広島県議会 2010-03-09
2010-03-09 平成21年度予算特別委員会(第3日) 本文
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予算特別委員会(第3日) 本文 2010-03-09 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : ◯質疑(
高木委員) 選択 2 : ◯答弁(知事) 選択 3 : ◯質疑(
高木委員) 選択 4 : ◯答弁(知事) 選択 5 : ◯質疑(
高木委員) 選択 6 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 7 : ◯質疑(
高木委員) 選択 8 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 9 : ◯質疑(
高木委員) 選択 10 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 11 : ◯質疑(
高木委員) 選択 12 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 13 : ◯要望・質疑(
高木委員) 選択 14 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 15 : ◯要望・質疑(
高木委員) 選択 16 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 17 : ◯質疑(内田委員) 選択 18 : ◯答弁(
企画振興局長) 選択 19 : ◯質疑(内田委員) 選択 20 : ◯答弁(知事) 選択 21 : ◯要望・質疑(内田委員) 選択 22 : ◯答弁(知事) 選択 23 : ◯要望・質疑(内田委員) 選択 24 : ◯答弁(知事) 選択 25 : ◯要望・質疑(内田委員) 選択 26 : ◯答弁(土木局長) 選択 27 : ◯質疑(内田委員) 選択 28 : ◯答弁(土木局長) 選択 29 : ◯要望(内田委員) 選択 30 : ◯質疑(金口委員) 選択 31 : ◯答弁(知事) 選択 32 : ◯要望・質疑(金口委員) 選択 33 : ◯答弁(知事) 選択 34 : ◯質疑(金口委員) 選択 35 : ◯答弁(知事) 選択 36 : ◯要望(金口委員) 選択 37 : ◯質疑(
高木委員) 選択 38 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 39 : ◯質疑(
高木委員) 選択 40 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 41 : ◯要望・質疑(
高木委員) 選択 42 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 43 : ◯質疑(高木委員) 選択 44 : ◯答弁(知事) 選択 45 : ◯質疑(高木委員) 選択 46 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 47 : ◯質疑(高木委員) 選択 48 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 49 : ◯質疑(高木委員) 選択 50 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 51 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 52 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 53 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 54 : ◯答弁(病院事業管理者) 選択 55 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 56 : ◯答弁(警察本部長) 選択 57 : ◯質疑(高木委員) 選択 58 : ◯答弁(警察本部長) 選択 59 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 60 : ◯答弁(警察本部長) 選択 61 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 62 : ◯答弁(総務局長) 選択 63 : ◯質疑(高木委員) 選択 64 : ◯答弁(総務局長) 選択 65 : ◯質疑(高木委員) 選択 66 : ◯答弁(総務局長) 選択 67 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 68 : ◯答弁(総務局長) 選択 69 : ◯要望・質疑(高木委員) 選択 70 : ◯答弁(総務局長) 選択 71 : ◯質疑(
高木委員) 選択 72 : ◯答弁(総務局長) 選択 73 : ◯質疑(
高木委員) 選択 74 : ◯答弁(総務局長) 選択 75 : ◯要望・質疑(
高木委員) 選択 76 : ◯答弁(総務局長) 選択 77 : ◯要望・質疑(
高木委員) 選択 78 : ◯答弁(総務局長) 選択 79 : ◯質疑(森川委員) 選択 80 : ◯答弁(知事) 選択 81 : ◯意見・質疑(森川委員) 選択 82 : ◯答弁(知事) 選択 83 : ◯要望・質疑(森川委員) 選択 84 : ◯答弁(知事) 選択 85 : ◯要望・質疑(森川委員) 選択 86 : ◯答弁(
企画振興局長) 選択 87 : ◯質疑(森川委員) 選択 88 : ◯答弁(
企画振興局長) 選択 89 : ◯質疑(森川委員) 選択 90 : ◯答弁(
企画振興局長) 選択 91 : ◯要望・質疑(森川委員) 選択 92 : ◯答弁(
企画振興局長) 選択 93 : ◯要望(森川委員) 選択 94 : ◯質疑(井原委員) 選択 95 : ◯答弁(総務局長) 選択 96 : ◯質疑(井原委員) 選択 97 : ◯答弁(総務局長) 選択 98 : ◯質疑(井原委員) 選択 99 : ◯答弁(総務局長) 選択 100 : ◯質疑(井原委員) 選択 101 : ◯答弁(総務局長) 選択 102 : ◯意見・質疑(井原委員) 選択 103 : ◯答弁(総務局長) 選択 104 : ◯意見・質疑(井原委員) 選択 105 : ◯答弁(総務局長) 選択 106 : ◯質疑(井原委員) 選択 107 : ◯答弁(総務局長) 選択 108 : ◯質疑(井原委員) 選択 109 : ◯答弁(総務局長) 選択 110 : ◯質疑(井原委員) 選択 111 : ◯答弁(総務局長) 選択 112 : ◯質疑(井原委員) 選択 113 : ◯答弁(総務局長) 選択 114 : ◯要望・質疑(井原委員) 選択 115 : ◯答弁(有岡副知事) 選択 116 : ◯質疑(井原委員) 選択 117 : ◯答弁(有岡副知事) 選択 118 : ◯質疑(井原委員) 選択 119 : ◯答弁(有岡副知事) 選択 120 : ◯質疑(井原委員) 選択 121 : ◯答弁(知事) 選択 122 : ◯意見(井原委員) 選択 123 : ◯質疑(森川委員) 選択 124 : ◯答弁(総務局長) 選択 125 : ◯質疑(森川委員) 選択 126 : ◯答弁(総務局長) 選択 127 : ◯質疑(森川委員) 選択 128 : ◯答弁(総務局長) 選択 129 : ◯要望・質疑(森川委員) 選択 130 : ◯答弁(土木局長) 選択 131 : ◯質疑(森川委員) 選択 132 : ◯答弁(土木局長) 選択 133 : ◯要望・質疑(森川委員) 選択 134 : ◯答弁(土木局長) 選択 135 : ◯要望・質疑(森川委員) 選択 136 : ◯答弁(総務局長) 選択 137 : ◯質疑(森川委員) 選択 138 : ◯答弁(総務局長) 選択 139 : ◯要望(森川委員) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 6 会議の概要
(1) 開会 午前10時30分
(2) 記録署名委員の指名
(3) 質疑・応答
(
高木委員)
◯質疑(
高木委員) 自由民主党広島県議会刷新議員会・県民会議の高木でございます。平成22年
予算特別委員会の最初の質問者としての機会をいただきました先輩、同僚議員の皆さんに心から感謝を申し上げます。
ところで、けさびっくりいたしました。私は志和に住んでおりますが、朝起きたら一面の銀世界でありました。どうやってここへ来ようかと非常に心配いたしましたが、何とか間に合いました。どこかの大臣のようにおくれたらどうしようかというふうに思いましたが、助かりました。外は雪でありますが、質問が滑らないように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
湯崎知事は、本定例会初日に、広島県の持つ底力を最大限に引き出し、あらゆる分野で新たな活力を生み出すためのさまざまな挑戦を行うことを政策理念とするとの所信を述べられました。現下の厳しい経済情勢の中、知事就任からわずかな期間の中で湯崎カラーを打ち出した苦心の予算であり、私としては全体として評価いたしております。
さて、昨年の政権交代によりまして政策が大きく変わってきております。特に農業政策は激変しており、現場には大きな不安と混乱が広がっております。農村部では既に平成22年産米の春作業も始まっており、まさに待ったなしの状況にあります。このことから、最初に、私のライフワークでもあります農業問題を中心にお尋ねしたいと思います。
この世の中にはあきらめてはならないことがあり、失ってはならないものがあります。命と、生存のための食料と、それを育ててくれる人々と、大切な農地の存在であります。そして、その中心はお米です。お米が村をつくりました。お米が国をつくりました。お米が私たちの文化を育てました。お米とともに家族の暮らしと歴史がありました。そのお米を失うことは、私たちの最も大切なものを失うことになるのです。これは、民俗研究家の結城登美雄氏という方が「地元学からの出発」という著書の中で書き著された一節であります。私の思いも全くこのとおりであります。
最初に、湯崎知事の農業に対する思いについて伺います。知事のこれまでの経歴は、東大から通産省、海外留学、ベンチャー企業の成功と、すばらしいものがあろうかと思います。ただ1点、知事の経歴からは農業との接点がうかがえないことから、農業者の中に一抹の不安もあります。そこで、知事自身の農業とのかかわり、また、本県農業のあるべき姿をどのように考え、今後どのように施策を展開されようとしておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
2: ◯答弁(知事) 私は、4年ほどカリフォルニア州に住んでおりました。アメリカは大農業国でありますけれども、大中小の農業経営者が経営的な工夫、そして大きな意欲を持って農業に取り組んでいらっしゃる姿を拝見したことがございます。私としては、産業として自立できる農業を実現するためには、地域における意欲的・主体的な取り組みを重視して施策を展開することが重要であると考えております。私自身、「湯崎英彦の宝さがし」という形で各地域の御意見を伺っているところでございますが、北広島町と三原市を訪問した際には、農業者の方とも意見交換を行って、新規就農者の育成・確保やブドウなどの付加価値の高い作物の導入の重要性などについて御意見を伺ったところでございます。
今後ともこうした現場の声をお聞きしながら、市町や農業団体などで構成する地域の戦略組織で策定された将来ビジョンに基づきまして、集落法人等の担い手の経営の高度化、経営感覚にすぐれた人材の育成や確保、農産物の生産、流通、販売体制の強化など、農業の構造改革に向けての施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。
3: ◯質疑(
高木委員) アメリカでの体験をお話いただきましたが、ぜひ日本でも農業の体験をしていただきたいと思います。今度知事公舎に移られるというふうに聞いておりますが、非常に広い敷地がございますので、一隅で家庭菜園というものをしていただいて、植物を育てる楽しさというのを味わっていただければ、また農業に対する思いも深くなってくるのではないかと思いますが、もう一度その点についてお答えいただきたいと思います。
4: ◯答弁(知事) 私も農業、ないしは菜園にはぜひトライしたいと思いますが、公舎、日当たりが非常に悪いので、日当たりが悪いところでも育つものをぜひ教えていただければと思います。
5: ◯質疑(
高木委員) 日当たりの悪いところには物は育ちませんので、日当たりのいい市民農園かどこかでしていただければというふうに思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。国は農村整備費を来年度予算で大幅に削減しております。民主党の小沢幹事長は、全国民の声と称して、農業農村整備事業費を対前年度比36.9%へと激減させております。全国民とはだれのことかよくわかりません。私も国民の一人だと思うのですが、相談を受けたことはないのであります。そうした中、中山間地域での社会資本整備はまだまだこれからであり、事業継続が何より重要であると思います。「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズは聞こえはいいですが、社会資本整備を怠れば、結果、人が住めなくなり、集落は崩壊してしまいます。現実を無視した国の予算案による本県の農村整備費予算についてどの程度影響があるのか、
農林水産局長にお伺いいたします。
6: ◯答弁(
農林水産局長) 国の農業農村整備予算が大幅に縮減されておりますことから、全事業をコスト縮減や事業効果の早期発現などの視点で見直しました上で、さらに地区によっては進度や採択時期の調整をせざるを得ないと考えております。
7: ◯質疑(
高木委員) 圃場整備地区とかそういう地域では、私は非常に困ったことになっているというふうに思っております。そこで、別枠で農山漁村地域整備交付金というのが用意されております。このことについて若干お尋ねしたいと思いますが、国の新年度予算案では、先ほど言いましたように農村整備費は対前年度比36.9%と激減しておりますが、林業費、水産業費はそれぞれ対前年度比70%前後でありまして、大幅な削減にはなっておりません。このようなことから、この1,500億円用意されております農山漁村地域整備交付金、これをすべて農村整備に投入すれば全体として63%前後となり、余り林業費、水産業費との差がなくなります。
