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2020-03-11 令和元年度予算特別委員会(第4日) 本文
2020-03-11 令和元年度予算特別委員会(第4日) 名簿

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  1. 広島県議会 2020-03-11
    2020-03-11 令和元年度予算特別委員会(第4日) 本文


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和元年度予算特別委員会(第4日) 本文 2020-03-11 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 105 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯意見質疑前田委員選択 2 : ◯答弁危機管理監選択 3 : ◯質疑前田委員選択 4 : ◯答弁危機管理監選択 5 : ◯質疑前田委員選択 6 : ◯答弁危機管理監選択 7 : ◯要望質疑前田委員選択 8 : ◯答弁教育長選択 9 : ◯質疑前田委員選択 10 : ◯答弁教育長選択 11 : ◯要望質疑前田委員選択 12 : ◯答弁土木建築局長選択 13 : ◯質疑前田委員選択 14 : ◯答弁土木建築局長選択 15 : ◯質疑前田委員選択 16 : ◯答弁土木建築局長選択 17 : ◯質疑前田委員選択 18 : ◯答弁土木建築局長選択 19 : ◯質疑前田委員選択 20 : ◯答弁土木建築局長選択 21 : ◯質疑前田委員選択 22 : ◯答弁土木建築局長選択 23 : ◯意見前田委員選択 24 : ◯質疑(的場委員) 選択 25 : ◯答弁(知事) 選択 26 : ◯意見質疑(的場委員) 選択 27 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 28 : ◯質疑(的場委員) 選択 29 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 30 : ◯意見質疑(的場委員) 選択 31 : ◯答弁(知事) 選択 32 : ◯要望質疑(的場委員) 選択 33 : ◯答弁教育長選択 34 : ◯要望質疑(的場委員) 選択 35 : ◯答弁教育長選択 36 : ◯要望質疑(的場委員) 選択 37 : ◯答弁教育長選択 38 : ◯要望質疑(的場委員) 選択 39 : ◯答弁教育長選択 40 : ◯質疑(的場委員) 選択 41 : ◯答弁教育長選択 42 : ◯意見質疑(的場委員) 選択 43 : ◯答弁教育長選択 44 : ◯意見(的場委員) 選択 45 : ◯質疑前田委員選択 46 : ◯答弁教育長選択 47 : ◯質疑前田委員選択 48 : ◯答弁教育長選択 49 : ◯質疑前田委員選択 50 : ◯答弁教育長選択 51 : ◯要望質疑前田委員選択 52 : ◯答弁教育長選択 53 : ◯質疑前田委員選択 54 : ◯答弁教育長選択 55 : ◯質疑前田委員選択 56 : ◯答弁教育長選択 57 : ◯質疑前田委員選択 58 : ◯答弁教育長選択 59 : ◯質疑前田委員選択 60 : ◯答弁教育長選択 61 : ◯意見・要望(前田委員選択 62 : ◯質疑(西村委員) 選択 63 : ◯答弁地域政策局長) 選択 64 : ◯要望質疑(西村委員) 選択 65 : ◯答弁(経営戦略審議官) 選択 66 : ◯意見質疑(西村委員) 選択 67 : ◯答弁(総務局長) 選択 68 : ◯要望質疑(西村委員) 選択 69 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 70 : ◯意見(西村委員) 選択 71 : ◯質疑(中原委員) 選択 72 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 73 : ◯質疑(中原委員) 選択 74 : ◯答弁(知事) 選択 75 : ◯質疑(中原委員) 選択 76 : ◯答弁(環境県民局長) 選択 77 : ◯要望・意見(中原委員) 選択 78 : ◯質疑(伊藤真由美委員) 選択 79 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 80 : ◯質疑(伊藤真由美委員) 選択 81 : ◯答弁(知事) 選択 82 : ◯要望質疑(伊藤真由美委員) 選択 83 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 84 : ◯意見質疑(伊藤真由美委員) 選択 85 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 86 : ◯質疑(伊藤真由美委員) 選択 87 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 88 : ◯質疑(伊藤真由美委員) 選択 89 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 90 : ◯意見(伊藤真由美委員) 選択 91 : ◯質疑(吉井副委員長) 選択 92 : ◯答弁(知事) 選択 93 : ◯要望質疑(吉井副委員長) 選択 94 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 95 : ◯要望質疑(吉井副委員長) 選択 96 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 97 : ◯意見質疑(吉井副委員長) 選択 98 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 99 : ◯要望質疑(吉井副委員長) 選択 100 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 101 : ◯要望質疑(吉井副委員長) 選択 102 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 103 : ◯質疑(吉井副委員長) 選択 104 : ◯答弁(農林水産局長) 選択 105 : ◯意見(吉井副委員長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の指名        平 本   徹        伊 藤 真由美  (3) 質疑・応答   (前田委員◯意見質疑前田委員) 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の前田康治と申します。今次予算特別委員会におきまして質問の機会を与えていただき、皆様に心から感謝申し上げます。  さて、9年前のきょう、3月11日は、東日本大震災が発生した日であります。死者、行方不明者、負傷者を合わせると2万4,000人以上の方が被災された未曽有の大災害であり、いまだに復旧・復興は道半ばの状況であります。被災された方々に心から哀悼の意を表しますとともに、いつ起こるかわからない自然災害に対し、あらゆることを想定して備えることの必要性を改めて強く感じているところであります。質問時間も限られておりますので、早速、1つ目の質問に移ります。  質問の第1は、その自然災害への備えについてであります。  広島県に多くの被害をもたらした平成30年7月豪雨は、私の地元安佐南区では結果的に被害は少なかったものの、その4年前に発生した平成26年8月豪雨で大変な被害を受けた経験があり、豪雨に対する恐怖心、警戒心はいまだに拭えるものではありません。これから夏が来るたび、豪雨はいつ来るかわからない状況であります。  そこで、平成30年7月豪雨を教訓とした防災・減災対策について、3点お伺いいたします。  1点目は、ひろしまマイ・タイムラインを使用した防災教育についてであります。  広島県では避難に向けた行動をあらかじめ時系列で定める、ひろしまマイ・タイムラインを来年度7月上旬に制作し、県内の全ての小学校に配付して授業や夏休みの宿題などで作成するとのことであります。  しかし、平成30年の豪雨災害は7月上旬に降り続いた雨により発生したものでありました。ということは、このひろしまマイ・タイムラインの活用については、ことしの出水期には間に合わないということになります。  先ほど申し上げましたが、豪雨はいつ来るかわかりません。少なくとも梅雨前までにはひろしまマイ・タイムラインを配付し、作成に取りかかれるようにしてはどうかと考えますが、危機管理監の御所見をお伺いいたします。 2: ◯答弁危機管理監) ひろしまマイ・タイムラインは、研究チームによる分析結果を踏まえ、頻発する土砂災害への備えなどを盛り込んだ、広島県独自の新たな教材として作成するものであり、これを県内小学校の全児童に作成してもらうことで、防災意識の醸成を図ることとしております。  このひろしまマイ・タイムラインの実施に当たりましては、全市町で教員向けの指導者講習会の開催や、県内小学校の全児童に行き届く数を用意することなどに期間を要することから、令和2年度は7月上旬から配付することとしております。  秋雨前線が活発化する時期や台風時期を見据えて、学校の授業や夏休みの宿題などで、県内小学校の全児童にひろしまマイ・タイムラインを作成してもらうよう、県教育委員会と連携して取り組んでまいります。 3: ◯質疑前田委員) このひろしまマイ・タイムラインについては、デジタル版も配信するとのことなので、小学校のみにとどまらず、中学校、高等学校、さらには公民館活動などさまざまな場での活用を促し、住民の方々に事前の行動計画として認識してもらうことが重要と考えますが、危機管理監の御所見をお伺いします。
    4: ◯答弁危機管理監) ひろしまマイ・タイムラインについては、全ての小学校に配付して作成を促すとともに、自主防災組織へも配付し、地域の防災教育等での活用を図るほか、デジタル版も用意することにより、幅広い層の県民の皆様に作成していただくよう取り組むこととしております。  このため、中学校や高校などでの防災教育において、デジタル版のひろしまマイ・タイムラインを活用していただけるよう、県教育委員会を通じて働きかけることとしております。  また、県内地域で行われる防災教室等においても積極的に活用いただけるよう、テレビ、ラジオ等の媒体や、「みんなで減災」推進大使などによる周知活動に取り組むこととしております。  こうした取り組みを通じて、ひろしまマイ・タイムラインの作成を広く県内に浸透させていくことにより、県民の皆様の確実な避難行動へつなげてまいります。 5: ◯質疑前田委員) 次に、避難所の点検と指定についてであります。  平成30年7月豪雨の際、私の地元、安佐南区川内地区では、避難指示も避難勧告も出ていない状況でありましたが、過去の経験から、太田川の氾濫に備え、避難所指定されている川内小学校の体育館に自主的に避難された方が複数おられました。  しかし、体育館も洪水により浸水する可能性があるため、洪水時の避難場所である校舎に移動したところ、その校舎にはエレベーターがなく、車椅子の方々が避難できない状況でありましたので、結局、エレベーターのある別の校舎に重たいマットを移動させ避難しました。また、備蓄倉庫も1階であることなどから、豪雨の際は浸水被害を受ける可能性があるなど、机上で設定された避難場所に関して多くの課題が見つかりました。  私自身、防災士の資格を有しておりますが、実際に避難所に行き、避難所で過ごすという体験をしないと、避難所における課題はわかりませんでした。まさに、湯崎知事の言われる現場主義、現場の大切さを身をもって体験したところであります。  気象庁によりますと、ことしの6月から8月にかけて、夏の気温も平年並みか高いと予想されています。  仮に、また豪雨災害が発生し、避難所生活を強いられることになると、ただでさえ精神的にも肉体的にも疲弊している避難者にとって、猛暑の中の避難生活はさらなる苦痛を与えます。そのような中、私が体験したように、エレベーターがないとか、備蓄倉庫も浸水してしまう可能性があるなど、事前に防げたはずの課題までのしかかる事態は避けねばなりません。  そこで、全ての避難所が安心して避難できる場所なのか、車椅子やペットに対応しているのかなど、県として市町や地域住民と協力して、実際に避難所を一斉点検した上で、避難所の指定を図っていく必要があると考えますが、危機管理監の御所見をお伺いします。 6: ◯答弁危機管理監) 平成30年7月豪雨災害を踏まえ、各市町においては浸水などの被害に対応できる避難所の確保に取り組んでいただいているところでございます。  現在、県管理河川の洪水浸水想定区域の指定公表が進められているところであり、引き続き、市町に対し、これらの指定状況を確認し、適切な避難所を確保するよう働きかけてまいります。  また、県では、避難行動につながる避難所環境等検討会を設置する予定でございます。この検討会の中で、ペットの受け入れ可否や設備環境の状況などについて詳細調査を実施し、有識者や市町の意見を伺いながら、必要な設備や運営方法の改善などを検討することとしております。 7: ◯要望質疑前田委員) あれだけたくさんの犠牲者を出した東日本大震災においても、日ごろの訓練によって全く犠牲者を出さなかった地域があるということも報道されています。日ごろの準備の大切さを啓発していただきますよう要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  さて、私自身、地域の学校協力者会議に参加していることもあり、これからの広島県の教育の方向性には大きな関心を寄せているところであります。平川教育長のもと、新しい試みを次々と展開され、まさに広島県の学びが変革されていると感じているところですが、一方で、学校現場で働く教職員にも思いを寄せなければなりません。  そこで、次は、教職員側から見た公立高等学校の入試制度改革について、2点お伺いします。  1点目は、面接を実施する高校側の教職員の負担についてであります。  新たな公立高等学校入学者選抜制度について令和元年9月定例会で私が質問した際、生徒自身がこれまでの自分を振り返り、今の自分をしっかりと理解し、その上で将来自分はどうありたいのか、どうなりたいのかということを、みずからの言葉できちんと相手に伝えることのできる力を本県の15歳の全ての生徒に身につけさせたいと平川教育長は答弁されました。その理念には私も心から賛同いたします。  この新たな入学者選抜制度においては、受検生全員の面接を行うとのことでありますが、その面接を行うのは公立高校の教職員だと思います。  教職員はただでさえ多忙で働き方改革を進めないといけない状況の中、受検生全員の面接を行うことになる公立高校の教職員に生じる新たな負担についてどのように認識しておられるのか、教育長の御所見をお伺いします。 8: ◯答弁教育長) 新たな公立高等学校の入学者選抜におきましては、広島県の15歳の生徒に身につけさせたい力が中学生にどの程度身についているかを見るため、受検生全員に対し面談方式による自己表現を実施することとしております。  自己表現の実施に伴う負担がある一方で、入学者選抜の回数が3回から2回になることや、調査書の記載内容が精選されることなどにより、入学者選抜に係る学校や教職員の負担の軽減につながるものと考えております。  今後、新たな入学者選抜制度の詳細な内容を決定していくに当たりましては、高等学校や中学校の校長等の御意見をお伺いしながら、学校や教職員への負担軽減の観点も含め、検討を行ってまいりたいと考えております。 9: ◯質疑前田委員) 2点目は、面接の実施のイメージについてであります。  私の地元の安古市高校を例に挙げると、ことしの選抜I、選抜IIの志願者数は398人となっています。仮に、1人当たりの面接時間が10分とすれば、トータルで3,980分、約66時間もかかる計算になります。  