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  1. 広島県議会 2021-02-07
    令和3年2月定例会(第7日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和3年2月定例会(第7日) 本文 2021-02-26 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 101 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長中本隆志君) 選択 2 : ◯議長中本隆志君) 選択 3 : ◯畑石顕司選択 4 : ◯議長中本隆志君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯議長中本隆志君) 選択 7 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 8 : ◯議長中本隆志君) 選択 9 : ◯教育長平川理恵君) 選択 10 : ◯畑石顕司選択 11 : ◯議長中本隆志君) 選択 12 : ◯畑石顕司選択 13 : ◯議長中本隆志君) 選択 14 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 15 : ◯議長中本隆志君) 選択 16 : ◯経営戦略審議官松井浩美君) 選択 17 : ◯畑石顕司選択 18 : ◯議長中本隆志君) 選択 19 : ◯畑石顕司選択 20 : ◯議長中本隆志君) 選択 21 : ◯経営戦略審議官松井浩美君) 選択 22 : ◯議長中本隆志君) 選択 23 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 24 : ◯東 保幸君 選択 25 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 26 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 27 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 28 : ◯東 保幸君 選択 29 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 30 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 31 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 32 : ◯東 保幸君 選択 33 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 34 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 35 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 36 : ◯東 保幸君 選択 37 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 38 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 39 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 40 : ◯東 保幸君 選択 41 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 42 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 43 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 44 : ◯東 保幸君 選択 45 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 46 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 47 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 48 : ◯東 保幸君 選択 49 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 50 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 51 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 52 : ◯東 保幸君 選択 53 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 54 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 55 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 56 : ◯東 保幸君 選択 57 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 58 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 59 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 60 : ◯東 保幸君 選択 61 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 62 : ◯経営戦略審議官松井浩美君) 選択 63 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 64 : ◯東 保幸君 選択 65 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 66 : ◯東 保幸君 選択 67 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 68 : ◯教育長平川理恵君) 選択 69 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 70 : ◯東 保幸君 選択 71 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 72 : ◯教育長平川理恵君) 選択 73 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 74 : ◯東 保幸君 選択 75 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 76 : ◯教育長平川理恵君) 選択 77 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 78 : ◯東 保幸君 選択 79 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 80 : ◯議長中本隆志君) 選択 81 : ◯高山博州君 選択 82 : ◯議長中本隆志君) 選択 83 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 84 : ◯議長中本隆志君) 選択 85 : ◯教育長平川理恵君) 選択 86 : ◯議長中本隆志君) 選択 87 : ◯議長中本隆志君) 選択 88 : ◯議長中本隆志君) 選択 89 : ◯議長中本隆志君) 選択 90 : ◯教育長平川理恵君) 選択 91 : ◯議長中本隆志君) 選択 92 : ◯議長中本隆志君) 選択 93 : ◯議長中本隆志君) 選択 94 : ◯議長中本隆志君) 選択 95 : ◯議長中本隆志君) 選択 96 : ◯議長中本隆志君) 選択 97 : ◯議長中本隆志君) 選択 98 : ◯小林秀矩君 選択 99 : ◯議長中本隆志君) 選択 100 : ◯議長中本隆志君) 選択 101 : ◯議長中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長中本隆志君) 出席議員六十二名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第一号議案         至第七十一 追県第一八号議案 2: ◯議長中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 令和三年度広島県一般会計予算から日程第七十一、追県第一八号議案 広島県教育委員会教育長の任命の同意についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。畑石顕司君。         【畑石顕司君登壇】 3: ◯畑石顕司君 皆様、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の畑石でございます。今次定例会におきまして一般質問の機会を与えていただきました中本議長をはじめ、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。  コロナ感染症にそれぞれ大きな影響を受けながらも、感染防止に御協力をいただいている県民の皆様に心から感謝を申し上げ、早速質問に入りたいと思います。  質問の第一は、教育を切り口とした適散・適集社会の実現についてお伺いします。  県はコロナ禍を受けて適散・適集社会を目指すことを新たに掲げました。  コロナ禍以前は、徹底的な効率化と経済合理性を求める新自由主義的な施策が国を挙げて推進され、市町村合併はその象徴であり、広島県は率先して取組を進めてきました。中核都市、拠点都市へと人、物、金が集中する流れをつくり、一方で財政再建の名の下に配分される公共事業などの予算も削られ続け、また、公共調達も地元企業振興よりもコストと利便性が優先され、ますます東京一極集中、都市部集中の流れをつくってきました。  我が会派はそのような状況に警鐘を鳴らしてきただけに、適散・適集社会への政策的転換は高く評価しており、「中山間地域振興計画」関連の令和三年度予算も前年比十一・三億円の増となっています。増加した予算の内訳を見ると、DX関連が多く含まれているところは湯崎知事らしいとも言えます。  私は今、文教委員長をしていますが、教育という切り口はこれからの移住、つまり適散を促すキーワードの一つになり得るのではないかと思っています。小学校くらいまでは多くの親が、可能であれば、子供が伸び伸びと遊びながら過ごせる自然豊かな環境でしっかりとした教育が受けられるというのが理想的だと思っているのではないでしょうか。  二〇一七年十月の一般社団法人移住・交流推進機構のレポートによると、首都圏五百人の二十から三十代の若者に行ったウェブアンケートの結果、移住に興味がある理由の第一位は自然あふれる環境、約五〇%、第二位は子育てに適した自然環境、約三三%、第三位は子供の教育環境・学力向上、約二二%となっています。まさに子供の環境に関する項目が上位二つを占めています。加えて、移住先での子育て環境について重視する項目は何かという問いに対して、第一位は自然豊かな環境、約四三%、次いで学力・知力が向上できる環境、約二七%となっており、自治体間で競争の様相を呈している子供医療費補助の充実、約一五%を大きく上回る結果となっています。  都市部においては自然豊かな中で伸び伸びと育つ環境はなかなかない一方で、中山間地域では教育の選択肢が限られます。テレワークの進展など、都市部と多少距離があっても通勤が許容される環境も生まれつつある中で、中山間地域の市町が先進的な小学校を開設し、都市部からの数世帯分の移住枠を設けるならば、継続的な移住により活性化を図れる可能性があるのではないでしょうか。雇用の場を創出して人口流入を促す手法は、都市部においても人手不足となる人口減少社会では成功確率が低い手法のように思えます。  子育てをする家庭にとって普遍的な価値である教育の魅力を磨き、数世帯でも定期的に移住してくれる状況をいかにつくれるか、このような予算を教育委員会としての予算ではなく、地域振興という名目で地域政策局が予算措置をすることで、人材育成の切り口で中山間地域活性化の後押しをすることは一考の余地があると思います。また、県立加計高校芸北分校のように、地域の努力により寮を備え、地域外からの生徒を受け入れ、高校の存続と地域活性化に取り組む事例もありますが、冷たいことに寮の整備や改修に対し、県からの支援は一切ないとのことです。  そこで、適散・適集社会を実現させるために、教育を切り口とした地域振興策としての予算を確保して、積極的に取組を推し進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、新型コロナ感染拡大への対策についてお伺いします。  一月二十五日の中国新聞の記事に、県立広島病院呼吸器センター長、石川先生の記事が掲載されました。コロナ感染症に対しては対症療法しかない中で、スタッフの皆さんと共に治療に当たられている苦悩や公的病院として最後のとりでたる自負が語られていました。
     休みなく神経をすり減らしながら奮闘いただいている現場の皆さんに対し、県として環境整備等の支援もしてきましたが、どこまで現場のニーズに応えるサポートができているのでしょうか。  例えば、コロナの治療においてCTは極めて重要な機器ですが、昨年九月の補正予算で増設することになったCTの設置が完了するのは今年の三月と聞いています。CTをコロナ患者とその他の患者で共用すれば、タイムリーに画像診断できないなど、現場の医師などに不必要な負担をかけることは容易に想像できます。病院事業局からは、通院患者がいる中で、CT設置に向けての院内調整が難しかったとお聞きしていますが、現場の皆さんの奮闘に十分応えられていないことに、県政の一翼を担う議会の一員として大変申し訳なく思います。  これまで、一日当たりのPCR検査数、受入れ病床やホテル療養の数などは着実に積み上げてきましたが、CT以外にも陽性者の搬送体制、療養ホテルにおける感染者退所後の消毒作業など、目詰まりとなった事案も多々見受けられました。  一方で、PCR検査体制は、県内一千を超える身近な医療機関での検査体制の構築、県内五か所のPCRセンターの開設など非常に充実したものとなりました。このような体制を構築できたことは誇るべきで、先進的取組としてもっと評価されるべきだと思います。ただし、これら検査体制の広報と活用の在り方については、目詰まりとなった事案と同様に大いに反省すべき点があります。  例えば、身近な医療機関でPCR検査を受けられることや風邪症状があれば検査費用が無料になることをどれぐらいの方が知っているのでしょうか。改めて広告を見ると、「まずは連絡を」が目に入り、肝腎な「身近な医療機関で」や「検査費用が無料」であることについてはよく読まなければ分かりません。せっかくよい仕組みを構築していても県民の皆さんが知らなければ宝の持ち腐れです。  また、一回きりの大規模PCR検査よりも、今ある検査体制を有効に使い、無症状者にも期間限定で検査可能にすることで、効果的に感染拡大防止に活用できたのではないでしょうか。  これから春の異動の季節を迎えます。進学、転勤などで多くの人が都道府県をまたいで移動します。感染を再拡大させないためにも、一か月限定でもよいので、無症状者であってもPCR検査を受けられるようにするべきです。予算は先般の大規模PCR検査を縮小した残りを充当することで、ある程度確保できると推察しますし、感染拡大防止という目的が同じですから、流用も問題ないのではないでしょうか。ここでのキーワードも、身近で、そして無料です。  また、コロナ禍により家族とでさえ会うことがままならない状況が生まれています。施設に入所しているもしくは入院している親に会えない、愛する子供が帰省することができない、無料もしくは数千円でPCR検査を受けることで、大事な人に会うことができる環境を整えることも、人に寄り添う政治としてあっていいはずです。  そこで、これまでの新型コロナ感染拡大への対策について課題をどう認識しているのか、また、春の人事異動時期などのコロナ感染防止策と大事な家族と会うためのPCR検査受診への補助について知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、医療介護の在り方について、患者、利用者本位であるべきとの視点から三点お伺いいたします。  一点目は、地域医療構想についてです。  このたびのコロナは我々にこれまでの社会の在り方について問題提起をしてくれました。日本の医療体制においては、世界有数の保有数を誇る病床やCTがタイムリーかつ有効に活用できないなど、国民に衝撃的な内情をあらわにしました。広島県においても、コロナ患者の病床はほぼ公立・公的病院が担い、広島市内から福山市内へ患者を転送する事態まで発生しました。  課題となった民間病院への協力要請の在り方については、国において検討されているようですので、県としても今回の教訓を踏まえ、感染症の急拡大など緊急時における病床や医療従事者の確保について議論、検討することを強く要請します。  一方で、「広島県地域医療構想」における必要病床数については、これまでの方針を堅持されるようです。  日本の医療制度は、出来高払いの診療報酬を支払う制度であり、過剰な診療や入院を誘発しやすい仕組みから病床が患者を生み出しているとの指摘もあります。病床数の検討に際しては、医療提供側の供給数と患者側の需要のバランスがもちろん必要ですが、患者側の需要というのは、必ずしも本人の希望とは限りません。診療報酬の仕組み上、患者を受け入れたい医療側と患者の介護負担を軽減させたい家族側の意向により、不要な入院などは発生していないのでしょうか。  地域医療構想では、平成二十五年の医療需要の実績値を基準に、高齢化が進む令和七年時点での必要病床数を推計していますが、この医療需要量が真に必要な需要量だったのか、検証が必要です。医療需要量の積算根拠となる人口十万人当たりの療養病床の入院者数を示す入院受療率は、平成二十三年のデータで広島県は全国十五番目に高く、全国平均二百十三人のところ二百九十七人となっており、ほかの多くの都道府県ではもっと少ない入院受療率で十分対応できています。  また、後ほど触れる、身近で総合的な医療を施すプライマリーケアを浸透させることで、さらに病床の削減が可能ではないかといった視点もあると考えられます。  そこで、広島県地域医療構想における病床数確保の基本的な考え方について再検討すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、プライマリーケアについてです。  