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  1. 広島県議会 2020-02-04
    令和2年2月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和2年2月定例会(第4日) 本文 2020-02-27 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 151 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(中本隆志君) 選択 2 : ◯議長(中本隆志君) 選択 3 : ◯議長(中本隆志君) 選択 4 : ◯議長(中本隆志君) 選択 5 : ◯議長(中本隆志君) 選択 6 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 7 : ◯議長(中本隆志君) 選択 8 : ◯出原昌直君 選択 9 : ◯議長(中本隆志君) 選択 10 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 11 : ◯議長(中本隆志君) 選択 12 : ◯総務局長(小寺 洋君) 選択 13 : ◯議長(中本隆志君) 選択 14 : ◯商工労働局長佐伯安史君) 選択 15 : ◯出原昌直君 選択 16 : ◯議長(中本隆志君) 選択 17 : ◯出原昌直君 選択 18 : ◯議長(中本隆志君) 選択 19 : ◯都市建築技術審議官友道康仁君) 選択 20 : ◯議長(中本隆志君) 選択 21 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 22 : ◯柿本忠則君 選択 23 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 24 : ◯土木建築局長(齋藤博之君) 選択 25 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 26 : ◯柿本忠則君 選択 27 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 28 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 29 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 30 : ◯柿本忠則君 選択 31 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 32 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 33 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 34 : ◯柿本忠則君 選択 35 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 36 : ◯柿本忠則君 選択 37 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 38 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 39 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 40 : ◯柿本忠則君 選択 41 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 42 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 43 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 44 : ◯柿本忠則君 選択 45 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 46 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 47 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 48 : ◯柿本忠則君 選択 49 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 50 : ◯土木建築局長(齋藤博之君) 選択 51 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 52 : ◯柿本忠則君 選択 53 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 54 : ◯危機管理監(海田智浩君) 選択 55 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 56 : ◯柿本忠則君 選択 57 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 58 : ◯健康福祉局長(田中 剛君) 選択 59 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 60 : ◯柿本忠則君 選択 61 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 62 : ◯危機管理監(海田智浩君) 選択 63 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 64 : ◯柿本忠則君 選択 65 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 66 : ◯危機管理監(海田智浩君) 選択 67 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 68 : ◯柿本忠則君 選択 69 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 70 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 71 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 72 : ◯柿本忠則君 選択 73 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 74 : ◯知事(湯崎英彦君) 選択 75 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 76 : ◯柿本忠則君 選択 77 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 78 : ◯地域政策局長(西野博之君) 選択 79 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 80 : ◯柿本忠則君 選択 81 : ◯副議長(安井裕典君) 選択 82 : ◯議長(中本隆志君) 選択 83 : ◯佐藤一直君 選択 84 : ◯議長(中本隆志君) 選択 85 : ◯佐藤一直君 選択 86 : ◯議長(中本隆志君) 選択 87 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 88 : ◯議長(中本隆志君) 選択 89 : ◯佐藤一直君 選択 90 : ◯議長(中本隆志君) 選択 91 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 92 : ◯議長(中本隆志君) 選択 93 : ◯佐藤一直君 選択 94 : ◯議長(中本隆志君) 選択 95 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 96 : ◯議長(中本隆志君) 選択 97 : ◯佐藤一直君 選択 98 : ◯議長(中本隆志君) 選択 99 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 100 : ◯議長(中本隆志君) 選択 101 : ◯佐藤一直君 選択 102 : ◯議長(中本隆志君) 選択 103 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 104 : ◯議長(中本隆志君) 選択 105 : ◯佐藤一直君 選択 106 : ◯議長(中本隆志君) 選択 107 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 108 : ◯議長(中本隆志君) 選択 109 : ◯佐藤一直君 選択 110 : ◯議長(中本隆志君) 選択 111 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 112 : ◯議長(中本隆志君) 選択 113 : ◯佐藤一直君 選択 114 : ◯議長(中本隆志君) 選択 115 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 116 : ◯議長(中本隆志君) 選択 117 : ◯佐藤一直君 選択 118 : ◯議長(中本隆志君) 選択 119 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 120 : ◯議長(中本隆志君) 選択 121 : ◯佐藤一直君 選択 122 : ◯議長(中本隆志君) 選択 123 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 124 : ◯議長(中本隆志君) 選択 125 : ◯佐藤一直君 選択 126 : ◯議長(中本隆志君) 選択 127 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 128 : ◯議長(中本隆志君) 選択 129 : ◯佐藤一直君 選択 130 : ◯議長(中本隆志君) 選択 131 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 132 : ◯議長(中本隆志君) 選択 133 : ◯佐藤一直君 選択 134 : ◯議長(中本隆志君) 選択 135 : ◯環境県民局長(森永智絵君) 選択 136 : ◯議長(中本隆志君) 選択 137 : ◯佐藤一直君 選択 138 : ◯議長(中本隆志君) 選択 139 : ◯環境県民局長(森永智絵君) 選択 140 : ◯議長(中本隆志君) 選択 141 : ◯佐藤一直君 選択 142 : ◯議長(中本隆志君) 選択 143 : ◯環境県民局長(森永智絵君) 選択 144 : ◯議長(中本隆志君) 選択 145 : ◯佐藤一直君 選択 146 : ◯議長(中本隆志君) 選択 147 : ◯議長(中本隆志君) 選択 148 : ◯議長(中本隆志君) 選択 149 : ◯議長(中本隆志君) 選択 150 : ◯議長(中本隆志君) 選択 151 : ◯議長(中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長(中本隆志君) 出席議員五十七名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2: ◯議長(中本隆志君) 書記に諸般の報告をさせます。         【書 記 朗 読】                                   令和2年2月27日  広 島 県 議 会 議 長 殿                                   広  島  県  知  事                                      (財 政 課)           2月定例県議会の追加議案及び説明書について  令和2年2月定例県議会の追加議案及び説明書を,別冊のとおり提出します。 3: ◯議長(中本隆志君) 別冊はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。  お諮りいたします。ただいま報告の追加議案十六件を本日の日程に追加するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 4: ◯議長(中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第 一 号議案         至第五十五 報 第  三 号         自     追県第 一号議案         至     追県第一六号議案
    5: ◯議長(中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 令和二年度広島県一般会計予算から日程第五十五、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案並びに追加議案十六件を一括上程議題といたします。  この場合、知事から追加議案に対する提案理由の説明を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 6: ◯知事(湯崎英彦君) ただいま追加提出いたしました議案につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、令和元年度の一般会計補正予算案の概要を申し上げます。  国は補正予算において、安心と成長の未来を拓く総合経済対策として、防災・減災、国土強靱化の強力な推進を主とした公共事業や、ソサエティー五・〇時代を担う人材投資等を打ち出したところでございます。  本県といたしましては、国の補正予算を活用し、令和二年度当初予算と一体的に、創造的復興による新たな広島県づくりや、欲張りなライフスタイルの実現に向けた取り組みなどを実施することとし、百三億七百十万円を追加計上しております。  このほか、社会保障関係費などの事業費の確定に伴い、減額の対応を行うとともに、公共事業につきましても、国の認証や事業内容の調整などによる事業費の確定に伴う減額を行うなど、五百九十一億九千四万円の減額の整理を行うこととしております。  また、本年度予算のうち、やむを得ず翌年度に繰り越して実施する事業について、繰越明許費を計上しております。  以上の結果、一般会計につきましては、四百八十八億八千二百九十四万円の減額となり、本年度予算の累計額は一兆二百十九億一千八百三十二万円となります。  また、特別会計補正予算案は十会計で、六十一億一千四百八十二万円の増額、企業会計補正予算案は五会計で、十五億三千八百十四万円の減額となっております。  どうぞ、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただきますよう、よろしくお願いいたします。 7: ◯議長(中本隆志君) 昨日に引き続いて質問を行います。出原昌直君。         【出原昌直君登壇】 8: ◯出原昌直君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の出原昌直でございます。今次定例会におきまして一般質問の機会を与えていただき、中本議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。  二期目を迎え、今回で五回目の一般質問となります。これまでと同様、地域の力を次世代に引き継ぎ、希望を持つことができる広島県の実現のために質問させていただきます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  質問の第一は、人口減少対策についてお伺いいたします。  本県の人口は、平成十年の二百八十八万五千人をピークに減少が続いており、ことしの四月には三十七年ぶりに二百八十万人を割り込む見込みであると報道されています。このことは、県が五年前に策定した人口ビジョンにおいても試算されているところですが、この人口ビジョンは、当時、国立社会保障・人口問題研究所が公表した平成二十五年三月の推計をもとに策定されたものです。概要は、二〇一〇年に二百八十六万人であった本県の人口は、何の対策もしなければ、二〇二〇年には十万人減少して二百七十六万人となりますが、減少を抑える対策を講じれば、二百七十九万人までの減少に抑えられるというものでありました。  県ではこの間、出生率の回復や社会増に向けた取り組みなど、人口減少のスピードを抑えるための施策を進めてこられましたが、先月末に総務省が公表した二〇一九年の人口移動報告では、本県の転出超過は八千十八人と、全国で最多となり、さらに、東京圏への人口集中が加速しているとのことでありました。また、一昨年の三月に、国立社会保障・人口問題研究所が公表した県内市町の推計人口によると、二〇一五年と比較して二〇三〇年に人口が増加しているのは東広島市のみで、広島市はほぼ現状維持、その他の市町は全て減少するという状況になっています。