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2018-03-08 平成29年度予算特別委員会(第4日) 本文
2018-03-08 平成29年度予算特別委員会(第4日) 名簿

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  1. 広島県議会 2018-03-08
    2018-03-08 平成29年度予算特別委員会(第4日) 本文


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成29年度予算特別委員会(第4日) 本文 2018-03-08 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 117 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑畑石委員選択 2 : ◯答弁総務局長選択 3 : ◯質疑畑石委員選択 4 : ◯答弁総務局長選択 5 : ◯質疑畑石委員選択 6 : ◯答弁環境県民局長選択 7 : ◯質疑畑石委員選択 8 : ◯答弁環境県民局長選択 9 : ◯意見質疑畑石委員選択 10 : ◯答弁環境県民局長選択 11 : ◯質疑畑石委員選択 12 : ◯答弁環境県民局長選択 13 : ◯質疑畑石委員選択 14 : ◯答弁総務局長選択 15 : ◯質疑畑石委員選択 16 : ◯答弁総務局長選択 17 : ◯要望畑石委員選択 18 : ◯質疑上田委員選択 19 : ◯答弁土木建築局長選択 20 : ◯質疑上田委員選択 21 : ◯答弁土木建築局長選択 22 : ◯質疑上田委員選択 23 : ◯答弁土木建築局長選択 24 : ◯質疑上田委員選択 25 : ◯答弁土木建築局長選択 26 : ◯質疑上田委員選択 27 : ◯答弁土木建築局長選択 28 : ◯要望質疑上田委員選択 29 : ◯答弁(知事) 選択 30 : ◯要望質疑上田委員選択 31 : ◯答弁土木建築局長選択 32 : ◯要望上田委員選択 33 : ◯質疑(下西委員) 選択 34 : ◯答弁(教育長) 選択 35 : ◯質疑(下西委員) 選択 36 : ◯答弁(教育長) 選択 37 : ◯質疑(下西委員) 選択 38 : ◯答弁(教育長) 選択 39 : ◯要望質疑(下西委員) 選択 40 : ◯答弁(教育長) 選択 41 : ◯質疑(下西委員) 選択 42 : ◯答弁(教育長) 選択 43 : ◯要望(下西委員) 選択 44 : ◯質疑(栗原副委員長) 選択 45 : ◯答弁(知事) 選択 46 : ◯要望質疑(栗原副委員長) 選択 47 : ◯答弁(知事) 選択 48 : ◯質疑(栗原副委員長) 選択 49 : ◯答弁(教育長) 選択 50 : ◯要望質疑(栗原副委員長) 選択 51 : ◯答弁(知事) 選択 52 : ◯質疑(栗原副委員長) 選択 53 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 54 : ◯要望質疑(栗原副委員長) 選択 55 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 56 : ◯要望(栗原副委員長) 選択 57 : ◯質疑(山下委員) 選択 58 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 59 : ◯質疑(山下委員) 選択 60 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 61 : ◯質疑(山下委員) 選択 62 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 63 : ◯要望質疑(山下委員) 選択 64 : ◯答弁(商工労働局長) 選択 65 : ◯要望質疑(山下委員) 選択 66 : ◯答弁(教育長) 選択 67 : ◯質疑(山下委員) 選択 68 : ◯答弁(教育長) 選択 69 : ◯質疑(山下委員) 選択 70 : ◯答弁(教育長) 選択 71 : ◯要望(山下委員) 選択 72 : ◯質疑(山下委員) 選択 73 : ◯答弁(教育長) 選択 74 : ◯要望質疑(山下委員) 選択 75 : ◯答弁(教育長) 選択 76 : ◯要望質疑(山下委員) 選択 77 : ◯答弁(教育長) 選択 78 : ◯要望質疑(山下委員) 選択 79 : ◯答弁(教育長) 選択 80 : ◯質疑(山下委員) 選択 81 : ◯答弁(教育長) 選択 82 : ◯要望質疑(山下委員) 選択 83 : ◯答弁(教育長) 選択 84 : ◯質疑(山下委員) 選択 85 : ◯答弁(教育長) 選択 86 : ◯質疑(山下委員) 選択 87 : ◯答弁(知事) 選択 88 : ◯要望(山下委員) 選択 89 : ◯質疑(窪田委員) 選択 90 : ◯答弁環境県民局長選択 91 : ◯質疑(窪田委員) 選択 92 : ◯答弁環境県民局長選択 93 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 94 : ◯答弁総務局長選択 95 : ◯質疑(窪田委員) 選択 96 : ◯答弁総務局長選択 97 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 98 : ◯答弁(知事) 選択 99 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 100 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 101 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 102 : ◯答弁(都市建築技術審議官) 選択 103 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 104 : ◯答弁土木建築局長選択 105 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 106 : ◯答弁(教育長) 選択 107 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 108 : ◯答弁(教育長) 選択 109 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 110 : ◯答弁(教育長) 選択 111 : ◯質疑(窪田委員) 選択 112 : ◯答弁(教育長) 選択 113 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 114 : ◯答弁(教育長) 選択 115 : ◯要望質疑(窪田委員) 選択 116 : ◯答弁(知事) 選択 117 : ◯要望(窪田委員) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 記録署名委員の指名        山 下 真 澄        大 島 昭 彦  (3) 質疑・応答   (畑石委員◯質疑畑石委員) 皆さん、おはようございます。広島市東区選出の自由民主党議員連盟の畑石顕司でございます。初めての予算特別委員会です。しっかりと職責を果たしてまいりたいと思います。  さて、今回提出された平成30年度予算には、エソール広島廃止による移転経費や県庁舎耐震化に関する予算など、県有財産に関連する多くの議案が含まれています。言うまでもないことですが、県の役割は、県民の皆様から預かった資産や税金を効率的に、かつ公平に使途活用し、県民生活全般の向上に資する事業を行うことであり、我々議員は、県民の皆様から負託を受け、事業の目的や内容について厳しくチェックすることが求められています。そこで、県有財産の有効活用という観点からきょうとあす、質疑を行わせていただきます。  まず初めに、県有財産の稼働状況の把握についてお伺いします。  県は、県庁舎や地方庁舎以外に複数の建物を所有しています。事務所スペースに県に関連する団体などが入居し、また、会議室や研修室などを一般の個人や団体などに有料で貸し出しを行っています。広島市内に限ってみても、中区のサテライトキャンパスひろしまや情報プラザ、南区の広島県健康福祉センターなど、利便性が高い場所に多くの貸し会議室があります。  そこで、サテライトキャンパスひろしま、情報プラザ、広島県健康福祉センターなどの県有財産について、どのような考え方に基づき、施設を所管する部署を決めているのか、また、事務所及び会議室や研修室の稼働状況の把握はどのような方法で行っているのか、総務局長にお伺いします。 2: ◯答弁総務局長) 施設の所管部署につきましては、県の各課の分掌事務に基づき、施設の設置目的との関連性を踏まえ、所管部署を決定しております。  また、施設の稼働状況につきましては、各所管部署が施設管理者等から報告を徴収することにより把握しているものでございます。  例えば、委員の話にもありました広島県健康福祉センター及び広島県情報プラザにつきましては、協定書に基づき、年度ごとの事業報告書を提出させるとともに、施設管理者から毎月提出される利用状況等の報告によりまして、会議室や研修室ごとの稼働状況を各所管部署において把握しております。 3: ◯質疑畑石委員) 今、各担当の部署をお決めになるというお話がありましたが、これは基本的には、例えばサテライトキャンパスであれば学事課であったり、情報プラザであれば商工労働総務課というようなそれぞれの課が所管をし、稼働状況の把握もまずは課が把握するというような考え方でよろしいですか。 4: ◯答弁総務局長) そのような考えで結構でございます。 5: ◯質疑畑石委員) 続いて、具体的な事例としてサテライトキャンパスひろしまを取り上げたいと思います。  来年度の予算案では、エソール広島の廃止に伴い、貸し事務室に入居している団体の移転に係る費用が計上されています。また、県民文化センター5階及び6階の一部分を、県立広島大学がサテライトキャンパスとして占有することを認める議案も上程されています。これらは、富士見町の東警察署跡地の有効活用に伴い、現在、エソール広島に入居する民間団体の一部が移転する新たな入居先として、県が広島県民文化センターの6階部分をあっせんしたことで発生した予算議案となっています。  広島県民文化センターの5階及び6階の当該箇所は、これまでサテライトキャンパスひろしまとして、県が県立広島大学に無償で貸し付けてきたところです。しかし、その県民文化センター6階の専有部分が突如開放され、エソール広島から数団体が移設されることとなりました。
     今後、サテライトキャンパスひろしまは、これまでよりも規模を縮小して運営していくこととなりますが、逆に言うと、これまで県立広島大学に貸し付けていた専有スペースが有効に活用されていなかったのではないかとの疑念が湧いてきます。  そこで、これまで同施設の使用状況について、どのような報告を受け、その内容に対する評価と指導はどのように行っていたのか、環境県民局長にお伺いします。 6: ◯答弁環境県民局長) サテライトキャンパスひろしまは、大学教育の活性化等を目的に、県内大学共用の施設として県立広島大学が運営するものであり、毎年3月に当該年度の利用状況に係る定期報告を受けているほか、毎月の利用状況についても随時報告を受けております。  それによりますと、開設以外の利用率は32~35%の間で推移しており、近隣の貸し会議室と比較して高くはないものの、累計利用件数約3,500件のうち、6割は県内大学による単独または連携事業として、単位互換事業や社会人を対象とした公開講座等の利用、残り4割の一般利用も学会等の公益目的事業であり、設置指針に即した利用がなされているものと考えております。  県といたしましては、単なる利用件数増ではなく、設置目的に沿った利活用の促進という観点から各大学への働きかけ等を行ってきており、今後とも、県立広島大学と連携して施設の利用促進に取り組んでまいります。 7: ◯質疑畑石委員) 2つお尋ねしたいと思います。  まずは、稼働状況について、近隣の貸し会議室などと比較しても、利用状況が極端に低いということはないということでした。そうであるならば、このたびエソール広島から移ってくる数団体に、会議室のスペースとして6階の一部を開放する必要はなかったのではないか、それから、報告を受ける内容については、部局内で共有するようなことがあるのかどうか、2点についてお伺いします。 8: ◯答弁環境県民局長) まず一点目についてでございますが、サテライトキャンパスの一部は、設立当初からNPOと県立大学との交流、連携といったことに使用するという前提で確保しているスペースがございました。  そこの稼働率がなかなか上がらないという現状もあり、今回、エソール広島から公益的な活動をされているNPO等の団体の移転先としてそちらを開放することによりまして、大学のほうにも一定のメリットがあるのではないかということで、県立広島大学と協議の上、開放していただくことにしたものでございます。  もう一点は、部局内で共有されているかということでございますが、環境県民局の中で環境部局を除きまして、県民生活部門で情報を共有する場においては、サテライトキャンパスのというよりは、大学の利用状況あるいは利用内容といったことについて、数字は共有しておりませんが状況は共有しております。  これは、それぞれの部署においても関連する場合に、一般利用として利用の促進を図るなどといった効果が見込めるという前提で、共有を図っているものでございます。 9: ◯意見質疑畑石委員) 使用状況の把握について、今伺わせていただきました。  私もサテライトキャンパス広島や情報プラザなど、数カ所の年間使用実績の資料は入手させてもらいました。そのどれを見ても、会議室等の使用状況は1日単位での報告となっています。1日のうち2時間しか使用しなかったとしても、使用実績は1日、朝から夕方まで使用しても使用実績は同じ1日です。これで正確な稼働状況の把握はできないと私は考えます。普通、一般的な会議室の利用というのは、2~3時間単位で借りるのが一般的で、それでは細か過ぎるというのであれば、朝昼晩での稼働状況の把握が、最低でも必要ではないかと考えています。そのことをまず指摘しておきます。  次に、最初の質問で一般論として各施設の所管について伺いました。  エソール広島の廃止により数団体がサテライトキャンパスひろしまに移ってくるわけですが、エソール広島を所管しているのは、環境県民局人権男女共同参画課だと思います。サテライトキャンパスの所管も、環境県民局学事課です。  同じ局内だったからこそ、ある意味スムーズにサテライトキャンパスの6階部分を開放し、移転する団体にスペースを譲ることができたのではないか、これがそれぞれ所管する局が違った場合、サテライトキャンパスの6階部分を開放するという判断に至ったのかどうかという疑問が湧いてきます。  移転団体が環境県民局以外の所管であった場合、サテライトキャンパスを開放するという判断に至ったのかどうか、環境県民局長に伺います。 10: ◯答弁環境県民局長) このたびのエソール広島の移転に当たりまして、入居者の方々に、どこをあっせんするかということにつきましては、我々部局だけではなく総務局も含め、この件に関係しているところと情報を共有しながら判断してきたと考えております。  また、今回たまたまということではなく、NPOの活動という観点から考えた場合に、部署は我々の局内ではございますが、大学は地方独立行政法人であり、大学独自の判断があることでございますので、局内であったからということではないと考えております。 11: ◯質疑畑石委員) 1つお聞きしますが、サテライトキャンパスなどの稼働状況は、数字は共有していないけれども部局内では共有されているというお話でしたが、毎年でもいいですし、月ごとでも結構ですが、ほかの部局への報告のようなものが仕組みとしてあるのかどうか、そこはいかがですか。 