そこでお尋ねいたしますが、この1,500億円の交付金の配分として、本県にはどの程度が配分されるのか、また、配分されたお金を私としてはすべて農村整備費のほうに投入するべきだと思いますが、
農林水産局長の考えをお伺いいたします。
8: ◯答弁(
農林水産局長) この交付金の各県への配分額はまだ示されておりませんけれども、来年度の本県の農業農村整備事業予算につきましては、この交付金を見込むなどいたしまして、対前年度比62%で提案させていただいているところでございます。
また、この交付金は、都道府県が農林水産関係の公共事業を自由に選択し、そしてみずからの裁量によって地区ごとに配分することや、地区間、施設間で融通することが可能とされております。
こうした中で、本県の来年度予算につきましては、農林水産業の基盤整備を総合的に推進するため、それぞれの事業について所要の額を計上させていただいております。
9: ◯質疑(
高木委員) ないそでは振れないということでなかなか厳しいとは思いますが、ぜひお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
農作業事故撲滅のための対策についてお伺いいたします。
去る2月17日、アステールプラザにおきまして広島県農作業事故撲滅推進大会というのが開催されました。日本ではこれまで農作業事故について余り語られてこなかったように思います。系統立てたデータ収集もなされていないのが現状であります。こうした状況の中、農家の高齢化の進行、農機具の大型化とそれに対する環境整備のおくれなどにより農作業事故が多発し、危機的な状況にあります。平成19年の農作業死亡事故者数は全国で397人に上っております。死亡事故発生率は全産業平均の5倍近くになっております。広島県で見てみますと、平成19年には22名の方が亡くなっておられます。これは全国ワーストワンと非常に悲しい記録となっております。
農作業事故の発生件数は県の調査でも平成20年度で888件発生したと記録されておりますが、これは氷山の一角であろうと思います。年齢別では60歳以上の方の事故率が82%を占めております。また、死亡、骨折、切断、この3つの重大事故の割合が全体事故率の3割を占めているという現状もございます。悲惨な事故を防ぐ対策が急務となっていると思います。
その一方で、本県では175の集落法人が立ち上がっておりますが、多くのオペレーターが大型の農業機械で作業に従事しており、一たん重大事故を起こすと労災倒産ということにもなりかねません。このような状況にあっても農業者、集落法人経営者、JA、国を初めとする県、市町の行政関係者、いずれも安全対策ということに対する認識が低いと言わざるを得ません。そこで、広島県としては農作業事故撲滅のための対策を今後どのように進めようとしておられるのか、
農林水産局長にお伺いいたします。
10: ◯答弁(
農林水産局長) 農作業事故撲滅のためには、日ごろから農作業の安全についての認識を深め、事故の危険因子を取り除くことが重要でございます。具体的には、始業前の点検や機械を安全装置つきのものへ更新すること、あるいは危険箇所を洗い出し、その対策を立てることなどに取り組む必要がございます。このため、JAグループが中心となり、県も共催いたしまして、先ほど委員御指摘の広島県農作業事故撲滅推進大会を初めて開催いたしまして、3年後の農作業事故ゼロを目指した農作業事故防止・安全啓発活動に取り組むことといたしました。今後ともJAグループや県集落法人連絡協議会等関係機関と連携いたしまして、事故データの収集・分析を行いますとともに、機械操作の講習や研修会の開催などを通じて、農作業事故の防止に向けた取り組みを進めてまいります。
11: ◯質疑(
高木委員) 農作業事故というのはけがの程度も非常に大きくなる、また、死亡にも直結するという非常に厳しいものがございます。そうした中にありまして、日本は過去40年間この死亡者数というものを減らすことができておりません。それに対し、欧州の国々では同じ期間に農業専門の安全検査官という制度を置くといったいろいろな対策を講じて、劇的に死亡者数を減らしてきております。局長が先ほど言われましたが、言葉の時期は過ぎた、行動しないといけない時期だというふうに思います。そして、農作業事故防止対策は、従来のそれぞれ個人の責任ということでは限界があると思います。社会全体、また地域ぐるみで安全な状況をつくり出す努力が必要だろうと思います。そういう中で農村整備費、先ほど申し上げましたが、大幅に削減をされているという厳しい状況の中ではありますが、狭い道路の隅切りを広げるとか、ガードレールを設置するとか、また田んぼへの昇降路の幅を広げるとか、こういうハード面での安全対策も欠かすことができないと思います。まさに、コンクリートが人を守り、命を守ると私は思いますが、もう一度
農林水産局長の決意をお聞かせください。
12: ◯答弁(
農林水産局長) 農作業事故の大変さというものを私どもも認識いたしております。したがいまして、先ほど申し上げましたように県内で初めて撲滅の推進大会をJAグループとともに開催いたしました。あらゆる研修会等を通じまして、農家の皆様方を初め、県民の皆様方に農作業の安全性について意識を持っていただく啓発活動にも全力で取り組んでまいりたいと思っております。
13: ◯要望・質疑(
高木委員) これまで、県のほうからは営農指導とかいろいろなそういう部分での支援というものはありましたが、安全ということについてはこれまで余りしてこられなかったのだろうと思います。これから、県の職員の中にも、安全を専門に農村へ入って指導していただけるような人をつくっていただければありがたいと思いますので、御検討いただきたいと思います。
次の質問に移ります。私は、先ほども言いましたが、地域農業を担う者の一人として農作業事故を耳にするたびに本当につらい気持ちになります。これまで地域で営々と築き上げてこられた資源である農地、水路、農道などが過疎化・高齢化の進行の中で事故を契機にさらに十分な管理がなされなくなり、農業が衰退することや安全がおろそかになることを強く懸念しております。安全対策はまさに待ったなしであります。
農村整備費が期待できない中での対応を考えるとき、中山間地域等直接支払制度や農地・水・環境保全向上対策を活用することも考えていかなければならないというふうに思います。しかしながら、広島県では農地・水・環境保全向上対策を実施するに当たり、いわゆる担い手要件を設定し、集落法人などの担い手が中心となって営農する地域に限って支援がなされてきました。ちなみに広島県の平成20年度の取り組み状況は3,688ヘクタールで、全国43位、また面積の割合で見ますと6%で全国45位、下から3番目ということになりますが、下の2つは東京都と神奈川県でありますから、実質一番少ない状況になっております。そういう中で、知事は先日の野村議員の一般質問への答弁で、支援対象の拡大を検討するという前向きな答弁をされましたが、どのような視点で検討されるのか、
農林水産局長にお伺いします。
14: ◯答弁(
農林水産局長) 農地・水・環境保全向上対策事業は、集落法人などの担い手が中心となって永続的な農業経営が行われる地域において有効に機能するものと考え、支援しているところでございます。しかしながら、将来的に担い手が中心となった営農への移行が必要なことは理解されておりますものの、合意形成に時間を要している場合も多くございます。
こうしたことから、地域において、水路、農地を適切に維持管理する共同活動などを通じて合意形成を促し、集落法人などの担い手が中心となった営農につなげる視点で支援対象の拡充を検討してまいりたいと考えております。
15: ◯要望・質疑(
高木委員) 広島県の独特な考え方で取り組んでこられたということでありますが、ぜひ、先ほどの安全対策という意味も含めて拡大していただきたいと思います。第1期の対策は残りがあと2年ということで、この時点で大幅に拡大するというのはなかなか難しいと思います。そこで、第2期対策に向けて真剣な御検討をいただいて、ぜひとも全地域が対象になるよう、農作業事故は一部地域で起きているわけではありませんので、ぜひその点を検討していただいて、全体に広げていただくことを要望しておきます。
次に、米の戸別所得モデル制度の問題点と集落法人推進への活用についてお尋ねしたいと思います。
民主党政権は、平成22年度から米の戸別補償モデル対策を導入することとして現在準備が進められております。この制度の概要について幾つかのモデルで私なりに検証してみたいと思います。
まず、広島県の平均的農家であります5反の農業者の場合に幾らもらえるかということを検討してみたいと思いますが、これは転作に協力することが条件となっておりまして、5反の場合、4割の転作で2反を転作しなければいけない。残りの3反に稲を植えますが、1反は飯米用ということで残りの2反分に対して1反1万5,000円が支給される。すなわち3万円が農家に支給されます。その反対側で2反の転作をきちんとしなければいけないということで、本当に協力していただけるのかというふうに1点、思います。
次に、10ヘクタールの大型農家の場合はどうか。これは10ヘクタールのうち3ヘクタールを転作しなければいけない。残りの7ヘクタールに対して1反1万5,000円が支給されますから105万円、それから、1反分の1万5,000円を引きますので、103万5,000円の交付金が入ります。残りの3町を、3ヘクタールの転作をどうするか。ことしは調整水田でもオーケーですということになっていますが、来年度からはどういうふうにしていくのだという計画書を出さなければいけない。例えば米粉をつくるという計画書を出した場合に、103万5,000円はいただいたけれども、来年になったときに米粉の売れ先がないからやめますと言ったら、103万5,000円返せと言われるかといえば、返さなくていいそうであります。
30ヘクタールの集落法人の場合を考えてみたいと思いますが、30ヘクタールで9ヘクタールの転作をしなければいけません。残りの21ヘクタールに1反1万5,000円が支給されるということでありますから315万円、同じように1反分だけ引くわけですから、315万円から1万5,000円を引いて、313万5,000円が手元に入ります。また、新規需要米に取り組むと反当たり8万円ですから、9ヘクタールの8万円で720万円と、1,000万円近いお金が入ってくるということで、今言ったように非常に大型農家のほうが有利になるということになっております。何が起きるかといえば、東北、北海道の大規模農家はぬれ手にアワの大金が入る、中山間地域の農業はつぶれるということになるのだろうと思いますが、この対策の問題点を執行部はどのように考えておられるのか、お伺いします。
16: ◯答弁(
農林水産局長) 今の戸別所得補償対策のうち、米の戸別所得補償モデル事業について問題点を考えさせていただきますと、今、委員御指摘のように、中山間地域等の条件不利地域を多く抱えます本県では、多くの農家は経営規模が小さく、生産費が全国平均を上回っておりますことから、全国統一単価では有効な所得補償には懸念があるものと考えております。
17: (内田委員)
◯質疑(内田委員) 広島県議会民主県政会、福山市選挙区選出の内田務でございます。本日とあすの2日間にわたりまして、私は、どのように中長期的な視野で予算編成を考えておられるのか、そしてどのように着実に成果へと結びつけていかれるのか、そういった視点に立ちまして質問をさせていただきますので、明快で前向きな答弁をお願いします。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず初めに、「瀬戸内 海の道1兆円構想」についてお伺いします。
本会議におきましても、海の道1兆円構想の推進につきましてはさまざま質問がございましたが、それだけ知事が掲げる1兆円構想への期待が高いことへのあらわれではないかと思うのであります。景気が後退し、何かと明るい話題が減っている中で、県庁の中だけにとどまらず、県民、そして県内企業のだれに聞いても、1兆円構想が、それはいいことだ、一緒に頑張ろうではないかといった明るい話題、あるいは目標の一つになってくれればと期待するところであります。ただ、その構想の中身がどのようなものか、またどのようにつくり上げていこうとしているのか、具体的なイメージがわかなければ単なる看板倒れとなり、だれもが賛同しないのではないかと考えるところであります。来年度の当初予算においては、調査費や専門家などの意見聴取に5,000万円を計上しておりますが、聞けば聞くほど構想の内容が多岐にわたるだけに、その額の妥当性がやはり心配になるところであります。そこでまず、「瀬戸内 海の道1兆円構想」推進事業では、来年1年、具体的に何を行うのか、
企画振興局長にお伺いいたします。
18: ◯答弁(
企画振興局長) 海の道構想でございますが、年内策定を目途に順次、調査・検討を進めてまいります。まずは、瀬戸内海についての調査データや自治体、企業、NPOなどが取り組む観光やまちづくりなどの事例等について、海外も含め県の内外から幅広く収集し、地域資源の再評価や瀬戸内海全体での観光客増加や観光消費額増大に向けた課題の把握をいたします。
次に、これらをどう生かすかという観点から、地域資源をネットワーク化する方策や情報発信のあり方、イメージづくり、マーケティング等について、専門家の意見等を踏まえて検討してまいります。
同時に市町や地域住民、NPOはもとより、観光、農林水産、運輸等の関係各方面との連携・協力のもとに実践的な取り組みなども取り入れながら地域産業の新たな活路を開く仕組みづくりにも取り組んでまいりたいと考えております。
19: ◯質疑(内田委員) ぜひともしっかり調査していただいて、県民にわかりやすい情報提供をお願いしたいと思います。
知事は、この「瀬戸内 海の道1兆円構想」の実現に向けまして、地域の宝を磨き上げ発信していくとしておられますが、本県だけが頑張ったところで達成できるものではありません。例えば、愛媛県の温泉やタオル、香川県のうどん、山口県の錦帯橋など、エリアを広げれば観光資源は山ほどあり、数え出すと切りがありません。瀬戸内海を取り巻く残りの4県と心を一つにして、これらの瀬戸内の宝を磨き上げて初めて世界に発信できるものではないかと考えます。年内には構想を取りまとめることにしているようでありますけれども、これから他県と連携して、どのように瀬戸内全体の宝を発掘し、ネットワークを図っていくつもりか、知事にお伺いしたいと思います。
20: ◯答弁(知事) 構想の策定に当たりましては、専門家の御意見等を伺うのも当然でございますけれども、瀬戸内海に面する各県とも情報交換、そして連携を行いながら、瀬戸内海全体を俯瞰する観点から地域資源を発掘し、重層的につないで付加価値を高める方策について検討を進めてまいりたいと考えております。さまざまな知恵と力を結集して、実効性の高い構想をつくり上げて、瀬戸内海全体が全世界の人々に認知され、一度ならず二度、三度と訪れたい場所として選ばれるよう目指してまいりたいと考えております。
21: ◯要望・質疑(内田委員) ぜひしっかり知恵を出してやっていただきたいと思います。
