、各部局の皆様方におかれましては、大変な御労苦もあったことと思いますが、私は、ここまでを大きく振り返ると、県民の皆様からも及第点をいただけるものと感じています。どうぞ引き続き、より積極的な取組をいただけますよう、湯崎知事をはじめ、職員の皆様方の御手腕に御期待を申し上げます。  本日私からは、経済を回すという中で、特に、県の行ってきた雇用対策について、幾つか質問させていただきたいと思います。的が狭くなって申し訳ありませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。  初めの質問は、雇用調整助成金の申請サポート事業に関してお伺いいたします。  令和3年度におきましても、県では、飲食店への協力支援金をはじめ、頑張る中小企業月次支援金など、事業者の経営維持や従業員の雇用維持に資する支援メニューを用意され、積極的に運用されてきたと承知していますが、特にその中でも、市町と連携した雇用調整助成金等の申請手続に対する補助事業については、いち早く、県内企業の実情を酌み取り、スピーディーに市町や社労士会とも連携を構築され、大変有意義で効果のあった事業ではなかったかと私自身感じています。  これまでの、県が直接企業へ補助金を交付するという事業スキームに比べ、受給環境を整えるためのコンサルティングや申請代行費用を補助するという面で、新たな取組であったと考えますが、私の元にも、そもそも申請額が少額であるため、結果、手続代が高くつき、諦めようと思っていたので助かった、専門家と遠慮することなく相談できてよかったといった多くの声が寄せられ、その効果を実感しているところであります。  そこで、まずは、本事業がどれだけの県内事業者の方々に御利用いただけたのか、また、その結果、本県の雇用の維持にどれだけの効果があったのか、その実績と見解を商工労働局長にお伺いいたします。 183: ◯答弁(商工労働局長) 本補助事業の執行状況は、補助金交付決定4,235件、交付決定額約3億7,900万円となっております。  この補助金の活用事業者へ行った昨年度のアンケート調査では、約9割の事業者の方々が、その後も雇用調整助成金等を活用しているとの回答があり、本補助金が雇用調整助成金の活用を大きく促進したものと考えております。  また、コロナ禍という厳しい状況の下でも、県の完全失業率は、令和元~3年度2.4%と、コロナ前と同水準で推移していることからも、国の雇用調整助成金と県の雇用調整助成金申請サポート事業が、コロナ禍における雇用の維持に大きく寄与したものと認識いたしております。 184: ◯意見・質疑(三好副委員長) 大変優秀な成績を御報告いただいたわけでありますが、約5,000件の申請は、会社数ベースであって、申請件数で言うと、約13万件とお聞きしています。コロナ特例では、一社が大体20回、30回申請するところもありますので、かなりの方々が使われたのかと。そして、これは1番初めの申請がかなりしんどくて、2回目、3回目は割と楽になるのですけれども、そういったところをきちんと利用しやすくしていただいたということ。これが全てではないにしても、1,200億円と言われています助成金を県内に呼び込んできた。そして先ほどお話がありましたとおり、完全失業率を最小限に食い止めたということにつながったと言っても言い過ぎではないだろうと思っています。今後同じ事業があるかどうか分かりませんけれども、国のこうした支援を使いやすくすることは、私は大変重要なことと思っていますので、今後に向けてまたしっかり御検討いただきますよう御期待申し上げまして、次の質問に入らせていただきます。  次は、不正受給に関してお伺いいたします。  雇用の維持に大変大きな役割を果たしてきた雇用調整助成金でありますが、残念ながら、不正受給の発覚も日を追うごとに増え続けており、本年9月末の全国累計は920件、135億円にも上り、本県においても、10月28日時点で、15件の不正受給が公表されています。今後調査が進むにつれ、さらに多くなっていくのではないかと危惧もしていますが、その際に、本事業による申請補助を受けていた場合、どのような取扱いとなるのか、明確なルールが示されていないことを心配しています。  そこで、これまでに県内で不正受給が確定したもののうち、本事業による補助を受けていた件数はどれくらいあったのか、また、その際の県の対応について商工労働局長にお伺いいたします。 185: ◯答弁(商工労働局長) 本事業は、市域分については市に対し、町域分については直接事業者へ補助する仕組みとなっており、本年11月15日時点で、県内で雇用調整助成金の不正受給が判明した18件のうち、本事業の補助を活用していた事案は市域分の3件となっております。  不正受給が判明した際の返還手続については、補助金交付要綱等に基づき、市域分については市に対して、町域分については直接事業者へ行なっていくこととなります。  不正が判明した3件のうち、1件につきましては、既に事業者から市へ返還があったと報告を受けており、今後、該当市に対し、本補助金の交付決定の一部取消しを行い、返還手続を進めるとともに、残る2件につきましても、国や市町と連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。 