県と同様に、本県の各市町においても、平成二十五年に公表された将来の人口推計に基づいて計画を策定し、人口減少対策に取り組んでいるものと思いますが、平成三十年に行われた推計では、ほとんどの市町で以前の推計より早いスピードで人口減少が進むとされています。  本県が全国ワーストとなる八千十八人の転出超過であった今回の人口移動報告では、交通利便性の低い、条件の不利な地域を抱えていることや、基幹産業が不振であったことが人口流出の要因として挙がっておりますが、私は、特に中山間地域において、当初市町が想定していた数字を上回るペースで高齢化と人口減少が進んでいるのではないかと危惧しております。改めて申し上げるまでもなく、本県の人口減少を食いとめるためには、そのもととなる各市町における人口減少対策の効果が重要であることから、これまで講じてきた施策に思うような効果が出ていない市町に対しては、県として集中的に最大限の支援を行っていく必要があります。  そこで、今後、人口の増加または現状維持が見込まれる東広島市と広島市以外の市町、特に転出超過の多い市町、また、人口減少の予想と現実の乖離が大きい市町に対しては、県として今後どのように人口減少対策を進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、県本庁組織の地方移転による地方創生の推進についてであります。  再開発が進む広島駅の周辺では、マンションやホテルなど高層ビルが次々に建設され、中国・四国地方の最大都市、広島市の陸の玄関口としてふさわしい整備が進んでいます。一方で、都市部以外の地域では、少子高齢化と人口減少が著しく進み、空き家や耕作放棄地の増加など深刻な問題に直面している状況にあります。  さて、県民に納めていただく個人の住民税には、県民税と市民税・町民税があり、それぞれに前年の所得金額に応じて課税される所得割がありますが、所得割の税率は、広島市とその他の市町で異なっています。これは、県費負担教職員に係る給与の負担事務が県から広島市へ移譲されたことに伴い、平成三十年度分から税率が変更されたもので、具体的には県民税は広島市が二%、広島市以外は四%であるのに対して、市町民税は広島市が八%、広島市以外は六%となっています。これは、広島市が負担することとなった教職員給与の財源とするためのものであり、本県だけでなく、政令指定都市が存在する他の道府県においても同様の措置がされています。県と政令指定都市の本来あるべき関係に即したものであると思いますが、政令指定都市として、他の市町と比べて大きな財源、そして権限を持っている広島市でありますから、当然他の市町と比べて独自で取り組むべき事業は多いのではないかと考えています。  しかしながら、広島市内における大きなプロジェクトを初め、さまざまな事業に県も関与して、いろいろな形で経費を負担している事案が多々あります。広島都市圏が本県経済の持続的発展を牽引していることは事実であり、広島市の活性化が重要であることは十分理解しておりますが、県と広島市の関係を見ていると、結果として、県も広島市への一極集中を促進している部分があるように思えます。  国が平成二十七年度から始めた地方創生は、これまで総額八千億円を超える交付金が投じられ、また、地方創生の目玉として、東京圏への一極集中の是正に向けた中央省庁の地方移転が打ち出されました。国は、省庁の地方移転を呼び水に、産業界に対しても本社や工場を地方に移すよう働きかけるなど、積極的に進めようとする姿を見て、私自身も大きな期待を寄せていたところです。  現実には、国会対応等を理由とする各省庁の根強い反対もあって、文化庁の京都への全面移転が決まっている以外は、消費者庁の分析研究機関が徳島県に設置され、職員の配置は十三名、また、総務省統計局の統計データ利活用センターが和歌山県に開設され、職員の配置は十三名のみです。地方移転は進んでいません。当初は二〇二一年度に予定されていた文化庁の京都移転についても、二〇二二年度の後半以降と先送りされることが決まりました。さらに、国が政策として地方創生を打ち出して以降も、東京圏への一極集中に拍車がかかっています。  こうした中、地方が活性化しなければ地方創生はないと国に訴えるとしても、同じような構図で、広島県内においても、人口はもちろん、国や県の行政機関も広島市への一極集中と言える現象が起きているわけであります。県として、国が実施しようとしていた地方創生に課題があると考えるのであれば、国が進めようとしていた省庁移転のようなことを本県で実施し、国に対して地方創生の覚悟を示す必要があります。広島市内にある県庁を丸ごと他の市町に移転するのではなく、例えば、地域政策局は広島市内になくていいのではないかなど、県庁の組織や機能の一部を広島市以外の地域に移転することを検討してみてはいかがでしょうか。  また、来年度から新たな観光振興体制として、これまで県の観光課が実施してきた観光施策のほとんどを一般社団法人広島県観光連盟に移管して、一元的に実施していくこととしていますが、こちらの事務所も広島市内であります。平成の大合併によって以前の町役場が支所となったこと等に伴い、住民サービスの低下が指摘され、衰退が進んだ地域も少なくありません。市町との連携を深めるというのであれば、市町の観光協会に県職員を派遣、配置するといったことや、広島市内に集中している県の関係団体のオフィスを広島市以外の地域に移転することができないか、検討すべきではないかと思っています。  また、県は現在約七十五億円をかけて、県庁舎の耐震化工事、リフレッシュ工事を進めており、耐震改修工事後二十年程度は使用可能とされているところでありますが、いずれは建てかえも検討しなければならない時期がやってきます。今後も人口が減少していき、その一方でAIやIoTの技術が進展していく中で、県の業務や職員の数、庁舎の規模もスリム化する必要が生じてくると思います。こうした検討をする際に、広島市内の本庁になければならない機能のみを広島市内に残し、あとは市外に移すということも考えられます。  平成三十年六月定例会の一般質問でも、東京圏への一極集中の是正に向けた県の取り組みなど、同じ趣旨の指摘をさせていただきました。そのときの知事の答弁は、市町と一体となって、県全体に県外からより多くの人を呼び込めるよう、地方創生の取り組みをさらに加速させ、人口の転入超過を目指してまいりたいというものでありました。しかし、先ほど御紹介したとおり、本県の転出超過は全国で最多となるなど、転出が加速している状況です。地方創生が叫ばれて五年が経過してもなかなか成果があらわれていない今、地方においても東京圏への一極集中の打開策を本気で考え、実行していかなければならないと考えています。  そこで、広島市内にある県の本庁組織を広島市以外の市町に移転すること、また、県職員が市役所や町役場などで市町の職員と連携して業務を行うような組織や仕組みづくりについて検討していただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、将来を見据えたデジタルトランスフォーメーションについてであります。  ITの浸透があらゆる面で人々の生活をよりよい方向に変化させるデジタルトランスフォーメーションを推進するため、四十七億円を超える予算が編成されています。この施策は、急速に開発が進むデジタル化社会の到来に対応していくためのもので、庁内の各部局もデジタル技術を活用した課題解決に取り組んでいくとのことでありますが、私は、特に人口減少と地域産業の衰退が進む中山間地域において、大きな効果を発揮するのではないかと期待しております。  こうした中、光ファイバー回線のカバー率は、平成三十年三月現在で全国が九八・三%であるのに対し、本県は九五・七%と全国を下回っている状況にあります。特に、住宅が点在する山間部や島嶼部などの地域の多くでは、光回線が整備されておらず、依然として、通信速度が遅く不安定なADSLをやむなく利用している県民も多くおられます。  現在、国は、過疎地域における光回線の整備に対する市町への補助を行っており、さらに今後、次世代通信規格、5Gの基幹インフラとなる光回線を全国に整備するため、電気通信事業者に対する支援も検討されているとのことです。このような制度も活用しながら、県内どこにいてもストレスなくインターネットが使える環境を整えることができれば、都市部であっても中山間地域であっても、仕事や勉強、趣味などに利用する機会を平等に得られることになります。地域における光回線を初めとする基盤の整備は、市町や電気通信事業者等が事業主体となって国の支援を受けながら進めていることは承知していますが、光回線を利用できない地域の住民からは、早期の整備を求める声が上がっています。  そこで、デジタルトランスフォーメーションの推進を新たに掲げた県として、誰ひとり置き去りにしないという理念のもとで、国や市町、電気通信事業者等と連携しながら、早急に県内全ての地域に光ファイバー回線が整備されるよう取り組むべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、建物の耐震化及び有効活用の促進についてです。  一点目は、耐震化補助等の拡充についてであります。  県では、大規模な地震発生時に倒壊して多数の死傷者が発生するおそれのある大規模建築物や、広域緊急輸送道路の沿道の建築物については、所有者による耐震改修や建てかえ、解体を支援する市町に対して補助を行っています。しかし、それ以外の民間の建物の耐震改修等に対する支援では、本県は全国で相当おくれている状況にあります。具体的には、四十七都道府県の中で市町への支援を含め住宅の耐震診断に対する補助制度を設けていないのは、本県と山形県、群馬県、埼玉県、鹿児島県の計五県、また、耐震補強に対する補助制度を設けていないのは、本県と埼玉県、鹿児島県の計三県となっています。このように、本県を除くほとんどの都道府県において、耐震診断や補強等に係る支援を行っているわけです。  この問題は、昨年度の決算特別委員会でも指摘しましたが、そのときの答弁は、想定される地震被害や居住環境など、地域によって状況や課題も異なるため、市町の役割が重要で、市町に耐震改修制度の創設などを働きかけているという趣旨でありましたが、ほとんどの都道府県では市町との協調した補助制度を設けています。私は、県土の強靱化を進めるためには、市町に制度の創設を働きかけるというのではなく、県が率先して積極的に対策を講じる必要があると考えます。  そこで、住宅の耐震診断や耐震補強等に係る支援について、本県も早期に他の都道府県並みの補助制度を創設すべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、ファンドを活用した古民家再生についてです。  総務省が五年に一回実施している住宅・土地統計調査の結果によりますと、二〇一八年十月時点で、全国で空き家は約八百四十九万戸、空き家率は一三・六%と、空き家の数、率ともに過去最高を更新しています。一方、本県における空き家の数は約二十二万戸で、空き家率は一五・一%と、全国的に見ても空き家率は高い状況にあります。特に、近年、隣地等に影響を及ぼすおそれのある老朽化した空き家が大きな問題となっていますが、こうした空き家対策の一つとして、古民家の再生、活用が有効であると考えています。  本県で平成二十三年に官民ファンドの運営会社として県が一〇〇%出資して設立したひろしまイノベーション推進機構は、投資先企業の売上高や利益額を増加させるなど、地域経済に一定の貢献を果たしてきたと説明されています。そして、先月、この機構は、民間資本のみで組成する新しいファンド、ふるさと連携応援ファンドを設立し、後継者がいない企業などの事業承継や成長投資、また、人材を送り込んで経営に参加させるハンズオンなどの支援を行うとの説明がありました。  しかしながら、私は、既存の民間のファンドが行っている事業との違いを十分に理解しておりません。間接的とはいえ、県が関与しているわけでありますから、民間のファンドでは行っていない、本県として特徴のある集中した課題解決のための支援を行う必要があります。例えば、奈良市では、地元の銀行と古民家再生を得意とする企業などが組んで、古民家を初めとする歴史的建築物を利活用したまちづくりを支援する総額十五億円のファンドを設立し、特徴のある取り組みが進んでいます。その地域の課題を、ファンドを活用して解決する取り組みであります。再生された古民家で新たな商売が生まれ、人が集まり、雇用の発生が見込まれるような事業に対しては、耐震診断や耐震補強も含めて、本県独自の支援をしてはどうかと考えています。  そこで、県が一〇〇%出資して設立したひろしまイノベーション推進機構により組成されたふるさと連携応援ファンドについて、民間のファンドとの違いを明らかにするとともに、地域の経済に関する課題を解決するために、このファンドを活用するお考えをお持ちかどうか、あわせて、今後の展望について知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、製造業の振興についてであります。  今年度の四月から十一月までの法人事業税の調定状況によりますと、製造業は全体で約二百十二億円と、対前年度比で四十二億円の減収、一七%の減となっています。これは、ものづくり県である本県の製造業は輸出関連の企業が多いことから、米中貿易摩擦の影響などによる輸出不振が大きな要因ではないかと考えられますが、新型コロナウイルスの問題も加わり、世界経済が不透明感を増している中で、今後、本県の製造業はどうなっていくのかと心配になる数字です。  本県の製造品出荷額は、毎年、全国の中でも十位前後で推移しており、中国・四国地方と九州地方の中ではトップの地位を守っています。本県の経済は緩やかな拡大を続けておりますが、輸出については横ばいで、一部には弱目の動きが見られており、特に中小企業では、輸出の停滞や消費税率の引き上げなどにより景況感が悪化しているところです。加えて、先般、日鉄日新製鋼呉製鉄所が三年後をめどに全設備を休止することが発表され、今後の地域経済に与える影響が大変懸念されているところです。さらに、県内の有効求人倍率は二倍前後と、全国に比べて高水準で推移しているなど、依然として人手不足が続いており、特に中小企業・小規模企業では後継者の問題とあわせて事業の存続にかかわる深刻な事態となっております。  こうした中、先ほどの質問で触れましたデジタルトランスフォーメーションを推進することも重要でありますが、とりわけ本県においては見直されるべき仕事があります。それは、やはり、ものづくりです。  ある民間の調査結果で、AIやIoTの技術が進む中、これから給料が上がる仕事、下がる仕事のランキングが出ていましたが、それによりますと、これから給料が上がる仕事の第一位は、縫製業でありました。理由としては、アパレル業界は、現在の少品種大量生産から多品種少量生産時代に大きく移行していく、そして、その担い手は技術力の高い国内の縫製工であり、需要が拡大していくということです。  こうした中、福山市では、市内の縫製工場や繊維企業が設立した繊維産地継承プロジェクト委員会が、福山市担い手育成支援事業の制度を活用して、繊維産業を次世代に継承する活動をスタートしました。この活動を進める中で、これまでは産地である地元だけで考え、解決していこうとしていましたが、商品を販売してくれている東京の小売業者に相談したところ、その人たちから、産地がなくなれば自分たちの商品をつくる場所がなくなる、一緒に課題解決に取り組もうと言っていただきました。遠く離れた東京の人たちも、福山の生産者とともに危機感を持って、産地を守ろうとしてくれているのです。  同じ製造業でも、例えば繊維産地の課題は地域によって異なることから、県全体で画一的な支援を行うのではなく、それぞれの課題に対応した、きめ細かな支援が望まれますが、そうした支援は少ないのが現状であり、他の製造業でも同様のことが言えるのではないかと思います。  そこで、本県製造業の振興に向けて、ものづくりそのものに対する支援に加えて、県境を越えた企業間連携の促進、すなわち、原材料の生産から商品の製造、販売まで一連の流れを支援する施策が必要であると思いますが、ものづくりに対する現状の課題をどのように認識されているのか、また、課題があるとすれば解決に向けてどのように対応していこうと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  最後の質問は、人を呼び込む取り組みについてであります。  本県では、観光立県の実現を目指して、観光客の増加に向けた各種施策を推進し、また、UIターンなどの移住・定住に向けた取り組みを進めています。しかしながら、私自身、八年前から民間企業で観光事業に携わり、五年前から県議会議員として活動させていただく中で、こうした取り組みに対して若干の違和感を覚えるようになりました。  県を初め、関係機関が連携して、瀬戸内ひろしまデスティネーションキャンペーンなどの機会を活用しながら観光客をふやす取り組みを進めることは、重要であると認識しております。一方で、県が実施する観光振興施策や企業誘致、Iターン・Uターンの促進など、人口をふやすためのプロモーションを初めとする取り組みは、外から人を呼び込むことに注力し過ぎではないかと感じるところがあります。  先般、富山市にある観光地の一つ、人口三千三百人の岩瀬町を視察してまいりました。そこで二十年前から古民家の修復再生に取り組み、二〇〇四年に岩瀬まちづくり株式会社を設立した方からお話をお聞きしたところ、目的はただ一つ、自分たちの住みたいまちをつくるというものでありました。