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2020-10-15 令和2年紙屋町周辺地区活性化推進特別委員会 本文
2020-10-15 令和2年紙屋町周辺地区活性化推進特別委員会 名簿

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  1. 広島県議会 2020-10-15
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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和2年紙屋町周辺地区活性化推進特別委員会 本文 2020-10-15 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 42 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯意見木原参考人選択 2 : ◯林委員 選択 3 : ◯木原参考人 選択 4 : ◯林委員 選択 5 : ◯木原参考人 選択 6 : ◯林委員 選択 7 : ◯畑石委員 選択 8 : ◯木原参考人 選択 9 : ◯畑石委員 選択 10 : ◯佐藤委員 選択 11 : ◯木原参考人 選択 12 : ◯佐藤委員 選択 13 : ◯緒方委員 選択 14 : ◯木原参考人 選択 15 : ◯質疑林委員選択 16 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 17 : ◯要望林委員選択 18 : ◯質疑畑石委員選択 19 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 20 : ◯質疑畑石委員選択 21 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 22 : ◯質疑畑石委員選択 23 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 24 : ◯意見・要望(畑石委員選択 25 : ◯質疑(西村委員) 選択 26 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 27 : ◯質疑(西村委員) 選択 28 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 29 : ◯要望(西村委員) 選択 30 : ◯質疑(佐藤委員) 選択 31 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 32 : ◯質疑(佐藤委員) 選択 33 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 34 : ◯意見・質疑(佐藤委員) 選択 35 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 36 : ◯要望(佐藤委員) 選択 37 : ◯要望(緒方委員) 選択 38 : ◯要望(下森委員) 選択 39 : ◯質疑(日下委員) 選択 40 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長選択 41 : ◯意見・質疑(日下委員) 選択 42 : ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の指名        瀧 本   実        伊 藤 真由美    休憩 午前10時32分    再開 午前10時33分  (3) 参考人意見聴取   (参考人の意見陳述の前に委員長が挨拶を行った。) ◯意見木原参考人) 今御紹介にあずかりました、広島修道大学の国際コミュニティ学部地域行政学科で教員をしております木原と申します。今日は、このような機会をいただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  では、本日は、広島都心部・紙屋町周辺地区の未来像についてお話しできればと思います。  先ほど御紹介にありましたように、出身は広島県ではなく、宮崎県です。ただ、大学からこちらに来て、広島のほうが長くなっておりまして、広島のほうが帰ってきたという感じがあるくらい広島に思いは持っています。ですので、今日どういうことをお伝えしようかと思ったのですけれども、やはり私が研究者として一番思いを持っている部分、または気持ちがお伝えできる部分というところでお話しできればと思いまして、今日の内容にさせていただきました。よろしくお願いします。  では、早速、内容に入っていきたいと思いますが、まず、今後この都心部を考えていくときにはエリアという考え方もぜひ持ちながら進めていければいいのではないかと考えています。その代表的な考え方として、エリアマネジメントというような考え方があります。もう皆さん、お聞き及びだと思いますけれども、エリアマネジメントの定義は、国交省が定義しているものですけれども、地域における良好な環境や地域の価値を維持、向上させるための住民、事業主、地権者などの民間の主体的な取組ということになっています。  こういうエリアというような考え方を持って、そのエリアの価値をいかに向上させていけるかということを今後の都市についてはしっかり考えていく必要があるのではないかと思います。  その考え方が重要であるということの一つの証明といいますか、広がってきている背景の中に、2018年に都市再生緊急整備地区に指定された際の整備の方針、ここの赤い部分にはまちのルールづくりや施設の管理運営などハード、ソフトの両面にわたり、良好な環境や地域の価値を維持、向上させるための活動を地域が主体的に行うエリアマネジメントの促進ということで、この整備方針の中にそのエリアマネジメントという言葉も出てきております。さらにここにもありますとおり、地域が主体ということで、民間主体でやっていきましょうということが書かれています。  また、さらに、ここで特筆するのは、エリア、その地域ということで考えていくと、ソフト面ということがやはり大きくイメージされるところがあると思いますけれども、しっかりハード面も一緒に、両面にわたり考えていきましょうというところがエリアマネジメントで考えていくべき内容です。  そのエリアの価値が高まることによって、しっかり選ばれる都市、選ばれるエリアになり、ここに人々が集まり、ここに愛着が持てる都市をつくり上げていくための考え方であると思っております。  ですので、この広島中心部、紙屋町地区、特にこの中四国エリアの中心でもあり、世界の平和都市でもありますので、そういった中で、しっかりここの地区が選ばれていく、そして人材がしっかり集まってきて、地域経済も活性化していくような都市になっていくべきときに、しっかりとエリアということを考えて、エリアマネジメントという考え方を推進していけば、それが実現していけるのではないでしょうかと考えます。  それを前提に、今日は話をしていきたいと思います。  少し、広島の取組の前に、国内での事例と国外の事例を紹介したいと思います。エリアマネジメントがどのような効果をもたらしているかというところを少しお話ししたいと思います。
     姫路市、札幌市、国外ではニューヨーク、ポートランド、サンフランシスコなどが、広く捉えたエリアマネジメントでありますが、非常に優良な事例でありますので、簡単に御紹介した上で、広島での取組にお話を進めたいと思います。  姫路市が、なぜエリアマネジメントの例として挙がってくるかというと、駅前の通りの開発です。左のほうが事前の写真で3車線・3車線の通りだったのですが、事後の写真では、車線を削りまして、さらにトランジットモールという考え方を用いて、バスなどの公共交通と許可を得た車しか入ってこられない形になっております。このように通りを人のための通りにしていくことで、このエリアの価値を高めていくということをされています。  さらにその右のほうですが、駅前の広場などを設けて、ここに集い、滞留することを促していくことで、この駅前の人々の行動の豊かさにし、その敷地単体だけではなくて、この通りを含めた駅前というエリアで考えていっておられます。  このようにこの地区、エリア全体で価値、魅力を発信し、姫路市の印象を変えていったというところがあります。  もともとは駅に車のターミナルがあって、そこにモニュメントがあって、実はあまり姫路城が駅からは見えない状態だったのですけれども、景観もエリアの中の価値と捉えて、駅から出てすぐに姫路城がばっと見える道路のしつらえに変えています。そういった形でソフト、景観・ハード面でこのエリアの価値を高めている事例です。姫路には私たちも視察に行ったのですけれども、商店街の皆さんと姫路市とのやり取りが非常に面白いといいますか、活発に意見交換などされていて、非常に優良な事例だと思っています。歩道空間のより豊かな使い方を考えていっていますので、ハード面について一つの成功している事例になろうかと思います。  次に、札幌市ですけれども、札幌市は地下街や広場などの公共空間を有効活用して、そこで様々なソフト面の取組をされています。地下街でもマルシェを行われていたり、地上の広場を使っていろいろな四季を通してのイベントをされたりしています。こういったことを通して、このエリアの価値を高めています。単純にこの広場と地下街の委託管理ということではなく、それを通して、どのようにエリアの価値を高めていけばよいかというような、ソフト面での取組も成功している事例だと思います。ほかにも、駅前通りのハード面の開発、ハード面のルールづくりなども取り組まれておりますので、ハード面でもよい事例になろうかと思います。  ニューヨークですけれども、こちらは日本で言うエリアマネジメントの元になった例です。