令和 6年 6月定例会 ◎ 令和6年6月
岡山県議会定例会会議録 第6号〇 令和6年6月25日(火曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1
一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1
一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(
久徳大輔君) 皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1
一般質問
○議長(
久徳大輔君) 日程に入り、
一般質問を行います。 18番
鳥井良輔君。 答弁者は控席へ移動願います。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 皆さん、おはようございます。民主・
県民クラブの
鳥井良輔でございます、どうぞよろしくお願いします。 昨日、3期生の勉強会がございまして、非常に我々の期は個性豊かな
タレントぞろいでございまして、しかも政党も、自民党の皆さんから公明党、
立憲民主党、そして
国民民主党、共産党、そして地域政党の
みどり岡山と、ほかの期にはない
メンバー構成で、我々も10年目を迎えるわけですけれども、我々が議員に初当選したときは、もう知事は
伊原木隆太知事でございまして、この間、コロナ含めて、県政の局面に我々議員としても、質問等を通じて対応してきましたが、私自身も空のことであったり、海のことであったり、ライフワークとして取り組んでおります。 今朝の地元紙にもありましたが、特に
岡南飛行場のことについても、この間、何度も質問させていただきましたけれども、eVTOL、空飛ぶ車の新しい局面を迎えます。固定翼の日本で初めての機体が、そこをベースに動き出すということもありますので、ぜひそちらも県としてもバックアップいただきたいと思います。 また、海に関しては、最近いろいろ瀬戸内海に関する機運の高まりを非常に感じておりまして、直近ですと、土曜日に牛窓で
瀬戸内アドベンチャーツーリズムフォーラムという、
瀬戸内エリア全体で、例えば、サップだとかシーカヤックとか、そういったアドベンチャーツーリズムを、欧米豪のインバウンドの皆様をターゲットとした取組、そういったものも進んでおりますし、その少し前には、知事もたしかウェブで参加されたと思いますけれども、国会議員の
皆さん中心に、議連として、
瀬戸内フォーラムが設立されました。来週、発起人である小林議員に会いに行って、いろいろ意見交換してきたいと思っております。そういった広域でやっぱり瀬戸内を捉えるということは、非常に大事でございまして、岡山県も、そういった
瀬戸内エリアの中に位置しているということを、今後の施策にもぜひ反映させていただきたいと思います。 広域で言えば、せとうちDMOもこの間、僕も質問等で再々取り上げてまいりましたけれども、いよいよこの9月の
モナコヨットショーに、せとうちDMOとしてブースを出展いたします。参画県に一緒に行きませんかという打診が、今、岡山県にも来ておりまして、今月末が回答と伺ってますので、ぜひ前向きな検討をしていただきたいなというようなことを冒頭申し上げまして、通告に従って質問に入らせていただきます。 まず、教育長に、
高校生ビジネスアイデアコンテストについてお伺いします。
高校生ビジネスアイデアコンテストは、主に
商業高校の生徒による
ビジネスアイデア甲子園であります。学んだ知識を活用し、
地域課題等を解決する
ビジネスプランの提案を通して、
起業家的資質・能力の育成を目的としております。 昨年福井県で開催された第33回
全国産業教育フェアにおいて、初めて実施されました。全国から応募のあった89校のうち、予選を勝ち抜いた10校による
決勝プレゼンが行われ、そこに岡山県勢3校が出場しております。
トップバッターを務めた
津山商業高校は、
フードロス対策と
障害者雇用につながる
ビジネス「規格外の麺がスイーツに!?」を発表、
岡山東商業高校は、
岡山桃太郎空港から移動手段として
ヘリコプターを活用した
笠岡諸島観光ビジネス「
観光プラスONE」をプレゼンいたしました。
笠岡商業高校は、北木島のダイダイを生かした
ビジネスモデル「
北木島DAIDAIGO!GO!「きたり」」をプレゼンしておりました。 決勝大会への参加に向けて、
岡山東商業の課外授業を受け持った経緯があり、現地に応援に入りましたが、3校ともとても斬新な
アイデアと表現にも工夫を凝らしたすばらしいプレゼンでありました。結果は、笠岡商業が優秀賞、
岡山東商業と津山商業が奨励賞に入選いたしました。ちなみに最優秀賞は、
坂出商業高校の「
瀬戸内海瀬戸大橋ツーリズム」で、こちらでも
瀬戸内海観光は注目を集めておりました。全国予選を勝ち抜いた10校のうち3校が
岡山県立高校という快挙にもかかわらず、県民の認知度は低い状況でありました。県内企業への就職など、本県の産業を担う人材を多く輩出している
県立商業高校の活躍を、県教委として積極的に評価すべきと考えます。教育長の御所見をお伺いします。 また、今年度は、栃木県にて第34回
全国産業教育フェアが開催をされ、10月27日に
ビジネスアイデアコンテスト決勝大会が実施される予定であります。今回も岡山県勢の活躍に期待をしております。さらに、多くの
県立商業高校が
ビジネスアイデアコンテストに挑戦できるよう、
大会情報の共有のみならず、昨年度の岡山県勢の活躍を共有してはいかがでしょうか。
県内商業高校の挑戦意欲をかき立て、生徒たちのモチベーションにもつながると考えます。教育長の御所見を伺いします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。
教育長中村正芳君。 〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕
◎教育長(中村正芳君) 民主・
県民クラブの
鳥井議員の質問にお答えいたします。
全国高校生ビジネスアイデアコンテストについての御質問であります。 まず、活躍の評価についてでありますが、お話の
コンテストでは、
笠岡商業高校は「島おこしと伝統継承」、
岡山東商業高校は「観光振興と
物資輸送等」、
津山商業高校は「
フードロスと
障害者雇用」といった複数の社会課題を同時に解決しようとし、高校生らしい斬新な視点でアプローチをした大変意欲的な
ビジネスモデルの提案であったと評価しており、これら岡山県勢が全国大会に進んだ10校のうち3校を占めたことは、非常に誇らしく感じております。 また、
全国高等学校生徒商業研究発表大会で最優秀賞を獲得した学校や、検定の合格者数において
全国トップレベルの実績を残している学校もあり、今後も、本県の
商業高校のさらなる活躍を大いに期待してるところであります。 次に、
大会情報等の共有についてでありますが、今年度の
大会情報については、対象となる全ての高校に周知するとともに、昨年度の岡山県勢の活躍の様子も情報提供しながら、学校を通して積極的な参加を呼びかけているところであります。 また、県教委では、
高校生対象の
各種コンテストやイベントの情報、
県内高校生の活躍の様子を高校生に直接紹介するウェブサイトを今年度立ち上げており、そこでも昨年度の
コンテストの結果を掲載しております。 お話のように、同世代の活躍を知ることは、
商業高校を含む高校生のチャレンジする意欲を高めることにつながると考えており、今後も、こうしたサイトや
SNS等も活用しながら、積極的に情報発信を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 18番。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 御答弁ありがとうございました。 まさに、今、御答弁いただいたように、しっかり評価もしていただいて、さらには情報提供も現代風のやり方で、高校生に届くような形でしていただきたいと思います。 たまたま
ビジネスアイデアコンテストに直接関わったもので、今回このテーマを取り上げさせていただいたんですけれども。御承知のように、答弁にもあったように、
産業フェアの中に、ほかにも
全国高校生の
フラワーアレンジメント大会であるとか、高校生の
ロボット競技大会であるとか、
クッキングコンテストとか、
介護技術コンテスト、そんなような競技もあるわけでございまして、岡山県勢がどれだけ入っているかは把握してないのですけれども、そういったところで、積極的に優秀な活躍した学校には、今、答弁にあったように、教育長からしっかり見ているんだよと、応援する姿勢を県教委としても示していただきたいと思います。どうしても
スポーツ系は注目を集めるじゃないですか、甲子園とか、サッカーとか。それだけではない
商業高校の皆さんの活動にもやっぱり県教委としてもしっかりバックアップできるような意味で応援をしていただきたいということを要望いたしまして、この項目を終わります。ありがとうございます。
○議長(
久徳大輔君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 18番。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 続きまして、
遭難者発見システム導入についてお伺いします。 全国的には、
山岳遭難事故や海難事故が増加傾向にあります。従来の山岳救助は、通報により大まかな
捜索エリアを決定し、地上からの捜索と並行し、
ヘリコプターによる上空からの捜索も行われてきました。もっとも日本の山岳地帯の大半を占める樹林帯では、上空から遭難者を目視で発見することは、極めて困難であります。 そこで、捜索開始から発見、救助に至るには、
通常相当程度の時間を要し、地上からの捜索にも多くの人員を要するのが常であります。近年、そのような課題を解決する仕組みが開発され、普及が進んでおります。登山者が持参する
小型発信機からの電波を
ヘリコプターやドローンに設置した受信機で捕捉し、ピンポイントで遭難現場を特定できる仕組みでございます。これがまさにその実物なんですけれども(発信機を示す)、ここからGPSともつながっておりますし、ブルートゥースでスマホともつながります。また、一番大事なのは、ここにいるよという信号を常に出し続けていって、それを、今、質問で申し上げたように、受信側の機器で捕捉をするというような仕組みになっております。 この発信機の所持者は、今、全国で17万人に迫っており、今後も、拡大が予測をされております。県内の
登山専門店でも加入者が増えているという実感があるとのことで、実際にこの仕組みによって大山で救助された顧客もいるとのことでありました。発信機の所持を
スキー場利用条件に定めたり、発信機の携行を義務化、推奨する
トレイルランニング大会も増加をしております。 行政機関においては、全国39の都道府県の防災、警察機関に
電波受信機の導入が進み、
東京消防庁ハイパーレスキュー隊など、危険な任務に当たる部隊では、隊員の安全のために発信機を全隊員に装備しております。また、海上保安庁では、第一管区、第七管区に導入をされたほか、7月1日より、
富士山登山有料化、1日当たり4,000人の入山制限を実施する山梨県においても、
システムによる
人流データ把握の実証実験の準備が進んでおります。さらに、
海難事故対策として、
北海道斜里町の
知床小型観光船協議会においても、
ライフジャケットへの発信機取りつけ運用が進められております。 以上のように、山や海での安全・安心につながり、実際に救助実績も積み上げている仕組みですが、本県は
システムが導入されていない8府県に含まれております。本県においては、山岳遭難が頻繁している状況ではありませんが、大山での事故への
支援可能性もあり、瀬戸内海での海難事故における早期発見にも有用な仕組みと考えます。
県消防防災航空隊、
県警察航空隊双方の
現場隊員等を対象にした取扱説明の機会などを通じて、導入効果を研究する価値は十分にあると考えます。
危機管理監、
警察本部長の御所見をお伺いします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。
危機管理監中川担泰君。 〔
危機管理監 中川担泰君 登壇 〕
◎
危機管理監(
中川担泰君) お答えいたします。
避難者発見システムの導入についての御質問でありますが、お話のような
システムは、発信機を所持した者の要救助事案が発生した場合には、その場所を容易に特定でき、早期発見の可能性につながる仕組みであると認識しております。今後、他の自治体の導入事例や、実際に捜索・救助に使用することとなる
航空隊員等の意見を参考に、捜索活動に活用できる
システムについて研究してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君)
警察本部長河原雄介君。 〔
警察本部長 河原雄介君 登壇 〕
◎
警察本部長(河原雄介君) お答えいたします。
遭難者発見システム導入についてであります。 県警察としても、議員お話のような
遭難者発見システムが存在し、
山岳遭難者等の捜索に当たって活用されていることは承知しております。今後、お話の
システムを含め、
山岳遭難救助活動に活用し得る機器や
システムの機能、それらを導入した場合の効果等について、他の
都道府県警察の導入事例も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 18番。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 御答弁ありがとうございました。
危機管理監においても、隊員の意見等も参考にということで、ぜひやっぱり現場の皆さんがもう本当に必要かどうかということも、運用の仕方含めてレクチャーというか、物を見る中で、必要とあればしっかり研究していただいて、導入につなげていただきたいと思いますし、県警察においても、他県の警察本部の利用状況をしっかり研究していただいて、同じく現場の隊員の意見なども参考に、導入に向けた研究をしっかりしていただきたいと思います。 今回、私が
危機管理監と
警察本部長双方に質問させていただいたのは、
ヘリコプターは
耐空検査等でいつも飛べるわけじゃなく、相当期間運用できない期間があります。県警のヘリと消防のヘリが、
耐空検査がかぶらないようにはしているわけですけれども。例えば、「きび」号、
消防防災ヘリについては、
ホームページ等にもどれだけの期間飛んだとか、飛んでないかというのも詳細に出ているんですけれども、例えば、令和4年度では、ちょうど5年間の
耐空検査、5年に1度の
耐空検査の年でございまして、7月20日から翌年の1月20日まで184日間動いてないのが実態でございます。なので、令和4年度については266.5日運休していたというのが「きび」の実際の運用でございまして、令和5年度については、年1度の通常の