観光振興の事業に目を向けますと、中国地方国際観光連携事業では、中国地方5県が連携して世界遺産、温泉といった観光資源を海外に向けて情報発信することにしております。来年度は本県が幹事県として、知事がリーダーシップを発揮してトップセールスを行うと、本会議で御答弁いただきました。1兆円構想の推進につきましても、湯崎知事がリーダーシップを発揮して、瀬戸内湾岸サミットと銘打って、瀬戸内海を挟んだ5県のトップが輪番制で定期的に現地に赴き、情報交換や将来構想を議論する場を来年度にでも設定する必要があるのではないかと思います。これこそまさに知事がおっしゃられる現場主義ではないかと思うのですが、今後どのような予定になっているのか、知事にお伺いしたいと思います。
22: ◯答弁(知事) 先ほどお答え申し上げたとおり、各県との連携・協力というのが非常に重要であるというふうに考えておりますし、また、検討を重ねる過程におきましては、私が率先して行動することも非常に大事であるというふうに認識しております。このため、御指摘のような、各県とのトップレベルの協議の場の設定も視野に入れながら、まず実務レベルで連携の進め方、協力の枠組みなどの検討も進めてまいりたいと考えております。
23: ◯要望・質疑(内田委員) ぜひともリーダーシップをとっていただいて、瀬戸内海を挟んだ5県が力を発揮していただきたいと思います。
知事は1兆円構想の実現に向けた地域の宝の代表として、よく鞆の浦の景色を取り上げられます。知事はきょうで、たしか就任101日目になろうかと思いますが、現場主義を発揮され、1月11日には鞆地区を視察され、速やかに事態を収拾するための意見交換の場を設定するなど、リーダーシップを発揮されているところであります。鞆地区の観光に当たっては、狭い道路事情や駐車場不足などの課題もありますけれども、鞆の浦架橋計画の実現は、何よりも1兆円構想の早期実現への大きな要素とも言えるのであります。来年度、鞆地区の道路港湾整備事業では約3億1,000万円計上しておりますが、この事業を1兆円構想へどのように位置づけ、執行していかれるのか、知事にお伺いいたします。
24: ◯答弁(知事) 鞆の浦は、朝鮮通信使が「日東第一形勝」と称賛するなど、非常に美しい景色や歴史的な町並みを有しておりまして、「瀬戸内 海の道1兆円構想」においても重要な観光拠点の一つになると考えております。
しかしながら、今日の鞆の町は道路交通問題を初めとして、防災や生活環境など多数の課題を抱えております。また、観光資源の保存も含めた将来のまちづくりについてさまざまな懸念があるところでございます。そのため鞆の再生活性化に向けて、いろいろな課題を解決する上で何が必要なのか、地元の方々が議論を深めるための合意形成の場を設置することとしております。
一方で、当初予算案においては事業着手のための所要額を計上しておりますが、これは現在控訴審が継続中であることを考慮したものでございます。
したがいまして、鞆の将来のまちづくりに向けて必要となる事業の執行については、先ほど申し上げた合意形成の場、住民の皆様の間での断裂が起きるというのが私は最も懸念するところでございますので、その議論の内容を踏まえて対応する必要があると考えております。
25: ◯要望・質疑(内田委員) きょうの新聞にも少し出ておりましたけれども、この1年の間に判断したいということでありますし、しっかりと地元の住民の皆さんの御意見を聞いて判断していただけたらと思います。
次に、土木局長にお伺いしたいと思います。高速道路を無料化する社会実験がことしの6月ごろから始まることとされております。今後は無料化や定額料金への方向にありますけれども、山陽自動車道の沿線の活性化も1兆円構想の実現に向けた大きな要素と考えるところであります。その一つにサービスエリアの活用がありますが、本県では現在、宮島サービスエリアと加計バスストップの2カ所にスマートインターチェンジが設けられており、観光客のアクセスに少なからず効果を発揮しているものと考えます。
そこでまず、本県に設置されているスマートインターチェンジの社会実験の検証結果について、土木局長にお伺いしたいと思います。
26: ◯答弁(土木局長) 宮島サービスエリアにおきます社会実験の結果では、1日当たりの計画利用台数840台に対し、実験期間中の平均利用台数が約2倍の1,556台となっております。スマートインターチェンジの整備効果といたしましては、目的地までのアクセス時間短縮や有料道路料金の節約などがございます。また、休日の利用目的のうち約6割が観光・レジャーであり、スマートインターチェンジの設置が観光振興に役立っている結果となっております。
27: ◯質疑(内田委員) 先ほどのように非常に効果があるということでありますけれども、その効果が認められているにもかかわらず、いまだ県東部には設置されておりません。中国横断自動車道尾道松江線の開通が控えているわけでありますけれども、福山市域への観光客のアクセスの向上に向けて福山サービスエリアのスマートインターチェンジを設置することは、1兆円構想への実現に対してもプラスの影響が出るものと考えるところであります。
そこで、福山サービスエリアのスマートインターチェンジの設置に向けた検討状況につきまして、局長にお伺いしたいと思います。
28: ◯答弁(土木局長) 福山サービスエリアへのスマートインターチェンジの設置につきましては、国や福山市とともに実現の可能性について検討してきたところでございます。しかし、国の高速道路の無料化などの方針を踏まえて、利用台数の予測を行う必要があることから、当面は国の高速道路に係る施策の実施を見きわめた上で検討してまいります。
29: ◯要望(内田委員) 最近はサービスエリアに買い物に来るだけの人もいると聞いております。販売店とも連携をとりまして、そのエリアの近隣で生産、収穫された地場産のものを販売しながら、地域が潤い、活力が創出できるようにお願い申し上げたいと思います。
「瀬戸内 海の道1兆円構想」は県民が最も注目している事業の一つでありますし、何よりも最初が肝心ですので、来年度は構想の検討状況を県民にわかりやすく情報提供していただくようお願いいたしまして、本日の質問はここで一たん終了させていただきます。
30: (金口委員)
◯質疑(金口委員) 広島県議会民主県政会、尾道市選挙区選出の金口巖でございます。本日とあす、そしてあさって、3日間にわたり質問させていただきます。
本県は歳出抑制のため、財政の健全化、行財政改革を進める必要がありますが、本日は、行財政改革推進の課題につきまして数点質問させていただきます。県民の皆様にわかりやすい答弁をお願いいたしておきます。
それでは、早速質問に入ります。
まず、職員数の見直しに係る課題についてお尋ねいたします。
本県では数年後、年間約400億円を超える財源不足が見込まれておりまして、依然として大変厳しい財政状況にあります。このため、県は、引き続き事業仕分けの実施、職員数の見直し等によって歳出削減、また財産売り払い収入の確保など歳入確保の取り組みを推進するとされております。県行政の推進に当たって、最少の経費で最大の効果を上げていくためには、より簡素で効率的な組織づくりに向けた不断の取り組みを行い、無駄を排除し、組織のスリム化・効率化を進めることにつきましては異論はございません。しかし、一般行政部門の職員数は11年連続して減少していることを考えますと、もしかしたらどこかひずみが生じている部署もあるのではないかと心配しているところでございます。これまでの財政健全化の取り組みによって、事務の見直し、それによるコスト縮減、人員削減ばかりが強調されております。しかし、本来の行政改革は組織全体の活性化に資するものでなくてはならないと思います。必要以上に職員が削減されることなどによって組織の職員数が職場の業務量に合っていなかったり、人員数が削減されたことにもかかわらず業務自体のやり方や進め方が変わらなければ、人材は疲弊し、組織は活力を失ってしまうことにつながります。私は、これまで行われた行財政改革で既に本県にはそういった問題が生じているのではないかと考えております。これまで続いた行財政改革により生じた問題や課題についてどうとらえておられるのか、また、これを踏まえて今後の職員数の見直しをどう進めていくのか、知事にお尋ねいたします。
31: ◯答弁(知事) 本県では2期10年にわたって、行政システム改革推進計画に基づき、定員管理の適正化に向けた取り組みを進めてきたところでございます。こうした中、本庁組織のフラット化、地方分権の進展を踏まえた地方機関の再編を進めて、職員数の縮減を図る中にあっても、職員のいわゆる総戦力化や意思決定の迅速化を図ってきたところでございます。
一方で、職員の年齢構成の偏在化、これは20代、30代の職員が極端に少なくなるなど、これからの広島県の人材や組織の活力を維持するためにはさまざまな課題があると認識しております。このため、今後の定員管理につきましては、来年度、中期財政健全化計画の検討ともあわせて、財政健全化に向けたより一層のスリム化とともに、成果主義の徹底による公務能率の向上や職員の能力や意欲を引き出す環境づくりといった観点も含めて検討してまいりたいと考えております。
32: ◯要望・質疑(金口委員) ぜひとも課題をしっかり認識されまして、これまで以上に職員のやる気を引き出すような方策をとっていただきたい、このことをお願いしておきます。
続きまして、業務のやり方、進め方の見直しについてお尋ねいたします。
地方財政をめぐる厳しい財政や今後の本県の財政状況を踏まえ、また今後生ずる新しいニーズにも対応していく必要があります。総人件費の抑制、職員数の見直しということも念頭に置き、県職員への負担増を招かない形で県民サービスを質的に向上させるためには、思い切った事務事業の見直し、業務のやり方、進め方の見直しは避けて通れないと考えております。今後とも業務のやり方や進め方の見直しに取り組んでいくべきと思いますが、今後具体的にどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。
33: ◯答弁(知事) 御指摘のとおり、最少の経費で最大の効果が発揮できる、そのための不断の取り組みを行う必要がございますが、現在その原点となるミッションステートメントについて、全庁職員参加のもと、作成を進めているところでございます。
また、県民起点、現場主義、成果主義の徹底、縦割りを排除した局横断的な取り組み、施策全般の見直しや機動的かつ円滑な施策の実施など、県内部の改革と組織体制づくりを進めているところでございます。このため、経営戦略会議、経済財政会議の設置を行っておりますし、来年度は経営戦略審議官、経営戦略スタッフ会議の設置など、経営戦略機能の強化に向けた仕組みも進めております。さらに、局横断的な重要課題に機動的に対応するプロジェクト・チームあるいは政策監の設置、職員からの政策提案などにより、組織運営の刷新に取り組んでまいりたいと考えております。
34: ◯質疑(金口委員) もう時間がございませんので、はしょって話をさせていただきたいと思います。
本県の職員の年齢というのは、もう30歳以下の職員はほとんどいないというのが現状であります。財政健全化のために職員数の見直しも当然取り組むべきだとは思いますが、やはりそういった若い職員、新規採用も引き続き私は確保していく必要もあろうかと思います。この間の一般質問の中で、知事はランチミーティングという話もされて、早速実施されたことにつきましては評価いたすところでありますが、しかし、そういった若い人の考え方も、若い職員がいなければ今度は拡大することもできないということになっていくと思います。私は組織の活性化、そして本県の5年、10年先、将来ある姿を考えた場合、新規採用枠はふやしていくべきだろうと思います。広島県のトップリーダーとして、職員数の見直しを進めながら、今後どのように職員の採用を行っていくか、知事にお尋ねいたします。
35: ◯答弁(知事) 定員管理の適正化のために新規採用数を抑制してきたところでございますが、将来を担う人材の確保は重要な課題でございまして、本年4月の新規採用については昨年度比20名程度の増員を図ったところでございます。
今後の県職員の採用人数については、来年度、定員管理のあり方を整理する中で、本県の将来を担う人材の確保などの観点も踏まえて、十分に検討してまいりたいと考えます。
36: ◯要望(金口委員) 広島県も一事業主という立場で、今後は今年度より一人でも多くの若者を新規採用する枠を拡大していただきたいと思います。そのことをお願いいたしまして私の質問を終わります。
37: (
高木委員)
◯質疑(
高木委員) それでは、先ほどに引き続きまして、大好きな
農林水産局長と討論を進めたいと思いますが、ここからは湯崎知事の宝探しに対しまして、高木昭夫のあら探しということでまいりたいと思います。
戸別所得補償制度の問題点についてはお伺いいたしましたが、先ほど申し上げましたように、大規模経営には非常に有利に働くというふうに私も思っております。これを利用して、県がこれまで進めてこられた集落法人の推進にこの制度は大いに有効だと思いますが、
農林水産局長のお考えをお伺いします。
38: ◯答弁(
農林水産局長) 戸別補償事業は、先ほど委員が具体的な数字を挙げて御指摘いただきましたように、生産コストを低減するために事業の拡大を図るということによって大きなメリットが生じる事業でございます。この点を農家の皆様に十分理解していただくことによりまして、集落法人の設立の加速化につなげてまいりたいと考えております。
39: ◯質疑(
高木委員) しっかりと頑張っていただきたいと思いますけれども、目標がなければなかなか努力が進まないと思いますが、来年のこのころまでに何法人にされるのか、お尋ねします。
40: ◯答弁(
農林水産局長) きょう現在175の法人が設立されております。年度末まであとわずかでございますが、1法人でも2法人でも年度内にふえるよう努力してまいります。さらに、来年度予定しております集落法人育成加速化支援事業で予算的には35法人の設立を目指しておりますが、これもそれを上回るものを目標に努めてまいりたいと考えております。
41: ◯要望・質疑(
高木委員) 200法人達成記念式典を過去2年予定されましたが、いずれも推進大会に変更になったわけでありますので、ぜひ来年の2月には210法人達成のお祝いを一緒にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。頑張っていただきたいと思います。
次に、EPA、FTAの本県農業に及ぼす影響についてもお尋ねをしておきたいと思います。
WTOのドーハ・ラウンドをめぐる多国間の交渉が依然として停滞したままである中、比較的交渉がまとまりやすい2国間などの取り決めを行うEPAやFTAを行うという動きが出ております。現在、日本では韓国、インド、オーストラリアなどと交渉を行っているようであります。もし、仮にオーストラリアとのEPA交渉で世界有数の農林水産物輸出国でもあるオーストラリア産の農産物の関税が撤廃されるということなれば、牛肉、乳製品、小麦、砂糖の4品目だけでも7,900億円を上回る影響があると農林水産省では試算しておりますが、いずれにしても日本の農業は大きな打撃をこうむると予測されます。