BID-Business Improvement Districtという、周辺の地区で組合などをつくって、活動資金を調達して、税金などを経由してこの地域の価値の向上、維持管理に充てていくような仕組みを導入して、ここのエリアの価値を高めていっている事例です。  こちらはブライアントパークというところですけれども、以前は、実は非常に治安の悪い公園でした。それが今では、コロナの前の様子ですが人々が日常にこのように集ったり、ここで1,000人ヨガみたいなことをされていたり、いろいろなアクティビティーが行われるような公園になっています。治安の悪かった公園が今では世界から観光客がここの様子を見に来るような状況になっています。  ニューヨークでは、この公園だけでなく、ニューヨーク全体に人のための空間にしていくために公園や広場を都市の中に組み込んでいくということをされています。その中でも象徴的な変化が起こったのはタイムズスクエアです。  タイムズスクエアの資料の上のほうがビフォーで下がアフターですけれども、恐らく皆さん、私もつい最近まではビフォーの、車がどんどん通って渋滞が起こっていて、イエローキャブがクラクションをばんばん鳴らしているようなイメージがあったのですが、今では下のような、人がこのように集う広場に変わってきています。車線を削って、社会実験などを通して車道を広場に変えていくということをやっていまして、以前から世界においても象徴的な場所ではありましたけれども、それがBIDという手法を使いながら、歩道が今では人のための空間に変わり、違った意味でも世界から集客があるエリアになっています。これがニューヨークの取組です。  最後にポートランドでは、再開発エリアでガイドライン、建物のルールをつくって開発をされています。ファサードのガラスの量が何%とか、地区のルールをつくりながら進めています。さらに、公共のエリアの豊かな自然と融合させた使い方です。ここの左のほうは、その店舗から屋外にテラスに机やテーブルを出して、そこで皆さん、飲食をするような過ごし方をしています。すぐ横に公共空間が、その向こう側には公共交通が通っていまして、歩いて便利なまちづくりということを目指して、20分でどこにでも行けるという考え方のもとに、自然を取り込みながら都市開発、都市計画がされています。  このようにガイドラインを定めることでそのまちの価値と印象を高め、今ではポートランドは全米で住みたいまちのランキングでは必ず上位に挙がってきます。一番多いときで、週に500人も移住してくる人がいたと言われています。さらに、居心地のよい、住みやすい、または人々の出会いがあるというようなまちづくりのコンセプトやビジョンに惹かれて、非常に若い人材が、さらに優秀なクリエーティブ人材がここのまちに集まってきているというのも一つの特徴かと思います。  あと、サンフランシスコですけれども、こちらはTOD-Transit-Oriented Developmentというという考え方です。こちらは自動車に頼らない都市開発をされていまして、これはバスセンターの写真です。バスセンターの開発ですけれども、このエリアの価値を高めるために、このような公共の空間、公園、屋上庭園も造りつつ、ここでまたいろいろなレストランやアクティビティーも重ねられまして、その周辺が、自動車でここに来るのではなくて、公共交通を使ってここに来る、このバスセンター周辺にやってくる一つの目的をつくっている開発になります。  このように、エリアマネジメントという考え方を広く捉えると、ハードとソフトの両面で考えていくというところと、エリアの価値を高めることによって、まちの魅力は伝わっていきますし、先ほどもお伝えしたように、選ばれるまちということになっていくのではないでしょうか。選ばれるまちになると、しっかりクリエーティブ人材もしくは経済、企業の誘致もできていくのではないかと思います。  そのエリアという考え方を用いて写真を見ていくと、一つ一つの建物の敷地だけではなくて、そのエリア全体で考えていくということが非常に重要ではないかと思っております。  広島や現在の都市の未来像づくりにおいては、やはりエリアマネジメントという考え方、エリアで捉えていくというのは一つの手法です。その手法を用いることが目的ではありませんので、しっかり未来像を念頭に置いて、その未来像を達成するためにこのエリアマネジメントという手法を使っていければよいのではないか、むしろそれがもう必須だと思っています。  では、特に近年私が関わっていますその未来像をどのように考えていけばよいのかということについて少しお話ししていければと思います。  未来像ということでは、実は広島県、広島市では既に方針をお持ちです。それが2017年に提示していただいたひろしま都心活性化プランであります。広島市と広島県が共同で活動をされているというのが非常によいところではないかと思います。  政令指定都市において県と市が共同でされているよい例ではないかと思っておりますが、やはり行政の提示する未来像には、ある意味限界があります。もちろん行政という立場もありますし、いろいろな立場を踏まえての方針になりますので、これを基に、民間と市民がこれをどう捉えるかというところが重要ではないかと思います。ここからどう動いていくべきなのだろうということを考えるべきではないかということで、私たちのほうは今、未来像の再解釈というところに取り組んでいる状況です。  2017年にプランが提示されたときには、この都心の未来像の再解釈について考えていく団体はあまりありませんでした。この灰色の部分、特に目立った活動がないと捉えても過言ではないのではないかというエリアで、プランを活用して未来像もしくはその次のステップ、アクションに移っていくことがなかなか見えないエリアでありました。  そこで、都心のデザインということをしっかり考えていく、都心の今後の開発を考えていくためのシンポジウムなどを開いて、それから、2018年には全国規模の全国エリアマネジメントネットワークシンポジウムを開催されました。そういう中、広島市中心部が2018年に都市再生緊急整備地区に指定され、再開発の動きが活発化していく一つの契機が起きました。  紙屋町・八丁堀の皆さんが民間発信のまちづくりビジョンをしっかり検討していく必要があるのではないかと思われ始めた時に、紙屋町・八丁堀エリアマネジメント実践勉強会を発足しまして、そこで検討を重ねてきました。昨年8月には一旦中間的なものをまとめて、どのような都心の未来像があり得るのかということを考えました。民間、商店街、NPOなど、いろいろな方に集まっていただいて、民間発信の未来像を考えていきました。  具体的な内容でいくと、にぎわいを生むようなパブリックスペース──公共空間をつくっていくということを考えました。大きなところでいくと、ウォーカブル──歩いて居心地がよく、歩きやすいまちづくりを目指すための方針というのが国交省から提唱されていますので、その実現を目指して、大きなトランジットモールを考えていくべきではないかというような民間発信の未来像を考えていました。  ただ考えているだけではなかなか進みませんので、未来像の検証をすることも含め、社会実験を行いました。社会実験で都心の再生を加速させ、実際にアクションを起こしていきましょうということで次のステップに進んでいきました。それがカミハチキテルという、3月に行った社会実験です。都市再生緊急整備地区に指定されている相生通りの東急ハンズ前の辺りのバス停を中心に社会実験を行いました。  実際の時期は、3月1日から、本来であれば3月いっぱいの予定だったのですけれども、皆さんも御承知のとおり、コロナの影響で、実験という意味では本当にこの状況が正常なのだろうかという疑念もありました。当時は本当に読めない状況でしたので、少し延長しました。5月のゴールデンウイークまで延長する予定だったのですけれども、外出の非常事態宣言なども出まして、4月26日で、途中で打切りはしております。コロナの状況を鑑みてというのが表立っての理由ですが、非常に好評だったので、運営側としては両方の側面から、延長なども検討をして、この期間に実施することになりました。  組織体としては、いろいろな民間企業、大学、広島市中央部商店街振興組合連合会などが入って、まちづくりのNPOも入っております。そういった方々で実行委員会をつくり進めました。もちろん広島市、広島県にも入っていただいて、都心の未来像を検証、そして都心の再生を加速させるために実施したものになります。目的としては、相生通りをトランジットモールにしていくというような未来像のその一歩目、もしくはその検証、そして建物低層部の在り方を検証するための社会実験としました。  そこで何をしたかというと、複数のタイプの公共空間をつくり上げて検証していくことにしました。3つのエリアを用意して、1つ目は、車のための空間であったバス停と荷さばき場、トラックの切り込み部分を人のための空間としての木製などのベンチをしつらえまして、コンテナを置きまして、低層部の店舗の在り方など、いろいろな検証ができるような空間を用意しました。2つ目のところは、Bエリアということで、民間の敷地内の空地を、許可を頂いて活用させていただき、店舗のテーブルなどを増床するような形で、この空地とオープンスペースの在り方を検証しました。3つの空間の中間に位置する空間ですので、その3つをつなぐようなソフトの在り方も検証していきました。3つ目のエリアはいろいろなタイプの空間を融合させたような空間で、もともとコインパーキングの部分をお借りして、そこに複数のタイプの空間をしつらえて、ここに訪れた人々が、自分のそのときの思いとか、そのときの目的に応じて使ってもらえるような空間をつくったものです。このように輸送資材のパレットを重ねて空間をつくり、鉢植えの植栽などを置いて緑化して、その時々の気持ちに沿った行動に対応できるような空間をつくったというものです。