県の事業でプライマリーケアという言葉が最初に登場したのは、平成十八年、プライマリ・ケア医養成事業であり、医師を県職員として採用し、中山間地域で診療業務に従事いただく取組を開始し、その後、大学のふるさと枠などを活用して地域医療の充実を図っています。  この間、プライマリーケア医は、地域包括ケアシステムの中心的存在として位置づけられてきました。しかしながら、日本でのプライマリーケア医とは、内科や外科など専門診療を持っている町医者である場合がほとんどで、海外で普及している本来の意味でのプライマリーケア制度を担う家庭医とは似て非なるものとなっています。  先ほども述べたとおり、日本医療の問題点は、過剰診療を誘発しやすい仕組みにあります。一方で、英国等での家庭医は、日本のように診療実績に基づいて報酬を得るわけではなく、患者の登録数に基づいて報酬を得るような制度となっており、無駄な診療や投薬を防ぐ仕組みが機能します。そして、家庭医になるためには、医療に関する総合的な知識を習得するだけでなく、患者の人生に寄り添うスキルも学んでおり、病状だけでなく本人の希望と家族構成など置かれた状況を考慮しながら、適切な医療や介護と結びつけていきます。  このような家庭医の在り方を知ると、日本の地域包括ケアシステムが有効に作用しないのがよく理解できますし、自らが望む人生の最終段階における医療等を考えるアドバンス・ケア・プランニングの取組も、家庭医あっての制度だと分かります。制度の在り方については国の制度設計に期待するしかありませんが、県として検証を進めることはできないのでしょうか。  後期高齢者医療費の診療月ごとの推移を確認すると、コロナ禍の影響が特に大きかった昨年四月などの医療費は前年比二から八%減少しており、高齢者が毎年増加しているため、通常だと二、三%伸びることが多いことを加味すると五から一〇%診療控えがあったのではないかと推測されます。このことは、頻回受診者の減少によるものなのか、健康への影響はなかったのか、レセプトデータなどから検証しておくことが必要です。  また、国も平成三十年度に始まった新専門医制度において、総合診療領域を創設して、家庭医のように総合的な診療ができる医師の育成に努めようとしていますが、学生や医師にあまり人気がないようです。県としても、中山間地域の医師不足解消という観点だけではなく、地域包括ケアシステムの中核をなす人材として、医師を養成する施策を展開するよう期待します。  そこで、プライマリーケア医制度を普及させるために、コロナ禍による影響を分析、検証の上、施策の検討を進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  三点目は、後期高齢者医療広域連合についてです。  現在、国においては、七十五歳以上の医療費窓口負担を一割から二割に引き上げる後期高齢者医療制度の改革法案が審議されています。急増する医療介護費に対して、被保険者及び事業主の負担を際限なく増やすわけにもいかず、高齢者の皆様に負担をお願いするのはやむを得ないと思います。一方で、入りを増やすだけでは医療介護費を賄うことは当然できないため、給付費をいかに抑えるかという視点で、国は令和六年度までに全市町村が高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施することを目指しています。  いずるを制して入るを量るためには、医師や介護事業者などのサービス提供者、サービスを受ける被保険者、そして、費用を負担し保健事業を運営する保険者の三者が、視点を合わせて同じ目標に向かって取組を進めなければなりませんが、被保険者の年齢によって保険者が交代するため、この構図を複雑にしています。  医療保険では、七十五歳になるまでは国保や協会けんぽなどが保険者となりますが、七十五歳以上は後期高齢者医療広域連合、以下、広域連合が保険者となります。また、介護保険は原則六十五歳からサービスを受けられますが、こちらは各市町が保険者となっており、年齢や保険ごとの責任主体が入り組んでいます。このことは、いずるを制する上で弊害を生んでいます。例えば、医療費や介護費の削減には息の長い生活習慣病対策が求められますが、国保や協会けんぽなどと広域連合の間で事業の継続が行われず、成果のフィードバックがされないなどの課題が挙げられます。  「第三期広島県医療費適正化計画」では、広島県の医療費が全国比較でも高止まりしている現状が浮き彫りになっています。全項目が全国平均以上の悪い数値になっており、特に国保及び広域連合における数値は厳しいものとなっています。例えば、国保と広域連合における入院外医療費と調剤費の地域差指数は全国ワースト一位であり、広域連合単独では、一人当たり入院外医療費一位、調剤費三位です。これらのデータから、後発医薬品の使用促進、重複多剤投与の適正化、重複頻回受診者への保健指導に取り組むと基本方針で述べられています。この方針は全くもって正しいと言えますが、その取組が有効に進んでいるとは言えない現状であると思います。  また、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について、介護保険は市町が管轄しており、七十五歳からの保健事業は市町が広域連合から委託を受けて実施することとなっていますが、一体的な取組は県内で広島市と呉市のみです。国保からの継続性を持った取組、市町との一体的な取組、両方の鍵を握るのは広域連合であり、医療費抑制に向けた後発医薬品の使用促進などはもちろんのこと、プライマリーケア制度導入に向けても旗振り役として各保険者をリードする立場にあると考えます。広域連合は自治法上の特別地方公共団体との位置づけですが、県は公費負担の一部を担い、事務局長も派遣しています。  そこで、県として広域連合の役割をどのように認識し、広域連合を通じて今後どのような施策を講じていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、高校再編を含めた今後の教育の在り方についてお伺いします。  今回の安芸高校、呉昭和高校における令和四年度からの生徒募集停止に当たり、まずは在校生が両校で学んでよかったと胸を張って卒業できるよう、校長先生をはじめとした現場教員への万全のサポートを強く要請します。  特に、安芸高校は総合学科制を採用しています。募集停止になれば生徒数が減少していきますが、それに応じて教員数が削減され、結果として選択科目が狭められるようなことがないよう、教員数の確保には最大限の配慮をしてください。  さて、高校再編は生徒たちにとって自分自身の学力に合った選択肢があり、また、選択した学校において、本人の努力次第で大いに学力と個性を伸ばすことができる教育環境整備への第一歩として捉えなければなりません。大事なことは、学校をできるだけ残すことでも、学校の知名度やレベルを上げることでもなく、中学校卒業時に本人の学力と希望に応じた選択肢が確保され、入学後は着実に成長を遂げられる教育環境が整えられていることです。こうした観点から、二点お伺いいたします。  一点目は、高校再編の全体像についてです。  都市部における高校再編の号砲が鳴らされるわけですが、県教委は今後の広島県における高校教育の全体像を示す必要があると考えます。  そのためには、広島市教育委員会と高校教育のあるべき方向性を共有しながら、学校数や教員配置の在り方を検討した上で、歩調を合わせて再編に取り組まなければなりません。これは、普通科にとどまらず、例えば近接した場所に二校ある工業高校も、従来型の科目とICTなど最先端技術にすみ分けするなど、校種ごとの検討が求められます。  また、公立と私立の定員比率への考慮も必要です。広島県全体での募集定員における公私比率は七対三・四となっていますが、広島市域の全日制の入学定員に限って言えば、既に公私比率は五・三対四・七とほぼ拮抗しており、公立がここ十年間で定員数を約一三%減らした一方で、私立は約二%減にとどまります。本年度から私立高校が世帯収入に応じて実質無償化したことから、金銭的な理由で公立を選択する必要がなくなり、今後私立高校を選択する流れが加速することも予想されます。本年度生まれた子供たちが高校生となる令和十八年度には、さらに約四千人の生徒が減少することが分かっている中で、私学の動向も踏まえながらの検討が必要です。  そこで、学校再編に当たり、県教委は学校数や教員配置など全体像を示し、広島市、私立と在り方を協議再検証した上で再編計画を策定すべきと考えますが、教育長に御所見をお伺いいたします。  二点目は、各学校の在り方についてです。  先日、私学の校長先生と話した際、私学は、生徒減少の中、生き残りに必死になっている。教育の環境整備はもちろん、学校説明の頻度や内容の濃さは公立とは比較にならないとおっしゃっていました。この言葉は、経営結果が求められる私学の教育現場と公立との違いをよく表しています。  公立は、これまで学校がなくなるといった心配はほとんどなく、校長先生は三年程度の在任期間であるため、日々の学校のマネジメントには全力を尽くされていても、広島県の公教育を担う一部としてどうあるべきかという視点は持ちにくいのではないかと思います。一方で、私は、公立には公立の在り方があり、仮に校長先生の経営判断のみで学校の学力水準が決められるならば問題があると考えています。例えば、県内で学力トップクラスと言われる基町高校を各学校長が目指すとしたら、それは正しい在り方なのでしょうか。  現在、教育委員会は中学校卒業時点での学力に応じた役割分担を各学校に課しているわけではなく、あくまでも学校運営は校長先生の判断に任されています。公立学校の再配置を進める上で減少する生徒数に対してあるべき学校数や配置を検討することは必須ですが、もう一つの視点として、中学校卒業時点での学力に応じて、どの生徒も適切な進学先が確保されることが重要です。これまでは、学力ごとに学校をグループ分けすることは、各学校のレベルを固定化するということで避けられてきたようです。しかし、これは入学生のレベルがそのまま卒業生のレベルに直結してしまう一斉授業の弊害だと私は思います。県立広島中・高、基町高校、叡智学園などは、インプットとしてそれに見合う生徒を入学させ、アウトプットもそれなりの成果が出る。それぞれの学力の階層においてそのようなありようになっているのではないでしょうか。一方、子供たちが伸びる時期は様々で、出会いや環境によっても左右されます。これからの高校教育を考えた場合、入り口では中学校卒業時点での学力に応じた受皿を整えつつ、入学後は本人の努力次第でよりレベルの高い授業を受けることも可能にすることによって、インプット以上の成果が幾らでも期待できるようになる、こういったことにこそ各学校がしのぎを削るべきです。  このような取組は、ICT環境の活用で個別最適な学びが進むことで初めて実現が可能になります。  令和三年度予算に都市部と中山間地域の学校をインターネットでつなぎ遠隔教育を行う事業が上程されています。専門教員を中山間地域に配置する余裕がないことを解消する手だてという目的かもしれませんが、学校間をまたいだ個別最適な授業、個に応じた指導の実現を後押しする可能性がある取組であり、大いに期待していますし、楽しみな取組です。  このような学びが保証されるならば、各学校における入学時の位置づけを明確にした上で、各学校長の判断で環境整備、特色づくりをすることができます。生徒のやる気次第で卒業時の結果は大きく上振れする可能性が十分にあり得る。そんな子供たちの可能性を最大限に引き出せる教育を目指してほしいと思います。校長先生が責任を持って現場のマネジメントを行うのは大切ですが、一定の方針を与えた上のものでなければ、校長先生が替わるたびに方針も変わるということになりかねません。  このことは、入試制度改革にも直結する視点であると考えます。  先月の中央教育審議会の答申において、各高校は目指すべき学校像を明確にし、入学から卒業までの教育の指針となるスクールポリシーを策定することを求められました。しかし、広島県の公教育全体の中での位置づけがなければ、目指すべき学校像やスクールポリシーは策定できないはずで、それを示す県教委の役割は重要です。  そこで、県教委は、広島県における各学校の果たすべき役割を明確にした上で高校再編を成し遂げ、生徒たちが着実に成長する環境整備に取り組むべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、旧広島陸軍被服支廠についてお伺いいたします。  断捨離という言葉が一時期流行しました。この言葉は、物への未練を断ち切ることがいかに難しいかを表しています。身の回りの思い出の品ばかりでなく、公共施設にもこのことは当てはまるのではないでしょうか。むしろ、多くの方が関わるだけにより複雑な問題となります。  記憶に新しいところでは、旧広島市民球場を解体する際、多くの市民が一部でも残すことを希望し、外野ライト側スタンドが残されました。旧市民球場のように市民に愛され、思い出の場所になっているのであればなおさら、手放すことはなかなか難しいのが人情だと思います。建物を一度解体してしまうと、二度と戻らなくなると言う方もいます。しかしながら、中途半端に残してしまうのも問題で、ライトスタンドも残したものの、その後はあまりスポットライトを浴びることもなく、結局、さらに縮小して移設する方針を広島市が打ち出したようです。  また、広島市が所有する被爆建物の広島大学旧理学部一号館は、平和に関する研究拠点として活用する方針を決め、広大と市立大の平和研究機能を移転させる方向で調整しているようですが、被服支廠より圧倒的に立地がよく建物の大きさも手頃であるにもかかわらず、平成二十九年三月の方針の大筋決定から既に約四年となりますが、いまだ活用には至っていません。建物を残すことありきで利活用する難しさを、まさに見せてくれているのです。  ライトスタンドの例を見ても、利活用しない保存策はあり得ません。国や市が耐震化費用を負担するとしても、利活用しない建物に一棟当たり数億円をつぎ込み、維持費までかけるというのは一国民、一市民としても到底許容できません。  では、全棟での利活用は可能なのか。年間数万人や数十万人という人が訪れるすばらしい活用策が仮にあったとしても、残念ながらあの立地では駐車場の整備が難しく、それを実現することはできませんし、周辺住民の方にとっても迷惑です。また、利活用について、折り鶴を保存するなど、建物を残すことが目的としか思えないような活用は避けていただきたいと思います。  広大旧理学部校舎は、校舎だけでなく周辺一帯を含めて平和拠点とする構想はありますが、苦労しているのは先ほど触れたとおりです。同じ轍を踏むことのないよう慎重な検討を求めます。  ちなみに、広大旧理学部校舎の保存は、市の計画では全棟保存ではなく一部保存であり、被服支廠の全棟保存が議論への参加条件となることは、甚だしい矛盾を感じます。  なお、被服支廠は、現在地のみで検討するならば、住宅地に立地していることから、平和利用などからは一旦離れて、地域の方のニーズに添い、喜んで使ってもらえるような活用策を市と共に検討すべきと考えます。子供たちが伸び伸びと遊べ、子育て相談もできるようなコミュニティー施設とするなど、しっかりとした目的を持たせた施設にするべきです。この利活用の部分でこそ、広島市に対して、まさに当事者として議論に参加してもらいたいものです。保存と利活用の方向性を打ち出すには何を重視するかが問われます。  そこで、被服支廠の保存に当たり最も重視する目的を一つだけお答えください。  以上で質問を終わります。  最も大事な目的はどこにあるのか、様々な価値観が交錯する場合、重視しなければならない視点です。  高校再編では、学校をできるだけ残すことではなく、個別最適な学び環境の整備こそが重要だと述べました。被服支廠には四つの価値と三つの課題があります。価値は被爆建物、軍都広島の象徴、建造物としての希少性、壮観な景観。課題はコスト、有効な利活用、立地の制約。この全てを満足させる解決策があればベストですが、壮観な景観と多くの人を呼び込めない立地の制約は、残念ながら並び立ちそうもありません。  ここで、何を最も重視するかが問われるのです。  とにかく建物を残す。これも人によってはあるのかもしれません。この場合、今の立地のみで議論するならば、多くの人が訪れることは諦める必要があります。形あるものだけが大切なのではなく、被爆の実相もしくは軍都として栄えた戦前の広島の姿をできるだけ多くの人に伝えること、これが、私のこの件で最も重視することです。  人口統計が始まった一八七二年、全国都道府県で最も人口が多かった県は、実は広島県であり、その後軍都として栄え、大本営が移されることで、いっときでも首都機能が移転した歴史を持っています。広島に住んでいる我々、訪れる方々に戦前のまちの姿をイメージしてもらうことで、被爆の実相を伝えることに、より説得力が増すのです。  そのようなことから、私の本来の考えは、現在地にこだわらず、被爆の実相を伝えることを重視するならば平和公園へ、戦前の広島を伝えるためならば大本営の基礎が残る広島城エリアへ、既に数十万人の方が訪れている場所に建物の一部を移し多くの人に理解し共感してもらえるように、展示の工夫をするべきだと考えています。  被服支廠にかかわらず、大事な政策目的はどこにあるのか、議会での議論を通じて議員としての役割をしっかりと果たせるよう、今後も一歩ずつ努力することをお誓いし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) まず、教育を切り口とした適散・適集社会の実現についてお答え申し上げます。  ウイズコロナ時代の新たな社会が求める環境は、適散・適集社会であると考えており、都市と自然の近接性という本県の地理的特徴と合致していることから、新たな時代のフロントランナーとして県外からの移住をさらに促進してまいりたいと考えております。  移住・定住を促進するに当たっては、教育も大事な要素の一つでございます。  本県では、これまで、全国に先駆けて実践している学びの変革を全県に展開し、一人一人が自身の能力と可能性を最大限に発揮し、自身が抱く夢や希望に向かって挑戦ができるよう、乳幼児期から大学、社会人までを見据え、様々な施策を推進しているところでございますが、これは人づくり、豊かな地域づくりなど四つの分野が相互に連関して好循環を生むという現ビジョンの考え方の中で、教育の充実というファミリーフレンドリーな環境が移住・定住にもよい循環を生むとの考えに基づくものでもございます。  また、県内市町におきましては、小中一貫教育やコミュニティースクールの導入、公営塾や通信衛星授業などによる学力向上の取組、子育て世帯向けの住宅整備など、特色ある取組を進め、教育環境が充実していることを積極的に発信している市町もございます。  県といたしましては、過疎債等の活用の助言や、他の市町の取組の情報提供などにより、県内の市町の取組を支援しております。  加えて、東京の移住相談窓口やAI技術を活用したウェブ上の移住相談システムでは、移住候補地の情報の一つといたしまして教育環境を紹介するとともに、移住フェアにおいて、県立学校の相談ブースを設置し、生徒自ら来場者に対し地域の魅力を直接アピールするといった取組も行ってまいりました。  