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2020-03-12 令和元年度予算特別委員会(第5日) 本文
2020-03-12 令和元年度予算特別委員会(第5日) 名簿

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  1. 広島県議会 2020-03-12
    2020-03-12 令和元年度予算特別委員会(第5日) 本文


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和元年度予算特別委員会(第5日) 本文 2020-03-12 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 147 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑伊藤英治委員選択 2 : ◯答弁(山田副知事) 選択 3 : ◯要望・質疑(伊藤英治委員選択 4 : ◯答弁(山田副知事) 選択 5 : ◯質疑伊藤英治委員選択 6 : ◯答弁商工労働局長選択 7 : ◯要望・質疑(伊藤英治委員選択 8 : ◯答弁土木建築局長選択 9 : ◯質疑伊藤英治委員選択 10 : ◯答弁危機管理監選択 11 : ◯要望・質疑(伊藤英治委員選択 12 : ◯答弁農林水産局長選択 13 : ◯質疑伊藤英治委員選択 14 : ◯答弁農林水産局長選択 15 : ◯質疑伊藤英治委員選択 16 : ◯答弁農林水産局長選択 17 : ◯要望・質疑(伊藤英治委員選択 18 : ◯答弁農林水産局長選択 19 : ◯要望伊藤英治委員選択 20 : ◯質疑平本委員選択 21 : ◯答弁総務局長選択 22 : ◯質疑平本委員選択 23 : ◯答弁総務局長選択 24 : ◯質疑平本委員選択 25 : ◯答弁土木建築局長選択 26 : ◯質疑平本委員選択 27 : ◯答弁土木建築局長選択 28 : ◯質疑平本委員選択 29 : ◯答弁土木建築局長選択 30 : ◯要望・質疑(平本委員選択 31 : ◯答弁(教育長) 選択 32 : ◯質疑平本委員選択 33 : ◯答弁総務局長選択 34 : ◯質疑平本委員選択 35 : ◯答弁総務局長選択 36 : ◯要望・質疑(平本委員選択 37 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 38 : ◯質疑平本委員選択 39 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 40 : ◯質疑平本委員選択 41 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 42 : ◯質疑平本委員選択 43 : ◯答弁土木建築局長選択 44 : ◯質疑平本委員選択 45 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 46 : ◯質疑平本委員選択 47 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 48 : ◯質疑平本委員選択 49 : ◯答弁土木建築局長選択 50 : ◯要望・質疑(平本委員選択 51 : ◯答弁総務局長選択 52 : ◯質疑(西村委員) 選択 53 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 54 : ◯要望・質疑(西村委員) 選択 55 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 56 : ◯要望・質疑(西村委員) 選択 57 : ◯答弁(教育長) 選択 58 : ◯質疑(西村委員) 選択 59 : ◯答弁(教育長) 選択 60 : ◯要望・質疑(西村委員) 選択 61 : ◯答弁(教育長) 選択 62 : ◯要望・質疑(西村委員) 選択 63 : ◯答弁(教育長) 選択 64 : ◯要望・質疑(西村委員) 選択 65 : ◯答弁総務局長選択 66 : ◯要望(西村委員) 選択 67 : ◯質疑(石橋委員) 選択 68 : ◯答弁商工労働局長選択 69 : ◯質疑(石橋委員) 選択 70 : ◯答弁商工労働局長選択 71 : ◯質疑(石橋委員) 選択 72 : ◯答弁商工労働局長選択 73 : ◯質疑(石橋委員) 選択 74 : ◯答弁商工労働局長選択 75 : ◯質疑(石橋委員) 選択 76 : ◯答弁商工労働局長選択 77 : ◯質疑(石橋委員) 選択 78 : ◯答弁商工労働局長選択 79 : ◯質疑(石橋委員) 選択 80 : ◯答弁商工労働局長選択 81 : ◯質疑(石橋委員) 選択 82 : ◯答弁商工労働局長選択 83 : ◯質疑(石橋委員) 選択 84 : ◯答弁商工労働局長選択 85 : ◯質疑(石橋委員) 選択 86 : ◯答弁商工労働局長選択 87 : ◯質疑(石橋委員) 選択 88 : ◯答弁商工労働局長選択 89 : ◯質疑(石橋委員) 選択 90 : ◯答弁商工労働局長選択 91 : ◯質疑(石橋委員) 選択 92 : ◯答弁商工労働局長選択 93 : ◯質疑(石橋委員) 選択 94 : ◯答弁商工労働局長選択 95 : ◯質疑(石橋委員) 選択 96 : ◯答弁商工労働局長選択 97 : ◯質疑(石橋委員) 選択 98 : ◯答弁商工労働局長選択 99 : ◯質疑(石橋委員) 選択 100 : ◯答弁商工労働局長選択 101 : ◯質疑(石橋委員) 選択 102 : ◯答弁商工労働局長選択 103 : ◯質疑(石橋委員) 選択 104 : ◯答弁商工労働局長選択 105 : ◯質疑(石橋委員) 選択 106 : ◯答弁商工労働局長選択 107 : ◯質疑(石橋委員) 選択 108 : ◯答弁商工労働局長選択 109 : ◯質疑(石橋委員) 選択 110 : ◯答弁商工労働局長選択 111 : ◯質疑(石橋委員) 選択 112 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 113 : ◯答弁土木建築局長選択 114 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 115 : ◯答弁土木建築局長選択 116 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 117 : ◯答弁土木建築局長選択 118 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 119 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 120 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 121 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 122 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 123 : ◯答弁商工労働局長選択 124 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 125 : ◯答弁(警察本部長) 選択 126 : ◯質疑(石津副委員長) 選択 127 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 128 : ◯要望(石津副委員長) 選択 129 : ◯質疑(田川委員) 選択 130 : ◯答弁(地域政策局長) 選択 131 : ◯質疑(田川委員) 選択 132 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 133 : ◯要望・質疑(田川委員) 選択 134 : ◯答弁(教育長) 選択 135 : ◯質疑(田川委員) 選択 136 : ◯答弁(教育長) 選択 137 : ◯質疑(田川委員) 選択 138 : ◯答弁(教育長) 選択 139 : ◯質疑(田川委員) 選択 140 : ◯答弁(教育長) 選択 141 : ◯要望・質疑(田川委員) 選択 142 : ◯答弁(教育長) 選択 143 : ◯要望・質疑(田川委員) 選択 144 : ◯答弁(教育長) 選択 145 : ◯要望・質疑(田川委員) 選択 146 : ◯答弁(教育長) 選択 147 : ◯要望(田川委員) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の指名        西 村 克 典        田 川 寿 一  (3) 質疑・応答   (伊藤英治委員◯質疑伊藤英治委員) 皆様、おはようございます。三原市世羅郡選挙区より選出されました、自民議連の伊藤英治でございます。本日は質問の機会を与えていただき、皆様に御礼を申し上げます。  さて、このたびの新型コロナウイルスによる経済損失は非常に甚大でございます。特に中小企業、零細企業への支援には手続の簡素化等を含め、迅速な対応をお願いするところでございます。また予算編成におきまして、一昨年の災害の復旧につきまして多くの予算が割り当てられております。被災者の1人でもございますが、御礼を申し上げますとともに、引き続きスピード感を持って対応していただきますよう、お願いいたします。  それでは質問に入らせていただきます。  最初の質問は、デジタルトランスフォーメーションの推進についてでございます。  広島県では、政府の方針もありまして、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの推進に力を入れていくことが予算書から読み取れます。DXはITの浸透が人々の生活にあらゆる面でよりよい方向に変化させると定義され、ソサエティー5.0の核になるものと考えられております。そんな新しい世の中を実現するために注目されている技術としてAI、つまり人工知能がございます。  私は1986年に設立されました人工知能学会のチャーターメンバーという経験もありますので、少なからずイメージすることができます。そして、ソサエティー5.0の実現には必須の技術であると確信しております。2006年のディープラーニングの発明と、2010年以降のビッグデータの収集、GPUの高速化による画像解析など、ソフトもハードも飛躍的に技術が進み、一気にAI技術は進化し、応用の可能性を広げてまいりました。  しかしながら、いまだ知能というには少々無理がある一面も感じております。しかしながら、日進月歩の進歩により、これらの技術は、人々の生活を快適にしていく一方で、使い方によっては大きな問題を抱えることになるのではないかとの危険性も感じております。DXは少子高齢化、人口減少、担い手不足、地域間格差、過疎化等々の問題により起きております交通弱者、買い物弱者、医療弱者、地方の経済の衰退等の諸問題の解決の糸口になると期待されているようにも見えますが、本当に手放しで喜んでよいのでしょうか。  DXの推進は県庁全ての部局に関係し、今後の県庁行政全体に大きくかかわってくると思われますので、少し深掘りしてお尋ねいたします。  まずは、広島県でDXを推進していくための今後の予算措置についてお伺いいたします。  県は昨年7月に県庁内にDX推進本部を立ち上げ、来年度は、広島県DX推進協議会を設置するなど、県内全域でDXを推進し、スーパー・スマート広島県を目指しており、DXに関係する事業に47億円を超える予算が計上されております。社会を変革するような技術をもとに新しい世の中を実現していくには、多額の先行投資が必要であるのは十分理解できますが、そこには大きなリスクがあり、進めるに当たって覚悟が必要だというふうにも思っております。  厳しい財政状況が続く中、県内全域でデジタル技術の恩恵を受け、県民生活や県内企業がさまざまな面でよりよい方向に向かう社会を実現するDXを一体的かつ総合的に推進していくためには長い期間を要すると思いますが、今後どのように予算措置をしていこうともくろんでいるのか、山田副知事にお伺いいたします。 2: ◯答弁(山田副知事) デジタル技術の開発は予想を超えて進み、それがもたらす社会変革も予見しがたいものではございますが、デジタルトランスフォーメーションの潮流は避けられないものであり、先取りして、積極的に取り組むことで、地域競争力の強化につなげてまいりたいと考えております。  厳しい財政状況におきましても、県内全域でデジタルトランスフォーメーションを推進していくため、必要な予算対応につきましては、最少の経費で最大の効果を上げることを念頭に置きつつ、市場に委ねると進まないものか、社会に普及していくものか、労働生産性を向上させるものか、経済への波及効果が見込まれるものかなどの観点により、事業の優先順位をつけ、必要性を吟味しながら進めていく必要がございます。
     例えば、観光におけるデジタルマーケティングの導入につきましては、アナログ手法からデジタル手法への置きかえを行うこととし、従前の費用対効果と、デジタル技術を活用した場合の費用対効果を比較検討の上、導入することとしております。  また、官民データ連携基盤など、将来必要となる環境整備に向けた先行投資を行う場合は、新たに生じる行政コストとあわせて、経済波及効果や利便性における効用、社会実装に要する期間など、さまざまな要素を考慮して検討してまいります。  あわせて、事業手法の選択に当たりましては、最新の技術動向や、選択すべき技術の見きわめなど、専門家等の助言もいただきながら、本県におけるDXを推進してまいります。 3: ◯要望・質疑(伊藤英治委員) 最小限の投資で最大限の効果というのはもちろんそうなのですが、本当にかかるもので大事なものは、やはり先行投資という面でしっかり予算をつけていただければというふうに思います。  次に、デジタル技術に精通した人材の確保についてでございます。  デジタル技術の進化により生活の向上を実現するためには、その実現を支える人が必要になります。経済産業省のIT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果によりますと、IT人材は2015年時点で既に17万人程度不足しており、2020年には37万人程度、2030年には79万人程度不足すると試算されております。  全国的にIT人材が不足している中で、製造現場でも人手不足の問題を抱えているものづくり県広島県においてIT人材をどのように確保していくおつもりなのか、山田副知事にお伺いいたします。 4: ◯答弁(山田副知事) IT人材の育成に向けましては、eラーニングやセミナー、研修により、基本となるデジタル技術、生産工程の自動化、システム化等に対応するためのIoTの活用、モデルベース開発の活用などを学ぶ環境を整備し、ものづくりの製造部門や開発部門のデジタル化を担う人材の育成にこれまでも取り組んでまいりました。  また、広島大学や県外の研究者、地元企業などが連携し、ものづくりのデジタル化に関する先端研究や人材育成を行っているところでございます。  IT人材・企業の集積に向けましては、平成30年度に設置したひろしまサンドボックス推進協議会にデジタル技術を活用して新たなソリューションを創出する人材など900者以上の人材・企業の集積が進みつつあります。  さらに、今後設置を予定しております広島県DX推進協議会において、県内企業のデジタル化の課題や現状、デジタル化に必要なスキルやレベルを踏まえた上で、産業人材育成プログラムを策定し、デジタル化技術等を活用できる人材の育成に取り組むこととしております。  本県といたしましては、引き続き、ものづくりを中心とした本県産業の持続的発展に向けて、企業内人材の育成や、新たな人材・企業の集積により、県内企業のIT人材の確保に取り組んでまいります。 5: ◯質疑伊藤英治委員) 次に、人口減少が進んでいる地域への積極的な投資の重要性についてお伺いいたします。  広島県内を見渡してみますと、政令指定都市である広島市、中核市である呉市や福山市、人口が1万人未満の町など23市町が存在しますが、それぞれが地域特有の問題を抱えております。  特に人口も少なく経済基盤の脆弱な中山間地域や一部沿岸地域、そして三原市、竹原市、尾道市など、人口減少が進んでいる地域が抱えている諸問題は、町の存続問題と直結しており、まさにDXの恩恵にあずからずして存続はあり得ないとも思われるところでございます。  このような地域IT企業を積極的に誘致し、デジタル技術に関する実証実験を進め、DXの推進に向けて積極的な投資をすることが重要であるというふうに考えておりますが、商工労働局長の御所見をお伺いいたします。 