6:
◯答弁(
森林保全課長) 緊急事業は、甚大な災害により人家や公共施設が被災し、さらに二次災害の発生する可能性が高い箇所で、特に先行して施工する必要がある箇所で災害発生年度に事業実施したものに対しまして、激特事業は、被災した地域において再度災害防止のための一定の計画を策定し、このたびの災害でいえば令和元年度から5年間、これらの計画に基づいて集中的に復旧整備を実施しているところです。
激特事業の進捗について、令和元年度からの実施となっておりますけれども、令和元~2年度を合わせまして46か所で計画しております。そのうち34か所で契約、26か所で着手しており、うち9か所で完成しております。
7:
◯質疑(
下西委員) 34か所で契約が済み、26か所で工事が進んでいるということです。いずれにしても、これから発注される箇所が約140か所あると思います。激特事業全体では176か所あるということで、かなりの数が残っていると思います。これにつきましては、令和3年度も含め、残された3年間でどのような計画で取り組まれていこうとしているのか、お伺いします。
8:
◯答弁(
森林保全課長) 激特事業の残りの箇所のうち、令和3年度では42か所の実施を計画し、残りの88か所を2年間で実施する予定としております。今年度までは緊急事業を優先して実施してきましたけれども、緊急事業についてはおおむねめどが立ってきたことから、令和3年度からは激特事業を集中して実施することとしております。そのために測量設計を先行して行い、前年度に取りかかることで工事の早期発注を目指してまいります。
9:
◯質疑(
下西委員) 測量設計も行われて、予算が組まれるところまでは進んでいくと思いますが、実際に事業を進めるに当たっては、建設業の人手不足のほか、市が行うこととされている土地所有者との同意作業も大変時間を要すると思いますけれども、この点についてはどのように取り組んでいこうとしているのか、再度お伺いします。
10:
◯答弁(
森林保全課長) 事業計画につきましては、保全対象となります民家戸数や公共施設の状況、崩壊地の危険度などを客観的に判定するとともに、市町の意見を聞きながら進めているところでございます。工事の進め方につきましては、施工同意を頂くに当たり、工事用の進入路の敷地や支障木についても確定する必要があることから、まずは測量設計を先行して実施し、施工箇所の具体的な位置が決まってから、施工同意に向けて交渉を進めているところでございます。
また、一番の課題は依然として不調・不落が続いていることでありますので、その対策として、現場の条件を反映した設計や着手日
選択型の契約方式など、これまでに行ってきた対策を継続するとともに、業者が工事を抱えていない時期に発注できるように事前に準備を整え、受けてもらえる箇所から発注することで、一日でも早い復旧に取り組んでいるところでございます。
11:
◯質疑(
下西委員) 建設業の人手不足の中で、発注は大変難しいと思いますが、市においては様々な業務が重なってきていると思っております。特に激特事業が多く存在する東広島市及び呉市においては、100か所以上が集中しており、契約や工事がこれからというところもたくさんあります。
特に市が行う土地所有者との交渉については、工事に係る箇所や工事用の道路で設計変更が生じたときの交渉など、用地に関する負担は非常に重く、多くの時間と労力がかかると伺っております。また、被災した農地や農業用施設の復旧は、市が併せて行っており、市がしっかり頑張らないと工事が進まないわけですが、住民の側から見れば、市も県も関係なく、一日でも早く工事を進めてもらいたいと思うのは当然だと思います。
私が住む近くでも比較的厳しい災害があり、貴い人命も失われて、複数の家屋が倒壊しました。また、倒壊を免れた家においても大雨のたびに避難が必要となり、あまりにも工事が遅過ぎるのではないか、なぜ緊急に工事されなかったのか、少しでも早くしてもらいたいといった声も頂いております。今後の対応として、以前も申し上げましたけれども、イレギュラーな工事がたくさんある中で、偏りが県内でも生じ、工事が遅れることになれば、市の工事の一部や交渉などを担うといった考え方があってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
12:
◯答弁(
森林保全課長) 災害に対する事業の中で、緊急事業は発生直後に行うということで、急いでやるのですけれども、激特事業につきましては、5年間で計画的に実施していくため、前年度に条件整備などを行いながら事業を進めているところで、その中で、用地交渉などを行っていくことを考えております。発注については不調・不落で工期がずれるなど、御迷惑をおかけしているところですけれども、事業の入札までの段取りにつきましては計画的に進めているところでございます。
13:
◯意見・
質疑(
下西委員) 事業においては大小あると思いますが、非常にたくさんの工事量で、市も苦労しながらやっていることをぜひ御認識いただきたいと思います。
もう一つの問題は、工事の進捗状況の情報提供についてです。県のホームページ上でこうした情報は発信されていますが、砂防も含めた緊急事業が主体となっておりまして、激特事業については全てに斜線が引かれて、契約状況や完成時期など詳しい状況が示されていない現状にあります。こうした中で、災害地域の住民からは、いつ工事に入るのかといった声があり、大変心配しておられます。これから始まる激特事業の情報提供についてどう考えておられるのか、お伺いします。