一方で、民主党政権は、戸別所得補償制度により日本の農業は安泰だということからFTAを進めるということがせんだって新聞報道されました。こうした自由貿易の流れに対して脆弱な広島県の農業への影響は非常に大きいものがあろうかというふうに思いますが、
農林水産局長はどのようにお考えか、お尋ねいたします。
42: ◯答弁(
農林水産局長) 関税が撤廃された場合には、稲作を中心とする零細な個別経営が大半を占める本県農業は、やはり大きな影響を受けるものと考えております。
43: ◯質疑(高木委員) 突然で申しわけないのですが、通産省に長くおられた知事はこの問題について何かコメントがあればお願いします。
44: ◯答弁(知事) 自由貿易の推進というのは非常に重要なことだと思いますけれども、それに向かって進むためには、本県の農業がしっかりと自立、産業化するということが大事でございますので、それに向けて全力を挙げてまいりたいと考えております。
45: ◯質疑(高木委員) 突然で申しわけございませんでした。
次に、農業問題を離れまして、病院事業についてお尋ねしたいと思います。
最初に、県立病院の分娩料の改定についてでございます。私も昨年12月30日に2人目の孫が生まれてかわいいばかりでございますが、今次定例会におきまして県立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案が上程されております。この条例案では広島病院の分娩料を現行の18万円から21万円へと3万円増額することとされておりますが、現在の少子化の進展状況などを勘案いたしますと、むしろ少子化対策として現行の分娩料を維持し、県民がお産しやすい環境づくりに努めていく必要があるだろうと思いますが、こうした状況の中で、なぜ分娩料改定に至ったのか、その理由について病院事業管理者にお伺いいたします。
46: ◯答弁(病院事業管理者) 分娩料の改正につきましては、昨年1月に産科医療補償制度が導入されまして、それに伴いまして掛金相当の増額を行っておりますが、費用の見直しを伴う実質的な改定は平成17年4月に実施しており、5年が経過しているところであります。
この間、成育医療センターの計画的な整備に伴う減価償却費等の経費の増加や、昨年の医師の初任給調整手当の改善などによります人件費の増加など費用が増加していることから、周辺病院との料金の均衡なども考慮し、改定しようとするものであります。費用に見合った適正な分娩料をいただくことは、病院経営の安定化とともに、産科医の診療行為の適正な評価などにもつながるものであり、引き続き安全・安心な医療を提供していくためにも必要であると考えております。
47: ◯質疑(高木委員) 分娩料の値上げということについてはやむを得ないという御答弁でありました。周辺の病院との調整も図ったというふうにおっしゃっておられますが、聞くところによりますと、いろいろな料金があるというふうに聞いております。例えば広島大学病院では23万円、また広島市民病院では9万5,000円というふうに聞いております。このように病院ごとに大きな開きがございますが、これはなぜなのか、病院事業管理者のほうでおわかりになればお答えいただきたいと思います。
48: ◯答弁(病院事業管理者) 分娩料は病院ごとで大きな開きがございますが、これは分娩料がいわゆる自由診療のため、病院ごとで料金の対象範囲、いわゆる料金がどの分野を含むかというその対象範囲ですが、その定め方が異なっているためであります。例えば、先ほど申し上げました産科医療補償制度の掛金は3万円ですが、これを分娩料に含める医療機関と分娩料から外している医療機関もございます。このような分娩料の範囲の定め方が異なっているということも大きく関与しています。
49: ◯質疑(
高木委員) それでは、分娩料に関する最後の質問にさせていただきたいと思いますが、今後の使用料等の見直し方針についてお尋ねいたします。今回は分娩料の改定のみでありましたが、今後県立病院の使用料及び手数料に係る見直しについて、経営者としてどのような基本方針をお持ちなのか、病院事業管理者にお伺いします。
50: ◯答弁(病院事業管理者) 地方公営企業の料金の基本原則につきましては、地方公営企業法第21条におきまして、1、公正妥当なものであること、2、原価主義に基づくものであること、3、企業の健全な運営を確保するに足るものであることの3点が定められております。
今後の使用料等の料金の見直しに当たりましては、地方公営企業法の規定に基づき、良質な医療サービスの提供と安定した経営基盤の確立に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。
51: ◯要望・質疑(
高木委員) おっしゃることはよくわかりますが、1円でも安いほうが利用者にとってはありがたいことでありますので、さらなる経営努力をしていただいて、安く、安心して分娩ができる状況をつくっていただきたいということをお願いしておきます。
次に、県立安芸津病院についてお尋ねいたします。
県立安芸津病院は近年非常に厳しい経営状態が続いており、平成20年度の決算の状況を見ますと、病床利用率は68.8%とこれまでで最も低くなっております。県ではこうした状況などを踏まえ、昨年4月から病床数を150床から100床に縮小し運営されておりますが、縮小後の利用状況がどのようになっているのか、まず病院事業管理者にお尋ねいたします。
52: ◯答弁(病院事業管理者) 安芸津病院の昨年4月以降の病床利用率につきましては、昨年4月は87.6%でスタートしましたけれども、その後おおむね80%前後で推移しておりまして、本年2月末までの平均を見ますと78.4%となっております。昨年度の病床利用率は上回っておりますけれども、経営計画の目標としております90%には及んでいないため、一層の取り組み強化が必要であるというふうに考えております。
53: ◯要望・質疑(
高木委員) 利用率が低いということは健康でありがたいことだというふうにも考えられますので、その点もよろしくお願いしたいと思います。いずれにいたしましても、引き続き厳しい経営状態にありますが、安芸津病院は地域の小児医療や二次救急医療を担う中核病院であり、地域に必要な医療を引き続き提供していただくことを切にお願いする次第であります。
このためにも、地域住民のニーズにこたえ、利用の向上と経営の安定化を図ることが必要だと考えておりますが、安芸津病院のあり方をどのように分析し、今後どのように対応されていこうとしておられるのか、病院事業管理者にお尋ねいたします。
54: ◯答弁(病院事業管理者) 安芸津病院につきましては、これまで主として地域の急性期医療を担ってまいりましたが、少子・高齢化の進展などに伴い、地域の医療ニーズも変化してきておりまして、これらを踏まえました対応が必要であるというふうに考えております。
こうしたことから、今後の安芸津病院のあり方につきましては、急性期の患者さんを対象とした医療に特化するのではなく、これらの医療機能は維持しながらプライマリーケアや在宅医療の充実など、地域により密着した医療を提供していく必要があるというふうに考えております。
このため、新たな取り組みといたしまして、一般病床100床のうち10床につきましては、急性期の治療が一段落した後に、引き続き充実したリハビリの実施などスムーズな在宅復帰を支援するための病床に転換することにいたしております。
また、安芸津病院をかかりつけ病院としております患者さんを対象とした訪問看護の実施や、市町の保健事業と連携した地域住民に対する保健事業・健康教育の推進などにも取り組むことといたしております。こうした取り組みによりまして医療サービスの向上と経営の安定化に努め、地域の皆様に愛され信頼される病院づくりを進めてまいりたいと思っております。
55: ◯要望・質疑(
高木委員) 安芸津病院につきましては、多くの市民の方からも存続を求める陳情書が提出されているということもございます。地域にとって必要な病院であり、ぜひ地域に必要な医療が引き続き適用されますよう経営努力をしていただき、しっかりと取り組んでいただくようにお願いをします。
次に、警察本部長にお尋ねしたいと思いますが、本県の警察本部では平成22年、ことしの正月から年頭部隊訓練というのを廃止されております。全国的には、例えば警視庁では本年も東京、新宿区の神宮外苑で1月8日に恒例の年頭部隊訓練が行われたと聞いております。突然廃止されたわけでありますが、私は廃止するべきではないという思いを持っております。
そこで、本県の状況についてお尋ねしたいと思いますが、昭和51年から始まったとされるこの訓練について、これまでの規模、内容の推移に対しどのような成果をもたらしてきたと認識しておられますか。また、それがどのような理由により廃止になったのか、まず県警本部長にお伺いいたします。
56: ◯答弁(警察本部長) 年頭部隊訓練は昭和51年に始まり、部隊員約600人、車両約40台等の規模により実施してまいりました。その目的とする警察職員の士気高揚と精強な警察力の県民へのアピールという面において成果はあったものと認識をいたしております。
しかしながら、警察を取り巻く諸情勢に目を向けますと、増加するひったくりや高齢者交通事故への早急な対応に加え、増大するストーカーやDV等に関する警察安全相談への適切な対応、女性・子供を守る活動の強化など、まさに警察全体で取り組むべき課題が山積している状況でございます。このため、準備を含めた警察官の動員数が延べ約3,000人に及ぶことを考えますと、これに要する警察力を街頭
警察活動等に振り向け、県民の皆様の要望にきめ細かく対応していくことが犯罪の抑止力強化、ひいては県民の安全と安心のより一層の確保につながるものと判断し、同訓練を廃止することとしたものでございます。
57: ◯質疑(高木委員) 私も消防団を長くやっておりますが、正月明けのあの厳しい寒さの中で出初め式を行います。そのときに、ことし一年、地域住民の安心・安全のために新たな決意を持って貢献しようという気持ちを新たにする、そういう神聖な場所だというふうに私は思いますが、それよりも、今答弁をされましたが、そういうことでやめるのだというふうに判断をされたということでありますから、私がとやかく言うことではないかもわかりませんが、県民感情からも警察が今どういうことをしておられるのか、どういう装備を持っておられるのか、ぜひ見てみたいという方もおられるというふうに思います。もう一度お伺いしますが、再開される思いはございませんか。
58: ◯答弁(警察本部長) 先ほど申し上げましたとおり、昨今の警察活動を取り巻く諸情勢にかんがみて廃止という結論に至ったものでございまして、それら客観情勢が短期間のうちに変化し、訓練実施に適した条件が近いうちに再び整うことがあるかどうかというのは、にわかに判断しかねるところであります。再開について確たることを申し上げることは現在のところ難しい状況であります。
59: ◯要望・質疑(高木委員) では去年の正月とことしの正月でどれだけの差があったのかということを考えると、そんなに世の中が極端に変わったと、また学生運動がどんどん激しくなって機動隊が毎日出なければいけないなどというようなことも多分ないと思いますので、もう一度よくよく検討していただくようにお願いしておきます。
次に、信号機の整備についてお尋ねしたいと思いますが、新年度予算では信号機新設が20基ということになっております。逆に現在ある信号のLED化はどんどん進めるということになっておりますが、地域住民の方が切望しておられる、聞くところによると400基程度の要望があるというふうに聞いております。私とすれば新設のほうに重きを置くというほうが重要ではないかと思いますが、その中で、限られた予算でありますので、本部長はどのような方針でこれからの整備を進めようとしておられるのか、お伺いいたします。
60: ◯答弁(警察本部長) 県警察では運営重点の一つに交通死亡事故の抑止を掲げて取り組んでいるところであります。その実現のためには信号機の新設と信号灯器のLED化はいずれも不可欠なものと認識し、重点的・計画的な整備に努めることとしております。
このうち信号機の新設に関しましては、交通事故の防止や交通の円滑化を図る必要がある場合、交通実態、設置効果、緊急性等を勘案の上、より必要性の高いところから順次設置することとしております。
次に、信号灯器のLED化につきましては、視認性を高め、球切れを防ぐことにより、交通事故の防止に大きな効果があるほか、二酸化炭素排出量の抑制、コストの縮減が図られることから、最終的にはすべての信号灯器をLED化することを目指し、信号機本体の経過年数、視認性の程度等を勘案の上、計画的に整備することとしております。
61: ◯要望・質疑(高木委員) 交通安全に直結する信号でありますので、ぜひ新設もふやしていただきたいと思いますが、これは警察本部長よりも財政のほうだろうというふうに思いますので、しっかりとこちらに予算をつけていただくようにお願いします。
次に、福利厚生施設の問題について何点かお尋ねしたいと思います。
まず、本県の県職員に係る独身寮についてでありますが、県職員数も減少している中にあって、独身寮に求められる役割、位置づけも変化しているのではないかと思います。本県では総職員数、新規採用の職員数が減少しており、独身寮入居者数も減少しています。また、本県の独身寮の入居に当たっての年齢制限、年数制限及び勤務地等の入居条件は特段設定していないとお聞きしておりますが、今後、年齢制限等を設定していくべきではないかというふうに思います。
広島地域以外の、例えば備北地域に勤務していながら最寄りの備北地域の独身寮ではなく、遠く離れた広島の独身寮に入居し、広島からの通勤手当を支給されている者もいるのではないかといううわさもあります。備北地域の勤務者は広島地域の独身寮ではなく備北地域の独身寮を利用するのが当たり前だというふうに思います。遠く離れた独身寮の維持管理費とともに、さらに高額な通勤手当を支給することは、県民目線からも許されることではないというふうに思います。そこで、独身寮のあり方について県としてどのように考えているのか、また、独身寮の入居状況、年齢制限、年数制限、勤務地等の入居条件、この現状はどのようなものであるのか、総務局長にお伺いします。
62: ◯答弁(総務局長) 独身寮の入居状況でございますが、5年前の平成16年4月1日現在の入居率は68.2%でございましたが、平成22年3月1日現在では47.1%に低下しております。また、入居条件につきましては年齢制限や入居年数の制限は設けていないところでございます。
また、人事異動によりまして他の地域へ勤務することとなりました場合には、職員が勤務地域の独身寮へ移転することが多いわけですけれども、そのまま入居している例も入居者全体のうち4%程度あるところでございます。