またこのエリアでは、低層部の店舗の在り方ということでキッチンカーにも毎日来ていただいて、利用頻度、もしくはどういうような店舗内容だとどのような反応があるかというのも見ていきました。また、コロナ禍でもありましたので、新しい生活様式に対応する一つの例みたいな形で、いかにオープンエアーの中でいろいろなディスカッションを行うかというようなことも実施してみましたし、ここにサポーターとして関わってくださった皆さんが自分たちの考えを実現させていくということもやってみたいということでしたので、考えていただいた企画などもここで実施したという社会実験になりました。  このようにこの社会実験を実施したことによって、ここに関わった皆さんが、自分たちが考えてきたことが正しかったと思った方もいれば、こういうふうに考えれば実現できるのだということで、次のアクションに向かっていきましょうと前向きになれた方もいます。今までも理想像について考えてきたけれども、夢物語のように実現には程遠いものだと思われていた方もいました。または考えた後の実現することについては自分たちの手を離れるものだと思っておられる方もおられたみたいですけれども、そうではなくて、しっかり自分たちでアクション──行動も伴って検証していくことで、実際にこのような空間ができたことで考え直された方もいます。  そういうような次のステップへ自分たちのこととして捉えてくださる方が増え、実際にその後のディスカッションに毎回来るようになられた方もおられますし、いろいろな心境の変化、ある意味コミュニティーも強固になっていきました。言い換えると、広く捉えると、そのような都心開発をしていくことが人材を引きつけるという一つの証明にはなったのかなとは思っております。  それを踏まえて、これからの未来像づくりにおいての課題に移っていきたいと思います。今お伝えしたようなコミュニティー形成、アーバンデザインの視点を持つこと、自分たちもできるのだというような心境の変化も、もちろん効果として非常に大きかったと思っておりますが、しっかりとデータを取って分析もしております。社会実験として得たものをどう生かしていくかということも今いろいろ模索しながら進めているところです。分析結果をしっかりビジョンに反映するというのはもちろん最低限のことだと思いますし、人材を引きつけることもできるということが分かってきました。  そこで、しっかりその社会実験の成果をエリアプラットフォーム──そのエリアの一つの受皿団体にしていくような動きも必要ではないかと思っておりました。  その折に、国交省から官民連携によるまちづくりの補助があるという発表がされて、これに申請しました。どういう補助事業かといいますと、官民の多様な人材が参画するエリアプラットフォームの構築や都心部の将来を明確にした未来ビジョン策定、民間まちづくり活動における先進団体が実施する啓発事業に対して補助を行うということで募集が行われるもので、44の事業が採択されました。  こちらのほうに社会実験の成果を基に応募をしてみたところ、エリアプラットフォーム活動事業に採択していただきました。この実施事業の例というところにコンテンツリード型、ハードだけではなくてソフト面もしっかり考えながら、歩行空間の整備、回遊軸の複数化、歩行空間そのものの回遊性の向上、多様な人材の出会い、交流、そしてウォーカブルな空間実現に向けてのエリアプラットフォームとして認定しますということがここに書かれています。それがどの事業かというと、カミハチキテルと書かれてあり、私どもの事業が一つの優良事例として、採択の時点で書いていただいたのはちょっとびっくりしました。そういう意味でも、今求められているような動きだったのかなと、気を引き締めてさらに進めていきたいと思っているところです。  このように、まちの未来像を考えていくような団体と非常に多様な動きが先ほど2018年の段階の地図と比べると、2020年には都心部に見られるようになりました。ですので、民間の発信する未来像は、恐らく今後も多く出てくるのではないかと思います。それは非常に重要なことで、いろいろな立場の方々からいろいろな未来像が表に出てくることによって、本当にどうあるべきかという議論と対話がどんどん促進されていくのではないかと思います。その未来像がしっかり設定されることによって、どう開発していけばよいか、どう課題を解決していけばよいかというような一つの方向軸になっていきますので、今、この状況が非常に好ましい状況ではないかと個人的に思っています。  では、課題としてはどういうことが考えられるかというと、しっかりと民間が策定した未来像、ビジョンやアクションをどのように常態化していくか。先ほどの社会実験も、やはり一部の方には一つのイベントというような形で捉えられてしまいました。それが一つの私たちの課題かなと思っています。そうではなくて、今後このまちがどう変わっていくか、それが日常の生活の中にどう組み込まれていくのか、そういうことをしっかり考えていかないといけないと思っています。さらに、それを日常に組み込むには、どのように上位計画に位置づけるのかということが重要だと思っております。  これまでのまちづくり、公共空間の計画のプロセスは、ある意味トップダウンといいますか、先に行政主導の計画がなされて、最後に、個人のニーズまで落ちていくものでした。そこでミスマッチなどがいろいろ起こってきているということがよく言われることなのです。これからの行動、計画のプロセスというのは、ボトムアップで、官民連携をしっかりしていかないといけない。その計画、アクション、民間が考えていることをいかに上位計画においても位置づけていくか、ある意味よいものをしっかりピックアップして位置づけていくことができるかというところが重要ではないかと言われています。  どのように位置づけていくかというところに関しては、今後の課題として非常に大きなところではないかと思います。もちろんすぐできることではないと思いますし、それぞれの対話がすごく重要になってくると思っています。  そういった中で、一つあるべきステップというのが中間組織の設立ではないかと個人的には思っています。アーバンデザインセンターという組織があります。これは官民学が連携してつくる都心部のデザインを考えていくセンターです。その機能を持つような中間組織、いろいろな立場の人たちがその間をつないでいく必要があるのではないかと思っています。民間の考えを直接行政に伝え、それぞれの理解度が高まればもちろんいいわけですけれども、それをしっかり翻訳してあげるような中間組織の在り方というのが必要ではないかと思っています。それをカミハチキテルの組織ももちろんできると思いますし、今、経済同友会の方々を中心に考えておられるひろしま都心活性化推進協議会というものがあります。これはまだ検討が始まった段階と伺っておりますけれども、場合によっては、そういう団体が中間組織になり得るかもしれないと思っています。  あとは、各エリアとか各団体の民間のビジョンは、活発な議論の中から出てくるだろうと思いますけれども、場合によっては広島という大きな全体の方向性、全体を捉えるようなビッグビジョンの策定も必要なのかもしれないと思っています。それは世界に打って出るのに非常に重要ではないかと個人的には思っています。  民間策定のビジョンプロセスに、一般市民、生活者、利用者にどう参加してもらうかというところですけれども、どのように周知していくか、どうそのような場をそのような方々に開いていくかということも今後の課題として考えています。張りぼての状態ではなく、アリバイの状態ではなく、いかに意味のある形で開いていくのかというところは、全国各地で模索しているところだと思います。そういったところも、この広島で一つのモデルができてもいいのかなと思っています。  先ほどの事例で出させていただいたオレゴン州ポートランドというところも、いろいろな形で一般市民の声を聞いて、非常に長い時間をかけてビジョンを策定しています。市民フォーラムという手をカミハチキテルでは検討していますが、どのような形が一番よいのかというところは今後も状況に応じて模索していく必要があり、喫緊の課題であるとも思っております。  このように未来像をしっかり官民連携で共有して、そのビジョンを基にしっかり民間のアクションや思い、ニーズを実現させていくように位置づけていくことが重要なのではないかと思っておりますので、双方の考え方の歩み寄りも非常に重要かと思っています。その未来像をしっかり考えていきながら、このエリアという価値を高めて、広島都心部がさらに魅力的な場所になっていけばと思っております。  本日の内容は以上です。ありがとうございました。(拍手)  (4) 意見交換 2: ◯林委員 木原先生、大変興味深い御説明ありがとうございました。  エリアマネジメントのイメージがよく分かったところでございます。コロナ禍でありますが、私も中区選出なものですから、各地域の特色を生かしたにぎわいや活性化につながる取組を継続し、先生が言われておりましたとおり、エリアの活用も含めて進めていくことが大変重要ではないかと思っております。  御説明いただきました既存の歩道空間を活用したカミハチキテルの取組は、私も何回も目にしてきたところです。実際に座ってみたり、木材ということで、臭いも少し嗅いでみたりしたのですけれども、そこは若干臭いがないかなというふうにも思いましたが、大変、沿道利用者の共催が感じられたよい空間だと感じております。  そこで、まずは、春の社会実験を踏まえ、今後、カミハチキテルとして次の一手として、どのような考えを持たれているのか、何かございましたら御教授くださればありがたいと思います。 3: ◯木原参考人 カミハチキテルの次の一手という御質問ですけれども、カミハチキテルが社会実験を行ったときの一つの目的として掲げていましたトランジットモールというような仕組みの実現を目指していければと思っております。