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  1. 広島県議会 2019-06-03
    令和元年6月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和元年6月定例会(第3日) 本文 2019-06-27 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 43 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 2 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 3 : ◯田川寿一選択 4 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 7 : ◯農林水産局長上仲孝昌君) 選択 8 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 9 : ◯健康福祉局長(田中 剛君) 選択 10 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 11 : ◯地域政策局長西野博之君) 選択 12 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 13 : ◯教育長平川理恵君) 選択 14 : ◯副議長児玉 浩君) 選択 15 : ◯議長中本隆志君) 選択 16 : ◯石橋林太郎選択 17 : ◯議長中本隆志君) 選択 18 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 19 : ◯議長中本隆志君) 選択 20 : ◯総務局長(小寺 洋君) 選択 21 : ◯議長中本隆志君) 選択 22 : ◯地域政策局長西野博之君) 選択 23 : ◯議長中本隆志君) 選択 24 : ◯健康福祉局長(田中 剛君) 選択 25 : ◯議長中本隆志君) 選択 26 : ◯教育長平川理恵君) 選択 27 : ◯議長中本隆志君) 選択 28 : ◯窪田泰久君 選択 29 : ◯議長中本隆志君) 選択 30 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 31 : ◯議長中本隆志君) 選択 32 : ◯危機管理監(海田智浩君) 選択 33 : ◯議長中本隆志君) 選択 34 : ◯環境県民局長(森永智絵君) 選択 35 : ◯議長中本隆志君) 選択 36 : ◯商工労働局長(佐伯安史君) 選択 37 : ◯議長中本隆志君) 選択 38 : ◯教育長平川理恵君) 選択 39 : ◯議長中本隆志君) 選択 40 : ◯議長中本隆志君) 選択 41 : ◯議長中本隆志君) 選択 42 : ◯議長中本隆志君) 選択 43 : ◯議長中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時四十分開議 ◯副議長児玉 浩君) 出席議員六十一名であります。これより会議を開きます。         自第 一 県第四三号議案         至第四十二 報第一四号 2: ◯副議長児玉 浩君) これより日程に入ります。日程第一、県第四三号議案 令和元年度広島県一般会計補正予算から日程第四十二、報第一四号 平成三十年度広島県水道用水供給事業会計予算繰越計算書までの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。田川寿一君。         【田川寿一君登壇】 3: ◯田川寿一君 皆さん、おはようございます。公明党広島県議会議員団の田川寿一でございます。令和の御代になって最初の質問をさせていただきますことに感謝しております。  国際社会の最近の動きを見ておりますと、自国第一主義やポピュリズム、さらには力によって物事を決めるほうが効率がよいなどという雰囲気が漂っていまして、私は息苦しさを感じるというのが正直なところです。こうした時代、こうした世界だからこそ、せめて日本だけでも個人の生き方を大事にするとか多様性とか、あるいは弱者に対する優しさといったものを大切にできる国であってほしいと心から願っています。  令和の時代、新しい時代はどんな時代になるのか。人口減少時代、人生百年時代、いろいろなことが言われていますが、ぜひ新しい時代に向けても、今の日本の活力、この心安らぐ社会の雰囲気を大事にしていきたいと思います。しかし、今やっている政策をこれからもずっと続ければ、それが守られるなどという甘い考えを持ってはいけないと思います。これまでの政策を維持し、そして発展させていく、次々と新しいものに挑戦していくという姿勢が必要です。  先日来日したトランプ大統領が言っていました。令和という時代をビューティフルハーモニーというふうに紹介されていまして、これは大変よいことだと思いました。これから、世界中誰も経験したことのない高齢社会を迎えます。そして、同時に、人口減少、地方都市もいろいろな問題が顕在化していきます。  本日は、広島県がビューティフルハーモニーの時代を築くことができるために考えていただきたい、そうしたテーマで質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  初めに、SDGsの実現について伺います。  二〇一五年九月、国連で採択されたSDGs──持続可能な開発目標は、誰ひとり取り残さないとの理念を掲げ、貧困のない、持続可能な世界を次世代に受け継ぐことを目指し、二〇三〇年までに達成する十七の目標、百六十九のターゲット、二百三十の指標を示し、既に世界規模で取り組みが始まりました。公明党SDGs推進委員会・外交部会合同会議では、第一回ジャパンSDGsアワード受賞者、企業、団体の意見交換が行われ、席上、山口代表より、誰ひとり取り残さないとの理念は、公明党が長年掲げてきた生命・生活・生存を最大限尊重する人間主義の理念に合致する。SDGsが社会の隅々まで浸透するよう強力に推進していくとの挨拶がありました。  二〇三〇年までに目標に到達するためには、政府だけではなく、地方自治体、国連関連機関や海外で活躍するNGO、さらに国内で福祉や地域おこし、環境保護などに携わるNPOや企業も巻き込んだ取り組みが必要であるとされています。  本県は、国際平和のための世界経済人会議の開催などが、国連が提唱するこのSDGsの達成に向けたすぐれた取り組みを提案する自治体として、SDGs未来都市の一つに内閣総理大臣から選定されています。このSDGsのアプローチは、世界の人々とともに、広島県民が生活に密着した大切なものとして位置づけるべきではないかと考えます。広島県の欲張りなライフスタイルの実現に向けた取り組みも、平和を希求する取り組みも、トータルな意味で全く矛盾しません。  まずは、SDGsの理念と推進の必要性を多くの人に理解していただき、それぞれの分野で協力しながら、目標達成に向けて進んでいく必要があります。  そこで、広島県に生まれ、育ち、住み、働いてよかったと心から思える広島県の実現を掲げる湯崎知事に、ぜひ、SDGs先進県を目指し、知事を本部長とするSDGs推進本部を立ち上げ、関係機関との意見交換、県民に対する意識啓発などを推進していただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、今後策定するひろしま未来チャレンジビジョンにSDGsの理念を明記し、県民の理解を深め、展開していくことが重要であると思います。  さらに、今後策定する各分野の計画の根底にSDGsの理念を据えるべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、核軍縮の進展についてお伺いいたします。  バラク・オバマ氏が現職の米大統領として初めて被爆地広島を訪れてから三年が経過しました。あれから核兵器なき世界への道は前進したのでしょうか。  米ロは相互に中距離核戦力──INF全廃条約の破棄を表明するなど、核軍縮が逆行する国際情勢です。さきのNPT準備委員会では、来年の再検討会議の指針となる勧告案を採択できないまま閉幕しました。勧告案の採択には全会一致の合意が必要でしたが、保有国と非保有国との溝は最後まで埋まらず、来年の本番に向けた合意形成の難しさを予感させます。前回、二〇一五年の再検討会議では、合意文書を採択することができず、二回続けて失敗すればNPT体制が揺らぎかねません。  この点、保有国と非保有国の橋渡し役を目指す日本の役割は重要です。その具体的な取り組みとして、二〇一七年には核軍縮の実質的な進展のための賢人会議を立ち上げ、第一回会合が広島で開催されました。今回の準備委員会では、日本は、ことし三月の賢人会議がまとめた京都アピールを紹介しながら、全ての国が核軍縮の考え方や違いを乗り越えて協力するよう訴えています。  本県は、こうした国の動きに共鳴し、核の脅威を各国が共通の課題として共有できるようメッセージを発してきましたし、実効性のある核軍縮のプロセスが提示されるよう提言もしてきました。  そこで、核軍縮をめぐり埋まらない保有国と非保有国の溝を埋め、さらにNPT体制の実効性を維持するためにどのような課題があり、その中で本県が担う役割とは何だと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、多くの外国からの要人、お客様が来日されます。この時期に合わせて、広島県としても力強いアピールを発信することや被爆地広島を訪問することを訴えてはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。  SDGsで多様性と包摂性のある社会の実現のため、十七の国際目標を自治体としても推進していかなければならないと考えています。本日は、その中でも環境保全について、とりわけ海洋プラスチックごみの問題についてお伺いします。  世界中の海から深刻なプラスチック汚染の報告が相次いでいます。近年は、アマゾン川でも汚染が確認されるなど、被害は拡大する一方です。世界を挙げた対策が急務です。有害な廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約の締約国会議で、リサイクルに向かないプラスチックごみ──廃プラを規制対象に加える改正案が五月に採択されました。日本とノルウェーが共同提案したもので、初の国際的な法規制となります。プラスチックごみの問題を根本的に解決するためには、プラスチック使用量の削減が避けて通れません。  本県では、業者が使うカキ養殖用のプラスチックパイプが瀬戸内海沿岸の各地に漂着し、昨年は、山口県が広島県に対し防止策を求めています。これらは故意に流したものではなく、カキ殻堆積場から流れ出て漂着ごみになるのではないかと指摘する業者の方がいます。県内には、広島湾を中心に約一万台のカキいかだがあり、推計では二億本以上のパイプが使われていると見られます。仮に、千本に一本流出したとしても、十万本単位のパイプが流出することになります。  県内のカキ業者の皆さんも危機感を募らせ対策を講じておられますが、県としても広島県産カキブランドを守るためにも、根本的にごみを発生させない仕組みの検討をしてはどうかと考えます。  そこで、県としては、カキ業者の皆さんとともにどのような努力をしてきたのか、さらに、根本的な対策はあるのか、知事に御所見をお伺いいたします。  次に、SNS、LINEを活用した心の悩み相談についてお伺いします。  若者を中心に通信手段が電話からSNSに移行していることを踏まえ、本年九月から一カ月間、相談事業を委託によって実施することが決まっています。この事業は、自殺予防対策として実施するものですが、心の悩み相談という名称から、さまざまな悩み、例えばいじめや、夏休み明けの不安な気持ちに対応するものとして期待されます。  今回の事業では、一カ月間だけの実施ではありますが、このSNS相談事業の成果を検証して来年度も検討するとともに、さらなる拡充を図るべきではないかと考えます。特に、ほかの自治体三十カ所で実施されているSNSによるいじめ相談が本県では実施されていないことから、同様のSNSによる相談事業として、一人でも多くの人たち、子供たちの悩みに対応してほしいと願っています。  そこで、三点質問いたします。  まず、この相談事業の成否は広報のやり方次第だとも思いますので、どのように県民に、特に若い人たちに周知しようと考えているのか、知事にお伺いします。  また、自殺死亡率の推移を見ますと、最も自殺が多いのは三月とのことですが、九月の実施の検証によっては三月も補正予算でも実施してはどうかと、一人でも多くの悩んでいる人たちを救う観点から検討すべきではないかと考えますが、御所見をお伺いします。  最後に、来年度以降も事業を継続する方向なのかどうなのか、あわせてお伺いいたします。  次に、ひきこもり支援についてお伺いします。  最近の事件から、巷間、中高年のひきこもりが話題になっています。ひきこもりの人がたまたま事件を起こしたということで、引きこもっていたことと犯罪を憶測や先入観で関連づけることは、無関係のひきこもり当事者や家族を深く傷つけるもので、厳に慎むべきことだと考えます。むしろ、事件の背景にある社会の中で孤立している人をどのように支えていくのか、そのことを皆で考えていくことが大切ではないでしょうか。  私は、長年、上級教育カウンセラーとして活動をしていく中で、多くの不登校経験者、ひきこもりの方ともお会いする機会がありました。ひきこもりは、不登校と同じように誰にでも起こり得るものだと考えます。ひきこもりを異質のものとして見るのではなく、自分事として対応を考えていく契機として捉えたいと思います。  福祉現場では近年、八十代など高齢になった親が、引きこもる五十代の中年の子を抱えて困窮する八〇五〇問題が深刻になっています。この問題を取り上げた公明党の参議院議員、山本博司氏の国会質問を受け、国が初めて四十代以上のひきこもりの実態を調査しました。その結果、四十代以上のひきこもりは六十一万三千人と推計されました。この六十一万人という数字は、十五歳から三十九歳までの推計五十四万一千人を上回るもので、社会に衝撃を与えました。  子の支援だけでなく親の病気や介護、経済的困窮など複合的な課題が指摘されており、今後、自治体は対策を早急に講じなければならないと考えます。  京都府は、若年層だけではなく、全年齢が対象の脱ひきこもり支援センターを設置し、親が亡くなった後の生活資金などの個別相談を本人や高齢の家族向けに行っています。また、東京都では、本年度から、ひきこもり対象の年齢制限をなくし、担当を青少年部局から福祉部局へと移しました。  そこで、ひきこもりが長期化、高齢化する中で、こうした自治体の動きはさらに拡大していくものと期待されますが、本県としてどのように深刻化する中高年のひきこもり対策を講じていくのか、知事の御所見をお伺いします。  また、ひきこもり支援は、当事者や家族会の意見も反映した支援の体制づくりが重要であり、社会とのつながりを持ち、孤立しないようにするため、行政における相談対応体制や訪問スキルを持つ職員を養成していくことも必要であると考えますが、今後どのように取り組んでいこうとされるのか、あわせてお伺いします。  次に、防災意識の向上について、二点お伺いします。  まず、水害・土砂災害の警戒レベル運用後の改善点についてお伺いします。  昨年七月の西日本豪雨から間もなく一年を迎えます。記録的な大雨により各地で甚大な被害をもたらし、広島県内では百三十七人が犠牲となり、現在も五人の方の行方がわかっていません。被災家屋は一万六千戸に上り、このうち約四千八百戸が全半壊しました。  