耐空検査、これは2か月程度かかりますので、「きび」号は令和5年度については95日飛べないというような状況。県警察の「わしゅう」についても、こちらは捜査の関係もあるので公表されてないようでございますが、確認をさせていただいたところ、令和5年度については142日やっぱり検査や点検で飛べてない時期があるわけでして、そこは今言ったように、例えば、消防ヘリが飛べないときは県警ヘリでバックアップをするというところで、どちらかだけこの
システムを導入するというよりかは、両者に研究をしっかりしていただいて、同じタイミングで補完できるような形で研究、相互に意見交換しながら進めていただきたいと思いますので、それぞれ御答弁にあったような研究をしっかりと進めていただきたいと思います。要望させていただきます。
○議長(
久徳大輔君) 次の項目に移ります。 18番。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 引き続きまして、
消防防災ヘリコプターの活用について、
危機管理監にお尋ねします。 令和6年、
能登半島地震を経て、
孤立集落からの救助・
物資輸送に関して空路の活用がクローズアップされました。
総務省消防庁は、
地域防災計画に、
ヘリコプターの活用を盛り込む通知を発し、本県の
地域防災計画においても、
ヘリコプターによる輸送が規定されております。 今月2日には、新庄村において、地震による
孤立集落の発生を想定した訓練が初めて実施されました。
県消防防災ヘリコプター「きび」が
田浪キャンプ場から要救助者をホイストでピックアップ、水や
衛星電話等の支援物資を降ろしました。その後、新庄村
総合運動公園に着陸し、要救助者を救急車に引き渡すなど、新庄村とも連携した実効性ある訓練であったと、評価しております。 まず、今回の訓練で得た成果と課題について、
危機管理監にお伺いします。 初回の訓練である今回は、救助者1名、輸送した物資もホイストで1回降下させた少量の物資でありました。
能登半島地震の現場で、自衛隊や
民間ヘリコプターが、具体的にどのような人員救助、
物資輸送を実施したのか研究し、今後の訓練においては、救助人員、輸送物資の量等に関してより現実的な訓練を実施する必要があると考えております。
危機管理監の御所見をお伺いします。 また、
基礎自治体と共同で訓練を実施した意義は大きく、日常生活でなじみの薄い
ヘリコプターが災害時に支援に飛来できることを、
地域防災に関わる皆さんに、理解・認識していただくことも大切であります。 上空から自分たちの暮らす地域を俯瞰することは、図上ではリアルに認識しにくい
河川氾濫等の
災害リスクを一目瞭然に把握できます。県が把握している543か所の離発着場における地上支援は、地域の
消防職員や消防団員が担います。
消防防災ヘリコプターの有用性について、
地域防災に関わる方々により深く理解していただくため、今後の訓練では、災害時に
ヘリコプターの運航に関わる地域の
消防職員や
消防団員等も参加し、
訓練オペレーションの一環として、
ヘリコプターに搭乗する機会を設けることを検討してはいかがでしょうか、
危機管理監にお伺いします。 これまでも、救助や
消火活動等で活躍をしてきた
消防防災航空隊ですが、今後、ますます活躍のフィールドが広がると考えております。そのような
消防防災ヘリコプターと、
航空隊員の活動内容や能力を分かりやすい形で広報することにより、頼りになる身近な航空隊として広く県民に認知されることを望みます。現在も、
ホームページにて情報提供は行っているものの、改善の余地は十分にあると考えます。他県の航空隊が実施しているように、
SNS等を活用した広報に努めてはいかがでしょうか、
航空隊員の士気を高める効果も期待できると考えます。
危機管理監の御所見をお伺いします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。
危機管理監中川担泰君。 〔
危機管理監 中川担泰君 登壇 〕
◎
危機管理監(
中川担泰君) お答えいたします。
消防防災ヘリコプターの活用についての御質問であります。 まず、訓練の成果等についてでありますが、このたびの訓練には、ホバーリング中の機体への要救助者の引上げや食料等の物資移送を盛り込んでおり、
ヘリコプターが着陸できない地域における
消防防災航空隊の
救助能力等の向上に有効であったと考えております。加えて、訓練に参加した住民からは、災害時に集落が孤立しても、救助や救援を受けられることを実感できたとの感想をいただき、住民の不安解消にもつながったものと考えております。一方で、
ヘリコプターは、天候により運航の可否が左右されることから、
孤立集落においては、災害に備えた備蓄の取組が必要であると再認識したところであります。 次に、現実的な訓練についてでありますが、
能登半島地震では、陸路からの救助活動が困難となった地域が数多く発生し、従来の大規模災害時以上に、
被災者救出や
物資輸送における様々な場面で
ヘリコプターが大きな役割を果たしたと承知しております。今後、実施する
各種防災訓練においては、
ヘリコプターの高い機動力や輸送能力を生かし、
能登半島地震の事例も参考に、様々な条件下での訓練を実施してまいりたいと存じます。 次に、
消防職員等の訓練参加についてでありますが、
消防防災ヘリコプターが活動する際には、地上からの誘導等の支援を担う
消防職員や
消防団員等との協力・連携は不可欠であります。このため、
地域防災における
消防防災ヘリコプターの有用性をより理解してもらえるよう、
消防職員等の搭乗も含め、
各種防災訓練への参加について、今後、検討してまいりたいと存じます。 次に、広報についてでありますが、
消防防災航空隊の活動状況を県民に広く周知・発信することは、
航空隊員の士気を高めることや、県の防災施策への理解につながるものと考えております。現在も様々な広報媒体を活用して、県民へ防災に関する情報等を提供しておりますが、お話の
SNS等を活用した航空隊の活動に関する広報についても、既存の
SNSアカウントである岡山県防災Xを活用し、情報発信してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 18番。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 御答弁ありがとうございました。 まず、(1)の訓練の評価と課題のところですけれども、まさに
危機管理監おっしゃるように、天候に左右されるというところは非常に大きく、やっぱり空が視程が5キロないと基本的に
ヘリコプターは飛べませんので、私も現場に朝から入っていたんですが、どっちに降りてくるかというのは、割と直前までどうするどうするというような状況でした。なので、しっかり備蓄に備えるということも、併せて課題として見えたことについても対応していただきたいと思います。 その上で、(2)の現実的な訓練実施についてですけれども、様々な条件下での訓練を実施するというような御答弁でございました。今回、初めて実施したのは、地震によって道路が寸断されて
孤立集落が発生した場合に備えての訓練ということでありましたけれども、例えば、県南地域においては、土砂崩れによって道路が寸断されるという想定は、なかなかしづらいのかもしれませんが。例えば、倉敷真備で防災公園が整備をされて、そこには
ヘリコプターの
ヘリポートもしっかり設置をされるわけでございます。様々な条件の中で、
孤立集落に限らず、既存の
ヘリポート等もそれぞれの自治体が整備したところは積極的に活用していただいて、(1)のところでもあったように、航空隊の姿が見えると、住民の皆さんもいざというときは助けに来てくれるんだということが安心感につながったという御答弁がございましたけれども。そういった意味合いも込めて、様々な地域で、今後、実際のホイストなり、着陸なりを含めた訓練ということを、具体的に検討していただきたいと思いますが、
危機管理監の御答弁をよろしくお願いします。
○議長(
久徳大輔君)
危機管理監。 〔
危機管理監 中川担泰君 登壇 〕
◎
危機管理監(
中川担泰君)
鳥井議員の再質問にお答えいたします。
能登半島地震の被害に対する
ヘリコプターの活用について、様々な活用実績があったということは承知しております。このため、
ヘリコプターの機動能力であるとか、輸送力を活用した
消防防災活動の重要性を改めて再認識したところでありますので、今回の新庄村の訓練は、
孤立集落というところで、ヘリがもう着陸できないという条件を想定したものでありますが、日々の訓練においても様々な条件を想定した訓練を実施しておりますので、お尋ね、御要望にもありましたような、まさに広い所であるとか、例えば、島であるとか、まさにいろいろな条件を想定した訓練というのは、やはり検討するべきだと思っておりますので、今後、そういった訓練については、メニューを考える中で検討させていただきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 18番。 〔 18番
鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(
鳥井良輔君) 御答弁ありがとうございました。 今、
危機管理監のほうから島というお話もありましたけれども、特に、例えば、岡山県が抱えている離島には、非常用の
ヘリポートというのが基本的に整備されていて、そういったところにも地元の消防団なりが地上員として地上誘導するというような取決めにもなっておりますので、実際にそこは飛んでこないことにはやっぱり分からないと思います。(3)のところにあるように、
消防職員等も、今後、搭乗の機会を検討という御答弁もありましたけれども、まさにいざというときに初めて
ヘリコプター見たというのでは、なかなかうまくいかないと思うので、ぜひ広範な、様々な機会を捉えて、島嶼部含めて訓練の検討をいただきたいと思います。 そして、4番目の広報に関してでございますけれども、岡山県の
ホームページは、他県の
ホームページと比べても、割と丁寧に機体の設備であるとか、活動状況、ユーチューブというか、動画も交えてしているので、引き続き、様々広報Xとか使ってやれるということでありますので、積極的にやっていただきたいと思うのですが、例えば、福島県の航空隊は、インスタグラムを隊員の皆さんが撮って、編集して、音もつけてということでございまして、福島県の危機管理の部局の方に問い合わせたところ、令和4年10月1日からインスタの運用を始めたと。なぜそういったことを始めたんですかと質問したところ、やっぱり一般に
航空隊員の活動を広く認知していただきたいというような意図で始められたということでございます。 答弁にもあるように、隊員のモチベーションにもつながるような、隊員の意見を踏まえたSNSの発信をぜひしていただきたいと思います。そこもオフィシャル感が全面に出るよりも、日々こんな活動しているんだよとか、腕立て伏せ、こんなことをやっていますとか、そういったレベルで、親近感が沸くというか、
航空隊員はこういった活動をしてるよと、場合によってはもう
危機管理監も一緒になって訓練をしてみたりとか、そういった身近に感じていただきたいというのが、今回質問させていただいた意図なんですけれども、新庄村の訓練でも、帰るときに
航空隊員はドアを閉めてすっと帰ればいいんですけれど、わざわざドアを開けたまま、機長もゆっくり離陸したわけですよ。隊員は、外で身を乗り出して、地上に手を振る。我々も下で見てて、ありがとうみたいな感じで手を振ると。そういったやっぱり絵というものを多くの皆さんに見ていただきたいですし、まさに隊員の士気にも関わってくることだと思いますので、この辺りも含めた、既存のSNS、広報Xに限らず、もうちょっと身近に感じられるような、例えば、インスタのことも含めて、こちらは現場の隊員の思いもあることでございますから、隊員の意見なども参考に、ぜひ研究・検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(
久徳大輔君)
危機管理監。 〔
危機管理監 中川担泰君 登壇 〕
◎
危機管理監(
中川担泰君)
鳥井議員の広報に関する再質問にお答えいたします。 答弁でもお答えしましたが、情報発信、消防航空隊の活動に関する情報発信が、隊員の士気であるとか、防災施策に有効だということは承知しております。このため、答弁でもお答えしましたように、既存のアカウントを、まずはスタートとして取り組ませていただきたい、検討させていただきたいというなことでお答えさせていただきました。 インスタグラム等は、動画に向いているということで、そういった情報発信ツールとして、そういった動画を発信することは有効だと思っていますが、日々の出動や訓練の動画を頻繁に撮影することがどの程度隊員さんの負担になるかということも考慮するべきだと考えております。あともう一つ言えば、専用のアカウントを設けて、コンテンツをある程度供給できないと、やはりちょっと問題もあるというふうに考えておりますので、まずスタートとしては、県の防災X、危機管理課が所管して各種防災情報を出させていただいているところからスタートさせていただいて、その後の状況等を見ながら検討させていただきたいと思います。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 以上で鳥井君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 9番松島幸一君。 〔 9番 松島幸一君 登壇 〕
◆9番(松島幸一君) 皆様、おはようございます。自由民主党岡山県議団の松島幸一でございます。 20年ほど前、私は大学の経営学部で学び、ゼミはグローバル
ビジネス、国際経営論を専攻しておりました。とはいえ、国際経営論自体には興味が薄く、当時から政治への関心が高かったため、進級論文では、行政に経営的視点や手法を用いるニュー・パブリック・マネジメントについての論文を、そして卒業論文では、グローバル
ビジネスのゼミでありながら、反グローバリズムについての論文を書き、教授からは君の思想に関する論文は要らないと怒られながらも無事に卒業させていただき、今日があります。 ニュー・パブリック・マネジメントは、行政組織に、民間の経営手法として、成果志向や組織内分権、競争原理の導入や顧客志向といった要素を一体的に導入することで、組織の効率化をはじめ行財政改革を推し進める手法として、日本では1990年代後半頃から取り入れられ始めました。指定管理者制度やTPP、PFIといった官民連携の手法の導入や、行政評価の採用により、行政の効率化に一定の成果が上がっている一方で、コスト削減や効率性の重視によるサービスの質の低下や、弱者やマイノリティーに対する公平性、民間の活用によって行政が備えるべき技術や能力が低下するといった懸念も挙げられています。 大学生だった当時、私も行政には無駄が多く、住民サービスをもっと向上させるためには、経営的手法を取り入れ、効率化を図ることが重要であると考えていました。しかし、実際に政治や行政に関わるようになった今、行政は効率化を図ることが全て善ではないということを強く感じています。効率化を求めれば、人口減少が進む中山間地域の自治体経営は、それ自体が成り立ちません。たとえ非効率であっても、リスクが伴っても、行政としてやるべきことは勇気を持って取り組んでいかなければならないということが多々あります。時代が変わり、社会情勢も大きく変化する中で、資源や予算もこれまで以上に限られてきます。その中でどのような思いを持って、どこに、どれだけの資源を配分していくかは、これまで以上に重要であり、またこれまで以上に困難な選択になると思います。 伊原木知事は、民間の経営者御出身ということもあり、経営的感覚、手法を取り入れていただきたいという点でも、大いに期待をされております。これからもぜひその視点を大切にしていただきながらも、十分御認識いただいているとは承知しておりますが、それだけでは測れない多くの課題が存在し、時にはリスクを取ってでも県土発展のために大きく進んでいただきたいと思います。 前置きが長くなりましたが、そうした思いを込めまして、まず産業団地の整備について、お伺いします。 産業の振興を