トランジットモールという手段は交通計画の戦略ではありますが、カミハチキテルで行ったロングベンチなどが好評だったこともあり、滞在する空間をつくる上でも効果があると思いますので、トランジットモール化に伴った道路空間・公共空間についてもしっかり考えていければと思っています。ですので、今はまだブラッシュアップの検討の段階ではありますが、トランジットパークというような考え方になっていけばいいと考えております。  いずれにしても交通ということを考えていく必要があります。また、今コロナ禍の中で、にぎわい、人が集うということも、いろいろな解釈がございますので、今できることをしっかり考えていく必要があると思っております。そういった観点からすると今にぎわいの公共空間をつくるということよりも、交通に重点をおいて検討することが必要ではないかとも思っております。まだもちろん検討の段階ではありますが、今考えている次のアクションというところでいくと、交通に関して車から人のための空間へということへの印象を与える、例えば、紙屋町交差点では難しいかもしれないけれども、八丁堀交差点などで大型スクランブル交差点を一定期間だけ常設していくということも考えられるかなと思っています。  いずれにしても、今度は警察のほうの許可と協議も進めていかなければいけませんし、車のための交通から人のための空間へということを考える意味では、やはり広島県警も含めた今後の規制緩和といいますか、いろいろな解釈ということでの対話が必要であろうと思っております。そういうところと協議をしながら、ここ数年での次のステップができれば、今回の社会実験との関連も印象付けられると考えております。 4: ◯林委員 先生が言われるとおり、地区のルールづくりというのがしっかりしていかなければいけないということ、ソフト面に非常に重要性があるということがよく分かりました。ありがとうございます。  もう一つ質問させてもらいます。  2点目は、先生のこれまでの活動を通じて、中四国最大であるこの広島のまちづくりのビジョンが今後どうあるべきか、何かお考えがございましたら教えていただければと思います。よろしくお願いします。 5: ◯木原参考人 今後、まちづくりのビジョンはどうあるべきかという御質問ですが、これは民間発信という意味合いで聞いていただければと思います。このビジョン、具体的な話ではなくて、印象にはなってしまうのですが、やはり民間が発信するものはどちらかというと、広島のまちがわくわくすると感じられるものにしていかなければいけないと思っています。もちろん行政から発信された、広島市、広島県から出されたプランはありますが、そうではなくて、民間が出していくビジョンなわけですので、こだわったものといいますか、奇抜という意味ではないですが、非常に特徴的な、広島を象徴するようなビジョンであるべきではないかと思います。周りの理解と合意よりも、広島の方向性を示すビジョンであるべきではないかと考えています。  そういうようなビジョンも民間だからこそ出せるものであって、ただ、突然表に出て来たものではなく、今まで皆さんが考えてこられたことをフォローアップする。それが結果として、一つの方向性を強く示すものになっていくのではないかと思いますので、そういう意識を持って、今まで皆さんが考えてきたことを洗練させていきたいと思っています。  その延長線上でいえば、夢物語と言われないようにまた夢物語で終わらせるのではなく、しっかり実現可能性も踏まえた、かつ強い方向性を示すものになっていくべきではないかと思います。 6: ◯林委員 取組の積み重ねが非常に大事だということは分かったような気がいたします。  広島はなかなか他方から受け入れられない、そんなまちでありますけれども、万人が万人受けするような、わくわくどきどき感あふれた魅力あるまちに今後なっていければと思います。  大変期待しておりますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。 7: ◯畑石委員 先生、今日は貴重な説明ありがとうございました。  まずは、カミハチキテルの取組なども含めて、民間からエリアマネジメントの取組を積み上げていってらっしゃることに心から敬意を表したいと思います。  たしかポートランドだったと思うのですけれども、先ほど一般の人をいかに巻き込むかが課題だというお話でした。あるエリアを再開発するのに、都市デザイナーみたいな方を3人くらい置いて、そこに一般の人も入るし、企業の方も入るし、ワークショップみたいなことを半年ぐらいやって、自分たちがどういうまちにしたいかというようなことをそれぞれに出させて、行政がそれを吸い上げて再開発していく手法を取られたということもお聞きしたことがあります。そういったいろいろなやり方を通じ、本当にそこに住んでいる人たち、広島市民がどういうまちにしていきたいのかということを巻き込んでいくことが大事だと私も思います。  先ほど、行政の上位計画に入れていくことも大切だというお話がありました。ポートランドの例ではないのですけれども、ここで行政が仕掛けをしていくこともとても大事ではないかと思いますので、そういったところに対する期待について、今どのようにお考えかお聞きします。もう一つ、この話はどちらかというと基礎自治体、ここで言えば広島市のほうが基本的には主体となって、民間の皆さんとすり合わせをしてやっていくような話かと思うのですけれども、ここは県議会ですから、県の役割、それから県に期待するところはどのようにお考えか、2つお聞きしたいと思います。 8: ◯木原参考人 御質問をまとめさせていただくと、市民を巻き込む上での行政の役割と、あともう一つは、政令指定都市の広島市においてというところで考える県の役割ということでよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)  やはり広島市民を巻き込む上での行政の役割というところでいきますと、個人的なところではありますが、あまり表に出ないことが大変重要ではないかと思っております。その議論を促す場づくりということが重要ではないかと思っております。仕掛けとしては、市民の対話が促進されるような場をいかにつくっていけるか、そういう機会を何度もいろいろな形で行っていくということです。もう一つは、日本全体を含めてですけれども、市民との対話に設けられる時間が非常に短い期間しか用意されてなく、広島市民からは参加した結果、アリバイづくりのようで、参加したことに実感が湧かないというような状況で、市民の参加が形骸化しているということが考えられると思います。もちろん政策のスパンの中で非常に難しいことだとは思いますけれども、プロジェクトを含め、市民との対話の期間、もしくは調査期間の設定の仕方が今後変わっていけば、さらに中身のある、質の高い市民の参画ができるのでないかと思っています。そのような時間の設定は行政の方の今後の役割ではないかと思っています。  あと、広島市のエリアにおける広島県の役割に期待するところということにおきましては、広島県を考える上でも、中四国エリアを考える上でも、やはり中心はこの広島市なわけですので、政令指定都市なのでなかなか難しい面はあると思いますが、広島市と今後もしっかり連携していただきたいということです。また、ここにどう人材を集めていくか、企業誘致に関しては県の方々にも非常に期待しているところです。  また、立場の難しさはもちろんあると思いますけれども、今後も市と連携をしつつ、都心部の再開発もしくはエリアとしての価値を高めるという意味で、県としての大きな視点もどんどん導入し、県の考えもこのエリアのビジョンにつなげて、広島県、中四国の中心である広島市のエリアの魅力が高まればと思います。これまでもいろいろと働きかけてこられたと思いますので、そういった面でも引き続き期待をしたいと思っております。 9: ◯畑石委員 先ほどおっしゃった時間軸の話。民間の団体、それから市民との合意形成、どういう希望があるかというのはやはりある程度時間軸を少し長めに持ちながらやるというのはおっしゃるとおりだと思います。特に今回のサッカースタジアムとか、市民球場の跡地の開発の話というのは、どちらかというと時間軸の設定が短過ぎるのではないかと個人的には思っていますので、そういったことは今日、行政サイドもしっかり話を聞かれたと思いますので、大いに参考にしたいと思います。ありがとうございます。 10: ◯佐藤委員 話の中で、紙屋町交差点のスクランブル交差点の復活という話がありました。このことは僕がいつも議会で言っている話なので、それについて意見というか、難しいかもしれませんと言われていたけれども、僕は紙屋町交差点の横断歩道復活は絶対にできると思っています。シャレオがあるから難しいと言われていたけれども、僕はもうああいう大赤字のシャレオなら、埋めてしまってでも、地上の歩行者向けの環境づくりというのは今の時代に大切ではないかと思っています。八丁堀交差点というよりは、紙屋町交差点はもともと20年前にはあったのだから。その辺りあの相生通りについて先生の個人的な考えでよろしいのですけれども、もう少し具体的にお聞かせください。先ほどトランジットパーク、モールというよりパークみたいな話を言われていたので、例えば、僕も相生通り自体を車は乗り入れ禁止にしたっていいのではないかと思っています。ニューヨークもそういう形でやったりしたわけですから、思い切ってそんなことをしたり、歩道も広く、車道を1車線なくしてでも、歩道を広げていくとか、例えば電車とバスしか通れないようにするような、そういう形でも僕はいいと思うのです。  そういった具体的な何か先生の思いがあればお聞かせください。 11: ◯木原参考人 相生通りへの、先ほどお話しさせていただいたことに加えてということでいくと、私もどちらかというと、今おっしゃったようなイメージに非常に近いです。車のための空間から人のための空間へということができれば、人通りが増えてくるわけですし、そこのエリアの価値が高まっていくと思っています。  