県といたしましては、知事部局、教育委員会が一体となって、引き続き市町とも連携し、教育を含めた地域の特色づくりを進め、その魅力を効果的に発信し、中山間地域を含む県内全域においてさらに移住が進むよう取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染拡大への対策についてでございます。  新型コロナウイルス感染拡大への対策につきましては、感染者を早期に発見して感染の連鎖を断ち切ることや、感染が拡大した場合を想定し十分な医療提供体制を確保しておくことが重要であり、広島市において想定をはるかに上回る感染者が発生した昨年十二月には、外来におけるトリアージ機能が滞り、また、病床やホテルの準備に時間を要したため、感染者を入院や宿泊療養に円滑に誘導できなかったことは、大きな課題であると認識しております。  また、飲食や職場を中心とした感染の連鎖が起きたこと、その感染が家庭へ、さらには医療・福祉施設等におけるクラスターの頻発につながったことも、課題として認識しております。  このため、県といたしましては、PCRセンターや医療機関などにおいて感染者を早期発見すること、クラスターが発生した場合には対応する保健所の支援や施設への介入により早期に収束させること、警戒基準値などのモニタリングを強化し、必要な場合、PCR検査の集中実施を行うことなどにより、状況が悪化する前の段階で、感染の連鎖を断ち切り、感染拡大を抑え込んでまいりたいと考えております。  加えて、入院病床や宿泊療養施設の整備につきましては、過去最多となった広島市における直近一週間の人口十万人当たりの新規報告数四十四・一人を踏まえて、同様の感染状況が県内全域で発生したと想定し、入院病床を五百床、宿泊療養施設を一千四百室確保することとしたところでございます。  また、御指摘のPCR検査につきましては、検査によって感染者を発見し、適切な環境での療養や治療につなげ、感染拡大防止を図ることを目的に実施するものでございます。  一方、PCR検査では偽陰性が存在するため、本検査のみで陰性を確認することには一定の限界があると考えており、また、検査結果の判明後も引き続き感染リスクがあるということで、安心のために、あるいは個人の陰性確認のために使うということについてはリスクがあるということを御理解いただく必要がございます。  今後、年度末にかけては、歓送迎会やお花見などで人との接触をする機会が増え、感染拡大のリスクが増大することが懸念されることから、マスクや換気、人と人との間隔を十分に確保するなど、基本的な感染防止対策の徹底について、きめ細かに情報発信してまいります。  次に、地域医療構想についてでございます。  地域医療構想は、県民の皆様が安心して医療・介護サービスを受けることができるよう、限られた医療資源の効率的かつ効果的な配置を促し、患者の状態に応じた切れ目のないサービス提供体制を構築することを目指しております。  平成二十八年の地域医療構想の策定に当たり、令和七年における必要病床数は、県が独自に実施いたしました療養病床入院患者の実態調査も踏まえ、国のガイドラインに沿って推計を行いました。  その結果、高度急性期から回復期までの一般病床の総数は約二万二千床から約二万一千床と、おおむね維持される一方で、慢性期における療養のための病床数は、約一万床が約六千七百床に大きく減少すると推計したところでございます。  構想策定から間もなく五年を迎えますが、策定時に見通した人口減少・高齢化の進展、疾病構造の変化の見込みなどは、この間、大きく変わっていないことから、引き続き、現行の構想に基づき、地域のニーズに合わせて医療機能の分化、連携を進めてまいります。  一方で、地域の医療を守るためには、今回のコロナ禍が地域の医療提供体制に及ぼした影響などについて把握する必要もあると考えております。  そのため、現在、保健医療圏ごとに最近の患者の受診の状況や新型コロナウイルス感染症への対応も含めた診療機能を分析しているところでございます。  今後、コロナ禍の影響を踏まえた医療提供体制の構築と、保健医療圏ごとの中長期的に目指すべき体制や県の医療の将来像について、方向性を整理してまいります。  全ての県民の皆様が質の高い医療を受けることができ、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、引き続き、医療提供体制の確保に取り組んでまいります。  次に、旧広島陸軍被服支廠についてでございます。  旧広島陸軍被服支廠につきましては、令和二年十二月に取りまとめた詳細調査の結果と、一棟保存、二棟解体の対応方針案を整理した考え方、さらには、国、広島市との協議、調整状況を踏まえ、建物の価値、国及び広島市の協議への参画、広島市の三棟保存の意向などから、これらを総合的に勘案するとともに、今次定例会における県議会の皆様との議論を踏まえ、スケジュールと併せて、一棟保存、二棟解体の現行方針案の見直しも含め、最終的な方向性を検討、整理してまいりたいと考えております。  あわせて、建物の安全対策は、早急に検討を進めてまいりたいと考えており、加えて、利活用策の検討につきましては、国や広島市に当事者の立場で参画いただきながら進めていくこととしております。
     この利活用策の検討に当たりましては、このたびの詳細調査では、具体的な議論を進めていくことができるよう、被爆建物の内部見学等による平和の発信の場としての利活用、県民、市民等が利用できる会議室やセミナールームとしての利活用、博物館としての利活用のパターンをお示しし、耐震性や概算工事費を明らかにしたところでございます。  今後は、こうした利活用のパターンに加えまして、これまで本県において検討されてきた利活用構想の内容や、広島市から提案のあった被爆建物としての価値の継承、全国におけるれんが建物の効果的な利活用事例等から利活用の在り方を明らかにしていく必要があると考えております。  加えて、これらの検討に当たっては、旧広島陸軍被服支廠の一棟保存、二棟解体の対応方針案を整理した際に用いた三つの視点である、早急に安全対策を講じること、価値の保存・継承を実現していくこと、財政的制約をクリアすることなども踏まえて検討を行ってまいります。  こうしたことを踏まえながら、建物が持つ価値として、国指定重要文化財級の国内最古級RC造建築物群であり、被爆の実相を未来に伝える建物であることを検討に当たって最も重視しながら、利活用策の検討を進める必要があると考えております。  これらの検討につきましては、節目節目に議会に報告しながら進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯議長中本隆志君) 健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 7: ◯健康福祉局長木下栄作君) 今後の医療の在り方について、二点のお尋ねがありました。  まず、プライマリーケアについてお答えいたします。  プライマリーケアにつきましては、日本プライマリ・ケア連合学会において、住民のあらゆる健康上の問題、疾病に対し、総合的、継続的、そして全人的に対応するものと定義されており、国におきましても、平成三十年度から始まった新たな専門医制度により、こうした役割を担う総合診療医の養成が進められているところでございます。  本県といたしましても、今後のさらなる高齢者の増加を見据え、地域で幅広い領域の疾患を総合的に診ることができ、在宅での生活も含めたケアができる総合診療医の養成・確保を進めていくことが重要であると認識しております。  このため、これまで、プライマリ・ケア医養成事業により二名の医師を県職員として採用するとともに、広島県地域医療支援センターによる医師の就業あっせんとして三名の総合診療医を県外から招聘し、各地域においてプライマリーケアを実践する人材として従事していただいております。  また、今年度から、総合診療医の養成・確保を促進するための取組について、大学や地域の中核病院、診療所などとの協議・検討を始めたところでございます。  あわせて、医療や介護専門職、地域住民など多様な主体により、地域包括ケアシステムを構築してきたところであり、さらなる質の向上を図るため、医師や住民への在宅療養啓発ツールの作成、在宅療養の困難事例に対して対処方法を学ぶ研修、アドバンス・ケア・プランニングの普及推進員の養成などに取り組んでいるところでございます。  こうした中、今般のコロナ禍により、感染拡大に伴う行動自粛の影響から、外来患者数や特定健診、がん検診の受診者数の減少などが認められております。  一方、それらに伴う個々人の健康への影響の有無を把握することは容易ではないと考えておりますが、こうした環境の変化や国の考え方などを踏まえながら、今後とも地域におけるプライマリーケアの担い手である総合診療医の養成を図ってまいります。  次に、後期高齢者医療広域連合についてのお尋ねにお答えいたします。  本県では、第三期広島県医療費適正化計画により、特定健診やがん検診の受診率向上や後発医薬品の使用促進など、県民の健康づくりに向けた取組や適正受診の推進など、医療費の過度な増大の抑制に取り組んでいるところでございます。  こうした中、本県の後期高齢者の医療費は、全体の約四割を占めており、今後も高齢化率の上昇に伴う増加が予想されることから、後期高齢者医療広域連合の果たす役割は非常に大きいと認識しています。  このため、広域連合では、今年度から、フレイル対策などの介護予防と生活習慣病などの疾病予防、重症化予防を一体的に実施し、高齢者の健康を支援する取組を一層強化されているところでございます。  こうした取組につきましては、県といたしましても、高齢者の健康を支援する重要な事業であると考え、広域連合と共に市町訪問や研修会の開催などを行い、早期の事業開始に向けた市町の課題解決などに積極的に取り組んでいるところであり、今年度──令和二年度の二市から、次年度──令和三年度は十一市町において事業の実施を予定しております。  同時に、人生百年時代を見据え、若い時期からの生活習慣の改善が重要と考え、健康経営に取り組む企業の拡大を図るとともに、企業、大学などと連携して、デジタル技術を活用し、生活習慣を改善するための実証実験を実施し、効果的な促進策の検討を行うなど、健康づくりに取り組むこととしております。  今後も、広域連合をはじめとした医療保険者、医療関係者、行政及び県民の皆様など、関係者の理解、協力を得ながら、県がリーダーシップを発揮し、医療費の適正化に取り組んでまいります。 8: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 9: ◯教育長平川理恵君) 二点についてお答えいたします。  まず、高等学校再編の全体像についてでございます。  県教育員委員会は、高等学校教育の普及及び機会均等の確保の観点から、私立、市立及び国立高等学校の配置状況を考慮しつつ、全県的な視野に立って教育を提供することが求められているものと認識しております。  このため、「今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画」につきましては、市町教育委員会や私立学校関係者等に幅広い議論をしていただき、平成二十六年二月に策定したところでございます。  現在、Society5.0時代が到来しつつあり、デジタルトランスフォーメーションが進展するなど、社会の在り方そのものがこれまでとは劇的に変わりつつある中で、高等学校教育の在り方も見直していくことが必要と考えております。  今後の生徒数の動向や、デジタル化の進展といった学校を取り巻く環境の変化などを踏まえ、市町教育委員会や私立学校関係者等と緊密に連携し、学校数や教員配置等も含め、次期計画の策定に向け検討を進めてまいります。  次に、各高等学校の在り方についてでございます。  本県では、全県的な教育水準の維持・向上を図るため、平成二十六年二月に、今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画を策定し、課程や学科等の在り方についてお示しするとともに、同年十二月には「広島版「学びの変革」アクション・プラン」を策定し、児童生徒の主体的な学びを促す取組を積極的に推進してきたところでございます。  これらの計画に基づきまして、平成三十年四月、広島市と共同で広島みらい創生高等学校を開校し、平成三十一年四月には三次中学校・高等学校及び広島叡智学園中学校・高等学校を開校するとともに、庄原格致高等学校に医療・教職コースを設置するなど、新たな時代を見据えた高等学校の体制整備を進めてまいりました。  また、これまで、各高等学校におきまして学校経営計画を策定し、学校のミッションやビジョンを定めてきたところでございますが、来年度からはこれまで以上に教育委員会と学校が強力な連携を行い、教育目標や育てたい生徒像の明確化を図ってまいります。  教育委員会といたしましては、今後も、生徒、保護者のニーズや社会経済の変化などを踏まえ、生徒一人一人の資質・能力と可能性を最大限伸ばすことができる魅力ある県立高等学校づくりに主体的に取り組むこととし、県立学校の在り方に係る次期計画の策定なども含め、検討を進めてまいります。 10: ◯畑石顕司君 議長……。 11: ◯議長中本隆志君) 再質問を許します。畑石顕司君。 12: ◯畑石顕司君 それでは、再質問させていただきたいと思います。  一点目は、コロナ感染再拡大を防止するための対策として、先ほど、例えば入院とか介護施設に関しては、偽陰性というものがあるので、必ずしも免罪符にはならないという御答弁がありました。一方で、これからの年度末から春の異動時期にかけては、マスク励行ですとか手洗いの励行、そういった一般的な感染防止のアナウンスをしていくという御答弁のみでした。  あれだけ無症状の感染者をあぶり出すために大規模なPCR検査を決断された知事が、この時期、期間限定でもいいから、移動した人、例えば入学で広島に入ってきた人、逆に広島から出ていく人が、持ち込ませない、持ち込まない、そういったための対策を検討してほしい。私が言った案だけが全てではないので、そういった何か前向きな検討を、これから再拡大させないのだという防止策を前向きに検討されるおつもりがあるのかどうか、まずこれを一点お聞きします。  続いて、被服支廠について、知事から重要文化財級であることが非常に大きなポイントだと、最大の目的だという御答弁がありました。これまでのこの定例会の御答弁を聞いていても、重要文化財級の価値があり、建物の解体は俎上にのせない。それから、国、市が費用負担を前提に協議に応じる、この際、市は三棟保存が条件であるということで、事実上建物の解体はしないという方向性を出されたのかと理解はしています。  そこで、二点お伺いしたいと思います。  まず、先日の総務委員会で答弁されていますが、国との協議は現時点で厚生労働省との協議です。であるならば、厚労省から期待される費用負担は被爆建物に対する補助であって、原爆死没者慰霊等事業を想定されているのではないかと考えます。この場合、補助上限額は単年で二千四百万円、一棟ずつ三年かけたとして七千二百万円の補助になります。  同じく広島市は、費用負担を前提にとありますが、被爆建物の保存に対する補助制度、これは公共への補助は本来行われません。交渉で公共にも認めてもらうということがあるのかも分かりませんが、木造以外の場合は上限八千万円です。  七千二百万円と八千万円を合わせて一億五千二百万円。これら補助額を引き出すことを想定されているのか、それとも、それ以上の費用負担が期待できると、今、県として思われているのか、期待できる場合は、その根拠も併せてお答えください。  次に、四棟残すことを最大の目的として、かつコストをできるだけ抑えるとするならば、このたび私としては中途半端な利活用策なので到底受け入れ難いですが、一棟は新たに追加された利用形態──一階を利活用して二階、三階は五十人まで。この場合、五・八億円、残りの二棟は外観のみ保存と仮にした場合に、三・九億円掛ける二棟、それでも合計十三・六億円必要になります。  県が期待する金銭的支援が国や市から得られなかった場合、県費単独でもやり抜く覚悟なのか、それとも、状況次第では当初の一棟保存、二棟解体など別の議論が再度、俎上にのせられるのか、お伺いします。以上です。 13: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 14: ◯健康福祉局長木下栄作君) 新型コロナウイルスを再拡大させないための防止策の取組についてのお尋ねについてお答えいたします。  委員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの感染を再拡大させないためには、まずはその感染拡大の予兆を早期に捉えることが重要と考えております。  そのためには、PCR検査の活用によりまして、そういった予兆があるかどうかということを早期に発見することが重要であると考えておりまして、二月二十二日から、従来のPCRセンターの中で、無症状の方におきましても検査を拡充するというモニタリングポストを実施しているところでございます。  そのモニタリングポストにおけます陽性者の発生率等々をモニターしながら、さらなる対策については、その状況を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。 15: ◯議長中本隆志君) 経営戦略審議官松井浩美君。         【経営戦略審議官松井浩美君登壇】 16: ◯経営戦略審議官松井浩美君) 被服支廠の保存・利活用に係る財源についてのお尋ねがございました。  議員御指摘のとおり、被服支廠の保存・利活用につきましては、財源確保が重要な課題でございまして、国の制度、市の制度を利用してまいりたいと考えております。  現在、国、広島市におきましては、県において利活用や保存棟数などの方向性が示されれば、費用負担を前提に協議に参画するという旨の回答を頂いておりますので、しっかりと議論してまいりたいと考えております。  また、国に対しましては、昨年八月に、当時の加藤厚生労働大臣が視察に来られた際に、知事のほうから補助の拡充や新たな支援の仕組みづくりを要望したところでございます。  このように、しっかりと財源確保に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。  また、重要文化財として指定されれば、保存、改修に五〇%の補助が受けられるという制度がございますので、こちらについても検討を進めてまいりたいと考えております。  財源が確保できなかった場合というお尋ねがございましたけれども、現時点では様々な方策を考えながら、利活用の内容も照らし合わせ、しっかりと財源確保に努めてまいりたいと考えております。 17: ◯畑石顕司君 議長、再々質問……。 18: ◯議長中本隆志君) 再々質問を許します。畑石顕司君。 19: ◯畑石顕司君 今御答弁いただきました被服支廠の件について再々質問したいと思います。  重要文化財に指定されれば、保存、改修に二分の一が出るということです。果たしてこれが重要文化財に指定されるのかというのは、大きなポイントになると思います。  