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2021-03-08 令和2年度予算特別委員会(第3日) 名簿
2021-03-08 令和2年度予算特別委員会(第3日) 本文

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  1. 広島県議会 2021-03-08
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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和2年度予算特別委員会(第3日) 本文 2021-03-08 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 94 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑出原委員選択 2 : ◯答弁健康福祉局長選択 3 : ◯質疑出原委員選択 4 : ◯答弁健康福祉局長選択 5 : ◯質疑出原委員選択 6 : ◯答弁健康福祉局長選択 7 : ◯要望質疑出原委員選択 8 : ◯答弁商工労働局長選択 9 : ◯意見質疑出原委員選択 10 : ◯答弁商工労働局長選択 11 : ◯意見要望出原委員選択 12 : ◯質疑稲葉委員選択 13 : ◯答弁知事選択 14 : ◯要望質疑稲葉委員選択 15 : ◯答弁知事選択 16 : ◯要望質疑稲葉委員選択 17 : ◯答弁健康福祉局長選択 18 : ◯質疑稲葉委員選択 19 : ◯答弁健康福祉局長選択 20 : ◯要望質疑稲葉委員選択 21 : ◯答弁健康福祉局長選択 22 : ◯質疑稲葉委員選択 23 : ◯答弁健康福祉局長選択 24 : ◯質疑稲葉委員選択 25 : ◯答弁知事選択 26 : ◯要望質疑稲葉委員選択 27 : ◯答弁健康福祉局長選択 28 : ◯要望稲葉委員選択 29 : ◯質疑(玉重委員) 選択 30 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 31 : ◯要望質疑(玉重委員) 選択 32 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 33 : ◯質疑(玉重委員) 選択 34 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 35 : ◯要望質疑(玉重委員) 選択 36 : ◯答弁(副知事選択 37 : ◯要望質疑(玉重委員) 選択 38 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 39 : ◯要望(玉重委員) 選択 40 : ◯質疑(恵飛須委員) 選択 41 : ◯答弁知事選択 42 : ◯質疑(恵飛須委員) 選択 43 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 44 : ◯質疑(恵飛須委員) 選択 45 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 46 : ◯質疑(恵飛須委員) 選択 47 : ◯答弁(土木建築局長) 選択 48 : ◯要望質疑(恵飛須委員) 選択 49 : ◯答弁商工労働局長選択 50 : ◯質疑(恵飛須委員) 選択 51 : ◯答弁商工労働局長選択 52 : ◯要望質疑(恵飛須委員) 選択 53 : ◯答弁知事選択 54 : ◯要望(恵飛須委員) 選択 55 : ◯質疑(宮本委員) 選択 56 : ◯答弁知事選択 57 : ◯要望質疑(宮本委員) 選択 58 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 59 : ◯要望質疑(宮本委員) 選択 60 : ◯答弁商工労働局長選択 61 : ◯要望質疑(宮本委員) 選択 62 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 63 : ◯要望質疑(宮本委員) 選択 64 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 65 : ◯要望(宮本委員) 選択 66 : ◯質疑(栗原委員) 選択 67 : ◯答弁知事選択 68 : ◯質疑(栗原委員) 選択 69 : ◯答弁知事選択 70 : ◯質疑(栗原委員) 選択 71 : ◯答弁健康福祉局長選択 72 : ◯質疑(栗原委員) 選択 73 : ◯答弁健康福祉局長選択 74 : ◯質疑(栗原委員) 選択 75 : ◯答弁商工労働局長選択 76 : ◯質疑(栗原委員) 選択 77 : ◯答弁商工労働局長選択 78 : ◯意見要望(栗原委員) 選択 79 : ◯質疑(平本委員) 選択 80 : ◯答弁知事選択 81 : ◯要望質疑(平本委員) 選択 82 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 83 : ◯要望質疑(平本委員) 選択 84 : ◯答弁(教育長) 選択 85 : ◯要望質疑(平本委員) 選択 86 : ◯答弁知事選択 87 : ◯要望質疑(平本委員) 選択 88 : ◯答弁知事選択 89 : ◯質疑(平本委員) 選択 90 : ◯答弁(危機管理監) 選択 91 : ◯要望質疑(平本委員) 選択 92 : ◯答弁(危機管理監) 選択 93 : ◯要望質疑(平本委員) 選択 94 : ◯答弁(危機管理監) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の指名        林   大 蔵        稲 葉   潔  (3) 質疑・応答   (出原委員◯質疑出原委員) 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の出原昌直でございます。本日は予算特別委員会におきまして質問の機会を与えていただき、委員長をはじめ、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝を申し上げます。  さて、昨年10月に策定した「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」の初年度となる令和3年度の予算編成を見ますと、新型コロナ感染防止対策や医療提供体制の確保、事業の継続や雇用維持などの経済活動を支える事業に取り組むこととされています。一方で、新型コロナの影響などによる県税収入の大幅な減少が見込まれるなど大変厳しい財政状況であることから、一般財源の確保に向け、見直しを図り、25億円を捻出されています。また、今後は、高齢化の進展等による社会保障関係費の増加などに加え、新型コロナの影響による経済の低迷により県税収入が大幅に減少することが予想されます。  県が今年度示した「今後の財政収支見通しについて」におけるリスクシナリオでは、県税収入等の見込みが令和元年度の水準に回復するまで8年間かかると見通しを示されており、財政状況はさらに厳しさを増すことが見込まれています。こうした厳しい中においても、新たなビジョンに掲げる目指す姿を実現していくために、施策や事業等のプライオリティー、費用対効果の検証、評価を行い、県勢発展に必要な施策に対して、限りある経営資源を集中的に投下しなければなりません。  まさに湯崎知事の言われている、最少の経費で最大の効果を上げるという基本方針の下、選択と集中を図りながら施策を推進していくことは待ったなしの状況であります。  そこで、これから質問する施策に関しては、最小の経費で最大の効果を発揮できたのかどうかを検証した上で、選択と集中を図る取組がなされるべきであると思います。本日はその視点で質問したいと思いますので、執行部の皆様には明瞭な答弁をお願いいたします。  最初の質問は、朝ごはん推進モデル事業についてであります。  県では、県内の全ての子供たちが朝食を食べることができる環境を整備し、子供の能力と可能性を高める基礎となる生活習慣を身につけてもらうため、平成30年度からこのモデル事業に取り組まれています。現在この事業では、モデル校での朝食提供を継続し、運営体制や遅刻の状況、児童の学校生活での変化などを調査し、成果の検証を行うとともに、市町、社会福祉協議会と連携して、全ての子供が朝食を食べることができる環境を整えるための仕組みの構築、いわば全県的に効果を波及させる取組が進められております。  平成30年度の当初予算額は4,000万円と大きかったことから、議会の中でもいろいろと賛否がありましたが、この事業の実施により、いずれは全県的に効果を波及させるといった取組の方向性を掲げられたこともあり、私は最少の経費で最大の効果を発揮できる事業だと思い、この取組に賛成したところです。しかしながら、平成30年度の最終予算額は650万円程度と大幅に減額され、さらに執行額としては450万円余となっております。当初予算の約10分の1の執行額であります。  そこで、平成30年度の予算額と執行額に大幅な乖離が生じていますが、その理由について健康福祉局長にお伺いいたします。 2: ◯答弁健康福祉局長) 朝ごはん推進モデル事業につきましては、平成30年度の当初予算では、県内3か所でモデル事業を実施するに当たり、必要となる人件費をはじめ、食材の購入、運送にかかる費用などの運営費を補助対象とすることを想定し、4,000万円を計上しておりました。  しかしながら、事業を開始するに当たり、運営費を全て県で補助するよりも自立運営が可能な仕組みを構築したほうがその後の事業の継続や他地域への波及につなげられると考え、持続可能な事業スキームの検討を進めました。  具体的には、市町や学校、地域のボランティア団体等と協議を重ね、実施手法について検討を進めるとともに、企業に対して食材の無償提供を働きかけ、実施主体となるボランティア団体等が企業から無償で提供を受けた食材を学校の敷地内において提供する現行のモデル事業の実施方法を構築いたしました。  その上で、県は、事業立ち上げ時に必要な施設の改修や備品整備など一定のイニシャルコストについてのみ補助対象とすることとし、平成30年度は県内2校におけるモデル事業の開始に必要となる経費の補助を行ったことから、執行額としては450万円余となったところでございます。
    3: ◯質疑出原委員) 人件費、そして食材等を学校であったりボランティア団体が請け負ったということで、執行額が当初の4,000万円から450万円となったということであります。そして、令和元年度の当初予算額は平成30年度の事業の検証を行った上で、2,500万円余の予算を組み立てられています。しかしながら、最終予算額は750万円余、執行額は300万円程度と低くなっています。  そこで、令和元年度の予算額について、平成30年度の執行額450万円余に対して多額となっていますが、どのような取組を考えられたのか、また、令和元年度の予算額と執行額の乖離の理由についても健康福祉局長にお伺いいたします。 4: ◯答弁健康福祉局長) 朝ごはん推進モデル事業は、平成30年11月に1校目、平成31年2月に2校目の取組が開始したところであり、令和元年度の予算計上時には、さらにモデル事業の実施校を8校増やし、その立ち上げ費用を補助することを見込んでおりました。  しかしながら、この事業を実施するためには、まずは地域のボランティア団体に主体的に活動いただく必要があることに加えて、市町の福祉部門や教育委員会、学校現場の連携、協力が不可欠であることから調整に時間を要する面がございました。  また、子供たちにどのような変化が現れているのか成果が見えない中では新しい取組に賛同を得にくい面もあり、令和元年度は新たに1か所でのモデル事業開始にとどまったため、乖離が生じたものでございます。 5: ◯質疑出原委員) 2校から3校と、1校しか増えなかったということでありますけれども、今年度の当初予算額は、570万円余となっています。前年度の当初予算額と比較して大幅に減少しています。また、来年度の予算額も550万円程度とさらに少なくなっています。そして、事業の位置づけも重点事業から一般事業に変わっています。また、現在の進捗状況を見ても、3年間でモデル校が3か所と大変少なく、このような状況で果たして全県的に波及させていくといった事業効果が生まれるのか大変疑問であります。地域全体を巻き込んだ効率的な運営や事業の持続可能性及び全県に波及させるといった取組の方向性を変えたということでしょうか。これでは最少の経費で最大の効果ということではなく、最少の経費で最小の効果を生む事業になってしまったと言えるのではないかと思っています。  そこで、この事業の進捗状況をどのように評価し、この事業をいつまでに県内全域に展開しようと考えているのか、今後の方針について健康福祉局長にお伺いいたします。 6: ◯答弁健康福祉局長) 令和2年度の朝ごはん推進モデル事業におきましては、コロナ禍の影響によって、昨年3月に3校ともモデル事業を一時中断しており、成果検証には至っていない状況でございます。  一方、この事業におきましては、協力企業から頂いた食材を各市町の社会福祉協議会を通じて個別の子育て家庭に提供する取組も行っており、こちらの取組はコロナ禍においても継続して実施しているほか、2月からは取組を9市町から14市町に拡充したところでございます。  こうした取組を通じて、県内全ての子供たちが朝食を食べられる環境を整え、子供たちが能力と可能性を高めるために必要な生活習慣を身につけることがこの事業の目的であることから、来年度は、その目的の達成に向けて現在の3校でのモデル事業を継続し、事業全体の成果検証を行った上で、今後どのようなやり方でその効果を全県に波及させていくことができるか検討してまいりたいと考えております。 7: ◯要望質疑出原委員) 御答弁いただきましたとおり、全県的に波及していくことを今後考えていくということでありますけれども、当初の予算額が4,000万円と大変大きかったことから議会でも大きな議論になりました。もし、今の執行額であれば、そのときの議論というのは視点も違いましたし、質も大変違ったのではないかと思っています。また、重点事業から一般事業へと変わったということですけれども、私の知る限り、委員会等でも詳細の説明はなかったように聞いています。予算と執行の乖離、そして要因、課題を分析して、次の予算が編成されるべきであると思っています。また、議会で可決された予算でありますから、その予算額をしっかりと有効に使っていただくことを要望して、次の質問に入ります。  質問の2番目は、運輸業人材確保・育成モデル支援事業の成果と他業界への波及についてです。  運輸業界では人手不足が深刻な状況であることから、県では広島県トラック協会と連携して、業界イメージの向上に向けたプロモーション活動と女性ドライバーの入職促進を図るとともに、この取組を運輸業界以外の他の業界に波及させることを目的として、平成30年度から2年間、国の制度を活用して運輸業人材確保・育成モデル支援事業を実施されました。  一方で、この事業の開始に当たり、多種多様な業界で人材不足が起こる中で、運輸業界という特定の業種に限定して行うことについて常任委員会で私自身も質問させていただき、この事業の成果を人手不足が課題となっている他業界にも取組を波及させる狙いもあるとのことで、この取組に大変期待しておりました。事業を開始した平成30年度の当初予算額は1,400万円、令和元年度では約2,400万円と多額であったことから、運輸業界団体においても、この事業への期待は大変大きかったのではないでしょうか。  しかしながら、平成30年度の執行額は630万円余、令和元年度も執行額が820万円余と、当初の見込みどおりの執行額とはなっていません。また、実績としても、令和元年度は新規雇用創出が5名にとどまり、国における事業継続要件である目標20名の7割の14名以上に達しなかったことで、令和元年度で事業は中止になったと聞いています。