そこで、受検生1人当たり何人の教職員がどれぐらいの時間面接を行うのか、何日かけて行うのか、教育委員会事務局の職員も対応するのか、学校の教職員だけで対応するのかなど、具体的な面接の実施イメージについて教育長にお伺いします。 10: ◯答弁教育長) 面談方式による自己表現につきましては、学校ごとに準備できる会場の数や対応する教職員の人数、受検者数などが異なっており、詳細な実施の方法につきましては、各学校の実態を踏まえて決定していく必要があると考えております。  教育委員会といたしましては、各高等学校において、学校の実情等を踏まえ円滑に実施できるよう、校長等の意見も聞きながらしっかりと検討してまいりたいと考えております。 11: ◯要望質疑前田委員) 中学校の校長先生からは、現行の選抜Iにおいても面接の評価の基準がよくわからないと心配の声が聞かれています。教育長はテレビの番組の中でも、話すのが苦手な人は作品を持参してもよいというふうにおっしゃっていましたが、その作品を面接官はどのように、どういう基準で評価したらいいのか、実際、私が面接官になったら非常に困るのではないかと感じています。  私が話を聞いたある高校でも、現状、選抜Iでは教員2人1組で5クラス、10人の教員が面接をしていて、1人当たり5~6分ぐらいの時間でやっているとのことです。実際、何百人という数になったときにどうですかと校長先生、教頭先生にお伺いすると、「全くイメージできません。今から3年あるので、恐らく教育委員会のほうから、明確な指示があると思います」というふうにおっしゃっていました。なので、現状、中学校、高校の教員の皆さんもわからないということで、非常に不安になっていらっしゃる状態です。  なので、面接については本当に明確な基準を設けていただいて、公平、客観的に実施されることを切に要望して、次の質問に移ります。  次に、広島高速5号線のシールドトンネル工事に係る問題について、3点お伺いします。  1点目は、役員及び職員の処分の根拠についてであります。  今次定例会の代表質問において、我が会派の山下議員が、広島高速道路公社における再発防止策などの取り組み状況について質問し、これまでも多くの議員がこの件について質問しております。  当初の契約額から、結果的に87億円もの増額を招いてしまったことについて、それだけ関心が高い、もっと言えば民間企業に勤めていた私からすると理解しがたい事態と言えると思います。  さきの12月定例会において、附帯決議として公社の意識改革、業務執行体制や組織体制等の改善に努めることなどを県に要望したところでありますが、責任ある立場にある方への処分については、公社においては昨年12月31日に引責辞任した前理事長と副理事長、そして契約当時の理事長と副理事長に対して3カ月分の報酬の10%相当額の自主返納を要請し、また、契約当時の担当職員については、県、市がそれぞれ文書による厳重注意処分とされました。  そこで、これら役員及び職員について、それぞれどのような根拠に基づいて処分を行ったのか、土木建築局長にお伺いします。 12: ◯答弁土木建築局長) 今回の処分につきましては、公社において第三者委員会が公正中立な立場から確認した事実関係をもとに、当時の役職員の責任を整理、検討したものでございます。  公社の業務を総理または補佐する立場にある当時の理事長、副理事長につきましては、工事契約における不適切な対応により、結果として公社の信用を大きく失墜させたことは、過去の処分事例等に照らし、公社の倫理要綱等に違反するものと判断し、報酬の自主返納を求めることとしたものでございます。  また、当時の担当職員につきましては、役員と同様に相応の責任があることから、公社から職員の派遣元である県、市に対して対応の依頼があり、これを踏まえて、県、市において厳正に対応したものでございます。 13: ◯質疑前田委員) 2点目は、処分の妥当性についてであります。  今後重要なことは、いかに再発防止を図るかということです。  公社には多くの役職の方々がいて、契約内容についてチェックしている中で、結果として必要だったとしても、87億円もの増額契約を結ばないとならない事態になったことについて、今回の処分は再発防止に向けて妥当なものと考えているのか、土木建築局長の御所見をお伺いします。 14: ◯答弁土木建築局長) 今回の処分につきましては、当時の役職員の職責に応じて、過去の処分事例等に照らし、厳正に対処したものでございます。  今後、このようなことを二度と起こさないよう、再発防止策の着実な実施と公社の風土改革に市及び公社と連携してしっかり取り組んでまいります。 15: ◯質疑前田委員) 3点目は、再発防止に向けた契約のあり方の抜本的な見直しであります。  公社が策定した再発防止の具体的な取り組みに関して、公社全体の能力向上も必要ですが、餅は餅屋、どうやっても専門家には勝てません。  私が考えるに、1番の課題は、そもそもコンサルタント会社の設計が生きた設計になっていないことではないでしょうか。  コンサルタント会社は約200億円と見積もりましたが、実際に工事発注の入札では、JVから1回目、2回目とも約300億円の見積もりが出てきました。1回目ならともかく、2回目の時点でコンサルタント会社の見積もりがおかしいと思わなければいけないのではないかと思います。  コンサルタント会社の担当にJVの見積もりと100億円も違うけど、この見積もりは正しいのだろうかと確認しなくてはいけないのではないかと思いますが、話を聞くと、そういう仕組みがないというふうに言われました。これではまた同じようなことが起きるのではないかと思います。  設計を受注したコンサルタント会社が、工事発注の際まで責任を持って契約額や契約内容を管理できるよう、契約のあり方を抜本的に見直してはどうかと考えますが、土木建築局長の御所見をお伺いします。 16: ◯答弁土木建築局長) 高度、特殊な工事の発注に当たりましては、工事の品質確保や円滑な事業執行を図るため、専門的な技術を有するコンサルタントを活用する仕組みとして、設計や施工の各段階において技術的な助言や提案などを行うコンストラクションマネジメント方式や、発注者、工事受注者、設計者の協議により設計条件の確認や施工上の課題の共有などを行う三者会議の実施などがあり、県においては一部既に活用しているところでございます。  広島高速道路公社においても、このような仕組みが有効であると考えられることから、高度、特殊な工事につきましては、工事の難易度等に応じてコンサルタントの活用による発注者支援などの有効な方法について、市、公社とともに検討してまいりたいと考えております。 17: ◯質疑前田委員) 私の質問が正しく伝わってないみたいなので、もう一回局長にお伺いするのですけれども、やり方が違っていたと思うのです。  今、恐らくコンサルタント会社の方はすごく悔しいのではないかと思うのですけれども、本会議のときからずっと続いている御答弁をお聞きしていると、200億円というコンサルタント会社の見積もりがあったがために、いつまでも公社の皆さんは200億円という数字に縛られてしまったというふうに私は聞いています。だとしたら、わざわざお金を払ってコンサルタント会社に発注したことがあだになっているのではないかとすら思えるわけです。  コンサルタント会社が納品した金額が本当に入札のときに正しいのか、そこにタイムラグが発生してしまったから、その間に金額が変わってしまったわけです。なぜ、入札する時点でもう一回コンサルタント会社に聞くという仕組みがないのかがわからないわけです。  コンサルタント会社を使ったのであれば、入札する時点でタイムラグが発生したら、もう一回コンサルタント会社に、時間がたったけれども、今もその金額で変わらなくて大丈夫ですかと聞く仕組みをつくってくださいという意味で質問したのです。  それについて、局長の御答弁をお願いします。 18: ◯答弁土木建築局長) 御指摘のとおりでございまして、今回公社が策定しました再発防止策の最後にも、乖離が生じた場合には立ち戻って確認すべきだったというふうに書いてありまして、県も全く同様の認識でございます。  そういったことも含めまして、しっかり再発防止策の中で対応してまいりたいというふうに考えてございます。 19: ◯質疑前田委員) 立ち返ることが必要で、どうするのですかという話です。 20: ◯答弁土木建築局長) 立ち返るということは、委員の御指摘のとおり、設計施工された会社に改めて確認するとか、現状の相場を調べるとかして、正しい価格は幾らかということを、乖離が生じた時点で確認するということでございます。 21: ◯質疑前田委員) 現状の正しい相場を調べるとおっしゃったのですけれども、それが簡単に調べられるのだったら300億円の見積もりが出てきた時点でわかっていたということです。  そんなに簡単に現状の正しい相場というのがわかるのですか。 22: ◯答弁土木建築局長) 相場の確認の仕方は幾つかございます。  例えば、コンサルタントに改めて確認してもう一度調べていただく、あるいは、昨年度とか1年前の入札実績が確認できますので、そういったものから類推するといったことができます。  そういったものを活用しながらやってまいりたいということでございます。 23: ◯意見前田委員) 私の地元安佐南区でも、この問題は大変大きな関心事となっています。それは、民間の感覚ではあり得ないことが起こっているからだと思います。  局長が今おっしゃいましたけれども、二度とこのようなことが起こらないように全力で再発防止に努めますというような答弁は、ほぼ意味のない答弁だと思います。  民間企業では一旦問題を起こしたときに、いつまでに何をどのように変えるのかということが明確にならないと、二度と取引してもらえないということになるので、県当局におかれましても、いつまでに何をどのように変えるのかということを明確にしていただくことを要望しまして、時間が参りましたので一旦私からの質問を終わります。   (的場委員) 24: ◯質疑(的場委員) おはようございます。民主県政会福山市選挙区選出の的場豊です。昨年の予算特別委員会に引き続き、2年連続でことしも予特の役割をいただきました。新年度予算や事業の具体的な施策について質疑を行いたいと思います。知事を初め、執行部の明快な答弁を求めます。早速質問に入ります。  まず、瀬戸内海における豊かな恵みの海の再生に向けて、何点か質問いたします。  湯崎知事は、2009年11月に初当選され、その後、いち早く瀬戸内の再発見をキーワードに、2011年3月には「瀬戸内 海の道構想」を導き出されました。  その中間報告では、ライフスタイルイノベーション、成熟社会化への対応という、今まで行政では聞きなれないフレーズが登場し、その説明として、瀬戸内はその多島美、穏やかな気候風土や多彩な食材、1000年以上の歴史を有する文化的蓄積が、食、住、遊、学、健、美のあらゆる分野において体と心と魂を癒やしてくれる、ライフスタイルイノベーションに最もふさわしい空間であると説いています。  私は、まだ県議会議員ではありませんでしたが、海の道1兆円構想を備後福山の地で聞き及び、瀬戸内海における多島美、観光振興、ブランド化、いにしえからの豊かな恵みの海の復活等に期待感を持ったのを覚えております。  1兆円という額は、広島県の一般会計単年度予算に匹敵する規模であり、大きな目標を掲げたものだと思っていました。ですが、瀬戸内海全域のポテンシャルを考えれば、目標達成も不可能ではないと考えていました。  この「瀬戸内 海の道構想」は、広島県行政の中の一つのテーゼとして存在し、さまざまな施策へ波及したものと考えられ、現在、湯崎知事が提唱している欲張りなライフスタイルの実現の施策展開につながっているものだと思われます。  海の道構想の数値目標とロードマップの項では、目標年次を2020年度までと定め、観光関連消費額を6,000億円とし、観光消費額の観光交流活性化による波及効果額を1兆円と目標に示されています。言うまでもなく、2020年度が目標達成年度であり、これまでの総括が必要だと考えます。  そこで、先日の定例会で我が会派の西本議員への答弁で、観光消費額が3年連続で4,000億円を維持している答弁がありましたが、観光交流活性化による波及効果額1兆円の目標に対する達成状況、目標年次である最終年度の2020年度の予算対応と達成予測、また、「瀬戸内 海の道構想」の今後のプロセスはどうなっていくのか、知事にお尋ねいたします。 25: ◯答弁(知事) 観光消費による波及効果額の達成状況につきましては、海の道1兆円構想策定の際の計算式に基づき推計いたしますと、平成30年は約6,400億円となっており、構想で掲げております1兆円には届いていないものの、策定前の平成21年と比較して約1,800億円増加しているところでございます。  最終年度に向けましては、瀬戸内ブランドのより一層の向上に向けて国際サイクリング大会を開催するほか、JRと連携したデスティネーションキャンペーンなどの瀬戸内を一つのエリアとした民間のさまざまな活動も生かしながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  一方で、このコロナについては注意が必要だというふうに認識しております。  また、せとうちDMOでは、これまでの取り組みによって海外で高まりつつある瀬戸内の認知度を生かして、戦略的なプロモーションや観光プロダクトの開発及び販売促進といった施策を継続的に実施することによって、瀬戸内へのさらなる誘客と消費の拡大に取り組むこととしております。  さらに、構想の今後の取り扱いにつきましては、まずはせとうちDMOと共同で総括を行うとともに、瀬戸内におけるさらなる観光消費額の増大と瀬戸内ブランドの確立、並びに交流人口の拡大に向けた施策を、引き続き構想の推進組織であるせとうちDMOと連携して戦略的に取り組んでまいります。 26: ◯意見質疑(的場委員) 知事のほうから波及効果の答弁をいただきましたが、1兆円構想の部分でいうと、まだ1兆円まで届いていないけれども、これからも継続して取り組んでいきたいという決意を聞かせていただきました。  その中で、この海の道構想を策定するに当たって、興味深い実証実験もさまざま行われております。実験の中で、瀬戸内フィッシャーマンズ&ファーマーズマーケットでは、瀬戸内海における農林水産業の現状と課題の把握、農林水産資源、人材の循環システムの検討が盛り込まれており、海の道構想の中でも、瀬戸内海の農林水産資源の課題や水質等の環境問題も一つのテーマとされています。  観光消費額の試算項目の3では、観光活性化の波及効果として、独自の食材、農水産物をテーマとして訪れる観光客が60万人で、その観光関連消費額が270億円と目標額が試算されております。  そこで、「瀬戸内 海の道1兆円構想」における食材、農水産物を用いた観光関連消費増加の目標値に対する達成状況と、残された課題について商工労働局長にお尋ねいたします。 27: ◯答弁(商工労働局長) 「瀬戸内 海の道構想」に掲げる観光消費額の目標値につきましては、瀬戸内ならではの魅力を有する食材や農水産物のほか、自然景観や地域文化といったテーマを目的に来訪される方々の人数から試算して設定したものであり、テーマごとにモニタリングはしておりませんが、観光消費額全体でその達成に向けて取り組んでおり、平成21年以降8年連続で過去最高を更新したところでございます。  しかしながら、本県におきましては、魚介類、かんきつ類、果物、畜産物、日本酒などすばらしい食材の宝庫であるものの、カキやお好み焼き、レモンといった単独のコンテンツの認知が強く、民間の調査によりますと、食事がおいしい地域であるといった認知が高まっておらず、本県が有する食のポテンシャルを十分に発揮できていないことが課題であるというふうに認識しております。  そのため、食は観光客の来訪目的の重要な要素になることから、引き続き本県ならではの食の魅力を発信するプロモーション等に取り組むことによりまして、食による観光消費額の増加につなげてまいります。 28: ◯質疑(的場委員) 今、海の道構想における農水産物の目標について、なかなか波及して全体に広がってないというふうなこともございました。  私も一つの大きなコンテンツではあると思っていますけれども、なかなかそういうことが広がっていないところに問題があるのではないかと思っています。そして、私が危惧しているのは、海の道構想による観光客数や観光消費額の増嵩、瀬戸内海のブランド化につながったことは、政策として大いに評価できる反面、瀬戸内海における環境問題と水産資源の枯渇化問題が置き去りにされてきたのではないかということです。  1960年代から1997年まで行われた海砂の採取により、海底の環境や潮流も変化していることとあわせ、海中の栄養が足りておらず、魚の餌となるプランクトン減少等の要因が重なり水産資源の枯渇化が進んでいます。  2017年のイワシ類やアサリを除いた海面漁業漁獲量は、ピークであった1979年の1万8,000トンから28%程度しかない5,000トンまでに減少し、産出額も約145億円から7割減の約48億円まで減少しております。さらには、速報値でありますが、「瀬戸内 海の道構想」が描かれた2011年と比較しても、直近2018年の漁獲量は6,200トンから3,400トンと半減しております。  瀬戸内海は、本当にこのままでよいのかと疑念を抱いているのは、私だけではありません。  先日も、備後灘の漁場がある福山の鞆町や内海町、沼隈町でお話を聞いていると、カキやアサリの身が大きくならない、養殖ノリに色がつかないため、愛媛県等のノリと混ぜ合わせなければ商品にならない、ワタリガニはとれ高が少なく、シャコは全く上がらなくなったと地元の人は嘆いておりました。  特に、備後灘の漁獲高は減少の一途をたどっているのではないでしょうか。