私は、現時点では、重要文化財に指定される可能性は低いのではないかと思っています。  それはなぜか。昨年二月二十二日に、核廃絶議連を中心とした国会議員が、たしか六名参加されていたと思いますが、県、広島市、それから国の担当者が同席してヒアリングが開催されています。私はこの議事録を頂いたのですが、この中で、重要文化財の指定を判断する文化庁は相当否定的な見解を示されています。もちろん、当時は県が一棟保存、二棟解体という方針を示していましたから、それに歩調を合わせたという見方もできるのかも分かりませんが、かなり否定的な見解です。被爆建物であるということは、重要文化財に指定されるかどうかということには全く関係がなくて、被爆を強調するのであれば史跡扱いです。これは文化庁の担当者がそのようにはっきりおっしゃっています。  重要文化財の指定に関しては、大正時代の鉄筋コンクリート、れんが張りという建物の価値があるかどうかということが一番大事な肝であって、これが全国的に珍しいのかどうかというのが一番大事なポイントで、五百メートルに及ぶ壮観な景観というのも、別にマストな条件ではなくて、仮に一棟であっても希少性が認定されれば、重要文化財に指定される可能性があるのだと、私が調べた限りでは認識しています。  ということで、まず、建物を解体しないということと重要文化財だということは、少し矛盾があるのではないかと思いますので、この件についてどのような見解か、お示しください。  もう一点、広島市に対する費用負担に関しては明確な答弁がなかったのですけれども、仮に私が先ほど申し上げた八千万円が上限なのだとすれば、何もここで広島市に三棟保存という条件を縛られて、わざわざ八千万円を取りに行くような話ではないのではないかと思います。だから、これが重要文化財に指定されるかどうか、その成否のいかんによっては、例えば違うやり方が出てくるのではないか。  ここで広島市に何をおもねる必要があるのかよく分かりませんが、引っ張られて、うちは三棟保存しますと明言して進むことで、結局、我々議会としては、議決権を持って意思表示をするのですけれども、利活用それから保存の方向性を執行部が打ち出されるときには、恐らく議案としては出てこないのだと思うので議決ができない。国と市に対して生煮えの状態で協議を持ちかけて、結局県の費用負担が思ったより多くなったというような状態で追認を求められることがないように、くぎを刺しておきたいと思います。  広島市については、この八千万円という価格をもって縛られる必要があるのかどうか、今後のことについてお伺いします。以上です。 20: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。経営戦略審議官松井浩美君。         【経営戦略審議官松井浩美君登壇】 21: ◯経営戦略審議官松井浩美君) まず、重要文化財の指定についてのお尋ねでございます。  こちらにつきましては、昨年の建物の詳細調査をしました際に御意見を頂きました建物安全性等検討会議の委員の皆様から、最古級のRC造建築物が連続して五百メートルに及ぶ歴史的景観が残されていることが、国指定の重要文化財級の価値があることという御意見を頂いております。  この御意見を受けて、現在、解体を俎上にのせることは適当でないという判断をしたところでございます。  今後、重要文化財の指定に向けて必要な調査などをしていく必要があると考えてございます。  それから、広島市からの財政支援についてでございますが、こちらにつきましても、現在、八千万円という既存の制度がございますけれども、おっしゃったように公共についての支援というのはその中にそもそも入っておりませんので、新しい枠組みをつくっていただくことも含めて、今後、広島市としっかりと利活用の検討と併せて検討してまいりたいと考えております。 22: ◯議長中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時三十八分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 23: ◯副議長(安井裕典君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。東 保幸君。         【東 保幸君登壇】 24: ◯東 保幸君 皆さん、こんにちは。広島県議会民主県政会、東 保幸でございます。一問一答方式により質問を行いますので、質問用演壇に移ります。(質問用演壇に移動)  まず初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねします。  四月臨時会、五月二十八日でありましたが、私は、本会議で、感染症対策として取られてきた不要不急の外出自粛に伴い社会経済活動に急ブレーキがかかり、事業者から悲鳴が上がっていたことを踏まえ、緊急事態宣言が解除となったことで必要至急にすべきことを問いただしました。しかしながら、それは、昨年十二月の感染急拡大に直面し、四月の第一波で収束するものと見込んでいた私の判断の甘さでした。三月六日の県内初感染者確認、そして四月、八月、十月の感染拡大、さらには十二月に入っての感染急拡大、この間、県は切れ目なく感染拡大防止対策を実施してこられました。  そこで、これまで感染拡大防止対策に二百九十一億円余を措置して取り組んでこられましたが、その効果について、また、併せてこれまでの感染者発生状況、とりわけ十二月からのねずみ算を思わせる感染急増をどのように分析しておられるのか、知事にお伺いします。 25: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 26: ◯知事湯崎英彦君) 本県では、昨年三月七日に最初の感染者が確認されて以降、これまでに四度の大きな感染拡大が見られる中、広島積極ガード宣言の下、県民、事業者、行政が連携して感染拡大防止対策に取り組んできたところでございます。  この間、感染者早期発見のための身近なクリニックを活用したPCR検査体制の拡充や、クラスター対策のための医療・介護従事者を対象とした定期的な検査の実施、また、積極的疫学調査を担う保健所業務体制の強化、入院病床や宿泊療養施設等の医療提供体制の確保、医療機関や社会福祉施設等に対するマスク、ガウンなど医療資材の安定的確保、供給などに取り組んでまいりました。  また、より強い措置が必要となる感染ステージ3となる前に適切な対策を講じることができるよう、県独自の警戒基準値を設定し、地域の疫学的状況や医療状況に関するリスク評価を行いながら感染防止対策を行ってまいりました。  こうした中、昨年十二月初旬以降の本県でのいわゆる第四波は、飲食や職場を中心とした感染の連鎖が起きたこと、その感染が家庭、さらには医療・福祉施設等におけるクラスターの頻発につながったことを主な要因として、想定を超える急拡大となりました。  このため、外出機会の削減や飲食店に対する営業時間の短縮要請のほか、医療福祉クラスター対応班の介入など、三次にわたる集中対策を実施し、感染の急拡大に歯止めをかけ、二月五日以降は警戒基準値を下回る感染状況に抑えられているところでございます。
     一方で、昨年十一月中旬以降に見られた感染拡大の兆候をいち早く察知し、PCR検査の拡充や受検の徹底などの早めの対策を集中的に講じることができていれば、県民や事業者の皆様に多大な負担を強いる外出自粛や時短要請など、人と人との接触を広く全般に遮断する強い措置を講じることなく感染拡大を防止できた可能性があると考えております。  今後におきましては、PCRセンターのモニタリングポイントや、これまでに蓄積された様々なデータから現状を分析し、専門家の意見を伺いながら、再拡大の予兆を捉えた際にはちゅうちょなく対策を講じてまいりたいと考えております。 27: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 28: ◯東 保幸君 感染拡大があまりにも急でしたから、知事の適切な判断、また、急増期から学んだことを必ず次に生かしてもらえるものと期待しております。  一九一八年に世界を襲った新型インフルエンザウイルス、スペイン風邪によるパンデミックの世界での死亡者数は二千万人から四千五百万人、日本では推計四十五万人が亡くなったとされ、これは、第一次世界大戦の死者一千万人をはるかに超えるものでありました。スペイン風邪は日本中に拡散し、国内人口五千六百万人のうち、罹患者二千三百万人、広島県の死亡者数は一九一八年冬の前流行で七千三百五十三人、そして、一九一九年冬が後流行となり五千五百八十一人、合計で一万二千九百三十四人が亡くなったとされております。そして、一九二〇年春、人々が免疫抗体を獲得して収束しました。当時、行政は、感染の拡大は飛沫感染によるものと理解して、予防心得などでマスクの使用、うがい・手洗いの励行、人混みは避けることを促しておりました。マスクを配ったという記録もあります。これは、現在でも行われている対処法で、我々ができる感染症対策の基本であります。医学、公衆衛生が現在よりも劣り、何よりもウイルスという病原体を特定できなかった当時としては、なすすべがなかったものであります。  以上は、速水 融著「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ」からの引用です。前置きが長くなりましたが、過去のスペイン・インフルエンザに学ぶとすれば、感染症の収束には免疫獲得が必要となります。新型コロナウイルスに関しても、人類が免疫を獲得するために、ワクチンの開発が急がれ、やっと日本でも医療従事者へのワクチン接種が開始されたところでありますが、県民に行き渡るには相当時間を要するのではないかと思います。こうしたことからも、県が既に八月から二回実施された抗体検査は、市中感染の実態や抗体保有率を把握でき、状況に応じた有効な感染症対策を検討するため、非常に重要な取組と考えます。  そこで、抗体検査を継続的に実施する必要があると考えますが、県独自の抗体検査の趣旨、経緯、進捗状況及び今後の継続についてどのように考えておられるのか、お伺いします。 29: ◯副議長(安井裕典君) 健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 30: ◯健康福祉局長木下栄作君) 新型コロナウイルス感染症は、感染しても無症状や軽症で経過することもあるため、医療機関等からの報告で把握した感染者数は、実際の感染者数よりも少なくなります。  このため、本県では、新型コロナウイルス感染症の市中の感染実態等を把握し感染拡大防止対策の検討に資するため、県独自の抗体保有率調査を広島大学に委託して実施しております。  この調査は、広島市、福山市、三次市、東広島市及び北広島町にお住まいの方、合計七千五百人を対象に、今年度中に三回行うこととしており、先日、昨年十月から十一月にかけて実施いたしました第二回目の調査結果について公表したところでございます。  第二回の抗体保有率は〇・二五%であり、前回の〇・一三%と比較し若干増加しており、また、同時期の本県の感染率〇・〇二%と単純比較すると約十倍となっております。  このことについて、調査を監修する広島大学の田中純子教授からは、依然として大半の人が抗体を保有していないという結果であり、感染が急拡大した十二月以前の調査であったことから、それほど広がっていなかったと考えられるとの評価を頂いております。  現在、第三回の調査が終了したところでありまして、来月──三月末には参加者への感染症対策や行動履歴に関するアンケート結果を含め、本調査の全体的な分析、評価を行っていただくこととしており、まずは、その結果を踏まえ、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。 31: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 32: ◯東 保幸君 三回目の調査結果がどのようなものか、大変心待ちにされるところでもあり、また、その結果を受けての継続をお願いしたいと思います。  新型コロナ感染が拡大する前の昨年三月初旬、一通の手紙を頂きました。内容を紹介させていただきます。二月定例会の審議を見ていて、感染者がまだ一名しか確認できていないためか、ウイルス対策の現状に対して大変甘い。せめて病床を最終的には一千床確保できるように検討していただきたいというものでした。その理由は、飛沫感染、エアロゾル感染、涙からの感染など、感染のリスクが高い。PCR検査数が圧倒的に少ない。医療保険適用でないため高額。検査体制が十分でない。今後の感染拡大を見越せば百床では足らない、段階的に一千床を目指してほしいというものでした。  私は、正直、一千床かというふうに、これを聞いて途方もない数字だというふうにも感じました。病床の確保は同時に医療従事者の確保という課題を伴い、簡単にできる話ではありません。  しかしながら、本県で感染者数がピークとなった十二月三十日、県内には一千四百三十一人の感染者が確認されましたが、確保できている病床やホテルは八百四十三人分しかなく、病状の悪化、医療崩壊が本当に心配される深刻な状況となりました。その後、病床やホテルの確保を進め何とか乗り切ったわけでありますが、今回改めて感染症の怖さと医療提供体制の整備の必要性を感じたところであります。  行政は常に仮説思考、最悪の状況も想定して対策を検討する必要があります。今後、ワクチン接種が進み、徐々に免疫を獲得する人が増えてくるとは思いますが、感染拡大の波が再度襲ってくることは考えておかなければなりません。  そこで、療養体制について、医療従事者の確保を併せて考えた場合、県内で最大どれだけ確保することができると見込んでいるのでしょうか。  また、今後の療養体制の確保数についてどのようにしていこうと考えているのか、併せてお伺いします。 33: ◯副議長(安井裕典君) 健康福祉局長木下栄作君。 34: ◯健康福祉局長木下栄作君) 昨年十二月初旬からの新型コロナウイルス感染拡大は、広島市を中心とした感染者の急増とともに、県内全域にわたって拡大基調となり、コロナ患者を受け入れる病床も逼迫し、軽症者等の宿泊療養施設の制約から自宅待機者も発生するなど、これまでで最も深刻な状況となりました。  この間の医療提供体制につきましては、患者の増加に対応して、最大で入院病床四百八十一床、軽症者等の宿泊療養施設を一千三十八室まで確保したところでございます。  入院病床や宿泊療養施設の整備につきましては、昨年六月に、それまでの感染状況を踏まえて、国から示された推計方法に本県が想定する事態を反映させ、感染ピーク時において入院病床を五百床以上、宿泊療養施設の室数を七百室以上とする感染拡大に応じた段階的な整備目標を定めるとともに、入院調整を行うトリアージセンターの設置や患者の搬送体制の整備も行っていたところでございます。  こうした中、十二月初旬からの感染拡大は、広島市における直近一週間の人口十万人当たりの新規報告数において、初期段階で五・八人であったものが、約三週間後の十二月二十六日には過去最多の四十四・一人となり、本県の想定を超える状況に至りました。  今後の医療提供体制につきましては、まずは、この経験を踏まえ、同様の感染状況が県内全域で発生したと仮定し、一日当たり新規感染者数百七十七人が一週間にわたって継続しても対応できるよう、入院病床を五百床、宿泊療養施設を一千四百室確保することとしておりますが、変異株の流行状況や専門家の御意見も踏まえながら、適宜、その必要量を精査してまいります。 35: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 36: ◯東 保幸君 いずれにしても、感染爆発に伴う通常医療への影響を併せて考えなければならないということだろうとは思います。あらかじめ用意しておくということもなかなか困難なことでもあろうかと思いますが、いずれにしても、ぜひ、医療が崩壊しないという県民の期待に応えていただきたいと思います。  医療体制の提供と同様に、保健所の体制整備も非常に重要だと思います。年末年始も恐らく休みなしで、積極的疫学調査や健康観察などに当たられたのだろうというふうにも思います。保健所も行革による再編で縮小を繰り返し、そうした中でのコロナ対応となっております。過度な業務負担とならないよう、また、いつ来るか分からない急増局面に対する体制整備を全庁的に取り組んでいただくようお願いします。  そして、感染拡大防止と経済活動のバランスを取るということは、極めて至難のことだと思っております。移動の自粛、活動の自粛を求めることの判断を国から知事に委ねられております。知事の判断は大変重たいものだというふうに思います。  代表質問において西村議員がお聞きした広島県政世論調査のうち、暮らし向きとチャレンジビジョンについてお聞きします。  昨年は、広島県政世論調査と国勢調査が行われました。国勢調査は、一九二〇年の第一回調査から数え、百年の節目となりました。  ここで、国勢調査にまつわる逸話を紹介したいと思います。広島の山奥深くに不思議な集落があるという。政府の官員さんが訪ねると、帯刀──刀を持ったちょんまげの男が出てきて言った。もう源氏は滅びたか。これは作家、火野葦平の小説にあり、国勢調査で初めて集落の存在が分かったというものであります。こうした事実について、広島県立文書館に出向いて調べてみましたけれども、残念ながら資料は見つかりませんでした。ただ、こうした話は各地にもあるそうで、国勢調査で明らかになった集落が幾つもあったといいます。  さて、県の県政世論調査は、一九七五年から開始、一九九六年までは毎年実施されていましたが、一九九七年以降は三年に一度実施されています。昨年行われた調査では、約七五%の方が暮らし向きに満足と回答されています。これは前回並みであり、また、調査の時期が九月ということで、八月のコロナ感染第二波が収まっていたことも影響していると思われます。  そこで、まず、約七五%が暮らし向きに満足と回答していることに対する知事の所見をお伺いします。  また、知事就任時から取り組んできた「ひろしま未来チャレンジビジョン」が終了し、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」がスタートします。  今回の世論調査において暮らし向きに表れた県民意識と、この十年のひろしま未来チャレンジビジョンの成果をどう評価しておられ、また、ひろしまビジョンに県民は何を期待していると認識されているのか、併せて知事にお伺いします。 37: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 38: ◯知事湯崎英彦君) 県政世論調査は、三年ごとに県政の主要課題に対する県民意識等を把握し、今後の県政運営の基礎資料とすることを目的としております。  現在の暮らし向きにつきましては、定点調査として毎回実施しておりまして、満足層の割合は、私の任期中におきましては、平成二十三年度調査が六七・四%、平成二十六年度が六六・六%、平成二十九年度が七三・七%、今回が七四・七%と、上向いている状況でございます。  