14:
◯答弁(
森林保全課長) 情報提供し始めた頃に、緊急事業が分かりにくかったこともありまして、激特事業に斜線を引くなどの対応をしているところです。今後、激特事業については本格化することから、激特事業の進捗についてもお示しすることは必要であると考えており、現在、砂防課と調整し、分かりやすい示し方についても検討しているところでございます。
15:
◯要望(
下西委員) ぜひ分かりやすい情報をしっかりと県民に示していただきますように、また、一日も早く工事が進みますことを要望します。
16:
◯質疑(
三好委員) 水産業スマート化推進事業についてお伺いします。
水産資源の回復に向けて、これまでの
集中放流の取組に加えて、今回の海底耕うんの取組が提案されていますけれども、海底耕うんとは具体的にどんな方法なのか、モデル地区はどのような海域を選定されるのか、教えていただきたいと思います。
また、環境改善効果の検証として、底質や底生生物等の調査、デジタル技術を活用した魚群等の調査を行うということでありますけれども、具体的にどのような分析をして、どのような状況に至れば海底耕うんの効果があると判断できるのか、併せてお伺いします。
17:
◯答弁(
水産課長) 海底耕うんにつきましては、海底を効率よく耕うんすることができる漁具を用いて、小型底引き網漁船により海底を引くことで、100ヘクタールの耕うんを実施することを考えております。耕うんを実施する場所については、現在調整中でございますが、小型底引き網漁業の操業区域の中で、中西部海域の海底の有機物の蓄積が多い場所をモデル地区として選定することとしております。その効果につきましては、海底の有機物を攪拌することで酸素を行き渡らせ、結果的に分解を促進し、海底にすむ餌生物の増加を促すことで、生態系の上位に位置する魚類を増加させることを期待して実施するものでございます。効果の把握につきましては、従来の潜水調査による把握に加えまして、水中ドローンやデジタル機器を活用して、海底の有機物の状態やゴカイなどの餌生物や魚類の生息状況を確認、分析し、餌生物や魚類の量が増加していれば効果があると判断できるものと考えております。
18:
◯質疑(
三好委員) 先ほど言われたような分析の結果、効果があると判断されれば、今後、モデル地区から他の地区に取組を広げていく必要もあると思います。モデル地区は中西部ということですが、その後、どのように広げていくのか、方針をお伺いします。
19:
◯答弁(
水産課長) 海底耕うんにつきましては、複数年にわたってその効果を見ていく必要があり、モデル地区における取組を検証しながら、漁業者や市町と情報共有し、理解を深めた上で、海底耕うんの効果があると思われる海域を選び、順次実施することで面積を拡大してまいりたいと考えております。
20:
◯要望(
三好委員) モデル地区における海底耕うんの取組は水産資源の回復に向けた本県の今後の方針を左右するものでありますから、その効果の分析や判断基準を明確にした上で事業を実施していただき、将来の他地区への波及を念頭に置かれて、各市町との情報共有や役割分担を明確化し、事業を進めていただきたいと思います。
先日、地元に行って関係者にお話を聞いたのですが、やはりカキが全然できないとかノリの色づきが非常に悪くて、一番いいときの1割ぐらいしかもうけがないという話をされる中で、この話をしたら大変に感激されていました。一方で、ほとんどまだ知られていなくて、周知をしないといけないという思いと、あっという間に方針が変わるのではないかと随分プレッシャーもいただきました。息の長い取組ということであれば、それもしっかりと示しながらやっていただくことで少しずつ希望も出ると思いますので、そういう事業にしていただきますよう要望します。
21:
◯質疑(
桑木委員) 経営力向上支援事業について確認させていただきたいと思います。
農業を取り巻く環境が様々に変化していく中で、経営力の高い担い手が中心となった力強い産業構造への転換を目指して、5,600万円を予算計上されています。この事業の目的に、経営発展意欲の高い担い手に対して、専門家の派遣などにより、企業経営の転換に向けた支援に取り組むとありますけれども、これまでどのような経営体に対してどういった支援を行ってきたのか、お伺いします。
22:
◯答弁(農業経営発展課長) 経営力向上支援事業では、担い手の経営力を高めるため、アグリ・フードマネジメント講座やひろしま農業経営者学校などを実施しており、特に企業経営の展開に向けては専門家と県の普及指導員がチームとなり、経営課題の分析や改善に向けた支援を行っているところでございます。この支援の対象は、売上げが5,000万円以上で、法人化し、従業員を雇用している経営体としており、今年度は水稲やネギを1億円以上売上げ、若い従業員の採用拡大に取り組んでいる経営体など、農業で5経営体、畜産で1経営体の計6経営体を対象に支援を行っているところでございます。
23:
◯質疑(