12: ◯答弁環境県民局長) 利用促進ということに係りまして、関係部局にお話をすることはありますが、仕組みとして現在そういったものはございません。 13: ◯質疑畑石委員) それでは次に、自治総合研修センターの移転についてお伺いします。  現在、エソール広島に入居している自治総合研修センターは、ことしの9月に年間家賃約4,800万円の広島市中区、朝日生命ビルに移転する予定となっており、その予算案が上程されています。現在地での自治総合研修センターは、1,450m2の面積を有しており、それぞれ130名規模、80名規模など、大中小さまざまな会議室を備え、県庁職員初め自治体職員の研修を行っています。  移転先の必要面積は1,100m2となっていますが、これまでの会議室等の利用状況も含め、今回移転先として選んだ施設の専有面積の妥当性について、どの部署がどのような評価を行ったのか、総務局長にお伺いします。 14: ◯答弁総務局長) 現在、自治総合研修センターでは、主要な研修スペースとして、定員が130人規模、約330m2の第一研修室及び定員が80人規模、約240m2の第2研修室を有しており、例年研修を実施しない第4・四半期を除き、それぞれ6~7割程度の稼働率となっているところでございます。  近年は、実践的でより広い研修スペースを必要とするグループ形式の研修が多くなっていることも踏まえ、これらの研修室につきましては、現在と同程度の規模を確保する必要があると考えたところでございます。  これに加え、小規模な班ごとに分かれてディスカッションやパソコンを用いた研修等を行うための演習室と、職員が勤務するための執務スペースにつきましては、おおむね現在と同程度の約200m2ずつを確保することといたしました。  一方で、研修室以外の談話室や図書の閲覧スペースにつきましては、費用をできる限り縮減する観点から、最低限必要となる機能に絞ることで、現在の約420m2の半分程度とし、合計で必要となる面積を1,100m2程度としたところでございます。  検討に当たりましては、自治総合研修センターを所管する人事課が中心となり、予算を所管する財政課や、県有施設全体のマネジメントを担当する財産管理課と協議を行った上で、このような案となったところでございます。 15: ◯質疑畑石委員) 自治総合研修センターの移転先の検討経緯の中で、研修に必要なスペースが確保されているということが要件の一つに掲げられ、これは100人以上の研修が可能な大会議室を含めた各種会議室を確保することを意味しています。  では、自治総合研修センターが行っている年間の研修状況を調べてみると、70人以上での研修まで枠を広げてみても、大会議室を必要とするのは、4月13日を初めとして、年間20日間もないはずです。それ以外の研修は50人以下のものです。50人以下の研修であれば、それに対応する会議室を1室準備し、それで賄えない研修は、先ほど取り上げた情報プラザや健康福祉センターの使用で十分やりくりができるのではないかと考えています。  研修内容、人数、研修時間、そして年間の使用実績までしっかりと吟味して妥当性の評価を行ったのか、総務局長にお伺いします。 16: ◯答弁総務局長) 自治総合研修センターの移転先の検討に当たりましては、費用をできる限り縮減する観点を持ちつつ、必要な面積を算出したところでございます。  研修室の稼働状況については、具体的な内容についても勘案したところでございまして、人数で単純に見ますと、定員よりもかなり低いものもございますが、先ほど申し上げましたとおり、最近ではグループ形式のディスカッションもございますことも考えますと、スクール形式で行う場合に比べても、一定程度の余裕を持った面積が必要であることも、要件としてはございました。  またあわせて、お話のような貸し会議室を利用していくということについても検討いたしましたが、現在でも6~7割の稼働状況となっていること、また、研修として妥当なタイミングを図ること、講師の御都合など日程的な制約もある中で確実性や対応の柔軟性の観点から、貸し会議室を利用することにより研修室を減じるまでは難しいと考え、今回の案となったものでございます。 17: ◯要望畑石委員) 時間もなくなってきましたので、今の御答弁に対して、自治総合研修センターは12月中旬以降、1月の6日間を除いて3月まで一切研修が組まれていない状況であること、それから、土日と夜間は施設を利用していないことをつけ加えさせてもらいます。  今回の件で、先ほど指摘させていただいた利用状況について、少し大ざっぱな把握しかしていないこと、そして、管理権限を持つ部局への報告にとどまって、ほかの部署との情報共有など効率的な運用をするという視点での発想がないことの2点が問題点ではないかと私は考えています。今後、県有財産の有効活用という視点で、今の2点についてしっかり検討していただいて、有効活用に努めていただくことを要望して、きょうの質疑を終わらせていただきます。   (上田委員) 18: ◯質疑上田委員) 皆さん、おはようございます。自民議連、三原市・世羅郡選出の上田泰弘でございます。本日は、予算特別委員会におきまして質問の機会を与えていただき、委員長を初め、先輩、同僚議員各位に厚く御礼申し上げます。県民の皆様の声、自身の思い、考えを質問させていただきたいと思います。執行部の皆様には明快な答弁をお願いし、早速ではございますが質問に入らせていただきたいと思います。  質問の第1は、広島空港の拠点性強化についてでございます。  昨年10月に、国土交通省が広島空港特定運営事業等基本スキーム案を公表し、平成32年に運営事業者を決定、平成32年10月ごろからビル施設等の事業を開始、そして、平成33年4月から空港運営事業が開始することが示されました。これに向けて来年度には事業者の公募が始まることから、県においても周辺地域を含めた活性化に積極的に取り組むとされています。  一方で、ほかの地方空港でも経営改革の手続が進んでおり、広島空港の拠点性を高めるためには、経営改革の導入を待つことなく、広島空港の利用拡大に向けた取り組みを一層進めていくべきであると考えています。  そこで、最初に、現在の広島空港の利用状況について、近年の利用者数の推移や利用目的など、どのように分析されているのか、土木建築局長にお伺いいたします。 19: ◯答弁土木建築局長) 平成29年度の広島空港利用者数につきましては、平成30年2月末時点で、対前年度同期比103.9%、およそ10万人増の約271万人であり、これは、ここ10年間で見ますと、最も利用者が少なかった平成23年度の約256万人から回復基調にあるものと認識しております。  利用目的につきましては、平成28年度のデータでは、国内線では基幹路線である羽田線の約6割がビジネス利用となっている一方で、成田線では平成26年のLCC就航を契機として需要が拡大しており、利用者の約6割が観光を目的とした利用となっております。  また、国際線につきましては、年間約30万人のうち、約7割が観光を目的とした利用となっており、近年ではインバウンドの割合が増加してございます。 20: ◯質疑上田委員) 利用者数も順調に10万人増というお話をいただきましたが、昨年10月に広島空港の運用時間が1時間延長されたことにより、現在、東京線が1往復増便され、1日18往復となっております。広島空港着の最終便の羽田空港出発時間が20時20分と、これまでよりも50分遅くなりました。  これにより、競合する新幹線に対する優位性が高まり、東京線全体の利用が好調との報道もありましたが、運用時間が延長されたことによる効果をどう捉えておられるのか、土木建築局長にお伺いいたします。 21: ◯答弁土木建築局長) 東京線につきましては、運用時間延長に伴い1日18往復に増便されたことで、東京線全体での利便性向上が図られるものであると認識しており、昨年11月から本年2月までの利用者数は、前年度と比較して103.5%、約2万2,000人の増加となってございます。  また、3月下旬からの夏ダイヤにおきましても、1日18往復が継続されるとともに、4月末までの期間、朝夕の2便において機材が大型化されるなど、さらなる利便性向上が図られるものと認識しております。 22: ◯質疑上田委員) 昨年10月には国際線の定期路線もふえ、シンガポール線の運行が開始されました。広島空港における東南アジア路線の開設は実に8年ぶりであり、世界有数のハブ空港であるチャンギ国際空港への直行便は、アジア、オセアニアを初めとする多くの地域から広島に人を呼び込む重要なツールとして大いに期待しております。  一方、昨年末策定されたひろしま観光立県推進基本計画によりますと、外国人観光客の増加に向けた重点市場として、8つの国と地域を挙げておられますが、このうち、直行便が就航しているのは、中国、香港、台湾、韓国のみであります。例えば、東南アジア唯一の重点国でありますタイなど、ターゲットを明確にして、戦略的に路線誘致を図ることが必要と考えます。  そこで、広島空港における新規路線の誘致について、どのような戦略を持って取り組んでいるのか、土木建築局長にお伺いします。 23: ◯答弁土木建築局長) 広島に本社を置く多くの企業がアジアに進出し、特にASEAN加盟国につきましては、平成29年6月現在で158社となっており、中国経済連合会が平成28年に実施した企業アンケートからも、東南アジア路線の一層の充実が期待されてございます。  委員御指摘のタイとの路線につきましても、広島から56社が同国に進出しており、定期路線のない現状においては、広島空港以外をビジネス利用していると考えられます。  また、タイから広島を訪問する観光客が、平成25年の約1万8,000人から平成28年は約3万7,000人と倍増している状況にあり、平成26年度に運航された広島とバンコク間の双方向チャーター便におきましても、ほぼ満席の結果を残すなど、潜在的な観光需要は高いと考えられます。  こうしたことから、タイを含めた東南アジアにターゲットを絞って、戦略的な路線誘致に取り組むこととし、来年度は、双方向チャーター便の運航を支援するとともに、積極的なエアポートセールスを行うなど、さらなる航空ネットワークの充実を目指してまいります。 24: ◯質疑上田委員) 今の御答弁の中で、重点国の一つ、タイにおきましては、ほかの空港を利用されているということでございますが、アジアとの直行便が多数就航している福岡空港の時刻表を見ていますと、現地を深夜に出発し、早朝に福岡着というインバウンド向けの設定が多く見られます。広島空港でも、現在7時30分からとなっている朝の運用時間を延長することにより、東南アジアからのインバウンド需要も見込まれ、路線の拡充につながるのではないかと思います。  空港経営改革に向けて、事業者の自由度を高め、広島空港の拠点性を高めるためにも、早朝を含めた運用時間のさらなる延長を検討すべきではないかと考えますが、土木建築局長の御所見をお伺いします。 25: ◯答弁土木建築局長) 広島空港におきまして、東南アジア路線を中心とした、早朝に到着する新規路線を誘致する上で、運用時間を延長することは有効であると認識しております。  一方で、運用時間をさらに延長するためには、改めて地元住民の皆様の同意や具体的な定期便の運航計画が求められるところでございます。  さらに、国からは、管制や入国審査業務などの増員などに伴うコスト増と運用時間延長に伴う増便による収入増を比較検討していく必要があると伺っております。  さらなる運用時間の延長につきましては、延長された運用時間枠の活用状況を検証するとともに、今後の具体的な定期便の運航ニーズなどを踏まえ、検討してまいります。 26: ◯質疑上田委員) 昨年9月定例会におきまして、空港経営改革を見据えた周辺施設の位置づけについてお聞きいたしました。その後、11月には、国により広島空港の運営委託に係るマーケットサウンディングが実施されましたが、最近の報道で、フォレストヒルズガーデンについて、空港との相乗効果は発揮しにくい、ガーデンは切り離してほしいとの意見が多くあるということを目にしました。  そこで、広島空港の経営改革に向け、国が実施したマーケットサウンディングの状況、また、フォレストヒルズガーデンを含む空港周辺施設の位置づけについて、あわせて土木建築局長にお伺いいたします。 27: ◯答弁土木建築局長) 広島空港の経営改革に係るマーケットサウンディングにつきましては、昨年11月末までの意見募集を経て、手続に参加した事業者に対するヒアリングが行われるなど、国において民間意見の分析や課題整理が行われているところでございます。  周辺施設に対する民間意見として、ホテルや県営駐車場につきましては、空港運営と不可分な施設であるとの意見が大勢を占める一方で、フォレストヒルズガーデンにつきましては、慎重な意見も提出されているところでございます。  県といたしましては、空港経営改革の導入により、空港エリア全体の利便性向上が図られるよう、引き続き、国と密接に連携して取り組んでまいります。 28: ◯要望質疑上田委員) 空港周辺の施設の活性化の意味も踏まえまして、県が打ち出している方針を曲げることなく進めていただきたいと思います。  広島空港の拠点性強化という中で、羽田便の本数や中国地方での海外便の本数ということを言われておりますが、何をアピールすべきかがいま一つ見えてこないと感じております。近隣の地方空港との比較の中で、突出したものがあるかというと、残念ながら思いつきません。  逆に、例えば、日本からのアウトバウンド需要が比較的高いソウル便の運航時間は、現地を朝出発することになるなど、アウトバウンドの利便性が悪いことから、近隣の地方空港に負けている点が目につきます。  そこで、広島空港の強みと弱みについて、どう認識しておられるのか、また、この認識を踏まえて、今後、広島空港の拠点性強化に向けてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 29: ◯答弁(知事) 広島空港の強みといたしましては、空港が中国地方の中央に位置し、高速道路にも近接していること、広島空港から自動車で2時間半の圏域に約850万人の人口集積があること、背後に豊富な観光資源を有していること、アジア地域に近い地理的優位性があること、本県企業の海外進出が進んでおり、底堅いビジネス需要のアウトバウンド需要を有していることなどがございます。  他方、弱みといたしましては、最大需要圏であります広島都市圏からの空港アクセスにおける速達性や定時性の確保、周辺諸国からの広島空港を利用したインバウンドの取り組みなどが不十分であると認識しております。  こうした状況を踏まえまして、広島空港の拠点性を強化するために、LCCも含めた新規路線誘致や既存路線の利便性の向上、広島高速5号線や東広島・安芸バイパスなどの道路整備、近隣県と連携した広域周遊ルートの形成などに取り組んでいるところでございます。  今後とも、国や地域の関係者と連携しながら、中四国地方の拠点空港として、広島空港のポテンシャルを生かした活性化が図れるよう取り組んでまいります。 30: ◯要望質疑上田委員) ぜひ、中国地方の拠点空港として地位を確立できるよう、引き続き、取り組んでいただきたいと思います。  次に、河川のしゅんせつについてお伺いいたします。  近年、地球温暖化の影響もあり、全国各地で記録的な集中豪雨による浸水被害が発生しております。今後も洪水被害がさらに拡大するおそれがあります。  このような状況の中で、県内各地の河川では、土砂の堆積などが進んでおり、近年、地域の住民から不安の声やしゅんせつの要望を聞くことが非常に多くなっております。  こうした中、県が平成28年3月に策定した河川内の堆積土等除去計画では、河川の堆積土などが治水に与える影響を3段階に評価し、阻害率がおおむね20%以上の箇所について、治水上の影響が大きく緊急に対策を実施する必要がある状態としてレベル3とし、阻害率がおおむね15~20%の箇所を、治水上の影響があり重点的に監視しながら対策を検討する必要があるレベル2とし、合わせて400km余りで対策が必要となっております。  