気象庁や市町は、大雨で洪水や土砂災害が予想される際に、住民がとるべき行動を切迫度に応じて五段階で示す警戒レベルの運用を始めました。逃げおくれで多数の犠牲者が出た昨夏の西日本豪雨災害の教訓を踏まえたものです。このうち、レベル一は、最新の情報に注意し災害への心構えを高める段階。注意報などに基づくレベル二では、避難先や避難経路を確認することが求められます。大雨・洪水警報や河川の氾濫警戒情報を受けたレベル三では、高齢者や体の不自由な人が避難を開始し、氾濫危険情報などが発表された場合のレベル四では、全員が避難すべきとしています。既に災害が発生している段階のレベル五では、命を守るための最善の行動をとる必要があります。中でも、避難行動に直結するレベル三と四が重要です。自治体が出す避難勧告や避難指示は、みずからの命を守る避難を決断する基準として真摯に受けとめるべきものです。  先日七日の大雨では、全国で初めて広島県で水害・土砂災害の警戒レベル四の避難情報が発せられました。県立広島大学の調査によりますと、当時、避難行動をとった人は六・一%にとどまり、警戒レベルについて六割の人がわかりやすいと評価した一方、意識や行動に変化はないとの回答も六割あったとのことです。警戒レベルの周知も必要ですが、同時に実際の避難につながる具体的な取り組みを進める必要があるように考えます。  そこで、これから梅雨時期に入り、今の状態で命が守れるのか危惧していますが、この避難行動をとった人が少ないという現状を直視して、今後どうすればよいと考えているのか、知事にお伺いします。  二点目に、警戒レベルの周知と防災意識の向上についてお伺いします。  西日本豪雨災害を教訓に、国の中央防災会議は、行政主体から住民主体の防災へ転換する重要性を強調し、避難について、最後はあなたの判断ですと国民に呼びかけています。この点、新たな警戒レベルを設け、判断基準をわかりやすくした意義は大きいと思います。だからこそ、県民がこの警戒レベルを正しく理解できるよう、県として各種団体と協力しながら丁寧かつ速やかに周知を進めてほしいと考えます。また、警戒レベルについては、土砂災害警戒情報によって警戒レベルが発せられたり、河川の氾濫危険情報によって発せられたりするため、どちらの警戒レベルなのかわかりにくいことも予想されます。  そこで、県民の防災意識を向上させるとともに、この警戒レベルについて、今後どのように県民への周知を図ろうとされているのか、知事の御所見をお伺いします。  また、自治体などが出す避難勧告などに頼らず自発的な避難行動がとれる防災意識の向上が望まれますが、こうした啓発活動はどのように進めようとされているのかも、あわせてお伺いします。  先日、公明党広島県本部で開催した平成三十年七月豪雨・復興会議には、被災地の首長が出席され、さまざまな要望をお受けいたしました。その中でも、警戒レベルのシグナルを出すシステムはできている、しかし、避難率を上げるためにどのような方法があるのか、情報提供してほしいとの要望がありました。ぜひ、県として基礎自治体に適切なアドバイスをお願いしたいと思います。  次に、福祉避難所について、二点お伺いします。  まず、福祉避難所の指定数の増加についてお伺いします。  私は、八年前の東日本大震災の折、十三時間かけてトラックを走らせ、車椅子数台とそのほかの救援物資を宮城県亘理町に届けました。そのとき初めて福祉避難所というものを知り、そこに車椅子を届け大変喜ばれたことを記憶しています。  福祉避難所は、災害時、体育館や公民館などの一般の避難所で生活することが難しい、寝たきりや認知症の高齢者、障害者、妊婦らを受け入れる施設のことです。福祉施設などの協力を得て市町が指定します。  共同通信社が実施した十五府県の調査では、対象者に対し、把握できている受け入れ可能人数は、広島県は五%とかなり低いことがわかりました。施設が不足している上に、何人受け入れが可能か不明の施設も多いとの指摘があります。  さて、福祉避難所は一般避難所に避難した人の中から、保健師などが必要と判断した人が移されることになっているため、二次受け入れ先とされていますが、これらを積極的に周知している自治体はほとんどありません。果たしてそれでよいのでしょうか。自治体からは、周知することで福祉避難所に人が殺到し、本当に必要な人が利用できないことを危惧する声があることを聞いています。一方で、福祉避難所のことを知らない災害弱者の人が一般避難所に行くことをためらい避難しない例も報告されています。専門家によれば、日ごろから積極的に情報発信すれば一般住民が福祉避難所へ殺到するおそれはなくなるとしています。事前に個別通知を出し、配慮が必要な人に近くにこういう福祉避難所があると周知することが必要ではないかと考えます。  そこで、福祉避難所の指定数を増加させるために県として努力してほしいと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  無論、福祉避難所の指定は市町の事業ですから、県は市町に対し、福祉避難所での支援人員への人件費の助成加算など、国の優遇策を粘り強く説明してほしいと考えます。  二点目に、福祉避難所の広域避難体制の構築についてお伺いします。  福祉避難所の指定をしていく上で、災害時に避難される方がその施設を利用されることを想定した量的確保に加え、指定後に平常時から当事者参加型の訓練を行うなどの質的確保の両面が考慮されるべきと考えます。兵庫県では、福祉避難所の運営・訓練マニュアルを作成しています。その中には、一般の人が避難してくることがないよう、ふだんからのぼりを立てておくなど、周知を徹底するよう促しています。  さらに、県の支援・指導のもと、広域での避難の検討も必要であると考えています。大規模災害が発生し、被災した地域に住んでいる要援護者の方々が避難する場合、隣接した市町の福祉避難所を使用することも必要になると考えます。  そこで、県の働きかけにより、県、市町間で協定を結び、福祉避難所を相互に提供し合う広域避難の体制も構築してはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  最後に、外国人生活支援の強化について、何点かお伺いします。  まず、外国人相談窓口の強化について質問します。  本県は、外国人技能実習生受け入れ制度によって受け入れた海外の人材は全国で三番目に多く、現在五万二千人が在住しています。また、本年四月施行された改正入国管理法によって、さらに県内に在住する外国人の増加が見込まれます。  先日、会派で、多文化共生地域づくり支援事業を実施しているひろしま国際センターを訪問いたしました。スペースを拡充し、専門相談員を市町に派遣するとして、その事業にかける意気込みを感じました。一方で、政府は、外国人労働者を受け入れるため、全国の百カ所に無料で十一カ国の言葉に対応できる相談窓口を設置する方針を打ち出し、本県ではひろしま国際センターが該当します。  ひろしま国際センターでは、通訳での相談窓口に加え、電話相談やタブレットを活用することで政府が目指す十一言語に対応しています。相談窓口での通訳による対応言語は、昨年度までは、英語、韓国語、タガログ語の三言語でしたが、本年四月からは、中国語、ベトナム語にも対応できるようになったとのことです。一歩前進しましたので、非常によいことだと思います。しかし、窓口相談ができない五カ国語においては、電話やタブレットでの相談では限界があるので、やはり複雑な相談は面談をしてマンツーマンで問題解決を図る必要があると思います。  そこで、これから増加することが予想される外国人材の受け入れには、マンツーマンで問題解決を図るためにも、それぞれの言語のできる人員の拡充が急務ではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目に、通訳ボランティアの養成についてお伺いします。  群馬県では、外国人住民に対する生活支援をきめ細かく講じてきています。その一つが、外国人住民が病院などで安心して治療が受けられるよう、医療通訳ボランティアの養成及び病院などへの派遣事業です。これは、十一言語に対応しています。また、防災面でも通訳ボランティアの養成に取り組んでおり、登録者は二百人近くに上るとのことです。さらに、外国人住民を対象とした防災訓練も随時行い、毎回多くの人が参加しています。  本県では昨年度から医療通訳ボランティアの派遣事業を試行的に開始したとお聞きしておりますが、人数や言語数の面でもまだまだ不十分と感じております。  そこで、外国人が暮らしやすいよう医療、防災対策で通訳ボランティアの養成を強化してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、日本語学習の提供についてお伺いします。  私は、地域の外国人の生活支援を考える上で特に大事な取り組みは、日本語学習と子供への教育支援だと思います。  平成の三十年間で、本県でも在日外国人は一気に増加し、多国籍化も進んでいます。その間、在日歴が長くても日本語がうまく話せない人が多くいます。さらに、日本語が十分に話せない外国人が子供を持つようになってきています。そもそも、外国人には義務教育は適用されず、受け入れ態勢が整っていません。  私の地元でも、転居してきた外国人のマナーの問題で苦慮している実態があります。外国人の方に、日本の文化やマナーなどを教えるオリエンテーション的な講座を実施することも効果的ではないでしょうか。外国語表記のガイドブックを手渡すだけでなく、受講してもらうだけでも、かなり違うのではないかと思います。  そこで、外国人に対して日本語学習の場や日本の文化を学ぶ講座を拡充してはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  最後に、外国人住民の子供に対しても、日本語教育を受けることで日本文化の理解が進み、家庭内でも自分の親を教育してくれるようになることも期待できますが、教育支援のあり方についてどのような認識を持っておられるのか、教育長にお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (拍手) 4: ◯副議長児玉 浩君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) まず、SDGsの実現についての御質問についてお答え申し上げます。  二〇一五年の国連総会におきまして全会一致で採択された持続可能な開発目標、いわゆるSDGsにつきましては、国を初め、企業やNPOなど社会的にも大きな広がりを見せており、その理念である誰ひとり取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現は、本県の行政運営における基本的な考え方と同一の方向にあるものと考えております。  また、SDGsの達成に向けて掲げられている取り組みは、働き方改革や女性の活躍などを含むあらゆる人々の活躍の推進、データヘルス改革などを含む健康・長寿の達成など、ひろしま未来チャレンジビジョンの目指す姿の実現に向けた取り組みとその多くが重なるものであり、全庁的に取り組んでいるところでございます。  とりわけ本県におきましては、国際平和に向けて果たすべき使命と役割があると考えており、国際平和のための世界経済人会議などを通じ、関係機関との連携による平和の取り組みが自律的に生み出される仕組みづくりを進めております。  あわせて、地元企業によるSDGsに貢献する先行的な取り組みを事例集とし、取りまとめて紹介するなど、意識啓発にも取り組んでいるところでございます。  次期総合計画の策定に当たりましては、現在着手している八年間の取り組みによる成果や課題の検証の中で、SDGsにおける十七の目標、百六十九のターゲットに現行のチャレンジビジョンの取り組みを照らし合わせることで、本県の強み、弱み、そして、取り組むべき課題の把握につながると考えております。  こうした社会的にも高く認知されたSDGsの理念を踏まえ、本県を取り巻く諸課題や将来の社会経済の構造的な変化などに的確に対応し、本県を次のステージにつなげていくため、新たな広島県づくりの方向性を示してまいります。  次に、核軍縮の進展についてでございます。  二〇一六年のオバマ前米国大統領の歴史的な広島訪問の後、核兵器禁止条約の採択などにより、核兵器廃絶の国際的な機運が高まりました。  しかしながら、核兵器禁止条約をめぐる核兵器国と非核兵器国との対立に加え、昨年のイランの核開発に関する包括的共同作業計画からの米国の一方的な離脱や、米ロによるINF全廃条約の破棄表明により、二〇二〇年のNPT運用検討会議に向けた核軍縮をめぐる情勢は極めて厳しい状況であると認識しております。  こうした状況を打開し、NPT体制の実効性を堅持して、核廃絶に向けたより確かな動きをつくり出していくためには、核抑止による安全保障という固定観念からの脱却を核兵器国に強く訴えるとともに、核兵器国及び非核兵器国がともに議論できる、新たな核廃絶のアプローチが必要であると考えております。  このため、世界トップレベルの研究機関と連携し、核抑止に頼らない新たな安全保障アプローチに基づく政策提言をまとめ、二〇二〇年のNPT運用検討会議等の場で世界に働きかけてまいります。  さらに、人類史上初の被爆地である広島が有する、核廃絶を実現していく上での道義的権威、いわゆるモラルオーソリティーとしての影響力を発揮し、世界に核廃絶に向けたインパクトを与えていきたいと考えております。  次に、東京オリンピック・パラリンピックについては、政治・経済を初め、各界のリーダーが集う場でもあり、世界の注目が日本に集まることから、世界平和を願うさまざまなイベントを広島で集中的に開催し、核廃絶に向けた力強いメッセージを発信したいと考えております。  また、全ての国連加盟国の首脳に対して、この機会に被爆地広島を訪問していただき、被爆の実相への理解を深めていただくよう要請してまいります。  こうした取り組みを着実に進め、核兵器のない平和な国際社会の実現に具体的に貢献できるよう取り組んでまいります。  次に、水害及び土砂災害の警戒レベル運用後の改善策についてでございます。  平成三十年七月豪雨災害を踏まえ、五月二十九日から運用を開始された五段階の警戒レベルにつきましては、住民の皆様に防災情報の意味が直感的に伝わり、避難行動につながることができるものと考えております。  この警戒レベルにつきましては、レベル三で高齢者等の方には避難していただくこと、その他の方には避難の準備をしていただくこと、レベル四では全ての住民の皆様に避難していただくこととなっており、国、市町、マスコミなどと協力し、周知を行っているところでございます。  しかしながら、警戒レベル導入後、県内において初めて避難勧告等が発令された六月七日には、昨年の七月豪雨災害から見ると避難者数は増加しているものの、決して十分な避難の状況とは言えないものと認識しております。  引き続き、県民の皆様に警戒レベルの制度内容や早目の避難行動をより一層浸透させるため、関係機関と連携・協力して、あらゆる媒体の活用や機会を捉え、積極的に周知を図ってまいります。  また、県民の皆様が早目の避難行動を実践できるよう、県内十一の自主防災組織をモデルとして、避難の呼びかけ体制の構築を進めているところでございます。  さらに、有識者から成る研究チームにおいて、県民の避難行動に関する調査結果の分析を進めているところであり、災害に直面した際の意思決定と避難行動に影響を与えた要因や、避難することを選択していただくために必要な要素などを導き出し、自助、共助、公助にわたる、より効果の高い被害防止策の一日も早い構築に努めてまいりたいと考えております。  次に、警戒レベルの周知と防災意識の向上についてでございます。  市町が発令する避難情報の警戒レベルにつきましては、避難のタイミングが明確化される一方で、この警戒レベルのほかにも、気象台等が発表する大雨警報や洪水警報、土砂災害警戒情報などの警戒レベル相当情報もあることから、県民の皆様にとってわかりにくい一面があるものと認識しております。  このため、市町が発令する警戒レベルについて、その制度の内容や気象台等が発表する警戒レベル相当情報との関係の明確化など、県民の皆様に正しく理解していただけるよう、引き続き、関係機関と連携・協力して周知を行ってまいります。  また、防災意識の向上につきましては、早目の避難の重要性を認識していただけるよう、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動の啓発用教材を改良いたしまして、一斉防災教室などで活用するとともに、防災リーダー研修や自主防災アドバイザーによる講習や訓練を通じて啓発に努めているところでございます。  なお、現在、行動科学等の有識者による県民の避難行動に関する研究を進める中で、避難行動を促進するメッセージがわかったことから、市町やマスコミに対しまして、このメッセージの活用をお願いしているところでございます。  今後とも、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を強力に推進し、しっかりと啓発活動に取り組み、県民の皆様の自発的な避難行動につながるよう、防災意識の向上に努めてまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯副議長児玉 浩君) 農林水産局長上仲孝昌君。