6: ◯答弁商工労働局長) DXの推進に当たりましては、IT企業を積極的に誘致することにより、デジタル技術や高度人材の集積を図ることが必要であると考えております。  こうした認識のもと、ひろしまサンドボックスでは、県内外から業種業態を超えて集まってきた企業や人材が共創でイノベーションを起こす場として、地元企業とIT企業とのマッチングや、大手IT企業のリソースを活用した事業化の支援などに取り組み、中山間地域も含めた県内全域で技術やノウハウを有する企業や人材の集積を図っているところでございます。  また、平成28年度からは、IT企業を中心としたオフィス誘致を推進するための助成制度を創設し、中山間地域への誘致にも積極的に取り組んでおります。  さらに、来年度からは、中山間地域の生活環境を、デジタル技術を活用して向上を図ろうとする市町のモデル的な取り組みを支援することとしております。  今後も、こうした取り組みを積極的に進め、人口減少が進んでいる地域の活性化を図ってまいります。 7: ◯要望・質疑(伊藤英治委員) IT人材としては、研究者、開発者、製造そしてサポート要員が必要であるところでございますが、デジタル技術を活用するためには、物理的な機器の利用が前提となるように思っております。  家電製品を買ったが動かないという高齢者からの相談の中で、実はコンセントを差していなかったという話は結構多く聞くところでありますし、実は私にも経験がございます。日常生活の中にデジタル技術の導入が進むにつれ、高齢者とデジタルネイティブと呼ばれる若者との情報間格差がますます拡大していくことと思われます。携帯電話や家電製品の使い方は販売者等からのサポートがありますが、デジタル化された行政サービスの活用に対してのサポートがこれから重要になってくると思われます。  DXを推進していく中で、全ての県民がさまざまな面でよりよい方向に向かう社会が実現するよう、行政としても、サポート体制を充実させていただきますようお願い申し上げます。  2番目の質問は、AIを活用した防災・減災対策についてでございます。  まずは、AIを活用した精度の高い水害予測についてお伺いいたします。  2014年の広島市の土砂災害や、2018年の西日本豪雨災害でののり面崩落による被害や水害は記憶に新しいところでございます。これらの災害からダムのあり方や河川の維持管理の大切さが明らかとなり、ハザードマップも整備されているところでございます。  ところで、最近、天気予報がよく当たるようになったねという言葉をよく耳にするようになりました。スーパーコンピューターの活用によるものですが、今後は、AIにより気象データを学習させ、トライ・アンド・エラーを積ませていくことで精度はまだまだ高くなると言われております。  広島県でも、ひろしまサンドボックスの実証プロジェクトとして、AIを使ったのり面崩落予測システムの検討が進められており、AIの活用が期待されているところでございます。  そこで、のり面崩落予測と同様に、ダムや河川の管理者として、AI技術を使った精度の高い水害予測技術の構築も必要と考えますが、土木建築局長の御所見をお伺いいたします。 8: ◯答弁土木建築局長) 河川やダムの水害予測につきましては、現在、気象庁の降雨予測データを活用し、沼田川・黒瀬川における洪水予測や、椋梨ダム・魚切ダムにおける流入量予測を行っているところでございます。  また、河川の状況を的確に把握し、早期の避難につながるきめ細かな水位情報を提供するため、県が管理する全ての河川を対象に上流から下流まで連続した河川水位の計算モデルを構築するとともに、予測精度の向上にもつながる危機管理型水位計の設置を推進しているところでございます。  引き続き、このような取り組みにAIなど新技術を活用し、河川やダムの予測システムの精度向上に取り組んでまいります。 9: ◯質疑伊藤英治委員) 次に、AIを活用した避難誘導システムの導入についてお伺いいたします。  西日本豪雨災害で問題になったのが避難行動についてです。早期避難が原則というのは十分わかりますが、個別の事情や意識の違いにより避難のおくれや避難後の過ごし方に大きな差が出たのは事実でございます。1人として人的被害を出さないためには、混乱のない避難誘導が求められるところで、避難所の運営も的確になされるべきと考えております。  西日本豪雨災害のときに経験したことですが、ある避難所では、避難者が少なく、差し入れのパンがたくさん余っていました。ところが、ある避難所では、差し入れがなかなか届かず、多くの人数で、非常食の乾パンを数切れずつ分け、その間に避難所の有志が集まって、腰まで水につかりながら買い出しに向かったという話を聞き、混乱の中でいろいろなことが起こっていたことを知りました。  最近は、目的地を入力すれば電車、車、徒歩での経路を表示し誘導してくれるアプリもございます。これを災害に特化したものに応用し、被害状況に応じて、避難場所までの最適なルートをAIが導き出し、適切に避難誘導してくれるシステムがあれば、混乱なく避難できるものと思います。また、避難所における物資の確保状況や避難者の受け入れ状況などの情報を一元化し、元のシステムと統合することで、包括的な避難者、被災者対応ができると期待しております。このシステムは、行政やボランティアの迅速かつ的確な対応もサポートし、避難所運営が効率的かつ効果的にできると確信しております。  今後、いつ起こるかわからない災害に対し、住民の避難を適切に誘導し、その後の救援活動をサポートするためのAIを活用したシステムの導入について、危機管理監に御所見をお伺いいたします。 10: ◯答弁危機管理監) 災害時において避難所の開設や最適なルート、避難者の受け入れ、物資の確保状況などを情報発信することは、県民が適切な避難行動をとる上で、重要であると認識しております。  現在、国や民間では、AI等の活用により、避難所の開設状況や、物資や避難生活の支援ニーズ、罹災証明の発行支援など、1人1人の状況を考慮した情報提供や被災者からの問い合わせへの対応などを可能とするために、研究開発や実証実験が行われているところでございます。  県といたしましては、これらの動向を注視しつつ、県民の避難誘導や救援活動をサポートするAIを活用したシステムの導入について、検討してまいります。 11: ◯要望・質疑(伊藤英治委員) ぜひとも、災害は本当にひどいことがいろいろ起こりますので、検討をしっかり進めていただきたいというふうに思います。  3つ目の質問は、第1次産業のICT化についてお伺いいたします。  まずは、小規模農家へのスマート農業導入についてでございます。  AI、IoT、ICTといった技術が第1次産業のスマート化に浸透すべく、研究開発、実証実験が進んでおります。しかしながら、対象は大規模な法人であると思われます。県内の第1次産業従事者は多くが小規模であり、農業も兼業が多いのが実情でございます。確かに投資コストを考えた場合、スマート化の実現には、大規模にならざるを得ないという理屈はわからなくもないのですが、中山間地域の小規模農業を守るということは、里山を守るということになり、ひいては都会を守るということにもつながってまいります。  県内の第1次産業、とりわけ農業の振興を本気で考えるのであれば、小規模農家を集約していくことだけでなく、支援していく必要があるというふうに考えております。そのためには、今後、小規模農家にもスマート農業を投入していく必要があると考えますが、農林水産局長の御所見をお伺いいたします。 12: ◯答弁農林水産局長) 農業従事者の減少が見込まれる中、農業の生産性向上と省力化を進めるため、現在、農業者や企業、研究機関、行政など関係者が連携しながら、ICTやロボット技術、AI等の先端技術を活用したスマート農業の実装に向けて取り組んでいるところです。  しかしながら、スマート農業は、一定規模以上の営農を想定した技術であり、小規模農家が導入するには、当事者負担が大きいことや費用対効果の面から課題があるものと認識しております。  このため、ドローンによる農薬散布やロボットでの水田畦畔の草刈りなど、スマート農業による農作業を行う際、個人単位での導入ではなく、共同利用や外部委託によって活用することが有効であると考えられます。  県といたしましては、JAグループなどとも連携しながら、小規模農家にもスマート農業の導入を進め、中山間地域の農業振興へつなげてまいります。 13: ◯質疑伊藤英治委員) 次に、今、JAグループのお話もありましたけれども、JAグループとの連携についてお伺いいたします。  小規模の農家が多く存在する県内において、JAグループの役割は非常に大きいものと考えております。先ほど申し上げたとおり、県内の農業のスマート化は、小規模農家がどのように導入していくかで大きく変わってくるものと思います。JAグループが率先して人材教育に取り組み、スマートフォンを持つのと同じくらいの気軽さで農家の皆様がスマート農業の恩恵にあずかることができるようになれば、農業も大きく変わることができると思っております。農協改革が進む中、人員の割り当てをスマート農業分野へシフトし、広島県の農業を守ることが重要と思います。  そこで、JAグループがスマート農業を推進していくことについて、県としてどのような連携を行っていくのか、農林水産局長の御所見をお伺いいたします。 14: ◯答弁農林水産局長) JAグループでは、施設園芸において環境制御に用いるCO2発生装置の無償貸与やドローンによる薬剤散布の受託作業を行っているほか、新たに、稲の直播の実証試験を行うなど、スマート農業の普及に向けて積極的に取り組んでおります。  農家に身近なJAグループが、こうした取り組みを県内各地で進めることは、農業者へのスマート農業の普及に役立つものと認識しております。  現在、農業技術指導所では、JAグループがスマート農業技術を導入している経営体の圃場において、生育や収量の影響などに関するデータを収集し、導入効果の分析等を行っているところでございます。  県といたしましては、引き続き、JAグループと連携しながら効果検証等を行い、スマート農業の普及・拡大に努めてまいります。 15: ◯質疑伊藤英治委員) 次に、IoTを活用した有害獣対策についてお伺いいたします。  まず、IoTを活用したニホンジカの捕獲についてでございますが、大型の捕獲おりを設置し、センサーが鹿に反応するとスマートフォンやタブレット端末に通知が届き、設置している監視カメラでおりの状況を監視し、集団でわなに入ったのを確認した時点で、遠隔操作で扉を閉め一網打尽にする、このようなシステムは既に開発されてきております。電気も蓄電池と太陽光発電パネルにより供給され、電線の引き込みも必要がございません。このようなシステムは民間において次々に開発されておりますが、導入コストの面で問題があります。  来年度、本県では、ニホンジカ被害拡大抑制対策事業として、モデル地域におけるIoTを活用した実証実験をされると伺っております。今後、このような取り組みを全県的に拡大していくには、コスト面の課題があると考えておりますが、どのような財政支援を講じていくのか、農林水産局長の御所見をお伺いいたします。 16: ◯答弁農林水産局長) 今回の事業につきましては、令和2年度から3年間、5地区でモデル的な取り組みを実施し、捕獲効率や被害軽減効果などをふまえてコスト縮減について検証した後に、他の市町に対しても普及することとしております。  被害のある全ての市町において、IoT機器等を利用して本格的な対策を実施する場合に必要となる財源につきましては、今年度から開始された森林環境譲与税の充当も含め検討する必要があると考えており、今後、関係市町などと協議して進めてまいります。 17: ◯要望・質疑(伊藤英治委員) ぜひ、被害が多いので全県的な展開を要望するところでございます。  次に、捕獲したニホンジカやイノシシの利活用についてお伺いいたします。  広島県においてニホンジカ増加による被害は植林や農業に影響を与え、経済的にも大きな問題となっております。  以前、北海道の浦臼町のジビエ処理加工センターの視察に行きました。このセンターは行政が建設し、運営は民間業者によるもので、ジビエ部分も追い風となり、販売は非常に好調とのお話を伺いました。  せっかく有害獣を一網打尽にできたとしても、利活用するためには、食肉等として処理する施設等が必要でございます。食肉加工して販売することができれば、産業化できますし、中山間地域での雇用も確保できると考えます。また、ジビエ専門レストランや角の販売と可能性は広がってまいります。  そこで、有害獣被害対策と産業振興の観点から、捕獲したニホンジカやイノシシの利活用についてどのように取り組みを進めていくのか、農林水産局長のお考えをお伺いいたします。 18: ◯答弁農林水産局長) 本県において、イノシシや鹿をジビエとして活用する頭数は増加傾向にあり、平成30年度には、25カ所の処理加工施設において、イノシシでは1,500頭余り、鹿では1,300頭余りが処理されています。  ジビエの処理加工施設の運営に当たっては、衛生上、とめさしから加工に至るまで短時間で処理しなければならないことや、年間を通じて安定した頭数を入手すること、さらに、販路の確保などさまざまな課題がございます。  また、施設の安定運営のためには、年間500頭以上の処理量が必要との見解もあり、鳥獣の捕獲から加工処理、販売までを一体化させるなど、地域内の関係者が連携して取り組む必要があります。  県内には、こうした連携・調整が図られて処理加工施設の運営が軌道に乗っているところもあるため、県といたしましては、このような成功事例を参考にしながら、有害鳥獣被害対策とジビエ活用の双方を推進する市町と協議・検討を行ってまいります。 19: ◯要望伊藤英治委員) 私の地元でも、昔は鹿がいなかったのですけれども、どんどんふえておりまして、しかもイノシシはもう当然のことながら、営農されている方の意欲に非常に大きな影響を与えているという問題もございます。  ぜひとも、どんどん進めていただいて、それが産業になれば、これ以上のことはございませんので、全県的な展開をお願いするところでございます。  最後に、時間が余りございませんので、本当は教育という大事な問題があるのですが、これはあすに回させていただいて、最後にコメントをちょっと述べさせていただきたいと思います。  インディアンの言葉に、地球は祖先から引き継いだものでなく、子供たちから預かっているものであるという言葉がございます。DXの推進は、子供たちの未来にとって非常に大事な事業になっていくものであると私は思っておりますし、またそうでなくてはならないというふうにも思っております。自然に対する畏敬の念を持ち、自然との共生を図ることを忘れず、そして地球上で最も長い2,680年続く日本という国の存在に誇りを持ち、長い年月で育まれてきた和の魂を持ちながら、我々はこのすばらしい地球を子供たちに返していくことを忘れてはならないと思っております。ぜひ、広島県がその先導役となれるよう期待するとともに、私も一緒に頑張ってまいりたいと思う次第でございます。以上で質問を終わらせていただきます。   (平本委員) 20: ◯質疑平本委員) 皆さん、おはようございます。安芸郡選出、自由民主党広島県議会広志会・つばさの平本 徹でございます。よろしくお願いいたします。  それでは早速質問に入らせていただきます。  私からはまず、予算を議論するための前提となる事業費に注目し、そのあり方に関する質問をさせていただきます。  近年、規模の大きな事業において、当初示された全体事業費が、時間の経過とともに大きく増額していく事態をよく見かけます。記憶に新しいところで申し上げますと、広島高速5号線二葉山トンネル工事、広島叡智学園建設工事、県庁舎耐震化工事、福山市鞆地区に係る計画などでございます。これらは、当初示された事業費が増額になった代表的なものであります。  議会において、事業実施の可否を審議するためには、どのようなことをするのかといった事業の内容と考え方に加え、全ての金額を提示していただくことが不可欠であろうと思います。また、事業費の変更等が予見される場合、スピーディーに開示していただければ、中止または縮小、延期といった他の選択肢を検討する余地も生まれてきます。しかし、スピーディーな開示がなければ、議会としては追認するしかありません。このような状況は、議会に対して誠実さを欠く、これだけではなく、県民を欺く行為であると言えるのではないでしょうか。このように金額が増額するのであれば議会も判断を誤りますし、逆にこれは判断ミスを誘うような予算編成にしか見えません。  時間が経過すればするほど、事業費の金額の精度が徐々に上がっていく。このことは当然でありますし、これまでの説明や答弁を聞きますと、それぞれ事情が違うこともわかります。