計画では、平成28年度から平成32年度の5年間でレベル3を解消し、レベル2の延長を約1割削減するとされておりますが、現在の進捗状況について土木建築局長にお伺いいたします。 31: ◯答弁土木建築局長) 河川内の堆積土等の除去につきましては、土砂の堆積状況を考慮し、緊急度の高い箇所から優先的に対策を実施しているところであり、今年度末までの進捗率は、レベル3の箇所について約59%、レベル2の箇所について約22%となる見込みでございます。 32: ◯要望上田委員) 5年間で進めていただく施策ではございますが、昨今の地球温暖化によりまして気象状況も大きく変わってきております。できるだけ速やかに改善を図っていただきたいと思います。  また、明日にも質問の時間をいただいておりますので、続きをさせていただきたいと思います。ありがとうございました。   (下西委員) 33: ◯質疑(下西委員) 公明党広島県議会議員団の下西幸雄でございます。早速質問に入らせていただきます。  私は、教育相談体制の充実に向けた取り組みについてお伺いさせていただきます。  先般、広島市内の女子中学生が遺書のような手紙を残し、校舎から転落し、死亡するという大変悲しい事件がございました。教員自身が多忙なため、生徒と接する時間と精神的なゆとりを失い、生徒が置き去りになっているのではないでしょうか。このため、全ての子供が通う学校で、子供を取り巻く環境の改善を図るスクールソーシャルワーカーが、その専門性を十分発揮できるようにしていくことが必要だと思っております。  学校現場においてスクールソーシャルワーカーは、教員では対応しにくい子供の家庭における状況の把握や、学校と連絡がとれない家庭への訪問等により、経済的な問題や家庭内暴力などに適切に対応し、問題解決につなげる役割が期待されております。しかしながら、現状は虐待などがある家庭があったとしても、スクールソーシャルワーカーに対する理解が進んでいないために、直接保護者に面会できないケースもあると言われております。さらに、問題を抱えた家庭は孤立しており、こうした教育相談体制があることも知らない家庭も多くあると聞いております。  今必要なことは、学校に配置されているスクールソーシャルワーカーの役割や重要性を保護者に周知していくということであり、誰もが認めるよう、市町の教育委員会としっかり連携をとりながら取り組むべきだと思いますが、教育長の御所見を伺いたいと思います。 34: ◯答弁(教育長) スクールソーシャルワーカーの役割につきましては、年度当初に開催されるPTA総会や、学級通信の配布などを通じて、保護者に周知しているところでございます。  平成27年度の事業開始以降、問題を抱える児童生徒が置かれた家庭の生活環境への働きかけや、福祉機関等との連絡調整など、児童生徒への支援を行った件数が年々増加しているところでございます。  県教育委員会といたしましては、支援を必要とする全ての家庭に対しまして、適切な支援を行うことができるよう、さまざまな場面を通して保護者への周知を徹底するよう、各配置校及び市町教育委員会を指導してまいります。 35: ◯質疑(下西委員) 女子中学生の事件を受けて、広島市はいじめの早期発見、早期対応を強化するために、生徒指導補助員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを増員することといたしております。中学校のスクールソーシャルワーカー配置率が全国で48%であるのに対しまして、本県は14%にとどまっております。  そこで、より多くのスクールソーシャルワーカーを配置し、少なくとも中学校区に最低1人は配置するといった取り組みが必要だと考えますが、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。 36: ◯答弁(教育長) 本県におきましては、拠点となる中学校にスクールソーシャルワーカーを配置し、中学校区内の小学校を含めて活用できるようにしているところであり、本年度の配置校区数は14中学校区でございますが、今後、段階的に拡充することとしており、来年度は6中学校区拡充し、20中学校区に配置することとしております。  さらに、福祉等について高い専門的見地を有するスクールソーシャルワーカースーパーバイザーを事務局に配置し、スクールソーシャルワーカーの専門的資質の向上に加え、スクールソーシャルワーカー未配置校におきましても、必要に応じてスクールソーシャルワーカースーパーバイザーが学校訪問や電話相談等によりまして、適切な支援ができるように取り組んでまいります。 37: ◯質疑(下西委員) 次に、スクールソーシャルワーカーの確保についてお伺いいたします。  スクールカウンセラーについては、臨床心理士等の資格を有し、病院とかけ持ちして仕事ができますけれども、スクールソーシャルワーカーは、社会福祉士等の資格を有しておりまして、その専門性の高さから病院や福祉施設に人が流れるなど、専属の勤務が通常で、かけ持ちは難しいということから、人材確保が課題となっております。
     学校現場における虐待を含む深刻で多様な問題等への対応を強化するためには、スクールソーシャルワーカーの配置拡充が求められると思いますが、どのように人材を確保していくのか、教育長にお伺いしたいと思います。 38: ◯答弁(教育長) 県教育委員会といたしましては、これまで社会福祉士会や精神保健福祉士会への働きかけを行うとともに、ハローワークへの求人情報の掲載、県教育委員会のホームページへの募集案内の掲示などによりまして、人材確保に努めてきたところでございます。  しかしながら、地域によりましては、人材に偏りがあることから適切な人材が得られにくい状況がございます。  今後、さらに社会福祉士等の養成大学などを訪問し、卒業予定者等への働きかけを行ったり、福祉事務所、学校等の退職予定者への働きかけを行ったりするなど、広く人材の確保に努めてまいります。 39: ◯要望質疑(下西委員) よろしくお願いしたいと思います。  次に、スクールカウンセラーの有効活用についてお伺いいたします。  スクールカウンセラーの配置により、生徒にとっていじめの未然防止や早期対応など、一定の成果を果たしてきておりますけれども、悩みを抱えている生徒にとって、最も相談しやすい対応が望まれます。  現体制は、悩みを生徒から申し込んで、スクールカウンセラーが日時を決めて受けるようになっておりますが、深刻な悩みを抱えている子供ほど、誰にも打ち明けられずに内にこもっているのが現実でございます。仮に相談できるにいたしましても、授業中等のカウンセリングでは、幾ら日数や時間をふやしたところで効果的な対応策にはならないと思います。全ての生徒がいつでも気軽に相談できる窓口となり、特別な場所と思わせないためにも、積極的に意思疎通を図りながら敷居を低く感じさせる必要があると思います。  特に、中学生は多感な時期でございます。中学生全員を対象にカウンセリングを行い、深い悩みや異常な兆候等があった場合には、即座に学校と連携して早期に対応することが、スクールカウンセラーのさらなる有効活用につながっていくと思います。県内でも一部学校におきましては、学年を決めて全員面接を実施して、大きな効果を出しているということもお聞きいたしております。  そこで、まずは、本県の全ての中学校においてこうした取り組みを行い、スクールカウンセラーを有効に活用していくべきだと思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 40: ◯答弁(教育長) スクールカウンセラーは、各学校において悩みや不安を持つ生徒が気軽に相談できる環境を整備することや、教職員のカウンセリング能力の向上を図ることなどについて、指導・助言を行っているところでございます。  現在の配置状況や学校規模等を考えれば、全ての中学校において生徒全員のカウンセリングを行うということは困難でございますが、日々生徒と接しています教職員とスクールカウンセラーとが情報を共有することなどによりまして、生徒の悩みに寄り添った対応ができるよう、ガイドラインを作成いたしますとともに、連絡協議会において効果的な活用事例を共有することなどを通しまして、各配置校における教育相談体制が充実するよう、各配置校及び市町教育委員会を指導してまいります。 41: ◯質疑(下西委員) 続いてお伺いいたしますけれども、生徒がスクールカウンセラーと話をする場合、周りに目立たないように、時間帯についても昼休みの休息時間や放課後など、同級生に余り気づかれないようにするといった配慮も必要だと思います。放課後といっても、スクールカウンセラーの現在の勤務形態は、17時までが多いようでございます。  現場では生徒がクラブ活動を終えても相談できる体制や、生活が厳しい保護者が仕事を終えてからでも相談していただけるような、相談者に寄り添うきめ細かな相談体制の充実が大変重要ではなかろうかと思っておりますけれども、教育長の御所見を再度お伺いしたいと思います。 42: ◯答弁(教育長) スクールカウンセラーの勤務時間につきましては、原則、配置校の勤務時間内における割り振りといたしておりますが、生徒や保護者の要望を踏まえた柔軟な対応を行っているところでございます。  県教育委員会といたしましては、可能な限り、生徒や保護者の実態に応じて柔軟な対応を行うなど、生徒や保護者に寄り添ったきめ細かな教育相談を行うよう、連絡協議会等を通じまして、各学校、各市町教育委員会を指導してまいります。 43: ◯要望(下西委員) 既存の規制枠というのがございますけれども、そういったものに捉われていたのでは、現場の声にお答えするということも、非常に難しいのではなかろうかとも思っております。スクールカウンセラーは、家庭訪問ができませんけれども、枠にはめられた活動ではなく、苦悩にあえぐ相談者の立場に立った細かい取り組みこそが、相次ぐ子供たちの自殺を防ぐことになると思います。  スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーのさらなる活用を要望し、また、必要に応じて国への制度見直しを要望するなど、教育現場におけるいじめや不登校などの対策をしっかりと推進していただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。   (栗原副委員長) 44: ◯質疑(栗原副委員長) 皆さん、おはようございます。公明党広島県議会議員団の栗原俊二でございます。早速質問に入らせていただきます。  昨年、話題になった言葉に人生100年時代があります。先日の本会議でも、このことが取り上げられました。英国のリンダ・グラットン氏が、長寿時代の生き方を説いた著書「ライフシフト 100年時代の人生戦略」で提言した言葉であります。この言葉は、昨年から多くの場面で耳にするようになりました。  内容を若干紹介しますと、私たちの人生はこれまでになく長くなった、序章に書かれたこの一行が問題意識の根幹であります。2050年までに、日本の100歳以上の人口は100万人を突破する見込みであり、2007年に日本で生まれた子供の半分は、107年以上生きることが予想されるというのです。いわゆる100年ライフの到来であります。学び20年、働き40年、老後を過ごす20年という人生80年をベースにした旧来型の3ステージの人生ではなく、マルチステージの人生を実践しなければ、100年ライフを充実できない。そのためには、一人一人の人生観を変える必要があり、企業など雇用主や、社会と国家も100年ライフを前提に大きく変わる必要がある。長寿化に備えるためには、人生の締めくくりの時期への準備をするだけでなく、人生全体を設計し直さなくてはならないとあります。  これを踏まえ、政府は、人生100年時代構想会議を設置し、人生100年という視点から、関係施策を見直すこととし、ことし夏までに最終報告を策定する方針であると聞いております。人生全体を設計し直すためには、雇用や教育、社会保障などに、新たな試みが必要になってくることは必然であります。  私は、この本を読みまして、県政運営の今後の基本は、人生100年時代への対応であると思うようになりました。  そこで、人生100年という視点から関係施策を見直すことに主眼に置いた、仮称ではありますが、広島版人生100年時代構想会議を庁内に設置して、人生100年時代の到来に備える必要があると思いますが、知事の考えをお聞かせください。 45: ◯答弁(知事) まず、国の動向ですけれども、人生100年時代構想会議を設置いたしまして、多様な人生の再設計を可能とする経済社会システムをつくり上げるための政策のグランドデザインについて検討を進めておられます。  こうした中、本県におきましても教育に関する大綱において、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造できる人材を育成すべき人材として掲げ、乳幼児期から社会人までの一貫した人材育成に取り組んでいるところでございます。  また、働き方改革につきましても、重要施策として位置づけ、企業における多様な働き方の広がりを推進しているところでございます。  さらに、健康ひろしま21を初め、健康福祉分野の各計画においては、健康寿命の延伸を総括目標として掲げて、各施策に取り組むこととしております。  こうした本県の取り組みは、人生100年時代におけます経済社会システムの変化に対応し、また、国の検討の方向とも合致しているものと認識しております。  国における改革は、未来を担う若手世代や新たな活躍の場を求める人たちを後押しするものであり、本県といたしましても積極的に対応してまいりたいと考えております。  なお、人生100年時代に向けた施策の見直しや検討などを行う場のあり方につきましては、今後の国における基本構想等も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 46: ◯要望質疑(栗原副委員長) みずから変化を受け入れ、備える人は別として、変化に必要な資源を持たない層を支えることが、県には求められていると思います。どこよりも早く人生100年時代の到来に備える広島県であってほしいと思います。どうかよろしくお願いいたします。  続きまして、子供の未来を応援する施策の充実についてお伺いいたします。  未来を担いゆく子供たちは社会にとって宝の存在との認識を、社会全体で共有するとともに、社会全体で子供自身の育つ力を応援し、子供が夢と希望を持ち続けられる社会を構築しようと、我が会派では一貫して訴えてまいりました。このたびの新年度予算案では、主要施策の第1に、全ての子供が夢を育むことができる社会づくりが掲げられており、我が会派の主張が反映されたものと評価しております。私は、来年度が子供の未来応援施策充実のスタート年であると期待しております。そうした観点から、本日も施策提案や県の認識などを伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  先月、子供の貧困解消に取り組む沖縄県の状況を会派で視察に行ってまいりました。  沖縄県では、2015年度に行った調査で、子供の相対的貧困率が29.9%と、全国調査の約2倍の状態であったため、早速2016年3月に、子供のライフステージに沿った切れ目のない総合的な支援を行うための沖縄県子どもの貧困対策計画を策定し、同時に子供の貧困対策に資する事業を実施するため、沖縄県子どもの貧困対策推進基金を設置いたしました。基金とは別に、企業や県民の寄附を財源として、行政で実施困難な事業や民間企業と連携した取り組みもあわせて行われております。  大阪府でも、同様の取り組みが始まるようであります。来年度、民間からの寄附金を活用した子ども輝く未来基金を創設し、ひとり親家庭の中高生を対象に返還不要の奨学金の支給、児童養護施設出身で大学進学を希望する子供の学費支援などを行うそうであります。今後、企業が使用できるロゴマークの作成や寄附企業の表彰、ホームページでの紹介なども検討しておられます。