3:
◯質疑(
出原委員) マイナンバーを利用できる事務については、法律で限定的に定めがあると認識しています。ただし、一部、内閣府の個人情報保護委員会が示している事例で、条例で定める事務については、いわゆる独自利用事務としてマイナンバーによる情報連携ができるものと認識もしています。
この独自利用事務の事例には、子供の医療費助成に関する事務、児童の育成に係る手当に関する事務及び職業能力開発に係る費用の助成に関する事務など、現在38の事例があります。
独自利用事務の事例のうち、本県として、条例によりどの程度利用できることにしていくのかお伺いいたします。
4:
◯答弁(
デジタル基盤整備課長) 現在、個人情報保護委員会が定めております独自利用事務に係る38の事例のうち、広島県で条例によって独自利用事務として定めているものは、9の事例となっております。
ただ、1つの事例の中に複数の事務が包含されている例がございますので、条例の別表として1つずつ事務として掲げておりますものの数としましては、現在、16の事務が独自利用事務として条例で定められております。
また、高等学校等奨学金の入学準備金につきましては、既に条例に定めがあるものへの追加の事務となっておりますので、もう一つの学びの変革環境充実奨学金を新たに1つの事務として加えて、今回の条例改正では、16の事務だったものが17の事務として条例に掲げられる予定でございます。
5:
◯質疑(
出原委員) 今回のように、マイナンバーを連携できるように独自にシステムを改修するにも経費がかかることから、少しでもコストを下げるために、他県等との共同開発や本来の事務手続のプロセスの見直しなどを検討する必要があると思いますが、この点についてお伺いいたします。
6:
◯答弁(
デジタル基盤整備課長) 独自利用事務としてマイナンバーの情報連携を利用するためには、ただいま委員が御指摘いただきましたとおり、それぞれの事務において、関連する情報システムの改修が必要になってまいります。
ただ、これらの事務におきましては、やはり他県でも同様の事務を行っている状況というものが一定程度想定されますので、例えばこの当該事務システムの共同調達や共同利用といったことによりまして、開発や改修のコストの低減を図るということは有益であると私どもも考えてございます。今後、広く市町も含めた他自治体とのシステムの統合や共同利用について検討を進めていく必要があると考えております。
7:
◯要望(
出原委員) 御説明いただいたように、ぜひ他県の情報も共有していただきながら、共同でできることは共同で開発していただき、コストをできる限り抑えていただきたいと思います。
自治体の事務におけるマイナンバーの利用の拡大に当たっては、マイナンバーを利用することのメリットや安全性を県民に対して広く周知することはもちろんでありますけれども、行政コストの縮減につなげる視点を持つことも重要であると思います。関連する業務プロセスの見直しに加え、システム開発において、県の事務に当たっては、他県との共同開発、市町事務に当たっては、県が主導して県内市町間の共同開発を促すことも検討していただくことを要望して、質問を終わります。
8:
◯質疑(
伊藤委員) 県職員の皆さんにおかれましては、自然災害やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、県民福祉の向上に向けて日夜御尽力いただいていることに感謝申し上げたいと思います。
広島県職員定数条例等の一部を改正する条例案についてお伺いします。まず、今回の定数条例の改正に係る40人の増員については、どのような内訳になっているのか、お伺いします。
9:
◯答弁(
行政経営管理課長) 40名の内訳につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として32名、児童福祉法の改正に伴うこども家庭センターの体制強化として8名、以上40名の増となっております。
10:
◯質疑(
伊藤委員) 新型コロナの対応については、今年度に50名の定数を増やした一方で、感染急拡大時には、1日当たり最大で約40人程度の規模で健康福祉局へ応援要請を手当てしたと伺っております。