これまでの間、本県におきましては、平成二十二年に策定いたしましたひろしま未来チャレンジビジョンに基づき、その目指す姿の実現に向けて、人づくり、新たな経済成長、安心な暮らしづくり、豊かな地域づくりの四つの政策分野を相互に連関させ、相乗効果をもたらしながら好循環する流れを創り出してまいりました。  具体的には、人づくりの分野においては、ひろしま版ネウボラによる子育ての安心感の醸成や、広島叡智学園中学校・高等学校の開校、叡啓大学の開学などによる全国に先駆けて実践してきた学びの変革の推進、新たな経済成長の分野におきましては、総観光客数と観光消費額について平成二十四年以降六年連続で過去最高を更新したことや、イノベーション・エコシステムの構築に向けたひろしまサンドボックスなどを通じたイノベーション人材等の育成と集積、安心な暮らしづくりの分野においては、人口十万人当たりの医師数の増加や、全百二十五日常生活圏域における地域包括ケアシステムの構築、豊かな地域づくりの分野においては、移住先としての認知度向上を通じた移住世帯数の着実な増加や、米国大統領やローマ教皇の被爆地訪問の実現などによる国際平和拠点としての広島のプレゼンスの向上などといった成果によって、冒頭に述べました現在の暮らし向きに関する県民の皆様の満足度の向上にもつながっているものと考えております。  また、平成三十年度の県民経済計算では、名目県内総生産が十一兆七千百三十七億円と、平成二十二年度と比較して一一・一%の増、一人当たりの県民所得が三百十万九千円と、平成二十二年度と比較して一五・二%の増となるなど、本県の経済情勢についても一定の成果が得られ、新たな成長に向けた芽が育ちつつあることも、県民の皆様の満足度が高まった要因であると受け止めております。  次に、県民の皆様の期待につきましては、県政世論調査の今後の重点施策の要望の項目を見ますと、高齢者対策、社会福祉・社会保障対策、治山・治水・河川・砂防対策、子育て支援対策、保健医療対策が上位を占めております。  こうした中で、昨年十月に策定した「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」では、先行きが不透明な時代においても、県民の皆様が抱く様々な不安を軽減して安心につなげ、誇りを高め、県内のどこに住んでいても、県民一人一人が夢や希望に挑戦し、それぞれの欲張りなライフスタイルが実現できる社会を目指しております。  このため、新たなビジョンの初年度となる来年度は、喫緊の重要課題であります新型コロナ対策を着実に推進するとともに、これまでの取組から得られた知見や成果を活用しながら、子供の健やかな育ちを支える環境の充実、人生百年時代を見据えた健康寿命の延伸、持続可能な医療・介護提供体制の構築、ハード・ソフトが一体となった防災・減災対策など、県民の皆様の不安を軽減し、安心につなげる取組をはじめとして、誇りを高め、挑戦を後押しする取組を質的、量的に進化させることで、新たなビジョンの目指す姿を実現してまいります。 39: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 40: ◯東 保幸君 世論調査のトップ項目、県民の皆さんの声は常に高齢者対策が上がってきております。また、これに加わってのコロナでございます。課題は山積ではあろうかと思いますが、引き続いての取組、期待に応えていただきたいと思います。  次に、子供の生活に関する実態調査についてお尋ねします。  日本の子供の貧困が社会問題視されていた二〇一七年、県は、全ての子供が夢を育むことができる社会づくりに向け、県内小学五年生一万三千四百人、中学二年生一万三千人とその保護者を対象に、生活実態、学習環境について調査を行いました。その結果は、小学生、中学生ともに二五%以上が生活困難層にあり、子供の生活や学びに影響があると指摘されており、こうした状況にある子供たちへの適切な支援が強く求められます。  このたびのコロナ禍では、非正規労働者、独り親家庭、低所得者にさらなる収入低下による格差の拡大が指摘されています。さらには、昨年四月に広島県警がまとめたデータによりますと、不要不急の外出自粛により交通事故や刑法犯認知件数は減った一方、学校の一斉臨時休業によって生活が変化したことを背景として少年補導や児童虐待が増加しているとのことであり、コロナの影響が子供たちにどのように現れているのか、非常に心配されるところであります。  そこで、この一年、大きな環境の変化に見舞われた子供たちの生活について、改めて実態を把握し、必要な支援策を検討するべきと考えますが、子供の生活に関する実態調査を再度調査することについて所見をお伺いいたします。 41: ◯副議長(安井裕典君) 健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 42: ◯健康福祉局長木下栄作君) 平成二十九年度に行った子供の生活に関する実態調査の結果では、生活が困難になるほど、授業が分からないと感じたり、生活習慣が身についていないなど、子供たちが厳しい環境に置かれていることが改めて確認されたところです。  このため、平成三十年度に、子供未来応援プロジェクト・チームを立ち上げ、子供の能力と可能性を最大限高める教育の実現に向けた学びのセーフティネット構築事業や、それらの下支えとなる生活習慣づくりとして朝ごはん推進モデル事業などの取組を進めつつ、令和二年三月には「ひろしま子供の未来応援プラン」を策定いたしました。  このプランでは、全ての子供たちが夢を育むことができる社会の実現に向けて、様々な成果指標を設定しており、子供たちが置かれている状況や経済的な事情も含めた家庭環境などを把握し、ライフステージの早い段階から適切なタイミングで必要な支援を行うこととしております。  一方で、内閣府において、子供や家庭の現在の生活経済状態、学習状況、心配事や不安といった心理状態などの実態を把握するための、現在、全国調査として子供の生活状況調査が実施されており、今年の夏以降に調査結果が公表される予定と聞いております。  県といたしましては、今後も、ひろしま子供の未来応援プランに沿った施策を着実に進めるとともに、内閣府の調査結果も参考にしながら、新しい施策の必要性についても検討してまいりたいと考えております。  こうした取組によって、貧困の連鎖防止対策を含めた子供の未来を応援する施策のより一層の充実を図り、全ての子供が生まれ育った環境の違いにかかわらず健やかに夢を育むことができる社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。 43: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 44: ◯東 保幸君 今回のコロナ禍は、家計が逼迫している家庭が多いと思われます。フードバンクに大量に提供された食材がすぐに配られるというふうにお聞きいたしました。県教委は昨年六月に、臨時休業中の学習に関わるアンケート調査を実施しました。クラウドサービスを利用して大規模かつスピーディーにアンケートを行っております。子供の生活に関することの調査であれば、保護者や福祉関係者を含むことになりますので、課題が増えてくると思いますけれども、ぜひ連携して調査のほうも実施していただきたいと思います。  次に、叡啓大学についてお尋ねします。  少子化が進展する中、大学が置かれている状況として指摘されたのが、二〇一八年問題です。一九九二年の二百五万人をピークに下がり続けた十八歳の人口が、この数年は百二十二万人程度で推移してきましたが、二〇一八年から減少傾向に転じています。そうした中、国は一九九一年、十八歳人口のピークを踏まえ大学設置基準を緩和し、これにより大学認可数は増えましたが、現在、そのしわ寄せを受けて、私立大学の約三割が定員割れしています。  広島においても、私大の経営統合や募集停止が起きています。そして、さらには、地方国立大学の定員増が検討されるなど、地方の大学をめぐる状況は、生徒に選ばれるものでなければ生き残れない、厳しいものとなっております。  全国的に人文・社会科学系は再編を求められ理工系の期待が高まる中で叡啓大学が成功を収めるには、ソーシャルシステムデザイン学部が掲げる、先行き不透明な社会経済情勢の中で、解のない課題にチャレンジし、新しい時代を切り開いていく人材を育成するという開学の趣旨が、高校生、保護者に理解されなければなりません。  そこで、高校生、保護者、そして企業の皆様に叡啓大学の理念をどのように理解してもらうのか、あわせて、叡啓大学開学による地方創生の効果について知事にお伺いします。 45: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 46: ◯知事湯崎英彦君) 十八歳人口の減少やグローバル化、デジタル技術の進展など、高等教育を取り巻く環境が大きく変化し厳しさを増す中、本県高等教育が学生から選ばれ続けるためには、将来を見据え、これからの社会で活躍できる資質・能力を備えた人材を継続的に輩出していくことが求められます。  こうした中、文理横断のリベラルアーツやデジタルリテラシー、語学など、多様化、複雑化する課題を解決する上で基盤となる知識やスキルを学び、それらを実践、応用することにより、先行きが不透明な社会において解のない課題に果敢にチャレンジし、粘り強く新しい時代を切り開いていく人材を育成し、地域から国際社会まで幅広く貢献することを理念として、令和三年四月に叡啓大学を開学いたします。  この理念を実現していくためには、叡啓大学の育成を目指す人材像や教育について、高校生、保護者をはじめ、地域や県内企業などに幅広く浸透を図ることが不可欠であり、これまでホームページの開設や大学説明会の開催、模擬授業の公開、PR動画の配信など、様々な手法を組み合わせて取り組んでまいりました。  開学後においては、こうした取組に加えまして、企業や市町、国際機関など様々な主体との恒常的な連携拠点となるプラットフォームを活用し、実践的な課題解決演習や留学、インターンシップなどの体験・実践活動を展開する中で、学生が優位な資質・能力を示し、開学の理念や育成を目指す人材像を体現することにより、叡啓大学に対する理解や評価を高めてまいりたいと考えております。  あわせて、卒業生の活躍による企業などの活動の活発化やイノベーションの創出などを通じて、新たな経済成長のステージが生まれ、また、地域社会の様々な分野で新たな活動が生み出されていくことにより、様々な人々が集い活躍する活力にあふれた地域の実現を目指してまいりたいと考えております。 47: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 48: ◯東 保幸君 卒業生までを視野に入れると、まだまだ時間のかかる取組にもなろうかと思います。しっかり取り組んでもらえればと思います。  叡啓大学は、入学定員の二割を留学生とし、英語による授業、リベラルアーツに重点を置き、地域の課題解決に取り組むこととされ、世界と広島をつなぐ人材育成、地域のためのグローバル人材、グローカル人材の育成に期待がかかります。一方、地方独立行政法人制度の下、各大学は自律的な運営を求められる状況にあります。そうした中、叡啓大学の学生は、単なるインターンではなく、地域課題を発見、解決するテーマを自ら提案、企画して、県内企業や自治体から頼られ、請われて資金を集める学び方があってもよいと考えます。  そこで、叡啓大学において一方的な学びを踏襲するだけでは新大学設立の意味はないと思いますが、どのように考えておられるのか、所見を伺います。 49: ◯副議長(安井裕典君) 環境県民局長新宅郁子君。         【環境県民局長新宅郁子君登壇】 50: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 叡啓大学においては、新たな教育モデルの実践に向けて、企業や市町等と連携した課題解決演習や留学、インターンシップなど、海外を含む複数回の体験・実践活動を教育の中心に据え、実社会の課題を解決し、新たな価値を創造するために必要な知識やスキルをトライ・アンド・エラーを繰り返しながら実体験として習得できる教育体系を構築することとしております。  具体的には、企業や市町等から提供された実践的な課題に対して、学生が少人数のチームを組み、現地調査や情報収集を通じた現状の把握からボトルネックの特定、仮説思考による解決策の検討、提案までを一貫して取り組む学生主導による学びを展開してまいります。  卒業年次には、学生一人一人が自らの興味・関心に応じて課題を設定し、これまで培ってきた様々な人とのつながりや、学んだ知識、スキルを総動員して卒業プロジェクトに取り組み、社会で即戦力として活躍できるレベルまで実践力の向上を図ってまいりたいと考えております。  こうした学びを通じて、叡啓大学の教育や育成する人材に対する企業や市町等からの評価を高め、それがさらなる活動の広がり、発展につながる好循環の確立を目指してまいりたいと考えております。 51: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 52: ◯東 保幸君 先に指摘したように、学生数が減少していく中で、新大学設置は県内大学に激震が走ったと思われます。県立広島大学の学部、学科の再編と叡啓大学の開設といった県立広島大学の改革は、県内大学と連携しながら本県の高等教育の質を向上させるものでなければなりません。そうした中で、新年度の予算においては、県内大学連携の取組強化による魅力づくりが提案されています。  叡啓大学の設置に伴い、今後、県立広島大学の専門性の高度化、活性化をどのように考えておられるのか、また、県内大学の共生をどのように見通しておられるのか、併せてお伺いします。 53: ◯副議長(安井裕典君) 環境県民局長新宅郁子君。 54: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 叡啓大学の設置に伴い、県立広島大学と叡啓大学双方の学生が異なる教育や学習環境に触れ、交流することで、より幅広い経験や深い学びにつながるよう、二大学の連携強化に取り組むこととしております。  具体的な連携といたしましては、単位互換制度を活用したリベラルアーツや課題解決演習への参画のほか、叡啓大学の学生寮を起点とした留学生との交流など、県立広島大学の学生が叡啓大学の特徴的な教育や多様性に触れ、お互いに切磋琢磨する中で学修の幅を広げ、専門性の深化や他者と協働する力の向上につなげてまいりたいと考えております。  次に、県内大学の共生については、文部科学省の将来推計によると、今後、大学進学者の大幅な減少が見込まれており、次期ビジョンの最終年次である令和十二年度には、県内大学の定員充足率は九〇%程度まで落ち込む試算となっております。  こうした変化に対して、個々の大学による取組では限界があるため、大学間の連携を強化し、教員や施設など、それぞれが有するリソースを共有し、相互に補完し合う体制を確立してまいりたいと考えております。  具体的には、遠隔講義システムの導入を通じて県内大学のネットワーク化を図り、単位互換制度を活用して、県内どこの大学においても思考、判断の基盤となるデジタルリテラシーなどを学び、身につけることができる環境整備を進めてまいります。  こうした取組を通じて、本県高等教育の魅力を高め、県内外から多様な人々を呼び込むことで、本県の強みである幅広い分野にわたる高等教育機関の維持、共生を目指してまいりたいと考えております。 55: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 56: ◯東 保幸君 県内から、また、県外からもたくさんの学生に選んでもらえるように、しっかりといい大学にしてもらいたいと思っております。と同時に、思い切ったことができるのもまた大学生でもあろうかと思いますので、存分に挑戦できる環境を整備してもらいたいと思います。
     留学生を受け入れるという方針ですので、ぜひインドのタミルナドゥ州及びアンナ大学との連携も進めていただきたいというふうにお願いしておきます。  次に、旧広島陸軍被服支廠についてお聞きします。代表質問をはじめ、多くの質問が行われましたけれども、あえて二点確認いたします。  まず、歴史的価値についてであります。  一九一三年に建設された旧広島陸軍被服支廠は、当時の技術の粋と最高の資材を投入した堅牢な造りとなっております。兵員、物資を運ぶため宇品線が敷かれ、沿線に兵器廠、糧秣支廠、そして被服支廠が建設されるなど、広島は軍都として栄え、恩恵も受けてきた事実と同時に、軍国主義の忌まわしい記憶も有しています。その史実を構成する一つが、旧広島陸軍被服支廠であります。そして、一九四五年八月六日の被爆の実相を、今なお当時のまま、とどめております。臨時救護所として使われ、多くの被爆者がなだれ込みましたが、治療を受けることなく無念のうちに命尽きていった方々、被爆当時の状況は、峠 三吉の「倉庫の記録」に描かれています。  広島は、時代の要請とともに発展、そして、人類初の原子爆弾の被害、七十五年は草木も生えないところからの復興という歴史を持ち、広島の価値の一つ、戦争を憎む、平和の希求を訴える力があると思います。  そこで、今後、国や広島市との協議が行われると思いますが、旧広島陸軍被服支廠の歴史的価値について知事の認識をお伺いします。 57: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 58: ◯知事湯崎英彦君) 旧広島陸軍被服支廠の価値につきましては、このたびの詳細調査におきまして、有識者から、最古級のRC造建築物による、連続して五百メートルに及ぶ歴史的景観が残されていることが、国指定の重要文化財級の価値である旨の意見が示され、さらに、それらに加え、被爆建物としての価値がある旨の意見が示されたところでございます。  こうしたことから、建物が持つ価値として、国指定重要文化財級の国内最古級RC造建築物群であり、被爆の実相を未来に伝える建物であることを、検討に当たって最も重視しながら、利活用策の検討を進める必要があると考えております。  なお、国や広島市に当事者の立場で参画いただきながら、利活用策の検討を進めてまいります。  これらの検討につきましては、節目節目に議会に御報告しながら進めてまいりたいと考えております。 59: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 60: ◯東 保幸君 次に、利活用策についてお尋ねします。  今回の新たな調査によって前提条件が整ったと私は考えます。これに基づいて利活用策を明らかにして今後の方針を示すべきでありますが、築百八年の歴史的建造物であり、建築学的にも評価の高い建物を現在の私たちがどのように手を加えてよいのか、常に迷いがあります。十五歳で第五師団に志願し十七歳で被爆した私の中学生時代の恩師、石田 明先生は、被服支廠について、原爆被害の無言の証人として保存を強く訴えておりました。先ほど国際平和議連で研修会がございましたけれども、恩師は、一九八六年の核兵器廃絶に関する広島県宣言に携わり、碑の建立にも携わっており、建立の際には本当に喜んでいたと覚えております。  