この事業では、最少の経費で最小の効果すら生まれなかったのではないかと思います。  そこで、この事業について、平成30年度、令和元年度の2年間の取組をどのように分析しているのか、また、この事業を通じて人材不足を抱える業界に対して、今後どのような施策に取り組んでいくのか、併せて商工労働局長にお伺いいたします。 8: ◯答弁商工労働局長) 運輸業人材確保・育成モデル支援事業につきましては、人手不足が顕著な運輸業界を取り上げ、女性の人材確保を進めていく計画の下で実施いたしましたが、就職者数が目標に達しなかったため2か年で終了することとなりました。  就職者数が目標に達しなかった主な要因といたしましては、勤務時間や就業エリアなど勤務条件面が折り合わなかったことなど、柔軟な勤務条件の設定が課題となったと受け止めております。  一方で、業界イメージアップ、合同での業界入門セミナー、面接会、採用者へのスキル等獲得支援のパッケージ化が人材確保を図る上で一定の効果を上げたという評価の声も参加した企業から頂いております。  今回の取組を通じて、人材不足を抱える業界については、業界や業種に対するイメージアップ戦略、企業における人材育成支援の充実や働く人の状況に応じた就労しやすい勤務条件や業務の設定が重要であると考えております。  このため、求職者に対しましては、働き方改革実践認定企業における働きやすい職場環境づくりの具体的な取組内容やそこで働く社員の声など、業種ごとの優良事例を県のホームページであるヒントひろしまやSNSなどを活用して積極的に発信していくほか、キャリアコンサルティングによる就職支援を行う中でも積極的に紹介していくことで業界等に対するイメージアップを図り、人手不足業種等への労働力移動を促進してまいります。  また、企業に対しましては、働き方改革や女性活躍の推進において、経営者層向けのセミナーや専門家によるアドバイスを行うことで、従業員の確保、定着に向けて必要な取組の理解促進を図ってまいります。 9: ◯意見質疑出原委員) いろいろと御説明いただきましたけれども、今回私自身が既に終了した事業に関して質問させていただきました趣旨というのは、こういった事業が来年度、どういうふうに予算に反映されているかという点であります。恐らく県がいろいろな取組をする中で、この事業だけでなくほかの事業でも中止となった事業はあると思います。想定よりもなかなかうまくいかなかったということはあり得ると思いますけれども、検証していただき、課題を見つけ、次の事業にぜひ生かしていただきたいと思います。  また、有効求人倍率がこのコロナ禍の状況で少し下がったとはいえ、業種によってはまだまだ人材不足の課題がありますので、課題解消に向けて丁寧に取組を進めていただきたいと思います。  質問の3番目は、イノベーション・ハブ・ひろしまCampsの取組についてであります。  平成29年3月に設置した新たなビジネスや地域づくりなどにチャレンジする多様な人が集まるイノベーション創出拠点、イノベーション・ハブ・ひろしまCampsにおいては、多様な人材、資金、情報等を集積、結合し、新たなつながりやイノベーションが次々と生まれる好環境を形成することを目指しており、開設してもうすぐ4年が経過するところであります。これまでの4年間でかかった経費を見ると、広島市の紙屋町に所在する事務所の賃料に約7,800万円、その他、起業・新事業展開に関する相談や会員同士のネットワーク構築などを促進するためのコーディネーターの配置にかかる費用に加え、交流イベントなどを含めた経費に、当初予算ベースで約2億7,300万円となっています。  先輩起業家と起業を目指す人との交流などを通じて、平成30年度では10件、令和元年度においては20件の事業が創出されていますが、具体的な経済効果はどの程度生まれているのか分かりません。また、この取組で県が目指すべき最大の効果が発揮される状態とは、ひろしまCampsのようなイノベーションの創出を目指すハブ拠点が全県的に配置されることだと私は考えますが、取組の最終的なゴールがどういう状態になるとをイメージされ、また、終了時期をいつ頃と考えているのでしょうか。  そこで、これまでの取組をどう評価し、また、この取組を県がいつまで継続して実施していくつもりなのか、今後の方針について商工労働局長にお伺いいたします。 10: ◯答弁商工労働局長) イノベーション・ハブ・ひろしまCampsにつきましては、開設後約4年を経過し、会員数は約2,000人となっております。  また、企業経営者や起業家による講演会や新規事業のアイデア創出、マーケティングを支援するプログラムや相談などに延べ約3万5,000人の利用者があり、本県のイノベーション創出の好循環を形成するためのハブ機能を果たすとともに、そこで生まれたつながりから新たな事業も創出されているところでございます。  さらに、Campsへの相談をきっかけに、海外スタートアップ企業が日本での拠点を広島に置くこととなったことや、昨年7月に内閣府が全国8か所を選定したスタートアップ・エコシステム拠点都市に広島県が選ばれた際には、Campsが設置されていることが評価の理由の一つであったことなど、Campsが本県のイノベーション推進に寄与していると考えております。  一方で、本県のイノベーション・エコシステムの形成に向けましては、新たなアイデアや価値が創造されてはいるものの、イノベーションが次々と生まれる状況とまでは言えず、こうした活動やコミュニティーをより活発で持続的なものにしていくことが課題であると認識しております。そのため、本県において次々とイノベーションが創出される好循環を生み出していく上で、様々なつながりの創出や、高い志を持つ人材の集積、交流などが生まれる拠点機能を持つことが重要であると考えており、今後、アクションプランの期間である5年間において、イノベーション・エコシステムの形成に向けた取組の進捗状況を勘案しつつ、Campsの在り方について検討してまいります。  また、こうしたCampsの取組が地域の取組にも波及し、例えば、東広島市が設置している東広島イノベーションラボ・ミライノや、福山市や尾道市での民間の交流施設の取組などにもつながっており、こうした県内のイノベーション関連施設などとも効果的に連携しながら、県内全体のイノベーション・エコシステムの構築につなげてまいりたいと考えております。 11: ◯意見要望出原委員) 今質問させていただきましたCampsも5年目を迎えるということであります。いろいろ国からの評価も高いということでありますけれども、私自身、広島市の中心部でなければ、広島市が拠点でなければイノベーションが生まれないかというとそうではないと思っています。御答弁の中ではありませんでしたけれども、県がいつまでこのCampsの事業をやっていくかということは道筋を示していただきたいと思います。  また、ハブの拠点がいろいろ広がっているという答弁もありましたけれども、私自身、全県的にそういったイノベーションを生むハブが設置されるというのが最終的な成功のイメージなのだろうと思います。明日の質問でもさせていただきますけれども、県のほうでひろしまビジョンで掲げられています適散・適集な地域づくりのフロントランナーを目指していくということでありますけども、まさにこういったイノベーションのハブが全県的に展開される中で、適散ということにつながるのだと思っています。  また、AIやIoT分野の実証実験で今、広島県として力を入れられていますひろしまサンドボックスに関しましても、ひろしまサンドボックス協議会の運営はまだ県が担っていると思いますけれども、これもどの段階で民間へ移行していくかということも、ある程度事業が進む中でお示しいただきたいと思っています。  今日は3問の質問をさせていただきました。朝御飯の推進と人材確保、それとCampsの事業の3つですけれども、それぞれ大変すばらしい事業であり、すばらしい取組であると思います。今回3つの質問だけでしたけれども、県全体の多くの事業の中の一例にすぎません。小さな予算、大きな予算全てにおいて、全ての事業の細部に課題があり、それをしっかりと分析していただき、そして議会へ丁寧に報告していただく。そして議会と今まで以上によりよい議論がされることで、一つ一つの取組というのはよりよい方向へ進むと信じています。  新しい取組をされるときに、県の執行部の皆さん方には議会、委員会等で大変丁寧な説明をしていただきますけれども、その進捗に関して、どこまで丁寧に説明していただいているかというと少し足りないのではないかと思います。湯崎知事が掲げられるPDCAサイクルを回すということですけれども、そのCのチェックの部分に関して、議会、委員会で丁寧に説明していただくことで、大変厳しい財政状況でありますけれども、議会と執行部が両輪となり乗り切ることができると思いますし、その中で選択と集中を図っていくことが必要だと思っています。  また、執行部の皆さん方が取組の評価をされるときに、先ほども答弁でありましたけれども、一定の評価を生むことができたという答弁をよく私自身も議員になって聞くことがあります。この一定の評価という言葉自体を、できたらやめていただきたいと思っています。やはり、全ての取組に関しては、各部局で最少の経費で最大の効果を生むための取組だと思いますので、仮に最少の経費で最大の効果が生まれなかった場合には、なかなかこの事業がうまくいかなかったということを真正面から反省していただき、それで議会と議論をして、新しい次の取組につなげることが必要であると思いますので、そのことを最後に要望させていただきまして、質問を終わります。   (稲葉委員) 12: ◯質疑稲葉委員) 福山市選出の稲葉 潔でございます。昨年の3月6日に県内で初めて新型コロナウイルスの患者が発生して1年経過いたしました。今後に向けて、県民の不安を和らげる意味で質問させていただきたいと思います。  最初の質問は、新型コロナウイルス対策としてのワクチン接種についてです。  ワクチン接種は2月18日に、県内において大竹市でスタートいたしました。多くの方々が新型コロナウイルス対策の切り札と考えており、早急で確実な実施が望まれております。県民の多くの方がいつから接種が可能なのか、また、どこで受けられるかなど、多くの疑問を抱えており、期待と不安が入り交じっている状態にあります。  新型コロナウイルス対策について、大阪府健康医療部が今年1月に府民の意識調査を実施したところ、ワクチンについては世代間で大きな差はなく、おおむね6割の方が接種を希望されております。一方で、接種を希望しない方々の8割近くが副反応のリスクがあると思うからと回答されております。こうした状況は広島県民においても同様ではないかと推察いたします。  そこで、副反応を含めて、県民はワクチン接種に対して様々な不安を抱えていると思いますが、どのように対応しようとされているのか、知事に伺います。  また、広島県においても医療関係者のワクチン接種が始まっておりますが、その後の高齢者から始まる接種については、各市町とも準備が大変であると認識しており、県として市町をしっかりとバックアップする必要があると考えます。  そこで、各市町におけるワクチン接種が円滑に進められるよう、現時点において、県としてどのように準備を行っているのか、併せて知事に伺います。 13: ◯答弁知事) 新型コロナウイルスワクチンを安心して接種していただくためには、副反応を含めた正しい情報を御理解いただくことが重要と考えております。このため、新聞やSNSといった各種媒体を活用いたしまして、適時的確に、分かりやすい広報を行うとともに、市町と共同で設置いたしましたコールセンターにおいて、一般相談から専門的相談まで一元的に対応することによって県民の皆様の不安解消を図ることとしております。  また、市町における接種体制を確保するため、1月から市町と連絡会議を随時開催いたしまして、住民接種の実施体制の構築に向けて意見を交換するとともに、特に要望の強かった医療従事者等の確保について、医療関係団体に依頼を行うなどにより課題解決を図っているところでございます。  さらに、先週から開始いたしました医療従事者への優先接種の実施において、整備した接種施設や移送方法等の体制、各会場の課題から得られたノウハウなど、来月以降、高齢者から順次開始される住民接種においても活用できると考えており、市町や医療関係団体等との連携を一層緊密にして円滑な実施体制の構築を支援してまいります。 14: ◯要望質疑稲葉委員) ぜひ順調に接種が進むよう準備をお願いいたします。  その上で、昨年末の新型コロナウイルスの急拡大期において、広島県においては、一時期病床使用率が8割を超えるなど、県内の医療体制はかなり厳しい状況であったと認識しています。中でも報道などを踏まえますと、広島市においては感染者が急増し、特に逼迫した状況であったと認識していますが、医師の少ない県の東部や北部では、医療体制についてさらに心配しなければならないというのが実感であります。  そこで、昨年末の感染拡大期における県全体及び県内の各二次保健医療圏における医療体制の実態はどのようであったと認識しておられるのか、また、当時の対応について、現時点で反省点や課題は何か、さらには、今後の感染の再拡大が懸念される中で当時をしっかりと評価し、今後に備えていくことが重要と考えていますが、県としての認識はどうか、併せて知事にお伺いいたします。 15: ◯答弁知事) 感染症に対応する体制の整備につきましては、二次保健医療圏ごとではなく、県全体として必要とされる病床数や宿泊療養施設数を定め、確保に取り組んできたところでございます。  昨年12月初旬からの感染者の急増に対しましては、感染患者を受け入れる病床数を県全体として500床を目標に順次引き上げ、宿泊療養施設は700室の確保を目標に急ピッチで取り組んだところでございます。  しかしながら、感染者の増加が本県の想定を超えるものであったため、病床の使用率はピーク時80.8%まで逼迫し、宿泊療養施設の制約から自宅待機者が発生するなど、これまでで最も深刻な状況となりました。  今後につきましては、まずはこの経験を踏まえ、1日当たり新規感染者数177人が1週間にわたって継続しても対応できるよう、ピーク時の入院病床を500床、宿泊療養施設を1,400室確保することとしておりますが、入院調整や患者の搬送体制も含め、医療機関などの関係団体と緊密に連携し、必要な医療提供体制を確保してまいります。 16: ◯要望質疑稲葉委員) ぜひ、課題を生かして今後の医療体制を守っていただきたいと思っております。広島県内において、必要によりコロナ患者の転院先のあっせんもしてきたとお聞きしたのですけれども、緊急事態宣言を発令した都府県の多くでは、コロナ患者の転院先について、財政的支援を実施、計画しているといった状況であります。今後に向けて、そういったことの検証と広島県としての対応策の検討も急いでいただきたいと思います。  その上で、広島県として医師の偏在は大きな課題であると認識しております。二次保健医療圏ごとに設定している医師偏在指標においては、県内7医療圏のうち、広島、呉、広島西の3医療圏は、全国的に比較的医師が多いとされる上位33.3%の圏域として医師多数区域となります。その一方で、全国の医師偏在指標が239.8に対して、尾三圏域が181.3、福山府中圏域が186.4、備北圏域と東広島を中心とした広島中央圏域も190台と、人口に対して手薄な医療体制となっています。高度医療についても手薄な状況にあると受け止めております。  福山府中圏域においては、福山医療センターが地域周産期母子医療センターに指定され、ハイリスク妊娠、分娩などの診療を行っていますが、当圏域では全てに対応できない状況にあるため、県境を越えた医療連携を図り、岡山県内の病院で対応している実態にあります。また、当圏域の小児科医は少なく、岡山大学に開設した寄附講座を担当する医師によって、小児二次救急体制が維持されているという状態です。  そこで、こうした現状を踏まえ、医師の偏在の改善が急務であると考えますが、県としてどのように対応していかれるのか、健康福祉局長に伺います。 