子供の未来を社会全体で応援しようとする機運醸成のためにも、有意義な取り組みであると思います。  そこで、広島県においても、こうした民間資金を活用した、仮称子供の未来応援基金を創設してはどうかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 47: ◯答弁(知事) 子供の貧困は、子供の生活や成長に大きな影響を及ぼすだけでなく、貧困が世代を超えて連鎖すれば、格差が固定化し、社会の活力の低下にもつながることから、社会全体が貧困の世代間連鎖を断ち切ることの重要性を理解することが必要であると考えております。  このため、県といたしましては、来年度、市町や経済、労働、福祉、教育等の幅広い関係団体と一体になったオール広島県で、子供の貧困の連鎖の防止に取り組む体制を構築するとともに、今後、県として取り組むべき総合的な支援策について検討、実施することとしております。  こうした子供の未来を応援する取り組みを実施するに当たりましては、財源の確保も重要な課題と認識しておりまして、今後の施策の検討にあわせ、民間資金の活用も含めた必要な財源の確保策につきましても、検討してまいりたいと考えております。 48: ◯質疑(栗原副委員長) 続いて、就学援助制度についてなのですけれども、経済的に苦しい世帯に対して、義務教育に係る費用負担を軽減する就学援助につきまして、今春から入学前支給に踏み切る自治体が大幅にふえております。これまでは、小学校入学前の支給は、国の補助を受けられず、自治体負担で実施してまいりましたが、公明党の提案によりまして、国の補助金交付要綱が改正され、今年度から補助の対象に加わりました。  入学前支給が実施されれば、入学準備に必要なランドセル、通学用の服や靴、上履き、帽子などの費用に充てることができるようになり、対象世帯にとっては一時的な出費を抑えることができます。  そこで、広島県内の市町における就学援助の入学前支給の実施状況と今後の県としての取り組みを教育長にお伺いいたします。 49: ◯答弁(教育長) 本県の就学援助の小学校入学前支給の実施状況につきましては、平成30年度に入学する児童から支給する市町が9市町、平成31年度に入学する児童から実施する予定の市町が8市町、実施を検討中の市町が5市町でございます。  県教育委員会といたしましては、就学援助は援助を必要とする時期に速やかに支給されることが重要であると考えておりまして、早期に実施していただくよう、市町教育長会議や主要施策説明会等のさまざまな機会を捉えまして、働きかけてまいります。 50: ◯要望質疑(栗原副委員長) せっかくの制度改善が活用されないのでは意味がありません。市町の取り組みをぜひ促していただきますよう、強く要望しておきたいと思います。  入学準備に必要な金額について、ある調査によりますと、最低でも小学生の場合が6万3,300円、中学生の場合が8万3,300円だそうです。現在、国が支給する就学援助の新入学用品購入費は全国一律、小学生で4万600円、中学生は4万7,400円となっております。この制度を利用しても、保護者負担は、それぞれ2万2,700円、3万5,900円となります。残る保護者負担も何とかしてあげられないものかと、もどかしい思いが募ります。私は、こうしたことを解消するためにも、県独自の基金を創設して、柔軟かつ有効な活用ができればと考えております。経済的な事情で必要な学用品をそろえられないまま入学する子供がいなくなるように、1日も早く就学援助の入学前支給が全市町で実施されること、そして、基金創設でさらなる応援体制を構築できるよう、よろしくお願いいたします。  沖縄県では、大学などへの進学を目指す経済的に厳しい世帯の高校2~3年生を対象に、県が学習塾の授業料などを全額支給する無料塾を実施しております。初年度の2014年は、那覇の1教室からスタートし受講者は21人、以降、徐々に事業が拡大されまして、今年度は県内10カ所に教室をふやし、270人となっております。昨年度は支援生徒65人のうち大学受験者が54人、合格者が46人、合格率が85.1%です。一昨年は81.3%でありまして、一定の成果を上げていると思いました。  この事業を受託した予備校では、一般生徒とは別に無料塾専門のクラスをつくって指導しており、子育て支援クラス、KSクラスといいます。KSクラスの生徒は、家に自分の部屋がない、クーラーがないとの理由から、学校が終わったら真っすぐ自習室に来て、22時ごろまで自習する子も少なくないそうで、非常に勉強熱心であります。  県が無料塾を設置すれば通常クラスの生徒や保護者から不満が出ないと疑問をぶつけたところ、担当者の方は、当初はそういう懸念もあったと前置きした上で、これだけ大勢の学生が塾や予備校に通っている現在、貧困によってそこに通えないということは、教育の機会が均等ではないということです。県が貧困の連鎖を断ち切るために、意欲ある子供を予備校に通わせることは、正当だと思う。少なくとも私はそう考えて、この事業を進めていますとおっしゃっていました。  新年度予算案では、学びのセーフティネット構築事業として、学校教育を中心にさまざまな取り組みが計画されております。  まずは、学校教育の中で、子供が望む進路に必要な学力をつけることは、大変重要ですけれども、加えて無料塾のような取り組みが広島県にもあれば、貧困の世代間連鎖を断ち切ることができるのではないかと思いますけれども、知事の御所見をお伺いいたします。 51: ◯答弁(知事) 次世代を担う全ての子供たちが、夢や希望を持って学び、一人一人が持っている能力を最大限伸ばし、希望する進路を実現できるようにすることが重要であると考えております。  しかしながら、平成28年度卒業生の大学等への進学率は、広島県全体で72.5%であるのに対し、生活保護世帯では34.8%と大きなギャップが生じております。  このギャップにつきましては、家庭の経済力が厳しいことにより、その学習環境が整っていないことが要因の一つであり、この状態が続けば貧困の連鎖につながりかねないと考えております。  このため、大学などへの進学を目指す経済的に厳しい世帯の生徒への取り組みにつきましては、来年度設置いたします有識者による検討委員会において、他の施策とあわせて検討してまいりたいと考えております。 52: ◯質疑(栗原副委員長) 続いて、広島県が昨年実施いたしました子供の生活に関する実態調査の結果ですけれども、4分の1の世帯が生活が困難な状態にあることが判明し、大きな衝撃を与えました。今後、調査結果を踏まえた支援策や新たな制度創設が講じられるものと期待しております。  一般市民はもとより、我々議員や行政関係者の中にも、子供の貧困に対する認識が必ずしも共有されていない現状におきまして、実際に貧困が存在することが、数値で示された意義は非常に大きいと思っております。県が覚悟を決めて、リアルな困窮状態や生活実態を把握しようという意識を持ったことを、私は大いに評価いたします。  そこで、お願いしたいのは、今後も調査を継続し、子供たちの生活実態を把握し続けることです。  子供の貧困の実態や子供の貧困に関する施策の実施状況と効果を適切に把握し、PDCAサイクルを回すためには、調査研究を継続的に実施すべきと考えますが、健康福祉局長の見解をお伺いいたします。 53: ◯答弁(健康福祉局長) 今年度実施いたしました子供の生活に関する実態調査につきましては、小学5年生及び中学2年生とその保護者を対象に実施したところであり、多くの県民の皆様や、調査票の配付及び回収をいただきました学校の御理解と御協力を得て実現できたものでございます。  この調査結果等を踏まえまして、来年度から具体的な施策に取り組むこととしており、個々の事業につきましては、PDCAサイクルを回しながらその効果を検証する必要があると考えております。  今後の実態調査につきましては、子供たちの生活実態に変化が生じるまでには一定程度の期間を要すると考えられること、また、調査の対象となる県民の皆様や学校の負担も大きいことから、その実施時期や方法について、今後、検討してまいりたいと考えております。 54: ◯要望質疑(栗原副委員長) 沖縄県ではこの調査は、継続的に行うことを決めておりまして、ずっと行っていくと言われておりました。ぜひ、広島県も、こうしたことに対して継続的に取り組んでいただきますよう、要望しておきたいと思います。  続きまして、仕事と子育てを両立できる環境整備についてお伺いいたします。  学童保育は、女性の就業率向上などから利用希望者が増加傾向にあります。待機児童の問題は、小学生を放課後に預かる放課後児童クラブでも顕著になっております。昨年5月時点で、広島県の学童保育の施設は653カ所、登録児童数は2万7,645人、希望しても利用できない待機児童が398人であります。  いわゆる小1の壁問題があります。共働きやひとり親世帯において、子供の小学校入学を機に、親の退社時間まで子供を預ける施設が見つからないなどの事情により、仕事と育児の両立が難しくなることをいいます。また、子供が小学生になると職場の育児短時間勤務制度が適用されなくなることや、親の参加すべき学校行事が増加するなどによって、さらに負担がふえるという問題もあります。  この点、企業側の理解と協力が欠かせません。短時間勤務制度の拡充を初め、テレワークなど在宅勤務の推進や、勤務時間を弾力的に設定できるフレックスタイムの普及など、柔軟な働き方の実現が一層求められております。  そこで、県内企業への柔軟な働き方促進の取り組みなど、仕事と子育てを両立できる環境整備についての県のお考えを商工労働局長にお伺いいたします。 55: ◯答弁(商工労働局長) 仕事と子育てを両立することができる職場環境の整備に向けましては、各企業がその重要性を認識し、自社の課題に応じて行動していくことが必要であると考えております。  このため、長時間労働の削減や休暇取得の促進、多様な働き方が可能になる制度の導入など、企業の働き方改革をさまざまな取り組みで後押ししているところでございます。  具体的には、働き方改革・女性活躍の優良事例の収集やHintひろしまを活用した情報発信、外部専門家によるアドバイス等企業の状況に応じた個別支援、奨励金の支給による男性の育児休業の取得促進などに取り組んでおります。  来年度はこうした取り組みに加えまして、経済団体や専門家と連携した経営者への働きかけの強化、仕事と家庭の両立やイクボスの普及に向けた全国フォーラムの開催などにより、男女がともに生き生きと活躍することのできる職場環境づくりを目指してまいります。 56: ◯要望(栗原副委員長) 時間が残り少なくなりましたので、最後に1点、要望を申し上げておきたいと思います。  ひとり親の婚姻歴による不公平の解消についてであります。  国は、来年度から、婚姻歴のあるひとり親が税法上の所得控除を受けられる寡婦控除を、未婚のひとり親にも適用されるものとみなして保育料などを算出するみなし適用を実施することとしました。これは、社会状況の変化も踏まえまして、公明党が推進してきたものでありますけれども、寡婦控除は婚姻関係のある配偶者と死別あるいは離婚したひとり親が対象で、適用されれば所得税や住民税が低く抑えられるほか、控除後の税額をもとに算出する保育料なども減額される場合があります。しかし、さまざまな事情で結婚せずにひとり親となった母親や、父親には寡婦控除が適用されておりません。ひとり親になった原因に関係なく、安心して子供が保育などのサービスを受けられる環境整備は大変重要であります。  このたびの国の決定を受けまして、みなし適用が円滑に実施できるよう、市町に徹底していただきますよう要望して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。   (山下委員) 57: ◯質疑(山下委員) 民主県政会の山下でございます。昨日に続いて質問時間をいただきました。  本日は最初に、中小企業人材確保支援事業の奨学金返済支援について商工労働局長にお尋ねいたします。  まず、この事業の対象となる働き方改革認定企業と認定企業以外の働き方改革取り組み企業はそれぞれ何社あり、県内の中小企業全体の何%に当たるのか、また、対象企業の中に従業員数が20人以下の小規模企業は何社あるのか、お尋ねいたします。 58: ◯答弁(商工労働局長) 働き方改革の認定企業につきましては、現在、46社が認定され、そのうち、県の支援事業の補助対象となる中小企業は32社で、県内の中小企業全体の1%に満たない状況であり、また、従業員数が20人以下の企業は5社となっております。  次に、働き方改革に取り組んでいる企業につきましては、昨年度実施した抽出調査ではございますが、県内企業働き方改革取組実態調査では、取り組み企業の割合は回答企業数全体の35.5%で、中小企業の割合は31.7%となっております。  この割合をもとに、平成26年経済センサス基礎調査を用いて推計いたしますと、対象となる働き方改革に取り組む県内中小企業は約2万7,000社、従業員数20人以下の企業では約2万3,000社が県の支援事業の対象となると考えております。 59: ◯質疑(山下委員) 次に、この事業には700万円の予算が計上されております。  働き方改革認定企業とそれ以外の企業で、それぞれ何人の方が奨学金返済の支援を受けるものと想定して積算されたのか、また、その人数は県内で奨学金を返済している中小企業の従業員全体の何%に当たるのか、お尋ねいたします。 60: ◯答弁(商工労働局長) 県内中小企業において、従業員への奨学金返済支援制度の導入が進んでいない現状があることから、平成30年度におきまして、まず奨学金返済支援制度を導入していただくよう、経済団体と連携し、企業に働きかけ、制度導入企業60社を目指したいと考えております。  そのうち、モデル的に県の事業を活用する企業数は、認定企業が2社、認定企業以外の取り組み企業が8社、合わせて10社を目標としており、支援対象となる従業員数は、認定企業が6人、認定企業以外の取り組み企業が24人、合わせて30人を見込んでいるところでございます。  なお、県内中小企業全体において、奨学金を返済している従業員数についての統計上のデータがございませんが、平成30年度に県の支援事業の対象として見込む従業員数の割合は、県内中小企業において奨学金を返済している従業員数全体に対して相当低いのではないかと思っております。 61: ◯質疑(山下委員) この事業では、働き方改革認定企業とそれ以外の企業との間で、補助率と補助上限額に差がつけられております。県としては、この認定企業に対する支援を厚くすることによって、働き方改革を加速したいということだと思いますけれども、私は、奨学金返済の支援という目的からすれば、同じ条件にすべきではないかと考えております。  そこで、補助率と補助上限額に差をつけることに合理的な根拠があるのか、お尋ねしたいと思います。 62: ◯答弁(商工労働局長) 昨今の雇用情勢の改善に伴い、若年者が企業を選ぶ要件といたしまして、職場環境や処遇の比重が一層増しており、中小企業が魅力的な就職先として選ばれるためには、働き方改革の取り組みを加速させる必要がございます。  こうしたことから、働き方改革に取り組む企業をふやし、企業の人材確保と定着につなげていくため、働き方改革及び奨学金返済支援制度の導入に意欲のある中小企業に対する補助制度を創設することといたしました。  県内において働き方改革に取り組む中小企業は、約3割にとどまっておりますが、働き方改革の推進に向けましては、認定企業の優良事例を創出し、見える化することにより、取り組み企業の裾野が拡大する好循環を生み出しているところでございます。  こうしたことから、認定企業につきましては、これなら我が社でもできるという身近なモデルとなり、働き方改革に取り組み始めようとする企業を導くとともに、取り組み企業が認定企業を目指す好循環の創出に大きく貢献し、県全体の取り組みを牽引していくものであるため、インセンティブとして補助率に差を設けているところでございます。 63: ◯要望質疑(山下委員) 今、局長が働き方改革を推進していただく企業をふやすという意味で、この事業は効果があるのではないかと考えているとおっしゃいました。私は、局長がお答えになった側面を否定するわけではございませんけれども、御承知のように、今、中小企業の多くは、人手不足が深刻な状況になっています。こういう中で補助率と補助上限額に差をつける事業を実施することになれば、結果として働き方改革認定企業には人が集まりやすく、認定されていない企業には集まりにくいという状況も生まれるのではないかという懸念も拭い去ることができません。まして、奨学金返済支援制度のない、あるいはつくりたくてもつくれないという状況にある中小企業は、今のような状況の中では、必要な人材を確保することがますます困難な状況が生まれるということも否定できないと思うのであります。  我が会派が知事に対して要望を提出させていただきましたときに、この制度については再検討が必要ではないかと申し上げましたところ、事業実施に当たっては、企業等の意見を踏まえ、柔軟に対応してまいりたいという回答をいただいております。私の心配は杞憂に終わるよう、ぜひ、運用の中で適切な対応をしていただくように要望申し上げたいと思います。  この事業には、もう一つの問題もございます。それは、事業の対象になるのは、従業員の奨学金返済を支援する制度のある中小企業だけに限定されるということでございます。そのため、制度化したくてもできない企業の従業員や、自営業に携わっている人たちについては、奨学金返済の負担軽減という県の支援のらち外に置かれることであります。就労先の違いによって不公平な状況が生じるということでございます。