新型コロナウイルス感染症対策を図りつつも、ひろしまビジョンに掲げる目標の達成に向けて、各局の事業を進めていくことが求められると思います。そこで、今回の定数増32名は、どの程度の感染規模を想定して積み上げられているのか、お伺いします。
11:
◯答弁(
行政経営管理課長) 新型コロナに係る総合調整業務やワクチン接種業務など、新規感染者数の増加に伴い業務量が大きく変動しない業務につきましては、第五波や直近の第六波の感染状況に適切に対応できることを想定して体制の強化を図っているところでございます。
一方、感染者の搬送、入院調整業務及び保健所業務など、新規感染者数に応じて一時的に増加する業務につきましては、全庁からの応援や市町からの保健師の派遣、民間事業者への業務委託などにより、適切に対応できる体制を確保してまいりたいと考えております。
12:
◯要望・
質疑(
伊藤委員) これからも感染症の波は必ず訪れるため、ひろしまビジョンの推進に向けた事業進行にも配慮しつつ、現場での負担軽減が図れるよう体制の強化をお願いいたします。
ところで、現在の正規職員数は4,500人程度と伺っておりますが、行政経営の方針では、4,200人を念頭に、適切な定員管理を行うとされています。一方で、社会的課題は多様化、顕在化し、行政の守備範囲は広がりを見せております。このため、
選択と集中の徹底を図る必要があると思われます。
そこで、このたび定数を検討、整理する中で、事務事業の改廃や業務プロセスの見直しなど、全庁的にどんな仕組みで組織マネジメントに取り組んでいるのか、お伺いしたいと思います。
13:
◯答弁(
行政経営管理課長) 本県におきましては、経営資源マネジメントとして、投入した経営資源が成果に結びついているかの観点から、施策や事業などの優先順位づけや組織体制の見直しなどにより、全庁的な資源配分の最適化を図る仕組みを構築しているところでございます。
こうした取組の下、令和4年度に向けては、全庁において約20人役の減要素を見込んでおり、このリソースを重点施策へ優先的に配分したところでございます。
今後とも最小の経費で最大の効果を上げるという基本原則に立ち、効率的な執行体制を確保してまいりたいと考えております。
14:
◯意見・
質疑(
伊藤委員) 県政を取り巻く情報の変化や多様化、複雑化する社会問題にしなやかに対応できる体制を構築して、また、デジタル技術の活用を含め、一層の生産性向上を図り、日本一強い県庁、高品質な行政サービスを提供する県庁を目指して取り組んでいただきたいと思います。
最後に、離職対策という観点でお伺いしますが、他県では、新型コロナの影響で経営が厳しくなった企業から社員の出向を積極的に受け入れるケースもあるそうです。例えば秋田県では、航空関連企業から7名の出向者を今年度から迎え入れ、観光や交通の担当部署に配属しているとのことです。本県では、こうした取組は行われているのでしょうか。
15:
◯答弁(
人事課長) 本県におきましては、来年度に大幅な業務量の増加が見込まれておりますことから、それらの業務を執行する体制を確保するために、職員の採用におきまして、通例のものに加えまして、今年度は専門職種の追加の募集あるいは事務職の任期付職員の合格者の増など、あらゆる手段を通じて対応に努めているところでございます。
さらに、御質問がございましたような他県における事例としまして、コロナ禍の影響を受けた事業者の皆様方から職員の受入れをしたケースを参考に、本県におきましても、コロナ禍の影響を受けた観光関連の事業者の皆様方から任期付職員の受入れを予定しているところでございます。
また、受入れに当たりましては、本県の施策の推進が見込まれ、派遣される事務職員の方々の御活躍が見込まれるような部署あるいは事業者とのマッチングを考慮いたしまして配置するということで、現在調整をいたしたところでございます。
16:
◯要望(
伊藤委員) 今次定例会でも我が会派の畑石議員や竹原議員から、地域経済を循環する視点を持って事業執行することが重要であるとの言及がありました。こうした、企業からの出向の積極的な受入れは雇用対策に資するものであり、同時に、県組織としての多様性を確保できることから、しっかり取り組むことをお願い申し上げて質問を終わります。
(6) 表決
県第22号議案外12件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明