県政推進の柱の一つに掲げる伊原木県政において、本県の優位性を最大限に発揮し、積極的な企業誘致を進めていくことは、極めて重要です。しかし、現状は、県及び市町村営の産業用地はほとんどが分譲済みで、県として産業用地をしっかり確保していくことが喫緊の課題となっています。現在、県としては、自ら産業団地を開発するのではなく、市町村での団地開発支援を推進する方向にかじを切っており、適地調査への支援や開発に伴う経費の一部を無利子で貸し付けるなどのこれまでの支援に加え、今年度からは、市町村の個別的な課題を解決するために、専門家による相談対応や実務研修、企業ニーズ調査を実施することとしています。 そこで、現在、市町村においてこれら県の支援制度を活用した産業団地開発の具体的な動きがあるのでしょうか。また、これまでに県が行った市町村に対する支援の実績についても、併せて教えてください。産業労働部長にお伺いします。 昨年5月に、経済産業省の地域経済産業グループが発表した産業立地政策についての資料では、コロナ禍にあった2020年頃から、国内事業拠点に関する新設・増設・移転などの立地計画を持つ事業者の割合は、全国的に増加傾向にあり、感染症や地政学的リスクの顕在化を背景に、サプライチェーンを見直し、国内回帰、国内生産体制の強化を図る動きが大きくなっているとのことです。しかし、全国的に産業用地のストックは減少しており、産業用地の造成が分譲スピードに追いついていない状況にあります。さらに、産業団地を開発するには、一般的には3~6年程度の時間を要するとされ、企業の投資マインドやタイミングとのずれが生じ、大きな機会損失につながっている現状もあります。 反対の側面から見れば、全国的にストックが減少している中で、本県が早期の産業団地整備を行うことができれば、その優位性をさらに発揮した企業誘致や産業振興を図ることができるのは明白であり、そうした開発を行っていくためには、県が主導的立場で先導していくことが重要であると考えます。 令和5年11月定例会の
一般質問において、広域行政における県の役割、そして県の主導的な取組について、お伺いしました。その中で、知事は、県では、これまで、教育の再生や産業の振興といった県全体に与える影響が大きく、県の将来を左右する可能性が高い分野において明確な方向性を定め、主導的に取り組んできたと答弁をされました。そうであるならば、産業団地の開発においても、市町村伴走型の支援だけではなく、県が主導的に取り組む必要があるのではないかと考えます。本県における企業誘致や産業団地開発の基本的方針を、改めて知事にお伺いします。 令和5年度実施の行政評価では、生き活き指標の施策評価において、新規立地企業等の敷地面積について、2021年度から2024年度までの4年間の累計で80.0ヘクタールの目標を掲げ、実際に2022年度までの2年間で113.8ヘクタールと、目標を大きく達成していますが、今後の施策推進に向けての課題としては、分譲可能な産業団地が少なくなる中、市町村による開発の支援や民有地の掘り起こしに努める必要があるとしています。さらに、新規立地企業等の投資額についても、4年間の累計で2,800億円の目標に対して、こちらも2年間で3,249億円と、目標を大きく達成しています。しかし、今後の施策推進に向けては、企業の投資機運が高まる中、産業用地の確保が課題となっているという認識を示しています。 このように、企業の投資マインドが高まる中でも、産業用地については少なくなっている、確保が課題と、チャンスに対応できていない現状を認識しているにもかかわらず、県として主体的に取り組もうとしない姿勢には、やはり疑問を感じるところです。 その要因の一つとして、これまでの団地開発における事業費回収率の悪さがあるのではないかと推察します。内陸工業団地及び流通業務団地造成事業の運営方針を見ると、例えば、令和3年3月時点では、久米工業団地は、土地造成に係る総事業費77億8,000万円に対して、売却予定額は39億7,000万円と、事業費回収率が51.1%、吉備高原都市工場公園は、総事業費5億3,900万円に対して、事業費回収率は49.5%、岡山県北流通センターでは、事業費回収率が18.3%となっており、県の財政的リスクがあまりに大きかったという考え方があるのではないでしょうか。 今、本県にとっても企業誘致の大きなチャンスがある中で、県としても産業団地確保への課題を認識し、これまでも多くの議員が県による産業団地開発の必要性を訴えてきましたが、それでも県としての団地開発には取り組まないということについて、一番大きな課題はどこにあり、何がネックとなっているのでしょうか、その認識を産業労働部長にお伺いします。 第3次晴れの国おかやま生き活きプランの施策体系を見ると、重点戦略の地域を支える産業の振興において、まず掲げられているのが、企業誘致投資促進プログラムです。企業から引き合いが多い県南内陸部やインターチェンジ周辺での産業用地の確保を進める必要があるとし、重点施策として、企業ニーズに応じた産業用地の確保を掲げ、臨海部では、港湾整備に伴い、大規模な産業用地を造成するとともに、内陸部では、市町村による地域特性を生かした用地開発を支援するとしています。 さきにも述べたように、新規立地企業等の敷地面積や投資額等に対する生き活き指標は、既に達成されていますが、内陸部の公的産業用地は、真庭産業団地と津山産業・流通センターであり、分譲可能な用地は全て交渉中と聞いています。内陸部の産業用地の確保は、県中北部の発展に非常に重要な取組でありながら、地域特性を生かした用地開発支援という市町村への伴走型支援だけでは、なかなか成果が出ていない現状にあるのではないでしょうか。県内陸部における産業用地の確保について、現状認識を、知事にお伺いします。 山口県では、企業誘致のさらなる推進に向けて、機を逸することなく、激化する地域間競争に勝ち抜き、優良企業の誘致を実現するために戦略的な誘致活動を展開するとともに、その受皿となる一定規模の事業用地を早期に確保するために、令和4年6月に、山口県産業団地整備方針が策定されました。また、静岡県では、産業用地の創出や補助金の見直しなどで、企業誘致活動を加速するために、令和6年3月に、企業立地推進会議を立ち上げ、県庁内の情報共有や連携、また県内市町や開発事業者らとも連携を図り、産業用地の確保を急ぐとしています。前身の組織では、開発を決めた市町などから相談を受けていましたが、なかなか事業化に結びつきにくい課題があり、組織を刷新して関係部局横断型とし、市町や事業者もオブザーバーとして参加することで、造成に伴う残土処分や確実に販売できるかなどの懸念事項に対して情報共有を図り、団地開発を後押しするものとなっています。 このように、あくまで県としての方向性を定め、県の主体的な戦略を持って産業団地の開発に取り組む必要があるのではないでしょうか。最初にお伺いした市町村への支援についても、実際に産業用地の確保を検討している市町村に状況を聞くと、市町村での団地開発では様々な課題が浮き彫りとなっており、例えば、一定規模の用地を確保しようとした場合、どうしても農地転用や工業用水などのインフラ整備に課題があり、具体的な進出企業等が決まっている場合は比較的スムーズに進みますが、具体的企業がなく、将来の企業誘致に向けた整備であれば、なかなか進展していかないという状況にあります。企業の投資は、時間との勝負です。企業の投資計画を見越してタイムリーにマッチングを行うためには、企業の投資意欲等の情報収集と同時並行で団地開発を行っていく必要がありますが、組織体系や職員数といった点などから、市町村によっては広く企業の投資意欲等の情報を得ることは困難であり、さらには企業側としても、産業団地の全体像が見えない中で投資の決断を行うことは難しいのではないでしょうか。やはり県として、市町村のコンサルタント的な立場ではなく、県が主導的にリーダーシップを取り、企業誘致や投資情報を収集し、市町村等との情報共有の中でマッチングに結びつけていくという直接的な参画に方向転換すべきだと考えます。 その上で、支援制度についても、現状の無利子貸付けや開発に関連した公共施設整備等に限った補助金ではなく、開発事業費そのものを補助していくなど、県と市町村が財政的リスクを分担するような方策に転換することが、市町村による産業団地開発の最大限の支援につながるものと考えます。 また、本県では、企業誘致に向けて、県及び市町村で組織する岡山県企業立地協議会や県庁内の関係部局を横断する企業誘致連絡調整会議などを設置しています。企業立地協議会では、企業立地に関連する情報の収集や提供、企業立地ガイドや企業集積マップの作成、展示会や企業立地セミナーの開催やブース出展に向けた調整などが行われ、また県庁内の企業誘致連絡調整会議では、主に立地企業に係る各種申請事務の調整が行われており、必要に応じて開催し、地元市町村や関係企業にも、場合によっては協力を求めるとされています。せっかくこのような組織を設置しているのであれば、実務的な調整だけではなく、本県の戦略的な企業誘致につなげるべく、まさしく戦略を持った組織として機能させていく必要があると考えます。 さきにも述べた山口県や静岡県のように、改めて本県の企業誘致戦略や産業団地整備方針をしっかりと示し、県が収集した情報を市町村等とも共有し、マッチングにつなげるなど、全県一体となった企業誘致、産業団地開発に取り組んでいただきたいと思います。県として、今後の企業誘致に向けた決意や市町村支援の在り方、そして県、市町村、関係機関などが一体となった成果を上げるための戦略的な企業誘致組織、推進体制の強化について、併せて知事の御所見をお伺いします。 次に、旭川ダム等についてお伺いします。 旭川ダムは、岡山県の3大河川である旭川の中流域、河口から約40キロの位置に、岡山市北区建部町と吉備中央町にまたがる形で建設されており、昭和29年の完成から今年で70周年を迎えます。 旭川ダム統合管理事務所の
ホームページによると、旭川ダムの建設計画は、大正10年頃に遡り、当時県営電気事業計画の一環として調査が行われ、大正13年には、適地調査報告書が当時の県知事に提出されましたが、第1次世界大戦後の不況時代に当たり、県営電気事業やかんがい対策等の新規事業の実現が困難だったことから、その後しばらくは具体的な発展が見られませんでした。その後、昭和9年9月の室戸台風による未曽有の大災害を契機として、抜本的な治水及び利水の計画が立てられ、昭和17年にダム建設が着手されましたが、こちらも第2次世界大戦による資金、資材の逼迫のため、昭和18年に事業が中止となりました。いよいよ戦後、国土再建における電気需要の増大に合わせて県内でも洪水の防除と電力の確保、河川の総合的な利用を図るため、旭川総合開発計画が立案され、当時の三木知事は、県百年の大計、県政始まって以来の空前の大工事と位置づけ、本県の総力を結集してダム建設事業に取り組み、昭和26年の着手から4年をかけて昭和29年に完成を見ました。 この間、ダム建設に伴う443戸の家屋や多くの田畑の水没など、地元住民の御理解と御協力、御苦労があったことを忘れてはなりません。それから、70年、旭川中下流域の治水や水力発電、安定した水の供給源として重要な役割を果たしてきた旭川ダムの建設の背景や役割を、改めて広く県民の皆様に知っていただく機会として、啓発事業や記念イベントなどを開催してはどうでしょうか。60周年の際には、県立美術館での写真展や記念植樹を行っていただき、旭川ダムに対する理解も深まったと聞いております。ぜひ70周年を迎える本年にも、県による事業を検討していただきたいと考えます。 併せて、こちらも吉井川水系における一大事業であった苫田ダムも、間もなく完成20周年を迎えます。苫田ダムは、国管理ではありますが、県としても連携を図り、その歴史や役割を積極的に発信していただきたいと思いますが、旭川ダム、苫田ダムの歴史や意義を伝える啓発事業や記念イベントの実施について、知事の御所見をお伺いします。 また、県では、頻発化・激甚化する水害等に対して、そのリスクへの対応が喫緊の課題として、国に対してそのための予算確保等を提案しています。その一つに、この旭川中上流ダムの再生事業があります。既存の旭川ダムの放流機能を増強することにより、旭川ダム下流域において、浸水世帯数約3万400世帯の想定から約2万9,100世帯減少、浸水面積も約2,300ヘクタールから約2,100ヘクタール減少されるといった効果が見込まれています。岡山市街地における水害リスクを軽減させるためにも、早期の建設移行が必要であると考えますが、県としての今後の取組方針を、土木部長にお伺いします。 以上、よろしくお願いします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の松島議員の質問にお答えいたします。 まず、産業団地の整備についての御質問であります。 基本的方針についてでありますが、企業誘致に当たっては、県内の生産、雇用への誘発効果が期待できる企業を幅広く誘致するとともに、県内事業所の拠点化などの設備投資の促進に取り組むこととしております。また、産業用地の確保は、地域の特色を生かした産業の活性化を目指して、団地開発に取り組む市町村と一体となって進めることとしており、人材育成を含め、適地調査から造成までの各段階に応じ、市町村を総合的に支援することにより、必要な用地の確保を加速させてまいりたいと存じます。 次に、現状認識についてでありますが、県では、市町村に対し、各種規制や用地造成に係る相談など、様々な段階で支援を行ってきたところであり、県中北部においても6市町で県の補助金を活用した適地調査が行われ、用地の開発につながった事例もあるところであります。今後、調査結果等を踏まえ、産業用地としての活用に向けたさらなる検討や、新たな適地調査の検討が行われる場合もあると考えており、県としても、庁内部局横断組織による調整を行うとともに、専門家への個別相談の活用を促すなど、産業用地の確保に向け、しっかりと支援してまいりたいと存じます。 次に、決意等についてでありますが、県では、これまで、産学官連携組織や市町村連携組織、庁内部局横断組織を活用しながら誘致活動を展開し、公共施設整備への補助や無利子貸付けなどにより、市町村に対し、財政的な支援を行ってきたところであります。