     県も、未来チャレンジビジョンの農林水産業アクションプログラムで、担い手育成に力を入れて取り組みを進めていますが、漁業就業者数も2008年4,772人から2018年には3,327人と、10年間で約30%の1,445人が減少しています。  いかんせん漁獲量が減少し、所得が上がらなければ、漁業をなりわいとして続けることはできません。このままでは瀬戸内海が死んでしまいます。何らかの方策が必要です。  そこで、瀬戸内海の水産資源の枯渇化に対する県の現状認識と今後の対策、方針について農林水産局長にお伺いします。 29: ◯答弁(農林水産局長) 水産資源の減少要因につきましては、現在、海域環境などの専門家の意見を参考に分析を進めているところであり、これまでの分析で、水産資源の減少要因は漁業者や遊漁者などによる過剰な漁獲、藻場・干潟などの減少や、海底の酸素不足などによる環境の変化、栄養塩の低下に伴う魚の餌不足の3つに大別され、ノリの色落ちにつきましても、栄養塩の低下が影響しているものと考えております。  県ではこれまで資源増大を図るため、種苗放流や藻場などの育成場の整備、漁業者みずからの資源管理を進めており、地先定着の魚種においては、これらの取り組みにより漁獲量が増加している魚種がある一方で、他の魚に捕食されやすいことなどから、必ずしも漁獲量の増加につながっていない魚種もございます。  また、広範囲に回遊する魚種においては、サワラのように瀬戸内海沿岸の関係府県が連携して資源管理に取り組み、漁獲量が増加している魚種もありますが、タチウオのように生態の解明から始めることが重要な魚種もございます。  これまでの取り組みでは、長期的な漁獲量の減少には歯どめがかかっていないことから、県といたしましては、引き続き要因分析を進め、現在の取り組みを改めて評価するとともに、魚種ごとの特性に応じた水産資源の回復対策を整理し、令和2年度に策定する農林水産業アクションプログラムに位置づけ、施策を推進してまいります。 30: ◯意見質疑(的場委員) 非常に厳しい状況と言いますか、分析は進んでいるけれども、なかなか漁獲高が上がってきていないというふうな答弁をいただきました。それだけが要因ではないということで次に質問させていただきますので、よく検討していきたいと思います。  一方、瀬戸内海の環境問題において、例えば海ごみ問題では、瀬戸内海は閉鎖性海域と言われマイクロプラスチック等が滞留することや、潮の流れにより一部地域にごみが集中することが明らかになっています。  これから先の社会経済構造を考えるにつけ、自然環境を守ることは、将来にわたる最大の経済対策であると私は考えます。  人間の生命の根源である森、里山、川、海の環境とそこから生み出される資源を守ることは、県という広域行政の大きな役割ではないでしょうか。  瀬戸内海の海でもうけたお金は、海に還元しなくてはなりません。瀬戸内海の水産資源の枯渇化問題は、海の栄養不足、海水温の上昇、海砂の採取、藻場の減少、マイプラなどの海ごみ、河口堰問題、森林の荒廃等々、さまざまな要因が重なり合って今日の現状を招いていると考えます。  思いますに、例えば、知事発の仮称瀬戸内海豊かな恵みの海再生10年ビジョンを掲げ、その中で、現在創造的復興を進めている河川のしゅんせつで出される川砂の再利用、福山内港で実証実験している鉄鋼スラブの藻場再生への活用、福山の内海町の地域住民が港のヘドロ除去で取り組んだイーエム菌の活用、マイプラごみなどを減らすための協力補助金の交付、ひろしまの森づくり県民税を使い、森の再生から森の栄養を川に、海に還流させる事業等の具体的施策を検討し、重点的に取り組んでいくことが急務だと思います。  また、国も新年度から、国連が2021~2030年を海洋科学の10年と位置づけ、持続可能な開発目標、海洋情報の充実を求めていることから、海上保安庁が運用するシステムをベースに、ビッグデータを活用して海の状況を把握することにしています。その中では、宇宙航空研究開発機構の衛星情報をリアルタイムに活用し、ごみの漂流予測、藻類の葉緑素の分布や増減、水温や海流の変化を詳細につかむことで、環境保護や漁場探査等を進め、水産資源の把握にもつながるものとしています。  さらに、このビッグデータの有効活用を図るため、国の海洋政策と自治体の計画や民間の海域利用計画の連携を深めることも表明しています。  そこで、現在策定中の次期の県総合計画に向けて、瀬戸内海の豊かな恵みの海の再生に向けた資源循環の自然環境を守るための政策について、国の海洋政策や瀬戸内の関係自治体との連携もあわせ、どのようなデータをもとにどのような検討を行い、何を目指そうと考えているのか、知事にお伺いいたします。 31: ◯答弁(知事) 豊かな恵みの海の再生につきましては、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、瀬戸内海の環境の保全に関する計画を策定して、藻場、干潟等の保全、再生、海ごみ対策の推進、水質、底質環境の改善などに総合的に取り組んでいるところでございます。  これまで、窒素やリンの濃度が低下するなど、水質の改善が図られてきましたが、一方で、海の栄養不足や藻場干潟の減少など、さまざまな要因による水産資源の減少が指摘されているほか、近年、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的にも懸念されているところでございます。  このため、本県におきましては、これまでも水産資源の増大を図るため、種苗放流や藻場などの育成場の整備を行ってきたほか、今年度から海洋プラスチック問題に対応するための検討などに取り組んでいるところでございます。  また、国においては、各省庁などが保有する海洋ビッグデータについて、集約共有するシステムを新たに整備することとしており、例えば、地球規模の気候変動、海洋生態系の把握、予測水産資源の適切な管理、海ごみの漂流予測など、さまざまな用途が想定されることから、情報の収集に努め、活用について検討してまいりたいと考えております。  こうした取り組みにつきましては、来年度予定しておりますひろしま未来チャレンジビジョンや瀬戸内海環境保全計画の見直しに反映させ、引き続き、美しく恵み豊かな瀬戸内海の実現を目指し、国や関係する府県などと連携した取り組みを進めてまいりたいと考えております。 32: ◯要望質疑(的場委員) 重点的な取り組みをしないと海も戻ってこないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  瀬戸内海は、いにしえから私たちに海の恵みを与え続けてきました。「瀬戸内 海の道構想」の最初のページには、後から来た者が、私たちの歩いた先を力強く歩いていけるような道をつくっておこうと、民俗学者、宮本常一さんの言葉が書かれています。  今こそ、「瀬戸内 海の道構想」の7県が協力して、豊かな恵みの瀬戸内海を再生し、私たちの歩いた先を後から来た者へ引き継ぐことが求められています。瀬戸内海のかなめの県である広島県がリーダーシップを発揮し、その先頭を走っていただくことを要望しておきます。  次に、学校図書館の整備について質問いたします。  平川教育長は、横浜の公立中学校の現場校長から広島県の教育長に就任され、当初から現場主義、子供の主体を尊重する教育を掲げ、横浜での現場実践から、特に、学校図書館の整備を進めていくことを宣言されていました。  それを受け、県教育委員会は昨年11月、広島県子供の読書活動推進計画を改定し、第4次計画を策定しました。その計画では、子供の読書計画の推進のための主な施策として、子供の読書習慣の形成の目標に対し、その大前提の環境整備として人的整備と物的整備の充実を並行して進めていくこととしています。  私も自身の政治テーマの一つとして、公立図書館、学校図書館の充実を思っておりますので、教育長の意気込みとこの計画に非常に期待しております。  以前、行政調査で、佐賀県伊万里市の公立図書館を訪れたときに、市の図書館を中心とした子育て、教育を進めておられ、その図書館では、伊万里焼の登り窯をイメージした読み聞かせルームで、市内の保育所、幼稚園の就学前の子供や小学校低学年が毎日のように絵本等の読み聞かせをしているとのことでした。  子供たちは登り窯の部屋に入ると、これから始まる期待感でわくわくし、大騒ぎを最初はしますが、その後、電気を消して真っ暗になると静寂が訪れ、最後は登り窯の天井に流れ星が輝き、歓声が巻き起こります。そして、照明がともされ読み聞かせが始まると、絵本に集中して話を聞くそうです。想像するだけでも、子供たちの生き生きとした興味津々の顔が浮かんできます。  何が言いたいのかといいますと、伊万里の図書館の例は一例ですが、子供が育ちゆく保育、教育において、興味がわくとか主体性が培われていくためには、本人の意識、自我の確立が大切であり、それに影響を及ぼすのが、感性を磨くことや集中力を高めるための学習への環境づくり、言いかえれば教育現場における子供たちが学ぶための教育環境の充実整備が不可欠ではないかということです。  そこで、広島県子供の読書活動推進計画に示されている物的整備である学校図書館のリニューアル整備とあわせ、障害のある子供の読む、学ぶ権利の保障にもつながる環境基盤整備としての図書館ICT化施策を推進してはどうかと考えますが、教育長に御所見をお伺いします。 33: ◯答弁教育長) 本県におきましては、今年度、学校図書館リニューアル等事業として、図書館資料の廃棄・更新や、書棚の配置の工夫等、環境整備に取り組んでおります。  今後は、整備した学校図書館を効果的に利活用するよう支援するとともに、この成果や手法を普及することにより、全県における学校図書館の環境整備と利活用の推進を促してまいります。  県内の学校図書館ICT化の状況につきましては、例えば蔵書のデータベース化によりバーコードによる貸し出しが可能となった学校や、インターネットにつながるコンピューターを学校図書館に整備することにより、情報センターとしての機能を充実させた学校がございます。  また、特別支援学校では、視覚障害のある児童生徒がインターネットを介して点字図書、録音図書を取得することや、知的障害がある児童生徒がタブレットを活用し、動くデジタル絵本をひとりで操作して読書に親しむなどの取り組みを行っているところもございます。  県教育委員会といたしましては、今後、これらの取り組みを普及し、児童生徒が進んで本を手にとり、主体的な学びの場として学校図書館が十分利活用されるよう努めてまいります。 34: ◯要望質疑(的場委員) 教育長から物的整備のことについて回答いただきました。されていることについては、2月定例会でも答弁いただきましたが、それを全県に広げることとか、先ほど特別支援学校も答えられましたけれども、特別支援学校だけではなくて全ての学校にそうしたものが必要ではないかということで質問させていただいておりますので、その辺は御検討いただければと思います。  次に、人的整備である学校司書の配置計画について質問いたします。  児童生徒の読書習慣が身につくためには、幼少期から本への親しみを持つことにより知的好奇心を抱き、その好奇心を埋め合わせるための営みを繰り返すことが必要だと考えます。自分自身の読書歴を翻ってみても、年齢や時代背景、人生経験等によって、興味を持つ本の対象幅に非常に大きな変節があります。  幼児期の絵本の読み聞かせ、小中学校の知的好奇心旺盛な時期の選書、そして専門的な研究や知識の深掘りをすることにより、将来の自分の可能性や人生訓を導き出そうとする高校時代、その成長過程の中でのすばらしい本との出会いは、発達や成長の大切な糧となるのは言うまでもありません。  計画にある読書の習慣化へ導くためには、その教育条件となる司書資格を持つ学校司書の配置が不可欠であります。  しかし、2018年の県内の学校司書の配置状況は、小中学校は市町の努力も相まって小学校は472校のうち335校71.0%、中学校は236校のうち152校64.4%となっているものの、県立高校の学校司書は、今年度から82校のうちモデル校の4校のみが配置された状況となっています。  子供の読書習慣を形成し、教育習慣の主体が身につき、平川教育長が目指す広島で学んでよかったと思える日本一の教育県にするためにも、学校によって教育条件の格差が起きないように学校司書を全校へ配置すべきと考えます。  そこで、広島県子供の読書活動推進計画に示されている人的整備である学校司書の全校配置に向けた新年度からの具体的な配置計画、特に、4.9%しか配置がない県立高校の学校司書配置への道筋について教育長にお伺いいたします。 35: ◯答弁教育長) 学校における読書活動の推進には、読書の楽しさや本のすばらしさ、本を使って調べ、学ぶことを教える大人の存在が極めて重要であり、そのための人的環境の整備は欠かせないものと考えております。  県立高等学校につきましては、今年度から4校モデル校を指定し、図書館の利活用に係る事業を開始したところであり、その成果も踏まえ、読書活動の推進に向けた今後の方向性について検討を行ってまいります。 36: ◯要望質疑(的場委員) 県内の高校生の不読率は47.4%と非常に高い状況です。さらには先ほども言いましたが、専門的研究や、調査、知識の深掘りをするために、レファレンスが大切になってきます。高等学校図書館の最たる教育条件である学校司書については、早期に配置が進むよう強く強く要請しまして、次の質問に移ります。  公立図書館の自治体での充実度は、住民の住みたいまちの要件の上位に挙げられ、図書館の整備は住民の学ぶ権利と生涯学習の場を保障するものです。  先ほど、伊万里市の公立図書館と保育所、幼稚園、学校現場の連携の例でも触れましたが、これまで公立図書館の司書等の専門職が培ってきた選書やレファレンス、読み聞かせ等の財産を有効的に活用し、財源の確保により学校図書館の環境整備と学校司書を配置したその後、将来にわたる子供たちの読む、学ぶ教育権を保障する必要があります。  そこで、公立図書館と学校図書館の連携について、市町や地域での連携協議会や図書館活性化プロジェクト等の具体的な取り組みについて考えていないのか、教育長にお伺いいたします。 37: ◯答弁教育長) 学校図書館との連携は公立図書館の役割の一つであると考えております。  県立図書館におきましては、学校図書館に対して図書の貸し出しや図書を選ぶ支援を行うレファレンスとともに、学校図書館関係職員向けに図書館活用講座を開催しており、学校図書館との連携や活性化の取り組みを推進しているところでございます。  さらに、本年度は、新たに司書資格を有する者を配置した県立学校と連絡会を開催し、各学校図書館の状況を把握した上で、県立図書館の支援サービスを紹介するほか、各校を訪問し、個別の相談等にも応じるなど、連携を進めているところでございます。  