自分たちはここから逃げることができないから、今住んでいるまちをよくしようというシンプルな考えで始めた活動は、二十年たった今、改修された物件もふえ、レストランや商店として、また、陶芸家や彫刻家の活動拠点として活用されています。さらに、電線の地中化、無電柱化も進んで町並みの美しさも高まり、観光客がふえると同時に、視察の受け入れは年間五百件に上るなど、全国的に注目されています。しかしながら、先ほどの社長は今でも、観光客は必要ないと言っておられました。  まちづくりとは、地域の住民が自分たちで住みやすいまちをつくり、自然に人が来てくれるようになるという基本的なことを、私自身、見失ってはいないかと気づかされました。大切なのは、当面の入り込み観光客数をふやすためではなく、長期的に考えて、原点に立ったまちづくり、今住んでいる人たちが住みやすいまちづくりをしていくことです。観光振興の施策は似通ったものが多い中で、県も市町も地域振興の観点から、自分たちが住みたいまちづくりに向けて取り組んでいかなければならないと考えています。  そこで、県が実施してきた観光振興を初め、県外から人を呼び込むための施策について、これまでの取り組みの成果はどうなのか、また、転出超過が全国で最多となった中、反省すべき点も踏まえた上で今後取り組んでいく必要があり、長い目で見ると、観光客や定住する人の増加が期待できる、富山市岩瀬町で行われているような自分たちが住みたいまちづくりの取り組みを、県と市町が一体となって進めていく必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。  私の質問は以上ですが、最後に一言申し述べさせていただきます。  戦後七十五年を迎え、私は昨年十一月に五十歳になりました。終戦から二十五年たって生まれたわけでありますが、幼少期に戦後を感じた記憶はありませんでした。これは、戦後から二十五年の間に、当時の皆様が一生懸命頑張り、努力し、廃墟からの復興をなし遂げられたからにほかなりません。一方で、今、私は五十歳で、二十五歳からの二十五年間で、私は、そして本県は、次の世代に対してどのぐらいのことができたのかという感を募らせています。私自身も反省しているところでありますが、一言で申し上げますと、危機感の共有に欠けていると思っています。戦争は目に見えてまちが破壊されますが、少子高齢化・人口減少は長い年月をかけて進んでいくもので、危機感を持ちにくいため、県民全体での共有が難しいのではないでしょうか。政治、行政が率先して業務に邁進している姿を見せることで、危機感と希望を共有する必要があります。こうした反省の上に、これからの二十五年を見据えて県がどうあるべきか、人口減少社会を迎える中で相当なスピード感を持って取り組みを進めていかなければならないと思っております。  先ほどの質問で、東京圏への一極集中の是正の必要について申し上げましたが、地方創生が進まないことについて、国を批判するだけではなく、県として覚悟を持って、独自の地方創生を進めていかなければなりません。そのためには、一旦立ちどまり、成果主義にとらわれず、長期的な視点を持って、次の二十五年を考えていく必要があります。二十五年後、二〇四五年は、戦後百年になります。戦後百年に向けて、広島に住む人たちが、広島に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと思えるよう、知事、執行部の皆様、そして私も県議会議員の一員として、ともに力を尽くしてまいりたいと考えております。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 9: ◯議長(中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 10: ◯知事(湯崎英彦君) まず、人口減少対策についての御質問にお答えいたします。  本県の将来人口につきましては、二〇六〇年に二百十四万八千人と推計されており、平成二十七年の国勢調査時の人口二百八十四万四千人に比べて、減少率は二五%程度となっております。  同様に、県内二十三市町を個別に見てみますと、五〇%を超える人口減少率が見込まれる市町は八市町あり、これらの市町においては、転出超過の傾向が強まるなど、予想を超えるスピードで人口減少が進んでいるものと認識しております。  こうした中、平成二十六年からの地方創生の推進に当たり、国は、地方自治体に対しまして、地方版のまち・ひと・しごと創生総合戦略とあわせ、人口ビジョンも策定するよう求め、本県及び県内市町におきましても、策定しているところでございます。  県といたしましては、この総合戦略に基づき、東京圏等における地方移住の機運を取り込み、定住につなげる仕組みづくり、県内大学との連携した大学生の県内就職志向の醸成、結婚、出産、子育てなどライフスタイルにおけるさまざまな場面で安心して暮らすことができる社会の構築など、社会動態、自然動態の双方から人口減少対策に取り組んでまいりました。  また、市町におきましても、人口減少の克服と将来にわたる成長力を確保するため、地域資源を生かした魅力ある地域づくりを進めることとし、それぞれの市町の実情に応じた移住・定住施策や少子化対策などに取り組んでいるところでございます。  こうした市町の施策のうち、移住・定住の取り組みにつきましては、市町と県が連携し、ふるさと回帰支援センターなどにおけるイベントの開催や、移住サポート体制の構築などにより、取り組みの開始以降、県内に移住した世帯数は増加が継続するなど、成果があらわれております。  あわせて、地方創生に関する市町の施策に対しましては、各市町の総合戦略の取り組みの検証や、次期総合戦略の策定に係る検討会議に参画し、人口減少対策などの取り組みを支援しております。  さらに、私と市長、町長による県・市町連携会談におきまして、各市町の課題を踏まえた助言を行うなど、さまざまな機会を通じて、各市町の地方創生に係る取り組みを積極的に後押ししているところでございます。  引き続き、県民一人一人が地域に愛着と誇りを持ち、国内外から魅力ある地域として選ばれ、住みやすく個性ある豊かな地域となるよう、それぞれの市町と連携した地域活性化に取り組んでまいります。  次に、県本庁組織の地方移転による地方創生の推進についてでございます。  地方創生を実効あるものとするためには、それぞれの地域が直面している課題を踏まえ、創意工夫に満ちた、魅力ある地域づくりに取り組むことが重要であり、都市と自然の近接性など本県が有する地域特性を生かしながら、都市圏の魅力向上と中山間地域の地域力強化などの施策に取り組んでおります。  これらの施策を進めるに当たっては、行政経営の方針に基づき、戦略、組織、資源配分の全ての取り組みにおいて一貫して成果の獲得を追求することとし、柔軟かつ機動的な組織体制の整備などに取り組んでいるところでございます。  このような取り組みの一つとして、地域の実情に即した施策を推進するための組織、体制の整備としては、商工労働総務課の東部産業支援担当の配置や、地方機関に、現場情報を収集し、これを政策に反映させていくための政策監を設置するなどの体制の整備を行ってまいりました。  そうした中で、本庁組織あるいは本庁機能の一部などを広島市以外の市町に移転することについては、効率的、効果的な組織運営のあり方や現場主義の徹底といった移転の効果などを総合的に勘案しながら、慎重な検討が必要であると考えております。  また、県職員が市役所等で勤務する取り組みにつきましては、県の施策を進めていく上で市町との連携は重要なものであることから、市町との人事交流や、大規模災害発生時に被災した市町への県職員の派遣などを行っているところであり、引き続き、業務の目的や市町のニーズを踏まえ、県と市町との最適な連携手法について検討してまいりたいと考えております。  今後とも、県内全市町の発展のため、最少の経費で最大の効果を上げるという行政経営の基本原則に立ちながら、市町や県民の皆様のニーズに即応できる組織、体制の整備を進めてまいります。  次に、耐震化補助等の拡充についてでございます。  地震による被害を軽減するための建築物の耐震化は急務であると認識しており、広島県耐震改修促進計画の第二期計画による県と市町の役割分担を踏まえ、県は、広域的な観点から、広域緊急輸送道路沿道建築物に耐震診断を義務づけ、早期の耐震化完了を目指すため、独自に市町の負担を求めず耐震診断の補助制度を創設するなど、主体的に取り組んでいるところでございます。  一方、住宅につきましては、県と市町の役割分担を踏まえ、市町に補助制度の創設を働きかけた結果、現在、耐震診断は全ての市町で、また、耐震改修は十八の市町で補助制度が創設されております。  しかしながら、この補助制度の活用状況は、県内では年間、耐震診断が五十件、耐震改修は十件程度にとどまっており、補助制度の活用は多くの都道府県においても低調であることから、この活用を促進するためには、地震防災に対する県民意識の向上や、安心して耐震診断や改修を行うことができる環境づくりが最も重要であると考えております。  このため、県といたしましては、これまでも市町からの要望も踏まえ、県民の皆様の意識改革を図るため、相談窓口の設置や、各種セミナーやイベントの開催、安価な耐震改修工法の普及を目的とした技術講習会であります耐震リフォーム達人塾の開催、住宅の耐震診断や耐震改修を実施する業者リストの県ホームページでの公表などの環境づくりに取り組んできたところでございます。  今後は、これらに加え、広島県耐震改修促進計画の第二期計画が来年度に最終年度を迎えることから、第三期計画の策定に向け、第二期計画での住宅の耐震化の目標達成状況や市町の意見などを踏まえ、効果的な支援や環境づくりのあり方について検討してまいります。  引き続き、市町や建築関係団体などと連携して、補助制度などが効果的に活用され、住宅を初めとした建築物の耐震化が促進されるよう、取り組みを進めてまいります。  次に、人を呼び込む取り組みについてでございます。  県では、全ての市町と連携し、それぞれの地域の強みや特色を生かして、地域の活性化に向け、観光振興や、東京圏を初めとする県外から人を呼び込む取り組みを積極的に展開してきたところでございます。  観光施策では、広島県の認知度を高めるためのプロモーションなどにより、総観光客数は平成二十三年から六年連続で過去最高を更新するなど、取り組みの効果が着実にあらわれております。  また、UIJターン就職につきましては、学生に対する県内企業の魅力発信や就職マッチング機会の提供などを行い、平成二十六年度に比べ、平成三十年度はUIJターン就職者数が推計で約七百人増加するなど、一定の成果を上げているものと考えております。  さらに、移住に向けた取り組みにつきましては、広島らしいライフスタイルの魅力発信や、AIを活用した移住相談システムの運用、きめ細かな移住サポート体制の構築などを市町と連携して展開することにより、ふるさと回帰支援センターによる移住希望地域ランキングでは二位まで上昇いたしまして、県や市町の相談窓口を経て県内に移住した世帯数も継続して増加しております。  そうした中、現在、県内の一部の市町では、自分の生まれ育った地域に誇りと愛着を持てる子供を育てることを目標に掲げて、地元の魅力ある自然や歴史、特色ある産業などを学ぶ機会を設けるなど、具体的な対策に着手しており、こうした取り組みが就職等で地元を離れる若者の将来的なUターンの増加につながるのではないかと期待されております。  加えて、NPO法人がリノベーションした空き家・古民家等を商店等として活用する取り組み、住民の出資団体による子育て世代をターゲットとした定住促進や地元食材を使った農村レストランの運営など、住民の皆様が主体となった地域活性化の取り組みが県内の多くの地域で行われております。  こうした、地域への愛着を育てるための取り組みや住民参加型のまちづくりの取り組みを県内各地で進めるとともに、広く情報発信していくことが、首都圏等からの転入や交流人口の拡大にもつながり、それぞれの地域の活性化を促すなどの好循環をもたらすものと考えております。  このため、県といたしましても、自分たちの住みたいまちづくりに向けて中山間地域振興計画に基づき進めてきた、中山間地域ならではの価値に共鳴する人をふやし、生かすための取り組みや、県内への移住促進などの取り組みを着実に推進するとともに、県によるプロモーションの実施を通じて、県内全域へ人を呼び込み、それぞれの市町において、まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げる将来の目指す姿が実現されるよう、市町の取り組みを積極的に後押ししてまいります。
     その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 11: ◯議長(中本隆志君) 総務局長小寺 洋君。         【総務局長小寺 洋君登壇】 12: ◯総務局長(小寺 洋君) 将来を見据えたデジタルトランスフォーメーションについてお答えいたします。  地域におけるデジタルトランスフォーメーションを推進するためには、中山間地域や離島等の条件不利地域における情報格差が生じることのないよう、県内全ての地域への光ファイバーの回線整備が重要であると認識しております。  本県では、これまでも、光ファイバーの新設に対する支援に加えて、既存の情報通信回線を光ファイバーに更新することに対しても必要な支援策を講じるよう、中国地方知事会や全国知事会、さらに全国の情報主幹課長会議など、さまざまな機会を通じて国に対して働きかけを行ってまいりました。  その結果、今年度、光ファイバーの整備について、既存の通信基盤の更新や民間事業者が整備を行う際にも国の補助を受けられることとなり、県内市町において、新たに来年度以降の整備計画が進んでいるところでございます。  こうした取り組みの成果により、他の都道府県に比べ条件不利地域の多い本県においても、前年度は全国を上回る光ファイバー整備の伸び率で、着実に整備が進んでいるところでございます。  本県といたしましては、県内市町が最新の情報通信基盤の整備に向け、これらの事業を積極的に活用することができるよう、技術的な支援や助言を行うとともに、今後とも、国に対して、超高速ブロードバンド基盤の整備などを推進するために必要な措置を講じることなどについて、全国知事会等を通じて働きかけを行ってまいりたいと考えております。 13: ◯議長(中本隆志君) 商工労働局長佐伯安史君。         【商工労働局長佐伯安史君登壇】 14: ◯商工労働局長佐伯安史君) 私からは、二点についてお答えいたします。  まず、ファンドを活用した古民家再生についてであります。  地域経済に焦点を当てたファンドといたしましては、ひろしまイノベーション推進機構が今回組成したふるさと連携応援ファンドのほか、瀬戸内地域の観光振興を図るため、せとうちDMOが行っているせとうち観光活性化ファンド、平成三十年七月豪雨災害からの復興を目指す企業を支援するため、地域経済活性化支援機構等が行っている広島県豪雨災害復興支援ファンド等があり、それぞれが対象としている分野において、ファンドの仕組みを活用して、地域経済の課題解決に取り組んでいるところでございます。  この中で、ひろしまイノベーション推進機構が本年一月に民間からの資金により組成したふるさと連携応援ファンドにつきましては、広島を中心とする経済圏の企業を対象に、事業承継や新たな事業展開など、企業の課題を解決し、その成長を促進するファンドでございます。  広島県のファンド事業の特徴といたしましては、ひろしまイノベーション推進機構において、県が投資対象として地域経済の発展への寄与が期待できる企業、新たな成長を目指す企業などと定めている投資原則に基づいて投資を行い、資金とハンズオンによる経営支援を提供することで、企業の成長を促進し、もって地域経済の活性化に寄与することを目的とする点にあります。  県といたしましては、御指摘がございました古民家再生などの地域の課題や、それぞれのファンドの特徴を踏まえ、ふるさと連携応援ファンドのほか、民間のファンドなどとも連携を図ることが重要であると考えており、今後、地域経済の課題を解決するための手段としてファンドという仕組みが地域に定着し、集積するよう取り組んでまいります。  次に、製造業の振興についてであります。  本県の基幹産業であり、本県経済活性等に大きな役割を担う製造業の振興については、人口減少に伴う労働力不足や、グローバル化に伴う国際競争の激化、あるいは、AIやIoT等の変化し続ける技術など、こうした社会経済情勢の変化に対する取り組みが必要であると考えております。  また、経済産業省のものづくり白書によりますと、我が国製造業の課題として、強みである品質や製造工程を維持・強化しつつ、弱みであり、付加価値の高い領域である企画・開発部分や流通・販売、付随するサービス部分を強化し、これらの企画・開発、設計、生産、流通・販売、保守といった一連の工程を通じた強化が必要とされております。  県といたしましては、社会経済情勢の変化への対応や一連の工程の強化に向けまして、イノベーションの原動力となる産業人材やものづくり現場を支える優秀な技能人材等の育成・集積、国際競争やAIやIoT等の技術革新に対応したものづくりのプロセス全体におけるデジタル化の推進、公益財団法人ひろしま産業振興機構の新技術トライアル・ラボを通じた付加価値の高い製品につながるサプライヤーの研究開発支援、県内企業が県内外を問わず連携して取り組む新たな挑戦を支援する中小・ベンチャー企業チャレンジ応援事業などに取り組んでいるところでございます。  