1) デジタルトランスフォーメーション推進チーム政策監が報告事項(2)について、別紙
資料2により説明した。
2) 税務課長が報告事項(3)について、別紙資料3により説明した。
3) 経営企画チーム政策監(被服支廠担当)が報告事項(4)について、別紙資料4により
説明した。
4) ブランド・コミュニケーション戦略担当監が報告事項(5)について、別紙資料5によ
り説明した。
(8)
質疑・応答
17:
◯質疑(
高田委員) 私からは、2件質問させていただきます。
まず1点目は、先日発生した県及び市町のホームページなどへのサイバー攻撃についてお伺いいたします。昨日も中山間におけるデジタル技術の活用について述べさせていただいたように、私は基本的にデジタル推進派でございます。一方で、慎重派の方の多くは、先ほどのマイナンバーを含めて、個人情報などのセキュリティーの問題を指摘されます。
このようなことから、今回発生した事案を基に、広島県がどれだけサイバー攻撃などに対して取り組めているのかなどについて、確認させていただきたいと思います。
今回発生した、いわゆるDDoSと言われるサイバー攻撃は、広島県のDNSサーバーに対して複数のコンピューターを使って断続的に大量のアクセス及びデータの送りつけを行い、多大な負荷をかけることで配下の全てのサーバーへのアクセスを妨害するものと理解しております。したがいまして、県のネットワークとか、あるいは
PCに侵入されたわけではないので、データを抜き取られるとか、あるいは改ざんされるといった直接的な被害を受けることはないと理解しておりますが、それでよろしかったでしょうか。
また、今回のようなケースが今後も続くようであれば、現在進めていらっしゃる行政のデジタル化を行っても、思うようなサービスが提供できないなどの問題が発生することが予想されます。そこで、このようなDDoS攻撃に対して対処する方法はあるのか、また、そのためには何が必要なのかについて、一般の方でも分かるような分かりやすい説明をいただきたいと思います。
18:
◯答弁(
デジタル基盤整備課長) 今回のサイバー攻撃の手法につきましては、委員お見込みのとおり、一度に多数のコンピューターから大量の通信を送りつけ、ホームページの閲覧など、インターネットに向けたサービス、提供しておりますサービスを妨害する分散型サービス停止攻撃、英語の表記で、Distributed Denial of Service、こちらの頭文字を取りましてDDoS攻撃と呼ばれているものでございます。
DDoS攻撃は、コンピューターの脆弱性をついて情報システムへの侵入を試みるといった、いわゆる不正アクセスとは異なります。委員お見込みのとおり、この攻撃によって県や市町のネットワーク、それから情報システムが、例えば情報漏えいなどの脅威に直ちにさらされることは確かにございません。
ただ、こういったセキュリティーの事案というのは、やはりその機に乗じてといったことが非常に多くございまして、別のセキュリティー事案というものが当然に想定されるものでございます。私どもといたしましては、DDoS攻撃以外の攻撃に対しても今、警戒を最大限に高めている、強めているところでございます。
また、DDoS攻撃への対応でございますけれども、DDoS攻撃は、正規の通信と同様の通信を、ただ量を大量に送りつけるということで、これを攻撃に代えるという手法でございますことから、正規の通信と不正な通信を見分けることが非常に難しいものでございます。ですから、一般的には、これを防御することは大変困難であると言われております。この対応といたしましては、より大量の通信を処理できるようにする、または、こういった同様の攻撃に耐え得るようにネットワーク構成を強化していく必要がございます。
ただ、これについて、この場で詳細な御説明をさしあげることが、やはりさらなる攻撃の糸口につながるといったおそれがございますので、この場での答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
絶対大丈夫といったことをお約束はできない点につきましては、大変申し訳なく存じておりますが、可能な限り早期の正常化に向けて、引き続き全力を尽くしてまいりたいと思っております。
19:
◯質疑(