今後もこうした取り組みの成果を他の公立図書館や学校図書館に広めていくなど、公立図書館と学校図書館との連携を進めてまいります。 38: ◯要望質疑(的場委員) 先日の定例会のやりとりで、教育長は、新年度予算では図書館の環境整備のリニューアルを予定していないと答弁されました。通常であれば、読書活動推進計画の改定時に、予算の裏づけも含めて、学校司書の配置であるとか、図書館の整備計画を立てるのが行政としては当然であります。  これまでのモデル校や市町の補助だけの政策では子供たちに全く届いておりません。平川教育長のやる気が結果につながるためには、イメージや希望だけではなく、具体的な配置整備計画と予算の確保を示さなければ、県民や子供たちの求めるものに答えることになっておりません。早い段階で全県にわたる学校図書館整備の具体案を議会と県民に示すことを要請しておきます。  最後に、公共財産、文化財、歴史的価値のある建物の保存と活用策について質問いたします。  今、全国の自治体では、博物館や図書館、体育施設などの公共施設や道路、橋梁等、いわゆる公共財産の劣化調査、延命化、維持管理に向けた対策を行っています。  広島県の公共財産も、1960~80年代の高度経済成長期からバブル期に建設や整備したものも少なくなく、今後の整備に向けては多額の財政負担と膨大な年月、そして現場の技術と労働力が必要となります。  一方、県内の観光資源でもある文化財の保護に向けても、今後の保存整備計画への早急な対応が求められています。  先日、会派で、旧陸軍被服支廠保存に向け、文化庁のヒアリングを受けた際に、国の担当者は文化財保護のための改修修繕予算は、歴史活き活き史跡等総合活用整備事業の補助事業であり、新年度の要求は全国から500カ所を超える事業に対し、予算は61億600万円しかなく、箇所数で割ると1,200万円程度です。文化財の災害復旧も数多くあり、各県への配分も余り期待しないでいただきたいとのことでありました。  そこで、県内にある文化財や歴史的価値のある建物の現状把握の状況と、今後の保存整備計画についてどのような手だてをお考えなのか、教育長にお伺いいたします。 39: ◯答弁教育長) 県内の文化財につきましては、指定等の際にその所在や状態、歴史的価値を把握するとともに、毀損など状況の変化が生じた際には、管理を行う所有者や管理団体から報告をいただいているところでございます。  また、歴史的価値のある建物等につきましては、国の調査などさまざまな機会を活用して、建造物、記念物、文化的景観について、その歴史や経緯、所在を把握してきたところでございます。  今後につきましては、県は文化財の保存活用に関する総合的な施策の大綱を策定し、市町は県の大綱を踏まえ、その地域計画を作成することとなっております。  県といたしましては、各市町における計画作成の支援を通して、文化財等の保存や整備が一層促進されるよう取り組んでまいります。 40: ◯質疑(的場委員) 取り組みを進めていくということでありましたけれども、文化財の保存と活用の整備計画を進めていくにしても、県や市町の教育委員会の財源では限界があるというふうに考えております。  特に、文化行政は、自治体の財政計画上でも後回しにされがちです。しかし、修理や修復が必要な文化財や歴史的価値のある建造物を放置すればするほど、後年度に大きな負担を強いることになるのは明らかであり、逆に、文化的、歴史的な価値を損なわせ、取り返しのつかないことになりかねません。  その財源をどう捻出していくかが大きな障壁となっているのも事実だと考えております。  そのため、文化財や歴史的価値のある建物の保存と活用策を進めるためには、地域づくり、観光振興策などの重層的なロードマップの作成とその財源を捻出するために、クラウドファンディング、ふるさと納税、地域ファンド、民間からの寄附等を活用し、将来的な支出増に備えるため、広島県文化財歴史的建造物保護基金を検討したらどうかと考えますが、教育長に御所見をお伺いいたします。 41: ◯答弁教育長) ロードマップの作成に関しましては、文化財保護法におきまして、県において文化財保存活用大綱を策定し、それを勘案して、市町が策定する文化財保存活用地域計画の中で、地域ごとのロードマップを作成することとされております。  教育委員会といたしましては、関係部局と連携し、地域づくりや観光振興を含めた文化財の保存・活用の方向性を大綱として示し、市町のロードマップ作成を指導、支援してまいります。  また、財源確保方策につきましては、全国で寄附金など多様な手法が進められ、とりわけ、複数の府県で基金を活用した取り組みが実施されているところでもあり、教育委員会におきましても、今後こうした事例を参考にさまざまな角度から研究してまいります。 42: ◯意見質疑(的場委員) 検討は進めていただければいいのですけれども、市町を指導すると言いますが、市町とよく連携をとっていただいて、市町のところにどういう文化財の課題があるかを十分聞いて進めていただきたいと思います。  文化財の件は必ず市町から上がってきますので、一緒になって取り組みをお願いします。本来、公共事業は、税財源の公共投資によって地域経済が潤うことにより、ものづくり産業が発展し、地域の労働者が技術を磨き、若い世代の労働者が育っていくことにつながらなければなりません。  そのためにも、自治体の文化財等の保存と活用政策において、経済還流と技術技能の伝承ができる循環のシステムを検討する必要があるのではないかと考えております。  福山城や広島城の修理や修復、福山市鞆町が重要伝統的建造物群保存地区に選定された後のまちづくりや、古民家再生などの整備、建物の保存や補修が景観を守りながら行われるためには、たくみと言われる熟練技能者の技術が求められます。  さらに、地元の建築士やたくみのわざを持つ棟梁の下に文化財保護プロジェクトチームをつくり、文化財等の整備と活用を進めることで、たくみのわざの伝承と若い技術者の地元育成につなげることも考えられます。  そこで、それぞれの地域の伝統文化や技術に応じた、たくみと言われる熟練技能者のわざの伝承と若い技術者の地元育成を支援し、それを実現していくための仕組みづくりを検討してはどうかと考えますが、教育長に御所見をお伺いいたします。 43: ◯答弁教育長) 文化財建造物の保存修理、重要伝統的建造物群保存地区の修理、修景におきましては、伝統的工法や技法、素材などに関する専門的な知見を備えた技術者が必要であり、そのわざの伝承や若手技術者の育成が重要であると考えております。  このため、国では、文化財のさまざまな伝統的な技術を選定し、その伝承に取り組んでおり、また、県におきましても、歴史的建築物を修復する建築大工技能士等のひろしまマイスターを工業高校に派遣し、技術や技能の継承を図っているところでございます。  教育委員会といたしましては、関係部局と連携しながら、現在策定作業を行っております文化財保存活用大綱の中で、たくみのわざの伝承などの必要性やその方向性について示してまいりたいと考えております。 44: ◯意見(的場委員) 大綱の中でさまざまな取り組みを考えていただいて、その仕組みをつくれば、わざの伝承等につながっていくと思いますので、ぜひ検討をお願いします。  最後に、京都や奈良などの文化財の多い府県では、修理現場の公開、修復現場学生インターンシップ、文化財保護技師の採用も行っています。  姫路城や熊本城の修復修理では、その工事期間の状態を観光客や歴史研究家、技術者が見ることにより、その歴史性や時代考証を楽しみ、また、でき上がっていくさまに地域の夢と希望がつながっております。屋根や柱に何百年前の建設当時の大工や左官のサインなどの痕跡があるなど、歴史の息吹の熱いものも感じられております。  予算特別委員会の参考人の意見聴取で、八天堂社長の森光孝雅参考人も、これからの社会構造において会社や地域が発展していくためには、人づくりが絶対の条件であると強調されていました。  ぜひ、先ほど教育長も答えられましたが、ひろしまマイスター制度の活用も検討していただいて、若い世代が仕事に対して夢が描け、天職として働き続けられる仕組みづくりを構築して、大局的見地に立った人づくりのための政策が必要だと考えておりますので、県主導の取り組みを期待いたしまして、私の質問を終わります。   (前田委員) 45: ◯質疑前田委員) 改めまして、皆さんこんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の前田康治でございます。先ほどに引き続きまして、再び質問させていただきます。  まずは、GIGAスクール構想の実現に向けた教育について、6点お伺いします。  1点目は、ICTを活用した事業による成果についてであります。  県教育委員会では、先行してICT活用モデル校として広島商業高校、呉三津田高校、尾道北高校、広島特別支援学校、尾道特別支援学校の5校を指定し実証実験をされました。  全県的にICT機器を普及させるに当たり、この定例会の一般質問においても、1人1台の情報端末を導入し効果的に活用することにより、生徒の主体的な学びを促進させ、思考力、判断力、表現力等をより育成することができるものと考えていると答弁されておりましたが、そもそもICT機器の活用によって、生徒にとって具体的にそのような効果があったのか、教職員にとってどれくらい働き方改革に寄与したのかなど、モデル校における成果をどのように総括されているのでしょうか。  また、生徒の学力、教員の勤務時間等についてどのような成果があったのか、あわせて教育長にお伺いします。 46: ◯答弁教育長) 学びの変革ICT活用推進プロジェクト事業は、ICT機器の効果的な活用に向け、実践的なノウハウの蓄積を目的として実施したものでございます。  この事業において実施した教員や生徒へのアンケート調査によりますと、ICT機器を活用した学習において、生徒の興味・関心、意欲が高まった、学習内容の深い理解につながったなどの肯定的な評価が高くなっております。  また、教員が作成した教材のデータ共有や、授業においてデジタル教材の提示などが可能となり、従来の板書等にかかる時間が削減できるなど、効率的な授業が行えるようになったという意見も多く出ております。 47: ◯質疑前田委員) 2点目は、高校生に対する画一的な教育の是非についてであります。  ICT機器の活用による成果については理解いたしましたが、先ほども申し上げたように、私自身、学校協力者会議に参加した経験から、大体、小学校高学年くらいからは、本人の得意分野、不得意分野が生じてくると感じています。
     県教育委員会では、それぞれの学習進度、能力、関心等に応じた学習内容を提供するという、個別最適な学びを重視しており、生徒それぞれの個性を尊重する一方で、高校生になってまで一律にパソコン教育を行うことについて個別最適と言えるのか、高校生ともなると、どうしてもパソコン操作が苦手な生徒もいるのではないかと思います。  私は、中途半端な大量生産と呼んでいますが、パソコン教育という画一的な教育の実施により、それぞれの個性を伸ばすことができないのではないかと危惧いたしますが、教育長の御所見をお伺いします。 48: ◯答弁教育長) 新しい高等学校学習指導要領では、情報活用能力は各教科等の学びを支える基盤であり、各教科等の特質に応じて適切な学習場面で育成を図ることと示されております。  また、ICT活用の目的は、学びの変革を一層推進することであり、知識伝達の授業から本質的な問いを中心とした授業へと変革していくために、学校の生活や学習において、ICTをツールとして日常的に活用できる環境を整備していくことが必要不可欠であると考えております。  県教育委員会といたしましては、生徒がICT機器を活用し、学習内容の習熟に応じた学び等を進めることにより、それぞれの個性を伸ばす教育活動に取り組んでまいります。 49: ◯質疑前田委員) 3点目は、ICT端末の購入費用の給付についてであります。  県教育委員会は、ICT端末の購入に当たり、生活保護世帯や住民税非課税世帯に対し、全日制の高校であれば10万5,000円を上限に返金不要の給付金を支給するとしておられます。  このいわゆる低所得者世帯への支援は、子供の学ぶ機会を確保するものとして大いに賛同するところですが、課題は生活保護を受けるまでに至っていない住民税をぎりぎりの年収で支払っている世帯であると思います。  こういった方々にとっては、ICT端末の購入費用が新たな負担となり、低所得者世帯と比べて可処分所得が逆転する現象が起きかねません。  そこで、今のように生活保護世帯や住民税非課税世帯かで全か無かを設定するのではなく、例えば年収に応じて給付額を設定し、段階的に給付する手法も考えられるのではないかと思いますが、教育長の御所見をお伺いします。 50: ◯答弁教育長) この支援制度につきましては、教科書や教材費などを支援する国の奨学給付金制度を参考に、非課税世帯までを対象として設計したものでございます。  今後につきましては、制度の実施状況を見ながら、支援が必要な世帯の状況について注視してまいりたいと考えております。 51: ◯要望質疑前田委員) 柔軟な対応を要望いたします。  4点目は、校内通信ネットワークのランニングコストの見通しについてであります。  このたびの学校現場への校内通信ネットワークの整備費については、その地方負担額の6割が地方交付税の対象になるとのことですが、ランニングコストについては、国の補助、新たな交付税措置はないと聞いております。  県の一般財源にとって新たな負担となるものですが、ランニングコストについては幾らかかる予定なのか、また今後、機器の更新等について減価償却などを考慮し、計画的な更新を見込んでいるのか、あわせて教育長にお伺いします。 52: ◯答弁教育長) 今回整備する校内通信ネットワークのランニングコストといたしましては、学校からインターネットに接続するための通信回線費用や、ネットワーク機器などの保守にかかる経費がございます。  全ての児童生徒がインターネットを安定的に利用することができる通信容量や機器の保守につきましては、学校規模や地域によって必要な経費が異なってまいります。  現時点の概算では、年間のランニングコストを約3億5,000万円と見積もっておりますが、今後調査を進めた上で精査してまいります。また、機器の更新につきましても計画的な対応が必要と考えており、今後検討を進めてまいります。 53: ◯質疑前田委員) 5点目は、校内通信ネットワーク整備の見通しについてであります。  今回の事業では、県立高等学校約100校に対して整備を行うとのことですが、国の補正予算に対する事業になるため、繰り越しを含めても、来年度までが執行期間になってしまいます。  また、機器を設置するとなると、校舎内での作業になるため、生徒が不在の夏休みや冬休みにやらざるを得ないと思われますが、そうなると、全国で業者の奪い合いになることが容易に予想されます。災害復旧事業の業者不足により、建設工事での不調・不落が続く中、校内通信ネットワーク整備についても同じように不調・不落が続くようでは、結果的に学校や生徒にしわ寄せが行くことが懸念されます。  そこで、校内通信ネットワーク整備にかかわる機器や業者の確保の見通しについて現状どのように考えておられるのか、教育長にお伺いします。 54: ◯答弁教育長) この整備事業は、県内だけでなく、全国の希望する全ての小学校、中学校、特別支援学校及び高等学校等を対象とするものであることから、機器の確保や事業者の手配が困難になることが想定されます。  私といたしましても、本年1月に開催された全国都道府県教育長協議会において、国に対し、校内ネットワーク整備だけでなく、モバイルWiFiなどLTEも含めて国の補助対象にしていただけないかと要望したところでございます。  さまざまな課題もありますが、県教育委員会一体となって知恵を出しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 55: ◯質疑前田委員) 6点目は、教職員の事務負担の増加とICT活用能力の向上についてであります。  我が家でもWiFiの調子が悪くなることがよくあり、電源の抜き差しをしないといけないことがよくあります。  