今後とも、社会経済情勢の変化に対応したイノベーション力の強化やものづくりのデジタル化のさらなる推進を行うとともに、ものづくりの核である製造工程の強化のみならず、企画開発などを含めた一連の工程の強化を図ることによって、製造業の生産性の向上と新たな付加価値の創出につなげるなど、本県製造業の持続的発展に向け、より一層注力してまいります。 15: ◯出原昌直君 議長……。 16: ◯議長(中本隆志君) 再質問を許します。出原昌直君。 17: ◯出原昌直君 再質問させていただきます。  耐震化補助等の拡充について質問させていただきましたけれども、御答弁いただきましたのは、県が働きかける中で、一部の市町が独自で制度を設定しているということと、その中でも活用が余りないということでありました。しかしながら、私自身は、これは、県がしっかりと率先して、二十三市町全県にわたってやっていくべきことであると思っています。  質問の中でもお伝えしましたけれども、耐震診断に関しては広島県を含め五県のみ、耐震補強に関しては広島県含め三県のみが、県として耐震補強、耐震診断の制度を設けていないところであります。例えば、岡山県に関しては、耐震補強に関しては、平成十八年度に制度を開始して、その後、平成二十七年度に事業仕分けで廃止したところです。廃止をした後に、平成二十八年の熊本地震を受け、再度復活したということになっています。  一昨年の災害でもありますとおり、私自身もそうですけれども、広島県民の方々も、広島県は災害の少ない県という思いが多かったと思いますけれども、今ではそういった思いを持っている方は少ないと思っています。今回、市町で設けている制度があったということで、これが使われていないということは、恐らく市町、そして県も、これから県土強靱化を図っていく中で、道路や河川以外も、民間の建物も、何か災害があったときには危険なのだということをしっかりと伝えていくためにも、県が制度を整備していかないといけないというふうに思います。  先ほど説明させていただいた隣県の岡山県は、熊本地震の中で危機感を感じて、県と市町一体となって制度を設けた。広島県は、いまだに市町に働きかける、なおかつ活用が少ない、今後検討するという危機感で大丈夫なのかと思っています。  再度、この件に関してお答えいただきたいと思います。 18: ◯議長(中本隆志君) 当局の答弁を求めます。都市建築技術審議官友道康仁君。         【都市建築技術審議官友道康仁君登壇】 19: ◯都市建築技術審議官友道康仁君) 住宅の耐震化の促進につきましては、市町と協調した補助制度を創設している他の多くの都道府県においても、その活用は低調であることから、県といたしましては、市町との役割分担や要望を踏まえ、地震防災に対する県民意識の向上や、安心して耐震診断や改修を行うことができる環境づくりに率先して取り組んできたところでございます。  来年度は、広島県耐震改修促進計画の第三期計画の策定を予定しており、耐震化の目標達成状況、他県の状況なども踏まえ、国や市町と連携した効果的な支援や環境づくりのあり方について検討してまいりたいと考えております。 20: ◯議長(中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十七分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時二分開議 21: ◯副議長(安井裕典君) 出席議員五十八名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。柿本忠則君。         【柿本忠則君登壇】 22: ◯柿本忠則君 皆さん、こんにちは。広島市東区選出、民主県政会の新人議員、柿本忠則でございます。今次定例会におきまして一般質問の機会を与えていただきました中本議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝を申し上げます。  また、本日は、新型コロナウイルスが心配される中、日ごろから私の活動を支えていただいている地域の皆様を初め、多くの方に傍聴に来ていただいていることに改めて感謝申し上げます。  質問に入る前に、簡単に自己紹介をさせていただきます。  私は、高校卒業と同時にJR西日本に入社し、駅や車掌、新幹線の運転士、総務、人事部門などさまざまな経験をさせていただきました。また、一年間ではありましたが、組合役員として、労働条件、労働環境の向上を目指し、組合員さんの思いを会社へ伝えてきました。  一方で、二十代から地域活動に参画し、地域の温かさや地域活動の重要性を肌で感じ、働く者、納税者の生活、地域をよくするためには、政治は無関心であっても無関係ではないと考えるようになりました。しかし、しょせんはただのサラリーマン。全てが手探り状態で、早朝のラジオ体操に始まり、街頭に立ち、日中は二万歩以上歩き、夕方再び街頭へ。その後は事務処理などで、帰宅は夜中になることもありました。  本日は、母と妻も来ていますが、初挑戦で県政に送り届けていただいたのは、丈夫な体に産んでいただいた両親と、妻を初め、私の草の根運動を献身的に支えてくれた応援団の皆様であることに変わりはなく、改めて感謝を申し上げます。引き続き、皆様に活動が見えるよう、がむしゃらに頑張ってまいります。  それでは、今後の質疑につきましては一問一答方式により行いますので、質問席に移らせていただきます。(質問用演壇に移動)  最初に、広島高速五号線シールドトンネル工事費の増額問題に関する再発防止策についてお伺いいたします。  この問題については、昨年十二月定例会でも多くの議員から、不可解な契約の過程や工事費増額の経緯、県、市の責任問題について質疑がありましたが、公共事業に対する不信感を抱かせたことへの謝罪はあったものの、県、市ともに契約時における公社とJVに違う認識があったとの説明に終始され、釈然としない思いであり、建設委員会でも議案の採択後に再発防止の附帯決議が可決される事態となりました。  私もこの間、たくさんの方からこんなずさんな公共事業の進め方ではだめだと、たくさんの御意見をいただきました。また、先日、中国新聞の情報公開請求でも、JVから提出された三回目の見積書に、完成に欠かせないトンネル内壁など六項目の費用が含まれていないと明記され、その理由まであったと報道されました。  普通に考えれば、契約時に必要な工事費が含まれていなかったことは誰が見てもわかったはずです。  改めて伺いますが、このたびのトンネル工事にかかわる一連の経緯の中で、何が原因で問題が生じ混乱が生じることとなったのか、また、県民、市民に疑義を生じさせないためにどのようにしておけば適正だったのか、土木建築局長のお考えをお伺いいたします。 23: ◯副議長(安井裕典君) 土木建築局長齋藤博之君。         【土木建築局長齋藤博之君登壇】 24: ◯土木建築局長(齋藤博之君) 広島高速道路公社は、高速五号線シールドトンネル工事の発注に当たり、平成二十五年度にコンサルタントから徴収した見積もりをもとに、契約額の上限を二百億円と設定しておりました。  しかしながら、見積もりを徴収した後、入札契約手続を開始した平成二十七年度の間に、首都圏を中心に道路シールドトンネル工事が多数発注され需給が逼迫したことから、シールドトンネルの価格水準は公社の想定を大きく上回る状況となっていました。  このような中、平成二十八年二月に、JVからは当時の市場環境を反映したと推察される約三百億円の見積もりが提出されたものの、当時の公社は二百億円で施工が可能であると考え、十分な検証を行わないまま入札契約手続を継続いたしました。  一方、JVは、二百億円の第三回見積書では、六項目を除外する旨の条件を付しており、増額変更に応じてもらえると認識していたなど、双方に認識の違いがある中で当初契約が締結されたものでございます。  両者の認識の違いの原因については、第三者委員会の調査報告書においても契約額の上限が適切でなかったこと、適正に予定価格を積算しなかったこと、入札契約手続において不適切な対応があったことなどの七項目が指摘されております。  公社は、第三者委員会の調査報告書を踏まえ策定した再発防止策の中で、本来であれば入札参加希望者が一者であり、契約額の上限を大きく上回る見積書が提出されている時点で、最新の知見等をもとに契約額の上限の妥当性について検証を行い、妥当でないと判断されたならば、契約額の上限等について所要の見直しを行う必要があったと総括しております。  県といたしましても同様の認識であり、再発防止策の着実な実施と、何よりも事業推進を優先したことなどにあらわれている公社の風土の改革が重要だと考えております。 25: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 26: ◯柿本忠則君 一月、二月の建設委員会において、再発防止策の進捗について説明がございました。しかし、現時点では、マニュアル整備や研修をやっているにすぎないように感じています。  広島高速道路公社がこのような事態を二度と起こさないようにするためには、十二月定例会で答弁されたように、事業を優先して認識の違いを放置するようなこれまでの公社の風土を改革していくことが必要であり、その進捗こそしっかりと監視していく必要があると考えています。また、公社が信頼に値する組織に生まれ変わるまでは、今回の技術提案交渉方式のように、公社で適用実績がない、もしくは極めて少ない発注方法をとる場合、事前の段階から県、市がしっかりと関与し、不可解な契約とならないように議会がしっかりとチェックできるようにすべきと考えます。  そこで、過去類を見ない今回の工事費増額問題に関し、再発防止に向けた広島高速道路公社の風土改革も含めた取り組みの進捗について、どのように県、市が関与し、議会のチェックを受けようとしているのか、知事にお伺いいたします。 27: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 28: ◯知事(湯崎英彦君) このたびの広島高速道路公社の事案につきましては、県、広島市、公社において、県議会における附帯決議の要請事項を踏まえ、公社の改革や再発防止策の着実な実施に取り組んでいるところでございます。  まず、公社の改革につきましては、業務執行体制の改善や職員の意識改革等について抜本的に取り組むため、先月、公社内にトップ直属の組織として公社改革推進チームを設置したところであり、このチームにおきまして、弁護士や公認会計士など外部の専門家の意見、助言をいただきながら、組織体制の改革、人の改革、意識の改革の三つの観点から公社改革の取り組みの検討を進めているところでございます。  県といたしましては、何よりも事業推進を優先したことなどにあらわれている公社の風土の改革が重要であると考えており、外部人材の活用など、さまざまな改善策について、広島市及び公社と連携しながら調整を進めてまいりたいと考えております。  また、公社が策定した再発防止策の取り組みにつきましては、県、市、公社で業務のスケジュールや進捗、業務の課題とその対応方針の調整を図る連絡調整会議の設置など、十一の具体策全てにおいて着実に進めているところでございます。  県におきましては、その実施状況について、県、市、公社の局部長級で構成する公社改革推進会議などで情報共有を図りながら、引き続き、公社に対する指導・助言を行ってまいります。  また、一月七日には、再発防止策の実施状況などについて県から広島県監査委員に対して監査要請を行い、二月十三日に県及び公社を対象に委員監査が実施されたところでございます。  これらの取り組み状況につきましては、引き続き、議会を初め、県民の皆様の御理解が得られるよう丁寧に説明させていただくとともに、再発防止策の着実な実施と公社の風土の改革に向けて、市及び公社と連携して取り組んでまいります。 29: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 30: ◯柿本忠則君 五号線に続いて、広島水道用水供給事業の二期トンネル、また、本郷産業団地の造成の事業費合わせて約五十三億円の大幅な増額が提案されるなど、公共事業に対する県民の信頼を低下させる事案が相次いでいます。県民からしてみたら、工事着手後の増額ありきで事業が進められているとの認識を持たれかねませんので、県財政の健全化の観点からも信頼回復に努めていただくことを強く要望いたします。  続いて二点目は、子供の貧困対策について、私の実経験も入れながら質問させていただきます。  私の両親は、私が中学校一年生のときに離婚しました。当時の私は、離婚しても自分の生活は大して変わらないだろうと考えていました。しかし、実際には、成長するにつれ、食費などの生活費、塾などの習い事もふえ、母親は朝から晩まで働いていました。そういった後ろ姿を見てきて、さまざまな家庭環境はあるものの、やはりひとり親世帯の収入では生活が苦しくて大変なんだなと子供ながらに感じてきました。  その後、私立高校へと進みましたが、私学の学費はひとり親世帯の収入では賄えなかったため、学業による学費の免除や奨学金制度を利用し、新聞配達のバイトもしながら通学いたしました。当然、奨学金制度を利用して借りたお金は、就職してから一定期間かけ返済もしました。しかし、就職してすぐの一番所得が少ないそのときから、既に借金の返済をしながら生活していかなければならない。私の場合は高校のみでありましたが、大学へ進学した場合はさらに高額なお金を返済しなくてはなりません。  県の実態調査の結果において、生活が困難な層ほど保護者自身の十五歳のころの暮らしも苦しかったと回答した割合が高く、貧困が世代を超えて連鎖していると明らかになったとの分析があります。  私は、家庭を持つことで経済的負担を重く感じてしまうようなこの社会構造が、晩婚社会の要因になっているのではないかと考えていますし、未来ある子供たちが、親の収入により平等にチャレンジできない、したくてもできない、そんな世の中を後世に引き継ぐわけにはいかないと強く思っています。  県は、貧困の世代間連鎖の防止対策を含めた子供の未来を応援する施策として、朝御飯提供のモデル事業や、高等学校進学時の準備金の貸し付け制度といった取り組みを進めてこられていますが、子供たちが夢や希望に向かって平等にチャレンジできる広島県づくりについて、これまでの取り組みをどのように評価されているのか、また、今後どのようなスタンスで取り組みを推進していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 31: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 32: ◯知事(湯崎英彦君) 平成二十九年度に行った子供の生活に関する実態調査の結果では、生活が困難になるほど子供たちが厳しい環境に置かれていることが改めて確認されたことから、平成三十年度には、県庁が一丸となって、貧困の連鎖防止対策を含めた子供たちの未来を応援する施策を推進するため、子供未来応援プロジェクト・チームを立ち上げて取り組みを進めているところでございます。  具体的には、子供の能力と可能性を最大限高める教育の実現に向けた学びのセーフティネット構築事業や、それらの下支えとなる生活習慣づくりとして朝ごはん推進モデル事業、さらに、今年度は、高等学校等の入学準備金貸し付け制度の創設による奨学金のさらなる充実に向けた取り組みも行ったところでございます。  こうした取り組みは、まだ緒についたばかりでございますので、今後も継続して取り組みを進める中で成果をしっかりと検証し、評価を行ってまいりたいと考えております。  現在、ひろしま子供の未来応援プランの策定を進めておりますが、このプランでは、全ての子供たちが生育環境の違いにかかわらず健やかに夢を育むことのできる社会の実現を、目指す社会像として設定しております。  プラン策定後は、この目指す社会像の実現に向けた取り組みを進めていくことになりますが、子供たちが置かれている状況や経済的な事情も含めた家庭環境などをあらゆる機会を通じて漏れなく把握し、ライフステージの早い段階から適切なタイミングで必要な支援を確実に届けることが、子供の未来を応援する施策全体の基礎になるものと考えております。  そのため、全ての子育て家庭を包括的に見守り、早期に適切な支援につなげるひろしま版ネウボラの取り組みを着実に進めるとともに、府中町をモデルとして進めております、子供の育ちに関係するさまざまな情報をもとにAIを活用して予防的支援につなげる取り組みや、小学校低学年からの学習のつまずきの要因等を把握するための新たな学力調査などの取り組みを進めているところでございます。  今後もこうした取り組みを基礎として、子供の未来応援プランに沿った施策を着実に成果に結びつけ、全ての子供たちが健やかに夢や希望に向かってチャレンジすることができる広島県を実現してまいります。 33: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 34: ◯柿本忠則君 子供の進路決定は、学力だけでなく、世帯の経済力に左右されることが多いとの研究結果はたくさんあります。来年度から国による私立高校や高等教育の無償化が実施されますが、低所得世帯においては、幾ら授業料負担が軽減されても大学に進むという発想自体になりにくいのではないかと感じています。県の調査においても、生活困難層の割合が約三割と高い水準になっています。近年では、共働きでも生活が困難な世帯がふえていると言われており、こうした社会全体の構造改革に向けて、生活困難層の割合低減を見据えた施策も検討するように要望いたします。  続いて、子供の貧困対策にも関連して、県立高等学校における生徒用情報端末の導入についてお伺いいたしますので、教育長は答弁待機席にお願いいたします。 35: ◯副議長(安井裕典君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 36: ◯柿本忠則君(続) 昨年十二月に、来年度から県立高等学校三十五校で、生徒用情報端末を保護者負担で導入することが突然明らかになり、それを後追いするような形で、今次定例会に提案された来年度の当初予算案に、端末購入等の経費の支援策が盛り込まれております。本県の教育分野におけるICT活用の基盤整備が全国的に見ても低位な状況にあり、それを脱却すべく一気に加速しようと、一定の理解はいたしますが、先ほどもお伝えしたように、所得による教育格差や世代を超えた貧困の連鎖といったことが指摘されている昨今、端末整備は公費で行うという選択肢もあり得るのではないかと考えていますし、現に、小学校、中学校においては公費による整備が推進されようとしています。  県立高等学校における生徒用情報端末の導入を保護者負担によって行うこととした考え方や経緯について教育長にお伺いいたします。 37: ◯副議長(安井裕典君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】