最後にお伝えしたように、民間の議論はある意味強い方向性を示すということであれば、やはり言っていただいたような、車は公共交通のバスぐらいしか通らないようなことも考えられると思います。  今一番イメージしているのは、先ほど出していただきましたトランジットパークという形で、道路自体もある意味で公園のような在り方といいますか、そういうようなことができるくらいの通りになってくればと思っています。トランジットパークというものをいろいろ検索したのですけれども、どこもそのコンセプトをうたっていない状況ですので、世界でもなかなか例のないような公共交通機関と融合するような空間になります。概念的な話ですが、そのようなイメージができてくると、ある意味強い方向性が出していけるのではないかとも思っています。まだ検討の段階ですので、あくまで個人的な意見として聞いていただければ幸いです。 12: ◯佐藤委員 今言われたような意見が民間のほうからどんどん出てきてほしいと思いますし、各地で出てきているのだろうと思います。ただ実際は、ここにもちょうど書かれているように、民間から出たビジョンとかをどう行政側が実現させるかというところなのだろうと思うのです。社会実験にしたって、大体は結構うまくいっているのです。だけれども、行政側が、その社会実験を見て、悪いところに注目して、これだからできないみたいなことをやっているところが多いのではないかと思っているのです。今回のカミハチキテルにしたって、もしこれを見て、周りの市民はよかったねと言うだろうけれども、逆に、渋滞が発生したとか、何かいろいろなことを理由にして何かしらできないような方向にしてしまっているのではないかというのがあるのです。  そういう意味でも、ちょっと長くなるから、要望ですけれども、どんどん言ってもらって、いやいや、こうではないと困るというような強い意見をやはり民間のほうから出してもらうことによって、議会のほうからも我々議員が伝えていって、行政を動かすような力にしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。 13: ◯緒方委員 木原先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。  端的に1点だけお話をさせていただきたいと思うのですが、今日は紙屋町周辺地域の未来像ということで、その中の一つの取組としてカミハチキテルをお聞かせいただきました。個人的に、私も少額ですが、クラウドファンディングに参加させていただきまして、非常に期待をしていたところです。  1点お伺いしたいのは、あくまで社会実験ということで、実験である以上、最後は検証もしていかなくてはいけないと思うのですが、今回その実験の中でどういったデータが得られたのかということと、そして、それが今後どういった展望につながり、どういった展望を描いていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思うのです。それはなぜかというと、やはり今回の実験は、最終的にはコロナの影響で思い描いた形でなかなかいかなかったところもあろうかと思います。カミハチキテルの大きな目的の一つで、滞留性を高めることでまちを活性化していこうということもあったと思うのですが、今後、このウィズコロナの時代で、ニューノーマルを求めていかなくてはいけない中で、今までどおりその場を提供することが本当にいいのかということも多分自問自答していかなくてはいけないのではないかと思うのです。  ですから、こういったコロナ禍でのまちの活性化、場づくりというものの在り方について先生の御所見をお聞かせいただければと思います。 14: ◯木原参考人 今回の社会実験の分析結果、それが今後にどう活用されるのか、一つの考察というところで話をさせていただきたいのですが、正直なところ、まだ分析中です。これだけ時間が経っているのですけれども、やはりコロナの影響をどう捉えながら考えていくか。実際に今回の社会実験で得たデータはいい結果しか出ていないのですけれども、本当にこれをそのまま伝えることがどういうことになるのか、丁寧に考えて、私だけでなく、山口大学の宋先生という、都市計画が御専門の先生等も含め、客観的にデータを見つつ検討しています。  そこで、データが良過ぎるということも逆に信憑性を欠いてしまうということを危惧しているところもありまして、そういう意味ではこのデータを逆にアリバイに使われないようにといいますか、そういうところも非常に気をつけなければいけないとも考えて、今考察をしているところです。  また、来場者の目標値など、今までの指標になっていたような数値を、コロナに関係なく、あえて設定しませんでした。公共空間活用社会実験において出てきたデータをこのビジョンに沿ってしっかり考察して、方向性の位置づけを検証していくということで活用していければと思っておりました。来場者の数値の目標値もあえて設定せずに、現地でのアクティビティーの質や滞在時間の変化などを観察することで、この社会実験のデータとしました。  なぜかというと、今まで車中心の通りだったわけですし、また広島には都市広場などの空間が少ないので、ある意味今回の社会実験はゼロから1にするものですので、何かしらよい結果が出るのは見えていたということもあります。そういうデータの取扱いに関しては、まずは丁寧に、丁寧、今では時間のかけ過ぎと言われることもありますけれども、どのように活用するかというところは、丁寧に考察しています。  現在見えてきている考察結果としては、まだあくまで途中段階ですが、今回のようにまたエリアマネジメントの考え方のように、ソフト面とハード面の両方を併せて考えること・検討することがやはり重要だということです。コンテナのところの店舗が開いている、開いていないという時間帯に応じて、使われ方や、滞在の様子が変わっていましたし、コンテナの店舗が開店している・いないに関わらず期間中ずっと一定の滞在者はおられました。これはアクティビティー調査という形で、どのような行動を人々が取ったかという質のデータを取って導き出されたものであり、一定の滞在者がいるようなハード面と、その空間の魅力や価値や効果を高めるようなソフト面の両方の併せた検討というのが重要であるということが改めて認識されたというところは間違いありません。現在、この言葉が適切かは検討中ですが、広島の都心部における寛容性といいますか、人々の活動の多様性を受け入れる場がないということが分かりました。それはカミハチキテルにどこから人が来て、どこに行ったかということと、人の通行量、通り抜けていくだけの人がどれくらいいたかということの変化から、受皿となる場が必要であると考えています。交通体系の変化としてのトランジットモールから受け皿空間も伴うトランジットパークへコンセプトを拡張しようと検討しているのは、そういった理由です。ハードとソフトの両面からの検討すること、人々の都市での受皿であるような豊かな公共空間の開発も重要ではないかということ、この2点はどうやらデータとともに言えそうだなということは分かってきています。  ですので、きっちりとした分析結果をお伝えできない状況なので恐縮ですが、そういう意味でしっかりそのデータを活用して、このビジョンの検証、ブラッシュアップにつなげていきたいと思っています。  これは、この質問があるのではないかと思っておりましたので、今日に向けても一生懸命やってきたのですけれども、そういう中でもこの状況の中で、非常に難しいデータにもなっていますので、丁寧に検証して、それを活用していかなければいけないという意気込みしかお伝えできないので、大変申し訳ないです。頑張ります。    休憩 午前11時47分    再開 午前11時53分  (5) 当局説明    都市圏魅力づくり推進課長が報告事項(1)、(2)について、別紙資料1、2により説明   した。  (6) 質疑・応答 15: ◯質疑林委員) 先ほど木原先生との話もございましたが、広島駅北口、そして袋町周辺でもエリアマネジメントの取組が進められているというお話がございました。さらなるまちの飛躍というか、にぎわいをもたらせていただきたいと思うのですけれども、今後、紙屋町周辺ではサッカースタジアムや広場エリア等のハード整備が進んできます。先ほどの先生の話もあったように、ソフト面での取組も非常に重要だというふうなお話がございました。  そこで、県としても、広島市と連携をしながらエリアマネジメント等、まちづくりの取組に積極的に関わっていくことが必要ではないかと思いますが、今後、行政として、どのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。 16: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 先ほど木原先生からお話もありましたエリアマネジメントにつきましては、我々といたしましても、住民、それから事業者、地権者などの地域が主体となって将来のまちの姿を共有しながら、魅力的な都市空間やにぎわいの創出、回遊性の向上などを図る取組であると考えており、こうしたエリアマネジメントの取組につきましては、広島市の都心エリアの価値を持続的に高めていくためにも重要なものであると認識しているところでございます。  このため、広島市と共同で策定いたしましたひろしま都心活性化プランにおきましても、先導的な取組といたしまして、エリアマネジメント活動の支援を掲げて取組を行ってきているところでございます。  具体的には、まちづくり団体がエリアマネジメント活動の実践に向けた勉強会を行う場合の講師派遣でありますとか、エリアの将来像や組織化に向けた検討を行う場合のアドバイザーやコンサルタントの派遣等についての支援を行っているほか、まちづくり団体が行う社会実験、先ほどのカミハチキテルの社会実験等も含まれますが、こうしたものと連携をいたしまして、今後の施策に反映させるための効果検証の支援を行ってきているところでございます。  また、先ほどの木原先生の中に話もございました、経済界を中心といたしましたひろしま都心活性化協議会におきましては、こうした都心にありますエリアマネジメントなどの団体の組織の連携を図り、都心全体のまちづくりを進めていく検討も行っているところでございます。こうした検討の中に、県、市もオブザーバーとして参加させていただいているところでございます。  こうしたことなどを通じまして、エリアマネジメント活動を活発化させ、行政と民間で協働し、都心の活性化につなげていきたいと考えております。