しかしながら、我々議員は、提示された金額は正しい、この前提で事業実施の可否を判断いたします。よって当初の金額ではなく、もし増額後の金額が初めに示されていれば、判断が異なっていたことも考えられます。  今後、大幅な金額変更が起きないように取り組むべきであろうと思います。そのため、まずは執行部内の予算編成のプロセスが非常に大切になってくると思います。  そこでまず、確認の意味も含めて、執行部においては、どのようなプロセスを経ながら予算編成をされているのか、総務局長にお伺いいたします。 21: ◯答弁総務局長) 本県における予算編成に当たりましては、まず、事業を所管する部局がその時点での可能な限りの情報をもとに、それぞれの事業の必要性を判断し、後年度を含めた全体事業費につきましても積算をした上で、予算に関する見積書を作成し、財政課長を通じて総務局長へ提出することとなっております。  その後、施策・事業の評価や費用対効果の検証を行った上で、知事の査定を受けて、予算案を編成し議会へ御提案しているところでございます。 22: ◯質疑平本委員) ただいまお聞きした予算編成のプロセスの中では、複数年度にわたるような事業の場合、全体の事業費を踏まえて、実施の可否を判断するものだと考えます。  そのため、その際見積もられる事業費が適正かを内部でチェックすることが重要になってくると考えます。  そこで、事業費の適正さをチェックする仕組みは内部にあるのか、またマニュアルはあるのか、あわせて総務局長にお伺いいたします。 23: ◯答弁総務局長) 事業費の積算の考え方や適正化に関する画一的なマニュアルはございませんが、毎年度策定する県政運営の基本方針の中で、予算編成方針を定めた上で、予算要求作業に当たりましては、複数年度にわたる事業も含め、費用見積もりの適正性を初め、費用対効果や費用負担、また事業選択の妥当性などの観点から内容を十分精査し、必要な額を要求するよう全部局に対し周知徹底を図っているところでございます。  その上で、先ほども申し上げましたとおり、費用対効果の検証・評価を行い、事業の妥当性について判断し、予算編成を行っているところでございます。 24: ◯質疑平本委員) 当初示された事業費から大きく増額する事業は、予算編成段階の見積もりが甘いのではないかと考えます。  例えば、先ほどの例の一つとして申し上げた広島高速5号線二葉山トンネル工事をめぐる87億円の増額の事案です。  この事案に関し当初に見積もった事業費の妥当性について、どのように認識しておられるのか、土木建築局長にお伺いいたします。 25: ◯答弁土木建築局長) 当時の広島高速道路公社は、広島高速5号線シールドトンネル工事の発注に当たり、平成25年度当時の市場価格を反映したコンサルタントからの見積もりをもとに、人件費や材料費の上昇等を考慮して、契約額の上限を200億円と設定しておりました。  この金額につきましては、入札契約手続前に県、広島市、公社で設置した連絡調整会議の場において、入札方式の概要などとあわせて確認し、当時としては、妥当であったと認識しております。 26: ◯質疑平本委員) 広島高速5号線二葉山トンネル工事は、広島高速道路公社という県とは独立した法人において執行がなされたものでございます。  しかしながら、広島県と広島市は、公社に対し50%ずつを出資し、県、市ともに監督する責任を持つものであり、事業計画を承認するなど、一定の関与を行っていると考えます。  そこで、今回の増額契約に至るまでに、これまで公社とはどのくらいの頻度で具体的にどういったやりとりを行い、監督責任を有する立場からどのようにかかわってきたのか、土木建築局長にお伺いいたします。
    27: ◯答弁土木建築局長) 広島高速5号線シールドトンネル工事につきましては、公社とJVの入札契約手続が終了し、工事に着手した後、JVの増額要請を受けて、公社から、県、市に対して、平成30年7月に今後の対応について相談がございました。  このことを受けて、経緯などを徹底的に調査するよう指示し、確認したところ、入札契約手続において、JVの最終見積書の見積もり条件でRCセグメント等の費用が含まれていないとされていることなど、認識の違いが生じても仕方がない状況であったことを確認したところでございます。  そのため、当初契約に含まれていない費用があるというJVの主張について、弁護士の見解も踏まえた上で完全に否定し切れないと判断し、県、市、公社として、工事費増額の協議を開始することを決定したものでございます。  工事費の増額協議につきましては、適宜、公社からJVとの協議状況の報告を受けるとともに、工事費精査の考え方について相談があった場合には、その都度、国の技術的指導を仰ぐことや県事業における積算の考え方などを伝え、早期合意に向け、取り組んできたところでございます。 28: ◯質疑平本委員) 今回の事案に関して、再発防止策を説明されたり、答弁をされたりしておりますが、それを実効性のあるものとしていくことが大切であり、そのために県は今後どのようなことに取り組んでいこうと考えておられるのか、土木建築局長にお伺いいたします。 29: ◯答弁土木建築局長) 現在、県、広島市、広島高速道路公社において、県議会における附帯決議の要請事項を踏まえ、公社の改革や再発防止策の着実な実施に取り組んでいるところでございます。  まず、公社の改革につきましては、業務執行体制の改善や職員の意識改革等について抜本的に取り組むため、本年1月に、公社内にトップ直属の組織として公社改革推進チームを設置し、このチームのメンバーとして公認会計士に参画いただいております。  あわせて、このチームにおいて、弁護士など外部の専門家の意見・助言をいただきながら、組織体制の改革、人の改革、意識の改革の3つの観点から公社改革の取り組みの検討を進めているところでございます。  県といたしましては、何よりも事業推進を優先したことなどにあらわれている公社の風土の改革が重要であると考えており、外部人材の活用などさまざまな改善策について、市及び公社と連携しながら調整を進めてまいりたいと考えております。  また、公社が策定した再発防止策の取り組みにつきましては、入札監視委員会の設置規程など所要の規程の整備、県、市、公社で業務のスケジュールや進捗、業務の課題とその対応方針の調整を図る連絡調整会議の設置、職員を対象としたコンプライアンス研修の実施など、11の具体策全てにおいて着実に進めているところでございます。  県といたしましては、これらの取り組みの実施状況について県、市、公社の局部長級で構成する公社改革推進会議などで適宜、情報共有を図りながら、公社に対する指導・助言を行ってまいります。  引き続き、再発防止に向け、市及び公社と連携して取り組み、その状況については、節目節目で議会へ報告させていただきます。 30: ◯要望・質疑(平本委員) そのような取り組みではちょっと甘いのではないでしょうか。  私も過去に民間企業の本社総務で本社と子会社との間の調整を行う業務に従事しておりました。その場合、平時でも突発的な事象が起こったときでも、取り組みの実効性を高めるには、組織同士のおつき合いを密にすることが重要であると考えております。  したがって、少なくとも毎月一度は公社、県、市が顔を突き合わせて情報共有をしっかり図る必要があるのではないでしょうか。そして必要があれば、月に何度でも話し合いをする。そのような場を設ければよいのではないでしょうか。  特に、今回のようなトラブルが起こった際には、当面の間、公社改革の取り組みなどとともに、とにかく、短期間で集中的に話し合いをするべきであると考えます。より実効性のある対応を強く要望して、この質問を終わらせていただきます。  次に、広島叡智学園の建設工事を取り上げたいと思います。  これは平成28年7月に設計業務公募型プロポーザルが公示され、想定として、税込みで約42億円という工事費が示されました。しかし、平成29年6月には基本設計が公表され、ここでは外構等整備費を含まない設計工事費として、約50億円という金額が示され、そして最終的には、建設工事費が約54.4億円、外構等整備費は14.5億円、合計で69億円となりました。  これほど事業費が増額するというのはいかがなものでしょうか。たった数年で42億円から69億円、ざっと約30億円の金額が増額するものなのかと疑問に思いますし、甚だ遺憾であります。また、プロポーザル時の金額では、外構等整備費について一部含まれていたものもありますが、グラウンド等の整備費については含まれていなかったとも聞いております。  そのような中途半端な見積もりで事業に着手することはおかしいと考えます。冒頭でも申し上げたように、事業実施の可否を判断するためには、事業費の全体像もあわせて審議することが必要不可欠であり、余りに拙速だったのではないでしょうか。その拙速さが後に増額をもたらした一つの要因ではなかったかと考えております。  そこで、なぜここまで開校を急ぐ必要があったのか、また、建設工事費がなぜこのように上昇したのか、その理由について教育長にお伺いいたします。 31: ◯答弁(教育長) グローバル化の進展などにより、さまざまな課題が複雑化・高度化する中、全県的な学びの変革の実現を図っていくことは喫緊の課題であると認識しております。  そのため、県全体の取り組みを牽引する学校である広島叡智学園につきましては、できるだけ早期の開校に向けて、これまで取り組んできたところでございます。  御指摘のプロポーザル時の想定額につきましては、過去の県立学校の改築工事の単価をもとに積算した想定額であり、建築工事費が増額となった要因といたしましては、東京オリンピック開催等に伴う建築単価の上昇、地盤調査の結果を踏まえた基礎工法の変更などによるものでございます。  また、建築工事等に一般的に附帯するものは含んでおりましたが、土木工事でもあるグラウンド等の外構整備費については、含まれておりませんでした。  今後は、教育長として責任を持って適正な工事費の積算に努めるとともに、事業の全体像を適宜お示しし、事業を進めてまいります。 32: ◯質疑平本委員) 広島叡智学園につきましては、既に開校しているため、今いろいろと申し上げても仕方がない部分もあると思います。ただ、開校を急ぐ余り、工事の検討着手を急ぎ過ぎたのではないかと感じているところでございます。  広島叡智学園は一つの事例でしかありませんが、今後事業を提案する際には、当たり前のことではありますが、議会において十分に審議ができるよう、全ての事業費を含む全体像をしっかりと示していただきたい。その上で、丁寧に説明していただく必要があると思います。  事業規模が大きく、複数年度にわたるような事業は、既に示された事業費に対して一定割合の金額の増額が生じた場合には、これだけの増額があるということを速やかに議会に報告の上、しっかり議論すべきではないかと考えますが、この件について総務局長に御所見をお伺いいたします。 33: ◯答弁総務局長) 事業費の変動につきましては、事業を進めていく中で、社会経済情勢などの変化により、当初想定していなかった経費が生じた場合におきましては、再度、経費の精査を行い、事業の必要性や、全体経費を踏まえた事業の妥当性について、改めて判断した上で、経緯等を含め、議会に御説明させていただいているところでございます。  今後とも、事業規模が大きく複数年度にわたる事業につきましては、基本設計、実施設計など、それぞれの段階において、その時点でのできる限りの情報をもとに、後年度を含めた全体事業費について、より丁寧に御説明させていただくとともに、事業費の変動が生じた場合は、速やかに御説明するよう努めてまいります。 34: ◯質疑平本委員) これまでの事例を見ておりますと、その背景に、地方自治法に基づく会計年度独立の原則の中で、一度議決を受けた予算は、年度内に使い切らなければいけないという意識が強過ぎるのではないかとも感じられます。  予算を残すことが一律に全て悪いというわけではないと考えます。予算の使い切り意識を改め、翌年度のほうがより高い効果を得られると見込まれる場合は、進度調整を図るなどといった柔軟な使い方が必要ではないかと考えます。そして、要るものは要るとして正々堂々と要求することとあわせて、柔軟に、そして機動的に予算の執行がなされる必要があると考えております。  民間企業の場合、資材が高騰しているから、今はその時期ではないといった判断を行い、企業内部で予算の上限の縮小や、実施方法の工夫など、柔軟で機動的な考えを持って事業を行っております。資金は無尽蔵にあるというわけではなく、事業を進めることさえできればよいというものでもありません。より低コストで事業を実施できる時期に発注する。このようなことを考える必要もあるかと思います。それは、地方自治法において、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないとされる地方自治体においても、基本的な発想としては変わらないと考えます。  そこで、執行段階において、このような予算を柔軟に、そして機動的に使うための工夫は考えられないのか、総務局長にお伺いいたします。 35: ◯答弁総務局長) 本県では、予算はその事業の成果目標を達成するためのコストであるという考え方に立ち、より少ないコストで所期の目標を達成することを狙いとして、創意工夫による経費節減、使い切りを改め、翌年度の方がより高い効果が得られるものについては進度調整を図ることなどを促進しておりまして、この方針を徹底するため、毎年度、予算要求作業、また、予算の執行段階におきましても使い切り意識を是正し、成果志向を徹底するよう全部局に対し周知徹底を図っているところでございます。  今後とも、成果志向を徹底し、事業の成果目標の達成に向けて、最少の経費で最大の効果が得られるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。 36: ◯要望・質疑(平本委員) これまでの事例を見ておりますと、行政は金額に対する意識が甘いように感じます。これは民間企業では絶対に考えられないことです。民間企業はこの点について非常にシビアであります。どのようなことをするのかといった事業の内容、考え方についての議論とともに、それを裏づける金額についてもしっかりと精査すべきであろうと考えます。広島県の行政活動に要する経費は、税金によって賄われております。ここに立ち返って、編成の段階においても執行の段階においても、大切に使わせていただくという意識が大切だろうと思います。今後は、そのようなことを肝に銘じ、時間的な余裕を持って事業に取り組まれることを要望いたします。  また、予算を柔軟に、そして機動的に執行できるようになれば、必要性の高いところにも集中的に予算を配分していくことができるようになるのではないでしょうか。  例えば、住民の方々からも要望が多い命を守るための信号機の予算についてお話をします。新設の信号機は住民が要望している箇所のうち、信号機設置の指針に合致する箇所に対して今年度4カ所を設置され、来年度も4カ所の設置をされる予定と伺っております。現時点では、住民などからの設置要望数である約350カ所のうち、指針に合致する70カ所に全く追いついていない状況と言えます。信号機設置などを初めとして、緊急の対応が必要で事業の実施が求められているのにもかかわらず、順番待ちとなっている事業にもきちんと目くばせして、御検討いただくことを要望して、この質問を終わらせていただきます。  次に、来年度の新規事業である持続可能なまちづくり推進事業についてお伺いいたします。  持続可能なまちづくり推進事業では、来年度、行政住民協働型のまちづくりと市街化調整区域への編入の2つの取り組みを進めることとされております。個別に事業を見ますと具体的なイメージが湧きますが、全体としてどのような事業なのかわかりにくいと感じております。  そこで、この事業はどのような目的で創設されたのか、都市建築技術審議官にお伺いいたします。 37: ◯答弁(都市建築技術審議官) 今後の人口減少により、県民生活を支える商業、医療、金融、公共交通などのサービス機能が維持できなくなることが想定されるほか、近年の災害により、市街化区域内で甚大な被害が発生するなど、持続可能で、災害に強いまちづくりが課題となっております。  このため、災害リスクの高い区域を市街化調整区域に編入することで土地利用を抑制するとともに、町なかの居住環境を整備することにより、災害リスクが低く利便性の高いエリアへ居住を誘導し、持続可能な都市構造の実現を図るものでございます。 38: ◯質疑平本委員) それでは、この持続可能なまちづくり推進事業の取り組みの一つである市街化調整区域への編入についてお伺いいたします。  この取り組みは、市街化区域内の災害リスクの高い土地を市街化調整区域に編入するため、来年度はその編入の候補となる区域を抽出すると伺っております。  