さて、広島市安佐北区にも、可部町今井田の太田川沿いに旧亀山発電所がございます。川の蛇行した流れをうまく利用したものですけれども、一九一二年に建設されたれんが造りの建物で、民生施設であり、軍事施設の被服支廠とは大きく構造、規模も異なります。しかし、広島の産業発展、自然の生活など、利便性向上に必要不可欠な電力の供給を担い、時代の要請に応えてきたもので、やはり歴史的建造物です。惜しむ声はありますが、保存の動きは大きくありません。  巨大な旧広島陸軍被服支廠の活用に当たっては、会派としては重要文化財指定を要望してきましたが、モニュメントでもなく、化石でもない。歴史性と被爆の痕跡と記憶を呼び覚ますために後世に伝え、引き継いでいくものの価値の共有は、ゆっくりと時間をかけていく必要があろうと思います。Society3.0を生きる私の今の創造力では、どのような活用が未来の役に立つのか、よいアイデアは思い浮かびませんけれども、被爆百周年、二百年後の価値を想像してみてはどうでしょうか。  叡啓大学に関わって触れましたけれども、新たなニーズの創造、新たな価値を創り出すSociety5.0を生きる次の時代に歴史的建造物の在り方を委ねることにより、広島の価値に世界中の人々が共鳴、共振するよう発信してくれるものと考えますが、所見をお伺いします。 61: ◯副議長(安井裕典君) 経営戦略審議官松井浩美君。         【経営戦略審議官松井浩美君登壇】 62: ◯経営戦略審議官松井浩美君) このたびの詳細調査では、旧広島陸軍被服支廠の利活用について具体的な議論を進めていくことができるよう、被爆建物の内部見学等による平和の発信の場としての利活用、県民、市民等が利用できる会議室やセミナールームとしての利活用、博物館としての利活用のパターンをお示しし、耐震性や概算工事費を明らかにしたところでございます。  今後は、こうした利活用のパターンに加えて、これまで本県において検討されてきた利活用構想の内容、広島市から提案のあった被爆建物としての価値の継承、全国におけるれんが建物の効果的な利活用事例等から、利活用の在り方を明らかにしながら検討を進めてまいりたいと考えております。  また、国や広島市に当事者の立場で参画いただきながら検討を進めることとしているところでございます。  なお、この中で、御指摘の被爆百周年など、将来の価値にも思いをはせつつ、若者をはじめとする県民の意見を伺う手法なども検討してまいりたいと考えております。  これらの検討につきましては、節目節目に議会に報告しながら進めてまいりたいと考えております。 63: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 64: ◯東 保幸君 被爆五十周年に当たり、県内の専門家が集まって被爆建造物調査研究会が設置され、被爆建造物の在り方について議論が行われ、「ヒロシマの被爆建造物は語る」にまとめられました。そして、被爆七十五周年を機に、再び被爆建造物の保存に関わって議論が起こり、当時は見えなかった耐震性、耐震補強方法、そして、その維持コストということについての議論が深まってきたと私は思っております。評価したいと思います。建物としての寿命にどれだけ時間があるか分かりませんが、価値の共有には時間が必要だと思います。  次に、教育委員会における新型コロナ対策についてお尋ねしますので、教育長は答弁待機席に移動をお願いします。 65: ◯副議長(安井裕典君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 66: ◯東 保幸君(続) 教育長が都市部の学校、中山間の学校を分け隔てなく一斉の臨時休業を宣言して一年が経過しました。私は、全く準備もせずにいきなりかといった印象を持ちました。コロナ休校三か月、そして再開後、学校がどういう存在か、子供たちにとって学びの場、生活の場、自分のいる場、安心・安全の場であることが見えてきたと思います。一斉臨時休業から学んだことの一つとして、学校を止めないこと、文科大臣は強い意志で休業しないということを表明されました。  学校再開後、入学式、修学旅行、体育祭、文化祭などの学校行事、いわゆる特別活動が縮小、変更、取りやめといった対応が行われ、授業時数の回復を中心に運営がなされており、いわゆる徳がなおざりにされているのではないか、さらに体はどうかと危惧しております。平素から県教委が掲げる知・徳・体のバランスの取れた基礎・基本の徹底を進める上で、新型コロナウイルス感染症は県教委にとって大きな課題となったと思います。  そこで、コロナ禍において知・徳・体のバランスをどのように取り組んでいるのか、教育長の認識をお伺いします。  あわせて、ピンチをチャンスに変えるため、子供たちへのメッセージをお聞きします。 67: ◯副議長(安井裕典君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 68: ◯教育長平川理恵君) 学習指導要領は、知・徳・体のバランスの取れた生きる力を子供たちに育むことを目指しており、広島県の学びの変革におきましても、主体的な学びの重要な要素であると認識し、日頃の教育活動を進めているところでございます。  各学校では、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえつつ、例えば、各教科において一人一人の定着状況を確認しながら丁寧な指導を行うとともに、道徳の授業ではコロナ禍における人と人とのつながりの大切さを実感させたり、体育の授業ではソーシャルディスタンスを保って楽しみながら運動量を確保したり、学校行事につきましても、文化祭や体育祭を中止することなく三密を避ける工夫を児童生徒が主体的に考えて実施したりするなど、児童生徒の学力の保障だけでなく、心や体の育成にも取り組んでおります。  県教育委員会といたしましては、今後も、学校及び市町教育委員会と密接に連携を取りながら、児童生徒の確かな学力や心身の健康を身につけさせる知・徳・体のバランスの取れた取組が適切に行われるよう支援してまいります。  次に、広島県の子供たちへの私からのメッセージでございます。  幼児、児童生徒の皆さん、この一年を通して皆さんの身の回りにも大きな変化が生じていると思います。コロナ禍はつらい状況ではありますが、時代の転換期であるとも言えるのではないでしょうか。人は、これまで当たり前であったことが当たり前ではなくなったとき、幸せとは何か、人間はどうあるべきかという問いに真剣に向き合い始めます。  予測困難な未来社会においても、自分の夢を描き、それを実現できるよう、挑戦し続けてください。皆さんの挑戦を、私たち大人も全力で応援いたします。  メッセージは以上でございます。 69: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 70: ◯東 保幸君 今の教育長のメッセージが子供たちの心に届くということを、ぜひ願っております。  次に、「今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画」に基づく安芸高校、呉昭和高校の募集停止への対応についてお尋ねいたします。  二〇〇九年度に白木高校、大和高校の募集停止を行い、二〇一二年度に廃校として以来の県立高等学校再編提案となります。二〇一四年に策定された基本計画のとおりに地域における学校の重要性を考慮すると、中山間地域における学校は廃止にはできない中、今回の提案は都市周辺部の人口急増期に設立した学校に的を絞られました。そして、これまでの募集停止に伴う自然的、必然的廃校という手続から、いきなり募集停止と同時に廃校決定という手法をよくも考えたものだと驚いております。人生の岐路に立つ受験生、関係者の不安は大変なものだろうと思います。ましてやコロナ禍です。そうした中、教育長は記者会見で募集停止のタイミングについて、限られた人材や財源で教育の質を維持し各校の活力を高めるため、ぎりぎりのタイミングと説明されました。  二月三日の入学者選抜Iが迫った一月十五日の教育委員会会議での提案、決定はあまりにも突然過ぎると思いますが、教育長の言われるぎりぎりのタイミングとは何がぎりぎりなのか、お尋ねします。 71: ◯副議長(安井裕典君) 教育長平川理恵君。 72: ◯教育長平川理恵君) 前回、平成二十二年度の白木高等学校及び大和高等学校など、従来の募集停止の際には、当該年度入学定員を公表する直前の六月から八月の間に決定、公表しており、その年度の四月に入学した生徒が下級生が入学しないという事実を後から知ってしまうという状況が生じていました。  このため、翌年度高等学校に入学する中学校三年生が志望校を決定する前に早期に公表できるよう検討を進めた結果、一月中旬になったところであり、こうしたことについて申し上げたものでございます。 73: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 74: ◯東 保幸君 受験生のために早くと思っていたら、まだ今年度の受験生がいたという、ちょっと早過ぎたということでしょうか。では、四月にしたらいいのかといったら、四月は四月で、入学したらもう廃校かということもまた、子供たちにとっては大変大きなショックであろうというふうにも思うわけです。いずれにしても、この問題は、いつ、どこで決めても大きなハレーションを起こすことではあります。  そうした中で、今回、県第二九号議案 広島県立高等学校等設置条例の一部を改正する条例案が提案されて、提案理由は、西高校、安芸高校、呉昭和高校の廃止という、これだけでございまして、なかなか、子供たちをはじめ、関係者には納得できないものだろうと思っております。子供たちの中には、声を上げた生徒もいる、じっと我慢している生徒もいる。そうした中で、新入生あるいは在校生は、なかなかこれからモチベーションを持ちながら学ぶということも大変なのだろうと思っております。これまでの教育長の説明は常に我々大人に対しての説明であるだろうというふうに私は思っております。  ぜひ、今後どうなるか分かりませんけれども、安芸高校さらに呉昭和高校の新入生並びに在校生に向けて、教育長からまたメッセージをお願いしたいと思います。 75: ◯副議長(安井裕典君) 教育長平川理恵君。 76: ◯教育長平川理恵君) このたびの安芸高等学校、呉昭和高等学校の生徒募集の停止につきましては、現在在籍している生徒の皆さんに対して大変つらい思いをさせる結果となりました。  また、両校への入学を目指し努力を重ねてきた中学校三年生の皆さんには、大きな不安を与えたことと思います。  これらのことにつきまして、県教育委員会教育長として大変申し訳なく思っております。  このたび、両校の生徒募集を停止するという苦渋の決断をしたところでございますが、高等学校の三年間は、人生の中でとても大切な時間であると思っています。  両校に在籍している生徒の皆さん、そして、この春に入学する生徒の皆さんにとって、高校生活の一日一日が充実して楽しいものとなり、多くの思い出がつくれるよう、そして、生徒の皆さんが希望する進路が実現できるよう、両校の教職員と教育委員会が一体となって全力で取り組んでまいります。 77: ◯副議長(安井裕典君) 東 保幸君。 78: ◯東 保幸君 教育長が今答弁されている、その目の前に、子供たちの顔が本当に浮かんでいるのだろうか。  学校というのはやはり地域にとっては必要不可欠な公的財産でもあり、また、県土の均衡ある発展にも寄与しております。統廃合というのは、県内人口の偏在をも加速させる要因でもあります。昨年の国勢調査速報値の第一次を見ましても、中山間地域の人口が減少しております。今回のこうしたことで、都市部の中においても、より利便性を求めて人口移動が起こるであろうというふうにも思っております。  かつては教職員の遠距離通勤を私は課題にしておりましたけれども、こうしたことが起こり統廃合となりますと、生徒の遠距離通学ということがまた心配されるのであると思います。また、さらには先行き不透明な社会を生き抜く力を育むと言いつつ、議論になっている今回の再編計画の進め方で、果たして子供たちに自尊感情が育つでしょうか。一番心配するところです。  苦渋の選択と言いつつ、新たな学校をつくる一方で廃校を強いる。あくまでも大人の理屈であろうというふうにも思っております。学校をつくった者の、最後まで面倒を見るという覚悟が私は要るのではないかというふうに思っております。県立学校の統廃合問題は、教育長の続いての課題発見、課題解決の宿題としたいと思います。  質問は以上になりますけれども、最後に広島朝鮮学園に関して要望させていただきます。  知事は、二〇二〇世界平和経済人会議ひろしまにおいて、グローバル化の進展により、従来の国と国が議論して枠組みをつくってきた時代から、国という単位から個人や事業者という単位が主体となって活動する社会が進み、その流れは次世代にも引き継がれますとコメントし、教育長は、社会総がかりで地域コミュニティー、経済界、みんなで子供を育てていければ平和につながっていくのではないかと結んでおられます。全く同感です。また、誰一人取り残さないというSDGsも世界の潮流となり、県施策にもいろいろと反映もされております。  しかし、現実に取り残されている子供たちがいます。今、広島朝鮮学園に学ぶ百十九人の子供たちです。県は、民族教育を保障する立場から、一九八七年度から広島朝鮮学園に助成を開始し、一九九二年からは経常費助成を行ってきました。しかし、二〇一二年十一月に環境県民局長が学園を訪問したにもかかわらず、その年度の補助金は未執行、二〇一三年度からは予算計上も行われなくなり、今日に至っております。  グローバル化の進展には多様性が必要で、多様性はマイノリティーを認め合うことによって成り立っております。広島に生まれ、育ち、住み、住み、働いてよかったと心から思える広島県の実現に向けて、マイノリティーである広島朝鮮学園に学ぶ子供たちへの支援をお願いいたします。  東京オリンピックの開催、成功を願って、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 79: ◯副議長(安井裕典君) この際、暫時休憩いたします。休憩後の会議は午後二時十五分から開きます。         午後二時二分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時十六分開議 80: ◯議長中本隆志君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。高山博州君。         【高山博州君登壇】 81: ◯高山博州君 皆さん、こんにちは。最後の登壇となりました。自民議連の高山でございます。十六人目でございますが、私が最高齢でございます。ということで最後にさせていただきますけれども、今次定例会、最後の質問者として質問の機会を与えていただきました中本議長、先輩、同僚議員各位につきまして大変感謝を申し上げます。  皆さん十五人が全てのことを言われたので、私はどのことを言えばいいかと思いながら質問させていただきますが、質問は知事と教育長のみでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、いまだ収束のめどが立たず、県内ではこれまでに百人を超える多くの方が亡くなられました。お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りしますとともに、感染された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。  二年前に私も最後の質問をさせていただきました。そのときは、戦後初めての一番大きな災害の後の質問でございまして、凍りつくような中での質問でございました。今回もそのような気持ちでいっぱいでございます。  県議会議員になりまして、二十年がたちました。昨年の十二月に全国都道府県議会議長会から自治功労者の二十年表彰を受けましたが、いまだ功なきを恥ずの心境であります。本日は、二十年前に思いをはせ、今の時代でも大きな課題であります教育問題、平成の大合併、介護保険制度等の三点について、現在の状況がどうなっているかを含めて、知事と教育長に質問させていただきます。  二十年前のアメリカの大統領は民主党のクリントン氏でございました。先月二十二日、共和党のトランプ氏を破って民主党のバイデン氏が第四十六代大統領に就任しました。自国の利益のみを追求するアメリカ・ファーストを掲げたトランプ前大統領は、歴代政権の対中政策を根本から改め、中国との全面対決を辞さない立場を明確にしてきましたが、バイデン大統領の最大の関心事の一つは、前政権の中国政策を継承していくかどうかであります。  バイデン政権発足直後、中国は戦闘機など計二十八基を台湾の防空識別圏に侵入させ、これまでにない規模で軍事力を誇示しました。米国の新政権が台湾問題に介入しないよう牽制する狙いがあったのでしょうが、地域の安定を脅かす危険な挑発と言わざるを得ません。米中という大国のはざまにある我が国も決して他人事ではありません。  先月、中国の武装警察部隊である中国海警局の外国船舶に対する武器使用を容認する海警法が可決されました。中国の覇権的行動は目に余るもので、沖縄県の尖閣諸島周辺では、相変わらず我が国の領海へ武器を持った海警局が侵入を繰り返しており、昔であれば戦争にもなりかねないことであります。非常にゆゆしき問題であると思います。  その中国の武漢市で発生した原因不明の肺炎患者から新種のコロナウイルスが検出されたのが一昨年の十二月でした。その後は御存じのとおりの状況で、もう一年が経過いたしました。約五十年前、我が国は高度経済成長の中で医師数増加策を推進し、当時の田中角栄首相は一県一医大構想をぶち上げたのですが、石油ショックにより医療費を抑え医師を減らすことが新たな国策になっていきました。この結果、今では国際的に見ても医師の数が少ない国になり、さらには病床や看護師の数も抑制してきた中で、新型コロナに襲われたわけであります。何とか一年はしのぎましたが、日本の不得意な長期持久戦モードに入りつつあります。しかしながら、人類がコロナに負けるわけにはいきません。  前回の質問は平成最後の年であり、三十年続いた平成時代を振り返り、価値観の変容と混迷の時代であったと申し上げました。ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結したのが平成元年、その後、世界は資本主義に塗りつぶされ、アメリカを中心とした新自由主義に席巻されましたが、平成二十二年には急速な経済成長を遂げた中国が、ついに日本を抜き去って世界第二位の経済大国になり、十年先にはアメリカをも抜き去る見込みであります。令和に入り、覇権国化する中国とそれを迎え撃つアメリカという米中新冷戦時代に突入しましたが、世界情勢はますます先行き不透明になり混迷の度合いを深めております。私たちものんきに日々を暮らすわけにはいかないというふうに思います。  それでは、質問に入ります。  最初の質問は、市町村合併後の地域課題についてであります。  