    17: ◯要望林委員) 私もここ最近、地域住民からいろいろ電話がかかっております。先ほど課長から地域が主体という話がございましたけれども、地域のほうから見ると、お話が最近途絶えていると聞こえてくるばかりで、広島市と地域住民はよく話をされているのかどうか分かりませんけれども、もう少し県も一緒にバックアップしてあげるように、そういった先ほどおっしゃったことを進めていってもらえればと思っております。  県としてもしっかり関わっていただきまして、まち全体というよりも、県全体にいい効果が波及するように、今後ともよろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。 18: ◯質疑畑石委員) 私のほうからは、MICEの施設整備について質問させていただきたいと思います。  先日、決算特別委員会でも少し触れさせていただきましたけれども、広島県はMICEの施設整備がグローバルMICE都市の中でも大変出遅れているという中で、大きな課題があることは間違いないと思うのですが、まずは、どこに大きな課題があるのか、どのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。 19: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) MICEの課題認識ということで、まず、広島市における国際会議の開催状況ということで申しますと、2016年の実績で、1,000人以上の国際会議の参加者数は、広島市では約2万7,000人ですが、福岡市では約14万5,000人、神戸市では6万7,000人と、大きく差が開いている状況であります。市町村ランキングでは今、広島市は第12位となっていると聞いております。次に、1,000人以上の国際会議の開催件数で見ますと、広島市3件に対して、福岡市22件、神戸市10件と、いずれも大きく差が開いています。また、施設の規模でいいますと、今、広島市の主要な会議場であります広島国際会議場が1,500席程度であるのに対し、いわゆる札仙広福と言われる他の地方中枢都市におきましては、大体2,000~3,000席あると言われております。  これら国際会議などを開催するMICEの関連施設につきましては、札仙広福の他の地方中枢都市と比べて国際会議の開催件数やホテルの施設数などでも大きく劣っている状況であり、国際会議の誘致や経営環境の整備に取り組む必要があると考えています。 20: ◯質疑畑石委員) おっしゃったとおり、来られる人数も大変他都市に遅れているし、誘致している会議の数も少なくなっているということです。  様々な要因はあると思うのですけれども、その中の一つが、恐らく施設整備というところに課題があるということだろうと思います。  そういうことで、商工会議所のほうから提言があって、その提言に基づいて県が広島西飛行場の跡地に大規模展示場の検討を行った。広島市においては、サンプラザのところにコンベンションホールを誘致できないかということで検討を行ったという経緯だろうと思います。  一方で、商工会議所の提言を読むと、紙屋町周辺に関しては、MICE関連施設が集積する広島市中心部は、現状、新たな大規模施設用地の確保が難しいものの、各施設の機能強化などが必要という書き方になっています。  この新たな大規模施設用地の確保は難しいもののという書き方についてはどのようにお考えですか。この紙屋町地域にMICE施設の集積を行うという目で見たときに、この商工会議所の提言というのはどのように捉えていらっしゃいますか。 21: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) MICE施設ということでは、MICEの中には様々な種類のものがございまして、いわゆるコンベンションを行う機能、それから委員がおっしゃったように、昨年の広島西飛行場において検討しておりましたような大規模な展示場というところがあると思っております。  コンベンションの部分でいえば、やはり都心地域におきましては、先ほども答弁させていただきましたように、かなり他の施設と比べて劣っている状況もございますので、この機能をしっかり強化していくことは必要だと思っております。 22: ◯質疑畑石委員) お聞きしたいのは、コンベンションの機能でもいいのですけれども、商工会議所の提言では新たな施設用地はないというような書きぶりになっているのです。  これについて、そのとおりだと思われているのかということです。例えば市民球場の跡地で考えたときに、今ある施設がずっとあることを前提にしたのではないと思うのですけれども、例えばファミリープールですとか、こども科学館といったところも、かなり建設してから年数もたっていますし、そういった視点で見たときに、本当にないのかどうかというところについていかがですか。 23: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 広島市中央公園につきましては、広島平和記念都市建設法に規定する平和記念都市建設計画に基づき、復興のシンボルとして整備された都市公園であり、原則として、都市公園として今活用を行われているというところでございます。  そういう中で、昨年度、令和2年3月に広島市のほうで取りまとめられた中央公園の活用に係る今後の基本方針におきましては、おおむね5年後までの短期的な取組といたしまして、サッカースタジアムの建設、広島城の新たな観光拠点での再構築、広島市民球場跡地を活用したイベント、集客ゾーンの招致を図るとされております。これらの短期的な取組に続き、中長期的な取組といたしまして、耐用年数を迎える公共施設を集約し、必要に応じて新たな機能を有する文化芸術施設等を検討するということも含まれております。  こうした中で、今後、耐用年数を迎える公共施設を必要に応じて集約、機能更新を図りつつ検討するということも書かれておりますが、公共施設の機能更新に当たっては、短期的な取組の成果や市民のニーズ等を踏まえて対応すると記載されておりますことから、MICEなどにつきましても、その需要などを適切に見極めながら検討されるということは、その時点の状況の中ではあるかもしれないと思います。 24: ◯意見・要望(畑石委員) 今の御答弁のとおり、結局、MICEの施設整備は広島都市圏において大きな課題だと県も市も言っている。今回、都市再生緊急整備地域に指定された文書を読んでも、至るところにMICEという文言が出てきます。そうでありながら、このMICEという施設のどの部分が要るのかというところを、県と市でしっかりと検討もしていない。本当に大規模施設が要るのか、先ほど課長がおっしゃったように、コンベンションホール、それから、コンベンションホールに併設した展示スペースといったものが恐らく足りないのではないかと素人ながらにも思うわけです。どういった機能が今の広島市域に求められているのか、他都市との競争を勝ち抜く上でどこにターゲットを絞っていくのか、では、そのときにコンベンションホールとしては何人ぐらいのコンベンションホールを整備しないといけないのか、例えば3,000人規模のコンベンションホールを整備するのであれば、それを置く適地はどこなのか、MICEが本当に必要だとおっしゃるのであれば、こういった手順で検討していくことが本来の検討の在り方だと思うのです。  ところが、先日の決算特別委員会で指摘させていただきましたけれども、ここに空いている場所があって、提言があったから調査費をつけて検討するというのは、順番が明らかに逆になっていると思うのです。先ほどもおっしゃったように、MICEの施設整備に大きな課題があるのです。まさに今、広島市としっかりとどういった施設整備がいいのか、その適地はどこなのか検討する場合は、市民球場の跡地を含めた紙屋町エリアも一つの候補地に挙がってくるのではないかと私は思っています。例えば県立体育館で施設の利用を少し緩和してあげれば、コンベンションホールだけを整備して、先ほど申し上げた展示スペースに関しては県立体育館を利用するという方策もあると思います。やはり大事なことですから、真剣に広島市と議論して、何が本当に要るのかということを検討した上で、この紙屋町の活性化、ひいては広島市域が活性化するような検討をしてほしいと思っています。  サッカースタジアムのデザイン・ビルドでの発注の中でも、サッカー以外の機能、例えば図書館の機能というのも文言として入っていますけれども、業者が図書館の機能を果たして提案できるかどうか。例えば中央図書館の在り方がはっきりしていなければ、それは一つの候補に挙がっているけれども、果たして図書館というものを本当に挙げられるのかどうかということも疑問に思っています。  そういう意味では、先ほども時間軸の話がありましたけれども、もう少ししっかりこのエリアの将来像を見据えながら、途中でもちろん変わることもあると思うのですけれども、そういった施設整備の検討をしていただきたいと思っています。要望にしたいと思います。 25: ◯質疑(西村委員) サッカースタジアムの県の考え方のところを御質問させていただきます。  広域からの集客や広域的波及効果があることを目指すということは前からお伺いしているのですけれども、資料番号2の別紙1の中で、マツダスタジアムの直近の観客動員数220万人を目標にして、県内外からそれぞれどの程度集客するかを明らかにする必要があるというような記載があるのですけれども、私は一つ引っかかるのです。