            【農林水産局長上仲孝昌君登壇】 7: ◯農林水産局長上仲孝昌君) カキ業者のプラスチックパイプ対策についてお答えいたします。  カキ養殖パイプにつきましては、これまでも生産者が回収・再利用に取り組んでまいりましたが、依然として流出が多いことから、昨年度、養殖から出荷に係る全ての工程について海域への流出実態調査を実施したところでございます。  調査の結果、カキを陸上で洗浄する工程におきまして、パイプが残渣に混入したままカキ殻一時堆積場に運ばれていることが、流出の主たる要因であると特定されました。  このため、流出防止対策といたしまして、ことしの秋の出荷から、全てのカキ作業場において、パイプを取り除く人員の配置を行うとともに、かごで陸揚げする場合には、パイプと残渣を分ける機械を導入するよう、現在、生産者団体とともに生産者への指導を徹底しているところでございます。  さらに、自然災害や船舶事故等により流出するパイプにつきましては、生産者みずからが行う一斉海浜清掃をこれまでよりふやすなど、回収を強化していくこととしております。  県といたしましては、こうした取り組みの効果検証を行いながら、カキ養殖パイプの流出防止対策を定着させるとともに、プラスチックにかわる素材の開発などの検討を進めることにより、環境に配慮した生産体制の構築を目指してまいりたいと考えております。 8: ◯副議長児玉 浩君) 健康福祉局長田中 剛君。         【健康福祉局長田中 剛君登壇】 9: ◯健康福祉局長(田中 剛君) 四点についてお答え申し上げます。  まず、SNSを活用した心の悩み相談についてでございます。  本県の自殺者数につきましては、近年、減少傾向にございますが、年齢別に見ますと、特に、十九歳以下の若者の自殺者数が増加しているといった現状がございます。  これまで本県では、自殺防止対策としまして、本人やその家族からの心の悩み相談を電話や個別面談の形で行ってまいりましたが、十九歳以下の若者からの相談件数が少ないといった課題があったため、みずから電話や面談による相談を求めることはハードルが高いのではないかと考えております。  そのため、今年度、新たな取り組みといたしまして、若者の主要なコミュニケーションツールであるSNSを活用した相談事業を試行的に行うこととしたところでございます。  事業実施に当たりましては、特に若者に向けた周知、広報が重要と考えており、一人でも多くの方が相談につながるよう、ホームページへの掲載やその他の効果的な手法について、各市町や教育委員会などとも連携して検討を行ってまいります。  また、今後の事業実施につきましては、まずは九月に行う事業の効果について検証を行った上で検討してまいりたいと考えております。  次に、ひきこもり支援についてでございます。  ひきこもりにつきましては、本人の生活困窮や社会的孤立など、将来にわたって問題が深刻化していく非常に重要な課題であると認識しており、その対応については、それぞれの実情に寄り添いながら、きめ細かな支援を行っていくことが必要であると考えております。  そのため、本県におきましては、当事者及び家族の方への相談や個別訪問を行うひきこもり相談支援センターを県内三カ所に設置し、ひきこもりに特化した相談対応を、また、市町におきましては、生活困窮者自立支援制度により生活全般にわたる包括的な支援を行っております。  一方、ひきこもりの方が地域で自立した生活を送るためには、行政からの支援だけではなく地域社会全体の理解や支援が必要であると考えております。  そのため、本県では、今年度、ひきこもりの家族会の方からも御意見をいただきながら地域福祉支援計画を策定し、地域における見守りや支え合い活動を促進するとともに、八〇五〇問題などの複合的な課題にも対応するため、多くの機関が連携した包括的支援体制の構築を進めることとしております。  また、ひきこもりの方への支援に当たりましては、スタッフのスキルアップが不可欠であるため、現在、県や市町の職員に対する研修会や相談対応を行うNPOなどの関係機関が一堂に集まる連絡会議を設け、事例検討や情報の共有化などを行っているところでございます。  今後とも、行政、地域、当事者を含む関係団体などの連携により、総合的なひきこもり対策に取り組んでまいります。  次に、福祉避難所の指定数の増加についてでございます。  本県の福祉避難所につきましては、平成三十一年二月末現在で三百八十施設が指定されておりますが、昨年の豪雨災害を受けて実施しましたアンケート調査では、今後の大規模災害発生時に受け入れ可能人数の不足を懸念している市町もあることから、引き続き、福祉避難所の確保を促進する必要があると考えております。  また、アンケート調査では、平常時に福祉避難所の周知を行っていない市町、支援スタッフの不足時の応援体制や福祉避難所との連絡体制等に問題が生じた市町があったことから、今月、市町会議を開催し、福祉避難所の確保と運営体制の強化を要請したところでございます。  さらに、新たな取り組みとしまして、社会福祉施設関係団体との連携を強化するため、本年三月に、災害時等における安心を共に支え合う相互協力に関する協定を締結し、社会福祉施設の福祉避難所指定の促進、福祉避難所の運営に必要な人材の派遣及び資機材の提供などの取り組みを進めることとしており、関係者による協議を定期的に実施し、相互協力の仕組みづくりに着手しております。  今後とも、こうした取り組みを通じまして、市町や関係団体と連携しながら、福祉避難所の指定数の増加等に努めてまいります。  最後に、福祉避難所の広域避難体制の構築についてでございます。  災害時に福祉避難所を円滑に設置・運営していくためには、平時から、自主防災組織、地域住民、要配慮者やその家族などが参加した訓練を実施するとともに、市町や社会福祉施設等の関係団体が連携して、広域での協力体制を構築していく必要があると考えております。  県と市町におきましては、県内市町の災害時の相互応援に関する協定に基づき、災害時に独自では十分な被災者支援が実施できない場合に、他の市町に応援を要請するなど、広域で相互に協力を行うこととしております。  また、県と関係団体では、災害時等における安心を共に支え合う相互協力に関する協定に基づき、地域と連携した防災訓練や防災教育の実施、被災した施設の利用者の受け入れなど、市町域を越えた社会福祉施設間での協力体制の整備を現在進めているところでございます。  福祉避難所の広域避難体制につきましては、これらの協定に基づき、市町や関係団体と連携しながら整備を進め、災害時における要配慮者の支援を充実させてまいります。 10: ◯副議長児玉 浩君) 地域政策局長西野博之君。         【地域政策局長西野博之君登壇】 11: ◯地域政策局長西野博之君) 外国人生活支援の強化について、三点お答えいたします。  まず、外国人相談窓口の強化についてでございます。  改正入国管理法により新たな在留資格、特定技能が創設されたことによって、県内の外国人の受け入れ拡大が見込まれる中、多言語による相談窓口の機能充実は重要であると認識しております。  このため、ひろしま国際センターに設置している外国人相談窓口については、通訳を配置していた五言語に加え、本年五月から、テレビ電話機能を使って通訳会社とつながるタブレットなどを利用することで、政府が目指す少数言語を含む十一言語に対応した体制を整備したところでございます。  これによりまして、ひろしま国際センターへ来所し、通訳を配置していない言語で相談を受ける場合には、相談者と社会保険労務士などの専門相談員が、タブレットに映る通訳会社の通訳と向き合って対話いたしますので、三者がお互いの顔を見ながらの相談対応が可能になっているものと考えております。  今後とも、新たに拡充した機能について周知を図ることにより、相談窓口の利用促進に努めつつ、在住外国人の増加の動向や利用者の声をお聞きしながら、相談機能のさらなる充実について検討してまいりたいと考えております。  次に、通訳ボランティアの養成についてでございます。  日本語に習熟していない外国人が生活のさまざまな場面で必要なサービスを受けるためには、サービスの提供をサポートする通訳ボランティアの果たす役割が極めて大きいと考えております。  中でも、医療・保健分野における通訳の派遣ニーズが高いため、昨年十一月から、ひろしま国際センターが広島市を中心とした派遣制度を開始し、現在、全県エリアでの運用拡充に向け、県東部エリアでの養成研修を開始したところでございます。  また、防災対策については、同センターに登録している約百二十名の通訳ボランティアの中から、災害時における市町からの要請に応じて派遣できる体制をとっているところであり、今後、避難所での対応など、実践力を高めるための研修の実施などを検討してまいりたいと考えております。  引き続き、関係部局や市町と連携しながら、通訳ボランティアの養成を強化し、外国人が本県で安心して暮らしていただけるよう、環境整備に努めてまいります。  最後に、外国人に対する日本語学習の提供についてでございます。  多くの在住外国人にとって、日常生活で一番困っていることは日本語ができないことであり、これまで各市町と連携して、日本語教室の開催や日本語ボランティアの育成など、外国人に対する日本語学習支援に取り組んでまいりました。  また、本年二月に日本語教室に通う外国人にヒアリングを実施した結果、日本語教室は日本人との交流や地域行事への参加の契機になっているという意見も出されており、日本語教室は、日本の習慣や文化を学ぶ場としても有効なものと考えております。  一方、日本語教室の現状を見ますと、教室が開催されていない市町が八市町あるほか、開催されている市町からも、日本語学習を希望する外国人が増加する中、ニーズに応え切れていない面やボランティアを中心とする運営体制に課題があると伺っております。  このため、本県では、今年度から、国の支援制度を活用した市町のモデル教室を開催する中で、日本語教室の課題や対応策を検討し、日本語教室のさらなる拡充につなげていくこととしております。  今後とも、外国人が日本文化を学ぶ場でもある日本語教室の拡充に向け、各市町との連携を強化して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 12: ◯副議長児玉 浩君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 13: ◯教育長平川理恵君) 外国人住民の子供に対する教育支援についてお答えいたします。  外国人住民の子供に対する教育支援につきましては、大変重要な課題と認識しており、これまでも日本語指導のための加配教員や非常勤講師を措置するとともに、独立行政法人教職員支援機構が実施している日本語指導者養成研修への教員の派遣による指導者の養成に努めてまいりました。  昨年十二月、政府において、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策が取りまとめられたことを踏まえ、外国人の子供の就学の促進等に関する取り組みの一層の充実が求められているところでございます。  このことを踏まえ、ことし三月には、外国人児童生徒への取り組みが進んでいる浜松市を視察するとともに、今年度は、日本語指導が必要な外国人児童生徒が多く在籍している県内の市町教育委員会からのヒアリングを実施し、各市町教育委員会を対象とする担当者会を開催することとしております。  県教育委員会といたしましては、今後も、日本語指導のための加配教員及び非常勤講師の措置や指導者の養成を図るとともに、学校・市町教育委員会のニーズをもとに、外国人児童生徒に対する教育支援の充実に努めてまいります。 14: ◯副議長児玉 浩君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時三十八分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 15: ◯議長中本隆志君) 出席議員六十二名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。   引き続いて質問を行います。石橋林太郎君。         【石橋林太郎君登壇】 16: ◯石橋林太郎君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の石橋林太郎であります。令和最初の定例会において質問の機会をいただきました、中本議長児玉議長を初め、先輩、同僚議員各位に心より感謝を申し上げます。  令和元年五月一日、新帝陛下が御即位され令和の時代が幕をあけました。県議会においては、五月臨時会において賀詞を決議したところでありますが、私自身改めて一国民として心より祝意を表する次第であります。御承知のとおり、新元号の令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められているとのことであります。そうした明るく希望あふれる時代を築いていけるよう、今後も懸命に活動してまいりたいと思います。  このたびの御譲位は、第百十九代光格天皇以来、実に二百年ぶりのことでありました。今上陛下は百二十六代目でいらっしゃいますが、二百年ぶりや百二十六代目と聞くと、改めて我が国が天皇をいただき長い歴史を有することを思い、非常に誇らしく感じるものであります。先人が営々と築いてこられた歴史、文化、伝統をしっかりと受け継ぎ、次世代に引き渡していくという決意を胸に質問に入らせていただきます。  質問の第一は、御代がわりにつき、三点お伺いいたします。  まず、文科省通知に基づく各学校における対応についてお伺いいたします。  四月二十二日、文科省より知事、教育長に宛てて、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導についてという通知が出されています。そこには、各学校においては、あらかじめ適宜な方法により、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位について、また、御即位に際し国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当と思われますので御配慮願いますとあります。  