引き続き、これらの企業立地推進組織を効果的に活用し、積極的な情報収集や立地の働きかけを行うことで、地域経済への誘発効果が期待できる幅広い企業の誘致につながるよう努めるとともに、誘致活動から用地確保、立地に至るまで、各段階に応じて総合的な支援を行いながら、市町村と一体となって企業の誘致と投資の促進に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、旭川ダム等についての御質問であります。 啓発事業等についてでありますが、旭川ダムは、今年完成から70周年を迎えることから、ダムの歴史や意義について改めて県民の皆様に知っていただく大変よい機会であると考えております。このため、70周年を記念して、ダムの歴史や役割をまとめた映像を制作するとともに、ダム見学会に合わせて建設当時の写真を展示するなど、地元市町の協力も得ながら、ダムへの理解、愛着を深めていただけるようなイベントの開催について検討してまいりたいと存じます。 また、国管理の苫田ダムについても、来年の20周年に向け、国と協力して啓発事業等の実施を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 産業労働部長宮本由佳君。 〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎産業労働部長(宮本由佳君) お答えいたします。 産業団地の整備についての御質問であります。 支援制度の活用についてでありますが、適地調査や公共施設整備への補助、用地整備に対する無利子貸付けを活用し、現在、3市町で産業用地の開発が進められているところであります。また、これまでに15市町に対し支援を行っており、開発中のものを含め、8市町において産業用地を確保しているところであります。 次に、課題等についてでありますが、産業団地の整備に当たっては、事業主体が県であるか市町村であるかを問わず、候補地の選定や財政負担、工業用水などのインフラ整備、さらには整備した団地の早期かつ適正な価格での売却といった課題があり、個別の案件ごとにその重さは異なると考えております。こうした課題がある中、県としては、地域の特色を生かした産業の活性化を目指して団地開発に取り組む市町村に対し、許認可等に関する相談対応や技術職員の派遣をはじめ、適地調査や公共施設整備への補助など様々な支援を行い、一体となって産業用地の確保に努めてきたところであります。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 土木部長西澤洋行君。 〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕
◎土木部長(西澤洋行君) お答えいたします。 旭川ダム等についての御質問であります。 取組方針についてでありますが、旭川中上流ダム再生事業は、岡山市街地をはじめダム下流域の浸水被害軽減効果が大きいことから、国において早期に建設事業に着手していただきたいと考えております。このため、県としても、現在国が建設段階への移行に向けて実施している様々な調査・検討に対して、関係市町との調整等、できる限りの協力を行っているところであります。引き続き、来月開催する安全・安心な県土づくり総決起大会をはじめ、あらゆる機会を捉えて早期の建設事業着手を国に強く働きかけるとともに、国に対し、必要な協力を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 9番。 〔 9番 松島幸一君 登壇 〕
◆9番(松島幸一君) 御答弁ありがとうございました。再質問と要望をさせていただきたいと思います。 この質問もそうですけれども、私は、課題認識は、知事が以前先輩議員との質問の中で答弁されたリスクとリターンという、その考え方にあります。産業開発では、企業誘致ができれば、その後の市町村の税収が県に入るものよりも多いため、市町村にもそれなりのリスクを取ってもらいながら進めていくべきだという考え方、それは一定程度理解できるのですが、この考え方でいけば、リスクが大きく、そのリターンが少ないということで、県が産業団地を造らないというのであれば、それよりも規模が小さい市町村がその大きいリスクを取って団地開発を行うということは、より難しいのではないかなと感じます。 そうなれば、これから先、本県においてなかなか産業団地も進んでいかないのかなと、まして中山間地が多い内陸部における産業用地の確保は、一層困難になってくるのではないかと考えています。個別企業の直接的な立地は別としても、一定の産業団地を確保するとなると、重点戦略に掲げる産業振興においての一丁目一番地である企業誘致、特に戦略的企業誘致というものをうたうのであれば、やはり県の企業誘致戦略の中に、市町村の団地開発というものがあるべきではないかなと感じます。 県内陸部の産業団地開発について、地域の特色を生かしてということを言われておりますけれども、もう一度この4番の現状認識のところで、内陸部においては、その地域特性に応じた市町村支援ということを言われていますけれども、なぜその内陸部においては地域特性に応じた支援なのか。また、なぜそれが最適、有効と考えられているのか、その理由を再質問させていただきたいと思います。 また、県庁内、あるいは市町村とつくる組織を、もっと機能的に企業誘致への成果を求める組織として強化していったらどうかという質問をさせていただきました。この部分につきましても、もう少し市町村との連携の部分をどのように考えていかれるか。その組織、県庁内にある組織、あるいは県としてつくっている立地企業協議会等の組織に、市町村をどのように連携させていくかという部分を、もう一度御答弁をいただきたいと思います。 旭川ダム等につきましては、映像作製であったり写真展、またイベントの開催も御検討していただけるということで、せっかくの機会ですので、ぜひ関心が高まる事業をお願いできればと思っております。 今年、県も「おかやまゴミ退治大作戦」という海ごみ対策のキャンペーンも行っていただいておりますので、そうした観点も踏まえたことも考えられるのではないかと思っております。ダムにおいても、豊かな自然を守っていくと、そうした観点も踏まえてぜひ御検討いただきたいと思います。再質問のほう、よろしくお願いします。
○議長(
久徳大輔君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 産業団地に関する再質問でございます。 まず、小さい市町村の場合、リスクを取り切れないので、団地を開発したくても、団地を開発する適地があっても開発できないのではないのかという御質問があったと思います。 これは、本当にそういうところはございます。会社も自治体もそうですけれども、まずそのプロジェクトそのものに魅力があるのかどうかということが一番大事ですけれども、魅力があるのが分かっていても、自分たちの財政規模からしてなかなかそれだけ大きなリスクが取れないので見送らざるを得ないというのは、これはもう本当に残念なことであり、その機会損失については、我々も心配をしているところでありまして、それは岡山県があまりほかの県に例のない団地開発をしようとする市町村に対して無利子貸付けをすると、それについてもすぐ返済を求めないというのも、その可能性を考えてのことと、私が考えてお願いをしているところでございます。 財政規模が小さい、もしくは専門的な人材がいないからと言って、そこの市町村内に適地があるにもかかわらず開発ができないという可能性をいかに減らすかというのは、岡山県庁にとっても非常に大きな懸念でありまして、そういった可能性、これからもほかのやり方も通じてなくしていきたいと思っているところでございます。 あと、内陸部ということでありますけれども、沿岸部か内陸部かということで言えば、内陸部というのは基本的には得なわけであります。沿岸部の場合は、津波のリスクですとか、液状化のリスクですとか、いろいろなリスクがあるのに対して、内陸、これもどこまで内陸になっているかということによるわけですけれども、地盤が安定しているですとか、津波の心配がないですとか、そういったことがございます。内陸の中にも、高速道路のインターチェンジから近いかどうか、もともと平らになっていて比較的安いコストで団地にできるのか、それとも山を削って平らにしなければいけないのかということで、随分条件が違ってまいりますけれども、とにかくここで大事なのが、低い投資で産業用地にできる土地がたくさんあるにもかかわらず、わざわざ高いコストがかかる山を切るというのは、全体最適からすると随分離れてしまうということでございます。我々の立場で、日本全体で見渡してということは、なかなか現実的ではありませんけれども、岡山県内の中でどこが安いコストで造成できるけれども、企業から見て魅力があるのかということは、非常に大事な考え方だと思います。その上で、市町村の意欲というものも大事な要素になってこようかと思っております。 あともう一つ、市町村が意欲がないがゆえに適地があるにもかかわらず開発をされないというのは、これは残念なことでありまして、そういうときに県が開発をすると、県の立場で一律に適地を見つけて、ある種正しい優先順位をつけるということが可能である。これは、市町村ではなくて県が主体を取って開発するメリットの一つと、時々識者が言うことがありますけれども、そういったことにならないように、今、県のほうで、我々自身でどういう適地があるのか調べているところでございます。 今、暫定的な結果が報告されているところでありますけれども、私が思っているほどには、いい適地がそんなに残っていない。私、もう少し残っているのかと思っていましたけれども、いろいろな規制ですとか、そもそも平らな土地がもう随分使われているということもありまして、農地規制が大幅に緩むということがなければ、現状の規制のままでいえば、なかなか私が期待しているような大きな面積を見つけるというのが、今のところ地図上では困難な状況でございます。 あと、内部組織、県庁内の組織をもう少し工夫できるのではないかという質問でございます。 これは、常に工夫の余地があるはずだと思っています。先ほど、部長のほうから答弁しましたように、我々なりに、これまでの教訓から工夫を凝らしているつもりでありましたけれども、静岡県の例ですとか、他県でもっとうまく組織するような工夫があれば、我々としても取り入れていきたいと思います。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 以上で松島君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 39番笹井茂智君。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) 公明党の笹井茂智でございます。 質問の前に、今日夜、倉敷マスカットスタジアムで、阪神中日戦が行われます。今年は、この1戦という形になります。県議会の議員の代表の皆様と参加をさせていただこうと、私も思っているわけでございますが、ぜひ倉敷マスカットスタジアムを活用して、岡山県の子供たちに、野球を頑張ろうと、山本由伸選手のようになろうという、そういう希望を伝えるマスカットスタジアムにしないといけないなというふうに、改めて思っていますので、今日の質問ではそこはしませんけれども、今後の改修であるとか、更新であるとか、そういうところをぜひ知事も御検討いただければありがたいというふうに思っております。 それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきたいと思います。 まず、労働者協同組合法の活用についてお尋ねいたします。 この法律は、令和2年12月に、国会において超党派の議連による議員立法により全会一致で制定をされました。この超党派の議連の活動は、私ども公明党も中心になって進めてきたものであり、坂口力元厚生労働大臣の時代から、全党会派に呼びかけて法制化の作業を続けてきた経緯があります。 人口減少時代にあって、地域の支え手不足が言われる中、地域の抱える様々な課題に対して、地域の方々が主役となり、自らが出資して仕事を興し、自らが事業に従事する、またその運営は協同組合の理念に沿ってみんなの意見が反映される。NPO法人制度や企業組合、一般社団制度とは一味異なる地域活動のツールとして制度化をされました。とりわけ公明党では、高齢者の方も、障害のある方も、多様な人々の就労、活動の場所づくりが必要と考えており、持続可能な地域社会を構築するために制度の積極的な活用を進めたいと考えています。 一昨年10月1日に法律が施行されて以来、既に全国では、6月11日現在、31都道府県で94の労協法人、労働者協同組合法人が設立されており、それぞれの労協法人では、介護、生活困窮者支援、子育て支援、障害福祉などの制度事業やキャンプ場の経営、葬祭業、成年後見支援、自治会における地元産鮮魚販売やお弁当作り、家事代行など、様々な事業が取り組まれております。 公明党の協同労働推進委員会の報告では、この制度がスタートして、例えば、本業を持ちながらも仲間と協力しながら自分らしく働く場をつくりたい、自治会や地域おこし協力隊を中心に、地域の困り事解決のため、地域づくりの仕事をしたい、退職後の高齢期に生きがいを感じながら元気に仕事をしたい、さらには障害のある方や高齢者ケアの専門家から、志を同じくする仲間と共に自分たちで経営にも関わりながら、自分たちがやりたいケアを行いたいというニーズなどに応えるものになっているとのことでございます。こうした地域ニーズは、人口減少が進む中で我が県でも見られることであり、本県の地域戦略の中に組み込んでいくことを検討すべきではないかと考えます。 国は、周知広報のため、フォーラムの開催や相談事業の事業を行っていますが、本県として、国において全会一致で成立した労働者協同組合法をどのように認識しておられるのか。さらに、今後の活用方策をどのように考えておられるのか、併せて知事にお伺いします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 公明党の笹井議員の質問にお答えいたします。 労働者協同組合法についての御質問でありますが、労働者協同組合法により、介護や子育て支援など、地域の多様なニーズに応じた事業を行う労働者協同組合の設立が可能となったところであり、持続可能で活力ある地域社会の実現に資する法制度であると認識しております。今後、地域の方々が多様な働き方を実現しつつ、地域の課題に取り組むための選択肢の一つとしての広がりが期待されるところであり、県としては、企業組合やNPO法人、市町村等を対象とした制度説明会の開催や、
ホームページ等による情報提供を行うなど、国や市町村等と連携し、労働者協同組合制度の活用に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) ありがとうございました。 国の今年度予算が決まる前に質問すればよかったのですけれども、実は今年度から国は、モデル地域として選定した都道府県に設置される協議会、こういうものに労働者協同組合制度を活用した地域づくりや、高齢者や障害者などの多様な就労活動の場づくりを進める、そういう事業を3か年のモデル事業として開始されました。必要な経費は、国の委託費で全てが賄われるということでございまして、まず岡山県でこうした国の事業が活用されているのかどうか、分かれば教えていただければと思います。