17: ◯答弁健康福祉局長) 本県の医師数は県全体としては増加しているものの、二次保健医療圏別に比較しますと依然として偏在があり、自治医科大学のほか広島大学や岡山大学と連携した地域枠医師の配置とともに、地域医療支援センターによる県外医師の招聘などにより偏在の是正に取り組んでいるところでございます。  福山・府中圏域における小児救急医療の確保につきましては、岡山大学医学部に小児救急医療に関する寄附講座を設け、来年度からの福山市民病院の小児救急医療拠点病院への指定に向けて調整を進めているところでございます。  今後もこうした取組を継続して行うとともに、国に対しても知事会などと連携し、医師が少ない地域で勤務することに対するインセンティブや医師不足が深刻な診療科における安定的な医師確保対策など、偏在是正に向けた抜本的な制度の見直しについて、引き続き要望してまいります。 18: ◯質疑稲葉委員) ただいま地域枠についての対策としての話もありました。先週の参考人意見聴取におきまして、広島大学病院の伊藤先生からもお話しいただきましたけれども、今の地域枠、ふるさと枠には問題があると考えております。  医師の偏在対策として取り組まれている大学医学部地域枠については、1学年当たり広島大学ふるさと枠が18名程度、岡山大学地域枠が2名となっていると承知しています。しかし、広島大学のふるさと枠医師全体50名の2020年度の勤務状況を見たとき、最も医師の少ない尾三圏域では、公立みつぎ総合病院に3名とJA尾道総合病院に1名のみであり、福山府中圏域においては1人も勤務しておらず、医師の偏在の改善には効果がほとんど出ておりません。このまま岡山大学の枠も年2名のみであれば、偏在解消どころかますます偏在が進みかねない状況にあります。  そこで、岡山大学出身の医師の多い備後地域の実情を踏まえたとき、現在の大学医学部地域枠の取組では医師の偏在解消にはつながりにくいと考えますが、県として現状をどのように認識されているのか、また、今後の対応についてどのように考えておられるのか、併せて健康福祉局長に伺います。 19: ◯答弁健康福祉局長) 医師の確保につきましては、自治医科大学卒業医師や広島大学、岡山大学地域枠医師を活用した中山間地域等への配置を進めており、その配置医師数や医療機関数は年々増加しているところであり、来年度は新たに県東部地域の公立世羅中央病院や府中市民病院にも配置できる予定でございます。  これまでの成果や地域によってはいまだ十分に医師を配置できていないといった課題について、大学や市町、医療機関等の関係者と共有し、各保健医療圏における医療提供体制の在り方につきまして、引き続き検討してまいります。 20: ◯要望質疑稲葉委員) これから医療体制の見直し等、様々な検討があると聞いておりますけれども、広島県内は二つの大学の医学部を中心に支えられているといった実態を受け止めていただいて、改善策を講じていただくことをお願い申し上げたいと思います。  次に、待機児童の対策についてお伺いいたします。  待機児童の解消は男女問わず、誰もが安心して自ら望む働き方にチャレンジするための前提となる重要な取組であると考えます。そのような中、来年度予算の事業見直しにおいて保育士早期復職サポート事業が廃止されています。具体的には実施市町が少なく、県全体として効果が得られなかったことから廃止と聞いておりますが、待機児童問題がある中で、保育士の確保は引き続き課題であると考えます。  一方で、本会議の答弁におきまして、AIの活用によって市町の保育所入所に係る調整事務を最適化、効率化することで待機児童の解消につながるとの答弁がありました。  そこで、待機児童問題については、保育士などの量的な不足の問題なのか、需要と供給のミスマッチの問題なのか、何が本質的な課題であると受け止めているのでしょうか、県の認識を健康福祉局長に伺います。 21: ◯答弁健康福祉局長) 待機児童の解消に向けましては、必要な保育士の確保や保育の受皿としての施設整備に加えて、多様化、複雑化している保護者の保育ニーズにきめ細かく対応していくことが重要であると認識しております。 22: ◯質疑稲葉委員) それでは、実際に保育士の不足、さらには待機児童の数について、県としてどのような見通しを持って、それらの解消に向けてどのような対策を打とうとしているのか、併せて健康福祉局長に伺います。 23: ◯答弁健康福祉局長) まず、保育士につきましては、直近の平成30年度における県内の就業保育士の数が1万3,722人であり、ピークと見込んでいる令和3年度で1万4,835人の保育士が必要になると推計していることから、これらを比較すると約1,100人の不足が生じることになります。  これまで、保育士人材バンクによるマッチングや保育施設の情報サイトである「ハタラクほいくひろしま」による保育施設の労働環境の見える化などにより、毎年度500人程度の保育士を純増させることができておりますので、引き続きこれらの取組により保育士不足の解消を図ってまいりたいと考えております。  また、待機児童につきましては、令和2年4月1日現在で39人となっておりますが、市町と連携した計画的な保育所の整備や、待機児童の大半を占める1~2歳児を積極的に受け入れる保育所への支援などに引き続き取り組むことにより、令和3年以降、4月1日の待機児童を発生させないことを目標にしております。 24: ◯質疑稲葉委員) 今、保育士については順調に増えてきているという御答弁と、待機児童については4月1日に発生させないということを目標に行っているということでございました。ただ、保育所について4月1日の時点では待機児童数はゼロと想定しているということだと思いますけれども、その他の時期はどうなるのでしょうか。  「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン アクションプラン」では、保育を必要とする子供がいつでも保育所、認定こども園などに入所することができるよう、計画的に施設を整備するとともに、広島県保育士人材バンクによる潜在保育士の復職支援などにより、保育士確保を推進するとしております。しかし、向こう5年間の目標としては、4月1日時点の待機児童数ゼロが掲げられています。行政の手続としては4月1日のデータを重要視していますが、実態として、保育所の定員に最も余裕があるのは小学校への入学により児童が減る4月1日であります。こうした最も待機児童が出にくい時期の数字に本当に意味があるのでしょうか。  具体的なデータとしては、広島県内において、令和2年度の待機児童数は4月1日時点で39名ですが、10月時点では275名と7倍に達しています。このままのペースと仮定すると、3月である現時点では4月の10倍に達していても不思議ではありません。実際に年度途中で復職しようとしたが保育所が4月でいっぱいとなってしまい、多い人では丸々1年間復職できなかったという例は特殊ではなく、むしろ待機児童が発生している地域や4月でほぼ定員いっぱいとなる地域では、もともと4月入所を目指していた人以外はほとんどの人が入所待ちのため、復職を待たなければならないという実態にあります。それでも4月に保育所に預けられないケースもあるのです。年度途中で定員が増えることもほとんどなく、たまに入れるのは入所者が転居することぐらいしか可能性がなく、結果として4月まで待たされる方々が非常に多いのが実態、実情となります。  改めて申し上げますが、子供は時期を問わず生まれてくるのであり、1年を通じて待機児童が発生していては仕事に戻れず、女性の社会進出の実質的な足かせになりかねません。  県としては、県民に安心して挑戦していただくために、必要なときにいつでも保育所に子供を預けられることを基本に据え、目標とすべきであると考えますが、県としての方針について知事にお伺いいたします。 25: ◯答弁知事) 当面の目標としましては、令和3年4月1日の待機児童を解消することとしておりますが、昨年10月に策定いたしました「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」では、10年後の目指す姿として、保育を必要とする子供が保育所、認定こども園等にいつでも入所でき、質の高い教育、保育が実践されていることを掲げております。  そのため、来年度からは、待機児童の解消に向け、新たにAIの導入を進め、保育所の入所調整、年齢ごとの定員枠、保育士数や保育所整備などの最適化を図り、量的拡大の課題解決に向けた取組を進めてまいります。  あわせまして、保育士の処遇改善や研修などによる保育の質の向上にも積極的に取り組むことが重要であると考えております。  引き続き、市町と連携いたしましてこうした取組を進めることにより、ビジョンで目指す姿を実現してまいりたいと考えております。 26: ◯要望質疑稲葉委員) 今申し上げましたとおり、様々な手を打っていただいているのが実態だと認識しておりますけれども、どうしても行政というのは4月1日というのを前提にいろいろなことを考えがちです。しかし、例えば半年間待っている実態というのは、戻ろうとする方にとって非常に大きな期間になりますので、ぜひそこがストレスなく戻っていただけるようお願いしたいと思いますし、実際には生活スタイルを無理して、お子様を一番希望しているところではないところに預けている親御さんも多くいらっしゃいます。そうした方々の真の希望も含めてかなえられるように、今後の保育行政を進めていただくことをお願い申し上げます。  次に、保育所などの災害対策についてお伺いさせていただきます。  2月2日に特定都市河川浸水被害対策法などの流域治水関連法案が閣議決定されました。水害防止へ向けて、今後知事が指定する中小河川も含めた浸水被害防止区域では、住宅や病院、学校、福祉施設などを建てる際は、建築を許可制にしていくこととしています。  浸水想定区域においては、昨年12月定例会で議論のありました高齢者施設のほか、幼稚園や保育施設についても現時点において多くが区域内に立地しており、対策が必要な状況にあると認識しております。特に危機発生時において時間の制約が大きい中で、小さな子供たちを安全に避難させるためには幾つもの課題や困難があると受け止めています。こうしたことは浸水想定区域だけでなく、土砂災害警戒区域に立地している幼稚園や保育施設についても同様の対応が必要となります。  そこで、県内の幼稚園や保育施設のうち、浸水想定区域及び土砂災害警戒区域内にある施設がどのくらいあるのか、また、それらの施設の移転や避難対策について、県としてどのように対応しようとしているのか、併せて健康福祉局長にお伺いいたします。 27: ◯答弁健康福祉局長) 津波、洪水の浸水区域や土砂災害の警戒区域に立地している保育所等は828施設のうち451施設であり、幼稚園は185施設のうち99施設でございます。  保育所等につきましては、定期的に行っている監査の際に避難確保計画や避難訓練の実施状況などを確認した上で必要な対策を講じるよう、また、施設が移転も含め、耐震化などに伴う建て替えを行う際には、災害対策に取り組むよう指導しているところでございます。  また、幼稚園につきましては、市町教育委員会へは担当者会議を通じ、学校法人へは補助金検査の機会を捉えた避難訓練の実施状況などの確認を通じ、それぞれ避難対策の実施を働きかけており、施設整備に関しても安全面からの指導、助言を行っているところでございます。  今後とも、子供達の安全確保のため、ソフト・ハード両面での災害対策を講じるよう施設等に対して指導してまいります。 28: ◯要望稲葉委員) 災害の記憶がまだ新しい時期でございますので、今の時期にぜひ速やかに粘り強い取組をお願い申し上げます。  私からの質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。   (玉重委員)
    29: ◯質疑(玉重委員) 自由民主党広島県議会議員連盟の玉重輝吉でございます。今次予算特別委員会におきまして質問の機会を与えていただき、皆様に心から感謝申し上げます。  さて、新たに策定された「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」におきましては、現状からの延長によるフォーキャスト手法でなく、既存の制度や概念にとらわれない発想の下で、おおむね30年後のあるべき姿を構想した上で、そこに至る道筋や必要な取組を想定しながら10年間の目指す姿を明らかにしていくバックキャスト手法・思考により策定されたと伺っております。今回質問させていただきます各分野の事業におきましては、来年度の予算という視点だけでなく、ビジョンに位置づけております30年後のあるべき姿や10年後の目指す姿、その社会の実現に向けて何が必要なのかイメージしながら質問させていただきますので、執行部におかれましても同様の考え方に基づき、前向きで明快な答弁をお願いしたいと思います。質問時間も限られておりますので、早速質問に移ります。  質問の第1は、デジタルトランスフォーメーションの推進についてです。  人口減少や少子高齢化が進む中、特に中山間地域においては、これらが加速し、基幹産業である農林水産業の衰退や地域の担い手不足などますます深刻化していきます。  県においては、第2期「広島県中山間地域振興計画」を策定し、基本姿勢の一つにデジタルの力を取り込むことを掲げ、中山間地域の方々が現在だけでなく、将来にわたって安心して暮らしを営むことができる環境を維持していくため、デジタル技術を中山間地域の暮らしの中で分野横断的に実装することによって、新しい時代に対応した暮らしのモデルを創出し、地域における横展開を図っていくことに取り組むこととしております。中山間地域におけるデジタル化の進展は都市部と中山間の地域間格差を縮小させる可能性を秘めているとともに、マンパワーの不足や医療、教育、地域交通、各自治体での働き方改革などを含め、様々な課題を克服できる可能性を秘めていると考えております。  また、ウイズコロナ時代を迎え、中山間地域の豊かな自然や人とのつながり、そこで育まれる伝統文化など、新たな視点で見直されてきており、田園回帰の潮流に拍車がかかるものと期待しております。  中山間地域にスポットライトが当たり、これからの中山間地域振興対策のさらなる充実強化を期待し、4点お伺いさせていただきます。  まず初めに、デジタル技術の活用による中山間地域の課題解決に向けた取組についてお伺いします。  県は、デジタル技術を活用したサービスを通じて、中山間地域における身近な生活課題等を解決するため市町の取組を支援していますが、市町においてはデジタル技術の活用の必要性は十分に認識しているものの、山積する課題に対して何をどこからどのように取り組めばよいのか、また、目指す姿ゴールは何なのか、具体的なイメージを持つことが難しいのではないかと感じております。  そこで、県は、デジタル技術の活用による中山間地域の課題解決について、具体的にどのようなイメージを持っているのか、また、そのイメージは市町と共有されているのか、地域政策局長の御所見をお伺いします。 30: ◯答弁(地域政策局長) デジタル化の進展は、中山間地域における物理的な距離やマンパワーの不足などを克服できる力を秘めており、中山間地域に新しい展望を描ける可能性が大きく広がってくると考えております。  県といたしましては、こうした可能性を最大限に引き出し、中山間地域においても世界とつながって仕事ができ、医療や福祉、生活交通等の必要なサービスを必要なときに利用できるスマート里山・里海の実現を目指してまいりたいと考えております。  そのためにはデジタル技術を活用した地域の未来像を市町と共有し、実現に向けて共に取り組んでいくことが重要であります。  このため、県と市町で構成する中山間地域振興協議会において、今年度、第2期中山間地域振興計画の議論を深める中で、デジタル社会への対応や目指す姿について市長、町長とも意見交換を行い、県と市町が共通認識に立ったところでございます。  また、今年度から取り組んでおりますデジタル技術を活用した市町の課題解決に向けた取組への支援を通じて、生活に身近な分野の課題やデジタル技術を活用した解決策の方向性について市町と意見交換を重ね、新たな取組イメージなどを共有してまいりました。 