そこで、この通知に基づき、実際に各学校においてどのような対応をされたのか、教育長にお伺いいたします。  次に、我が国の伝統と文化を尊重し、国を愛する態度を養う教育についてお伺いいたします。  御承知のとおり、このたびの皇位継承に際しては、多くの儀式が予定されているところであります。四月三十日には退位礼正殿の儀が、翌五月一日には剣璽等承継の儀並びに即位後朝見の儀がとり行われました。十月には、即位礼正殿の儀、祝賀御列の儀などが予定されています。いずれも国事行為として行われますが、言うまでもなくこれら一連の儀式は我が国特有のものであり、マスコミ等でも大きく取り上げられるため、ふだんは歴史などに余り興味のない子供たちも関心を持ちやすいのではないかと思います。ぜひ、この機会を活用し、子供たちが我が国の歴史や文化への興味・関心を高め、理解を深めていくきっかけとなるような指導をしていただきたいと思います。  そこで、我が国の伝統と文化を尊重し、国を愛する態度を養う教育の実践のため、これら一連の儀式をどのように取り扱うよう各県立学校及び市町教育委員会に指導されているのか、教育長にお伺いいたします。  次に、記帳所の設置等につきお伺いいたします。  五月には、御即位をお祝いする記帳所が、県内二十一市町三十二カ所に設置されたとのことであります。県庁におきましても正面入り口ロビーの奥、エレベーター前に設置されました。私も記帳に伺いました。県内ほぼ全ての自治体で本庁舎一カ所での設置がされたようですが、中には支所などを含め、複数箇所に設置した自治体もあったとのことであります。住民に広く祝意をあらわす機会を提供するという意味において、評価すべき対応であると考えます。  十月二十二日には、天皇陛下が御即位を公に宣明されるとともに、その御即位を内外の代表がことほぐ儀式である即位礼正殿の儀がとり行われます。五月と同じく、広く県民に祝意をあらわす機会を提供するため、記帳所を設置してはどうかと考えますが、県庁での五月の設置期間は四日、五日の二日間と短く、しかも、大型連休中でもあり、設置場所も少々わかりづらい場所でありました。  五月一日同様に、十月二十二日もことしに限り祝日となりますので、例えば、その週を通じて県の地方機関も含め記帳所を設置するなど、県民の利便に資するよう、より記帳しやすい工夫をしてはどうかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、四月二日の閣議決定において、五月一日の御即位当日に、地方公共団体、地方公共団体以外の公署、学校、会社、その他一般においても国旗を掲揚し祝意を表することにつき協力を求めることとされていましたが、県においてどのように対応されたのか、あわせてお伺いいたします。  質問の第二は、建国の歴史を教えることについてお伺いいたします。  平成二十九年二月議会の一般質問で、当時の下崎教育長より、児童生徒が海外に出て日本の成り立ちを語ることができるよう日本の歴史について理解を深めることは、日本国民としての自覚や資質を育てる上で重要であり、今後とも各学校において、学習指導要領を踏まえ、さまざまな学習形態や方法を取り入れ工夫するよう指導していくと御答弁いただきました。このたびの御譲位、また、皇位継承に係る一連の行事などは、子供たちが我が国の歴史への理解を深め、日本国民としての自覚や資質を育てるために活用し得るものであると考えます。  そこで、現在、具体的にどのような学習形態や方法で我が国の成り立ち、建国の歴史について教えるよう各学校に指導されているのか、教育長にお伺いいたします。  また、建国の歴史をどのように子供たちに教えているのかも、あわせてお伺いいたします。  私は、これまでにも建国の歴史を教えることにつき何度か質問させていただいております。なぜならば、国民を育てるという公教育の役割を果たす上で、自国の建国について教えることは必要不可欠であると考えているからであります。  歴史、言語、そして、場合によっては宗教も、民族の一体感を醸成する上で欠かすことのできないものであります。裏を返せば、それらを揺るがすことにより、その民族をばらばらにできるということでもあります。現に、国際社会においては明確にそうした意図を持ち、他国、他民族に対し実力を行使しているケースもあります。  教育は国家百年の計と言いますが、国を思い、国を誇り、そして、国を守る気概を持つ国民が育たなければ、早晩国は倒れることでしょう。だからこそ、各国、各民族とも、みずからの歴史をみずからの言語で教えることに力を注いでいるのであります。これは、決して民族至上主義や自国至上主義などという話ではありません。多様な民族がそれぞれの歴史、文化、伝統に立脚しつつ、共存共栄の道を模索している国際社会の厳然たる事実であります。本県は、他県に先駆け学びの変革を推し進めています。その目指す人間像のとおり、世界で堂々と日本を語ることのできる人材を育てるためにも、建国の歴史を堂々と教えていただきたいものであります。  今、本県で学ぶ子供たちは、建国の歴史を語ることができるのでしょうか。他国の友人に建国記念の日の由来を語ることができるでしょうか。真にグローバルな人材を育てるためにも、ぜひ、一度、全県的な調査を実施していただくように要望し、次の質問に移ります。  質問の第三は、国旗の取り扱いにつき、三点お伺いいたします。  まず、学校における国旗の取り扱いについてお伺いいたします。  以前、私の選挙区で住民の方から、小学校でちぎれたような国旗が上げられている。見るに忍びないので交換してもらえないかという御連絡をいただきました。現在はきれいなものになっていますが、見るに忍びない国旗を上げているのは、さすがにいかがなものかと思いました。また、別の学校ではありますが、私自身、ちぎれて色あせたみすぼらしい国旗が上げられているのを確認し、大変残念な思いをしたこともあります。  確認したところ、国旗の取り扱いについては、国際儀礼であるプロトコルに従い、破損したり汚れた国旗は掲揚しないとしているとのことでありましたが、現実にちぎれたり色あせたりした国旗が掲揚されていたこともあり、再度、学校長、市町教育委員会への指導の徹底をお願いするものであります。  そこで、学校における国旗掲揚につきどのような指導をしているのか、教育長にお伺いいたします。  あわせて、県立学校に限らず県内の学校における国旗掲揚の状況につきお伺いいたします。  次に、国際儀礼を踏まえた学校での指導についてお伺いいたします。  本県における国旗の常時掲揚は、平成十年の是正指導後、議会からなされた提案をきっかけに始まったと伺いました。是正指導後間もない時期であれば、とにかく国旗が上がっているという状態自体が画期的だったのだと思いますが、言うまでもなく、国旗は本来、ただ上げておけばいいというものではありません。国旗は各国の歴史や文化を象徴するものであり、文字どおりその国そのものであります。国旗の扱い方一つで外交問題に発展してもおかしくないのであり、そのためにプロトコルが整えられ、問題を未然に防ぐ努力がなされているものと考えます。  グローバル化の進展に伴い、これからますます外国の方との交流は盛んになるでしょうし、また、子供たちがそういう場に出ていく機会も自然とふえていくものと考えます。そのときには、自国の国旗はもちろん、他国の国旗に対しても、しかるべき態度をとることができるようになっていてほしいと願うのであります。  そこで、国旗の取り扱い方や国旗に対する態度など、国際儀礼を踏まえた指導を取り入れてはどうかと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、祝日の意義を教えること及び祝意をあらわすための国旗掲揚についてお伺いいたします。
     平成二十五年六月に、県教委と校長会が協議した国旗掲揚に係る具体的な対応等についての中に、休業日──週休日、祝日には掲揚しないとあります。休業日に学校で掲揚するのは難しいことかもしれませんが、今般の御即位に際しての文科省通知にもあるように、祝日に国旗を上げて祝意をあらわすことについては、子供たちにその意義を教えるべきことであると考えます。また、そのためには、あわせて祝日の意義を教えることも必要であると考えます。  そこで、子供たちに祝日の意義を教えること並びに祝意をあらわすための国旗掲揚について、どのように子供たちに教えることが適当とお考えか、教育長にお伺いいたします。  質問の第四は、義務教育における年齢主義、履修主義についてお伺いいたします。  憲法第二十六条には、教育を受ける権利と受けさせる義務が定められており、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」とあります。ここでいう普通教育を受けさせる義務とは、就学の義務、つまり子供を学校に通わせる義務であるとされています。  保護者が子供を学校に通わせる大きな理由の一つは、学力ではないでしょうか。義務教育を受けさせることによって、社会に出て困らないだけの読み、書き、そろばんの力、基礎学力を身につけさせたいと思っているでしょうし、その力は子供にとってもまた必要なものであります。  しかしながら、小中学校で採用されている年齢主義、履修主義ではその要請に十分応えることができないのであります。年齢主義とは、一定の年齢になった時点で義務教育は終了するということであり、履修主義とは、学習内容を身につけたかどうかにかかわらず、一定の年限の間履修すればそれでよいとするものであります。つまり、保護者が望み、そして、子供たちが必要とする学力の習得は必ずしも担保されてはいないのであり、義務教育において、学校には子供たちに学力をつけさせる義務はないとも言えるのであります。  小中学校で履修主義が採用されている一方、高等学校においては修得主義が採用されています。これは、ある学年で求められる一定の成果を上げ、単位を修得しなければならないとするものであり、学力の習得が担保されているものであります。  学力とは、順を追って知識、技能を積み上げていくものでありますので、前の段階の内容を理解し身につけていなければ、次の段階には進むことが難しくなります。年齢主義、履修主義では、本人の習得度合いにかかわらず進級することとなるため、進級するたびに勉強がわからなくなるという悪循環を招くこともあり得ますし、現にそういう話も耳にするのであります。  そこで、こうした現状に対する問題意識と、どのような方策で解決していこうとされているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  また、教育長は現在、異年齢学級を特徴とするイエナプラン教育の実施を検討されていると理解しておりますが、イエナプラン教育が、この年齢主義、履修主義の問題の解消に資するのかどうか、また、資するのであればどのように資するのか、あわせてお伺いいたします。  次に、児童虐待につきお伺いいたします。  昨日、我が会派の狭戸尾議員からも、本県における児童虐待の今後の取り組みなどにつき質問されたところでありますが、私もこの問題について取り上げたいと思います。  まず、事実確認でありますが、本県全体における児童虐待相談対応件数は、平成二十九年度で六千三十三件でありました。平成二十三年度の三千七百七十八件と比べ、一・六倍近くにまで増加しています。  また、県のこども家庭センターで受けた虐待相談を調べてみますと、虐待したとされている者で一番多いのは実父で四八・七%、次いで実母が三九・四%と、実の両親で八八・一%を占めています。また、ここに実父以外の父親と実母以外の母親を足すと、実に親というくくりの人物によるものが、九七・五%を占めているのであります。本来頼るべき存在であるはずの両親、また、安らぎの場であるべきはずの家庭が真逆の存在になってしまっている事実には、深い悲しみと同時に強い衝撃を覚えます。  続発する虐待事件に対応するため、六月十九日、国会で児童福祉法等が改正されました。改正法では、児童虐待防止対策の強化を図るため、親権者等による体罰の禁止や児童相談所への医師等専門職の配置などの対策が掲げられており、対策強化の進展が期待されるところであります。  そこで、まず、体罰禁止及び体罰によらない子育て等の推進につきお伺いいたします。  家庭での体罰が虐待につながりやすいとはしばしば指摘されるところであります。事実、多くの虐待事案で虐待者は体罰をしつけと呼びかえています。県のこども家庭センターで受けた虐待相談種別においても、約三〇%が身体的虐待であり、この割合を減らしていく努力は必須であります。  今回、国は、体罰によらない子育てのためのガイドラインの策定などの方針を示していますが、県としてはこの問題にどのように取り組んでいくつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、マルトリートメントの予防につきお伺いいたします。  マルトリートメントという言葉があります。聞きなれないかもしれませんが、待遇、取り扱いなどを意味するトリートメントという単語に、悪い、不全などという意味の接頭語マルがついたもので、子供の養育においては不適切な養育と訳されています。  虐待と聞くと、身体的虐待や性的虐待など、非常にショッキングな、ある意味で保護者の異様、異常な振る舞いによるものが真っ先に思い浮かぶのではないかと思います。しかし、実際の虐待行為の中には、一見残虐性が感じられず、ひっそりと目立たない、しつけの一環として生活の中に溶け込み習慣化してしまっているものも多くあると、虐待が脳に与える影響を研究している小児精神科医の友田明美氏は指摘しています。  例えば、我が子が泣いていても無視し続ける、スキンシップを全くとらない、話を聞こうとしない、赤ちゃんがぐずっていることに気づいているがゲームがおもしろくて手がとめられない、子供が帰宅したのはわかっていてもメールやLINEに夢中で顔すら上げない、話しかけにも聞こえないふりをするなどでありますが、こうした行為は子育ての中、日常生活の中で、私たちの誰もがとり得る可能性のあるものであります。  友田氏は、日々の世話は一応できていても、このようにコミュニケーション不足が過度に続くようなら、これもまたネグレクトですと語り、こうした誰もがとり得る不適切な養育を、虐待という強い言葉が持つ偏ったイメージから切り離し、子供の心と体の健全な成長、発達を阻む養育を指す、より広い概念として、マルトリートメントという言葉を使用しています。  問題は、こうした何気ない親の行為も子供の脳の発達に影響を与えるという事実であり、幼いころからの積み重ねは、愛着障害などの症状を引き起こし、成長してからも長くその症状に悩み苦しむことにつながるという事実であります。  私は、虐待防止の取り組みを進め、そして、健全な養育を推進していく上で、このマルトリートメントという考え方は非常に有効な視点ではないかと考えます。  そこで、今後の子育て支援施策や虐待防止施策の中に、この考え方を積極的に取り入れてほしいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、朝ごはん推進モデル事業についてお伺いいたします。  県は、昨年度より朝ごはん推進モデル事業を実施しており、現在は廿日市市の阿品台東小学校と府中町の府中小学校の二つの小学校で実施されています。この事業は、そもそも県が実施した広島県子供の生活に関する実態調査の結果、朝御飯の欠食率が高いということがわかり、その対応策として始めたものと認識しています。私は、当初より、対症療法として一定の意味があるとは思うが、朝食はやはり家庭でとるのが基本であり、この問題は保護者への働きかけなしには根本的な解決には結びつかない問題であると申し上げてまいりました。  