私が初当選した平成十二年は各地で合併協議の真っただ中でありましたが、この平成の大合併は、地方分権の進展や少子高齢化など社会経済情勢が大きく変化する中で、合併の必要性が議論され進められてきたわけであります。昨年十二月定例会の一般質問で我が会派の松岡議員も指摘されましたが、地方分権の推進という大きな流れの中で、国の政策誘導の下、県も旗振り役として合併を進めてきた結果、平成の大合併の功罪についてしっかりと総括がなされているかどうか、疑問に感じてなりません。合併後の県内二十三市町では、様々な面で地域間競争が激化している中で、最近、県民視点で公平性に疑問を抱かせる政令市、広島市に偏重した施策が多々あるように思います。後ろに中本議長がいらっしゃいますが言わせていただきます。  最近の例で言えば、知事の思いであり、また、議会も認めましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の集中対策で、広島市内のみを対象とした時短要請に応じた飲食店などへの協力金の支給やPCR検査集中実施事業などもそうであります。至るところで感染者が発生する中、広島市以外の住民も事業者の皆さんも不安を抱えながらみんなコロナ対策を必死に頑張っております。また、県と広島市は、いわゆる二重行政の解消に向けて、平成二十四年に合同研究会を立ち上げて検討を進めていますが、この検討項目のうち、県営住宅の広島市への移管については目玉となる取組であったにもかかわらず、先頃、市の都合により検討が頓挫してしまい、非常に残念な結果となりました。これまでも広島高速五号線や二号線、国道二号バイパス、広島市東部地区連続立体交差事業、アーバンスポーツへの支援、広島西飛行場跡地の活用や、先ほどありましたけれども、叡啓大学の整備など、県費を使って広島市内の地域活性化を図る大型投資を含む事業が数多くあります。  広島市がよくなることによって広島県がよくなるという考え方もあるかと思いますが、私はその逆だと思っています。また、来年度の当初予算事業には計上されていませんが、サッカースタジアムの建設や旧広島陸軍被服支廠の保存・活用などの大型案件も控えています。また、広島高速五号線や叡智学園、県庁舎の耐震化など、ここ数年、契約中途で金額が増額変更される案件が目立ち、発注段階の積算は一体どうなっているのかと疑問に考えます。民間では考えられないことであります。  なお、今日は畑石議員、東議員から、旧広島陸軍被服支廠につきまして、お二人のよい意見を聞かせていただきました。私も座っていて今日どのように質問しようかと迷ったところでありますが、自分の思いを述べさせていただきます。知事が毎回、議会と相談しながらと言われています。一言、私の意見も聞いてください。私は、こう見えても一級建築士であります。十年前の東日本大震災が起こったら、この天井は落ちます。ここは逃げるところは二つありますが、全員委員会室だったら大半が死んでしまいます。建物と作者の意図に私は強い関心がありますので、今まで被服支廠に四回、現地へ行ってまいりました。東議員が言われたようにすばらしい建物であります。  先般、執行部がこういう答弁をしました。建物の瓦をふき替え妻壁を補強すると言われました。それは、建物の価値を全く正しく理解されていない考え方であります。原爆に耐えた被爆建物というのであれば、今の瓦やれんがは、多分、瓦は四国産でしょう。れんがは広島県産か北海道産だと思います。それを一つ一つ全部取って、被爆時と同じときのようにしなければ被爆建物とは言えないと考えます。総合的な利活用に向けて瓦やれんが、構造体を新たなものにやり変えるのであれば、建築遺産の令和の大改修という名前で整理すればいいのです。  私は、畑石議員が言われたように、一棟を無残に犠牲になった原爆に耐えた建物として保存し、残りの二棟は行政や中本議長をはじめとする地域の人たちに知恵を出していただいて、解体を含め、改装、または新しい価値を生み出すことがあの土地を利用する面で有効ではないかと考えます。広島市の主張されていることがよく分かりません。三棟保存しないとテーブルにつかないとおっしゃるならば、三棟を被爆建物そのまま残さなければ意味がないと考えます。もしそうされるのであれば、広島市の平和行政にぴったりだと思いますので、世界遺産の原爆ドームとともに、思い切って広島市へ全棟移管すればよいのではないでしょうか。いずれにしても、被爆建物と建築遺産とを一緒にして考えること自体が、日露戦争での勝利を契機として、第一次世界大戦が始まる前年の大正二年──一九一三年に造られたその当時の歴史や価値観が正しく理解されていない議論と思えてなりません。  それでは、合併後の地域課題についてお伺いします。  県内最後の平成の大合併から十五年が経過しましたが、合併後の二十三市町においては、様々な面で地域間競争が激しくなっております。例えば、医療や子育てなど、各市町が単独で行う各種助成事業などで周辺市町に対する優位性を競うような形でサービスが展開され、あつれきが生じている例が散見されますが、災害対策や観光振興など、周辺市町と連携して広域的に取り組まなければならない政策が数多くある中で、その協力関係にまで影響が生じることが懸念されるところであります。こうした状況を踏まえ、平成の大合併の成果と合併後に顕在化した地域間競争をはじめとする様々な地域課題をどのように認識されているか、知事にお伺いします。  次に、広島県の経済等についてお伺いしますが、知事は平成二十一年に海の道一兆円構想を最大の公約に掲げて初当選されましたが、翌年度、県が策定した「瀬戸内 海の道構想」は、瀬戸内の認知度とブランド力を高めて誘客増大を促し、地域の再生を図ることを狙いとしており、地元の期待はとても大きなものでありました。コロナ禍の長期化で大変な経済危機に直面する中で、「瀬戸内 海の道構想」の策定から十年を迎えることになりました。海の道構想という言葉は知事の提案理由の説明には出てきませんでした。知事が公約された数値目標は、現在どの程度まで進捗しているのか、お伺いいたします。  また、このたびは湯崎県政三期目最後の予算編成となります。現在、感染症の抑え込みに全力を挙げておられるところでありますが、広島県経済の早期回復にどう取り組まれるのか、また、これまで十二年の取組を振り返り、広島県経済のさらなる発展に向けて、広島県の底力を発揮するため、どのような決意で臨まれるのか、知事の考えをお聞きします。  次の質問は、介護保険についてであります。
     二十年前に始まった介護保険制度は、介護を要する人たちが安心して自分らしい生活を送るための大変意義ある制度として誕生しましたが、四年後の日本は、必要な介護人材が二百四十五万人と想定されているのに対し、実際には二百十一万人しか確保できません。三十四万人足りません。深刻な介護施設、介護人材不足に見舞われることが確実となっております。  そして、介護保険は市町が保険者となり、財源の二分の一を四十歳以上の医療保険加入者及び六十五歳以上の私たち高齢者が納める保険料で負担し、残りの二分の一を国、県、市町が一定の割合で負担する仕組みであります。制度導入当初、被保険者が納める介護保険料は、全国平均で約二千九百円でした。現在は約五千九百円です。二十年で倍以上になりました。給付総額も導入当初の三・六兆円から平成三十年で三倍以上の十一・一兆円、さらに、令和七年には、およそ六倍の二十一兆円に達し、個人負担も約二千九百円から八千円を超える見込みであります。今後のさらなる高齢化を考えると、いずれ個人も公共も財政的に火の車になります。  そこで、持続可能な介護保険制度の実現に向けて、県だけの課題ではありませんが、中長期的な財源問題をどのように認識しておられるのか、知事にお伺いします。  また、近いうちに財政が崩壊しそうな高齢者対策の今後の具体的な取組をどう考えておられるのか、併せて伺います。  質問の最後は、これも皆さんが言われましたが、教育問題についてお伺いします。  教育は、国家百年の計と言われます。教育の在り方は、国民一人一人の生き方や幸せに直結するとともに、国や社会の発展の基礎をつくる国家の命運をかけた問題と言っても過言ではありません。優秀な人物を育て最先端の研究成果を上げて世界の発展に貢献し、尊敬を集める国家となることが教育の大原則と考えます。  一方で、現在の我が国の教育に関する公的負担を見てみますと、先進国の中でも最下位に当たると言われます。お金が一番とは言いませんが、絶対な必要条件であります。  これは、このたびのNHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で、三年後には一万円札の図柄となる渋沢栄一の言葉でありますが、「世の中の人が元気をなくし、社会の発展が停滞しているときは、今までの仕事を守って間違いなくするよりも、さらに大きな計画をして発展させ、世界と競争するのがよい。」と言われました。近代産業の発展の背景には、江戸時代以来の民衆の高い教育水準や勤勉の精神がありました。また、人々の間に自分の努力と工夫で人生を切り開こうとする精神が盛んになり、渋沢栄一のような有能な実業家が多数登場いたしました。教育に国家が公費を投入しない今の状況が続く中で、ますます日本の将来を憂うわけであります。  また、遠い昔のようですが、広島県の教育を語るときに忘れてはならないことがあります。  平成十年五月の県教育委員会は、旧文部省による異例の立入調査を受け、本県と福山市の教育について不適切な実態の是正を図るよう指導を受けました。当時は学習指導要領を逸脱した教育が行われ、教育の中立性が侵されるなど多くの課題がありましたが、中でも、同和教育が全ての教育活動の根底にあるとした、いわゆる同和教育基底論によって、一部の地域や学校で同和教育にさえ取り組めばよいといった風潮や総括の名の下に、同和教育の視点で学校教育全体を点検、評価するなどの実態がありました。私は、平成十二年の県議会議員補欠選挙で、公教育に対する考え方の違う対立候補との選挙戦を経て県議会議員になりましたが、この頃は、日の丸・君が代は侵略戦争と植民地支配の象徴とされ、反日的、自虐的な偏向教育がはびこっておりました。  昨年末の全国高校駅伝では、世羅高校がめでたく二度目の男女アベック優勝を果たしましたが、その世羅高校で平成十一年二月、是正指導後の教育の正常化に向けた取組の真っ最中に、当時の石川校長が自宅で「自分の選ぶ道がどこにもない。」と遺書を残され自ら命を絶たれました。二十二年前のあさってが命日であります。三月一日は卒業式であります。石川校長の死は平成十一年八月のいわゆる国旗・国歌法の制定につながり、本県も教育の正常化に向けた壮絶な取組を行ってきましたが、もう二度と元に戻してはならないことであります。  その後、教育改革に向けた取組が展開される中、平成二十六年十二月には、変化の厳しい先行き不透明な社会を力強く生き抜く子供たちを育てるため、県は「広島県「学びの変革」アクション・プラン」を策定しました。とてもすばらしい画期的なプランでありますが、広島市教育委員会や広島市立の学校では、「学びの変革」アクション・プランに基づいた取組がなされていないと聞いております。そうであるなら、とても残念であります。  広島県と広島市は合同で教員の採用試験を行っていますが、小中学校の教員として広島市で採用された場合、初任給が約八千円高く、また、人事異動の範囲も市内に限られます。同じ広島県の子供たちを育てているのですから、教育活動は当然のこと、教員の待遇面などでも同じでなくてはなりません。  県では、この「学びの変革」アクション・プランに基づき、十年先の将来を見据えた取組の一環として、広島叡智学園をはじめ、新たな学校を順次整備されましたが、一方で、学校廃止の取組はこれまで粛々と進めてこられました。  これも皆さんが聞かれていますが、私も先日、このたび募集停止を提案された県立安芸高校と呉昭和高校へ事前に連絡した上で訪問して校長先生から丁寧な説明を受けました。教育長が説明されたとおり、両校とも少子化による生徒数の減少が非常に大きかったことがよく分かりました。過去二十年に十四の県立高校が廃校となりましたが、そのうち八割近い十一校が中山間地域に位置する学校であります。  話を元に戻しますが、呉昭和高校へ行くと最後のバス停から一・七キロメートルだそうです。バス停が一・七キロメートルも学校からあるそうです。そういう学校が一校でもないように教育長にお願いしておきます。  学校は地域に元気を与え、地域は学校に安心を与えるものであります。昨年度の全国高校総体で地元の御調高校ソフトボール部が悲願の初優勝を飾り、知事、議長、教育長を表敬訪問されましたが、このたび男子ソフトボール部の下宿先が空き家の無償提供を受け、同窓会が約七百万円の改装工事費を全額負担する形で新たに開設されました。この同窓会からの支援は、平成二十六年度にできた女子ソフトボール部の下宿先への支援と合わせて合計一千万円以上になると伺っております。今週の日曜日、そのオープン行事に参加してきましたが、まさにこれが地域や同窓生たちに支えられている学校の姿であり、県は、このようなやる気のある学校をもっと手厚く支援していかなければなりません。県からは一円たりとも出ておりません。  また、跡地利用がうまくいけば、地域への影響が抑えられることもあります。平成十九年に、旧本郷工業高校と旧尾道工業高校が統合され、旧本郷工業高校のあった場所に総合技術高校を設置しました。旧尾道工業高校の跡地には、平成二十一年に私立の尾道中学校・高等学校が移転し、現在、理想的な形で有効活用されている成功例もあります。  また、県内の児童生徒数は、平成に入ってから急減しておりますが、平成十二年度と今年度の中学三年生の生徒数を比較してみますと、この二十年で二七・五%も減少しています。一方で、公私立の全日制高校の募集定員の合計をこの二十年で比較した場合、二七・八%減と、ほぼ生徒数に見合った数字なのですが、その内訳は公立の減少率が全体の減少率を上回る約三三%減、私立は約一七%減と大きな開きがあります。県内の中山間地域にある私立高校は旧大和町にある三育学院高校と、今回、甲子園に出る旧大朝町にある新庄高校の二校だけであります。自宅から近い公立高校へ通うしか進学の道がない子供たちも大勢いますが、地元の公立高校がなくなると、その地域の子供たちはどこへ行けばよいのでしょうか。このままでは、中山間地域の子供たちはふるさとの学校へ行くことができず、都市部の学校へ行かざるを得なくなることを大変危惧するのであります。  また、昨今、どの業界も人手が足らずに困っていますが、教育界も同様です。今月二日、令和元年度の公立小学校の教員採用試験の倍率が過去最低の二・七倍であったと文部科学省から発表されましたが、折しも同じ日に、国は、公立小学校の一学級当たりの児童数を三十五人とする法律の改正案を閣議決定しました。私は賛成でございます。現在、小学一年生のみ三十五人のところ、来年度以降、順次変更され、令和七年度には全学年が三十五人となります。上限人数の一律引き下げは約四十年ぶりとのことですが、これでは教員確保はますます困難になるでしょう。  また、令和三年度当初予算における教育関係の取組に中山間地域の高校の遠隔教育の推進があります。前回質問した平成三十一年にはDXという言葉は見当たりませんでした。コロナ禍をきっかけに脚光を浴びた、デジタル技術を駆使して都市部や中山間地域を超えて共通の内容を学習することができる取組であり、学校の存続にも一役買うことが期待できるすばらしい取組であると思いますので、しっかりと効果を上げていただくよう願っております。一方で、学校とは、教師と生徒の触れ合いを通じて生徒の学力や豊かな人間性を養う場であることを考えれば、画面越しの学習を手放しで評価することは適切ではないとも考えます。  そこで、平川教育長。広島県の教育は、この二十年来の是正から改革へ向けた取組や学びの変革を目指した取組によっていろいろと問題を抱えていますが、一定の成果が上がっているようにも思います。教育の真の成果は時間がたってから現れてくることを踏まえ、三十年後、五十年後の広島県を見据え、子供たちの未来を切り開く力を養っていくため、今後どのような教育を行っていくべきと考えておられるのか、お伺いします。  終わりになりますが、県内初の新型コロナウイルス感染症が確認されてから、もうすぐ一年になろうとしています。先週からワクチン接種が始まりましたが、副作用などの事故が起こらず効果が上がることを祈るばかりであります。  これは三好議員にお任せします。広島県は中小企業、零細企業の多い県ですが、コロナ禍の長期化に伴って、ほとんど全ての業種の景況感が悪化し、もう限界と悲痛な声が聞こえてきます。現状は、平成二十年のリーマンショック以上に深刻と言われ、とりわけ大手企業のように内部留保金を持たない中小企業の皆さんは青息吐息であります。経済の語源は経世済民ですが、文字どおり、世の中を治め民の苦しみを救うという意味であります。中国の古典で用いられた言葉であります。今、全国では様々な経済対策が講じられていますが、これほどまで首長の先見性やリーダーシップ、地方自治体の自律性が試されたことは私の経験ではありません。  また、コロナ禍は、東京一極集中の弊害や地方分権の重要性を改めて認識させる機会ともなりました。知事と議会という、森川議員が最初に言いましたが、二元代表制の下では、それぞれが住民を代表し相互に牽制しながら緊張関係を保ち続けることが求められます。我々議会は知事と対等の機関として県政運営の基本的な方針を決定し、その執行を監視し評価する、すなわち議会は政策の決定と執行機関に対する監視、評価という重要な役割を果たす必要があります。  先日の臨時議会で決定した大規模PCR検査について、議会ではかんかんがくがくの議論をして、執行部の提案を議決しました。ありがたいことに、その後の感染状況が落ち着いてきたことによって計画を見直す形となっておりますが、議会と執行部という二元代表制の下では、どちらもしっかりと責任を果たさなければならない立場であるということを忘れてはなりません。  コロナ禍の終息に向けて、経世済民という言葉を拳々服膺し、県民や事業者の皆様の心にいかに寄り添うことができるかが重要であるということを最後に言います。  最後の最後になりますけれども、東京オリンピックが開催されて、広島カープとサンフレッチェが優勝して、広島交響楽団が満場の観客の下で行われる日を待ち遠しく思い、私の質問を終わらせていただきます。御清聴いただきまして、大変ありがとうございました。(拍手) 82: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 83: ◯知事湯崎英彦君) まず、様々な地域課題についての御質問にお答え申し上げます。  本県では、市町が地方分権時代を担う基礎自治体として、住民に身近な行政サービスを総合的に展開できるよう、全国に先駆けて市町村合併を進め、合併後のまちづくりを支援してまいりました。  平成二十六年度末に合併の検証作業を行ったところ、合併市町においては組織や財政規模の拡大などによる行財政体制の強化が進み、新たな行政課題に対応した専門的な組織の新設や県からの権限移譲も可能となり、多様な住民ニーズに対応できる総合的な行政サービスを提供する体制が整備され、独自の施策展開が可能となるなど、一定の成果があったものと認識しております。  