31: ◯要望質疑(玉重委員) 今答弁でもありましたが、まだ私の地元等では今後どのように進めていくかイメージできていないのが現状でありまして、しっかり協議を進めていってもらって、同じ方向を向いてこの事業を進めていってもらいたいと思います。  次に、モデルケースの横展開についてお伺いします。  デジタル技術の活用による中山間地域の課題解決に向けた取組を加速させる観点から、医療、教育、地域交通、農業、防災など様々な分野においてそれぞれにモデルケースを創出し、それをほかの市町へ横展開することが効果的ではないかと考えます。また、そのためには市町が導入しやすいように、共通に抱える課題を選定し、モデルケースをまとめてパッケージとして提供することで各市町への導入が進みやすくなると考えますが、市町への普及策についてどのように進めようとしているのか、地域政策局長の御所見をお伺いします。 32: ◯答弁(地域政策局長) 人口減少や高齢化が著しい中山間地域におきましては、生活に身近な医療・福祉、生活交通等の持続性の確保や基幹産業である農林水産業の生産性向上、県外から人を呼び込むための移住促進など、様々な分野において共通する課題を抱えております。  こうした複数の市町に共通する課題につきましては、構想段階から共同して取り組むことや先行する成功事例を共有することが有益であると考えております。  このため、来年度はデジタル技術を活用して課題解決に取り組む市町に対し、きめ細かい伴走支援を行う中で、最初の課題の設定段階から共同化に向けた助言などを行ってまいります。  また、中山間地域振興協議会を通じて、モデル的な事例などを共有することによって、普及展開の促進を図ってまいりたいと考えております。 33: ◯質疑(玉重委員) 次に、RPAシステムの自治体間での共有化についてお伺いします。  総務省は、高齢者人口がピークを迎える2040年頃をターゲットに、人口構造の変化に対応した自治体行政の在り方について検討を行い、令和元年度からロボティック・プロセス・オートメーション、いわゆるRPAで処理できる事務作業はRPAによって自動処理するスマート自治体への転換を図ることを目指しています。AIやIoTの広がりでスマート化という概念が広く普及した昨今、各自治体においても、今後ますます加速する高齢化や人口流出により労働人口が大幅に減少する中、従来のサービスを提供し続けるためにもRPAの導入が必要だと考えますが、人口規模の小さい自治体ではスケールメリットが少ないことや導入コストが高いなどの課題を抱えており、また専門的な知識や経験のある職員の確保が必要になるなどの課題もあります。  そこで、他県の事例において、RPAの導入コストや職員負担の軽減を目的に県内の自治体がRPAシステムを共有する実証実験を県が支援し、導入を後押しする取組を行っておりますが、本県については共有化の取組は検討していないのか、また、市町への導入支援としてどのようなことに取り組まれているのか、地域政策局長の御所見をお伺いします。 34: ◯答弁(地域政策局長) RPAシステムにつきましては、既に10市において導入されており、自治体間での共有化についても導入費用の軽減が期待されることから広島広域都市圏及び備後圏域において検討されております。  県といたしましては、人口減少等に伴い経営資源が制約される中、効率的、効果的に行政サービスを提供する体制整備を図るため、市町へのRPAの導入に向けて、先進自治体、県内市町の取組の紹介、パソコンを用いたRPAの操作研修、国の補助事業や特別交付税の活用の働きかけなどに取り組んでおり、今後とも市町への導入を支援してまいります。 35: ◯要望質疑(玉重委員) 今10市に導入ということでありますが、ぜひ早急に進めていただいて、県内全市町で展開していくことを望んでおります。  次に、DXに向けた県と市町の連携についてお伺いします。  県はDXを推進する基盤として、昨年11月に産学金官連携による広島県DX推進コミュニティを設立しています。このコミュニティーは、企業や行政などのあらゆる主体が互いに切磋琢磨し、協調、協働しながら、DXの理解を深め、実践を促すことを目的としており、先駆的に推進するDXを目指す本県においては、県全体のDXを牽引する立場としてその役割の発揮が求められています。  そこで、各市町がDXを推進していく上で、県として、各市町をどのように支援し連携していこうとしているのか、また、本コミュニティーの活動を通じて、どのような成果を生み出そうとしているのか、山田副知事の御所見をお伺いいたします。 36: ◯答弁(副知事) 各市町におけるDXを推進していくため、令和3年度におきましては、実践的な研修等を通じた人材育成や機運醸成、具体的な事業の企画立案につなげていくための外部アドバイザーを含めた伴走型支援、地域の実情に応じた本格的な社会実装のための財政的、技術的支援など、市町における取組段階に応じた支援を行うこととしております。  また、庁内業務の効率化など、共通する取組の市町間連携における調整等の支援やAIを活用した子供の予防的支援構築事業のように、県の事業にモデル市町として協力いただいて進める県と市町の連携プロジェクトの実施など、様々な形での連携を行ってまいりたいと考えております。  さらに、県内企業や大学のほか、市町にも参加していただいている広島県DX推進コミュニティにおいては、地域の実情やニーズを踏まえた勉強会や各主体の取組事例の共有などの活動を通じて、地域の住民や企業がDXへの理解を深め、仕事や暮らしの中でよりよい変化を生み出す活動に取り組む機運を醸成してまいりたいと考えております。 37: ◯要望質疑(玉重委員) 広島県は、温暖な瀬戸内から雪の多い中国山地の山間部まで変化に富んだ地形や気候に恵まれ、商業や工業、農業や漁業がバランスよく発展してきたことから、日本の縮図と称されています。一方で、近年提唱されているSDGsの理念も踏まえ、都市部と農村、漁村がそれぞれの特性を生かしてお互いが補完し合い支え合う社会の実現が求められています。中山間地域の地域資源を最大限生かし、都市と農村との共生、共存を図ることで、広島県全体が日本の縮図、そして見本となるよう、県がしっかりと音頭を取り、各市町と連携してDXの推進を図っていただくことを要望させていただきます。  質問の第2は、中山間地域における農業振興等について、5点質問させていただきます。  まず初めに、大規模農業団地の計画に対する事業の進捗状況等についてお伺いします。  県は、キャベツ16億円産地計画の実現に向けて、遊休農地などを活用した大規模農場団地を整備し、法人経営体を核とした生産体制の構築などに取り組んできました。安芸高田市原山地区では、平成27年度から基盤整備に着手し、平成28年度からイオンアグリ創造株式会社が参入し、全3工区のうち第1工区において、キャベツ3ヘクタールの栽培を開始しています。今年度からはキャベツに比べて作期が短いレタスを中心とした生産に方針転換しておりますが、当初のキャベツ16億円産地計画が計画どおりに進んでいない現状についてどのような認識を持っているのか、また、キャベツの生産状況について、農林水産局長の御所見をお伺いします。  さらに、基盤整備や栽培支援など、今回の事業に投じた事業費は幾らだったのか、費用対効果をどのように考えているのかについても、併せてお伺いします。 38: ◯答弁(農林水産局長) 安芸高田市原山地区におきましては、基盤整備と併せて排水対策や土壌改良に取り組み、キャベツの生産を行ってまいりましたが、現在は担い手の経営判断により、その一部をレタスに切り替えている状況でございます。  一方、キャベツ16億円産地計画における県全体での取組につきましては、農地の確保や生産技術の支援などを行っているところですが、栽培面積や単位面積当たりの収量は目標の6割程度にとどまっております。  その要因といたしましては、当初は集落法人を中心とした栽培面積の拡大を計画しておりましたが、排水性が十分でない水田での作付であったため収量が伸び悩み、利益が確保できず、計画どおりの規模拡大につながらなかったためと考えております。  次に、県全体での大規模農業団地の整備につきましては、令和2年度までに原山地区を含めた4地区で約91ヘクタール完成しており、その事業費は集出荷施設の整備なども含めますと約23億円でございます。  こうした大規模農業団地の整備を契機として、県南部から北部に至る農地を中心に延べ100ヘクタール規模でキャベツを周年生産する企業経営体が現れるとともに、県外から新たな経営体も参入してきております。  これらの経営体によるキャベツの生産拡大は農業生産額の増加に加え、新たな雇用創出や定住などの効果も発現させていることから、中山間地域の活性化にも一定の寄与をしているものと認識しております。 39: ◯要望(玉重委員) 収量が目標の6割、そして排水関係がなかなか思うようにいかなかったということですが、やはり現場というものは思ったようになかなかいかないのが現実であります。  原山地区におきましても、現場からの声としては、県職員の方々が本当に親身になって排水関係に予算も投じていただいて、今はレタスに変わりましたけれども、本当に何も作ることができなかった土地を作物ができるような土地に改良してもらったと、非常に感謝の声が上がっておりました。費用対効果は結果的には悪いようには見えますけれども、将来的には県主導で今回はよいことをしていただいたということです。そして、あしたの質問になるのですが、レタスに替わって新たな企業がまた誘致で入ってきて、雇用が生まれております。キャベツからレタスへ替わりましたが、こうしたPDCAを繰り返していただいて、農業はなかなか採算が取りにくい事業ではありますが、中山間地域にとっては基幹産業でありますので、今後も粘り強くどうかよろしくお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。   (恵飛須委員) 40: ◯質疑(恵飛須委員) 自民議連の恵飛須です。本日は最初に、平成30年7月豪雨災害に係る災害復旧事業について質問を行います。  あの豪雨は、私たちにとって忘れ得ぬ傷痕として、強く記憶に残るものとなりました。土砂に埋もれた家屋や今にも越水しそうな河川、山側から見たこともない量の泥水が流れ続けるさまは、思考停止に陥ってしまうほどの混乱を招きました。一方で、そうした凄惨な光景と対照的に、時間がたった後には地域のつながりや人のありがたさを感じる出来事でもあったように思います。  現在もなお、復旧事業が進められていますが、私たちの身に起こった出来事は長雨や出水期が迫ればまだまだ不安な気持ちになるものです。治にいて乱を忘れずという言葉のとおり、今年は当初の復旧目標としていた丸3年を迎える年であり、本日は、改めて災害復旧についての総括及び再度災害防止に向けた対応についての質問をさせていただきます。  最初に、平成30年7月豪雨災害の復旧事業の進捗状況について、現在の状況を確認させてください。  また、7月の丸3年の時点での進捗計画及び総括について、併せて知事にお伺いします。 41: ◯答弁知事) 平成30年7月豪雨に係る公共土木施設の災害復旧事業につきましては、令和3年2月末時点におきまして、全体2,550か所のうち、96%に当たります2,458か所が契約済みとなっており、60%に当たる1,526か所が完成となっております。  今後の予定といたしましては、本年7月までに人家に近接するなど県民生活に影響の大きい箇所につきましては完成させるとともに、残る箇所につきましても、令和3年度中の完成を目指しまして取り組んでまいります。  改良復旧事業につきましては、三篠川や呉環状線におきまして、新型コロナウイルスの影響等により、境界立会や用地交渉に時間を要したことから完了目標時期を見直したところであり、引き続き計画的な事業実施に努めてまいります。  また、災害復旧の総括といたしましては、平成30年7月豪雨以降、新型コロナウイルス感染症の影響や全国的に災害が頻発したことなどにより事業進捗への影響が生じているところでございますが、建設技術者等緊急雇用助成事業による技術者等の確保支援や、復興歩掛・復興係数の導入など様々な対策を講じながら事業の推進を図っているところであり、引き続き県民の皆様の安全・安心が一日でも早く確保できるよう、事業の早期完成に向けて全力で取り組んでまいります。 42: ◯質疑(恵飛須委員) 次に、当初計画より事業に遅れが生じている要因について、どのように分析されており、解決のために講じられる具体的な施策を土木建築局長にお伺いします。 43: ◯答弁(土木建築局長) 平成30年7月豪雨では、県内の広い範囲において甚大な被害が発生し、国や県、市町から多くの復旧工事が発注されたことなどから、技術者等が不足し、不調・不落が多発いたしました。  そのため、技術者の兼務制限の緩和や復興歩掛・復興係数の導入など様々な対策を講じた結果、不調・不落の発生率が低下した一方、事業者の手持ち工事量が大幅に増加し施工に時間を要することとなりました。  こうしたことから、建設技術者等緊急雇用助成事業の拡充や下請業者等の確保に向けた遠隔地からの参加にかかる経費の計上などの対策を講じてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、県外からの応援は困難な状況となりました。  さらに、激甚指定された令和2年災害の発生に伴い、早急な対応が必要となった箇所が多数生じました。  これらの要因から、特に被災箇所が多い地域におきましては、下請業者の確保が困難な状況が続き、工事の遅れが生じております。  このため、災害復旧事業が完成した他の地域の建設事業者に下請として参加してもらえるよう、建設業団体等を通じた協力要請の強化や工期短縮や省力化に資する二次製品の積極的な活用など、必要な対策を講じながら令和3年度中の完成を目指して全力で取り組んでまいります。 44: ◯質疑(恵飛須委員) 続いて質問いたします。再度災害防止のためのリスク管理についてです。  言うまでもないことですが、出水期や台風の時期など、毎年のリスクがあることですので、例えば平成30年7月豪雨災害と同じレベルの大雨が続いた場合の被害想定はどのように分析されているのか、復旧工事、改修工事により以前より強固になった箇所もあろうかと思いますが、急斜面や地盤の弱いエリア等はまだまだ存在するでしょう。  私たちはどの程度の雨なら大丈夫という言葉を受けることが安心につながりますので、平成30年と同程度の豪雨があった場合の被害想定についてお伺いいたします。  また、災害対応の体制について、業者も含めてどのように改善されているのか、現状を土木建築局長にお伺いします。 45: ◯答弁(土木建築局長) 平成30年7月豪雨により被災した箇所につきましては、被害の程度に応じて河川断面の拡大など抜本的な対策に加え、被災前の構造等にこだわることなく被害の発生要因を踏まえた工法等を選定し、質的改良等を図っているところであり、完成箇所については同程度の豪雨があった場合においても再度災害が防止されるものと考えております。  また、被災箇所以外におきましても、現況の災害リスクの総点検を行い、想定される被害の大きさ等を考慮し、適切な計画規模の設定及び事業実施の優先度評価を行うなど、効果的な事前防災を着実に進めているところでございます。  一方で、ハード整備には一定の期間を要することや施設整備の前提となる計画規模を超える災害が発生する可能性もあることから、逃げ遅れゼロに向けたきめ細かな防災情報の提供や災害リスクを考慮した土地利用の促進など、ソフト対策の充実強化にも取り組んでいるところでございます。  次に、災害対応といたしましては、異常気象時には雨量や河川の水位等を監視し、関係市町に対する洪水時の水位情報や土砂災害警戒情報の通知、道路の事前通行規制など万全な体制を確保するとともに、新たに関係機関とも連携し、県管理ダム等の事前放流の運用も開始したところでございます。  