    38: ◯教育長(平川理恵君) 生徒用情報端末が導入された経緯につきましては、生徒が主体的に学ぶ力を育成する学びの変革を一層推進するためには、ICTの有効活用が不可欠であること、文部科学省が令和元年六月に公表した新時代の学びを支える先端技術活用推進方策においても、ICT環境や先端技術の考えが示されたことなど、これらの状況を受け、導入を決定したものでございます。  また、生徒用情報端末につきましては、学校の授業だけでなく家庭での授業の振り返りや課題研究など、常時生徒が自由に専有するものであり、生徒が個人で使用する副教材などと同様に考え、公費ではなく保護者負担により導入することといたしました。 39: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 40: ◯柿本忠則君 私は、決してPCなどの導入やICT化の推進を疑問視しているわけではありませんが、端末導入後の活用策が具体的に示されていない中で、導入ありきで物事が進められていることに一番課題があると考えています。導入後、情報端末がどのような形で活用されるかが具体的に示されなければ、誰が経費を負担するべきなのか、判断が難しいと思っています。  知事は、先般、情報端末は鉛筆やノートと位置づけられると発言されましたが、私は、活用策によっては、机や椅子、黒板と同様に学校側が準備すべき設備であるといった位置づけもあり得ると考えています。  県立高等学校において生徒一人一人が情報端末を持ったとして、それはどのように活用されるのでしょうか、また、その経費を負担する保護者は、そのことを十分理解し納得しているのでしょうか、教育長にお伺いいたします。 41: ◯副議長(安井裕典君) 教育長平川理恵君。 42: ◯教育長(平川理恵君) 一人一台の情報端末を導入することによりまして、生徒自身が疑問に思ったことについて深く調べたり、自分に合った進度で学習を進めたりすることが可能となり、生徒一人一人の能力や特性に応じた個別学習を充実することができます。  また、アンケート機能を活用して生徒全員の意見を瞬時に集約し、複数の意見をもとにした議論を通して解決策を導いていくなどの協働学習が可能となります。  このように、一人一台の情報端末を導入し、効果的に活用することにより、生徒の主体的な学びを促進させ、思考力、判断力、表現力等をより育成することができるものと考えております。  また、中学校三年生やその保護者に対する説明につきましては、一人一台の情報端末を導入する学校において、中学校訪問等での説明やホームページの掲載により説明を行っているところでございます。  今後も授業での活用につきまして、機会を捉えて保護者の方々に説明してまいりたいと考えております。 43: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 44: ◯柿本忠則君 このほかにも、県立高等学校の普通教室の冷暖房が、公費ではなくPTAの負担によって設置されているという例もあります。  教育関係において、本来公費で整備してしかるべき事柄が、その予算が確保できないがために保護者へ負担転嫁されているのではないかと疑問を抱いていますが、端末調達の費用を保護者負担とするこのたびの方針は、必要な予算が確保できなかったことによるものではないのか、また、本県において未来ある子供たちを育む教育現場で必要な予算がきちんと確保されているとお考えか、教育長の所見をお伺いいたします。 45: ◯副議長(安井裕典君) 教育長平川理恵君。 46: ◯教育長(平川理恵君) 生徒用情報端末は、学校での使用のほか、常時生徒が自由に専有するものであり、生徒が個人で使用する副教材と同様に考え、保護者負担により導入することとしたところでございます。  私は、教育長に就任して以来、現場主義を掲げ、児童生徒の個別の状況に応じた個別最適な学びに関する調査研究や、不登校等児童生徒への対応を初めとする学びのセーフティーネットの充実、さらにはコミュニティースクールの全県立学校への導入など、本県の教育環境や児童生徒の実態を踏まえた施策を展開しているところでございます。  こうした教育施策を確実に実施していくために、必要な予算を確保し、広島で学んでよかったと思える日本一の教育県の実現に取り組んでまいります。 47: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 48: ◯柿本忠則君 生徒が持つ端末の規格がばらばらになってしまえば、生徒によって使える機能など違いが生じてしまい、結果として教師負担がふえたり、生徒が平等に教育を受けられないといった事態となる可能性があります。私は、規格を統一する観点からも、端末の導入は公費負担により一括して検討すべきだと考えていることをお伝えいたします。  次に、災害に強い広島県づくりについてお伺いいたします。  まず、一昨年の豪雨災害からの復旧が早期に完了するよう、引き続き御尽力いただくことを切にお願い申し上げます。  一方で、災害復旧の現場でよく耳にするのが、県、市町、どこが工事をするかで調整中の箇所が多いことです。例えば、私の住んでいる東区の大谷川の改修においては、事業箇所が砂防と河川の両方に該当しており、工事を県がするのか広島市がするのかで長期間にわたり調整しておりました。  同じ河川事業であっても、管理者が異なれば実施主体が変わってきますし、同じ自治体の中でも土木、農林といった所管部局、砂防と河川、道路といった担当セクションが複数関係し、調整が難しくなるケースがあると思います。ただ、被害を受けられた方は、一日でも早くもとどおりの生活に戻りたいだけであって、行政間の調整がうまく進んでいないことによって復旧がおくれていることに不満を抱いている方はとても多いです。  複数の事業主体や担当セクションが関係する箇所において、災害復旧を迅速に行うためには、関係機関が連携し調整を速やかに行う仕組みを構築することが必要であり、場合によっては事業の実施主体を一つにまとめるといった工夫を行うことも検討すべきと考えますが、土木建築局長の所見をお伺いいたします。 49: ◯副議長(安井裕典君) 土木建築局長齋藤博之君。         【土木建築局長齋藤博之君登壇】 50: ◯土木建築局長(齋藤博之君) 早期に公共土木施設等の復旧を完了させるためには、速やかに被災状況の調査を終え、復旧工事に着手することが必要であり、管理者の違いなどにより事業主体が異なる場合においては、十分な調整を行った上で事業を進めることが重要であると認識しております。  災害復旧事業につきましては、原則として、施設管理者ごとに国に申請し、採択されることとなっておりますが、例えば、県が管理する河川の護岸が市町道の路側擁壁としての機能を兼ねている場合には、施設の重要度を踏まえ、県と市町が協議・調整を行った上で、どちらか一方の管理者が災害申請を行い、事業を実施することとしております。  また、被災箇所が近接している、管理者が異なる復旧工事におきましては、早期復旧の観点から、いずれかの管理者が他の工事を受託して、一連の工事として実施するなどの対応も行っております。  甚大な土砂災害が多数発生した平成三十年七月豪雨においては、早期の復旧に向けて、国、県、市町の土木、農林部局において、被災箇所における事業主体について速やかに調整を行い、平成三十一年一月に事業計画を策定し、公表したところでございます。  さらに、実施主体ごとの事業箇所を県民の皆様にわかりやすくお示しするため、平成三十年七月豪雨災害砂防・治山施設整備計画を公表しているところであり、事業の進捗状況について、県で関係機関も含めて取りまとめて、定期的に更新して情報発信に努めております。  引き続き、国や関係市町と連携・協力し、県全体として効率的な執行となるよう取り組み、一日も早い復旧に努めてまいります。 51: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 52: ◯柿本忠則君 先ほどもお伝えしたとおり、住民からしてみたら、復旧工事を誰がするのかが重要ではなく、もとの安心した生活ができることを切に願っています。また、復旧現場でもともと生活道として利用していた箇所を引き続き生活道として利用したいとの意見や、河川改修によりかなりの高低差ができ、フェンスなどの柵を設置してほしいといった要望もたくさん伺っています。ルール上困難なことはあると思いますが、住民の従来の生活を取り戻す、復旧によってよりよい生活が実現されるといった視点を持って事業を進めていただきたいと思います。  昨年十二月に、私の住んでいる地域で、長年防災の取り組みを推進された方が県知事表彰を受賞されました。県知事表彰を受賞されたことは、地域、そして防災士仲間の一人として敬意と誇りを感じています。  災害に強い広島県とするには、ハード対策のほかにもソフト対策も重要なウエートを占めており、その中でも地域における共助の仕組みづくりは大変重要であると考えており、私も防災士仲間のみんなと一緒に勉強させていただいております。  これは、一昨年の豪雨災害で倉敷市の真備町で起きた実話報道です。八十歳を超えた老夫婦。年齢を重ね足腰が弱ってきた御主人と、骨折後に介護が必要になった奥様を御主人が何とか介護しながら生活していました。そんな老夫婦を豪雨が襲いました。気づいたときには道路は氾濫した水であふれ、二階へ避難しようと一緒になって階段を上ろうとしたが、足腰が弱った体力ではとても一緒に二階へ避難することができず、奥様は亡くなられてしまいました。御主人は今でも、最後まで「お父さん、お父さん」と助けを求める声が、耳の奥で響いているとありました。  この真備地区では、死者五十一名のうち八割以上の四十一名が、住宅一階部分で亡くなられており、亡くなられた四十一名のうち三十七名が六十五歳以上の高齢者で、足が不自由だったりつえを使ったりする方が多かったとありました。避難したくても避難が困難だったために亡くなられるケースが大部分を占めていたことが浮き彫りとなったと思っています。  災害対策基本法及び内閣府が策定した取り組み指針では、市町村は、高齢者、障害者、乳幼児といった要配慮者の中から、みずから避難することが困難で支援を必要とする避難行動要支援者を把握した上で、名簿を作成し、本人の同意を得て消防機関や警察、民生委員、自主防災組織などの関係者に提供することとされています。災害時における避難の初動段階では、自主防災組織の活動が大きな役割を果たすことになり、各自主防災組織が避難行動要支援者を把握しておくことは、極めて重要であると考えています。  消防庁の調査によると、広島県では、名簿作成済みの市町が一〇〇%、自主防災組織への情報提供は六九・六%となっていますが、私が防災士の活動を通じて感じるのは、民生委員のなり手不足などを背景として、実態を正確に網羅した名簿となっておらず、表面的なデータと実情に大きな乖離があるのではないかということです。また、名簿があっても、災害発生時に要支援者への対応がきちんとできる自主防災組織も少ないのではないかと危惧しております。  県として、避難行動要支援者名簿の作成と自主防災組織への提供について、進捗状況及び課題をどのように認識しているのか、それを踏まえ、今後どのように対応していくのか、危機管理監にお伺いいたします。 53: ◯副議長(安井裕典君) 危機管理監海田智浩君。         【危機管理監海田智浩君登壇】 54: ◯危機管理監(海田智浩君) 災害発生時に備え、市町は、ひとりで避難が困難な高齢者などの避難行動要支援者名簿を作成し、共助のかなめである自主防災組織とともに、誰が、誰に、どのように支援するかという具体の個別計画を作成することが、早期の避難を促進する上で極めて重要であると認識しております。  避難行動要支援者名簿につきましては、県内全市町で作成しておりますが、年度中途における施設入所や転入などを反映したリアルタイムの情報となっていない、災害時の要支援者は市町によって対象者が異なるといった課題がございます。  また、個別支援計画については、ほとんどの市町において一部の要支援者に対する計画にとどまっております。  市町からの自主防災組織などへの名簿の提供につきましては、本人からの名簿提供に関する同意が得られない、名簿に掲載された個人情報の取り扱いに不安があるといった理由などから、十六市町、六九・六%の状況となっております。  一方で、名簿のみの提供を受けた自主防災組織においては、支援が必要な方に対する避難支援の知識や技術がないなど、負担が大きく、自主防災組織だけで支援するには限界があるとの意見も出ているところでございます。  こうしたことから、市町に対して、市町の担当者会議や研修会におきまして、名簿の提供については、名簿の適時の更新や名簿を支援者に提供するための本人同意の促進など、個別計画につきましては、福祉関係者や社会福祉協議会などが参加し、災害時にどんな協力ができるかの話し合いの実施の取り組みを先進事例として紹介するなど取り組んでいるところでございます。  また、今年度、県と市町が連携して取り組んでいる避難の呼びかけ体制づくりでは、自主防災組織みずからが、避難が必要な方の把握のためのアンケート調査の実施や、避難行動要支援者と一緒に避難訓練を実施したという優良な事例も出ているところでございます。  こうした優良な事例を他の自主防災組織へ紹介していくとともに、引き続き、県と市町が連携し、自主防災組織などと一緒になって個別計画の作成や自主防災組織による避難の呼びかけ体制づくりに積極的に取り組み、避難行動要支援者が早期に避難しやすい環境づくりに努めてまいります。 55: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 56: ◯柿本忠則君 先ほど答弁いただきましたけれども、ぜひ、県として課題を認識されているのであれば、しっかりと県もその市町、もしくはもう少し近いミクロなコミュニティーにもしっかり入っていただいて、この取り組みをしっかりと推進していただければと思います。  現在、指定緊急避難場所は、学校施設などの公共施設が主として指定されていますが、避難行動要支援者などの避難行動を促すのであれば、一定レベルのバリアフリー化など、環境改善の取り組みも必要だと考えていますが、指定緊急避難場所の環境改善に向けた方向性や今後の取り組みについて健康福祉局長にお伺いいたします。 57: ◯副議長(安井裕典君) 健康福祉局長田中 剛君。         【健康福祉局長田中 剛君登壇】 58: ◯健康福祉局長(田中 剛君) 平成三十年七月豪雨に対する県民の避難行動の調査においても明らかになっておりますが、避難行動要支援者等の避難行動を促すためには、指定緊急避難場所や指定避難所において、トイレの洋式化によるバリアフリー化や、クーラー、暖房機器の設置などの環境整備とともに、気兼ねなく授乳のできるスペースの確保や、衛生に配慮した動線づくりなど、運営面での改善を図ることも重要であると認識しております。  このため、本年三月、避難行動につながる避難所環境等検討会を設置し、避難所の詳細調査を実施した上で、望ましい避難所の環境を明らかにするとともに、市町における避難所ごとの運営マニュアルの作成等について、支援することとしております。  引き続き、市町とともに、国に対して避難所の環境整備に係る財政支援の拡充を要望するなどにより、避難所の環境改善を進めてまいります。 59: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 60: ◯柿本忠則君 現在、指定緊急避難場所が公共の施設のみだと避難者を十分に受け入れることができないため、民間の商業施設や福祉施設などとも協議を締結し、避難場所とする動きがあります。