この市街化調整区域への編入の取り組みについて、具体的にどういったことをいつごろから始めようとされているのか、都市建築技術審議官にお伺いいたします。 39: ◯答弁(都市建築技術審議官) 来年度は、県内の全ての市街化区域を対象に土砂災害特別警戒区域の位置や範囲を地図上で確認し、その土地利用状況や土砂災害対策の事業計画を考慮し、市街化調整区域に編入する候補地を抽出することとしております。  その後、抽出した編入候補地につきまして、市町と連携し、地域の実情を踏まえながら、地元住民との合意形成を図り、編入箇所を選定してまいりたいと考えております。 40: ◯質疑平本委員) 市街化区域内で災害リスクの高い土地を市街化調整区域に編入するという取り組みは、全国でもなされているのか、都市建築技術審議官にお伺いいたします。 41: ◯答弁(都市建築技術審議官) 全国の取り組み状況でございますが、まず、県内におきましては、平成24年度に広島市において、2カ所の土砂災害特別警戒区域を市街化調整区域に編入した実績がございます。  また、他県では、北九州市において、土砂災害特別警戒区域の指定状況などを考慮し、市街化調整区域へ編入する方針が出され、現在、具体的な検討が進められていると伺っております。 42: ◯質疑平本委員) 災害リスクの高い土地としては、土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーン、そして、土砂災害特別警戒区域、レッドゾーンがあるかと思います。今年度はその指定が完了する予定とも伺っております。今回の取り組みでは、レッドゾーンを対象に市街化調整区域への編入を進めるとのことであります。  一昨年の平成30年7月の豪雨災害で、土砂災害の被害を受けられた地域は、おおむねこのレッドゾーンに該当していると考えますが、その認識で間違いがないのか、土木建築局長にお伺いいたします。 43: ◯答弁土木建築局長) 平成30年7月豪雨では、約1,200カ所で土砂災害が発生しており、そのうち、人家に影響がない箇所等を除いた約1,160カ所については、既に指定しているものも含め、今年度末までに、土砂災害特別警戒区域に指定する予定としております。 44: ◯質疑平本委員) 平成30年7月の豪雨災害で、被害を受けられた方々の中には、現時点で砂防施設や治山施設の完成を待ってから住宅の再建をしようと考えておられる方が大勢いると思います。そうした方々は、砂防施設などが完成した後、住宅を再建しようと住宅ローンを組まれると考えます。通常の土地が市街化調整区域に指定されますと、資産価値が大幅に毀損すると考えられております。  そこで、通常の土地が市街化調整区域に指定された場合、資産価値がどの程度下がるかは御存じでありましょうか、都市建築技術審議官にお伺いいたします。 45: ◯答弁(都市建築技術審議官) 市街化調整区域に編入することによる資産価値の低下につきましては、その土地利用や道路などのインフラ整備の状況により異なるため、一概に申し上げることはできませんが、一般的には、土地の評価額は下落するものと考えております。 46: ◯質疑平本委員) 私が複数の金融機関に問い合わせをしましたところ、住宅ローンを組む場合の担保価値として具体的な数字はおっしゃいませんでしたが、全ての金融機関で下がると回答がされておりますので、お伝えしておきます。  この事業は、災害リスクの高い土地の市街化調整区域への編入を図ろうとするものであります。このことは、個人の資産価値を大きく毀損するものと大変危惧いたしております。この事業の対象はレッドゾーンということですが、砂防施設などができた場合に、レッドゾーンからイエローゾーンに変わる地域もあると思います。この地域が既に市街化調整区域に編入されていた場合、レッドゾーン以下の資産価値となってしまうおそれがあります。そうした中で、何年か後、砂防施設などが完成し、住宅を再建しようとした場合、資産価値が目減りしているため、住宅ローンが組めない、また、減額される場合も出てくると懸念されます。  県は被災者の方に寄り添って支援を行うという言葉をよく使われますが、これでは寄り添うどころか、さらに苦しみを与えることになるのではないかと思います。これは何年か先、住宅再建で住宅ローンを組もうとしたとき初めてわかることであります。  現在、被災された方々は、一昨年の7月豪雨災害から立ち上がろうと全力で取り組んでおられる中で、なぜこの時期に事業を推進しようとされているのか、疑念を感じております。  そこで、こうした問題が今後生じる可能性を考慮された上で、なぜこの時期に、今回の事業を実施されようとしているのか、そもそもどのような地域を市街化調整区域に指定しようと考えられているのかも含めて、都市建築技術審議官にお伺いいたします。 47: ◯答弁(都市建築技術審議官) 平成30年7月豪雨において市街化区域内で甚大な被害が発生したことから、昨年12月に策定しました広島県都市計画制度運用方針において、土砂災害特別警戒区域について、市街化調整区域への編入を検討することとしたものでございます。  市街化調整区域への編入候補地の抽出に当たりましては、砂防施設等の整備により、土砂災害特別警戒区域が解除される場合は、編入候補地の対象外になるものと考えております。  なお、被災者が自宅を再建する場合、住宅金融支援機構で実施している災害復興住宅融資があり、この融資では、土地の評価額は影響いたしません。  この融資は、これまで、申し込み受付期間が被災後2年まででございましたが、被災県と連携して国に延長を申請し、期間の延長が認められたところでございます。  今後とも、自宅再建を目指す被災者に対し、この有利な融資制度の周知を図ってまいります。 48: ◯質疑平本委員) 砂防施設などができた場合に、レッドゾーンからイエローゾーンに移行する地域をあらかじめ公表するべきではないかと考えますが、こういう対応を講じることができないのか、土木建築局長にお伺いさせていただきます。 49: ◯答弁土木建築局長) 被災地の生活再建の観点からも、砂防堰堤等の施設整備を見越した土砂災害特別警戒区域等の見直しを早期にお示しする必要があると認識しております。  このため、施設の詳細設計が完了した後に、個別の事業箇所ごとの区域見直しを行い、その結果を事業説明会等の機会を通じて、地域住民の皆様に事前にお示ししてまいりたいと考えております。 50: ◯要望・質疑(平本委員) 気がつかないうちに、市街化調整区域に指定されていたということが絶対にないようお願いいたします。  市街化調整区域の指定に関しては、該当する地域の住民に対してしっかりと説明して、納得していただけるよう努力していただきたい。このことを強く要望しておきます。  また、市街化調整区域に編入すると簡単に言われますが、それは個人の資産を大きく毀損することを忘れてはいけません。ただでさえレッドゾーン、イエローゾーンの指定を受けた地域は、不動産の取引が大変難しくなってきております。加えて、レッドゾーンでは、住宅建設に当たって、想定される土砂等を防ぐための、壁などの設置が義務づけられております。  まだまだ一昨年7月に発生した豪雨災害から復旧・復興は道半ばであります。これ以上の負担を個人に強いることのないよう、県民に、被災者に寄り添った施策の推進をお願いいたしまして、この質問を終わらせていただきます。  最後に、旧広島陸軍被服支廠の結論を出す時期について伺います。  被服支廠の年間見学者数は届け出の数で年平均1,000人程度と聞いております。現状においては、1,000人程度しか見学者がいないこの被爆建物を、果たして観光資源と呼べるのでしょうか。  こうした現状にある被服支廠に関して、昨年12月、県は1棟保存、2棟解体の方針案を打ち出されました。この方針案に対しては、さまざまな考え方があると認識しております。  しかしながら、1棟保存、2棟解体の考え方をお持ちの方も、3棟保存の考えをお持ちの方々も、皆さんの思いは、被爆の実態を風化させてはならない、後世に引き継いでいかなければならない点で一致していると考えます。まず、この思いが一致しているかどうかを確認し合うことが必要ではないでしょうか。その上で、被爆の実態を風化させず、後世に引き継いでいくためにはどうしたらよいのか、そのためには何をすべきかに議論をシフトさせていく必要があるのではないかと考えます。  この議論の第一歩は、どのようにしたら多くの人に被服支廠に来ていただくことができるかを考えることであろうと思います。すなわち、被服支廠の利活用を考えるということであります。このことは、我が会派の井原議員も総務委員会で、早急に利活用の方針を示すべきと何度も発言されております。県が1棟保存、2棟解体という方針を維持されるのであれば、どのように利活用するのか、具体的なイメージを早い段階で提案し、それをもとに議論していくべきであります。そうしない限り、議論は進んでいかないと思いますので、議論を活発にする上でも、ぜひお願いしたいところであります。  来年度予算説明によりますと、被服支廠壁面補強調査設計業務委託は、9月末ごろに完了する予定と伺いました。その調査により、壁面の工法や、工事の方針が見えてくるとのことであります。それまでの間に、少なくとも今後、どのように利活用していくのか、大きな方向性を決めるべきであります。  そこで、県が昨年12月に打ち出された1棟保存、2棟解体の方針に変更はないのか、また、今後被服支廠はどうしていくのかの方針案をいつまでに示されるおつもりなのか、あわせて総務局長にお伺いいたします。 51: ◯答弁総務局長) 旧広島陸軍被服支廠の1棟保存、2棟解体の対応方針案は、過去の保存・利活用の議論等も踏まえた上で、早急に安全対策を講じること、被服支廠が有する被爆建物や建築物としての価値の保全・継承を実現すること、財政的制約をクリアすることなどの点を全てバランスよく実現させるという考えのもとで取りまとめたものでございます。  その後、県の方針案に対して、解体に反対する平和・被爆者団体などから要望書や署名の提出があったこと、県が実施したパブリックコメントでさまざまな意見が寄せられたこと、広島市長の発言や国会でも取り上げられたこと、県議会からも、もう少し時間をかけて議論すべきと要請があったことなど、さまざまな御意見を受けまして、議論する時間を設けることとしたところでございます。  今後は、一定の議論が尽くされたと認められるよう、国、広島市にも事業の主体として、責任ある立場で加わっていただき、これまでの検討経緯等も踏まえた上で、利活用の大きな方向性、保存の規模とそれを実現するための財源手当て、地域への影響をセットにして、文化財指定の可否や条件、保存の工法と費用、民間での活用や財源調達の可能性、公共で保存する場合の利用目的と主体など、さまざまな観点から検討を進めてまいります。  なお、方針の決定時期についてでございますが、幅員4mの市道を挟んで民家が建ち並ぶ建物西側の安全対策は喫緊の課題でありますことから、令和3年度当初予算編成時期を1つのめどとして、整理を行ってまいりたいと考えております。   (西村委員) 52: ◯質疑(西村委員) 皆さん、こんにちは。民主県政会の西村です。昨日に引き続き、質問させていただきます。  救急医療は地域住民の最終的なよりどころとして必要とされるものであり、どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられるように、地域住民の安心・安全な暮らしを支えるものとして必要不可欠なものです。  我が国では、救急告示制度に加え、一次、二次、三次の救急医療機関並びに救急医療体制が体系的に整備され、広島県におきましても、県立病院を含む複数の医療機関により救急医療体制が確保されています。  県立広島病院では、重点的取り組みの一つに、年々増加している救急患者への対応として、救急医療の強化に取り組まれ、県立安芸津病院につきましては、安芸津地区で唯一の入院機能を有する病院として、救急医療にも取り組まれていると伺っております。  そこで、それぞれの県立病院の救急医療における役割について、具体的に、どのような取り組みをしているのか、病院事業管理者にお伺いします。 53: ◯答弁(病院事業管理者) 県立病院は、その使命として、県民の安全な暮らしを支えるため、必要な医療を安定的に提供する役割を担っており、救急医療はその中でも大きな柱の一つであると認識しております。  広島病院におきましては、救命救急センターを設置し、最重症の患者を24時間対応で受け入れるなど、救急応需率の高い、断らない救急医療の実現に向けて取り組みを進め、救急車の受け入れ件数も年間約6,000件と県内トップレベルの高水準を維持しているところでございます。  また、昨年度、導入いたしましたドクターカーにつきましても出動件数は増加しており、救命率の向上や後遺障害の軽減に努めるとともに、今年度、新たに内科救急診療部を設置し、内科疾患の救急患者等に対する窓口を一本化することで、患者受け入れの迅速化・効率化を図っているところでございます。  一方、安芸津病院におきましては、平成18年度以降、二次救急医療機関として、地域の2病院とともに、病院群輪番制を維持するなど、人口減少、入院・外来患者数が減少する中で、休日・夜間における重症救急患者のための医療の確保維持に努めております。  救急医療に関しては、両病院の役割は異なりますが、それぞれの病院におきまして、引き続き、県立病院としての使命を果たしてまいりたいと考えております。 54: ◯要望・質疑(西村委員) 引き続き、県内の救急医療を支えていっていただきたいと思います。  それでは、次の質問に入ります。
     公的医療機関が担う救急医療や周産期医療、高度医療等の政策医療を除く一般医療につきましては、民間病院と同じく経営努力をしていかなければなりません。  そのような中、県立広島病院では、経営改善の一助として2015年4月に改善推進部を設置し、より一層の患者サービスの向上、医療の質の向上を図るとともに、職員負担の軽減を図るため、病院全体で改善活動がスタートされました。  改善活動がスタートして5年近くになり、病院ホームページに多くの改善事例の概要紹介が掲載され、独立行政法人国際協力機構JICAの視察も受けたと伺っております。私も2年前に広島病院を視察させていただき、現場に即した多くの改善事例を見て、この改善が定着すれば非常によいものになると感じたところです。  そこで、改善活動の取り組みにより、病院経営にどのような成果をもたらしたのか、また、今後の展開についてどのように考えておられるのか、あわせて病院事業管理者の御所見を伺います。 55: ◯答弁(病院事業管理者) 県立広島病院の改善推進部は、院長直轄の組織として、TQMなどの業務改善活動に、病院全体で組織的・継続的に取り組むため設置したものであり、TQM活動につきましては、平成27年度から5年間で71チーム約400人が参加するなど、改善活動の定着が図られてきたところでございます。  TQM活動の具体的な成果といたしましては、早期の社会復帰を目的とした退院時リハビリテーション指導の増加や、疾患に応じて適切な食事を提供する特別食加算の適正算定など、患者サービスの向上を図りながら、経営改善にもつながる取り組みを実施しているところでございます。  また、平成29年度から市立三次中央病院及びマツダ病院と共催で、医療現場における改善研修会を開催しており、今年度は53施設224名の医療関係者に参加していただくなど、県内医療機関への改善活動の普及に努めているところでございます。  今後は、改善活動の県内医療機関のリーダーとして、県内の医療機関で構成する、仮称ではございますが、広島県医療の改善活動推進協議会を設立し、TQM活動等の改善活動のさらなる普及を図り、その活動を通じて、広島県全域を視野に入れた、県内医療の質の向上・安全性の向上に貢献してまいりたいと考えております。 56: ◯要望・質疑(西村委員) 今後も業務改善を通じた経営改善に引き続き取り組むことで、経営の安定化を図り、広島県の医療機能の強化も牽引していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。  次は、発達障害児の就学についてお伺いします。  平成17年4月に発達障害者支援法が施行され、平成28年に法改正がなされました。この法律では、発達障害とは自閉症、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障害、学習障害であるLD、注意欠陥多動性障害であるADHD、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものと定義されています。そして、発達障害の原因はまだ解明されていませんが、生まれながらの脳機能の障害と考えられています。