186: ◯要望・質疑(三好副委員長) 既にそういう対応をしていただいているということであります。これは公金を使って大きい事業をしていただいたわけでありますが、そもそもこういうことにならないように専門家と話をすることが前提の事業であります。もし、専門家が誘導していたり、共謀したりということがあるのであれば、これは厳正に対処していかないといけないわけであります。そういう対応をしているということをきちんとアナウンスしていただくのも、県民の信頼を獲得することになりますので、そういったこともきちんと今後発表していただき、不正受給が出てこないことを祈りますけれども、今後も出てきた際には、厳正なる処分をしていただきますよう要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  次の質問は、少々蒸し返しの内容となりますが、そもそものコロナ禍での休業補償の在り方について、県のお考えをお伺いしたいと思います。  私は、令和2年4月の臨時会において先頭バッターで質問をさせていただき、当時、コロナ禍での休業手当の支払いに関して、事業者が県の要請に基づいて休業した場合に、労働基準法第26条の休業手当の支払いが必要とされるのか、もしくは不可抗力と位置づけられ、休業手当の支払いは不要となるのか、その判断がいまだ国において示されておらず、事業者が混乱を来しているばかりでなく、今後の雇用調整助成金の支給申請に影響を与えかねないとの指摘をさせていただき、国に対して早急に基準を示すよう求めるとともに、県民に対するさらなる周知を要望させていただきました。  しかし、残念なことに、その後も国において、明確な基準が示されることはなく、随分後に出された企業向け新型コロナウイルスに関するQ&Aにおいても、協力依頼要請などを受けて営業自粛し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基準法に基づく休業手当の支払い義務がなくなるものではなく、休業を回避するための具体的努力を最大限尽くした場合には休業手当の支払いはなくなると、非常に曖昧な説明を繰り返すに終始されました。  当時の加藤厚生労働大臣も、労働基準法上の休業手当の要否にかかわらず、雇用調整助成金が支払われるので、それをしっかり活用してほしいと、休業手当の要否に関わる判断を飛び越えて、雇調金の活用を呼びかけられました。  つまり、休業手当をめぐっては、県が自粛要請を行ったからといっても、額面どおり受け取らず、できるだけ休業を回避する努力をせよと言いながらも、休業要請に応じない飲食店等には過料を科すとの、ダブルスタンダードが生じたことになります。  このように、非常に分かりづらい状況下で、実際に県の営業自粛要請がなされたため、配置転換やテレワークのできない小規模事業者の中には、努力のしようがないのだから、県の営業自粛要請は不可抗力に当たると解釈し、休業手当ではなく、平均賃金の6割に満たない心づけを従業員に支払い続けた上で雇調金の申請に臨んだところ、休業手当の支払い義務が果たされていないとの理由から不支給となった実例もあったとお聞きしています。  私は、雇用の維持を声高に訴え続けてきた県の責務として、もっと積極的に国に対して意見することや、その周知に力を注ぐ必要もあったのではないかと感じています。私が臨時会で求めた国への働きかけは本当にしていただけたのか大変寂しい思いがいたしますし、もっと言えば、申請サポート事業の余剰財源を、今申し上げたような制度に乗れなかった少数の事業者への支援に振り替え、さらにきめ細かな雇用対策を講じることもできたのではないかと考えます。  そこで、コロナ禍における休業手当の要否の判断に関して、県としての国への働きかけや周知等について、反省する点はなかったのか、また今後、災害発生時や同様の感染症の発生時に備えて、どのような心積もりで取り組んでいかれるのか、商工労働局長にお伺いいたします。 187: ◯答弁(商工労働局長) 令和2年4月に初めて休業要請をした感染拡大初期におきましては、休業手当制度の情報が事業者へ正確に行き届いておらず、従業員に手当を適切に支給しないまま休業を続け、その結果、雇用調整助成金を受けられない事業者など不利益を被った方が相当数おられたと認識いたしております。  こうした状況を踏まえ、国に対して、全ての事業者に対し、社会保険労務士などを活用して、休業手当制度の理解促進を図るよう、全国知事会等を通じて要請してきたところでございます。  また、県では、社会保険労務士による相談窓口を令和2年5月に開設し、休業手当の解釈を丁寧に説明するとともに、休業手当制度の趣旨等について、県ホームページに掲載したほか、この相談窓口のチラシを作成し、関係団体を通じて周知を図るなど、事業者に寄り添った対応に努めてきたところでございます。  