マツダスタジアムは10年ぐらい前にできたときに、県はどのように関わって、県内外から、集客人数の分布がどういうふうになるか、そのような分析は市と一緒にやったというような履歴はあるのでしょうか。 26: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) すみません、マツダスタジアムについての、当時の県内外からどの程度集客があるのかという資料が手元にございません。  ただ、マツダスタジアムの整備のときの考え方を申し上げさせていただく前に、今回、県、市それぞれどのような集客にするのかというところにつきましては、整備に当たって、これから県も費用負担することを考えていくときに、県民の方々にもしっかり納得していただけるものをつくっていくというのは当然必要になっていくと考えておりますので、その前提といたしまして、やはりどのくらいの集客を予定しているのかということは当然念頭に置きながら進めていかなければいけないということで入れているものでございます。  マツダスタジアムにつきましては、当時、事業費の負担を考えたときに、全体事業費のうち、国の補助金や寄附金、市債を除いたもののうち、広島市が負担する額を県と経済界がそれぞれ折半したという形でやっております。このときは、広島市所有の市民球場の建て替えに当たり、事業主体でありました市が、県や経済界へ協力を呼びかけられたということで、この呼びかけに対する県の負担の考え方といたしましては、新球場の建設は県民の期待も大きく、中四国地方で唯一のプロ野球チームである広島東洋カープの本拠地を確保することは県内外からの広域的な集客や広島という地域ブランドへの貢献など、本県の中枢性向上に大きく資するものであり、このため広島市が事業主体となって行う新規球場の建設に対して、県としても経済界と一体的な支援を行うとしたものでございます。 27: ◯質疑(西村委員) お伺いしたかったのは、目標がどれぐらい具体的になりつつあるのかというところだったのですが、まだ概念的な状態だと理解しました。  それで、では、次はどうするのかというところをお願いします。 28: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 今の集客目標はどうするのかというところにつきましては、先ほど資料番号2の中で御説明し、スケジュールの最後に書いておりました、期待する整備の方向性を今後4者で検討することといたしております。こうした中で、集客目標等につきましても具体的にしていく必要があると考えておりまして、今から、県、市、商工会議所、サンフレッチェ広島とも話をしながら詰めていきたいと考えております。 29: ◯要望(西村委員) 総額44億円を負担する場合の前提条件として、広域の集客や波及効果について、しっかり我々が納得できるような形で説明していただかないと、44億円を負担できるのかできないのかという判断を、議会、議員としてできない可能性を今言われているのではないかと思ったのです。これ以上聞きませんので、しっかり議論していただいて、県、議会が納得できる形でこのサッカースタジアムが前進していくように継続検討をよろしくお願いします。 30: ◯質疑(佐藤委員) この特別委員会が8か月ぶりに開催されることになり、8か月ぶりでどんな資料が出てくるのかと思ったら、サッカースタジアムぐらいしか資料がないので、これだけかと思ったのです。こういう都心のことを広島市と共にやっていくという中で、サッカースタジアムのことだけを語る委員会ではないわけだから、例えば中央公園とか、広島市民球場跡地とかも含めてやってかないといけないことだと思います。そういった動きは今のところ何もないのですか。中央公園に関する、全体に関する動きが説明できるものはないのか、お伺いします。 31: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 中央公園の動きにつきましては、前回の紙屋町周辺地区活性化推進特別委員会のときに基本方針につきまして御説明させていただいたということでございます。  現時点におきましては、市民球場跡地につきましては、今後、イベント広場とすることを具体化していくためのPark-PFIの適用に向けた事業者のヒアリングを広島市が行っていかれると今聞いている状態でございます。 32: ◯質疑(佐藤委員) そういうことではなくて、例えば広島市のホームページを見たら、中央公園の今後の活用に関わる基本方針というのが令和2年3月に出されているのです。前回の委員会の後に広島市でこういうのがつくられているわけです。市と共同でやっていこうという中で、委員会が終わってから広島市でこういう動きがありますという資料も出したらいいのではないかと僕は思っているのです。でないと、僕らも共有できないわけです。勝手に広島市が何か動いているなというのも、こちらが調べれば分かるだろうけれども、その辺りをどう県として関与していくのかということだろうと思うのですけれども、その辺りはどう思われますか。 33: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 確かにおっしゃるように、策定は令和2年3月だったのですが、この状況につきましては、前回の委員会のときに御報告させていただいたと考えております。 34: ◯意見・質疑(佐藤委員) 報告は報告で、その資料がその後作られているわけだから、こういう資料が今出ていますということをこの委員会で配るぐらいすればいいのではないかと思うのです。  これを見ることによって、サッカースタジアムにしても、そのうちの一つなわけだから、全体的なイメージとして、こういうふうなエリアとして、さっきのエリアマネジメントではないけれども、その中の一つとしてサッカースタジアムがこういう形でありますという目で見ていかないと、1つだけで語ってもしようがない話なのです。だからこそ、市が出している資料は県も共有してやらないといけないのだろうと思うのです。だから、今後はそういうのも出していってもらいたいと思います。  例えば、サッカースタジアムで歩行者のためにペデストリアンデッキとかを道の上に架けますけれども、あれもサッカースタジアムの人のためだけに造るのでは全く意味がありません。中央公園、広場全体のゾーニングの考え方について先ほど説明がありましたけれども、中央公園全体として歩行者の回遊性をどうするのかが重要だと思うのです。全体のゾーニングの考え方があって、その上でサッカースタジアム、そしてそのペデストリアンデッキをこういう形にするということをやっていかないといけないわけだから、全体の話をもっと説明していかないと、全く分からない。  中央図書館の話も出ましたけれども、ちょっと調べると、この中央図書館も耐震化ができていないから、広島市では問題になっているということも聞いています。耐震化できていないというのは本当なのか、お伺いします。 35: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 申し訳ありません、それについての確たるデータは手元に持ち合わせておりません。 36: ◯要望(佐藤委員) 全体で考えるなら、こういうことも知っておかないといけないです。中央図書館が耐震化できていないから建て替えるとか、新たにサッカースタジアムに併設して、もう老朽化しているのなら造らないといけないとかという案も出てきたりするわけで、こういうことを含めた議論をするべきだと思うのです。そういう視点が欠けているのではないかと僕は思うのでちょっと言わせてもらいました。  そういう意味でも、次回の委員会がいつになるか分からないですけれども、何か月も間が空くのではなく、毎月のようにやっていくような委員会にして、例えば先ほど参考人の方のすごくいい意見を聞かせてもらったので、毎月、参考人など、どなたかが来るぐらいの話でもいいと思いますし、もっともっと議論を活性化させていきたいと思いますし、人数が多いですので、10時半からだったら時間もなくなるので、思い切って10時や9時半からでもやるぐらいの運営もしてもらいたいと思いますので、それを要望して終わります。 37: ◯要望(緒方委員) 久しぶりの委員会であったのですけれども、非常にいいお話をお伺いさせていただいたと思っております。今、コロナの中でありますが、コロナの影響があろうがなかろうが、まちづくりというものはきちんと進めていかなくてはいけないと思います。まちづくりなどやっていかなくてはいけないことを粛々とやっていく、スピード感はもちろん大事だけれども、今日お話を伺いながら、しっかり地に足をつけて議論していくことも大切ということを改めて感じさせていただきました。  私からも要望ということでお伝えさせていただきたいのですが、まず、今日は木原先生のお話の中で、県の関わり等について期待することというお話もありました。カミハチキテルについていろいろとその当事者のお話をお伺いしていると、確かに報告としてはいい形ができたけれども、中では本当にいろいろな苦労もあり、やはり資金調達等については非常に苦労したという話も伺っております。  そこで、では、すぐに行政に資金的な支援をということを言うつもりはないのですが、今後こういったものをやる際には、コアな部分での課題、ハードルといったものについてはぜひ共有をしていただいて、何か、例えば規制緩和といった方策なのか、あるいは民間との横のつながりをつけていくのか、どういったことができるかは分かりませんけれども、ぜひ一緒に取り組む形を引き続きつくっていただきたいと思っております。  私の隣には中山間地域の雄がいらっしゃるので、あまり大きな声では言いませんけれども、中山間地域ももちろん大事ですが、やはり都市部の魅力を高めていくことが人を引きつけることにもなると思っておりますので、ぜひそこについては引き続きの御支援をお願いさせていただきたいと思っております。  