63: ◯質疑(高木委員) ということは、よその地域の独身寮にいて通勤手当をもらっている人が現実に4%いるということであろうと思いますが、そのことに対して総務局長はどうお考えでしょうか。
64: ◯答弁(総務局長) 現在、入居条件等につきまして特に設けていないわけでありますし、今申し上げたような形で勤務地以外に住んでいる者がいるのも事実でございます。独身寮を含めまして公舎のあり方、管理のあり方につきましては、引き続き効率的な運用、また適切な管理に努めていかないといけないと思っております。より効率的なあり方について、引き続き考えていかなければならないと思っておりますので、その中でもまた考えてまいりたいと思っております。
65: ◯質疑(高木委員) 普通の民間会社等で考えたら、どちらかしか出ないのだと思うのです。独身寮に入っていれば通勤手当は当然に出ないし、通勤手当を取るのだったら独身寮から出るというのが、これは世の中の常識だというふうに思いますが、本当にこれでいいのか、もう一度お尋ねします。
66: ◯答弁(総務局長) お尋ねの件につきましては、やはり効率的に、また適切に公舎・独身寮を含めて管理していかないといけないと思っています。いろいろな実態をよく把握した上でどのような対応ができるか考えてまいりたいと思います。引き続き、効率的な管理に努めてまいりたいと思います。
67: ◯要望・質疑(高木委員) 知事も県民目線ということをおっしゃっているわけで、これは税金の二重取りだというふうに私は思います。しっかりと検証していただいて、ぜひ解消していただくようにお願いしておきます。
次に、職員の運動場についてお尋ねしたいと思いますが、廿日市市の広電阿品東駅から国道を渡ってすぐのところに、歩いて1~2分程度のところでありますが、1万2,017.29平米の地御前グラウンドというのがございます。ここはソフトボールが1面、テニスコートが2面程度とれる更地が広がっております。ここはかつて県立地御前病院のあった場所だそうでございますが、現在この好条件の土地は職員運動場、通称地御前グラウンドとして一部職員用の福利厚生施設として利用されているということだろうと思います。この職員運動場について、その地理的条件を考慮した場合、県職員以外にも利用価値があるのではないかと考えるのですが、そもそもなぜ県職員用の運動場としているのか、その経緯について、総務局長にお尋ねいたします。
68: ◯答弁(総務局長) お尋ねの地御前グラウンドは、県立広島病院地御前分院の跡地でございまして、昭和47年の同分院廃止後、活用策の検討がなされましたが、利用計画を決定するには至らなかったものでございます。
その後、昭和49年に隣接する県の団地造成事業の施行の際、県、当時の廿日市町及び地元住民の間で、跡地利用については地元の了解を得ることについて確認がなされておりまして、また昭和52年に土地の荒廃の防止など土地管理上の必要性もございまして、地元との協議の結果、職員運動場として活用することとなったものでございます。
69: ◯要望・質疑(高木委員) 民間の企業もいろいろなところへグラウンドを持っておられますが、自分のところで利用しないときには一般開放するというのが多いように聞いております。まして、先ほど言いましたように、広電阿品東駅からすぐの非常に好条件のところにあります。この前も行ってみましたがだれもおられませんでした。平日にはだれも使っていないというのが現状だろうと思います。そこで、地御前グラウンドはどのような利用状況なのか、総務局長にお尋ねします。
70: ◯答弁(総務局長) グラウンドの利用状況でございますけれども、県職員の利用状況でございますが、過去3年間の休日などの平均利用率はグラウンドは50%、テニスコートは84%となっております。このほかに、平日については地元住民の方々にも御利用いただく約束となっておりまして、地元住民の方が地元行事などに利用されているところでございます。
71: ◯質疑(
高木委員) 一般開放についての御答弁がなかったように思いますが。
72: ◯答弁(総務局長) このグラウンドの一般開放につきましては、地元などとの合意に基づいてグラウンドの活用方法を決めた経緯もございます。また、地元住民の生活環境の影響などもございまして、そのようなことも十分に踏まえながら検討することが必要と考えております。
73: ◯質疑(
高木委員) いずれにしても、地元のスポーツ施設というものは地元市町がする話だろう、県がやらなければいけない理由はまずないというふうに思いますし、それから40年前の話でありますので、現在の状況から考えて、本当にそれで正しいのかということを思います。1万2,000平米ですから、約3,600坪ぐらいあるわけですが、もとナタリーがあったすぐそばでありますし、海の見える非常に立地条件のいいところだろうと思うのです。仮に坪20万すれば、7億2,000万円という評価も出るぐらい非常にいい場所であろうというふうに思います。このまま一部職員のグラウンドとしておくには余りにももったいないというふうに思います。また、本県の財政状況は非常に厳しいということでありますので、遊休資産については処分していくというのが筋だろうというふうに思います。そこで、お尋ねしますが、売却について検討されたことがあるのか、また、やるべきだというふうに思いますが、総務局長はいかがお考えかお尋ねいたします。
74: ◯答弁(総務局長) このグラウンドの活用策ということで、過去検討した経緯がございます。平成19年度に行いました県有財産の有効活用に向けました全庁的な取り組みの中で、この運動場の取り扱いについても検討いたしました。その中で、職員や地元住民の一定の利用があること、また地元の了解のもとに進められていること、また道路条件が悪いことなどもございまして、そのあたりをいろいろ検討いたしまして、当面は現状の利用を継続するものの、有効活用の視点から、周辺の開発や地価の動向などを見守りながら引き続き検討することとしたものでございます。今後のこのグラウンドの取り扱いにつきましては、県有財産の有効活用、また処分等の検討を行う中で検討してまいりたいと思います。
75: ◯要望・質疑(
高木委員) いろいろな面で財政が厳しいということで、県民の皆さんにいろいろな御無理をお願いしてきております。そういう状況の中で、私はこれは遊休資産だというふうに思います。ぜひ処分するという方向でやるのが筋だというふうに思いますし、道路条件が悪いということでありますが、国道からすぐのところでありますので、周辺地権者の方の了解を得られればすぐにいい道がついて利用可能地になるというふうに思います。知事も一遍現場を見ておいていただければ、そこへ別荘を建てたいというぐらいの場所だというふうに思いますので、よろしくお願いします。
次に、扶養手当についてお尋ねします。
民主党のマニフェストでは子ども手当ということで、ことしの6月から1万3,000円、来年からは2万6,000円ということになっているそうでございますか、民間企業では、国から子ども手当が出るのだから扶養手当は要らないだろうということで、扶養手当を省くという話が専ら出ております。そうなりますと、では公務員はどうするのかということになります。広島県でも職員の子供に、家族手当ですか、出されていると思いますが、国からもらって、また県からもらう。民間はもうやめたということになれば、二重取りということになるのではないかというふうに思いますが、県職員についての子ども手当と扶養手当の調整について、総務局長はどのようにお考えか、お尋ねします。
76: ◯答弁(総務局長) 扶養手当につきましては、民間の家族手当の支給状況の調査結果を踏まえました人事委員会勧告に基づきまして、条例で支給額を定めているところでございます。したがいまして、今後、仮に民間企業の家族手当の支給水準に変動が生じました場合につきましては、人事委員会勧告によりまして均衡が図られるものと考えております。そのことを踏まえまして適切に対応してまいりたいと思います。
77: ◯要望・質疑(
高木委員) 公務員だけがいいことをするということにならないようによろしくお願いします。
次に特殊勤務手当についてお尋ねします。
来年度予算の一般会計では特殊勤務手当が15億2,000万円計上されております。対前年度比で7,000万円余り増額されております。
県はこれまでも特殊勤務手当の見直しを行っておられますが、職員が減る中でなぜ特殊勤務手当が増額になったのか。特殊勤務手当は著しく危険、不快、不健康または困難な勤務、その他著しく特殊な勤務で給与上特別の考慮を必要とし、かつその特殊性を給料で考慮することが適当でないと認められるものに従事する職員に対して支給するとなっております。
いろいろとやりたいのですが、時間がございませんので1点だけお尋ねします。農業技術大学校に勤務する職員が農業に関する実習指導業務に従事したときには給料月額の6%を支給する、三次看護専門学校に勤務する職員が看護師等の養成業務に従事したとき給料月額の8%を支給する、職業能力開発校に勤務する職業訓練指導員が職業訓練に従事したときに給料月額の6%を支給するとあります。
これらの学校に勤務する職員が指導などの業務を行うことが著しく危険、不快、不健康または困難な勤務、どれに当たるのか私は理解できませんが、思うに、教育公務員との差額をこの特殊勤務手当を使って埋めているのではないかというふうにも考えられます。これらの職員は単に本来業務を行っていると言うべきではないか。こうした職員に対して特殊勤務手当を支給することは見直す必要があるというふうに思いますが、総務局長のお考えをお伺いします。
78: ◯答弁(総務局長) お尋ねのありました御指摘の各学校に勤務する職員に対する特殊勤務手当につきましては、一般行政職でありながら学生に対する指導業務など教育職員と同様の業務に従事するという特殊性を考慮して支給しているものでございます。
また、農業技術大学校や職業能力開発校などに勤務する職員の支給割合につきましては、平成18年度に、給料月額の10%から6%に引き下げる見直しを行ったところでございます。
その他のことも含めまして、特殊勤務手当につきましてはこれまでもいろいろな見直しを行ってきております。今後とも、特殊勤務手当につきましては、その制度の趣旨を踏まえまして、支給の合理性などの観点から見直しを行ってまいりたいと考えております。
(4) 休憩 午後0時3分
(5) 再開 午後2時5分
79: (森川委員)
◯質疑(森川委員) 自由民主党広島県議会議員会の森川でございます。それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず第1点目は、「瀬戸内 海の道1兆円構想」についてであります。瀬戸内に暮らし、また広島県の成長を願う者として、この瀬戸内海を宝とし、そしてその眠れる力を掘り起こさんとするこの構想には大きく共感を覚えるところであります。しかし、一方で、構想が壮大であるがゆえに、知事が掲げる志をいかに強く持とうとも、志だけでは乗り越えることができない課題も多いのではないかと思います。さきの12月定例会においても質問させていただきましたが、今回も1兆円構想に関連して3点ほど質問させていただきたいと思います。
それでは、まず1点目は、「瀬戸内 海の道1兆円構想」における本県の効果についてであります。
知事は就任当初から「瀬戸内 海の道1兆円構想」の旗を掲げ、我々もその構想に強く興味を持ち、またそれが本県に何をもたらすのか大変大きな期待を抱かせるものがありました。ところが、その後、知事の構想にかける思いや構想の具体像を聞くたびに、高まったその期待感が少しずつさめてきました。その理由の一つは、この構想の実現により広島県にどういった効果があるのかという根本的で重要な部分が示されていないことにあるのだと思います。これまで、この構想の目標とは瀬戸内における観光消費額を1兆円まで引き上げるもの、そしてその効果の多くは広島県にあるのだろうと理解し、それなりに明確で具体的な目標としてとらえておりました。しかし、今次定例会の一般質問における答弁のように、1兆円というのは瀬戸内海全体における経済波及効果を高めたいという思いを示したものと言われてしまうと、何を期待したらいいのか、また広島県にどういった効果があるのか、そういった最も重要な部分があいまいとなり、構想への期待感の低下を招くのではないかと思います。
そこで、改めて知事にお伺いします。この構想が目指すものは何か、本県への効果という視点から述べていただきたいと思います。
80: ◯答弁(知事) 海の道構想は、瀬戸内海全体が全世界の人々に認知され、一度は訪れてみたい場所として選ばれるようになることを目指しているというものでございます。構想の本県への効果としましては、豊かな地域資源を共有する瀬戸内海全体の集客力向上によって、地域経済の底上げが進むことであると考えております。昨日の平田参考人の御説明にもございましたように、2007年度の国内旅行消費額が23.5兆円であったのに対し、その生産波及効果は53.1兆円、付加価値効果は28.5兆円、雇用効果は441万人となるなど、観光産業の経済波及効果は極めて高く、加えて新たな産業の創出につながるものと考えております。
1兆円というのは、1兆円にとどまらないという意味を言ったつもりでございまして、必ずしも小さな数字でまとめていくということではないという意味で、先般の御質問ではお答えしたつもりでございます。
そして、先ほどの平田参考人の例にございましたような具体的な効果の発現によって、地域産業のすそ野を広げて付加価値を高め、雇用や生きがいの創出を通じて県民の皆様の豊かな生活を実現していく、それが海の道構想の目標とするところでございます。
81: ◯意見・質疑(森川委員) これまでの一般質問の答弁と同じような中身の御答弁であったかなというふうに承りましたけれども、ことし一年かけてどういった構想にしていくのかということを詰めていくということでありますから、より鮮明な形となって、きちんした形でこういった構想だということが示されるように、一日も早い、そういった時期が来るように期待をして、次の質問に移りたいと思います。
次は、「瀬戸内 海の道1兆円構想」における他県との連携についてお伺いいたします。
この瀬戸内エリアがデスティネーションとして国内、さらには海外において認知されていくためには、他県との連携をした情報発信等の取り組みが不可欠であるということは理解できます。しかし、そこには一つのジレンマが生じてくるのではないかとも思います。すなわち、この構想による取り組みが成果を上げ、県外や国外の観光客がこの瀬戸内エリアを旅行先として選んだとしても、その後にはこの瀬戸内のどこを観光し、またどこに宿泊するのかといったことを決めていかなければならない。そうなると、この瀬戸内エリアの中で競争が生じることとなるのではないでしょうか。その競争相手となることが明らかで最も強力なライバルとなるであろう他県が、この広島県との連携をどこまで本気で検討し、ともに取り組んでくれるのでしょうか。その調整には大変な困難が予想されることと思いますけれども、どのように他県との連携を進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