また、災害が発生した場合には、被害の調査や復旧に向けた測量・設計を迅速に行う必要があることから、測量・建設コンサルタント業界団体と、調査・設計に係る支援協力に関する覚書を昨年7月に締結したところであり、応急対応等をさらに迅速かつ円滑に実施できるよう、建設事業者との連携体制について充実、強化してまいります。  引き続き、ハード・ソフトが一体となったより効果的かつ効率的な防災減災対策を進め、県民の皆様の安全・安心が確保されるよう取り組んでまいります。 46: ◯質疑(恵飛須委員) 土木建築局長にもう1点お伺いいたします。  災害対策に係る新技術の活用についてです。  災害対策に有効な革新的なデジタル技術について積極的に活用すべきと考えますが、県としてどのような技術の導入を進めているのか、災害の発生前、発生後のそれぞれにおいて効力を発揮するものについて、どういった対策を講じようとしておられるのか、土木建築局長にお伺いします。 47: ◯答弁(土木建築局長) 現在、策定を進めている広島デジフラ構想におきましては、県民の安全・安心の向上等を目指す姿に掲げ、建設分野におけるデジタル技術を活用した40項目の取組案を取りまとめたところでございます。  このうち、災害発生前の対応といたしましては、道路や河川などの画像情報の充実やドローン等を活用した施設点検技術の確立、現在実証実験を進めている道路のり面の崩落予測技術の構築、洪水予測等の水害リスク情報の高度化など、公共土木施設の経年的な変状箇所の把握や災害発生の予測精度の向上に資する取組を進めてまいります。  また、災害発生後の対応といたしましては、被災直後に衛星・航空写真や3次元データ等を活用し、現地調査や測量等を効率化する仕組みの構築や復旧工事等におけるICT活用工事の実施による生産性の向上など、地域の復旧・復興の迅速化、効率化に資する取組を進めてまいります。 48: ◯要望質疑(恵飛須委員) 業者の方々も含めて懸命にこの3年間やってこられていることと思います。状況の変化があれば、県民の皆様にタイムリーに正確な情報を届けていただくよう、体制システム整備を引き続き充実していただくことをお願いして、この質問を終わります。  次に、単県事業として行われている海外ビジネス展開支援事業についてお伺いします。  農林水産省のデータによると、2030年にはアジアの飲食料市場規模は約800兆円にまで上り、日本の飲食料市場規模の約10倍になることが推計されていることや、日本はこの10年で人口減少・高齢化等による需要減に対し、アジアはこの10年で約1.9倍となることから見ても、海外市場への販路拡大、販売チャネルの開拓は急務であると考えます。県としても、民間企業の支援や海外進出する日系企業との連携、地元メーカーへの売り込みの支援、インフルエンサーの活用など、多様かつ継続的な取組をすべきだと考えます。  そこで、当事業のこれまでの実績と目指す姿についてお聞きします。  目標に掲げている海外との連携を通じた新しい価値を生み出すビジネス展開について、令和元年度の実績、令和3年度の目標はともに2件とあり少なく見えますが、件数として妥当なのでしょうか。  また、これまでどういった支援体制の下にどれぐらいの成果があったのか、具体的に事例を御紹介いただくとともに、今後の目指す姿について商工労働局長にお伺いします。 49: ◯答弁商工労働局長) 海外との連携を通じた新しい価値を生み出すビジネス展開につきましては、県内企業がシリコンバレーを中心とした海外企業が有する最先端の技術やノウハウ等の導入によって、これまでにない新たなビジネス展開をしていくことを目的として実施しております。  目標件数につきましては、世界最先端の技術等を導入することを目的としていることから、年間2件程度と設定したところでございます。  具体的には、本県では平成26年度から、県内企業と海外、とりわけ先進的なビジネスシーズを有するシリコンバレーの企業とのマッチングを図るため、米国の政治経済分野の日系人リーダーを中心とした団体である米日カウンシルの協力を得て、現地企業との個別商談等のビジネス展開支援に取り組んでまいりました。  令和元年度までの6年間で延べ94社の県内企業がマッチングに参加し、13件の業務提携等が成立しております。内容といたしましては、シリコンバレー企業が持つ最先端のIoTやAIの技術を導入して検査工程の自動化を図った事例や、生産設備からデータをリアルタイムで収集、解析する技術を導入し、生産ライン監視サービスを新たに開始した事例など、ビジネスに直結した提携が図られているところでございます。  このように、海外企業が有する最先端の技術やノウハウの導入等により、県内企業が次々とイノベーションを創出し事業展開を図っていくことで、県経済のさらなる発展を目指してまいります。 50: ◯質疑(恵飛須委員) 続いて、海外への進出や販路拡大に向けた支援の体制についてお伺いします。  県は様々な関係機関のハブとなり、成功のロールモデルをいち早く量産していくことが求められる役割だと考えますが、現在の具体的な課題とともに、支援体制の目指す姿について商工労働局長の御所見をお伺いします。 51: ◯答弁商工労働局長) 国内マーケットの縮小や経済のグローバル化が加速する中、今後とも県経済を発展させていくためには、県内企業の海外展開を促進していくことが極めて重要であると考えております。  このため、本県では平成23年度に他県に先駆けて海外ビジネス課を設置し、海外拠点を有するジェトロやひろしま産業振興機構と連携し、海外展開を希望する県内企業を集めて、海外企業との商談機会の設定などの支援を幅広く行うとともに、本県に強みがあり、今後海外市場の広がりが期待できる環境浄化分野や日本酒などについては、先進的なロールモデルとなる企業を輩出できるよう、県が重点的に支援しております。  こうした取組により、県内に本社を置く企業の海外事業所数は、平成23年度の431事業所から令和元年度には610事業所に増加しており、海外展開は着実に進んでいると考えております。  一方、海外企業や他の日本企業との競争は年々激しさを増しており、県がより効果的な支援を行っていくためには、広島らしさにフォーカスした取組を行っていくことが必要であると考えております。  このため、来年度からは新たに、食品分野において日本一の生産量を誇り、県内に関連事業者が多く、輸出の伸び代もあるカキを重点品目として、広島のブランドイメージを向上させることも含めて、海外展開支援を重点的に取り組むこととしております。  今後とも、ジェトロ等の支援機関と緊密な連携を行い、広く県内企業の海外展開を支援するとともに、本県の強みを生かして、県内企業のさらなる海外展開や販路拡大を牽引してまいります。 52: ◯要望質疑(恵飛須委員) 潜在的に海外展開をもくろんでいながら、やはり個の単体で海外市場に乗り入れるのはなかなか難しいところもございますので、そうした潜在的な企業を掘り起こすということも引き続きお願いしたいと思います。
     続いて、高度デジタル人材の戦略的な獲得について質問いたします。  企業は人なりという言葉のとおり、事業運営において人材育成、人材の獲得はあらゆる業種、業態にあっても最も重要な位置づけであるとされています。県も高度デジタル人材の育成、集積においては力を入れた取組を行っていると認識していますが、とりわけDX分野でのAI等に係る高度デジタル人材は、その多くが米国、中国、欧州、一部の東アジア圏を中心に既に集積が進んでおり、世界中の技術者を各国が取り合う状況にあります。もちろん時間をかけて育成していくことは重要ですが、技術革新のスピードはそれを超えるスピードであることを物語っています。  昨年、委員会で視察を行った福岡のベンチャー企業では、AIによる独自の画像処理技術によって超高精度で迅速な病理診断を可能にする病理画像診断の解析システムを開発しており、これは、これまでがん細胞の発見から治療に入るまで数か月以上かかっていたものを、スクリーニング技術により劇的に病理診断の時間短縮を実現し、病理医不足という根本的な課題に対する出口戦略を示すものとして注目されています。そこで私が質問した内容は、どうやってこうした高い技術を持つ人材を自社に集めることができたのかというものでした。回答は、国内で探しても間に合わないから世界に人材獲得の網をかけて高度な技術を備えた社員を募集したというものでした。そのようなことから、私もこの分野に関する人材市場を調べましたが、国内では、どこの企業、自治体もスペシャリストの獲得に苦慮しているというのが実情ではないでしょうか。  ついては、広島県においても、内部外部を含めたDX分野の推進機関において、海外も含めた人材の網かけを行い、早期のロールモデルとなる高度デジタル人材を獲得し、OJTの中で世界のスピードと技術を感じながら、育成も並行して行うスタイルに積極的に挑戦されてみてはいかがかと思いますが、現状の取組とともに知事の御見解をお伺いします。 53: ◯答弁知事) 企業や行政等がDXを実践するためには、デジタル技術やデータに精通した高度デジタル人材の確保、育成が急務であると考えております。  具体的には、即戦力となる高度デジタル人材の国内外からの外部登用や、高度デジタル人材との協業等を通じた内部人材の育成を行うと同時に、専門性を評価する仕組みや継続的に新しい技術を習得する仕組み、リカレント学習ができる仕組みなどの構築も必要であると考えております。  このため、県におきましては、令和3年度からデジタル技術等の専門知識を有する情報職を積極的に採用していくとともに、広島県DX推進コミュニティの活動の中で、県内企業等に必要なDX人材像を明らかにし、人材の所在や確保、育成方策、その役割分担などを整理していくこととしており、こうした取組の結果を共有していくことで産学金官が一丸となって、本県に必要なDX人材の確保、育成に取り組んでまいります。 54: ◯要望(恵飛須委員) 最後に、県では今年からグローバルイノベーション事業として、インド最大級のスタートアップインキュベーション施設、T-Hubとの連携事業があり、私もこれには大きな期待をしておりますので、視座を高くチャレンジされることをお願いし、本日の質問を終わります。    休憩 午後0時4分    再開 午後1時30分   (宮本委員) 55: ◯質疑(宮本委員) 皆さん、こんにちは。広志会の宮本新八です。質問時間が2日間にわたっておりますので、本日は中山間地域の観光振興について質問させていただきます。  初めに、内陸地域の観光振興についてであります。  本県は県土の約7割を中山間地域が占め、豊かな自然環境に恵まれた中国山地や瀬戸内海の多島美を誇る島嶼地域に多様な文化を有しております。沿岸地域については、その全域が瀬戸内海国立公園に指定されており、風致景観の保全が図られながら、宮島やしまなみ海道、大久野島などを中心に日本有数の観光地として国内外から多くの人が訪れる場所となっております。  参考に、瀬戸内海国立公園の直近の10年間の利用者数の推移を見てみますと、平成22年の約550万人から令和元年は約740万人と約190万人の増加となっております。一方、内陸地域を見てみますと、本県には西中国山地国定公園と比婆道後帝釈国定公園の二つの国定公園がありますが、その利用者数は平成22年の約115万人から令和元年の約87万人へ、約28万人減少しております。これらの数値は関係市町からの報告によるもので集計方法も異なっており、単純に比較することはできませんが、沿岸地域と内陸地域の差は10年間で約220万人も広がっているということができます。  県はこれまで沿岸地域の観光振興にかなり力を入れてこられました。このことについて、先日の定例会で知事は、「瀬戸内 海の道構想」の取組により、経済波及効果は約2,500億円の増加があったと説明されております。一方、内陸部はどうでしょうか。私はかねてから内陸地域の観光振興を強く要望してきましたが、この10年間、イベントの実施はあったものの、県の施策による変化をさして実感できておりません。これは、私だけではなく内陸地域に暮らす多くの県民も同様であると思います。  そこで、沿岸地域と内陸地域における観光振興の差が広がっている状況を踏まえて、今後の内陸地域における観光振興の在り方をどのように考えているのか、知事にお伺いします。 56: ◯答弁知事) 本県の内陸地域におきましては、2つの国定公園をはじめとした自然景観のほか、地域で継承されてきた神楽や壬生の花田植え、三次の鵜飼い等の伝統行事や文化、本州最南端に位置するスキー場など、魅力的な観光資源が豊富に存在していると認識しております。  海の道構想は、内陸部を含む県内全域に幅広く経済波及効果をもたらすことを狙いとしているものであり、サイクリング、食、宿、体感ツーリズムなどのテーマに沿った新たな魅力の創出に取り組んできたことなどにより、県内全域の波及効果は約2,500億円増加するとともに、内陸地域における令和元年の観光客数は10年前と比較して、約10%増加したところでございます。  内陸地域における近年の取組といたしましては、西中国山地を周遊するサイクリングルートの開発支援のほか、神社の境内で味わう山里料理と夜神楽ツアーや、夏のスキー場における電動アシストつきマウンテンバイクを活用したアクティビティーなどの観光プロダクト開発を進めているところであり、内陸地域の価値の高まりを受けて、せとうちDMOによる古民家を改修した宿泊施設の開業など、新たな事業展開にもつながっております。  こうした中、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う観光ニーズの変化から、屋外施設や自然体験に対する関心が高まり、令和2年1~9月の推計では、芸北エリアは前年を上回る観光客数となるなど、内陸地域の観光資源の重要性はさらに高まったと認識しているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、自然を生かしたキャンプやアクティビティーのほか、暮らしの中で培われた文化など、内陸地域ならではの観光資源を活用した数多くの観光プロダクトを開発し、そうした情報をターゲットに応じて効果的に発信していくことなどにより、引き続き市町や観光関連事業者等と連携して内陸地域の観光振興に取り組んでまいります。 57: ◯要望質疑(宮本委員) 今、知事が答弁の中で、海の道構想が内陸部にも波及しているのだと言われましたけども、あまり実感が湧いておりません。何とぞ内陸地域のほうにも力を入れて進めてほしいということを要望しておきます。  次に、野外レクリエーション施設の利用促進についてであります。  本県には、もみのき森林公園や現在休業中の県民の森など、県民が気楽に自然と触れ合えるように県が設置した野外レクリエーション施設が4か所あります。これらの利用者数の推移を見てみますと、平成6年の約114万人をピークに減少傾向となっており、平成17年度に70万人を下回ってからは、ほぼ横ばいで推移しています。整備直後は利用者数が増えても、その後設備のリフレッシュなどが十分でない。造ったら造りっ放しの状態になっているのではないでしょうか。これでは時代のニーズに合わず、利用者数も伸びようがありません。  そこで、コロナ禍によるキャンプ場など野外施設の利用増加が見込まれる中、老朽化が進む野外レクリエーション施設の利用促進を図るため、今後どのような取組を行っていくのか、環境県民局長にお伺いします。 58: ◯答弁(環境県民局長) 野外レクリエーション施設の利用を促進していくためには、適切な維持管理や利用者ニーズに応じた魅力向上が重要なことから、年2回の定期点検や日常点検を実施し、施設、設備の修繕を行っているほか、トイレの洋式化や浴室などの計画的な改修に取り組んでいるところでございます。  来年度は、こうした取組に加え、県民の森において老朽化した建物を撤去するほか、もみのき森林公園において民間のノウハウを活用した施設の見直しを進めてまいります。  今後とも、地元市や指定管理者と連携し、施設や設備の老朽化に適切に対応するとともに、利用者ニーズの変化に柔軟に対応することで多くの県民の皆様の利用につなげてまいります。 59: ◯要望質疑(宮本委員) これから民間の考えを酌み取っていく、民間と一緒になってやっていくと言われますけれども、確かに民間の施設は利用者のニーズに沿っていろいろ変えてこられております。