先ほど、マルトリートメントの例を挙げましたが、家庭で朝食を用意しない、食べさせないなど、結果として子供が朝食を欠食している状態というのはマルトリートメントに当たるのではないかと思いますが、どのように現状を認識し取り組んでおられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、朝御飯事業と並行して行うとされていた家庭、保護者への働きかけの現状について、あわせてお伺いいたします。  次に、虐待者である保護者への支援プログラムについてお伺いいたします。  貧困の連鎖という言葉を耳にすることがありますが、虐待においても虐待の連鎖ということが言われます。幼少期に虐待をされた子供の約三分の一が、自身が養育者となったときに虐待をしてしまうと言われています。そして、その理由として次の三つが挙げられています。  まず貧困です。いわゆる貧困の連鎖ですが、経済状況の厳しさが学歴に、学歴が職業に、職業が収入に影響し、負の連鎖が続いてしまうというものであります。現代日本社会の構造的な問題であるとの指摘もされています。  次に挙げられるのが性質と環境です。発達障害や精神疾患、アルコール依存など問題行動につながる性質と、その性質を覚醒させる環境、この両者がそろってしまうことが問題であると言われています。  三つ目は虐待、マルトリートメントを受けたことによる心の傷とロールモデルの欠如です。不適切な養育による心の傷やストレスは、本人の自覚はなくとも成長後も長く影響を与え続けるため、それらに起因する精神的な不安定さから抜け出すのは容易ではないと言われています。また、ロールモデルの欠如は、子育てにおいて何をどうすればいいかがわからない状態にあるということであり、知らぬ間に自分が経験した不適切な養育を繰り返すことにつながると言われています。  私たちは、虐待事案を知ると、つい加害者を責めることに走ってしまいがちです。もちろん、虐待は許されるべきではありません。しかしながら、加害者になってしまった保護者自身が、実は加害者である以前に被害者であった可能性もあるのであります。本当に虐待をなくそうと思えば、被害者の支援同様、加害者になってしまった保護者の支援も必要ではないかと考えます。  そこで、児童虐待における加害者支援の必要性をどう認識し、どのような対策を講じておられるのか、知事にお伺いいたします。  虐待は、未然に防げるのであれば、子供にとっても親にとってもそれにこしたことはありません。先ほど、虐待、マルトリートメントを受けて育った子供のうち、約三分の一が将来同じような行為を繰り返してしまう虐待の連鎖について触れましたが、裏を返せば三分の二の子供たちはその負の連鎖を断ち切れているということでもあります。その分かれ目が何なのかがわかれば、それに沿った対策を実施していくことで虐待事件を未然に防止することもできるのではないでしょうか。そして、その分かれ目として、適切な愛着形成や乳幼児期の親子のスキンシップの重要性、また、できるだけ早い時期に悩みに共感し、理解を示してくれる人の存在の有無などが言われています。  現在、全県展開に向けてモデル事業の取り組みを進めているネウボラでは、間もなく親になる人や親になりたての人たち、また、幼い子供たちへのアクセスが可能です。仕組みの構築やマンパワー、予算の確保など、大変な課題は多いと思いますが、虐待、マルトリートメントの防止や早期発見の点でも重要な役割を担うことを期待しているものであります。担当の方や現場の方など、関係各位にエールを送り、次の質問に移ります。  質問の第六は、自衛隊の新規隊員募集事務への協力についてであります。  五年前の八・二〇豪雨災害、また、昨年の七月豪雨災害と、大規模災害の際に自衛隊の支援が欠かせないことを、私たちは身をもって知っています。国家安全保障のみならず、災害対応においても、今後も自衛隊の重要性が低下することはないと考えますが、その自衛隊が、今、隊員数の減少という問題に直面しています。  定員二十四万七千人余りに対し、現在の隊員数は二十二万七千人弱であり、充足率は九一・八%となっています。平均年齢も、平成三年には三十二・二歳だったものが、現在では三十六歳とのことであります。この状況を打開するため、募集対象年齢の上限が、昨年十月より二十六歳から三十二歳へ引き上げられましたが、このままでは自衛隊の業務にいずれ重大な支障を来すおそれがあると言われています。  地方自治体は、自衛隊法により自衛官募集事務の一部を行うこととされていますが、隊員募集に積極的に協力することは、我が国の平和と独立を守ることはもちろん、大規模災害の際に住民の生命を守ることにもつながるものと考えます。現在、県内市町における自衛官募集事務の実施状況としては、二十三市町で住民基本台帳の閲覧協力がなされていますが、そのほとんどでは隊員の方が閲覧用の資料から必要な情報を自分たちで書き写さねばならず、多くの時間と労力がかかってしまっています。  防衛省は、紙ないし電子媒体での資料提供を依頼しているのであり、例えば、自衛隊から事前に示された抽出条件に当てはまる情報をパソコン上で抽出し、紙ないし電子媒体で提供することは特段難しい作業ではなく、書き写しにかかる時間や労力を考えれば、紙ないし電子媒体で情報提供してこそ協力と呼べるのではないかと考えます。  そこで、県内では三市町が実施している紙ないし電子媒体での情報提供につき、他の市町にも協力を働きかけてはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の最後は、重度心身障害者医療費助成制度に係る所得制限についてであります。  この制度は、身体障害者手帳一級から三級、療育手帳のマルA、A、マルBの所持者などに対し、健康保険に関する法令の規定により自己負担となる医療費の一部を市町が補助することで、障害者の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的とするものであります。ただし、県民がこの制度の適用を受けるには所得制限が課せられており、その額はいずれも扶養親族がいない場合で、障害者本人の前年所得が百五十九万五千円以下、配偶者及び扶養義務者の前年所得が六百二十八万七千円未満となっています。なお、この所得制限は、もともと県が設けた基準でありますが、現在、県内全ての市町がこの基準に従う形で同じ限度額を適用し、足並みをそろえているのが実態であります。  重度医療の対象は、身体障害者手帳三級以上の所持者ということでありますが、その中でも医療的ケアを必要とする人たちにとって、この制度が使えるか使えないかは重要な問題となっています。例えば、前年まで補助対象となっていた家庭で、世帯主の勤務環境が変わり、わずかに所得制限をオーバーしたために補助の対象から外れることとなり、新たに多額の医療費負担が生じた例があります。この家庭の場合、医療費が通院だけで毎月約七十万円かかり、入院した月は九十万円を超えています。  重度医療の対象の場合、そのほとんどが補助されますが、所得制限にかかるとその三割が自己負担になります。高額療養費制度を利用したとしても、その自己負担額は一月十五万円を超え、多額の医療費が容赦なく生活を圧迫しています。  さらに、医療的ケア児など重度の子供を扶養している家庭では、保護者への特別児童扶養手当と本人への障害児福祉手当とで、最大で合わせて六万六千九百九十円の手当が支給されていますが、この二つの手当の所得制限が重度医療の所得制限額と同額のため、重度医療の対象外になってしまうと、毎月高額の自己負担が発生するのに加えて、さらに毎月六万円以上の手当も支給されなくなるため、その生活に大きな混乱が生じてしまうことは想像にかたくないのであります。  重度医療に所得制限を設けていない県も五県ほどあるようでありますし、重度の障害を持った子供が生まれても、その子供を将来にわたり安心して育てていける、そういう環境をつくるため、全ての重度心身障害者が必要な医療を受けられるようにすることが重要であると考えます。  そこで、特別児童扶養手当と障害児福祉手当の所得制限は維持したとしても、重度医療の経済的な負担の大きさに鑑み、本県も重度医療の所得制限につき廃止を含め条件緩和の検討を行うべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問は以上でありますけれども、最後に少しお話をさせてもらいたいと思います。  しろがねもくがねも玉も何せむにまされる宝子にしかめやも、山上憶良の有名な歌であります。私も一人の親でありますが、この歌にあるように、私にとっても子供は、金、銀、財宝など、どんな宝も遠く及ばない大切な存在であります。そしてまた同時に、子供は私たちの未来そのものであるとも考えています。  全ての子供が健やかに育ち、希望あふれる令和の時代を築いていけるよう、微力ではありますが、引き続き、懸命に努力を続けることを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 17: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 18: ◯知事湯崎英彦君) まず、体罰についての御質問でございます。  体罰につきましては、たとえ親がしつけや愛のむちのつもりで行ったとしても、子供の心や体を傷つけ、脳の発達にも深刻な影響を及ぼす可能性があると言われており、いかなる理由があろうとも許されるものではないと認識しております。  このため、これまで子供への接し方に関して、市町における子育て講座や親子教室のほか、親の役割や責任等について親同士が気軽に話し合い学び合う親の学習プログラムを活用した講座を開催するなど、保護者の養育力の向上に取り組んできたところでございます。  しかしながら、我が国では、ほかに手段がないと思ったときには必要といったものも含めると、体罰を容認する人が五七%に上るとする民間団体の調査結果もあるなど、子供のしつけには体罰が必要という誤った認識や風潮がございます。  このため、このたびの法改正の趣旨や、今後、国から示されるガイドライン等を踏まえ、体罰の禁止や体罰を用いない子育てについて、積極的に広報啓発を行うとともに、ひろしま版ネウボラにおける家庭教育支援の取り組みの充実を図るなど、体罰によらない子育てが当たり前である社会の実現を目指してまいります。  次に、マルトリートメントの予防についてでございます。  子育て支援や児童虐待への対応に当たりましては、保護者の意図にかかわらず、子供の心身の健やかな成長を阻む全ての不適切な養育、いわゆるマルトリートメントを改善し、子供の成長に適した養育環境を確保する観点で取り組むことが重要であると考えております。  このため、こども家庭センターや市町では、親子分離が必要となる重度の虐待事案においてはもちろんのこと、子供への愛着はあるものの、結果として子供に不適切な養育となっている場合にも、保護者に対して子供へのかかわり方の指導・助言を行うなど、常に子供の視点に立った対応をしているところでございます。  一方で、育児疲れや育児不安などから、子供とのスキンシップや受け答えの不足が継続するなど、適切でない養育は、どの家庭でも起こる可能性があり、また、保護者本人の自覚がない場合も多いため、周囲が早い段階でそのリスクに気づき、深刻な事態に陥る前に必要な支援を行っていくことが重要となります。  このため、平成二十九年度からひろしま版ネウボラ構築事業を開始し、妊娠期から就学前まで全ての子育て家庭を切れ目なく見守り、支援する体制の構築に取り組んでおります。  ネウボラでは、全家庭を対象に、子供が三歳に達するまでに少なくとも七回の定期面談を行うほか、随時の相談に応じたり、子供を連れて、あるいは御家族で遊びにおいでいただくなど、頻繁にお会いしお話しする中で、育児への関心の低さや子供への不自然な接し方など、不適切な養育につながりかねない状況を早期に発見し、早期に適切な対応を行っているところでございます。  さらに、今年度からは、府中町と協働で、子供見守り支援サポート事業をモデル的に開始し、就学後の子供たちの情報も含め、関係機関で共有して、見守り支援する仕組みについて検討を進めております。  今後も、市町や関係機関との連携を図りながら、これらの取り組みを着実に進め、子供たちに必要な支援を確実に届ける仕組みを構築してまいりたいと考えております。  次に、朝ごはん推進モデル事業についてでございます。  次世代を担う子供たちが生まれ育った環境に左右されることなく健やかに育ち、夢や希望、意欲にあふれ、自立した人間へと成長することは県民の皆様全ての願いであり、我々が目指すべき姿でございます。  しかしながら、近年、朝食を食べていない子供たちが増加を続けており、こうした状況は子供の健康に大きな影響があるだけでなく、学力や体力を身につける上でも非常に大きな課題であると認識しております。  また、国の調査結果によりますと、朝食を食べていない子供のうち、朝食が用意されていない家庭は二・四%にとどまり、大半の家庭では、朝食が用意されているにもかかわらず生活習慣の乱れを大きな要因として食べていないのではないかと考えられます。  こうした背景や現状も踏まえつつ、どのような家庭環境で育つ子供たちにも朝食が食べられる環境を整え、子供たちの能力と可能性を高めるために必要な生活習慣を身につけてもらうため、昨年度から県内の二つの小学校で、朝ごはん推進モデル事業を実施しているところでございます。  このような子供たちの生活習慣を改善させる試みは、すぐに成果があらわれるものではないと考えておりますが、朝食を提供する日の遅刻の減少や授業に集中して積極的な姿勢が見られるなど、徐々にではありますが、子供たちの学校生活での変化が見られているところでございます。  さらに、食事を提供していただいているボランティアの皆様との交流を通じて、子供たちの地域への愛着が強まるなど、副次的な効果も出てきております。  一方で、つくってみようよ自分の朝ごはん事業など、子供たちが保護者と一緒に毎日朝食を食べることの大切さを考える取り組みにも継続して取り組むことにより、家庭で朝食を食べることにもつなげてまいりたいと考えております。  今後も、市町や教育委員会との連携はもちろんのこと、地域も一体となって、子供たちを初め、家庭や保護者に対して生活習慣の定着や改善に向けた取り組みを進め、全ての子供たちが健やかに夢や希望を育むことのできる広島県を目指してまいります。  次に、虐待者である保護者への支援プログラムについての御質問でございます。  児童虐待の加害者となる保護者につきましては、経済的困窮や被虐待歴、精神疾患あるいは社会的孤立など、さまざまな課題や生活上のストレスを抱えており、社会的支援を要する状況にあるにもかかわらず、周囲と適切な関係を結ぶことが難しく、援助を求めないといった傾向がございます。  このため、再発防止や、親子が再び適切な養育環境の中で暮らせるようにするためには、虐待を行った保護者への支援が不可欠と認識しており、こども家庭センターにおいて、まずは保護者との信頼関係を構築した後に、保護者への支援プログラムを実施しているところでございます。  具体的には、児童精神科医等により、効果的な子供へのかかわり方を体験的に学ぶペアレントトレーニングや、児童心理司による親子の相互交流を深めるための心理療法、臨床心理士によるカウンセリング、助産師の家庭訪問による育児指導などに取り組んでおります。  また、こうした親子が地域や家庭で安心して生活していけるよう、市町や関係機関と連携して、経済的支援や福祉サービスの活用など、それぞれの保護者が必要とする支援につなぐとともに、見守り体制を整え継続的に支援することで、再発防止を図っているところでございます。  