高田委員) 今回のDDoS攻撃は様子見であって、その後、何かあるかもしれないというのは想定できる話だと思います。今回のような、サイバー攻撃とその対応は、ある種いたちごっこのような側面もあります。ですから、できれば犯人やその手口を特定して、再発防止につなげてほしいと思うのですけれども、広島県警とはどのような連携をされているのでしょうか。
先日も、サイバー犯罪の捜査技術を競う全国大会で広島県警が優勝したということもございました。ということは、大いに期待できるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
20:
◯答弁(
デジタル基盤整備課長) このたびのサイバー攻撃への対応につきまして、県警察本部公安課やサイバー犯罪対策担当にも相談いたしまして、連携をしながら、特に主要機器の通信記録等については、求めに応じて全て提供するなど、捜査には全面的に協力しております。攻撃者の意図や狙いなどについても分析を行っていただくようにお願いしておりますけれども、現時点では、まだ確たることは判明していないという状況でございます。
21:
◯質疑(
高田委員) 先ほどもありました、今回のDDoS攻撃は様子見で、ここから、もしかするとさらにエスカレートする可能性がある。最近ではロシアからの攻撃も増加しているということですし、トヨタの関連会社にマルウェアが侵入して、トヨタの生産に支障が出てしまったことは皆さん御存じのとおりです。
これを広島県で置き換えると、同じDNSサーバーの下にある23市町の中に脆弱な部分があったとすれば、そこにマルウェアが送り込まれて、たちまち全県のサービスが止まってしまうのではないかということも心配されます。これらの詳細については、恐らくもう述べられないということだと思いますので、ここはもう聞きません。
最後、繰り返しになりますけれども、今後のデジタル化の加速においては、しっかりとセキュリティーをすることが前提になると思います。当然コストの問題が頭をよぎりますけれども、万が一事故が発生した場合の被害は計り知れないので、その辺りをしっかり考慮した上で、引き続き最良の対策を行っていくことを要望して、次の質問に移らせていただきます。
続いては、先ほど御説明のあった資料番号総務5のひろしまブランドの価値向上に向けた取組の推進についてお伺いいたします。
これも先ほどのデジタルと同様に、ぜひとも強力に推進してほしいという思いを込めて質問させていただきます。御説明にあったように、ひろしまブランドの取組は、平成26年に取組方針が定められ、地域の魅力創出や発信が行われてきました。しかしながら、宮島とか、お好みとか、カープなど、そういった単語の認知はあるものの、打ち出した4つのコンセプトである、自然と都市が融合した暮らし、内海と山々が織りなす食文化、創造性のあふれる次世代産業、平和への希望が集う場所、これらに沿ったブランドイメージが定着していないことが問題であったと理解しております。このことから、昨年5月に、ひろしまの見られたい姿の案を作成され、このブラッシュアップを目的として、これまで様々な主体と意見交換をされてきたものだと考えております。
そこで質問なんですけれども、今回確定されたひろしまの見られたい姿は、昨年5月の案から何か変更があったのでしょうか、なかったのでしょうか。また、意見交換をされた結果として、今回、どちらかというと当たり障りのないというか、さらっとした4つの項目を上げられておりますけれども、本当にこれだけの意見だったのでしょうか。
私の周辺の人からは、何だか腹に落ちないとか、あるいは刺さらない、他県と何が違うのか、何をやっているのかよく分からないといった申し訳ないようなネガティブな声が多く聞かれます。若手経営者や約300社との意見交換の中では、ここに書かれなかった多くの気づきがあったのではないかと私は思うのです。できればその辺りについても、シェアをお願いいたします。
22:
◯答弁(ブランド・コミュニケーション戦略担当監) ひろしまブランドの価値向上に向けましては、県民の皆様、企業、団体、市町など多様な主体と共に広島の価値を磨き、その価値を発信していくことが重要であるという認識の下、改めて広島が誇る価値は何なのか、広島がどのように見られたら広く評判が高まるのかといった観点から意見交換を行ってまいりました。