学校での校内通信ネットワークの整備により、操作の習得や授業改善、機器の設置準備、ネットワークにふぐあいがあったときの対応など、実際に対応するのは、教職員になると思われますが、この教職員の負担の増加についてどのように考えておられるのでしょうか。  また、学校現場で使うからには、教職員自身が生徒以上にICT活用能力にすぐれていないといけませんが、現状でも多忙な教職員に対してどのようにICT活用能力を習得させるのか、あわせて教育長にお伺いします。 56: ◯答弁教育長) ICT機器の整備による教職員の事務負担を軽減するため、ICTを活用した授業の教材づくりのサポートや、学校のICT機器のメンテナンス等のために各学校を巡回するICT支援員を4月から配置いたします。  また、各学校からのICTの利活用やICT機器のトラブル等の問い合わせに対し、随時対応するコールセンターも設置することとしております。  教職員のICT活用能力の向上に係る取り組みといたしましては、来年度以降、各学校のICT活用の取り組みをマネジメントする管理職対象の研修、校内でICT活用の中心的な役割を担う推進教員対象の研修、各学校において推進教員が中心となり実施する全教員対象の校内研修を計画しております。  これらの研修の実施に当たりましては、学校の教育活動にも配慮しつつ効果的かつ効率的に進めてまいります。 57: ◯質疑前田委員) 次に、公立高等学校の今後のあり方について、2点お伺いします。  1点目は、定員の設定の考え方であります。  2月25日に受け付けを締め切られた一般入試、いわゆる選抜IIの志願者の状況は、全日制本校で1.06倍となり過去20年間で最も低い倍率となりました。しかも、全日制84校151学科コースのうち、定員割れを起こしたのは51校78学科コースにも上り、前年度の36校55学科コースよりも、大幅にふえています。  中には、志願者が定員の半分にも及んでいない学科コースもありました。  そこで、この半数以上の学科コースで定員割れが起き、その数が前年度から大幅にふえている現状についてどのように考えておられるのか、そもそも、どのような考え方に基づいて各学校の定員を設定しているのか、あわせて教育長にお伺いします。 58: ◯答弁教育長) 入学定員につきましては、公立高等学校は高等学校進学見込み者数の7割程度、私立高等学校は学則定員の範囲内とすることを前提として、公立高等学校につきましては、地域の中学校卒業見込み者数や近年の入学者数の状況などを勘案しながら毎年度決定しているところでございます。  今年度の選抜IIの志願者数は、前年度と比べて約1,200人減少しており、この要因等につきましてはさまざまなことが考えられますが、今後、各高等学校の入学者数が確定した段階で、詳細に分析してまいりたいと考えております。 59: ◯質疑前田委員) 2点目は、魅力ある公立高等学校づくりについてであります。  この4月から私立の高等学校においても、子供のいる世帯収入の中央値である年収590万円未満の世帯を対象に、全国の私立高校の平均授業料を勘案した39万6,000円まで、国の高等学校等就学支援金による支援が受けられる、つまり実質的にはほぼ無償化の対象になるということであります。  このような状況にあって、今後、私立高校への進学希望者がふえる可能性が高まる中、公立高等学校のさらなる定員割れを防ぐためには、魅力にあふれ、特色ある公立高等学校づくりが不可欠であると考えますが、今後の公立高等学校の目指すべき姿をどのように描いておられるのか、教育長にお伺いします。 60: ◯答弁教育長) 県立高等学校につきましては、平成26年2月に策定した今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画などに基づき、大学と連携したカリキュラム開発や、地域や企業等と連携した実践的、体験的な活動を実施するなど、県立高等学校の特色づくりを進めているところでございます。  今後も各学校におきまして、生徒・保護者のニーズに応える特色ある学校づくりを一層推進し、広島で学んでよかったと思える日本一の教育県を実現してまいりたいと考えております。 61: ◯意見・要望(前田委員) さきの本会議の中でも、私が尊敬する小林議員から、県北に工業高校をつくってほしいと要望がありました。中山間地域の活性化を図る上でもとても大切なことだと思います。  呉には呉高等専門学校があって、大変な人気を誇っています。実際、呉高専がなぜそんなに人気なのかと分析してみますと、やっぱり専門的な教育が受けられる、技術が身につく、そして資格が取れる、さらに、就職率は100%超えということがあると思います。  今、定員割れを起こしている工業高校が多いので、広島県全体の中で、工業高校がやや不人気だと思います。一つには、やっぱり大学に行くことが幸せに近づく道なのではないかという、ある意味誤った考え方が普及して、本来、工業高校や商業高校から社会に出ていくという選択肢をとる道があるのに、みんな大学に行くことを目指して普通科高校を選んでしまうという選択になっているのではないかという気もしています。  工業高校のカリキュラムを抜本的に改定して、例えば、企業と連携し、高校に通いながら実務経験を得られるようにするとか、1年生は基礎的な学力をするけれども、2年生は1年間企業に出向いて実務経験を積むとか、そういう専門的な知識や技術の習得ができて就職に強いという魅力ある工業高校のカリキュラムをつくらないと、まさに湯崎知事がおっしゃるものづくり県広島の土台が揺らいでいくのではないかと非常に危惧しております。  また、2級土木施工管理技士においても、高卒後、3年の実務経験が必要などの受験要件があります。恐らく国で決められていることなので、簡単に県のほうでどうこうというのは難しいのかもしれませんが、知事、教育長一丸となって、国とも交渉してもらいたいと思います。  そして、私は広島市選出ではございますが、広島県議会議員ということを日々勉強しているところでございます。広島市にさまざまな施設が集中しているのではないかというのは、先輩議員からも指摘のあるところですけれども、広島大学が東広島市に移転して、東広島市が非常に栄えたという間違いない事実を考えると、例えば今からつくられる叡啓大学が三次市にあったらどうだろう、三原市にあったらどうだろうと考えると、叡啓大学が広島市につくられるということは、県議会議員としては残念なことだと思っております。  小林議員は信念を持って発言されています。前田君、信念が大事なのだよといつもおっしゃっておられます。県当局の皆様も本気で検討していただくことを要望いたします。  また、先日、教育長が出演されたNHKの朝の番組を拝見しました。  多様性、選択できること等のキーワードでオランダに視察に行かれた風景が出ていました。一部の方は寝転がってタブレットで勉強して、また一部の方は紙のドリルを解いていると、ある種ばらばらな感じを見て男性の方が、さすがにあれは規律ある日本の教育が大事なのではないでしょうかみたいなお話があったときに、教育長は、いやいや、もう一律の教育とかではないのよとおっしゃっていた姿が非常に印象的でした。  私自身も、やはり画一的な教育というのは、違うのではないかとずっと思っておりました。  実は、今回、4月から保護者が負担して、全員がパソコンを持つということに、やや批判的な立場でこの質問をつくらせていただいたのですけれども、実際にICTモデル校であった高校を訪問させていただくと、本当に担当の先生方が熱く語られるのです。私も知らなかったのですけれども、たとえば体育の授業で、三階からアイパッドで撮影したものがグラウンドにあるスクリーンに映し出されて、上からとった鳥瞰図をそのまま全員が共有して、そこのサッカー部の顧問の方が解説をする体育の授業が行われたりしていました。あと、書道でも、紙に先生が添削したもので普通なら紙がたまっていくのですけれども、それがデータ化されて一度に見られるので、成長の度合いが一目瞭然でわかるのです。  さまざまなICTの使い方があるのだということで、非常に感動して帰ってまいりました。  なので、画一的な教育という部分と、個別最適な教育という部分を上手に織りまぜながら、画一的な教育はだめだけれども、ICTは必要なのだとの教育長の思いを広島県の教育に実現していただきますよう要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。  (4) 休憩  午前11時59分  (5) 再開  午後1時30分   (西村委員) 62: ◯質疑(西村委員) 皆さん、こんにちは。民主県政会の西村克典でございます。このたび、予算特別委員会におきまして質問の機会を与えていただき、委員長初め関係各位に御礼を申し上げます。  さて、知事は平成21年の就任時から、3つの視座として、県民起点、現場主義、予算志向から成果志向への転換を掲げられました。そのうち、成果志向におきましては、お金は使うための予算ではなく、成果を生むためのコストとして常にどのような成果を生もうとしているのかを意識すること、そして最大の成果を生むためには何をしなければならないかを考え実行するとの考え方に基づいて県政運営を行ってこられたものと考えております。  しかしながら、成果志向を掲げて10年目を迎えましたが、いまだに目指すべき成果をはかるための目標が適切でないと思われるものが存在しており、さまざまな機会を通じて改善についての意見を述べてまいりました。  本日は、私から成果目標のあり方等を質問させていただきますが、執行部におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いして質問に移ります。  まず、最初に、事業に係る成果目標のあり方についてお伺いします。  平成30年11月の決算特別委員会におきまして、ひろしま未来チャレンジビジョンにおける各事業の目標設定のあり方について質疑をいたしました。その内容は、県の各事業に関して定性的な目標が散見されるため、今後の対応を質問したところ、できる限り定量目標を設定する努力をする、そして定性目標を定める場合には、設定理由を明確にし、目標の達成水準を定めるなど、成果の是非についてできるだけ客観的に判断できるように取り組むとの回答が執行部からありました。また、目標を設定する際は、ワークの目的を踏まえながら、事業の質や量の観点も含め、適切に対応していくとの回答もありました。  その後、平成31年度、令和2年度と2回の予算編成があり、ことしの1月から2月にかけて、令和2年度の当初予算案についての説明がありました。  残念なことですが、今回の説明におきましても相変わらず各事業の目標が定量的でない表現が散見されました。  例を挙げますと、地域政策局の国際スポーツ大会助成事業の成果目標は、県民のスポーツに対する意識高揚や本県スポーツの振興、競技力向上への貢献となっていました。当初予算案の説明時の質疑では、前回以上の来場、あるいは観客9,000人以上などの具体的な数字が答弁として出ておりましたので、定量目標を設定できるのではないかと感じました。  また、鉄道ネットワークを生かした中山間地域の魅力向上事業におきましても、成果目標が鉄道駅の利用者数の維持となっており、鉄道駅の利用者数を調べて記入すれば、すぐに定量目標になるのではないかと思いました。  そこで、目標設定に当たり、誰が見てもわかりやすく客観的な評価が可能な目標にするとの基本的な考え方があると思いますが、国際スポーツ大会助成事業を例にしてお伺いします。成果目標が設定できるデータがある中で、なぜ定量目標を設定しないのか、また、成果の是非について地域政策局としてどのように判断しようとしているのか、地域政策局長の所見をお伺いいたします。 63: ◯答弁地域政策局長) 国際スポーツ大会助成事業は、広島で国際スポーツ大会を開催していただくことによりさまざまな効果が期待できることから、県として支援するものでございます。  具体的には、国内外のトップクラスの選手のプレーを間近に観戦することで、県民のスポーツへの関心が高まり、スポーツの振興や競技力の向上につながること、また、大会の情報が国内外へ発信されることにより、地域のブランド価値が向上し、地域活性化につながることなど、さまざまな効果があると認識しております。  こうしたさまざまな効果を評価するに当たりまして、どのような定量的な指標を用いることが適当であるかを検討するということは、委員御指摘のとおり課題であると認識してはおりますが、現在は定性的な成果目標として県民のスポーツに対する意識高揚や本県のスポーツの振興、競技力向上への貢献という形で定性的に設定しているものでございます。なお、この事業目標の達成水準につきましては、世界トップレベルのスポーツ大会が安全かつ円滑に開催されたことをもってはかっておりますが、今後は参考指標の設定などについても検討してまいります。 64: ◯要望質疑(西村委員) 定量的な成果目標の設定は難しいという趣旨の回答でございました。その際、この事業の目標は何をもって達成したとするのでしょうか。いま一度検討していただければと思います。  次は、全体を取りまとめている経営企画部門にお伺いいたします。  ひろしま未来チャレンジビジョンに掲げた目指す姿である欲張りなライフスタイルの実現に向けて各種施策を着実に推進するため、関連する複数の事業を束ねたワークごとに目標を設定し、四半期ごとに進捗状況を点検していると伺っております。  進捗状況を点検する上で、目標が定性的な表現になっている場合、目標が達成したかどうかの解釈が人それぞれで異なり、客観的な判断基準が不明確になることで、適切な事業進捗の点検が行われていないのではないかと危惧しております。  また、全ての目標を定量的にすることは難しい場合があると理解はしておりますが、定性的な目標を定めた場合には、設定理由を明確にした上で、目標の達成水準を定めておく必要があると考えております。  そこで、依然として定性的な目標が設定されている現状をどのように認識し、また、成果目標のあり方について、ひろしま未来チャレンジビジョンの改定を含めて今後どのように取り組んでいこうとしているのか、あわせて経営戦略審議官の御所見をお伺いいたします。 65: ◯答弁(経営戦略審議官) ひろしま未来チャレンジビジョンの目指す姿を実現するためには、個々の施策の目標を設定し、改善を加えながら着実に成果を積み上げる必要があることから、できるだけ定量的なワーク目標を設定するように努めておりますが、その設定が困難な場合などには定性的なものとすることがございます。  こうした場合におきましても、取り組みの効果を客観的に判断できるようにしておくことが重要であることから、注視する参考指標を設定してその推移を確認することとしております。  しかしながら、一部のワークやそれを構成する個々の事業におきましては、施策効果を見ていく指標をお示しできていないものもあり、今後、見直していく必要があると認識しております。  現在検討を進めております次期総合計画におきましても、目指す姿をより明確にするとともに、その実現に近づいているか、施策効果を正しくはかれる指標を設定し、成果志向の行政運営に努めてまいります。 66: ◯意見質疑(西村委員) ただいまの答弁に沿って、次期総合計画の成果目標の見直しに取り組んでいただければと思います。  次は、予算とその成果について財政部門にお伺いしたいと思います。  予算志向から成果志向への転換に力点を置かれている中、予算額だけを重視するのではなく、事業を実施することで何を達成し、どのような成果を生んだのかという視点が予算編成の段階において重要であると考えております。  また、県では、平成28年度の当初予算編成段階から、中期財政運営方針に基づく取り組みの一つとして、新たな経営資源マネジメント手法を導入し、一定期間継続して実施してきた主要事業について、複数年度にわたり投入した経営資源と成果の検証を行い、必要な見直しを実施していると伺っております。  そこで、当初予算の編成に当たり、成果目標は重要な着眼点だと思いますが、財政部門として、各部局から要求される各事業をどういう視点で審査、評価しているのか、総務局長の御所見をお伺いします。 67: ◯答弁(総務局長) 本県における予算編成につきましては、その時点でのできる限りの情報をもとに、事業の評価や費用対効果の検証を行った上で、妥当性を判断し、必要な予算を計上しているところでございます。  具体的には、成果目標の達成に向けた課題の抽出、その解決のための仮説、もくろみが適切に整理され、実効性のある取り組みとなっているかを評価した上で、事業費と人件費を含めた総コストにつきまして、最少の経費で最大の効果を得るという観点から、成果1単位当たりの投入コストの妥当性、国や市町との役割分担や民間資金等の活用可能性を踏まえた費用負担の妥当性、また、複数の手段を比較考量した上で、最も効果の高い手法が選択されているかなどの事業選択の妥当性などについて、客観的なデータ等をもとに費用対効果の検証、評価を行っているところでございます。  今後とも、より一層適切な予算編成となるよう、PDCAサイクルを回しながら、施策や事業等の優先順位づけや費用対効果の検証、評価を一層徹底するなど、適切に経営資源のマネジメントを行い、資源配分のさらなる適正化を図ってまいりたいと考えております。 68: ◯要望質疑(西村委員) 費用対効果の検証を行い、最少の経費で最大の効果を得るという成果志向の観点で事業を審査評価しているとの回答があり安心いたしました。引き続き、PDCAサイクルを回しながら、適切な予算編成を行っていただきたいと思います。  次は要望になりますが、2月定例会の開会に当たり、湯崎知事からひろしま未来チャレンジビジョンの最終年となることから、欲張りなライフスタイルの実現に向けて、経済成長や人材の育成など、これまでの取り組みによってあらわれてきた成果や新たに育ちつつある成果の芽を県民の方に実感していただけるよう、さらなる成果の獲得に向けて取り組んでまいりますとの説明がありました。  ことしは、ひろしま未来チャレンジビジョンの仕上げの年として、これまで取り組んできた施策が着実に進んだかどうかの検証が行われます。各事業に設定された目標が、本当に適切なものであったかどうかの検証についても同時に行っていただきたいと思います。  また、次のチャレンジビジョンにおける成果目標の検討におかれましては、先ほど答弁をいただきました内容を反映していただき、改善してもらうことを要望いたしまして、次の質問に移ります。  続きまして、病院事業についてお伺いします。  民間病院では、運営にかかる費用を診療報酬による収益で賄うことにより経営を行っております。