つまり、保護者の育て方や本人の努力不足が原因で起こるものではないというものです。まだ発達障害に対する認知度は低く、文部科学省の調査では、児童生徒の6.5%が知的発達におくれはないものの学習面または行動面で著しい困難を示す、いわゆる発達障害の可能性のある児童生徒であると言われております。  県議会においてもさまざまな切り口での議論がされておりますが、今回は、発達障害児の就学に関して確認させていただきます。  まず、少子化が進行中で、公立小学校及び中学校における特別支援学級の学級数及び在籍者数が急増していますが、その要因について教育長にお伺いします。 57: ◯答弁(教育長) 要因といたしましては、特別支援学級を含め、特別支援学校、通級による指導といった一人一人の教育的ニーズに対応した多様な学びの場の整備が進んだこと、早期からの教育相談や就学相談が充実してきたこと、保護者の特別支援教育への理解が進むとともに、特別支援教育への期待が高まったことなどが考えられます。 58: ◯質疑(西村委員) 相談の充実、あるいは、支援が必要な生徒数のきめ細かな対応によるものと理解いたしました。  次の質問に移ります。  公立小学校及び中学校に設置される特別支援学級にはさまざまな障害を抱えている児童生徒が在籍しており、その中で、発達障害とされる児童生徒は主に自閉症、情緒障害特別支援学級に在籍します。  その現状をお伺いしたところ、自閉症、情緒障害特別支援学級に在籍する児童生徒数は、平成21年は1,317人でしたが、平成30年には3,878人となり、2.9倍まで増加していました。これは、特別支援学級の全体の増加率である2.0倍を上回って推移しております。増加傾向が続いている中、発達障害児の受け入れ態勢が本当に整っているのかどうか心配しております。  そこで、特別支援学級における発達障害児の受け入れ態勢について現状どのように認識しているのか、また課題や今後の対策をどのように考えているのか、あわせて教育長の御所見をお伺いします。 59: ◯答弁(教育長) 特別支援学級につきましては、各市町教育委員会が必要な学級数を設置していると把握しております。  運用上の課題といたしましては、特別支援学校教諭免許状を所有していない教員や、特別支援教育の経験が少ない教員が特別支援学級担任となっているケースもございます。  そのため、県教育委員会といたしましては、市町の自閉症・情緒障害教育の核となるリーダーの研修を実施するほか、来年度から、発達障害のある児童生徒の指導に係る認定講習を新たに実施するなど、特別支援学級担任等の専門性の向上を図ってまいります。 60: ◯要望・質疑(西村委員) 経験の少ない教員が特別支援学級の担任になっている場合があるという答弁でありましたが、来年度から実施する講習等を有効活用して、学校間で教育レベルに差が出ないように対応していただければと思います。また、必要な学級数を設置しているとのことでしたが、今後の状況変化に応じて受け入れ態勢も柔軟に検討していただくよう要望いたします。  続いて、特別支援学校への入学対象者は、学校教育施行令第22条の3により視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由者、病弱者と定められており、知的障害や身体障害を伴わない発達障害児は対象ではありません。また、発達障害児の入学先は通信制の高等学校が受け皿になっている場合もあるとお伺いしております。高等学校における現状の教育体制が発達障害児に寄り添ったものになっているのかどうかという疑問を感じております。  そのような中、平成30年に公立高等学校におきましても通級制度が導入され、支援体制の充実を期待しておりましたが、平成30年度における実績はゼロでありました。今定例会の執行部の答弁におきましては、現時点では通級による指導が必要な生徒はいないが、一定の支援が必要な生徒に対しては、特別支援学校の教育相談主任が高等学校を訪問し、直接支援を行っている、また、学校の求めに応じて特別支援学校の支援を受けながら個別の指導計画を作成しているとの説明がありました。  しかしながら、法令により、発達障害児が入学対象とされていない特別支援学校からの支援体制だけでは十分な支援のノウハウがないと思われますが、本当に発達障害児の支援につながっているのか、配慮がなされているのか、教育長の御所見をお伺いします。 61: ◯答弁(教育長) 特別支援学校には、発達障害をあわせ有する児童生徒も在籍していることから、発達障害に係る指導方法や指導内容の蓄積ができているものと考えております。  高等学校等への指導・助言につきましては、学校教育法に規定されており、極めて重要な役割であることから、発達障害に関する長期研修等を受けた教員にその役割を担当させているところでございます。  こうした中、高等学校の要請に基づく特別支援学校の教員による支援件数は増加傾向にある等、一定の評価を得ていると考えております。 62: ◯要望・質疑(西村委員) 公立高等学校における通級はまだ始まったばかりです。特別支援学校の教育相談主任が高等学校を訪問する現状の支援体制は一時的にはいたし方ないと思いますが、恒久的にはよりしっかりした体制を講じていただくことを要望して次の質問に移ります。  公立高等学校入学者選抜制度につきましては、令和5年度の入学者選抜から新たに自己表現カードを作成し、当該カードを活用した自己表現が実施されますが、自閉症などのコミュニケーションに障害を抱える生徒には明らかに不利になると思われます。  そこで、公立高等学校入学者選抜制度に自己表現を実施した場合、発達障害児の門戸が狭まることになると思われますが、対策をどのように考えているのか、教育長の御所見をお伺いします。 63: ◯答弁(教育長) 新たな公立高等学校の入学者選抜におきましては、広島県の15歳の生徒に身につけさせたい力が、中学生にどの程度身についているのかを見るため、受検者全員に対し、自己表現カードを作成させ、それを活用した自己表現を実施することとしております。  自己表現につきましては、自分自身のよさや興味・関心のあることなどについて、自分で選んだ言葉や方法で表現することができているかどうかを見るものであり、単にうまく話せていることなどを評価するものではございません。  また、自己表現カードにつきましては、受検者が自己表現を行うに当たっての補助的なものと位置づけており、文章がうまく書けていることや、きれいに書けていることなど、自己表現カード自体は評価しないこととしております。  教育委員会といたしましては、こうしたことに加え、障害のある生徒などに対する合理的配慮も必要であると考えており、高等学校や中学校の校長等の御意見もお伺いしながら、具体的な実施方法等について、しっかりと検討してまいります。 64: ◯要望・質疑(西村委員) 自己表現について、生徒自身のよさをさまざまな方法により評価すること、また、障害を持つ生徒への配慮も検討されていることで、安心いたしました。引き続き、よい入学者選抜制度になるよう検討していただければと思います。  続きまして、文部科学省の公表データによると、平成30年度における高等学校への進学率は98%を超えており、高等学校への進学は義務教育の延長と言える状況であります。  そのような中、知的障害や身体障害を伴わない発達障害のある生徒は、一般の高等学校での教育が原則とされており、人間関係の問題や環境になじむことができず、学業を続けられないケースが出てくると思われます。  特に高等学校の段階におきましては、卒業後の自立的な生活や就業を目指す生徒も少なくないことから、高等学校における発達障害児に対する適切な指導や必要な支援は非常に重要な課題であると考えております。  つきましては、高等学校においても発達障害児の進路問題の解決や、多様な学びの場を設けるなど、教育支援の体制の改善が図られることを要望いたしまして、次の質問に移ります。  続きまして、庁用自動車の交通事故防止についてお伺いします。  今定例会におきまして、地方自治法第180条による専決処分の報告があったもののうち、県職員が関係した交通事故は10件あり、毎定例会で報告されている件数よりも多いと感じました。そこで、知事部局における過去3年間の庁用自動車、いわゆる公用車による事故の発生件数をお伺いしたところ、平成29年度47件、平成30年度は46件、令和元年度は2月末時点で51件であり、横ばいで推移しているとのことでした。  一方で、損害賠償額については、平成29年度は、632万6,000円、平成30年度は591万円、令和元年度は2月末時点で138万3,000円と減少傾向にあるとのことでした。  また、事故の内容別に件数をお伺いしたところ、県の過失割合が50%以上の人身事故を含む加害による、事故件数は、平成29年度は10件、平成30年度は11件、令和元年度は2月末時点で10件、自損事項につきましては、平成29年度は31件、平成30年度は27件、令和元年度は2月末時点で27件であり、いずれも横ばいで推移しているとのことでした。  県警察本部が、ホームページで公表しております広島県の10年間の交通事故の推移では、県内における交通事故発生件数は減少が続いており、直近の3年間の推移としても、平成29年度の8,884件に対して令和元年は6,257件であり、2,627件の減、率にして約3割の交通事故件数が減少しております。  損害賠償額につきましては、責任割合や損害の程度で変動するものと理解はしておりますが、交通事故件数が世の中の動きとは異なり、減少傾向が見られないのは、気になる点であります。  そこで、交通事故件数が減少していない現状をどのように認識しているのか、また、数値目標を設定して取り組んでいるのか、さらに事故件数の低減に向けて今後どのように取り組んでいこうとしているのか、あわせて総務局長の御所見をお伺いします。 65: ◯答弁総務局長) 職員の安全運転対策につきましては、事故の傾向や安全運転のポイントなどを説明する安全運転研修や実際に発生した庁用自動車の事故事例の紹介などにより、注意喚起を行う事故通信の庁内電子掲示板への掲載などにより、かねてから注意喚起を行っているところでございます。  しかしながら、庁用自動車による交通事故は減少しておらず、発生状況の内訳を見ると、駐車場内での後退中の衝突やドア開閉時の接触などの自損事故が約6割を占めているところでございます。  そのため、今年度、これまでの取り組みに加え、大半を占めている自損事故に特化した事故防止策のポイントをまとめた資料を新たに作成し、研修を実施したところであり、まずは、こうした研修を継続することで、自損事故ゼロを目指してまいります。  なお、県が当事者となる交通事故の発生は、県行政に対する県民の信頼を著しく損ないかねないことから、引き続き、さまざまな取り組みを検討・実施し、職員の交通安全意識の一層の高揚を図ることで、事故発生件数の低減にしっかり取り組んでまいります。 66: ◯要望(西村委員) 確かに自損事故は多いようですので、今後も、自損事故の低減を図るという方向性はいいのだろうと思います。今後も、目標を決めていただいて、交通事故の低減に取り組むということをお願いしまして質問を終了します。  (4) 休憩  午後0時6分  (5) 再開  午後1時30分   (石橋委員) 67: ◯質疑(石橋委員) こんにちは。自民議連、広島市安佐南区選出の石橋林太郎であります。  私のほうからは、本年秋に開催を予定していらっしゃいます県内初の大規模現代アート展覧会である「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」についての質問をさせていただきたいと思います。  昨年、福山市、尾道市、三原市の各会場でプレイベントが開催されましたが、そのうち尾道市の百島で開催されたプレイベントがいろいろと話題を集めました。本日はこの百島でのプレイベントにつき質問させていただきたいと思います。なぜならば、この一件ですけれども、私は単に一アートイベントの運営上の問題ではなく、その本質は敗戦後の占領期に端を発する歴史認識問題や憲法改正問題など、政治の場に身を置く者の1人として決して看過することのできない事柄につながっていると思うからであります。限られた時間でありますので、執行部には簡潔明瞭な答弁をお願いし、早速質問に入らせていただきます。  なお、本日、資料を配付させていただいておりますので、皆さんのお手元に御準備をお願いいたします。  まず初めに、「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」の開催目的を確認させていただきたいと思います。  この事業の目的並びにプレイベントの目的を商工労働局長にお伺いいたします。 68: ◯答弁商工労働局長) 「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」は、開催エリアならではの文化の創造につなげていくとともに、国内外から多くの来場者にお越しいただき、展示会場間を周遊いただくことなどにより、地域経済の活性化につなげることを目指して行うものでございます。  また、今年度開催しているプレイベントは、来年度のトリエンナーレ開催に向けての足がかりや機運醸成などを図ることを目的に開催いたしました。 69: ◯質疑(石橋委員) 今お答えいただいた目的に向けて開催された百島でのプレイベントでありますが、そのプレイベントがどのようなものだったのか、確認していきたいと思います。  お手元の配付資料をごらんください。きょうお配りしたのは、このプレイベントのパンフレットであります。このパンフレットに沿って内容を確認させていただきます。まず表紙からですけれども、タイトルは「百代の過客」、会場は尾道市百島町内、島内各所となっております。内容は連続対話企画と企画展示であります。  資料を2枚おめくりください。島内に4カ所あった会場の地図があります。左側にありますのが、古民家を改装した「乙1731-GOEMON HOUSE」、真ん中にありますのは、旧百島中学校でありますアートベース百島、右隣には旧尾道市役所の百島支所でありました旧支所、そして右下には映画館であった日章館という4つの会場が記されています。  1ページおめくりください。次のページには、合計3回実施された連続対話企画の第1回目と第2回目のテーマとスピーカーが紹介されています。  もう1枚おめくりください。そのページには、第3回目の対話企画のテーマとスピーカー、そして真ん中から下のほうには、企画展示の作品が幾つか紹介されています。  もう1枚めくっていただき、最後のページをお開きください。最後のページの左下には、主催者として、NPO法人アートベース百島、ひろしまトリエンナーレ実行委員会と記載があります。実行委員会の会長は湯崎知事がお務めであり、副会長は、福山市、尾道市、三原市各市の市長であります。また、最終ページ右下には文化庁を初め、このプレイベントに対する助成団体の名前も記載されているところであります。  ここで、商工労働局長にお伺いいたします。今、パンフレットで確認させていただいた内容ですけれども、これは事実ということで間違いないでしょうか。もしも事実と違う点や補足の必要な点があるようであれば御説明をお願いします。 70: ◯答弁商工労働局長) 御説明の内容に相違はございません。 71: ◯質疑(石橋委員) 次に、このプレイベントに対する公金支出の有無についてお尋ねしていきたいと思います。  私自身、10月14日に実際に百島を訪ねましたけれども、そのきっかけになったのは、朝日新聞デジタルの記事でありました。不自由展出展の作家の作品も広島で企画展始まるという見出しのついた記事がありましたが、その内容は、次のようなものでありました。ひろしまトリエンナーレのプレイベントが尾道市の離島、百島で始まった。あいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」に出展した作家らの作品も並ぶ企画展の主催は、広島県などでつくる実行委員会とNPO法人アートベース百島、トリエンナーレ全体の予算は企画展も含め約2億6,400万円で、県などが拠出し、文化庁などの助成も受けるとありました。  当時はちょうど、あいちトリエンナーレでの一部企画展の内容と公金支出の問題が大きく世間の注目を集めている時期でありました。  資料の5ページ目をおめくりください。真ん中のあたりですけれども、中央に、大浦信行氏の「遠近を抱えて」という作品の写真があります。この作品は、昭和天皇の写真を使ったコラージュ作品でありますが、あいちトリエンナーレでも大変注目を集めました。旧百島中学校には、こちらと同様の作品が合計で14点展示されていました。作品の説明書きには、この作品は作家の自画像であると書かれていました。自画像であるにもかかわらず、本人の姿がないことの説明もありました。