     私は、行政施策の公平性という観点から見ると、若干問題があるのではないかと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。 64: ◯答弁(商工労働局長) 大手企業に比べ人材確保が一層厳しい中小企業が若年者に選ばれる企業となるためには、働き方改革の推進により誰もが働きやすい職場環境を整備することにより、人材確保や定着につながる好循環を生み出す必要がございます。  こうした中、県の事業につきましては、中小企業のみならず、個人事業主やNPO等も補助対象としているところであり、働き方改革への取り組みや従業員への奨学金返済支援制度の導入が進むよう、しっかりと後押ししてまいります。  一方、奨学金返済支援制度の導入に意欲があっても、働き方改革に一歩踏み出すことができない個人事業主等につきましては、経済団体と連携し、取り組みマニュアルの活用促進などによって、働き方改革を推進してまいります。  県といたしましては、企業の規模にかかわらず意欲のある全ての中小企業等が、働き方改革や人材確保定着に向けて取り組みを進めることができるよう支援してまいります。  また、補助制度につきましても、活用状況や事業者ニーズを踏まえながら、適宜検証してまいります。 65: ◯要望質疑(山下委員) 冒頭、局長は、この事業を活用する県内中小企業は現在、全体の1%に満たない、それから、経済支援を受けることができる方は、新年度30人ぐらいを想定しているというふうにおっしゃいました。そういう意味では、今から始める新しい事業で第一歩ですから、仕方がない面もあるとは思いますけれども、本当にごくごく一部としか言いようがございません。したがって、これを可能な限り拡大していくことは大事でしょうし、建前からすれば、全ての中小企業を対象とすべきであると私は思いますので、困難はあると思いますけれども、それに向けてぜひ頑張っていただきたいということをお願いして、この質問は終わります。  次に、いじめを克服する学校体制といじめに対する教職員の認識について教育長にお尋ねしたいと思います。  昨年7月に、広島市内の中学校3年生女子生徒が自死するという大変痛ましい事件が発生しました。この事件について調査してきた広島市いじめ防止対策推進審議会の調査を報じた新聞によりますと、彼女に対するいじめは小学校時代から始まり、中学校入学後は学年が上がるに従ってエスカレートしていったということでございます。  長期にわたるいじめが、彼女の心をずたずたに切り裂いて死に追い込んでしまったということでありますが、一体どのようないじめがあったのか、教育長にお尋ねいたします。 66: ◯答弁(教育長) このたび広島市内の中学校におきまして、とうとい命が失われましたことは、痛恨のきわみでございます。大変厳しく受けとめているところでございます。  御遺族に対しまして謹んで哀悼の意を表しますとともに、同様の事態が二度と起こらないようにしなければならないと考えております。  今回の事案につきまして、広島市教育委員会に問い合わせをいたしましたところ、中学校1年次の年度当初から、年間を通じて何人かの生徒から頻繁にからかわれたり、悪口、暴言を言われたり、また、3年生になってからも、死ねに代表されるおどしの文句を頻繁に言われていたことなどの事実があったとお聞きしているところでございます。 67: ◯質疑(山下委員) 報道によりますと、彼女に対して繰り返されていた暴言や悪口、暴力、嘲笑などは、ほかの生徒や教職員の目の届く場所でも行われた、授業中にもあったとのことでございます。これに対して、教職員が事実を確認したときは、その都度、指導していたそうであります。また、生徒指導にかかわる係会でも、複数回議論したということでありますが、いじめという認識には至らず、学校としての組織的な取り組みが全くなかったということでございます。  本人や両親が何度も訴えていたにもかかわらず、なぜ、このような事態になったのか、いじめだと認識できなかった原因について、どのように考えていらっしゃるのか、お尋ねいたします。 68: ◯答弁(教育長) 教職員がいじめを認識できなかった要因等につきましては、いじりやからかいはいじめではないや、善意や無意図でやったことはいじめではないなどの誤った認識があるとされているところでございます。  今回の事案につきまして広島市教育委員会に問い合わせをいたしましたところ、現在、広島市いじめ防止対策審議会において検証を進めているとお聞きしております。 69: ◯質疑(山下委員) 今、教育長がおっしゃいましたように、記者会見をした校長先生が、いじりやからかいはいじめではないという認識に立っていた、余り深刻に受けとめていなかったとテレビでも放映されました。私はこのテレビ放送を見て、2014年に発生した総合技術高校の生徒の自死事件を思い出しました。この事件では、いじめに加わっていた生徒たちが、冗談のつもりだった、軽い気持ちでやったという発言をしておりますが、これに象徴されるように、いじめる側の認識が大きな課題であるということが浮き彫りになりました。何がいじめに当たるのかということに気づく力を育むことの重要性が確認されたわけでございます。  この教訓が生かされていたなら、この女子生徒が自死に追い込まれるような事態を防ぐことができたかもしれません。しかし、残念ながら学校の認識は、先ほど校長先生の発言を御紹介したとおりでございます。そういう意味では、事態は深刻だと言わざるを得ません。  そこで、総合技術高校の事件以後、明らかになった課題について、県内全ての学校に対してどのような指導をしてこられたのか、お伺いいたします。 70: ◯答弁(教育長) 総合技術高校の事案から明らかになった課題といたしましては、生徒に対して、いじめには直接の加害、被害の関係だけでなく、はやし立てる観衆や見て見ぬふりをする傍観者も、いじめの加害者であるといういじめの構造を正しく理解させる指導が十分でなかったことや、教職員のいじめに対する感度が低かったことなどが挙げられます。  こうしたことから、全ての学校においていじめの問題に対して適切な対応が行われますよう、市町教育長会議や県立学校長会議並びに生徒指導主事研修や生徒指導フォーラムなど、さまざまな機会を通じて指導してきたところでございます。  また、いじめが部活動においても行われていたことから、広島県高等学校体育連盟及び広島県高等学校野球連盟が主体となって、魅力的な部活動指導のあり方について研修会を開催し、県教育委員会の指導主事が講師となり、部活動におけるいじめを未然に防止するための取り組みについて、指導・助言を行ったところでございます。 71: ◯要望(山下委員) いじめの問題につきましては、きのうの中国新聞が、尾道市内の小学校6年生の女子児童が、5年生のときに同級生から受けたいじめと、これに対する学校の対応のまずさが原因になって、長期間学校に通うことができなくなっているということを報道しております。先ほどから申し上げております自死した広島市の中学校女子生徒、そして、尾道市の児童の件のように、具体的ないじめの事実が報道されるのは本当に氷山の一角だろうと思います。  発展途上の子供ですから、いじめはどこの学校でも起きると考えなくてはならないと教育長もおっしゃっているとおりでございます。しかし、子供の心に寄り添う教育実践によって、小さな芽のうちに解決する、あるいは、子供たち自身がいじめを克服する力を育てるということはできると思います。私は、これこそが日本一の教育県、その学校だというふうに思っております。そのために重要なことは、何といいましても学校全体で組織的に取り組むことでございます。  あちこちの学校で、いじめが発生したときに担任の先生が悩んでひとりで問題を抱え込んでしまったり、この広島市の中学校のように係会の議論だけで済ましてしまうというようなことで、学校全体の取り組みにならないことが、結果として残念な状況になってしまうということがございます。スクールソーシャルワーカーの配置もありますけれども、調査をした方からお聞きしますと、全国の学校のスクールソーシャルワーカーがいじめを発見したというのは、数%に過ぎないとも言われております。したがって、学校総体としての取り組みが大事だと思いますので、そんな取り組みが進んでいきますように、教育委員会の援助をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。  (4) 休憩  午後0時2分  (5) 再開  午後1時30分   (山下委員) 72: ◯質疑(山下委員) 民主県政会の山下でございます。  学びのセーフティネット構築事業として提案されている2つの施策について教育長にお尋ねいたします。  まず、学力向上対策の強化でございますが、この事業では、学力フォローアップ校に過配教員と学力フォローアップ教員を配置するとのことでありますが、この先生は、各校に何人ずつ配置されどのような職務を担うのか、また、中学校区に配置する過配教員と家庭教育支援アドバイザーは、どのような職務を担うのか、あわせてお伺いいたします。 73: ◯答弁(教育長) 学力フォローアップ校には、研究推進教員として1名を過配するとともに、学力フォローアップ教員として再任用短時間勤務職員1名を配置することとしております。  研究推進教員は、小学校低学年段階からの学習のつまずき等を把握し、解消する指導方法等に係る実践的な研究を推進する役割を担っております。  学力フォローアップ教員は、研究推進教員や学級担任と連携し、学力に課題がある児童に対して支援を行うことを役割としております。  また、中学校区に配置する過配教員につきましては、指定地域内の小中学校が連携して行う実践的な研究の中心的役割についても担うこととしております。  家庭教育支援アドバイザーは、学力に課題のある児童生徒の家庭における学習環境を整えるため、保護者への助言を行うことや、福祉との連携を担うことにしております。 74: ◯要望質疑(山下委員) 昨年、私は、大阪府の茨木市における学力向上の取り組みについて、教育委員会の担当の方からお話をお伺いする機会がございました。茨木市は、10年前から茨木っ子プラン22と銘打った学力向上3カ年計画の取り組みを始められまして、今年度からは第4次計画に取り組んでおり、大変大きな成果を上げていると伺いました。取り組みの具体については後ほど少し触れたいと思いますけれども、私が感心しましたのは、教育委員会でこのプランを作成するのに1年間かけ、そしてさらにそのプランを学校現場の先生方や保護者に周知するのに1年かけた、まことに丁寧な取り組みをされたわけでございます。つまり、教育委員会と先生方、そして地域の保護者がそれぞれ目的を一つにして取り組んできたことが、成功につながったのだと考えております。  本県の場合は、残念ながらいきなりの事業実施ということになりますから、関係者の意思統一を図ることは一層重要になると思います。教育委員会は、リーダーシップを発揮していただいて、丁寧な取り組みとなりますように、学校現場が唐突感を持つことがないように、ぜひ、お願いしたいと思います。  さて、学力の課題のある児童生徒については、個々の実態に応じた丁寧な指導を行うことが重要であります。この事業のポイントはここにあると、私は考えております。  そこで、学力に課題のある児童生徒への集中対策と銘打っていらっしゃいますけれども、それは具体的にどのような取り組みを行おうと考えていらっしゃるか、お尋ねいたします。 75: ◯答弁(教育長) 学力に課題のある児童生徒につきましては、それぞれが抱える学習や生活の状況を丁寧に把握し、個別の指導計画を作成、活用することで、児童生徒一人一人の課題に応じた組織的、計画的、継続的な指導を行うということが大切であります。  こうしたことから、個々の児童生徒の状況に応じて、授業中や放課後において、児童生徒が自立して学習できるよう支援いたしますとともに、家庭との連携を綿密に行い、家庭での学習習慣の定着を図ることとしております。  学力向上推進地域におきましては、学力に大きな課題がある児童生徒に対して、小中学校が連携しながら個別の指導計画等を作成、活用することによりまして、学習と生活の両面からの支援を継続的、組織的に行うこととしております。  さらに、家庭での学習習慣の定着に向け、家庭訪問や保護者との面談等を行い、保護者への働きかけも行ってまいります。 76: ◯要望質疑(山下委員) 総論としては、今、教育長がおっしゃったことは私もよくわかります。  もう少し具体的なことで茨木市のことを少し、お話をしたいと思います。茨木市は、全小中学校に複数配置された教員免許を持つ学習サポーターの方が、担任の先生と一緒に授業に入られるそうです。そして、わかりづらそうにしている子供をその場でサポートしているということでございました。学習に対する不安を取り除き、授業でつまずかないように支援しているということでございました。また、今教育長もおっしゃいましたけれども、学習の支援だけでなく、学校生活全般に対する支援や不登校の子供に対する支援にも当たっていらっしゃるということだそうです。担任の先生と学習サポーターの先生方は、子供の家庭の状況も含むさまざまな情報を交換、共有しながら、最も適切な指導のあり方はどうかということを探しながら支援に当たっているということでございました。  本県の場合と茨木市とは、人的な体制も違いますので、すぐに同じようにということにはならないと思いますけれども、大いに参考になる取り組みだろうと思います。どうぞ、この先進地の取り組みに学びながら、学校としっかり連携して取り組みを進めていただきますように、お願い申し上げたいと思います。  さて、言うまでもありませんけれども、学力に課題のある子供がいない学校はございません。したがって、学習上の困難を抱えている児童生徒に対する支援は、この指定校だけではなくて、本来、全ての学校で取り組むことが必要でございます。  そこで、指定校や指定地域と同様の取り組みを全ての学校で実施していく見通しについてお伺いしたいと思います。 77: ◯答弁(教育長) 指定校におきまして効果があった学力向上の方策や、個を生かす指導事例等の研究成果を、毎年、県教育委員会が実施いたします実践交流会や市町の協議会において発表していただくなどを通しまして、平成33年度には全ての学校で、個を生かす授業改善が組織的、計画的、継続的に行われるよう努めてまいります。 78: ◯要望質疑(山下委員) 今、教育長がおっしゃったとおりだと思いますけれども、やはり困難のある子供に集中的に対策をしようということになると、指定校と同じような人的配置も必要だと思います。