県の施設についても、その辺はしっかりと事業者のニーズを把握しながら進めていただくことを要望しておきます。  次に、少し個別な問題になりますけれども、三段峡の観光資源としての価値についてお聞きいたします。  三段峡は、全国で36か所しかない国の特別名勝であり、中でも、峡谷、渓谷の部においては、全国で6か所だけ、西日本では唯一の指定となっております。また、平成27年2月には、フランスで非常に権威のある旅行専門誌ブルーガイドにおいて、世界遺産の宮島や原爆ドームと並んで最高格付である三つ星を獲得したことで、外国人観光客も年々増加しております。近年では、正面口近くの黒淵でカヤックやSUPといった新たな楽しみ方を提案する事業者や、三段峡の魅力向上に取り組んでいるNPO法人など新たなプレーヤーの参入もあり、今後本県の観光振興における重要な観光資源に位置づけられると考えております。  そこで、県として、観光資源としての三段峡をどのように評価しているのか、また、その価値や魅力をどのように発信していこうと考えているのか、商工労働局長にお伺いします。 60: ◯答弁商工労働局長) 三段峡は、西日本有数の清流・峡谷美などの自然やそれらを活用したアクティビティーなど魅力的な観光資源を数多く有しており、県内外の幅広い世代の観光客のみならず外国人観光客からも人気があることに加え、コロナ禍において、自然やアウトドアなどのニーズが高まっていることから、県内周遊を促進し観光消費額を増加させていく上で、重要な観光資源であると認識しております。  こうした三段峡の価値や魅力につきましては、まず国内におきましては、各ターゲット層のニーズに応じた季節ごとの情報をきめ細かく発信することとしており、例えば、遊歩道の散策を好む層に対しては新緑、紅葉などの情報を、アクティビティーを好む層に対してはカヤックなどの体験プログラムの情報を、県観光ホームページやSNS等を通じて戦略的に発信してまいります。  さらに、旅行専門誌で高く評価されるなど、認知度も向上している海外におきましても、新型コロナウイルス感染症の収束後も見据え、デジタルマーケティングを活用した効果的なプロモーションに取り組んでまいりたいと考えております。 61: ◯要望質疑(宮本委員) 次は、三段峡の魅力向上の取組についてお聞きいたします。  三段峡の観光資源については、先ほど商工労働局長から説明があり、また高い評価を頂きました。そして、いろいろな情報発信をしていくという答弁も頂きました。しかしながら、そういった情報を踏まえて実際に三段峡に来ていただいても、受入れ環境や現地での体験がよいものでなければ、かえって期待を裏切る格好となり、評判を落としてしまうおそれもあります。受入れ環境のうち、トイレの改修については、私が以前、工事の早期完了を要望させていただきましたが、その後、黒淵のトイレは平成30年度に完成し、水梨口のトイレについては、現在建て替えを進めていただいており、そのことについては感謝を申し上げたいと思います。また、引き続き、この完成、そして早期の供用開始に向けて取り組んでいただきますようお願いいたします。  一方、先ほど商工労働局長のほうから、情報発信の中でも季節に応じた情報発信をしていくとありました。しかし、峡内を散策するための遊歩道については、落石による破損や老朽化などが進んでおり、歩きにくさや転落の危険を感じるような場所も点在しております。そういった危険な遊歩道の改修について、魅力向上に向かって今後どのように取り組まれるおつもりなのか、環境県民局長にお伺いいたします。 62: ◯答弁(環境県民局長) 三段峡の遊歩道につきましては、毎年春に、地元の安芸太田町や観光関係団体と連携し、遊歩道の一斉点検を実施するとともに、利用者が増加する夏休みや紅葉シーズンの前には、点検頻度を高め、修繕が必要な箇所の把握と対応を行っているところでございます。  また、台風や大雨といった悪天候の後には、職員が遊歩道の緊急点検を実施し、安全確認や修繕等の必要な対応を講じております。  このほか、落石等の予防措置といたしまして、計画的に遊歩道やのり面の安全対策工事を実施しているところであり、来年度は、竜ノ口付近で、遊歩道に崩落するおそれのある不安定な岩塊の安定化を図る工事を行うこととしております。  引き続き、地元の皆様と連携を図り、遊歩道等の適切な維持管理や安全対策に努めてまいります。 63: ◯要望質疑(宮本委員) 先ほど局長のほうから、落石等の後、点検や整備をする、あるいは防災といったことも言われました。実際、三段峡内で一旦落石等が起きれば、皆さんに来ていただくよい時期のときに、長期間にわたって通行止めにしなければならないという状況になります。そういった意味で先ほども防災という言葉がありましたけれども、落石等々の災害が起きる前にしっかりと防災対策を地元の方々と相談しながら行ってほしいということを要望して、次の質問に入ります。  三段峡の魅力向上に向けて、今度は地域づくりの観点から質問させていただきます。  三段峡正面口周辺は観光地としての顔を持つ一方で、柴木地域という生活の場でもあります。このため、周辺地域の活性化に向けて様々な取組をしていくためには、観光事業者という縛りだけでなく、地元に誇りと愛着を持つ地域の方々の協力が必要であります。現在、安芸太田町や北広島町など、住民有志で設立されたNPO法人三段峡-太田川流域研究会を中心に、寂れてしまった正面口の店舗を改修することで、かつてのにぎわいと周辺住民の誇りを取り戻そうという取組が進められております。  そこで、県として、地域の将来像を描く協議に一緒に加わるなど、三段峡周辺地域の活性化に向けた取組を積極的に支援していく必要があると思いますが、地域政策局長の御所見をお伺いいたします。 64: ◯答弁(地域政策局長) 国の特別名勝である三段峡は、第一級の観光資源であり、こうした地域ならではの資産を強みとして積極的に生かしていくことは、地域の価値を高め、住民の方々の地域に対する愛着や誇りを深めるという点で大きな意義を有していると考えております。  このため、県におきましては、平成30年度にさとやま未来円卓会議を立ち上げ、市町や大学、経済団体、金融機関などと連携し、こうした地域づくり活動を支援しております。  委員から御紹介がありましたNPO法人三段峡-太田川流域研究会につきましても、令和元年6月に、この円卓会議で活動を御紹介いただき、会議構成メンバーからプロジェクトの継続的な展開に向けた助言などを行い、これを契機として広島大学との共同研究や、近隣に自社施設を持つ民間企業との連携交流などにつながっているところでございます。  来年度は、地域づくり活動を継続的に支えていくため、新たに地域づくり活動を行う団体に対し、地域貢献に関心の高い企業から幅広く支援を募るための仕組みづくりに取り組んでまいります。  これらの取組を通じて、引き続き三段峡周辺地域の活性化を後押ししてまいります。 65: ◯要望(宮本委員) 次に、道路ネットワークについてお聞きしようと思ったのですけれども、もう時間がなくなってまいりました。観光資源をつなぐ道路、あるいは都市部と観光資源をつなぐ道路の整備は大変必要だと感じております。公共事業をめぐる予算は大変厳しいものがありますけれども、それらの確保については次回の質問にさせていただきます。以上で質問を終わります。   (栗原委員) 66: ◯質疑(栗原委員) 公明党広島県議会議員団の栗原俊二でございます。  新型コロナにより、県内では103名の方がお亡くなりになられました。心からお悔やみを申し上げたいと思います。そして、感染された方々には心よりお見舞いを申し上げます。また、新型コロナの感染拡大防止に関わっていただいている全ての皆様に感謝を申し上げます。新型コロナの収束には二、三年かかるとの見解が示されておりましたけれども、1日も早く収束の日を迎えることを願いながら、早速質問に入らせていただきます。  質問の第1は、旧広島陸軍被服支廠について、2点お伺いいたします。  これまで公明党は、広島市内に現存する世界最大の被爆建物の旧広島陸軍被服支廠について、一貫して全棟保存を訴えてまいりました。そして、今次定例会において、知事は、旧広島陸軍被服支廠に関して、専門家からの国の重要文化財級の価値に相当するとの意見を踏まえて、建物の解体を俎上にのせるのは適当ではなく、現行方針案の見直しを含め最終的な方向性を検討、整理すると答弁されております。これまでの方針案から一定の前進でありまして、私は評価に値すると思っております。  そこで、ここで示された方針の今後の進め方について具体的にお伺いしたいと思います。  まず、国や広島市とのオープンな協議の場をできるだけ早く開始すべきであると思いますが、協議の開始に際しましては、いつ頃、どういった条件が整えば始まるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 67: ◯答弁知事) 旧広島陸軍被服支廠に関する国や広島市との協議につきましては、平成28年度に、広島市の提案を受けて三者共同で設置した研究会において議論を行ってきたところでございます。  本年1月に、研究会の場で詳細調査の結果の説明を行ったところ、その後の協議において、県から利活用や保存棟数などの具体的な方向性が示されれば、費用負担を前提とした協議へ参画する旨の回答を得たところであり、このことにつきましては、2月に県議会に御報告したところでございます。  引き続き、この研究会の場において県議会の皆様との議論を踏まえつつ、利活用などの方向性について、国や市に当事者の立場で参画いただきながら議論を進めてまいりたいと考えております。  こうした状況につきましては、節目節目に議会に御報告しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。 68: ◯質疑(栗原委員) 次に、県の方針案の提示については、最終的な方向性を検討、整理するとの答弁でしたけれども、被爆者並びに被服支廠保存に関わってきた方々は高齢でありまして、1日も早い結論を望んでおられます。当事者の年齢を考えると、期限のない先送りは許されません。  そこで、県は今後の方針案の提示時期の目途を示すべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  さらに、今後の進め方全般にわたってロードマップを早急に示すべきではないかと考えますが、併せて知事にお伺いいたします。 69: ◯答弁知事) 旧広島陸軍被服支廠につきましては、今後、利活用策や安全対策の検討を進め、県の最終的な方向性を検討、整理してお示ししたいと考えております。  まず、利活用策につきましては、詳細調査でお示しした利活用の3パターンなどから検討を進めて、その在り方を明らかにしてまいります。  また、建物の安全対策は、将来の利活用に支障がないこと、費用が低廉となる耐震補強工法を選択する必要があることなどの点から、早急に検討を行って対策の内容を整理してまいります。  こうした検討を進め、今次定例会における県議会の皆様との議論を踏まえ、スケジュールと併せて、1棟保存、2棟解体の現行方針案の見直しも含め、最終的な方向性を検討、整理してまいりたいと考えております。 70: ◯質疑(栗原委員) 質問の第2は、円滑なワクチン接種と今後の経済と感染防止対策との両立についてお伺いいたします。  新型コロナのワクチン接種の準備が各自治体で本格化しております。2月18日には県内でも医療従事者向けの接種が始まり、4月には高齢者の優先接種へと進みます。短期間にこれほど多くの方にワクチンを接種することはこれまで経験したことのない大事業であります。何としても成功させなくてはなりません。  県民への情報発信も重要で、ワクチンの効果や副反応、接種の時期と場所など、県民が知りたいことは多岐にわたっております。希望する人が安心して接種を受けられるよう正確な情報を迅速に届ける仕組みづくりは県の重要な役目であると思います。実施主体の市町も集団接種、または個別接種の採用、財政上の負担、ワクチンの配分量等の不安や課題を抱えております。  そこで、本県では接種をスムーズに展開するため、県民への情報提供や市町が抱える課題への対応等について、どのように取組を行っていくつもりか、健康福祉局長の御所見をお伺いいたします。  また、ワクチン接種開始後の社会経済活動と感染防止対策との両立について、どのような視点をポイントに取り組んでいかれるのか、併せて健康福祉局長の御所見をお伺いいたします。 71: ◯答弁健康福祉局長) 県民の皆様への情報提供につきましては、新聞やSNSといった各種媒体を活用し、接種開始時期やワクチンの効果と副反応などを広く周知するとともに、市町と共同で設置したコールセンターにおいて、一般相談から専門的相談まで一元的に対応することにより、県民の皆様が安心して接種していただけるよう努めてまいります。  また、市町からは、ワクチンの供給量や配分時期が十分見通せない状況の中で、スケジュールが定まらないため、会場や医療従事者の確保が困難であるといった課題をお聞きしているところであり、県としましては、医師会や薬剤師会、看護協会など関係団体に医療従事者の確保について特に依頼するなど、市町が円滑に接種を進められるよう支援を行っているところでございます。  ワクチン接種の効果が見られるまでの間は、引き続き感染拡大防止対策の徹底により感染状況を低く抑え込み、社会経済活動の早期回復に向けて全力で取り組んでまいります。 72: ◯質疑(栗原委員) 質問の第3は、コロナの影響で臨床実習不足の看護職員の支援についてお伺いしたいと思います。  新型コロナウイルスの感染拡大で人手不足が課題となった看護職員ですが、今春から仕事に就く新人看護職員から不安の声を伺いました。資格取得には医療現場で一定の臨床実習が必要ですが、今年度はコロナ対応に追われる医療現場の実習の受入れ中止や人数制限があったため、臨床実習の経験が少ないまま現場に立つことへの不安です。今年度は臨床実習の経験が少ないため、患者の生の反応や現場の臨場感等、一定期間実習に出ることで得られる継続的、そして統合的な学び等が不足する状態での就業開始が想定されます。こうした影響は新人看護職員の早期離職や指導する現場の看護職員の負担増等につながり、安定的な看護職員確保を妨げる可能性があるとの指摘があります。  そこで、既存の新人看護職員の研修を拡充するか、あるいは新たに卒後のフォローアップ研修事業を立ち上げるか、何らかの手だてを検討すべきと考えますが、健康福祉局長の御所見をお伺いいたします。 73: ◯答弁健康福祉局長) これまで、新人看護職員を対象とした研修につきましては、院内における研修責任者の配置などに対して助成を行うほか、広島県看護協会に委託して、中小病院や診療所等の新人職員を対象に集合研修を実施しております。  また、来年度におきましては、コロナの影響により新人看護職員の臨床実習経験が少なくなるものと想定されることから、模擬的な研修に用いるモデル人形を3体に増やすなど、研修体制を拡充することとしております。  さらに、臨床現場での経験不足を補うことを目的とした卒後フォローアップ研修につきましては、国の事業の活用も視野に、その実施について検討してまいりたいと考えております。 74: ◯質疑(栗原委員) 質問の第4は、プレミアムつき商品券の発行についてでございます。  令和3年1月に広島商工会議所により実施された広島の景気観測によると、景気の状況を示す指数は昨年12月と比較して15.2ポイント低下しております。これはGotoトラベルの一時停止や新型コロナ集中対策などによる影響があると推測されますけれども、新型コロナの収束には依然として時間を要する見込みであり、もう一踏ん張りが必要であります。  一方、東京都では令和3年度予算において、コロナ禍の影響を受ける都民の生活を応援する最大30%のプレミアムつき商品券を発行する市町村に対して、125億円の財政措置を行うことを決めました。  