今後、同様の状況が発生した場合には、事業者等に支援制度が幅広く活用されるよう、県として迅速に対応するとともに、国に対し、地域の実情をしっかりと伝え、制度の仕組みや活用方法について、事業者に分かりやすく周知するよう粘り強く働きかけてまいります。 188: ◯要望・質疑(三好副委員長) 先ほども言われたようにいろんなパンフレット等をつくられて周知に努めたことは私もよく存じているのですけれども、やはり、先ほど申し上げたような制度に乗れなかった方がいらっしゃるという実態については重く受け止めていただきたいと思います。  そして、今回のコロナ対応で、営業権の制限を、県が判断し、ハンドリングしていかないといけないことが位置づけられたのは大きいことだったと思っています。その際に、今申し上げたように、例えば、休業手当の要否については判断せず、雇調金の制度に誘導するということをやると、そのはざまで、どうしても制度に乗れない方々が出てくるというのが実証されたと思っていますので、これは、休業手当を払う、払わないという小さいテクニカルな問題ではなくて、やはり、心積もりの問題として、しっかり言わないといけないことは国に言っていただくということを、ぜひとも共有していただきたいと思います。この事業を検証する中で、私はもう一度しっかり国にこの問題点を言っていただきたいと思っています。先ほど局長もその旨おっしゃっていただきました。ぜひともその実情をもう1回調べていただいて、国に向けて伝えていただきますよう要望いたしまして、最後の質問に移りたいと思います。  最後の質問は、これまでの取組から見えてきた課題と、今後に向けた取組についてお伺いしたいと思います。  初めの質問で、雇調金の申請サポート事業について素晴らしい取組であったと申し上げましたが、それには続きもありまして、当時、雇調金の支給を受け休業を命じられていた私の知人が、毎日遊んで給料をもらえていると言った言葉が今も頭に残っています。  雇調金は、確かに雇用の維持に大きな成果をもたらしましたが、一方で、多くの働き手がモチベーションを下げ、また、本来は厳しくとも早い段階でやり遂げなければならなかった労働力偏在の解消、つまり、円滑で適正な労働力の移動を後回しにしたという逆効果を生じさせました。  こうした観点から私自身、令和3年2月定例会において、在籍出向による雇用維持と労働力の移動について質問し、公益財団法人産業雇用安定センターが中心となって行う当該事業に対し、組織構成員の一部を担う県としても、需要の掘り起こしなど積極的に関与すべきであるとの意見を申し上げましたが、残念ながらその後、大きな成果が上がったとの報告は受けていません。  国は、新たな人材開発や賃上げなどを通じ、円滑な労働力の移動と生産性の向上を実現するため、今後多額の投資を行うことを表明されており、県としても機を逃すことなく準備を進めておくことが大変重要であると考えます。  例えば、今回の申請サポート事業のように、県内の事業者や働き手がよりスムーズに国の補助制度や助成制度を活用し、支援を得られるよう、その申請や受給環境の整備に向けた取組を、県として支援することなどは、大変有意義な取組ではないかと思っています。令和3年度の取組をしっかりと検証していただき、そこから見えてくる課題の解決に向け、さらに積極的な事業展開をしていただくよう要望いたします。  そこで、まずは、令和3年度の県の雇用対策の取組の総括をお伺いいたします。  また今後、先ほど要望させていただいた国の制度を利用しやすくするような支援事業の導入も含め、新たな人材開発や賃上げを通じた円滑で適正な労働力の移動、また生産性の向上等に向けて、県としてどのような対策を講じていかれるのか、知事にお伺いいたします。 189: ◯答弁(知事) 県におきましては、新型コロナの感染が拡大する中、令和2年度から中小企業等を対象とした雇用調整助成金の活用を促進するための補助事業を実施するとともに、令和3年度からは、働きたい人全力応援ステーションにおきまして、コロナ禍の影響を受けている離転職者等に対し、適性や条件に対応した求人開拓とキャリアコンサルティングによる早期就職を支援しております。  こうした直接的な雇用対策のほか、新型コロナの感染拡大の影響を受けている事業者に対して、全国に先駆けて早期給付制度を創設した飲食店等に対する協力支援金や、全国トップクラスの充実した支援を実施した頑張る中小事業者月次支援金などにより、事業継続を支援してまいりました。  また、日本製鉄呉地区の高炉休止など、産業構造の変化に伴う離職者に対しては、国や地元市町と一体となった再就職支援を行ってきているところでございます。  このような状況の中、令和元~3年度の県の完全失業率は2.4%でコロナ前と同水準で推移しており、現下の厳しい状況においてもこうした取組などにより、関係機関が雇用対策に重層的に取り組んできたことが、雇用の維持などに大きく寄与したものと認識しております。  一方で、アフターコロナを見据えましては、デジタル化の進展など社会経済情勢の急速な変化に対応し、企業が生産性向上や新たな付加価値創造、競争力強化を図るためには、新たな業務や成長分野に対応できる人材の育成が必要となってまいります。