それと、1986年に起きた富山県立近代美術館でのこの作品の展示をめぐるトラブルのこと、また、2009年に沖縄県立博物館、美術館で展示を拒否されたことも書かれていました。  お手元の大浦氏の作品の右隣には、小泉明郎氏の作品の写真があります。この写真は、映像作品のものでありますが、実際、会場には、この作品以外の作品も展示されていました。残念ながら著作権の関係もあって、実際の作品をお見せすることはできませんが、「空気」というタイトルの作品が展示してありましたけれども、その作品の説明書きには、2016年の東京都現代美術館での展示予定が、多くの人が持つ宗教的な畏敬の念を侮辱する可能性があることを理由に、未出品となったと書かれていました。この両者の作品とも、その説明書きには過去に展示中止になったことが、まるで誇らしいことのように書かれていると私は感じました。  また、この作品はどちらとも、説明文は最後、同じ一文で締められておりました。2019年8月より開催されたあいちトリエンナーレ2019で、「表現の不自由展・その後」に出品し、展示中止となる。最後のこの一文は、私にとっては、わざわざつけ加える必要のないものではないかと思いましたが、恐らく企画展示の責任者の方にとっては重要な一文だったのではないかと思います。  展示を実際に見させていただき、私はこのプレイベントが、行政が主体となって開催されるものである以上、あいちトリエンナーレで展示が中止された作品が展示されるということになるのであれば、あいちトリエンナーレのときと同様に、これらの展示に対して公金の支出があるのかないのかということが大きな議論になるのではないかと思いました。  先ほども申し上げましたが、この企画展示が始まった10月5日当時は、あいちトリエンナーレで展示が中止された「表現の不自由展・その後」が開催されるちょうど3日前でありまして、アーティストの皆さん、行政の皆さん、また、一部の政治家を巻き込んで、あいちトリエンナーレの問題がまさにその渦中にあるタイミングであったのであります。  そして実際に、この公金支出に関する議論は本県でも起きました。これまでに県に寄せられた一般の方からの御意見が1,000件を超えると聞いておりますが、そのうち、公金の使用に対する批判が460件と、その関心の高さがうかがえます。  また、いずれも却下されましたが、このプレイベントに対しては、公金の不正使用に当たるのではないかとして住民監査請求が2件出されています。また、11月17日、先ほど紹介しました対話企画の第3回目ですが、大浦氏と小泉氏が参加した対話企画の日には尾道駅前に、こうした展示に抗議をされる方たちが集まり、警察も警備についたと聞いております。  また、年が明けて1月には、札幌から市議会議員の方々が調査に来られました。本年12月に札幌で開催を予定していらっしゃる芸術祭で同じようなことが起きないよう参考にしたいとのことでありました。  また、2月25日には、衆議院の予算委員会でも百島での展示が取り上げられましたし、2月27日には、県内の民間団体から知事宛てに要望書が出されました。その内容もまた、公金支出に対する再検討を求めるものであったと聞いております。  これら以外にも、私も含め、私たち議員のところにも、個別にメールや電話、ファクスなどで厳しい御意見を頂戴しているところであります。  以上、るる申し上げましたけれども、県内外から広くこうした形で注目を集めることになってしまったのは、実行委員会の本意ではないのだろうと思います。しかしながら、こういう状態になってしまったからには、責任を持ってしっかりと向き合っていただかなければなりません。  これまで実行委員会、県のほうは、県民の皆様等からの問い合わせに対しては一貫して、公金は使われていないと答えていらっしゃると聞いておりますが、このパンフレットをごらんいただいてもわかるように、また、トリエンナーレの公式ホームページにおいても、この「百代の過客」がプレイベントとして紹介されているという事実もあります。  私が思うには、外形的にはどう見ても、公金は使われているのであります。だからこそ、これだけ多くの反応も返ってきていると思います。  そこで、この際でありますので、この大きな論点の一つである公金支出の有無につき、しっかりとわかりやすい御説明を商工労働局長よりいただきたいと思います。 72: ◯答弁商工労働局長) 昨年10月5日から12月15日まで百島で開催された「百代の過客」は、この百島のプレイベントとして行われるさまざまな取り組みの一つであり、ひろしまトリエンナーレ実行委員会とNPO法人アートベース百島が基本計画に基づいて共催で実施しているもので、実行委員会からの委託事業とアートベース百島の独自事業で構成されております。  このうち、実行委員会からの委託事業は、尾道での創作活動を続けている作家や、新たに招聘する作家が百島で滞在型創作活動等を行い、その作品を展示するものであり、具体的には、柳さん、榎さん、池内さん、八島さんの4人の作家の創作活動とその作品の展示でございます。  一方、アートベース百島の独自事業は、アートベース百島内の企画展示と、旧百島支所で行われる対話企画で構成されており、企画の具体的な中身について実行委員会はかかわっておらず、財源も民間からの助成金と自主財源で賄われており、公金は使われておりません。 73: ◯質疑(石橋委員) 今御説明いただいたとおり、この「百代の過客」というプレイベントの中には、NPO法人アートベース百島による独自事業と実行委員会が委託をされた2種類の事業が混在しているということであります。この事業の混在が、プレイベントに対する公金支出の実態をわかりにくいものにしてしまっているのではないかというふうに思います。  そこで、なぜこうした混乱を招くような事業構成になってしまったのか、その理由を商工労働局長にお伺いいたします。 74: ◯答弁商工労働局長) 地域に根差したアート活動を行っているNPO法人アートベース百島の取り組みと実行委員会からの委託事業を組み合わせて、同じ百島内で、一つのイベントとして位置づけたものでございます。 75: ◯質疑(石橋委員) それでは、続きまして、アートベース百島による独自事業の内容についてお伺いしていきたいと思います。  まず初めに、県がこの「百代の過客」の企画内容を初めて知ったのはいつなのか、教えてください。 76: ◯答弁商工労働局長) 実行委員会の事業として行うプレイベントについては、昨年度から企画内容等を尾道市やNPO法人アートベース百島と調整してまいりました。  一方で、アートベース百島の独自事業の企画内容を知ったのは、昨年の8月中旬でございます。 77: ◯質疑(石橋委員) 8月中旬ということでありました。
     続きまして、「遠近を抱えて」と「空気」が展示されると知ったのはいつか、教えてください。 78: ◯答弁商工労働局長) その2つのシリーズ作品が展示されることを知ったのは同じく8月中旬ごろでございます。  展示する作品の詳細を確認したところ、アートベース百島もわからないとの回答でございました。  実際に、個々の作品の詳細を把握したのは、企画展の開催日である10月5日でございます。 79: ◯質疑(石橋委員) 8月半ばの時点では両方の作品が展示されるのは御存じないということで、10月5日になって初めて、「遠近を抱えて」のシリーズ、「空気」のシリーズが展示されるのを承知されたということでありますが、これらの作品が、あいちトリエンナーレの中で騒動になっていたわけでありますが、この作品が騒動になっていたということは御承知だったかどうか、教えてください。 80: ◯答弁商工労働局長) 承知しておりました。 81: ◯質疑(石橋委員) それは展示が中止になったということも御承知だったでしょうか、教えてください。 82: ◯答弁商工労働局長) それも含めてでございます。 83: ◯質疑(石橋委員) もう1点ですけれども、この両作品が、先ほど作品の説明書きのことを伝えましたけれども、あいちトリエンナーレ以前にも展示を中止になったことがあるということも御承知だったでしょうか、教えてください。 84: ◯答弁商工労働局長) 「遠近を抱えて」については、その時点で知っておりました。 85: ◯質疑(石橋委員) 「空気」については、いつ知ったのか、教えてください。 86: ◯答弁商工労働局長) その後でございます。 87: ◯質疑(石橋委員) もしわかれば、いつだったか、教えてください。10月5日なのか、その前なのか、後なのか、お願いします。 88: ◯答弁商工労働局長) 日付については覚えておりませんが、この流れの中で承知したということでございます。 89: ◯質疑(石橋委員) それでは11月17日の対話企画ですけれども、この対話企画に大浦氏、また小泉氏両名が参加することを知ったのはいつか、教えてください。 90: ◯答弁商工労働局長) 独自事業の企画内容を知った時点となりますので、先ほどと同じく8月中旬でございます。 91: ◯質疑(石橋委員) 県が独自事業の内容を知られた時点では、当然あいちトリエンナーレの騒動はわかっていらっしゃったはずでありまして、また、8月中ごろにはあいちトリエンナーレで話題になった方々の作品、また御本人たちが来られるということも承知していらっしゃったということであります。  実際にこの企画展等が始まったのは10月5日でありまして、8月中旬から10月5日までの間、しばらく時間的な猶予はありました。何かしらのやりとりをされたのではないかと思います。そうは言いながらも、アートベース百島の独自事業でありますので、そのことに対し、県が意見をできる立場になかったということなのだろうと思いますが、それでもなお、独自事業もプレイベントの一環であることに変わりはないわけでありまして、もっとアートベース百島との間でさまざまな協議をしていただけたのではないかということを本当に思うところでありますし、またアートベース百島の方に対しても、独自企画ではありますが、プレイベントの一環でやっていらっしゃるという自覚もおありだったと思います。  そう思うときに、もっとアートベース百島も県としっかりと協議していただければよかったのではないかと思っています。もしも両者の意思疎通がより円滑にとられていたならば、そしてプレイベントの開催目的などをもっときちんと共有することができていれば、今回のようなことは、もしかしたら防げたのではないかと思うのでありまして、その点では大変残念に思っているところであります。  続きまして、先ほどの独自事業からかわり、次は委託事業の内容についてお伺いしていきたいと思います。  まず初めに、委託事業の島内の会場を確認させていただきたいと思います。商工労働局長、よろしくお願いします。 92: ◯答弁商工労働局長) 先ほど委員から御説明がございましたとおり4つの会場のうち、旧支所及び「GOEMON HOUSE」でございます。 93: ◯質疑(石橋委員) 旧支所と「GOEMON HOUSE」が委託事業の会場だったということであります。  これも確認ですけれども、委託事業には公金が使われているということで間違いないでしょうか、お答えください。 94: ◯答弁商工労働局長) 間違いございません。 95: ◯質疑(石橋委員) この委託事業ですけれども、NPO法人アートベース百島に1,076万円で業務委託がされています。  受託者であるNPO法人アートベース百島における企画や展示の責任者は、代表者でいらっしゃる柳 幸典氏ということで間違いないでしょうか、教えてください。 96: ◯答弁商工労働局長) 間違いございません。 97: ◯質疑(石橋委員) それでは次に、委託事業の作品を少し見ていきたいと思います。皆さんも、お手数ですが配付資料の5ページをごらんください。中央の左側に赤い写真があります。これは「アーティクル9 2016」という作品であります。柳氏の作品でありますが、アーティクル9とは、憲法9条のことであります。この作品は、ネオン管に文節ごとに分解された憲法第9条が、原文と英文で表示されるという作品になっています。この作品の説明には、国家権力に縛りをかけ、人権を保護している最高法規だが、ネオン管のようにまぶしく光輝いていても、スイッチ1つで暗転する可能性を秘めているとありました。  次に、右下の写真をごらんください。これは、「海ゆかば」という映像作品であります。映像作品ですが、音声はなく、海ゆかばを歌っているおばあさんの姿が画面に浮かび上がっていました。この作品の説明書きには、太平洋戦争期にラジオ放送の大本営発表が玉砕を伝える際に冒頭で流した、海ゆかばという国民歌謡を歌っているというふうに書かれていました。  私は芸術の素人でありますので、作家の方の正確な意図というのはわかりませんけれども、私は、旧支所で展示されていた2つの作品から、大東亜戦争であり、また憲法改正であり、そうした政治的なものを連想するばかりでありました。  お手元の資料の「海ゆかば」の左側ですけれども、そこには「GOEMON HOUSE」での作品が紹介されています。上の作品は榎 忠氏の「LSDF」です。この作品は機関銃などの銃器、火器をモチーフにした作品でありますが、タイトルのLSDFとは、ライフ・セルフ・ディフェンス・フォースの頭文字であり、これは自分の生活は自分で守るという作者の信念をあらわすフレーズだそうですが、私は、このタイトル、ライフ・セルフ・ディフェンス・フォースを聞き、自衛隊の英語名であるセルフ・ディフェンス・フォースをもじったものなのだろうと感じました。  資料を2ページ戻っていただけますでしょうか。先ほどの島の地図のページですけれども、小さな写真をごらんください。少しわかりにくいかもしれませんが、これは「籠の鳥」という作品であります。この作品ですけれども、この格子状の扉の向こうに、抜き身の日本刀が納められている作品でありますが、この刀には憲法9条第1項の条文が刻印されています。武力はあるが使えないという、そういった自衛隊のことを、羽根はあっても飛べないかごの中の鳥として表現されたのではないかと推測しますが、私は、いずれにしてもこの両者の作品からも、自衛隊の違憲論争でありますとか、集団的自衛権、また憲法改正など、そうした政治的なテーマばかりが頭に浮かんだことを覚えております。  こうした作品の一つ一つを見ていくと、それは確かに個性的な表現でもありますし、中には興味深いものもあるのかと思います。しかしながら、これらの作品がプレイベントにふさわしいかと言われたら、私は到底ふさわしいと思えなかったのであります。  まして、先ほど御答弁もいただきましたが、これらの委託事業は公金を支出して実施されているわけであり、ふさわしくないという思いは一層強まるばかりであります。  この企画展示の責任者は、NPO法人アートベース百島の柳 幸典氏であったということでありますが、柳氏は、同時に実行委員会のメンバーでもあります。なのに、なぜこんなにも開催目的とされる備後地域の観光振興、地域振興とかけ離れた展示をプレイベントでしなければならなかったのか、私は全く理解ができませんし、できれば直接御説明を聞かせていただきたい思いです。  独自事業にしろ、委託事業にしろ、トリエンナーレのプレイベントの名のもとに、こうした非常に政治的主張が強い作品が展示されたことに対し、実行委員会に対し、私は腹も立つし、情けなくも感じるところであります。  繰り返しになりますが、今回のトリエンナーレの目的は、備後エリアのブランド力の強化、観光客の入り込みによる地域経済の活性化等であります。プレイベントの重要な目的は、本番に向けた機運醸成だったはずでありますが、機運を醸成するどころか、県内外からトリエンナーレを中止すべきだという声さえもいただくようになってしまっています。  先ほども多々批判的な御意見があることを紹介しましたが、ここで一つ、地元の方の声も紹介をさせてください。先般、百島にお住まいの方とお話をする機会がありました。その際の話ですが、旧百島中学校での展示に関しては、あんな展示をされたら困る、地元としては協力はできない、表現の自由の議論など詳しいことはわからないけれども、率直に言って好ましくない、公金の投入には納得できないというような御意見を頂戴いたしました。  まさにそこに住んでいらっしゃる百島の住民の方からの、こうした厳しい御意見というのは、県当局としてもしっかり重く受けとめるべきだと思いますが、そのことに対する御所見をお伺いするのとあわせて、こうした声は当然地元である尾道市のほうにも届いているのではないかと思います。尾道市長も実行委員会の副会長を務めていらっしゃいます。尾道市から県に対して何か御意見などが寄せられているのであれば、そのこともあわせて、商工労働局長にお伺いしたいと思います。 98: ◯答弁商工労働局長) 地元の方々からそのような意見をいただいたことにつきましては、県として真摯に受けとめております。  