82: ◯答弁(知事) 瀬戸内海に面する各県は、従前より、相互交流やイベントの共同実施はもとより、環境保全、インフラ整備などさまざまな分野の共通課題の解決に向けて連携・協力を行ってきたところでございます。その一方で、これまでは広域的な観光ネットワークというものが必ずしも進んでおらず、各県が観光資源を補完し合う体制も十分でなかったというのが現状だと思います。そのことから、他のブロックと比較して、とりわけアジアからの観光客が少ないという状況が続いております。
したがいまして、海の道構想の策定と実施においても、こうした実態を踏まえて各県との関係を大切にしながら、情報交換や共同事業の展開を図るとともに、それぞれが切磋琢磨していくということは重要だと思います。つまり、競争と協調というのがここにおいては必要ではないかと思いますし、それについては十分御理解が得られるものというふうに考えております。
83: ◯要望・質疑(森川委員) 今、知事から協調と競争といったようなことで、お互いが連携をしながらといったような説明をいただいたわけでありますけれども、これまでにも瀬戸内に面している県同士が協力をしながら取り組みをした経緯があり、それもうまくいかなかったというような経緯があると聞いておりますけれども、今回、湯崎知事が大変力を入れておられる構想であります。ぜひとも全力を挙げて取り組んでいただき、成功に結びついていくように、私からもお願いを申し上げまして、もう1点、質問させていただきたいと思います。
次は、地域の力と宝を生かした観光振興と構想策定についてお伺いいたします。
本県の玄関口の一つに広島空港がございます。そこから少し南下したところに竹原市があります。竹原市は、安芸の小京都と言われる、江戸時代後期の町並みを有するなど、観光地として大変魅力的な町だと思います。その上、離島への航路や海上物流拠点施設としての役割を果たしてきた竹原港がございます。この竹原の港を拠点に西に向かえば、安芸の宮島に至るまでに、大崎上島・下島の古い町並み保存地区、県民の浜における古代塩、藻塩づくり体験、そして東に向かえば瀬戸田の耕三寺や平山郁夫美術館、尾道の千光寺に福山の鞆の浦など、瀬戸内の魅力を満喫できる海の観光ルートとなるのであります。このように、知事の言う地域の力と宝はここにもあるのです。この力と宝を生かすことにより観光振興を図り、さらには1兆円構想の策定につなげていただきたいというふうに思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
84: ◯答弁(知事) 瀬戸内海沿岸は、御指摘の竹原も含めまして多彩な観光資源に恵まれております。まさに、これらの拠点を結ぶ瀬戸内海の周遊観光ルートを形成することが重要な課題の一つであると認識しております。このため、来年度実施する「瀬戸内海・ツーリズム」創出支援事業におきましては、観光事業者が連携して取り組む地域資源を活用した着地型メニューの開発や周遊型観光ルートの形成を支援することとしておりまして、各地の観光事業者の方々の積極的な参画を期待しているところでございます。
このような瀬戸内エリア全体が有するさまざまな力や宝を有機的に結びつける取り組みというのは大変重要でございまして、これを通じて、瀬戸内海の周遊、そして滞在していただく観光の確立を図って、「瀬戸内 海の道1兆円構想」の推進につなげてまいりたいと思います。
85: ◯要望・質疑(森川委員) ありがとうございました。この海の道1兆円構想を県民は大いに期待しておりますので、その期待にこたえていただきますよう、取り組んでいただきますよう要望し、次の質問に移ります。
次の質問は、過疎地域の未来創造支援事業についてであります。
過疎地域において近年顕在化した課題に対応するため、県においては新たな過疎対策を最重点の課題と位置づけ、専管組織の立ち上げや生活者の視点に立ったソフト事業を中心とした緊急対策を進めてきました。こうした地域の実態を踏まえた取り組みを高く評価しているところであります。また、このたび過疎法が延長の運びとなったところであり、これも県を挙げての取り組みの成果であると大変感謝いたしているところであります。しかしながら、島嶼部を含む過疎市町は人口減少に歯どめがかからず、地域活力が著しく低下しており、ソフト対策の充実だけで将来の展望が開けるのか不安が大きいのも事実であります。こうした中、来年度の新規事業として打ち出されたこの事業は、産業対策を基本に将来の夢と希望をつくり出す、地域づくりのための計画策定を支援するものと聞いております。そこで、この事業をより実りあるものにしたいという思いから幾つか質問させていただきます。
まずは、過疎地域未来創造計画についてであります。この事業が文字どおり過疎地域の未来創造を支援するためのものであるならば、その計画においては地域の課題を大局的にとらえつつ、地域住民の視点に立った緻密な状況把握がなされ、またその課題への対処法が具体性と確実性を持って盛り込まれていなければならないと思います。そうでなければ従来の計画にありがちな、観念論を述べただけの実現性を欠く計画となってしまうのではないでしょうか。そこで、県はこの事業計画の中で何を求め、どこに中山間地域対策の活路を見出そうとしているのか、
企画振興局長にお伺いいたします。
86: ◯答弁(
企画振興局長) この事業は、地域の将来に向けた夢と希望をつくり出す新しい地域づくりのための計画でございます。産業対策を基本に持続可能な地域をつくる実効ある計画のもとで効果の高い取り組みを目指すものでございます。申すまでもなく、人口減少、少子・高齢化に歯どめがかからない中山間地域の極めて厳しい状況を踏まえますと、その根本的な課題解決に向けては、このような産業を基本とした地域を持続可能なものとしていく試みが極めて重要になると考えております。このような取り組みの一つ一つの積み重ねが、今後の中山間地域対策におきまして最も重要なことであると考えておりまして、地域の皆様と市町が一体となって、地域の課題をとらえながら実効性の高い計画を立てて、それを着実に実行していただくことにより魅力ある豊かな地域づくりを進めていただきたいと考えております。
また、具体的な事業執行に当たりましては、市町にもできる限り独創性を発揮していただくとともに、効果の高いものにより積極的に取り組んでいただく観点から、従来のような限度額を設けない取り組みといたしております。県といたしましては、こうした取り組みを全力で支援してまいります。
87: ◯質疑(森川委員) よくわかりました。ただ、そういった計画はすべての市町で必要ではないかというふうに思います。そこで次の質問でありますけれども、この計画を選定する団体数について、またその選定基準についてあわせてお伺いをしたいと思います。事業対象となっている全域過疎の市町は、地域の基幹産業である農林水産業の衰退などにより、本県の中でも特に厳しい状況に置かれていることからすれば、全市町がこの事業に取り組む必要があるというふうに考えますが、この事業計画を選定する団体数についてどのようにお考えか。また、この計画の選定基準について、産業の形態は地域によって異なるにもかかわらず事業計画の選定を一律の基準により行うこととなると、この計画の実効性を損なうことにつながるものと考えますが、その基準をどのように考えておられるのか。この2点についてお伺いいたします。
88: ◯答弁(
企画振興局長) この事業は全域が過疎地域である市町、4市5町ございますけれども、これを対象としたものでございまして、選定する団体数を制限する考えはございません。住民の皆様と市町が一体となって取りまとめる産業対策を基本に、未来へ向けて持続可能な地域を創造していく、具体的で実効性のある計画を策定する、そのような意欲的に取り組む団体を採択することといたしております。
また、選定基準のお話がございましたが、この計画の策定に当たりましては、自立できる農林水産業の促進など地域産業の活性化を前提に市町が一体となってみずから策定するものであること、地域の魅力や潜在能力を引き出しそれらを十分に活用するものであること、また域内生産や若年人口の増加等持続可能な地域の形成を図るものであることなどの点が選定の基準になるものと考えております。
御指摘のとおり、地域によって産業構造も異なり、魅力や潜在力にも違いがございますので、それぞれの地域実態を踏まえ、おのおのの力や宝を生かした取り組みを進めていただきたいと考えております。市町や地域の皆様の自発的な努力により、地域特性を生かした、具体的で実効性が高く、かつ個性豊かな計画が数多く策定されるよう、県もその策定を積極的に支援してまいる所存でございます。
89: ◯質疑(森川委員) もう1点、この計画の策定支援についてお伺いいたします。
実際にこの事業に取り組む市町の現状に目を向けてみますと、一くくりに過疎市町といっても財政規模などに違いがあり、この財政規模の大小が必ずしもその計画のでき、ふできに影響するというふうには言えませんが、やはり小規模な団体ほど計画策定に十分な時間と労力を投入することが難しく、計画選定において不利になるのではないかというふうに思います。しかし、そのような理由により計画のでき、ふできが今回の計画選定の成否を左右するようであれば、それはこの事業が意図するところではないのではないでしょうか。そこで、県は特に小規模な団体に対して計画策定のための特別な配慮をする必要があるというふうに考えますが、そういった団体にどのようにかかわっていこうとしているのか、お伺いいたします。
90: ◯答弁(
企画振興局長) 本事業は、地域の将来に向けた新しい地域づくりのための計画でございますので、策定に当たりましては規模の大小を問わず、すべての市町に対し、その準備段階から県職員も現場等での議論などに積極的に参加し、協力させていただくことといたしております。こうした取り組みを通じまして、県も適宜現地調査で得た知見や県外の先進地調査から得たノウハウの提供などを行い、それぞれの地域の特性や多様性を生かしてネットワーク化が促進されるよう、策定に主体的に取り組む市町の魅力豊かな中山間づくりを全力で支援してまいります。
91: ◯要望・質疑(森川委員) この計画の有無にかかわらず、すべての過疎地域で対策を講じていく必要があるということは十分認識していただいているというふうに思いますけれども、仮に今回の計画選定に漏れることとなっても、その団体に対しての支援がおろそかになってはいけないというふうに思いますので、その点をよろしくお願い申し上げまして、この質問は終わります。
次に、生活航路を維持している市町への支援策についてお伺いいたします。
航路を取り巻く環境が厳しさを増す中、多くの航路で廃止や減便が相次いでおります。このような状況を踏まえ、地元市町は厳しい財政状況にもかかわらず、みずからの負担により航路維持のための支援を行うなど、住民の日常生活に必要な移動手段を確保するために懸命に頑張っております。県においては、市町の生活航路に対して一定の支援は行ってきておりますが、それは生活バスへの支援を基本とした事業の中におけるものであり、運航コストに比べて十分な支援であるとは言えません。そこで、県として支援の充実が必要であると思われますが、今後生活航路を抱える市町に対し、どのような支援ができると考えておられるか、
企画振興局長にお伺いいたします。
92: ◯答弁(
企画振興局長) 生活航路につきましては、離島振興地域に指定された離島を結ぶ航路のうち、一定の要件を満たす7航路につきまして、国庫補助航路として、国、県及び市町が連携して安定的な運航を支援しております。このほか、国庫補助要件は満たさないものの、住民の日常生活に必要不可欠な航路として大崎上島町を初め7市町が独自の支援策を講じておられます。これらの市町に対し、生活交通再編支援補助制度により、バスと同様の補助制度、補助単価で財政支援を行っておりますが、航路の単価等につきましては実態に即したものになるよう、改善要望も伺っております。このため、市町に対する支援をより実効あるものとするよう、来年度から航路の補助単価を1.5倍に引き上げ、支援の強化を行いたいと考えております。
また、生活航路を有する関係市町で構成いたします意見交換の場などを通じまして、複数航路も補助対象にした国の新たな離島航路補助制度の活用や、陸上交通による機能補完なども念頭に、将来を見据えた航路再編などの取り組みを支援してまいります。
93: ◯要望(森川委員) 生活航路の問題というものは単に交通問題にはとどまらない、まさに過疎対策あるいは地域対策全般にかかわる問題と言えます。ぜひ引き続きこの対策にしっかりと取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
94: (井原委員)
◯質疑(井原委員) 自由民主党広島県議会広志議員会・フォーラム広島の井原でございます。早速、質問に入らせていただきます。広島県の財政状況を確認する意味で総務局長にお尋ねしたいと思っております。
近年とかく言われております財源不足ということでありますが、過去3年及び平成22年度当初予算案についての財源不足は幾らという認識をされているでしょうか。
95: ◯答弁(総務局長) 当初予算編成時におきます財源不足額の推移といたしましては、平成20年度は652億円、平成21年度は662億円、平成22年度予算ベースでは414億円となっております。
96: ◯質疑(井原委員) 数字をお伺いしますと、非常に財政状況が悪いという認識をしてしまいます。これだけ見て判断していいのかどうかわかりませんけれども、直観的には非常に悪いというふうに認識をしました。そうした中で、プライマリーバランスが黒字化されているということが頻繁に発言の中に出てきます。プライマリーバランスが黒字ということはどういう意味を示しているか、お尋ねします。
97: ◯答弁(総務局長) プライマリーバランスとは、各年度におきまして県債の元金償還額から発行額を差し引くことによりまして求められる指標でございます。プライマリーバランスが黒字の場合は県債残高が減少することを意味しまして、赤字の場合は県債残高が増加することを意味しております。県債残高は、将来にわたる義務的経費である公債費につながるものであります。持続可能な財政構造を確立するためには、このプライマリーバランスの黒字を維持し、県債残高を縮減していくことが重要であると考えております。