     一方で、県立病院におきましては、令和2年度病院事業会計の支出額の合計として、313億円が予算計上され、そのうち26億円は一般会計からの繰入金によって賄われております。  県立病院を含む公立病院は、地域における基幹的な公的医療機関として、地域医療の確保のため重要な役割を果たしており、また、民間病院では担うことが困難な医療を提供していると認識しております。  そこで、病院事業会計における一般会計からの繰入金について、繰り出し基準及びその使途について病院事業管理者にお伺いします。 69: ◯答弁(病院事業管理者) 地方公営企業につきましては、経営に要する経費は経営に伴う収入をもって充てる独立採算制が原則とされております。一方で、地方公営企業法上、その性質上、企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費、公営企業の性質上、能率的な経営を行ってもなお、その経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費につきましては、一般会計等が負担するものとされており、この経費負担区分のルールにつきまして、毎年度繰り出し基準として総務省より通知されているところでございます。  病院事業会計におきましては、総務省の繰り出し基準に基づき、救急医療、周産期医療、高度医療、精神医療、不採算地区病院運営などの政策医療にかかわる経費、病院の建設や医療機器の購入に伴う企業債等の元利償還金などの一部につきまして、一般会計からの繰入金を充てております。 70: ◯意見(西村委員) 税金が公的医療機関が担うべき救急医療等の用途に使われているところはわかりました。これで県民の皆さんも十分納得されるものと思います。  以上でこの時間帯での質問を終了します。ありがとうございました。   (中原委員) 71: ◯質疑(中原委員) 民主県政会の中原でございます。まずは、知事初め執行部の皆さんが新型コロナウイルスの対策に全力を尽くしていらっしゃることに敬意を表し、また、深く感謝を申し上げたいと思います。この感染の拡大が防げるように、力を合わせて何とか頑張ってまいりたいと思います。  質問時間が10分を切っておりますので、早速質問に入らせていただきます。きょうお聞きしたい点は1点だけです。出島地区廃棄物処分場の問題でございます。  2017年の予算特別委員会でもお聞きしましたが、問題なのは、地元との協定で廃棄物の搬入期間は10年間とするとされているにもかかわらず、埋め立て率が全く上がっていない問題です。  搬入開始から、この3月で約6年となります。一昨年の7月豪雨災害に際しては、災害廃棄物の受け入れスポットとして活用されましたが、処理が完了したとしても処分場の埋め立て率は1割程度にしかなっていない。10年間で埋め立てが完了する搬入計画をしっかり立てるべきだと要請いたしました。  しかし、今のところ説得力のある回答はいただいておりません。このままだと地元住民との協定は守られないのではないかという不安がどんどん高まってきております。  この20年間、環境汚染への不安が高まる住民の皆さんと真摯に向き合って、約470億円かかった当時最高水準の技術による護岸の建設、地元住民との協定締結、搬入期間を10年とするの3点セットで、何とか合意を取りつけたのがこの問題の経緯でございます。  そこで、3年前に搬入量をふやすべく市町や民間企業に働きかける旨の御答弁がありましたけれども、災害廃棄物を除いてどれくらいの成果があったのか、お聞きいたします。 72: ◯答弁(環境県民局長) 出島処分場の埋め立て量につきましては、環境保全公社と連携し、多量排出事業者に対する個別訪問などのさまざまな確保策を実施してきたところでございます。  これらの取り組みにより多量排出事業者から新たな搬入が増加してきており、過去3年間の災害廃棄物を除く搬入量を申し上げますと、平成29年度が約3万4,000トン、平成30年度が約6万1,000トン、令和元年12月末現在が約6万3,000トンと推移してきております。 73: ◯質疑(中原委員) 環境保全公社の収支バランスがとれる搬入量が7万トンという答弁をいただいているのですが、それも達成していないということで、これは3年前も申し上げたことなのですけれども、埋め立て率を高めていく県の姿勢が大事だと思っています。その上で、県内の廃棄物がこれ以上ふえない状況の中で、将来的な埋め立てスポット、容量を提供していただくという条件で、県外からの廃棄物を一定の条件で受け入れていくといったことも考えていただく必要があるのではないかと要請いたしました。  今後の埋め立て計画についてどう考えているのか、知事にお聞きいたします。 74: ◯答弁(知事) 出島処分場につきましては、平成26年度の供用開始以来、必要な埋め立て量を確保するため、環境保全公社と連携し、排出事業者や市町等に対する搬入の働きかけや、多量排出事業者に対する割引制度の導入など、さまざまな確保策を講じてまいりました。  これらの取り組みにより、出島処分場の埋め立て量は年々増加傾向にあり、来年度以降、広島市からの焼却灰や県西部の多量排出事業者からの搬入を開始いたしますが、必要な埋め立て量の確保には至っていないのが現状でございます。  このため、今後さらなる確保策として、大規模な公共事業で発生する残土やしゅんせつ土などの廃棄物以外の埋め立て用材の確保や、県内の管理処分場に埋め立てられている廃棄物の出島処分場への受け入れなどについて検討しているところでございます。  今後、これらのさらなる確保策をできるだけ早期に実施できるよう検討を加速してまいりますとともに、引き続きあらゆる方策を検討し、出島処分場の埋め立て量確保に全力で取り組んでまいります。 75: ◯質疑(中原委員) 余り具体的な話がないので、なかなか質問もしづらいところなのですが、今の答弁を受けて、もう6年過ぎたという中で、新しい取り組みを実施したとしても、搬入期間である10年で埋め立て率100%を実現することは、もう現実的に困難になっているのではないかと感じているのです。  この点について環境県民局長はいかがお考えか、お聞きいたします。 76: ◯答弁(環境県民局長) 出島処分場では、これまでの約6年間で約19万立方メートルの廃棄物を受け入れておりますが、処分場の受け入れ期間である残り約4年間で埋め立てを終了するためには、年間約39万立方メートルの廃棄物を確保する必要がございます。  このため、さらなる確保策に取り組む必要があることから、大規模な公共工事で発生する残土やしゅんせつ土などの廃棄物以外の埋め立て用材の確保や、県内の管理処分場に埋め立てられている廃棄物の出島処分場への受け入れなどについて、検討を行っており、今後、地元の皆様とも協議しながら、その見通しを早急に明らかにしてまいりたいと考えております。 77: ◯要望・意見(中原委員) 搬入して埋め立て率を上げるということが明確にお聞きできたので、ぜひ、埋め立て率向上に向けてお願いしたいと思います。  ここに、平成15年に調印された最初の出島地区廃棄物処分場環境保全基本協定書の写しがあります。この調印者が5名おりまして、宇品地区の社会福祉協議会の代表者、そして広島県側の藤田雄山知事で、皆さん残念ながらお亡くなりになっております。どんな思いでこの調印に臨まれたのか、また、当時の皆さんの表情も含めて思い出しております。  また、この協定書には、追加確認書があって、これは平成23年4月に締結されております。これは湯崎知事が調印されております。そこに、廃棄物の受け入れ開始後10年間で、廃棄物の受け入れを終了するとあるのです。搬入期間を10年にするという文言から、廃棄物の受け入れを終了するという文言に変えるのに大変な努力が要ったことも申し上げておきたいと思います。この確認書には受け入れ終了日も設定してあって、広島港湾振興事務所にカウントダウン表示装置が設置されております。こうした先人の思いも、やっぱり大事にしていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。  また、きのう高田議員の質問にもありましたが、出島地区は外貿コンテナ機能強化や交通ネットワークの強化ということで、県内企業から大きく期待されている場所でもある。また、地元と緑地整備を約束している場所であって、ずるずると廃棄物処分場を継続して運営するというわけにはいかないのです。また、広島港港湾計画との整合性も問われることになりますので、できるだけ早く受け入れを終了することが強く求められると思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上で質問を終わります。   (伊藤真由美委員) 78: ◯質疑(伊藤真由美委員) 皆様こんにちは。自民議連安芸郡選出の伊藤真由美です。昨日に続いて質問させていただきます。本日は、私が県議にならせていただいて、ずっとライフワークとして取り組んでおります、動物福祉と子供の福祉について、令和2年度予算でもって取り組むべき課題について質問させていただきたいと思います。  最初の質問は、新動物愛護センターの整備についてお伺いします。  平成23年に、本県が犬の殺処分頭数で全国ワーストワンとなって以来、今日まで、県やボランティアによる官民連携で、それぞれができる役割を一生懸命に取り組まれたことで、平成28年から現在にかけては1匹もガス室での殺処分は行われていません。  並行して、愛護センターに収容されてくる野良犬、野良猫の削減対策や、里親探しに際しては、マイクロチップの装備や出張譲渡会などさまざまなソフト対策を講じています。  令和2年度は、そこからさらに踏み込んだ動物愛護福祉を目指して、その拠点となる新動物愛護センターをPFI手法により整備を進めることとしています。  PFI導入に当たっては、まず、民間コンサルタントとアドバイザリー契約を締結し、総合的な支援を求めるとのことですが、このアドバイザーはどのような役割を果たしていくのでしょうか。また、PFI事業者として具体的に想定している民間事業者について、あわせて健康福祉局長にお伺いします。 79: ◯答弁(健康福祉局長) 新動物愛護センターにつきましては、行政だけではなく民間からも広く知恵を募り、その活力を利用して集客性等のコンセプトを達成するため、アドバイザーには市場調査によるニーズ把握や事業スキームについての検討などを実施していただくとともに、公募、事業者選定から契約締結までを包括的に支援していただくこととしております。  PPP/PFI事業者につきましては、現在実施しているアドバイザリー業務を踏まえ決定することとしているため、現時点で想定している民間事業者はございませんが、魅力的な施設を迅速に整備できるよう努めてまいります。 80: ◯質疑(伊藤真由美委員) 先週、新動物愛護センターの建設予定地を少し見に行ってまいりました。  位置する広島空港周辺には、建設予定地の両隣に中央森林公園と八天堂、対面にはフォレストヒルズガーデンや三景園など、民間施設や県が所有し委託管理する施設が複数存在しています。  さて、以前に図面では確認していましたが、実際に予定地を見てみますと、1万3,000m2の面積の約半分は山で約半分が更地の状態でした。山は勾配が急な上、思った以上に高いので整備に工夫が必要なこと、敷地の半分しか更地がないので駐車場に工夫が必要なことなどがうかがえました。これは以前、広島県新動物愛護センター評価検討委員会でもいただいていた御意見でしたので、それを踏まえての見学でもあったのですが、改めてその必要性を感じました。  そこで、中央森林公園駐車場の相互利用を初めとした空港周辺施設と新動物愛護センターとの連携について知事にお伺いいたします。 81: ◯答弁(知事) 新動物愛護センターは、責任を持って動物を飼育していただける方々にお譲りするとともに、広く県民の皆様に命の大切さなど、動物に対する理解を深めていただく施設とする必要があるため、多くの人が集まる場所にすることが重要でございます。  広島空港周辺は、豊かな自然に囲まれており、動物愛護、動物福祉というテーマと親和性が高いことから、今年度、ドッグランを整備した中央森林公園の駐車場の相互利用を初め、周辺の民間企業などと連携した集客イベントの開催につきましても積極的に検討してまいりたいと考えております。  新動物愛護センターが、人と動物との調和のとれた共生社会を実現するシンボルとなるよう、令和4年度中の開設に向けてしっかりと整備を進めてまいります。 82: ◯要望質疑(伊藤真由美委員) 先ほどの御答弁で、中央森林公園との駐車場の相互利用などを検討いただけるということで、私が見学に行った際に感じたことにつきまして、大変助かると思いますのでよろしくお願いいたしたいと思います。  実は私もその際、中央森林公園に立ち寄り、現在の駐車場の利用状況を初め、一昨年の土砂災害からの復旧状態やサイクリングやマラソンイベントなど、いろいろと工夫されている御様子もうかがいました。帰りには、今をときめく八天堂に立ち寄ると、平日午後にもかかわらず、県内外からのお客さんがひっきりなしに訪れていらっしゃいました。  一昨日、参考人としてお話を伺わせていただきましたように、企業内保育園や八天堂クリームパン体験ゾーンや見学ゾーン、ポニーもいたりして、子供から大人まで楽しめる空間となっており、秋には八天堂ビレッジのオープンを目指してさらなる県有地の購入をいただき、ちょうど土地整備が行われている真っ最中でした。  今回、それぞれの施設を拝見して、こうした県の施設や3年後に民営化される広島空港を皮切りとして、新たに建設される新動物愛護センターと周辺の民間施設とが連携していくことで、さらなる地域のにぎわいなど、県民生活に寄与することができるのではないかと改めて期待しております。  また、要望になりますが、一昨年の豪雨災害では、県内の飼い主がペットを連れた避難の難しさを体験したことから、昨年7月に広島県動物救護活動マニュアルが策定され、広島県ではペットの同行同伴避難が可能となりました。