○議長(
久徳大輔君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) その件は、部長に委任をしたいと思います。
○議長(
久徳大輔君) 産業労働部長宮本由佳君。 〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎産業労働部長(宮本由佳君) 再質問にお答えいたします。 今回の国のモデル事業の県の取組ということでございます。 こちらの事業、議員おっしゃるとおり、労働者協同組合を活用して、多様な働き方や雇用創出などの地域課題の解決を目指す取組を支援するということで、現在、本県には2つの労働者協同組合がございますけれど、なかなかちょっと規模が小さいということで、この事業に応募して地域全体、県全体の広がりというのが今は現状難しいということですので、この事業には応募はしておりません。今回のモデル事業の成果を踏まえまして、県として必要な取組を検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 次の項目に移ります。 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) どうも部長、御答弁ありがとうございました。 来年度もう一法人できるというお話を若手ホープのほうからもお伺いしています。そういった中で、やはりまだまだこの労働者協同組合というものの周知が少ないということで、今年はぜひ研修をやられるということでございますので、しっかりとそういうことを周知していただくこと、そしてなかなかやはり経営的にも最低賃金で働きながら事業をやっていくわけですので、利用拡大であるとか、そういうところでなかなか今の2つの法人についても経営が難しい、厳しいということもお伺いをしておりますので、そういうところのサポートも含めて、県のこれからのお力添えをお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。 それでは続きまして、マスカット・オブ・アレキサンドリアについてお話をさせていただきたいと思います。 果物の女王と言われているマスカット・オブ・アレキサンドリアの全国の9割以上が本県で栽培されていますが、その栽培面積はピオーネやシャインマスカットに抜かれ、令和5年では37ヘクタールとなっています。とても残念でなりません。生産の難しさや消費者ニーズ、生産者の高齢化など、マスカット・オブ・アレキサンドリアを取り巻く環境は大変に厳しいと認識をしておりますが、それでも本県の主力品種として、将来にわたり生産維持や人材育成などを進めていく必要があると考えます。今後の戦略をどう考えておられるのか、知事の御所見をお聞かせください。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 マスカット・オブ・アレキサンドリアについての御質問でありますが、本県が誇るブドウ作りの歴史と高い技術力を象徴する存在であり、豊かな芳香と気品あふれる食味を持つ最高級果物として、消費者や高級果物専門店からの根強い需要があるなど、くだもの王国おかやまを代表する品種であると考えております。こうしたニーズやブランド価値を踏まえ、引き続き、加温栽培を中心に、贈答向けの高品質生産への支援や、歴史、魅力の情報発信を行うとともに、栽培に取り組む新規就農者等への技術継承を通じて産地の活性化を図ってまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、マスカットスタジアム、マスカット・オブ・アレキサンドリアといったマスカットの名前のついた岡山県の宝は、大切にしたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) どうもありがとうございました。 いろいろアレキのことに関しましては、私も思いが深くて、そういう仕事、生産現場に携わってきてたこともあるのですけれども。いずれにしても、岡山県のアレキの栽培面積が私が就職をした約40年ぐらい前から今までで4分の1ぐらいに。これでも全国で9割以上ですから、それぐらいアレキを栽培しているところが少ないということです。かつては、ガラス温室の中で本当に、先ほどありました芳醇な香りがガラス温室中に香ってきていましたが、本当に大切なものだと思いますし、東京に上京の折であるとか、何かのときには、このアレキを贈答用としてお配りするということを、私も何度も経験をしました。時代とともに変わり、今、シャインマスカットが、昨年273ヘクタールということで、この10年間で191ヘクタール増え、そしてピオーネは減少になりまして、この10年間で182ヘクタールも減ってきて、全体でも多分ブドウの栽培面積というのは減ってきているのだろうというふうに思ってます。しっかりとブドウを支えていかなくちゃいけないということなんですけれども。 ここから要望なんですけれども、今、岡山県では、海外へ輸出ということで、知事もトップセールスをずっとやられていらっしゃいますので、黒系ブドウが中心というふうに認識はしているんですけれども、こういうアレキというようなものをぜひ海外に輸出できるような取組も、これから行っていっていただきたいということを、心からお願いし、ぜひ御検討いただいて、戦略的にどうなのかは、これから御検討いただければというふうに思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○議長(
久徳大輔君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) マスカット・オブ・アレキサンドリアについても、これから、振興に努めてほしいということでございます。 規制のことですとか、レクを聞いてない状態ですので、思いということだけでありますけれども。シャインマスカット、国内でも大人気、海外でも大人気であります。シャインマスカット自体は、その権利は広く解放されていますので、岡山県は作り方がすばらしいんです、おいしいんですということは訴えますし、これは事実なんですけれども、岡山県のシャインマスカットを売るということだけを考えてみても、シャインマスカットの元はアレキですから、アレキを手軽に種なしで食べられるというのがシャインマスカットのいいところですので、その大元のおいしさの元であるマスカット・オブ・アレキサンドリアを岡山県が一番作っていて品質が断トツにいいんだということが、これは2つの面で、1つは本当にシャインマスカットをおいしく作るためにも、もしくはシャインマスカットの品質が優れていることを広く知ってもらうためにも、非常に大事なことであります。これは、いろいろな会社が一番売れているものはこれなんだけれども、一番高品質なものも我々が作っているということで、ここの売れているものが競争力がずっと維持できると、これはもう典型的な戦略でありまして、岡山県の場合、両方持っている。シャインも強いし、その技術、もしくはプライド、工法を支えるアレキも強いということですので、これについてはきちんと維持して、かつまた海外に向けても訴えていきたいと思っております。
○議長(
久徳大輔君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) すみません、知事、御答弁ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。 では、続きまして認知症についてお伺いをさせていただきます。 国は、2025年に高齢者の5人に1人が認知症になると推計しており、認知症が身近なものになってきています。 今年1月1日には、認知症基本法が施行をされました。基本法の目的は、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができる社会の構築です。この目的に向かって、まず大切なことは、認知症に対する正しい理解を深めることだと思います。先日、愛知県から、認知症希望大使に任命された近藤葉子さんの活動がテレビで紹介されていました。 近藤さんは、水道メーター検針員の仕事をしていました。ある日、いつもと同じように水道メーター検針に行ったところ、あれ、このおうちの水道メーターはどこだっけ、次は何をするんだったかしらと、次に自分が何をしたらいいのか分からない状態になりました。その後、日常生活にも支障を来すようになり、努力や工夫をしてもミスしてしまう中で、今までやってきた自信や信頼が一気になくなってしまったと、当時の心境を語っておられます。 病院で、近藤さんは、アルツハイマー型認知症と診断されました。仕事の契約も打ち切られ、社会とのつながりが断ち切られたことで、毎日泣いていたようです。こんなとき、近藤さんを救ったのは、同じ認知症の人たちとの出会いでした。認知症だからというレッテルを抜きにして普通に接してくれる、みんな認知症だから自分のありのままの姿でいいというところがとても居心地がよかったと、喜びを語っていました。その後、自分が認知症であることを周りの人に知ってもらい、ちょっとした手助けをしてもらう中で、日常生活を取り戻し、今では認知症希望大使として認知症への理解を広げる活動をされていらっしゃいます。あなたのすぐ隣にあるんだよ、こういう病気があるんだよということを知ってもらいたい、その人のやれること、やりたいことを聞き取っていただいて、ちょっとした手助けによってその人が生き生きと暮らせるなら、そんな世の中になっていただけたらなと思いますとの近藤さんの言葉に感動いたしました。 今回、近藤さんの実体験を愛知県は、作業療法士会のメンバーと共に、紙芝居にして小さな子供にも分かりやすい形にして、認知症への正しい理解を広げる活動を進めるとのことでした。 そこで、本県においても、認知症希望大使の任命とともに、こうした紙芝居や動画等を作製し、学校やイベントなどで認知症に対する正しい理解と、ちょっとした気遣いの大切さへの認識を深めるための広報活動を積極的に展開すべきと考えますが、子ども・福祉部長の見解をお聞かせください。 東京都八王子市の小学校での認知症の授業が話題になっています。この授業では、認知症の人と子供たちが駄菓子屋での売手や買手となって交流を図るという、体験型の学習を行っているというものです。子供たちは、認知症の当事者と直接交流することにより、同じ目線に立って当事者の気持ちや考えに触れることで、体感として認知症への理解を深めることができます。体験学習を終えた子供たちからは、認知症の人は何もできない、何でも忘れてしまうのかと思っていた。でも、実際は違った。話せば普通だし、一緒に交流ができ、楽しかった。少し手伝えば、みんなと同じように生活できるのだと分かったという感想から、認知症への偏見は全く見られなかったということでございます。 そこで、できることを一緒にして、できないことを手助けしてあげるという当たり前の人と人との関係の在り方を学ぶという意味で、本県においても認知症への体験学習を取り入れて、認知症の方への偏見をなくす教育環境を整えるべきと考えますが、教育長の見解をお聞かせください。 年のせいという理由から発見が遅れがちになる認知症ですが、早期発見と早期治療がとても重要であります。アルツハイマー型認知症の場合も、発症の早期から薬物療法を行うことで進行を遅らせることができます。早めの対策をどうやって講じるかが認知症予防のポイントです。 東京都が開設しているとうきょう認知症ナビでは、認知症の基礎知識を深めることに加え、10項目のチェックリストで認知症の可能性を診断することができます。セルフチェックは、非常に有意義と考えますが、本県での取組や見解を子ども・福祉部長にお聞きいたします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。 子ども・福祉部長片山圭子君。 〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕
◎子ども・福祉部長(片山圭子君) お答えいたします。 認知症についての御質問であります。 まず、広報活動についてでありますが、県では、認知症の正しい知識と理解の普及を図るため、できる範囲で手助けする認知症サポーターの養成のほか、VRによる疑似体験研修や国際的な啓発月間に合わせたパネル展の開催等に取り組んでおり、引き続き、より効果的な広報啓発を進めていきたいと考えております。 お話の紙芝居や認知症希望大使など、取組の具体的な内容については、今後示される国の基本計画を踏まえるとともに、認知症の人やその家族の意見を十分に聞きながら検討してまいりたいと存じます。 次に、セルフチェックについてでありますが、認知症の早期発見と対応力の向上を図るため、これまでも、かかりつけ医や看護職員等を対象とする研修の実施等に取り組んできたところであります。認知症への関心や理解を高め、少しでも症状の軽いうちに本人や家族等の身近な人が気づき、早期の治療や対策につなげることが重要であることから、そうした気づきの一つの目安として、お話のチェックリストなど、分かりやすい資材を用いた啓発についても、今後、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君)
教育長中村正芳君。 〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕
◎教育長(中村正芳君) お答えいたします。 子供への体験学習についてでありますが、県教委では、第4次岡山県人権教育推進プランに基づき、認知症に対する理解を深めるとともに、地域での見守り支援を広げていくため、学校での認知症サポーター養成講座等を通じて、正しい知識の普及を図っているところであります。認知症の体験学習については、県内にも、VR
システムを活用し、認知症の疑似体験を行ったり、認知症の方の孫の立場になって、生活の一場面における適切な対応を考え、発表し合うロールプレーなどに取り組んでいる学校もあります。今後は、こうした好事例を研修等を通じて普及するとともに、県福祉部局や市町村と連携しながら、認知症に関する講座等を広く周知し、その活用を促すことで、認知症への正しい理解が広がるよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) どうもありがとうございました。 要望なんですけれども、希望大使等については、ぜひ家族会の方でありますとか、関係団体の皆様とも御協議をいただいて、当事者が発信するということは非常に大切だと思いますし、他人事ではなく、やはり自分事にそういう環境をつくっていくという、福祉の岡山県という中で、しっかり取組の強化をお願いしたいと思っています。 子供への体験学習につきましては、これは同居家族であれば、そういう方が家族の中にいらっしゃれば、日常的に体験することができるということで、学校の中でやられているところもあるということでございますけれども、ぜひそういうことを、御答弁にございましたけれども、小っちゃいときからそういうことが当たり前になるような、やっぱりそういう教育ということは、これからはもうもっともっと必要になる、先ほど言いました5人に1人が認知症だという社会になっていくわけですので、ぜひお取組をさらにお願いしたいと思います。 3番目のセルフチェックにつきましては、東京都のセルフチェック、私も