そこで、新型コロナ感染症拡大により大きな影響を受けた地元の企業や商店街等を支援し、地域経済を回復させるため、本県においてもプレミアムつき商品券を発行する市町に対する財政支援を検討してはいかがと考えますが、商工労働局長の御所見をお伺いいたします。 75: ◯答弁商工労働局長) プレミアムつき商品券につきましては、市町の地域経済活性化に向けた消費拡大や誘客促進として、市町それぞれのコロナ禍の影響に応じた対象業種に対して実施されているところでございます。  県におきましては、全県的な取組が必要な経済対策といたしまして、これまで、3万社を超える県内事業者への金融支援や国の雇用調整助成金の申請費用に対する補助などの取組により、県内事業者の事業継続と雇用維持を支えるとともに、ウイズ・アフターコロナを見据えた新たなビジネスモデル構築などを進めてまいりました。  今後の県の支援策につきましては、感染状況や財政状況も踏まえながら全県的な観光誘客の促進に取り組むとともに、国、県、市町のこれまでの支援策の活用状況や成果、県内事業者の現状や課題などについてスピード感を持って把握、分析し、検討してまいります。 76: ◯質疑(栗原委員) 質問の第5は、コロナ禍における中小事業者支援についてお伺いいたします。  政府は、コロナ禍で一定程度売上げが減少した中小企業、小規模事業者が、新分野開拓や業態転換を進める際の新たな設備投資などの支援として、最大6,000万円を補助する事業再構築補助金を創設いたしました。深刻な影響を受けた企業には、補助割合を3分の2から4分の3に引き上げる特別枠も設けられております。コロナ禍が収束すれば日本経済は上向くと見られます。それまでの間、苦境にある中小事業者を県はしっかり支える必要があると考えます。  そこで、中小事業者が安心と希望を持って果敢に事業に挑戦できるよう、国の取組を参考にするなどして、支援策の抜本的強化を進めるべきと考えますが、商工労働局長の御所見をお伺いいたします。 77: ◯答弁商工労働局長) コロナ禍の影響を受けた中小事業者への支援といたしましては、これまで感染拡大の状況を踏まえながら、事業継続と雇用維持を支える短期的な取組、経済活動の安定的発展に向けた中長期的な取組を適時適切に進めてまいりました。  特に今後のウイズ・アフターコロナを見据えた中小事業者の新分野開拓や業態転換に向けましては、企業の事業継続に向けた新事業の展開や業態の抜本的転換を後押しするための経営コンサルタントの派遣などによるプッシュ型支援、新しい生活様式に適応する新たな製品やサービスの創出を目指すひろしまサンドボックスの実証プロジェクトや、ものづくり企業の持続的な発展の原動力となる研究開発への支援などの取組を進めているところでございます。  また、支援策の充実強化に向けましては、引き続き、中小事業者の現状や課題をスピード感を持って把握、分析し、今後の支援策に反映するとともに、状況に応じた国への要望を行うなど、市町や関係団体ともしっかりと連携し、県経済の安定的発展に向けて、必要な取組を適時適切に実施してまいります。 78: ◯意見要望(栗原委員) それでは、最後に意見を申し上げておきたいと思います。  新型コロナに関連した差別や偏見が今も続いております。あってはならないことと強く申し上げておきたいと思います。日本医師会には全国から多くの被害報告があり、この中には、医療従事者の家族も含まれております。具体的な内容を見ると、医療従事者は、保育園などの利用を拒まれた、美容院の予約を受け付けてもらえなかったなどの不当な扱いを受け、家族は、学校や職場で暴言を受けた、保育所や学校内で子供が隔離されたといった被害に遭っております。コロナ治療の最前線で奮闘を続ける医療従事者に加え、その家族もつらい思いをしている現状は看過できません。医療従事者以外でもクラスターが発生した学校がSNS等で標的となったり、感染したことを理由とした解雇や、回復したにもかかわらず職場復帰を認められないケースもあると聞きます。コロナ禍の長期化による不安やストレス、感染症に関する誤解が差別や偏見の背景にあることが指摘されておりますけれども、だからといって誹謗中傷や不当な扱いは断じて許されません。
     県は、感染者やその家族、医療従事者らへの差別を防ぐため、実効性ある対応策を一層強化していただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。   (平本委員) 79: ◯質疑(平本委員) 自由民主党広島県議会議員連盟の平本英司です。私の信条として、一度課題に感じたことは納得いくまで挑戦していきたいという思いがありますので、令和元年に質問させていただいた内容を中心に質問させていただきたいと思います。  まず、広島空港へのアクセス向上について伺います。  2月定例会開会日に、湯崎知事から議案提案理由の説明がありました。その中で、私が注目したのは各項目における行数です。知事の思いが強ければ強いほど行の数も多いと感じたからです。一部、例を挙げさせていただきますと、観光が9行、環境が11行、平和が19行と少し多めで、広島空港は3行と少し少なめでした。その3行の中で知事が述べられたのは、本年7月から民営化が予定されている広島空港の機能強化を図っていくということです。  機能強化の中にはアクセス向上が最上位に含まれることは言うまでもありませんが、先月12日の建設委員会で、「広島県道路整備計画2021」案が示され、物流生産性向上の道路ネットワークの構築に向けた取組として、広島中央フライトロードが調査等として位置づけられました。また、同日に行われた「社会資本未来プラン」の集中審議の中で、我が会派から、10年計画となっている社会資本未来プランにおいても広島中央フライトロードを位置づけてほしいと要望したところ、今月の建設委員会において、プランにおいても道路整備計画と同様に記載することが報告されたところです。  広島中央フライトロードは、広島空港北のアクセス向上を図る上で欠かせない事業であることは間違いないと思いますが、広島中央フライトロードの整備に向けて、今後どのようなスケジュールで事業を進めようと考えておられるのか、お伺いします。  2点目は、東西アクセスについてです。  山陽自動車道で事故などが発生した場合、発着時間までに広島空港へ確実に到着できないことから、県東部では岡山空港、県西部では岩国錦帯橋空港を利用されている方が多いと伺っています。また、JRを利用しても白市駅からは、乗換えの待ち時間が長くなることや、本郷駅からは路線バスが出ておらずアクセスが悪いことから利用者が少ないと伺っています。  民営化を目前に控え、東西アクセスの利便性向上についてはどのように考えておられるのか、併せて知事にお伺いいたします。 80: ◯答弁知事) 広島中央フライトロードは、広域的な空港アクセスの強化を図る地域高規格道路であり、その延伸につきましては、広島空港の民営化など近年の周辺環境の変化等を踏まえ、次年度からの社会資本未来プランにおいて調査等を進めていくことといたしました。  今後の事業の進め方といたしましては、相当な事業費と期間を要する大規模な事業になることから、予備設計や需要調査、効果分析等の調査検討や、地域高規格道路の整備区間の指定に係る国土交通省との調整など、事業着手に向けて必要となる調査や手続を着実に進めてまいりたいと考えております。  また、県東部、西部からの空港アクセスの利便性向上につきましては、広島高速5号線及び一般国道2号東広島・安芸バイパスの早期整備や、白市ルートの強化による広島都市圏からのアクセスのトリプルウエー化を推進するとともに、一般国道2号福山道路の整備など備後圏からの道路アクセスの強化を着実に進めているところでございます。  あわせて、今後は空港リムジンバスの新たな路線開設やデマンド交通の導入に加え、MaaSの本格的進展を見据えた交通手段の拡充など多様なアクセス手段の確保に取り組むとともに、山陽自動車道の事故、渋滞防止対策など、東西方面の広島空港利用者の利便性向上に資する総合的なアクセス対策を関係機関と連携して推進していくこととしております。  県といたしましては、民営化後におきましても、空港アクセス強化につきまして主体的な役割を果たしつつ、広島国際空港株式会社など関係機関と緊密に連携し、広島空港の利用者がより広域的に便利で快適に移動できるアクセスネットワークの構築に積極的に取り組んでまいります。 81: ◯要望質疑(平本委員) 広島中央フライトロードの実現は、空港北のアクセス向上につながり、将来、本県と山陰各地域の産業競争力の一体的な強化や観光振興にもつながり、さらには大規模災害時における緊急輸送道路として、県境を越えた地域活動の連携が促進されるなど、大きな効果を発揮されるものです。また、島根県の10市町の首長が賛助会員となっている広島空港北アクセス道路推進協議会からも、広島空港の東京便が多いことから、出雲空港等と併用して利用したいという御意見があったとも伺っています。広島空港を中心とした道路ネットワークの整備は県内外から求められていますし、中山間地域に住む皆様の何より希望となる事業です。早期の実現をお願いして、この質問を終わります。  次に、東西アクセスについても、何年も課題は認識されているものの、具体的な対策が講じられていない状況です。いずれにしても、早期の実現に向けてお願いしたいと思います。  続いて、スマート農業による農家への影響についてお伺いいたします。  生産性の高い持続可能な農林水産業の確立に向け、スマート農業の実装等を通じた生産性の向上を図るとともに、経営力の高い経営体の育成を進めていくとあります。確かに、スマート農業が確立され、安価で農業者が設備投資できるようになれば、効果は抜群だと思います。しかし、県内の販売のあった農業者数は、個人農家2万5,682人、農事組合法人257団体、株式会社が282社となっており、その大半は個人農家によって支えられているのが現状です。まず、現時点でスマート農業を確立されたとしても、費用面から導入できるのはごく一部の農業者で、利益の上がっている団体や個人だけです。県内の農業の発展になっても、県内の大半を占める個人農家が抱えている課題解決にはなりません。  私は、農業者の皆様とお話しする中で、現在の農業の一番の課題は、個人から法人への移行、作付面積の拡大だと感じました。このことを急がなければ、よほど希少価値の高い農産物を作らない限り、生計を維持していくのは困難であり、生計が維持できなければ若い人が後継者として参入してくることもなく、休耕田は増える一方で、鳥獣対策や草刈り等もできないと思います。  以上のことを踏まえ、スマート農業が個人農家に対して、どのような利益をもたらすと考えているのか、その可能性について伺います。  また、作付面積の拡大について、現状の課題をどのように捉え、個人から農業法人への移行、農業法人間の統合など、克服するための取組についてどのように考えておられるのか、併せて農林水産局長にお伺いします。 82: ◯答弁(農林水産局長) スマート農業は、高齢化が進む個人農家などの農業経営において大きな負担となっている農薬散布や畦畔管理などの作業の省力化を図る上で有効な手段であり、全国でドローンなどのスマート農業機械の開発、導入が進められております。  しかしながら、コストが高額であることから個人農家の負担軽減を図る目的に、機械の共同利用の仕組みづくりや作業受託組織の育成など、関係機関・団体と連携しながら普及を進めているところでございます。  一方、担い手が法人化を進めるために、作付面積の拡大を図る上では、労働力の確保に加えて、安定生産に向けた栽培管理技術の導入が求められております。  このため、ひろしま型スマート農業推進事業により、中山間地域においても作業効率を高める技術の開発を進めるとともに、ビッグデータを活用した環境制御技術の導入を図るなど、スマート農業を有効に活用しながら企業経営を目指す担い手の育成に取り組んでまいります。  また、一部の集落法人では、構成員の高齢化による労働力不足に対応した経営統合も検討する一方で、まずは法人間で連携して、ドローンや自動草刈り機の導入を図るなど、継続して生産活動が行える取組を進めてまいりたいと考えております。 83: ◯要望質疑(平本委員) 今、共同利用という言葉があったと思うのですが、個人農家の収益性が低い理由に、例えばトラクター等の個人所有が挙げられると考えていますが、なぜ、それぞれで所有するのかは、トラクター等を使用するタイミングがいつも同じになってしまい、皆さんが個人農家で持たないといけなくて、シェアしたくてもできないというのが理由の一つに挙げられています。  また、総務委員会で広島県農業技術センターのほうに視察に行かせていただきました。そのときに、トマトの生産現場を見させていただいて、とてもよい技術だとは感じてはいたのですが、やはりこれを個人農家に転用するのはなかなか難しいというのを実感したところです。というのも、個人農家の平均作付面積は2015年時点で74アール、平均年齢は70.2歳、個人農家の売上げは販売なしが12%、50万円未満が53%、50~100万円が18%、100~200万円が8%、200~500万円が5%、500万円以上がたったの4%という状況です。この農家の皆さんに、これからまた何年も借金をしてスマート農業を取り入れませんかと言っても、仮に共同利用にしてもなかなか進まないのではないかと思っておりますので、今日は要望にしておきますが、しっかりとその辺を農家に提案できるやり方というのを検討していただきたいと思います。  また、農地集積のことにちょっと触れさせていただきました。これにはやはり農地中間管理機構の役割というのがすごく大きいと認識しています。農地中間管理機構というのは、仲人役的なもので、農地を出したい人と農地を増やしたい人のマッチングをやる機関だと思うのですが、三原市において、この仕組みをちょっとお伺いすると、委託料が市町で約350~360万円とお伺いしました。今どのように運営されていますかと聞くと、臨時職員を1名採用しているとのことでした。正直、集積を急がないと幾らスマート農業を確立されても、利益が出る農業文化は確立できないと思います。となれば、集積を急ぐにはやはり農地中間管理機構の強化というところも今後の課題として、要望を受け止めていただきたいと思います。  続いて、障害者の支援の充実に当たり、特別支援教育ビジョン推進事業についてお伺いします。  障害者の自立は、県の財政面での利益はもちろんですが、地域や家族、周辺の方々へ勇気を与える効果があり、とても大切だと考えています。  このたびの予算説明の資料の中で、就職支援プロジェクトという項目に目が留まりました。そこには、清掃、接客、ワープロ、流通・物流、食品加工の5分野が記載されています。私はその中で、ワープロという記載を見て、本気で自立させたいと考えておられるのか、疑問を抱きました。平成24年に全国に先駆けて5分野の就職支援を開始したと伺いましたが、社会情勢が大きく変化する中で、毎年変更することなくこの5分野を挙げられていて、死語となりつつあるワープロという単語をいまだに使用されていることは考えられないことです。  私は、地域の障害というか特性を持たれた皆様とお会いし、お話しすることがたびたびありますが、個人個人と接しているととてもこの5分野に収まらず、たくさんの可能性を感じる方ばかりです。逆にこの5分野に絞ることで、可能性を閉ざしてしまい、自立の芽を摘んでしまうのではないかと危惧しています。  そこで、支援を受けた障害者のその後の就職状況や年収などを踏まえ、この事業が障害者の自立につながっていると評価できるのか、お伺いします。  また、5分野に絞ることなく、多くのことに、得意なことに挑戦できる仕組みに変えていくお考えはないのか、併せて教育長にお伺いします。 84: ◯答弁(教育長) 就職支援プロジェクト事業の技能検定につきましては、知的障害のある生徒に目標と自信を持たせ、働く意欲や知識、技能の向上を図り、企業等への就職を促すことを目的として、日々の授業において多くの生徒が学習できることや、さらに高い目標に向かって取り組むことができるよう、アビリンピックなどで実施されている分野等も参考に、全国でも最も多い5分野を選定し、実施しているところでございます。  