このこと自体は大変評価されることと思います。しかし、実際災害が発生し、避難行動をとるときには、人の命を守ることを前提とすると、ペットと一緒に逃げる場所をつくらなければ飼い主は逃げません。  本県ではそれが可能であることを、飼っている方にも飼っていない方にもきちんと伝えておく必要があると思います。  そこで、昨年12月に県で作成された、私たちはなぜうまく避難できないのだろうという冊子への掲載を初め、今後は1つの災害時マニュアルへ一体的に掲載いただきたいとお願い申し上げ、この質問を終わります。  さて、先週、坂町でペットと一緒に応急仮設住宅に入られていた方から、このたび県と坂町で整備された新しい災害公営住宅が完成し、一緒に無事入居が決まりましたと、大変喜んで御連絡をいただいたところです。発災後の応急仮設住宅での、ペット可の配慮ある対応を初めとして、このたびの災害公営住宅にも、引き続きかけがえのないペットと入居できることへの県の御配慮にとても感謝されるとともに、心から安心と喜びのうれしい声までいただいておりますことを伝えさせていただきます。  実は、さらにその翌日には、御家族を亡くし身寄りもなく、連帯保証人探しに苦慮されていた被災者の方から、このたびの県の連帯保証人2名不要との条例改正に足並みをそろえて、坂町においても連帯保証人がなくても入居できるようになりましたと、これまた安心されてお喜びの連絡もいただきました。実際、災害公営住宅こそ住宅が再建できない方や身寄りのいない高齢者の方のついのすみかになるわけで、連帯保証人の確保ができる状況ではなかったのです。  発災から1年半が経過して、まだ道半ばではありますが、このように坂町の被災者の方からやっと安心して普通の生活ができますと、お喜びの声を連日いただいたところです。被災された上にここでかけがえのないペットと引き離すわけにはいかないという御判断のもと、調整が大変だったことと思いますが、ペットと入居できることを実現くださいましたのも、県の職員たちの熱意と御努力のおかげですよと申し伝えておきました。  実行されるに当たりさまざまな御苦労があったと思いますが、被災された方になりかわりまして、私からも心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。  そこで、一昨年の豪雨災害時、家や家族を失い本当につらい思いをされた被災者たちに、真に寄り添いながら普通に安心して暮らせる喜びを与えてくださいました、友道都市建築技術審議官に第2の質問として、持続可能なまちづくりに向けた本県の取り組みについてお伺いしたいと思います。  広島県の人口は、これまでの増加基調から減少基調へ転換され、都市部においても人口増加が鎮静化しており、成長拡大を前提とした都市構造から大きく転換するべき時期にあります。  このような状況を踏まえ、来年度から実施される持続可能なまちづくり推進事業を進めるに当たり、どのような都市の将来像を念頭に進めていこうとされているのか、お伺いします。 83: ◯答弁(都市建築技術審議官) 本県では、災害リスクの高い区域に多くの住宅が建設されていることや、人口密度の低下により、将来にわたって生活サービスの維持が困難となることなどが課題であると認識しております。  このため、災害リスクの高い土地の都市的土地利用を抑制するとともに、安全で利便性の高い区域に居住環境を整備し、居住誘導の加速を図る持続可能なまちづくり推進事業に着手することとしております。  本県の目指す都市の将来像につきましては、これまでの広域に拡大した都市構造から、医療・福祉、商業施設や住居がまとまって立地し、公共交通により、これらの生活利便施設にアクセスできるコンパクト・プラス・ネットワークの都市構造に再構築する必要があると考えております。  また、災害に強く誰もが暮らしやすい、安全・安心で県内外からさまざまな人々や企業を引きつける活力と魅力に満ちあふれた都市を住民と行政が協働でつくり上げていくことが重要であると考えております。  このため、持続可能なまちづくりに向けては、災害リスクの高い土地の市街化を抑制するとともに、AIやIoT技術の活用などにより、各地域の特性に応じて人々が仕事や暮らしを便利に楽しめるスマートシティーの実現や、公園緑地や水辺空間などの創出によるグリーンインフラの整備を進めてまいります。  今後とも、将来のまちづくりの夢を描きつつ、県民の皆様が都市に親しみや愛着を持ち、希望や期待を語り続けられる魅力ある都市を次世代に引き継いでいけるよう取り組んでまいります。 84: ◯意見質疑(伊藤真由美委員) ただいま御教示いただいた本県の目指す都市の将来像の実現に向けては、友道審議官がおっしゃるように、県民の皆様と協働でつくり上げていくことが重要であると強く感じています。県議会議員や県職員についても、それぞれの立場で本県の持続可能なまちづくりに取り組んでいくことは必要と考えますので、これからも御指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。これからもお体を大切にされて、ますますの御活躍をお祈りしております。  昨年1年間で虐待を受けた疑いがあるとして、全国の警察が児童相談所に通告した子供の数を御存じでしょうか。過去最多の9万7,842人で、1日に270人近くが虐待を受けているという計算になります。この数は過去5年間で2.6倍にふえているそうです。  こうした中、千葉県野田市立小学校4年生の児童が、父親からの虐待により、その短い命を絶たれてしまうという痛ましい事件の初公判が先日ありました。検察側の説明によりますと、児童の後頭部の皮膚は全体的に赤紫に変色し、目の回りや首、背中や手足にも皮下出血があったということです。  連日の報道に触れ、胸が詰まる思いの方も多くいらっしゃることと思います。父親の残虐性が際立つ、凄惨を極める事件でしたが、あわせて、家族形態の多様性や地域コミュニティーの希薄化などにより、子供たちからのSOSに気づきにくくなっているといった現代社会の課題を突きつけられたような事件でもありました。  また、野田市が公表した今回の事件の検証報告書の結びで、児童の命を奪ったのは、公的機関に所属する大人への不信感だったと言っても過言ではないであろうという記載があるように、各関係機関の危機感の欠如や連携不足といった課題が浮き彫りになる事件でもありました。  こうした中、本県では、子供の予防的支援構築事業として、福祉や教育を初め、子供の育ちに関するさまざまな情報をAIで分析することにより、子供や子育て家庭が抱えるさまざまなリスクを予測し、その情報を参考に関係者間で支援の必要性などを判断することで、虐待などの問題を未然に防止する仕組みづくりに取り組むこととしています。  そこでまずは、安芸郡府中町における実証実験からということですが、全県展開に向けてどのようなロードマップで取り組んでいくのか、健康福祉局長にお伺いします。 85: ◯答弁(健康福祉局長) まず、今年度から準備を進めております府中町におきましては、年内にはAIによるシステムの構築と支援の必要性の判断基準などを定め、年明けからは家庭訪問をすることで、子供たちに必要な支援を届けたいと考えております。  また、来年度からの5年間を実証実験と位置づけ、モデルを4市町までふやして課題を把握し、AIの精度や予防的支援の効果の検証などを行ってまいります。  令和7年度以降は、実証実験での検証結果を踏まえまして、県内の各市町に広げてまいりたいと考えております。 86: ◯質疑(伊藤真由美委員) AIによる予測の精度向上には、大量の学習データが必要です。そのため、実証実験の段階から複数の自治体を巻き込むことが重要と考えますが、子供の置かれる環境には地域性があるため、そういった点も考慮しながら、都市部や中山間地域など、さまざまなモデル地域を選定する必要があります。  しかし、一昨日、我が会派の参考人高原氏からも、データ連携基盤の現状と課題のお話をいただきましたが、市町の既存システムからAIへデータを提供する際、仕様が異なるためシステムの改修を要する場合には、その改修費などが市町にとっては大きな負担となります。また、実証実験である以上、期待していたほどの成果が発現しない可能性も否定できません。  そこで、実証実験の実施に当たって、AIの予測精度をより高いものとするために、どのようにモデル市町を選定し、また、実証実験にかかる費用負担はどのようになるのか、考え方をお伺いします。 87: ◯答弁(健康福祉局長) モデル市町の選定につきましては、地域特性やデータ量なども考慮しまして、府中町に加え、新たに東部、北部、西部から1市町を選定することとしております。来年度は、府中市との取り組みを開始する予定にしておりますが、残りの2市町につきましても随時選定してまいりたいと考えております。  また、県とモデル市町との費用負担につきましては、本事業は県が主導して進める事業であるため、基盤となるAIシステムの開発費や関連するネットワークの改修費などは県が全額負担することとしております。  一方で、市町の備品となるタブレット端末や通信費などのランニングコストにつきましては、基本的には市町負担としておりますが、実証実験期間中は県が2分の1を負担することとしております。 88: ◯質疑(伊藤真由美委員) しっかりと市町を支えながら、成功へと導いていただきたいと思います。  この事業では、将来的に全県展開を目指すということで、参画する全ての自治体において、家庭訪問などの予防的支援を行う担い手の継続的な量的確保と、育成による質的向上の取り組みが図られている必要があるのではないかと考えます。  そこで、予防的支援の担い手の確保や育成に係る参画市町への支援について今後どのような展開をされますでしょうか、お伺いします。 89: ◯答弁(健康福祉局長) 予防的支援の担い手の確保につきましては、家庭訪問の頻度などがわからないため、現時点では必要量が不明ではありますが、当面、非常勤職員1名分の人件費をモデル市町に補助することとしております。  また、来年度から家庭訪問の支援に詳しい有識者にも御協力をいただきながら、研修などを行い、予防的支援に従事する人材の育成を継続的に進めてまいります。  今後、実証実験を行う中で明らかになってくる課題については、新たな支援や取り組みなどの検討を行ってまいります。 90: ◯意見(伊藤真由美委員) この事業では、子供の生年月日や家族構成といった住民情報から、生活保護の需給の有無などといった、本来自治体しか知り得ないセンシティブな情報をAIに学習させる、極端に言えば民間事業者に手渡すことになりますので、万が一でも目的以外の使用や漏えいがあってはなりません。  データセキュリティーやプライバシーの問題、また、地域独創性の確保とデータ保有権などの対策をしっかりと講じられた上で取り組んでいただきたいと申し上げまして、質問を終わらせていただきます。   (吉井副委員長) 91: ◯質疑(吉井副委員長) 皆さんこんにちは。自民議連の吉井でございます。昨日に引き続き、医療体制の充実についてお尋ねしたいと思います。  医療機能の見直しにおける必要性と方向性についてお尋ねしたいと思います。  今回の国の再編統合の要請においては、人口100万人以上の構想区域、本県で言いますと、広島二次保健医療圏については、その議論が保留されております。医療機能が重複する総合病院が近接立地するなど、非効率な体制になっている広島二次保健医療圏こそ、改革が必要なのではないでしょうか。  その豊富な医療資源を利用して、より高度な医療機能を提供したり、医療人材を育成して県内の僻地に派遣できるような仕組みを構築したりすることによって、県内の均衡ある地域医療に結びつくと思うのであります。  そこで、お尋ねしたいのは、広島二次保健医療圏における医療機能の見直しについて、その必要性と方向性を知事にお尋ねいたします。 92: ◯答弁(知事) 広島二次保健医療圏につきましては、県総人口の48%を占め、医療機関や医療従事者などの医療資源が集中する圏域であり、効率的で競争力のある本県の医療提供体制を構築していく上で極めて重要な役割を担っているものと認識しております。  このため、広島二次保健医療圏におきましては、若手医師を引きつける魅力的な臨床現場の創出や、高度専門医療を担う人材の育成、地域の各拠点病院等へ医師を派遣する仕組みの構築など、その取り組みの成果を他の圏域に波及させることを念頭に置いて、医療機能の見直しを進めていく必要があると考えております。  地域医療構想の実現に向けた取り組みや、医師の働き方改革など医療を取り巻く環境は転換期にあると捉え、大学、医師会、関係医療機関等と連携しながら、県全体の医療水準の向上と持続可能な地域医療体制の構築に向けて、より精力的に取り組んでまいります。
    93: ◯要望質疑(吉井副委員長) 医療というのはどの項目も大事なのですけれども、とりわけ、このたび本会議でも人口減少問題についていろいろ議論がありましたが、産婦人科も小児科もないところで若い世代の人に住んでくれと言ったってなかなか住めません。逆に、そういったところを避けてちゃんとした医療があるところへ若い人たちが住むのは当然のことだと思います。  一極集中しないようにというのが、非常に私も危惧するところであります。  とりわけ、中山間地域とか沿岸部、島嶼部あたりに行きますと、しっかりとした方でもいろいろ体を酷使されていらっしゃいます。お話を聞きますと、整形外科医がいないのです。私もここ二、三年の間に、整形外科医がもう少し中山間地域とか離島のほうにいらっしゃったらということは、幾度となく聞きました。  ある程度の高次医療機能も、県内でやはりしっかりと分散して、それぞれの地域にそれぞれの機能が備わった形をつくっていただきたいと、慎重に進めていただきたいというふうに、重ねて要望申し上げたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  次の質問は、第1次産業の活性化についてお伺いいたします。  まず初めに、経営力向上支援事業についてであります。  今後30年の間に、農業者の高齢化によるリタイアが加速度的に進む状況を踏まえると、意欲ある担い手に農地が集積され、生産性の高い技術を用いた企業経営が中心の生産構造に変化していかなければなりません。  県は、経営力の高い担い手が生産の大部分を占める力強い生産構造への転換を目指し、家族経営から企業経営への転換に向けた支援に取り組んでおります。  しかしながら、一口に経営力の向上といっても、農業者の経営にはそれぞれ段階があり、発展段階の浅い農業者にとっては日常の農作業もある中、現状の仕事や暮らしを変えるのはなかなか困難ではないかと思うのであります。  県では、来年度予算において、経営力向上支援事業を計上されておりますが、日常の農作業で忙しくしている農業者が事業に積極的に参加できるような仕掛けや工夫を凝らしているのか、農林水産局長にお伺いしたいと思います。 94: ◯答弁(農林水産局長) 本県では、家族経営から企業経営へのステップアップを図るため、経営力向上支援事業により、農業者の経営発展段階に応じた支援を行っているところでございます。  このうち、平成23年度から実施しているひろしま農業経営者学校におきましては、農業者が専門家による指導のもと、経営管理の知識を習得するための講座を行っており、これまで延べ490名の修了生を輩出しております。  一方で、産地の中心的な担い手であっても、開催時期が農繁期であることや開催場所が遠方であることなどから、当学校の受講が難しいという意見も伺っているところでございます。  このため、来年度は、新たに若い農業者が確保されている産地において、2日間の講座を農繁期を避けて開講し、先進経営体の事例紹介や経営発展に向けたプロセスを考えるワークショップを行うことにより、農業者の経営発展意欲の醸成を図ってまいります。  また、この講座を受講した農業者に対して、財務や労務管理などの基礎知識の習得と経営計画の策定のための6日間の講座を行うことにより、経営力の向上を支援していくこととしております。  こうした講座の受講をきっかけに、さらに高度なスキルの習得を図っていただき、より一層の経営発展につなげていただきたいと考えております。 