お伺いした意見につきましては、見られたい姿について、広島の憧れをもっと鮮明にすべきではないかといった御意見もいただいておりますが、「元気 美味しい 暮らしやすい」という、記憶に残りやすい、分かりやすい表現がいいのではないかといった御意見や、瀬戸内の温暖な気候や、なだらかな中国山地、穏やかな凪の風景、平和を願う県民の思いは、確かに、暮らす人、訪れた人の心を穏やかに、また豊かにし、明日に向かう元気をくれると言えるのではないかなどの声をいただいており、丁寧に説明していくことで、多くの方の理解をいただけたものと考えております。
なお、この見られたい姿につきましては、豊かで穏やかな風土、平和への思いと行動力が私たちの誇りであるということを明確にするため、広島が誇るという表現を一番最初に用いるなど、中心的価値の部分について、一部微修正させていただいております。
これからひろしまブランドについて多くの方の共感をいただきながら、多様な主体とともに、広島の価値を磨き、その価値を発信していくに当たりましては、皆様からいただいた様々な意見を反映していきたいと考えており、そのためには推進力が必要であると感じておりますことから、取組を先導する県職員一人一人の理解促進が大変重要であり、今後しっかりと取組を推進してまいりたいと考えております。
23:
◯質疑(
高田委員) 確かに言われてみたら、中心的な価値のところが、前回は平和への思いと行動、穏やかな風土は広島の元気を育み、全ての人へ明日へ向かうエネルギーをもたらしますというものに対して、広島が誇る豊かで穏やかな風土というのが最初に入っているということでございますね。これらが、今回お話をされた中でブラッシュアップされた部分であるということでした。
それともう一つ、皆さんからいただいた意見の中には、さらに先鋭化したほうがいいのではないかという話もあったけれども、その辺りについては、考え方というものをしっかり述べることで理解いただいたということだったと思います。
そういった中で、私は以前から、インターナルブランドが非常に重要だという話をさせていただいているのですけれども、今回の活動を通して、恐らく皆さんがなかなか御理解いただけない部分があり、その辺りを強固にしていくためには内側から固めていく必要があるのではないかという気づきもあったかと思うのですけれども、その辺りについて、いかがでしょうか。
24:
◯答弁(ブランド・コミュニケーション戦略担当監) これまで管理職員や様々な分野の職員に対しまして、ブランド価値を高める意義や企画支援に基づく価値づくりなどについての研修を、延べ300名を超える職員に行ってきたほか、若手職員に対しまして、ブランディングや顧客価値の創造に向けた実践力を身につける約4か月の実践型の研修を計3回、延べ33名に対して実施するとともに、部局横断の勉強会を通じた事業戦略の磨き上げなど、職員へのインターナルブランディングの取組をしてきたところでございます。
こうした取組を通じまして、事業において、ブランドを意識した内容が組み込まれるなど、少しずつ取組が広がっているほか、受講者のアンケートなどから、ブランド価値向上に向けた意識が高まっており、実践力を身につけた職員に今後の庁内でのインフルエンサーになってもらう期待も感じているところでございますが、開始してまだ間もないこともあり、いまだ十分ではございません。
今後は、このたび、ひろしまの見られたい姿を規定し、よりどころができたことから、これを一つの契機として、職員の理解促進を着実に進め、全ての分野においてブランディングを意識して成果を創出することによりまして、ひろしまブランドの高まりにつなげてまいりたいと考えております。そのためにも、繰り返しになりますが、委員御指摘のように、インターナルブランディングにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
25:
◯意見・要望(
高田委員) インターナルブランディングについて重要性も理解していただいた上で、しっかりと取り組んでいただくというお言葉をいただきました。本当にうれしく思います。
今はまだ数は少ないけれども、少しずつ理解していただいている人たちを増やして、その人たちがインフルエンサーになって庁内全体にブランドの意識を広げていくのだという取組については、非常によいと私も思います。
最後に3つほど要望を述べさせていただきます。