一方、人口減少や少子高齢化の急速な進展など社会経済情勢が大きく変化する中、東京一極集中の是正に向け、各自治体が地方創生の取組を進めることとなり、移住・定住施策や子育て支援策などの面で競い合うような状況も見受けられるところでございます。  特色ある個性豊かな地域社会を構築するためには、強みや魅力を生かした取組が必要ですが、一方で、小規模な市町において行政サービスの格差が広がらないよう、課題によっては連携、補完も必要であり、観光施策のように広域での取組により事業効果が高まる分野もございます。  そのため、県といたしましては、専門性の高い業務についての補完、県と政令市、中核市が連携した近隣市町の事務執行の支援、各地域の市町が連携した振興協議会等への支援などに取り組んでおります。  引き続き、こうした取組により、市町の地域づくりや課題解決の支援を行うなど、広域自治体としての県の役割を果たし、県全体の発展を図ってまいりたいと考えております。  次に、「瀬戸内 海の道構想」の進捗について御質問がございました。  平成二十三年に策定いたしました「瀬戸内 海の道構想」につきましては、観光消費額を含む県内への経済波及効果額について、十年間で一兆円を目指すという数値目標を掲げております。  この構想の実現に向けて、これまで構想の推進組織となるせとうち観光推進機構を設立したほか、国際サイクリング大会の開催、カキやレモンなどの食材を活用した商品開発やそうした食材を提供する場の創出、マーケティングに基づいた戦略的なプロモーションなどに取り組んできたところでございます。  こうした取組により、海外メディアでの露出が増加するなど瀬戸内の認知度は大きく向上し、外国人をはじめとする本県の総観光客数は、構想策定前から約一千二百万人増加しているとともに、古民家を再生した宿泊施設の開発などの民間等が主体となった様々な事業展開にもつながってまいりました。  新型コロナウイルス感染拡大により、観光分野においても、現在、大変厳しい状況が続いておりますが、直近の令和元年における観光消費額から推計した県内への波及効果額は約七千六十億円となっており、一兆円には届いていないものの、平成二十一年と比較して約二千五百億円増加しているところでございます。  引き続き、せとうちDMOをはじめ、市町や観光関連事業者等と連携して瀬戸内ブランドのさらなる向上を図っていくとともに、地域産業の活性化や交流人口の拡大に向けて戦略的に取り組んでまいります。  次に、本県経済の早期回復とさらなる発展についてでございます。  感染拡大の影響を受けた県経済の早期回復につきましては、感染が拡大すると消費の減退を引き起こし、飲食や小売、対人サービスなど様々な経済活動に影響を与えることから、県民の皆様が日常の生活を続けられるよう、まずは、感染拡大を徹底的に抑え込む取組を行ってまいります。  また、その感染状況を踏まえながら、県内事業者の現状や課題をスピード感を持って把握、分析し、短期的な取組として、厳しい状況下にある県内企業等の感染拡大収束までの事業継続と雇用維持を支える取組、中長期的な取組として、価値観の変容や新しい日常を踏まえた経済活動の安定的発展に向けた取組を市町や関係団体とも連携して適時適切に実施するとともに、状況に応じた国への要望などによりできるだけ経済活動を早期に回復させてまいりたいと考えております。  次に、県経済の発展につきましては、これまで「ひろしま未来チャレンジビジョン」に基づき、イノベーションを持続的に創出し雇用や所得を生み出す新たな経済成長として取組を進めてまいりました。  こうした取組により、イノベーションを起こす意欲を持った人材によるつながりの創出や産学官連携によるものづくり産業のデジタル化のプロジェクトの創出、県内外の人材等のマッチングによる創業などの新たな成長の芽の創出、観光産業におきましては、平成二十三年から令和元年にかけて、観光客数と観光消費額がともに大きく増加し、本県産業の柱の一つとして成長するなどの成果が現れてきたところでございます。  今後につきましては、現実化する人口減少、急速に進むデジタル化等の技術革新や新型コロナウイルスにより引き起こされた社会経済環境の変化など、急速な環境変化や社会的課題への対応の重要性がより一層高まるものと考えております。  そのため、今後の県経済の発展に向けましては、イノベーション創出に向けた産業基盤横断的な施策として、産業DXやイノベーションを支える人材の育成、集積、デジタル技術の強化や創業の活性化、イノベーションを実現しようとする多様な人材や企業のネットワークの構築、地域での産学金官連携推進などにより一層注力するとともに、イノベーションが次々と実現する事業環境であるイノベーション・エコシステムの構築を進めてまいります。  また、本県が持つ技術や産業分野の強みを生かした分野別の産業振興施策として、本県基幹産業のさらなる進化、観光関連産業など成長産業の基幹産業化、ゲノム編集技術等を活用した健康・医療関連分野やカーボンリサイクル技術を含めた環境・エネルギー分野など、広島の強みを生かした新成長産業の育成についても取り組むこととしております。  こうした取組により、県経済の持続的発展に向け、競争優位性を有した力強い産業構造の実現を目指し全力で取り組んでまいります。  次に、介護保険についてでございます。  全ての県民の皆様が介護が必要になっても安心して自分らしい生活を送れるよう、地域社会全体で支え合う仕組みを構築することが重要であると認識しております。  一方、今後の県内の人口は、二〇四〇年に向けて、二百八十一万人から二百五十二万人へ二十九万人程度、率にして約一〇%減少するのに対し、要介護高齢者数は、十五万九千人から二十万四千人へ四万五千人程度、率にいたしますと約三〇%増加すると見込まれており、介護保険財政はより一層厳しくなるものと認識しております。  こうした傾向は、介護保険制度が創設された平成十二年以降、全国的にも同様に推移しており、国において持続可能な制度となるよう、これまで数次にわたって改革が行われ、最近では平成二十五年のいわゆる社会保障と税の一体改革や、昨年末の「全世代型社会保障改革の方針」において、高齢者のみならず、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことが示されたところでございます。  本県といたしましては、これまで、介護給付費の適正化を図るため、保険者である市町に対して介護サービスを適切に提供するための研修や高齢者の介護予防、重度化防止に取り組むための人材育成を行ってまいりました。  また、介護保険制度が将来にわたり安定したものとなり、地方にさらなる財政負担を生じさせることのないよう、全国知事会を通じて国へ働きかけているところでございます。  こうした財政的な取組に加え、「健康ひろしま21」により、特定健診、特定保健指導や糖尿病の重症化予防のほか、通いの場の活用など生活習慣病対策、フレイル対策及び健康づくりなどを進め、高齢者が介護に至らないよう取り組んでいるところでございます。  今後は、地域住民が主体的に地域の課題を共有して解決に取り組み、また、高齢者の家族介護と生活困窮といった複合化した課題などに対しましては、分野ごとの専門職が制度の枠を超えて連携して適切な支援につなげるなどの包括的な相談支援体制を構築しながら、地域共生社会の実現を目指してまいります。 84: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 85: ◯教育長平川理恵君) 広島県の教育についてお答えいたします。  本県では、平成十年の文部省是正指導以降、長年にわたり教育の中立性と公開性を柱に、県民総ぐるみによる様々な改革、改善を進めてまいりました。  その結果、適正な校務運営が行われるようになるとともに、教育内容でも知・徳・体のそれぞれの面で着実に成果が現れ、教育県広島と呼ばれた誇りを取り戻しつつあると認識しております。  現在、社会のグローバル化やデジタル化は急速なスピードで進展しており、先を見通すことがますます難しくなってきております。また、将来の職業についても、技術革新等の影響により大きく変化していくことが想定されております。  こうした中、これまで本県では、全国に先駆けて学びの変革に着手し、課題発見・解決学習を中心とした主体的な学びを促す教育活動の推進などに取り組んでまいりました。  今後、子供たち一人一人が生涯にわたって学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造する人づくりを実現するためには、既存の社会の枠組みにとらわれず、直面する問題の核心を把握し、自ら問いを立て、その解決を目指し様々な知識や情報を組み合わせて新たな価値を創造する力や、多様な他者への理解を深め協働、協調できる力、さらには、進歩し続けるデジタル技術に適応し活用できるデジタルリテラシーなどの資質・能力を確実に身につけさせる必要がございます。  こうした目指す姿を実現していくためには、学校教育の果たす役割は非常に大きく、学校の在り方を含め様々な変化に柔軟に対応していく必要があると考えております。  今後とも、新たに策定する「広島県 教育に関する大綱」等に基づき、学びの変革を中心として、オール広島県で本県教育をさらに一歩前へ進めるための取組に果敢にチャレンジし、三十年後、五十年後においても広島で学んでよかったと思える、広島で学んでみたいと思われる日本一の教育県の実現を図ってまいります。 86: ◯議長中本隆志君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第五三号議案 広島海区漁業調整委員会委員の任命の同意について並びに追県第一八号議案 広島県教育委員会教育長の任命の同意について、以上二件については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 87: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。  それでは、まず県第五三号議案 広島海区漁業調整委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 88: ◯議長中本隆志君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  次は、追県第一八号議案 広島県教育委員会教育長の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 89: ◯議長中本隆志君) 起立多数であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  この場合、平川教育長から発言を求められておりますので、これを許します。教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 90: ◯教育長平川理恵君) お許しをいただきまして、一言御挨拶を申し上げます。  ただいま、教育長任命につきまして御同意を賜り、心から感謝を申し上げますと同時に、その責任の重大さを痛感いたしております。  三年前、教育長を拝命いたしまして以来、県議会の皆様方には格別の御指導を賜り、心からお礼を申し上げます。もとより微力ではございますが、これまでの歴史も踏まえ、また、いま一度心を新たに、広島で学んでよかったと思える日本一の教育県の実現に向け、本県教育のさらなる発展のために全力を尽くしてまいる決意であります。  どうか、中本議長をはじめ、県議会の皆様におかれましては、これまでにも増して御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         予算特別委員会の設置 91: ◯議長中本隆志君) 次に、お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第一号議案 令和三年度広島県一般会計予算から県第一七号議案 令和三年度広島県流域下水道事業会計予算までの各案は、十六人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 92: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。よってさよう決します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         予算特別委員会委員の選任 93: ◯議長中本隆志君) それでは、ただいまの決定により、直ちに委員会条例第五条の規定に基づき、予算特別委員会委員の選任を行います。  まず、選任する委員の氏名を書記が読み上げます。         【書 記 朗 読】                        予算特別委員会委員                              玉   重   輝   吉  君                              恵 飛 須   圭   二  君                              平   本   英   司  君
                                 村   上   栄   二  君                              林       大   蔵  君                              出   原   昌   直  君                              稲   葉       潔  君                              窪   田   泰   久  君                              瀧   本       実  君                              福   知   基   弘  君                              緒   方   直   之  君                              小   林   秀   矩  君                              栗   原   俊   二  君                              宮   本   新   八  君                              砂   原   克   規  君                              下   原   康   充  君 94: ◯議長中本隆志君) お諮りいたします。ただいま読み上げました十六人の諸君を、予算特別委員会委員に指名するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 95: ◯議長中本隆志君) 起立多数であります。よって、予算特別委員会委員は指名のとおり選任するに決しました。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         予算特別委員会委員長並びに副委員長の選任 96: ◯議長中本隆志君) 続いて、委員会条例第七条の規定に基づき、予算特別委員会委員長並びに副委員長の選任を行います。  お諮りいたします。                        委員長に                              小   林   秀   矩  君                        副委員長は二人とし、副委員長に                              福   知   基   弘  君                              窪   田   泰   久  君 を指名するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 97: ◯議長中本隆志君) 起立多数であります。よって、予算特別委員会委員長並びに副委員長は、いずれも指名のとおり選任するに決しました。  この場合、予算特別委員長を御紹介いたします。小林秀矩君。         【小林秀矩君登壇】 98: ◯小林秀矩君 それでは、お許しを得まして、十六名の委員を代表して、一言御挨拶を申し上げます。  先ほどは、十六名を予算特別委員に御選任いただきました。心から御礼申し上げる次第でございます。  また、福知、窪田両名を副委員長に、そして、私、小林を委員長に御選任いただきました。心から感謝申し上げますとともに、光栄の至りと存じ、その責務の重大さを痛感しているところであります。  さて、新型コロナウイルス感染症の拡大は県民生活や本県経済に大きな影響を及ぼし、県民の皆様の中に将来に対する様々な不安が高まってきております。  そうした中、知事は、昨年十月に「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」を策定し、十年後の目指す姿の実現に向けて、県民の挑戦を後押しすることと地域の特性を生かした適散・適集な地域づくりに取り組むこととされました。  この新しいビジョンの第一歩となる令和三年度の当初予算案は、一般会計、特別会計、企業会計を合わせた十七会計全体で一兆七千億円余が計上されております。  社会保障関係費の増加や公債費の高止まりなどにより、引き続き厳しい財政状況が続くものと考えられますが、本委員会には、審査機関として執行部との真摯な議論に努め、活発な審議を尽くし、先ほど高山議員がおっしゃった二元代表制の一翼としての機能を十分に果たしていくことが求められております。  本委員会に課せられた使命は誠に重大でありますが、委員各位並びに関係当局の御協力を賜りながら、福知、窪田両副委員長ともども、精力的に職務を遂行する所存でございます。  皆様方の御指導と御協力をお願い申し上げまして、簡単ではございますが、就任に当たっての御挨拶といたします。(拍手) 99: ◯議長中本隆志君) お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第一九号議案 広島県職員定数条例及び広島県学校職員定数条例の一部を改正する条例案は、この際、地方創生・行財政対策特別委員会に審査を付託するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 100: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。よってさよう決します。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元に配付いたします。  お諮りいたします。三月一日から三日までは、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 101: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は三月四日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時十五分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...