桑木委員) 1億円を超える規模の経営体に対するいろいろな取組等を紹介いただきました。講座などを中心に実施されているところかと思いますが、農業に対して経営を取り入れていくことに対して、いろいろ難しい面があるかと思います。今説明いただいた経営体は結構大きな規模なのかもしれませんが、この支援によってどのような形で改善され、また、企業経営体の育成に向けて支援していく中で、具体的にどんな課題があって、来年度に向けてこの予算でどのような成果を引き出そうと考えておられるのか、お伺いします。
24:
◯答弁(農業経営発展課長) これまで支援している中で、経営発展に取り組んでいる経営者の多くは、農場長とも呼ばれる、農場管理を任すことができる、経営者の補佐となる人材の確保や育成ができておらず、その結果、計画的に規模拡大ができていない問題を抱えております。従業員にヒアリングを行いますと、農業という仕事そのものについて不満はないけれども、給料が上がるルールがないなど人材育成の仕組みがなく、そのまま働き続けることには不安があると、どの法人も問題として挙げられるということが分かりました。
そこで、今年度は経営や人事のコンサルタントを派遣しまして、従業員とともに経営計画を作成し、進行管理を行っていくルール、また、昇給のための評価基準など従業員の育成プログラムの導入を支援しているところでございます。今後、従業員の定着率が高まり、経営が安定するだけでなく、従業員自らが経営改善を提案するなど、やりがいを持って取り組むようになり、経営体自体の発展に大きく寄与していくものと考えているところでございます。
そうしたことを踏まえまして、企業経営体の育成について取り組んでいるものが、今後県内のモデルとなるようにしていくことを第一に考えておりますが、その上で、新たに企業経営を目指す経営体を確保するため、経営発展段階に応じた支援の充実を図り、より多くの経営体に、経営発展に向けた道筋を理解してもらい、企業経営に向けて取組を働きかけていきたいと考えております。そのため、今年度から農業経営者学校の中で、経営発展チャレンジコースを開催しました。これは、各産地に出向きまして、若手農業者に対して、経営発展に向けた意識の醸成を行うコースで、今年度50名の方に受講していただいたのですけれども、そのうち22名に1つ上のコースである経営発展実践コースも受講いただきました。これは、雇用管理や財務管理などの経営スキルを学んでいただくとともに、10年間の経営計画を策定し、経営発展の具体的な取組をスタートさせるコースになっておりまして、それを受講してもらう方を増やすことができております。来年度はこれを県北部でも開催いたしまして、企業経営を目指す経営体の掘り起こしをしっかり進めていきたいと考えているところでございます。
25:
◯要望(
桑木委員) トータル的に経営戦略や人材育成、販路の拡大などといったことについて、経営される方とそこで従事される方の思いの違いなどがある中でうまく統合しながら、研修を積む中で経営体としてしっかり育てていくというものだと思いますが、時間もかかる一方で、成果もしっかり出していかなくてはいけません。簡単には解決しないところかもしれないですが、農業という自然を相手にする環境の中で、しっかり収益を確保するということには難しさがあります。今お聞きしておりますと、非常に期待を持てる取組であると感じたところでございます。農業の高齢化やスマート化など、環境がどんどん変化していく中で、専門の知識を持った方にしっかりサポートしてもらった成功事例を、次の世代の方々がそれを目指してやっていく取組にしっかりとしていただくことを要望します。
26:
◯質疑(小林委員) 森林環境譲与税についてお伺いします。令和2年から新しく1億2,700万円余の譲与がありますけれども、それを基金積立てとするとありますが、今、基金残高が幾らあるのか、教えていただきたい。
27:
◯答弁(林業課長) 市町に譲与されております基金残高でございます。詳細な資料はございませんけれども、現在、2~3割ほどの金額が基金として積み立てられていて、翌年度以降の森林整備等に使う予定としてためられているという認識でございます。
28:
◯要望(小林委員) 当然、森林環境譲与税は、市町へ直接交付される形になっておりますけれども、今2割の基金残高があるということになれば、未執行の部分があると思っています。今、まさにコロナ禍の中にあって、我々の生活は大変な状況にありますけれども、先日テレビ等々で、若い女性が通常の勤務外、祝日を利用しながら、5~6人で一緒に自伐型の林業に取り組むであるとか、修学旅行で林業に参加するとか、林業がコロナ禍に対して与える無限の可能性を感じます。ぜひともそういう意味において新しい日本の文化形成の柱となるように、森林環境譲与税を使った林業を、きちんとした柱として位置づけをしていただければ本当に幸いであると思います。また、江田島といった島などの山がない地域もありますが、山がなくても使える方法はあるはずですので、市町と連携しながら、よく御検討いただき、いろいろな形で、県全域において森林環境譲与税が有効に活用されて、広島県の森林、林業の新しい文化形成に役立てていただければと要望します。
(6) 表決
県第1号議案外2件(一括採決) … 原案賛成 … 全会一致
(7) 閉会 午前11時6分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...