たくさんの学校がありますから大変な財源が必要になりますので、そう簡単にはいかないと思いますけれども、4月から新しく事業を始めて、2019年度以降、少しでもこれが補強できるような、自立できるような方向で取り組みをしていただきたいと思います。  それと、どこの学校に在籍していても課題がある子供は待ったなしでございます。今、教育長がおっしゃったように、学校現場は本当に多忙なことは、私も十分承知しておりますけれども、何とか工夫を凝らして、少しでも効果が上がる取り組みをできるように、教育委員会には可能な限りの援助をしていただきたいとお願いしておきたいと思います。  続いて、大学等入学金等奨学金について、また教育長にお尋ねいたします。  これは、新たに設けられた給付型の奨学金でありまして、経済的に困難な家庭の子供の大学等への進学を支援するための第一歩を踏み出したということについては、私も高く評価しておりますけれども、残念ながら不十分であることは否めません。  そこで、まず、多くが経済的困難層だと言われるひとり親世帯、また、児童養護施設に入所している子供、あるいは、生活保護世帯の子供の大学進学率と県全体の平均値はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 79: ◯答弁(教育長) 県内の平成25年度の大学等の進学率につきましては、生活保護世帯の子供が23.3%、ひとり親世帯の子供では35.5%、児童養護施設を退所した子供では23.1%でございます。広島県全体では58.3%となっております。 80: ◯質疑(山下委員) 今、お答えいただきましたように、家庭の状況が非常に厳しい子供たちは県平均の半分、児童養護施設を退所した子供も半分以下でございます。生活保護世帯にしてもひとり親家庭の子供にしても、6割に届かないということで大変大きな格差がございます。この貧困の連鎖を断ち切っていくためには、進学率の格差を少しでも縮めて、平均値に近づけていくということが非常に重要であります。そのためには、学力保障と、経済的な支援が一体となった取り組みが必要であります。しかし、この奨学金の給付対象者は100人に限定されており、セーフティーネットと言うには余りにも少ないと私は考えております。  そこで、どのような根拠でこの100人という数字を設定されたのか、お尋ねいたします。  また、学習成績が良好という要件がございますけれども、これはどのような基準なのか、あわせてお尋ねいたします。 81: ◯答弁(教育長) 対象者数につきましては、学校規模や地域、課程等のバランスを考慮し、幾つかの県立高等学校を対象に行いましたアンケート結果を踏まえまして、県内の高等学校等全体で、経済的な理由で進学を諦めた生徒が100人程度存在するものとして判断したものでございます。  また、成績要件の基準につきましては、学業に対する意欲をはかるための指標として多くの大学が採用している高等学校等における学習成績の評定平均値を要件とすることとしたところでございます。 82: ◯要望質疑(山下委員) 今、県内の幾つかの高校に聞いて推計したとおっしゃいました。しかし、県が夏に実施しました子供の生活に関する実態調査からは、生活困難層では自分の夢をかなえるのは難しいと、もう諦めてしまっている子供が多いということが明らかになりました。また、少子化・次世代育成対策特別委員会に参考人としておいでくださいました草間先生は、親の支援を当てにできない子供は、十分な学力があっても借金してまで進学したくないと考えてしまうとおっしゃっていました。  私は、長い間、被差別部落の子供たちとかかわってきましたけれども、まさにそのとおりでございます。教育委員会が試算された100人という数字の中には、もう高校入学の時点で諦めてしまっている子供たちの数は入っていないと思います。自分の選択可能な進路として、大学進学はもうないと考えている生徒が入っていないということでございます。  昨年度、県内の高校を卒業した生徒は約2万5,000人であります。そのうち、子供の生活実態調査で明らかになったように、25%は生活困難層だとすると、約6,000人になります。そして、6,000人の子供たちのうち、県平均と同じ程度の6割近い子供たちが大学等への進学を希望するとすれば、約3,500人ということになります。行政の制度というのは申請主義ですから、当事者が申請するかどうかという問題はあるにしても、セーフティーネットと言うからには、3,500人分が必要だということになります。100人と3,500人では大変な違いですから、そんなに簡単なことではないと思いますけれども、ぜひ、次年度、さらに次の年度と充実していく必要があると思いますので、そのことについてもお願いしておきたいと思います。  さて、私はかねてから、家庭の経済力は子供の学力と進路に大きな影響を及ぼすと指摘してまいりました。御承知のとおり、県が実施した子供の生活に関する実態調査でも、家庭経済と学力の相関性が実証され、進学率の格差にも結びついております。  そこで、家庭の経済力によって学力や進学率に格差が生じる原因についてどのように認識していらっしゃるか、お尋ねいたします。 83: ◯答弁(教育長) 家庭の経済力が家庭の学習環境に及ぼす影響は大きく、家庭の経済力が厳しいことによりまして、その学習環境が整っていないことが要因の一つであると認識いたしております。  また、大学への進学にかかる費用につきましては、相当の額が必要であり、経済的負担が大きくなるため、大学への進学を諦めている生徒が一定程度いると考えております。 84: ◯質疑(山下委員) まさに教育長がおっしゃったとおりでございます。経済的に困難な家庭では、日々の生活に追われますから、勉強する環境が十分でない、あるいは、さまざまなことを体験する機会に恵まれないということなどから、知識やら創造力やら、学校の授業を理解するための基礎となる力が育ちにくいと言われております。さまざまなハンディを子供たちが背負っているということでございます。さらに、大学進学については、教育長がおっしゃったように、経済的なことが大きな壁になっているということでございます。  この制度は、こういう子供の実態を踏まえて、新しくつくられるものでありますけれども、この制度では、受験料と入学金と初年度半期分の授業料に相当する60万円を給付することになっておりますけれども、大学に納付しなければならない金額は、国公立か私立かという設立形態の違いや、文系か理系かあるいは医歯薬系かということなどによって異なってまいります。  そこで、どのような根拠に基づいて60万円を設定されたのか、お尋ねいたします。 85: ◯答弁(教育長) 給付金額につきましては、国立大学に進学する際のセンター試験検定料及び受験料を合わせた3万5,000円、入学料28万2,000円及び1年次の半期授業料26万8,000円の合計をおおむね賄える目安として、60万円に設定しているところでございます。 86: ◯質疑(山下委員) 昨年4月に、県内の大学へ進学した学生の入学金と4年間の授業料、それから一部の学校ではその他の納付金の合計を調べてみましたところ、広島大学と県立広島大学は240万円であります。広島修道大学、文系の商学部は約340万円、そして、福山大学、理系の工学部は約460万円となっておりました。極めて高額でございます。さらに、下宿をして通学ということになれば、生活費も捻出しなくてはなりません。したがって、今回、県の創設する制度によって、経済的に厳しい家庭の子供が大学進学を諦めてしまうという状況を解消できるとは、残念ながら考えられません。  そこで、知事にお尋ねいたします。今回、新設するこの奨学金の制度に加えて、毎月支給の給付型奨学金や返還免除つきの貸与型奨学金の制度を創設することを含めて、大学生に対する支援を検討すべきであると考えておりますが、御所見をお伺いいたします。 87: ◯答弁(知事) 奨学金事業につきましては、平成16年に実施されました政府の特殊法人改革によって、それまで日本育英会が行っていたもののうち、高校生に対する支援は都道府県に移管される一方で、大学生に対する支援は、新たに設立された独立行政法人日本学生支援機構が実施することとなったところでございます。  こうしたことから、大学生に対する支援については、日本学生支援機構の制度を拡充することが最も効果的であると考えており、県といたしましては、全国公立大学設置団体協議会等を通じまして、給付型奨学金の創設を初めとする支援拡大を国に働きかけてまいりました。  その結果、平成29年度において、住民税非課税世帯等を対象に給付型奨学金が創設されるなど、支援の大幅な拡充が図られたところでございます。  県といたしましては、今後とも、意欲と能力のある学生が経済的理由により進学を断念することのないよう、さらなる制度の拡充に向け、国に働きかけてまいりたいと考えております。 88: ◯要望(山下委員) 我が国の奨学金制度は、原則として、大学等については国、高等学校等については都道府県という役割分担でこれまで推移してきたということについては、私も十分承知しております。そして、今、知事がおっしゃったように、政府のほうでも、子供の貧困対策を大変な問題だと考えておられて、給付制の奨学金制度もつくる方向に行っていることも承知しております。しかし、それでもまだまだ不十分だということと、昨年、県が実施した子供の生活実態調査から貧困が本当に深刻な状況になっているということを踏まえて、新しい制度をつくろうということになったのだろうと私は考えております。  そこで、先ほど私が提案いたしましたような制度をつくるということになると、本当に多額の財源が必要でございますから、簡単なことでないことは十分承知しております。しかし、広島県より財政規模が小さい沖縄県では、受験料と入学金は広島県の半額の30万円でありますけれども、加えて毎月7万円の給付型奨学金を県単独でつくっていらっしゃいます。また、県内では教育長も知事も十分御承知だろうと思いますけれども、安芸高田市は、2004年度から高校生から大学生までを対象にして、卒業後市内に居住する期間に応じて貸し付けた奨学金の返還を免除するという貸与型の奨学金制度をつくっております。  さらに、本県の制度としては、商工労働局の制度として、既に働いていらっしゃる方で大学院に行って勉強しようという方がおられたら、その方が県のイノベーションの創出に寄与すると認められる専門職大学院の課程に就学した場合、社会人に対して月額10万円を限度として貸与する、そして、大学院の課程を修了した後8年間、県内企業で働いたら全額返還免除するという制度もございます。また、医学部へ進学した人に貸与をして、5年間以上県内で医療に従事してくれれば全額返還免除という制度もございます。  ですから、国にということだけではなく、せっかく今回新しい制度をつくろうと踏み切っていただいたわけですから、先ほど提案しましたことも含めて、広く寄附金を募って基金をつくることなども考えていただいて、ぜひ、前向きに検討していただきますように、知事に強く要望を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。   (窪田委員) 89: ◯質疑(窪田委員) 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の窪田泰久でございます。  湯崎知事の3期目の当選から、このたびの予算が初の当初予算ということでございます。また、御承知のとおり、来年の4月30日には平成の時代が終了し、翌5月1日には新しい時代へと突入するわけでございます。よって、平成30年が平成の時代を丸々1年過ごせるという、実質平成最後の年であると思っておりますし、平成最後の広島県予算であるとも思っておりますので、後々振り返って見たときに平成を締めくくるのにふさわしい予算であったということを切に願いながら、そして、次の時代へとつながるような御答弁を心から期待を込めて、早速質問に入らせていただきたいと思います。  まず、地域課題について、2点ほどお伺いいたします。  出島の産業廃棄物処分場について、まずお尋ねいたします。  平成26年6月に、出島の沖に産業廃棄物処分場が供用を開始しました。県と地元の関係の町内会、社協と、10年間でこの処分場をいっぱいにするという約束を結んで開始されました。ですが、お話を聞く限り、丸4年が近づこうとしている現在においても、埋め立て率が低い状況であると伺っております。このような状況が続いているのであれば、毎年度搬入状況を検証して対策を行ってきたのではないかと思います。  そこで、出島処分場供用開始後に、これまでの搬入状況の推移はどのようになっているのか、また、これまでどのような対策をとってこられたのか、環境県民局長にお伺いいたします。 90: ◯答弁環境県民局長) 出島処分場の搬入量の推移につきましては、平成26年度の供用開始から、年間5,000m3、1万5,000m3、3万m3と徐々に増加してきておりますが、依然として低い状況が続いております。  また、この間の対策といたしましては、平成27年度に処分料金の値下げ、平成28年度に大口割引制度の導入などを実施するとともに、市町等に対する文書での利用要請や多量排出事業者に対する粘り強い働きかけを行ってきた結果、民間の新規契約や多量排出事業者の搬入、自治体からの新規搬入が実現するなど、取り組みの成果があらわれてきており、これらは、来年度以降の搬入量増加に反映するものと見込んでおります。 91: ◯質疑(窪田委員) いろいろな取り組みをして、毎年度少しずつではありますが処分量がふえていっているという御答弁でございまして、そう捉えさせていただきたいと思いますが、4年が経過しようとしておりまして、このままのペースでは計画どおりの埋め立ては到底見込めないものであると思っております。  今後、広島市内また広島県内ではたくさんの大型の公共事業も見込まれております。そして、残土や瓦れき、廃棄物を見込んで計画的、効率的に確保していくことはできないものかと思っております。  そこで、平成36年の6月の稼働期間終了に向けては、あらゆる方策を検討して利用を促進していく必要があると考えておりますが、残り6年余りの期間でどのようにして計画を達成しようと考えておられるのか、改めて環境県民局長にお伺いいたします。 92: ◯答弁環境県民局長) 今後の確保策といたしましては、まず、民間事業者が県内に埋め立てている管理型廃棄物を対象に、出島処分場の利用を促すため、現在、複数の事業者と具体的な協議を進めているところでございます。  また、廃棄物以外の埋め立て用材の確保にも取り組んでおり、国、県、市町の公共事業担当部局に文書で要請した結果、来年度から、トンネル工事で発生する建設残土が新たに搬入されることとなっております。  このほか、今後新規に設置される施設から発生が見込まれる廃棄物や、大規模な公共工事から発生するしゅんせつ土など、あらゆる方策を検討することとしており、引き続き、環境保全公社と連携し、10年間での埋め立て完了に向けて、全力で取り組んでまいります。 93: ◯要望質疑(窪田委員) 思えば、供用を開始する前、陸上搬入か海上搬入かということでも問題になりましたし、また、騒音であるとか悪臭であるとか、大気の環境であったり、水質であったり土壌であったり、また、景観に至るまでいろいろな周辺の環境への配慮を調整しながら、ようやく供用開始された、ハードルを乗り越えたのですが、ここに来てなかなか処分量が思うようにいっていない、そして、今、環境県民局長のお答えの中で、しっかりと約束の10年を守りながら最大限の努力をしていただくと私は受けとめました。この10年間という約束の重みは非常に大きいものでございますので、あらゆる方策を尽くして、目標に向けて努力していただきたいということを要望して、この質問を終わります。  次に、旧陸軍被服支廠についてお伺いいたします。