ホームページ上で簡単にできるのでやってみましたら、何とですね、10問で私は12点でした。20点以上であれば病院に行ってくださいということで、例えば、誰でもあることですけれども、財布や鍵など、物を置いた場所が分からなくなることがありますかと、私はよくあります。そういうことで、そういうことを定期的にチェックするということは、非常に大切なことだろうなというふうに思いますので、ぜひそういうことが
ホームページ上にアップされて、もう若い人でもできるような環境をつくっていただければと思いますので、よろしくお願いします。 以上でございます。ありがとうございました。
○議長(
久徳大輔君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) 続きまして、低出生体重児についてお伺いをさせていただきます。 初めに、リトルベビーハンドブックの作成につきましては、御尽力いただきありがとうございました。47都道府県でこの3月末をもって作成されることができました。引き続いて、本県においてもその活用と内容の充実、また改訂等について対応いただければと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 さて、県内の出生数は年々減少しているわけですが、その中で、出生体重が2,500グラム未満の低出生体重児の出生数は、毎年、岡山県で1,000人を超えているわけでございます。低出生体重児は、長期にわたる入院などで、母親が愛着形成や今後の育児に不安を抱えることが多く、産後ケアが重要となります。 県では、本年度から、おかやまママ安心サポート事業が実施をされております。低出生体重児の母親は、小さく我が子を産んでしまったことに対する自責の念が強い上、退院翌日から体を休めることなく搾乳した母乳を病院に届ける日々を送り、休憩が十分取れず心身ともに疲弊、そのストレスから母乳が出にくくなり、産後鬱に移行するケースもあると聞いております。そのため、低出生体重児の母親の場合、現行の産後ケアの利用日数の原則1週間では足りないと考えております。そのほかにも、赤ちゃん同伴の利用に限られていることから、赤ちゃんがNICUに入院している期間は、産後ケアを利用できないという市町村があることも課題となっております。また、早産という緊急性が高い妊婦の場合、総合周産期母子医療センターに搬送、そのまま出産する場合が多く、我が子と離れたくない、我が子をNICUに残したまま、先に自らだけ退院するということだけでも申し訳なさが募るという、そういう精神状態、また母乳を届けなければならない環境下で産後ケアを利用できる施設を限定されてしまう、特に、県北の母親の場合は、産後ケアを利用しにくい現状があります。 つきましては、低出生体重児の母親に対する産後ケアの充実を図るため、市町村において、国が行っている妊娠・出産包括支援事業を活用し、市町村が行う産後ケアの利用可能日数を、1週間から2週間に拡充するよう、市町村にぜひ働きかけていただきたいと思います。また、産後ケアを利用するためには、市町村と施設が契約する必要があり、産後ケアの必要性が高い低出生体重児の母親の利便性向上のため、より多くの施設と契約するよう市町村に働きかけをしていただきたいと考えます。また、全国知事会を通じ、国の制度の充実も求めていただきたいと思いますが、保健医療部長の御所見をお聞かせください。 栃木県の真岡市役所にあるおむつ替えや授乳などのスペース「赤ちゃんの駅」に、今年5月、搾乳でも御利用いただけますという表示が追加されました。搾乳器のイラストも描かれ、母乳やミルクを赤ちゃんに与えるときだけでなく、搾乳でも利用できると、分かりやすく示しています。今日、資料をお配りさせていただいておりますけれども、(パネルを示す。以下パネルで説明)これは「赤ちゃんの駅」のこの掲示のところに、授乳だけじゃなく搾乳でも御利用いただけますという掲示が5月から行われたということをお伺いしております。 予定日より早く小さく生まれた赤ちゃんは、入院となる場合が多く、その期間は半年に及ぶこともあり、先に退院した母親が搾乳をして病院に届けるケースがあります。外出先で授乳室を利用していいのか分からずに断念したり、独りで利用するのを不審がられたりすると言います。岡山県庁1階の県民ホールには、耐震化の完成に合わせ、新たに授乳室が設置をされましたが、搾乳についての表示はなされていないと思います。県庁舎をはじめとする県有施設のみならず、市町村の公共施設や商業施設などの授乳室に搾乳マークの表示をしていただきたいと考えますが、子ども・福祉部長の御所見をお聞かせください。 低体重で生まれた赤ちゃんに欠かせないのが母乳ですが、様々な事情により母乳を与えることができない母親がいらっしゃり、こうしたときに、母親の母乳の代わりにドナーミルクを提供するのが母乳バンクでございます。2年前にも質問させていただきました。県内医療機関が母乳バンクと連携した取組を行っている事例はありませんでしたが、現在、倉敷中央病院でドナーミルク使用の取組が始まっていると聞いています。他の周産期母子医療センター等でも取組を行っていただきたいと思いますが、県のお考えと今後の取組について、保健医療部長にお伺いします。
○議長(
久徳大輔君) 答弁を求めます。 保健医療部長梅木和宣君。 〔 保健医療部長 梅木和宣君 登壇 〕
◎保健医療部長(梅木和宣君) お答えいたします。 低出生体重児についての御質問であります。 まず、産後ケアの充実についてでありますが、低出生体重児の母親と育児への不安を抱える方に対しては、メンタルヘルス支援など、個別のニーズに応じたきめ細かい支援が必要と考えております。こうしたことから、まずは利用可能期間や契約説明など、現在の県内市町村の取組状況を各市町村に情報提供するとともに、今年度、産後ケアに関する調査を行い、母親とのニーズや施設の受入れ体制等の実態を把握することとしており、その結果も踏まえ、支援の必要性の高い方に対する産後ケアの充実に向け、市町村へ助言してまいりたいと存じます。併せて他県とも連携を図りながら、産後ケア制度の拡充について、国に対し要望してまいりたいと存じます。 次に、ドナーミルクについてでありますが、低出生体重児の栄養源のうち、母乳には感染症や壊死性腸炎等の疾患を予防する効果があることが報告されているところであります。また、母親が体調不良や服薬中であるなど、様々な事情により母乳を与えることができない場合に、乳児にドナーミルクを提供する母乳バンクの仕組みは意義があるものと考えております。現在、国において、母乳バンクに関する研究に取り組んでいるところであり、その動向を注視するとともに、必要に応じ、周産期医療センター等の関係機関に情報提供してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 子ども・福祉部長片山圭子君。 〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕
◎子ども・福祉部長(片山圭子君) お答えいたします。 授乳室への搾乳マークについてでありますが、御意見も踏まえ、必要な方が気兼ねなく利用できるよう、まずは県庁1階の授乳室の扉に、搾乳室としても利用いただける旨を表示し、他の県の施設についても、今後、関係部局と調整してまいります。併せて市町村や商業施設においても、同様の取組が広がるよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) 御答弁ありがとうございました。 産後ケアの期間の1週間から2週間へというのは、どういうお考えなのか、よろしくお願いします。
○議長(
久徳大輔君) 保健医療部長。 〔 保健医療部長 梅木和宣君 登壇 〕
◎保健医療部長(梅木和宣君) 再質問にお答えいたします。 産後ケアの事業における利用期間、原則1週間というところでございますけれども、その点についての考えはということであります。 基本的には、国の事業においては原則1週間ということでございますけれども、当然ながら地域の実情に応じた運用というのが認められているということになっております。そうしたことから、各県内の市町村の取組状況を我々としても情報収集した上で、各市町村にはそういった情報を提供して参考にしていただきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(
久徳大輔君) 39番。 〔 39番 笹井茂智君 登壇 〕
◆39番(笹井茂智君) どうもありがとうございました。ぜひよろしくお願いしたいと思ってます。 搾乳マーク、県庁1階につけていただけるということで、ありがとうございました。御礼申し上げます。 岡山県内にも「赤ちゃんの駅」というのは、9市町でつくられております。(パネルを示す。)これは誰がつくったものでもなくて、こういうものがあったということで、この授乳室に搾乳室というものをしていただければ結構ですし、さっき「赤ちゃんの駅」のように、別に何かするわけではなくて、本当に紙を1枚貼り付けて搾乳もできますというような、そういう表示をしていただいているということでございますので、ぜひお願いしたいと思います。 先般、岡山市の駅前の商業施設でありますとか、百貨店にもお伺いをしました。ベビーショップの近くにこういうものが作られていたんですけれども、授乳室は本当にきれいに整備をされておりましたけれども、搾乳については表示はございませんでした。そこにいらっしゃる方に聞いたら、いや搾乳もしていただいて構いませんと、お口では聞かせていただきましたけれども、本当にそういうことが少しでも、今後、広がっていくように御努力、御尽力いただければと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。終わります。ありがとうございました。
○議長(
久徳大輔君) 以上で笹井君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 この際、午後1時まで休憩いたします。 午前11時55分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時再開
○副議長(中塚周一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を継続いたします。 3番鈴木一史君。 答弁者は控席へ移動願います。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) こんにちは。民主・
県民クラブの鈴木一史です。本日、6月25日で、私、46歳になりました。 ありがとうございます。諸先輩方や当局の皆様に祝っていただきまして、恐悦至極でございます。また、誕生日は祝ってもらうと同時に、いろいろな方に感謝をする日だと、私は思っています。関係する全ての皆様、また私を産み育てていただいた両親、いつも支えてくれている妻に感謝を申し上げます。 また、本日、傍聴に足を運んでくださった皆様、重ねて感謝を申し上げます。 本日から、また新たな気持ちで県政の様々な課題に一心精進してまいります。 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。 初めに、訪問介護についてお伺いします。 高齢者が自宅で暮らしていくために、訪問介護は欠かせないサービスの一つです。ホームヘルパーが身体介護や食事づくりなどの生活支援を担ってくれているおかげで、安心を実感している人は、岡山県内でも多いのではないでしょうか。今、その訪問介護事業所が苦境に陥っています。もともと賃金水準が低く、人手不足は深刻で、有効求人倍率は15倍を超えています。特に、小規模事業所で廃止や休止が相次いでいます。さらに、この4月の介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬が引き下げられました。国の介護政策は、施設から在宅への方針に従って、住み慣れた場所でその人らしく暮らせるよう、医療や介護が連携する地域包括ケアを進めてきたはずなのにです。在宅介護の柱である訪問介護は、強化すべきなのに、報酬を引き下げたことは理解し難く、基本方針に逆行すると考えられます。 訪問介護は、利用できなくなれば、家族が介護のために離職したり、高齢者が施設に入らざるを得なくなります。しかし、施設も定員オーバーで、順番待ちが続いているのが現状です。岡山県内での訪問介護の重要性についてどのようにお考えですか、知事にお伺いします。 訪問介護の基本報酬を引き下げたのは、厚生労働省が23年度の経営実態調査を基に、訪問介護事業所の平均利益率が7.8%と高いということで判断したことからと言われています。この数字は、介護サービス全体の2.4%を大きく上回ります。しかし、数字だけで介護事業所の経営実態は把握できません。サービス付き高齢者向け住宅に併設し、入居者を訪問する事業所は効率がよいですが、対照的に一軒一軒離れた個人宅を回る事業所は経営が厳しく、その要因は移動に時間や経費がかかるため効率が悪いと言えます。この分析方法は、見直すべきです。次回の介護報酬で報酬の上がる見込みも不透明な中、多くの訪問介護事業所が、今後も、サービスを提供し続けられるかは疑問です。多くの事業所が撤退をしてからでは、サービスを必要としている方が利用できなくなるおそれもあります。本県の訪問介護事業所の現状を速やかに把握し、介護報酬の見直しを国へ働きかけていただけないでしょうか。また、県からも、例えば、移動の距離に応じてガソリン代の補助金を出すなど、何か支援できることは本当にないでしょうか、併せて子ども・福祉部長にお伺いします。 今、東京などの都市部では、20代、30代のヘルパーしか雇わない訪問介護事業所もあるようです。これらの事業所は、土日祝休み、日勤のみ、残業なし、ペーパーレス化などの条件を提示しているそうです。デジタルネイティブと言われる世代は、紙に書くことを嫌う方も多いそうです。人材確保のため、利用者のニーズよりも職員のニーズにサービスを合わせる時代になってきているんだと考えさせられます。ヘルパーの平均年齢が高く、大量退職の懸念がある中、従来のやり方ではなかなか人が集まらないのであれば、思い切って若い方を中心に事業所を運営するのも、それはそれで新たな形になるのではないかなというふうに思います。しかし、小さな事業所だと使える予算も少ないこともあり、ICT化の
システムや機器を導入することができないのが実情です。若者が介護業界に入りやすくするためにも、訪問介護事業所のICT化を進めるための補助制度を導入してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 また、訪問介護は利用者宅へ訪問するため、利用者と2人きりになることも多く、セクハラやカスハラなどの被害をよく耳にします。また、逆に介護者から利用者への虐待が行われることも考えられます。訪問介護員や利用者を守るためにも、作業の状況などを録画できる見守りカメラの購入などの補助が出せないでしょうか、併せて子ども・福祉部長にお伺いします。