98: ◯質疑(井原委員) プライマリーバランスを考えるときに、残高が減っている、黒字であるという御答弁だと思いますが、実は県債の残高そのものの全体はふえている、いわゆる一般債務は減っているのだけれども、その他の債務がふえているということだろうというふうに思っていますが、その主たる要因が臨時財政特例債、これをもって充てる部分が一般債務ではないという考え方の中で、その数字が入ってこないということに黒字という理由があるのだろうと思っています。しかしながら、基本的にはこれはあくまでも県債というふうに認識すべきであり、あくまでも債務であって、これを後に交付税なり何なりで国が償還時に担保するという意味でそれを戻入しないということで理解されていると思いますが、現実には三位一体改革以来の、本当に国との約束事が守られていない、事務移譲はされても権限がついてこない、財源がついてこない、まさにだまされたのではないかとまで言い切った我々地方の中で、これを将来に十分に返していただけると、償還時に国が出してくるという認識でよろしいのでしょうか。
99: ◯答弁(総務局長) 臨時財政対策債は、交付税の一部を地方債に振りかえまして措置されているものでありまして、その償還費用は後年度において全額交付税措置されることから、他の地方債とは性格が異なるものと考えております。また、財政健全化法の規定に基づく将来負担比率の算定におきましても、臨時財政対策債の残高は他の地方債とは異なり、将来負担額から除かれております。このため本県におきましても、プライマリーバランスの算定に当たりましては、臨時財政対策債の発行額と償還額をそれぞれ除いているところでございます。ただ、県債であることにもちろん変わりはありませんので、その残高には十分に留意していく必要があると思います。また、交付税の措置の話だと思いますけれども、臨財債の償還費用につきましては、国が定める償還期間に応じまして、その全額が後年度、地方交付税の基準財政需要額に算入されているところであり、確実に交付税措置されているところであります。
100: ◯質疑(井原委員) 需要額に算入するということは、全額その金額が交付税に返ってくるということではないということでいいですね。
101: ◯答弁(総務局長) 基準財政需要額に計上され交付税措置されているということになります。毎年毎年の交付税の収入額につきましては、本県における基準財政収入需要額と基準財政収入額の差額として入ってくることになります。必要な交付税総額をきちんと確保していただきますよう、引き続き国に働きかけてまいりたいと思います。
102: ◯意見・質疑(井原委員) あくまでも私見でありますが、以前の減税補てん債を含めて、もともと交付税で拠出すべき数字が出ないから、国が金がないから一時的に借り入れをしてくれという基本認識の中で、実際に現行で交付税措置ができないものが将来にわたってできるというふうには思えない。このことについて十分に気をつけていただきたいというふうに思います。そして、この中で現行の状況を見るのに、幾つかの例はあるわけですけれども、例えば市場公募債、これの公債費負担の平準化──平準化というよりはこれは期間を長くするということだろうと思いますし、現実には過去の職員の労働によって生じた退職給与を退職給与手当債という将来の債権をもって充てるという、非常に窮屈な中での財政状況だという認識なのですが、これでよろしいでしょうか。
103: ◯答弁(総務局長) 退職手当債のことだと思いますが、退手債につきましては団塊の世代の大量退職に伴います退職手当の急激な増加に対応するため、平成18年度に国の改正もありまして制度改正が行われて拡充されたところでございます。本県におきましても、この数年、これからもちろん退職者の急激な増加がございますので、それに対応するため職員定数の見直しに伴う将来の人件費の削減効果額の範囲内で退手債を発行しているところでございます。退手債の残高にも十分留意してまいりたいと思います。
104: ◯意見・質疑(井原委員) 先ほどの過去債務を将来債務に振りかえているということの意味が若干違っていると思いますが、基本的に現行までの労働対価の部分が退職金であって、それをピークが来るから、退職者が多いから、将来の手当債でもって、それも職員数を減ずることによって財源を繰り出ししようということ自体は、本来のあり方とは思えないという意見を述べておきます。
こうした中で本年度の予算案を見させていただきますと、前年対比わずかなマイナスだということになっておりますが、現実の部分としては緊急経済・雇用対策、この部分が大きくありました。平成22年度、612億円、このほとんどが国費であります。国から繰り出されたものを基金で受けて、それを現行で繰り出すということの金額が600億円余り。ということは、これは3年間部分でしょうから平成24年度からはこの原資がなくなる、ということは全体予算が大きく下回る可能性もあるわけですから、もう一度全体財政を見直しておく必要があるのではないかということを申し添えておきたいと思います。
そこで、これだけ窮屈な状態の中で拠出すべき部分のいろいろな財源がありますが、きょうは税と料について若干のお尋ねをしたいと思います。平成22年度の部分についてはなかなかわかりませんので、平成19年度までの過去の滞納部分、そして平成20年度に新たに発生した滞納部分、この金額をお示しください。
105: ◯答弁(総務局長) 本県が抱えます債権についてということになるかと思います。まず県税になりますけれども、平成20年度決算におきます収入未済額につきましては、平成19年度までの過年度分が約53億円、平成20年度現年度分が約42億円で、合わせて約95億円でございます。また、税外債権の収入未済額につきましては、平成19年度までの過年度分が約30億円、平成20年度現年度分が約3億円で、合わせて約33億円でございます。
106: ◯質疑(井原委員) この過去の部分と現年の発生の差異についてお尋ねしたいのですけれども、残高としてはふえていく方向にありますか。それとも、過去債務についての回収部分が消えてマイナスになっていますか。
107: ◯答弁(総務局長) 収入未済額のうちの過年度分の動きということだと思いますが、県税につきましては平成20年度当初で約92億円あったものを、徹底した財産調査や納税折衝を行ったことなどによりまして、決算時には約53億円まで縮減しております。ただ、結果として現年度分が約42億円の滞納となったため、総額では約3億円の増加となっているというのはあります。
また税外債権につきましては、平成20年度当初で約33億円あったものを、訴訟や裁判所を通じました支払い督促等を積極的に推進した結果もありまして、2億6,000万円を縮減し約30億円としているところでございます。
108: ◯質疑(井原委員) 滞納がなかなかおさまらないといいますか、逆に現年がふえてくるという状況にあると思います。経済状況も一つの要因ではありますけれども、なかなか納税意識が高まってこない。結果としてこれは通常どおりきちんと納めていただく方とそうでない方々の不平等がますます顕著にあらわれてきていることではないかというふうに思っております。そこで、滞納した場合、5年で不納欠損という形で債権から外されるということでよろしいですか。
109: ◯答弁(総務局長) 地方税についての時効は5年ということになります。それに該当する場合については対象となるということになります。
110: ◯質疑(井原委員) ちなみに20年度の不納欠損部分の総額は幾らでしょう。
111: ◯答弁(総務局長) 平成20年度につきましては、地方税につきましては不納欠損額として6億4,500万円余になっております。
また、税外債権につきましては6,100万円余が平成20年度の不納欠損額ということになります。
112: ◯質疑(井原委員) 以前の定例会の一般質問で若干の御提案をしたことがあります。市町も含めて、この回収については非常に皆さん御苦労されている。特に法的手続であるとか、ある意味では警察の連携も必要な部分はあります。これらのためにある程度その辺のノウハウも含めて、しっかりと職員に持たせるために、それと連携するために、他県にもありますが、県全体で回収機構みたいなものをつくって、債権を一元化しながら、そこで市町の職員を含めてしっかりとそのトレーニングをする、知識力も高めるという形の中でいかないと、特に市町についてはもう債権の回収自体が大変になって不納額が多くなっています。その折に質問したときには、県の立場として検討していくのだというお答えをいただいたのですが、その後の検討状況についてお答えいただきたい。
113: ◯答弁(総務局長) 個人県民税の徴収対策ということでありますけれども、市町と連携しながらこれまでも行ってきておりまして、そういう認識で進めてきております。平成18年度から平成20年度の3年間に県の税務職員が市町職員の身分をあわせて受け、その市町に出かけ、市町職員と一緒に個人住民税の徴収を行います併任徴収を実施しました。
また平成20年度は、本県で初めてになりますが、三原市を対象として、本来市町が徴収する個人県民税につきまして、県がみずから徴収する地方税法に基づく直接徴収を試行的に実施しております。この直接徴収では市町から滞納案件を引き継ぎますとともに、市町職員を受け入れ、ベテラン県職員と連携・協力しながら職員育成を兼ねまして滞納整理に当たったところでございます。本年度から本格的に実施することといたしておりまして、8市町に拡大し、9人の市町職員を受け入れ、4億4,000万円の滞納案件を県に引き継いだところでございます。1月末現在で当初の滞納案件の約6割について徴収への道筋がついているところでございます。平成22年度につきましても9市町から11人の職員を受け入れ、この取り組みを継続して実施してまいる所存でございます。
引き続き、市町との連携を深めながら、個人住民税の徴収強化に努めてまいりたいと思います。
市町との共同徴収組織という話もございましたが、結局、直接徴収をどういうふうにやるかというやり方の問題もいろいろあるかと思いますけれども、どのような体制が税の徴収強化に最も効果的か、引き続き検討してまいりたいと思います。
114: ◯要望・質疑(井原委員) まだまだ徴収業務というのは大変だと思います。市町の能力向上も含めて、県の責務として積極的に推し進めていただきたいとお願いをしておきます。
ここで、財政状況についてもう一度確認をしたいのですが、非常に景気が低迷している、法人二税も落ち込んだ、国からの繰り出しも非常に厳しい、そうした中で福祉関係予算を含めてまだまだ歳出の欲求力が圧迫をしてくるという中で、今後も厳しい財政状況にあるという認識でよろしいのでしょうか。有岡副知事、お答えをお願いします。
115: ◯答弁(有岡副知事) 御指摘のとおり現在も非常に厳しい財政状況にございます。昨年の夏に中期的な見通しをお示ししたところでございます。法人関係税が中心かと思いますけれども、歳入面での急激な好転というのは恐らく見込めないのだろうということで、引き続きこういう状況が続くのではないかというふうに予測しています。ただ、そうはいっても一方で必要なものはきちんと行っていくという努力は継続してまいりたいと思っております。
116: ◯質疑(井原委員) 必要なものはきちんと行っていくというお答えをいただきました。非常に心強いといいますか。しかしながら、そこには原資が必要でありますから、それをいかに原資を調達するのかということでありますけれども、先ほど若干申し上げましたが、行革債でありますとかその他債権を繰り出すことを含めて、このことについて、繰り延べをする、平準化という名のもとに期日、期間を延ばすということが本当に将来にわたって健全な形だというふうに御認識でしょうか。
117: ◯答弁(有岡副知事) このたび予算編成するに当たりまして、御承知のとおり歳出面でさまざまな取り組みを行った結果、一定程度の財源が確保されたところでございます。
一方で、委員から今御指摘がありましたように、いわゆる起債での対応というものも行いました。あわせまして償還の平準化という措置も講じたところでございます。
まず、その中で、財源調整的な起債で代表的なものを申し上げますと、行政改革推進債と退職手当債がこれに該当するかと思いますけれども、これは当初のフレーム、実際に具体的に予算編成に入る段階で想定したフレームを見ますと約260億円の発行を見込んでおりました。ただ、先ほど申し上げましたような努力をした結果、最終的な予算編成の段階では、260億円を205億円まで縮減したところでございます。
それから、今御指摘のありました平準化、これによりまして実質的には先送りということになりますから、将来の県債残高に影響が出てくるのではないかという御懸念もあるかと思いますけれども、これにつきましても平成22年度末に関しては146億円程度県債残高が縮減することになっておりますし、ずっと先の話を見ますと、例えば公債費、退職手当、これは事業が一段落してくる、それから退職者も少しずつ落ちてくるということもありまして、平成27年度にはこの公債費と退職手当の負担がピークを迎えることになっておりまして、それ以降、この点に関しては縮減していきますので、今回の公債費の平準化を行っても、後年度の負担は過重にならないという前提で今回の措置を講じたところでございます。
118: ◯質疑(井原委員) さっきから何度も繰り返して申しわけないのですけれども、基本的に財源を確保するという中には、過去債務を払うために財源を捻出するのであってはいけないと思っています。そこに捻出される将来の債務であるべきものは、これから暮らしていく県民のために使われるのが本来の原則論であります。それが退職者がピークを迎えるからと言って、平準化したり、いろいろな形で債権を繰り出すこと自体は間違いだというふうに思っております。そうした中で職員給与のカットを、このたび一般職について課長職までゼロにされました。それによって80億円余りの財源が必要になってきました。このことが実際に現行の財政の中で影響がないのでありましょうか。職員数の減だとか、その辺のことはもう当然のこととしてあったわけですから、そのことを加味することで合理性はあるのでしょうか。
119: ◯答弁(有岡副知事) 先ほども申し上げましたけれども、さまざまな財源確保の措置を講じております。一般財源ベースで見ますと、これは当初から見込まれた部分もございますけれども、職員数の削減によりまして18億円程度の削減を行っております。それから、内部管理経費のさらなる見直し、削減によりまして18億円程度の財源を確保いたしております。それと事業仕分け、あるいはそれの類似例にこれを適用した結果、事務事業の見直しによる46億円程度の削減、これによりまして一般財源の確保をいたしております。一方で、歳入につきましても、先ほど来お話にありました収入未済額の縮減、あるいは財産売り払い収入の確保といった措置によりまして12億円の歳入確保を図ったところでございまして、こういった歳入歳出両面にわたります対応によりまして必要な行政サービスの提供を可能にできたというふうに思っております。
なお、一言だけ申し上げたいと思いますけれども、当然ながら予算編成過程におきまして、この給与抑制措置に伴う影響額はもちろん念頭に入れて作業を行ったところでございますけれども、個々の事業実施や見直しと、それぞれの特定の財源対策を直ちに、ストレートに結びつけて我々仕事したということではなくて、全体としてどうなるかということを見きわめながら予算編成を行ったというところでございます。