今後とも、子供の安心・安全と最善の利益の確保を最優先に、児童虐待防止対策のより一層の強化を図ってまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 19: ◯議長中本隆志君) 総務局長小寺 洋君。         【総務局長小寺 洋君登壇】 20: ◯総務局長(小寺 洋君) 記帳所の設置等についてお答えいたします。  天皇陛下の御即位に際しましては、国からの通知を踏まえ、御即位当日に県の各庁舎におきまして国旗の掲揚を行いますとともに、県内市町のほか学校等に対しましても掲揚への協力などをお願いしたところでございます。  また、県民の皆様が祝意をあらわす機会を確保するため、宮内庁の地方機関において一般参賀をお受けする記帳所が設置された五月四日と五日を中心に、県庁本庁舎のほか、県内ほぼ全ての市町におきまして記帳所が設置されました。  記帳所の設置に当たりましては、報道機関を通じた広報と県のホームページによる市町分も含めた設置場所の周知により、お近くの記帳所を訪れていただけるようにした結果、多くの県民の皆様の記帳をお預かりすることができたところでございます。  十月の即位礼正殿の儀に際しましては、宮内庁の一般参賀に係る対応を踏まえる必要がありますが、多くの県民の皆様に祝意をあらわしていただけるよう対応してまいります。 21: ◯議長中本隆志君) 地域政策局長西野博之君。         【地域政策局長西野博之君登壇】 22: ◯地域政策局長西野博之君) 自衛隊の新規隊員募集への協力についてお答えいたします。  自衛隊におかれましては、日ごろから我が国の平和と安全の確保はもとより、大規模な災害発生時における災害派遣など、国民の安全・安心の確保のために重要な責務を担っていただいているところでございます。  本県におきましても、昨年七月に発生した豪雨災害に際しましては、救助活動、行方不明者の捜索、被災者の生活支援などに御尽力いただき、災害時における自衛隊が果たす役割について再認識したところでございます。  こうした中、自衛隊が強い使命感を持った優秀な人材を確保することは重要なことであり、県といたしましては、これまでも市町に対し、紙媒体による募集対象者情報の提供など、自衛官募集事務について協力依頼を行ってきたところでございます。  募集対象者情報に係る紙または電子媒体での提供につきましては、自衛隊から各市町に対し、直接依頼が行われており、市町において個人情報の取り扱いについて条例に基づき判断されているところでございます。
     紙または電子媒体による提供の判断につきましては、市町に委ねられていますが、県といたしましては、引き続き、自衛隊と連携を図るとともに、各種会議などを通じて自衛官募集事務への協力について市町へ働きかけてまいります。 23: ◯議長中本隆志君) 健康福祉局長田中 剛君。         【健康福祉局長田中 剛君登壇】 24: ◯健康福祉局長(田中 剛君) 重度心身障害者の医療費補助制度に係る所得制限についてお答え申し上げます。  重度心身障害者の医療費助成制度につきましては、障害者の健康の増進と経済的、精神的負担の軽減に大きく寄与するものでございます。  現在、本県では、この制度に所得制限を設けておりますが、その基準額は、被扶養者である場合は特別児童扶養手当に、障害者本人の場合は老齢福祉年金に準拠したものとしております。  今後ともこの制度を維持し、安定的に運営していくためには、一定の所得制限を含めた応能負担の考え方は必要であり、重度の障害者の方々が安心して生活できるよう、医療にかかわるセーフティーネットとして不可欠なこの事業の円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。 25: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 26: ◯教育長平川理恵君) 七点についてお答えいたします。  まず、文部科学省通知に基づく各学校における対応についてでございます。  四月二十二日付文部科学省の通知につきましては、法律の趣旨を踏まえ、国民こぞって祝意を表する意義について児童生徒へ周知を図るよう、県教育委員会から各市町教育委員会及び県立学校に通知を行ったところでございます。  本通知の趣旨を踏まえ、例えば小学校におきましては、令和の文字を毛筆で書き、新たな時代について児童たちで話し合ったり、また、中学校や高等学校におきましては、全校朝会や学級活動等で生徒に対し、通知文をもとに今回の祝日について考える時間を設けるなどの対応を行ったところでございます。  次に、我が国の伝統と文化を尊重し、国を愛する態度を養う教育についてでございます。  児童生徒に伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うことは、教育基本法の教育目標の一つとして定められております。  学習指導要領においても、我が国や郷土の伝統と文化の尊重、国を愛する態度を育成していく内容が扱われております。  県教育委員会といたしましては、今後とも、各学校が、このたびの皇位継承に係る一連の儀式を踏まえ、学習指導要領が示す伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度を養う教育を進めるよう指導してまいります。  次に、建国の歴史を教えることについてでございます。  学習指導要領においては、小学校では、神話や伝承を調べ国の形成に関する考え方などに関心を持つよう指導すること、中学校では、神話や伝承などの学習を通して当時の人々の信仰やものの見方などに気づかせるよう留意することとされております。  県教育委員会といたしましては、学習指導要領に基づき我が国の国土と歴史に対する愛情、我が国の将来を担う国民としての自覚などを養っていくために、各学校において社会とのかかわりを意識してさまざまな問題を追求、解決する学習が充実するよう指導しております。  実際の小学校、中学校の授業におきましては、古事記、日本書紀、風土記などの中から、例えばヤマトタケルノミコトや神武天皇などの神話を取り上げ、それらを具体的に調べることを通して、国の形成について当時の人々のものの見方や考え方に関心を持つよう学習形態や方法を工夫して進めております。  高等学校では、古事記や日本書紀などに含まれる神話や伝承などのさまざまな歴史資料に基づいて、古代の人のものの考え方や生活を捉えさせるとともに、我が国の形成の歴史について理解と認識を深めるよう、主体的な学びを進めているところでございます。  次に、学校における国旗の取り扱いについてでございます。  幼児、児童生徒が、将来、国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長していくためには、我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てることが大切であると考えております。  県教育委員会といたしましては、国旗の取り扱いについて、国家間の儀礼上のルールであるプロトコルに沿って取り扱うことが望ましいと考えており、校長会や市町教育委員会に対し伝えているところでございます。  県内の学校における国旗掲揚につきましては、市町立学校も含め、全ての公立学校で掲揚が行われており、破損した国旗を掲揚している学校がないよう、県教育委員会として指導してまいります。  次に、国際儀礼を踏まえた学校での指導についてでございます。  学習指導要領では、我が国と諸外国の国旗を相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解し、それらを尊重する態度を育てることが示されております。  このため、入学式や卒業式など国旗が取り扱われる具体的場面を授業等で取り上げることを通じ、国旗を尊重することが国際的な儀礼として定着していることを理解し、我が国のみならず諸外国の国旗を尊重することの大切さを指導する必要がございます。  県教育委員会といたしましては、学習指導要領の趣旨を踏まえ、グローバル化する国際社会において児童生徒が自国に対する理解との関連を図りながら、多様な文化を適切に理解し、我が国や諸外国の伝統や文化を尊重する態度を身につけていけるよう指導してまいります。  次に、祝日の意義を教えること及び祝意をあらわすための国旗掲揚についてでございます。  国民の祝日は、国民の祝日に関する法律によって「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」と定められており、子供たちがおのおのの国民の祝日に関心を持ち、その意義を考えることは大切なことであると認識しております。  学習指導要領には、例えば、小学校第六学年の社会科において、「政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には、各々の国民の祝日に関心をもち、その意義を考えさせるよう配慮すること。」とあり、国民生活とのかかわりが大きい具体的事柄として国民の祝日が扱われております。  また、今般の御即位当日に祝意をあらわすことについては、文部科学省からの通知に基づき、県立学校及び各市町教育委員会に通知し、国旗を掲揚するなどの趣旨に沿った取り扱いについて指導したところでございます。  今後も、引き続き、国民の祝日に関する法律に定められている趣旨や由来を取り上げながら、おのおのの祝日について関心を持ち、その祝日が設けられている意義について考えることができるよう指導してまいります。  最後に、義務教育における年齢主義及び履修主義についてお答えいたします。  我が国の義務教育は制度上、年齢主義、履修主義をとっております。  しかし、実際に教える教員は、一定期間教えればそれで終わりとする考え方ではなく、該当学年の学習内容が十分に身についていない児童生徒には個別指導や補習を行うなど、それぞれの学年や学校の段階において学力が定着するよう努めております。  県教育委員会といたしましても、小学校低学年段階からの学習のつまずきを把握するため、新たな学力調査を研究開発するとともに、学力に課題がある児童生徒の割合が高い学校や地域を指定し、組織的に個別指導や補習を行うなど、学力向上対策の強化に取り組んでおります。  こうした取り組みに加え、全ての児童生徒の主体的な学びの実現を目指し、イエナプラン教育等を参考とし、個別の状況に応じたカリキュラム等のあり方について、調査研究を行っているところでございます。  イエナプラン教育には、基礎的・基本的な学習内容の定着に取り組む自立学習と、学校や学級で取り組むテーマに沿って教科横断的に学ぶ協働学習の二つの特徴的な学習があり、こうした学習により、児童生徒は高い関心、意欲を保ちながら、深い学びに向かっていくと考えております。  このような学習により児童生徒の学力の定着が図られるものと考えており、今後も取り組みを進めてまいります。 27: ◯議長中本隆志君) 引き続いて質問を行います。窪田泰久君。         【窪田泰久君登壇】 28: ◯窪田泰久君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の窪田泰久でございます。今議会期初の定例会におきまして、また、記念すべき新しい令和の時代におきまして質問の機会を与えていただきました中本議長児玉議長を初め、先輩、同僚議員に心から感謝を申し上げます。  また、予定どおり質問ができることに対しても心から感謝を申し上げます。広島県は梅雨入りしたようでございまして、同時に季節外れの台風も発生している状況の中で予断は許しませんが、日本列島、広島県においても災害が発生することがないよう願いながら、質問最終日最後の質問に入らせていただきます。  質問の第一は、平成三十年七月豪雨からの復旧・復興について、三点お伺いします。  一点目は、復旧・復興に向けた取り組み状況と県民への情報提供についてお伺いします。  知事は、平成三十一年二月定例会の説明要旨において、平成三十年七月豪雨災害からの創造的復興による新たな広島県づくりを力強く推し進め、いまだ道半ばである被災者や被災企業の皆様の回復について、一日も早い生活や事業活動の再建に向けて、個々の状況やニーズに寄り添ったきめ細かい支援を引き続き行っていくことを表明され、被災者は大変心強く感じたところであります。また、平成三十一年二月の予算特別委員会において復旧・復興状況を伺ったところ、知事は、昨年九月に策定した復旧・復興プランに基づき進めており、四つの柱である、安心をともに支え合う暮らしの創生、未来に挑戦する産業基盤の創生、将来に向けた強靱なインフラの創生、新たな防災対策を支える人の創生のいずれにおいても、プランのロードマップに沿っておおむね順調に進行しているとの答弁でございました。  それから約四カ月が経過し、七月豪雨災害から既に一年が経過しようとしている今、手つかずの被災箇所が多く目につきます。被災後、最優先に災害復旧に取り組んできましたが、私の地元であります広島市南区の丹那地区や似島地区では、あちこちにブルーシートや応急的に積まれた土のうが多く見られます。被災者は、被害がそれほどまでに甚大で県内広範囲に及んでいたのかと、現実を突きつけられ、工事着手のめどすら立たず動かないままの近隣の現場に、不安や焦燥感を抱えながら生活をされております。  こうした中、先日、復旧・復興プランの進捗状況が報告されました。報告書には、知事がみずから現地を視察され、住宅や事業所が再建中であることや砂防ダム等のハード整備には一定の期間が必要となることなど、復旧・復興への取り組みがいまだ道半ばである現実を再認識されたこと、そのため、今後の出水期に向けて、県民が命を守るために避難行動の実践が重要であることがメッセージにされていました。  七月豪雨災害は、県内広範囲に甚大な被害となったことから進捗状況を報告書にあらわすのは難しいと思いますが、県民が最も知りたいことは、復旧・復興に向けた県の意気込みではなく、目の前の災害現場がいつ復旧されるのか、復旧・復興を遂げるまでの我慢はいつまで続ければいいのかということでございます。具体的な復旧・復興の進捗を示すものとして、砂防・治山施設整備計画や公共土木施設の災害復旧事業といった、事業ごとに進捗状況を示したものはありますが、地域に目を向けると、洪水対策、土砂災害対策、道路など、地域の復旧・復興がどのように進んでいくのか示したものにはなっておりません。  復旧・復興プランに掲げる県土の創造的復興を遂げるためには、県のみならず国や市町、関係機関がそれぞれ所掌する復旧事業を着実に実施していく必要があります。  そこで、まず、国や市町を含めた県土の創造的復興はどのように進捗しているのか、また、その進捗状況について定期的にわかりやすく公表するなど、被災者の安心につながるような取り組みが必要ではないかと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、社会資本未来プランの見直しについてお伺いします。  昨年七月の豪雨災害対応を踏まえ得られた教訓をもとに、県は、さまざまな計画や方針の見直しを進められております。例えば、地域防災計画の見直しのほか、災害対策本部の初動、応急対応については、県を含む関係機関への実態調査を踏まえ、七月豪雨災害と同様の対応が必要となった場合を想定し事前行動計画を整理され、次なる災害に備えております。  こうした中、災害による被害が甚大であった公共インフラについては、これまでの取り組み方針を見直す必要はないのでしょうか。現行の社会資本未来プランは、平成二十八年度から令和二年度までの五年間、本県の目指す県土の将来像の実現に向けて、社会資本整備の重点化、社会資本ストックの有効活用、社会資本の適正な維持管理を三つの方針としております。  