     残りわずかとなった広島の被爆建物の中でも、特別な存在だと思うのが旧陸軍被服支廠であります。巨大な倉庫が4棟現存し並び続くれんが壁は、かつて軍都と呼ばれた広島の様子やスケールを感じさせます。被爆時には、爆心地から距離があったことから、一部損壊しつつも建物は残り、戦後は学校の教室や倉庫、広島大学の学生寮などとして使用されました。現在では、爆風で曲がったままの多数の鉄扉など、被爆の実相を知ることができる貴重な被爆建物として、平和学習の場などに活用されております。  また、被服支廠は建築的な視点で見ても、日本最古級の鉄筋コンクリート造である点で、非常に歴史的価値が高いと言われております。しかしながら、震災を経験していない時期に建てられた建物であるため、耐震性の問題が利活用を難しくしております。  御承知のとおり、この被服支廠の保存や活用については、県において長年の懸案事項となっており、これまでにもいろいろな議論がありましたが、今年度、改めて安全性についての調査が実施され、先般、その結果が報告されたところであります。  この調査結果に基づいて、県は来年度当初予算案に建物の劣化防止に必要な補修方法を検討するための調査費などを計上しておられます。将来的な保存あるいは利活用の方向性については、引き続き検討していくことだろうと思いますが、耐震性の問題もあることですので、できるだけ早期に決着をつけていただきたいと思います。  そこで、まず、被服支廠の問題の見通しについて、いつごろまでに結論を出されようとしておられるのか、総務局長にお伺いいたします。 94: ◯答弁総務局長) 旧広島陸軍被服支廠につきましては、今年度の調査により建物の耐震性が低く、また、建物の老朽化が進んでいることが改めて判明したところであり、この結果を踏まえ、本県といたしましては、劣化防止の取り組みを進めていくことを基本として、引き続き、調査・検討を行っていくこととしております。  来年度、まずは今回調査した爆心地から最も近い1号館につきまして、できるだけ外観を損なわないような補修手法を、専門家からの意見も踏まえ、検討し、年度内に具体的な取り組みを取りまとめたいと考えております。 95: ◯質疑(窪田委員) 調べてみますと、県が保存検討を始めたのが昭和55年、そして、平成5年に県の主催で保存活用方策懇話会というものが催されました。平成9年に瀬戸内海文化博物館構想、平成14年に国際的芸術文化拠点整備構想、エルミタージュ美術館分館を誘致する候補地となった。そして直近では、平成23年、平和公園の折り鶴の展示場所の候補地と検討された。いずれもかなっていないということで、40年近く検討されてきたけれども進んでいない状況でございます。  このように長い年月が経過しており、なかなか簡単に結論が出るものではないのかもしれませんが、いずれにせよ何の目的でどのように使いたいかという大きな方向性を決めなければ、今後のさらなる調査や議論の段階に進めないのではないかと思っております。  そこで、維持を中心とした保存をしていくのか、あるいは部分的であっても積極的に活用していくのかといった方向性について、現時点での御所見を総務局長にお伺いいたします。 96: ◯答弁総務局長) 旧広島陸軍被服支廠につきましては、今回の調査の結果、一つ一つの部屋が大きいことなどから、建物の耐震性が低く、内部を活用するための耐震改修には多額の費用が必要なことが改めて判明したところであり、このことも踏まえ、劣化防止に向けた取り組みを進めていくことを基本と考えております。  今後の活用に向けましては、来年度、具体的な補修手法を検討する中で、平和学習の場としての活用も念頭に、建物の周辺の環境整備も検討を行ってまいりたいと考えており、広島市や隣接する4号館を所有する国との連携を図りつつ、関係する方々の御意見もお伺いしながら検討を進めてまいります。 97: ◯要望質疑(窪田委員) この被服支廠が位置する出汐町でございますが、ちょうど国道2号を挟んだ向かい側が段原地区ということで、段原地区は、御承知のとおり比治山の影に隠れて被爆の難を逃れた場所でございまして、長年古い町並みのままとなっておりましたけれども、平成7年に再開発がスタートして、今では見違えるような町になっておりますし、また、被服支廠の隣接地に南警察署が移転するという計画も進んでおります。周りの風景がどんどん変わっていく中で、被爆からずっとたたずまいを残して、非常に価値のあるものでございますので、しっかりと保存していただきながら、また、権益にかなうようであれば、利活用もしっかりと考えていただきながら、早期に方向性を定めていただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。  次に、アーバンスポーツ世界大会、FISEについてお伺いいたします。  2月末の新聞記事に、4月上旬に広島市内で開催されるアーバンスポーツの世界大会、FISEに関する記事の掲載がございました。開幕まで残り約1カ月となっても、地元でのPRが十分に行われていないという内容でありました。  プロモーションについては、主催団体の主導で3月から集中的に実施されるとのことでしたが、来場者の見込みが10万人とされている割には、いまだに大会の全容や魅力が十分に周知されていないように感じられます。本大会の日本国内の開催は初めてであり、また、7種目のうち3種目が2020年東京オリンピックの正式種目にも採用されているということですので、国内や海外からも非常に注目される大会になると思いますし、広島をプロモーションする絶好の機会であるとも思っております。  県は、平成30年度当初予算案に、本大会への負担金として5,000万円を計上されておられますが、受け入れ側として今回の大会ムードをどのように盛り上げようとしておられるのか、また、記事には本大会を起爆剤として、広島をアーバンスポーツの聖地にしたいとのコメントもあり、FISEといえば広島と言われるほどに定着すればいいと思っております。  今後の観光振興における大きな魅力の一つになることも期待されておりますことから、アーバンスポーツの聖地化に向けてどのように取り組まれるのか、簡潔明瞭な答弁ということでございますが、大会のPRも含めて知事にお伺いいたします。 98: ◯答弁(知事) 日本で初開催となりますFISE広島2018は、入場無料でスポーツを楽しむという新しいコンセプトのもと、スポーツと音楽、食のフェスティバル形式で運営され、欧米を中心に50万人を超える集客実績を上げており、広島での開催におきましても10万人の来場が見込まれております。  さらに、大会映像は世界50カ国へ配信される計画でございまして、本県にとりまして世界最高峰の競技を間近で体験できる貴重な機会であるとともに、国内外へのプロモーションや県内への実需の面で地域の活性化に大きく貢献すると考えております。  このため、スポーツ、観光、経済、教育などさまざまな分野での効果が実感できるよう、県内推進組織を立ち上げ、これまでに会場内における競技体験、選手交流の場の確保や前夜祭での神楽の上演プログラムの実施、また、交通事業者と連携した定額周遊券の販売、商店街等と連携した協力セールの実施など、活性化に向けたさまざまな取り組みが具体化しております。  また、県内での大会周知につきましては、既に大学、小・中・高校、スポーツ施設等、県内4,000カ所を超える施設でポスターやリーフレットの配布を進めており、3月中旬から大会までの間は、県内民放4局を初めとするさまざまな媒体を通じて、一斉キャンペーンを展開することとしております。  また、アーバンスポーツの聖地化に向けた取り組みにつきましては、今回の開催決定に当たりまして、平和の象徴として世界的知名度を持つ広島での開催は、大会コンセプトである未来の平和のかけ橋となる若い世代の育成に大きく貢献し、大会の価値を高めることにつながることから、既に主催者側からは、次年度以降の継続開催の意向が表明されております。  このため、大会の開催を契機に、新たな広島の価値を積極的に世界へアピールするよう、主催者側と調整を進め、大会プロモーションや大会映像に、原爆ドームと厳島神社の2つの世界遺産など、広島を象徴するコンテンツを積極的に取り入れて、世界50カ国へ放送されることとなっております。  聖地化につきましては、欧米を中心に人気の高いアーバンスポーツの日本初の世界大会の開催地として、今後、国内外の多くの方々の共感が得られるよう、中長期的な視点に立って考えていくことが必要となりますが、まずは直前に迫った大会の成功に向けて、主催者と緊密に連携しながら、広島の価値を広くアピールするとともに、万全の準備を進めてまいります。 99: ◯要望質疑(窪田委員) さきの平昌オリンピックの熱気の余韻を残しながら、4月、FISEに突入していくわけであります。絶好のタイミングだと思っておりますし、知事からもしっかりとPRをいただきました。  一つつけ加えさせてもらうと、ホームページを見ておりますと、ファッションと食と音楽が一体となったスポーツということで、グルメに関しても広島産の食材、広島牛や広島かきも振る舞われるというようなことで、観光面でもしっかりとPRできると思っています。特に、サブカルチャーという決してメジャーではないスポーツでありますけれども、裏を返してみれば本当に好きな人が集まってくる、お金を惜しまない、消費機会の増につながることも期待されておりますし、知事の御答弁の中で平和ということがございましたけれども、市民球場の跡地ということは、バックが原爆ドームでございますので、原爆ドームを背景に選手が躍動している姿も、世界に配信されるのではないかという点において、観光と平和という両面で広島が盛り上がるのではないかと期待しております。ぜひ、最後までのPRをよろしくお願いいたします。  次に、中古住宅の建物状況調査についてお伺いいたします。  新築、中古を含めた住宅販売市場における中古住宅の流通シェアは、欧米諸国が7~8割であるのに比べ、日本は15%程度と極めて低い水準にあると言われております。日本の一般の消費者にとって中古住宅は、その状態や質に対する不安から購入の判断が難しく、敬遠されがちなのではないかと思います。  国においては、そういった消費者の不安を解消する手段として、専門家による建物状況調査、いわゆるインスペクションの活用が考えられており、この4月から宅地建物取引業法の一部を改正する法律が施行されることとなっております。  この法改正では、依頼者の意向に応じインスペクションを実施する場合、宅建業者が買い主に対してインスペクションの結果を説明することなどが義務づけられており、これによって買い主は契約の前に、基礎や外壁といった目に見える形で住宅の瑕疵の状態を知ることができるようになります。買い主に情報提供がされることで、住宅の適正価格の判断にもつながると考えられることから、中古住宅の流通が今後活性化していくことが期待されております。  そこでまず、県内における新築住宅との対比を含めた中古住宅の流通状況について都市建築技術審議官にお伺いいたします。 100: ◯答弁(都市建築技術審議官) 平成25年の県内の新築住宅着工戸数1万9,608戸に対し、中古住宅の取得戸数につきましては、住宅・土地統計調査に基づく国の推計によりますと、2,653戸、流通シェアは11.9%となっております。 101: ◯要望質疑(窪田委員) 新築住宅がどんどん建てられ、それに対して中古住宅がだぶついているというような印象は、常々持っておりました。欧米のような石文化でもないですし、湿気で家が傷むという日本の気候もありますし、そして、地震大国でもありますので、耐震基準もどんどんシビアになってくる、なかなか中古住宅が流通しない不利な状況であると思いますけれども、先ほど申しましたように建物状況調査で買い手にとって住宅の確かな価値が示される一つの基準になるのではないかと思っていますので、しっかりとインスペクションを活用していただきたいと思います。  続きまして、インスペクションを活用した空き家対策についてお伺いいたします。  少子高齢化に伴って、空き家の問題が深刻化する中、今回の法改正により中古住宅の流通が活性化すれば、空き家対策の一助にもなるのではないかと思います。  県においては、空き家対策として空き家バンクホームページによる情報発信や、地域の空き家再生のリーダーを育成するイノベーション研修会など、空き家の利活用促進に向けた取り組みを実施してきておられますが、これまでの空き家対策の進捗状況をどのように認識しておられるのか、また、それを踏まえて今回の法改正によるインスペクションを活用し、宅建業協会等と連携して新たな空き家対策を検討してはどうかと思いますが、都市建築技術審議官の御所見をお伺いいたします。 102: ◯答弁(都市建築技術審議官) 空き家バンクを利用した中古住宅の成約件数につきましては、賃貸契約の成約も含めまして、平成27年度は2,359件、平成28年度は3,736件、今年度は昨年と同期比約1.2倍で推移しており、これまでの空き家活用に向けた取り組みにより、少しずつ成果が出ていると考えております。  このたびの宅地建物取引業法の改正に伴うインスペクションの活用につきましては、中古住宅の流通につながるものと考えており、今年度から宅建業協会などと連携して、市町の担当者を対象とした勉強会を開始したところでございます。  今後は、空き家の活用を検討している地域の団体などに対しましても、インスペクションの周知、普及を図るなど、宅建業協会や各種団体との連携を強化し、中古住宅の流通促進や空き家対策の充実に取り組んでまいります。 103: ◯要望質疑(窪田委員) どうぞよろしくお願いいたします。  次に、所有者不明の土地の問題についてお伺いいたします。  人口減少・高齢化の進展により、土地利用ニーズが低下し、地方から都市部への人口移動に伴って、地方での土地所有意識が希薄化していることなどを背景に、所有者不明の土地が全国的に増加していることが問題となっております。  所有者不明土地とは、不動産の登記簿に名前があっても、何代も前の人のままになっていて、実際の所有者が直ちに判明しなかったり、判明しても所有者に連絡がとれないといった状態の土地を指しているそうですが、さまざまな場面で支障を来していると考えられております。  実際、私の家の近所にも不動産屋が開発した墓地がございまして、そこの擁壁が大分ぼろぼろになって崩れ落ちそうになってきているにもかかわらず、土地の所有者である不動産業者の所在がわからなくなっているために、区役所が住民の皆さんの要望に答えられず、現在も何も手をつけられない状態になっている事案もございます。登記上の所有者はわかっていても、名義者の実態がわからないために解決が困難になっている所有者不明土地問題の一つではないかと思います。  今後、団塊の世代の高齢化に伴って、大量相続時代に入ってくると、所有者不明土地がますますふえることは想像にかたくありません。  そこで、これまで県において、行政運営上支障を来した事例があれば、どのようなケースなのか、土木建築局長にお伺いいたします。 104: ◯答弁土木建築局長) 所有者不明土地であることによって行政運営上支障を来している事例といたしましては、道路や河川の整備、災害復旧など公共事業に伴う用地取得事務に係るものが挙げられます。  具体的には、事業用地の区域内に所有者不明土地があることから、用地取得事務に不測の時間を要し、事業が長期化する事例でございます。  このほか、道路の維持管理におきまして隣接土地の立木を除去する場合に、所有者が不明であることにより、その処理に時間を要した事例もございます。 105: ◯要望質疑(窪田委員) 今、局長が御答弁されたようないろいろな問題を受けて、国では公共事業における土地収用手続の改善を初め、所有者不明土地を円滑に利用する新たな仕組みを検討していると聞いております。具体的には、民間事業者などが地域住民のための公園や直売所などの公共的な施設を新たにつくる事業について、利用権を設定し、その土地を暫定的に利用できるようにするといった内容であります。都道府県知事の判断により、事業の公益性が確認されれば、企業やNPOなどの希望者に、10年間の土地利用権を設定できるということですので、これまで放置されていた土地の有効活用や、地域づくりにもつながるものではないかと考えております。  