尾道市からは、そうした地元の方々からの声なども踏まえ、来年度の本開催は、実行委員会として開催目的に沿った内容となるようしっかりと取り組んでいきたいといった意見をいただいております。 99: ◯質疑(石橋委員) 実行委員会としてしっかりと開催目的を達成していきたいという尾道市の声も紹介していただきましたけれども、次に、実行委員会の体制につき、質問させていただきます。  現在の体制の中に、総合ディレクターという役職があります。企画部会の部会長も兼任をしている中心的な役職でありますが、今年度、この総合ディレクターをお務めなのは、尾道市出身の中尾浩治さんという方であります。中尾氏は、NPO法人アートベース百島の理事もお務めでいらっしゃいます。  そして、その中尾氏が代表を務めていらっしゃる合同会社アート・マネジメント・しまなみに対し、今年度プレイベント関係の業務が多く委託されています。総合ディレクターの費用として350万円、現代アート展示に関する補助業務等として900万円、尾道市立美術館でのプレイベント815万9,000円、福山城でのプレイベント50万円、歴史塾及び英語塾の実施50万円、合計すると2,165万9,000円となりますが、これは今年度のトリエンナーレ関係予算の約32%に当たります。  決して少なくない額ではないかと思いますが、こうしてトリエンナーレと深くかかわっている中尾氏が務めていらっしゃる総合ディレクターという役職でありますが、この役職には一体どのような役割があるのか、商工労働局長にお伺いします。 100: ◯答弁商工労働局長) 芸術祭実施に必要な事項を検討する企画部会の部会長として、各関係団体等と調整を行うほか、広報・運営などの他の部会について、必要な指示等を行うことなどでございます。 101: ◯質疑(石橋委員) それから、現在の実行委員会ですけれども、主に行政や商工団体また観光協会の方などが中心になって構成されていますが、その中に、NPO法人アートベース百島の代表の方と「AIR Onomichi」の代表の方も入っていらっしゃいます。この両団体ともが今年度のプレイベントで実行委員会から業務を受注していらっしゃいます。つまり、発注者の中に受注者がいるという状況が現状でありまして、この状態は好ましくないと思っております。  新しい体制では、こういったことがないよう留意してほしいと思いますが、そのことについて、商工労働局長の御所見をお伺いします。 102: ◯答弁商工労働局長) 先ほどの2団体につきましては、開催エリアである尾道市でこれまで地域に根差した活動を継続的に行っている団体ということで、それぞれの代表に実行委員会の構成メンバーとして参画いただいておりましたが、御指摘の観点を踏まえ、見直す必要があるものと考えております。 103: ◯質疑(石橋委員) しっかりとよろしくお願いいたします。  続いて、先般、我が会派の山下議員の本番に向けた体制に関する質問の中で、実行委員会から独立した委員会を設置してトリエンナーレの枠組みに入るもの全てをこの委員会に諮るとの局長からの答弁がありました。  新しい体制では、この独立した委員会で事前に各展示内容を確認、把握して開催目的を達成できる展示内容を決定していくとのことでありますが、この委員会のメンバーをどのように選出されるのか、商工労働局長にお伺いいたします。 104: ◯答弁商工労働局長) 委員会の構成員につきましては、観光、地域・経済、芸術の各分野の知見を有する者を実行委員会が任命いたします。 105: ◯質疑(石橋委員) 続きまして、プレイベントの総括を踏まえて、本番に向けた作品選定については、開催目的に基づく明確な選定基準を設定すべきであると考えます。また、そうした明確な選定基準に基づき、行政が作品を選定することは憲法21条の禁ずる検閲に当たるものではないと私は考えます。  本番に向けて、選定基準の設定の必要性についてどのようにお考えですか、県の認識を商工労働局長にお伺いいたします。 106: ◯答弁商工労働局長) 独立した委員会において、開催目的に沿った展示内容を決定していく考え方やプロセスなどについても、今後検討していただく必要があると考えております。 107: ◯質疑(石橋委員) 続きまして、選定基準を設ける必要性の認識があるというお話でありますが、そうした選定基準に基づいて実行委員会から独立した委員会が作品を展示しないことを決定した場合、実行委員会としてはどのように対応するおつもりなのか、県の認識を教えてください。 108: ◯答弁商工労働局長) 独立した委員会で検討の上、展示しないことを決定された場合には、実行委員会としてそうした作品を展示することはございません。 109: ◯質疑(石橋委員) 本番を成功させるためには、新しい体制の早期発足が欠かせないのだろうと考えています。  そこで、この新しい体制の発足がいつごろになりそうでしょうか、商工労働局長にお伺いいたします。 110: ◯答弁商工労働局長) 新年度、できるだけ速やかに発足させたいと考えております。 111: ◯質疑(石橋委員) まだ何点かトリエンナーレの質問が残っておりますけれども、時間もやってまいります。あす、私がまた質問時間をいただいておりますので、そこで知事に対して、このプレイベントのことについてお伺いさせていただきたいと思います。以上で私の質問を終わらせていただきます。   (石津副委員長) 112: ◯質疑(石津副委員長) 皆さん、こんにちは。公明党広島県会議員団の石津正啓でございます。県民の誰もが安全に安心して暮らし、働ける広島、そして、都市部でも中山間地域でも快適に暮らせる広島の実現に向けて、県民一人一人の小さな声に耳を傾け真摯な姿勢で、それに向き合ってほしい、そういった思いを込めまして、質問させていただきますので、明快で、前向きな答弁をお願いいたします。  本日は、誰もが安全に安心して暮らせる広島に向け、大きく3点、防災・減災、バリアフリー、高齢ドライバーにかかわる問題についてお伺いいたします。  初めに、防災・減災対策についてお伺いいたします。  平成30年7月豪雨災害では、河川上流で発生した土砂災害による大量の土砂が下流部に堆積して、川底の上昇を引き起こし土砂や洪水の氾濫が発生いたしました。県では、平成28年3月に策定した河川内の堆積土等除去計画に基づき、河川内の堆積土や樹木の除去を進めておられますが、河川の状況が大きく変化してしまった状況を踏まえますと、計画の大きな見直しも必要になってくるのではないでしょうか。  そこで、今後の計画の見直しに向けた考え方について、3点お伺いいたします。  この計画では、堆積土などが治水に与える影響を3段階に分け、河川の断面に占める土砂の堆積割合である阻害率がおおむね15%以下の状態をレベル1、おおむね15~20%の状態をレベル2、おおむね20%以上の状態をレベル3と区分し、レベル3から優先的に取り組みを進めておられますが、改めて、各レベル別の目標値とそれに対する今年度末までの実績見込み、目標値との乖離状況について、あわせて土木建築局長にお伺いいたします。 113: ◯答弁土木建築局長) 現在の計画の目標としては、平成28年度から令和2年度の5年間でレベル3を解消し、レベル2については、背後地に家屋の集積や避難所があるなど優先度が高い箇所から全体延長の約1割を削減することとしております。  しかしながら、新たな出水による堆積に伴いレベル2からレベル3に移行するなど河川の状況が大きく変化したことから、レベル3の対象延長が当初の約16kmから約131kmと大幅に増加いたしました。  また、レベル2については、河川の状況変化に応じ、計画外の箇所も実施していることから、現在整理を行っているところでございます。  今年度末までには、レベル3は、対象延長約131kmに対して約98kmの除去を予定しており、対象延長の約75%の進捗となる見込みでございます。  また、レベル2については、優先度の高い約55kmの堆積土等の除去を予定しております。 114: ◯質疑(石津副委員長) 来年度、河道しゅんせつに係る予算は48億円余り計上されておりますが、この予算によって、どのような状態にまで持っていくことができると見込んでおられるのか、土木建築局長にお伺いいたします。 115: ◯答弁土木建築局長) 来年度の当初予算では、特に治水上の影響が大きく緊急に対策が必要な箇所の集中的な除去と、河川内の堆積土等除去計画に沿った計画的な除去を実施するために必要な予算として、48億円余りを計上しております。  この予算により、レベル3については、約33kmを除去することで全ての対象延長の堆積土等の除去が完了し、レベル2については、背後地に家屋の集積や避難所があるなど優先度が高い箇所から約16kmを除去する見込みでございます。 116: ◯質疑(石津副委員長) 最後に、御答弁をいただいた内容を踏まえ、計画をどのように見直していこうとされているのか、見直しのコンセプトと、検討プロセスについて、土木建築局長にお伺いいたします。 117: ◯答弁土木建築局長) 次期計画につきましては、効果的・効率的に堆積土等を除去し、浸水被害を最小限に抑えるという現計画の考え方を踏襲しつつ、平成30年7月豪雨災害の影響とこれまでの対策状況を踏まえ、計画の見直しの検討を行っているところでございます。  このため、今年度は、河川の現況流下能力の詳細な把握や土砂の堆積傾向が見られる区間の抽出などを行い、実施箇所の選定に係る判断基準の見直しを進めているところでございます。  来年度には、市町等の意見を伺うとともに、長期目標や成果目標、投資規模などを検討し、次期計画を策定いたします。 118: ◯質疑(石津副委員長) 県民が安心して暮らせるよう、計画の中身へのこの納得感もさることながら、計画に対する認知も獲得できるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、聴覚に障害がある方のバリアフリーの実現に向けて3点お伺いいたします。  聴覚に障害のある方が社会で安心して活躍できるよう、全国的には、これまで手話言語条例の策定などの対策が図られてきましたが、依然として多くのハンディキャップを抱えて生活しておられます。また、後天的に障害を持たれた方は手話の習得に苦労されているという話も伺っております。  聴覚障害への理解促進に向けては、耳マークやヘルプマークの周知などが行われておりますが、まだまだ十分でないと感じます。  そこで、聴覚に障害のある方が社会で安心して活躍できるよう、聴覚障害に特化した耳マークの活用なども含め、耳が不自由であることを、気兼ねすることなく、周囲に理解してもらえるような仕組みを整えるべきであると考えますが、健康福祉局長の御所見をお伺いいたします。 119: ◯答弁(健康福祉局長) 聞こえが不自由なことを一目で表示できる耳マークにつきましては、県庁本館受付や地方機関に設置しているほか、多くの市町においても活用されております。  また、外見からわからない聴覚障害のある方などが、周囲に援助や配慮が必要なことを知らせるヘルプマークにつきましては、公共交通機関や、商業施設等への掲示に加え、さまざまな広報媒体を通じ、普及啓発に取り組んでおり、昨年末までに、1万7,160個の無償配付をいたしました。  今後とも、これらの取り組みとともに、障害の特性や必要な配慮を理解し、日常生活で実践するあいサポート運動を推進することなどにより、聴覚障害のある方が暮らしやすい社会の実現を目指してまいります。 120: ◯質疑(石津副委員長) 一方で、デジタル社会の到来を迎え、手話などの既存の方法を補うような、新たなツールの開発が進めば、周囲の理解に対する心配も軽減されるかもしれません。  既に一部の企業では、AIを活用した手話通訳アプリケーションなど、最新のテクノロジーを活用した新たな言語ツールの開発も行われております。そういった動きを後押ししていただけないでしょうか。例えば、新たな言語ツールの開発に向けたサンドボックスを実施するというのも一つの策かもしれません。  そこで、聴覚に障害のある方が抱える多くの課題に対し、デジタル技術を活用して解決を図る取り組みを後押しすべきと考えますが、健康福祉局長の御所見をお伺いいたします。 121: ◯答弁(健康福祉局長) 聴覚障害者の情報アクセスやコミュニケーションのバリアフリー化を進めるため、デジタル技術を活用した取り組みとして、県聴覚障害者センターにおいて電話リレーサービスを、一部の自治体において遠隔手話サービスを実施しております。  また、広島大学と企業の連携により開発された、難聴者の聞こえを支援する卓上型会話支援システムを、県聴覚障害者センターや県立特別支援学校に設置することで、デジタル技術を活用した支援機器の普及に努めております。  今後、デジタル技術の活用により、聴覚障害者がさらに社会参加しやすい環境整備に向けて、引き続き、新たな支援機器や言語をテキスト化するアプリケーションなどの情報収集や普及啓発に加え、商工労働局とも連携した県内事業者の医療関連産業創出支援に取り組んでまいります。 122: ◯質疑(石津副委員長) ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。  また、デジタル技術を活用すれば、国内で感じる障壁だけでなく、国外で感じる障壁をも一度に解消できるかもしれません。東京オリンピック・パラリンピックを7月に控え、広島にも世界中から多くの観光客が訪れることが予想され、その中には、聴覚に障害のある方も多くおられると思います。  そこで、世界中から観光で訪れる聴覚を初めとしたさまざまな障害を持たれた方が、広島に来てよかったと言っていただけるよう、おもてなしの観点から、バリアフリーの取り組みを積極的に進めていただきたいと考えますが、商工労働局長の御所見をお伺いいたします。 123: ◯答弁商工労働局長) 本県では、市町や観光事業者等で構成する広島県おもてなし向上ネットワーク会議におきまして、ユニバーサルツーリズムについての講演会を開催し、障害者や高齢者等とのコミュニケーションの重要性やサポート手法についての理解を深めることに取り組んでいるところでございます。
     また、外国人観光客や国内外の聴覚障害者の方々がスマートフォン等を活用し、視覚的に観光情報を容易に入手できるよう、無料WiFiの利用エリアの拡大による通信環境の整備や、障害者の方々にも利用しやすいようユニバーサルデザインに配慮した観光地のトイレ整備など、受け入れ環境の充実を図っているところでございます。  本県といたしましては、引き続き、市町や観光事業者等とも連携し、障害者や高齢者、子供連れ、外国人など観光客の誰もが安心して観光を楽しめるユニバーサルツーリズムの実現に向けて、おもてなしの充実や受け入れ環境の整備にしっかりと取り組むことによって、来訪者が来てよかった、また来たいと思ってもらえるような広島県を目指してまいります。 124: ◯質疑(石津副委員長) これから広島に訪れるさまざまな障害を持たれた方々に、広島に来て本当によかったと言っていただけるよう、バリアフリーな環境づくりをお願いいたします。  次に、高齢ドライバー対策の充実についてお伺いいたします。  昨年8月から、竹原警察署大崎上島分庁舎及び尾道警察署因島分庁舎において、75歳以上のドライバーに義務づけられている認知機能検査が行えるようになりました。島嶼部や中山間地域における高齢者の負担軽減につながるモデルとなる取り組みであり、今後の全県への展開が期待されるところです。  そこで、今回の取り組みの総括と、来年度の拡大予定、さらに、今後の全県展開への見通しについて、あわせて警察本部長にお伺いいたします。 125: ◯答弁(警察本部長) 昨年8月27日から実施しております、竹原警察署大崎上島分庁舎及び尾道警察署因島分庁舎における2月末現在の受検状況につきましては、大崎上島分庁舎が20回158人、因島分庁舎が24回353人と、2分庁舎とも毎回定員の7~8割の方が受検されており、受検された方からは、近くで待つことなく受検でき、助かりますなど好意的な意見を多くいただいております。  2分庁舎における実施状況を踏まえまして、体制を強化し、来年度5月から東部運転免許センターにおきまして警察職員が直接実施する認知機能検査を平日の開庁日に全日実施することとしており、年間約1万人の検査が実施できるよう拡大することとしております。  今後の全県への展開につきましては、現在、警察庁において、高齢運転者の免許更新時における認知機能検査の実施方法や運転技能検査の導入など道路交通法の改正について検討されており、改正内容を踏まえまして検討することとしております。 126: ◯質疑(石津副委員長) 一方で、高齢ドライバーによる事故は後を絶たず、大きな社会問題となっております。