120: ◯質疑(井原委員) 中期財政健全化計画を策定されるということで、平成22年度中に全体見直しもするという知事からの御答弁が繰り返し行われました。この中で今回の人件費のカットということはありましたけれども、その歳出部分について、人件費ということを、聖域ではなくてあらゆる手段を講じて対策に当たるということで、知事のお考えはよろしいでしょうか。
121: ◯答弁(知事) 平成23年度以降の人件費のあり方については、これまでも繰り返し申し上げているとおり、来年度、経済財政会議における専門的な御意見も踏まえながら検討することとしておりますが、職員給与のコントロールにつきましては、重要な課題であると認識しておりまして、財政に与える影響、そして組織の活性化による成果の向上等の観点から、予見を持たず幅広に、かつ慎重に検討してまいりたいと考えております。
122: ◯意見(井原委員) 知事を中心に、ぜひとも本当に広島県が元気になるように財政的にも事業的にも行っていただきたいことを重ねてお願いをしておきます。
そして、あわせて職員の皆さん方にこれだけの状況を強いる以上、我々議会としても十分にその責務を負っていく必要があるであろうと思っています。我々広志会は先般の条例改正についても修正案を出させていただきましたが、議員歳費については以前のカットのままでいいのではないかと、そうあるべきだという認識をしておりますし、今なおその思いは変わっておりません。したがいまして、先般、本会議場で他会派から供託もあるではないかという御指示も受けましたが、このことも否定することなく、十分に選択肢の中に入れながら、県民の皆さん方にしっかりと御理解をいただける、議員としての責務を果たせるように位置づけをはっきりさせていくことを誓いまして、残余の質問につきましては明日に送りたいと思います。
123: (森川委員)
◯質疑(森川委員) それでは、引き続いて質問させていただきます。
まず、公共事業についてでありますけれども、その中で地域活性化・公共投資臨時交付金の追加配分の経緯についてお伺いいたします。
このたびの補正予算で、この交付金が財政調整基金に積み立てられることになっておりますけれども、これは麻生政権下において編成された国の1次補正予算で、地方において公共事業等を積極的に実施する際の財源として処置された交付金というふうに記憶しております。なぜ今ごろ追加で配分されることになったのか、その経緯をお伺いいたします。また、この交付金は福祉施設等の整備に充てられるということを基本に配分されているというふうに聞いておりますけれども、その他の目的にも活用できるのか、あわせて総務局長にお伺いいたします。
124: ◯答弁(総務局長) このたびの公共投資臨時交付金の追加配分につきましては、2月下旬に国から追加配分額とその使い道、使途などが示されたものでございます。この配分額の大半は公共投資臨時交付金の算定対象事業のうち、厚生労働省関係の事業量等を基礎として新たに算定されているものでありまして、この時期となった理由については明らかにされておりませんが、国において執行状況等を勘案し、今回、年度末に追加配分がなされたのではないかと考えているところであります。
この交付金の使途といたしましては、国の第1次補正予算により造成しました介護基盤緊急整備等基金、社会福祉施設等耐震化等整備基金、災害拠点病院等耐震化整備基金の3つの基金を活用し、社会福祉施設等の整備を支援する事業について財源充当できることとされているところであります。
また、交付金に残余が生じた場合につきましては、一定の制限のもとで、これら社会福祉施設の整備以外への充当も可能であると聞いておりますが、具体的な対応については十分に検討してまいりたいと思っております。
125: ◯質疑(森川委員) 私といたしましては、財政調整基金に積み立てられたということで、もし福祉施設等の整備以外に、必要で、残が出れば使えるものというふうに把握をしていたわけですけれども、今の回答では、一応残ればその他のものに使ってもいいという答弁の認識でよろしいですか。
126: ◯答弁(総務局長) 繰り返しになりますけれども、公共投資臨時交付金につきましては、小規模介護施設の整備のほか社会福祉施設の耐震化など、まずはこのような社会福祉施設などの整備を促進するための財源として活用してまいりたいと考えております。その残余があった場合については、一定の制限のもとでそれ以外の充当も可能であると伺っておりますが、交付金の趣旨を踏まえつつ、真に必要な事業への活用につきまして今後検討してまいりたいと思います。
127: ◯質疑(森川委員) 検討していただけるということでありますので、次の質問に移りたいと思いますけれども、もしこの交付金の残が出れば、公共工事への活用にぜひとも使っていただきたいという観点で質問させていただきたいと思います。
本県における来年度の公共事業予算は、国の公共事業費の削減などにより、補助国庫公共事業と、そして直轄事業予算というものが、前年に比べ24%も減少いたしております。しかし、他県では補助公共工事の落ち込みをカバーするために、単独公共事業を積極的に実施するところも見られ、例えば島根県では前年度に比べ約50%も増加しております。こうした県に比べると、本県の単独公共事業が前年度と同額というのは若干見劣りするように思います。私は12月定例会で、厳しい経済状況のもと、県独自の財政出動が必要であるという主張を述べさせていただきましたが、実現には至っておりません。このような状況の中、公共投資臨時交付金の追加配分という想定外ともいえる財源が来たわけであります。そこで、経済対策としての公共事業を積極的に実施するため、交付金の当初の目的に沿って単独公共事業のさらなる実施に活用してはどうかと思いますが、総務局長にその点をお伺いいたしたいと思います。
128: ◯答弁(総務局長) 今回の交付金の関係につきましては、先ほど来申し上げている形で、社会福祉施設などの整備を促進するための財源としてまずは活用してもらいたいと思います。追加配分されました交付金に残余が生じた場合の対応につきましては、今後十分に検討してまいりたいと思います。
129: ◯要望・質疑(森川委員) 検討するということでありまして、ぜひ検討をする場合には公共事業のほうに回していただければという要望をいたしまして、次の質問に移ります。
次に、建設工事に係る入札制度の見直しについて、まずは最低制限価格の見直しについてお伺いいたします。
本県では長年にわたり公共事業予算が削減され、県内の建設業者の仕事は激減しております。その上、低価格入札が横行し、受注しても適正な利益が得られないという状況にあり、多くの業者が倒産、廃業に追い込まれております。県は昨年4月に設計金額1億円未満の工事について、予定価格の約75%であった最低制限価格を工事の種類によって約78%から約84%程度まで引き上げ、これについては一定の効果があったとは思いますが、それでも公共事業が大幅に減少している状況では、大変厳しい経営状況にあることには変わりないとの業者の訴えが続いております。
本会議での杉西議員の質問に対して、土木局長はさらなる最低制限価格の見直しについては、県発注工事における安全や品質確保の観点から今後の施工状況などを踏まえ適切に対応すると答弁されましたが、今も続いている建設業者の悲痛な声をどのように受けとめ、今後どのように対応されるのか、改めて土木局長にお伺いいたします。
130: ◯答弁(土木局長) 建設業界は、公共事業が減少する中、厳しい環境に置かれているものと認識いたしております。こうした状況のもと、建設工事の品質を確保する観点から、平成21年4月から最低制限価格等を見直したところでございます。この見直しにより落札率が80%未満の低価格入札の占める割合が、平成20年度の38.0%から本年度は2月末現在で16.5%と大幅に減少しており、一定の効果があらわれているものと考えております。今後の最低制限価格の見直しにつきましては、平均落札率の推移や工事の安全、品質の確保などの施工状況を踏まえ、適切に判断してまいります。
131: ◯質疑(森川委員) 今の御答弁、今後の推移を見て検討したいということでありますけれども、次の質問はこうした低価格入札の実態調査の実施についてということで、こうした最低制限価格のさらなる見直しというものは必要であるというふうに思いますが、そのためにはまず、昨年から行われた最低制限価格の見直しの効果を検証する必要があるのではないかと思います。そこで、昨年4月以降を対象とした実態調査を行ってはどうかというふうに思いますけれども、土木局長の所見をお伺いいたします。
132: ◯答弁(土木局長) 建設業者の受注実態につきましては、平均落札率や落札率の分布などの入札契約状況によって全体的な動向を把握できると考えております。また、現場の施工体制や安全対策を確認する立ち入り点検、工事コストや下請契約等が把握できる低入札価格調査及び平成21年6月から適用した工事完成後調査により工事施工の実態を把握する中で、最低制限価格見直しの効果を検証しているところでございます。
133: ◯要望・質疑(森川委員) 実態を把握する調査方法というのはいろいろあろうかと思います。建設業者のほうからの訴えは本当に悲痛なものがあります。ぜひぜひ現状をしっかり把握していただいて、早期に見直しを図っていただきますようにお願いを申し上げまして、次の質問に移ります。
次に、地域要件の見直しについてお伺いいたします。
一般競争入札の拡大を推し進めたことで多くの地元中小建設業者が受注機会を失い、地域経済の衰退につながっているという状況があります。地域の工事を地域の業者が受注できるようにするためには地域要件の見直しも必要ではないでしょうか。公共事業は経済雇用対策として即効性があり波及効果も高いことから有効な手段でありますが、せっかく県が発注する工事も、地元の業者が受注できなければ地域経済の活性化にはつながらず、何のための対策かということになります。地域要件の見直しについては、先日の本会議で土木局長は、建設業を取り巻く厳しい経営環境を踏まえ一般競争入札における地域要件の見直しを検討したいと答弁されておられます。具体的にどのような検討をいつごろまでに行うのか、土木局長にお伺いいたします。
134: ◯答弁(土木局長) 建設業者の地域に果たす役割は大きく、地域の優良な建設業者を育成する観点から適切な地域要件の設定は重要であると認識いたしております。このため、一般競争入札の拡大に際しましては、公正な競争を確保するために必要な地域要件を設定したほか、総合評価方式では路線管理や除雪などの地域貢献の実績にも配慮しているところでございます。
地域要件の見直しに当たりましては、建設業を取り巻く厳しい経営環境を踏まえ、工事成績などが良好な地域の優良建設業者の育成・活性化を図る観点から検討を行っております。見直しの検討作業は年度内に終了し、例年の入札契約制度改正の手順に沿って、建設業者への周知に努め、適用してまいりたいと考えております。
135: ◯要望・質疑(森川委員) 地域経済が疲弊する中、県内産業を守り育成強化を図るということは県の重要な役割の一つだというふうに思います。県が発注する工事が県内建設業者の活性化につながるように、早急に入札制度の見直しを図っていただきたいことをお願い申し上げまして、この質問を終わります。
次に、施設管理業務委託に係る入札制度の見直しについてお伺いいたします。
まず、品質確保に向けた対策について伺います。
県有施設における清掃業務や警備業務などの施設管理業務委託について、現在、平成22年度分の入札が行われている時期だと思いますが、業務の実施に当たって品質を確保するということは非常に重要なことだというふうに思います。現在、そのための対策としてどのような措置を講じているのか、総務局長にお伺いします。
136: ◯答弁(総務局長) 施設管理業務委託におきましては、入札前に公告に定める入札参加に必要な業者の資格要件を確認するとともに、落札した業者に対しましては法令に基づく資格者を配置できることを証する書類の提出を求めまして、仕様書どおりに業務を実施できることを確認しているところであります。
また、平成19年9月に施設管理業務委託の品質確保に関する事務処理基準を定めまして、品質の確保に取り組んできているところでございます。具体的にはこの基準に従いまして、各施設管理者が契約で定めた報告と日常の監督に基づきまして、粗雑業務等の有無を確認することとしております。仮に粗雑業務等を確認した場合につきましては、業者に対し是正を求め、重点的に監督することとしておりまして、それでも是正が困難と判断される場合には、契約を解除するなど厳正に対処することとしております。
137: ◯質疑(森川委員) よくわかりました。次にもう1点、要望の意味も込めて質問したいと思います。
最低制限価格制度の導入についてということでありますが、この施設管理業務も建設工事と同様に入札による価格競争が今激化しておりまして、落札額は低下傾向にあるのではないかというふうに思っております。安価な委託料で発注できることは県の財政にとってはメリットはありますけれども、一方で、業者は受注するために赤字覚悟で応札するものの、それでは定められた仕様を満たすだけの十分な業務ができず、結果的には品質が低下するというデメリットもあります。建設工事ではこうしたデメリットを解消するために最低制限価格制度を導入しておりますが、施設管理業務にはいまだに導入されていない状況にあろうと思います。ダンピングを防止し、適正に業務が行われるようにするためには、施設管理業務にも最低制限価格制度の対策を導入すべきではないかというふうに思いますが、総務局長の御所見をお伺いいたします。
138: ◯答弁(総務局長) 施設管理業務委託につきましては、平成18年度に原則一般競争入札とするなどの見直しを行いまして、競争性の拡大、透明性の確保に取り組んできているところであります。業務の品質につきましては、履行確認を確実に実施することによりまして確保しているところでございます。
最低制限価格制度はダンピングの防止や品質の確保などに有効でございますが、一方で企業の経営努力の反映や最低制限価格の設定の仕方などの課題もあるところでございます。こうしたことを踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。
139: ◯要望(森川委員) 過去には低価格で受注した業者が粗雑な業務を繰り返し、契約解除に至った例もあると聞いております。安い価格で発注できたとしても、十分な仕事がなされないのでは本末転倒も甚だしいのではないかというふうに思います。そこで、施設管理業務についても最低制限価格制度の導入だけではなく、あわせて業務の成果もきちんとチェックし、そしてコストと質のバランスのとれた委託業務が可能となるよう早急な制度強化を要望いたしまして、私の質問を終わります。
(6) 閉会 午後3時14分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...