1つ目、これはブランドの分かりやすさについてです。御説明のように、いろいろな行政の立場もあるのでしょう。ブランドの先鋭化が難しいという部分があることは理解いたします。しかしながら、一方で、中途半端なものでは人の心に響きませんし、残りません。
そこで、今回つくられたステートメントをベースに、もう少し簡潔で覚えやすい、いわゆるブランドエッセンスとかスローガンというものをつくって、誰でも一言で言えるような、何かそういったものを考えていただけたらいいなと思います。
2つ目は、インターナルブランディングの進め方です。御説明のように、県庁で働いていらっしゃる全ての方が自分の仕事と目指すブランドとの関係を理解することは第一歩だと思います。そこで、例えば職員の方に事業に関する企画書とか報告書を作っていただくときに、その仕事はブランドに対してどのような影響を及ぼすのかについて、一言、1行でもいいので記述してもらうなど、繰り返しブランドのことを考えるといった仕組みをつくっていただきたいと思います。
最後は、全体の進め方についてなのですけれども、今回の報告書を見る限り、いつまでに何をどのレベルにするのか、あるいは現状はどの位置にいるのかについて全く示されておりません。このことも、皆さんが、ブランドは何か腹に落ちないと言われている一つの理由だと思います。これまでは、都道府県魅力度ランキングを指標とされていましたけれども、それよりは、まずは、インターナルブランディングの指標を定め、着実にステップアップするということを考えていかれたらどうかと思います。
そして、このような考え方などを再整理していただいた上で、先ほどデジタルトランスフォーメーション推進チーム政策監からもありましたけれども、DX加速化プランのような、それに相当する全体像や指標、ロードマップを明確にしたひろしまブランド加速化プランのようなものをつくって、推進していただけたらと思います。ブランドは人の心の中にあるもので、一朝一夕に築くことなどできないというのも分かっております。だからこそ、真摯に、実直に、思い、行動するということが重要なのだと思っております。
幾つか提案させていただきましたけれども、検討していただけることを要望して、質問を終わらせていただきます。
26:
◯質疑(渡辺委員) 今、ひろしまブランドの話が出ましたけれども、私からも幾つかお聞きしたいので、聞かせてください。
私の考えといたしましては、広島というものに対してブランディングしていくというのは、そもそも行政を公的なものとしてブランディングするに当たって、非常に難しさがあるというのは、もともとこういう話をされていたときから思っていたことです。なぜならば、ブランディングをしていくということは、ターゲットを考えていかなければならないからです。
ですから、例えば私のような、渡辺典子という人物をブランディングしていくということでやるのであれば、それはすごく簡単なことなのですけれども、例えば、政治家として女性であるとか、子育てをしていることだとか、そういったことでブランディングしていくというのは非常に簡単なことなのですけれども、行政という立場だと、一人一人全ての方が主役である必要がありますので、広島のお好み焼きが大変おいしいということになったら、別の食べ物は駄目なのですかということになってくるわけです。ですから、ターゲットを狭める、ブランディングとして確立させるということ自体が、私は非常に難しいことなのかなと実は思っています。なので、明確なものがそもそも出せないのは当然だと思っているのです。
ですから、今後こういったブランドというようなものを重視した戦略をしていくというよりは、先ほどおっしゃっていましたけれども、外からどのように見られているのかということを客観視するための指標として活用していかれるのであれば、非常に意味があるのかなということは思うのですけれども、産業という部分であったり、食べ物、環境というような部分に1つにとがらせるということは少しできないので、ブランディングということでいうと、どうしても、意味をなさないという言い方をするとあれですけれども、あまりこの取組自体に本当に意味があるのかと実はいつも思っていました。
なので、せっかくやられていることですから、効果的にやっていただきたいと思うのですけれども、はたから見られるための指標ということに絞られてはいかがかと思っているのですけれども、ブランディングというものの考え方について、そもそもどういう思いでやられているのだろうというのが少し分からないので、何を目指されているのかが本当に分からなくて、そもそも何のためにこれをしたいのか、お伺いします。