七月豪雨に伴う公共土木施設災害における県所掌分の査定結果は二千五百五十カ所、六百三十億円余りとなっており、これは、平成三十年度の公共土木関連の当初予算額とほぼ同規模であります。言いかえれば、年度内の予算分のインフラが被災したということになります。そして、この対応に向けて、技術職員の確保や建設業者の不足による入札の不調・不落対策など、行政だけでなく建設業者等を含めたさまざまな課題を抱えながら、手探りの状況で復旧・復興に向けた取り組みを進めているのが現状であります。  これらを踏まえると、これまでの公共土木施設の維持管理や整備のあり方、さらには災害等の事態への備えが適切であったのか、また、今後、同規模あるいはそれ以上の災害の発生に対して、維持管理水準の設定やそれを超えた場合の被災対策など、新たな視点での強靱化対策が必要なのではないでしょうか。  そこで、令和二年度までを対象とする現行の社会資本未来プランにおける強靱化の取り組みについて、どのように評価されているのか、また、七月豪雨を経験した今、次期プランの策定に当たり、この教訓を踏まえた見直しが必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  三点目は、災害死ゼロを目指した取り組みについてお伺いします。  七月豪雨災害では、適切な避難行動がとれなかったということが課題として挙げられております。  本年三月、国の避難勧告等に関するガイドラインが改定され、本県では、五月二十九日から住民がとるべき行動を警戒レベル別で五段階に分けた情報の提供が開始されました。先月、知事みずから警戒レベル四で全員避難となることを県民に呼びかけるとともに、市町や関係機関と連携して新制度の周知を図っていく方針が示されました。  重要なことは、平成三十年七月豪雨災害からの教訓として、避難情報の発信から伝達そして避難行動の実践という、公助から共助そして自助のプロセスをどう構築するか、言いかえれば、県民に対してわかりやすい情報発信と伝達といった公助だけの取り組みだけではなく、その先の、まさに県民一人一人が避難行動を実践するため、何からどのように取り組むかということであります。  また、平成二十六年の八・二〇広島土砂災害を受けて、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動がスタートしましたが、取り組みが十分に浸透しないうちに七月豪雨災害が発生しました。ここからも、災害は待ってはくれないという現実に、県民の行動につながる取り組みをいかにして進めていくかの重要性が突きつけられました。  約四十六万人の避難対象者に対して、避難所に避難した方は七百七十五人と全体のわずか〇・一七%でした。  本年四月から、県では危機管理体制の一層の強化、市町の防災体制の集中的な強化支援などに向けて、危機管理監の格付の見直しなど体制強化が図られております。  そこで、我が県の危機対策の心臓部であります危機管理監組織が新たに強化され、災害死ゼロを目指した取り組みに県民は期待するところですが、これから本格的な出水期を迎える今、取り組むべきことは何なのか、また、抜本的な取り組みとして、中長期的に何をどのような順序で進めていくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第二は、出島処分場の廃棄物搬入計画についてお伺いします。  県は、県の西部地域から発生する廃棄物を適正に処分し生活環境の保全を図るため、広島港出島地区に廃棄物処分場の設置計画を策定いたしました。その後、廃棄物埋め立て処分量の減少や宇品・出島地区の道路状況の改善など、さまざまな状況変化等を背景に、平成二十六年度から廃棄物を受け入れているところでございます。処分場の計画は、出島処分場事業連絡調整協議会において、環境への配慮や十年間の廃棄物の受け入れ期間など、検討過程を住民と共有しつつ、地元と一体となって策定されました。  平成三十一年二月の予算特別委員会において、出島処分場の計画についてお尋ねしたところ、環境県民局長から、百九十万立米の埋め立て容量に対して、本年度末の埋め立て進捗率は、出島処分場が受け入れ対象としている災害廃棄物を全量受け入れた場合、約一三%となる見込みであるとの答弁をいただきました。現在、二〇二四年六月までとする受け入れ期限の半分が経過した段階ですが、このままでは計画どおりの受け入れ完了は到底厳しいものだというふうに思います。災害廃棄物の受け入れは不測の事態への対応であり、これを迅速に受け入れる態勢整備は必要なことではありますが、当初の計画は計画として、実績を踏まえた計画のフォローアップや将来に向けた需要調査など、実効性のある取り組みが不可欠であると考えます。  平成三十年二月や平成三十一年二月の予算特別委員会での当局の答弁は、今後調整していくといった対症療法的な対策にすぎないものであり、計画達成のビジョンが描けるようなものとはほど遠く、地元住民と一緒に策定した十年間の廃棄物受け入れ計画が履行されるイメージが全く持てず不安になります。  そこで、改めて、現在の出島処分場の廃棄物の受け入れ計画はどのようになっているのか、そして、この計画の達成に向けたフォローアップはどのように実施されているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてお伺いいたします。  開幕まであと四百日を切った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会は、既に全国的な盛り上がりを見せ、先日のチケット先行予約でも申し込みが殺到し、急遽締め切り期限の延長措置がとられるなど、国民の関心の高さがうかがえます。  本県におきましても、平成二十九年五月、知事が主導して締結に至ったメキシコ・オリンピック委員会との基本協定や、その後のメキシコ選手団の事前合宿の受け入れにより、県内各地でスポーツによる多彩な交流が図られるなど、オリンピック・パラリンピックムードの高まりを感じています。メキシコ選手団の事前合宿中には、地元選手との合同練習や練習試合、スポーツ少年団への実技指導といった、スポーツを通じたさまざまな交流が図られるだけでなく、交流した地元選手のスキルアップにつながるなど、既に直接的な影響だけでも大きな成果につながっていると感じております。  取り組みの中で、受け入れ市町にとって、通訳ボランティアのスキルや登録者数、また、事故や災害等の不測の事態に備えた対応など、幾らかの課題もあると伺っておりますが、多くの県民がこの取り組みに参加し、合宿を契機としたスポーツの裾野の拡大や、文化、経済、教育など、多様な分野での交流を通じて地域活性化につながるよう、将来への効果を期待するところであります。一方で、予選大会後、選手が大幅に絞り込まれることや、本番に向けて練習に専念する必要があることなどから、本大会が近づくにつれ交流規模が縮小していくことが懸念されます。  そこで、メキシコ・オリンピック委員会との基本協定締結以降、これまでの取り組みの中で得られた成果や課題をどのように認識されているのか、また、本大会に向けて交流規模の縮小が懸念される中、どのように地域の活性化につなげていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四番目は、広島叡智学園開校後の課題と今後の展望についてお伺いいたします。  本年四月、広島叡智学園が開校し、四十人の第一期生が入学してから約三カ月が経過しました。これまで特色としてPRしてきた、タブレット端末を活用した学習や国語を除く教科の英語授業、過疎や高齢化などの地域課題の解決策への取り組みなど、学びの変革を先導的に実践する学校として順調にスタートされ、大変喜ばしく感じているところでございます。  これから第一期生の皆さんがどんどん成長し、教育内容の充実または深化が進んでいくことを非常に楽しみにしているところではありますが、広島叡智学園の体制整備はいまだ道半ばであり、一つの節目は三年後、第一期生が高校に進むときであろうと考えております。このとき、外国人留学生が新たに高校へ入学することになり、叡智学園が多様性を育む学校として特筆すべき大きな特色を備えることになるわけでありまして、外国人留学生の誘致は学校の成否を左右する大きな課題であると考えております。  海外の方から見る広島の地で学ぶ魅力、また、叡智学園で学ぶ魅力とは何か、その魅力をどう発信すれば多くの方が入学を志願されるのか、また、当初の構想によれば、高校の段階から英語による授業の密度も上がりカリキュラムの独自性も高まっていきますので、この三年間で高い英語力を有し、かつ、多様な視点や高い指導力を持つ指導者をいかに確保していくのかが鍵になってまいります。  教員の募集については、これまで特別選考も実施されたようですが、現状としては、全国的に教員不足が大きな課題となっている中で、まさにワールドクラスと言ってよいレベルの教員を十分に確保していけるのか、いささか懸念しているところであります。広島叡智学園が真に学びの変革を先導的に実践する学校となり、広島県、いや、日本の学びをリードする存在となっていくためには、三年後の節目に向けこうした課題に向き合い、解決を図っていかなければなりません。  そこで、本年四月、広島叡智学園の開校を迎え、どのような手応えを感じ将来をどう展望しているのか、また、今後の課題をどのように認識しどう解決していくのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、労働者の確保問題についてお伺いします。  五月三十一日、厚生労働省が発表した四月の有効求人倍率は一・六三倍であり、二〇一三年に一・〇倍を超えて以降、月間の有効求人数に対して求職者数が下回る、就職現場における売り手市場が高い水準で続いております。特に本県は、全国の都道府県で最も高い二・一四倍となっております。また、職業別の正規雇用者の有効求人倍率を見ますと、建設関係が六・九四倍、サービス業関係が三・六二倍、生産工程関係が二・九七倍と高い数値となるなど、労働力確保は本県にとって喫緊の課題となっていることから、これに関して二点お伺いいたします。  一点目は、特定技能を有する外国人材の受け入れについてお伺いいたします。  国内で深刻化する労働者不足の問題について、国は、AIの活用、女性・高齢者の活用などに加えて、介護、建設、外食業などの十四業種において、特定技能という新たな在留資格を設け、外国人を労働者として受け入れる制度を創設し、今後三年の間に介護分野で六万人、建設分野で四万人、外食業分野で五万三千人など約三十四万五千人を受け入れることを見込んでおります。今月十七日、経済産業省は、みずから所掌する製造業分野において、外国人労働者を受け入れる中小企業向けの相談窓口を全国十三カ所に設置するなど支援に着手いたしました。外国人の方が特定技能の在留資格を取得する方法は、特定技能評価試験に合格または技能実習二号の修了の二パターンあるそうですが、今後五年間で特定技能の在留資格を取得する外国人労働者のうち、およそ四五%が技能実習生からの移行者と言われております。  県は、本年四月から新たに外国人材の受入・共生対策プロジェクト・チームを設置し、外国人材受け入れに伴う環境整備に向けた取り組みを進めているところです。そして、今次定例会に、県内の技能実習生や留学生受け入れ企業向けの調査等のための補正予算を提案されております。  この調査は、今後の外国人の就労施策において重要な基礎データとなると思われますが、特定技能は、労働者が不足している比較的単純な労働を前提とした在留資格であるのに対して、技能実習は、外国人の方に日本の技術を学んでいただき母国に持ち帰ることで、経済発展に役立てていただくものです。留学も、もともと日本での就労を目的としているわけではありません。また、外国人労働者にとって言語の問題は、就労だけでなく日常生活でも重要になりますし、業種によっても求められるスキルが異なります。これらを踏まえ、外国人労働者の受け入れに取り組む必要があります。  そこで、このたびの外国人労働者等のニーズ調査の目的と、これを踏まえ、今後、どのように外国人労働者を受け入れていこうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、就職氷河期を経験した非正規労働者等の正規雇用化への支援についてお伺いいたします。  今月二十一日、経済財政運営の指針である骨太方針が閣議決定され、社会保障制度改革の検討や地域活性化策の促進とともに、所得向上で内需を支えるため、就職氷河期に就職活動を経験した三十代半ばから四十代半ば世代のうち、非正規労働者やひきこもりといった状況にある約百万人を集中支援し、三年間で正規雇用者を三十万人ふやす方針が示されました。  これらの就職氷河期の就職活動を経て非正規労働者等にならざるを得なかった要因として、雇用形態の歴史がございます。高度経済成長期からバブル経済突入までの端境期に当たる一九八五年、会社に頼らない新しい働き方、自分の生活スタイルに合わせた時間で働く本来の派遣という働き方が誕生しました。大変目新しく映ったように思います。バブル崩壊後、政府は企業の業績悪化による日本経済の弱体化への対策として、一九九九年に対象業務の原則自由化、二〇〇四年に製造業への派遣解禁など、派遣法の規制緩和を加速していった結果、体力のない企業にとっては雇用調整のきく都合のよい派遣という雇用形態を選ぶしかありませんでした。派遣が正のイメージから負のイメージへと移り変わってきたように思います。  こうした中迎えた一九九九年から二〇〇〇年、私が就職活動をした年でありますが、輝かしい新世紀の幕あけを目前に控えておりまして、全世界で祝福ムードが高まる中、また、間もなく訪れる二十一世紀は必ずすばらしい時代になると信じながら、黙々と、全く手応えのない就職活動をしておりました。この一年の世相をあらわす、二〇〇〇年のことしの漢字は、金でありました。シドニー・オリンピックにおける女子マラソンの高橋尚子さん、女子柔道の田村亮子さんの金メダル、南北両金首脳の歴史的な首脳会談の実現、ミレニアムを記念して発行された二千円紙幣、私ども就活生としては、うまくいかないと得られないという意味での金。この漢字は非常に現実的に映ったものでございました。  生きていくのに最も重要な就職という転機において、時代背景のあおりを受け今でも経済の深い谷底に落ちたままとなっているこの世代。ぜひ、この世代の救済を、また、人生のエアポケットとでも言うべき空白期間に陥っている方々はあらゆる世代に少なからずいます。再起に向け意欲ある方々がやり直しのきく社会基盤が必要であります。  これまで国や県は、若者向けに相談窓口の開設や職場体験などによる就労支援をしてまいりましたが、この結果、就職氷河期を経験した非正規労働者等への支援が後回しにされ、履歴書に非正規雇用の時期や無職の期間が多い者にとってはますます就労環境が厳しくなってきております。我が国が抱えるこの状況を打開するためには、就職希望者だけでなく企業側を含む多面的な支援が必要であると考えます。  そこで、就職氷河期における就職活動の結果、現在も非正規労働者等となっている方々への就労支援として、研修や就労マッチング支援などの本人への支援に加えて、雇用助成金のような採用企業への支援が必要ではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の最終日、最後までの御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 29: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。