就職に際しては、より安定した生活を送るための収入を得ることが望ましいと考えておりますが、まずは、技能検定の実施を通じて、これまで就職できなかった生徒が就職できるようになることを目指した取組を進め、就職率が向上しているところでございます。  また、目標達成を目指して諦めることなくチャレンジすることや、目標の達成による自己肯定感の醸成などにより、就職後の様々な事案に自信を持って立ち向かうことができる力が育成されるなど、障害者の自立にも大きくつながるものと受け止めております。  技能検定の実施分野の拡充、変更につきましては、近年の雇用情勢や多くの生徒が授業で学習できるかなどを踏まえて、生徒の持てる可能性を最大限引き出し、自立につながるよう、引き続き検討してまいりたいと考えております。 85: ◯要望質疑(平本委員) 私もこの課題に直面して調べていくと、現在、広島県の特別支援学校の就職率は全国で3番目、とてもいい数字で、1位が鳥取県、2位が東京都、3位が広島県と、とても頑張っておられると思います。私も保護者や子供たちに学校の状況はどうと聞くと、すごく先生たちがいい、本当に一生懸命子供たちの自立に向けて頑張っていただいているということはお伺いするのですが、やはり昨今、時代の変化とともに、仕事の内容というものがどんどん変わってきておりますので、今までの5分野に絞ることなく、やはりどんどん拡充していく必要があると思います。  そして、先生方も一生懸命されているのですが、大学を卒業されてからすぐに教職員となられている方がほとんどだと思いますので、なかなか社会の情勢、社会の仕事の状況というものを見る機会がないと思うのです。仕事の状況が分からないと子供たちにどういう支援が必要かということもなかなか分からないと思いますので、これはちょっと要望ですが、今後、教職員の先生方も、今、外でどんな仕事があって、何がニーズとして求められているかというのも含めて研修する機会を与えていただいて、今、広島県は就職率3位で惜しい広島県となっておりますが、一番を目指して頑張っていただきたいということを要望いたしまして、この質問を終わります。  続いて、障害者の理解促進についてお伺いします。  障害者の自立には、障害者本人の技能の向上と併せて、周囲の理解の促進も非常に重要となります。広島県では、令和3年度から知的障害者、精神障害者の職員採用を初めて実施されており、このことについてはとても評価したいと思いますが、私は、もっと採用者を増やして障害者の特性を理解すべきだと考えています。また、施設内に障害者の皆様の製品の販売が常時できる場所や絵画の展示なども積極的に行うなど、まずは心のバリアフリー化を進めない限り、県職員と障害者の距離を縮めることができないと思います。  そこで、県職員も含めた一般県民の障害者への理解を促進するため、職員採用や県庁施設内等での常設の製品の販売、絵画の展示を含めて、障害者と触れ合う機会をどのように拡大していくのか、知事の所見をお伺いします。 86: ◯答弁知事) 県ではこれまで身体に障害のある方を対象に108名の職員を採用するとともに、今年度から、新たに知的障害者、精神障害者の方を対象とした採用試験を実施したところであり、今後も募集を行うことを予定しております。  こうして障害者の方々を積極的に採用することにより、その能力を発揮していただくとともに、机を並べて協力して仕事をすることや、職場の環境改善、研修などを通じ、県職員の障害への理解がより一層進むものと考えております。  さらに、県民の皆様の理解を深める取組として、あいサポートアート展や市町巡回展示に加え、県民情報コーナーなどでアート作品の展示を行うとともに、紙屋町地下街シャレオに事業所製品を販売するアンテナショップふれ愛プラザを設置し、県庁本館や広島市役所においても、定期的に出張販売を行っているところであります。  引き続き、あいサポート運動の推進など、県民の皆様の障害への理解促進に努めるとともに、県庁舎や県立施設などを活用した作品展示や製品販売をさらに進めることに加えまして、ふれ愛プラザのネット販売機能を拡充するなど、県民の皆様が障害者と触れ合う機会の拡充に取り組んでまいります。 87: ◯要望質疑(平本委員) 県庁職員や県民の皆様が障害者の皆様の特性を正しく理解されることや、このようなこともできるということをしっかりと認識されることで、支援の内容の幅も、先ほどの教育の問題と含めて広がると思いますので、ぜひとも今の活動をしっかり強化していくのと、今後、新たな展開に向けてお願いしたいと思います。  また、コロナで就労施設もダメージを受けており、施設の売上げが下がるということは利用者の収入も減ります。理解の促進と併せて仕事場の提供という視点で、お力添えのほうもよろしくお願いいたします。  続いて、消防組織再編についてお伺いします。  これまで県では、上下水道の統合や国民健康保険など、市町で運営してきたものを県下統一していく方針を打ち出されました。これは市町ごとの財政格差が大きいことから、いずれ運営が厳しくなってくるという考えの下で検討が始まったと推察します。  この視点から、令和元年の一般質問で、消防の組織再編の必要性を説明し質問したところ、知事から、令和元年度からは学識経験者、市長会・町村会の代表者、消防本部の代表者などを委員とする広島県消防広域化検討委員会を立ち上げ、消防のあるべき姿や現行計画の県内5ブロックの見直しについて検討していると御回答いただきました。また、市町や消防本部に対し、広域化についての意向を確認しながら消防指令センターの共同運用についても検討を進め、「広島県消防広域化推進計画」の見直しを行っていくと御回答いただき、令和2年11月に広島県消防広域化検討委員会での検討を踏まえ、本推進計画の一部修正が行われております。  繰り返しになりますが、市町の予算は厳しさを増すばかりで、単独運営が厳しく、装備品や車両更新にも影響が出始めていると感じています。効率化と大規模災害への対応を目的に、一刻も早く進めていただけたらと思いますが、予算案を見る限り、現状をどのように捉え、今後どのように進めていこうと考えられているのか見えてきませんので、この点についてお考えをお伺いします。  また、広域化については市町からも様々な意見があったと伺っております。広域化について、市町がどのような理由からデメリットを感じていて、それに対して、どのように県がリーダーシップを取って調整を図っていくのか、併せて知事の所見をお伺いします。 88: ◯答弁知事) 人口減少社会の到来や高齢化が進展する中で、消防力の維持、強化のためには、消防の広域化を推進していく必要があると考えております。  今回の消防広域化推進計画の見直しにおきましては、市町、消防本部に対し、5ブロックと全県一区に広域化した場合の10年後、20年後の消防・救急需要の推計と現状の比較、広域化による出動範囲等の変化とメリットが生じる地域、住民数の試算などのシミュレーションを提示いたしまして、検討を行ったところでございます。  市町からは、広域化の必要性は認識しつつも、消防署所の再編等による住民サービスの低下、各消防本部間の出動体制等の調整の困難さなどの懸念が示されたことから、5ブロックの組合せを見直すべきという共通認識には至りませんでした。  このため、まずは市町から意向があった高機能消防指令センターの共同整備・運用や、消防艇、救急艇の共同整備・運用など、県がリーダーシップを取って近隣市町との検討、協議の場を設定し、具体的な議論を進め、消防の連携、協力を推進することにより、現在の13消防本部について、早期に県内5ブロックの組合せによる広域化が実現できるよう取り組んでまいります。 89: ◯質疑(平本委員) 今の御答弁について再度お伺いします。  広島県消防広域化推進計画の1ページを見ると経緯が記載されています。その中で、平成26年4月に尾道市と三原市の消防本部による通信業務の共同運用が実現したとありますが、この通信業務の統合で予算的評価や消防隊の出動に影響はなかったのか、大規模災害への対応はどうだったのかなど、評価はされているのでしょうか。  また、統合の一番の目的は、予算の削減と効率化、安心・安全の確保だと思います。通信業務だけの小規模な統合ではメリットが薄れます。計画の中で、県では5ブロックを継続して推進していくとありますが、統合するのであれば、全ての機能の県下統一が最もメリットがあると考えますが、いかがでしょうか。  以上について危機管理監にお伺いします。 90: ◯答弁(危機管理監) 尾道市消防局と三原市消防本部の通信指令業務の共同運用につきましては、設備構築費や維持管理費等の経費削減が図られたこと、情報の共有化が進む中で、消防隊の出動もスムーズに対応できていること、大規模災害時において119番通報集中時の受信対応能力が向上するとともに、より迅速な応援出動が可能になったことなどから、共同運用によるメリットが表れていると考えております。  また、全県統一につきましては、国の基本指針において理想的な消防本部の在り方の一つとも言えるとされており、また、今回、県が実施したシミュレーションでも、財政面、人員配置の観点からメリットがあるとされております。  将来的には、より広域化につながるように取り組んでまいりたいと考えておりますが、市町から住民サービスの低下に対する懸念などが出されたこともあり、まずは、県がリーダーシップを取って、消防の連携、協力の取組を進め、早期に県内5ブロックの組合せによる広域化が実現できるよう取り組んでまいります。 91: ◯要望質疑(平本委員) 今の答弁で、財政には全く影響がないというか、メリットがあったということでした。これはデジタルの切替え時期と重なったということもあると思い、私も聞いたところ、そのようにお答えいただきました。また、出動応援体制にも影響はなかったという答弁だったと思いますので、ぜひとも他市町にもこの成功事例をお伝えしていただいて、早期に県内統一を進めていただきたいと思います。  改正後の現計画では、市町からの要請に基づき進めていくから、県がリーダーシップを取ってニーズの把握等に努め、関係市町間の検討、協議の場を設けるなど、広域化の検討を続けていくと記載していただきました。これは県としても危機感を持って対応するという意味に受け取りました。引き続き、県民の安心・安全が保てるような施策の遂行をお願いして、この項目の質問を終わります。  続いて、ひろしまマイ・タイムラインの普及促進に当たり、出水期までの普及の取組についてお伺いします。  昨年、地域の自主防災組織から依頼を受け、私自身学ばせていただき、説明に行くことがありました。正直、とてもよくできた内容であり県民に広く広める必要性を強く感じました。コロナ禍であり、分散避難や警戒レベルに応じた避難タイミングや避難場所などを事前に家族で話し合い決定するというもので、災害を経験した私には、この内容の有効性を強く感じるものがありました。しかし、コロナ禍の中、このやり方を説明する機会が失われていると感じています。  今後、ひろしまマイ・タイムラインを今年の梅雨時期までにどのような方法で、どの範囲まで普及させるお考えなのか、危機管理監にお伺いします。 92: ◯答弁(危機管理監) ひろしまマイ・タイムラインにつきましては、今年度、コロナ禍の中で、地域での防災教室が開催できなかったことや、学校においては長期の休業を余儀なくされたことなどもあり、取組が十分に進んでいない状況にございます。  このため、県教育委員会と連携し、市町教育委員会や教職員などが参加する学校安全指導者講習会において、ひろしまマイ・タイムラインを活用した防災教育を実施するよう働きかけを行うとともに、各小学校に直接連絡し、ひろしまマイ・タイムラインの作成を学校安全計画に盛り込んでいただくようお願いしているところでございます。  来年度においては、ひろしまマイ・タイムライン推進員を配置し、出水期までに、取組が進んでいない小学校を中心に、出前講座を集中的に実施することとしております。  また、自主防災組織につきましても、避難の呼びかけ体制の構築に向けた取組の中で、より多くの方にひろしまマイ・タイムラインを作成していただくよう取り組んでまいります。  さらに、報道機関と連携し、出水期までにテレビやラジオ等の媒体や、「みんなで減災」推進大使を活用した周知を重点的に行うなど、幅広い層の県民の皆様に作成を働きかけることにより、ひろしまマイ・タイムラインの取組を強力に推し進めてまいります。 93: ◯要望質疑(平本委員) 今後、次のステージとしてデジタル技術の活用も検討していると伺っております。これが実現すれば、例えば家族や職場で話し合った中身をスマートフォンとリンクさせて警戒レベルに応じて通知や音で知らせるなど、常時情報を取らなくても、レベルに応じて避難のタイミングや避難先が分かるようになると考えます。災害死ゼロに向けてより効率的に住民が避難できるように、民間事業者との連携も視野に積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。  また、家族や職場は話し合える環境が整っていますが、独り暮らしの年配の方々は、なかなかこれらを周知する時間や場所がないと思っておりますので、この辺の対応についてもしっかりと協議して進めていただきたいと思います。  さらに、広島県では、少し話はそれるのですが、通信ネットワークを全県的に広げていこうという取組をされています。例えば市町と連携して、今まで防災ラジオだったものをタブレット配付・配信にして、これを中山間地域とか防災に活用するという考え方もあると思います。というのも、防災ラジオはなかなか持って出られないということがあって、西日本豪雨災害のときも災害後に情報弱者がとても多発しました。これがタブレットだと持ち運びが可能なので、ぜひ災害弱者、情報弱者が生まれないような形で中山間災害地域にタブレット配付も検討していただくことを要望して終わりたいと思います。  続いて、地震を想定したマイ・タイムラインの取組についてお伺いします。  このたびの質問を検討しているときに、東北地方で震度6強の地震が起こりました。広島県においても南海トラフ地震の危険度が高まっている状況で、南海トラフ地震発生後の避難方法などについて、事前に話し合い、決めておくことが重要であると考えますが、現行のひろしまマイ・タイムラインは、予測される風水害に対して数日前からの事前行動に特化したものであり、災害が予測できない地震に対応したものではありません。  地震に対する日頃からの備えや発生時の避難方法等について県民に広く啓発するための地震を想定したマイ・タイムラインの取組について、危機管理監の所見をお伺いします。 94: ◯答弁(危機管理監) マイ・タイムラインは、複数の避難場所等の確保や避難経路の確認、情報入手ツールの確保、非常持ち出し品や食料、飲料水等の確保など、災害に備えて日頃から行っておくべきことのほか、災害が発生するおそれが生じた際に取るべき防災行動を、時系列的に整理したものでございます。  突発的に発生する地震におきましても、ひろしまマイ・タイムラインにより整理した日頃からの備えなどにつきましては、活用できるものと考えております。  また、今年1月に策定した第2期「広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動行動計画」において、新たに地震への備えや地震が発生した際の取り組むべき行動について掲載しているところであり、今後、県民の皆様への周知を図ってまいります。  さらに、毎年、11月5日の津波・防災の日に実施している一斉地震防災訓練や、県内の小売店舗等と連携して行っている広島県「みんなで減災」備えるフェアにおいて、家具の転倒防止対策などの備えのほか、地震発生時の取るべき安全行動や避難場所、避難経路、さらには家族との連絡方法などをあらかじめ確認し、決めておくよう周知しているところでございます。  今後とも、こうした取組により地震発生時においても、県民の皆様が主体的に判断して適切な避難行動ができるよう働きかけを実施してまいります。  (4) 閉会  午後2時46分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...