もう一点、サッカースタジアムについて、今回の一般質問でも触れさせていただきました。答弁の中でも、建設推進会議等において、両者で議論を重ねていくということでございましたが、先ほどから委員方からも御指摘があったように、やはり私たちとしてもこれは県が単独でやる事業とは違って、広島市とか経済界、みんなで力を合わせてやっていかなくてはいけないものであるというのは重々認識しております。しかし、一方で、ああいった広島市での債務負担行為が議決されるなど、これが県、市が協力してできた本当にいいものになればいいのですが、間違ってもこれが県と市の溝を深めるきっかけのようなことになってはいけないわけです。ぜひそこら辺について、今までも十分御努力されていらっしゃるのは理解しておりますけれども、引き続きここからまたさらに馬力を上げて頑張っていただければと思っております。  その中で、私の個人的な思いですけれども、サッカースタジアムの建設自体については、スピード感を持ってやることに異論はないのですが、その周辺地域の在り方については、時間軸というお話もありますが、まさに今こういったコロナの影響が大きくある中で提案できるものが果たしてベストなのかどうなのかというものについては検討していく必要はあると思っております。限られた条件の中で、今の提案、これからされる提案が本当にいいのか、あるいはそこに発展できる余地、素地を残していただくということも、もしかしたら必要なのではないかと思います。  例えば今から提案をしていく中で、特に何かを持ってくるわけではなく、公開空き地的な何か広場みたいなのをやると、ぱっと見、それは大したものではないと思われるかもしれない。しかし、今後コロナが克服できた状態で将来的にそれがどういった形になるか分かりませんけれども、ウィズコロナの時代の中でもこういったものができるということを含めた提案であるならば、それは認められてもいいのではないかと思います。今、この状態下でできる提案だけが全てではないのかもしれないとも思っておりますので、サッカースタジアム自体は前に進めていくことは可能だと思うのですが、その附帯、近隣のにぎわいの創出についてはよく議論していくべきではないかと思っておりますので、ぜひいいものをみんなで力を合わせてつくっていけるように頑張っていきましょう。 38: ◯要望(下森委員) 先ほど緒方委員から中山間地域のことも話していただきましたので、私もちょっと言いたいと思います。  先ほどお話がありましたように、やはりスピード感を持ってこの特別委員会をやるべきだと思います。よく言われることが、東京一極集中、大阪もよくなっています。かつて札仙広福という言葉がありました。どこを取っても、どんどん発展しているのですが、僕は広島が一番発展のスピードが遅いと思っているのです。  そういった意味を踏まえた上で、では、三次市の県議会議員がこの委員会に入って何を提起するか。緒方委員もおっしゃったように、都市部がよくならなければ、田舎もよくならないのです。もちろん田舎もよくならなければ、都市部もよくなならい。そういった視点で私はこの委員会に参加をさせていただいているわけですが、どうもスピードが遅いような気がするのです。何かが大きな壁になっているのかなという余計な思いもあるわけですが、とにかく紙屋町活性化といったいろいろな資料もどんどん出していただいて、私たちに議論をさせていただきたいと思いますので、強く要望しておきます。 39: ◯質疑(日下委員) サッカースタジアムについてちょっと意見とお尋ねをしたいと思っております。  コロナの前にサッカースタジアムは考えられたのですが、新たな生活様式に則した工夫といいますか、このサッカースタジアムができた頃にはもうコロナのワクチンはもしかしたらできているかも分かりませんが、しかしながら感染症というのは今後ともいろいろな形で出てくるのではないかと思います。  先ほどニューノーマルという言葉も出ましたが、そうしたソーシャルディスタンスを含めても、感染症対策、スポーツ観戦も今までと同じような形ではなかなかできなくなるのではないかという懸念がございますが、そうした感染症対策、アフターコロナを考えての工夫というのは何かあるのでしょうか。 40: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 新型コロナウイルスの感染症対策につきましては、政府からも新型コロナウイルス感染症対策の基本方針に基づき、厚生労働省をはじめとする各省庁から感染症予防に係るガイドライン等が出されている状況にございます。  施設の整備に当たりましては、こうしたガイドラインを参考に、現在作成しております要求水準書に、例えば手洗いを非接触型とする衛生設備を計画することでありますとか、感染症対策に配慮した換気設備の計画にすることなどを盛り込んでいきたいと考えているところでございます。  また、事業者の公募に当たりましては、感染症対策に配慮した施設計画とするためのよりよい提案を促すとともに、利用者が安全に施設を利用できる環境づくりを考えてまいりたいと考えております。 41: ◯意見・質疑(日下委員) くれぐれも安全第一で、安心してスポーツ観戦できる環境をお願いしたいと思います。  そして、サッカースタジアムにつきましては、サッカーが年に20日ぐらいしかないということで、サッカーがないときでも来てもらえるような環境、そしてまた、先ほどから何度もありますが、広島市以外の市町の魅力をアピールしていけるような仕掛けづくりが大切だと思います。  資料番号2の別紙1に施設の機能ということでるる書いていただきましたけれども、例えば、本通りにひろしま夢ぷらざという広島県内の物産を集めたような店がございますが、このひろしま夢ぷらざは非常に人気がありまして、いつもにぎわっている状況でございます。そして、広島城の周辺でフードフェスティバルというのがあるのですが、これも食を中心にして、とても多くの人が集まるイベントです。こういったこと考えますと、県内の食というのが本当に外せないと思っております。  これはイメージですけれども、例えば東京のTAUも非常に人気がありますけれども、例えば、広島県内といわず中国5県のいろいろな文化も合わさった東京のTAUをさらにデコレートしたようなものがあれば、中国5県から、また県内から多くの方が、そこに行ったら、中国5県のいろいろなものが手に入る、またいろいろなものを食べられる、そこの地域に行ってみたいと思っていただけるような、TAUとかひろしま夢ぷらざを拡大したようなイメージのものがあれば非常にいいなと思っています。  そしてもう一つは、アクセスのよさがここは非常に売りだと思うのです。先ほどからエリアマネジメントとありましたが、マツダスタジアムも周りにコストコとかいろいろな施設があって、その地域の中にマツダスタジアムがあるというふうな一体感が非常にあるのです。  サカスタのこの地域は規制があって、あまり大きな施設を新たに呼んでくることは難しいのではないかと思うのですが、例えば、基町のショッピングセンターの中は、今お店がほぼ撤退してがらがらの状態なので、そこは市の持ち物かもしれませんが、基町のショッピングセンターを利用して、若い人がお店を出しやすい環境をつくっていくといった工夫もできるのではないかと思っております。  いずれにしましても、口も知恵も県がしっかり出しながら、その結果として、1対1の財政支援が生まれてくるといった環境をつくっていくためにも、ここにいろいろな機能として書いていただいていますが、もうちょっと具体的に、両者がイメージできるようなものを県として提案していく必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。 42: ◯答弁都市圏魅力づくり推進課長) 今、委員から幾つか御提案いただきました。まさに23市町の魅力等を今、本通りのひろしま夢ぷらざで出しているということもあります。それと同じかどうかというのは別にして、まずは23市町の魅力をしっかり伝えていくものはそこにある必要があるのではないかと考えておりまして、そうしたところも、先ほど申し上げました施設整備の考え方には盛り込ませていただいているところでございます。  また、広島マツダスタジアムの周りにはコストコができてというお話もありました。エリアマネジメントで考えていくべきではないかというお話もあったかと思います。  ある意味このサッカースタジアムにつきましては、エリアといたしまして、中央公園だけではなくて、やはり紙屋町・八丁堀地区という全体エリアの中においてどういう役割を果たすのか、また、紙屋町・八丁堀地区の活性化にどう寄与していくのか、しっかり回遊軸といったことを念頭に置きながら、周辺の商店街、当然大きなショッピングセンターも百貨店等も含めて潤っていく必要があり、まち全体として活性化していくために考えていかなければいけないことは多々あると思っております。  そうした中で、県は市に具体的な提案をしていくべきではないかというお話だったかと思います。先ほど資料でも申し上げましたけれども、これから、垣根なく、県、市、商工会議所、サンフレッチェ広島の4者が一緒になりまして、具体的に整備する方向性をどのようにしていくのかといった議論を積極的に行ってまいりたいと考えております。そうした中で具体的な提案をどんどん出していきたいと考えております。  (7) 現地調査についての協議    新型コロナウイルス感染症の影響等により延期していた現地調査を来年1月~2月頃に実   施することとし、詳細な日程の決定等については、委員長に一任された。  (8) 閉会  午後0時42分 ○ 参考人名簿   広島修道大学国際コミュニティ学部地域行政学科 准教授 木村 一郎 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...