早急な対策が求められる中、国では、65歳以上の高齢運転者を対象に、自動ブレーキやペダル踏み間違い時の急加速を防ぐ機能などを搭載した安全運転サポート車の導入や後づけ装置の導入の際に、補助を行うサポカー補助金を補正予算に盛り込み、先般成立いたしました。  そこで、県においても、サポカー補助金に呼応するなど、高齢ドライバーの安全運転支援装置の普及に向けた主体的な取り組みを進めていただきたいと考えますが、環境県民局長の御所見をお伺いいたします。 127: ◯答弁(環境県民局長) 安全運転サポート車につきましては、平成29年から、官民連携体制のもと、県内全域で体験学習会を開催しており、令和元年は、65会場で約3,800名の参加をいただいておりますが、参加者を対象に実施したアンケート調査によりますと、安全運転サポート車に乗りかえると答えた方は全体の16%、迷っていると答えた方が38%であり、後づけの急発進抑制装置の設置を検討すると答えた方は64%となっております。  また、平成30年の国内の新車乗用車への衝突被害軽減ブレーキの搭載率が80%以上となっていることから、国のサポカー補助金を活用し、新車買いかえ時の取り組みを強化するとともに、既に所有している自動車への後づけ装置の普及もあわせて推進する必要があると考えております。  このため、市町や交通安全協会の協力を得るなどして、体験講習会の会場内に、サポカー補助金に関する相談窓口を設け、補助金申請の手続に関する相談や、後づけ装置に関する情報提供、県内の認定取り扱い事業者の紹介などを実施するとともに、体験講習会の内容も、より効果を実感しやすいものに見直すこととしております。  こうした取り組みの実効性を上げるためには、より多くの方に体験講習会に参加していただく必要があるため、毎月10日の高齢者の交通安全の日などの機会を捉え、広報啓発のさらなる強化に努めてまいります。 128: ◯要望(石津副委員長) 広島は、中山間地域や島嶼部だけでなく、多くの地域において、生活の足は車が中心です。高齢化の進展が見込まれる中、高齢ドライバーが安心して運転できる環境づくりを今後ともをぜひよろしくお願いいたします。   (田川委員) 129: ◯質疑(田川委員) 公明党広島県議会議員団の田川寿一でございます。  今、新型コロナウイルスのために学校が一斉休校いたしまして、大型イベントが中止または延期となり、日常生活が制約を受けております。WHOはパンデミック宣言を表明いたしました。この新型コロナの脅威は、危機管理の今日的重要課題と認識しております。昨日、事業者の方から、観光業では売り上げが7割減というふうなお話もお伺いしました。それから飲食業も5割減になったとのことでございます。経済も打撃を受けており、景気後退のきっかけになるのではないかと憂慮しております。今後、知事が陣頭指揮をとっていただき、県が一丸となって感染防止に取り組んでいただきたいと思います。その上で、県民がどのような不安を抱え、どのような対策を望んでいるのか、謙虚に耳を傾ける姿が伝われば、県民の安心につながると思います。県の取り組みで最大限の力を発揮していただきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  初めに、核廃絶への取り組みについて質問いたします。  核兵器禁止条約は、50カ国が批准することにより発行されることになっておりますけれども、現在、35カ国が批准を終えました。  被爆75年の本年、核兵器禁止条約を何としても発効に導き、核時代と決別する出発の年としてほしいと切に願っています。現在のところ、核兵器禁止条約には、核保有国や核依存国は加わっていませんが、発効によって打ち立てられる、いかなる場合も、核兵器の使用を禁止する、との規定には歴史的意義があります。被爆県広島としては、この条約発効を強く支持するという表明が大事だと思います。  そこで、核兵器禁止条約発効後に、この広島の地で、世界の被爆者を初め、条約を支持するNGO等が集う国際会議を開催してはどうかと考えますが、地域政策局長の御所見をお伺いいたします。 130: ◯答弁(地域政策局長) 核兵器禁止条約は、核兵器のない平和な世界の実現に向け、有効な手段の一つであると考えておりまして、国に対し、早期に署名及び批准を行っていただくよう、昨年9月には、知事から、直接、要請しているところでございまして、今後も粘り強く働きかけてまいります。  また、核兵器廃絶の実現に向けましては、国や県、広島市だけではなく、国際機関やNGO等の多様な主体が重層的に取り組んでいくことが重要であり、広島でNGO等が集まり、廃絶に向けた国際会議が開催されれば、大変意義深いことと考えております。  県といたしましては、世界平和経済人会議の開催などを通じまして、さまざまな主体と連携し、平和の取り組みへの賛同者の飛躍的な拡大を図り、核兵器のない平和な世界の実現に向けて、取り組んでまいります。 131: ◯質疑(田川委員) 核兵器禁止条約を後押しするという政策が、私は重要だと思います。これからも取り組みをよろしくお願いいたします。  次に、県立広島病院における南海トラフ地震の対応について質問させていただきます。  御存じのように、南海トラフ地震は今後、70~80%の確率で発生すると言われております。巨大地震の場合、医療機関は、みずからが停電や物流の寸断、津波による浸水被害などを想定して業務の継続性を確保するための方策が必要であると考えます。中でも津波の場合、大潮の満潮時と重なると最大で海抜4mに達すると想定されております。県立広島病院では、自家発電装置は地下、放射線診断、治療も地下となっており、津波による浸水被害等により機能停止に陥ることを危惧しております。  そこで、県立広島病院において、どのような浸水対策がされているのか、また、今後どのように対応していこうとされているのか、病院事業管理者にお伺いいたします。 132: ◯答弁(病院事業管理者) 県立広島病院は、県内唯一の基幹災害拠点病院としての指定を受けており、災害発生時には、県内18の災害拠点病院と連携し、災害医療に対応することが求められております。  そのため、広域災害を想定した院内訓練等を実施するとともに、平成30年度にはBCPを策定したところでございます。  また、浸水被害への施設設備面での対策といたしましては、非常用自家発電装置の屋上への追加整備、電話交換機の上階への移設、衛星回線によるインターネット環境の新設などを実施しているところでございます。  一方で、南海トラフ地震のような大規模災害に伴う浸水被害に備えるためには、さらなる対策が必要であると認識しており、引き続き、基幹災害拠点病院として、災害発生時において、機能停止に陥ることがないよう必要な対策について、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 133: ◯要望・質疑(田川委員) 今ございましたように、県で一つだけ指定されております基幹災害拠点病院でございますから、自治体病院のこの使命を果たすために、あらゆる災害にも人命を救うことができる体制の保持をお願いしたいと思います。今後は、移転も含めた抜本対策も念頭に入れて、検討していくことも必要ではないかと思います。災害が起きることを想定して危機感を持った対応をお願いしたいと思います。  次に、県立高等学校のICT環境の整備についてお伺いいたします。  1人1台のPC環境での授業経験は、多くの教員が皆無だと思いますけれども、本当に実践できるのか、正直なところ懸念しております。授業中にPCは故障することがありますが、そのときにどう対応するのでしょう。2020年度からの授業ですぐに活用するのは時間的に無理ではないのかとの声も聞きますが、こうした懸念が払拭されるよう、明快な答弁をお願いいたします。  文部科学省から、2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針が示されていますが、この目標を達成することは、自治体の予算から見てかなり難しいことだと思われます。今般、県立高校において1人1台のタブレット端末を保護者負担により導入するということは一つの方法でやむを得ないと思っております。  低所得の家庭には支援する仕組みがあることから、一定の理解はしているつもりですが、現在、非課税世帯となっている給付対象を、今後さらに拡大していくことを検討してはどうかと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 134: ◯答弁(教育長) 非課税世帯以外の世帯に対しましては、毎月定額の奨学金の貸し付けを行う既存の奨学金や、入学時に最大15万円を借りることのできる入学準備金などの貸し付け制度の活用を促すことにより、支援を行ってまいりたいと考えております。  今後につきましては、この制度の持続可能性も考慮しながら、支援が必要な世帯の状況について、注視してまいりたいと考えております。 135: ◯質疑(田川委員) ぜひ保護者負担の軽減のために、これからも努力していただきたいと思います。  このICTの活用目的を考えずに、ICT環境の整備をするのでは意味がありません。教育目的を明確にした上で、そのためにどのようなICT環境が必要なのかを考えるべきだと思いますが、タブレットPC以外にどのようなICT環境を整備しようとしているのか、教育長にお伺いします。 136: ◯答弁(教育長) ICT活用の目的は、学びの変革を一層推進することであり、知識伝達型の授業から、本質的な問いを中心とした授業へと変革していくために、学校の生活や学習において、ICTをツールとして、日常的に活用できる環境を整備していくことが必要不可欠であると考えております。  そのため、学校のICT環境の整備内容といたしましては、生徒、教員のコンピューター画面の提示に利用する大型提示装置、生徒用コンピューターのふぐあい時に利用する予備用コンピューター、予備用コンピューターの充電・保管に利用する充電保管庫、教員が授業で利用する授業用コンピューターの導入を予定しております。 137: ◯質疑(田川委員) ICT環境の中で、教師用デジタル教科書の整備状況ですけれども、文部科学省の調査によれば、平成30年度は全校種平均で52.6%、高校では19.2%というデータがありますが、広島県の整備状況はどのくらいなのでしょうか、また、高校のデジタルコンテンツをふやしていこうという取り組みを考えているのかどうなのか、お伺いいたします。 138: ◯答弁(教育長) 本県の公立高等学校における指導者用デジタル教科書の整備率につきましては、平成30年度は16.0%と全国平均を下回っている状況でございます。  教育委員会といたしましては、各教科等の目標を踏まえた上で、各学校において、デジタルコンテンツの特性や必要性を理解し、指導の効果を高め、有効・適切な活用が行われるよう、来年度以降のICT活用に係る研修等を進めるとともに、デジタルコンテンツの整備を進めてまいります。 139: ◯質疑(田川委員) 今、教育長からもありましたけれども、このICTというのは教育のためのツールであり、ICT環境を整備しただけではよりよい教育に結びつくわけではありません。効果的な教育ができるかどうかは、教員の指導力にかかっています。教育目的に合わせて教員の指導力の向上も図っていく必要があります。  そこで、教員の教科指導におけるICT活用のための研修がどのように行われているのか、教育長にお伺いします。 140: ◯答弁(教育長) 教員の教科指導におけるICT活用のための研修につきましては、今年度、教育センターによるICTの活用やクラウドサービスの活用のための研修を実施してまいりました。  また、来年度から1人1台の情報端末の導入を見据え、共通教科「情報」に係る新たに開発したカリキュラムや円滑な情報端末の導入に係る中身づくりの研修を行ってまいります。 141: ◯要望・質疑(田川委員) 高校の教員の平均年齢が高いことから、このICTにふなれな教員もいると思います。使いこなせなければ、保護者は多額の負担をしているだけに、クレームが来ることを懸念しております。全ての教員にしっかりとした研修をしていただきますようお願いいたします。  教員のICT活用力や指導力を育成するためには、教育センター等の研修だけでは不十分だと思います。管理職のリーダーシップと情報化担当教員の配置によって学校全体で情報化の普及定着のための不断の努力が必要であると考えます。ICTを活用した授業研究が計画的に実施されることも重要です。  そこで、情報化担当教員が中心となって、教科横断的なカリキュラムマネジメントを行い、学校全体の情報化を持続的・計画的に推進する体制の構築が必要であると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 142: ◯答弁(教育長) 学校全体の情報化を推進するために、来年度以降は、各学校のICT活用の取り組みをマネジメントする管理職対象の研修や、校内でICT活用の中心的な役割を担う教員対象の研修を実施することとしております。  これらの研修を踏まえ、各学校におきまして、校長の方針のもとに、推進教員を中心に、全教員が協力してカリキュラムマネジメントを行い、学校全体の情報化を持続的・計画的に推進する体制の構築が図られるよう、学校を指導してまいります。 143: ◯要望・質疑(田川委員) いずれにしても、学校全体の体制ができることが大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。  今後、ICTの活用によって、主体的、対話的で深い学びを実現しているエビデンスを示すことで、高額の負担をした保護者に納得のいくものにしていただきたいと思いますが、このICTの活用が学力向上に効果があることのデータによる把握について、教育長の御所見をお伺いいたします。 144: ◯答弁(教育長) ICT活用による学力向上の効果につきましては、広島県高等学校生徒質問紙・学校質問紙調査におきまして、ICT機器を活用した学習に関する質問を設定し、その検証を行うこととしております。  教育委員会といたしましては、この検証結果をもとに、研修の充実を図るとともに、ICT活用がよりよい授業づくりにつながるよう、各高等学校を指導してまいります。 145: ◯要望・質疑(田川委員) ICT活用で学力が向上したというエビデンスをぜひ示していただきたいと思います。  次に、特別支援教育におけるICTの活用についてお伺いします。  視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、知的障害等の障害のある子供に対し、一人一人の状態や、認知の特性等に応じてデジタル特性を最大限に生かしたICT機器を選択し、適切に活用することにより、効果的な学習を支援したり、個々の子供たちの抱える困難さを改善もしくは軽減したりすることができるのではないかと期待しております。  例えば、デジタル教科書を併用し、教科書画面の白黒を反転する総ルビ、音声読み上げ、ハイライト表示、リフロー表示などの機能を活用することにより、非常に効果的な学習を行うことができます。  障害により、学習に困難のある子供たちに対しては、ICT機器の整備とともにソフトウエアを含む専用教材教具の整備、各教科における効果的な指導方法の習得、障害のある子供の特性を理解したICT支援員の配置等を計画的に進めていくことが必要であると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 146: ◯答弁(教育長) 障害のある児童生徒には、ICTを活用し、障害特性や発達段階に応じた機器やソフトウエアの選定、効果的な指導方法などの取り組みを行うことは大変重要であると認識しております。  そのため、視覚障害のある生徒には、音声読み上げ機能を活用したり、知的障害のある生徒には、画像や動画を用いた視覚支援などの効果的な学習を支援してまいりました。  今後におきましても、県教育委員会といたしましては、各学校のICT環境を整備し、教員の専門性の向上を図り、ICT支援員を配置することなどにより、障害特性に応じた教育を計画的に推進してまいります。 147: ◯要望(田川委員) このICT整備によって、学びの変革が進むということを非常に期待しております。ほかにも、このICT活用についてはさまざまな課題があろうかと思います。  教員及び生徒のセキュリティーと情報モラル意識をどう高めていくのかという課題、授業の準備と評価のための効果的なICTの活用について、あるいはICTの活用についての学校全体の指導計画への位置づけ、家庭学習でのICT活用との連携など、こうした課題もございますけれども、ぜひこうしたさまざまな課題にも、教育委員会として、対応をお願いしたいと思います。  (6) 閉会  午後2時39分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...