私は、指定緊急避難場所となっている公共施設の環境改善も進める一方で、民間の保育園やグループホームなどとも被災時の協定を締結することで、小さな子供を持つ世帯は保育園に行けばそれ相応の設備が整っており、介護などが必要な方はグループホームへ行けばバリアフリーで部屋も確保されるなど、そのことが早期避難するきっかけにもつながると考えています。  民間の施設を指定緊急避難場所とすることについて、今後どのように進めていこうとされているのか、危機管理監の所見をお伺いいたします。  また、学校などの公共施設に避難行動要支援者などの配慮を要する方が避難された場合、ふさわしい場所で避難生活を送っていただけるよう、福祉避難所と協定を締結した福祉施設の空き情報を近隣の避難施設にタイムリーに共有できるような仕組みの構築も必要だと考えていますが、あわせて御所見をお伺いいたします。 61: ◯副議長(安井裕典君) 危機管理監海田智浩君。         【危機管理監海田智浩君登壇】 62: ◯危機管理監(海田智浩君) 住民の皆様が災害から命を守るために緊急的に避難する施設である指定緊急避難場所は、災害の種別ごとに市町が指定することとされております。  これまで、県におきましては、市町に対して公共施設に加え、マンションなどの民間の堅牢な施設を指定することによって、住民の避難に必要な安全で身近な施設を確保するよう働きかけてまいりました。  こうした取り組みの結果、複数の市町において、民間の商業施設などを指定緊急避難場所として活用している事例があるところでございます。  また、平成三十年七月豪雨災害を踏まえた、研究チームにより実施されました避難行動等に関する分析結果において、避難の実効性を高めるためには指定された避難場所にこだわらない、商業施設やホテル、親戚の家など複数の避難場所を確保することが重要であるとの報告をいただいているところでございます。  この分析調査結果を踏まえ、住民の皆様に対し複数の避難場所の確保を促す取り組みを進めるとともに、市町に対しては、引き続き、民間施設を指定緊急避難場所として積極的に確保するよう働きかけてまいります。  また、福祉避難所への要配慮者の避難につきましては、指定緊急避難場所等で、医師や保健師などが被災者の日常生活の介助の必要性を確認した上で実施しているところでございます。  福祉避難所の受け入れにつきましては、県が社会福祉施設関係団体と、災害時等における安心をともに支え合う相互協力に関する協定を締結し、福祉避難所の指定促進や運営に必要な人材の派遣、資機材の提供など、連携体制の構築を進めているところであり、この過程の中で、県と市町が連携して福祉避難所の空き情報を把握し、円滑かつ適切に調整できる仕組みづくりに取り組んでまいります。  県におきましては、本年三月には避難行動につながる避難所環境等検討会を設置し、福祉避難所だけではなく、避難所の空き情報などの有効な情報発信や、避難所の環境整備や運営方法などについて有識者の意見を伺いながら市町や関係団体とともに検討し、住民の皆様がより適切な避難行動をとっていただけるよう取り組んでまいります。 63: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 64: ◯柿本忠則君 近年、交通事業者が行う計画運休というフレーズが浸透してまいりました。これは、事業者がやみくもに実施しているのではなく、激甚災害の可能性がある中で、利用される方の命の危険性について啓発しようとする動きにもなっています。このように、自然災害が予想される場合、不要不急の外出、通勤などを控えるなど、タイムライン防災の考え方に基づく時間軸を意識した行動を県内で共有できるような情報発信などの取り組みを展開し、社会的な行動意識の醸成を通じた自然災害発生時の混乱の未然防止も図っていくべきと考えます。  県では、今後、台風への対応について、専門家の意見も踏まえた事前行動計画を作成し、関係機関と共有していくとのことですが、より実効性の高いものとしていくため、マスタープランというべき大きなタイムラインを軸に、各セクションが策定する事前行動計画がしっかりと連動したものとなるよう、しっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、どのような計画を作成し実行しようとしているのか、危機管理監の所見をお伺いいたします。 65: ◯副議長(安井裕典君) 危機管理監海田智浩君。 66: ◯危機管理監(海田智浩君) 昨年、広域的に大きな被害をもたらした台風十五号や十九号などの大型台風の接近による災害に備えるためには、あらかじめ関係機関が実施すべき対策や行動などを時系列に沿った計画として定め、先を見越した災害対応を行うことが重要であると認識しております。  このため、指定緊急避難場所の開設、市町の避難情報の発令、住民にとっていただく行動内容とその呼びかけのタイミングなど、公助の対応を中心とした台風接近時事前行動計画、いわゆるタイムラインを県内市町や広島地方気象台、内閣府、防災の専門家からの意見等を踏まえながら、次期出水期までに作成することとしております。  また、このタイムラインでは、早朝、夜間、日中ごとに台風の接近状況を想定した複数のタイムラインとし、各関係機関が着実に実行することで、県民の適切な避難行動につなげてまいりたいと考えております。  さらに、訓練や実際の災害対応を通じて随時タイムラインを見直すとともに、市町や関係機関と共有することで、台風接近時に適切な災害対応を行い、災害死ゼロを目指して取り組んでまいります。 67: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 68: ◯柿本忠則君 次に、質の高い公共交通サービスの創造に向けた取り組みについてお伺いいたします。  バスを初めとした公共交通は、高齢化や人口減少、都市部への人口集中と地方の過疎化、運行本数の減少などによりさらに利用しにくいものとなり、利用者の減少に一層の拍車がかかるという悪循環を繰り返していくことが危惧されています。県では一定の要件のもと、採算の合わない路線を運行するバス会社へ補助を行い、生活交通の確保を支援しておられますが、ドライバーなどの人口不足などによりいつまで路線を維持できるかが不透明な状況があります。  先般、昨年の豪雨被害を受けた福島県のバス会社を視察しましたが、保有しているバスの半数以上が被害を受けたため、補助を受けている路線が最初に運休となり、車両が整備された後も人材不足のため運休路線を再開させる見通しが立たないと伺いましたし、呉市安浦でも市と協定を結んでいるバス会社が撤退するとの報道がありました。  私も山間部に住居を構えている方から、巡回バスの運行、タクシー代の助成支援制度などさまざまな要望を頂戴してきました。私は、交通事業者だけに任せておくのではなく、今こそ行政と各事業者が課題認識を共有し、県民、市民が真に利用しやすい地域公共交通を構築していく必要があると考えております。  平成二十九年六月の本会議において、県としては、持続可能で最適な交通ネットワークの構築の実現が図られるよう、市町の区域を越えた路線再編、多様な運行形態の導入、ハード・ソフト両面での利便性の向上など総合的な観点から関係者の取り組みを促してまいりたいとの答弁がありました。  その後、県の取り組みについての評価と今後の方向性について知事にお伺いいたします。  また、その実行のためには、県や市町が旗振り役となり行政と交通事業者とが定期的に意見交換し、互いに共助できる仕組みづくり、例えば、仮称地域公共交通活性化プロジェクトチームといったものを立ち上げ、推進していく必要があると考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。 69: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 70: ◯知事(湯崎英彦君) 人口減少や高齢化、モータリゼーションの進展等により、公共交通の利用者が長期的に減少する中、県では、交通事業者や市町と連携しながら、公共交通ネットワークの持続可能性を高める取り組みや最適化を図る取り組みを展開してまいりました。  具体的には、市町の区域を超えた路線再編につきましては、国、交通事業者、地域団体等が構成員となった市町の公共交通会議において、交通事業者に対し、広域的観点から地域の拠点を結ぶ路線のあり方について助言を行い、関係機関が連携して地域の実情に応じた再編が進むよう取り組んでいるところでございます。  また、運行形態の多様化につきましては、バス交通において、平成三十年度から、利用の実態を踏まえたルートや便数の変更、デマンド交通の導入など、路線の再編や運行形態の見直しの検討を促進できるよう補助制度の見直しを実施いたしました。  さらに、公共交通の利便性を高める取り組みといたしましては、全国十の交通系ICカードが県内のバスで使えるサービスの導入支援、低床電車の導入や鉄道駅へのエレベーターの設置によるバリアフリー化の促進支援など、ハード・ソフト両面から公共交通の利便性向上に取り組んでまいりました。  こうした取り組みによりまして、各市町が運行するバス路線について、公共交通ネットワークの維持に向けた持続可能性を高める検討が行われるとともに、バリアフリー化等による円滑な移動が促進されたものと考えております。  県といたしましては、これらの取り組みを着実に推進するとともに、今後は、自動運転やMaaSなどの新たなモビリティーサービスの地域への導入の検討も行い、質の高い公共交通サービスの創造に取り組んでまいりたいと考えております。  また、持続可能で最適な公共交通ネットワークを構築していくためには、行政、交通事業者等において、県民の皆様の利用状況を踏まえ、幅広く意見交換を行い、路線を見直しつつ維持していくことが重要であると認識しております。
     県といたしましては、引き続き、さまざまな機関が参画する市町の公共交通会議において関係者と緊密に連携し、必要な支援を行っていくことで、県民の皆様にとって真に利用しやすく、かつ、持続可能性の高い公共交通ネットワークが構築され、そして、利用され続けるよう取り組んでまいります。 71: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 72: ◯柿本忠則君 一昨年の西日本豪雨災害では、県内でも鉄道路線や道路が寸断され、県民の移動権が十分に確保できず混乱が生じました。鉄道については、昨年十月二十三日に全線開通となりましたが、復旧までの長期間、全国のバス会社からの支援を受けて一日最大三百五十台以上のバスを確保し、代行輸送が行われたとのことですが、このバスの手配は非常に困難なものだったと伺っております。県では、災害に備え、日ごろからバス事業者と密接に連携されているとのことでありますが、このたびの教訓も踏まえ、一層強固な協力体制を構築していただきたいと思っております。  さて、そもそも、災害時の交通遮断を防ぐために、交通事業者の敷地内の治山治水は各事業者が責任を持って対策をすることは大前提でありますが、鉄道路線や高速道路は山を削り、線路や道路を整備している箇所が多く、近年は各事業者の用地外からの土砂、倒木などが被害を拡大させていることも多くなっています。  被害拡大により物流網が停滞することによる経済や生活者への影響に鑑み、災害に強い公共交通の実現に向けて、公共交通網周辺の治山治水対策を強化、推進していく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくおつもりか、知事にお伺いいたします。 73: ◯副議長(安井裕典君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 74: ◯知事(湯崎英彦君) 平成三十年七月豪雨におきましても、県内各地で道路や鉄道が寸断され、県民生活や経済活動に大きな影響を与えたところであり、災害に強い公共交通を実現することは、県民の皆様の安全・安心を守る上で極めて重要と認識しております。  公共交通の防災対策につきましては、まず、各公共交通の事業主体が利用者の安全確保の観点から対策を講じることが重要と考えております。  道路や鉄道用地以外からの災害対応につきましては、国において検討が進められていることから、その動向を注視するとともに、県といたしましても、治水治山事業においては、保全対象として人家に加えて鉄道や道路など、公共交通を含む箇所につきましては優先度を上げて整備を進めているところでございます。  引き続き、各管理者とも連携を図りながら、治水治山対策を着実に進めることにより、県民の皆様の安全・安心の確保に取り組んでまいります。 75: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 76: ◯柿本忠則君 私は、交通政策とまちづくりはイコールであり、行政運営を行う上で人々の移動手段をどうやって確保していくのか、移動権の保障といった要素はセットで検討されなければならないと考えています。しかし、現状では、本県の交通において、自家用車が大きなウエートを占めており、県内の各所で慢性的な渋滞が起こっています。  これを解決するために、道路の改良、バイパス整備といった道路網の強化策は当然必要であると思いますが、交通の円滑化を図る上では、もう一つ、自動車交通の総量が過度にならないようにするアプローチも重要であり、そのためにはバスや鉄道、デマンド型交通なども含めた公共交通の活用が大きな鍵になるものと考えています。  このことは、環境負荷の軽減や運転免許を返納された高齢者の移動手段の確保という面でもメリットがあると考えていますが、公共交通の一層の利用促進に向けて今後どのように取り組んでいくのか、地域政策局長の御所見をお伺いいたします。 77: ◯副議長(安井裕典君) 地域政策局長西野博之君。         【地域政策局長西野博之君登壇】 78: ◯地域政策局長(西野博之君) 公共交通ネットワークは、県民の皆様の日常生活や経済活動を支える重要な社会インフラであり、まちづくりと一体となって利便性の向上を図り利用を促進することにより、地域の活性化が図られるものと認識しております。  このことから、本県におきましては、平成二十四年度に、新たな交通需要を創出し移動の活発化を図ることを目的として、国、市町や交通事業者、学識経験者等から構成します広島県公共交通移動活発化検討会を設置し、乗りかえ検索サイトへの県内全域のバスや航路の情報の掲載、バスロケーションシステムの導入、広島都市圏におけるバス停名称の見直しや路線番号の整理、広島の市街地を循環するバス運行への助言を行うなど、利用者の立場に立った利便性向上を図ってまいりました。  県といたしましては、引き続き、この移動活発化検討会におきまして、鉄道、バス、航路等が連携した乗りかえの利便性の向上に向けた取り組みや公共交通の利用意識の醸成を進めるとともに、来年度はデジタル技術を活用した新たなモビリティーサービスが地域に定着する仕組みづくりについて、新たに検討会を設置し、中山間地域や都市部などにおける移動パターンごとの課題解決に向けた検討を進めることで、公共交通の一層の利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。 79: ◯副議長(安井裕典君) 柿本忠則君。 80: ◯柿本忠則君 来年度の新規事業として、鉄道ネットワークを生かした中山間地域の魅力向上として二千七百万円を要求されています。災害を通じて公共交通の必要性や重要性を県としても再認識されたと思っています。一方で、イベントなどの単発的な取り組みだけでは本質的な活性化につながらないと考えており、交通政策基本法を軸に、市町、沿線協議会、交通事業者が一体となって、利用者のニーズに沿った利用しやすいバス路線のあり方、ダイヤ調整なども含めて議論していく必要があります。県は、予算措置をして終わりというのではなく、県が旗振り役となり、主体的に、そして継続的にかかわっていただくことを要望いたします。  また、来年度策定される県の十年計画、いわゆるひろしま未来チャレンジビジョンにおいても、補助により運行するバスの路線数や乗りかえ検索アクセス数の増加といった現行の視点だけでなく、もっと大きな地域公共交通のあり方計画を盛り込み、推進していただくことをお願い申し上げます。  以上で私の質問を終了させていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) 81: ◯副議長(安井裕典君) この際、暫時休憩いたします。休憩後の会議は午後二時十五分から開きます。         午後二時三分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時十六分開議 82: ◯議長(中本隆志君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。佐藤一直君。         【佐藤一直君登壇】 83: ◯佐藤一直君 広志会の佐藤一直です。早速質問に入りたいと思いますので、教育長、よろしくお願いします。 84: ◯議長(中本隆志君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 85: ◯佐藤一直君(続) まず、去年の新聞なのですけれども、経済協力開発機構──OECDが、加盟各国が小学校から大学に相当する教育機関に対して行った、教育に対する公的な支出の国内総生産──GDPに占める割合を発表されました。