○副議長(中塚周一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 民主・
県民クラブの鈴木議員の質問にお答えいたします。 訪問介護についての御質問であります。 重要性についてでありますが、訪問介護は、高齢者が介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で、医療や介護など必要なサービスの提供を受けながら安心して暮らしていく上で欠かすことのできないサービスの一つと認識しております。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 子ども・福祉部長片山圭子君。 〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕
◎子ども・福祉部長(片山圭子君) お答えいたします。 まず、現状把握等についてでありますが、今般の報酬改定の影響について、国は、地域の特性や事業所の規模を踏まえて調査・検証し、丁寧に検討するとしていることから、まずはこうした国の対応を注視する必要があり、現時点で国への働きかけや補助金等の支援は考えておりませんが、県内の事業所の現状については、引き続き、関係団体との連絡会議を通じるなどして把握してまいりたいと存じます。 次に、補助制度の導入等についてでありますが、現時点で訪問介護事業所を対象とするICT導入への経費支援は行っておりませんが、今年度、新たな支援策として、総合相談の窓口を設置し、事業所からの相談対応や専門家派遣等に取り組むこととしており、まずはこうした取組を通じて、各事業所のICT化を支援してまいりたいと存じます。 お話の見守りカメラについては、利用者の同意を得るなど、丁寧な調整が必要であり、訪問介護サービス提供上の観点での実施は難しい課題と考えております。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 3番。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) 御答弁ありがとうございました。 国の動向を注視するといったことなんですけれども、聞いたところ、今年は4月に478事業所の訪問介護ヘルパーステーションがあるということです。 先日、氏平議員の質問では、22施設が廃止で、休止が5か所といったところで、県内全体で見ると約5%がもうそういったサービスが提供できなくなっているという実情を踏まえて、こういった状況を国にちゃんと進言しているのでしょうか、お願いします。
○副議長(中塚周一君) 子ども・福祉部長。 〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕
◎子ども・福祉部長(片山圭子君) 再質問にお答えいたします。 県内の廃止の状況を国に伝えているのかということであります。 まず、御指摘いただきましたその廃止については、件数、先般も述べさせていただいたとおりであります。今年の状況は、まだこれからいろいろ推移していこうかと思いますので、その介護報酬の改定の影響がいかほどかというのは、もうしばらく数字上も見ていく必要があるだろうと思ってございます。 お答えの中で引用していただいた、お答え申し上げた数字22件は、昨年度中の年間の廃止数であります。推移を、過去の推移も含めて申し上げますと、例年残念ながらその廃止の件数としては一定程度出ております。逆に、新規も地域によってはあったりしまして、廃止、新規、出入りは毎年度少しずつあるというのが現状であります、それがいいとか、悪いとかということではないのですが。ですので、そういった意味も含めて、今年度の報酬改定の状況については、もう少し見てから必要に応じて国にも伝えてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 3番。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) 次に、防災対策についてお伺いします。 4月に、石川県の能登町、珠洲市、輪島市、内灘町へ被災後の現状を確認しに行ってまいりました。この資料1を御覧ください。(パネルを示す。以下パネルで説明) 被災後の石川県庁から珠洲市まで、約120キロあります。これは、岡山県庁から見ると、神戸、松江、鳥取、ぎりぎり広島市や高知市へ入るぐらいの距離感ということです。 現地の状況は、発生から既に3か月超たっていましたので、復興に向けて準備をしている地域もあれば、いまだに被災した状況のままで手つかずになっている地域など、同じ災害ですが、地域によって様々でした。お伺いした先々で、現地の方やボランティア団体の方からなど、お話を伺いましたので、岡山県では、今後、どういった対応をするのか、疑問に思った点などを中心に質問させていただきます。 令和6年
能登半島地震の教訓から、岡山県は何を学び、どのような対策をするのでしょうか。現在の状況を踏まえて、
危機管理監にお伺いします。 今回、被災地で人道支援を中心に活動している団体の方からお話をお伺いしました。この方々や団体は、平成30年の西日本豪雨災害の際にも、倉敷で活動していただいたそうです。このたびの地震で、一つの団体に、被災した複数の自治体から次々に支援の依頼が来たそうです。また、団体からある自治体へ支援の申出をしましたが、そのときは断られたそうです。その後、その自治体から、改めて支援の要請が来たそうですが、人員の関係で現地へ入ることが遅れたそうです。被災直後の混乱の中で、自治体が迅速に判断を下すというのは、本当に難しいと感じました。 県では、岡山県における災害時協力協定で様々な目的別や協力内容の災害時協力協定の締結をしています。しかし、この協定の中に、避難所の運営や環境設備を支援する活動の項目や、西日本豪雨災害のときのような活動を行った団体はありませんでした。日本の避難所は、他国に比べて遅れていると言われていますが、今回、避難所を数か所拝見したところ、資料2の1を見ていただきたいのですけれども、テントのようなもので仕切られていて、一定のプライバシーが確保されていて、また家族単位や男女で部屋を分け、段ボールベッドが完備され、清潔に保たれていました。また、被災地では、DMATやDWATといった団体との連携も重要です。特に、一定の期間を過ぎると、DMATなどの担当者は、被災地から御自身の通常業務へ戻ってしまうため、新たな方が現地へ入ってきた際には、情報を共有するような役目も果たしているというふうにおっしゃっていました。 大規模災害が発生した場合、被災者の数が多く、また自治体職員は、各種対応に多忙を極めることになります。自治体職員も被災者の一人です。避難所の運営は、市町村が主体的に運営することであるのは承知していますが、こうした避難所の運営などに知見のある団体と県が災害時協力協定を締結することで、災害時にスムーズな支援を受けられるものと考えていますが、
危機管理監の御所見をお伺いします。 被災後の生活で何が一番きついかといったら、断水でトイレが流せない、できないことだそうです。非常用簡易トイレキットがありますが、震災直後は備品が潤沢になかったため、1家族で1キットを1日使うなんていったこともあったそうです。トイレをしたくないから食べない、飲まないといった方もいたそうです。 4月に視察に行った当時、特に被害が甚大であった珠洲市では、まだほとんどの家庭で断水をしていて、水が出るところは、体感ですが、10%前後と言われていました。断水していて、トイレが流せないため、市役所や避難所などの人が集まる場所に、全国の自治体の仮設トイレが設置されていました。今回は、小学校の避難所へ倉敷市の仮設トイレが設置されていました。 その後、6月14日に、ようやく断水が解消し、復旧したといった報道がありました。しかし、これは本管の復旧で、実際に水が出るのは、本管から各家庭へ延びている給水管が断水しているかどうかにより、断裂している場合は各自で宅内配管の工事の手配が必要となります。そのため、工事業者に依頼が殺到して順番待ちが続いており、視察の際、地元の方にお伺いしたところ、以前は2か月待ちだったが、今は業者からいつできるか分からないと言われているそうです。本管が復旧しても、直ちに各家庭で水が使えるわけではありません。上下水道が引き込めないため、その地域で暮らすことを諦めて引っ越す方もいたそうです。断水で困っている被災地の住民に対して、少しでも早く復旧することが望まれます。 5月に、ようやく石川県が、地元市町以外の事業所が行う宅内配管修繕のかかり増し経費に対する県補助制度の創設をしたと報道がありました。かかり増し経費は、県内の遠方の工事業者に依頼した際の移動に要する燃料代や宿泊代の経費のことで、この補助制度は県が工事業者にかかり増し経費を直接補助するといったもので、建物の所有者の負担はないというものです。 岡山県も、南海トラフ地震などが起こった非常時の際に、石川県のような災害により被災した住宅を支援する制度を、宅内配管が断裂した場合に限らず、様々な設備に対して早い段階で創設できるよう検討しておいてはいかがと思いますが、土木部長の御意見をお伺いします。 内灘町は、
能登半島地震の際の震度は5弱から5強であり、他の地域と比べて建物の倒壊などは少なかったそうですが、町内の各地で液状化が起きていました。地震で砂が噴き出して家屋が傾き、道路が波打ち、家が沈み込んだり、大きく隆起してしまった場所もありました。この資料の2の4を御覧いただきたいのですけれども、人がここに立っているんですけれども、この前にあるのは、この奥のお宅の車庫だったそうです。この左の建物のこの屋根、ひさしよりも高いところに車庫の屋上があったのですけれども、この液状化により、人間の身長よりも低いところまで沈んでいるという、こういった写真になります。 ずっと復旧には手つかずの状態でしたが、先月、ようやく被災した住宅の公費解体が始まりました。しかし、一部地域は、下水道の復旧のめども立っていないといった報道もあります。ほかの地域に比べて復旧が遅れているのは、液状化はその後の対応が難しいためであると思われます。 県は、平成25年に、南海トラフ巨大地震による液状化危険度分布図を作成しています。10年以上経過していますが、県内での液状化対策の現状についてどう捉えておられますか。また、今回の
能登半島地震における状況を踏まえて、何か対策は考えておられますでしょうか、
危機管理監にお伺いします。
○副議長(中塚周一君) 答弁を求めます。
危機管理監中川担泰君。 〔
危機管理監 中川担泰君 登壇 〕
◎
危機管理監(
中川担泰君) お答えいたします。 防災対策についての御質問であります。 まず、
能登半島地震の教訓についてでありますが、県は、これまでも様々な事態を想定した防災訓練の実施を通じて、大規模な災害が発生しても被害を最小限に抑えることができるよう体制強化に努めてきたところであります。
能登半島地震では、
孤立集落との連絡手段や支援物資の輸送体制の確保のほか、ライフラインの復旧が遅れるなどの新たな課題が顕在化したため、今年度、新たに
ヘリコプターを活用した
物資輸送訓練を実施したほか、今後、市町村に対して、集落単位の災害用備蓄の必要性の検討をお願いしたいと考えているところであります。さらなる対策については、今後、国が取りまとめる検証報告の結果を踏まえ、研究してまいりたいと存じます。 次に、災害時協力協定についてでありますが、県は、大規模災害時に業務が増加する市町村を支援するため、県災害対策本部に受援調整部を設置し、国や他県等からの人的・物的支援を円滑に受け入れる体制を整備しているところであります。お話のような避難所運営のノウハウを持つ民間団体との連携は、有効と考えており、既に協定を締結している倉敷市等の事例を他市町村に情報提供することとしているため、現時点では、県として協定締結までは考えておりませんが、引き続き、災害時に有効な民間団体との連携について、他県の取組を研究してまいりたいと存じます。 次に、液状化対策についてでありますが、本県でも、大規模地震発生時に、県南部を中心に広範囲で住宅地や道路等の液状化が発生する可能性があるものと考えております。このため、県は、これまで、県民や事業者が住宅の建設や各種インフラ整備計画を策定する際に参考となるよう、液状化危険度分布図等を公表し、地域の液状化発生リスクを周知してきたところであります。一方で、液状化は、その発生原因やその対策方法について、さらに研究が必要であり、現時点で完全な対策は難しいとされております。このため、液状化の発生を前提とした備えや適切な避難行動を取っていただくことが重要と考えており、あらゆる機会を活用して、県民の防災意識の醸成に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 土木部長西澤洋行君。 〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕
◎土木部長(西澤洋行君) お答えいたします。 被災住宅への支援についてでありますが、現在、県では、被災した住宅の応急修理を速やかに実施できるよう、岡山県建設労働組合などと協定を締結しております。一方で、南海トラフ地震のような大規模災害時においては、現在協定を締結している団体だけでは早期の対応が困難となることも想定されるため、今般、石川県が講じた措置をはじめ、過去の災害時に大きな被害を受けた都道府県が実施した事例の調査等を行い、有効な対応策について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) それでは、次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 3番。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) 災害は、いつ起こるか分かりませんので、ぜひとも、お忙しいとは思うのですけれども、県民のために引き続き、今後の検討をいただければと思います。よろしくお願いします。 それでは、次に行きます。 情報セキュリティーについてお伺いします。 先月、岡山県精神科医療センターは、ランサムウェア攻撃により、電子カルテ
システムが停止しました。攻撃者は、VPN機器の脆弱性を突き、データを暗号化し、脅迫メッセージを残しました。今月に入り、患者情報などの流出が確認され、最大4万人分が影響を受ける可能性があるとの発表がありました。センターは、情報が流出した可能性がある方には、個別説明、または文書送付などを順次行っており、相談窓口も設置したと伺っています。 ウイルスに感染した原因は、公表されていませんが、VPN機器の更新が遅れたことが被害の一因とされ、原因究明後、VPNを含め