このため、企業におけるリスキリングの取組拡大に向け、デジタル基礎知識の習得支援のほか、リスキリング推進宣言制度やセミナーを通じた機運醸成等に取り組んでいるところでございます。  加えまして、今後、労働市場の流動化が進むことが見込まれる中、企業が成長の原動力となる人材を獲得でき、労働者においては安心して希望するキャリアを形成できるための仕組みが求められております。このため、公労使で構成する広島県リスキリング推進検討協議会において、円滑な労働移動が可能となる社会システムの在り方や対応策などについて検討しているところでございます。  今後も、足元の雇用情勢を注視し機動的な対応を図りつつ、中長期的な視点に立って、国の施策とも呼応した取組などを効果的に進めることで、県内企業の持続的発展と、労働者が成長や自己実現などの働きがいを感じることができる広島県を目指してまいります。 190: ◯要望(三好副委員長) 完全失業率2.4%に象徴されるように、大変すばらしい取組が今続いていると思っています。令和3年度の検証をしっかりとしていただきまして、今後の施策展開について知事をはじめ、執行部の皆様方の引き続きのリーダーシップに御期待を申し上げまして質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。  (5) 採 決  令和3年度広島県歳入歳出決算認定の件並びに令和3年度広島県公営企業の決算の認定及び剰余金の処分の件について採決を行った結果、いずれも全会一致をもって認定並びに原案のとおり可決すべきものと決定した。  (6) 知事挨拶  ただいま、令和3年度の決算を認定すべきものと決定していただき、誠にありがとうございました。  「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」の初年度である令和3年度は、県民一人一人の挑戦を後押しすることを基本姿勢とし、新型コロナウイルス感染症対策の強化や創造的復興などに取り組んでまいりました。  また、デジタルトランスフォーメーション、ひろしまブランドの強化、人材育成を全ての施策を貫く視点とし、様々な取組を相互に関連させ、相乗効果を創出するよう取り組んでまいりました。  今回、この決算の認定をいただきまして、改めて厚く御礼を申し上げますとともに、今後の県政運営に一層尽力してまいりたいと考えております。  本委員会で頂きました御指摘、御提言につきましては、十分留意の上、今後の県政運営に反映するよう努めてまいりたいと考えております。  今後とも、委員各位の一層の御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。  (7) 議長挨拶  閉会に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。  さきの9月定例会におきまして本委員会が設置されまして以来、9回に及ぶ審査を集中的にお願いしたわけでございますが、委員の皆様には、終始熱心に審査を賜り、また、ただいまは適切妥当な結論を得られましたことに対し、心から敬意を表する次第でございます。  御案内のように、高齢化の進展等による社会保障関係費の増加や公債費の高止まりが続いている中で、新型コロナウイルス感染症への対応、頻発する豪雨災害への対応などにより、財政状況は依然として厳しい状況になっています。  こうした中、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」に掲げる本県の目指す姿の実現に向けて、本委員会におきましても、効率的な予算執行や各種事業の在り方などについて、貴重な御意見が出されたと伺っております。  間もなく来年度予算の編成時期を迎えることになりますが、県当局におかれましても、本委員会での意見等を十分に反映され、県民の期待に応えられますようお願いを申し上げ、御挨拶とさせていただきます。  (8) 委員長挨拶  閉会に当たりまして、委員長といたしまして、一言御挨拶を申し上げます。  委員の皆様方には、9月定例会において本委員会が設置されまして以来、御多用中にもかかわらず終始熱心に審査をいただき、誠にありがとうございました。  委員各位の御協力を得て、本日ここに委員会としての結論を得ることができ、その職責を果たすことができましたことを、三好、鷹廣両副委員長とともに深く感謝を申し上げます。  また、知事をはじめ、執行部におかれましては、本委員会の審査に御協力いただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。  なお、本日の総括審査並びに部局別審査の過程で指摘のありました事項については、今後、十分留意していただき、来年度の予算編成にも反映するなど、県勢の伸展と県民福祉の向上に一層の努力を傾注していただくようお願い申し上げ、御挨拶といたします。ありがとうございました。  (9) 閉会  午後5時5分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...