日本は二・九%で最下位だということです。これはもう三年連続最下位だということでありますし、その前も、五年ぐらい連続して最下位のときもあって、十年ぐらいはもうずっと最下位かその上かぐらいな形で、世界的に見れば日本の教育に対する支出の割合が非常に低いということがデータとして出ております。  ただ、学力のランキングとかを見てみますと、比較的上位にいるのではないかと思いますけれども、これは公的ではなくて家庭であったり、そういう個人的な支出があるからこそ、トータルの教育費で見れば日本は何とかやっている。だからランキングも上位で頑張っているのではないかというのが今まででしたけれども、だんだんその学力のランキングも実は下がっています。PISAの調査で日本は読解力が十五位に落ちたという話を教育長も御存じでしょうけれども、そういった、家庭に頼ってばかりいる日本ではいけないのではないか。 私は、今回、そういうことを念頭に置いて、今後のタブレットの件について、まずは質問したいと思います。  先ほど、柿本議員からも、保護者負担による県立高校へのタブレット端末の導入について、なぜ保護者負担でやるのかという質問があって、家庭で使うからという答えでした。だけど、この答えを聞いて、本当に保護者の方々が納得するのか、この言葉は、ちょっと考えてみると日本語としておかしいのではないかと思うのです。  家庭で使うから保護者負担ということですが、では保護者側からすると、学校で使うから学校負担ではないのですか。学校でも家庭でも使うからどっちの負担なのかがわからないような状況になっているのであれば、例えば、我々議員の政務活動費でいえば、政務活動なのか後援会活動なのかがわからないときは二分の一に案分するという話もあるわけです。この件に関していえば、どうしていきなり全額が保護者負担になってしまうのかがちょっと理解できないのです。  教育委員会の中でそういう議論をしたときに、例えば今言った、二分の一ずつ案分しましょうといったような話が全く出なかったのかどうか、まずお伺いします。 86: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 87: ◯教育長(平川理恵君) 生徒用情報端末の導入につきましては、学校の授業だけではなくて家庭での授業の振り返りや課題研究など、常時生徒が自由に専有するものであり、生徒が個人で使用する副教材などと同様に考え、今回色々思案いたしましたけれども、公費ではなくて、保護者負担により導入することといたしました。 88: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 89: ◯佐藤一直君 その答えはもう先ほど聞いたのです。それを踏まえて、二分の一ずつを負担するという議論は教育委員会ではしなかったのかと聞いているのです。 90: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 91: ◯教育長(平川理恵君) 今お話しいただきましたような二分の一ずつの負担などの意見はさまざま出ましたけれども、今回、保護者負担として導入することといたしました。 92: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 93: ◯佐藤一直君 私は二分の一でも反対で、やはり全て広島県が公費で負担すべきだと思うのです。先ほどのOECDの話ではないですけれども、公的支出の割合を上げていかないと、本当に世界からおくれていくのではないかと思うわけです。  ただ、私の中でも、これだったらやはり公費で負担できないのだろうと思ったのが、三十五校のみで今回始めるのです。となると、その三十五校にいる人たちだけが、例えばタブレットを負担してもらえるとなった場合は、不公平感が生まれるわけです。やはり広島県として、どこの学校であろうが、どこの生徒であろうが、公平に教育を受けさせないといけないということを考えると、三十五校のスタートであるのであれば、私も、なかなかこれは無理なのだろうと思うのです。  そういう意味で、全校の全生徒を対象にスタートさせるべきなのです。それがなぜ三十五校限定になったのかをお伺いします。 94: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 95: ◯教育長(平川理恵君) 生徒用情報端末の導入につきましては、導入校を限定するものではなく、各学校で主体的に検討いたしまして、令和二年度に導入を希望された三十五校をこのたびは対象とするものでございます。  他の県立高等学校につきましても、令和三年度以降、積極的な導入を行ってまいりたいと考えております。 96: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 97: ◯佐藤一直君 そこが、ちょっとわからない。そもそも学校がやりたいからやらせているのか、教育委員会がやらせたいから全ての学校にやらせようとしているのかが見えないのです。  今までの委員会とかの報告を見ても、担当課が答弁しているのも、あくまでも学校がやりたいから、やりたいことを認めているというような認識の話だったのです。だけれども、ある委員会では、教育長が最後に、指名されていないのに手を挙げられて、すごく長々と話されたときに、私がこれをやりたいのです、教育委員会として子供たちに一人一台ICT端末を持たせたい、そう言われていたのです。果たしてそれがどっちなのかというのが全くわからないのです。  学校がやりたいからやらせるのか、教育委員会がやらせたいからやらせているのか、まずこれを明確にしてください。 98: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 99: ◯教育長(平川理恵君) どちらもでございます。教育委員会のほうもそうでございますし、学校からもさまざまな要請がございました。これは時代の要請だというふうに思っております。 100: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 101: ◯佐藤一直君 そうしたら、そこで疑問になるのが、三十五校しかなかったのではないかと思っているのです。県立学校が八十二校あったとして、三十五校。では残りの四十七校は、なぜ手を挙げず、やらなかったのか、各学校がどういうふうに答えているのか、お伺いします。 102: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 103: ◯教育長(平川理恵君) 三十五校も手を挙げたということでございます。八十一校の高等学校がございまして、三十五校が手を挙げました。  特別支援学校につきましては、さまざまな補助金が出ておりまして、特別支援学校については、こちらのほうでやる算段でございます。  三十五校が手を挙げてくれたというふうに私は思っております。 104: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 105: ◯佐藤一直君 私が聞きたいのは、その手を挙げなかった学校はなぜ挙げなかったのかということです。私の推測ですけれども、保護者負担でやるぐらいだったらやらないと思っている学校がもしかしたらあるのではないか、この状況の中で、保護者にタブレットを買わせてやらせるというのが学校としては認められないという学校がもしかしたらあるのではないか、もしかすると、ほかの学校は全てそうなのかもしれない、過半数以上がそういう教育委員会のやり方に反対しているのではないかともとれるわけです。  そのあたりがどうなのか、お伺いします。 106: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 107: ◯教育長(平川理恵君) そういうこともございまして、このたびは、低所得者、非課税世帯につきまして、学びのセーフティーネットの観点からICT機器の購入費用等を給付する制度の創設を提案させていただいたところでございます。 108: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 109: ◯佐藤一直君 今、低所得者向けの支援という話になりましたけれども、私は、この低所得者向けというのが一番やってはいけないことだと実は思っているのです。それは、低所得者に支援してはいけないということではなくて、低所得者のみを対象にすることが一番いけないと僕は思っていて、恐らく、そういった方々が購入するのが難しいというふうな意見なのでしょうけれども、苦しいのはその世帯だけではないのです。  きのうも尾熊議員から、中間所得世帯にも支援してくれという話がありました。やはり今、日本では教育費をこんなに家庭で出していかないといけない状況を考えると、低所得者世帯だけではなくて、ほかの世帯も一生懸命頑張っているわけです。  私は子供会で活動しているので、よくそういったことをお母さん方、お父さん方に言われるのです。今回の件も、これだけ頑張っていて、高校に入るときに十万円出せとはどういうことなのですか、私たちにもっと頑張れと、もっときつい思いをさせるということなのですか、それを認める議員の皆さんは金持ちだから、私たち庶民の気持ちはわからないですよねというような話も出ているわけです。  非課税世帯でなくても、子供たちのために一生懸命仕事をして、節約して、貯金して、苦しい思いをして子供のために頑張っている世帯も多くあるわけです。だからこそ、こうやって限定させるというのは、おかしいのではないかと思います。  これは本会議でもそうですし、委員会でも毎回言っていますけれども、子育て支援のことになったら必ず所得制限が出てくるのです。ほかの施策には所得制限が出てこないのに、子供のことに限って言えばすぐに出てくるのです。これが本当に少子化対策になっているかといったら、限定され、結局、少子化対策になっていないから、日本がこういう現状なのではないかと思います。  公的資金のさっきの話も含めて、今までやってきた施策を考え直さないといけない時期なのだろうと思うのです。それで、当たり前のように、非課税世帯には援助しますということで、ちゃんと支援はやっていますと言っているのがおかしいのではないかと思っているのです。  そのあたりをどう思われますか。 110: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 111: ◯教育長(平川理恵君) ICT機器の購入等に要する金額につきましては、家庭にとってもちろん負担となるものであることから、先ほど申し上げましたように、非課税世帯につきましては、ICT機器の購入費用等を給付する制度の創設を提案させていただいたところでございまして、こちらは全国に先駆けた制度となっているものと思っております。  一方で、非課税世帯以外において、ICT機器の購入費用が負担となる場合もあると認識しております。  そうした世帯に対しましては、毎月定額の貸し付けを行う既存の奨学金でありますとか、入学時に最大十五万円を借りることのできる入学準備金などの貸し付け制度の活用を促すことによりまして、支援を行ってまいりたいと考えております。 112: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 113: ◯佐藤一直君 今、いろいろな支援策を言われましたけれども、そうではないのです。全ての子供を対象にしてくれと言っているのです。教育機会均等法を考えたら、全ての子供たちが経済格差に関係なく同じ教育を受けられるという広島県にしていかないと、これが若者の流出につながっているのではないかと僕は思っているのです。  こういう教育を受けてきた高校生、大学生が卒業するときに東京に行ってしまう。知事は、東京に魅力があるからみたいな話をされていましたけれども、そうではない。教育を受けてきた広島県がこんな状況だから外に出ていくという考えはないのか、この十年間の施策が今回の若者の流出に、ワースト一位につながっているのではないかという認識を持たないと、何も変わらないのではないかと思うわけです。  家庭への負担が多いということを、今、言いましたけれども、この前の柿本議員からも県立学校のエアコン整備の話がありました。これまでもいろいろな議員が質問しました。  今、県立高等学校八十二校中七十校がPTAでエアコンを購入して、電気代も負担しているわけです。さっきは家庭で使うからタブレットは保護者負担ですと言いましたけれども、学校のエアコンを、何で保護者が負担するのですか。  他県でも確かに、どこもこれをやられているのです。導入した経緯としてPTAがつけ始めたというのは、全国的な例なのです。ただ、もうこの二、三年で、PTA負担というのはおかしいから、県費でやっていきますという方向へ何都道府県も変えられているわけです。  広島県はどうされるのか、お伺いします。 114: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 115: ◯教育長(平川理恵君) 県立高等学校の普通教室の空調設備の整備につきましては、騒音対策あるいは衛生面の配慮が必要な教室などに限定して整備を進めております。こちらにつきましては、現段階で老朽化対策などに優先的に取り組む必要があったからでございます。 116: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 117: ◯佐藤一直君 答弁になっていないのですけれども、何でそれを保護者が負担しないといけないかという話なのです。  今、空調を八十二校中七十校でPTAが購入していると言いましたけれども、県費で設置した二十一校のうち、二十校はスポットエアコンといって、据え置き型の小さいクーラーみたいなものです。ほかの学校と同じようなちゃんとしたクーラーではないのを広島県は設置しているということです。実際にちゃんとしたクーラーをつけているのが大竹高校で、これは防衛省の防衛費でつけたのでしょう。要するに、広島県費を使って設置している学校はゼロなのです。  しかも、PTAが設置したクーラーはそのままPTAがリース代をずっと払い続けている。更新になっても多分このままずっと払い続けていくのでしょう。電気代も払い続けるのです。どう考えてもこれはおかしいのです。  だから、山口県も今年度から変えられ、島根県とか鳥取県とかも来年とかで変えられる。いろいろな県が今、変えているのです。そういう議論を全くされていないということですよね。さらに、タブレットも保護者負担にしましょうということです。話がひどくないですか。  せめて、こっちは負担をなくしますみたいな話であるならば、まだもしかしたら理解される方もいるのではないかと思うのですけれども、何でもかんでも家庭に負担させるという広島県教育委員会の体質が、変えていかないといけないところなのです。  もう一つは、保護者負担の話ではないのですけれども、学校の図書室のリニューアルを今年度もやられています。今年度は一千百万円の予算で八校の図書室をリニューアルしましたけれども、なぜか来年度のこの予算が二十三万八千円に減っているのです。一校もリニューアルしないということになってしまっているのです。  なぜかと思って調べると、このリニューアルに使う予算というのは、ふるさと納税制度を使っているのです。広島県のふるさと納税のホームページを見ると、図書館のリニューアルにも寄附できるようになりましたと書いてあります。それで、昨年は八校分の一千百万円の予算で、寄附が多く集まったということでやられたのですけれども、このときは災害があって、全国から災害支援ということで寄附が結構集まっているのです。それが、今年度、現在、百万円にも満たない寄附額なのです。  要するに、一校当たりに百五十万円ぐらいのリニューアルの予算をかけてやるのですけれども、寄附額が百万円にも満たないような状況なので、来年度は図書室のリニューアルを一校もできないということになっているのではないかと思いますけれども、それで合っていますか、ちょっと確認します。