27:
◯答弁(ブランド・コミュニケーション戦略担当監) まず、広島県はやはり、委員から御指摘のありましたような魅力的なものがたくさんあり、観光地でありますとか、歴史文化とか、自然、産業など、そういった本県独自の資産をしっかり磨き上げていく、その価値を県民にしっかり再認識していただいて、誇りに思っていただくというところ、さらには、そういった誇りが自信、それから自慢につながり、外からの共感の獲得につなげていくといったことが必要であるという認識の下で取組を進めているところでございます。
ですので、ビジョンにおきましても、全ての施策領域において、広島が元気であり、おいしい、暮らしやすい、そういったブランドイメージをつくっていこうと、取組を推進していこうということで本日御説明させていただきました。
それで、ブランディングしていくというのは大変難しさがあるということも私自身、大変理解しているつもりですし、そういった意味でも、いろいろな施策において当然ターゲットを絞り、その中で人々の心の中にしっかりと喜び、ブランド価値を高めていくという取組を進めていくことが大変重要であると理解しておりますので、こうした取組を今後も進めてまいりたいと考えております。
28:
◯質疑(渡辺委員) 不公平感を逆に感じるようなことがないのかなと思ったりするのです。誰にとって暮らしやすいのかということとか、ブランディングということでいうと、そういうことを一つ一つとがらせていくといいますか、ブランディングというのはイメージ戦略ですから。ただ、それが県というものに当てはまるのかというのが、やはり私には少しよく分からない。PRの手法として使っていくだけのことなのか、広島のブランドはこうなのだと最初から決めつけて全庁的にやっていくのか、どういう手法でやられるということですか。ブランディングの手法としてどういうやり方をされたいのか。
29:
◯答弁(ブランド・コミュニケーション戦略担当監) まずは、広島が外からどのように見られたいのか、県民の人に、どういうことが広島の誇りなのかということを今回規定させていただきましたけれども、こういったことをしっかり取り組んでいく手法といたしまして、まずは、やはり広島の強みである、例えば多彩で豊富な観光資源でありますとか、スポーツを愛し応援する情熱でありますとか、あるいはおいしい食資産でありますとか、そういった、おのおのの共感度をしっかり高めていく、これを外に向けても発信していくということをしていきたいと思っております。
一方で、ひろしまブランド、まだイメージ戦略というところもありますけれども、ただ、その前提といたしまして、やはり広島に暮らす県民の皆様が幸せを実感していただかなければ、誇りとかの高まりにつながっていかないということもございますので、例えば医療や福祉が充実していることでありますとか、子育てがしやすいことでありますとか、相談に乗ってもらえるので安心できる、そういった評価を得ていくことも併せて重要であると考えておりますので、そういった意味におきましても、先ほど御説明させていただきましたけれども、全ての分野において、職員一人一人がお客さんの価値をしっかりと創造していく、ブランディングを意識していく、そういったことで施策の成果につなげていく、これがひろしまブランドの高まりにつながっていくものではないかと考えております。
30:
◯意見(渡辺委員) 今、答弁を聞いていても、難しいなとすごく思うので、あまりブランド、ブランディングということにとらわれ過ぎないでくださいということを言いたいと思います。
本当にお一人お一人、価値観も違いますし、幸せに感じることも違いますから、広島ってこうだよねというようなイメージを持たなくてはいけないのだということではなくて、皆さんにとっていい生活になるようにということを、もっと堅実にやられることを私はお願いしたい。あまりこの言葉にとらわれ過ぎずに仕事を頑張っていってほしいと思いますので、それをお伝えしたいと思います。以上です。
(9) 閉会 午前11時38分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...