            【知事湯崎英彦君登壇】 30: ◯知事湯崎英彦君) 復旧・復興に向けた取り組み状況と県民への情報提供についてお答え申し上げます。  昨年の七月豪雨では、各地で記録的な豪雨に見舞われ、県内の広い範囲において公共土木施設等に甚大な被害が発生いたしました。  このため、本県においては、平成三十年七月豪雨災害からの復旧・復興プランに基づき、被災地の早期復旧・復興を目指し災害復旧事業に取り組んでおり、現在の進捗については、おおむね予定どおりと考えております。  市町におきましても、早期復旧に向けて、災害復旧事業に取り組まれているところであり、被害の大きかった呉市、東広島市などでは、個別のプランを策定し三カ年で復旧完了を目指しており、復旧事業の進捗につきましては、約二割から七割の箇所で工事を発注済みと伺っております。  国の復旧事業の進捗につきましては、全ての箇所で工事を発注済みと伺っております。  また、住民の皆様の不安解消につながる情報発信につきましては、五月十七日から県のホームページを活用して、完了、発注済み等の工事の進捗状況の発信を開始し、六月二十一日からは、四半期ごとの工事発注予定の情報についても追加したところであり、これらの内容については定期的に更新していくこととしております。  引き続き、現在一部の市町で行われておりますホームページへの県情報の掲載について、対象市町を拡大し、県と市町の情報に加え国の情報も相互に確認できるようにするとともに、県のホームページに工事の進捗についての図や写真を掲載するなど、内容の充実を図ってまいります。  さらに、ホームページになじみのない住民の方にも、各地域における国、県、市町の復旧状況の情報が伝わるよう、市町と連携したリーフレットを作成するなど、地域の実情に応じたきめ細かな情報発信を行い、被災者の安心につながる取り組みを進めてまいります。  次に、社会資本未来プランの見直しについてでございます。  本県では、社会資本未来プラン及び事業別整備計画等に基づきまして、防災・減災対策を充実強化する事業を最も高い優先順位に位置づけるなど、優先順位を考慮しつつ必要なインフラ整備を計画的に推進するとともに、国の「防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策」を積極的に活用するなど、防災・減災対策の加速化を図っているところでございます。  平成三十年七月豪雨では県内に甚大な被害が発生いたしましたが、これまでに整備した砂防ダムが土石流や流木を捕捉し、下流の被害を防止、軽減した事例が報告されるなど、計画的なハード整備の一定の効果が確認されているところでございます。  また、学識経験者等による今後の水害・土砂災害対策のあり方検討会におきまして、昨年の水害・土砂災害の発生要因などの分析を踏まえた県土の強靱化と防災力の強化に向けた御提言を、本年一月にいただいたところでございます。  本県といたしましては、この提言を踏まえ、中長期的な視点に立った計画的な事前防災を進めていくための実施方針の取りまとめを本年度中に行い、その後、市町の意見を伺いながら、新たな社会資本未来プラン及び事業別整備計画の策定に取り組んでまいります。  引き続き、被災された住民の皆様の一日も早い日常の回復が図られるよう、復旧・復興プランに掲げる将来に向けた強靱なインフラの創生に取り組むとともに、社会資本未来プランに掲げる防災・減災対策を充実強化する事業を計画的に推進してまいります。  次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてでございます。  メキシコ選手団の事前合宿につきましては、昨年度、九市町で十二競技百六十六人、今年度も既に二市で三競技四十二人の選手団を受け入れ、各地域においてさまざまな交流が行われております。  こうした交流を通して、地元選手との練習や試合、競技を志す子供たちとの交流による競技スポーツの振興、また、小中学校への訪問や地域イベントへの参加による国際交流の促進など多くの成果が得られたと考えております。  一方、受け入れ市町にとりましては、今後の合宿を受け入れていく上で、複数競技の合宿を同時期に受け入れるために必要な通訳ボランティアの人数の増加や語学力の向上、また、あるいは、合宿中の事故や災害、熱中症等の潜在的なリスクへの対応が課題であると認識しております。  このため、県内の受け入れ関係者が参画した全県的な推進体制におきまして、受け入れ市町や多様な分野の関係者と連携し、通訳ボランティアの追加登録やスキルアップ研修の開催、あるいは民間企業と連携したリスク管理研修の開催などの取り組みを進めております。  また、来年度においては、本大会を控えて交流規模の縮小が想定されますが、合宿中のイベントや練習試合の情報の積極的なPRであるとか、広島グアナファト親善協会などと連携したPRイベントの開催など、県内の機運醸成に取り組んでまいります。  さらに、大会期間中でございますが、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が進める、ホストタウン向けのパブリックビューイングを活用しまして、地域の人々が一体となってメキシコの選手たちを応援していただくことなどにより、大会本番の盛り上がりを県内に波及させていきたいと考えております。  こうしたさまざまな取り組みを通じまして、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたメキシコ合衆国とのスポーツを初めとする多様な分野での交流をより一層深め、さらなる地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、特定技能を有する外国人材の受け入れについてでございます。  人手不足が深刻化する中、外国人材が県内企業において活躍し、地域社会の一員として安心して暮らせるよう、就労環境と生活環境の両面からの対策を迅速かつ総合的に講じ、貴重な戦力として外国人材の円滑かつ適切な受け入れをしっかりと推進していく必要があると考えております。  そのためには、企業と外国人材の両方の視点から課題を把握することが必要であると考えており、企業に対する調査におきましては、各産業分野における外国人雇用の実態や課題、外国人材に対する雇用ニーズや求める技能レベルなどの情報を収集したいと考えております。  また、外国人材に対する調査では、特定技能による就労の意向や希望する産業分野、就労に際して重視する雇用・労働条件、県内における就労、生活上の不安や課題とする点などの把握に努めてまいります。  この調査で把握いたしました企業や外国人材のニーズ等を踏まえて、その技能や能力が県内企業において存分に発揮できる就労環境の整備とともに、生活における不安や課題が解消され、地域社会に温かく迎えられる環境の整備に向けて必要な対策を検討し、外国人材の皆様から、広島県は働いてもよし、暮らしてもよしと認識してもらえるよう取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 31: ◯議長中本隆志君) 危機管理監海田智浩君。         【危機管理監海田智浩君登壇】 32: ◯危機管理監(海田智浩君) 災害死ゼロを目指した取り組みについてお答えいたします。  平成三十年七月豪雨災害において多くの被害者が出たことを踏まえますと、適切な避難行動につながる取り組みが必ずしも十分ではなかったこと、また、初動、応急対応については、発災当初に情報の共有化に時間がかかったことなど課題があったものと認識しております。  このため、この出水期までの取り組みとして、県の初動、応急対応の検証を行い、県の地域防災計画や災害対策運営要領、各種マニュアルなど適切な情報共有や災害対応が行えるよう見直しを行ったところでございます。  また、危機管理課に市町防災体制強化支援担当を設置し、市町の避難情報の発令基準の適正化や防災体制の強化に向けた支援を行うとともに、県民の皆様への警戒レベルの周知や、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動の一層の推進に取り組んでいるところでございます。  こうした中、六月七日に県内において初めて警戒レベルを用いた避難情報が発令されたところでございますが、避難の状況は決して十分とは言えないものでございました。  このため、県民の皆様に警戒レベルの制度内容や早目の避難行動をより一層浸透させていくとともに、避難行動を促進する可能性が高いメッセージがわかったことから、市町やマスコミ等に、この活用について働きかけているところでございます。  また、中長期的には、復旧・復興プランに基づき、将来の大規模災害に備え、防災体制の向上を図るため、防災や行動科学等の有識者で構成する研究チームにより詳細な分析を進め、より効果の高い被害防止策を構築、モデルとして選定した自主防災組織の避難の呼びかけ体制の構築・マニュアル化し、他の自主防災組織への波及、初動、応急対応の検証で明らかになった中長期の各課題についての改善などを着実に推進してまいります。  引き続き、市町や関係機関と連携しながら、自助、共助、公助の取り組みを一体的に推進し、県民の皆様に適切な避難行動を実践していただき、災害死ゼロを目指してまいります。 33: ◯議長中本隆志君) 環境県民局長森永智絵君。         【環境県民局長森永智絵君登壇】 34: ◯環境県民局長(森永智絵君) 出島処分場の廃棄物搬入計画についてお答えいたします。  出島処分場の廃棄物の受け入れにつきましては、これまで民間の排出事業者や市町等への働きかけを行ってきた結果、平成三十年度から県東部の多量排出事業者より毎年約四万トン、今年度からトンネル工事の残土を、当初の見込み量を上回って、三年間で約十二万トン新たに受け入れを開始しております。  来年度以降につきましては、令和二年度から広島市の次期処分場開設までの間、焼却灰を毎年約三万トン、令和三年度から県西部の多量排出事業者より毎年約三万トンの受け入れを予定しているところでございます。  これら今後の予定分を含めた新規受け入れ分の合計量は、全体の四%程度に当たるものと試算しております。  また、現在も引き続き、さらなる埋め立て量の確保に取り組んでおり、排出事業者や市町等に対する個別訪問や、事業構想段階の事業者を対象とした出島処分場の利用要請を行うとともに、新規搬入の可能性を把握した場合には、迅速に条件提示を行って交渉を行うなど、環境保全公社とともに積極的なフォローアップを進めているところでございます。  出島処分場につきましては、本年六月で計画期間の半分である五年を経過すること、本年八月には出島処分場で受け入れを実施している災害廃棄物について、関係市町での発生推計量を最終的に確定することなどから、その推計結果やこれまでの受け入れ実績、今後の受け入れ可能性等を精査し、計画期間の後半における取り組み方針について検討してまいりたいと考えております。 35: ◯議長中本隆志君) 商工労働局長佐伯安史君。         【商工労働局長佐伯安史君登壇】 36: ◯商工労働局長(佐伯安史君) 就職氷河期を経験した非正規労働者等の正規雇用化への支援についてお答えいたします。  就職氷河期世代を含む非正規労働者の正規化に向け、本県では、これまで非正規労働者に対し、正社員求人企業限定の合同就職面接会や業界理解セミナー、ひろしましごと館での職業相談、求人・求職のデータベースによるマッチング機会の促進、キャリアアップのための職業訓練などを国と連携して実施しております。  また、企業に対しましては、正社員の雇用や転換を促進するための低利融資制度、国が実施する雇用に係る助成金について、県のホームページや説明会等を活用した周知などに取り組んできたところでございます。  こうした中、国は、このたびの骨太方針で、就職氷河期世代において現在も不本意ながら不安定な仕事についている、もしくは無業の状態にあるなど、さまざまな課題に直面している方がおられることから、就職氷河期世代支援プログラムとして、その正規雇用化に集中的に取り組むこととしたところでございます。  その施策につきましては、伴走支援型の就職相談体制の確立、採用企業側の受け入れ機会の増加に向けた環境整備、民間ノウハウの活用などによる支援策の強化や、関係機関との連携強化などといった方向性が示されております。  また、採用企業側の受け入れ機会の増加に向けましては、国が実施する雇用に係る各種助成金の助成期間の延長や助成金額の拡充、対象者要件である年齢制限の拡大などについて、企業へのインセンティブを強化する観点から見直しが検討されることとなっております。  県といたしましては、こうした国における雇用に係る助成金の見直しや各種支援策の検討の動向を注視しながら、このたびの国の集中的な対策と連携するために必要な対応を検討してまいりたいと考えております。 37: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 38: ◯教育長平川理恵君) 広島叡智学園開校後の課題と今後の展望についてお答えいたします。  広島叡智学園につきましては、四月の開校から約三カ月が経過し、私自身も定期的に学校を訪問して状況の把握に努めているところでございます。  まだ三カ月ではございますが、第一期生の生徒たちは、とても熱心に学習活動に取り組んでおり、将来さまざまな分野で活躍できるリーダーとなる可能性を強く感じております。  一方で、御指摘のとおり、国際バカロレアの学習に対応できる高い思考力や探求型の学力を有する外国人留学生の確保、英語で国際バカロレアの指導が可能な外国人教員の確保などは、今後、大きな課題であると認識しております。  こうした課題を踏まえ、引き続き、外部とのネットワーク構築などにより、外国人留学生、外国人教員の確保に努めつつ、生徒の状況や意向を丁寧に確認しながら、一人一人の将来の希望に沿った対応を行ってまいりたいと考えております。 39: ◯議長中本隆志君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第七五号議案 広島県人事委員会委員の選任の同意について並びに県第七六号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意について、以上二件については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 40: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。  それでは、まず県第七五号議案 広島県人事委員会委員の選任の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 41: ◯議長中本隆志君) 起立多数であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  次は、県第七六号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 42: ◯議長中本隆志君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元に配付いたします。  お諮りいたします。明二十八日及び七月一日は、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 43: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は七月二日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十一分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...