    118: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 119: ◯教育長(平川理恵君) 議員御指摘の件でございますけれども、そもそも、この図書館のリニューアル事業でございますけれども、二年の事業でやっております。  一年目に関しましては、学校図書館リニューアル等事業の予算につきまして、令和元年度、県立高等学校のモデル校四校に対しまして、一校当たり百五十万円の予算を計上いたしました。  また、令和二年度は、モデル校の成果普及を目的とした研修を実施するため、約二十万円を計上しております。  また、市町教育委員会に対しましては、令和元年度、二市町の二校に対しまして、事業実施に必要な経費といたしまして、一校当たり百五十万円を補助金として計上いたしました。  こういった取り組みを進めることによりまして、児童生徒が積極的に図書館を活用しまして、学習意欲を高め、自立的な学習を進められるよう、さらなる学校図書館の整備充実を図ってまいりたいと考えております。 120: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 121: ◯佐藤一直君 図書室の利用というのは重要だから、図書室のリニューアルについては、僕も十年ぐらい前から言っているわけです。なかなかそれができなくて、教育長が、来られる前に校長をしているときから図書室の重要性について言われていたので、すごく期待したのです。  そういう形で八校もリニューアルをされて、次はどうするのかと思ったら、来年度はもうされないということなのですけれども、今、リニューアルをしたい学校がどれぐらいあって、それが全部できるのはいつぐらいなのか、将来的な計画があるのかどうか、お伺いします。 122: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 123: ◯教育長(平川理恵君) そもそも県立学校の児童生徒の図書購入費につきましては、新聞購読料も含めてでございますが、平均で一校当たり約六十五万円余り、総額で六千万円余りの予算を現在計上しております。  もちろんリニューアルのほうも、この二年間のモデルを考えまして、今後ともどういう形でやっていくかということはただいま検討しておりますけれども、学校図書館のリニューアル等事業におけるモデル校におきましては、現在のところ、読書活動の状況に一定の成果があらわれておりまして、近隣の学校で好ましい波及効果が生まれている状況もございます。  県教育委員会といたしましては、引き続き、児童生徒の実態等に応じた学校図書館の活性化が進むよう努めるとともに、この成果をさらに全校に普及させるため、今後の進め方についても検討してまいりたいと考えております。 124: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 125: ◯佐藤一直君 ちょっと今よくわからなかったのが、整備していない学校にも成果が波及しているという話が出ていましたけれども、リニューアルしなくても、本を読むという習慣が隣の学校のおかげでできているという話なのですか、お伺いします。 126: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 127: ◯教育長(平川理恵君) そのとおりでございます。私がいろいろな学校に伺っておりましたら、隣の学校とは申さなくても、隣の市あるいは町でやった成果があらわれております。そこをリニューアルした際に、先生方や市町の地域の方、PTAの方々に来ていただいて、こういうふうにリニューアルをやるのだということを知っていただいて、まずは断捨離から始めていただいて、それで、この学校予算内でありますけれども、本を買っていただいて、ディスプレーや陳列のほうもうまいぐあいにやっていただいて、効果があらわれていると認識しております。 128: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 129: ◯佐藤一直君 ということは、その図書室のリニューアルを全校でやるつもりはないのですか。全校をやらなくても、各地で核になるようなところだけをやることで、その周りの生徒も一緒になって刺激を受けて、本を読むのではないかというふうにしかとれないのですけれども、そうなってしまうと、やはりしたところとしていないところの差が出てきて、うちもしてくれよという話になると思うのです。  それで、結局ふるさと納税の寄附でしか予算を計上していないのです。本来だったら毎年百五十万円という予算を自分で確保しておいて、何年間で全部やっていきますというちゃんとした計画を立てるべきなのです。それが、集まるか集まらないかわからないような寄附金を当てにするから、今年度は整備できたけれども来年度、再来年度はできませんといった形で、先ほどの保護者の負担に依存するのと同じように、寄附金依存の教育委員会の体質が見えているのではないかと思うのです。  あと、ふるさと納税制度では学校指定もできるのです。学校指定をすると、要するに、卒業生が多いとか、大規模校は、同窓会とかが活発に動いて寄附金を多く集められるのではないか、そうでない小規模校、もともと生徒が少ない学校でいえば、なかなか寄附金が集まらないのではないかと、当初、私が文教委員会に所属していたときから猛反対したのです。この寄附金の額で整備できる学校格差が生まれるのではないかという指摘をしましたけれども、現在、一番多い学校、一番少ない学校がそれぞれ幾ら集めていて、どれぐらいの差があるのか、お伺いします。 130: ◯議長(中本隆志君) 教育長平川理恵君。 131: ◯教育長(平川理恵君) 平成二十八年十月から寄附募集を開始して以来、令和二年一月末の段階で、総額約二億二千八百万円の御寄附をいただいたところでございます。なお、このうち県立学校に対する寄附につきましては総額約九千万円余の御寄附でございます。あとは私立学校等でございます。  今のところ一番多くの寄附に関しましては、全ての数字を持ち合わせてございませんけれども、一番多いところは二千万円余の寄附をいただいていると聞いております。  また、これまでも御寄附をいただいていないゼロ円の県立学校が、今数字は持ち合わせてございませんけれども、三十から四十校あると認識しておりますが、学校を指定した寄附のみならず、学校を指定しない寄附も大いに受け付けております。 132: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 133: ◯佐藤一直君 やはり危惧したとおり、寄附が集まらないゼロの学校が約八十校のうち三、四十校あるわけです。一方で、二千万円の寄附を集めている学校が出てきているのです。もう確実にこれは学校間格差なのです。ふるさと納税制度で、いかにもいいように寄附が集まりましたと言っているけれども、やはり教育現場でこんなに差が生まれるのはよくないことですし、教育委員会がそうやって寄附に頼るというのを僕はやめてもらいたい。しっかり自分たちで予算をつけてもらいたい。  その予算も、総務省のホームページに載っているのですけれども、一番新しいデータとして平成二十九年度の都道府県決算の一覧があって、歳出総額に対する教育費の割合の順位が出ているのです。都道府県として、教育費にどれだけお金をかけているかですが、広島県は二十五位、真ん中ぐらいで、教育費の割合が二一・二%です。一位は滋賀県で、このときは二八・六%です。要するに七ポイント以上の差があるのです。  日本一の教育県を目指す広島県としては、教育費の割合を上げていっていいのではないかと僕は思っているのです。七ポイント上げて一位になるということは、一兆円の予算と考えると七百億円を使えるのです。タブレットを負担するのに十億円という話がありますけれども、七百億円使えるのであれば、そんなのは公費で簡単に負担できるのです。エアコンの設置を公費でやろうと思ったら全然できるのです。  教育長として、もっと教育費をふやしてくれということを、知事部局に対して要求しているのかどうかなのです。それが教育長の仕事なのではないかと思います。この間もNHKに出られていましたけれども、あれはあれでいいことをやられていると僕は評価しているのです。だけれども、あれは教育長でなくても、各校長が頑張ってやれば、ある意味できる話であって、教育長が本当にやらないといけないのは予算をとってくることではないかと思うのです。  教育費をもっとふやしていくことを知事部局に対して要求していって、本当に日本一の教育県を目指すという姿勢を県民に見せるのが重要なのだろうと思うのです。それを見せることで、子育て支援、教育支援にお金をかけていて広島県っていいよということが広まれば、他県からも若者は来るだろうし、広島県から若者が流出しないし、結局、人口流出対策にもつながるのです。  今後、知事もそうですけれども教育長に、こういった視点で取り組んでもらいたいと思いますので、それを要望して、次は県立大学の話に移りたいと思います。  高校を卒業すると学生たちは大学に行きます。  以前、私が一般質問で指摘したことなのですけれども、県立大学の入学金の話です。県外の合格者が、県内の合格者よりも高い入学金を払っているのです。広島県の合格者は入学金を二十八万二千円払うのですけれども、県外からの方は三十九万四千八百円、要するに、十一万二千八百円も高い入学金を払っている。これはおかしいのではないかという指摘をしました。  どういう理由、経緯でこういう差ができたのかを聞いたところ、このときの局長の答弁は、昭和五十年にできたようですが、当時どういった理由で、どういった経緯で定められたかは不明ですと答えられたのです。どういう理由で差をつけたか不明な制度をいまだに続けているのは問題ではないかと質問したのですけれども、あれからこの件はどうなっているのか、改めてお伺いします。 134: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長森永智絵君。         【環境県民局長森永智絵君登壇】 135: ◯環境県民局長(森永智絵君) 県立広島大学の入学金につきましては、県内出身者は、御指摘のように国立大学と同額の二十八万二千円、県外出身者は三十九万四千八百円としております。  当時、経緯については記録が残っていないという答弁をいたしましたが、考え方といたしましては、県立広島大学が県立の大学として設置・運営されていることなどから、この差が設けられているものでございます。 136: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 137: ◯佐藤一直君 この捉え方が、どちらが基本になっているかの話なのです。そのときも答弁で言われましたけれども、県内の人の二十八万二千円というのは他県と同じ額なのです。それに上乗せして県外の人に払わせているわけです。  それが逆で、県外の人が二十八万二千円で、県内の人よりも安くしますというのであれば僕はいいのだろうと思うのです。そうではなく、せっかく他県から、広島県で勉強しようと思って来た学生が、入学料を広島の人たちよりも十一万円も多く払わないといけない。そういった学生が就職活動をするときに、知事も、Iターン・Uターンの支援をすると言われていましたけれども、今度は県外に行っている人たちをむしろ優遇しようとしているわけです。これは、僕はおかしいのだろうと思うのです。  今、広島県にいる学生を支援することによって、広島から外に出ていかないし、外から入ってくる魅力になるのだろうと、出原議員もきょう言われていました。本当に私も同意見です。定住・移住、Uターン・Iターンにお金をかけようとされていますけれども、そうではなくて、住んでいる方々をもっと大事にすることが、広島県の魅力につながるわけです。それができていないということを改めて申しておきます。  県立大学のホームページを見ていると、もう一点疑問がありまして、私は、県立大学の授業料を他県に先駆けて低くしたらいいのではないか、全国の半額でもいいのだろうと思うのです。そういうことを提案したところ、それはやらないですけれども、厳しい経済環境にある学生に対しては、授業料を半額減免する制度を設けていますと、これもまた結局は所得制限みたいな話になってしまうのですけれども、そういう苦しい方を救う制度がありますという答弁をされていました。  ただ、四月から国が大学の無償化という名目でやられて、非課税世帯に対しては無償化が適用されるのだろうと思うのですが、そのときに、恐らくこの県立大学で設けている制度が全てはまってしまうのではないかと思うのです。それがはまってしまえば、その予算を別で使えるわけだから、さらに上乗せして、範囲を広げたりできるのではないかと思うのですけれども、そのあたりをどうされるのか、お伺いします。 138: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長森永智絵君。 139: ◯環境県民局長(森永智絵君) 大学生への奨学金や授業料減免などにつきましては、これまで県立広島大学におきまして、独自の授業料減免制度を設け、教育費の負担を軽減するとともに、全国公立大学設置団体協議会等を通じて、給付型奨学金の創設などについて、国に要請してまいりました。  その結果、国において、平成二十九年度から給付型奨学金が創設され、さらに、令和二年度からは、高等教育の修学支援新制度として、現在最大で年四十八万円の給付額が約九十一万円まで増額されるとともに、新たに入学金や授業料が減免されるなど、大幅に制度の拡充が図られております。  この新制度の導入に合わせまして、県立広島大学では、国の新制度において、支援の対象外となる留学生や大学院生に対して、独自の授業料の減免制度を継続するとともに、日本人学部生のうち、所得要件から新制度の対象外となる学生に対しては、卒業まで減免を継続する経過措置を設け、教育費の負担軽減を図ることとしております。 140: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 141: ◯佐藤一直君 ちょっとわかりにくかったのですけれども、要するに、今までやっていたことはある程度、国の無償化とかぶってきて、そうでない世帯に、私が今要求したように少し上乗せするということでよろしいですか。 142: ◯議長(中本隆志君) 環境県民局長森永智絵君。 143: ◯環境県民局長(森永智絵君) 国の制度が導入されることによって、現在、県立広島大学において措置しているものが措置されなくなる対象に対しては、継続して支援するということを考えております。  基本的には、県立広島大学の授業料等は国の授業料と同額になっておりますので、今回の制度で恩恵を受ける部分は、大部分の国立大学と同じような措置になるという前提でございます。 144: ◯議長(中本隆志君) 佐藤一直君。 145: ◯佐藤一直君 となると、そんなに大幅な支援ではないのだろうと思うのです。  一方で、つい先日のニュースなのですけれども、大阪府立大学、大阪市立大学に入学する学生を対象に、大阪府は、国の高等教育無償化を上回る入学料、授業料の減免を実施するということで、国が二百七十万円未満の世帯年収の方に対して全額を補助するのに対して、府の場合は五百九十万円のところまで全額やるということです。さらに言えば、九百十万円の世帯にも、子供が三人以上いれば三分の二支援します、二人だったら三分の一を支援しますという形で、大幅に大阪がやられるわけなのです。  私は、こういうことを広島県にもやってほしいわけで、ずっと言っていたのです。それを大阪はいよいよやります。それで何が起こるか。また、これで若者が広島から出ていく。こんなに支援してくれるのなら向こうに行こうかということではないかと思うのです。  今回の話で、教育、子供に対する支援が、広島県、教育委員会では全てできていないという話なのです。それは日本全国そうなのかもしれないけれども、日本の中で、広島県が率先してそれを示すことが、若者の流出対策です。  時間が来たので、また別の機会でこれについてやらせてもらいます。以上です。(拍手)              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         意見書案(新型コロナウイルス感染症対策の強化等を求める意見書) 146: ◯議長(中本隆志君) この場合、意見書案の提出がありますので、書記に報告させます。         【書 記 朗 読】  発議第一号         発   議   書  新型コロナウイルス感染症対策の強化等を求める意見書   右別紙意見書の通り発議する。    令和二年二月二十七日                              県議会議員  緒   方   直   之                                              外十一人  県議会議長 中 本 隆 志 殿 147: ◯議長(中本隆志君) 別紙はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。  お諮りいたします。ただいま報告の意見書案を本日の日程に追加するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 148: ◯議長(中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  それでは、発議第一号 新型コロナウイルス感染症対策の強化等を求める意見書を議題といたします。  お諮りいたします。この際、提案理由の説明は省略するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 149: ◯議長(中本隆志君) 御異議なしと認めます。質疑の通告はありません。  お諮りいたします。本意見書案は、この際、委員会への審査の付託を省略するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 150: ◯議長(中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  直ちに採決いたします。本意見書案は、原案のとおり可決するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 151: ◯議長(中本隆志君) 起立総員であります。よって、右意見書案は、原案のとおり可決いたしました。  明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時二分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...