95: ◯要望質疑(吉井副委員長) 1人でも多くの方に参加していただき、受講していただくことは非常に成果にもつながるわけでありますので、そのあたりもしっかりと考えていただきたいと思います。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  沿岸部でのレモン栽培についてお尋ねいたします。  県内島嶼部の既存園の大部分は傾斜地であります。今後、スマート農業が進み、ロボット化、自動化などの技術導入が進む中、生産性の向上を図るためには、平たん地での生産が求められます。  本県の代表的な農産物であるレモンについては、島嶼部は確保できる面積に限りがあるため、沿岸部の水田への拡大に向けた栽培技術の検討を行う必要があるのではないかと思っておりますが、県においても来年度予算において、気象や土壌条件など栽培の基礎条件を確認し、実際に栽培が可能かどうかを実証するための予算を計上されておりますが、この事業に対し、今後どのような展開を考えておられるのか、農林水産局長にお尋ねいたします。 96: ◯答弁(農林水産局長) レモンは、温暖で水はけがよい畑が適地とされ、これまで島嶼部を中心に生産されてまいりましたが、地球温暖化の進展が推測されることや、農家の高齢化などにより水田の遊休化が懸念されることから、これまで寒波被害や排水不良により栽培不適地とされていた沿岸部の水田を活用したレモン生産を進めてまいりたいと考えております。  このため、防霜ファンや防寒資材の被覆などによる寒波被害の軽減対策と簡易な排水対策を組み合わせた水田でのレモン栽培実証圃を設置し、効果の確認とコストの検証を行うこととしております。  また、こうした技術を普及するため、呉市から福山市にわたる広い範囲に気象観測装置を設置し、得られた観測データと過去のアメダスデータを、ICT技術を用いて解析することにより、レモンの栽培が可能となる地域を明らかにしてまいります。  この実証結果を活用しながら、レモンの規模拡大や新規導入を検討する担い手に対し、沿岸部における水田の農地集積を進め、レモンの生産拡大を図ってまいります。 97: ◯意見質疑(吉井副委員長) ちょっと時期は忘れましたけれども、平成15年か16年だったかと思うのですが、台風で島嶼部が大変な被害を受けたときに、こういったかんきつが病気も含めて非常に大きく打撃を受けたことがありました。  立地の関係もあるのだろうと思うのですけども、まさに台風とか気象条件というのは果樹に非常に大きな影響がありますので、そういったところも今後気をつけながら御支援いただきたいと思います。  それでは、次に、鳥獣被害についてお尋ねしたいと思います。  質問の第4番目になるのですけれども、魚介類を中心としたカワウによる鳥獣被害についてお聞きしたいと思います。  今月1日より、県内の一部河川で渓流釣りが解禁となりました。しかし、この春の風物詩とも言える渓流釣りも、近年ふえ続けているカワウにより大きな被害を受けております。  各種カワウ対策を行っておりますけれども、県内の生息数は7,000羽に迫る勢いであります。また、その被害は、放流魚、天然魚など水産資源の食害だけにとどまらず、観賞用のコイなど養殖魚にまで及んでいるのが現実であります。  同じ鳥獣被害でも、イノシシや鹿に対しては、最近では小型無人機ドローンを使い、生息調査や追い払いを行うことで効果的な駆除につなげていこうという動きがありますけれども、これはまさに最新技術を現実の問題に当てはめて活用する好事例だと私は思っています。  そこで、お尋ねしたいのは、ふえ続けるカワウ被害に対してもドローンを初めとする最新技術を使った対策を行うべきだと思いますが、農林水産局長にお伺いいたします。 98: ◯答弁(農林水産局長) カワウ対策につきましては、関係市町や漁業者団体などで構成する広島県カワウ対策協議会に対して、新しい技術や先進事例に関する情報提供を行うことなどにより、県内生息数の減少と被害軽減に向けて、ドローンを活用した繁殖抑制や追い払いなどの効果的な対策を推進しているところでございます。  繁殖抑制につきましては、水辺の樹木にある巣の位置を上空から確認した後、ドローンからドライアイスを巣の中に投下して、卵を割ることなくふ化を抑制する対策に取り組んでおります。  また、追い払いにつきましては、テープが風になびく音を嫌う性質を利用して、ドローンによって樹木に生分解性のテープを巻きつけ、漁場周辺のねぐらから被害の少ない水域へ追い払う対策も実施しております。  今後も国や他県の取り組み状況について情報収集を行うとともに、ドローン以外の最新技術についても、県内の対策への活用を検討し、関係市町や漁業者団体と連携して効果的なカワウの被害防止対策を推進してまいります。 99: ◯要望質疑(吉井副委員長) 私の認識が今まで浅かったのかと思うのですけれども、私に1番切実にカワウの被害について言われたのは、島嶼部の猟友会の役員の方々です。  猟友会といえば、恐らく山というイメージがあるのですけれども、まさに島嶼部の猟友会の方が1番困っているのはカワウなのです。漁業者の方からも何とかならないかと何年も前から言われていたと、猟友会の方から聞いたのです。  もちろん、イノシシ、鹿も、猿また熊も出るとお聞きしておりますけれども、海のほうの魚介類に対しても、鳥獣被害と先ほどもおっしゃっておられましたけれども、認識をまた一層深めていただいて、漁業者をしっかりと支援してあげていただきたいと思います。  次の質問でありますけれども、内水面漁業の振興策についてお尋ねします。  内水面漁業の振興という観点から言えば、カワウの駆除対策を進めるだけではなく、積極的な稚魚の放流を初め、その振興策も進めていくべきであると考えております。  先日の2月定例会において、我が会派の森川議員の質問に対し、水産資源の回復に向けた有効な対策を令和2年度に策定する農林水産業アクションプログラムに位置づけ、持続的な海面漁業の構築を目指していくと答弁されましたが、同様に内水面漁業についても持続的な振興策を考える必要があるのではないでしょうか。  そこで、内水面漁業の振興について今後どのように進めていかれるのか、農林水産局長にお伺いいたします。 100: ◯答弁(農林水産局長) 内水面漁業の振興につきましては、内水面漁業協同組合がアユやマス類などの放流に努めており、県といたしましては、健全なアユ種苗の供給などを支援しているところでございますが、漁獲量の減少などの課題があることから、現在、新たに水産資源の回復や漁場環境の保全などを総合的に実施するため、内水面漁業振興計画の策定を進めているところでございます。  特に、漁獲量が大きく減少しているアユにつきましては、放流後の冷水病発症による死亡が漁獲量減少の主な要因となっていることから、水産海洋技術センターにおいて、冷水病に強い種苗への品種改良に取り組んでいるところでございます。  また、漁場環境の保全につきましては、これまで漁業協同組合がアユの産卵床造成に努めてきたところですが、平成30年の7月豪雨により、一部の地区において土砂が流入したことから、関係部局と調整し速やかな修復を進めているところでございます。  県といたしましては、こうした取り組みにより、持続的な内水面漁業の振興を進めてまいります。 101: ◯要望質疑(吉井副委員長) 内水面漁業をしっかりと県のほうも御支援いただきたいと思います。  ここで、少し私も山と海のことに関して御意見申し上げたいと思います。  山を整備しなければ、海は決して豊かにはなりません。私の地元、尾道市で、私の住んでいるところは前がまさに海であり、後ろはすぐ山なのです。三原市と接するところでありますが、非常に風光明媚で、魚にも恵まれ、農業をする方もたくさんいらっしゃいます。  なぜか、私も幼少のころからいつも、山をきれいにしなければ、海は決して豊かにならないよと教えられてきました。雨が降るわけですから、豊富なミネラルは山から海に運ばれ、海の栄養分にしっかりつながるのだとよく言われました。  海を豊かにするためには、山からしっかりと手当てをしなければなりません。山と海は一体であります。  あわせて、農業、漁業の後継者育成についても申し上げたいと思います。現在の従事者は農業者で約2万8,000人、漁業者で約3,300人であります。過去からの減少率や傾向をもとに推察すれば、3年後、5年後にどのような状況になるのか、危惧するところであります。  あらゆる角度から農業漁業の後継者育成にもしっかりと力を入れて取り組んでいただきたい。このことは、23市町に対して、広島県が先導的役割をするぐらいの勢いで、後継者育成についてしっかりと行政のほうも発案していただき、議会のほうもしっかりと議論していきたいと思いますので、特に力を入れていただきたいということを意見として申し上げたいと思います。  また、そのことが地域の活性化や自給率の向上にも必ずつながると私は思っておりますので、どうかよろしくお願いします。  先ほど言いました私の地元で、ひろしまの森づくり県民税を活用したひろしまの森づくり事業をやらせていただいたことがあるのです。そのときは、国立公園になるのですけれども、私の地元鳴滝山に、地元の小学生、中学生、そして地区社協、公衛協、体協、その他地域の方々にあわせて、農業関係者の方も来られました。私がここで一番申し上げたいのは、そのときに、尾道に7つの漁協があるのですけれども、7漁協の組合長が全員参加されました。毎年1回植樹祭をやるのですけれども、それ以降もずっと来られていて、そのときに、「皆さん、山をきれいにしなければ私たちの海もきれいになりません」と、毎年7漁協の組合長がマイクを持って参加していただいておりますので、どうか海も山も一体で引き続き御支援賜りますように、重ねてお願い申し上げます。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  質問の第5は、家畜伝染病であるアフリカ豚熱など外部からの脅威への対策についてお伺いいたします。  現在、新型コロナウイルスが猛威を振るっておりますが、人間以外に対する伝染病もしっかりと対策をとらなければいけません。  そこで、豚熱への対応についてお尋ねするのですけれども、平成30年9月、岐阜県の養豚農場において、日本では26年ぶりとなる豚熱の発生が確認されました。その後、令和2年2月26日までに、東海地方を中心として8県で発生が確認されております。また、一昨年9月以降、野生のイノシシから豚熱の陽性事例が確認されており、今のところ東海地方を中心に12県で陽性事例が確認されております。  侵入経路については、現在も検証中とのことでありますが、5府県に広がる起点となった愛知県の養豚場は一般的な養豚農家よりも高水準の防疫対策をとっていたにもかかわらず、感染を防ぎ切れなかったということで、これまでの対策を見直す必要性も指摘されております。  本県の平成30年における豚の産出額は85億円で、29戸の養豚農家があります。  県では、昨年2月、養豚関係団体などと対策会議を開き、豚熱への対応を確認されたとのことでありますが、野生イノシシによる感染の拡大も否定できない中、今後、どのように防疫の徹底を図るのか、最終手段としてのワクチン接種の可能性も含めて、農林水産局長にお伺いいたします。 102: ◯答弁(農林水産局長) 本県における豚熱への対応につきましては、飼養衛生管理基準に基づき、農場への部外者の立ち入りの制限、農場へ入る際の消毒、野生動物の侵入防止対策など農場内への本病の侵入防止を徹底しているところでございます。  また、飼養豚に異常を認めた場合は直ちに通報するよう要請しており、通報があった場合には、飼養者に対して移動自粛を要請した上で、速やかに検査できる体制を構築しております。  こうした県の取り組みに加え、中国5県においては、平成27年1月に県境で鳥インフルエンザが発生した際の教訓を生かし、同年11月に中国地方5県家畜防疫対策の広域連携に関する協定を締結しており、豚熱においても、各県の農場の位置情報や移動制限区域が複数県にまたがる場合の消毒ポイントの設置場所を共有するなど、発生に備えた準備をしているところでございます。  また、中国地方に隣接する県の野生イノシシに本病が確認された場合は、国に対し飼養豚への予防的ワクチン接種を中国5県で連携して要請することとしており、あわせて発生地域からのイノシシによる感染の広がりを防ぐため、経口ワクチンをベルト状に散布する、いわゆるワクチンベルトの構築についても国に要請することとしております。 103: ◯質疑(吉井副委員長) 対策のほうをしっかりとお願いします。  続けて、先ほどは豚熱という言葉でしたけれども、今度はアフリカ豚熱への対応についてお尋ねしたいと思います。  豚熱以上に養豚家が恐れる家畜伝染病、それはアフリカ豚熱であります。名前と症状は豚熱に似ていますが、現時点では有効なワクチンは存在しておりません。一度日本に入ってしまえばとんでもない打撃になると心配されております。  そこで、政府は、2月25日、アフリカ豚熱がアジアで流行していることを踏まえ、空港の水際対策に当たる家畜防疫機関の権限を強化し、違法持ち込みの肉類を防疫官が破棄できるようにするといった家畜伝染病予防法改正案を閣議決定いたしました。  そこで、アフリカ豚熱の現状と本県における防疫体制について農林水産局長にお伺いいたします。 104: ◯答弁(農林水産局長) 中国において、本病が平成30年8月に確認されて以降、中国全土に蔓延し、平成31年2月以降はベトナムや韓国など東アジアの12カ国で発生が確認されており、国内に本病を持ち込ませない水際対策が重要となっております。  このため、国においては、一連の家畜伝染病予防法の改正の中で、水際対策として、空港等の動物検疫所の家畜防疫官の権限強化と検疫探知犬の増頭を行うとともに、アフリカ豚熱については、特例措置として、発生地点から3km以内の区域にある未発生農場での予防的殺処分を実施可能とするなど、本病の防疫対策を強化しているところでございます。  本県の水際対策としましては、広島空港において、国と県が連携し、国際線及び国内線の到着ロビーに消毒マットを設置するとともに、国に対し広島空港への検疫探知犬の早期の配置を要請しているところでございます。  なお、万が一、県内で本病が発生した場合は、発生確認地点周囲の通行制限や遮断等を警察と連携して実施するとともに、周辺の未発生農場においても、市町、関係団体等と連携して予防的殺処分を実施し、本病の蔓延防止を図ることとしております。 105: ◯意見(吉井副委員長) 引き続き、豚熱とあわせてアフリカ豚熱もしっかりと対策を立てていただきたいと思います。  私の持ち時間もあとわずかになりましたので、最後に私の気持ちを申し上げたいと思います。  いろいろと質問をしてまいりました。財政のこと、医療体制のこと、また、第1次産業、もろもろお話をさせていただきましたが、平成30年7月に起きた豪雨災害のときのお話を1つだけ紹介して、私は終わりたいと思います。  平成30年7月7日の豪雨災害のときに、私の地元も大被害を受けましたが、あらゆる現場にもまいりました。  現地に行ったときに、被災された70台後半のお年寄りの男性が、私らが本当に困ったときは政治に頼るしかないのがよくわかった。行政や議員が現実をしっかりと見て助けてほしい、日ごろは何も頼むことはないけれどもこのたびだけは助けてほしいと、私に言った言葉は今でも忘れず覚えております。  自助、共助、公助とよく言われますけれども、どうしようもないときはお願いするしかないと、このときにこの方もおっしゃいました。日ごろから私もよく言葉にするのですが、暮らしの中で政治は生きている。そのことをまさに実感したと、その男性の方は私におっしゃいました。  やはり、住みやすい広島県をつくるためにも、後世に責任を果たせる、また、果たす広島県をつくるために、執行部の皆様には議会ともども、しっかりと尽力をいただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。以上で終わります。  (6) 閉会  午後2時47分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...