この新しい制度が創設された場合には、県としてもどのような所有者不明土地の活用策が考えられるのか、ぜひ検討していただきたいと思いますので、要望とさせていただきます。  次に、広島叡智学園についてお伺いいたします。  広島叡智学園においては、特色ある教育の一つとして国際バカロレア教育を導入しようとしておられますが、認定校を目指して中学校から徐々に英語による授業が実施され、高校ではほぼ全ての教科で英語による授業が実施されることになると聞いております。イメージとしてはインターナショナルスクールのような環境で、授業や学校生活が行われることになるのかと想像しております。  先日の本会議では、中学校の入学者選抜においては英語力の検査を行わないという教育長の御答弁がありましたが、今申し上げたような英語漬けの環境を想像しますと、帰国子女ですとか外国人の親を持つ子供など、ある程度英語に触れてきている子供を中心に応募者が集まるのではないかと思います。  そういった意味で、結果的に入学者選抜の時点で限られた応募者となってしまうのではないかと懸念しますが、入学時の選抜の考え方について、改めて教育長の御認識をお伺いいたします。 106: ◯答弁(教育長) 広島叡智学園は、将来、社会の持続的な平和と発展に向け、世界中のどこにおいても活躍できる人材の育成を目指し、高い語学力だけではなく、知識・技能の深い理解、創造的・批判的思考力、協働する力、やり抜く力・自信の5つの力を育成することとしております。  こうしたことから、来年度実施いたします広島叡智学園の入学者選抜におきましては、英語力は問わないこととし、この5つの力のもととなる主体的に学びたいという意欲や思考力、他者と協働する力などを、面接や2泊3日の合宿などを通して見てまいりたいと考えております。 107: ◯要望質疑(窪田委員) 改めて英語力を問わないというようなことでございますが、高校生レベルとなれば、物理や化学といった科目において学ぶ内容もより専門的になります。非常に高い英語力を身につけていなければ、授業に対応できないのではないかと想像いたしておりますが、全ての授業が英語で行われるという前提でカリキュラムが進められるとすれば、中学校からの短期間でそのような力を身につけることができるのだろうかという点が心配になります。また、高校からは外国人留学生も入学し、授業だけでなく生活面においても、コミュニケーション力を高め、適応していかなければなりません。  どの生徒も語学の面で取り残されることのないよう、適切にフォローしていく必要があると考えますが、授業においてだけではなく、学校生活全体を通じてどのように英語力を身につけて育成しようと考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。 108: ◯答弁(教育長) 広島叡智学園では、少人数による授業を行ったりオンラインにより外国人と個別に英会話を行ったりするなど、生徒の個々のレベルに応じた丁寧な指導を行い、実践的なコミュニケーション能力を育成したいと考えております。  中学校から段階的に英語力を育成するために、ウエブ会議システムなどを活用した海外の学校との交流や、県内の大学等の留学生との交流の場を設けたり、長期休業期間を利用したイングリッシュキャンプや海外への研修などを検討しております。  また、海外からの生徒が入学する平成34年度からは、学校生活のみならず放課後活動や寮生活におきましても、自然と英語で会話できる環境が整い、中高6年間を通して英語力を育むことができるものと考えております。 109: ◯要望質疑(窪田委員) 授業内容が英語ということでありますので、しっかりと英語力をつけるような取り組みをしてもらいたいと思いますし、英語とばかり言っておりましたけれども、先ほど学校案内のパンフレットを見させてもらいました。教育長の御答弁の中で、重点的に育成する力として、知識・技能の深い理解、創造的・批判的思考力、協働する力、やり抜く力・自信、そして高い語学力とありました。そちらもしっかりと進めていただきたいと思いますし、どんな学校なのかということも書いてありまして、はてなとびっくりマーク──エクスクラメーションマークを大事にする学校で、なぜとか知りたいとかいった学びの動機につながるものを引き出していこうというものがその根底にあると思っています。その部分をしっかりと大事にして、広島叡智学園の開校を進めていただきたいと思います。  次に、大学入試制度改革についてお伺いいたします。  2020年度から、現在の大学入試センター試験にかわり、新たに大学入学共通テストが実施されることとなっております。現在公表されている情報によりますと、大きな変更点といたしましては、これまで全てマークシート方式で実施されてきたものが、新テストでは国語や数学の一部で記述式問題が導入されるほか、英語で読む、聞く、話す、書くの4技能を、民間の試験で評価されるようになるとのことです。  文部科学省は、この大学の入試制度改革について、多様な背景を持つ受験者一人一人の能力や経験を多面的、総合的に評価するものに改革すること、また、今後、各大学の入学者選抜方法を、学力の3要素を多面的、総合的に評価するものへと転換することが必要と説明しています。学力の3要素とは、まず、知識・技能、次に思考力・判断力・表現力、そして主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を指しており、これはまさに現在の教育委員会が進めておられる学びの変革と同じ考えに立ったものだと思います。  受験生の立場を思えば、広島県において既に同じ方向性で教育が進められているという点で安心感がある一方で、やはり受検対策としては実際にどう記述式問題に対応するのかということは気になるところだと思います。また、記述式といいますと、マークシート方式と違って採点もなかなか難しいのではないかと想像します。  そこで、まずお尋ねしたいのは、記述式問題の採点・評価方法はどのようになるのか、また、その公平性はどのように確保されるのかという点について、どの程度把握しておられるのか、教育長にお伺いいたします。 110: ◯答弁(教育長) 国の大学入学者選抜改革の一環として行われます大学入学共通テストの導入に向けましては、今年度からその問題の構成、内容の工夫改善や採点方法等について検証を行うため、マークシート問題に加え、記述式問題による試行調査が実施されているところであり、採点方法等の具体的内容につきましては、現在、明らかになっておりません。今後、詳細な検討は行われるものとお聞きしております。  教育委員会といたしましては、引き続き、国の動向を注視してまいります。 111: ◯質疑(窪田委員) 次に、入試の採点や評価方法については、国の制度であるためそれに一定程度従うしかないと思いますが、逆を言えば、その模範回答に近づけるような教育を広島県がしていかなければならないのではないかと思います。  教育委員会が進めておられる学びの変革が、現時点でこの新しい入試にどこまで対応できていると認識しておられるのか、また、県立高校において受験対策としての記述問題への対策を、今後どのように対応しようと考えておられるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 112: ◯答弁(教育長) 大学入学共通テストは、高校教育を通じて大学教育の基礎となる知識・技能及び思考力・判断力・表現力が、どの程度身についたかを問うことを狙いとして出題されると聞いております。  本県では、平成26年度に策定いたしました広島版「学びの変革」アクション・プランに基づきまして、平成27年度から各学校で主体的な学びを促す教育活動の取り組みを進め、知識・技能の習得に加え、思考力・判断力・表現力も育成しているところであり、この取り組みはまさに平成32年度から実施されます大学入学共通テストの狙いと合致するものと考えております。  教育委員会といたしましては、本県において、平成30年度には学びの変革の全県展開をすることとしており、この取り組みをさらに充実させることで、大学入学共通テストにも十分に対応できるものと考えております。 113: ◯要望質疑(窪田委員) 柔軟に、しっかりと対応していただきたいと思います。  次に、広島市内の県立高校と市立高校の学級規模についてお伺いいたします。  先日発表された公立高校全日制の一般入試志願者数を見てみますと、志願者数が定員に達しない、定員割れとなっている学校、学科は、41校57学科にも上っております。前年度が35校54学科であったことを踏まえますと、やはり少子化の影響の波が押し寄せていることを実感せずにはいられません。このような状況は今後ますます加速し、地域間、学校間の生徒数の差が拡大していくように思います。  また、質の面においても、かつては合格者を学区内の高校に振り分ける総合選抜制度により、学校間の学力の均質が図られましたが、1998年の制度廃止後、その狙いである特色ある学校づくりのもとに、それぞれの学校で学力向上への重点化や特徴ある学校の設置、環境整備の充実などが図られ、少しずつ学校間に違いが出てきているのだろうと思います。  広島市のかつて旧市内6校と呼ばれていた県立高校、市立高校の普通科について申しますと、県立高校に比べて市立高校のほうが生徒数の規模が比較的大きく、結果的に大学への進学者数などにも違いが出ていることから、より市立高校に人気が集まってきているのではないかと感じております。  昨年11月の決算特別委員会においても質問いたしましたが、教育長からは、旧市内6校の学級規模の問題を認識し、均衡を図るよう広島市に働きかけていくという御答弁をいただいたところではありますが、県全体で生徒数が縮小する中では、やはり学級規模の設計の考え方について、県、市で共通認識を持つべきだと考えますが、改めて教育長の御認識をお伺いしたいと思います。 114: ◯答弁(教育長) 県立高等学校の入学定員につきましては、1学年4学級から8学級の範囲単位を基本として、毎年度学校が所在する地域の中学校生徒数の増減や、近年の入学者数の状況などを踏まえて設定しております。  一方で、広島市立高等学校の入学定員につきましては、広島市教育委員会の権限と責任において設定しているところであり、その結果、県の定める適正規模の範囲を超えている学校がございます。  県立と市立の高等学校の間で、大きく学級規模が異なることは課題であり、これまでも広島市教育委員会に対しまして、県立と市立の高等学校の間で学級規模の均衡を図るよう、毎年、強く申し入れをしているところでございます。  教育委員会といたしましては、県市間において、広島市内の公立高等学校の学級規模の考え方について共通認識を持つべきものと考えておりまして、引き続き、均衡が図られるよう、広島市教育委員会としっかり協議してまいりたいと考えております。 115: ◯要望質疑(窪田委員) 旧市内6校は総合選抜ということでありまして、学区内の複数の学校を一つの学校として捉えるという考え方です。私も総合選抜時代の人間であります。今よりも子供が多かった時代、団塊の世代、またそのジュニア世代の中学生があぶれることなく自分の希望した学校に同じテストを受けて、なおかつ学校間の学力の差が出ないように均質化していくというような時代でありました。振り返ってみると、背景には受験競争の問題があったり、結果として学力の低下を招いたといったこともあったと思いますが、それは置いておいて、旧市内6校という1つの学校という世代にとっては物すごく違和感を感じることであります。  実際に中山間地域の小規模校であったり、統廃合される学校に比べたら、何をぜいたくな悩みを言っているのかと言われるかもしれません。また、問題の質が違うと捉えておりますし、政令市の中において県立高校はどうあるべきなのかというあり方、位置づけの問題であると思います。受験者にとって、親にとっても県立か市立かというくくりではなくて、公立であるということであると思いますし、クラスの規模で申しますと、県立高校が市立高校と同じスタートラインに立てていないと、やっぱり悔しいと感じております。  先ほど教育長が御答弁の中で、市に対して強く言われているということでしたので、引き続いてよろしくお願い申し上げます。  最後に、AIやIoTを活用した実証事業についてお伺いいたします。  第1次産業革命は蒸気機関の発明による機械化、第2次産業革命は電気エネルギーによる大量生産、第3次産業革命はコンピューターによる自動化と、産業技術は目覚ましく発展を遂げ、そして、今、AIやIoTといった第4次産業革命が到来しようとしております。  チェスや将棋は、既にコンピューターが人間を上回り、囲碁も世界チャンピオンに勝つほどの知能を有するようになりました。今後、AIがさらに知能の高いAIを生み出し、それを繰り返し2045年にはAIが人類の知能を超えるとの予測もあるようですが、それは一体どんな世界なのか、想像がつきません。身近なところでは、スマートフォンの音声応答やグーグル検索などでもAIが活用され、IoTでは家の中の家電製品などの遠隔操作ができるなど、だんだんと私たちの生活にも影響を感じられるようになってきましたが、今後、さらに技術が発展したとき、産業や社会にどのような変化をもたらすのか、なかなか想像がつきません。  しかし、県内企業を初めとした地域産業においても、このような時代の流れに乗りおくれることなく適応していかなければ、地域間競争を勝ち抜いていくことができなくなると思います。また、先日の新聞報道によりますと、国はAI関連の予算として総額770億円を計上し、前年度比で3割の増額、過去最大の予算となっているようですが、それでもアメリカや中国に比べると、その6分の1、5分の1以下であり、随分おくれをとっている感がございます。このため、国の主導を待つだけではなく、地方みずからが関連産業に力を入れ、開発や実証を進めていくことで、地域の活力や発展につなげていく必要があると思います。  そうした中、県においては来年度の第4次産業革命関連の予算事業として、地域産業IoT等活用推進事業において、実証実験の場を構築することとされております。  この事業では、実験のテーマ例として、ストレスフリー観光や生産性向上の指数化などが挙がっておりますが、これらのプロジェクトでは、具体的にどのようなことが実証できるのか、また、有効な実証結果が得られた場合、どのように企業や産業の活性化につながるのか、知事にお伺いいたします。 116: ◯答弁(知事) AIやIoTを活用した実証実験におきましては、産業活動や社会生活における人や物のリアルな動きや状態をデータで見える化することにより、これまでにない付加価値の発見や生産効率の向上など、新たなソリューションの創出が期待できるものでございます。  例えば、実験のテーマ例で申し上げますと、観光におきましては、広島を訪れた旅行者が待ち時間なく快適に旅をしていただくために、旅行者の動向をリアルタイムで把握し、駐車場や飲食店等の受け入れ環境をデジタル化することにより、ストレスフリー観光を実現する最適なサービスのあり方を検証するものでございます。  また、生産性向上につきましては、現場の見える化により、業務の省力化や生産性を上げる職場環境の見直しなど、働き方改革にもつながる仕事のモデル化を試みるものでございます。  こうしたさまざまなテーマの実証実験を通じ、県内外の企業や人材が集まり、試行錯誤することにより、知見やノウハウが蓄積されることが期待できるものでございます。  県といたしましては、このような試行錯誤を通した県内企業による新たなサービスの展開などを後押しすることにより、県内産業の持続的な成長につなげてまいりたいと考えております。
    117: ◯要望(窪田委員) 最先端の技術でございますので、他県に負けないように知事のリーダーシップで引っ張っていっていただきたいと思っております。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。  (6) 閉会  午後2時44分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...