システムを更新する方針といった報道がありました。侵入経路や流出した情報について分かっている範囲でお答えください。 加えて、VPN機器の脆弱性について、自治体病院の全国組織より、2023年6月に連絡を受けていたのにもかかわらず対応が遅れた理由をお教えください。 そして、情報が流出した可能性がある方には、どのような影響があると考えられるのでしょうか、併せて保健医療部長にお伺いします。 また、今回の事案について、県はどのように受け止めているのか。そして、こうした事態を県内の病院で再び起こさせないため、他の病院へどう対応しようとされているのか、併せて保健医療部長にお伺いします。 一方、県庁内のセキュリティー対策について、今回の事態を踏まえて、県としてはどのような対策を検討しているのでしょうか。庁内における対策の強化だけでなく、ウイルスに感染した際の影響力から、外郭団体や県が設立した地方独立行政法人についても、情報セキュリティーの水準を向上させるための指針のようなものを作成し、示すべきと考えますがいかがでしょうか、併せて総務部長にお伺いします。
○副議長(中塚周一君) 答弁を求めます。 保健医療部長梅木和宣君。 〔 保健医療部長 梅木和宣君 登壇 〕
◎保健医療部長(梅木和宣君) お答えいたします。 情報セキュリティーについての御質問であります。 まず、岡山県精神科医療センターのうち、侵入経路等についてでありますが、センターの総合情報
システムは、VPN機器を用いてインターネットと接続しており、そのセキュリティー対策が十分でなかったため、患者の氏名、住所、生年月日、病名等や病棟会議の議事録等の情報が流出した可能性があるとのことであります。 また、対応が遅れた理由につきましては、更新に向けベンダーと協議はしていたものの、少ない人員で情報
システムを管理する体制であったほか、セキュリティー対策に対する認識が十分でなく、ベンダー任せになっていたことも一因と聞いております。センターに、御本人や御家族から多くの問合せがあるなど、不安が生じているほか、今後、こうした不安に付け込んだ詐欺などの二次被害に遭う可能性が考えられるところであります。 次に、受け止め等についてでありますが、県の精神科医療の中核的な役割を担う病院から個人情報が流出したことは、大変憂慮すべき事態であり、まずは患者の皆様方への真摯な対応と、被害の拡大防止に取り組んでもらいたいと考えており、県としましても、国等と連携を図りながら、引き続き、全面的に支援してまいりたいと存じます。 また、県では、
システム障害の発生を把握した直後に、県内病院等へ注意喚起を行い、その後も、国の安全管理ガイドラインに沿った臨時点検の実施要請など、必要な対策を講じているところであります。今後、こうした事態が県内の病院で再び起こらないよう、立入検査などを通じて、病院における安全管理意識の向上やサイバーセキュリティー対策のさらなる徹底を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 総務部長浮田信太郎君。 〔 総務部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎総務部長(浮田信太郎君) お答えいたします。 庁内の対応等についてでありますが、県では、従前から、外部からの不正アクセスを防止するため、ネットワークの分離や通信監視を行うクラウドの運用等により、情報
システムの安全性の強化を図っておりますが、今回の事態を受け、庁内の通信機器に脆弱性の対応漏れがないかなど、改めて点検を実施しているところであります。 また、県の外郭団体や地方独立行政法人の情報セキュリティーについては、業務運営の一環として、外郭団体等が主体的に判断し、その責任において対策を講じることが基本であることや、国等が事業分野に応じたガイドラインを作成し、公表していることから、県として指針の作成は考えておりませんが、最新の情報セキュリティーの動向等についての情報提供や研修会の参加案内など、外郭団体等の情報セキュリティー水準の向上につながる取組を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 3番。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) 御答弁ありがとうございました。 先ほど、保健医療部長のほうからも御答弁ございましたが、こういう管理に関して人員が少なかったとか、またベンダー任せだったといったことを言われております。ぜひとも今回の件、セキュリティーをするといってもやっぱり保健医療の範囲でそれをするというのは、なかなか厳しいんじゃないかなというふうに思っています。やっぱり何といっても餅は餅屋と言いますので、ぜひ総務部長、今回の件を踏まえて、そういった様々な分野に対して、縦割りではなくて横のつながりでぜひとも連携できるような、そういった
システムをちょっと検討していただけないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○副議長(中塚周一君) 総務部長。 〔 総務部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎総務部長(浮田信太郎君) 再質問にお答えいたします。 縦割りではなくて情報を所管する総務部のほうで普遍的にというような内容かと認識いたしましたけれども、今回は病院ということで、原因として人員不足とかいろいろあったわけなんですけれども、外郭団体、独立行政法人は担当する業務、内容が様々でございます。こうした中から、今、議員がおっしゃられた統一的な指針みたいなもののそのものずばりをつくるというのはなかなか難しい面もあるかと思います。 こうしたことから、答弁の繰り返しになって恐縮でございますが、例えば、病院でありますと、厚生労働省のほうからガイドラインが示されております。もちろんそうしたガイドラインの解釈が難しいというようなことであれば、所管課を通じて総務部のほうに御相談いただければ、全然構わないと思いますし、また我々としても庁内に限らず、こちらも繰り返しでございますけれども、情報提供とか研修会の案内など、これをもって
システムと言うのかどうかというのはいろいろあるのですけれども、そうした仕組みづくりというものについて、今後、検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 3番。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) では最後に、金融リテラシーの向上についてお伺いします。 今年から、新しいNISA制度が始まり、日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、3月には史上初の4万円を超えました。このため、投資や資産運用の関心が高まっていますが、その恩恵を享受しているのは一部の人だけと感じている県民も多いことでしょう。1992年代初頭のバブル経済崩壊後以降、日本は長期的な景気低迷が続いている状態でした。しかし、近年は、国際情勢や円安の影響で日本国内の物価が上がり、お金の価値について改めて考える機会が増えたと感じます。このような状況下で、多くの人々が漠然とした将来へのお金の不安を抱いています。 内閣府が昨年11月に実施した国民生活に関する世論調査では、回答者の半数以上が、収入や資産面に不満を抱いていることが明らかになりました。 具体的には、所得・収入面で68%、資産・貯蓄面で71.9%の人が、不満を感じています。また、日頃の生活の中で悩みや不安を感じる人のうち、今後の収入や資産の見通しに不安を感じている人は59.8%に上り、この不安は前年の調査より増加しています。お金に対する不安の根底にあるのは、必要なお金が足りない、工面できないかもしれないといったことではないでしょうか。つまり将来的に必要な資金とその対処法が分かれば、漠然としたお金の不安はある程度解消するものと考えます。しかし、日本では、多くの社会人がお金について学んだ経験がないと言われています。 金融広報中央委員会の2022年の調査によると、学校で家計の管理や生活設計などに関する金融教育を受けなかった人は75.7%、家庭で教わらなかった割合は64.7%であり、金融に関する知識に自信がある人は僅か12.4%でした。子供には、学校での金融教育が始まっている一方、大人に対する教育の遅れが現状の課題と指摘されています。お金に対する不安を解消するには、お金について正しい知識を学ぶことが有効です。お金の知識があれば、お金に関する様々なリスクを回避するのにも役立ちます。 そこで、知事にお伺いします。 県民に対してや学校で金融リテラシーを高める取組の重要性について、どのようにお考えでしょうか。投資や金融系のセミナーに参加したいと関心があっても、詐欺などが横行しているといった報道もあり、だまされるんじゃないかと思うと、なかなか足を延ばしにくい、どのセミナーが金融リテラシー向上によいのか判断が難しいことからも、県が開催するセミナーは、安心して受講できるものと考えられます。 昨年の
一般質問で、岡山県金融広報委員会と連携して広報していくといった回答がありました。岡山県金融広報委員会にお聞きしたところ、昨年度は、セミナーを県内の各地で約60か所60回開催し、参加者は延べ約3,000名だったそうです。これらのセミナーは、投資に限らず、金融全般に関する内容を取り扱っているそうです。セミナー自体の開催が公的な機関のため、安心して受講ができ、セミナーで詐欺に遭わないように、また正しい知識を学習して、最近話題のSNS投資詐欺のような被害に遭わないように、私はこういったセミナーは県民の金融リテラシーの向上のため、もっと頻度や回数を増やしてもよいように思いますがいかがでしょうか、県民生活部長にお伺いします。 2022年から、高校家庭科で金融リテラシーの授業が始まったとお聞きしています。学生に資産形成や投資についての教育をすることは、将来の失敗を防ぎ、可能性を広げる重要な試みで、自分の未来について考えるきっかけにもなるすばらしい取組だと思います。 先日の
一般質問で、教育長は、投資に関する教育について、主に高校の家庭科での取組を述べられておられましたが、義務教育段階においては、どういう教育をされているのでしょうか、教育長にお伺いします。 また、金銭に関する教育について、小中学校での取組を御答弁されていましたが、人生の各段階において必要となる資金と、それをどう確保していくか考えるに当たっては、まずは正しい金銭感覚やお金の管理の大切さをできるだけ早い段階から身につけ、理解することが何より重要ですし、税金や年金の仕組みを学ぶことも大切です。義務教育段階におけるお金に関する教育のさらなる充実、また投資など、将来の自分の資産形成に関する教育についても、義務教育段階からしっかり取り入れることで、資産形成の必要性や金融商品などのメリット・デメリットなどを、より深く理解できるようになり、将来の適切な判断につながるものと考えますが、併せて教育長にお伺いします。
○副議長(中塚周一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 金融リテラシーの向上についての御質問であります。 取組の重要性についてでありますが、県民の皆様が金融に関する正しい理解と的確な判断力を身につけることは、将来に対する不安の解消を図り、経済的に自立し、よりよい暮らしを実現させるためにも大変重要であると考えております。 このため、学校や地域等において、子供から大人までのライフステージに応じた金融教育を推進し、県民の金融リテラシーの向上を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 県民生活部長玉置明日夫君。 〔 県民生活部長 玉置明日夫君 登壇 〕
◎県民生活部長(玉置明日夫君) お答えいたします。 セミナーについてでありますが、公的機関が開催するセミナー等は、中立公正な内容であり、安心して受講できることから、県民の金融リテラシーの向上において大変効果的であると考えております。また、最近では、県や金融機関等で構成する岡山県金融広報委員会が行うセミナー等の参加者は増加しており、金融商品や投資に対する関心の高まりを感じる一方、こうしたセミナー等の周知が十分でないことや、仕事や育児などで会場での受講が難しい方もおられるなどの課題があると認識しております。 このため、セミナー等の充実に加え、関係機関と連携し、
ホームページやSNSを活用した一層の周知・啓発に取り組むとともに、どこでも気軽に受講できるeラーニングの普及にも努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君)
教育長中村正芳君。 〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕
◎教育長(中村正芳君) お答えいたします。 まず、義務教育段階での教育のうち、投資についてでありますが、学習指導要領に基づき、小学校では、直接投資は取扱いませんが、金銭の大切さと計画的な使い方等について学習しております。また、中学校では、社会科の公民的分野において、企業が株式や債券などを発行して直接資金を集める直接金融や、株式会社の仕組み、株価の変動など、金融の仕組みや働きについて学習しております。 次に、さらなる充実等についてでありますが、お話のように、義務教育段階から適正な金銭感覚を身につけ、金融リテラシーを高めていくことが、子供たちがより自立的で安心かつ豊かな生活を送るために大切だと考えております。 このため、学習指導要領に基づき、発達段階に応じて、金銭の大切さや計画的な使い方、キャッシュレスなど、物を購入する際の支払い方法の特徴などについて、引き続き、しっかりと指導してまいります。 また、各学校における金融教育の充実に向け、金融経済に関する様々なテーマについて学ぶことができる外部講師派遣事業等の活用を周知してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(中塚周一君) 3番。 〔 3番 鈴木一史君 登壇 〕
◆3番(鈴木一史君) 知事、御答弁ありがとうございました。 向上を図ると言っていただきまして、本当に心強い限りでございます。中国の老子の思想には、「魚を与えるよりも漁の仕方を教えるほうがよい」という言葉があります。魚を与えても1日分の食料にしかなりませんが、漁の仕方を教えれば、一生食べていけるからです。物そのものより物を得る方法を学ぶことのほうが、長期的な価値があるのはお金にも言えることです。金融リテラシーを高める取組は、一時的なお金を得るより重要であり、生涯の経済的な不安を解消する助けになると思います。知っていてしない人と知らなくてしない人では、大きな違いだと思います。また、する人としない人では、ますます格差が広がっていると感じています。県民のお金の不安が少しでも解消されるよう、金融リテラシーのさらなる向上に御健闘いただければと思いますので、今後とも、どうかよろしくお願いします。御清聴ありがとうございました。
○副議長(中塚周一君) 以上で鈴木君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 ~~~~~~~~~~~~~~~
○副議長(中塚周一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△6月26日の議事日程
○副議長(中塚周一君) 明日の議事日程は、午前10時開議で、
一般質問、議案委員会付託、陳情委員会付託であります。 ~~~~~~~~~~~~~~~